委員長 | 斉藤あつし君 |
副委員長 | 山加 朱美君 |
副委員長 | 神野 吉弘君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 三宅 正彦君 |
理事 | 高倉 良生君 |
理事 | 村上 英子君 |
理事 | くまき美奈子君 |
理事 | いのつめまさみ君 |
理事 | 大津 浩子君 |
小林 健二君 | |
加藤 雅之君 | |
桜井 浩之君 | |
山内れい子君 | |
畔上三和子君 | |
高木 けい君 | |
佐藤 由美君 | |
田の上いくこ君 | |
遠藤 守君 | |
中屋 文孝君 | |
笹本ひさし君 | |
中山 信行君 | |
神林 茂君 | |
服部ゆくお君 | |
山口 拓君 | |
松下 玲子君 | |
野上ゆきえ君 | |
今村 るか君 | |
吉田 信夫君 | |
田中たけし君 | |
古賀 俊昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員会計管理局長 | 松田 芳和君 |
教育長 | 大原 正行君 |
東京都技監建設局長兼務 | 村尾 公一君 |
知事本局長 | 秋山 俊行君 |
総務局長 | 笠井 謙一君 |
財務局長 | 安藤 立美君 |
主税局長 | 新田 洋平君 |
生活文化局長 | 井澤 勇治君 |
スポーツ振興局長 | 細井 優君 |
都市整備局長 | 飯尾 豊君 |
環境局長 | 大野 輝之君 |
福祉保健局長 | 杉村 栄一君 |
産業労働局長 | 前田 信弘君 |
港湾局長 | 中井 敬三君 |
青少年・治安対策本部長 | 樋口 眞人君 |
病院経営本部長 | 川澄 俊文君 |
中央卸売市場長 | 中西 充君 |
選挙管理委員会事務局長 | 影山 竹夫君 |
人事委員会事務局長 | 多羅尾光睦君 |
監査事務局長 | 塚本 直之君 |
労働委員会事務局長 | 加藤 英夫君 |
収用委員会事務局長 | 細野 友希君 |
議会局長 | 三橋 昇君 |
警視庁総務部長 | 室城 信之君 |
消防総監 | 北村 吉男君 |
本日の会議に付した事件
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成二十二年度東京都一般会計決算
・平成二十二年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十二年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十二年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成二十二年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十二年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十二年度東京都農業改良資金助成会計決算
・平成二十二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十二年度東京都と場会計決算
・平成二十二年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十二年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十二年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十二年度東京都用地会計決算
・平成二十二年度東京都公債費会計決算
・平成二十二年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成二十二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
○斉藤委員長 ただいまから平成二十二年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
初めに、委員会日程の変更について申し上げます。
過日の理事会におきまして、お手元配布のとおり変更することといたしました。ご了承願います。
これより決算の審査を行います。
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
なお、去る十月十二日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
朗読は省略いたします。
〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕
○斉藤委員長 これより質疑を行います。
この際、一言申し上げます。
質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間をお守り願いますよう、申し上げます。
次に、理事者に申し上げます。
答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるよう、お願いいたします。
なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いいたします。
それでは、これより順次発言を許します。
神野吉弘副委員長の発言を許します。
○神野委員 平成二十二年度の都税収入は四兆一千四百八十五億円、都財政は依然厳しい状況が続いています。法人二税は、法人事業税の暫定措置もあって減収です。ただ、主税局の努力の結果、徴税率が九六・八%と、過去二年間の低下傾向に歯どめをかけたのは、大きく評価をさせていただきたいと思います。
徴税率の上昇は、税務調査をただ厳しく行いさえすれば達成されるというものではありません。前提として、局と納税者との間の信頼関係の醸成があったればこそ。そのためには、課税に当たっての説明を十分に行い、納税者に納得して税を納めていただく環境づくりが必要です。その観点から、都の税務行政に関して幾つかの質問をさせていただきます。
最初に、個人事業税についてお伺いいたします。
個人事業税は、所得税の確定申告書等の資料をもとに都が税額を決定する賦課税目です。また、地方税法では、個人事業税の課税標準となる事業所得または不動産所得の算定に当たっては、所得税法の計算によることと定めています。このため、主税局では、地方税法や所得税法等に基づき、法令解釈や具体的な事務処理については、通達によって定めていると聞いております。
そこで、本年一月に施行された改正通達について伺います。
ことしから、個人事業税における原稿料等の収入の取り扱いを変更したとのことですが、その内容と根拠を伺います。
○新田主税局長 個人事業税は、地方税法及び同法施行令に定める七十種類の、いわゆる法定業種を営む個人の方を対象といたしまして、その事業所得等に課税するものでございまして、その課税標準となる所得の算定につきましては、国税である所得税の計算と同様に行うこととされております。
お尋ねの原稿料等につきましては、所得税法上は一般的に雑収入として取り扱われておりまして、個人事業税の課税対象外となりますため、仮に原稿料等が通常と異なり事業収入として計上されている場合であっても、これまでは原則、個人事業税の対象外収入として取り扱っておりました。
一方、国税不服審判所において、本来の職務と直接の結びつきが認められる原稿料収入は事業収入に含まれるとの裁決がありましたため、このたび、これを根拠として、私どもの通達であります個人事業税課税事務提要を改正し、事業収入に計上された原稿料等で事業と直接の結びつきのあるものは、課税対象として取り扱うこととしたものでございます。
○神野委員 弁護士の書いた著書に係る印税収入が事業所得に含まれるとした平成十五年の国税不服審判所の裁決が根拠となっているということです。
それでは、これまではどのように取り扱っていたのか、また、今回の改正は、原稿料を申告している納税者にとってどのような影響があるのか、伺います。
○新田主税局長 原稿料等は、所得税法の原則に基づき雑収入として計上するケースが一般的であり、雑収入は個人事業税の課税対象外となりますため、これまでは、事業収入に計上されている場合であっても、個人事業税の対象外収入として取り扱っておりました。一方、事業との関連性が認められる場合は、国税不服審判所の裁決の解釈に従って処理している例もございました。
今回の通達改正によりまして、事業収入として計上された原稿料等のうち、個人事業税の法定業種と直接関連のあるものは課税対象に含めることといたしまして、また、これとは異なり、本来雑収入に計上すべきものを事業収入に計上していた場合には、収入の明細を申告していただくことにより、従来どおり事業収入の対象外として取り扱うことといたしました。
なお、原稿料等は、通常、雑収入として申告されるため、ほとんどの納税者にとりましては、通達改正による影響はないものと考えております。
○神野委員 事業と関連のある原稿料を事業収入に含めて所得税の申告をしても、これまでは事業税の課税対象になる場合とならない場合があった。つまり、納税者によって課税される人とされない人がいた状況が、今回の改正で改まるということです。
都税の取扱変更については、条例や規則でも定めることができますが、今回の変更は、議会の審議を必要としない課税事務提要の改正により行ったと聞いているわけですが、議会の審議を必要としない通達の改正によって取り扱いを変更するのは、租税法律主義に反するのではないでしょうか。
○新田主税局長 通達は、地方税法等関係法令の解釈や課税事務手続等を定めた都税事務所に対する事務処理指針でございます。通達の整備は、適正公平な課税の実現を目的としておりまして、その内容が法の正しい解釈に基づくものである以上、適正なものと考えております。
しかしながら、行政機関内部を拘束する通達を変更することによる影響が、事実上納税者に及ぶこともありますため、その場合は、納税者の理解を得るために周知を行うことが必要となってまいります。
そこで、主税局といたしましては、局のホームページに改正内容を掲載し、広く周知を図りますとともに、通達改正の影響のある方には、個別に文書による周知を行わせていただきました。
さらに、今年度の課税に際しましては、事前にお知らせ文書を送付しますとともに、納税通知書に同封する個人の事業税のあらましにも、収入の取り扱いを掲載しているところでございます。
○神野委員 十分な配慮をされていらっしゃるのはよくわかるんですが、租税の賦課徴収は、必ず国民を代表する議会の決めた法律によらなければならないという基本原則が租税法律主義です。変更前は取り扱いが違っていた原稿料の扱いを原則に戻すための通達とのことですが、それによって影響が出る納税者が出るわけですから、変更の通達を出す前に議会での議論を行うべきだったと思います。
特に、納税者ごとで取り扱いが異なるなどというのはあってはいけないことです。それを統一するための変更だから通達でいいんだというのは、これは都側だけの理由ではないでしょうか。
平成十五年の裁決がその変更の根拠であるならば、どうして改正が平成二十三年になってからなのか、その理由もわからないわけです。公の議論を経ずに行われたわけですから、納税者には状況や理由が伝わらないし、納得をすることができません。変更による影響は、全体から見れば本当に小さい金額だと思いますが、課税税目であるからこそ、説明責任というものを十分に果たすべきだと考えます。
今回の改正で原稿料に関する取り扱いは統一をされるんでしょうが、今後も不均衡が生じないよう取り組んでいただきたいと思います。
個人事業税の適正公平な課税に向けて、都税事務所の課税制度を維持し、事務所間の取り扱いの均衡を保つためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
○新田主税局長 個人事業税は、その制度が複雑であるため、課税所得の認定に当たりましては高度な専門性を要するものでございます。このため、国税を含む法令研修のほか、習熟度に応じた実務研修の実施や事務指導等を行い、課税の適正化を図っております。
また、所得税法の改正があった場合などに、国税の取り扱いとそごが生じないよう、日ごろから東京国税局との情報交換を密に行っているところでございます。
今後とも、適正公平な課税を推進するため、各都税事務所の課税制度の維持向上に努めてまいります。
○神野委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。
ところで、都税事務所に関して、最近よくある相談では、納税が困難な納税者への対応が事務所ごとで違うんじゃないかということです。ある事務所では大変親身になって相談に乗ってくれたというお話がある一方、別の事務所では居丈高に恫喝をされ、差し押さえをちらつかされた、こんな話を聞く機会があります。
最近、経済が悪くて、経営環境の悪化による賃料収入の減少等の理由により、納税が困難な不動産賃貸業を営む納税者がたくさんいらっしゃるんですが、こういった方々への対応は各事務所で同じように行っていらっしゃるのか、お伺いをします。
○新田主税局長 税は、納期限までに全額を納付していただくのが原則でございます。しかしながら、経営環境の悪化等により、一時に納付することが困難な納税者に対しましては、原則どおりに税を納めていただいている大多数の納税者との均衡を失することのないよう、その方の資産、所得、月々の資金繰りや生活状況等を十分把握した上で、分割納付を認めるなどの対応を行っております。
いずれの都税事務所におきましても、以上のような考え方に基づきまして、納税者のお話をよくお聞きするとともに、個別具体のケースに即したきめ細やかな対応を行っておりまして、事務所により対応が異なるということはないと考えております。
○神野委員 このような質問をするのは、都心の商業地を中心に固定資産税額が上がり続けているという一つの現実があるからです。実際、この五年間で、もともと七百万だった税額が九百万円に上がった、こんな納税者の相談を受けております。
リーマンショック以後、都心の地価は下がっておりますのに、どうしてこのような現実があるんでしょうか。
○新田主税局長 土地に対する固定資産税につきましては、税負担の公平性を確保するため、税額の算定に当たり、本来の課税標準である価格等に対し、実際に適用した課税標準の割合を示します負担水準に応じた調整措置が設けられております。その上で、こうして求められた負担水準が商業地において六〇%に達しない土地に対しましては、本来負担すべき税額まで緩やかに引き上げることとされております。このため、もともと負担水準が低い状態にあった土地につきましては、地価が下がっていても税額が上昇する場合が出てまいります。
なお、都におきましては、商業地のうち、面積が二百平方メートルまでの部分につき税額の二割を減額するとともに、課税の限度となる負担水準の上限について、法定負担上限の七〇%を六五%に引き下げており、さらに、税額が前年度の一・一倍を超える土地については、その超える額に相当する税額を減額するなど、納税者の負担を軽減する独自の措置を講じているところでございます。
○神野委員 平成六年に、当時の自治省が、固定資産税の評価額は公示地価の七割とするという通達を出しました。当時、東京の評価額は、公示価格のせいぜい一割から二割でしたから、そのまま上げれば固定資産税額は七倍になっちゃう、いきなり上げるわけにはいかない、そういった意味で、今お話があったような調整措置を導入して、緩やかに税額を上げていこうとされました。それがすべての発端であります。だから、地価の高い都心では、目指すレベルにまだまだ追いつかず、税額が上がり続けているわけであります。
そこで伺いますが、こういった土地は実際どの程度あるのか、把握されていらっしゃるでしょうか。
○新田主税局長 さきの答弁とは逆のケースとなりますが、負担水準が六〇%以上の商業地は、税額が前年度のまま据え置かれるか、または下がることになります。このような土地は、今年度では二十三区全体の約九五%を占めております。したがいまして、地価が下落している一方で税額が上昇しているという土地は、全体ではそれほど多くはないと考えております。
しかし、リーマンショック以前に価格が急上昇した一部の商業地などにつきましては、地価が下落している状況においても、依然として負担水準が六〇%を下回っている場合もあるため、ご質問のような固定資産税の上昇している土地は、都心部を中心に今なお存在しております。
○神野委員 全体ではそれほど多くないとのお答えでございましたが、私はそうは思わないんです。例えば、渋谷区道玄坂二丁目の方の場合は、平成十七年度に五百六十六万だった税額が二十三年度七百五十二万、港区六本木三丁目、平成十九年度千七十万円が二十三年度千四百二十四万円に、新宿区舟町の方は平成十九年度二百六十四万円が三百一万円、中央区日本橋小伝馬町、十八年度五百六十三万円が二十三年度五百九十五万円、そのほか品川区、目黒区、こういった都心五区中心でありますけれども、実に広い範囲にわたって、この不況の中、固定資産税の増額で苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。
件数でいうと大したことがないかもしれないけれども、支払っているその税額ベースで考えると、私は割合はもっと大きいんじゃないかと思うんであります。これは私が直接伺った確かな数字でございます。都が実態をどこまで把握されていらっしゃるのか、非常に疑問に思うわけであります。
先ほど伺いましたけれども、ビルやマンションの空室率が今非常に上昇して、固定資産税も増額をされて、これから納税にご苦労される方々がふえてくると思うんです。
現場の事務所の職員の方々のお仕事もこれからふえていくということが当然予想されるわけなんですが、徴収率を高めるための都税事務所の努力は認めますが、現在、職員の年齢構成が一体どうなっているか、お伺いいたします。
○新田主税局長 主税局職員の平均年齢は四十四歳となっておりますが、その年齢構成の特徴といたしましては、再任用職員を含めた五十五歳以上のベテラン職員が約三〇%を占める一方、四十歳前後の中堅層及び二十歳代後半の若年層も比較的高い構成比となっている点にございまして、局全体としてバランスのとれた職員構成になっているところでございます。
○神野委員 バランスがとれているのは確かでありますけれども、ただその反面、ベテランの退職が今後しばらく続くということは間違いがありません。
今後、ノウハウを持ったベテラン職員の退職が相次ぐわけでありますが、その事態に対応して若手の育成をどのようにされていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○新田主税局長 主税局では、人材育成策をより強力に推進する目的から、平成二十年四月に主税局人材育成基本方針を策定いたしました。この基本方針に基づき、実務経験の浅い若手職員に対しては、インストラクターによる直接的な指導に加え、動向調査を初めとしたチームによる組織的な育成など、OJTの充実を図ってきております。
また、税目ごとに実務研修を実施するほか、固定資産税部門については、七カ月間にわたる長期専門家研修を行うことなどによりまして、ベテラン職員が有している知識、ノウハウが若手職員に着実に継承されるよう努めているところでございます。
○神野委員 冒頭申し上げたのでありますけれども、局と、そして納税者との間の信頼関係の醸成があったればこそ、良好な税務行政というものが今後展開をされると思いますし、そのためには、最前線の現場の事務所職員の方々のスキルを高めていくということが必要だと思います。
今お話を多々伺いましたけれども、どうか今後もよりよい徴税というものがなされるように、引き続き頑張っていっていただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
平成八年の第二十五次地方制度調査会で、監査委員は地方公共団体の執行機関の一つであり、事務局職員も当該団体の職員であることを踏まえると、地方公共団体の監査機能の独立性、専門性の確保については一定の限界があるという認識が示され、平成九年に外部監査制度が導入されました。都も平成十一年から導入し、今日に至っていますが、都民に対する説明責任を果たすために非常に重要な外部監査について、質問をしたいと思います。
外部監査人の選定方法と選定の視点について、まず伺います。
○笠井総務局長 外部監査人の選定に当たりましては、まず、日本公認会計士協会東京会に複数名の候補者の推薦を依頼しております。次いで、推薦されたそれぞれの候補者について、公会計及び地方自治に関する知識、他の自治体における包括外部監査や企業監査の実績などの観点から幅広く評価をしております。さらに、監査に当たっての方針や費用等の実施体制も勘案しております。
これらを総合的に判断することによりまして、最もふさわしい方を選定し、監査委員のご意見を聞いた上で、議会の議決を経た後に、包括外部監査契約を締結しているところでございます。
○神野委員 外部監査人の選定に当たっては、私は公開できる基準が必要だと考えております。
この制度がなぜできたのか、監査委員監査だけでは独立性が担保されないからです。ならば、自治体をチェックする監査人をチェックを受ける自治体が選ぶというのは、この制度の趣旨を私は踏まえていないと思います。そして、その基準を公開していないから、なおさらなんじゃないかと思うんです。
これまでの外部監査人を見てまいりますと、筆谷さん初めとして、すべて新日本監査法人の所属の会計士さんです。そして、監査人の補助者もすべてこの新日本監査法人ですし、これまでの監査人は皆、この補助者として外部監査に携わってまいりました。つまり、外部監査人を選ぶに当たって、都は、やりやすい人、顔見知りの人、こういった方しか選んでいないんじゃないかというふうな疑念を私は持っているわけなんです。そして、それは都民が見ても同じ感想を持つんじゃないでしょうか。これではせっかくの制度が生きてまいりません。
制度の趣旨からいうと、逆に都がやりにくい人を選ぶべきなのであります。監査法人は同じでも結構ですが、選定過程をもっと透明にして、例えば、外部の選定委員会を設けるとか、他の自治体がやっているような工夫をしていただきたいと思います。
それでは、次の質問ですが、外部監査人には弁護士、そして税理士も選定できます。会計士のみとする妥当性は理解しておりますが、弁護士による外部監査を実施している他自治体の監査報告書を見ると、適法性について厳しく指摘がなされるなど特徴がそれぞれあるんです。
弁護士、そして税理士、こういった他業種からの選定の可能性があるのか伺います。
○笠井総務局長 地方自治法におきましては、外部監査契約を締結できる者として、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関しすぐれた識見を有する弁護士、公認会計士、行政における監査の実務精通者及び税理士が規定されております。
都ではこれまで、財務に関する監査を主体として包括外部監査を行ってきておりますので、財務書類の監査に精通していらっしゃる公認会計士さんたちから選定しているものでございまして、今後も同様の観点から選定をしていくつもりでございます。
○神野委員 ほかの自治体を見てみると、大阪、それから広島県、北海道、過去に外部監査人として弁護士さんを選んでおります。弁護士による監査の大きな特徴は、先ほどいったように、適法性、つまり法にのっとっているかに重点が置かれている点であります。
例えば、職員を監理団体に派遣する場合の派遣法との整合性や、ほかの自治体で発覚をした物品調達時の預けの指摘ですとか、都民への説明責任をさまざまな角度から果たすためにも、今後、監査人を多様化していくということを望みたいと思います。
それでは次に、監査契約額の算定方法について伺います。
○笠井総務局長 平成二十二年度の包括外部監査におきましては、監査に要する費用として、三千五百二十八万円を上限に支払う契約となっております。この金額は、日本公認会計士協会が定めていた法定監査標準報酬規定を参考にして一人当たりの単価を設定し、これに都における監査の実態を踏まえた執務日数を掛け合わせることを基本として算出したものでございます。
○神野委員 平成二十一年度で見ると、都は三千五百万円、神奈川県は二千百万円、千葉県は二千万円、大阪府は一千五百万円、こうなっております。ほかに比べて、東京の場合には高額な報酬となっているんですが、この費用対効果について、これまで都は検証されていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
○笠井総務局長 都は大都市行政を担っておりまして、事業内容や規模も他団体と比べ非常に複雑かつ広範なものとなっております。このため、監査人の果たす役割は極めて大きく、補助者も多数選任されていることから、契約金額は妥当であると考えております。
また、包括外部監査では、監査を実施した結果が必ずしも経済的な効果に直接結びつくものばかりではございませんが、行政運営全般への政策提言効果は十分にあるものと認識をいたしております。
○神野委員 確かに、今大阪府は一千五百万円といういい方をしましたが、その下の大阪市は二千万円をかけて、堺市も一千五百万円をかけて外部監査をやっておりますから、都の金額が決して高いということを申し上げているわけではありません。
