平成二十一年度各会計決算特別委員会速記録第三号

平成二十二年十一月十日(水曜日)
第十二委員会室
   午後一時開議
 出席委員 三十名
委員長佐藤 広典君
副委員長菅  東一君
副委員長興津 秀憲君
副委員長谷村 孝彦君
理事田中  健君
理事鈴木 隆道君
理事中村ひろし君
理事上野 和彦君
理事石森たかゆき君
理事小沢 昌也君
山崎 一輝君
野田かずさ君
山内れい子君
関口 太一君
栗林のり子君
遠藤  守君
きたしろ勝彦君
柳ヶ瀬裕文君
淺野 克彦君
たきぐち学君
しのづか元君
大島よしえ君
橘  正剛君
松葉多美子君
山田 忠昭君
三宅 正彦君
高橋 信博君
伊藤まさき君
たぞえ民夫君
馬場 裕子君
 欠席委員 一名
 出席説明員
会計管理局長新田 洋平君
教育長大原 正行君
東京都技監都市整備局長兼務河島  均君
知事本局長秋山 俊行君
総務局長比留間英人君
財務局長安藤 立美君
主税局長荒川  満君
生活文化局長並木 一夫君
スポーツ振興局長笠井 謙一君
環境局長大野 輝之君
福祉保健局長杉村 栄一君
産業労働局長前田 信弘君
建設局長村尾 公一君
港湾局長中井 敬三君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
病院経営本部長川澄 俊文君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長宮川 雄司君
人事委員会事務局長多羅尾光睦君
監査事務局長三橋  昇君
労働委員会事務局長山本 洋一君
収用委員会事務局長藤井 芳弘君
議会局長白石弥生子君
警視庁総務部長種谷 良二君
消防総監新井 雄治君

本日の会議に付した事件
平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成二十一年度東京都一般会計決算
・平成二十一年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十一年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十一年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成二十一年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十一年度東京都農業改良資金助成会計決算
・平成二十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十一年度東京都と場会計決算
・平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十一年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十一年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十一年度東京都用地会計決算
・平成二十一年度東京都公債費会計決算
・平成二十一年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成二十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

○佐藤委員長 ただいまから平成二十一年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員会日程の変更について申し上げます。
 過日の理事会におきまして、お手元配布のとおり変更することといたしました。ご了承願います。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取いたしております。
 なお、去る十月八日から行われました各分科会における局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

   〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○佐藤委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 次に、理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるよう、お願いいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いいたします。
 これより順次発言を許します。
 伊藤まさき委員の発言を許します。

○伊藤委員 私からは、まず、行財政改革についてお伺いをしたいと思います。
 都財政を取り巻く環境は、景況の回復のおくれや法人事業税国税化の影響などにより、その運営はますます厳しいものとなっており、二十一年度は、本予算に加えて、六月、十二月と補正予算を編成し、都民や中小企業の緊急課題へ迅速に対応を行うなど、必要な取り組みを行ってきたとしております。
 こうした二十一年度における都の取り組みは、都民生活や都内中小企業をどのように支え、どのような効果を与えてきたのでしょうか。二十一年度決算の評価を含めて、都の見解を伺います。

○安藤財務局長 平成二十一年度の予算編成のときには、アメリカ発の金融危機が世界規模の不況へと発展する中にありまして、東京におきましては、金融機関の貸し渋りや中小企業の倒産の増加、新型インフルエンザの大流行への懸念など、都民の多くが不安を抱く状況にございました。
 二十一年度予算は、このような都民の不安に対しまして積極的な支援を実施するなど、都が取り組むべき課題への対応に財源を重点的に振り向けることを基本に編成をいたしました。
 その後、年度途中で都税収入の大幅な減少に直面いたしましたが、都民生活に支障を生じさせないことを前提に、歳入歳出を精査するとともに、財政対応力を活用して財源を確保するなど、施策の着実な実施に全力を挙げてきたところであります。
 一例を挙げますと、中小企業支援につきましては、制度融資目標額の二・二兆円を超える二・五兆円の融資を行っており、中小企業の経営を下支えする上で大きな役割を果たしたと考えております。
 また、二百万人分の抗インフルエンザ薬を確保するなど、いち早く新型インフルエンザ流行発生時の対応体制を整備するとともに、周産期医療体制を充実させるためにNICUを十五床増床させるなど、都民生活の安全・安心の確保につながる取り組みも進めたところであります。
 このように、二十一年度におきましては、都財政が厳しい環境下に置かれる中にありましても、都民生活や中小企業が直面する危機への対応という観点などから、都の担うべき役割をしっかり果たすことができたものというふうに認識をしております。

○伊藤委員 大変ご丁寧な答弁、ありがとうございます。
 中長期的な取り組みとして、「十年後の東京」計画が現在進行しております。都は、緑の回廊で包まれた美しい東京を復活させるなどとして、二十一年度までに二百九十九ヘクタールの緑を創出したとのことです。三環状道路の目標も四六%の整備となり、また、公立小中学校の耐震化も八八%にまで高めております一方、木造住宅やマンションの耐震化は、なかなか進んでいない状況がございます。
 こうした都民の暮らしの豊かさに重点を置いた東京の環境や機能を高める二十一年度の重要事業がどの程度進捗したのかについて、都の見解を伺います。

○秋山知事本局長 都では、都市戦略といたしまして「十年後の東京」を策定し、さらに、その三カ年のアクションプランでございます実行プログラムを毎年度改定し、さまざまな施策を展開しているところでございます。
 ただいま委員から進捗状況について具体的なお話がございましたが、そのほかの例で申しますと、例えば目標の1では、緑あふれる東京を目指し、街路樹の整備を進めることとしておりますけれども、都民などの募金を原資としたマイ・ツリー事業の活用などの工夫も凝らしながら、街路樹の目標百万本に対して、二十一年度末で六十万本を整備したところでございます。
 また、より快適で利便性の高い都市生活の実現を目指し整備を進めている都市インフラでございますが、お話しの三環状道路のほかに、都道に関しましても、区部環状道路や多摩南北道路等の骨格幹線道路の整備を進め、目標としている整備率約九五%に対しまして、二十一年度末で区部環状道路が八六%、多摩南北道路については七二%を達成しているところでございます。
 「十年後の東京」計画も、二十一年度末で四年目ということになっておりますけれども、このように数値を掲げた施策につきましては、既に五〇%を上回る成果を上げているものも多く、おおむね順調に進捗しているものというふうに考えております。
 計画期間の折り返しに差しかかっていることもございまして、これまでの取り組みを詳細に検証した上で、喫緊の課題や最新の社会状況も織り込みながら、「十年後の東京」計画の着実な実現に向けて、実行プログラムの改定を行い、東京の魅力や機能をより高める取り組みを加速していく所存でございます。

○伊藤委員 必要な施策を展開するためには、やっぱり行財政改革をきちんとやって、財源を確保することが重要というふうに私たちは考えております。
 さきの第二分科会で、我が党の小沢議員が、監理団体と指定管理者制度についての質疑の中で、東京都スポーツ文化事業団に対する都立スポーツ施設の管理料が二十年度から二十一年度に一億円増額している理由についてただしました。
 当初、予算見積もり時点では、原油高の影響による光熱水費の増額を見込んでいたということでありましたが、この一億円増額の理由と経過について、改めて確認いたします。

○笠井スポーツ振興局長 平成二十一年度の都立スポーツ施設の指定管理料につきましては、その前年であります平成二十年の夏に予算見積もりを行っております。この見積もりの時点では、原油高がピークにあったことから、光熱水費の高騰に最優先で対応するとともに、駒沢オリンピック公園総合運動場の第二種陸上競技場の公認更新に必要な備品整備などの経費を見積もった結果、前年度に比べ増額となったものでございます。
 一方、毎年度の指定管理業務につきましては、予算見積もりの後の状況変化も踏まえ、年度当初に指定管理者と協定を締結し、指定管理者が行う業務や指定管理料などを定めることとしておりまして、平成二十一年度の協定は平成二十一年四月に締結をいたしております。
 この協定締結の時点では、既に原油高騰は鎮静化しておりましたが、かねてより利用者から強い要望がございました老朽備品や設備の更新、危険を未然に防止するための施設の補修などを前倒しで実施することといたしまして、さきの第二分科会でも所管部長からご答弁いたしましたとおり、バスケットのゴールですとか卓球台等の備品の整備や、さまざまな補修工事などを盛り込み、平成二十一年度の指定管理業務に関する協定を締結したものでございます。

○伊藤委員 予算見積もり時は一バーレル当たり約百三十ドル、締結時にはこれが五十ドルに下がっていると。ですから、確かに、指定管理者制度については期間を通じて締結をすると。その年度に起きたいろんな変動については、その受けた事業者がリスクを負うという制度ではありますけれども、しかし、半分に下がった原油のものを備品や補修工事に変更されてしまったことには変わりがないわけであります。
 ここで財務局に見解をお聞きしますが、指定管理者制度における年度協定と業務委託等における契約について、一概に比較はできないと思いますけれども、都における一般的な契約制度の考え方についてお伺いいたします。

○安藤財務局長 都が業務委託等の契約を締結する場合は、総価契約が原則となっております。
 契約期間中に契約の内容が変更になる場合、例えば清掃業務委託で施設改修等があり、清掃面積が変更になる場合などでありますが、この場合には、発注者、受注者協議の上、契約変更を行う場合もございます。また、価格の変動が見込まれる場合につきましては、期間を定めて単価を契約締結し、履行実績分を支払っているという状況でございます。

○伊藤委員 都の一般的な契約であれば、関係部署が必要なチェックを行うシステムになっております。先ほどもいったように、指定管理者制度はまた別の制度でありますから、一概に比較はできませんけれども、このように価格変動が大きなものに対して、私は、年度協定の締結については、チェックをする仕組みが必要だと考えますけれども、総務局の所見を伺います。

○比留間総務局長 公の施設に係る指定管理者制度は、平成十八年度の導入以来五年を迎え、多くの施設で更新の選定が必要となることから、都民サービスの一層の向上を図るため、本年三月に運用の見直しを行いました。
 年度協定の締結や指定管理料の修正につきましては、昨年度の包括外部監査の指摘を踏まえ、チェック機能強化の観点から、総務局との事前協議を義務づけることとしたところです。
 具体的には、各局が年度協定を締結する際、総務局において、事業者が提出した事業計画との比較検討を行い、重要な変更がある場合にはその理由を確認するなど、より厳格に事業が執行されるよう指導してまいります。
 また、指定管理者の選定に係る評価項目ごとの配点や各応募事業者の得点状況など、公表範囲を拡大し、より公正で透明性の高い制度の運用を図ってまいります。

○伊藤委員 指定管理者制度といえども、やっぱり東京都の税金が使われているわけでありますから、東京都の行う契約と同じように、より高い公平性を担保していただきたいと、このように思います。
 この決算に当たりまして、我が党は、指定管理者制度を含めて監理団体について、さまざまな検証を行ってまいりました。ここでるる、一々その例を挙げることはいたしませんけれども、監理団体は、都からのさまざまな業務を受託するなど緊密な関係を持つことから、運営に当たっては、より一層の透明性を高めることが必要だと考えます。
 これまでの各分科会などでの議論を踏まえると、監理団体改革というのはまだまだ道半ばというふうに考えております。今後もさらなる改善が必要と考えます。
 監理団体を所管する総務局としての今後の取り組みについて伺います。

○比留間総務局長 監理団体改革につきましては、これまでも団体の統廃合、都の財政支出や都派遣職員数の削減、役員退職金の廃止、役員報酬の引き下げなど、積極的に取り組んでまいりました。さらに、本年九月には監理団体活用方針を策定し、公と民の役割をあわせ持つ監理団体を都政を支える重要なパートナーとして位置づけ、監理団体をより一層活用していくことといたしました。
 一方、活用に当たりましては、今まで以上に都民への説明責任を果たすことが必要となるため、都議会での議論や包括外部監査の指摘なども踏まえ、経営の透明性の向上に取り組むとともに、団体が担うべき業務についても適時適切に見直しを行うなど、引き続き改革を進めてまいります。

○伊藤委員 今回は指定管理者制度を取り上げましたけれども、いよいよ五年目に向けて、これから切りかえの時期に入ってきております。ぜひとも、受ける事業者が株式会社であれ監理団体であれ、透明性の確保という観点で、我が党としては注目をしていきたいと思っております。
 次に、雇用対策についてお伺いをいたします。
 一昨年秋のリーマンショック以降、急激な景気の悪化とともに、深刻な雇用環境が続いております。平成二十一年の完全失業率は七月には三百六十九万人となり、前年に比べて百六万人も増加をいたしました。平成二十一年度の有効求人倍率は〇・四五倍で、前年に比べて〇・三二ポイント低下をしたわけであります。
 こうした厳しい雇用環境は、派遣切りなどの呼び名でここ数年来続いております年末の年越し派遣村が恒例となってきております。
 そこでお伺いいたしますけれども、平成二十一年度において都ではどのような雇用対策をとったのか、また、どのような効果、実績を出したのか、お伺いいたします。

○前田産業労働局長 平成二十一年度は、急激な雇用情勢の悪化に対応するため、都は国に先駆けまして緊急の雇用対策に取り組みました。
 都独自の区市町村補助事業を実施いたしまして、延べ二十四万三千四百八十人の雇用を確保するとともに、国の交付金によります緊急雇用創出事業などの基金事業にも取り組みまして、こちらでは新たに一万一千三百四人の雇用創出を行いました。
 また、都立職業能力開発センターにおけます訓練に加え、再就職促進等委託訓練の規模を大幅に拡大いたしまして、合わせて一万一千六百七十人の方々が職業訓練を受講いたしました。
 さらに、三十歳代の非正規雇用者を対象に、正規雇用化、職場定着を支援するネクストジョブ事業や、低所得の方々を対象にした就職チャレンジ支援事業を平成二十年度に引き続き実施したところでございます。

○伊藤委員 先ほどご答弁の最後にありましたが、就職チャレンジ支援事業というのは知事の選挙公約でありました。具体的には、フリーターやパート労働者ら低所得者に対する個人都民税の減税、規模としては約六十万人を対象とした五十億円の減税という公約だったものを、半年たってしまって、公約の進化として出てきた政策の一環でございますけれども、このチャレンジ支援事業の事業内容についてはどうなんでしょうか。

○前田産業労働局長 就職チャレンジ支援事業は、低所得者の方々の生活の安定に向けた三カ年の緊急総合対策であります生活安定化総合対策事業の一環として、平成二十年度より区市町村や福祉保健局と連携して実施しているものでございます。
 本事業では、まず、区市町村に設けた窓口で生活相談を行うとともに、貸付金や職業訓練など各種支援策を紹介いたします。その中で、安定した仕事につく意欲を持ち職業訓練を希望される方々には、就職チャレンジ支援相談室でキャリアカウンセリングを行い、生活費支給つきの職業訓練を実施いたしまして、就職につなげるよう支援しております。

○伊藤委員 かなり手厚い事業だなというふうに思っておりますけれども、では、平成二十一年度の実績はどうなっているでしょうか。

○前田産業労働局長 平成二十一年度に、本事業の利用を希望され、都内四カ所の就職チャレンジ支援相談室に登録した方は二千九百二十人でありました。生活費支給つきの職業訓練につきましては、ITや介護、機械、電気といった多様な訓練コースを民間教育訓練機関や都立職業能力開発センターで実施しており、相談室に登録された方のうち、訓練受講前に就職された方や辞退した方々などを除きまして、二千三百二十二人が訓練を受講いたしました。就職した方々は一千十九人で、このうち、正社員で就職した方は三百八十五人でございます。

○伊藤委員 ここに平成二十二年度版のチャレンジ支援事業のパンフレットがありますけれども、ここには、就職に役立つ知識や技能を身につけて、正社員にチャレンジしてみませんかと、こういうことなわけであります。低所得者の方々を対象としたきめ細かな就職活動を支援し、先ほど答弁にありましたように、二千三百二十二人が職業訓練を受講し、そのうち三百八十五人が正社員として就職したことになります。
 しかし一方で、費用対効果という視点から見ますと、この事業は二十一年度に約二十一億四千万もの税金が使われている。これを就職された三百八十五人で割り返すと、一人当たり五百五十五万円もかかってしまうということになるんです。
 就職実績が私はかなり少ないと思うんですけれども、就職チャレンジ事業の費用対効果についてはどう考えているでしょうか。

○前田産業労働局長 就職チャレンジ支援事業は、低所得者の方々に対する雇用のセーフティーネットとして、生活費支給つきの職業訓練に加え、本人の希望や適性を踏まえたキャリアカウンセリングなどのきめ細やかな就職支援を実施したものでございます。
 本事業は、低所得者層が職業的、経済的に自立することを目的として、都が国に先駆けて実施したものでありまして、国におきましても、その後、第二のセーフティーネットとして同様の事業を開始したところでございます。
 正社員の就職数が少ないという状況では、数字としてはそうなっておりますけれども、就職できた方はもちろんのこと、現在就職に至っていない方におきましても、今後のキャリア形成にとりまして、この就職チャレンジ支援事業で職業訓練等を受けられた、あるいはキャリアカウンセリング等を受けられたということは、今後のキャリア形成にとりまして大きな蓄積になるものというふうに考えておりまして、現在の非常に厳しい雇用情勢のもとで成果を上げたものと、このように認識しております。

○伊藤委員 厳しい景気の中での雇用対策は大変だというふうに私も思います。ただ、知事があれだけぶち上げた政策を引き継いで、これだけ手厚い雇用対策を行っていながら、私はこの数字では本当に不十分だというふうに思います。ぜひともどこに原因があったのかということをしっかりと検証していただいて、他の雇用対策に生かしていただきたいというふうに思いますし、知事におかれましても、民主党のマニフェストについていろいろとおっしゃっていますけれども、自分の公約もぜひともチェックをしていただきたいなと、こんなふうにも思っております。
 ただ、私はこの政策がだめだといっているわけじゃなくて、これだけいいんだから、もっと工夫してやっていただきたいと要望しておきたいと思います。
 一方、今、大きな社会問題となっているのは若年者の雇用問題です。二十一年度の雇用対策として、こうした新卒者などの若年者に対しては、どのような事業が行われたんでしょうか。

○前田産業労働局長 都は、若年者の就業支援のため、東京しごとセンターにおきまして、個別担当制によるきめ細かいキャリアカウンセリング、あるいは就職に必要な基礎能力を養う少人数のグループワーク、社会人としての心構えや職業意識を養うためのセミナー、さらに企業での職場体験、企業の採用担当者との交流会等を実施してまいりました。
 特に、新卒者対策としては、現下の厳しい就職環境を受けまして、新たに新規学卒者向けの大規模な合同就職面接会を、平成二十一年十一月及び平成二十二年二月に開催したほか、三月には東京しごとセンターで新卒緊急応援窓口を新設いたしまして、卒業後も就職活動を継続する未就職者に対する緊急支援を実施したところでございます。

○伊藤委員 今、新規学卒者の約四割が内定をもらえず、また、正規雇用されても、約三割が三年以内に離職しているという実態があります。私は、こうした新卒未就職者や、一たん就職しても、自分がつきたい仕事じゃなかったなどの理由から短期間で離職をしてしまう若年労働者の雇用ミスマッチを解消し、安定的な正規雇用にシフトしていくことが必要だと考えます。また、この状況をこのまま放置していれば、我が国の将来の産業経済の活力の低下にもつながりかねないという危惧を持っております。
 若年者対策は、先ほど局長からもご答弁をいただいたとおり、合同就職面接会など、いろいろな事業が実施されているということでございましたけれども、それぞれの就職希望者の個々人の考え方、また置かれた状況など、きめ細かな対応と地道な取り組みが求められます。
 二十一年度における雇用対策事業をしっかり検証し、十分な検討をされ、特に若年者の雇用対策については、実りある事業展開につながることを期待し、島しょ振興についての質問に移ります。
 我が国の領土面積は世界で第六十一番目、一方、排他的経済水域--EEZというふうにいわれておりますけれども--では、世界で第六位の面積を誇ります。実に国土の約十二倍にも及ぶEEZを有しているわけでありますが、先般の中国漁船衝突事件以降、領土、領海に対する国民の意識というものは高まっております。もはや、領有を単に主張していても領土、領海は守れないという、大変厳しい国際環境になっているということを私たちも認識をしていかなければいけないと思います。
 都においても、伊豆・小笠原諸島を行政区域として持っております。それぞれの島の経済的自立を維持増進し、豊かな海をいかに開発するかが今後の課題だと考えます。
 国では、民主、自民、公明の超党派の議員立法で海洋基本法が十九年に成立しました。二十年度には海洋基本計画を閣議決定し、本格的に海洋に関する施策を推進する体制が整いました。
 これまで都は、島しょ振興をどのようにして取り組んできたのか、二十一年度の主な取り組みをあわせてお答えください。

○比留間総務局長 島しょ地域は、東京における価値あるいやしの空間として、かけがえのない財産であり、また、その存在により、我が国の排他的経済水域の約四割を確保するなど、重要な役割、機能を果たしております。
 一方で、島しょ地域は、その置かれた地理的、社会的条件から、産業基盤、生活環境の整備等に多くの課題を抱えております。
 こうした状況を踏まえ、都は、島しょ地域の振興、発展に向け、東京都離島振興計画と小笠原諸島振興開発計画を策定し、これらの計画に基づき、島の町村と連携を図りつつ、生活インフラの整備や災害対策、観光を初めとする産業振興などに幅広く取り組んでまいりました。
 平成二十一年度におきましては、港湾、道路などの基盤整備を初め、大島、三宅島での火山対策、小笠原での津波対策といった防災への取り組み、農水産業と連携した体験滞在型観光などを推進したところでございます。

○伊藤委員 さまざまな施策を展開していただいているということはわかりました。
 国連の条約では、人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩は、EEZまたは大陸棚を有しないとされております。現に、中国や韓国からは、沖ノ鳥島はEEZを設定できないという主張がございます。二〇〇九年十一月に、国は、沖ノ鳥島に港湾施設を建設するという方針を決定しました。
 そこでお伺いをしますけれども、都では、この地域に対する取り組みはどうだったのか。また、平成二十一年度の主な取り組みについても、あわせてお答えください。

○前田産業労働局長 沖ノ鳥島周辺海域は、日本の排他的経済水域であり、都は、漁業などの経済活動によりましてそれを実証しております。
 具体的には、平成十七年度以降、浮き魚礁の設置等による漁場の造成や、カツオ・マグロ漁業の操業支援等を実施してまいりました。平成二十一年度も引き続き、沖ノ鳥島周辺海域で小笠原島漁業協同組合が行うカツオ・マグロ漁業や、東京都漁業協同組合連合会が行うシマアジ種苗放流に対しての支援等を実施しました。あわせて、都は国に対し、沖ノ鳥島の利活用を推進するための環境整備を求めてまいりました。
 本年六月には、いわゆる低潮線保全法が施行されまして、沖ノ鳥島は同法が定める特定離島に指定されたところでございます。これに基づきまして、先ほど委員からご紹介ありましたが、沖ノ鳥島では港湾整備のための調査が開始され、早期の整備を目指すことになりました。
 今後とも、都は、国に対しまして沖ノ鳥島の利活用の推進を求めていくとともに、漁業操業に対する支援を講じてまいります。

