委員長 | 谷村 孝彦君 |
副委員長 | 田中 健君 |
副委員長 | 石森たかゆき君 |
山崎 一輝君 | |
山内れい子君 | |
関口 太一君 | |
たきぐち学君 | |
しのづか元君 | |
橘 正剛君 | |
高橋 信博君 |
欠席委員 なし
出席説明員港湾局 | 局長 | 中井 敬三君 |
技監 | 飯尾 豊君 | |
総務部長 | 山本 隆君 | |
監理団体改革担当部長 | 石原 清志君 | |
港湾経営部長 | 小宮 三夫君 | |
港湾経営改革担当部長 | 河内 豊君 | |
臨海開発部長 | 平林 宣広君 | |
開発調整担当部長 | 大和田 元君 | |
営業担当部長 | 延與 桂君 | |
港湾整備部長 | 前田 宏君 | |
計画調整担当部長 | 大釜 達夫君 | |
離島港湾部長 | 平田 耕二君 | |
島しょ・小笠原空港整備担当部長 | 北村 俊文君 | |
産業労働局 | 局長 | 前田 信弘君 |
次長 | 真田 正義君 | |
総務部長 | 三枝 健二君 | |
産業企画担当部長 | 澤 章君 | |
商工部長 | 山手 斉君 | |
金融部長 | 櫻井 務君 | |
金融監理部長 | 斎藤 真人君 | |
金融支援担当部長 | 十河 慎一君 | |
観光部長 | 横山 英樹君 | |
農林水産部長 | 保坂 政彦君 | |
安心安全・地産地消推進担当部長 | 岩田 哲君 | |
雇用就業部長 | 日請 哲男君 | |
事業推進担当部長 | 穂岐山晴彦君 |
本日の会議に付した事件
平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
港湾局関係
・平成二十一年度東京都一般会計決算(質疑)
産業労働局関係
・平成二十一年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算(質疑)
・平成二十一年度東京都農業改良資金助成会計決算(質疑)
・平成二十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算(質疑)
・平成二十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算(質疑)
○谷村委員長 ただいまから平成二十一年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、港湾局及び産業労働局関係の決算に対する質疑を行います。
これより港湾局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十一年度東京都一般会計決算中、港湾局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○田中委員 本日は、港湾の質問ということでさせていただきたいと思います。特に、この決算説明書に書いてある単独事業、なかなか港湾の仕事、また内容というのが、私もですが、皆さんわからない人が多いと思いますので、今回、単独の事業で幾つか事業を行っているということで、一つ一つ、基本的なことが多くなってしまいますが、質問させていただきたいと思います。
まず、四一ページについて三つ質問させていただきたいと思うんですが、一つ、この中で、内港地区の再開発ということで、東京ヘリポートターミナルビル整備ということが載っております。当初の予算は三億六千万円、そして今回の決算は二億三千万円、これは、客船ターミナルの改修がなかったということで説明を受けましたが、このヘリポートというのは、港湾局が管理そして運営をしているということで、私自身も余りこれまで、明確に意識したり、発言してこなかったものですから、基本的なことで幾つか伺いたいと思います。
まず、この東京ヘリポートの位置づけまた設立の経緯について伺います。
○小宮港湾経営部長 ヘリポートは、航空法上、一般にだれもが利用できる公共用ヘリポートと設置者が認めた者が利用できる非公共用ヘリポートに分類されております。東京ヘリポートは、公共用ヘリポートに位置づけられております。
また、当ヘリポートは、昭和三十九年六月に、東京オリンピックの開催に合わせまして、江東区辰巳に都営のヘリポートとして開港されました。その後、昭和四十七年六月に現在の新木場の地に移転しまして、途中拡張工事なども経まして、現在までさまざまな方々に利用されております。
○田中委員 今、公共用、非公共用ということで説明がありましたが、このような公共用、このヘリポートは公共用ということでありますが、公共用ヘリポートというのは全国にどのくらいあるのか教えてください。
○小宮港湾経営部長 公共用ヘリポートとしては、静岡、神戸、大阪の舞洲など、全国に二十カ所ございます。
○田中委員 二十カ所あるということでありますが、この東京ヘリポートにおいては、直近の平成二十一年度の着陸回数というのはどのくらいあるんでしょうか。また二十カ所、幾つか挙げていただきましたが、同様に他のヘリポートはどのぐらい利用されているんでしょうか。
○小宮港湾経営部長 東京ヘリポートの着陸回数は、平成二十一年度の実績としまして、年間約一万二千回でございます。また、他の公共用ヘリポートで年間着陸回数の多いヘリポートとしては、大阪の舞洲ヘリポートで年間約三千回、静岡ヘリポートで年間約二千回、神戸ヘリポートで年間約一千回と聞いております。それらと比べまして、東京ヘリポートの着陸回数は群を抜いておるかと思います。
○田中委員 着陸回数、群を抜いているということでいっていただきましたが、多いことというのはその数の中でわかりましたが、その目的はどのような目的で、どういう方が着陸したりまた使っているのか、そしてその役割というものを改めて伺います。
○小宮港湾経営部長 平成二十一年度の着陸の目的と割合ですが、報道取材で二三%、警察活動で一四%、消防活動で九%などで、公共目的でほぼ半数を占めております。その他、遊覧で九%、空輸で八%などでございます。その目的を見ますと、都民の生活を支えるために、当ヘリポートが重要な役割を担っているものと考えております。
○田中委員 回数またヘリポートの概要というものについては、今の基本的な説明でわかりました。
では、具体的にこの決算の内容についてお尋ねをしたいと思います。この決算説明書の中にはターミナルビルの整備とありますが、どのような内容でしょうか。
○小宮港湾経営部長 ヘリポート設置者であります都は、利用者に常に良好な状態で、また、安全に施設を提供する役割を担っておりまして、その観点から現在、ターミナルビルの整備を進めております。
以前のターミナルビルは昭和四十七年に設置されたものでございまして、かなり老朽化が進んでおりました。また、国が全国的に地方空港及びヘリポートにおける運航状況等の情報提供業務から撤退することに伴いまして、都が国にかわってこの業務を行うための新たな施設を整備する必要が生じました。
これらのことから、平成二十一年度に新しいターミナルビルの建築工事に着手したところでございまして、二十二年度末に完成予定でございます。
○田中委員 同じく、この経営の内容の方を見ていきたいと思いますが、この決算書の中の説明を見ますと、この東京ヘリポートに係る収入というのは、約一億八千万円となっております。着陸料またターミナルの使用料であります。また一方、管理運営費というのは約一億六千万の支出である。この限りにおいては、収入が支出を若干上回っているということがわかるんですが、このことは過去五年くらいにおいても同様にこのような傾向なのか伺います。
○小宮港湾経営部長 過去五年間の決算におきましても、東京ヘリポートに係る収入が支出を各年度ともに上回ってございます。
具体的には、収入についてはおおむね二億円弱で推移してまいりました。また、支出につきましては、五年間を平均しますと約七千万円でございますが、平成二十年度から、先ほど申し上げました情報提供業務に係る経費が増加したため、今後はおおむね一億五千万円前後で推移していくことが想定されております。
さきに答弁しました利用目的にかんがみましても、非常に高い公共性を有しながらもこうした良好な決算状況であることは、施設として有効に利用されているものと考えられまして、今後も適切に管理運営してまいります。
○田中委員 今の説明だけですと、人数も多くまた公共用にも使われていて、大変に、そういう意味では役割を果たしていると思うんですが、時を同じくして、ちょうど羽田空港が国際化をして、ちょうどその年にヘリポートのターミナルも、設立当初から初めて、四十年ぶりに改築をされるということであります。
私、ちょっとこれ目についたんで質問をして、ずっと局とやりとりさせてもらって、ヘリポートのいろんな資料もいただいたんですが、これが説明資料だということでもらったのは、平成九年が最新でありまして、それ以降なかなかその改定がなされていないということでありますし、先ほど回数が一万二千回ということで、多いということで胸を張っておられましたけど、ピーク時はこの数字を見る限り四万九千回、これ発着ですから半分にしても二万五千とピークより現在半分しか使っていないんですね。そういう意味でありますと、そのヘリポートは、もちろん公共用の大きな役割を担ってはいるんですが、資源としてまだまだ使えるんじゃないか、もっと可能性があるんじゃないかということで、今回は質問させてもらいました。
これまでがどうしても報道用そして災害ということで、利用について検討もなされていないし、これまで、立地がいいですから赤字にならずにやってきたというのも聞きましたが、ぜひこの機会に、このパンフレットも、恐らく新しいターミナルができるということでつくり直すということでしょうから、ぜひ利用のさらなる発展、もしくは有効利用というものを考えていただきたいと思い、要望して、次の質問に移りたいと思います。
その決算の中でもう一つ見ますと、中には、港湾施設の予防保全計画というのが入っております。これ現状調査ということで、これも大きく三千二百万円の調査が入っているわけであります。
どうしても東京港といいますと、これまで京浜港の国際戦略港湾に選ばれることということが主でありまして、委員会の中でもその議論がずっと続いてまいりました。しかし、この東京港の施設の多くが建設から三十年ないしは四十年がたち、老朽化が進んでおり、今後一斉に補修または更新時を迎えると聞いております。京浜港が国際戦略港湾に選ばれても、このような補修また管理がこれから大きな負担になってくるというのでは、これから心もとないということでありまして、この東京湾の機能を損なわないために、維持そして更新を適切に進めることが重要になってくると思っております。
まず、確認の意味で伺いますが、東京港の港湾施設というのはいつごろ整備をされて、また、現在その施設はどのような状況にありますでしょうか。
○前田港湾整備部長 東京港の港湾施設につきましては、関東大震災を契機に本格的に整備が開始され、高度成長期にはコンテナリゼーションの進展に対応して、品川、大井、青海コンテナふ頭などが整備されてきました。
現在、建設後既に四十年以上を経過した施設が全体の四割でございまして、さらに十年後には六割以上と、大幅に増加してまいります。施設の老朽化が著しく進行し、今後一斉に更新時期を迎えることになり、維持更新への適切な対応が課題となっております。
○田中委員 東京湾の施設が三十年ないし四十年ということで、大変老朽化をしていることと、またその更新の時期が近づいているということを、今、説明を受けました。
その中で、この老朽化施設を整備するために、ここに書いてある予防保全という考えですか、という管理手法を新たに取り入れ検討しているということでありますが、そこで、この新たな管理手法について、具体的な内容、またその効果を伺います。
○前田港湾整備部長 従来は施設の老朽化がかなり進行し、問題が生じてから対策を行う、いわゆる事後保全的な管理手法がとられてきました。こうした手法の場合、維持管理コストが大幅に増大し、短期的に集中するため、財源の確保が大きな課題となります。
そこで、これらの課題を解決するために新たな手法として導入されたのが、この予防保全型管理でございます。この手法は、劣化が進行する前にあらかじめ補修を行うもので、まず施設の点検を確実に実施して、劣化の予測を行った上で、最も経済的な補修を計画的に行うことで、ライフサイクルコストの縮減、維持更新費用の平準化、施設の長寿命化などを図るものでございます。岸壁などの係留施設における試算では、従来の管理手法に比べまして、今後五十年間の維持管理費の合計額が、およそ四分の一に縮減できると見込まれております。
○田中委員 この社会資本といえる施設が、適切に維持管理を行えば長期にわたって正常に使用が可能と、いわれてみれば当たり前なんですが、どうしても行政の施設というのはつくってそのままというか、壊れるまで使い、また新しくするために建てかえるということが、この港湾でもずっとその手法がとられてきたということでありますから、その四分の一に縮減というのが明確にどのくらいの額でというのが出れば、とても皆さんにもわかりやすいんですが、なかなかこれは、モデルとして使って四分の一、額は出ないということでありますので、ぜひ、この手法が有効だということを私も知りませんでしたので、広くアピールしていただければと思っております。この港湾施設の予防保全型管理という、導入に向けて、これまでどのような取り組みを過去に行ってきたのか伺います。
○前田港湾整備部長 港湾局では、港湾施設の予防保全計画の策定に向け、平成十七年度から調査を開始し、岸壁などの係留施設、防潮堤などの海岸保全施設、道路橋梁施設など港湾の主要な施設に関する計画を平成二十年度に策定し、現在この計画に基づき維持管理を進めております。その後、対象施設を順次拡大して調査を進め、これまでに埋立護岸、人道橋につきましても予防保全計画を策定いたしました。
平成二十一年度の調査では、新交通「ゆりかもめ」それからレインボーブリッジにつきましては、点検記録、補修履歴などの基礎的資料を整理するとともに、劣化予測手法などについて検討いたしました。
○田中委員 十七年から進めているということで、もうかれこれ五年をかけてやっているということであります。ほとんどの港湾の施設がその手法によって、今、予防という考えを入れているということでありますが、残りどのくらい、最後になるんですが、今後、まだやっていない施設、また建物、橋梁、そしてそれに対してのこれからの取り組み、今後のこの予防保全という考え方の取り組みについて伺います。
○前田港湾整備部長 今後は新交通「ゆりかもめ」それからレインボーブリッジなどにつきまして劣化予測を実施し、ライフサイクルコストの最適化を図り、予防保全計画を策定する予定で、平成二十三年度には、東京港の施設全般に関する予防保全計画の策定を完了する予定でございます。
また、これまで蓄積してきた施設台帳、点検記録、補修履歴などの基礎資料のデータベース化に現在取り組んでおります。今後の予防保全計画の更新にあわせまして、各施設管理者の日常管理にも利用できるシステム開発を行っていく予定でございます。
この予防保全型の管理手法でございますが、まだ開発されたばかりでございます。発展途上にあります。今後新たな劣化調査技術、それから、コンピューターを活用したデータ解析技術の開発などに積極的に取り組み、不断に見直しを図りながら、計画的な管理を進めていきたいと考えております。
