平成二十三年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

平成二十四年十月二十二日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長高倉 良生君
副委員長鈴木 隆道君
副委員長西岡真一郎君
小宮あんり君
新井ともはる君
神野 吉弘君
鈴木 勝博君
西崎 光子君
藤井  一君
遠藤  衛君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働委員会事務局局長岳野 尚代君
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長佐藤  敦君
道路管理部長今村 保雄君
道路建設部長佐野 克彦君
三環状道路整備推進部長長谷川金二君
公園緑地部長町田  誠君
河川部長邊見 隆士君
企画担当部長中島 高志君
総合調整担当部長今村 篤夫君
道路保全担当部長加藤 昌宏君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長五十嵐政郎君

本日の会議に付した事件
平成二十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十三年度東京都一般会計決算(質疑)

○高倉委員長 ただいまから平成二十三年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十三年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○高倉委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十三年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○西岡委員 JR中央線連続立体交差事業について伺います。
 三鷹-立川間における十三・一キロメートルにわたるJR中央線連続立体交差事業では、既に高架化工事が完了し、事業区間内にあったあかずの踏切十八カ所がすべて除去されました。結果、JR中央線は、東京駅から立川駅間においては、すべての踏切が除去されたことになります。
 この事業の事業費は、国と沿線自治体、JRが負担し、総事業費は一千七百十億円に上る大事業となりました。今後も、この事業に関連する予算が執行されていきます。
 この事業は、地元であります小金井市や市民にとっても悲願であり、私自身も市議会での活動を通じて一貫して推進し、何としても成功させなければならないという立場で取り組んでまいりました。
 三鷹-立川間の高架区域のうち、小金井市が約四四%を占めています。高架化により、小金井市内の七カ所もの踏切が除去され、最も悪影響が及んでいた、そして全国的にも大変有名になりました武蔵小金井駅の踏切が除去されたことで、小金井街道では最大五百三十メートルもあった交通渋滞が解消し、混雑時の平均徐行速度が約四割解消するなど、非常に高い事業効果を得ています。側道や南北道路が新たに整備され、小金井市内の動線が大きく変わり、大幅に改善いたしました。
 さらに、高架化事業と一体の武蔵小金井駅南口再開発第一地区の事業が終了し、また、現在は、東小金井駅北口区画整理事業が進展しており、小金井市においては、市民の利便性を飛躍的に高める高架化事業と一体の駅周辺のまちづくりが進んでおります。
 高架化されるまでの小金井街道のあかずの踏切を思い出しますと、これはもう本当に大変な状況でありました。平日の朝七時から八時までのラッシュ時の一時間に踏切があいている総時間帯が、一時間のうちわずか二分足らず。一時間のうちわずか二分、あくとすぐ閉まるというような状態が繰り返されまして、本当に長い間苦しい思いを小金井市民はしてまいりました。この高架線による効果を肌身で実感しています。
 三鷹-国分寺間の高架化工事が完了し、切りかえ工事が行われ、小金井街道の踏切の機能が消滅し、小金井街道が開通した平成二十一年十二月六日日曜日の早朝に、私も高架化列車第一号の始発列車に乗りまして、電車の中で拍手がわき起こりました。小金井街道が全面開通した際の喜びを今でも覚えております。
 そして、この高架化事業は、現在、駅舎、側道、南北道路、駅前整備、高架下利用などの最終段階の事業が市民の目に見える形で進展し、関係者間によるさまざまな協議が行われ、まさに総仕上げの段階に来ております。
 そこで、JR中央線連立事業で、今後行われる工事の予定について伺わせていただきます。

○佐野道路建設部長 JR中央線連続立体交差事業は、三鷹駅から立川駅までの区間を立体交差化して踏切を除却するとともに、駅舎や側道などの整備を行うものでございます。
 本事業につきましては、平成二十二年度に高架化が完了しておりますが、鉄道工事として、国立駅付近における高架上の軌道工事などが残されており、本年十二月には切りかえ工事を行います。
 また、本事業では道路工事として側道整備が残されており、このうち小金井市内の旧本町踏切西側に位置する側道につきましては、今年度内に工事を完了する予定でございます。
 武蔵小金井駅北口の都道の復旧に当たりましては、地元の意向も踏まえ、駅前広場機能を確保することとしており、関係機関との協議が整い次第、工事に着手いたします。

○西岡委員 ありがとうございました。高架線による高架化事業による効果というのは、本当にいろいろなことに波及するわけでありますけれども、特に人命救助や防災上の観点からの効果は、特に意義があります。あかずの踏切で、ずっと停車していなければならなかった救急車がありました。今、踏切によって停車する緊急車両は一台もないわけでありますので、大変に効果が大きいわけであります。
 また、防災の観点からも小金井市を南北に二分しているJR中央線の踏切、しかも頻繁に遮断されてきた踏切がすべて除去されたことで、消防車や救急車などの緊急車両の日常的かつ円滑な運行や防災の観点からの効果にも本当に大きいものがあります。災害発生時の緊急輸送道路に指定されている小金井街道の機能を発揮する上でも、意味のある事業となりました。
 また昨年は、四月に建設局の方から、いろんな調査が行われておりまして、沿線自治体の消防署員の方々へのアンケート調査も行われております。高架化による消防救急活動の変化という意味では、沿線の消防署員のうち、約八割の方々が目的地へ到達しやすくなったと実感しているという答えがあります。また、目的地へ到達しやすくなった理由は何ですかとの答えには、経路の選定が容易になった、これは四割。交通渋滞が解消、緩和されたが二三%。踏切待ち、停止がなくなったが二〇%。おおむね八割以上の方々が、高架線の効果を消防署員の方々も実感してる、それは大変意味があると思っております。
 今後とも、都は地元市やJRと連携し、安全に配慮しながら工事を着実に進め、早期に終了できるよう要望します。
 また、武蔵小金井駅北口の都道の復旧に当たっては、今現在、中間地点で半分に切断されている横断歩道橋が現存されたままとなっております。一刻も早く撤去されるよう要望しておきます。
 また、高架化工事に関連し、市民の関心の高い高架下利用について伺います。
 高架下利用は、沿線自治体が、JRからおよそ一五%程度の一定区域を無償で利用することができることとなっており、この高架下利用については、JRや地元自治体などがどのように活用していくのかに、市民の関心が非常に高く寄せられております。
 私は、平成二十年第四回定例会の一般質問の場でも、この高架下利用の早期の協議を行うよう質問を行いました。この間、沿線自治体では活用方法を取りまとめ、関係者間で断続的に協議が行われてきており、その活用方法の結論がまとまりつつある時期になっていると認識しております。
 そこで、本事業の高架下利用のうち、特に小金井市内における取り組み状況について伺わせていただきます。

○佐野道路建設部長 本事業の高架下利用につきましては、平成十六年度に、都、地元六市及びJR東日本で検討会を設置し、調整を進めてまいりました。
 本事業区間では、関係者間の調整が整った箇所から先行的に高架下の利用を開始しており、これまで武蔵野市が自転車駐車場を設置しております。
 小金井市内におきましては、高架下の先行的な利用に向け、東小金井駅周辺で自転車駐車場や市民サービスの提供施設などを、市が設置することにつきまして、関係者間で調整を進めております。
 引き続き、都は沿線のまちづくりとの整合や地元市の意向を総合的に勘案し、高架下が有効に利用されるよう取り組んでまいります。

○西岡委員 ありがとうございました。いよいよ高架下の利用が具体的に始まるということであります。市民も利便性を高めるさまざまな高架下利用を望んでおります。地元市や駅周辺の市民や商工者の方々からは、武蔵小金井駅北口駅付近の仮線の取得のために都が取得した土地利用のあり方、またJRの構想などに対し、さまざまな要望があります。また高架下利用についても大きな期待が寄せられています。都は、この事業の主体者として、コーディネーター機能を十分に発揮され、地元からのさまざまな声を丁寧にしんしゃくし、総仕上げの工事を行っていただくよう、あわせて強く要望させていただきます。
 また今後は、JR中央線の複々線化の実現が求められてくると確信いたしております。都庁を挙げ、関係各局による横断的な取り組みをこの複々線化の実現に向けてもご努力いただきますよう我々も頑張りますけれども、よろしくお願いいたします。
 次に、都立公園の防災対策、防災公園の整備について伺います。
 昨年、平成二十三年十月には、東京都と小金井市、武蔵野市、小平市、国分寺市の四市による合同防災訓練が都立小金井公園にて行われ、私も終日防災訓練に参加しました。
 東日本大震災発生後の最初の東京都の大規模訓練として大変注目され、また実践的かつ震災の教訓を踏まえた新たな取り組みが導入された訓練であり、地元自治体としても大変に有意義な訓練を経験することができました。広域避難場所に指定されている小金井公園における自治体合同による初の本格的な大規模訓練であり、実際に公園を使用したことで、改めて都立公園の防災上の機能の重要性を認識いたしました。
 今後は、地元自治体や地域の防災組織などが日常的に都立公園において訓練を開催していく必要性も認識しました。また、実際に多摩直下地震などの大規模災害が発生したような際には、大勢の方々が最初に駆けつける場所ともなり得ることから、具体的な避難体制の構築のありようをイメージすることもできました。都立公園には、その備えが重要であります。あらゆる災害に対して、都立公園は、防災上の極めて重要な役割を担っています。
 そこで、これまで東京の防災力を向上するために、都立公園として、どのような考えで整備を進めてきたのか伺わせていただきます。

○町田公園緑地部長 建設局が所管する都立公園八十公園のうち、六十公園が地域防災計画において避難場所、災害時の救出救助活動拠点やヘリコプターの活動拠点等に位置づけられております。
 これらの公園におきましては、それぞれの公園が果たす役割に応じて避難場所となる広場の整備、大型車両が進入できる入り口や園路舗装の強化、ソーラー式誘導灯や防災トイレなどの整備を進めております。

○西岡委員 災害時の救出救助活動拠点となり、ヘリコプターの活動拠点や避難場所などに位置づけられていることは重要な機能であります。また、震災などが発生し、ライフラインが機能していない場合や避難者が大変多く存在していることを考えますと、防災トイレの整備は大変重要だと思っております。
 昨年度、都立小金井公園で行われた都及び四市合同の総合防災訓練においては、マンホール型の防災トイレやかまどベンチなどの防災施設が既に整備されていることを認識できました。
 かまどベンチは、大変によいアイデアで考案されたものです。ふだんはベンチですが、いすの部分を取りますと、かまどになって、そこでご飯を炊いたり、火をおこせるというものです。これすばらしいなと思っております。このかまどベンチなどは、都立公園全体にさらに設置数をふやしていくべきではないかなと考えてます。
 一方、東日本大震災の際には、帰宅困難者の避難場所ともなり、数万人が集まった公園もありました。帰宅困難者対策としての都立公園の機能向上を果たせるよう、さらなる検討を要望しておきます。
 今後とも、常に設備の点検などを行うとともに、地元自治体とも緊密に連携し、災害が発生した際には小金井公園を含むすべての都立公園の防災公園としての機能が、しっかりと果たされるよう取り組むことが求められております。
 このような施設が発災時において、被災から避難してきた人々が戸惑うことなく利用されることが、地域の防災力の向上には必要であると考えます。
 そのためには、常日ごろから防災公園として兼ね備えている機能を地元にしっかりと周知、PRしていくことや防災訓練などに、積極的に、継続的に利用されることも重要だと考えております。
 今後、都立公園が持つ防災公園としての機能を発揮していくために、どのような取り組みを進めていくのか伺わせていただきます。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園は、総合防災訓練の会場となるなど、発災時における都、地元自治体を初めとする各防災機関の連携強化、自助、共助に基づく地域防災力の向上を図るために活用されております。
 災害時の避難場所の運営は、基礎的自治体の責任で行うこととなっておりますが、指定管理者による自主的な防災訓練において、かまどベンチによる炊き出しや防災トイレの組み立て体験等を実施するほか、防災ブースの出展やパネル展示などによる防災意識の向上を目指した普及啓発を図っております。
 都立小金井公園で行われました訓練では、サラダオイルなど身近な材料で非常用の防災コンロや明かりをつくる体験等を実施して、さらに防災意識の普及に努めました。
 引き続き、地域と連携した防災訓練や普及啓発を進めてまいります。

