平成二十二年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第六号

平成二十三年十月二十六日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長長橋 桂一君
副委員長三宅 正彦君
副委員長いのつめまさみ君
加藤 雅之君
桜井 浩之君
畔上三和子君
高木 けい君
田の上いくこ君
松下 玲子君
今村 るか君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働委員会事務局局長加藤 英夫君
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長浅川 英夫君
道路建設部長吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長飯塚 政憲君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長町田  誠君

本日の会議に付した事件
平成二十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成二十二年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十二年度東京都一般会計決算(質疑)

○長橋委員長 ただいまから平成二十二年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○長橋委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十二年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○東総務部長 去る十月十二日の当分科会におきまして、要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十二年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に四件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。骨格幹線道路(主要路線)の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の整備につきまして、平成十八年度から平成二十二年度までの予算額と決算額の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの、道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○いのつめ委員 補助第七四号線について伺います。
 新宿区内では、七四号線は北に早稲田通り、南に大久保通りの中間にありまして、明治通りから小滝橋交差点まで続く道路です。途中にJR山手線、西武新宿線の鉄道が横切っています。
 平成七、八年ごろは、この鉄道をオーバーパスする工法しかなく--今都技監は笑われていますが、そのころ課長で、一生懸命このご尽力をいただいた、今思い出されて、きっと、にやっとお笑いになったんだと思うんですが--オーバーパスだとその沿道のおうちの屋根よりも高いところを道路が通過していくということで、地元からも反対の声が上がっていたものでした。
 その後、新たな工法の開発によって、アンダーパスとしての実現が可能になったわけです。その補助七四号線の現在の整備状況についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 補助第七四号線は、千代田区九段北二丁目を起点とし、杉並区上井草四丁目に至る延長約十五キロメートルの都市計画道路であり、現在、大久保三丁目から高田馬場四丁目までの六百五十メートルの区間で事業を実施しております。
 このうちJR山手線、西武新宿線と交差している鉄道直下部は、現道幅員が約六メートルと非常に狭く、歩道もない状況でございました。
 交通の円滑化と歩行者の安全性向上等を図るため、JR東日本と西武鉄道に委託し、平成十五年度から工事に着手いたしました。既に鉄道交差部とその西側付近を除き、トンネルや擁壁等の構造物が完成しております。
 鉄道交差部では、本線車道九メートルと、その両側にそれぞれ側道と歩道を整備する計画であり、南側の半幅員のトンネルが完成し、現在北側の整備を進めております。

○いのつめ委員 今ご説明があったとおり、この鉄道交差部は地盤が低いところでございまして、大雨になると、この下を通過中の車が浮き上がる、浸水するというような箇所でございました。
 今の答弁のように、ガードレールもない双方通行の道ですので、通行する人々はガード下の壁に寄り添うようにして、ぎりぎりのところを歩いて通るというような状況でして、私も子どもが小さいとき、バギーという子どもの乳母車を押して通るとき、バギーはやはり下の方ですから、車とすれ違うときに怖い思いを何度かいたしました。
 しかし、この余りに危険な場所ゆえ、通過する車がスピードを落としての通過になりますので、人身事故は起こったことがないという場所でございました。人身事故はないものの、危険な通行場所でありましたので、早い整備が望まれておりまして、工事が始まったときには皆さんは期待をしたものです。そんな中、平成十八年、工事中に線路が持ち上がって脱線の危機を伴う事故が発生し、乗客の皆さんが電車からおりて、線路を歩いて高田馬場に向かうというかなり恐怖体験であったと思いますが、重大な事故が発生してしまいました。
 この鉄道交差部の工事について、その後、なかなか進捗状況が目に見えてこない、いつまでやっているんだというような意見が地域からも聞こえてきています。
 この鉄道交差部の今の工事はどのように行われているのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 鉄道交差部につきましては、JRの貨物線が隔日で終夜運行しているため、週に三日しか施工日が確保できません。加えまして、一日の施工時間は、鉄道の営業運転と線路等の保守に必要な時間を除いた深夜の二、三時間程度に限られます。
 また、鉄道の安全運行を確保するため、軌道の変位の計測管理を行いながら慎重に工事を進めております。
 このため、鉄道交差部の工事に時間を要しておりますが、限られた時間内で可能な限り効率的に整備を進めるよう努めております。

○いのつめ委員 二度と事故を起こさない注意は必要ですが、余りに時間がかかり過ぎるのも困ります。
 山手線は終電も遅い、始発も早いということで、この限られた時間内の短い時間での工事ということでご苦労もあるかと思いますが、安全かつ迅速に工事を進めていただきたいと願うものです。
 現在、仮の歩道ができています。線路の西側でございますが、余りに急勾配で、ご高齢者の方がガードレールをつかみながらではないと上り切れないというようなことがございまして、改善をお願いしたところ、手すりをつけていただき、ややよくなったかなということで、皆さん手すりにつかまって上る状況でございます。
 アンダーパスになり掘り割り形式になると、これまで横断ができていた場所が渡り切れなくなりまして、左右の信号まで移動して遠回りをしなければ横断ができない状況でした。また、戸山口の西側の道なんですけれども、ここも行きどまりになってしまうというようなことから、近隣のご商売している方には、経営状況にも悪影響があるのではないかと心配されているものです。
 また、鉄道交差部の西側には、区立高田馬場福祉作業所へ通っている方、また中には車いすでの横断をされる方もいらっしゃいまして、現況のままだと横断が困難になってしまいます。
 沿道の利用者の立場に立った整備が必要と思われますがいかがでしょうか。

○吉原道路建設部長 現在、鉄道交差部に設置しております歩道は、仮の歩道でございますが、幅員二メートル、縦断勾配は約一〇%でございます。完成形の歩道幅員は、鉄道交差部で二・五メートルから三メートル、その前後の標準部では三・五メートルで整備する計画でございます。
 また、歩道の勾配につきましては、トンネル内の歩道の高さを上げることと近接する交差点の高さを下げることにより、約八%まで改善する予定でございます。
 一方、鉄道交差部西側の道路構造は擁壁構造となり、物理的に横断ができなくなるため、歩行者の利便性に配慮し、横断歩道橋等の設置を検討しております。
 引き続き、JR東日本、西武鉄道との工程調整を密に行うとともに、地元の理解と協力を得ながら、着実に整備に取り組んでまいります。

○いのつめ委員 横断歩道橋の設置を検討していただけるということで、これは本当に、今まで多くの方がこの道を横断して駅に向かったり、また福祉作業所に向かったりという大切な道でございましたので、ここに歩道橋がかかるということは望ましいことだと思いますし、地域の方も喜ばれることだと思いますが、それに一歩踏み込んで、やっぱりエレベーターの設置がないとバリアフリーとはいえないと思いますので、エレベーターの設置も含めて、前向きにご検討していただきたいと思います。
 また、この戸山口の西側から線路に沿って、新大久保の方に向かった道の掘り割りの手前になるところにおそば屋さんが一軒営業しておりまして、この方は事業にも協力してくださって、用地も提供してくださっている方で、少し下がってビルもお建てになって営業を続けていらっしゃる方です。
 当初、この七四号線の工事は、平成十四年着工で認可が平成二十二年といわれておりましたが、もうとっくに二十二年過ぎてしまっても、まだまだこの先、当分かかりそうな見込みでございまして、完成、認可は、やもすると二十七年ごろではないかというふうにもいわれています。
 このおそば屋さんは、工事の影響で擁壁などができますと、見通しが悪くて営業しているのかしていないのかわからない状況です。集客への影響は大きく、経営の危機にもなりかねないという期間が、余りに長く過ぎているようですが、ここは通行できなくなって、そのお店に入れないというようなことになると営業補償が行われるということですが、道路には面しておりますので、ひっそりと営業していても営業補償はないということで、私はお気の毒な気がしてなりません。
 看板を設置していただくとかということで、前向きに協力していただいておりますけれども、やはりこの営業が苦しいという声を私の方にも寄せられました。ぜひ安全に、なおかつ早く完成するように再度お願いをいたしまして、七四号線に関する質問を終わります。
 次に、放射二五号線の質問に移らせていただきます。
 この放射二五号線、新宿区では、若松町一帯の用地取得が行われ始めたところでございます。この道路事業を進めるためには、事業用地の取得がもちろん前提であります。二年前に私は、新宿区若松町地区内で進めているこの二五号線の道路事業の必要性についてという観点で質問をさせていただきました。
 この当該区間は、店舗や店舗併用住宅などが多い地域で、道路事業によって拡幅されますと、一側の奥は住宅でございますので、店舗がそっくりその一側とられてしまうということで、今後のまちのにぎわいが減ってしまうのではないかということも考えられるところでございます。
 この用地取得を進めるに当たり、事業協力者の気持ちを大事にした整備が必要であろうと考えます。
 現在までの用地取得状況及び今後の用地取得の進め方についてお伺いいたします。

