平成二十二年度各会計決算特別委員会第一分科会速記録第六号

平成二十三年十月二十六日(水曜日)
第十一委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長神野 吉弘君
副委員長村上 英子君
副委員長大津 浩子君
小林 健二君
中屋 文孝君
中山 信行君
山口  拓君
野上ゆきえ君
吉田 信夫君
田中たけし君

 欠席委員 なし

 出席説明員
監査事務局局長塚本 直之君
監査担当部長長谷川 研君
青少年・治安対策本部本部長樋口 眞人君
総合対策部長中村 長年君
青少年対策担当部長山中 康正君
治安対策担当部長伊東みどり君
総務局局長笠井 謙一君
危機管理監醍醐 勇司君
理事塚田 祐次君
総務部長山手  斉君
訟務担当部長和久井孝太郎君
復興支援対策部長砥出 欣典君
復興支援調整担当部長野口 一紀君
行政改革推進部長土渕  裕君
情報システム部長長澤  徹君
首都大学支援部長皆川 重次君
人事部長中嶋 正宏君
労務担当部長内藤  淳君
主席監察員長谷川 均君
行政部長岸本 良一君
多摩島しょ振興担当部長事業調整担当部長兼務榎本 雅人君
区市町村制度担当部長堤  雅史君
総合防災部長村松 明典君
企画調整担当部長箕輪 泰夫君
統計部長荒井  浩君
人権部長並木 勝市君

本日の会議に付した事件
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
監査事務局関係
・平成二十二年度東京都一般会計決算(質疑)
青少年・治安対策本部関係
・平成二十二年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・平成二十二年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十二年度東京都特別区財政調整会計決算(質疑)
・平成二十二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)

○神野委員長 ただいまから平成二十二年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、監査事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより監査事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○神野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○神野委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都一般会計決算中、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○山口委員 それでは、非行少年の立ち直り支援についてお伺いしたいと思います。
 昨年の都内における刑法犯認知件数は十九万五千九百七十件と、八年連続で減少し、昭和三十二年以降初めて二十万件を下回りました。これは警視庁、東京都を初め、企業、都民、NPO等、さまざまな立場の方々が懸命の取り組みを行ってきた結果であり、関係者の皆様に心から敬意を表する次第であります。
 しかし、平成二十二年八月に実施された都民生活に関する世論調査では、都政への要望の第一位が七年連続して治安対策となるなど、いまだ都民の体感治安の十分な改善には至っておらず、引き続き、治安情勢に応じた対応、対策を推進する必要があると感じます。
 こうした中、青少年・治安対策本部の設置の経緯の中で、治安問題の根底には青少年の問題が深く関連しているという考え方があったと聞いております。すなわち、青少年問題は、青少年の健全育成だけでなく、治安対策を考える上でも重要であると思われますので、本日はこういった視点から青少年問題、とりわけ非行少年の立ち直り支援について、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、最近の少年非行の情勢がどのようになっているのかについてお伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 警視庁の統計によりますと、平成二十二年中に都内で検挙された刑法犯の犯罪少年は八千四百三十四名、前年と比べまして二百十九人、二・五%減少いたしました。
 しかし、初発型非行の一つとされている万引きの検挙人員が、前年と比較して三百四十八人、七・七%増加して四千八百五十七人となっております。また、路上強盗、ひったくり、オートバイ等車上ねらい等の街頭犯罪に占める少年の割合が三七・三%と高水準で推移しているほか、再犯者の割合が二八・二%となっております。少年非行の情勢は依然として厳しい状況にあります。

○山口委員 都内における少年非行の情勢が、依然として深刻な状況にあるということがわかりました。
 ところで、私自身もNPO法人を設立して、地元でもある世田谷区を初めとして、都内各地において落書き消しの活動を、環境浄化活動に取り組んでいるわけであります。落書きが放置されている地域というのは、美観を損ねるだけではなくて、まちが荒れ、地域住民の防犯に対する意識が希薄であるという印象を与え、犯罪を誘発しやすくなるもので、これは治安問題につながる活動として行っております。
 都においても落書き消去活動を支援するための取り組みも行われていますが、こうした取り組みは現場において活動している私たちにとっても、大変これはありがたく思うところであります。
 非行少年の立ち直り支援についても、少年自身の更生を促すだけではなくて、少年が再犯の道に陥ることを防ぎ、将来の犯罪発生を予防するという点で、環境浄化活動と同様の側面を有するのではないかと考えております。
 そこで、都では厳しい非行情勢を受け、非行少年の立ち直り支援としてどのような活動を行われているのか、お伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 平成十八年の第二十六期青少年問題協議会の答申、少年院等を出た子どもたちの立ち直りを、地域で支援するための方策についてにおいて、少年院等を出た子どもたちに対して地域社会が適切な支援を行うことが、再犯を防ぎ、将来の犯罪発生を予防するとともに、少年を地域社会の一員として迎えるために必要であると指摘されております。
 こうした指摘を踏まえ、都においては、保護司との連携を図りながら、地域社会において少年に対する支援を実施していくことが重要であるとの考え方のもと、少年院出院者の立ち直りを図るための保護司活動支援協議会を設立し、関係機関、団体と保護司との意見交換等を行っているほか、関係機関、団体の就学、就労、福祉等に関する相談窓口等を掲載したガイドブックの作成配布、相談対応や居場所提供を目的とした非行少年立ち直り支援ワンストップセンターぴあすぽを世田谷区内で運営するなどしております。

○山口委員 私自身が行っている落書き消去活動、都でも行われているわけでありますが、環境浄化だけではなく、犯罪発生の予防という効果があると先ほども申し上げましたが、実はもう一つ大きな意味があると考えております。すなわち、この落書き消去活動のような地域社会に貢献する活動に取り組んでもらうことによって、参加する人たちが人の役に立てるという実感をできるというものであります。地域社会からの疎外感を抱いていると思われるこの非行少年が、こうした感情を持てるようになることは、立ち直りに際して非常に重要ではないかと考えますが、非行少年の立ち直りのための社会貢献活動への参加についてお伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 平成二十二年度の区市町村青少年立ち直り支援モデル事業において、非行少年が社会貢献活動に参加した事例がございます。
 具体的には、モデル事業を実施した大田区の事例でございますが、さまざまな問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が健全に成長していくのを支援するボランティア団体等と連携して、非行少年にごみ拾いをしてもらったというものでございます。参加した非行少年の一人は、こうした若者たちとの交流を深め、その後もそのボランティア団体の活動に継続的に参加するようになりました。
 社会貢献活動に非行少年を参加させることは大変意義があり、今後とも非行少年に対する立ち直り支援を行う上で、こうした活動が取り入れられるようにしてまいります。

○山口委員 ところで、先ほどご答弁いただいた中で、私の地元であります世田谷区で運営をされている、非行少年立ち直り支援ワンストップセンターぴあすぽを紹介していただいたわけでありますが、私も非行少年が立ち直るためには、少年の就学、就労、生活全般の悩みに対する適切な対応と、自身の将来について落ちついて考えることのできる居場所が必要であると考えます。
 そこで、これまでにこのぴあすぽがどのような成果を上げてきたかについて、お伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 非行少年立ち直り支援ワンストップセンターぴあすぽでは、青少年問題に取り組んでいるNPO法人と連携して、非行少年の悩みや将来についての面接相談等の生活自立支援、学習支援や学校見学への同行等の就学支援、しごとセンターへの同行や面接の練習等の就労支援等を実施しております。
 平成二十二年度の相談支援件数は延べ七百五十四件であり、その中には、学習支援や面接の練習等の支援を行った結果、高校進学を希望する少年を高校進学に結びつけた事例もございます。

○山口委員 この非行少年立ち直り支援ワンストップセンターぴあすぽは、非行少年の立ち直り支援にとって非常に重要な役割を果たしており、今後、その拡充が必要であると感じ、考えるところであります。
 このぴあすぽは、NPO法人と連携をして運営を行っているということでありますが、私もNPO法人を運営している一人として、経験を通じて、犯罪に限らず、災害、教育、環境、介護等のさまざまな分野において、行政や企業だけではなく、NPO、市民活動と連携して対応する必要があると考えます。これは、限られた行政資源の有効活用につながるだけではなくて、都民の視点に立ったさまざまな活動が活性化をすることにもつながるものと考えます。
 そこで、こうしたNPO等と連携した少年非行に対する取り組みを活性化するための都の取り組みについて、最後にお伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 都では、都民等を対象に、立ち直り支援に携わる人材を育成するセミナーを実施しているほか、こうした支援に関心を持ってもらうための講演会を実施するなど、都民が主体となって立ち直り支援を担ってもらうための取り組みをいたしております。
 都においては、今後ともNPO法人を初めとする多様な主体と協働し、地域社会における非行少年の立ち直り支援のための取り組みを推進してまいります。

○中屋委員 私の方からは、自転車通行について何点かお伺いさせていただきます。
 自転車は東日本大震災を機に、交通が途絶したときの移動手段として改めて注目されました。一方、最近はブレーキを外したピスト自転車の問題などが大きく報道されるなど、自転車による事故の危険や、利用者のマナーの問題に対する都民の関心が大変高まってきております。
 そこで、平成二十二年度の自転車の交通安全対策のための主な取り組みについてお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 平成二十二年度には、まず五月に、自転車安全利用TOKYOキャンペーンとして、都内の幼稚園等の全保護者と、小中高校の全児童生徒向けに啓発用リーフレットを配布したほか、銀座柳まつりでスタントマンを活用して事故を再現し、自転車事故の恐ろしさを知ってもらう交通安全教室を実施いたしました。また、九月にも、秋の交通安全運動に先立って、新宿駅前で同様の交通安全教室を実施いたしました。
 さらに、幼児二人同乗用自転車の普及と安全利用の促進を図るため、幼児の保護者を対象とした自転車安全教室を、区市町村と協力して十回開催しております。

○中屋委員 幼児を持つ母親と、学校に通う子どもたちに対するルールやマナーの啓発を中心に取り組んできているとのことでありますけれども、自転車の交通事故の推移と年齢別の状況はどうなっているか、お伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 自転車の年間の交通事故の推移といたしましては、警視庁の統計によりますと、平成十三年から平成二十二年までの十年間で、事故件数は二万八千八十件から二万一千三百二十五件と、六千七百五十五件、約二四%減少しており、死者数は五十三人から四十一人と、十二人、約二三%減少しております。
 しかし、交通事故全体が急速に減少する中で、自転車が関与する事故の割合は、事故件数で約三〇%から三六%、死者数で約一五%から一九%に上昇しております。年齢別では、昨年は事故件数で二十代が最も多くて約二〇%、次いで、三十代が約一八%となっております。死者数では、六十五歳以上の高齢者が約三四%で最多となっております。二十歳未満の死者はございませんでした。

○中屋委員 今のご答弁ですと、二十未満の死者がなかったということですね。余りなかった、少なかったと。子ども向けに行ってきた教育啓発活動に一定の、私は効果があったんだというふうに思います。
 事故の状況を踏まえますと、今後の課題は二十代、三十代の事故の抑制と、高齢者の死亡事故予防ということになると思います。まず、二十代、三十代に対してはどのような啓発活動を行っているのか、お伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 今年度は新たな取り組みとして、二十代から三十代を主なターゲットとした広報啓発用映像を制作し、JR東日本のトレインチャンネルなどを活用して、通勤者向けに安全利用の啓発を実施する予定でございます。
 具体的には、JRの中央線及び京浜東北線、東京メトロの有楽町線など六路線内で、原則として車道の左側を通行すべきことなど、自転車に関するルールやマナーの遵守を訴えてまいります。