○田中委員 この話をずっとこの質疑の間で聞いていますと、東京都が独自につくって新しい技術を取り入れて、今進めているということでありますが、東京都が独自といえば、複式簿記を取り入れて、東京の資産をすべて財務諸表の中に落とし込んで、そこに減価償却の考えも入れて管理していく、もしくは公表していくということを、今東京はずっと、これも東京独自で取り組んでいるかと思います。
私はそれとリンクというか、せっかく港湾をこのようにして、耐久年数、またそれからの補修保全を長年にわたって管理を、今データベース化しているというんで、それとリンクできないかということで、ずっと議論を調整の間もさせてもらってきました。
これ全然、まだお互いがそれぞれ進んでいる道であって、一つは管理会計で一つはアセットマネジメントだということで、これ違うということでありますが、ぜひ、両方せっかくやっていて、特に港湾局が独自にこれはやっているという事業でありますので、その有効な利用とか、可能性があるんじゃないかと思うんですが、そこを、部長に一言、可能性についていただければ。
○前田港湾整備部長 今、アセットマネジメントに関するご質問だということでございますが、施設の保有する各種の価値を便益という形で資産換算しますが、その経年変化をとらえて、計画的な事業対策を検討する手法というふうに考えておりますが、この考え方には、客観的な資産の数値化に相当の仮定が必要になると思っています。公共施設の場合、その効果ですね、ベネフィットをどう資産としてとらえていくかという部分に、やはり大きな、たくさんの仮定が必要になりまして、公共施設への適用には今、まだ少し課題があるというふうに考えております。
しかし、いずれにしましても、非常に重要な概念であると思っております。これから取り組み、検討していくべき課題であるというふうに考えております。
○田中委員 ありがとうございました。ぜひとも検討していただければと思っております。
最後になります。最後は、この単独項目の中の、東京湾における水辺空間の魅力向上ということについてお聞きをさせていただきたいと思います。
この水辺空間魅力向上なんですが、これは平成十八年に、東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想というのができておりまして、これに基づいて今、それぞれ進めているということであります。その中でも特に、舟運のネットワーク、また水辺のにぎわい、また水辺景観と三つを特に重点として行っているということで、水辺環境を整えていこうと進めているんだと思います。
今回その中でも、東京の景観というものを検討するためにこの調査を実施したということでありますが、まず景観というと、どうしても運河とか主要な河川ということが今までイメージされたわけでありますが、今回、湾ということで景観について調査したということであります。どのような検討が行われたのか伺います。
○前田港湾整備部長 東京港では、首都圏のゲートウエーとして魅力ある景観づくりを行うことが、重要な課題であるというふうに考えております。特に中央防波堤地区は東京港の玄関口であり、羽田空港に近接することから、その景観は、観光客などの多くの来訪者にまず首都東京を印象づける重要な役割を果たすことになります。このため、東京港第七次改訂港湾計画におきまして、中央防波堤地区を良好な景観を形成する区域と位置づけ検討を進めてまいりました。
具体的には、平成二十年度に国内外の港の先進事例などの基礎調査、平成二十一年度に船舶や航空機の視点からの現地調査などを行い、景観形成の基本となる景観ガイドラインの策定に向けた検討を進めてまいりました。
○田中委員 今回の景観、中央防波堤ということで、埋立地、またその前には海の森があって、あの地区かと思うんですが、中央防波堤、今までどちらかというと、景観というよりも、埋め立てとまた整備の方が重点に置かれていたと思います。そこをどのように、ある意味景観、そして観光に結びつけていけるのかというのは楽しみであるわけでありますが、同時に羽田空港、今いってもらいました、再拡張された隣のところでありまして、飛んで、下を見て、今は真っ暗でありますが、そこが景観としてきれいになると思うと、どのようになるのかなと。ぜひこの、まだ報告書の方をつくっているということでありますが、できたら見せていただきたいと思うんですね。
その中で今、つくっているのは、この景観のガイドラインをこの中で策定しているということでありますが、このガイドラインの策定に向けて今後の取り組み、また予定について伺います。
○前田港湾整備部長 景観ガイドラインは、中央防波堤地区の施設整備に対して一定程度の誘導を行うことによりまして、良好な景観形成を図ることを目的としております。
このため、今年度はこれまでの検討を踏まえまして、船舶や航空機などの視点に配慮しながら、コンテナクレーンや倉庫などの景観誘導の対象となる施設、色彩などの検討を行い、景観ガイドラインの実効性を担保する方策も含めまして、具体的な内容を取りまとめる予定でございます。
来年度には、専門家や港湾関係者などから、幅広い意見、議論を踏まえまして、実効性の高いガイドラインを策定することとしております。今後とも中央防波堤地区の開発にあわせまして、着実に取り組んでいきたいと考えております。
○田中委員 一方、中央防波堤のところは、今、その工事が進んでいるのは、先ほどの東京ヘリポートの方につながるわけでありますが、若洲とつながる橋梁であります東京港の臨海大橋の整備も同時に進んでいることであります。本橋梁というのは、レインボーブリッジのある大きな橋ということを、私、昨年経済・港湾委員会でありましたので、説明を受けました。また完成後には、大きな東京のシンボルとしても利用、また発展できるんじゃないかということも聞きました。
今回、一つは景観を整えるということでありますが、橋もつながっているわけでありまして、全体的な景観をつくるという意味では、この橋においても、橋の景観というとどういうものか難しいわけでありますが、一般の人が見ても、あそこ海上バスもこれから通ると思いますし、私もあそこの下を船で通らせてもらいましたが、これから航路としても利用がされるんじゃないかと思います。さらには先ほどもいいました羽田空港が、おり立つとき、または出発するときちょうど見えるところでもありますし、そこから新しい東京タワーの方も見えることでありますが、この橋梁を整備する上で、景観的にはどのように配慮して、また関係性を持って進めてきたんでしょうか。
○前田港湾整備部長 仮称東京港臨海大橋の景観につきましては、環境工学や照明デザインなどの専門家による委員会を設置し検討を進めてまいりました。
本橋梁のデザインは、港の景観として特徴的なコンテナクレーンをイメージしたものでございまして、国際コンテナ港湾である東京港の玄関口にふさわしいデザインを採用しております。また、その施工におきましては、ボルトを使わずに全断面を溶接する手法を用いておりまして、歩行者から見た景観への配慮も行っております。さらに、色彩は海の森や若洲海浜公園などの緑、広大な空や海と調和するパープルブルーを採用するとともに、夜間にはライトアップを行い、本橋梁の持つ美しさやスケール感といった個性を生かす工夫を行っております。
○田中委員 今、中央防波堤また臨海大橋の件についての景観ということでお聞きしました。臨海大橋においてはライトアップをしたりして、レインボーブリッジに負けない橋としてぜひ整備をしていただきたいと思うんですが、最後に、一部のことを聞きましたが、全体像としてこの東京湾の景観をどう考えていくかということについてお聞きしたいと思います。
といいますのも、今いいましたように中央防波堤地区また臨海大橋も今整備していることでありますが、全体的に調和がとれていないと景観としては美しくありませんし、世界じゅうから人が来たときに誇れるような地域となりません。
この景観という意味では、全国で一番進んでいるのはというか、取り組んでいるのは清水の港まちづくりということで、みなと色彩計画というのを立ててこれまで取り組んできたというのを勉強させていただきました。これは、しかも十年かかってこれまで取り組んで、十年かかっても八〇%ぐらいということで、大変時間がかかる、これは工場の煙突から、それからコンテナから、またターミナルからすべてを統一したイメージの色でつくっていこうということで進んでいるということであります。
そこで、このような例も踏まえて、東京港の景観形成について、全体的な将来像というものについてはどのようなものを目指すのか伺います。
○前田港湾整備部長 東京港ではこれまでも、緑豊かな海上公園や、水辺と調和したレインボーブリッジなど、魅力ある景観づくりに努めてまいりました。その結果、お台場などの水辺を中心とした観光スポットでは、クルーズ船や屋形船が人気を博しており、多くの都民の方々や観光客が集い、にぎわいや憩いの場が創出されております。
また、羽田空港の国際化に伴う来訪者の増加や、水辺の観光振興の観点から、航空機や船舶からの景観の重要性も、今後ますます高まっていくと考えております。
大型船の入出港や林立するコンテナクレーンなど、港湾施設のダイナミズムを生かした魅力ある景観づくりを行うことが重要と考えておりまして、今後は、景観ガイドラインを契機に、東京港のより広い範囲で景観づくりに取り組み、全体的に調和のとれた、魅力ある景観の形成に努めてまいります。
○田中委員 ぜひ頼みたいんです。私も地元大田区でありまして、空港にもよく行きますし、また船に乗って、自分の周りが多いんですが、走っても、どうしてもコンテナ船のところは、船も全速力であそこをくぐり抜けて、余り景観として今のところはおもしろくないというか、きれいでないんで、通ってしまい、遊覧船にしても、あそこからどうしてもお台場に行って夜を過ごしたり、あそこで時間を過ごしたりするんですね。ですので、今回、特にこの中央防波堤を含む地域を、景観を中心として整備を進めていくということでありますので、ぜひ、通りが観光として、また、海外の人が見ても美しいといえるような景観にしていただきたいと思います。
最後に、この清水港の理念が、景観が十年、風景が百年、風土が千年ということで、この景観をつくっていくには、大変に世代をわたってつくっていかないと、そのよさが出てこないということを最後に、締めに書いてありました。ぜひ、そのくらいの意気込みで、この東京港についての景観作成、また取り組みについても進めていっていただきたいと要望しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○山内委員 私からは、晴海の客船ターミナルについてお伺いいたします。
平成三年、東京港の開港五十周年に、東京港に寄港する内外の客船を迎え入れるために、東京の海の玄関として晴海客船ターミナルが整備されました。まず初めに、平成二十一年における東京港の客船寄港数は何隻だったのか、また、十年前の平成十二年はどうだったのかお伺いいたします。
○小宮港湾経営部長 東京港における平成二十一年の客船寄港数は二十三隻でございます。また、平成十二年の客船寄港数は百三十三隻でございます。
○山内委員 ただいまのご答弁で、晴海ふ頭における客船寄港数は、この十年間に大幅に減少していると思います。このことについて都はどのようにとらえていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○小宮港湾経営部長 この十年間の日本籍客船の寄港数は減少傾向にございますが、その大きな原因としまして、横浜港大さん橋国際客船ターミナルの供用開始があるかと考えられます。日本籍客船が横浜に移行しまして、これにより寄港数が大きく減少したものと考えられます。
一方で、外国籍客船につきましては、平成十二年は七隻、平成二十一年は十隻でございまして、この間大きな変化はございません。これらにつきましては、晴海が銀座や浅草など都心の観光スポットに近くて、また東京が国内交通の結節線であることから、国内各地とのアクセスにも非常に便利でございまして、客船利用客やクルーズ会社にとりまして魅力あるからと考えられます。
客船は港ににぎわいを与えまして、東京港の振興に高い効果が期待できます。とりわけ外国籍客船につきましては、その効果が大きいと考えられることから、都としましては、客船入出港時の歓迎行事、あるいはクルーズ会社のセールス活動などを通じまして、客船誘致策にも今後も取り組みまして、客船の寄港数の増加に努めてまいります。
○山内委員 客船ターミナルには、ターミナルホールや展望台があります。そこで、この客船乗降以外に、客船ターミナルはどのように使われているのか、利用状況についてお伺いいたします。
○小宮港湾経営部長 晴海客船ターミナルは、客船の東京港への寄港に対応するとともに、都民に親しまれる港づくりを進めるために開設した施設でございます。
現在、晴海客船ターミナルは、クルーズ客船が出入りする港ならではの風情や景観を楽しんだり、それから客船ターミナル周辺での散策、写真撮影、さらには、港湾振興に寄与する行事でホールを使用する方など、幅広い都民の方々に利用されております。平成二十一年度の実績ですが、ホール使用件数は二百五十六件、ターミナルにおける撮影許可件数は五百六十八件でございます。
○山内委員 客船の寄港が減る中で、都は客船の寄港を促進するとしておりますが、客船ターミナルの活用についてはどのような取り組みをしているのかお伺いいたします。
○小宮港湾経営部長 客船が寄港地を選択する上で、客船ターミナル周辺のにぎわいが重要なポイントになっております。
晴海客船ターミナルにおいて、にぎわいを創出するためには、ターミナル施設の利用促進が必要であることから、都では、指定管理者の公募に際しまして、施設の有効活用やにぎわい創出につながる工夫につきまして、応募者から提案をしていただいております。指定管理者においては、クリスマスなどの季節の行事や屋台村など集客につながる取り組みを通じまして、にぎわい創出に努めております。
今後とも、指定管理者と連携しながら、晴海客船ターミナル施設の利用促進を通じまして、多くの客船の東京港寄港につなげてまいります。
○山内委員 平成二十二年の二月策定されました京浜港の共同ビジョンでは、物流について三港が共同で取り組んでいく姿勢は示されておりますが、客船については現状が述べられているにすぎないなど、課題は山積しているかと思います。また、十月からの羽田空港国際線発着枠の拡大などの影響は無視できないものであり、客船ターミナルの運営については、今後も検討を要するのではないかということを述べて、私からの質問を終えさせていただきます。
○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷村委員長 ご異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○谷村委員長 これより産業労働局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成二十一年度東京都一般会計決算中、産業労働局所管分、平成二十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算、平成二十一年度東京都農業改良資金助成会計決算、平成二十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算及び平成二十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○三枝総務部長 去る十月八日に当分科会でご要求いただきました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