○四方用地部長 放射第二五号線の新宿区新宿七丁目から原町三丁目までの区間は、平成二十二年十月に事業認可を取得し、十一月に用地説明会を実施して用地取得に着手いたしました。
 平成二十二年度は、約三億一千二百万円の事業費で、約二百平方メートルの用地を取得しております。
 また今年度は、約十五億二千四百万円の事業費で約八百七十五平方メートルの用地を取得しており、これまでに全体の約一〇%の用地を取得しております。
 用地取得に当たっては、関係権利者の生活再建などに十分配慮し、きめ細かな対応をしておりますが、特にこの区間は、店舗や店舗併用住宅などが多いため、移転資金の貸し付けや不動産情報の提供などについて積極的な支援を行い、関係権利者のご理解とご協力を得て用地取得を進めてまいります。

○いのつめ委員 本当に必要な道路かどうかという、かなり昔から都市計画道路とされたところが、何十年もほったらかしにされておいて、いざやるよというふうになったときに、これまでの自分たちの生活がどうなってしまうんだろうという不安とともに、事業には協力したいというふうに思っているお気持ちの方もいると思います。
 また、当事者じゃなくても、まちのこの商店街が一体どうなってしまうんだろうか、道が広くなると、やっぱり向こう側を歩いている方とこっち側を歩いている方との連絡、コミュニケーションがとれない、顔が合ったときに、こんにちはといえる距離じゃなくなりますから、そうなったときに、まちも分断されてしまうんじゃないかという、いろいろな思いがあります。
 しかしながら、用地買収が始まったならば、やはりきめ細やかな対応とその協力者への気持ち、それを大きく理解していただきまして、丁寧な対応で、そしてまた、できてよかったと思っていただける道にするように努力していただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○桜井委員 それでは私の方から、京成押上線連続立体交差事業についてお伺いしたいと思います。
 京成押上線の押上駅から八広駅間の連続立体交差事業では、京成曳舟駅付近を中心に工事の進捗が目に見えてきており、地元住民の方々は一日も早く踏切がなくなるとともに、鉄道による地域の分断などが解消されることを強く望んでいるところであります。
 このため、私は本年の二月の第一回定例会において、本事業の進捗状況について確認をさせていただきました。しかし、その後、三月に東日本大震災が発生しまして、工事工程への影響も懸念されていたところであります。
 そこで、京成押上線の押上駅から八広駅間の連続立体交差事業について、最初に現在の工事の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

○吉原道路建設部長 京成押上線連続立体交差事業は、押上駅から八広駅までの区間を高架化して、明治通りを含む八カ所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断を解消するとともに、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 本事業につきましては、東日本大震災によって高架橋のけたの搬入が一部でおくれましたが、大きな影響はありませんでした。本年七月には、線路の仮線への切りかえを完了し、現在は全区間で高架橋工事を推進しております。

○桜井委員 ただいまの答弁で、大震災があったにもかかわらず仮線への切りかえが完了して、現在順調に全区間で高架橋工事を推進していることがわかりました。
 ところで、本事業については、地元の期待が高い分、工事の進捗状況だけでなく、やはりいつ事業が完成するのかという点にも、本当に多くの関心が集まっているわけであります。
 二月の質疑の際に、その点についてもお尋ねをさせていただきましたが、現行の工事工程をおおむね五年程度延伸せざるを得ない状況にあるとの答弁が、そのときはあったわけでありますが、そこで改めて、本事業について現時点の事業完了の見込みについてお伺いしたいと思います。

○吉原道路建設部長 本事業は、用地取得の難航による工事着手のおくれや京成押上線と交差する東武亀戸線との近接施工の協議に時間を要したことなどから、平成二十三年度としていた事業の完了時期を延伸せざるを得ない状況となりました。
 このため、これまで鉄道事業者と工事工程の精査等を行ってきた結果、事業完了は平成二十八年度となる見込みでございます。
 引き続き、鉄道事業者とともに工程管理を強化し、地元墨田区との連携を図りながら、本事業の推進に全力で取り組んでまいります。

○桜井委員 ただいまの答弁で、二十八年度見込みということでご回答をいただきました。この事業を契機に、京成曳舟駅付近で、地元墨田区と住民が一体となったまちづくりが大きく進展するなど、京成押上線の連続立体交差事業は、墨田区のまちづくりや活性化にとって欠かせないものであります。
 地元の住民の方々の期待にこたえるためにも、都は一日も早い事業完了を目指し、全力を挙げて本事業を推進してもらいたいとお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

○加藤委員 それでは、江東内部河川の整備状況と防災船着き場の利用について質問をいたします。
 かつて江戸東京は水の都といわれたように、下町では縦横に流れる河川を人や物が行き交い、水辺の文化が花開きました。現在、墨田区の押上では、東京スカイツリーの来年五月の開業を目指して、その周辺の整備が急ピッチで進められており、既に多くの観光客が墨田区を訪れ、今後さらに増加が見込まれています。
 最近では、東京都公園協会の水上バスや民間の小型船が、隅田川や荒川から江東内部河川に入り、スカイツリーを見物するツアーが人気を博していると聞いています。これまで以上に訪れる人々に潤いを感じさせる貴重な水辺空間として、北十間川や旧中川などの江東内部河川に注目が集まってきています。
 このため、東部低地帯を高潮や地震から守る江東内部河川の整備にあわせて、観光資源となる貴重な水辺空間を再生して、新たな下町のにぎわいを創出していくことが重要と考えます。
 このテーマにつきましては、昨年三月の予算特別委員会におきましても、同じ地元の桜井委員も整備状況等について質問されており、また私も同年四定の本会議で聞いておりますが、予算委員会、決算委員会という一連の流れの中で進捗状況をチェックすることが大事ですので、改めて江東内部河川の整備状況について伺います。

○飯塚河川部長 これまで竪川など江東デルタ地帯の西側に位置する河川では、護岸の耐震化を進めており、計画延長二十三・一キロメートルに対しまして、十六キロメートルが完成しております。
 また、特に地盤が低く水位を低下させた北十間川や旧中川などの東側河川では、計画延長二十七・二キロメートルに対しまして、十五・六キロメートルの護岸が完成しております。
 旧中川では、河川内に約二十ヘクタールの広大な緑の岸辺が生み出され、花壇づくりや散策、ボート遊びなどの場を提供しております。また、堤防の完成を祝うウオークラリーが地元主催で本年六月に実施されるなど大変喜ばれております。
 平成二十三年度は、これまで整備を進めてきた北十間川や小名木川などに加えまして、横十間川の護岸整備に新たに着手するなど、延長約一・七キロメートルにつきまして整備を行う予定でございます。
 今後とも、江東内部河川の整備に当たりましては、護岸の耐震化を進めるとともに、緑化護岸や散策路などを整備し、都民に親しまれる水辺空間の創出に努めてまいります。

○加藤委員 旧中川などは親水に配慮した整備が行われ、地元住民も非常に喜んでおります。引き続き、環境と景観に配慮した整備をお願いしたいと思います。
 次に、スカイツリー周辺では、観光事業が今後ますます盛んになってまいります。防災船着き場を震災発生時に緊急物資などを輸送するためという本来の使い方から、平常時には川に親しむための舟運に活用し、都民により身近に感じられるような存在にすることも重要です。
 既に都は、一部の防災船着き場を平常時にも利用できるようにしていると伺っております。そこで、防災船着き場の平常時の利用状況を伺います。
 また、我が党がさきの第三回定例会代表質問で、災害時における住民の避難経路としての活用も提案したところですが、防災船着き場が災害時の傷病者搬送も想定しているのかどうかもあわせて伺います。

○飯塚河川部長 防災船着き場は、災害時に船により迅速に被災者を避難させ緊急物資を輸送するための施設であり、現在都内全域で六十一カ所が整備されております。
 また、医療機関に隣接した防災船着き場におきましては、傷病者の搬送も想定しております。
 都では、東京の河川をにぎわい豊かな水辺空間として復活させるために、防災船着き場の平常時の一般利用拡大に取り組んでおります。
 平成十八年度からは、隅田川の越中島防災船着き場で営業目的の観光船などに対しまして、利用開放を行っております。
 二十二年度には、千四百隻を超える利用実績があり、新たな観光クルーズの起点となるなど、水辺のにぎわい促進に寄与しております。
 さらに、多くの観光客が集まる築地や銀座に近いロケーションを生かせることから、本年七月に明石町防災船着き場の開放を行いました。
 今後も開放している二カ所の利用実績の動向を踏まえまして、ニーズが見込まれる箇所を中心に、地元の理解を得ながら平常時の利用拡大をしてまいります。

