各会計決算特別委員会速記録第三号

平成二十年十一月十二日(水曜日)
第十二委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 三十一名
委員長遠藤  衛君
副委員長矢島 千秋君
副委員長東野 秀平君
副委員長山下 太郎君
理事神林  茂君
理事山口  拓君
理事谷村 孝彦君
理事林田  武君
理事中村 明彦君
理事大山とも子君
遠藤  守君
米沢 正和君
鈴木 章浩君
河野百合恵君
高倉 良生君
早坂 義弘君
たぞえ民夫君
橘  正剛君
吉倉 正美君
服部ゆくお君
山口 文江君
今村 るか君
吉田康一郎君
斉藤あつし君
泉谷つよし君
田代ひろし君
崎山 知尚君
村上 英子君
石毛しげる君
串田 克巳君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
会計管理局長三枝 修一君
教育長大原 正行君
知事本局長吉川 和夫君
総務局長中田 清己君
財務局長村山 寛司君
主税局長熊野 順祥君
生活文化スポーツ局長秋山 俊行君
都市整備局長只腰 憲久君
環境局長有留 武司君
福祉保健局長安藤 立美君
産業労働局長佐藤  広君
建設局長道家 孝行君
港湾局長斉藤 一美君
青少年・治安対策本部長久我 英一君
東京オリンピック・パラリンピック招致本部長荒川  満君
病院経営本部長中井 敬三君
中央卸売市場長比留間英人君
選挙管理委員会事務局長矢口 貴行君
人事委員会事務局長中村 晶晴君
監査事務局長白石弥生子君
労働委員会事務局長関  敏樹君
収用委員会事務局長野口  孝君
議会局長高橋 道晴君
警視庁総務部長高橋美佐男君
消防総監小林 輝幸君

本日の会議に付した事件
平成十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(質疑)
・平成十九年度東京都一般会計決算
・平成十九年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成十九年度東京都地方消費税清算会計決算
・平成十九年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
・平成十九年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
・平成十九年度東京都心身障害者扶養年金会計決算
・平成十九年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
・平成十九年度東京都農業改良資金助成会計決算
・平成十九年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
・平成十九年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
・平成十九年度東京都と場会計決算
・平成十九年度東京都都営住宅等事業会計決算
・平成十九年度東京都都営住宅等保証金会計決算
・平成十九年度東京都都市開発資金会計決算
・平成十九年度東京都用地会計決算
・平成十九年度東京都公債費会計決算
・平成十九年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
・平成十九年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

○遠藤(衛)委員長 ただいまから平成十九年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 これより決算の審査を行います。
 平成十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 また、去る十月八日から各分科会に依頼してありました局別審査につきましては、お手元配布のとおり、報告書が提出されました。
 朗読は省略いたします。

    〔分科会審査報告書は本号末尾に掲載〕

○遠藤(衛)委員長 これより質疑を行います。
 この際、一言申し上げます。
 質疑に当たりましては、さきにご決定いただきました委員会実施要領等に従いまして運営してまいります。委員の皆様方には、円滑かつ充実した審査が行われますよう、ご協力をお願いいたします。
 なお、持ち時間につきましては、終了五分前に振鈴で一点、時間満了時に二点を打ち、お知らせいたします。質疑時間はお守り願います。
 理事者に申し上げます。
 答弁に際しましては、質疑の要旨をよく把握し、簡潔明瞭に答弁されるよう、お願いをいたします。
 なお、発言の際には、必ず職名を告げ、委員長の許可を得た上で発言されますよう、お願いをいたします。
 これより順次発言を許します。
 鈴木章浩委員の発言を許します。

○鈴木委員 決算説明書に記載のあります国民保護計画事業に関連して、何点かお伺いいたします。
 本年八月に開催されました北京オリンピックでは、テロ防止に向け北京市内の随所で厳戒体制がしかれていたことは、記憶に新しいところであります。世界の各地ではいまだにテロが頻発し、国際社会ではテロ対策が大きな課題となっております。
 米国の同時多発テロを契機に、日本政府もテロ対策を進め、入国管理等の法令の改定や国際協力に取り組んでいるところであります。
 こうした中にあって、東京の安全性に対する評価は高く、このことは国内外に誇るべきことでありますが、来年にオリンピック開催都市の決定を控え、東京の安全性をさらに確かなものとするために、世界に強くアピールしていくべきだと考えております。
 そこで、テロ防止策について何点かお伺いいたします。
 まず、平成十九年度にテロ対策としてどのような事業を実施したのか、お伺いいたします。

○中田総務局長 都民の生命や財産をテロから守るためには、テロへの対応力の強化が重要であります。このため、平成十九年度には、十一月に、警察、消防、自衛隊等関係機関と連携いたしまして、大規模テロ災害対処に向けました図上訓練を行うとともに、神経を麻痺させますVXガスを用いたテロを想定した実動訓練を行ったところでございます。
 さらに、テロの対象となりやすい大規模集客施設を運営する事業者や区市町村を対象としました危機管理に関する事業者セミナー等を開催し、危機意識の醸成と情報の共有化を図ったところでございます。

○鈴木委員 関係機関や事業者等との連携を図りながらテロ対策を推進することは、本当に重要なことであると思っております。
 テロは一たび起きれば甚大な被害が生じます。例えば、二〇〇五年、平成十七年にイギリスのグレンイーグルズで開催されたサミットでは、会場から遠く離れた首都ロンドンで、地下鉄三カ所、路線バス一カ所、合わせて四カ所で同時多発テロが発生し、死者五十七人、負傷者七百人以上の多くの犠牲者が発生しました。犯人は国際テロ組織イスラム過激派とされており、アルカイダから犯行声明もあったと伺っております。
 日本もイスラム過激派からはテロの標的として名指しされ、昨年三月には、米軍に拘束されているアルカイダ幹部の供述により、在日米国大使館を破壊する計画があったことが明らかになっております。
 こうした中、本年七月に洞爺湖サミットが開催されました。サミットに際しては、開催地である北海道だけでなく、政治、経済の中枢機能が集中する首都東京でのテロ発生の危険性が指摘されておりました。このため、今回のサミットでは、北海道のテロ警戒のために全国からの応援を得て約二万一千人、また、東京の警備にも北海道と同程度の二万一千人の警察官を動員したと聞いております。
 幸い今回のサミットでは、テロの発生を防止することができたわけでありますが、平成十九年度のテロへの対応を、今回のサミットに備え、都はどのように発展拡充させ、未然防止を図ったのかをお伺いいたします。

○中田総務局長 テロを未然に防ぐためには、テロの危険性を早期に発見し対処する必要があるため、洞爺湖サミットに備えまして、官民を挙げた取り組みを推進いたしました。具体的に申し上げますと、従来のテロ発生後の対処訓練とは異なりまして、不審物発見時の対応や避難誘導など、テロの未然防止を重視した訓練を民間事業者等と連携して四月に実施いたしました。
 さらに、行政や警察、消防、自衛隊を初め民間事業者や町内会、商店街などの地域団体から成ります東京都テロ警戒推進本部を五月に設置し、地域での巡回や大規模集客施設等におけます自主警戒の強化等を図るなど、テロの未然防止に努めたところでございます。

○鈴木委員 こうした地域を巻き込んだ官民を挙げた取り組みは、非常に重要なことであります。この取り組みを一過性のものとすることなく、さらに発展させるべきであると考えております。
 諸外国を見渡したところ、官民を挙げた取り組みを進める先進的な事例として、イギリスの取り組みが参考となると考えております。イギリスでは、犯罪防止と秩序の維持を図るため、地域を単位として、警察、行政、事業者、地域住民等が連携した組織が一九九八年に法制化されております。現在、ロンドンでは、各行政区を含め、合わせて約四百の組織がつくられていると聞いております。こうした取り組みでは、地域において行政や警察などの各機関と事業者や地域住民が連携し、犯罪を減らすためのさまざまな取り組みを進め、実際にテロを未然に防止するなど大きな成果を上げていると聞いております。
 イギリスでは法律により関係者及び各機関の協力関係が規定されているが、日本においても、法制度化しないまでも、首都東京にふさわしい、関係機関、事業者、地域団体と連携し、より広範かつ横断的な取り組みを進め、テロ防止に役立てるべきと考えております。
 そうした中で、今後のオリンピック招致に向け、官民を挙げた取り組みを一層強化していくべきと考えておりますけれども、ご所見をお伺いいたします。

○中田総務局長 オリンピック開催都市にふさわしい安全・安心を確保するには、官民を挙げた取り組みを一層推進することが重要でございます。このため、今月七日には、東京ビッグサイトにおきまして、警察、消防、自衛隊に加えまして、鉄道や大規模集客施設の事業者など十三機関の協力、参加を得まして、大規模テロ対処訓練を実施いたしました。
 また、警視庁と連携いたしまして、ライフラインや集客施設の事業者など四十二団体から成るテロ対策東京パートナーシップ推進会議を今月六日に発足させ、官民挙げたテロ防止策を継続的に推進する体制を構築いたしました。
 今後、この推進会議のもと、区市町村や地域団体なども含め、都全域にわたるテロ防止対策を強化し、東京の安全確保に全力を尽くしていきます。

○鈴木委員 平和の祭典であるオリンピック、パラリンピック招致のために最も重点を置かなくてはならないことが、安全のアピールであり、テロ防止であることは、本当に悲しい現実であると思っておりますけれども、主催する国としての責任において万全の対応が重要であると考えております。今後ともテロへの継続した取り組みが必要であり、関係機関、事業者、地域団体と一体となり、テロ対策を強化していくことを要望して、次に移らせていただきます。
 平成十九年度各会計決算特別委員会の全局質疑に当たり、新公会計制度及び危機管理について何点かお伺いいたします。
 まず、新公会計制度についてですが、これまで各分科会において局別の審査が行われてまいりましたが、昨年度から官庁会計に複式簿記・発生主義会計の考え方を加えた新公会計制度による財務諸表についても各局から資料が提出され、質疑の対象となっております。今年度は二回目となり、初めて財務諸表の経年比較ができるようになりました。
 振り返れば、石原知事就任以来、足かけ八年という歳月を経て東京都会計基準を策定するとともに、財務会計システムを再構築し、平成十八年四月に新公会計制度導入に至ったものであります。これは、国及び全国の自治体を通じて、我が国の行政として初めての取り組みでありました。
 折しも、その六月に、北海道夕張市の財政破綻が明るみに出ました。いわゆる夕張ショックにより、資産や負債の全体像が見えにくいというこれまでの官庁会計の限界が露呈し、自治体の財務状況の透明性が一層求められるようになりました。まさに全国に先駆け、複式簿記・発生主義会計を導入した都の先見性が明らかになったものと評価しております。
 そこで、二度にわたる本格的な財務諸表を作成した今、都が導入した新公会計制度の意義について、改めて所見を伺います。

○三枝会計管理局長 従来の官庁会計が現金の収入や支出を記録するのみでございますのに対して、複式簿記・発生主義会計では、土地、建物などの資産や、都債などの負債といったストック情報が明らかになるとともに、資産の老朽化に伴う減価償却費など正確なコスト情報も把握できるものでございます。
 都におきましては、これまで作成した財務諸表により、減価償却費と固定資産との関係を分析いたしました結果、社会資本ストックの将来的な更新需要が明らかになった、このことから、基金の積み立てを図り、安定的な財源の確保に努めることといたしました。
 また、多額の収入未済が計上されたことから、債権管理のより一層の適正化を図るため、東京都債権管理条例を制定し、全庁的な債権管理の体制強化を進めるなど、新公会計制度は効率的、効果的な行財政運営の展開に資するものとなっております。
 こうした例に見られますように、地方行財政全般にわたる改革を進めていく上で、新公会計制度を導入することはもはや避けて通れないものとなっている、かように認識をしております。

○鈴木委員 私は、東京都のこの取り組みというのは、税収を純資産変動計算書に収入として計上したり、また、取得原価を基準に計上したりという点においては、制度の趣旨に重点を置いて取り組んでいるものと本当に評価しております。
 本来はこうしたことを国が率先垂範すべきと私は考えておりますけれども、今まで国はこうしたことになかなか取り組んでまいりませんでした。そして、ようやく十八年四月に総務省が研究会を設置して、自治体の公会計制度改革についての検討を始めて、総務省方式改定モデルと基準モデルという二つの公会計モデルが提案されたわけでありますけれども、先ほど述べましたように、東京都の今までの取り組みというのはその先をいっているものと私は思っております。
 その上で、全国の自治体に対して財務諸表を作成するよう要請を行っておりますが、総務省は地方自治体に対し具体的にどのような要請を行い、東京の各自治体においてどのような状況にあるのかをお伺いいたします。

○三枝会計管理局長 総務省は、昨年十月、資産・負債改革や地方財政健全化法の施行を踏まえ、町村も含めたすべての自治体に対し、平成二十一年度、すなわち来年度から財務諸表を作成し公表することを、通知により要請しております。
 また、これまで東京の多くの自治体が何らかの方式により財務諸表を作成してきておりますが、島しょの町村についてはこれまで財務諸表を全く作成していない状況にございます。

○鈴木委員 来年度には財務諸表を整備しなければならない状況において、二〇〇八年三月までの固定資産残高などを評価する必要がある中では、残された時間が本当に少ないという状況の中、対応が必要であると私は思っております。
 これまでも都は、大規模説明会の開催や個別の依頼に基づく説明などにより、多くの自治体に対し都の新公会計制度について説明してまいりました。昨年度からは、我が党の提案により、都の新公会計制度の導入を積極的に検討している自治体に対し、団体の要望に応じて実務的、技術的助言等を行うコンサルティング活動も実施しており、さまざまな普及、支援活動に取り組んでおります。
 すべての自治体が来年度から財務諸表を作成、公表すべきとされている状況の中で、各自治体に対し、都はどのような支援策を考えているのかをお伺いいたします。

○三枝会計管理局長 これまで都は、東京の各自治体を初めとした他の自治体に対しまして、都の新公会計制度の導入を推奨してきたところでございますけれども、お話しのような状況を踏まえまして、取り組みの進んでいない団体に対して、新たに東京都方式簡易版を提案することといたしました。
 これは、決算組み替え方式によりつつも、都の財務諸表とほぼ同様の勘定科目体系を有する財務諸表を短時間で作成できる方法でありまして、都の新公会計制度を本格的に導入するまでの過渡的な取り組みとして、島しょの町村を初めとした東京の各自治体に対し紹介、推奨してまいりたいと考えております。
 今後とも、相手自治体の状況や要望に応じまして、都の知見とノウハウを積極的に提供してまいります。

○鈴木委員 東京の各自治体にとって過渡的な取り組みとはいえ、都の新公会計制度の導入に向けての選択肢がふえるということは、普及活動の一環として評価できるものと考えております。
 私ども都議会におきましても、地方公会計制度改革を推進させるべく意見書を採択しました。都など先行して取り組んでいる自治体の事例を参考にして、地方自治体の広範な参画のもとに、全国標準となり得る公会計基準の作成を国に要請したところであります。今後も地方自治体のリーダーとして、我が国の公会計制度改革の推進に寄与していただきたいと思っております。
 次に、新公会計制度による連結財務諸表についてお伺いいたします。
 都には複数の公営企業会計が存在するほか、多くの監理団体があります。平成十九年度の財務報告書では、それぞれの経営主体別の財務諸表を作成するとともに、その経営状況の分析を行っており、それぞれの経営主体が現在どのような財務状況になっているかがわかります。
 また、これらの団体等を合算した連結財務諸表も作成しております。
 監理団体等は、都からの補助事業や委託事業を実施し、都の行政施策を補完する役割を担うなど、都のみならず監理団体等が役割分担に応じて複合的に関連しながら都民サービスを提供しております。このことは、監理団体等を含めた都全体が、いわば巨大な企業集団となっているともいえ、都と監理団体等との財務上の関連性はますます重要になっていると思っております。
 こうした中、これらの団体等を含めた連結財務諸表を作成し、東京都全体の資産や借入金などの負債を把握することは、個別の団体等ごとではつかみ切れない都全体の実態をとらえることができ、都民に対する説明責任を果たす上で大変意義深いことと考えております。
 また、民間企業においても連結が基本となっております。
 平成十九年度の東京都全体の貸借対照表を見ますと、普通会計の貸借対照表と比較したところ、資産が約一・五倍の四十五兆六千億円、負債は約二倍の十六兆八千億円と非常に規模が大きくなっております。しかしながら、この全体の貸借対照表のつくりは、民間企業における連結財務諸表と異なり、各会計や監理団体等との取引について、公営企業会計や株式会社に対する出資金以外相殺消去を行っておりません。また、財務諸表については、貸借対照表は資本金以外をすべて合算したものと各会計や監理団体等のものを並べて表記し、行政コスト計算書等は各会計や監理団体などのもののみを並べて表記しております。
 そこで、都がこのような財務諸表を作成している理由や背景について、また、課題などがありましたら、そのことについてもお伺いいたします。

○村山財務局長 連結財務諸表につきましては、都は石原知事就任以来、平成十年度決算時から既に機能するバランスシートとして連結した財務諸表を作成しておりまして、この点でも国に先駆けてきております。
 これは、都の財務状況を正確に把握するには、普通会計だけでなく、出資や補助、貸し付けなどを通じて分かちがたい関係にあります公営企業、あるいは監理団体を含めた全体像を把握することが不可欠であるという認識に基づくものでございます。
 その際、ご指摘のように、各会計、団体の財務諸表を併記する方式を採用しておりますが、これは、対象範囲の債権債務を完全に相殺消去してしまいますと、都から監理団体への貸付金の状況、あるいは都と各団体との間の財務上の関係性が逆に見えにくくなるということによるものでございます。
 また、都の全体財務諸表におきましては、貸借対照表のみを合算いたしまして、行政コスト計算書については合算をいたしておりませんが、都の場合、普通会計と公営企業会計、監理団体である株式会社あるいは財団法人など、それぞれ適用される会計基準が大幅に異なっておりますので、それぞれのコストを合算いたしましても、財務状況を必ずしも的確にあらわす指標とはならないなど、技術的な問題について配慮したものでございます。

○鈴木委員 私も、民間企業と同様の連結財務諸表を作成するには、地方自治体と監理団体などの会計基準の大きな違いなどから、実現にはかなりハードルの高い課題が存在するというふうに思っております。
 一方では、現在都が採用している併記方式により、スピーディーに議会や都民に対し説明責任を果たせることや、個別の監理団体などの財務諸表が合算した財務諸表にどのように影響を与えるかを見ることができるなどメリットもあることから、民間企業と異なる手法だからといって一概に否定するものではないと思っております。
 さらに、総務省は、貸借対照表以外の財務諸表についても連結するようにと聞いておりますが、ストックならともかく、会計基準の異なる団体を連結させ、コスト分析は意味がなく、まさにためにする作業になってしまいます。都は、引き続き、実質的な財政運営に資する方式を追求していってもらいたいと考えております。
 そこで、この併記方式により作成された全体財務諸表を活用して、今後の財政運営においてどのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。

○村山財務局長 都の財政状況を的確に把握していく上では、普通会計のみならず公営企業や監理団体との関係がこれまで以上に大きな位置を占めることとなります。そのことを示す例として、例えば平成十九年度決算から、いわゆる財政健全化法に基づきまして、幾つかの指標の公表が新たに義務づけられております。これらの指標のうち、連結実質赤字比率には、公営企業会計の資金不足額が合算をされます。また、実質公債費比率には、起債償還財源としての公営企業会計に対する繰出金が、普通会計の元利償還金に準ずるものとしてカウントをされます。さらに、将来負担比率には、都が監理団体等との間で設定しております損失補償契約に基づく都の負担見込み額が将来負担として算入されることとなっております。このように、公営企業や監理団体との関係が、東京都の財政の健全性を示す指標に大きな影響を及ぼしてきております。
 したがいまして、現在及び将来の財政状況を見通していくに当たりましては、公営企業や監理団体を含む東京都全体の財務体質をどうするかということが重要な課題となってきておりまして、全体財務諸表は、東京都全体の財務体質を強化していくためのツールとして、今後その役割が一層高まっていくと考えております。
 したがいまして、今後ともこのような取り組みを強化することによりまして、都政全体において都民が必要とする施策を安定的、継続的に展開していけますよう、適切な財政運営を行うべく一層努力してまいります。

○鈴木委員 冒頭にも触れましたけれども、財政破綻した夕張市の例からも、現在地方自治体に向けられた行財政運営に対する目は非常に厳しいものがあります。もちろん東京都といえども例外ではありません。また、監理団体等についても、同様に厳しい目が向けられております。
 平成十九年度決算からは、いわゆる財政健全化法において、地方公社や第三セクターなども含めた地方自治体トータルで、財政の健全性の確保が求められております。
 こうしたことからも、東京都全体財務諸表を活用し、そこから得られた情報をさまざまな角度から分析することにより、財務体質の健全性を図っていくことがますます重要になってきております。今後ともこの取り組みを強化し、将来にわたって都民に対し安定的で質の高い行政サービスを提供していくことが重要であり、そしてまた、公会計制度の改革の目的は、制度業務とシステムの変更ではなく、マネジメント能力向上やアカウンタビリティー、いわゆる説明責任の遂行など行政改革の推進でありますので、導入後の成果が得られるような取り組みとなるよう、今後とも一層の努力を要望いたしまして、私の質問を終わります。

