平成二十年度各会計決算特別委員会第三分科会速記録第六号

平成二十一年十月二十一日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長小磯 善彦君
副委員長高橋かずみ君
副委員長吉田康一郎君
矢島 千秋君
中谷 祐二君
山下ようこ君
中山 信行君
たぞえ民夫君
野島 善司君
和田 宗春君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長技監理事兼務河島  均君
次長岳野 尚代君
技監升 貴三男君
理事加藤 英夫君
総務部長石野 利幸君
都市づくり政策部長安井 順一君
住宅政策推進部長紺野 秀之君
都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務座間  充君
市街地整備部長遠藤 正宏君
市街地建築部長瀧本 裕之君
都営住宅経営部長清水 文夫君
企画担当部長横溝 良一君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
民間住宅施策推進担当部長宇多田裕久君
航空政策担当部長邊見 隆士君
民間開発担当部長石川  進君
多摩ニュータウン事業担当部長小澤  弘君
耐震化推進担当部長町田 修二君
経営改革担当部長岡沢  裕君
再編利活用推進担当部長中島 俊明君
建設推進担当部長山口 幹幸君
営繕担当部長荒川 達夫君
参事田崎 輝夫君
参事大塚 高雄君

本日の会議に付した事件
平成二十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
都市整備局関係
・平成二十年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成二十年度東京都都営住宅等事業会計決算(質疑)
・平成二十年度東京都都営住宅等保証金会計決算(質疑)
・平成二十年度東京都都市開発資金会計決算(質疑)
・平成二十年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算(質疑)
・平成二十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算(質疑)

○小磯委員長 ただいまから平成二十年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成二十年度東京都一般会計決算中、都市整備局所管分、平成二十年度東京都都営住宅等事業会計決算、平成二十年度東京都都営住宅等保証金会計決算、平成二十年度東京都都市開発資金会計決算、平成二十年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算及び平成二十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○石野総務部長 十月七日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております当局の平成二十年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をおめくりいただき、目次をごらんいただきたいと思います。資料は、1の都施行土地区画整理事業における地区別の清算の状況から、9の八ッ場ダム計画に係る都の支出額までの九件でございます。
 それでは、まず一ページをお開き願います。1の都施行土地区画整理事業における地区別の清算の状況でございます。
 地区ごとの清算金総額、清算件数及び換地処分の公告日を記載してございます。
 次に、二ページをお開き願います。2の既設都営住宅へのエレベーター設置状況でございます。
 過去五年間につきまして、年度別に記載してございます。
 続いて、三ページをごらんください。3の都営住宅における年齢別世帯数の状況でございます。
 名義人の年齢区分を六十四歳までと六十五歳以上に分けまして、その世帯数と割合を記載してございます。
 次に、四ページをお開き願いたいと思います。4の都内分譲マンションの着工戸数の推移でございます。
 過去五年間につきまして、年度別に記載してございます。
 続きまして、五ページをごらんください。5の高さ百メートルを超える建築物の棟数でございます。
 平成二十一年三月三十一日までに建築確認済みの建築物の棟数を区市町村別に記載してございます。
 次に、六ページをお開き願います。6の都営住宅建替えによる型別供給実績でございます。
 過去十年間につきまして、型別供給内訳を記載してございます。
 次に、八ページをお開き願います。九ページにかけまして、7の都営住宅の応募状況につきまして、募集区分ごとに、募集時期、募集戸数、申込者数及び平均倍率を、過去五年分を記載してございます。
 次に、一〇ページをお開き願います。8の首都高速道路に対する出資金・貸付金の推移でございます。
 過去十年間の首都高速道路の整備に対する出資金、出資率及び貸付金、貸付率の推移をそれぞれ記載してございます。
 最後に、一一ページをごらんください。9の八ッ場ダム計画に係る都の支出額でございます。
 過去十年間について、治水、利水別に支出金額を記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、まず、指定確認検査機関への立入検査についてお伺いをいたします。
 耐震偽装事件の発覚から、間もなく四年を迎えようとしております。事件を契機に建築基準法が改正され、平成十九年六月に施行されました。この改正は、耐震偽装の再発防止を目的として、建築確認検査制度の厳格化を柱とするものでありましたが、国における事前の準備不足や周知不足のため、法の施行後しばらくは現場が混乱して、建築確認の手続が停滞し、建築着工が大幅に落ち込み、官製不況を引き起こすなど社会問題化したことは、記憶に新しいところであります。
 最近の建築確認件数の推移を見ますと、現在では法改正の影響はほぼ解消しているようでありますけれども、引き続き手続の一層の円滑化に取り組むことが必要であります。
 他方、この法改正におきましては、民間の指定確認検査機関に対する特定行政庁の指導監督権限の強化も盛り込まれまして、特定行政庁にも立入検査権限が与えられました。建築確認検査業務が民間開放されてちょうど十年が経過し、今や建築確認件数の七割を民間機関が占めている状況であります。この建築確認検査制度の信頼性を確保するためには、指定確認検査機関の業務が適正に行われているかどうかしっかりと監視していくことが行政の重要な役割であります。
 このような観点から、私は平成十九年二月の都市整備委員会で、民間の指定確認検査機関に対する立入検査について質問いたしました。それに対して、都からは、抜き打ち検査も含めて厳格に立入検査を実施するなど、指定確認検査機関の業務が適正に行われるよう取り組んでいく旨のご答弁がありました。
 そこで、その後の取り組み状況等についてお伺いしたいと思います。
 まず、指定確認検査機関に対する立入検査について、平成二十年度の実績をお伺いします。

○瀧本市街地建築部長 指定確認検査機関への立入検査につきましては、平成十九年の改正建築基準法の施行以前から、都の指定した機関に対して指定権者の立場で実施してまいりました。
 法の改正により、特定行政庁の立場で、国の指定した機関を含めて、都内で業務を行うすべての指定機関に立入検査ができるようになったことから、平成二十年度は、都の指定した二機関に加えまして、国の指定した機関のうち二機関の、合わせて四機関に対し立入検査を行いました。

○吉田委員 ありがとうございます。
 四機関に対しということで、この立入検査はどのような方法で行ったのか、抜き打ちで行ったのか、お伺いをいたします。

○瀧本市街地建築部長 指定確認検査機関への立入検査には、定期的に行う検査と、違法な建築確認等の問題が判明した場合やその他の必要な場合に臨時的に行う検査とがございます。平成二十年度に行った四機関への立入検査は、いずれも定期的な検査として実施したものであり、検査の日時をおおむね一週間前に通告した上で行いました。
 検査の内容としましては、当該機関の審査体制や役職員及び株主の構成などについて、建築基準法に定められた要件が満たされているかどうかといった従来の検査に加えまして、新たな試みとして、確認申請書類を抽出し、個々の建築確認や検査が適法に行われているかどうかの検査もあわせて行いました。

○吉田委員 この書類の抽出検査に取り組み始めたということは、大切な一歩前進であるわけでありますが、検査の日時を事前に通告したということでは、これは抜き打ち検査ではないわけであります。これは一週間前に通告したということですが、一週間もありますと、もし問題があった場合に、慌てて一週間前に立ち入りあるぞとなったときに、改ざん、隠ぺい、偽装などの猶予を与えてしまう、こういう可能性があると思うんですね。
 平成十九年の質疑では、抜き打ち検査も含め実施するとご答弁をいただいたわけでありまして、二十年度の立入検査において抜き打ち検査を行わなかった理由は何か、お伺いをします。

○瀧本市街地建築部長 この立入検査でございますけれども、立入検査を抜き打ちで行った場合、相手方の確認検査員が現場検査等で不在であれば、業務内容に関する必要な聴取ができなかったり、あるいは申請書類が別の場所に保管されていれば、書類を取り寄せるまでに時間がかかったり、検査を行う上で種々の支障が考えられます。
 これに加えて、平成二十年度の立入検査は、特定行政庁の立場としては初めて実施するということもありまして、従来の方法により、事前に検査日時を知らせた上で行ったものでございます。

○吉田委員 この検査を円滑に短い時間で行わなければいけないのではないかなと、こういうふうに思われる気持ちもわからないではありません。昨今の行政に対する厳しい目、何を時間をむだ遣いしているんだとか、このようなおしかりを受けるようなこともあるのかもしれません。
 しかし、今回の法改正は、二度と耐震偽装を引き起こさない、見逃さないという、我が国の建築物全体の信頼を取り戻すために行われた法改正であったんだということを忘れてはならないと思います。実務上、いろいろとご苦労があろうかとは思いますが、検査の実効性、そして国民、都民から見た制度の信頼性を最優先に大切に考えなければならないと思います。
 指定確認検査機関に対する抜き打ち検査はやはり行うべきだと考えますが、改めて都の見解を伺います。

○瀧本市街地建築部長 立入検査を行うに当たりましては、事前に通告した方が、相手方の確認検査員や申請書類が確保できるなど、確実な検査が可能でございます。
 一方、事前通告なしに立入検査を行う場合は、例えば確認検査員がみずから行わなければならない現場検査を補助員に行わせていたなど、不適切な業務実態を把握できる可能性があるとともに、実際に検査に入る指定機関だけでなく、他の指定機関に対しても、日ごろから適正な業務を行う必要性を注意喚起する上で、一定の効果があると考えております。
 改正建築基準法の施行から二年以上が経過いたしまして、新たな建築確認制度が定着しつつあり、指定確認検査機関になれが生じている状況も想定されることから、抜き打ち検査を行う意義は高まっていると考えております。こうしたことから、今後の立入検査については、従来どおり、事前に通告して行う検査を基本とした上で、抜き打ち検査も適宜行うこととしております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 建築確認検査制度は、建築物の安全性を確保するための根幹的な制度であります。指定確認検査機関の責任は大変に重く、それを指導監督する立場である都の責任もまた重大であります。今後とも、立入検査の実施体制を強化するとともに、抜き打ち検査もあるんだというこの緊張感を決して失わせない厳格な姿勢と方法で、しっかりと指導監督していただくことを要望いたしまして、この質問を終わります。
 次に、防災都市づくりについてお伺いをしてまいります。
 防災都市づくり、いうまでもなく、災害に強い安全・安心のまちづくりは、都政の最重要の課題の一つであります。そして、東京の区部周辺部に広範に広がっている、戦後の急速な市街化によって形成された木造住宅密集地域、このような地域では、老朽化した木造建築物が密集していることに加え、道路が狭隘で、消防車などの緊急車両が通行できない。道路のみならず、公園などの防災上有効なオープンスペースが不足しているなど、さまざまな課題を抱えております。
 国の調査委員会報告において指摘されている、今後三十年以内に、南関東ではマグニチュード七クラスの地震が七割の確率で発生する。このような大地震が首都圏で一たび発生すれば、この木密地域において最も大きな被害が生じると危惧をされているわけで、私も何度か質疑をさせていただきましたが、この木密地域の改善に向けて、都は建物の不燃化の促進、道路、公園などの整備など、防災都市づくりを推進し、木造住宅密集地域整備事業を初めとするさまざまな施策を展開をしてきていただいているわけです。
 そこでまず、平成二十年度の都の木密事業の予算額、執行率、実績及びこれまでの実績の累計についてお伺いをいたします。

○石川民間開発担当部長 木密事業についてですが、平成二十年度の当初予算額は約二十一億円でございます。これに対して決算額は約十九億円で、執行率は約九四%でございます。平成二十年度の実績は五十二地区、約二千ヘクタールを対象に事業を実施しておりまして、道路や公園の整備のため、約一ヘクタールの用地を取得したほか、七十戸の不燃化建てかえなどを行っております。
 また、平成二十年度末までの累計の実績ですが、約十五ヘクタールの道路や公園を整備するとともに、約七千戸の不燃化建てかえや、三百六十戸の従前居住者用のコミュニティ住宅の建設などを行っております。

○吉田委員 ありがとうございます。道路や公園の整備など、一歩一歩着実に進んでいることがわかりました。
 それでは、次に、これまでの取り組みによって、災害に強いまちづくり、まちの形成に向けてどのような効果があったのか、お伺いします。

○石川民間開発担当部長 これまでの取り組みの効果についてでございますが、都は防災都市づくり推進計画において、震災時に大きな被害が想定される地域を整備地域として約六千五百ヘクタール指定し、この地域で木密事業を初めとする事業や規制誘導策を重層的かつ積極的に展開し、災害に強いまちづくりを進めてきております。
 その防災上の効果として、市街地の燃えにくさをあらわす不燃領域率は、平成八年からの十年間で、区部平均では約五ポイント上昇したのに対して、これまでの取り組みにより、整備地域ではこれを二ポイント上回る七ポイント上昇し、約五六%となるなど、市街地の防災性は着実に向上しております。

○吉田委員 その他の地域に比べて、ポイント数で上回る、二ポイント上回る七ポイント上昇したと。この取り組みの効果が実際にわかったわけであります。目標は七〇%、まだまだ取り組みをどんどんやっていただかなければいけない。今、五六%という状況でございますが、このお話の防災都市づくり推進計画では、整備地域のうち十一カ所、二千四百ヘクタールを重点整備地域と定め、早期に防災性の向上を図るとしております。私の地元の中野の南台地区もその一つに指定されておりますが、例えばここではどのような取り組みがなされ、どのような防災上の効果があったのか、お伺いします。

○石川民間開発担当部長 中野南台地区の取り組みと効果についてでございますが、中野南台地区は新宿副都心に近接し、老朽木造住宅や幅員四メーター未満の細街路が多く、火災危険度が高い地域もあり、中野区では、南台一、二丁目地区と南台四丁目地区の二地区、約四十六ヘクタールで木密事業などを実施し、老朽建築物の除却や不燃化建てかえ、道路の整備などに取り組んでまいりました。
 こうした取り組みに加え、平成十五年から新たな防火規制を導入しており、これらの効果により、市街地の燃えにくさをあらわす不燃領域率は、平成八年の四三%から、十八年の五二%となり、十年間で九ポイント改善するなど、中野南台地区の防災性の向上が図られております。

○吉田委員 ありがとうございます。着実に効果があらわれていることがわかりましたが、当地区は火災危険度が高い地域でございますことから、防災性の向上をさらに進めていただくことが重要であります。
 防災公園の整備も進められる予定と聞いておりますが、今後、当地区のまちづくりではどのような取り組みを進めていかれるのか、伺います。

○石川民間開発担当部長 今後の取り組みについてですが、中野南台地区の防災都市づくりを進めるに当たっては、木密事業や不燃化促進事業に合わせ、地区計画などの規制誘導策を重層的かつ積極的に実施していくことが重要と認識しております。中野南台地区においては、中野区が、この地区のほぼ中央に位置し、避難場所として指定されている東大附属中学校一帯で約一ヘクタールの防災公園の整備を予定しており、この整備に合わせ、今後、周辺の道路を整備するとともに、今年度より避難場所周辺の不燃化を進め、防災機能の向上を図ることとしております。
 また、区では、災害に強い安心して住み続けられるまちの形成を目指して、地区計画がまだ策定されていないこの地区の北部地域で、地区計画の導入を検討しております。今後も中野南台地区の防災性の向上のために、区が行う取り組みに対し、都は積極的に技術的、財政的支援を行うなど、区と連携して防災都市づくりを着実に進めてまいります。

○吉田委員 よくわかりました。首都直下地震というのは本当にあす起きてもおかしくないわけであります。引き続きしっかりと取り組んでいただきたいわけですが、このような、都が改善の必要性が高い木密地域だと指定している整備地域だけでも、先ほどご説明があったように二十七地域、六千五百ヘクタールにも及ぶわけであります。現在、木密地域整備の事業費は約二十億円ということでありますが、平成二十年度は九割を超える執行率で、着実に成果が上がっているわけであります。都内の多くの木密地域を一日も早く改善し、災害に強い安全な東京を実現するため、今後もう少し木造住宅密集地域整備の事業費をふやしていただいて、事業規模を拡大して取り組みを進めていただくことが必要じゃないか、ぜひこういうこともご検討いただきたいと思います。
 この防災都市づくりに関連して、最後に一点、確認をさせていただきたいと思います。
 私の地元、中野駅北口の警察大学校等跡地の地区計画についてでありますが、この地区を含む一帯は、東京都震災対策条例によって広域避難場所に指定されています。私は、平成十九年一月の都市整備委員会において、広域避難場所としての機能が確保されるよう、この地区の中央部には三ヘクタール、全体として四ヘクタール、できればそれ以上の空地を確保してもらいたいと要望していたわけでありますが、現在どのような計画になっているのか、確認の意味でお伺いします。

○安井都市づくり政策部長 中野警察大学校跡地を対象といたします中野四丁目地区地区計画でございますけれども、施設計画の具体化に合わせまして地区整備計画を定めるため、平成二十一年六月に地区計画の変更を行ってございます。この中で、都としても、防災都市整備の観点も踏まえながら、個々の事業者の開発計画に対しまして、地区全体として公開空地やオープンスペースの広角的な確保を誘導してきたところでございます。
 その結果、現在の計画では約一・五ヘクタールの都市計画公園を中心に、中央にまとまった一団の公開空地として約三ヘクタールを確保するとともに、その周囲には、各事業者の開発に合わせまして、個々の敷地内に緑豊かなオープンスペースを合計約一・五ヘクタール確保することで、全体といたしまして約四・五ヘクタールの空地を確保する計画となってございます。

○吉田委員 大変にありがたいと思います。四ヘクタール以上の空地を確保していただいているという計画だと。ここは、区民の中では大きな不安と期待と要望があったところでありますので、この避難に有効なオープンスペースの確保がされるということが確認できまして、安心をいたしました。
 災害に強い安全・安心のまちづくりを実現していくためには、この木密地域の改善を着実に進めることに加え、大規模開発に伴い、広域的な避難場所を適切に整備していくことも非常に重要であります。都には、この一層のお取り組み、支援をお願いし、次の質問に移らせていただきます。
 次に、雨水流出抑制対策の取り組みについて伺います。
 現在、東京都が豪雨対策の一環として進めていただいている雨水流出抑制対策でありますが、平成十七年九月、中野区、杉並区を中心とする豪雨により約六千棟に及ぶ甚大な被害が発生した状況を受けて、東京都は平成十九年八月に、東京都豪雨対策基本方針を策定し、局所的な集中豪雨対策に取り組んでいただいていると伺っております。その後も、本年八月には、北区において一時間当たりの降雨量一〇〇ミリを記録するなど、豪雨による被害は都内各地で相変わらず発生をしております。
 こうした豪雨への対策として、都は、平成二十九年度までに、浸水被害が頻発する神田川流域など七流域において、時間当たり五ミリに相当する雨水流出抑制対策に取り組むとしています。そこで、この七流域における現在の雨水流出抑制対策の実績について、お伺いします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 雨水流出抑制対策でございますけれども、雨水流出抑制施設の設置につきましては、河川下水道への急激な雨水の流出を抑制することから、豪雨対策として有効でございます。このため、東京都では豪雨対策基本方針を策定いたしまして、浸水被害が頻発している神田川など七流域を対象に、雨水流出抑制施設の設置を推進することとしております。
 この七流域の雨水流出抑制対策の実績については、平成十九年度末現在、浸透施設と貯留施設を合わせまして約百八十五万立方メートルとなっております。これは東京ドームの約一・五倍の容積でございまして、平成二十九年度までに達成すべき時間当たり五ミリの雨水流出抑制の目標に対しまして、約二・六ミリ分に相当する数字でございます。

○吉田委員 目標に対して半ばを超えたということだと思います。
 さらに詳しく伺いますが、平成十八年十一月の都市整備委員会で、私がお聞きしたところでは、平成十六年度末の神田川流域の実績は、浸透施設と貯留施設を合わせて約五十九万立方メートルということでありました。そこで、神田川流域における現在の雨水流出抑制対策の進捗状況というか、実績についてお伺いをいたします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 神田川流域の雨水流出抑制施設の実績でございますけれども、平成十九年度末現在、浸透施設と貯留施設を合わせまして約六十八万立方メートルとなっております。これは先ほど吉田副委員長がおっしゃいました、平成十八年の委員会におけます質疑で答弁いたしました五十九万立方メートルの約一・二倍となっております。これは先ほど申し上げましたけれども、東京ドームの容積の約二分の一でございまして、時間当たり五ミリの雨水流出抑制の目標に対しまして、約三ミリ相当に値する数字でございます。

