委員長 | 泉谷つよし君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 吉田 信夫君 |
菅 東一君 | |
くりした善行君 | |
しのづか元君 | |
宇田川聡史君 | |
吉倉 正美君 | |
野上 純子君 | |
原田 大君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 樋口 建史君 |
総務部長 | 室城 信之君 | |
警務部長 | 三浦 正充君 | |
交通部長 | 久保木法男君 | |
警備部長 | 藤山 雄治君 | |
地域部長 | 上村 文雄君 | |
公安部長 | 石川正一郎君 | |
刑事部長 | 吉田 尚正君 | |
生活安全部長 | 石田 高久君 | |
組織犯罪対策部長 | 樹下 尚君 | |
総務部企画課長 | 渡邊劍三郎君 | |
総務部会計課長 | 古澤 宣孝君 | |
東京消防庁 | 消防総監 | 北村 吉男君 |
次長総務部長事務取扱 | 大江 秀敏君 | |
企画調整部長 | 高橋 淳君 | |
人事部長 | 小室 憲彦君 | |
警防部長 | 石井 義明君 | |
防災部長 | 村上 研一君 | |
救急部長 | 有賀雄一郎君 | |
予防部長 | 荒井 伸幸君 | |
装備部長 | 齊藤 英一君 | |
企画調整部企画課長 | 阿出川 悟君 | |
企画調整部財務課長 | 高橋 直人君 | |
総務局 | 局長 | 笠井 謙一君 |
危機管理監 | 宮嵜 泰樹君 | |
理事 | 前田 敏宣君 | |
総務部長 | 山手 斉君 | |
訟務担当部長 | 和久井孝太郎君 | |
復興支援対策部長 | 野口 一紀君 | |
復興支援調整担当部長 | 早川 剛生君 | |
行政改革推進部長 | 堤 雅史君 | |
情報システム部長 | 長澤 徹君 | |
首都大学支援部長 | 伊東みどり君 | |
人事部長 | 中嶋 正宏君 | |
労務担当部長 | 内藤 淳君 | |
主席監察員 | 藤森 教悦君 | |
行政部長 | 砥出 欣典君 | |
多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務 | 鴫原 浩君 | |
区市町村制度担当部長 | 西村 泰信君 | |
総合防災部長 | 村松 明典君 | |
企画調整担当部長 | 箕輪 泰夫君 | |
統計部長 | 高橋 英次君 | |
人権部長 | 並木 勝市君 |
本日の会議に付した事件
平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
警視庁関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)
東京消防庁関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十三年度東京都特別区財政調整会計決算(質疑)
・平成二十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)
○泉谷委員長 ただいまから平成二十三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁、東京消防庁及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。
これより警視庁関係に入ります。
初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、警視総監から紹介があります。
○樋口警視総監 前回の分科会には、IMF・世銀総会警備のため欠席をさせていただきました二人の部長を紹介させていただきます。
公安部長、石川正一郎でございます。警備部長、藤山雄治でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○泉谷委員長 紹介は終わりました。
○泉谷委員長 決算の審査を行います。
平成二十三年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○しのづか委員 私からは、自転車の交通安全対策について何点かお伺いいたします。
環境、エネルギー、健康、医療費削減、渋滞軽減などに効果を発揮する自転車は、特に去年の東日本大震災以降の節電意識の高まりなどを背景に、その利用ニーズが高まっております。
しかし、一方で、その利用に当たってのルールやマナーを知らない、あるいは知っていても守らない運転者が多数存在していることが問題となっています。都としては、交通ルールの遵守、マナーの向上などを目指し、自転車の安全利用に関する条例の制定を準備しているとお聞きしております。
先日の総務委員会や分科会などでも、この自転車対策について、東京都自転車対策懇談会からの提言についてなど、自転車の安全利用の推進、関係各局との連携などについて、青少年・治安対策本部にお聞きをしたところですが、きょうは、現場を担う警視庁に、自転車の交通安全対策についてお伺いをいたします。
まず、平成二十三年の、自転車が関与する交通事故の件数と歩道上での事故件数について伺います。また、自転車が関与する事故の傾向についてお伺いをいたします。
○久保木交通部長 しのづか委員からのご質問にお答えいたします。
平成二十三年中における、自転車が関与する交通人身事故の発生件数につきましては、一万九千二百九件となっており、このうち、歩道上で発生したものは千六百七十四件となっております。また、事故の傾向といたしましては、平成二十三年は、交通事故発生件数及び自転車が関与する事故件数ともに、前年に比べ減少しておりますが、その一方で、交通事故全体に占める自転車が関与する事故の割合は、前年に比べ若干高くなっている状況にございます。
こうした状況を受け、警視庁におきましては、昨年十二月から自転車総合対策を推進しているところでありますが、その結果、本年九月末現在では、前年同期と比べて発生件数は減少し、自転車が関与する事故の割合も若干低くなっております。
○しのづか委員 今のご答弁によりますと、昨年十二月からの対策で、発生件数、関与事故ともに減少傾向にあるということでしたが、交通事故全体に占める自転車関与事故の割合については、過去十年間を見ると増加傾向でありまして、事故件数にしても、まだ高い数字であると思います。
先日の新聞報道でも取り上げられておりましたが、現在、横断歩道に併設されていた自転車横断帯の撤去作業が進められております。いつから、どのような理由で撤去することに至ったのでしょうか。また、現在までの進捗状況についてお伺いいたします。
○久保木交通部長 まず、自転車横断帯の撤去についてでありますが、警視庁では、昨年十二月から自転車総合対策推進計画を策定し、その対策重点の一つとして自転車通行環境の確立を掲げたところでありますが、その検討過程におきまして自転車横断帯の撤去の必要性を認め、本年四月から撤去を進めることといたしました。
その理由といたしましては、車道を通行してきた自転車につきましては、自転車横断帯がある交差点において一たん交差点の左に進路を変更し、自転車横断帯を通行しなければならないことから、場合によっては危険な通行を強いることとなるため、自転車の安全な車道通行を確保する観点から、撤去する必要があるものと判断したところであります。
次に、撤去作業の進捗状況についてでありますが、本年九月末までに三百三十三カ所の自転車横断帯を撤去しているところであります。
○しのづか委員 今ご答弁にもありましたが、自転車利用のルールは複雑でありまして、原則は車道の左側通行としながらも、例外として自転車及び歩行者専用の道路標識がある場合や、運転者が児童、高齢者など車道通行が危険な場合、駐車車両がある場合などは拡大解釈され、自転車の歩道走行というものがスタンダード化されています。十分な幅員が確保されていない歩道などで歩行者の安全が危惧されている現状で、車道における自転車の安全な通行を確保するために自転車横断帯を撤去しているということは、一定の理解ができます。
しかし、自転車の通行環境の確立を掲げているのであれば、自転車横断帯の撤去に当たっては、都民の混乱を避けるためにも、撤去後に自転車が車道のどこを走行したらよいのかといった道路標示等が必要だと考えます。今後どのような対策を実施していくのか、お伺いいたします。
○久保木交通部長 自転車横断帯を撤去した場合、車道を通行してきた自転車につきましては、交差点をそのまま直進して通行することとなります。また、歩道を通行することができる自転車につきましては、自転車に乗ったまま横断歩道を通行することができます。なお、この場合、自転車は歩行者の通行を妨げないようにしなければなりません。
道路標示につきましては、モデル地区の一つである品川駅港南口地区におきまして、交差点における自転車の通行場所や方向を明示する自転車ナビマークを設置しておりますが、今後は、その検証結果を踏まえ、必要により交差点の入り口に自転車ナビマークを整備していくこととしております。
○しのづか委員 先ほども申し上げましたように、自転車を運転する人は子どもから高齢者まで幅広く、必ずしもすべての人が自転車利用のルールやマナーを理解できていない状況であります。だからこそ、この自転車ナビマークのような、目で見て確認できる標示が効果的であると考えます。整備を積極的に進めていただきたいと要望しておきます。
次に、ルールやマナーの周知徹底とともに必要なのが、自転車の走行空間の確保であります。
都内では、走行空間に余裕のある幹線道路などにおいては、自転車専用レーンの設置などが進められておりますが、いまだ数も少なく、ネットワーク化されていないなど、環境整備には時間もお金もかかる状況であります。車道の左側という自転車通行の原則を守り、自転車の走行空間を確保するためには、まずは、車道上にあるパーキングメーターの撤去を進めていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○久保木交通部長 パーキングメーターにつきましては、路外駐車場の確保が困難な場所における短時間の駐車需要に対応するため、交通状況を考慮して設置しているものであります。自転車の車道通行を促進するためには、ご指摘のとおり、路上駐車の問題を解決する必要もあることから、今後、短時間の駐車需要や自転車の通行実態等を考慮の上、道路空間をいかに効果的に活用していくか、引き続き検討していくこととしております。
○しのづか委員 ご答弁にありましたとおり、車での荷おろしなど、短時間駐車での需要があることは理解できます。現在、都内では、空間を活用したコインパーキングなどもふえてきておりまして、駐車場整備環境も変化しております。あくまでも周辺の環境によりますが、対応を進めてもらいたいと思います。
自転車が歩道を通行する場合、自転車及び歩行者専用の道路標識がある場合でも、自転車は歩道の中心より車道側を走ることを規定されているだけで、狭い歩道上の走行空間の中で、左右どちらにも走れる状況をつくってしまっていることが、歩道上での事故発生の一因となっております。
そこで、自転車を自動車の進行方向と同じ一方通行とすることにより、自転車が関与する歩道上の事故が減少すると考えられます。今後、このような新しい走行ルールを、実験的にモデル地域を指定して行ってみてはどうかと思いますが、見解をお伺いいたします。
○久保木交通部長 自転車は車道通行が原則であり、自動車と同じく道路の左側を通行することとなっておりますが、歩道に普通自転車歩道通行可の規制がある場合、または高齢者や児童など、法により歩道を通行することができると定められている自転車につきましては、相互通行をすることができることとなっております。
ご指摘のように歩道を一方通行とした場合、目的地によっては遠回りをしなければならない場合や、高齢者や児童など、法により歩道を通行している方々も一方通行のルールに従わなければならないなどの問題点があることから、慎重に検討しているところであります。
○しのづか委員 実は去年の七月に、警察庁では、自転車専用レーンにおける自転車一方通行規制、この案を公表しております。これはあくまでも専用レーンでの規定でありますが、私は、歩行者も自転車も両方、狭い空間の中で通行している自転車及び歩行者専用の歩道こそ、こういった規制が必要なのではないかと感じております。慎重に検討するとのことでしたが、自転車のルール遵守とマナー向上、自転車事故の減少のため、これからも積極的な取り組みを期待して、質問を終わります。
○泉谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○泉谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○泉谷委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十三年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○吉田委員 それでは、この機会に、東京消防庁の事業の中で、主に地域防災力の強化、地域での初期消火対策の現状と取り組みの状況を中心に質問いたします。