○加藤委員 既に防災船着き場の一般への開放が行われ、利用も進んでいることがわかりました。
 さきの東日本大震災の際には、都内の鉄道が運休し、道路では激しい交通渋滞が発生しました。そのときは救急車も渋滞に巻き込まれ、急病人の搬送は非常に時間がかかったと聞いています。
 地域防災計画上、重要な位置づけがなされている地域災害拠点中核病院である都立墨東病院は、横十間川にまさに隣接した位置に設置されております。もし、その水際に防災船着き場があれば、震災による道路渋滞が発生している場合でも、船を利用した傷病人の搬送をスムーズに行うことができる可能性が高まると考えられます。
 今答弁でも、この医療機関に隣接した防災船着き場においては、傷病者の搬送も想定しているとありました。都民の生命を守るためにも、今後、防災船着き場の設置に向けた検討をお願いして次の質問に移ります。
 今、桜井委員からも質問がありました京成押上線連続立体交差事業について伺います。
 お話がありましたとおり、この事業は明治通りの渋滞解消や踏切での事故の解消、騒音の減少など地元の期待も大きく膨らんでおります。
 ご存じのとおり、この事業は、私の前任の石井義修都議が古くから一貫して議会で実現を迫り、今日ようやく新駅につながる高架橋の一部も目に見える形となってまいりました。そして私も、駅へのアクセスのあり方等に関して、地元住民の方々の要望を九千名を超える署名簿という形で平成二十年に石井先輩とともに都に届けてまいりました。
 また、本年初頭にも、事業に伴い新しくなる京成曳舟駅などについて利便性向上の観点から、我が党は都に対して要望したところです。
 現在の京成曳舟駅の改札口は、都心側の押上方と反対側の八広方のホーム両端に設置されており、八広方の改札口は、鉄道と交差する明治通りに隣接しております。また、明治通りの踏切の両わきには横断歩道が設置されており、この横断歩道を利用して駅を利用する方も数多く見られます。
 都は、昨年度この横断歩道の利用者を含め、京成曳舟駅の利用者の実態調査を行ったと聞いています。そこで、京成曳舟駅の利用者の実態調査について、その調査概要等駅利用者の方向別の割合など調査結果について伺います。

○吉原道路建設部長 京成押上線押上駅から八広駅間連続立体交差事業に伴いまして、高架化される京成曳舟駅や改札口に隣接する明治通りにおきまして、駅利用者や歩行者等の利便性について検討を行うため、歩行者の流れ等の実態を把握しておく必要がございます。このため、本年二月十六日及び二十日に調査を実施いたしました。
 調査の結果でございますが、京成曳舟駅の一日の利用者は約二万人であり、西側の押上方、東側の八広方の改札利用者の内訳は、それぞれ約一万人で、ほぼ同等でございました。また、八広方改札利用者のうち、明治通りを横断して駅を利用する割合は、四割強となってございました。
 この調査結果等を踏まえまして、地元墨田区、京成電鉄とともに駅利用者や歩行者等の利便性の向上について検討してまいります。

○加藤委員 今の答弁にありましたように、京成曳舟駅は、押上方、八広方、それぞれに約一万人もの利用者がおり、そのうち四割強の方々が明治通りの横断歩道を利用していることがわかりました。また、私の見たところでは、残りのその六割の方の中にも、明治通りを渡る信号がちょうど赤なので、少し離れた横断歩道に迂回して明治通りを渡る方もかなりいらっしゃいました。
 都は、この調査結果をもとに、駅利用者や周辺地域の住民の方々の利便性向上のため、明治通りの横断方法や駅のバリアフリー化について、いま一度、地元の要望をよく吟味して検討を行い、公平な観点から要望に沿った取り組みが行われることを改めて要請しておきます。
 次に、公園についてなんですけれども、公園は都民にとって憩いの場であると同時に、いざというときには防災拠点としての役割を果たします。その防災公園としての都立公園には、救出救助の活動拠点や避難場所といった多様な機能があり、さまざまな整備を行っています。
 中でも、都民にとって一番身近で切実な避難場所としての役割を果たすために、都立公園では防災対策として、どのような施設整備を行っているか伺います。

○上杉公園緑地部長 防災公園としての都立公園は、災害時の救援部隊等の活動拠点として、大型車両に対応する入り口の拡幅や園路舗装の強化、ヘリポートとなる広場の改修を行っております。
 一方、夜間、停電時にも避難者を誘導するソーラー式誘導灯や、水道の供給がとまっても使える災害用トイレ、そのほか、かまどとしても使えるベンチ、生活用水確保のための井戸など避難場所としての施設を整備しております。

○加藤委員 震災時に公園に避難した人にとって、トイレの確保は重要な課題です。
 東京都地域防災計画によれば、災害用トイレの確保は区市町村の役割ですが、都立公園では、公園管理者である東京都みずからが災害用トイレを設置しています。
 そこで伺いますが、都が設置している災害用トイレにはどのようなものがありますか。

○上杉公園緑地部長 東京都が都立公園に設置している災害用トイレには、非常時にはくみ取り式として活用できる常用タイプと、マンホール式の受け口を都が設置しその上の目隠しテントを区市が用意する非常用タイプとがございます。

○加藤委員 では、公園管理者である東京都が都立公園に災害用トイレを設置する場合の考え方について伺います。

○上杉公園緑地部長 東京都地域防災計画では、災害用トイレは、区市町村が避難者百人当たり一基の災害用トイレを確保することになっております。
 公園管理者である建設局は、避難場所に指定されている公園において、首都直下地震による被害想定などを参考に、区市と連携して災害用トイレを設置しております。

○加藤委員 都立公園において、東京都が災害用トイレを設置した公園数は全体でどのくらいあるのでしょうか。また、今後の設置予定の公園数について伺います。

○上杉公園緑地部長 避難場所と指定されている公園のうち、文化財庭園を除く五十公園の中で、これまで都が災害用トイレを設置した公園数は、十九公園でございます。
 今後、設置予定の公園数は三十一公園であり、平成二十五年度末までには設置を完了する予定でございます。

○加藤委員 地元でも木造密集地域の近くといいますか、避難拠点となる都立東白鬚公園にも、既に四十三基のマンホールトイレを設置していただきましたが、既設のトイレと区が用意する臨時のトイレとを合わせても、発災時の避難想定人口からすると十分とはいえず、近隣住民も不安を抱えております。
 災害用トイレの確保は、第一義的には区市町村の役割ということですが、都としても連携機能を果たすべく、今後も精力的に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 近年、地震とともに外国でも水害が多発しており、日本企業が多く進出しているタイでは、今でも洪水の影響が続いています。また、日本でも、先月の台風十二号で多くの被害が発生いたしました。都内でも局地的な集中豪雨が頻発しています。
 そうした中で、公園は身近な避難場所であり、応急救護を行ったり、場合によっては仮設テントや仮設住宅の用地にもなります。地震と水害の複合災害という最悪の事態も想定して、いざというときに公園が使えないということであってはなりません。特に、墨田を初めとする東部低地帯は、その点を十分に注意しなければいけません。
 先日、都市整備局から都市計画公園・緑地の整備方針の改定案が示され、防災の視点を重視し、重点的に整備すべき都市計画公園、緑地を明らかにして、計画的、集中的に事業化に取り組むことになっています。特に区部では、東京都震災対策条例に基づく避難場所の区域の三割近くを公園、緑地が担っております。
 環状七号線周辺等の大規模な都立公園は、大規模救出救助活動拠点に指定され、震災から市街地の安全を確保するための重要な施設であります。また、水害対策として、雨水貯留浸透施設の設置や、避難地の確保等で対応することが盛り込まれています。
 東部低地帯という地理的条件にある避難地については、より安全な避難ができるよう、公園を高台化して整備することも必要であると我が党はかねてから主張しています。防災機能の強化に向けて、あらゆる対策をとっていただくことを要望して質問を終わります。

○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。
 それでは、私からは河川などの耐震化について伺います。
 三・一一の大震災を体験しまして、改めて震災対策の抜本的な強化、とりわけ地震被害を軽減して都民の命と財産を守る、そのための予防対策、これが強化されることが本当に必要だということを痛感いたしました。
 都の震災対策の事業計画を見ますと、平成二十年から二十二年度の三カ年計画となっているわけですけれども、この計画ともかかわって二十二年度決算について何点か伺いたいと思います。
 まず東部低地帯の河川施設の地震対策です。
 河川施設は、五・六キロの耐震化をすることを目標としていましたが、どこまで到達をしたのか、二十二年度の事業費はどうだったのか、三カ年の事業費の執行額、これをお示しいただきたいと思います。

