委員長 | きたしろ勝彦君 |
副委員長 | 門脇ふみよし君 |
副委員長 | ともとし春久君 |
松葉多美子君 | |
宇田川聡史君 | |
松下 玲子君 | |
山加 朱美君 | |
大西さとる君 | |
植木こうじ君 | |
三宅 茂樹君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本局 | 局長 | 大原 正行君 |
儀典長 | 多賀 敏行君 | |
次長 | 河島 均君 | |
理事政策部長事務取扱 | 前田 信弘君 | |
企画調整部長 | 川澄 俊文君 | |
秘書部長 | 長谷川 均君 | |
企画調整担当部長 | 小林 清君 | |
特命担当部長 | 鈴木 賢二君 | |
調整担当部長 | 角南 国隆君 | |
参事 | 中村 信一君 | |
国政広域連携・首都調査担当部長 | 吉田 長生君 | |
自治制度改革推進担当部長 | 中村 靖君 | |
参事 | 中村 長年君 | |
東京オリンピック招致本部 | 本部長 | 荒川 満君 |
技監 | 福島 七郎君 | |
企画部長 | 宮川 昭君 | |
参事 | 重田 敏光君 | |
招致推進部長 | 岸上 隆君 | |
参事 | 梶原 洋君 | |
参事 | 中嶋 正宏君 | |
参事 | 藤井 寛行君 | |
主税局 | 局長 | 熊野 順祥君 |
税制部長 | 松田 曉史君 | |
調整担当部長 | 堀内 宣好君 | |
参事 | 宗田 友子君 | |
課税部長 | 安田 準一君 | |
資産税部長 | 吉田 裕計君 | |
徴収部長 | 宮下 茂君 | |
特別滞納整理担当部長 | 松原 恒美君 |
本日の会議に付した事件
平成十八年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
知事本局関係
・平成十八年度東京都一般会計決算(質疑)
東京オリンピック招致本部関係
・平成十八年度東京都一般会計決算(質疑)
主税局関係
・平成十八年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成十八年度東京都地方消費税清算会計決算(質疑)
○きたしろ委員長 ただいまから平成十八年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、知事本局、東京オリンピック招致本部及び主税局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いをいたします。
これより知事本局関係に入ります。
初めに、過日の分科会で紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。
○大原知事本局長 過日の分科会を欠席させていただきました幹部職員を改めて紹介させていただきます。
儀典長の多賀敏行でございます。参事で横田基地共用化推進担当の中村信一でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○きたしろ委員長 紹介は終わりました。
○きたしろ委員長 これより決算の審査を行います。
平成十八年度東京都一般会計決算中、知事本局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○川澄企画調整部長 要求がございました資料三点につきまして、お手元にお配りしてございます平成十八年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料に従いましてご説明申し上げます。
まず、一ページをお開きください。横田基地の軍民共用化に関する経過についてでございます。
平成十五年五月、当時の小泉首相とブッシュ大統領との日米首脳会談におきまして、横田基地の軍民共用化を共同で検討することに合意しましてから、現在までの経過をお示しした資料でございます。
続きまして、二ページをごらんください。アジア大都市ネットワーク21の会議のテーマ及び進捗状況についてでございます。
平成十三年十月にアジア大都市ネットワーク21を正式に発足いたしましてからの、各都市の首長等が出席する総会及び中小型ジェット旅客機の開発促進を初めとする実務担当者会議につきまして、テーマ及び進捗状況等をお示ししてございます。
最後に、三ページをごらんください。このページから四ページにかけまして、石原知事の海外出張一覧をお示ししてございます。
石原知事が就任しました平成十一年度から平成十八年度までの知事の海外出張につきまして、出張先、期間、目的等を記載してございます。
以上、簡単ですが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○きたしろ委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○松下委員 私は、平成十八年十二月に発表されています「十年後の東京」に関してご質問いたします。
まず初めに、「十年後の東京」の策定に至る経緯についてお伺いいたします。
○小林企画調整担当部長 「十年後の東京」策定に至る経緯についてでございますが、石原都政誕生後平成十二年に、都は東京構想二〇〇〇を策定いたしまして、二〇〇一年から二〇一五年のおおむね十五年間を対象期間として、東京が目指すべき姿と実現に向けた取り組みの全体像を明らかにいたしました。
その後、都政が直面する危機を解決するためには、この構想で示されましたさまざまな取り組み等をより重点的、集中的に実施していくことが必要かつ有効であるとの考えから、平成十三年に重要施策、十四年からは重要施策重点事業を策定し、さまざまな先駆的な政策展開を図ってきたところでございます。
こうした中、平成十八年五月に二〇一六年東京オリンピック基本方針を策定いたしまして、この中で、これまでの先駆的な取り組みを一層推進するとともに、東京の取り組みの成果を束ねまして、二十一世紀に通用する新しい都市モデルにまで高めて、全世界に発信するため、二〇一六年の東京の都市像を明らかにし、これを都市戦略として位置づけるというふうに明記をされました。
これを踏まえまして、この十八年の六月の第二回都議会定例会におきまして、今後十年後の将来を見据えた東京の都市像を明らかにするとともに、東京をさらに機能的で魅力的な都市につくりかえていく必要があると、知事がこうしたことを表明いたしました。これらの経緯から、「十年後の東京」を策定することとなったものでございます。
○松下委員 策定に至る経緯について今お答えをいただきまして、もちろん、これまでも本会議や予算委員会等でも質疑があり、答弁を通して、策定に至る経緯に関してお答えがあったことは存じております。しかし、今回十八年度の決算ですので、十八年度事業として、より丁寧にお伺いをしたいと思います。
「十年後の東京」策定に至るまでにどのような検討の場を設けたのか、検討期間はどのくらいだったのか、お伺いいたします。
○小林企画調整担当部長 先ほど申し上げました平成十八年五月の東京オリンピック基本方針並びに六月の都議会での知事所信表明による二〇一六年の東京の都市像策定の方針を受けまして、知事本局において、直ちに検討を開始いたしました。
同じ十八年七月には、知事本局から各局に対しまして、検討の視点として、我が国の首都、アジアの拠点としての東京の活力や国際競争力の維持向上、あるいは環境問題、治安対策など大都市に先鋭的にあらわれる課題への対応、あるいは拡大、成長のステージを経て成熟を遂げた質の高い都市生活の実現などを示しまして、各局が所管する政策分野につきまして、二〇一六年の東京の将来展望とその実現に向けた政策展開の方向性について検討を依頼いたしました。九月からは、その結果に基づきまして、知事本局と各局との間で本格的な意見交換を開始いたしました。
また、策定の中では、都政モニターアンケートの結果や予算編成における区市町村からの要望、それまでの都議会でのご議論を踏まえ、さらに専門家、民間事業者の意見も聞きながら検討を進めまして、平成十八年十二月に「十年後の東京」として公表したものでございます。
○松下委員 先ほど策定の経緯についてお答えいただいたときに、五月に基本方針に明記されてから、そして六月の定例会で知事の発言を受けて、七月に各局所管の政策分野について知事本局より検討を依頼されて、十二月に策定に至ったという、大変短い期間、およそ半年ぐらいの短い期間の中でこの「十年後の東京」を策定されたのかなというふうに思います。
今から七年前の平成十二年十二月には、先ほどご答弁にもありましたが、東京構想二〇〇〇が策定されています。そのときには、その十二月の前の九月八日には中間のまとめが発表され、公表段階での検討状況を示し、この東京構想をよりよいものとするために、都民の皆様の意見を募集して、郵送やファクスやインターネットなどさまざまな手段を使って、幅広く意見募集が行われております。
この中間のまとめ公表後は、総務委員会でも概要の報告や質疑が行われています。過去の議事録を私は読みましたが、中間のまとめ公表以前の本会議においても、東京構想二〇〇〇を今策定しているという、その策定中に、政策の目標をわかりやすい数値目標として示す予定ですとか、政策指標の意義や効果、構想の具体的な中身などについて、当時、活発に議論が行われていたようです。
東京構想二〇〇〇の策定時に比べ、「十年後の東京」の策定時は、その途中で広く都民から意見を募集してはいないようで、常任委員会で報告や質疑も行っていないという事実は、残念ながら、よりよい東京の将来を都民とともにつくるという視点にやや欠け、開かれた都政を目指すものではなかったのではないかといわざるを得ません。この点はぜひ改善し、広く都民や、また区市町村からも意見を聞き、東京の将来をともにつくるんだという努力をしていただきたいと思います。
今、策定に至る過程を比較した東京構想二〇〇〇は、先ほどご答弁でもありましたが、二〇一五年までの十五年間を想定して策定された構想ですが、二〇一六年の東京の都市像を明らかにし、都市戦略として位置づけた「十年後の東京」とは期間が重なります。東京構想二〇〇〇の位置づけはどうなったのでしょうか。東京構想二〇〇〇策定時に初めて政策指標というものをつくったのだと、その中でかなり政策指標について重きを置かれていたようですが、その政策指標がどうなったのかと、あわせてお伺いします。
○小林企画調整担当部長 東京構想二〇〇〇は、本格的な人口減少社会の到来を見据えつつ、未来を切り開くビジョンを示す東京都の基本構想でありまして、行財政運営の基本となるものとして、先ほど申し上げましたように、平成十二年に策定をされました。
「十年後の東京」は、この東京構想二〇〇〇の基本認識を踏まえつつ、オリンピックを契機に、東京がより高いレベルの成長を遂げていく十年後の姿と、それに向けた政策展開の方向性を明らかにしたものでございます。
また、東京構想二〇〇〇で示しました政策指標は、目指すべき政策の目標水準を具体的に示すため、一つの試みとして設定をしたものでございまして、その後、構想に示されたさまざまな取り組み等をより戦略的に実施していくため、進捗状況などの検証を踏まえまして、重要施策、重点事業により先駆的な政策展開を図ってまいりました。
「十年後の東京」におきましては、三環状道路の整備、あるいは障害者の雇用者数、外国人旅行者数などの目標の設定に当たりましては、東京構想二〇〇〇で示しました政策指標の現在の到達点を踏まえた上で、十年後の目指すべき東京の姿として提起をしているところでございます。
○松下委員 平成十八年二月の第一回定例会の代表質問で我が党は、本格的な都政の長期計画は東京構想二〇〇〇以来策定されておらず、東京の将来ビジョン策定に取りかかるべきであると指摘をし、質問を行っています。改めて、この「十年後の東京」の位置づけをお伺いします。
○小林企画調整担当部長 「十年後の東京」は、都がこれまで進めてきた、先ほど来申し上げております先駆的な取り組みをさらに発展させまして、東京が近未来に向け、都市インフラはもとより、環境、安全、文化、観光、産業などさまざまな分野で、より高いレベルの成長を遂げていく姿と、それに向けた政策展開の方向性を都市戦略として示したものでございます。
したがいまして、東京構想二〇〇〇と同様、都の基本構想でありまして、今後の行財政運営の指針となるものでございます。
○松下委員 東京構想二〇〇〇の意思を継ぎ、「十年後の東京」に置きかわったというのであれば、しっかりとそうであるという発表をしていただきたかったというふうに私は思います。その上で、政策指標を今後どう取り扱うのか、それとも政策指標としての導入は適していなかったのかなど、しっかりと検証をしていただく必要があるのかと私は思います。
先ほど旅行者のことがご答弁でありましたけれども、東京構想二〇〇〇の中では、外国人旅行者数は二〇一五年までに五百万人。ただ、その二〇一五年に至るまでに、既に四百五十万人という旅行者数を達成している現状をかんがみてだと思いますが、この「十年後の東京」では、二〇一六年までに旅行者数は一千万人という、大きく目標が、より高く設定をされています。
そういう意味で、政策指標が進化というか、現状を踏まえて新たな目標に置きかわったのだということのご説明だと思うのですけれども、二〇一五年までの東京構想の意思を継いだ上で、これから私たちは「十年後の東京」の達成に向けて取り組むのだという明確なメッセージというのは、これまでちょっとなかったのかなというふうに私は思います。ここまで達成できたから、あとは「十年後の東京」に引き継ぐんだとか、やはり社会情勢が当初想定したよりも早く変化をしたために目標を変革したという明確なメッセージをきちんと出すべきであったのではないでしょうか。