初めに、消防水利の現状についてお伺いをしたいと思います。
ことし、防災対策特別委員会の一員として神戸市に行きましたけれども、その当時の記録映像の中で消火活動の最前線の映像がありましたが、そのときに、水が来ないという悲痛な叫びを耳にして、改めて消防水利の重要性を痛感した次第です。
そこで、現状についてお伺いいたしますけれども、特別区における震災時の消防水利の整備基準、そして、その基準に照らした整備率及び今後の計画について、また、狭隘地域でも確保できる深井戸の昨年度までの整備状況と今後について、ご答弁をお願いいたします。
○村上防災部長 東京消防庁では、震災時における同時多発火災や市街地大火に備えた水利整備基準を策定し、特別区内を一万六百九十三の二百五十メートルメッシュに区分けして、消防水利の整備を進めております。この基準に基づき、平成二十四年三月末現在、約九八%の充足状況となっております。
また、地下水をくみ上げることにより、大容量の消火用水が確保される深井戸につきましては、現在までに三基を整備し、今年度は一基整備する予定であります。
○吉田委員 一万六百九十三カ所に対して九八%と、努力はされているわけですけれども、この比率でいうと、まだ約二百カ所を超える地点で整備を進めていく必要があるということだと思います。ぜひ努力をしていただきたいと思いますし、深井戸を利用した新たな水利の確保については、私の杉並区の杉並消防署でも、たしかことし整備されて、本当に狭い地域で実に効果的であるという認識を新たにいたしましたので、この整備もぜひ促進を進めていただきたいというふうに思います。
次に、地域防災力を担う消防団の役割が重要なことはいうまでもありませんけれども、特別区消防団の分団本部施設の整備状況について、そして、今後もこうした分団本部や、さらに装備等を引き続き促進していくべきと思いますけれども、取り組みの状況についてご答弁をお願いいたします。
○村上防災部長 特別区の消防団の分団数は、平成二十四年三月末現在、四百三十九であり、分団本部の機能を有する施設は三百九棟であります。また、消防団の活動に必要な可搬ポンプ、簡易救助資器材等の装備についても計画的に整備しております。
今後も、分団本部施設は、各区や関係部局等と連携し、構造、老朽度及び狭隘度等を総合的に勘案して整備してまいります。
○吉田委員 消防団とともに、自主防災組織の活動が極めて重要だと思います。自主防災組織が、それぞれの地域の防災上の問題点や改善点を、日ごろから住民の共通認識にして取り組んでいくということが非常に重要だと私は思いますが、もちろん、そういう点について、ご努力はあると思うんですけれども、改めて消防庁は、自主防災組織の対応力の強化にどのように取り組んでいるのでしょうか、ご答弁をお願いいたします。
○村上防災部長 震災時におきまして被害を軽減するためには、住民が地域の危険性を正しく理解しておくことが重要であります。このため、東京消防庁では、延焼シミュレーションなどを活用し、地域の出火危険や延焼危険の周知を図るとともに、自主防災組織と住民が連携した実践的な防災訓練を推進しているところであります。
今後とも、これらの訓練等を通じて、自主防災組織の防災対応力の強化に努めてまいります。
○吉田委員 私は、延焼シミュレーションというものを見させていただきましたけれども、あくまでもこれは推計の話ですから、絶対的に見ることはできないかもしれませんが、ある地点で出火したときにどのように燃え広がるのかということを、やっぱりリアルに共通認識にして対策をとっていくという点では非常に有効なツールだと思いますし、大いに利用促進方が必要ではないかなというふうに思っております。
最後に質問させていただきますけれども、やはり出火防止対策ということが、現実的にはかなり重要で、大きな比重を占める必要があると思うんですけれども、東京消防庁では、震災時における出火防止や、たとえ出火したとしても直ちに消火する本当の初期消火対策など、都民に対してどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
○村上防災部長 東京消防庁では、これまでも、都民の地震時の行動をまとめた「地震 その時十のポイント」において、避難時には電気、ガスを遮断するなど、出火防止対策について広く普及啓発をしております。
また、防火防災診断等を通じて、火気器具周辺の整理や住宅用防災機器等の設置指導、あわせて、家具類の転倒、落下、移動防止対策を促進しております。
さらには、防火防災訓練の際に、自主防災組織や住民に対し、防火水槽や消火栓を活用した消火訓練を指導し、初期消火体制の充実強化に努めております。
今後とも、関係機関等と緊密に連携し、都民の防災行動力の向上を図ってまいります。
○吉田委員 今、地域防災力に限定的に何点か質問させていただきましたけれども、一層のご努力を重ねてお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○泉谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○泉谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京消防庁関係を終わります。
○泉谷委員長 これより総務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十三年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成二十三年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成二十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○しのづか委員 私からは、総務局が所管をする市町村総合交付金についてと防災対策、この二点についてお伺いをいたします。
本決算特別委員会第一分科会、市町村選出の議員としては、私、唯一の議員ですので、この交付金について、まず基本的な点から、この市町村総合交付金の目的及び性格についてお伺いをいたします。
○砥出行政部長 市町村総合交付金は、市町村に対します包括的な財源補完制度として、市町村の経営努力を促進し、自主性、自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図り、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るための制度でございます。
○しのづか委員 この市町村総合交付金なんですけど、平成十八年度から二十三年度で六年目ということで、非常に、市町村としては、お答えにあったように、財政補完の必要なツールとして、今活用されているところだと思います。
次に、市町村総合交付金の過去三年間の予算額の推移についてお伺いいたします。
○砥出行政部長 市町村総合交付金の過去三年間の予算額は、平成二十一年度は四百二十五億円、平成二十二年度は四百三十五億円、平成二十三年度は四百四十八億円でございます。
なお、本年度、平成二十四年度は四百五十三億円を計上しております。
○しのづか委員 もう皆さんもご存じかと思いますが、制度創設以来、ことしを含めて七年間、毎年、予算額の枠をふやしていただいている状況であると思います。
次に、市町村総合交付金の過去三年間の決算額についてお伺いいたします。
○砥出行政部長 市町村総合交付金の決算額でございますが、平成二十一年度は四百二十五億円、平成二十二年度は四百三十五億円、平成二十三年度は四百四十八億でございます。
○しのづか委員 ちょっと基本的なというか、当たり前のことを聞いてしまったんですが、今ご答弁があったように、市町村総合交付金、これは予算が完全に執行されております。このことは、都として、必要とする市町村に対してしっかりと財政面からのサポートを行っていくという制度本来の目的に合致した、今や市町村にとって、なくてはならない交付金である、あかしであるといえると思います。
平成二十三年度決算の経常収支比率、これを見てみますと、特別区は二十三区平均で八六・四%でありまして、多摩地域三十市町村の平均では九〇・九%と、余裕のある特別区に比べて、都内市町村の財政状況は依然として厳しいことが、数字の上からも明らかになっております。
すなわち特別区は、都区財政調整制度によって、税収見合いで一定の財政収入が保障されておりますが、市町村は、限られた地域の税収を頼りに、基礎的自治体として必要な行財政運営を強いられている、これが現状となっているのではないでしょうか。そうした財政基盤の脆弱な市町村にとって、この市町村総合交付金は、まさに必要不可欠な交付金であると思いますが、都としてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
○砥出行政部長 市町村を取り巻く財政状況は、近年の景気の悪化に伴い、市町村民税収入が減少し、扶助費などの義務的経費の増加が続いていることなどから、引き続き厳しい状況にございます。
こうした中、市町村総合交付金は、市町村が実施する各種施策に要する一般財源の不足を補完することによりまして、住民福祉の増進や市町村の健全な財政運営などに寄与していると認識しております。
○しのづか委員 最後に、この総合交付金については、市町村からも使い勝手のよい交付金という評価がある一方、総合交付金予算の増額はもとより、制度の改善など、市長会や町村会などからさまざまな要望も寄せられているところであります。
そこで、都として、市町村の財政環境の変化や要望などを踏まえて、平成十八年度の制度創設後、どのように総合交付金の改善を行ってきたのか、お伺いいたします。
○砥出行政部長 制度創設三年後の平成二十一年度に、市町村の要望を踏まえつつ、都の施策と連携した市町村の取り組みへの支援や、市町村みずからの経営努力を評価する項目の見直しなどを行ったところでございます。
こうした改善に加えまして、交付金の算定に当たりましては、きめ細かくヒアリングを実施し、市町村のさまざまな要望を十分把握しているところでございます。
今後とも、市町村を取り巻く状況の変化に応じ、市長会や町村会の要望等を踏まえ、適切に対応してまいります。
○しのづか委員 今後とも、きめ細やかな対応をお願いしたいところなんですが、先ほども申し上げましたように、特別区の都区財政調整制度は、都区協議会というものを設けまして、これは自治法で定められた機関なんですが、特別区と東京都との意見が交換できるようになっております。制度の違いというのは十分理解しているんですが、例えば、次の見直しの時期に合わせて、こういった、市町村の意見を聞く、そういう場も設けていただけたらなと、これは要望をしておきます。
次に、防災対策についてお伺いいたします。
今回の平成二十三年度決算審査において何といっても重要なのが、防災対策の見直しに係る事項です。総務局は、その中心となって、防災対応指針の策定や被害想定の見直しなど、防災対策全般にわたる検討を行ってまいりました。
決算資料を拝見いたしましたが、こうした見直しのベースとなる調査研究費、これは平成二十三年度は二億二千百四十七万円と、前年度の二千三百三十九万円と比較して二億円近くの増となっております。首都東京の防災対策を見直すわけですから、専門的なノウハウを持つ人材を活用しつつ、さまざまな観点からの調査研究を行わなければならず、一定の費用がかかるのは理解できます。
問題は、これを活用して、いかに効果的な対策につなげていくかだと思います。防災対策は、総務局だけで、また、東京都だけで対応できるものではありません。庁内各局はもとより、国や区市町村との連携を図ることで、それぞれの力を最大限発揮させることが不可欠だと思います。私は、こうした視点に立って、防災対策の総合調整を担う総務局が、多くの主体とどのような連携を図って検討を進めてきたのか、このことについて質疑をいたします。
まず、国との関係について伺います。
災害対策は、災害対策基本法に基づき、国が防災基本計画を策定し、それを踏まえて都道府県と区市町村が各地域の防災計画を策定するなど、相互に整合を図らなければならないとされております。首都直下地震は国でも対策が検討されています。国が方針を出してから県が計画を修正する、これが普通ですが、今回は、都は、国が検討を進めている中、防災対応指針を出し、被害想定も出しました。少しでも早く対策を進めようという姿勢は評価できますが、問題は、国の対策との整合性がとれるかどうかです。
都は、国に先駆けて取り組んだ対策の見直しなどについて、どのように国との整合性を図っているのか、お伺いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 都は、首都直下地震等の被害想定を策定するに当たりまして、フィリピン海プレートの上面深度に関する文部科学省のプロジェクトにおける最新の研究成果を取り入れるとともに、地震、津波のモデルなどについて、内閣府と意見交換を行ってまいりました。