○吉田委員 六千戸を超える被害を受けて、この神田川流域では三ミリのところまで頑張っていただいていると。着実に雨水流出抑制対策を進めていただいているようであります。
 この中で、この豪雨対策を効果的に進めるためには、個人住宅への浸透ますの設置、これをさらに促進していただく必要があると思っております。この点について、平成十八年十一月の都市整備委員会の質疑において、私からも、都の浸透ます設置に関する補助金、これを復活していただくようにと求めましたところ、機敏に対応していただいて、感謝をしているところであります。
 しかし、現在この要綱を策定して浸透施設への助成を行っている区市は、全体の半分程度と聞いており、さらなる区市の取り組みの強化が望まれるわけであります。そこで、都は個人住宅への浸透ます設置助成を行っていない区市に対して、どのように働きかけというか、取り組みをされているのか、伺います。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 浸透ますの設置助成につきましては、現在、要綱を定めて個人住宅への浸透ます設置助成を行っているのは、区部で九区、多摩部で十八市でございます。特に浸水被害が頻発しております七流域におきましては、対象となる十八区のうち九区、十市のうち九市で助成を行っております。その他の区市におきましても、都市開発の際に貯留施設の設置を指導するなど、地域の特性に応じた対策を講じておりますけれども、個人住宅への浸透ますの設置助成は、雨水流出抑制を図る上で効果的な施策であると考えております。
 このため、東京都では、個人住宅への助成を行っていない区市に対し、都と関係自治体で構成します東京都総合治水対策協議会におきまして、浸透ます設置等に関する技術指針や、区市及び都の補助制度の周知を図るなど、その啓発に努めております。
 今後ともこれらの取り組みを継続して、雨水流出抑制を総合的に推進し、浸水被害の軽減を図っていきたいと考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。本当にこの対象となっているところでも取り組んでいない区市がまだ残っていると。私も一生懸命働きかけをしてまいりたいと思っていますが、ぜひ東京全体で豪雨対策、雨水に対する対策を進めるように、都のさらなるお取り組みをお願いいたします。
 次に、都営住宅に関連してご質問を申し上げてまいります。
 平成十八年六月の住宅政策審議会の答申の中で、都営住宅の入居者の募集、選考方式に関して、より困窮度の高い者が都営住宅に優先的に入居できるよう、入居者の募集、選考方式を改善すべきであると、このように指摘をし、ポイント方式の募集枠の拡大を行うべきだ、このようにしておりますことから、私は同年十二月の都市整備委員会において、ポイント方式を今後できる限り拡大していくべきだと考えますけれども、どうでしょうかと、このように質問し、そしてご答弁として、住宅困窮度がより高い方から入居を認めるポイント方式は、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を的確に供給する上で有効な方法と考えております。ご指摘の点につきましては、答申を踏まえ、優遇抽せんなど他の優先入居制度との整合性を図りながら検討してまいりたいと考えておりますと、このようなご答弁をいただきました。
 そこで、このポイント方式の二十年度の募集の実績と、この募集全体に占める割合、そしてその後の検討取り組み状況についてお伺いをいたします。

○岡沢経営改革担当部長 都営住宅の入居募集に関するポイント方式についてのお尋ねでございます。
 ポイント方式と申しますのは、お話のとおり、住宅困窮度を判定いたしまして、困窮度がより高い応募者の方から入居を認めるといった方式でございまして、真に住宅に困窮している都民に対して都営住宅を的確に供給していく上で、有効な方法の一つでございます。
 この方式によります二十年度の募集戸数でございますが、これは二千五百八十一戸となっております。これは都営住宅全体の募集戸数の約三割に相当しております。
 一方、ポイント方式以外の方式、これは抽せんによるものですけれども、抽せんによる一般募集では、入居希望者が非常に多く、応募倍率がとりわけ高い実態もございます。ポイント方式の拡大につきましては、こうした状況も踏まえまして、優遇抽せんなどの他の制度との整合も図りながら、引き続き検討してまいりたいと思っております。

○吉田委員 ありがとうございます。約三割と、これは特にそんなに急速に伸びているというわけではなくて、横ばいというか、そういう数字であります。
 これ、一般募集も応募倍率が非常に高いという実態はもちろんあるわけですけれども、このポイント方式というのは、一般募集に応じられる方の中で、さらに本当に困窮している方が優先して応募できるからポイント方式という、一般よりさらに困窮している方々にとっての制度でありますので、こういう方々により優先して都営住宅を供給する、こういう姿勢が大事だと思うんですね。
 いろいろと他の制度との整合性を図りながらというご答弁でありますが、引き続きこのポイント方式の拡大についてご検討を深めていただきたい。お願いを申し上げます。
 次に、都営住宅の入居者の収入に係る基準、入居収入基準についてお伺いをいたします。
 国の社会資本整備審議会が平成十七年九月に出した答申、新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについてでは、この基準について、生活保護制度等の施策対策の考え方も視野に入れて、真の住宅困窮者の入居が図られるよう、基準のあり方について検討を行っていくべきであるとしております。この入居収入基準に係る国のその後の動向と、それから都の対応についてお伺いをします。

○岡沢経営改革担当部長 入居収入基準についてのお尋ねでございます。
 公営住宅を住宅困窮者に対しまして公平かつ的確に供給するため、平成十九年十二月に公営住宅法の施行令が改正されました。二十一年四月から入居収入基準の引き下げが施行されているところでございます。
 東京都は、この改正を踏まえまして、昨年度来、制度改正の円滑な実施に向けて準備を進めてまいりました。そういたしまして、本年四月からは改正後の収入基準に基づきます入居者の募集を行っているところでございます。

○吉田委員 これ、従来よりもより本当に困っている方に基準を下げて募集をしていくということで、これは円滑に引き続ききちんと取り組んでいただきたいと思います。
 この項の最後に、現在の都営住宅の居住者についてお伺いをしてまいります。
 今の話ともつながるんですが、本来の入居対象の階層を超えた収入超過者、この中には、明け渡し請求の対象となる高額所得者と、それから明け渡し努力義務がある方と、いるわけであります。年々そういう入居者の方は減少してきているとはいえ、収入超過者の自主的な退去を促し、その住戸を本当に困窮している方の募集に有効に活用すべきであると考えます。
 そこで、まず、二十年度の高額所得者の明け渡しの実績をお伺いします。そして、また、収入超過者については、これは平成十九年度からですか、段階的に家賃を引き上げて、一定の期間の後は市場の家賃並みの負担となるように制度を見直して、強化をしたと認識しておりますが、これまでの取り組み状況についてお伺いをいたします。

○岡沢経営改革担当部長 都営住宅の高額所得者並びに収入超過者についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、二十年度の高額所得者の明け渡し件数でございますが、これは百十八件となっております。それから、収入超過者に対する措置でございますが、ただいまのお話のとおり、平成十九年度から収入超過者の割り増し使用料の算定方法が改正されまして、収入超過の度合いに応じて、一定期間後に近傍住宅家賃になるように、割り増し額を毎年増額する方式となりました。こういう方法で、収入超過者の自主的な退去を促進しているところでございます。
 具体的な施策といたしましては、明け渡しを促します文書を送付するでありますとか、それから居住者に向けて広報紙、「すまいのひろば」というんですけれども、これをつくっておりまして、これで周知を行っております。また、このほか公社住宅でありますとか都市再生機構住宅へのあっせんなどを引き続き行っているところでございます。

○吉田委員 この二十年度も含めて、都営住宅の運営の方針、取り組み状況について、わかりました。
 今、質疑をしていた目的は、より本当に困っている方に都営住宅は供給されるべきであると。より高額な所得の方とか、そういう方が住んでおられるような状況を一刻も早く改善をして、困っている方に、こういう意味でお取り組みをしっかりとやっていただいておりますので、引き続きやっていただきたい。そして、期限つき入居など、その他の施策も含めて、引き続きより困っている方にということを推進していただきたい、このようにご要望を申し上げます。
 質問の最後に、荷物の荷さばき対策についてお伺いをいたします。
 平成十八年六月の改正道路交通法の施行により、違法駐車の取り締まりが強化されたことに対応して、都では、荷さばき車両の駐車施設の確保対策に取り組んでこられました。さらに、本年四月から違法駐車の取り締まりが強化され、運送業者は駐車可能な場所を長時間探し回ったり、やむなく二名の乗車にするなど、対応にますます苦慮している、こういう実態がございます。
 そこで、まず荷さばき車両問題に対する都の認識をお伺いします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 荷さばき対策についてでございますが、運送業務などの貨物輸送は、都民生活や経済活動を支える物流の重要な役割を担っております。一方、路上で行われる荷さばきは、交通渋滞の原因になるばかりでなく、歩行者の安全を阻害する一因となっておりまして、その対策を講じることが喫緊の課題と考えております。
 本年四月より、違法駐車の民間取り締まりが二十三区から都内全域に拡大実施されておりますけれども、根本的な解決を図るためには、交通管理者による規制とともに、荷さばき可能駐車場の拡大をあわせて進めるなど、実効性のある対策とすることが必要であると考えております。

○吉田委員 まさしくご答弁いただいた認識のとおりだと思います。
 この平成十九年三月の都市整備委員会の質疑では、都として民間のコインパーキングに荷さばき車両を受け入れてもらうよう働きかける、この荷さばき可能コインパーキングについて、平成十八年度末で約二百五十カ所との報告をいただいたわけであります。その後も引き続きご努力をいただいているものと思っているわけですが、現在の整備状況についてお伺いします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 都では、渋滞解消を目的とするハイパースムーズ作戦の一環といたしまして、路外への荷さばき車両の誘導のために、コインパーキングでの荷さばき車両の受け入れを進めております。平成二十一年九月末現在で、駐車場として約八百三十カ所、駐車枠では約七千四百台分にまで拡大しております。引き続き駐車場事業者等への働きかけを行いまして、荷さばき可能駐車場の設置拡大に努めてまいります。

○吉田委員 着実にお取り組みを進めていただいているということがわかりました。
 他方、昨年六月に、荷さばき対策を初めとする地域物流の課題に対して、商店街や運送事業者などの連携した取り組みを支援する制度を策定されたと伺っております。この制度のその後の運用状況についてお伺いをします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 都が昨年六月に策定いたしました東京における地区物流効率化認定制度は、荷さばきなどによって生じる地区の物流の課題を解決するために、商店街や運送事業者、地元自治体等が連携して行う取り組みを支援する制度でございます。本制度の策定以来、区市町村の都市計画担当者、商工部門担当者及び運送事業者向けの説明会を実施し、制度の周知を図っております。
 現在、この説明会でのアンケートや、運送事業者からの情報提供によりまして、物流効率化の必要な地区の抽出を行い、商店街や運送事業者、地元自治体等から成る協議会の設立に向け、詳細なヒアリング等を行っております。
 また、既に協議会が設立されております三地区におきまして、地区独自の交通ルールの作成に向けた交通管理者との調整など、物流効率化計画の作成に対する支援を行っているところでございます。

○吉田委員 多くの関係者の協力をいただいて調整して、新しい制度に皆さん協力していただく、大変なご苦労だったと思いますけれども、引き続きぜひお進めをいただきたいとお願いをいたします。
 そして、平成十九年三月の都市整備委員会の質疑では、また、都の公共施設に併設された駐車場や、都有地などの荷さばき可能駐車場としての利用の可能性について検討していくと、こういうご答弁もいただいているわけであります。この点についてのその後の取り組み状況についてもお伺いをします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 公共施設の駐車場につきましては、都資産の有効活用の観点から、民間事業者によるコインパーキング化を進めておりまして、現在、複数の都の事業所において実施されております。これらの施設におきましては、本来の当該施設利用者を優先すること、駐車可能台数に余裕がないこと、開庁時間と荷さばき時間帯が重複することなど、現状では荷さばきへの活用に課題が残っております。このため、当該公共施設駐車場の利用状況を調査した上で、荷さばき利用への活用の可能性について、施設管理者と調整を図ってまいります。
 また、民間に駐車場として貸し付けている都の未利用地につきましては、契約更新時に貸付条件を変更することによりまして、荷さばき可能駐車場として義務づけることが可能でございます。今後、駐車場の立地条件や利用実態等を勘案し、荷さばきが可能となる駐車場を選別し、都有地の管理者、駐車場事業者等と調整を図りながら、荷さばき可能駐車場の拡大に努めてまいります。

○吉田委員 コインパーキング化している公共施設の駐車場や、民間に駐車場として貸し付けを行っている都有地については、これをそのままぱっと荷さばき可能駐車場にできていなかったという、この理由、事情というのはよくわかりました。
 このほかにも多くの公共施設、都有地があります。これらについて、特に駅前や商店街近傍など、荷さばきスペースの確保が困難で、皆様お困りになっている箇所については、公共施設、都有地の荷さばき可能駐車場への活用が本当に有効な施策であろうと思います。この点について、なお一層のご尽力をいただくとともに、先ほどご説明のあった地区物流効率化を支援する制度のさらなる活用など、総合的に荷さばき問題の解決に引き続き本当に精力的に取り組んでいただきますことをご要望申し上げます。
 本日は、私が都市整備委員会にいたころにいろいろとご質疑を申し上げたことなどを中心に、各決ですので、二十年度の取り組みについてお聞きをしてまいりました。そのほかにもいろいろとお聞きしたいことがございますが、また引き続き、この都市整備局のダイナミックな、あるいは細かな一つ一つの改善事業、さまざまなお取り組み、しっかりと二十年度と同様、次の年度も頑張ってくださいますようにお願い申し上げて、私の質問を終わります。

○矢島委員 まず、歳入のうちの収入が多い部分について、何点かお伺いいたします。
 まず、株式配当金です。予算水準でもともと大きく三十億一千万円が四十億七千万円でありましたが、投資先、投資金額、持ち株の発行株式に対する割合、投資の目的、その金額がふえた事由についてお伺いいたします。

○石野総務部長 株式配当金についてのお尋ねでございますが、平成二十年度に株式配当金を受けている団体は三社ございまして、東京地下鉄株式会社、日本自動車ターミナル株式会社、そして株式会社建設資源広域利用センターの三社でございます。
 この三社の中で、まず東京地下鉄株式会社でございますが、特別区及びその付近の、主として地下におけます新線建設の支援を行うということを目的に都は出資してございます。都の出資金は二百七十億六千五百六十八万一千五百円でございまして、出資比率は四六・六%でございます。平成二十年度の配当金は、旅客運輸収入の堅調な推移を受けまして、三十七億八千九百十九万五千四百十円、予算現額に対しまして五億四千百三十一万三千四百十円の増額となっております。
 続きまして、日本自動車ターミナル株式会社についてでございますが、物流の合理化、道路交通の円滑化及び都市機能の向上を図るため、公共トラックターミナルを整備することを目的に出資してございます。都の出資金は五十二億九千万円で、出資比率は四三・三%でございます。平成二十年度の配当金は、予算現額どおりの二億六千四百五十万円となってございます。
 さらに、建設資源広域利用センターについてでございますが、首都圏から発生します建設発生土を有益な資源とし、これを広域的、計画的に活用することを目的に都は出資してございます。都の出資金は三億円で、出資比率は二七・三%でございます。配当額が予測できないため、予算計上しておりませんでしたが、平成二十年度の配当金は千六百八十万円となってございます。

○矢島委員 特に東京地下鉄は二百七十億の出資で、三十数億の配当があるという大変優良な会社で、これからのいろんな活用を話されておりますけれども、そういう状況がよくわかりました。
 次に、同じく歳入が多いところで確認をさせていただきますが、建設発生土再利用センターの事業目的、内容をお伺いいたします。

○安井都市づくり政策部長 東京都建設発生土再利用センターでございますか、昭和六十三年に決定した東京都における建設残土対策についての基本方針に基づきまして、都内の公共工事などから発生する建設発生土の処分量と山砂採取の削減を図るとともに、建設発生土再利用による循環型社会づくりに寄与するため、設置した施設でございます。再利用センターの事業内容は、建設発生土の受け入れ、引き渡し、また建設発生土の改良を行うものでございます。

○矢島委員 過去五年間、剰余金が発生しておりますし、二十年度は二十二億円の収入で、そのうち三〇%に当たる六億七千万円が剰余金に当たります。そこで、利用料金に対する考え方を伺います。

○安井都市づくり政策部長 利用料金でございますけれども、再利用センターが立地しております土地の借地料やプラントの大規模な修繕費などは都が負担してございまして、利用料金が高額とならないように一定の配慮を行っているところでございます。現在の利用料金では、再利用センターの維持管理費を賄うこととなってございます。
 このような仕組みであることから、剰余金が発生した場合についても、全額を都に返還することとなってございます。

○矢島委員 都市整備局が設置し、財団法人東京都建設公社が運営の委託を受けている施設ということになります。本来は剰余金を出すべきではない事業と思いますが、収入と支出がバランスをとる、だから剰余金が出るはずのない事業でありますが、これほど莫大な剰余金が出るとすれば、それを還元すべきではないかと考えますが、お考えを伺います。

○安井都市づくり政策部長 剰余金を還元すべきではないかという趣旨のお尋ねでございますが、現在、剰余金が出ておりますのは、主に施設の採算ラインを超えて取扱土量がふえていることによるものでございます。先ほどお答えいたしましたが、プラントの大規模な修繕費は都が負担してございまして、現在の利用料金には反映されてございません。また、今後取扱土量の変動も考えられることでございますので、当面は現在の利用料金を維持していかざるを得ないと考えてございます。

○矢島委員 先ほどの財団法人は東京都新都市建設公社です。ちょっとあいまいな表現をさせていただきましたが、そういうことになります。
 行政がよくやりますように、建設当初の資金については別途資金で賄い、そして運営については、政策の金額から収入と支出をバランスをとるという前提のもとで、実際上それだけコストがかかっているわけでありますけれども、当初の目的からいえばバランスをとるわけですから、このところの考え方を明確に、今のご説明はわからないことはありませんけれども、明確にもう一度組み立てていただいた方がよろしいかと思いますので、コストその他の面、それから政策的な面、いろんな面がおありでしょうか、その点について、当初の計画では説明し切れない状況になっておりますので、そこについて要望だけをしておきます。
 次に、都営住宅の高齢化の問題についてご質問いたします。
 都営住宅は、多くの地方の方々が東京に集中する中、建設されたわけでありますが、経年した現在の都営住宅の入居者平均年齢は、先ほどもご説明がありましたが、改めてお聞きいたします。平均年齢と世帯人数、その傾向、また最大の団地の規模、平均年齢と世帯人員についてお伺いをいたします。

○岡沢経営改革担当部長 都営住宅の入居者の平均年齢等についてお答え申し上げます。
 試算数値でございますけれども、名義人の平均年齢は六十四・四歳、そうしまして世帯人数は二・一人でございます。傾向でございますが、年々高齢化が進むとともに、単身の高齢世帯が増加する傾向にございます。
 お尋ねの規模が最大の団地でございますが、これは管理戸数が四千六百九十戸の村山アパートでございまして、その居住者の年齢を試算いたしましたところ、名義人の平均年齢は六十五・一歳、また世帯人数は二・〇人でございます。

○矢島委員 効率化を追い求め、建設された都営住宅も、高齢化の高まっている団地は都市の限界集落ともいえる面が出てきているように思います。設置者として、都営住宅の高齢化に対する対応を伺います。
 また、管理業務は指定管理者が受けておりますが、サービス向上のため、常に利用者の立場から取り組んでいる指定管理者独自の取り組みがあろうと思いますので、その状況についてもお伺いいたします。

○岡沢経営改革担当部長 まず初めに、東京都の高齢化に対する対応でございますが、都では、高齢者並びに障害者世帯に対する支援策といたしまして、平成十四年度から巡回管理人の制度を導入してございます。この巡回管理人と申しますものは、窓口にみずから出向くことのできない高齢者でございますとか障害者の世帯に対しまして、手続の申請ですとか、修繕の申し込みに関する相談、そして取り次ぎなどを業務としているものでございます。
 巡回の対象となる世帯は約十万世帯でございますが、このうち約二万三千九百世帯から巡回訪問の希望を受けてございまして、現在十七カ所の窓口センターに合計八十六名の巡回管理人を配置いたしまして、おおむね二カ月に一回、収入報告書の作成でございますとか、使用料の減免とか、修繕の申し込みなど、さまざまな相談や取り次ぎを行うほか、定期的な戸別訪問も行っております。相談取り次ぎの件数は年間で約七万件に上っております。
 それから、もう一つのお尋ねでございます指定管理者の独自の取り組みでございますが、指定管理者でございます東京都住宅供給公社の提案による取り組みといたしまして、定期訪問に加えまして、緊急時など、居住者からの訪問の依頼に応じて対応するとともに、必要に応じまして、地元区市の福祉事務所などの公的機関と連携した対応を行っております。
 また、定期訪問を希望されなかった世帯に対しましても、七十歳、七十五歳、八十歳に到達した時点で改めて確認を行うとともに、それ以降は毎年再確認を行うなど、高齢世帯の生活に配慮したきめ細かな取り組みを進めているところでございます。