まことに恐れ入りますが、お手元の平成二十一年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
ご要求いただきました資料は一項目でございます。
恐れ入りますが、一ページをお開きください。農業改良資金助成会計、林業・木材産業資金助成会計及び沿岸漁業改善資金助成会計について、過去十年間の予算額、決算額の推移をお示ししてございます。
それぞれの助成会計におきまして、各年度とも資金の貸付実績に応じて、決算額の増減がございます。
以上、甚だ簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○谷村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○関口委員 私からは、東京都の中小企業支援事業等々についてお伺いしてまいりたいと思います。
まず、都が行っている中小企業支援の中で、海外展開支援事業が幾つかございますが、中でも、都の監理団体である中小企業振興公社に多くの事業委託をしております。
その一つが海外展開自立化支援事業と呼ばれるものでありますが、平成二十一年度決算は約一千七百六十万円であります。この事業の目的及び二十一年度の取り組み状況についてお尋ねします。
○山手商工部長 海外展開の自立化支援事業についてでございますが、ベトナムへの進出やベトナム企業との取引を希望する都内中小企業を支援するため、平成十八年度より事業を開始いたしました。
具体的には、ベトナム駐在の経験を有する民間企業OBを、海外展開推進員として二名配置いたしまして、ベトナム市場の情報収集や現地における事業立ち上げなどの各種助言等を行ってまいりました。
平成二十一年度の事業実績は、四十の支援案件に対しまして成約五件、うち進出は四件、輸出一件というふうになってございます。
○関口委員 二十一年度の事業実績は、支援したのが四十件で、成約五件、そのうち進出が四件で輸出が一件ということで、一千七百六十万円のお金を使ってこういう結果だと。
それについての効果はいろいろ評価が分かれることだろうと思いますが、成約に至らなかった案件についても、当然引き続き、そこでコネクションが生まれて、今年度末には、あるいは来年には新たな商売として成立するかもしれないという意味でも、一定の海外展開の効果を発揮しているなと私は評価を、理解をしております。
そこで、今ご答弁にありますように、海外展開推進員というのが二名、都内のオフィスに駐在して、さまざまなベトナム支援をしているということでありますが、ベトナム現地におけるサポート体制はどうなっているのかをお尋ねします。
○山手商工部長 平成二十一年度に、ベトナムへの進出等を希望する中小企業をサポートいたしますため、現地に事務所を持つ商社を活用した現地レップを、ハノイとホーチミンの二カ所に設置いたしました。海外展開推進員が、市場調査や現地パートナーの発掘などにおいて、現地レップを活用いたしまして、都内中小企業のベトナムにおける海外展開を支援してまいりました。
○関口委員 この海外展開自立化支援事業というものが二十一年度で終了して、今年度、平成二十二年度からは、これまでベトナムに特化していたものを、ベトナムのみならずアジア全体を対象にした支援にしていくんだというふうに聞いております。これまでベトナムに特化していたサポート体制が、今年度がどうなって、ベトナム以外のアジアの都市のサポート体制はどうなっているのかお尋ねします。
○山手商工部長 今年度から、成長著しいアジア市場における販路開拓を目指す都内中小企業の支援を目的といたします海外販路開拓支援事業におきまして、ハノイ、ホーチミンを含みますアジア十三都市に、現地の最新情報の収集を行う海外ビジネスデスクというものを設置したところでございます。
○関口委員 ベトナムのみならず、その他のアジアの都市に目を向けて、都内の中小企業の海外展開を支援していくというこの方針、いわば転換ということについても、現在のアジアの市況等々をかんがみれば当然のことだと思っておりますが、現地で商売を進めていくに当たって、何よりも重要なものが人脈と情報であります。
よって、海外販路を開拓していくためには、情報源を一つのところに頼るのではなく、例えば、現地の商工会議所や、あるいはジェトロ等々との連携強化が必要不可欠であると考えます。
今現状は、先ほどのご答弁でも、一つの商社を協力関係に置いて、そこを通じたさまざまな情報収集を行っているということでありますが、そこだけに頼ることなく、その他のさまざまな在外における組織との連携が必要であると考えますが、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 中小企業振興公社は都内中小企業の海外展開を支援するに当たりまして、ジェトロ、あるいは東京商工会議所等と情報交換を行うことで、さまざまなルートを通じた情報の収集に努めてございます。今後とも関係機関との連携を一層図りまして、都内中小企業の海外展開を進めてまいります。
○関口委員 さまざまな、ジェトロを初めとした連携を今とっているというお話でありましたが、先般、東京商工会議所の方といろいろとお話をさせていただいたところ、東京商工会議所が新たな国際化支援をやろうという方針を打ち出している、こういう話がありました。在外の日本人商工会議所に海外専門家を配置することを検討し、それを今、実現化に向けて努力をしているということであります。
都として、こうした組織の新たな動きをしっかりと把握し、互いの支援事業が関連し合って、むだな重複がないように調整をして、より効果を生む努力をしていかなくてはなりません。都内の中小企業の海外展開支援のために、在外日本人商工会議所との連携を強化していくべきと考えますが、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 東京商工会議所の方で先月出されました中小企業国際化支援のあり方と強化策の内容につきましては、私どもも既に内容を承知しております。在外日本人商工会議所との連携でございますが、都内中小企業の海外展開の支援にどう役立てていくべきかということについて、研究をしてまいりたいと思います。
○関口委員 連携を強化して、都が公社を通じて行う事業と、海外展開事業と、在外商工会議所との連携を、今後ぜひ密にとっていただきたいということを改めて要望しておきます。
次に、海外見本市参加事業についてお尋ねします。
これは文字どおり、海外での見本市や展示会に都内中小企業の出展をサポートするという事業でありますが、この事業も平成二十一年度で終了し、今年度からは海外販路開拓支援事業に統合したというふうに聞いております。これまで毎年出展をしておった、例えばベトナムにおける展示会等々について、今年度以降はどう対応しているのか、お尋ねいたします。
○山手商工部長 中小企業振興公社は、都内中小企業の販路開拓を効果的に進めるため、ベトナムを含むアジア地域で開催される展示会への出展支援を行うこととしてございます。
○関口委員 これまでベトナムに特化していたものを、先ほどもありましたように、アジアの主要都市への展示会出展も視野に入れた支援をしていくということであろうかと思いますが、都内中小企業の方々との意見交換の中でも、海外を含めた展示会出展へのニーズは極めて強いと私自身は感じております。
都は、平成二十二年度、今年度は、およそ一億六千万円の予算で展示会等出展支援助成事業を展開しておりますが、この事業の取り組み状況及び来年度以降の方針について、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 厳しい経営環境に直面いたします中小企業が、海外市場で販路を開拓いたしまして新しい仕事を確保できるよう、海外の展示会や見本市への出展助成などのサポート、これも適切に行ってまいりましたし、今後も適切に行うんですが、引き続き、海外の展示会出展等の支援を着実に進めてまいります。
○関口委員 都内中小企業の要望が極めて多く、今年度の一億六千万円の予算もすべて終わったと。それぐらい引き合いが、要望が強かったと。増額を今して対応しているというようなことも聞いておりますから、引き続きこの展示会出展への支援を強く要望しておきたいと思いますし、また、この展示会出展助成事業においても、出展をしてもらった後、それがどういう結果になって、どれぐらい商売につながっていったのかという具体的な成約件数等々を、都は当然把握しておくべきだと思いますから、支援を受けた中小企業には、しっかり結果について都として報告を求めるということを要望しておきたいと思います。
次に、海外取引あっせん事業についてお尋ねします。
これは、公社に登録した都内六千百七十の中小企業や団体の情報を、日本語、英語二カ国語で世界に発信し、海外との取引につなげていくという事業でありますが、この事業と、今年度から始まった海外販路開拓支援事業との連携が、まずどうなっているのか確認したいと思います。つまりは、海外販路開拓支援事業という新しい事業に登録された企業に対しても、従前からのこの海外取引あっせん情報を提供しているのか、情報共有をしているのか、その辺をまず確認をさせていただきたいと思います。
○山手商工部長 海外販路開拓事業の支援対象企業に対しましては、海外取引あっせん事業に関する案内を行いまして、データベース等への登録を進めることで、中小企業が、この両方の事業を効果的に活用して海外展開ができるように支援してございます。
○関口委員 なぜ、今こうした確認をさせていただいたかと申し上げれば、都内企業との取引を求めて、海外からアクセスしてくれた海外企業に対して、大事な将来顧客になり得る海外企業でありますから、その海外企業に対して、その海外企業さんが求めたニーズに一〇〇%、できる限りこたえられるように、都内の中小企業の持っている商品力や、あるいは情報力、企画力を、一〇〇%私は提示して、提案していくべきだと思っているんです。よって、新しい海外販路開拓支援事業にも登録されている企業と、従前の取引あっせん事業に登録されている企業が、ホームページ上等々では別々の扱いになっているわけでありますが、どちらに来たアクセスに対しても、東京都内の中小企業であることには間違いないわけでありますから、その情報共有をしっかりやっていただきたいということを改めて要望しておきます。
次に、アジア人材受け入れ事業についてお尋ねします。
この事業は昨年度で終了したとのことですが、その理由をお尋ねします。
○山手商工部長 アジアにおけます海外販路開拓支援事業を開始するに当たりまして、アジア人材受入育成支援事業の実施を通じて得たさまざまな支援のノウハウについて、中小企業振興公社が相談事業の中で役立てる工夫を行うこととして、同育成事業そのものは終了いたしました。具体的なノウハウとしては、アジアの留学生を都内の中小企業に紹介するため、声をかける際の留学生の協会との効果的な協力方法などが上げられてございます。
○関口委員 昨年度でアジア人材受け入れ事業は打ち切ったということでありますが、これまでやってきたノウハウを通じて、アジアの留学生協会と都内の中小企業のマッチングを側面からサポートをするんだというふうに伺っております。それは引き続きお願いをしたいところでありますし、同時に、都内の中小企業さんからのアンケート結果によりますと、海外展開していく上で現地のスタッフをどう確保するのかが悩ましいという要望、意見が多く出ていると聞いております。公社がこの事業をやめたのであれば、現状、ずっとこの間行っている、例えば東京商工会議所が行っているマッチング事業等々を支援していくことも大きな役割だと考えますが、その見解をお尋ねします。
○山手商工部長 東京商工会議所は、海外展開を希望する都内中小企業のニーズにきめ細かく対応していくために、独自の判断でマッチング事業を展開されておりますが、必要に応じて中小企業振興公社と連携を図っていくことも可能であるというふうに考えてございます。
○関口委員 今、連携も極めて可能だというご答弁がありましたように、東京都として中小企業とアジアの人材のマッチング事業を今終了したという段階で、商工会議所が行っているこの事業の役割、ニーズはさらに大きくなると私は考えておりますから、都として何がどう連携できるのか、いろんな意味で研究を重ねていっていただきたい、こう思っております。
さて、次に、多摩の世界発信・進出企業発掘事業についてお伺いしたいと思います。
この多摩に特化した事業は、平成二十一年度からスタートしたわけでありますが、どういう目的でこの事業を始めたのか、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 多摩の世界発信・進出企業発掘事業は、多摩地域に集積をいたします中小企業のすぐれた技術、製品、それから大学研究機関が数多く立地するという、多摩地域のポテンシャルの高さを、ウエブサイトによりまして国内外に発信し、多摩地域の魅力を広くPRすることで、同地域への企業進出や共同研究等の企業間連携の促進を目的といたしました事業でございます。
○関口委員 大きな目的だと思います。多摩の地域に、世界の企業の進出を求めていく、大きな大きな事業目的だと思っておりますが、平成二十一年度の実績、そして二十二年度のこれまでの実績についてお尋ねします。
○山手商工部長 平成二十一年度にこのウエブサイトに登録した件数は、企業が二百七件、大学や研究機関が八十五件でございます。また、本年九月末現在の登録数は企業が二百十七件、大学や研究機関は同じく八十五件でございます。
なお、このウエブサイトを利用いたしまして実際に多摩地域に進出した企業数については、ウエブサイトが設立されたのが本年の二月ということもありまして、まだ期間が短いということなどから、実績はないというふうに聞いてございます。
○関口委員 ウエブサイトを立ち上げたのが本年二月というところで、昨年度は、多摩に進出してくれた海外企業はなし、今年度四月から始まって半年強が過ぎている段階も、いまだ海外から多摩に進出してくれた企業はなしという状況報告がございました。
世界の企業が多摩に進出してもらう、これは大きな目的でありますが、そのためには、海外の企業が多摩に進出するに当たって、どういう障害があるのかということを考える必要があります。
世界の企業の視点に立てば、例えば従業員の住居環境はどうなのか、あるいは、従業員の子どもたちの教育環境はどうなのか、あるいは進出するに当たってのメリットが何かないのか、税制優遇等々メリットはないのか、そうした関連政策が海外企業の進出に当たっては必要不可欠であるのはいうまでもありません。
しかしながら、現状、そうした関連する政策が見当たりません。あるいは、今、現段階は関連政策はないけれども、ほかの局とその関連政策を実現するために、ほかの局を巻き込んで議論をしているという気配も見えてきません。産労局は、多摩の世界発信ホームページを立ち上げる、まずこの一つのことをやったわけでありますが、ホームページを一つ立ち上げただけで、海外企業の誘致という大きな政策目標を達成できると考えているのか、まず局の見解をお尋ねします。
