各会計決算特別委員会第三分科会速記録第六号

平成十八年十月二十七日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長東村 邦浩君
副委員長佐藤 広典君
副委員長樺山たかし君
宇田川聡史君
尾崎 大介君
たぞえ民夫君
上野 和彦君
野島 善司君
石毛しげる君
こいそ 明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
労働委員会事務局局長押元  洋君
環境局局長村山 寛司君
総務部長加藤 英夫君
企画担当部長大野 輝之君
都市地球環境部長小山 利夫君
環境改善部長石渡 秀雄君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事平林 宣広君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長森  浩志君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務井戸 秀寿君
局務担当部長月川 憲次君

本日の会議に付した事件
平成十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
環境局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)

○東村委員長 ただいまから平成十七年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、労働委員会事務局及び環境局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより労働委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○東村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で労働委員会事務局関係を終わります。

○東村委員長 これより環境局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十七年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加藤総務部長 去る十月六日の当分科会におきましてご要求のありました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元の平成十七年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次のとおり、八項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都におけるエネルギー対策の主な取り組みでございます。
 まず(1)、エネルギー対策関連の制度でございますが、都の率先行動を初めとした各部門別の制度及び制度の概要を記載しております。
 次に、(2)の再生可能エネルギー等の導入でございますが、太陽光発電や風力発電など、各種類ごとに主な設置場所、設備容量等を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、屋上緑化対策の届け出提出状況でございます。
 緑化計画書の提出を義務づけた平成十三年度から十七年度までの計画書届け出件数と、そのうち屋上緑化の対象となった件数を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、浮遊粒子状物質及び二酸化窒素の環境基準達成状況と年平均値でございます。
 (1)の浮遊粒子状物質、(2)の二酸化窒素、それぞれの表におきまして、上段に一般環境大気測定局における平成十三年度から十七年度までの測定局数、環境基準達成局数、達成率及び年平均値の状況を、下段に自動車排出ガス測定局における状況を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、ディーゼル車対策の支援策に係る執行率の推移でございます。
 平成十五年度から十七年度までの予算現額、支出済額及び執行率を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、ディーゼル車対策の支援策に係る主な不用額の内容でございます。
 平成十七年度に不用額が生じた主なものの事業名、不用額及び理由を記載しております。
 六ページをお開き願います。6、緑被率、みどり率の推移でございます。
 まず(1)、都内の緑被率とみどり率の推移でございますが、昭和四十七年から平成十年までに行った各調査における緑被率とみどり率を記載しております。
 次に、(2)、最新のみどり率でございますが、平成十五年調査の暫定値を記載しております。
 次に、(3)、緑被率の地域別推移でございます。各調査年度における区部、多摩の地域別の緑被率とその経年変化でございます。
 七ページをお開き願います。7、野生動植物の状況と対応でございます。
 まず(1)、主な移入種の現状と対策でございますが、都内に見られる主な移入種の生息生育地、影響及びその対策について記載しております。
 次に、八ページをお開き願います。(2)、絶滅の危機に瀕している主な野生動植物の現状と対策でございます。
 都内の絶滅の危機に瀕している主な種の生息生育地、危機の状況及びその対策について記載しております。
 九ページをお開き願います。8、保全地域の指定状況と公有化率でございます。
 まず(1)、保全地域の指定状況でございますが、九ページから一〇ページの中段にかけて、現在指定済みの四十五地域の保全地域名、所在地、当初指定年月日及び指定面積等を記載してございます。
 次に、(2)、公有化率でございますが、本年九月三十日現在の保全地域指定面積、そのうちの公有地の面積、公有化率を記載してございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○東村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ委員 それでは、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、自然環境、特に緑の保全についてお尋ねしたいと思います。
 緑には、いうまでもございませんけれども、気象の緩和、防災上の機能、さらには潤い、安らぎの効果等々、私たちの健康で文化的な生活を営む上で欠かすことのできないものだという認識は一致しているところだと思います。
 ところが、東京都においては、ちょうどこの五年間、十八年度に調査した結果をいただきましたが、二千五百ヘクタールという、みどり率の減少が極めて顕著に出てきた。よくいわれる話でありますけれども、少なくとも東京ドームの六百十個分にも相当する緑が失われてきているという現状であります。
 区部では五百ヘクタール、多摩地域でも二千ヘクタールという貴重な自然や緑が喪失されてきている。すなわち、今後、緑の東京計画の実現ということでありますけれども、これは極めて危機的な状況に向かいつつあるのではないか、そのような認識のもとにお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、特にこのような自然を守り、緑を守って保全をしていくという中で、いわゆる公有化、保全をしていく意味合いで、それぞれ環境局の施策が、実際的に対応がとられているところでありますけれども、それについてお聞かせいただきたいと思います。

