平成二十一年度各会計決算特別委員会第二分科会速記録第六号

平成二十二年十月二十九日(金曜日)
第十委員会室
   午後一時開議
 出席委員 九名
委員長菅  東一君
副委員長上野 和彦君
副委員長小沢 昌也君
野田かずさ君
栗林のり子君
柳ヶ瀬裕文君
大島よしえ君
山田 忠昭君
伊藤まさき君

 欠席委員 一名

 出席説明員
教育庁教育長大原 正行君
次長松田 芳和君
理事岩佐 哲男君
総務部長庄司 貞夫君
都立学校教育部長直原  裕君
地域教育支援部長松山 英幸君
指導部長高野 敬三君
人事部長岡崎 義隆君
福利厚生部長谷島 明彦君
教育政策担当部長中島  毅君
特別支援教育推進担当部長前田  哲君
人事企画担当部長高畑 崇久君

本日の会議に付した事件
平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
教育庁関係
・平成二十一年度東京都一般会計決算(質疑)

○菅委員長 ただいまから平成二十一年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の決算に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十一年度東京都一般会計決算中、教育庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○庄司総務部長 去る十月十三日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成二十一年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の目次をお開き願います。
 ごらんいただきますように、今回要求のございました資料は十件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、平成二十一年度決算区分別執行状況(執行率八〇%以下)でございます。
 このページから三ページにかけまして、平成二十一年度決算における区分別の執行状況のうち、執行率が八〇%以下の事業につきましてお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。2、平成二十一年度教育庁所管事業の廃止・終了及び見直しでございます。
 平成二十一年度で廃止、終了及び見直しを行いました教育庁所管事業について、事業名とその内容をお示ししてございます。
 五ページをごらん願います。3、都立高校の施設整備費の推移(過去十年間)でございます。
 平成十二年度から平成二十一年度までの過去十年間における都立高校にかかわる校舎改築などの施設整備費の当初予算額、決算額についてお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。4、都立特別支援学校の施設整備費の推移(過去十年間)でございます。
 平成十二年度から平成二十一年度までの過去十年間における都立特別支援学校にかかわる校舎改築などの施設整備費の当初予算額、決算額についてお示ししてございます。
 七ページをごらん願います。5、都立高校及び都立特別支援学校教員の在校年数別人数と平均在校年数でございます。
 校長、副校長、主幹教諭、主任教諭、教諭、主任養護教諭、養護教諭の別で、都立高校と都立特別支援学校の障害種別ごとに、それぞれ在校年数別人数と平均在校年数をお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。6、区市町村立小・中学校普通教室の冷房設備設置状況でございます。
 区市町村立小中学校における普通教室の冷房設備設置状況についてお示ししてございます。
 九ページをごらん願います。7、都内公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移(過去十年間)でございます。
 平成十二年度から平成二十一年度までの過去十年間における就学援助を受けた児童生徒数及び受給率の推移を、要保護、準要保護の別にお示ししてございます。
 一〇ページをお開き願います。8、都立高校図書室の司書の配置状況でございます。
 平成二十一年度及び平成二十二年度の司書の配置状況をお示ししてございます。
 一一ページをごらん願います。9、都内公立小中学校及び都立高校における図書購入費の推移(過去十年間)でございます。
 平成十一年度から平成二十年度までの過去十年間における図書購入費の推移を校種別にお示ししてございます。
 一二ページをお開き願います。10、都内公立図書館資料購入費の推移(過去十年間)でございます。
 平成十二年度から平成二十一年度までの過去十年間における都内公立図書館の資料購入費の当初予算額を、都立、区市町村立別にお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○菅委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 私からは、まず教員のメンタルヘルスについてお聞きをしたいと思います。
 先般新聞記事に、文部科学省の〇九年度の調査で、教員の降任の希望が最多で二百二十三名に上ったと。半数が健康を理由に降格をみずから願い出たと、こういう記事も載っておりました。精神疾患により休職している教員は、平成十五年度二百五十九人から、平成二十一年度には実に五百三十二人と、たった六年間で倍以上と大きく増加をいたしておりますけれども、精神疾患で休職している教員が増加をしている中で、東京都教育委員会ではどのような対策をとっているんでしょうか。

○谷島福利厚生部長 都教育委員会において平成十九年度における精神疾患を理由とする休職者を分析しましたところ、その三分の二が病気休暇に入る直前まで精神科への受診をしていないなど、いわゆる手おくれ受診の多いことが判明いたしました。そこで、休職の未然防止を図る観点から、早期自覚、早期対処を基本方針と定め、今年度から土日相談窓口の設置、臨床心理士の講師派遣、初任者や昇任副校長に対するカウンセリング、定期健康診断の際のストレス検査の試行などを行っております。

○伊藤委員 都教委でも、こういう状況になっているので対策をとっていただいているということはよくわかりました。ただ、土曜日も授業をこれからやっていくということでありますので、土日の相談窓口がなかなか受けづらい状況もこれから出てきますし、そもそもやっぱり仕事がなかなか休みづらくて、ちょっと体に変調を来したとしても、すぐに病院に行けないというところも私は大きな問題なのじゃないかなというふうに思っております。
 続きまして、この決算の資料にも載っておりますけれども、三楽病院は教職員の職域病院として設立されたと聞いておりますけれども、どのような役割を担っているんでしょうか。

○谷島福利厚生部長 東京都教職員互助会は、大正八年に東京府の助成金五万円の交付を受けて、教職員の相互扶助を主な目的に発足いたしました。現在互助会は、東京都の教育向上に資するため、教育に関する調査研究等の実施及び東京都教職員の福利厚生に寄与することを目的とし、都内公立学校教職員六万六千人の正会員、退職教職員等五万人の賛助会員を擁する社団法人となってございます。この互助会を運営母体とする三楽病院は、昭和八年に教職員の診療のための職域病院として開設したものでありまして、現役のみならず、退職者も含め教職員の医療や健康管理の拠点として大きな信頼を得、都の教育行政に大きく貢献をしております。

○伊藤委員 何人かの教職員の方に聞いたんですけれども、特に年齢の高い方は、昔は一切お金がかからなくて、いろんな方が行っていたけれども、今は一般病院でありますから、当然負担をしなきゃいけないということで、若手の教員は余り身近に感じていないという意見もあったようでありますけれども、かなり年齢の高い方は、先ほど答弁にありましたように、そもそも職域病院として自分たちの財産を使ってできてきた大切な病院という認識を持っているということは聞いています。
 決算資料にもあるように、この三楽病院に対してこの年度は約一億六千万円、運営費補助金として交付をしておりますけれども、補助の考え方についてお伺いします。

○谷島福利厚生部長 三楽病院の精神神経科は、教職員を取り巻く環境を十分に把握した上で、精神疾患の予防や治療に長年携わってきており、今や全国的に高い評価を得ているところでございます。都教育委員会は、こうした三楽病院精神神経科の協力のもとに、先ほど申しました土日相談、臨床心理士の講師派遣等メンタルの事業を実施しているところでございます。そこで、精神神経科の健全な経営を確保し、これらの事業効果を高めるため、他の診療科との差損を補てんしているところでございます。

○伊藤委員 先ほどの答弁で、今や全国的に高い評価を受けているということがありました。果たして、全国的に高い評価を受けている病院に対して補助を出す必要があるのかという議論も当然成り立ちますし、開業されている精神科医にお聞きしましたら、教員の患者さんは大分最近ふえてきていると。しかしながら、教員だからといって何か特別な処置が必要なのかというと全くそんなことなくて、ほかのサラリーマンの方と同じように手順に従って処置をされているということでありますし、先ほど補助の考え方をお答えをいただきましたけれども、監査事務局の財政援助団体等監査というものがあります。一七二ページに、補助対象額の算出ということでその考え方が示されているわけでありますが、これを見ると、当然教職員以外の一般の患者さんもいらっしゃる。その患者さんの数を母体にしてこの補助が算出をされている。別にいただいた資料だと、外来でお見えになるのが、現役の教職員の方は大体三五%程度というふうに聞いておりますけれども、なぜ全体の母数を算出基準としているのかということが、私は若干疑問の残るところでありますけれども、次の質問に移りたいと思います。
 次には、職域病院である三楽病院の運営母体である東京都教職員互助会についてお伺いいたします。
 互助会は、都から交付金を受けて発足した社団法人であるということでありますけれども、この互助会の歴代理事長についてどのような方が就任してきたんでしょうか、お伺いいたします。

○谷島福利厚生部長 互助会の理事長は、互助会の発足経緯や事業の特性、会員が都内公立学校教職員であることなどから、従前は都教育委員会の教育長が非常勤として理事長を兼任しておりました。平成四年七月から、法人としての独立性を高めるため、教育長経験者が無報酬の非常勤として理事長を務めることといたしました。その後、病院事業の経営健全化などの課題に対しまして、団体としての経営能力を高める必要があるため、平成十六年六月以降、都職員経験者が常勤の理事長となってございます。

○伊藤委員 今まではこの病院、またこの互助会ができた関係上、大変、教育庁と親しいというか、緊密な関係があった名残の中で、都職員の経験者が行っていると。平成十六年からは報酬が発生をしているというふうに思いますけれども、この互助会の理事長に都のOBがなる理由は何でしょうか。

○谷島福利厚生部長 先ほど答弁の中で申し上げました互助会発足の歴史的経緯や事業の特性などを勘案いたしますと、理事長は都の行政に精通し、都教育委員会と連携をとりながらリーダーシップを発揮できる都職員経験者を配置する必要があると考えております。

○伊藤委員 リーダーシップを発揮をするために、また東京都との連携を緊密にするために東京都のOBの職員が行っているということでありましたけれども、この互助会のホームページに定款がございますけれども、この定款によりますと、十六条に書いてありますが、理事長は教育委員会の推薦による理事のうちから理事会が選任をすると。専門理事は、教育委員会の推薦による理事のうちから理事会で選任をすると。その前の段階で、理事は正会員のうちから代表会員総会で選任する、ただし、八名は東京都教育委員会が推薦したもののうちから選任をすると。二十六人理事がいらっしゃるわけでありますが、その中で八名も教育庁の関係の方が行っている、さらに、二名の現職の職員の方がこの互助会の管理部門の部長と課長でいらっしゃると。東京都との連携ということを考えれば、何もわざわざOBを理事長に迎えなくても、私は十分連携ができるというふうに思います。
 ところで、前理事長が急に任期を途中とされる中で辞任されたと聞いておりますけれども、その理由は何でしょうか。

○谷島福利厚生部長 前理事長につきましては、互助会が本人からの辞任届を受けまして辞職を承認したものでございます。一身上の都合により、辞任したものと認識しております。

○伊藤委員 互助会が本人の辞任届を受けたとして辞任を承認したというふうにいっておりますけれども、私の聞くところによりますと、この前理事長さんは、いろんな現場で問題を起こしたというふうに聞いています。先ほどもいったように、これだけ多くの理事が都教委から出されている。答弁をされた部長も理事として名を連ねていらっしゃるわけであります。これではですね、この理事会の中でこれだけの影響力がある都教委の皆さん方がOBに対して、問題を起こしたとしてもこれは甘い処罰をしたのではないかといわれても私は仕方ないんじゃないかなというふうに思いますし、さらに平成二十二年度も当団体に対する--三楽病院に対する運営費補助金の交付要綱というものをいただいていましたけれども、この要綱の決定者は、まさに福利厚生部長ご本人なわけであります。
 ですから、要件を考えると、部長が理事として行かれている団体の東京都の補助をみずから決定をすると。大変強い影響力がこの東京都にはあるということでありますし、そもそもこの問題を表ざたにしたのは、この病院を使っておられる方々が心配をして、今の理事長は大変だから、ぜひともやめさせてもらいたいという中で、私も耳に入れたものであります。
 本来であるならば正規のルートで問題提起をして、きちんとコンプライアンス委員会を開いて議論をしたということだとは思いますけれども、本来であるならそういう運営の中で、問題が起きたときには問題を解決をするべきだというふうに私は思っております。今後、この三楽病院を初め互助会の運営について東京都はどのように考えているんでしょうか。