○中屋委員 ルールやマナーの啓発というのはとても重要だと思うんです。
 今、よく見かけるんですけれども、今現在、原動機付自転車、いわゆる原付オートバイですね。これは大きな道路だと二段階右折というのが義務づけられていると思うんです。しかし、今いったように、原付が二段階右折なのにもかかわらず、自転車が、いわゆる配達の自転車だとか、よく外国人もおりますけれども、そういう人たちは四輪のいわゆる車両、車と一緒に右折ラインに入って右折をしていってしまうと。これは非常に危険だと思うんですね。オートバイが二段階右折しているのにもかかわらず、自転車が車両と一緒に右折をしていっちゃう。これはもう非常に危険だと思うんですね。見つからなければいいだろうと、これくらいならいいだろうと、こういう考えが大きく働くんだろうと思うんですけれども、これはやはり事故を招く大きな原因になると思いますので、ぜひしっかりとそのルールやマナーの啓発に取り組んでもらいたい、こう思います。
 次に、高齢者の死亡事故の予防対策としては、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 これまで高齢者対策としましては、スクリーン上で道路横断時の危険を模擬体験できるシステムを活用した交通安全教育など、主として歩行者対策として実施してまいりました。
 今年度から、自転車乗用中の活用を含め、衝撃吸収材が内装された帽子、通称セーフティーキャップといっておりますけれども、その紹介活動を試験的に実施しております。九月から東久留米市シルバー人材センターの高齢者モニターとして使用していただき、使い勝手や効果などについてご意見をいただくこととしております。この結果を見ながら、今後、高齢者を対象として、頭部保護の必要性を訴えながら、情報提供を行ってまいります。

○中屋委員 今ご答弁ありましたように、その対策はぜひ進めていただきたいと思います。しかし、東京都が単独でできることではありませんから、その辺はよくこれから連携をとっていただきたいと思いますが、通勤者なら民間企業、高齢者なら区市町村の取り組みと、いわゆる連携をとってもらう。それぞれのお互いの役割分担を明らかにしつつ、連携して取り組んでいただきたいと、このように思います。
 冒頭に述べましたとおり、大震災を機に自転車が注目をされています。今後ますます利用が拡大していくとするならば、安全対策の充実は急務であります。そこで、自転車施策の一層の充実に向けまして、本部長のお考え、決意を最後にお伺いして質問を終わりたいと思います。

○樋口青少年・治安対策本部長 自転車は、子どもから高齢者まで幅広く利用できる便利で手軽な乗り物であります。それだけに、その安全利用に向けた対策を進めるに当たりましては、ご指摘のとおり、民間事業者や区市町村等の幅広い連携のもとに取り組みを進めていく必要があると考えております。
 このため、本年六月には、警視庁を初め関係各局のほか、区市町村、交通安全協会等の関係団体や業界団体の参加を得て、自転車総合政策検討委員会を設置し、自転車政策の総合的な検討を行っております。
 都といたしましては、多くの方々のご意見を伺いながら、都、区市町村、民間の役割分担を踏まえ、関係各機関が連携して、自転車のさまざまな課題に取り組む仕組みづくりに向けた検討を行うなど、総合的な自転車政策の構築に取り組んでまいります。

○中山委員 ひきこもり対策と集中的な渋滞解消策の二点について質問させていただきます。
 最初にひきこもり対策ですが、青少年・治安対策本部の一般会計決算説明書の一五ページに記載されております、若年者自立支援事業の平成二十二年度支出済額二億六百四十万五千円余に含まれるものであります。ひきこもり対策それ自体としては、一億四千五十四万九千円余の支出済額であったと伺っております。
 都は平成十九年度に、五十九団体のNPO法人を対象に、若者自立支援活動の実態についてのヒアリングを実施され、その成果をひきこもり等の若者支援プログラム事業の素案としてまとめ上げた上で、平成二十年度からの三カ年で検証作業に取り組み、ちょうど平成二十二年度がその最終年度に当たるそうであります。
 私は平成二十二年三月十五日の予算特別委員会におきまして、ひきこもり対策について質疑し、都がNPO法人を区市町村が安心して協働できるようなパートナーに育て上げるため、その運営の自立化、安定化を導くよう求めました。当時の倉田本部長からは、同プログラムの普及、定着などを通し、区市町村が協働できる良質なNPO法人等を社会基盤として育成していく旨、ご答弁をちょうだいしました。まさしく、ひきこもり等の若者支援プログラム事業は、ひきこもり対策の進展に必要な地域の支援、地域のリソースを育てるためのものでありますが、まずひきこもり等の若者支援プログラム事業とはどういうものか、確認の意味でお伺いします。

○山中青少年対策担当部長 ひきこもり等の若者支援プログラム事業とは、NPO法人等が実施するひきこもり支援に関して、目指すべき方向性や支援方法等の枠組みを確立する事業でございます。支援の枠組みは、訪問相談支援、自宅以外の居場所の提供、社会参加への準備支援の三種類から成っておりまして、これに基づき、平成二十年度から二十二年度にかけて四つのNPO法人が、ひきこもり等の状態にある若者やその家族を支援いたしました。
 これらの支援の実施状況の検証を通じて、平成二十二年度末に効果的なひきこもり等の若者支援プログラムを確立いたしました。

○中山委員 予算特別委員会での質疑でも触れましたが、いわゆるひきこもりの現象は、日本やアジアの一部に限定される事象とされてきたものが次第に世界的な広がりを見せております。呼び名も、HIKIKOMORIというローマ字表記の共通語だけでなく、各国独自の呼び名が生まれる現状にあります。私が予特審議の中で専門家の取り組みを紹介した新聞報道を通じて、その国独自の呼び名を紹介した国だけでも、韓国、オーストリア、カナダ、イタリア、イギリス、アメリカ、ドイツと多岐にわたっています。
 いずれにしても、ひきこもり対策は日本が先進国で、ひきこもりの増加に悩み始めた世界の国々も、日本とりわけ東京での取り組みの成果に大きな期待を寄せているものと考えます。
 都は平成二十二年度までの三カ年の検証作業を通じ、効果的な支援プログラムを確立したとのことですが、支援の実施状況の検証を通じて、ひきこもりの若者や家族への支援に当たってはどのような取り組みが必要不可欠であると判明したのか、お伺いいたします。

○山中青少年対策担当部長 若者本人と直接接触を持つことが困難な場合には、家族を対象としたセミナーや交流会などを行うことで、ひきこもりに対する家族の理解が深まり、本人への支援を開始できた事例がございました。このことから、家族支援は効果が期待される支援形態であるということがわかりました。
 また、月に二、三回、自宅以外の居場所に通い、スポーツ等に参加することで、徐々に自信を回復した後、居場所の利用と並行して就労支援機関の面談に通えるようになった事例がございました。このことから、支援の目標を当初から就労、就学に限らず、少しずつ社会参加を促していく多様な取り組みの必要性が明らかとなりました。
 以上のような実践を踏まえ、ひきこもり等の若者支援プログラムを確立したところでございます。

○中山委員 検証を通じ、家族の理解を深めることが本人への支援の開始につながること、そして、就学、就労といった成果を短兵急に求めるのではなく、まずは家庭以外の居場所を本人に提供することが重要であることなどをプログラムに盛り込んだという旨のご答弁だったと思います。その点、私も全く同感であります。
 それでは、都は苦労の末に確立したひきこもり等の若者支援プログラムを、今後どのように活用していくのか、お伺いいたします。

○山中青少年対策担当部長 若者の支援を実施するNPO法人等に対しまして、ひきこもり等の若者支援プログラムを普及定着することにより、一定水準以上の支援を行う能力を有する支援団体を増加させてまいります。
 具体的には、支援プログラムに沿った支援事業を、NPO法人等が適正かつ継続的に実施することができるかを評価いたしまして、東京都として登録するとともに、登録制度に参加するNPO法人等の技術面、経営面をサポートする事業を行います。
 今年度は、四団体が登録団体としてひきこもり支援を実施しております。都では、都民が安心して利用でき、区市町村が安心して協働することのできる支援団体として、これらの団体を周知し、活用を促してまいります。

○中山委員 初年度であります平成二十三年度の登録団体となった四団体は、もともと都が実施した三カ年の検証作業に参画、協力した団体なわけですから、活動内容や経営面の安定性がすぐれているのも、ある意味当然かと思います。
 問題は、これからより多くの団体にこの登録制度に挑戦してもらって、良質なNPO法人として活動してもらわなければなりません。そのためには、挑戦しようとする団体への支援、インセンティブが重要であり、これがある程度魅力的でないと、登録団体制度の広がりの先行きが見えてきません。登録されたNPO法人等には、技術面、経営面でのサポートを行うとのことですが、技術面、経営面のサポートの具体的な内容についてお伺いいたします。

○山中青少年対策担当部長 登録を受けることを目指す団体を研究団体として選定いたしまして、ひきこもり等の若者支援プログラムに沿った支援事業を実施する体制を確立するための費用を一年間助成いたします。今年度は五つの団体が研究団体となっております。
 また、支援プログラムに定める訪問相談支援に取り組む研究団体等の支援員を対象に研修を実施しております。このほか、登録団体及び研究団体に対しまして、支援技術、経営両面についての専門家による助言、ニーズに応じた勉強会等を行います。

○中山委員 助成金を出していることはすごいことだと思います。支援技術や経営面での助言、研修等を含めて、本年度研究団体として登録団体への挑戦を開始された五団体が、何とか登録資格を得られることを願っております。
 登録制度によって、ひきこもり支援を行うNPO法人等がふえることは大変よいことなんですが、広く必要とする都民にご利用いただくためには、身近な区市町村とNPO法人との連携が欠かせません。また、ひきこもり等の若者支援プログラムが適正に実施されているかどうか、また、ご利用者に喜ばれ、連携する区市町村から感謝されるような取り組みが行われているか、登録後も確認する必要があります。
 そこで、登録団体と区市町村との連携、登録団体の事業実施状況の把握の両面での都のフォロー体制について、お伺いしたいと思います。

○山中青少年対策担当部長 区市町村からの要望がある場合には、安心して協働することのできるひきこもり支援団体として登録団体の紹介等を行い、活用を促進してまいります。また、登録団体に対しては、どのようなサポートを希望するか等につき、適宜ヒアリングを行うとともに、定期的にひきこもり等の若者支援プログラムの実施状況を把握しております。さらに、登録団体となってから三年を経過した際には、再度支援事業の評価を行い、更新の可否を判断することといたしております。