○福島自然環境部長 環境局所管の保全地域は、全体で四十五カ所の保全地域がございます。その管理といたしましては、都民が自然に触れ合える貴重な財産でございますので、これを良好な管理とするためには、住民に身近できめ細やかな対応ができる地元市との協働が欠かせないものというふうに思っております。
 地元市との協働を図るため、多くの保全地域で植生管理に関する協定の締結を行っております。
 加えまして、近年はボランティア団体や企業などとの協働も活発化しておりまして、これら多様な主体の取り組みによりまして、下草刈りや樹木の伐採などを行います。それによりまして緑地の回復、保全に努めているところでございます。

○こいそ委員 これもかねてからお話をさせていただいておりますけれども、先ほど、多摩地域で五年間で二千ヘクタールの自然、緑が減少したというお話をさせていただきましたが、その中で、例えば南多摩地域、五市ありますけれども、この中で八王子市が保全地域制度の適用を受けているところが十一カ所、町田市が五カ所、日野が二カ所ということですね。
 南多摩五市ありますから、残る二市でありますけれども、稲城市、多摩市分、ここのところは、形状的に、また自然環境の、多摩丘陵という連なる中で、私は環境景観上、自然環境の面からも、まさに同一的な環境にあるのではないか、状況があるのではないかと思うんです。このあたりの保全区域としての指定が、かねてから、当然私だけじゃありませんけれども要望させていただきましたが、今後、これらの、さまざまな形で制度的に検討してもらって、例えば水辺という、多摩川が流れていて、その中流部の崖線ですね、このあたりの景観、それから水質、それにまた中小河川が上流から流れ込んでくる、それが多摩川と合流していく。そのあたりの自然環境が、私はかねてからいっておりますけれども、極めて良好なんですね、これは局長も認識していただいているところだと思いますけれども。
 ところが、そこの周辺にじわじわと開発の波が押し寄せてきて、景観的に見ても極めて良好な景観が失われている。
 ところが、それに対して何とかしていかなきゃいけないという気持ちはあるんだけれども、ドミノじゃないけれども、次から次に目まぐるしく開発の波といったらいいのか、まさにドミノ的に、ばあっと席巻されるがごとく、なくなってしまっているんですね。
 こういうことで、まさに保全地域の適用もそうだと思うんだけれども、こういう景観は、現状は極めていいんだけれども、ところが、その周辺はまさにスプロール化的な形で開発が進められてきてしまっている。これは私がいった一地域だけではないようでありますから、これに対して環境局としてはどのような受けとめ方、認識、対応をなされているのか、お願いします。

○福島自然環境部長 先ほどの先生のお話にありましたように、確かにいろいろな地域での開発が進んでおります。それに対して、防御となるべき保全地域の指定でございますけれども、保全地域の指定につきましては、例えば都市計画手法でやっております特別地域、保全地域などとの役割分担もございます。
 それから、地元自治体との関係でいいますと、東京都は広域的な視点から、自然性豊かな緑が多く残っている丘陵ですとか、山地の緑地を主たる対象として保全地域の指定を進めているところでございます。

○こいそ委員 保全区域の指定というのは、当然非常に有効な手段であることは私もわかっておりますけれども、ところで、都市整備局が所管している都市公園や特別緑地保全地区でありますけれども、確認の意味合いも含めまして、両局が、環境局と都市整備局が所管する制度の違いについてはどうなのか、教えていただきたいと思います。

○福島自然環境部長 都市整備局所管の公園緑地でございますが、これらは、快適な環境を保つ機能、防災上の機能など、安全かつ快適な都市生活のためのものでございます。
 一方、当局所管の保全地域制度は、自然保護条例に基づきまして、都内に残された貴重な自然の保護と回復を主な目的としております。さらに、平成十二年に条例改正をいたしまして、保全のみではなく、ボランティア活動などの場として活用も図っていくこととしております。