また、防災対応指針の策定など都の防災対策の再構築に関して情報交換を行うほか、帰宅困難者対策では、内閣府とともに協議会を設置して、共通認識のもとで検討を進めてまいりました。さらに、現在、内閣府が設置している首都直下地震対策検討ワーキンググループに都も参画し、議論を行っております。
こうした取り組みにより、国との整合性を図りつつ、都として迅速かつ的確な防災対策の見直しを図っているところでございます。
○しのづか委員 今のご答弁で、国の防災対策を所管する内閣府との間で綿密な意見交換や協力が行われているのはわかりました。東京都が、ある意味議論をリードしている部分もあるようで、引き続き緊密に取り組んでいただくよう要望いたします。
ほかにも、実際に災害が発生した場合には、物資の輸送、応援部隊の派遣など、あらゆる場面で、国の関係省庁や管区の機関と綿密な連携を図る必要があると思います。ハード関係の省庁も含め、日ごろからの関係づくりを進めるようお願いいたします。
次に、庁内各局との防災対策の連携です。
各局の皆さんとお話をすると、それぞれが自分の所管の対策について一生懸命である一方、お互いがどのような対策なのかについては、やや無関心な面もあるように感じます。学識経験者を入れた検討会も目的別に幾つもありますし、対策全体の整合性をとっていくことが相当大変だなという印象を持ちます。
私自身、市議会議員として私の地元の市役所を見てきた持論ですが、役所はよく連携、連携といいますが、実際には連携だけではなかなか事はうまくいかないと思います。それぞれの組織は、それぞれの都合で動きますので、本当に大事なことを進める場合には、組織自体を統合して、権限や財源を集中してやらなければならない、そのように思います。
しかしながら、防災対策は余りに幅が広くて統合もできません。防災対応指針や地域防災計画の修正に向けた検討の中で、各局の施策の整合性を図り、連携して進めるために、どのような取り組みを行ってきたのか、お伺いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 防災対応指針の策定に当たりましては、東日本大震災の教訓を踏まえた各局の課題や取り組み状況を、ヒアリングにより細かく聴取し、検討材料とするなど、連携を密に図ってまいりました。
また、地域防災計画の修正に当たりましては、東京都防災会議のもとに関係局が参画した、安全な都市づくりや物流備蓄など課題ごとの検討部会を設置し、各局の意見を十分取り入れるとともに、庁内の学識経験者を交えた検討会などについても情報収集し、対策の方向性を合わせているところでございます。
こうした取り組みにより、木密地域の不燃化対策や河川施設、港湾施設などの耐震、耐水対策など、各局の施策の整合性のとれた防災対策の再構築を図っております。
○しのづか委員 ご答弁いただきましたが、いろいろとご苦労があるのではないかと思います。ぜひとも全体を俯瞰する視点を持って、必要な対策については働きかけを行っていただくようお願いいたします。
連携の最後の視点として、区市町村との連携について伺います。
発災時の避難誘導、避難所の運営、生活物資の供給、罹災証明の発行など、被災者への対応の大部分は、当然、基礎的自治体である区市町村が担うことになります。都は全体的方針を出し、区市町村が地域の実情に応じてきめ細かく対応するというのが理想だと思います。
都は防災計画を検討するに当たり、余りがんじがらめにせずに大枠を示してほしいというのが区市町村側の立場でしょう。一方、区市町村の防災セクションの実情を見たときには、すべての対応を担うにはなかなか厳しい状況もあります。余り区市町村に任せきりにしないでほしいという意見も一方であります。
いずれにしても、都内の区市町村は地域によってさまざまな事情を抱えています。こうしたことに十分目配りをしていく必要があると思います。東京都は、防災対応指針の策定や被害想定の見直しなど、防災対策の再構築に当たり、区市町村とどのような連携を図って取り組んだのか、お伺いをいたします。
○箕輪企画調整担当部長 東京の防災力を向上するためには、都と区市町村が相互に連携して対策に取り組む必要がございます。このため、防災対応指針の策定に当たりましては、区市町村に対する意見照会を行い、区市町村の取り組み状況などを把握した上で策定作業を進めてまいりました。
また、本年四月に公表しました被害想定につきましては、区市町村が新たな被害想定を今後の防災対策に活用できるよう、詳細なデータを区市町村に提供するとともに、区市町村に対する説明会を開催いたしました。
今回の地域防災計画修正素案の策定に当たりましても、検討部会に区市町村の代表に参加いただくなどの取り組みを行っており、今後も区市町村と適切に連携を図ってまいります。
○しのづか委員 ことしの一定の総務委員会の質疑で取り上げた事例なんですが、帰宅困難者対策の一環として、私の地元で、東日本大震災のときに、ちょうど児童の帰宅時間に災害が発生したということもありまして、その辺の対応というのが学校によってまちまちだったという状況の中で、私は、震度五弱ですとか、今回の規模で帰宅困難者が発生するような事態の災害が発生した場合は、子どもは一たん学校に集めるなど、学校でしっかりと対応するルール、そして子どもにわかりやすいルール、これを設定すべきと主張したのですが、先日、地元で話を聞きましたら、東京都教育委員会からの指示で、下校時刻を過ぎても、保護者に引き渡すまでは学校で保護するというルールで統一がなされつつあるようです。迅速な対応に感謝を申し上げます。
また、都は、地域での自助、共助を推進するために、防災隣組の普及に取り組んでいますが、これも本来は区市町村が担ってきたものに都が参入したものです。いろいろなご意見もあるようですが、私は、区市町村だけではなかなか進まなかったところに都が旗振り役をして、住民の意識、これが変わってきたという側面があると思います。ぜひ区市町村と連携をとりながら方向性を示していく、こういったことを上手に進めていただきたいと思います。
それと同時に、区市町村からしっかりと実情を聞いて考える、そういった相互のキャッチボール、これをお願いいたします。
以上、国、庁内、区市町村と、さまざまな機関との連携について伺いました。こうやってみると、本当に総務局としては連携すべき相手が幅広く、大変だなと実感しますが、防災対策全般の総合調整を担う総務局が中心となって、これからもしっかりと取り組んでいただくよう要望して、質問を終わります。
○宇田川委員 私からも、災害関連で何点か質問させていただきたいと思っております。
平成二十三年度予算の執行がしっかりなされているかと、こういうことを検証する委員会なんですが、平成二十三年度を振り返ったときに忘れてならないのは、一千三百七十四億という超大型といってもいい補正予算の編成がなされたことだと思っております。この補正予算の全体像については、来月の全局質疑の中で、我が党の方からも質問をさせていただくことになりますが、きょうは総務局でございますので、災害対策の部分をつまんで何点かお伺いをさせていただきます。
この補正予算は、三・一一の東日本大震災の被災を受けて編成されたということで間違いはないとは思うんですが、東京都は幸い、東北の三県と比較してはならないんだと思いますが、大規模な被災を受けずに済んだわけでありまして、復興予算という位置づけは余りないんだと思っております。
今、国で復興名目という予算をがたがたやっておりまして、余りにもやりとりがお粗末だなと思っているのは私だけじゃないと思うんですが、そうしたことにならないように、東京都のこの補正予算をしっかりと検証すべきだと思っております。
先ほどいった東日本大震災を受けて、浮き彫りになった課題が幾つかあるんだと思います。直接的な災害対策のみにとどまることなく、関連事業についても予算がつくのは、私は、国と違って性格上問題がないんだと思っているんではありますが、そのことについて幾つか検証を重ねていきたいと思っております。
我々自民党は、大震災を受けまして、すぐに復旧復興対策推進本部というのを立ち上げまして、さまざまな緊急要望であるとか、それから業界団体の声を聞く場をつくったり、また、現地に視察に行ったり、さまざまなことをやってまいりまして、東京都に対して提言も行ってきたところであります。ことしに入っても、引き続き二つのワーキングチームをつくりまして、これから発表される地域防災計画に対する提言も行ってきているところで、東京都へは、しっかりとした対応を今後も求めていきたいと思っているところであります。
初めに、被災者、被災地支援についてお伺いをさせていただきます。
東京都は、全国に先駆けて、さまざまなる被災地、被災者に対する支援を行ってきたんだと思います。石原知事の、まさにツルの一声ともいえるような行動によって災害廃棄物処理などを行ってきたのは、その最たるものでありまして、被災地の皆さんには大変に感謝をいただいています。つい先日も、女川町の方が、あのときのお礼だといってサンマを振る舞ってくれているようなニュースがありましたが、それほどに大きな感謝をいただいているところだと思っています。
しかし、多くの犠牲者が出て、被災地は、大変に力を失っているところに対しましては、人的支援を求める声が発災直後から高まってきていました。本来、これは国がしっかりと先頭に立ってやるべきことですが、残念ながら対応がなされていないということで、各地方自治体が手を挙げまして、東京都はもとより、他の道府県であるとか、区市町村の職員なんかも派遣をされて、被災地のために力を尽くしているところでありますが、その先頭に立って積極的な人的支援を行ってきた東京都の状況を、まず振り返らせていただきたいと思います。
○野口復興支援対策部長 都はこれまで、警察、消防を合わせ、延べ三万人を超える職員を被災地に派遣し、総力を挙げて人的支援に取り組んでまいりました。具体的には、発災直後に警察、消防が出動し、救出救助活動に従事するとともに、医療職による救護活動、技術職によるライフラインの応急復旧、事務職等による避難所運営など、さまざまな支援活動を行ってまいりました。
震災後三カ月が経過した時点で、被災地が必要とする業務は、壊滅的な被害を受けたまちの復興、被災者の生活再建、被災した自治体機能の立て直しなど、質的に変化してまいりました。これを受け、都の人的支援も、当初の短期派遣から、中長期にわたり専門技術や行政経験を有する職員を派遣する方向にシフトし、道路、港湾施設の復旧や学校授業の正常化に向け、技術職員や教員の派遣を行うとともに、被災自治体の復興部門に都職員を派遣してまいりました。
このように、被災地の状況が刻々と変化する中で、各局と連携しながら、現地のニーズを踏まえた支援に全力で取り組んでまいりました。
○宇田川委員 お話があったとおり、東京都はしっかりと被災地のために支援をしてきた、それに力を注いできていただいたということは、大いに評価に値することだと私も思っているところでございます。
しかし、被災地を見てみると、まだまだ、この人的な部分でパワーが足りていないのが実情だと思います。私も、ことし三月の予算特別委員会の場で、例えば、地方自治体の職員のOBだとか民間人の方にもお手伝いをお願いして、積極的に被災地に派遣をしていくべきだと、こういう提言を行ってきたところでありますが、二十三年度のこれまでの対応を踏まえて、東京都は、今後どのように取り組んでいかれるのかをお伺いいたします。
○野口復興支援対策部長 震災後一年半余りが経過し、被災地が支援を必要とする業務は、新たなまちづくりなど、本格復興を見据えた取り組みへと移行しつつあります。このため都は、専門技術や行政経験を有する職員を中長期で派遣し、今なお百人を超える職員が、被災地で支援業務に携わっております。
さらに、本年九月に、被災地の本格復興に必要な技術者を確保するため、即戦力となる行政OBや民間経験者四十七人を任期つき職員として採用し、被災地に派遣いたしました。この任期つき職員を活用した取り組みは、都が全国に先駆けて実施したものでございますが、被災地における人材確保の有効な手だてとして、現在、宮城県など被災自治体も相次いで導入を決め、首都圏を含む全国から技術系職員など必要な人材を募り、採用する動きが広がっております。
引き続き、こうした被災自治体の動きを踏まえ、都としては、募集から採用に至る人材確保のノウハウを伝えるとともに、採用広報の協力、選考会場の提供等、できる限りのサポートを行ってまいります。
○宇田川委員 残念ながら、国の施策が後手後手を踏んでおりまして、被災地の復興にはまだまだ長い道のりがかかるのではないかと、こういうご心配があるわけでございます。
知事は常々、東京は日本のダイナモであると、こう発言を繰り返しているわけでありまして、他の自治体の範ともなる姿を東京都が見せる、このことは非常に大事なんだと思います。積極的な取り組みを続けてほしいと願っておりますし、我々議会もしっかりとサポートしていかなければならないと思っているところでございます。
続いて、高度防災都市づくりという点で幾つかお伺いをさせていただきます。