○中山委員 登録団体となった後も、三年ごとに活動状況をチェックし、登録資格の更新の判断の目安とするなど、制度の信頼性を高める工夫を念入りに講じている点を評価したいと思います。
 ひきこもりに至る原因、プロセスは多種多様でありましょうが、本人が効果的な取り組みに進んで参加できない状態になるという点では共通しております。その意味で、ひきこもり状態に悩んでいるのは、本人もそうなんでしょうけれども、場合によっては、本人以上に家族が苦しんでおります。都が家族支援の重要性に着目したことはまことに重要で、まずは長くつらい思いを続けてきた家族の精神的負担を軽減し、その孤立感を、孤独感を解消することが大切だと思います。この点だけでもご家族には喜んでもらえると思います。
 その上で、なかなか会えない本人に、会えるまで粘り強く取り組んでくださるわけですから、本当にありがたい取り組みであります。ようやく本人と会えてコミュニケーションの進展を図ることができた後、中には、精神医療の専門的治療やカウンセリングの機会へとつなげなければ、解決の糸口が見えそうにないケースに出会うこともあると思います。ひきこもり対策に動いてくださるNPO法人等が、何も自力で精神医療の専門家を用意する必要はないと思います。NPO法人が気軽に相談できる精神医療の専門機関とのマッチングを進めること、精神医療の専門機関による治療が必要なケースであるなということを見抜く眼力を培う点などにおいて、都が貢献を果たすべきと考えます。
 また、登録後のNPO法人等が、漏れなく適量に区市町村からの委託を受けて、ひきこもり対策に従事する活動の機会を得ていただく必要もあります。そのためのマッチングも丁寧にお願いしたいと思います。登録団体がスキームどおりに機能していくのであれば、家族面談に始まる、すそ野が広く、手間暇のかかる作業に粘り強く取り組んでくださるNPO法人等を活用したいと考える区市町村はふえるものと考えます。樋口本部長のもと、ひきこもり対策が一層の前進を見せますことを期待しております。
 続きまして、平成二十二年度の集中的な渋滞対策についてお伺いをいたします。
 一般会計決算説明書の一五ページによりますと、同項目の支出済額は三億一千五百四十六万九千円余となっております。
 本対策は、平成二十年度からハイパースムーズ作戦と銘打ってスタートしたもので、東京都、警視庁、東京国道事務所が連携し、今ある道路空間を活用して即効性のある渋滞対策を行おうとするものであります。青少年・治安対策本部が幹事となって、局横断的に進めていると聞いております。
 まず、平成二十二年度の対策路線と対策内容についてお伺いをいたします。

○伊東治安対策担当部長 平成二十二年度は、まず、環八通りにおきまして、世田谷、杉並区内では、交通量を予測して最適な信号制御を実施する需要予測信号の設置、板橋区内では、交通情報板の設置を行っております。また、青梅街道においても同様の対策を行いました。
 さらに、環七通りでは、足立区内で、通行区分を明確にして交通流の円滑化を図る区画線変更工事を行っており、また墨堤通りにおいても、交通量の多い車線の幅員を広げて交通流の円滑化を図る区画線変更工事を行っております。
 このほか、世田谷通りと甲州街道においては、信号調整を実施いたしました。

○中山委員 都内各地、特に足立区での取り組みに感謝したいと思います。
 今後も各要所で対策が進んでくると思いますが、都民の期待を正しく広げていく意味でも、本事業における対策の効果についてお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 ハイパースムーズ作戦では、路線ごとにできるだけの対策を行い、対策の終了した路線について効果測定を行うこととしております。
 平成二十二年度につきましては、事業開始後最初の対策終了路線となった靖国通りにおいて、効果測定を実施いたしました。靖国通りにおいては、需要予測信号と交通情報板の設置を行っております。測定結果としましては、ピーク時旅行速度について、特に渋滞の激しかった下り、すなわち千葉方面に向かう道路で、対策開始前の平成十九年比で約二七%の上昇となっております。

○中山委員 三割近い成果が上がっているということでございますので、効果が上がっていると思います。今後も円滑な事業執行に努めていただきたいと思います。
 これまでご答弁にありました需要予測信号などでは、ITS技術を活用して、交通渋滞の解消を図る施策であると聞いております。ITSとはインテリジェント・トランスポート・システムの略で、最先端の情報通信技術によって人、道路、車両の間で情報をやり取りし、事故抑制や渋滞解消などを目的とする新しい交通システムのことであります。
 東京でITS世界会議が行われることになっているとお伺いしておりますが、開催に向けた平成二十二年度中の準備状況についてお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 ITSとは、委員おっしゃいましたとおりに、最先端の情報技術を用いて、渋滞解消や交通事故の抑制を目指す高度道路交通システムでございますけれども、その活用を目指すITS世界会議東京二〇一三は、平成二十五年十月に東京ビッグサイトを主な会場として開催される予定となっております。
 平成二十二年度は、十月に世界会議の日本組織委員会が設立され、開催基本計画の策定などが行われました。東京都も開催都市としてこの組織委員会に参加しております。また、同じく十月に釜山で行われた世界会議に、二〇一三年の世界会議開催都市として参加し、東京会議のPR活動を実施いたしました。

○中山委員 ことし発生しました東日本大震災の際には公共交通が途絶し、首都高速が閉鎖になったこともあって、都内全域で大渋滞が発生しました。一方で、ITS技術が被災地の支援活動に役立った例もあると聞いております。
 このITS技術の活用を図るというハイパースムーズ作戦の性格を考えれば、今後の展開に当たって、災害発生時の対応を視野に入れ、関係機関と連携しながら取り組む必要があると思います。都の所見をお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 東日本大震災の際には、民間団体であるITS Japanが、自動車から発信された走行地点等に関する情報、いわゆるプローブ情報を活用して、被災地で前日に自動車の通行実績のあった道路、すなわち通行可能と考えられる道路のマップを作成、公開し、被災地の支援活動に貢献したと聞いております。
 ITSは今後も発展していく技術であり、災害時の対策においても活用できる可能性があると考えられます。今後もさまざまな関係機関と協力し、渋滞対策に取り組むことはもとより、災害時のITSの活用についても、技術の進展状況の把握に努め、適切に対応してまいります。

○中山委員 私も、東京で開催されるITS世界会議のパンフレットをちょうだいしまして、見させていただきました。東京ビッグサイトを主会場に、東京国際フォーラムでも会場として開催されるということで、これはなかなか大変なことですね。会場に行くまでに渋滞に遭っちゃったというと大変なことになっちゃうので、かなりのプレッシャーがかかるんじゃないかと思いますけれども、ぜひ被災地の支援に役に立ったという点を活用していただいて、東日本大震災から立ち直る日本の技術力で、世界に向けて発信していただきたいというふうに思います。
 これまでに経験のない取り組みだけに困難も多いと思いますけれども、極めて重要な課題に取り組まれていると思いますので、一歩ずつ着実な前進をお願い申し上げます。
 以上です。

○小林委員 私から二点お伺いさせていただきます。
 初めに、安全・安心のまちづくりの推進についてお伺いいたします。
 犯罪を未然に防止する施策は、警察を初め行政が責任を持って取り組んでいかなければなりませんが、地域の方々による防犯パトロールや防犯カメラなどの防犯整備が、地域の安全・安心に果たす役割も大変に重要であります。
 私も地元練馬区の町会、自治会の方や若いお母様方から、防犯対策を初め、安全で安心のできるまちづくりへのご相談やご意見をたくさんちょうだいいたしております。また、私が住んでおります町会の防犯の責任者の方は、ご年配の方ではありますが、常に地域を見回り、危険なところはないかを調査され、町会の皆さんに防犯を呼びかけておられます。その姿は本当に真剣そのものであり、私も多くのことを学ばせていただいております。
 防犯対策は都民の皆さんにとっては重要な関心事であり、地域でこのように頑張っている陰の功労者がいらっしゃることに感謝しつつ、都としても、それらの取り組みに積極的に支援をしていく必要があると考えます。
 都は昨年度より新規事業として、地域における見守り活動支援補助事業を始められましたが、この新たな事業をスタートした趣旨をお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 都は、安全で安心して暮らせるまちづくりには、地域が主体となって行う防犯への取り組みが重要であると考えており、これまで、防犯設備の整備に対する区市町村補助事業や、繁華街等における体感治安の改善事業により、防犯カメラ等の防犯設備整備や防犯パトロール活動等の経費を補助しております。
 これらの事業の多くは、繁華街を含めた商店街が中心の取り組みとなっておりますが、さらに住宅地にも取り組みを広めていくため、平成二十二年度から、町会、自治会が商店会等の他の地域団体と連携した安全・安心まちづくりを支援する、地域における見守り活動支援補助事業に取り組んだものでございます。

○小林委員 今までの取り組みをベースとして、さらに広範な取り組みを進めていくという視点は非常に大事であります。この新規事業の取り組みも、安全・安心なまちづくりの推進における大きな前進であるというふうに思います。
 商店街や町会などの地域団体が連携していくことは、より効果が期待できる取り組みであると思いますが、にぎわいを求める商店街と、静かな住環境を求める町会、自治会などが連携をしていくには、さまざまな調整が必要になってくるとも考えられます。
 そこで、地域における見守り活動支援補助事業における防犯設備整備の実績について、補助した地域の数や事業の内容を含めて確認させていただきます。

○伊東治安対策担当部長 平成二十二年度における、地域における見守り活動支援補助事業の防犯設備整備の補助実績については、予算現額四千五百万円に対して、総補助額は四千二百六十四万八千円、執行率は九四・八%でございます。
 九区市から申請された計十六地域において、合計二百七十三台の防犯カメラの整備に対して補助を行いました。

○小林委員 ありがとうございます。この事業開始の初年度において、今ご答弁にもありましたように、高い実績が数字の上でもあらわれておりますので、それだけ地域の方々の高いニーズがあるものと思います。今後とも現場の声を吸い上げながら、地域の皆さんに喜んでいただけるような取り組みを推進していただきたいと思います。
 また、同じく昨年度の新規事業として、地域の子ども見守り活動を支援するリーダーの育成を目的として、東京都子供見守りボランティアリーダー育成講座を開設されたと聞いております。
 防犯対策はハード面だけではなく、それを推進していく力ある人材の育成も必要になってまいります。防犯パトロールや子ども見守り活動などの地域活動においては、地域の人たちをまとめ活動を継続していくために、さまざまな苦労が伴うと思いますので、知識やノウハウを備えたリーダーの育成は重要になってくると考えます。
 昨年度開講した東京都子供見守りボランティアリーダー育成講座とはどのような取り組みなのか、その背景と具体的内容についてお伺いいたします。

○伊東治安対策担当部長 都民生活に関する世論調査によれば、治安対策に対する都民の要望は高く、その中でも力を入れてほしい具体的な内容として、子ども等に対する犯罪が起こりにくい環境の整備や、少年犯罪、少年非行の防止など、子どもに関する施策の要望が上位を占めております。
 都内では、登下校時の定期的なパトロールや声かけ運動などの子ども見守り活動が各地域で展開されていますが、さらに活動を継続、発展させるためには、中心となって活動していく人材の育成が重要です。
 都では、地域における子ども見守り活動をさらに推進するため、子供見守りボランティアリーダー育成講座を開講し、平成二十二年度から三カ年で合計三百人のリーダー育成を目指して取り組みを進めております。
 本講座では、防犯の専門家による講義、ボランティアリーダーによる体験談、グループ討論などを通して、組織づくりや他団体との連携、課題解決や新たなプランづくりについて、情報やノウハウを提供しております。

○小林委員 人を育てる、またリーダーを育成するというのは、短期間でできるものではありませんが、まず、スタートとなった昨年度の育成講座の実績と効果について、確認させていただきます。

○伊東治安対策担当部長 平成二十二年度の講座は、二十二年十一月から二十三年二月までに八日間実施し、防犯ボランティア団体、自治会、町会、PTA関係者や高校生など五十五名が修了しております。
 修了生へのアンケートによれば、課題を解決するためのグループ討論の手法が参考になった、他の団体の活動内容を聞き、知識を広めたなどの感想が挙げられており、課題の解決や情報の提供など、一定の効果が得られていると認識しております。
 講座終了後、本講座で企画した新たな子ども見守り活動やネットワークづくりなど、修了生による具体的な取り組みも始まっています。
 今後は、子ども見守りに関する新たな企画や連携に対する支援などを通じ、地域の子ども見守り活動の強化を図り、地域の子どもは地域で守り育てる取り組みをより一層、都内の各地に広げてまいります。