○遠藤(衛)委員長 鈴木章浩委員の発言は終わりました。
 次に、山口拓理事の発言を許します。

○山口(拓)委員 それでは、私からは、新銀行東京についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 平成十九年度決算において一千十六億円の累積赤字を出したことは、これは都民にとっても大きな衝撃を与えているわけであります。このような事態に陥った原因というものをしっかりと検証して、また、その責任の所在を明確にしていかなければいけない。この点を私たちは再三質問をし、申し上げてきているわけでありますが、そのことを前提にして幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 この決算において大きな影響を与えた、この新銀行の経営のあり方というものに対して、国会でも非常に関心が高まっているところであります。
 そこで、まず伺いたいのは、あす開かれる参議院財政金融委員会に佐藤局長への参考人としての招致要請があったと聞いていますが、事実でしょうか。

○佐藤産業労働局長 参考人招致が決定されたということではなく、本日、参議院の事務局から、私のあしたの日程の確認の連絡があったものであります。

○山口(拓)委員 それでは、お伺いをしたいんですが、正式な要請ということとしてそれは受けとめられているのか。また、そうであれば、それに対してどのように局長として対応されるのか、お伺いをしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 先ほど申し上げましたとおり、参議院事務局から、私のあしたの日程の確認の連絡がありましたので、きょうのあしたということで、私、公務予定が入っているというふうにお答えをいたしました。

○山口(拓)委員 それに優先をし得る公務というのは一体何があるのでしょうか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。(発言する者あり)

○遠藤(衛)委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○遠藤(衛)委員長 速記を始めてください。

○山口(拓)委員 これは、決算を私たちも再三質問をしてきた上において、どの場面で、どのようなことが明確になっていくのか。この新銀行の経営そのもの、この十九年度における決算においても、どのようなことが原因であったのか、どのようなことが理由であったのかということを再三私たちも詰めてお話しをし、質問をしてきているわけでありますが、それがどういう場面で皆さんが明らかにされるかというのは、都議会においても当然大変深刻なことでありますから、それを踏まえての質問でございます。
 それに優先をし得る--この新銀行東京の問題は大切な問題です。都民の税金にとって決算という大切な問題です。それに優先し得るような公務は一体あるのかどうかということを私は伺いたかったわけでありますが、ご答弁いただけないでしょうか。(発言する者あり)

○遠藤(衛)委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○遠藤(衛)委員長 速記を始めてください。

○山口(拓)委員 それでは、質問を変えたいと思います。--変えなくてよろしいんであれば、聞きたいところでありますが、売り言葉に買い言葉はよくないと思いますので。
 当然これは東京都として重く受けとめるべきであると思いますが、東京都としての対応はいかがされるおつもりでしょうか、伺いたいと思います。

○佐藤産業労働局長 私どもといたしましては、参議院から正式に連絡があれば、その時点で日程等の確認をした上で、お答えをするつもりでございます。

○山口(拓)委員 どうしても公務で行けないということであれば、もしくはそれにかわり得る責任者でもというふうにいわれているはずでありますが、都としてほかにだれかが出席をする予定等はありませんでしょうか。(発言する者あり)

○遠藤(衛)委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○遠藤(衛)委員長 速記を始めてください。

○山口(拓)委員 今後も当然そういう話があり得る可能性もありますし、どのような話が東京都にあったのかというところを私たちは正確に知りたいわけでありますし、(発言する者あり)この場でお答えをいただけなかった、先日も私が伺いましたが、それがどこの場で話されるのかというのが、もし欠席をされるというのであれば、どのように--国会においてまず先に説明されるようなことがあればと思い、私は質問をしているわけでありますが、(発言する者あり)こういうことであれば、さまざま伺いたいところでありますが、続けてこのことにもかかわる質問をさせていただきたいと思います。
 新銀行東京の詐偽事件について、さまざま報道されているわけでありますが、新銀行が十月二十七日に警視庁へ告訴状を提出しました。容疑者がブローカーと共謀し新銀行をだましたとされるのは十八年九月のことであり、この会社が六カ月間もったかどうかはさておき、こうしたずさんな融資の結果によって十九年度決算においても大きな赤字を招いたのではないでしょうか。
 この間、果たして東京都はどれほどの監視機能を果たしていたのでしょうか。このような視点から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、新銀行が十月二十七日に警視庁へ告訴状を提出したことについてプレスリリースをしていますが、金融監理室は新銀行東京をしっかり監理しているのか、どれほど前に告訴をすることを知っていたのか、伺いたいと思います。

○佐藤産業労働局長 新銀行東京は、本年の三月十日の記者会見におきまして、旧経営陣のもとで行われた融資のうち、内容に疑義のある案件三十五件について調査をしていること、このことを公表しております。
 新銀行東京が調査を進めていたことは、私どもも承知をしておりました。
 新銀行東京は、十月二十七日に告訴を決断し、直ちに都はその連絡を受けたものであります。

○山口(拓)委員 つまり、東京都は、新銀行東京から連絡を受けるまで、告訴をすることを全く知らなかったということになるわけでしょうか。

○佐藤産業労働局長 新銀行東京が警視庁に捜査を依頼している案件があることは聞いておりましたが、具体的な告訴の時期につきましては、十月二十七日に新銀行東京から連絡を受けて知ったところであります。

○山口(拓)委員 十月二十八日、石原知事は、視察先の大田区内で報道陣に対し、薄々聞いていた、こんなことが起こるんじゃないかという感じはしていたと述べられていたそうでありますが、産業労働局長としては、このようなことが起こることを予感をされていたでしょうか。いつごろから、だれから、何を聞いて予感をされていたのか、お伺いをしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 先ほどもお答え申し上げましたとおり、新銀行東京が警視庁に捜査を依頼していた案件があるということは承知をしておりました。問題のある案件については、新銀行東京が法的対応を含めて厳正に対処すべきものというふうに考えております。

○山口(拓)委員 新銀行東京は、三月十日の記者会見で、内容に疑義のある案件三十五件について調査をしていることを公表しているということでありましたが、今回の一件は氷山の一角にすぎないともいわれているわけであります。ほかにも三十五件の同様の不正融資があるということでありますが、東京都は今回の詐偽と同様な不正融資がほかにあると認識をされているでしょうか。

○佐藤産業労働局長 不正融資があるということではなくて、内容に疑義のある案件については、新銀行東京が徹底した調査を行っておりまして、不正行為があれば厳正に対処することとしております。

○山口(拓)委員 認識があるのかどうかということを、あるのかないのかということを聞いているわけでありまして、東京都は今回の詐偽と同様な不正の融資がほかにあると認識をしているのかどうか、もう一度お答えを聞きたいと思います。

○佐藤産業労働局長 先ほどご答弁申し上げたとおりでございますが、内容に疑義のある案件については、新銀行東京が徹底した調査を行っておりまして、不正行為があれば厳正に対処することというふうにしております。

○山口(拓)委員 今回の詐偽事件同様の不正融資がまだまだあるというのであれば、それは行員個人の資質の問題もさることながら、銀行のシステムそのもの、すなわち甘いスコアリングモデルと三営業日でのスピード融資ということに問題があったのではないかといわざるを得ないわけでありますが、不正融資が多い原因は何であると考えられていますか。

○佐藤産業労働局長 また繰り返しになりますけれども、内容に疑義のある案件につきましては、新銀行東京が徹底した調査を行っているところでございます。新銀行東京からは、本件以外に捜査依頼をしているとは現時点では聞いておりません。
 今回の件は、旧経営陣のもとで起きた元行員の個人的な行為でありますけれども、銀行業務でこのようなことが起こることがあってはならないということであり、私どもとしてもまことに遺憾であります。

○山口(拓)委員 それでは、少し視点を変えてお伺いをしたいと思います。
 三月十日に公表された新銀行東京調査委員会調査報告書の全文を東京都が持っているのか否かは別にして、少なくとも産業労働局長はこれに目を通しているはずだと思いますが、内容に疑義のある案件が三十五件あることについては調査報告書の全文には記載をされているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 お尋ねの調査報告書全文は、旧経営陣の責任を追及する場合に極めて重要な資料でありまして、個人が特定される可能性がある情報が含まれていることから、その内容については明らかにすることはできません。
 なお、新銀行東京の三月十日の記者会見では、内容に疑義のある案件三十五件について調査をしていると、こういうことを公表をしております。

○山口(拓)委員 また、東京都は調査報告書をその日に返したということでありましたが、なぜ返したのか。持っていてはいけない理由があったのか。
 調査報告書は、また金融庁及び日銀は持っているのかどうか、お伺いしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、調査報告書全文は旧経営陣の責任を追及する場合に極めて重要な資料でありまして、個人が特定される可能性がある情報が含まれていることから、速やかに返却をしたところでございます。
 なお、金融庁と日本銀行が持っているかは、私どもは承知しておりません。

○山口(拓)委員 調査報告書の全文について、旧経営陣の責任を追及する場合に重要な資料である。個人が特定される可能性がある情報が含まれていることから、速やかに返却をしたと、たびたび答弁をいただいているわけでありますが、銀行から求められて返却をしたのか、それともみずから率先をして返却をしたのか、お伺いしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 お尋ねの調査報告書全文につきましては、新銀行東京から一時的に預かったものでありまして、閲覧後、私から速やかに返却をいたしました。

○山口(拓)委員 それでは、もう一点伺いたいんですが、また、その調査報告書の全文が示されたときは、新銀行が率先をして示したのかどうか、これも確認をしておきたいと思います。

○佐藤産業労働局長 調査報告書の全文は、新銀行東京の経営悪化を招いた原因を調査したものでありまして、本年の第一回都議会定例会に提案をいたしました新銀行東京への四百億円の追加出資に係る議会答弁の参考とするため、新銀行東京が私どもに預けたものであります。

○山口(拓)委員 さまざま伺っているところなんでありますが、十月二十二日の日経の記事で、融資先のリストが大株主の東京都などに漏えいしていたことが明らかになったとありますが、東京都はこれを知っているのかどうか、事実関係を確認したいと思います。

○佐藤産業労働局長 およそ銀行は、顧客情報の秘密を守らなければならない存在であります。お尋ねの記事は、金融庁と新銀行東京しか知り得ない検査の結果に関連して触れたものと思われます。都がお答えすることは適当でないというふうに考えます。

○山口(拓)委員 最後に伺いたいんですが、融資先のリスト等がインターネット上でも流れているわけでありまして、東京都議会議員や国会議員、知事側近などの名前とその口ききをしたとされる企業名もあわせて公開をされているのが現状であります。金融監理室として、このことを把握をされているのか。また、それに対する対応というのはどのようにとられているのか、お伺いをしたいと思います。

○佐藤産業労働局長 都は、インターネット上に口ききリストと称するものが掲載されている事実については認識をしております。都といたしましては、早急な対応を新銀行東京に求めているところでございまして、現在銀行におきまして対応策を検討しているところでございます。

○山口(拓)委員 この間の答弁を聞く限りでは、東京都が引き続き新銀行東京の経営監視の役割を十分に果たしているとは到底いえないわけであります。
 私たち都議会民主党は、石原知事のメンツのために新銀行を維持、存続をしようとするのではなく、都民に一番負担の少ない形で新銀行から撤退すべきと改めて主張を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○遠藤(衛)委員長 山口拓理事の発言は終わりました。
 次に、谷村孝彦理事の発言を許します。

○谷村委員 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきたいと思います。
 我が党の提案と石原都知事との連携及びその決断で、東京都が新たな公会計制度を全国に先駆けて導入しました。それまで官庁会計に複式簿記・発生主義会計を加えた制度はどこにもなく、都は独自に検討を重ね、画期的な仕組みを構築するに至ったと思います。これは、石原都政における大きな功績であるといっても過言ではないと思います。我が党も、公認会計士の東村議員が石原知事と歩調を合わせ、再三にわたり議会で取り上げ続けてきただけに、この新しい公会計制度を生かした財政運営に強く期待したいと思っております。
 去る昨年、新公会計制度による初めての財務諸表が作成、公表され、ことしは二度目の決算として初めて財務諸表の経年比較が可能となりました。そこで、平成十八年度と十九年度の財務諸表の経年変化を見た上で、都財政の状況をどのように認識、評価しておられるのか、まずお伺いをいたします。

○村山財務局長 十九年度決算の財務諸表を経年変化という観点から見たときの特徴点といたしましては、まず第一に、資産に対する負債の割合が十八年度の三〇・八%から二八・九%へと一・九ポイント改善をしているという点がございます。
 これは、まず資産の方につきましては、基金積み立てを増額いたしまして将来の財政需要に備えたということとともに、社会資本の整備を着実に進めたということによりまして、前年度に比べまして資産が約九千四百億円増加をいたしております。一方、負債の方につきましては、都債の償還を着実に進めるとともに、新規発行を抑制いたしまして、約三千億円減少をさせておりまして、この両方の要素により生じた改善でございます。
 第二の特徴は、減価償却累計額が約千五百億円増加をして約二兆五千億円になっているということでございます。これは、今後相当長期にわたりまして、都財政が東京都の建物や、あるいはインフラ資産につきまして、この更新需要が存在して、これに向き合っていかなければならないということを意味しております。
 これら二つの特徴は、堅実な財政運営により財政対応能力につきましては高めてきてはいるものの、他方、今後対応すべき膨大な需要が存在していることも物語っております。
 一方、十九年度決算におきます行政サービス活動及び社会資本整備等投資活動の収支差額の合計でございますフリー・キャッシュ・フローについて見ますと、約四千億円確保してございますけれども、今後の税収動向、あるいは需要への対応の中では縮小し、場合によってはマイナスに転じるおそれもあるという点がございます。
 私どもといたしましては、こういう両面ある財政状況にあるというふうに認識をいたしております。

○谷村委員 これまでの官庁会計決算では把握し切れなかった状況、特にストックの状況が新公会計制度の導入により明確に見えてきたことが、今のご答弁でもわかると思います。
 また、十九年度は十八年度に比べ資産に対する負債の割合が減少しておりますが、このことは、将来世代の負担が減少し、将来を見据えた財政運営が行われたことを意味するものであり、評価するものであります。
 しかしながら、最近の景気動向などを踏まえますと、予断の許さない状況となっております。財務諸表から見てとれる都財政の状況から、今後の財政運営上の課題をどのようにとらえておられるのか、お伺いします。

○村山財務局長 東京都の財政には、現下の都民が直面する課題に的確に対応するということが一つ。それからもう一つは、「十年後の東京」を初めとする将来の東京を見据えた取り組みをしっかりと財政面から支えていくという、二つの役割があるというふうに認識をいたしております。
 今後、これまで培いました財政の対応能力を活用いたしまして、都民が必要とするこうした施策を実施していくわけでございますけれども、現在の都財政を取り巻く状況というのは非常に厳しいものであり、かつ、より厳しくなりつつある状況にございまして、私どもとしては、まず改めて手綱を引き締めるというスタンスでかからなければならないというふうに思っております。
 こうした取り組みを進めてまいります上で、財務諸表から得られる情報は大変有益なものでございまして、現時点における、あるいは中長期に対応すべき需要の規模、あるいはそれにこたえるための財政的余力の状況などについて、先ほどもお示しをさせていただきましたようなさまざまな情報を与えてくれるものでございまして、私どもとしてはそれらデータを注意深く分析して、財政運営に生かしていかなければならないと考えております。
 また、個別の事業の検証におきましても、財務諸表にあらわれた情報を活用することによりまして、一つ一つの施策の有効性をチェックいたしまして、都政の効率性をより一層高めていくことが可能となります。
 こうした財務諸表の優位性を最大限活用することによりまして、今後想定される厳しい財政環境のもとにございましても、必要な施策を着実に進めていけるよう、より強い財政体質の確立に向け全力を尽くしてまいります。

○谷村委員 ただいまのご答弁でもわかりましたように、今後の財政状況を見通しますと、都税収入というのは平成十九年度がピークになりそうであります。これまで財政再建で取り組んできた成果や、今後の財務諸表を活用した取り組みなどにより、引き続き安定した財政運営が行われていくことがわかりました。
 新しい公会計制度により、都財政の課題をより長期的にとらえることができるようになったわけでありますが、まだまだ課題もあろうかと思います。新公会計制度の会計手法的な側面についての今後の課題は何でしょうか、お伺いをいたします。

○三枝会計管理局長 新公会計制度による二度目の決算により、財務諸表の経年比較が可能となったわけでございますが、財務諸表を自治体間や類似事業間など、いわば横で比較しようとした場合、現在国が示している公会計モデルは、全国標準としての位置づけもなく、さらに今後の方向性も明確に示されていない、こういったことのために比較が不可能な状況となっております。
 地方行政における公会計制度改革を進め、経営状況をより高度に分析するには、全国標準的な会計基準が必要不可欠でございます。
 都は、これまでも、国への提案要求や、全国知事会公会計制度ワーキンググループの場などを通じて、国に対する働きかけに取り組んできたところであります。先月には、日本公認会計士協会が東京都の考え方と多くの点で一致する提言を発表したところでございまして、今後、この提言の内容も踏まえながら、全国標準足り得る会計基準の整備について国や他団体への働きかけを強めてまいります。

○谷村委員 財務諸表の分析に当たっては、民間企業におきましても、経年比較や同業他社との比較を行うのが一般的で、わかりやすいわけであります。公会計の分野にありましても、経年比較だけではなく、自治体間での比較ができるよう会計基準の標準化に引き続き積極的に取り組んでいただくのと同時に、新公会計制度による財務諸表をさらに分析活用し、都の財政運営に役立てていただきたいと思います。
 平成十九年度の年次財務報告書、これは民間企業でいう会社の経営状況を株主や投資家に報告するアニュアルレポートに相当するものでありますが、この年次財務報告書で結論的に、今後の財政運営として、将来の東京の継続的発展のためにとして簡単にまとめられております。
 ちょっと引用いたしますけれども、「事務事業評価における、きめ細かい事後検証により、施策の充実・見直し・再構築を行うことが必要となっています。予算編成の一環として、過年度の決算分析を十分に行うとともに、事業実施に伴う成果や課題などを整理し、その結果を予算に的確に反映させ、より実効性の高い施策を構築することが重要です。」また、「このように、東京発の新たな公会計制度の活用や事後検証の徹底により、施策をより実効性の高いものへ磨き上げ、着実に執行していくことによって、財政環境が大きく変化する中にあっても、将来の東京の継続的発展につながると考えています。」
 この過年度の決算分析を十分に行う、事業実施に伴う成果や課題などを整理して、また、東京発の新たな公会計制度の活用や事後検証の徹底により云々と書いてあるわけでありますが、ここには申し上げるまでもなく決算審議の重要性が改めてうたわれているわけであります。
 しかし、現在議会に提出されている決算資料としては、各会計歳入歳出決算書を初め歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書、決算審査意見書、主要施策の成果などがありますが、これらの資料だけでは、予算のときに各局から説明を受けた事業の決算状況というものをすべて把握することはできないんですね、これだけの資料をいただいても。
 我が党の提案を踏まえ、複式簿記・発生主義会計を導入したこの新しい公会計制度を実施し、決算審議に際しては十八年度決算から新たに決算参考書、財務諸表も提出されるようになったほか、「主要施策の成果」という冊子にもこの財務諸表から得られる情報が掲載されるようになるなど、改善は進められております。しかし、いわゆる官庁会計の決算資料についても、法的な制約がある中で、これまでも様式の見直し等いろいろ工夫がされておりますけれども、私はもう一歩踏み込んでいただく必要があるのではないかと思っております。
 わかりやすく申し上げれば、例えば予算案の説明を受けたときの資料に載っている事業が、この実際の決算でどうなったのかというのを確認してみようと思っても、この決算の説明資料に当該事業がほとんど見当たらないということがあります。つまり、予算の資料と決算の資料とで事業のくくり方に大きなずれがあることが原因と思われます。いずれにしても、個別に説明を聞かないと、資料を見ただけでは個別の事業に関して予算額と決算額、これがわからないわけであります。
 これからは、都民の皆様への説明責任を果たすという視点からも、また、都議会における決算審議をより一層深めていくためにも、いわゆる官庁会計の決算に関する事業についての予算との関係がわかりやすくなるように工夫していただく必要があると思います。
 新しい公会計制度それ自体は、東京都の財政運営にこれから大きく役立っていくものと思いますが、それに符合して、都政の両輪となるこの議会の審議、特に決算審議におけるこの決算資料のあり方についても、次のステップとして今後検討を加えていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○三枝会計管理局長 予算と決算、これはもとより表裏一体のものでございますけれども、我が国の地方行政におきましては、ややもすると、予算に比して決算が余り重視されない、こういった傾向が続いてきていたように思われます。それは、民間企業が投資家に対する説明として決算を最重要視するといったことに対しまして、行政におきましては、予算の内容が住民の最大の関心事である、そうしたことが背景にあったからであろうというふうに私は考えております。
 しかしながら、時代の変化とともに、行政における決算のウエートが高まりつつあるのは、紛れもない事実でございます。都議会におかれては、決算審査の方法を大幅に改善して、決算の審査結果を翌年度予算に反映すべく取り組んでこられたところでございます。また、我々執行機関側も、複式簿記・発生主義の考え方を加えた新公会計制度を構築し、財務諸表や年次財務報告書を作成するようになったところでございます。
 こうした取り組みは、行政運営に経営の視点を取り入れて、事業の効率性を高めるといったことだけではなく、都民に対する説明責任を果たす上でも不可欠なものとなってきております。このような状況にあって、お話のとおり決算資料のあり方につきましても、さらなる改善が必要であろうと認識をしております。今後は、各局が予算や決算に関する資料を作成するに当たりまして、これらの資料が相互にわかりやすいものとなるよう、庁内の関係各局と横断的に連携をしながら検討を進めてまいります。