我々自民党は、先ほど申し上げた提言の取りまとめの中で、まず最初に、命を守る、続いて、命をつなぐ取り組み、最後に、生活を取り戻す取り組み、こうした位置づけを行いまして、発災直後から中長期的な観点も見据えて、ハード、ソフト両面から対策をすべきだと考えているところでございます。
第二回定例会での緊急対策二〇一一、それと、先ほど申し上げた補正予算の執行、どのように取り組んでこられたのか、まず大枠をお伺いさせていただきます。
○村松総合防災部長 都は、東日本大震災の発生を受けまして、被災地支援と都内の災害対応の両面に迅速に対応するため、昨年五月に東京緊急対策二〇一一を取りまとめました。
また、九月には、東日本大震災における東京都の対応と教訓をまとめ、十一月には、ハード、ソフト両面の防災対策を抜本的に見直すための東京都防災対応指針を策定したところでございます。指針に基づきまして、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の促進、木造住宅密集地域解消に向けた十年プロジェクト、ライフラインの耐震化、災害医療コーディネーターの整備など、庁内各局においてさまざまな対策を展開しております。
また、年明けには、全国に先駆けた帰宅困難者対策条例を都議会に提出し、本年第一回定例会でご可決いただきました。
さらに、最新の科学的知見を踏まえまして、首都直下地震等の新たな被害想定を策定し、本年四月に公表したところでございます。現在、これらを踏まえまして地域防災計画の修正を進めておりまして、来月には最終案を取りまとめる予定でございます。
○宇田川委員 二十三年度については、調査検討という段階がずっと続いていたわけで、本格的なハード整備の加速とでもいうんですかね、これは今年度よりなされることになるわけでございますが、さきの第三回定例会で私が指摘させていただきました、例えば、液状化対策などについては、ハード、ソフト両面とも、おくれていると私は思っていますし、その質問に入る前に、さまざまな、ハード局も含めて、職員の皆さんと液状化対策についていろんな意見交換をしましたが、残念ながら東京都は液状化対策ということに余り前向きではないなと、こういう状態も見えているのが状況であって、全体を見ても、まだまだ完全じゃない、不十分な部分はまだたくさんあるといわざるを得ない状況であります。だからこそ、なお一層踏み込んだ対応をしていかなければならないと考えているところでございます。
先ほど、総論的なご答弁をいただいたわけですが、各論を幾つかお伺いしてまいります。
東日本大震災当日、帰宅困難者の問題が大きく浮き彫りになりました。民間事業者と連携した総合的な対策を進めるということが緊急対策に盛り込まれているところであります。
昨年度は、国との協議会を設置したり、全国で初めて帰宅困難者対策条例を制定したり、さまざまな取り組みを都は進めてきたわけでございますが、帰宅困難者対策について、補正予算によって、どのような成果が上がったのか、今後の課題として、どのようなものが浮かび上がったのかを、あわせてお伺いいたします。
○村松総合防災部長 東日本大震災当日、交通機関が停止したことによりまして首都東京が混乱した教訓を踏まえ、都は昨年九月に、国や首都圏の自治体、鉄道事業者などの民間事業者とともに協議会を設置いたしました。民間事業者を含めた議論を重ね、一斉帰宅抑制の基本方針や事業者向けの各種のガイドラインなどを取りまとめたところでございます。
こうした取り組みの一方、都独自の取り組みとしまして、協議会で議論した対策を検証するため、本年二月には、ターミナル駅三駅での大規模な訓練を実施いたしました。また、協議会の議論を踏まえ、都独自の条例を制定し、現在、来年四月の施行に向け、実施計画の策定作業に取り組んでいるところでございます。
このように、協議会と都独自の条例制定など多面的な取り組みを通じまして、民間事業者を含めた社会全体で帰宅困難者に取り組む体制づくりを進めてまいりました。今後は、特に一時滞在施設等への民間企業の協力が必要と考えておりまして、実施計画の中で対応策を明らかにしてまいります。
○宇田川委員 おっしゃるとおり、民間の協力というのは不可欠だと私も思っております。一斉帰宅の抑制など帰宅困難者対策全般について、民間企業にしっかりとその趣旨を理解していただく、協力をしていただく、こうした取り組みも必要だと考えております。そうした意味において、都内の中小零細企業においても十分に理解を得るための努力を求めておきたいと思います。
最後の質問ですが、広域避難についてお伺いをさせていただきます。
昨年の第四回定例会の一般質問で複合災害を取り上げまして、大規模水害における広域避難体制をしっかりと早急に確立すべきだと、こういう提言をいたしました。
東日本大震災においても被害は広がりまして、例えば、想定が行われた東海、南海、東南海トラフに起因する地震などが仮に発生したとしたら、一部、東北から、下手したら九州まで、大きな被害が及ぶ可能性があるわけであります。
何年か前に早坂議員が、富士山が噴火したらなんていう話を本会議でやりましたが、これにしたって、幾つもの都県をまたがって被害が出ることになるんだと思います。九都県市連携はもとよりのことでありますが、東北とか関西とか、さまざまな地域、地方を飛び越えた連携強化をする必要性が出てきているんだと私は思っております。
加えて、先ほどお話もありましたが、区市町村との密接な協力体制も当然に整えなければならない状態にあります。東京都では、こうした自治体の枠を超えた広域避難についてどのような検討がなされているのか、お尋ねをいたします。
○村松総合防災部長 大規模地震や水害による被害から都民の命を守るためには、発災時に迅速かつ的確に避難誘導できる仕組みを構築していくことが必要となります。このため、昨年策定した防災対応指針におきましても、区市町村や関係機関、学識経験者から成る広域避難プロジェクトを推進することといたしました。
昨年度は、避難対策の専門家を招きまして、庁内関係局の職員等と意見交換会を実施したほか、関係区市町村等も含めた検討組織を東京都防災会議のもとに立ち上げ、現在、検討組織において具体的な避難シミュレーションの検証を進めているところでございます。
○宇田川委員 ぜひとも広域避難という意味合いをしっかりととらまえていただいて、今後積み上げを行っていただきたいと思っております。
今ずっとお話ししてきたように、昨年度は基本的に調査検討の年といってもいいんだと思います。ハード、ソフトとも、まだまだ道半ばであることは事実でございます。今後、地域防災計画が決定を見て、ますます防災対策が加速していくことを、私は大いに期待しているところでございますし、議会としても協力できるところは全面的にバックアップしていくことをお誓い申し上げさせていただきたいと思っております。
また、最初に申し上げた三・一一の被災地、被災者につきましては、復興までまだまだ相当なる時間を費やす必要があるんだと思っております。今後も、被災地、被災者支援、そして東京都の高度防災都市の確立、この両面にしっかりと力を注いでいっていただきますようにお願いを申し上げます。
以上です。
○野上委員 私の方からは、小笠原航空路と首都大学東京について、二点について質問をさせていただきます。
今から四年前なんですが、平成二十年、私も小笠原に、ここにいらっしゃいます吉倉委員と一緒に、二人だけじゃないです、公明党全体で視察をさせていただきました。この中で村民の方々から、本当に一日も早く航空路を開設していただきたいという話とか、また、急病になったときの対応をどうしたらいいかとか、それから、ずっと定期的に病院に通わなくちゃいけない人はなかなか、小笠原はもう最後まで住めないねという話とか、あと、出産するときには必ず本土に行って出産をしなくちゃいけないとか、そういうような、さまざまなご意見を伺ってまいりました。そういう意味で、島民の方々にとっては、いざというときに、そういう航空路のこともすごく大事なのかなというふうに感じて帰ってきたことがございます。
また、うちの党といたしましても、一昨年、また新たな視察団を派遣して、島民の方々と意見交換を行ってきたところでございます。
東京から千キロ離れておりまして、離島ということで、小笠原にとって交通アクセスこそ生命線であります。昭和四十三年に返還されて以来、航空路開設は村民の悲願であります。そこで、この航空路開設について何点かお伺いいたします。
まず、現在の小笠原航空路開設に関する検討状況についてお伺いいたします。
○鴫原多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務 小笠原諸島への交通アクセスの改善は、島民生活の安定と産業振興を図る上で極めて重要でございます。このため都は、平成二十年に、都と小笠原村で構成する小笠原航空路協議会を設置し、これまで航空路開設についてのさまざまな検討を行ってまいりました。
現在、本協議会におきまして、硫黄島活用案、水上航空機案及び洲崎地区活用案の三案を中心に、関係者間の円滑な合意形成に向けて、必要な調査検討を行っているところでございます。
○野上委員 私たちが平成二十年に小笠原に行ったときには、ちょうど航空路協議会が設置されたところで、これからいろいろな調査検討を進めていくという話をされておりました。この航空路関係の調査の内容についてお伺いいたします。
○鴫原多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務 小笠原航空路の調査検討に当たりましては、小笠原諸島の振興を総合的に推進する総務局と、空港整備を専門的に行う港湾局が役割を分担し、相互連携のもとで検討を進めております。
具体的な調査内容につきましては、総務局では、航空路開設を行う上で必要となる手続でありますパブリックインボルブメントの円滑実施に向けた調査を行っており、これまでに航空機材に関する最新の技術開発動向や費用対効果、運航採算性の検証に係る需要予測などを行ってまいりました。
一方、港湾局では、主に空港施設の配置や規模などの検討、自然環境に関する現況調査や保全対策の検討、気象、海象観測調査などを実施してきております。
○野上委員 小笠原は、昨年六月に世界自然遺産登録をされたわけでございます。その際、ユネスコの世界自然遺産委員会から、今後の対応として、観光や島へのアクセスなど、すべての重要なインフラ開発については、事前に厳格な環境影響評価を確実に実施することということが要請されたというふうに聞いております。
これを受けて、地元の方では、世界自然遺産登録により、航空路開設に向けたハードルが高くなったのではないかという懸念の声も聞かれております。村民の悲願であります航空路の開設は、小笠原に暮らす人々の生活の安定向上に欠かすことができないものであります。
今後とも、環境保全とのバランスを十分考慮しつつ、航空路開設に向けた取り組みを着実に進めるべきと考えておりますが、都の見解についてお伺いいたします。
○鴫原多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務 小笠原諸島は、多くの固有種、希少種が生息、生育しておりまして、世界的にも貴重でかけがえのない自然の宝庫であることから、空港整備に伴う陸域や海域への影響や、希少な動植物の生態に与える影響などについて、十分な調査検討が必要と考えております。
航空路開設に当たりましては、こうした自然環境への影響に加え、費用対効果、運航採算性、安全性の確保など多くの課題がありますことから、実現可能な航空路案の取りまとめに向け、慎重に課題整理を進めているところでございます。
引き続き、自然環境との調和に十分配慮した航空路の開設について、幅広く検討を進めてまいります。
○野上委員 小笠原から帰るときに、「おがさわら丸」が出航したときに、多くの船がその「おがさわら丸」を追いかけてきまして、旗を振りながら海に飛び込んで、また来てねとか、いろんなメッセージを書いたような垂れ幕を表示したり--本当に涙が出るぐらい感動して、また小笠原に絶対来ようという決意を深くしたような記憶が残っております。
小笠原では、世界自然遺産の登録により増加した観光客への対応として、「おがさわら丸」の客室スペースの改善や船内サービスの向上等に取り組んでいるとお聞きしておりますけれども、島民生活の安定向上には、やはり航空路の開設も含め、しっかりと検討していただきたいと思っております。一日も早い航空路の開設が実現するように、総務局が中心となって頑張っていただきたいことを申し述べて、次の質問に移ります。
次は、学務費の中の公立大学法人首都大学東京支援費についてお伺いいたします。
この首都大学東京、私も、開学式というんですか、入学式にも参加をさせていただきました。この首都大学東京ができるまでに、平成十七年に四つの大学を統合して開学したわけでございますけれども、いろいろなことがございました。教職員の給与の改革などがありまして、大変な思いをしながら、やっと開学をしたわけでございますけれども、丸七年を今過ぎまして、最近では入学志願者も年々増加しております。大学運営は順調に推移をしているというふうに伺っております。