ただ、監査の結果が例えば数字でわかるぐらい、会計検査院なんかも、その検査によってこれだけの税金のむだを抑えたとか、そういういい方がされるわけでありますから、例えば東京都の場合も、監査によってどれだけのむだが省けたとか、そんな評価が行われれば、都民にも非常にわかりやすいんじゃないのか、そのように感じます。そういった評価を、今後参考にしていただければと思います。
それでは、次の質問に移ります。
外部監査のこれまでのテーマを見ると、例えば病院であったり、多摩ニュータウンであったり、建設局所管の監理団体等、幾つか重複が見られます。他自治体でも監査テーマの行き詰まりが非常に多いというふうに聞いているんですが、テーマの選定に当たって、例えば監査人や議会との意見交換を行うなど、今後工夫をしていくべきじゃないかと思うんでありますが、ご見解を伺いたいと思います。
○笠井総務局長 包括外部監査制度は、自治体における監査機能の独立性と専門性を一層充実させることを目的に導入されたものであり、監査テーマの選定は、あくまで監査人が自己の見識と判断に基づいて行うものとされております。
そのため、監査人を支援する総務局といたしましては、監査人のテーマ選定に資するよう、過去の監査テーマ等の実績や、各局の事業概要を提供するとともに、監査対象の候補となる複数の局のヒアリングを設定するなど、最新の情報提供に努めております。
なお、過去に取り上げられたテーマと同様のテーマにつきまして監査が実施される場合であっても、時点や観点を異にした監査により、さまざまな角度で有意義なご指摘、意見をちょうだいしているところでございます。
○神野委員 おっしゃるように、当然、行政からの独立性というものが担保されるべきですから、都がテーマを指摘しては大変おかしくなってしまいますが、ただ、ほかの自治体では、テーマの選定に当たって、議会からの要望を取り入れたり、さまざまな場を設けてディスカッションをしたりして、テーマの選定を行っている、そういった試みをしている自治体もございます。今後、テーマ選定にもし外部監査人の方が苦慮する傾向があれば、そういったさまざまな方法を取り入れる必要があるんじゃないのか、そんなことを要望として申し上げておきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
包括外部監査の結果に基づく措置の公表、これが、東京都の場合には監査を実施してから二年後になされております。ほかの自治体を見ると、監査を実施して、翌年、措置公表をするという、そういった自治体もある中、東京都の対応は、ほかに比べれば遅いんじゃないかと思われるんですが、その理由を伺いたいと思います。
○笠井総務局長 都におきましては、他の自治体にはない独自の取り組みといたしまして、監査をより実効性あるものとするため、当該監査を実施した監査人に改善措置のフォローアップを依頼しております。
具体的には、監査対象局が監査結果公表の翌年度に策定する改善計画及び翌々年度までに改善計画に基づき講ずる措置のそれぞれに対し、監査人が検証を加えております。改善の取り組みには時間を要するものもあり、また、監査人の検証を確実なものとするためにも一定の時間が必要であることから、二年間かけて着実な改善を図っているところでございます。
なお、指摘、意見の内容によりましては、監査人の意向を踏まえつつ、計画の策定を待つことなく、速やかな改善に着手しているところでございます。
○神野委員 ほかの自治体の措置結果の公表は、今、一年後に行うところが多いというふうに申し上げましたけれども、それぞれの中身を見ると、例えば指摘事項に対して検討中という形の項目も多くて、その検討中の事項がその後どうなったか、公表していないところも非常に多いんです。
ただ、東京都は二年間と、結果の公表はよそに比べれば遅いんですけれども、検討中とした項目も、その後改善がなされれば、きっちりと追っかけて公表されていらっしゃいます。その姿勢は非常に高く評価をしたいと思いますし、また、都が独自に、監査人の方当人、監査をされた当人にフォローを依頼されているというのは、非常によい取り組みだと思います。こういったよい取り組みは今後もぜひ続けて行っていってほしいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
これまでの監査を見ると、非常によくやっていらっしゃるなという感想を持つ一方で、都民の大きな関心事でございます、例えば監理団体への都の業務の委託、再委託の問題ですとか、それから、監理団体への、よくいわれるいわゆる天下りの問題、その人員の配置が妥当かどうかといった、そういった視点からの切り込みが不十分じゃないかなということを、これまでの監査報告書を見ると感想を持つわけなんです。
これまでの外部監査についての都の評価をお伺いいたしたいと思います。
○笠井総務局長 これまで実施されてきました外部監査では、幅広い分野について貴重なご意見、ご指摘をいただいており、改善措置を通じて都政運営全般の適正化に十分寄与していると認識をしております。監理団体につきましても、都からの業務委託の適正性なども含め、監理団体改革に資する有用なご指摘、ご意見をいただいております。こうした監査の結果は、当該分野にとどめることなく、全庁的な視点から事業の見直しにつなげるなど、幅広い業務改善に役立てております。
今後も、外部監査制度を有効に活用することで、都民サービスの一層の向上につなげてまいります。
○神野委員 私も、これまで申し上げてきたように、東京都の外部監査、よくやっていらっしゃると思います。今申し上げた監理団体への業務の委託、再委託の問題に関しても、たしか建設局所管の外郭団体について、そういった視点からの切り込みがされていらした場合というものも、私は認識をいたしております。
よく、行政のむだを排すとか、さまざまなことがいわれるんでありますけれども、そのために我々がしっかりと見ていかなければいけないのは、やっぱり監査だと私は思っております。ですから、そういった意味で、せっかくの外部監査、毎年、ある意味では高い報酬を払って行っているものでありますから、より有意義なものに、そしてまた都民に対して説明責任がしっかりと果たせて、そして独立性があって透明性がある、そういったよりよい外部監査に、これからも努力をして到達していっていただけるように、一層のご検討をお願いするとともに、議会の場から私たちもしっかりとその辺を見ていきたいと思います。その旨を申し上げて、私の質問を終わります。
○斉藤委員長 以上で神野吉弘副委員長の発言は終わりました。
続きまして、田中たけし委員の発言を許します。
○田中委員 まず、分科会でも質疑をしてまいりましたが、財政関係についてお伺いをいたします。
石原知事就任時の都財政は、基金残高は底をつき、実質収支は一千億円を超える赤字となるなど、財政再建団体へ転落寸前の危機的状態にありました。こうした中でバトンを受けた石原知事は、二次にわたる財政再建推進プランを通じ、歳入歳出の徹底した見直しにより財源不足を解消するとともに、全国に先駆けて複式簿記・発生主義会計を導入するなど、果敢に改革に取り組まれ、都財政を見事立ち直らせてまいりました。
一方、国の財政は、国債収入が税収を超え、政府債務残高のGDP比で見れば、あのギリシャよりも悪い数値となるなど、はるかに厳しい状況にあります。にもかかわらず、歳出削減の努力は極めて緩慢といわざるを得ません。
都が血のにじむような努力を積み重ね、財政再建を達成し、施策の充実を図ろうとしたやさき、国はみずからの怠慢を棚に上げ、いっときの税収増をもって東京が富裕と断じ、法人事業税の暫定措置導入を強行したわけであります。
景気後退に加え、この暫定措置の影響が通年で及び、都財政を取り巻く環境は厳しさを増しております。不合理な暫定措置は即刻撤廃すべきでありますが、現実の都政においては、これらの厳しい条件のもとで、都民、中小企業を守り、東京の活力を高める施策を展開する責任があります。その際には、財政再建の取り組みの過程で培った経験が生きてくるはずであります。
そこで、二十二年度決算における歳入確保努力の確認という点から、まず都税についてお伺いをいたします。
都税収入は、リーマンショックの影響で、二十一年度には前年度から一兆円もの大幅な減収となりましたが、二十二年度決算でもその税収が回復することなく、三年連続で減収となっております。景気後退が主な原因であるわけでありますが、その影響は、法人の業績から個人の所得、ひいては雇用にまで広く及び、極めて深刻な状況にあると認識をしております。そのため、徴収現場も相当困難に直面しているのではないかと推察いたしております。
ところが、さきの分科会の質疑では、都税収入全体では徴収率が下げどまり、滞納繰越額は過去最少となる四百九億円まで圧縮されたとのことであります。厳しい環境の中、主税局のさまざまな取り組みにより、このような成果が上がっていることは理解しておりますが、都税には、都が国や区市町村に徴収を委託している税目もあります。そのうち、都税収入の二割弱を占める個人都民税は、区市町村が個人の市区町村民税とあわせて賦課徴収し、個人都民税分を都に払い込むこととなっておりますが、法人税収の大幅な改善が期待できない中にあっては、都みずから徴収する税目と同様、しっかりと取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、ここ数年の個人都民税の徴収率はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○新田主税局長 個人都民税は、各区市町村が区市町村民税とともに賦課徴収しておりますが、その徴収率は、十年前の平成十三年度は八八・八%と、都が賦課徴収している他の都税に比べ七・三ポイント低い水準にございました。
このため、都は、区市町村へさまざまな支援策を講ずるなど、積極的な徴収対策に取り組んでまいりましたが、その結果、平成十九年度には、個人都民税の徴収率は九四・七%に上昇し、他の都税との乖離は三・七ポイントまで縮小いたしました。
しかしながら、その後の世界的な景気低迷の影響等から、多くの区市町村が税収確保に苦戦しており、近年、徴収率は、平成二十年度九三・六%、平成二十一年度九二・八%、平成二十二年度九一・九%と低下を続け、他の都税との乖離は平成二十二年度で六・一ポイントと、再び拡大しているところでございます。
○田中委員 都が賦課徴収している他の都税と比較して、徴収率は低い水準のまま推移しているということであります。
そこで、個人都民税の徴収率向上に向けたこれまでの取り組みと今後の方向性について、お伺いをいたします。
○新田主税局長 個人都民税を徴収する区市町村では、実践的な徴収ノウハウの不足などから滞納が累積し、徴収率は低い水準で推移してまいりました。
そこで、都では、平成十六年度に個人都民税対策室を設置し、区市町村から困難事案を引き受け、都が直接徴収するとともに、都職員を区市町村へ派遣して事案処理に従事させることで、滞納の早期解消に努めてまいりました。
また、区市町村職員を研修生として受け入れるなど、人材育成支援も行ってきたところでございます。
さらに、今年度からは、直接区市町村に職員が出向き、事案処理の進行管理や組織マネジメントを含め、幅広くアドバイスをする巡回相談を新たに開始いたしました。
今後も、各区市町村の実情に即した、より効果的な支援に向けた方策を検討し、個人都民税の徴収率向上を目指してまいります。
○田中委員 厳しい環境の中、引き続き、施策の遂行に必要な歳入の確保に努めていることがよくわかりました。
また、歳出面でも、先ほど申し上げた新たな公会計制度を事業評価などにも活用し、すべての施策を厳しく検証し、見直しに役立てておられます。これら財政再建が達成された後においても、手綱を緩めることなく自己改革に取り組むことにより、積極的な施策展開を支える財政の基盤が確保されており、高く評価するものであります。
一方、こうしたつめに火をともすような努力をいかに積み重ねても、それを無にする不合理な制度が、国が一方的に東京の財源を奪っている法人事業税の暫定措置であります。
改めて申し上げるまでもありませんが、この暫定措置は、国が三位一体改革の名のもとに地方交付税を大幅に削減して、地方を困窮させたにもかかわらず、それを都市と地方の格差に問題をすりかえ、東京が強く反対したにもかかわらず導入を強行したものであります。
そこで、暫定措置が決定された平成十九年度と平成二十二年度決算で、東京都及び他の道府県の一般財源がどのように変化したのか、お伺いをいたします。
○安藤財務局長 一般財源につきまして、地方財政計画における範囲で十九年度と二十二年度を比較いたしますと、都は十九年度は五・六兆円でありましたが、二十二年度は四・四兆円と、十九年度に比べて一・二兆円、二割を超える大幅な減と厳しい状況になっております。これは、大宗を占めます都税収入が、十九年度の五・五兆円から四・二兆円と一・三兆円減少したことによるものであります。
一方、他の四十六の道府県の合計で見ますと、十九年度は二十五兆円でございましたが、二十二年度は二十六・七兆円と、むしろ十九年度に比べて一・七兆円、六・八%増加をしております。これは、税収は十五・三兆円から十一・七兆円と三・六兆円の減となりましたが、都には措置をされておりません地方交付税等が九・四兆円から十三・四兆円と四兆円増加したことによるものであります。
このように、一般財源の総額で見た場合には、都と他の四十六の道府県とでは、最近は全く逆の傾向を示しているところであります。
○田中委員 そもそも税の原則にもとる制度でありますが、国の主張の前提となる財政状況は大きく変化しているということであります。ただいまの答弁にもありましたが、他の道府県であれば、税収減の影響は交付税措置等により緩和されるわけでありますが、交付税に頼ることのできない東京は、自力でやりくりをしなければなりません。
さきの分科会質疑によれば、二十二年度決算での影響額は約一千八百億円もの巨額に上り、法人事業税国税化対策特別基金は全額取り崩したとのことでもありました。仮に国が約束どおり暫定措置の撤廃をしないような事態となれば、都財政に与える影響ははかり知れません。
いずれにしても、早期に暫定措置撤廃を実現し、知事もさきの第三回定例会で述べられたとおり、東京の防災力強化を加速させていくことに使っていくことが重要であろうと思っております。
平成二十二年度も終わろうとしていたことしの三月、東日本大震災が発生をし、その直後から、我が党は、被災者、被災地支援、早期の復旧、復興、そして、東京の防災力の向上に向け、東日本大震災復旧・復興対策推進本部を設置いたしました。また、この推進本部のもとに、ハード、ソフトそれぞれの面から検討するワーキンググループを設置し、ハード、ソフト両面から、首都東京にふさわしい防災のあり方、都市づくりの議論、検討を積み重ね、昨日、推進本部として、防災対策強化に向けての提言を佐藤副知事に提示をしたところであります。
この提言の中で、発災時にも都民が安心できる体制、発災直後の混乱を回避する仕組み、地震に強いまちづくりのさらなる推進、地域住民や企業、団体の協力を得た地域防災力の強化の四つの柱に集約し、高度防災都市の実現に向け提言をさせていただきました。
いずれにしても、都民の目線から見た、生きた防災を主眼に据えて、あらゆる角度から検証を行ったものであり、ぜひともしっかりと受けとめ、今後の防災対応指針の策定に生かしていただくよう強く求めるものであります。
防災対策は喫緊の課題であり、都の総力を結集して取り組むべき課題であります。そこで、この三月に起きた東日本大震災に対するこれまでの都の対応から得た教訓を踏まえ、今後の防災力強化に向け、都はどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
○笠井総務局長 今回の大震災を踏まえ、都においても、首都直下地震に加え、東海、東南海、南海連動地震も視野に入れた防災対策の再構築を進める必要がございます。
このため、九月には、被災者、被災地支援や都内被害への対応など、これまでの経験で得られた教訓を明らかにした東日本大震災における東京都の対応と教訓を取りまとめたところでございます。この対応と教訓をもとに、都議会における議論や専門家の意見なども踏まえ、今月末までに、仮称ではございますが、東京都防災対応指針を策定するべく、現在、精力的に検討を進めております。
いただいたご提言も十分に生かし、都民の目線に立った実効性の高い防災対策の構築に向け、全力で取り組んでまいります。
○田中委員 ぜひよろしくお願いをいたします。大震災はいつ来てもおかしくなく、備えを万全なものとすべく、精力的にぜひ取り組んでいただきたいと存じます。
また、一刻の猶予もない高度防災都市づくりを加速させるためにも、早期に法人事業税暫定措置の撤廃を実現すべきであります。
本来であれば、日本の頭脳部、心臓部である首都東京の防災力向上は、国家として真剣に取り組むべき課題であります。にもかかわらず、国においては本質的な対策が論じられることなく、東京から遠く離れた場所に副首都を整備すべきというようなばかげた話が出ており、報道によれば、第三次補正予算に副首都整備を検討するための調査費が計上されたとのことであります。
国は、法人事業税の暫定措置により一方的に東京都の財源を取り上げ、都が目指す高度防災都市東京の実現に水を差しておきながら、首都機能を他に移す副首都構想を検討するとは、まさにナンセンスであり、暫定措置を早期撤廃し、その財源で副首都構想の必要のない高度防災都市東京をつくり上げてみせると、強く国に対し主張していきたいところであります。
そもそも、首都圏全体が一挙に壊滅するというような前提は非現実的である上、発災直後に東京から離れた副首都へ移行し、首都機能を再開するという前提が、物理的、時間的に見ても困難であると思われます。
副首都に関する議論や、あるべき首都機能のバックアップのあり方について、都としてどう考えているのか、ご見解をお伺いいたします。
○秋山知事本局長 いわゆる副首都をめぐる議論についてでございますけれども、委員からご指摘ございましたとおり、果たして発災時に有効に機能するのか、また、そもそも首都圏全体が一挙に壊滅するというようなことがあり得るのかといった点などにつきまして、十分な検討がなされていないというふうに考えておりまして、かつての首都移転論のように、候補地選定の議論が先行している状況にあるというふうに認識をしております。
都といたしましては、国が巨額の長期債務を抱え、さらに被災地の復旧、復興のため集中的に財源を投入する必要があるという状況の中で、この議論が過大なインフラ投資につながるおそれがあることから、極めて疑問であるというふうに考えております。
いうまでもなく、大規模災害時に首都機能を維持し、日本の政治経済に関する機能を確保することは極めて重要でありまして、そうした観点から、バックアップの検討自体を否定するものではございませんが、国家危機管理の要請から考えれば、東京に財源を投下し、東京の防災力を強化することで、首都機能への打撃を最小限に食いとめるということこそが、まず先決だろうというふうに考えております。その上で、万一の場合に備え、首都圏を構成する九都県市等、既にある集積を生かした、発災時に真に機能するバックアップ体制を検討すべきものというふうに考えております。
都といたしましても、木造住宅密集地域の耐震化、不燃化を初め、高度防災都市づくりに向けた取り組みを進めますとともに、あらゆる機会をとらえて、首都圏の防災力強化の必要性を国に強く訴えてまいります。
○田中委員 ありがとうございます。これまで国は、大規模災害時に備え、既に官邸や霞が関の庁舎等の耐震化を進め、さいたま市等に広域防災拠点整備を実施してきております。こうしたことを踏まえれば、答弁にもあるように、まずは首都圏域内の防災力強化を推進することが現実的な対応ではないでしょうか。
知事もおっしゃるとおり、東京の機能を見誤り、首都の防災をどうすべきかを熟慮もせず、バックアップと称して副首都の建設や、あたかも首都移転と結びつけたかのような器の議論に終始すれば、むだな箱づくりにつながりかねず、国力はますます衰退していくおそれがあります。
被災地の復旧、復興のために増税という形で国民に負担を強いるわけでありますから、こうした不毛な議論に使う時間もお金もないはずです。被災地の復旧、復興に少しでも多くの財源を振り向けるべきことは論をまちません。
また、国家の危機管理という大局的な観点から冷静な議論が行われることを、今後、都議会としても注視していくべきと思います。
いずれにいたしましても、これまで公会計制度導入、事務事業評価、徴税努力などの内部努力の結果、財政を健全化させてきた中で、東京富裕論から一方的に法人事業税を取り上げ、防災力強化を果たそうとする東京都の手足を縛っておきながら、副首都構想を検討することは、言語道断、許しがたい行為であります。
一刻も早くこの不合理きわまりない暫定措置を撤廃することを強く国に求めまして、私の質問を終わります。
○斉藤委員長 以上で田中たけし委員の発言は終わりました。
続きまして、長橋桂一副委員長の発言を許します。
○長橋委員 では、都議会公明党を代表して質問をさせていただきます。改めて簡潔、明快な答弁をお願いします。
初めに、都財政についてであります。
平成二十一年度決算で過去最大、一兆円もの減収となった都税収入は、平成二十二年度においても回復することなく、三年連続で減収をいたしました。減収額は全体で千三百八十二億円に上りますが、最大の要因は、今お話にありました暫定措置の影響が平年度化したことであります。法人事業税が千二百三十二億円減収になったことにあります。
都税収入の多くを占める法人二税は、景気変動の影響を受けやすく、地方交付税に頼ることができない都は、税収の変動に自力で対応しなければならないわけであります。こうした中で、財源確保に重要な役割を担っておりますのが、財政調整基金を初めとする、いわゆる財源として活用可能な基金と都債であります。
中でも基金は、借金であります都債と異なり、非常に使い勝手がいいわけでありますが、もちろん無計画に使っていれば、あっという間になくなるわけであります。中長期的な視点に立ち、また、緊急時の対応に活用しなければならないわけであります。
そこでまず、財源として活用可能な基金について、過去五年間の残高の推移について伺います。
○安藤財務局長 お尋ねの残高の推移は、平成十八年度末で六千六百二十億円でございましたが、好調な税収を背景に二十年度にかけまして積み増しを行いました結果、十九年度末で一兆二千五百八十七億円、二十年度末で過去最高の一兆五千七百四十三億円にまで増加をいたしました。
その後、税収が大幅に減少いたしました二十一年度以降は取り崩しを行っておりまして、二十一年度末で一兆三千七百四十四億円、二十二年度末で一兆二千百二十億円と減少しているところであります。
○長橋委員 基金残高は、税収が大きく減少する中で、平成二十一年度以降目減りをしていることがわかりました。
こうした状況において、景気回復による税収回復は今後望むべくもないわけであります。法人事業税の暫定措置が都財政に大きな負の影響を与えているわけであります。この不合理な措置によって、都は毎年二千億円近い財源を一方的に奪われているわけでありまして、先ほど基金残高について聞きましたが、近年の基金の取り崩し額に相当するわけであります。裏を返せば、暫定措置がなければ貴重な基金を温存できたことになるわけであります。
東日本大震災から、日本の復興、再生を東京から力強く牽引していくためにも、大震災の教訓を十分に踏まえ、日本の心臓部である首都東京の防災力を抜本的に強化する。知事も、暫定措置を直ちに撤廃し、首都東京の最大の弱点の一つである木造住宅密集地域の耐震化、不燃化、これを取り組んで高度防災都市へ進化させていくことが先決だと、このようにもいわれておりました。
そこで、このような首都東京として取り組むべき課題や、そのために膨大な財政需要があるという意味では、暫定措置撤廃については、国や地方に理解を今こそ得られるときだと思うわけであります。今こそ撤廃に向けた取り組みを強化すべきだと、このように思いますが、見解を伺います。
○安藤財務局長 法人事業税の暫定措置は、そもそも受益と負担という税の原則に反しまして、憲法の定める地方自治を侵害するものであります。
また、法律では、平成二十三年度末までに消費税を含む税制の抜本改革を行うことを義務づけておりまして、この暫定措置につきましても、同時に撤廃すべきものというふうに位置づけております。
加えまして、東日本大震災を受け、建築物の耐震化や木造住宅密集地域の改善など、東京の防災力強化に向けた取り組みを加速させる財源を確保するためにも、暫定措置の撤廃は不可欠であります。
年末にかけまして、社会保障と税の一体改革の議論が山場を迎えますが、暫定措置が約束どおり確実に撤廃されますよう、引き続き都議会のご協力をいただきながら、国に対しまして、あらゆる機会をとらえて一層強く働きかけてまいります。
○長橋委員 改めて撤廃に向けた取り組み強化をお願いしたいと思います。
また、今ご答弁にもありました東京の最大の弱点の一つである木造住宅密集地域対策、これに抜本的に力を入れ、東京の高度防災都市へ向けて取り組んでいくということでありますので、木造住宅密集地域対策について伺いたいと思います。
東日本大震災の発生を踏まえて、本年六月に発表された緊急対策二〇一一においても、なかなか進まない木密地域の整備促進に向けて、都は、まちづくりや税制などの施策を組み合わせた新たな手法で、地区を指定してモデル事業を行うとしております。
