平成二十一年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

平成二十二年十月二十七日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長谷村 孝彦君
副委員長田中  健君
副委員長石森たかゆき君
山崎 一輝君
山内れい子君
関口 太一君
たきぐち学君
しのづか元君
橘  正剛君
高橋 信博君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働委員会事務局局長山本 洋一君
建設局局長村尾 公一君
次長影山 竹夫君
道路監山口  明君
総務部長野口 宏幸君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長東  了一君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長横溝 良一君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長萩原 松博君
公園管理担当部長滝澤  達君

本日の会議に付した事件
平成二十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成二十一年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成二十一年度東京都一般会計決算(質疑)

○谷村委員長 ただいまから平成二十一年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十一年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○谷村委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、過日の分科会において紹介できませんでした幹部職員について、建設局長から紹介があります。

○村尾建設局長 過日の分科会を欠席させていただきました幹部職員を紹介いたします。
 道路管理部長の東了一でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○谷村委員長 紹介は終わりました。

○谷村委員長 決算の審査を行います。
 平成二十一年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○たきぐち委員 私からは、東京都公園協会について伺いたいと思います。
 公園協会は都が一四・五%を出捐する監理団体であり、都市緑化、公園緑地、河川及び水辺環境に関する事業を行っております。二十一年度の決算書では一六二ページからの河川維持費や一九五ページからの公園管理費、動物園管理費、霊園葬儀所管理費などの指定管理者制度の支出の項目などで事業に対する決算が示されております。
 まず、平成二十一年度に建設局から公園協会に委託した契約内容と契約金額を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十一年度の建設局から公益財団法人東京都公園協会への委託契約金額と件数についてでございますが、全体の契約金額は八十億一千八十五万九千円、契約内容と件数につきましては、都立公園の管理に要する費用に関する協定、河川管理施設の管理及び水上バスの保守管理委託、隅田川水辺環境保全業務委託など十三件でございます。

○たきぐち委員 十三件、約八十億一千百万円を委託しているということでございました。平成二十年度が七十億一千七百万円ですから、約十億円の増加となりました。二十一年度から日比谷公園、代々木公園、水元公園の三つの公園が新たに指定管理者として委託されたことによるものと認識しております。
 都からの主な委託業務としては、今ご説明がありましたとおり、都立公園等の管理運営、河川管理施設の管理及び水上バスの保守管理、あるいは隅田川水辺環境保全などであります。都立公園や都立霊園などについては、平成十六年から指定管理者制度を採用しており、そのほとんどで公園協会が選定されております。都立公園七十四公園のうち、六十五公園、実に八八%が公園協会の管理というふうになっております。
 そこで、都立公園等、指定管理協定のうち、二十一年度に公園協会が外部に再委託した金額及び件数を契約方式別に伺います。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十一年度都立公園等指定管理業務のうち、公園協会が外部に再委託している金額及び件数につきましては、全体で二十八億七千百五十五万四千円、七百五十九件であります。その内訳としまして、指名競争入札十七億二千二百九十九万六千円、百四十三件、随意契約七億七千五百七十三万八千円、五百三十件、特命随意契約三億七千二百八十二万円、八十六件であるとの報告を受けております。

○たきぐち委員 二十一年度の包括外部監査では、二十年度における再委託契約件数の中で随意契約が占める割合が七一・五%と極めて高い点が指摘されておりますが、今ご答弁がありましたとおり、二十一年度も件数ベースで六九・八%と、ほとんど変化は見られません。もちろん、これは外部監査報告が出されたのがことしの二月でありますから、報告書が出される前の契約ということになるかと思いますが、十八年度から常に約七〇%を随意契約が占めており、特命随意契約を合わせると二十一年度では八一・一%に達している状況であります。この中で、競争入札に付すべき基準である二百五十万円未満、特に二百四十万円以上二百五十万円未満がボリュームゾーンであって、競争入札回避というべき随意契約が見受けられるという包括外部監査の指摘がありました。
 都は、こうした疑いが持たれるような契約が多いことについて、どのような認識でいるのか。また、外部監査報告を受けて公園協会に対してどのような指導を行っているのか伺います。

○滝澤公園管理担当部長 包括外部監査の報告を受けまして、建設局としましては独自に自主点検を実施するなど、監理団体の事務事業について不断の見直しを行っております。
 具体的には、公園協会に対して樹木剪定、枯れ枝処理など各公園で可能な限り集約して発注する、また危険木処理や園路補修など、緊急性、迅速性をもって対応する維持管理は単価契約方式を導入、また複数の公園にまたがる契約の集約化を進めるなどにより競争入札を推進してまいりまして、より契約方法の工夫を図り、一層の効率的な運営に努めるよう指導しております。

○たきぐち委員 可能な限りその契約を集約して競争入札を実施していく、そういう指導を行っているというお話でありました。例えば、この監査報告で指摘されました例として挙げられました光が丘公園、これは同じ公園の中で清掃委託が三つの契約に分かれて、二百五十万円以下での契約がされている、これについては、四月業務のスタートということでございますので、その関係から二十二年度も同一内容、同一業者への契約が結ばれているということでありました。また同様に、二つの委託契約に分かれていた小金井公園、これについては報告を受け、指導した結果、小金井公園外三つの公園を一つの契約にまとめて競争入札を行い、契約が下がったというふうにも伺っているところでございます。都の指導によって、競争入札回避と疑われるような契約が減少し、二十二年度の再委託契約件数の中で随意契約が占める割合は大きく改善されると明言できますでしょうか伺います。

○滝澤公園管理担当部長 包括外部監査の報告及び都の指導を受け、公園協会では計画的な発注や複数の公園にまたがる契約の集約化などに取り組んでおります。
 平成二十二年度におきましても、一層の集約化を進めており、再委託契約件数の中で随意契約に占める割合は改善していくものと考えております。
 今年度上半期の実績におきましても、随意契約の割合は減少してきておりまして、競争入札の割合について申し上げますと、包括外部監査の対象となりました平成二十年度においては、競争入札の割合が一五・一%でした。平成二十二年九月末現在では四〇・七%に改善しております。

○たきぐち委員 今、上半期の実績のご報告がありました。複数にまたがる契約を集約することによって、指名競争入札を行って、競争入札が一五・一%から四〇・七%に改善された、これについては大きな前進だというふうに思っておりますが、こうした外部監査の報告を受けるまで、何年にもわたり競争入札を疑われるような契約が続いてきた、そのことについては都は強く認識をしておくべきだと申し上げておきたいと思います。
 都立公園の指定管理につきましては、今年度が最終年度でありまして、ことしの四月から七月に次期指定管理者の公募が実施されたところであります。五年前の議会の議事録を拝見いたしますと、公募をした各団体の選定基準ごとの配点が議会には報告されておらず、その選考過程、結果に対する説明が極めて不十分だったというふうに考えております。加えて、選考委員会のメンバーや選考委員会の議事録も公表されておりません。
 来年度以降の指定管理者の選考に当たっては、こうした不透明さを改善する方針なのか伺います。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者の選定につきましては、その都度都議会に説明し、議決を得てきたものと認識しております。
 評価項目ごとの配点については、事業者選定の透明性、公平性を高めるため、本年四月の公募から公表しております。選定委員会の名簿、議事要旨につきましては平成二十年度の選定以後、既に明らかにしてきております。さらに、事業者選定の透明性、公平性を一層高める観点から、応募事業者名、評価項目ごとの得点状況につきましても指定管理者の選考に関する都の指針に基づき、今後公表してまいる予定でございます。

○たきぐち委員 この四月からその透明性を高める、東京都の指針に基づいて行っていくということでございました。私も区議会の時代に指定管理者によるその公募の状況を委員会等々でも報告を受けてまいりましたけれども、A社、B社、C社というように各項目ごとの配点が、必ず報告があって、そこで初めて委員会の中で議決されていく。もちろん、先ほどお話にありましたとおり議決されたということではありますけれども、前回の五年前の議会の段階ではこの不透明さというものはぬぐえないんではないかと私はそう考えております。これから議会にしっかりと報告をするということでございました。今回の公募に当たりまして、より競争性を高めるために策を講じたのか伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 平成十八年度に指定管理者制度を本格導入した際、指定管理者の選定単位となるグループについては、スケールメリットの確保、公園の特性、地理的条件などの観点を考慮しまして、複数の公園をグルーピングいたしました。その後、指定管理者制度を直営公園や新規公園に導入する際には、その他考慮すべき特段の事情がない限りは指定期間の満了時期を今年度末に統一してまいりました。
 これは、次回の選定更新事務の効率化を図るためや次回選定の際にグルーピングの再編成の検討を行いやすくするために設定してきたものでございます。検討の結果、今回の公募に当たりましては、グルーピングの考え方に適正な事業規模の観点を加え、現在の都市部の公園グループを東部、南部、北部の三グループに、現在の武蔵野の公園グループを武蔵野と多摩部の二グループに分割し、競争性の確保にも配慮したところでございます。

○たきぐち委員 指定管理者制度については、さまざまな議論があるんだと思っております。民間のノウハウを生かした質の高いサービスが期待できる一方で、採算性や効率を重視して公益性が置き去りになるんではないか、そういうような意見もあります。しかし、公共施設の運営に指定管理者制度を導入する流れの中で、その効果を発揮するためには、より公正で透明性の高い選考と、そしてその後の運営チェックを働かせることが重要であるということは言をまちません。ただ、公園協会は指定管理者導入以前から都立公園の運営を委託されており、当然ながら実績があるわけであります。
 また、都から六十五名の職員が派遣されており、都のOB九十二名が常勤嘱託として勤務されている。さらに、選考委員会のメンバー、これは公表するという先ほどのご答弁でありましたけれども、建設局の職員が選定されているわけであります。こうしたことを考えると、公平性が担保できるのか。最初から公園協会に大きなアドバンテージがあるのではないかというふうに感じざるを得ないんですが都の所見を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 監理団体は都政を支える重要なパートナーであり、都の政策との連動性が高い業務を担っております。この指定管理者制度の公募におきましての基準は条例で規定されており、公園協会にアドバンテージがあるわけではなく、監理団体も民間事業者と全く同じスタートラインに立っております。
 選定に当たっては、提示された事業計画書等に基づき、外部委員を過半数とした選定委員会におきまして、専門性、公正性を十分に確保した審査を経て、都議会の指定議決を得ることから公平性は十分に確保されているものと認識しております。
 今後も施設の特性や目的に応じまして、すぐれた創意工夫により都民サービスを向上させることができる最もふさわしい指定管理者を都議会の議決を得て指定してまいります。