この首都大学東京の運営を行っている公立大学法人首都大学東京は、ほかにも、高度な専門的人材を育成する産業技術大学院大学、五年間の一貫教育を行う東京都立産業技術高等専門学校の運営も行っておりまして、この三つの学校は、異なる特色を生かしながら、将来を担う人材を育成するために頑張っていると思います。
一般会計決算説明書、これの八八ページを見ますと、ごらんになっていただければわかるんですけれども、ほとんど一〇〇%の執行率の中で、(5)番のものづくりグローバル人材の育成というところが六三・三%と、執行率が非常に低くなっているんですね。そこで、まず最初に確認の意味で、その理由についてお伺いをいたします。
○伊東首都大学支援部長 ものづくりグローバル人材の育成事業は、平成二十一年度から産業技術大学院大学とベトナム国家大学の学生が、テレビ会議システムを利用してPBLと呼ばれる問題解決型学習を英語により行うもので、これによりグローバルに活躍可能な人材を育成し、日本やアジアを初めとする諸外国の産業発展に貢献するものです。
ご指摘の不用額約二百八十万円の主な内訳は、ベトナム国家大学との調整のため、大学の教員がベトナムへ渡航する際の旅費につきまして、低価格の航空券を利用するなどの内部努力で経費節減をしたものでございます。
○野上委員 格安航空券を利用して価格を抑えたということで、大変な内部努力があったということで安心をいたしました。最初は、このグローバル人材の育成が何か進んでいないのかなというふうにちょっと思ったもので、質問させていただいたわけでございます。
また、この決算説明書を見ますと、ものづくりグローバル人材育成事業のほかにも、法人がものづくり人材の育成に積極的に取り組んでいることがよくわかります。
そこで、ものづくり人材の育成について伺っていきたいわけですけれども、その前に、首都大学東京の就職状況についてお伺いしたいと思っております。
リーマンショック以降、大学の就職率は年々低下をしておりまして、若者の雇用就労対策が都でも重要な課題となっているわけでございますが、首都大学東京の学生も景気低迷の影響を強く受けまして、就職活動に苦労しているんじゃないかなというふうに心配をしているわけでございます。
そこで、首都大学東京の就職支援の取り組み及び就職状況についてお伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 都が法人に対して示しております第二期中期目標において、学生支援に関する目標の一つとして、就職支援をきめ細かく行うことを掲げております。
首都大学東京では、学生サポートセンターが中心になって、就職を希望する学生を支援するため、学内企業セミナーなどの各種ガイダンスを開催しているほか、年間を通じ、キャリアカウンセラーによる就職相談などを実施しています。その結果、首都大学東京の学部生の就職率は、平成二十三年度は、全国平均九三・六%に対して九七・八%となっております。
今後とも、首都大学東京で学んだ学生が社会で活躍できるよう、きめ細やかな就職支援に取り組んでまいります。
○野上委員 全国平均が九三・六%に対して、首都大学東京が九七・八%という、非常に全国平均を上回っているということで、首都大学東京がこの厳しい就職状況の中で頑張っているということがよくわかったと思います。
あと、私、ちょっといいたいのは、残りの二・二%の学生たちがどうしているのかなと。都立高校なんかでもそうなんですけれども、進学あるいは就職できなかった残りの数の把握というのがなかなかできていないんですね。できれば、この二・二%の人たちの追跡調査等、インターネットで開設して、そこに意見とかいえるように、余りお金がかからないで情報が収集できるような方法等を考えてやっていただいても、これからいいのかなというふうに思っておりますので、これは要望しておきます。
また、この高い就職率が実現できたのは、就職支援の取り組みだけではなくて、首都大学東京を初めとする法人の各学校がしっかりした教育を実施しており、優秀な人材を育成していることと、これが企業側にも評価されているのではないかと考えております。特に、東京や日本の産業界を支えるものづくり人材について、法人はさまざまな取り組みを行って、優秀な人材を育成していると思っております。
そこで、ものづくり人材の育成に関する取り組みについて詳しく伺いたいと思っております。
私は、平成二十年第二回定例会の一般質問で、工業高校を卒業した子どもたち、高度な技術の習得に情熱を燃やす生徒たちのために、工業高校から高等専門学校への編入枠について要望いたしました。これを受けて、産業技術高等専門学校で平成二十一年度から実施しているということを伺っております。
ものづくり人材の育成には、このような工業高校から高等専門学校への編入など多様な進学コース、育成ルートを設定、充実させていくことが重要と考えております。法人におけるものづくり人材育成のための多様なルートの設定の状況と実績についてお伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 公立大学法人首都大学東京では、産業界が求めるさまざまな人材を育成するため、多様なものづくり人材育成ルートを用意しております。
まず、お話のあった、工業高校から産業技術高等専門学校への編入制度ですが、目的意識を持った学生に、工業高校三年間修了後の継続的な学習機関として、高専に工業高校卒業生向けの編入枠を特別枠として設けたものです。平成二十三年度は四名、平成二十四年度は七名と、編入生は増加しています。
このほか、平成二十一年度から、高等専門学校専攻科から産業技術大学院大学への接続コースを設けるとともに、高等専門学校から首都大学東京へは毎年十名前後編入しております。
今後も、多様な人材育成ルートを拡充し、東京の産業振興や課題解決に貢献できる多様なものづくり人材を輩出してまいります。
○野上委員 私も、多様な人材を育成するためには、多様な育成ルートが必要だと考えております。たとえ人数が少なくても、学生たちの目の前にさまざまな選択肢が広がり--選択肢を用意しておけば、それだけ学生たちの可能性も広がるのではないかと思っておりますので、これからも人材育成ルートの拡充を図っていっていただきたいと思っております。
最後に、ものづくり人材のすそ野の拡大についてお伺いいたします。
職業として、ものづくり関係に携わる人たちは、子どものころから、物をつくること、あるいは理科や数学が好きという話をよくお聞きいたします。
ところが、今、教育現場では、子どもたちの理科あるいは数学離れが取りざたされておりまして、このままでは、将来、ものづくりを志す人材がいなくなってしまうのではないかと心配をしております。このことは日本の産業界にとって深刻な問題でありまして、首都大学東京にとっても、将来、理系の学生が減っていくというのは存亡の危機にも値すると思っております。将来のものづくり人材を確保するため、法人としての今後の取り組みについてお伺いいたします。
○伊東首都大学支援部長 産業技術高等専門学校では、平成十九年度から、小中一貫校である品川区立八潮学園と連携し、小中学生に、ものづくりへの関心、興味を持たせるべく、高専の教員、OB、施設等を活用した、ものづくりを体験させる授業を行っております。また、この取り組みをまとめた教育プログラムにつきましては、都内公立小中学校で活用してもらえるよう、東京都教職員研修センターの研修にも提供しております。
○野上委員 私も小学校の教師をしておりましたので、理科の実験とかは、実験器具を準備するだけでも相当時間をとられたりするんですね。わずか四十五分の間に、実験をして、検証して、そしてまとめていくという作業はとても大変で、その実験器具をまたきれいに洗って、もとのところに戻すというのはとても大変で、やっぱりそういうときに、理科関係は専科の先生とか特別訓練を受けた人がいると助かるなと、いつも考えていたわけなんです。
そういった意味で、ぜひこういう小学校と、小中一貫校ですね、品川の場合は--連携をしながら、小さいときから理科教育に徹していくということも大事ではないかと思っております。
きょうは、公立大学法人首都大学東京のものづくり人材の育成に関して質疑を行ってまいりました。世界の中で活躍できるものづくり人材育成は、東京、ひいては日本のためにも大変重要だと考えております。東京都の設置した法人として、ものづくり人材の育成に積極的に取り組んでいただくことを改めて要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○吉田委員 私は、総務局が所管する事業の中で、職員のメンタルヘルスをめぐる現状について、さらに、地域防災力強化の取り組みの現状について、大きく二点質問をさせていただきます。
初めに、メンタルヘルスをめぐる現状についてお伺いをしたいと思います。
ただ、この問題の対策等については、労使間の協議にかかわる問題であり、かつ総合的な対策が求められている問題です。それだけに、私は、現状と基本的な問題に絞ってお伺いをいたします。
まず、現状についてです。
東京都職員で、精神障害を理由に、三十日以上病休取得者の数の推移及び全職員に占める比率、また、三十日以上病休取得者に対する比率が過去十年間でどのように推移をしているのか、お示しをいただきたいと思います。
○内藤労務担当部長 都の知事部局におきます精神障害を理由とする病気休暇取得者の数及び取得率についてでございますが、平成十四年には二百四十八人、率にしまして〇・七八%、その十年後に当たります平成二十三年には三百七十二人、取得率一・五八%となってございます。また、病休者全体に占めます精神障害を理由とする者の割合でございますが、平成十四年三七・二%であったものが、平成二十三年に五八・三%となってございます。
この間におきます病休者数の推移を見ますと、平成十九年までは右肩上がりで上昇しておりましたが、精神障害に対するさまざまな取り組みを行うことで上昇に歯どめをかけまして、平成十九年以降は、年ごとに増減はあるものの、おおむね同水準となってございます。
なお、ご参考まででございますが、直近の厚生労働省の調査によりますと、我が国のうつ病等総患者数が、平成十四年度の約七十一万人から、二十年度には百四万人と約三十三万人の増となってございまして、こうした精神障害者数の増加傾向ということが社会全体にも認められるのかなと、このように考えております。
○吉田委員 もちろん、これは単に東京都固有の問題ではなく、社会全体の問題であるというふうに私も認識しています。ただ、平成十九年度以降は、おおむね同じ水準で若干のでこぼこがあるというご答弁でしたけれども、やはり高どまりをしているというふうにいわざるを得ないと私は思います。
それで、十年間の比較を出していただきましたけれども、実数で一・五倍、さらに、職員数が減っていますから、罹患率でいうと〇・七八%から一・五八%ということは、率でいえば二倍近くにふえています。さらに、三十日以上病休者全体に占める比率も約六割近くという現状は、決して軽視できるものではないのではないかと思います。
なお、私も参考までに、ほかのデータがないものかと思って見ましたら、文部科学省が教員のメンタルヘルスの現状というものを四月に発表していました。傾向的には、やはり十年近くの推移だと思うんですが、二倍近くにふえています。ただ、全職員に対する罹患率だと、最新のデータでも一%に満たないという状況からしても、東京都の事態というのは、私は軽視してはいけないというふうに思います。
さらに、東京都の報告書を読んでいて、私、非常に重要だと思った点についてなんですけれども、それは、他の病休者の場合には、やはり五十代等一定年齢が多く比率を占めますけれども、精神障害の病休者の比率で見ますと、三十代から四十代が相対的に多いのではないかというふうに思いますが、現状はどうなっているでしょうか。
○内藤労務担当部長 知事部局におきまして、職員全体に占めます精神障害を理由とした病休者の割合は、先ほど申し上げましたように、平成二十三年で一・五八%でございました。ただ、このうち三十代職員につきましては一・八七%、四十代職員につきましては一・七六%となってございまして、三十代、四十代の職員層が、職員全体の平均よりやや高い数値を示しているという形になってございます。
ただ、先ほどもご答弁いたしましたように、平成十九年以降、精神障害による病休取得者の上昇傾向に一定の歯どめがかかっている中では、三十代、四十代の職員層でも同様の傾向が認められ、例えば、十九年、二十年には、それぞれ取得率二%を超えるときもございましたが、その後、緩やかではございますが、低下基調にあるのかなと認識してございます。
○吉田委員 もちろん、皆さんご努力はされているんでしょうけれども、ただ、三十代の職員全体に占める比率が二%を超えたときもあったと。今は一・八七%と、大まかにいえば約二%に近いわけですよね。そうすると、三十代の職員が百人いるとしたら、そのうち二人の方が、精神障害を理由にして三十日以上休んでいらっしゃるということになりますよね。これはやはり極めて深刻なことではないのかなと。特に、未来あるといいますか、意欲を持って東京都に就職をした方々が三十代でこういう事態になるということは、やはり何としても解決をしていくことが必要ではないかなと。