○谷村委員 ありがとうございます。
 ただいまの局長答弁は、認識を共有していただいたものと高く評価をいたしておりますので、ただ、簡単なことではないということもよく存じ上げておりますので、ぜひ今後ご検討をお願いしたいと思います。
 次に、会計検査院が今月七日に発表しました二〇〇七年度決算検査報告、これは不適切と指摘された額が過去最高の約千二百五十三億円に上ったと報道されております。これに関連してお伺いをいたしたいと思いますが、このうち、岩手県、愛知県で見つかった裏金問題などは、最も重い、不当に認定されたケースは約三百七十七億円に上り、公金に対する公務員の意識に対して疑問が呈されております。会計検査院が今回の報告の目玉と位置づけた十二道府県での不正経理は、報道によりますと、総額十一億三千七百十三万円、愛知県が約三億一千万円、このうち国庫補助金は約一億三千万円、次いで、岩手県が約二億三百万円、国庫補助金はこのうち約一億七百万円となっているようであります。
 かつて東京都でも、不正経理問題として、いわゆる官官接待などの会議費が、これは東京都だけではありません、全国の自治体で問題になったことがあります。
 そこで、総務局長、大変に恐縮ですが、そのときの簡単な概要と対応、そしてそのときに行われた再発防止策について、簡単で結構ですので、ご説明をお願いします。

○中田総務局長 平成七年当時、今理事のお話がありましたように、全国の多くの自治体におきまして、いわゆる官官接待を初めとしました会議費の不適正な支出が大きな問題となりました。
 東京都におきましても、平成八年に、平成七年度における本庁分の会議費につきまして、監査委員による監査が行われ、会計処理等に重大な不適正の事例が多数あると指摘されました。
 これを受けまして、都は改善検討委員会を設置し、平成五年度及び六年度における全庁分の会議費と、平成七年度における事業所分の会議費につきましても自己調査を行いました。その結果、私的な流用は認められなかったものの、会議の開催目的や参加者が起案文書と異なっていたり、いわゆるツケ払いによる支払いを行っているなど、会計上の重大な不適正処理を行っている事例が、三カ年合計で七億円余存在することが明らかになりました。
 このため、都庁の現役幹部及び幹部OB、合計約二千六百名が、役職に応じて一人当たり五万円から五百万円程度を負担し、不適正処理の全額であります七億円余に利息分を付しました約八億円を都に返還して、都民におわびをするとともに、都民への信頼回復の第一歩としたところでございます。
 あわせまして、二度とこのような不祥事が起きることのないよう、事務処理手続の改善やチェック機能の強化、情報公開の徹底による透明性の向上などの多面的な再発防止策を講じたところでございます。

○谷村委員 ありがとうございました。東京都もこうした経験を経て、再発防止策を講じて今日に至っているわけであります。
 しかし、今回の会計検査院の調査対象に東京都はなってはおりませんけれども、報道によりますと、今回の対象の十二道府県すべてで問題が発覚しており、今後、他の三十五都府県で調査しても、同様に間違いなく問題が指摘されるのではないかとも報道されております。架空発注などで支払った公金を業者の口座にプールする預け、虚偽の書類をつくり、契約とは別の物品を納入させる差しかえ、前年度に発注した物品を翌年度に納入する翌年度処理等々、五つの手法があるようですけれども、都では、他の道府県で見られたような不正経理はないのかどうか、都民の皆さんも大変に心配しておられます。
 そこで、このたび、補助金について総点検を東京都でも実施するということですが、その趣旨について、あわせて確認させていただきたいと思います。

○三枝会計管理局長 東京都におきましては、私ども会計管理局による定例、随時の検査や、各事業局における自己検査、さらには監査委員による監査などで、経理事務が適正に執行されているかどうかを確認しているところでございます。
 また、先ほどご質問のあった過去の会議費問題で職員が八億円近くの返金を行った、こうした経緯とその反省が教訓として生きており、裏金づくりなどの悪質な不正はあり得ないものと認識をしているところであります。
 しかしながら、一方で、補助金をめぐる不正が社会問題化していることから、会計検査院の検査が入る前に、念のため、全庁的に自主点検を実施することとし、昨日、各局に依頼をしたところでございます。

○谷村委員 そこで、監査委員も随時監査を始められたと伺っております。現在、監査委員の決算審査を受けて、都議会でまさに決算審議中であります。この決算審議中に随時監査をされるというのは異例なことではないかと思いますけれども、現在行われている随時監査と、そして都議会で決算審議の前提になります決算審査の関係というのはどういうものなのか、ご説明をいただきたいと思います。

○白石監査事務局長 監査委員が行います決算審査は、地方自治法第二百三十三条に基づきまして、決算計数が正確であるか、また、財産の取得、管理、処分は適正に処理されているかなどに主眼を置きまして実施するものでございまして、平成十九年度の、ただいま決算審議していただいています決算計数につきましては、証拠書類の計数と符合していることが認められております。
 これに対しまして、今回行います随時監査は、会計検査院の検査の結果、他の道府県で不正経理が多数発覚したとの報道を受けまして、公共事業に係る国庫補助金の事務処理、すなわち財務に関する事務の執行を再確認するために、地方自治法第百九十九条第一項及び第五項に基づきまして監査を実施するものでございます。

○谷村委員 ご答弁をお伺いしますと、先ほど三枝局長も、過去の教訓を生かして、裏金づくりなどあり得ない、はっきりとお答えをいただきました。また、今の監査事務局長のお話も、一応念のために、再確認のために、現在の会計管理局の総点検あるいは監査委員の随時監査も対応されていることだというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 そこで、もし万が一ですが、総点検や随時監査の結果、補助金を返還せざるを得ない、あるいは不正経理が発覚した、このような事態になった場合に、ないことを祈っておりますけれども、平成十九年の決算額に影響が出るようであれば、現在行っております議会の決算審議にも影響が出るのではないかとの声もあります。こうした事態に陥った場合に、不正経理が発覚したり、裏金づくりがあったりというふうに、そういう事態になった場合に、今審議をしております平成十九年度の決算の計数に影響が出るのかどうか、これをお伺いしたいと思います。

○三枝会計管理局長 都議会に提出してございます決算につきましては、地方自治法第二百三十三条の規定により、監査委員の審査を経て、その意見を付しているものであり、決算計数に関しては、証拠書類の計数と符合していることが認められているところでございます。このことは、ただいま監査事務局長から答弁があったとおりでございます。
 また、仮定の話でございますけれども、今後、万々が一、点検等を踏まえて補助金を返還せざるを得ないような事態が発生したといった場合におきましては、二十年度以降においてこれを処理すべきものでございまして、十九年度決算の計数に影響を及ぼすものではございません。

○谷村委員 明快にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 官官接待の際の教訓から、そのときの再発防止が今も生きていて、東京都では他道府県に見られるような不正経理はないということを祈っておりますし、信じておりますが、念のために行われております総点検、随時監査は、今後厳格に進めていただきたいと思います。
 次に、人事委員会にお伺いをいたします。
 先月十六日に、平成二十年の給与勧告が行われましたけれども、まず確認ですが、現在都の職員に適用されている給料表は、平成十九年の勧告に基づくものということで理解してよろしいでしょうか。

○中村人事委員会事務局長 現在都職員に適用されております給料表は、お話のとおり平成十九年の人事委員会勧告に基づくものでございます。昨年の第四回定例会で給与条例が改正され、平成二十年一月から適用してございます。

○谷村委員 それでは、その勧告に基づいた教員の給与制度についてお尋ねをいたします。
 現在、学校教育をめぐってはさまざまな課題があり、各学校における積極的な対応が求められております。そのかなめとなるのが、いうまでもなく教育管理職であります。しかし、その教育管理職の方々は大変に忙しく、とりわけ副校長先生は毎日激務に追われております。校務はもとより、父母や地域との対応など、多くの仕事が副校長先生に集中しており、ご苦労が絶えないようであります。
 また、東京発の教育改革の柱の一つでもあります自律的な学校経営を初め、管理職の役割というのはますます大きくなっている割には、一般の教諭と比べて、給与面でそれほど手厚いわけではなく、このままでは校長先生や副校長先生のなり手がいなくなるのではないかと心配もされております。事実、副校長先生は来年度にも定数割れの危機にあるとも伺っております。もちろん給与がすべてというわけではありませんけれども、やはり職務の困難度や責任の重さにふさわしいものであるべきであります。
 そこでお伺いしますが、校長先生や副校長先生といった教育管理職の方々の給与ですけれども、一般教諭の方々と比べてどれくらいになっているのか、お伺いをいたします。

○中村人事委員会事務局長 教員の給与でございますが、現在、勤務学校の種別に応じまして、小学校・中学校教育職員給料表と高等学校等教育職員給料表のいずれかが適用されております。
 この二本立ての給料表に基づきまして、今お話がございました教育管理職と教諭の給料月額を比較いたしますと、校長につきましては、小中学校では、教諭を一〇〇といたしますと一一三、高校では一一五でございます。また、副校長につきましては、小中学校では、教諭を一〇〇といたしますと一〇五、高校では一〇九でございます。

○谷村委員 ありがとうございます。管理職手当等の諸手当もある中で複雑になっているものをシンプルに、無理やり給料月額でお示しをいただきました。ありがとうございます。
 一般教諭を一〇〇として、校長先生の水準というのは一一三から一一五、副校長先生は一〇五から一〇九と。昨日も校長先生方の集まり等でも懇談しましたけれども、そんなに低いんですかと大変驚いておられました。
 それでは、教員の管理職の方々の給与が行政系の職員の方と比べてどうなっているのかということを比較するのも重要だと思いますので、単純な比較は難しいというのはよく認識しておりますけれども、行政系の方で一般職員と管理職というのは、給与水準差としてどの程度になっているのか、お伺いをいたします。

○中村人事委員会事務局長 今お話しのように、単純に比較することは難しいというふうに理解してございますが、行政系の一般職では、係長が教諭とほぼ同程度の給与水準になっておりますので、お尋ねの給与水準差につきましても、教諭と校長との比較に相当するものといたしまして、係長級と部長級との比較で申し上げたいと思っております。
 現行の行政職給料表では、係長の給料月額を一〇〇とした場合には、部長は一三〇となっておりまして、教諭と校長の水準差より大きなものとなっております。

○谷村委員 ありがとうございます。大変にわかりやすい数値を提示していただきました。
 一般教諭を一〇〇とした場合に、校長先生の水準というのは一一三から一一五であるのに対し、それを行政系の方で比較していただくと、係長を一〇〇とすると、部長の水準は一三〇と。現状では、行政系職員と比べて教員は、管理職と一般教諭との間にそれほど差がないわけであります。これは早急に改善をしていただかなければならないと思います。
 教育現場を預かる校長先生、副校長先生に優秀な人材を確保することは、教育の質の向上の観点からも大変に重要であると思います。教員においても、行政系と遜色のないくらいに管理職の方々に差をつけてもいいのではないかと思います。
 ちなみに、教育委員会の方に東京都の公立校長会や副校長会等々からどのような要望が出ておりますでしょうか、お伺いをいたします。

○大原教育長 東京都公立小学校長会、同副校長会、東京都中学校長会、東京都公立高等学校長協会、東京都立特別支援学校長会などから要望を受けております。
 ご指摘のとおり、一般の教員も含め給与水準についてさまざまな要望が出ておりますけれども、とりわけ管理職につきましては、職責に応じた、めり張りのある給与体系を実現し、処遇改善を強く求めるという要望が出ております。

○谷村委員 ありがとうございます。
 校長会や副校長会でも、職責に見合った処遇改善を求めておられるわけであります。学校が抱えるさまざまな教育課題を解決するためには、学校現場で日夜頑張っておられる校長先生、副校長先生、そして主幹の先生も含めた教育管理職の処遇というものが職責に見合ったものに改善されることが必要であると思います。
 それで、もう一度人事委員会事務局長にお伺いいたしますが、平成二十年の人事委員会勧告では、教育管理職の給与に改善が図られたと伺っておりますけれども、その内容についてご説明をお願いします。

○中村人事委員会事務局長 本委員会は、去る十月十六日に、平成二十年の給与勧告を行いました。小学校・中学校教育職員給料表と高等学校等教育職員給料表の二本立てでございました給料表につきましては、この経緯が、これまで国に準じて二本立てとなってございましたが、これを一本化することといたしまして、新たに来年四月から教育職給料表を適用するよう勧告したところでございます。
 新給料表は、これまで以上に職責を反映した給料表となっておりまして、従来と比較し、一般の教諭と校長、副校長との水準差を拡大させております。
 具体的に申し上げますと、給料月額で教諭を一〇〇とした場合の水準でございますが、校長は一二六となりまして、行政系の係長と部長との給与水準差と同程度に改善をしております。また、副校長につきましても一一九となりまして、現行給料表に比べ一〇ポイント程度、水準差を拡大している状況でございます。

○谷村委員 大変にわかりやすいご説明、ありがとうございました。
 まだまだ課題は残るものの、平成二十年の勧告で教育管理職の処遇改善が図られていることがよく理解できました。このことは、これまで都が進めておられます東京発の教育改革の流れに沿うものと理解をしております。
 そこで、都の教育委員会として、引き続き東京発の教育改革を推し進めるためにも、教員の給与制度について、今後どのようにすべきとお考えになっているのか、大原局長のご決意をお伺いしたいと思います。

○大原教育長 都教育委員会は、教育改革を一層推進するために、全国に先駆けまして主幹制度を導入し、校長のリーダーシップのもと、学校の組織的課題解決能力の向上を図るなど、教員の人事制度改革に取り組んできたところでございますが、現在の教諭の給与は年功的、一律的なものとなっておりまして、同じ教諭であっても、職務の困難度や責任の度合いに違いが生じておりますことから、教諭の職を二つに分化して、職責に見合った給与にすべきであるというふうにまず考えております。
 さらに、近年、地域の多様な人材の活用や特色ある学校づくりなど、学校の課題は複雑化、多様化しておりまして、校長、副校長の職務の困難度、重要性がますます増大をしておりますことから、管理職の職責等に応じた適切な処遇が大変重要であると認識をしております。
 都教育委員会といたしましては、今後とも関係機関と精力的に協議をいたしまして、校長、副校長を初めとする教員の職責、能力、業績をより一層重視する、めり張りのある給与制度の構築に取り組んでまいる所存でございます。

○谷村委員 ありがとうございます。ぜひめり張りある給与制度の構築に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、「十年後の東京」についてお伺いをしたいと思います。
 東京都は一昨年、「十年後の東京」を策定し、二〇一六年のオリンピック招致を目指す東京がさらなる成熟を遂げる姿と、それに向けた施策展開の方向性を明らかにしました。昨年は、この長期ビジョンの着実な実現に向け、三カ年のアクションプランである実行プログラム二〇〇八を策定し、また間もなくこれを改定し、実行プログラム二〇〇九が策定されるというふうに伺っております。こうした取り組み自体、大変意欲的なことでありますが、さまざまな状況の変化などにより、何の問題もなく当初の構想どおりに必ずしも進んでいくものではない面もあると思います。
 第三回定例会では、知事は所信表明で、旧都立秋川高校跡地を活用したトップアスリート養成校の創設について見直す旨の発言がありました。トップアスリート養成校の創設は、「十年後の東京」で目標に掲げる、スポーツを通じて次代を担う子どもたちに夢を与える政策の一つとして掲げられたものであります。
 そこで、トップアスリート養成校の創設がなぜ見送りになったのか、その経緯についてお伺いをいたします。

○吉川知事本局長 旧都立秋川高校跡地を活用いたしましたトップアスリート養成校の創設につきましては、スポーツ関係の有識者から成る懇談会を設置し、半年余りの議論のもと、昨年八月に報告書を提出していただきました。
 報告書では、養成校の設置に当たっては、指導者の派遣や資金の提供など、スポーツ団体、企業と連携していくことや、養成校を卒業した後も一貫した指導が受けられるよう、大学等と連携していくなど、さまざまな主体が一体となってジュニアを育成していく仕組みづくりが提案されました。
 東京都といたしましては、この報告書を受けまして、競技能力の向上に資する教育カリキュラムの編成や、すぐれた専任指導者の配置、全寮制の学校として必要な生活面のサポートなど、養成校の特色といたしまして示されました姿の具体化を図るとともに、既存の学校法人や企業などに対しましても、人材面、資金面からの支援、協力を得るべく折衝、調整を進めるなど、さまざまな努力を重ねてまいりましたが、円滑な運営体制を実現するめどが立たなかったところでございます。
 そのため、トップアスリート養成校の設置を見送るとともに、旧都立秋川高校跡地につきましては、地元市の意向も受けとめながら、新たな有効活用等を検討していくことといたしたものでございます。

○谷村委員 ありがとうございます。
 トップアスリート養成校の創設を見送ることとなっても、ジュニアのアスリートを養成していく政策課題、ジュニア期からのアスリート育成システムが確立し、東京で育ったアスリートがオリンピックや国際的な競技大会などで活躍しているという「十年後の東京」の姿は実現していかなければならないと思います。
 そこで、ジュニアのアスリート養成に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

○秋山生活文化スポーツ局長 ジュニアアスリートの育成強化に当たりましては、才能あるジュニア選手を、小学生など早い段階から、競技団体、地域、学校と連携して、計画的、継続的に育成していくことが重要でございます。
 このため、競技団体によるジュニア特別強化事業の対象を二十競技から国体対象の全四十競技に拡大するとともに、小学校四年生から中学校三年生までの将来有望な選手を東京都ジュニア強化選手として都が認定し、競技団体等と連携して、強化練習や強化合宿などを実施するなど、ジュニア選手の育成強化を図っております。
 また、区市町村の体育協会等と連携いたしまして、ジュニア育成地域推進事業を実施しておりますが、この競技種目の数や参加人数を拡大し、地域におけるジュニア選手の競技力向上に取り組んでいるところでございます。
 ただいま答弁がありましたとおり、トップアスリート養成校の設置は見送られましたが、今後、区市町村の体育協会を通じて実施する事業を拡大するなど、ジュニア選手の育成強化に向けた施策に積極的に取り組み、世界を目指す東京アスリートの育成を図ってまいります。

○谷村委員 最後に、石原都知事が陣頭指揮をとって進めておられます横田基地の軍民共用化についてでありますけれども、これは東京のみならず、我が国全体にとっても、その早期実現が希求される最重要政策課題であります。同時に、多摩地域の発展にとっても大きな起爆剤であり、大変重要な施策であり、地元としても大いに期待をしております。
 しかし、日米政府間協議で定められたロードマップで、十二カ月の期限を昨年の十月に迎えても日米合意は得られず、引き続き協議は継続されておりますが、交渉は思うように進んでないようであります。
 一方、軍民共用化とともにロードマップに位置づけられている横田空域の返還については、ことしの九月、空域の一部削減が実現し、一歩前進をしました。知事も第三回定例会の所信表明において、今回の一部返還は重要な一里塚と述べられたように、一つ一つ着実にステップアップしていくことが大切であり、軍民共用化についても、日米協議を前進させ、可能な限り早期に実現させる必要があります。
 昨年の参議院選挙の結果を受けた、いわゆるねじれ国会の中で、野党の国会対策に振り回され、日米間の信頼性を揺るがせたさまざまなことがあったことも、横田基地の軍民共用化をあと一歩のところで停滞させてしまう要因となったことは、否めない事実であります。
 先週、米国では新大統領が決まり、年明けには新政権が発足する運びとなり、新政権の動向次第では対日外交方針が大きく変わる可能性も考えられますが、この米国の政権交代により、軍民共用化がうやむやにされることがあってはならないと思うわけであります。外交交渉自体、相手のあることであり、非常に難しいものではありますが、これらの課題とともに、なお一層強力に軍民共用化の早期実現に向けた働きかけを行っていくことが非常に重要であると思います。
 そこで、米国の政権交代を踏まえた今後の取り組みについて、吉川局長のご決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