○小林委員 今ご答弁にもありましたが、既に修了生が講座で企画をされた新たな子ども見守り活動や、ネットワークづくりにも取り組んでいるとのことですが、受講した方々が力を発揮していってこそ、この育成講座の取り組みが今後評価されていくものと思います。その意味でも、この事業の成果は後々に花開いていくものであると思いますが、三カ年という限られた事業ですので、修了生の意見なども反映し、また、修了生がどのように活動しているかなどをできる限り掌握をしながら、よりよき講座となるようご努力をお願いしたいと思います。
 次に、インターネット、携帯電話対策についてお伺いいたします。
 都では、平成二十一年度より、インターネットや携帯電話に関するトラブルについて気軽に相談ができる窓口として、東京こどもネット・ケータイヘルプデスクを開設しておりますが、開設二年目となった昨年度の相談実績についてお伺いいたします

○山中青少年対策担当部長 都では、平成二十一年七月八日から、青少年のためのインターネット、携帯電話等に関するトラブル専用の総合相談窓口として、東京こどもネット・ケータイヘルプデスク、愛称こたエールを開設いたしました。
 昨年度の相談受理件数は二千七十八件で、うち青少年をトラブルの当事者とする相談は、全体に占める割合の六五%に当たります千三百五十六件でございました。この二千七十八件を月平均いたしますと約百七十三件、その前の年の月平均約六十件の三倍で、大幅に増加しております。
 青少年相談のうち、学年別で見ますと、相談が最も多かったのは高校一年生で、全体の約一七%を占めております。また、相談内容につきましては、架空請求に関するものが前年度に引き続き最も多く、青少年相談の約四〇%を占めております。
 以上が昨年度におけるこたエールの相談概況でございます。

○小林委員 インターネットや携帯電話は、今や私たちの生活の一部として深く根を張っていますが、それに伴う事件、事故も常態化してしまっているのも現実であります。ヘルプデスクの開設よりまだ日は浅いですけれども、開設初年度の月平均六十件の相談受理から、昨年度は約三倍の受理件数に増加し、着実にヘルプデスクの認知が広まり、また気軽な相談窓口としての存在意義を高めていると思います。今日までのご努力に心から感謝を申し上げます。
 一方、目まぐるしい技術革新の中にあって、今急速に普及しているのがスマートフォンやタブレット端末であります。特にスマートフォンは、電話ができるパソコン、また手のひらに乗るパソコンなどと表現されるように、その便利さから多くの人が利用されております。
 しかしながら、やはりスマートフォンの普及の裏で、それに伴った危険性も既に露見し始めております。ある民間調査会社の調査によりますと、通常の携帯電話からスマートフォンに変更した人を対象にアンケートを実施しましたところ、携帯電話のときより、スマートフォンに変えて画面を見る時間が長くなったと答えた人は六九%に上るそうです。歩きながらスマートフォンを見る人も多く、周囲の危険に気づかず、駅のホームからの転落や通行人との接触事故などの危険性が指摘をされております。
 また、アプリと呼ばれるソフトの活用がスマートフォンの特徴でもありますが、このアプリを使ったストーカー被害も既に報告をされているようです。
 そこで、先ほどご答弁いただいた相談実績のうち、スマートフォンの利用に伴うトラブルに巻き込まれた相談実績があるのかをお伺いさせていただきます。

○山中青少年対策担当部長 平成二十二年度につきましては、特にスマートフォンの相談はございませんでした。また、本年度につきましては、スマートフォンの所有者からの相談件数は、現在まで十七件ございました。いずれも、スマートフォンであるがゆえに生じたトラブルについての相談ではございませんでした。
 スマートフォンに関しましては、機能が日々進化しており、利用者も増加しておりますので、今後もスマートフォンに関する相談につきましては、注意深く見守っていきたいと思っております。

○小林委員 ありがとうございます。スマートフォンの急速な普及というのは、恐らく本年がその元年といってもいいのではないかと思います。その意味でも、これからスマートフォン所有者からの相談案件もふえてくるのではないかと思います。しかし、今ご答弁にもありましたように、スマートフォンであるがゆえに生じたトラブルというものが今後どの程度寄せられるか、これはまだ未知数でありますが、いずれにしても、ヘルプデスクは携帯電話やスマートフォンを利用したさまざまな情報、相談が集まる窓口でもあります。
 今後、青少年育成施策を進めていく上で、スマートフォンというキーワードを今から念頭に置いていただき、迅速に対応できるようアンテナを張り、必要とあらば、関係各局とも連携をとって対策を検討していただくようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○神野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○神野委員長 これより総務局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、総務局長から紹介があります。

○笠井総務局長 過日、分科会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介申し上げます。
 行政部長の岸本良一でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○神野委員長 紹介は終わりました。

○神野委員長 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成二十二年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成二十二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
 本件についてはいずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○大津委員 防災対策に女性の視点を盛り込み、命と安全と生活を守っていく観点から、平成二十二年度の防災会議の状況についてご質問をします。
 まず初めに、平成二十二年度の総務局の決算を見ますと、東京都防災会議の事務費として百四十八万円が計上されていますが、決算額はゼロ円となっております。執行率がゼロ%となった経緯について、まずお伺いします。

○村松総合防災部長 東京都防災会議は、法律に基づき設置することとされているため、毎年度、委員の報酬、旅費等、一定の事務費を計上しております。
 平成二十二年度の東京都防災会議は五月二十一日に開催いたしましたが、すべての委員が報酬及び旅費等を辞退したため、執行額がなかったものでございます。

○大津委員 それでは、東京都防災会議の目的と構成委員の内訳、平成二十二年度以降の開催状況についてお伺いします。

○村松総合防災部長 東京都防災会議は、東京都地域防災計画の作成及び実施、災害発生時の情報収集、災害応急対策及び災害復旧に際し関係機関の連絡調整を図るなどのため、災害対策基本法に基づき設置されているものでございます。
 会議の委員は、災害対策基本法により、都内の指定地方行政機関の長またはその指名する職員、都内で業務を行う指定公共機関または指定地方公共機関の役員または職員のうちから都知事が任命する者など、充てるべき委員が定められておりまして、委員数は合計六十一人となっております。
 防災会議は主に、地域防災計画の修正や防災対策に係る計画等を審議する際に開催するものでございまして、平成二十二年度は五月に一回開催しております。平成二十三年度は、現在まで開催しておりません。

○大津委員 防災対策の節目に開催する、都における防災対策を最終的に決めていく重要な会議だと思います。
 内閣府の第三次男女共同参画基本計画の中では、平成二十一年度では、女性委員のいない都道府県防災会議の数、都道府県の数が十三となっております。では、東京都防災会議に女性委員は在籍しているかどうかについてお伺いします。

○村松総合防災部長 東京都防災会議の委員につきましては、災害対策基本法及び東京都防災会議条例に基づき選定しているものでございます。平成二十三年九月二十九日現在の委員に女性は含まれておりません。

○大津委員 防災対策の最高審議機関である東京都防災会議には女性の委員がいないことはわかりました。
 本年三月、千年に一度ともいわれるマグニチュード九クラスの大震災が発生し、東北地方は甚大な被害に見舞われました。これまでに三回、宮城県や岩手県を訪れ、陸前高田市の田んぼの草刈り等従事するとともに、野上委員とともに岩手県男女共同参画センター、そしてもりおか女性センター等団体などからさまざまなヒアリングをさせていただきました。その結果、避難所の運営一つとっても、着がえ場所の配置、下着が欲しい、仕切りの配置など、女性への配慮の視点が欠けていたために、避難所の中は全員家族、家族のきずなという言葉のもとで却下されたりと、さまざまな問題が生じていたことがわかりました。
 避難所や仮設住宅の運営リーダーには、女性が必ず入ることなどが今後あらかじめ計画をされるべきだと思います。さらにいえば、防災計画の立案から復興に至るまで、男女平等参画の視点が足りなかった、そういう課題が浮かび上がってきたのです。
 また、東北では、沿岸部のパチンコ店が閑古鳥が鳴いていたところ、六月の支援金や一時金を支給したころから夏ごろまでの間、そのパチンコ店は活況を呈しているという現象があり、世帯主がパチンコ等ギャンブルに費やして、家族が困窮をしているという世帯もありました。せめて世帯単位ではなく、個人単位での支給にできないかという声も伝わってきたことでありました。
 また、東京都の男女平等参画審議会の中間のまとめでも、これも野上委員も私も所属をしておりますが、そこの中では、今回、中間のまとめをつくっておりまして、その中の現状認識として、被災地では避難所の運営に女性が十分にかかわれないため、女性に必要な物資が配分されなかったり、女性や子どもの防犯が不十分であるという問題が発生するなど、男女平等参画の視点の重要性が明らかになってきました。さらに、復旧、復興の検討に当たっても女性の参画が足りないとの指摘もあり、防災分野(復興も含む)における男女平等参画の促進が大きな課題となっています。これも今回の中間のまとめに明記しております。
 一方、日本の国の現実の状況でもありますが、厚生労働省の調査によると、全国の民間企業において、決定権のある立場にある部長以上の管理職への女性の登用率というのは、全国で四・九%という極めて低いレベルにあります。決定権のある立場に女性がいないこと、これは男女平等参画の視点からも、防災対策はおぼつかないと考えます。
 このことは最後に部長にもお伺いしますが、関連しまして先に、防災計画の中に含まれるさまざまな備蓄品についても確認をします。備蓄品についての検討もこの防災会議で行われているのか、まずお伺いいたします。

○村松総合防災部長 災害対策基本法第四十条第一項では、都道府県防災会議は、国の防災基本計画に基づき、当該都道府県の地域に係る都道府県地域防災計画を作成することとされております。また、同法第四十条第二項第三号には、都道府県防災会議が防災計画に掲げる事項として、物資備蓄を初め、施設、設備、輸送に関する計画など、災害に関する措置についてさまざまな事項が定められております。
 なお、実際に防災会議に計画を提出するまでには、さまざまな関係機関が連携調整して必要な備蓄品について検討していくこととなります。

○大津委員 今回、東北などでもミルクがないという要望もありましたが、東京の備蓄を拝見しますと、調製粉乳が五万七千百八十五缶、哺乳瓶一万本の備蓄があるということで、これについては非常に、今後の動向も見きわめながら、量は別として、よかったと思うことでもあります。こうした備蓄品も、最終的には防災会議で決定していくのでしょうけれども、備蓄品についても女性の視点に立って検討することが重要だと考えます。
 そこで、女性特有の備蓄品は現時点で都の防災計画に入っているのか、お伺いいたします。

○村松総合防災部長 都の地域防災計画におきます都と区市町村の役割分担の中で、区市町村が被災者に対する生活必需品の給与を実施することとされておりまして、区市町村におきまして給与の実施が困難な場合は、都が広域自治体として都の備蓄分を放出することとしております。
 こうした役割分担から、都は、毛布、敷物、肌着等、避難所生活で広く必要とされる代表的な品目の備蓄を行っておりまして、被災者により身近な品目につきましては、区市町村が独自に備蓄を行っております。都の備蓄のうち、肌着については女性用も用意しております。