○山手商工部長 多摩地域の海外企業の進出を促進するためには、まず本事業のウエブサイトによりまして、多摩地域の中小企業等のすぐれた技術、製品等を海外に広くPRすることが大切でありまして、こうした取り組みにより企業間交流、あるいは共同研究等が着実に進みまして、海外企業の進出に一定の効果が出てくると考えてございます。
○関口委員 ホームページを立ち上げて、多摩の企業の持っている技術等々を世界にPRすることが大切で、それが海外企業の進出に結びついていくんだという答弁であったかと思います。
それでは、そのつくったホームページ、このホームページには、最初システムの経費で四千二百万円強のシステムの投資がなされていると聞いておりますが、四千二百万円の投資をして立ち上げたホームページ、そのホームページを世界にPRすることで、海外ニーズに、海外企業の進出が可能だということであるのであれば、このホームページを広く海外にPRするために、どういう工夫をしているんでしょうか。
例えば、海外企業が、多摩の企業あるいは都内の企業と商売をしたいなと思ったときに、まずどこに海外の企業がアプローチをするのか、そうしたニーズや実態を探ったことがあるのか、恐らくジェトロのホームページに行ったり、あるいは在外公館のホームページに行ったり、あるいは在外の商工会議所のホームページに行ったり、いろんなツールがあると思いますが、今、四千二百万をかけてつくったこのホームページを海外にPRするために、どういう工夫をしているのかお尋ねします。
○山手商工部長 多摩の世界発信・進出企業発掘事業に登録する企業につきまして、国内外の企業から問い合わせがあった場合には、必要に応じて公社内部の関連部署内で情報共有に努めているところでございます。
○関口委員 私が先ほど申し上げたのは、海外の企業がこの多摩のホームページを見る際、どういう経路を使って多摩のホームページにたどり着くのか、そのたどり着き回数をふやすためには、いろんなところにリンクを張る努力等々が絶対的に必要不可欠だと私は考えるわけであります。
よって、海外においてどういう多摩のホームページをリンクづけしているのか、海外との民間機関初め、政府機関初め、商工会議所機関初め、そうした機関とリンク状況はどうなっているのかということをお尋ねしたいと思います。
○山手商工部長 海外企業が都内に進出するに当たりまして、さまざまな情報を効果的に集めることができるよう、東京商工会議所などのホームページにリンクを張り、PRに努めているところではございます。
○関口委員 東京商工会議所のホームページにリンクを張られている、これも一つの工夫であろうかと思いますが、あくまでもそれは、東京商工会議所のホームページも、どちらかというと大半は国内向けのホームページでありまして、海外に拠点を置くような、私が申し上げているのは、在外の商工会議所とか、あるいはジェトロとか、あるいは在外公館とか、そうしたところにリンクを張る努力が絶対的に必要だと申し上げているのです。
なぜならば、このホームページに四千二百万円投資をしているわけです。大きな投資です。それは、海外の企業が多摩に進出してもらうと、大きな政策目的を達成するための最初の投資であるわけでありますから、四千二百万かけたということは、それぐらい商工部も本気でこの事業をやっていこうというあらわれだと私は認識するわけであります。その割には、四千二百万をかけてつくったホームページのPRに工夫が余り見えてこない。海外の企業が、どうやってそのホームページにたどり着くのかという視点に立って、海外の企業がどういうアプローチでこの多摩のホームページにたどり着くのかという研究を行って、私が申し上げているのは、在外公館等々にリンクを張る努力を早急にやっていくべきであると思っておりますが、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 本ウエブサイトの発信力を高めますため、海外企業からのアクセスがふえるリンクの張り方を含めまして、どのような工夫を行っていくことが最も効果的であるかについて、研究をしてまいりたいと思います。
○関口委員 さらにPRしていただくように、ホームページのリンク先を探す努力をしていただきたいということを要望しておきますが、一方で、ホームページだけでは当然事足りません。海外企業が多摩に進出してくるためには、先ほど来申し上げているように、住宅政策がどうなのかとか、あるいは教育環境がどうなるか、そうしたいろんなさまざまな各局とのリンクが絶対的に必要不可欠なんです。
私が先般、韓国ソウル市に行った際も、韓国ソウル市は、ソウル市の端っこにあるごみを置いているような土地を整備して、インフラを整備して、そこを区画整理をして、その土地を極めて安い値段で海外の企業に売り込んで海外企業誘致をさせて、それはどういう目的でやったかというと、そのまち全体をエンターテインメントや、映像やアニメーションの集積地にするんだという大きな政策目標を掲げて、そうした動きをとって、既に八割強、九割近い企業がもう進出している。しかも一兆円近くの商いが行われている。しかし、それはその土地を安価で売るだけの政策をやったわけじゃなくて、例えば、近くに外国人専用の住宅環境を整備したり、あるいは空港からの道路インフラを整備したり、さまざまな政策を関連し合って、世界の企業がそこに集うような仕組みを整えるための努力を、ソウル市はやっていると、こう聞いてまいりました。
多摩に世界の企業が進出してくる、そのためにどういうことが必要であるのか。ホームページも当然一つのツールであろうかと思いますが、ホームページだけでは絶対に、この多摩に世界の企業は進出するなんてことは到底あり得ない。さまざまないろんな他局との政策をリンクさせてやらないと、この大きな大きな目標はなかなか達成できないと私は感じております。
四千二百万円の投資をしてホームページを立ち上げた、それは局がそれぐらい本気で、この事業をやってやろうという意気込みで投資をしたなと私は認識しているわけですが、その本気度をさらに示すためにも、他の局との連携、大きなグランドデザインを描く努力を、局としてやっていくべきだと考えるわけでありますが、見解をお尋ねします。
○山手商工部長 先ほどもお答え申し上げましたけれども、やはりこのウエブサイト、登録数をふやすなどいたしまして、できるだけPRをして、そこから発生する企業間連携ですとか、共同研究とか、こういうのを進めた上でというふうに、これにまずは私どもとしては邁進していきたいというふうには考えてございます。
○関口委員 ホームページを投資してつくったわけでありますから、リンクを張るのも一つ、他局との連携も一つ、海外の企業が多摩に進出してもらうためにはどういうことが必要かという議論が、私から見れば局として足りないという認識をしております。それを本気でやろうと考えているならば、先ほど来私が申し上げているような努力をしていかなくちゃいけないということを、強く申し上げておきたいと思います。
次に、中小企業ニューマーケット開拓支援事業についてお尋ねします。
これは、都内の中小企業がさまざま販路開拓をする際に、メーカーや商社のOBを六十名採用し、そのOBがビジネスナビゲーターとして営業支援を行っているという事業だと聞いております。
先ほど申し上げましたが、ナビゲーターの出身企業は、大手メーカーであったり商社、つまりは国内企業で占められておりますが、昨今では、中小企業にとっても、国内販売だけでなくて海外販売を志向する中小企業もふえていると聞いております。中小企業にとっても、国内と海外の垣根が極めて低くなってきている状況の中で、六十名のサポートするビジネスナビゲーターを、国内企業出身者だけで占めるんじゃなくて、例えば海外販路にも強い海外企業のOBの採用なども検討する時期が来ているんじゃないかと私は考えるわけでありますが、局の見解をお尋ねします。
○山手商工部長 ビジネスナビゲーターには、中小企業の販路開拓に必要な経験を有する方を採用してございまして、その要件に合致する方の応募があれば、適材適所で活用してまいります。今後とも海外企業の勤務経験者を含め、製品改良の助言、取引先の紹介、商談の仲介等に有益な営業経験や製品開発の経験を有する方を採用してまいります。
○関口委員 これまでのナビゲーター六十名が国内企業の出身者で占められている状況から、都内の中小企業のニーズも少し変わってきて、国内だけの市場ではこれから心配だ、海外にも販路を強く求めていきたいという声も、この事業に登録されている企業だけでも多くなってきているというのを私も聞いておりますから、今ご答弁にあったように、海外企業の経験者も含めたビジネスナビゲーターの採用というものを、ぜひ検討していただく時期に来ているんじゃないかと改めて申し上げておきたいと思います。
さて、この中小企業にとって、今申し上げたように、国内企業と海外向けの垣根がもうなくなりつつある中で、今、中小企業支援の中では、国内販売を応援する事業と、海外展開を応援する事業の二つの事業に大きく分けられているわけでありますが、今後は、今申し上げたように国内海外の引き合い、海外からの引き合い、国内からの引き合いも含めてそこはもう雑多になってくる、こういうふうに私は、そうなっていくべきだと思っておりますから、海外からの要望、あるいは国内からの要望を情報共有していくこと、その引き合い情報を、公社あるいは東京都が抱えている都内中小企業に有効に伝えていき、マッチングさせていくということが極めて重要で、必要不可欠だろうと私は考えておりますから、今、中小企業ニューマーケット支援事業、国内販路向けの専門の事業でありますが、海外展開事業、二つのこの事業をよりリンクしていく、情報を共有していく、いろんな情報共有していくというような努力が、今後さらに必要不可欠になってくるだろうと考えておりますが、それに対する見解をお尋ねします。
○山手商工部長 ただいまお話がありました国内の販路開拓事業、それから海外の販路開拓事業、この両事業の担当セクションが既にデータベースを相互に閲覧可能にしたり、あるいは販路開拓を支援する企業や製品等に関する情報を交換して共有するなどの工夫を行っているところでございます。
○関口委員 データベース等々は共有しているということでありますが、例えば、海外あるいは国内からの引き合い情報を、くまなく公社が抱えている中小企業に照らし合わせて、ベストマッチングをしているところの段階までには至っていないと認識しておりますし、そうした意味での情報共有を求めたいということを私はお伝えしておりますし、また一方で、公社の現場で働いている方々からの、さまざまなご意見を伺いますと、やっぱり海外展開をしている事業と、国内展開をしている事業が全く違うオフィスであったり、違うフロアで行われているということで、同じフロアにあることによる情報共有のメリットもあるんだというようなことも伺っております。仕組み的に、建物的にいろいろ障壁があろうかと思いますが、いろんな細かな情報まで共有していくという意味においては、海外展開、あるいは国内展開、同じフロアにしていくというような工夫も、今後は必要になってくるのかもしれません。私はそれが必要だと認識しておりますが、それに対する局の見解もあわせてお尋ねします。
○山手商工部長 中小企業ニューマーケット開拓支援事業を所管するセクションと海外販路開拓事業を所管するセクションは、今も話がありましたとおり、それぞれ別の建物で業務運営を行っているところでございます。繰り返しになりますが、それぞれのセクションが情報の共有、意見の交換を的確に行うことのできる仕組みを持っておりまして、必ずしも同じところで業務運営を行わなくても、事業の実績には影響ないというふうには考えてございます。
○関口委員 現状データベースの情報共有を行っているということでありますが、例えば海外展開をサポートしている方々と、国内展開をサポートしている方々の実務で、舞台で、実践で動いている人間同士の交流とか、意見交換の場とか、会議とか、そういうものも一つ情報共有の大きな場になろうかと私なんか考えるわけでありますが、そうしたことも含めて、さらなる共有というものを図っていただくことを要望しておきたいと思います。
次に、公社が発行している広報誌についてお尋ねしていきたいと思いますが、公社は現在、この「アーガス21」という雑誌と、ビジネスサポートという二つの広報誌を発行しておりまして、どちらも毎月一回、二万一千部から二万二千部発行しているというふうに伺っております。
この「アーガス21」というのが、さまざまな中小企業支援の情報を載せている広報誌で、年間一千五百万円のおよそ経費がかかっていると。こちらのビジネスサポートにつきましては、都内中小企業の、広告を主に載せている雑誌ということで、こちらは年間で一千万円弱の経費がかかっているということでありますが、この二つの広報誌を見比べたときに、わざわざこれ二つ別々に発行する必要があるのかなと私は感じるわけであります。例えば、いろんな広報誌、雑誌、新聞等々も、当然極めて大事な情報と、一方で広告欄を別枠に設けて、一つの媒体にまとめているというのが通常でありましては、わざわざ公社が二つ発行する意味が、なかなか私には見えてこない。
例えば「アーガス21」の、貴重な中小企業支援をやっている情報を載せている広報誌に広告枠を設けて、一つにまとめて発行することで、およそ経費を半分近く削減することにもつながるわけであります。見る側にとっては、わざわざ二つ来るよりも、一つであったことによってのデメリットというのは余りないように感ずるわけでありますが、こちらがもう昭和四十一年ですかね、発行を始めたのが、昭和四十一年からずっとやっていると。こちらが平成に入ってからだと。もう長年二つ別々に発行されているという状況でありますが、一つこの経費という側面をしっかり見きわめて、いろんな広報誌、媒体が一つになっているという状況も勘案して、統合していくなり、こっちの「アーガス21」に広告欄を設けて統合していくというような議論がそろそろ必要じゃないのかなと私は感じるわけでありますが、局の見解をお尋ねします。
○山手商工部長 アーガスは中小企業の取引情報ですとか、公社や東京都が実施をいたしております中小企業向けの各種支援策等を紹介している冊子でございます。一方、ビジネスサポートの方は、企業のサービスや、企業の製品やサービスの広告のみを営業担当にというようなことで掲載している冊子でございます。両誌をそれぞれに活用している企業担当者の利便性を考えれば、両誌を統合して一つにするという必要はないというふうには考えてございます。
○関口委員 私は別々にあったものが、一つになって生まれる経費削減と送られてきた人たちが別々になることによるメリットと一緒になるデメリットの差を考えたときに、経費削減の方が効果があるな、そっちの方が大事だと。つまり経費削減しても、一つになったことによるデメリットは、そんなに見る側にとってはないんじゃないのかなという発想で、提案をさせていただいているわけであります。