○伊藤委員 経済的生活を維持するという観点から、非常に重要な施策であるというふうに思いますので、今後ともぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 都は、島しょ地域に港湾施設だけでなく空港を整備しております。大島空港など五つの都営空港の平成二十一年度の収支は、支出に職員給与費や空港整備費を含まず、施設運営費だけを使用料収入と比べても、支出が収入を上回っている。平たくいうと赤字になっているという状況であります。過去五年間の資料を見ても、その傾向がおさまるどころか、若干その赤字幅がふえているという実態がございます。
 私は、空港は必要な施設であるというふうに考えますけれども、こうした収支状況において空港を運営していくことの意義について、どのように認識をしているのでしょうか、お伺いいたします。

○中井港湾局長 島しょの空港は、本土と各島間の航空機による迅速な移動を確保する上で基盤となる施設であり、島民の生活安定や、観光を初めとする島内産業の発展のために必要不可欠なものであります。
 空港の管理運営に当たっては、その機能を確保するため、所要の施設運営費を要する一方、各空港における定期路線の便数は必ずしも多くなく、収入に限りがあることから、ご指摘のとおり、支出が収入を上回っている状況にあります。しかしながら、こうした収支でははかれない、島民の生活や産業などに対する有形無形の大きな便益があることも事実でございます。
 こうしたことから、今後とも、運営経費の節減をできる限り図りながら、航空機の安全かつ安定的な運航を確保するなど、空港の適正な管理に引き続き努めてまいります。

○伊藤委員 経費の節減に限りなく努めながら、適正に管理をしていただくということでございますので、都民に対する説明ということもございますので、ぜひともよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、海洋基本法では、地方自治体の責務として、海洋に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方自治体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実行する責務を有するとしております。
 都の海域は、東京湾から小笠原諸島まで南北約千キロ以上にも及んでおり、そこは豊かな海洋資源を初めとした自然の宝庫でございます。多くの可能性を秘めた島しょ地域の振興を今後とも進めていくべきと考えますけれども、ご所見をお伺いいたします。

○比留間総務局長 伊豆諸島、小笠原諸島は、豊かな水産資源や多様ですぐれた自然環境、独自の歴史文化など、魅力あふれる地域資源を有する地域でございます。
 島しょの振興に当たっては、島民生活の安定と向上を図るための交通基盤整備などをさらに進めるとともに、地域資源を有効に活用し、観光を初めとする産業振興を図っていくことが重要でございます。
 そのため、これまでも、例えば小笠原村においては、たぐいまれな自然環境を保全し、その存在を世界に発信するため、世界自然遺産登録への取り組みを進めており、また、御蔵島村では、イルカウオッチングや巨樹の森でのガイドツアーなどの取り組みにより、島の活性化を図っております。
 今後とも、都は、島しょ町村と連携を図りながら、このような特色ある地域資源を生かし、島しょ地域の振興に積極的に取り組んでまいります。

○伊藤委員 これまで質疑してきたように、今まで島しょに対しては、どちらかというと、生活の不便な面を東京都が支援して、生活的に自立をしていただくという島しょ振興だったのかなというふうに私は思っているんですが、これからは、ぜひとも攻めの島しょ振興をやっていただきたいなと思っているんです。
 具体的には何をいっているかというと、東京都のEEZの中には非常に資源が眠っていると。海底には、例えば海底熱水鉱床といわれるように、金とか銀とか、またはレアメタル、こういった豊富な海底資源がそこに眠っているというふうにいわれております。
 ある商社の調査によりますと、これは日本全体のEEZ内でありますが、金やメタンガスを入れると約四百兆円相当の資源が眠っているというふうにいわれております。国も、先ほどもいったように、今、体制を整えて、ちょうど八丈島の南方の百キロ先には、そういった有望視されている地域があるんですけれども、そこに国は予算をつけて、今、経済的にそれが採掘できるかどうかという調査をやっておりますので、ぜひとも国に働きかけてそうした調査を積極的にやって、この東京に眠っている資源を発掘していただきたい、開発をしていただきたい。
 残念ながら、今、東京都にはそれを所管する部署がありませんけれども、ぜひとも皆さん、ご努力をしていただきたいと要望して、がん対策に移りたいと思います。
 年間三万人もの都民ががんで亡くなっており、昭和五十二年から都民の死亡原因のトップを占めております。こうした状況下で、都では、東京都がん対策推進計画を平成二十年三月に策定し、さまざまな取り組みを行っているところですが、改めて、この計画の基本的な方向性と具体的な施策について伺います。

○杉村福祉保健局長 東京都がん対策推進計画は、平成二十年度から二十四年度までの五カ年計画でございまして、予防の重視、高度ながん医療の総合的な展開、患者・家族の不安の軽減、がん登録や研究の推進の四つの基本方針を定めております。
 現在、この計画に基づきまして、健康的な生活習慣の普及や検診受診率の向上、がん診療連携拠点病院等の整備、相談支援センターの設置や早期からの緩和ケアの実施、がん登録の拡大など、がんの予防から治療及び療養生活の質の向上に至るまでの総合的な施策を展開いたしております。

○伊藤委員 総合的に対策をとっていただいていると思いますが、がんの医療提供体制の整備についてお伺いします。
 万が一、がんが見つかったときに、身近な地域で最善の治療を受けたいということは、都民共通の願いであります。それにこたえるため、都ではどのような取り組みを据えているんでしょうか、お伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 都は、高度ながん医療の提供と地域のがん医療水準の向上を図る拠点といたしまして、国制度によるがん診療連携拠点病院に加え、拠点病院と同等の診療機能を有します病院を東京都認定がん診療病院として独自に整備をいたしております。平成二十二年四月には、拠点病院を十四カ所から十六カ所へ、認定病院を十カ所から十六カ所へと拡大し、合わせて三十二カ所について指定をいたしております。

○伊藤委員 着実に拠点病院及び認定病院の規模が拡大をしているということは、大変望ましいことであります。
 その一方で、いただいた推進計画の中の病院の整備状況を見ますと、区の東北部や東部医療圏では、拠点病院も認定病院も存在をしておりません。こうした空白である二次医療圏については、どのように対応しているんでしょうか。

○杉村福祉保健局長 ただいま委員からお話しのございました拠点病院等の指定要件を満たす医療機関のない二つの医療圏につきましては、隣接をいたします区中央部医療圈の拠点病院でございます日本医科大学付属病院及び聖路加国際病院を、それぞれ区東北部、区東部の担当医療機関に位置づけまして、高度ながん医療の提供など、地域のがん医療水準の向上を図っているところでございます。

○伊藤委員 いろんな施策をやっていただいていると思うんですけど、まさにこういうことは、大学病院であるとか高度専門医療を担う病院が、都心にどうしても集中しているというところからくる一種の弊害なのかなというふうには思っております。
 都では、地域に不足する二次医療を提供し、診療所との医療連携を推進する病院として公社病院を設置していただいております。葛飾区や足立区などを医療圏とする東部地域病院、また、南多摩地域を医療圏とする多摩南部病院を設置し、体制を図っていただいていることでありますが、これまでの質疑で明らかになったように、これらの地域においては、今後見込まれるがん患者に十分な医療を提供できる病院が少ないこともあり、東部地域病院や多摩南部地域病院など、公社病院におけるがん医療の充実が期待をされます。
 そこで、東部地域病院や多摩南部地域病院などの公社病院では、都立病院や地域医療機関等との連携を含め、がん医療にこれまでどう取り組み、今後どう取り組んでいくのか、具体的にお伺いいたします。

○川澄病院経営本部長 公社病院では、がん医療を重点医療や特色ある医療に位置づけ、医療機能の充実を図っていくこととしております。
 具体的には、東部地域病院におきましては、平成二十一年度から、がん医療を特色ある医療に位置づけ、MRIやCTなどの機器を活用した画像診断や手術療法、内視鏡による検査や処置などに加え、二十一年度は外来化学療法室の整備を行い、二十二年度から外来化学療法の取り組みを開始いたしました。また、近隣の大学病院に加え、二十二年度からは、都立駒込病院と連携を開始することにより、放射線治療への対応も図っております。
 多摩南部地域病院におきましては、がん医療を重点医療に位置づけ、画像診断や手術療法、外来化学療法に取り組んできたほか、温熱療法を取り入れた放射線治療も実施しております。また、都立多摩総合医療センターとの人材交流を通じて、医療提供体制の整備を進めているところでございます。
 こうした取り組みを着実に進めていくことにより、公社病院では、今後とも、培ってきた医療機能の拡充を図るとともに、都立病院や近隣の医療機関と進めてきた医療機能連携を積み重ね、これまで以上にがん医療の充実を図ってまいります。

○伊藤委員 今やがんは、男性の二人に一人、女性の三人に一人がかかるといわれております。がんは都民にとって身近な脅威となっておりますので、ぜひとも、病院の整備だけじゃなく、予防や、またPRなど、広範な施策を展開していただいて、都民の安心・安全というものを確保していただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。

○佐藤委員長 伊藤まさき委員の発言は終わりました。
 三宅正彦委員の発言を許します。

○三宅委員 初めに、公会計制度改革について伺います。
 都は、平成十八年度から、官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新たな公会計制度を導入しました。新たな制度に基づいて作成された本格的な財務諸表は、施策内容の検証に活用され、予算編成に反映させるなど、効果的、効率的な行財政運営に役立てております。また、本決算特別委員会の分科会でも各局別の財務諸表が提出され、決算審議に活用が図られており、都の公会計制度改革は目覚ましく発展しております。しかし、その一方で、全国の状況を見ますと、公会計制度改革の取り組みは進んでいないのが実態です。我が国において改革が真に成果を上げていくためには、都が単独で先行するだけではなく、全国的な取り組みが不可欠です。
 都はこれまでも、我が党がこれまで主張してきたように、地方自治体のリーダーとして、他の自治体への支援や普及活動を行ってきました。また、この四月からは、都と同じ公会計制度の導入を決めた大阪府と共同プロジェクトを立ち上げ、公会計改革白書の作成や、あした開催するシンポジウムなど、公会計制度改革に向けた取り組みを進めております。
 そこで、これまで都が行ってきた普及、支援活動の成果と、シンポジウムの目的について伺います。

○新田会計管理局長 都が新公会計制度を導入いたしました当初におきましては、本制度の概要や意義など、都の取り組みを広く情報発信することを目的といたしまして、大規模な説明会などを行ってまいりました。また、導入に意欲的な自治体に対しましては、個別の説明会や職員の派遣などを行うとともに、都内島しょ部など小規模な自治体には、東京都方式簡易版を提案し、財務諸表の作成を全面的に支援するなど、きめ細かい対応を行ってまいりました。
 特に、大阪府につきましては、都から職員を派遣するとともに、府から職員を受け入れ、都のノウハウを実践的な形で提供いたしました。また、町田市には、市の新公会計制度導入検討会に職員をアドバイザーとして派遣いたしまして、支援を行ってまいりました。その結果、大阪府、町田市は、ともに都と同様の公会計制度を導入することを決定いたしまして、平成二十四年度の本格運用に向け、現在、準備を進めているところでございます。
 また、本年四月からは、大阪府との共同プロジェクトを立ち上げ、都と府が連携した普及促進の取り組みを進めております。例えば、自治体の首長向けに複式簿記パンフレットを作成し、東京は首都圏、大阪は近畿圏を中心に、それぞれ知事会等の場を通しまして、複式簿記導入の必要性のアピールを行うなど、共同した取り組みを進めております。
 さらに、プロジェクトの一環として、お話にございました、明日には大阪府と共同で公会計制度改革の推進に向けましたシンポジウムを開催いたしまして、全国にメッセージを発信していくこととしております。

○三宅委員 都は、さまざまな普及、支援活動を行い、その成果として大阪府や町田市が導入することは評価したいと思います。
 また、東京と大阪が共同して取り組む新たな展開は、公会計制度改革の推進に一層寄与していくものと考えます。聞くところによれば、今回開催するシンポジウムには、北海道から九州まで全国の自治体の職員が参加されるとのことです。先進的に公会計制度改革を進めている東京都の石原知事と大阪府の橋下知事という、発信力がある二人がそろってシンポジウムに出席することで、全国自治体にアピールする効果は非常に高いものと考えます。
 しかし、このような盛り上がりを一過性のもので終わらせてはなりません。全国の公会計制度改革の推進のためには、シンポジウムを次につなげていくものとなるようにすることが重要です。
 そこで、シンポジウムを契機として、今後どのように公会計制度改革を進めていくのか伺います。

○新田会計管理局長 我が国において、行政体が財政の透明性を一層高め、住民への説明責任を果たしていきますとともに、行財政運営に経営の視点を取り入れていくためには、公会計制度改革が不可欠でございます。明日開催いたしますシンポジウムには、全国自治体等から定員を上回る多くの申し込みがございまして、公会計制度改革に対する全国自治体の関心の高さがうかがえるところでございます。
 ご指摘のように、このような場で複式簿記のメリットや必要性を訴えていくことは、非常に効果が高いと考えておりまして、このシンポジウムを起爆剤として、改革の機運を一層高めてまいりたいと考えております。そのため、本シンポジウム終了後におきまして、大阪府と共同しながら、シンポジウムに参加した自治体を個別にフォローしていくなど、全国自治体への働きかけを一層強めてまいります。
 また、本年九月に新たな公会計の推進を目的として総務省が設置いたしました研究会には、都と大阪府がともに参加しておりまして、都といたしましては、この研究会において、都の実績を踏まえ、自治体サイドに立って意見を反映していく所存でございます。その際には、実現可能性を重視し、全国自治体の実情に合った導入の方法や、小規模自治体への支援のあり方などについても、積極的に発言していきたいと考えております。
 今後とも、このような取り組みを通じて、公会計制度改革の推進に取り組んでまいります。

○三宅委員 我が国の公会計制度改革も、ようやく本格的な段階に入ってきたように思います。都は、全国自治体のリーダーとして、今後も積極的に公会計制度改革の牽引役として取り組んでいただきたい、このことを要望して、次の質問に移ります。
 東京の島々は、美しい自然と豊かな海洋資源等に恵まれ、海洋性レクリエーションや観光の場として期待されるとともに、特色ある地場産業の発展可能性を秘めた地域であります。しかしながら、離島特有の厳しい自然的、社会的制約などから、その発展可能性が十分生かされておらず、自立的経済力の強化が強く求められていました。
 こうした状況に対処し、島しょ地域の一層の振興と活性化を図るため、島しょ町村と東京都により設立されたのが島しょ振興公社です。平成元年の設立以降二十年余にわたり、島しょ振興公社は、ヘリコミューターによる島しょ間交通網の整備や愛らんどフェアなど各種イベントを通じた特産品の販売などにより、島しょ地域の振興に大きく寄与してきました。
 そこで、島しょ振興に向けた島しょ振興公社のこれまでの取り組みと今後の都の関与について伺います。

○比留間総務局長 島しょ振興公社は、これまで都と島しょ九町村が共同で拠出した基本財産の運用益を活用し、島しょ町村が一体となって実施する利点を生かした特産品の販売や観光PRなどさまざまな事業を機動的に展開することで、島しょ地域の振興に重要な役割を果たしてきました。特にヘリコミューターの運航は、採算面で民間による経営が困難な路線に対し公社が支援を行うことで成り立っており、厳しい自然条件により定期船の運航が不安定な小離島における島民の生活路線の確保はもとより、伊豆諸島の交通ネットワークの確立にも大きく寄与しております。都といたしましては、公社がその存在意義を十分発揮し、島しょ地域の振興と豊かな地域社会の形成にこれまで以上に寄与するよう支援をしてまいります。

○三宅委員 島しょ振興公社は、東京の島々の発展に大変重要な役割を担っています。今後ともその役割を十分に発揮することを強く要望し、次の質問に移ります。
 三宅島は、平成十二年の大噴火からことしで十年となりました。この間、島民の方々を初め関係者のご努力により、少しずつではありますが、噴火前の平穏な姿に戻りつつあります。
 しかし、一方では、噴出がやまない火山ガスの影響で立ち入りできない高濃度地区がいまだに残されています。ふるさとの地に住むことのできない島民の苦悩はいかばかりかと感じざるを得ず、改めてこの三宅島噴火災害の怖さを認識する次第です。
 こうした現状を見据えつつ、三宅島のさらなる発展を図るためには、農林水産業や商工業を初め、島の産業の中心である観光振興への取り組みが欠かせません。三宅村では現在、観光振興を島の振興策の主要施策として位置づけており、三年前からは都の支援のもとに、観光振興の起爆剤としてオートバイイベントを行ってきました。
 つい先日には、ことしが初めてとなるオフロードのバイクレースが開催され、多くの島民や観客が選手たちに歓声を送っていました。私も、初めて見るオフロードバイクレースの迫力に圧倒されましたが、今回のバイクレースの成果と今後の三宅島の振興について伺います。

○比留間総務局長 ことしで四回目となる今回のイベントでは、火山岩など荒涼たる島の自然を舞台にしたオフロードのバイクレースを初めて開催し、八百名以上の観客が迫力満点のレースを堪能いたしました。また、レースに関する報道やインターネット中継により、火山と共生する島の姿や島民の温かいもてなしの心など、三宅島の魅力を広く伝えることができました。同時に参加者からは、三宅島でしか味わえない溶岩地帯を疾走するコースを高く評価する声や、今回のイベントを契機に、三宅島の持つ多様な魅力を実感できたとの声が寄せられております。
 今後の三宅島の振興のためには、こうしたバイクレースなどの観光イベントを初め、農林水産業や商工業などにおいて、三宅島みずからが島の特色を生かした振興策を講じ、発展させていくことが必要でございます。都としては、今後も三宅村と十分に連携を図りながら、こうした島の取り組みを積極的に支援をしてまいります。

○三宅委員 ぜひとも本当にまだまだ厳しい状況が続いている三宅島を、こうした取り組みで引き続き支援していただきたいと思います。
 次に、島しょ地域における防災対策について伺います。
 先日、私は、新島村で行われました総合防災訓練を視察しました。島しょ地域は、区部や多摩地域に比べて気象条件が厳しく、十月末の台風十四号では、三宅島や神津島が暴風雨に見舞われました。改めて、日ごろから災害に備えておくことの重要性を実感いたしました。
 さらに、島しょ地域においては、大島や三宅島などの火山噴火や、近い将来発生が危惧されている東海地震などによる津波被害など、大きな災害に備える必要があります。
 このような大規模災害の発生に際しては、地元の町村だけで対処できるものではなく、都の支援が必要です。そこで、島しょ地域における防災対策について、これまでの取り組みと今後の対応を伺います。

○比留間総務局長 島しょにおける火山噴火や津波、台風など大規模災害に対処するため、都は、地域防災計画に基づき、道路、港湾の整備や船舶、ヘリコプターを活用した救援体制の拡充、充実などの対策を進めております。さらに、これらの対策の実効性を高めるため、地元町村との合同による総合防災訓練を一年置きに実施しており、本年十月には、新島村と合同で、多数の島民の参加を得て地震や津波を想定した訓練を行いました。
 島しょでは、災害発生時、その地理的条件から、救援隊が駆けつけるまでの間、自助、共助の精神に基づく自主的避難や島民による救助活動等がより重要となります。こうした島しょの特性を踏まえ、都は町村と一体となって住民の啓発に努めるとともに、警察、消防、自衛隊など関係機関と連携し、発災後早期に救援体制が整えられるよう防災対策に全力で取り組んでまいります。

○三宅委員 ここまで、島しょの振興と防災対策について質疑を行ってきましたが、島しょ住民にとっては、日用品、食料品などを購入する際や生産物を本土に出荷する際に、島しょ-本土間の貨物運賃の負担を余儀なくされることも切実な問題です。都は、この問題に対応するため、プロパンガスや水産物などを海上輸送する際の運賃補助を実施してきたところであり、さらに平成二十年の原油高騰時には、これまで補助率が三〇%であった品目の補助率を五〇%に引き上げています。
 貨物運賃補助制度は、島しょの住民生活や産業を支える上で欠かせない制度として定着しております。原油価格は、一時の異常な高騰からは低下していますが、都においては現下の厳しい社会経済情勢にかんがみ、島しょの生活、産業を守る観点に立ち、貨物運賃補助制度の維持を含め、島しょ施策の振興、充実を図っていただくことを強く要望し、私の質問を終わります。

○佐藤委員長 三宅正彦委員の発言は終わりました。
 興津秀憲副委員長の発言を許します。

○興津委員 それでは、私からは通告をさせていただきました順番に質問させていただきたいと存じます。
 まず第一問といたしまして、都税収入についてであります。
 東京都の税収入額は、現年、そして滞納の繰越分を含めまして、平成二十年度五兆二千八百一億一千九百四十九万円余から、平成二十一年度四兆二千八百六十七億二千七百八十万円余と、額にして九千九百三十三億九千七百七十一万円と、約一兆円、率にしまして一八・八%程度の減となり、十九年度から二十年度の約四・一六%減に引き続き、本年度も減となりました。大きな落ち込みであろうと考えております。
 まず、現下の経済状況下において、都税徴収業務のご苦労に敬意を表するところでありますが、この質問の趣旨とするところは、いかにして公平公正に都税をお納めいただくか、また滞納都税をいかにして低減化させるか、さらに滞納繰り越しになってしまった都税をいかにしてお納めいただくかという視点からであります。
 まず、収入未済都税対策についてお伺いいたします。
 収入未済額は、平成二十年一千二百八十億六千五百六十二万円余となり、調定額対比で二・三六%、そして二十一年は一千二百七十四億九千九百九十九万円余となり、調定額対比で約二・七九%を占め、現在は高水準でとどまっています。この未済額を低減化する必要性が急務であろうと思います。
 その中で個人都民税につきましては、平成十九年度の三位一体改革による税源移譲により都税全体に占める割合が高まり、平成二十一年度は一八・九%と、税源移譲前である平成十八年度九・一%の約二倍になっています。しかも、徴収率が二年連続で下落しているため、収入未済に占める割合が高くなっているものと思われます。
 個人住民税は市区町村が賦課徴収するため、都が主体的に行うことはできませんが、滞納整理のノウハウを伝えるなど、市区町村に対する支援等を積極的に行うことが今後ますます重要になってくると思われます。これに対し東京都の行ってきた取り組み、今後どのような取り組みを行っていくのか、お伺いします。
 また、リーマンショック以降は、主に法人二税の滞納が増加し、収入未済として残ってしまっているケースも含まれているものとも思われますが、平成二十一年度の収入未済額は平成二十年度に対し約五億六千五百六十三万円減少しています。
 というものの、収入未済額の滞納繰越額に限っていってみるならば、個人分は平成二十一年度三百三十四億九千八十万円余となり、対二十年度対比約一四〇%、法人分は百二十九億六千八百九十四万円余となり、対二十年度比約一三九%となっております。
 収入未済は、翌年度に滞納整理を行って収入に取り込んでいくものですが、まずは滞納にならないための努力が大切であります。滞納となり、収入未済になってしまったものについては早期に納税していただき、税負担の公平性確保と納税秩序の維持の実現を果たすべきであります。滞納繰越都税をお納めいただきやすくするためにも、都としてどのような対策を行い、今後どのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。

