平成二十三年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第六号

平成二十四年十月二十四日(水曜日)
第十委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長高橋 信博君
副委員長伊藤こういち君
副委員長尾崎 大介君
畔上三和子君
斉藤やすひろ君
田中たけし君
鈴木あきまさ君
滝沢 景一君
岡田眞理子君
馬場 裕子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
スポーツ振興局局長細井  優君
次長理事兼務岸本 良一君
総務部長中山 正雄君
スポーツ事業部長板垣 一典君
スポーツ施設担当部長三浦  隆君
スポーツ祭東京推進部長川合  純君
大会運営担当部長松村  博君
招致推進部長松永 竜太君
広報戦略担当部長早崎 道晴君
競技計画担当部長延與  桂君
施設計画担当部長福田  至君

本日の会議に付した事件
平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
スポーツ振興局関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)

○高橋委員長 ただいまから平成二十三年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、スポーツ振興局関係の決算に対する質疑を行います。
 これよりスポーツ振興局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十三年度東京都一般会計決算中、スポーツ振興局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中山総務部長 去る十月十日の当分科会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 表紙をおめくりいただきまして、資料1、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移をお開き願います。
 都のスポーツ振興事業に係る予算額及び決算額について、平成二十年度から平成二十三年度までの四カ年の推移、そして平成二十四年度の予算額について記載しております。
 予算額は、いずれも当初予算額となっております。
 なお、平成二十年度から二十一年度までは旧生活文化スポーツ局所管分、平成二十二年度以降はスポーツ振興局スポーツ事業部所管分を記載しております。
 また、平成二十二年度以降は福祉保健局からの事業移管分、平成二十三年度以降は都市整備局、福祉保健局、港湾局からの施設移管分を含んでおります。
 続きまして、一枚おめくりいただきまして、資料2、スポーツ施設の指定管理料の推移をお開き願います。
 八つのスポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十年度から平成二十四年度までの五カ年間の推移を記載しております。
 なお、平成二十年度から二十三年度までは決算額、平成二十四年度は当初予算額となっております。
 一枚おめくりください。資料3、平成二十三年度スポーツムーブメント事業の実績でございます。
 都民のスポーツ機運の醸成を目指し、都民が気軽に参加できるスポーツイベントの開催や、さまざまなスポーツ情報の発信などを行いますスポーツムーブメント事業の予算現額と決算につきまして、表の左側に記載の区分ごとに内容を記載しております。
 一枚おめくりください。最後に資料4、平成二十三年度オリンピック・パラリンピック招致に係る決算内訳でございます。
 オリンピック・パラリンピック招致に係る決算につきまして、表の左側に記載の区分ごとに内容を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○岡田委員 よろしくお願いいたします。
 まず私からは、障害者スポーツに関して質問させていただきます。
 ことしはロンドン・オリンピック・パラリンピックでスポーツに対する国民、都民の関心が大きかった暑い夏でしたが、特にパラリンピックで活躍されたアスリートの皆さんからは、大きな感動をいただきました。
 また、北区にある障害者総合スポーツセンターを視察させていただいたときも、グラウンドでスタートダッシュの練習をする人、プールで気持ちよさそうに泳ぐ人たち、ブラインドピンポンに熱中している人たちの姿を拝見し、スポーツをしている人たちの楽しそうな表情に心打たれました。
 さて、その障害者総合スポーツセンター、北区、多摩両施設の近年の利用者の推移と宿泊者の利用数について伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンターの両施設とも年々利用者数が増加する傾向にあり、平成二十一年度は最も利用者数が多く、障害者総合スポーツセンターが二十一万七千七百二十一人、多摩障害者スポーツセンターが十七万二千四百八十九人でありました。
 平成二十二年度は、東日本大震災の影響により利用者数が落ち込みましたが、平成二十三年度はやや回復し、障害者総合スポーツセンターが二十万五千五百九十八人、多摩障害者スポーツセンターが十六万四千九百八人でありました。
 また、宿泊者の数は、平成二十三年度は障害者総合スポーツセンターが二千二百五十八人、多摩障害者スポーツセンターが二千四百九十九人でありました。

○岡田委員 たくさんの方たちが利用されていることがわかりました。
 北区の障害者総合スポーツセンターでは、卓球室の前で二時間も順番待ちをしているという方とお話をしました。江戸川の方から通っているとのことでしたが、定期券をうれしそうに見せてくれました。そして、ほとんど毎日通っているそうで、住まいの近くにこのスポーツセンターがあったらいいなあということを話しておられました。それだけ魅力あるスポーツセンターになっているのだと思われます。そうした各センターにおける施設別の利用度はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 平成二十三年度の実績では、障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンターの両施設とも、プールの利用者が最も多くなっております。
 次に利用者が多いのは、障害者総合スポーツセンターは体育館、トレーニングルーム、運動場の順となっており、また多摩障害者スポーツセンターでは、トレーニングルーム、体育館、卓球室の順となっております。

○岡田委員 ありがとうございました。
 やはりプールが人気があることがわかりました。また、体育館のように広い場所では、やはりさまざまなスポーツが実施されていますから、利用者が多くなるのだと思いますし、トレーニングルームで筋力を増強したりと、皆さん健康のためにスポーツを楽しんでいることがわかりました。
 次に、こうした障害者の方々のためのスポーツセンターでは、更衣室やロッカールームなどの配備については、どのように配慮されているでしょうか、現況を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 障害者スポーツセンターの更衣室及びロッカールームの整備状況についてでありますが、両スポーツセンターとも、プール及び体育館にそれぞれ男女別の更衣室を設置しております。さらに、家族用更衣室も設置をし、利用者のニーズに対応してきております。
 また、更衣室等のロッカーの数につきましては、障害者総合スポーツセンターが三百八十二個、多摩障害者スポーツセンターが三百二十五個となっております。

○岡田委員 ありがとうございます。
 ここの利用者の保護者の方から、北区の方の総合スポーツセンターなんですけれども、男性用更衣室の中をカーテンで仕切って家族用の更衣室としており、幾ら障害があるとはいえ、男女別の入り口になっていないのは大変困るという、そうしたご相談も受けました。小さな子どもではないので、やはりそういった点での利用者の立場に立った配慮は必要だと思われます。今後、そのような点を早急に改善させていただきたいと要望いたします。
 さて、先月でしたか、新聞に東京都が障害者スポーツのポータルサイトを立ち上げた記事が載り、さすが東京都のスポーツ振興局だなと感じた次第であります。そこで、このポータルサイトについて、その内容をお伺いいたします。

○板垣スポーツ事業部長 ポータルサイトについてでございますが、障害のある人にもない人にも障害者スポーツが知られ、障害者スポーツの取り組みや考え方を広めていくために、都では障害者スポーツに関する情報発信の一つとして、障害者スポーツ専門ポータルサイト、TOKYO障スポ・ナビを今般開設したところでございます。
 この障スポ・ナビは、都内全域の公共スポーツ施設の詳細なバリアフリー情報を網羅した全国初のサイトでございまして、所在の区市町村のほか施設内段差やスロープの有無など、バリアフリー情報等の項目から利用したい施設を検索できる機能を有してございます。
 また、スポーツをする人だけではなく、見たい人やボランティア等で参加したい人に、する、見る、支える等の目的別に入り口を設けるなど必要な情報をわかりやすく提供してございます。

○岡田委員 ありがとうございます。
 私もこのポータルサイト、いろいろ探して見てみましたけれども、とてもよく、わかりやすい入り方となっていますし、自分がどこの場所のスポーツセンターを利用したい、そのときにどうなっているかということがわかりやすくなっているということに感心いたしました。
 障害のある方だれもがスポーツを日常的に楽しめる、そうした環境づくりは大切だと思われます。そういった意味で、このポータルサイトの事業は高く評価するものでございます。
 今回の、今資料をいただきましたこの中の、スポーツ振興事業に係る予算及び決算の推移でも、障害者スポーツの振興は二十二年度より二十三年度、そして二十四年度と、かなり額が大きくなっているということがよくわかります。こうした意味で、これからも障害者スポーツの内容をより充実させていってくださるように、よろしくお願いいたします。
 さて、次の質問に移ります。
 先日、ワシントンで開催されましたフィギュアスケートのグランプリシリーズ第一戦では、日本の男子が表彰台を独占するといった快挙を成し遂げました。今やフィギュアスケートといったら日本と、胸を張っていえるほどのスポーツとなっております。
 アイススケートリンクを使用するスポーツには、フィギュアスケートを初め、スピードスケート、アイスホッケー、カーリングなどがありますが、都内でこれらアイススケートリンクを利用するスポーツ人口についてどう把握されているでしょうか、お伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 都内に設置されているアイススケート場のうち、利用者数を公表しているのは、江戸川区スポーツセンターアイススケート場のみであり、平成二十三年度の利用者数は、一般開放と団体利用を合わせて十三万六千百四十一人でありました。
 なお、東京都体育協会に加盟している競技団体の平成二十三年度の登録者数は、東京都スケート連盟が千二百六十一人、東京都アイスホッケー連盟が三千三百六十人であります。