○こいそ委員 いずれにしても、両局それぞれ、とりわけ自然環境の保全については、環境局がしっかりと対応をしているということは承知をしているところでありますけれども、今後とも、先ほど申し上げましたように--例えば都市整備局については、平成十二年、緑の東京計画、これは両局で合同で作成したんですかね。この中で平成十二年段階で、これはランドサットによって東京の緑の分布が捕捉されて確認をされましたけれども、当初、区部、多摩地域ともに、かなりの高い率で数値が出されましたよね。
 この中で、二〇一五年を目途に、何とか現状の緑保全をしっかりと確保していくんだ、こういうことなんですけれども、先ほどいったように、現実、緑の東京計画を作成した以後、そして、十八年にさらに調査した段階で大変な緑の減少があるということは、見直しも含めて、今後抜本的な対応策、これは産労局も含め、環境局が中心となって、さまざまな税制的な面も、相続だとかいろいろあると思いますけれども、こういうところでしっかりやっていかないと、もはや十二年度段階のような状況では全くないわけであって、そして向かうところ二〇一五年、そして二〇二五年の目標みどり率が示されておりますけれども、とてもとても、このような目標とはかけ離れてきているのではないかと思うんですね。このあたりはどうでしょうか。

○福島自然環境部長 確かに先生のおっしゃるとおり、東京の緑は、残念ながら減少しているというのが現実でございます。しかしながら、これに対しまして東京都は、例えば保全地域の指定ですとか、開発に関する規制ですとか、そういったものを通しまして緑の保全に努めているところでございます。
 今ある貴重な自然をできるだけ多く残すという観点から、自然環境への配慮を可能な限り行いまして、他局の事業とも連携しまして、豊かな自然を残すよう努めていく所存でございます。

○こいそ委員 ぜひ環境局は、これから環境先進都市、まさに国内だけじゃなくて、東京オリンピックということもそうかもしれないけれども、都市像としてこれは明確に、内外ともに評価もあり、期待もされているわけでありまして、世界の首都、重立った都市の全体的な環境水準から見ても、東京は高いんだけれども、さらに環境先進都市としてしっかりとした、来年は環境基本計画の見直しの年度にも当たるようでありますから、かけがえのない自然環境をぜひ守っていただくとともに、環境局の決意はわかるけれども、あと、関係する各局との連携が不可欠じゃないのかなという感もいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは続きまして、特定外来生物についてお願いしたいと思います。
 近ごろ、従来の在来の動物だとか植物というものが、環境が今申し上げた、先ほどのような開発もそうでありますけれども、かなり減少してきている。私はかねてからずっといい続けているんですけど、その中でとりわけ一番、多摩の自然、多摩の生態系を連綿として息づいてきた中で、植生的に、また群生をなして生き抜いてきたタマノカンアオイというのがありますね。レッドデータブックでもう載っている。もう絶滅していくんじゃないか。極めて希少な植物にも載っているところであります。
 これは移動は、いろんな地形的なものもあるし、さまざまな要因だから明確にわかりませんが、私、ある雑誌だったか本だったか、ちょっと読みましたところ、これはもういったかと思いますけれども、約一メートル移動するのに、何と一万年という悠久の時をかけて一つの生態系が息づく。まさに距離だけじゃないけれども、そういう行為がなされているというんですね。天と、地というか土壌ですよね、大気と、さまざまな中に息づいてきたかけがえのない植物に、私は一方ならない思いを持つところなんですね。
 当然これだけじゃありませんけれども、それと、従来から日本の、東京の、また多摩地域の自然の中で息づいてきたさまざまな小動物や植物がいろいろあると思いますけれども、これが非常に減少傾向にある。
 その一面、外来種がふえてきた。外来種によって、これは産業労働局の作物を荒らしてしまうということも顕著にあらわれているんだけれども、この外来種が、とりわけカミツキガメですかね、これは人間にも影響を与えている事件も起きているし、さらにはハクビシンという、これはそれぞれ見ると、ペットとして飼っていたものが放される。
 それからブラックバス、これは魚ですけれども、要するに人間のモラルも問われているかもしれないけれども、こういうようなさまざまな外来の生物が従来の植物なりを食として食い散らすといいますか、そういうこともあるようでありますけれども、その現状はどうでしょうか。

○福島自然環境部長 外来種、特に特定外来生物の指定でございますけれども、法が昨年六月に施行されて以来、ことし九月までに八十三種の防除対象種が指定されております。
 このうち、例えば都内で生育生息が確認されておりますものは、両生類ではウシガエル、魚類ではカダヤシ、植物ではオオキンケイギク、オオハンゴンソウなどでございまして、現在約二十種の外来生物が東京の中で生息、育っている現状でございます。