○矢島委員 少し古い調査になりますが、築二十年以上の全国のマンションの一割以上で孤独死があったそうであります。そして、膨大な数の高齢者が生活する都営住宅の孤独死は、年間三百人を超えていると聞いております。さらに高齢化が進む中、独居高齢者対策、また高齢者世帯の対策は喫緊の課題でありますし、棄民ととらえられてはいけないということだと思います。
 民間の団地であれば、管理組合の自律がその対応策という形になろうかと思いますが、都営住宅は高齢化率が極めて高く、行政自身が設置者として、人のきずなの面での取り組みなど、役割を担わなければなりません。しかし、関係部署あるいは所在する市区町村など、関係者の協議が必要だろうと思います。そのため、早急に都営住宅における高齢者対策の検討組織を設置し、結論を出すべきだと思いますが、お考えを伺います。

○岡沢経営改革担当部長 都営住宅におきましては、近年の急速な高齢化の進行によりまして、団地の地域コミュニティとしての活力が低下するなど、さまざまな課題が発生しており、都は都営住宅の管理者といたしまして、こうした課題に適切に対応していく必要があると認識しております。
 先ほどもお答えしましたとおり、都では巡回管理人の配置を行いまして、きめ細やかな対応に努めているところではございますが、今後とも都民の住宅セーフティーネットの中核でございます都営住宅が、高齢者が安心して暮らし続けられる生活の場となるよう、都営住宅の管理者として、福祉関係部局や地元区市とも十分に連携を図りつつ、その対応について幅広く検討を進めてまいります。

○矢島委員 次に、小笠原住宅についてお伺いをいたします。
 昭和四十三年に返還された小笠原住宅の設置目的、規模、構造、整備状況、また島民の居住数についてお伺いいたします。

○紺野住宅政策推進部長 小笠原住宅でございますが、この住宅は、昭和四十三年の小笠原諸島返還に伴い制定されました小笠原諸島復興特別措置法や、東京都小笠原住宅条例に基づきまして、小笠原諸島へ帰島を希望される旧島民の方々の帰島促進を図ること等を目的として建設された住宅でございます。この住宅は昭和四十四年以降に建設されておりまして、鉄筋コンクリートづくりを中心として、昭和四十年代に三団地六十一棟二百七十戸、昭和五十年代に三団地七棟六十戸、平成に入りましてからは四団地六棟六十三戸となってございまして、現在、計三百九十三戸となっております。
 住宅の規模につきましては、間取りは三DKのものが主体で、おおむね四十平米から六十平米前後となっております。
 また、島民の居住数は、現在九百人余となっております。

○矢島委員 小笠原は特殊な状態で、全住民の七〇%が公営住宅に住んでいると聞いております。小笠原住宅には三〇%を超える方が住んでおられる。そのような中にある小笠原住宅でありますが、数年前に自民党都議団の視察団の一員として小笠原を訪問いたしました。一応、鉄筋の二階建ての住宅を拝見させていただきましたけれども、かなり老朽化をしておりました。
 一方で、丘の上にしょうしゃな公務員住宅が建っております。その下では古い住宅が、今申し上げたような利用をされている。丘の上の住宅は、地元ではビバリーヒルズといわれているんだそうです。
 この老朽した鉄筋づくりの住宅は、今申し上げたように、大変古い時期に建設されたもので、なおかつ海洋性気候の中、既に三十五年以上経過しているということになります。離島など、特異な条件の中での小笠原住宅の取り組みは、限られた選択肢の中での整備となると思いますが、東京都として住民の期待にこたえる前向きな取り組みをぜひ進めていただきたい。これは要望しておきます。
 次に、建築確認、竣工検査について一点だけお伺いいたします。東京都が建築確認を行う建物の規模はどの程度でありますか。また、東京都が所管する建築確認の数、建物竣工検査を受ける数、また竣工検査を受けないときの罰則についてお伺いいたします。

○瀧本市街地建築部長 東京都の建築確認の対象としましては、建築基準法施行令により、二十三区では、建築物の延べ面積が一万平方メートルを超えるものとなっております。
 また、建築確認の数でございますが、例えば建築確認した案件がおおむね竣工していると考えられる平成十八年度の一万平方メートルを超える新築案件について見ますと、五件の建築確認を行っておりまして、そのうち四件について、完了検査を行い、検査済み証を交付しております。この検査済み証の交付に至っていない一件につきましては、複数の建築物から成っておりまして、順に一棟ずつ竣工させて建てかえを進めることとしているため、現在、仮使用の承認申請により、一部建物を使用しながら工事を進めているものでございまして、全体の竣工後に完了検査を実施することになるというふうに考えてございます。
 竣工検査を受けないときの罰則につきましては、建築基準法第九十九条において、完了検査申請をしなかった場合、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処することとされております。

○矢島委員 法令に沿った厳しい建築確認も、竣工検査があってその目的が果たされることになります。都市の安全を考えるとき、大規模建築物に竣工検査抜きは、当然ながら考えられません。今後も現在の取り組みをしっかり進めていただいて、高度都市の安全性の面から努力を継続していただきたい、このように思います。
 次に、震災復興計画についてお伺いをいたします。
 東京都の都市整備は、大正八年公布の都市計画法、市街地建築法によるといわれています。そして、その推進は後藤新平と、耐震構造論を確立した佐野利器という方だそうであります。実際、大正十二年の関東大地震では莫大な被害となりましたが、このときは、世界から物資のみならず、復興のための外債の引き受けなど、多くの支援があったそうであります。この帝都復興計画は、十七世紀のロンドン大火の復興計画同様、議会の反対で縮小を余儀なくされたわけでありますが、縮小されながらも復興が一部実現されました。もし当初の計画が実施されたなら、東京大空襲での被害は少なかったのではないかといわれております。
 そして、昭和二十年の東京大空襲の後、直ちに戦災復興計画に入ったそうでありますが、このときも挫折しております。しかし、大都市東京は多くの困難を乗り越え、わずかでも都市整備が進められているのは承知しております。
 そこで、現在の東京が、直下型大震災が発生したときの被害地域の復旧ではなく、復興についてお伺いをいたします。
 東京都は平成七年一月の阪神・淡路大震災を受けて、被害地域の復興を検討してきました。私自身、大震災発生の二週間後、現地に入り、直下型大震災の被害の様子を目の当たりにし、十カ月後にも再び現地で、そのときは都市整備の担当者から、甚大な被害の状況、その取り組みの説明を受けてまいりました。高層建物の神戸市の新庁舎はガラス張りの庁舎でありましたが、ガラス一枚、クラックが入っていないように見えましたし、その横にある旧庁舎、ちょうど都市整備局が入っていたところは、構造がSRCとSCのちょうど境目で、全部つぶれておりました。いわば、東京都であれば皆さんいらっしゃらないというような状況で、大変な驚きで見てまいりました。
 そこで、東京に大震災が発生したときの、これまで検討してきた東京の震災復興に対する取り組みの内容について、お伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 東京に大きな震災被害が発生しましたときは、速やかに復興に関する方針を定めて、対策を講ずる必要がございます。また、復興に当たりましては、災害に強い安全なまちづくりに努めますとともに、だれもが安心して暮らせるよう、総合的かつ計画的に進めることが重要でございます。また、首都として東京の政治経済の中枢機能や国際都市機能を回復するために、都市活動を迅速に再開させ、復興後にはより快適で魅力的な都市に発展させていく必要もございます。
 このような観点から、東京都では、平成七年の阪神・淡路大震災を契機といたしまして、都民の生命、財産を保護することを目的といたしまして、東京都震災対策条例を平成十二年に策定いたしますとともに、都市づくりの分野の復興の指針となります震災復興グランドデザイン、これを平成十三年に作成してございます。
 さらに、都民生活全般にわたります復興を迅速かつ円滑に推進するために、震災復興マニュアルを平成十五年に策定しておりまして、その普及に努めてきたところでございます。

○矢島委員 その取り組みも、基本的な考えが明確でなければなりませんし、一気呵成の取り組みがなければ方向性を見失うということになります。これを示すのが、今も説明のありました震災復興グランドデザインだと思いますが、この目的と内容、全庁での位置づけ、国、市区町村など関係機関との連携の状況についてお伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 震災復興グランドデザインは、阪神・淡路の大震災の経験や教訓を踏まえまして、東京が大震災に襲われたときに迅速に復興できることを目的といたしまして、震災復興時の都市づくりのあり方を提示したものでございます。
 このグランドデザインは、震災後の都市づくりのために準備しておくだけのものではなく、復興の理念や考え方は平常時の都市づくりにも生かすことが重要でございます。その実現に向けまして、関係各局と密接に連携を図って、この計画の普及に努めてまいりました。
 また、迅速かつ円滑に復興を遂げるためには、国や区市、近隣県市との役割分担や実施体制を確立することも重要であります。このため、国とは首都直下地震の復興対策のあり方に関する検討会を設けまして、連携を図ってまいりました。また、区市町村とは毎年、都市復興模擬訓練を実施しておりまして、一体となった体制づくりに努めてきたところでございます。

○矢島委員 震災復興は大きく影響を及ぼす大変大きな問題であります。その取り組みは東京都全体でしっかり位置づけ、関係機関の周知は肝要な課題です。ぜひこの点について取り組みをお願いをいたします。
 さて、震災復興の発生時には、震災復興マニュアルにより取り組みが始まります。どの程度の被害地域が対象となり、また震災復興はどのような手段となるか、お伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 震災復興マニュアルでは、区市町村におきまして市街地の被災状況を調査いたしまして、建築物の集中的倒壊や焼失、あるいは都市基盤施設の損壊等の壊滅的な被害を生じ、緊急かつ重点的に対策を講ずる必要がある地区を重点復興地区として指定するなどいたしまして、計画的な復興を進めていくこと、このように定めてございます。
 また、手順でございますけれども、発災から一週間以内に、震災復興本部の設置など初動態勢を確立させます。第二段階としまして、発災から一カ月の間に都市復興基本方針を定めまして、建築制限を実施するとともに、復興対象地区を設定いたします。第三段階といたしまして、発災から六カ月までの間に都市復興基本計画を定めまして、それ以降、計画に基づく具体的な復興事業を実施していくと、このような手順になってまいります。

○矢島委員 震災に耐え切れなかったまちを安全なまちに復興する。あわせて快適な都市空間としなければなりませんが、この復興の手順を、震災発生後、どれだけスムーズに取り組めるかがポイントということになります。そのために、あらかじめ市区町は市街地復興整備条例を制定し、それに基づく都市復興マニュアルを策定しなければなりません。もしこれが制定されていなかった場合、どのような問題が生じるか、お伺いいたします。
 また、各市区町村の条例制定の進捗状況、このための市区町村への働きかけについてお伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 お話の市街地復興整備条例でございますけれども、これは都が作成いたしまして、区市町村に示しました標準条例であります。これが制定されますと、復興対象地区に対しまして土地区画整理事業や市街地再開発事業などの都市基盤整備事業を集中的に行う道が開かれてまいります。また、被災市街地復興促進地域を指定いたしまして、第二次の建築制限を行うと、こういった道が開かれてくるわけでございます。
 仮に条例が制定されていない場合には、こういった制度のメリットが及ばないということになってまいります。
 現在の条例の制定の状況でございますけれども、平成二十一年四月の時点で、九つの区で既に条例を制定済みでございます。私ども、今後とも未制定の区市町村に対しまして、実務者の会議の場などを通じまして、条例の制定について働きかけをしてまいりたいと、このように考えてございます。

○矢島委員 今起きてもおかしくない大震災でありますから、ぜひともその努力はしっかり努めていただきたい、このように思います。
 仮に条例が制定されても、この課題はさびた刀にしてはなりません。先ほどご説明がありましたが、東京都が既に実施した震災復興模擬訓練の内容と成果についてお伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 都市復興模擬訓練でございますが、この訓練は、復興の担い手となります区市町村の職員が復興の手順を習得し、速やかに行動できる技術を身につける、このようなことを目的といたしまして、平成十年から毎年実施しているものでございます。具体的には、発災直後から復興まちづくり計画を定めるまでのおおむね六カ月間につきまして、三回に分けて実施しておりまして、一回目は発災直後の被災状況の調査、二回目は発災直後から建築行為の制限まで、三回目は都市復興基本方針と復興まちづくり計画までと、これらを実地調査と図上訓練によって行っているものでございます。
 参加者へのアンケートによりますと、限られた時間の中で復興計画を策定することの難しさを認識したなどといった感想を寄せておりまして、一定の成果を上げているものと、このように認識してございます。
 なお、ことしの訓練に参加した自治体は、十八区九市でございまして、職員の数は約八十名でございます。今後とも多くの職員の参加が得られるよう改善を図りつつ、訓練の内容の充実に努めてまいります。

○矢島委員 今の何カ所かやられている模擬訓練の対象場所について、補足していただけますか。

○遠藤市街地整備部長 二十一年度、今年度は品川区の二葉、豊町地区で実施しております。昨年度、二十年度は足立区の北千住、十九年度につきましては練馬区の桜台地区、これらの地区で実施してきてございます。

○矢島委員 しっかりした準備ができていれば、どんな場合でも、当然当初は混乱があったとしても、目的を持って進んでいけると、その体制が整うわけでありますから、日ごろの準備、そして相互連携、何よりまずは標準条例を示してあるわけですから、条例制定をしっかり働きかけていただいて、そのときのための準備をしっかり、なければそれにこしたことはありませんが、あった場合にも対応できるように努力をお願いをいたします。
 平時の東京都の市街地整備は、長い時間かけて居住が進んでおります。あるいは商業、工業地域が形成されているわけでありますから、理解を得ながら、現況の中で時間をかけて進めなければなりません。実際上、容易ではないと思います。しかし、整備を進める課題の地域にもし大規模施設が跡地として利用できるなど、ある程度の規模の種地があるとすれば、その整備も進捗するのではないかと思います。現実の問題としてお伺いいたします。

○遠藤市街地整備部長 防災、環境など、地域が抱える都市づくりの課題を解決する上で、工場跡地など、まとまった規模の敷地を種地といたしまして、その周辺と一体的に基盤整備や市街地整備を行うことは有効な手法だと、このように認識してございます。
 例えば、葛飾区の新宿地区につきましては、大規模な製紙工場の跡地を種地といたしまして、道路や公園といった基盤の整備、住宅や商業機能などを導入することによりまして、地域の防災性の向上やまちの活性化に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、こうした種地を積極的に活用いたしまして、民間活力の導入も図りながら、既成市街地の課題解決に取り組み、魅力と活力にあふれた東京の実現に努めてまいります。

○矢島委員 既成市街地、それも密集したところはもう既に大正時代からそういう流れが始まっているところでありますから、実際上、多くの人が住んでいる中では、なかなか進めるのは容易ではない。
 しかし、今回の決算委員会の港湾局の質疑で、臨海地域が仕上げの時期にかかっているとした上で、諸条件はあるとしても、臨海地域の所管がえの議論が出ておりました。臨海部は拠点性の高い地域と東京都では位置づけて、都心を中心とする内陸部と東京臨海地域とを一体的にとらえながら、東京再生の起爆剤としていくとしておりますが、さらに既存市街地の整備事業推進のための大規模施設移転用種地とすることにより、既存市街地の都市整備が進むことも可能となります。大変難しい問題もあろうと思いますが、既存市街地整備を促進するための多様な観点から、今申し上げた点についても十分検討されたいと思います。意見だけ申し上げて、質疑を終わります。

○中山委員 私からは、八ッ場ダムの問題、それからユビキタス事業の問題、そして羽田空港の国際化について質疑をさせていただきます。
 初めに、八ッ場ダムについて質問させていただきます。
 先日は建設局関係の質疑において、治水に関する野島委員の、真剣、真摯、かつ論理的な質疑を伺い、大変感銘を受けました。また、先般の都市整備委員会の事務事業質疑においても、我が党の長橋委員を初めとする各委員の質疑により、八ッ場ダムの必要性は十分に論証されていると考えております。
 しかし、決算特別委員会で別の機会でもございますので、改めて首都圏における過去の洪水、渇水の被害を踏まえ、八ッ場ダムの必要性について説明を求めたいと思います。
 また、ダム建設が中止された場合の代替措置について都はどのように考えているのか、お伺いいたします。

○安井都市づくり政策部長 被害状況の方からお答えいたします。
 渇水につきましては、平成二年以降、六回の取水制限が実施されております。特に平成八年の渇水におきましては、夏と冬合わせまして百十七日もの取水制限が実施されてございまして、東京や千葉のビール工場では一部の稼働を停止しております。また、栃木では水田に水が入れられないなどの被害が発生してございます。
 また、洪水につきましては、利根川流域では、これはいうまでもないことでございますけれども、さまざまな地域で強い雨が観測されてございます。カスリーン台風を持ち出すまでもなく、平成十年以降も多くの箇所で洪水が発生してございます。もしカスリーン台風規模の台風に襲われまして、利根川が当時と同じ箇所で破堤した場合、堤防が壊れた場合ということを仮定いたしますと、首都圏では日本のGDPの約四割を占めてございますので、その被害は三十四兆円にも上るといわれてございます。
 こうした状況に対しまして、仮に八ッ場ダムが完成していればということでございますけれども、平成八年の取水制限日数は百十七日から十七日へと、百日減少させることができました。また、八ッ場ダムは利根川の三つの上流域のうち、これまで唯一ダムのない吾妻流域におきまして洪水調整機能を確保する施設でございまして、地域分布や時間分布などさまざまな降雨のパターンに対しまして、利根川の治水安全度を向上させることはできると考えてございます。
 国交大臣でございますけれども、八ッ場ダムの中止を宣言して以来、ダムにかわる治水、利水の代替措置を一切示してございません。治水だけを例にとりましても、八ッ場ダムの完成予定でございます六年間で、利根川下流域の堤防の強化や河道の整備によりまして、ダムと同程度の治水効果を高めることは、これは市街地の状況を考えますと、もう時間的にも費用的にも非現実的でございまして、ダムにかわる有効な代替策は考えられないと思っております。

○中山委員 これまでの間、専門的な知見のもと、八ッ場ダムは治水、利水の両面において必要不可欠とされてきた経緯を踏まえますと、たとえ政権がかわって政治的発言が発せられたからといいましても、急転直下、ダムの果たす役割、効果が消え去るはずがありません。必要性の前提が変わらない以上、何らかの代替策を講じなければ本質的な解決に至らないことは、だれが考えてもわかることであります。単に負担金を返還してもらえれば事足りるということでは、論点のすりかえにほかなりません。
 今もご答弁がありましたけれども、カスリーン台風規模の台風が、八斗島ですか、のあたりで決壊した場合ということですけれども、浸水想定区域の面積は五百三十平方キロメートル、被害想定区域内の人口は二百三十二万人、三十四・五兆円という被害額になります。
 その被害を防ぐためのダムにかわる代替措置について、今は非現実的という答弁がありました。また、答弁でも明らかでありましたように、ほかの流域には何らかのダムが建設済みであるのに対して、吾妻川流域だけがまだダムが設置されていないというのが、東京、首都圏の人々の生命、財産を左右する、利根川流域全体の治水における最大のウイークポイントであるというのが現実でございます。
 そこでお伺いいたしますが、そうなると、治水、利水上、八ッ場ダムに期待されている役割を考え合わせると、不幸にして八ッ場ダム建設の基本計画が完全に廃止されてしまった場合のカウンタープラン、代替措置としては、結局のところ、現地の群馬県を初めとする一都五県の協力を得て、再び吾妻川流域のしかるべき場所を選んで、多目的ダムの建設に取り組まざるを得ないという結論にたどり着くものと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○安井都市づくり政策部長 先ほどの洪水による被害想定は、八斗島ではなく、かつてと同じように、旧利根町で破堤した場合の試算でございます。
 ただいまのご質問にお答えしますけれども、先ほど洪水についてはご答弁したとおりでございますし、また一都五県は、利根川に大きく利水を依存しているという事実がございまして、ダム以外に利水、治水の両面におきまして、現実的で有効な対策は考えられないと思います。
 しかし、仮に八ッ場ダムの代替として別途ダムをつくるということになりますと、中止する八ッ場ダムへの投資は、これは当然むだになるわけでございますが、それだけでなくて、新たに一からダム建設適地の調査を始めまして、住民との折衝、用地買収、生活再建関連工事の施工、本体工事に至るまで、莫大な費用と時間を要することになりまして、全くもって荒唐無稽でございます。八ッ場ダムを継続することが最善の策であり、代替案はあり得ません。