○大津委員 都の備蓄では肌着だけということで、生理用品はないということであります。今回の東北の震災を十分検証しながら、どういったものが本当に必要なのかという議論もしながら、こうした備蓄品項目を検討していっていただきたいと思います。
 それでは、女性特有の備蓄品について、生理用品も含め、各区市町村ではどのようになっているのかをお伺いいたします。

○村松総合防災部長 先ほど申し上げましたとおり、都は、区市町村による給付の実施が困難となる場合にその備蓄品を放出することを想定しておりまして、より広域的な観点から、避難所生活で広く必要とされる代表的な品目を中心に備蓄を行っております。
 一方、区市町村は、被災者に対して身近な自治体として生活必需品の給与を行う役割を担っておりますことから、都の備蓄品と比較して、被災者により身近な品目を備蓄しておりまして、生理用品を一定量備蓄している区市町村もございます。

○大津委員 非常用の水や食料、身の回り品などは、日ごろから都民一人一人が家族単位で備蓄に取り組んでいくことも必要であります。
 元小千谷市長の関市長から、一番避難所で困ったことは、実は入れ歯と眼鏡がなかったのが一番困ったよという話を聞きました。これだけは個人個人で微妙に違うものなので、なかなか一律にそろえるのは難しいという面もあります。その一方で、生活に不可欠なものについては、例えば個人が備えていたとしましても、自宅が倒壊したり、燃えたり、そうして困る人も出てきますので、こうした観点から、女性特有の備蓄品についても、区で担うのか都で用意をするのかは別として、きちんと議論の俎上に上げていくべきと考えます。
 そこで、都で備蓄するとしましたら、どのような議論の場を経て見直されていくのかをお伺いします。

○村松総合防災部長 東日本大震災における東京都の対応と教訓におきましても、被災者のニーズを踏まえた備蓄物資の種類の検証が必要としております。そのため、現在、都の備蓄体制に係る調査検討を福祉保健局とともに行っており、その中で備蓄品目についても検討を行っております。
 また、備蓄の推進に当たりましては、品目だけでなく、災害発生時の迅速かつ的確な物資の輸送についても検討していくことが必要と考えております。
 今後とも、被災者のニーズに迅速かつ的確にこたえていけるよう、都の備蓄のあり方について検討してまいります。

○大津委員 それでは、都民の立場に立った、卓上の議論ではないしっかりとした検討をしていっていただきますよう求めておきます。
 さて、ここまで男女共同参画の視点に立った防災対策について質疑をしてまいりました。国の防災基本計画でも、都の地域防災計画でも、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要があると明確に記述されています。先ほど述べた都の男女平等参画審議会の中間まとめでも、防災や復興に関する政策方針決定過程の段階から、女性の参画を拡大し、男女平等参画の視点を取り入れて対応していくことが重要とされています。
 男女平等参画は、都の大方針の一つではないでしょうか。それにもかかわらず、都の防災対策の最高審議機関である東京都防災会議には女性委員がゼロというのは、大きな問題でもあると考えます。関係機関の役職員という法的な制約があるために、この防災会議での実現は難しかったのですけれども、今後、さまざまな防災分野関係の会議や審議会や委員会には女性を入れていっていただきたいと思います。もちろん女性ならだれでもいいわけでもなく、命と安全を守っていくことを真剣に考える力のある、行動することのできる女性であれば、前向きにまずは一人でも二人でも、女性委員を入れていただきたいと考えます。
 岩手県で聞いてきた話によりますと、岩手では、震災が起きて津波対策ということで、岩手県知事が招集する委員会である岩手県東日本大震災津波復興委員会を早速四月十一日に立ち上げました。ところが、この委員会は復旧、復興に向け調査審議する場だったんですけれども、全員が男性で十六名でした。したがって、男女共同参画の視点から女性も入れてほしいということを、男女共同参画センター長や教授やさまざまな機関が、県に直接提言をした結果、第二回目開催の四月二十六日には、栄養士会と地域婦人団体協議会からの女性を二名入れて、十八名構成で運営されるようになったという話も聞きました。
 そこで、東京都の防災関連分野のさまざまな会議、委員会、審議会等の委員に、今後女性を登用していっていただけるなど、男女平等参画の視点に立った取り組みをどんどん進めていっていただきたいと思います。その所見、見解を伺いまして、私の質問を終わります。

○村松総合防災部長 先ほども申し上げましたとおり、東京都防災会議の委員につきましては法令により充てるべき委員が定められております。一方で、防災分野におきます男女共同参画の視点につきましては、都の地域防災計画でも、男女双方の視点に配慮した防災を進めるため、防災に関する政策方針決定過程や防災の現場における女性の参画の拡大を掲げているところでありまして、こうした視点に立って、都の防災対策に取り組んでまいります。

○中屋委員 私も防災対策について何点かお伺いをしたいと思います。
 先日閉会しました第三回定例会では、本会議や各委員会で都の防災対策についてさまざまな議論が交わされたところであります。その中で、知事みずからが、大都市の自助、共助の取り組みを推進するため、防災隣組の構築に着手すると明言をいたしました。地域の共助の取り組みを掘り起こし、それを後押しすることで、新たな活動を誘発していくとしております。
 我が党の代表質問でも触れましたが、都内では、昔から自治会や町内会を基礎とした自主的な防災市民組織が存在し、地域の特性に応じてさまざまな活動をしております。本日は決算審査の場ですから、地域の自主的な防災組織の育成に向けた平成二十二年度の取り組みについて、質疑をしたいと思います。
 まず初めに、現状の確認をさせていただきますが、都内でどの程度の組織があり、どのような活動をしているのか、防災市民組織の現状についてお伺いいたします。

○村松総合防災部長 防災市民組織は、自分たちの地域は自分たちで守るという自覚、連帯感に基づきまして自主的に結成される組織でございまして、災害による被害を予防し軽減するための活動を行う組織でございます。平成二十二年四月一日現在で、都内に六千六百五十五団体ございます。
 防災市民組織が活動範囲としている地域の世帯数は四百八十四万世帯でございまして、都内全世帯の約七七%を占めております。多くは、既にございます町会や自治会等を基礎として組織しておりますが、小学校区を単位として既存の組織とは別に新たに立ち上げる場合もございます。
 各組織は、発災に備えての防災訓練の実施、防災の見回り、防災用品の共同購入など、地域の実情に応じたさまざまな活動を行っております。

○中屋委員 今お聞きしますと、大体八割近くの地域をカバーしているということで、なかなか高い数字だなというふうに思いました。
 こうした組織は、本来住民たちの自発的な意思によるものであることが一番望ましいと思いますけれども、大都市では自然発生的に活発な活動をするというのは非常に難しいと思いますけれども、こうした行為が行き渡っているということは、活動が今されているということは、都の行政サイドの積極的な働きかけもあってのことだと思います。特に区市町村、またそれから地域に身近な消防署が連携しての取り組みということが、これからの組織を育てることに私はつながってくるものと思います。
 そこで、防災市民組織の取り組みを推進するために、区市町村、消防署はどのように取り組んできたのか、伺います。

○村松総合防災部長 防災市民組織は、各地域におきます自主的な防災の取り組みであるため、地域に身近な区市町村が住民に対して積極的に働きかけ、その組織化を促しております。
 また、区市町村は、防災市民組織が活動するための環境整備として、小型の消防ポンプ、トランジスタメガホン等の活動用資器材の購入費用の助成など、各区市町村の実情に応じてさまざまな支援を行っております。
 東京消防庁の各消防署におきましては、区市町村と連携し、救出、救護、初期消火など、技術指導、訓練の指導に当たり、防災市民組織の活動力の向上に向けた支援を行っております。

○中屋委員 防災市民組織というのは地域に根差した組織でありますので、区市町村や消防署が中心に支援するということは当然だと思いますけれども、やはり都も、こうした区市町村を支援するために、積極的に私は取り組んでいくべきだろうというふうに思います。
 都は、防災市民組織の拡充のためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。

○村松総合防災部長 都は広域的な立場から、区市町村に対しまして、防災市民組織の拡充に取り組むよう求めるとともに、さまざまな機会をとらえて助言、支援を行っております。
 また、防災市民組織のリーダー等を対象にした研修を開催し、先進的な防災市民組織の取り組みを紹介するほか、救援、救護や消火など実技を体験できる研修も行っております。平成二十二年度は、防災市民組織のリーダー約百名、区市町村の防災担当者約五十名の参加がございました。
 このほか、都の防災対策や、災害時に必要な救急医療、地域防災力の向上等を内容とした区市町村の担当者向けの講習会を実施し、区市町村の取り組みを支援しております。

○中屋委員 東京都も一定の支援をしてきたということはよくわかりました。しかし、それではまだまだちょっと足りないであろうというふうに思います。
 東日本大震災を経て、地域における自助、共助の取り組みの必要性が改めてクローズアップされております。東北地方の避難所や被災した住宅地での隣近所の助け合い、支え合いは私たちの胸を打つものがありました。しかし、大都会東京においては、こうしたつながりが希薄な地域、世代が多くなってきているようにも思います。防災市民組織でも、発足後の時間の経過によってさまざまな課題が出てきているとのことも聞いておりますが、そこで、防災市民組織はどのような課題を今抱えているのか、お伺いいたします。

○村松総合防災部長 防災市民組織は、町会や自治会を単位として組織されているものが多数でございます。このため、地域の住民間の連帯が希薄となっている大都市東京におきまして、高齢化の進展や新規加入者の減少などによりまして町会等の活動が停滞いたしまして、それに伴って防災市民組織の活動も縮小してしまうという課題がございます。
 また、対象とする地域で自治会に加入する人が減少しますと、救出、救助を担う人材が不足するほか、要救助者の方の情報が得られないなど、共助が有効に機能しないといった課題もございます。

○中屋委員 防災市民組織が存在する地域は全体の七七%と伺いましたけれども、熱心な若い世代などの参加がないと、実際には余り機能しないということですね。私もそのとおりだと思います。東日本の大震災経験を経て、また、首都直下型地震が近いのではないかという意識が都民の皆さんの中に強い今だからこそ、こうした事態を打開して、多くの人が防災市民組織に参加するよう、促していただきたいというふうに思います。
 都内では、例えば木造密集地域、高層マンション群など、地域の実情に応じて特徴的なあらゆる取り組みが行われております。こうした特徴ある取り組みを幅広く集め、全国各地の取り組みも含めて、区市町村に対して紹介をしていくということで、これまで参加していなかった人たちの参加も促して、新たな取り組みにつなげていかなければと思います。
 こうした役割を、広域的な自治体である都が、私は担うべきだと思います。知事がいう防災隣組の構築に当たっては、これまでの防災市民組織の取り組みをベースにしながら、これに新たな観点から光を当てて、自助、共助の取り組みとしてさらに広げていただきたいと思います。
 さらに申し上げますと、さきの第一回定例会の予算特別委員会で私が質疑をさせていただきましたけれども、区境、市境の住民にとっては、自分の区市の避難所に行くよりも、隣の区市の避難所の方が近いという事例も大変多くあるんですね。こうした区境、市境の避難所の支援や応援を、都が積極的にかかわってもらいたいと思います。
 まさに、都には区市町村をコーディネートしていく役割が今求められております。そこで、都は広域自治体として、区市町村と連携協力して、大都市の自助、共助の取り組みである防災隣組の構築に向けて取り組むべきと思いますが、ぜひその見解を伺ってまいりたいと思います。

