各会計決算特別委員会第一分科会速記録第六号

平成十八年十月二十七日(金曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十名
委員長林田  武君
副委員長野上 純子君
副委員長柿沢 未途君
鈴木 隆道君
高倉 良生君
西岡真一郎君
坂本たけし君
鈴木 一光君
古館 和憲君
名取 憲彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
議会局局長西野 和雄君
管理部長谷村  隆君
議事部長松原 恒美君
調査部長長嶋 博宣君
監査事務局局長白石弥生子君
参事皆川 重次君
青少年・治安対策本部本部長舟本  馨君
総合対策部長百合 一郎君
参事小島  昭君
治安対策担当部長八木沼今朝蔵君
参事保坂 俊明君
参事内藤 泰樹君
総務局局長大原 正行君
危機管理監中村 晶晴君
理事島田幸太郎君
総務部長岳野 尚代君
行政改革推進部長松崎  茂君
行政改革調整担当部長多羅尾光睦君
IT推進室長加島 保路君
首都大学支援部長影山 竹夫君
人事部長中井 敬三君
参事中西  充君
主席監察員齋藤  進君
行政部長前田 信弘君
多摩島しょ振興担当部長松本 栄一君
都区制度改革担当部長森 祐二郎君
参事廣瀬 秀樹君
総合防災部長石野 利幸君
勤労部長野口 宏幸君
法務部長中村 次良君
統計部長金子  優君
人権部長田村 初恵君

本日の会議に付した事件
 平成十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
議会局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
監査事務局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
青少年・治安対策本部関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
総務局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成十七年度東京都特別区財政調整会計決算
・平成十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算

○林田委員長 ただいまから平成十七年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、議会局、監査事務局、青少年・治安対策本部及び総務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で議会局関係を終わります。

○林田委員長 これより監査事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○林田委員長 これより青少年・治安対策本部関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、青少年・治安対策本部所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○坂本委員 私は、安心で安全な東京のまちづくりには、年代を超えて、自立しながらも助け合う人づくりや、お互いに信頼し合えるまちづくりが不可欠であると考えております。
 都民を対象にいたしました都民生活に関する世論調査におきましては、平成十六年と十七年におきまして治安対策が第一位を占めており、治安の回復への都民の強い不安と期待を示しております。
 そうした中、昨年、青少年の健全育成と治安の回復のため青少年・治安対策本部がスタートし、私の目指す東京のまちづくりと重なり合い、大変頼もしく感じております。
 まず、子どもの安全について伺います。
 近年、特に弱い立場の幼い子どもたちをねらった、痛ましい犯罪が全国で後を絶ちません。不審者による声かけも日々多発しております。そうしたことを受けまして、都内各地で、学校、保護者、地域で子どもを守るためのさまざまな取り組みが行われております。
 都も、子どもの安全確保のための緊急対策を講じていると聞いております。最近、都内を走るバスなどに、歌舞伎のくま取りをイメージしました防犯ステッカーが張られているのをよく目にしております。こうした防犯ステッカーを活用した防犯活動は、犯罪の抑止力を高め、都民に安心感を与えるものであります。
 また都は、通学路の安全を確保するため、学校や保護者、地域に対しまして、子ども安全ボランティア活動の立ち上げを呼びかけまして、子どもの見守りやパトロール活動へのさまざまな支援を行っていると伺っております。いずれにいたしましても、子どもの安全を守るためには、粘り強い取り組みが必要であります。
 そこで、伺います。都は今、子ども安全ボランティア活動への支援にどのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。

○保坂参事 地域全体で子どもを犯罪から守るため、区市町村や警察署と連携して、各小学校におきまして地域住民が通学路などをパトロールするボランティア組織を立ち上げるよう、都は子ども安全ボランティア事業を実施しております。
 都は、二月に、都民七百名にボランティアリーダー養成講座を実施するとともに、活動マニュアルの配布や防犯ポータルサイト「大東京防犯ネットワーク」での情報提供やボランティア保険の提供など、さまざまな支援を行ってまいりました。
 さらに、十一月を子ども安全ボランティア推進月間として、主要新聞や地下鉄、バスへの広告、ポスター、チラシの配布などにより、ボランティアへの参加、継続を呼びかけるとともに、ボランティアの集いを開催して、ボランティア活動の普及充実のための支援を推進してまいります。

○坂本委員 こうした対策は通学路の安全に向けられておりますけれども、池田小学校や寝屋川小学校事件を見るまでもなく、小中学校への侵入事例は意外と多く、授業中の学校の安全につきましても非常に心配であります。
 そこで、都は、十八年度、公立小中学校の防犯カメラ設置補助事業を実施していると思いますが、都内の小中学校の防犯カメラ導入の現状と今後の見通しにつきましてお伺いいたします。

○保坂参事 昨年度の時点でございますが、七割の公立小学校、八割の公立中学校において防犯カメラが未設置でありまして、学校への侵入事例が見られることから、今年度、区市町村に対する防犯カメラの補助制度を行っております。すべての公立小中学校での防犯カメラの設置を目指して、区市町村と調整中でございます。

○坂本委員 今、子どもを犯罪から守る手法といたしまして、地域安全マップづくりが話題となっております。地域安全マップとは、子どもみずから防犯の視点を持ちまして、通学路などを点検し、犯罪が起こりやすい場所を洗い出し、地図上に表示する取り組みであります。これは、子どもの犯罪被害防止能力を高めるとともに、地域全体の安全対策にもつながるなど、極めて有効な手法であると評価しております。
 ところが、学校などで活用していくためには、地域安全マップづくりにはグループでのまち歩きも欠かせないところから、指導者の確保が十分とはいえない状況と聞いております。こうした中で、団塊の世代の定年による大量退職時代が目の前に迫っており、団塊の世代の人たちはまだまだ元気でありまして、働く意欲も能力も失っていない上、社会経験も豊富であることから、貴重な人材であると考えます。また、地域社会に貢献したいという希望を持っている方も少なくないと考えております。
 そこで、地域防犯活動を取り巻く状況を踏まえ、こうした人たちに協力、参加していただき、地域安全マップづくりの取り組みを積極的に普及させるべきであると考えますけれども、所見を伺います。

○保坂参事 地域安全マップの普及は、子どもたちがみずからの犯罪防止能力を高め、地域ぐるみの安全対策にもつながるなど、非常に効果的な方法と認識しております。都は、ボランティアの地域安全マップの作成指導者を十七年度から十八年度に約百四十名育成し、学校や児童館、町内会などへの指導者派遣事業を実施しております。
 通学路や地域の安全に貢献していただくため、今後とも、団塊の世代を含め、多くの都民の方々にこうした防犯ボランティアの事業への参加を呼びかけてまいります。

○坂本委員 さらに地域安全マップづくりを学校などで広く活用していくためには、子どもたちと世代が近く、将来の夢に燃える、教員を目指す大学生などの若い力を指導員として養成し、小学校での教育現場で即戦力として活躍していただくことも一つのアイデアであると考えます。
 そこで、教員志望者など若い力を地域安全マップづくりの指導者といたしまして活用できないか、伺いたいと思います。

○保坂参事 地域安全マップの指導者として、若く、また子どもにも親近感のある大学生の活用は有効と考えまして、十八年度、新たな事業といたしまして、先ほどお話ししました一般ボランティア百四十名のほかに、教員を志す大学生など約百名の指導者養成を、夏休みの八月、九月に実施いたしました。
 今後、さらに幅広く人材を活用し、小学校などへの地域安全マップ指導員の派遣体制を強化してまいります。

○坂本委員 子どもを地域で守るためには、老若男女の広範囲な人々の力の結集が必要であります。私の地元板橋におきましても、日中自宅におられます地域の方々にお願いして、家の周辺の清掃や犬の散歩などを子どもの登下校時間に合わせまして、いたばし子ども見守り隊を立ち上げ、多くの方々に活動していただいております。温かいコミュニティの力が子どもを守り、安心・安全なまちづくりにつながっていくことを大変うれしく思っているわけでございます。
 しかしながら、こうした努力にもかかわらず、まだ不審者によります声かけの事例も多く、子どもの安全が心配と、保護者や学校の地域の方々から声を聞くわけでございます。
 最後になりますけれども、子どもを犯罪から守るための本部長の決意を伺いまして、質問を終わらせていただきます。

○舟本青少年・治安対策本部長 子どもを犯罪から守るために、保護者や学校だけではなく、警察や自治体はもとより、町会、自治会を初めとした地域の方々の力を結集することが極めて重要であると認識しております。
 都としましては、さきに答弁がありましたように、地域安全マップづくりを授業で取り入れること、また、子ども安全ボランティア活動や動く防犯の眼ステッカーの活動を推進することなど、さまざまな対策を現在講じております。
 さらに、地域の連携を高めるため、十一月を子ども安全ボランティア推進月間とともにあいさつ運動推進月間としても位置づけております。
 今後とも、子どもを犯罪から守るため、重層的、複合的な取り組みを強力に推進してまいります。

○野上委員 私の方からは、決算説明書の一六ページにあります中学生の職場体験について、何点か質問をしたいと思います。
 この中に、十八区二十二市二町村で四万六百二人の実績があるということが書いてあります。十七年度から中学生の職場体験を実施しているわけですけれども、昨年度の実績について伺います。

○百合総合対策部長 都では、青少年の望ましい勤労観や職業観をはぐくむといったことを目的といたしまして、ご指摘のとおり、昨年、平成十七年度から、公立中学校の生徒さんを対象とした職場体験事業を実施しているところでございます。
 昨年度の実績でございますけれども、商工会議所や日本チェーンストア協会など業界団体三十三団体の協力をいただきまして、受け入れ事業所を確保したところでございまして、参加校は約三百校、参加人員は約四万名の子どもたちが参加をしてございます。

○野上委員 中学生の職場体験については、地元の商店街の皆様が積極的に受け入れをしてくださって、何月何日から何日までの間、何人をどこの商店に受け入れるかというのを細かく決めて、地域の中で子どもを育てていくんだ、そういった意識で取り組んでくださっております。これは大変有意義な事業だと考えております。
 教育庁の方で質疑をしたときに、答弁として、全中学生に連続五日間職場体験を実施していくという答弁が出されたんですけれども、これは平成二十年度までにそういう方向に進んでいくという答弁だったんですけれども、東京都内のすべての中学生を五日間受け入れるとなると、大変な事業所の数が要るのではないかと思うんですね。そのために拡大をしていくことがとても大事だと思っております。
 そのためには、どのようにこれから取り組んでいくんでしょうか。

○百合総合対策部長 ご指摘のとおり、この事業を実際に実施していくに当たりましては、受け入れてくださる企業、事業所の確保がまず第一になってございます。
 そこで私ども、昨年、中学生の職場体験推進協議会といったものを設置いたしまして、各種産業団体に参加の呼びかけを行ってきたところでございます。また、今後はさらに、個々の企業等へも受け入れを依頼するなど、受け入れ事業所の拡充に努めてまいる所存でございます。
 またあわせまして、ホームページやリーフレットを活用いたしまして、職場体験事業の意義を広く都民や企業に広報するなど、すべての公立中学校での実施を目指して、積極的に取り組んでまいります。