○たきぐち委員 同じスタートラインにあって、公平性が確保されているということであります。今回、競争性を高めるためにグルーピングの再検討をされたということで、都市部の公園として二十三公園だったものを三つのグループに分けた、あるいは武蔵野の公園として分類されていた十六の公園を二つのグループに分けて募集したということは、より民間企業もここに参入しやすくなった、公平性という観点からもあるいは競争性という観点からも、これは高まったものと私はとらえております。
 しかし、先ほど申し上げたとおり、都からの職員も派遣されていてOBもそこに入っている、そういう中で公園協会が今のままの組織で都立公園等の管理運営に参画していくことが本当に適切であるのか、私はこれは検証が必要だというふうに思っております。局として、十分な議論と検証を重ねていただきたいと思います。
 これまでの指定管理者に関する質問は公園協会の公一事業に分類されるものでございました。
 続いて、公園協会が行っている公三事業について伺います。
 公三事業では、水辺魅力アップ事業、水上バス活用事業、河川、水辺保全業務が行われているかと思います。このうち、河川、水辺保全業務における河川管理施設の管理及び水上バスの保守管理、これは都からの特命随意契約だと思いますが、どのような業務で二十一年度の都からの委託金額は幾らであるのか伺います。

○横溝河川部長 ご質問の管理業務は、地下調節池や防災船着き場、水上バスの保守管理に関するものが対象でございます。
 まず地下調節池の管理は、神田川などに設置された十カ所の地下調節池について、施設の運転や保守管理などに関する業務でございます。防災船着き場等の管理は、災害時における救援活動の拠点となる十一の防災船着き場について、その補修、整備、点検等を行うものでございます。また、水上バス保守管理は、東京都が防災用船舶として所有する三隻の水上バスの保守点検や定期整備等に関する業務でございまして、これらの業務を行うための二十一年度の都からの委託金額は四億一千五百八十七万一千円でございます。

○たきぐち委員 これについては、包括外部監査で調節池管理業務、防災船着き場等管理業務、水上バスの保守管理業務を一括契約することによる間接費等の削減効果は明らかでないという指摘もされているところであります。ここで、地下調節池の管理業務に関して、この業務は公園協会がまた業者に委託をしているわけでありますけれども、つまり都から再委託という形になるんですが、具体的にどのような業務を行い、協会はどのような考えに基づいて発注をしているのか伺います。

○横溝河川部長 地下調節池は集中豪雨などで増水した河川の水を一時的に取り込み、下流部の流量を減らすことにより、都民の命と暮らしを水害から守ることを目的として都が設置した貯留施設でございます。この施設の管理運営に当たりましては、地元区市と連携するとともに、施設周辺住民からの相談や苦情にこたえつつ、調節池に流入した水の排水や土砂等の堆積物の処分を行うこと、また、渇水期の防火対策の一つとして、消防庁と連携して地下調節池を活用した消防用水等を確保することなど、河川行政を支援、補完する公益団体として都と一体となって施設を運営するノウハウや能力を有している公園協会に委託しているものでございます。
 なお、同協会は都から受託した業務のうち、調節池の監視設備の保守点検につきましては、機械や電気設備の特殊性から協会の財務会計規程に基づき、設備を設計したメーカーと契約を行っているというふうに聞いてございます。

○たきぐち委員 地元の区市町村や消防庁等と連携をとりながら、こうした事業を推進しているということでございました。
 この調節池管理に関して、外部監査のときにもこれは金額が出ているところであります。私の手元の資料ですけれども、この調節池管理に関連する契約、具体的な業務のお話が今ありましたけれども、調節池関連の保守点検、あるいは機械点検、清掃、ポンプ修理などがあるかと思いますが、二十三件の契約金額、これは二億四千六百七十九万円。都からの委託契約、これについては二億五千二百二十八万円。
 都からの委託契約については、共通経費として管理費がここに加わるかと思いますので、一概には金額が出るわけではないんですが、仮に三分の一を都からの委託契約の中に、調節池の管理費としてプラスをした場合、金額ベースでの再委託比率は八七・四%となるわけでございます。金額ベースで再委託比率が高いということをまず指摘させていただきたいと思います。
 続いて、河川、水辺保全業務における隅田川水辺環境保全業務、これはどのような業務を行っており、二十一年度の都からの委託金額は幾らであるのか伺います。

○横溝河川部長 この管理業務委託は隅田川の魅力ある水辺空間を形成するとともに、良好な環境の維持向上及び保全を図ることを目的といたしまして委託しているものでございます。具体的には、ボランティア団体の活動と連携した緑と水辺の環境保全に関する普及啓発及び利用促進、巡回警備、植栽等の管理を行うものでございます。
 委託に当たりましては事業の目的を踏まえまして、公園協会が、公園ボランティア団体や地域住民と信頼関係をはぐくんでおりまして、これらの団体などと連携して隅田川テラスの管理を行うことができること、公益法人の認定を受けておりまして、行政の補完機能を有していること、さらに、公園事業で養われた造園技術等のノウハウを有していることなど、公的ノウハウや技術力を有してくることから、同協会を委託先としているものでございます。平成二十一年度の都における委託金額は、二億三千三百十万円でございます。

○たきぐち委員 主な業務として、隅田川テラスの植栽管理や巡回調査を行っているということであります。この巡回調査については、包括外部監査の中で、そのまま読み上げますけれども、第五建設事務所所管内の巡回調査報告書を確認したところ、平成二十年四月の報告で、金具不良や浮き輪なし等の指摘のあった箇所が三十地区中十六地区あったが、一年後の二十一年三月の報告までそのほとんどが対処されておらず、三十地区のうち十五地区は一年間、毎週ほぼ同じ指摘と写真が報告されていたという指摘がありました。これは改善をされたのか伺います。

○横溝河川部長 金具の不良等の施設の不備についてでございますけれども、これにつきましては、以前から日々の管理におきまして現地を確認し、順次修繕を行っている中で、そのような中で平成二十一年度の包括外部監査で指摘されたものでございます。
 都といたしましては、監査の指摘の有無にかかわらず対応を進めてきてございまして、既に平成二十二年一月までに必要なすべての施設において修繕を終えているところでございます。

○たきぐち委員 常に対応しているというお話でありましたが、現実的にここで指摘されているわけであります。この当該案件についてはすぐに対応したということでありますけれども、巡回調査をしてもそれに対応しなければ意味がなさないわけでありますので、今後はこうしたことがないように注意をしていただきたいというふうに思います。
 この隅田川のテラスの植栽管理や巡回調査については、これも私の手元にある資料ですけれども、隅田川植え込み地管理契約、これが四件、隅田川施設管理巡回調査、これが三件、合わせて七件、このうちの六社は三年続けての受注、一社は二年連続の受注、これはいずれも指名競争入札、指名競争ということでありますけれども、この七件の合計契約金額は二億一千八十五万円と私の手元の資料ではあります。都からの委託契約が二億二千六百二十八万円、これ単純に計算すると九三%が再委託の金額ということが認識をできると思います。
 こうして見ますと、先ほどの地下調節池の管理業務や今の隅田川テラスの植栽管理、あるいは巡回調査ともに再委託の比率が高く、これだけを見ますと、公園協会が果たす役割は何か、さらには公園協会が委託するべき事業なのかという検証が私は必要ではないかというふうに考えております。
 監理団体というのは、いうまでもなく、採算性、市場性を欠く分野、公共性の高い分野などで、民間の資金や人材、あるいはノウハウを活用して運営をしていくということだと思います。
 公園協会は、公一、公二、公三事業及び収益事業も行っており、多岐にわたって事業展開をしているわけでありまして、人員面で見ますと、二十年度から二十一年度にかけて、固有職員も都からの派遣も都のOBも、これはふえているわけであります。当然ながら監理団体として、民間ではできない、採算性は高くないけれども公益性が高いという事業は当然あるんだというふうに思っております。しかし、公一事業、先ほど公園管理等々の指定管理者についての質問をいたしましたけれども、指定管理者と民間とが競争する、競合していって、その運営、よりよい運営を図っていく、しようという事業であったり、あるいは公三事業の再委託が多い、都から委託をして、そしてほぼそれと同金額、あるいは九〇%ぐらいを再委託している、こういう契約が、本当に公園協会がする必要があるのかどうか、そういう検証を私はしっかりとするべきだというふうに思っております。多岐にわたる事業でありますので、公園協会が行う意義をしっかりと仕分けしていくということが必要ではないかというふうに思っております。
 今回、包括外部監査報告後の改善状況、あるいは公園協会に委託をするべき事業であるかという問題提起をさせていただきましたが、都としての、東京都公園協会へ事業委託をするということについての所見を伺います。

○野口総務部長 都の監理団体は、公益性、公共性を確保しながら、効率的により高度なサービスを提供できるメリットを有しており、都の施策と連動性が高い業務を都と連携しながら一体となって実施しております。都が直接実施する業務は、都民サービスの質の維持向上や運営の高度化、新たな行政ニーズへの対応などにより業務の範囲が拡大しておりまして、外郭団体の活用の場面も広がっております。
 東京都公園協会は、公園緑地行政、河川行政を支える欠かすことのできない都政の重要なパートナーでございまして、都の施策との連動性が極めて高い業務を担う公益財団法人でございます。施策との連動性が高い業務は普遍的に存在しますので、一翼を担うという監理団体の役割は普遍でございますが、一方、監理団体を活用する業務につきましては、都の施策や社会経済情勢等の変化に応じて不断の検証を行っていく必要もございます。
 今後とも、都民サービスの向上のため、監理団体であります公園協会の活用を図りまして、局事業の機能的で柔軟な運営を推進してまいります。

○たきぐち委員 都の施策と連動する事業については、こうした監理団体が果たしていくというご答弁でありました。今、公園協会が行っているこのすべての事業が、もちろん都と連動していないということではないんですが、民間と競合する部分や、あるいは委託の中での、そこに公園協会が介する意義、こういったものをしっかりと見直しをしていきたいと思いますし、先ほど社会状況に応じて不断に見直しをしていくというご答弁もありました。社会状況は大きく変わっているわけですから、ぜひこうした公園協会が行っている事業については、引き続き検証していただきたいと思います。
 また、実際に行っている事業についても、外部監査報告で指摘されたところを改善すればいいということではありません。公園協会が自浄能力を発揮して、業務の内容であったり、あるいは契約の内容であったりチェックをして取り組んでいただきたいと申し上げて私の質問を終わります。