○荒川主税局長 まず、個人住民税ですけれども、お話のとおり、この税金は東京都が徴収するのではなくて、区市町村が自分の住民税と一緒に徴収する仕組みになっておりまして、その徴収率を見ますと、都が直接徴収する他の都税と比べまして低い水準で推移しているのが実態でございます。十年前の平成十一年度の徴収率を見ますと八七・六%まで低下しまして、全国順位も最下位でございました。
 こうした状況に対応するため、まず、区市町村では徴収が困難な事案を都が引き受けまして、直接徴収するという支援を行うことといたしました。また、区市町村職員を対象に研修の実施、都への研修生の受け入れを行い、さらには都職員を区市町村に派遣して、徴税ノウハウをじかに提供する支援を行ってまいりました。その結果、平成十八年度には九三・七%、全国順位も十位まで上昇しました。
 しかしながら、その後の景気低迷で多くの区市町村が税収確保に苦戦しまして、昨年度の徴収率は九二・八%と低下が見られたところであります。
 そこで、今年度は都の支援をさらに強化しまして、まず、困難事案の引き受けを過去最多の四十七区市町村から行うこととしました。また、各区市町村に対しては研修だけではなくて、税務部門の管理職などを対象に、組織のマネジメント力の向上や進行管理の強化などについても支援を行っているところでございます。今後とも引き続き直接、間接にさまざまな支援に努め、個人都民税の徴収率向上を目指してまいります。
 次に、滞納関係でございますけれども、まず滞納を発生させないためには、納税者の利便性の向上が不可欠でございます。これまでも納税者からも要望を聞くなどしまして、コンビニ収納やインターネットバンキングなどを導入して、二十四時間三百六十五日納税が可能な環境を整備してまいりました。また、来年度からは自動車税のクレジットカード納税を開始する予定でございます。今後もこうした納税手段の多様化により、滞納を発生させない環境をさらに整えてまいります。
 また、滞納になった都税につきましては、早期に財産調査や納税交渉を行いまして、滞納者の状況をよく把握することが重要でございます。その中で、納税できる財産、資産があるにもかかわらず納税の誠意が見られない滞納者に対しましては、法の規定に基づきまして、差し押さえなどの処分を行ってまいりました。また、企業業績の悪化や失業などの理由で現時点では納税が困難と判断される場合には、徴収猶予などの徴収緩和措置を適用するなどの対応を行ってまいりました。今後ともこうした取り組みを通じまして収入未済額を早期に圧縮し、税負担の公平の確保と納税秩序の維持を実現してまいります。

○興津委員 ありがとうございました。
 ただいまご答弁いただきましたとおり、徴収率が下がっている状態でもあります。現在の経済状況でもありますので、大変厳しいと思いますけれども、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、不納欠損につきましてお伺いいたします。
 さて、現年度課税徴収、そして滞納繰越対策に引き続きまして、不納欠損についてお伺いいたします。
 経済状況の悪化に伴い、納税意識をお持ちでありながらも、残念ながら資産不足等により納税できない方もいらっしゃるのだろうと思います。また一方、資産をお持ちでありながらも納税に応じていただけない方もいらっしゃると伺っております。不納欠損額も、現年度分、滞納繰越分のトータルといたしまして、平成二十年度百五十五億四千百八十八万円、調定額対比で約〇・二八%、平成二十一年度百四十一億八千八百五十九万円、調定額対比約〇・三二%となり、残念ながら調定額対比として増加傾向にあります。無論、不納欠損に至るまでには、さきの質問にあったとおり滞納に対する施策を積極的に行い、都民の皆様にご協力いただく努力が第一でありますが、現在に至るまでの取り組みと今後の対応策をお聞かせいただきたいと存じます。

○荒川主税局長 ただいまも答弁申し上げましたように、滞納につきましては、これまでも納税の督促をした後に納税交渉や徹底した財産調査を行いまして、滞納者の実態、実情を把握するよう努めてまいりました。
 その結果、滞納者に財産がない場合、また滞納処分によって滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがある場合などにつきましては、地方税法の規定に基づきまして、差し押さえなどの滞納処分の執行を停止しております。そして、その後三年間状況が変わらない場合には、三年が経過した時点で納税義務を消滅させて不納欠損処理を行うこととしております。また、三年待たずとも徴収できないことが明らかな場合には、即時に納税義務を消滅させて不納欠損処理を行うことで対応しております。今後とも納税者の個々の実情を的確に把握した上で、きめ細かな対応を行ってまいります。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 この不納欠損に至るまでの間には、非常に個人的なといいますか、そのようなプライベートな問題も含まれてくると思います。注意深い対応が必要であると思います。生活困窮等によるものであれば、ほかの制度によっても救済策もあろうかと思います。都民の皆様に、早い時期で生活を立て直していただく意欲をお持ちいただくためにも、いろいろな施策が東京都にはあると思いますので、都職員の皆様には、都のあらゆる施策のご案内など、きめ細やかな対応をお願いするところであります。
 続きまして、不用額についてお伺いいたします。
 次に、歳出の面で不用額に対して何点か質問したいと存じます。
 都議会民主党は、これまでの分科会での質疑を通じて、各局の個々具体的な事業について予算がむだなく執行されてきたのか、しっかりとチェックしてまいりました。本日は決算の全局質疑でもあり、全体的な視点から歳出を議論させていただきたいと存じます。
 決算総括表には、予算現額に対して支出済額で執行がどの程度行われたのか、そしてその結果、差し引きとして不用額が発生しています。そこでまず、一般会計における過去五年の執行率と不用額の推移についてどのような状況になっているか、お伺いします。

○新田会計管理局長 一般会計におきます過去五年間の執行率の状況でございますが、この間、各年度九五%台から九六%台で推移しておりまして、平成二十一年度は九五・六%となっております。また、過去五年間の不用額につきましては、約二千億円から約二千七百億円の間で推移しておりまして、平成二十一年度は二千二百五十億円余となっております。

○興津委員 執行率が九五%台といえば、六兆円を上回る都の一般会計予算の規模でありますので、執行状態としては妥当であるというようにも感じるかもしれません。
 しかし、率の点からはそうかもしれませんが、額そのもので考えてみますと、平成二十一年の二千二百五十億円という額は、無視できない非常に大きな金額でもあります。私は、正直に申し上げれば、これだけの不用額が年度当初にあれば、ほかの事業に振り向けられ、都民の生活、福祉向上に役立てることができたのではないかと考えております。執行がむだなく行われたのか、そして不用額がどのような理由で生まれたのかを予算見積もりの段階からきちんと分析、議論し、その成果を次の予算に反映させることが重要だと考えております。
 さて、不用額の発生原因といたしまして、一般競争入札などによる契約差金、そして予算執行の過程で事情によりやむを得ず執行できない、もしくは残ってしまった場合、また、予算を執行する段階で努力した結果としての経費削減、この大きく三点に分けることができるのではないかと思います。
 ですので、不用額というだけで一概に悪いことでもないとも思います。契約差金は、競争の結果として生じた不用額でもありますし、また、執行段階の経費削減努力も大切なことであり、この努力はますます強く求めるものであります。
 不用額の二つ目の理由として挙げた予算執行の過程で事情によりやむを得なかったケースの中には、都民生活にとって非常に重要な事業もあります。このような重要な事業は、最大の努力をして早期執行していかなければなりません。しかしながら、次年度予算確保のために不用額をできる限りなくそうと、何が何でも予算執行するようなことは到底許されるものではありませんし、私もそれを求めているものではありません。
 一方で、予算は、会計年度独立の原則によって、その年度内に執行すべきものとされており、この原則に固執すれば、改めて翌年度の予算に計上しなければいけなくなりまして、都民の側に立ってみると非常に非効率でもあります。このような単年度予算という制約の例外として、予算の繰越制度が設けられていますが、平成二十一年度から二十二年度における繰越額は決算上どのようにあらわれ、幾らなのか、そして前年度と比較してどうなっているのか、お伺いさせていただきます。

○新田会計管理局長 翌年度繰越額につきましては、不用額とともに、決算上、予算現額から支出済額を差し引いた残額の内訳として表示されているところでございます。平成二十一年度から二十二年度への繰越額は六百六十七億円でございまして、前年度の繰越額と比べ二百五十九億円の増加となっております。

○興津委員 繰越額は前年度対比で伸びております。都民サービスの向上のために真に行わなければならない事業については、きちんと対応しているという結果であろうということもできますし、都民生活に重要な事業であれば、早期の事業完了を求めるものでもあります。
 現在の経済状況を踏まえれば、まだまだ厳しい状況が続くと見込まれます。このような中にあって、都民から預かった税金は非常に貴重なものであり、なお一層の創意工夫、努力によって、効率的、効果的に活用した財政運営をし、都民のニーズにしっかりとこたえていくことが求められております。これからの行政機関には、徹底的にむだをなくし、その財源を都民が真に求める施策に振り向け、事業の執行をさらに上げる努力を続けていくことを求めるとともに、我が都議会民主党も、今後とも都民の視点から議会としてのチェック機能を十分に果たしてまいります。
 また一方、先ほど私が不用額の理由として挙げました契約差金についていえば、昨今の低入札ともいえるような契約差金も見受けられています。都にはさまざまな事業発注がありますが、低入札により、そのしわ寄せを下請会社さんが受けてはいないか、下請業者さんの、働く人たちの雇用保険、労働保険の管理等、労働環境保全は図られているのか、その事業見積もり、契約の際にはこの点まで視野に入れて入札、契約する必要があるのではないかと私は考えております。ぜひ今後とも検討をお願いをさせていただきたいと存じます。
 次に移りますが、公会計システムということでご通告させていただきましたが、ただいま三宅委員の方からご質問いただきましたので、時間の残余がありましたらばさせていただきたいと思いますので、後ろに飛ばさせていただきます。
 次に、監理団体についてお伺いいたします。
 都議会民主党は、監理団体についても注目をさせていただいていますが、今回の決算委員会でも数々の指摘が行われてまいりました。そこには、都政の重要なパートナーであると東京都が申し述べているとおり、都政の重要な施策を担っている団体であると認識するところでもありますが、数多くの指摘を受ける結果ともなりました。そこで、総合的見地から東京都監理団体活用方針について質問したいと存じます。
 東京都監理団体活用方針には、監理団体の行う業務の見直しと事業のアウトソーシング化、指定管理は特命で選定可能、また利用者評価の高い指定管理者に対する次期公募時のインセンティブの付与などが挙げられています。
 ここで忘れていけないのは、都民サービスという観点であろうと思います。この視点から見ると、業務の見直しによって都職員が真にみずから行わなければならない施策を監理団体に委託をしていないでしょうか。特命での選定可能ということになれば競争性は失われ、特命随意契約とどう異なるのでしょうか。次期公募のインセンティブとありますが、継続して都の監理団体が指定管理を受託していた場合などは、ほかの事業者との比較はできません。これで公正な競争性は担保されるのでしょうか。また、契約情報の公表範囲を二百五十万円以上としていますが、ここにも問題点は指摘されております。
 監理団体の重みは増していると思いますが、監理団体の活用の際に、あくまで都民サービスに主眼を置いた施策が求められます。このような指摘を踏まえ、今後東京都はどのように監理団体の見直しを図っていくのか、お伺いいたします。

○比留間総務局長 先般策定をした監理団体活用方針では、都施策推進のさまざまな場面で都民サービスの向上を図るため、都政を支える重要なパートナーとして監理団体を活用していくことといたしました。この考え方に基づき、サービスの質の向上を目的とした監理団体への業務移管、政策連動性の高い公の施設の特命による指定管理者選定、継続した業務運営によるノウハウの継承、経営情報のさらなる公開などを方針として明らかにいたしました。
 また、指定管理者の選定手続におきましても、選定委員の過半数を外部委員にすることや選定経過の公表範囲の拡大など、より公正で透明性の高いものへと見直しを行いました。今後、監理団体の活用に当たりましては、都議会での議論や包括外部監査の指摘なども踏まえ、経営の透明性の向上を図るとともに、団体の担うべき業務についても適時適切に見直しを行うなど、引き続き改革を進めていきます。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 先ほどの民主党の伊藤委員の方からも質問がありましたけれども、今後の運営に関しましては適時適切に、そしてきちっと運用していただきたいということをまた再度申し上げたいと思いますが、そして特にですね、都の出捐金一〇〇%の団体であれば、その団体の財務諸表にもぜひ目を向けていただきまして、その改革の視点にも加えていただければということを要望させていただきます。
 次に、執行体制についてということであります。
 都職員の懲戒処分の年度表をいただきました。訓告、減給、停職、免職者の合計は、平成十九年度三百二十九名、平成二十年度は二百八十四名、平成二十一年度は二百十三名と処分者の数は減ってはきています。このこと自体は評価できますけれども、残念ながら依然として職員さんの非行、違法行為が後を絶ちません。最近の報道にもありますように、懲戒処分者が出ているのが現状であります。
 このような懲戒処分は、当然ゼロであるべき内容であるにもかかわらず、ここからは私見でもありますが、東京都職員全体として十六万人を超える職員さんがいるので、ある程度の処分発生は仕方がないと考えていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう考えている方がいらっしゃるようでは、処分者の数はゼロにはならない。職員の皆さんの職務遂行に対する再認識及び意識改革がぜひ必要であると考えています。総務局といたしまして、非違防止にどのように取り組んできたのか。また、いまだに非行、違法行為が発生している現状に対して今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○比留間総務局長 職員は都民の負託にこたえるため、公務員としての高い使命感と倫理観を持って職務に精励する責務を負っており、非行はあってはならないことでございます。このため、職員の非行につきましては、その種類に応じて免職、停職など処分の程度を示し、職員の責任を明確化した懲戒処分の指針を策定した上で、厳正な処分を行ってまいりました。
 さらに、平成十九年には処分の程度を厳しくするとともに、平成二十年からすべての処分内容を公表しております。また、非行防止のため、服務監察による指導助言のほか、職員の自己点検、研修の実施など、非行を身近な問題として職員に強く自覚させる取り組みも行ってきております。今後ともこうした取り組みを強化し、法令遵守等、全体の奉仕者としての意識の徹底を図り、非行の未然防止に努めてまいります。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 現在までの取り組みもお伺いしましたし、今後ということでもお伺いいたしました。まさしく、そのとおりの対応というのがまずは求められるんだろうと思います。北風と太陽という言葉もありますが、そこには心を入れながらも、きちっとした対応を進めていくということも必要でありましょうし、また各局において対応を進められて、まさしく実効性の高い施策を追求され、都民の負託にこたえていただきたいと強く要望させていただきます。
 それでは、続きまして多摩地域振興についてお伺いをいたします。
 多摩地域は、豊富な人材や先端技術産業の集積、恵まれた自然など、さまざまな個性と独自性、潜在力のある魅力的で発展の可能性に満ちた地域であります、まさしく。東京都は、これまでも多摩地域の発展の可能性と多摩の特性を生かすという視点から、多摩の総合的な振興を推進していくため多摩振興プロジェクトを策定し、さまざまな取り組みを実施してきたと伺っています。こうした都の取り組みとともに、多摩地域の各市町村は、近年の厳しい財政状況の中にあっても、社会経済状況の変化や住民ニーズを的確にとらえ、地域の実情に即した取り組みを進めているところであります。
 ここで質問ですが、このように都、市町村それぞれが事業を進めていますが、多摩地域のさまざまな課題の解決を図りながら、その振興を一層推進していくためには、東京都が総合的な調整力を発揮し、市町村と連携をしていくことが必要であると思いますが、所見をお伺いします。

○比留間総務局長 多摩の振興に当たりましては、都と市町村が有機的な連携を図りながら施策を展開するとともに、地域の特色を生かしたまちづくりなどに対し、適切な支援や市町村との調整を行うことが重要であると認識をしております。都はこれまでも、多摩振興プロジェクトなどに掲げる都市基盤の充実や産業振興などの取り組みについて、市町村の事業との整合性を図りながら推進をしてまいりました。
 また、市町村が行うまちづくりに対しては、市町村総合交付金などを活用した効果的な財政支援を行うとともに、市町村からの要請に基づき都職員を派遣するなど、人的な支援も行っております。さらに、ごみ処理の広域支援などについて市町村間の調整を積極的に図ってまいりました。今後とも都は市町村と連携、共同した取り組みを進めるとともに、市町村が抱えるさまざまな課題の解決に努めることで、多摩地域の振興を推進してまいります。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 まさしく多摩地域というのは自然が豊かな地域でもありますし、今後の発展に期待できる場所であろうというふうに思っておりますし、ただいまご答弁いただいたとおりの人的な支援ですとか、ごみ処理等の広域支援等々、東京都が総合的な調整力を発揮していただいて、市町村とタッグマッチを組んでというんですかね、やっていただければと、発展のためにご努力をいただきたいということを重ねて申し上げさせていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
 中小企業対策について、資金融資についてです。
 一昨年秋から始まった世界的な経済危機による我が国経済の急速かつ大幅な落ち込みにより、多くの都内中小企業の事業運営にとって血流ともいえる資金繰りは厳しさを増し、特に規模の小さい企業の資金調達環境は著しく悪化し、新たな融資を受けられない事態も発生していたと認識しております。こうした状況に対応するため、国は緊急保証制度を創設し、対象業種を順次拡大するなど制度の充実を図ってきたところであります。
 都においてもこうした国の動きを踏まえながら、都内中小企業の資金繰りを支援するための措置を講じてきたことと思いますが、平成二十一年度の都の金融支援の取り組みについてお伺いいたします。

○前田産業労働局長 都は、厳しい経営環境に置かれました中小企業の資金繰りを支援するため、平成二十年十月に国の緊急保証制度に対応し、制度融資に最優遇金利の適用や保証料補助の導入などの措置を講じました都独自の経営緊急を創設いたしました。平成二十一年度につきましては、この経営緊急が高い水準で利用されている状況を踏まえ、六月の補正予算におきまして経営緊急を含む経営支援融資の目標額を引き上げるとともに、預託金や保証料補助を積み増すなど、資金繰り支援に万全の措置を講じたところでございます。
 平成二十一年度の経営緊急の保証承諾実績は九千四百五十二億円となり、運転資金等の確保とともに、既往--かつて借りたものですね、既往債務の借りかえにより、中小企業の月々の返済負担の軽減に大きな効果を発揮したものと考えております。さらに、平成二十一年十月には地域の金融機関と連携した新しい保証つき融資制度、平成二十二年三月には機械設備担保融資制度といった都独自の融資制度の取り扱いを開始いたしました。さらに、新銀行東京におけるリスケジュールなどの対応を含めまして、中小企業の資金需要にきめ細かく対応したと考えております。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 中小企業の金融状況というのは本当に厳しい状況があり、その実態を東京都の方は、この施策に十分にといいますか、対応策を数々打ち出されているんだということも注目させていただいておりますし、今まさに中小企業は、この融資の問題もありますが、まさしく今仕事が欲しいというのが本音だろうと思います。その点も十分に踏まえまして、今後の中小企業対策を進めていただきたいと思うのと同時に、この融資政策に関しましては、まさしく今答弁もありましたとおりに、新銀行東京の存在意義というのが縮小しつつあるのではなかろうかと私は思っておりますので、このことも含めまして中小企業対策、きちっと進めていただきたいと存じます。
 引き続きまして、ものづくりについてお伺いします。
 現在の繁栄を築いてきた最大の理由は、ものづくり日本にあると考えています。世界に冠たる技術立国である日本の将来に展望を開くには、まさしくものづくりがあってこそであります。このものづくり技術、技能の継承はもとより、世代に偏りのない技術、技能労働者の確保と人材の育成の必要性は理解いただけるであろうと思います。そのためには、ものづくりの重要性を認識し、初等、中等、高等教育、さらには生涯にわたる技術、技能の習得、継承、人材の育成は急務であると思います。
 昨今では、理工系大学の進学者数の低減化もあると伺っております。そうであればこそ、特に初等、中等教育の場において、ものづくり教室など教育支援プログラムを充実し、より多くの地域で児童生徒に対してものづくりへの関心を高める必要性は高いと思います。そこで、特に小中学生にものづくりに対する興味、関心を持たせることで、将来の産業を支える人材の輩出が期待できると考えますが、現在の東京都教育委員会の取り組みをお伺いいたします。

○大原教育長 我が国のものづくりを支える人材のすそ野を広げていくためには、小中学生の早い段階から、ものづくりを通して得られる楽しさを体験させることが重要であると考えております。このため都教育委員会は、平成十九年度から都立工業高校において、小中学生を対象としたものづくり教室を夏季休業期間中に実施しております。このものづくり教室においては、都立工業高校の専門性を持つ教員が、アシスタント役を務める生徒とともに、ソーラーカーやロボット等の製作を行う小中学生の指導に当たってまいりました。
 平成二十二年度は、都立工業高校等十九校で六十六講座を開設し、児童生徒約千四百名、保護者約三百名が参加しました。参加者によるアンケート調査から、本事業を通して小中学生のものづくりへの興味、関心とともに、工業高校への進学に対する意欲も高まったものと考えております。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 まさしく日本のあした、あるいは東京のあした、将来を担っていただける小中学生のお子さんたちに、ものづくりという視点もまた興味を持っていただけるようにご努力をいただければというふうに思っております。
 それでは、中小企業支援の施策展開のあり方についてお伺いいたします。
 東京の産業を支える重要な存在である中小企業は、景気回復の兆しが見えない中、厳しい経営環境に置かれており、資金繰りや事業継承、国内外の販路拡大、人材育成など非常に多岐にわたる課題を抱えています。東京都は、こうした中小企業の課題を解決し、将来に向けて発展させるために、日本の首都としてのとらえ方だけでなく、世界的規模から俯瞰した力強い中小企業支援を今こそ発揮すべきだろうと考えます。
 神奈川県は、中小企業活性化を目的といたしました神奈川県中小企業活性化推進条例、そして埼玉県は、経営の安定と活力の回復を図る埼玉県中小企業振興基本条例、千葉県は、中小企業の多様で活力ある成長、発展の推進のための千葉県中小企業の振興に関する条例など、近隣の県では中小企業支援策としての各種条例を持っております。
 東京都ではこのような条例を策定しておらず、また、残念ながら今後予定もないというふうにも伺っておりますが、東京都は平成二十一年度においても先駆的なさまざまな施策を実施していることは一定の評価はできます。それであればこそ、こうした施策に一本のくしを通し、体系立った総合的な施策を実施することが喫緊の課題と考えますが、東京都の見解をお伺いいたします。

○前田産業労働局長 中長期的な視点に立った場合どうかというご質問だと考えます。都では、中小企業振興の取り組みを進めるに当たり、都内中小企業に対する最も効果的な支援のあり方を体系的に検討した上で、課題ごとに適切な事業を構築して実施をしているところでございます。具体的には、「十年後の東京」計画の中で、東京が近未来に向け産業分野でより高いレベルへ成長した姿を描き、東京都産業振興基本戦略で産業振興の面での新たな施策展開の方向を示しております。現在、この考え方に沿いまして総合的かつ着実に事業を実施しているところでございます。引き続きさまざまな施策を体系的に行うことによりまして、中小企業支援の効果を高めてまいります。