○野上委員 この事業は、パンフレットをいただいたんですけれども、その裏にもたくさん産業団体や企業が書いてございます。こういった大きなところのトップにしっかりと職場体験の意義を伝えることによって、それぞれの事業所というんですか、組織に行き渡ってくると思うんです。ぜひ子どもたちの進路選択に結びつくように、教育庁あるいは産業労働局、縦割りでやるのではなく、横の連携を密にして、この事業の充実に努めてほしいと思っております。この事業が進むことによって、フリーターとかニートを防止することができるし、また、地域社会での教育力の向上にも通じると思います。
 もう一つ、次に、インターネットの有害情報対策について伺います。
 先日も、長野の小学生でしたか、インターネットで知り合った男性と何日間かともに行動して、親が大変心配していたというような事件がありましたけれども、今、簡単にパソコンとか携帯電話でいろいろな情報を入手できる、まして子どもでも簡単にアクセスをすることができてしまいます。
 こうした問題に対処するために、平成十三年三月に、青少年にとって有害な出会い系サイト、ポルノ、犯罪手口を紹介するホームページなどにアクセスできないようにするフィルタリングサービスの提供をプロバイダーや携帯電話事業者に求める、青少年健全育成条例の改正を行ったと聞いております。
 私も一般質問の中で、ぜひ学校の中でそういった有害情報に子どもたちがアクセスできないようにフィルタリングをしっかりとやってもらいたいということで、平成十四年の一般質問か何かで行ったことがありますけれども、平成十七年度における東京都のインターネット上の有害情報対策はどのようになっているんでしょうか。

○小島参事 インターネット上の有害情報対策を図るため、インターネット事業者にフィルタリングの開発、提供を求める改正青少年健全育成条例を平成十七年十月一日に施行したところでございます。
 都では、同条例の施行に先立ちまして、条例改正内容の周知用パンフレットを作成、配布いたしました。また、条例の施行を控えた九月には、保護者の代表者のほか、関連事業者や業界団体を集めた会議を開催し、改めて協力を呼びかけるとともに、新聞広告も実施いたしました。
 また、保護者や教員がインターネット上に潜む危険性を理解し、指導できるように、保護者や教員のためのガイドブック十三万部を作成、配布いたしたところでございます。
 あわせて、専門家を学校に派遣して、青少年の適正な携帯電話やインターネットの利用をテーマに、保護者及び教員、児童を対象としたセミナーを十七年度中に六十五回開催したところでございます。

○野上委員 インターネットに接続する手段として、今、パソコンだけではなく、携帯電話を子どもたちは多く使うようになっております。小学校低学年でも、今GPS装置がついていて、自分の子どもがどこら辺にいるかというのがわかるような形で、携帯電話を持たせている親も多くなっております。
 携帯電話については、条例の成立を受けて、各電話会社がフィルタリングサービスを開発し、現在は無料でサービスを提供しているということなんですが、なかなか無料でサービスが受けられるということを一般の利用者の方は知らないでいるのではないかと思っております。
 また、その一方で、携帯電話の利用者にフィルタリングサービスがどのくらい利用されているかは統計的な数字もなく、私たち身近に、ここにいる人たちも、自分のお子さんにフィルタリングサービスをやっているという方は多分余りいないのではないかと思うんですね。まだまだ利用しているという実感が伴っていないと思うんです。
 携帯電話のフィルタリングサービスの利用拡大を図るために、無料ということもありますので、これからしっかりと東京都で取り組んでいただきたいと思いますが、その動向はどうでしょうか。

○小島参事 インターネット上の有害情報へのアクセスを防ぐ上で、フィルタリングサービスの利用は有効でありまして、条例の施行後、本年三月までに主要な携帯電話事業者ではフィルタリングサービスを開発し、無料で提供しております。
 その一方、携帯電話のフィルタリングサービスについては、総務省のモニターアンケートによれば、知らない者が約六割でまだかなり多く、特に保護者に対する認知度を高めることが重要でございます。
 都は、保護者向けにはインターネットガイドブックの配布などによる周知を図るとともに、携帯電話事業者に対しては、子どもが携帯電話の契約をする際に必要な保護者の同意書にフィルタリングサービスの利用を推奨する文言を印刷するよう求め、その実現を得たところでございます。
 さらに、本年七月には、契約の機会をとらえたフィルタリングサービスの利用促進を図るため、PTAの代表やインターネット関係団体に加えて携帯電話販売店などを幅広く集めた会議を開催し、販売時に店頭でフィルタリングサービスの説明と利用の勧奨を行うよう要請するなど、一層の普及啓発に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、保護者に対する広報と事業者や販売店への働きかけを進め、フィルタリングサービスの利用率の向上に取り組んでまいります。

○野上委員 最後に、今ちょうど携帯電話のポータビリティー制度が、二十四日からですか、普及していて、うちの党でも非常に話題になっていて、ソフトバンクに変えようかとかいろいろ今情報が行き交っているんですけれども、ぜひこの機会に、新しく子どもに携帯電話を購入する家庭とか、あるいは機種を変更するとかそういったときに、こういったフィルタリングサービスについても周知徹底をして、サービスの利用率を高めていただければと要望して、終わります。
 以上です。

○高倉委員 交通安全対策についてお伺いをいたします。
 平成十七年度を最終年とする第七次東京都交通安全計画が、この十七年度、最終年度でございますけれども、この計画では、年間の交通事故死者数を三百五十人以下とすることを目標としておりました。私は、何とか死者がゼロになるよう願っているところでございますけれども、平成十七年の死者数は昭和五十四年以来の二百人台となりまして、計画の目標を達成されたところでございます。関係行政機関、警視庁、消防庁、関係団体などが一体となりまして、総合的に交通安全対策に取り組んだ成果であると思っております。
 一方、この第七次計画期間中の交通事故死者数の中身を見ますと、高齢者が大変に目立っております。第七次計画期間中の高齢者の交通事故死はどのような状況であったのか、事故に遭った状況も含めて、ご説明をいただきたいと思います。

○内藤参事 第七次東京都交通安全計画期間中でございます平成十三年から十七年の五カ年間の高齢者の交通事故の死亡者数の状況でございますが、各年とも百人前後の状況で推移してございます。平成十五年以降、全交通事故死者数に占める割合が三割を超える状況になってございます。
 事故に遭った状況でございますが、亡くなった高齢者の九割以上が、歩行中及び自転車に乗っておられるときでございます。

○高倉委員 交通事故死者に占める高齢者の割合というのが三割を超える状況が続いているようでございます。十七年度までの計画の期間中、高齢者の交通事故を防ぐために都として具体的に取り組んできた対策についてお伺いをいたします。

○内藤参事 平成十三年度に策定いたしました第七次東京都交通安全計画では、高齢者の交通安全の確保を重点課題に位置づけまして、これまでも、春、秋の全国交通安全運動、年末に実施いたします東京交通安全キャンペーンにおいて重点項目といたしまして、関係機関、団体とともに高齢者の事故防止に努めてきたところでございます。
 具体的には、福祉保健局の発行いたしますシルバーパス利用の手引の中に、高齢者が交通事故に遭わないための留意事項を記載するなど、普及啓発事業を行う、あるいは、区市町村の実施する高齢者向け交通安全教室等を支援するための区市町村の交通安全教育担当者に対する実務講習会等を実施してきたところでございます。
 さらに、平成十七年度からは、子ども、親、祖父母の三世代の住民が参加いたしまして一緒に交通安全を学ぶ地域の交通安全ふれあいフェア、これを本格実施するなどの取り組みを進めてまいりました。

○高倉委員 高齢者につきましては、平成二十二年には約二百六十万人にふえるとの予測がありまして、超高齢社会を迎えようとしております。歩行中の高齢者に車のライトで反射するものをつけてもらうような、そうした対策をとっているところもあるようであります。
 今後の交通安全対策としまして、特に毎年の交通事故死者が百人前後という状況が続いている高齢者対策に力を注ぎ、新たな取り組みにも全力を挙げ、安全確保に努めるべきと考えますけれども、ご所見をお伺いします。

○内藤参事 今ご指摘ございましたとおり、今後さらに高齢者が大幅に増加していくということを考慮いたしまして、高齢者の交通安全対策を進めていくことが重要であると考えてございます。
 このため、平成二十二年度までの第八次東京都交通安全計画におきましては、高齢者の交通安全の確保を最重点の施策として位置づけまして、高齢者の交通事故死者数を一割減らすという数値目標について、高齢者の部分について初めて設けたところでございます。
 今後とも、例えば歩行シミュレーター機器を活用するなどによりまして、参加体験型の高齢者の交通安全教育、こういったものの充実を図るとともに、歩道のバリアフリー化あるいは高齢者に見やすい道路標識の設置促進を働きかけるなど、関係機関や関係団体等と連携、協力いたしまして、高齢者の交通事故防止に努めてまいります。

○高倉委員 次に、子どもたちの交通安全についてお伺いをいたします。
 幼児や小学生に対する交通安全対策は区市町村などで積極的に取り組まれているようでありますけれども、高校生に対する対応が少ないようであります。高校生は二輪車の運転免許だけではなく、普通車の免許取得が可能な年齢に達するわけであります。したがって、運転手として強い責任を自覚して、道路交通社会に参加することが必要でもある年代であります。
 都内の高校生の交通事故の状況について、まずご説明をいただきたいと思います。

○内藤参事 都内の高校生の交通事故の状況でございますが、平成十七年でございますが、交通事故で亡くなった死者数は五人、それから、交通事故の発生件数二千六百五十二件という状況でございます。
 どういう状況で交通事故が発生したかということでございますが、原動機付自転車も含めて、二輪車に乗っているときが七百四件、それから自転車に乗っているときが千七百九十六件ということでございます。
 十三年からの五カ年間で見ますと、原付も含めた二輪車乗用中が高校生の全事故の発生件数の約三割、自転車に乗っているときが約六割ということで、高校生の交通事故の九割以上は二輪車または自転車に乗っているときに起こっているという状況でございます。

○高倉委員 今のご答弁で、二輪車に乗っているときが三割、自転車に乗っているときが六割ということで、大変顕著な数字になっていると思います。高校生に対する必要な対策が何であるかということが明確ではないかと思います。
 都は、平成十七年度に、高校生を対象とした交通安全教室などを実施したとお聞きをしておりますけれども、その内容や効果についてお聞かせをいただきたいと思います。

○内藤参事 高校生は、今お話ございましたとおり、運転免許を取得できる年齢となりますことから、正しい交通安全知識、自他の命を尊重する態度を育てていくこと、これらが大変重要だと考えてございます。
 このため都では、平成十七年度より、高等学校における交通安全教室を実施してきております。安全教室の内容でございますが、ドライブレコーダーに記録された実際の交通事故場面を活用した、交通事故の悲惨さ、命の大切さを教える交通安全教育、具体的な交通事故事例に基づきまして、損害賠償等の社会的責任に関する講義、加えて体験的な応急手当ての講習などを行ったところでございます。
 これまでに四校、約千名の生徒に対して交通安全教室を実施いたしまして、受講生からは、交通安全意識が高まった等肯定的な回答を寄せられたものが約九割ということで、一定の効果を上げているものと考えてございます。

○高倉委員 交通安全教室などを通じて、高校生に安全知識や命の大切さ、社会的責任を教えていくことは大変大事な取り組みであろうと思います。高校生に対する交通安全教室を充実させ、より多くの生徒たちに受講させることが必要であると思います。今後の取り組みをお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。