○西岡委員 ありがとうございました。今ご答弁にありましたようなさまざまな取り組み、東日本大震災の教訓を踏まえた取り組みなどを積極的に推進されるよう要望いたします。
 現在、東京都では、東京都地域防災計画修正素案が示され、最終確定に向けた作業が進展しております。都立公園の機能が、この計画の中にもしっかりと位置づけられていくよう要望し、次の質問に移ります。
 続きまして、多摩地域を流れる野川について伺います。
 皆様、野川はご存じでしょうか。多摩地区を流れる野川は、延長二十・二キロメートル、東京都が管理する一級河川なんです。国分寺市の日立製作所中央研究所内の湧水を原水とし、さらに真姿の池からのわき水など沿線地域の湧水を集めつつ、国分寺市、小金井市、そして三鷹市、調布市、狛江市、さらに世田谷区を流れ、最後に世田谷区玉川付近で多摩川に注ぐ東京のかけがえのない大切な中小河川であります。
 はけと呼ばれる国分寺崖線などの湧水のみが集まる自然環境豊かな貴重な河川として、流域の都民に大変に親しまれている河川です。
 私自身も十歳から小金井に住んでいるんですが、野川の沿岸、目の前が野川でした。三十三年間にわたりまして、毎日のように野川を見詰めつつ、さまざまな形で親しんでまいりました。
 しかし、この野川が平成になったころから都市化による湧水の減少などにより、冬場になると深刻な水がれ現象が見られるようになりまして、私は都議会で活動するようになった当初の環境・建設委員会において、建設局の皆様方に野川の水がれ、渇水対策を強く要望し、また私なりの三つの対策案を提言させていただきました。
 東京都では、粘性土を張りつけるなどの取り組みを行ってきました。しかしながら、現在も冬場になると、ほぼ毎年のように、特に小金井市の区間では深刻な水がれが起きています。さらに、調布市や狛江市でも水がれが確認されています。
 水がれが発生すれば、生態系が破壊され、貴重な自然に悪影響を与えることとなります。何とかしてこの水がれ現象が発生しないように、あらゆる手だてを講じていかなければなりません。
 私が野川に出会ったころの三十三年前の野川というのは、生活排水が流れ、悪臭を放ち、今の野川からは想像もできないほどに大変荒廃した川でありました。しかし、その後、多くの市民が活動し、行政が動き、野川は湧水を集める清流の川として復活しました。野川とともに育ってきた私にとりましても、野川は大切な存在であり、市民の誇りであり、国分寺崖線の森や都立公園の緑とともに、潤いと安らぎを与えてくれるこの川を何としても再生させていかなければならないと常々決意してるところであります。
 大きな課題は、まさに野川の水流確保であります。そこで、野川における水がれ対策の取り組み状況について伺わせていただきます。

○邊見河川部長 野川では、水がれ対策として平成八年度より、流水の浸透防止のために、お話しのように河床に粘性土を張りつける対策を行っております。平成二十三年度は、小金井市の豊住橋から荒牧橋下流の約〇・二キロメートルで対策工事を実施しておりまして、これまでに五・〇キロメートルが完成してございます。今年度は、前原野川橋付近から豊住橋まで約〇・二キロメートルの対策を行う予定でございます。
 今後とも、野川の水がれ対策を着実に実施してまいります。

○西岡委員 ありがとうございました。この粘性土の事業計画もほぼ完了に近づいているのだろうと思います。
 ことしは、例年の冬場の水がれ現象がおかげさまで見られませんでした。これは、小金井市や野川流域自治体での雨水浸透ますの設置などによる地下水涵養の努力や都の取り組みなどの効果が少しずつでありますが、あらわれてきてるのではないかと大変期待しているところであります。
 しかし、粘性土による対策だけではない、さらなる取り組みが求められていることも事実であります。野川の水流確保は、これは全都的に、降った雨が地中に戻るという、当たり前の、昔からある当たり前の自然の循環の仕組みを可能な限り取り戻すということが一番大きいのだと思うんです。そして、粘性土張り工事の検証も、あるいは補強というのでしょうか、これも必要だと思っております。今後とも、土木研究所など都の一層の調査研究、取り組みを強く要望いたします。
 今後とも、豊富な水量の確保のため、引き続きあらゆる方策を検討し、水がれ対策に取り組んでいただきたいと思います。
 一方、災害時を想定しますと、野川は消防水利などとして十分に活用できる川であります。しかし、水がれが発生すれば活用不可能であり、水流があっても水量が十分ではありません。自然環境の維持のみならず、防災の観点からも野川の水がれ対策は重要な課題であります。
 野川の清流が再生したことやさまざまな努力により、自然も再生してきています。蛍の生息が確認されたり、カワセミ、私はまだ一度もカワセミを見たことがないので残念なんですが、カワセミの生息も確認されています。いつもカワセミを見つけようとして努力してるんですが、まだ私の周りにはあらわれてくれないんですね。
 また、貴重な昆虫の生息も確認されています。野川では水流があることで、自然の生態系が機能しております。
 そして、最近では大変驚くべき事実が入ってまいりました。きれいな川に住むとされてるアユの遡上が野川で確認されました。これは大変な吉報で、私もことしの夏に初めてこの話を耳にしたとき、大変驚きました。すごいことだなと認識しております。
 多摩川のアユが恐らく野川を遡上し、最近では調布市付近まで遡上してきていることが確認されております。
 多摩川のアユについては、多くの方々の努力がありました。平成二十四年六月二十日の東京都産業労働局の報道発表によれば、多摩川の天然アユが何と一千万匹を超えたということが確認されていると。これも大変うれしい報道だなと思っております。
 ということで、私も今週末に何とかアユを自分の目で見てこようと思いまして、調布市まで出かけてまいりました。野川と中央高速道路が交差する付近からこの南側付近、又住橋から虎狛橋のあたりです。私、一人で行きましたので、専門家の方と一緒に見たわけではないんですが、恐らく片手サイズぐらいの細長いきれいな魚が三十匹ぐらいの群れで、きれいな水流でした。泳いでました。その群れを三つぐらい発見しました。アユだと思います。恐らくアユだと思います。
 小金井でも発見したという話も耳にしておりますけれども、このアユがどこまで遡上してくるのかが大変楽しみでありまして、早く小金井に来てくれないかなと興味深く見守っているところでありますが、そのためにも水流が必要ですし、絶対に水がれを起こせないんです。そういう意味での水がれ対策も非常に重要なんです。
 野川では、第一調節池において、過去に損なわれた自然環境を取り戻す自然再生を目的とした国土交通省が所管する自然再生法に基づく自然再生事業に指定され、田んぼやビオトープが整備され、市民に親しまれております。環境団体の皆様の努力により、都との協働事業が進展してきました。
 野川でのこれまでの自然再生事業の取り組みと成果について伺わせていただきます。

○邊見河川部長 野川では、平成十八年度に野川第一調節池、第二調節池を事業対象地区として自然再生全体構想を作成してございます。これに基づき、第一次実施計画として、平成十八年度から二十二年度までの五カ年で湿地や田んぼの整備などの自然再生事業に取り組んでまいりました。
 平成二十三年度に実施した生物調査では、新たにギンヤンマなどの昆虫やクサヨシなどの植物が確認されております。

○西岡委員 湿地などの整備によりまして新たな種類の生物が確認されたことは、自然環境の回復に向けた事業の効果であると思われます。引き続きこの取り組みを継続していくことが求められております。
 最後に、現在及びこれからの自然再生事業への取り組みについて伺わせていただきます。

○邊見河川部長 現在、地元自治体、市民、学識経験者等で構成される自然再生協議会での協議を行いながら、第一次実施計画の成果も踏まえて、第二次の実施計画の策定作業を進めてございます。
 今後とも事業対象地区において調節池機能との調和を図りながら、かつてあった水のある豊かな自然環境の再生に取り組んでまいります。

○西岡委員 新たな第二次実施計画の策定の準備を進めるということですので、今後とも意義のある協働事業となるよう施策を推進していただきたいと考えます。
 一方、第二調節池に関しましては、これまでの教育関係団体やスポーツ青少年関係団体との協議の経過も踏まえまして、さまざまな市民の意見との調整を図り、適切に対応されるよう要望しておきます。
 また、野川に生えている草などの管理のあり方に市民の方々から要望が寄せられています。こちらも適切に対応されるよう要望しておきます。
 最近、私が野川の光景を見ていて本当にすばらしいなと思いますのは、夏に大勢の子どもたちが、はだしになって野川に入り込んでびしょびしょになって、泥んこになって、野川の中でザリガニをとったり、魚を追いかけている姿であります。また最近は、釣りをしてる人も見かけます。びっくりします。
 また、四月になりますと、小金井市中町からくじら山にかけて植栽されてるしだれ桜が大変に美しく、広く有名になりまして、新たな桜の名所として多くの方々が訪れています。
 水質が改善され、水流が美しく、渡り鳥もやってくる自然豊かな野川は、小金井市の、そして東京都の財産であります。さらに、水量の増加が加われば、野川のすばらしさがさらに発揮されます。
 今後とも、水がれ対策や自然再生事業を着実に推進していただきたいと改めて要望いたしまして、質問を終了いたします。

○小宮委員 私の住むまち杉並には、神田川や善福寺川、妙正寺川といった美しい中小河川が走り、川沿いにおいては年間を通じてランニングやウオーキングを楽しんだり、その緑地においてはラジオ体操や太極拳、春にはお花見、夏には盆踊りが開催され、野球場も整備されたりと、まさに都民の憩いの場となっております。
 しかし、そうした流域に住む都民は、過去にたびたび水害に見舞われ、台風や集中豪雨に対する不安を抱えてきました。これに対して都は、これまでも治水対策を積極的に進めてきており、特に平成十九年に環状七号線地下調節池が完成して以降、治水安全度が大幅に向上し、当地において浸水の被害が出ていないことを考えると、流域に住む都民の方々の安心感は増しているといえます。
 しかしながら、近年、都内各地で集中豪雨が頻発しておりまして、中小河川の整備をより一層促進していく必要があると考えます。
 そこで、護岸整備事業が進む善福寺川について質問します。
 まず、善福寺川における現在の整備状況について伺います。