○高橋委員 それでは、私の方からは道路整備、連続立体化、そして無電柱化、そして防災公園の問題につきまして、質問したいと思います。
 まず、多摩地域の南北道路整備についてでございますが、人口四百二十万人、東京都の全人口の三分の一、そして面積では東京都の三分の二を占めるこの多摩地域は、広域的な都市間のネットワークを強める都市づくりを進め、首都圏の中核となることが期待されております。そのためには、効率的な幹線道路ネットワークの形成による交通の円滑化や都市間の連携強化を図る必要があります。
 東京都は、これまでも積極的に道路整備を推進してきたところではありますけれども、多摩地域の道路整備率はいまだ五割を超えた程度であり、まだまだ道路整備が不可欠な状況であります。特に、埼玉、神奈川両県と広域的な連携を強化しながら、さらには多摩地域が発展していくためには、南北方向などの骨格幹線道路整備が大変重要であると考えております。
 そこで、昨年、神代植物公園付近の約二キロメートルが開通し、引き続き北側でも整備が進められている多摩南北道路主要路線の一つである調布保谷線について、その進捗状況と今後の取り組みについてまず伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 多摩地域の南北方向の道路整備は、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携の強化を図る上でも重要でございます。
 調布保谷線は、稲城市矢野口を起点とし、西東京市北町を終点とする延長約十四・二キロメートルの骨格幹線道路であり、七キロメートルが完成、または概成、残り七・二キロメートルで事業中でございます。東八道路から井の頭通りまでの三鷹-武蔵野区間では、平成二十一年度末までに七一%の用地を取得し、昨年度玉川上水と交差する橋梁工事に着手しました。今年度はJR中央線交差部で暫定二車線交通開放に向けた工事を予定しております。
 青梅街道から埼玉県境までの西東京区間では、平成二十一年度末までに九五%の用地を取得し、石神井川にかかる橋梁工事や西武新宿線及び池袋線との立体交差部におけるトンネル工事を進めております。今年度は、西武新宿線との交差部で歩行者のための跨線橋工事にも着手いたしました。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、調布保谷線の平成二十六年度完成を目指し、着実に整備を進めてまいります。

○高橋委員 調布保谷線は、平成二十六年度完成を目指すということでございますが、状況については了解をいたしました。私の地元の小平市においても、府中所沢線の工事が本格的に進んでいるわけですが、地元住民からも早期完成が強く望まれており、多摩地域の交通の円滑化や利便性の向上に寄与する府中所沢線の整備を積極的に推進すべきと考えております。そこで、府中所沢線の進捗状況と今後の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 府中所沢線は、府中市住吉町を起点とし、東村山市久米川町へ至る延長約十三・六キロメートルの骨格幹線道路でございます。このうち、六キロメートルが完成または概成、三・四キロメートルが事業中、四・二キロメートルが未着手であります。多喜窪通りから五日市街道までの国分寺区間では、平成二十一年度末までに六六%の用地を取得し、今年度JR中央線や西武国分寺線との立体交差部における搬入路工事に着手する予定でございます。本区間は、沿道環境に配慮するため、四車線の車道の両側に十メートルの広幅員の環境施設帯を設ける計画であり、その形態につきましては、調布保谷線と同様、住民等との協議会を設置するなど、地元の意見も聞きながら検討を進める予定でございます。
 踏切が支障となっていた西武線小川駅付近の小平区間では、平成二十一年度末に西武拝島線の南側五百メートルが完成いたしました。残る北側の四百メートルにつきましても、西武拝島線の立体交差化に向け、高架構造物の工事を実施しておりまして、今年度末に下り線を高架化する予定でございます。
 五日市街道から青梅街道までの未着手区間につきましては、早期事業化に向けて平成二十一年度に都市計画変更素案説明会を開催し、現在、都市計画変更及び環境影響評価手続を進めています。今後とも地元の理解と協力を得ながら、本路線の早期完成を目指し、着実に整備を進めてまいります。

○高橋委員 この府中所沢線は、正式には府中所沢鎌倉街道線といわれるもので、単に府中と所沢を結ぶ路線ではなく、小平三・三・八、国分寺三・三・八、町田三・三・八とつながる延長二十七キロメートルに及ぶ多摩南北道路の中でも最長の路線で、圏央道、外環道、中央環状道路の三環状道路と同様に、最重要路線、整備路線であると私は考えております。ただいま調布保谷線、府中所沢線両路線に対して着実に整備を推進するとの答弁がありました。都市間連携を支え、多摩地域の振興に寄与する南北道路の一日も早い完成を期待しております。
 次に、連続立体交差事業の取り組みについて伺います。
 東京の最大の弱点であります交通渋滞を解消するためには、区部環状、多摩南北道路など幹線道路ネットワークの形成はもとより、交通のボトルネックとなっている踏切の解消が不可欠であり、抜本的な踏切対策である連続立体交差事業の推進が大変重要であると思います。
 今月十三日の決算説明の中でも本事業について触れられていましたが、平成二十一年度の連続立体交差事業の取り組み実績について伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することにより、道路ネットワークの形成を促進するとともに、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 平成二十一年度は七路線八カ所で事業を実施いたしました。このうち、JR中央線では、昨年十二月に三鷹駅から国分寺駅間の高架化を完了させ、十三カ所の踏切を除却いたしました。また、西武池袋線では、本年二月に練馬高野台駅から石神井公園駅付近の上り線を高架化いたしました。
 踏切を除却したJR中央線では踏切による交通渋滞が解消するとともに、駅前広場の整備や再開発事業などのまちづくりが進められており、多くの周辺住民の方々が事業の効果を実感されております。
 一方、新規箇所につきましては、二路線四カ所で事業化に向け諸手続を進めております。このうち、京王線笹塚駅から仙川駅間につきましては、昨年十一月に都市計画素案説明会を開催するとともに、西武新宿線中井駅から野方駅間につきましても本年二月に都市計画素案説明会を開催し、両路線の都市計画及び環境影響評価の手続に着手したところでございます。

○高橋委員 連続立体交差事業につきましては、着実に実績を上げていることがわかりました。引き続き事業効果の高い連続立体交差事業を一層推進していくべきと考えておりますけれども、連続立体交差事業の平成二十二年度及び今後の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 事業中箇所につきましては、本年九月に京浜急行本線の環状第八号線と交差する下り線を高架化して四カ所の踏切を除却いたしました。また、来月の十一月七日には、JR中央線の西国分寺駅から立川駅間の上り線を高架化して、五カ所の踏切すべてを除却する予定でございます。
 一方、新規箇所につきましては、事業化に向け、引き続き西武新宿線中井駅から野方駅間と京王線笹塚駅から仙川駅間の都市計画などの手続を進めてまいります。また、西武新宿線東村山駅付近につきましては、都市計画などの手続の着手に向けて関係機関と調整を進めてまいります。
 今後とも必要な財源の確保に努めるとともに、区市や鉄道事業者と連携し、連続立体交差事業を一層推進してまいります。

○高橋委員 西武新宿線の中井駅、野方駅間と東村山駅付近については、連続立体交差事業の事業化に向けて諸手続を進めていくとのことでございますが、西武新宿線についてはまだ数多くの踏切が残されており、ほかの私鉄沿線そしてJRに比べて、大分西武新宿線が取り残されております。大変立体化がおくれていると私は思っております。私の地元であります小平市内についても踏切対策を促進していくことを特に要望いたします。
 それでは次に、第二次交差点すいすいプランについて伺います。
 第二次交差点すいすいプランにより、対策を実施した交差点では渋滞長や通過時間の短縮などの効果があらわれております。さらに、交差点付近の歩道も拡幅整備するなど、歩行者、自転車の安全性が向上することから、都民や地元自治体からも高い評価を得ております。
 そこで改めて、第二次交差点すいすいプランの基本的な考え方と平成二十一年度までの実績について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランは、交差点に右折レーンの設置などを行いまして、より円滑な交通の実現に向け、交通渋滞の緩和、交通事故の防止、沿道環境の改善を図るものでございます。平成二十一年度に小金井市の貫井北町一丁目交差点が完成し、第二次交差点すいすいプランに着手した平成十七年度からの完成箇所の累計は十九カ所となっております。

○高橋委員 次に、今年度の取り組み状況について、特に小平市内における実施状況も含めて伺います。

○鈴木道路保全担当部長 平成二十二年度につきましては、都内四十四カ所において事業を実施中でございます。このうち、小平市内におきましては、喜平橋交差点及び北野中交差点の二カ所で事業を実施しておりまして、引き続き用地取得を進め、全力を挙げて早期完成を目指してまいります。
 今後とも地元自治体との緊密な連携のもと、関係住民の皆様の理解と協力を得ながら事業の積極的な推進に取り組んでまいります。

○高橋委員 交差点に右折レーンを設置し交差点を改良することは、交通の円滑化、渋滞解消に大変効果があるもので、費用対効果の観点からも積極的に推進すべき施策であると私は思っております。第二次交差点すいすいプランは、昨年度作成された多摩振興プロジェクトの事業にも位置づけられており、着実に推進していくことを要望しておきます。
 次に、無電柱化について伺います。
 交差点の渋滞緩和に向けて取り組む第二次交差点すいすいプランとあわせて安全で快適な道路空間の確保も重要であると考えております。道路上の電柱は、道幅を狭め、歩行者や車いすの通行を妨げ、バリアフリーの観点からも障害となっており、張りめぐらされた電線が良好な景観を損ねています。東京都は「十年後の東京」計画を策定し、無電柱化事業に取り組んでおりますけれども、この事業の基本的な考え方と平成二十一年度までの整備状況について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都におきましては、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行者空間の確保、都市防災機能の強化を目的としまして、都道の無電柱化事業を進めております。現在、「十年後の東京」計画で平成二十七年度までにセンター・コア・エリア内の地中化率を一〇〇%にする目標を掲げ、その他の区部や多摩地域におきましても、緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化の推進に取り組んでおります。
 平成二十一年度末のセンター・コア・エリア内の都道における電線類の地中化率は六四%であり、都道全体では二八%となっております。

