各会計決算特別委員会第三分科会速記録第五号

平成二十年十月二十七日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長東野 秀平君
副委員長山口  拓君
副委員長林田  武君
米沢 正和君
河野百合恵君
橘  正剛君
今村 るか君
崎山 知尚君
串田 克巳君
酒井 大史君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働委員会事務局局長関  敏樹君
建設局局長道家 孝行君
次長島  博文君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君
用地部長角南 国隆君
道路管理部長野口 宏幸君
道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務山口  明君
公園緑地部長安藤 英二君
河川部長廣木 良司君
企画担当部長鈴木 昭利君
道路保全担当部長米田 秀男君
道路計画担当部長藤森 祥弘君
公園計画担当部長小口 健藏君
参事三浦 紀子君

本日の会議に付した事件
 平成十九年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成十九年度東京都一般会計決算(質疑)
建設局関係
・平成十九年度東京都一般会計決算(質疑)

○東野委員長 ただいまから平成十九年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十九年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○東野委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十九年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○藤井総務部長 去る十月八日、当分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十九年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に三件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路や地域幹線道路など、道路、河川、公園の主な事業につきまして、平成十年度から十九年度までの予算額と決算額を事業別にあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。都立公園の整備費の実績でございます。
 この表は、都立公園の整備につきまして、平成十年度から十九年度までの一般会計、用地会計の決算額をあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十年度から十九年度までの道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 質問をさせていただきます。
 私からは、局地的集中豪雨、いわゆるゲリラ豪雨についてお伺いをいたします。
 ことしは七月、八月に局地的集中豪雨が全国各地で頻発しており、とうとい人命が奪われるなど、甚大な被害が発生いたしました。八月末豪雨と名づけられた四日連続の豪雨の際には、町田市では一時間に一一五ミリという記録的な雨が降りました。豊島区の雑司ヶ谷では、下水道工事中に作業員が五人流され、死亡するという痛ましい事故も発生いたしました。この事故を受け、下水道局では、雨が一滴でも降ったら工事を中断する一滴ルールを打ち出しました。
 こうした局所的な集中豪雨が頻発する原因は、地球温暖化やヒートアイランドの影響ともいわれていますが、最近の雨の降り方は、以前と比べ明らかに変化したように思われます。
 十月六日の東京新聞の報道によりますと、この十年間、全国で五〇ミリ以上の雨は年平均三百十八回降り、二、三十年前の一・五倍、また、一〇〇ミリ以上は二・五倍にふえたとあります。では、東京ではどうか。
 そこで、まず、近年の東京の雨の降り方にどのような傾向があるのか伺います。

○廣木河川部長 近年の降雨の傾向として、中小河川の整備水準である一時間五〇ミリを超えるような雨がふえているということが挙げられております。
 例えば、過去二十年の間で東京のどこかに一時間五〇ミリを超える雨が降った回数を見てみますと、平成元年から十年までの十年間では年平均四回でありましたが、十一年から二十年九月末の時点の十年間では年平均六回と増加しております。
 また、局地的集中豪雨が短時間で降るような傾向もあり、一〇〇ミリを超えるような豪雨が発生しております。
 専門家の予測によりますと、気候変動の影響もあり、このような豪雨がこれからも増加するといわれております。

○崎山委員 今伺ったように、最近は一時間一〇〇ミリを超えるような雨も降るようになっています。
 一方、中小河川の整備については、一時間五〇ミリの降雨に対応する規模で行われていますが、できるだけ早期に安全な河川になるよう整備を促進すべきと考えます。
 そこで、この五〇ミリ規模の整備計画の考え方と進め方について伺います。いかがでしょうか。

○廣木河川部長 中小河川につきましては、一時間に五〇ミリの降雨を流域全体に均等に降らせ、その場合の流量を計算し、その流量を流すことのできる整備計画を定めております。
 整備に当たりましては、下流から順次川幅を広げることを基本としておりますが、用地取得などで完成までには多くの費用や時間を要するため、道路や公園などの地下を活用し、調節池などの整備を進め、浸水被害の早期軽減を図っております。
 今後とも、五〇ミリの降雨に対応する河川整備のスピードアップを図り、平成二十七年を目標に環七に囲まれた区域の完了を目指すとともに、ことし水害が発生した多摩地域の河川につきましても、より重点化を図り、整備を進めてまいります。

○崎山委員 五〇ミリ対策の河川整備を、より強力に今後もさらに進めていただきたいというふうに思います。
 しかし、五〇ミリを大幅に超えるような雨が降り続けば、ことしの境川や谷地川のように溢水被害が発生することもあり、当然、整備水準をアップさせて取り組んでいくことが次の課題となります。
 先月八日に発表された中央防災会議では、荒川で大規模な洪水が発生した際に、逃げおくれて孤立する人は百万人、また、死者は七千五百人と試算しています。この荒川の対策については、もちろん国の守備範囲となります。
 都市部の河川整備は、地方と異なり、市街地で川幅を広げる改修は難しく、時間とコストがより必要となります。
 そこで、局地的集中豪雨の増加も考慮し、今後どのように中小河川の整備を進めていくのか、見解を伺います。

○廣木河川部長 近年の五〇ミリを大幅に超える局地的豪雨の頻発や台風の大型化など、気候変動による影響を考慮して河川の整備を進めていくことは極めて重要であります。
 中小河川につきましては、豪雨対策基本方針を踏まえ、東京に最大な水害をもたらした昭和三十三年の狩野川台風の一時間七五ミリの降雨を視野に入れ、最近の雨の降り方の特徴である局地的集中豪雨の際にも、流域間で効果的な運用が可能となる調節池の増設など、検討を進めてまいります。
 今後とも、中小河川の整備を着実に進め、水害の早期解消に努めてまいります。

○崎山委員 ぜひとも豪雨に対する抜本的な対策を着実に実施していただきたいと思います。
 しかし、これらのハード対策に加えて、降雨状況や河川水位を流域の人たちに知らせたり、河川の水位が上昇すると防災無線により危険を周知するなど、自助、共助に役立つソフト対策も必要と考えます。
 気象庁では、ゲリラ豪雨の原因である積乱雲を捕捉するため、スーパーコンピューターを更新して、急速に発達する雲の動きをとらえる精度を高め、いち早く情報を提供していこうと、その対策に乗り出しました。
 水害対策は、地震と違い、突発的な自然災害ではありません。的確な情報を受け避難すれば、人的な被害は最小限に抑えられます。そこで、ソフト対策についての取り組み状況を伺います。

○廣木河川部長 東京都は、水害を軽減するため、浸水予想区域図の作成や公表、また降雨情報の提供などのソフト対策を行っております。中でも、豪雨時には、都民が避難等の判断に利用できる降雨や河川水位の情報提供が重要であります。
 このため、東京都は、水防災総合情報システムなどで、インターネットや携帯電話により降雨等のリアルタイム情報を都民に提供しております。
 また、地域住民への危険の周知につきましては、水防管理団体である区市町村が防災無線や広報車等により行っております。
 今後は、水防活動や都民の自主避難がより早い段階で行えるよう、河川水位や降雨などのリアルタイム情報に加え、水位予測システムを活用した洪水予報など、情報提供のさらなる充実に努めてまいります。

○崎山委員 できるだけ早期に情報の提供の充実を図ってもらいたいと思います。
 一方、神戸の都賀川では、ゲリラ豪雨により親水公園において子どもが流されるという痛ましい事故も発生をいたしました。東京でもこうした親水箇所の整備が進められています。川に人々が親しめるという意味では大変意義があることですが、この事故を教訓に、さらなる安全対策が必要と考えます。
 そこで、都における親水箇所の安全対策についてお伺いをいたします。