○谷島福利厚生部長 先ほども東京都教育委員会の事業を推進するために補助金を支出すると申し述べたところでございます。ただし、いつまでもというふうには思ってございませんので、できる限り補助金に頼らない経営を進めるという観点から、運営費補助金についても削減を図っているところでございます。

○伊藤委員 私がお聞きするところによると、今、公益法人改革を生活文化局の方でやっておりますけれども、その改革に伴って、先ほど私、問題を指摘をしましたけれども、その理事の選任のあり方についてはどうなんでしょうか。

○谷島福利厚生部長 法人改革につきましては、現在、互助会の理事会等で公益法人を目指すというふうに聞いております。公益法人を前提に考えますと、現在、理事の数二十六名でございますが、相当程度絞り込んでいく必要があろうかと思いますし、また、三分の一ルールと申しまして、公益社団法人においては、特別な関係者の割合、例えば東京都出身者というものが三分の一を超えてはいけないという規定がございます。したがいまして、その公益法人改革の中で、当然に定款の変更も含めて理事の選任方法の変更があるものというふうに考えてございます。

○伊藤委員 メンタルヘルス事業は大変重要であります。同じお金を使うならば、いろんな私は方法があると思います。そもそも多摩に三楽病院のような拠点がない、こういう問題もあります。先ほどもいったように、休みがなかなかとりづらい、こういう問題もあります。ぜひとも、いろんな問題があると思いますけれども、非常に重要な問題でありますので、今後とも適切に事業を推進をしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 続きまして、情報リテラシー教育についてお伺いいたします。
 近年、児童生徒がインターネットや携帯電話を介し、さまざまな問題に巻き込まれる状況がございます。私、前任は総務委員会に所属をしておりましたけれども、例の青少年健全育成条例の議論の過程の中で、条例に賛成をする方も反対をする方もいっていたのは、やっぱり今のインターネットの状況というもの、リテラシー教育をどうやって教育に反映をしていくか、子どもたちにどうやってそれを教えていくのか、親がどうやってそれを自覚をしていくのかということだというふうにいっておりました。この情報リテラシー教育について、東京都の認識と対策はどのようになっているんでしょうか。

○高野指導部長 インターネットや携帯サイトの有害情報が児童生徒を取り巻く中、児童生徒が被害者にも加害者にもなることなく、安全に生活をするための能力を身につけることは重要であると考えております。
 平成二十年度にインターネット、携帯電話利用に関する実態調査を実施したところ、チェーンメールや特定個人に対する誹謗中傷などの何らかのトラブルを経験した都内公立学校の児童生徒の割合が五人に一人に達していることや、教員がトラブルの対応に苦慮している実態が明らかとなりました。
 こうしたことを受けまして、都教育委員会では平成二十年十月、児童生徒、保護者、教員、さらには関係業者それぞれに対しまして、携帯電話利用にかかわる東京都教育委員会としてのアピールを行うとともに、児童生徒が被害者にも加害者にもならないように、教員を対象とした指導資料、これを作成いたしまして、都内すべての公立学校に配布したところでございます。さらには平成二十一年六月から、すべての都内公立学校約二千二百校、これを対象といたしまして学校非公式サイト等の監視業務を委託により開始いたしまして、児童生徒を有害情報から守る取り組みを行っているところでございます。

○伊藤委員 全公立学校二千二百校で、業者に委託をしてネットの監視を行っているということでありますけれども、平成二十一年度ではどのような状況になっているんでしょうか。

○高野指導部長 平成二十一年六月から二十二年三月末日までの約十カ月間の監視結果によりますれば、検出されたサイト上にある特定個人に対する誹謗中傷、いじめや犯罪につながるおそれのある有害情報などの不適切な書き込みにつきましては一万三千九百五十五件でございます。これは、中学校と高等学校でほぼ二分されている数字でございます。
 こうした不適切な書き込みにつきましては、受託業者を通じまして当該のサイトの管理運営者などに通報いたしまして削除依頼を行うとともに、学校がすぐに対応すべきものについては、直ちに当該校あるいは当該校を所管する市町村教育委員会に情報提供したところでございます。各学校は、この情報をもとに児童生徒への指導を行い、不適切な書き込みによる事件、事故の未然防止に努めてございまして、現在まで大きな被害は報告されておりません。

○伊藤委員 感覚としてですね、年間に一万三千九百五十五件もの不適切な書き込みがある、これは想像を絶する物すごい膨大な量だなというふうに思います。ぜひとも今後とも、学校裏サイトだとか一時問題になりましたけれども、引き続き監視を強化をしていただきたいというふうに思います。
 このリテラシー教育は、学校だけでは当然対応できません。家庭や地域社会との連携強化が必要だというふうに思いますけれども、連携策はどのようになっているんでしょうか。

○高野指導部長 都教育委員会では、警視庁や東京都青少年・治安対策本部と連携を図りまして、児童生徒や保護者、地域社会が参加いたしますハイテク犯罪対策シンポジウムや、すべての公立学校が実施いたしますセーフティー教室を通じまして、児童生徒が被害者にも加害者にもならないよう啓発活動に努めているところでございます。
 また、平成二十年十月のアピールにおきまして、各家庭の保護者向けに、子どもの携帯電話の所持につきましてはその必要性をよく判断する必要があることや、持たせる場合はフィルタリングをかけ、家庭でのルールをつくるよう啓発を行っているところでございます。さらに平成二十二年三月には、学校非公式サイト等の監視結果を踏まえたリーフレットを作成いたしまして、困ったときの相談窓口を紹介するなど、児童生徒とともに保護者への啓発を行ったところでございます。今後ともこのような取り組みを通しまして、有害情報から子どもを守る取り組みを一層充実していきます。

○伊藤委員 ネットの世界であったり携帯の世界は本当に日進月歩、状況が変化をいたします。もうやっていただいていると思いますけれども、例えばプロバイダーであるとか、あとは携帯電話のキャリアの会社が独自に教材をつくって、非常にわかりやすいパンフレットなどもありますので、そういった団体や会社とも連携を図っていただいて、ぜひとも最新の状況というものを学校現場に伝える努力も今後ともしていただきたいと思います。
 続きまして、教員採用選考及び教育管理職選考についてお伺いしたいと思います。
 東京都におきましては、教員の大量退職時期に入っているとともに、児童生徒数も増加傾向にあり、教員の大量採用時期が当分続くというふうに聞いております。このような状況を背景として、学校現場では優秀な教員、さらには管理職の確保が喫緊の課題になっていると思いますけれども、毎年度ごと実施している採用選考や管理職選考の平成二十一年度の実績について、まずお伺いいたします。

○岡崎人事部長 平成二十一年度の教員採用選考の受験者数は全校種で一万五千二百四十五人、前年に比べ二二・四%増加したことから、合格者数三千二百三十二人に対する倍率は四・七倍となり、さまざまな人材確保の取り組みの結果、前年度までの倍率の低下傾向に歯どめがかかったところでございます。
 一方、教育管理職選考の受験者数は全校種で六百三人、前年度に比べまして一九・六%減少し、合格者数四百十一人に対する倍率は一・五倍となっております。これは、現在教育管理職選考の受験対象となります三十代後半から四十代前半が年齢構成の谷間に当たることなどによるものでございます。

○伊藤委員 教員採用試験は大幅にふえていると。しかし残念ながら、管理職に受験対象となる方の、もともと母数が少なくなってきているということもあって、若干少なくなってきていると。特に副校長の任用に非常に苦労されているというふうにも聞いております。
 採用選考については、平成二十一年度から受験者、倍率ともに増加に転じているということでありますけれども、特に受験者をふやすために実施してきている地方受験者拡大のための取り組みについてどのように行ってきたのか、また、今後受験者数をふやすためにどのような取り組み方を行っていくんでしょうか、お伺いいたします。

○岡崎人事部長 東京都の大量採用は今後十年程度続くと見込まれます。首都圏においても同様な状況がある中で、受験者数の確保、増加については、より一層の取り組みが必要でございます。このため、地方からも優秀な人材を受け入れることを目的といたしまして、平成二十一年度に一次選考の受験会場を仙台市に新設いたしまして、二十二年度にはさらに福岡市を加えたところでございます。また、小学校の教員を確保するため、秋田、大分、高知の三県の一次試験で一定の成績をおさめた者が都の二次試験に進むことができる協調特別選考を実施したところです。さらに、地方在住者を対象といたしまして、東京の学校を紹介するバスツアーを実施するなどPR活動の充実を図ってまいりました。今後ともこうした取り組みを積極的に進め、優秀な人材の確保に努めてまいります。

○伊藤委員 先般、その採用試験の結果が発表されました。たしか二十七名、地方から新たに人材を受け入れることができたということであろうと思います。これは、バスツアーも実施をしているなど本当に涙ぐましいというか、そこまでやらなきゃなかなか難しいのかなと、本当に努力に対しては敬意を表したいというふうに思います。
 一方、先ほどもいったように教育管理職選考については、受験者数、倍率ともに低下をしているということでありますけれども、こうした教育管理職選考の受験者数の減少傾向については、その要因、また対策についてどう考えているのか、お伺いいたします。

○岡崎人事部長 教育管理職選考の受験者数の減少の原因といたしましては、先ほど申し上げた年齢構成の問題のほかに、教員の多くが、学校組織の中心となって主体的に学校経営を担うことを敬遠するようになってきたことが挙げられます。また、副校長の多忙な姿を見て、教員が管理職という仕事に魅力を見出せないという状況もございます。
 このため、若手教員のころから教員としてのキャリア形成の展望を認識させまして、組織を動かしながら、子どもたちによりよい教育を提供する管理職の仕事の魅力を伝えるとともに、学校がより組織的に機能する仕組みを構築し、これからの学校経営を担う意欲の高い管理職の確保に努めてまいります。

○伊藤委員 特に副校長なり校長先生は、土日に何か学校で行事があると必ず顔を出したりとか、また、よく盆踊りの会場でご一緒させていただいたりとかですね、それも大切な仕事だとは思いますけれども、本来の仕事のほかに地元の対応であるとか、あとは下町の方に行くと町会の方とお酒を飲まなきゃなかなかうまくいかないというような、いいところではあるんですけれども、そういう業務も発生をしているのを見て、若い教員の先生が、ちょっとそれは割に合わないなと、大変だなと、もしかしたら思っているのかもしれないということで、そこの点についてもフォーカスを当ててこれから対応していただけるということだと思います。
 特に学校の先生は、ずっと教壇で教え続けたいという先生もいらっしゃいます。そういう先生も確かに必要なんですけれども、やっぱり組織を運営をしていく優秀な人材をどういうふうに確保していくのかということが今後の課題だというふうに思いますので、引き続き努力をしていただいて、学校の健全な運営をしていただくようにお願い申し上げまして、質問を終わります。