○吉川知事本局長 横田基地の軍民共用化につきましては、首都圏の航空事情を改善するだけでなくて、我が国の国際競争力を強化し、国力を維持するために不可欠なものでございます。
 アメリカは政権交代期に入りまして、現政権による新たな意思決定を期待しにくい状況にございますが、軍民共用化という我が国にとって重要な課題が、政権交代に紛れて放置されるようなことがあってはなりません。
 このため、先般の関東地方知事会議におきましても、米新政権に対して改めて強く働きかけ、軍民共用化の早期実現を図ること、これを国に対し要望することを石原知事が提案されました。これに対し、他県の知事からも積極的な支持がございまして、これを関東地方知事会として国に要望していくことが合意されました。また、本日開催されております八都県市首脳会議でも同様の提案を予定してございます。
 引き続き、都といたしましては、さまざまな機会をとらえて軍民共用化の必要性を米側に訴えるとともに、国の関係省庁との連絡会の場などを通じまして緊密な連携を保ちながら、米新政権に対し、粘り強く働きかけまして、軍民共用化の早期実現を目指してまいります。

○遠藤(衛)委員長 谷村孝彦理事の発言は終わりました。
 次に、神林茂理事の発言を許します。

○神林委員 まず初めに、福祉保健局関係について伺います。
 まず、一般会計決算説明書一〇六ページに記載しております周産期医療対策について伺います。
 先日、出産を間近に控えた三十六歳の女性が、都内八つの病院で受け入れを断られ、脳内出血により、出産後死亡するという非常に痛ましい事案が発生いたしました。妊婦のご主人からは、だれかを責めるつもりはない、医師は必死でやってくれた、力を合わせて改善してほしい、他の妊婦さんが安心して子どもを産める社会になってほしいとのコメントがございました。まことに胸を打つ発言でございます。
 まず、東京都は、この事案についてどのように受けとめ、また、どこに課題があると考えているのか、見解を伺います。

○安藤福祉保健局長 今回のような不幸な結果となりましたことは大変残念なことであり、亡くなられました患者さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に対しましてお悔やみを申し上げる次第であります。
 都といたしましては、この事態を重く受けとめ、直ちに実態を調査するとともに、改善策の検討に着手をいたしました。
 今月五日に東京都周産期医療協議会を緊急に開催してご議論をいただきましたが、都といたしましては、課題は、地域内で患者を確実に受け入れる体制の確保や、地域を越えた医療機関の支援の仕組み、さらに、脳外科など他の診療科との連携、正確な患者情報の伝達などであると考えております。そして、より根本的には、不足する産科医、小児科医の確保の問題があると認識をしております。

○神林委員 今ご答弁にありましたとおり、本当に重く受けとめていただかなければいけないことだと強く感じます。
 さて、先日、我が党は、都に対し、産科医療、周産期医療を担う医療機関が、地域の中でハイリスクの医療から正常分娩対応まで行えるよう、役割分担に基づく連携のネットワークを築き、安全・安心の周産期医療を早期に確保するよう強く要望をいたしました。
 周産期医療体制の厳しい状況が改めて浮き彫りになった今、喫緊の対策を講じる必要があると考えますが、東京都の取り組みについて伺います。

○安藤福祉保健局長 先日発表いたしました東京緊急対策Ⅱにおいて、都の取り組みといたしまして、周産期母子医療センターにおける患者搬送調整機能や受け入れ体制の確保、さらには、中程度の緊急性を有する患者への休日・全夜間診療を行います周産期連携病院を新たに整備することなどを盛り込んでおりまして、現在、具体策の検討を行っております。
 また、知事から東京都医師会長に対しまして、地域の医師による周産期医療体制への協力について要請を行いました。
 今後、東京都周産期医療協議会を今月中を目途に再度開催し、先ほど申し上げました各課題への対応策をご検討いただくこととしております。
 都といたしましては、現場の厳しい状況を踏まえた必要な対策を迅速に講じ、地域で周産期医療を支える体制の構築に向けて取り組んでまいります。

○神林委員 私もやはり、問題の根本にあるのは、産科、小児科を中心とする深刻な医師不足であると思います。医師不足の問題は、医師の不足を認めず、養成数を抑制してきた国の責任が非常に大きいところですが、国は、この六月、ようやく医師が不足していることを認めて、経済財政改革の基本方針二〇〇八において、医師の養成数を早急に過去最大程度まで増員することなどを打ち出しました。しかしながら、単に定数増ばかりではなく、必要な診療分野に必要な医師の確保ができる新たな仕組みをつくらない限り、ハードな小児科、産科などを志向する医師は確保できないと考えております。
 都は、平成十九年度、東京都地域医療対策協議会を設置し、医師確保策について検討を行ってきましたが、協議会においてどのような議論を行い、その後、施策にどのように反映させてきたのか、伺います。

○安藤福祉保健局長 平成十九年六月に設置をいたしました東京都地域医療対策協議会では、医師確保の現状と課題、対応策などについて精力的に検討を行いまして、平成二十年二月、病院勤務医の勤務環境改善や、離職した女性医師の再就業支援、さらには、医学部の定員増などを内容といたします医師の確保に向けた提言を取りまとめました。
 都は、この提言に基づきまして、不足が顕著な小児、周産期、救急、僻地医療に従事する医師を確保するため、今年度から医師勤務環境改善事業に取り組むとともに、平成二十一年四月からの医学部定員増に対応するための医師奨学金制度を創設したところでございます。

○神林委員 東京都は、我が党の要望を踏まえ、周産期における安全・安心の医療を確保するため、緊急対策を早急に講じるとともに、その内容をぜひ都民に対して発信していただくことをここで切に要望しておきます。
 次に、高齢者施策について伺います。
 まず、一般会計決算説明書一四六ページに記載されております特別養護老人ホームの整備についてでございます。
 今後、東京を初めとする都市部では急激な高齢者の増加が見込まれております。もちろん、元気な高齢者の方々も多くいらっしゃいますし、また、たとえ介護が必要になっても自宅で住み続けたいという高齢者の希望も強いものがございます。しかしながら、要介護度が進むことなどにより、在宅での生活が困難な場合もあり、介護サービス基盤の整備は着実に進めなければならないと考えております。
 その代表例として特別養護老人ホームが挙げられますが、平成十九年度の執行率は五五%と、思わしくない状況にございます。
 そこで、特別養護老人ホームの整備について、平成十九年度の整備実績と執行率が低い理由、あわせて、現在の都の取り組みを伺いたいと思います。

○安藤福祉保健局長 平成十九年度は、新規、継続合わせまして十七カ所の計画に対し、実績は十六カ所であります。
 予算の執行率が五五%となっておりますのは、建築基準法の改正に伴い、建築確認審査が厳格化され、申請手続に時間を要したことや、建築資材の高騰に伴い、事業計画を見直したことなどにより、工事の着工がおくれたためであります。
 なお、平成十九年度末までの整備状況は、東京都高齢者保健福祉計画における利用者見込み数に対し、達成率は九七・八%であり、おおむね順調に推移をしております。
 また、今年度から、地域偏在を解消するため、高齢者人口に対して整備状況が十分でない区市町村への補助額を最大一・五倍といたします促進係数制度を創設し、着実な整備に努めているところであります。

○神林委員 ただいまご説明にありましたとおり、今年度から促進係数を導入して、地域偏在を解消し、バランスよく特別養護老人ホームの整備を進めるという東京都の方針は、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるために重要な視点であり、高く評価したいと思います。
 次に、一般会計決算説明書九八ページに記載されている特別養護老人ホーム経営支援事業等について伺います。
 従来、措置費と都加算などにより運営されてきた特別養護老人ホームについては、平成十二年四月の介護保険制度施行に伴い、介護報酬と利用者負担により、施設みずからが経営努力をしなくてはならないものと認識しております。しかしながら、東京都は、利用者のサービスの維持向上及び介護保険制度への円滑な移行を図るため、経過的な支援として、特別養護老人ホームの経営支援事業を始めた経緯がございます。
 本年六月に発表された特別養護老人ホームなどの経営実態に関する調査報告書によれば、平成十八年度における事業活動収入から費用を差し引いた収支差額率は、施設全体としてマイナスとなっていますが、この特別養護老人ホーム経営支援事業の効果により、その数値がプラス三・五六%と改善されております。
 そこで、平成十九年度の実績と、これまで特別養護老人ホームの経営支援事業が果たしてきた意義について、都の認識を伺いたいと存じます。

○安藤福祉保健局長 平成十九年度の実績でございますが、民設民営の特別養護老人ホーム三百三施設に対しまして、三十億九千六百十七万円を支出いたしました。
 本事業は、都独自に経過的な支援措置として実施をしており、利用者サービスの向上と安定的な施設運営に寄与してきたものと認識をしております。

○神林委員 これまで特別養護老人ホーム経営支援事業の果たしてきた役割は大変大きいものがあると思います。今後とも特別養護老人ホーム経営支援事業を継続することをここで強く要望しておきます。
 ところで、都内の特別養護老人ホームにおいては、介護に携わる職員の確保が大変厳しいと聞いております。こうした介護職員の確保や定着のため、都は、ことし六月に、国へ介護報酬のあり方などに関して緊急提言を行いました。その取り組みについては評価いたしますが、特別養護老人ホームの経営者が、介護人材の確保、定着のため、例えば施設が独自に職員のスキルアップのための研修を構築し、職員のモチベーションの向上を目指すなど、先駆的な取り組みを行う場合、都としても積極的に支援すべきと考えますが、所見を伺います。

○安藤福祉保健局長 介護人材の安定的な確保と定着を図るためには、経営者の方におかれましても、職員一人一人が能力を最大限発揮できるよう、スキルアップの研修を実施するなど、働きやすい職場づくりに取り組むことが重要でございます。
 都といたしましても、将来にわたり質の高い人材の確保、定着に向け、職員育成の中核となるリーダーの養成や、キャリアアップのための仕組みづくりなど、施設独自の取り組みに対しまして支援策を検討してまいります。

○神林委員 これは私の持論でもあるんですけれども、介護サービスは、人が人に直接行う、日常生活に密着したサービスで、そのサービスの質は、それを提供する人材に大きく依存するというふうにも考えております。今後、東京都においては、介護人材の確保、定着に対する取り組みを積極的に展開することを改めまして強く要望しておきます。
 次に、認証保育所について伺います。
 先日の第二分科会において、認証保育所の適正な運営の確保に関する我が党の質問に対して、福祉保健局からは、認証保育所の設置申請手続において審査の厳格化を図っている旨の答弁がございました。その後、関東近県で認可保育所二カ所を含む二十数カ所の保育施設を運営する保育事業者が経営困難に陥り、施設閉鎖に至る事件が起こりました。閉鎖された施設の中には、都内の認証保育所も含まれております。
 そこで、今回の事件に関して、都はどのように受けとめ、また今後、認証保育所の審査をどのように改善していく考えなのか、所見を伺います。

○安藤福祉保健局長 今回、認証保育所を一方的に突然廃止するという事態が発生をいたしましたけれども、このようなことは決してあってはならないことであります。
 都といたしましては、即日、事業者に対しまして、一方的な施設の廃止は決して認められないこと、事業者としての責任を果たすことを強く指導するとともに、利用児童につきましては、地元区等と連携して、転園先を速やかに確保いたしました。引き続き、施設の廃止に至った原因の調査や、保育料の返還等の指導を行っております。
 都としましては、今後、設置主体の審査に当たり、必要に応じて会計の専門家の助言、指導を受けるようにするなど、一層適正な審査に努めてまいります。

○神林委員 今回問題となった事業者は、保育事業とは別の事業部門の経営悪化が経営破綻の原因となったとの報道もございます。複数の保育施設の運営実績があり、経営規模が大きい事業者であれば、大抵の場合、問題はないと考える部分もあるかと思います。しかしながら、世界的に経済情勢が変動しており、たとえ大企業であっても、将来の経営動向が読みにくい時代に突入しております。将来を担う子どもたちのために不可欠な保育サービスである認証保育所制度について、計画的に設置促進を図っていくことを大前提として、都民が安心して利用できる仕組みとするよう、再度改善の取り組みをお願いして、次の質問に移ります。
 次に、生活文化スポーツ局関係の地域力の向上に向けた取り組みについて伺います。
 核家族化、少子高齢化の進展で、人と人のつながりが希薄になり、地域で支え合う力が弱体化しております。加えて、近年、突発的な災害や消費者被害などの犯罪がふえており、従来に増して地域での共助の重要性が指摘されております。こういった中で、我が党の要望を受け、都が積極的に地域の安心・安全性を高め、地域の活性化を図る事業に取り組んできたことは、高く評価できるものでございます。
 平成十九年度の重点事業として実施された地域の底力再生事業助成は、当初予算を大幅に上回る四千四百万円の助成決定がなされたと聞いておりますが、この理由についてまず伺います。

○秋山生活文化スポーツ局長 地域の底力再生事業助成は、地域力の向上を図ることを目的に町会、自治会が実施する事業に対して助成をするものでございまして、ご指摘のとおり、平成十九年度におきましては、町会、自治会から当初の予想を大幅に上回る事業申請がございまして、十九区十四市一町の八十三団体の事業に助成をいたしました。
 特に、より広範な地域で町会、自治会の活動を浸透させるための取り組みが目立ちまして、連合組織が地域の防犯、防災事業や町会、自治会への加入促進事業など多様な事業に積極的に取り組んでいただいたことが、予算を上回る成功につながったものと考えております。

○神林委員 今ご報告にあったので大変うれしく思っているんですけれども、多様な事業に助成され、活用されているとのことでございますので、大変心強く思っている次第でございます。
 我が党は、平成十七年に、東京都議会自由民主党町会・自治会等振興議員連盟を発足させ、地域の実情を伺ってきたところでございますが、やはり東京においては、集合住宅の増加や人口の流動化などで、町会、自治会などによる組織的な活動がなかなかできにくいのが現状のようでございます。
 そのような状況の中で、具体的にこの事業が地域活動の活性化にどのように役立ったのか、伺います。

○秋山生活文化スポーツ局長 ご指摘のように組織的な活動が難しくなる中で、町会、自治会では、この助成事業を活用いたしまして、積極的に地域活動の活性化を図っているところでございます。
 例えば、ある町会連合会では、町会への加入率の低下に対して、地域活動の意義や魅力をアピールしたパンフレットを作成するということなどによりまして加入促進の事業に取り組みまして、約五千世帯が新たに自治会に加入するなど、大きな成果があったというふうに聞いております。
 また、マンションのオートロック化などで、町会、自治会などの地域の情報が届きにくい住民の皆さんに対しまして直接情報を提供するホームページを作成したり、ひとり暮らしの高齢者の増加に対して、防犯、防災活動への参加促進チラシを配って意識啓発を行うことによりまして、地域住民が助け合う共助の推進を図ることができた事例など、本事業によりましてさまざまな取り組みが展開され、地域活動の活性化に大きな効果をもたらしたものというふうに評価をしております。

○神林委員 私の地元でございます大田区も大分使わせていただいたようでございますが、町会、自治会から、この助成事業に対する意見を単刀直入に聞かせていただきました。そういう中で、この助成がきっかけとなって、連合が一丸となって行われる事業に着手できた、あるいは、費用の面で思うように進んでいなかった事業が、この助成を充てることで一挙に推進できたなどと評価する声があった一方で、マイナスの部分としてというか、さらに要望という意味で、事業着手の際の前払い金を現在よりも引き上げてほしい、あるいは、地域の力の向上に役立つものであれば、助成対象の経費の範囲を広げてほしいなどのさまざまな意見が出されておりました。また、課題へのチャレンジ事業など、新たな事業に着手することはなかなか難しいという声もございました。
 このような意見は、町会、自治会が助成事業に期待を抱いていることの、逆にいえばあらわれだと思いますので、事業の実施に当たっては、さらなる改善をお願いしたいと考えております。地域力の向上に向けた今後の取り組みについて、所見を伺います。

○秋山生活文化スポーツ局長 平成十九年度に多数の応募があった中で、事業内容に対しましても、町会、自治会からご指摘のようなさまざまな意見が寄せられております。そのため、今年度は、町会、自治会の事業がより円滑に実施されるよう、助成決定当初の支払い額を三割から五割に引き上げるとともに、婦人部、女性部が中心となりまして行う事業を新たに助成の対象に加え、事業規模を拡大したところでございます。
 本事業は、平成十九、二十年度の二カ年のモデル事業として位置づけられておりますが、当局といたしましては、地域活動の活性化に大きな役割を果たしている本事業を継続する必要があるというふうに考えておりまして、スポーツや伝統文化など地域に密着した事業を対象とすることを検討するとともに、募集の回数もふやすなど、利用しやすくしていくことを目指しているところでございます。今後、本事業を通じて、より一層の地域の底力再生に取り組んでいく所存でございます。

○神林委員 この助成事業の平成二十年度の予算は七千万円で、既に町会、自治会から多くの事業申請があったと聞いております。先ほどのアンケートにありましたとおり、やはり使いやすく、より広がるようにという部分の思いも含めまして、地域の活力を高めるため、我が党としても全面的に支援していきたいと考えておりますので、平成二十一年度はさらに充実していただくことを要望しておきます。
 次に、学校における環境教育について伺います。
 地球環境問題の解決は二十一世紀の課題であり、すべての人々が取り組んでいく必要がございます。また、京都議定書の約束期間となり、六月には洞爺湖サミットが開催されるなど、環境問題への関心が社会的に高まっているところでございます。
 東京都は今年三月に東京都環境基本計画を策定し、地球温暖化防止に向けたCO2削減について、具体的な数値目標を示しております。CO2の削減は、官民、事業所の規模の大小にかかわらず、すべての国民が同様に取り組まなければならないものであります。環境問題の解決に取り組むことは、子どもたちが大人になって、やがて次世代をはぐくんでいくことができる環境を残すことであり、子どもたちに対する環境教育も極めて大切であると考えております。
 そこで、まず、現在の環境教育において、子どもたちはどのような内容の学習や取り組みを行っているのか、伺います。

○大原教育長 現在、都内の公立小中学校では、学習指導要領に基づきまして、社会科、理科、家庭科、技術・家庭科など教科の学習の中で、廃棄物や水、資源・エネルギー、消費生活など環境に関する学習をしております。
 また、総合的な学習の時間では、小学校の約八〇%、中学校の約六四%の学校が、環境をテーマに、川の生態系の観察や自然を守る清掃活動などの自然保護、リサイクル活動や緑化活動などの環境保全に関しまして、体験を通した学習に取り組んでいるところでございます。

○神林委員 地球温暖化防止という喫緊の課題については、これから先、問題が起こるということではなく、既に世界各地で気候の変動による大きな被害が発生しているという待ったなしの状況でございます。それについて、子どもたち自身に主体的に考えさせ、環境に配慮した行動を実践する人間に育てることが重要であり、環境教育のさらなる展開が必要ではないかと考えております。このことは、家庭から排出されるCO2が二〇〇五年度で排出量全体の二六・二%を占めている現状がある中で、子どもたちの生活基盤である家庭において環境に配慮した行動を実践することにつながり、家庭での地球温暖化防止の意識を高めることにもなります。
 そこで、東京都教育委員会は、CO2削減に向け、環境教育の取り組みをどのように展開しようと考えているのか、伺います。

○大原教育長 地球温暖化防止のためのCO2削減に取り組みますことは、教育におきましても緊急かつ重要な課題でございます。
 そのため、都教育委員会では、今月中に、小学校四年生を対象にいたしまして、地球温暖化防止のリーフレットを作成、配布し、啓発をしてまいります。
 また、十二月には環境教育フォーラムを開催いたしまして、地球温暖化防止に向けた各学校の先進的な取り組みを紹介してまいります。
 さらに、来年六月をCO2削減アクション月間と位置づけまして、関係機関や区市町村教育委員会と連携をいたしまして、保護者の協力を得ながら、CO2削減のために、要らない電気は消す、冷暖房を抑えるなど、児童生徒の実践行動を推進していく考えでおります。

○神林委員 少し飛ばしてまいりましたので、最後の質問になりますけれども、そこで、今、オフィス、事業所では、具体的な到達目標を設定するなど、積極的にCO2削減に取り組もうとしております。家庭生活に行政が制限をかけることはできませんが、例えばスイッチを小まめに切ったらどれだけの削減につながるかなど、やはり具体的な情報を提供したり、PTAや家庭も取り込んだ行動の実践をすることが必要であると考えます。
 そこで、今後、CO2削減に向けた環境教育に取り組む際に、PTAや家庭を取り込んだりすること、あるいは実践の成果を表彰することなど、さらに積極的な取り組みを進めるべきと考えておりますが、このことについてお伺いして、私の質問を終わります。

○大原教育長 CO2の削減に向けた環境教育を全都の学校で展開する際、保護者の協力が必要不可欠でありますことから、児童生徒だけでなく、保護者の方にもCO2削減の成果が目に見えるようにしていく必要があると考えております。
 そのために、CO2削減の具体的な行動を行いますに当たり、どのような行動がどれだけのCO2削減につながるのか、明確にわかるよう、目安となる数値を保護者への啓発リーフレットなどを通しましてお示しをしていきたいと考えております。
 また、お話のように、アクション月間における実践的な取り組みのうち、特に顕著な成績を上げている取り組みを表彰するなど、児童生徒の意欲をさらに高めていく方策について検討してまいります。