○高橋委員 東京都のこれまでの整備状況については理解いたしましたが、良好な都市景観の創出などを図っていくためには、都道だけの取り組みでは十分ではなく、区市町村道を含めた面的な無電柱化の推進を図ることも必要と考えております。
 東京都は、区市町村の事業に対してどのような支援を行っているのか伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都におきましては、設計や施工などに係る区市町村への技術的支援に加え、平成二十年度に財政支援として国庫補助とは別に区市町村に対する都の補助制度を創設いたしました。平成二十一年度末までの累計では、約四億円の補助を行い、六区四市で延長約八・六キロメートルの無電柱化事業を実施いたしました。平成二十二年度は十区三市で事業を実施しており、補助制度の活用は着実に拡大してございます。
 今後とも国や区市町村、電線管理者と連携し、無電柱化を推進することにより、安全で美しいまち東京の実現に取り組んでまいります。

○高橋委員 無電柱化につきましては、交通安全対策や災害対策の観点からも計画的、積極的に推進を図っていただきたいと思っております。
 次に、新宿歩行者専用道、地下歩道の整備について伺います。
 これは歩行者と車両の立体交差だと私は思っております。車と電車とが分けるように、歩行者の渋滞解消、歩行者の流れをスムーズにするもので、この都庁のある新宿西口周辺については、特に何とかしなくてはいけないと思っております。
 現在、西新宿地区では複数の市街地再開発事業が実施されており、都市機能の集積がより加速しております。このため、増加する歩行者交通に対応するための施設として、西新宿地区における地下歩道の重要性はこれまでに増して高まっていると思います。
 そこで、これまでの具体的な取り組み状況について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 新宿歩行者専用道は、鉄道各駅からのアクセスの向上と快適な歩行者空間の確保を目的とした地下歩道であり、第一号線がワンデーストリートシーズンロードとして平成二年度に完成してございます。一方、第二号線は地下歩行者専用道としまして、都庁第一本庁舎から東京メトロ丸ノ内線西新宿駅を経て小田急ハルクへ至る全長一千四十メートルが都市計画決定されている路線でございます。このうち、都庁第一本庁舎から西新宿駅までの五百四十二メートルの区間はタイムズアベニューとして平成九年度に完成し、多くの方々に利用されております。
 未整備となっております区間、四百九十八メートルのうち、西新宿駅から新宿警察署前までの二百十メートルの区間につきましては、平成二十一年度に出入り口設置工事、建築設備工事を発注し、現在、鋭意整備を進めております。

○高橋委員 新宿歩行者専用道の整備が進められている現状については理解をいたしました。西新宿地区における地下歩道ネットワークの拡充に向け、整備をより一層推進してもらいたいなと考えております。現在工事中とのことでございますが、この区間の完成時期について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 現在工事を進めております東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から新宿警察署前までの区間につきましては、平成二十三年度早期の供用開始を予定しております。

○高橋委員 東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から新宿警察署前までの区間が新たに供用開始をすることは、西新宿地区における地下歩道ネットワークの形成に向けて大きく寄与するものとして期待いたします。しかし、新宿歩行者専用道第二号線は、新宿警察署前から小田急ハルクまでの区間が未整備の状態であり、都市計画決定されている都庁第一本庁舎から小田急ハルクへ至る全長一千四十メートルの整備はまだ道半ばであり、西新宿から新宿警察署前まで、供用開始が二十三年度に完成するとしても、そこでとまっていては何にもならないわけでございまして、新宿警察署前から小田急ハルクまでつながって初めて線であるわけですし、新宿西口をおりたときに、都庁に来るのに、動く歩道を来る方法と、そして西新宿経由がつながってこそ意味があることであります。防災上だとか、いろいろな観点から、日本の首都東京の新宿の、都庁があるところも、やっぱり整備しなければいけないということを実感しております。新たな供用開始区間のみならず、残る新宿警察署から小田急ハルクを結ぶ二百八十八メートルの地下歩行者専用道についても、早期に進めていくことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 最後の質問でございます。都立の防災公園の整備についてでございます。
 都立公園における防災公園は、地域防災計画におきまして救出救助の活動拠点と、避難場所の二つの役割を担うこととされております。このうち、救出救助の活動拠点となる都立公園は災害時における役割によって、首都圏の基幹的広域防災拠点となる公園、大規模救出救助活動拠点となる公園、ヘリコプター活動拠点となる公園の三つに分類されております。このような大きな役割を持っている防災公園の整備はそれぞれの役割に応じ、計画的かつ確実に進める必要があり、防災機能をより高めることは都民の命を守る上で大変重要であり、多くの都民が期待しております。
 そこで、これらの役割に応じた都民の命を守る防災公園の具体的な取り組みについて伺います。

○上杉公園緑地部長 都立公園は、震災時に延焼を防止する遮断帯や救出救助活動の拠点として、また拡大する火災から都民を安全に保護する避難場所などとして大きな役割を果たすものであります。都立公園に課せられましたこのような使命を果たすべく、計画的に防災公園の整備を進めております。
 まず、首都圏で大規模な災害が発生した際に、避難場所ではなく、公園としては閉園し、公園全体が内閣府のもと広域的な指令機能を受け持つヘッドクオーターとなる基幹的広域防災拠点、東京臨海広域防災公園を国と一体で整備しております。一方、基幹的広域防災拠点以外の都立公園の多くは避難場所の機能を持ち、あわせて救出救助活動の拠点となる公園でもございます。大規模救出救助活動拠点となる公園では、物資輸送の大型車両に対応した出入り口の拡幅や沿路を整備しております。さらに、医療搬送や緊急輸送のためのヘリコプターが活動拠点となる公園では、より安全に離着陸できるための広場の改修を行っております。また、避難場所として、都民が安全に避難できるような非常照明及び防災トイレや井戸を設置しております。
 これらの整備にあわせて、災害時における避難場所機能確保や公園施設の安全点検、また避難民の安全確保のため日常的に地域や関係機関と連携して訓練を行うなど、平常時と災害時のスムーズな移行が常にできるように、管理運営に努めております。

○高橋委員 それぞれの役割に応じた具体的な取り組みについてはよくわかりました。その役割を踏まえ、防災公園整備を確実に実施し、公園の防災機能をさらに高める必要があります。都民は、事業がどのように進んでいるか非常に関心を持っております。
 そこで、私の地元であります小金井公園を初めとする防災公園整備の二十一年度実績について伺います。

○上杉公園緑地部長 防災公園の整備につきましては、計画的に着実に事業を推進しております。まず、基幹的広域防災公園である東京臨海広域防災公園につきましては、平成二十二年七月に一部を除き開園いたしました。
 次に、大規模救出救助活動拠点に位置づけられている十一公園につきましては、平成十四年度から順次整備を進め、これら十一公園のうち、小金井公園を初めとして十公園の整備が完了しております。
 さらに、ヘリコプターの活動拠点となる十五公園のうち、亀戸中央公園を初めとして二公園の整備が完了しました。
 避難場所に指定されました文化財庭園を除き救出救助活動拠点との重複を含む避難場所五十公園のうち、宇喜田公園を初めとする十四公園の整備が完了しております。今後とも、防災公園については引き続き整備を推進してまいります。

○高橋委員 広域避難場所でもあります都立公園における防災公園整備は、首都東京の安全性確保に大いに役立つので、都民の生命、財産を守るべき建設局として、これからも積極的に推進していただきたい。
 一方、施設は整備しただけでは機能しないのであり、日々の維持管理や訓練、地域や防災団体との連携を図ることも大変重要であります。これらを継続して取り組んでこそ、防災公園の機能を維持向上させ、災害のリスクを軽減することができるわけでございます。これらを踏まえ、しっかりと取り組んでほしいと思います。
 これからは要望でございます。
 この都立公園周辺の道路のことでございますけれども、都立公園は、日ごろ、日常いろんな人が出入りをするわけでございますし、そのイベントだとかのとき大変込むわけでございます。私の地元の都立小金井公園周辺についても、道路が五日市街道だとか、周縁、大変狭いわけでございますし、これが広域避難場所である小金井公園にいっとき何かあった場合に大変困るわけで、大混乱が起きるわけです。玉川上水が控えていまして大変整備は難しいと思いますけれども、やはり広域避難場所である防災公園整備とその関連する周辺の道路ということもよく考えていかなければいけないんじゃないかなと思っております。
 さらには、その道路とつなぐ緊急輸送道路というのがあります。それとの連携をとることも必要だし、都立公園、都内に何カ所かありますけれども、その防災公園、ヘリコプターの基地があるわけです。それで、どこかの場所がやられても必ずどこかの、ほかから来るというような、お互いに補完機能を保つということが大変重要。そのための防災公園のネットワークというものを考えていかなきゃいけないし、やっぱり陸上輸送と空との連携をとりながら、お互いに補完機能を出し合って、災害はいつ来るかわからないわけでございますので、万全の体制を整えることが都民の安全・安心につながることだと思いますので、ぜひとも今後考えていただきたい。特に、要望、意見を申し述べさせていただきまして、以上で質問を終わります。

○橘委員 私の方からは高潮対策と街路樹の整備について、この二つのテーマについて質問いたします。
 まず、高潮対策について質問いたします。
 今月の二十日、鹿児島県奄美大島において、大雨による災害で三人のとうとい命が失われるなど、甚大な被害が発生いたしました。近年は、全国各地で大規模な水害が頻発する状況になっております。
 東京都におきましても、平成十七年九月に想定外の規模の集中豪雨によりまして、妙正寺川、善福寺川があふれるなど大規模な水害が発生しております。こうした水害への備えを行っていくことが重要であることはいうまでもございませんけれども、とかく河川からの洪水といいますと、集中豪雨を想定しがちでありますけれども、これにはさまざまな形態があるようでございます。まず河川で発生する水害にはどのような形態があるのか伺います。

○横溝河川部長 河川からの洪水による水害は、大きく分けて三つのタイプがございます。
 第一に、台風などの大雨により利根川や荒川などの大河川が増水し、はんらんが生じることにより発生する水害、第二に、海に近い低地帯で台風などによる気圧の低下に伴う水位上昇や風の吹き寄せで高潮が発生し、はんらんが生じることによる水害、第三に、局地的な集中豪雨や台風性の降雨により、中小河川があふれる水害がございます。
 このような三つのタイプのうち、大河川のはんらんや高潮による水害は、気象情報などから台風のコースや水害の発生をある程度予測することが可能でございますけれども、局地的な集中豪雨による水害につきましては、いつどこで起こるかを予測することは難しい状況にございます。