先ほども申しましたが、昨年二月に、東京の長期ビジョンを策定すべきと質問をしていますので、その後十二月に、長期ビジョンとしての「十年後の東京」が発表されたことは、喜ばしくもあり、策定過程には注文もあります。
今お答えがありましたように、「十年後の東京」が東京構想二〇〇〇同様、都の基本構想であり、今後の行財政運営の基本指針となるものであれば、「十年後の東京」に基づいて今後都政が運営されていくということなのだと思いますが、実現に向かってどのように取り組むのか、具体的にお答えください。
○小林企画調整担当部長 「十年後の東京」で掲げました目標を確実かつ迅速に実現していくためには、財政、組織、政策展開が一体となったオール都庁の総合力を発揮しますとともに、都民、企業、行政とが協働しながら、東京全体で取り組みを進めることが重要でございます。
このため、現在「十年後の東京」の実現に向けて実行プログラムを策定しておりますが、地球温暖化や少子化対策、建物の耐震化促進など、全庁的な取り組みが欠かせない課題につきましては、組織横断型の戦略会議の成果を十分に反映させてまいります。
また、緑の東京募金の創設など、多くの都民や企業などの参加による広範なムーブメントを創出するための新たな手法を具体化するとともに、実効性を確保するために創設いたしました都独自の基金を活用しまして、取り組みを加速させてまいります。
今後、年内を目途に実行プログラムを策定いたしまして、「十年後の東京」の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。
○松下委員 実現に向かって、都民、企業、行政が協働しながら、東京全体で取り組みを進めることが重要であるとお答えいただきましたが、先ほど策定過程でも述べました、都民や企業の意見をより積極的に聞く意見募集を策定の過程で行っていただきたかったと思いますし、今後、意見募集を行うような検討もしていただきたいと思います。
今後、実行プログラムを策定し、それを確実な実現に向けるためには、進捗管理をしっかりと行わなくてはならないのではないかと思いますが、進捗管理はどのように行うのでしょうか。
○角南調整担当部長 進行の管理についてでございますが、「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムでは、二十年度から二十二年度までの三カ年のアクションプランとして、展開、方向性、到達目標を明らかにしてまいります。「十年後の東京」に掲げた目標を着実に実現するためには、進行の管理が重要であり、したがいまして、三年後の到達目標を設定するなど検証の仕組みを充実いたしまして、毎年度、アクションプランをローリングしてまいります。
○松下委員 達成目標やアクションプランを明示したものを、事後にさらに結果を検証し、新たな目標を設定するなど、PDCAサイクルを強化していただく必要があるかと思います。例えば重要施策及び平成十八年度重点事業の巻末には重点事業一覧があり、担当局や事業費がずらりと並んで記されていますが、それでは、この平成十八年度事業の結果はどうなり、今策定中の実行プログラムとの関係はどうなっているのか、お答えください。
○角南調整担当部長 平成十八年度の重点事業の進捗の状況、また成果につきましては、各局に報告を求め、現在、取りまとめ作業を行っているところでございます。検証の結果は、今後、実行プログラムの策定の中で明らかにしてまいります。
また、重点事業と実行プログラムのローリングの関係についてでございますが、実行プログラムでは、PDCAサイクルを強化し、三年後の到達目標への達成状況を毎年度検証し、その結果を踏まえてローリングしてまいります。そのPDCAサイクルは、実行プログラムの初年度に当たる平成二十年度の事業実績が明らかになる時点で本格的に回り始めるものではございますが、平成十八年度重点事業との関係ということで申し上げますと、十八年度重点事業でありましても、実行プログラムに取り入れられていくものも少なからずあると考えてございます。
したがいまして、それら取り入れられていく事業につきましては、現在取りまとめ作業中の検証結果が実行プログラムに反映されていくと考えてございます。
○松下委員 まずは、その十八年度重点事業の検証というものをしっかりとやっていただきたいと思います。施策が他局にわたっているため、その進捗管理や予算配分に至るまでの新たな重点事業の策定は、トータルとして知事本局がしっかりと進捗管理をするものであると思いますが、現状でどこまでできていて、どこができなかったのか、次年度に残ったのか、社会情勢の中でどう変わったのか、しっかりと検証していただきたいと思います。
PDCAサイクルを、新たな「十年後の東京」の実行プログラムの策定の中でも、これまでの重点事業の検証をもとにしっかりと行っていただきたいと要望して、質問を終わります。
○ともとし委員 この十八年度の決算は、我が党が新しい会計制度ということで公会計制度を提案し、知事が決断をして初めての決算というふうに思うわけですが、その立場から今回、財務諸表が出てまいりました。各局にまたがっている知事本局としては、具体的なものがどのような形で出てくるのかは、余り財産を持たない知事本局としては、私も注目するところであったわけです。十八年度から導入をされました今回の決算で、知事本局として財務諸表を作成するに当たって、どういうような成果がまずあったのか、お伺いしたいと思います。
○川澄企画調整部長 財務諸表の成果でございますが、従来の官庁会計では捕捉できなかった減価償却費や金利などの行政コストに係る情報と資産や負債に係るストック情報を、都民の皆様にわかりやすく提供することができるようになったことであると認識してございます。
○ともとし委員 従来の官庁会計では捕捉できなかった情報、具体的にはどういうものがあるのでしょうか。
○川澄企画調整部長 当局の財務諸表について申し上げますと、貸借対照表では、まず資産についての情報がそれに当たります。総額は一億三千二百四十一万余円であり、主な資産は投資有価証券として計上されている八千九百万円で、これは総合研究開発機構への出資金でございます。
また、負債についての情報もそれに当たります。総額は二十四億六千五百八十七万余円であり、具体的には、退職給与引当金十八億四千六百八十七万余円及び都債六億一千九百万円でございます。
また、行政コスト計算書では、非現金コストがそれに当たります。総額は一千九百五十二万余円であり、主なものは都債利子などの金融費用一千七百五十六万余円、減価償却費百九十五万余円でございます。
○ともとし委員 貸借対照表では、先ほども申し上げたとおり、これといった資産というものはないわけでございまして、行政コスト計算書についていえば、行政経費の大半の二十一億円が給与の関係費であると、こうした財務諸表の実態からすれば、知事本局の資産あるいは財産、これはまさに人にあると、そういっても過言ではないのかなというふうに思いますが、この辺についてはいかがでしょうか。
○川澄企画調整部長 ご指摘のように、当局の資産はまさに人であるということができるかと思います。個々の職員が最大限の力を発揮し、日々、全庁的政策の立案や各局との事業調整に当たっております。こうした過程を経て全庁の事業が円滑に実施され、都政の成果を生み出しているというふうに考えております。
今後とも、都政運営の円滑化に資するよう、日々の仕事を通じて、資産である人の育成に努めてまいります。
○ともとし委員 知事本局の資産である職員、人がつくり上げているところのアジアの大都市ネットワーク、これについてお伺いしたいと思います。
アジアの大都市というのは、地理的にも近接しているだけではなくて、文化的にも共通性を持っております。また、経済的にも相互に深いかかわり合いを持って発展してきたという事実があります。東京都にとっても、人の往来を多く持っているこのアジアの諸都市との関係というのは非常に重要であるかなというふうに思うのですが、アジアの大都市ネットワーク21が都知事の提唱によりまして発足して、もう六年になります。
ここで、改めてアジア大都市ネットワークの意義とこれまでの状況についてお伺いしたいと思います。
○中村参事(国際共同事業担当) アジア大都市ネットワーク21でございますが、欧米に匹敵するポテンシャルを持つアジアの地域の首都及び大都市が、儀礼的な国際交流にとどまらず、新技術開発、環境対策、産業振興など共通の課題を解決するため、共同して事業を推進し、アジア地域の繁栄と発展を目指すことを目的に設立されました。中小型ジェット旅客機開発促進やアジア感染症対策プロジェクトなど十八の共同事業について、会議や研修、具体的な取り組みを通し、着実に実績を重ねてまいりました。
また、総会では、首長同士の直接対話により、その時々の重要な政策課題について意見交換を行い、新たなプロジェクトの立ち上げなど大都市問題の解決に取り組んでまいりました。
来月十一月に開催いたしますマニラ総会では、現在のアジアの大きな課題である地球温暖化問題についての意見交換を行い、共同して取り組むことを宣言する予定でございます。
○ともとし委員 十八の共同事業で、都市問題の解決や産業の振興、職員の研修など行ってきたということを聞かせていただきました。また、共同事業のうち特に中小ジェットの旅客機、そうした開発促進プロジェクトについて、それは確かに実現すれば、アジアの航空機産業については、波及効果がすごいものがあるというふうに思っております。
そこで、具体的に中小型ジェット旅客機の開発促進プロジェクトがどのように進んでいるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○中村参事(国際共同事業担当) 中小型ジェット旅客機開発促進プロジェクトは、平成十四年以降、毎年実務担当者会議を開催し、百席前後のジェット旅客機の開発を目指して議論を深めてまいりました。昨年十一月、シンガポールで開催いたしました実務担当者会議においては、日本の航空機開発の現状が報告され、アジア独自の中小型ジェット旅客機の実現に向けた日本のリーダーシップに対する期待が高まりました。
現在我が国では、国産ジェット旅客機開発プロジェクトが事業化を目指し進行中でありますが、これは、アジア旅客機の実現に向けた大きな一歩になることが期待されております。この時期をとらえ、今月三十日には、アジアと我が国の航空機関係者が一堂に会する第二回アジア旅客機フォーラムを開催いたします。
東京都は、引き続きアジア旅客機の開発を目指し、アジアとの連携を強化してまいります。
○ともとし委員 先ほどのご答弁の中に感染症の話がありました。アジアでは、依然としてエイズなどの感染症の発生が高くあります。この感染症の脅威から市民を守るということは、重要なアジアの中の大きな課題だというふうに思っております。アジアの感染症対策プロジェクトの取り組み状況、これについてお伺いします。
○中村参事(国際共同事業担当) 平成十八年八月に台北で開催されましたアジア大都市感染症対策プロジェクト会議におきまして、アジアの保健医療を所管する部局をインターネットでダイレクトに結ぶ感染症情報ネットワークの拡充や、感染症対策に従事する人材の育成について合意がなされました。
このうち人材育成については、平成十九年三月、第二回アジア大都市感染症対策研修を東京で開催し、バンコク、デリー、ハノイ、クアラルンプール、台北から、感染症対策行政に携わる医師等が参加いたしました。この研修において、制圧に向けた取り組みが喫緊の課題となっている結核とエイズをテーマに、予防対策や治療方法等のノウハウを共有することにより、アジアの都市間における感染症対策の連携が強化されてまいりました。
○ともとし委員 この大都市ネットワークの中に北京が入っているのかどうか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○中村参事(国際共同事業担当) 北京についてでございますけれども、以前のジャカルタ総会までは参加いたしましたが、それ以降、北京は脱退しております。
○ともとし委員 私は、このアジアの大都市ネットワーク、非常に大事なものだというふうに思っておりますし、それを提唱した知事の英断にも敬意を表したいというふうに思っております。
しかし、アジアの中から北京を除いてアジアの大都市ネットワークというのは、ある意味ではあり得ません。やはりアジアの中心的なそういう状況の中には、東京であり北京であると、こういうふうにいっても過言ではないのかなと、そんなふうに思います。その北京が抜けているということに関しては、十年後のオリンピックを目指す知事としては、やはり何らかの意味でこの北京が入れるような環境づくり、これをしていくというのは大事なことじゃないかなというふうに私は思っております。
この辺については、知事本の皆さんの責任ではないわけでして、私は、あえてこれを記録の中にきちっと残せるように、我々公明党としては、やはり北京はこのアジア外交の中では絶対必要なのだと、そういう意味で、要望という形で質問の中に今入れさせていただきました。よろしくお願いしたいと思います。
次に、横田基地についてお伺いをさせていただきます。
軍民共用化、本当にこれはいろんな意味で大事な、そういう要素を持った横田基地の軍民共用化というふうに思っております。この横田基地の軍民共用化についても、石原知事が一生懸命今日までやってまいりました。これも私は大きく評価をしておきたいと思います。先頭に立って一生懸命やられていた知事ご自身の最重要課題であるというふうに思っております。