○廣木河川部長 東京都におきましては、治水機能を確保しつつ、周辺状況に応じ、水辺に親しめる親水箇所を整備しております。多摩地区では、川底までおりられる箇所もあり、このような親水箇所の整備に当たりましては、増水への注意を喚起する看板を設置しておりますが、近年の突発的な局地的集中豪雨による急激な河川の水位上昇に対しては、従来に増して、都民が河川を安全に利用できるよう対策が必要であります。
 そこで、今後は、ホームページを活用したり、河川愛護月間などの行事をとらえ、水難事故防止の啓発活動を行ってまいります。
 また、水辺に親しめる箇所については、降雨量や河川水位の情報の入手方法等を記載した注意看板の設置などを進め、さらに、特に注意を要する箇所では、警報装置などの設置につきましても検討を行ってまいります。

○崎山委員 国土交通省の治水対策検討小委員会の答申では、百年後には最大で現在の一・三倍の降雨、そして大洪水の頻度も高まり、浸水やはんらんの危険性が増大するとしています。
 東京の河川が都民にとって安全・安心な河川であるよう、さまざまな施策を着実に進めていただくよう求めて、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○今村委員 それでは、私からは、有料道路事業についてまず質疑をさせていただきたいと思います。
 ひよどり山有料道路は二〇〇一年一月に供用を開始し、事業費百十七億で、当初、有料道路としての事業期間は三十年間の予定でしたが、昨年度、未償還額六十九億円を一括返済し、二〇〇七年六月に無料化し、八王子市に移管されました。
 そこで、この無料化した都の考え方と無料開放後の状況についてお伺いいたします。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 ひよどり山有料道路についてでございますけれども、八王子市周辺の交通渋滞の緩和と圏央道アクセスの確保を早期に実現するため、有料道路事業の手法を活用して、平成八年に着手し、十三年に開通いたしました。開通により、JR八王子駅と八王子インター周辺の地区が最短で結ばれ、バス路線が開設されたほか、歩道の設置により歩行者や自転車の利便性や安全性も大きく向上いたしました。
 平成十七年に無料キャンペーンを実施したところ、交通量が大幅に増加し、並行する国道一六号線の渋滞緩和なども確認がされました。
 その後、地元八王子市から、地域の利便性を高めるとともに、一体的なまちづくりを進めるため、無料開放と市への移管を要請されました。そこで、債務を一括償還し、無料開放することにより、道路資産を有効活用し、地域の安全性、利便性の向上や環境改善を図っていくことといたしました。
 昨年六月の無料化後実施しました交通量調査によりますと、交通量は有料時の約三倍となり、国道一六号の最大渋滞長が約九割減少するなど、周辺道路の交通渋滞が緩和されております。
 また、生活道路に流入していた交通量が減少し、地域の安全性の向上が図られております。

○今村委員 今ご答弁いただきましたけれども、無料化前の二〇〇六年度の実績では、計画交通量一日当たり八千八百四十四台が実際には三千三百九十九台と、計画比で三八%でしかありませんでしたけれども、無料化で三倍になったということでありましたけれども、今後は同じ有料道路で稲城大橋もあるわけでありますけれども、有効利用のために、今検討中の無料化の早期実施はもちろんでありますが、一般道も含め、将来の交通量など動向を十分踏まえ、必要性、優先度などに基づいた道路整備を進めるよう要望をしておきたいと思います。
 それでは、次に、街路樹の問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 グリーンロードネットワークというのがありますけれども、二〇〇七年、緑の東京十年プロジェクト基本方針で、二〇一五年までに街路樹を百万本にふやし、緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークの形成を目指しております。
 街路樹関連予算が、一九九九年、五億四千九百万円あったものが、二〇〇六年度には二億九千九百万円にまで減額されておりましたけれども、二〇〇七年は五億九千三百万円までに増額をされております。ちなみに、今年度は十六億七千八百万円までになっておりますけれども、このことは大変評価をするものですけれども、今後の課題をどう認識されているのか、お伺いしたいと思います。

○小口公園計画担当部長 街路樹をふやして、緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークを形成していくためには、市区町村と連携して取り組むこと、また、多くの都民や企業の参加を得るための緑のムーブメントの盛り上げ、さらに、適切な維持管理の推進などの課題があると認識しております。

○今村委員 当然、市区町村、それから地域の住民の理解がなければ進まない事業であると思いますけれども、東京都は街路樹の維持管理についても効率的な管理を進めておりますけれども、市町村に対してはどのような支援を行っているのか、お伺いしたいと思います。また、年々大きくなる街路樹の都道における維持管理と、街路樹の剪定枝などはどう処理しているのかもあわせてお伺いいたします。

○小口公園計画担当部長 市区町村に対する支援としては、街路樹の維持管理に必要な基準類や事務手続などを取りまとめて業務の効率化を図る街路樹マニュアルや、樹木の健康状態を明らかにして適切な処置を施すための街路樹診断マニュアル等の技術資料を提供するとともに、街路樹を維持管理している市区町村職員に対する病害虫対策などの研修を実施してきております。
 年々大きくなる街路樹の管理に当たっては、道路の幅員構成や沿道状況、樹木の特性に応じた適切な枝葉の剪定に努めるとともに、病害などにより生育が衰えた樹木については若木への植えかえを行っております。
 また、維持管理により発生した枝葉や伐採した幹などは、東京都建設リサイクルガイドラインに基づきまして、チップや堆肥などにして有効活用を図っております。

○今村委員 東京都の取り組みを今ご紹介いただきましたけれども、自治体によっては、緑化の道路距離や、また一キロ当たりの街路樹の本数にも大きな差が見られるようであります。また、都と同じように、市区町村でも維持管理には費用が当然かかるわけであります。目標達成のためには、補助費の増額や維持管理に補助を出すなど、さらなる支援が必要ではないかと考えます。
 また、今後も剪定枝の再資源化率向上に努めるとともに、町田市では伐採した樹木でベンチなどを作製したことがありましたけれども、大切な街路樹でありますので、有効に活用できるようなことをぜひ検討していただけるよう要望しておきたいと思います。
 それでは、次の質疑に移ります。
 動物園事業でありますけれども、ことし開園五十周年を迎えた多摩動物園では、アジアの沼地整備などを行い、また、トキの分散飼育を現在行っているところであります。
 しかし、多摩動物園の入場者数は、ここ数年、百万人前後と聞いておりますけれども、上野動物園や葛西臨海水族園などとともに、さらに魅力的で、利用者に愛される施設整備が必要と考えますけれども、今後の整備方針についてお伺いをいたします。

○安藤公園緑地部長 多摩動物公園は、広大な敷地を利用して、アジア園やアフリカ園などエリアを設け、その地域にすむ動物を集めた展示方法を特徴といたしております。
 このため、展示施設の整備に当たりましては、各エリアにすむ動物たちを生き生きと展示できるよう、草原や岩場、水辺を再現いたしまして、本来の生息環境に近づけた施設といたしております。
 また、動物園の使命の一つでもございます、希少動物の保護、増殖にも活用できる施設として整備を進めてまいりました。
 現在はアジア園の整備を進めておりまして、平成十七年にオランウータン舎を、本年にはアジアの沼地をオープンしました。
 今後とも、生き物との出会いや、より楽しさを提供できるよう、魅力あふれる動物園の実現に努めてまいります。

○今村委員 ぜひ、私が最初に触れましたけれども、せっかくトキの分散飼育を行っているわけであります。大切なトキでありますので、観察をするようなことは難しいかと思われますけれども、佐渡のトキ保護センターでは、モニターで観察をすることができるようになっておりましたし、何かしら、せっかくでありますので、東京都としてもトキのPRに、またそれが入場者数の増加につながるようにできればいいのではないかと思いますので、申し添えておきたいと思います。
 次に、動物園協会に指定管理費として、二〇〇七年度、五十五億八千四百五十五万円余りを支出しているということでありますけれども、この金額で指定管理をしていることをどう評価をしているのか、お伺いしたいと思います。