○岡田委員 ありがとうございました。
 近年のフィギュアスケート人気で、どのアイススケートリンクも利用予約状況はいっぱいだと伺っております。学生や社会人のグループは、夜間から夜中にかけて利用しているとも伺っております。
 都内には、アイススケートリンクはどのぐらいあるのでしょうか、お教えください。

○三浦スポーツ施設担当部長 都内のアイススケート場は、公立施設が先ほど申し上げました江戸川区スポーツセンターアイススケート場一施設であり、ほかに民間が運営する四施設と合わせ、合計五施設があります。そのうち通年で使用できる施設は、民間の四施設であります。

○岡田委員 民間が四施設、そして公立では一施設ということで計五施設しかないということ、やはり少ないなと思われます。私も東大和のスケート場を見に行ったことがあるんですけれども、子どもたちがもういっぱいいっぱいにスケート場を使って練習をしておりました。そして、その後にアイスホッケーの試合を見たんですけれども、やはりもう時間が刻まれてしっかりと予約が入っているというのがよくわかりました。
 また、大会などを催すために、代々木体育館などはアイススケートリンクを仮設するときに、つくってまたもとの状態に戻すまでに何と一億円もかかるそうですが、このようなむだなお金を使わないでリンクを都内につくってくれたらいいのにと関係者はいっております。
 また、先日、東京都体育協会のスケート連盟の方がおっしゃっていました。フィギュアスケートの世界選手権では、男子も女子も上位を占めるほど日本はすばらしいけれども、東京には通年練習のできるアイスリンクが少なく、しかも民間施設であり、優秀なスケーターが出てもすぐにみんな名古屋などに行ってしまう。東京で選手が育成できるように何とか東京都でアイスリンクをつくってもらえないだろうかと要望されていました。
 さらに、アイスホッケーをやっている知り合いから聞いた話なんですけれども、先進国の首都に設備の整ったアイスリンクがないのは日本だけで、台湾でも、一万五千人の観客席があるリンクの横に、さらに千人入れるリンクが台北の中心地にあるということです。
 こうしたさまざまな要望にこたえ、アイススケートリンクをこの東京に整備してほしいと考えますが、ご所見を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 現在、スケートやアイスホッケー等の各競技団体では、都内のアイススケート場を早朝や深夜に利用するなど工夫をしていただき、練習を行い、大会開催につきましては、代々木体育館等に仮設リンクを設置して実施しているという状況でございます。
 都立のスポーツ施設は、全都広域的大会の場とすることを基本としておりまして、アイススケート場の整備につきましては、大会ニーズや施設の立地条件、都の長期的な財政状況等の課題に加え、施設の稼働率や安定的な施設運営等を総合的に勘案すべきと考えております。これらを踏まえ、施設整備の必要性につきましては、今後の長期的な検討課題であると考えております。

○岡田委員 スポーツは、やはり観客がふえればふえるほどスポーツ選手の実力も上がってきますし、そうした意味では、どちらにとってもいい、これからのスポーツ、アイススケートリンクの利用状況がこれから上がってくると思われます。やはりそうした意味では、このアイススケートリンクを今後の展望を見て、実現に向けたご努力をお願い申し上げます。
 では最後の質問ですけれども、さっきの障害者総合スポーツセンターもかなり古い、二十五年ぐらい前に建てられたものですけれども、駒沢オリンピックセンターなどはもっと古いわけですが、都立のスポーツ施設の耐震化に関する状況と防災対策についてお伺いいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 都立スポーツ施設の耐震化の状況でありますが、東京体育館、東京武道館、東京辰巳国際水泳場、有明コロシアム、若洲海浜公園ヨット訓練所の五施設及び障害者スポーツセンター二施設は、昭和五十六年の新耐震基準導入後に建設された施設であり、耐震基準を満たしております。また、昭和五十六年以前に建設された駒沢オリンピック公園総合運動場は、耐震診断結果に基づき必要な対策を実施済みであります。
 各施設の防災対策につきましては、法令に基づき各指定管理者が施設の防火防災管理のために必要な事項を消防計画に定め、毎年消防訓練を実施しております。さらに各施設では、施設の特性に応じた防災訓練も実施しております。
 例えば東京体育館では、地震を想定した防災訓練を行い、東京辰巳国際水泳場では塩素が発生した際の想定訓練を行うなど、施設の適切な管理と都民の安全確保に努めております。

○岡田委員 東日本大震災のときも、体育館の天井が落下するなどの事故がありました。また、辰巳の水泳場では、やはり使えなかった時期がございました。そうしたことからも、これからも都民が安心・安全にスポーツ施設を利用できますよう、ぜひ防災対策は万全にされるよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○鈴木委員 私の方からは、都内の公立公設陸上競技場について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 スポーツ振興局の皆様には、今この秋を迎えまして来年の国体や、オリンピック招致に向けて、まさに大変忙しい時期を迎えているということで、毎週毎週いろいろなイベントにそれぞれ出向いて活躍をしていただいているということで、この秋何としても頑張っていただきたい、そういうふうに思っているところでございます。
 さて、この夏は、ロンドン・オリンピック・パラリンピックでも多くの日本人選手が活躍し、日本に勇気と元気をもたらしたことは大変うれしいことでございます。オリンピック日本選手団は、過去最高のメダルを獲得して、八月にはオリンピアン、メダリストが銀座をパレードして五十万人がその栄誉をたたえられたということは、私ども記憶に新しいことでございます。
 一昨日ですか、女子レスリングの吉田選手の国民栄誉賞受賞、これも本当にすばらしいと思っておりますし、本当に、政府の決定は遅いぐらいだな、そんなふうにも思っているところです。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの招致を目指す東京都として、このようなスポーツに対する都民の思いや熱意を持続させて、招致活動につなげることが必要と考えております。
 そのためには、都民が身近にスポーツを観戦したり、またスポーツを実践する場などのスポーツ環境を整えることが重要であると思います。今お話をしましたように、スポーツの秋を迎えておりまして、私も地元の大田区の陸連の、いろいろさまざまな競技大会がありまして、地元の陸上競技場等々にお邪魔をすることが多いんですけれども、小中学生のみならず、スポーツを愛好する大人の方も本当にいい汗を流しておりまして、スポーツ振興局としては、こういった方々の競技に対する、まさに思いや、それからそれぞれの競技力向上に結びつけられるような施設整備というものも大変重要であろうかなというふうに考えております。
 例えば陸上競技は幼稚園の駆けっこから始まり、体育の授業での徒競走やリレーなど、すべての人が取り組んだ経験があるという最も身近なスポーツです。また、陸上競技場のインフィールドでは、芝の部分を利用してのサッカーやラグビーなどのさまざまなスポーツの活動も行われております。
 このように、陸上競技場は多くの人々に親しまれておりますが、都内の公立の陸上競技場の整備状況はどのようになっているのか、まずお伺いをさせていただきます。

○三浦スポーツ施設担当部長 都内の公設陸上競技場は四十三施設であり、そのうち日本陸連の公認を取得している陸上競技場は十九施設です。
 全国大会や国際大会が開催できる第一種陸上競技場は、国立競技場と味の素スタジアムであり、区部と多摩地域に各一施設となります。地方大会などが開催できる第二種陸上競技場は、駒沢オリンピック公園総合運動場を初めとして、区部に三施設、多摩地域に一施設あります。
 地域の陸上競技選手権大会が開催できる第三種陸上競技場は、区部に四施設、多摩地域に四施設あります。地域大会などを開催できる第四種陸上競技場は、区部に二施設、多摩地域に三施設あります。このほかに、公認は取得していないが運動会やサッカーなどの多目的に利用されている競技場が、都内に二十四施設ございます。