○こいそ委員 さまざまな環境要因だとか、先ほどもいいましたけれども、ペットで飼育していたものが、動物なり魚なり、人間の一方的な身勝手なことで放してしまう。環境にもいろんな負荷といいましょうか、影響を与え始めてきているということだと思うんですね。これは極めて重要なところだと思いますし、これに対する対応はしっかりとしていただかなきゃならないと思うんですね。
 それとともに、近ごろ、これは外来ではないんでしょうけれども、アライグマなんというのも出ますけれども、これは外来だけれども、タヌキですね。これは夜行性であるし、雑食で、行動が限られているのかなと思いましたら、今、都内で相当、タヌキだとかハクビシンが生息しているという、これは記事で読ませてもらいましたけれども、こういうように、さまざまな生態系及びこういう外来、それから非常な乱れというんですか、あると。
 ですから、環境局としては、現状をよく調べていただいておりますけれども、より環境、動物の、また植物の保護という観点もそうだけれども、なかなか難しいと思うけれども、外来種における、どのような状況になっているのか、それに対する対応策、これをぜひお願いしたいと思いますが、このあたりどうでしょうか。

○福島自然環境部長 農作物などに被害を与える動物につきましては、外来生物法施行前から、鳥獣保護法に基づく有害鳥獣捕獲を行っておりまして、環境局は申請に対する許可を与えるという立場でございます。
 また、外来生物法が施行されたことによりまして、これまでの農業被害対策だけではなく、地域固有の生態系への被害を防止することを目的とした防除が可能となりました。平成十七年度から国が主体となりまして、町田市及び神奈川県でアライグマの防除がモデル事業として実施されております。この事業に対しましても、都は協力しているところでございます。

○こいそ委員 それでは、三点目の東京都のエネルギー対策ですね、これは温暖化対策をしっかり推進していかなきゃいけない。先ほどもいいましたけれども、新しい都市の、いわゆる環境都市としてのモデルを示していかなきゃいけない。徹底した省エネルギー対策、再生可能エネルギーを大量に導入していかなきゃいけない。
 いろんなさまざまな課せられた役割が環境局にあるかと思うんですけれども、その中でちょっと絞り込みまして、平成十五年でしょうか、世界で初めて、通常の路線に定期バスとして運行したということで、燃料電池車が運行を開始されましたね。その後、燃料電池関係についてはどのような状況になっているのでしょうか。

○小山都市地球環境部長 交通局の方でやりました燃料電池バス、これの運行に絡んでのご質問かというふうに思いますが、平成十五年から平成十六年十二月に行った燃料電池バスの運行試験は好評でございました。
 その後、自動車メーカー等にヒアリングした結果、燃料電池自動車は生産がございませんし、リースできる台数にも限りがあるといったようなことで、新たな乗用車、バスを提供することが極めて困難というような回答がございました。このため都としては、新たなプロジェクトを行うためには、必要な車を確保することが困難な状態にあります。
 また、技術開発も、国の燃料電池自動車導入目標に対して非常におくれているという状況にございまして、そうした中で都としては、燃料電池自動車の技術動向等を踏まえた普及方法や導入支援策の検討、それから、都有施設等を活用した水素の供給方法などについて検討することといたしまして、ただいまその準備にかかっているところでございます。

○こいそ委員 究極のといいましょうか、これからの代替エネルギーとして、いわゆる燃料電池というものは極めて有効だと。そして、我が国の資源の状況を見ても、この水素系の燃料電池は総理官邸でも入りましたよね。それから、家庭系でも、もう普及は始まってきた。そして、あらゆる形の中で技術の開発が進んでいく。こういうことの認識を持つわけでありますけれども、まさに環境に負荷を与えないこの水素系の燃料電池は、私たちも乗せていただきましたけれども、都バスの運行に極めて期待を持っていたところなんですね。
 これについて、今後、国の動向、それぞれあろうかと思うんですけれども、都としてもう少し積極的にこの燃料電池車の、まあ車だけじゃないですけど、来るべき時代に備えた、しっかりとしたクリーンなエネルギーである燃料電池についての取り組みというのは、もう少しやる必要性があろうかと思うんですね。
 それから、これは江東区だったですか、ステーションありましたよね、都有地の。これは、今、現状どうなっているんですか。

○小山都市地球環境部長 現状、営業を継続しております。

○こいそ委員 営業は当然継続しているんでしょうけれども、だって都バスはもうとまっている。必要な車両というのは伸びがほとんどない。そういうことの現状もあるんでしょうけれども、これはちょっと置いておいて、例えば今、バイオディーゼルの導入ということをいろいろ聞くわけでありますけれども、これをもう少し具体的に教えていただけないですかね。
 例えば、軽油に五%のヤシ油、ココナッツですかね、これを入れるということでありますけれども、これは試みとして、化石燃料からの転換という中での試みは極めてわかるんだけれども、燃料電池をぼおんと打ち上げておいて、今ストップかかって、その後にパーム、ヤシ油、ココナッツだと。
 これ、国内でどの程度の自給というんですか、これはほとんど限られているんじゃないか。ということは、すなわち輸入に頼らざるを得ない。ですから、このバイオディーゼルについてちょっとお願いします。