○邊見河川部長 平成二十三年度は、杉並区の和田堀橋上流で約七十メートルの護岸整備を実施いたしました。また、熊野橋付近においては約八十メートルの護岸整備を実施するとともに、河川のネック箇所となっていた熊野橋のかけかえ工事を進めておりまして、今年度末の竣工を目指してございます。
 これらにより、善福寺川全体の治水安全度達成率は、平成二十二年度末に比べて一ポイント上昇し、六六%となります。

○小宮委員 着々と善福寺川の整備を進めていることがわかりますが、過日、この整備地域における町会、自治会の方から長く河川工事をやっているようだけれども、一体いつまでかかる事業なのか、予定よりおくれているのではないかといったご指摘をいただきました。河川事業だけでなく、都民の安心・安全のために実施するさまざまな公共事業は、通常複数年といった長い年月を伴うものであります。
 しかし、その地域に暮らす人にとっては毎日のように目にする光景がどのような進捗状況にあるのか。行政の事業に対して関心を持ってくださる方ほど気になるところであると思います。
 箇所箇所で工事予定の看板を目にすることはありますが、例えば、地下の埋設物等によって工期が延びるといった場合、その状況をどのように周知しているのか、善福寺川整備事業の進捗状況とあわせて伺います。

○邊見河川部長 現在行っている熊野橋付近の工事は、当初平成二十四年三月の完成予定でありました。その後、大雨による仮締め切り内への冠水が多く発生し、作業に手戻りが生じたこと、お話のように数十年前まで使われていた旧橋脚の基礎が新たに出てきたことなどによりまして、完成予定を延伸し、今年度末としてございます。
 これらのおくれに際しては、現地での広報看板の工期の記載を修正することに加えまして、地元町会の役員会での説明などを行ってまいりました。今後とも地域の方々のより一層の理解と協力が得られるよう周知に努めてまいります。
 この熊野橋付近の改修が完了することによりまして、平成十七年に大きな浸水被害を受けた環七通りから済美橋までの一連の区間の整備が完了することになります。

○小宮委員 ぜひ、事業の進捗状況について関係地域の住民に正確な情報を伝えながら、事業そのものへの理解や協力を深めていただきたいと思います。
 さて、今後は、善福寺川の中流部から上流部の治水安全度を高めることが求められています。そこで、善福寺川における今後の取り組みについて教えてください。

○邊見河川部長 今年度は、済美橋より上流部の護岸整備に着手するとともに、都立善福寺川緑地を活用した調節池についても新たに本体工事に着手いたします。
 この調節池は、貯留量三万五千立方メートルの地下式の調整池で、平成二十七年度末の取水開始を目指して整備を進めていく予定でございます。
 調節池が完成すると、下流の治水安全度が大幅に向上するとともに、調節池上流区間においても護岸整備の早期着手が可能となります。
 引き続き、善福寺川における治水安全度のさらなる向上に向けて、積極的に整備を進めてまいります。

○小宮委員 調節池を設置することで、中流の治水安全度を高めて上流の護岸整備事業に着手できるということは、善福寺川全体の安全度が早期に図られるということであると高く評価します。今後とも、今まで以上の財源確保を図り、豪雨対策のために善福寺川の整備を積極的に推進していただくことを要望しておきます。
 次に、無電柱化について質問します。
 町中の空間を快適で安全にし、人にも車にも優しいまちづくりを進めていく上で、道路の無電柱化を推進していくことは大変重要なことです。特に、東京都が管理する都道というのは、国道と比べて各地の駅に接続したり、商店街を形成するなど、都民の生活道路として重要な役割を担っています。
 そこで、まず平成二十三年度までの整備状況について伺います。

○加藤道路保全担当部長 無電柱化事業は、都市防災機能の強化、そして安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要でございます。
 平成二十三年度末のセンター・コア・エリア内の都道におきます電線類の地中化率は七一%でございまして、都道全体では三二%となっております。

○小宮委員 センター・コア・エリアと呼ばれる都心部での整備は進んでいることがわかりました。
 そこで、杉並区内における現在の取り組み状況と周辺区部や多摩地域における今後の取り組みについて伺います。

○加藤道路保全担当部長 杉並区内の都道では、既設道路内や都市計画道路の新設、拡幅に合わせまして無電柱化を進めており、現在、青梅街道や五日市街道など四路線において事業を推進しております。
 また、面的な無電柱化を推進するため、都は、区市町村の無電柱化事業に対する補助制度により、杉並区内の青梅街道と接続する荻窪駅周辺の区道や永福町駅周辺の区道である永福通りにおいて財政支援を行っております。
 周辺区部や多摩地域の無電柱化につきましては、「二〇二〇年の東京」の計画に基づきまして、今後十年間で整備延長を平成二十二年度比で約二倍とすることを目標に、緊急輸送道路や主要駅周辺などで整備を推進してまいります。

○小宮委員 歩道の幅員が無電柱化にかなう既設道路や新設、拡幅のできる都道について、現在無電柱化が進んでいることが理解できました。
 また、永福通りの無電柱化の進捗状況は、私も常々目にしておりますけれども、あの通りは商店街ですから、商店街の街路灯に地上機器を乗せたいわゆるソフト地中化として整備されていますが、都道だけでなく区市町村道のそうした取り組みに補助するということも大変重要なことであると評価いたします。
 さて、これまでも道路の拡幅が困難で歩道の狭い狭隘な都道について、どうしたら無電柱化ができるのか、ご検討いただきたいとお願いしてきました。杉並区内では、そのような通りがたくさんあることもお話をしてきました。さまざまな技術革新等により、過去とは違う形での無電柱化も可能になったと思いますが、狭隘な道路における無電柱化の取り組みについて、今後もご検討いただけるよう要望しておきます。
 さらに、無電柱化事業と他の事業との連携について、昨年から阿佐ヶ谷の中杉通りにおいては、大径木維持作戦の一つとして、美しいケヤキ並木の維持保存に向けた取り組みが行われています。そうした事業とあわせて、現在は片側でしか実施されていない中杉通りの完全地中化に取り組むことができれば、住民の方の負担も減るし、費用も節約できると思います。
 このように、無電柱化事業と他の事業との一体化についてご検討いただけるよう、あわせて要望しておきます。
 それでは、最後に伺いたいと思います。
 ロンドンやパリなどの欧米主要都市と比較をすると、日本の首都である東京の無電柱化の進捗状況は、まだまだといわざるを得ません。
 そこで、今後の都の無電柱化の取り組みに向けた都技監のご決意を伺います。

○村尾東京都技監 東京が世界の先進都市との競争に勝ち抜いていくためには、東京の持つ力を最大限に発揮させるとともに、都市空間の質の向上を図り、活力と魅力に満ちた都市としていくことが重要でございます。
 市街地における電線類の地中化は、災害時の道路閉塞の防止やライフラインの安定供給の確保など、都市防災機能の強化や良好な都市景観の創出により、都市の風格を高め、国際競争力を強化していくなど、欠くことのできないものでございます。
 このため都は、無電柱化事業を「二〇二〇年の東京」計画において重要な事業の一つとして位置づけ、平成二十七年度までにセンター・コア・エリア内の都道における無電柱化の完了を目指すとともに、緊急輸送道路や主要駅周辺などでも整備を進めております。
 今後とも、国や区市町村、電線管理事業者と連携し、無電柱化事業を積極的に推進することで、強靱な都市基盤を構築し、高度防災都市の実現に取り組むとともに、東京のポテンシャルを存分に発揮しながら、より高いレベルの成熟した都市の形成に努めてまいります。

○藤井委員 最初に、私の地元、京浜急行本線・空港線連続立体交差事業について伺いたいと思います。
 実は、昨日の二十一日が、大田区並びに東京都民にとりまして大変感慨深い一日となったわけでございます。それは、長年工事が行われておりました京浜急行の高架化、下り線も昨日から上り、上下とも高架になりまして、長年の大田区並びに東京都の課題でありました交差事業が完成した大変意義深い日でございます。
 私も、その前日の二十日に、あしたがいよいよだということで、夜中の十一時過ぎ、京急蒲田駅の近くを見学に参りましたら、もう人であふれておりました。ちょうど浅草のお祭りのように、人をかき分けていくぐらいの大変なにぎわいでございました。
 そのときに、ぱっと見ますと、私の横に建設局の原島課長を初め、都の担当職員の方が作業服を着て、ヘルメットをかぶりながらおりましたので、どうしたのと聞いたら、いやあしたの準備でこれから作業ですと、徹夜でその準備に当たるとお聞きいたしました。また、村尾都技監がこの京急の高架化の、いわゆる試運転に乗られたということで、本当に夜中まで、そうやって準備に当たられた職員の皆様に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。
 実は、私は生まれも育ちも大田区でございまして、この蒲田の近くに住んでおりましたので、この京急の踏切の実態については、よくわかってるつもりでございます。この高架になる前は、まさに、先ほど二、三分と西岡副委員長がいっておられました。それには負けますが、一時間のうち最長五十三分、踏切が閉まってるということで、まさに渋滞、踏切の渋滞によって長年苦しんできたのが地元大田区であり、また都民の方であります。一日も早い高架化をということで、長年の都民の願いでございました。
 実は、私も平成五年に初めて都議会に送っていただきましたときに、一番の課題は何といっても京急の高架化だということで、この問題をずっと取り上げてきた一人でございます。平成五年、初めて都議会に上ったときは鈴木俊一知事でございました。鈴木俊一知事に京急を高架化にしたらどうだと本会議で訴えました。検討するで終わりました。
 平成七年、青島知事になりました。あの一期でやめた青島知事でございます。スーダラ節の何とか男でございます。青島知事にも、私は、本会議場で京急を高架化すべきだと訴えました。青島知事も検討しますで終わりました。一期でやめました。
 そして平成十一年、今の石原知事が誕生いたしました。私は、石原知事にも京急を高架化すべきだと本会議で訴えました。そのときに、石原知事が、私は今でも覚えておりますが、このように答弁をされました。何といったかといいますと、私も大田区に住んでおります、知事は田園調布ですから。しょっちゅう飛行機を利用しますと。この前も羽田に行こうと思って車で向かったら、あの環八の踏切の渋滞に、はまってしまって、さんざん待たされたあげく、ようやく羽田に着いたら私の乗る飛行機は出た後でしたと。こんなことはないように、すぐに国を動かしますよと、あの調子で明快に答弁をされたのが石原知事でございました。
 平成十一年の当時の建設大臣は、亀井静香建設大臣でございました。ご存じのとおり、亀井大臣と石原知事は慎ちゃん、亀ちゃんの仲でございますので、早速知事が国を動かし、そして翌年の平成十二年に国の事業認可がおりまして、そして、翌年の平成十三年に工事が着手されて、約十数年で、きのうを迎えたわけでございます。そういう意味で、私も大変感慨深い一日となったところでございます。
 そこで、この京急蒲田駅付近の連続立体交差事業について、まず全線高架化に向けたこれまでの東京都の取り組みについてお伺いをいたします。

○佐野道路建設部長 京浜急行本線・空港線連続立体交差事業は、京急蒲田駅付近の延長六キロメートルの区間を高架化して、第一京浜や環状第八号線など二十八カ所の踏切を除却する事業でございます。
 本事業につきましては、平成十二年度に国の事業認可を得て、用地取得などに着手いたしました。その後、平成二十二年五月に上り線をすべて高架化し、同年九月には環八付近の下り線を仮設高架橋により、先行して高架化することで、環八に唯一残っていた踏切を含め、四カ所の踏切を除却いたしました。
 平成二十三年度、二十四年度は、下り線の高架橋工事や駅舎工事などを実施してまいりました。
 昨日、十月二十一日には、残る下り線を高架化し、第一京浜を含む二十四カ所の踏切を除却いたしました。これにより本事業区間全線を高架化し、二十八カ所の踏切すべてを除却したこととなります。