もう一つ、東京都の安全衛生管理の状況という資料を見させていただいて、非常にこれも注目したことなんですけれども、昨年度、東京都の職員で亡くなった方の数が十五人というふうに報告をされていました。その中で、例えば、がんや悪性新生物、あるいは脳血管疾患など、それぞれの理由ごとの比率が示されていたんですけれども、がんや悪性新生物も脳血管疾患もそれぞれ二〇%、あわせて、自殺、自傷により亡くなった方も二〇%ということでした。事前に伺ったら、必ずしも毎年こういう比率ではなくて、もっと前年は低いんだというお話がありましたが、少なくとも昨年度の数字だけをとらえたら、この点についても見ておく必要があるのではないかなというふうに思いました。
そこで次に、精神障害について、原因等の調査を一体どのように実施しているのか、また、その結果、浮き彫りになったことはどういうことなのか。もちろん、社会全体の問題を抜きにしてとらえることはできませんが、特に都の労働環境等に関してはどのように分析しているのか、ご答弁をお願いいたします。
○内藤労務担当部長 都におきましては、精神障害を有する職員に対しまして、管理監督者はもとより、精神保健専門スタッフが主治医とも連携しながら慎重に面談等を繰り返しまして、本人の不安や悩みの所在やその原因の把握に努めてございます。
しかしながら、具体的な発生原因につきましては職員ごとに異なり、さまざまな要因が複合化していること、時には本人自身ですら病気を認識できていないケースもございまして、個々の要因の影響度合い等について明確にすることは困難な状況にございます。
こうした中、面談等を通じて把握できた全体的な傾向といたしましては、本人自身がもともと有している素因や家庭生活における悩みに起因する場合も多く、さらには異動等に伴う職場環境の変化や人間関係の悩み等が複合している事例が認められております。
○吉田委員 もちろん、さまざまな複合的な面があると思うんですけれども、ただ、やはり皆さん方が分析する必要があるのは、定数削減による仕事の過密化や複雑化、さらに人事管理のあり方という点について検討することが求められていると思うんですけれども、この十年間での定数及び人事管理での大きな変化としてどういうことがあったのか、改めてご答弁をお願いいたします。
○内藤労務担当部長 知事部局におきますここ十年間の職員定数の推移を見ますと、平成十四年度が三万一千百九十五人、平成二十三年度が二万四千二百五十一人となっておりまして、数にしまして六千九百四十四人、率にして約二二%の減となってございます。職員定数につきましては、毎年度の事業動向を踏まえつつ、執行方法の改善など必要な見直しを行った上で適切に算定しているものでございます。
しかしながら、業務が複雑高度化、そして困難化している中で、年間を通じて見ますと、どうしても特定の時期や一定の期間に超過勤務が増加してしまうようなことも否めません。このため、長時間勤務対策といたしまして、一定の超過勤務を行った職員には産業医による面談を実施し、その指導助言に基づきまして超過勤務を抑制するなど、心身の健康を損なわないよう十分留意しているところでございます。
また、個別の健康管理対策のみならず、職員が生き生きとして仕事に取り組めますよう、職員のスキルアップや適性を踏まえた配置管理など、職員の意欲を引き出し、能力を高める人事管理にも日々努めているところでございます。
○吉田委員 私は、二〇〇九年三月に出された厚生労働省労働基準局長通知、当面のメンタルヘルス対策の具体的推進についてというものを、インターネットで検索して読んでみましたけれども、この中では、労働者健康状況調査を行った結果、職業生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者は約六割あったというふうに記載されていました。
さらに、東京都内の地方公務員関係の労働組合が実施した、回答数約一万を超える調査の中で、自分の仕事で、職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスになっていると感じていることがありますかという質問に対して、やはり同じように五九%、約六割の方が回答しているということから見ても、改めて定数のあり方、さらに人事管理のあり方について、私は、検討が避けて通れないのではないかなというふうに思います。
対策として、精神障害を生まない、あるいは減らす環境づくり、さらに予防対策の重視、そして回復、職場復帰への支援など総合的な対策が必要だと思いますけれども、どのように取り組んでいらっしゃるのか、ご答弁をお願いいたします。
○内藤労務担当部長 知事部局におきましては、職員の心の健康問題の対策を行うことで本人や家族の安心と安全を確保し、また、職場全体の公務能率を一層向上させることを目的といたしまして、平成十八年三月、職員の心の健康づくり計画を策定いたしました。この計画におきましては、心の健康づくり体制を明確にするとともに、精神科医、心理職及び精神保健相談員等の専門スタッフを配置いたしまして、きめ細かな取り組みを推進しているところでございます。
また、罹患の予防から復職に至るまで、職員の状況に合わせまして、職員本人や管理監督者に対して啓発を行う一次予防、早期発見、早期対応のために行う二次予防、さらには円滑な職場復帰支援や再発防止のために行う三次予防を設定いたしまして、総合的な対策を講じているところでございます。
これまでの具体的な取り組みといたしましては、各種講習会の実施や相談事業の充実、さらに、復職ウオーミングアップセミナーや、その後に続きます職場復帰訓練の実施などがございます。
○吉田委員 もちろん、職場復帰その他の取り組みは一層強化される必要があると思いますけれども、先ほど紹介した調査の中でも、健康で働く上で何を改善すべきかという旨の質問に対して、職員の方が挙げた第一が人員の拡充で五〇・一%、二つ目に業務量の削減で三三・七%、三つ目に職場環境の改善で三二・五%ということが示されておりました。職員全体の数が十年間で約三万一千から二万四千と、二二%削減されていたということは、やはり大きな問題を及ぼしているのではないか。その問題の是正抜きに、私は、本当の予防対策はとれないのではないかというふうに思います。
最後に、総合対策をとる上で、直接的な当事者団体であります労働組合との十分な協議を図ることが重要と考えていますが、どのように対応されてきたのでしょうか。
○内藤労務担当部長 職員が心身とも健康な状態で職務に精励できる環境づくりにつきましては、労使の立場を超えた共通の課題だと認識しております。
都におきましては、職員の心身の健康障害の防止を図るため、基幹となる検討組織といたしまして、都全体、局、部、事業所のそれぞれの段階に応じまして安全衛生委員会を常設してございます。この委員会の構成メンバーは、現在、職制側の管理職、職場代表として職員団体の役職者、さらには専門的知見を有する産業医で構成されておりまして、それぞれの視点からさまざまな意見交換を行い、事業の充実に努めているところでございます。
例えば、先ほどご紹介いたしました職員の心の健康づくり計画につきまして、その策定段階における意見交換、個別事業の実施状況の検証等を通じまして、その後の事業展開にも反映しているところでございます。加えて、職員団体とは、勤務条件関連交渉や検討会等の機会をとらえ、個々の健康管理施策の効果的な実施等につきまして、忌憚ない議論を行っているところでございます。
○吉田委員 労使間で、さらに専門家を含めて検討を行っている課題でありますので、私は踏み込んだ要望等は差し控えいたしますけれども、先ほどから繰り返し述べているとおり、定数削減、さらに人事管理のあり方、この問題について、改めて検討を求めて、次の質問に移りたいと思います。
次に、防災対策の中でも地域防災力の強化に絞って何点かお伺いをいたします。
昨年度、東日本大震災を受けて、東京都は防災隣組ということを打ち出しました。この点でお伺いしたいと思うんですけれども、地域の自主的な防災組織としては、防災市民組織という組織が現実に存在し、この防災市民組織の育成強化ということをこれまで進めてきたと思います。この防災市民組織の育成強化が、私は引き続き基本だと思いますが、この点と隣組との関係をどのようにとらえて取り組みを進めていらっしゃるのか、ご答弁をお願いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 東京における自助、共助の取り組みを推進するためには、防災市民組織やPTA、企業など多様な団体による防災活動を活性化することが重要でございます。このため都は、こうした団体の中から意欲的かつ継続的に防災活動に取り組む団体を東京防災隣組として認定いたしまして、その普及を図るなど、事業を展開しているところでございます。
お話しの防災市民組織につきましては、町会、自治会を中心に、都内に広く組織されており、地域の防災活動の中心的役割を担ってございます。このため、区市町村と連携しながらその育成を図ること、これは当然のことと考えております。
○吉田委員 都内の防災市民組織の組織状況について確認をしたいんですが、たしか総数約七千と認識していますが、未組織地域はどの程度残されているのか、また、そうした未組織の解消へ、都としてどのように支援して取り組んでいるのか、ご答弁をお願いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 平成二十三年四月一日現在、都内では防災市民組織が組織されている地域の割合は七七・二%でございます。組織されていない地域は二二・八%となってございます。こうした未組織地域につきましては、防災市民組織のリーダー育成研修を実施するとともに、東京防災隣組の意欲的な活動の紹介を積極的に行うなど、防災市民組織の育成を担う区市町村と連携しながら、育成、支援を進めてまいっております。
○吉田委員 関連して、東京の問題では、マンション対策ということを抜きにして考えることができないと思うんですけれども、このマンションでの組織化が一つの重要課題だと思いますが、現状認識及び対策をどのようにとっていらっしゃるかも、あわせてご答弁をお願いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 都内には、大規模マンションが多く存在しておりますが、住民同士の連携が希薄であると、発災時には対応が十分でなく、大きな被害が発生することが懸念されるところでございます。このため、マンション等においても、住民みずからが防災市民組織を結成し、自助、共助の取り組みを進めていくことが重要でございます。
都内には、地元住民と連携して防災活動を行ったり、災害時要援護者の見守り支援に意欲的に取り組んでいるマンションもございますことから、都は、こうした取り組みを行う団体を東京防災隣組として認定し、その事例を広く紹介することで、組織の育成を支援しております。
○吉田委員 その防災市民組織についてなんですけれども、現状を見ると、役員の方々の高齢化、あるいは他の役職との兼務--自治会の役員、あるいは避難所の運営協議会の役員を兼ねている中で、本当にこの組織を活性、強化していくということは極めて重要なことだと思いますが、そうした現状と支援について、どのように取り組んでいるのか、ご答弁をお願いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 防災市民組織の実態を調査いたしましたところ、構成員の平均年齢、これが六十歳以上の組織が半数以上を占めるなど、構成員の高齢化であるとか、あるいは若い世代の不参加、こういったことが、防災市民組織の活動を活性化する上での課題でございます。
こうした中においても、例えば、地元小中学校との合同訓練を通じて若い世代の取り込みを図るなど、それぞれ特性に応じた取り組みを進めている組織もございますことから、こういったこれらの事例を広くほかの地域に紹介するなどして、防災市民組織の課題解決を支援してまいります。
○吉田委員 その支援の一環として、防災市民組織に必要な資器材の配備を促進するということがあると思います。これまでも、総務委員会などでも取り上げてきましたけれども、一防災市民組織当たりの平均的な資器材の配備状況はどのようになっているのか。さらに、可搬ポンプを一台も持たない防災市民組織がまだ残されていると思うんですが、どの程度残されているのか。そして、そうした現状の中で、配備促進のために、都としてどのように取り組んでいるのか、ご答弁をお願いいたします。
○箕輪企画調整担当部長 防災市民組織に配備されている主な資器材でございますが、消火器や軽可搬ポンプなどの初期消火器材、ジャッキ、バールなどの救助用資器材、テント、担架などの避難救出用資器材、救急医療用セットなどの救護用資器材、ハンドマイクなどの情報連絡用の資器材などでございます。
平成二十三年四月一日現在、可搬消防ポンプを配備していない防災市民組織の数でございますが、四千五百十でございまして、全体の六三・八%となってございます。
防災市民組織の活動用資器材の配備につきましては、各区市町村が実情に応じてさまざまな支援を行っているものと認識してございますが、今後も、都は、関係団体による助成制度の周知を図っていくなど、引き続き区市町村に働きかけてまいります。