都はこれまでも、木密地域を対象として、地元区と連携をして防災都市づくり推進計画を策定し、重点整備地域等を指定して対策を進めてまいりました。
そこでまず、これまでの木密地域の不燃化の成果、これについて伺いたいと思います。
○飯尾都市整備局長 都は防災都市づくり推進計画におきまして、整備地域や重点整備地域を定めまして、区と連携して、道路の整備や建物の不燃化などに取り組んでまいりました。
これまで、生活道路や公園、広場につきましては、約十七ヘクタールの用地が確保されたほか、約七千四百五十戸の共同住宅が整備されております。これらの結果、平成八年から十年間で、重点整備地域におけます延焼遮断帯の形成率は四一%から五三%に、不燃領域率は四八%から五六%に向上しておりまして、延焼による焼失率がほぼゼロとなる七〇%に向け、改善が図られてきているところでございます。
しかしながら、木密地域は、居住者の高齢化や権利関係の複雑さなどから、改善が進んでいない地区も多く残されているのが実情でございます。
○長橋委員 今、局長からは、不燃化の成果についてはご答弁がありましたが、やはり耐震化はなかなか進んでいない。答弁にもありましたけれども、なかなか進まない理由、これもたびたび都議会でも議論されてまいりましたけれども、やはり権利関係の複雑さ、それに伴う合意形成に時間を要する、さらには居住者の高齢化による建てかえ意欲の減退、こういったものが挙げられているわけでありますが、今回、都は、木密地域の防災性を向上させるために、木密地域不燃化十年プロジェクトを新たに立ち上げまして、強化、取り組みを一層加速させていく、このようなことでございます。
そのためには、住民の危機意識に訴える、これが重要でありますが、その取り組みのスタートとして、去る日曜日、十一月六日に、このプロジェクトのキックオフイベントがございました。お伺いをすると、防災の専門家や阪神・淡路大震災の被災の体験者などを講師として講演会を開催した、このように聞いております。
そこで、このキックオフイベント、どんな内容だったのか伺います。
○飯尾都市整備局長 今回の講演会では、阪神・淡路大震災において、建物の倒壊により自力脱出が困難となった人の七割は隣近所の人たちによって救出されたことなどが、防災の専門家の方から映像も用いましてリアルに語られました。また、復興にかかわった方からは、地域のリーダーは復興まちづくりの核となるため、何としても生き残るべきなどの体験談が披露されました。
この講演会は、今後の地域での取り組みにつなげるため、特に木密地域のまちづくりに取り組んでおられる町会や協議会のリーダーの方にお話を聞いていただきたいと考え、地元区の協力を得て出席をしていただいたものでございます。
参加者の方からは、地震の危険性を再認識した、自分のまちに帰って話を伝えたいなどの感想が寄せられております。
○長橋委員 今ご答弁に、東京の木造住宅密集地域の町会の方々、またその協議会の方々、そのリーダーの方々が多く参加したということでございます。私はこれが非常に大事であろうと思います。
私の地元でも、東池袋を初めとする木造住宅密集地域がございますが、その方々とお話をして、出席をしたと、このようにも聞いておりますので、まさに十一月六日の会合が木造住宅密集地域の強化に向けての大きなスタートだったと、このように思うわけであります。
ですが、今回の講演会は都庁での開催でございました。大事なのは、こうした取り組みを、都みずから木密地域の現地に出向いて、直接住民と会って情報交換を行っていく、これが大事だろうと思います。
そこで、今回のこうした取り組みが都民の意識を高めていくわけでありますが、木密地域不燃化十年プロジェクトの今後の取り組みと、そして、今申し上げた現地に出向いての取り組み、これは早急に行うべきだと、このように思いますが、いかがでしょうか。
○飯尾都市整備局長 十年プロジェクトでは、今回の講演会を皮切りに、年明けから順次、被災を体験された方々とともに木密地域の現地に出向きまして、意見交換の場を設け、震災の怖さや、自助、共助、そして防災専門家のお話にありました隣近所が助け合うという近所の重要性を伝えていくとともに、現場の住民の方々から生の声を聞いてまいります。
また、木密地域における土地や建物の状況などをきめ細かく調査することによりまして、解決すべき課題の的確な把握に努めてまいります。
あわせて、まちづくり施策や税制、建てかえ時の生活支援など、さまざまな施策を総動員した新たな手法も編み出しまして、地元区や関係局と連携して積極的に実施し、木密地域の改善に取り組んでまいります。
○長橋委員 今ご答弁に、現地に出向いての取り組みは、来年早々、順次開催をしていくということでございました。
冒頭でも申し上げましたけれども、都は木密地域の整備促進に向けて、まちづくりや税制などの施策を組み合わせた新たな手法で、地区を指定してモデル事業を行う、このようにいいました。こうした現地に出向いて情報交換をする中で、また地元区とも十分に連携した上で、先行的に取り組むモデル事業、これを早期に決定していくことが重要であると思います。
既に、緊急対策二〇一一、六月に、地区を指定してモデル事業を開始すると、このようにいっているわけでありますし、我が党は、第二回の定例会において、そのモデル事業の具体的な事例、これについても東京都都市整備局から、どういうものであるか具体的に示されたわけであります。改めて、このモデル事業については早期に開始することを都の重要施策として強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
次に、「十年後の東京」計画について質問をいたします。
この計画は、平成十八年に策定をされました。この年は、二〇一六年オリンピック競技大会の国内候補地に選定をされまして、それを契機に、世界に発信できる二十一世紀の新しい都市モデルの実現のために策定されたものでございます。
オリンピック招致については、ご案内のとおり、今年度、引き続き、第三回定例会において、東日本大震災から復興をなし遂げる目標として、二〇二〇年オリンピック競技大会の招致決議が可決をされました。
今回、「二〇二〇年の東京」がことしじゅうに策定されることになっておりますが、「十年後の東京」計画は、五年を経過して、折り返し地点に差しかかっているところであります。
この「十年後の東京」の策定に当たっては三つの基金が創設されました。地球温暖化対策推進基金、スポーツ・文化振興交流基金及び福祉・健康安心基金であります。施策の実効性をそこで確保したわけであります。
そこでまず、この基金の概要、そして執行状況はどうだったか、伺います。
○安藤財務局長 お話の三つの基金は、スポーツ・文化、環境、福祉・医療の三つの分野の事業を集中的かつ重点的に推進するために、あらかじめその財源を確保することを目的に設置したものでございますが、背景といたしましては、平成十九年度当時、都税収入が好調だったという背景がございます。
執行状況でございますが、創設時に三基金合わせて千二百億円の積み立てを行い、その後の取り崩しによりまして、平成二十二年度末の残高は合計四百億円となっております。
○長橋委員 平成十九年度に総額一千二百億円で創設した基金も、二十二年度末で残りは四百億円であるということであります。さらに、今年度はそれぞれ、三基金八十億円程度の取り崩しが見込まれていると聞いております。今年度には残高百五十億円になるわけでございます。基金については、千二百億円あったものが、およそ九割近くが取り崩されてきたわけでございます。
そこで、「十年後の東京」計画の施策実施のための基金の取り崩しの状況はわかったわけでありますけれども、基金事業を含めた「十年後の東京」計画のこれまでの主な取り組みと成果について、まずは伺います。
○秋山知事本局長 「十年後の東京」計画では、八つの目標を掲げまして、その達成に向けて政策展開を図っておるところでございます。現在までのところ、おおむね順調に進捗しているものというふうに認識をしております。
例えば、目標の1では、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを掲げ、新たに千ヘクタールの緑を創出することなどを目指しておりますが、都市公園の整備推進などによりまして、平成二十二年度末までに四百六十三ヘクタールの緑を生み出し、また、十年間で三万人以上の創出を目標に掲げました障害者雇用につきましては、平成十九年度から二十二年度までの四年間で、目標の三分の二に当たる約二万人の雇用を実現しているところでございます。
さらに、環境、福祉・医療、スポーツ・文化の三つの分野におきましては、先ほどの基金を有効に活用し、積極的な政策展開を図っておりまして、具体的には、環境分野では中小企業における省エネの取り組み支援など、福祉・医療分野では事業所内保育施設に対する支援など、スポーツ・文化分野におきましては国体で活躍するジュニア選手の発掘、育成などに基金を充当し、目標達成に向け、幅広い施策を実施しているところでございます。
○長橋委員 今、局長から「十年後の東京」の成果についてお話がありました。相当はしょってお話があったと思いますけれども、緑の創出などについては成果があったと思いますが、引き続き今後、独居老人対策、高齢者の対策、こうした課題も残っている。道半ばであるわけでありますから、そのように思うわけであります。
本年五月、東日本大震災の発生を受けて、高度防災都市東京の構築、日本再生の先頭に立つために、都政運営の新たな戦略を発表しました。この都政運営の新たな戦略の中で、「十年後の東京」計画を引き続き実施していくとともに、防災、エネルギー、国際競争力を特に強化すべき施策として、新たに「二〇二〇年の東京」を策定することを明らかにしたわけであります。我が党は、この新たな長期ビジョンに大きな関心を持ちまして、党内にPTを設置して、きょうまで分析、検討してきたところでございます。
東京が解決すべき課題は、防災やエネルギーに限定されるものではなく、超高齢社会における医療や住まい、ひとり暮らしの高齢者対策など、都民生活に直結する課題も山積しているわけでありまして、そうした課題についてもしっかりと取り組んでいかなければならない、このように思うわけであります。
そこで、「二〇二〇年の東京」では、都政が直面する課題、特に生活に直結する課題についても、さらなる充実を図るべきだと思いますが、「二〇二〇年の東京」のビジョンをどういうふうに考えるのか、伺います。
○秋山知事本局長 「十年後の東京」計画が計画期間の半ばを迎えたこと、加えまして、東日本大震災によって新たな課題が明らかになったことを踏まえまして、特に高度な防災都市の構築、自立分散型のエネルギー政策の推進、東京の国際競争力の向上の三点を強化するという視点に立ちまして、現在、計画の改定に取り組んでいるところでございます。
お話の超高齢社会に向けた対策につきましては、「十年後の東京」計画におきましても重要な課題の一つに位置づけ、高齢者の新たな住まいづくりや、さまざまなサービス基盤の整備などを着実に進めているところでございます。
しかしながら一方で、都内の高齢者の割合が平成二十二年には二〇・四%まで高まる中、ひとり暮らし高齢者人口も、平成十七年の五十万人から二十二年には六十二万人に増加しておりまして、高齢者の医療、住まいのあり方など、都における超高齢社会対策には、今後とも手を緩めることなく重点的に取り組んでいく必要があります。
仮称ではございますけれども、「二〇二〇年の東京」計画の策定におきましては、こうした「十年後の東京」計画に掲げてきた取り組みにつきましても、都政を取り巻く現状を的確にとらえながら、さらなる充実強化を図っていく考えでございます。
○長橋委員 改めて、超高齢社会対策、我が党は引き続き、しっかりとこの課題については議会で取り組んでまいりたいと思っております。
さらに、「二〇二〇年の東京」の策定理由として、東京の国際競争力の強化を挙げているわけであります。昨今のとどまるところを知らない円高による都内中小企業への影響は大変大きな問題でございます。
外資を呼び込み、都内経済を活性化させるというアジアヘッドクオーターのコンセプト、これも大きく理解をするわけでありますが、円高の進行により、都内中小企業は次々と海外に流出しているのが現状であります。外国企業の誘致も必要でありますけれども、産業の空洞化を食いとめる、都内の中小企業を守り立てる、こうした方策こそ、私は今求められているのではないのか、このように思います。「二〇二〇年の東京」の策定に当たっては、超高齢社会対策とともに、こうした視点もぜひ重視をしていただきたいと思います。
また、これまでの議論で明らかになったように、「十年後の東京」計画においては、策定当初に、重要施策の推進のために基金という実効性を担保する手だてを講じて、今ご答弁いただいたとおり、効果的に成果が上がってきたわけでございます。「二〇二〇年の東京」は、「十年後の東京」計画を充実強化させたものにするということでございますけれども、その事業実施を裏打ちする方策が重要であります。こうした点も踏まえて、ぜひとも実効性の高い計画として仕上げていただきたいと思います。
次に、節電対策について質問をいたします。
ことしの夏は、ご案内のとおり、東日本大震災の影響で電力不足が深刻な問題となりました。首都圏においても、電力需要を抑えるために、計画停電、電力使用規制が行われ、一部混乱もあったわけでございます。
しかしながら、都民、事業者の懸命のピークカットまたはピークシフトの取り組みで、何とか乗り切ることができたと、こういうふうに思うわけであります。都民、事業者の努力に改めて敬意を表したいと思います。
こうした昼間の電力のピークを抑える取り組みは、同時に都民、事業者へ大きな影響を与えたのは事実であり、さまざまな課題を残した取り組みであったと私は思います。
今後、都民、事業者に節電の取り組みを訴えるに当たっては、これまでの節電対策はどうだったのか、特にそれらを率先牽引する都立施設の取り組みはどうであったのか、この点について質問をしたいと思います。
そこでまず、都立施設における昨年度までの節電対策の取り組み、また、その成果について伺います。
○大野環境局長 都はこれまで、地球温暖化対策の観点から、都施設からのCO2排出量を、二〇〇九年度までに二〇〇四年度比で一〇%削減するという目標を立てまして、このCO2排出抑制目標に向けまして節電に取り組んでまいりました。
具体的には、設備の省エネ効率を上げる調整、いわゆる省エネチューニングなどの運用改善、より効率のよい設備への更新、省エネの助言を受けるESCO事業の活用など、施設に適しましたさまざまな取り組みを行ってまいりました。
この結果、二〇〇九年度において、都の建物での電気使用量は、二〇〇四年度比で既に約二〇%の削減を達成しておりました。
○長橋委員 二〇〇四年度比で約二〇%の削減をしたと、このようなご答弁がありましたけれども、それではこの夏はどうだったのか。この夏は確かに仕方なかったと思いますけれども、九月に入っても、都庁舎の廊下、エレベーターホール、こういうのは大変暗かったように思うわけでありまして、少し度が過ぎたのではないのかなと、こんな心配もしたところであります。
というのは、福祉保健局によって都として決めている福祉のまちづくりをすすめるためのユニバーサルデザインガイドライン、こういうのがあります。また、財務局も都立建築物のユニバーサルデザイン導入ガイドライン、こういうのがございます。そこには、廊下、階段、エレベーターなどについては、ともに円滑な移動が図られるよう策定をされているわけであります。この趣旨からいっても、これ以上、極端に照明を落とすことは、安全面からも許されないと思うわけであります。
ぜひ今後は、こうしたことを配慮して節電対策に取り組んでいただきたい、このように思うわけでありますが、今後は冬場を迎えるに当たって、一定のピークカット、ピークシフトも、これは重要でございますけれども、現在、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現に向け、都が推進している省エネ対策、つまりベースカットが最も大事であろうと私は思うわけであります。高効率の省エネ施設の設備の導入で電気使用量そのものを下げていく取り組み、これがCO2削減にもつながるからであります。
そこで、都は現在、都有施設の改築等に当たり、省エネ・再エネ東京仕様を策定して電気使用量を下げる取り組みを行っていると聞いております。また、財務局では保全業務支援システムというのを作成して、都の各施設の電気使用量をデータ化することにより、計画的な施設改修につなげている、このようにも聞いているわけでありますが、それぞれの内容、活用状況について伺います。
○安藤財務局長 都は、平成十九年に省エネ東京仕様二〇〇七を策定いたしまして、主要施設十カ年維持更新計画に基づく施設の改築、改修工事において、この仕様を全面適用し、高効率な電気、空調設備の導入に加えて、太陽光発電設備についても計画整備を行っております。
そして、ことしの七月ですが、お話のありましたように、省エネ・再エネ東京仕様を新たに策定いたしまして、都有施設の省エネ性能をさらに向上させるとともに、今般の電力危機にも資するよう、電力使用量削減に取り組むことといたしました。
この新しい仕様では、LED照明などの高効率省エネ設備の導入拡大と、自然換気システムや太陽熱、地中熱利用設備などの多様な再エネ設備の仕様の追加を行いまして、平成二十四年度の改築、改修工事から全面的に適用してまいります。
また、ご指摘の保全業務支援システムは、面積千平方メートル以上の約二百施設を抽出いたしまして、建物の修繕や改修工事履歴などを電子データ化したもので、平成二十二年度から本格運用しております。このシステムは、電力使用量等をデータ化しており、これは施設ごとに使用量を比較し、設備機器の劣化状況等を調査することにより、施設改修計画の基礎資料とするものでございます。
今後とも、必要なデータの蓄積を進め、建物の長寿命化や費用対効果を踏まえた都有施設の維持更新に取り組んでまいります。
○長橋委員 今、財務局長からも、保全業務支援システムについて、内容について明らかになりました。このデータは施設改修計画の基礎資料とするものということでございます。
現在の都有施設にどのような設備機器が入っているかを検証し、次の改築、大規模改修へ反映していくことが重要であります。また、さらには、私は、既存の設備機器によっては、取りかえた方がいいのではないのか、電力使用量がわかるわけでありますから、そうした取り組みもできるのではないかと思います。
そこで、都有施設の設備などについて、今いったようなデータベース化を図るなどして、各施設の電気使用量を下げる取り組みを行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○大野環境局長 効果的な節電を行うためには、さまざまな節電対策を分析しまして、有用な事例を収集していくことが必要でございます。
都はこれまでも、地球温暖化対策計画書制度によります個別的な指導や対策メニューの提供を行うほか、施設担当者を対象に省エネ研修会を開催するなど、設備導入、運用改善の両面にわたりまして、効果的な節電対策の共有化を図ってまいりました。
現在、この夏の各施設の取り組みにつきまして分析を行っておりまして、その結果を踏まえまして、無理のない賢い節減対策を取りまとめまして、すべての都の施設においても周知、展開を図ってまいりたいと思っております。
さらに、お話の保全業務支援システムを所管する財務局とも連携いたしまして、そのデータの活用も検討するなど、今後とも、都施設におけるすぐれた節電対策の収集、周知に努め、電気使用量の削減に取り組んでまいります。
○長橋委員 今、財務局と連携して保全業務支援システムを活用していくと、こういうご答弁でございました。
確かにことしの夏は大変な節電対策で、各事業者もご苦労した。そうした中で独自の節電対策、すぐれた節電対策もやってあるところが多い。そういうものを取りまとめる、これも大変すばらしい取り組みだと私は思いますけれども、都有施設については、これはデータベース化、この基礎があるわけでありますから、さらに保全業務支援システムを充実させて、連携を図って、都有施設から率先して節電対策に取り組んでいただきたい。強く要望しておきます。
最後に、児童生徒の健全育成の推進について質問をさせていただきます。
いじめ、不登校、暴力行為などの児童生徒の問題行動の解消と未然防止を図るには、一人一人の心理面からの行動の分析や原因究明を行うことが重要であります。
都教育委員会としては、スクールカウンセラーの配置を平成七年度から国の委託事業としてスタートいたしまして、平成十三年度から補助事業にかわり、拡充を図ってきた、このように聞いております。国の負担率が二分の一から三分の一に下がる、こうした中で、全国に先駆けて、平成十五年度には既に公立中学校への全校配置の実現、これは高く評価をしたいと思います。
また、平成二十年度からは、児童生徒の問題行動があらわれ始めるのも徐々に低年齢化している、こうしたことから小学校への配置も始めました。低年齢化とともに、いじめや不登校の児童生徒数の増加、こうしたことに対応して、学校における相談体制の構築、拡充は、さらに図るべきであります。
そこでまず、今までの東京都のスクールカウンセラーの活用事業の内容、拡充の実績について伺いたいと思います。
○大原教育長 スクールカウンセラーは、児童生徒の不安や悩みへのカウンセリング、保護者や教職員への助言、援助など、心の問題に関して深く広範囲な活動を職務としております。
具体的には、児童生徒とのカウンセリングを通じ、心理面から子どもが抱える問題行動の原因を見抜き、校内で教員と連携し、学級などの集団に対しての指導につなげるなど、問題行動が起きる前の予防的な対応を行っております。
また、問題行動が起きた場合には、学校の相談体制の核となり、管理職を初め教職員に心理の専門家としての立場からの助言を行い、問題の解決に取り組みますとともに、継続的に児童生徒の心のケアに努めるなど、校内における事後対応にも力を発揮しております。
都教育委員会ではこれまで、スクールカウンセラー配置校を順次拡大し、平成二十二年度には小学校百三十二校、中学校六百三十五校の全校、高等学校六十校に配置いたしました。平成二十三年度には配置校を大幅に拡大し、小学校三百二十七校、中学校については引き続き六百三十二校の全校、高等学校は百校の、合計千五十九校に配置しているところでございます。
○長橋委員 今、教育長から、スクールカウンセラーの配置拡充、大変大きな拡充であるというふうに説明がありました。
聞くところによりますと、平成七年度には、国の委託事業としてスタートしたときにはわずか四校だったわけでありますが、今年度は千五十九校に拡大されたというわけでありまして、大変評価をするわけでありますが、それは裏返すと、それだけ必要とする児童生徒の増加、そしてまた、児童虐待など深刻な社会問題に対応しなければならない状況にあるということだと思うわけであります。
さらには、児童生徒だけではなくて、保護者の抱える悩みについても受けとめ、教職員からの相談もスクールカウンセラーは受けているということでございます。
都はこれを受け、事業開始から臨床心理士の配置をしてまいりました。これは、スクールカウンセラーについては、国は臨床心理士の資格を持っている専門家を配置することが原則だということに基づいて、東京都は臨床心理士を配置してきたわけであります。ところが他の府県では、臨床心理士の確保が難しいのか、スクールカウンセラーに準ずる者を採用している、このようにも聞いているわけであります。
そこで、まずは全国の臨床心理士の登録状況、そして都の登録数はどうなのか、伺います。
○大原教育長 平成二十三年七月現在、全国で二万三千五人の臨床心理士が認定、登録されており、そのうち、東京都の臨床心理士会に登録しているのは四千百九十人でございます。都教育委員会では、そのうちの七百四十三人を東京都の公立学校スクールカウンセラーとして採用し、さきの質問でお答えしました千五十九校に配置しているところでございます。
○長橋委員 今のご答弁で、全国では臨床心理士は二万三千五人いらっしゃると。そのうち、東京都の臨床心理士会に登録しているのは四千百九十人であるということでありまして、臨床心理士の全国の状況がわかったわけであります。つまり、全国の五分の一強が東京都で登録をしているということでありまして、当然、他府県では、臨床心理士を充てる、これが難しいところもあるというのは理解ができるわけであります。
そこで、スクールカウンセラーに臨床心理士を配置してどれだけ成果があったのか、これが重要であります。例えば、不登校生徒の学校復帰率はどれだけ上昇したのか、またどれだけ相談を受けたのか、どういう相談が多いのか、具体的にご答弁をいただきたいと思います。
○大原教育長 スクールカウンセラーは、校内研修会で心理面から教員への助言等を行い、問題行動の未然防止につなげるとともに、教員との協議等にも加わりながら、解決に向けた取り組みにも積極的にかかわっております。
こうしたスクールカウンセラーと教員との連携した取り組みによりまして、ある自治体では、不登校児童生徒の学校復帰率が、小学校では対前年比二九・五ポイント上昇し五〇・〇%となり、中学校では四四・六ポイント上昇し六七・八%となるなど、大きな成果が上がっております。
また、スクールカウンセラーの一日当たりの平均相談件数は、平成二十二年度で、小学校では十三件、中学校では十一・五件で、児童生徒からの相談の主な内容は、自分自身についての悩み、友人関係の悩み、学校に通えないことについての悩みなどとなっております。