横田基地の軍民共用化が実現すれば、さまざまな効果が期待できると思うわけでありますけれども、改めてその意義を確認したいと思います。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 横田基地の軍民共用化は、首都圏西部地域の航空利便性を向上させ、成田、羽田空港ともに逼迫した状況にある首都圏の空港機能を補完するとともに、首都圏全体に大きな経済効果をもたらし、ひいては我が国の活力を高めることになります。
○ともとし委員 横田基地の軍民共用化が実現すれば、首都圏全体に大きな経済効果が出てくる、我が国であります日本の活力を高めることになるんだ、そういうようなご答弁があったわけですが、ぜひとも一日も早く共用化を果たしていかなければならない、こう思っているわけです。
この軍民共用化を推進するに当たって、共用化の実現のために、あらゆる手だてを知事ご自身も、また知事本局としてもやられてきていると聞いておりますけれども、これまでの取り組みについてお伺いしたいと思います。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 石原知事は、横田基地の軍民共用化への理解を求めるため、数次にわたり米国を訪問し、政府高官と会談し、同時に日本国内においても総理を初め日本政府に対し、共用化の早期実現を図るよう要請するなど、日米両国政府へ粘り強く働きかけてきました。
こうした取り組みにより、平成十五年五月の小泉首相とブッシュ大統領による日米首脳会談において、横田基地の軍民共用化の実現可能性について共同で検討することが合意され、昨年十月には、軍民共用化の具体的な条件や対応を検討するため、日米両政府によるスタディーグループが設置されました。小泉内閣のスタンスは、その後の安倍、福田内閣にも引き継がれており、日本政府として横田基地の軍民共用化をぜひ実現したいとのメッセージを米側に伝えています。
このように強力な働きかけにより、内閣官房、外務省、国土交通省、防衛省の関係省庁をまとめ、政府が一枚岩になって共用化の実現に向けて取り組んでいくという状況をつくり出したことは、まさに石原知事にしかできなかった成果であると考えております。
○ともとし委員 確かに今ご答弁のあったとおりでして、知事なくして、特に石原知事なくして、この軍民共用化、横田問題というのは解決できないというふうに私たちも思っております。政府の総理はもう三人目になりました。知事は、一貫して東京都知事として今日までこの横田基地問題初め一生懸命やられているわけでして、この問題に関しては、まさに石原知事が先頭に立って、あるいはまた知事本局が先頭に立って、局を動かして頑張っていただきたい、そんなふうにも思うわけでございます。
今のご答弁を聞いておりましても、知事のこれまでの横田基地の軍民共用化を実現させようとする並々ならない思いというのは伝わってきております。しかしながら、共用化に関しては、課題はまださまざまなものがあるというふうにも聞いております。横田基地の軍民共用化に関して、第三回の定例会で、日米協議の中で幾つかの課題があるというふうに、これまた指摘もあったという、そうした答弁も聞いております。共用化の早期実現を待ち望んでおります都民、特に三多摩地域のそうした皆さん、あるいはまた近県の皆さん、日米協議が進んでいないのではないかというような懸念を抱いていることも少なくありません。
そこで、そうした課題についてどう対処して軍民共用化を進めていこうとしているのか、その辺についてお伺いします。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 日米協議の中で、軍事上の運用の観点から幾つかの課題が指摘されているようでありますが、既に軍民共用を行っている三沢基地や小松基地の事例を見れば、横田で共用化ができないことがないと考えております。
先日も、石原知事がシーファー駐日米国大使と会談し、改めて共用化の早期実現について協力を要請したところでございます。スタディーグループでの協議はまさに大詰めを迎えているところでありますが、都としては、一刻も早い合意に向けて、さまざまなルートを活用して働きかけを強めてまいります。
○ともとし委員 私たち公明党も、かつて、小松基地初め軍民共用化あるいは自衛隊との共用化、そうした飛行場等についても視察に行ってまいりました。実現は十分可能だというふうに確信をしているところでありまして、どうか知事を先頭にしながら、局一丸となってひとつお願いしたいと思います。
次に、先ほど来質問等もありましたけれども、「十年後の東京」実現に向けた実行プログラム、この策定状況についてお伺いいたします。
昨年十二月に「十年後の東京」が発表になりました。緑化施策、少子化対策、全庁挙げての主要取り組みが十年後を中心に回っている。都は、年内に「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムを三カ年のアクションプランとして策定して、「十年後の東京」に掲げた八つの目標実現に向けて、政策を着実かつ迅速に実施するというふうに聞いております。
そこで、今まさにピークを迎えていると思われる実行プログラム、この策定状況について何点かお伺いをいたします。
緑やカーボンマイナス、耐震化、子育て、局をまたがるような主要課題については、横断的戦略会議が全庁的な検討という形で進められていると思いますけれども、それぞれの会議の検討状況というものはどういうふうになっているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○小林企画調整担当部長 横断型戦略会議の検討状況についてでございますが、「十年後の東京」の実効性を高めるため、全庁的な視点から総合的な対策が求められる課題につきましては、副知事をトップとした組織横断型の戦略会議を設置いたしまして、そこに実質的な政策決定機能を担わせることで、目標の確実な実現を図ることとしております。
お尋ねの、局をまたがる四つの主要課題の検討状況についてでございますが、まず緑とカーボンマイナスにつきましては、本年一月に、緑の都市づくり推進本部並びにカーボンマイナス都市づくり推進本部を設置いたしました。
このうち緑の都市づくりにつきましては、緑のムーブメントの推進方策、校庭の芝生化、公共空間の緑化などについて検討を進めまして、六月に緑の東京十年プロジェクト基本方針を公表いたしまして、都民、企業が主人公である緑のムーブメントの展開、あるいは街路樹の倍増などによります緑のネットワークの充実など、四つの方針と主な取り組みを明らかにしたところでございます。
この方針を踏まえまして、さきの第三回都議会定例会におきまして、緑の東京募金基本条例を制定いたしました。税の優遇制度を活用した緑の東京募金を設置し、一昨日には記念シンポジウムを開催するなど、都民の機運醸成に向けた取り組みを開始したところでございます。
また、カーボンマイナスについてでございますが、世界最高水準の省エネルギー対策や再生可能エネルギーの普及促進、あるいは都市開発等の機会をとらえたCO2削減対策の強化などの検討を進めまして、緑の都市づくりと同じく、六月に東京都気候変動対策方針を公表いたしまして、企業のCO2削減を強力に推進、あるいは家庭のCO2削減を本格化など、五つの方針と主な取り組みを明らかにいたしました。
この方針を踏まえまして、大規模CO2排出事業所に対します削減義務と排出量取引制度の導入などを提起いたしまして、ステークホルダー会議を実施するとともに、環境CBOの創設や白熱球一掃作戦の展開など、さまざまな取り組みを開始しております。
次に、耐震化と子育て支援についてでございますが、本年六月に、「十年後の東京」を目指した建物の耐震化推進会議並びに子育て応援戦略会議を設置をいたしました。
建物の耐震化につきましては、民間建築物と都立建築物に分けて検討を進めまして、緊急輸送道路沿道あるいは学校、病院、都営住宅などの整備プログラムを現在策定中でございます。
子育て支援につきましては、保育サービスの拡充、企業における両立支援の推進、子ども連れでも気軽に外出できる環境の整備を柱とする重点戦略について、九月に中間の取りまとめを行い、さらに本日、企業、経営者団体、保育事業者団体等の参加によります子育て応援東京会議を設置いたしまして、ムーブメントの醸成に努めているところでございます。
○ともとし委員 きょう、子育て応援東京会議を設置して、会合等がやられたようでありますけれども、先日、私も羽田の認証保育室、視察に行ってまいりました。すばらしい認証保育室で、あれだったらどなたの子どもも預けたくなるような、そういう雰囲気だったんですが、企業が、あるいはまた東京都として、ああしたことを積極的にやるということは、将来この日本を、あるいは東京を担うであろう子どもの環境づくりについては、本当に東京というのは先駆的なものをとっているなという感じもいたしました。
横断型戦略会議の取り組み状況、よくわかりました。しかし、これらの事業展開には、庁内のみならず区市町村の事業者、都民の連携、協力が不可欠であると思います。特に地元で汗をかきます区市町村の意見というものは非常に大事だな、あるいは要望というものはきちっと取り入れていかなければいけないなというふうに思っております。
今回、区市町村からヒアリングを実施しているというふうに聞いておりますが、どのように意見を聴取しているのか、お伺いいたします。
○小林企画調整担当部長 ただいまお話にありましたように、「十年後の東京」の実現に向けましては、都民、企業、行政とが協働しながら、東京全体で取り組みを進めていくことが重要でございます。とりわけ区市町村につきましては、例えば街路樹の倍増や緑の保全、建物の耐震化、子育て支援など具体的な事業展開に当たりまして、都との連携を一層深め、積極的に協力していただくことが不可欠でございます。
そこで、今回、実行プログラムの策定に当たりましては、すべての区市町村に対する意向調査を実施いたしました。その調査内容でございますが、各区市町村が策定しております基本構想や基本計画など将来展望について説明を受けますとともに、「十年後の東京」で掲げました、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を復活させるなど、八つの目標ごとに具体的な意見、要望を聴取いたしました。現在、その結果について取りまとめているところでございます。
○ともとし委員 横断的戦略会議の検討内容、あるいはまた区市町村からの意見、要望等をいかに取り込んでいくのか、それらを含めて、これから実行プログラムなどをどのように策定していくのか、その辺についてお伺いいたします。
○小林企画調整担当部長 「十年後の東京」実現に向けた実行プログラムは、「十年後の東京」の実現に向けてアクセルを踏み込む三カ年のアクションプランでございまして、「十年後の東京」に掲げた八つの目標の実現に向けた政策を着実かつ迅速に実現することはもちろん、二〇一六年東京オリンピック開催のためにも、二十一世紀の都市モデル実現に向けた先進的な取り組みを展開することが重要であると考えております。
したがいまして、実行プログラムでは、街路樹を百万本に倍増、あるいはCO2排出量の二五%削減、待機児童五千人解消など、「十年後の東京」が掲げた目標の達成に向けて、取り組みを加速させる観点から、三年後の到達目標と具体的な事業展開を明らかにしてまいります。
お話にありました横断型戦略会議の成果や区市町村からの意見、要望につきましては、こうした事業展開の中でできるだけ取り入れまして、全庁一丸となって取り組みを進めるとともに、区市町村との連携に万全を期してまいります。
今後、各局との意見交換をさらに深めますとともに、都議会の皆様のご意見を十分に踏まえながら、年内を目途に実行プログラムを策定し、「十年後の東京」で描きました東京の近未来像を実現してまいります。
○ともとし委員 最後にいわれた、都議会の皆様のという、その部分なんですけれども、一たんコンクリート化して発表しちゃうと、動いたためしがないというのが、大体このプログラムというか、策定したところのそういう今までの内容であったわけですが、どうかこのプログラムについても、コンクリート化しても、恐らくこの辺の論議になるのは二十年の第一回定例会になるかなというふうに思うんですが、意見を踏まえてよろしくお願いをしたいと思います。
この実行プログラムの策定に向けて、総力を挙げて検討を進め、「十年後の東京」が夢物語じゃないんだと、実現の手ごたえを感じられるような骨太なアクションプランになることを要望をしておきたいというふうに思います。
先ほど来の答弁の中にもありましたけれども、知事本局というのは、人こそ最大の財産であると、知事本局の意気込みというのは、まさに東京全体をある意味ではつくっていけるような意気込みというふうに思っているわけでございます。ある種各局の接着剤にもなるのが知事本局になるのかなというふうに思うのですが、都政のかなめ、それが知事本局の位置づけにもなるというふうに思っております。
その都政のかなめの知事本局の局長、ひとつこの辺の思いというのを語っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大原知事本局長 これまでの副委員長の質疑を踏まえて、局長としての思い、決意を語れということでございます。
まず、決算審査というのは、いうまでもなく、既になされた事務事業の適否についてご審議をいただくものでありまして、過去の事実については、私ども、弁解のしようがない、変えようがないという決算審査独特の緊張感を持って、この場には常に臨んでおります。今後とも、こういう決算審査における緊張感というものを今後の職務遂行に十分生かせるように、私も局長として、まず努めてまいりたいと考えております。