○鈴木委員 都内の公認陸上競技場は全部で十九施設であり、そのうち区部には十施設、多摩地区には九施設、このように今答弁でわかりました。施設の公認の種類によって、開催できる陸上競技大会が違うようですが、そもそも陸上競技場の公認とはどういうことなのか、その辺をお伺いしたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 施設の公認は、陸上競技会の円滑な運営と競技記録の公平性を担保するため、日本陸連の規定に基づき認定されるものです。
 公認は第一種から第四種までであり、公認の種類により開催できる大会の対象区域や規模が異なります。例えば第一種陸上競技場では、国民体育大会などの全国大会や日本陸連が主催する国際大会などが開催でき、第二種陸上競技場では、関東大会などの広域的な地域の大会が開催できます。そして、第三種陸上競技場では、東京都大会などが開催でき、第四種陸上競技場では、地域大会や記録会が開催できます。
 公認の認定は、競技施設の仕様や観客席の規模、更衣室やシャワー等の附帯施設の有無、設置すべき備品などの各項目に分類され、日本陸連の検定員が検定し、日本陸連が承認いたします。

○鈴木委員 陸上競技場の公認の種類によって、観客席の数や更衣室などの附帯施設などが異なるようですが、例えば第三種公認を第二種公認にするためには、日本陸連の規定によるとどのような施設設備が必要になるのでしょうか。続きまして伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 第二種公認陸上競技場とするためには、第三種公認では設置する必要のない障害物競走設備や最低一カ所以上とされている各種跳躍場等を必要な数だけ整備することが定められております。
 また、施設の収容人数についても、第三種公認では具体的な人数は定められておりませんが、第二種公認では五千人以上収容できることとされております。さらに、第三種公認では必ずしも設置を義務化されていない附帯施設などについても、第二種公認では百人以上収容できる更衣室や男女各二カ所以上のシャワー室、競技場の場内と場外を区分する堅牢な境界を設置することなどが定められております。
 第三種公認を第二種公認とするためには、これらの施設整備に必要な敷地面積や設置場所などを考慮して検討することとなります。

○鈴木委員 第三種公認陸上競技場を第二種公認にするためには、その競技場の施設、面積や周りの環境など、各種条件や財政負担のあり方などを検討する必要がありますが、一般的にはどのように進めるものなのか、お伺いをいたします。

○三浦スポーツ施設担当部長 スポーツ振興局では、第三種公認陸上競技場を第二種公認へ変更する改修工事等は行っておりませんが、当局のスポーツ施設整備では、競技団体等の関係団体や設置場所となる地元自治体等の意見や要望なども参考に、施設の規模や内容、必要な設備等を検討することとしております。
 なお、基本的には施設整備は設置者の負担と判断において行うものと考えます。

○鈴木委員 ちょっと地元のことも絡めてご意見を申し上げた上で、また局長の意気込み等々もお伺いをしてまいりたいというふうに思っているんですが、私の地元の大田区と品川区にまたがります大井ふ頭中央海浜公園には、第三種公認の陸上競技場があります。今お話を申し上げましたように、さまざまな形で、盛んに、陸上競技の城南地区のメッカというふうになっております。
 この施設は港湾局の所管ではありますが、私はこの陸上競技場を第二種とすべきと考えています。大井ふ頭中央海浜公園は、第二種公認とするための施設整備に必要な敷地面積や設置場所等は十分可能と考えます。答弁のように、第二種公認陸上競技場は、現在区部に三施設、多摩に一施設です。来年のスポーツ祭東京二〇一三、そして九月には二〇二〇年東京オリンピックを何としても招致して、選手の競技力向上に東京都は全力で取り組むべきと考えます。
 施設整備はそれぞれの設置者、つまりそれぞれの所管局の財政負担と判断であるということはわかりますけれども、都のスポーツ振興を図るため、国に先駆けてできた局としては、公立陸上競技場のグレードアップに対しても、ぜひ力を発揮してもらいたいものだというふうに考えております。
 あえて、これは事前のいろいろと意見交換の中ではいいませんでしたけれども、やっぱり本来であれば、この競技場のまさに管理というか、これはスポーツ振興局がきちっと自分たちがそれを抱えて、それで維持管理、グレードアップ等々をやっていくのが本来の私はあり方なんじゃないかなというふうに思っております。
 最後に、都はスポーツ祭東京二〇一三に向け、昨年、味の素スタジアムを陸上競技で使用できるように改修工事を行ったところですが、スポーツ祭東京二〇一三の開催、そしてオリンピック・パラリンピック開催都市決定を一年後に控えた、今後のスポーツ振興に向けた意気込みというものを局長にぜひお伺いをしたいと思います。

○細井スポーツ振興局長 来年に迫りましたスポーツ祭東京二〇一三を成功に導き、オリンピック・パラリンピック招致を達成するためには、都民がスポーツの持つすばらしさや力強さなどスポーツの価値を認識し、スポーツを行いたい、実践したいというスポーツムーブメントを高めることが必要でございます。
 そのためには、都民がトップアスリートのパフォーマンスを間近に観戦したり、みずからがスポーツを実践する機会を創出するなど、都民に良質なスポーツ環境を提供することが重要であると考えております。
 都は、スポーツ祭東京二〇一三の競技会場となる味の素スタジアムについて、昨年陸上競技場化への改修工事を実施いたしまして、あわせて隣接する都有地に補助競技場となる第三種公認の西競技場を新たに整備いたしました。この改修工事により、味の素スタジアムは第一種公認を取得し、さらに国際陸連主催の大会も開催できる国際規格IAAFクラス2を取得いたしました。
 このように、東京都はスポーツ祭東京二〇一三などさまざまな大会需要に対応したスポーツ環境の整備をしてきておりまして、こうしたことによりまして、都民のスポーツ意欲を高め、またオリンピック・パラリンピック招致機運を醸成し、スポーツ都市東京の実現を推進してまいります。

○鈴木委員 スポーツ祭東京二〇一三を迎えるに当たって、大変それにふさわしい味の素スタジアム、陸上競技場改修工事が完成をしたと、こういうふうに今伺わせていただきました。来年のスポーツ祭東京二〇一三では、全国から多くのトップアスリートが集まり、我々は選手のすばらしいパフォーマンスを間近に観戦することができるわけでございます。
 あわせて、多くの都民がみずからスポーツを楽しめるよう、スポーツ振興局だけではなくて、都のすべての組織が協力してスポーツ環境の整備を進めることが必要であると考えます。
 さらに、さまざまなスポーツ大会やイベントの機会を都民に絶え間なく提供することにより、スポーツ祭東京二〇一三を盛り上げ、オリンピック・パラリンピック招致の成功につなげていただきたいと思います。
 今後も、都のスポーツ振興が着実に推進されることを期待して、私の質問を終わります。

○伊藤委員 それでは、私からも質問をさせていただきます。
 ことしの夏は、ロンドン・オリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍が日本じゅうに感動と勇気を与えてくれました。私もロンドン・パラリンピックを現地視察させていただきました。肢体不自由の障害のある方々の水泳競技、また視覚障害のある方々の柔道などなど、どの競技場でもそれぞれが自国の選手を応援に訪れた世界じゅうの方々が、もう拍手や声援だけでは足りなくて、足踏みをしながら、場内が、会場が割れてしまうんではないかというほどの勢いで応援をされていた、そうしたこのパラリンピアンたちの姿と、またこの応援をしていらっしゃる方々の姿に、心の底から感動した視察でございました。
 二〇二〇年開催地決定まで、あと十カ月余りとなりましたけれども、改めてオリンピック・パラリンピックを何としても東京で開催をして、多くの子どもたち、そしてまた東日本大震災によってつらい思いをされた方々など多くの国民、都民にこの感動を直接体験していただきたいと、私は思います。
 また同様に、スポーツ祭東京二〇一三についても、開催まであと一年を切っております。こちらについても、各地で着実に準備が進められていることと思います。ぜひ地域や競技団体との連携を一層密にして、都を挙げて取り組み、大成功をおさめていただきたいと思います。
 さて、スポーツ振興局の事業の中では、どうしてもただいま申し上げたようなスポーツ祭東京二〇一三や、あるいはオリンピック・パラリンピック、そしてまた東京大マラソンというようなところに焦点が当たることが多いと思いますけれども、スポーツ振興局ではこうしたビッグイベントにとどまらず都民が気軽にスポーツに親しめるように、ほかにもいろいろとすばらしい事業を展開していると思います。
 そこでまず、平成二十三年度にはこうしたビッグイベントのほかに、主にどのような事業を行ったのか、伺いたいと思います。