○安藤公園緑地部長 東京動物園協会は、平成十九年度、日本の在来馬でございます木曽馬とトカラ馬を新たに展示しまして、日本在来家畜の普及啓発を行うとともに、平成十九年度に創設しました野生生物保全センターにおきまして、絶滅のおそれのあります動物の保護、増殖にも取り組んでまいりました。
 また、平成十八年度から引き続きまして維持管理経費の節減に努めまして、要望の多かったトイレの改善にも積極的に取り組んだところでございます。
 こうしたことから、動物園に指定管理者制度を導入することによりまして、より効果的、効率的な管理運営が行われておりまして、成果を上げているものと考えております。

○今村委員 動物園協会が行っている事業特別会計というのがありますけれども、ここから一億円余りを一般会計に繰り入れているということです。レストランの売り上げ、売店の売り上げなどがあるようでありますけれども、これらを充実することによって、来園者のサービスの向上につながるかと思いますし、収益もプラスになるのではないかと思いますので、よい運営を行ってもらうよう期待をするものでありますので、しっかり東京都としても指導していただきたいというふうに思います。
 それでは、来園者のサービスの充実のために、東京都はどのような指導監督を行っているのか、お伺いをしたいと思います。

○安藤公園緑地部長 東京動物園協会に対しまして、毎年度の事業計画の策定に当たり、レストランや売店の新たな商品開発などの来園者サービスの充実に向けた取り組みについて記載させるとともに、それを計画的に実施しますよう、指導、助言を行っているところでございます。
 また、来園者の声をサービスの充実に反映するため、毎年アンケートを実施することを求めております。
 今後とも、来園者サービスの充実に向け、東京動物園協会を指導してまいります。

○今村委員 来園者のサービスを担っていただいている方たちの中にズーボランティアーズなどがあるかと思いますけれども、この指導も協会に移っております。ぜひこの支援をしっかり行っていただけるよう指導したり、指定管理者になって、職員の質についてのいろいろと疑問が多少出ているようでありますので、この辺のことについてもしっかり適切な管理を行っていただくよう要望して、私の質疑を終わります。

○橘委員 私からは、財務諸表の貸借対照表の固定資産、それから道路の補修事業、それから自転車と歩行者が安心して通行できる歩道整備の三つのテーマについて質問いたします。
 まず、財務諸表の貸借対照表のうち、資産の部の固定資産について伺います。
 建設局関係の平成十九年度末における固定資産は十五兆五千五百十九億円余となっており、平成十八年度の十五兆三千七百九十四億円余と比較して千七百二十五億円余の増加となっております。
 事業別に見ますと、例えば道路事業の固定資産が十九年度末で十三兆三千四百四十七億円余で千四百五十六億円余の増加、公園事業の固定資産が二兆千六百十六億円余で二百七十五億円余の増加となっております。こうした固定資産の増というのは、土地の取得や整備した施設の建物、工作物の新たな価値の発生によるものと推測をしておりますけれども、まずこれについて、各事業分野の資産が増となった要因と、その評価について伺います。

○藤井総務部長 局全体で、固定資産でございますが、前年度と比較いたしまして千七百二十五億円余の増でありまして、率として一・一%の伸びとなっております。
 このうち道路事業につきましては、用地取得などによる土地の増が八百七十五億円余、工事の施行に伴う道路施設などの増が六百二十一億円余の増となっております。
 公園事業につきましては、用地取得などによる土地の増が二百四十二億円余、工事の施行に伴う建物、工作物などの増が三十二億円余の増となっております。
 これらの固定資産の増加は、道路整備や公園整備など都市基盤整備への投資の結果が会計情報により明らかになったものと認識しております。

○橘委員 私どもがいただいている資料を見ますと、財務諸表の事業別情報を見ますと、都民の一人当たりの行政コストと都民一人当たりの資産を算出して、これを明らかにしておりますけれども、これは各局とも同じような手法で記載をされております。これを毎年度ごとに算出して、この数字を明らかにする意義について伺います。

○藤井総務部長 一人当たりの資産でございますが、これまで建設局が都市基盤の整備を行ってきた結果で形成されました資産全体としますと、大変膨大なものとなります。例えば道路の資産に限りましても、十三兆円を超える金額でございます。
 これらは都民共有の貴重な財産であり、より具体的に資産の大きさを都民の皆様にイメージしていただくために、一人当たりの資産金額を財務諸表に示したものでございます。

○橘委員 道路とか橋梁とか、それから公園等、こうしたものは、将来にわたって保有し、管理していくことが求められておりまして、基本的には処分することを想定していない財産であると同時に、都民の日常生活や経済活動に欠くことができないものであると思います。
 このため、インフラ資産を初めとする固定資産の実態を財務諸表に計上することによって、その資産形成の実績を明確に把握できるようになったことは評価できますけれども、今の答弁にありましたけれども、都民にイメージしてもらうために財務諸表に示しているという点についていえば、こうした数字は、一般の都民に触れることはまずないわけです。そして、数字を目にすることがないということは、イメージするきっかけもないわけです。したがって、具体的にイメージしてもらうための何らかの工夫が必要かと思いますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。

○藤井総務部長 一人当たりの資産額でございますが、これまで、このような形で都民の皆様にお知らせしたことは余りないと思います。
 しかし、都民の方々に資産についてご理解をいただくということは大変重要なことだと考えておりまして、都民の方々が効果的にイメージできる方策を今後検討してまいりたいと思っております。

○橘委員 知恵を出して、工夫をしていただきたいと思います。
 建設局の事業は、税金を投入して、後世に残る資産を形成しているわけでして、整備された分、都市生活の向上、それから経済活動の活発化などに資することになると思います。
 ところが、道路などの都市基盤整備にそんなに税金を投入する必要はないんじゃないかといった、公共事業に否定的な考えも一部にあるようでございますけれども、私は、都民生活の向上には、都の責任として整備を着実に推進して、後世に残していく必要があると考えます。
 その観点からいいますと、会計上のインフラ資産を中心とする固定資産の増加は、その実行の結果ということになって、後世に引き継いでいく財産の価値の目録のようなものであると思います。その点からいいますと、これは非常に大事な数字の分析、また数字の表記であると私は考えております。
 そこで、後世に引き継ぐ財産的価値、この観点から非常に大事になってくると思いますけれども、私見でございますけれども、こうした考えについてどのようにお考えでしょうか。

○藤井総務部長 建設局が実施しております都市基盤の整備は、日々の都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできないものでございます。
 社会資本の整備促進による固定資産の増加は、都民生活、都民福祉の向上に大きく寄与するものであり、未来につながる財産が形成されているものであると考えております。
 これまでも都市基盤整備を着実に進めてまいりましたが、交通渋滞など解決すべき課題はいまだ残されておりまして、東京をさらに機能的で魅力的な都市へ発展させていくためには、さらに事業を強力に推進していくことが必要であると考えております。
 今後とも、早期の事業効果の発現を目指しまして、迅速かつ着実な事業執行に努め、都民の負託に積極的にこたえていきたいと考えております。

○橘委員 橋梁を中心にちょっとお伺いします。
 高度成長期に整備されたインフラ資産である橋梁等、これは平成二十二年ごろから大規模な更新期を迎えるといわれておりますけれども、そのための事前の予算確保策として、十九年度にはどのような対策を講じたのか、これが一点の質問であります。
 また、今後、大規模な更新がまとまって必要になっても、多くの都の施策の財政需要がある中で、更新には一定の限度があるわけです。そこで、基金創設など、更新に必要な財源を確保していく事前の対策、そうしたものが必要であると考えますが、その点について局としてどのようにお考えでしょうか。

○藤井総務部長 今後一斉に更新時期を迎える施設のうち、橋梁につきましては、アセットマネジメントを活用いたしまして、トータル経費の抑制と投資効果の最大化につながる予防保全型管理を推進しております。
 このうち十九年度は、橋梁の長寿命化計画や設計についての経費を執行したところでございます。
 ご指摘のとおり、予算確保策としての基金の創設などは重要な課題でございまして、今後、財政当局とも十分協議を図り、都市基盤施設の更新に支障がないよう、財源の確保策を検討してまいります。