○村松総合防災部長 ご指摘のとおり、防災隣組は、都民の防災意識が高まっている現在、東京における新たな共助の仕組みを構築するものでございます。各地域ではぐくまれてきた防災市民組織等の取り組みを初め、企業同士、あるいは地域と企業との連携など、さまざまな防災の取り組みを掘り起こしまして、それを後押しすることで共助の活動を誘発してまいります。
 そのために、都は、共助の効果的な取り組み事例を数多く集め、区市町村にフィードバックするなど、区市町村と密接な連携協力を図っていきます。東日本大震災の経験を生かし、大都市東京におきます都民の自助、共助の取り組みをさらに発展させるべく、防災隣組の構築に取り組んでまいります。

○中屋委員 大変都としてもご苦労が多いと思いますけれども、リーダーシップを発揮していただいて、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○小林委員 まず、電子申請の利用促進についてお伺いさせていただきます。
 都はこれまで、電子都庁推進計画に基づき、文書管理や人事、給与などの内部事務のシステム化を進めるとともに、都民サービスの向上に向けて電子申請の取り組みを進めてこられました。
 電子申請は、都民が自宅などから二十四時間いつでも申請や届け出ができる便利なサービスであり、インターネットが急激に普及した今日においては、一層の充実を図るべきと考えます。
 しかしながら、電子申請の利用率は、平成十六年度に五〇%であったものが、五年を経た平成二十一年度には四〇%に低下したと聞いております。こうした利用率の低下に対して都としてどのように対処されたのか、お伺いいたします。

○長澤情報システム部長 東京都では、平成十六年度に電子申請基本方針を策定し、電子申請の普及に向け、対象手続数の拡大に重点を置いた取り組みを進めてまいりました。その結果、平成二十一年度には、電子申請の対象手続数は三百七十六手続、申請件数は三百二十万件に上り、ともに五年間で一・五倍に増加いたしました。
 しかしながら、ご指摘のように電子申請の利用率、すなわち書面による申請を含む申請件数全体に占める電子申請の割合については、平成十六年度には五〇%であったものが、平成二十一年度には四〇%にまで低下いたしました。
 このような状況を踏まえ、平成二十二年三月に、従来の手続数の拡大に重点を置く方針を転換し、電子申請利用率の向上を重視した新たな取り組み方針である、電子申請の利用促進に向けた取り組み方針を策定し、電子申請の一層の利用促進に向け、全庁を挙げて取り組んでまいりました。

○小林委員 平成十六年に電子申請基本方針を策定してから、五年間で対象手続数を一・五倍に増加したとのことですけれども、手続数拡大と一口にいっても、相当のご努力があったものと思います。
 その上で新たに取り組み方針を策定し、従来の手続数の拡大に重点を置く方針を転換して、電子申請利用率を重視した新たな取り組みを実施しているとのことですが、電子申請利用率の低下の原因としては、システムの操作性の問題や、また都民への周知などさまざまな課題があると思います。そこで、利用率向上に向けた具体的な取り組み内容とその成果について、お伺いさせていただきます。

○長澤情報システム部長 電子申請の利用率が低下した原因につきましては、ご指摘のシステム上の課題や電子申請の利便性などが都民に十分認知されていないことに加え、電子申請手続の中には、申請書など手続の一部を電子化したものの、添付書類の電子化が進まず、書面で別途郵送または窓口へ持参しなければならないものがあるなど、電子申請の利用を妨げる業務面での課題がございました。
 このため、新たな取り組み方針を踏まえ、各局において、すべての電子申請手続の総点検を行い、その結果に基づいて、添付書類の電子化の推進などの業務改善や、電子申請のメリットを都民にわかりやすく周知するなどの広報の見直しなどを実施いたしました。
 また、システム面でも、平成二十二年四月から、パソコンに加えて携帯電話からも申請できる機能を加えるなど、利便性の向上を図ってまいりました。
 こうした取り組みの結果、平成二十二年度におきまして、前年度と比べ電子申請の件数は約一割増加して三百五十万件、利用率は約三ポイント上昇して四三%となっております。
 今後とも、各局とも協力連携し、電子申請の利用拡大によって、都民サービスの一層の向上に努めてまいります。

○小林委員 今日のIT社会においては、都民の利便性の向上の手段として、インターネットの活用は今後も期待は大きく高まっていくものと思います。
 しかしながら、IT技術の進歩は驚くべきスピードで進んでおります。昨年の四月には、携帯電話からの申請機能を加えたとのことですが、それから一年半たった今日、スマートフォンが急速に普及し、新たな対応が望まれると思います。
 日進月歩の技術革新に対応していくだけでも相当なご苦労もあるかと思いますが、インターネットのメリット、デメリットをよく見きわめて、安全性を確保しながら、都民の利便性向上に寄与していくために、今後とも、電子申請の利用促進への取り組みをぜひともお願いしたいと思います。
 続いて、科学技術振興と首都大学東京の役割についてお伺いいたします。
 大学は、日本社会を支える人材の供給源として、また研究を通じた社会貢献などの役割を担っております。特に首都東京においては、大都市における数々の課題が顕在化し、その解決に向け、大学の担う役割は大きなものがあると考えます。
 首都大学東京は、大都市東京の課題解決に資する人材の育成などを目的に設置されましたが、東日本大震災以降、放射線量の測定などに大学が有する学術的、専門的な知見の活用が求められるなど、科学技術の振興においても大きな役割を担っていくべきと考えます。
 そこでまず、都における科学技術振興の基本認識とともに、これにかかわる首都大学東京などの役割についてお伺いいたします。

○皆川首都大学支援部長 都では、科学技術を振興するため、第二期東京都産業科学技術振興指針を定めております。
 この中で、大都市東京が抱える課題を科学の力で克服していくことが不可欠であり、産業と科学技術はともに刺激し合い、新たな科学的知見の発見や新技術の開発を進め、その成果を社会へ還元することにより、ともに発展していくことが重要であるとしております。こうした考え方に基づき、産業科学技術を支える人材を確保、育成するなど、四つの指針と具体的な取り組みを示しております。
 これを踏まえ、首都大学東京を初め、二大学一高専は、東京を支える人材を育成するとともに、学術的、専門的な知見を生かし、大都市が抱える諸課題の解決に資することが求められていると認識しております。

○小林委員 この科学技術振興において、大事な視点の一つは人材育成であると思います。指針の一つである産業科学技術を支える人材の確保、育成に向け、首都大学東京はどのように取り組んでいこうとされているのか、見解をお伺いします。

○皆川首都大学支援部長 首都大学東京においては、高度な研究開発を担う人材の育成の一環として、アジアからの優秀な留学生を受け入れて、都市が抱えるさまざまな課題を研究するとともに、東京とアジアの橋渡しをする人材の育成などに取り組むこととしています。
 技術により産業を支える人材育成の一環として、産業技術大学院大学と都立産業技術高等専門学校とを接続した九年間一貫ものづくり教育などに取り組むこととしております。次代の産業科学技術を担う人材の育成として、児童生徒を対象としたものづくりの体験の場の充実に取り組むこととしております。

○小林委員 産業科学技術を支える人材の確保、育成に向け、今日までさまざまな取り組みを実施してこられたと思いますが、平成二十二年度には、首都大学東京などはどのような事業を行ったのか、確認をさせていただきます。

○皆川首都大学支援部長 首都大学東京では、アジアから十七名の留学生を受け入れ、例えば渡航者による感染症の拡大を防ぐため、空港などで迅速に感染者などを認識できる装置の研究など、四件の高度研究を実施してきております。
 また、都立産業技術高等専門学校では、品川区立の小中一貫校の八潮学園と連携し、一年生から九年生までの全学年を対象としたものづくり教育プログラムを開発いたしました。その内容は、例えば二年生では風車づくり、中学一年生に当たる七年生からは自立型ロボットの製作などのものづくり教育を実施してきております。
 さらに首都大学東京では、小学校四年生以上の児童を対象に、光を感知し、音や振動で知らせるセンサーを製作し、そのセンサーを使い目隠しをして光を探すゲームを行うなどにより、科学技術の知識やおもしろさを学ぶサイエンスキッズワークショップ二〇一〇を実施いたしました。五日間で各日十名の募集に対し、延べ四十五名の参加があったところでございます。

○小林委員 この大学と高等専門学校において、次代を担う子どもたちに目を向けて、科学技術を支える人材のすそ野を広げる取り組みは大変に重要であると思います。かつて旧科学技術庁が行った科学技術週間の標語の募集で最優秀に選ばれた小学三年生の作品は、よく見て感激、調べてびっくり、科学っておもしろいというものでしたが、見事にこの科学の魅力を表現していると思います。今ご答弁にあったサイエンスキッズワークショップ二〇一〇は、まさにこの標語を体験できる場としてすばらしい取り組みであると思いますので、ぜひとも、さらに工夫をしながら今後も継続的に行っていただきたいと思います。
 科学技術振興の推進に当たっては、大学におけるさまざまな研究の成果を産業界や都民生活に役立てるとともに、都の試験研究機関などが有する知見などを広く都民に紹介していくことが必要と思いますが、都としてどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○皆川首都大学支援部長 大学における社会貢献としては、産学公連携センターを中心に、都や自治体との事業連携や他の研究機関や企業との共同研究、受託研究などを実施し、社会への還元を進めてきております。
 都民に対しては、学術研究成果をわかりやすく講義するオープンユニバーシティーを開講し、平成二十二年度は二百九十四講座、三千七百八十四名の受講者がありました。
 また、都では、多くの都民に科学技術をより身近なものとして感じてもらうため、毎年四月の科学技術週間で、都の各試験研究機関等において、ふだんは見ることのできない研究施設の公開や講演会などを実施しております。
 さらに平成二十二年度は、日本科学未来館において、高専ロボコンのエキシビジョンマッチや子ども実験教室などを開催し、約二千五百名の参加があり、これらの取り組みを通じまして科学技術の振興に努めてきているところでございます。

○小林委員 科学技術は日々進歩をいたしております。国際競争が激化する中、天然資源に恵まれない我が国にとっては、科学に裏打ちされた技術は経済発展の原動力であり、首都東京は科学技術振興に引き続き取り組み、都市課題の解決や産業振興を強力に進めていただきたいと思います。特に首都大学東京は、これまで以上に科学技術を支える人材の育成、また輩出の牽引役とともに、学術研究の成果を広く社会に還元し、都が進める科学技術振興の柱の役割を果たしていただくよう強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○吉田委員 総務局の決算審査に当たりまして、総務局事業の中で市町村総合交付金について質問をさせていただきます。
 二十六市五町八村に対して、予算現額四百三十五億円、支出済額四百三十五億円と、執行率は一〇〇%というふうになっています。税収低下の一方で、生活悪化による生活保護費の増加や高齢化による負担増など、歳出の増加が避けがたいという面もあり、行政水準の維持向上を図る上で、この都の財政支援はますます重要になっているというふうに思います。
 そこで、改めてお伺いいたしますが、市町村総合交付金の役割は非常に大きく、期待も高いものだと思いますけれども、市町村総合交付金はどのような目的、性格を持った交付金なのか、制度なのか、ご答弁をお願いいたします。

○岸本行政部長 市町村総合交付金でございますが、平成十八年度に、それまでの市町村振興交付金、市町村調整交付金及び多摩島しょ底力発揮事業交付金の三つを統合し、創設した制度でございます。市町村に対します包括的な財源補完制度といたしまして、市町村の経営努力を促進し、自主性、自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図り、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るための制度でございます。