それから、副委員長のご質問からも明らかになりましたように、知事本局というのは、アジア大都市ネットワーク21、これに係る諸事業、あるいは横田基地の軍民共用化の推進、さらには「十年後の東京」の実現など、大変幅の広い都政における調整機能を担当させていただいているところでございます。
職員一同、その責任の重さについては痛感しているところでございますけれども、改めて決意を明らかにいたしますとともに、私、局長としても、ただいまご指摘のありました、知事本局における資産というのは人であるという、このご指摘に留意をいたしまして、人材育成に努めつつ、事業の適正かつ迅速な執行に改めて努めてまいりたいという決意を新たにしたところでございます。
○植木委員 私は、横田基地の問題について質問をしたいというふうに思っております。
実は昨日、うちの共産党の都議団、横田基地の視察に行ってきました。そこでいろいろお話を伺ってきましたけれども、報道官の人は、現在の横田基地の状況についてこんなことを語っていました。横田基地の機能は既に強化されてきた、こういうんですね。かつては、横田基地は海外への遠征というのは余りなかった。しかし、二〇〇一年より航空宇宙遠征軍が編成されて、駐留する部隊の一割が常時、イラクやアフガン、アフリカなどに派遣されていると、こういうお話でした。
第三七四空輸航空団が、米本国から運ばれてきた物資を世界に展開する各基地への輸送とか、そういうことも含めてやっていて、実質的な機能の再編は既に進んでおられるそうですね。その意味で、自衛隊との共同使用だとか民間との関係をどうするかと、こういう点では、米軍の横田基地の機能は今後も全く変化はしないと。つまり、そういう世界再編の動きの中でやっていきますよというお話をしてくださいました。
それから、自衛隊の航空司令部の移転に伴い建設される建物の位置や共同統合作戦調整センターの位置なども、共同するということで地下になるやに伺いましたけれども、そういう場所も大体聞いてきました。
それから、自衛隊が、空中管制機がタッチ・アンド・ゴーを、ちょうど私どもが行った前後にやっておられました。そういう意味で、横田基地をめぐる問題というのは非常に国際的であり、日本としてもどうするか、東京としてもどうするかという課題は非常に大きい課題だろうと思うんですね。
そこでお聞きしますけれども、この間、軍民共用化に向けてということで東京都の方は努力されているというふうになっているわけですが、経過や現時点での合意の内容についてお示しいただきたいというふうに思います。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 横田基地の軍民共用化については、平成十五年五月の日米首脳会談において、横田基地の軍民共用化の実現可能性について共同で検討を行うことが合意されました。その後、昨年の五月、在日米軍再編の最終取りまとめ、再編実施のための日米のロードマップにより、横田飛行場のあり得べき軍民共同使用の具体的な条件や対応に関する検討を実施し、開始から十二カ月以内に終了するとされました。
そして昨年十月、日米両政府による公式な協議組織であるスタディーグループが発足し、現在に至るまで検討が進められているところでございます。
○植木委員 スタディーグループが昨年の十月に始まったということですが、そうしますと、最初の合意の中身の中では、開始から十二カ月以内に終了されるというふうになっているということなんですが、この間どういう協議をやってきたかということも一つの関心でありますが、この十二カ月の期限がちょうどこの十月、きょうが二十四日ですから、あと五日程度しかないんですけれども、実際はどのような状況になっておるのでしょうか。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) スタディーグループでの協議は、開始から十二カ月以内に終了することとなっており、まさに大詰めを迎えているところであり、日本政府は、可能な限り早期に検討を終了させるため、引き続き米側と協議を行っているところでございます。
○植木委員 引き続き協議を行っている、あと五日間で開催予定があるんでしょうかね。マスコミでも、ちょうど今月内に合意がなされる時期だということで、見送られるのではないかという報道がありましたが、スタディーグループで検討期間がもう四、五日程度しかないという点において、どのような協議が行われているのか掌握しているでしょうか。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) スタディーグループでの協議の具体的な内容につきましては、日米両政府間による外交交渉にかかわるものであり、公表しないこととなっているため、ご説明することはできません。
○植木委員 外交交渉だから差し控えると、それはあり得ることなんですけれども、問題は、もう五日ですよね。だから、マスコミの報道もあながち極論ではない、本当にそういう時期に来ているかなと。しかも、先ほど、合意内容でもうちょっと詳しくお聞きすればよかったんですけれども、このスタディーグループの検討結果を協議して、その上で適切な結果を得るというふうに、こう三段階になって書いてあるんですよね。
そうすると、今度のスタディーグループの結果、まだわからないんですけれども、あと五日間あるといえばそうなんですけれども、そうすると、これはまだまだ一山二山もあると、こういうことでしょうね。どうですか。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 確かに先生おっしゃいますように、協議期間は十二カ月以内というふうになってございます。その上で、要するにその検討結果を見て、それで両者が決定をする、こういうスケジュールというか段取りというふうになってございます。そういう状況でございます。
○植木委員 いわゆる外交上の問題ですから、当然実務レベルからだんだん上がっていくということはよくわかるんですけれども、いずれにしても、かなり段階的にも大変なところにあるなと。
きのうの横田基地の視察のお話、さっき最初にしましたけれども、米軍としては、そういう国際的な展開をもう始めていますよと、そういう点では変わりませんよ、自衛隊の基地をここの場所につくりますよ、共同調整センターもこの辺につくりますよと。つくると、これは当然がっちりとしたものをつくるわけですから、四、五十年スパンでなっていく、それに軍民共用化をのせるということになりますと、またそれはいろんな問題が出てくると思うんですよね。ある政府関係者も、結局、横田基地そのものがあと四、五十年のスパン、これまで、もう既に六十年以上たっているわけですから、百年以上のスパンで米軍基地が存続するということを宣言したのも同じですよね。
そういう点で、この基地再編と米軍基地がこのままの形でどのくらい続くというふうに認識されておられるのか、あるいは政府との関係で思われているのか、お聞きしたいと思います。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) わかっておりません。
○植木委員 政府関係者の間では、そういう百年のスパンだというふうにいわれていることも事実です。それは外交文書を見ればわかることで、きょうは、ここではそれ以上触れませんけれども、いずれにしても、あそこは治外法権の土地なんですよ。
私、三沢の基地も行ってきましたけれども、三沢の基地のところに地元の飛行場があるわけですよね。飛行場に入るときには、基地との間に扉があって、扉が開いて初めて基地の中に飛行機が入る。一体ここはどこの国なんだろうって錯覚を覚えるわけですね。それから、そういうスクランブルだとかタッチ・アンド・ゴーだとか--タッチ・アンド・ゴーはあっちのほうではやっているかどうかわかりませんけど、向こうはスクランブルですね、やるときには、飛行場は閉める。緊急時ももちろんそうですよね。そういうので、時たま飛ばないときがあると。こういうことですから、非常にこの問題は--わからないって、公式にはそうでしょうけれども、政府に聞けば、それはわかることであるので、そこはちゃんと正確につかんでいっていただきたい。
もう一つ疑問になってきているのは、この十月に、石原知事と町田市の連名で、米軍に騒音問題で申し入れを行っているというふうに聞いておりますけれども、この事実はどのようになっていますでしょうか。
○鈴木特命担当部長 先日、環境局が昨年実施をいたしました厚木基地にかかわる騒音の調査結果を受けまして、米軍並びに国に対して要請をいたしました。
○植木委員 何でこれを聞いたかというと、当然米軍横田基地があって、そこに自衛隊が入って、それで民間の共同使用と、こういうことになってくると、共同使用そのもので起きる騒音というのは、素人考えでいえばふえていくわけですよね。当然、基地周辺のまちづくりとの関係だとか、そういうのも共同化に向けて検討がなされなければいけないのではないかなというふうに思うんですよね。
そういう意味で、申し入れをしたということは、それだけ地元住民の皆さんからも騒音についての要望も非常に強いわけですから、知事としてやるのは、私もそれは適切だというふうに思うんですね。
夜間のNLP、いわゆる夜間連続離着陸訓練なんかの騒音が特に大変なんですけれども、そういったことも含めて考えてみますと--また十九日の記者会見でも、石原知事自身がこういっているんですね、日本の土地なんだから、こちらで決めてこうなったといえばいいんだと、非常に格好いい、威勢のいいことをおっしゃっていました。僕もそのとおりだと思うんです。
そういう点で、僕は騒音の問題を考えた場合、大阪にあります国際空港も、伊丹も見てきましたけれども、周辺の騒音対策は大変なんですよね、周辺の自治体負担が。もちろん行政、国や県も出しているのはよく知っていますけれども、やっぱりまちづくりに直接影響するわけですよ、町の真ん中の基地というのがね。
そういう意味で、騒音問題も含めていろいろ考えてみますと、知事が即時返還ということをこれまでも本会議でいったりしていましたけれども、東京都としての最終的な、基地に対する基本的なスタンスというのはどういう内容になっていますでしょうか。
○中村参事(横田基地共用化推進担当) 米軍基地対策の推進に関する都の基本的立場は、基地の整理、縮小、返還の促進であります。しかしながら、横田基地の全面返還については、直ちに返還がなされる状況にはないと考えられますので、返還までの対策として、軍民共用化の実現を目指しているものでございます。
○植木委員 縮小、再編、最終的に返還ということだと、正確にはちょっと、言葉がもし間違っていたら訂正しますけれども、いずれにしても最終的には返還すると、こういう立場である。日米関係、安保条約とかいろいろありますけれども、これは国の専決事項ですからあれなんですけれども、やっぱり知事自身がいっているように、即時返還というのを堂々といったらいいんですよ。そういうことを外交でいわないでおいていろいろいっても、これは始まらないわけで、やはり米軍の即時返還というのを、これまで知事自身がいっていたことですから、ぜひ、米軍と自衛隊などの共同だとか民間の共用というのではなくて、返還ということを直ちに主張すべきだということを重ねて申し上げて、終わりにしたいと思います。
○きたしろ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○きたしろ委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本局関係を終わります。
○きたしろ委員長 これより東京オリンピック招致本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十八年度東京都一般会計決算中、東京オリンピック招致本部所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求した資料につきましては、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○植木委員 決算年度である十八年度に、第三十一回オリンピック競技大会開催概要計画書、これが提出されて、それで福岡と東京のいわゆる国内選考の中で東京都が指定されたということだと思うんですけれども、そういう意味で十八年度の概要計画書、新しいのが出るまでの間はこれが基本になっておりますし、その選考のときに、JOCからもいろいろ意見がついた、評価に対する指摘があったというふうに聞いておりますけれども、まず指摘された主な内容についてお示しいただきたいというふうに思います。
○中嶋参事 JOCの国内立候補都市評価委員会からは、三方向が海で囲まれましたメーンスタジアムのリスクマネジメントですとか、あるいは選手村の高層棟などにつきまして、今後の課題として指摘を受けてございます。
○植木委員 今のは、主なといったから、ごくわずかでいったのかもしれないんですが、この報告書を見ますと、いろんなことが指摘されているんですよね。