○中島自動車公害対策部長 自動車部門におきましても、地球温暖化対策を進めていくには、さまざまな石油代替エネルギーの利用等について検討していくことが必要でございます。
 先生今ご指摘の燃料電池につきましては、最もクリーンなものとして、当然ながらその開発動向を見据えまして、しっかりした対策を立てていく必要があると考えております。
 ご指摘のバイオディーゼル燃料でございますけれども、これはようやく今年末に規格化が予定されておりまして、これが植物由来の原料であることから、燃焼させてもCO2にカウントされないということから、温暖化対策として有効であると考えております。
 そこで、来年の話になりますけれども、都が率先して、都バスにおいてこうした普及拡充を図っていくということを計画しておりますけれども、排ガスへの影響ですとか、車両への影響を見きわめて、それをしっかり調査する必要があると考えております。
 そういうことを踏まえながら、燃料につきましても、当面はどうしても、先生がおっしゃいました、パームですとかココナッツ等の輸入されたものから使用を予定しておりますけれども、今後、国内の原材料を含めた確保についてもあわせて検討していきたいというふうに考えております。

○こいそ委員 試みとして、まさにさまざまな今後の環境政策を進める中、CO2の削減、これは喫緊な課題だということはよくわかるわけでありますけれども、しかし、例えば、車の中でCNG、それからLPガス、エタノール、さまざま打ち出しておりますよね。ここでまたバイオディーゼルという試み、これは私は基本的には賛成ですよ。
 そういうさまざまな試みをし、調査をして、どれが一番環境面で負荷を与えない、まさに温暖化防止対策に役立つかという、こういうことの熱意のあらわれが、さまざまやってきているということは理解できるんですけれども、しかし、CNGについても、これはかなり伸び悩んでいるのではないのか。それから、LPガスについてもどうなのか。
 そして、先ほどいった燃料電池、これは世界各国が、アメリカでもドイツでも、まさに国家の威信をかけて開発競争をしている中で、日本でも、その意味合いの中から総理官邸に導入したという経緯があるそうでありますけれども、首都東京が最大消費都市であり、温暖化防止を率先垂範するまさに環境都市として、私は、燃料電池及び、まあ試みはわかるけれども、こういうところをもう少し、東京都としても力をしっかりと入れる。
 それから、もう一つさらにいわせていただければ、先ほどあったけれども、次年度、環境基本計画が改定されるということですね。私はこのエネルギーの施策というのは、東京の国家的な役割がある、それはいうまでもないです。しかし、この東京が日本全国の地方公共団体、自治体のトップランナーであって、世界から見たって、この東京というのは、大変な一つの都市の物すごいパワーを持っている、いろいろな能力を持っているという評価がありますよね。
 こういうところは、私は国のエネルギー政策を見据えるんじゃなくて、もっと積極的にかかわっていくべきだ、積極的に打ち出していくべきだ、こう思うんですけれども、どうでしょうか、まず部長。

○大野企画担当部長 今後、東京から率先して地球温暖化対策を推進していくために、また再生可能エネルギーの飛躍的な利用を拡大していくためには、さまざまな再生可能エネルギーでありますとか、あるいはお話の燃料電池等の新しいエネルギーにつきましても、東京の地域特性でありますとか、技術開発の動向、これらを踏まえまして的確な施策を展開していく必要があると考えております。
 現在、来年度に向けまして環境基本計画の改定を検討しております。その中で、例えば再生可能でありますれば、太陽光でありますとか太陽熱がございます。それからバイオマスエネルギー、それから、新しい次世代のクリーン自動車ということで期待されます燃料電池自動車、こうしたものの動向につきましても、体系の位置づけを行いまして、国に先んじて、新しい制度の展開を考えまして計画的に利用拡大を図ってまいりたい、このように思っております。

○こいそ委員 まさに時を、タイミングといいましょうか、あると思いますけれども、エネルギー施策をぜひひとつしっかりと、より体系的にとらえていただいて、さすが東京だ、まさにこの分野でも国をもう一歩リードしたというぐらいの政策をぜひ打ち立てていただきたい。
 これは実績がしっかりあるわけですから、これに伴った理論的なもの、総体的なものをぜひ体系化していただいて、来年の基本計画にもしっかりと位置づけしていただきたいなと思うんですが、最後に環境局長、今までの答弁でご意見を伺わせていただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。