○内藤参事 これまで東京都が実施してまいりました交通安全教室は、高校の種別とか地域などを考慮いたしまして、モデル的に実施してきたところでございます。今お話のあったとおり、できるだけ多くの高校生が正しい交通安全知識を直接習得するとともに、自他の命を尊重することの大切さ、あるいは社会的責任を学ぶということができるようにしていくことは大変重要でございます。
 今後、各学校がこれらのことをみずからの課題として取り組んでいくような具体的な仕組みづくりも含めまして、教育庁などとも連携しながら、高校生の交通安全教育の充実に努めてまいります。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で青少年・治安対策本部関係を終わります。

○林田委員長 これより総務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成十七年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成十七年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
 本件は既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岳野総務部長 十月六日の当分科会におきまして要求のございました資料についてご説明させていただきます。
 恐れ入ります、お手元にお配りしております平成十七年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料、総務局の一ページをごらんくださいませ。
 1、職員定数及び退職者数の推移(七年間)でございます。
 職員定数は都全体の年度当初の条例定数の合計でございます。また、退職者数につきましては、都全体で退職手当の支給を受けた者の合計でございます。
 職員定数につきましては平成十二年から十八年度、退職者数につきましては平成十二年度から十七年度までの推移を掲げてございます。
 二ページをごらんいただきたいと思います。2、市町村振興交付金・調整交付金の推移(七年間)でございます。
 振興交付金は市町村が行う公共施設の整備等に要する投資的経費に対し、また調整交付金は市町村が行う各種施策に要する経常的経費に対し、包括的に一般財源を補完する制度でございます。それぞれ事業区分別、配分項目別の交付額の推移を掲げてございます。
 なお、本年度から市町村総合交付金を創設したことに伴いまして、両交付金は廃止したところでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料のご説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○坂本委員 私からは、震災復興対策について伺います。
 この十月二十三日で、六十七人の犠牲者を出しました新潟県中越地震から二年目を迎えました。いまだ五千人を超える被災者が仮設住宅で生活を余儀なくされるなど、被災地の復興は道半ばであります。こうした状況を見ますと、大震災後の復興対策の重要性が改めて認識させられます。
 私の地元板橋区では、今月十五日、赤塚新町小学校におきまして、震災後から復興までの避難生活が長期にわたることを想定し、視覚障害者や車いす使用者などの要援護者に対する総合的な支援訓練が実施されました。要援護者二十名と三百名を超える地域住民が参加し、住民からは、お互いを思いやるコミュニケーションが必要であるとか、ともに支え合うことの大切さを学んだなどの声が聞かれ、復興訓練の重要性を肌で感じ、大きな成果を上げました。
 地震はいつ起きてもおかしくありません。震災後の復興対策を円滑に進めるためには、事前からの対策が極めて重要であります。東京都は、平成十五年三月に東京都震災復興マニュアルを作成し、十六年四月には東京都震災対策条例を改正し、都民と行政とが協働して復興を進める地域協働復興の考え方を明らかにするなど、全国に先駆けて震災復興対策に取り組んでおります。
 そこでまず、都の震災復興対策の基本的な考え方とこれまでの基本的な取り組み状況について伺います。

○石野総合防災部長 阪神・淡路大震災におきましては、震災復興対策をあらかじめ講じられなかったため、暮らしの再建や都市の復興に長時間を要するなどの問題が生じました。
 都では、この教訓を踏まえまして、震災復興対策をあらかじめ準備しておくことが重要であると考えまして、復興の全体像を明らかにするとともに、事前に取り組むべき施策を示した震災復興マニュアルを策定いたしました。
 その後、副知事を長とする東京都震災復興検討委員会におきまして、復興本部の体制や生活支援対策、都市の復興プロセスなどの対応策を取りまとめてきました。
 現在、住宅再建など残された課題につきまして検討しております。その結果を踏まえまして、震災復興マニュアルの充実を図る予定でございます。
 また、住民が主体的に生活再建や地域の復興を推進できるようにするため、平成十六年度から、区市町村が実施する復興市民組織育成事業であります復興模擬訓練を支援しております。

○坂本委員 復興市民組織育成事業は、地域住民が主体となりまして取り組む復興に係る訓練でありまして、都の重点事業に位置づけられている事業であります。
 しかしながら、十七年度決算状況を見ますと、予算額三千万円に対し、二〇%の執行率になっております。この原因は何か、伺いたいと思います。

○石野総合防災部長 平成十七年度は二十地区を予定しておりましたが、五地区にとどまっております。この理由としましては、復興に対する意識が地域に浸透していないこと、区市町村における震災復興に対する取り組みに温度差があること、さらには、まちづくりの復興などハード中心の訓練であったことなどが考えられます。

○坂本委員 この事業は十八年度も継続しておりますけれども、実施団体をふやすなど、どのような対策を講じているか、伺いたいと思います。

○石野総合防災部長 復興市民組織育成事業を拡充するため、これまでのまちづくりを中心としました訓練に加えまして、震災後も高齢者などが地域で生活し続けられるよう、暮らしを支え合える訓練なども新たに事業の対象に加えることにいたしました。
 また、区市町村防災担当課長会を通じまして先進事例を紹介するなど、未実施の区市町村に対し、積極的に働きかけを行っているところでございます。この結果、本年度は現在、九地区で実施する予定となっております。今後、さらに実施団体の拡大に努めてまいります。

○坂本委員 本事業は地域にとりましても大変意義のある事業でありまして、今後とも多くの地域で実施されるよう、さらに働きかけを行うことを要望いたします。
 ところで、阪神・淡路大震災におきましては、復興の際に、マンションの建てかえや借地借家に係る権利調整に長期間を要するなど、地域住民が大変ご苦労されたと聞いております。
 円滑な復興を進めるためには、弁護士や司法書士など専門家の支援が不可欠であると考えております。都はどのような取り組みを行っているか伺いたいと思います。

○石野総合防災部長 震災後の生活復興やまちづくりを円滑に進めるためには、委員ご指摘のとおりでございますが、マンションの建てかえなどの複雑な権利調整であるとか、土地家屋の適正な評価など、専門家による支援体制を整備することが重要であると考えております。
 このため、震災後の復興まちづくりを円滑に実施し、被災住民の生活の早期安定を図るため、弁護士会や司法書士会、土地家屋調査士会など十四団体と、復興時の支援協定の年内締結に向けまして、現在、調整しているところでございます。

○坂本委員 ぜひ早期に支援協定を締結いたしまして、復興のための条件整備を進めてほしいと思います。
 震災後一日も早く復興を図るためには、事前の対策が極めて重要であります。最後に、今後の復興対策への取り組みにつきまして所見を伺いまして、質問を終わります。

○石野総合防災部長 震災後の生活再建や都市復興を円滑に進めるためには、住民が主体となって取り組み、それを、都と区市町村がそれぞれの役割に基づきまして、緊密に連携しながら、積極的に支援していくことが重要であると考えております。
 このため、今後都は、復興市民組織育成事業の成果と復興模擬訓練の手法を取りまとめまして、区市町村が住民と連携して訓練を行えるよう働きかけを行っていきたいと考えております。
 また、事前の復興対策への取り組みが十分でない区市町村もございますので、区市町村におけるマニュアルの策定を促進するため、標準的なマニュアルを作成しまして、復興対策の強化を図ってまいりたいと思います。

○西岡委員 東京都の行政改革について何点か伺ってまいります。
 都の行政改革は、職員定数の削減などを積極的に進め、財政再建にもつなぐ取り組みを行ってきたと思います。行政改革はこれで完了というものではなくて、環境変化などに合わせて、常に検証して進めていくべきものであります。
 そこで本日は、これまでの東京都の行政改革の取り組みを確認する意味で、特に第二次都庁改革アクションプランの達成状況と課題を中心に、何点か伺います。
 本年六月に総務局が発表した第二次都庁改革アクションプランの実施状況報告書によりますと、平成十七年度ということで、平成十八年三月末までに、全施策数二百八十九のうち、一部の実施を含めて、約八五%に当たる二百四十六の施策を実施したとのことであります。
 このプランの終了年次は平成十八年度、今年度でありまして、残された期間もわずかとなります。残っている一五%の施策の今年度中の達成の見通しについて、まず伺わせていただきます。

○松崎行政改革推進部長 第二次都庁改革アクションプランに掲げております実施施策のうち、十七年度末時点で未報告となっております施策は四十三ございます。この中には、十八年度に実施する施策や、期間中継続して取り組み、最終的に十八年度末に報告することとしている施策などがございます。
 現在、十八年度の取り組み状況の中間調査を行っているところでございますが、プラン策定後の状況変化によりまして、施策を変更した上で行財政改革実行プログラムに引き継ぐこととしたものもございます。こうしたものを除きまして、可能な限り各施策を年度内に実施するよう各局に促してまいりたいと考えております。

○西岡委員 現在中間調査中ということで、策定後の状況変化もあって、新たな行財政改革実行プログラムに引き継ぐこともあり、また、残っているものに関しては可能な限り各施策を年度内に実施するよう各局に促していきたいというご答弁でありました。
 十八年度は第二次都庁改革アクションプランの最終年度でありまして、残された期間はわずかであります。プラン策定後の状況変化などにより変更せざるを得ないものを除いて、全施策の達成に向けて、さらに努力をしていただきたいと思います。
 私は、行革というのは、行政みずからがつくった行政改革の計画というものは、完全実施をしていくということが原則であろうと思っておりますので、強く要望しておきたいと思います。
 一方、こうした行政改革の取り組みについては、ただ単に実施したというだけでは意味がなく、計画の進行管理とともに、実施後の検証ということが極めて重要だと思います。改革の効果を評価、検証し、さらに効果的、効率的な方法はないかということを常に検討していく、こうした不断の見直しが必要であります。特に都民生活に密接に関連する福祉や教育などの分野では、実施以前に都民や関係者からさまざまな意見があった分野でもありますので、十分な検証、検討が必要と考えております。
 そこで、総務局といたしましては、さまざまな行政改革の取り組みの実施後の評価や検証についてどのように取り組んでいくのか、ご所見を伺わせていただきます。

○松崎行政改革推進部長 都はこれまでも、社会経済状況の変化や多様化する都民ニーズに合わせて必要な行革プランを策定いたしまして、不断の行政改革を鋭意推進してまいったところでございます。新たなプランを策定いたします際には、既に実施済みといたしました改革内容につきましても、所管局を初め全庁的な視点から十分検証を行った上、改革施策等を検討しているところでございます。
 例えば教育分野の施策でございますが、学校経営支援センターの設置につきまして、第二次アクションプランにおきましては既に実施済みといたしておるところでございますが、行財政改革実行プログラムでは、センター開設後の執行状況や集約化の効果を検証するとともに、他の本庁組織の執行体制の見直しをあわせて行うこととしているところでございます。
 今般策定いたしました行財政改革実行プログラムにおきましても、こうした仕組みによって策定をいたしておりまして、今後も同様に行っていく考えでございます。