例えば幾つか挙げますと、メーンスタジアムの問題、それから選手村高層階への懸念とか、エレベーターの問題とか、詳細な計画の提示が必要とか、射撃場については射撃音についての周辺への配慮とか、道路計画における環状道路、高速晴海線、環状二号線などの基盤整備のための予算規模についての記載がない、こういうことも書いてありますね。それから医療についての関係機関との合意やかかわる費用についても明言されていない。メディアについてIOC基準に十分準拠していない。環境への予算が明らかにされていない。地方団体と連携関係にある団体の経営状況などに起因するリスク問題、幾つか挙げただけでも、こういったいろんな内容が指摘されて、開催概要計画書に対する評価が平成十八年に出ているわけですね。
そのほか競技団体からも僕ら直接お聞きしました。例えば江ノ島のセーリングなんかは、セーリングにふさわしい風が得られないんじゃないかとか、いろんな心配もありました。水泳団体もそうでした。
いろいろまだまだ課題があるかと思うんですけれども、そういう指摘された内容についての検討スケジュールというんでしょうか、検討はどのような方向でやっておられるのでしょうか。
○中嶋参事 開催概要計画書の内容につきましては、世界の競争に勝つまで、より質の高い計画となりますように、IOCが求めるレベルとか国際競技団体が求める内容、また他の立候補都市の状況なども調査いたしながら、複数のパターンを考えながら、現在申請ファイルの提出に向けまして戦略的に検討しているところでございます。
○植木委員 最初に指摘されていた、例えばメーンスタジアムについてですけれども、動線が一つしかなく、三方が海に囲まれている、災害発生時のリスクマネジメントが必要、こういうことが指摘されているんですけれども、やっぱり十万人をさばくにはより綿密な計画が必要だということですよね。
これについては、具体的にどんな検討がされているんでしょうか。
○中嶋参事 三方を海に囲まれましたオリンピックスタジアムの建設予定地につきましては、災害発生時のリスクマネジメントという観点から、観客を安全に避難させることが重要でございます。現在、避難動線を一方向に集中させることなく、複数への避難経路を確保する方法などにつきまして、さまざまな観点から検討しているところでございます。
○植木委員 ということは、晴海でやるということの宣言ですよね。一時は神宮外苑で建設というのも打ち出されたやに聞いているんですけれども、これは結局だめになったということでよろしいんでしょうか。
○中嶋参事 晴海にオリンピックスタジアムを計画するということでございます。
○植木委員 リスクマネジメントということで、複数の経路ということをいわれましたけれども、具体的にはどういうことなのかということと、地盤も、あそこは古い埋立地ですから、液状化問題もたしかこれまで指摘があったと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○中嶋参事 避難経路につきましては、今、晴海の地形ですとか道路の状況ですとか、そういったさまざまな観点から検討を進めているところでございます。
また、液状化対策等につきましても、適切な安全対策を講じていくという観点から、さまざまな観点で検討しているところでございます。
○植木委員 複数の経路の問題、液状化の問題、さまざまな角度からの検討ということは、まだ確定していないということの表現だろうというふうに思いますが、それでは、選手村の高層階への懸念、この問題は何か考え直すような方向性で検討されているんでしょうか。
○中嶋参事 選手村につきましても、他の競技施設などオリンピック関係の施設と同様、IOC委員からより高い評価を得られる計画となりますよう、現在さまざまな角度から検討を進めてございます。
○植木委員 これもさまざまな角度からということですね。ここはもともと埋め立てるときに、住宅を立地させるという計画で埋め立てて、それで、もう埋め立てが完了して、既に起債の償還が始まっている。オリンピックがどうなるかということと住宅をどうするかということで、財政面も非常に多分困難さが出てくるんだろうと思うんですけれども、これは多分ほかの局の関係なので、ここではお聞きしませんけれども、いずれにしても、こういった問題については、関係局も含めて、相当な検討がなければ結論が出せないような内容じゃないかなと思っています。
それからもう一つは、開催概要計画書では、メディアセンターの設置が築地市場のところに計画されていて、ご存じのように築地市場の豊洲の移転の問題では、土壌汚染が問題になって、追加調査も行われて、ベンゾピレンの調査をやって、千倍を超えるベンゼンが出てきている、こういうことでさらにまた詳細に検査をする。その検査だけでも約十カ月間かかる。そのデータを整理してどうするか。再度土地の改良をやるのかどうか、そういうふうなスケジュールに多分これからなっていくと思うんですね。それから築地移転してメディアセンター、こういうことがだれが見ても予想されることなんですけれども、概要計画書をつくった皆さんとしては、どのようにこれを認識されておられるんでしょうか。
○中嶋参事 現在中央卸売市場では、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策等について、学識経験者により構成されます豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議を設置いたしまして、専門的見地から科学的に検証を行っております。
今後、その提言を受けまして、必要な対策を確実に実施いたしまして、平成二十四年度当初開場をできるだけおくらせないよう、工事工程の短縮などさまざまな工夫を行いながら、都民が安心できる市場として開場させると聞いてございます。
東京オリンピック招致本部といたしましては、豊洲新市場の開場に合わせまして、移転する築地市場跡地に、二〇一六年のオリンピック開催に向けてメディアセンターを整備してまいります。
○植木委員 いずれにしても相当のスパンが予想されておる。そもそもそういう土壌汚染のところに市場を移転するのがいいのかというそもそも論も当然関係者から出てきておるわけですね。そういう意味で、この開催概要計画書の計画の中身、これに基づくどういうプランを出されるのかわかりませんけれども、相当内容があるのは当然だというふうに思うんですね。
そのほかいろいろありますけれども、この開催概要計画書に基づいて新たに出されるプランでは、財政規模も指摘されているものですけれども、財政規模なんかも、どの範囲までの規模かわかりませんけれども、出すんだと思うんですけれども、そう考えていてよろしいでしょうか。
○中嶋参事 開催概要計画書の見直しにつきましては、現在申請ファイルにおきまして進めてございますけれども、財政規模等につきましても、現在検討しているところでございます。
○植木委員 これも検討中ということですね。全体の予算についてはこれまでもうちの議員が特別委員会等で聞いてきたので、ここではこれ以上聞きませんけれども、いずれにしても、予算もどのくらいなのかわからない、途中の経過は一切わからない、こういう段階がこの決算の時期になっているわけですね。
そうしますと、開催概要計画書の基本的な線、つまりいろんな指摘は、今お話があったように、いろいろ検討したり、より質の高いものにするということはご説明がありましたけれども、基本的な線は、この線で新しいプランにいく、こういうことなんでしょうか。
○中嶋参事 開催概要計画書は、今回私どもが国内招致をかち取るときの計画書ということで、東京招致の前提になるものでございます。
先ほども申し上げましたけれども、この内容を踏まえまして、世界の競争に勝つまで、より質の高い計画となるように現在精査をしているところでございます。
○植木委員 全然中身は明らかにできないというのが、ずっと答弁続いているんですけれども、そうしますと、近々世論調査を行うというふうに聞いているんですが、この世論調査は何に基づいて判断すればいいのかということになると僕は思うんですよ。
どこが主体で、どのような世論調査で、どの程度のサンプリングをやるのか、教えていただきたいんです。
○岸上招致推進部長 現在、競技施設の配置等につきまして、世界の強豪都市に勝ち抜いていけるよう、申請ファイルの作成に向けてさまざまな観点から検討しております。
世論調査につきましても、その結果を申請ファイルに記載をすることとなっているため、実施方法について東京オリンピック招致委員会とも十分協議し、検討を行っているところでございます。
○植木委員 聞くところによると、一カ月後に世論調査をやるというんですけれども、その判断基準がこの開催概要計画書以上にはないんですよね。(「十八年度は関係ないだろう」と呼ぶ者あり)これは十八年度ですよ。だから、これが基本なんですよ、今皆さんに、都民に判断しろというのは。これ以上のものは出ていないわけですから、十八年度に決定したこの開催概要計画書以外に出ていないんですから、これで判断するしかない。財政も明らかにならない、概要計画書はどういうふうに見直しするかも明らかにならない。それでいて判断しなさいと。
一般的に、オリンピックがいいですか、悪いですか、賛成ですか、反対ですかといえば、私どもだって、一般的なオリンピックという意味では賛成なんですよ。だけれども、どれだけの財政を使って大丈夫なのか、こういういろんなリスクマネジメントは大丈夫なのか、これを出さないで判断を求める、そのことがおかしいと思うんですね。
例えば札幌なんかではちゃんとそういう財政状況も出して、それで世論調査をやっているんですよね。そういうこともあり得るんですよ。だから、単に、今署名なんかもやられていますけれども、それは一般的にオリンピック、賛成か反対か、こういう範囲内ですよ。
これは招致本部だからいっているんですよ。招致本部としての責任ある立場としては、そういう材料提供をするのは私は当然だと。去年指摘されたままだ、財政も明らかでないというのは、決算審議をする上において一番肝心なところが示されていない。そういう意味で、世論調査する前に、きちっとその材料を広く都民に提供するという責任がある、このことを重ねて強調して、終わりにします。
○きたしろ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○きたしろ委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京オリンピック招致本部関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時三十六分休憩
午後二時四十五分開議
○きたしろ委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
これより主税局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
加島総務部長は病気療養のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
これより決算の審査を行います。
平成十八年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び平成十八年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○松田税制部長 先般の分科会におきまして要求のございました主税局関係の資料についてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元の平成十八年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の一ページをお開きいただきたいと存じます。
まず、要求資料第1号、都税の当初予算額と決算額の推移についてでございます。
この表は、都税総額と主要税目であります法人二税及び固定資産税、都市計画税の当初予算額と決算額につきまして、平成九年度から十八年度までの十年間の推移をお示ししたものでございます。
次に、二ページの要求資料第2号、税制改正に伴う都税収入への影響額(個人住民税)についてでございます。
この表は、平成十五年度から十八年度までの個人住民税に係る税制改正の内容と、都税収入への影響額をお示ししたものでございます。
要求のございました資料に関する説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○きたしろ委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○門脇委員 それでは、委員長にご指名をいただきましたので、当該決算年度の上程になりました一般会計の部分について質問をいたします。
申し上げるまでもないことでありますけれども、都政の政策を実現し、そして、良好で良質な行政サービス、都民サービスを展開するためには、その原資を確保することが大変重要であります。つまりいいかえれば課税、徴税、あるいは逆の立場から見れば納税ということになりますけれども、この体制の強化が必要であります。
この点について、私は局の幹部職員の皆さんの意識というものは十分だろうと思っておりますけれども、重要な課題という部分で申し上げれば、実際に徴収の第一線現場で働いている皆さん、例えば都税事務所等でありますけれども、この職員の仕事に対する意識というものを高めること、また、徴収事務を通じて、先ほど申しましたように、自分たちこそが都民サービス、行政サービスの原資というものをつくっているんだというモチベーションの向上が大変重要だと思います。
そこで、主税局では日ごろどのような研修を行っているのか、まずお伺いをいたします。
○宮下徴収部長 主税局では、担当職務の遂行に必要な専門的な知識を初めといたしまして、課題解決に向けて必要な知識、技術を習得するとともに、時代の変化に的確に対応できる税務職員の育成を目指して、きめ細かな研修を実施しているところでございます。