○村山環境局長 今、東京都のエネルギー施策について、いろんな角度からご指摘をいただきました。確かに地球温暖化のもたらす危機というのが、ちょっと前までは、将来心配だなみたいな、そういうぼわっとした抽象的な危機意識だったと思うんですけれども、ここに来まして、巨大ハリケーンとか、非常な異常気象というような形で、ある面ではもう現実化している危機という形で問題が認識されてきていて、文字どおり、オーバーではなく、都民の生命、財産、健康に非常に影響を及ぼすような問題として、私どもとしては取り組まなければいけないという認識でおります。
 そのことが、東京をこれから、世界に対しても立派な都市だというふうに威張れるような、そういう環境都市にしていく上では、地球温暖化対策を展開していくのがとても不可欠の課題だというふうに思っております。
 とりわけその中では、今るるご指摘いただきました、再生可能エネルギーをどのようにして大量普及していくのかということが大きな柱の一つでございます。そのことについて私ども、先般、第三回定例会の冒頭、知事からもお話を申し上げましたように、都政のあらゆる分野でCO2の大幅な削減を目指すということで、再生可能エネルギーの大量普及などを中心とする十年プロジェクトを開始しようという方針でございます。
 その際には、先ほどこいそ先生からお話のございました緑の問題、このことも地球温暖化と非常に密接に結びつく問題でございますし、そのことは都市の質といいましょうか、そういう部分でも非常に重要なことがございまして、その中でも緑の問題、自然の問題も大きな柱になっていこうかというふうに思っております。
 そういう観点から、今いろいろご提案いただきましたことを含め、来年度予定しております環境基本計画の策定、抜本的改定に当たりましては、十分留意しながら検討を進め、やっていきたいというふうに思っております。
 その際、私ども、非常に大事なことだというふうにご指摘いただいた点でございますけれども、各局連携ということがございまして、環境の問題というのは、非常にいろんな分野で、側面でかかわってきますので、環境局のやっている事業だけで完結するというものではございませんので、そういう意味で、先ほど申し上げた十年プロジェクトの中でも、都政のあらゆる分野で大胆な施策が展開できますように、私ども、各局と力を合わせながら頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくご支援方お願いいたします。

○上野委員 私からも同じように、まず温暖化対策についてお尋ねしたいと思います。
 東京は、地球規模でのCO2排出量増加に伴う地球温暖化と、また旺盛な都市活動などにより生じておりますヒートアイランド現象、この二つの温暖化に直面しております。二〇一六年、夏のオリンピック招致をするためのまさにキーとなるのが、この温暖化をどう克服していくか、こういうことだと思います。
 そこで、本日はこのような観点から、都におけるヒートアイランド対策、地球温暖化対策としての再生可能エネルギーの導入拡大の取り組み状況などについて伺っていきたいと思います。
 温暖化対策については、都の重点事業でもありますから、当然積極的な取り組みが求められるところでございます。このうちヒートアイランド対策は、平成十五年三月に対策取り組み方針を作成し、さまざまな対策を講じるとともに、先進的なモデル事業についても実施してきておられます。
 そこで、平成十七年度の決算を見てみますと、このヒートアイランド対策に係る経費の執行率が五八・五%と低くなっております。この多くは、見てみますと、校庭芝生化補助事業費に執行残が出たことが要因となっているようでございますが、この校庭芝生化についての予算執行状況及び校庭芝生化の事業目的が果たせなかったのかどうかについてお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 委員ご指摘のとおり、平成十七年度のヒートアイランド対策に係る予算に不用額が生じた主な理由は、公立学校運動場芝生化補助事業が、予算額十億円に対しまして、執行残が四億二千万円生じたことによるものでございます。
 この公立学校運動場芝生化補助事業では、維持管理について地域の協力が得られるなどの一定の要件を満たせば、芝生化施工に必要な初期経費の全額について補助することといたしました。
 予算規模としましては、三十二校の小中学校に対し、芝生化施工に係る補助を行うことといたしましたが、実績といたしましては、区内二十六校、多摩地域一校、合わせて二十七校での校庭芝生化の取り組みに対して補助を行ったものでございます。
 事業実績としては、より多くの小中学校において校庭芝生化を施工するという施策目的は達成したものというふうに認識をしております。