○西岡委員 行革実施後の説明責任を果たすという意味からも、都民への公表も含めまして、ぜひとも行革実施後の効果がどうであったのかということなどを積極的に都民に公表していただきたいということを改めて要望しておきたいと思います。
 次に、行政改革の取り組みの中で最も重要な事項の一つであると考えます、人事制度改革について伺ってまいります。
 私は、人事制度については、本年の予算特別委員会でも、団塊世代の大量退職に伴う退職金の問題について質問いたしましたが、本日は別の角度から質問したいと思います。
 団塊の世代の大量退職は、技術、技能の継承など、民間企業でも大きな課題になっています。都庁においても、今後十年間で何と四割もの職員の方々が退職することとなります。一時期にこれほど退職するのは、採用の問題もあると思いますが、都職員の年齢別構成が現在どうなっているのかをまず伺わせていただきます。

○中井人事部長 平成十七年四月現在の教員、警察、消防を除く職員の年齢構成を見てみますと、団塊の世代に当たります五十七歳前後、この五十七歳が約三千人おりまして、ここをピークに一つの大きな山ができております。一方で、第二次オイルショック時の採用を抑制した時代がございましたが、そのときに採用された職員、現在おおむね四十代になっておりますが、ここにつきましては、四十七歳が一千百人でございまして、そこを底に谷を形成しているという状況にございます。さらにそれより若い世代、いわゆる団塊ジュニア世代に当たります三十代の前半、ここは三十三歳の約二千三百人をピークに、第二の山を形成しているという状況でございまして、都の職員の構成全体で見ますと、退職間際の五十代の後半が大きな山、そして三十代に小さな山ということで、二こぶラクダのような形状になっております。

○西岡委員 今ご答弁にありましたように、二つの山があるということで、一般的には筒型が一番いいということでございますが、少し今後の定員管理のところで考えていかなければいけないなという課題もあろうかと思いまして、次の質問に移りますが、今後、新規の学卒の市場が縮小していく中で、公務部門がむやみに退職数に見合った大量採用を行うこと、これは避けるべきだと思います。
 しかし、少数精鋭の体制を構築していくためには、質の高い職員を獲得していくことが不可欠だと考えます。例えば金融、情報システムなど民間の技術、ノウハウを持った者や、大学全入時代の到来など社会の高学歴化に対応した採用制度にしていく必要があると考えますが、この採用制度に関しまして、現在のご所見を伺わせていただきます。

○中井人事部長 都におきましては、民間企業等における有用な職務経験を生かすため、平成五年度から、一般職員レベルの経験者採用を行ってまいりました。これに加えまして、平成十五年度からは、主任レベルでも経験者採用を実施してきたところでございます。
 しかし、専門職大学院の設立など、社会全体の高学歴化が近年一層進んでおりますことや、政策対応力のある多様な人材を確保する必要があるということなどから、今般、採用制度を大幅に見直したところでございます。
 具体的には、民間企業経験者や大学院修了者など、公務に有用な経験を有する者を対象とした採用区分や財務、情報システムなど専門性の高い人材を確保するための採用区分を設定するとともに、これまで以上に面接試験に力を入れ、人物重視の採用制度としたところでございます。

○西岡委員 新たな採用制度によりまして、これからの都政にぜひともふさわしい、大変貴重な人材、質の高い職員の方々を確保していくことを、常に採用制度を検証しながらも、ぜひ進めていただきたいと思いますし、私としても期待をして見ていきたいと思っております。
 さて、今後の採用数については、過度に増減するのではなく、一定程度コンスタントに採用していくべきと考えます。そのためには、職員定数が今後どうなっていくのかが大変重要だと考えます。都として、今後職員の定数についてどうしていくおつもりなのか、伺ってまいりたいと思います。

○中井人事部長 都は、国や他の自治体に先駆けまして、これまでも一貫して職員定数の削減に取り組み、ぬきんでた実績を上げているところでございます。
 しかし、職員の大量退職や労働市場の縮小などの状況を考えますと、今後は少数精鋭体制を一層推進していく必要があると考えております。このため、全庁挙げて簡素で効率的な執行体制の整備や事務事業の見直しを行うとともに、多様な経営改革手法の積極的な導入、公営企業の抜本的な改革などの取り組みを進め、今後もさらなる職員定数の削減に取り組んでまいります。
 具体的には、平成十九年度から平成二十一年度までの三カ年で四千人程度の定数削減を行うことといたしております。

○西岡委員 東京都がこれまでも職員定数の削減に努力してきたことは評価できるところだと思いますが、しかし、当面手綱を緩めることなく削減を進めるとしましても、業務量に見合った自治体の適正なといいますか、理想的な職員のある一定の規模があるとは考えております。
 きょうのところはあえて質問できませんけれども、先の見えない削減では、職員の方々の不安が高まることを懸念しております。今後、東京都庁というのはどれぐらいの職員の規模が一番適正で、安定した状態になるのかということを、これはいずれ明らかにしていかなければいけないんだろうと思っております。
 現時点では大量退職が大変大きいわけで、それに見合った職員は入れられないですし、都庁の財政再建を考えれば、職員の数を減らしていくのは当然のことだと思っています。しかし、いずれ近い将来、団塊世代の方々の大量退職が終わった後に、東京都庁としてはどれぐらいの職員の規模が一番適正で、行政としての仕事が一番やりやすい状態になるのか、理想的な姿はどうなのだろうかということ、これは示していかなければいけないと思いますし、ぜひその準備をしておいていただきたいということを要望させていただきます。
 引き続き人事制度について伺いますが、職場を支えるのは職員一人一人であります。公務に対する高い気概と使命感を職員が持ち、都民の期待にこたえていくためには、おのおのの職員の方々の意欲と能力を引き出し、生かし得る処遇、給与制度が不可欠だと考えています。
 そこで、職員の皆様方のやる気を引き出す給与制度についてどう考えているのか、その認識を伺わせていただきます。

○中井人事部長 職員の意欲を引き出していくためには、努力し、業績を上げた者が報われる給与制度にする必要がございます。
 都の給与制度においてはこれまでも、昭和六十一年度に全国に先駆けて導入した、業績評価を踏まえた昇給制度を実施するなど、さまざまな改革に取り組んでまいりましたが、昨年度はさらに、職責、能力、業績をより重視した方向に大きく踏み出し、新たな制度に移行したところでございます。
 具体的には、年功的な給与上昇を抑制した給料表に改めるとともに、昇給についても、職員の業績を最もよく把握している課長の意向が十分に反映される仕組みなどを導入したところでございます。
 今後とも、こうした制度を適切に運用し、職員のモラールの向上、組織の活性化に努めてまいります。

○西岡委員 東京都が昨年、平成十七年度中に、給与制度についても、職責、能力、業績の的確な反映という視点から、めり張りのきいた処遇となるようさまざまな大きな改正を行ったことは評価できると思いますし、このことが東京都内の市区町村にも伝わっていく。都内の市区町村の方々は東京都の人事制度を注目し、またほとんどの市区町村の方々が東京都の人事制度を活用しているというふうに思っております。
 民間においては、職員の業績に応じてボーナスの支給額に格差をつけることは当然のように行われております。そこで、東京都において、職員の業績はどのように勤勉手当へ反映されているのかも伺わせていただきます。

○野口勤労部長 都においては、勤勉手当について、勤務成績に応じて支給額に差をつける、いわゆる成績率を設定いたしております。成績率は、平成六年度から全管理職に、また平成十五年度からは、全国の自治体で初めて一般職員に導入しております。
 具体的には、業績評価に基づきまして、管理職は五段階で、一般職員は係長級以上に対しまして三段階で適用いたしておりまして、それぞれ支給額に差をつけております。
 一般職員の成績率につきましては、仕事に対する取り組み姿勢の向上など、一定の効果があると認識しております。

○西岡委員 努力をして業績を上げた職員の方が報われる給与制度を築いていくことによりまして、職員のやる気を引き出し、ひいては管理職を目指す職員が増加していくことを期待しております。
 この前の委員会でも少し議論になりましたが、管理職試験が低迷していたということもあるようであります。ぜひともこの給与制度の面におきましても、本当に頑張った人が報われる、そして職員の方々のやる気を引き出せる、そんな制度を常に検証していっていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 最後になりますが、私は行政改革というものは、質と量と組織機構の三位一体の改革が重要だと、個人的に考えております。
 しかしながら、これまでの都の行革は、どちらかというと、職員定数の削減など量的な改革が中心であったように感じられます。今後は、質的な改革こそ重視をしていくべきではないでしょうか。
 そこで、東京都の行政改革の今後の展望について伺いまして、私の質問を終えます。

○松崎行政改革推進部長 本年七月に策定いたしました行財政改革実行プログラムにおきましては、多様な主体がかかわる豊かな公の構築、政策対応力の高い執行体制の確立、スリムで効率的な行政運営の実現の三点を改革の柱といたしております。
 また、継続的、長期的な懸案事項の解決と新たな課題解決に向けた体制整備、都民の安全・安心を確保する仕組みづくりなどを改革のポイントとしているところでございます。
 ご指摘のございました質、量、組織機構という三つの視点につきましては、本プログラムに盛り込んでいると考えておりまして、今後とも、この視点を踏まえて、着実に行政改革を進めてまいりたいと考えております。

○野上委員 私の方からは、この決算説明書の七二、七三ページにございます公立大学法人首都大学東京の運営に関して質疑をさせていただきます。独立行政法人化に伴って、総務局の所管ということで質疑をさせていただきます。
 首都大学東京は、都立の四大学、東京都立大学、東京都立科学技術大学、東京都立保健科学大学、東京都立短期大学、この四つを再編統合した首都大学東京ということです。
 それから、独立行政法人化を行ったということで、大きな改革を同時に行ったということで、地方自治体が大学を有する意義は何ぞやという大議論を行って、設立にこぎつけたという経過がございました。
 大都市における人間社会の理想像の追求ということで、これを使命として、平成十七年四月に開学をしたわけでございます。平成十七年四月六日だったと思うんですが、首都大学東京の入学式に私も参加をさせていただきました。
 開学して一年半が経過したわけでございます。新大学になって、教育研究面で開学の理念や目標を達成するために具体的な取り組み状況がどうなされているのか、また、南大沢とか日野とか荒川とか、分散しているキャンパス間での学生の交流がどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

○影山首都大学支援部長 まず教育面でございますが、大都市におけるさまざまな課題を解決し、リーダーシップを発揮することができる人材の育成を目的といたしまして、例えば基礎ゼミナールとか現場体験型インターンシップなど、首都大学東京ならではの新しい基礎教育を実施しております。
 また研究面では、大学の使命に対応した大都市の課題解決に資する研究に積極的に取り組んでいるところでございます。
 キャンパスの状況でございますが、全学部の基礎教養教育を南大沢キャンパスで一元的に実施することで、南大沢、日野、荒川という異なるキャンパスの学生が同じ教室で学習する機会が確保されております。また、サークル活動やイベントを通じた学生同士の交流も活発に行われるなど、一体感の醸成が図られつつあると思っております。

○野上委員 今、首都大学東京の中には、首都大学東京の学生と東京都立大学の学生が混在しているわけですけれども、これが一緒になって、南大沢キャンパスの中でも一体感の醸成が図られつつということで、それプラス、他の四つの大学とも活発に交流がなされているということですね。
 決算説明書七二ページによりますと、都はこの法人に対して、標準運営費交付金、それから特定運営費交付金、施設費、合計して約百五十二億円ですが、これを支出しているわけです。法人を安定的に運営していくためには財源の確保が重要になります。法人全体の予算規模はどの程度で、そのうち都からの支出金の占める割合はどれくらいになるんでしょうか。