○藤井委員 この間、いろいろと関係者の皆様には大変ご苦労があったと思います。私のところにも、この工事中、夜間の工事がうるさいだとか、あるいは高架化になった場合、振動がすごいのではないかとか、あるいはまた高架になって本当に、いつ実現できるのかとか、さまざま、いろいろと要望もいただきました。また、その側道をつくるために多くの方が転居を余儀なくされて、京急のために何で私が移転しなければいけないんだと、あるいはまた高架化になったときに日陰ができて、今まで日が当たっていたのに、家に当たらなくなったらどうするんだと、いろいろご要望なり苦情をいただいたところでございます。
 改めまして、貴重な用地を提供していただいた方々に感謝を申し上げますとともに、建設局を初め、この京急の高架化に向けてご努力いただいた皆様に対し、本当に敬意を表したいと思います。
 そこで次に、この京急の高架化事業の、高架になってどういう効果があるか。その事業効果について伺いたいと思います。

○佐野道路建設部長 本事業は、数多くの踏切を同時に除却することで、道路ネットワークの形成を促進するとともに、都市の大動脈である第一京浜や環八などの交通渋滞や踏切事故を解消する効果がございます。また、鉄道によって分断された地域の一体化を図るとともに、本事業を契機として京急蒲田駅付近における駅前広場の整備や再開発事業が進捗するなど、地域の発展にも貢献いたします。

○藤井委員 この事業によって交通渋滞が解消されるだけではなくて、安全性の向上、あるいはまちづくりにも大変貢献するということでございますが、そこで、この二十八すべての踏切がなくなったわけですけれども、このことによる具体的な効果というものは、どういうものがあるかお伺いいたします。

○佐野道路建設部長 第一京浜では、最大七百八十メートルありました踏切遮断による交通渋滞が解消いたしました。また、先行して踏切を除却した環八でも、最大七百十メートルありました渋滞が解消しております。さらに、環八付近で鉄道と交差する区道では、自動車交通量が約六割減少するなど、通過交通を排除し、地域の安全性の向上にも寄与しております。

○藤井委員 私も毎日のように京浜急行蒲田駅を利用する一人ですが、高架になる前、私がJR蒲田駅からタクシーに乗りますと、私は北糀谷の方ですので京急を越えて行かなければいけないんですが、タクシーの運転手さんは北糀谷というと嫌がりました。なぜかというと、京浜急行の踏切を通らなければいけない。踏切で何分かかるかわからないんですよ、最高大体二、三十分待たされることもあります。普通、蒲田から家まで千円で行くところが、あの蒲田の踏切で待たされます。ずっと待たされている。しかし、目の前でタクシーのメーターだけは上がるわけでございまして、約千円で行くところが約二倍ということで、タクシーの運転手もお客から文句いわれるんですね。まあお客の方も嫌ですよね、千円で行くところを二千円払わなきゃいけない。
 もっといえば、運送会社、宅急便だとか、そういった方たちにとってみれば一分一秒を争うような、そういうお仕事の方たちにとってみれば、あの踏切でもって待たされて、またお客から文句をいわれ、あるいはキャンセルされる、そういったことを考えると、非常にこの経済ロスというのは大変大きなものがあるということを私は感じておりました。
 そういった意味で、今回の連続立体による効果というのは、大変大きいものがあるというふうに思うわけでございます。
 幹線道路の交通渋滞の解消だけではなくて、交差する生活道路にも大変よい影響を及ぼすということでございます。
 昨日、二十八の踏切がなくなったわけですけれども、地元では、これから全線にわたり安心・安全面での事業効果が幅広く実感されるのではないかというふうに考えております。
 きょうも乗ってきましたけれども、現地を見ますと、まだ地上に線路が残っております。駅もまだ一部仮設のところもあるわけでございまして、そういった意味で、まだ事業完了というふうにいえない、まだまだ工事が残っているというふうに思うわけです。
 そこで、今後の京急の高架化後の工事はどういう工事があるのか、具体的な内容についてお伺いいたします。

○佐野道路建設部長 昨日の高架化により不用になりました地上の下り線路を、本日から撤去してまいります。また、線路撤去によりまして、施工可能となる高架橋の下部工事の一部や駅舎工事、環八付近の仮設高架橋の撤去などを順次実施いたします。
 このほか本事業の一環といたしまして、地元大田区が関連側道を引き続き整備してまいります。
 今後とも、区や京急電鉄と連携しながら、事業完了に向けて積極的に取り組んでまいります。

○藤井委員 引き続き一日も早い完成に向けて、安全に配慮しながら工事を進めていただきたいと要望したいと思います。
 高架橋の工事の一部はまだ残っているということですけれども、踏切がなくなれば、次に地元では、事業完了後に高架下をどのように利用するのかということで、今大変関心が高まっているところでございます。連続立体交差事業に伴う高架下利用については一定のルールが定められているわけですけれども、そのルールのもとで関係者で検討が進められているというふうに聞いております。
 そこで、この京急高架下利用の一般的な考え方や、あるいはこの事業における検討状況についてお伺いをいたします。

○佐野道路建設部長 連続立体交差事業に伴う高架下利用につきましては、国が定めた要綱により、地方公共団体等は鉄道事業者の業務に支障がない限り、高架下に公共の用に供する施設を設置可能と規定されております。この場合、高架下貸し付け可能面積の一五%までは公租公課相当額で利用でき、これを超える部分は鉄道事業者の定める使用料で利用することができます。
 本事業におきましても、この要綱に基づいた高架下利用を図るため、平成二十一年度に、都、大田区及び京急電鉄で検討会を設置し、検討調整を開始しております。
 現在、具体的な施設配置の検討を行う前段として、区が高架下の区域ごとの利用に関する基本的方針の策定に向け、取り組んでおります。
 今後、検討会におきまして、これらの検討を踏まえ、高架下が有効に利用されるよう積極的に取り組んでまいります。

○藤井委員 高架下が有効に利用されるように東京都は地元の意向に十分配慮しながら、区及び京急と検討、調整を進めていただきたいと思います。
 この事業が一日も早く完成することにより、地域が活性化され、安心・安全で夢と希望のあふれるまちづくりに寄与することを大いに期待して、次の質問に移ります。
 次に、呑川の耐震対策についてお伺いをいたします。
 ことしの八月、都では東日本大震災を受けまして、学識経験者等による技術検証委員会での提言や耐震性能の照査結果等を踏まえて、今後の地震、津波に伴う水害対策に関する基本方針を公表したと聞いております。
 この中で、東京都防災会議が示しました最大級の地震において、津波等による浸水を防ぐことを目指して、耐震対策の取り組みを強化していくこととしております。
 地元大田区でも、この呑川で現在地震による水害から地域を守る護岸の耐震対策事業が進められておりまして、一日も早い事業の完了による地域の安全・安心の確保が急務と考えております。
 そこで、まず平成二十三年度を中心といたしました呑川における耐震対策の実施状況についてお伺いいたします。

○邊見河川部長 呑川については、平成二十一年度から河川施設に係る国の基準に基づいて、関東大震災時の震度に対する耐震対策を実施してございます。
 二十三年度は、北糀谷橋から清水橋間のうち、約〇・四キロメートルの区間において、護岸の基礎地盤の改良など既設護岸の耐震補強を実施いたしました。これにより、約一・一キロメートルの耐震化が完了してございます。

○藤井委員 私は、先ほど申しましたように北糀谷に住んでおりまして、北糀谷橋のすぐそばですから、毎日北糀谷の呑川沿いを自転車で走りながら蒲田に向かうわけですが、きょうもこの工事の進捗状況を見てまいりました。着実に今護岸が整備されているということが大変頼もしく感じている一人でございます。
 今後、基本方針にありますように、最大級の地震に対するさらなる耐震対策を講ずる必要があると考えます。
 そこで、呑川における耐震対策を進めるに当たって、今後の対応、これについて伺います。

○邊見河川部長 基本方針では、マグニチュード八・二の海溝型地震等が発生した場合にも、浸水を防止することを目標に耐震補強を実施していくこととしておりまして、現在年内を目途に新たな整備計画の策定を進めております。
 呑川については、これまでの対策が未完了の区間があることから、今後は新たな整備計画に基づき、想定される最大級の地震に対する耐震対策を推進してまいります。

○藤井委員 続いて呑川の水環境でございますが、ここ十数年でかなり改善されてきております。BODの環境基準値を達成するまでに水質がよくなっているというふうに聞いております。
 しかし、まだまだ私の地元の呑川沿いの方から、においが臭いと。特に夏場、においが臭いというような苦情をいただいてるところでございます。特に、呑川は集中豪雨等、水があふれた場合、下水が川に流れ出しまして、その下水の汚物等が沈殿をしますとヘドロとなって、そのヘドロから出るにおいによって、周辺の方が大変迷惑をしてるという現状がございます。
 そういった意味で、水質改善したということですけれども、この水質改善するまでの、これまでの東京都の取り組みについてお伺いをいたします。

○邊見河川部長 呑川の水質改善を図るため、平成七年から建設局、環境局、下水道局の三局が連携して、落合水再生センターの高度処理水を呑川に導水してございます。平成十七年からは、都営地下鉄浅草線の湧水についても導水を行っております。
 これらの結果、流域における下水道整備の効果も相まって、BODの環境基準値を大きく下回る水準まで改善してございます。
 さらに、JR線上流部付近においては、大田区が川底に酸素を供給する水質浄化装置を設置するなど、実験的な対応も行ってございます。

○藤井委員 ただいま答弁がありましたように、地元大田区はそういった区民の要望等を受けて、さまざまないわゆるにおい対策をやっているわけです。どういうことをやっているかというと、まず一つは、JR蒲田駅と呑川が交差する地点、その地域に屋形船というのを設置しております。屋形船の上に太陽ソーラーをつけておりまして、昼間、太陽ソーラーでもって電気を蓄電いたしまして、その電気を動力として川に酸素を送り込む、こういった酸素を送る屋形船でございます。大分前からこういったものをやっておりまして、水中に酸素を供給することによって周辺のにおいがなくなっているというふうに聞いております。
 また、昨年度、平成二十三年度からは、大田区の実験といたしまして高濃度酸素水というのを行っております。これはどういうものかというと、呑川の水を一たん吸い上げまして、その水を高濃度酸素水にかえまして、そしてかえた水を川の底のヘドロに直接流し込むという対策を昨年度からやってるということで、硫化水素の発生を防ぐ対策を行っております。
 それによって、どうなったかというと、屋形船の後方五メートルぐらいの酸素濃度が高くなったと。また、高濃度酸素水をやったことによって、そこから約二百メーターに効果があるという検証も行ってるそうでございます。
 川底の酸素がふえたことによって、最近では呑川にコイが多数泳いでるということで、きれいになっているということもいえるわけでございます。
 さて、こういったさまざまな取り組みによって水質が改善されてるわけですが、JR線蒲田より下流の京急蒲田駅付近においては、先ほど申しましたように、大雨が降った後に水質の悪化や臭いにおいの発生が見られてるわけでございます。
 そこで、このJR線下流部において、におい対策、これが必要と思いますが、これについて見解を伺います。