○野田委員 それでは、教育庁が所管する平成二十一年度一般会計決算に関して質問いたします。
 まず最初に、教員の人材育成と主任教諭制度について伺います。
 近年、いじめや不登校、心の教育、環境教育、キャリア教育、情報モラルの指導など、学校における課題が一層複雑化、多様化し、個々の教員の対応だけでは解決できないことが年々ふえております。一方、経験豊かな教員が大量に退職し、若手教員が急速にふえているため、若手教員を組織的に育成していく校内体制づくりが非常に重要になっております。
 しかし、従来の学校は、いわゆるなべぶた型組織といわれ、校長や副校長といった管理職以外は、職の位に差がない組織でありました。都教育委員会は、管理職と一般の教諭の間に、主幹という職を平成十五年度から全国に先駆けて設け、この主幹が学校運営の中核となり、人材育成上の重要な役割を担ってきました。この主幹制度は、全国的に見れば、平成十九年六月の学校教育法等の改正により、主幹教諭という新しい職の設置が可能となった先駆けとなるものです。そして、さらに都教育委員会は全国に先駆けて主任教諭制度を導入し、平成二十一年度から各校に主任教諭を配置しました。そこで、都教育委員会が主任教諭制度を導入した目的は何か、伺います。

○高畑人事企画担当部長 児童生徒の学力や体力の向上、健全育成、地域との連携、保護者等へのきめ細やかな対応など、学校教育をめぐる諸課題に対しては学校全体で取り組む必要がございます。また、団塊世代の大量退職に伴い若手教員が大幅に増加しており、教育水準の維持向上のために若手教員の育成が喫緊の課題となっております。このため、主任教諭という新たな職を設置し、校長、副校長、主幹教諭を含む教員がそれぞれの職層に応じた役割を果たすことにより、学校全体で組織的に課題を解決するとともに、意図的、計画的に若手教員を育成することを目的として、主任教諭制度を導入いたしました。

○野田委員 主任教諭制度の導入の目的については、今のご答弁でわかりました。しかし、どんなよい制度でも、なり手がいないのであれば、これは絵にかいたもちであります。
 そこで、現在、主任教諭はどの程度配置をされているのか、伺いたいと思います。

○高畑人事企画担当部長 平成二十二年四月一日現在、主任教諭は、小学校に八千百九十九名、中学校に三千九百九十五名、高等学校に三千七百八十名、都立特別支援学校に千三十名、区立特別支援学校に十八名、合わせまして一万七千二十二名配置しております。これは教員全体の約三割に当たります。

○野田委員 制度を導入して二年目で、教員全体の三割に当たる数が主任教諭として配置をされているというご答弁でございました。この制度が現場にうまく受け入れられて定着をされているのではないかと、そのように思います。
 そこで、主任教諭制度、これを導入したことで人材育成上どのような効果があったのか、伺いたいと思います。

○高畑人事企画担当部長 主任教諭は、その職責の一つとして、同僚や若手教員への助言、支援などの指導的な役割を担っており、校内OJTの推進に当たり、その中心的な役割を果たすことが期待されております。本年三月に校長を対象に実施いたしましたアンケート調査によりますと、今まで教諭だった者が主任教諭として任用されましたことにより、みずからの職責を認識し、同僚や若手教員に対して日常的な相談相手になったり助言をしたりするなど人材育成の意欲がこれまで以上に高まっているなど、半数以上の校長が評価をしております。

○野田委員 主任教諭が人材育成において重要な役割を果たしているということがわかりました。このような取り組みは、国の全国一律の教員人事制度では、これはなし得ないことであり、全国に先駆けた都教育委員会の取り組みを高く評価いたしたいと思います。
 最後に、このような新しい取り組みを定着させる上でも、主任教諭の資質の向上、これに向けてOJTを充実させること、そして教員の人材育成を積極的に推進していくべきと、このように考えます。見解について伺いたいと思います。

○高畑人事企画担当部長 若手教員の人材育成の担い手である主任教諭の資質向上と校内のOJTの活性化を図るため、具体的なOJTの進め方を示したOJTガイドラインを全主任教諭に配布いたしますとともに、任用時に主任教諭研修を実施しております。また、校内OJT推進モデル校を小学校四校、中学校三校、高等学校及び特別支援学校それぞれ一校ずつ指定いたしまして、主任教諭の活用を含めたOJTの実践的な取り組みを行い、その成果を都内全校に周知することなどにより、教員の人材育成を積極的に推進してまいります。

○野田委員 都教育委員会は、主任教諭制度にとどまらず、主幹教諭制度も全国に先駆けて導入するなど積極的な人事行政を行っており、高く評価いたしたいと思います。
 次に、都立多摩科学技術高校について質問いたします。
 先日、米国パデュー大学特別教授の根岸英一さんと北海道大学名誉教授の鈴木章さんの二人がノーベル化学賞を受賞し、日本の科学技術の高さが改めて世界に示されたことは記憶に新しいところであります。ただ、一つ残念なことをいえば、いずれも近年の業績に対する受賞ではなかったということであります。
 日本の科学技術については、近年、若者の理科離れ、理工系離れが指摘されており、次世代の研究者、技術者が育たず、ものづくりの基盤が危うくなっているとも聞いております。
 こうした状況にあって、東京都は都立高校改革推進計画に基づき、都立校で二校目となる科学技術の名を冠した高校を多摩地域に設置するために、これまでその準備を進めてきましたが、このことについては、私は以前から大いに注目してきたところであります。そこでまず、この多摩科学技術高校とはどのような高校であり、設置のねらいはどのようなものなのか、伺いたいと思います。

○直原都立学校教育部長 都立高校改革推進計画に基づく新しいタイプの高校である科学技術高校とは、研究者、技術者として生涯にわたり専門性を高めていくために必要な意欲、態度や知識、技能を身につけ、技術革新に主体的に対応できる人材を育成するため、大学等へ進学し継続して学習することを前提として、科学技術に関する専門教育を行う学校でございます。平成十三年度に江東区に設置した科学技術高校に続きまして、本年度、小金井市に開校した多摩科学技術高校では、科学技術の先端四領域であるインフォメーションテクノロジーいわゆるIT、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー及びエコテクノロジーを初め、広く自然科学について学び考える力と創造性を伸ばす教育を通して、日本の科学技術の中核を担う人材を育てることをねらいとしております。

○野田委員 多摩科学技術高校がどのようなものかというのが、ただいまのご答弁でわかったわけでございますが、次に、それでは近年の国際競争力の低下が懸念されております日本の将来を考えるとき、産業構造や科学技術の高度化に伴い、高度な専門的知識、技術や創造性ある技術者の育成が不可欠であろうと思います。東京都、ひいては日本の将来を託す若者の教育を担う都立高校においても、このような社会的要請にこたえることが求められております。
 多摩科学技術高校と江東区の科学技術高校、この両校の成果に大いに期待しているところでありますが、先端の科学技術を教育内容とし、効果的に実践していくためには、学校の施設整備や校内で得られる情報だけでは限界があるのではないかと思います。多摩科学技術高校では、このような課題に対してどのような工夫がなされているのか、伺いたいと思います。

○直原都立学校教育部長 科学技術は、日々とどまることなく進化をし続けており、先端の科学技術の動向を常に把握し、教育内容に反映していくことが重要でございます。校内の施設設備の充実を図ることはもとより重要ですが、都立高校において持続的に先端の科学技術を反映した教育を行うことには困難が伴うことも事実であり、外部の協力を仰ぐ必要がございます。
 多摩地域には、先端科学技術分野におけるすぐれた企業の工場や研究機関及び大学等が多数存在していることから、多摩科学技術高校では、その工夫の一つとして、これらの団体から研究者、技術者を招聘し授業や講義を行うほか、生徒のインターンシップの受け入れや施設見学の実施などの支援を受ける仕組みである科学技術アドバイザー制度を導入し、多摩地域の教育資源を最大限活用した教育内容の改善、充実を図っているところでございます。

○野田委員 設置した所期の目的を達成するためにさまざまな工夫が必要となる中、都教育委員会は、多摩科学技術高校の校長として民間企業の管理職を経験した外部人材、いわゆる民間人校長を採用し、学校外の機関との連携など、その経験や能力が大いに生かされていると聞いております。
 多摩科学技術高校のように、これまでの都立高校とは異なる特色のある教育活動を展開していくためには、その人材を内部のみに求めるのではなく、外部の多様な人材をうまく活用することも必要であり、都立高校に引き続き民間人校長を採用していくべきと考えますが、所見を伺います。

○高畑人事企画担当部長 都立多摩科学技術高校のように、民間企業の管理職経験者など教員とは異なるキャリアの校長を任用し、新しい視点から教育改革に取り組むことは、都立高校全体の活性化に寄与するものと考えております。これまでに採用した校長は、企業経験を生かしたキャリア教育を展開し、生徒の進路選択の拡大を図ったり、学校経営に民間の経営手法を取り入れて教員の意識改革を促したりするなどの実績を上げております。今後とも実社会と連携した活動や学校の特色に応じた教育を展開するため、学校外からも適切な人材を登用してまいります。

○野田委員 石油などの天然資源が少ない我が国において、科学技術など次世代を担う研究者や技術者は、人材という重要な資源です。答弁のあった科学技術アドバイザー制度や民間人校長など、東京都の教育資源を最大限に活用した今後の取り組みに期待をいたしまして、質問を終了いたします。

○栗林委員 それでは、私の方から三つのテーマでご質問させていただきます。ただいま伊藤委員、また野田委員の質問とも若干重なる点があるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 初めに、新しいタイプの都立高校、この取り組みから伺います。
 平成二十一年度に開校した都立大田桜台高校について伺います。
 都立大田桜台高校は、都立高校改革推進計画、これに基づいて旧赤坂高校と市ヶ谷商業の統合によってできた新しいタイプである進学型の専門高校として開校されました。商業教育というものが危機といわれていましたけれども、こうした状況の中で、都が設置した大田桜台高校のタイプである進学型専門高校とはどのような高校であり、その特徴はどのようなものか、初めに伺わせていただきます。

○直原都立学校教育部長 進学型専門高校とは、産業流通構造の変化など経済、社会の変化に主体的に対応し、将来国際社会で活躍できるスペシャリストを育成するために、大学等に進学し継続して学習することを前提に、ビジネスに関する基礎的、基本的な知識、技能の習得をねらいとした学校でございます。特徴としましては、英語、国語の進学講座を設置するなど文化系大学等への進学を目指した指導を行うほか、英語による実践的コミュニケーション能力やコンピューターを駆使した情報の発信能力、経営、財務、会計等の能力の育成を図っていることでございます。

○栗林委員 進学の目標というものもできて、また社会に出てからすぐに役立つ力を備えることのできるこの教育、学校というのは大変重要であり、また、今後ますます注目されてくるのではないかと思います。
 平成二十一年度には、この新しい試みである大田桜台高校が開校して、また今年度二十二年も新たに七校、新しいタイプの高校が開校しました。この制度は、我が党が以前から推進しておりますチャレンジスクールや、また総合芸術高校を含め、都立高校改革推進計画により計画された四十九校の新しいタイプの都立高校も着実に開校しているようであります。選択の幅も広がりますし、個性も尊重できる取り組みであり、高く評価するところです。
 そこで、新しいタイプの高校、これまでの開設状況や、またその成果についてお伺いをします。

○直原都立学校教育部長 都立高校改革推進計画に基づき、大田桜台高校を含む進学型専門高校、科学技術高校及び産業高校といった新しいタイプの専門高校八校、中高一貫教育校十校、総合学科高校九校、全日制の単位制高校十一校、またチャレンジスクール五校を含む昼夜間定時制高校十校、そして総合芸術高校と、計四十八校の新しいタイプの高校を既に開設しておりまして、これに平成二十三年四月、北区に王子総合高校が開校しますと、計画校すべてが開校することになります。
 平成十八年度に実施したそれまでの成果検証では、例えば総合学科高校では、将来の進路を真剣に考えるようになった、キャリア教育、進路指導が充実していると考える在校生が七割以上を占め、充実したキャリア教育が評価されております。また、チャレンジスクールでは、中学生時代に学習の基礎、基本の段階でつまずいていた生徒や、人間関係が不得手だった生徒に対する基礎、基本の学び直しや少人数指導が効果を上げたなどの点が評価されております。
 本年度、前回の成果検証以降に卒業生を輩出した高校を含め、再度新しいタイプの高校の成果検証を行い、その成果と課題を明らかにするとともに、課題の改善に取り組んでまいります。