○影山首都大学支援部長 平成十七年度の法人の予算規模は総額二百十二億円でございます。このうち、運営交付金など都の支出金の占める割合は七一・三%となっております。このほか授業料、入学料等のいわゆる自己収入が五十一億円、率にしまして二四%、それから受託研究、寄附金、補助金等の外部資金が十億円、約四・七%となっております。

○野上委員 合計して二八・七%が大学の方で確保している資金ということですね。
 法人の予算のうち、都の支出金が七割以上を占めているということですが、運営費交付金は基本的にどのような考えで算定をしているのか、そして交付をしているんでしょうか。

○影山首都大学支援部長 法人に対しまして交付します標準運営費交付金のうち、使途を定めない百二十五億円については、平成十六年度におきます大学関係の予算をベースに、法人化に伴って必要となる初期経費を加味して算定したものでございまして、都として法人運営に必要な財源を措置したものでございます。
 その上で、法人化のメリットを生かし、法人運営に経営感覚を取り入れ、効率的な運営を促す見地から、中期目標期間であります六年間に、標準運営費交付金を毎年二・五%ずつ減額することとしております。

○野上委員 六年間に標準運営費交付金を毎年二・五%ずつ減額ということですね。毎年二・五%、分母が大きいですから、かなりなお金になると思うんですけれども、これを毎年二・五%、六年間減額するということで、将来的に人件費が不足するとか、教育研究に支障を来すということは考えられないんでしょうか。

○影山首都大学支援部長 標準運営費交付金は大学運営や人件費などに充てられておりますが、教員の人件費については、中期目標で定めた教員定数七百二十人分を十分賄えるように措置しているため、不足することはないと考えております。
 さらに、法人におきましては、業務の効率化や支出の削減を図るとともに、自己収入をふやしたり、外部資金を獲得するなどの経営努力を行えば財源を生み出すことができ、これにより教育研究の質の向上を図ることができるというふうになっております。

○野上委員 次に、首都大学東京は、社会に開かれた大学として、学術研究の成果を社会に還元し、都民生活の向上、地域経済の発展などに寄与するため、産学公連携の推進というのが期待されております。
 公立大学法人首都大学東京業務実績評価書というのが出されているんですね。これは東京都地方独立行政法人評価委員会が出しているものなんです。この一五ページを見ますと、「産学公連携センターを設置し、産学公コーディネーターを配置するなど、外部資金獲得体制を整備した点は評価する。しかし、外部資金獲得額が十億円という数値目標を大幅に下回ったことは課題である。この結果について、調査・分析するなど今後に向けて検討が必要である。今後、企業からの外部資金獲得に向けて、大学としての取り組み姿勢、体制・制度、教員の意識変革、獲得に対するインセンティブなど一層の改革が望まれる。また、寄附金を基にした奨学金制度の創設などの整備が遅れた点も課題であり、早急な対応が望まれる」というようなことも書いてあるんです。
 この産学公連携なんですけれども、地域経済の発展などに寄与するために、産学公連携の推進が期待をされておりますが、産学公連携については、さっきのことも加味して、これからどのように取り組んでいくのか、今後、またそれをどう発展していくのかということについてお知らせください。

○影山首都大学支援部長 首都大学東京では、産学公連携センターを設置いたしまして、産学公コーディネーターを配置するなど、研究成果の発信や企業ニーズの収集、都や区市町村との連携、交流に取り組みまして、平成十七年度、二百六十七件の受託研究、共同研究を実現するなど、研究成果の社会還元に努めているところでございます。
 しかし、先生今ご指摘のように、外部資金の獲得としては、平成十七年度の実績で見ますと、受託研究、共同研究での収入は約六億円にとどまりまして、十億円という数値目標を下回ったことから、ご指摘のありましたように、東京都地方独立行政法人評価委員会による業績評価においても、年度計画を十分に達成できていないという厳しい評価をいただいているところでございます。
 今後、法人におきましては、産学公連携センターが主導しまして、大学のシーズを今まで以上に積極的に提供、PRするとともに、都の産業支援機関との連携を強化し、企業等との積極的なマッチングにより、外部資金等の増加を図るものとしております。
 都といたしましても、大学と各局との連携体制を強化するとともに、企業との連携をバックアップするなど一層の支援に努めてまいりたいと思います。

○野上委員 さっきの社会貢献のもう一つの柱というところなんですが、首都大学東京では、オープンユニバーシティーというのを設置して、多くの都民向けの講座を用意している、それから自治体と連携した講座も開設しているということをお聞きしておりますが、その状況についてお知らせください。
 それから、今後それをどのように、講座をもっと多くするとか、そういう今後の展開についてもお知らせください。

○影山首都大学支援部長 オープンユニバーシティーは首都大学東京の開学とともに開設し、平成十七年度には、教養講座など百四十九講座を開講し、幅広い年齢層から延べ約五千六百人の皆様に受講いただいたところでございます。
 平成十八年度は三百講座以上の開講を予定しておりますが、東京の歴史、文化や環境問題などの一般向けの教養講座だけでなく、都が抱える重要課題であります危機管理とか防災まちづくりなどの問題についても集中的に学べる講座を設置しているところでございます。
 今後も、利用者のニーズを踏まえまして、一般都民の方々はもちろん、自治体職員や企業関係者の研修講座としても役立つよう、多様な講座運営に努めてまいります。

○野上委員 最後ですが、いよいよ平成十九年度から大学全入時代が到来して、大学さえ選ばなければどこでも入れるような、そういう時代に入ってきます。その分逆に、有名大学、行きたい大学、就職率のいい大学とか、大学間競争が激化されると思っております。
 このような中で、首都大学東京は、大都市で活躍する人材の育成や大都市の課題解決に貢献する教育研究を実践し、より一層、その存在意義を示していかなければならないと思っております。
 都民の税金を大量に投入している首都大学東京ということで、都民に対しての社会貢献を行う、そういった人材をしっかりと育成をしていく責務があると思っております。
 もう一つ、大学の大きな目的の中に、教育研究の実践だけでなく、先ほどいいましたいろいろな形での社会貢献、それから産学公連携センターとか、オープンユニバーシティーとか、大学が持つ知的な資源を広く社会に還元し、都民生活の向上や社会経済の発展など、社会に貢献する大学となるように、一層の努力を期待して終わります。
 以上です。

○古館委員 それでは最初に、三宅島問題についてお尋ねします。
 三宅島雄山の火山噴火から六年余りが経過しました。全島避難を余儀なくされた三宅島民の多くが、今は帰島して生活をしています。
 三宅島民と行動をともにしてきました、私どもの寺本恒夫村議によりますと、東京での避難中に病気になる人が非常に多かった、この間に孤独死された方が村の把握で五人おりました。
 住民は、三宅へ帰ってきたら見違えるように元気になった方もいれば、また逆に、避難中はしっかりしていたのだけれども、帰島と同時に弱ってしまった方など、両極端の形であらわれてきているとのことであります。
 寺本村議は、もともと教員で、みずから志願して三宅島で長い間教鞭をとっていた人で、今一番胸を痛めている問題が、子どもたちの荒れがひどくなっていることだと話してくれました。
 全島避難に際しては、実はご存じのとおり、児童生徒全員が、当初、秋川市にある全寮制の秋川高校の寮に、小学校一年生から高校生までが入寮しました。親と離れ離れになったりと、文字どおり波乱万丈の幼少年期を過ごして、その子どもたちの荒れが今ピークに達していて残念でたまらないと、このように話しております。
 村役場の職員は、みずからも被災者でありながら、災害事務と通常事務をこなすという想像を超える激務の中で、半数近い職員が退職してしまったと聞いています。
 三宅島と島民の復興については、まだ緒についたばかりとの感を非常に強くしております。
 そこで、幾つか質問をしたいと思います。
 第一は、都として現在の三宅島の現状をどのように認識され、把握されているのか、お答えいただきたいと思います。

○前田行政部長 三宅島では、昨年の二月に帰島以来一年八カ月が経過いたしまして、島民の生活にも落ちつきが見られるようになりましたが、火山ガスの放出につきましては、全体として減少傾向にはあるものの、依然としてきょうも続いております。
 こうした厳しい状況の中、三宅村におきましては、来年の再開に向けまして特別養護老人ホームの整備を進めるなど、災害復興事業や産業振興に着実に取り組んでいるところでございますが、いまだ三宅島は復興への道筋の途上にある、このように認識をしております。

○古館委員 それで、以前は災害対策本部というのがあって、東京都はかなり強力な形でその陣頭指揮をとっていたぐらいに、大きな役割を果たしていたと思うのです。
 しかし、現時点では、三宅に対する都としての支援体制、これがどのようになっているのかということを、非常に私も不安に思っております。
 なぜかといいますと、帰島したのだけれども、先ほどいった役場の事情もそういう事情があったりして、本当にこれでうまく復興が進んでいくのかなという懸念が率直にいってありますので、今の支援体制というのがどのようになっているか、お答えをいただきたいと思います。

○前田行政部長 東京都といたしましては、三宅村の災害対策本部の廃止に合わせまして、平成十七年度末をもちまして、それまでございました三宅島帰島支援対策本部を終了いたしました。しかし、三宅島の災害復興に対します支援は引き続き必要であると、このように考えてございます。
 このため、総務局といたしまして、災害復興特別交付金等、必要な村への財政支援を行うとともに、普通交付税算定におきます人口面での特例措置、あるいは特別交付税の所要額交付を国に強く要望をしております。
 さらに、国とも連携を図りつつ、都庁各局の三宅島に関連する事業を総合的に調整するなど、復興の主体でございます三宅村の取り組みを積極的に支援しているところでございます。

○古館委員 そのことは、非常に大事な、今、お答えをされたと思います。ぜひ引き続いてそうした支援をしていただきたい。
 私も、一定程度区切りがついているので、今後も三宅島民について気がついたら発言をしたいと思いますけれども、しかし、まとまって発言するのも、これがそういう意味では、そんなにないことかなとも思っていますので、ぜひ総務局としても、各局とも連携しながら大いに支援をしていただきたい、このように思っております。
 そこで質問しますが、三宅島にはガス濃度の観測機器が設置されておりますけれども、この観測機器による最近の火山ガスの濃度についてはどのように把握されているのですか、また、どのように認識しているでしょうか。

○前田行政部長 三宅島の火山ガスについてでございますが、最近の観測データを見ますと、放出量そのものは全体として減少傾向にはございますが、依然として火山ガスの放出は続いており、濃度に関する警報もまだ出ているという状態にあると認識しております。

○古館委員 それで、三池地区などが、ご存じのとおり高濃度地区というふうに指定されているわけですよね。そこの住民の方が行くに行けない、住むに住めない、売るに売れない、本当に苦悩しているんですよ。そこで、そこの方々から声が上がっているのが、居住規制の線引きを、ちゃんと濃度を測定した上でですけれども、狭めてもらえないかと、強く要望しています。
 この点について、都としても村とこうした問題について相談できないかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。