○吉田委員 続いてお伺いいたします。昨年度の市町村の決算が既にまとまっていると思いますが、税収及び経常収支比率、さらに歳出の状況など、市町村の財政状況についてどのように認識をしているのか、お答えをお願いいたします。

○岸本行政部長 市町村の平成二十二年度普通会計決算におきます財政状況でございますが、景気の低迷により、地方税が三年連続で減少している状況でございます。そういう中で、経常収支比率は依然として財政構造が硬直化した厳しい状況が続いております。
 今後、長引く景気低迷による歳入面でのさらなる影響が危惧される中、扶助費の増加や老朽化した公共施設の更新などに伴う歳出増は避けられない情勢でございます。引き続き行財政改革に取り組むことにより、一層効率的な財政運営を実現することが求められております。
 都といたしましては、各市町村に対しまして、引き続き健全な財政運営を行うよう強く助言してまいります。

○吉田委員 助言も広域行政の役割かもしれませんけれども、ぜひ財政的な支援を改めてお願いをしたいと思いますが、そこで、市町村総合交付金について東京都市長会及び東京都町村会から、毎年、翌年度の予算編成に当たっての要望が提出されていると思います。昨年度も市長会、町村会から、市町村総合交付金制度等総合的財政補完の充実強化の要望が提出をされていると思います。そうした市町村の要望の趣旨に沿って、この機会に若干質疑をいたします。
 要望では、何よりも総合的な財政補完の増額が強く要望されております。これが大前提だと思いますが、その上に立って第一として挙げられているのが市町村の自主性、特殊性の尊重、また、市町村と十分協議をして、個別事情がより的確に反映できるようにという要望が示されています。もちろん東京都としてもこういう努力はされていると思いますが、この点で東京都としてどのように対応されてきているのか、ご答弁お願いいたします。

○岸本行政部長 市町村総合交付金の運用に当たりましては、各市町村の実情をきめ細かく把握するため、年間を通じまして綿密な意見交換を行い、それを交付金の算定に反映させております。今後とも各市町村の実情に即した交付となるよう努めてまいります。

○吉田委員 私は、この市町村総合交付金の問題を取り上げるに当たって、幾つかの市を訪問いたしまして、意見、要望などを聞いてまいりました。その中で、個別事情を酌み取ってほしいという意見が共通して出されましたけれども、具体的な個別事情の話としてこんな話がありました。例えばある市では、市内に都立公園が複数あって、市の中でも非常に広い面積を占めていると。当然、その分の固定資産税収入は入りません。そうした分を都としてぜひ、特殊事情として配慮してほしいという要望がありました。聞いてみれば当然のことだなというふうに思いますし、ましてや都立公園ということになれば、相手が東京都ということもあります。こうした点も個別事情として考慮すべきではないかと私は考えましたけれども、いかがでしょうか、ご答弁お願いいたします。

○岸本行政部長 地方税法におきまして、国または都などの地方公共団体が公用もしくは公共の用に供する固定資産については非課税というふうになっております。この考え方でございますが、住民の福祉を増進するという目的を持った団体間での相互非課税の観念に基づくものとされております。
 都立公園は、都が広く不特定多数、いわゆる一般公衆の利用に供することによりまして、住民の福祉を増進するものでございます。まさに公共の用に供する固定資産として非課税とされております。こうした都立公園の性格を考えますと、これを特殊な事情として総合交付金の算定に反映することは難しいものと考えております。

○吉田委員 建前が個別事情、特殊事情等を尊重するということならばぜひ、こうした問題も検討していただきたいというふうに思います。
 また、市長会からの昨年度出された要望の中でも書かれておりますが、その一つが、まちづくり振興割の対象に公共施設の用地取得事業をぜひ明記してほしいという要望があります。
 ある市では、待機児解消のために認可保育所の整備を進めたいけれども、用地費確保がネックになっているという話も聞きましたし、また、これも市の特殊例かもしれませんけれども、民間から土地を借りて公園を整備してきたけれども、相続が発生して、購入しないとその公園を手放さざるを得ないという事態もあったというふうに話を聞きました。そうしたこともぜひ配慮の対象とすべきではないかなと思っておりますが、こういう点はどう対応されてきたのでしょうか。

○岸本行政部長 市町村総合交付金のまちづくり振興割の対象に、公共用地の取得を対象とすることにつきましては、土地の取得時期や取得の場所により価格差が非常に大きいことや、用地の取得をもっては、その公共施設の整備が必ずしも担保されないなどの難しい問題がございます。
 今委員お話しの、用地取得に当たりましての市町村の財源措置につきましては、東京都区市町村振興基金の活用などによりまして、市町村の要望に柔軟に対応するようにしております。

○吉田委員 改めてこの点確認をしたいんですが、明記はされていませんけれども、同時に、用地買収には充ててはならないということにもなっていないんですよね。ちょっとその点だけお聞きします。

○岸本行政部長 要綱上、用地取得に充ててはならないというふうに明記されているわけではございませんが、先ほど申しました事情並びに土地の取得をこの対象といたしますと、土地の取得は場合により非常に多額の経費を要します関係上、限られた予算の中で効果的に事業を執行するという考え方から、これまで用地の取得については対象としてこなかったということがございます。先ほど申しましたように、東京都区市町村振興基金の活用などによりまして、市町村には対応をお願いしているところでございます。

○吉田委員 振興基金の活用も含めてですけれども、ぜひ市町村の要望にこたえる努力をすべきだというふうに思います。
 次に、個々の実情や要望とともに、その土台となるベースの増額ということがやはり求められているというふうに思います。
 広域行政として、都民ならば、区部と市町村部の区別なく、都民としての同一水準のサービスを受けることが保障されるということは当然なことだと思います。
 この点で、例えば、中学三年生までの医療費助成は、都知事が知事選の公約のもとで進められてきましたけれども、区部では一部負担がないけれども、市町村ではまだ多くの市町村が一部負担せざるを得ず、また、所得制限も残されているという状況となっています。これはもちろん単なる政策判断ではなく、財政力によってこうした事態となっていると思いますが、広域行政として同一水準を維持するという趣旨から、市町村への支援は必要というふうに思いますが、いかがでしょうか。

○岸本行政部長 今委員お話しの、いわゆる区部と多摩の行政水準の格差ということでございますが、いわゆる多摩格差につきましては、これまで都と市町村で協力いたしまして積極的に取り組んでまいりました結果、現在ではかなりの部分で解消していると認識しております。
 一方で、社会経済状況の変化や地域の変貌などによりまして、少子高齢化などに対応した施策の推進などの面においても、新たな行政課題が生じているのかなというふうに認識しております。区市町村は各地域におきまして、そうした個別の課題や地域の課題をそれぞれ持ち合わせておりまして、それぞれの区市町村におきまして、その判断により課題を解決すべく努力しているところでございます。

○吉田委員 現実に市町村総合交付金で、このいわゆる中学三年生までの医療費の助成制度を入れていますけれども、それでもなおかつ、こうした、明確に区部と多摩地域の差が生ぜざるを得ないという事態が残されているということをぜひ認識して、対応していただきたいというふうに思います。
 さらに、市でいわれたことですけれども、税収改善の見通しがない一方で、高齢化等による扶助費の増加や公共施設の更新、さらに大きな課題になっているのが、東日本大震災を受けて防災対策の強化ということも改めて求められております。
 例えば、都は、緊急輸送道路沿いの建築物に対して改修費の六分の五を、国と都と区市町村で負担をするという事業を始めておりますけれども、この前提として、市町村も六分の一の負担をしなければならない。これもまさに都の事業のもとで新たな負担が強いられるということになります。例えば、既に補助単価は定まっていますから、二千平米のマンションで六分の一ということで計算しますと、私の計算だと約千五百万円の負担が一棟当たり生ずる、市町村分として。決して小さい金額でありませんけれども、ぜひこうした新たな状況、要望にもこたえるような努力が求められていると思いますが、いかがでしょうか。

○岸本行政部長 市町村総合交付金は、冒頭ご答弁申し上げましたとおり、市町村に対します包括的な財源補完制度でございまして、個別の事業に対する補助金とは性格が異なるものでございます。
 この総合交付金の目的といたしましては、市町村の経営努力を促進し、自主性、自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図り、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るということでございまして、今後ともこうした交付金の適切な運用に進めてまいりたいと考えております。

○吉田委員 交付金の使途について要綱では、市町村が実施する各施策に要する一般財源の不足を補完し、行政水準の向上と住民福祉の増進及び健全な行財政運営に資するというふうに明記をされています。まさにこうした趣旨に沿って執行されることを改めて求めていきたいと思いますが、最後に二点だけ要望をさせていただきます。
 一つは、自主性の尊重ということが原則として強調されておりますが、経営努力割が一五%あって、その算定の中で人事給与制度という項目があります。こうしたものが逆に職員数を制限するなど、自主性が損なわれるということのないように、ぜひ努力をしていただきたいというのが一点目です。
 二つ目に、市長会からの毎年の要望の中で、交付決定を早期化してほしいという旨のものがあります。交付決定は年度末ということに、実態的になっているようですけれども、もちろんぎりぎりまで契約等の最終的な状況を補完し対応できるという努力をするために遅くなるという実情は、ある面、努力しているというふうにもいえると思いますが、同時に、市町村の側からすると、最終補正予算に対応することができないという面もはらんでいます。こうした問題、どのように解決をするのが一番合理的でベストなのか、実態に即したのかということを、私、結論的にいうことはできませんけれども、ぜひこうした要望についても大いに協議を尽くしていただきたいということを述べまして、私の質問を終わります。

○野上委員 私からは、まず平成二十二年度東京都一般会計決算説明書に記載の学務費、公立大学法人首都大学東京支援費に関連して質問させていただきます。先ほど小林委員からも幾つか質問がありましたが、重複しないように質問させていただきたいと思います。
 近年は、大学のガバナンス改革というのが非常に進んでおります。これは公私ともに、国公立大学、そして私学も含めて、非常に厳しい経済状況の中、資金繰りが非常に大変になっている。一方で、職員費用や経常経費の削減をしながら、どうやって研究費、あるいは学生たちの教育提供の質をいかに落とさないかということが非常に重要になってきている、課題になっているところでございます。
 この問題を整理すると、やはり第一に、大きくは少子化という点が挙げられますし、また、大学数というのは非常に、近年も、国公私立合わせて七百七十八校、最近の十年間だけをとっても、百二十九校、一〇%の増加になっています。
 また、大学の国際競争というのが激化しておりまして、特にアメリカや欧州の大学は補助金をもらわないようにして、あるいは公的助成をなるべく削減して、自立的な経営をし、そして特色ある大学運営をしているというふうにも聞いています。そういった中で、改めてこの国際都市東京にある首都大学東京の役割を考える上で、これからの運営というか経営というのは、非常に重要になってくると思っております。
 首都大学東京などは、都から運営費交付金、学生納付金等の自己収入及び外部資金等で運営しているというふうに認識しております。そこで、首都大学東京などの運営に対し、都から運営費交付金を支出しておりますが、平成十七年度からの交付金はどのように変化しているか、伺います。

○皆川首都大学支援部長 平成十七年度で百五十一億二千七百万であった運営費交付金は、毎年二・五%の効率化係数により減額となりますが、産業技術大学院大学の設置などによる増加もあり、六年間で総額九百五十三億九千八百万円、平成二十二年度で百六十二億二千三百万円となっております。