○上野委員 この校庭芝生化でございますけれども、これからの取り組みが大変期待されているところでございます。実績として約三十校近い小中学校で施工されたということは、私は意味がある、このように思っております。
 校庭の芝生化は、子どもにとりましても魅力的なものでございます。緑のじゅうたんのもとで思いっきり走り回る、ヒートアイランド対策にとどまらず、子どもの健やかな成長にとっても大変意味のあるものだと思っております。
 今後、校庭の芝生化を進めていく上では、その気温低減効果についても周知していくことが不可欠だと思います。
 そこで、都内小中学校の規模と、それから環境局としての校庭芝生化の効果について認識をお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 校庭芝生化の効果についてでございますが、昨年八月に、既に芝生化をしておりました杉並区立和泉小学校で効果測定をした結果では、表面温度の低減とともに、一般的に熱中症予防の指標として使われる体感温度についても効果が観測されております。
 体感温度におきましては、二十八度C以上になると、運動などを行うのは危険とされておりますけれども、二十八度C以上になった時間は、ダスト舗装の校庭よりも一・五時間程度短縮されるという効果が観測をされております。
 この結果からは、校庭芝生化はヒートアイランド対策に効果が高く、児童生徒の教育環境としても、快適で安全な環境を創出できるものであると認識をしております。
 都内には、公立小中学校が約二千校あります。屋外運動場の面積は約一千百ヘクタールでございます。今回芝生化を実施した学校以外においても校庭芝生化を施工した場合、同様の効果が期待されるものと考えております。

○上野委員 今ご答弁にありましたように、校庭芝生化は、教育環境の面からも非常に事業効果としては認められるというお話でございます。ならば、せっかくこういう執行残があるのですから、当初の予算上の事業実施学校数を超えてでも、その補助をしっかりと使っていくということ、そういう柔軟な対応が必要ではないか、このように思います。
 昨年度モデル的に実施しました校庭芝生化補助事業ですが、事業実施上の工夫についてお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 本事業は十七年度単年度事業でございまして、事業概要が固まったのが十六年末と、各区市において予算編成の大詰めの時期でございました。また、単年度での事業であったために、学校ごとの十七年度の各種施設修繕計画との時期的な調整を図ることが難しかったことなど、事業受け入れ上の課題もあったのではないかというふうに認識をしております。
 このことから、各区市に対して具体的な事業内容の説明会を開催するとともに、区市に事業実施に向けた働きかけを行いました。そのような中、先ほどご答弁申し上げましたように、二十七校での事業実施に至り、事業目的は達成したというふうに考えております。

○上野委員 校庭芝生化についてでございますけれども、都は二〇一六年オリンピック開催に向けまして、それまでに都内の全公立小中学校で実施するとのお話をちょっとお聞きしております。来年度も約七十校で実施するための予算要求をされているようでございますが、小中学校で実施するには、まず、よく現場の実情というものを踏まえた上でやっていくということが非常に大事だと思います。
 校庭芝生化を実施した学校によっては、いろんな保護者の方とか先生方からもお話を聞きますと、芝生化の工事期間及び養生期間においては校庭が使えない、こういうこともありますし、また維持管理、これに大変苦労しているということも聞き及んでおります。そういった意味で、来年度からの本格実施に当たりましては、そういった十七年度事業を総括しながら、成功例や課題をしっかり紹介するなど、校庭芝生化が実施しやすいように対応していくことが極めて大切だと思っております。
 また、都民の貴重な税金を投入しての予算なわけでございますので、予算の範囲でできる限り多くの学校で実施すること、より弾力的な予算の執行をすること、こういったことがヒートアイランド対策を進めるにはまた大事かなと、このように思っております。これは私の意見でございます。
 ヒートアイランド対策をさらに効果的に推進していくためには、都だけで事業を展開するのではなくて、区市と緊密に連携していくことも重要な要素でございます。今回の結果を踏まえまして、区市と事業の共同展開を図るなど、効率的な事業執行を進めていただきたいことを要望いたします。
 ヒートアイランド対策としては、今まで質問をしてきました校庭芝生化を初め、都市の緑化を推進することが大きな課題となっております。その一つの手法である屋上緑化、都の緑化制度の中で義務化されたこともありまして、その取り組みが進んできておりますが、一方、壁面緑化につきましては、屋上緑化に比べると、これからの取り組み促進が今後期待される、こういう状況にあるのではないかと思います。
 そのため、都の率先行動による普及啓発が重要ではないかと思います。都は、決算書によれば、モデル的に都有三施設で壁面緑化を行うなどの事業を行っているようでございますが、都として壁面緑化の効果についての認識、壁面緑化を普及させるための取り組み内容についてお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 東京都が平成十五年に実施した調査によりますと、壁面緑化とコンクリート壁面とを比較いたしますと、表面温度で約十度Cの低減効果が見られました。このような壁面緑化は、人工被覆面対策として効果が高いというふうに認識をしています。
 このため、都では、事業者や都民による取り組みとして浸透、普及促進させるために、率先行動として、都立桜修館中等教育学校、新宿都税事務所、環境局庁舎千代田区千代田清掃事務所の三カ所において、植物を壁面に登はんさせるタイプの壁面緑化を十七年度末に施工いたしました。
 また、壁面緑化に対するノウハウが事業者や都民に十分に知られていないことから、手引の書といたしまして、壁面緑化ガイドラインを策定いたしました。この壁面緑化ガイドラインでは、壁面緑化の効果や手法、適応植物、維持管理上のポイントなどを取りまとめ、十七年度末に発表したところでございます。現在、この壁面緑化ガイドラインを活用しながら、壁面緑化の取り組み推進、普及啓発を行っております。