○栗林委員 自分に合う学校を選択できるということは、学ぶ意欲が出てくることも可能になりますし、大変重要ではないかと思います。成果検証をこれから行うということでございますが、問題点を改善しながら、ますます充実をしていただきたいと思います。
 先日、ちょうど十周年を迎えたという都立世田谷泉高校の周年行事に我が党の中嶋幹事長と一緒に参加させていただきました。このチャレンジスクールも私どもが推進してきたということもありましたので、非常に興味深く、また心配と期待が入りまじる中でございましたけれども、参加させていただきました。学校内の雰囲気がとても明るくて、生徒たちも伸び伸びと学校生活を送っているようでした。チャレンジスクールとしてスタートして、さまざまな事情もある中で個々のペースでじっくり学べる環境は大変重要であります。三部制ということで、部活動など活動場所のやりくりなどの課題も多いと思いますけれども、生徒が学校生活で学力とともに生きる力、こういったものも十分培っていくことのできる教育に今後も期待をさせていただきます。目標達成の後は、次は内容の充実ではないかと思いますので、より一層の取り組みをお願いいたします。
 次に、教職員の健康管理からメンタルヘルスに関して伺います。
 先ほども触れていらっしゃいましたけれども、厚生労働省の調査によると、うつ病などの心の病が全国的に増加しているとのことであります。また、文部科学省の発表によると、教員の精神疾患による休職者が連続増加しており、平成二十年度は全国で五千四百人の教員が休んでいる状況という発表がありました。教職員の健康の保持、増進は、児童生徒に及ぼす影響が大変大きいと思います。また、これだけ全国的にふえていることは大変不安です。児童生徒の教育を担う教職員の健康はどのようになっているか、気になるところです。
 そこで、伺います。平成二十一年度の東京都公立学校教員の病気休職者は何人いらっしゃるか、また、精神疾患を理由とした病気休職者は何人いらっしゃるか伺います。

○岡崎人事部長 平成二十一年度における都が任命している公立学校の教員の病気休職者数は七百八十六名でございまして、このうち精神疾患によるものが五百三十二人で、病気休職者の六七・七%を占めております。

○栗林委員 精神疾患により休職をしている都の教員は、平成二十年度で五百四十人、平成二十一年度で五百三十二人と若干減少したものの、五百人を超える教職員が休職という状況で、これは本当に深刻な事態であると思います。
 平成十九年度の調査で、休職者の多い年代が五十代であり、休職の原因として、児童生徒や保護者とのかかわりを挙げている教員が多くいらっしゃり、原因は多岐にわたりますけれども、せっかく教員を目指して一生懸命頑張って勉強して、そして試験に合格をして、そして晴れて学校現場で教員として頑張ろうという、学校現場の大好きな先生たち、教職員の方たちです。そういった方たちが精神疾患ということで休職となることは、非常に残念なことであります。
 そこで、多くの予防対策を実施しているとは思いますけれども、精神疾患で休職した教員が職場復帰する際にどのような支援をしているか。また、現在職場復帰を目指している教員に対してどのような支援を行っているか、あわせて伺います。

○谷島福利厚生部長 職場復帰訓練は、休職者が職場に復帰するプロセスとして有効な対策でございます。これまでメンタルヘルスに実績のある社団法人東京都教職員互助会に委託し、実施してきたところでございます。
 しかし、訓練の終了判定が医師の判断のみになっていること、区市町村教育委員会や学校長との連携が図りにくいことなどの課題が生じていたため、本年五月に、全国で初めて教育委員会が直接管理運営するリワークプラザ東京を設置し、再休職の予防も念頭に置いて、より強力に職場復帰訓練を実施することといたしました。リワークプラザ東京では、精神科医が訓練の開始時及び終了時に面接を行い、臨床心理士と校長OB等による復職アドバイザーが学校を訪問して、個人に応じたプログラムの作成や複数回の授業観察を行うなど、職場復帰に向けてきめ細かく支援を行っております。
 なお、訓練は休職中に実施するため、公務災害等の対象とならないので、訓練中の事故等に備えて民間保険への加入を公費負担とする支援も行っているところでございます。

○栗林委員 ありがとうございます。都が教職員のメンタルヘルス対策を主要施策と位置づけて、全国に先駆けたリワークプラザ東京ですか、職場復帰訓練機関を新設するなど、本当に取り組みに大いに期待するところであります。
 また、本人にとり教壇に立つことが困難と判断された場合などは、考慮できる体制も重要ですけれども、不安定な復帰はまた本人にとっても、生徒、児童にとってもよくないことではないかと思います。きめ細かな対応を要望し、次の質問に移ります。
 最後になりますが、学校問題解決サポートセンターに関することから何点か伺います。
 先ほどのメンタルヘルスにも関係することでございますけれども、本来、学校の先生は一〇〇%の力を、学校現場の主役である児童生徒と向き合い、そこに発揮できるようでなければならないと思います。ところが、子どもたちに向かう時間がどんどん削られています。煩雑な事務処理や、また授業以外の対応などが増大しているからであります。
 その大きな原因の一つに、学校に対する保護者から等の理不尽な要求への対応も挙げられるのではないかと思います。私たち都議会公明党は、これまでも子どもたちの適切な教育環境を確保するために、学校に対する保護者等からの要求のうち理不尽なものには、公正中立の立場で、よりよい解決ができるような仕組みづくりというものを提案してまいりました。これを受けて都教育委員会は、昨年、平成二十一年五月に、解決困難な案件の対応のために、行政書士、弁護士、医師、警察OBなどの専門家並びに保護者の代表等を活用した学校問題解決サポートセンター、これを設置して、公平中立な立場で学校への指導、助言、保護者への助言を行ったり、双方の解決策を提示したりするシステムを構築いたしました。
 このサポーターセンターでは、子どもたちにとって何が一番大切か、大事かを考え、公平中立な立場で相談に応じていると聞いております。そうしたことは、日々学校現場で頑張っていらっしゃる校長先生や教員にとっても力強い支援になるとともに、最終的には子どもたちの健やかな成長を図る上で大切な役割を果たしていると思います。
 そこで、質問させていただきますが、決算の説明書の中の八九ページの指導研修費、四十三番に出てきますけれども、学校問題解決事業について三点伺います。
 平成二十一年度、この学校問題解決サポートセンターに寄せられた相談者別の相談件数と、その主な内容はどのようなものだったか伺います。

○高野指導部長 都教育委員会は、多様化する保護者や地域住民の要望への対応など、学校のみでは解決困難な問題に対しまして、公平中立な立場でその解決に資することは重要であると考えておりまして、お話のように、平成二十一年五月に学校問題解決サポートセンターを設置したところでございます。
 昨年度サポートセンターに寄せられました相談は二百四件でございます。その相談者別内訳についてでございますが、保護者からの案件が百二十二件、学校からが二十二件、区市町村教育委員会が十九件、地域の方々が六件、その他都外の教育関係者や一般市民などが三十五件でございました。
 また、相談の主な内容についてでございます。児童生徒への相談、指導にかかわる学校の対応への不満に関する案件が百七件、児童生徒同士のトラブルから学校への苦情に発展したケースが十四件、部活動、学校行事などに関する苦情が四件、そして放課後、休日の学校外での児童生徒の行動に対する苦情が二件、施設設備等に関する保護者、近隣の住民からの苦情が一件、その他、都内公立学校以外からの相談や学校問題以外の相談など七十六件でございました。

○栗林委員 また、これらの相談の中には、学校や区市町村教育委員会ではなかなか解決のできない相談もあると聞いております。現場の区市町村教育委員会は、指導主事さんたちが担当校を毎日夜遅い時間まで駆けずり回られて、現場の対応をしていただいていることには本当に感謝しているところでございますが、まだまだその中では、難問といわれるような問題も多いと聞いております。その際、学校問題解決サポートセンターでは、専門家で構成するケース会議を開いているようです。さまざまな角度から解決策を講じていると聞いております。昨年度、ケース会議にかかわる専門家等はサポートセンターに何人いたのか、またケース会議を実施した相談件数は何件あったか伺います。

○高野指導部長 昨年度の学校問題解決サポートセンターにかかわる専門家等についてでございます。合計十四名でございまして、その内訳は、弁護士三名、精神科医三名、行政書士二名、臨床心理士一名、警察OB一名、民生児童委員の代表三名、保護者の代表一名でございました。
 サポートセンターに寄せられる相談についてでございますが、経験豊かな校長OBや指導主事などサポートセンターの職員が相談を受けまして、案件によっては専門家等から助言を受けながら回答しているところでございます。このうち、サポートセンターが解決困難と判断した案件についてでございますが、当事者の合意を得て、専門家などで構成するケース会議において、当事者双方の意見を聞きながら解決策を協議しているところでございまして、昨年度ケース会議を行った事例は三件でございます。

○栗林委員 かなりの実績といいますか、相談内容も多岐にわたり、ふえていると思うんですけれども、昨年五月からことし三月までに多くの相談が寄せられ、解決に向けてのサポートセンターがその役割を果たしていることは高く評価したいと思います。
 昨年度の相談者の内訳では、保護者からの相談が最も多くありましたけれども、やはりこのサポートセンターは、学校の校長、教員、学校現場で抱えている問題を直接受けられるというか、サポートしますという、その難問解決に対してのサポート相談であっていただきたいということからも、もう少し学校現場への周知徹底も必要なのかなと思います。学校から早い段階で相談できるように、教員が安心して子どもたちの教育に専念できるようにしていくことが重要です。
 また、教員だけではなく、事務職員とか学校の職員にも、このサポートセンターの取り組み、また相談方法について情報提供を行い、学校の初期対応力、早い段階で問題を解決する、そういう能力を向上させる取り組みも必要と考えます。そこで、昨年度の相談業務以外の学校問題解決サポートセンターの取り組みについて伺います。

○高野指導部長 学校問題解決サポートセンターでは、学校への苦情の現状と課題などに関しまして、学校の全管理職を対象とした弁護士等の専門家による講演会を年三回、さらには個々の案件に対応いたしました管理職対象の個別相談会、これを三回実施したほか、行政系の職員を対象とした研修会を一回実施したところでございます。また、学校経営支援センターや区市町村教育委員会主催の講演会などに講師を派遣するなどして、学校を支援してきたところでございます。
 都教育委員会は、教員や事務職員が保護者、地域住民などからの理不尽な要求などによる問題発生の未然防止を図るため、サポートセンターに寄せられた相談事例を踏まえた具体的な対応方策を示しました学校問題解決のための手引、これを本年三月に作成いたしまして、公立学校の全教員に一冊ずつ配布するとともに、事務職員にも各学校に一冊ずつ配布したところでございます。今後ともサポートセンターを推進するとともに、小学校から高校まですべての公立学校の学級担任などの教員を対象といたしました外部との連携、折衝力向上のための講習会を新たに実施するなどいたしまして、学校問題解決のための手引を活用いたしました教職員の対応能力向上に努めてまいります。