○野上委員 運営交付金についてはよくわかりました。これも大切な血税の投入でありますし、これらを教育研究に有効に活用しなくてはいけないというふうに思っています。運営交付金が効率化係数により毎年減額されている中、首都大学等の運営を適切に進めるためには、法人内でめり張りをつけた経費の節減を行うことが不可欠だと考えます。
 そこで、経費節減にどのように取り組んできたのか伺います。

○皆川首都大学支援部長 経費節減についてですけれども、教育研究費を削減することなく、管理的経費を削減する方針のもと、給与計算事務など定型的な業務の委託化、空調設備の更新による省エネルギーの実現など、経費の節減に取り組んできたところでございます。

○野上委員 教育研究費について経費節減をしない方針であるということは当然のこととは思います。私は、教育と研究というのは非常に表裏一体であり、大学における教育内容イコール研究活動の活性化あるいは深さというものが大きく下支えになっていると思っております。それこそが首都大学東京から提供されるというか、受けられる教育の質の高さを示すものだと思っております。
 そこで、首都大学東京の研究費はどのように推移をしているか伺います。

○皆川首都大学支援部長 首都大学東京における研究費は、平成十七年度から毎年度十億九百万円となっておりまして、平成二十二年度までの六年間で六十億五千四百万円を研究費に充てております。

○野上委員 先ほども冒頭に申し上げましたけれども、研究費の使い道というのは非常に重要で、大学間競争の中で生き残っていくためには、どうしてもある特定分野でも深い、質の高い研究が必要だと思っています。
 例えば、国立大学の中でも狂牛病問題が非常に大きく取り上げられたときに、食の安全確保と世界規模での畜産振興をテーマとする帯広畜産大学、あるいは東洋医学の研究教育成果に立脚した先進的な医療創生に挑む富山医科薬科大学など、私立大学ではない、国公立大学での大きな取り組みが社会に還元され、そして、ひいては私たち都民あるいは国民の福利厚生にもつながってきたというふうに実感をしております。
 研究費について削減をされていないということは確認いたしましたが、研究というのも日々の積み重ね、日進月歩でありますので、質の高い研究活動を行っていくためには相応の資金というものが欠かせません。何度も申し上げるように、一方で研究充実のために、大学の努力によって獲得できる資金もあります。私立大学においては、寄附金を一生懸命集めて大学経営の一助となるように運営をしているところもありますけれども、今日、ほかの大学では外部資金の獲得にしのぎを削っている状況が見られます。
 こうした流れに乗りおくれないため、ひいては研究の厚みを増すため、そして首都大学東京に通う学生の教育の質の高さを担保するための教育研究活動であると考えますが、外部資金の獲得に努力していかなくてはならないと思っております。
 そこで、外部資金の平成十七年度から平成二十二年度までの受入額の推移はどのように、どの程度であるのか伺います。

○皆川首都大学支援部長 平成十七年度は八億二千二百万円だった外部資金ですけれども、年々増加いたしまして、平成二十一年度には二十億六千七百万円を獲得いたしました。その後、景気低迷もありまして、平成二十二年度は十九億七千二百万円となっております。

○野上委員 先ほども申し上げましたが、外部資金というのは、例えば大学内の運用資金の利息分であったり、あるいは寄附金であったり、あるいは研究受託金であったり、さまざまな費用というか収入がありますけれども、概して国公立大学というのは、企業から寄附を受けるということに非常に消極的であったり、そもそも企業から資金や援助を受けることを、大学の研究の企業利益への従属というふうに受けとめて、これまでは非常に反発や抵抗があったというふうに伺っております。しかしながら、一方でそういった研究を深めていくためには、広く官民の力で研究を進めていかなくてはならないという状況もあると思います。
 なかなか、国公立大学では研究の施設、例えば維持管理のための光熱費とか、清掃、保安員などの負担が必要な施設の受け入れに当たっては、官庁やあるいは東京都の審査や許可が必要な場合もあるとは思いますが、しかしながら、今後、やはり首都大学東京の研究成果を深めるためにも、寄附金については一生懸命取り組んでいただけるように、これはひいては運営交付金の有効な活用にもつながるというふうに思っておりますので、ぜひ東京都からも進めていただきたいと思います。
 それでは、この外部資金の獲得に向けどのように取り組んでいるか伺いたいと思いますが、今回、「東洋経済」の十月二十二日号に、首都大学東京の評価が書かれております。受託研究事業等収益も一三・四%縮小しているというふうな記載がありますが、それをちょっと確認をしたいと思いますので、取り組みについても伺いたいと思います。

○皆川首都大学支援部長 外部資金の獲得の取り組みについてですけれども、平成十七年度に設置いたしました産学公連携センターにコーディネーターを配置するなどいたしまして、大学の研究と企業等のニーズのマッチング、企業等との共同研究、受託研究、大学が保有するシーズ情報のPR、都や自治体との事業連携などに取り組んできております。

○野上委員 大学本来の使命というのはやはり教育と研究でありますので、その本筋を揺るがさないように、そして揺るがさない程度にぜひ進めていただきたいと思います。
 産業界の実績でも、オピニオンリーダーとしても有名な御手洗冨士夫キヤノン株式会社社長も、企業にこなせない純粋学問は大学でしかできない、大学は民間人がやれない大型の新技術を生み出してほしい、基礎特許につながる研究は国家投資の領域であり、学と官の出番であるというふうに、平成十五年八月の朝日新聞に、非常に産学連携をした研究というのを進めてほしいという産業界からの要望も出ております。もちろん平成十五年ですから随分時間もたっておりますが、その成果を、ぜひ公立大学である首都大学東京で発揮していただきたいと思います。
 外部資金獲得に向けては、さまざまな取り組みをしているということはわかりました。なかなか難しいとは思いますけれども、引き続き努力をしていただきたいと思います。
 外部資金の中でも、文科省などから科学研究費補助金を初めとする国の競争的研究資金は、金額も多く、その獲得は研究が全国レベルであることのあかしでもあります。この首都大学東京のパンフレットを拝見いたしまして、二十三年度科学研究費補助金採択状況を見ますと、新規の採択件数というのが、やはり申請数に比べて非常に少ない状況であります。ぜひこの点、留意をしていただいて、研究費の獲得、そして、研究が全国レベルにあるということをやはり東京からきちんと発信ができるように、そして首都大学等の研究をより一層促進するため、外部資金獲得については、ぜひ指導をして進めていただきたいと思います。
 そこで、科学研究費補助金を、このパンフレットでは平成二十三年度とありますけれども、これまでどの程度受け入れているのか伺います。

○皆川首都大学支援部長 首都大学東京の科学研究費補助金受け入れは、平成十七年度は九億四千五百万円で、平成十八年度には一たん八億一千七百万円まで下がったものの、その後毎年増加しておりまして、平成二十二年度は十一億五千七百万円となっております。

○野上委員 科学研究費補助金についても、増加しているということはお聞きしました。
 しかしながら、この二十三年度の表だけを見ますと、やはり申請数に比べて新規の採択数が非常に少ないというふうに見ることができますので、この大学の評価にもつながり、そして法人の自立的、安定的な運営にも資するものでございますので、ぜひ熱心に取り組んでいただきたいと思います。
 首都大学東京などは、都が設置した唯一の高等教育機関として、今後とも、外部資金獲得に向け、そして健全な運営を図るべく取り組んでいただきたいということを期待いたしまして、次の質問に移ります。
 次は、監理団体における公益法人制度改革に関して何点か伺わせていただきます。
 平成十三年以降、国において、公益法人制度の抜本的な改革に向けた取り組みが進められました。平成十八年には関連する三法案が成立し、平成二十年十二月一日より新しい制度が施行されております。
 都の監理団体には株式会社もありますが、財団法人といった団体も多数含まれていることから、当然この公益法人制度改革に沿った運営を行ってきており、現在もまた道半ばの状況にあるものということは認識しております。
 一方で、この世の中の流れというのは、民間でできることは民間でというふうに叫ばれている昨今でございます。公益性が認定をされても、その存在価値までが認定されるわけではございませんので、公益認定が得られるだけで満足しているということにも、なかなかならないような状況にあるといえます。
 そこでまず、監理団体の公益法人化に関する総務局の基本的考え方について伺います。

○土渕行政改革推進部長 監理団体は、都市づくり、産業振興、雇用対策、福祉や文化、スポーツなど、広範な分野で行政運営を支援、補完する都政の重要なパートナーであり、都民サービスの提供や都政の運営において不可欠な存在であります。
 国の制度改革に沿った監理団体の公益法人への移行につきましては、監理団体が公益性の高い団体であることを証明できることや、税制上の優遇措置が受けられるなどのメリットがあることから、早期に公益法人に移行することが必要であると認識しているところでございます。

○野上委員 この新制度が平成二十年にスタートいたしましてから、既に三年が経過しております。この公益法人化に関して、これまでの経過と現状はどのようになっているのか伺います。

○土渕行政改革推進部長 本制度が施行される平成二十年十二月以前から、国から必要な情報を収集するとともに、監理団体を対象とした公益法人制度説明会を開催し、制度の概要を初め、公益認定に当たっての注意点などの説明を行い、移行に向けた手続や課題などの周知を行ってまいりました。
 これらを受けまして、平成二十一年度の二団体を皮切りに、二十二年度に四団体、二十三年度に八団体と、これまで十四団体が公益法人に移行しております。
 現在、残りの七団体ができるだけ早期に移行できるよう、団体事業の再編、定款や関係規定の整備のほか、評議員の選定など、認定機関への申請準備を行っているところでございます。

○野上委員 全国的に見ますと、都内においては公益法人化の認定件数が非常に多いというふうに聞いております。所管の生活文化局が認定する作業をしておりますが、国が認定をする作業に比べて非常に東京都は進んでいるというふうにも伺っております。それだけ対象の法人も多いということから推測されますが、今後、期限ぎりぎりに駆け込みで残っている法人が申請してくるということが予想されます。平成二十五年十一月末の認定手続の期限まで、時間があるようでそれほど余裕はないということを強く認識をしていただきたいと思います。
 監理団体というと東京都の職員の方が行かれている場合も多くあるというふうに伺っておりますので、ぜひ、総務局の指導のもと早目に移行の手続をする、そして申請書を提出するということも進めていっていただきたいと思います。
 また、公益認定された団体についても、その認定に沿った着実な事業運営が必要でありますが、公益法人に認定した機関だけではなく、監理団体を指導監督する総務局としても、しっかりと今後見ていく必要があると考えます。そこで、公益法人化以後の課題や、総務局としての今後の対応についてどのように考えているのか、伺います。

○土渕行政改革推進部長 監理団体が公益法人に移行した後の課題としましては、団体事業全体に占める公益目的事業の比率を五〇%以上に維持することなど、公益認定を受けるに当たって必要となる基準を満たし続けることが挙げられます。
 このため、公益法人化以降の団体の事業展開につきましては、団体を取り巻く環境が変化する中においても、法が求めるところの公益に関する事業であり、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する事業を着実に実施していくことが必要となります。
 制度が施行されてから三年という新しい制度であることから、総務局といたしましても、監理団体が公益法人として団体運営を行っていく上でのさまざまな課題の把握に努めるとともに、今後も適切に指導してまいります。

○野上委員 都の外郭団体であれば、団体事業において、都からの委託事業が占める割合というのが非常に大きいというふうに認識しております。このため、公益目的事業と収益事業の比率が変動するということが考えられることから、留意していく必要があると考えます。また、法人が自立性を持って、そして責任ある運営を図るための指導など、総務局としてもしっかりと今後とも助言指導をしていってほしいということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○神野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書については、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後三時二十四分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る