大企業であれば、広告担当するところと情報を見るところが部署が違うということも大いにあり得るんでしょうが、中小企業にほとんどこれをお配りをしている段階で、別々のフロアで違う担当者が多くいるということも想定しにくい。その中で、広報誌媒体を一つにまとめることの経費削減のメリットを私は強く感じるわけでありまして、長年別々にやってきているという状況の中、そろそろ、そうした議論もしていってもいいんじゃないかということを、強く私の方から申し上げて、きょうの質疑を終了とさせていただきます。ありがとうございました。
○石森委員 さて、私の方からは、農業振興一本に絞って、さらっと質問をさせていただきたいと思います。
都市農業につきましては、近年の産業構造や社会生活の変化によって、都としてもさまざまな施策展開を実施しているにもかかわらず、農業者、農地は減少の一途をたどっている状況にございます。特に、平成三年の土地の流動化を図るための生産緑地法の改正によって、市街化農地の宅地化はその後一気に進む結果となってしまいました。
そのような中、東京には、小規模ながらも高い技術力を生かした農業経営をしている農家も数多く存在いたしますが、大きな課題とされる後継者、担い手不足を解消するためには、農業所得をいかに上げるかが重要なポイントであろうかと思います。
私の地元八王子市では、平成十九年に都内初となる道の駅が誕生して、当時市内野菜の販売額が年間二億五千万円だったものが、平成二十一年度においては一・五倍の三億六千万円余りと、年々順調に売り上げを伸ばしております。東京都といたしましても、このような取り組みを一層支援していく必要があろうかと思いますが、都の二十一年度における都市農業振興に向けた具体的な取り組みにつきまして、まずお尋ねいたします。
○保坂農林水産部長 都は、農業者の所得向上と農業生産の振興を図るため、魅力ある都市農業育成対策事業を実施し、農業者の経営改善に向けた取り組みを支援しております。
平成二十一年度は、十一の区と市において、お話しの道の駅を初めとした農産物直売所に出荷する野菜の生産量を拡大するため、パイプハウスの整備や、有機栽培などの先進的な技術を取り入れた栽培施設の整備などについて、助成を行ったところでございます。
また、今年度からは、新たに都市農業経営パワーアップ事業をスタートさせ、農業所得の向上を目指し、経営改善を行う農業者に対し、生産施設の整備などの支援に加え、経営の専門家を派遣してアドバイスを行う取り組みも実施しております。
○石森委員 新たな事業もスタートしたようでございますけれども、この道の駅八王子滝山は、売り上げが順調に伸びていることから、もっと野菜をつくりたいといった意欲的な農業者もふえておりますから、ぜひ支援策を充実していただきたいと思いますし、さらに時代に合った施策を、引き続き展開していただきたいと思います。
次に、農業振興地域についてお尋ねいたしますが、昭和四十年代に農業振興地域の整備に関する法律が施行され、私ども八王子市においても、市街化調整区域内に何カ所か指定されました。当時、指定区域内の農地を保全し有効利用を図るための整備が集中的に行われましたが、農業従事者の高齢化、後継者不足等もあって、現在では耕作放棄地も点在しております。これらの遊休農地の解消や、農地活用に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
○保坂農林水産部長 都は、平成十七年度から、労働力不足などの課題を抱える農家と、農業参画を希望する都民などをマッチングさせる、農地と担い手マッチング事業を実施し、遊休農地解消と農地の有効活用を図る取り組みを推進しています。二十一年度は九件、百八十二アールの農地でマッチングを実施し、年々増加傾向にございます。
また、平成十九年度から、農作業受委託推進事業により、農作業を請け負う受託組織を登録し、労働力不足の農家に紹介して、農地の遊休化を防止する取り組みを実施しております。二十一年度は、六つの受託組織が、昨年を上回る二百六アールの農地で農作業を受託いたしました。
さらに、平成二十一年度からは農地リフレッシュ再生事業をスタートさせ、遊休農地を活用して規模拡大を目指す農業者や新規に参入する農業者等に対し、農地再生のための整備を助成する取り組みを行い、当初計画どおり十二件、四百二アールの遊休農地を再生いたしました。
○石森委員 幾つかの事業によって、この遊休農地の活用は順調に進んでいるようでありますけれども、農業参画を希望する都民の中には、援農ボランティアとして農家を支援しているケースも多いと聞いております。この援農ボランティアの認定状況並びに活動状況についてお伺いいたします。
○保坂農林水産部長 援農ボランティアは、東京都農林水産振興財団が、農業に関心を持つ都民を対象として、区市やJAとの連携のもと、講座研修や農家における実践研修などを実施して養成し、認定を行っております。平成八年度の事業開始以降、認定された援農ボランティアは累計で一千七百五十六名であり、現在、このうち約半数が実際に活動しております。
平成二十一年度は、二回の講座研修と十回の農家研修を実施し、八十六名に対し援農ボランティア認定証を交付いたしました。
なお、東京都においては、農業改良普及センターが労働力不足などの課題を抱える農家の相談に応じ、援農ボランティアの活用に関する情報提供を行い、支援に当たっているところでございます。
○石森委員 援農ボランティアにつきましては、これは農家にとっては貴重な労働力になりますから、都市農業を今後より都民に理解してもらうためにも、また団塊の世代の退職後の受け皿としてのボランティアをふやしていく、こんな努力も必要だと思いますし、都としてはできる限り、今のところ約半数が活動されているという、そんな話でございますけれども、援農ボランティアがスムーズに活動ができるような、そんな支援を引き続きしていただきたいと思います。
また、都市農地の保全に当たっては、国の制度、政策が大きく影響されることになりますけれども、都庁内の各関係局の連携も当然欠かせないところでもございます。特に産労が中心になって、産労がリードして進めていかなければならないと思います。その辺のところの見解をお示しいただきたいと思います。
○保坂農林水産部長 産業労働局では、都市農地の保全に当たり、都市整備局や環境局などの関係局と連携を図りながら、施策を推進しております。
具体的には、都市農地保全を目的に平成二十一度に開始した農業・農地を活かしたまちづくり事業において、区や市に助言、指導を行う委員会の構成メンバーとして、学識経験者等に加え、関係局の担当課長が委員として参画し、専門的な助言を行っております。また、産業労働局が中心となり、都市整備局や環境局と連携し、都市農地保全のための制度の改善に向けた国への提案要望を行っております。
今後も、都市農地の保全に向けては、庁内関係局との連携を一層深めながら取り組みを進めてまいります。
○石森委員 ぜひ産労が中心になって、都市農地の保全を進めていただきたいと思います。
日ごろから農業者と接しておりましてよくいわれるのが、農業改良普及センターの機能強化と、普及指導員の増員でありますけれども、この背景には農業生産技術の高度化があろうかと思いますけれども、このような要望に対してはどのような対応をされているのか、お伺いいたします。
○保坂農林水産部長 農業改良普及センターでは、平成二十一年度の取り組みとして、みずから計画を定め経営改善に取り組む認定農業者や、減農薬栽培に向け技術改善に取り組むエコファーマーなど、意欲的な農業者に対し、現地をきめ細かく巡回し、技術経営の指導や情報提供などの支援を行ってまいりました。
また、高い経営マインドを持ち、将来の地域リーダーを目指す農業者を対象に、延べ七日間の高度な経営研修を行う意欲的農業者支援セミナーを実施いたしました。
さらに、八十七名の新規就労者を対象として、フレッシュアンドUターン農業者後継者セミナーを開催し、技術、経営力、経営能力を養成するため、二年間の体系的研修を実施いたしました。
今後も、普及員の技術、経営指導力の強化を図りながら、多様化、高度化する農業者の課題の解決に貢献できるよう、普及指導活動の一層の充実に努めてまいります。
○石森委員 この普及センターへの農業者の期待、これは大きいものがありますから、増員はやっぱり難しいかと思いますけれども、ぜひきめ細かな対応をお願いしたいと思います。
最後に、プラムポックスウイルスについてお尋ねいたします。
和名はウメ輪紋ウイルス、これ、何かことしの七月ごろ命名されたようでありますけれども、昨年四月、青梅市で、我が国で初めてこのウイルスに感染した梅の木が確認されました。
この病気に感染した木については伐採、抜根をしなければならず、発生地域においては、感染状況や今後の対応等、非常に不安に思っております。特に、感染樹が多いとされる青梅市においては、生産量もさることながら、観光産業にも大きな影響が懸念されるところでございます。このウイルスの現段階の被害状況と今後の対応について、見解をお示しいただきたいと思います。
○保坂農林水産部長 平成二十一年四月に青梅市で確認されたウメ輪紋ウイルスによる木の病気は、感染した実を食べても人体に影響はありませんが、国の特定重要病害虫として指定されているものです。平成二十一年度以降、青梅市のほか都内でも拡大傾向にございます。
東京都は、農林水産省及び発生区市町とも連携し、感染樹の調査、伐採、抜根による廃棄、及び廃棄した木の補償措置等を実施しております。平成二十一年度においては、感染樹等一千百十九本を伐採し、伐採、抜根補償等に要した経費は、約七千六百四十万円でございます。
今年度以降、発生地域の周辺部から伐採、抜根による廃棄措置を実施し、感染樹の多い青梅市梅郷地区についても、順次廃棄措置を行っていく予定でございます。特に、梅が貴重な地域資源でございます青梅市においては、観光への影響も懸念されるため、国に対し、伐採、抜根等の措置を早期に完了するよう要望しているところでございます。
今後とも引き続き関係機関と連携の上、各発生区市町との感染樹の調査、廃棄補償等を、できる限り迅速に実施してまいります。
○石森委員 この吉野梅郷につきましては、梅の花が咲く時期になりますと大勢の観光客が訪れますし、梅の生産量は都下随一でもございますから、感染していたらこれはもうしようがないんですけれども、できる限り最小限の影響にとどまるように、迅速な対応をお願いしたいと思います。
本日は都市農業につきましてのみ、お伺いさせていただきましたけれども、都市農業にかかる期待といいますか、当然新鮮な野菜、これを都民に提供する、そしてまた農地につきましては都民に潤いを与える、そんな多目的な役割を担っているわけでございますけれども、一方で、古くはこの農家というのは、地域にずっと存在するわけでありますから、例えば地域の行事、お祭りあるいは消防団等についても、これはもう地域を支えているのは、かなり農家の方が今までも多かったんですね。そういう意味ではぜひ、東京都としても、農地は郊外にしかございませんが、ぜひ引き続き振興をお願いしたいと思います。
締めくくりに、局長に、この農業振興についての考え方をぜひお聞かせいただいて、質問を終わりにしたいと思います。
○前田産業労働局長 東京農業の振興についてでありますけれども、東京の農業について注目すべき動きが二つございます。
一つは最近、東京産の食材、いろんなものがありますけれども、マスコミで頻繁に取り上げられるようになりまして、都内でつくられる都内産の農産物に対する都民の関心が高まっているということがございます。
二つ目は、今、副委員長からお話もありましたが、生産の基盤である農地が都市に潤いをもたらし、環境保全や防災機能など、さまざまな役割を担う貴重なスペースでもあるという都民の認識が強まっていることでございます。
こうしたことを踏まえまして、都では、都内産の農産物の安全・安心を確保し、地産地消を進めるための取り組みや、農業、農地の持つさまざまな機能を都民生活やまちづくりに生かす取り組みなど、都独自の施策を進めております。
今後とも、区市町村や農業関係団体と連携いたしまして、東京の農業が都民生活に密着した産業として発展し、また良好な都市環境の形成に欠かせない貴重な農地が保全されますよう、東京農業の振興に努めてまいります。
○谷村委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
午後二時三十八分休憩
午後二時五十四分開議
○谷村委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○橘委員 私の方からは、中小企業に対する東京都の制度融資を中心に質問したいと思います。
一昨年秋以降の急激な景気の悪化によりまして、平成二十一年度も、中小企業を取り巻く経済環境は大変厳しいものがございました。
こうした状況を乗り切る一つの支えとして、東京都は、平成二十年度に引き続きまして、二十一年度も、補正予算の編成等を通しまして中小企業の緊急的な資金繰り支援策を講じてまいりました。
多くの中小企業はこうした資金調達の手段として、制度融資を積極的に利用してきたと思いますけれども、平成二十一年度の制度融資の利用件数及び金額をまず確認しておきたいと思います。お答えください。
○櫻井金融部長 平成二十一年度における東京都制度融資の利用実績は十六万二千件、二兆五千三百四十八億円でございます。
○橘委員 今答弁で金額を説明していただきましたけれども、この制度融資の実績が、平成二十一年度の約十六万件、二兆五千億円という実績でありますけれども、これはこれだけを単体で取り上げますと大きな数字ではありますけれども、過去に比べてどのような水準なのか、また、利用実績の面でどんな特徴が出ているのか、その制度利用の実態というのは、たびたび経済状況を反映したものが数字にあらわれてくると思いますけれども、どういう特徴があるのか、そういった面をちょっと説明いただきますでしょうか。
○櫻井金融部長 平成二十一年度の利用実績でございますが、その前年となります平成二十年度の三兆一千二百三十八億円に比べますと、約六千億円減少しているものの、平成十九年度以前が二兆円を下回る水準で推移してきたことと比べますと、依然高い水準となっております。
これは、リーマンショックに端を発しました経済危機によりまして、中小企業の資金繰りに深刻な影響が及ぶ中、平成二十年十月に緊急保証制度が開始されまして、その利用が急増いたしましたが、平成二十一年度においてもその傾向が続いたためでございます。
平成二十一年度の、今申し上げました緊急保証制度の利用実績は、一兆七千九百二十億円でございまして、制度融資全体に占める割合は約七割となっております。
○橘委員 まさに今の数字の中ですべてが凝縮されております。通常であれば、普通に考えれば、景気が非常に厳しい状況になってきたら、制度融資というのはもう、単純に考えればふえてもいいはず、けれどもそれが減少しているというのは、この緊急保証制度、これが補完したという形になるわけです。これは、見方はさまざまあると思いますけれども、この制度融資の必要性というのが、厳しくなればなるほどきめ細かな制度融資が必要だという、そのあらわれでもあると私は分析しております。
そして次にですけれども、制度融資が積極的に利用されている、この厳しい状況の中で、緊急保証制度もあったけれども、制度融資がかなり積極的に利用されている、その一方で、資金繰りのめどが立たなくて事業継続が困難となった企業も出ているのも、これは現実であります。