○栗林委員 学校問題解決サポートセンターが十分にその役割を果たしていただいていることはわかりました。しかし本来は、保護者は保護者としての家庭教育を果たすべき役割があり、責任もあります。そして、学校は学校の使命を果たしつつ、そして地域を含めた三者が互いに連携しながら、子どもたちの健やかな成長のために力を注いでいくことが重要であると思います。
 私も、もう二十年ほど前になりますが、三人の息子を公立の小学校、中学校、高校でお世話になり、その時代といいますのは、やはり先生を尊敬するというか、尊重するというか、また先生も威厳を持って保護者に対してもしかるというか、おたくのお子さんのしつけはなっていないとか、ストレートにご意見をいただいたり、そういう意見を真摯に受けとめたり、また、先生がちょっと問題があるような状況であっても、保護者がみんなで先生を支えていきますから頑張ってくださいという、学校、教員と保護者と地域、これがバランスよく、子どもたちのために学校経営に協力しますという時代でありました。どうも何かそのような雰囲気は、今はどんどん失われつつあるということを聞いておりますけれども、でもやはり学校長、また教員が子どもたちのために威厳を持って取り組んでいく姿勢も大変重要ではないかと思います。
 一昨日ですか、文科省が全国の公立小中学校のクラスの上限を三十五人との計画を出されたという発表がございました。私どもも少人数学級というものを推進しておりましたので、高く評価するところでございますけれども、先生の目が少人数だと行き届くということから、いじめ、不登校を防止したり、また学力向上ということにつながるということで期待するものでありますが、しかし専門家の調査では、少人数学級の方が学力が上という結果が出ていないという、そういう報告もございました。
 結局、何が大事かといいますと、学級運営を成功するかどうかは、教員の質というところでございます。やはり皆様の、学校問題解決サポートセンター等々、またメンタルケア、こういったものをより積極的に推進をしていただきながら、教員の皆様が一〇〇%子どもたちに向き合える時間を確保して、よりよい学級、学校経営が図られますよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○大島委員 大島です。本当に忙しい中、たくさんの資料要求をいたしまして、それにこたえてくださってありがとうございます。この資料を使いながら、きょうは質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、学校のクーラーの設置の問題なんです。このところ気候が不順で、きのうは冬のような寒さということでしたが、ほんの少し前までは、もう本当に猛暑が続いていたと。この数カ月というか、何カ月かの間にこんなにも違うのかとびっくりするくらいなんですね。
 ことしは、観測史上最も暑い夏だといわれました。こうした中で、緊急を要する課題として都内の小中学校の普通教室の冷房化という問題があります。クーラーのない学校では、教室の窓をあけ放して扇風機四台回しても気温が三十七度となって、体調を崩す子どもさんも出たという、こんな事態を聞いております。こうした状態は、ことしの夏で終わるわけではありません。児童生徒の命と健康を守る上で、小中学校の普通教室の冷房化というのは、もう待ったなしです。
 このいただいた資料の八ページを見ますと、区市町村立小中学校普通教室の冷房施設設置状況、ここで区立の小中学校は九五%なのに対して、市町村立の小中学校は一七・六%と大変低いという状況がわかります。例えば八王子で聞いた話なんですが、八王子は小学校が七十校、中学校が三十八校あるんですが、普通教室にエアコンが設置されているのは五校だけで、うち四校は米軍横田基地の騒音対策で窓を閉め切るための設置だと。八王子の教育委員会は、普通教室は全部で千五百教室あり、一教室百万円としたら十五億円かかる、耐震補強も進めなければならず財政が大変だ、こういっています。八王子市では中学校の特別教室にはエアコンを設置していますが、小学校も順次入れたいというふうに考えているということです。暑さ対策を苦労しながら前進させているという様子がよくわかりました。また、ある市長さんからも、エアコンを設置すれば耐震化がおくれてしまう、財政状況が非常に悩ましいんだと、こういう声も上がっています。
 どの自治体も必要性を認識しながら、財政的な理由で設置が進まないわけで、都として、このような教育条件の格差を放置していいのだろうかと思います。どの自治体もそういう財政的な理由で設置が進まないんですけど、都としてこのような教育条件の格差についてどう認識しているのか、お伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 公立学校の施設設備の整備は、学校の設置者が行うこととなっておりまして、公立小中学校へのクーラーの設置につきましても、各区市町村において地域の実情、特性を踏まえ、それぞれの考え方に基づき対応しているものと考えております。

○大島委員 私は、教育条件の格差について都としての認識を聞いているんですね。今お答えいただいたのは、実際に各市町村ごとの設置者が行うのだからというお答えなんですけれども、この格差の認識というのについてはいかがでしょうか。

○松山地域教育支援部長 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、各区市町村が地域の実情、特性を踏まえ、それぞれの考え方に基づき対応しているものでございます。各区市町村の予算の編成に当たりましては、区市町村議会の議決を得て決定されているものでございます。

○大島委員 今のお答えも本当、当然だと思うんですけど、東京都というのは、広域行政を扱っているわけですよね。その中に幾つもの自治体があって、そこではそれぞれ予算をつくり、財政状況を見ながらやっていると、それはわかるんですけど、区と市町村の間のこの格差というのについてどう考えているのかというふうに、どう認識しているのかということを聞いているんですから、そこをお答えいただきたいんですが。

○松山地域教育支援部長 繰り返しになりましてまことに恐縮でございますけれども、公立学校の施設設備の整備は学校の設置者が行うこととなっておりまして、各区市町村が地域の実情、特性を踏まえたその判断の結果が、このような結果になっているものと考えております。

○大島委員 各自治体が、各区市町村が悪いんだというように聞こえちゃうんですよね、どうもそういうふうに思うと。東京全体の教育行政を扱う東京都の教育委員会として、この格差をどう考えているんだというふうに、私、何回も同じこと聞いているんですけど、その点お答えいただいていないと思うんですけど、もう一度お願いします。

○松山地域教育支援部長 学校教育法によりますと、学校の施設の管理につきましては設置者が行うということになっておりまして、また財政問題につきましては、東京都としていろいろな仕組みがございますから、その結果、このような結果になっている面もあろうかと思いますけれども、教育委員会の立場としては、設置者が地域の実情、特性を踏まえ、それぞれの考え方に基づき対応しているものというふうに考えております。

○大島委員 何回聞いても同じ答えしか返ってこないんだけれども、東京都にもいろんな仕組みがあるけれども、その結果、このような結果になっているんだというので、その辺は少し自覚していらっしゃるのかなというふうに思いまして、次に移ります。
 私は、三定の代表質問でこの問題を取り上げまして、多摩地域のおくれの原因を緊急に明らかにして、必要な対策を検討するように求めました。これに対して大原教育長は、現在、国及び都におきまして公立学校の空調設備の設置状況等を調査中で、これらの調査の分析結果等を踏まえ検討していくと答えました。この調査の進捗状況について伺います。

○松山地域教育支援部長 先般、国及び都におきまして公立学校の空調設備の設置状況等を調査したところでございまして、現在、内容の精査、分析中でございます。

○大島委員 調査し分析をして、そしてその結果を見て、ぜひ検討していただきたいんですよ。検討もですね、先ほどもご答弁ありましたように、都のさまざまな仕組みの中で、こういった財政状況も含めていろいろ対応できると、そしてそれが結果を出すんだというような、そういうところでぜひ検討は前向きに進めていただきたいというふうに思っております。
 次に、先日、知的障害者の特別支援学校のPTA連合会の加盟各校の方から個別の要請が届けられたんですが、この中で特別教室、体育館にはクーラーが設置されていないために、夏場は四十度近くなって授業どころじゃない。夏場の体育館使用の際は、近隣からの騒音苦情への配慮から窓の開放を最小限にしている。体温調節の難しい子どももいる。こうした実態をどう把握しているのか伺います。そしてあわせて、こうした障害を持つ子どもたちの学ぶ環境をよくするためにも、早急にクーラー設置をすべきと思いますが、見解を伺います。

○前田特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校では、平成十七年度に普通教室を全校冷房化したほか、音楽室や視聴覚室、コンピューター室、図書室など気密性を要する特別教室、さらに自立活動のための訓練室や生活訓練室については、既に冷房化を行っております。また、肢体不自由特別支援学校では、体温調節機能が低く、外界の温度変化の影響を受けやすい児童生徒が多く在籍していることから、体育館についても平成二十一年度末までに全校を冷房化しております。このように、都立特別支援学校では障害の特性等に応じた必要な冷房化について計画的に進めているところでございます。

○大島委員 今、肢体不自由の特別支援学校では二十一年度末までに全校冷房化したというお話なんですけど、自閉症児などでは皮膚感覚が非常に敏感な子どももいるということも聞いたんです。肢体不自由の子どもだけじゃなくて、知的障害を持っている子どもの中には、重複障害のお子さんもいらっしゃいますので、ぜひ肢体不自由児と同様に知的障害の特別支援学校にもクーラーの設置を進めていただきたい。ぜひ検討していただきたいと思います。
 次に、学校の耐震化の問題についてお聞きします。
 公立の小中学校及び幼稚園の耐震化事業推進のための支援事業の執行率を見てみますと、四八・四%と大変低くなっています。三月に減額補正も行っておりますが、国の工事費単価が引き上げられ、実勢単価に近づいたためだというふうに伺っています。二十一年度中の耐震診断の実施率と耐震化率はそれぞれどの程度前進したのか、区と市町村別にお伺いいたします。

○松山地域教育支援部長 平成二十二年四月一日現在、都内公立小中学校の耐震診断実施率は九九・六%と対前年度比で〇・六ポイントの増、耐震化率は八八・四%と対前年度比で五・八ポイントの増となっております。また、公立幼稚園の耐震診断実施率は九七・五%と対前年度比で三・五ポイントの増、耐震化率は九三・七%と対前年度比で九ポイントの増となっておりまして、耐震化は着実に進んでおります。
 なお、区と市部の分けにつきましては、後ほどお答えさせていただきたいと思います。

○大島委員 全体として前進はしているというふうに理解をいたしました。二十四年度末までに一〇〇%という目標を持っているというふうに聞いております。ぜひそういう意味では、地震というのはいつ起こるかわかりませんので、早期達成に向けてぜひよろしくお願いをいたします。じゃ、先ほどの区市町村別のやつは後でお願いします。
 この問題では、当初予算四十三億円余に対して、補正で三十四億円余を減額し、今回の不用額五億円余を加えると、当初予算より三十九億円余ったということになります。これを見るとですね、およそ一割しか必要なかったのかなということになるんですが、来年度以降も国が実勢単価に近づけるということでしたら、都の予算措置をした財源は学校施設の老朽化に伴う改築や改修に補助をするなど、教育条件の整備に有効に使っていただきたいと思います。
 都の耐震化の補助については、Is値の〇・三から〇・七未満の建物に対してもIs値〇・三未満の建物と同様の補助を行うことや、耐震化工事と同時に実施する関連工事で国庫補助の対象とならない工事についても都独自に補助対象にするなど、制度の拡充を行う考えはないか、お伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 公立小中学校の施設整備は、学校設置者である区市町村が主体的、計画的に行うものでございますが、耐震化につきましては、その緊急性、重要性にかんがみ、都では特段の財政支援を行っております。Is値〇・三未満の建物につきましては、国庫補助対象経費から国庫補助及び起債可能額を除いた設置者負担分を補助しており、さらにIs値〇・三未満の建物につきましては、国庫補助単価と実工事費単価の差額を補助しております。このほか建築技術職員の確保等の人的支援も実施するなど、既に十分な支援措置を講じておりまして、これ以上の制度の拡充を行う考えはございません。

○大島委員 今の答弁のちょっと--Is値〇・七未満の建物じゃないかなと思うんですが。

○松山地域教育支援部長 先ほど補助制度の説明について読み間違いをしまして、申しわけございません。
 Is値〇・七未満の建物につきましては、国庫補助対象経費から国庫補助及び起債可能額を除いた設置者負担分を補助しておりまして、さらにIs値〇・三未満の建物につきましては、国庫補助単価と実工事費単価の差額を補助しているところでございます。失礼いたしました。