○遠藤(衛)委員長 神林理事の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十一分開議

○遠藤(衛)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 泉谷つよし委員の発言を許します。

○泉谷委員 まず、児童虐待についてお伺いします。
 核家族化が進行するに伴い、相談する相手がおらず、子育てに苦悩する親が増加しています。そんな中、親に危害を加えられる子どもたちも増加し続けていますが、都内では、虐待を受けている子どもたちを受け入れる施設が既に飽和状態であると聞いております。こうした子どもたちが安心して過ごせる場所の整備が急がれます。
 都は、これまでも、児童のためのグループホームや養育家庭など、社会的養護の受け皿の拡大を図ってきました。
 そこで、まず、十九年度における社会的養護を必要とする子どもたちのための施設等の整備状況についてお伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 近年、児童虐待など、さまざまな事情で親と一緒に暮らすことのできない子どもたちが増加する傾向にあり、児童養護施設など、子どもの生活の場を整備することが必要でございます。
 このため、都は、児童養護施設の新設やグループホーム等の整備による定員の拡大に努めており、平成十九年度の児童養護施設の定員は三千百四十七人で、前年度に比べ、九十五人増加をしております。

○泉谷委員 虐待を受けた子どもたちは、その過酷な体験から心に深いダメージを受けており、目に見えない内面の痛みを乱暴な行動や人間関係の不全などさまざまな形であらわすことがあると聞いています。こうした子どもたちは施設で専門的な手当てを受けることが必要です。
 これまで、都は、虐待を受けた子どもたちのケアを児童養護施設内においてどのように取り組んできたか、お伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 お話のように、虐待を受けた子どもたちは、虐待の体験から情緒的な問題を抱えることも多いことから、職員がよりきめ細かな支援をしていくことが重要であります。
 このため、都は、児童養護施設において、少人数のグループ制とし、職員の配置を厚くしてケアを行います小規模グループケアを進めており、平成十九年度では、児童養護施設の約八〇%に当たる四十二カ所で実施しております。
 また、平成十九年度から、精神科医師や心理療法担当職員等を配置する専門機能強化型児童養護施設制度を創設いたしまして、子どもへの専門的ケアの充実を図っているところであります。

○泉谷委員 次に、保育所待機児童についてお伺いします。
 女性の社会進出や雇用形態の多様化が進む中で、働いている人が安心して子育てするためには保育サービスの充実が必要です。ところが、都内の状況を見ると、平成十九年四月に四千六百一人であった待機児童数が、平成二十年四月には八百七十八人もふえて五千四百七十九人となるなど、むしろ子育てする人には環境が厳しくなっているのではないかと思われる現実があります。
 待機児童数は全国的にもふえたようですが、まずは都として、待機児童数が昨年より増加した要因をどのようにとらえているのか、お伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 都内では、認可保育所や認証保育所などの整備によりまして、保育サービス定員が昨年より三千六百五十二人分増加をいたしました。
 一方、人口流入などによりまして、就学前児童人口の増加や入所申込率の上昇により認可保育所入所申込者数が増加したことなどから、保育所待機児童数は四年ぶりに増加することとなったところであります。

○泉谷委員 ここのところ減少傾向にあった待機児童が今年度また増加に転じたとのことでありますが、五千人を超える待機児童の解消に向けて、具体的にどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 都では、昨年十二月に、子育て応援都市東京・重点戦略を策定いたしまして、今年度から、認可保育所や認証保育所、認定こども園など多様な保育サービスを組み合わせまして、これまでの一・五倍のスピードで定員一万五千人分の整備を行います保育サービス拡充緊急三カ年事業をスタートさせております。
 この目標を着実に達成するため、認証保育所等の開設資金無利子貸付やマンション等併設型保育所の設置促進、都有地の活用などにより、区市町村への支援を強化し、待機児童解消に努めているところであります。

○泉谷委員 先ほどもお話がありましたが、先日、豊島区に本社がありますハッピースマイル-エムケイですね、が経営破綻をし、中野区では、オープン二カ月で認証保育所を突然廃止しました。
 都では、認証保育所の質を守り、向上させていくために、立入調査を行っていると聞いております。
 そこで、まず、平成十九年度における認証保育所に対する立入調査の実績と結果についてお伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 平成十九年度は、四月一日現在の全認証保育所三百六十七カ所のうち、百六十四カ所に対して立入調査を行い、四十三カ所の施設に対して七十八件の文書指摘を行いました。
 指摘の主な内容は、毎月の避難、消火訓練を実施していない、調理、調乳担当者の検便を実施していないなどであります。

○泉谷委員 立入調査の実績に関する答弁を聞いていますと、立入調査は、おおむね二年に一回になるようです。しかし、昨今、経済が不安定のため、さまざまな要素で保育所を取り巻く環境も激変しており、今回の一件のように、保育の現場では、さまざまな問題が起きているのではないかと思われます。
 そのような中、本当に二年に一度の立入調査で大丈夫なのでしょうか。お伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 認証保育所に対します立入調査については、一年に一回の実施を原則としております。ただし、調査の重点化を図るために、前回の調査で特に大きな指摘等のない良好な運営を行っていると認められた施設については、平成十七年度から二年に一回の実施としております。
 なお、問題のある施設につきましては、必要の都度、立入調査を行うなど、指導の強化を図っているところであります。

○泉谷委員 次に、子育て推進交付金についてお伺いいたします。
 子育て推進交付金は、保育、学童、子育てなどに関する従来の都加算補助十三項目を再構築し、平成十八年度に創設されたものです。
 従来の補助制度は、対象事業や補助金の使途などを細かく規定し、市町村が一律に事業を実施する仕組みであったため、市町村の裁量の余地が少ないものでした。しかし、交付金化したことにより、基礎的自治体である市町村の判断にゆだねるところが多くなったと思いますが、改めて子育て推進交付金制度の趣旨、目的についてお伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 地域の子育て環境を整備するためには、地域の実情に応じた市町村の主体的な取り組みを幅広く支援することが重要でございます。
 都は、こうした考え方に基づきまして、市町村が創意工夫により施策を展開できるよう、それまでの補助制度を再構築し、子育て推進交付金を創設したものであります。

○泉谷委員 各市町村が地域の実情に応じて柔軟に施策が展開できる仕組みになったことは評価するところであります。しかしながら、公の施設の耐震化のように、各自治体の財政力によって、保育園の運営などに大きな違いが出てきてはまずいと思います。
 各市町村から提出されました平成十八年度の充当事業報告書によれば、交付金の九九%が従来の都加算補助十三事業に充当されており、交付金化の前後で各市町村の取り組みに大きな変化は見られないとのことですが、今後、一定のサービス水準を確保した上で、交付金化の趣旨を生かして、地域の実情に応じた取り組みが進むよう、都として、各市町村に対してどのように働きかけていくのか、見解をお伺いいたします。

○安藤福祉保健局長 従来の補助制度は、その使途や補助条件が細かく限定されておりまして、市町村に裁量の余地が少ないものでありましたが、子育て推進交付金を活用することにより、子育て支援の実施主体であります市町村が、地域のニーズを敏感にとらえて、柔軟な施策展開を行うことが可能となったと考えております。
 都は、市町村がより効果的、効率的に施策を展開できるよう、交付金を活用した市町村独自の取り組み事例を紹介するなど、働きかけを行ってまいります。

○泉谷委員 十一月の「広報東京都」の一面には、東京から示そう、子育て環境日本一という記事が掲載されていました。今後とも子育て支援策をより一層充実させることを期待いたしまして、私の質問を終わります。

○遠藤(衛)委員長 泉谷つよし委員の発言は終わりました。
 次に、崎山知尚委員の発言を許します。

○崎山委員 初めに、私の方からは都立霊園について伺います。
 人は死ねば、当然亡きがらを埋葬します。葬送、葬礼は人類だけの規範でありまして、今回、この質問、墓地、埋葬等について何点かお伺いさせていただきたいというふうに思います。
 少子化、高齢化など、社会情勢の変化により、都民のお墓に対する意識と需要に大きな変化が生じてきています。例えば、お墓を持っている世帯であっても、承継する人がいないケースがあり、また、子どもがいても、お墓の承継による負担をかけたくないと考える人もいます。
 こうした状況の中で、都立霊園では、一般墓地だけでなく、合葬式墓地や立体式墓地など、さまざまなタイプの墓地を供給しています。これらの取り組みは、お墓に対する都民の多様化するニーズに的確にこたえるものとして一定の評価をいたします。
 しかしながら、今後、団塊世代の高齢化がさらに進むことを考慮するならば、依然として、お墓の絶対数が足りず、お墓を求める都民の需要に十分こたえているとはいえません。私の知人も、お亡くなりになった身内の方がいらっしゃいまして、お宅に訪問すると、まだお骨が仏壇に置いてありまして、なかなか都立霊園が当たらないと。当せんしないということで、コストもかかるということで、なかなか需要は大きいようであります。
 そこで、都立霊園の最近五年間の申し込みの状況について、まず初めに伺います。

○道家建設局長 都立霊園の申込状況についてでございますが、平成十六年度から平成二十年度までの五年間では、平均して約一万四千件の申し込みがあり、倍率は八・三倍であります。
 墓地の種類別では、一般墓地や芝生墓地といった平面墓地につきましては、平均して約八千五百件の申し込みがあり、倍率は十四・七倍であります。また、合葬式墓地や立体式墓地といった集合墓地につきましては、平均して約五千六百件の申し込みがあり、倍率は五・一倍となっております。

○崎山委員 ただいま答弁にありましたように、墓地を取得したいという都民の切実な思いが都立霊園の申し込みの状況に反映されていると思います。
 集合墓地の中でも、とりわけ合葬式墓地は、先ほど伺った申し込みの状況から見て、都民に受け入れられてきていると思います。今後、できる限り多くの墓地を都民に提供していくためには、この合葬式墓地を継続して供給することが重要であると考えます。
 都は、合葬式墓地の整備に向けて、どう取り組んでいくのか、所見を伺います。いかがでしょうか。

○道家建設局長 合葬式墓地は、限られた敷地を有効に活用して、大きな一つのお墓に多数の遺骨を一緒に埋蔵するもので、将来の管理や承継の心配のないタイプの墓地でございます。
 都は、都民の墓地需要にこたえるため、小平霊園と多磨霊園に三基、約二万体分の施設を整備してまいりました。このうち、これまでに約九千四百体分を供給し、残りの約一万体分を平成二十一年度から二十四年度にかけ募集する予定であります。
 引き続き都民の需要が見込まれることから、平成二十年二月の公園審議会答申では、この合葬式墓地をさらに一基増設することが提言されております。
 今後、平成二十五年度からの安定的な供給に向けて、規模や場所など、合葬式墓地の整備について検討してまいります。

○崎山委員 今後も合葬式墓地の供給を積極的に進めていただきたいと思います。
 私が平成十八年第一回都議会定例会でも質問をいたしました、自然に返りたいという都民の思いにこたえることができる新たな形式の墓地の供給も必要であると考えます。新聞で報道された世論調査では、三割の人が自然葬を望み、八割が是認しているとなっております。そして、先ほどの答弁にもありました公園審議会の答申を見ますと、樹林墓地や樹木墓地という新たな形式の墓地が提案されています。提案された樹林墓地や樹木墓地とはどのような墓地なのか、また、都は現在どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○道家建設局長 樹林墓地と樹木墓地は、都民の自然に返りたいという思いにこたえるため、公園審議会答申で提言されたものであり、遺骨を直接地中に埋蔵することで遺骨が土に返る形式の墓地であります。
 答申では、樹林墓地は、緑豊かな樹林の下に設けられた納骨施設に多くの遺骨を一緒に埋蔵するタイプであり、また、樹木墓地は、シンボルとなる樹木の周辺の地中に遺骨を個別に埋蔵するタイプの墓地としております。
 答申を受け、現在、この新たな形式の墓地について、形態や規模等に関する基礎的調査を行っており、その結果を踏まえ、導入について検討してまいります。
 今後とも、都民ニーズを的確に把握し、多様な形式の墓地の整備に取り組んでまいります。

○崎山委員 死後は自然に返りたい、土に返りたいという都民の思いにこたえられるよう、樹林墓地や樹木墓地の実現に向けてご努力をいただきたいと思います。ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次に、中小企業の販路拡大についてお伺いいたします。
 世界の金融市場は未曾有の混乱に陥っており、それが実体経済に大きな影響を及ぼしております。この影響は、都内中小企業にも到達しており、今まで地道に努力してきた中小企業の経営も脅かされつつあります。
 都内中小企業の売上高の状況を示す指数である前年同月比売上高DIはマイナス五〇近辺まで悪化し、これは六年ぶりの低水準であります。昨年までの景気回復で都税収入の見込みがバブル期以上になり、明るい兆しが見えてきた矢先に、原油高を初めとする原料の高騰によって、中小企業、ましてや零細企業はその恩恵を実感するには至りませんでした。
 その上、最近では、中小企業の経営者の方々から売り上げが急速に落ち込んだという声を多く聞くようになりました。中小企業は製品開発力や技術力を備えていても、営業力が弱いため、販路の確保や拡大が難しい面があります。昨今の厳しい経済状況のもとで、中小企業が経営を維持発展させていくためには、売り上げ拡大に向けた販路開拓が重要であると考えます。
 そこで、中小企業に対する販路開拓支援策について何点かお尋ねいたします。
 まず、中小企業の販路開拓支援に関する主な事業の内容と平成十九年度の実績について伺います。

○佐藤産業労働局長 販路開拓は中小企業の大きな課題の一つでありまして、都は、中小企業に対し、さまざまな販路開拓支援策を実施してきております。
 まず、下請企業振興対策といたしまして、中小企業振興公社において発注開拓や取引あっせんを実施しております。平成十九年度は、発注企業延べ千四百七十六社を訪問いたしまして、下請企業等に対する発注を依頼いたしまして、受発注情報の収集、提供を通じ、二百三十七件の取引が成立いたしました。
 また、市場開拓支援事業では、新たに開発した新製品の市場開拓に乗り出す中小企業に対しまして、見本市出展経費等の一部を助成し、平成十九年度には二十五件を支援したところでございます。
 さらに、営業経験豊富な大企業のOB等が中小企業の製品や技術を商社やメーカーに紹介いたします中小企業ニューマーケット開拓支援事業では、平成十九年度は百六十三件が成約いたしました。
 そのほか、東京ビッグサイトにおける産業交流展を開催するなど、中小企業の販路開拓を積極的かつ多面的に支援しているところでございます。

○崎山委員 都は中小企業に対して、さまざまな販路開拓支援を実施し、実際に取引が成立するなどの実績も上がっていることがわかりました。私は、現在のような厳しい経済状況のときには、中小企業の売り上げ拡大に向けた販路開拓支援のさらなる強化が重要であると考えます。
 そこで、中小企業の販路開拓支援策の今後の展開の方向性についてお伺いいたします。

○佐藤産業労働局長 景気の下振れが鮮明となっております状況の中で、中小企業は受注の確保に苦戦しております。販路開拓支援はますます重要になるものと認識しております。
 この認識のもと、まず今月二十五日、二十六日に開催いたします産業交流展におきまして、中小企業の広域的な取引のきっかけづくりやビジネスチャンスの創出に向けまして、首都圏の八都県市による日本最大級の合同商談会を初めて実施いたします。受注企業、発注企業合わせて五百社を超える企業が参加をする予定でございます。
 また、各種の販路開拓支援策に加えまして、重点戦略プロジェクト支援事業や地域中小企業応援ファンド等、中小企業の新事業への取り組みに対しまして、企画、開発から販路開拓までを一貫して支援する事業も順次立ち上げております。
 今後とも、これらの広域性や一貫性を持った取り組みを強化するなど、中小企業の販路開拓支援の充実を図ってまいります。

○崎山委員 青息吐息の厳しい経営環境下にある中小企業、また零細企業もそうですけれども、に対して、この販路開拓支援を含めさまざまな支援策を着実に実施していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、大気環境対策について質問いたします。
 昭和四十年代は、晴れていても富士山が見えないほど、東京の大気汚染は深刻な状況にありましたが、工場などの固定発生源対策によって大幅に改善されました。また、自動車の排出ガスを原因とした大気汚染についても、ディーゼル車規制により、着実に成果を上げています。
 本年八月に発表された平成十九年度の東京の大気汚染状況の測定結果を見ると、二酸化窒素については、すべての一般環境大気測定局で環境基準を達成し、自動車排ガス測定局でも三十四局中二十五局で達成したとあります。
 また、浮遊粒子状物質については、八十すべての観測局で環境基準を達成しています。十年前、浮遊粒子状物資は五局でしか達成していないことから比べると、東京の大気環境はかなりきれいになっているといえます。
 「十年後の東京」への実行プランと環境基本計画を見ると、都は世界の大都市で最もきれいな大気環境を目指すとしており、新たな課題として、PM二・五が挙げられています。さきの各決算特別委員会第三分科会で、都は、平成十九年度から環境科学研究所でPM二・五に関する研究を実施していると聞きました。
 この物質は、髪の毛の三十分の一ほどの粒径二・五ミクロン以下の大気中に浮遊する粒子状物質です。工場や自動車などから直接排出されるだけでなく、発生源から排出されたガスが大気中で化学反応して生成されるものもあると聞いております。また、呼吸時に気管を通り抜けて気管支や肺まで達するため、肺がんなどの健康影響が懸念されてもいます。海外の状況を調べてみると、米国やEUでは、既に環境基準を設定しております。
 ついては、新たな課題であるPM二・五に対する都の取り組みの現状と課題についてお伺いいたします。

○有留環境局長 大気中の微小粒子状物質、いわゆるPM二・五は、循環器系の疾患や肺がんなどの健康影響が懸念されておりまして、お話のように欧米や世界保健機構では既に大気環境の基準が設定されております。しかしながら、我が国においては、国レベルでの取り組みが立ちおくれておりまして、環境基準はいまだ設定されておりません。
 このような状況の中で、東京都は、平成十三年度から大気環境中のPM二・五の測定を実施するなど、先駆的に実態把握に努めてまいりました。
 PM二・五には、燃焼に伴い発生するすすなどのように、もともと粒子であるものと、VOC、すなわち揮発性の有機化合物のように、排出されたときはガスであっても、大気中で粒子に変化するものなどがございます。このように、生成のメカニズムが複雑であり、また発生源との関係など、未解明の部分が多いため、それらを解明していくことが大きな課題となっております。

○崎山委員 PM二・五を新たな課題として認識し、先進的に測定や研究を実施してきたことは評価できます。
 国はおくればせながら、PM二・五の健康影響やリスクの評価委員会を設置し、環境基準の設定も含めた対応について検討していると聞いています。世界に誇れる大気環境を東京に実現するには、都はPM二・五という新たな困難な課題に積極的に挑戦し、国に先駆けて克服していく必要があります。
 ついては、PM二・五の対策について、今後、都はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○有留環境局長 大気環境中のPM二・五の低減を図るため、都は、本年四月、専門家による微小粒子状物質検討会を設置いたしました。
 また、従前の調査に加えまして、より詳細な大気中の濃度や成分の測定などの調査を実施しております。
 今後は、これらの検討や調査の結果に基づき、PM二・五の発生源や生成の仕組みなどを明らかにしてまいります。
 これらを踏まえまして、東京の実態に即した効果的な対策の構築を図り、より一層質の高い大気環境の実現を目指してまいります。

○崎山委員 今の答弁にあったように、PM二・五対策は、まだまだ緒についたばかりであろうというふうに思っております。大気汚染による都民の健康リスクを少しでも減らすために、PM二・五の実態解明などの対応を進めることを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○遠藤(衛)委員長 崎山知尚委員の発言は終わりました。
 続きまして、斉藤あつし委員の発言を許します。