○中山委員 八ッ場ダムにかわる代替案は、新たな八ッ場ダムしかないと。八ッ場かどうかはわかりませんけれども、そういうことではないかと思います。こんなむだな話は、私はないと思います。
 仮に利水に目をつむって、治水対策だけを考えて、下流域でスーパー堤防などの治水対策を講じるとしたら、どんなことが考えられるのかということですけれども、この間、一都五県、六都県の知事が現地を訪れて、その後、新聞報道によりますと、埼玉県知事、上田知事がお話があったそうですけれども、埼玉県が実施している利根川流域のスーパー堤防は、七キロメートルで千三百四十億円かかったと。本体工事が取りやめになるということですけれども、これは六百二十億円ですよね。七キロメートルの半分しかできないというようなことになります。
 この八斗島から河口の銚子の方ですか、これは二百四十キロあるそうですけれども、スーパー堤防というのはどこか一部だけつくっておけばいいというものじゃなくて、どこかでも決壊したら大変な影響があるわけですから、もしスーパー堤防をつくろうと思ったら二百四十キロつくらなくちゃいけない。これはどれだけの費用がかかるか。
 また、その周りには、既にもう八ッ場ダムの周辺とは比べものにならないぐらいのたくさんの人口が暮らして、その方々の生活再建というものを含めた対策を講じながら事業をするとなると、これはもう本当に、まさに非現実的でありますし、それから八ッ場ダムの本体工事、このまま認めてくれていれば、平成二十七年、六年後には完成するであろうと。そうすると、八ッ場ダムの効果が発揮されるであろうと期待されているのに、わずか六年間の間にどれだけのことができるのかと考えれば、これはまさにもうどうしようもない現実があるというふうに、私は思います。
 そうした面で、八ッ場ダムの建設の必要性、そしてそれを取りやめた場合の影響の大きさ、こうした事柄を考えあわせますと、八ッ場ダム建設の必要性はいささかも変わりがなく、国交大臣はその必要なダムの建設をなぜ中止するのかということについて、つまびらかに、関係利害者であります地元吾妻川流域の住民、そしてその八ッ場ダム完成の治水、利水の恩恵を受けます一都五県の国民に対し、説明する責任を有すると思いますが、都の見解をお伺いいたします。

○安井都市づくり政策部長 ただいまの委員の最後のご発言の部分と全く同感でございます。八ッ場ダムは、建設に関する基本計画の策定以来、水没地など地元の意向を十分踏まえまして、国と関係する一都五県が合意形成を図り、法律に基づく手続を積み重ねながら今日まで事業が推進されてきたプロジェクトでございます。しかし、政権交代後の国は、一方的に建設中止を宣言いたしまして、その理由や治水、利水の安全性の確保について何の代替案を提示していないことは、余りにも無責任といわざるを得ません。八ッ場ダムを不要とするならば、その根拠を示すことはもちろんのこと、ダムにかわる代替措置についても、その方法を前もって提示するのが当然の手順であると考えてございます。
 一昨日の一都五県知事の共同声明におきましても、説明責任を果たすよう強く要請したところでございます。

○中山委員 ここに、ことしの十月十日付の読売新聞の二面の記事のコピーがございますけれども、国と水資源機構が実施しているダムの事業をめぐって、国土交通省が未完成の四十八事業について、ことしは新たな工事段階に進めないと一時凍結を表明されたものを、読売新聞さんがまとめたものでございます。自治体が事業主体であるものを含めると、進行中のダムは百四十三カ所になるそうで、国交大臣はすべて見直すというふうに、その必要性を見きわめるというふうに、読売新聞では報道されていらっしゃいます。
 中止を先に公表した八ッ場ダムと川辺川ダムを含む、国や水資源機構が所管する四十八事業を凍結して、このうち本体工事着工済みとされるのが十八カ所、それ以外は三十カ所でございます。読売新聞では、四十八カ所のうち、BバイC、費用対効果で、八ッ場ダムを上回るダムの事業は四カ所しかないと指摘しています。八ッ場ダムは三・四ということですけれども、これを上回るものは四カ所しかない。
 国交省は従来、読売新聞でも報道されておりますけれども、BバイCが一以上であるものを必要性がある事業というふうにしておりまして、事実、BバイCが公表されていない三カ所、四十八カ所のうち三カ所が公表されていないわけですけれども、それ以外のすべては一以上でございます。
 ところが、読売新聞によりますと、前原大臣は、工事続行の必要性は本体工事が着工されているかどうかが一つの判断基準と考えているそうでありまして、その内容を、新聞では大臣の発言としてかぎ括弧つきで載せております。八ッ場ダムと川辺川ダムの共通点を探すとすると、この表を見ますと、本体工事未着工と、実施計画の調査中の三十事業のうちで、執行済額を含む総費用の上位二カ所が八ッ場ダムと川辺川ダムと、そういう点だけです。建設局関係におけます野島委員の質疑でも明らかでございましたけれども、なぜ八ッ場ダムと川辺川ダムだけを別扱い、バツ扱いといってもいいかもしれませんけれども、そうするのか、全く不可解であります。
 以上、読売の記事について述べてまいりましたが、私は、ダム工事の必要性を判断する客観的目安は、BバイC以外にはないと考えます。百歩譲って、本体工事の着手、未着手という点を基準とすることについて考えてみたいと思いますが、そもそもダムの新設を前提とした再建計画は、ダムの本体工事に先駆けて実施しませんと、物理的に不可能であります。その生活再建事業とダムの本体工事とを分けて考えること自体が、生活再建事業とダム本体工事の密接不可分性を考えますと無意味でありまして、論拠不明であります。後から取ってつけたような論理に過ぎません。しかも、本体工事未着手の中で、費用の高いものだけを先行的に中止決定というなら、ダム工事の必要性をそもそもBバイCなどで検討すること自体の意味がなくなってしまいます。
 その上で、八ッ場ダムについては、建設工事の進捗については、総事業費四千六百億円のうち、約七割に相当する三千二百十億円が使われたと説明されて報道されているのが常でございますけれども、本当にそうなんだろうかという気がいたします。
 さきに都議会公明党の代表団が現地を視察いたしました。その際に、ダム本体のコンクリートこそ打たれてはおりませんでしたけれども、川の水をバイパスさせる通路の仮排水トンネルと呼ばれる施設を目の当たりにしております。ダムのように巨大で段階的な施工が必要な工事におきましては、一体どこまでが附帯的工事で、どこからが本体工事に当たるのか、判断に迷うところであります。都民にとりましても、八ッ場ダムは現在どのような工事段階にあるのか、わかりやすい説明が必要であります。
 そこで、この仮排水トンネルは、私が平成十七年の都議選の当選後に八ッ場ダムを視察させていただいた際にはまだ完成していなかったと思うんですけれども、都は八ッ場ダムの工事が現在どのような段階にあると認識されているのか、お伺いいたします。

○安井都市づくり政策部長 ダム建設でございますけれども、周辺の調査に始まりまして、地元との折衝、用地買収、生活再建関連工事、それから今お話がございました河川の流れを迂回させるための仮排水トンネルの整備と、段階を踏んで行っていくものでございまして、ダム本体の工事は、こうした一連の最後の工事でございます。八ッ場ダムにつきましては、この仮排水トンネルが本年七月に完成しておりまして、既に本体工事着手までの手順をすべて完了しております。
 一都五県の知事と地元の意見交換会の席上では、これは地元の住民の方からも、これまですべて国に協力してきまして、あとは水をためるだけの段階とのご発言がございました。こうしたことからも、都は工事が事実上最終段階にあると受けとめてございます。

○中山委員 事実上、最終段階というご答弁でございました。仮排水トンネルという、何となく細かい話をしているような気がいたしますけれども、事実を正確かつ丁寧に積み重ねていきませんと、都民、国民の皆様に正しい情報を提供し、合理的なご判断をしていただくということができません。
 先ほど、生活再建事業とダム本体工事の密接不可分性を指摘させていただきましたが、生活再建事業についても言及したいと思います。
 生活再建事業につきましては、いわゆる移転費用とは別に、水源地域対策特別措置法に基づく水特事業と、利根川・荒川水源地域対策基金による基金事業とがあります。移転費用に伴う一都五県の負担金の支払い先は国であり、水特事業と基金事業に伴う負担金の支払い先は群馬県という違いはありますけれども、既に長橋委員での事務事業質疑でも質疑済みでありますとおり、都市づくり政策部長も、ダム中止の原因者は国である以上、単純に群馬県に返還を求めるべきかどうかというようなことにつきましては、法的な視点も含めて検討を要するというご答弁があったと思います。
 私も、一時的であれ、群馬県が水特事業と基金事業の負担金の返還において、建てかえてこれを支払う必要はないと思います。国が群馬県にかわって直ちに支払うべきと思います。
 しかし、吾妻川の流域の現地の人々は、国が中止を求めるなら、五十年以上前の、ダム建設工事の国計画の発表前の時点に時計を戻してほしいという訴えがございました。五十年以上前に戻すとはどういうことか。下流域でダム建設の恩恵を受ける我々は、その点をよく考えないといけないと思います。
 そこで、ダム建設事業費の中に移転補償費が含まれるのは当然でありますけれども、なぜそのほかに水特事業や基金事業が必要とされるのか、改めて具体的な充当先を例に挙げてご説明いただきたいと思います。

○安井都市づくり政策部長 まず、水源地域対策特別措置法に基づく事業でございますけれども、主な対象は、道路整備、あるいは地元の必要なスポーツ・レクリエーション施設であるとか、治水施設、下水道施設、このような施設整備に充当してございます。
 一方、利根川・荒川水源地域対策基金に基づく、いわゆる基金事業でございますけれども、これはこうした施設の整備ではございませんで、例えば、地元の生活相談員のための、設置する、要する費用であるとか、代替地を取得するに当たっての利子補給であるとか、よりきめ細かなソフト事業を行うための基金でございます。

○中山委員 水没地域の産業や生活を根底から破壊するわけですから、単にかわりの敷地と家があるだけでは、生活していけるはずもありません。まさにゼロからのスタートを軌道に乗せていくことが必要であります。
 現地の方々も、大変、今困っていらっしゃいます。私どもの代表が現地を訪れた際にもいろいろ話がございましたけれども、励ましの声を寄せられたりする面もあったりとか、あるいは、もしかしたらなくなっちゃうかもしれないということで、川原湯温泉を訪れる方がふえたりとか、そういうこともあるんですが、その一方で、国策に逆らうのかとか、金がまだ欲しいのかとか、そういう中傷のメールや電話が、特に旅館などでは営業できないぐらいたくさん寄せられている。長橋委員もいわれておりましたけれども、もうとても口にできないような言葉で罵詈罵倒するような電話がたくさんかかってくる。こうした事実については、私は本当に現地の人に対して、まことに申しわけない限りだというふうに思っております。
 新政権は当然、八ッ場ダムの必要性について改めて冷静に考え直していただくと同時に、効率主義から人のぬくもりの温かさのある政治に切りかえるとおっしゃっておるわけですから、全く逆であると思いますし、地方主権という一方で掲げていらっしゃるマニフェストにも反するのではないかと思います。
 新政権は、混乱をもたらした原因者として、少なくとも現地の人々に対するいわれなき中傷非難を即刻やめるよう呼びかけるべきではないかと思います。
 一昨日の十月十九日、石原知事は関係五県の知事さんとともに、八ッ場ダムの現地視察をされました。その際、上空からも現地の様子を視察されたとのことを承っておりますが、文字どおり大所高所から現地をごらんになったと思います。また、知事さん同士の親しい意見交換や、地元の皆様の生の声を聞くなど、東京にいたのではわからない体験を改めてされたとあいさつしております。
 そこで、この質問の最後に、今回、石原知事に同行して八ッ場ダムの現況を直接ごらんになった都市整備局長から、改めて視察後の所感をお聞かせいただきたいと思います。

○河島都市整備局長 一昨日、関係都県の知事の皆さんとともに、現地を地上及びヘリにより上空からつぶさに視察するとともに、地元住民の方々との意見交換会に出席してまいりました。
 私は、今回の現地視察で浮かび上がったポイントは、四点であるというふうに思っております。
 第一に、ただいまの質疑にもありましたとおり、現地の状況でございますが、工事中止を唱える一部の人たちがいっている工事の進捗率がまだわずかであるというのは、全くのでたらめでございまして、道路や鉄道の移設、代替地の整備などが着々と進んでおり、あとはダムの本体工事を残すばかりというのがむしろ実態であると、改めて確認できたことであります。
 第二に、こうした事業の最終段階になって、これまで国と地方が共同事業として進めてきたダム建設事業を、何の具体的理由を説明せずに一方的に中止するというのは、一都五県にとっても、地元住民にとっても、到底容認できることではなく、国に対して説明責任を果たすよう厳しく追及していくことが必要であることであります。
 そして第三に、こうした無責任な事業の中止表明は、治水、利水のリスク軽減を図り、国民の生命、財産の安全を確保するという国政の本来的責務を放棄するものでございまして、利根川流域の一都五県の住民を洪水や渇水の危険にさらすことになるということであります。
 第四に、地元住民の方々との意見交換会により、半世紀以上にわたるこれまでのご苦労に加え、今回の大臣による事業の中止表明がいかに理不尽な、人生そのものを踏みにじるものであるかを、ただいまご指摘がございました誹謗中傷というような卑劣な行為があるといったようなことも含めまして、直接、生の声としてお聞きすることができ、その心情を一都五県の知事が深い共感を持って理解することができたことでございます。
 地元住民は、長きにわたる国の働きかけにより、下流都県のために苦渋の選択として八ッ場ダム建設を受け入れておられまして、六年後に完成するダム湖を中心とした生活再建を望む切実な思いをだれもが知事に訴えておりました。こうした住民の方の生の声を傾聴し、国の突然の中止宣言がいかに地元の意向を無視し、生活再建を窮地に追い詰めるものであるかを改めて認識いたしましたところでございます。
 このように、今回の現地視察により、八ッ場ダムは、治水、利水の切実な必要性を感じている下流自治体の知事からも、また、ダム湖の完成を前提として、一日も早い生活再建の実現を切望する多くの地元住民の皆さんからも、その早期完成を強く要請されている必要不可欠な事業であることが改めて明らかになったと思います。都は、今回の現地視察の成果も踏まえまして、関係県と一致団結して、八ッ場ダム建設事業の中止撤回を国に対して強く求めてまいります。

○中山委員 私どもも、都民の本当の利益を考えて、都民の生命、財産を守るために必要なもの、それにダムの建設というものが必要であるという立場から応援させていただきたいと思います。
 せんだっても都市計画審議会の質疑の中で、葛飾区の新宿の川の堤防決壊の可能性について、二百年に一度のことかもしれないけれども、それに備えて盛り土をして、そこが避難地になるから、避難場所になるから、そこが水没することがないように対策を講じていくという答弁がありましたけれども、二百年に一度ということに対しても対応していくというのが大事な役割ではないかと思っております。
 次に、ユビキタス技術についてお伺いさせていただきます。
 この質問は建設局関係でもさせていただきましたので、簡単にさせていただきますけれども、私自身は、ユビキタス社会を構築して、ユニバーサルデザインのまちをつくるという意味で、先進的技術を誇る日本、東京が、その情報通信技術を活用して、いつでもどこでもだれでも、移動経路や観光情報など、必要な情報を手に入れることができる社会をつくるべきということで、その必要性を訴えておる一人でございます。
 これからの都市づくりは、そうした面で、環境への配慮は当然ですけれども、ますますふえていくでありましょう高齢者や、あるいは観光振興という点から、日本を訪れる外国人、そしてまた障害を持った方々、そうした方々が安心して歩くことのできる、訪れるようなまちを、東京として築いていくことが不可欠であると思います。
 都では平成十七年度に上野動物園等で実験を開始し、平成十八、十九年度には、まち中で効果を確認するための銀座での実証実験を行ってまいりました。私自身も実際に銀座等で体験をさせていただいております。そこでまず、平成二十年度の東京ユビキタス計画の取り組みがどのようなものであったのか、お伺いいたします。

○横溝企画担当部長 東京ユビキタス計画についてでございますが、昨年度は銀座の約六十店舗、都庁周辺の三つのホテル、IT関連企業十三社、さらに公募によります約九百名の方々にご参画をいただきまして、実証実験を実施いたしました。
 主な取り組み内容でございますが、都庁展望室からの眺望につきまして、ユビキタス技術を活用して、日本語、英語、中国語などの多言語で観光案内をすること。新宿副都心と銀座の間を地下鉄丸の内線を利用して移動していただくこと。さらに、銀座では、銀座通りに面するお店の紹介、歴史や名所の観光案内などを行いまして、まち歩きを楽しんでいただきました。
 その結果でございますが、アンケート調査によれば、新宿-銀座間の移動につきましては、サービスを利用した約八割の方々がおおむね円滑に移動でき、切符の買い方などとてもわかりやすかったというご意見をいただいております。また、銀座では、端末のお店情報を利用した方々のうち、約四割の方がお店に立ち寄り、そのうち約二割の方々が実際に買い物をしたとお答えをいただいております。そういう意味で、情報提供による広告効果があったものというふうに考えております。
 なお、都庁展望室の利用につきましては、今年度から通年利用を開始しておりまして、四月から九月までの半年間で約三千七百名の方々にご利用をいただきました。単に景色を眺めていただくだけではなくて、建物のデザインとか施設の歴史などにつきまして、音声と映像で解説いたしまして、お客様に楽しんでいただいている、そういうようなところでございます。

○中山委員 ユビキタス技術の進展については、これは反対を唱える方というのはほとんどいらっしゃらないと思うんですけれども、ただ、前にもお話ししましたとおり、不景気の時代ですから、そうした新しい取り組みに民間が積極的に取り組んでいくということは、なかなか困難なハードルがあります。
 そうした面で、私は都道や公共交通機関などにIC技術、そのユビキタス技術等の基盤を先に設置して、ソフト的な活用を民間に呼びかけていくと、そういうような枠組みが必要であるというふうに主張させていただいているところでございますけれども、しかしながら、ICタグ等を道路にインフラとして設置していくためには、法的な位置づけの整理が必要など、さまざまな課題があると伺っております。今後、都はどのようにユビキタス計画に取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○横溝企画担当部長 ユビキタスに関する今後の取り組みでございますけれども、都といたしましては、引き続き実証実験を通して問題点を把握し、システム等の改善を図っていく、そのことはもちろんでございますけれども、今後は、インフラの法的位置づけの明確化や、ビジネスモデルの構築に向けた取り組みを進めていくことが重要であるというふうに考えております。
 まず、道路に設置するICタグ等につきましては、これまでも国に対しまして、道路法への位置づけを明確にするよう要望してきたところでございますが、都といたしましても、国内外の事例ですとか法令など、必要な調査を実施いたしまして、関係局や国などと連携して、土台となるルールづくりを進めてまいります。
 また、ビジネスモデルの構築につきましては、システムの運営方法や事業性などについて整理いたしまして、民間の主体的な取り組みを促すための検討、そういうものを行っていきたいと考えております。
 さらに、都市再生などの機会をとらえまして、ユビキタス技術を活用したまちづくりに取り組むよう、開発事業者や関係者にも働きかけを行いまして、ユビキタス社会の構築に向けた取り組みを促進してまいりたいと考えております。

○中山委員 私自身も主張させていただいておりますコミュニケーションバリアフリー、情報の交換においては、いろいろなハンディキャップを背負った方々も困らずに行うことのできる社会、そういった面でもユビキタス技術は大変重要であると思いますので、今後とも関係局と連携の上、ご努力のほどお願いいたします。
 最後に、羽田空港の国際化についてお伺いいたします。
 都心に近い羽田空港の再拡張、国際化は、東京や首都圏だけでなく、ひいては我が国全体に大きな効果をもたらします。来年十月、新しい滑走路が供用開始され、羽田は昼間はアジアのビジネス路線、夜間は世界の主要都市に定期便が就航します。都議会公明党は、羽田空港の国際化をより一層推進し、魅力ある首都圏空港として機能の向上を図ることを提唱しております。国際化がますます進展していくことを大いに期待しております。
 現在、羽田空港では、新しい滑走路や国際線ターミナルの工事が目に見えて進捗しており、まずは予定どおり供用を開始されることを待ち望んでいるところであります。新しい滑走路整備に対して、都がこれまで行ってきた無利子貸付の金額について、まずお伺いいたします。

○邊見航空政策担当部長 無利子貸付についてでございます。羽田空港の再拡張事業は平成十六年度に事業化されまして、都はそのときから無利子貸付を実施してございます。この事業は、基本的には国の責任において進めるべきものでございますけれども、都の協力により早期事業化が可能となること、さらには経済波及効果が相当見込まれることなどを総合的に勘案しまして、国からの要請に応じて無利子貸付による協力を行うこととしたものでございます。
 平成二十年度は百八十五億七千万円の貸し付けを行っておりまして、昨年度末までの累積で七百六十九億一千万円となってございます。