○橘委員 今の点についていいますと、財政需要が逼迫していくことも予想されますし、そうした中で、まとまって更新時期が来たからこれだけ予算が必要だといっても、すぐには対応できないという事態も十分考えられますので、これは計画的に基金なりそういったもので備えていく必要があると思いますので、この点はきちっと対応していただきたいと要望しておきます。
 次のテーマですが、道路補修事業における環境に配慮した舗装の取り組みについて伺います。
 道路は都民生活や経済活動を支える重要な施設であることはいうまでもありませんけれども、交通量の増大により、騒音対策などが課題となっております。
 例えば最近、車のタイヤでも低騒音タイヤが開発されて、非常に好評なようですけれども、これもやはり環境に配慮した工夫がさまざまな分野で求められているという一つのあらわれだと思います。
 これまで、道路における騒音対策として、建設局では低騒音舗装を実施しておりますけれども、さらに騒音低減効果の高い二層式低騒音舗装も実施していると聞いております。この二層式低騒音舗装の効果と十九年度の整備実績について伺います。

○米田道路保全担当部長 都では、舗装の表面に空隙を持たせることで路面騒音低減効果のある厚さ五センチメートルの低騒音舗装を実施してまいりました。
 さらに、この低騒音舗装の上層に粒径が小さい厚さ二センチメートルの舗装を加えた、より騒音低減効果の高い厚さ七センチメートルの二層式低騒音舗装を実施しております。
 二層式低騒音舗装は、通常の舗装に比べまして、道路面において一〇デシベル程度の路面騒音低減効果がございます。この二層式低騒音舗装は、特に道路交通騒音を改善する必要のある環状七号線、環状八号線、笹目通りなど、東京都内における道路沿道の環境対策の基本方針で位置づけられました優先的対策道路区間におきまして平成十七年度から実施してきております。平成十九年度の実績は約九キロメートルでございます。今後とも、騒音低減効果のある舗装に積極的に取り組んでまいります。

○橘委員 私の地元であります板橋区でも、環状八号線、環八の相生町交差点から北町トンネル、あの区間が二層式の低騒音舗装になっているとお聞きしました。実際走ってみますと、そこを車で走行しているときと、それから相生町交差点から小豆沢方向に、まだ舗装されていない部分、ここを走ってみると、歴然と低騒音であるということがよくわかります。したがって、こういう舗装というのはやはりもっともっと広げてほしいという要望もございますので、また努力していただきたいと思います。
 次に、同じ道路舗装の関係ですけれども、大都市特有の課題であるヒートアイランド現象、これは、舗装が蓄える熱も一因といわれておりますけれども、その面からの対策、どのような対策を講じているのか、それから実施状況について伺います。

○米田道路保全担当部長 都では、ヒートアイランド対策の一つとしまして、都心部を中心に平成十七年度から保水性舗装を実施してきております。平成十九年度からは遮熱性舗装にも取り組んでいるところでございます。
 保水性舗装は、舗装内に蓄えました水分が蒸発することで路面温度の上昇を抑制する舗装でありまして、平成十九年度は環状三号線や新宿副都心線など七カ所で約二キロメートル実施いたしました。
 また、遮熱性舗装は、太陽光を反射する特殊な塗料を路面に塗布することで、低騒音機能を損なわず路面温度の上昇を抑制する舗装であります。平成十九年度は新大橋通りや靖国通りなど三カ所で約一キロメートル実施いたしました。

○橘委員 ヒートアイランド現象を考えた場合の保水性舗装とか遮熱性舗装、これは一般の都民にはなかなかわかりにくい点がございます。皆さん方は多分科学的な検証を行っていると思いますけれども、保水性舗装と遮熱性舗装の効果、これはどういうふうになっているのか、それから、実験されたと思いますけれども、その結果どうなったか、どういう結果であるのか、それから、今後どういうふうに取り組んでいくのか、この点についてお伺いします。

○米田道路保全担当部長 保水性舗装は、水分を十分に蓄えている状態で、通常の舗装に比べ約十度の路面温度上昇抑制効果がございます。
 遮熱性舗装につきましては、平成十九年度に新大橋通りの築地市場前で実験を行いました。まずは、気温、日影、風向などの影響を除くため、現地で採取いたしましたサンプルをもとに室内実験を実施いたしました。その結果、平均十一度の路面温度上昇抑制効果がございました。この室内実験での効果を現地で検証するため、隣接する、遮熱性舗装を施工していない箇所と比較いたしましたところ、平均で約八度の路面温度上昇抑制効果がございました。
 保水性舗装や遮熱性舗装につきましては、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八に位置づけており、ヒートアイランド対策の一環として今後とも積極的に推進してまいります。

○橘委員 かなり効果があるということを今数字で感じましたけれども、これがやはり実際に都民が実感できるような、そういった工夫も必要かと思います。
 ヒートアイランド対策など環境面での取り組みを道路舗装事業の面からも取り組んでいること、これを都民にアピールしていくことで、道路事業に対する都民の理解が進むと思います。
 例えば、保水性舗装であるとか遮熱性舗装、こういったものを、ここからここまでの区間はそういう努力をしていますよ、こういった事業を実施していますよ、それによった道路ですよといったものがわかるような表示。これを道路に標識としてつけるということは、交通事故の可能性もありますので、できないと思いますけれども、例えばその近辺の歩道の近くであるとか、そういったところにそういう表示があれば、ヒートアイランド対策の一環として、道路建設においてもこういう努力をしているんだなというのが都民に浸透していって、これまた地球温暖化対策のきっかけ、そういった意識づけもできるかと思いますので、そういった工夫も要望しておきます。
 次のテーマですけれども、自転車と歩行者が安心して通行できる歩道の整備について伺います。
 歩道上での自転車と歩行者の接触事故等が後を絶たず、命にかかわる重大な事故になっているケースもございます。
 歩道上での自転車と歩行者の事故防止には、歩行者と自転車、そしてまた自動車を可能な限り分離し、それぞれが安全で快適に通行できるような道路を整備していくことが重要であると考えます。
 建設局としてもこの対策に力を入れ始めているようでありまして、区市町村でも分離歩道の整備に力を入れ始めております。そこで、都道における十九年度の自転車走行空間の整備実績について伺います。

○米田道路保全担当部長 自転車は、近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備は重要であると考えております。
 このため、多摩湖自転車道などの自転車道の整備や、広い歩道内での自転車走行部分のカラー舗装などによる分離、車道部分における自転車専用レーンの設置など、さまざまな手法で自転車走行空間の整備を進めているところでございます。
 平成十九年度の整備実績でございますが、既存道路では、浅草通りや国際通りなどで五・二キロメートルを整備いたしました。また、新設道路では、調布保谷線において一・七キロメートルを整備いたしました。

○橘委員 地元の、地域的なことで恐縮でございますけれども、板橋区内における十九年度の自転車走行空間の整備実績について説明をお願いします。

○米田道路保全担当部長 板橋区内での整備状況でございますが、平成十九年度は、特例都道第四四六号長後赤塚線の西台駅から西台交差点までの区間のうち五百六十メートルを整備いたしまして、平成十八年度までに整備いたしました延長と合わせて一千三百十メートルが完成いたしました。