そこで、返済が困難となった場合に、東京信用保証協会が金融機関に対して行う代位弁済について伺いますけれども、平成二十一年度の利用件数及びその金額はどうなっているのか、また過去と比べてどのような水準になっているのか、そして今回またどういう特徴が出ているのか、その辺のことをお答えください。
○櫻井金融部長 平成二十一年度の東京信用保証協会による金融機関に対する代位弁済は、一部制度融資以外の実績も含まれておりますが、一万九千件、二千百十五億円でございます。
代位弁済は、平成十九年度以前は一千億円前後で推移をしておりましたが、平成二十年度は、急激な景気の悪化を受けまして、千七百十六億円と大幅に増加いたしまして、平成二十一年度も景気低迷が続いたことによりまして、二千億円を超える高い水準となっております。
こうした代位弁済の増加傾向でございますが、特定の業種に偏るものではなく、全業種を通じて見られるものでございます。しかし、平成二十一年十二月の中小企業金融円滑化法の施行によりまして、融資期間の延長といいました貸付条件の変更が可能となったため、多くの中小企業にとりまして、当面の返済負担が軽減されることとなりました。その結果、代位弁済の増加傾向は反転することとなりまして、平成二十二年度上半期におきましては七百六十億円と、前年同期比で三割以上の減少となっているところでございます。
○橘委員 今の数字にも政策的に打ち出すことと、それから現状をどう打開する、この関連性が非常に如実にあらわれた数字であります。代位弁済が景気の悪化とともにどんどんふえていった、けれどもそこで中小企業金融円滑化法、これを打ったことによってこれがまた下がるという、政策がいかに機動的に打てるかどうか、これがやはり大変重要なことだと私は思います。この数字がまた如実にあらわれているなと思いました。
この景気低迷の影響が続く中で、緊急保証制度の利用が約七割を占めているということは、これはよく今の答弁でわかりましたけれども、たび重なる緊急保証制度の利用によって、これ以上の資金調達ができないという企業も出始めている、また結構あるかに聞いております。
そこで、今後の対応としては、緊急保証制度に加えて、活用可能なほかのさまざまな融資メニューの利用を促していく必要があると考えます。そうした観点から何点か伺ってまいります。
実は私は、ことし三月の予算特別委員会でも、資金調達力の弱い小規模企業にとっては、不動産以外の資産を担保として融資を行う流動資産担保融資の利用促進が、これからは重要ではないかという主張をいたしました。まずこの流動資産担保融資について、これまでの取り組みの経緯と、それから平成二十一年度の実績について伺います。
○櫻井金融部長 流動資産担保融資は、制度融資の中の融資メニューの一つでございまして、不動産担保に依存しない新たな融資手法として、平成十三年度に売掛債権を担保とした融資として開始いたしました。その後、平成十九年度には、担保に供することができる資産に棚卸資産、いわゆる在庫を追加したところでございます。
平成二十一年度の実績は二百二十六件、三十九億円でございまして、平成十三年度の制度創設から平成二十一年度末までの累計は八千八百十件、六百三十九億円でございます。
○橘委員 この流動資産担保融資、この利用は一定程度はあるといえると思います。今の数字でも大体一定程度の需要はあるというふうにいえると思います。ただし、制度融資全体に占める割合となると、まだまだ小さいのが現状のようであります。
さらに私は、多くの中小企業の強い願いとして、設備機械やトラックといった動産についても、担保として活用すべきであるということも主張してまいりました。土地はないけれども、不動産はないけれども我が社には機械がある、トラックがある、これが担保として使えないかという、そういった切実な声も聞きましたので、それを提案してまいりました。
これに対して都は、本年三月に機械・設備担保融資を創設いたしまして、今回、都としてこの制度を推進しているわけですけれども、改めて伺いますけれども、この制度を創設した意義について確認しておきたいと思います。
○櫻井金融部長 不動産資産に乏しい小規模企業にとりまして、動産を担保とした融資は、資金調達の多様化につながるにもかかわらず、その普及は進んでおりません。特にお話のございました、機械や設備を担保とした融資は、現行の国の信用保険制度の対象となっておりません。
そうした中、都といたしましては、国に先駆けて、都が独自に工作機械や車両など、事業用の有形固定資産である動産を幅広く担保に活用できる制度を創設することによりまして、現在の厳しい経済環境の中、資金繰りに苦しむ小規模企業の新たな資金調達の道を開くところに意義があると考えております。
特に、本制度におきましては、保証料補助や損失補助といいました財政措置を講じることによりまして、小規模企業に対する融資の促進を図る考えでございます。
○橘委員 この新しい取り組みは、まさに資金繰りに苦しんでいる小規模な企業にとっては、信用の創造につながるものとして評価したいと思います。
とかく日本は、どうしても不動産を中心とした、それを担保にした融資が主流でありまして、融資する側も融資を受ける側も、不動産がなければ融資を受けられないという、そういった固定概念といいますか、これが伝統的に続いてきたわけであります。しかしながら、土地価格が不安定な状況の中で、いつまでも土地だけを、不動産だけを、これを担保としてすがるような、そういった状況では、企業経営にとっては非常に不安定であると私は思います。そこで、この機械とか設備、トラックであるとか、そういった動産、これを担保にするという発想、これが必要であるとは思いながらも、なかなかそれが実現しなかった。
なぜかといいますと、これは価格に対する保証がないということ、それが不安定であるということ、そういったものが今までネックになってきましたけれども、実はネットを見ますと、ネット上では、もう設備機械等は中古市場がかなり定着しているんですね。業界の方に聞きますと、今まではそれが非常に不安定であった、ところが最近はその価格も、中古は中古なりに価格が結構安定しつつあるという、そういう状況になっているようであります。
したがって、例えば三千万で買った機械が、二、三年使って中古にはなったけれども、価値としては中古市場では一千万の価値がまだある、それが一千万で売れるとなれば一千万の価値があるわけです。その価値によってそれが担保価値を生む。ということは、小規模な企業にとってもそういうものがあれば、それを担保にして融資を受けることができる。ほかにあと担保になるものはない、けれどもそれがあるというのは、やはり一つの力強い担保、新たな信用保証ですね、これはね。そういうものになると思いますので、これまた力を入れて取り組んでいっていただきたいと思います。
ただし、こういう東京都が全国に先駆けて、国が信用保険制度の対象としていない、国もこの担保価値として認めていない、それがまだ危ない、そういった多分発想だと思いますけれども、しかしながらその中で、東京都が、世間ではそう見られているかもしれないけれども、設備機械等動産を担保にした融資を実行に移したということ、これは本当に英断だと思いますし、それをもっと深く読み取れば、東京都が中小企業を何とかして、どんな形かわからないけれども、可能な限り中小企業を守ろうという、そういった意思のあらわれの一つの制度がこれであろうかと私は考えております。したがって、これからどういうふうにして発展させていくのか、今後の推移を注目していきたいと私は思っております。
さらに、今、東京都がこれも含めまして、さまざまな制度融資を推進しておりますけれども、ただし、こういう制度があるにもかかわらず、なかなか中小企業者の皆さんの中にはまだ浸透していない、定着していないという現実も一方ではあるわけです。
そして大事なことは、現在のその会社会社が直面している必要な融資、これは会社によって、またその同じ会社であっても時期によって全然違うんですね。今はこういった融資が欲しい、今はこういった融資が欲しいというものはかなり違うようでございます。
したがって、いろんな制度がパンフレット等にはなっておりますけれども、これを今度知識として頭に入っている、また経営の一環として組み込まれている、そういった発想が必要であると思います。そうするためには、まず周知をもう少し図っていく必要があると思いますけれども、その辺の見解について伺います。
○櫻井金融部長 平成二十年秋以降の不況は、現在まで長期にわたっておりまして、この間、たび重なる利用によりまして、緊急保証制度によるこれ以上の資金調達が困難となっている中小企業もございます。
したがいまして、制度融資のほかの特色のあるメニューや、機械・設備担保融資制度、地域の金融機関と連携した新保証つき融資制度といった、都の独自の融資制度利用を促進することによりまして、中小企業の資金調達の多様化を図っていくことは重要なことと考えております。
都はこれまでも、こうした都のさまざまな融資制度につきまして、保証協会や取扱金融機関はもとより、商工団体や区市町村等と連携し、ホームページやメールマガジン、機関紙への掲載、リーフレットの作成といったさまざまな方法によりまして、周知に努めてきたところでございます。
引き続き、例えば、関係機関による中小企業の経営者を集めたセミナーの機会を活用したり、また、金融機関の担当者を集めた説明会を開催するなど、より一層の周知を図りまして利用を促進することにより、中小企業の資金繰り対策に万全を期してまいります。
○橘委員 私も企業にリーフレット等をお持ちして、こういう東京都の制度がありますよといったことを、お持ちすることはあるんですけれども、実際どうなるかというと、あっそうで終わるんですね、大体ね。けれども、その企業の経営者が頭に残っているのは、直接話して、こういう場合はこういう制度が使えますよという、もろ直接話した内容というのは結構残っているように私は実感しております。だから直接話すという、そのリーフレットを配るだけではなくて直接話すという、そういった徹底の仕方をさらに工夫していただきたいということを要望しておきたいと思います。
制度融資に関連しましてもう一点お伺いします。
先日、ある中小企業の経営者からこんな話を聞いたんですね。中小企業診断士に経営診断をお願いしてみたところ--その方は半信半疑だったらしいんです。といいますのは、それまでは我が社では内部努力を徹底してやってきましたと、コスト削減を徹底してやってきたために、むだはほとんどないと思っていたんですと。けれども、診断士の指摘により、今まで気づかなかったようなむだが見つかってコストの削減ができた、その後の資金計画の改善に大変役に立ったという話を伺いました。初めは半信半疑だったけれども、実際に物は試しということでお願いしてみたところ、そういうことがわかったと非常に喜んでいたんですね。
そこで、現在もまだ資金繰りの悪化や受注の減少など、中小企業を取り巻く経済環境は依然として厳しい状況にあります。この今申し上げました制度融資等の資金繰りの支援とあわせて、こうした企業経営の体質改善、これについても、早目早目に図ることができるように、都としても経営面での支援に取り組むことが重要であると考えますけれども、見解と、それからこれまでの実績等を伺いたいと思います。
○山手商工部長 中小企業がこの厳しい経済環境を乗り越え、将来にわたり成長発展していくためには、資金繰りのみならず、さまざまな経営の課題を早期に解決していく必要がございます。そのためには、豊富な知見とノウハウを持った外部の専門家が、企業自身では気づかなかった課題を見出し、その解決に向けた助言を行うことは極めて有効であるというふうに考えてございます。
こうした考え方に基づきまして、都では、都と中小企業支援機関が連携して実施いたします、経営力向上TOKYOプロジェクトを立ち上げまして、平成二十一年度は、中小企業診断士が二千十六社の企業を訪問いたしまして、経営改善に向けたアドバイスを行いました。
この事業によって、経営者みずからが把握していない問題点を認識し、専門家とともに経営課題に早期に対応していくことによりまして、経営環境の急激な変化にも的確に対応することが可能となり、実際に経営支援を受けた企業からは、経営の問題点やその解決策が明らかになった、あるいは商談が成立し、新たな顧客開拓につながったとの報告が寄せられてございます。
都は厳しい経営環境を踏まえまして、引き続き中小企業の経営支援に着実に取り組んでまいります。
○橘委員 厳しい経営環境にある中小企業にとって、制度融資という金融面での支援も大事でありますけれども、幾ら資金面で融資を受けたとしても、経営実態が、むだが結構あったり、そうすることはお金を注いでも、それがむだに流れていく部分も出てくるということになりますので、その金融面と経営面の努力、そしてまた行政による支援というのは車の両輪であると思います。したがいまして、これはしっかり車の両輪としてとらえて、金融面と経営面、この東京の中小企業を守っていくために、特に小規模な事業所を守っていくために、企業を守っていくために、さらにしっかりと取り組んでいっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山内委員 幾つかご質問させていただきます。
まず都市農地の保全についてお伺いいたします。
平成二十一年度第一回インターネット都政モニターアンケート、東京の農業の結果を拝見いたしました。
東京に農業、農地を残したいと思う人は八五%、年代別では、五十代が九六%でトップ、二十代が八六%と続き、前回の十七年度の調査より四ポイント上昇、農作業体験をしたいと思うは五六%で、年代別には二十代が六八%、三十代、四十代と続き、若い世代ほど農作業体験をしたいと考えています。東京産農畜産物を購入したことがある人は五九%、東京産農畜産物に期待するものは、新鮮さが六三%、安全・安心五七%、東京の農業、農地に期待する役割は、新鮮で安全な農畜産物の供給が六六%、自然や環境の保全四九%、農業振興のため東京都が力を入れるべき施策は、学校給食への地場産の農産物の使用五三%がトップとなっていました。数字の上でもこれだけ都民の皆さんが、東京の農業に関心があるとわかって、驚くとともにうれしく思います。
都市農業の生産基盤である生産緑地は、平成二十一年四月一日現在、三千五百六十五ヘクタールで、ここを中心に農業者の皆さんが一生懸命営農に取り組んでいらっしゃいます。しかし、生産緑地については、相続税納税猶予制度など、営農継続に向けた制度があるものの、実際には相続の発生などで営農が困難になることも多く、生産緑地の指定解除がしばしば発生しております。
都市農地は、平成十一年の五千九百十二ヘクタールから、十年間で日比谷公園七十七個分に当たる約千二百五十ヘクタールも減少しております。これは、今ある生産緑地の約三分の一が十年間でなくなったことになります。
この傾向が続きましたら、農業者の努力や、都民の皆さんの思いにもかかわらず、東京の農地は遠くない将来、消失してしまうかもしれないという危惧がございます。そこで、平成二十一年度に実施した都市農業の振興と生産緑地の保全に向けた東京都の取り組みについて伺います。
○保坂農林水産部長 都市農地の都市農業の振興に向けた取り組みといたしましては、魅力ある都市農業育成対策事業を実施し、農業者の経営改善や生産振興に向けた取り組みを実施しているところでございます。
具体的には、十一の区と市において、野菜の生産を拡大するためのパイプハウスや、イチゴの養育栽培施設、高品質なブドウ生産のための大型栽培施設の整備などについて助成を行っております。