○中山委員 政権がかわりまして、羽田の国際化が新聞をにぎわしておりますけれども、羽田空港の国際化は今に始まった話ではありません。東京都は要らぬことをすると反対する会派もおりましたけれども、無利子貸付までして羽田空港の整備に努力をして、国を誘導してきたといいますか、世論がにぎわい出す前から、羽田空港の再拡張と国際化を求めて頑張ってまいりました。国において、羽田の再拡張と国際化が決まったときの経緯について、改めてお伺いしたいと思います。

○邊見航空政策担当部長 これまでの経緯についてでございます。東京都は、首都圏の空港機能の充実に向けまして、平成十二年度に航空政策基本方針を策定し、平成十三年度には再拡張事業も盛り込んだ首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトを提案するなど、知事みずから先頭に立って、新しい滑走路の整備や国際定期便の就航について、国に強く訴えてまいりました。
 国はこれを受けとめまして、平成十三年度に再拡張を推進することとし、平成十四年度に国際定期便を就航させる方針を決定してございます。平成十五年度には、国と八都県市による羽田空港再拡張事業に関する協議会におきまして、国際線の発着回数を三万回程度とすることを見込んで、国際定期便の就航を図ることについて合意を得て、平成十六年度から再拡張事業の事業着手に至ったものでございます。
 なお、現在、新しい滑走路は、桟橋部のジャケット据えつけ、埋立部の土砂搬入ともに、約九割の進捗となってございます。

○中山委員 今述べられました経緯で、羽田空港の再拡張、国際化が動き始めたわけでございますけれども、羽田を国際空港としてどのように有効活用していくか、そうした動きの中で固まってきたというふうに聞いております。羽田の国際化に関する国の方針について、改めてお伺いしたいと思います。

○邊見航空政策担当部長 国際化に関する国の方針についてでございます。都は国の関係局長級や都の副知事などで構成されます、国と都の実務者協議会の場などを通じまして、国際線発着枠を極力拡大していくことなどを、国に強く要請してまいりました。
 これを受けまして、国は昨年五月に、国際線の就航回数を、昼間に年間三万回としていたものを、昼夜合わせて約六万回就航させることといたしました。また、深夜、早朝に欧米など世界の主要都市に就航するとしている一方、昼間については千九百四十七キロメートル以内とする距離制限を設けていたわけですけれども、再拡張後はこれを撤廃し、ソウル、上海に加えて、北京、台北、香港まで就航させる方針を決定をいたしました。
 このように、国際化や機能向上に向けた取り組みを鋭意進めてきたところでございます。

○中山委員 予定どおりの供用開始と国際定期便の就航を心待ちにしております。
 羽田の有効活用につきましては、来年十月にとどまらず、それ以降も進めていかなくてはなりません。
 一方で、将来の首都圏空港の需要増を見込んでいきますと、再拡張後も容量をさらに拡大していくことが必要と考えます。この供用開始後の容量拡大について、国の方針としてはどうなっているのか、お伺いいたします。

○邊見航空政策担当部長 供用開始後の容量拡大についてでございます。国は、羽田空港の再拡張事業によりまして、昼間の年間発着回数三十・三万回を、再拡張後は四十・七万回まで、段階的に増加させることとしてございます。供用開始時には、国際線に三万回を割り振り、供用開始半年後までに国内線を含めた発着枠を三十五万回まで増加させるとしていますけれども、残りの五・七万回の配分については、現段階では、国内、国際の割り振りやその時期を明らかにしてございません。
 また、将来、おおむね十年後には、成田の増枠と合わせましても、首都圏空港の空港容量が再び満杯になると予想されておりまして、当時の国土交通大臣は、昨年五月に、管制、機材、環境、施設などあらゆる角度から、可能な限りの空港容量の拡大策を検討していくことを打ち出してございます。

○中山委員 既に前の政権下で羽田を大いに活用していこうという方針が出ていたわけであります。新しい政権下で、この方針よりもさらに一段高い打ち出しがなされることを求められてくると思いますけれども、現時点ではまだ具体的な方針は示されておりません。
 今後、新政権に対して、羽田の国際化、容量拡大について、都として何を求めていくのか、お伺いしたいと思います。

○邊見航空政策担当部長 我が国の国際競争力の強化を図るためには、都心との近接性にすぐれる羽田空港と世界の主要都市との間に、幅広く国際線を就航させていくことが重要でありまして、昼間の国際線について、年間三万回としている発着枠ではいまだ十分とはいえない状況にございます。昼間の空港容量、年間四十万七千回のうち、先ほど申し上げましたように、まだ配分先が決められていない発着枠があるわけですけれども、これを極力国際線に振り向けるなどして、バンコクやシンガポールなどアジアの主要都市への就航拡大を進める必要があると考えてございます。
 また、昼間の空港容量自体についても、管制を含め、あらゆる角度からさらなる拡大策を早期に行い、拡大した発着枠を使って国際線を増加させていくことが必要でございます。これらを強く国に求めて、羽田空港のさらなる国際化の進展や機能向上を図り、首都圏の国際空港機能の強化に努めてまいります。

○中山委員 きょうのご答弁で、再拡張後のさらなる容量拡大については国際線に主力を置いてという話は初めて出たんだと思いますけれども、これまでの経緯もありまして、成田空港は国際線主体の空港、羽田空港は国内線主体の空港という、国内、国際の分離の位置づけというものが残ってまいりました。
 今後、羽田空港については、新政権におかれましては、もう一段上の新たな方針を打ち出していただきたいというふうに願っております。先ほど当時の大臣というのがありましたけれども、手前みそになりますけれども、冬柴大臣だと思いますけれども、既にその当時から固まっていた国際化の流れと、それをやはり具体的な形で、千葉県だとか近隣の近県との合意も図りながら、そしてまた日本全体としてのハブ空港というものを新たに打ち出していかないと、日本の経済発展の大きな突破口を開けない。そうした課題も克服していく意味で、大きな次の一歩というものが大事であります。こうした事柄をしっかりと新しい政権にも求めていただくことを要望して、私の質問を終わります。

○小磯委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十分休憩

   午後三時二十分開議

○小磯委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○たぞえ委員 まず最初に伺うのは、外かく環状道路です。
 都市整備局の二十年度決算書四八ページの都市基盤調査費、この中に外環に係わるまちづくりに関する調査という項がありますが、予算現額で三千五百六十万円に対して執行率は五一・六%とあります。どのような調査が行われてきたのか、明らかにしていただきたいと思います。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 外環の平成二十年度の調査でございますけれども、この内容につきましては、外環沿線のまちづくりの現状や課題について整理を行うとともに、地上部街路でございます外環ノ2について、環境、防災、交通、暮らしの四つの視点からの必要性や整備についてのあり方に関する検討などを行っております。

○たぞえ委員 いわれた外環ノ2といえば、地下式外環本体の地上に同じ幅の道路を都が通すということですね。これでは、まさに外環本体そのものと一体であるということだろうと思います。
 東京都が道路などの都市計画を決定する都市計画審議会の招集日程は、何日ぐらい前に委員に周知しているんでしょうか。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 東京都では、都市計画審議会の約二カ月前に、都議会の都市整備委員会に案件の報告を行いますとともに、審議会の開催日時、付議予定案件、公告縦覧などについて記者発表を行っております。
 また、都市計画審議会委員への開催通知は、審議会のおおむね一週間前に議案資料とともに送付しております。

○たぞえ委員 ことし四月二十七日、高速自動車道の整備について決める国土開発幹線自動車道建設会議、いわゆる国幹会議が開催されましたが、会議は会議招集が決まったのが四日前でありました。外環や東関東道水戸線、日本海沿岸東北道、そして名古屋環状二号線という四路線の高速道路を議題にした重要な会議が、わずか数日前の招集というのは大変異常そのものです。東京都でいえば、今いわれたように、一週間前に開催通知を送付していることに比べれば、国のやり方は余りにも突発的だといわざるを得ません。しかも、三十分の国交省からの報告、説明を受けて、審議、討議時間は九十分ということでありますので、私、計算をしてみましたら、一分間で百六十八億円ものスピード審議で、日本共産党以外の各党の議員を含めて、全員異議なしで高速道路整備を決めてしまったわけです。
 この会議では、外かく環状道路を国として整備路線に格上げをしたと。一体どのような議論によって整備計画に格上げをしたのか。また、配布された資料の中に、住民や地元自治体の首長の意見書は配布されたんでしょうか。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 高速自動車国道法では、国土交通大臣が整備計画を定めるときには、国土開発幹線自動車道建設会議、いわゆる国幹会議の議を経なければならないと定められております。
 本年の四月二十七日に開催されました第四回国土開発幹線自動車道建設会議におきましては、新たに整備計画を策定する対象区間について、三大都市圏環状道路等の結合に資する道路であること、事業評価としてBバイCが一を上回っていること、都市計画の手続等が完了していることといった選定の考え方が示されております。
 先ほど四路線ございましたが、外環につきましては、概算事業費やBバイCなどの整備計画の概要と整備効果等を説明した後に、出席した各委員によりまして、地下水や二酸化炭素の排出量等の環境問題、事業期間の短縮や事業費の低減、車に対するニーズの変化に伴う整備効果などについて審議がなされ、その上で、原案どおり整備計画が決定されたものでございます。
 また、委員に配布された資料の中には、住民や地元自治体の首長の意見書は配布されていないと聞いております。

○たぞえ委員 配布された資料は道路建設の効果を最大限に訴えるもので、住民や首長の意見書は提出されず、しかも反映もない。これまで幾つかの地域でPIだとか、いろいろな機会で住民の意見を述べてこられた、こういう意見もない。こういう会議のあり方に疑義が出されているんだと思います。手続も内容も大変乱暴だと思います。
 そもそも外環は、高度成長期の右肩上がりの経済成長を前提に計画されたものであります。その実態は、日本プロジェクト産業協議会や財界の強い要望にこたえて、大企業や大手ゼネコンを潤す、こういう目的で、この間ずっとさまざまな会議でもこうした意見が示されてきました。これから本格的な少子高齢社会を迎え、地球温暖化防止対策の推進と自動車依存型からの転換が求められている中で、そのあり方そのものが今見直されなければなりません。
 国と東京都は、本体工事の方式を大深度地下方式に変更しましたが、地上道路を含め、三千棟もの住宅の立ち退きや湧水の破壊、自動車公害の増大などの環境悪化は、これでは避けられません。加えて、事業費が地上部道路や東名以南を含めたこの路線の追加で三兆七千億円に膨れ上がることになったことも重大です。
 こうしたもとで、地元自治体から疑義が出され、地域住民の反対の声と世論が大きく広がっている中での出来事でありました。新政府は外環計画の時期を凍結しましたが、これについての都の基本的な見解を伺いたいと思います。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 外環につきましては本年五月に整備計画が決定し、同時に国の補正予算の成立により事業化された路線でございます。その後、新政府により、補正予算の見直しが行われまして、去る十月九日に、国土交通省より、平成二十一年度補正予算の国土交通省関係事業にかかわる執行の見直しについて資料が公表されたところでございます。この見直しにより、外環の用地費及び補償費が執行停止となりましたが、測量及び試験費は執行可能となっておりまして、外環の事業が凍結されたとは考えておりません。
 また、外環は東京から全国に放射状に延びる高速道路を環状に連結し、東京のみならず、広く国全体にその便益が及ぶ重要な路線でありまして、早急に整備すべき路線であると認識しております。
 都といたしましては、外環の一日も早い着工に向け、事業に必要な財源の確保など、引き続き国に要請してまいります。

○たぞえ委員 今の答弁でも、用地費等は執行停止と。二十一年度では、国の事業費は九十五億円、そのうち、都が負担する四分の一の二十六億円のうちの用地取得も停止。都側でいえば、わずかに残されているのは二億円の調査費だけであります。
 新政権のもとで、さきの総選挙での税金むだ遣いノーの国民の審判にこたえて、東京において計画されている一メートル一億円もの巨額の資金を必要とする外かく環状道路の計画は抜本的にメスを入れて、直ちに国も東京都も凍結、中止することを主張しておきたいと思います。
 次に、八ッ場ダムです。
 国土交通大臣が、来年度予算の概算要求に八ッ場ダム本体工事費を計上しないことを明らかにしたことで、中止か継続か、住民の生活はどうなるのかなど、国民的な議論となっています。
 我が党は、八ッ場ダムについては、早くから一貫して、むだと自然環境破壊の計画だとして、住民団体や市民団体と協働して、国会でも、都議会など地方議会でも中止を求め続けてきました。同時に、地域住民が受ける困難を軽減する観点から、国と関係自治体などが地域住民を交えた地域振興のための協議会をつくり、生活再建や地域振興を図ることを義務づける法律を制定するよう、国会でも要求をしてきました。我が党は、その上で、新政権にダム中止への理解と合意が得られるよう、丁寧に手を尽くすことを求めていくものであります。
 そこで、八ッ場ダム計画について、負担金など財政を支出してきた都としての認識を伺いたいと思います。
 まず、都市整備局の二十年度決算書では水資源対策という項があり、六億三千四百万円を計上していますが、この支出は八ッ場ダム計画にどうあらわれたんでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 平成二十年度の予算額六億三千四百万円でございますけれども、八ッ場ダム計画に係るものは、水源地域対策特別措置法に基づく事業、四億一千二百万円、利根川・荒川水源地域対策基金を設立して実施する事業、一億一千六百万円でございます。このうち、前者の特別措置法に基づく事業では二億二千百万円、後者の基金に基づく事業では二千四百万円を支出してございます。
 この事業の目的と八ッ場ダムの関係でございますけれども、先ほど二つの事業の一般論についてはご説明申し上げました。二十年度に関しましては、水特事業では、道路、土地改良、下水道整備費など、基金に基づく事業でございますが、温泉地域、温泉施設整備や生活再建員、生活相談員設置費助成などを実施しております。

○たぞえ委員 それでは、水道局、建設局が負担した二十年度経費は、資料にもありますが、四十一億円に及ぶものです。主管局として、この経費はダム本体工事に使われたものとの認識なのかどうか。いかがですか。

○安井都市づくり政策部長 都が二十年度に支出した負担金を含めます建設事業費の主な使途でございますけれども、鉄道、国道及び県道のつけかえ工事、用地買収、仮排水トンネルの工事であると、事業主体である国から聞いてございます。
 なお、仮排水トンネルは、ダム本体の整備に先立ち、河川を迂回させるための施設でございまして、ダム本体工事直前の準備工でございます。

○たぞえ委員 私も現場に行きましたが、関連施設はでき上がっていますが、本体は何一つありません。テレビの画面を見ても、本体そのものの姿はどの国民も見ていない、これが事実ではないでしょうか。
 もともと二〇〇〇年度完成予定が二〇一〇年度に延びて、さらに二〇〇八年度には再び工期が延びました。再三による工期延長をどう受けとめているんでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 平成十三年度の工期延長でございますけれども、生活再建案の具体化と、これに基づきます計画に関する地元の合意形成、協定書の締結に至る調整を理由として行ったものでございます。平成二十年度の工期延長は、移転者の意向を踏まえました代替地造成やつけかえる鉄道、道路計画の見直しに加えまして、居住者の生活に配慮し、夜間、休日作業の抑制を決めたことに伴うものでございます。こうした過去二回の工期延長は、いずれも下流都県の治水、利水のために、水没地となる地元住民などの意向を最大限に尊重した結果、必要とされた措置でございます。
 都は、国から工期の延長が提案された際には、その都度、国からの説明や必要な資料提供を受けまして、工期の妥当性を判断した上で、法律に定めるところによりまして議会に説明し、その議決を経て、工期延伸はやむを得ないとの知事意見を国に回答してきたところでございます。
 八ッ場ダムにつきましては、都はもとより、関係県や地元にとりまして一日も早い完成が望まれており、機会あるごとに、さらなる工期延長のないよう万全を期すことを国に申し入れてきました。

○たぞえ委員 再三の工期延長による現時点での完成予定は二〇一五年ですけれども、しかし、軟弱な地盤対策や用地買収の関係、道路や鉄道、生活再建の工事が目標年次よりおくれています。これが終了しないと、本体工事に入れないわけです。したがって、ダム完成は予定よりも大分ずれ込む公算になりかねません。工期の延長によって、もともと二千百十億円の事業費が倍以上の四千六百億円にも膨れ上がった。このことが、延長がいかに膨大な財政を伴うものかということも物語っていると思います。
 例えば、ダム湖予定地では火山の噴出物が複雑に集積するもろい地層であるため、地すべり対策は極めて深刻です。国交省も、二十二カ所の地すべりを想定しているんですね。ところが、対策は三カ所だけで、ここ数年でも奈良県の大滝ダムや埼玉県の滝沢ダムなど、完成しても、ためた途端に地すべりが起きている。八ッ場ダムでも地すべりが起こる可能性は非常に高く、そうなれば完成はいつになるのか、費用が幾らふえるとも検討がつかない、まさに深刻そのものであります。
 〇一年に完成する予定だった現在地より標高の高い場所に地域ごとに移転するはずの代替地も完成を見ていません。こうした状況にあるにもかかわらず、一都五県の自治体は、治水に、利水に欠かせないと主張を続けています。
 しかし、都は現在も一日当たり六百三十万トンの水源を持っており、さらに多摩地域で水道水として利用中の地下水を合わせると、七百万トンを超える水源を保有しているわけです。一方、水の利用は、節水型生活ライフも定着して、極めて減少傾向にあり、二十年度の一日最大配水量四百九十二万トンに対して、約二百万トン前後の余剰が生まれています。
 石原知事は、異常気象が深刻化しており、日本だっていつ干ばつにさらされるかわからない、このように述べて、だから渇水対策としては八ッ場ダムが必要だと、このようにいっていますが、利根川水系の六基のダムの利水容量は合計三億八千五百万トン、新設する八ッ場ダムは容量が九千万トンですから、合わせて四億七千五百万トン、これを比較しても二三%しかふえておりません。夏季は洪水調整を行いますから、ダムの水位を下げるため、二千五百万トンに下がります。夏季は、この意味で六・五%しか利根川水系はふえない。渇水対策としては、大変当てにできない規模ではないでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 渇水対策としての施設の有効性の前に、軟弱地盤であるがゆえに工期がさらに延びるのではないかというご指摘についてお答えいたします。
 これまでの国の説明では、貯水池全域の斜面を対象に専門家を交えて検討した上で、地すべりの可能性がある二十二カ所のうち、対応が必要とされた三カ所において対策工事を既に実施中でございます。残りの箇所はより精度の高い調査を実施中であり、その妥当性については、さきの東京地裁の判決でも認定されてございます。また、一昨日の一都五県の知事の現場視察の際に、国の職員から、ここは岩盤を掘ると火が出るようにかたいということの説明を受けてございます。
 ただいまお尋ねの渇水対策としての八ッ場の有効性についてでございますけれども、そもそも、今、日々の水需要の実績をお挙げになりましたが、こうした実績と知事が必要を唱える渇水時のリスク管理は、もともと別次元のものでございます。水道需要は、人口だけでなく、都市の規模や性格、企業活動などの社会条件など、さまざまな要因が複合的に影響して変動するものでございます。東京は、単に人口が集中しているだけではなく、日本の首都であり、政治、経済、文化の中枢機能が高度に集積しており、一たび渇水が起これば、社会的に大きな混乱が生じるおそれがございます。きょうの委員会の冒頭で、地震対策に対する備えであるとか、神田川に対する治水の備えが必要だということと全く同様でございます。
 都は、こうした東京の性格を重視しまして水源の確保に取り組んでおりまして、平常時はいうに及ばず、たとえ大規模な渇水が起こったとしても、都民生活と首都機能の維持に必要不可欠な安定給水の継続を基本方針としております。このような都の方針及びこれに基づく水需要予測は、東京地裁の判決においても合理的であると認められてございます。
 また、水源の確保を所管する水道局によれば、都の保有水源は日量六百三十万トン、このうち約八割を今回問題となっている利根川水系に依存しているわけでございまして、この水系は、近年は少雨傾向によりまして流量が減り、ダムの供給能力は当初計画量を二割減少していること、また、都が保有する水源の中には、神奈川県及び川崎市と一年単位の協定を更新いたしまして、相模川の分水を受けているものなど、将来の確保が保証されない八十二万トンを含むことであること、また、渇水時など、河川の流量が減少した場合に他に先駆けて取水制限を受ける、いわゆる暫定水利権というものでございますけれども、これを十二万トンを含むことなどの理由から、安定した水源としての水量は、日量約五百三十六万トンであるとしてございます。
 さらに、都は、多摩地域の地下水についても、地盤沈下及び水質の継続と安定に問題があることから、安定水源に位置づけることは適正でないとしてございまして、したがって、都の保有水源が七百万トンを超えるということ及び約二百万トンの余剰が常にあるという認識は誤りでございます。
 さらに、先ほど中山委員に対しまして、平成八年の渇水被害の状況と、八ッ場ダムが完成していれば、取水制限を夏冬合わせて百日減らすことができたことをご説明いたしました。しかし、今日まで八ッ場ダムが完成していないがために、その後も利根川水系では、平成九年、十三年に一都五県におきまして取水制限が行われており、平均すると、三年に一回は渇水が発生してございます。こうした渇水のリスクをできるだけ回避いたしまして、都民の生活、都内の経済活動などに支障を来さないようにすること、また、電気やガスと同様に、水の確保が東京のさらなる発展のボトルネックとならないように万全を期すことが、大都市を経営する行政の責務でございます。