○吉田委員 私は、六三・八%の組織が、まだ一台も可搬ポンプを配備されていないということは、極めて深刻なおくれではないかなというふうに思います。助成制度の周知をというお話がありましたけれども、より実効性のある支援策が求められているというふうに思います。
最後に、これまでも取り上げたことがありますけれども、多摩地域の消防団の場合には、東京消防庁ではなく各市町村という対応になっています。中には、財政的な理由だと思うんですけれども、消防団の防火服が全員分配備されていなくて、必要なときに自分のサイズに合った防火服を着用して現場に出ていくという実態が、一部かもしれませんが、あるということを聞きました。こういう事態を都としても放置すべきではないと思いますが、多摩・島しょ地域のこういう消防団に対する支援について、どのように認識し、取り組んでいるのか、ご答弁をお願いいたします。
○村松総合防災部長 多摩・島しょ地域の消防団について、広域的な視点から都が早急に行うべき対策につきましては、既に検討を進めているところでございます。
○吉田委員 終わります。
○泉谷委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十九分休憩
午後三時開議
○泉谷委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○くりした委員 まず、私からも、防災対策についてお伺いをいたします。
これについては、本日も各会派から質疑がなされ、また、防災対策特別委員会の中でも多くの質疑がありましたが、今回は、災害時の対応力を高める訓練について、特に伺いたいと思います。
都が毎年度九月一日を中心に総合防災訓練を実施しているのは、既にご承知のとおりであります。当然、これまでも、有事の際に役立つように、さまざまな工夫がなされてきたと思いますが、東日本大震災によって、都における防災対策も、さまざまな点が見直されようとしています。防災訓練においても、より一層、実災害をリアルに想定した訓練を行っていく必要があると考えます。
そこでまず、平成二十三年度に、東日本大震災後初めてとなる総合防災訓練をどのように実施したのか、お伺いをいたします。
○村松総合防災部長 都は、昨年十月二十九日に、小平市、西東京市、武蔵野市、小金井市と合同で、都立小金井公園を主会場といたしまして総合防災訓練を実施いたしました。例年は九月一日の防災の日前後に開催しておりましたが、東日本大震災の発災を踏まえまして開催を約二カ月おくらせ、内容につきましても、大震災の経験から得た教訓を踏まえまして、大幅に見直して実施したところでございます。
大きな変更点として、より実践的な内容とするため、新たに、警察、消防、自衛隊による救出救助の訓練や、地域住民も参加した避難所の運営訓練などに、関係者にシナリオをあらかじめ示さずに行うブラインド型の訓練を導入いたしました。
また、地域住民約二千人が参加し、住民同士による救出訓練など、自助、共助の訓練を実施したほか、臨海部では、津波の到来に備えるため、東京港と都内河川のすべての水門を閉鎖する訓練を実施いたしました。訓練参加者は全体で約二万人に及び、自助、共助、公助のさまざまな取り組みを検証することができたものと考えております。
○くりした委員 二十三年度の訓練においては、ブラインド型の訓練を導入したことが特に新しい点であったということでありました。いうまでもなく、災害は、地震を中心に予期が非常に難しいことから、実効性を高める上で有効な試みであったのではないかと思います。
また、全体で約二万人という、地域住民を中心とするたくさんの方々にお集まりをいただき、有事の際の対応を確認したということもわかりました。
東日本大震災を経て、多くの方々に防災について関心を持っていただいている今、防災訓練の内容についても積極的に見直し、そして、より実効性を高めていく工夫を行っていくべきであると考えます。
本年度も、九月一日の訓練は既に実施をされているわけでありますが、昨年度の訓練の結果を踏まえて、ことしの訓練にどのように生かしたのか、お伺いをいたします。
○村松総合防災部長 本年九月一日に開催いたしました目黒区と合同の総合防災訓練は、四月にまとめた新たな被害想定を踏まえまして、木造住宅密集地域での建物の倒壊、延焼、大量の避難者や帰宅困難者への対応、津波の到来など、さまざまな事象へ同時に対応することをテーマとして実施いたしました。
昨年度に引き続き、木造住宅密集地域を想定した救出救助訓練等にブラインド方式を取り入れました。
また、昨年度実施いたしました物資の仕分け訓練では、業務になれない行政職員のみでは円滑に行えないと、そうした結果が出たことも踏まえまして、本年度は民間事業者による仕分けを導入するなど、昨年度の結果も踏まえた内容で実施したところでございます。
目黒駅周辺の帰宅困難者対策訓練につきましても、情報提供手法など、本年二月三日の訓練成果や課題を踏まえたものとして実施したところでございます。
○くりした委員 物資の仕分け等については、なかなか行政の職員だけでは効率的に行えないという経験を生かして、民間事業者による協力を導入するなど、新たな取り組みについても意欲的に取り組んでいただいているのかと思います。
災害は忘れたころにやってくるというふうによくいわれますが、それを忘れずにいるためにも、日々の訓練も単純作業的にならないように、常に新たな課題を設定して、そして改善、改良を行っていくべきなのかと思います。
都内では、大小さまざまな多くの訓練が行われておりますが、都におけるこういった訓練のフィードバックを、そういった地域の防災訓練に生かせるような工夫についても、ぜひ積極的に取り組んでいただけるよう要望しまして、次の質問に移ります。
次に、監理団体改革について関連してお伺いをいたします。
都においては、平成十三年度より監理団体改革の一環として、都から経営目標を監理団体に対して提示をして、そして、それに対して各団体の達成状況はどうであったか、これを毎年度評価する取り組みを行っていただいていると思います。
この経営評価に関しては例年行われており、その結果については、こういった冊子という形で広く公開をされているわけでありますが、この中身を見ると、都における三十三ある監理団体に対して、合計二百九十九項目の経営指標を設定して、そしてそれぞれの項目に対して、例えば、昨年度であれば、二十三年度の実績はどうであったのか、そういったことがこの中に示されているわけであります。
一つの団体においては、平均して十項目の指標が設定され、それらは都民や利用者の目線、財務的視点、内部管理、環境への配慮など多角的な視点が考慮されており、また、具体的な数値目標が設定されているのも特徴の一つであると思います。
例えば、公益財団法人東京都交響楽団においては、自主公演の年間総入場者数や公演の実施回数等、団体の経営状況をはかる上でポイントとなる点を指標として取り上げているのかと思います。
こういった数値目標の設定においては、達成したか否かの判断がだれから見ても明快な反面、目標値をどこに定めるか、そういった点について精査が難しいという課題もあるわけでありますが、これらを含む監理団体の経営目標については、だれが、どのようなプロセスによって設定をされているのか、まずお伺いをいたします。
○堤行政改革推進部長 経営目標の設定についてでございますが、まず、団体が当該年度の経営目標案を策定いたしまして、団体トップによる所管局長へのプレゼンテーションを行った上で、団体と所管局で目標の妥当性、客観性について協議を行います。
次に、所管局から総務局へ提出されました経営目標について、客観的なデータによる検証や協議を行いまして、前の年度の実績を上回る目標値を設定するということを基本といたしまして、全庁的な視点を持って経営目標を調整いたします。
最終的には、副知事をトップといたします監理団体改革推進委員会に付議をいたしまして審議を経た上で、各団体の経営目標を確定しております。
なお、経営目標の設定状況につきましては、毎年、議会へご報告をし、妥当性に加え、公正性の確保についても万全を期しているところでございます。
○くりした委員 ご答弁の中では、まず各団体が目標を設定して、そしてそれらが適正であるかどうかを各局がチェックして、そして最終的には、都の幹部を含む監理団体改革推進委員会による審議と承認を経て、議会に報告をされるということでありました。
そこで、最終的に決められた数値や指標については、この冊子にも明確に示されているわけでありますが、それらの個々の数値等がどういう算定に基づいて決められたかということについては、なかなか知ることが難しいという問題があります。
そうすると、都民から見たときに、本当にそれが適切なハードルであるのかということについて非常にわかりづらいと。うがった見方をすると、それがお手盛りではないのか、そういった疑念を抱かれるという懸念もあると思います。この部分のさらなる透明化については、私は、課題の一つだというふうに考えております。
先ほどご答弁いただいたプロセスで設定をされたもろもろの指標、平成二十三年度の経営目標の達成状況を見ると、三十三団体で二百九十九項目あるわけでありますが、この中で達成できなかったと判断をされている指標は幾つあるのか、お伺いをいたします。
○堤行政改革推進部長 平成二十三年度に監理団体三十三団体が経営目標として設定をいたしました二百九十九項目のうち、未達成であったものは八団体の十四項目でございます。
○くりした委員 二百九十九項目中、未達成であったのは十四項目で、それらは八団体によるものであるということでありました。
ということは、平均十項目中、二項目以上が未達成であったという団体も幾つか存在するわけでありまして、しかし、この報告書によれば、すべての団体が目標の九〇%以上を達成していると。そして、そのうちの二十四団体が目標の九五%以上を達成しているという評価をされております。単純に指標の九五%以上を達成しなければいけないということを考えると、これがかみ合わないんじゃないのかと私も思いまして、それについてお伺いをしたところ、これらの指標については、項目ごとに均等に評価をしているわけではなくて、あくまで指標を参考として、最終的には総合的に達成率の評価を行っているために、こういったことが起こってくるということでありました。
無論、各指標の比重については、これは均等にはなり得るわけはなくて、ポイントの配分が指標によって違うというのは理解できるところでありますが、その配分が明らかになっていない中で、達成率を数値で出して、そして評価を行うということになれば、ともすれば、比重についてはいかようにも操作をして、目標未達成の団体についてはつくらないように意図的にできるのではないかという疑念を都民から抱かれるおそれもあります。
また、この経営評価の中では、経営目標を達成し、かつ局長が求めた水準以上の顕著な実績を上げた団体の理事長等は、次年度の役員報酬を一定の割合でふやせるという仕組みがあります。その逆においては減らすことになっており、各団体の指標をはるかに超えた結果を出すインセンティブともなり得る、この仕組み自体については問題のあるものだとは思っておりませんが、どの団体がこの役員報酬アップの対象になって、あるいはダウンの対象になるのか、この判断については、先ほど申し上げた各団体への個々の評価以上にポイントがわかりづらくなっております。
毎年度、経営目標を設定し、その実績を評価すること自体は有効な手段であるというふうに認めますが、公表資料を見ても、団体の経営評価を具体的にどのように行っているかということについては、若干わかりにくい部分があるというのは事実だと思います。私でさえ、わかりにくいということからすると、都民に至っては、さらに不明瞭だと感じるのではないかと思います。
今後も監理団体については、都民の理解と協力を得ていくためにも一層の工夫が必要であり、それによって、監理団体の透明性の向上もさらに図られるのではないかと考えますが、それに対する都の見解をお伺いいたします。
○堤行政改革推進部長 本制度は、毎年度、経営目標の設定や評価結果等を公表することによりまして、団体の経営改善や自律的経営を促進し、都民サービスの向上を図るとともに、都民に対する説明責任を担保しているものでございます。
平成十三年度以降、本制度を運用し、適宜充実を図ってきておりますが、今年度からは、各団体が目標達成に向けて行った努力や実績値に影響を与えた特殊事情、さらには各指標以外での評価事由を明らかにする観点から、経営評価の評価理由等を公表資料に追加いたしまして、よりわかりやすくいたしました。
今後も都民の方々の理解が得られるよう、適切に経営目標達成度評価制度を運用しながら、監理団体の指導監督に努めてまいります。
○くりした委員 こちらの資料から、二十三年度から追加をされました評価理由を私も拝見いたしまして、例年よりはわかりやすくなってきているのではないか、改善をしてきているのではないかと思いますけれども、それでもまだまだ改善の余地はあるのではないかなと個人的には感じております。