○前田行政部長 先生からお話ありましたように、現在、三宅島では、坪田並びに阿古の二つの高濃度地区がございます。その高濃度地区の居住禁止規制でございますけれども、何よりも島民の安全を確保するために、三宅村といたしまして、三宅村火山ガスに対する安全確保に関する条例に基づきまして、専門家会議の意見を踏まえ、現在、実施をしているところでございます。
 先ほどもご答弁申し上げましたが、火山ガスの放出量は全体として減少傾向にはございますが、高濃度地区につきましては、依然として基準を上回っておりまして、その規制を見直すレベルまで低下はしておりません。
 こうしたことから、東京都といたしましては、この規制につきまして、今後とも村にとって最も慎重に対処すべき事柄である、このように考えてございます。

○古館委員 そういう認識について、今表明されたのですけれども、もう少しここの地域についてはきめ細かな測定を、機器を置いてもらえないかというのも強くあります。
 ここでそれはどうだというふうに聞くわけにもいかないので、この点についてはぜひ、そのことを念頭に置いて村ともよく協議をして対応していただきたい、このことは要望しておきたいと思います。
 それから、三宅島では、実は島民の人がみんながっかりしたことが、ことしあるのですね。なぜかというと、夏場から秋にかけて三宅島に来てくれるであろう観光客が、というふうに当てにしていたら、連休であっても、お彼岸のときまでずっと、休みになると嵐になったり、雨が降ったり、台風が来たりということで、全然観光客が来なかった。三宅の経済にとりましても、これは大きな打撃となっていて、それよりも大きいのが、失望感の方が大きいのですよね。
 これでどうなっていくのかなと、こういう現状についてどうとらえていらっしゃるか、また、こうした問題について都として何か支援策はないかどうか、お答えいただきたいと思います。

○前田行政部長 三宅島を訪れます観光客の数につきましては、東京都も把握に努めておりまして、いまだ噴火前の水準まで回復していないということは承知をしております。
 三宅村におきまして、本年三月、三宅村観光振興プランを策定しておりまして、ふるさと体験ビレッジ整備事業など、本格的な取り組みを始めております。
 東京都といたしましては、このプランに盛り込まれた諸事業の支援に加えまして、平成十九年、来年秋に第一回開催を予定しておりますオートバイレースにつきまして、三宅村の観光振興の起爆剤となるよう、積極的に村を支援してまいりたいと考えております。

○古館委員 今いった、観光客がほとんど来なかったという、そういう状況については認識しているんですよね。
 今表明されたんですが、オートレースという話だったですよね。これはぜひ十分な協議といいますか、そういうことを重ねてもらいたい。
 特に、アカコッコとか、三宅には三宅の、そうした小動物を初めとして生存しているわけで、そうした中でのオートバイということのもたらす影響だとかということも懸念している人も少なくありません。したがって、こういう開催についても、十分な協議の上で検討していただきたいと思います。
 それで、観光客について、実は三宅島民の方が切実に求めているのは、三宅空港を早く再開してもらえないかということなんですね。
 どうしてかというと、海が荒れると船は欠航になっちゃう。しかし、空の方は、仮に海がだめでも空があるんじゃないかということに対して、非常に期待を寄せています。今や三宅村と島民の悲願ともなっているのが三宅空港の再開なんですね。早期実現に向けた対応策を求めますが、いかがでしょうか。

○前田行政部長 三宅島航空路の再開でございますが、まず、空港設備につきましては、都は既に三宅島空港ターミナルを高濃度地区外に移設するなど、整備を済ませてございます。
 一方、航空機の運航につきましては、火山ガスの放出が依然として続いております。その中を飛行機が飛ぶということになりますので、安全運航体制の整備、機体の維持管理等のさまざまな課題がございます。
 そのため、港湾局におきまして、火山や気象、健康等の専門家、それから航空事業者等の意見を聞きながら、航空路再開のための課題について、現在検討しているところでございます。

○古館委員 前向きにそういう形でやられていますので、早期にそうした島民の声にこたえていただくように、私の方からも強くお願いしておきたいと思います。
 次に、多摩振興についてお尋ねしたいと思います。
 実は、昨年の一月に「多摩リーディングプロジェクト」という、こういう冊子が出されました。「明日の多摩を拓く」という副題がついていますけれども、これにかかわりながら、何点か質問したいと思います。
 まず、この多摩リーディングプロジェクトというのが出された目的はどういうものでしょうか。そして、その後の進捗状況はどうなっておりますか。

○前田行政部長 これからの多摩は、その持てる地域の優位性をより高め、発揮させていくことによりまして一層の発展を目指していく、こういうことが必要と考えてございます。
 ご質問の多摩リーディングプロジェクトは、こうした認識のもとで、多摩の首都圏において果たす役割を踏まえ、都がどのように多摩振興に取り組むのかを基本施策として明らかにする、こういうことを目的に策定いたしました。
 現在、策定から二年目を迎えておりますが、都みずからが実施する二十の多摩重点推進事業につきましては、それぞれの事業ごとの計画に応じた進捗状況を把握しておりますが、着実に進んでいるところでございます。

○古館委員 今答弁されたのが、恐らく三ページあたりのことをいっているのだと思うのですけれども、この計画の中で私が気がかりなのは、多摩の首都圏に果たす役割を踏まえてということがかなり強調されているんですよね。
 多摩の首都圏に果たす役割というのか、それとも多摩に住んでいる人のことを考えるのかという、この点ではえらい違いがあります。多摩振興の基本施策を明らかにするという点で、ここでいっているねらいが多摩の首都圏に果たす役割、こういうことがいわれているのですよね。
 広域的立場から都の重点的事業を明らかにする、ですから、多摩で、それぞれの市だとか町村がどういうことがということではなくて、多摩の首都圏に果たす役割を踏まえて多摩の振興の基本施策を明らかにすると。
 ですから、広域的立場から都の重点的事業を定めて、場合によっては基礎的自治体が、これは超越する問題になりかねないということが懸念されますので、この点について、やはり指摘をしておきたいと思います。
 そこで質問しますけれども、この多摩リーディングプロジェクトでの最大の問題点が、その直後の予算特別委員会で、我が党の清水委員が、とりわけ市民生活関連施策での多摩格差の解消という問題が据えられていない、このことを強く指摘しましたけれども、多摩振興の主役は、あくまでもそこに住む住民であり、住民と密着した自治体としての市町村だ、このように認識していますけれども、その点についていかがですか。

○前田行政部長 多摩に限らず、地域の振興に当たりまして、自治体でいえば基礎的自治体であります市町村が行う事業、広域的自治体が行う事業、それぞれございます。
 多摩振興に取り組むのは都でもあり市町村でもあり、また先生お話になりました住民でもございまして、それぞれがその役割を十全に果たすことが一番重要だと考えております。
 多摩リーディングプロジェクトは、そうした意味で、広域的自治体である東京都の立場から多摩地域を総合的にとらえ、多摩振興を実効あるものとするために、都みずからが重点的に取り組む事業を中心に明らかにした、こういうものでございます。
 それぞれの事業の推進に当たりましては、地元の市町村の意見を十分踏まえるとともに、連携を密にして、多摩振興の実効性を高めております。

○古館委員 今、都の立場からと強調されたから、余計にちょっと心配しているのですけれども、最後に、それでもまあ十分に協議するということもいわれていますので、そこは本当に大事にしていただきたいなと思っています。
 なぜ私、このことをいうかというと、二十の事業が出されていて、一番から番号が振られているのですよね。一、二、三、四と。
 それで、一番目が何かというと圏央道アクセス道路の整備という形で、要するに圏央道のアクセス整備が一番、二番目が多摩南北道路主要五路線の整備、それから、でっかい道路づくりというのが、まずどおんと座ってくる。私は、それぞれで、地域の皆さんが必要だという道路もあれば、この道路は通過道路だという形で、逆に、そのことによって被害をこうむるのじゃないかという、いろいろな形であると思うのですね。
 ですから、私はそのことをかなり心配しているし、そういう形で、先ほど私がいいましたけれども、あくまでも市町村、そこに住んでいる住民の声というのが大事だというふうに考えています。
 そこで質問しますけれども、二十の多摩重点事業が並んでいますけれども、この順番は、都の施策展開における軽重の順位をあらわしていると考えていいのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。

○前田行政部長 二十あります多摩重点推進事業は、多摩の新しい基盤をつくる、産業のフロンティアになる、豊かな自然を再生し生かす、安心を高め未来をはぐくむ、こういう四つの施策テーマごとに整理しております。
 いずれも多摩振興にとって重要な施策であると、このように考えております。

○古館委員 だからこそ、先ほどからいっていますけれども、東京都として重要だと。
 この問題は、この間ずっと議論されているオリンピックとも関連して、そこに合わせた整備事業という形で展開されていくわけですので、ここのところについてはやはりきちんと、市町村、それから住民、そこの意見を十分に酌んだ、そういう対応をしていただくことを強く求めておきます。
 次に、多摩の市町村に対する財政支援についてでありますけれども、今後も自主的、自立的な行財政運営、このことを行うということで、頑張っている市町村に対して一層適切な行財政支援を行っていくと、このようにこの中でも書かれております。
 財政支援の問題についてですけれども、それが今日の市町村総合交付金だというふうに理解していいのでしょうか。つまりこれ、今年度にかかわっている質問になっているのですけれども、申しわけない、つながりがありますので、ちょっと質問させてもらいました。

○前田行政部長 多摩・島しょ地域の振興に当たりましては、まず第一に、地域の発展を支える市町村みずからの自主的、自立的な取り組み、それと合わせた東京都の適切な財政支援が必要だ、こういうふうに考えております。
 東京都は、こうした観点から、本年度十八年度、これまでございました振興交付金、調整交付金などを統合、継承いたしまして、市町村に対する包括的な財源補完制度として市町村総合交付金を創設しております。
 これによりまして、市町村の自助努力、それからそれぞれの団体の創意工夫が十分に発揮される、こういうことを通じて多摩・島しょ地域の一層の振興を図っていく、こういうことでございます。

○古館委員 そこで、もう一つなんですが、今の答弁はわかりました。
 東京国体の開催というのが、実はこの中にもあって、別に私、順番にこだわっているわけじゃないのですが、最後に東京国体の開催が挙げられている。これは、通常というか、我々が口にするのは多摩国体というふうにも呼んでいるものでありまして、結構、多摩の市長会なんかでは多摩国体を成功させたいと、かなり気合いが入っているなという感じがしています。私は、この取り組みこそ、都としても市町村と市民の取り組みを尊重しながら、しっかりと財政支援を行う必要があるんじゃないかと思っています。
 現に、市長会などでは多摩国体を非常に重視しておりまして、したがって、市町村総合交付金が、個性ある住みやすいまちとしてアピールすることにもなるものとして重要であります。市町村総合交付金を、そういう点でも意識的にふやすことが求められていると考えますけれども、どうでしょうか。

○前田行政部長 市町村総合交付金は、多摩・島しょ地域の発展を一層促進するという観点から、市町村の行財政を総合的に支援する包括的な財源補完制度でありますが、特定の一つ一つの事業に充てていくという、補助金というものではございません。
 平成二十五年に開催を予定しております多摩国体、多摩・島しょを中心に開催する東京国体という位置づけになると思いますが、それに向けましての施設整備や運営に要する費用につきましては、市長会の要望などを踏まえまして、都の補助制度を新たに設けるということにしております。