○大島委員 耐震化促進の重要性というのを認めて、国に国庫補助算定の割合のかさ上げ措置を、Is値で〇・三以上の建物と同様にするということをぜひ要望していただきたいと思うんですね。で、国が実施するまでの間、都独自でも補助の対象を引き上げるということもぜひ検討していただきたいというふうに思います。これは要望しておきます。
 次に、小中学校の校舎は築四十年前後を経過したものが多くて、冷房化だけでなくて耐震化や大規模改修、改築、さらにはバリアフリー化やIT化、こういったさまざまな対応が今求められています。改築や改修、小規模なバリアフリー工事などに対する都の補助制度を創設していただくという考えはないか、お伺いをいたします。

○松山地域教育支援部長 先ほど来、同じようなお答えになって恐縮でございますけれども、公立小中学校の施設整備は、学校設置者である区市町村の権限と責任において行われるべきものでございます。学校施設の改築、改修及び小規模なバリアフリー工事等につきましては、区市町村が主体的、計画的に行うものでございまして、都が補助制度を創設する考えはございません。

○大島委員 多摩格差というかね、そういうのがやっぱり今いろんなところで起きているんですね。やらなきゃならないことはたくさんあるんだけれども、財政力の問題でなかなか思うようにいかないと。でも、こういうものを早く進めてもらうためにも、やっぱり私は、補助制度というか何らかの仕組みを都につくっていただきたいなというふうに思っています。
 都立学校の方の耐震化率なんですけれども、これは二〇一〇年の四月現在で九九・四%とお聞きしました。残された学校というのは、あと何校、何棟ぐらいあるのか、またいつまでに一〇〇%になるのかお聞きします。

○直原都立学校教育部長 都教育委員会では、都立学校の耐震化につきまして、これまで体育館や部室棟などを含め、常時生徒が利用する全施設について計画的に整備を進めてまいりました。その結果、都立特別支援学校は平成二十一年度末で全校の耐震化が既に完了し、都立高校においては、平成二十二年度中に実施する五校十棟をもってすべて完了する予定でございます。

○大島委員 今年度末ではもう一〇〇%ということですから、本当にこういう問題については手厚くしていくということが必要だというふうに思います。
 次に、都立学校の施設整備費の問題についてお伺いをいたします。
 このいただいた資料を見ますと、都立高校の二〇〇九年度決算額というのが百三十四億四千九百万円で、執行率は七三・八%になります。不用額は三十六億四千六百万円にもなるんですね。さらに、二〇〇九年度は二十八億三千六百六十八万一千円の減額補正を行った上での執行率なので、この減額前の当初予算を見ますと、執行率は六三・九%に換算するとなるんですね。また、特別支援学校についても二〇〇九年度決算では九十五億八千九百万円で、執行率は八六・三%となっておりますが、不用額が十五億二千二百万円になります。ここでも七億四千三百三十一万九千円の減額補正を行っているということで、減額前の当初予算で見ますと、執行率は八〇・九%となります。こうして執行率が低かった理由は何なのか、お伺いをいたします。

○直原都立学校教育部長 施設整備費に不用額が生じた主な理由は、まず、予算額と契約予定額に大きな差が生じたことでございます。これは東京都の厳しい財政状況の中、契約予定額の積算に当たりまして、施設の適正な水準を確保しながら使用材料の精査、工事内容の見直しなどコスト縮減に取り組んでいるためでございます。また、資材価格が下落傾向にあることも要因となっております。さらに、契約予定額と落札金額との差である落札差金が大きかったことも不用額が生じた理由となってございます。

○大島委員 落札差金、契約差金などが非常に多かったというお話ですけれども、都立学校とか特別支援学校からは、各学校から毎年改修要望なんかが出されているというふうに聞くんです。改築事業とか大規模改修事業など、こういう事業で生じた不用額、この不用額を増改修の事業に充てて、こうした要望を前倒しで実施できないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○直原都立学校教育部長 都立学校の施設整備費は、老朽改築事業、大規模改修事業や増改修事業など事業ごとに予算を措置し、執行管理を行っております。そのため、老朽改築事業や大規模改修事業で不用額が生じたとしても、それを増改修事業に用いることは原則できないこととされており、生徒の安全にかかわるものなど緊急に対応すべき事案について、財政当局と協議の上、例外的に認められているところでございます。
 また、学校の増改修事業は、教育活動への影響の少ない夏休みを中心に工事を行っており、仮に年度途中で他事業で生じた不用額を用いて予算を措置しても、工事の実施時期が限定されるため、執行することは困難でございます。

○大島委員 不用額を他に流用するということについては原則できないということなんですけれども、それでもですね、必要なときは財政当局と協議の上で例外的に認められるというお話ですから、こうした不用額をそのまま不用額として決算で出してしまうというよりも、できるだけ活用するということが必要じゃないかと思うんですね。
 そして、確かに学校の工事というのは、長い期間かかるものについては夏休みなどの長期のお休みのときを利用してやっているというのが普通なんでしょうけれども、それでも、それよりももうちょっと小さ目の改造、改修工事などについては、冬休みとか春休みとかの一週間とか二週間ぐらいの間でどうにか工夫すれば、やりくりすればできるという、そういう事業もあるわけですよね。ですから、各年度ごとにこういう事業をやっていこう、こういう改修をやっていこうということを多分教育委員会の中ではもう決めているんだと思うんですけど、そういった中でも、夏とかだけじゃなくて春とか冬休みの間にやれるようなものがあれば、その前の年に前倒ししてやってもらえたら、非常に助かるんじゃないかなというふうに私は思います。ぜひそういった要求にもこたえていただきたいというふうに思います。
 次に、スクールカウンセラー、それからスクールソーシャルワーカーについてお聞きいたします。
 東京都は、一九九五年度から国の委託事業として学校におけるカウンセリング等の機能の充実や、いじめや不登校などの問題行動の未然防止のためにスクールカウンセラー、これを配置してまいりました。二〇〇三年度から都内の公立中学校全校と高校三十校に配置がされ、二〇一〇年度では公立小学校百三十二校、公立の全中学校六百三十五校、高等学校六十校に配置されたと聞いています。その効果はどのようにあらわれているのか、お聞きいたします。

○高野指導部長 スクールカウンセラーの配置校からは、校内の教育相談体制が構築され、配慮の必要な児童生徒への対応ができるようになった、あるいはスクールカウンセラーからの助言などによりまして教員の教育相談技術が向上した、あるいは保護者への対応が充実し、学校に対する信頼感が高まったなどの報告がございまして、学校内の教育相談体制等の充実に効果を上げていると評価してございます。

○大島委員 東京都の公立小中学校、それから高校、特別支援学校、これを対象とした児童生徒の問題行動等の実態調査結果というのがあるんですね。私もホームページ見まして、それがわかったんですけれども、学校内での専門的な相談というのは、スクールカウンセラー、相談員等が受けているということで、不登校については、二〇〇九年度から地域を指定して登校支援員の派遣が始まった。それから、登校支援員が配置された学校では、不登校児童生徒の出現率が低下するなどの効果も上がっていると。スクールカウンセラーとか登校支援員、この配置を希望する学校というのはどのくらいあるんでしょうか。

○高野指導部長 公立小中学校へのスクールカウンセラー及び登校支援員の配置につきましては、いずれも区市町村教育委員会の意向を踏まえて行っておりまして、直接学校から希望を受けるものではございません。都立高校につきましては、平成二十二年度向けにスクールカウンセラーの配置を希望した学校数は百六十三校でございました。

○大島委員 小中学校は直接学校から受けていないからわからないという部分なんでしょうけれども、この平成二十一年度における児童生徒の問題行動等の実態についてというのでかなり詳しく分析がされて、発表されているんですね。ことしの九月にこれは発表されたんですけれども、これを見ると、東京都の公立学校、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、これを対象として、暴力、いじめ、不登校、高校における長期欠席者、高校等における中途退学者、この実態把握のための調査だったと。こうした問題解決のために、東京都の教育委員会がどのように対応したかというのも書かれているんですね。いずれも、スクールカウンセラー等の配置による効果が上がっているということを示しています。
 また、いじめに対する日常の取り組みでも、高等学校ではスクールカウンセラー、それから相談員、養護教諭、これを積極的に活用して相談に当たったとか、不登校についても、学校内の専門的な相談については小学校も中学校もスクールカウンセラー、相談員による専門的な相談を受けたというのが最も多くなっています。また、二〇〇九年度より登校支援員の活用事業も地域を指定して行ったということです。
 こうした成果を受けて、まだ全校配置されていない公立の小学校や定時制高校を含む高校へのスクールカウンセラーの派遣、それから登校支援員の派遣、これをふやす必要があると思うんですが、教育委員会の見解を伺います。

○高野指導部長 スクールカウンセラーの配置校拡大についてでございますけれども、この件につきましては、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
 また、登校支援員の制度は都独自の制度でございますけれども、この事業につきましても、事業実施の成果と課題をまとめる中で適切に判断してまいりたいと考えております。

○大島委員 スクールカウンセラーの配置による効果は大変大きいということがこの調査結果の中でも示されています。ぜひ配置の拡大をお願いしたいと思います。また、中学校は現在週一回ですけれども、回数をふやしてほしい、こういう要望にもぜひこたえていっていただきたいと思います。
 次に、児童生徒の問題行動等に対応するため、教育分野に対する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を用いて、児童生徒が置かれた環境への働きかけ、関係機関等とのネットワークを活用し支援する専門家としてのスクールソーシャルワーカーという方がいます。東京都も、二〇〇八年度から文科省の事業としてのスクールソーシャルワーカー活用事業というのを活用して配置をしてきました。二〇〇九年度は国の補助事業となりましたが、この事業に対する都の認識を伺います。

○高野指導部長 スクールソーシャルワーカーは、児童虐待を初めいじめや不登校など、児童生徒の問題行動へ対応するために、教育分野に関する知識に加えまして、社会福祉などの専門的な知識や技術を用いて、児童生徒が置かれたさまざまな環境へ働きかけを行うとともに、関係機関等とのネットワークを活用し支援を行う専門家のことでございます。
 不登校、いじめ、暴力行為、児童虐待などの児童生徒の健全育成上の問題の背景には家庭環境が影響している場合もあることから、学校が関係機関とのネットワークを構築し、これらの問題に対応していく上で、スクールソーシャルワーカーの果たす役割は大きいと認識してございます。

○大島委員 二年間実施してきましたけれども、その効果は非常に大きかったのかなというふうに思います。また、実施主体は区市町村ですけれども、配置を希望する学校や自治体はどの程度あるんでしょうか。

○高野指導部長 スクールソーシャルワーカー活用事業の実施地区からは、学校と関係機関等との連携の中で、児童虐待や児童生徒の問題行動の未然防止、早期発見、早期対応が図られた、また、保護者、教職員に対する支援、相談、情報提供などによりまして組織的な対応につながったなど、児童生徒の健全育成上の課題解決に成果を上げているとの報告を受けているところでございます。
 スクールソーシャルワーカーの配置希望につきましては、学校から直接受けることはないわけでございますが、平成二十二年度向けの配置に当たっては、二十四の市町村から希望が出されまして、配置を希望したすべての自治体を配置地区といたしました。