○長橋委員 私が小学校、中学校の時代には、もちろんこういうスクールカウンセラーはなかったわけであります。
また、こうした取り組みによって、今ご答弁でも、スクールカウンセラーの一日当たりの平均相談件数が、小学校では平均で十三件、中学校では十一・五件だと、こういうことでありますから、スクールカウンセラーも、ただ座っているだけではなくて大変忙しいなと、こんなこともわかるわけであります。
そうした意味では、具体的な成果について聞いてきたわけでありますが、児童生徒の問題行動の原因は多種多様であります。また、さらには複雑化、深刻化していることから、教員やスクールカウンセラーと連携して対応していく人材も必要ではないのか、このように思うわけであります。
例えば、今学校復帰率がありましたけれども、学校に行きたくても行けない不登校の子どもを家庭まで迎えに来てくれる人、または必要に応じてスクールカウンセラーへ相談をつなげていく人、こうしたことが子どものみならず保護者にとっても大きな支援になろうかと思うわけであります。
また、心理面のケアだけでは解決できない福祉的、経済的な側面などの家庭環境に起因する問題行動に対しても、関係機関と連携を図り、解決に向けて協力してくれる人がいることは、教員にとっても心強いだろうと思うわけであります。こうした人材をふやして活用していくことが、問題行動を未然に防止することや、早期対応、早期解決にさらなる効果が上がるんだと、このように思うわけであります。
そこで、多様化、複雑化、深刻化する児童生徒の問題行動に対して、学校をサポートしていくために、さまざまな場面で幅広い人材を活用していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
○大原教育長 児童生徒の問題行動に対して、学校では教員が中心となって解決に当たっておりますが、問題行動の原因や内容によっては、学校だけでは解決が難しいケースもあり、教員と連携して児童生徒の指導に当たる人材を有効に活用することが大切でございます。
都教育委員会では、平成二十二年度、登校支援員活用事業を実施し、家庭と連携して不登校の児童生徒の状況改善に取り組み、平成二十三年度は、児童生徒への直接の指導だけでなく、その保護者からの相談にも応じる家庭と子どもの支援員の配置や、学級に入り担任を支援する問題行動サポートスタッフを派遣する事業を開始しております。これらの事業は、学校や区市町村教育委員会が、問題行動の原因や内容に応じてふさわしい人材の協力を得て実施するものでございます。
都教育委員会は、今後とも、区市町村教育委員会と連携し、多様な人材を活用しながら、児童生徒の健全育成を推進してまいります。
○長橋委員 ありがとうございました。先ほど申し上げましたスクールカウンセラーに準ずる者、こういう方々の多くは、教員のOBという方もいらっしゃる、このように聞いているわけであります。臨床心理士の心理的な面、これも重要でありますが、今、学校が抱える問題はその他の問題も多いわけでありまして、子どもの健全育成に対して、こうした幅広い人材をぜひとも活用して拡充を図っていただきたい。強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○斉藤委員長 以上で長橋桂一副委員長の発言は終わりました。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十分休憩
午後二時五十六分開議
○斉藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
いのつめまさみ理事の発言を許します。
○いのつめ委員 まず初めに、防災対策として帰宅困難者対策について伺います。
三月十一日の東日本大震災は、東京でも最大震度五強の揺れを観測し、多くの帰宅困難者が発生しました。新宿でも、乗降者数三百六十万人の新宿駅などに多くの人々が集まり、駅構内への入場が禁止された徒歩帰宅者が幹線道路を歩き、車両の流入も含めて道路は大渋滞を起こしました。帰宅できない人々は、駅に近接する公共施設などに向かい、都庁舎に五千人、都立新宿高校に二千五百人を超える人々が集まり、交通機関の運行再開まで待機することとなりました。
今回、都庁舎では帰宅困難者へ臨機応変に対応し、新宿高校では、都職員が急遽派遣され、対応したとのことですが、帰宅困難者を受け入れた公共施設での対応はどのようなものだったのか、今後の対策を含めて見解を伺います。
○笠井総務局長 震災当日、都は、都立学校などの施設や本庁舎のロビーを開放し、都庁周辺の帰宅困難者を受け入れたほか、近隣のビル及び新宿区と協力し、帰宅困難者の誘導を行いました。また、一部の都立公園施設では、指定管理者と連携して、飲料水や軽食の提供、テレビやラジオによる情報を提供するなど、できる限りの対応に努めました。
発災時における帰宅困難者の円滑な受け入れには、行政と民間の協力のもと、一時待機施設の確保及び施設を運営する体制の確立が必要であります。このため、都は国とともに、近隣自治体や経済団体、鉄道、通信事業者を含め立ち上げた帰宅困難者等対策協議会などを通じて、引き続き検討してまいります。
○いのつめ委員 次に、避難者対策について伺います。
平成二十年十月、中央防災会議の首都直下地震避難対策等専門調査会では、発災時の避難者、帰宅困難者などにかかわる対策を取りまとめました。首都直下地震では、発災一日後に多くの都民が避難所生活者になると見込まれており、特に区部の避難所では、住民が居住する区内で避難した場合には、収容力の不足が約六十万人分、二十三区全体で広域的な避難を実施したとしても、約四十九万人分の不足が発生すると想定しました。
避難所が不足すると想定された区においては、周辺県市と被災者の受け入れを含めた災害時相互応援協定を締結するなど取り組みを進めていますが、都においても、こうした避難所不足を補う取り組みに協力し、対策を推進していくべきと考えます。見解を伺います。
○笠井総務局長 地域防災計画におきましては、避難所については、設置者である区市町村が多様な手段で確保に努めるとともに、都は避難所確保のための支援を行うこととしております。
今回の震災を踏まえ、区市町村が、都外の自治体と発災時における地域住民の避難など災害時相互応援協定の拡充を検討していることは承知しております。都といたしましても、広域的な避難者の受け入れについて、九都県市の相互連携と協力を進めており、広域自治体としての立場からも区市町村を支援してまいります。
○いのつめ委員 今回の震災時に、人々は、震源地や地震の規模、家族などの安否情報、交通情報、居住地域に何が起こっているのかなどの情報を求め、テレビやラジオ、屋外の大型画面から情報を得、携帯電話で情報伝達を試みました。しかし、通信アクセスの集中により通話はできず、災害時の安否確認システムとして期待されていた災害用伝言ダイヤル一七一もつながりにくい状態が続きました。
都は、通信事業者や国などと、安否確認システムを首都直下地震時に利用できるよう、容量をふやすなど取り組みを行うべきと考えますが、大規模災害時の通信手段の課題はどのようなものがあると把握しているのでしょうか、見解を伺います。
○笠井総務局長 今回の震災では、事業者による通信規制と基地局の通信容量を大幅に超えるアクセスの集中により、災害時の安否確認の手段として期待されていた災害伝言サービスについても、接続が困難になるなどの事態が発生いたしました。
災害時における家族や友人の安否確認は、人々の不安を和らげるとともに、落ちついて行動ができるようになるなど、発災直後の混乱を抑制するためにも極めて重要であることから、そのための通信手段を確保することが課題と考えております。このため、通信事業者を含めた帰宅困難者等対策協議会におきまして、安否確認など通信手段の確保に向けた検討を行っているところでございます。
○いのつめ委員 首都直下地震時、避難所には、地域住民である避難者に加えて、帰宅困難者も一時待機やトイレ使用などで訪れることも想定され、駅周辺の避難所はさらなる混雑が想定されます。
帰宅困難者が集中した新宿高校は、新宿区民の避難所であり、帰宅困難者の帰宅支援ステーションにもなっています。今回の震災においては、翌日までとどまらざるを得なかった帰宅困難者に対して、生徒用に備蓄していた食料や毛布を提供し、不足分を近隣学校から持ち寄って対応したと聞いています。
大規模災害時における避難者と帰宅困難者対策に、どのように都と区市、民間事業者などが連携協力して対応していくのでしょうか、見解を伺います。
○笠井総務局長 首都直下地震が発生した場合には、避難所において地域住民の避難者を受け入れるとともに、帰宅困難者の発生を可能な限り抑制する必要がございます。
このため、都は、区市町村の避難所確保やその運営を支援するとともに、帰宅困難者等対策協議会において、一斉帰宅の抑制の徹底に向け、従業員等の施設内待機や備蓄の推進、駅や商業施設等における利用者保護などの基本的なルールを取り決めるとともに、官民の協力により、帰宅困難者を受け入れる一時待機施設の確保を検討してまいります。
○いのつめ委員 帰宅困難者支援施設は、特に駅周辺に必要です。対策を検討していただきますようお願いして、次の質問に移ります。
木造住宅やマンション、あるいは緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修等に関する補助制度について、分科会でもさまざまな議論がありました。本日は、若干視点を変えて質問したいと思います。
耐震改修助成の実績がなかなか上がらないことは、既に指摘されてきているとおりです。このため、昨年度、都は、耐震改修等に関する補助制度について、都民のニーズや建築物の状況に応じて、より一層活用しやすくなるよう、段階的な改修工事への助成、除却工事への助成、補助対象とする事業費限度額等の引き上げなどを拡充しています。
制度の拡充は大変結構だと思いますが、まずその前提として、現状をよく把握し、分析することが必要と考えます。
平成二十一年度から二十二年度までの間に耐震診断を実施した建築物のうち、木造住宅では倒壊または崩壊する危険性があるとされるIw値が一・〇未満のものが約九九%、鉄筋コンクリートなどの非木造建築物では、倒壊または崩壊する危険性があるとされるIs値が〇・六未満のものが、分譲マンションで約八〇%、緊急輸送道路沿道建築物で約九一%だと聞いております。
この数値からも、昭和五十六年五月以前の旧耐震基準で建てられた建物は、倒壊または崩壊する危険性の高いことがよくわかります。このような建物の耐震化を促進するためにも、耐震改修助成制度の拡充は非常に重要だと考えます。
そこで、昨年度の耐震改修助成の拡充の結果、どのような成果が上がったと考えているのか、また、今後の課題についてどのように認識しているのか、伺います。
○飯尾都市整備局長 都は、耐震化へ向けた所有者の取り組みが進みやすくなりますように、助成対象工事の拡大、単価の割り増しなど、平成二十二年度に耐震化促進事業を拡充いたしました。この結果、段階的な改修や、住み続けながら工事を実施することが可能な免震工法が容易に採用できるようになるなど、所有者の選択の幅が広がったものと認識しております。
東日本大震災を受けまして、相談件数も増加しており、新たに創設いたしましたアドバイザー派遣制度の実績は、十月末現在で昨年度の三倍となっておりまして、こうした都民の機運の高まりを的確にとらえ、これまで以上に区市町村と連携を図り、住宅や建築物の耐震化を強力に推進してまいります。
○いのつめ委員 地震による住宅倒壊から高齢者等の命を守る助成事業、いわゆる耐震シェルター助成については、予算規模二千七百五十件に対して、執行されたのはわずか三件です。何が課題で、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
○飯尾都市整備局長 都では平成十七年度から、安価で簡易な耐震対策の一つといたしまして、耐震シェルターや防災ベッドを展示会の開催などにより広く紹介しておりまして、十九年度からは設置費用助成も実施してきております。
しかしながら、自分が大地震に遭うという切迫感が醸成されていないことや、こうした装置が一般的に普及しておらず、なじみがないことなどの理由によりまして、助成実績がふえなかったものと考えております。
都といたしましては、大地震の本当の怖さと住宅の倒壊から命を守る効果的な方法など、現場で具体的に普及啓発を行うとともに、耐震化助成や改修工法の紹介など、さまざまな施策を講じることによりまして、木造住宅の耐震化を総合的に促進してまいります。
○いのつめ委員 都民の命を守る耐震化に向けて、スピードを上げて取り組んでいただくよう要望し、次に環境エネルギー政策について伺います。
二〇〇九年度の都内のCO2排出量の部門別推移を見ますと、産業部門四百六十万トン、業務部門千九百七十万トン、家庭部門千四百六十万トン、運輸部門千三百三十万トンとなっており、二〇〇〇年度と比較して、運輸部門では減少していますが、業務部門と家庭部門で増加しています。
業務部門、家庭部門で増加傾向を示している要因についてどのように認識しているのか、所見を伺います。
○大野環境局長 業務部門でございますが、オフィスなどの延べ床面積は一貫して増加しております。一方、排出量の方を見ますと、二〇〇五年度までは増加傾向にございましたが、この年度以降は横ばいに転じておりまして、特に、二〇〇九年度の排出量を二〇〇五年度と比較しますと五・七%の減少となっております。これは景気の影響もございますが、大規模事業所の地球温暖化対策を評価、公表する制度でございますとか、キャップ・アンド・トレード制度の導入など、これまでの都の先進的な温暖化対策の取り組みが寄与しているものと考えております。
一方、家庭部門につきましても、世帯数が一貫して増加傾向にございますが、その中でも二〇〇五年度以降は排出量が横ばいに転じておりまして、二〇〇九年度の排出量は、二〇〇五年度と比べまして二・七%の減少となっております。
都は、家電の省エネラベルの推進など温暖化対策を進めてきておりまして、排出量の横ばい傾向は、省エネ性能の高い家電製品の普及拡大や、家庭の省エネ意識の向上によるものと考えております。
○いのつめ委員 都内には約六十九万の中小規模事業所があり、都における業務、産業部門の約六割のCO2を排出しています。これら中小規模事業所における地球温暖化対策の推進のため、都は地球温暖化対策報告書制度を創設し、昨年度から報告書の受け付けを実施しています。千五百以上の事業者から、三万事業者超えの提出があったと聞いていますが、さらなる事業所の取り組みの拡大が求められます。
昨年度の実績に対する評価と今後の取り組みについて伺います。
○大野環境局長 地球温暖化対策報告書制度は、エネルギーの使用量が一定以上となる複数の中小規模事業所を持つ事業所に対しまして報告書の提出を義務づけるとともに、自主的な取り組みとして、任意に報告書を提出することも可能という制度でございます。
この任意提出に当たりまして、都と本制度に関する覚書を締結しております社団法人東京法人会連合会を初めとするさまざまな団体の協力を得まして、全体で約三万を超える提出のうち、約一万一千もの事業所から任意で報告書の提出をいただきました。中小規模事業所における温暖化対策の推進の第一歩となったものと考えております。
また、この夏の節電対策におきましても、こうした団体の協力を通じまして、報告書を活用した節電対策の計画づくりに取り組んでいただきまして、効果的な節電対策を推進することができたと考えております。
今後とも、関係団体の協力をいただきまして、任意提出事業所の拡大を図っていくとともに、中小規模事業所の実情に合わせまして段階的に対策のレベルアップを促すなど、中小規模事業所の温暖化対策の底上げを図ってまいりたいと思っております。
○いのつめ委員 また、中小企業事業所の支援策として、中小企業等に対し、都内中小クレジットを取得する権利を都に無償で譲渡することを前提に、省エネ設備の導入対策に係る費用の一部を助成する東京都中小規模事業所省エネ促進・クレジット創出プロジェクトが、昨年度と今年度の二カ年に限定して実施されています。
昨年度は百三十四件の助成金交付決定を行っており、交付予定金額は約四十億三千万円となっています。この実績と評価についてどのように認識しているのか、伺います。
○大野環境局長 中小規模事業所省エネ促進・クレジット創出プロジェクトは、昨年度、二回の募集を通じまして百三十四件の助成金交付決定を行い、クレジット創出見込み量は二万五千トンを超える結果となっております。
また、今年度実施をいたしました第三回募集では、クレジットの創出込み量は、一回ですが約二万トンとなっておりまして、合計で四万五千トンを超えております。
また、十一月からは第四回募集も開始しておりまして、本事業の目的の一つでありますクレジット創出につきましては、一定の成果を上げることができるものと考えております。
また、本事業では、省エネに関する専門的な知見を有するESCO事業者との共同申請が交付決定件数の約四割を占めております。これまで少なかった中小規模事業所におけますESCO事業者の新たな事業展開にも寄与していると考えております。
○いのつめ委員 都のCO2排出量全体のうち、四分の一を家庭部門が占めており、その排出量は増加傾向にあります。
このため、都は昨年三月から、家庭における省エネ行動を推進するため、エネルギー事業者等の企業、団体と連携を図り、省エネアドバイザーが各家庭を訪問し助言する東京都家庭の省エネ診断員制度を開始していますが、この制度の意義について所見を伺います。
○大野環境局長 家庭における省エネ対策を促進するためには、家庭のエネルギー使用量を把握した上で、実施が可能な対策をアドバイスすることが重要でございます。
本制度では、その業務の中で家庭との接点があり、省エネに関するノウハウを持っているエネルギー事業者などに、みずから家庭の省エネ促進の役割を担っていただいておりまして、この点に本事業の意義があると考えております。この夏の電力不足におきましても、この制度を活用しまして、年間約百万世帯を対象に節電アドバイスを行う東京都家庭の節電アドバイザー事業として構築いたしました。
このような事業を迅速に構築、実施することができましたのも、各家庭の状況に即した対策を広く普及促進する仕組みを既に導入していたことによるものと考えております。
○いのつめ委員 都は、平成二十一年四月から二カ年間、東京都地球温暖化防止活動推進センターを窓口として、住宅用太陽エネルギー利用機器導入促進事業を実施しました。この事業のための昨年度の支出金額は約四十六億円となっています。
支出に見合った実績と効果は上がっているのか、認識を伺います。
○大野環境局長 平成二十一年度から二年間の補助事業によります住宅用太陽光発電システムの導入実績でございますが、約一万九千件に上っておりまして、特に平成二十二年度には、それ以前と比較して、都内の太陽光発電の一年間の導入ペースが七倍以上に加速をしております。
また、この都の取り組みも一つの契機となりまして、国の補助制度の復活や固定価格買い取り制度の導入が実現しておりまして、全国的な太陽光発電システムの普及拡大にも寄与したと認識しております。
なお、本年度は、東日本大震災に伴う電力危機を踏まえまして、東京都電力対策緊急プログラムに基づき、太陽光発電システムを中心とする住宅用創エネルギー機器導入促進事業を開始しております。
○いのつめ委員 次に、自殺対策について伺います。
自殺対策基本法においては、地方公共団体は住民の命を守る自殺対策の推進に責務を負っているところであり、私も都議会議員として尽力してまいりたいと思っています。
私の地元新宿では、二十代の女性の自殺者が多いという調査結果があり、対策が課題になっています。
まずは区市町村における取り組みの推進についてです。
地域自殺対策緊急強化基金ができ、さらに、自殺者の居住地別の詳細なデータが内閣府から示され、区市町村においてもさまざまな自殺対策の取り組みが始まっています。
二十二年度における区市町村のこの基金の活用状況と、二十三年度の取り組み状況を伺います。
○杉村福祉保健局長 平成二十二年度は、三十七の区市町村が地域自殺対策緊急強化基金を活用いたしまして自殺対策に取り組んでおります。
具体的には、経済や健康問題など、さまざまな分野の相談窓口を掲載したリーフレットの作成や、自殺対策のシンポジウムの開催など、普及啓発事業を実施いたしますとともに、地域における自殺予防を進めるための関係機関によるネットワークの構築や、職員等を対象としたゲートキーパーの養成などを行っております。
平成二十三年度には、新たに九つの区市町村が申請をいたしまして、四十六の自治体が基金を活用して対策に取り組んでおります。
○いのつめ委員 今年度は、かなりの区市町村で何かしら取り組みが行われるようです。
二十二年度末に起きた東日本大震災の影響等で中止になったものもあると聞きましたが、仕切り直して、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
具体的な取り組みを一層進める上では、精神保健福祉士などの専門職が必要かと思いますが、区市町村では自殺対策のために専門職を新たに雇用するのが難しい実情もあります。
今、精神保健福祉士は、精神科病院以外にも、デイケアやケアホーム、就労支援事業所、ハローワークやEAP事業所といったさまざまな機関で働いていますので、事業委託などで活用できる方策を検討し、区市町村における自殺対策が進み、レベルアップできるよう、一層支援することを求めておきます。
自殺対策については、分科会で笹本ひさし委員より質疑がありました。福祉保健局の遺族支援や、自殺の繰り返しを防ぐためには、救急医療機関入院中の精神的ケア、退院後の継続的な治療と支援が重要であり、平成二十二年度作成の自殺予防カウンセリング教材をより多くの救急医療機関で活用できる方策を検討していく、あるいは保健所を核とした地域ネットワークを構築していくといった答弁は、具体的な課題に焦点を当てた対策であり、内輪で褒め合うのも何ですが、よい質疑でした。今後の取り組みに期待をいたします。
このような救急医療機関に搬送された方への対応は、いわゆる危機介入であり、幅広い対策が必要となる自殺総合対策の中でも、最後の最後で命をつなぐ部分だと思いますが、それ以前に、自殺を未然に防止するために都ではどのような取り組みをしているのか、伺います。
○杉村福祉保健局長 自殺は、その背景にさまざまな要因が複合的に絡み合っていることから、都では、保健、医療、福祉、経済、労働、教育等の関係団体や、自殺防止活動を行う民間団体、そして有識者などから成る自殺総合対策東京会議を設けまして、多角的な観点から自殺対策の推進を図っております。
具体的には、九月と三月を自殺対策強化月間と定めまして、自殺予防について、都民一人一人の関心が高まるように、新聞広告や街頭キャンペーンなどにより普及啓発を行っております。
また、自殺の危険性の高い人を早期に発見し、必要な対応をとることができるよう、関係機関のネットワークによる相談支援体制の充実や、それらの職員を対象とした研修の実施など、関係局とも連携しながら、自殺防止に向けた総合的な対応力の強化に取り組んでおります。
○いのつめ委員 自殺対策というと、従来、うつ対策とされてきましたが、自殺の危険性が高まっていく中では、さまざまな要因が複合的に絡んでもつれて、最終的にうつ、自殺という事態に陥るわけです。そのため、この段階に至る前でも、自殺対策として幅広く位置づけ、社会全体での自殺対策として取り組まれていることがわかりました。
本日は、各局横断して伺える場ですので、過日の分科会質疑との重複を避ける意味でも、最終段階の危機に至る前の社会的問題への対策を伺って、今後の対策強化を求めてまいります。
自殺危機に陥るリスクの高い方というのは、睡眠薬を多量に飲んだとか、死にたいと直接的に訴える方ではありません。これは既に自殺危機に陥っている方です。
例えば、国立精神・神経医療研究センターの自殺予防総合対策センターが、精神保健福祉士と司法書士との連携モデルを作成する中で行った調査では、司法書士の業務の中で、この一年間にメンタルヘルスに問題を持つ方にかかわった経験のある人は四九・六%、内容は、被害的な訴え、相談が長く頻回、妄想的な話が挙げられており、どの窓口でも経験があるような話です。こうした方への支援の糸口を探るため、社会的問題の相談に乗る法律家とメンタルヘルスの連携に向けてモデルが作成されたわけです。
では、行政の窓口では実際にはどのような対応でしょうか。精神保健上の問題を抱えると、自分に心の問題があるということ自体の自己認識ができにくくなるそうです。例えば、多重債務の問題だけを認識し、行政の窓口で相談している方でも、客観的に見ると、債務整理だけを進めても、同時に医療や生活支援を受けなければ健全な社会生活を営むことが困難になっている場合があります。その場合、精神保健の問題に適切に対処しながら債務問題の解決に着手していくことが必要であり、その組み合わせによって効果的な支援が可能となります。
自殺リスクの高い方が、行政との接点を持っていながら必要な支援につながらないということのないように、多重債務問題についてもしっかりと取り組んでいく必要があると考えますが、見解を伺います。
○井澤生活文化局長 多重債務問題は、とにかくまず相談をしていただき、それを解決に結びつけていくことが何よりも重要でございます。