○橘委員 今三つ述べられましたけれども、このうち東京の東部地帯、この辺が地盤が低いわけですけれども、この東部低地帯にとって特に注意が必要なのは高潮対策であることは今までもたびたび指摘されてきました。いわゆるゼロメートル地帯というのは過去に何度も高潮による被害が発生しておりまして、甚大な被害もこうむっているわけでございます。高潮からこの低地帯を守るためには、防潮堤、それから水門等の整備を着実に進めることが重要でありますけれども、東部低地帯河川における都の高潮対策、これは、今までどういう取り組みをされてきたのか、現状どうなっているのか、この点について伺います。

○横溝河川部長 都では高潮対策につきまして、日本最大の高潮被害をもたらした伊勢湾台風を想定して整備を進めております。これまでに東部低地帯の河川において、防潮堤や水門などの施設がほぼ完成しておりまして、現在の整備水準では高潮に対する安全性は確保されております。

○橘委員 伊勢湾台風とほぼ同じ規模を想定してのこの整備については、おおむね完了しているというご答弁でございましたけれども、都民の生命と財産を守るためには水門であるとか、排水機場、こういった施設の確実で迅速な運用が重要であります。手動のために閉め忘れたとか、閉めるのが遅くなったとか、それから、いざというときに故障していたというか、結構故障していて開かなかったというのは、ニュース報道の段階ですけれども、さまざま、結構報告がございまして、いざというときに役立たないということも結構今までも事例としてございました。そのためには、情報通信技術を活用したシステムの構築が不可欠であることはいうまでもございません。
 建設局では、現在水門管理についてシステムの再構築を進めていると聞いておりますけれども、平成二十一年度の整備状況及び今後の予定について伺います。

○横溝河川部長 水門管理システムの再構築は、高潮や津波に対し、水門や排水機場などの遠隔監視や遠隔制御を行うことを目的としております。
 具体的には隅田川にございます清澄排水機場、清澄庭園の隣にございますけれども、そこに水門管理センターを設置するとともに、江東内部地域にあります各水門施設などを結ぶ延長約百キロの光ファイバー等を整備するものでございまして、平成二十一年度末現在、約七割の整備状況でございます。
 今年度末には、これらすべての施設が完成いたしまして、来年四月から本格運用を開始する予定でございます。これによりまして、一元的に水門等を遠隔監視、制御することができ、迅速かつ効率的な操作が可能となります。

○橘委員 二十一年度の進捗状況の七割程度、そして今年度完成予定、そして平成二十三年度からは新たなシステムによって水門の管理を一元化していくという推進状況でございますけれども、今まで以上にこのシステムの水門等の管理、一元化していくということは、今まで以上に迅速かつ効率的な対応が可能になるということになるわけです。しかしながら、万一、水門管理システムに故障が発生した場合、それから大規模な停電が発生した場合、このような事態も想定されるわけですけれども、そういう場合にはどのように対応するのか伺います。

○横溝河川部長 水門管理センターのシステムに異常が発生した場合には、旧中川の木下川排水機場というのがございますが、そこに設置してございますバックアップセンターにおきまして、直ちにシステムを代替稼働させることとしてございます。
 また、各施設を結ぶ光ファイバーにつきましては、回線を二重ループ化しておりまして、切断などの不測の事態に対応できるようにしてございます。
 さらに、仮にメーンセンターとバックアップセンターが同時に機能しなくなった場合ですとか、通信機能が遮断された場合におきましても、無線により水門を緊急閉鎖できるシステムを構築しております。
 加えまして、停電時におきましても機能が継続できるよう、水門排水機場等の各施設に自家用発電設備等を備えているほか、手動による水門の開閉も可能でございまして、職員が二十四時間体制で監視に当たるなど、都としては万全の体制を整えてまいります。

○橘委員 施設の整備状況、それからシステム運用、今後の方向性、その辺は大体よくわかりました。水害に関連して質問しますけれども、大規模な水害に関連して本年四月に国の中央防災会議の大規模水害対策に関する専門調査会、ここから報告がなされまして、この中で豪雨による大河川のはんらんや巨大台風が東京湾を襲った場合の高潮による被害想定が公表されました。また、この調査会では、こうした大規模水害に対しまして想定される状況、こういうものに対しまして被害を軽減するためにとるべき対策についての検討も行われております。
 しかし、このはんらん想定には問題がございます。本年の都議会第二回定例会代表質問で我が党が指摘しましたけれども、高潮はんらん被害は海岸と河川の両方から発生するにもかかわらず、この報告では河川からの高潮はんらんは考慮できていないとしている点であります。
 そこでまず、この報告では高潮による被害想定に関するシミュレーションがどのように行われたのか伺います。

○横溝河川部長 このシミュレーションでは、大規模水害発生時における応急対策や予防対策などを検討することを目的といたしまして、東京湾において大規模な高潮が発生した場合におけるはんらん状況等を把握するために行われたものでございます。ここでは、台風の規模、施設の損傷、地球温暖化による海面上昇などの条件を組み合わせた六つのケースを設定してございますけれども、お話しのとおり、河川からの高潮によるはんらんは考慮しない計算モデルを用いておりまして、シミュレーションを実施しております。

○橘委員 先ほど答弁があったように、現在進めている整備水準、これを超えるような台風などの自然現象による万一の被害が全くないとはいえないわけであります。今の報告書をなぞっていくならば、河川からのはんらんが考慮されていないということは被害のシミュレーションができていない、あるいはできないということになります。したがって、対策が講じられない、あるいは対策がおくれてしまうということになるわけでして、結果的に人命が危険にさらされるというふうなことになるかと私は思います。
 したがって、河川からのはんらんが考慮されていないことは大きな問題があるというふうに私は思います。そしてまた、特に、周囲を河川に囲まれた東部低地帯、この部分の河川からの高潮はんらんがあった場合、大きな被害も考えられるわけでございますので、河川における高潮によるはんらん状況、それから想定される被害というのは早急に検討すべきであると私は思います。問題があるというのは、ただ単に文言の問題ではなくて、被害想定に関するシミュレーションが行われて、想定してない、行っていないということと、河川からの高潮によるはんらんがないということは大きな違いがございますので、この辺も重々踏まえた上で対策を講じるべきと考えますけれども見解を伺います。

○横溝河川部長 自然の驚異は人知を超えた災害をもたらすこともございます。このため、都民の生命を守る立場から、水害に際して必要な情報等を充実していくことは大変重要であると考えてございます。
 今回のシミュレーションでは、ご指摘のとおり、河川からの高潮はんらんが考慮されていないこと、また、高潮時にすべての水門が開いたままになっているケースがあるということなど、現実的な視点から見て条件の設定に過不足があると考えてございます。このため、河川管理者として、これらの事項について詳しく調査し、国に対して説明を求めてまいります。

○橘委員 この水害対策については、どこがやるとか、それからどういう部門が対応しないからこちらではできないとか、そういったことをいっている場合じゃないと思います。関係機関が連携して早急に取り組まなければならないという、そういう状況に今来ていると思いますので、どうか人命最優先の立場から取り組みを強めていただきたいということを要望しておきます。
 次に、マイ・ツリー事業について伺います。
 都内の街路樹百万本計画を推進する一環として都が取り組んでいるマイ・ツリー事業についてでありますけれども、これは都市公園等の緑の拠点を街路樹でつないで、緑の回廊で包まれた東京にしていくという構想の実現に向けて、その構想に対して都民も参加しやすいようなやり方で街路樹をふやしていくという事業なわけです。これは平成二十年度からスタートいたしましたけれども、このマイ・ツリー、つまり、いわゆる私の木でありますけれども、このやり方というのは緑の東京募金に寄附することで植栽した街路樹の命名権ですね、自分の名前を書いたり、コメントをつけたりといった命名権を得るという方式で、まさに都民参加型の緑の回廊づくりといえます。
 そこでまず、マイ・ツリー事業について、二十一年度までの植栽実績と緑のムーブメントの高まりなど、都民の反応について伺います。

○上杉公園緑地部長 マイ・ツリーの二十一年度までの実績でございますが、二十年度は千百本の募集に対し、千八十五本、二十一年度は千六百五十本の募集に対し、千六百四本と、事業開始二カ年で六十二区間において約二千七百本の協力を得ることができ、おおむね予定どおりの状況でございます。
 募金者の構成から見ますと、企業や団体からの申し込みもふえ、企業のCSR対象としても認知されてきており、ムーブメントとして広がりを見せていると考えております。

○橘委員 この事業については私も提案した経緯もございまして、都内でマイ・ツリー事業の対象となっている路線、それから区画を注意して見るようにしております。そうしますと、高い木の街路樹の間にさまざまな種類の中程度の高さの木が、中木ですね、街路樹の植栽帯の形態に応じて工夫されて植栽されておりまして、まさに緑の回廊にふさわしい整備が進んでいるなという印象を持っております。二十一年度は、私の地元でございます板橋区内を走る環状八号線の一部区間がマイ・ツリー事業の対象となりまして、緑の東京募金に寄附をされて、それで申し込まれた近隣の住民が結構いらっしゃいました。その方々の名前を記したプレートが木にかけられておりまして、そのコメントに、コメントはずっと全部読みましたけれども、非常にほのぼのとしたもので非常にいいなというふうに印象を受けました。
 ただ、その場所に植栽されていたのは、その場でちょっと気にかかったものですから、私メモしてきたんですが、コロラドビャクシンという樹木名でございまして、これはヒノキ科の樹木だという掲示板がございました。ところが、申し込まれて、ここにマイ・ツリーとして、登録した方、プレートを掲げた方の中に、ややその木が貧弱でちょっとがっかりしたという、そういったことをおっしゃっている方がおりまして、それで私、そこの場に行って改めて見ましたが、いわれるとやっぱそうだなというふうな感じがいたしました。
 実は、小さい木を植えたということもありまして、それはもう最初から高い木ではないわけですから、それは当然なんですけれども、ただし、私も想定したのは、ある程度、マイ・ツリーというのは記念植樹という意義を込めるわけですね。私の初孫のお祝いにということもありましたし、そういった記念植樹ということを掲げているわけでして、それが、申し込んだ方が私の木なのにちょっと貧弱だなという印象を持ったら、やっぱり効果が半減だと思いますので、この辺もちょっと工夫していただきたいというふうに思います。植栽する樹木の選定、もう少し工夫する必要があると思いますけれども、この辺についての考えをお聞きします。