○橘委員 板橋区におきましても、一部で板橋区の区道の歩道部分を拡幅して、自転車と歩行者の通行帯を分離する事業を進めております。この整備されたところについては、特に歩行者の方から、安心して通行できるようになったという、非常に好評であります。そうした声も多々聞いております。
 ただ、都道と区道、それぞれ別々に整備を進めているために、連続性がないという課題もございます。
 例えば、今説明のあった長後赤塚線の西台交差点から西側の区間を整備すれば、既に整備をされている西台駅から西台交差点までの都道や区道である不動通りの自転車と歩行者を分離した歩道がネットワーク化されて、これが都立赤塚公園まで接続されることになります。これに接続する道路であり、また、自転車や歩行者が非常に通行量が多い高島通りの整備も加えると、高島平地区一帯と、それから徳丸方面への地域が、今までの線から面に整備されることになります。これによって、都道と区道の歩道整備が連結した、一つのモデル的な地域になると考えますけれども、所見を伺います。

○米田道路保全担当部長 歩道を活用して自転車走行空間を整備する場合、歩行者や車いす、自転車が安全にすれ違うことができるよう、歩道の有効幅員が四メートル以上必要でございます。お話のありました長後赤塚線の西台交差点から西側の区間につきましては、現況の歩道幅員が約五メートルございますが、植樹帯がございますので、通行できる有効幅員は三メートル程度でございます。そのため、歩道の拡幅や車道部分における自転車専用レーンの設置など、整備手法について検討する必要があり、現在、交通量や沿道の駐停車状況等の基礎的調査を実施しているところでございます。
 なお、高島通りにつきましては、お話のありましたように、自動車の交通量が多いということで、さまざまな課題について整理しなければならないというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも、区と連携いたしまして、地域の意向も踏まえつつ、自転車走行空間のネットワーク形成ができるよう努めてまいります。

○河野委員 質問します。
 中央環状品川線と環状八号線の問題、それから都市計画公園について伺います。
 最初に品川線です。
 都の都市戦略と呼ばれている「十年後の東京」で三環状道路の整備促進が強調されています。そのうちの一つ、中央環状品川線についてお聞きします。
 二〇〇六年に品川区大井地区で立て坑工事が始まり、昨年度はシールドトンネル工事契約の議案が一回提出されましたけれども、契約の相手方業者に指名停止があったために議案が取り下げになりました。
 その後、ことし六月に大井地区のトンネル工事とシールドトンネル工事の契約議案が出されて、事業が進められています。
 初めに伺います。中央環状品川線の二〇〇七年度予算と決算の額と事業内容についてお示しください。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 平成十九年度の当初予算につきましては約百二十五億円で、決算額が約三十二億円でございます。
 主な工事内容といたしましては、大井北発進立て坑工事など工事件数五件等でございます。

○河野委員 品川線の事業費は、資料でお願いした骨格幹線道路の決算額八百三十七億円には含まれていないということを伺っています。
 今ご答弁ありましたように、昨年度が三十二億円です。その前に行われた事業の決算額は、二〇〇六年度、四十二億円を超えています。合計七十四億円。で、今年度発注になりました大井地区トンネル工事の契約は百三十億二千万、シールドトンネル工事契約は四百七十二億五千万で、トータルいたしますと六百七十八億円になります。都立公園の年間整備費、これも資料にありますけれども、これと比較して約二倍の金額になります。都民施策への予算に厳しいシーリングがかけられてきたこれまでに比べてみると、中央環状品川線の予算のつけ方、まさに聖域扱いといえるのではないでしょうか。
 二つ目に質問します。
 中央環状品川線の建設については、地元町会を初め沿線住民から、地下トンネル道路から換気所を通って地上に排出される自動車排ガス、特に二酸化窒素などによる環境悪化が心配されていました。この問題は、工事が進み始めた今も解決していないと地元の人たちはいっておりますけれども、地域住民との合意形成はどうされているのでしょうか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 品川線のこれまでの住民との合意形成についてのお尋ねでございますけれども、東京都は、平成十三年の都市計画素案の説明会から現在に至るまで、条例に基づく説明会に加えまして、相談コーナーの開催、地元要請による住民団体等との意見交換会、自治会への説明、新宿線の見学会などを合わせて百回ほど行いまして、延べ約四千人の住民の方々にご出席をいただいております。
 これらの説明会などでは、品川線の必要性、環境への影響、工事の概要などについて詳しく説明してまいりました。これにより大方の理解が得られたと考えており、既に三カ所の換気所工事やシールドトンネル工事に着手しているところでございます。
 今後とも、工事説明会や意見交換会などの開催やパンフレットなどを通じて情報の提供に努めまして、地元の住民の理解と協力を得ながら、着実に事業を推進してまいります。

○河野委員 百回、延べ四千人の人たちの参加で説明会が開催されたということです。私も、そのうち、事業が着手される前の事業説明会などに、学校の体育館などを使って開かれたところに何回か足を運びました。
 そこではかなりいろいろな意見が出ておりまして、今ご答弁にありました、大方の納得、理解が得られているというような状況は、あの時点でも起こっていなかったというか、なかったというふうに私自身は認識しておりますので、その後の問題が大変心配であります。
 三つ目の質問です。
 三環状道路が完成すると、年間に二百から三百万トンのCO2が削減されるというふうに国も都も宣伝しています。国土交通省のCO2削減量の試算は、首都圏全体で減りますという数値だと思います。
 そこで、お聞きいたしますけれども、中央環状品川線が新宿線とつながって環状高速道路が完成した場合に、都内のCO2排出状況、これについての試算はされているでしょうか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 首都高速道路株式会社の平成十七年度の試算によりますと、中央環状線の全線開通によるCO2の排出削減量は、首都高速や一般道の交通の流れがスムーズになることによりまして、一都三県におきまして年間約四十万トンと試算されております。

○河野委員 今、東京は、三環状道路の建設促進等、都市再生路線で超高層ビルが建ち上がるというようなまちづくりが進んでいます。このもとで都内全域に超高層ビルがふえ続けている、これは皆さんがご承知のとおりです。
 私、調べてみましたが、都内の業務床がどうだったかということなんですが、一九九〇年は七千六百七十一万平方が業務床として登録されていました。二〇〇五年には一万一千八百五十五万平方メートルで、四千百八十四万平方メートルが増加しております。CO2は一平米当たり約百キログラムの排出というふうにいわれていますから、増加した業務床で計算いたしますと、四百十八万四千トン余りのCO2排出増、それが業務床増加分だけで起こってくるわけです。
 中央環状高速の円が描く高速網が完成したときに四十万トンCO2が減っても、業務床分でこれだけふえてしまうということで、その上に、都市再生で車が入ってくる量、それが十四万台の流入がふえるという数値も出されておりますから、東京にとっては環境負荷がこれから極めて深刻になるというふうに考えるのが当然じゃないでしょうか。
 また、先日も申し上げましたけれども、車は時速六十キロくらいまでならCO2の排出は減るんですけれども、高速運転になれば排出増になる。それは国土交通省自身も認めていることです。
 地域温暖化防止が国際社会の切迫性を要する課題になっていて、CO2をいかに減らすか、ここにさまざまな努力が講じられていて、特に車依存社会からの脱却がグルネルの環境会議などでも申し合わされているのですから、大型幹線道路建設の事業者である建設局はもっと検討を深めるべきであるということを痛感いたします。
 品川線の質問で、四つ目、最後ですけれども、伺っておきます。
 二酸化窒素やCO2のことだけでなくて、地元では、品川区内に入り大井立て坑工事の場所に集中する工事の車両、貨物トラックの台数、掘り出される土砂の量、騒音、土ぼこりなどの問題でたくさんの不安が表明されております。私が説明会に参加した会場では、都の説明に納得をした方はいませんでした。
 品川線は、従来の高速道路建設と違って、東京都が街路事業と位置づけて、仕事も建設費も半分負担する道路づくりです。都民にとっては気が遠くなるような金額の、都の負担分だけでも千二百五十億が投入されるわけです。本来なら首都高速道路株式会社が行うべき事業に巨額の都費が使われるのですから、街路事業でやるという建設構想を持った段階で都民、関係住民の意見をきちんと聞くべきだったのではないかと感じていますけれども、この点での都のご認識を伺っておきます。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 ご質問にお答えする前に、CO2のご指摘がございましたので、見解を述べさせていただきたいと思います。
 CO2の削減につきましては、さまざまな施策を組み合わせて推進することが重要でございまして、東京都は、二〇二〇年までに東京全体の温室効果ガスの排出量を二五%削減するため、カーボンマイナス十年プロジェクトを部門別に展開しているところでございます。
 運輸部門におきましては、自動車交通でのCO2削減を加速するため、低公害・低燃費車やエコドライブの普及促進、自動車燃料対策、交通量抑制、交通流の円滑化など多様な施策に取り組んでいるところでございます。
 建設局におきましては、道路ネットワークの整備や連続立体交差事業、交差点すいすいプランなどを推進し、交通容量の確保やボトルネックの解消によりCO2の排出削減を図っているところでございます。今後とも、道路整備を通じてカーボンマイナスに取り組んでまいりたいと考えております。
 ご質問のありました、品川線の合意形成の問題でございますけれども、ご指摘にありましたように、品川線は、首都圏三環状道路の一つとして、高速道路全体のネットワークを効率よく機能させまして、人や物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和やCO2削減など環境改善に大きく寄与する重要な路線でございます。このように多くの効果が期待される品川線を早期に完成させるため、都みずからも事業者となり、街路事業で整備を進めてきたわけでございます。
 事業に当たっては、先ほど申し上げたように、住民の方に丁寧に説明してまいりました。今後とも、これらの説明を努力していきたいというふうに考えているわけでございます。
 そのほか、今後、換気所のデザインに関するアンケートの実施だとかインフォメーションセンターの設置など、さまざまな形で今後とも情報を提供していきたいと考えております。
 これらの説明を積み重ねた結果としましても、品川線の必要性が理解されまして、早期整備を都民からは期待されていると認識しておるところでございます。今後とも、共同事業者であります首都高速道路株式会社と連携して、平成二十五年度完成に向けて着実に事業を推進してまいります。