○飯塚河川部長 平成二十年度から二十二年度の三カ年で、四・四キロメートルの耐震化が完了いたしました。外郭堤防の耐震化につきましては、中川など三河川で目標のとおり二十年度に完了いたしました。
 二十二年度の事業費は約三十九億円であり、三カ年の事業執行額は約百八億円でございます。

○畔上委員 この事業計画では、平成二十七年度までに完成というふうになっているんですが、全部で何キロの河川の耐震化を目指しているのか。また、二十七年度の完成の見通しがあるのかどうか伺いたいと思います。
 またあわせて、目標を達成する上で障害や課題は何なのかその点について伺います。

○飯塚河川部長 耐震対策につきましては、約六十五キロメートルを対象としております。
 整備に当たりましては、五カ年計画に基づき、工事中の航路の確保など地元の方々や利用者の理解を得ながら目標に向け取り組んでおります。

○畔上委員 整備を促進するには、今お話があったように、航路の確保のために、やはり地元や利用者の理解、これは不可欠だというふうに思います。強引なやり方ではなく粘り強く、丁寧な話し合いで理解を得て取り組んでいただきたい、これは要望しておきたいと思います。
 東部低地帯の河川の耐震化は緊急課題なわけですけれども、現在は耐震対策の対象とされていない、そういう地域でも住民は不安を感じております。
 綾瀬川の西岸では、足立区青井などの住民から、高速道路がある側ですね、東側の方は耐震化工事がされているのに、民家がある側は大丈夫だといわれてまだやってもらえないと。民家の横のカミソリ堤防では、水が漏れることがあると建設事務所が来て修理してくださっているということなんですが、早急な耐震化を実施してほしいという声も寄せられております。
 もう既に耐震化しているから、そこは工事の対象じゃないというふうに私は理解したんですけれども、しかし、現時点で、やはりそういった不安が住民から寄せられているわけですから、東部低地帯の河川の総点検、これがやっぱり今必要になっているんじゃないかというふうに思いました。
 ぜひ、その総点検をやっていただきたいと思いますし、同時に耐震化の計画の前倒し、これを実施していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、河川の高潮防御施設の整備についてでございます。
 高潮の防御施設については、二十二年度までに三・六キロを完了させ、二十七年度完成を目標としていますが、二十二年度はどこまで進捗したのか、事業の執行状況はどうか、また二十七年度完成、この見通しはどうかを伺います。

○飯塚河川部長 平成二十年度から二十二年度の三カ年で約〇・三キロメートルを整備いたしまして、二十二年度末までに全体計画延長約百六十八キロメートルのうち、約百五十六キロメートルが完成しております。
 二十二年度の事業費は約十九億円であり、三カ年の事業執行額は約六十七億円でございます。
 今後も残る間の整備につきましては、目標に向け取り組んでまいります。

○畔上委員 河川高潮防御施設は、伊勢湾台風級の高潮を防ぐということを目標にされているというふうに書いてありましたが、これまでは津波は高潮対策で対応できる、こういうスタンスだったわけですが、最近のいろいろな学者の方とかのお話を伺いますと、連動型の超巨大な地震によって、津波や地震が東京湾の内側におきましても、津波を引き起こす危険、こういうことも指摘があるわけですね。
 そういう指摘もあるわけですから、やはり津波のシミュレーションと想定を行って、必要な対策の強化をぜひ図っていただきたい、これも要望しておきたいと思います。
 先ほど江東内部河川の整備のお話がありましたが、この内部河川の三カ年計画は、耐震護岸と河道整備を合わせて七・四キロ、これを完成させるというふうになっておりましたが、二十二年度までの実績はどうだったのか、それから事業費の執行状況とあわせて、お伺いしたいと思います。
 また、二十七年度までに、全河川の完了というふうになっておりますが見通しはいかがでしょうか。

○飯塚河川部長 平成二十年度から二十二年度の三カ年で、約五・八キロメートルの整備をいたしました。なお、旧中川につきましては二十二年度に整備が完了しております。
 二十二年度の総事業費は約十七億円、三カ年の事業執行額は約五十七億円でございます。今後とも引き続き目標に向けて取り組んでまいります。
 なお、先ほどご要望のありました点検につきましては、総点検を行った上で対策の必要な箇所をやっております。これは三・一一の震災を受けて再点検を行ったものでございます。

○畔上委員 総点検はやったということなので安心をいたしましたが、住民からはそういった要望が地震の直後にありましたので、お伝えをしておきます。
 先ほどもご説明がありましたが、江東内部河川の場合は、耐震化とともに河道整備もやっているわけです。大変住民の期待も大きくなっております。もちろん直下型の地震が来て大丈夫なんだろうかという不安も大きいわけですが、同時にいつ河道が歩けるようになるんだろうか、早く整備してほしいという声も私のところにも寄せられております。
 今、江東区も、区としては耐震化工事が行われている小名木川、これを活用して、以前あった水上バスを今度は水陸両用のバスにして水辺を生かした観光対策、これを今検討しているところなんですけれども、地元にとっては本当に水辺は貴重な生活空間でもあると同時に、観光資源になっております。
 そういう点では、地元の要望もしっかり聞いていただいて、そうした声を生かした河川の整備、河道の整備を行っていただきたい、これも要望しておきたいと思います。
 河川の耐震化と同時に、橋梁の耐震化も大変重要だと思います。江東区内の都道にかかる橋のうち、耐震化は何カ所整備されているか伺います。

○鈴木道路保全担当部長 震災時において、救援救助活動など初動対応を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要でございます。
 橋梁の耐震対策については、阪神・淡路大震災を踏まえ、建設局管理の約千二百六十橋のうち既に新しい構造基準でかけかえた橋梁や長さが短く構造的に落橋のおそれがない橋梁など、耐震補強の必要がない橋梁を除く緊急輸送道路等の橋梁を対象として、橋脚の補強や落橋防止装置の設置など必要な耐震化に重点的に取り組んできております。
 現在「十年後の東京」計画に基づき耐震化を進めており、平成二十二年度末までに対象の四百一橋のうち二百六十七橋、約七割の対策を完了いたしました。
 このうち江東区内については、対象の三十八橋のうち二十四橋の対策を完了しております。

○畔上委員 江東区は大変橋が多いんですけれども、今のご説明ですと、対策の完了率というのは全体では七割、しかし江東区内は六割強であります。残された橋梁の耐震化は、どのように進めていくのでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 江東区内の残る橋梁につきましても、引き続き「十年後の東京」計画に基づき、平成二十七年度完了に向け、橋梁の耐震化を着実に推進してまいります。

○畔上委員 この地域の橋梁は、建設後長い年月を経たものが多く、近年の交通量の増加と大型化、さらには地盤沈下という悪条件もあり老朽化が著しく、防災上これらの橋梁の整備を図ることは急務であると都の事業概要にも書いてありますように、やっぱり耐震化も早急に実施する必要があると思います。
 地震は時を選びません。ぜひ前倒しを含めて具体化を急ぐよう求めまして、私の質問を終わります。

○松下委員 初めに、豪雨対策についてお伺いいたします。
 都民が安心して暮らす上で、集中豪雨等による浸水被害を解消できるよう、豪雨対策を総合的に行うことは都政において重要な課題であると考えます。
 決算説明資料によりますと、平成二十二年度の中小河川整備は、総額で二百十六億円余りの支出となっていますが、まず平成二十二年度末までの中小河川の整備率と、その前年比及び平成二十二年度の主な整備内容についてお伺いいたします。

○飯塚河川部長 平成二十二年度末までの中小河川の整備状況を示す一時間五〇ミリの降雨に対する治水安全度達成率は、都全体で七六%となり前年度より一ポイント向上いたしました。
 二十二年度には二十六の河川で事業を行い、このうち護岸の整備につきましては、神田川の新橋上下流や善福寺川の済美橋下流などで一・九キロメートルを整備いたしました。また、調節池につきましても、古川地下調節池のシールド発進立て坑工事を進めるとともに、白子川地下調節池の工事に着手いたしました。

○松下委員 平成十八年度の決算特別委員会の総括質疑でも、私は同様の質問を行っています。そのときの答弁では、平成十八年度末までの中小河川の整備状況を示す一時間五〇ミリの降雨に対する治水安全度は、都全体で七四%となり、こちらも前年度より一ポイント向上していましたとのことでした。
 当時から四年たって治水安全度達成率が七六%との今のお答えは、厳しい財政状況の中で中小河川整備を進めているということはわかりますが、やはり必ずしも十分な整備率であるとはいえません。
 ちなみに、本日委員会に提出されました資料によりますと、平成二十二年度中小河川の整備事業費は、骨格幹線道路の整備費決算額の約五分の一にとどまっています。
 今後も同様の整備率前年比で推移するとなると、一〇〇%の達成には二〇年以上という、かなりの時間を要することになってしまいます。
 限られた予算の中で、着実に中小河川整備を実施するためには、中小河川整備の目標を定め、危険な箇所から早期に整備を促進していく必要があると考えます。
 そこで、中小河川整備における基本的な考え方と今後の整備の進め方についてお伺いいたします。