○興津委員 ありがとうございました。
 ただいま答弁にありましたけれども、やはり戦略的、効果的に中小企業支援策を展開するためにも、近県で制定されている条例を凌駕するような、それこそ全庁的な取り組みと力強い体系的な施策展開を進め、東京だからこそできる、また東京モデルと全国から評価され得るスキームづくりが改めて重要であると考えます。今後の施策展開を検討されることを要望させていただきます。
 時間の残余が少しありましたので、先ほど先に送らせていただきました公会計システムに関しまして、簡単にでありますけれども質問させていただきたいと存じます。
 私の質問上、準備させていただきました前半の部分に関しましては、先ほどの三宅委員の方から質問がありましたので、ここは割愛をさせていただきます。
 ご答弁に、あしたシンポジウムが開催されるということですので、東京都の公会計システムの普及に向けて努力をいただきたいと存じておりますが、さらに、総務省の要請により、総務省モデルで財務諸表を作成している自治体がほとんどであり、近隣の九都県市ですら都の新方式を採用されていないのが現状であります。
 都の新方式の優位性は、会計基準の面だけではありません。現行法令では、官庁会計方式による会計処理を行わなければならないという制約はありますが、都の新制度は、官庁会計方式によるデータによると同時に、複式簿記の仕分けとデータ蓄積が容易に行うことができ、実務上も職員負担が少ないというメリットもあります。
 ここで質問ですが、このような点から考えても都の新方式が全国のスタンダードとなるべき、都として戦略的に取り組んでいく必要があると考えますが、都の見解をお伺いします。

○新田会計管理局長 全国自治体への普及支援につきましては、これまで都単独でさまざまな活動を行ってまいりましたが、このたび大阪府という新たなパートナーができましたことによりまして、新たな局面を迎えることとなりました。現在、都は首都圏において、また大阪府は近畿圏を中心に、それぞれ知事会等の場を通じて複式簿記導入の必要性をアピールするなど、共同した取り組みを進めております。さらに、九月に設置されました国の研究会におきまして、大阪府と連携しながら都のこれまで主張してきました意見の反映に努めますとともに、全国普及に向けた実務的な視点からの支援のあり方について積極的に提言していく考えでございます。
 お話にございましたように、都の新公会計制度は、官庁会計と整合性をとりながら複式簿記の仕分けができるなど、実務上においても有用なものでございまして、このことから、このような点も含めて戦略的に都の方式をアピールし、今後とも国への働きかけや他自治体への普及など、大阪府と共同した取り組みを進めてまいります。

○興津委員 時間が迫ってまいりましたので、まとめさせていただきます。
 会計システムにおいては、スタンダードとなる優位性ははかり知れないということは先ほど申し上げたとおりでありますが、これを利用するためには、職員のスキルアップが必要不可欠でありますので、一層の研修などを望んでおきます。また、システム精度を上げ、より使いやすいシステム構築を望みます。
 また、財務諸表についてですが、各局の財務諸表は統一されているものの、監理団体における財務諸表は、団体の形態が異なるので一概にいえないところもあると思いますけれども、勘定科目の存置の仕方などが実はまちまちになっています。理解しづらいところも散見されますので、ぜひ今後は、都の公会計システムに倣い、統一感のある監理団体における財務諸表の作成指導に当たられたいと思いますので、これを要望させていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○佐藤委員長 興津秀憲副委員長の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十七分休憩

   午後二時五十五分開議

○佐藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 谷村孝彦副委員長の発言を許します。

○谷村委員 初めに、決算審査の一環としまして、会計事務処理の適正な執行の確保という観点から質問させていただきます。
 平成二十年十一月に会計検査院の検査結果が発表され、その際、十二の道府県で国庫補助金の不正経理、特に預け金による裏金問題などが発覚をしました。これを受けて当時、会計検査院は、東京都を含む残りの三十五都府県に対しても会計検査を実施すると発表しました。
 こうした状況を踏まえ、私は平成十九年度の各会計決算特別委員会の全局質疑で、この問題について取り上げさせていただいたところであります。その際、当時の三枝会計管理局長は、会計検査院の検査が行われる前に念のため、全庁的に自主点検を行うこととしたとの答弁をされております。私は、かつての官官接待問題の教訓から、東京都では他の道府県に見られる不正経理はないものと信じておりますが、自主点検はぜひ厳格に進めてほしい旨、要望させていただいたところであります。
 その後、実際に都も会計検査を受け、先週、その結果が公表されておりますので、改めて質問をさせていただきます。
 先週、会計検査院が発表した資料によりますと、東京都においても不適正な経理処理があったと指摘されております。これは報道もされております。そこで、会計検査院の指摘につきまして、具体的に内容を確認させていただきたいと思います。

○新田会計管理局長 今回の会計検査でございますが、対象は、平成十五年度から二十年度に都が受け入れました、国土交通省及び農林水産省所管の国庫補助事業に係る事務費でございまして、それを対象に実地に検査が行われたところでございます。
 指摘内容でございますが、まず需用費、いわゆる物品費等につきましては、他府県で問題となりました預け金、いわゆる裏金づくりは全くございませんでした。ただし、それ以外で事務処理が適切でないと指摘されたものが四百八十九万円ございました。また、旅費や賃金につきまして、補助の対象外ということで指摘されたものが、合わせて一億九百十一万円ございました。

○谷村委員 他の道府県で発覚したような、いわゆる預け金、すなわち裏金づくりが都で行われていなかったということが改めて確認されましたことは、当然といえば当然のことではありますが、都の受け入れている国庫補助金が大変に巨額であることを考えれば、今回の指摘金額は、他の道府県に比べて極めて少ないといってもよいと思います。
 しかし、会計事務処理の適正な執行を確保する観点からは、監査委員による監査、会計管理局が行う検査によって常に問題点がチェックされ、不適切な事例があれば是正指導や再発防止の取り組みが継続的に行われる必要があると思います。
 冒頭に触れました、都が実施した自主点検につきましては、その概要と点検結果が昨年四月に公表されております。
 この自主点検の結果では、大きな問題はなかったということでありますが、先ほどの答弁で明らかになったのは、この会計検査院の指摘内容にこの自主点検の結果とは違うところもあります。このたびの会計検査は、平成十五年度から二十年度までの国庫補助金を対象としたものであり、本決算特別委員会で審査しているこの平成二十一年度事業については、二十年度までのような問題事例はないものと信じておりますが、念のためにお伺いをいたします。

○新田会計管理局長 まず、お話のございました自主点検結果との相違点でございますが、東京都が実施いたしました自主点検では、他の自治体で問題となっておりました預け金の有無を重点的にチェックいたしましたのに対しまして、今回の会計検査では、預け金以外の事務手続上の問題まで広く調査が行われたところでございます。
 その結果、預け金といった重大な不正については、自主点検と全く同様に会計検査でも指摘がなかったところでございまして、都の事務処理が適正に行われていることにつきまして、会計検査院としても一定の理解を示していただいたものと受けとめております。
 しかし、一部の事業におきまして、預け金以外で不適切な事務処理として指摘を受けたものがございましたが、それは、会計検査と自主点検のそれぞれの調査における重点の置き方の違いなどによるものであると考えております。
 また、賃金等についての指摘でございますが、従来、年度末に補助金を最終確定する際に、国に対しまして提出いたします実績報告におきましては、所管省庁から事務費の総枠の実績額のみを求められておりまして、今回会計検査の対象となった賃金などに区分した内訳は求められていなかったところでございます。この間、都といたしましては、そうした従来の慣行に従っていたわけでございますが、今回の会計検査では、その内訳に着目して指摘がなされたものでございます。
 次に、不適正な経理処理の防止についてでございますが、平成二十年十一月の会計検査院による他県等に対する検査結果の公表を受けまして、都といたしまして、直ちに全庁において、全省庁、全事業の国庫補助金の事務費を対象にいたしまして自主点検を行い、事務処理の一層の適正化を徹底してまいりました。それに加えまして、会計事務全般につきまして、検査、指導の充実強化などに努めてまいりましたことから、経理事務における処理の適正化が、東京都におきましては着実に図られてきたものと考えております。
 今後とも、各局における事務処理の点検や、会計管理局におきます会計指導、研修の充実等に取り組みまして、職員の意識改革とチェック体制のさらなる強化に努めてまいる所存でございます。

○谷村委員 ただいま局長からご答弁いただきましたが、決算審査の観点からは、国庫補助事業に限らず、東京都としてこれまで以上に、みずから十分なチェックを行っていくことが大変に重要であると思います。今後も、各局による自己点検はもちろん、会計管理局による検査と監査委員による監査の十分な連携を図り、適正な事務処理の確保に取り組んでいただき、都民の期待にしっかりとこたえていただきたいと思います。
 次に、生活安定化総合対策事業について質問いたします。
 これは、都民税減税施策をさらに進化させた、低所得者の生活の安定を図る対策ということで、平成二十年度から三カ年事業として、都の単独事業として実施されております。生活費の支給がある職業訓練や、生活資金等の無利子貸付のほか、受験生の子どもに対する学習塾受講料などの貸し付け、住居を失い不安定就労についている人への支援など、低所得者に対する多岐にわたる事業が展開されております。
 この間、リーマンショックが起き、その後の経済不況の中、国は後追いで第二のセーフティーネットを構築し、生活保護に至る前の支援策をつくりましたが、この生活安定化総合対策事業は、国に先駆けて都が用意した施策であり、先見の明があったものと考えております。
 そこでまず、本事業の二十一年度の実績と成果についてお伺いをいたします。

○杉村福祉保健局長 生活安定化総合対策事業の平成二十一年度実績は、生活相談が四万七千四百四十二件、生活費支給つきの職業訓練などを行う、就職チャレンジ支援事業の訓練受講者が二千三百二十二人、訓練受講者等に生活資金等を貸し付ける生活サポート特別貸付が七百五件、貸付額が約一億一千万円、そして学習塾受講料等の貸し付けを行いますチャレンジ支援貸付が三千六百三十二件、貸付額約四億九千万円となっております。
 このほか、住所喪失不安定就労者に対します生活就労住宅相談や、介護資格取得支援を行うなど、重層的に施策を展開してまいりました。
 こうした都の緊急総合対策は、国を動かし、第二のセーフティーネットの整備に結びつくとともに、低所得者、離職者の生活の安定や、子どもたちの学習機会の確保につながるなど、成果を上げてきたと考えております。

○谷村委員 ただいまのご答弁の数字から、この事業により、なかなか先の見えない厳しい社会経済情勢において、多くの低所得者などの方の自立や生活の安定に寄与してきたことがわかります。また、学習塾の受講料などの貸し付けは年々大きく伸びていると聞いております。将来のある子どもたちへの支援に役立っていると考えます。こうした我が党の政策と軌を一にした施策展開と、実績、成果につきましては高く評価したいと思っております。
 また、この間、事業実施の過程の中で、より多くの真に困窮している方々に対象を広げていくために行われた制度や要件の見直し、あるいは改善が行われてきた点について、改めてお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 生活安定化総合対策事業では、これまで真に支援を必要とする方が利用できますよう、対象者の拡大を図るなど、必要に応じ見直しを行ってまいりました。
 具体的には、賃貸住宅へ入所している方の所得の算定に当たりまして、一定額を限度に家賃相当額を控除するなど、所得要件の緩和を行っております。また、就職チャレンジ支援では、訓練定員の拡大やキャリアカウンセラーの増によります相談体制の充実を図りますとともに、生活サポート特別貸付におきましては、連帯保証人の年齢要件の緩和などを行っております。さらに、チャレンジ支援貸付では、中学三年生の学習塾受講料の貸付限度額を引き上げるとともに、高校受験料を新たに貸付対象とするなど、支援を拡充いたしております。

○谷村委員 事業実施をする中においても必要な見直しが行われており、高く評価するものであります。
 この生活安定化総合対策事業は三カ年事業で、国の第二のセーフティーネットを引き出したことなどから、今年度で終了ということになりますが、相変わらず五%で高どまりしている失業率や、最近の一ドル八十円に迫る円高など、厳しい経済雇用情勢のもとでは、私ども公明党は引き続き、低所得者や離職者への支援が欠かせないと思っております。生活に困った人が生活保護にばかり流れていかないようにするためにも、緊急対策終了後にも事業の再構築を図るなど、今後も必要な人に適切な支援が行われるよう、強く要望させていただきたいと思います。
 次に、都立高校への外国人生徒の進学の現状と今後の展望について質問いたします。
 学校基本調査によりますと、本年五月一日現在で、都内の公立中学校の日本語学級には、昼間部、昼間七十五人、夜間学級百四人、合わせて百七十九人の中学校三年生が在籍をしております。昼間部の日本語学級は、日本語の習得のために設置された通級学級であり、日本語能力に支障がなくなった生徒は通級をやめますので、調査時に在籍していた生徒のすべてがそのまま日本語学級に在籍して卒業するわけではありませんが、新たに外国から日本に来て編入学する生徒もいるため、日本語学級には年間を通して一定数の日本語指導が必要な生徒が在籍しております。
 これに加え、日本語学級は現在、十区市の十三校に設置されておりますが、それ以外の市区町村の中学校においても、国の制度である日本語指導教員の配置による対応や、市区町村が独自に任用した指導員により、日本語指導を受けている生徒がいることなどから、都内全体では毎年、二百人を超える相当数の在京外国人など、日本語能力が十分でない生徒が公立中学校を卒業していると考えられるわけであります。
 そこで問題となるのが、これらの外国人生徒を受け入れる都立高校の側であります。これまでは国際高校が受け入れを担ってきたわけでありますが、都立高校の入学者選抜における在京外国人生徒の対象枠は幾つあるのか、まずお伺いいたします。

○大原教育長 平成二十二年度、都立高校入学者選抜におきましては、都立国際高等学校に、四月入学で二十五人、九月入学で海外帰国生徒対象と合わせまして十五人の、在京外国人生徒対象の募集枠を設定しております。
 なお、このほか、中学校段階からの入学でございます都立立川国際中等教育学校に、海外帰国生徒対象と合わせて三十人の募集枠を設定しております。

○谷村委員 国際高校での在京外国人生徒対象枠が四月、九月の入学合わせて四十人。立川国際中等教育学校に三十人という募集枠があるというわけですけれども、これは中高一貫校でありますので、中学校の卒業生は対象にならないわけであります。公立中学校だけで毎年二百人相当数の外国人中学卒業生がいるわけでありまして、当然の結果として、国際高校のここ数年の応募倍率を見ましても、やはり三倍から四倍で推移しております。
 東京近県を見ますと、平成二十二年の入学者選抜では、神奈川県で、県立で八校八十人、横浜市立高校一校で四人ということで、神奈川県全体では八十四人、埼玉県では六校で六十人であります。都立高校において、在京外国人生徒対象の募集枠以外にも、在日期間が原則三年以内の外国人生徒を対象に、平仮名のルビを振った学力検査問題での受験を認めるといった取り組みも行っており、また、一般の入学者選抜で定時制に入学する生徒もいると聞いております。しかし、それでもなお、在京外国人生徒対象の募集枠ということで見れば、応募倍率が高く、数としても神奈川、埼玉に比べて少ないように思います。
 そこで、今後、都立高校における在京外国人生徒対象の募集枠をふやすべきであると思いますが、見解をお伺いいたします。

○大原教育長 都教育委員会は、平成二十年五月に策定いたしました東京都教育ビジョン(第二次)におきまして、増加する外国人生徒に対する教育を充実するため、平成二十四年度末の到達目標としまして、外国人生徒の都立高校への入学促進を掲げまして、推進に努めているところでございます。
 このたび、平成二十三年度入学者選抜から、都立国際高等学校に加えまして、都立飛鳥高等学校において、四月入学で十五人、九月入学で三人の在京外国人生徒対象の募集枠を新たに設定いたしました。
 今後も、中学校における日本語指導が必要な在京外国人生徒の動向や、入学者選抜の応募状況等を考慮いたしまして、設置校及び募集枠などにつきまして、鋭意検討を進めてまいります。

○谷村委員 明年、飛鳥高校で四月、九月で十八人を募集し、それ以外にも今後鋭意検討を進めていただくとのご答弁でございますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、外国人生徒の指導体制についてでありますが、私ども公明党はこれまでも、日本語指導が必要な外国人生徒への指導の充実を訴えてまいりました。都教育委員会は、これまで日本語指導に関する教員研修、外国人生徒やその保護者を対象とした教育相談の実施、日本語テキストや日本の学校に関するガイドブックの作成等を行ってきたことは高く評価するものであります。
 現在都立高校においては、日本語指導が必要な外国人生徒に対する個別指導、いわゆる取り出し指導やチームティーチング指導、放課後または夏季休業日における補助指導など特別な指導を行っており、これも高く評価するものでありますが、さらに指導体制を充実してほしいという声もあります。
 そこで、都立高校に在籍している日本語指導が必要な外国人生徒のうち、教科の取り出し指導など、特別な指導を受けていない生徒数はどのくらいいるのか。また、そうした生徒に対して、都教育委員会はどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。

○大原教育長 平成二十一年度、都立高校における日本語指導が必要な外国人生徒の数は二百九十二名であり、このうち、日本語指導にかかわる特別な指導を受けていない生徒は百十四名でございます。
 このため、平成二十二年度から都教育委員会は、特別な指導を受けていない外国人生徒を対象として、当該生徒の母語を使える外部人材を学校が計画的に活用して、授業の補助等を行います日本語指導外部人材活用事業を開始したところでございます。本事業を活用している学校では、大学生や、教員のOB等の外部人材による日本語指導を通した学習支援を、授業中を初め、放課後や土曜日等にも行っております。
 今後、都教育委員会は、こうした取り組みにより、日本語指導が必要な外国人生徒に対する指導体制を一層充実させてまいります。

○谷村委員 都立高校における日本語指導が必要な外国人生徒数、今お答えいただきましたけれども、二百九十二名、そのうち、平成二十一年度まで特別な指導を受けていない生徒は百十四名。これは約四割の外国人生徒が特別な指導を受けていない、あるいは受けていなかった、手が届いていない、あるいは全く届いていなかったことになるわけであります。
 ただいま大原教育長から、日本語指導が必要な外国人生徒に対する指導体制を一層充実するという大変に力強いご答弁をいただきました。今後、こうした指導体制をさらに充実させていくためにも、外部人材の活用とともに内部人材の活用、つまり日本語指導が可能な先生も都立高校にはたくさんおられるわけでありまして、こうした正規の教員を日本語指導に効果的に配置していくことも大切ではないかと思います。
 そこで改めて申し上げますが、外国語のできる日本語指導可能な教員を、必要とする都立高校へ的確に配置していくべきと思いますが、所見をお伺いいたします。

○大原教育長 都立高校に在籍する外国人生徒への教育に当たりましては、生徒の母語に応じて適切に日本語指導ができる教員、さらには、広く生徒理解にたけた教員を配置することが重要でございます。
 都教育委員会では、生徒の状況や教員の適性に応じた人事異動を行いますとともに、時間講師を措置してきたところでございますが、日本語指導が必要な生徒数の増加や、指導経験豊かな教員の退職が続く状況を踏まえまして、さらなる人材の発掘が必要と考えております。
 このため、採用時の情報や研修受講、海外派遣などの情報をデータベース化いたしまして一元管理し、日本語指導のできる教員を積極的に活用してまいります。

○谷村委員 ただいま大原教育長から、さらに大変に明快かつすばらしいご答弁をいただきました。外部人材の活用とともに、既にある貴重な資源である内部人材の潜在力、潜在能力、これをデータベース化して一元管理して積極的に活用していく。ぜひとも内部人材も活用していただき、日本語指導を求めている生徒への教育の充実に有効活用されることを期待しております。
 次に、西武新宿線の東村山駅付近の五つの踏切の渋滞解消に向けた取り組み、いわゆる連続立体交差についてお伺いいたします。
 この点につきましては、平成二十年第一回定例会の予算特別委員会、平成二十年第四回定例会の本会議一般質問、そして、本年第一回定例会の予算特別委員会で、私は再三にわたり取り上げさせていただきました。建設局、また都市整備局の皆様の並々ならぬご尽力をいただき、平成二十一年四月に、国土交通省から新規着工準備採択をかち取っていただきました。これは当時、全国で三カ所しか採択されなかったうちの一カ所ということでありまして、まさにかち取っていただいたわけであります。そしてすぐさま地質調査、ボーリング、これは構造形式や施工方法の検討に必要となるもので、現地の地質の形状や強さなどを調査するもので、数カ所既に実施していただいたところであります。地域住民の方々の喜び、あるいは反響は大変に大きなものでございました。
 しかしその後、コンクリートから人へというキャッチフレーズなるものを掲げた政権が誕生し、地域住民にとっての長年の悲願が本当に悲願で終わりそうになる中、都においては、当時の道家都技監、また現在の山口道路監を先頭に、大変に厳しい環境下で着実に取り組みを進めていただいてまいりました。
 本日は、横田基地の軍民共用化や多摩都市モノレールの延伸でも、私の地元住民団体が大変に熱い視線を注いでおります河島都技監にご答弁をお願いいたしますが、西武新宿線の東村山駅付近の、五カ所の踏切の連続立体交差化であります。平成二十一年度の四月に新規着工準備採択として国に採択されてから約一年半、現在は都市計画に向けた準備が進められていると伺っております。そこで、現在の都市計画に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。

○河島東京都技監 都内には数多くの踏切が残されておりまして、東京の最大の弱点であります交通渋滞の発生や、都市環境の悪化などの要因となっております。このため都は、平成十六年六月、踏切対策基本方針を策定いたしまして、重点的かつ計画的に踏切対策を進めていくことといたしました。
 お尋ねの西武新宿線東村山駅付近につきましては、府中街道など交通量の多い道路や、優先整備路線となっている都市計画道路が鉄道と交差していることなどから、この基本方針におきまして、鉄道立体化の検討対象区間の一つとして位置づけられております。
 本区間につきましては、関連する道路整備計画が具体化していることや、駅前の再開発事業が進められるなど、まちづくりの取り組み熟度が高いことから、連続立体交差化計画の具体化に向け、構造形式や施工方法の検討を行い、国など関係機関と鋭意調整を重ねてまいりました。
 このたび、都市計画の素案が固まったことから、今月末に、連続立体交差化計画と関連する道路計画の素案に関する地元説明会を開催することといたしました。今後とも、関係機関と連携を図りながら、都市計画及び環境影響評価の諸手続を進めるなど、本区間の早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。

○谷村委員 大変にありがとうございます。大きく前進していることを改めて確認させていただきました。
 東村山市は、特に西武新宿線で東西に分断されておりまして、繰り返しになりますが、この渋滞解消というのは市民の長年の悲願であります。引き続き積極的な取り組みをぜひ進めていただきたいことを、改めて要望いたしておきます。
 次に、都市基盤整備に関連いたしまして、墓地の経営許可について質問いたします。
 都では平成二十年に、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例施行規則を改正し、申請時における宗教法人の財務状況に関する添付書類を提出することを申請時に義務づけております。まず、その趣旨についてお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 都内における近年の墓地経営許可申請は、宗教法人によります比較的規模の大きい事業型墓地が多くを占めております。こうした実態を踏まえまして、墓地経営の安定性、永続性を確保する観点から、法人の財政面の裏づけをより詳細に審査できるよう、平成二十年に規則改正を行っております。
 具体的には、従来から提出させておりました、墓地等の設置に係る資金計画書に加えまして、法人の財産目録や収支計算書等の財務状況に関する書類を、申請時の添付書類に追加をしたものでございます。