また、生産緑地の保全に向けては、生産緑地保全整備事業を実施し、七つの区と市において農地の基盤整備のための取り組みを支援いたしました。
具体的には、農業者の指導のもと農業が体験できる農業体験農園の整備や、災害時に地域住民が活用できる防災兼用の農業井戸の整備、土砂の道路流出を防ぐための農地整備などについて助成を行ったところでございます。
○山内委員 都は都市農業、都市農地が都民生活やまちづくりに一層貢献し、農業が魅力ある産業として発展していくことにより、貴重な都市農地を保全したいとして、区市町村への指針として、農業・農地を活かしたまちづくりガイドラインを策定しております。
これは、都市と農業、農地の共生という基本的な考えのもと、農業者や都民、行政などが連携して、農業、農地を生かしたまちづくりを実現し、東京の貴重な都市農地を保全していくというもので、農地の保全を農業従事者だけの問題とするのではなく、まちづくりとして地域全体で対応していこうとする方針と高く評価するものです。
そこで、都市の農業、農地をまちづくりに位置づけた東京都の見解を伺います。
○保坂農林水産部長 今日、東京の都市農業、農地は、新鮮で安全・安心な農産物を都民に届けるばかりでなく、観光農園や農業体験農園など、レクリエーションやコミュニティ機能、子どもたちの食育の場としての教育機能また災害時の避難場所や火災の延焼遮断などの防災機能、さらにヒートアイランド現象などの緩和などの環境保全機能など、都民生活や良好な都市環境の形成に重要な役割を果たしております。
そこで、こうした都市農業、農地をまちづくりの中にしっかりと位置づけ、多面的機能を一層発揮させる取り組みを進めることにより、豊かな都民生活に貢献するとともに、都民と農業者の相互理解のもと、都市農地を積極的に保全していくことが重要と考えているところでございます。
○山内委員 ガイドライン策定後、これを推進するために、都は農業、農地を生かしたまちづくりに積極的に取り組む区や市を指定し、モデルプランの作成を支援しております。今までに四つの区市で作成されていますが、現在の取り組み状況についてお伺いいたします。
○保坂農林水産部長 都は、平成二十年度から、都民の暮らしが潤う東京農業推進事業により、毎年二区市ずつ、三年間、都のガイドラインを参考として、モデルプランの作成に取り組む区市を支援しております。
平成二十年度は練馬区と国分寺市で、二十一年度は日野市と西東京市で作成し、今年度は立川市と国立市でモデルプランの策定に取り組んでおります。
また、平成二十一年度からは、農業・農地を活かしたまちづくり事業を実施し、区市がモデルプランを実施する、モデルプランを実現するために、必要な施設の整備等について支援を行っております。
現在、練馬区では、子どもたちの稲作体験施設の整備など、国分寺市では、障害者を含めた市民の農業ふれあい施設の整備などに取り組んでいるところでございます。
○山内委員 都内の農地の約六割が市街化区域にあり、貴重な緑地空間としてヒートアイランド現象の緩和や、災害時の避難場所、子どもたちの食育の場となるなど、都市農地ならではの役割を持っています。
都民の都市農業に対する関心と、農地保全に対する期待は大きいものがあります。幸いにも、人口減少の時代の到来などにより、農地の宅地化を前提とするまちづくりは終えんとすべき社会状況になっています。国の農業政策は、農村を基調として生産面からとらえておりますが、大消費地東京における農地は、都市の生活者にとって公共性を持つものと考えられ、都市農業をきちんと位置づけた上での施策が必要と考えます。
また、消費者の立場からは、身近でつくられる新鮮な野菜は大変魅力的なものですが、それだけではなく、何よりも低農薬栽培など、安全・安心に重点を置いて生産された野菜を求めています。環境にも配慮した安全・安心な農作物の生産について、都はどのような支援を行っているのか伺います。
○保坂農林水産部長 住宅地域に近接し、消費者から見える場所で農業生産を行う東京の農業は、農薬の使い方などに気を配り、環境に配慮し、安全・安心な農産物が生産されております。東京都はこのような東京の農業をさらに振興するために、平成六年に東京都環境保全型農業推進基本方針を策定し、全国に先駆けて環境保全型農業の推進に取り組んでまいりました。
昨年三月には本方針を改定し、これまでの方針を一歩進め、すべての生産者の環境保全型農業への取り組みを促すことといたしました。
具体的には、東京都有機農業堆肥センターを設置し、優良堆肥を供給しながら、農業改良普及センターによる生産技術指導、また農林総合研究センターによる、農産物の安全確保等についての試験研究を実施し、農家を支援してまいりました。
今後とも、環境に配慮し、安全・安心な農産物の生産を支援してまいります。
○山内委員 生産現場がわかる、顔と顔がわかる関係は、安全・安心を生みます。信頼関係を築くことは、安定供給にもつながっていくと思われます。農家の支援とあわせ、市民農園等にも農薬の情報を正しく伝え、環境保全型農業が広まり、さらには学校給食などにも取り入れられるよう、都の努力をお願いいたします。
次に、障害者の就労支援についてお伺いいたします。
「十年後の東京」では、東京の強みを生かした障害者雇用三万人増の実現を掲げていますが、リーマンショック以来、経済の冷え込みが企業の業績悪化となって、雇用全体に影響を与えています。
そうした中で、平成二十一年の東京労働局発表によると、都内民間企業の雇用障害者数は、前年より四千三百九人増の十二万四千百四十七人に上っています。企業規模の雇用率では、千人以上の企業がようやく法定雇用率を超え一・八一%となっており、民間企業全体では一・五六%と、わずかながらも上昇しています。一方、百人以下の企業規模の雇用率は〇・六七%と前年を下回っていることなど、課題と考えております。
そこで、都は、中小企業への周知、啓発をどのように行っているのかお伺いします。
○日請雇用就業部長 都内における障害者の雇用機会を維持拡大するために、雇用の受け皿となる企業の理解促進に向けた意識啓発、あるいは情報提供が重要でございまして、都では、障害種別ごとに、その特性や雇用に当たって留意すべきポイント等をまとめた障害者雇用促進ハンドブックを二万五千部作成し、行政機関等の窓口のほか、中小企業により構成されます事業主団体等を通じまして、配布をしております。
また、東京しごと財団において、中小企業を対象といたしました普及啓発セミナーを年六回開催をしております。こうした取り組みによりまして、障害者雇用に対する企業の理解促進に努めているところでございます。
○山内委員 せっかく都が啓発、周知をして、企業が障害者を採用しても、その後職場に定着しなければ、実にもったいない結果になってしまうと思います。障害者の職場定着を進めていくために、障害者の特性を理解したジョブコーチが必要に応じて支援の手を差し伸べてくれる体制が必要です。このため、東京都もより多くのジョブコーチを養成していくことが求められています。
国では、障害者職業センターなどにおいて、ジョブコーチとして必要な専門的知識及び支援技術の習得を図るための研修を実施していますが、東京ジョブコーチの取り組みについてお伺いします。
○日請雇用就業部長 企業における採用後の定着のためには、職場や障害者の方々の実情に応じた、きめ細かな支援を行う必要があるというふうに考えております。
このため、都では平成二十年度から、国に準じた内容の研修によりまして、専門の知識を身につけたジョブコーチを企業に派遣し、障害者の職場への適応及び定着を支援する東京ジョブコーチ支援事業を実施しております。
今年度は、ジョブコーチの人数を昨年度より二十名増員いたしまして六十名としましたほかは、新たに進行管理や困難事例への対応を行う統括コーディネーターを三名配置いたしまして、支援体制を充実させたところでございます。
○山内委員 障害者が身近な地域で働く場の確保は、障害者の生活と暮らしの面で有効と考えます。地域の農家などは、精神障害の方も試験的に受け入れているということも聞いております。
そこで、産業労働局は、企業や障害者のニーズの発掘と促進に向けて、福祉保健局や教育庁や地域の就労支援機関との連携のもと、障害者の就業促進に効果を上げていただきたいと思いますが、見解を伺います。
○日請雇用就業部長 障害者雇用促進の取り組みの実効性を高めるためには、関係機関との連携が大変重要であるというふうに認識しておるところでございます。現在、経済団体、企業等、あるいは都庁内の関係部局により構成されます障害者就労支援協議会が設置されておりまして、この協議会を通じまして、障害者雇用の促進に向けた取り組みを行っているところでございます。
また、都では産業労働局、福祉保健局、教育庁が連携しまして、企業向けのセミナーを開催いたしております。さらに、しごと財団を通じまして、地域の就労支援機関と連携し、職場見学会、あるいは企業合同説明会を実施しております。
今後とも、関係機関等と十分連携し、効果的な障害者の就労支援を実施してまいります。
○山内委員 障害者の自立と社会参加を促進していく上で、雇用就業は重要な柱であり、障害者が能力を最大限発揮し、働くことを通じて社会参加ができるよう、多くの企業がさらなる環境整備を進めることを期待しております。
また、職場定着の支援の要望も多いことから、都は、ジョブコーチの人数をふやすとともに、当事者への適切なアドバイスができるような継続的支援も要望いたします。
大阪府の箕面市障害者雇用支援センターでは、障害を持つ方がいろいろな仕事で働くことを通して、社会とつながっていけるような支援を行っていると聞きます。その一つに仕事探しがあり、毎日のかかわりを通して、その人それぞれの長所をたくさん見つけ、本人にとって適した仕事内容、通勤できる範囲などについても一緒に考える、また、常に地域の商店と顔をつなげて、その人に適した仕事を見つけ出すなどの職場の開発を行い、マッチングや就職後のフォローアップも行いながら取り組んでいます。
このように、障害を持つ人、持たない人も地域で自立して生きられる社会づくりは、障害の有無にかかわらず、だれにとっても住みやすい社会であると考えます。既に成果を上げている他県の取り組みも参考にして、都において中小企業の雇用を促進し、精神障害者の雇用も拡大することを要望して質問を終わります。
○山崎委員 私から何点か質問させていただきます。
都政においては、さまざまな施策の効果を高めつつ、より効率的な執行体制をつくり上げていくため、不断の努力を続けるべきことは、今さらいうまでもないことでございます。都が直営で行うよりも、柔軟な運用や対応が可能となり、民間の持つ効率性をも導入できる事業執行の体制を実現するため、これまで都事業の多くで監理団体の活用を図ってきました。
産業労働局の中小企業振興施策においても、事業内容や性質に応じて、これまでも監理団体である中小企業振興公社と連携した事業展開が行われてきたところです。公社を取り上げるのであれば、一部の事業をとらえるだけでなく、公社事業の全体像を把握した上で論じるべきであります。そういった観点から質問いたします。
まずは、都の中小企業振興における東京都中小企業振興公社の意義について、確認しておきたいと思います。
○山手商工部長 東京都中小企業振興公社は、東京の産業雇用を支える中小企業を支援するため、機動的かつ効率的に事業を実施できるという特色を生かしまして、公益性の高い事業を多角的に実施しております。中でも、海外販路開拓支援や知的財産の保護などにつきましては、高い実績を上げてございまして、都内中小企業から強い信頼を得ております。
今後とも、都は中小企業振興公社と緊密に連携をいたしまして、都内中小企業の支援を着実に進めてまいります。
○山崎委員 今の答弁から、中小企業振興公社が、中小企業振興に重要な役割を果たしていることがわかりました。引き続いて、中小企業の振興に向けて重要と思われる公社の事業について質疑をいたします。
昨年度は、一昨年九月のリーマンショックに端を発して以来、都内の中小企業を取り巻く状況がこれまでになく厳しい状況となり、緊急的な中小企業支援策が必要になったものと考えています。
こうした中、都は、昨年度中小企業の経営力を強化し、都内企業が厳しい状況を乗り越えて、将来に向けた基盤づくりをするため、中小企業振興公社を初め、商工会議所や商工会などの中小企業支援機関の総力を結集して、経営力向上TOKYOプロジェクトに着手したところです。
同プロジェクトは、経営力の強化に向けた着実な取り組みとして立ち上げたと聞いておりますが、六月には補正予算も組み込まれることにより、プロジェクトの内容と予算の事業とがうまく組み合わさって、緊急的な中小企業対策としての効果を上げております。やはり中小企業にとって、何よりも仕事の確保、いわゆる販路開拓も重要であり、そうした面で、経営力向上TOKYOプロジェクトや補正予算の内容がどのような成果を上げてきたのか、そして、中小企業振興公社の果たした役割を踏まえながら、説明をお願いいたします。
○山手商工部長 景気の悪化による急激な受注の減少により、危機的な経営環境が続きます中、中小企業が経営上の課題を理解してその解決を図るとともに、仕事の確保に向け、国内外の展示会に出展するなどの販路開拓の取り組みを進めることが重要でございます。
そのため、お話しの経営力向上TOKYOプロジェクトにおいて、中小企業振興公社の経営支援に関するノウハウを活用し、中小企業の抱える課題を明らかにするためのチェックシートを作成いたしまして、企業の経営診断時に活用したところでございます。
また、都では補正予算を組んで、展示会や見本市への出展経費やPR経費等への助成を行う受注開拓緊急支援事業を実施いたしまして、中小企業の仕事の確保を支援していきました。この事業では、中小企業振興公社に助成事務を行わせることで、きめ細かな相談や迅速な事務処理対応が可能となり、その結果、当初予定していた二百社を上回る三百五社に対しまして、展示会への出展等への助成を行っております。
引き続き都は、中小企業振興公社や商工会議所などの中小企業支援機関と密接な連携を図りまして、経営基盤の強化に向け努力を続ける中小企業に対しまして、経営改善から販路開拓まで切れ目なく強力に支援をしてまいります。
○山崎委員 ぜひ強力な支援をお願いいたします。
中小企業が販路開拓をしても、取引の相手が大手企業であるとか、そして、取引の選択肢を多く持っているものが相手となると、とにかく努力した、より確保した取引の中で不利な状況になってしまうと聞いております。そのため、行政としては下請取引における適正さの確保に関する普及啓発に努めるとともに、不利な取引に置かれ困窮している中小企業の状況を把握して、不適正な状況の解消に向けたアドバイスをしっかり行い、相談内容によっては調停に乗り出すなどの対応を図っていくことが必要であります。
下請企業の立場に立ったきめ細かな支援がより求められておりますが、中小企業振興公社としては、こうした課題に対してどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。
○山手商工部長 取引に係る下請代金の支払い遅延や減額要求などの不適正な取引は、中小企業の経営に多大な影響を及ぼす切実な問題であるというふうに考えてございます。