特に最近では、主税局に多くの新規採用職員が配属されるようになっておりまして、こうした将来の都政を支える若手職員をどのように育成していくか、また、そのことを通じていかに組織を活性化していくかという観点から、職層ごとの研修を工夫してございます。
例えば新規採用職員へは基礎的な業務知識の付与に重点を置き、採用後二年目職員には、本庁の業務体験研修などを利用して、職務に対する理解、モチベーションのアップを図るなどしております。また、中堅職員には職場の中核としての自覚を持たせるとともに、専門知識の充実を図る研修、ベテラン職員には若手職員にどのように業務ノウハウを継承していくかという研修を行うことによりまして、モラールアップにつなげるようにしてございます。
○門脇委員 そういうことであろうかと思います。今答弁の中に、主税局に多くの新規採用職員が配属されるようになっており、ということがありました。私は人事方針として、人事方針というのは主税局の人事方針でなくて、都庁全体の人事方針として、先ほど申しましたように、原資確保セクションの最前線といってもいいと思いますが、主税局に新人職員を配置するというのは、政策的にとてもいいことであろうと思いますし、その後いろんなセクションに配属されてもその基本を忘れないということではないかと思います。
同じ質問になるんですけれども、研修のほかに具体的に職員の意識向上あるいはモチベーションアップのためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
○宮下徴収部長 主税局におきましては、平成七年度に始まりました構造改革以降、それぞれの職務において数値目標を設定いたしまして、進行管理を徹底することで、全体の計画達成に向けた取り組みを行ってきたところでございます。
これには単なる目標管理にとどまることなく、職員や組織の創意工夫、業務改善の努力を進めるとともに、それらの取り組みや成果に対しまして評価する仕組みも必要でございます。
例えば主税局では毎年度、各所各部門の取り組みにつきまして、局長表彰や部門別の所属長表彰などを行ってございます。この表彰は名誉以外には職員にとって特に具体的に何かメリットがあるというわけではございませんけれども、各所各課の業務に対する努力を評価いたしまして、目に見える形にすることで、職員の業務に対する意識の向上に寄与し、継続した徴収努力の取り組みに大きく貢献しているものと認識してございます。
○門脇委員 確かに、何かメリットがあるものではないという答弁でしたけれども、私はモチベーションの向上という意味ではまさにそういうことも重要なのかなと思っておりますし、また目に見える形ということも重要なんでしょう。
例えば、今もおやりになっているかどうかわからないんですけれども、かつてというか、主税局の職員の皆さん、特に新規採用職員の皆さんが、局長を先頭として都内の各駅に行って、たしかティッシュペーパーですかね、それから期限内に納税をしましょうというようなキャンペーンを行っていたと思うんです。
私も幾つかの駅で、偶然ですけれども、それを見まして、私は局長が行ったからそれでいいということじゃないんですけれども、取り組みの姿勢としては、やっぱり幹部職員が率先して行かれるというのはとても大切なことであろうと思っております。
さて、三カ月ほど前に発表になりました資料では、徴税部門の二大取り組みについて報告がされております。もうご承知の数字でありますけれども、改めておさらいの意味で申し上げますが、自動車税については九七・六%の徴税率を記録し、これは過去最高ということであります。これも四十七都道府県、競争しているわけではないんでしょうけれども、順位も第五位に上昇した。それから個人都民税、この辺は一番徴収が難しいところの一つでありますけれども、これも九三・七%で、当該決算年度とその前年度、つまり十七年度と比較すると、これも全国ベースで十四位から十位にアップをしている。これは、総額はもちろん東京都は四十七都道府県の中でトップでありますけれども、逆にいえば、税額が大きいがゆえの徴収の困難性というものも私はあると思いますね。そういうことを考えれば、十分に評価ができる数値であり、また結果であると思います。
この報告の中でも、当該年度の主な取り組みや、それから今年度の新しい取り組みについても書かれております。今決算の審議をやっておりますけれども、平成二十年度、来年度の予算編成の準備も同時に行われている現在ですが、さらに徴収率を伸ばすための用意はあるのか、今申し上げた二税以外のことについてもお示しをいただきたいと思います。
○宮下徴収部長 大変お褒めの言葉をいただき、ありがたく思っております。これを励みに、さらに徴収率の向上に取り組んでいきたいと思っておりますが、私どもといたしましても、徴収率の向上には職員の業務に対するモチベーションを高めることが重要であるというふうに考えております。
そのような観点から、主税局では職員の各種研修の中でも職員から改善提案を受けまして、実務にも可能な限り取り入れるようにしてございます。例えば徴収部門においても、業務改善に役立つ提案に対してプロジェクトチームを立ち上げるなど、組織的な対応をしているところでございます。
これまでのように自動車税や個人住民税などの徴収率が低い特定の税目に重点を置く取り組みだけでなく、すべての税目を対象にいたしまして、この高い徴収率を維持できるよう、今後とも創意工夫を続けていくつもりでございます。
○門脇委員 お褒めの言葉という発言がありましたけれども、それは率直に私も受けとめますけれども(「褒めているんじゃないのか」と呼ぶ者あり)いや、それも含めてなんですけどね。
例えば知事が、徴税部門である主税局の対応について、知事がいったからということじゃないんですけれども、非常に評価をしているんですね。かつてというか、主税局の責任者に対しても、私が知っている限りでは、三割バッター、四割バッター、それから瞬間風速的にたしか五割バッターと一度いったような気もしますね。それはやっぱり、冒頭申し上げましたように、どんなにいい政策を展開しようと思っても、その原資というものがまず集まってこなければ何もできないんだという思いをいわれているのではなかったのかなと思っております。
質問を変えます。大都市間がお互いに連携をいたしまして、徴収率を上げるための努力をしていることは認識をいたしております。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、人口が多い、あるいは納税額、徴収額、課税額が多いということゆえの苦労もあると思います。
我が東京都は、余り偉そうにいってはいけませんけれども、東京二十三区あるいは多摩の市、その近隣都市も含めて、どちらかというと先駆的な、サポートする立場にあるんだと思います。
しかし、逆にいえば、他都市から学ぶべき点というものも少なくないと思います。その意味で人的なあるいは政策的な交流というのは、私はこれからもとても大切だと思います。
そこで、当該決算年度を踏まえて、将来に向けてこのようなこと、つまり人的交流等についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
○宮下徴収部長 主税局は、これまでの都内区市町村との交流に加えまして、平成十四年度以降は、不正軽油の取り締まりや徴収部門の連携強化などに資するため、職員の都への受け入れを中心とした他府県との人材交流を積極的に行ってきたところでございます。
今年度は、千葉県や千葉市と職員の相互派遣を行っているところですが、相手先の自治体に住所等がある滞納者につきまして、地方税法に基づく徴収嘱託という制度があるんですが、その手法を活用いたしまして、相手先自治体での滞納整理を派遣職員が担当する試みを初めて実施しているところでございます。
人材交流は、ノウハウの共有、伝達にとどまらず、自治体間の相互協力体制の強化も期待できます。派遣する職員の確保など解決すべき課題もあるわけでございますが、このような新たな工夫を含め、可能な限り対応していきたいと考えております。
○門脇委員 正直いって全国的レベルで人的交流をするというのは大変難しいと思いますけれども、今答弁の中にもありましたように、お隣の千葉県や千葉市と交流をスタートしているということでありますし、また、東京の場合は八都県市連合といったらいいんでしょうか、ある意味成熟した連携、自治体交流というものも、これは税の問題だけじゃないんですよ、いろんな意味で八都県市という組織があるわけですから、そういったものも利用して、今後さらに人的あるいは人を通じた政策的交流というものを図っていただきたいと思います。
次に、広報のことなんですけれども、主税局のホームページや、タックスタクちゃんですね、大変かわいらしいキャラクターであります。私も個人的に好きですけれども、この局の広報活動というのは、私は質問するに当たって、ホームページも最初のトップページからずっと落とし込んだページまで拝見させていただきましたけれども、決して不十分ではないと思うんですね。
ただ、何かメーンキャッチフレーズというか、例えば、それが非常にいいということではないんですが、国税庁の有名なコピーであります「この社会あなたの税が生きている」というものがありますけれども、このように納税者に受け入れられやすい、わかりやすいキャッチフレーズというのがいまいち少ないかなという気持ちもいたします。
現在は、皆さん方の名刺にも書いてありますけれども、「納税は『期限内に!』が合言葉」、これも決して悪くはないんですけれども、もう少し都独自でメーンキャッチフレーズとなるようなものを工夫ができるアイデアはないか、お伺いをいたします。
○宮下徴収部長 主税局では、税についてよりわかりやすく、より親しみやすい広報を行うことを基本的な視点といたしまして、広報を実施しているところでございます。
一例を申し上げると、年間を通じまして都税の納期をお知らせするポスターを作成しまして、電車やバスなどに掲出しているところでございます。本年九月のポスターでは、キツツキのイラストに、「早めにコツコツ納めましょう」というコピーで、親しみやすい納期の周知を行ったところでございます。
また、五月に実施いたしました納税キャンペーンでは、八都県市や都内区市町村と連携して、納期内納税を呼びかける街頭キャンペーンを都内各地で行ったほか、税源移譲など税制改正の内容をわかりやすく周知するイベントを開催したところでございます。
しかしながら、こうした広報活動が余り知られていないということであれば問題でありまして、その内容が広く知られるということが何よりも重要だということは、副委員長ご指摘のとおりだと思っております。
今後も、限られた予算の中で、マスメディアを積極的に活用するなど、都税のイメージアップを図りながら、わかりやすく親しまれる広報活動に鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
○門脇委員 そうですか。キツツキのイラストに、「早めにコツコツ納めましょう」と、これは多分職員の皆さんから募集して出てきたアイデアだと思いますし、いいと思いますよ。いいと思うんですけれども、例えば、東京が変わる、あなたの税で変わるとか、今思いつきでいったわけじゃないんですが--まあいいですね。次へいきましょう。
確かにマスメディアの積極的な活用ということも大切であろうかと思います。例えば一例で申し上げますと、あれは一年半ぐらい前だったでしょうか、都民広場にロールスロイスとかベンツを持ってきて、都議会の会議室で、全国初だと聞いておりますけれども、いわゆるインターネットの公売ではなくて、さらに一歩進めて、いわゆる競り売りをやったわけですね。私は、大変失礼な表現ですけれども、競り売りによって得た金額というのは、全体の滞納額から比べればそんなに大きな金額ではないんですね。ただ、そのことによってメディアの皆さんに注目をされて、報道機関も随分来ていましたよ、実際。そういったことで、都民の皆さんに対する広い意味での納税意識の拡大というんでしょうか、周知、そういう手段としてとてもよかったと思っております。納税意識が広がるということですね。
質問を変えます。主税局の仕事としては、税を徴収する最初の段階である課税の段階で公平な課税をすることが、申し上げるまでもなく大変重要なことであります。いわゆる駅ナカ等にかかわる固定資産税及び都市計画税の見直しについては、過日、二十二億円の追加課税という発表がありました。この問題については、私も財政委員会のメンバーのとき、ちょうど山加さんが委員長でいらっしゃいましたけれども、そのときから出てきた懸案事項でもございました。
鉄道の駅や高架下における商業利用の進展は、特に最近目をみはるものがあります。このこと自体は別に悪いことではありませんけれども、税の均衡上相応の税負担をしていただくことは当然であります。
ところが、これは仕組みですから、いってもせんないという部分もあるんですけれども、やはり地方税の場合は、まず国でシステムというか仕組みをつくって、各自治体がそれに基づいて執行するという中で、このような課題への対応がおくれがちになってしまいますし、変化の激しい時代にあっては、自治体と国とのより強い連携というものが求められていると思います。
この駅ナカ課税の見直しについては、いわば東京都が国を動かして、固定資産評価基準の改定を実現し、しかも、ここもポイントですけれども、二十一年の評価替え、見直しを待たずに、ことしから全国一斉になったものであります。まさしくお疲れさまでしたと申し上げたいと思います。