○谷村委員 平成二十年十二月一日のこの規則改正施行後から、平成二十一年度末までの墓地の許可申請は六件あったと伺っております。この規則改正によりまして、具体的効果についてどう評価されているのか、お伺いをいたします。

○杉村福祉保健局長 規則改正によりまして、添付を義務づけた法人の財務状況に関する書類と、墓地の設置に係る資金計画書の記載事項とを照合することによりまして、資金の確保状況など墓地経営の安定性、永続性に関する、より詳細な審査が可能となったと考えております。

○谷村委員 墓地条例では事前周知制度を規定しておりますが、隣接住民等への説明事項に、この申請予定者である宗教法人の財務状況は含まれていないわけであります。しかし、近隣住民にとりましては、一番の心配事というのは、この墓地が営利目的でつくられていくのではないか、その後、本当にきちんと墓地が経営されていくのかということであります。墓地の永続性にとって重要な、申請予定者の財務状況についても、近隣住民に安心してもらうためにも、本来は説明すべきではないかとの声もあります。この点についてのご見解をお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 墓地建設の計画におきましては、申請予定者と隣接住民等との間で調整を図り、可能な限りあつれきを防止することが重要でございます。
 このため墓地条例では、事前周知制度を設けまして、申請前の手続としての標識の設置、隣接住民等への説明会、及び住民から意見の申し出があった場合の事前協議を定めております。事前協議の内容といたしましては、公衆衛生その他公共の福祉、墓地の構造設備と周辺環境との調和、墓地の建設工事の方法の三点が対象となっております。
 お尋ねの財務状況の説明についてでございますが、財産目録、収支計算書など、宗教法人法に基づいて作成された財務関係書類は、情報不開示の取り扱いとするよう、国から法人の認証等の事務を行う所轄庁に対して通知が出されております。このため、事前協議におきましては、財務関係書類を開示させることはできませんが、都におきましては、墓地建設に当たり、あつれき防止の観点から、隣接住民等からの質問に対し可能な限りの対応をするよう、申請予定者に指導助言を行っております。
 こうした事前協議が終了し、経営許可申請書が提出された段階で、都は、財務状況等を審査した上で許可について判断をいたしております。

○谷村委員 平成二十年の第三回都議会定例会で請願審査されて趣旨採択となりました武蔵村山市伊奈平の墓地計画について、一点質問をいたします。
 この採択された請願の趣旨は、地元市や周辺住民の意向を十分に尊重し、反映させるというものであります。この点につきましては現状はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 所管の保健所におきましては、武蔵村山市に対して、墓地計画による市の土地利用計画への影響等について意見照会を行いますとともに、申請予定者に対して、武蔵村山市と十分に協議、調整するよう指導を行ってまいりました。また、隣接住民等からの意見申し出に基づきまして、平成二十年九月に、申請予定者に事前協議をするよう指導をし、その後、二年以上にわたり隣接住民等との間で協議が行われてまいりました。
 本年九月に、申請予定者から協議結果報告書が提出されましたが、一方で隣接住民等からは、その記載内容について書面による意見が提出されたところでございます。現在、これらの書類について確認をしているところでございます。

○谷村委員 ぜひ、地元市や周辺住民の意向を十分尊重し反映させることという、この請願の趣旨に沿った対応をぜひ行っていただくよう、改めてお願いしておきたいと思います。
 では最後に、都市外交についてお伺いいたします。二点お伺いをいたします。
 昨日までアジア大都市ネットワークの東京総会が開催され、大きな成果を上げられたことと思います。これまでのアジア大都市ネットワークの成果について、また取り組み状況についてお伺いいたします。

○秋山知事本局長 アジア大都市ネットワーク、今週東京で総会を開きました。昨日、東京宣言を採択したわけでございますけれども、これまで、中小型ジェット旅客機の開発促進を初めといたしまして、危機管理や感染症対策など、さまざまな分野で各都市が協力いたしまして、共通する課題の解決に取り組んでまいりました。
 例えば、ただいまの中小型ジェット旅客機に関しましては、台湾やインドの企業が参画し、アジアの技術と能力を生かした開発、製造を促進することにつながってきております。また、危機管理の分野では、国際会議の開催などを通じまして、洪水などの災害発生時の被害軽減策やテロ対策などにつきまして、経験やノウハウを共有し、また、感染症発生時に即応するための行政、医療、研究機関の連絡体制整備を図り、昨年度の新型インフルエンザ流行期間中、感染症対策プロジェクトのネットワークを通して、各都市の専門家と情報交換を行ったところでございます。
 これらの取り組みを通じまして、現場レベルでの情報交換や人材交流が充実することによりまして、会員都市間の信頼関係を強固なものとするとともに、各都市の施策の向上に貢献してきたものという認識をしております。

○谷村委員 アジア大都市ネットワークは、この十年間で大変大きな成果を上げられてきたことと思います。また私もそう思います。
 一方で、東京が提携をしております姉妹友好都市への取り組みについてでありますが、こちらももっと力を入れて取り組むべきだとの声もあります。私もそう思います。
 国では、対アメリカ、対中国、対ロシアを初め、今、日本の外交はがたがたであります。こういうときにこそ、地道な都市間外交の存在が光るわけであります。姉妹友好都市提携に係るこれまでの成果と、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○秋山知事本局長 ただいま、副委員長からお話がありました姉妹友好都市でございますけれども、アジア大都市ネットワーク21とともに、都の都市外交の大きな柱だというふうには認識をしてございます。
 この提携でございますけれども、世界の都市や市民が、さまざまな分野における交流を通じて相互理解を深めていくことが、都市の発展と友好関係の増進、並びに世界平和の実現に貢献するという考え方のもとに制定されているものでございまして、昭和三十五年のニューヨーク市を皮切りに、北京市やパリ市など世界の十一の都市と提携を行っているところでございます。
 こうした姉妹友好都市との関係の中で、最近の事例で申しますと、旧カイロ県にございます東京庭園の修繕、それからベルリン市との十五周年記念式典の実施、それからモスクワ市への桜の寄贈といったところが行われているところでございます。
 さらに、姉妹友好都市との新たな交流の苗といたしまして、「十年後の東京」計画に基づきまして、すべての姉妹友好都市を対象といたしました東京国際ユースサッカー大会を、平成二十年度に創設いたしました。ことしは九都市十二チームが参加し、スポーツを通じて青少年の相互理解が深まったものというように思っております。
 また、北京市とは昨年九月に、両都市のさらなる発展や連帯を深めるために、水及び環境分野に関する技術交流、技術協力の合意書を取り交わしました。ことしは北京市で上水、それから下水道を所管いたします水務局代表団を受け入れまして、上下水道事業について意見交換するなど、両都市の職員による技術交流が開始されているところでございます。
 こうして創設いたしました交流の苗を着実にはぐくむことによりまして、今後の交流事業の充実に努め、姉妹友好都市との相互理解がより一層深まるよう取り組んでまいります。

○谷村委員 現在の日本の外交状況を見ましても、国の外交というのは国益と国益がぶつかるわけでございまして、あるいはナショナリズムでぶつかることが多いわけですけれども、そういった政治状況に、あるいは国際情勢に影響を受けることのないのが、やはり都市間外交ではないかと思います。そのためにも、課題を掲げたアジア大都市ネットワークも大変重要な面もあるかと思いますけれども、この姉妹提携都市、姉妹友好都市、改めて提携をしているわけでございますので、こうしたパイプというのも今後もきちんと生かしていただいて、東京だからできる国際交流、都市間交流、外交というものを行っていただきたいことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○佐藤委員長 谷村孝彦副委員長の発言は終わりました。
 野田かずさ委員の発言を許します。

○野田委員 初めに、スポーツ振興事業について伺います。
 都は、スポーツ振興の一層の充実強化を図るため、従来別々の部局で実施していた施策を一元化し、スポーツ振興局を設置しました。今後、この統合の効果を発揮すべく、ソフト、ハード両面から、スポーツ振興策を総合的に展開していくことを期待しております。
 スポーツ振興局の事業の中で、平成二十五年に開催するスポーツ祭東京二〇一三については、実行委員会を中心に着実に準備が進んでいると伺っております。
 都は、会場地となる市区町村に対して、二十年度、二十一年度と、競技施設の整備に対する財政支援を行っております。かねてから我が党が取り組んできた都内のスポーツ環境の整備が、五十四年ぶりの国体開催を契機として一層推進されると考えております。今後、大会本番に向けて、各競技会の運営を直接担う市区町村に対するさまざまな支援を充実させると同時に、スポーツ振興局のみならず、都庁の全局を挙げて、開催に向けた取り組みを進めていくことが必要であると考えます。局長の決意を伺います。

○笠井スポーツ振興局長 スポーツ祭東京二〇一三は、都内のすべての区市町村、六十二団体ございますけれども、そこを会場地といたしまして、国内最高のスポーツ大会、スポーツイベントを目指して開催する国体と、障害者スポーツへの関心を高める大会として開催いたします全国障害者スポーツ大会を、一つの祭典として開催するものでございます。
 国体の会場となります区市町村に対しましては、既に実施しております施設整備補助のほか、平成二十四年のリハーサル大会及び平成二十五年の本大会を対象に、運営費の補助を実施する予定にしておりまして、区市町村の意見を聞きながら、適切な支援をしてまいります。
 また、委員ご指摘にもございますように、この大会は都庁の総力を挙げて取り組まねばならない事業でございます。都の持っております競技施設の整備や、関連するインフラの整備、各局事業と連携した広報活動の実施など、全庁を挙げた開催準備を、既に設置しておりますスポーツ祭東京二〇一三庁内連絡会議などを活用して推進してまいります。今後も、スポーツ祭東京二〇一三実行委員会を中心に、都議会、区市町村と東京都の密接な連携のもとに、開催準備に万全を期してまいります。

○野田委員 今後とも市区町村との連携をさらに深め、大会開催の機運を盛り上げていくことを強く要望しておきます。
 次に、子どもの体力向上について伺います。
 先般、体育の日に合わせ、例年文部科学省が調査している国民の体力の現状について報道がありました。それによりますと、子どもの体力はここ数年、若干回復傾向を示しているものの、全国的な傾向として、子どもの体力水準がピークであったとされる昭和五十年代に比べると、まだまだ低い状況にあります。一方、四十歳代以降では体力は上昇傾向にあるとのことです。ちょうどこの四十歳代以降の年齢は、昭和五十年ごろから六十年ごろに小中学生であった年代の人たちです。若いうちに体を鍛えておくことが、いかに人生にとって大切なことであるかがうかがい知れる事象ではないかと思います。
 平成二十年度、二十一年度に行われた全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果によれば、東京都の児童生徒の体力は全国平均を大きく下回っており、とりわけ中学生の体力は下降傾向を示し、都道府県別に四十六番目という極めて低い水準にあります。
 体力は活力の源であります。人々が健康的で豊かな生活を送るためには、体力というものは学力と同様に、あるいは学力以上に重要であり、学齢期にはまず体を鍛えることが大切であるとの認識から、これまで我が党は、子どもの体力向上に向けてさまざまな指摘や提言を行ってきたところです。
 それを受け、都教育委員会は昨年五月に、子どもの体力向上推進本部を設置しました。設置から一年以上がたちましたが、この推進本部における検討内容と今後の方向性について伺います。

○大原教育長 体力は、児童生徒が成長していく上で、知力や気力の源として必要不可欠のものでございます。また、変化の激しい社会を担う児童生徒にとって、日本人としての道徳心や規範意識を根底で支え、たくましく生き抜いていくための基盤でもございます。
 しかしながら、東京都の児童生徒の体力低下の現状は、お話のように、極めて憂慮すべき状況にございます。このため、平成二十一年五月、子どもの体力向上推進本部を設置し、平成二十四年度には全国平均にまで、平成三十一年度には、戦後子どもの体力がピークであったとされます昭和五十年代の水準にまで向上させていくことを目標にいたしまして、東京都の児童生徒の体力低下の現状や原因等の分析、体力向上に向けた目標設定や取り組みの方向性を検討してまいりました。
 平成二十二年七月には、検討結果を取りまとめまして、総合的な子どもの基礎体力向上方策第一次推進計画を策定し、公表したところでございます。
 具体的には、体力の必要感の醸成やムーブメントをつくるために、十月を東京都体力向上努力月間と位置づけますとともに、中学生東京駅伝大会を開催いたしました。
 また、日常生活の活動量を向上させるために、子どもの生活活動ガイドラインを、一日一万五千歩と定めました。さらに、学校における指導を改善充実するために、一校一取り組み運動を開始し、あわせて、子どもの体力、運動能力等の大規模な実態調査を計画するなど、さまざまな具体的施策を展開していくこととしております。

○野田委員 ぜひ都教育委員会には、策定した第一次推進計画に基づき、学校における取り組みを力強く推進することを期待します。
 次に、答弁でもありましたように、子どもの体力向上に向けたムーブメントづくりの一環として、本年三月、都内で初の試みとなる、中学二年生による市区町村対抗の東京駅伝大会が、中央区晴海ふ頭で行われました。初めて行われました大規模な大会の成果と、今後の展開について伺います。

○大原教育長 中学生東京駅伝大会は、学校や部活動の垣根を越えて、区市町村単位の選抜チームを結成し、女子の部では三十キロメートルを十六人で、男子の部では四十二・一九五キロメートルを十七人でたすきリレーするものでございます。
 第一回の参加チームは、各地域から選抜された陸上部、サッカー部やバスケットボール部などのスポーツ系のみならず、吹奏楽部や家庭科部等、さまざまな部活動に所属する中学二年生によって編成され、二十三区二十六市二町、合計五十一の自治体から、二千百二十一人の参加を得た大規模な大会でございました。
 本大会は、町田市選抜チームが男女総合優勝し、多くの関係者や団体の協力を得て、無事終了することができました。
 各地域では、中学校のマラソン大会、区市町村における予選会や壮行会等を初めとしたさまざまな取り組みを通じまして、多くの中学生が、より高い目標に向かって切磋琢磨し、持久力や忍耐力をはぐくむことができました。また、会場に集まってくださいました約一万五千人の観客は、それぞれ地域ごとに応援団を編成し、連帯感や郷土意識の高揚にも大きな影響を与え、活気のある大会となりました。
 本年度、第二回大会は、平成二十三年三月二十一日春分の日に、味の素スタジアムで開催することとしておりまして、引き続き、子どもの体力向上ムーブメントの原動力として充実を図ってまいります。

○野田委員 次に、高齢者医療制度について伺います。
 現在、国において高齢者医療制度のあり方が検討されていますが、都議会自民党は、医療保険制度は社会保障制度の大きな柱の一つであり、国民すべてにかかわる重要な問題と考えています。国の高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめまで、あと一カ月となっており、現在の状況について何点か伺います。
 国の会議では、二段階に分けて制度改正を行うとしております。第一段階では、七十五歳以上の高齢者のうち、サラリーマンや被扶養者は被用者保険に、これら以外は国保に加入し、国保の財政運営は都道府県単位化するとしていますが、保険料負担や財政調整の仕組みについて大枠で現行制度を踏襲しており、十年にわたる検討を経て実施された現行制度を改正する必要はあるのでしょうか。第二段階においては、全年齢を対象に国保を広域化するという枠組みが示されているにすぎません。多くの高齢者が加入することになる国保は、低所得者が多く十分な保険料が確保できないため、保険者である区市町村が一般会計から補てんして成り立っているという構造的課題があり、この課題を解決しないまま現行制度を廃止しても、国民を支え得る制度が構築できません。
 そこで、国が新たな高齢者医療制度を構築する目的と、その達成に向けての検討状況について伺います。

○杉村福祉保健局長 国は、後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度の具体的なあり方を検討するため、高齢者医療制度改革会議を立ち上げております。会議では、年齢で区分するという問題を解消する制度とすること、市町村国保などの負担増に十分配慮することなどの六つの基本的な考え方を示しており、それに基づき検討が進められております。
 現在、制度廃止後の七十五歳以上の高齢者の保険の加入先や、国保の広域化などについて検討をされておりますが、国保の構造的課題の抜本的な解決を初め、医療保険制度全体のあり方に関する具体的な議論はなされておりません。

○野田委員 新制度の構築に当たっては、国民皆保険制度を守ることが基本となるはずですが、現行制度廃止ありきの議論で結論を急ぐ余り、根幹となる前提が忘れ去られているのではないでしょうか。特に、医療保険制度では医療費をいかに賄うかがかなめであり、今後ふえ続ける医療費の財源確保策の議論なくして、安定的な制度構築はあり得ません。
 高齢者の医療費は高齢者の保険料のほかに、国や都道府県等の公費及び現役世代からの支援金で賄われていますが、改革会議では、公費等の費用負担についてどのように示されているのか伺います。

○杉村福祉保健局長 十月二十五日に開催された改革会議では、七十五歳以上の高齢者の医療給付に対する公費負担割合を、平成二十五年四月の段階で、国、都道府県、区市町村を合わせて、現行の四七%から五〇%に引き上げ、三千五百億円をふやすほか、現役世代からの支援金の負担方法を見直すことなども示されております。
 あわせて、被用者保険も含めた医療保険制度全体への長期的な財政影響の試算も示されましたが、制度改正の前後を比較した場合、国の負担は減るにもかかわらず、都道府県、区市町村の負担はふえております。また、将来の保険料負担の増加を抑制するため、公費の充実が必要としておりますが、具体的な財源の裏づけは示されておりません。

○野田委員 高齢化の進展に伴い、医療費を初めとした社会保険費の増大が見込まれていますが、社会保障制度の維持に不可欠な財源の確保について、十分に議論が行われておりません。国は、将来にわたり持続可能な医療保険制度のあり方について、幅広く議論を尽くすべきです。例えば広域化についても、都道府県単位の財政運営というだけで、運営主体が明らかにされていませんが、広域連合の活用など、自治体や関係団体の意見も十分に聞いた上で結論を出すべきであることはいうまでもありません。
 都は、これまでも国に対してたびたび提案要求をしていますが、今後も積極的に働きかけ、よりよい制度の実現に向け、一層努力していただくことを強く要望します。
 次に、保育所の待機児童対策について伺います。
 仕事と子育ての両立支援のため、保育所の待機児童対策は喫緊の課題となっております。平成二十二年四月現在、全国の待機児童数は二万六千二百七十五人であり、三年連続で増加しています。このうち、都の待機児童数は八千四百三十五人で、全国の三二%を占めています。待機児童問題はまさに大都市の問題であり、東京ではここ数年、深刻な状況が続いています。そこでまず、これまでの都における待機児童対策の取り組みについて伺います。

○杉村福祉保健局長 都は、平成二十年度からの三年間で、保育サービス定員一万五千人分の整備を行う、保育サービス拡充緊急三カ年事業に取り組んでまいりました。
 三カ年事業初年度の平成二十年度は、整備目標を達成いたしましたが、平成二十一年四月の待機児童数が急増いたしました。そのため、平成二十一年度の整備目標を、当初計画の一・五倍の八千人に引き上げますとともに、事業者と区市町村の負担を大幅に軽減する都独自の支援策を講じ、取り組みを強化した結果、目標を上回る八千五百三十八人分の定員増を達成いたしております。
 平成二十年度から二十一年度の二年間では、当初計画の目標値九千七百九十七人増に対し、一万三千百六十七人の定員増となっており、達成率は一三四%となっております。

○野田委員 本年四月の待機児童数は、昨年より四百九十六人増加し、保育サービスに対するニーズの増大が供給を上回っている状況です。保育所の設置がさらなる需要を生み出しているともいわれます。
 また、少子化時代にあっても、流入人口の増加に伴い児童人口の増という東京特有の問題も背景にあります。施設整備を強力に進めても待機児童が減らない現状を踏まえ、都は今後どのように対応していくのか見解を伺います。

○杉村福祉保健局長 都内の保育サービスの需要は、就学前児童人口の増加や経済情勢の悪化等により増大をいたしております。また、現在は就学前児童人口の三二%分の保育サービスが整備されておりますが、各区市町村が実施したニーズ調査では、潜在的ニーズも含めると四四%の保護者が利用を希望しております。
 そのため、本年三月に策定した次世代育成支援後期行動計画では、この潜在ニーズも考慮した上で目標を設定しておりまして、今後五年間で保育サービスの利用児童数を三万五千人ふやすこととしております。この目標値の達成に向けまして、賃貸物件を活用した保育所整備など、大都市ならではの施策を展開し、保育サービス拡充の取り組みをより一層強化してまいります。

○野田委員 待機児童を解消するためには、引き続き保育施設の新設を進めることが必要です。土地確保が困難な東京では、未利用の都有地や、先日世田谷区の事例が報道されましたが、国有地なども有用な物件です。今後、都としても、この喫緊課題である待機児童対策のため、都有地や国有地などの公有地の活用についても積極的に取り組むべきと考えますが、所見を伺います。

○杉村福祉保健局長 お話のとおり、保育所の整備は喫緊の課題でございまして、公有地を活用することは有効な方策の一つであります。
 そのため、都は、未利用の都有地につきまして、関係局との間で情報の共有を図った上で、土地所在区市町村に対し利用意向の調査を実施し、現在、回答のあった複数の区市町村と調整を行っております。
 また、国有地についても、定期借地権に基づく貸付制度が開始されましたが、区市町村が保育所等の整備に活用しやすくなるよう、貸付料の減額について国に対して提案要求をいたします。
 今後ともあらゆる手法を用いて、待機児童解消に向けた対策に取り組んでまいります。

○野田委員 次の質問に移ります。
 我が党は、都民が安心・安全に暮らせるよう、消費者、生活者の視点に立ち、悪質事業者の取り締まりのための体制強化や、土曜相談の開始など、東京都消費生活総合センターの機能強化を提案してまいりました。
 また、国政においては、消費者庁の創設とあわせて集中的に地方消費者行政を整備していくため、地方消費者行政活性化基金事業を創設しました。地方の消費者行政を集中的に整備促進するために、国が交付金を手当てすることは画期的なことでありました。
 都においても、都及び市区町村が平成二十一年度から三年間に活用する総額十二億円の基金を造成することとなりました。その活用に当たり、我が党は住民に身近な消費者行政の担い手である市区町村の取り組みが重要であると主張し、これを受け、都は、市区町村に重点的に基金を配分することにしました。
 そこでまず、この基金によって市区町村の消費生活センターの機能強化がどのように進んでいるのか、また、どのような取り組みを行われているのか、具体的に伺います。

○並木生活文化局長 区市町村では、消費者行政活性化基金を活用いたしまして、各消費生活センターの機能強化に積極的に取り組んでおります。
 具体的には、この二年間で一つの区と四つの市で、相談日数をふやし、四つの区と四つの市で相談時間を延長しております。また、多くの区市町村で工夫を凝らした取り組みが行われ、例えば、来所困難な住民の方に対する訪問出張相談、消費生活情報を地域へ届ける協力隊の養成、消費者教育のための子ども向けゲームの開発などを行ってまいりました。
 このように、区市町村では基金を活用しながら多様な施策を展開し、地域に根差した消費者行政に取り組んでおります。