このため、都の消費生活総合センターでは、個々の相談を丁寧に聞き取り、任意整理や自己破産などの債務整理の方法について説明し、必ず解決できることを相談者に伝えるなど、きめ細かい対応を行っております。
また、相談者の状況に応じまして、弁護士会などの法律専門相談窓口に確実につなぎ、その後のフォローまで行う、いわゆる東京モデルによって債務整理の支援を行い、一人でも多くの方の不安を取り除くことができるよう努めております。
さらに、各局や外部機関が連携して自殺対策に取り組む、こころといのちの相談・支援東京ネットワークに参画し、消費生活総合センターの相談窓口を周知するとともに、自殺対策強化月間に合わせた多重債務特別相談などを実施しております。
今後とも、自殺対策の推進にもつながる多重債務問題対策に引き続き積極的に取り組んでまいります。
○いのつめ委員 冒頭申し上げたように、地方公共団体は住民の命を守る自殺対策推進の責務を負っています。うつや精神保健の直接の所管以外の部局でも、ぜひ具体的な課題に焦点を合わせた対策を実施していただきたい、一人でも多くの命を守るために取り組んでいただきたいと強く求めておきます。
次に、労働問題に起因する職場のメンタルヘルス対策について伺います。
近年、多くの職場においては、企業間競争の激化や成績主義の導入などにより、厳しく成果を求められ、また、就業形態の多様化により職場の人間関係が複雑になるなど、働く人のストレスが増加する傾向が続いています。
厚生労働省が九月に発表した労働安全衛生基本調査によれば、メンタルヘルスの理由で一カ月以上休業した労働者がいる事業所は、平成二十二年度には五・九%と、この五年間で約二・二倍になっています。また、昨年度、職場でのストレスが原因でうつ病などの精神疾患になり、労災認定を受けた人は三百八人と過去最多となっています。職場での強いストレスや不安が原因となって心の健康を害し、勤務が困難になるなどのメンタルヘルス不調の労働者が多数存在している、何よりのあかしだと思われます。
さらに、東日本大震災後、直接の被害を受けた企業にとどまらず、間接的な影響によるさまざまなストレスが従業員の心身に影響を与えているといわれており、メンタルヘルス不調に陥る従業員の増加が懸念される状況です。
職場のメンタルヘルス対策を進めていくことは、先ほどの自殺対策にも有効で、労働相談の窓口でも、相談に来ている方の中には自殺リスクが高まっている方もいるとの認識を持って、必要な支援を受けられるよう、しっかりと取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、都においても、職場のメンタルヘルス対策としてさまざまな取り組みを行っていると聞いていますが、まず、都の労働相談情報センターに寄せられる職場のメンタルヘルスに関する労働相談の状況について伺います。
○前田産業労働局長 労働相談情報センターにおけます労働問題に起因するメンタルヘルスに関する労働相談は、平成二十二年度五千三百三件で、相談総数の約一割を占めております。
このうち、特に深刻な心の問題を抱えた相談につきましては、迅速かつ適切な労働問題の解決を支援するため、臨床心理士等の専門相談員による心の健康相談窓口を設けております。この心の健康相談に寄せられた相談は、二十二年度二百九十三件、その内容は、心身の不調と人間関係の二つの項目で全体の約七割を占めております。
○いのつめ委員 できる限り初期の段階で相談できれば、深刻な事態に陥ることが防げます。引き続き相談窓口のPRを積極的に行うよう要望します。
メンタルヘルス不調に陥ると、本人が長期間にわたり苦しみ、場合によっては、そのことを理由に退職に追い込まれることも考えられます。また、企業にとっても、従業員の意欲や作業効率の低下など、企業業績にマイナスの影響が生じることとなります。
しかしながら、最近公表された労働政策研究・研修機構の調査によれば、メンタルヘルスにより休職した従業員がいた事業所であっても、その三分の一の事業所では何の対策も講じていないということです。この中には、どのような取り組みを行えばいいかわからない企業もあると思います。
企業や事業主が職場のメンタルヘルス対策に適切に取り組むことができるよう、都としても必要な支援を行うべきと考えますが、見解を伺います。
○前田産業労働局長 職場のメンタルヘルス対策は、一義的には事業主がその防止や対応に取り組むことが必要であります。
平成十八年に、労働安全衛生法や同法に基づく事業場における労働者の心の健康づくりのための指針が強化される中、東京都におきましてもメンタルヘルスに関する労働相談が増加いたしました。
このため、都は、従来実施してきた事業主の安全配慮義務に関する普及啓発に加え、メンタルヘルスの不調に陥った労働者への対応方法等に関するセミナーや、企業内におけるメンタルヘルス対策推進の中核的リーダーの養成講座を実施することによりまして、企業に対する支援を充実してまいりました。
引き続き、こうした事業を通じて企業の自主的な取り組みを支援してまいります。
○いのつめ委員 一方で、職場におけるストレスは、職責や仕事の量、個人の資質等により千差万別であり、組織的な対応だけでは十分ではありません。労働者自身がストレスと上手につき合っていく、いわゆるセルフケアも重要です。メンタルヘルス不調の予防のためには、日々体調管理を行うように、心の健康にも注意を払うことが非常に有効で、働く人にとっては何よりも重要なことだと思います。
ただ、残念ながら、メンタルヘルス対策の必要性や取り組み方法は、個々の労働者にはまだまだ伝わっていないと思います。企業の取り組みだけでなく、労働者に広く普及啓発する必要があると思います。
こうした観点から、都としてどのような取り組みを行っているのか伺います。
○前田産業労働局長 労働問題に起因するメンタルヘルス不調の予防のためには、労働者みずからも心の健康状態を認識し、職場のストレスに対して適切に対処することができるよう、普及啓発を図っていくことが重要であります。
このため、都はこれまでも、職場のメンタルヘルスに関するセミナーの開催等を通じて、労働者への普及啓発を図ってまいりましたが、さらに平成二十二年度には、予防対策や対処方法、各種相談機関などの情報を発信する専用のホームページを開設しております。
また、ことしの五月からは、既に実施している労働知識の普及啓発のためのeラーニングの中で、メンタルヘルスに関する講座も開始しております。
○いのつめ委員 次に、中央環状品川線について伺います。
現在、東京都では、首都高速道路株式会社と共同施工で中央環状品川線の整備を進めているところです。
昨年度、首都高施工のシールドマシンが一時停止するという事態が発生しました。これに対して、東京都と首都高速道路株式会社とで、全体工程への影響を最小限に抑えるよう工程調整を行い、再掘進したと聞いております。都施工分の工事についてもその進捗が気になるところです。
そこで、中央環状品川線の都施工分の平成二十二年度決算額と今後の見通しについて、所見を伺います。
○村尾東京都技監 中央環状品川線は、首都圏三環状道路の一つとして、高速道路全体のネットワークを効率よく機能させ、人と物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和や環境改善にも大きく寄与する路線でございます。
都は、平成十八年度から工事に着手しており、平成二十二年度は、シールドトンネル工事や四カ所の換気所下部工事などを行い、決算額は二百三十七億円でございます。
現在、南品川換気所で建築設備工事等を行っており、今後、残る大井北換気所の外二カ所で建築設備工事等に着手する予定でございます。
今後とも、必要な財源を確保し、首都高速道路株式会社とともに連携を図りながら、平成二十五年度末の開通に向け、事業を推進してまいります。
○いのつめ委員 いわゆる三環状道路の整備については、私たちも必要と考えています。中央環状品川線の平成二十五年度末の開通実現に向け、ぜひとも最大限の努力をお願いいたします。
終わります。
○斉藤委員長 いのつめまさみ理事の発言は終わりました。
続きまして、神林茂委員の発言を許します。
○神林委員 私の方では、初めに教員の方々のメンタルヘルス対策について伺います。
教員の精神疾患による休職者は全国的に増加し、東京都でも、依然として年間五百人以上が休職しているという深刻な状況でございます。先生が休むということが児童生徒に与える影響は非常に大きいものがあります。特に小学生において、なれ親しんだ担任の先生が変わることが子どもに与えるマイナスの影響には、はかり知れないものがございます。
こうした状況を受けて、都教育委員会は平成二十二年五月に、全国で初めて教育委員会が直接運営する職場復帰訓練機関としてリワークプラザ東京を設置したほか、定期健康診断時のストレス検査を実施するなど、教員のメンタルヘルス対策に積極的に対応しており、評価するものでございます。
そこで、まず初めに、昨年五月に都教育委員会が設置したリワークプラザ東京における職場復帰訓練の成果について伺います。
○大原教育長 リワークプラザ東京では、訓練の開始に当たり、精神科医等が対象教員の面接を行い、病状を客観的に見きわめた上で、訓練の開始時期や期間について慎重に判断しております。
また、臨床心理士や経験豊富な校長OB等が連携して、教員の状況に合わせた個別の復帰プログラムを作成するとともに、訓練の段階に応じて学校を訪問し、適切な状況把握と指導助言を行っております。
さらに、訓練の終了に当たりましては、校長OB等による授業観察の結果や、精神科医等による面接結果を踏まえ、都教育委員会が訓練終了の可否について総合的に判断をしております。
次に、復帰訓練の成果についてでございます。
平成二十二年度の参加申込者は百二十九名であり、精神科医等の面接を経て訓練を開始した者は百六名でございました。そのうち、復職した者は七十五名、病状により訓練を中止した者は十九名、引き続き訓練を継続した者は十一名、退職者が一名となっております。
既に訓練を終了した教員や学校長からは、一人一人の状況に応じたきめ細かな対応により円滑に職場復帰ができたことに対し、高く評価する声が寄せられております。
○神林委員 ただいまご答弁で、リワークプラザ東京で一定の成果が上がっていると、こういうことでございますけれども、この施策は、あくまで既に精神疾患で休職している教員に対する対策でございます。重要なことは、教員みずからがメンタルの不調を自覚し、休職に至らないようにしていくことであると私は考えております。教員みずからが早期に不調を自覚し、みずから対処していく視点での対策に力を入れるよう要望しておきます。
また、副校長の職務は、教育活動のほか人事管理、施設管理など多岐にわたっており、多忙で職責が重くなっております。そのため、精神疾患で休職する率が校長よりも二・四倍も高いと聞いております。副校長に対して、より一層充実したメンタルヘルス対策が必要と考えます。
そこで、都教育委員会では、副校長に対してどのようなメンタルヘルス対策を行っているのか、伺います。
○大原教育長 お話のとおり、副校長の職務は多岐にわたっておりまして、一般の教員よりストレスとなる要因も多いことから、都教育委員会では、平成二十二年度に昇任した副校長を対象として、臨床心理士が学校を訪問し、カウンセリングを行う事業を実施いたしました。
さらに、平成二十三年度には、副校長にとって基礎的かつ重要なメンタルヘルスの知識を身につけさせるために、副校長ベーシックプログラムを宿泊研修として新たに実施いたしました。この研修は、医師による健康相談や臨床心理士によるカウンセリングを主な内容といたしますとともに、副校長の情報交換の場や、あるいは仲間意識の醸成の場としても大きな効果を上げております。
都教育委員会では、今後とも、多忙で重要な職責を担う副校長に対して、メンタルヘルス対策のより一層の充実を図ってまいります。
○神林委員 続いて、文化施設の大規模修繕について質問します。
先日、第二分科会において、我が党の服部委員が、東京都美術館について、その前身の東京府美術館設立の際、一人の篤志家である佐藤慶太郎氏の寄附によって建設できたことを紹介させていただきました。そして、その功績をたたえ、佐藤氏の社会に貢献、奉仕しようという精神を広く都民に伝えていくべきであると指摘したところでございます。現在、東京都美術館は改修中ですから、このことについては、改修の中でしっかりと具現化してもらいたいと思います。
文化施設は、すぐれた芸術に気軽に触れることを通じて、子どもたちの豊かな感性をはぐくみ、都民に感動と生きる喜びを与える場ですから、多くの都民が落ちついた雰囲気の中で、利用しやすく、使い勝手のよい施設にしていくことが大切でございます。
そこで、平成二十二年度決算では、文化施設の大規模改修に約三十五億六千八百万円が支出され、現在、東京都美術館と東京芸術劇場が改修工事中ですが、まず、この改修の具体的な内容について伺います。
○井澤生活文化局長 建築後、東京都美術館は三十六年、東京芸術劇場は二十一年が経過し、経年劣化による施設設備の老朽化が進んでおります。そのため、躯体の耐震性の強化や設備の更新を行いますとともに、照明器具のLED化など環境への負荷の軽減を図ります。
改修に当たりましては、利用者団体などから寄せられた声を反映し、東京都美術館では、鑑賞者にとってわかりづらかった動線を改善いたしますとともに、企画棟や公募棟におきまして、展示空間の確保や照明、空調等の改善により、鑑賞環境の向上を図ります。
また、東京芸術劇場では、ホールの天井反射板や壁面の形状を変更することによりまして、音響を改善いたします。
さらに、両館ともエレベーター、エスカレーターの増設などによるバリアフリー化や、レストラン、エントランス等のくつろぎの場を充実することによりまして、来館者の利便性を向上させてまいります。
○神林委員 ただいまご答弁にありましたとおり、老朽化した設備の更新やバリアフリー化など、いずれも着実に進めていただきたいと思います。
とりわけ耐震化などについては、さきの東日本大震災の際には、東京文化会館や東京芸術劇場などが多くの帰宅困難者を受け入れるという新たな機能が明らかになりました。この教訓を生かしていただきたいと思います。
一方で、改修工事だからといって、ただ単純に傷んだところを直したり、使いやすくしたりすればいいというものではございません。文化施設が本当の意味でその価値を高め、親しみやすい施設としてリニューアルされるためには、明確な理念のもとに改修を進めていくことが不可欠でございます。きちんとした理念を持って設計や施工を行ってこそ初めて、先ほどお話しした東京都美術館における佐藤氏の事例のような歴史的視点を生かした改修を行うという発想も生まれてまいります。
都立の文化施設といっても、美術館や劇場など、その種類によって理念も異なってくるでしょうが、特に、長年都民に親しまれてきた東京都美術館の改修に当たって、どのような理念を持っているのか、また、それをどのように具体化していくのか、伺います。
○井澤生活文化局長 改修後の新しい東京都美術館は、訪れるすべての来館者や芸術家にとって、心の豊かさのよりどころとなることを目指しております。
長年都民に親しまれてまいりました東京都美術館のたたずまいを後世に継承するため、現在の躯体を極力生かして全面改修いたしますほか、先ほど申し上げた鑑賞環境の改善やバリアフリー化などによりまして、美術館としての快適性や魅力のより一層の向上を図ります。
完成後は、公募団体と連携した新たな展覧会の開催など公募展の活性化を図りますとともに、館独自で設定するテーマに基づく自主企画展も新たに実施いたします。
また、子ども向けの鑑賞プログラムの開発や、ワークショップ等で創作者と鑑賞者が交流する事業を展開してまいります。
こうしたさまざまな取り組みによりまして、東京の顔となる国内外への新たな文化の発信拠点といたしまして、多様な芸術文化に親しむ機会や文化創造環境の創出を図り、来館者に芸術文化とかかわる喜びや楽しさをもたらす空間づくりを目指してまいります。
○神林委員 これから改修工事に入る文化施設もいろいろあると思いますけれども、ぜひともそうした理念を持って、新たな都民の財産をつくり出す気概で改修を進めていただきたいと思います。
続きまして、小児救急医療について伺います。
都では、今日の小児科医師不足や小児科を標榜する医療機関数の減少を踏まえ、小児二次救急に参画する医療機関に対する大学からの医師派遣に支援を行うなど、地域における小児救急医療体制の強化に取り組んできています。
さらに、地域の医療課題の解決に向け、昨年一月に策定された東京都地域医療再生計画において、我が党の要望を受け、多くの小児医療施策が盛り込まれ、その体制の充実が図られてまいりました。中でも、重篤な小児救急患者への救命対応を行うこども救命センターの創設は、国に先駆けた新たな取り組みでございます。
都は、昨年夏に、こども救命センターとして、都立小児総合医療センター、国立成育医療研究センター、東京大学医学部附属病院、日本大学医学部附属板橋病院の四病院を指定しましたが、二十二年度の運営実績について伺います。
○杉村福祉保健局長 平成二十二年九月に四カ所のこども救命センターの運営を開始してから、平成二十三年三月までの七カ月間の都内全体の小児重症患者の搬送件数は七百八十八件でありました。このうち、特に重篤な百九十六件を同センターが受け入れております。症例といたしましては、脳神経系疾患が七十一件と最も多く、次いで外傷が四十件、呼吸器系疾患が三十七件となっておりまして、一般の医療機関では対応が困難で、小児専門医による救急治療や小児のICUでの継続した集中管理を必要とする患者でございました。
今後も、こども救命センターにおきましては、こうした小児重症患者を確実に受け入れ、迅速かつ適切な救命治療を行ってまいります。
○神林委員 ただいまのご説明で、こども救命センターが小児の高度な三次救急医療施設として重要な役割を果たしていることがわかりました。
救命センターが今後もその機能を十全に発揮していくためには、関係機関が協力し、地域全体で支えていくことが必要でございます。
センターが重症小児の救急治療に力を注ぐためには、比較的症状の軽い患者さんについては、できる限り身近な診療所で対応していただくことが必要であり、そのためには地元医師会との連携や役割分担が非常に重要となります。また、センターで救命治療を受けた患者が、その後、切れ目なく継続的な入院治療に移行することも含め、二次医療機関との連携も不可欠と考えます。
そこで、都は、センターと関係機関との連携についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
○杉村福祉保健局長 都は昨年度から、四カ所のこども救命センターそれぞれに、地域の医療機関、地区医師会などが参加をいたしますこども救命センター地域連携会議を設置いたしまして、地域の実情を踏まえた医療連携の推進を図っております。
例えば、都立小児総合医療センターでは、地域の二次医療機関との連携を図るため、多摩北部医療センターとの間で、モデル的に情報システムを活用した遠隔診断支援などに取り組んでおります。また、北多摩北部地域におきましては、地区医師会の協力を得まして、地域の二次医療機関と診療所との間で症例検討会を開催するなど、ネットワークづくりを行っております。
今後、これらの取り組みの評価、検証を行った上で、こうした成果を普及し、小児医療連携の一層の推進を図ってまいります。
○神林委員 小児医師が不足し、小児科標榜医療機関数が減少しつつある現状におきまして、我が党が以前から主張しているように、各医療機関が互いにそれぞれの機能に応じた役割分担を行うとともに、円滑に連携していくことが、小児医療全体の充実につながります。このための検討や対応策について、都が中心となって一層取り組んでいくことを要望しておきます。
次に、認知症対策について伺います。
都内の高齢化率は今後も上昇を続け、平成四十七年には、およそ三人に一人が六十五歳以上の高齢者となることが見込まれております。また、何らかの認知症の症状がある高齢者は、平成二十年には約二十九万人だったものが、平成三十七年には約五十二万人に増大すると推計されております。高齢者が介護が必要になっても住みなれた地域で暮らすことができるよう、とりわけ認知症の方が安心して生活できるよう、地域における介護サービス基盤を整備することが今後ますます重要な課題となります。
認知症の方が利用できる代表的な施設が認知症高齢者グループホームでございます。グループホームでは、なじみの人間関係、家族的な雰囲気の中で、一人一人の生活に沿った支援をすることにより、地域の人々とつながりのある生活を送ることができます。
都はこれまで、認知症高齢者グループホームの整備促進に努めてまいりましたが、整備の状況について伺います。
○杉村福祉保健局長 認知症高齢者グループホームは、地域における認知症ケアの重要な拠点でありますことから、都は、国に先駆けて民間企業等を整備費の補助対象といたしますとともに、土地所有者がみずから建設し、事業者に貸し付ける場合にも、独自に補助を実施してまいりました。さらに、平成二十年度からは、整備状況が十分でない地域の補助単価を一・五倍に加算するなど、整備を促進してきました。
これらの取り組みによりまして、グループホームの施設数及び定員数は、平成十九年度末の二百六十七施設、三千八百六十四人から、平成二十二年度末には三百七十施設、五千六百九十八人へと増加をいたしております。
本年十月一日現在では、四百三施設、六千二百九十人となっており、引き続き区市町村の介護ニーズを踏まえ、整備を着実に進めてまいります。
○神林委員 ただいまご答弁にございましたとおり、認知症高齢者グループホームがふえていることは非常に心強いことでございます。引き続き、効果的、強力に整備促進を図っていくよう要望しておきます。
最後に、スポーツ振興について伺います。
私は、先月二十一日に行われた第二分科会において、二年後に迫ったスポーツ祭東京二〇一三について質疑を行いました。競技施設の整備や広報PR活動なども着実に進んでいるとのことでございます。今後は、都内各地域の盛り上げを一層高め、都民が一丸となった一大スポーツイベントとしていくことが重要でございます。
そのためには、まず地域におけるスポーツのすそ野の拡大が大切でございます。その上で、東京の選手の中から、注目を集め活躍が期待される選手が出てくることも重要であります。地元出身の選手が活躍する姿は、都民に大きな夢と感動を与えることができます。特に、次世代を担う子どもたちにとっては、スポーツに対する夢やあこがれを抱かせるとともに、自分でもスポーツに取り組んでみようと思うきっかけにもなります。
このため、都では平成二十一年度から、東京出身のジュニアアスリートを見つけ、育てるジュニアアスリート発掘・育成事業を実施しています。この事業の実施に当たっては、多くの子どもたちにチャンスを与えるべきだと思いますが、ジュニアアスリート発掘・育成事業の概要と二十二年度の実績について、改めて伺います。
○細井スポーツ振興局長 都は、ジュニア育成地域推進事業によりまして、地域におけるジュニアスポーツのすそ野の拡大を図るとともに、平成二十一年度からは、ご指摘のジュニアアスリート発掘・育成事業を実施しております。
この事業は、スポーツ祭東京二〇一三や国際大会などで活躍できますジュニア選手を発掘、育成する事業でございまして、都内のすべての中学二年生から募集し、三次にわたる選考を経て、運動能力の高い子どもを選抜しております。ジュニアアスリートは、一年間、アスリートとしての必要な教養等を身につける教育プログラムとともに、ボート、ボクシングなど七競技から選択した一種目について、専門的トレーニングを受けてございます。
昨年度、一期生十七名がプログラムを終了し、現在、高校や競技団体の指導のもと、本格的なトレーニングに励んでおります。また、今年度は二期生二十三名が育成プログラムに参加するとともに、三期生の募集選抜を行っております。
一期生からは、カヌーやウエートリフティングで、一年生ながら高校総体に出場する選手も出るなど、成果が上がっているところでございます。
○神林委員 スポーツ祭東京二〇一三や国際大会で活躍できるアスリートを養成するには、中学生などのうちから有望な選手候補を計画的に発掘し、育成強化していくことが不可欠であり、都が取り組んでいるジュニアアスリート発掘・育成事業は非常に有意義な事業でございます。
今後、スポーツ祭で活躍できる選手を育成することはもちろん、単に競技力のみではなく、東京を代表するにふさわしい選手として、人格的にもすばらしい、国際的に通用し、多くの方々に感動や勇気を与えられる選手の育成に努めていただきたいと思います。
そして、将来的には、この事業で育った子どもたちが、二〇二〇年に東京で開かれるオリンピックでも活躍し、多くの子どもたちのあこがれや目標となるトップアスリートとして大きく成長するよう、事業の一層の推進を期待いたして、終わります。
○斉藤委員長 以上で神林茂委員の発言は終わりました。
続きまして、桜井浩之委員の発言を許します。
○桜井委員 産業振興について、最初に伺わせていただきます。
まず、航空機産業への参入支援についてお伺いいたします。
昨年十月に羽田空港の新滑走路がオープンし、国際便が増加するとともに、今月からは、新型旅客機ボーイング787が、世界に先駆け我が国が初就航するなど、航空機を取り巻く環境は活況を呈しております。先月末に東京ビッグサイトで開催された東京国際航空宇宙産業展では、そのような状況を反映し、活発な商談が行われたと聞いております。
