平成二十年度各会計決算特別委員会速記録第五号

平成二十一年十二月三日(木曜日)
第十二委員会室
   午後四時一分開議
 出席委員 三十一名
委員長大塚たかあき君
副委員長高橋 信博君
副委員長原田  大君
副委員長小磯 善彦君
理事松葉多美子君
理事高橋かずみ君
理事伊藤 ゆう君
理事宇田川聡史君
理事吉田康一郎君
理事石毛しげる君
小林 健二君
吉住 健一君
西沢けいた君
小山くにひこ君
斉藤やすひろ君
鈴木 隆道君
島田 幸成君
滝沢 景一君
大松あきら君
矢島 千秋君
西崎 光子君
中谷 祐二君
山下ようこ君
古館 和憲君
中山 信行君
尾崎 大介君
たぞえ民夫君
野島 善司君
田島 和明君
古賀 俊昭君
和田 宗春君

 欠席委員 なし

 出席説明員
会計管理局長新田 洋平君
教育長大原 正行君
東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長河島  均君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長前田 信弘君
港湾局長比留間英人君
青少年・治安対策本部長倉田  潤君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長岡田  至君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長泉本 和秀君
監査事務局長三橋  昇君
労働委員会事務局長関  敏樹君
収用委員会事務局長野口  孝君
議会局長白石弥生子君
警視庁総務部長小谷  渉君
東京消防庁次長北村 吉男君

本日の会議に付した事件
平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(決定)
・平成二十年度東京都一般会計決算
・平成二十年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成二十年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成二十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成二十年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成二十年度東京都農業改良資金助成会計決算
・平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成二十年度東京都と場会計決算
・平成二十年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成二十年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成二十年度東京都都市開発資金会計決算
・平成二十年度東京都用地会計決算
・平成二十年度東京都公債費会計決算
・平成二十年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成二十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

○大塚委員長 ただいまから平成二十年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程に従いまして、平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について採決を行います。
 これより決算の審査を行います。
 平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 この際、本決算に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○原田委員 決算の認定に際し、一言申し上げます。
 決算審査の主眼は、地方自治法二百三十三条の解釈からも、計算に間違いはないか、支出命令等に符合しているか、支出は適法であるか等という視点から審査されるのは当然のことです。加えて、地方自治法二百三十三条第五項にかんがみれば、議会における決算審査は、単なる数字の審査にとどまらず、事業の成果についても積極的に検討が加えられることが期待されているのです。
 以上のことから、私たち都議会民主党は、単なる数字の審査にとどまらず、事業の成果についても積極的に検討を加えた上で、今回の決算については不認定とする方向で採決に臨みたいと思います。
 以上。

○宇田川委員 私は、自由民主党を代表し、一言申し上げます。
 さきの意見開陳の場でも申し上げましたとおり、そもそも決算の認定とは、議決に基づいた予算に対して、計算に間違いがなく、支出命令に合致した執行が確実になされているのかといった適法性の審査であります。
 地方自治は二元代表制をとっており、その責任とともに、執行機関との信頼関係の上に成り立っているわけでございます。今回、仮に不認定という結果があったならば、この信頼関係が根底から崩れるという大きなマイナスが生じることとなります。他の道府県や区市町村といった地方議会は、本来の基準のもとで認定の可否が決せられており、だからこそ全会派一致による不認定の歴史しか存在をしておりません。今まで積み重ねてきた歴史と異なる一歩を踏み出すこととなります。
 聞くところによりますと、田中議長が、新たなる決算のあり方について、最初から方向性を持って運営をされたとのことです。他の自治体にとっても大変に重い責任を負っていることを認識すべきである、このことを強く申し上げておきます。