○たぞえ委員 推進する都としては、いいたいことを全部いったようでありますけれども、しかし、地すべり二十二カ所、しかし一割程度しか対策していない。地下水は、私が主張したことは誤りであるといいましたけれども、現に多摩地域で使っているわけで、使っている人は、あなたたちの水は誤りなんだと、そんなことはいっていないでしょうけれども、しかし、それにしても、主義主張はよくわかりました。私からもいろいろといいたいと思います。
 まず、治水問題です。
 国土交通省は、利根川上流に二百年に一度規模の大雨が降ると、毎秒二万二千トンの水が中流の伊勢崎市の八斗島地点の河道を通ると、このように主張し、宣伝してきました。しかし、二〇〇七年の台風九号で、百年に一度の大雨に匹敵する降雨量があったのに、吾妻渓谷の下流の洪水流量は、国交省による予測の三分の一でありました。まさに渓谷がダムの役割を果たしていたと、現地の新聞でも報道されております。
 今、ダム中止は認められないと、そういう論議が先ほどありましたけれども、かつて四七年の、東北地方を直撃し、利根川流域で大洪水が発生して、一都五県で浸水戸数が約三十万戸、家屋の流出、倒壊が二万三千七百余り、死者一千百名という犠牲者が出たカスリーン台風を持ち出して、八ッ場がなければ二の舞になる、このように各地でも発言が行われています。しかし、八ッ場ダム計画のきっかけになったカスリーン台風は、戦時中の森林伐採で山の保水力が極めて低下したときに起こった台風です。
 今日、群馬県の森林蓄積量は約五十年間で五・四倍に増加しており、森林の保水効力は断トツに向上しています。さらに近年、利根川流域ではダムがつくられてきたこともあり、事態は一変しているんです。このことは、私の主張として申し上げておきたいと思います。
 利根川水系での国の河川改修予算を見ると、九八年と〇七年との対比でどうかといえば、九八年の一千五十一億円から〇七年には四百九十五億円へと、八ッ場ダムなどのダム建設予算は増加する一方で、堤防の強化を含む河川改修の事業費が急速に減少していることは極めて重要です。ダム建設に固執することが、本来優先して実施するべき堤防改修工事などをおくらせ、その原因になっている、要因になっていると考えますけれども、推進をする都側の見解を伺いたいと思います。

○安井都市づくり政策部長 優先すべきは堤防改修工事ではないかということのご質問でございますけれども、河川の治水対策は、洪水によりまして堤防が決壊し、市街地に壊滅的な被害を与えることを防ぐために、堤防の強化、河道の掘削など、断面の拡幅にあわせまして上流ダム群の治水調節機能を確保し、河川の水位を安全かつ適切に低下させることが不可欠でございます。
 このため、国におきましては、限られた予算と期間を前提といたしまして、整備の実現可能性を考慮しまして、堤防の強化などの河川整備とダムによる洪水調節施設をバランスよく実施いたしまして、利根川水系の治水の安全性を効率的に向上させてきているところでございます。
 本来優先すべきとのご発言がございました堤防改修工事につきましては、下流部の洪水流量を増加させないために、下流から順次上流へと進めることが基本でございます。必然的に、都内や埼玉県などの市街化が進んだ地域での流域での整備が必要となるわけでございます。先ほど中山委員がご発言の中で、埼玉県知事も、県内のスーパー堤防を七キロ整備するのに一千四百億円かかって、県内には堤防が二百二十一キロメートルあるということをご紹介いただきました。
 もう一つ例を挙げますと、八ッ場ダムの平均的な洪水調節量をすべて引き堤による河川改修で対応した場合には、都内の江戸川では、全部の河川の流域にわたりまして川幅を大きく広げる必要がございまして、家屋の移転は当然でございますが、川にかかるJR線、京成線、国道四号、一四号などの橋梁改修も必要になるといわれてございまして、堤防改修工事を優先すべきとのご意見は、事が首都圏で生活する人々の生命や財産にかかわることだけに、時間的にも費用的にも全く現実的でないと考えてございます。

○たぞえ委員 ダムがあろうとなかろうと、河川流域の暮らしを守る上で、堤防などというものは最低必要な施設なんです。これは五年、十年とかという期間のテーマではなくて、やっぱり何百年のかつての過去からの重大な課題じゃなかったでしょうか。このことにこそ力も入れるという前提の上で、ダムの必要性が議論されなければいけないと思うんです。
 今、水没予定地の住民の七割ほどが町外に移転して、地域はすっかり衰退して、地元の生鮮食料品の店もなく、温泉旅館では、移転を前提にしているために建物の建てかえもできない、修理でしのぐ状況に置かれていました。私も現地に行って、かつての温泉街の姿を比べると、本当に悲しい思いです。半世紀以上もの間、国の政策に翻弄されてきた水没地域の住民の苦難は想像にあり余るものであります。長い反対運動の末、苦難のダム受け入れを決断して、一日も早い地域の再建を願ってきた住民から、国の政策変更によって暮らしが左右されることに大変大きな怒りの声が上がっているのは、私は当然だと思います。
 八ッ場ダムは、これまで建設を前提とした生活再建策が行われてきましたが、ダム中止で生活再建がどうなるのか見通しが立たないことへの不安は大きいです。その意味で、新政府が生活再建のための法律を早期に整備して、地元の声をしっかり反映させたきめ細かな対策をとる責任が政権はあると私は考えるんですが、都の見解を伺います。

○安井都市づくり政策部長 一昨日行われました一都五県の知事と地元住民との意見交換会の場でのご発言をご紹介します。
 地元からは、ダムを中止して生活再建だけを進めてほしいという声は一切ございません。出された意見は、例えばダム湖畔に新温泉街を整備する生活再建を目指すべきだ、あるいは下流都県のためと悩みながら現在に至ったが、湖水を見ながら生活できるように協力してほしいというようなものでございまして、ダムの完成を前提に、一日も早い生活再建を実現してほしいというのが地元の切実な声でございます。
 また、ただいまの質問に、ダム中止で生活再建策がどうなるのか見通しが立たないことへの不安は大きなものがあるというご発言がございましたが、生活再建の希望を打ち砕き、住民に大きな不安を与えたのは、地元の心情を全く無視した突然のダム建設中止宣言であると受けとめざるを得ません。また、他の住民からは、私たちはダムの完成に協力してきた、生きている時間をむだにしないでほしいとの訴えもございまして、生活再建の将来像を示さないまま、一方的にダム中止を宣言することは、人道上、生活上のゆゆしき問題であると思います。
 このため、一都五県知事の共同声明では、ことしの十二月二十八日までに国は責任を持って早急に生活再建の青写真を示し、地元住民の納得と理解を得るべきということを強く訴えてございまして、地元の方々にも安心してお正月を迎えるようにというようなことを要請したわけでございます。

○たぞえ委員 私、きょう大変時間が決められている中で、答弁の方が長くて、これ以上質問できる時間がなくなってしまいましたけど、今、安井部長からいわれたとおり、本当に現地の方が長年にわたって、こんな大事な問題で、やむを得ないということで合意して、今向かっていた矢先に突然中止と、やっぱり私もそれはまずいと思うんですよ。私も中止をいっていたけれども、やり方がまずいんですよ、本当に。民主主義のプロセスを踏んでいないんです。その関係の党派の方がいらっしゃるけれども、あえて私いっておかないと、民主党と共産党は一緒じゃないですから、ぜひきちんとわきまえていただきたいと。しかもやっぱり、これだけ議論されているんだから、ぜひその政権政党も、この問題で質疑をしていただきたいというふうに希望をしておきたいというふうに思います。
 本来は都市再生のことがあったんですけれども、時間のことがルールですから、今回はちょっと遠慮させていただきますけれども、一言いっておけば、やっぱり都市整備局の事業というのは、東京の現在と未来をつなぐ大変大事な分野だというふうに思います。だからこそ、都民の利益にかなった方向、一つ一つの政策を実行する際には、都民の世論に耳を傾けて理解と合意を得る努力をする。そして、都議会やさまざまなそうした場で、十分な審議を尽くすと。この問題をきちんと貫いてこそ、日本の民主主義のプロセスであると思います。ですから、私たちは、八ッ場問題でも首尾一貫主張を続けてきました。今回こうした処置になった中でも、この中止という判断が適切であるかもしれないけれども、中身にはいろいろな問題があると。もっと国民の側に立った政権運営をぜひその政権党に期待をしたいし、要望したいし、そういう方向に流れる中で、都としても、これまでの主義主張を繰り返すだけじゃなくて、もっと国民の動向もきちんと据えた方向に座っていただきたいということを主張して終わります。

○中谷委員 私からは、都営住宅の件についてを中心に質問させていただきたいと思います。
 時代時代のニーズはさまざまで、都民の求める都営住宅像なるものは変遷を遂げてきていると思いますが、都としては、都民の希望や声、それを参考に、真に住宅困窮者を救済するのが公営住宅の目指すところであると考えますが、見解をお伺いいたします。

○岡沢経営改革担当部長 時代のニーズに対応した都営住宅についてのお尋ねでございます。
 都営住宅は住宅セーフティーネットの中核でございまして、住宅に困窮する低額所得の都民に対しまして、低廉な家賃の住宅を公平かつ的確に供給するということを目的として、法令及び条例に基づいて設置及び管理を行っているというものでございます。
 都は、これまでも高齢者や障害者など、特に居住の安定を図る必要がある都民に対しまして、優遇抽せんによる入居を図るとともに、子育て支援を目的として、若年ファミリー世帯向けの期限つき入居を実施するなど、社会経済情勢の変化、時代のニーズに対応して、住宅セーフティーネットの機能強化を図ってきたところでございます。

○中谷委員 平成二十年度の一般募集住宅の平均倍率は三十六倍から三十七倍でありましたが、この倍率を見ると、依然として、なかなか当たらずに入居が厳しい状況にあります。入居者の決定は公募によるところでありますが、使用料の滞納者に対しては、督促や催告状の発送はもちろん、納付指導をしっかり実施していただいて、悪質なものには法的措置を含め厳しい対応をお願いしたい。つまりは、公平な都営住宅の運営を望むところであります。
 次に、ストック状況の確認であります。
 建てかえ対象住宅は、昭和四十年代以前に建設された住宅が約十二万八千戸で、全体の約五割を占めるとのことでありますが、どのような計画で建てかえを進めているのか、今後の計画についてお伺いをいたします。

○山口建設推進担当部長 都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットとしての機能を保持するため、適切に維持更新するとともに、用地の有効活用を図り、地域のまちづくりに活用する必要があると認識しております。
 今後の建てかえ事業につきましては、管理コストの抑制を図りながら、また財政状況を勘案しつつ、都営住宅ストックの約四割を占める昭和四十年代建設の住宅まで対象範囲を広げまして、建てかえの規模を年間四千戸程度まで段階的に拡大することとしております。

○中谷委員 石原知事が就任されてからの新規の都営住宅着工数がどれぐらいあるのか。
 そしてまた、都営住宅の用地は延べ千九百ヘクタールであります。千九百ヘクタールというのは、坪数にしますと五百七十四万七千五百八坪、東京ドーム四百六個分でありますが、非常に広い広大な土地が都内に広く分布しており、とりわけ建設年次の古い住宅については、多くは区部を中心に立地をいたしております。そしてまた、低密度の土地利用状況であります。
 敷地は都の貴重な財産でありますから、安易に売却を進めるものではありませんけれども、例えば都心一等地の土地については、その利用に工夫があってしかるべきであります。容積率をもっと多くとるとか、定期借地権を活用しての民活のプロジェクトを具体的に稼働している事例と今後の計画について、また、そのことによる都の収入増はいかほどか、あわせてお伺いをいたします。

○中島再編利活用推進担当部長 定期借地権を活用した民間プロジェクトについてでございますが、これまでに南青山一丁目、港南四丁目、東村山本町、勝どき一丁目の四地区で実施しております。このうち、南青山一丁目と港南四丁目につきましては、居住者の入居が既に完了しております。東村山本町地区では戸建て住宅の整備が完了し、現在、集合住宅棟を整備中でございます。勝どき一丁目地区は、平成二十二年度の完成を目指し、現在工事中でございます。また、これら四地区のほかに、東大和向原地区において、事業実施に向けて準備を行っているところでございます。
 民活プロジェクトの収入についてでございますが、実施済み四地区の収入の合計は、年間で約十億円となっております。
 なお、都営住宅の新規建設でございますが、既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っており、さらに将来の人口減少社会の到来が見込まれていることなどから、新規建設は平成十二年度以降行っておりません。

○中谷委員 今後の少子高齢化に伴いまして、人口構成がかなり変わっていくものと思われますけれども、それとともに、求められる居宅のタイプも変化をするものと思います。現時点での都の政策としては、高齢者のひとり住まい対応として、一DKタイプの居室を多く建設する傾向にありますが、今後、国の少子化対策が功を奏して人口構成が変わる可能性も大いにあります。一DKタイプの居室も、隣の住戸をつなげることによって、二DKあるいは三DKのタイプに変えることができるような住宅として対応をしているのかどうかお伺いをいたします。

○山口建設推進担当部長 都営住宅の建てかえに当たりましては、居住者の世帯構成に応じ基準を設け、適切な規模の住宅を供給しているところでございますが、将来、必要に応じて隣接する住戸を一つにして、現在供給しております一DKと二人用二DKの間仕切り壁につきましては、コンクリート壁を設けない構造にしてございます。

○中谷委員 新宿の戸山団地の例を見ますように、高齢者ばかりを同じ棟に居住させることは年齢構成をいびつなものにして、都営住宅の自治組織の崩壊を招くものであります。一DK、二DK、三DK、それぞれタイプの異なる居宅をつくることで、人口構成、そしてそこの住宅に応募してくる家族構成を広げることができると思います。
 都心の限界集落、限界団地というものが量産をされており、住民の半数以上が六十五歳以上のお年寄りが占める限界団地が、都内の公営住宅で続々と出現をしてきます。だれにもみとられず、ひとり暮らしの部屋で亡くなる人も、二〇〇六年度の数字でありますが、一年間で三百五十七名にも上りました。都営住宅の年齢別世帯数の状況は、名義人の年齢区分による資料によりますと、六十五歳以上の方の世帯数が十三万件、割合にして五六・六%、同居者を含めると、高齢者の数はもっと増すものと思われます。
 都住全体の世帯に占める六十五歳以上かつひとり暮らしの世帯数は、三年前のデータによりますと、約五万世帯、およそ二〇%と伺っております。高齢化によって、役員のなり手がいない団地の自治会は解散を余儀なくされているのが現状であります。住民同士のコミュニケーションの場を持つことが防犯防災の役に立つばかりか、ひとり暮らしの高齢者にとっては、安否の確認を含め、大変ありがたいことであります。
 九月、十月というこの季節、我々が地元に帰りますと、週末になると、祭りがたくさん開催されております。祭りを開けるかどうかというのは、まさにその地域の地域力があるかないかの裏返しであります。つまり地域でボランティアで活動できる人々がいるかどうかで、祭りができるかできないかを決するのが現状であります。だから、団地祭りが開けなくなったところが数多くある、それが現状です。
 建てかえの場合、現在の住まいの間取りに合わせて建てかえの間取りを対応させている、そのことも確かに理解はできますが、ならば、せめて高齢者のひとり暮らしであっても、介護ベッドを入れたり、訪問入浴サービスを受けたり、車いすでの日常生活を考えた場合に、一DK、三十二平米という専有面積では少し狭いのかなと思うのが実情であります。平成五年度から、型別供給によって世帯人員数に応じた一DKであっても、三十二平米とはいわずに、もうあと畳二畳--畳二畳といえば一坪でありますけれども、一坪分のスペースを確保してあげることができないのかなというのが、私も、現地を見ての率直の感想であります。
 首都圏の公営住宅の一戸当たりの最小面積は、千葉県が四十五平米、埼玉県が三十八平米、神奈川県が三十九平米、大阪府に至っては、ひとり暮らしでも二DKを選べる例もあります。東京の場合、今、三十二平米ですから、一坪ふやしても三五・三平米、今、既に建てかえ工事中のものはともかくも、これから着工しようとする工事分については、ぜひとも設計変更も視野に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○山口建設推進担当部長 都営住宅の建てかえに当たりましては、先ほど申し上げたとおり、居住者の世帯人員により基準を設けまして、住みやすい間取りとなるよう、工夫しながら住宅を供給してございます。
 基準の設定に当たりましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであるということから、最低居住面積水準を確保するとともに、バリアフリーを考慮した面積としてございまして、一DKにつきましても、必要な機能は十分満たしているものと考えております。

○中谷委員 今までの対応は今までの対応として、今後、建てかえが進む都営住宅政策において、そこに居住する人々の個別性をかんがみるとともに、将来的に予想される使用形態も考慮して、間取りと設備など、ご検討いただきたいと思います。
 そして、続いて公営住宅の入居基準についてでありますが、二〇〇九年四月、収入基準の見直しがされましたけれども、東京都は独自の措置をとり、一年間値上げを延期しました。二〇一〇年四月からの値上げとなりますが、値上げ対象者はどれぐらい該当するのか。また、五年、七年にわたる経過措置があると聞きますが、その具体的措置についてお伺いします。また、都として入居者に対してはどのような広報を計画中か、あわせてお伺いいたします。

○岡沢経営改革担当部長 政令改正に伴う都営住宅の使用料改正について、三点お答え申し上げます。
 まず、値上げの対象者でございますが、都営住宅にお住まいの方々のうち、最も低い収入分位に該当いたします約七割の方々の世帯では、今回の政令改正による使用料の上昇はありません。残りの約三割に相当する約六万世帯の方々の使用料が上昇するということになります。
 二点目は経過措置でございますが、今回の使用料の改定に当たりまして、国は五年間で段階的に引き上げるという経過措置を設けているところでございますが、都はこれに加えまして、使用料の引き上げ額が比較的大きくなる、収入区分が二段階上昇する世帯に対しまして、引き上げ期間を七年間とする経過措置を講じているところでございます。
 最後に、使用料改定の周知についてでございますが、都営住宅にお住まいの方々に対する使用料改定の周知につきましては、団地内のポスター掲示とともに、制度改正の概要を説明いたしました広報紙として、「すまいのひろば」臨時号を本年二月に全世帯に配布したところでございます。
 今後は、使用料改定の円滑な実施に向けまして、「すまいのひろば」を用いて、繰り返し一層の周知を図っていくところと考えております。

○中谷委員 都営住宅など、建てかえにより創出した用地の利用についてお伺いいたします。
 今後の建てかえによって、どれぐらいの用地が創出されるのか。それらの用地を活用すれば、小規模多機能型居宅介護施設の整備など、区や市と一体となっての地域のまちづくりを進めることができると思いますが、見解をお伺いいたします。

○中島再編利活用推進担当部長 都営住宅の建てかえに当たりましては、敷地の有効利用により生み出した用地を活用して、地域のまちづくりの課題に的確にこたえていくことが重要であると考えております。
 今後、建てかえを進めることにより、十年間で約六十ヘクタールの用地の創出を見込んでおります。これらの用地については、地元区市と連携し、民間活力も生かしながら、高齢者在宅サービスセンターの整備など、地域の特性を踏まえたまちづくりに活用してまいります。

○中谷委員 公営住宅は、本来、高齢者や若者、そしてまた大家族や単身者など、いろいろな人が住めるように、間取りや広さを混在させるのが望ましいものであります。しかし、東京都では、型別供給の取り組みを盾に、住み手の要望の変化への対応が図られないのが状況であります。確かに、住宅政策なのか、それとも福祉政策なのかも含め、どのような住宅供給が望ましいのかの判断が求められているわけであります。
 都営住宅跡地を購入した品川区の例では、介護と医療を併合した区営住宅を建設しております。独居の高齢者向けの区営賃貸住宅が平成二十三年にオープンすると伺っておりますが、ぜひとも地元の区や市と連携を、またあるいは民間の活力を利用した運営をお願いしたいと思います。
 続いて、都営住宅の耐震化推進についてお尋ねをします。
 昭和四十九年から五十年というのは、ちょうどオイルショックのころに建設された民間住宅というものは、構造上問題の多い建造物が多かったと聞いておりますが、都営住宅の場合、平成二十七年までに、全都営住宅の二十六万五千戸の耐震化率九〇%を目標に取り組んでおりますが、その進捗状況はいかがかお伺いをいたします。