今、国と地方を通じた税財政制度の抜本的な改革が議論をされておりますけれども、今回の取り組みのように税を執行する現場、現場第一主義という言葉がありますけれども、現場の着眼、発想から国に制度の見直しを求め、税の公平、公正性を確保していることも、まさに東京都、そして東京都主税局に与えられた大変重要な任務であり、役割であると考えております。
そこで最後に、改めて今回の取り組みの意義と今後のさらなる取り組みについて、局責任者のお考えをお尋ねいたします。
○熊野主税局長 ただいま副委員長からご指摘いただきましたように、税務行政におきましては、課税から徴収に至るそれぞれの段階で、適正かつ公正な執行を図って、納税者のご理解、ご協力をいただくということが基本であり、極めて重要な事項であると考えております。
今回、いわゆる駅ナカ課税に当たりましては、都が国に働きかけまして固定資産の評価方法が見直された、そういうことによって、駅ナカ等を展開する事業者並びに商店街の事業者の双方にとって、より公平な税の仕組みが構築されたものと考えております。
今後とも、国への提案あるいは協議を必要に応じて行いながら、税の仕組みや執行の見直し、改善に努めて、歳入所管局としての使命を遂行してまいりたいと考えております。
○ともとし委員 この十八年度の決算につきましては、私、一貫して公会計制度について質問をさせていただいております。十八年度に、国に先駆けてというより、全国で初めてこの制度が導入されまして、まさに財務諸表がつくられた、そういう内容になっているわけですが、主税局というのは他局と異なりまして、都税を、まさに歳入の部分を確保するという局の事業であるわけですが、主税局の財務諸表、この特徴は何になりますか。
○松田税制部長 主税局財務諸表の特徴でございますが、まず行政コスト計算書におきまして、全庁的な財源である地方税が行政収入に計上されるということで、そのため行政収入が事務経費である行政費用を大きく上回っていることが挙げられるところでございます。
また、同様に現金等の流れの状況をあらわすキャッシュ・フロー計算書におきましても、地方税を含む行政サービス活動の収入が支出を大きく上回っております。
なお、貸借対照表におきましては、都税事務所の土地、建物などの有形固定資産が資産の部に計上され、負債の部には都税事務所の建設のために発行されました都債の残高あるいは退職給与引当金などが計上されております。
○ともとし委員 今までの歳入、歳出といった現金主義の会計制度で見えてこなかった、そうした内容のもので、今回新たな財務諸表をつくったことによって見えてきたというか、見えるようになったものはどのようなものがあるか、お伺いいたします。
○松田税制部長 財務諸表作成に向けましたこの一年の取り組みによりまして、複式簿記・発生主義会計の考え方が定着をし、主税局職員のコスト意識の充実が図られております。
また、庁舎等の管理におきましては、単年度の経費のみではなく、減価償却累計額などの把握ができるようになったところでございます。
○ともとし委員 コストの意識、庁舎等の減価償却の把握などが見えてきたということをお聞きさせていただきました。このように新たに見えてきたものについて、今後どのように活用しようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○松田税制部長 減価償却累計額の把握によりまして、例えば庁舎などの施設につきまして、老朽化の度合いに応じた計画的な更新を進めることができるようになると考えております。
今後、財務諸表作成を重ねることによりまして、これまで以上に効率的かつ効果的な税務行政運営を展開していきたいと考えております。
○ともとし委員 先ほど門脇副委員長の方からお褒めの言葉が大分出されておりましたけれども、主税局の主なる事業といいますか、いってみれば徴収率の向上に向けての取り組みについて、何点かお伺いいたします。
各局の事業について、行政コスト計算書を見ると、行政収入の欄はいずれもゼロになるわけです。先ほども指摘しましたように、主税局は都の各局の事業を行うための原資をいってみれば稼いでいるというか、そういうような局になるのかなというふうに思います。ある意味ではそれが行政の姿であるといってもいいのかなというふうに思いますが、主税局が都税を確保しなければ各局は事業ができない、そのような中で、さまざまな先進的な取り組みを続けて今日まで来ました、都税の確保に努力してきた主税局に対しましては、心から敬意を表したいというふうに思います。
特に徴収部門においては、ほかの団体には本当にある意味では波及したという、そうした取り組みもされているのかなと。そういう意味で、これまで都が最初に取り組んだ、全国的にもまた影響を与えたというような徴収方法、そういうことがあれば、お教え願いたいと思います。
○宮下徴収部長 都が最初に取り組んで、全国に影響を与えた取り組み事例でございますけれども、まず、平成十五年から、区市町村が賦課徴収を行っております個人都民税について、直接徴収を始めました。また、都職員を区市町村に派遣して、徴収ノウハウを提供するなどの間接支援も行っているところでございます。
それから、十六年七月には、全国で初めてインターネットオークションを活用した公売を開始いたしました。また、十八年五月からは、対面オークションによる自動車や絵画等の公売も実施してございます。
こうした公売の多角化によりまして、これまで困難であると思われていた動産の売却が可能になりまして、動産の差し押さえを積極的に行えるようになったところでございます。
それから、十八年二月からは、持ち運びが容易なタイヤロックを開発いたしまして、自動車の差し押さえに活用しているところでございます。このタイヤロック方式は、数日以内に納税に結びつくなど、効果的な手法として定着しているところでございます。
○ともとし委員 本当にいろんな手法を考えて、税を納めなかったら大変なんだよという、都民にとっては恐怖の主税局というふうになるかどうかわかりませんけれども、ある意味では、公平性から見れば当然といえば当然かというふうに思います。
今ご答弁のあった、特にインターネット公売は、全国の地方団体に広げるだけではなくて、国税も参加するようになったというふうに聞いております。その普及状況と滞納整理を進めるに当たってのメリット等についてお伺いしたいと思います。
○宮下徴収部長 ご指摘のとおり、インターネット公売は現在全都道府県で導入しておりまして、政令指定都市を初めとした多くの区市町村にも広まってきております。お話にあったように、国税局におきましても、今年度から導入したところでございます。
インターネット公売のメリットでございますけれども、平日に庁舎内で入札の申し込みから落札まで行ういわゆる従来方式の公売では、広く参加者を集めることは難しく、動産などはなかなか売却が困難であったところでございます。
しかし、インターネット公売は、特定の古物業者だけでなく、広く一般の参加者を見込むことができるため、フィギュアなどの趣味的なものから屋形船のような通常は売却が困難なものまで売却できます。しかも、売却価格も見積価格を上回ることが多く、納税者にとっても有利な売却が可能となっております。
○ともとし委員 新しい手法が納税者にとっても有利だと。滞納されている方というのは、ある意味では非常に厳しい状況に置かれて滞納されている方が多いとは思いますが、しかしながら、その新しい手法によって、滞納者、納税者というか、その方たちにとっても有利な方法をとっているんだと。そういう意味では、厳しい取り立てかもしれないけれども、しかしながら、納税者にとってもいいことだったなと後である意味では感謝されるのかなというふうに思います。
こういう新しい手法を考えて都政の財源を確保している、しかも全力を尽くして頑張っている、そうした主税局はまさにある意味では縁の下の力持ち、そう表現してもいいのかなと。あるいはまた、主税局というのは地味なところです。ある意味では本当に表面には出ない、まさに陰の力かなというふうに思っているわけですが、そのまさに陰の力となっている主税局の皆さんに対しては、先ほども申し上げましたけれども、心から拍手を送りたいな、そういうふうに思っているわけですが、その先頭に立って、局長、頑張っているわけですが、十八年度決算のそうした中での反省点と、そしてまた次なる決意と、その辺のことをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○熊野主税局長 インターネット公売を初めとした職員のさまざまな工夫、努力に対しまして高い評価をいただきまして、御礼を申し上げたいと思います。
これまで主税局、都政を支えている都税の徴収を確保するために、適正、公正な賦課徴収を確実に行いながら、さまざまな工夫を行って、徴収率の向上に努めてまいりました。
住民サービスを向上させるためにしっかりと税収を確保するということ、これは極めて重要であることはもちろんでございますけれども、今後地方分権を推進していく上でも、地方自治体が汗を流し、そして、やるべきことをしっかりやるということが、国に対して強く物を申していく前提だろうというふうに思っております。
昨年度につきましても、さまざまな反省点がございまして、まだまだ至らぬ点があろうかと思います。今後ともさまざまな工夫を重ねて、税収の確保に努めてまいりたいと思います。
今年度、物納システムにトライいたしますし、これからいろいろまたそういったアイデアを出していきたいと思いますが、昨年度の九七・八%という徴収率、これからさらに上げるのは、〇・一ポイント上げるのもこれまで以上の努力が必要だと思いますので、ぜひ先生方のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
○植木委員 私の方からは、最初に、マンションにかかわる減免の問題についてお聞きしたいというふうに思います。
マンションにかかわる税制というのは、過去よりも制度が少しずつ改善されてきて、特に阪神・淡路大震災のころから、いろいろ区分所有法の問題にかかわったり、それから再建にかかわる問題であったり、いろんな角度から取り組まれて、都市整備局ではマンションそのものについて質問をしたりした例がありますけれども、ここでは、固定資産税や減免、いろいろあると思うんですが、マンションにかかわる固定資産税などの軽減措置、どのようなものがあるのか、まずお示しいただきたいと思います。
○吉田資産税部長 住宅用マンションについて、地方税法に定めるものといたしまして、まず、土地につきましては、住宅用地に係る課税標準の特例措置がございまして、非住宅用地に比べて税負担が軽減されているところでございます。
また、家屋につきましては、新築された住宅で一定の要件を満たすものに対する軽減措置がございまして、固定資産税額--家屋分ですけれども--の二分の一を減額しているところでございます。
さらに、都独自の措置といたしまして、土地につきましては、不均一課税により小規模住宅用地の部分に係る都市計画税の二分の一を軽減してございます。
また、家屋につきましては、新築された住宅で一定の要件を満たすものにつきまして、固定資産税、都市計画税を減免してございます。
このほか、マンションに関連する固定資産税等の軽減措置といたしまして、一般に公開されている遊び場とか、町会として認定されている管理組合の事務所で一定の要件を備えているものに対する減免措置がございます。
○植木委員 地方税法、都独自、それからそのほかにも一定の要件という話がありましたけれども、公益にかかわる減免事由にはどのようなものがあるのか、またその実績、どのくらい活用されているのか、お示しいただきたいと思います。
○吉田資産税部長 都税条例に基づき、公益に係る減免事由の主なものといたしまして、まず新築住宅に係るもの、さらに小規模非住宅用地減免、それから町会事務所、先ほど申し上げた遊び場減免、さらには認証保育所等々ございまして、減免の実績といたしましては、件数で約四十万件、税額で四百三十四億円、これは十九年六月現在の実績でございますが、以上となっております。
○植木委員 ちょっと僕は境目がよくわからないんですけれども、先ほどのマンションにかかわるこのほかということで、町会として認定されている管理組合の事務所、それともう一つの町会事務所、遊び場、多分それぞれ地元自治体との関係等で、きちんと共益性があるよということを確認して認められていると思うんですけれども、道路、公園あるいは遊び場というんでしょうか、プレーロットというんでしょうか、そういうもの、それぞれに分けられているんですけれども、その辺は共通しているんでしょうか。大変基本的なことで悪いんですけれども、お願いしたいと思います。
○吉田資産税部長 減免の種別といたしまして、大別しますと四種類に分けられまして、一つは生活保護に関係するもの、今先生お尋ねのいわゆる公益減免、それから災害減免、その他特別の事情ということで、大別しますと四点に分けられます。
今お尋ねの減免、遊び場減免ですとか、あるいは町会事務所の減免ですとか、これはいわゆる公益減免といっているものでございまして、これの内訳でございますか--町会事務所減免税額では二億三千八百万円、遊び場減免が五億五千三百万円ほどございます。
あわせて件数につきましては、町会事務所等の減免で八千八百十一件、遊び場減免では二千三百九件でございます。
○植木委員 済みません。細かいことを聞いちゃったものですから、あれですけれども、いずれにしても、それだけ公益にかかわる減免にいろいろ努力されているということだと思うんです。
それから、最初の方に出ていました固定資産税の減免対象は、件数、税額ではどうでしょうか。