○小磯委員 平成二十年度東京都一般会計決算の採決に当たり、一言申し述べます。
 決算の認定とは、一会計年度の歳入歳出予算の執行の実績である決算について、議会がその内容を審査した上で、収入、支出が適法かつ適正に処理したかどうかを確認するものであると認識しております。法令などの違反あるいは会計処理のミスなど重大な瑕疵があった場合は、当然不認定であります。
 今回の平成二十年度決算については、決算委員会分科会の審議を通じて、そのような重大な瑕疵があったとは認められません。
 東京都監査委員による平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算審査意見書においても、審査に付された一般会計及び特別会計の予算執行は、局別事項で付した意見を除き、適正であると認められると述べ、教育庁の過誤払い給与等の滞納整理について意見を付しているだけであります。監査委員には、民主党の相川博議員も委員として名を連ねております。こうした監査の結果からも、平成二十年度決算に重大な瑕疵があったとは認めがたいと思います。
 今回、決算認定の採決において、可否同数で、委員長裁決によって不認定となる見通しでありますが、私ども公明党は、委員長が不認定というのであれば、どこに不認定となる重大な瑕疵があるのかを明確にすべきであると主張してまいりました。そのために、昨日から理事会、委員会がこれまで延びてきたわけでありますが、本日の理事会で、委員長より、理由は述べないとの表明がありました。
 私どもは、なぜ決算が不認定なのか理由がわからないまま、これから採決されることに強く異議を申し上げ、議会で決まった予算を適法かつ適正に執行してきた東京都職員とともに、大塚たかあき委員長に再考を促し、あわせて、委員各位にも、改めて採決に対する慎重な対応を求めたいと思います。
 以上です。

○たぞえ委員 一般会計決算の認定の採決に当たって、日本共産党の意見を述べます。
 第一に、決算の不認定は全会一致が前提などという意見がありましたが、認定するかしないかは、各会派、議員の判断によるものであり、その結果、認定、不認定は多数決で決まるものです。
 本決算は、大型開発やオリンピックなどの不要不急の公共事業に湯水のように税金を投入する一方、切実な都民要望である福祉や教育などは切り詰められ、巨額の不用額を生み出すものであり、反対をするものです。
 第二に、決算特別委員会が設置されて以来、会議規則に基づき、分科会、全体委員会で審議、また意見の開陳も行われてきました。昨日の理事会でも議論があり、きょうの午後の理事会では、委員会を開会して、全会派によって採決を行うことが決定されました。したがって、理事会は手続を踏んできたわけであり、採決するのは当然であります。このことを述べて、意見といたします。

○西崎委員 決算認定に当たって、生活者ネットワークの意見を申し上げます。
 二十年度決算については、これまで特別委員会の中で真摯に議論をし、意見開陳まで行いました。本来であれば、直ちに表決するのが当然です。
 決算の審査は、単に計算に間違いがないか、支出命令等に符合しているか、収支は適法であるかなどをチェックするだけではなく、次年度以降の予算編成に当たっての問題点、留意点を、その審査を通じて引き出していくことの方が重要であると考えております。
 二十年度は、新銀行東京への四百億円の追加出資など、多くの問題を残しており、特別委員会を設置して、その解明が緒についたばかりです。情報公開と責任の所在が不明確であることをもって、生活者ネットワーク・みらいの決算認定の一つの判断といたしました。よって、直ちに表決されることを求めます。

○大塚委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、平成二十年度東京都一般会計決算を採決いたします。
 本決算は、起立により採決いたします。
 本決算について、認定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 可否同数であります。よって、委員会条例第十五条の規定により、委員長が裁決いたします。
 委員長は、本決算を認定することに反対であります。よって、平成二十年度東京都一般会計決算は認定しないことに決定いたしました。

○宇田川委員 ただいま廃棄されました本決算に対する我が会派の意見は、少数意見として留保させていただきます。

○大塚委員長 ただいま宇田川理事から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 宇田川理事の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出を願います。

○松葉委員 ただいま不認定となりました本決算に対する都議会公明党の意見は、少数意見として留保いたします。

○大塚委員長 ただいま松葉理事から、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は、会議規則第六十七条第一項の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
 松葉理事の発言に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は少数意見として留保されました。
 なお、少数意見報告書は、議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出を願います。
 次に、平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計決算、平成二十年度東京都都営住宅等事業会計決算、平成二十年度東京都用地会計決算、平成二十年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算及び平成二十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して採決いたします。
 本決算の認定の際に付する意見につきましては、お手元に配布してあります。
 朗読は省略させていただきます。