○邊見河川部長 大田区がこれまで実施してきた水質浄化対策の実験について、現在お話にもありましたように効果の検証を行っておりまして、その結果を踏まえて、建設局、下水道局、大田区で連携して、どのような水質改善方策が可能か検討してまいります。

○藤井委員 この快適な水辺環境を実現するために一層水質改善が必要だというふうに考えます。
 呑川の水質改善に向けた、東京都として今後どのように取り組むのか、この対応についてお伺いをいたします。

○邊見河川部長 呑川の下流部は、潮の干満の影響を受ける、いわゆる感潮河川でありますが、極力水の流れを改善する対応を図ることも効果的と考えてございます。そのため、今後推進していく呑川の耐震対策の進捗に合わせて、河床整正を実施するなど、一層の水質改善を図ってまいります。

○藤井委員 今の現状では、JR蒲田駅から上流は地元の大田区が担当し、JR蒲田駅から下流については都が担当するというふうな縦分けをしてるそうでございます。
 例えば、上流を担当してる大田区が河床の清掃をする場合は、都から補助が出るということでございますが、ただし、先ほど申し上げました屋形船あるいは高濃度酸素水、こういったものをやって具体的に臭気対策をやっている地元大田区に対して、こういった機械購入については、都から全く補助がないというのが現状だそうでございます。
 やはり具体的にそういった対策をとるには、区だけに任せておくのではなくて、東京都もしっかりその辺を支援すべきだというふうに考えますが、ただ、管理の中で、これは臭気対策が明確になってない。これは区でやるのか、都でやるのかと聞くと、区は都だというし、都は区だというし、都としてこういった臭気対策に、具体的にやるために、区と連携して支援すべきと考えますが、部長いかがでしょうか。

○邊見河川部長 お話にありましたように、水質浄化の実験につきましては、区が実施してございます。あわせて、委員ご指摘のありましたように、都としても、その実証の検証につきまして財政的支援を行わさせていただいてございます。今後とも、先ほどご答弁申し上げましたように、その検証、効果の検証を今行ってございますので、その結果も見ながら、地元区、建設局、さらには下水道局と連携して、どのような対応が可能なのか。先ほどご答弁したその河床の整正に加えて、どのようなことが可能なのか検討していきたいと考えてございます。

○西崎委員 私からまず初めに、歩道整備について伺います。
 道路整備の中で地域住民から要望が多く寄せられるのが歩道整備です。歩道が狭くて歩きにくいとか、車道との段差などについて解決を求める意見をお聞きいたします。
 これまでの車優先の道路づくりから周辺環境への配慮や歩行者優先の道づくりを進めていく必要があります。
 そこで、歩道整備事業の基本的な考え方についてお聞かせください。

○加藤道路保全担当部長 歩道は歩行者の安全確保はもとより、植栽等による良好な都市景観の形成、ライフラインの収容空間の確保など多様な機能を有しておりまして、その整備を推進することは重要でございます。
 都は、安全で快適な歩行空間を創出するため、拡幅に必要な用地取得を行いまして、車いすがすれ違うことができるバリアフリーに配慮しました幅員二メーター以上の歩道整備を行っております。
 整備に当たりましては、交通量や学校、病院等の配置状況を踏まえるとともに、地元自治体等の要望も勘案して整備箇所を選定し、計画的に事業を進めております。
 また、例えば人見街道のように、沿道の屋敷林を可能な範囲で歩道内に取り込むなど、周辺環境にも配慮した整備にも取り組んでおります。

○西崎委員 歩道整備の基本的な考え方については今のお話でわかりました。しかし、都道においても、まだまだ幅員の狭い道路が見受けられる状況にあります。
 そこで、二メートル以上の広い歩道の二〇一一年度における整備状況についてお伺いします。

○加藤道路保全担当部長 幅員二メーター以上の広い歩道につきましては、平成二十三年度、二〇一一年度でございますが、区部二カ所、多摩地域十二カ所、島しょ部四カ所の合計十八カ所で延長約三キロメートルを整備しております。
 整備に当たりましては、今後とも関係権利者や地元の皆様の理解と協力を得ながら、だれもが安全で安心して利用できる歩道の整備を着実に推進してまいります。

○西崎委員 既成市街地におきまして歩道整備については、用地取得などいろいろな課題も多いと思います。整備に当たっては、人見街道のような整備も大変重要な取り組みだと考えております。ほかにも、例えば学校のグラウンドを削って歩道を拡幅したとか、グラウンドの端の木を切らずに歩道に取り込んでいる事例や、車道を狭めて歩道幅員を確保している事例もあると思います。
 現地の状況や交通量を調べて、さまざまな工夫ができるということだと思います。
 今後の歩道整備で特に地域に密着した道路の歩道においては、周辺環境に配慮して地域に親しまれる工夫をしていただけるよう要望します。
 次に、「十年後の東京」では、街路樹を百万本に倍増することが目標とされ、街路樹をふやしております。東京のまちは街路樹がたくさんあるため、緑が多いと評価されております。それは、地方に行くと、すごく東京の緑の多さを感じるんですけれども、しかし、街路樹の数をふやす目標を追い求める余り、樹木の種類ですね、種類の選定や密植が課題となっている例も耳にするところです。
 昨年までの街路樹増加の実績及び樹種の選択や管理はどうなっているのか、伺いたいと思います。

○町田公園緑地部長 「二〇二〇年の東京」計画におきましては、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目的に、都内の街路樹を百万本に倍増させ、緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークの形成、充実を進めていくこととしております。
 平成二十三年度末までの国や都、区市町村道を含めた東京の街路樹は約七十九万本となっております。
 樹種の選定につきましては、既存の都道では高木と高木の間に花が咲く中木などを植栽し、季節感あふれる道づくりを進めております。
 また、成熟した都市にふさわしい質の高い街路樹とするため、剪定作業を樹種に応じて計画的に実施するとともに、除草、清掃作業などの回数をふやすなど、樹木の育成環境の向上を図っております。

○西崎委員 もう既に東京の街路樹は七十九万本になっているということを伺いまして、大変驚きました。緑や花が植えられていると、やはりまちの景観も変わってくるのではないかと思います。人々に優しさを与えるとともに、海外から訪れた観光客にとっても大変よい印象を与えるのではないかと思います。
 ちなみに、世田谷の私の住んでいるすぐそばの道路などは、両わきにハナミズキが植えられていて、ハナミズキ道路というふうに、二子玉川の周辺でもそう呼ばれているところがあると思うんですけれども、そういうものも何か地域の特色になるんではないかと思います。
 今後も都内の街路樹を、百万本を目指して、緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークの形成や充実を進めていっていただくことを要望しておきます。
 次に、河川における環境に配慮した取り組みについて伺います。
 二十一世紀は水の世紀。人類が利用できる淡水は、地球の総水量の〇・五%にも満たないほど、その貴重な水資源が環境破壊や都市化などによって急激に汚染され、減り続けてきております。
 そこで、二〇〇八年、東京・生活者ネットワークでは、都市の残された貴重な空間であり重要な自然である東京の川を新たな視点で見直す必要があると考えまして、アンケート調査を行いました。
 その結果、意見をいただいた多くの方が川の持つ本来の性格である水、空間、緑、生物の豊かさを挙げておりまして、具体的には、多自然型護岸の整備や魚や鳥、生物の住む豊かな川、散策ウオーキングなどに適した環境を求めているということがわかりました。
 また、洪水への恐怖、ごみ投棄や汚染を心配する声、治水、利水の観点から流域全体の対策として緑のダムについての意見もありました。
 全体的に皆さん、川は好きで、少しでも身近に感じたいと思っていることが、この調査でわかりました。
 そこで、これまで東京都の河川事業における親水、親しみを持つ親水整備の事例について伺いたいと思います。

○邊見河川部長 河川整備においては、現在、東部低地帯では耐震強化、中小河川にあっては治水安全度の向上を図ることが喫緊の課題でありますけれども、あわせて、にぎわいや潤いのある豊かな水辺空間を創出することも重要な課題であると考えてございます。
 具体的には、杉並区を流れる善福寺川で河川整備に合わせて地元区の協力のもと、公園用地を活用した親水護岸を整備した事例、あるいは隅田川では耐震性の向上と水辺利用を図ることを目的とした親水テラスの整備など、さまざまな取り組みを実施してございます。

○西崎委員 いろいろな河川で親水整備を行っていることはわかりました。
 川沿いを歩きますと、東京の河川が整備されてきていることが実感できます。
 私は、地元が世田谷なんですけれども、同じアンケートの中で世田谷にお住まいの方に、あなたが最も身近に感じる川はどこですかという質問を行いました。そうしましたら、多くの方が先ほどお話がございました野川だと答えております。特に、喜多見駅のふれあい公園ですか、公園周辺では、水辺などに野鳥が観測されておりまして、カワセミとか私も見ましたが……おります。自然豊かな環境であることから、多くの人が散策しております。
 そこで、野川における環境に配慮した具体的な取り組みについて伺います。

○邊見河川部長 野川では、現在五〇ミリの降雨に対応できるよう、下流から河床を掘り下げる河川改修を進めてございます。平成二十三年度は、水道橋下流から茶屋道橋下流までの百六十メートル区間で河床掘削を実施し、あわせて、できるだけ自然に近い形の川底となるよう工夫してございます。
 今後とも着実に河川改修を進めるとともに、自然環境に配慮した川づくりに取り組んでまいります。

○西崎委員 これからも、安全で自然豊かな河川の整備をしていただくことを要望しておきます。
 次に、地下水位調査について伺いたいと思います。
 土木技術支援・人材育成センターには、さまざまなデータの蓄積があると聞いております。その中には地下水位の観測データがあると聞いており、地盤沈下対策や地下水の環境保全に寄与するものだと思います。
 そこで、センターで実施している地下水位調査の目的についてお聞かせをください。

○中島企画担当部長 土木技術支援・人材育成センターは、現場において発生する課題解決のための技術支援、それに必要な調査や技術開発並びに技術職員の育成に取り組んでおります。
 地下水位調査は、その取り組みの一つでございまして、地下水位の変化や地盤沈下との関連性を調べることを目的に昭和二十八年から調査を開始し、現在四十二カ所、百四本の観測井戸で調査を行っております。

○西崎委員 長年調査していますこのデータは、まさに貴重な資料となるものです。この資料は広く公開して、さまざまな研究や活動に活用できるようにすべきだと思います。
 都では、この調査をどのように活用しているのか伺います。

○中島企画担当部長 土木技術支援・人材育成センターは、長年にわたり地盤高と地下水位のデータを蓄積し、地下水位と地盤の変動状況を解析しております。
 その成果は、環境影響評価調査や地下水揚水規制などの基礎資料として活用されております。また、こうした作業を通じて、センター職員の専門知識が向上し、例えば環状八号線井荻トンネル工事における地下水対策等、現場での技術支援に生かされております。
 なお、地下水位調査の結果は、ホームページなどにより広く都民に情報提供しております。