○板垣スポーツ事業部長 都は、だれでも、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに取り組めるスポーツ都市東京を実現するため、毎年さまざまなスポーツ振興事業を展開してございます。中でも、都民がスポーツに取り組むきっかけとなるよう、都民参加型のスポーツイベントを都内各地で数多く開催してございます。
 主なものを紹介いたしますと、平成二十一年度から実施しておりますTOKYOウオーク、これは年五回開催するウオーキング大会でございまして、毎回都内の名所をめぐるコースを設定しております。各回三千人を超える参加者は、四季折々の東京の魅力を体感しながらウオーキングを楽しんでおります。
 また、十月の体育の日に駒沢オリンピック公園総合運動場全域を活用して開催してございますスポーツ博覧会東京では、野球教室やレスリング教室、障害者スポーツコーナーなど参加者がスポーツを体験できるさまざまなメニューを多数用意しておりまして、昨年度は子どもから高齢者まで四万人の都民が参加をいたしました。
 昨年七月に浅草で開催されました東京スポーツタウン二〇一一では、身近な場所でスポーツのきっかけづくりをということで、東京の名所、浅草寺の境内を会場といたしまして、参加者は体操競技の内村選手や陸上競技の為末選手などのトップアスリートによる実技指導を受けるとともに、トランポリンやフェンシングなどを体験いたしました。ここでは、一万六千人を超える来場者がございました。
 さらに、多摩地域でも昨年十月、たまリバー五十キロを舞台といたしまして、多摩川ウオーキングフェスタや、ことし三月、味の素スタジアムにおきましてニュースポーツEXPO二〇一二in多摩を開催をいたしました。子どもや高齢者、障害者も楽しめるレクリエーション性の高いスポーツの体験コーナーを用意し、気軽に楽しめるスポーツの普及啓発と都民のスポーツ振興を図ってございます。

○伊藤委員 ただいまのご答弁で、都内のさまざまな地域で多彩なスポーツイベントが開催をされまして、数多くの都民に楽しんでもらっているということがよくわかりました。
 私も今の答弁の中にありました味の素スタジアム全体を使って、さまざまなスポーツが行われたニュースポーツEXPOに参加をさせてもらいました。
 そこでは、私も初めて見るスポーツのほかに、子どもから高齢者まで一緒に楽しめるスポーツや障害者と健常者が一緒にできるスポーツなどが体験型で紹介をされておりまして、そこに参加された皆さんは楽しそうに、それぞれ種目を体験されておられました。
 改めて、この二十三年度に行ったニュースポーツEXPOの趣旨や内容を伺いたいと思います。

○板垣スポーツ事業部長 ニュースポーツEXPOは、レクリエーション性が高く、だれもが気軽に楽しむことができるニュースポーツを体験する場を提供することによりまして、都民のスポーツへの興味関心を喚起し、スポーツ実施率の向上を図ることを目的に、昨年度初めて開催をいたしました。
 具体的には、的に吹き矢を吹いて得点の多さを競うスポーツ吹き矢、それから四人一チームとなりまして、コートでビニール製のボールをネット越しに打ち合うビーチボール、卓球台を六人一チームで囲み、長方形の木製の板を使用して相手チームと打ち合う卓球バレーを初め、ゲートボールやグラウンドゴルフなど、全部で二十三種目のニュースポーツ体験コーナーを設けまして、子どもから高齢者まで、また障害者も含めまして気軽に楽しめるスポーツイベントといたしました。
 当日は、あいにくの小雨もぱらつきましたけれども、それにもかかわらず九千五百人の都民が会場を訪れ、ニュースポーツを体験いたしました。

○伊藤委員 このニュースポーツEXPOでありますけれども、先ほどもいったように、私も同僚議員とお伺いさせていただきまして、幾つかの種目を直接体験させていただきました。
 そのとき率直に感じたのは、このとき雨でありましたので、トータルで九千五百人の参加があったということでありましたけれども、もっともっとPRすればいいのになあというような種目が実はたくさんありました。
 私も地元等を歩いておりますと、例えば町会、あるいは高齢者クラブ、子ども会とか障害者の支援団体、NPOだとか、こういうところはいろんなゲームだとか、こういうスポーツのメニューを実は求めているんですね。
 例えば高齢者クラブであると、一時期はどこもかしこもゲートボール、あるいは輪投げという、これがもう主流でありましたけれども、もうちょっと違うことに取り組みたいけれども、どんなものがあるのかなんていうことを聞かれることもあります。
 ぜひとも、こういう機会を今申し上げたような町会だとか高齢者クラブだったり子ども会だとか、障害者支援団体だとか、こういうところに広く、しっかりと呼びかけて、ぜひとも参加をしていただいたら、もっと喜ばれるんじゃないかなというふうに私は思いますので、これは要望でありますけれども、今年度これからということでもございますし、また来年度は大切な時期になりますので、どうか局長、しっかり予算を確保していただいて、この辺のPRをしていただきたいと要望させていただきたいと思います。
 この当日の種目の中でも、今答弁にありました卓球バレーについてでありますけれども、卓球バレーについては、山口県で行われた全国障害者スポーツ大会の中で、私も経験をさせていただきました。一チーム六人で卓球台を囲みながら、鈴の入った卓球の球みたいなやつを木の板を使って転がして、一、二、三回以内で相手チームに打ち返すゲームでありまして、視覚障害の方や車いすの方とともに、障害のない方も一緒になって楽しめるすばらしいスポーツでありました。
 年齢や障害の有無にかかわらず、だれもがスポーツを楽しむことができる、このスポーツ都市を目指している東京都においては、このようにまだ競技人口は多くはないけれども、若者から高齢者、障害者も含めて、だれでも一緒に楽しめるスポーツを体験できる機会を提供して、今後は広く都民に伝えていく必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。

○板垣スポーツ事業部長 年齢、性別、障害の有無を問わず、だれもが楽しめるスポーツを体験できる機会を提供することは、障害のある方や高齢者等との交流を促し、理解を深めるなど多くの意義があると考えます。
 都では、先ほど申し上げたとおり、ニュースポーツEXPOやスポーツ博覧会など都民参加型のスポーツイベントを開催し、年齢や障害の有無にかかわらず楽しめるスポーツを都民の方に体験していただく機会を多数提供しております。
 今後も、さまざまなイベントにおいてこうした機会を提供するとともに、その開催に当たりましては、都や事業を共催する団体の持つ広報手段を最大限活用してPRに努め、より多くの方に体験していただき、こうしたスポーツへの理解を促進してまいります。
 さらに、先ほども触れましたが、今般、障害のある人にもない人にも、障害者スポーツが知られ、障害者スポーツに取り組みやすい環境づくりときめ細やかな情報提供をしていくために、都内全域の公共スポーツ施設の詳細なバリアフリー情報を網羅した全国初の障害者スポーツ専門ポータルサイト、TOKYO障スポ・ナビを開設したところでございます。
 今後は、このサイトを活用いたしまして、情報の更新とともに、例えば的球にボールを投げてどれだけ近づけられるかを競うボッチャという競技や、目隠しをした一チーム三人のプレーヤーが鈴の入ったボールを相手のゴールに入れ得点を競うゴールボール、そして先生ご指摘の卓球バレーのような、障害のある方とない方がともに楽しめるスポーツ情報の発信と、その充実に向けて努力してまいります。