   〔意見は本号末尾に掲載〕

○大塚委員長 本決算は、起立により採決いたします。
 本決算は、いずれも、それぞれお手元配布の意見を付して認定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○大塚委員長 起立多数と認めます。よって、平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計決算外四会計決算は、いずれも、それぞれお手元配布の意見を付して認定することに決定いたしました。
 次に、平成二十年度東京都特別区財政調整会計決算、平成二十年度東京都地方消費税清算会計決算、平成二十年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算、平成二十年度東京都母子福祉貸付資金会計決算、平成二十年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算、平成二十年度東京都農業改良資金助成会計決算、平成二十年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算、平成二十年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算、平成二十年度東京都と場会計決算、平成二十年度東京都都営住宅等保証金会計決算、平成二十年度東京都都市開発資金会計決算及び平成二十年度東京都公債費会計決算を一括して採決いたします。
 本決算の認定の際に付する意見につきましては、お手元に配布してあります。
 朗読は省略させていただきます。

   〔意見は本号末尾に掲載〕

○大塚委員長 お諮りいたします。
 本決算は、いずれも、それぞれお手元配布の意見を付して認定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認めます。よって、平成二十年度東京都特別区財政調整会計決算外十一会計決算は、いずれも、それぞれお手元配布の意見を付して認定することに決定いたしました。
 以上で、平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についての審査はすべて終了いたしました。
 なお、本会議における委員長口頭報告につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大塚委員長 異議なしと認め、そのように取り扱わせていただきます。

○大塚委員長 この際、所管局を代表いたしまして、新田会計管理局長から発言の申し出がありますので、これを許します。

○新田会計管理局長 執行機関の各局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 平成二十年度の一般会計及び十七の特別会計の決算につきましては、厳しい日程の中、本委員会及び各分科会において熱心なご審議をいただきました。
 私ども執行機関といたしましては、決算審査の過程で賜りました数々のご意見、ご提言等を踏まえながら、引き続き適正かつ効率的な予算の執行に努めてまいる所存でございます。
 決算審査の終了に当たりまして、委員の皆様方のこの間のご尽力に対し御礼を申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。

○大塚委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ごあいさつをさせていただきます。
 本委員会は、去る九月二十五日の第三回定例会で設置されて以来、本日まで委員会を五回開催するとともに、三つの分科会を設け、精力的に決算の審査を行ってまいりました。
 分科会審査におきましては、高橋副委員長、原田副委員長、小磯副委員長には、分科会の委員長として大変ご尽力をいただきました。ありがとうございます。
 また、理事並びに委員の皆様、そして理事者の皆様にもご協力をいただき、大変厳しい日程ではございましたが、本日、無事決算の審査を終了することができました。心から感謝を申し上げます。
 最後に、本委員会での審査の成果が今後の都政運営に十分生かされますよう、より一層のご努力をお願いいたしまして、私のあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十六分散会


平成20年度東京都と場会計決算
意見

 食肉市場の衛生対策のために、必要な施設整備を行うとともに、小動物棟の屋上緑化を進められたい。


平成20年度東京都都営住宅等事業会計決算
意見

1 都営住宅の入居者の募集、選考方式について、より困窮度の高い都民が優先的に入居できるよう、ポイント方式の募集枠の拡大を図られたい。
2 都営住宅の家賃の滞納者に対して納付指導を実施するなど、公平な管理運営に努められたい。
3 都営住宅の建て替え事業について、定期借地権を活用した民間プロジェクトの拡大、居住者や地域のニーズに合わせた医療・福祉施設の併設や多様な住居タイプの供給を進めるなど、土地の有効活用に努められたい。
4 都営住宅において、廊下型住棟だけでなく階段型住棟についてもエレベーターの設置を積極的に進めるなど、バリアフリー化、環境対策、防犯設備などの充実を図り、さらには、建て替えの促進などによって良質なストック形成を着実に進められたい。また、都民の共有の財産として適正かつ効率的な管理運営に努められたい。


平成20年度東京都特別区財政調整会計決算外14特別会計決算
意見

都議会の決算審査の経過に表れた結果を十分考慮して、財政の健全化を図り、都民の負託にこたえるよう、強く要望するものである。

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