○河野委員 今、部長ご答弁になりまして、CO2削減の多様な施策を講じているという中に、エコドライブというような単体への規制だけじゃなくて、交通量抑制についても検討の課題に入れていくということがおっしゃられましたので、私はやっぱり総量規制、どうしても自動車交通から発生するNOxやCO2について削減していくというのであれば、この課題は避けて通れませんので、課題の中に入れていただいているということですから、深いご検討をお願いしておきたいと思います。
 首都高速道路建設は、本来、東京都の仕事ではありません。品川線の建設促進の要求を強くしていたのは、大手ゼネコンなどが加入しているJAPICでした。JAPICなど財界の要求を受け入れて、都民施策は一方で抑制しながら建設に入った中央環状品川線は、部長は、共感が寄せられているというようなことをいわれましたけれども、地元住民を初め都民全体の理解、合意が得られないまま進められている事業であるということを改めて申し上げておきます。
 次に、環状八号線についてお伺いをいたします。
 環状八号線、二〇〇六年五月に練馬区北町から板橋区若木間が完成して、全面開通となっています。現在、本線の沿道の整備がされているようですけれども、北町・若木地区で二〇〇七年度に取り組んだ事業内容及び決算の状況についてご説明をお願いいたします。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 平成十九年度の主な事業内容でございますけれども、電線共同溝工事や側道整備工事、緑化工事などでございます。
 環状八号線の北町・若木地区の街路整備費の決算額は約六億八千四百万円でございます。

○河野委員 環八は、自然環境に恵まれた武蔵野崖線の緑を分断する形で建設されています。ここに、ある住民団体ですが、環八道路から住民の暮らしと環境を守る会の方々が、おととしの八月、日本工業大学の成田教授にサーモグラフィティーで環八道路の温度測定をしてもらったそうです。本線道路面の温度は五十五度、コンクリートの壁面は四十度、この日の東京の最高気温は、八月ですけれども、三十一・五度だったそうです。環八の路面とコンクリートの壁が相当高温になっていることが明らかになった測定値だと思うんです。
 今、東京でも、東京都として、芝生や屋上、壁面緑化など、地表面の温度をいかに下げるかという取り組みが始まっておりますけれども、緑をふやすことは、大気の温度を下げ、CO2吸収を進めていく上でとても重要な取り組みだと思います。
 そこで、緑を守り、ふやすことについてお伺いをいたします。
 若木地区周辺には、環八建設前は七千平方メートルの自然林がありました。隣にある西台公園の約七千平方メートルを合わせると一万四千平方メートルの緑があったわけです。キンラン、ギンランなど希少種といわれる植物の植生地でもあり、区部では本当にまれな、自然環境に恵まれた地域でありました。環状八号線建設によってこの貴重な樹林帯が大きく損なわれてしまう、そういうことから、住民の要望もあり、東京都は、緑の保全、なるべく努力しますということを約束した経過がありますけれども、都がこれまでに取得した緑地面積の到達を地域別にお示しいただきたいと思います。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 温暖化等に対する対策として道路の緑化ということは重要な施策であろうということで考えておるところでございまして、今回の道路整備におきまして、道路区域内の緑化面積については、相生交差点付近で約千百平方メートル、若木地区付近で約九千五百平方メートルでございます。

○河野委員 私、環八が開通前の現地に何回か足を運んだことがあります。都が緑の回復に一定の努力をされたことは今のご答弁でもわかりましたが、できる前の、環八が工事に入る前の生えていた木は、高木ということで高さ十メートルあったわけですから、七万立方メートルのボリュームを持っていたわけです。今植えてある木々は小さな低い木が--これから育ちますということかもしれませんけれども、小低木がほとんどで、七万立方メートルのボリュームを持っていた当時の緑の回復にはまだまだ道のりが遠いということを感じています。
 緑の確保の問題、これからも可能な条件がまだ存在するのではないでしょうか。今後、環八の環境対策などのために用地を買ってほしいと申し出るような土地所有者がいたら、都は積極的に対応するべきだと考えているんですが、これはいかがでしょうか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 この地区におきましては、都市計画道路の街路事業としての用地買収は既に完了しておりまして、さらなる用地取得を行う予定はございません。

○河野委員 地元住民の方は、緑が失われたことについて、生活環境、自然環境が変わってきたことによって、もっともっと都が努力してほしいということを強く求めていますので、それはご認識をいただきたいと思います。
 環八は崖線のところにつくられた道路ですから、コンクリートの壁で囲まれている箇所が大変目立ちます。先ほどもいいましたけれども、都は温暖化対策として壁面緑化を推進しているわけなんですが、環状八号線沿線のコンクリート壁による気温上昇を防ぐために、若木-北町の区間に壁面緑化などを積極的に行うようにしていただきたいんですけれども、これはいかがでしょうか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 環八の整備に当たりましては、緑豊かな道路空間を創出するため、歩道の街路樹に加えまして、新たな緑地帯の整備などを実施しております。今お話にありました盛り土構造部分のコンクリート壁面についても、側道の整備とあわせまして順次壁面緑化を行ってまいります。

○河野委員 順次ということで、最低大きいところで三カ所はあるわけですから、すべての場所でそういうことが都として対応されるように求めておきます。
 次に、騒音について伺います。
 騒音の環境基準値は、昼間七〇デシベル、夜間六五デシベルとなっています。建設局は、北町-若木間が開通した後、沿線の幾つかの地点で騒音測定を行ったと聞いておりますけれども、昼間、夜間の最大の測定値は幾らだったのでしょうか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 騒音の評価は、東京都環境影響評価技術指針によりますと、等価騒音レベルという手法を用いて評価することになっております。
 測定に当たりましては、一時間ごとに等価騒音レベルを測定いたしまして、昼間の十六時間の平均値及び夜間の八時間の平均値をもって評価値としております。
 お尋ねの昼間の等価騒音レベルの最高値は、板橋相生陸橋西側で六八・二デシベル、夜間の最高値は、同地点で六三・五デシベルでございました。