○伊藤委員 来年のスポーツ祭東京二〇一三、そして全国障害者スポーツ大会、そしていよいよこの二〇二〇年東京オリンピック招致に向けて、国民、都民を挙げて機運を高めていくためには、多くの方々にみずからもスポーツを楽しみ、また実践をしていただくということも非常に重要だと思います。
 そしてまた、パラリンピックの競技種目でありながら、余り知られていない中でパラリンピアンの活躍によって初めてその種目を知ったという種目も、今回のパラリンピック大会でも多々ございました。今ご答弁いただいたようなゴールボールも非常にすばらしい競技であり、大変な成績をおさめたわけでございます。そしてまた、ボッチャという競技もパラリンピック競技でありますけれども、知っている人はほとんどいないということでございました。
 これからはこうしたスポーツ、パラリンピックの競技種目についても、知らなかったではなくて、多くの方々が障害者と健常者が一緒にスポーツ交流をしながら、お互いを理解をしていくという取り組みが私は必要だと思います。
 いずれにしても、スポーツ都市東京を目指して、来年はいよいよ飛躍する年であります。スポーツ振興局の局長を中心とした活躍を大いに期待をして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○畔上委員 資料の作成ありがとうございました。
 私から、まず障害者のスポーツセンターについて伺います。
 二〇一一年度には、障害者スポーツ振興計画が作成されました。この障害者スポーツ振興の大きなかなめとなっております障害者スポーツセンターについて、この振興計画では障害のある方の利用目的や障害、特殊性等に応じた効果的なスポーツ活動に係る支援を提供しており、そのために必要な体制を整備していますと、今後とも施設利用における一層の利便性向上に向けた取り組みを進めてまいりますと記されていました。
 二〇一一年度、利便性向上に向けてどのような取り組み、体制整備が行われたのか、まず伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 障害者スポーツセンターでは、施設利用者が気軽にスポーツを楽しめるよう、障害の種類や程度、利用目的に応じてさまざまなスポーツ教室を開催しております。
 平成二十三年度は、利用者ニーズにきめ細やかに対応するため、障害者総合スポーツセンターでは新たに八事業を、多摩障害者スポーツセンターでは七事業を開催いたしました。また、施設利用のニーズに対しては、両スポーツセンターともプールの利用者数が多いことから、平成二十三年度よりプールの利用開始時間を一時間早め、午前九時から利用できることといたしました。
 このほかにも、各種プログラムに利用できるようジュニア用の車いすを購入するなど、利用者の利便性向上に取り組んでおります。

○畔上委員 実は、人手と施設整備については要望も出ております。
 例えば自閉症児者の保護者の皆さんから要望が出されているのは、着がえのボランティアなんです。先ほど岡田委員からもお話がありましたが、成長した男子の着がえを母親が行うためには、今利用できるのは家族更衣室だということなんですが、私も障害者スポーツセンターを見に行ったんですけれども、女性の更衣室と入り口が同じでした。
 家族更衣室はカーテンで仕切ってあって、二家族が入れるように一応なっているんですが、立つのがやっとという感じで大変狭くて不自由でした。自閉症者の方は、四対一の割合で男性が多いというふうにいわれているんですが、男性のボランティアが不足しているために、プールに連れていきたいけれども断念せざるを得ないというお声を伺っています。
 男性の更衣ボランティア、着がえのボランティアがいれば、ご本人も男子の更衣室で着がえができますので、本当に切実な要望なんですが、現実はなかなか人がいないという現状だということなんです。ぜひ、きめの細かい配慮あるボランティア、また指導員を障害者スポーツセンターに配置していただきたいと思います。
 さらに施設改善も必要で、例えば先ほど申し上げました家族更衣室でいいますと、カーテンの仕切りなどの工夫はされていました。しかし、ロッカーの設置の仕方などが、やはりもうちょっと工夫が必要ではないかなと、利用者の声をぜひ聞いていただきたいなと思いました。
 こうした要望を都としてもぜひ受けとめていただいて、ボランティアの支援とか施設設備の改善のために必要な財政支援を求めたいと思いますが、いかがですか。

○三浦スポーツ施設担当部長 障害者スポーツセンターにおけるボランティアの活用につきましては、原則として指定管理者の選定時における提案内容に基づいて行っております。両スポーツセンターでは、スポーツボランティア講習会を開催してボランティアを育成し、センターで実施する各種スポーツ教室や大会開催等の片づけや参加者サポートなどについて協力を得るなど適切に事業を行っております。
 また、施設の状況につきましては、両スポーツセンターとも設置から三十年近くが経過しており老朽化が進んでいることから、現在施設の劣化診断調査を行っており、今後改修計画を策定していく予定でございます。

○畔上委員 その改修基本計画の作成に当たって利用者の意見等はどういう形で取り入れられるんでしょうか。

○三浦スポーツ施設担当部長 老朽化した施設の計画的な改修や維持管理を行うとともに、利用者の利便性向上や施設の有効活用についても検討するため、今年度利用者ニーズ調査を実施する予定です。今後、このニーズ調査の結果も参考にしてセンターの改修計画を策定する予定であります。

○畔上委員 その利用者ニーズ調査は大変大事なことだと思います。ぜひ改修に当たっては、さまざまな障害者の方々の意見を反映できるようにしていただきたいと要望したいと思います。
 また、ボランティアなんですが、以前、視覚障害者の方々がプール指導でどうしても同性介助が必要だというお話もさせていただいたことがありましたが、介助の内容によりましては、やはり同性介助が求められることが多いわけですね。障害者介助ボランティアの育成、さらにはセンター内での障害者スポーツ団体の育成の支援など、やっぱり障害者のスポーツセンター事業がさらに拡充することができるように、先ほど指定管理の中でというお話だったんですが、やはり都として指定管理料の範囲の中でやってくださいというだけではなくて、利用者もふえているという実態もあるわけですから、必要な財政支援などを求めたいと思います。
 次に、スポーツムーブメント事業について伺いたいと思います。
 いただいた資料を見ますと、二〇一一年度のスポーツムーブメント事業の決算額、これは六億四千五百万、そのうち国際スポーツ大会などには四億九千一万円を使ったということであります。たくさんの国際スポーツ大会がある中で、どの国際スポーツ大会を共催するのか、その基準、また分担金を幾らにするのかの基準、これをまずお示しください。

○板垣スポーツ事業部長 国際スポーツ大会についてでございますが、都はスポーツ振興基本計画におきまして、国際的なスポーツ大会の積極的誘致という方針を明確にしておりまして、特に都のスポーツ振興施策に大きく寄与すると考えられる大会については、都が共催者として大会を支援しております。
 競技大会の主催者などから共催の依頼があった場合、まず当該大会が国際的に認知された大会であること、また都のスポーツ振興施策に大きく寄与し、かつスポーツ都市東京を国際的にアピールできる大会であること、そしてさらに観戦への招待やアスリートによる子どもたちへの競技指導教室等、都民への還元事業がどこまで実施できるかなどを勘案の上、共催するかどうかを判断しております。
 また、分担金につきましては、原則として大会運営に必要な経費のうち協議により対象経費を決定をし、総経費の二分の一を上限として負担をしております。

○畔上委員 それでは伺いますが、二〇一一年度にスポーツムーブメント事業で共催した国際スポーツ大会、これはどんなものがあって、それぞれ幾らの補助金、共催分担金を支出したのかお示しください。

○板垣スポーツ事業部長 第四十三回世界体操競技選手権東京大会に四億七千百万余円、FINA競泳ワールドカップ二〇一一に一千万円、ラグビーワールドシリーズ東京セブンズ二〇一二に一千万円を共催分担金として、それぞれ支出してございます。

○畔上委員 三つの国際大会を共催して、十月に開催された世界体操に四億七千万と、FINAワールドカップには一千万、ラグビーに一千万補助したというご説明でした。
 三つの国際大会といっても、金額の九五%以上を世界体操への分担金が占めております。スポーツムーブメント事業全体を見ましても、約四分の三が世界体操への支出ということになっておりますね。
 私は、二〇一一年度の予算の審議のときに、文教委員会の中でこの世界体操に最大五億という、ほかの国際大会などに比べても破格な財政支援などを約束している点について、世界体操の開催はもちろん否定すべきではないと思っていますけれども、結局オリンピック招致に向けて、何が何でも国際大会の実績をつくりたいと、こういうことから生まれたゆがみではないかということを指摘させていただきました。
 実際、世界体操の東京招致についての都の二〇〇七年の決裁文書、これを見ますと、このときは二〇一六年度のオリンピック招致を目指していたわけですけれども、文書には、国際競技大会の開催実績を積むことにより、東京オリンピック招致活動の際に有利になることが見込まれると。世界体操の大会の招致が実現した場合、国際体操連盟との調整などを通じて、オリンピック招致に向けた国際的なプロモーションを行うことができると。オリンピック招致を有利にしたいから、だから世界体操に東京に来てもらうために、積極的に活動すると、財政支援もするということが書かれているわけです。
 五億円まで出しますよと約束をして、結果、結局四億七千万の負担をしたわけですけれども、世界体操の都の負担分の対象経費と分担割合、それから実際に都の負担した四億七千万の内訳、つまり何に幾ら使ったのか、お示しをしてください。