○飯塚河川部長 水害から都民の命と暮らしを守るためには、河川整備の目標を設定し事業を推進していくことが重要でございます。
 中小河川におきましては、一時間に五〇ミリの降雨に対処するため、護岸や調節池などの整備を実施しております。
 平成十九年度に策定した東京都豪雨対策基本方針の中で、豪雨対策を重点的に促進していく対策促進流域を選定いたしまして、事業を進めております。
 さらに、昨年七月の石神井川の水害など、近年の局地的な集中豪雨の増加を踏まえまして、浸水の危険性が高い地域を中心に、迅速かつ集中的に実施すべき施策を取りまとめた緊急豪雨対策を実施しております。
 具体的には、白子川と石神井川に取水口を設け、両河川から白子川地下調節池に洪水を流入させることにより、それぞれの流域で発生した局地的な集中豪雨に対処してまいります。調節池本体は、工期を一年短縮し、平成二十八年度の完成を目指してまいります。
 今後とも中小河川整備を全力で推進し、水害の早期解消に努めてまいります。

○松下委員 ぜひ、しっかり財政確保を図った上で、中小河川整備を全力で推進していただきたいと思います。また、現実に即した明確な目標を設定し、期限を決めて重点的に整備を行っていただきたいと思います。
 豪雨による被害に遭った都民は、雨が降るたびに被害の記憶がよみがえり、不安な気持ちになるということをおわかりいただき、今後とも今まで以上の財源確保を図り、豪雨対策のために中小河川整備を積極的に推進していただきたいと要望します。
 水害をなくし、安全で豊かな生活環境の創設のため、河川改修事業等の早期完成を要望し、その実現に協力することを目的として、都内十四区二十一市二町一村から成る東京河川改修促進連盟という団体がございます。
 ことし八月に行われました総会並びに促進大会に私も出席いたしました。河川改修の課題を審議し、満場一致で決議が行われました。東京都にも要望が届いていることとは存じますが、ぜひこうした区市町村の河川改修に対する熱い思いもお酌み取りいただき、今まで以上の取り組み、中小河川整備促進を加速していただきたいと重ねて要望いたします。
 しかし、先ほどお答えもあったように、一時間に五〇ミリの降雨に対処するための整備が行われている中で、実際には五〇ミリをはるかに超える雨量も多々記録しているのが現状です。河川施設の能力を超える豪雨が発生する可能性もあります。そうした場合でも、被害をできるだけ少なくする対策を実施していくことが重要であると考えます。
 東日本大震災における津波の被害、命を守るためには安全な場所に逃げるということがいかに重要か、大震災の教訓として残されました。
 そこで、豪雨洪水被害から人命を守るために、どのようなソフト面での取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○飯塚河川部長 洪水による被害を軽減するためには、河川の整備を進めるとともに防災情報の充実を図ることが重要でございます。
 都では、雨量情報及び河川水位情報につきまして、水防災総合情報システムを活用し、インターネットのホームページでリアルタイムに都民へ提供しております。
 また、都民みずからが安全に避難できるよう、洪水の発生を事前に予測するする洪水予報を神田川で行うなど、水防情報の提供に取り組んでおります。
 今後とも都民の安全・安心を確保するため、地元自治体等、関係機関と連携を強化し、迅速かつ的確な水防情報の伝達等、河川の防災対策に取り組んでまいります。

○松下委員 災害時に必要な情報を提供すること、その情報がきちんと行き渡ること、建設局だけの取り組みではもちろんございませんが、引き続き他局や区市町村と連携した上で、しっかりと取り組んでいただきたいと要望いたします。
 都民が安心して暮らすことができるように、集中豪雨による洪水被害を早く解消できるように、豪雨対策を総合的に着実に実行していくことを強く要望し、次に都立公園についてお伺いいたします。
 指定管理者制度が平成十八年度にできてから五年が経過し、ちょうど契約更新を迎えた年が平成二十二年度です。平成十八年度各会計決算特別委員会でも、都立公園の指定管理者について私は質疑を行いました。
 その際に、都立公園において指定管理者制度を導入した目的について伺いましたところ、答弁では、都立公園における指定管理者制度の導入は、民間の能力やノウハウを活用し、公園利用者サービスの向上と経費の節減などを図ることにより、効果的、効率的な管理運営の実現を目指すものである、平成十八年度においては、七十八公園のうち六十八公園で指定管理者制度を導入しているとのお答えでした。
 五年を経て指定管理者の評価はどうであったのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理の管理運営状況評価は、全庁的な統一基準に基づきまして、外部委員を過半数とする評価委員会を設置します。
 施設や樹木などの管理状況と利用者アンケートの結果やサービス向上の取り組みなどの事業効果についてそれぞれ評価しまして、それらを総合して決定しております。
 平成二十二年度の評価では、指定管理者制度を導入しております七十七公園のうち、十六公園が優良、六十一公園が良好という評価結果でございました。

○松下委員 指定管理者制度を導入している七十七公園の評価について、優良と良好の内訳はわかりました。導入初年は六十八公園でしたので、その後、導入がふえ現在七十七公園ということもわかりました。
 評価結果は、七十七公園が優良と良好となっており、これは評価基準三段階のSとAに該当していますが、管理運営の一部において良好ではない点が認められた施設に該当するBは、どの公園もございません。
 平成二十二年度は指定管理期間のちょうど五年を終えた年であり、指定管理者の再選定が行われています。選定の結果、指定管理者の変わった公園は幾つあったのかお伺いいたします。
 あわせて、なぜ変更に至ったのか、引き継ぎは円滑に行われたのかも伺います。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十二年度に実施しました指定管理者の選定の結果、都市部の公園、東部グループの九公園及び武蔵野の公園グループの十一公園におきまして、それぞれ指定管理者が変わっております。
 指定管理者が変わった理由でございますが、外部委員を過半数とする選定委員会を設置しまして、応募者からの提案内容、公平、厳正に審査しまして、最も優秀な団体を選定した結果、指定管理者が変わったものでございます。
 指定管理者の引き継ぎに当たりましては、都がマニュアルを作成し、二十三年一月から引き継ぐべき事項、スケジュール等を新旧の指定管理者に示すとともに、双方が協力して円滑に引き継ぎを行うよう指導いたしました。二十三年四月一日からは、新しい指定管理者による管理が円滑に行われていると認識しております。

○松下委員 都内二十の公園で指定管理者が変更しているとのこと、これは全体の約四分の一が変わっているという事実です。引き継ぎを終え管理が円滑に行われているとのご認識とのご答弁ですが、細かな点では、幾つか、なれないゆえなのか対応の悪さもあるということを指摘しておきます。
 指定管理者の評価と選定の関係はどうなっているのでしょうか。評価はよいが選定では別の指定管理者となった公園が二十公園あるということは、評価は選定に反映されていないのかという疑問が生まれます。
 新たな選定に当たり、評価がすべてではもちろんないとは思いますが、選定に評価を反映するなり、指定管理者の取り組みにインセンティブを与えるような仕組みに変更すべきと考えます。
 評価は選定に反映されないのか、評価を選定に反映すべきと考えますがいかがでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十二年三月に総務局策定の選定指針が改正され、平成二十三年度の評価から、管理運営状況評価の実績を次期選定に反映させることとなっておりますが、平成二十二年度までの評価は選定に反映されておりません。
 この指針の改正を受けまして、都立公園の指定管理者の選定に当たりまして、評価が次期選定に反映される旨を募集要領に記載し、公募を実施しており、平成二十三年度評価から実績が次期選定に反映されることとなっております。