航空機は、自動車の百倍の三百万点の部品から成り立ち、また、極めて高い安全性を求められることから、精緻な技術、精巧な部品によって組み立てられているといわれております。
こうした中、東京には、日本の産業を支え、常にものづくりの技術をリードしてきた中小企業が多数存在しており、その技術力が十分に発揮されることで、航空機産業で必要となる技術レベルをクリアすることは可能であると考えます。
しかしながら、航空機産業への参入において、欧米の国際的な企業から、絶対的な安全性を背景とした想像を超えた厳しい部品の精度のみならず、諸外国の法規への理解も必要とされております。技術力は高いものの、資金力や人材等経営資源に限りのある中小企業だけでこうした課題に対応していくには限界があることは事実であり、どう支援していくのかが課題となっております。
中小企業による国際的な航空機産業のマーケットへの参入を支援するため、都として昨年度はどのような取り組みを進めて成果を上げたのか、実績を交えてご説明を願います。
○前田産業労働局長 都では、先端技術が集約され、今後の高い成長が期待できる航空機産業に都内の中小企業が参入できるよう、企業間ネットワークの形成に加えて、品質管理に係る認証取得や販路開拓の支援などに取り組んでまいりました。
二十二年度は、約四十の企業が参加する課題検討会を定期的に開催いたしまして、最新の技術や市場の情報を提供するとともに、そのうちの十社以上を対象に、部品の製作に必要な国際認証の内容や航空機の専門英語を習得できるよう支援を行いました。そうした取り組みに参加した企業の中から、実際の国際認証の取得に向け、都の助成制度を活用する実績も出ております。
さらに、世界有数の航空見本市でありますベルリン・エアショーに、都が支援してまいりました中小企業のグループ、アマテラスのすぐれた技術力を海外で初めて紹介する機会を設けまして、これは世界各国の航空機関連の企業から高い評価を得ることができました。
なお、同見本市に出展した中小企業を対象に六十件を超える商談が行われ、受注の獲得に向けた具体的な交渉も進んでおります。
こうした取り組みにあわせ、東京国際航空宇宙産業展などの展示会も活用しながら、航空機産業への参入を目指す中小企業の取り組みを引き続き着実に支援してまいります。
○桜井委員 中小企業の技術力を維持発展させていくためには、経営面での支援に加え、人材面からの支援が重要だと考えます。
私の地元墨田区にも三千を超える製造業の事業所がありますが、リーマンショック以降の厳しい経済状況の中、人材育成や技能継承にまでなかなか手が回らず、ご苦労されているようであります。そこで、中小企業の技能者のスキルアップと蓄積された高度な熟練技能の継承を図るため、都は積極的に支援していく必要があると考えます。
都の職業能力開発センターは、ものづくりに係る職業訓練を実施し、多くの人材を中小企業に供給する一方、在職者訓練を行い、地域産業の人材育成の中核としての役割を果たしております。
ついては、職業能力開発センターの機能の充実強化を図りつつ、ものづくり中小企業の人材育成、技能継承を支援していくことが重要でありますが、二十二年度にはどのような取り組みを行ったのか、お伺いいたします。
○前田産業労働局長 東京の産業を支えるものづくり企業の維持発展のためには、お話のとおり、企業の人材ニーズを踏まえたきめ細かな支援が重要でございます。
このため、技能者がより高度な知識や技能を習得できるよう、在職者訓練をすべての職業能力開発センター及び校において実施するとともに、企業に直接出向きまして訓練を行う現場訓練支援事業を拡充いたしました。
また、企業の要望に応じて行いますオーダーメード訓練の中で、EUの環境基準に適合した鉛フリー溶接など、新たなニーズにも対応しております。
さらに、若手技能者に高度熟練技能を伝承する東京ものづくり名工塾を五カ所のセンター等で開催するとともに、四センターに設置した総合相談窓口で、人材情報の提供や企業内訓練に関する多様な相談に応じております。
加えて、ことしの四月に移転開設した新多摩職業能力開発センターの建設に当たりましては、約一千五百平方メートルの大規模な人材育成プラザを付設いたしまして、中小企業がみずから行う従業員教育の場として提供できますよう、支援機能の強化を図ったところでございます。
今後とも、地域のものづくり企業へのきめ細かい支援を通じて、東京のものづくり産業の人材育成、技能継承を強力に後押ししてまいります。
○桜井委員 都は、城東職業能力開発センターの再編整備のため、足立校の改築工事着手に向けて着実に計画を進めております。老朽化の著しい城東職業能力開発センターと足立校について、この両校を統合の上、施設を大規模化し、訓練内容を充実するとともに、人材育成プラザを付設した新たなセンターが整備され、センターの支援機能が大幅に強化されると期待いたしております。
平成二十六年度の開設に向け、着実に整備を進めていくことを要望し、次の質問に移りたいと思います。
次に、豪雨対策についてお伺いいたします。
現在、タイでは、記録的な豪雨による大洪水が首都バンコクまで襲い、被害がどこまで広がるのか、先の見えない状態が続いております。
近年、日本でも、一時間一〇〇ミリを超える局地的な集中豪雨により水害が発生しており、人口や高度な都市機能が密集している首都東京においても、浸水リスクが増大いたしております。
このため、都では昨年十二月、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一の緊急重点事業の一つとして緊急豪雨対策を位置づけ、浸水被害の危険性の高い地域に集中的に対策を講じることで、迅速に浸水被害の軽減を図ることとしております。
そこで、緊急豪雨対策における河川事業の現在の取り組みについてお伺いをいたします。
○村尾東京都技監 都では、首都東京を水害に強い都市とするため、地域特性に応じてさまざまな工夫のもと、河川整備を実施しております。
緊急豪雨対策では、流域の異なる白子川と石神井川の洪水を、白子川地下調節池に取水口を設けて相互に活用できるようにいたしました。現在、白子川地下調節池の到達立て坑付近において、石神井川から取水する施設の構造等を検討しております。調節池本体は、工期を約一年短縮し、平成二十八年度末の完成を目指し、工事を実施しております。
また、石神井川では、水位計や監視カメラの増設により、これまで以上に監視体制を強化し、さらに本年六月には、水位が上昇した際には、はんらん警戒情報を発表する水位周知河川に指定いたしました。
引き続き、都民の命と暮らしを守る河川事業に全力で取り組んでまいります。
○桜井委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、外環における平成二十二年度の用地取得状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
外環は、都心に流入する通過交通を分散することによって、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消し、年間約三十万トンのCO2を削減するなど、環境改善の効果も期待をされております。また、交通、物流ネットワークのかなめでもあり、我が国の経済を立て直し、国際競争力を高めるためには、その早期完成が不可欠であります。
このため、我が党はさまざまな機会をとらえ、国に対して早期完成に向けて活動を行ってまいりました。こうした活動によって、昨年度初めての用地取得の予算が計上され、地元からも生活再建のための早期買い取りの声が高まっていると聞いております。
そこで、外環における平成二十二年度の用地取得状況と今後の都の取り組みについて、お伺いをいたします。
○村尾東京都技監 我が国の国際競争力を高め、経済を再び成長軌道に戻すためには、交通、物流ネットワークの強化が不可欠であり、そのかなめとなる外環の整備は喫緊の課題でございます。
さらに、三月十一日の東日本大震災によって、震災時の物資や救援隊の搬送に高速道路が欠かせないことが改めて認識されました。まさに、平時のみならず、災害時にも首都機能を維持し、日本の防災力を向上するためには、外環を一日も早く完成させなければなりません。
また、昭和四十一年の都市計画決定後、四十年にわたって都市計画法の制限を受けてきた地権者の方々の要望にこたえ、初めて用地予算が措置され、計画的な用地取得が開始されました。
外環の平成二十二年度の用地取得実績は、大泉、中央、東名の三ジャンクション地域において、契約件数四十三件、面積約一万平方メートルで、契約総額は約四十四億円でございます。
平成二十四年度予算については、外環の早期完成に向けた工事費と用地費が確保されるよう、国に求めてまいります。
なお、来年度予算にトンネル着工に必要な工事費が計上されないことになれば、外環の完成は確実に一年おくれることとなりますので、この点を特に強く国に対して要望してまいります。
○桜井委員 次に、木造住宅密集地域における都市計画道路の整備についてお伺いをいたします。
知事は、第三回定例会で、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、木造住宅密集地域の改善に取り組むことを表明いたしました。
私の地元である墨田区にも、鐘ヶ淵や京島地区など、老朽化した木造住宅が密集した地域があります。木造住宅密集地域では、震災時に一度火災が発生すると燃え広がり、甚大な被害が発生するおそれがあり、延焼遮断効果が高い都市計画道路の整備は大変重要であります。
これまで都では、防災都市づくり推進計画を策定し、震災時に大きな被害が想定され、早期に防災性の向上を図る重点整備地域を指定して、延焼遮断帯となる都市計画道路の整備などに取り組んできました。
そこで、木造住宅密集地域における延焼遮断帯の形成に向けた都市計画道路整備の取り組み状況と今後の取り組み方針について、伺います。
○村尾東京都技監 木造密集地域における都市計画道路の整備は、延焼遮断帯の形成や沿道建物の不燃化を促進するなど、防災性の向上に極めて効果の高い事業でございます。
都では、重点整備地域約二千四百ヘクタールにおいて、延焼遮断帯の形成に資する都市計画道路十一路線、九・二キロメートルを第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけており、このうち、補助第二六号線など四路線、二・四キロメートルで事業を実施しております。また、墨田区の放射三二号線などでは、事業化に向けて設計や測量を進めております。
木造住宅密集地域の都市計画道路整備を円滑に行うためには、生活再建に十分配慮する必要があり、例えば補助二六号線の三宿地区では、移転が必要となる土地や建物の所有者に、都有地を活用して整備する民間の共同住宅を優先的に分譲する取り組みなどを行っております。
今後、このような生活再建の方策をさらに拡充し、東京の弱点の一つである木造住宅密集地域の改善に向け、都市計画道路の整備を加速してまいります。
○桜井委員 木造住宅密集地域では、居住者の高齢化、敷地が狭小、借地権者、借家人が多く権利関係がいろいろと複雑になっているという、そういう課題がありますので、大胆な発想により検討を進め、壊れず燃え広がらないまちづくりの一層の推進を要望し、私の質問を終わります。
○斉藤委員長 桜井浩之委員の発言は終わりました。
続きまして、吉田信夫委員の発言を許します。
○吉田委員 決算の審査に当たっては、長期にわたる経済悪化が続くもとで、深刻化する都民の暮らし、福祉、そして中小企業の経営を守るために、どう手だてを尽くしてきたのかが問われなければなりません。
同時に、東日本大震災を体験し、改めて都民の生命、財産を守る震災対策の重要性が浮き彫りになりましたけれども、この点で都の取り組みの到達がどうなっているのかを明確にし、今後の対策に生かしていくことが求められています。
この場では、時間の制約もあり、耐震対策の昨年度までの到達を中心に質疑をさせていただきます。
東日本大震災は、自治体のあり方を改めて問うものとなりました。とりわけ都民の生命、財産を守るという自治体の基本的使命を果たすために、総力を挙げる重要性が示されました。
都は、東日本大震災における東京都の対応と教訓などで、行政による公助は限界だとし、自助、共助の重要性を殊さら強調いたしました。しかし、我が党は、第三回定例会でも指摘したように、何よりも都に求められているのは、都が自治体としてのみずからの責任、すなわち公共施設や都市インフラなどの耐震化を責任を持ってなし遂げることだと思いますし、この点での到達が問われなければならないというふうに思います。
まず、住宅の耐震化が大きな課題となっていますが、都の責任が直接問われる都営住宅の耐震化について伺います。
都営住宅二十六万五千戸の中で、いまだに耐震化されていない戸数はどれだけ残されているのでしょうか。
○飯尾都市整備局長 都営住宅の耐震化は、平成二十年三月に策定いたしました整備プログラムにより実施をしておるところでございますけれども、このプログラムでは、都営住宅全体のうち、新耐震設計基準で設計された建物と建てかえ対象の建物を除いた約十三万六千戸を耐震診断の対象としております。
既に耐震診断を実施した約十万九千戸のうち、耐震改修が必要なものは約八万二千戸となっており、現在、残りの住戸について、耐震診断を継続して実施しているところでございます。都営住宅全体の耐震化が必要な戸数につきましては、診断の終了後に確定いたします。
○吉田委員 診断は途中段階ですけれども、八万二千戸が耐震改修が必要だという答弁でした。
しかし、紹介がされました三年前の都営住宅耐震化整備プログラムでは、十三万六千戸のうち改修が必要な戸数は約五万戸というふうに非常に低く推計をしていました。五万戸程度だということを前提にし、都営住宅の耐震化率は七一・六%ということも示されました。しかし、実際診断をした結果、十万戸に対して八万戸ということになりますと、都営住宅の耐震化率というのは、私の推計では少なくとも六〇%台にならざるを得ません。
ご承知のとおり、非木造の共同住宅の耐震化率は、以前の段階ですけれども、既に八三%を超えています。木造戸建て住宅の耐震化率も、推計ですけれども、都営住宅の耐震化率よりも高い、逆に都営住宅の方が低い、そういう事態が浮き彫りになってきたのではないでしょうか。そういう認識を明確にして対応することが求められているというふうに思います。
とりわけ具体的な問題について伺います。先ほど紹介した三年前のプログラムでは、平成二十七年度、すなわち二〇一五年度までに耐震改修する目標数として、全体が五万戸を想定して二万七千五百戸というふうに計画を立てました。しかし、当然この計画数値は大幅な見直しが必要です。
私は約二倍に引き上げる必要があると思うんですけれども、こうした中で、この計画を達成するためにどう手だてを尽くしていくのか、ご答弁をお願いします。
○飯尾都市整備局長 今後、耐震診断の状況を踏まえまして、耐震化整備プログラム、二十年度のものですが、これを見直しを行うこととしておりまして、平成二十七年度の目標でございます耐震化率九〇%以上を達成できるよう、耐震改修を計画することとしております。
○吉田委員 そもそも、現在のプログラムでの耐震改修の進捗は、必ずしも計画どおりには進んでいません。昨年度までの一万二千戸目標に対して、到達は一万戸に達することはできませんでした。
また、昨年度までに緊急輸送道路沿いの都営住宅の耐震化を完了するということが掲げられておりましたけれども、対象七十一棟中、設計その他はありますけれども、完了及び工事中ということは十九棟だったというふうに聞いています。その上、大幅な事業目標の引き上げが必要なわけですから、当初の計画あるいはこれまでの取り組みを超えるような集中的な財政投入や手だてを図る、そのことが必要になっているというふうに思います。
あわせて、建てかえ対象住宅の問題についてもお聞きをいたします。
先ほどもお話がありましたが、耐震化整備プログラムでは、建設年度で耐震、建てかえ対象となる都営住宅については、非耐震の数から外されております。
もちろん、建てかえ事業が例えばこの五年以内に実際に行われるということならば理解もできますけれども、私の杉並区の事例を紹介いたします。
緊急輸送道路である環状七号線に面した杉並区梅里に都営住宅がありますが、昭和三十六年建設だと思いますが、いまだに長期にわたって建てかえ計画は立っていません。しかも、そのうち二棟が緊急輸送道路に面していますが、倒れても道路幅員の半分に満たない高さだということをもって、耐震改修の対象にもなっておりません。しかし、現実にこの二棟だけでも百名を超える方々が住んでいます。
こうした、対象にはしているけれども具体的な建てかえ事業が立っていない、そういう中でこういう事態を放置するのかということが問われていると思いますが、いかがでしょうか。
○飯尾都市整備局長 お話の杉並区の高円寺アパートでございますけれども、先生ご指摘のとおり、沿道の道路幅員の二分の一になっていないことから、沿道建築物の耐震の対象にはなっていないものでございまして、一方、お話のとおり非常に古い建物でございますので、これは建てかえの対象となっているものでございます。
耐震化整備プログラムでは、昭和三十年代に建設されました、例えば先ほどの高円寺のアパートなどを対象としているものでございまして、建てかえの主なる対象は三十年代に建設したものでございます。
これらの住宅につきましては、基本的に耐震診断を行わずに、今後、建てかえを実施することによりまして耐震化を図ることとしておりまして、老朽化の度合い、居住者の移転先の確保の状況、地域のまちづくりとの連携などを勘案しながら、それぞれ建てかえ計画を策定することとしております。
○吉田委員 この住宅の場合には、一階に店舗が入っているということもあって、三十年代でありながら、いまだに建てかえ計画の具体的な計画としては俎上に上っていないと。しかも耐震診断までされていませんから、当該住宅の人は、一体自分たちの住宅の強度はどうなのかという不安を持っていることは当然です。
私は、少なくとも、建てかえ計画が具体的な事業計画として立っていないならば、一刻も早く耐震改修をまずやるべきだということを強く要求しておきます。
あわせて、この点で指摘をしておきたいのは、今の計画では、平成二十七年度、二〇一五年に九〇%を達成したとしても、要改修の住宅が一〇%、すなわち、都の計画では五百二十五棟、二万二千五百戸が改修がされてないということになります。
一刻も早く期日を明確にして一〇〇%の改修を行う、それが求められていると思いますが、いかがでしょうか。
○飯尾都市整備局長 現在の耐震化整備プログラムでは、平成二十七年度に九〇%以上の耐震化を図るとしておりまして、これにつきましては、耐震診断の結果を踏まえましても、その目標で進めていきたいと考えております。
その後も必要な耐震化を進めていくことといたしまして、これに基づきまして、現在、耐震改修を計画的に実施しているところでございます。
○吉田委員 平成二十七年度九〇%という数字は、都営住宅だけではありませんけれども、国の指針によって示されたわけです。それ以上示されていないからといって、都も計画を立てないという理由にはならないと思いますし、都民の、住民の命と財産に責任を負うということになれば、一〇〇%達成の目標を明確にして取り組むべきだということを重ねて主張させていただきます。
次に、堤防の耐震化についてです。
都市インフラの耐震化というのは、都の責任が問われる課題ですし、中でも東部低地帯の河川堤防の耐震強化は急務です。これまでも議論がされてきました。
しかし、私は率直にいって、いまだにレベル一対応の耐震化もされていない堤防が残されているということは驚きです。
そこで伺いますけれども、昨年度の時点で、東部地域の都が管理する河川の堤防で、レベル一の耐震化が未達成な堤防はどれだけ残されているのか、お答えをお願いいたします。
○村尾東京都技監 都では、水害の危険から都民の命と暮らしを守るため、地域の特性を踏まえた治水対策を実施しております。
後背地盤が低い東部低地帯の河川では、大震災により河川施設が損壊した場合、甚大な浸水被害が発生するおそれがあり、重点的に耐震対策を実施しております。
東部低地帯の耐震化が必要な総延長は約百六十五キロメートルであり、対策が未完了な延長は、平成二十二年度末で約六十八キロメートルでございます。
○吉田委員 昨年度の時点で、いまだにレベル一対応の耐震化がされていない堤防が、東部低地帯だけで見ても六十八キロ残されていると。当然、この解消、耐震化の実施は急務だというふうに思いますが、どのように進めていくのか、お答えをお願いいたします。
○村尾東京都技監 先ほど申しましたように、平成二十二年度末で約六十八キロが残されているわけでございまして、今後も財源確保に努めつつ、優先順位を定め、目標を設け、完成に向け計画的に整備を進めてまいります。
○吉田委員 分科会では、平成二十年から二十二年の三年間の整備実績は四・四キロというふうに聞いております。このペースでもし耐震化事業を進めるということになると、六十八キロを行うのに四十六年もかかるということになります。
それでは改めて、いつまでにどういうペースで進めるのかということを確認したいんですけれども、ちなみに、東京都震災対策事業計画を見ますと、外郭堤防は平成二十年度耐震化を完了すると。そして、外郭堤防以外の堤防の耐震化については、平成二十七年度までに完了するというふうに書かれています。具体的な年度計画はどうなっているんでしょうか。
○村尾東京都技監 先ほど申しましたように、六十八キロが残されているわけでして、あくまでも財源確保をいかにしていくかということが極めて重要だというふうに認識しております。私どもも全力を挙げてこの耐震化を図っているわけでございまして、優先順位を定めて、目標に向け、計画的に整備を進めるということでございます。
○吉田委員 財源確保のことは後で述べますけれども、私はやはり、この地域の特性から見ても、六十八キロ残されていること自体が驚くべき状況だと思いますが、それだけに、年次計画を明確にして耐震化を急ぐということを強く求めておきたいと思います。
同時に、あわせてレベルの問題です。現在の、レベル一の地震動に対応するという状況となっていますが、このレベル一地震動というのは、残念ながら阪神・淡路大震災や関東大震災規模の地震には対応できる強度ではないと思います。しかも、先日の東京都防災会議地震部会では、被害想定の対象に、従来の首都直下型の二つの地震だけではなく、新たな海溝型地震、関東地震も入れました。これが被害が非常に大きいということは、その文書でも指摘をされています。
したがって、レベル一地震動に対応する耐震化を急ぐとともに、レベル二の地震動に対応できる耐震化についても検討が求められていると思いますが、いかがでしょうか。
○村尾東京都技監 今般の大震災を踏まえまして、本年六月には地震や津波の専門家を含む委員会を立ち上げまして、施設の耐震性等について既に検証を進めております。この中で、耐震性の強化について具体的に検討してまいりたいと思っております。
○吉田委員 当然、今後の課題になりますけれども、新たな被害想定に海溝型地震を加えるということになれば、それに対応した対策が求められることは明白なことだというふうに思います。ぜひ具体的な検討を急いでいくべきだと主張しておきます。
そこで、今、財政確保、財源確保ということもありましたけれども、都営住宅の耐震化と堤防の耐震化という二つの例を、時間の関係で絞って挙げましたが、進捗状況は極めておくれている事態だということを指摘しなければなりません。それだけに、集中的な財政投入が今、改めて求められているのではないでしょうか。
分科会の堤防の質疑の中で、四・四キロの事業費として百八億円という答弁があったかと思いますけれども、六十八キロで単純計算すると、総事業費は千七百億円というふうに私なりに計算をしてみました。
しかもこれは、二つの例しか挙げませんでしたけれども、国の指針との関係でいいますと、平成二十七年度、二〇一五年度というのは、各種の建築物の耐震化の一〇〇%あるいは九〇%という達成の目途になっています。したがって、これからの五年間に集中的に耐震化を促進しなければならない。したがって、五年間の財政投入も集中される必要があるということがあります。こうした分野に思い切って財政投入をすることが求められていると思います。
同時に、先ほどからも話がありましたが、都民の暮らしや福祉という面でも抜本的な拡充が求められています。高齢者人口が一九九九年に比べて四六%も増加しているにもかかわらず、老人福祉費はほとんどふえていません。それどころか、二〇〇七年度までは大きく減額しました。その結果、高齢者人口当たりの介護施設等の整備率は、特養ホーム四十四位、老人保健施設四十七位など、全国最低状況から脱却できておりません。高齢化の進行にふさわしい財政措置が必要です。
また、中小企業分野を見ると、例えば工業統計を見ると、従業員四人以上の事業所がこの十年間で五二%に減少し、製造品出荷高も約十五兆円が八兆円に、十年間で激減をしています。にもかかわらず、東京都の商工費の比率は五%台、大阪、京都などと比べても大幅に低く、中小企業対策の強化が求められています。
そこで、財務局に伺いますけれども、こうした高齢化の進行や新たな防災対策の抜本強化のための財政措置が求められており、そうした事態に対応した財政運営が求められていると思いますが、どのように認識をされているでしょうか。
○安藤財務局長 都財政にとりましては、高齢化に伴う社会保障関係費だけでなく、都市インフラの更新など避けられない財政需要の増加が見込まれておりますが、あわせて、今般の東日本大震災によって明らかになりました課題への対応など、将来を見据えた施策にも果敢に取り組んでいかなければならないと思っております。