○板垣スポーツ事業部長 都が支出した分担金の対象経費は、協定書に基づきまして、諸謝金、渡航費、滞在費、借料及び損料、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、賃金、会議費、雑役務費であり、その分担割合は二分の一を上限としてございます。
 なお、各経費の内訳等は協会の事業活動情報でありまして、そのノウハウ等を明らかにすることとなり、事業活動の支障となるため、東京都情報公開条例第七条第三号に基づき公開できないこととなっております。

○畔上委員 対象経費の科目についてはお答えいただきましたけれども、東京都と日本体操協会が結んだ協定書によりますと、二分の一を都が負担するということで、その対象となる経費は、会場附属設備の使用料、それから仮設席の使用料など競技会場設営にかかわるものと、競技用の消耗品など、これはわかるとしても、役員や審判員、運営員、医師の謝金、それから国際体操連盟の会長、副会長、事務総長の居住している国と日本のビジネスクラスの往復の航空運賃、技術職員や医療、メディアの往復航空運賃も対象となっています。
 そして、日本に滞在する間の宿泊費、これは選手は一泊一万九千三百円なのですけれども、体操連盟の会長さんは一泊四万二百円まではオーケーということで優遇されております。ほかにも印刷製本費、国際通信や荷物の運搬費、運営スタッフの賃金、警備委託費、看板作成費など、大会にかかわるほぼすべての経費について、飲食費は対象外ですが都が半分負担しますという協定になっているんですね。
 そして実際それを支出して、大会予算は十億円ですから、恐らく総経費の半分ということで都が負担したということだと思います。ホテル代まで出しているということは、都民から接待といわれてもおかしくないんじゃないでしょうか。
 ほかに二〇一一年度に共催した二つの国際大会、FINA競泳ワールドカップ東京二〇一一、ラグビーワールドシリーズ東京セブンズ二〇一二、これにおいては東京都の負担は、先ほどご説明あった、それぞれ一千万円ずつでしたけれども、それではその使途、どのようなものだったのでしょうか。対象経費、実際に何に使ったのか伺います。

○板垣スポーツ事業部長 FINA競泳ワールドカップ二〇一一につきましては、協定書に基づき設営費と会場関係費について経費を負担してございます。
 また、ラグビーワールドシリーズ東京セブンズ二〇一二についても、協定書に基づき、大会事前広報経費について経費を負担してございます。

○畔上委員 ただいまのご答弁では、競泳ワールドカップに対しては設営費と会場関係費のみと、ラグビーは大会事前の広報費のみということなわけですね。これと比べても世界体操だけは随分幅広く経費を負担しているということがわかるわけです。
 どうして世界体操だけにこんなに幅広く対象経費を認めて、その二分の一を経費負担することになったんでしょうか。伺います。

○板垣スポーツ事業部長 都が国際的なスポーツ大会を支援する際は、原則として大会運営に必要な経費のうち協議により対象経費を決定し、総経費の二分の一を上限として負担してございます。
 世界体操選手権東京大会は、世界八十一カ国地域から約二千人の選手、関係者が集まりまして、百七十二社ものメディア媒体が取材に訪れるなど最大規模の体操選手権大会であると同時に、ロンドン・オリンピックの選考会を兼ね、世界的にも注目度や重要度の高い大会であること、それにあわせて大規模なプレスセンターの整備が必要であったこと、大会期間が十日間という長期間に及ぶことや、日々実施する種目が異なり毎日会場設営を転換しなければならないという競技特性、あるいは選手のウオーミングアップ会場にも試合と同様の機材を設営しなければならないなど、会場スペースや機材費など他の競技の大会と比較して、規模も大きくなることなどから当該経費が必要と判断をいたしました。
 なお、過去の大会を見ますと、平成七年に開催された世界体操選手権鯖江大会においては、開催県及び市が十五億円以上を負担しており、本大会での支出額は妥当な枠内にあると考えております。

○畔上委員 今、ご答弁では世界体操は規模が大きいんだと、世界的にも注目度や重要度が高いんだと、そして大会期間が長期間だからだというお話でありました。
 では、ほかに注目度の高い大会としては、東京が協賛金を出した大会で見ますと、二〇一〇年には世界柔道、これが開催されています。柔道連盟によりますと、オリンピックに次ぐ重要な大会だということであります。
 最終的な数字はちょっと手元にないんですが、都が共催の協定を結んだときの資料を見ますと、百カ国の選手、そして七百名の選手が参加予定だという大きな大会です。開催期間は九月九日から十三日までの五日間でした。
 先ほど世界体操は八十一カ国、役員含めて二千人というお話がありましたが、報告書を読みますと、世界体操は参加国が八十一カ国、選手は五百三十名、開催期間は十月七日から十六日の十日間ということで、世界柔道は世界体操と同じぐらい、それ以上に大きな大会だったといえると思います。
 この二〇一〇年の世界柔道への大会総経費と都の負担金、その使途、これを教えてください。

○板垣スポーツ事業部長 世界柔道選手権二〇一〇東京大会の総経費は三億四千万余円でございまして、協定書に基づき設営費と会場関係費について経費を負担しており、都の負担額は三千万円でございます。

○畔上委員 世界柔道でも、三億四千万のうち都は三千万ということであります。そして対象経費は、設営費と会場関係費のみだということですから、やはり世界体操だけに随分幅広い経費を認めて、大盤振る舞いをしているという印象は否めないと思います。
 さらに、世界体操では都の分担金の対象経費として、大会終了後のことし三月に三項が追加されておりました。一つ目は、事務局職員及び関係者の宿泊及び移動に要した経費、二つ目はリハーサルの実施に要した経費、三つ目は国際体操連盟評議員会への対応、これは福島第一原発の放射能漏れに関して、東京は安全なので予定どおり開催してほしいというPRをするために日本体操連盟がアメリカに行ったという費用ですね。この三つなわけです。
 リハーサルは、体操ジャパンカップ二〇一一、全日本体操競技選手権、NHK杯、体操競技選手権の既存の三大会にあわせて行ったということでありますが、世界体操のリハーサルとしてどのようなことを行ったのでしょうか。

○板垣スポーツ事業部長 世界体操選手権は規模の大きな大会であると同時に、競技運営に当たっては複数の種目を同時並行的に展開する必要があることなどから、円滑に大会を実施するために、体操ジャパンカップ二〇一一などをリハーサル大会として会場設営、大会運営、会場警備、選手の宿泊輸送、放送を初めとした国際大会開催にかかわるすべての事項について、リハーサルが行われました。

○畔上委員 すべての事項についてのリハーサルということですが、全日本選手権などの大会の会場の片隅で、本来の大会とは別のことを世界体操を想定してリハーサルしたわけじゃないですよね。
 結局、要するに体操ジャパンカップ、それから全日本選手権、NHK杯をリハーサル大会として位置づけて、大会そのものがリハーサルだったということで、それに要した経費を、今のご答弁によれば選手の宿泊費や輸送費も分担の対象に含めたということですね。
 別の見方をすれば、五億円というのは、世界体操に加えて別の国際大会一つ、全国大会を二つ、この経費も負担できるだけのすごい金額なんだということでもありますし、こんな形で世界体操とは別の既存の三大会にもどんどん都民の税金をつぎ込んだというのは、都民から見てどうなのか、ほかのスポーツとの公平性から考えてどうなのかといわざるを得ないと思います。
 念のために伺いたいんですが、世界体操のほかにリハーサル経費を東京都分担金、この対象経費とした国際大会はあるんでしょうか。