○河野委員 八時間の平均値で、環境基準値、昼間の七〇デシベルぎりぎりの六八・三、それから夜間の六五デシベルのまた幾らか低い六三・五デシベルが測定されたというご答弁だったんですが、これはあくまでも平均の、等価評価というんですか、そういう、何時間かならした中での値だと思うんです。
 環境基準値本当にぎりぎりの状況が今お示しされたと思うんですけれども、私、第四建設事務所が測定した地点の一覧表をいただきました。一時間ごとの計測ですけれども、昼間の基準値七〇デシベルを超えているところが幾つもありますし、最高値、最低値などを標準化する等価評価という環境アセスの考え方、こういう前提というんでしょうか、それが生活している住民についてはどうなのかと。その瞬間、瞬間に住民の方は音を感じているんですから、そういう等価評価ということでの基準の出し方が、環境アセスはそうかもしれないけれども、住民にとってはとてもつらいものがあると思います。
 騒音についていえば、もともとは環境アセスの設定条件に問題があったのではないかと感じています。事前のアセスメントを行ったときの速度の設定は、時速五十キロメートルの走行というものでありました。しかし、道路が開通するときは、警視庁、公安委員会の判断ということで、五十キロの制限速度が違うふうになって、六十キロになりました。アセスメントの設定条件が変わってしまったのだから、この信頼性、問われているのではないですか。
 東京都は、本線開通後、走行している車の速度について測定をされたことがあるのでしょうか。もし測定しているのであれば、平均値という出し方ではなくて、最高速度が幾らだったのか、最低速度が幾つだったのか、お示しをいただきたいと思います。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 環境アセスの事前予測におきます設定速度は、周辺の幹線道路の制限速度を考慮いたしまして、事業者で想定したものでございます。
 今回開通した区間の制限速度につきましては、一般道路の法定速度である毎時六十キロメーターとなっております。これは東京都公安委員会が判断したものでありまして、建設局としましては、開通直前の平成十八年五月に知ったところでございます。
 環境影響評価制度は、事前の予測と事後の調査の二段階から成り立っておりまして、事後調査を行うことにより、その予測との差異を検証し、必要に応じて対策を実施していくこととしております。
 自動車走行速度につきまして、本線供用開始後、事後調査におきまして平均走行速度を計測しております。その調査結果によれば、各地点、七地点ございますけれども、各地点の平均走行速度は毎時四十三・三キロメーターから毎時六十五・八キロメーターの間でございます。
 なお、騒音につきましては、本線供用開始後、事後調査におきまして、すべての測定点で環境基準を下回っております。

○河野委員 平均で、低い方で四十三・三、高い方で六十五・八で、警視庁公安局が設定した毎時六十キロ、これを超える車も走っているということが今明らかになったのではないでしょうか。五十キロの走行で設定したアセスメントと実際に乖離が出てきている、これは本当に大変なことじゃないかというふうに私は思います。
 沿線で生活している住民の皆さんのことを今きちんと配慮すべきじゃないでしょうか。以前から要望されてきた、車の走行音を緩和する遮音壁の設置をするように東京都自身が決断、建設局が決断すべきと考えますが、この点ではいかがですか。

○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 先ほどお答えいたしましたけれども、環境影響評価は事前の予測と事後の調査の二段階から成っておりまして、事後調査を行って、その予測との差異を検証し、必要に応じて対策を実施するということになっているわけでございます。
 ご質問にありました、道路構造として対応できる騒音対策といたしましては、低騒音舗装や遮音壁の設置がございます。低騒音舗装につきましては、トンネルの中央部を除きまして全路線対策済みでございます。遮音壁につきましても、高架部や側道の一部において設置済みでございます。開通後の調査結果、すべての調査地点において測定値が環境基準を下回っていることから、新たな遮音壁を設置する必要性はないと考えているところでございます。

○河野委員 私は、今のご答弁は、住民の皆さんの暮らしを守る、そういう立場に立っているとはいえないと感じます。
 沿線の人たちは実際に大変だということを訴えているんです。特に夏場は暑さと騒音でダブルパンチだと切実にいっておられます。
 環状八号線の環境対策、騒音と緑の対策について全力を尽くしていただくことを、この機会に改めて強く求めておきます。
 次に、都市公園について伺います。
 資料を見ますと、都市公園の整備費の決算実績は、十年前と比較して減額の傾向です。都は、都市公園の果たす役割について、現在どんな認識をお持ちかを伺います。

○小口公園計画担当部長 都市公園の果たす役割についてでございますけれども、都市公園には、レクリエーションの場を提供する役割、震災時の避難場所や救援、復興活動の拠点としての役割、また生態系の保全など環境保全の役割、さらに、風格ある都市景観を形成する役割などがございます。

○河野委員 都民の健康やさまざまな心の豊かさを守る上でも大変大事な役割があるということが今のご答弁でわかると思うんです。
 二〇〇六年三月に、建設局も参加して、都は区市などと一緒に都市計画公園・緑地の整備方針を発表しています。この方針を受けて、都は都市公園の整備にどんな努力をされたのか、昨年度、二〇〇七年度取り組まれた内容についてお示しください。

○小口公園計画担当部長 平成十八年三月に策定しました都市計画公園・緑地の整備方針以降の建設局の取り組みについてのご質問でございます。
 平成十八年十二月には「十年後の東京」を策定しまして、平成二十七年度末までの都立公園の開園面積を二千ヘクタールとする目標を設定いたしました。
 また、平成十九年十二月の実行プログラム二〇〇八では、平成二十年度からの三カ年で七十ヘクタールの都立公園を開園する計画としまして、積極的に事業に取り組んでいるところでございます。
 平成十八年度、十九年度の二カ年で約五十二ヘクタールの都立公園を新たに整備し、今日、開園しております。

○河野委員 その「十年後の東京」で目標を持たれているんですけれども、都が示している目標で、三百ヘクタールを都市公園の緑で確保するというのがありますよね。都が百九十ヘクタール、区が百十ヘクタールという割合で都市公園をつくるということがいわれているようなんですけれども、もしこの三百ヘクタールが実現したということになりますと、都民一人当たりの--人口、今、一千二百万といわれていますが、この一千二百万で割り算をすると、ふえるのは〇・二五平方メートルという計算になります。現在の都民一人当たりの都市公園面積は幾つぐらいあるんでしょうか。

○小口公園計画担当部長 東京都の一人当たりの公園面積は、現在約五・六平方メートルでございます。

○河野委員 他の都市と比較すると、どうなんでしょうか。例えば、関東近県の政令市とか、外国におけるロンドン、パリ、ニューヨークなどとの比較の数字もお示しください。

○小口公園計画担当部長 国土交通省の調査によりますと、関東周辺の主な政令市では、横浜市が四・七平方メートル、川崎市が三・七平方メートル、千葉市が八・九平方メートルでございます。
 また、海外の主要都市では、ロンドンが二十六・九平方メートル、パリが十一・八平方メートル、ニューヨークが二十九・三平方メートルとなってございます。