他方、現在の経済情勢を見ても、当面税収の大幅な改善が考えにくい厳しい経済環境にございますけれども、こうした局面にはございますけれども、相当厳しい財政運営になるかと思いますが、事業評価などを通じた自己改革も徹底しなければいけませんし、あるいは都債の計画的な活用や基金残高の確保といった財政運営の健全性を確保し、継続し、こうした課題の一つ一つに着実に対応していかなければならないというふうに考えております。
なお、福祉あるいは中小企業対策等でご発言がございましたけれども、それぞれ私どもは、毎年度の予算で相当の手当てをしてきておりますし、そのことについては、毎年度の予特やこの決特等で述べておりますので、あえて申し上げませんが、重層的、総合的な施策をしっかりやっていきたいと、こう思っております。
○斉藤委員長 以上で吉田信夫委員の発言は終わりました。
続きまして、山内れい子委員の発言を許します。
○山内委員 緑の保全についてお伺いいたします。
東京都の緑を守るための施策は、かねてから総合的、体系的な計画がつくられ、進められてきました。「十年後の東京」にも、水と緑に囲まれた都市空間を再生することが述べられています。そして、二〇一〇年五月、緑確保の総合的な方針が出されました。これは、東京都と区市町村が合同で検討し、策定したものです。さまざまな手法で緑の減少を食いとめ、緑を創出しようという姿勢を示しています。この中には、各区市町村ごとに今後十年間で確保する樹林地等の面積も示されています。
緑を保全するためには、都と区市町村が協力して取り組んでいくことが必要です。緑の保全については、この決算特別委員会の第三分科会で議論されたところでもありますが、改めてまとめて伺いたいと思います。
緑地を確実に保全するためには、緑地を買い取ることも必要ですが、東京都のように地価の高いところでは多額の費用がかかります。そのため、緑地の減少に悩む区市町村では、なかなか緑地の取得が難しい現状にあります。
国の特別緑地保全地区の補助制度は、国が用地取得費の三分の一、自治体が三分の二を負担する仕組みです。都では、特別緑地保全地区の指定を促進するために、区市町村に対し都が三分の一を補助する仕組みを創設しました。
都は、この補助も活用して、二〇一〇年度に特別緑地保全地区の拡大にどのように取り組んだのか、お伺いいたします。
○飯尾都市整備局長 特別緑地保全地区は、屋敷林や崖線などの民有地の緑を保全する地域地区の一つでございまして、この区域内では、開発行為が規制される一方、区市町村は地権者から土地の買い取りの請求があった場合には、これに応ずる義務が生じます。そのため、その指定が進まない状況にございました。
そこで、都は、平成二十二年度から五年間、用地取得費の三分の一を区市町村に補助する制度を創設し、特別緑地保全地区の指定を促進することといたしました。
昨年度は、この補助制度を活用して、青梅市及び清瀬市が二地区、約三十三ヘクタールの緑地を取得したほか、八王子市など三地区、約二十九ヘクタールについて、新たに地区指定がされるなどの成果を上げているところでございます。
○山内委員 特別緑地保全地区と同様に、東京都独自の緑地保全地域などの制度があります。この地域指定は二〇一〇年度どれくらい進んだのでしょうか。また、指定された保全地域で、市民との協働による緑地保全や環境学習の活動はどのように実施されているのか、お伺いします。
○大野環境局長 都は、自然保護条例に基づきまして、自然の保護と回復を図るため、山地や丘陵地などの緑地を保全地域として指定しております。
平成二十二年度につきましては、八王子市暁町の緑地二・四ヘクタールを新たに保全地域といたしまして、これまでに延べ四十八カ所の保全地域を指定しております。
都民が緑の保全や環境学習に参加することは、自然環境に対する理解を深めるとともに、良好な自然環境の保全のために非常に有意義でございます。
このため、都では昨年度、三十四の保全地域におきまして、地域住民、企業、大学など、さまざまな都民と協働して、間伐や下草刈りなどの保全活動や、田植えや自然観察などの環境学習の活動を行っております。
今後も、都民が緑地保全や環境学習の活動に参加できるような仕組みを積極的に推進してまいります。
○山内委員 都は、都市計画公園、緑地の整備も積極的に進めていると聞いております。
多摩地域では、もともと緑地であったところを公園にする場合が多いと思いますが、二十三区では市街地を公園にして緑化する場合が多いということです。東京都全体と区部において、二〇一〇年度、新たに整備した公園はどのくらいあるか、お伺いします。
○村尾東京都技監 都立公園は、レクリエーションの場の提供、景観の形成、都市の防災性の向上など、都民生活に欠くことのできない役割を有しております。とりわけ、公園の豊かな緑は、都市の自然環境の保全に大きく寄与しており、都立公園の新規整備に当たりましては、今ある緑は可能な限り保全するとともに、樹木の植栽などにより新たな緑の創出に努めております。
平成二十二年度には、建設局所管の都立公園のうち十六公園で整備を進め、新規整備面積は約二十七ヘクタールでございます。そのうち、区部は七公園で、整備面積約五・五ヘクタールになっております。
今後とも、緑豊かな都立公園の整備に取り組んでまいります。
○山内委員 緑を守り、ふやすというところでは、水辺空間の緑地もそこに入ります。
そこで、河川についてお聞きします。
近年、河川改修のあり方が自然に近いデザインに変わってきており、緑化もあわせて進められているということです。緑をふやすという観点から、都の河川事業における河川の緑化についてお伺いします。
○村尾東京都技監 東京の河川においては、治水機能を確保しつつ、緑豊かな水辺空間を創出していくことが重要でございます。
そのため、「十年後の東京」計画に基づき、河川の整備にあわせた緑化はもとより、既に整備が完了した区間においても緑化を推進しております。
平成二十二年度には、河川緑化事業により、約二・三キロメートルの区間において堤防や管理用通路の緑化などを実施し、水と緑のネットワークを充実させました。
今後とも、地域特性を踏まえ、魅力ある水辺空間の創出に取り組んでまいります。
○山内委員 さまざまな手法を使って緑地の保全と創出をしていくことが大切です。
区市によっては、市民緑地制度を活用して緑地保全に努めているところもあります。しかし、残念ながらなかなかこれが進んでいません。
ほかにも、まちづくりの中で緑化する手法もあります。緑確保の総合的な方針には、これから取り組む事業などについても述べられています。今ある制度や仕組みを活用し、また新たな仕組みをつくるなどして、まずは現在ある緑を減らさないことを重点に進めていただきたいと要望します。
さて、次は、民有地の農地や森林を保全するという観点から、農業、林業を取り上げます。
緑という観点から見ても、農地保全は重要な要素です。世田谷区や江戸川区では農地の買い取りも検討されていますが、農地を保全するためには、都市計画や税制上の問題、後継者、担い手不足など、さまざまな課題があります。
農業の振興によって農地を守るという考えから定着してきた農業体験農園は、年々ふえていると聞いています。
また、二〇一〇年三月にできた食料・農業・農村基本計画には、都市農業について、これまでより踏み込んで記述されています。この基本計画で示された農業の六次産業化は、各地で取り組まれている女性たちによる起業がその発想の源になっているといわれています。都内でも、地場農産物を加工して販売する女性たちの活躍が多くあり、都としても応援することを期待します。
そこで、都は、都市の中で創意工夫を凝らした農業者の取り組みをどのように支援しているのか、伺います。
○前田産業労働局長 都市農業の振興には、意欲ある農業者に対しまして、この大消費地に隣接する東京農業の優位性を生かした経営改善の取り組みを支援していくことが重要であります。
このため、都は平成二十二年度から、認定農業者などを対象として、ハード、ソフトの両面から支援する都市農業経営パワーアップ事業をスタートさせております。昨年度は、ハード面では、害虫の侵入を防ぐ栽培施設や農業体験農園、ブルーベリーの摘み取り農園の整備など、十五の農業者グループなどに支援を行いました。また、ソフト面では、二カ所の農産物直売所を対象として、中小企業診断士などの専門家による経営支援を実施しております。
今後とも、都は、創意工夫を凝らした経営に取り組む農業者を積極的に支援してまいります。
○山内委員 都内にある農地の減少を食いとめるためにも、農業経営の面から施策の充実をお願いいたします。
多摩地域に広がる森林は、東京にとっても大変貴重な緑です。森林を守るためには林業の活性化が欠かせませんが、林業を取り巻く状況は厳しく、課題は山積しています。
その課題の一つとして、高齢化が進み、林業の担い手が少なくなっていることがあり、その対策が必要です。林業従事者の確保、育成をどのようにしているのか、お伺いします。
○前田産業労働局長 林業従事者が不足している中、森林整備を促進するためには、お話の人材の確保、育成とともに、森林施業の効率化が必要だと考えております。
このため、都は、東京都林業労働力確保支援センターと連携いたしまして、初心者から高度な林業技術者までを対象に、技術レベルに応じた各種研修を実施するとともに、林業事業体に対しては、新規就労者のための宿舎借り上げへの助成や安全衛生などの指導を行いまして、人材の確保、育成を図っております。
また、森林施業の効率化につきましても、森林組合が利用する高性能林業機械の導入に対する支援を行っております。
○山内委員 林業は全国的にも厳しい状況が続いています。山の専門家の養成が必要ですが、国でもこれから進めるということで、都としても取り組んでくださるよう要望します。
また、山を整備するプロであるフォレストワーカーの必要性と同時に、山林に親しみ、林業を理解する市民がふえることも重要です。最近、森林ボランティアの活動が広がっており、多くの人に認識されるよう期待しております。
大都市東京でも、緑地を保全、創出していくのは簡単ではありませんが、多くの都民が求めていることです。まちの中の小さな緑から多摩の森林まで、さまざまな人の知恵と努力をあわせて取り組んでいただくようお願いいたします。
次に、若者支援について伺います。
さまざまな事情で困難を抱える子どもが成長して社会生活を営んでいくために、各方面からの支援が必要です。ひきこもりなどの状態にある若者の場合、ひきこもりの原因やきっかけはさまざまで、いじめや対人関係のトラブルがきっかけで不登校になり、引きこもるようになったり、また、障害や病気に気づかず状態が悪化することもあります。こうした若者たちは、家族との関係がこじれることが多く、本人だけでなく、家族も苦しんでいます。
東京では、ひきこもり等の状態にある若者の社会参加を応援するため、NPO法人等との共同事業であるコンパスを実施してきました。同時に、それぞれの地域で、個人の状況に応じた適切な支援を受けることができるよう、区市町村が地域でのネットワークを構築するモデル事業を二〇一〇年度まで行ったと聞いています。
ひきこもりセーフティーネットモデル事業の実施状況を伺います。
○樋口青少年・治安対策本部長 お尋ねのモデル事業につきましては、都は平成二十年度から三年間、四つの区市に委託してこれを実施いたしました。
モデル事業を実施した各区市では、教育、青少年、就労、精神保健、福祉などの部門が連携し、情報を共有することにより、対象者の状況に合った支援を行えるようになりました。また、地域の支援者あるいはNPO法人と協働して、地域の事情に応じた取り組みも行われました。
都といたしましては、このような各区市の取り組みを集約して報告書として取りまとめ、全区市町村に配布するとともに、テーマ別の研修会を開催するなど、モデル事業によって得られた成果の還元を図っております。
○山内委員 最後に、社会的養護が必要な子どもたちの自立支援について伺います。
虐待を受けた子どもや、家庭で育てることができない子どもを養育するために、児童養護施設や里親の制度があります。施設や里親は子どもを十八歳まで養育することになっており、子どもたちは十八歳で自立を迫られます。
しかし、社会的養護が必要な子どもが児童養護施設を出た後、悩みを相談する相手がいなかったり、金銭面で悩んだりするなどして、仕事や日常生活を送る上でつまずくことも少なくないと聞いています。
自立に向けてどのように支援が行われているのか、伺います。
○杉村福祉保健局長 児童養護施設では、児童の自立に向け、施設入所中から、金銭管理など社会人としての基本的な生活習慣を習得できるよう、指導や訓練を行っております。
また、退所後も、児童が金銭面や職場の人間関係などで悩みを抱えた場合に相談できるよう、都は独自に、退所した児童に対して援助や指導を行う施設を支援いたしております。
さらに、生活や就労継続の面で、施設退所後も支援が必要な児童が入所いたします自立援助ホームに対しまして、児童の資格取得のための経費や、職員が就労支援を行う経費などを独自に補助しております。
○山内委員 先ほどひきこもりのこともお伺いいたしましたが、ひきこもり状態の若者の個別課題を直すように、必要なサポートをそれぞれお願いしたいと思います。
先ほどの社会的養護ですが、施設を出た後のケア体制が必要だと思っております。小さいころ受けた虐待による心の傷など、自立することが難しい場合があるとよく耳にしております。
お聞きしたように、養護施設を出た人の場合は、施設職員が連絡をとり、サポートする仕組みがあるということですが、それでも十分とはいえません。さらに、里親の場合はその仕組みもありません。
都内には、自立を支援するNPOが活動しており、今後は、里親も含めて、社会的養護が必要な人たち全体へのアフターケアの仕組みを構築する必要があります。その実現を求めて、私からの質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員長 以上で山内れい子委員の発言は終わりました。
以上で本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
なお、十一月十八日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十一分散会
第1分科会で行われた平成22年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成23年10月28日
平成22年度各会計決算特別委員会
第1分科会委員長 神野 吉弘
平成22年度各会計決算特別委員長
斉藤 あつし殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
・平成22年度東京都一般会計決算中、知事本局、青少年・治安対策本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
・平成22年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成22年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成22年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成22年度東京都用地会計決算
・平成22年度東京都公債費会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月12日(説明聴取・資料要求)会計管理局、財務局、収用委員会事務局、知事本局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、議会局
10月14日(説明聴取・資料要求)警視庁、東京消防庁、総務局、青少年・治安対策本部、監査事務局、主税局
10月19日(質疑)会計管理局、選挙管理委員会事務局、知事本局
10月21日(質疑)議会局、収用委員会事務局、人事委員会事務局、財務局
10月24日(質疑)警視庁、東京消防庁、主税局
10月26日(質疑)監査事務局、青少年・治安対策本部、総務局
2 本分科会における質疑の概要
(1)知事本局所管分
〔1〕 アジア大都市ネットワーク21について
ア この10年間の成果及び今後の取組について
イ 東京総会(平成22年11月開催)の論点と成果及びソウル総会(平成23年10月開催)へのフィードバックについて
ウ 「アジア旅客機ビジョン」の概要について
エ アジア危機管理会議の経過と第8回危機管理会議(平成22年9月台北開催)の成果について
オ 東日本大震災後の危機管理ネットワークの取組について
カ 危機管理ネットワークで実施している都市における捜索・救助研修と救助技術研修の概要について
キ アジア人材バンクの取組と成果について
〔2〕 横田基地について
ア 横田基地における「トモダチ作戦」の活動内容について
イ 東日本大震災当日の羽田空港、成田空港の状況及び両空港に着陸できなかった航空機の横田基地への着陸数について
ウ 横田基地の軍民共用化の実現に向けた取組について
〔3〕 広域行政について
ア 平成22年度における主な活動内容について
イ 九都県市首脳会議における迅速な対応のための仕組み作りについて
〔4〕 カジノ特区構想について
ア 平成22年9月に実施した国への総合特区制度の提案内容について
イ カジノ特区の提案理由及びカジノ誘致の意思とその取組について
ウ 「エンターテイメントとしてのカジノを核とした複合的観光拠点整備構想」の推進について
(2)青少年・治安対策本部所管分
〔1〕 若年者の自立支援について
ア 最近の少年非行の情勢及び立ち直り支援の取組状況について
イ ぴあすぽの成果及びNPO等と連携した取組の活性化について
〔2〕 自転車問題について
ア 平成22年度における自転車交通安全対策への取組と自転車政策の充実について
イ 自転車交通事故の推移と年齢別の状況及び事故防止への取組について
〔3〕 ひきこもり対策について
ア ひきこもり等の若者支援プログラム事業の概要と取組及び今後の活用について
イ プログラム登録団体の区市町村との連携及び事業の実施状況の把握に対するフォロー体制について
〔4〕 ハイパースムーズ作戦について
ア 平成22年度の事業内容と効果について
イ ITS世界会議の準備状況及び東日本大震災後のITSの活用について
〔5〕 平成22年度の東京こどもネット・ケータイヘルプデスク(こたエール)の相談実績及びスマートフォンの利用に伴う相談について
〔6〕 地域における見守り活動支援事業の設立の趣旨及び防犯設備の整備実績について
〔7〕 子供見守りボランティアリーダー育成講座の取組内容及び平成22年度の実績と効果について
(3)総務局所管分
〔1〕 防災対策について
ア 防災会議の概要と開催状況及び事務費未執行の経緯について
イ 防災関係の会議における男女平等参画に向けた取組について
ウ 都と区市町村における女性特有の備蓄品の取扱状況について
エ 防災会議における備蓄品の検討について
オ 防災市民組織の現状と課題及び組織拡充に向けた取組について
カ 防災市民組織の取組を推進するための区市町村と消防署の対応について
キ 区市町村と連携・協力した防災隣組の構築について
〔2〕 首都大学東京について
ア 平成17年度以降の運営費交付金額の推移と経費削減に向けた取組について
イ 研究費の推移及び科学研究費補助金の受入額について
ウ 外部資金の受入額の推移及び資金獲得に向けた取組について
エ 科学技術振興に対する基本認識と役割について
オ 東京都産業科学技術振興指針における産業科学技術を支える人材の確保・育成に向けた取組について
カ 産業界と都民生活への研究成果の反映及び試験研究機関等が有する知見の都民への紹介について
〔3〕 監理団体の公益法人化の基本的な考え方と経過及び移行後の課題と今後の対応について
〔4〕 電子申請の利用率低下への対応及び利用率向上に向けた取組と成果について
〔5〕 市町村総合交付金制度について
ア 市町村の自主性向上に向けた交付金の使途拡大について
イ 市町村の財政状況に対する認識について
ウ 市町村の個別事情を的確に反映した交付金の配分について
(4)財務局所管分
〔1〕 財政運営について
ア 実質収支と実質単年度収支の違い及び近年の実質単年度収支の推移について
イ 実質単年度収支が赤字である現状への認識及び他の道府県における直近の実質単年度収支の状況について
ウ 財源として活用可能な基金の取崩しの状況及び石原知事就任時点と比較した残高状況について
エ 現在の財政状況下における東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金に対する考え方について
オ 今後の基金活用の考え方について
カ 「主要施設10ヵ年維持更新計画」の今後の支出見込額について
キ 東日本大震災後の防災対策の抜本的強化に向けた新たな支出の見込みについて
ク 不要不急の大規模事業の見直しと今後の財政環境に対する認識について
〔2〕 都庁本庁舎等の維持管理について
ア 東日本大震災における都庁舎の被害状況及び復旧等に要する費用見込額とその拠出方法について
イ 東日本大震災の経験を踏まえた今後の対応について
〔3〕 入札契約制度改革について
ア 平成22年度の議会案件における低入札価格調査の実施状況について
イ 低価格入札が続く現状への認識と過度な低価格入札を防ぐ手段の強化について
ウ 入札契約制度改革の取組状況について
エ 環境や福祉等の様々な社会的要請に応えた公共調達を行うための取組について
〔4〕 都有地の利活用について
ア 各局における活用終了後の財務局への引継ぎについて
イ 創意工夫を凝らした利活用への取組について
ウ 行政サービス向上のための都有財産の把握方法及び土地ストックの確保に向けた取組について
エ 都施策に配慮した利活用への取組について
〔5〕 中小企業の受注機会の拡大への取組について
ア 平成22年度における工事全体に占める中小企業への発注割合及び受注機会の確保に向けた取組について
イ 総合評価方式の平成21年度、22年度の実施状況及び大型工事案件における下請の中小企業への対応について
〔6〕 土地信託について
ア 両国シティコアにおける信託配当の状況及び予想配当と実績配当の差異について
イ 現時点における両国シティコアの契約満了後の方向性について
(5)主税局所管分
〔1〕 都税収入について
ア 税収の推移及び減収の理由について
イ 個人都民税と法人二税の税収見込みについて
ウ 宿泊税収入の推移及び使途について
〔2〕 税収確保について
ア 法人事業税の暫定措置の影響及び撤廃に向けた取組について
イ 国の法人税減税の動向について
ウ 都民税配当割及び都民税株式等譲渡所得割の軽減税率の廃止について
エ 官公庁や大使館に対する固定資産税の非課税措置の是正について
オ 課税自主権の行使に対する見解について
カ 法人二税の超過課税を限度額まで課税した場合の税収額及び解決すべき課題について
キ 都の財政状況について国や他の道府県の理解を得るための取組について
〔3〕 都税の徴収について
ア 過去3ヵ年の徴収率と滞納繰越額及び徴収率の向上に向けた取組について
イ 捜索の取組内容と成果について
ウ 経済的理由による納税困難者への対応について
〔4〕 東京都税制調査会における弱者への配慮及び公平な税制に関する議論について
〔5〕 都庁における横断的な税制議論について
(6)会計管理局所管分
〔1〕 公会計制度について
ア 全国自治体における財務諸表の作成状況及び「総務省方式改訂モデル」の主な課題について
イ 公会計制度改革の推進に向けた取組及び新公会計制度の本格導入に当たっての具体的な課題について
ウ 都における普及活動の強化及び他自治体への寄与について
エ 町田市の本格的な複式簿記導入準備に対する支援内容及び導入に当たり取り組んだ実務的課題について
〔2〕 公金の管理運用について
ア 公金の運用商品選定に対する考え方及び運用上の工夫について
イ 金融市場の急激な情勢変化への対応について
ウ 基金の資金管理実績について
エ 運用収入、利回り、財政収入率の低下の理由及び先行きが不透明な経済金融情勢下における公金運用について
(7)選挙管理委員会事務局所管分
質疑なし
(8)人事委員会事務局所管分
質疑なし
(9)監査事務局所管分
質疑なし
(10)収用委員会事務局所管分
質疑なし
(11)議会局所管分
質疑なし
(12)東京消防庁所管分
〔1〕 震災への対応について
ア 家庭における家具類固定の実施状況及び普及促進について
イ 応急手当講習の実施状況及び今後の取組について
ウ 防火水槽と深井戸の整備状況について
(13)警視庁所管分
質疑なし
第2分科会で行われた平成22年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成23年10月28日
平成22年度各会計決算特別委員会
第2分科会委員長 山加 朱美
平成22年度各会計決算特別委員長
斉藤 あつし殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
・平成22年度東京都一般会計決算中、生活文化局、スポーツ振興局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