○大島委員 今、二十四市町村といったんですけど、区は入っていないんですか。

○高野指導部長 失礼いたしました。二十四区市町から希望が出されまして、配置を希望したすべての自治体を配置地区といたしました。

○大島委員 平成二十年度は国の十分の十の事業でしたが、平成二十一年度から国が三分の一、都が三分の二で、区市町村の負担はゼロでした。ところが、平成二十二年度からは国が六分の一、都が三分の一、区市町村が二分の一ということで、区市町村に再委託をするということから補助事業という形になったわけなんですね。国から来るお金が減って、区市町村の負担がふえるということになったわけです。
 こうなるとですね、先ほどから何回もいっていますけど、区市町村の財政状況によっては、導入したくても導入できない、効果があることはわかっていても導入できない、こんな状況が生まれてくるというふうに思います。国に補助率アップ、これをぜひ要望していただきたいと思いますが、それととともに都としても補助率を上げるように、ぜひご検討いただきたいと思います。
 国の制度としては、小中学校に限らず、高校や特別支援学校も対象となっているんですね。スクールソーシャルワーカーを都立学校にもぜひ配置すべきではないかと思いますが、その見解を伺います。

○高野指導部長 都教育委員会は、国のスクールソーシャルワーカー活用事業実施要綱に基づきまして、東京都スクールソーシャルワーカー活用事業実施要綱を定めておりまして、事業の実施主体を区市町村教育委員会と定めているところでございます。したがいまして、小中学校を対象として配置を継続していく考えでございます

○大島委員 この実施要領なんですけど、これ都教委が決めたんですよね。だから、都教委が実施要領を変更すれば都立学校に配置することはできるわけです。
 以前、都立の定時制高校の方からお聞きした話なんですけれども、親御さんに精神疾患があったり、また保険証を持っていない生徒がいる。家庭環境が大変な生徒の話もたくさん聞きました。生徒本人を励ますだけでなく、家庭全体を支援する必要があるけれども、高校生の場合、学区域もないわけですよね。それから住んでいる自治体もまちまちなので、教員だけの力で解決するのはなかなか難しいということでした。高校生といってもまだ子どもですから、手厚い支援が必要だと思います。都立高校へのソーシャルワーカーの配置について、ぜひご検討をいただきたいと思います。
 次に、学校図書館の司書配置について伺います。
 十年前までは都立高校の学校図書館は、全日制、定時制それぞれに学校司書を一名配置するなど、学校図書館教育については全国一の水準を誇っていました。その後、二〇〇二年には定数が削減され、全日制と定時制の併置校では司書が一名になるなどと後退をしました。学校における学校図書館及びそこに勤務する司書の役割についてどのように認識をしているのか、お伺いいたします。

○庄司総務部長 都立学校図書館は、図書等を収集、保存し、生徒や教員に提供することによって、教育課程の展開や生徒の健全育成に資する設備として重要であると認識しております。各都立学校図書館においては、司書教諭を中心とした全職員の協力体制のもと、生徒の主体的な読書活動の充実を進めており、司書についてもその協力体制の中で、積極的にそれらの活動に取り組まれているものと認識しております。

○大島委員 学校司書というのは、授業や特別活動への支援、それから予算の計画的な執行による図書館の充実、常に教職員との密接な連携の中でこういった活動が行われています。生徒をよく知っている、それから図書館の資料を熟知している、学校の教育方針を理解し、教員と十分なコミュニケーションを行うことによって、生徒の教育活動を支援することができます。個人情報の管理や個々の生徒への教育的な配慮も欠かせません。
 都立学校の学校図書館には、現在、学校司書を一名配置しておりますが、いただいた資料を見ますと、二〇〇九年度で百九十三人、二〇一〇年度は百七十九人となっています。この減少した理由は一体どこにあるんでしょうか。それから、学校司書の欠員校というのはあるんでしょうか、お伺いをいたします。

○庄司総務部長 いわゆる団塊の世代が退職年度を迎えたことによる退職者数の増加に伴うものでございます。平成二十二年度については、再雇用更新の辞退や年度途中退職があったために、再雇用職員や臨時職員の活用などにより、図書館運営に支障のないよう対応しているところでございます。

○大島委員 学校職員は正規職員ですけれども、再任用、それから再雇用職員もいる、それから勤務日数とか勤務時間の関係で臨時職員も配置されていると。常勤雇用の学校司書というのを採用すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○庄司総務部長 都の再任用制度の基本的な考え方は、団塊の世代が退職を迎え、若年労働者層が減少していく中で、都の組織活力を維持していくために、退職職員の知識、経験を即戦力として活用することにより、都民サービスの向上など行政の効率的運営を図ることでございます。
 都立学校司書においても同様に、退職職員の知識、経験を活用することで質の高いサービスを提供できることから、再任用職員を今後も積極的に活用していきたいと考えております。

○大島委員 常勤雇用の新規採用というのは行っているんですか。

○庄司総務部長 お答えします。
 都立学校図書館の運営におきましては、再任用職員と臨時職員を組み合わせるなどして、今後とも支障のないように対応してまいりたいと考えております。

○大島委員 そうすると、新規採用はしていないということですね。

○庄司総務部長 お答えします。繰り返しになりますが、都立学校図書館の運営におきましては、再任用職員と臨時職員を組み合わせるなどして、今後とも支障のないように対応してまいります。現在は採用しておりません。

○大島委員 再任用の方を当てにしているというかね、そうなると実際に欠員なんかを生じてしまうおそれがあるわけですよね。計画的にこうした図書館司書を育成するとか専門性の継承、こういったことも必要なんですね。ですから、ぜひ、退職職員の知識、経験を活用して質の高いサービスが提供できるというんですけど、やっぱり新規で採用して、こういう新しい人たち、次の世代を担う人たちを育成していくということも、東京都としては非常に重要な役割を果たさなきゃいけないというふうに思うんですね。ですからぜひ新規採用をしていただきたいというふうに思います。
 小中学校の図書館への司書配置については、都として把握していないということなんですけれども、司書教諭は何人配置されているんでしょうか。

○岡崎人事部長 区市町村立学校の図書館につきましては、設置者の判断に基づき適切に運営されているものと理解しております。平成二十二年度に司書教諭として発令されている者は、小学校で一千三百十六名、中学校で四百二十一名でございます。学校図書館法の規定によりまして、配置が義務づけられております十二学級以上の学校における司書教諭の配置率は九八・四%となってございます。

○大島委員 司書教諭の配置率九八・四%ということは、一〇〇%じゃないということですよね。その辺の対応というのもぜひ考えていただきたいというふうに思うんですね。
 この小中学校の図書館の司書の配置の問題では、各自治体でも取り組んでいるんですね。私は足立区なんですけれども、足立などでも中学校への司書配置を始めたいということで、中学校十校に図書館の司書を配置したんですね。それで、一日当たり図書館を訪れる子どもたちが十人から十五人程度ふえてきているとか、それから今まで閉まっていた図書館があくようになったとか、子どもたちが毎日来るようになったとか。それで、全くあけていない学校がなくなったとか、一週間に一度だけあけていない学校もあったんですけれども、それもなくなったとか、お昼休みだけとか夕方だけとか、そんな感じもたくさんあったんですけれども、ここもあくようになったとか、非常にいい効果が出ているんですね。ぜひそういう意味で、実態の把握というのはしていただきたいなというふうに思っています。
 各学校において、教育課程の指導の重点に読書活動というのを位置づけまして、読書指導計画を策定するということを各区市町村に働きかけています。計画策定と同時に、計画の具体化のために学校図書室の司書配置は必要だと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○高野指導部長 読書指導計画の具体化につきましてでございますけれども、このことにつきましては、小中学校の設置者でございます各区市町村教育委員会がその責任と権限で行うものと理解してございます。

○大島委員 各区市町村の自主性とか自立性というのを尊重するというのは非常にいいことなんですけれども、東京都の担う責任というかね、役割も大きいというふうに思っているんです。
 二〇〇九年の三月に、第二次東京都子ども読書活動推進計画というのが発表されました。これは二〇一三年度までに各年代の未読率、一カ月に一冊も読まないというね、そういう子どもたちを半減させようという目的、目標を掲げているんです。そのために、小中学校に読書指南役という役割を担う人が必要だというふうにしておりまして、こうした役割を果たさせる人の確保のために、小中学校への支援を検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○松山地域教育支援部長 第二次東京都子ども読書活動推進計画で提言いたしました読書指南役は、児童生徒の興味、関心に応じた本を紹介することを通じまして、すべての児童生徒が主体的に読書に取り組む姿勢をはぐくむことを目的としたものでございます。その役割は、それぞれの学校の状況に応じて、司書教諭、学校司書、学校図書館指導員、地域のボランティアなどが担うことを想定しております。都教育委員会では今年度、読書指南役のモデル事業を小学校三校、中学校二校、計五校において実施しており、今後この取り組みによって得られたノウハウはテキストにまとめ、すべての小中学校に対して情報提供を行っていくこととしております。
 なお、先ほどお時間をいただきました耐震化のデータ、一応手元に参りましたので、適当なタイミングでお時間をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大島委員 ありがとうございました。子どもの読書活動を推進していく上でも、学校で必要な図書の購入が十分でないというようでは、計画倒れになってしまいます。都立高校の図書購入費の推移を見ますと、この十年で四五%にまで落ち込んでいます。小中学校は各自治体ごとの判断といいますが、この十年間で小学校は一二七%、中学校では一〇四%とふやしています。二〇〇三年度から都立高校では自律経営予算配分ということで、図書購入費をふやすかどうかは各学校長の判断となっています。都が都立高校の蔵書を充実させるためにも、学校図書の購入費の基準を示すことが必要ではないか。また、学校運営予算をふやすことが必要だと考えますが、見解を伺います。

○直原都立学校教育部長 自律経営推進予算は、都教育委員会が積算した総枠の範囲内で各学校が学校経営計画に基づき予算科目の配分を決定することにより、特色ある教育活動、教育の質的向上を図るための制度でございます。この制度により、各学校では図書購入費を含む学校運営予算の編成を自律的に行っているところであり、各学校に図書購入費の基準を示すことは考えておりません。また、図書購入費を含む学校運営予算につきましては、厳しい都財政の状況から、その増額は困難な状況にございます。

○大島委員 都の財政力から見ても、図書購入費の減らし方は異常としかいえません。学校図書館に対する都の姿勢が反映していると思います。学校図書館に本が十分そろっていること、そして調べ学習の充実や児童生徒が本を好きになるためにも、司書がきちんと配置されていることは学校図書館の基本ではないでしょうか。図書購入費の増額と司書の増員を重ねて要望し、質問を終わりますが、先ほどの答弁をお願いいたします。

○松山地域教育支援部長 お時間をいただき、ありがとうございました。
 二十二年四月の、まず耐震診断実施率でございますが、小中学校でございます。区部九九・八%で対前年度で〇・五ポイント増、市町村でございますが、九九・三%で対前年度〇・八ポイントの増でございます。続きまして耐震化率でございますけれども、区部九二・三%で対前年度五・一ポイントの増、市町村でございますが、八二・〇%で対前年度七ポイントの増となってございます。

○柳ヶ瀬委員 手短に質問していきたいと思います。
 先ほど来、栗林先生からも野田先生からも伊藤さんからもありましたけれども、教員の質の確保、これが大事であるといったお話がございました。私も別の観点から、教員の質をどう確保していくかということについて質問してまいりたいと思います。
 これがなぜ今問題になるのかといえば、平成十九年ころから教員の大量退職時代に入って、新人を大量に採用しなければいけない状況になっておると。つまりベテランの先生が一気に減って、新人が大幅にふえるという状況があるわけで、学校の現場としてみれば、トータルに教育を提供していく力が厳しい状況にあるということが想定されるかと思います。
 また、先日の文部科学省の公立学校教職員の人事行政の状況調査では、新人教員の退職が過去最多になったとございました。新規採用教職員は、一年間は条件つき採用ということで、一年の現場を経て正式採用となりますけれども、その正式採用にならなかった人数が全国で三百十七名と過去最多になりました。
 そこで、まずお伺いしますけれども、二十一年度東京都における新規採用教職員で正式に採用されなかった人数、これを教えていただきたい。また、過去の推移についても同様に教えていただきたいと思います。