○斉藤委員 それでは、本日は全局質疑でございますので、多くの局にかかわる質問を前半させていただきます。また、一般都民の皆さんからいただく意見をもとにやる質問ということでご理解ください。
 平成十九年度、この決算を通して、収支等、疑問がありましたので、ここで伺います。
 考えてみますと、東京都は十八年度末から、既に報道で、景気回復でバブル期を上回る過去最高の税収といわれておりました。また、年度途中でも、来年度、過去最高の法人税収入になると随分早い時期から報道されておりました。
 これについて、主税局は、地道な徴税努力というふうに反論していましたし、私も実際、その努力はしていたというふうに感じておりますが、巨額の税収の数字を前にして、ちょっとこのような反論もかき消されてしまったような感じを受けます。
 現在、サブプライムローン問題に端を発して、リーマンブラザーズショックや株価低迷などという話題があるわけですが、これを考えてみると、まさにバブル期以来、バブル期を上回る税収などというのは遠い昔の話のような気がいたします。
 私も先般、分科会で主税局に伺ったところ、まだ詳細不明ながらも、今後の税収について減収が予想されるということでした。そのような未来を想像できずに浮かれていたとはいいませんけれども、平成十九年度の一年を通して、若干わきが甘くなっていたのかなというふうな気がいたします。
 この平成十九年の冬には、国税収の困窮状態から、大都市を中心に、法人事業税の一部国有化という、税のあり方からすれば理屈に合わないような方法で、二年にわたり、六千億円出すことになりました。ただ、世論としては、あんなにこれからも収入があって、ひとり勝ちの東京都だから仕方がないねというような雰囲気があったんじゃないかと思います。
 ならば、前述の税収の報道の際に、東京都の緊迫した具体的な問題を、だれもが認める事業を行う、そのためにこの税収を有効に使うというような提言をして、地方の反感を買わないような、先般の東京緊急対策のような、しっかりとしたものを打ち出す必要があったんじゃないのか。
 実際に、私どもが、ちょうど新銀行東京の追加出資、十九年度末の追加出資で話題になったころに、この後、話にも出ますが、大都市での介護報酬単価引き上げ要望をしに国会に行きましたところ、地方の県の選出国会議員から、東京都はお金があるんだから自分たちでやったらどうかとまじめな顔でいわれてしまいました。正直、乱暴な話ではありますが、地方の感想としては率直なものだったんじゃないかなという気もいたします。
 財務局を初め知事本局や生活文化スポーツ局などの広報などが、まさに全員野球のような形で一体になって、全体のバランスを考えて、東京都のイメージ戦略を考案してもよかったんじゃないかと思います。そういうことを通じて、法人事業税の一部国有化についても、東京都の国への抵抗に対して、周辺からの賛同が若干でも得られたかもしれません。
 このような策については、東京ひとり勝ちの印象を緩和する対策として、ある程度意味があったんじゃないかと思いますが、今回は決算ということで、これに関して、この後の質問についてもなんですが、代表して、財務局に意見を伺います。

○村山財務局長 昨年、国が東京都から財源を奪おうとする動きを強めた際に、東京都は昨年の十月に、「都市と地方の共倒れを招く『法人二税の格差是正策』に反論する」という文書を公表したわけでございます。この反論書は、国がみずからの責任を棚に上げて、都市と地方を対立させることによって直面する矛盾を何とか糊塗しようとする動きを批判するとともに、都市と地方がともに連携して国に対抗していこうということで、全国の自治体に向けて訴えを行うという趣旨の文書でございます。
 そこで、東京都が訴えたことを改めて申し上げさせていただければ、まず第一に、現在の地方財政の困窮の根本原因は、国がバブル経済崩壊後の景気対策として、地方債を財源とする公共事業を地方に押しつけたことにあるという、この点でございます。
 第二に、今日の地方の困窮をより深刻にさせているのは、この公共事業の借金返済のために地方の自治体財政が非常に逼迫している中にあって、三年間で五・一兆円の地方交付税削減を三位一体改革の名をかりて行ったということにあります。これも国の責任でございます。
 第三に、仮に都市から地方へと税源を再配分したとしても、それだけでは、その分地方交付税が削減されるだけで、国が得をするにすぎないということを明らかにしたわけでございます。
 第四に、日本の牽引役である東京への投資がいかに重要であるのか。また、現実に大都市特有の膨大な財政需要がいかに多いのかということを具体的に示した上で、それらを放置すれば、東京の活力が失われ、ひいては国全体が疲弊するということを実証的、分析的に明らかにいたしました。
 さらに反論書においては、東京都は、志と意欲を持っている自治体と手を携え、地域の活性化のために、ともに知恵と努力を傾けていこうという姿勢を表明いたしまして、これに基づき、例えば、都庁舎内に全国観光PRコーナーを開設いたしました。また、産業交流展においては、地方向けのブースを新たに確保するなど、施策を行い、地方の自治体から大変喜ばれ、相互理解に大いに寄与しているところでございます。
 このように、東京都といたしましては、都市と地方がいかにして共同して直面する困難に向かうのか、税財政の抜本改革を通じて真の地方の自立を目指していくべきだというメッセージを送る努力を、この間一貫して、してきております。
 なお、先ほどのお話の中で、都のわきが甘くなったから東京富裕団体論を招いたんだというふうに受け取れるご指摘がございました。これは、私どもの認識とは、率直にいって、いささか異なるご主張でございます。むしろ事態は逆でございまして、バブル崩壊後、国がいつまでも公共投資の追加による景気再浮揚にこだわり、大量の国債発行を継続して、地方にもそれに対する同調を押しつけてまいりました。
 これに対して、都は全く逆に、早期に経常経費、投資的経費の大幅な見直し削減を行いまして、都債を圧縮し、財政再建に努め、これを達成したわけでございます。
 一方、地方の多くの自治体は、残念ながら交付団体ということもあり、国に同調した結果、地方債残高を急増させ、その償還費で一般財源がいわば食われる形で今日財政が圧迫されているという困難に直面しているわけでございます。
 いわゆる東京富裕論は、先ほど申し上げたように、国がこうした状況をみずから招いたにもかかわらず、その責任を回避して、地方同士の対立に持ち込むためにする論理でございます。にもかかわらず、この間、堅実な財政運営に大胆に努めてきた東京都の方にあたかも富裕論の責任があるごときご議論は、結局、理不尽な帳じり合わせを今なお策している国を利することにほかなるものではございません。この間の事実に照らしても、ご指摘は当たらないと考えております。

○斉藤委員 私ども、国の方の、特に政府に対しては厳しく民主党も頑張っておりますので、その部分では一致する方向を向いているのかなというふうに思います。
 重ねて伺うんですけれども、私ども都議会民主党は、新銀行東京の支援の見直しについても、十九年度の中で代表質問などで一貫して求めておりました。残念ながら、年度末予算審議で四百億円追加出資となってしまいましたが、そのほかにも、内容のよしあしの議論は別といたしまして、新銀行問題に連続する形で、オリンピックの基金や、そしてまた豊洲の土壌汚染対策など、これは年度をまたぎますけれども、こういったものが報道されて、私ども議員は都民の意見や肌感覚みたいなものをお伝えするというふうな仕事もありますので、若干これもお話しさせていただくわけですが、お金がかかること、大きなことばかりを打ち出している東京都の印象が、都民にも、また都内の市区町村の方にも伝わってしまったような感じがいたします。
 さらには、大企業の収益が当時伸びていたものの、平成十九年度の中の正月あたりに地域の方に参りますと、やはり中小企業、個人事業主、大変厳しい状態でありました。
 結果、東京都の方は、先ほどのようなことがたまたま報道の中で、一連の流れでありましたので、若干都民から、やや浮世離れした金銭感覚を持っているんじゃないかというようなことも私は意見をいただきました。このようなことが、オリンピックの支持に関しても、世論調査が四候補都市の中で最下位というふうな部分に反映をすることもあったんじゃないかと思います。
 また、先日、東京緊急対策Ⅱが発表され、今年度の大きな課題の経済対策、中小企業対策が掲載されておりますけれども、今話題となっている周産期医療センターの整備も大きな項目になっております。
 平成十九年度は私ども都議会民主党も産科医療の危機を代表質問で訴えておりますけれども、こちらの方の周産期の提言の前に、十九年度末発表された「東京都における周産期医療体制について」でも、既に過剰な現場への負担というものについて現状が示されております。都立のみならず、東京都全体の周産期医療が疲弊して、ここに来て残念な結果が幾つも報道されているわけですが、今考えると、平成十九年度中、少なからず現状が把握されていたんじゃないかと思います。
 そして、その一方で、同じ時期に、十九年度、一連の新銀行を中心とした議会の質疑、答弁があったわけですが、これらを通じて、都民が東京都全体に対して期待をするお金のかけ方というものに対して、もっと考える点があったんじゃないかというふうに思ったのではないでしょうか。
 地方では考えられないほどの税収がある東京、都民のだれもが願う医療、特に産科、小児の医療体制は不十分、一方で中小企業を十分に助けられない銀行に追加出資、また基金についても大変な額ということで、そういったものが、それぞれ所管局は違うわけなのは確かですけれども、都民から見れば、同じ東京都の姿として映ったんじゃないでしょうか。この都民の目に映る姿、私ども議会を含めて、全局の共通の課題としてよく認識すべきではないかと考えます。
 来年度は、法人事業税の一部国有化も相まって、予算組みは大変きつそうでありますが、この平成十九年度、どのように反省しているんでしょうか。バブル期ほどではなかったにせよ、近い感覚がなかったかということを都民からいわれるわけです。こういったことで、今後、こういった余波が確実に出てくるというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。

○村山財務局長 我々、この間、財政運営において肝に銘じてきたことは、都財政の体質というのは、本質的に激しい税収変動の荒波にさらされることを前提とした上で、必要な行政サービスをいかにしっかりと継続的に、確実に確保していくかという点でございました。
 だからこそ、バブル経済崩壊後、先ほども申し上げましたけれども、いち早く歳出の大幅な見直し、とりわけ投資的経費について、最大で前年度比で三割削減などという思い切った対策を継続的にとるとともに、これをてことして、都債発行を低いレベルに抑制できる財政体質を確立する一方、税収が拡大する局面にあっても、やるべきことはやった上で、しかし安易に歳出拡大に走ることなく、基金の充実に努めるなど、堅実な財政運営を行ってきたわけでございます。
 そのことは、十九年度、二十年度の財政運営でも明確に示されておりまして、例えば十九年度決算では、活用可能な基金を約六千億円積み増す一方、都債残高を約四千七百億円、七%減少させております。
 他方、一般歳出については、わずかながら減少となっております。これは都税収入が遠からず減少に転ずるという認識に基づきまして、必要な施策はしっかり実行するとともに、財政の体力の維持、増強に力を注いだ結果でございます。
 このスタンスは、二十年度予算編成に当たりましても同様でございまして、攻めと、それを支える備えを行う予算として、十九年度最終補正予算と一体的に編成を行いました。すなわち「十年後の東京」の実現に向けた施策など、やるべきことについては、これをしっかり積極的に推進すると同時に、都市インフラの更新のための基金や法人事業税の暫定措置の影響に備えた基金に、合計で四千七百億円を積み立てました。これはまさに今日の経済状況の変動というような事態に備えるための措置でございました。
 このように、これまで堅実な財政運営を行い、財政の対応能力を蓄えてきたからこそ、九月補正予算における対策及び先日公表させていただきました東京緊急対策Ⅱを実施することが可能となったものでございます。
 経済状況が急激に変化が生じておりまして、今年度の法人二税も減少に転じ、来年度以降については、さらに厳しい状況が想定されるに至った今日、これまで都が行ってきた堅実な財政運営の正しさが改めて確認されたものと私どもとしては考えております。
 今後とも、都民に必要な施策については、これをしっかりと実施するとともに、こうした観点に立って、しっかりとした財政運営に取り組んでまいります。

○斉藤委員 では、時間も制限がございますので、ちょっと一点、別のテーマで伺って、最後に意見を述べさせていただきます。
 医療福祉に関してなんですけれども、自立支援法について伺います。
 東京都は平成十七年五月に国へ要望書を提出し、自立支援法の利用者負担について一定の結果が出ていることを私どもは評価しています。
 その一方で、事業者報酬については、過去にも私たち都議会民主党は、非常に低過ぎるんじゃないかというご指摘をさせていただきました。
 例えば、都内某所の訪問の障害者の生活支援では、一時間に千六百円程度、百五十単位で、係数十・七倍するんですが、これをやっても、移動時間も含めて考えれば、一時間半で千六百円、事務経費などが含まれてこの金額というふうになります。介護時間が長くなりそうな重度身体障害者の方については、多少時間単価が安くても、長時間介護をすることによって、ある程度収入効率がよくなるということはあるんですけれども、知的や精神障害の場合は、家事援助等を長時間行うことは余りありません。
 結果、疾患や障害に対する知識のある人材を派遣するためには、現在、東京で行う事業としては、この金額は非現実的じゃないかというふうに考えております。東京都が何か事業を企画したとき、この程度の金額では多分企画はしないでしょうし、人も募集をしないと思います。恐らく、私も含めて皆さん、この金額ではなかなか働けない、働いた上に事務費を出すというのは難しいかもしれない。
 私どもは、結局そういった難しいことを現場の関係者の皆さんに任せているという形になるわけですが、実際に何人も知っていますけれども、続けられない若い人たちが、こういった仕事をしたくてもやめてしまうということがたくさんございます。
 今回、平成十九年度において、決算ということで総括伺うんですけれども、自立支援法よりも報酬が高い介護保険事業者のホームヘルパー不足も大変深刻化した年度でありますが、自立支援法は人材不足で、なお同じように厳しいものです。
 以前、私が文書質問したところ、福祉保健局は、報酬単価の見直しについては、利用者負担への影響を考慮した上で国で検討すべき課題としておりましたが、実際に十九年度、自立支援法について、国への要望をどのように行って、どのような対応をやられているのか伺います。

○安藤福祉保健局長 障害者自立支援法における事業者報酬につきましては、平成十八年度に引き続き十九年度も、大都市の実情を適切に反映した報酬単価を設定するよう、国への提案要求を行ったところであります。
 これに対しまして国は、平成十九、二十年度の二カ年間、お話の訪問系サービスのうち、重度訪問介護事業所に対して、介護者の資質向上及び職場定着の取り組みへの補助や従前収入の九割を保障する対策を実施しております。
 なお、都は国に対し、来年度予定されております法施行三年後の見直しに向けて、障害者を支える人材を確保し、良質なサービスを提供するため、サービス全般にわたり基本的な報酬の改善を行うよう求めているところであります。

○斉藤委員 引き続き、国への要望を強くお願いいたします。
 また、先ほど話に出ました重度訪問介護、補助があるわけなんですが、一方でこういった知的、精神、そしてまた軽度障害については、別にスキルがなくても大丈夫というようなわけではありません。ですから、そのような障害者が本当に親亡き後も自立できるようにするには、単身生活ができるように、実際に訪問して指導、支援をしていくような相応の知識を持った人を派遣する必要がありますので、ぜひ重ねて国への要望をお願いしたいと思います。
 若干質問が残ってはいるんですが、時間の方の都合がありますので、最後に意見を述べさせていただきます。
 現行制度については、報酬を上げると一割分の利用者の自己負担も上がるということで、報酬増が難しいというような考え方もあるようですが、実際には、それだからといって下げたままでいいというふうにはなりませんので、ぜひとも介護保険も含めた、全体を見た国への要望をお願いしたいと思います。
 また、同時に、やはり都民の生活の中で、東京都の都政に対する期待というものは、防災、防犯であったり、また医療や教育の提供であったり、セーフティーネットであったりいたします。そういったものについては、すべてが要望の度合いは均等ではありませんので、ぜひ全体を見て、都民の肌感覚で行政へ信頼が置けるように、財政の運営を含めて、バランスよい行政の事業の計画を練っていただきたいと思っておりますし、またその部分でしっかりと来年度予算に向けての準備を進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○遠藤(衛)委員長 斉藤あつし委員の発言は終わりました。
 次に、大山とも子理事の発言を許します。

○大山委員 十九年度の決算ですけれども、まず最初に確認しておきたいんですが、都民の暮らし、福祉、営業を応援して、教育を充実させる、そのために税金を使うことが地方自治体としての東京都の重要な役割だと思いますが、どうでしょうか。

○村山財務局長 東京都は、福祉、教育、中小企業対策はもとより、環境や治安、インフラ整備など、これまでも総合的な見地から優先度を判断し、切実な都民要望にこたえられるよう、しかるべく真に必要な施策には財源を振り向けてきております。

○大山委員 切実な都民要望にはきちんと対応してきたんだ、そんなことをおっしゃいますけれども、昨年度、東京都は老人医療費助成、六月にとうとう廃止しましたね。介護保険料、利用料負担軽減にも背を向け、心身障害者扶養年金制度、これは負の遺産だといって廃止をしました。少人数学級の実施にも全国で唯一背を向けてきました。中小企業対策予算はピーク時の半分以下、切り下げました。
 お金がなかったかといったら、さっきもありましたが、都税収入は当初予算では五兆三千三十億円の見込みでしたが、十九年度の最終補正では、千八百九十八億円の増収、今回の決算数字ではさらにふえて、合計二千六十五億円もの増収になりました。史上最高の税収となったのが十九年度です。
 将来に備えることも、ある程度は必要です。しかし、本来だったら、十九年度、求められていたのは、雇用の破壊と増税、社会保障の切り下げで苦しんでいる都民の暮らしをしっかり応援することが求められていました。
 しかし、オリンピックをてこにした三環状道路を初めとする大型開発に一兆円を超える投資を行うことや、一千億円のオリンピック基金を初め、三つの新たな基金を創設して、総額一千二百億円の積み立てをしました。財調基金などを合わせますと、基金残高は年度末で二兆円を超えました。
 都民の暮らしや福祉には最初から抑えた予算にした上に、不用額を見ますと、例えば福祉保健局では、福祉施設の整備費の執行率が非常に低くて、地域密着型サービス等の整備は、執行率七・六%です。認知症高齢者グループホーム整備費は、執行率一五・一%など、都民の切実な要求があるにもかかわらず、不用額として使い残しています。
 十九年度から二十年度への繰り越しは約千二百億円です。その繰越金を原資として、二十年度の第三回定例会で出された補正予算は、九百三十五億円のうち五百四十億円、約六割は新銀行東京の原資対策。本当に税金の使い方が逆立ちしているといわざるを得ません。
 最初に、認証保育所の問題について質疑したいと思います。
 第二分科会では、営利企業が経営する認証保育所の検査や認証の審査の問題が質疑されました。架空の職員名簿で虚偽申請し、十九年度末で初の認証取り消しとなったのはじゃんぐる保育園です。一食数十円の食材費で、子どもたちの食の安全や健康さえも保障できない認証保育所も明らかになりました。
 さらに、大企業であります小田急電鉄を親会社とする小田急ライフアソシエがじゃんぐる保育園と同じに職員の虚偽申請をして補助金を不正受給していました。まさに、営利企業が経営する認証保育所の矛盾と不正が次々と噴き出してきた十九年度だといえます。
 十九年度指導検査報告書、これですね、福祉保健局がまとめています。じゃんぐる保育園の初の認証取り消しという事態について全く、一言も言及していません。この年度に起きた大問題なのに、なぜ一言も言及しないんでしょうか。
    〔発言する者あり〕

○村山財務局長 認証保育所についての答弁を福祉保健局長から申し上げる前に、一言予算についての言及がございましたので、答弁させていただきます。
 先ほど来ご指摘のありました心身障害者扶養年金の廃止などにつきましては、しっかりと議会にご提案申し上げ、そのご議決をいただいた上で実施しているものでございます。
 また、福祉と保健について申し上げれば、十九年度、二十年度、それぞれ一八・三%、一八・六%と過去最高の構成比を確保してございまして、福祉関係についてはしっかりと予算上の手配りをしているものでございます。
 また、中小企業対策につきましても、制度融資の融資目標額は、平成十一年度から十九年度に向けて一兆三千百億円から一兆七千五百億円へと大幅に伸びているところでございまして、いずれにいたしましても、しっかりとした予算をしているところでございまして、基金積み立てに非常に否定的な見解が示されましたが、先ほど来、別の先生にご答弁申し上げているように、これは非常に重要なことでございまして、もしこの間の基金積み立てがなければ、現在のような厳しい財政環境に直面したときに、今後の都財政、行政水準確保については非常に問題が生じる事態になっていたというふうに思って、私ども財政担当者としては、想像するだに慄然たる思いでおります。そういう意味でも、ご批判は当たらないと考えております。

○安藤福祉保健局長 お答えいたします。
 指導検査報告書は、前年度の指導検査の実績につきまして、概要をまとめ、公表するものでありまして、福祉サービス、医療保険の抱える課題を都民に紹介するとともに、事業者に対し、事業運営上の問題点の発見や改善の取り組みのきっかけを与えることを目的としております。よって、個々の事業所に関する指導検査結果について言及するものではございません。
 なお、当該認証保育所の認証取り消しについては、他の処分事例同様、プレス発表を行っており、また、現在においても福祉保健局ホームページ上で公表しているところであります。

○大山委員 認証の取り消しというのは、さっきも答弁していましたけれども、あってはならないことなんですよね。概要をまとめて公表するんだといっているわけですけれども、認証取り消しという一番あってはならないことが起こったのが十九年度ですよ。少なくても、指導検査報告書なんですから、初の認証取り消しという重大な問題が生じたことをきちんと報告するのが当然のことです。
 福祉保健局自身が、どうしてこんな不正が起こったのか調査、分析したんでしょうから、今後改善していく上でも、問題点を明らかにして、きちんと分析し、再発を防止することが東京都の役割じゃないでしょうか。そのための指導検査報告書なのではないかと思います。
 第二分科会の質疑で、小田急ムック成城園について、世田谷区からの情報提供により、福祉保健局として調査を始めたという答弁がありましたが、時期はいえないということでした。十九年十月に都が指導検査を行った前か後か、それぐらいは明らかにしてください。福祉保健局長、お願いします。