・平成22年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成22年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月12日(説明聴取・資料要求)病院経営本部、スポーツ振興局、教育庁
10月14日(説明聴取・資料要求)生活文化局、福祉保健局
10月19日(質疑)教育庁
10月21日(質疑)スポーツ振興局、病院経営本部
10月24日(質疑)生活文化局
10月26日(質疑)福祉保健局
2 本分科会における質疑の概要
(1)生活文化局所管分
〔1〕 消費者保護の取組について
ア 平成22年度の相談の特徴と実績及び相談窓口強化のための区市町村支援について
イ 悪質事業者に対する取組及び被害の拡大や未然の防止に向けた情報提供の仕組みについて
ウ 各局連携による消費者保護の取組について
エ 高齢者に対する金融商品トラブルへの対応及び高齢者の見守りについて
オ 平成22年度における東京都商品等安全対策協議会の提言について
〔2〕 私立学校への校舎等の耐震化支援の実績及び今後の取組について
〔3〕 配偶者暴力対策について
ア 民間団体への支援及び今後の取組について
イ 平成22年度の被害者の自立支援について
ウ 就労支援を行う機関との連携について
エ デートDV防止のための啓発及び講演会への講師の紹介について
〔4〕 国の私立幼稚園就園奨励費補助の見直しの経過及び都の特別補助の導入と実績について
〔5〕 平成22年度における地域の底力再生事業の実績と成果及び予算の執行率向上に向けた取組について
〔6〕 ネットを活用した都政情報の発信について
ア ホームページのアクセス件数の増加及び震災関連情報発信のためのホームページの活用について
イ ツイッター開設後の運用状況と今後の活用方法について
〔7〕 芸術文化振興事業への取組の実績について
〔8〕 観光振興の視点からの都立文化施設の役割について
ア 外国人来館者数の近年の傾向について
イ 外国人観光客への対応の工夫及び観光コースに文化施設を組み込むための取組について
〔9〕 東京都美術館について
ア 改修工事の状況と今後のスケジュールについて
イ 美術館の特色及び佐藤慶太郎氏の功績について
ウ 公募ルール変更のポイントと新ルール適用後の変化について
〔10〕 東京都交響楽団助成事業について
ア 経営の自立について
イ 民間運営オーケストラの運営費の工面について
ウ 民間運営オーケストラに対する支援について
(2)スポーツ振興局所管分
〔1〕 スポーツ祭東京2013について
ア 国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を一つの祭典として開催する意義について
イ 施設整備に係る障害のある方への配慮及び施設の整備状況について
ウ 広報PR活動及び都民参画の推進について
〔2〕 地域スポーツクラブについて
ア 平成22年度までのクラブの設立数及び具体的な活動の状況と事例について
イ クラブ設立による地域への効果について
ウ クラブ未設置の区市町村に対する設立・育成支援について
〔3〕 国際スポーツ競技大会について
ア 東京で開催される意義と効果及び平成22年度の開催実績について
イ 大会に対する関わり方について
〔4〕 障害者のスポーツ振興について
ア 福祉保健局から移管された障害者施策推進費について
イ 障害者の普段のスポーツに対する支援状況及び障害者の地域スポーツクラブ活動への参加の現状について
〔5〕 東京都障害者スポーツセンターについて
ア 平成22年度の事業実績と課題について
イ センターの耐震化の状況及び災害時における施設の安全対策について
(3)福祉保健局所管分
〔1〕 保育施設について
ア 平成23年4月1日現在の認可保育所、認証保育所の施設数と定員及び施設の耐震化に向けた支援について
イ 保育サービス拡充緊急3か年事業における認証保育所の実績について
ウ 運営費補助の見直しに向けた取組及び保育施策の推進について
エ 認可外保育施設への指導と支援内容及び保育士への研修の実施状況について
〔2〕 待機児童対策について
ア 待機児童の状況と解消に向けた取組及び3歳児未満を対象とした家庭的保育事業の意義と実施状況について
イ 共同実施型家庭的保育モデル事業の内容と実績及びバックアップ体制の整備に対する支援について
〔3〕 児童虐待について
ア 平成22年度における児童相談所への通報の実態及び地域の見守り対応について
イ 虐待の再発防止への対応及び未然防止のための取組について
〔4〕 区市町村における災害時要援護者対策の取組状況と都の支援内容及び状況把握のための調査について
〔5〕 自殺者対策の現状と対策及び自殺未遂者への支援について
〔6〕 たまゆら事件について
ア 事件発生後の対応と対策の内容について
イ 都市型軽費老人ホームの整備状況及び区市町村の在宅療養に対する取組の促進について
〔7〕 特別養護老人ホームの整備について
ア 平成22年度における整備費補助の実績及び平成23年度の執行見込みの状況について
イ 第四期高齢者保健福祉計画と比較した整備状況及び介護基盤の着実な整備について
〔8〕 監査医務院の検案の取組及び東日本大震災後の被災地への派遣活動状況について
〔9〕 妊婦健康診査の未受診者等への取組及び不育症に悩む女性へのサポートについて
〔10〕 動物愛護について
ア 動物愛護相談センターの譲渡事業の実施状況及び都民への周知について
イ 同センターが実施する小学校における動物教室の状況及び都が委嘱する動物愛護推進員の活用について
〔11〕 平成22年度の救急医療情報キットの普及状況と区市町村への取組及びキット導入に向けた環境づくりについて
〔12〕 重症心身障害児(者)に対する支援について
ア 過去5年間の施設入所待機者の推移及び短期入所用の施設の確保について
イ 平成22年度の在宅療育支援事業の決算概要及びその評価について
ウ 児童福祉法及び障害者自立支援法の改正に伴う課題について
〔13〕 盲ろう者支援センターについて
ア 平成22年度の事業実績と地区交流会の対象及び東部・西部地区の盲ろう者の人数について
イ 訓練プログラムの内容について
ウ 多摩地域における生活技術向上学習会の開催に向けた環境整備と多摩分室の開設について
〔14〕 在宅療養について
ア 地域連携推進員配置事業に対する評価について
イ 病院と在宅スタッフの連携に向けた研修への取組及び職種間連携の強化について
〔15〕 アウトリーチ支援モデル事業について
ア 平成22年度のモデル事業の実施概要と効果について
イ 区との連携と評価及び西多摩以外の多摩地域における実施状況について
〔16〕 平成22年度における精神保健福祉センターの通所による支援の実施状況及び人材育成に向けた研修事業の取組状況について
〔17〕 都内の保健所におけるHIV検査の実績及び若者向けの感染予防の普及啓発について
(4)病院経営本部所管分
〔1〕 公社病院について
ア 平成22年度の収支状況と医業収支比率の前年度との対比及び決算内容の分析について
イ 経営状況の把握と経営向上に向けた取組について
ウ 収支に関わる経営指標以外の指標について
エ 病院の運営方法及び経営の指導・監督について
オ 平成22年度における東日本大震災の被災地に対する医療救護班の派遣実績について
カ 震災発生時の対応及び災害時における事業継続計画「BCP」と防災訓練への取組と課題について
キ 最新の技術を取り入れた更なるサービス向上への取組について
ク 休日夜間の救急搬送受入れ態勢の実態及び実績について
ケ 患者や家族の切なる声への対応及び病院関係者の接遇向上に向けた取組と指導について
〔2〕 豊島病院及び東部地域病院について
ア 平成22年度における豊島病院の収支及び運営費補助金の状況について
イ 経営向上の要因と病棟の状況について
ウ 平成22年度における東部地域病院のがん患者数及びがん医療の充実に向けた取組について
〔3〕 荏原病院について
ア 公社への移管当初と平成22年度との紹介率及び逆紹介率の実績の変化について
イ 亜急性期病床の地域の医療に対する効果及び開設後の稼働状況について
ウ 在宅復帰と転院への対応について
エ 産科の取組と現状について
オ 平成22年度の受入れ実績及び精神科医療の現状と課題の認識について
〔4〕 多摩北部医療センターについて
ア 平成22年度における小児科の実績及び課題について
イ 平成22年度における地域の自治体や医師会との連携で実施された運営協議会の成果と課題について
(5)教育庁所管分
〔1〕 都立高校改革の成果と課題及び新たな改革推進計画への取組について
〔2〕 防災教育について
ア 平成22年度の取組状況及び発災時の児童・生徒の安全確保の手段について
イ 防災教育を推進するための指導者の養成及び災害時に貢献できる人材の育成に向けた取組について
〔3〕 都立学校教育のICT化について
ア 情報機器の設置状況及び将来に向けたICT基盤のあり方について
イ 情報機器として活用できる学習コンテンツの平成22年度の蓄積状況と今後の方向性について
ウ 病気欠席中の生徒によるICT機器活用の有効性について
エ ネットワーク活用による教員の研修の効率化について
〔4〕 公立高校における授業料無償化について
〔5〕 都立高校における在京外国人生徒の入学枠の拡大及び応募資格から外れる生徒への配慮について
〔6〕 都立高校の自転車交通安全教育について
ア 平成22年度の自転車事故の件数及び前年度との比較について
イ 自転車交通安全教育の実践事例及び自転車事故を無くすための今後の取組について
〔7〕 都立学校における平成22年度の読書活動の現状及び読書活動の推進に向けた新たな取組について
〔8〕 都指定の文化財保存管理計画「東京モデル」の作成に向けた取組状況及び文化財建造物の保存について
〔9〕 35人学級編成の推進について
〔10〕 中学校の武道必修化について
ア 武道必修化に向けた取組について
イ 武道場の整備状況及び教員の指導経験の現状について
ウ 外部の武道専門家の活用及び指導者の育成について
〔11〕 公立小中学校の副校長の業務実態及びその改善について
〔12〕 江戸川特別支援学校の寄宿舎閉舎後の児童・生徒の状況及び併置校の教育条件の整備について
〔13〕 特別支援学校における医療的ケアについて
ア 医療的ケアを行わない常勤看護師の存在の指摘について
イ 関連する法律改正の概要と評価及び肢体不自由特別支援学校への影響について
〔14〕 都立学校における精神科医・産婦人科医派遣事業について
ア 事業の目的と取組及び平成22年度の実施状況と課題について
イ 外部講師による講演会実施に対する見解及び派遣事業の利用の募り方について
〔15〕 特別支援学校の生徒に対する基本的生活習慣の確立を目指した訓練の実施状況及びその充実に向けた取組について
〔16〕 肢体不自由特別支援学校におけるスクールバスの整備状況について
ア 目標通学時間及び乗務時間の実態について
イ 乗務員の資質の確保及び今後の取組について
第3分科会で行われた平成22年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。
平成23年10月28日
平成22年度各会計決算特別委員会
第3分科会委員長 長橋 桂一
平成22年度各会計決算特別委員長
斉藤 あつし殿
1 本分科会の設置及び審査の経過
(1)本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
・平成22年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
・平成22年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成22年度東京都農業改良資金助成会計決算
・平成22年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成22年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成22年度東京都と場会計決算
・平成22年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成22年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成22年度東京都都市開発資金会計決算
・平成22年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成22年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算
(2)本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
10月12日(説明聴取・資料要求)中央卸売市場、建設局、環境局
10月14日(説明聴取・資料要求)労働委員会事務局、産業労働局、港湾局、都市整備局
10月19日(質疑)中央卸売市場、環境局
10月21日(質疑)港湾局、都市整備局
10月24日(質疑)産業労働局
10月26日(質疑)労働委員会事務局、建設局
2 本分科会における質疑の概要
(1)都市整備局所管分
〔1〕 耐震化促進事業について
ア 耐震診断の義務化に対する建物所有者の反響について
イ 条例による沿道建築物の建て替え支援について
ウ 耐震化助成の執行状況と執行率向上のための取組及び区市町村の耐震診断助成制度の進捗状況について
エ マンションの耐震診断と耐震改修工事の補助引上げの状況及び非構造物の耐震化助成について
オ 液状化により被害を受けたマンションへの支援制度について
〔2〕 都営住宅について
ア 平成22年度の建替え事業に伴う創出用地の規模と活用状況について
イ 平成22年度のシルバーピアの新規戸数と全体に占める割合及び申込倍率について
ウ 単身高齢者の孤独死数及び高齢者の見守りへの取組について
エ 平成22年度の不正利用の件数と是正件数及び実態把握方法について
オ 平成22年度の入退去世帯数及び使用承継に関する相談について
カ 建て替えに係る誘導居住水準の向上について
キ エレベーターの設置が進まない理由及び未同意者の存在により設置に至らない住棟数について
ク 弾力的運用の対象となる住棟の考え方について
ケ 良好なコミュニティ維持と外国人入居者への対応について
〔3〕 商店街フラッグ広告事業について
ア 事業の社会的意義と仕組みについて
イ 平成21年度のモデル事業の理念及び平成22年度の検証を踏まえた見直しについて
ウ 広告収入の一部を充当できる公共的な取組の範囲について
エ モデル事業の経験を踏まえた街のにぎわいと都市景観の向上のための取組について
〔4〕 ホームドアについて
ア 平成22年度の設置状況及び1日乗降客数10万人以上の駅について
イ 10年後の東京の進捗状況及び新技術による課題克服について
〔5〕 外環ノ2について
ア 各区市における話し合いの会の開催状況について
イ 平成22年度の委託調査の内容と結果及び今後の検討の進め方について
〔6〕 八ツ場ダムについて
ア 平成22年度の整備状況について
イ 国土交通省の検証に際して求められた意見と回答及び正確な費用対効果の分析について
ウ 建設による治水の効果及び試験湛水期間について
〔7〕 木造住宅密集地域の改善について
ア 平成22年度の予算と取組実績及び改善が進まない原因について
イ 新たな防火規制の区域指定と建築規制緩和の状況及び理解促進について
〔8〕 駐車施設の附置義務について
ア 特定用途と非特定用途について
イ 小規模建築物への必要性及び地域内における駐車施設の集約について
ウ 耐震化への影響及び区と市の地域差と地域ルールについて
〔9〕 多摩ニュータウン事業について
ア 宅地販売の状況と好決算になった理由及び年度末の残宅地面積について
イ 平成23年度の販売状況と今後の見通しについて
〔10〕 総合治水対策における流域対策の基本的な考え方と整備目標及び平成22年度の取組状況について
〔11〕 平成22年度の「東京ユビキタス計画」実証実験の状況及び今後の取組について
〔12〕 特別緑地保全地区の指定促進補助制度の目的と平成22年度の執行状況及び緑保全の今後の取組について
〔13〕 東京都景観計画施行後の景観行政団体への移行の状況と効果及び今後の取組について
〔14〕 歴史的建造物の保全の取組状況及び平成22年度の助成事例について
〔15〕 被災後のマンション解体の課題について
〔16〕 鐘ヶ淵地区の沿道一体整備事業の取組状況について
(2)環境局所管分
〔1〕 世界遺産小笠原諸島の保全について
ア 平成22年度の外来種対策事業費及びこれまでの外来種対策の内容について
イ 外来種駆除やエコツーリズムの推進への地元団体の関与について
ウ 東京都認定ガイドの数及び質の向上について
〔2〕 緑施策について
ア 平成22年度における緑の指標調査の内容及び緑の増減要因の分析結果について
イ みどり率を指標としている理由とその数値について
ウ 緑の質に配慮した緑施策の推進についてエ平成22年度における校庭の芝生化の到達状況と今後の対策について
オ 校庭の芝生化と合わせた壁面緑化の意義と公立小中学校の実績について
カ 壁面緑化と緑のカーテンの違いについて
キ 校庭の芝生化とは別枠にした公立小中学校の壁面緑化の支援について
ク 屋上緑化の実績について
ケ 駐車場の緑化への取組と課題及び規制の強化について
〔3〕 保全地域制度について
ア 保全地域の指定状況と今後の指定のあり方及び公有化の状況と見通しについて
イ 東京グリーンシップ・アクションの実施状況と参加企業からの意見や要望について
〔4〕 土壌汚染対策法に基づく調査と手続きについて
ア 土壌汚染対策法の改正に伴う環境確保条例の改正内容について
イ 土壌汚染対策対象物質に対する指導と助言について
ウ 事業者が自主的に調査するケースの認識及び掘削して新たな土壌を入れ替えるケースと搬出土壌の把握について
エ 提出された土壌汚染状況結果の調査方法を確認する仕組みについて
オ 地下水汚染の指定調査機関における監視方法について
カ モニタリングによる区域指定の解除及び採水の確認方法について
キ 帯水層底面の汚染調査について
ク 粘土層又はシルト層50センチメートル以上が連続している条件の確認方法について
ケ 同法第12条第1項に規定されている届出の適用除外事例について
〔5〕 PCBについて
アJESCOにおける処理の進捗状況と期限までの完了への対応について
イトランスやコンデンサの劣化に対する対応について
ウ微量PCB汚染廃電機器等の把握について
エ微量PCBの処理施設の整備状況について
〔6〕 波力発電の実証実験の進捗状況及び今後の取組について
〔7〕 都レンジャーの配置状況と業務内容及び人材育成に向けた取組について
〔8〕 アイドリング・ストップに関する苦情相談件数及び周知・啓発について
〔9〕 カラス対策事業のこれまでの取組及び墨田区における現状について
(3)産業労働局所管分
〔1〕 商店街の支援事業について
ア 平成22年度の新・元気を出せ!商店街事業の実績と今後の取組について
イ 平成22年度における空き店舗解消のための事業の成果と実績に対する評価について
ウ 街路灯のLED化の支援の実績と補助の考え方及び周知方法について
エ 平成22年度の重点課題への貢献が期待できる取組に対する助成の実績について
オ 平成22年度の中小商業活力向上施設整備費補助事業の実績と成果について
カ 事業実施における区市町村との連携及び協力体制強化に向けた取組について
〔2〕 多摩産材の利用拡大について
ア 利用実績について
イ 川中対策と川下対策の現状について
ウ 主伐事業の実績及び平成22年度に搬出された多摩産材の活用方法と利用拡大に向けた取組について
〔3〕 就労支援事業について
ア 平成22年度のネクストジョブ事業の実績への評価について
イ 平成22年度の就職困難者緊急就職支援事業の実績及び今後の取組について
ウ 平成22年度における職業能力開発センターの奨励金を利用した障害者数について
エ 城東職業能力開発センターにおける平成22年度の応募倍率と職業訓練に対するニーズ調査の実施について
オ 区市町村と連携した実効性のある就職支援事業への取組について
〔4〕 高齢者の就労支援について
ア 高齢者雇用安定法第40条への対応について
イ 高齢者の仕事確保を支援している団体に対する配慮について
〔5〕 就職チャレンジ支援事業について
ア 決算数値に対する認識について
イ 民間事業者の指導及び就職支援の取組について
ウ 正社員採用助成金の利用促進への取組について
〔6〕 東京しごとセンターの利用実績の推移及びしごとセンター多摩の取組について
〔7〕 中小企業の金融支援について
ア リーマン・ショック以降の資金需要について
イ 平成22年度の制度融資の利用実績と特徴、新保証付融資の執行率低下の要因及び今後の取組について
〔8〕 都市農業について
ア 平成22年度の都市農業振興への具体的な取組について
イ 都内産農産物を使った学校給食への取組と支援について
ウ 放射性物質の影響について
エ 平成22年度の農地保全への取組について
〔9〕 外国人旅行者数の推移及び平成22年度の観光施策に係る新規事業の取組について
〔10〕 賑わい創出事業の実績と今後の取組について
〔11〕 平成22年度の知的財産保護への支援の実績について
〔12〕 平成22年度の新製品・新技術開発助成事業の実績について
(4)中央卸売市場所管分
〔1〕 と場会計における施設整備費の予算執行率の状況及び良好な施設環境を整備するための効果的な予算執行について
〔2〕 芝浦と場及び食肉市場における衛生対策の状況について
〔3〕 芝浦と場の整備と運営及び市場の衛生管理とより広い視野に立った今後のあり方について
(5)建設局所管分
〔1〕 都立公園について
ア 指定管理者の変更があった公園と引継ぎについて
イ 指定管理者の評価と選定への反映について
ウ 防災対策としての施設整備について
エ 災害用トイレの種類と設置の考え方及び防災公園における設置状況について
オ 防災公園の類型及び整備の実績と完了時期について
カ 武蔵野中央公園の類型と整備内容について
〔2〕 不法係留船対策について
ア 船舶の係留保管の適正化に関する条例施行後の取組と成果について
イ 適正化区域と重点適正化区域の指定及び係留保管施設の確保に対する認識について
ウ 東部地域における不法係留船の適正化に向けた取組について
〔3〕 スーパー堤防事業について
ア スーパー堤防の整備区間及び平成22年度の事業目的について
イ 隅田川における土地区画整理事業と併せた事例について
ウ 住民の合意形成を図る方法について
エ 国の事業との違い及び都市計画法との関係について
オ スーパー堤防整備と河道整備の選定基準について
〔4〕 豪雨対策について
ア 中小河川の整備率及び平成22年度の整備内容について
イ 中小河川整備の基本的な考え方と今後の進め方について
ウ 豪雨・洪水被害から人命を守るためのソフト面の取組について
〔5〕 河川の耐震化について
ア 東部低地帯の河川施設の耐震化と執行状況について
イ 平成27年度までの耐震化目標と課題について
ウ 高潮防御施設の整備状況と平成22年度の執行状況及び完成の見通しについて
エ 江東内部河川の実績と平成22年度の執行状況及び見通しについて
〔6〕 京成電鉄押上線連続立体交差事業について
ア 現在の進捗状況と完了の見込みについて
イ 京成曳舟駅利用者の実態調査の概要と結果について
〔7〕 補助第74号線の整備について
ア 現在の整備状況について
イ 鉄道交差部の工事方法について
ウ 沿道利用者の立場に立った整備について
〔8〕 放射第25号線の用地取得の状況と今後の進め方について
〔9〕 江東内部河川の整備状況及び防災船着場の利用について
〔10〕 江東区内の都道に架かる橋りょうの耐震化について
〔11〕 島しょ地域の振興に寄与する道路整備について
ア 都道における斜面の安全対策と平成22年度の道路・橋りょうの整備状況について
イ 八丈島都市計画道路と大島の五郎川橋(仮称)の整備状況について
(6)港湾局所管分
〔1〕 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の貨物取扱いへの影響について
ア 海外からの寄航及び日本船の入港が拒否された事例について
イ 外貿コンテナ貨物取扱量への影響について
〔2〕 防災力の強化について
ア 東日本大震災当日の対応と改善点について
イ 耐震強化岸壁の整備状況及び液状化対策について
ウ 震災時における効率的な貨物取扱いに向けた取組について
エ 海岸保全施設整備の意義と平成22年度の防潮堤・水門等整備の取組状況について
オ 東京港の津波・高潮対策としてのハード面の取組について
カ 東日本大震災発生時の陸こうの状況と閉鎖の方法について
キ 陸こう開閉の委託内容及び閉鎖の遅れに対する認識と教訓について
〔3〕 京浜三港の広域連携について
ア 国際コンテナ戦略港湾としての東京港の果たす役割とこれまでの取組ついて
イ 釜山港との取扱量の差について
ウ 貨物集荷力の強化に向けた事業者への働き掛けについて
エ 東京港埠頭株式会社の経営努力に対する評価及び更なるコスト縮減への取組について
〔4〕 東京港第7次改訂港湾計画における港湾施設の整備と道路ネットワークの進捗状況について
(7)労働委員会事務局所管分
質疑なし
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