○荒川営繕担当部長 都営住宅の耐震化でございますけれども、都は、都営住宅耐震化整備プログラムを平成二十年三月に作成してございます。このプログラムでは、都営住宅全体のうち、新耐震設計基準で設計された建物と建てかえ対象の建物を除外いたしまして、約十三万六千戸の耐震診断を平成二十四年度までに行うとともに、耐震基準に満たないと判定されたものにつきましては改修工事等を順次実施しまして、平成二十七年度までに都営住宅の耐震化率を九〇%以上とすることとしてございます。
 平成二十年度までに約七万戸の耐震診断を行いまして、約二千戸の耐震改修工事を実施してございます。今後とも、都営住宅の耐震化に向けて計画的に取り組んでまいります。

○中谷委員 続いて耐震化について、都民のサービスの一環として、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンター内相談窓口というものを本年五月に設置をいたしておりますが、一般都民がそのようなところへ相談に行くともなかなか考えづらいんですが、現況の利用相談の状況をお伺いいたします。

○町田耐震化推進担当部長 耐震化総合相談窓口につきましては、都民が耐震化に取り組みやすい環境を整備するため、都民が安心して専門家に無料で相談できることを目的といたしまして設置したものでございます。
 本年の五月十一日より相談業務を開始し、昨日までで約一千百六十件ほどの相談を受けております。内訳は、来所によるものが約二百八十件、また電話やファクス等によるものが約八百八十件となっております。窓口では、耐震診断あるいは耐震改修の事例紹介や技術的な助言、それから診断を行います建築事務所などの情報提供、都や区市等の助成事業の内容などに関する相談に当たっております。
 相談者は、戸建て住宅の所有者やマンションの管理組合の役員の方などが比較的多くございます。図面を持って、複数回相談に来られる方も多いという状況でございます。また、福祉施設の関係者あるいはビル事業者の方などからも相談がございまして、幅広く都民に活用されているものと考えております。

○中谷委員 予想以上に相談がありまして安心をいたしました。
 それでは最後に、地下鉄の事業についてお伺いをいたします。
 都の報告団体である東京地下鉄株式会社は、平成二十年度の経常利益が約七百億円であります。営業収益が約三千八百億円、固定負債が約八千億円でありますから、営業収益の約二・一倍の固定負債を抱えております。ドル箱路線を多く抱える東京メトロは超優良企業であります。一方、都営地下鉄は、過去の建設コストの負担から大変厳しい経営が続いておりましたけれども、平成十八年度に初めての黒字三十一億円を計上し、翌平成十九年度は百十億円、平成二十年度は百四十億円の黒字となりました。民間企業並みの決算基準で見ますと、約六千三百六十億円の固定負債、約五千七百億円の企業債合わせて一兆二千億円の長期債務残高があります。これは、平成二十年度の営業収益約一千三百億円の九倍に当たります。かなりの重荷でありますけれども、地下鉄事業全体として、都営地下鉄と東京メトロの一元化について、どのように考えているか見解をお伺いいたします。

○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 都営地下鉄と東京メトロの一元化については、運賃の共通化やわかりやすい案内表示など、利用者の利便性向上の面でメリットがございます。また、事業者にとりましても、一元化による経営効率化やネットワークの拡充による利用者の増加が地下鉄経営の強化につながるものと考えております。一方で、地下鉄を一元化するに当たっての課題の一つである都営地下鉄の経営につきましては、依然として累積損失や長期債務など改善すべき状況が残されております。
 このため、現時点において一元化するのは困難であると思われますが、都としては、地下鉄利用者の利便性向上などの観点から、将来に向けて実現を目指すべきと考えております。

○中谷委員 単年度黒字化して三年となりまして、過去とは大きく状況が変わってきていると思います。この一元化の議論については相当昔からあると伺っておりますけれども、いまだなお、かなり企業の収益力の差はありますけれども、将来の一元化に向けて、ぜひともまたお力添えをいただきたいと思います。これで私の質問は終わります。

○高橋委員 都市整備局の平成二十年度東京都一般会計決算説明書六一ページの都市づくりと連携した都営住宅再編整備の推進に関連してお尋ねをさせていただきます。
 これは、調布市にある都営金子町団地の建てかえとあわせ、創出した用地を活用して都市計画道路の整備を初めとしたまちづくりを進める事業であると聞いております。都営住宅の建てかえとあわせて創出した用地については、このような都市計画道路の整備のほかにも、木造住宅密集地域の整備や大規模なスーパー堤防の整備など、さまざまな公共事業と連携した活用も進められていると仄聞しております。
 今後は、これまでの昭和三十年代建設の住宅に加え、昭和四十年代の住宅も建てかえの対象とすることや、年間建てかえ戸数の増加などにより、これまで以上に都内各所で都営住宅の建てかえが進められていくことと思いますが、あわせて、このような連携が可能な都営住宅の建てかえの可能性も広がっていくのではないでしょうか。
 そこで、まちづくりと連携した都営住宅の建てかえに当たっての基本的な考え方をお伺いいたします。

○中島再編利活用推進担当部長 まちづくりと連携した都営住宅の建てかえに当たっての基本的な考え方についてのご質問でございます。
 都営住宅の建てかえに当たりましては、老朽化した住宅を更新するとともに、地域のまちづくりにも配慮し、住環境の整備などを図ることが重要であると考えております。
 こうしたことから、地元区市と連携し、道路、公園等の公共施設や保育所、高齢者在宅サービスセンターなどの施設を整備し、地域のまちづくりと連携した取り組みを進めているところでございます。

○高橋委員 まちづくりと連携した事業展開の可能性を有する都営住宅建てかえが、私の地元練馬区でも進められております。例えば、上石神井団地は、春になると川沿いの桜が美しい、石神井川を挟んで両岸に広がる大規模な団地でありますが、ここでも建てかえの計画が進められております。
 そこで、この建てかえに向けての事業の進捗は現在どのようになっているのか、その状況をお伺いいたします。

○中島再編利活用推進担当部長 都営上石神井団地の建てかえの進捗状況でございますけれども、当団地の建てかえ計画につきましては、昨年十一月から団地居住者に、本年一月から近隣の住民の方に計画の説明を行っております。また、地域のまちづくりの目標や方針を示す都市計画として、本年九月末、練馬区が上石神井四丁目地区地区計画を決定するとともに、一団地の住宅施設の都市計画を廃止したところでございます。
 現在、事業実施に必要な設計等を進めており、年度内に第一期の建設工事に着手の予定でございます。

○高橋委員 石神井川では、現在、河川整備が進められており、この上石神井地区においても、河川改修に合わせて幅広い緑地帯が整備される予定と聞いております。私は、都営住宅の建てかえは地域のまちづくりに貢献すべきであり、そうした観点で建てかえを推進すべきと考えております。
 このような観点から、団地の建てかえ計画の推進に当たり、河川整備や地元区のまちづくりとどのように連携を図っていく考えなのか、見解を伺います。

○中島再編利活用推進担当部長 都営上石神井団地の建てかえに当たりましては、先ほどご説明申し上げた上石神井四丁目地区地区計画に基づきまして、敷地の有効利用により、石神井川の河川改修に合わせて都市計画緑地の整備用地を創出するとともに、公園の再配置により、緑豊かで安全かつ良好なコミュニティ活動や憩いの場を確保することとしております。
 事業が長期間にわたることから、地元区など関係機関と連携を図り、良好な緑と水のネットワークの形成に寄与するよう、建てかえ事業を積極的に進めてまいります。

○高橋委員 上石神井団地でも、建てかえが終了する十数年先には、かなりの規模の用地が生み出されると聞いております。この利用方策については、将来の地域、社会のニーズを踏まえ検討するとのことでありますが、それに加えて、地元区では公的な利用を優先して検討すべきとの意向もあります。
 このように公的な利用を優先するとともに、これは先ほどの金子町団地の建てかえで生み出される用地についてもいえることでありますが、安易に建物を建てるのではなく、近隣住民の理解を得ることはもちろんでありますが、次代を担う青少年がスポーツやレクリエーションとしていつでも利用できる場、また高齢者等の憩いの場、災害時の緊急避難所等々、都市部の貴重なオープンスペースとして活用していくことも必要ではないかと私は思います。そのためにも、着実な建てかえを、事業の推進とそれに合わせたまちづくりを推進していただくことを、提案を含め強く要望して質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○和田委員 私は、土地区画整理事業とほぼ親戚のような形の事業であります沿道一体整備事業、これに関連をして数点にわたって質問いたしたいと思います。
 今回の平成二十年度の土地区画整理事業の助成費の決算を見ますと、支出済額においては六十五億四百万円余、執行率は七九%、また、二十年度決算における沿道一体整備事業費につきましても、支出済額については三十八億三千万円、これは九〇%という形の執行率をそれぞれ示しているわけでございます。
 区画整理事業については、第二区画整理事務所を中心にして、今、手元にある資料を申し上げますと、ここには五つの整理事業地区が挙げられています。例えば六町地区、つくばエクスプレスの導入に合わせて、新駅を中心にした地域の秩序ある発展のため、都市基盤を整備し、良好で利便性の高い市街地の形成を図る。同じく花畑地区、汐留地区、秋葉原地区、田端地区というふうに五つの地区を、第二区画整理事務所が所管をしています。それにあわせて沿道一体整備事業という形で、第二区画整理事務所は、補助一二〇号線、鐘ヶ淵の地域、それと、補助八三号線の十条地域、この地区を受け持つ形で整理事務所そのものは機能してきているわけであります。
 このような区画整理事務所の所管、所掌事務というものも含めながら、まちをつくっていくということが、それまで権利を持っている方々の、どうしても移転に伴うまちづくりになってくるということになりますから、直接土地をお持ちの方、借地借家の方もいる、あるいは又貸しの又貸しのような方もいる、そういう権利をほぐしながらゴールまで到達をして、区画整理事業の完成まで、皆さん方は努力をしていくということになりますし、沿道一体整備事業に至っては、もっと複雑な作業をしなきゃならないという背景があるわけでございます。
 今回私は、それについて具体的な場所を挙げながら、皆様方の、当局の取り組みぐあい、あるいは場合によっては、所管も含めお尋ねしてまいりたいというふうに思うんです。
 まず初めに、沿道一体整備事業であります。
 これは災害に強いまちをまず目指して、地元合意を形成しながら、避難路となる都市計画道路の整備、沿道の共同化、不燃化、これを促進しながら、延焼遮断帯の早期形成を図って、道路整備と一体的に沿道のまちづくりを進めるということであります。要するに、今までは道路をつくってもう完成といったものが、沿道のまちをつくる、まちづくりと道路の建設を一体化させるという、こういう新しい手法としての沿道一体整備事業というのが出てきたわけです。
 それまで私どもが、区画整理事業を含め都市計画道路の拡張、拡幅などで一般の人の声を聞いてみると、都市計画決定はされたけれども、四十年、五十年手つかずで、じいさまの代から全く動いていなくて、強固な建物を建てたいと思っても許してもらえない、どうなってるんだ、これはという大変不満が多く私どもに伝わってきました。
 同じく区画整理事業についても、はっきり、こことうちの前のところを斜めに横切るのはわかっているんだけれども、それについて当局は、全くアクションが来ない。そういう計画はあるんだけれども、区画整理事業も、あるいは道路拡張事業も進まないというような、そういう地図だけがあって、現実の動きがないということは大変多くの都民の不満であり、行政不信にもつながっていた節があります。
 ところが、沿道一体整備事業というこの問題は、例えば今まで線を引いて、かかわりのない土地はもうどうぞご自由にしてください、三角の端切れのようなところ、あるいは楕円で使いようのないようなところは東京都は買いませんよというような処理の仕方をしていたのに、少なからず、沿道一帯整備事業というまちづくりと道路行政をつなげるという新しい観点から、今までの道路づくりとは違う姿を都民の前にあらわし始めてきて、それぞれ成果を上げているところであります。
 今まで申し上げたように、道路整備を始めるに当たって、残地、残った本当に小さな狭い土地などが、今まではどうぞ民間のご自由にという話だったんですけれども、具体的に申し上げて、東京都北区の十条地域の補助八三号線、六百四十メーターありますけれども、ここはことしの八月に事業認可を取得しています。
 そこで、沿道一体整備事業に着手をすることになるわけでありますが、改めて沿道一体整備事業について、私のかじった知識じゃなくて、当局の方から沿道一体整備事業の特徴、あるいは今までの都民の声をどういうふうに解決するために編み出された手法なのかということについてお伺いをいたします。

○石川民間開発担当部長 沿道一体整備事業の特徴についてでございますが、この事業は、委員お話しのとおり、主として延焼遮断帯となる都市計画道路の整備を行い、これにあわせて、都と地元区が連携して、住民の意向を反映した沿道でのまちづくりを同時に進める手法でございます。
 一般的に、都市計画道路を整備する場合、十条地区など、特に木造密集地域など小規模な宅地が多い地域では、使いにくい不整形な残地が生じるなど、沿道の合理的な土地利用に支障を来すことが多くなります。これに対して、沿道一体整備事業では、道路整備を進めるに当たり、関係権利者の意向を踏まえた沿道の土地の交換や残地を取り込んだ建物の共同化のほか、組合施行による再開発など、残地を活用するさまざまなまちづくりの手法を駆使して、沿道の合理的な土地利用を図っていくことができます。このことが、沿道一体整備事業の特徴でございます。

○和田委員 あえて申し上げれば、今までの都市計画道路の建設などについては、いわゆる線的なまちづくり、改革でありましたけれども、この沿道一体整備事業というのは、今ご説明あるとおり、面的に広がって、それも不整形な土地、ともすると民間の不動産屋さんには売買などに適さないようなそういうものも含め、全部包含をした形で行政が引き受けて、まち全体の防災も含め、あるいは美観も含め、あらゆるまちづくりの諸要望にこたえていこうという、そういう私は多面的な一つの道路行政の新開地だと思っているんですが、それでは、今までにこの沿道一体整備事業が執行されて成果を上げたまち、あるいは今途上のまちもあるかもしれませんけれども、その都民、関係者の際立った不満も満足も含めた声も紹介いただきたいと思うんです。

○石川民間開発担当部長 沿道一体整備事業は、既に豊島区の東池袋地区、墨田区の鐘ヶ淵地区及び練馬区の土支田・高松地区の三地区で先行的に実施しております。これらの地区においては、道路の用地取得に積極的に取り組む一方で、それにあわせ、沿道のまちづくりについて、地元の意向を把握した上で、街区ごとに具体的な共同化案などについて話し合いを行っております。
 このうち、東池袋地区では、都有地を種地とした一つの街区で、道路事業により移転しなければならない権利者のための代替床を確保しつつ、周辺の宅地を取り込む形での共同建てかえ事業をまとめ、ことしの七月から建築工事を行っております。
 また、鐘ヶ淵地区では、一つの街区において、これまで民間事業者等が道路の残地を集約した再建案を提案し、これに基づき権利者の方々と調整を続けてきておりましたが、その結果、本年三月に関係権利者による合意に至り、本年十二月に建てかえ工事に着手する予定でございます。
 こうした共同建てかえ事業等への参加者や代替床の購入を希望する権利者からは、この地域にとどまれてよかったというお話や、近隣に代替床があるので用地買収に応じる気になったなどのご意見をいただいており、こうしたことで用地の取得が円滑になり、道路整備の促進に役立つなど、沿道一体整備事業の効果が出ているものと考えております。

○和田委員 今の石川部長の答弁のとおり、今までの行政の、大変嫌な、残念な形容ですけれども、木で鼻をくくったという、そういう対応ではなくて、臨機応変にその地域その地域の事情、あるいはそこの権利者の事情に柔軟に対処しているというのが声として上がってきているなというふうに思うんです。今までこういう姿勢がなくて、随分東京都は誤解をされてきました。これを、少なからず沿道一体整備事業は解決をし始めているなというふうに思うんです。
 私は、私の当該の補助八三号線にかかわる難問を一つ提案したいと思うんですけれども、毎年七月一日に富士山の山開きがあるんですね。私どもの補助八三号線のすぐそばに、お富士さんといわれている富士塚という、こんもりとした階段づきの、お富士さん信仰の何十年となく続いてきているほこらがあるんです。そこが偶然にも八三号線に引っかかる。そうすると、区内のPTAの人も夜分なものですから来て、小中学生の交通整理をする消防団も出て、あるいは警察も出て、大変狭い八三号線なものですから、地域、北区も挙げて整備をする。もとよりそこに屋台も出て、夏の宵を子どもたちも、風土的な、民俗的なそういうお祭りに参加をする、富士山信仰にかかわりを持つという形で数万人の人が出てくる。
 そこのところに引っかかってきて、この富士塚を残すか残さないかによって、補助八三号線の帰趨もかかわるぐらいに、それを守っている講の皆さん、それからPTAの皆さん、地域の皆さん、大変関心を持って、ささやかな富士講だとはいいながらも、そこが地域の民俗信仰の基点になっているものですから、ここがどう処理されるかということで、八三号線の沿道一体整備事業のこれからが、また今が問われているというふうに思うんですけれども、この具体的な富士塚の処遇処置については、どういうふうに当局は把握をされていますか。

○遠藤市街地整備部長 十条地区の沿道一体整備事業につきましては、先ほど委員からもございましたように、八月に補助八三号線の事業認可がございまして、事業がスタートしたということでございます。
 それに至ります計画段階におきまして、住民の方から、さまざまな意見をいただいてまいりました。お話の富士塚につきましては、塚の土地の三分の一ほどが道路の計画区域内に入っている。そういったことから、この地区の文化的象徴でもございますこの塚の保全を求める要望をいただいてきたところでございます。
 このため、都は関係者の方々と話し合いを重ねてまいりまして、その結果、塚に隣接いたします消防団の建物の敷地を取り込んで、この塚を再建するということで合意に至っております。今後は、地元区とも連携しながら、合意の具体化に努めてまいります。

○和田委員 今、具体的に民俗信仰の富士塚をどうするかということで、補助八三号線がうまくスムーズにいくかどうかという具体例を提起を申し上げ、既に進行しているということなものですから、こういう事例があちらこちらあると思うんです。ですから、それを一つ一つ、そのまちの特殊性や、あるいは歴史を踏まえて積極的に解決をしていくという姿勢が、ただ単に八三号線を通せばいいよというんじゃなくて、その周辺の沿道のまちづくりを自覚した上で、道路プラスまちづくりという、そういう手法なり姿勢が、これからますますこの沿道一体整備事業について需要がふえてくるし、皆さん方の仕事もやりやすくなってくるんではないかなという予感が私はしております。そのことを申し上げて、これについては終わりたいと思います。
 さて、次は、土地区画整理事業について具体的に入りたいと思うんです。
 私どもの地域の話ですが、田端文士村ということをよくお聞きになる方がいると思うんです。東京北区の田端に、かつて芥川龍之介さんや室生犀星さんといったような詩人、作家が住んだり、板谷波山さんという陶芸家が住んだり、挙げれば切りがない人がそれぞれ住み暮らして、講談社の出版社に近いものですから、原稿を取りに来る昔の小僧さん、あるいはそれぞれが呼び集まって作家文士が集まる、そういう一区画を一時代風靡した場所が田端文士村というところなんですけれども、そのすぐ南側のところに、今、区画整理事業を進めつつある場所があるんです。
 これは全部で七・五ヘクタールある場所なのですが、この上の方に自殺をされた芥川龍之介さんのおうちもあります。さらに、その下の方のところのこの場所なのですが、もうこの白い部分は既に造成が始まっているところ、それからブルーのところはもう契約も終わって、いよいよ建設が始まるよというようなところ、グリーンのところがこれからやろうと、赤いところも今調査をしているところ、この白いところはちょっと通りを離れますけれども、これからやろうというところで、少なくともブルーと灰色の部分については既定方針が固まって動き始めている、そういう状態であります。これの二十年度末決算を迎えるまでの間の進捗状況について、まずお伺いいたしたいと思います。

○遠藤市街地整備部長 現在、東京都が施行しております田端地区でございますが、組合施行による戦災復興土地区画整理事業にさかのぼる長い歴史がある地区でございます。事業半ばで組合が解散したことによりまして、権利関係が不確定となった土地の区域七・五ヘクタールにつきまして、現在都が区画整理事業を実施しているわけでございます。
 平成元年に計画の素案を取りまとめまして、住民説明を開始いたしまして、その後、精力的に合意形成に取り組みまして、平成十年に事業計画の決定を行っております。さらに、平成十七年に換地設計案を発表いたしまして、同時に移転工事に着手をいたしました。
 平成二十年度末におけます進捗率は事業費ベースで六五%でございまして、移転を要する建物、全部で二百九十五棟ございますけれども、そのうちの百四十八棟について移転が完了してございます。