○吉田資産税部長 固定資産税の減免対象ということでございますが、土地家屋分の平成十九年度の定期課税分で申し上げますと、件数で約四十万八千件、税額で約四百六十一億円となってございます。
○植木委員 マンション問題、いろいろこれからもあるかと思うんですが、だんだん老朽化してきたりすると、大規模改修とかいろいろありますので、今後とも努力をしていただきたいし、また、私どももいろいろ具体的な例などについて考えていきたいというふうに思っております。
次に、きょう資料をいただきましたが、税制改正に伴う都税収入への影響額、個人住民税、この問題についてお聞きしたいと思っております。
資料に大分詳しくは書いてあるんですが、ちょっと幾つかお聞きしますが、この間、相次いで税制改正があるものだから、一体自分の何がどうなったのかなかなかわからなかったり、突然金額が大きくなったりして、役所への苦情や問い合わせが殺到するという例が、この二年ほどずっと続いてきました。
それで、この間の個人住民税の増税に伴う影響人数、それから一人当たりの影響額などについてお示しいただきたいというふうに思います。
○松田税制部長 平成十五年度以降の個人住民税の主な改正による影響についてでございますが、平成十五年度税制改正における配偶者特別控除のうちの控除対象配偶者について、配偶者控除に上乗せをして適用される部分の廃止でございますが、これについては影響人数は百十七万人、一人当たりの影響額は約五千六百円でございます。
平成十六年度税制改正における公的年金等控除の縮減及び老年者控除の廃止につきましては、影響人数は六十七万人、一人当たりの影響額は約一万四千円でございます。
平成十七年度税制改正における六十五歳以上の者に係る非課税措置の廃止につきましては、影響人数は二十万人、一人当たりの影響額は約六千円でございます。
定率減税の平成十七年度税制改正による縮小及び平成十八年度税制改正による廃止につきましては、それぞれ影響人数は六百六万人、一人当たりの影響額は約三千円でございます。
○植木委員 次から次へといろんな措置があって、年齢によっても違うし、それからご夫婦と単身者でもいろいろ違う。そうしますと、課税最低限もいろいろ変わってきていると思うんですけれども、一連の個人住民税の課税の今の変化の中でどう変化しているのか、課税最低限についてお示しいただきたいと思います。
○松田税制部長 個人住民税の課税最低限についてのお尋ねでございますが、課税最低限もいろいろな類型がございます。高齢者について申し上げますが、個人住民税には課税最低限のほかに非課税限度額の制度がございますので、それらも加味をいたしました、実際に所得割が課税をされない年収の上限ということでお答えを申し上げます。
年齢が六十五歳以上の単身の年金生活者の場合で申し上げますと、平成十五年度においては二百六十六万六千円、十八年度においては百五十七万一千円というふうになっております。
また、六十五歳以上の夫婦の年金生活者の場合でございますが、平成十五年度においては三百十五万六千円、十八年度におきましては二百二十二万円でございます。
○植木委員 課税最低限が、改正前と改正後と今教えていただいたんですけれども、約百万ぐらい違ってくる。百五十七万程度の課税最低限だとすると、月収大体幾らぐらいでしょうか、十数万。生活保護の方が大体七万から八万、プラス住宅の、所長判断で五万ちょっと出せるということになると、大体その程度のところまで課税最低ラインが下がってきている。
しかも、国の方ではさらに生活保護世帯まで課税するということも検討されているというふうに聞いていますので、どんどんこういうことがされていくと、大変なことだなというふうに思うんです。しかも、税に連動する国保料だとかそういうものも、東京都の場合、引き上がってきたりしますから、本当に生活にかかわる税というのが、きょういただいた資料では、都税収入の方はこれだけ影響が出てくる。個人では先ほどいろいろ挙げられたように、大変な思いをせざるを得なくなってきているというふうになってきています。
その一方で、国は大企業に対しては減税を実施していて、恒久減税だということで進めているわけですけれども、法人に対する恒久減税で引き下げられた税率は、十八年度の税制改正で本則の税率にされて、恒久化された。この法人二税の恒久的減税はどれほどの東京都の減収になったのか、お示しいただきたいと思います。
○松田税制部長 法人二税の恒久的な減税による減収額を平成十八年度の決算額で試算をいたしますと、法人都民税が千三百九十九億円、法人事業税が千八百九十八億円、二税合計では三千二百九十七億円となります。
○植木委員 大変な金額ですよね。片やそれぐらい個人住民税は増額されて、片や減収になるほど減税措置がとられている。
税制全体をいろいろ見まして、先ほども課税最低限のお話をしましたけれども、一般の住民にとってはどうかという点では、税負担能力の低い方々に対して配慮する、税負担を求めるには、やっぱり税制の大原則があって、応能の原則によってやられるべきだというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○松田税制部長 この間の改正は、大きくいいますと、高齢者に関する見直しと定率減税の廃止かと思います。定率減税につきましては、もともと景気の状況等に配慮して行われたものでございまして、その一定の状況が変わったということで廃止をされたというふうに理解をしております。
それから、主に高齢者の方の負担が実態としてはふえてきておりますけれども、これは従来、現役世代に対しまして高齢者負担がかなり軽減をされておりましたけれども、少子高齢化が進展をする中で、現役世代の活力を維持し、世代間及び高齢者の中での税負担の公平を確保する観点から、改正が行われたというふうに理解をしております。
○植木委員 高齢者に対する負担は公平の原則だというんですけれども、大企業のことをいうと、多分企業の活力とかいろいろおっしゃるんだろうと思うんですけれども、税のあり方、基本は国民の皆さんがどう生活するかということにかかわる。ただ集めるということだけではないわけで、そこのところをしっかりと見据えていく必要があると思うんですよね。
そういう意味では、こういう個人住民税の一連の税制改正に対して、先ほどは認識をちょっといっていましたけれども、国に対して、つまりこれは基本は国の方で変えてくるわけですから、都としてどんな要求をしているのか、東京都の認識を伺いたいと思います。
○松田税制部長 個人所得課税につきましては、国の方でもいろいろと個人所得課税のあり方について検討が行われているということで、今政府税調等で進められているところでございます。そういった中で、国民全体の負担のあり方について適切な判断がされるものというふうに考えております。
○植木委員 国民全体を見て適切な判断がなされているという認識だと、これは僕はちょっとおかしいなと思っているんですけれども、ことしの三月に、低所得者に対する個人都民税の軽減措置を知事が発表して、記者会見をしたときに、いろいろなことをいっています。
いろいろ前があって、ちょっと誤解されるかもしれませんけれども、全体の流れの中ですから、しようがないんですけれども、行政の行う利益を得ていた企業が、既往の経営内容は何であろうと、やっぱり応益負担はするべきだということで税を払うようになりました云々とずっとあって、その後、やっぱり、非常に差別や格差というものをいわれている時代、こういい始めました。で、私はやっぱり不公平だと思いますので、そういう措置を考えました、そういう措置というのは個人都民税のことだと思いますね。
それから、その中で、我が国は、これまでさまざまな構造改革を推進してきましたが、この十年前に比べて生活保護受給者や非正規雇用者ともに非常に数がふえました、都の増加率は全国を大幅に上回る状況になってきたということで、生活保護世帯が十年前とどうなったかというのをきちっと述べて、その上で、セーフネットが不十分な状況の中でゆがんだ税制を放置すると、社会の安定と活力が失われていくんじゃないか、こういうふうにいっているんですね。
さらにいえば、生活保護基準程度の収入しかない人に新たな税負担が発生するというのは、やっぱり気の毒だし、不公平だと思います、こういうふうにいっているんですけれども、この認識と今のとはどういうふうに見たらよろしいんでしょうか。
○松田税制部長 先ほど国の方での検討が、結果としてすべて今適切な制度になっているという意味ではございませんで、適切な判断がされるものということでございます。
その中で、三月の知事の発表でございますけれども、税のあり方につきましては、受益と負担、できるだけ総合的に考慮して決めるべきものでございます。また、全国的なものと東京という地域の特殊な事情もあるわけでございます。そういった中で、総合的に見て、低所得者に対し、税制面あるいは他の施策面、何らかの措置が必要ではないか、そういったことを判断したものでございまして、そういった点の認識については基本的に変わっていないというふうに考えております。
○植木委員 その記者会見の最後にこういうふうにいっているんですね。現行税制のゆがみを是正し、今まで就任して以来、財政再建をしてきましたけれども、その成果が出てきていますので、それを一部、また都民に還元することになると思いますということで、個人都民税が打ち出されたと思うんですけれども、そういう点では、まさに税制のゆがみを正すというんですから、これは今日も変わっていないはずですから、税制そのものが改善されたというふうには聞いていませんので、当然個人都民税についても、このとき述べているとおり実施すべきではないかというふうに、率直にいって私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○松田税制部長 低所得者に対しての一定の配慮、支援が必要ということの中で、当初税制ということでの措置を発表したわけでございますが、その後の検討の結果としましては、税による一律の軽減よりも、よりきめ細かな施策として手当てをする方が、より公平で効果的な施策ができる、そういうことで方針を一部転換したというふうに理解をしております。
○植木委員 税制のゆがみを正す、是正するというふうにいっているわけですよね、税制のゆがみ。それはやっぱり税制で対応するしかないと思うんですよ。所得の低い方への支援というのは、税の軽減と給付とから成り立っているのは世界でも共通しているわけですから、やっぱりここでは知事がそういうふうに税制のゆがみを是正するという立場でいっているわけですから、それで対応すべきだというふうに思うんですね。
確かにそれにかわるものということで、いろいろいい始めてはいますけれども、それは普通の一般施策で、当然都民にしなければならない行政目的の中できちっとやる、それは当然なんですよ。問題は、税制のゆがみを正すというところでは、やっぱり個人都民税を減税するということに、知事のいっているとおりに立つのが主税局の役割じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○熊野主税局長 私ども行政はさまざまな制度を構築いたします。さまざまな制度を構築いたしますが、はっきり申し上げて、完璧な制度というのはあり得ないと思っております。そこのさまざまな制度、各制度にそれぞれひずみが生じ、矛盾が生じている。そのために少なからずセーフティーネットが必要になってくる。社会全体では生活保護というセーフティーネットがございますし、それぞれ制度の中で、あるいは税であれば減免であるとか、そういったセーフティーネットを設けているわけでございます。
今回の税制改正によって、それがまさしくほかの制度と全く同じように、完璧な制度であるということはあり得ないと思っております。そのセーフティネットとして、それを税制でやるか、あるいは施策でやるか、これは一つの判断だろうと思います。
最初、税制でやろうとしたけれども、税制でやるよりも施策でやったほうが公平であり、効果的であり、限られた財源を有効に使うためには施策でやったほうがいいという総合的判断をしたというのがこの間の経緯でございますので、ご理解をいただきたいと思います。
○植木委員 総合的な判断だと。もちろん税制でやるか、行政の施策でやるかということは、当然判断はその時々であるんだろうと思うんですけれども、少なくともこの間の税制改正による都民へのゆがみというのは知事もきちっと認めたわけですから、そこはやっぱりきちっと行政判断としてもしなきゃいけないし、それから、これは財務局で質疑しましたので、細かいことはもういいませんけれども、現実の主税局としても、この間、財政再建推進プラン、一次、二次ということで、三兆円予測より上回ったということがあるわけですから、施策の方は当然それは還元していくということでやる。だけれども、やっぱり税制のゆがみ、気がついたときにきちっとやるというのは一番大事なときだと思うんです。
そういう意味で、局長に答弁していただきましたけれども、やっぱり知事の所信をきちっとやらせるというのが主税局の本来のあり方じゃないかということを重ねて強調して、私の質問を終わりにします。
○きたしろ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○きたしろ委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で主税局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時五十一分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.