○河野委員 さっきの東京都の一人当たりの都市公園面積五・六平方メートルに比べますと、横浜、川崎などは少ないようですが、千葉は八・九と上回っています。
 五・六平方メートルは東京全体の数字ですから、じゃ、区部はどうなのかというと、大都市比較統計年表というのが出ているんですけれども、そのコピーを持ってまいりましたけれども、東京の区部では、一人当たりの公園面積は二・九二平方メートルという数字があります。だから、東京全体で五・六の半分以下しか区部の方ではまだ都市公園の面積が確保されていないというのがこういう統計数字で出されていると思います。
 私は、東京の、特に区部は公園が少なくて、田園とか、いろんな緑地とか、オープンエリアと外国では呼んでいるようですが、そういうオープンエリアについても、今お答えいただいたロンドンやパリ、ニューヨークなどに比べると、大変都市の面積に占める割合が低い、そういう状況にあると思うんです。やはり東京が区部を中心に超過密な建築物が建ち上がる都市になっておりますから、本当に都市公園増設は東京の重要な課題だと思うんです。
 緑を守ることに関してなんですが、東京で起きている問題の一つについてお聞きをしておきます。
 今、区部では、個人の屋敷林がマンション業者に売却されて、緑が失われてしまう、そういう例が幾つも起きております。三年前には、大田区の松原橋交差点ですか、NOxが非常に観測データが悪いというところですが、ここのところで、緑を残したいということで保存運動を起こした住民の方の記事が新聞に載りました。これ、コピーなんですが、それから、ことしの九月も、世田谷区の一万平方メートルある屋敷林がやはり、料亭を営んでいる方のようですが、いろんなご事情でそこを出なくてはならなくなって、そのあいた土地にマンション建設計画が起こっている。ここでも周辺の人たちが保存してほしいということで、新聞の記事によりますと、住民の代表の方が、都や区が公園として残す努力をしてほしいと要望している、こういうことが報道されています。
 都は、こういうことが起きた場合に、いち早く情報をつかんで、地元自治体と協力して、緑の保存、都市公園の増設に役割を果たすべきと私は考えるんですが、こうした取り組み、都はどんなお考えをお持ちでしょうか。

○小口公園計画担当部長 都内で屋敷林ですとか民有地の緑地をぜひ保全をしてほしい、そういう運動が起こったときに都としてどういう対応をするかというご質問だと思います。
 これまでも、私ども建設局では、必要な緑地について計画的に、先ほど申しました十八年三月に制定した都市計画公園・緑地の整備方針に基づきまして、都市公園について、区市町村とも連携しまして、積極的に整備を進めております。
 新たな緑地につきまして、公園にするということになりますと、新たに都市計画の決定をする、または市民緑地に指定する、さまざまな手法の中で、必要な措置が講じられると思っております。
 そうしたことにつきましては、地元の自治体とも連携をしまして、情報交換をするなりし、必要な措置について検討するということは当然でございます。ただし、財政の限り、それからまたその必要性等ございますので、それらについて十分検討をし、その必要性について、所管する自治体で決定すべきことだと考えております。

○河野委員 財政の状況、予算の範囲内ということはよくおっしゃられる言葉で、大分私も耳なれてまいりましたけれども、都市計画公園については、東京都が都市計画決定するものと、区などが都市計画決定することについては、国の交付金のあり方なども違ってくるというふうに聞いております。ぜひ、今、情報交換をしっかりと進めていくというご答弁がありましたので、私がご紹介した例のようなことが起きた場合には、速やかに地元区市などと対応して、緑が守られる、都市公園が増設される、そういうことでお力を発揮していただきたいと思います。
 最後に、都市公園の管理についても伺っておきます。
 実際に寄せられている声なんですけれども、多摩の例えば秋留台公園とか、葛飾区の水元公園などの公園利用者の人の意見です。公園の草刈りなどがきちんとされていなくて、草がぼうぼうと茂っているというような状態になっているところがあるといわれています。草が生い茂れば、ごみを捨てるような人も出てきて、公園が荒れているような感じがすると嘆かれています。草刈りなどの公園管理についてはどんな努力がされてきているのでしょうか、お示しください。
 この質問で私の質問は終わりますので、よろしくお願いいたします。

○小口公園計画担当部長 都立公園における植栽地の管理についての質問でございますけれども、公園につきましては、公園内を芝生地、草地、花壇等に区分しまして、それぞれ必要な管理作業を実施しております。
 今お話がありました秋留台公園、水元公園につきまして、秋留台公園につきましては、陸上競技場などで快適にスポーツを楽しみ、バラ園や花畑などでは季節の草花を観賞できるよう、また、水元公園では、広々とした中央の草地広場でのレクリエーションや、ショウブ田で花ショウブの観賞ができる公園として植栽地の管理をしているところでございます。
 これらの公園では、それぞれ必要な作業を適切な時期に実施することとしておりますが、植物は生き物でございますので、年により生育状況が異なることがございます。天候等により雑草の成長が著しい場合には、速やかに草刈りを行うなどの対応をしているところでございます。
 今後とも、多くの来園者がより快適に利用できるよう、適切に植栽地の管理を行ってまいります。

○米沢委員 私からは、荒川の河口域のしゅんせつについてお伺いいたしたいと思います。
 荒川や多摩川などの河川や東京港周辺は一般の船舶が頻繁に航行しているわけであります。それらの船が安全に航行できるのはもちろんのこと、災害時に船舶によって防災船着き場へ物資などを運搬するという防災上の目的としても、河川や港湾における安全な航路確保が大変必要だと考えております。
 ところが、荒川の河口は何年も前から土砂の堆積が顕著であります。船のスクリューが破損するなど、安全な航行ができないと聞いておるわけであります。
 そこで、荒川河口域の土砂の堆積状況について、どうなっているかということをお伺いしたいと思います。

○廣木河川部長 荒川の河口は、荒川と中川からの土砂が供給されること、また、潮の干満の影響から土砂が堆積しやすい区域であります。
 荒川河口域の堆積の状況はさまざまでありますが、船舶が頻繁に航行する区域におきまして、海水面が最も低くなる干潮時には水深二メートル程度まで堆積している箇所が認められております。

○米沢委員 山の土砂が削られまして、河川を流れ下った結果、河口に堆積という、自然な現象とはいえ、これだけ堆積していますと、首都直下大地震などの災害が起きたときには、防災船着き場へ物資や人が運べないといった事態が当然予想されるわけであります。
 荒川の河口域は河川区域や海岸保全区域があり、それぞれ管理者が分かれておりますが、どのような役割分担でしゅんせつを行っているのか、お伺いいたしたいと思います。

○廣木河川部長 荒川の河口域は、国が管理する荒川の河川区域、また、東京都が管理する中川の河川区域、そして、葛西海岸を保全するため東京都が管理する海岸保全区域に分かれております。
 河川区域につきましては、流下能力の確保などを目的とし、国が荒川を、東京都が中川をそれぞれしゅんせつしております。海岸保全区域につきましては、これまで、国が管理している防災船着き場への航路確保の観点から、しゅんせつの実施につきまして国と調整を進めてきております。

○米沢委員 荒川という大河川からは相当の量の土砂が流れてくると思われますので、国との調整を行っていくことはよくわかりました。
 しかしながら、平成十五年に国が荒川のしゅんせつを行ったにもかかわらず、海岸保全区域のしゅんせつはいまだに実施されておりません。防災上の問題は依然として存在しておりますし、これが万が一マスコミに取り上げられた場合には、それこそ大きな問題になってくるんではないかというふうに私は考えております。
 そこで、海岸保全区域の堆積箇所におけるしゅんせつについて、都の見解を改めてお伺いしたいと思います。

○廣木河川部長 海岸の侵食を防ぐ目的で指定した海岸保全区域では、一般的にはしゅんせつを行うことは想定しておりません。
 ただ、防災上の観点から、災害時の航路確保のため、しゅんせつなどを行うことも必要であります。
 ただし、海岸保全区域でしゅんせつ等を行う場合には、海岸保全の観点から、海岸の侵食や周辺環境への影響など、調査検討が不可欠であります。
 東京都は、これらの検討に着手するとともに、海岸管理者としてみずからしゅんせつを行うことも視野に入れ、引き続き国との調整を継続してまいります。

○米沢委員 ただいま、今後検討に着手するというご答弁でありましたけれども、今までこの地点では事故が多発しております。このことに対する地元からの要望等が何回か出ておるわけであります。それは十分私も承知しております。
 したがって、余りにも長期間にわたって検討という言葉が使われ過ぎたんではないでしょうか。このことで時間がかかっております。まことに残念のきわみであります。早急に都区間で協議を進めていただいて、ぜひ実現ができますようにお願いいたしまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○東野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時三十八分散会

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