○板垣スポーツ事業部長 世界体操選手権は、日本では十六年ぶりに開催される最大規模の体操競技大会でありまして、国内にほとんどノウハウが蓄積されていないこと、ロンドン・オリンピックの選考会を兼ねるなど、世界じゅうから多数のメディアが参加し注目される大会であるとともに、東日本大震災後、東京開催が危ぶまれた際に、国際連盟役員を何とか説得して開催にこぎつけた経緯から、運営上の失敗が許されない大会であったことなどから、再三にわたる入念なチェックが必要となり、こうしたリハーサルを行ったものでございます。
 世界体操のほかにリハーサルを行ったことがあるかというご質問ですが、世界のホームラン王、王貞治氏の提唱により、平成二十二年度に開催した世界少年野球大会東京大会は、その前年度にフレンドシップ大会の名称で実質的なリハーサル大会を実施し、都も経費負担をしてございます。また、国体開催に向けては、各競技、区市町村ごとにリハーサル大会を開催しており、都はその経費の二分の一を支援してございます。
 いろんな国際大会でも、競技によっては必要となる経費が異なりますので、一律に公平、不公平ということは論じることはできないと考えておりまして、むしろその大会がどこまで大きく都のスポーツ振興施策に寄与したかというコストパフォーマンスの観点から見るべきであると考えております。
 その点、世界体操選手権は、来場者数は約四万六千人、テレビ中継の最高瞬間視聴率は約二五%に達するなど、都民、国民の関心を大きく集め、次世代の子どもたちを初めとした多くの都民に、世界トップレベルのスポーツに触れる機会を提供することができました。
 また、ロンドン・オリンピックの選考会を兼ね、世界的にも注目度の高い大会でありまして、このような大規模かつ重要な国際大会が東京で開催されることは、東京のスポーツ振興に資するものであり、さらに東京の持つ魅力を広く世界に発信する場ともなりました。さらに、大会に都民三千名と被災地から三百名を観戦招待するとともに、将来の活躍が期待される東京都ジュニア強化選手に対して、オリンピアン等が指導する機会を提供するなど都民に直接還元する事業も実施できました。
 特に、昨年三月に発生した東日本大震災を受け、東京で開催予定であった国際スポーツ大会が数多く中止されている中で、十月の世界体操選手権の開催は、海外における日本の安全性に対する誤った認識を払拭することに大いに貢献し、その後のさまざまな国際大会開催のきっかけとなりました。また、内村航平選手を初めとする日本人選手の活躍は、震災で疲弊した当時の日本人に元気を与えました。
 このように世界体操選手権大会の開催は、都民のスポーツ振興に大きく寄与するにとどまらず、復興へと向かう日本の姿を世界に示すことができたことなど、金額に換算できない大きな価値ある大会となったと考えております。

○畔上委員 聞いていないことに対してたくさんご答弁をいただいたわけですけれども、運営は失敗できないというのは、ほかの世界大会だって同じですよ。違いますか。
 今お話がありましたけれども、世界の少年野球大会、このリハーサル大会というのは世界の少年野球フレンドシップ大会というふうにいわれていますね。二〇〇九年に行われたフレンドシップ大会、これは二〇一六年オリンピックで野球競技を復活させること、東京への招致活動を盛り上げるために特に東京で開催され、知事も出席しました。子どもたちが国際交流するということは大変いいことですけれども、結局このリハーサルの費用で出したのは、今いった野球の方で、オリンピック招致絡みで、そういう大会には手厚いというわけですね。
 先ほど来、失敗できないんだというお話があったけれども、世界大会というのはどれも本当に成功させなきゃいけない、失敗できない、そういう世界大会がたくさんあるのに、世界体操だけに五億円近くも出すのは、やっぱり公平とはいえないというふうに思うんです。
 ですからね、私は金額だけのことで申し上げたらいけないと思って、都の分担金の対象となる経費は何なのか、何に使われたのか、ほかの大会と比較してどうなのか、そのことを質問したわけですよ。そして明らかになったのは、金額が飛び抜けて多いだけじゃない。対象経費もほかの国際大会では会場設営費とか会場関係費などに限られているのに、世界体操は大会開催にかかわるほぼすべての経費、そして国際体操連盟会長やメディアが外国から日本に来るまでの飛行機代、ホテル代まで対象になっていると。リハーサルと称して、ほかの三つの大会の経費も出しているじゃないかと。結局オリンピック招致を有利に進めるということで始めたために、こうなってしまったということであります。
 さらに、何に使われたのかという点ですが、実際に会場設営費に幾ら、ホテル代に幾らかかったのかというふうに知りたいと思いまして、世界体操の都の分担金の請求と支払いにかかわって体操協会から都に提出されました書類、これを入手いたしました。そうしたら何と収支計算書、A3の紙一枚だった。謝金が幾ら、渡航費が、滞在費が幾らという大ざっぱな、余りにも大ざっぱなものだったんですが、しかも都の支出、四億七千万以外は全部黒塗りです。全くわかりません。黒く塗って、このことも都民に対して本当にひどいと思いますし、そもそも都に対してたったA3の紙一枚、四億七千万の支出に対して紙たった一枚、それしか提出されていないんです。これでは一体何に幾ら使ったのか、本当にこの計算書に書いてあるとおり、お金を払ったのかどうか、都自身もわからないんじゃないですか。体操協会から都に補助金、分担金の請求があった際に、何に幾ら使ったのか、それを証明する領収書は添付されていたんでしょうか。

○板垣スポーツ事業部長 都に提出された収支報告書については、膨大な量となるため領収書の添付をしておりませんが、記載内容を確認するため、複数の職員が体操協会に出向き、領収書等の支出関係資料の一切を確認しております。

○畔上委員 職員が向こうに行って確認したということでありますが、都は東京で世界体操を開催することによって、オリンピックに有利に働かせたいという動機があるわけですよね。それはもう東京都も認めているわけですね。
 いわば体操連盟に対して弱い立場、是が非でも東京で世界体操をやってほしいという立場があるわけです。そのために、日本体操連盟だけじゃなくて副知事が、原発事故があったけれども東京は安全ですよと、わざわざPRにアメリカまで行っているわけですね。
 そういう立場にある東京都が、体操協会に対してどこまで厳しくチェックできるのか。そして、都民への情報は予算の五億円、決算の四億七千万円、その数字以外は一切公開しないと。これは納得できないと思います。納得できません。
 五億円もの都民の税金なんですから、都は都民に対して何に幾ら使ったのか、本当に適正だというんだったら、どうして適正といえるのか、きちんと説明する責任があるんじゃないですか。都民への説明責任として世界体操への支出の内訳、これは公開すべきじゃないでしょうか。伺います。

○板垣スポーツ事業部長 世界体操選手権は、財団法人日本体操協会と締結いたしました協定書に基づき、その経費の一部を負担してございます。
 繰り返しになりますが、大会の支出の内訳につきましては、協会の事業活動情報であり、東京都情報公開条例第七条第三号に基づき、公開できません。
 なお、先ほどオリンピック招致のためではないかというお話がありましたが、東京都スポーツ振興基本計画では、国際都市東京のプレゼンスの確立を目指し、国際的スポーツ大会等の積極的誘致を目標の一つと掲げてございます。
 世界有数のスポーツ大会が開催されることは、次の世代の子どもたちに世界トップレベルのスポーツに触れる機会を提供し、大きな夢を与えるとともに多くの人々にスポーツへの関心を高め、みずから行うきっかけづくりにもなります。
 また、東京の持つ魅力を広く世界に発信することができ、観光客の誘致など大きな経済波及効果も期待できるものでございます。これらにより、結果としてオリンピック・パラリンピック招致に資する部分もありますが、それを主目的に行っているものではございません。
 都は、今後とも国際スポーツ大会を積極的に誘致してまいります。

○畔上委員 今、部長はオリンピック招致に有利、それが目的じゃないとおっしゃいましたけれども、情報公開で請求して資料を取り寄せましたけれども、この招致、なぜやるのかということでは、きちんと書いてあるんですね。検討したところ大会を招致することによって、国際競技大会の開催実績を積むことによって、東京オリンピック招致活動の際に有利になることが見込まれるというふうに、ちゃんと書いてあるじゃないですか。この目的にちゃんと書いてあるんです。だから、私はそういうふうにいったわけです。
 五億円という巨額な税金を使っているのに、都としても都民にその使途をきちんと説明できない。説明できないものには、やはり補助をすべきじゃないと私は思うんです。
 冒頭、障害者のスポーツセンターについて、私は質問いたしましたが、センター事業で障害者のスポーツサークルへの指導員や介助員の補助、一年間、これは十万円なんですけれども、五年の期限の打ち切りで、延長は予算次第だと。予算がなかったらごめんなさいというものだということなんですね。これは本当に切実な要求をされている補助なんですけれども、こんな本当にわずかな予算も要望が強くあるのに打ち切られるかもしれない、こういう状況。
 また、都民の皆さんからも施設設備や活動への支援が求められているのに、なかなか進まないと。都自身もオリンピックの報告書でこうおっしゃっています。日本では地域レベルで市民がスポーツに親しむ環境が十分整備されているとはいえないと。
 一方で、オリンピック招致のためならと、大金を、使い道も都民に明らかにできないようなものまで使うと。スポーツ振興のあり方としても私は間違っているというふうにいわざるを得ません。
 本来のスポーツ振興をゆがめるような、こういうやり方でオリンピック招致をするというのはやめるべきだということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