○古館委員 今、ご答弁いただきました。それで、国体についてなんですけれども、私は、これはオリンピックと違って--オリンピックはこれから国際競争があるわけですよね。オリンピックも、この間、東京が確かに福岡に勝ちましたけれども、私もオリンピック招致本部とやりとりしました。結局、修正前提での、そういうことが括弧づきで決まったという点では、やはり私は、今の東京の概要計画そのものもかなり見直しを迫られているものなんですよね。
 ところが、国体というのは、オリンピックと違って、開催が既に決まっているものであります。現在、教育庁も一生懸命やっていただいていると思いますけれども、教育庁だけじゃなくて、多摩の振興に深いかかわりを持っているのが総務局でもあり、それぞれがそれぞれのところで局がかかわっているのだろうと思っていますので、これはぜひ総務局も強力に支援する体制なども求めておきたい、これは要望にとどめておきたいと思います。
 立川市などでは、例えば市民バスの運行だとか、三多摩のサミットなどの工夫したものなども対象にしてほしいと。これは何をいっているかというと、先ほどの市町村の総合交付金のことです。それで、市民バスの運行とか三多摩サミットなどの工夫したものなどが、それぞれの市で結構工夫してやっているわけですよね。そういうものなども対象にするなど、きめ細かなものにしたいなという声も、市の中で上がっているようであります。
 これらは、ほかの市町村もいろいろな感想や要望を持っていると思います。こうした市町村の特徴ある取り組みに対して、柔軟に支援ができるよう運用できないでしょうか。いかがですか。

○前田行政部長 多摩・島しょの市町村に対しましては、これまでも振興交付金、調整交付金などによりまして、各市町村の財政力に応じた支援を行いまして、市町村の行政水準の向上を図ってまいりました。
 総合交付金は、これらの交付金を統合、継承し、財政力に応じた支援を行うのは当然でございますが、それとともに、地域の発展に取り組む市町村にとりまして、より使い勝手がよくなるよう、充実を図ったものでございます。
 今後とも、市町村に対して適切な支援を行ってまいります。

○古館委員 この「はじめに」という中の一番最後に、今後、多摩振興をより実効あるものにしていくために必要な見直しを行っていくというふうに、この中では記されています。
 市長会などでも強い要望は、今後の見直しに当たっては、防災、治安、福祉、医療、教育、文化等のソフト系事業をきちんと位置づけることを市長会が強く求めているのは、ご承知のとおりだと思います。
 こうした声をしっかり受けとめることが、多摩の真の振興につながると考えますが、ご見解を伺いたいと思います。いかがですか。

○前田行政部長 多摩リーディングプロジェクトにつきましては、その目的ということでご答弁申し上げましたが、多摩地域が持つ交通の結節点、産業集積、恵まれた自然などの優位性に着目して、これをより高め発展させていくという観点から、今後の多摩地域の発展の基盤となる分野を中心に、総花的な計画を避けまして、都が重点的に取り組む事業を明らかにした、こういう性格のものでございます。
 お話がございましたソフト事業でございますが、都の施策としては、特に地域を限定することなく、区部、多摩を問わず全都的な都民サービスとして行われるものであり、リーディングプロジェクトには含んでおりませんが、これまでも都は積極的に取り組んでおりましたし、これからも着実に取り組んでいくものでございます。

○古館委員 最後に、今もそういうご答弁がありました。非常に強い声が、せっかくこういう総合交付金があって、なかなかソフト系事業がこの中でできにくいという声も、先ほどいいましたが、あります。
 それで、持続可能な都市づくりというのが、今後の展開の中で、これは他の政党もかなり強調していわれているところもありますけれども、これから、それこそ高齢社会という中にあって、それぞれの都市が、あるいは市町村がどういうまちづくりをして、そこで持続的に住んでいけるかということが重要なテーマになると思うのですね。
 ですから、そういうことを考えていったら、このソフト系事業というものも、持続可能な都市づくりの中に極めて大きなものとして位置づけられていくはずであります。私はそのように確信をしています。
 したがって、そういう方向でも、ぜひ実現の方途を確立していただくことを強く求めて、質問を終わります。

○柿沢委員 私は、公務出張におけるマイレージサービスの取り扱いということについて、ちょっとご質問を申し上げたいと思います。
 航空会社が、最近、顧客サービスとしてマイレージサービスを行っているのは、皆さんもご承知のとおりです。今さらいうまでもないですけれども、マイレージというのは、飛行距離に応じてマイル、ポイントがたまって、一定のマイレージのポイントに達すると無料の航空券がもらえたり、さまざまな特典が得られるというものであります。
 最近では、コンビニや飲食店などとの提携も大変盛んでありまして、提携した店舗で買い物をすればまたマイルのポイントがたまって、それで、そのポイントをまたためておけばただで旅行に行けたりということで、最近は、ほとんどの人がこぞってどこかのエアラインのマイレージクラブとかに入ってポイントをためるというのが、ほとんどになっているように思います。
 このマイレージ、公務出張の際のフライトではどのようなことになるのかということでありますが、航空会社によると、マイレージサービスというのは個人向けのものでありますので、公務出張のフライトで得たマイルというのは、ためるとすれば、出張したその職員個人のマイレージにたまっていくということになります。
 具体的には、どうやってマイレージのポイントをためるかというのは、ご承知だと思いますけれども、空港でボーディングのときに専用の機械にマイレージカードを通して、ポイントを加算するということになるわけですけれども、私が職員だったとして、公務出張の際にこれをやれば、柿沢未途個人の、例えば日本航空のJALマイレージクラブのカードにポイントがたまってしまうということになるわけです。
 このポイントというのは、あくまでその職員個人のポイントとしてたまるわけですから、たまったポイントで例えば私的な旅行に出かけようが、ホテルで飲食を楽しもうが自由自在ということになってしまいます。
 税金で公務出張をしていながら、そこで得たマイレージのポイントを個人が取得をして、私的な旅行や飲食に使うということになりますと、これはちょっといかがなものかという声も、最近では出てきているところであります。
 また同時に、公務でたまったマイルを私的に使うというのは、どうも法的にも疑義なしとしないようでありまして、法律の専門家によると、これは法定果実ということに当たるんだそうでありまして、例えばリンゴの木にリンゴの実がなれば自然果実ということで、リンゴの所有者にリンゴを食べたり売ったりする権利が帰属するわけですけれども、この場合、航空券を購入して生じたマイルという法定果実、これの帰属は、リンゴの木と同じようにこの航空券の購入者、要するに公務出張の場合はそれぞれの官庁に帰属するということが有力な説になっているようです。
 そうなると、公務出張で生じたマイル、果実を私的にため込むということになると、厳しい言葉でいえば私的流用であるとか、もっといえば横領みたいなことにもなりかねない、こうした指摘が出てきているようです。
 そうした指摘を受けて、国レベルでも検討が始まっているようでありまして、これは七月に読売新聞に新聞記事としても出ておりましたけれども、会計検査院は、今年度から職員には公費の公正な使い方についてより高い意識が求められるという判断のもとに、公務出張分のマイルを加算しないように職員に通達を出した。法務省もこれに続いて、この七月から、やはり公務出張分のマイルの個人への加算というのを禁止をする通達を出したということであります。
 一方で、財務省についてはまだ検討中であるとか、外務省、ここが一番、本当は公務のマイルというのが多いのじゃないかと思うのですけれども、外務省については、私的な利用分もあって区別がつきにくいとかいうことで、今のところは職員個人の判断というところにゆだねているようでありまして、中央省庁の対応もまだ均一ではないようでありますけれども、いずれにしても、先ほど来申し上げたさまざまな指摘を受けて、国レベルで、公務出張におけるマイレージサービスの取り扱いをどうするかという検討が始まっているという状況にあるわけです。
 さて、東京都ですが、都はやはり飛行機を使った公務出張というのもそこそこ多いのじゃないかというふうに思いますけれども、このマイレージの問題について、これまでどのように対応してきたか、どのように対応しているかということをお伺いします。

○野口勤労部長 マイレージの問題を都の場合で具体的に考えますと、航空機を利用する公務出張で、あえて出張者本人がマイレージを取得しようと行動する場合におけるマイレージの取り扱いをどうするかという問題かと思いますが、公務出張によるマイレージの特典がそのまま個人に帰属することは望ましいことではないため、問い合わせがあった場合は自粛するよう指導しております。

○柿沢委員 問い合わせがあった場合は自粛するように指導をしているということでありますけれども、問い合わせれば自粛しろといわれてしまうということは、問い合わせる人もさほど多くはないのかなというふうに思います。
 こうした、ある意味ではポイントサービスというものが、いろいろな形でマイレージに限らず広がっているのは、皆さんもご承知のとおりだと思いますけれども、例えば、ヨドバシカメラというカメラの専門店でいえば、ポイントカードを発行して、買い物のたびにヨドバシゴールドポイントカードというのがたまっていくサービスになっていて、私もパソコンを買ったり、あるいは周辺機器を買ったりして利用させていただいていますけれども、実は、ためていくと結構な買い物がこのポイントだけでできてしまう。例えば、一万円か二万円くらいのパソコンソフトだったら、聞いてみたら、たまったポイントで買えてしまったというようなことがあります。
 こういうポイントについては、どうやら東京都については、むしろ都として契約したカードをつくって、それをどんどん使ってポイントをためて、その分コスト削減につなげろということで、推奨している面もあるようでして、物品購入は、今、出納長室の方でやられていると思いますけれども、こういうときに、なるべくポイントをためて活用するようにというようなことを、むしろ勧めているようでもあります。
 マイレージについても、本来なら同じことができれば一番いいわけですよね。マイレージサービスについては、今個人が契約するという形になっているようですけれども、個人じゃなくて都が契約する形にして、公務出張でたまったマイレージを都が一括して全部ため込んでいってという形になれば、ポイントが職員個人に帰属することもなくなりますし、一方で、公務出張でたまったポイントを使って次の公務出張を、例えばコスト削減をするということにもつながるし、そういうことにもなるのではないかと思います。
 こういった形で、公務出張のマイレージを一括して都として把握をして管理をするということができないか。また、東京都が航空会社と何らかの形で交渉して、今いったような公務出張におけるマイレージサービスの一括化というものをやっていくことはできないのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○野口勤労部長 マイレージでございますが、現状においては、マイレージが個人に対するサービスであるという仕組み上、多くの制約がございまして、実効性ある管理手段を講ずることは困難でございます。
 マイレージは、個人の搭乗記録をもとに加算されまして、口座についても会員一名につき一口座しか認められておりませんで、獲得したマイレージのうち、公務出張分だけを峻別することはできません。
 また、マイレージを獲得できる手段は多岐にわたっておりまして、すべてを管理することは現状において不可能でございます。
 さらに、柿沢副委員長おっしゃいました、発生したマイレージを組織で管理することでございますが、その場合は、組織名義での登録が不可欠となりますが、現状では組織名義での登録はできない、つまり都としての対応はできない仕組みとなっております。
 この件につきましては、先ほど国の方の紹介もございましたが、財務省の方で過去に航空会社側と勉強会を開いて検討したという経緯がございますが、いわゆるこの適用は困難ということになっております。