透明性のさらなる向上については問題意識をご共有いただいているということだと思いますので、ぜひ今後、さらなる工夫について取り組んでいただけるようにお願いをいたしまして、次の質問に移ります。
次は、職員提案制度についてお伺いをいたします。
これについては、ご承知のとおり、都におけるもろもろの業務の効率化を図るべく、職員が改善策について業務の中で考えたものを、みずから考案して、そしてそれが全庁的に共有され、特に優秀なものについては表彰されるという仕組みでありますが、平成二十三年度における応募、表彰実績について、まずお伺いをいたします。
○堤行政改革推進部長 平成二十三年度の応募件数は千百三十二件でございます。表彰実績でございますが、最優秀賞一件、優秀賞七件、優良賞三十件でございます。
○くりした委員 千件を超える応募があって、そして最優秀賞を初めとして、全部で三十八件の提案が表彰されたということでありました。大変たくさんの応募があるということで、都の職員の方々からも広く認知をされて、また、モチベーションの源になっているのかなというふうに思います。
私も、二十三年度に表彰された提案について拝見をさせていただきましたけれども、最優秀賞の電力モニタリングによるリスクコントロールシステム--電力使用量の削減を安全に達成するために、水道局の施設について、一つ一つではなくて、施設を横断して電気の使用量をチェックできるようにした仕組み、これを初めとして、技術的な提案がその多くを占めております。
この職員提案制度が、都に勤める技術者の方々の中で、その手腕を示す一つの場所となって、そして皆さんのモチベーションアップにつながっているのではないかなというふうに思っております。これにかかるコスト、賞金等は決して大きなものではありませんが、千件を超える応募、さらにこの千件にしても、各局で選別を行った上での数字であるというふうに伺っておりますので、実質的には、さらに多くのイノベーションがこの取り組みによって生まれているということを考えると、私は、これは非常に大変有用な取り組みではないかというふうに思っております。
これについては都庁外にも広く知らしめていただいて、そしてこれに応募をされる方々のモチベーション向上に、ぜひつなげていただきたいところでありますが、表彰された提案を、これまでどのように都民にPRをしてきたのか、都の取り組みについてお伺いをいたします。
○堤行政改革推進部長 表彰された提案は、その概要や改善効果を報道発表資料といたしまして各報道機関に対して提供するとともに、都のホームページにも掲載をしております。加えまして、表彰式をメディア等に公開するなど、広く都民の方々への広報に努めているところでございます。
○くりした委員 これまでも既に、申し上げるまでもなく、都民の方々へのPRを工夫しながらやってきていただいている、そういったことでありましたが、昨年度のことについて確認をしてみたところ、残念ながら、一般的な新聞やテレビ等に取り上げられるまでには至っていないということでありました。
先ほど申し上げましたとおり、こういった大変いい取り組みがメディアや新聞に取り上げられることで、職員の方々のモチベーションも非常に上がっていくんじゃないかなと。同時に、さらなる業務改善についても、これは結びついていくと私は思っております。
私からも、さまざまな機会をとらえて、都はこういった取り組みを行っていることを発信させていただきたいとも思いますし、ぜひ都庁としても、今後、多くの都民の目に触れるような一般紙やテレビ等々でも取り上げられるよう、各メディアに対してもこれまで以上に積極的にPRをして、都民にこういった取り組みをしていることを知らせていくよう努めていただけるよう、私からもお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○吉倉委員 東日本大震災以後、東京の震災、防災対策全般の見直しが進められておりますが、特に都が率先して取り組んでいる帰宅困難者対策について質問いたします。
この問題について、私は大震災以前から、地元新宿駅が一日当たりの乗降客数が百五十万人を超える都内有数のターミナル駅であることを踏まえ、新宿駅前の滞留者対策協議会の意見もお聞きしながら、さまざまな視点で具体的な提言を行ってまいりました。
都は、こうした提言に加えて、大震災当日、三百五十万人を超える帰宅困難者で東京が大混乱となったことを重く受けとめ、改めて積極的な対策を進めているところであります。
都は、国とともに民間事業者を含めた対策協議会を立ち上げ、対策を取りまとめるとともに、全国に先駆けて帰宅困難者対策条例を制定するなど、この一年間で大変に大きな前進が見られたところであり、高く評価いたします。
本日は、特にことしの二月三日に実施された帰宅困難者対策の訓練を中心に、何点か確認をさせていただきます。
東日本大震災の教訓を踏まえ、我が党は昨年の第四回定例会において、同日同時刻にターミナル駅を中心とした大規模な帰宅困難者対策訓練を実施すべきと提案をいたしました。それを踏まえ、都は、二月三日の同日同時刻に、新宿駅、東京駅、さらに池袋駅という東京有数のターミナル駅に臨海部を加えて、一万人を超える規模の帰宅困難者対策の訓練を実施いたしました。当日の訓練状況は、マスコミにも大きく取り上げられました。
そこで、改めて、二月三日に実施した帰宅困難者対策訓練での検証項目とその成果について伺います。
○村松総合防災部長 本年二月三日に実施しました帰宅困難者対策訓練は、新宿駅を初めとします都内三カ所のターミナル駅や臨海部を会場といたしまして、公募を含む約一万二千人の参加を得て実施しました。訓練では、帰宅困難者等対策協議会において合意いたしました一斉帰宅の抑制の基本方針に基づきまして、従業員の企業内での待機、大規模集客施設での利用者の保護、多様な手段を用いた都民への情報提供、徒歩帰宅者に対する支援など、多岐にわたる項目について、実践を通じて検証したところでございます。
訓練の参加者に対しますアンケートを実施し、結果を帰宅困難者等対策協議会に報告するなど、その後の対策の議論へも反映いたしました。これらに加えまして、報道によるパブリシティー効果も相まって、一斉帰宅の抑制などが周知されたものと考えております。
○吉倉委員 確かに、多くの都民が参加し、報道機関も好意的に取り上げておりました。訓練直後に都議会へ提案された帰宅困難者対策条例に対する都民の理解を得る上でも、一つの大きな流れをつくることができたのではないかと考えております。
そこで、訓練での検証事項について幾つか伺います。
初めに、都民への的確な情報提供についてですが、私が視察した新宿会場では、エリアメール、エリアワンセグ、ツイッター、あるいはアルタ前の大型ビジョンなど、さまざまなメディアを用いた情報提供が検証されておりました。また、新宿の駅前滞留者対策にも参画をしている工学院大学の村上准教授は、長距離無線LANの活用などを提唱されており、訓練でも使用されておりました。
都は、都民への情報提供について、訓練で検証した成果をどう対策に生かしてきたのか伺います。
○村松総合防災部長 災害発生時に、帰宅困難者に対して、むやみに移動を開始しないなどの適切な行動を促すには、迅速で的確な情報提供が必要となります。このため、帰宅困難者への情報提供につきましては、災害時に起こるさまざまな場面を想定し、多様な情報提供手段の活用が必要でありまして、二月三日の帰宅困難者訓練でも検証したところでございます。
訓練の結果のアンケートを通じて、SNSなどを用いた情報提供を一層普及させていく必要性や、大型ビジョンや拡声機など、目や耳に直接入ってくる情報が大きな役割を果たすことも確認されました。こうした検証結果を踏まえまして、帰宅困難者等対策協議会で情報提供のガイドラインを取りまとめたところでございまして、区市町村とも連携した取り組みにより、帰宅困難者への情報提供体制の充実を図ってまいります。
○吉倉委員 ご答弁ありがとうございます。
ことし九月一日に行われた都の総合防災訓練でも、目黒駅周辺での帰宅困難者対策訓練が実施され、新たに地域FM放送を用いた情報提供が試行されました。ぜひさまざまな手段を検証し、実際に使えるレベルにまで高めていっていただきたい、このように考えております。
次に、混乱がおさまった後の帰宅支援について伺います。
訓練では、徒歩による帰宅に加え、臨海部では米軍などの協力により、船舶による搬送も行われました。多くの帰宅困難者を安全に輸送するためには、さまざまな手段を確保する必要があります。
そこで、今回の船舶による代替輸送訓練を通じた検証内容と、その内容を発災時の対応にどのように生かしていくのか、あわせて伺います。
○村松総合防災部長 災害による火災延焼や混乱が収束した後には、多くの帰宅困難者の安全を確保しながら、自宅まで帰宅させるための支援が必要となります。徒歩帰宅者を支援するステーションを確保することに加え、距離等により徒歩で帰宅できない方への対応として船舶による代替輸送が有効であり、さきの訓練でも、在日米陸海軍、海上自衛隊、海上保安庁、東京都公園協会等の協力も得まして、海や川を利用した搬送訓練を行いました。
実災害時の運用に向け、船や接岸岸壁を確保するための関係機関との連携強化、船舶までの道路輸送の確保、災害時要援護者への対応など、検討を進めてまいります。
○吉倉委員 ご答弁いただきまして、船舶による代替輸送が有効だということでございます。
次いで、医療訓練との同時開催について伺います。
大災害時には、行政は、帰宅困難者対策だけではなく、救出救助、あるいは負傷者への手当て、被災者への対応など、実にさまざまな事象に同時に対応していかなければなりません。こうしたことをぜひ現場で検証すべきと考え、昨年の第三回定例会の一般質問で、私は、帰宅困難者対策訓練に医療訓練を加えるべきであると提案し、新宿駅周辺の訓練で実現をしていただきました。こうした訓練は、ぜひとも継続的に行っていただきたいと考えております。
そこで、この医療訓練の実施成果を踏まえ、今後の帰宅困難者対策訓練は、負傷者への対応も視野に入れた訓練を行うべきと考えますが、見解を伺います。
○村松総合防災部長 首都直下地震発災時には、建物倒壊や火災によって多数の負傷者が生じるものと想定されているため、都は、大量に発生する帰宅困難者に対応しつつ、関係機関と連携し、速やかに負傷者の救命救助を実施していかなければなりません。
そのため、二月三日の帰宅困難者対策訓練では、新宿駅周辺におきまして、負傷者のトリアージや病院への搬送などの医療訓練を、地元の駅前滞留者対策協議会を中心に実施したところでございます。
今後とも、帰宅困難者対策訓練に当たりましては、可能な限り地元自治体や関係機関と連携しまして、負傷者も想定した訓練を実施してまいります。
○吉倉委員 ご答弁ございましたが、今後とも、負傷者も想定した訓練をぜひ実施していただきたい、このように考えております。
最後に、二月三日の訓練で一つだけ残念だったことは、災害時要援護者への対応について、訓練項目に含まれていなかった点であります。
外出者の中には、目や耳が不自由な方、あるいは高齢者の方などがおられ、情報提供や帰宅支援時に特別な配慮が必要になります。そこで、都は、二月三日の訓練の成果を踏まえ、災害時要援護者への対応についてどのように備えているのか伺います。
○村松総合防災部長 ご指摘の災害時要援護者への対応につきましては、二月三日の訓練結果のアンケートにおきましても、具体的な対応を検討していく必要があることが明らかとなりました。
このため、本年九月一日の目黒駅周辺を中心に臨海部も活用いたしました帰宅困難者対策訓練は、集客施設での顧客保護、一時滞在施設での受け入れ、船舶による搬送などのさまざまな場面におきまして、災害時要援護者への対応を検証する項目を盛り込んで実施したところでございます。検証結果を踏まえまして、各種の事業者向けのガイドラインにも災害時要援護者への必要な対応を記載したところであり、今後、こうした取り組み内容の周知を図ってまいります。
○吉倉委員 答弁いただきましたが、災害時に弱い立場にある人への支援を、帰宅困難者対策においてもしっかりと取り組んでいただきたい、こういうふうに思っております。
ことし二月三日の訓練を通して、一年間の取り組みを検証してまいりましたが、実にさまざまな内容が盛り込まれた、充実したものであったということが確認できました。こうしたことが、条例や事業者向けのガイドラインに生かされているものと考えております。
都は、来年四月の条例施行に向けて、間もなく帰宅困難者対策の実施計画を策定するとのことであります。ただいま質疑を行った訓練の成果も十分に生かし、一層強力に帰宅困難者対策を推進していただくよう要望いたしまして、質問を終わります。
○泉谷委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○泉谷委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で総務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時三十四分散会
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