○上杉公園緑地部長 樹種の選定につきましては、既存の街路樹の設置状況、道路幅員構成や構造、沿道の土地利用や交通状況を勘案するとともに、地域の方々の意見を聞きながら選定しております。
 今ご指摘の環状八号線の区間につきましては、植樹帯の幅が狭くなっているなど、道路構造を踏まえ、植栽時にはあらかじめ枝ぶりの小さな樹種、コロラドビャクシンという樹種を選定しております。このコロラドビャクシンは、樹木の特性上、ロケット状の樹形をしておりまして、植栽より一年半を経過した現時点では緑量のある樹木に成長しております。当初、そういった印象を持たれたことにつきましては大変残念ですが、現在につきましては立派に成長しております。
 なお、マイ・ツリー申し込みに当たりましては、募金参加者の皆様から、好みの樹種のご意見をいただくなど、今後の参考になるように取り組んでおります。

○橘委員 おっしゃるとおりでございまして、確かに成長しておりました。成長して結構形はいいんですね。これが並ぶと、非常に遠くから見るとすごくきれいな並木というふうな感じにありまして非常にいいなと思っているんですけれども、注意していただきたいのはプレート、これがやっぱし枝に隠れてしまうんです。こういう形になっていますので、それがふさふさな形の葉っぱの葉状になっておりますので、プレートが隠れてしまうんです。この辺の工夫をちょっとお願いしたいと要望しておきます。
 それから、マイ・ツリーの事業についてですけれども、緑のムーブメントとしては有効な手段だと思います。これは、都道だけではなくて、国、あるいは区市町村へも同様な取り組みを促していくことが東京における緑のムーブメントをさらに広げていくことになると思いますけれども、この点について見解を伺います。

○上杉公園緑地部長 マイ・ツリー、本事業につきましては、区市町村が一堂に会する会議等で紹介を行っており、導入につきましては各自治体の判断となりますが、区を含め、幾つかの自治体から制度設定に関する内容など、個別具体的な問い合わせも寄せられております。
 隣の神奈川県におきましては、平成二十二年九月より、類似の事業を開始するなど、緑のムーブメントを進める一つの手法として都外からも注目されていると考えております。
 今後とも応募をいただいた方々の大切な思いをともに育てていけるよう事業を推進してまいります。
 また、ご要望のありましたマイ・ツリーのフォローにつきましては、建設事務所等含めて頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○橘委員 このマイ・ツリー事業につきましては、今答弁にございましたように、広がりがございますし、関心を示している自治体も多々あるように聞いております。この運動が広く市民参加、住民参加という形で広がっていくということは非常に私は大事だと思いますし、力を入れていっていただきたい。
 ただし、一つ要望がございますのは、この事業自体が余りまだ知られていないという点でございます。私も、関係のところ、企業であるとか、団体であるとか、それから町会であるとか、そういったところに機会があればお話をしているんですけれども、やはりそのときにほとんどの方がそういう話は初めて聞いたということが結構ございました。これをもっともっといろんな担当の機会を通じて宣伝をしていっていただいて、緑のムーブメントの中に都民も大いに参加できる形、これを推進していただきたいことを要望して質問を終わります。

○谷村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十二分休憩

   午後二時四十五分開議

○谷村委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山内委員 私からも幾つか質問させていただきます。道路緑化の推進についてお伺いいたします。車中心の道路から人と自転車への道という観点に立ち、道路の緑化に関連して質問をさせていただきます。
 緑化、街路樹の充実を図るために、東京都は街路樹グリーンロードネットワークを形成する計画で、二十七年度末までに街路樹を十七年度の四十八万本から倍の百万本にふやす予定でございますが、二十一年度までの実績をお伺いいたします。あわせて、どのような木が植えられたのかお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 二十一年度末の国、区市町村道を合わせた都内の管理本数は約六十万本となっており、実行プログラムに沿って順調に推移しております。
 都道におきましては、二十一年度に植栽した主な樹種は、高木でカツラ、イチョウ、ハナミズキ、中木ではトキワマンサク、ホウキモモなどがあり、季節感や色彩を楽しめるよう、さまざまな樹種を取り入れております。

○山内委員 順調にふやしているとのことですけれども、外来種よりやはり日本、できれば東京の郷土種に配慮した樹種である方が心が落ちつきます。また、各地域のご当地の樹種であると、それぞれ趣があり、歩くにも自転車で走るのにも楽しいものです。ぜひとも地域の方々のご意見を聞きながら充実していってほしいと思います。
 一方、街路樹の数がふえると、管理の重要性はますます高まると考えます。街路樹や植樹帯など、道路緑化の管理の取り組みについてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 維持管理につきましては、街路樹の充実に伴う量の増大への対応とあわせまして、見せる街路樹として質を高めていくことが重要と考えております。日々成長する街路樹という自然が相手であり、管理上難しい面もありますが、それぞれの樹種の特徴や生育環境に合わせた細やかな管理が必要であり、植樹帯の草刈りや清掃、また樹種の成長に合わせた剪定などについて、ゼロ都債を活用するなど、通年の管理体制の確保に向け、積極的に取り組んでおります。

○山内委員 定期的に維持管理をしているということですけれども、その間にも日常における手入れが必要になると思います。私の住む国立の大学通りは、桜とイチョウの並木で四季折々いやしや潤いを与えてくれますが、その美しい通りを商店街の方々やボランティアの市民が掃除をしてくださっております。市民のそうした日々の支えがあってこそと私自身も実感し、感謝しております。
 今後一層地域の方々に親しみ愛される道とするには、日常における維持管理が重要であり、住民や地域のボランティアの協力が必要であるかと思います。そこで、道路の美化活動において、住民との協働をどのようにしているのかお伺いいたします。

○東道路管理部長 道路の美化活動でございますが、都は、道路利用のモラル向上と潤いのある道路空間の創出を目的といたしまして、地域の皆様と連携し、東京ふれあいロード・プログラムを実施しております。具体的には、ボランティア団体や商店会、町内会などの団体が都と協定を結んだ上で、都が管理する歩道の清掃や除草、花壇づくり等の緑化に取り組んでいただいております。今後とも、多くの都民の皆様に参加していただけるよう努めてまいります。

○山内委員 東京ふれあいロード・プログラムというのは、原則として無償で活動してもらうが、活動の補助として活動用具等の費用の一部支援を受けることができ、平成二十一年度末、百八団体が登録しているとのことです。日常の管理は市民の誠意のたまものだと思います。道路はハードであっても、そこから先、ソフト面を充実させていくことで地域住民の道となると思います。地域住民の声を反映して市民に親しまれる道となるよう、道路整備や維持管理をお願い申し上げます。
 次に、都立公園についてお伺いいたします。
 サービスの向上と効果、効率的な管理運営を図るため、平成十八年度から都立公園にも指定管理者制度が本格導入されました。ほとんどの公園で指定管理の期間は五年間であり、今年度末に指定期間が満了となるため、現在、平成二十三年度からの次期指定管理者の選定作業を行っていると伺います。
 選定に当たっては、直近の平成二十一年度の決算や事業実績も判断材料に加味して選定が進められているものと認識しております。そこで、指定管理者制度を導入してからの成果などについてお聞きしてまいります。
 浜離宮恩賜庭園や私の地元、国分寺の殿ヶ谷戸庭園など九つの有料庭園において、指定管理者制度導入前の平成十七年度と、指定管理者制度導入後の直近の平成二十一年度で入園者数に変化があったかどうかをお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 文化財庭園は浜離宮恩賜庭園など九庭園ございまして、文化財保護法に基づく特別史跡や特別名勝に指定されるなど、いずれも我が国を代表する名園であります。
 この文化財庭園の入園者数につきましては、指定管理者制度導入前の平成十七年度は九庭園合計で年間約二百四十二万人でございました。指定管理者制度導入後四年目となる平成二十一年度には、年間約二百六十五万人となり、約二十三万人増となってございます。

○山内委員 指定管理者は利用者や利用者増加などの公園の魅力を高める提案をし、実施しているかと思いますけれども、具体的にはどのような特色ある取り組みがあるのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者による公園の魅力を高める取り組みにつきましては、例えば、文化財庭園では六カ国語対応のパンフレットの作成、ホームページに桜の開花状況などがリアルタイムでわかるライブカメラの導入など、国内外の観光客誘致に取り組んでおります。
 また、他の都立公園では、樹木や鳥、虫などの自然観察会の開催や落ち葉のプールなど季節感に富むイベントのほか、公園や周辺の観光施設、飲食店等を盛り込んだ地域資源マップの作成、配布などにより、公園の魅力を高める特色ある取り組みが指定管理者により行われているものと認識しております。

○山内委員 魅力を高めるためのさまざまな提案があるようですが、視点を変えて、利用しない理由というのを調べると、不便や不都合などが見えてくるのかもしれません。また、リピーターが何に魅力を感じているのかを把握すると、さらにその魅力が深められるようにも思います。魅力ある公園づくりの提案を今後とも期待したいと思います。
 平成十七年、指定管理者制度が導入されるに当たりまして、生活者ネットワークの大西ゆき子議員が、これまで東京都が直接対応していた利用者の声が、指定管理者導入をすると指定管理者に届かなくなるのではないかと質問をさせていただきました。それに対し、当時の公園緑地部長からは、応募する団体から利用者の声やニーズを十分に把握して、管理運営に反映させていく方策について提案をしていただくというご答弁を得られました。
 そこでお聞きしますが、具体的にニーズの把握や苦情、要望への対応について、どのような提案がなされ、どのように実施し、具体的にどう反映されているのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者への応募団体には、利用者からの要望を的確に把握し、管理業務に反映する具体的な方法、提案を求めております。具体的には、本社、お客様サポートセンターでの要望受け付けや各公園での日常的な要望把握などを行い、要望の内容、対応結果を管理所の情報ボード等で公開するなどの提案があり、実施しております。
 こうした取り組みを通じまして利用者の声を把握した上で、トイレのクリーンアップの実施、ベンチの補修、開園時間や利用時間の延長など、管理運営に反映させているものと認識しております。