○松下委員 これまで平成二十二年選定の際には、評価は選定に反映されなかったとのご答弁です。では、何のために今まで評価しているのかという疑問は残りますが、新たな選定に当たり、募集要領を変えたということはわかりました。今後は、指定管理者の取り組みに、よりモチベーションを与えることになることを望みます。
 一方、評価については、もっと厳しくあってもよいと私はかねてより述べてまいりました。これまで過去、他局の所管の施設ではありますが、天井が落ちたところにのみ最下位の評価がついていますが、もっと努力を要する評価というもの、例えば改善の取り組み過程が見える評価となってほしいと考えます。
 指定管理者が常に利用者の都民目線に立ち、都民サービスの向上に努めていただきたいと考えますので、苦情を含めたさまざまな情報をしっかりと都の担当者に上げていただき、最下位の評価がつくことを決して恐れないでいただきたいと考えます。
 この五年間で評価の基準が変更されていることについても指摘しておきます。全庁的な評価の基準ですので、建設局が勝手に基準を変えたわけではないですけれども、指定管理者制度が始まったときの三段階の評価というのは、Aはおおむね適切な状況、Bは一部改善が必要な状況、Cは不適切な状況と定められていました。
 私は平成十八年度決算の際に、この評価の基準を、例えば、よい、普通、頑張りましょうといった三段階にすること、評価自体をもっと指定管理者にとってよりよい公園づくりのインセンティブとなるように、公園利用者サービスのさらなる向上と結びつくように、今後検討を加えていただきたいと要望していますので、変更していること自体は評価したいと考えます。
 加えて評価結果一覧についても、平成十八年度決算時の建設局の公表方法は、公園をグループごとに一くくりにして、評価はそれぞれですが、特記事項はグループごとによい点、悪い点あわせて記されており、具体的にはどの公園が一体どうだったのかということは公表されてはおりませんでした。
 評価基準が全庁的に統一なのに公表内容はばらばらでしたので、詳しい形に統一するなど改善していただきたいと要望してきましたので、最新の評価結果一覧、公園ごとに管理状況や事業効果が特記されていることは、評価したいと思います。
 指定管理者制度は、創意工夫のある企画や効率的な運営などにより、公園利用者の多様なニーズにこたえ、質の高いサービスの提供を図っていくために導入された制度です。
 私は、これまでも公園を管理するというだけの観点から、経営的な観点、パークマネジメントへの転換を名実ともに推進していただきたいと要望してまいりました。指定管理者制度も同様な考えのもと、管理からマネジメントへ、より利用者の声も反映して質の高いサービスの提供に取り組んでいただきたいと要望いたします。
 都立公園では、東京都地域防災計画に位置づけられた公園において、震災時に都民の生命、財産を守るため、救出救助活動拠点に必要な防災関連施設の整備が進んでいます。
 一口に防災公園といっても、その整備目的や機能は異なっていると思いますが、都立公園は防災機能や整備目的によって、どのように類型されるのでしょうか。またその類型別にこれまでの整備の実績と、おおむねの整備完了時期についてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 東京都地域防災計画において、都立公園は、首都圏の基幹的広域防災拠点となる東京臨海広域防災公園、自衛隊、警察、消防などの広域支援や救助部隊等のベースキャンプとなる大規模救出救助活動拠点、また、医療搬送や緊急輸送のためのヘリコプターの離着陸場所となるヘリコプター活動拠点、都民を安全に保護する避難場所に位置づけられております。
 このうち東京臨海広域防災公園は整備が完了し、平成二十三年六月に全面開園いたしました。
 次に、大規模救出救助活動拠点である十一公園につきましては、平成二十三年八月に全公園の整備が完了いたしました。
 ヘリコプターの活動拠点となる十五公園につきましては、五公園の整備が完了し、残る十公園については、平成二十五年度の整備完了を予定しております。
 避難場所につきましては、文化財庭園を除き救出救助活動拠点等との重複を含む五十公園のうち、十八公園の整備が完了しました。残る公園につきましては、平成二十五年度の整備完了を予定しております。

○松下委員 防災公園の類型と整備の実績、今後、平成二十五年の整備完了を予定しているところが幾つかあるということがわかりました。
 私の地元、武蔵野市に位置する都立武蔵野中央公園も防災関連施設の整備が行われ、防災公園として位置づけられていますが、どの類型に位置づけられているのでしょうか。また、平成二十二年度の整備内容についてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 武蔵野中央公園は、地域防災計画において避難場所であるとともに、緊急輸送のためのヘリコプター活動拠点に位置づけられております。
 そのため、平成二十一年度から防災公園としての整備を開始し、平成二十二年度は、園路広場の舗装、ヘリコプター離着陸場予定地の芝生地整備、非常用ソーラー照明や防災トイレ等の整備を行っております。

○松下委員 建設局のホームページ内に武蔵野中央公園の詳細がございますが、防災公園としての説明はどこにも見当たりません。
 今お答えのあった避難場所であり、緊急輸送のためのヘリコプター活動拠点であるという説明、これはほかの公園もそうですが、ホームページにも記載して都民にわかりやすく説明していただく必要があると考えます。
 いざというときに、避難場所にできるように、また日ごろの都立公園を利用した日常生活の中でも防災意識が向上するように、公園管理者としても、ぜひこれは意識していただきたいと要望いたします。
 武蔵野中央公園は、平成二十一年度、二十二年度と二年間にわたって防災関連施設の整備工事が行われてきました。この間、二十二年度中には三月十一日、東日本大震災が発生し、途中工事は一時停止しているようです。
 私のところにも、都民の皆様から工事に関してのさまざまなご意見をちょうだいしています。その都度お伝えもしていますが、引き続き、工事に関して、近隣や公園利用者への丁寧な説明や情報提供に努めていただくことを要望し質問を終わります。

○三宅委員 島しょ地域の振興に寄与する道路整備について伺います。
 島内の人や物の移動は、道路を利用する以外手段がなく、道路は島民生活や観光を初めとする島の産業を支える大変重要な社会資本です。
 特に都道は、島内を一周する循環線や集落と港湾、空港、観光施設などの主要施設を結ぶ幹線道路として機能しており、まさに島の生命線です。
 今夏の台風により全国的に甚大な被害が発生しましたが、一たび道路の斜面で土砂崩れなどの災害が発生した際、通行どめによる島民の日常生活に与える影響は大きいものがあります。
 そこで、島しょ部の都道における斜面の安全対策を計画的に実施することが重要だと考えますが、現在の取り組み状況について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都道における斜面の安全対策についてでございますが、すべての斜面を対象として、五年に一回、定期点検を実施することにより、地形、地質及び表層の状況などから斜面の安定度を評価し、対策を必要とする斜面について緊急性の高い箇所から擁壁や落石防護さくなどを設置する道路災害防除事業を計画的に実施しております。
 さらに、経過観察が必要な斜面に対して、毎年実施する特別点検の結果を踏まえ、新たに対策が必要となった斜面については、次年度以降の対策箇所に組み込むなど、計画を機動的に見直しながら着実に事業を進めております。
 平成二十二年度の島しょ部における道路災害防除事業の実績は、事業費約八億円により神津島村沢尻、三宅村伊ヶ谷など計十七カ所の安全対策を実施いたしました。
 平成二十三年度は、大島町元町、御蔵島村御山など計十四カ所の安全対策に取り組んでおります。引き続き、道路災害防除事業を着実に実施し、島しょ部の安全・安心の確保に努めてまいります。

○三宅委員 これまでの取り組みで、島民の日常生活をしっかりと支えていただいているとのことで安心しました。引き続き、計画的かつ着実な災害防除事業の実施をお願いいたします。
 次に、都道は島しょ地域の振興を図る重要な役割を担っていますが、いまだ歩道がない場所や大型車両のすれ違いができない箇所などがあります。
 そこで、島しょ地域の振興に寄与する道路や橋梁の建設が必要ですが、現在の取り組み状況について伺います。

○野崎道路計画担当部長 島しょ地域の道路や橋梁の建設は、島民の日常生活を支え、自然災害など緊急時に対応できる安全な交通機能を確保するとともに、島しょ地域の振興を図る上で必要不可欠でございます。
 平成二十二年度の実績でございますが、大島町の宮の沢、三宅村の坪田、八丈町の抜舟など八路線十七カ所で道路拡幅、バイパス道路の整備、線形改良を伴う橋梁の新設などを実施し、事業費約二十二億円を執行いたしました。
 整備に当たりましては、自然条件、路線の果たす役割、島の豊かな自然環境や観光資源など島しょ地域ならではの特性を十分考慮し、経済的かつ効果的に事業を進めております。
 平成二十三年度におきましては、大島町の泉津や小笠原村父島の西町、東町など九路線十八カ所で事業に取り組んでおりまして、引き続き島しょ地域の振興を図る道路や橋梁の整備を進めてまいります。

○三宅委員 道路拡幅や新設橋梁などの整備が着実に行われているとのことで、島民としても改めて心強い思いです。
 私が住んでいる大島町においても、島内を一周する大島循環線という都道があります。大島の生命線である循環線で、仮称ですが、五郎川橋という橋梁を新設している箇所があります。この箇所は平成二十年二月に大きな落石があったため、それ以来通行どめとなっています。
 ことしの第一回定例会で私が質問し、平成二十三年度末の開通を目指すと答弁をいただいております。その後、東日本大震災があり、資材調達などの面で工事に影響を与えたかと思われますが、現在の五郎川橋の整備状況について伺います。