○野田委員 基金の目的である消費者行政の集中的な機能強化を図るためには、市区町村の取り組みをさらに加速展開させていくことが重要であります。
 そのため都は、市区町村を支援するというしっかりとした理念を持って、基金を真に有効に活用していくことが求められております。
 そこで、東京における消費者行政を推進する上で、都は、市区町村への支援をどのように考え、残された基金の計画期間にどのように取り組んでいくのか見解を伺い、質問を終わります。

○並木生活文化局長 委員ご指摘のように、消費者問題は生活に密着した身近な自治体における消費者行政の充実が不可欠でございまして、基金についても引き続き、区市町村の計画を最大限尊重し、優先して配分してまいります。
 さらに、区市町村が基金を活用して消費者行政を推進するには、他の自治体の先進的な取り組み事例など、生きた情報の活用が重要でございます。
 このため都は、これまでも基金活用に関するさまざまな情報を区市町に提供しましたが、今後はこれまでの取り組みの成果を検証しながら、より効果的な施策を展開するよう、質の高い情報を提供してまいります。今後とも都は、悪質事業者の排除のために取り締まりながら、積極的に取り組み、主体的な役割を果たすとともに、広域自治体としての、区市町村と密接に連携協力して、消費者行政のより一層の充実に努めてまいります。

○佐藤委員長 野田かずさ委員の発言は終わりました。
 山崎一輝委員の発言を許します。

○山崎委員 通告順とは異なりますが、質問に入らせていただきます。
 初めに、中小企業支援について伺います。
 二十年九月のリーマンショックに端を発する世界規模での景気後退の影響を受け、二十一年度は、都内中小企業を取り巻く状況は極めて厳しく、緊急的な中小企業支援策が必要になっていたところです。
 こうした中、都は昨年度、中小企業が経営診断を受けて企業としての課題を明らかにし、その解決を図ることを通じてこの難局を乗り越えることができるよう、都内中小企業支援機関の総力を挙げた、経営力向上TOKYOプロジェクトに着手しました。さらに、六月には補正予算も組み込まれることにより、同プロジェクトと連動して緊急的な販路開拓支援が開始されました。
 我々自民党が一貫して主張してきたとおり、厳しい状況に置かれた中小企業が、経営診断を経た上で新たな仕事を確保できるよう、その販路開拓を支援する取り組みは、中小企業の要望に即した効果的な施策であり、こうした都の事業展開のあり方を高く評価しておきたいと思います。
 販路開拓の支援においては、展示会や見本市への出展支援が行われてきたわけでありますが、景気の回復が順調ではなく、今後の見通しも不透明な中で、具体的にそうした出展を通じてどれだけの商談や取引がまとまって、仕事の受注という成果につながったかをしっかりと検証していくことは、今後の対策を考える上でも重要であります。
 そこで、経営診断と販路開拓とを組み合わせて本事業を実施した意義と、昨年度の緊急的な販路開拓支援事業を行うことで、都内中小企業の仕事の確保に当たり、どのような成果が上がっているのか、実績を交えて説明をお伺いします。

○前田産業労働局長 都では平成二十一年度に、経営力向上TOKYOプロジェクトによりまして、都内二千の中小企業を対象に中小企業診断士による経営診断を行ってまいりました。
 診断の結果、販路開拓が必要とされました中小企業を対象に、補正予算で計上いたしました受注開拓緊急支援事業によりまして、展示会の出展経費等への助成を行い、仕事の確保を支援したところでございます。
 経営診断と販路開拓を組み合わせたことで、中小企業が経営診断により経営上の課題を理解し、解決の方法を検討することが可能となり、そのうちで販路開拓が必要とされた場合には、この助成と組み合わせて展示会への出展助成等を活用いたしまして、受注の確保を実現できる仕組みになったと考えております。
 この販路開拓では、当初予定しておりました二百社を上回る三百五社に対しまして支援を行ったところであります。先月、利用されました企業に対しアンケートを行いましたところ、回答のあった二百三十社のうち、三分の二を超える百六十三社で受注が増加し、その合計額も約十七億円を超えまして、事業として高い成果が出たものと考えてございます。
 今年度もこうした中小企業に対する支援を継続しておりまして、経営基盤の強化と仕事の確保に向け努力を続ける中小企業に対しまして、引き続き経営改善から販路開拓まで切れ目なく支援してまいります。

○山崎委員 次に、都立公園について幾つか伺います。
 都内に都立公園は七十九公園ありますが、都立公園の中には、私の地元江東区の清澄庭園など九つの都立庭園があり、江戸東京の文化、歴史を体験できる場所として、非常に重要であると認識をしております。また、外国からの観光客も多いと聞いております。
 この都立庭園は文化財としての指定も受けていますが、都立庭園の文化財指定状況について伺います。

○村尾建設局長 我が国には、金閣寺の鹿苑寺庭園など、国が特別史跡と特別名勝に重複して指定した七カ所の庭園等があり、都は、このうち浜離宮恩賜庭園と小石川後楽園の二庭園を有しております。
 これら庭園等は、美しい景観を寺院、神社が営々と保ってきたものや、奈良市直営管理の平城京の庭園などがあり、いずれも伝統技術をもって継続的に管理されております。
 そのほかの都立庭園は、国が指定する特別名勝には六義園、名勝には旧芝離宮恩賜庭園など、都が指定する名勝として清澄庭園などがあり、これら都立の九庭園は、いずれも日本を代表する名園でございます。

○山崎委員 今の答弁で、都立庭園、とりわけ浜離宮恩賜庭園と小石川後楽園は、全国で七カ所しかない、特別史跡と特別名勝の指定が重複する、まさに日本の歴史文化遺産であることがわかりました。
 この都立庭園は、今後も、日本人が、また外国人が日本文化、江戸の文化や歴史を目で見て体で体験する上で、欠かすことのできない庭園であると私は思います。これまでも大切に文化財として保存に努めてきたと思いますが、今後も次世代へと確実に伝承していかなくてはなりません。この文化財の継承は、東京都が国民から与えられた歴史的な使命であるといっても過言でないと思います。
 このように大変貴重な都立庭園ですが、現在、その維持管理については、都が直接行わず、指定管理者に任せています。そこで質問いたします。都立庭園を確実に保存していくために、指定管理者にはどのような能力が必要と考えているのか伺います。

○村尾建設局長 都立庭園は、江戸時代からの数代にわたる当主の交代、関東大震災や戦災を乗り越え長い歴史を経て、今日まで引き継がれた貴重な文化遺産でございます。これらの庭園を確実に保存していくには、歴史的な文献や資料等に基づき、当主たちが抱いた庭づくりの意図を読み取り、趣ある庭園としての景観、景色を形づくる能力が必要でございます。
 例えば、浜離宮恩賜庭園におけます三百年の松は、子孫反映を願った徳川六代将軍家宣お手植えの松といわれ、庭園の中心となる樹木でございます。この三百年の松には、単なる剪定にとどまらず、家宣の将軍家の隆盛への思いを酌み、時代を追って力強く伸びやかな枝ぶりとなるよう、技術に裏打ちされた樹木の管理が求められます。
 このように、庭園には樹木や池、石組などにより、当主たちが庭に寄せる思いが表現されております。往時の姿を保つためには、極めて高いレベルの判断力と技術力が必要と考えております。

○山崎委員 貴重なご答弁ありがとうございます。
 都立庭園の指定管理者には、歴史的な文献等に基づき、庭園作庭の意図を読み取り、文化財の保存や価値の向上に取り組むことができる高いレベルの能力が必要だと思います。現在の指定管理者である公益財団法人東京都公園協会には、そのような高いレベルの能力があるのか伺います。

○村尾建設局長 都立庭園の管理につきましては、大正十三年に下賜されました旧芝離宮恩賜庭園に始まりまして、他の庭園とともに、七十有余年に及ぶ都の直営管理を経て、平成九年度から公益財団法人東京都公園協会に委託いたしました。委託に際し、都は、長年培ってきた伝統に裏づけされた卓越した技術と庭づくりの心を公園協会に伝え、現在もその指導に当たっております。
 公園協会では、例えば清澄庭園において、庭づくりの意図をしんしゃくした上で、白雲たなびく富士山を模した築山を、協会職員みずからの手により往時の姿に戻す取り組みを行っております。
 このように、庭園の持つ本来の情景を今に伝えるなど、公園協会は、都立庭園を細やかな心配りと高い技術力を持って日ごろから管理しており、都が求める高度な管理能力を有していると評価しております。

○山崎委員 現在の指定管理者である公園協会に、都立庭園に関する技術、ノウハウが直接継承され、都立庭園を高いレベルで維持管理していることがよくわかりました。
 しかし、一時期は管理がよかったとしても、一たび維持管理能力が低下すれば、貴重な植物を傷つけたり、工作物等が破損したりすれば、復元不可能、もしくは可能でも多大な経費、年月がかかると思われます。このため、都立庭園を次世代へと確実に継承していくには、これまで東京都が取り組んできたように、指定管理者としても庭園の維持管理に携わる職員の人材育成、庭園技術の継承が必要と考えます。
 そこで、公園協会は庭園職員の人材育成や技術継承についてどのように取り組んでいるのか、伺います。

○村尾建設局長 江戸から現代に至るまで数々の変遷を経てきた都立庭園を保存していくには、長い年月、時間をかけて習得した庭づくりのわざと、風雅を解する心を次世代に継承する必要がございます。
 公園協会では、この習熟した技術を持つ職員が、日々の管理作業を通じて、わざと心を伝えるべく後輩を鍛錬しております。また、庭園研究の専門家が講師となり、技術研修を実施し、組織としてより一層技術力を高める取り組みを行っております。
 このように、庭園文化に脈々と受け継がれる庭づくりの心や和の心を具現化できる人材を育成しております、公園協会は、公園緑地行政を支える欠かすことのできない重要なパートナーであり、都と協会が一体となって、世界に誇る日本文化の代表である都立庭園を保存、復元し、東京の顔となる文化財庭園を後世に伝えてまいります。

○山崎委員 今までの答弁を聞いて、日本を代表する庭園である都立庭園にふさわしく、非常に高いレベルで、指定管理者が日常的に維持管理に努めているばかりか、庭園技術の育成を努め、伝統技術を、そして都立庭園を確実に次世代に継承しようとして取り組んでいることが理解ができました。
 コスト削減ばかりを重視し、本来都立庭園が果たすべき役割を損なってしまっては、本末転倒も甚だしいと私は思います。単に都民が利用できる都立庭園としてだけではなく、我が国の歴史的文化遺産である都立庭園を次世代へと確実に継承していくことを重視した都立庭園の管理が必要です。文化財の保存、復元を進める都と指定管理者とが一体となって、今後とも継続的に文化財の保存、価値の向上を努め、次世代へと都立庭園を確実に継承していくことを強く希望して、最後の質問に移ります。
 かつて、我が国は、太陽光発電の生産量で世界第一位の実績を誇っておりましたが、二〇〇五年に国が補助事業を廃止したことで市場規模が急速に縮小し、ヨーロッパやアメリカ、中国、韓国の後塵を拝するまでとなりました。しかし、太陽光発電の利用拡大は、CO2削減にとどまらず、関連企業にとっても大きなビジネスチャンスともなる経済効果の高い施策です。都は、この間意欲的に取り組んできましたが、このような観点からいえば、都が昨年度から実施している太陽エネルギー補助事業は極めて重要な取り組みといえます。
 都の取り組みにより、昨年度は都内に約七千五百もの太陽光発電システムが設置され、目標とする規模にもおおむね近づいていると思います。国も都の取り組みに触発されたか、補助事業を復活させ、さらには、家庭の余剰電力をそれまでの倍の価格で買い取る制度を導入させました。今では太陽光発電のCMを見ない日はないというほどになっております。昨年度の全国における太陽光発電の導入は、従来の二倍の約十二万件と聞いておりますので、都が果たした役割は非常に大きなものであると考えます。
 しかしながら、もう一つの太陽エネルギーである太陽熱利用は、昨年度約百八十件しか補助申請がなく、太陽光発電と比べかなり立ちおくれているように感じます。そこで、今後どのようにして太陽熱利用を普及拡大させていくのか、改めて都の見解を伺い、質問を終わります。

○大野環境局長 太陽熱利用は、エネルギーの変換効率が高く、大幅なCO2削減が見込めるにもかかわらず、いまだに認知度が低いために、せっかくのポテンシャルが生かせておりません。
 このため都は、国や他の自治体に先駆けまして、太陽エネルギー利用機器の品質や性能に係る認定制度や、太陽熱が有する環境価値に着目したグリーン熱証書の創設等を関係団体に働きかけ、実現させてまいりました。
 こうした都の取り組みを契機としまして、太陽熱利用機器と一体化した給湯器や、ベランダ、バルコニーに設置可能な機器等、メーカーによる技術開発、商品開発が進んできております。また、エネルギー事業者等によるソーラーエネルギー利用推進フォーラムが設置されるなど、新しい動きも顕著になってきております。
 都は今後とも、機器メーカー等とともに普及啓発に努めてまいります。また、国に対しても、引き続き補助制度の創設を求めていくなど、さまざまな施策を講じまして、太陽熱の利用拡大を進めてまいります。

○佐藤委員長 山崎一輝委員の発言は終わりました。
 たぞえ民夫委員の発言を許します。

○たぞえ委員 二〇〇九年度は、貧困と格差が拡大し、社会保障を切り下げる構造改革路線に加え、深刻な景気悪化と、それを口実にした大企業の雇用破壊が急速に進み、都民の暮らしの困難が大きく増大した年でした。都民の暮らし、福祉の充実にこそ全力を尽くすべきであったにもかかわらず、東京都はオリンピックを最優先の課題に位置づけ、招致関連経費を聖域扱いにするという、ゆがんだ財政運営を行ってきました。私はまず、この問題についてただします。
 石原知事は、オリンピック招致をトップダウンで決め、推し進めてきました。しかし、都民世論は盛り上がらず、そこで東京都は招致機運を盛り上げるとして、都民の税金をつぎ込んで、異常なイベントや、広告会社電通いいなりの招致活動という実態を生み出しました。
 招致活動報告書によると、活動経費は約百五十億円で、当初規模の三倍に膨れ上がり、この金額自体、他の立候補都市に比べて断トツです。
 しかし実際の招致活動経費はこれにとどまりません。オリンピック・パラリンピック招致本部の職員人件費は、招致本部が立ち上がった十八年度から二十一年度までに、それぞれ決算ベースで幾らでしたか。

○笠井スポーツ振興局長 年度ごとの職員費の決算額は、平成十八年度は約三億八千五百万円、平成十九年度は約五億九千三百万円、平成二十年度は約八億七千二百万円、平成二十一年度は約七億六千四百万円でございます。合計金額は約二十六億一千三百万円でございます。

○たぞえ委員 十八年度からの四年間に、都の職員定数は、福祉保健局を初め五千九百九十人も減らした一方、オリンピック招致本部の職員は、立ち上げた十八年度は四十人、十九年度七十三人、二十年度九十一人と膨れ上がりました。ここにも、そこのけオリンピック招致が通るといった実態があらわれている、このことは事実です。ところが、この二十六億円もの人件費は百五十億円の招致活動費には含めていないんです。
 我が党は、さらに情報開示請求などを通して、都のいう百五十億円の招致経費以外の隠された招致経費を精査してきました。答弁のあった人件費のほかにも、他局の予算で行われた招致にかかわる宣伝物作成やキャンペーン、六億六千五百四十四万円、女子レスリング世界選手権大会支援に一億五千万円、水道局のテレビコマーシャル、首都高を四時間交通規制したレインボーウオークなど、明らかにオリンピックのイベントとして行ったのは合わせて約五十億円にも上り、招致関連経費は全体で二百億円規模になります。
 知事の海外出張経費も、重大な問題を見過ごすことはできません。二十一年度、知事の海外出張は六回行われました。海外出張の二十一年度当初予算は幾らで、実際の決算額は幾らだったのか。また、知事本局での知事のオリンピック関係の海外出張の当初予算と執行額はどうですか。

○秋山知事本局長 知事の海外出張関連経費の、知事本局の当初予算額でございますが、三千五百四十万円でございます。
 その後、予算編成時には知事の参加が見込めなかった海外出張に対応するため、弾力的な運用が可能でありますことから、最終的な支出額は一億七百二十九万円となりました。なお、この弾力的な運用に関しましては、知事だからということではなく、必要があれば職員についても同様の対応を行うこととなるものでございます。
 また、他局分を含めた支出額でございますけれども、全体で一億四千九百四十二万円でございます。
 なお、知事の海外出張関係経費につきましては、出張先、期間、出張先での主な行動と成果、そして総費用をホームページで逐次公開し、情報開示に努めております。

○たぞえ委員 知事本局の海外オリンピック出張ですね。これはどうだったんですか。今答弁漏れていますよ。

○秋山知事本局長 先ほど冒頭で答弁したところでございますけれども、確認のため、もう一度お話しさせていただきます。
 知事の海外出張関係経費の、知事本局当初予算額は三千五百四十万円でございますが、その後、予算編成時には知事の参加が見込めなかった海外出張に対応するため、弾力的な運用が可能であることから、支出額は一億七百二十九万円となっております。

○たぞえ委員 だめです、ごまかしたら。全体で年六回の海外視察の予算三千五百四十万に対して、決算が一億四千九百四十二万円。知事本局の予算はゼロだったんですよ。決算八千百万、出しているんですよ。ちゃんと答えてくださいよ。
 このように、全体でも当初予算に対して一億一千万以上もの超過で、この当初予算に対して四倍も支出したんです。
 こんなに膨れ上がった理由は、予算にはなかったオリンピック招致関係の海外出張、しかもぜいたく三昧の豪華海外出張に四回も出かけたからなんです。その四回の出張は合わせて三十一日間、一年間の丸一カ月を海外出張に費やしながら、成果として公に報告されているのは、アジアオリンピック評議会に出席したときに、アハマド会長が、東京が成功をおさめるよう私たちは希望していると述べたとされていることだけなんです。
 条例で定められた上限額の二倍から四倍ものデラックスルームに宿泊し、知事と側近の特別出張の宿泊だけで、条例の規定を合計で三百万円も超えていたんです。また、IOC委員へのブリーフィングを目的としたスイスのローザンヌの出張からの帰国の際には、往復の航空券を事前に購入していたにもかかわらず、特別秘書や通訳を伴い、陸路でわざわざ一人二万五千円の交通費をかけて、美食の都と知られるフランスの都市リヨンで昼食をとるため回り道までしたんです。
 リーマンショック以来の経済悪化が続く中、オリンピックを口実にしたこのような予算の使い方が認められると考えているんですか。

○笠井スポーツ振興局長 二〇一六年のオリンピック・パラリンピックの招致活動の経費についてでございますけれども、この執行につきましては予算の範囲内で、かつ監査を受け適正に執行したものと考えております。

○たぞえ委員 今、監査を受けてといわれましたけどね、きょう私、持ってきました、監査報告書を。この監査報告書でさえ、オリンピック関連契約の多くが特命随意契約で、しかも契約金額一億円以上の高額な特命随意契約の相手方が特定の業者に集中している、こういう問題点をこの監査報告書は指摘しているじゃありませんか。特定業者とは、株式会社電通にほかなりません。
 二〇〇九年度は、特養ホームの整備促進のためになくてはならない用地助成と、都立清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院が廃止され、豊島病院が公社移管、老人医療センターが独立行政法人に移されました。また、中途失聴者のコミュニケーション支援のため不可欠な要約筆記者派遣事業三百五十五万、こういう事業まで廃止をしたんです。その一方でオリンピックのために、私がいいましたような湯水のようにお金をつぎ込み、知事の海外出張では予算の四倍を超える一億四千九百四十二万円、まさに使いたい放題。こういう税金の使い方は許されません。都民の納得は到底得られないことを厳しく指摘しておきたいと思います。
 第二に、深刻な学生の就職問題です。
 平成二十二年度学校基本調査によると、東京都内の大学の学生数は七十二万九千人、全国の学生の四人に一人が東京の大学に通っています。
 ところが、東京の大学卒業予定者に、氷河期の再来といわれる就職難が襲いかかり、就職内定率は過去最低、史上最悪になるのではないかと懸念されています。多くの学生が就職活動に疲れ切って、それでも就職先が決まらず不安を抱えています。平成二十一年度の都内大学生の就職率はどういう状況だったんでしょうか。

○前田産業労働局長 国の学校基本調査におけます卒業後の状況という項目がありますが、それによれば、大学卒業者につきまして、大学院進学率や就職率等の数値が示されております。平成二十一年度の都内の大学卒業者のうち、就職した者の割合である就職率は五九・七%であり、前年度を八・二ポイント下回っております。

○たぞえ委員 まことに実態は深刻です。大学を卒業しても就職できないというこの深刻な状況を、都としてどう認識しているのか。また、都として重要課題として位置づけて、国や企業、大学と協力して緊急に打開するために、全力を尽くす必要があると思いますが、どうでしょうか。

○前田産業労働局長 平成二十年秋のリーマンショック後の経済雇用情勢の急激な悪化に伴いまして、新規学卒者の就職環境は厳しい状況にあると、こう認識しております。
 都は昨年来、東京しごとセンター新卒緊急応援窓口での支援に加え、国と連携した合同就職面接会の実施など、支援体制の強化を図るとともに、都内経済団体に新卒者採用の要請を行うなど、緊急対策を講じてまいりました。
 来年三月卒業者の求人は昨年度より大幅に減少していることから、本年九月には、国、都、経済団体、大学代表者等学校関係、労働者団体を構成員とする東京新卒者就職応援本部が新設されておりまして、関係者が緊密に連携して新卒者支援に取り組むこととしております。

○たぞえ委員 新卒緊急応援窓口はことし六月末に終了しました。ぜひ応援窓口を開設するよう要望しておきます。
 こうした厳しい状況のもとにある学生たちを支援しようと、少なくない大学が就職活動への交通費を補助したり、企業に呼びかけて大学に集まってもらい合同面接会を開くなど、学生のニーズに応じたきめ細かい支援をしようと努力をしています。
 大学生の就職支援は中小企業の要求でもあります。東京商工会議所は、五月に発表した東京都の中小企業対策に関する重点要望の中で、中小企業の人材確保支援の見地から、学生と地元企業との交流など理解促進の環境整備を要望しています。
 大学による就職支援がこうした中小企業の期待と結びつくことは大変望ましいことだと思います。各大学が学生の就職活動に対して行っている具体的な支援策と、都内の中小企業の人材確保の要求などを調査したらどうでしょうか。

○前田産業労働局長 都は、平成十九年度から若年者の就業推進のため、行政、大学代表者等の教育機関、都内経済団体などを構成員とする若年者就業推進ネットワーク会議を開催しておりまして、その中で大学におけます就職支援の状況や、中小企業の人材確保の動向等を把握しているところでございます。

○たぞえ委員 例えばこうした困難な状況の中でも、少しでも多くの学生に就職してもらうために、ある大学では専門の職員が求人開拓を行っています。それでもなかなか就職に結びつかず、今回、国の補助金で就活キャンパスとして、学内で学生と企業との就職面接会などを開催し、企業、学生から喜ばれているということであります。こうした大学、企業等の就職活動、求人活動を支援する仕組みなどをしてはどうですか。