○西崎委員 長年実施しています定点観測以外にも先ほどの環状八号線トンネル工事の例にもありますように、河川や道路工事の地下水への影響を調べるために井戸を設置して、工事前後の水位を観測、そのデータをもとに技術支援しているということです。
 河川工事や地下深くに道路をつくる工事は、十年以上もかかることも多いので、こうした観測データは、地域の地下の状況とその変化を知る上でも大切な資料になると思います。
 センターで行っている研究は地味ですが、基礎となる重要なものです。データの蓄積と技術支援がセットで生かされると思いますので、場所によっては観測井戸の継続も検討されるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○神野委員 私からは、建設局所管の公園事業について何点かお伺いをいたします。
 初めに霊園事業についてです。
 霊園というのは、故人が眠る慰霊の場所としての位置づけはもちろんなんですが、都心の貴重な緑空間としての価値も有しております。都は、墓参の方々以外の人もマナーを守った上で都立霊園を散策することを歓迎して、その公式サイトの中で霊園めぐりを勧めていらっしゃいます。
 例えば著名人の墓所をまとめたマップなどは、歴史的資源としての霊園の価値を伝えて、新たな興味を都民に喚起させる大変よい取り組みと評価するわけですが、例えば青山霊園の著名人墓所の資料、私も見せていただいて中身をよく検討したんですが、こういったガイドは、だれがどのようにおつくりになっていらっしゃるのか伺いたいと思います。

○町田公園緑地部長 都では、著名人墓所や歴史的事件にまつわる墓所について、選定の基準を設け青山霊園歴史的墓所ガイドに掲載してございます。
 具体的には、文献調査等により対象となり得る墓所や墓碑を抽出した上で、人物または歴史的事件について解説した複数の事典に掲載されていること、また墓所の使用者の同意があることを選定の基準として紹介してございます。

○神野委員 以前、私も個人的に青山墓地の著名人墓所を調べて散策したことがございます。主に軍人ですとか政治家が中心だったんですけれども、いただいた青山霊園の資料を見ると、確かにお墓はあるはずなのに、当然入っているべき何人かのお名前が入っていませんでした。
 例えば沖禎介、この方はシベリア鉄道の鉄橋爆破を試みて銃殺をされたんですけれども、沖禎介の名前はこのガイドに入っているんですけれども、首謀者といいますか、その中心となった横川省三の名前がないんですね。
 また、日露戦争の第二軍の司令官の奥ですとか第三軍の乃木がいるのに、第一軍の黒木がいない。また、娘婿の財部彪が入っているのに、肝心の海軍司令官の山本権兵衛がいないとか、さらには六百名以上が亡くなった常陸丸の招魂碑というものも、たしか青山墓地の中にはあったと思います。
 また、外人区の中に金玉均といって、韓国の革命の志士といいますか、いわゆる日韓併合の前に李氏朝鮮の余りにもひどい惨状を世界に向けて訴えて、最終的に惨殺をされてしまった金玉均の墓ですとか、あるべき名前が入っていないということに気づいたんですね。
 なぜないのか不思議に思うんですけれども、こういった方々は今のご説明の中で、遺族の了解が得られなかったからということですけれども、そういった理由なんでしょうか。

○町田公園緑地部長 文献等により抽出された場合におきましても、先ほど申し上げましたとおり、複数の事典に掲載されていない場合、または墓所使用者の同意がいただけなかった場合は紹介してございません。

○神野委員 ありがとうございます。私はこの墓所めぐりというのは、まさに歴史の宝庫だと思うんですよね。今いった青山霊園の墓所ガイドも、できれば軍人とか政治家とか研究者、文学者、それから業績別ですとか歴史的事象別だとか、見る方が興味を持っていただけるように、編集にさらに一層工夫をお願いしておきたいと思います。
 続きまして、同じくこの青山墓地についてなんですけれども、青山墓地というのは都心の一等地で、桜並木が非常に見事なんですね。お花見シーズンともなると多くの方たち、お昼からそうですけれども、夜も皆さんがお花見で楽しんでいらっしゃる光景というものを見かけます。ああいったお花見をやることに関しては、これは許可というものは必要なんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 青山霊園では、静ひつな霊園の環境と公園的な機能を共存させ、都民に親しまれる霊園づくりを進めております。そういったことから、特段の許可を要することなく来園者が花見を行うことができるようになっております。

○神野委員 都立霊園の公式サイトには、ごみは持ち帰るようにとの記述があるんですね。大変どんちゃんされて、静かに歩いて見ていらっしゃる方もいらっしゃるけれども、どんちゃんされていらっしゃる方も結構いらっしゃって、あのごみとかもどうなっているのかなとかという疑問を持ちました。
 やっぱり、サイトにはごみを持ち帰れと書いてあっても、みんなが持ち帰るわけではないんだと思うんですね。ですから、例えば青山霊園でのごみ処理費用というのはどれぐらいなのか。また、このごみ問題を含めて、霊園の環境維持というものに対してどのように取り組んでいらっしゃるのか伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十三年度の青山霊園におけるごみ処理費用は、年間約五百万円となっております。青山霊園では、桜花期には管理所の職員が園内を巡回し、飲食している来園者にはごみの持ち帰りをお願いするとともに、墓所内への立ち入りをしないよう注意喚起をしております。
 今後とも、地元区などと連携し静ひつな霊園の環境を維持してまいります。

○神野委員 霊園という場所でもありますし、そうかといってお花見というのは年一回の日本人の年中行事でもありますけれども、いわゆるルールみたいのを今後いろいろお考えになっていただいて、みんなが楽しめる場所づくりというものに励んでいただきたいと思います。
 次に、決算書を見させていただいて気になったんですけれども、無縁墳墓処理というものが目についたんですが、この無縁墳墓の処理について伺いたいと思います。これはどういった内容なんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 都では、使用者が管理料を五年以上滞納している墓所を対象として、縁故者の申し出を促す立て札を現地の墓所に一年間設置しております。その旨を官報に記載するとともに、使用者の所在や承継資格のある縁故者の調査を行っております。それでも墓所の承継者が見つからない場合には、当該墓所の使用許可を取り消した上で、都立八柱霊園の合葬施設に遺骨を改葬しております。
 墓所に立て札を設置してから改葬までには約三年を要することとなっております。その後、改葬した空き墓所については、翌年度以降、公募して新たに貸し付けを行っております。

○神野委員 今回質問するに当たって、霊園の審議会のいろんな議論とかを見ても、墓所というのはとにかく足りないと。多くの方が、東京都に対しても、墓所をどんどん使えるようにしてほしいという要望が随分寄せられているのを目にいたしました。
 今お話を伺ったこの無縁墳墓についても、五年間以上管理料を滞納されていて、それからさらに、その継承者がいらっしゃるのかいらっしゃらないのかを丁寧に調査をされて、どうしても継承者の方がいらっしゃらない場合に、そのご遺骨を移して、そして新たに再利用というと変ですけれども、あいた墓地を新たな方にお貸しをするという、そういう取り組みだというふうに理解いたしました。
 都も、この墓所不足というものに対して、非常に大きな関心といいますか、持っていただいて、いろいろな行政施策に取り組んでいるわけですけれども、この一環というと変ですけれども、今回、小平霊園に新たに樹林墓地というものが建設されたというふうに聞いております。
 たまたま私も家族のお墓が小平にございまして、先般ちょうどお彼岸のときに、小平にお墓参りに行きまして現地を見てまいりました。もう施設は完全にでき上がっておりますけれども、まだ中には入ることができませんでした。
 今回この小平霊園に新たに建設されましたこの樹林墓地について、その概要そして建設費、この辺についてお伺いをしたいと思います。

○町田公園緑地部長 樹林墓地は、平成二十年の公園審議会答申に基づき、死後は自然に帰りたいという都民の思いにこたえ整備したもので、平成二十四年度に供給を開始いたしました。
 施設の概要でございますが、コブシやヤマボウシなどから成る落葉樹林のもとに設けられた納骨施設に、直接土に触れる形で多くの遺骨を一緒に埋蔵する形式の墓地でございます。
 樹林墓地は、面積八百三十四平方メートルで、その建設経費は外周の植栽等も含めて八千五百十二万円余となっております。

○神野委員 八百三十四平米の敷地ということでございますから、大体二百四十坪ぐらいですかね。この二百四十坪の敷地の中に、伺ったところによると一万柱のご遺骨を埋蔵するとのことであります。
 敷地の中に立て坑みたいなのを掘って、それでそこにお骨をどんどんどんどん入れていくわけですよね。それで、最終的にはその骨が土に返ると。土に返ることによって自然に帰るという、そういうコンセプトだというふうに私は理解しているわけであります。
 ところで、墓参りというのは、まさに日本人の家族のきずなの根幹だと考えております。昔から日本人はお墓というものを大切に考えていて、お彼岸には多くの墓参者が、先ほどもいいましたが、小平霊園など霊園を尋ねて、そして家族が芝生のところでお弁当を食べているような、そういったほほ笑ましい風景というものが展開を、これは毎年風物詩としてテレビのニュースなんかでも報告をされます。
 ちょっと話は変わりますけれども、かつての明治の民法というのがございまして、そこに家制度というのがあるんですね。家制度の根幹というのは何かというと、いわゆる家督制度ということで、これは長男ばかりが財産を相続する封建的制度だというふうに、戦後は悪評の対象になっているんですけれども、あれはこの財産の相続だけがいわれていましたけれども、実際いろいろ本を読みますと、この財産の相続人を決めるというよりも、実はその家のお墓の承継者を決めるための制度だった、そんなようなことを読んだこともあります。
 つまり、それだけこのお墓の維持というものには大変な注意が払われていました。お彼岸の墓参風景というものを見ますと、時代は変わっても、その心根というものは残っているわけなんですが、ならば今回の樹林墓地の取り組み、埋葬された方々の家族が、将来墓参に訪れたときのことを考えると、これは埋葬者の、そこに眠っていらっしゃる方々の名前が入った、いわゆる墓碑というものは私はつくるべきだと考えておりますけれども、墓碑というものはつくらないんでしょうか。

○町田公園緑地部長 公園審議会の答申におきましては、樹林墓地の整備に当たって、死後は明るく美しい樹林のもとに埋蔵されるというイメージが自然に醸し出されるような空間づくりが必要だというふうにされております。
 これを受けまして、都は、死後は自然に帰りたいという思いにこたえる新たな墓所として樹林墓地を整備しており、樹木以外は献花台や参拝される方々の休憩場所など、必要最小限の附帯施設のみを整備してございます。
 平成二十四年度の樹林墓地の応募倍率は平均十六・三倍と高く、整備のコンセプトに賛同される方々にお申し込みいただいているというふうに考えております。

○神野委員 今のご答弁にあったように、この自然に帰りたいというそのコンセプトと、埋葬者の方のこの墓碑というものは、決して相対するものではないと思うんですね。今のご答弁にあった、いわゆる必要最低限の施設、例として挙がったのは献花台、それから参拝される方の休憩場所、これが必要最小限の附帯施設だということをおっしゃっておりましたが、繰り返しになりますけれども、その必要最低限と題した附帯施設の中には、この墓碑というものは入らないんですか。

○町田公園緑地部長 樹林墓地におきましては、自然に帰るというコンセプトに沿い設備は必要最小限としておりまして、附帯施設の中に埋蔵者のお名前を入れた石碑は設置しておりません。