○山内委員 親しまれる都立公園とするには、都民、とりわけ地域住民やNPOなどの参加が必要と考えられます。NPOや地域住民などと連携した公園管理について、都はどのような支援をしているのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者の応募団体には、都民協働事業の方針等の具体的な提案を求めております。具体的には、例えば蘆花恒春園で、指定管理者NPO法人芦花公園花の丘友の会が連携して行った自然観察等の活動につきましては、国土交通省が主催する手づくり郷土賞を受賞しております。
 都としましても、今後も都民協働による管理運営を進める指定管理者に対しては、条件整備や助言、指導監督などを通じましてバックアップしてまいります。

○山内委員 地域住民、NPOなどと指定管理者との間の調整を図るのは東京都の役割だと思います。連携事業が円滑に進むよう、必要なときには調整役として、地域住民やNPOなどの声にも対応していただきたいと思います。
 また、選定によって指定管理者が変わる場合には、その導入の前後、混乱のないように、連携している地域住民やNPO、市民団体や利用者の方々に丁寧に対応していただくように要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○しのづか委員 私からは、JR南武線連続立体交差事業及び周辺環境整備についてと、都立桜ヶ丘公園についてお伺いいたします。
 先ほど、高橋委員から連続立体交差事業についての質疑がございました。偶然なのかわかりませんが、JR南武線についてのお答えはなかった模様なので、私からはJR南武線の連続立体交差事業に絞らせてお伺いさせていただきます。
 この事業は、東京都が事業主体となって、稲城市とJR東日本が連携をして南武線の川崎市の稲田堤駅から府中本町駅間、約四・三キロメートルについて道路と鉄道との連続立体交差を行い、あわせて鉄道に沿って側道を整備するものとされております。この事業により十五カ所の踏切を除去して、踏切での交通渋滞の解消や道路、鉄道の安全性の向上が実現するとともに、鉄道により隔てられていた地域の一体化が図られ、沿線のまちづくりに大きく寄与するとされております。
 私、先日の一般質問でも、この件について質問をさせていただきました。この事業全体、第一期、第二期と工事が分かれておりまして、第一期の工事は平成八年から平成十七年で半分の区間が立体交差化して、八つの踏切が既に除去されております。そして、第二期工事というものが平成十五年度末から平成二十二年度末という期間で計画がされておりました。それが去年、平成二十一年度の十月に工期の見直しがありまして、平成二十七年度末ということで五年の工期延長が発表されたものです。
 それで、私は一般質問の中でそもそものおくれた原因というものをお伺いしたわけですが、東京都の答弁としては、用地取得の難航による工事着手のおくれ、これは実際に二年間、工事着手がおくれております。列車運行の安全管理強化による作業時間の制限、そして土地区画整理区域内のため搬入路が限られ、作業効率が低下したことなどから、事業期間の見直しが必要となり、本格的な高架橋工事に先立ち、工期延伸を明らかにしたというふうなご答弁がございました。
 そこでお伺いしたいんですが、JR南武線の連続立体交差事業、二十一年度における事業内容と工事の進捗状況についてはどうだったのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業につきましては、委員の先ほどのお話のとおり、延長四・三キロメートルの区間のうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの一・九キロメートルの第一期区間を平成十七年十月に高架化し、現在、矢野口駅付近から府中本町駅までの二・四キロメートルの第二期区間の高架化工事を進めております。平成二十一年度は、昨年十月に仮線工事を完了させ、全区間で本格的な高架化工事に着手しております。
 また、平成二十一年度末までの事業全体の進捗率は、事業費ベースで六七%でございます。

○しのづか委員 これも質問でお伺いしたことなんですが、やはり五年もの工期延長ということは、地元としては納得できないと。しかも、工期を延伸することを決めたのが、計画終了直前の一年前になって、やっと工期の見直しというものが具体的な期間を含めて発表になったということで、やはり、地元としては、土地区画整理事業をそれぞれの駅の周辺で市施行でやっている、そしてまた、都の施行でも都道の整備なども行っているという一体的なまちづくりを行っていくためには、五年もまちづくりがおくれてしまうということは、市にとっては損失ではないかと思います。これは、具体的な工期短縮というものをきちんと検討していただくことが私は重要だと思います。
 例えば一期工事を見てみますと、河川工事から高架工事に切りかわって高架工事にかけた期間というのが約五年弱ということで、今度の計画の見直しを見させていただくと、六年ほどの期間を、六年二カ月というような工事期間を見ているわけなんです。この辺を、やはり一期の経験もあることですから、きちんと工期短縮というものに向かって進んでいっていただきたいんですが、工期短縮へ向けての取り組みについてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 工期短縮に向けまして、昨年十二月にJR東日本と工程調整会議を設置いたしました。この会議を通じまして、稲城市やJR東日本と連携し、川崎街道からの工事用搬入路を確保して、工事進捗を図ることなどの具体策を検討しております。

○しのづか委員 ぜひ、今度はそれをまた検討でずっと延ばすんじゃなくて、きちんとまた明確な期間、短縮できるのかできないのかも含めて、正確な情報提供をお願いします。
 これと関連してなんですけど、やはり沿線住民に多大な協力を得て進める事業だと思っております。あらゆる機会をとらえて進行状況や見通しというものを知らせる機会をつくるなど、稲城市やJRとともに姿勢を見せるべきと考えますが、認識をお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 これまでも関係住民を対象に、事業の節目ごとに用地や工事の説明会などにより説明してまいりました。また、本年二月には、改めて事業の進捗や今後の進め方について、稲城市、JR東日本とともに工事説明会を開催いたしました。さらに、工事実施に伴いまして、適宜関係住民に説明を行っているところでございます。

○しのづか委員 東京都のとらえ方としては十分に行っているということなんですが、やはり住民が知りたいのは、本当の進捗状況、大丈夫なのかどうかというところなんですよね。できれば、先ほど工程調整会議というご答弁もございました、その内容も含めて、定期的にでも沿線住民の方、そしてまた地元市含めてお知らせする機会をつくっていただきたいと思います。
 それと、関連する事業が行われております。先ほども申し上げました市施行の土地区画整理事業、そしてまた、是政橋のかけかえ、そして多摩三・三・七号線など関連する事業が同時に進められている事業でもあります。この南武線の高架化の遅延というものが関連する事業に与える影響について、どのようにとらえているのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業につきましては、用地取得の難航による工事着手のおくれ、列車運行の安全管理強化による作業時間の制限、土地区画整理区域内のため搬入路が限られ、作業効率が低下したことなどから、事業期間を平成二十七年度まで延伸しております。これまでも、本事業とこれに関連する是政橋や多摩三・三・七号線及び土地区画整理事業は、相互に十分な調整を行いながら事業を進めてまいりました。引き続きこれら事業間の連携を図りながら、事業の推進に努めてまいります。

○しのづか委員 それともう一つ心配なのが、五年という大きな計画変更によって事業費総体が変化しないのかというか、実際の計画の事業費をオーバーしないのかということなんです。これについては、どのような状況なんでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 昨年度、今後の工事工程等を踏まえ事業計画の見直しを行い、これにより、本年六月に都市計画事業の事業計画の変更が認可されました。その内容は事業期間を平成二十七年度まで延伸するものであり、総事業費については変更してございません。

○しのづか委員 今ご答弁いただいて、変更をしていないのか、変更をしないようにしてきちんと計画を進めるのかというのが確かではないんですが、ぜひ総事業費がオーバーしないような形で進めていただきたいと思います。
 土地区画整理事業などを一緒にやっているところでは、例えば都道の側道のところ、最終的に側道の整備が終わるのが平成二十七年度末、高架化が終わるのが平成二十六年度と聞いておるんですが、そこまで、逆にいえば仮換地で移転されている方というのは、市施行の土地区画整理事業ですから、市がその遅延の部分を負担しなくちゃいけないんですよ。明らかに地元負担というものが発生しているような状況もありますので、ぜひ東京都としてはこれ以上の事業費の増加というものはしないように、事業を進めていただきたいと思います。
 それと、この事業の遅延が周辺の道路環境整備に影響を与えないのかということについてもお伺いいたします。
 連続立体交差事業の都道がアクセスする道路として南多摩尾根幹線、そして同じ是政橋の隣の橋として、関戸橋のかけかえというものがあります。まず、関戸橋についてお伺いいたします。
 関戸橋は多摩地域における都市計画道路の整備方針、いわゆる第三次事業化計画の中で優先的に整備すべき路線として、平成二十七年度までにかけかえを行うというふうに位置づけられておりますが、この計画が五年延長したことによって、是政橋がこれからやっと二車線での通行が可能になるかと思います。そういう状況で四車線を全部通すには、平成二十六年の高架化が完了するまでは、なかなか実現しないのではないかと思うんですが、連続立体交差事業がおくれることによって関戸橋の事業化に影響を与えないのか、これについての現在の検討状況も踏まえてお伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 関戸橋は、多摩地域における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。これまでも橋梁形式の検討等を実施しており、計画期間である平成二十七年度までの事業化に向けて必要な調査等を進める予定でおります。

○しのづか委員 微妙なご答弁だったんですが、事業化に向けて頑張りますといっているだけで、事業化しますとはいってないんですよ。ぜひ事業化を実現していただきたい。じゃないと、全体の道路ネットワークというものが、やはりおくれおくれになっていっちゃうと思うんですよね。
 しかも、この関戸橋、私が聞いているところによると、昭和十年--昭和の初期につくられた橋であって、もう築七十年以上たっているような橋でもあります。必要な調査等はされているかと思いますが、やはり一日も早いかけかえというものが望まれると思います。そこで、事業化までに必要な調査などの内容についてお伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 今後、測量や地質調査、構造物の設計、関係機関との協議などを実施する必要がございます。