こうした認識のもと、中小企業振興公社は平成二十年度に、自治体関係機関では全国唯一の裁判外紛争解決手続、いわゆるADR機能を持った下請センター東京を設置いたしまして、取引に係る苦情相談への対応や、不適正取引の調停に取り組んでまいりました。
平成二十一年度の下請センター東京における相談件数は七百三十八件でございまして、前年度と比較いたしまして二百七十四件、約一・六倍に増加するとともに、同センターの設置前の平成十九年度と比較すると九・二倍の増加となってございます。また、調停あっせんに持ち込まれた件数は二十六件を数えまして、平成十九年度と比較すると約八・七倍に増加してございます。
このような苦情相談や調停あっせん等の増加に迅速かつ適切に対応するため、公社では、紛争解決専門員を増員するなどの機動的な対応を行ったところでございます。また、不適正な取引の発生を未然に防止するため、中小企業を巡回訪問し、下請法の啓発や指導に加えまして、取引上の課題を掘り起こし解決に向けたアドバイスを行う取引適正化相談員もあわせて増員したところでございます。
中小企業振興公社は、取引の相談窓口や巡回訪問などの体制の充実を図りますとともに、下請取引に係るトラブルを抱える企業に対しまして、きめ細やかな対応に努めて、下請取引の適正化に向け着実な成果を上げているというふうに考えてございます。
○山崎委員 続きまして、創業の支援について伺います。
緊急的な中小企業支援策は重要ですが、東京の産業の活性化を中長期的な視点から着実に実現していくためには、将来性の高い技術やビジネスモデルを持つ起業家たちの創業を積極的に支援していくことも、行政として重要な役割であります。
創業にはさまざまな知識やノウハウが必要となりますが、幾つかの例を挙げるだけでも、ビジネスプランの作成、マーケティング、資金調達、税務、法務など、事業を立ち上げ軌道に乗せていくために、起業家が知っておかなければならないことは数多くあります。起業家がこのような知識を地道に身につけ、会社経営を確実なものにしていく上で、中小企業振興公社の果たすべき役割は大きいわけであります。
そこで、中小企業振興公社は創業に向けた支援にどのように取り組んできたのか、運営状況も含めてお伺いします。
○山手商工部長 中小企業振興公社では、創業の支援に向けまして、起業家に対して会社経営に関するさまざまな知識やノウハウを提供いたしますとともに、創業直後の経営負担の軽減によるサポートに取り組んでまいりました。
具体的には、昨年度は、専門家による会社設立に関する無料相談を九百三十七件実施するとともに、金融機関からの資金調達やマーケティングなど、会社経営に不可欠な内容について幅広く相談に応じるほか、助成金等の各種支援策の紹介を行ってまいりました。
また、操業に必要な知識などを集中的に学べるセミナーを実施してございまして、昨年度は七コースを開催し、三百二十八人が受講したところでございます。
さらに、操業して間もない企業などが低廉な賃料で事業活動を行う場所を提供し、企業経営の進め方に関する情報の提供なども行うインキュベーション施設について、千代田区の神田にございますベンチャーKANDAなど六施設の運営を行ってございます。
このほかに、学生の中で起業の意向のある者を支援する取り組みとして、学生が企画したビジネスプランを競わせ、優秀なプランについて実際の創業をサポートいたします、学生起業家選手権を開催いたしまして、昨年は二百三十件の応募があり、優秀賞を受賞した学生の中には、既に起業を果たした事例も出ているところでございます。
こうした取り組みによりまして、中小企業振興公社では、創業の支援について着実な成果を上げて、東京の産業の活性化に努めているところでございます。
○山崎委員 次に、知的財産の問題について伺います。
中小企業が新製品を開発し、新しい市場を開拓しても、その技術がまねをされ、そして安い価格の類似品が大量に出回ることで、最初に開発した企業がみずからの技術や製品を生かし切れずに、市場から撤退してしまう事例は後を絶ちません。特に、企業体力があって、技術の活用方法で圧倒的な力を持っている大企業が参入してくると、中小企業は到底太刀打ちができないわけであります。
こうした厳しい環境の中、中小企業が知的財産を効果的に活用していくことができるよう、公社としてもしっかりとサポートを行うことが不可欠であります。
公社では、知的財産総合センターを運営し、中小企業に対して、知的財産に関する多面的な支援を行っておりますが、その支援の状況や成果がどのようなものになっているのか伺います。
○山手商工部長 中小企業振興公社は、知的財産総合センターの運営によりまして、都内中小企業の知的財産の保護や活用に向けたさまざまな支援を行ってまいりました。
同センターに企業から寄せられる相談の件数は、年々増加しておりまして、平成二十一年度には四千二百四十五件に上りまして、前年度と比べて一〇%を超える伸びを示してございます。
相談の内容といたしましては、知的財産の権利の取得を初め、ライセンス契約や特許の管理など、知的財産のより高度な活用のための相談も増加してございます。
また、平成二十年度からは、すぐれた技術を知的財産として戦略的に活用することを希望する中小企業に対しまして、社内体制の整備や、知的財産戦略の策定を集中的、継続的に支援いたします知財戦略導入支援事業を実施してございまして、昨年度までに二十社を支援しています。さらに、外国での特許出願に要する費用等の助成や、セミナーの開催による普及啓発など、幅広い支援を実施してございます。
中小企業が厳しい競争の中で会社経営の発展を実現するため、知的財産への理解とその活用はますます重要となりますことから、都としては、中小企業振興公社の事業を通じて、知的財産に係る効果的な支援を展開してまいります。
○山崎委員 次に、中小企業の人材育成への支援について伺います。
景気低迷に伴い、大手企業が新規採用を手控えている状況の中、ようやく中小企業にとって、かつてであれば大企業志向であった優秀な人材を確保できるチャンスがめぐってきたのですが、そうした人材を十分に生かしながら、会社としての持続的かつ安定的な成長に結びつけていくためには、確保した人材の育成にもしっかりと力を注いでいくことが不可欠です。
しかし、中小企業には人材育成の組織すらなく、計画的な人材育成の仕組みをつくり上げることができなかったり、よりレベルの高い製品開発や販路開拓に関するスキルやノウハウを有する社員の育成もできずに、経営そのものが停滞してしまっているというケースすら耳にしております。
中小企業振興公社は、中小企業の人、物、金、この三つを総合的に支援する立場にあると思いますが、人材の育成にどのように取り組んでいるのか、二十一年度の状況や実績について伺います。
○山手商工部長 中小企業にとりまして、計画的な人材の育成は、新製品や新技術を開発したり、経営のマネジメント能力を高める上で不可欠な取り組みとなってございます。その一方で、計画的で戦略的な視点から人材育成を行うには、さまざまな知識やノウハウが必要となりまして、中小企業では対応できない場合が多いとの実態もございます。
このため、中小企業振興公社では平成二十年度から、企業経営や人材育成に詳しい専門家を人材ナビゲーターとして四名を配置いたしまして、個々の企業の成長ビジョンや事業戦略を踏まえた人材育成計画を策定する取り組みを支援してまいりました。
平成二十一年度は、ナビゲーターを三十四の企業に派遣いたしまして、計画策定の支援を行いますとともに、これまでに支援した企業についても、策定後の状況を把握いたしましてアドバイスを行うなどのフォローアップを行い、育成計画の定着や実現に向けた継続的な支援を実施してございます。
さらに、中小企業が、新製品の開発を担う中堅人材の育成を着実に行うことも必要となってございまして、企業の製品開発者を対象に、新製品の企画から販売までのプロセスを実践的に習得いたします実践ものづくり中核人材事業を実施いたしました。二十一年度に同事業に参加した企業十八社のうち六社で、事業の中で開発された新製品が販売実績を上げるなど、参加者を初め中小企業から高い評価を得たところでございます。
今後も引き続き、都は中小企業振興公社を通じて、中小企業を支える人材の育成支援に努めてまいります。
○山崎委員 今回の質疑で、監理団体としての公社が、中小企業振興の分野においてすぐれた実績を上げていることが明らかとなりましたが、公社の今日の対応能力の高さは、都から長年にわたって事務事業の移譲を受けながら、効率的な執行体制をつくり上げる努力を積み重ねた成果であると考えるべきであります。
都は、事業執行の効率性を高めるために、監理団体の効果的な活用を図るとの方向性を打ち出して、都庁の職員定数を抑制しつつ、監理団体が業務の実施の担い手となるような取り組みを進めてきました。都政としてのそうした動きの根拠となる職員定数や組織体制に係る条例の改正についても、我々都議会自民党は後押しをする立場を貫いてきましたが、民主党も同様の考え方をとり続けてきたのは確かな事実であります。
そうした民主党から、今般、監理団体の事業運営のあり方を早急に見直すべきとの議論が出てきておりますが、今や都の業務の多くを監理団体が実施する状況が定着する中、強引なやり方で監理団体の仕事に改革を求めることは、都政全体の事業執行の力を低下させてしまうとの事実を、冷静になって認識すべきであります。
監理団体の事業について、目についた問題点を表面的に指摘する、短絡的に改善策を打ち出すような姿勢に終始していては、本格的な改革を実現することは困難といわざるを得ません。そうした考え方に立って、都の施策を最少の経費で最大の効果が上がるように行うためには、中小企業振興公社などの監理団体を効果的に活用する方策を真摯に検討するとともに、団体そのものの独立性や主体性も尊重しながら、都との連携体制を確立することを、重要性を重ねて強調し、つまり中小企業の皆さんがよりよいサービスをこれからも実行していかなければならないわけであります。今日の景気状況だからこそ、しっかりきめ細かく努めていただきたい。我々もそれをまさに再認識をし、そして皆さんにも強く要望し、次の質問に移らさせていただきます。
次は、多摩産材の利用拡大についてお伺いいたします。
私の地元にある木場は、日本の木材流通の拠点として、江戸時代より長い歴史を築き上げてきました。
また、新木場の駅前には、昨年の七月に新木材会館が建設されました。この建物は、外部の仕上げやインテリアに可能な限り木材を使用され、全国各地から見学者が訪れております。
その木場で十月二日に開催された木と暮しのふれあい展のイベントに、私も出席させていただきました。とにかく小さいお子さんから高齢者の皆様まで、多くの都民の方々が参加し、木のはしづくりや木との触れ合いに、皆さん本当にいいイベントだと、とにかく喜んで帰られたわけでございます。私も木のぬくもりや温かさを肌で感じることができ、木の持つ本来のよさやすばらしさを改めて認識いたしました。
木材はまた、住宅用材や家具として利用する間は二酸化炭素を固定し続けることから、地球温暖化対策にも極めて有効な資材です。加えて、地域材である多摩産材を使うことは、輸送に伴い排出する二酸化炭素量が少ないため、さらに温暖化対策に効果的であります。しかし、住宅建築様式の変化などから、木材とのかかわりが少なくなっております。木を使わないことが森林が荒廃する要因にもなっております。資源としても、温暖化対策としても、東京の地域材である多摩産材の利用を拡大していく必要があると強く感じております。
このような状況の中、二十一年度における多摩産材の利用拡大対策と、今後の取り組みについて伺います。
○保坂農林水産部長 平成二十一年度における多摩産材の利用拡大対策でございますが、まず、多摩産材の庁内利用推進事業として、都立高校へのテーブルや書架など、また都庁に受付カウンターやパンフレットスタンドなどの導入を行いました。
次に、民間での利用拡大を進めるため、提案公募型の多摩産材利用拡大事業により、モデルルーム等の設置を行う施設展示事業二件、利用普及のイベントなどを行う普及啓発事業三件に対する支援を行いました。また、保育園三カ所に、多摩産材を使用した定置型の木材遊具施設に対する支援を行いました。
一方、生産材、製材品の品質向上を図るため、製品の強度や乾燥度を表示する製品検査器を導入する事業者に支援を行いました。さらに、木と暮しのふれあい展や住宅相談会、パネル展示など、あらゆる機会を通じて、多摩産材の利用拡大のための普及活動を実施しているところでございます。
今年度は、平成二十一年度の対策に加えて、製材所などに木材乾燥機の導入を初め、各種加工施設の整備に対する支援を予定しております。今後とも、多面的な取り組みにより、多摩産材の利用拡大に取り組んでまいります。
○山崎委員 多摩産材の利用の拡大策はよく今の答弁でわかりました。しかし、出口対策としての利用拡大とあわせ、山側の供給対策を車の両輪として進めていくことも、また重要であるわけであります。そこで、山側の供給対策としての森林循環再生プロジェクトの取り組みについて伺います。
○保坂農林水産部長 お話しのとおり、小規模所有者が多い多摩の森林では、間伐材等の施業がそれぞれ個別に行われており、森林整備における高コストの構造の一因となってございます。
集約モデル地区整備は、モデル団地を選定し、施業の集約化を図ることで、コスト削減を実現し、森林の整備と間伐材の搬出等を促進するもので、都が支援を行っております。
平成二十一年度の実績は、十三人の森林所有者の森林を集約化し、モデル団地をあきる野市に設定いたしました。その面積は計画を二十ヘクタール上回る五十ヘクタールとなっております。また、境界がわからない森林についても、百八ヘクタールの境界を明確化いたしました。
今年度は、モデル団地をさらに一カ所設定し、二団地で事業を実施いたします。また、境界の明確化については三百ヘクタールを予定してございます。
○山崎委員 我が都議会自民党は、長きにわたり森林の整備と林業の振興並びに木材産業の活性化の重要性をかんがみ、都議会自由民主党森林・林業・木材産業活性化促進議員連盟を結成し、林道などの基盤整備の促進など数々の活動に取り組んでおります。
今月の初めには、この議員連盟が、花粉発生源対策としての間伐現場や製作所などを視察させていただきました。改めて林業の厳しい現状を実感したところであります。
また、東京都森林組合では、都が平成二十一年度から実施している森林循環再生プロジェクト事業の説明を受けましたが、本事業も小規模所有者が多い多摩の森林を集約化することで、間伐の実施や木材の利用拡大などに有効であります。
これからも、この事業の実績と今後の取り組みは、今の答弁でよくわかりました。今後とも、このプロジェクトを着実に実施し、またさらに実施区域の拡大に向け、ぜひ頑張っていただきたいことを要望し、以上で私の質問を終わります。
○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で産業労働局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査はすべて終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後四時四分散会
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