○神野委員 先ほどから、この墓碑というものにこだわっておりますのは、やはり墓参者のことを考えるからなんです。都では、この樹林墓地というコンセプト以外にも幾つかの合葬墓というものをつくっていらっしゃいますが、私も、この合葬墓のところで、自分の肉親ですとか友人の名前を見つけて、その名前のところをさすっている、そんな墓参に訪れたご家族の姿というものを見たことがあります。
 親がここに眠っているんだと実感するとしないとでは、墓参者の気持ちが全く違うんじゃないかというふうに私は思うんですね。なぜかというと、墓参者は亡くなった親や肉親に会いに来ているからだ。先ほどから、自然に帰るということを強調されていらっしゃいます。でも、一般的に日本人は、死んだら自然に帰るなんていうのは私は思っていないと思うんですね。死んだら、これは魂になって天から家族を見守る、これがまさに我々の本来持っている死生観じゃないかというふうに思うんです。
 だから、靖国神社にも戦死をした自分の家族に会いに行ったり、さらには自分の肉親にそういう戦死をされた方がいらっしゃらなくても、同じ日本人の祖先としてお参りに行く方がいらっしゃる。それは今申し上げた日本人特有の死生観によるものだというふうに思っております。だから、お墓参りに自分の子どもだとか孫を連れていって、それで死んだ親にその成長というものを見せようとするんじゃないでしょうか。
 墓に対するいろいろな意見があってもいいと思います。ただ、都というこの行政の施策として行うならば、墓を中心としたこの家族のきずな、まさに日本人のこの背骨である家族のきずなというものは、やはり意識をされていただきたいと思います。
 今回のこの樹林墓地のコンセプトを見ると、ただ自然に帰りたいと考える人がふえているとの理由づけはあるんですけれども、とにかく数多くのご遺骨を収容できる施設をつくるということが専決だったんじゃないんですか。

○町田公園緑地部長 都では、社会状況の変化や都民ニーズにこたえるため、さまざまな形式の墓地を供給しております。
 多くの方を受け入れることのできる墓地といたしましては、将来の管理や継承の心配のない合葬式墓地を整備し、平成十年度より供給を開始しておりまして、これまでに約一万体を埋蔵しております。
 樹林墓地は、自然に帰りたいとの思いにこたえる新たな墓所が必要であるという平成二十年の公園審議会答申を受け、都立霊園として初めて実現したものでございます。

○神野委員 墓地が不足していて、多くの方から要求が出ているという事情はよくわかります。今回のこの樹林墓地の供給によって、約一万柱のお骨をこの二百四十坪という敷地の中に収容することができるわけでありますから、そのすべての墓碑なんかをつくったら、大変大きなものになってしまう、そういう懸念もあったんだと思います。でも、ただ献花台だけがある樹林墓地では、将来これは十年、二十年たった後、極めて無機質な施設が残っちゃうんじゃないかというふうに私は思います。
 繰り返しますが、お墓というのは、亡くなった方の家族、親戚、そして生前の縁者に対して会いに来る場所です。みんなが会いに来る場所だと私は思っています。納得してそこに眠っていらっしゃるご本人はいいかもしれませんが、先ほど質問した無縁墓地とはちょっと違うわけでありますから、お墓参りにいらっしゃる方々の気持ちもぜひ酌んでいただきたいと思います。
 希望者だけでも今回の樹林墓地においては、埋葬されていらっしゃる方のお名前を彫った墓碑なり墓誌なり、こういったしのぶことができるような施設もあわせてつくってほしかったと思います。今後の行政運営に向けての意見とさせていただきたいと思います。
 最後になりました。がらっと違うんですけれども、最後に都立公園の中にある施設の予約について、ちょっとお伺いしたいと思います。
 野球場ですとかテニスコートなどのスポーツの施設については、インターネットを利用した予約システムというものがあるんですけれども、いわゆるバーベキュー場ですね。バーベキュー施設というものは、これは電話で予約を受け付けていらっしゃいます。これは都民の方から伺った話なんですが、四月、五月、気候が非常にいいときのお台場の潮風公園のバーベキュー場です。これは多分ほかの公園もそうだと思うんですけれども、バーベキュー場を予約しようと思っても、電話、ファクスとも一回線ずつしかなく、電話してもほとんど話し中。一時間ぐらいして、ようやくつながったと思ったら、もう終了というふうにいわれたというような経験があったという話を伺ったことがあります。
 予約が集中するのは、これは例年のことなんですけれども、そんな対応だと、せっかく楽しみにして申し込もうとしていらっしゃる都民の期待にこたえられないと思うんですね。これは以前も指摘させていただいて、そして一部、改善を図っていただいたというふうに聞いておりますけれども、改めて伺いたいんですが、この建設局所管の都立公園におけるバーベキュー広場の利用申し込みの改善状況、これについて、伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園におけるバーベキュー広場は、都民のレクリエーション需要にこたえるために設置しているものでございます。そして無料で利用できる施設でございます。
 平成二十三年度は、十九公園で延べ五十四万人以上の方に利用されており、ゴールデンウイークや秋口には予約申し込みが殺到するので、電話がつながりにくい状況が発生しております。このため、潮風公園などでは、平成二十四年五月から受け付け電話回線を二回線から八回線に増強し、利便性の向上を図っております。
 今後とも、より多くの都民の方に利用されるよう、適切に管理してまいります。

○遠藤委員 私からは、調布市内を流れる野川の分水路の整備について、何点か質問いたします。
 説明資料によりますと、平成二十三年度の中小河川の整備、この経費は、総額で二百一億円余が支出されています。護岸が約一・五キロメートル整備され、あわせて調整池、あるいは分水路の整備が行われております。
 大変厳しい財政状況の中でありますけれども、工夫を凝らしながら着実に効率的に中小河川の整備が進められているということはよくわかります。
 実は、平成十七年九月の集中豪雨、これは私の地元で調布市内を流れる入間川というのがございます。そこが百一棟の大規模な浸水被害が発生いたしました。その対策として、現在、分水路を整備する事業が実施されております。
 この入間川の分水路の事業のこれまでの取り組み状況についてお聞かせください。

○邊見河川部長 入間川については、川沿いに住宅が密集していることなどから、河川を拡幅するには用地取得などに多大な時間と費用を要することとなります。このため入間川のバイパスとして、調布市道の地下を利用して約千二百メートルの分水路を整備し、水害に対して早期に安全性を向上させることといたしました。
 平成二十一年度に分水路の取水口を構築するための用地を取得し、平成二十二年度から本格的に分水路の工事に着手いたしました。

○遠藤委員 この工事は、地元調布市と連携しながら早期に水害対策が図れる事業であり、大いに期待しております。私も近くですので何度か足を運んでおりますが、事業の進捗というものは、地元の方には大変注目されているところであります。
 そこで、平成二十三年度の工事内容と現在の進捗状況についてお聞かせください。

○邊見河川部長 平成二十三年度は、東つつじケ丘二丁目交差点において、既設下水道が分水路に支障とならないよう移設工事を行うとともに、約五百七十メートルの分水路本体の整備を実施いたしました。
 現在、分水路本体の工事並びに入間川からの取水口の構築などについて、周辺地域の方々にもご協力をいただきながら工事を進めておりまして、全体の進捗率は約七割となってございます。

○遠藤委員 事業が着実に進んでいることはわかりましたけれども、地域の安全性を向上させるために、一刻も早く、この分水路を完成することが必要であると考えております。
 したがって、今後の整備予定についてお伺いいたします。

○邊見河川部長 今後、分水路の残る区間の整備を進めるとともに、取水口付近の護岸の一部の線形改良や野川へのはけ口の整備などを行う予定でございまして、平成二十五年出水期からの取水開始を目指してまいります。
 引き続き工事は安全、着実に実施し、早期に入間川流域の治水安全度の向上を図ってまいります。

○遠藤委員 入間川分水路の整備は、水害の軽減に効果が非常に高く、地元も期待が大変大きいものであります。工事が終わるまで、ゲリラ豪雨がないようにと祈っていますよというのが地元の皆さんの声であります。そのためにも、入間川分水路の早期の完成を強く要望して、この入間川に関しては質問を終わります。
 次に、調布三・四・一七号線の整備について、質問いたします。
 多摩地域の発展のために、渋滞解消はもとより地域の防災性や安全性の向上に資する道路整備が不可欠であります。調布市と隣接する狛江市、この狛江市は全国でも二番目に小さい面積でありますけれども、人口が八万人程度が暮らす非常に緑豊かな住宅都市であります。東京都心に近接した恵まれた立地条件にあります。
 しかしながら、狛江市の都市計画道路は、道路の整備率は平成二十三年三月末で五割にとどまっております。良好な住環境を形成するためにも、さらなる道路整備が必要であると考えております。
 このうち、調布三・四・一七号線は、狛江市の中央部を南北に貫き、調布市との道路ネットワークを形成する重要な路線であります。早期に完成が望まれているところでありますけれども、狛江市内で唯一未開通であったこの区間が、ようやく開通すると聞いております。
 そこで、調布三・四・一七号線の概要について、改めてお聞きいたします。

○佐野道路建設部長 調布三・四・一七号線は、狛江市元和泉三丁目から調布市緑ケ丘二丁目に至る延長約五キロメートルの都市計画道路でございます。このうち世田谷通りから甲州街道までの約四・三キロメートルにつきまして、事業を進めてきており、約三キロメートルが完成、または概成となっております。
 現在、調布市若葉町三丁目から同市仙川町一丁目までの六百四十五メートルの区間と、世田谷通りから狛江市元和泉二丁目の田中橋交差点までの六百五十メートルの区間、合わせて約一・三キロメートルが事業中でございます。
 本路線は、多摩東部を南北に結ぶ地域幹線道路として、並行する環状第八号線や調布保谷線を補完する重要な路線でございます。本路線の整備によりまして、世田谷通りと甲州街道を南北に結ぶ新たな道路ネットワークが形成され、交通の円滑化や地域の防災性の向上が図られることとなります。

○遠藤委員 それでは次に、現在の取り組み状況をちょっとお聞かせください。

○佐野道路建設部長 平成十一年度から整備を実施してまいりました狛江市和泉本町一丁目から、同市東野川三丁目までの約一・五キロメートルの区間のうち、唯一未整備でありました野川大橋につきましては、歩道などを拡幅し歩行者が安心して通行できる橋として、本年十月四日に完成いたしました。
 調布市内の六百四十五メートルの事業区間につきましては、平成九年度に事業着手しており、このうち北側の三百メートルの区間につきましては、平成十四年度に交通開放いたしました。
 残る南側三百四十五メートルの区間につきましては、用地の取得に向け関係権利者との折衝を重ねております。また、現道のない狛江市内の六百五十メートルの事業区間につきましては、平成十一年度から事業に着手し、地元の理解と協力を得て鋭意事業を進め、本年十二月一日に開通する予定でございます。

○遠藤委員 調布三・四・一七号線の整備が着実に進められていることが確認できたわけでありますけれども、本路線の早期完成に対する地元の期待は大変大きいものがあります。
 今回の狛江市内の事業区間が、交通開放することによる地域への事業効果は大変大きいものがあると考えておりますけども、そこで、今回の開通により期待される事業効果というものはどのようなものか、お聞かせください。