○しのづか委員 随分あっさりした答弁なんですが、ぜひそのあっさりした答弁どおり、あっさりと進めていただきたいんですよね。ぜひ仕事もそういう簡潔に進めていただきたい、これを要望いたします。
 次、南多摩尾根幹線についてお伺いいたします。
 是政橋のかけかえですとか、これも平成二十六年に四車線化します。それと、稲城大橋がもう既に無料化されておりまして、周辺道路環境整備が整ってくる中で、現在もですが、今後より一層の交通量が増加することが見込まれます。
 しかし、これは、私ずっとここで生まれ育っていますから、現状を知っているんですが、多摩ニュータウンの計画から急にこの幹線道路の整備というものがストップをしてしまって、四十年間ずっと未着手の部分があります。これは私が住んでいる多摩市の市域なんですが、いまだ仮設の道路の状況で、いわゆるボトルネックになっちゃっているんです。石森委員のところの八王子のところは、もう既に四車線の本線整備が済んでおります。それと、先の調布、稲城市に入ってからの稲城市役所前あたりのところは既に四車線整備、いわゆるボトルネックになったような状況の中でほかの道路環境が整備されてくる、こういう状況の中で、そういうボトルネックを放置していていいのか、私は本当に不思議でなりません。ぜひこの辺の状況、どのように今、都としては認識されているのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 南多摩尾根幹線につきましては、第三次事業化計画の優先整備路線として位置づけていないものの、渋滞対策として、鎌倉街道との交差点において局所的な改良を行っているところでございます。

○しのづか委員 なぜ位置づけていないのかというのが私は本当に不思議でならないんですが、いろいろ過去にありました。地元住民の反対ですとか、これはニュータウンができた当初です。ただ、それから数十年、三十年ぐらいたっているんですよね。既に交通ネットワークも変わっている状況の中で、やはりこれはきちんと検討していただきたい、これは都市整備委員会でも申し上げたんですけど、ぜひお願いしたいと思います。
 それと、もう少し突っ込んでお聞きをしたいんですが、今、私は現状の認識をお伺いしたんですが、現状、既に今後整備が進むということではなく、既に渋滞が起こっているんです。先ほど交差点改良をやっていただいたというお話があったんですが、交差点改良をやっていただいた交差点でも、既に特に週末、重点的に恒常的な渋滞があります。そして、その渋滞を回避するために、まちづくりとしては、ニュータウンの場合は通過車両を通さないために幹線道路と生活道路というのをきちんと分けて、それも逆に通過させないために、わざわざこういう迂回路を生活道路の中ではつくっているんです。でも、そこに渋滞回避のために、既に通過車両が流入しているという現状があります。この辺の認識が本当に東京都はされているのか。いろいろな調査をされているというふうにお伺いしますが、どのような認識でおられるのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 南多摩尾根幹線につきましては、主要な交差点の前後で交通量調査を行っておりまして、それに基づいて必要なところは局所改良を行っているところでございます。

○しのづか委員 これは意見にしておきますけれども、必要なところは鎌倉街道のところの交差点改良だけです。それだけじゃないですよ。すべていわゆるボトルネックとなっている二車線の状態の南多摩尾根幹線と交差している道路というのは、既に四車線になっている幹線道路なんです。そこが、全部そこの交差点に行くと渋滞しているような状況もあります。
 そしてまた、多摩境ですとか八王子の堀之内にショッピングモール、ショッピングセンターがあることによって、これはマイカー族がふえる土日が本当にひどいんですが、この間も私の同僚の島田議員が、彼は母校東海大菅生という学校の校長先生をやっていたこともあって、秋季大会の応援に稲城インターから多摩市の一本杉球場まで稲城インターをおりて向かったそうです。それに要した時間というのが約五十分かかったと。これが本当に幹線道路のあるべき姿なのか、これを本当に調査をされているというのであれば、いわゆる生活道路の流入実態というものもぜひ調査していただきたいし、それぞれの交差点、交差点で調査をしていただきたいと思っております。これは要望をいたします。
 また、南多摩尾根幹線のような都市計画道路で、本線整備までの間で渋滞解消のため暫定整備などをした事例はあるのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 優先整備路線には位置づけていない路線につきましても、右折レーンを設置する交差点改良や安全確保のための部分的な歩道設置を行うなど、必要に応じて対応を図っているところでございます。

○しのづか委員 これも要望になっちゃうんですが、ぜひ私はそういった部分改良、部分的な対策では、なかなかこういう状況というのが解消されないと思います。例えば暫定整備としての四車線化というものも考えられるでしょうし、もともとの計画というのが、いわゆる掘り割り構造となっていて、通過車両を立体交差的に、バイパス的に通すというようなお金のかかる計画なんです。
 私が市議時代に試算したところ、多摩市域の六キロ区間だけでも約四百六十億、道路整備にだけかかる、それプラス周辺環境整備、騒音対策だ何だをやるともっとお金のかかる、そしてまた、そこから先の稲城市域に入るトンネル部分を考えると、もっともっと事業費がかかるような計画であります。それを例えば平面の四車線でやるとすると、これも試算をしたんですが、キロ当たり約四億円でできる、約二十四億円でその整備ができるような試算も出てきております。
 計画の見直しというのは、都市整備局のする仕事かもしれません。でも、現状をどう対処するのかというのは、今所管をされている建設局の仕事でしょうから、ぜひ現状を見ていただいて、そして本当に抜本的な対策を講じる必要があると私は思っております。ぜひこれは要望して、次に進みます。
 都立桜ヶ丘公園の整備についてでございます。これも申しわけないんですが、私の地元の都立公園でして、私の住んでいる住まいに隣接している公園でもございます。
 平成二十一年度、公園整備費全体は約四百六十五億円あったんですが、そのうち都立桜ヶ丘公園についての支出、どのくらいだったんでしょうか。また、その整備内容についてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 平成二十一年度に、都立桜ヶ丘公園関係では用地取得と整備に合計約十二億円を支出しております。旧農業者大学校グラウンド跡地〇・九ヘクタールの区域では、動植物の生育環境の保全を図るため、湿地と観察するデッキ、草地広場を整備しております。また、記念館通り、北東側の斜面地〇・五ヘクタールでは、川崎街道側駐車場から記念館通りまでの歩行者アクセスを確保するため、既存の雑木林を保全しながら、園路と木製階段などを整備しております。これにより、合計一・四ヘクタールを新規に拡張整備しております。

○しのづか委員 十二億円ということだったんですが、多分ほとんどが農業者大学校の用地を取得したお金だと思います。農業者大学校跡地、グラウンドの部分については二十一年度に整備をしていただいたんですが、校舎部分、多くの面積の部分がまだ未着手であるかと思います。農業者大学校跡地整備の検討状況についてはどのようになっているでしょうか。お伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 桜ヶ丘公園は自然豊かな里山の環境を保全、回復し、多摩丘陵の骨格を形成することを基本に、地形や自然環境の特徴を生かした魅力ある公園として整備していくこととしております。この基本的な考えに基づき、農業者大学校跡地の整備内容については現在検討中でございます。

○しのづか委員 ぜひ、これもまだ都立公園としては完成形ではないんです。そこに多くの住宅地がもともとの都市計画の網の中に入っていたり、農業者大学校もその一つでした。そして、今まだ林野庁の旧鳥獣実験場というような、林野庁が所有するような土地もございます。そして、そこに勤めておられた方の官舎の跡地というものも、ここは既に取得をされているかと思うんですが、まだまだ未整備なところがあるんです。ぜひグランドデザインというか、全体の見通しというものを早く明らかにしていただきたいと思います。
 そして、これからお伺いしたいんですが、私たち、本当に地元なんですが、桜ヶ丘公園という名称どおり、四月の花見の時期、そして秋の紅葉の時期もそうなんですが、多くの都民がこの公園に訪れます。特に、花見の時期には路上駐車が、特に周辺が住宅地になっていますから、住宅地の中に放置駐車というものが目に余るような状況にもなっております。現状、都立桜ヶ丘公園の駐車場の駐車可能な台数、そしてそれに対する都の認識というものはどのように考えていらっしゃるでしょうかお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 桜ヶ丘公園の駐車台数は、現在の開園区域内で整備可能な場所として、記念館口駐車場に六十台分を、川崎街道沿いのゆうひの丘口駐車場に十三台分、計七十三台分を確保しております。周辺路上駐車につきましては、記念館通りの現地に掲示を出すなど、駐車マナー向上のための対策を講じております。

○しのづか委員 これもちょっと地図上で説明しなきゃわからないんですが、駐車マナー向上のための対策といっているんですが、記念館通りというのはちょうど都立桜ヶ丘公園の真ん中を通っている道路でして、私がいっているのは周辺の住宅地、そこに路上駐車が、一時的になんですけど、すごくふえてしまうような状況があります。ぜひこれは都として何らかの対策をとっていただきたいと思います。
 そして、私は抜本的な対策が必要なんではないかと思います。広さが約三十万平米ある都立桜ヶ丘公園、その中で七十三台分の駐車場の確保しかされておりません。この公園に隣接する市立の公園、大谷戸公園と連光寺公園という公園がございます。この公園がそれぞれ、大谷戸公園が二万七千平米、連光寺公園が三万一千五百平米という広さなんですが、それぞれ大谷戸公園に十七台、そして連光寺公園は二十一台という駐車場の確保がされております。桜ヶ丘公園、三十万平米ある巨大な都立公園の中で、これだけの多くの都民がそこに来られるような環境整備として、これだけの駐車場整備で本当にいいんだろうか。私は疑問でなりません。これから整備する先ほどお伺いしました農業者大学校跡地や官舎の跡地で、駐車場の整備というものを検討できないものなのかお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 都立公園での駐車場の整備は公園の特性、公園施設の種類などを勘案し、検討することを基本としております。
 農業者大学校跡地や官舎跡地は、立地や進入路確保の点で課題が多いと認識しております。

○しのづか委員 また変な答弁が返ってきたんですが、これもちゃんと現場を見てください。今、施設整備されている六十台分の記念館の入り口の部分、そこだって進入路は狭いですよ。約四メーターもないような進入路で、桜の季節には駐車場の整理員が入り口に立って交通整理しなきゃいけないような状況なんです。
 一方、農業者大学校があったところは記念館通りから真っすぐアクセスできる、逆にいえば、進入路としては最も適した、そして立地条件としても最も適した場所にあるんです。
 そして、これも恒常的に外来車が多いんですが、ゆうひの丘という公園の中に高台になって夜景が見渡せるような場所があるんですが、そこも今、先ほどマナー向上のための喚起ということがありましたが、記念館通り沿いに駐車をされてしまう。農業者大学校跡地ですと、そこにとめても、約二、三分歩けばゆうひの丘の公園にもアクセスできるというような立地条件でもあります。ぜひ今後こういった施設整備について本当に真剣に検討をしていただきたい、このことを要望いたしまして私の質問を終わります。

○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後三時三十一分散会

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