○前田産業労働局長 大学生の就職支援というのは、まず大学本来の役割と認識しております。都は、支援を希望する大学に対しまして、東京しごとセンターの就職支援アドバイザーを派遣し、キャリアカウンセリングやセミナー等の支援を行っております。

○たぞえ委員 就職が決まらないまま卒業に必要な単位だけは取得した学生たちの中には、就職に不利な身分を避けるため、あえて卒業せずに留年する事態も広がっています。大留年時代到来の悪夢と、こういう指摘をするメディアもあります。
 ただし、学生とその保護者にとっては、学費の負担は余りにも大きいものです。今、少なくない大学で卒業延期制度を創設して、就職難のために留年せざるを得ない学生には、一年間などの期間授業料を減免する制度を設けています。このような学生支援を行う大学に対しては、東京都として補助制度を新設するよう要望をしておきたいと思います。
 就職活動に関して大きな問題と指摘されているのは、三年生のときから就職活動に追われ、就職活動が早期化、長期化し、勉強や人格形成にとって貴重な大学生活に集中できなくなっているという状態です。私立大の教授はマスコミ紙で、終わりなき就活と題して、学生は大学生活の後半を就職活動を中心に組み立てざるを得ない、これでは大学は大学でなくなってしまうだろうと警告しています。大学三年生の秋から就職活動が始まって、大学のゼミや授業が成り立たない。こういう事態は早急に是正をする必要があると思いますが、都の認識を伺います。

○前田産業労働局長 大学生の就職採用活動の早期化是正につきましては、大学等が各校間での申し合わせに基づいて、企業の採用責任者に要請を行っております。これを受けて、既に日本経済団体連合会では一定の対応を行っていると、このように認識しております。

○たぞえ委員 最後に、就職活動の早期化、長期化を防ぐためには、個別の努力にゆだねるだけでは不十分だと思います。会社説明会やエントリーシートの受け付け、面接日の開始日などで社会的ルールを確立することが不可欠です。全国で最も多くの企業と大学、学生が集中する首都として、東京都が率先して呼びかけ、東京都などの行政機関と経営者団体、大学の学生、教職員代表など関係者で構成する機関を設置し、協議し、ルールづくりと運用状況の監視を行うようにしてはどうでしょうか。

○前田産業労働局長 大学生の就職、あるいは採用活動の日程の取り扱いにつきましては、全国統一的な対応が必要不可欠であると考えております。このため、まず国の対応が必要でありますが、国は既に十月に主要経済団体に対しまして、早期の採用選考活動の抑制等について要請を行っております。また、個別業界団体におきましては自主的な見直しを検討するところも出てきているところでございます。都としてはこうした動きを注視してまいります。

○たぞえ委員 冒頭答弁がありましたように、二十一年度の東京の学生の就職率は五九・七%、六割しか就職できない、しかも前年を八・二%も下がっているわけです。ことしはさらに厳しい状況に、学生たちは立たされています。
 先日、地下鉄に乗りましたら、その車両の多くがリクルートスーツを着た若者たちで、対話を聞きましたら、どうする、きょうの授業なんていう三年生がいました。学校で勉強をするべき時期に就職活動しなきゃいけない。そして、卒業間近には就職も決まらない。留年をしたら数十万円の授業料を払わなければいけない。こういうことが起こらないように、やはり今、国と東京都、企業、関係者が力を合わせて、若者たちの未来ある就職のために力を尽くすべきであると私は思います。そうしなければ、人口減のこの東京の中で、この豊かなつくり上げた歴史的な文化や経済力を発展させることはできません。
 この意味で、産労局のみだけでなく、ぜひ全局合わせて、若者たちに仕事、そして仕事を通してその希望を抱くように力を尽くしていただきたい。このことを申し上げて私の質問を終わります。

○佐藤委員長 たぞえ民夫委員の発言は終わりました。
 山内れい子委員の発言を許します。

○山内委員 子育て支援についてお伺いをしていきます。
 安心して子どもを産み育てることができる社会づくりを目指して、都は二十一年度に少子化打破・緊急対策本部を設け、その中で、経済情勢の悪化などで待機児童数が大幅に増加していることから、三カ年で二万二千人分の保育サービスをつくることを掲げました。
 国はことしから子ども手当の支給を始めましたが、現金給付の半分でもいいから待機児童対策に回せないかという声も根強くあります。高まる保育需要への対応として、区市では保育所新設に取り組んでおり、都としても新たに保育所を設ける場合の補助を行っていますが、特に、地価が高く空き地も少ない二十三区内では、用地確保は困難となっています。
 そこで、あいている都有地や、都有施設の活用を積極的に進めるべきと考えますが、都有地の活用状況についてお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 保育所の整備に際して、都有地などを活用することは有効な方策の一つでございます。そのため都は、未利用の都有地につきまして、関係局との間で情報の共有を図った上で、土地所在の区市町村に対しまして利用意向の調査を実施し、現在、回答のあった複数の区市町村と調整を行っております。

○山内委員 過去には都営住宅には保育園が多数設置されました。今、都営住宅の建てかえでは、高齢者施設の併設がふえておりますが、団地の活性化のためにも保育関係の施設をつくるなど、今後とも都有地の積極的な活用を望みます。
 自治体の保育所整備だけでは需要に追いつかない状況にありますが、保育サービスの選択肢として位置づけられた事業所内保育施設支援事業は、二十年度事務事業評価で、共同設置をする事業者がいない、利用者数が安定的に見込めないなどの理由で、設置が目標を大きく下回っていると指摘され、見直しが提言されました。見直しの内容とその後の設置状況についてお伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 事業所内保育施設の設置を促進するため、お話しの事業におきましては、保育サービス事業者が設置主体となり、複数の企業が共同利用する場合も新たに補助対象とするなど、平成二十一年度に制度改正を行っております。
 さらに、今年度からは補助期間の延長や中小企業への補助率引き上げを行うほか、従業員以外の子どもを受け入れた場合も補助対象とするなど、支援を強化いたしました。
 本事業による設置数は、平成十九年度から平成二十年度までの二年間では八カ所でありましたが、平成二十一年度の制度改正後二十五カ所増加し、本年十一月現在の設置数は三十三カ所となっております。

○山内委員 勤務先まで子どもを連れて通勤することに課題は残りますが、地域の中小企業などが共同で保育施設をつくることは、次世代育成の機運を進める上で有意義なことだと思います。自治体と連携のもと、こうした取り組みが進むよう支援していくことを要望いたします。
 待機児解消に向けて、保育サービスの量的な拡充が進められていることは評価いたしますが、社会福祉法人のみならず、さまざまな企業が保育業界に参入したり、新たな施設が急増する中で、保育士、特に経験のある保育士が足りないなど、保育の質の低下を心配する声も聞こえてきてまいります。都は、保育の質の確保についてどのように進めているのか、お伺いいたします。

○杉村福祉保健局長 都は、保育サービスの質の確保向上を図るため、安心こども基金を活用いたしまして、区市町村が実施する認可保育所職員等を対象とした研修事業への支援を行いますとともに、認証保育所や認可外保育施設職員に対する研修を実施するなど、保育事業者の資質向上に取り組んでおります。
 また、保育士の資格を持つ方を対象とした就職支援研修と就職相談会を一体的に行うなど、保育人材の確保にも努めているところでございます。

○山内委員 認定こども園や幼保一体化など、保育を取り巻く状況は今後どんどん変わっていくことが想定されます。しかし、就学前のすべての子どもたちが健やかに育つ生活環境づくりに向けて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、子育てをする保護者への支援に関連してお伺いいたします。
 ことし六月、内閣府が公表いたしました男女共同参画白書では、日本の女性は依然として結婚、出産、子育ての時期に就業を中断する人が多いことが改めて明らかになりました。特に、働き盛りの年齢における女性の就業率が低い、いわゆるM字カーブは、日本独特なものといわれております。一九九七年を境に、共働き世帯数が片働き世帯数を上回るようになり、結婚しても仕事を続ける女性がふえてきましたが、権利として定着してきた産休、育休後の職場復帰に向けては、さまざまな困難を伴うのが現実です。仕事は続けたいが子どもの面倒を見てくれる人がいないので、やめざるを得なかったという声はよく聞くことであり、運よく保育園に入れても、三歳までの子どもは急な発熱などで呼び出されることが多くあります。
 都においては、これまでも部分休業など、育児を支援する多様な制度があり、活用されておりますが、平成二十年七月から育児短時間勤務制度が新たに導入されました。この制度は、就学前の子どもを養育する職員が、あらかじめ選択した一日四時間または五時間、あるいは週三日などの勤務体系を行うことで、子どもとの触れ合いの時間を確保しながら、キャリアの継続も容易にしていくものと考えます。昨年度は都全体で二百四十四名の利用があったとのことですが、看護師や教員など、女性の多い職場では活用される例が多かったと思われます。
 そこで、だれもが取得が可能になるようにするためには、新たな制度の周知と、上司を初めとした職場の理解が重要と考えますが、このことも含め、職員の子育て支援策への都の取り組みについてお伺いいたします。

○比留間総務局長 平成十七年三月に、都では東京都職員次世代育成支援プランを策定し、勤務時間、休暇制度の整備や超過勤務の縮減等に取り組むとともに、職員向け講演会の実施やさまざまな子育て支援策の周知に努めてきました。
 その結果、職員アンケートにおいては、子どもの看護休暇など子育てを支援する制度に対して、子育て期にある職員の認知度は九割に達しております。また、女性職員の育児休業取得率が一〇〇%近くに達し、男性職員の出産支援休暇の取得率も八〇%を超えるなど、着実に取り組みの成果は上がっております。
 一方で、お話しの育児短時間勤務制度や男性職員の育児参加休暇など、一部の制度においては取得率の低いものもあり、その理由について調査分析をする必要があると考えております。今後はその結果等を踏まえつつ、制度の利用を促進し、職員の仕事と子育ての両立支援をさらに進めてまいります。

○山内委員 都職員の子育てに関する休暇制度等は年々整備され、民間に比べれば恵まれているとはいうものの、まだまだ職場内の理解を深めていくことが必要です。最近、文京区長や広島県知事が相次いで育休をとったことが話題になりましたが、石原知事は知事や首長が育休をとることに理解を示されました。首長や公務員の育休取得や育児短時間勤務制度利用は、民間をリードしていくパイオニアでもあり、拡大していくことを期待しています。
 一方、民間においては、ことし六月に施行されました改正育児・介護休業法で、事業主は子育て中の短時間勤務制度を設けることとされました。この育児短時間勤務制度により、育児休業取得後の働き方の選択肢がふえ、出産後も継続して就業しやすくなると考えられます。しかし、改正法の施行後、日が浅いこともあり、制度の内容が企業に十分浸透していなかったり、制度は導入したが利用がなかなか進まないなどの現実もあるのではないでしょうか。
 このため、本制度を広く企業に周知し、制度利用拡大を図っていくことが求められると思いますが、都は育児短時間勤務制度の利用を促進するためにどのように取り組んでいるのか、伺います。

○前田産業労働局長 昨年七月に改正育児・介護休業法が公布されまして、三歳までの子を養育する労働者を対象とした短時間勤務制度が導入されました。これを受け都は、改正法の内容についてリーフレット等による普及啓発を行ってきたところでございます。
 本年六月にこの改正法が施行されまして、従業員百人を超える企業につきましては義務化されましたが、周知がまだ徹底されておりません。また、労働者が希望した場合に利用できるとされていることから、事業主、労働者双方に対してさらなる啓発と制度利用を促進する支援が重要となっております。
 このため、都は制度内容についての普及啓発とともに、今年度からは、仕事と家庭の両立を支援する中小企業両立支援推進助成金の中で、育児短時間勤務制度を六カ月以上継続して利用する従業員がいる企業に対しまして、利用者一人当たり三十万円の助成金を設け、育児短時間勤務制度の積極的な利用を促進しているところでございます。
 今後もこうした取り組みを通じて、働きながら育児をしやすい職場環境の整備を推進してまいります。

○山内委員 厚生労働省の労働政策審議会点検評価部会では、これからの労働政策を検証する目標として、二〇二〇年までに、男性の育児休業取得率を現在の十倍にする、女性の就業率の向上、女性M字カーブの解消として、二十五歳から四十四歳の女性の就業率を現在の六六%から七三%にする、第一子出産前後の女性の継続就業率を現状三八%から五五%にするなどを掲げており、目標の達成のためにも育児短時間勤務制度は有効ではないかと考えます。
 一方、こうした施策を推進するには、労働政策としてだけでなく、子どもの成長にとっても大いに歓迎すべきものです。生活者ネットワークが四月にオランダを視察した際、まちの中で母親だけでなく、父親が子どもを送り迎えしている姿を多く見かけることは大変印象的でした。聞けば、両親のどちらかが短時間勤務を選択することで、子どもの世話が可能になり、親子の関係も密になって、オランダの子どもたちは幸福度世界一になっているとのことでした。育児短時間勤務制度が民間にも浸透していくことは、子どもにとって大変意義のあることではないかと思うので、都の取り組みを注視してまいります。
 次に、ひとり親家庭の子育て支援について伺います。
 平成二十二年一月現在、都内の推計母子家庭数は十四万九千四百世帯で、五年前の平成十七年の十一万九千八百世帯と比べると二万九千六百世帯も増加しています。
 母子家庭の経済的自立に向けての支援策が広がっていることは、一般質問でも伺ったところです。しかし、母子家庭の課題は子育てや教育まで多岐にわたっており、さまざまな悩みを打ち明け一緒になって解決に向かうことが求められます。現在行われている都の相談事業にはどのようなものがあるのか、その実績とあわせてお伺いします。

○杉村福祉保健局長 都では、ひとり親家庭支援センターを設置いたしまして、生活相談、就業相談、養育費相談を行うなど、生活のさまざまな面からひとり親家庭を総合的に支援いたしております。これらの相談事業におきましては、ひとり親家庭の当事者団体が持つノウハウを活用しながら、相談者の視点に立ち、きめ細かな助言を行っております。
 平成二十一年度の相談実績は、生活相談が二千二十件、就業相談が千九百八十八件、養育相談が五百十五件であり、ここ数年増加いたしております。

○山内委員 母子家庭の生活全般にわたる相談は、電話によるものが多いようですが、当事者同士によるピアカウンセリングや、相談者と同じ年代の助言者による支援などが適切に行われ、母子家庭への支援、子育て支援につながることを期待いたします。
 次に、防災対策についてお伺いいたします。
 発災直後、大きな混乱で、徒歩帰宅者が安全に帰宅するには行政の支援が重要です。そこで、震災時における徒歩帰宅者対策について、駅前滞留者の対策訓練など、これまで行ってきた取り組みと今後の概要をお伺いいたします。

○比留間総務局長 首都直下地震が発生した場合、公的機関は人命救助を最優先するため、徒歩で帰宅できる被災者に対しては、駅周辺や帰宅する際の沿道の事業者が中心となって、混乱防止と帰宅支援の対策を推進する必要があります。
 このため都は、地元区市と共同で新宿、池袋など主要ターミナル駅で、周辺事業者を中心とした駅前滞留者対策協議会を立ち上げ、十九年度から、徒歩帰宅者等の混乱防止と安全な帰宅に向けての訓練を毎年行っております。帰宅先は都内だけでなく首都圏各地に及ぶため、九都県市で、水、トイレ、情報を提供するコンビニ等の帰宅支援ステーションを沿道に約一万九千カ所整備をいたしました。
 今後とも、駅前滞留者対策協議会が円滑に機能するよう支援するとともに、九都県市間の連携を強化し、徒歩帰宅者対策に取り組んでまいります。

○佐藤委員長 山内れい子委員の発言は終わりました。
 以上で、本日予定いたしました質疑はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。
 平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○佐藤委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月十九日の十二時四十五分から理事会を、また、十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十三分散会


平成21年度各会計決算特別委員会第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた平成21年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成22年11月1日
                    平成21年度各会計決算特別委員会
                    第1分科会委員長 興津 秀憲

 平成21年度各会計決算特別委員長
           佐藤 広典 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成21年度東京都一般会計決算中、知事本局、青少年・治安対策本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
  ・平成21年度東京都特別区財政調整会計決算
  ・平成21年度東京都地方消費税清算会計決算
  ・平成21年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
  ・平成21年度東京都用地会計決算
  ・平成21年度東京都公債費会計決算

(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月8日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、財務局、収用委員会事務局、青少年・治安対策本部、総務局、監査事務局、議会局
  10月13日(説明聴取・資料要求) 警視庁、東京消防庁、知事本局、人事委員会事務局、選挙管理委員会事務局、主税局
  10月18日(質疑)        会計管理局、青少年・治安対策本部、財務局
  10月25日(質疑)        議会局、監査事務局、収用委員会事務局、主税局
  10月27日(質疑)        警視庁、東京消防庁、知事本局
  10月29日(質疑)        選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、総務局

2 本分科会における質疑の概要
(1) 知事本局所管分
 〔1〕 「10年後の東京」及び実行プログラムについて
  ア 「10年後の東京」の目標達成に向けた取組について
  イ 実行プログラム事業の平成21年度の実績及び遅れている事業や計画変更などへの取組について
  ウ 実行プログラム2010の策定過程における区市町村や住民の意見聴取について
  エ 実行プログラムの見直しや複数局が連携して取り組む事業における知事本局のリーダーシップについて
  オ 目標実現に向けた取組を通じた縦割り行政の改革について
  カ 実行プログラム2011の策定に向けた取組について
 〔2〕 九都県市首脳会議について
  ア 首都圏共通の課題への取組について
  イ 各自治体のウィークポイントを補完する広域的な取組について
 〔3〕 アジア人材育成について
  ア 平成21年度決算におけるアジア人材育成基金からの繰入金について
  イ 首都大学東京における留学生の受入れと研究の成果について
  ウ 行政職員向け研修や共同研究の成果について
  エ アジア人材バンクの成果について
 〔4〕 知事の海外出張の経費について

(2) 青少年・治安対策本部所管分
 〔1〕 「東京こどもネット・ケータイヘルプデスク事業」の周知及び相談事例の有料相談団体への引継ぎについて
 〔2〕 若年者の自立支援について
  ア 東京都若者総合相談「若ナビ」の実績と評価及び相談体制の拡充について
  イ ひきこもり等の若年者支援プログラム事業「コンパス」の今後の展開について
  ウ 非行少年の立ち直り支援ワンストップセンター「ぴあすぽ」の成果及び区市町村のモデル事業の成果と今後の展開について
 〔3〕 集中的な渋滞対策(ハイパースムーズ作戦)の成果及び対象路線区間の公表について
 〔4〕 自動二輪車の放置状況及び区市町村における駐車場整備の取組状況の把握について

(3) 総務局所管分
 〔1〕 文書行政について
  ア 知事提案の条例数及び条例案の審査への総務局の関わり方について
  イ 給付行政の根拠を条例で定めることへの見解及び要綱公開に対する認識について
 〔2〕 区市町村振興に対する取組について
  ア 都区財政調整制度の意義及び都市計画交付金の役割について
  イ 市町村総合交付金の成果及び島しょの振興策について
 〔3〕 都職員の海外研修の再開理由及びそのプログラムと実施規模並びに都政への還元の担保について
 〔4〕 監理団体について
  ア 監理団体改革における成果、透明性向上への取組及び積立金について
  イ 役員に都庁OBが就任する必要性及び固有職員の人材育成について
  ウ 財団法人東京都島しょ振興公社の役割、基本財産運用と貸付金の活用及び経営状況と事業内容の検証について
 〔5〕 公立大学法人首都大学東京について
  ア 学生の経済的実情に対する認識及び学生生活援助のための法人への支援について
  イ 学生の就職難についての見解並びに留年者数の推移及び未就職の留年者学費減免制度の創設について

(4) 財務局所管分
 〔1〕 都財政について
  ア 事業立案時における成果指標の導入及びその成果の検証について
  イ 都市機能の向上などに資する投資的経費の状況と財源確保について
  ウ 平成18年度以降の人件費と公債費の推移について
  エ 平成21年度決算の法人事業税暫定措置の影響額と対応策について
 〔2〕 契約制度改革における電子調達システムの活用について
 〔3〕 都庁舎について
  ア 光熱水費の縮減への取組及びCO2排出量削減義務の達成について
  イ 停止中のエスカレーターの改善及びエレベーターの操作ボタンの改修について
 〔4〕 行政用途が廃止された財産の利活用及び未利用となった都有地の暫定活用について

(5) 主税局所管分
 〔1〕 都税収入について
  ア 平成21年度都税収入及び今後の税収の動向について
  イ 徴収率低下の原因及び徴収率を上昇させる取組について
 〔2〕 法人事業税の暫定措置について
  ア 地方法人特別税の再配分による都道府県間の財政力格差の是正効果について
  イ 不合理な暫定措置の撤廃に向けた取組について
 〔3〕 政策減税について
  ア 耐震化促進税制の見込みと実績及びその効果について
  イ 多摩地域における政策税制実施の可能性について
  ウ 中小企業者向け省エネ促進税制の実績及び申請が伸びない理由について
 〔4〕 都税の滞納について
  ア 平成20年・21年度の滞納状況及び平成21年度の固定資産税の滞納状況について
  イ 公的年金からの個人住民税の特別徴収について
 〔5〕 財団法人東京税務協会について
  ア 事業実態の把握と指導監督について
  イ 納税義務者の感情を意識した人材の育成について
 〔6〕 東京都税制調査会中間報告における所得格差への見解及び低所得者への配慮について

(6) 会計管理局所管分
 〔1〕 会計管理局による会計事務の検査及び指導について
 〔2〕 公会計制度について
  ア 会計基準の見直しの実績及び今後の会計制度の改良について
  イ 財務諸表作成による財政運営への寄与及び都民への説明責任について

(7) 選挙管理委員会事務局所管分
 〔1〕 投票率が低い若年層に対する啓発事業への取組と改善点について

(8) 人事委員会事務局所管分
 〔1〕 人事院と横並びではない都独自の調査や判断に基づく給与勧告への取組について
 〔2〕 頑張っている職員のモチベーションを高めるための人事制度への取組について

(9) 監査事務局所管分
 〔1〕 財政援助団体に対する監査実績と指摘内容及び所管局が行う指導監督に対する監査について
 〔2〕 委託業者に対する監査及び各局が行う委託業者への指導監督に対する監査について

(10) 収用委員会事務局所管分
   質疑なし

(11) 議会局所管分
   質疑なし

(12) 東京消防庁所管分
 〔1〕 救急搬送について
  ア 東京ルール導入による効果及び救急相談センターの実績について
  イ 救急搬送トリアージの現場トラブルの件数について
  ウ 救急搬送の今後の課題と改善策について
 〔2〕 消防団について
  ア 新型防火服及び可搬ポンプ積載車の整備について
  イ 長期間出場実績のない消防団員への対応について
 〔3〕 スタンドパイプ整備のための区市町村への支援について
 〔4〕 効率的で透明性が求められる公益財団法人東京防災救急協会の運営に対する指導監督について

(13) 警視庁所管分
   質疑なし


平成21年度各会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた平成21年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成22年11月1日
                    平成21年度各会計決算特別委員会
                    第2分科会委員長 菅 東一