○安藤福祉保健局長 お答えいたします。
 都としての調査は、今年度に入ってから開始いたしました。

○大山委員 今年度に入ってからということですけれども、世田谷区が、小田急ムック成城園と同じフロアで実施している、同じ小田急ライフアソシエに委託している、おでかけひろばの職員が認証保育所の職員として旧姓で申請された、つまり二重に申請されていたことが発覚して、区が改善を求め、是正したのは十九年四月です。一年間も調査しなかったということだったら、東京都の姿勢は余りにも無責任だといわざるを得ません。
 さらに衝撃的だったのが、突然閉園してしまったハッピースマイル東中野駅前園です。私も閉園の通告があった十月三十一日午後、この園に行ってみました。迎えに来ていた産休明けで預けて二カ月目という若いご夫婦が、ゆうべ聞いて愕然としたんです、もう眠れなかったんです、認可保育園に途中からは入れなくて認証しかなかった、こんなことってあるんでしょうか、本当に無責任ですよね、育休もとれないし、やっと預け始めたのに、あと来月の保育料が既に引き落とされているんです、返ってくるんでしょうか。これ、六万円だというんですね。本当に途方に暮れていましたよ。
 第二分科会の質疑で、福祉保健局は、今年度から認証保育所の設置申請手続の厳格化を図っていると答弁しました。ところが、その答弁があった翌週です。株式会社エムケイグループが経営する会社自体が存続できなくなったとして、認証保育所ハッピースマイル東中野駅前園を開設から二カ月で突然閉園にするという事態が起きたわけです。なぜこんなことになったんですか。福祉保健局長。

○安藤福祉保健局長 先ほどもお答えいたしましたけれども、当該の認証保育所のように施設を一方的に突然廃止するというような事態は決してあってはならないことであります。
 現在、事業の責任者に対しまして、施設が廃止に至った原因や経緯等について事情聴取を行うとともに、保育料の返還等の指導を行っているところであります。

○大山委員 決してあってはならないことが現に起こっているんです。認証する際の審査に問題があるんじゃないでしょうか。認証保育所の設置申請手続の厳格化を図っているとこの間も答弁しましたけれども、その厳格化の中身というのは何なんでしょう。どのように厳格化したんですか。

○安藤福祉保健局長 じゃんぐる保育園の認証取り消しの際に、認証に係ります審査の問題が出たわけでございますけれども、その際に私どもが講じました措置といいますのは、今年度から認証保育所の設置申請手続におきまして、職員の履歴書や保育士登録証などに加え、職員の雇用関係を確認できる書類の提出を求めるなど、審査の厳格を図ったところであります。
 また、開設後早期の段階で新たに現地での確認調査を行い、入所児童数や職員配置など運営状況を把握することといたしました。
 なお、今回の事例を踏まえまして、先ほど神林委員にもお答えいたしましたけれども、会計面での審査を強化する必要があると思いまして、今後検討していくということにいたしております。

○大山委員 つまり、雇用関係だとか職員配置だとかのことは厳格に見ていたんだということですね。そうすると、本年度、認証を受けた施設では、雇用関係や職員関係ではじゃんぐる保育園や小田急ムックのような虚偽申請はないということですね。自信を持って、ないといえるんでしょうね。

○安藤福祉保健局長 認証の審査につきましては、ただいま申し上げた点などを重点的に見ているところでありまして、私どももそういうことがないことを祈っておりますし、今回の事例を踏まえて、保育に携わる人々に対しましては講習会等を開催し、しっかり都民にこたえられるような運営をしてほしいということを重ねて申し上げておりますので、こういうことが起こらないと信じております。
 なおかつ、会計面で申し上げますと、今の認証の審査におきましても、過去三カ年間の決算書をチェックする、ないしは残高証明等をとるということで、一応支払い能力があるということは検査をする体制になっております。
 この審査の基準は、国が定めました認可保育所の審査基準に則したものでありまして、私どもそれに沿ったことはやっているというふうに思いますけれども、今回のこの事態がありましたので、さらに厳格化を図るという意味で、会計についての専門的な見地からのチェックをもう一度入れようということで今後取り組んでいきたい、こういう趣旨でございます。

○大山委員 職員配置や雇用関係のことを厳格に見たんだから、ないことを祈っている、信じているということですけれども、きちんと厳格化したんだということですね。
 財政状況は今おっしゃいましたけれども、今後どうするのかということが課題だということなんですが、十月三十一日に私たちが福祉保健局に申し入れに行ったとき、部長さんが、ハッピースマイル東中野駅前園の認証に当たり、経済的基盤は十分あることを確認していたとおっしゃっていたんですけれども、具体的にどのように確認されたんですか。

○安藤福祉保健局長 今申し上げたとおり、東京都認証保育所事業実施要綱等に基づきまして、安定的に賃借料を支払い得る財源が確保されていること、年間事業費の十二分の一以上に相当する資金を有していることなどにつきまして、決算書や残高証明書等により確認をいたしておりますので、部長からそのようなお答えをさせていただいたということだと思います。

○大山委員 認証保育所実施細目には、歳入歳出予算書、または予算案、資金計画書及び五年間の収支計画書、直近三年間の決算報告書、そして残高証明書、これは原本と書いてありますけれども、これを確認するようにということが書かれていますね。結局、この書類があればいいわけですね。残高証明もそのときはきっと年間事業費の十二分の一以上はあったんでしょうね。しかし、開所して二カ月で倒産したんです。
 財務状況について、ほかに二十八園も経営していたわけですが、ほかの園の状況というのは具体的に調査しないんでしょうか。福祉保健局長。

○安藤福祉保健局長 ほかの園の状況も含めて、それが反映されるのが決算書であるし、現金の収支の状況を示すのが残高証明書だと思いますので、その部分をチェックすることによって、その会社の実力等はチェック可能だと思っております。
 なおかつ、他園について今回の事例に即して申し上げますと、認証保育所を認証するに際しては、地元の区市町村から推薦書をいただいておるところでありますが、地元区からは、他の県で行われている認証保育の実態を見ると、適正に行われているというような推薦もいただいたところであります。
 いずれにしても、今回は会計の問題が前面に出てきているわけですが、なぜ今回このような事態になったかということについて、私どもも責任者に、残高証明がありながら、決算が黒字でありながら、なぜ突然こういうことになったかということを現在聴取中でございます。これらをよく吟味し、その結果を踏まえてしかるべき対応を図っていくという手順で考えてまいりたいと思っております。

○大山委員 東京都は調べないんだということですよね。残高証明と決算書と予算書があればいいんだ、それがつじつまが合っていればいいんだということですけれども、埼玉県や神奈川県の保育園では、四月ごろから給料の遅配があったということですよね。調査すれば、すぐにわかったことなんじゃないんでしょうか。
 こんな企業を認証した東京都の責任は大きいですよ。中野区の推薦書には、意見書には書いてなかったんだとおっしゃいましたけれども、認証するのは東京都なんですね。認証という東京都のお墨つきがあるから、保護者も安心して預けるわけなんですよ。
 株式会社エムケイグループは、最初は携帯電話の販売。販売店を十一店舗まで一気に広げて、ところが、はい、おしまい、事業を畳んでしまったんですね。その後、建築業の許可を得て、電気通信設備などを手がけて、認可外の保育園を初めて開設したのが二〇〇三年六月です。その後、認可外保育所と眼鏡・コンタクトレンズの店、リラクゼーションスペースなどを次々に開設していくんです。保育関係だけで二十九カ所といわれています。わずか五年間で本当にとても尋常とは思えません。
 じゃんぐる保育園、小田急ムック、食材費数十円の認証保育所、そしてこのハッピースマイル、共通するのは異業種からの保育への参入なんです。保育園が果たす役割よりも、もうかる商売として参入することによる不正や食材費、人件費の削減なんです。
 十一月から入所を契約していた保護者は、子どもを連れて焼き肉屋さんでアルバイトしていたんですよ。認可保育園がいっぱいだから、やっと認証保育園に入れられるようになった。しかし、保育料が六万から七万もするから、焼き肉屋さんはやめて保険の仕事に転職しよう。しかし、子どもが預けられないとなったら、両方とも仕事がなくなってしまうかもしれない。本当に子どもと保護者の生活がかかっているんですよ。
 ハッピースマイル東中野駅前園を認証し、開設を認めた都の責任、どう考えているんでしょうか。

○安藤福祉保健局長 都といたしましては、今回の事態を受けまして、即日、事業者に対して、一方的な施設の廃止は認められない旨強く申し入れるとともに、利用児童については地元区と連携して転園先を速やかに確保いたしました。
 当該事業所については、東京都認証保育所事業実施要綱等に基づき審査を行い、問題はなかったということで認証いたしましたけれども、先ほども答弁いたしましたが、今後、設置主体の一層適正な審査に努めていきたいと思っております。
 なお、異業種からの参入だと。そのことをもって、認証保育所を運営する主体にふさわしくないというような一方的な見方はできないと思っておりまして、やはりその事業主体が運営に足る能力を持っているかということを第一に考えるべきであるし、その審査において不足の点が、今回いろいろ三例ほど続きましたので、その間の調査を踏まえて、都民の信頼にこたえられる認証保育所とするべく努力していくのは私どもの責務だと思っております。

○大山委員 異業種からの参入、決めつけているわけじゃありませんよ。よく聞いてくださいよ。共通しているのは異業種からの参入なんだということでしょう。
 審査のときには問題なかったというけれども、その問題なかったといって認証した保育所が二カ月で倒産ですからね。その審査が問題だったということじゃないんでしょうか。
 二〇〇〇年から国の規制緩和で認可保育園も企業が経営できるようになってきましたが、もうかる仕事ではありませんから、国がねらったほど、企業は認可保育園の運営には進出してきませんでした。
 しかし、東京都が認証保育所制度をつくって、認証保育所と利用者による直接契約制度を導入して、保育料を、上限はあるけれども、それぞれの園で自由に設定できるようにしました。もうけの足かせになっていたこの二つをなくしたんですから、営利企業が次々と参入してきました。結局、認証A型の八割は企業の経営です。つまり、企業にもうけの場を提供するために認証保育所制度をつくったということなんですよ。
 規制緩和が子どもたちの豊かな育ちを保障することも、保護者の働く権利を保障することもないがしろにし、虚偽申請と補助金の不正受給が立て続けに起こったということなんです。決して一つの企業だけの問題ではないということは、この間の明らかになったことです。大企業だから安心というわけでもないということも明らかになりました。テレビのコメンテーターも規制緩和を規制しなければならないといわざるを得ない状況になっています。
 ハッピースマイル東中野園に預けていたお母さんは、認可保育園に預けたくてもあいていない、だから認証保育所に預けたんだということなんですよね。圧倒的に不足しているのは認可保育園です。認証保育所をどんどんつくっても、待機児は今年度はふえています。認証保育所を東京の保育の中心にするなどということは撤回して、認可保育園、公立保育園の思い切った増設を進めるときです。
 認可保育所整備に対する都有地の半額対応制度をつくられましたが、区市町村や保育園関係者、都民にどのように広報しているんでしょうか。

○安藤福祉保健局長 認証保育所について一言申し上げさせていただきますけれども、都は、多様な事業者の参入によります競い合いによりまして、利用者本位の保育サービスの提供を目指しているところでございます。
 保育サービスの提供については、認可、認証ともに伸ばしていこうということでありますが、保育の実態を見ていますと、例えばゼロ歳児保育の実施率は、認可保育所は七六%、他方、認証保育所は一〇〇%。十三時間の開所についていいますと、認可保育所は一三%、一方、認証保育所は一〇〇%ということで、それぞれの特徴を持った運営がなされているものでありますし、とりわけ認証保育所は東京という地域の特性に合った保育所だというふうに思っております。
 こうした認証保育所と認可保育所をともに伸ばしていくというのは私どもの政策でありますし、とりわけ認証保育所については、都民の方々から大きな支持を得られていると思いますので、ともに保育ニーズにこたえる施策を推進していきたいというふうに思います。
 それで質問の方ですけれども、昨年十二月に策定いたしました子育て応援都市東京・重点戦略や福祉保健局の重点施策をまとめた東京の福祉保健の新展開二〇〇八に掲載するとともに、都のホームページにより公表しております。
 また、区市町村の保育所管課長会等を通じて周知を行っております。

○大山委員 すべての認証保育所が悪いなんていってないでしょう。ちゃんと聞いてくださいよ。きちんと個々の事例をとって、事実で示しているんですよ。
 それから、大きな支持を得ているというけれども、結局、認可保育園が足りないから認証保育園に行くんだという人が大勢いるわけですよ。で、今の答弁は、これは東京の福祉保健の新展開二〇〇八です。これは、ことし二月に出されたものですね。こっちは子育て応援都市東京・重点戦略、昨年の十二月に出されたものです。両方とも制度発足前です。
 福祉保健局のホームページを見ましたけれども、プレス発表もしていないし、事業者向けの情報のところにもありません。結局、ホームページに載っているのも制度発足前のこの二つの文書なんですよ。
 認可保育園の整備でネックになるのは、何といっても土地の問題です。せっかく制度をつくったんですから、活用できるように、まずは区市町村はもちろん保育園の事業者や関係者、都民にお知らせすることが必要です。
 そこで、どこに活用できることがあるのかということも含めて、関係局と相談して情報提供してほしいと思います。そして、待機児解消に向けて保育所整備をするために区市町村への支援を強化する必要があります。三年間で六千五百人分の認可保育園を増設する計画を立てたのですから、文字どおり実現するために努力することを求めて、おしまいにします。

○遠藤(衛)委員長 大山とも子理事の発言は終わりました。
 続いて、山口文江委員の発言を許します。

○山口(文)委員 障害児のための特別支援学校に付設されている寄宿舎について、都教育委員会は二〇〇六年十二月に、家庭の養育状況の改善、福祉サービス等の整備など、社会情勢の変化を理由に、入所基準を通学困難に限定する見直しを行っています。入所対象者は、通学困難の場合として、島しょに在住する児童生徒、九十分以上の通学時間を要する児童生徒、視覚障害の児童生徒の安全確保及び付き添い困難な家庭の事情と定めています。
 その後、さらに年間利用率の低下から見て、入所対象者が減少してきたこと、またスクールバスによる通学時間の短縮を図り、自宅通学を可能にしていくなどにより、東京都特別支援教育推進計画第二次の実施計画では、二〇一五年までに十カ所あった寄宿舎を五カ所、つまり半減する寄宿舎の再編整備が掲げられています。
 しかし、請願陳情、予算要望など、家族や関係者などからの寄宿舎存続の要望は後を絶ちません。まずは、通学時間の短縮について、現在スクールバスの乗車時間を九十分まで短縮していると聞いていますが、二〇〇七年度のスクールバスの乗車時間の状況について伺います。

○大原教育長 最長乗車時間九十分以上のバス路線は、平成十八年度にすべて解消し、その結果、平成十九年度のスクールバスの平均乗車時間は約六十五分となっております。
 今後、都立特別支援学校の規模と配置の適正化を進めていく中で、引き続き、スクールバスの乗車時間の短縮を図ってまいります。

○山口(文)委員 平均六十五分ということですが、往復でいえば約二時間ということですし、平均というわけですから、それ以上の乗車時間の児童生徒もいるということなので、通学の負担はできる限り短縮できるよう今後も努めていただきたいというふうに思っています。
 一方、寄宿舎は、生活の体験の場として、障害児の自立支援にもつながり、意義のあるものだと訴えられています。基本的生活習慣の確立、また異年齢の子どもたちとの集団生活により、人とのコミュニケーションやルールなど、社会性をはぐくんでいく場として、親御さんは必要性を訴えておられるのだと思います。
 そうした要望に対して、東京都は、基本的生活習慣の確立を目指した生活訓練の場については、特別支援学校としての重要な指導内容であるので、今後、生活指導や宿泊行事等の中で行っていくと答えられています。
 では、二〇〇七年度、寄宿舎を活用した生活訓練の機能確保について、どのように取り組まれたのか、伺います。

○大原教育長 特別支援学校の生徒に基本的な生活習慣や集団生活におけるマナーを習得させるためには、自立活動の指導や日常生活の指導を充実させますとともに、寄宿舎や生活訓練室を活用した校内宿泊や移動教室などの校外宿泊のあり方を工夫する必要がございます。
 お尋ねの寄宿舎を活用した生活訓練につきましては、平成十九年度は、夏季休業中に八王子特別支援学校及び光明特別支援学校の寄宿舎施設を活用し、一泊二日の日程で四校六十六人の生徒が参加して、一日目は食事、入浴、健康管理や掃除、買い物などの基本的生活習慣を身につけることの大切さを学習いたしました。
 また、二日目には、寄宿舎から交通機関を利用いたしまして企業に出社し、就業体験を行うことにより、社会生活や職業生活に必要なルールやマナーを知るとともに、働く意識や意欲を培いました。
 このようにして、特別支援学校生徒の生活訓練、生徒間交流及び就業体験等の場として、寄宿舎施設を有効活用しているところでございます。

○山口(文)委員 今後も、寄宿舎が半減したことによって生活の訓練の場が失われたということがないように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 自立に向けての支援として大きな課題が就労問題で、特に福祉的就労から一般就労への可能性を見出す努力が不可欠です。もちろん、障害があるからといって、すべての人が働くべきだということではありませんが、ごく当たり前の社会生活を営みたいというのが障害児や障害者の切なる望みではないかというふうに受けとめています。
 働くことへの意欲にこたえるために、あるいはその可能性を最大限に引き出すために、さまざまな取り組みが行われていると思いますが、昨年度、教育庁で行った特別支援学校生徒の現場実習の取り組みについて改めて伺います。

○大原教育長 都立特別支援学校では、企業等への就労を促進するために、民間企業の協力のもと、現場実習を実施してきたところでございます。
 平成十八年度からは、新たに、教育庁においても知的障害特別支援学校職業学科の生徒六名を受け入れまして、十九年度は、対象を知的障害特別支援学校全校に拡大いたしますとともに、実習先に本庁各部のほか東京都教職員研修センターを加えまして、三十九名の生徒を受け入れました。
 今後とも、生徒の自立と社会参加を支援していくために、特別支援学校の生徒の現場実習を積極的に受け入れてまいります。

○山口(文)委員 今回の質問では取り上げませんでしたけれども、一言申し上げたいと思います。
 地域の生活者ネットワークで、特別支援教育に関するフォーラムに向けて、保護者の方に対するアンケート調査を実施しましたところ、特別支援教育に当たる教員に対して、障害に対する理解がまだまだ足りないとの意見が大変多く上がってきました。
 都は、各自治体の特別支援教育コーディネーターの研修を年一回、連続講座で実施し、その人が自治体での研修を進めていくというのですが、十分とはいえないのではないかというふうに思っています。自治体の責任とはいえ、研修の状況について都は検証し、自治体との連携によって、教員の質の向上に取り組んでいただきたいということを要望させていただきます。
 さて、障害者の就労については、産業労働局や福祉保健局でも、福祉的就労から一般就労の促進に向けてさまざまな取り組みがなされていますが、二〇〇六年度から、福祉保健局では知的障害や精神障害の人の一般雇用を進めるために都庁内職場実習に取り組んでいるということです。二〇〇七年度はどのように取り組まれたのか。
 また、今年度、チャレンジ雇用につながったと聞いていますが、取り組み状況について伺います。

○安藤福祉保健局長 平成十九年度の福祉保健局における都庁内職場体験実習では、知的障害者と精神障害者十一名を一週間ないし二週間受け入れたところであります。
 今年度のチャレンジ雇用では、障害者の企業等への就職を推進するため、産業労働局とともに、新たに十二名の知的障害者と精神障害者を四カ月間、臨時職員として雇用しております。

○山口(文)委員 チャレンジ雇用制度は、国が障害のある人を府省などで非常勤職員として雇用し、その経験を踏まえ、ハローワーク等を通して一般企業へ就労を実現する制度ですが、都においても庁内でできる仕事を掘り起こし、職場体験から東京都版チャレンジ雇用制度への導入へと展開されたことは、障害者の職域開拓に向けての足がかりとして期待したいと思います。
 行政機関における知的障害者や精神障害者の雇用が進まない中で、都が事業者として、こうした人たちの雇用促進をどのように進めていくのか問われていると思います。福祉保健局や産業労働局におけるこれまでの取り組みを含め、都として知的障害者等の就労支援について、全庁を束ねる立場にある総務局としてどのように取り組んできたのか。また、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

○中田総務局長 知的障害者等の方々の就労拡大に向けました取り組みを進めていくためには、障害者の就労支援を所管する関係局との連携が必要不可欠でございます。都は、「十年後の東京」の中で障害者の雇用増を目標に掲げ、さまざまな事業を展開しております。
 また、各局との調整を行い、先ほど福祉保健局長が述べましたように、今年度から東京都版チャレンジ雇用として、都みずからの取り組みも始めたところでございます。
 今後とも、東京都版チャレンジ雇用の結果も検証しながら、引き続き、庁内の連携を一層綿密に図り、知的障害者等の就労支援について検討してまいります。