○斉藤委員 私の方からは、選手の活動場所の確保について質問をさせていただきたいんですが、今の畔上委員のお話をここで聞いていて、私は全く考え方が異なっておりまして、すぐれたオリンピアンが誕生することによりまして、広く多くの国民がスポーツに関心を持つ、すぐれたパラリンピアンの可能性を限界まで挑戦する姿を見て感動して、そのすそ野が広がっていく。広がっていく中に、すぐれたオリンピアンの、また芽が発見できるという、この相関関係にあるということを考えますと、単に事業として、そういった大きなビッグイベントを招致することが目的ではないのは当たり前でありまして、伊藤委員もお話ししていましたけれども、だれもが、どこでも、いつでも、いつまでも楽しめるスポーツ都市東京をつくるための一つの起爆剤としては、そういったものが必要でございますけれども、あくまでもそれは一つの大きなイベントでありまして、やっぱり全体のビジョンの中で位置づけされていることは明確なものですから、私は引き続き、スポーツ振興局にしっかりと頑張っていただきたいと思うわけでございます。
 先日、終了いたしました岐阜の国体、ぎふ清流国体で東京都は開催県に次ぐ男女総合成績第二位を獲得いたしました。各県もオリンピアンを投入するなど全体の競技レベルもアップしているために、ことしは僅少差であったと聞いていますけれども、東京都は第二位でございました。
 来年は、いよいよスポーツ祭東京二〇一三東京国体の本番でございます。一月からは冬季の競技も始まるわけでございますが、男女総合優勝に向けて、選手たちは毎日必死に頑張っていることと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 そこで、国体選手強化の取り組みについてですが、多くの選手は学校や公立のスポーツ施設で練習しているそうです。練習場所を探すのに大変苦労していると伺っております。先日も水泳の競技を一生懸命やっている方ですけれども、練習場所に苦労されているという切実なお話を伺ったわけでございます。この、選手の活動場所の確保につきまして、都はどのような取り組みを行っているのかをお伺いしたいと思います。

○板垣スポーツ事業部長 国体選手強化につきましては、都は東京都体育協会が策定いたしました戦略分析と配分計画に基づきまして、強化費の支援を行うとともに、強化用備品の整備や強化指導員の認定等を通じて、環境整備にも取り組んでまいりました。
 このため、練習場所の確保につきましては、各競技団体がその競技特性や地の利、実施時期等を勘案して主体的に取り組んでいくことを基本としてございます。
 しかしながら、近年、施設の老朽化とともに改修工事等による閉館などの影響もございまして、ご指摘のように競技団体だけの力では練習場所の確保が困難な例も出てきてございます。
 都といたしましては、こうした競技団体の要望があった場合には、建設局や港湾局が所管する施設との連携を初めといたしまして、各区市町村や学校の施設利用についての協力依頼などの働きかけを行ってきたところでございます。
 今後とも、東京国体直前の事情を勘案いたしまして、選手強化施策の一環として、できる限りの努力をしてまいります。

○斉藤委員 ただいまご答弁ございましたけれども、各区市町村や学校の施設利用についても働きかけを行ってきているようなお話でございました。単にハードを整備することだけがもちろん大事ではございません。当然お金もかかるわけでございますので、ソフト面での支援、こういった連携、各区市町村との連携などソフト面の支援も重要であると考えるわけでございます。
 都内には多くの民間スポーツ施設などもございますし、そういった施設とも連携をしまして、選手の活動場所を少しでも広げられるように、応援をいただきたいと要望しておきます。
 次いで、駒沢オリンピック公園総合運動場の改修状況について質問をしたいと思います。
 国体で活躍できるトップアスリートを育成するためには、スポーツ人口をふやし、スポーツのすそ野を拡大していくことが必要であると考えます。そのためには、都民が日常的にスポーツに取り組む場の確保も重要であると思います。
 私の地元、目黒区とお隣の世田谷区にまたがって位置している駒沢オリンピック公園総合運動場は、一九六四年に開催された東京オリンピックの会場としても使用された由緒ある場所でございます。現在も数多くのスポーツ大会が開催され、今なお多くの都民に愛されて利用されている施設であるといえます。私にとっても目黒区の中学校の連合体育大会、二百メートル走に出場して出走した懐かしい総合運動場でございます。
 先日、同公園で開催されましたスポーツ博覧会二〇一二に私も参加させていただきました。その際、オリンピック公園内をゆっくり散策する機会がございましたけれども、多くの施設は、やはり建設から五十年近くも経過いたしますと、かなり老朽化が目立ってくるわけであります。
 そこで、これまでの駒沢オリンピック公園総合運動場の改修状況と、今後の計画についてお伺いをしたいと思います。

○三浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園総合運動場では、これまでも計画的に施設を改修しており、平成二十二年度には陸上競技場のトラックフィールドや大型映像装置の改修工事を行い、平成二十三年度には陸上競技場の大屋根改修工事、硬式野球場及び軟式野球場の防球フェンス設置工事などを行いました。
 現在、スポーツ祭東京二〇一三に向けて、陸上競技場及び体育館のバリアフリー工事とテニスコートを国体規格にするための改修工事を行っております。また、屋内球技場と第一球技場、弓道場につきましては老朽化が著しいことから、スポーツ祭東京二〇一三終了後に全面改築を行う予定であります。

○斉藤委員 駒沢の第一球技場のお話ございましたけれども、ここは東京オリンピックの際、ホッケー会場でございました。いわゆるフィールドホッケー、グラウンドホッケーでございますが、この場所で当時インドとインドから分離独立したばかりの一触即発の敵対関係のパキスタンが、金メダルをかけて死闘を繰り広げた有名な由緒ある競技場でございます。大変話題にもなりました。
 今でもホッケーでは両国の試合は大変激しい、時には流血試合になるような、そういった激しい試合になることがいわれておりますけれども、現在、ここはクレーコートになってしまって、ホッケーの公式大会が開催できなくなっております。
 当時を知るホッケー関係者からは、駒沢のホッケー競技場復活を望む声が多く寄せられております。東京オリンピックのレガシーを継承しつつ、都民ニーズにこたえた改修を進めていくべきと考えますけれども、見解をお伺いします。

○三浦スポーツ施設担当部長 第一球技場は、現在ラクロスやアーチェリー等の競技大会や学校の運動会などに利用されております。第一球技場の改修工事は、スポーツ祭東京二〇一三終了後に屋内球技場とともに解体工事を行い、平成二十八年度に完成する予定でございます。
 改修工事の設計におきましては、施設の使用状況や利用団体等の意見や要望を踏まえ、ホッケーやフットサル、ゲートボール等の多目的利用に対応した人工芝の設置を検討しております。
 今後とも、都のスポーツ振興拠点として都民が利用しやすい施設となるよう改修工事を進めてまいります。

○斉藤委員 これまで土のグラウンドだった第一球技場も、人工芝にする計画があるというお話が今ございました。利用者にとって、より使いやすい施設になるよう、大変に期待が持てるものでございます。
 さきのロンドン・オリンピックを、さまざまなところで総括されておりますけれども、メダルの数以上に、メダルの色以上に、実施競技の半数の十三競技でメダルを獲得できたことは、次回のオリンピックに向けて大変明るい材料になったというふうに多くの方が評価しているところであります。中でも、日本らしいというか、団体球技や団体種目の活躍が目立ったわけでございます。
 サッカー、これは男女、大変な人気でございますが、サッカーはもとよりバレーボール女子なども活躍が大変話題になりました。激しい練習をともにした仲間を信じるチームワークの美しさを私たちに示していただきました。元気もいただきました。
 フィールドホッケー、グラウンドホッケーでございますが、女子が大変強いんですけれども、こういったフィールドホッケー女子などは、さくらジャパンと呼ばれ、なでしこジャパンのように世界を舞台に活躍できる力を持っているというふうにいわれております。ぜひとも東京としても応援をしたい団体競技の一つです。
 今後も、都民に親しまれる多様なスポーツ施設として整備をしていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上でスポーツ振興局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後二時三十三分散会

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