○柿沢委員 今ご答弁にありましたとおり、残念ながら、都としてこのマイレージを活用するということは、現状困難であるというお答えでありました。
 これはコスト削減の面でいえば、活用できればいいなと思いますので、残念だと思いますけれども、裏を返せば、このマイレージサービスについては、職員個人のマイレージの口座にポイントがたまってしまうという現状は変わらないということになりますので、先ほど申し上げたように、非常に何というか、あら探しのような議論になるように思われますけれども、しかし、やはりこれは職務によって生じた法定果実を私的に流用するというような問題が残ってしまうということにも、裏を返せばつながります。
 これを都としてこのまま黙認のもとに続ける、続けさせていいということにはならないというふうにも思います。ですので、一部の中央省庁と同じように、やはり都としても職員に対するマイレージの公務出張における取得の禁止について、通達、通知というものが必要ではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○野口勤労部長 公務出張で発生したマイレージによる特典が職員個人に帰属するということは好ましくないと認識しております。したがいまして、公務出張の場合にはマイレージ取得を自粛するよう、改めて全庁的に周知してまいります。

○柿沢委員 ちょっと念押しですけれども、これは公務出張におけるマイレージのポイントの取得の禁止といいますか、取得をするなということについて、通達を出すということで理解してよろしいですか。

○野口勤労部長 今申しましたとおり、公務出張の場合にはマイレージ取得を自粛するよう、改めて全庁的に周知してまいるということで、通知文を出したいというふうに考えております。

○柿沢委員 この問題について、非常にささいなことにこだわっているというようなことを感じられる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、必ずしもそうではないというふうに私は思っております。
 例えばドイツでは、もう随分前になりますけれども、ベルリン市の幹部というか、連邦の議会議員もやっていた大物政治家が、このマイレージを使ってキューバに家族旅行に行ったとかいうことをスキャンダルとして暴かれて、結果として辞任に追い込まれるというようなことも起きております。
 また、これに続いて何人かのドイツでの議員が、このマイレージ問題で責任をとって辞任をするというようなことになったということが、日本でも報道されたことがありました。
 こういうことが起きかねないということにもなりますので、やはり小さなことではないと思っております。
 また、東京都の場合は、これからオリンピック招致が本格化をするわけで、職員においても、海外出張の機会というのは出てくるのではないかと思います。
 例えば、今回調べてみましたが、IOC本部のあるローザンヌに一往復すれば、片道大体チューリッヒで六千ポイントくらいたまりますので、一万二千ポイントぐらいはたまってしまうんですよね。南米とかいうところに行こうとすると、直線距離で一万マイルくらいありまして、往復で二万マイル、そうすると、一往復公務出張で、例えばリオデジャネイロへ行くというと二万ポイントたまってしまって、エコノミーだと、何と驚くなかれ中国の北京や上海にただで行けてしまうくらい、一回の往復でたまってしまうんですよ。
 これを、税金による公務出張でこのような私的な利益を結果として得たとすれば、どう考えてもまずいというふうにも思いますし、これが例えば結果として都民やあるいはマスコミに知られる、大きく報道されるというようなことになれば、非常に大きな批判を呼ぶのではないかというふうに懸念をしております。
 その意味で、まだまだ東京都の職員の方が公務で海外へ、しかも南米とかに出張するということは、ケースとしては年間まれだと思いますけれども、これからやはり、国においてもいろいろな指摘を受けて検討をしているという状況の中で、しっかりとした通知を出してもらって、黙認しているからやっていいんだというような意識を、職員の皆さんがゆめゆめ持たないように対応していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○高倉委員 水害対策についてお伺いをいたします。
 昨年、平成十七年の八月と九月、都内で集中豪雨により多大な被害が発生をいたしました。特に、九月の四日から五日にかけての集中豪雨では、杉並区で一時間一一二ミリという、これまでの想定を超える豪雨となったわけでありまして、中野区や杉並区など、都内で五千世帯を超える浸水被害が発生をいたしました。
 時間一〇〇ミリを超える豪雨は、昭和六十二年以降、都内で六回降っているそうでありますけれども、そのうちの五回は平成十一年以降に集中をいたしておりまして、しかも、そのほとんどが区部で発生をいたしているわけであります。
 私は、中野区に住んでおりますので、九月四日の夜、まさに腰までつかりながら現場を走り回ったわけでありますけれども、昨年のこの豪雨は、近年、都内で顕著になっている現象を象徴するものでございまして、都市部の水害対策について、ソフト、ハードの両面から根本的な見直しを迫られるものとなりました。
 そこでお伺いいたしますけれども、昨年の集中豪雨で改めて明らかになった課題と教訓は何だったのか、このことについてご説明をいただきたいと思います。

○石野総合防災部長 昨年九月四日に発生いたしました集中豪雨災害では、職員の参集や避難勧告の発令など、初動対応がとれなかった区市がございました。
 また、避難勧告を伝える防災行政無線が雨音にかき消されまして、住民が十分に聞き取れなかったということもございました。
 さらには、同一河川に接します区市におきまして、浸水被害は同じように起こりましたけれども、対応に大きな格差があったなどの状況が発生しまして、初動対応や情報連絡のあり方、避難勧告の判断基準の共通化などの課題が明らかになりました。
 こうしたことを踏まえまして、教訓といたしましては、集中豪雨が発生してからの対応では間に合いませんので、発生するおそれのある段階からの準備行動をとる必要がある、二点目としましては、住民への情報伝達手段を充実させる、さらには、同一水系の区市町村における連携をとる、こうしたことが必要であるということが改めて認識されてまいりました。

○高倉委員 昨年の集中豪雨では、被災した皆さんからさまざまな要望を私もお聞きをいたしました。
 大雨の事前情報でありますとか、避難についての十分な情報提供や情報伝達がなかった、こういった声は、どなたもが口をそろえて訴えておりました。
 また、半地下や地下室を使っていたお宅では、ポンプ車を依頼したけれどもいつになっても来ない、こういうような苦情や、家財や車が水につかってしまって、復旧のための支援策を何とか充実してほしい、こうしたこともたくさんお聞きをいたしました。
 地元の自治体が対応すべきことも多いと思いますけれども、先ほどの答弁で示された課題や教訓を踏まえて、東京都として行った取り組みについてお伺いをいたします。

○石野総合防災部長 九月四日の災害を踏まえまして、都では、速やかに区市町村に対しまして初動態勢や連携のあり方について協議を行いました。それで、その改善を働きかけました。
 その結果、職員参集体制の見直し、携帯メールによります災害情報の提供など、初動態勢や住民への情報提供などに改善が図られました。
 また、都といたしましては、気象庁との間にホットラインを整備しまして、大雨警報発令前に予報官から今後の気象予測などの情報を収集しまして、区市町村へ伝達することにより、速やかな警戒体制を確立できるようにしました。
 また、同一河川沿いの区市町村間で、避難勧告などの情報を共有できる仕組みを構築いたしました。
 さらには、突発的、局地的な大雨に迅速に対応するため、危機管理監をトップとします災害即応対策本部を新たに設置いたしまして、関係各局、各機関が一致協力して取り組む体制を整備いたしました。
 本年六月には集中豪雨対応マニュアルを作成しまして、こうした対策を盛り込むとともに、本マニュアルに基づく図上訓練を実施しまして、都、区市町村、防災機関、気象庁等の連携によります災害対応力の検証を行っております。
 現在、区市町村に対して本マニュアルを参考に初動行動要領等を見直し、体制の強化を図るよう、働きかけております。
 また、区市町村から直接テレビやラジオ等、放送事業者に対しまして、避難勧告等の情報を放送要請できるよう、事業者と協議しているところでございます。

○高倉委員 都市型の水害対策につきましては、ハードな面での整備につきましては限界があるだけに、ソフト面での対応も大変重要であると思います。
 近年の都内の集中豪雨は、一、二時間という非常に短時間の間に激しい雨が一気に降るという傾向が共通をしております。災害発生危険度の事前情報や、避難に関する適切な情報の提供が大変重要になってくると思っております。
 先ほどの答弁にありました新たな取り組みの中で、気象庁とのホットライン、それは、そうした意味で大変効果的な対策であろうと思っております。
 昨年の豪雨の記憶が大変生々しかっただけに、私も、ことしは大丈夫なんですか、こういうような心配の声を、特に、例えば中野でいいますと、妙正寺川の流域の皆さんからお聞きをいたしました。
 幸い、ことしは昨年のような集中豪雨はなかったわけでありますけれども、しかしながら、強い雨も実際に降ったわけであります。この気象庁とのホットラインを実際に何回ぐらい使ったのか、そして、区市町村に何度ぐらい連絡をされたのか、その効果はどうだったのか、このことについての所見を伺いたいと思います。

○石野総合防災部長 気象庁とのホットラインでございますが、気象庁の予報官が集中豪雨の発生予測や気象情報の見通しなどを、都に直接、電話やインターネットで情報提供をするものでございます。この情報は、注意報や警報と異なりまして、提供が防災関係機関に限定されております。
 都は、気象庁から集中豪雨の発生予測情報を入手しましたら、速やかに区市町村に通知し、警戒態勢をとるよう要請しておりまして、今年度は、本情報をもとに警戒情報をとった回数は、本日時点で台風関係で二回、大雨関係で七回となっております。
 これによりまして、区市町村では迅速な職員の参集が可能となり、初動態勢の確保や防災機関との事前の情報連絡が緊密になるなどの効果がありました。

○高倉委員 最後に、地球温暖化や都市のヒートアイランド現象、アスファルトやコンクリートの構造物、こうしたものがどんどん増加をしてくる中で、都市型水害の発生は、今後ますます増加をしてくると思います。
 自然災害の発生を抑えることはなかなか難しいわけでありますけれども、ハード、ソフト両面の対策を強化することにより、被害を最小限に抑えることは可能であろうと思います。
 都は、地域防災計画を見直すこととされていますけれども、災害対策の総合調整者である総務局としまして、平成十七年の水害を機に、根本的な見直しが必要となっている水害対策を新たな視点からとらえ、防災計画に反映させるべきと考えますけれども、所見を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○石野総合防災部長 これまでの地域防災計画では、台風とか高潮など、事前の予測や準備が可能な災害の対策が中心となっておりまして、昨年の九月四日の水害にございます、局所的、突発的、短時間で発生します集中豪雨に対しては、必ずしも十分な対応ができるものにはなっておりませんでした。
 このため、昨年の集中豪雨に象徴されます短時間で急激に増水した、その結果、初動態勢がとれず、都との連携が十分でない区市町村があったとか、また、地下室への浸水被害が発生した、さらには、避難所や備蓄倉庫が水につかって使用できないところがあったなどの問題が生じてしまいました。
 そこで、今回の地域防災計画の見直しに当たりましては、ヒートアイランド現象などの気象環境の変化をとらえるとともに、地下室の増加等、都市部の特性を十分考慮するなど、新たな視点から検討してきております。
 具体的には、気象庁とのホットライン情報の共有などによります都と区市町村が連携した初動態勢の確保、また、地区計画などによります地下室の適切な利用への誘導、さらには避難所や備蓄倉庫の設置に関します新たな基準の設定などがありまして、それらの検討結果を地域防災計画に反映させていく考えでございます。
 今後とも各局、区市町村及び防災機関と連携しながら、ハード、ソフト両面の対策に取り組みまして、都市型水害による被害の軽減に取り組んでまいります。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。
 以上をもちまして第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承を願います。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後三時十四分散会

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