○野崎道路計画担当部長 都道大島循環線は、島内の集落を結び港湾や空港に連絡する主要な路線でございまして、島民の生活や経済活動を支えるとともに緊急時の避難路となるなど、極めて重要な役割を担っております。
 平成二十年二月に本路線の波浮港から北に約四キロメートルの急カーブ内におきまして、落石が発生いたしました。都は直ちに通行どめの措置を行い、町道を利用した迂回路を確保した上で、落石回避と線形改良により現道に加えて五郎川を橋梁でわたる新たなルートを整備することといたしました。
 仮称五郎川橋の整備状況でございますけれども、平成二十二年度に橋脚や橋台の下部工事、取りつけ道路の擁壁工事及び鋼けた製作架設工事を発注いたしまして、震災の影響もなく、現在、橋梁本体が完成しております。
 二十三年度は橋梁の上部仕上げ工事など、開通に向けた工事をすべて着手したところでございまして、引き続き安全確保を図りながら、来年三月の開通に向け全力で工事を進めてまいります。

○三宅委員 大島の生命線となる循環線において、五郎川橋の整備が平成二十三年度末の完成に向けて、予定どおり行われていることはよくわかりました。
 次に八丈島の都道について伺います。
 八丈島では、循環線のほかに空港など主要施設をつなぐ都道でも整備が進められています。この都道は、空の玄関口である八丈島空港と海の玄関口である底土港などを結ぶ重要な都市計画道路であり、まさしく島の生命線です。
 現在工事も急ピッチで進められているようですが、都市計画道路の整備状況について伺います。

○野崎道路計画担当部長 八丈島の都市計画道路八丈三・四・一号線は、島の玄関口でございます底土港、八丈島空港、八重根港を結ぶ延長約七・四キロメートルの都市計画道路でございまして、交通の要衝を結ぶとともに八丈町の中心部を東西に貫く一般都道二一六号線のバイパスとして、防災性の向上や観光ポイントの創出などに寄与する重要な路線でございます。
 片側四・五メートルのゆとりある歩道を設置し、地域のシンボルとしてビロウヤシ並木など、植栽など島しょ地域の特徴を生かした道路整備を進めております。七・四キロメートルのうち既に七・二キロメートルが完成しておりまして、残る八丈島空港前の約〇・二キロメートルの区間につきましても、現在、街路築造工事を行っております。
 島の中心部で循環線を形成する八丈三・四・一号線全線の来年二月の完成に向けまして、引き続き本区間の工事を全力で進めてまいります。

○三宅委員 大島では五郎川橋が、また八丈島では空港前の都市計画道路が完成するとのことで、道路や橋梁の整備が着実に進んでいることは、島民にとって大変ありがたいことです。島の道路は、島民や島を訪れる観光客にとって欠かせない重要な社会資本です。
 これまでの答弁で、島しょ地域の振興を図るため、定期的な斜面点検などに基づく安全対策を初め、島の実情に対応した道路や橋梁の整備が行われていることがよくわかりました。引き続き、島内の生命線となる重要な道路の整備推進をお願いいたしまして質問を終わります。

○田の上委員 河川は、私たちの生活に身近なものです。私の地元の江戸川区では、大小幾つもの河川があり、河川敷でのスポーツ利用があったり、子育て世代から高齢者に至るまで、自然と親しめる親水公園などもあります。
 昨今、東京都は、隅田川のテラス整備を初め、緑豊かで親水性に配慮した工夫を取り入れ、魅力的な水辺空間の創出に取り組んでいます。また、東京スカイツリーの開業を控え、観光のための新たな舟運ルートの開発をしようという動きもあります。
 これら、にぎわいあふれる水の都東京の再生、舟運の発展のためには秩序ある水面利用が大前提であり、治水、船舶航行の支障、環境、景観への悪影響を及ぼしているプレジャーボート等の不法係留船対策が重要となってまいります。
 そこで何点か伺います。
 都では、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例制定後、放置船舶対策を計画的に展開することを目的に、東京都船舶の係留保管適正化計画を策定し、平成二十二年五月に計画の改定版が発表されました。この間どのように取り組まれ、また不法係留船舶の数に変化があったのかどうか伺います。

○飯塚河川部長 都では、東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例に基づきまして、新中川など八河川を適正化区域及び重点適正化区域に指定し、船舶放置禁止のための規制を強化しております。
 これと並行いたしまして、不法に係留されているプレジャーボート等の船舶の受け入れ先を確保するため、暫定係留施設を整備しております。その上で、所有者不明の船舶の廃棄処分を進めますとともに、暫定係留施設へ船舶を誘導するなど積極的に対応しております。
 この取り組みの結果、河川では平成十四年に七百五十隻あった不法係留船舶を、本年五月には三百九十八隻まで、約四七%減少させました。

○田の上委員 条例制定後の積極的な取り組みにより、昨年よりもさらに削減されて、ことし五月には三百九十八隻ということで、不法係留船がほぼ半減したということは一定の効果はあったと評価するものでございます。
 今後も引き続き不法係留船対策への積極的な取り組みをお願いいたします。
 先ほどのご答弁にもありましたが、条例では、災害時の避難、輸送の確保、また騒音、悪臭ほか安全性の低下で住民生活阻害の防止、そして港湾における船舶の経済活動を確保するための区域として、適正化区域、またその中でも重要性及び緊急性から、特に船舶の排除すべき区域として重点適正化区域というふうにされ、八河川がそれぞれ指定されたとのことでしたが、具体的にはどの河川が適正化区域、または重点適正化区域として指定されているのか伺います。

○飯塚河川部長 重点適正化区域が適正化区域と異なる点は、同じ放置船舶の解消を目的としておりますが、是正指導に従わない船舶を別地域へ移動させることができる点でございます。
 適正化区域として、新河岸川を重点適正化区域とし、新中川を初め旧江戸川、新芝川、綾瀬川、中川、海老取川、築地川の七河川、合計八河川の指定を順次行いました。

○田の上委員 重点適正化区域に指定されている河川が多いことからも、今後も継続する課題なのだということが見受けられます。
 今までの経緯を見ますと、悪質なケースにおいては行政代執行を実施するなど、大変なご苦労をされていることと認識しております。当然ながら、不法係留船舶の所有者に対して適正化を促すためには、必要な河川に区域指定を実施し、しっかり取り組むことが必要です。
 一方、行き先のない船舶の保管の課題もあります。ご答弁では、適正化は規制強化と収容施設の整備という両輪で実施しているとのことでした。そこで、以前より東部エリアを除き放置船舶数に対して、係留保管施設が不足しているとされていましたが、係留保管施設の確保に関して、建設局はどのような認識なのでしょうかお伺いいたします。

○飯塚河川部長 条例に基づき制定した東京都船舶の係留保管適正化計画では、暫定係留施設整備につきまして定めております。
 これまで新中川などでプレジャーボート等の暫定係留施設を六百三十九隻分整備しております。
 昨年五月に改定した計画では、五年間で係留保管施設が不足している江東内部地域におきまして八十隻程度、城南地域で四十隻程度整備する予定でございます。

○田の上委員 江東内部地域及び南部地域は、区管理河川が多くあります。暫定係留施設においては、地元区との緊密な連携を図りながら、また周辺住民の十分な理解を得ながら施策を進めていただきたいと思います。
 私の地元江戸川区には、新中川や旧江戸川等の河川があります。先ほど新中川のプレジャーボートの暫定係留施設についても言及されていましたが、これらの河川がある東部地域については、どのような取り組みを考えているのでしょうか改めて伺います。

○飯塚河川部長 東部地域では、新中川、旧江戸川を重点適正化区域に指定しておりますが、不法係留船が残っているその他の河川におきましても、引き続き暫定係留施設を活用するなど、不法係留船舶の適正化に取り組んでまいります。

○田の上委員 私の地元江戸川区では、区が管理する新左近川マリーナがあります。不法船舶を移動させるなどの試みも行われてまいりましたが、廃止の方向性を打ち出しており、行き場のなくなった船舶が増大すると考えております。
 区内には、都が適正化のために整備した新中川、旧中川の暫定係留施設がございますけれども、それだけでは受け皿として不足が生じるのではないかと懸念しております。
 不法係留船舶の適正化を推進するためには、係留保管に必要な施設数を確保していくことが大変重要ですので、新左近川マリーナ廃止に伴う係留船舶の受け入れについては、今後とも江戸川区と綿密な話し合いをしていただき、適正化への支障が生じないよう万全を期していただきたいと要望いたします。
 三月十一日の震災以降、台風被害等もあり、都民の防災及び水辺環境の保全に対する意識は非常に高くなっています。不法係留船による環境悪化、災害時の事故及び避難、輸送等の航行上の支障への対策においては、これまで以上に積極的な取り組みをお願いいたしまして次の質問に移ります。
 東京都では、隅田川や神田川を初め、潤いのある水の都への再生を目指し、その一環としてスーパー堤防事業が進んでいます。
 コンクリートの直立堤防から緩傾斜型堤防の整備が進められ、防潮堤としてだけではなく、背後の建築等の市街地再開発や公園の整備にあわせて、水と緑の空間を生かしたまちづくりとして実施されているものと認識しております。
 そこで、平成二十二年度に進められたスーパー堤防整備を行った河川と区間を教えてください。
 また、スーパー堤防の全体計画として、今後予定されている区間もあわせて教えてください。