 平成21年度各会計決算特別委員長
            佐藤 広典 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成21年度東京都一般会計決算中、生活文化局、スポーツ振興局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
  ・平成21年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
  ・平成21年度東京都心身障害者扶養年金会計決算

(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月8日(説明聴取・資料要求) 生活文化局、スポーツ振興局、病院経営本部
  10月13日(説明聴取・資料要求) 福祉保健局、教育庁
  10月18日(質疑)        病院経営本部、福祉保健局
  10月25日(質疑)        生活文化局
  10月27日(質疑)        スポーツ振興局
  10月29日(質疑)        教育庁

2 本分科会における質疑の概要
(1) 生活文化局所管分
 〔1〕 私学振興について
  ア 私立学校の位置付け及び私学助成の具体的内容について
  イ 耐震化の具体的な取組状況と進捗状況について
  ウ 私立学校経常費補助の算出方法の改善及び執行率について
  エ 私立高校の授業料無償化の状況及び減免の実績について
  オ 東京都育英資金貸付事業における特別募集について
  カ 「私立高等学校等における教育に関する都民の意識調査」について
  キ 1年契約の教員の正規職員への採用について
  ク 私立学校地上デジタルテレビ整備費補助事業の執行率について
 〔2〕 文化振興施策について
  ア 平成21年度の東京文化発信プロジェクトの実施状況及び事業効果と成果の普及拡大について
  イ ヘブンアーティスト事業の実施状況と普及拡大について
 〔3〕 公益財団法人東京都歴史文化財団について
  ア 指定管理者制度の導入の目的と効果について
  イ 施設運営の効率化及び目標の設定と達成のための戦略について
  ウ 今後の指定管理者制度の運用の見直しについて
  エ 都の文化施設の運営及び今後の文化振興に向けた取組について
 〔4〕 平成21年度の財団法人東京都交響楽団の決算状況及び公演の実施状況並びに観客の確保策について
 〔5〕 平成21年度の公益法人改革に伴う新制度への移行に向けた取組状況及び今後の取組について
 〔6〕 地域の底力再生事業の実施状況と効果及び事業周知について
 〔7〕 都民の声の活用状況及び広報東京都の配布方法と若者への周知について
 〔8〕 消費者行政について
  ア 東京都消費生活基本計画における緊急対策への取組について
  イ 消費者行政活性化基金の内容と効果について
  ウ 消費生活相談員の正規職員化について
 〔9〕 配偶者暴力対策の取組状況及び関係機関との連携強化について
 〔10〕 都における審議会の女性委員の任用率向上に向けた取組について

(2) スポーツ振興局所管分
 〔1〕 競技力向上について
  ア ジュニア強化選手の育成への取組及び認定された強化選手に対する支援について
  イ 選手を支える指導者の確保と育成について
  ウ ジュニアスポーツの国際大会の更なる開催について
  エ 地域におけるジュニア選手育成への取組状況について
  オ 東京の子どもの体力向上に向けた取組について
  カ 東京都ジュニアアスリート発掘・育成事業及び競技団体へ引き継がれた選手 への支援について
  キ スポーツ祭東京2013に向けた競技力向上の取組とその成果について
 〔2〕 スポーツ祭東京2013について
  ア 開催の基本的考え方について
  イ 区市町村の競技施設整備の進捗状況と財政支援について
  ウ 区市町村における実行委員会の設立状況について
  エ 大会周知に向けた取組状況について
 〔3〕 地域スポーツクラブについて
  ア 平成21年度の設立状況及び設立目標の達成に向けた支援について
  イ 活動場所の確保が困難な地域スポーツクラブに対する支援について
  ウ 今後の地域スポーツクラブの育成に向けた取組について
 〔4〕 スポーツ振興について
  ア 東京都スポーツ振興基本計画の目標の達成状況について
  イ スポーツ環境の基盤整備に向けた取組について
  ウ 都立施設と学校の体育施設の活用状況について
  エ 都民向けスポーツ施設などを活用したスポーツ振興事業の展開について
  オ 区市町村におけるスポーツ振興の基本計画の策定状況について
  カ 障害者スポーツ指導員の勤務実態と配置状況の把握について
  キ 都立スポーツ施設の使用料の改定について
 〔5〕 若手アスリートを含めた選手の功績の表彰について
 〔6〕 財団法人東京都スポーツ文化事業団について
  ア 受託事業の内容と役員・職員構成について
  イ 指定管理者への選定の経緯及び指定管理料の算定について
  ウ 参加者が少ない事業の見直しについて
 〔7〕 オリンピック開催計画におけるメディアセンターとオリンピックスタジアムの整備について
 〔8〕 東京マラソンにおけるチャリティ制度の導入について
 〔9〕 東京武道館の改修について

(3) 福祉保健局所管分
 〔1〕 子育て支援策について
  ア 保育サービス拡充緊急3か年事業の進捗状況について
  イ 保育サービスの拡充及び待機児童の解消に向けた取組について
  ウ 安心こども基金及び待機児童解消区市町村支援事業の継続について
  エ 養育家庭への訪問指導の状況と支援及び児童相談体制の現状について
  オ 父子家庭への支援について
 〔2〕 医療提供体制の整備について
  ア 「救急医療の東京ルール」の検証及び救急医療の実情の情報発信について
  イ 「救急医療対策協議会等」の事業実施の状況について
  ウ 監察医務院の検案・解剖の実績及び監察医の確保に向けた取組について
  エ 地域医療医師奨学金の利用状況について
 〔3〕 高齢者施策について
  ア 特別養護老人ホームの整備状況及び多床室での整備費補助について
  イ 生活保護世帯や低所得者の負担軽減のための居住費助成について
  ウ 介護職員処遇改善交付金事業の実施状況について
 〔4〕 重度心身障害児(者)施策の状況及び今後の展開について
 〔5〕 自殺防止対策における人材育成について
 〔6〕 生活安定化総合対策事業の実施状況及び今後の対策について
 〔7〕 平成21年度決算における福祉保健費の不用額について

(4) 病院経営本部所管分
 〔1〕 公社病院について
  ア 公社活性化プランⅡの着実な推進について
  イ 地域の意見を取り入れた運営及び区市等との連携について
  ウ 運営費補助金の増加要因及び医師・看護師の確保に向けた取組について
  エ がん患者の入院状況及びがん医療に対する取組について
  オ 新型インフルエンザに対するBCP策定について
 〔2〕 豊島病院について
  ア がん医療における緩和ケア医療への取組状況及び在宅療養のための対応について
  イ 全病棟開棟に向けた取組について
  ウ NICU(新生児特定集中治療室)やGCU病棟(継続保育室)の状況及び産婦人科診療の再開までの経過について
 〔3〕 東部地域病院について
  ア  がん患者の診療体制の状況及び抜本的強化について
  イ SCU(脳卒中ケアユニット)の設置状況及び高齢化の進行に対応した脳卒中医療体制の強化について
 〔4〕 荏原病院及び豊島病院における新型インフルエンザへの対応について
 〔5〕 多摩北部医療センターにおける小児の発達専門外来の具体的取組について
(5) 教育庁所管分
 〔1〕 平成21年度の採用選考と教育管理職選考の実績並びに地方受験者拡大のための取組及び減少傾向にある教育管理職選考受験者への対策について
 〔2〕 教員の質の確保について
  ア 正式採用されなかった新規採用教員の状況について
  イ 新人教員の育成のための研修制度での取組及び今後の拡大について
  ウ 平成21年度の教育職員の懲戒処分の状況及び処分の基準について
 〔3〕 主任教諭制度の導入による教員の人材育成への効果及び今後の推進について
 〔4〕 精神疾患による教員の休職について
  ア 休職者の増加への対策について
  イ 平成21年度の公立学校教員における精神疾患を含めた病気休職者数及び精神疾患による休職者の職場復帰への支援について
 〔5〕 学校問題解決サポートセンターにおける相談状況及びケース会議での相談件数並びに相談業務以外での取組について
 〔6〕 児童・生徒がインターネット等を介して問題に巻き込まれる状況に対する認識と対策及び家庭や地域社会との連携策について
 〔7〕 都立高校改革に基づく新しいタイプの高校の開設状況とその成果について
 〔8〕 都立多摩科学技術高校の設置の狙いと効果的な教育のための工夫及び都立高校への民間人校長の採用について
 〔9〕 冷房設備設置状況における小・中学校の区立と市町村立の格差に対する都の認識と調査及び特別支援学校への冷房設備の設置について
 〔10〕 公立学校や幼稚園の耐震診断率と耐震化率の進捗状況及び補助制度の拡充と創設について
 〔11〕 平成21年度予算の都立学校の施設整備費の低い執行率の理由及び各学校からの改修要望への対応について
 〔12〕 スクールカウンセラー、登校支援員及びスクールソーシャルワーカーの効果と配置の拡大について
 〔13〕 都立高校への常勤の学校司書の配置及び小・中学校への司書配置への支援並びに都立高校の蔵書充実のための予算の増額について
 〔14〕 三楽病院の役割と運営費補助の考え方並びに社団法人東京都教職員互助会の理事の選任状況及び都庁OBの就任理由について


平成21年度各会計決算特別委員会 第3分科会審査報告書

 第3分科会で行われた平成21年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成22年11月1日
                    平成21年度各会計決算特別委員会
                    第3分科会委員長 谷村 孝彦

 平成21年度各会計決算特別委員長
           佐藤 広典 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
(1) 本分科会は、9月29日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成21年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
  ・平成21年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
  ・平成21年度東京都農業改良資金助成会計決算
  ・平成21年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
  ・平成21年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
  ・平成21年度東京都と場会計決算
  ・平成21年度東京都都営住宅等事業会計決算
  ・平成21年度東京都都営住宅等保証金会計決算
  ・平成21年度東京都都市開発資金会計決算
  ・平成21年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
  ・平成21年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

(2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
  10月8日(説明聴取・資料要求) 労働委員会事務局、中央卸売市場、産業労働局、都市整備局
  10月13日(説明聴取・資料要求) 建設局、環境局、港湾局
  10月18日(質疑)        都市整備局
  10月25日(質疑)        中央卸売市場、環境局
  10月27日(質疑)        労働委員会事務局、建設局
  10月29日(質疑)        港湾局、産業労働局

2 本分科会における質疑の概要
(1) 都市整備局所管分
 〔1〕 都市整備全般における市町村への技術力支援について
 〔2〕 耐震化促進事業について
  ア 緊急輸送道路沿道建築物の実績検討などについて
  イ 改善へと結び付くような助成制度の構築について
  ウ ポータルサイト及び総合相談窓口の実施状況並びに窓口の区市町村との連携について
  エ ローラー作戦による木造住宅訪問の成果及び費用対効果の検証について
  オ 民間マンションの耐震アドバイザー派遣助成の実績と評価について
  カ 公営住宅の耐震診断・改修の実績及び今後の見通しについて
 〔3〕 都営住宅について
  ア 平成21年度における都営住宅建替事業の計画戸数と実績及び今後の事業の進め方について
  イ 優遇抽選やポイント方式による募集の状況について
  ウ 若年ファミリー世帯向け期限付入居制度の平成21年度の状況について
  エ 都営住宅における孤独死と見守り拠点施設の整備及びコミュニティ機能支援事業について
  オ 建替えで創出された用地の活用及び今後の区市との調整について
  カ エレベーター設置やバリアフリー化の状況と今後の住宅の更新について
  キ 都営住宅等事業会計の執行率について
  ク 型別供給の柔軟な運用及び多様な世帯が住める住宅の検討について
  ケ 分譲店舗建設の経緯及び店舗の扱いについて
 〔4〕 財団法人東京都新都市建設公社の存在意義と市町村への支援について
 〔5〕 東京都住宅供給公社について
  ア 都庁OBと公社の関係及び東京公社住宅サービスの独占の状況について
  イ 東京公社住宅サービスの財団法人化に伴う利益剰余金の処理について
  ウ 公社の借入金の額とその返済方法及び民間格付機関から取得している格付について
  エ 高齢者向け賃貸住宅市場への参入の取組について
  オ 公社のあり方についての検討状況と今後の取組について
 〔6〕 民間活用型都民住宅について
  ア 空き家状況及び管理期間を待たずに用途終了を行う場合の条件と費用負担について
  イ 利子補給の額及び借換えの進捗状況について
 〔7〕 多摩ニュータウン事業会計における平成21年度の決算状況及び事業会計終了後の残地対応について
 〔8〕 多摩地域の市町村が特定行政庁として建築行政全般を担うことに対する支援について
 〔9〕 八ッ場ダムについて
  ア 現在の整備状況及び国のダム建設中止宣言に伴う影響について
  イ 建設の延期により被害が発生した場合の責任の所在について
  ウ 今後の国の動きに対する都の取組について
 〔10〕 雨水流出抑制事業費補助の状況について
 〔11〕 水の有効利用促進要綱に基づく雨水利用施設の設置状況について

(2) 環境局所管分
 〔1〕 地球温暖化対策等推進のための区市町村の取組促進制度について
  ア 制度の創設目的について
  イ 平成21年度の区市町村の取組事例などの実績について
  ウ 区市町村での取組が進まない要因と対応について
  エ 決算の執行率の低さと区市町村のニーズとの関係について
  オ 事業をより効果的にするための制度設計の分析及び見直しについて
  カ 環境省が実施したグリーンニューディール基金事業との重複について
 〔2〕 自動車の環境対策について
  ア 平成21年度の粒子状物質減少装置の装着補助実績と累計台数について
  イ 低公害車・低燃費車への代替促進に対する支援について
  ウ コミュニティバス事業者へのCNGバスの補助台数について
  エ エコドライブ推進に向けた取組状況及び今後の取組について
  オ 廃食用油回収システム等に関する調査・検討の内容とその結果について
 〔3〕 都バスへのバイオディーゼル燃料の導入促進について
  ア 平成21年度の事業の実施状況について
  イ いわゆるB5燃料を使用する場合の課題及びバイオディーゼル燃料の本格的普及に向けた対策について
 〔4〕 校庭芝生化事業について
  ア 芝生化に対する声への対応について
  イ 芝生化の実績と課題及び平成21年度の課題対応について
  ウ 平成21年度の校庭グリーンキーパーの活動実績及び芝生リーダー養成の実績について
  エ 学校現場での先進事例の区市町村等への普及について
  オ 「10年後の東京」への実行プログラムの目標達成に向けた今後の取組について
 〔5〕 太陽エネルギーの利用拡大について
  ア 太陽熱利用システムの利用の停滞及び利用拡大のための方策について
  イ 平成21年度の太陽光発電と太陽熱利用の補助申請数及び補助金交付までに要する時間について
 〔6〕 気候変動における適応状況調査について
  ア 調査の内容及び今後の進め方について
  イ 平成21年度の予算額に対して執行額が低い理由について
 〔7〕 中小規模事業所の温暖化対策について
  ア 平成21年度の実施状況とその効果について
  イ 省エネ診断を含めた対策の推進に向けた今後の取組について
 〔8〕 省エネアドバイザーについて
  ア 事業目的及び診断員の訪問実績について
  イ 事業の必要性及び事業効果を高めるための政策転換について
 〔9〕 環境学習について
  ア 小学校教職員向け研修会事業の規模縮小の理由について
  イ 子どもたちへの環境教育の必要性について
  ウ 教育庁が実施している教職員向け研修プログラムに環境学習の枠を設けるなどの工夫について
 〔10〕 緑の募金事業におけるホームページ管理の契約内容とその検証について
 〔11〕 平成21年度の玉川上水等清流復活関連施設の更新整備について
 〔12〕 保全緑地の公有化による多摩地域の自然保護及び平成21年度の予算の執行状況とこれまでの実績について
 〔13〕 東京都環境科学研究所の平成21年度の研究事業の施策への反映及び財団の特性をいかした運営について
 〔14〕 リスクコミュニケーション推進地域モデル事業の意義及び実施結果と課題並びに今後の事業展開について
 〔15〕 ツキノワグマの生息状況及びニホンジカの保護管理について

(3) 産業労働局所管分
 〔1〕 中小企業の海外展開への支援について
  ア 海外展開自立化支援事業の目的及び平成21年度の取組状況と現地サポート体制について
  イ 海外販路開拓支援事業におけるアジア各都市でのサポート体制及び支援対象企業への海外取引あっせん情報の提供について
  ウ 海外展開のための現地での複数の情報源の確保及び在外日本人商工会議所等との連携の強化について
  エ 海外見本市参加事業の事業終了後の対応及び平成22年度の海外展示会出展への支援状況と今後の考え方について
  オ アジア人材受入育成支援事業の終了理由について
  カ 東京商工会議所の行うマッチング事業と都の事業とのすみ分けについて
 〔2〕 中小企業振興への支援について
  ア 多摩の世界発信・進出企業発掘事業の目的と実績について
  イ 海外企業誘致のための関係各局との連携及びウェブサイトでのPR方法の工夫について

  ウ 中小企業ニューマーケット開拓支援事業における海外企業出身者のビジネスナビゲーターとしての採用について
  エ 国内向け販路開拓事業と海外向け販路開拓事業での情報共有と連携の必要性について
  オ 広報誌の発行形態について
 〔3〕 財団法人東京都中小企業振興公社について
  ア 中小企業振興における公社の意義について
  イ 販路開拓のために公社が果たした役割及び経営力向上TOKYOプロジェクトなどの成果について
  ウ 下請企業に対するきめ細かな支援について
  エ 中小企業の創業に向けた支援について
  オ 平成21年度の中小企業の人材育成に対する支援の状況と実績について
  カ 東京都知的財産総合センターにおける知的財産に関する多面的な支援の状況と成果について
 〔4〕 中小企業に対する制度融資について
  ア 平成21年度の制度融資の利用件数と金額及びその特徴について
  イ 平成21年度の東京信用保証協会による代位弁済の利用件数と金額及びその特徴について
  ウ 流動資産担保融資の取組の経緯と実績及び機械・設備担保融資の創設の意義について
  エ 様々な融資制度のより一層の周知及び融資に合わせた経営面での支援について
 〔5〕 都市農業について
  ア 平成21年度における都市農業の振興及び生産緑地の保全に向けた取組について
  イ 遊休農地の解消と農地の有効活用に向けた取組及び援農ボランティアの認定状況と活動状況について
  ウ 都市農地の保全のための関係各局との連携について
  エ 農業改良普及センターの機能強化への対応について
  オ 東京の農業振興の考え方について
  カ ウメ輪紋ウイルスの被害状況と今後の対応について
  キ 農業・農地を活かしたまちづくりガイドラインでの農業・農地の位置付け及びモデルプランを作成する区市への支援状況について
  ク 環境に配慮した安全・安心な農産物の生産に対する支援について
 〔6〕 平成21年度の多摩産材の利用拡大策と今後の取組について
 〔7〕 平成21年度の森林の循環再生プロジェクトの実績と今後の取組について
 〔8〕 障害者就労支援について
  ア 雇用機会の維持・拡大のための中小企業への周知と啓発の状況及び東京ジョブコーチでの取組について
  イ 企業と障害者のニーズの発掘と促進に向けた関係機関との連携について

(4) 中央卸売市場所管分
 質疑なし

(5) 建設局所管分
 〔1〕 平成21年度の連続立体交差事業の取組実績及び今後の取組について
 〔2〕 南武線連続立体交差事業及び周辺環境整備について
  ア 平成21年度の連続立体交差事業の内容と進捗状況について
  イ 工期短縮に向けた取組及び事業者全体での住民への情報提供について
  ウ 関連する是政橋などの事業に与える影響及び工事遅延に伴う事業費増加の可能性について
  エ 関戸橋の事業化の検討状況及び事業化に必要な調査等の内容について
  オ 南多摩尾根幹線の交通量増加及び生活道路への通過車両の流入について
  カ 都市計画道路での渋滞解消のための暫定整備について
 〔3〕 調布保谷線及び府中所沢線の進捗状況と今後の取組について
 〔4〕 第2次交差点すいすいプランの基本的考え方と実績及び今年度の取組状況について
 〔5〕 無電柱化事業の基本的考え方と整備状況及び区市町村の事業に対する支援について
 〔6〕 新宿歩行者専用道の整備における具体的な取組状況及び工事中の区間の完成時期について
 〔7〕 高潮対策について
  ア 河川で発生する水害の種類及び東部低地帯河川における対策について
  イ 平成21年度の水門管理システムの再構築の状況と今後の予定について
  ウ 水門管理システムに故障や大規模停電が発生した場合の対応について
  エ 国の中央防災会議における河川高潮に関するシミュレーションの実施について
 〔8〕 公益財団法人東京都公園協会について
  ア 平成21年度の協会への委託契約の内容と金額及び協会が外部へ再委託した契約の内容と金額について
  イ 包括外部監査で指摘された契約に対する指導及び指導後の改善状況について
  ウ 平成23年度以降の指定管理者の選考における透明性の確保及びより競争性を高めるための方策と公平性の担保について
  エ 河川水辺保全業務における河川施設の管理業務と水上バスの保守管理業務の内容及び平成21年度の委託金額について
  オ 地下調節池の管理業務の内容及び協会の再委託の考え方について
  カ 隅田川水辺環境保全業務の内容及び平成21年度の委託金額について
  キ 隅田川テラスの巡回調査業務における包括外部監査での指摘に対する改善状況について
  ク 協会への事業委託に対する考え方について
 〔9〕 防災公園整備の具体的取組及び平成21年度の実績について
 〔10〕 都立公園について
  ア 有料庭園における指定管理者制度導入前と現在の入園者数について
  イ 指定管理者として実施している特色ある取組について
  ウ 利用者の声やニーズを反映した管理者の方策の提案と取組について
  エ NPOや地域住民と連携した公園管理に対する支援について
 〔11〕 都立桜ヶ丘公園の整備について
  ア 平成21年度の桜ヶ丘公園の公園整備費及び整備内容について
  イ 農業者大学校跡地の整備検討状況について
  ウ 周辺地域の路上駐車の現状及び農業者大学校跡地などでの駐車場整備の検討について
 〔12〕 街路樹の整備について
  ア マイ・ツリー植栽の実績と都民の反応及び区市町村等への働き掛けについて
  イ 平成27年度までに街路樹を100万本に増やす計画の実績について
  ウ 街路樹や植樹帯などの道路緑化管理の取組及び道路の美化活動における住民との協働について

(6) 港湾局所管分
 〔1〕 東京へリポートについて
  ア 位置付けと設置の経緯及び全国の公共用へリポートの数について
  イ 平成21年度の着陸の回数と目的について
  ウ ターミナルビルの整備の内容及び過去5年間の収支状況について
 〔2〕 東京港の港湾施設におけるこれまでの整備状況及び予防保全型管理の導入経緯と今後の取組について
 〔3〕 東京港における水辺空間の魅力向上について
  ア 景観に関する検討状況及び良好な景観形成のための東京港の将来像について
  イ 景観ガイドライン策定に向けた今後の取組について
  ウ (仮称)東京港臨海大橋を整備する上での景観上の配慮について
 〔4〕 晴海客船ターミナルについて
  ア 東京港の客船寄港数の大幅な減少に対する認識について
  イ 客船ターミナルの客船への乗降以外の利用状況と活用について

(7) 労働委員会事務局所管分
   質疑なし

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