○山口(文)委員 お隣の千葉県などでも積極的な取り組みが進められていますので、ぜひ東京都にも頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、自転車対策について伺います。
 自転車は、子どもから高齢者まで幅広く利用できる地域の便利な交通手段であり、健康増進のためにも、環境にも優しい乗り物として、その需要は今後も伸びるのではないでしょうか。
 都内の交通事故は減っているものの、自転車の事故は横ばいで推移し、全体の事故に占める割合は三割以上となっています。自転車の事故は安全運転義務違反が六割以上を占めており、交通ルールやマナーを守っていれば防げた事故も少なくないと思われます。
 しかし、自転車利用者でも、自動車運転免許を持たず、交通ルールをきちんと学んだことがない人も少なくないのではないでしょうか。このような人への自転車安全利用に対する普及啓発はどのように行われているのか、伺います。

○久我青少年・治安対策本部長 都は従来から、春と秋の全国交通安全運動を通じて、自転車の安全利用を推進し、また、区市町村や警察署も随時、地域で自転車教室を開催するなど、幅広い世代を対象に自転車の安全利用の普及啓発を実施しております。
 さらに、都は、平成十八年度から自転車の安全利用促進キャンペーンを開始し、今年度は、改正道路交通法の施行の機会をとらえて、二カ月にわたり実施いたしました。
 今年度のキャンペーンでは、自転車安全利用に関するパンフレットを作成し、学校等を通じて児童生徒のいる全世帯に配布するとともに、交通安全フェアや銀座柳まつり等の各種イベントの機会に、広く都民に対し、自転車の交通ルール、マナーの周知に努めております。
 今後とも、警視庁、区市町村、関係機関・団体等と連携して、自転車利用者に対する普及啓発に取り組んでまいります。

○山口(文)委員 マナーの向上を図ることは大切ですが、自転車と歩行者、自動車が共存できる道路整備も重要だと思います。
 建設局の自転車道路網の整備は、十九年度、浅草通りや国際通りなどの既存道路で五・二キロ、新設道路で一・七キロの整備ということですが、これは都全体からすればわずかな延長であり、さらなる自転車走行空間の整備が求められます。
 しかし、歩道内に自転車走行空間を整備するには、歩道の幅が四メートル以上の有効幅員が必要であり、また、車道に設置するにも、バス停や荷さばき車との関係で調整が必要など、課題も大変多いと聞いています。
 ただ、今の道路事情でいえば、町中で自転車を利用している者は、車道を走るには危険を感じながら、また、自動車などにも何となく気を使いながら走っています。自転車道が整備された歩道でも、歩行者の人たちもそこが自転車道とわからずに歩行している場合もありますから、そういう意味では、歩行者にも本当に遠慮ぎみに走っているのが現状ではないかと思うのです。
 自転車利用は、今、歩道を走るべきなのか、そしてまた車道を走るべきなのか、利用者にとっては大変戸惑いがあり、既存道路の改善が求められていると思うのですが、既存道路においては、歩行者と自転車、自動車の共存に向けた課題も大変多いとは考えています。
 そこで、既存道路における自転車走行空間整備の取り組み状況について伺います。

○道家建設局長 自転車は、近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車、自動車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えております。
 このため、多摩湖自転車道など自転車道の整備や、広い歩道における歩行空間と自転車走行空間のカラー舗装などによる分離、車道における自転車専用レーンの設置など、さまざまな手法で自転車走行空間の整備を進めております。
 現在、広い歩道を活用する手法としては、浅草通りや国際通りなどで整備を行っております。
 また、車道における自転車専用レーンとしては、本年三月に渋谷区内の旧玉川水道道路で整備し、現在、効果の検証を行っているところであります。
 今後とも、多様な手法を用いて既存の道路における自転車走行空間の整備を推進していくとともに、環状六号線や調布保谷線などで、道路の新設や拡幅にあわせ、安全で快適な自転車走行空間の整備に努めてまいります。

○遠藤(衛)委員長 山口文江委員の発言は終わりました。
 以上で本日予定していました質疑はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。
 平成十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてに対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○遠藤(衛)委員長 異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
 なお、十一月十九日の十二時四十五分から理事会を、また十三時から委員会を本委員会室で開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十五分散会


平成19年度各会計決算特別委員会 第1分科会審査報告書

 第1分科会で行われた平成19年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成20年10月31日
                    平成19年度各会計決算特別委員会
                    第1分科会委員長 矢島千秋

 平成19年度各会計決算特別委員長
           遠藤 衛 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成19年度東京都一般会計決算中、知事本局、青少年・治安対策本部、東京オリンピック・パラリンピック招致本部、総務局、財務局、主税局、会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、監査事務局、収用委員会事務局、議会局、東京消防庁、警視庁所管分
  ・平成19年度東京都特別区財政調整会計決算
  ・平成19年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算
  ・平成19年度東京都地方消費税清算会計決算
  ・平成19年度東京都用地会計決算
  ・平成19年度東京都公債費会計決算

 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月8日(説明聴取・資料要求) 会計管理局、財務局、主税局、収用委員会事務局、知事本局、人事委員会事務局、東京オリンピック・パラリンピック招致本部
 10月10日(説明聴取・資料要求) 警視庁、東京消防庁、総務局、選挙管理委員会事務局、青少年・治安対策本部、議会局、監査事務局
 10月20日(質疑) 会計管理局、選挙管理委員会事務局、人事委員会事務局、知事本局
 10月24日(質疑) 議会局、収用委員会事務局、主税局
 10月27日(質疑) 警視庁、東京消防庁、東京オリンピック・パラリンピック招致本部、財務局
 10月29日(質疑) 監査事務局、青少年・治安対策本部、総務局

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 知事本局所管分
   〔1〕アジア大都市ネットワーク21について
   ア 共同事業の再評価の内容と今後の方向性について
   イ 中小型ジェット旅客機の開発促進における成果と今後の取組について
   ウ 危機管理ネットワークの活動状況と成果について
   〔2〕今後の都市外交の展開について
   〔3〕(財)自治体国際化協会(クレア)の活動内容とその改善について
   〔4〕首都移転反対活動の平成19年度実績について
   〔5〕アジアにおける人材育成について
   ア アジア各都市との職員研修の実施状況と今後の展開について
   イ アジアからの留学生受入れの推進について
   〔6〕東京大気汚染訴訟の和解について
   〔7〕米軍基地対策について

 (2) 青少年・治安対策本部所管分
   〔1〕警視庁及び他局との役割分担について
   〔2〕平成19年度の取組の実績と評価について
   〔3〕社会的課題への対応と今後の展望について

 (3) 東京オリンピック・パラリンピック招致本部所管分
   〔1〕東京のアピールポイントについて
   〔2〕パラリンピック招致について
   ア 招致気運向上のための取組について
   イ パラリンピアンの活動・協力の場の拡大について
   〔3〕国際スポーツ競技大会への支援事業予算について
   〔4〕申請ファイル作成経過及び経費について
   〔5〕民間資金の受入実績及び今後の見込みについて

 (4) 総務局所管分
   〔1〕都の非正規職員の勤務実態及びこれに対する見解について
   〔2〕超過勤務増加の背景と縮減策について
   〔3〕育児休業並びに妊娠、出産及び子どもの看護に係る休暇の取得に対する配慮について
   〔4〕首都大学東京における留学生の受入れについて
   ア 過去5年間の受入状況について
   イ 優秀な人材確保のための活動とその効果について
   〔5〕三宅島モーターサイクルフェスティバルについて
   ア 開催状況及び三宅島復興における意義について
   イ 今後の都としての関わり方及び展開について
   ウ 市町村総合交付金及び三宅島災害復旧・復興特別交付金の投入について
   〔6〕三宅村「リフレッシュふるさと館」の改修経過及び交付金投入について
   〔7〕多摩島しょ振興費の予算額、目的及び使途について
   〔8〕市町村総合交付金の設置経過、目的、交付基準及び交付手順について
   〔9〕義務教育就学児医療費助成事業の見直しと市町村の負担について
  〔10〕交付金による市町村の支援について

 (5) 財務局所管分
   〔1〕都債戦略について
   ア 年次財務報告書のコラムについて
   イ 平成19年度実績、償還の仕組み及び残高の推移について
   ウ 今後の償還見込み、ピーク時の対応及び都債戦略について
   〔2〕財産利活用の推進及び今後の取組について
   〔3〕事務事業評価について
   ア 所管換えの理由及び目的について
   イ 専門性の高い事業の評価方法及び各局の評価との整合性について
   ウ フォローアップ事業の終了又は継続の基準について
   〔4〕基金積立の状況と今後の財政運営について
   〔5〕大規模施設の改修・改築の基本方針について

 (6) 主税局所管分
   〔1〕減免措置などの政策税制の実施状況と積極的活用について
   〔2〕都税収入の見込みについて
   〔3〕徴収率向上に向けた取組について
   〔4〕多摩地域の都税事務所の現状及び課題について
   〔5〕電気自動車等の低公害車に対する都税軽減措置について
   〔6〕自動車税の障害者減免関係について
   ア 減免制度見直しと激変緩和措置について
   イ 減免申請手続の利便性向上について
   〔7〕区市町村における滞納整理と滞納者の実情に応じた徴収について
   〔8〕都税調中間答申における消費税増税に関する認識について

 (7) 会計管理局所管分
   〔1〕公金収納方法の多様化の推進とその課題について
   〔2〕公会計制度について
   ア 財務諸表を作成する際の事務改善について
   イ 財務諸表に関する日本公認会計士協会の提言について

 (8) 選挙管理委員会事務局所管分
   質疑なし

 (9) 人事委員会事務局所管分
   〔1〕職員の採用における人事委員会と任命権者との役割分担について
   〔2〕障害者の雇用について
   ア 障害者の採用選考の状況について
   イ 知的障害者・精神障害者の雇用の拡大について

 (10) 監査事務局所管分
   質疑なし

 (11) 収用委員会事務局所管分
   質疑なし

 (12) 議会局所管分
   質疑なし

 (13) 東京消防庁所管分
   〔1〕救急搬送体制について
   ア 消防庁と医療機関との連携について
   イ 大規模災害・新型インフルエンザ発生時の搬送体制の確保について
   〔2〕救急活動の検証と課題の改善について
   〔3〕バイスタンダーによる応急救護活動について
   ア 救命講習の拡充について
   イ 感染防止措置の指導について
   〔4〕PA連携(消防隊と救急隊が連携した救急活動)の推進について
   〔5〕消防団施設及び装備の整備促進について

 (14) 警視庁所管分
   質疑なし


平成19年度各会計決算特別委員会 第2分科会審査報告書

 第2分科会で行われた平成19年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成20年10月31日
                    平成19年度各会計決算特別委員会
                    第2分科会委員長 山下太郎

 平成19年度各会計決算特別委員長
            遠藤 衛 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成19年度東京都一般会計決算中、生活文化スポーツ局、福祉保健局、病院経営本部、教育庁所管分
  ・平成19年度東京都母子福祉貸付資金会計決算
  ・平成19年度東京都心身障害者扶養年金会計決算

 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月8日(説明聴取・資料要求) 病院経営本部、福祉保健局
 10月10日(説明聴取・資料要求) 生活文化スポーツ局、教育庁
 10月20日(質疑) 病院経営本部、福祉保健局
 10月24日(質疑) 生活文化スポーツ局

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 生活文化スポーツ局所管分
   〔1〕消費者トラブルについて
   ア 英会話、海外留学など若者の消費者トラブルの防止について
   イ 悪質商法から都民を守る消費者教育及び販売手口等の広報について
   〔2〕私学助成について
   ア 公私格差の是正について
   イ 東京都育英資金について
   ウ 授業料減免実施校について
   エ 1年契約教員の実態について
   オ 校舎の耐震化促進策について
   〔3〕文化振興施策について
   ア 漫画文化を振興するための取組について
   イ 東京都美術館の運営状況及び改修後の施設利用について
   ウ 区市町村が実施するフレッシュ名曲コンサートへの助成について
   〔4〕都政広報を効果的に行うための方策について
   〔5〕男女平等参画施策の取組状況について
   ア 女性のための再チャレンジ支援について
   イ 都庁職員を含むワーク・ライフ・バランスへの取組について 

 (2) 福祉保健局所管分
   〔1〕子育て支援策について
   ア 少子化抑制に効果が出るような取組について
   イ 認証保育所の適正な運営の確保について
   ウ 平成19年度から取組が始まった「子育てスタート支援事業」について
   〔2〕医療体制の整備について
   ア 深刻さを増す医師不足を解消するための取組について 
   イ 看護師の再就職の促進を図る看護職員地域確保支援事業について
   ウ 産科医師減少の現状を踏まえた助産所と医療機関との連携体制について
   エ 新型インフルエンザに関する情報(知識のワクチン)の都民への提供について
   オ NICU(新生児特定集中治療室)の整備に取り組む医療機関への支援について
   カ 生計困難者が医療を受けられる無料低額診療事業の都民への周知等について
   〔3〕障害者(児)に対する支援策について
   ア 3か年プランで予定していた障害者(児)施設の整備状況について
   イ 重症心身障害児(者)の在宅生活に必要なショートステイの不足及び訪問看護における規定時間の不足について
   〔4〕被虐待児の社会的養護について
   ア 社会的養護を必要とする子どもの生活の場の確保について
   イ 児童養護施設における被虐待児のケア体制の取組について
   ウ 虐待の未然防止のための早期支援体制への取組について
   〔5〕介護保険制度について
   ア 区市町村に権限が与えられている地域包括支援センターへの立入調査及びセンター設立時における資金の供託制度の導入について
   イ 介護サービス情報の公表制度における訪問調査の調査員の資格について
   ウ 「東京都介護給付適正化プログラム」の概要並びに国の「ケアプラン点検支援マニュアル」の概要及び活用について
   エ 在宅サービス事業に対する実地検査及び検査職員への指導について
   〔6〕東京都認知症対策推進会議の検討状況及び認知症生活モデル事業の事業内容について
   〔7〕介護住宅となっている高齢者専用賃貸住宅の実態調査及び指導について
   〔8〕食事サービスなどを行う団体への地域福祉推進事業による助成について

 (3) 病院経営本部所管分
   〔1〕公社病院の運営について
   ア 給与水準の改善など医師の確保・定着に向けた取組について
   イ 都立病院と公社病院が一体となって医師の臨床研修を行う「東京医師アカデミー」の開講について
   ウ 看護師不足の状況及び看護師の確保・定着に向けた取組について
   〔2〕大久保病院について
   ア 地域の医療機関との連携について
   イ 公社移管による経営状況の変化及び医療サービスの向上について
   ウ 脳卒中医療の更なる充実について
   エ 看護師の確保及び定数の改善について
   オ 運動療法における「東京都健康プラザハイジア」との連携について
   カ 閉鎖されている女性専用外来の再開について
   キ 図書館及び相談室の拡充について
   〔3〕荏原病院について
   ア 公社移管後における脳梗塞などの重点医療への取組について
   イ 送迎バスの運行及び院内コンビニエンスストアの運営状況について
   ウ 助産師外来、院内助産所の状況及び平成21年度以降の継続について
   〔4〕多摩北部医療センターにおける脳卒中センターの設置について

(4) 教育庁所管分
   〔1〕すべての都立学校で開始された奉仕体験活動の成果と今後の取組について
   〔2〕教育的価値の高い部活動における指導者の養成及び競技力向上に向けた取組について
   〔3〕都立高校における授業料無料化並びに授業料減免制度及び育英資金の周知策について
   〔4〕学力調査について
   ア 出題される問題の適否及び調査結果の公表について
   イ 学力向上のための調査結果の活用及び学力と相関関係があるとされた家庭における基本的な生活習慣の確立について
   〔5〕煩雑・激務となっている副校長の事務負担軽減策について
   〔6〕専門性が必要とされる盲学校の教員の異動基準について
   〔7〕放課後子ども教室(放課後子どもプラン)の実施状況及び区市町村への支援について
   〔8〕教職員住宅の廃止について
   〔9〕都立学校管理職員等への災害対策用被服の貸与及び小中学校における避難所業務への支援について                       


平成19年度各会計決算特別委員会 第3分科会審査報告書

 第3分科会で行われた平成19年度東京都一般会計決算等に関する審査の概要を次のとおり報告する。

  平成20年10月31日
                   平成19年度各会計決算特別委員会
                    第3分科会委員長 東野秀平

 平成19年度各会計決算特別委員長
  遠藤 衛 殿

1 本分科会の設置及び審査の経過
 (1) 本分科会は、9月26日に設置され、次の案件を審査した。
  ・平成19年度東京都一般会計決算中、都市整備局、環境局、産業労働局、建設局、港湾局、労働委員会事務局所管分
  ・平成19年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算
  ・平成19年度東京都農業改良資金助成会計決算
  ・平成19年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計決算
  ・平成19年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算
  ・平成19年度東京都と場会計決算
  ・平成19年度東京都都営住宅等事業会計決算
  ・平成19年度東京都都営住宅等保証金会計決算
  ・平成19年度東京都都市開発資金会計決算
  ・平成19年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算
  ・平成19年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算

 (2) 本分科会は、次のとおり各所管局ごとに審査し、終了した。
 10月8日(説明聴取・資料要求) 労働委員会事務局、中央卸売市場、港湾局、建設局
 10月10日(説明聴取・資料要求) 産業労働局、都市整備局、環境局
 10月20日(質疑) 中央卸売市場、港湾局、産業労働局
 10月24日(質疑) 都市整備局
 10月27日(質疑) 労働委員会事務局、建設局
 10月29日(質疑) 環境局

2 本分科会における質疑の概要
 (1) 都市整備局所管分
   〔1〕地下鉄8号線の整備について
   〔2〕都施行による土地区画整理事業の実施状況について
   〔3〕多摩ニュータウン事業会計の決算と会計終結までの見通しについて
   〔4〕東京のしゃれた街並み推進条例について
   ア 東京都景観計画の取組について
   イ 街並み景観づくり制度と街区再編まちづくり制度の今後の見通しについて
   〔5〕耐震改修促進事業の実施状況と取組の強化について
   〔6〕今後の環境に配慮した東京の都市づくりのあり方について
   〔7〕都営住宅について
   ア 使用承継に関する対応について
   イ 東京都住宅供給公社コールセンターの対応について

 (2) 環境局所管分
   〔1〕ヒートアイランド対策について
   ア 校庭芝生化の推進について
   イ クールタウンモデル推進事業補助の今後の見込みについて
   ウ 駐車場芝生緑化実証実験について
   エ 中長期的ヒートアイランド対策再構築に向けた効果予測について
   〔2〕東京における温暖化の影響等に関する調査について
   〔3〕環境科学研究所が行った調査研究について
   〔4〕適応策に関する検討と対策の方向性について
   〔5〕ディーゼル車対策の成果と今後の取組について
   〔6〕自動車のCO2削減対策の推進について
   〔7〕火力発電所のCO2削減義務と太陽光発電普及事業について
   〔8〕廃棄物処理施設における環境アセスメントの実施について
   〔9〕平成19年度決算の不用額と地球温暖化対策推進基金の活用について

 (3) 産業労働局所管分
   〔1〕区部産業支援拠点の整備の進捗状況と今後の予定について
   〔2〕林道・作業道の整備促進について
   〔3〕中小企業支援について
   〔4〕観光振興策の取組の意義と成果について
   〔5〕新銀行東京について
   ア 新中期経営計画の策定の経緯及び経費削減効果について
   イ 追加出資に至った経過について
   ウ これまでの経営監視体制と金融監理室の責任について
   エ 金融庁の検査結果の開示請求について
   オ 新銀行東京の役割及び地域の金融機関との連携について
   カ 銀行業からの撤退に対する都の考え方について
   〔6〕農産物の生産や流通における安全性確保のための取組について
   〔7〕障害者雇用の促進について
   〔8〕航空機関連産業への参入支援事業の概要と成果について
   〔9〕大規模小売店舗出店時の地元との調整について
   〔10〕商店街振興支援の充実について
   〔11〕公共職業訓練の重要性と授業料の有料化について

 (4) 中央卸売市場所管分
   質疑なし

 (5) 建設局所管分
   〔1〕荒川河口部における浚渫(しゅんせつ)について
   〔2〕局地的豪雨対策の促進について
   〔3〕ひよどり山有料道路の無料化について
   〔4〕街路樹の維持管理について
   〔5〕動物園の更なる整備と来園者サービスの充実について
   〔6〕貸借対照表の固定資産の増加について
   〔7〕道路補修事業の実施状況と今後の取組について
   〔8〕自転車走行区間の整備実績について
   〔9〕中央環状品川線の整備事業の実施経過と環状第8号線の環境対策について
   〔10〕都立公園の維持管理と増設について

 (6) 港湾局所管分
   〔1〕東京港の環境対策について
   〔2〕海上貨物運賃補助の予算と決算及び補助品目の拡大について
   〔3〕波浮港の地盤沈下対策及び元町港の整備について
   〔4〕三宅島の伊ヶ谷漁港の整備について
   〔5〕三宅島空港について
   ア 羽田―三宅島路線の2便化に向けた検討について
   イ ドラッグレースを開催した経緯について

 (7) 労働委員会事務局所管分
  質疑なし

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