○飯塚河川部長 平成二十二年度は、隅田川の三地区〇・三キロメートル、綾瀬川の一地区〇・二キロメートルにおきまして整備を実施いたしました。
 都のスーパー堤防整備は、隅田川、中川、旧江戸川、綾瀬川、新中川の五河川が対象でございます。
 この五河川におきまして、河川沿いの開発にあわせまして、開発者等の協力を得てスーパー堤防を整備いたします。開発者と合意した箇所を計画地区としており、二十三年度現在の計画延長は二十五・一キロメートルでございます。

○田の上委員 合意が得られた箇所を計画地区としているとのことで、住民あっての環境整備において、一方通行ではない形で進められているものと認識しております。
 二十二年度に進められた事業には、隅田川のテラス整備などもありましたが、どのような目的でスーパー堤防化されたのか伺います。

○飯塚河川部長 都のスーパー堤防は、堤防の耐震性の向上、良好な景観の形成及び親水性の向上を目的として整備しております。
 隅田川のテラスは、既設防潮堤の耐震性向上を図るとともに、将来スーパー堤防の一部となるものでございます。

○田の上委員 テラスは河川側、つまり堤外の一部になりますが、耐震と親水性を兼ね備えたスペースとして整備しているということかと思います。
 都のスーパー堤防では、背後地のまちづくりと一体的に事業を整備されていますが、土地区画整理事業とあわせて行われているケースはどれぐらいあるのでしょうか。

○飯塚河川部長 都のスーパー堤防では、民間の開発や公園整備等にあわせまして、平成二十二年度までに約十五キロメートルの整備が完了しておりますが、これまでに土地区画整理事業とあわせて整備された地区はございません。
 田の上委員のお話の中にもありましたように、まちづくりと一体的に整備することで、安全性の向上はもとより、人々が憩い、潤える良好な空間を創出しております。

○田の上委員 今後、場合によっては再開発事業とあわせて行われるというのもあると思いますが、今のところは宅地が含まれるような整備はなく、土地区画整理や用地取得などの必要性もないのかなというふうに思っております。
 建設局では、道路や河川、公園などの公共事業に伴う用地取得を円滑に行うため、土地所有者等への生活再建資金貸し付けや代替地提供などの生活再建対策に要する費用を計上していますが、二十二年度スーパー堤防事業実施においては、この費用も活用されていないものと認識しています。
 国の事業との一体的事業の例としてちょっと挙げさせていただきますと、私の地元、江戸川区北小岩一丁目地区で行われようとしている土地区画整理事業があります。これは、土地区画整理事業でありながら用地先行買収が行われ、通常の区画整理とは異なり、もとの土地に戻れない人々が多くなり、またその先行買収により、まだらに公共用地が存在する状況となっております。どんな事業においても、住民負担を最小限に抑えることは重要であると考えています。
 事業を進めるに当たっての住民説明会等、住民の合意を得るために、これまで都ではどのようなことをされているのでしょうか。

○飯塚河川部長 都のスーパー堤防は、河川沿いの開発者の協力により実施するものでございまして、開発の計画段階から開発者や地権者等と協議を進め、合意を得て実施しております。
 工事の施工に際しましては、近隣の住民に対しまして十分周知するとともに、必要に応じ工事説明会等を開催しております。

○田の上委員 先ほどもありましたが、土地区画整理事業を伴わない事業になっているため、開発者が主体となって住民協議を進めているものと理解いたします。
 治水事業を行うことでコミュニティが分断化されることのないよう、例えば地権者が複数になるときなどは、必要に応じて十分な話し合いをしていただきたいと要望いたします。
 ここで改めて国のスーパー堤防事業との違いを伺いますが、国の事業では、裏ののり面を堤防の三十倍の緩やかな勾配でつくり、三%程度の傾斜となります。それに対して都の事業では、堤防の裏のり面が六十メートル程度と認識していますが、なぜこのような違いは生じるのでしょうか。

○飯塚河川部長 国のスーパー堤防は、計画を超える洪水により越流した場合でも、堤防本体が壊れることのないよう、河川の背後に奥行きが最大三百メートル程度の堤防を整備するものでございます。
 都のスーパー堤防は、既に高潮防潮堤の高さが確保されている河川におきまして、防潮堤の耐震対策に加えまして、良好な景観の形成、親水性の向上を目的として民間開発などと一体的に整備するものでございまして、奥行き最大六十メートル程度の盛り土を行うものでございます。
 スーパー堤防事業は、過去にたびたび水害に見舞われてきた東部低地帯の安全性の確保にとって不可欠な事業でございまして、重点的に整備を行う必要があり、今般の大震災を踏まえますと、なお一層その事業の推進を図ることが重要と考えております。

○田の上委員 国のスーパー堤防は、越流した場合にも本体が壊れないよう幅を広くし、強固にするものということでございます。遊水池という言葉もよく聞かれますが、越流も前提としてスーパー堤防を進めるのであれば、盛り土部分、裏のり面の部分になりますが、この利用については慎重にしなければなりません。
 越流しても流れる際には幅があるので、ゆっくり流れるということなんですが、この三%の傾斜をつけた裏のり面を、わざわざ土地区画整理で住宅にするのではなく公共用地としていくような取り組みがあってもよいと私は考えております。
 傾斜とはいえ、実際は段々のような形で建物が建てられていくわけで、今後、高齢社会が進んでいく中、坂道や階段がふえてきて、住宅地を極力避けるような知恵と工夫が必要なのではないかというふうに思っております。
 一方、東京都のスーパー堤防は、防潮堤として既に高さがあるものを生かしたまま、耐震対策及び親水性などに配慮した環境整備を行うものということだと思います。
 スーパー堤防は、よく堤防全体を高規格化する、つまり連続した高さにしないと治水効果を発揮しないともいわれていますが、都のスーパー堤防の場合は成り立ちが異なるため、連続した高さは維持したままつくられるということもわかりました。
 都のスーパー堤防事業は、都市計画法に基づく事業として行っているのか伺います。

○飯塚河川部長 都のスーパー堤防は、開発者と協議しながら協力を得て実施する事業でございまして、都市計画法に基づく事業として行っているものではございませんが、先ほどもお答えいたしましたとおり、まちづくりと一体的に整備しております。

○田の上委員 国が行うスーパー堤防については、平成六年の旧建設省の通達により、高規格堤防整備と市街地整備の一体的推進を図るため、都道府県都市計画担当部局及び河川管理者との間で十分な連絡調整を行うことや河川及び沿線整備のマスタープランを定め、計画的に整備を進めることなどが掲げられて、都市計画として行うことが多いと認識していますが、都の場合にはこれに当たらないためかと思います。
 江東内部河川では河道整備が行われてきましたが、建設局ではどういったところをスーパー堤防で整備し、どういったところを河道整備というふうに選定しているのでしょうか。

○飯塚河川部長 都では河川の規模、高潮の影響、後背地の状況等を考慮いたしまして、隅田川などの五河川でスーパー堤防を整備しております。
 隅田川や荒川の外郭堤防の整備は、水門、排水機場の整備などにより、高潮に対する安全性が確保された江東内部河川では、護岸や河川環境にも配慮した河道の整備を行っております。

○田の上委員 つまり、隅田川などの大きな河川では耐震対策が中心となり、その他の中小の河川では集中豪雨など降雨の影響もかんがみ、護岸や河道整備が中心となっているということと理解いたします。
 建設局は、中小河川や低地河川の特徴や地形にあわせて対策を実施していると認識しております。スーパー堤防においても、適所で進めていることと思いますが、治水の中心は住民であるということを忘れずに実施していただきたいと思います。
 これまでの質疑で、都の行っているスーパー堤防整備は、今のところ住宅地を巻き込むようなケースがないということがわかりましたが、今後、土地区画整理事業等を伴う整備になる場合には、慎重な手続と十分な説明、話し合いにより、住民負担を抑えるようご尽力いただきたいと要望いたしまして質問を終わります。

○長橋委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
   午後二時四十四分散会

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