○和田委員 今ご答弁のとおり、この灰色の部分とブルーの部分については、おうちは建っていませんけれども、完成しているといっていい。権利者の皆さんがいらっしゃらない。今、問題は、グリーンのところがちょうど坂道のところなんですけれども、一・二ヘクタールほどあるんですが、ここが、芥川さんなんかの丘の上からずっとおりてきたがけの途上なものですので、大変工事に難儀をされているというふうに聞いているんです。
 ここのところはおり切ったところですから、うまくこの近くの谷田川という川が通っていて低いものですから、余り難易度が高くなかったんですが、ここのちょうど丘の上から下ってくる部分の問題が取りざたされており、とりわけ埋蔵文化財のことがいわれているんですけれども、これと工事の進捗との関係について、何かお知りでいらっしゃいますか。

○遠藤市街地整備部長 今、委員からお話ございましたこの地区の北側約一・二ヘクタールの区域につきましては、埋蔵文化財包蔵地ということで指定された土地が含まれてございます。したがいまして、工事に先立って埋蔵文化財の発掘調査を行う必要がございます。
 このため、埋蔵文化財を所管いたします教育庁と連携して説明会を行いまして、発掘調査に伴って、仮移転の期間が通常より約一年長くなることを説明いたしまして、地権者の方々の理解を得ております。現在、建物の解体が完了したところから順次調査が入れるように準備を進めております。

○和田委員 土地の造成をしていくときに、かつて古い歴史がある地域はどうしても埋蔵文化財の問題が出てきます。私はよくわかりませんが、例えば、国分寺市などというところは、国分寺というお寺があったといわれるくらいに古い伝統があると。これは必ず、例えば関係の土器だとか遺構が出てくる。そうすると、そこは売買が簡単にできないから、不動産価格にまで、埋蔵文化財の包蔵地域だというと影響するんじゃないかという、確たる根拠はないんだけれども、そういう話も耳に入ることがございます。
 したがって、今回のこれについても、いろいろな戦後の組合から始まって、それが行政にお任せをしてここまで住民合意ができてきている中ではありますけれども、ここを綿密に埋蔵文化財をしっかり調査していくと、売買収とは別に、調査だけで一年プラスアルファするということになるんですね。そうすると、こちら側はどんどん進んでくる。ここだけは残される。それも単なる--大事なことですけれども、文化財の調査に一年、春夏秋冬、全部ここで費やされるということになってしまうわけです。
 これもまた、教育庁という今お話がございましたけれども、この調査を簡単にしろとは私はいいません。だけど、少なからず、この二十二ブロックが出てきている遺構と二十五出てきているブロックが、二十五の遺構が三百年も四百年も相違するわけがないんで、ほぼ二十二ブロック出てきているのは、二十五のこの部分と類推される文化圏を構築していると思うわけですから、それは別に早くやれという意味で、ただ単に急がせるわけではないのですけれども、単純にのんびり歯ブラシのようなもので学生さんが遺構を丁寧にやる。そしてまた、はけのようなもので丁寧にのんびりやる。それは文化財の調査のためにはいいかもしれないけれども、再開発を担ってきた人たちからすると、その丁寧さももちろんいいんだけれども、スピードも求めていますよということも聞くんです。
 でも、ここにいる人たちの何人かから私聞くと、判断して決断したはいいけれども、埋蔵文化財に出会っちゃって一年空転だよ、その間仮住まいだよという話になっているんですね。したがって、ここの文化財調査を軽々しくしろとはいいません。決していいません。しっかりやりながらも、効率よく、一年を例えば十カ月、八カ月で終わるというぐらいの当局サイドから関係、教育庁に向けてのしっかりとした働きかけも必要なんではないか。担当が違うから、教育庁だから任せるよ、遺構調査というのは時間がかかるもので一年だというふうにあきらめ切らずに、仮住まいを一年する人の身になってみたら、私は、ここは、それこそ沿道一体整備事業の柔軟で、そして積極的な姿勢からするならば、これはちょっと区画整理と違いますけれども、そういう姿勢をここに持ち込めば、十二カ月、一年といわずに、たとえ一カ月でも二カ月でも早く調査が終わるような努力を当局にしてもらう、関係者にもしてもらうということで、北区を問わずに、どこでもこの遺構調査の問題は頭を抱えていますけれども、しっかり調査をした上で、そういう配慮もしていくべきがこれからの区画整理事業の一つのかなめになってくるのかなというふうに思うものですから、これは強く要請をしておきたいと思います。
 それでは、次の質問でありますけれども、今申し上げた急な坂のところです。高低差は、十五メーターかもっとあるかもしれないなと思うぐらいずっとあるところで造成されるわけでありますから、相当これは、今出てきた豪雨による土砂とか何かの問題もあるかもしれませんで、どういうふうな留意をした上での造成をされようとしているんでしょうか。

○遠藤市街地整備部長 委員からお話ございましたように、この地区、台地から川筋に向かって傾斜した地形となってございます。地区全体で高低差約十四メーターほどございます。このうち、今年度施行する区域だけとってみましても、約十メーターの高低差がございます。このような地形でございますので、宅地につきましては擁壁を設置いたしまして、その安全性を確保いたしますとともに、区画道路につきましては、極力安全な道路勾配とするなど、設計上の配慮を行ってまいりました。引き続き細心の注意を払って、工事を実施してまいります。

○和田委員 二十年度決算を受けて、そういうご覚悟というか決意をちょうだいしましたが、それでは、二十二年度に向けて、あるいは二十一年度でも後半に向けて、今後の事業の見通しなどについての意欲をお伺いするんですが、さきに申し上げた埋蔵文化財の一年かかっての調査というようなことも含め、できるだけ短縮をして、民意に沿った形での土地区画整理事業の推進ということの気持ちも含めてご答弁いただきたいと思います。

○遠藤市街地整備部長 この地区の工事の予定でございますけれども、二十二年度につきましては、引き続きこの地区の北側の区域におきまして、遺跡の発掘調査と埋蔵文化財の発掘調査と工事を実施してまいります。それと、西側の区域におきましても、移転工事に着手することとしております。さらに、二十三年度につきましては、田端駅前通りを挟んだ東側の地区におきまして、移転工事に着手してまいります。これらによりまして、七・五ヘクタールの地区全体で、ほぼ全域で工事を実施することとなります。
 今後とも、建物の移転と工事、さらには遺跡、埋文調査との緊密な連携を図りまして、二十五年度の完了を目指して事業を推進してまいります。

○和田委員 二十五年度の完成は、一年間の埋蔵文化財調査の間、このグリーンのブロックを仮移転したまま休眠状態にしておいた結果の二十五年完成というふうに理解を、それからもちろんこの赤いところもやるんですけど、全体の七・五ヘクタールの完成だというふうに理解しているんですが、予期せぬ埋蔵文化財でありますけれども、今申し上げたように、できる限り関係当局と話をしながら、正しい調査をしながらも、しかしスピーディーに上げていくといういい前例をつくっていただきたいと思うんです。
 一たび出てくると、決まったように一年間の調査期間だということが当たり前のようにいわれていますけれども、そうではなくて、正しい調査活動をしながらも十カ月で上げる、あるいは九カ月で上げる、そういうゴールを先に切った上で--ある程度、規模によります、ここで国宝級のものが出るとは決して思われませんけれども、そういう予測も含め、柔軟にかつ正確に遺構保存も含め、記録保存も含めてやるということの大変難しい要求になりますけど、ぜひお願いしておきたいというふうに思います。
 次に、都市整備局が関係し、そして公共事業、とりわけ区画整理事業などの移転に伴う移転貸付制度についてお伺いいたしたいと思います。
 これについて、まず概略の説明をお願いします。

○遠藤市街地整備部長 移転資金貸付制度でございますが、公共事業の施行に伴う移転資金貸付条例に基づきまして、都が施行する土地区画整理事業、市街地再開発事業などによりまして移転が必要となった権利者に対しまして、生活再建に必要な資金を貸し付けるという制度でございます。例えば、移転を機に、二世帯住宅やバリアフリー住宅を取得しようとして、移転補償金や自己資金だけでは資金が不足する場合、このような場合がこれに該当いたします。
 都では、資金調達が困難であること、借入金の返済能力が十分であることなど、一定の要件を満たす権利者に対しまして、担保物件に抵当権を設定することを前提といたしまして、移転補償金の額の二分の一以内、三千万円を限度といたしまして、貸し付けを行っているものでございます。

○和田委員 これも決算資料を見ますと、収入済額は約三億--収入済額ですよ。歳入の面ですが、それで執行率は六二%という数字になっています。もとより、一たん貸し出したものの返済というか、収入でありますから、それなのに簡単に九〇とか八五という数字にはいかないと思います。事情があるでしょう。しかし、六二という執行率を二十年度は一つの数字を示しておりますとおり、この件数も六百七十一件、決算資料では数字が出ています。六百七十一件の権利者が三億円の再建資金を借りているというような過去があって、それで戻してきたのが三億というような形で、六二%の執行率というふうになります。
 収入済みの規模については六百七十一件が返ってきて、その金額が三億円というふうな、資料の二八ページ、歳入のところに載っていますけれども、それはそういう確認をした上で、この制度が多くの方に信頼されながら利用されているという数字を、三億円の収入済額の数字も含めて、私自身知ったわけでございます。
 具体的に申し上げると、担保物件がない都民がいるとすると、この条例ではどんなふうに対応されているのかと。また、利息だとか返還、償還方法、それについてはどんな配慮が関係者にはなされているんでしょうか。

○遠藤市街地整備部長 条例では、移転先が借家であるなど、相当の理由がある場合に、五百万円を限度といたしまして、担保の提出を免除して貸し付けを行うことができるよう定めております。また、利息につきましては、現在年利一・六%で、二年間無利息据え置きとしてございます。
 また、償還方法につきましては、元利均等半年賦、元利金等月賦、またはこれらの併用による償還、これら三つの中から申込者が選択できることとなってございます。
 このように、本制度につきましては、権利者の生活再建が円滑に進むよう利息を低利に抑えるとともに、移転に伴う一時的な収入減を考慮して据置期間を設けるなど、十分な配慮を行ったものとなってございます。

○和田委員 五百万円を限度で、借家などの住環境の条件もありますけれども、担保ができない場合でも五百万円を限度に云々ということになっている。実際生活している人の立場を理解した上での年利一・六%、二年間無利息据え置きとか、そういう東京都の姿勢がはっきり出た形ではないかなと思うんです。
 私が調べた範囲では、この種の移転資金貸付制度というのは全国にありません。東京都だけがやっていて、それも東京都が、例えば都市整備局が金融機関を紹介するとか、あるいは財務局の方で紹介するとかというんじゃなくて、直貸しをしているんですね、皆さんのところが。この例は、いろいろな意味で全国的にまれな例で、なおかつ行政が、先ほどの五百万までは借家なんかも含め、条件が整えば無担保でも貸すよというような事業推進の意欲が込められた制度だと思っているんですけれども、この審査方法はどういうふうになっているんですか。

○遠藤市街地整備部長 都は、移転資金の貸し付けに関しまして審査会を設置してございます。申込者から提出されました資金計画や源泉徴収票などをもとに、審査会におきまして、返済能力や担保の有効性、再建計画の妥当性等の観点から審査いたしまして、貸し付けの可否や貸付額などを決定しております。

○和田委員 東京都が編み出して、余り目立たないけれども全国に誇り得る事業執行の、裏補償といいましょうか、裏事業として、こういう隠れた呼び水的な政策をやっているということを、私は調べて大変感激をしたという表現を使ってもいいと思うんですが、知ってびっくりしました。先ほどの沿道一体整備と同じように、徐々に行政はやわらかく、その利害関係者に道を開きつつあるなという事例をここで知ったわけです。
 最近の貸し付けの執行状況、それについて最後にお答えください。

○遠藤市街地整備部長 執行状況でございますが、平成十九年度は予算額六千三百万に対しまして、三件で一千八百五十万円、平成二十年度は予算額六千三百万に対しまして、二件で一千四百五十万円、今年度につきましては、予算額六千三百万円に対しまして、九月末現在でございますが、二件で三千九百万円、これを既に貸し付けを実施しているところでございます。なお、移転が最盛期を迎えていることもございまして、問い合わせの件数はふえる傾向にございます。
 移転貸付金制度につきましては、移転を円滑に進める上で有効なものというふうに考えておりまして、今後もさまざまな機会をとらえまして、より丁寧な周知、説明に努めてまいりたいと考えております。

○和田委員 私が調査したところによると、その対象には、花畑、それから瑞江、それから田端、六町とかそういう地域が、これはプライバシーもあるから公にできませんけれども、こういう恩恵に浴して、人によっては一千百万、五百五十万円とか、それぞれが自分の思いのたけで窓口に行って、そういう融資を受けている、貸し付けを受けているということで、私はこれにまた注目をしていきたいと思っているし、都民にももっと知ってもらおうと、ここで私なりにも、いろいろなときにこういう話をしていきたいと思うんです。
 最後に、都営住宅のエレベーターについてお話を申し上げます。
 先ほど来出ておりますけれども、東京都も年々高齢化が進んでまいりました。都営住宅にお住まいいただいている世帯のうち、六十五歳以上の世帯主が、先ほど来出ておりますけれども、五六%とか出てきています。問題は、既設の都営住宅のエレベーター設置の必要性はますます高まっている。この状況を、高齢化と都営住宅のエレベーター設置の相関関係、どういうふうに把握をし、どのようにこの解決に取り組んできているんでしょうか。経過をお伺いします。

○荒川営繕担当部長 都営住宅では居住者の高齢化が進んでおりまして、エレベーターの設置はバリアフリー促進に大きく寄与するものと認識してございます。このため、費用対効果や敷地の形状、建築基準法の規制、居住者の同意状況などを勘案しまして、一定規模以上の住棟にエレベーターを順次設置してございまして、平成三年度から二十年度までにおおむね千百基設置してございます。

○和田委員 都営住宅は、階段によって二つに分かれますね、廊下型と階段型と。一階階段上がっていって右左へ入っていって、階段上がって右左、ですから横には行けない。もう一つは、二階から横にずっと行ける、三階からずっと行ける、これは廊下型というようですけれども、廊下型だと一基つければずっと横に行けるわけですから、遠い近いは別にして、エレベーターの恩恵に浴せる。
 ところが、階段型というのは、上がっていって右左に一基、それから右左に一基ですから、〇一、〇二、〇三とか、〇五まであって三基つけなきゃならない、左右ですから。そして、かてて加えて、踊り場につけて上に上がっていくのには六、七段上に行く。下がるときには、その踊り場から、六、七段おりて自分の階数までおりるというふうに、廊下型と違って、完全にエレベーターのバリアフリーは味わえないんですね、階段室型というやつは。
 そこのところのデメリットはあるにしても、やはり我々がまち場で聞いてみると、ラーメンの配達に四階に来てもらうのに、ラーメンが五百五十円だとすると、百円台、移送料を払ってくれといわれる。あるいは、冬場になって灯油を運んでくれというふうに電話をすると、灯油のポリタンクを持ってくるのに、同じく何がしかの、灯油費用とは別に払ってよといわれて、それも当たり前のように、その団地の中では、岡持ちも含めて持ち上がるときに、そういう消費税プラスアルファが出てきているというのが実態なんです。自分が食べていければいいけれどもと、そういうふうになる。これも、エレベーターのあるなしによって、ラーメン屋さんなり灯油屋さんはエレベーターがあれば取らないのかもしれません。だけど、岡持ちで三階、四階、五階へ行くのはちょっと百円ぐらいに値するなと思えば乗せられる。隣の店が乗せたから自分も乗せちゃえなんていう人もあったりして、都営住宅に住む高齢者のある意味では不利益が、少なからず平地に住んでいる高齢者とは違う意味であるというふうに私は考えているんです。
 それで、このエレベーターに固執をするわけでありますけれども、最近、先ほど申し上げた階段型のエレベーター設置を望む声が多いんでありますけれども、廊下型で今までずっと行ってきた東京都のエレベーターの敷設のあり方が階段室型に移行してきた背景というのは、都民から、あるいは関係者から強い要請があったとか、変化を皆さん方にお与えするような何かがあったから変えたんですか。

○荒川営繕担当部長 先ほども申しましたけれども、既設の都営住宅のエレベーターの設置につきましては、費用対効果、敷地の形状、建築基準法の規制等々、あるいは居住者の同意状況などを勘案する必要がございます。
 委員のご指摘のとおり、階段型住棟は階段室ごとにエレベーターを設置しなくてはならないため、エレベーター一基当たりの住戸数と設置費用の兼ね合いを考慮する必要がございましたが、四人乗りの小型のエレベーターが低コストで新たに開発されたことを踏まえ、設置することとしたものでございます。

○和田委員 確かに、階段型と廊下型では、廊下型は一基つければ大体五千万といわれているようですけれども、そうすると、五千万で一棟全部カバーできるんですが、階段室型だと、先ほど来いった一〇一から一〇五まで行く間には三基つけなきゃならない。大体一千五百万だといわれていますから、四千五百万ぐらい、三基つけるとですね。そうすると、ほぼ廊下型をつけるのと同じぐらいのコストがかかるというようなことから、当局の方は、今までは相当この問題に頭を痛めていたようなんですけれども、技術開発もあったりして、平成十二年から百三十基つけるような実績も上がってきているようです。ますます声があれば、この費用対効果も含めてでありますけれども、何しろ、はってでなければ階段に上がれないような人が、まじめなところでいるんですね。はって階段を上がる、はっておりてくるような人がいるんですよ、私どもの知り合いの中にも。なおかつ、出前には百円だか五十円だか乗せられちゃうというような人が都営住宅の中に暮らしているということ自体、知らない人は奇異に感ずるかもしれませんが、現場はこれほどまで悲惨な状態だということをぜひ理解いただきたいと思うんです。
 それで、階段室型の住棟へ例えば設置希望するという場合に、従来の設置希望と同じような形の手法なのか、あるいは何らかの新しいやり方がそこにあるのか、お答えいただきたいと思います。

○荒川営繕担当部長 まず、廊下型の住棟のエレベーターは五千万ではなくて、約三千五百から四千万、平均になってございます。
 階段型住棟へのエレベーターの設置についてでございますけれども、先ほども申しましたとおり、建設費や維持管理に要する費用などの面から、五階建て三十戸以上の住棟を対象としてございます。エレベーターの設置に当たりましては、団地自治会からの要望を受けまして、敷地の形状、建築基準法の日影規制などにより設置の可否を検討しまして、可能な住棟に設置しているところでございます。

○和田委員 勝手に五千万円といったこと、訂正します。一棟三千五百万、それで三基つけると四千五百万ですから、三基つけた方が、廊下型一基つけるよりも割高になるという数字上のコストの問題が出ていたことも事実だと思うんです。
 さて、そこで、昭和四十年代に盛んに都営住宅が建てられて、盛んに当時の若者というか、中年になった人が入っていきました。それから四十年をけみしてみると、当然、四十年、年をとっているわけでありますから、建てかえあるいはエレベーター設置という声が皆さん方のところに届いていると思うんですけれども、より一層、高齢化問題の一環として都営住宅のエレベーター化というふうにとらえていくと、先ほどの経済的な問題、健康の問題というようなことも含め、いろんな背景を背負いながら都営住宅のエレベーター化というのはそこに存在しているというふうに思うんですけれども、階段室型あるいは廊下型も含め、エレベーターの設置についての積極的な姿勢を問いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○荒川営繕担当部長 階段室型に限らず、廊下型住棟も含めてなんですけれども、エレベーターの設置につきましては、先ほどから答弁してございますけれども、団地自治会からのまず要望を踏まえまして、建てかえ事業との整合を図りつつ、敷地の形状、建物の構造、建築基準法の規制などを総合的に勘案しまして、今後とも適切に対応してまいります。

○和田委員 都営住宅のエレベーターと高齢化、東京都の高齢化という問題について、四、五問の問答をさせてもらいました。
 私は、先ほども申し上げたとおり、お年寄りが戸外に出て情報交換をしたり、あるいは健康づくりに励んだりすることによって、先ほど来も出ましたが、独居死だとか孤独死、あるいは認知症の問題とか、交わりの問題とかいろいろあります。外に出やすいような環境をつくる一つの手法として、エレベーターの設置というのも、大きな東京都の高齢化社会の諸課題のうちの一つを解決するツールになるのではないかなということを申し上げ、意欲を持って、階段室型あるいは廊下型を含めて、高齢者の都住住民の方々が戸外での自己啓発ができるようなことを強く要望して、私の質問を終わります。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
   午後五時十九分散会

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