○岡崎人事部長 平成二十一年度の新規採用教員のうち、採用一年後までに正式採用とならなかった教員数は八十七名で、全体の三%に当たります。このうち、年度途中の自主退職者が五十九名、指導力不足や心身の故障などにより正式採用できなかった者が二十八名となってございます。また、過去において正式採用とならなかった教員数及び全体に占める割合を申し上げますと、平成十七年度二十六名で一・一%、十八年度四十四名で二・一%、十九年度は五十四名で二・八%、二十年度は七十八名で三・〇%となっております。

○柳ヶ瀬委員 今のご答弁からわかるように、平成十七年二十六、それから四十四、五十四、七十八というふうに毎年増加傾向にあるということですね。もちろん、これは新規採用される教員の数そのものがふえているということも影響していると思うんですけれども、この割合として見たら三%ということで、かなり高い割合を維持しておるという結果になっておるのかなというふうに思います。
 八十七名の方が正式に採用にならなかったということですが、この内訳を見ると、自主退職者、先ほど五十九名、正式採用不可の者が二十八名で、その正式採用不可の方の主な理由としては、指導力不足や心身の故障などが理由となっているということでございました。
 そこで、私はこのような状況を見ると、大量に採用された新人教員をどのようにフォローして育てていくか、これが大きな課題であろうというふうに考えます。私も地元で多くのPTAの関係者の皆さんとか保護者の皆さんと話をする機会がありますけれども、特に小学校で、新人教員が担当するクラスが、例えば生徒の統率がとれずに学級崩壊をしているであるとか、保護者と良好な関係がつくれていないとかなどの話をよく耳にします。確かに新人教員というのは、四月一日に採用になって、すぐに四月八日にはもう授業を展開していかなければいけないということは、これは大変なことだなというふうに私は思うんですけれども、かといって、社会人経験のある方がほとんどなのかといったらそうではない、大学を卒業したばかりの方も多いというふうに聞いております。即戦力としてこういった人たちがなるのか、非常に心配であります。そこで、この新人教員に対して現状どのような研修を行っているのか、その点について教えてください。

○高野指導部長 都教育委員会は、新たに東京都公立学校の教員となった者に対しまして、教育公務員特例法第二十三条に基づきまして、教員に求められる基礎的、基本的な資質、能力の定着を図るために、初任者研修実施の手引、また研修テキストを作成いたしまして、初任者研修を実施しているところでございます。
 研修は、教育センターなどにおける研修や宿泊研修などの校外における研修と、各学校で行う校内における研修で構成されているところです。各学校の校長は、初任者の校内における研修に当たっては、年間指導計画を作成するとともに、指導、助言に当たる指導教員を任命いたしまして、組織的、計画的に人材育成に取り組んでいるところです。
 なお、都内公立小中学校の初任者研修につきましては、都教育委員会が作成した初任者研修実施の手引や研修テキストを活用いたしまして、地域の特色を生かしながら各区市教育委員会が実施しているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 今の答弁からわかるとおり、初任者研修というものを行っているということで、こちらの方に、この実施の手引等々読ませていただきました。この中に、校外研修であるとか宿泊研修といったものもあるんですけれども、私が区の教育委員会の方に聞くと、ほとんどがやっぱり夏休み期間にしか時間がとれないということで、夏休みの期間に行っていることが多いようだということを確認しました。
 でも、授業というのは採用されて一週間でしなければいけないという状況があるんですね。私の高校時代の同級生で教員になった人間もいるんですけれども、ちょっと聞いてみますと、やっぱり採用されて最初の一学期目が非常に困難であるというような話をしていました。
 そこで、私は、例えばですけれども、一年目ははっきりと育成をするんだということに目的を絞って、担任を持たずに一年間はサブティーチャーとして、ベテラン教師のもと、例えば学期ごとにその教員の授業をよく見て、何人かの先生のサブティーチャーを経験して実力をつけていただく、そのようなことができないのかなというふうに思うんですけれども、見解を伺いたいと思います。

○岡崎人事部長 新規採用教員すべてに担任を持たせないという委員ご提案のサブティーチャー育成策につきましては、現在、小学校だけでも一千六百名を超える大量の採用を行っている状況でございまして、これと同数の人員をさらに採用することは、人員確保の面からも困難と考えます。

○柳ヶ瀬委員 非常に残念です。私、区議会議員をしておりましたけれども、区議会のときにもこれ提案したんですね。そうすると区の答弁としては、そんな金のかかることを区独自ではできぬということがありまして、いうなら都にいってくれという話があったので、きょういってみたわけでございますけれども、確かにこれをやろうとすると莫大な人件費がかかってくるということで、なかなか難しいのかなというふうに思います。
 ただ、私は、あれだけの子どもたちに対して授業をするというのは、非常に高度なコミュニケーション能力も問われますし、そう簡単にいくものではないだろうというものが前提にあるものですから、やっぱり一年間ぐらいのそういった研修が必要ではないかというふうに思うんですね。
 ただ、東京都として、新人教員の研修として学級経営研修制度といったものを始められたということを聞きました。これは非常に希望のある制度だなというふうに感じたんですけれども、ちょっとこの制度についてご説明いただければと思います。

○岡崎人事部長 今年度から導入いたしました学級経営研修、これは社会経験のない新任の教員を育成するために、退職した優秀で指導力のある教員を再任用いたしまして、育成担当に充てるという研修制度でございます。現在八十名の育成教員が新人教員とペアを組みまして学級を担任し、その豊富な教職経験を活用して、日常業務を通じ新人教員を指導しているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ぜひこの学級経営研修制度ですね、これを進めていただきたいというふうに思います。これは再任用の方が、週四日ではあるけれども新人教員について、第二副担任としてさまざまにサポートしていくということで、新人教員の方にとってはかなり心強い制度であり、また、育成していく上では非常に有効なのだろうというふうに考えます。
 ただ、これは残念なことに、この制度の再任用短時間教員は二十二年度では八十名ということで、小学校は都内で千三百十一校、新人教員が千六百人に上ることを考えると、やっぱりごく一部の方しかこの研修を受けられないということになると思います。不足している状況があると思いますが、ぜひこの制度を今後拡充していただきたいと、その必要があるのではないかと思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○岡崎人事部長 今年この研修を始めたところでございますけれども、学級経営研修の対象となった新規採用教員につきましては、一般の新規採用教員に比べ学習指導面、生活指導、児童理解などの面で校長等から高い評価を受けているところでございます。今後、この研修の成果をさまざまな角度から検証いたしました上で、来年度以降順次拡大いたしたいと考えてございます。

○柳ヶ瀬委員 ぜひ拡大を望みたいというふうに思います。ガイドブックをもらいましたけれども、この研修制度は非常によくできているんですね。授業の前と後でいろんなことを反省して、振り返りができるようなシステムになっていまして、非常によくできているんですね。ただ、人数が少ないということで、千六百人に対して八十人ですから、本当にごく一部の方しか受けられないといった意味では、ちょっと不公平があるのかなとも感じます。ですから、できるだけ多くの方がこの制度を受けられるように、ぜひ順次拡大をしていただきたいというふうに思いますが、それと同時に、最初の授業までの期間にどこまで育成ができるかが勝負だというふうに考えます。
 そこで、可能性としてお伺いしたいんですけれども、例えば民間企業であれば、採用の内定が決まってから入社するまで、商社であれば英語の通信教育に行ってこいと、それでTOEICで何点は確保しなさいよであるとか、ちょっと聞くと、流通関係であれば、その流通の店舗でバイトをして現場の様子を、わかるようなことを課題に出したりとか、そういったことをしているようであります。
 そこで、新規の採用教員が採用からすぐに、四月一日に採用になって、四月八日にすぐに授業をしなければいけないということであれば、採用が決まってから四月一日までの間に何らかの育成ができないかということを考えるわけですけれども、これが可能なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

○岡崎人事部長 採用前の研修の形については、さまざまな形があろうかと思います。都教育委員会といたしましては、採用候補者に対しまして、まず合格直後に講習会を実施しております。講習会では、教育庁幹部、主任管理主事、指導主事が、東京都の教員としての心構えや指導力向上に関する講義、人事制度や服務に関する研修をまず行うほか、小学校の若手教員によるパネルディスカッションを行い、採用までに習得すべき知識や指導技術に関する具体的なアドバイスを行います。
 さらに、配属が決まった段階で、四月当初から円滑に教育活動を始めることができるよう、配置予定校におきまして任用前学校体験を実施しているところでございます。今後とも、採用候補者が着任当初から指導力を発揮できるよう、こうした研修の充実を初め、さまざまな取り組みを検討してまいります。

○柳ヶ瀬委員 前向きなご答弁ありがとうございます。ぜひ検討をお願いしたいというふうに思います。
 先ほど栗林先生もおっしゃっていましたけれども、やっぱり夢を持って先生になった方がですね、残念ながら一年目でやめてしまう方が過去最高になったということです。また、やめはしないけれども困難な状況に追い込まれている、先ほどメンタルヘルスの話もありました。心身が痛んでしまっているというような方もたくさんいらっしゃるということです。まずは、最初の段階でつまずかないようにすることが大事だというふうに考えますので、この初任者研修のその前の研修ということもぜひ検討いただきたいというふうに思います。
 その一方で、最近教員が起こした事件などが大きく報道されています。埼玉県では、セクハラサイコロという変わった名前のさいころが非常に大きく取り上げられましたけれども、約六万六千人の教育職員を抱える東京都でも、毎年多くの問題が起きていると承知をしております。そこでお伺いしますが、平成二十一年度の教育職員の懲戒処分の状況と内訳について教えてください。

○岡崎人事部長 平成二十一年度に行った教員に対する懲戒処分の件数は六十二件でございます。その主な内訳は、わいせつ行為等で十一件、個人情報の不適切な取り扱いで十件、体罰事故で九件などでございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、この処分をされた教員がどうなっていくのかということなんですね。もうこれは最後なんであれなんですけれども、保護者の中には、わいせつ行為などを起こした先生が、配置転換となったほかの学校で教鞭をとっているんじゃないかと。報道でも、このセクハラサイコロの話も、その後も同じ学校で教鞭をとられているというような報道が一部にはございました。こういったことが影響しているのか、教鞭を処分後もとり続けていることがあるのではないかといった不安をよく聞くんですけれども、わいせつ行為等が十一人ということですが、これはどのような基準で処分を行っているのか、対応についてお伺いをしたいと思います。

○岡崎人事部長 都教育委員会では、教職員の主な非行に対する標準的な処分量定、これを定めておりまして、教員が服務事故を起こした場合には、これを基本に非違行為の内容などに応じ処分を行っております。この基準は、高い倫理観と信頼が求められる教職員の特殊性を踏まえ、非違行為に厳罰をもって臨むため、平成十八年度に見直したものでございまして、生徒との性行為や痴漢行為などのわいせつ行為を行った教員は免職とする極めて厳しい内容となっております。

○柳ヶ瀬委員 これは特に十八年度から厳罰化されたということもありですね、児童に対してそのような行為を行った先生というのは免職になるということで、どこかにいるということはないよということだと思います。その答弁を聞いて、ちょっと安心はしましたけれども、いろんなうわさがあるんですね。地元にいると、もういろんなうわさがあります。
 ただ、そのうわさに振り回されないようにするために、しっかりと確認をしなければいけないことも、こういった議会で明らかにしていかなければいけないなというふうにも思います。まずは教員の能力向上に頑張っていただいて、しかしその中でも、問題を起こした教員に関してはしっかりと対応していただくことが必要であろうということ、これを最後に要望しまして、私の質問は終わりたいと思います。

○菅委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○菅委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後三時二十五分散会

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