○佐野道路建設部長 狛江市内の事業区間が開通することによりまして、世田谷通りから調布市方面を結ぶ新たな道路ネットワークが形成され、地域の交通の円滑化が図られることとなります。
 また、本区間は現道がないため、狭隘な道路に一日五千台を超える通過交通が流入しております。開通によりまして、これらの通過交通が減少するとともに、小田急小田原線和泉多摩川駅へのアクセスが容易となり、地域の安全性や利便性の向上が期待されます。
 さらに、災害時の避難場所であります都立狛江高等学校や多摩川河川敷への避難路が確保されるなど、地域の防災性の向上が図られることとなります。

○遠藤委員 狛江市内の事業区間が開通することで、期待される事業効果がわかりました。
 先ほどの答弁にもありました本路線により世田谷通りと甲州街道を南北に結ぶ新たな道路ネットワークが形成され、交通の円滑化や地域の防災性の向上が図られると私も同じような考えであります。このことからも、引き続き調布市内の未開通区間についても、速やかに用地取得に努め、早期開通に向けて全力で取り組まれることを要望するところであります。
 このたびの質問で、防災性の向上に資する事業が着実に進められていることはわかりました。さきの東日本大震災からの教訓を踏まえて、都民が安心して活力ある生活を確保、実現させるためには、真に必要な社会資本の整備を着実に進めていくことが再確認されたところであります。
 そこで、あすにも起こるかわからない首都直下型地震等に備えた都民が安心して暮らすことができる都市基盤整備の推進に向けた村尾都技監の決意をお聞かせいただきたいと思います。

○村尾東京都技監 東京は日本の首都として、政治、経済、文化など多くの機能が集積し、我が国の発展を牽引してまいりました。その礎は、現在よりはるかに厳しい経済状況の中にあって、明治通りや昭和通りなどの街路、勝鬨橋や清洲橋などの橋梁、日比谷公園を初めとする近代都市公園、東部低地帯を守る堤防や水門など都市基盤を着実に築き上げてきた先人たちの成果によるものと考えております。
 東日本大震災を踏まえ、東京の最大の弱点である交通渋滞の解消を図るとともに、快適で利便性の高い都市、安全で美しいまちの実現を目指し、都議会のご支援もいただきながら、首都圏三環状道路や骨格幹線道路、多摩・島しょの命の道、さらには木造密集地域の延焼遮断帯となる都市計画道路など、また水害から都市を守る河川、都民にゆとりと潤いを創出する公園など、高度防災都市としての基盤整備を推進し、首都東京の未来を生み出す都市生活と都市活動を職員一丸となって全力で支えながら、東京をさらに機能的で魅力的な二十一世紀にふさわしい都市へと進化させてまいります。

○遠藤委員 今、村尾都技監の力強い決意をお聞かせいただきました。ありがとうございました。
 今回、私は調布市と狛江市にかかわる事業について、質問をしてきましたけれども、きょうも各委員からの質疑を聞いても同じような事業が展開されているわけであります。特に、今日はゲリラ豪雨といわれるように、一時間に一〇〇ミリも二〇〇ミリもの降雨があちらこちらでも発生しているのが現実であります。
 河川の改修は急務であります。また、道路に関しても、まだまだ未完成な道路があります。経済的面からも、防災上からも早期に実現されますように、先ほどの都技監の決意、こういうものをしっかりと局全員が受けて一丸となって、積極的にこの事業に取り組んでいく、このことを強く要望して質問を終わります。

○鈴木(勝)委員 私からも、今回の防災対策の観点から何点か質問をさせていただきます。
 東京都下、二十三区の中で軟弱な沖積層に厚く覆われております東部低地帯、この低地帯はゼロメートル地帯に代表されますように、地盤沈下によって大半が海面下となっている大変災害のポテンシャルが非常に高い地域となっております。
 もともとは海岸線がここまで伸びていて、海の一部となっていたところも昔はあったと聞いております。このため、今回の地域防災計画の見直しにあるように、東部低地帯の河川や橋梁などの耐震対策、震災時に避難場所となる公園、こういった整備など、防災力の向上のためには早急に取り組む必要があると思っております。
 そこで、建設局の主要事業であります河川、道路、公園の防災対策について、質問をさせていただきます。
 まず河川における耐震対策でございますが、東部低地帯には私が住んでおります足立区もそうでございますけれども、荒川、隅田川、中川、綾瀬川など多くの河川が流れております。この地域は先ほど触れたように、土地が海面下の場所でありまして、ここに住む約三百万人の人々の生命と暮らしを守るために、河川の堤防や水門などの耐震対策を進めていくことが、極めて今東京都では重要になってきていると思っております。
 そこで、都が管理しております河川における耐震対策の平成二十三年度の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○邊見河川部長 平成二十三年度は、隅田川や綾瀬川など八河川で河川施設にかかわる国の基準に基づき、関東大震災時の震度に対する堤防の耐震補強、約四・一キロメートルや日本橋水門の改築などを実施いたしました。
 また、最大級の地震動に対して構造物が有する耐震性の調査を水門や排水機場等のすべての施設、並びに堤防の百六十二地点において実施いたしました。

○鈴木(勝)委員 今お話をいただきましたように、具体的な耐震対策については、理解させていただきました。
 答弁にあった耐震調査は、東京緊急対策二〇一一により実施したものと聞いておりますけれども、この結果などを踏まえて、都は八月に水門や堤防等の耐震対策について、最大級の地震に対する基本的な方針を明らかにしたところでございます。
 そこで、今後このような地震に対して、河川の耐震対策をどのように具体的に進めていくのかをお伺いします。

○邊見河川部長 基本方針にのっとって、マグニチュード八・二の海溝型地震等が発生した場合にも、浸水を防止するための耐震対策を実施する新たな整備計画を年内に策定してまいります。あわせて、損傷すれば被害の大きい隅田川の大島川水門など、四水門の設計に直ちに着手いたします。
 今後、新たな整備計画に基づいて、東京の東部低地帯を地震、津波から守る河川の耐震対策を推進してまいります。

○鈴木(勝)委員 地元を流れております綾瀬川におきましては、ことしの春に私は都立の江北高校の入学式に出席をしましたときに、地元の校長先生から、冬場にはこの堤防や車道から漏水が生じておりまして、学校の方にも少し水が来るという話も聞いております。このようなことから、堤防等の現状把握と耐震対策は非常に急がれるべきと考えております。
 来年度の予算編成にこれから当たりましては、まさに今回の東京緊急対策二〇一一の調査結果をもとにしまして、堤防の耐震化を進めていただくことを強く要望させていただきたいと思います。
 今申し上げたとおり、私の住む足立区でございますが、四方を荒川、隅田川、河川に囲まれておりまして、もし地震時にこれらの河川にかかっております橋梁が落橋しますと、避難はもとより物資の輸送が途絶えて、足立区は陸の孤島という形になってしまいます。このため、環状七号線の緊急輸送道路上にかかります橋梁が、震災時に健全性を維持することができるか否か、これは区民や都民にとりまして、まさしく生命線が途絶えるかどうかという形になります。
 そこで、都道の緊急輸送道路にかかります橋梁の耐震化につきまして、平成二十三年度末までの取り組みについて、状況をお伺いいたします。あわせて足立区内の状況についてもお伺いいたします。

○加藤道路保全担当部長 震災時における都民の安全な避難や緊急輸送を確保し、救命復旧活動の初動対応を迅速に行うためには、緊急輸送道路等の橋梁におきます耐震性向上が重要でございます。
 建設局では、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、緊急輸送道路等の橋梁四百一橋を対象といたしまして、橋脚補強や落橋防止装置の設置など必要な耐震化に重点的に取り組んできており、平成二十三年度末までに二百八十九橋の耐震補強を完了しております。
 このうち足立区内につきましては、耐震補強が必要な橋梁十七橋のうち十二橋の対策を完了しております。

○鈴木(勝)委員 大震災が来るその時期というのも、いろいろな調査でこの何年間の間には来るというふうにいわれておりますけれども、そういう意味では、残る橋梁の耐震化、今後の取り組みについても改めてお伺いいたします。

○加藤道路保全担当部長 足立区内の五橋を含めまして、残る百十二橋の耐震補強につきましては、東日本大震災を踏まえ、耐震計画を見直しました「二〇二〇年の東京」の計画に基づき、平成二十七年度末までに完了する予定でございます。
 引き続き橋梁の耐震化を推進することで、高度防災都市づくりの実現に全力で取り組んでまいります。

○鈴木(勝)委員 今お話しいただきましたように、この「二〇二〇年の東京」の計画に基づいて、ぜひ平成二十七年度末までにすべての橋梁の工事が完成するように、ぜひ推進をいただきたいと思っております。
 次は、公園の話をさせていただきますが、東部地域の防災の基地となります都立公園の舎人公園についてお伺いをいたします。
 舎人公園は、昭和天皇在位五十周年記念公園としまして、国の指定を受け、現在六十ヘクタールを上回る広大な開園面積を有しております。この大規模な公園は、陸上競技場や野球場、テニスコートなどのスポーツ施設を初めまして、子どもたちが喜んで遊んでおりますじゃぶじゃぶ池とか、あと先ほど話がありましたバーベキュー広場、こういったさまざまな施設を整備している大規模な公園でございます。
 本年三月三日には、東京都公園協会主催の大規模な舎人公園防災フェスタが開かれました。今週の末にも、地元の方々とともに防災の訓練が行われるところでございます。
 そこで、これまでの防災施設の整備の状況について、お伺いをいたします。

○町田公園緑地部長 舎人公園は、地域防災計画において発災時には近隣住民等の方々の避難場所となるとともに、大型ヘリコプターが離発着できる公園として、また救出及び救助活動に利用されることとなっております。
 これまでマンホール型の防災トイレ、緊急車両用の出入り口改修や主要園路の補強、入り口表示灯の設置、ソーラー式照明灯など公園の防災性を高める施設整備を進めてまいりました。
 また、このほか水道局による応急給水槽、東京消防庁による防火水槽が設置されてございます。

○鈴木(勝)委員 今お話をいただきましたので、さまざまな整備をされているということがわかりました。
 これから、さらなる防災機能のレベルアップを図るために防災公園に、非常用の発電設備の設置をこれから進めていくということを聞いております。
 今後の舎人公園における取り組みについて、改めてお伺いいたします。

○町田公園緑地部長 大規模救出救助活動拠点となる都立公園に非常用発電設備を設置し、発災時、公園管理所などの主要施設のバックアップ電源を確保することは重要と考えております。
 現在、大規模救出救助活動拠点である舎人公園への非常用発電設備の設置を、リーディングプロジェクトと位置づけまして、非常時に公園隣接地の生活関連施設にも電力を供給することとし、応急復旧活動に必要とされる電力量や発電設備の規模、構造についての検討を進めております。
 今後も、都立公園における防災機能の強化に努め、高度防災都市の構築に取り組んでまいります。

○鈴木(勝)委員 今お話しいただきましたように、まさに防災公園の役割というのは、二次災害から多くの人命を救う意味からも大変重要であります。地域の防災力を高めるとともに、首都東京の防災力強化には欠かせない公園がたくさん東京都内にはあります。
 今後も、地域の住民そして都と国が一体となって大規模な避難訓練を実施していくことが大変重要になってくると思います。ぜひとも都立防災公園の防災力を強化していただきながら、東京の都民の暮らし、安全を守っていただくよう改めてお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○高倉委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高倉委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時十六分散会

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