○上野委員 都が本格的にヒートアイランド対策に着手してから四年が経過しております。この間、他の自治体に先駆けて各種の事業を先進的、モデル的に実施してこられた、このことについては私は評価したいと思います。
 ヒートアイランド対策の効果を今後より発揮させていくためには、これまでのヒートアイランド対策について整理して、また必要な見直しを行い、施策を展開すべきと考えますが、所見をお伺いします。

○小山都市地球環境部長 都は平成十五年三月にヒートアイランド対策取組方針を作成して以降、校庭芝生化、屋上緑化、壁面緑化、保水性舗装などの対策に取り組んでまいりました。
 また、昨年度には、ヒートアイランド対策を集中的に実施する地域として、ヒートアイランド対策推進エリアを設定し、現在、この推進エリアを中心にヒートアイランド対策を展開しております。
 これまでの成果を踏まえ、中長期的な視点から新たに施策を展開していく段階にあると認識しておりまして、今後、ヒートアイランド対策を改めて体系化し、実施してまいります。

○上野委員 さて、ヒートアイランド対策に限らず、地球温暖化対策についても多様な手法を効果的に活用しながら進めていく必要がございます。
 日本のエネルギー政策は、水力を除いて、原子力など、九四%が輸入であります。そのほとんどがCO2を放出する化石燃料ということであります。地球温暖化を阻止するためには、そういった化石燃料のようなエネルギー消費を劇的に削減していくことが不可欠であります。
 しかし、それを省エネの取り組みだけで実現することは困難だろうと思います。事業者や都民の皆さん方に省エネについての情報提供や取り組み支援を行うことはもちろんのこと、先ほどこいそ委員からもございましたように、再生可能エネルギーの導入促進、これは肝要であります。
 昨年度、都は再生可能エネルギー戦略をまとめ、二〇二〇年までに東京のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を二〇%程度まで高める、このように掲げられました。GDPで世界の七位を誇るこの東京、ここが掲げたということは、これは世界から注目されているというふうに私は聞いております。そういった意味では、今回のこの話については私は高く評価するものでございます。
 ヨーロッパの方が進んでおりますね。ドイツでは、二〇二〇年までに二五%を掲げるということで、かなりの勢いで今進んでいる。本来ならば、日本がしっかりとこういった目標を立ててやらなきゃいけないわけですから、先ほど話がありましたように、東京からとにかく日本を変えていく、こういう思いで全力を挙げて取り組んでいただきたい、このように要望いたします。
 ところで、実際の導入状況を見てみますと、二〇〇三年度ベースで、二%程度と低いレベルにとどまっています。再生可能エネルギーの導入拡大を図るというのであれば、都が率先して行動することはもちろんのこと、事業者による取り組みを促していくことが必要でございます。既にその一つとして、都は都議会議事堂の屋上に太陽光発電を設置しております。
 そこで伺いますが、議事堂の屋上に設置した太陽光発電のPR効果などについて、今回、またこの委員会で改めて見解をお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 都議会議事堂屋上での太陽光発電は、東京の都心部かつ都政の中心としての議会での設置であるという特性を生かし、全国に太陽光発電の重要性を発信することを目的としたものでありまして、平成十四年十月に設置して以降、都民のほか、企業や行政機関、議員、研究者など、これまで約千八百人が見学しております。この中には、韓国や中南米など、外国からも見学に訪れております。
 このように、都議会議事堂での太陽光発電の設置は、先導的な取り組みとしてのPR効果、再生可能エネルギー導入拡大の普及啓発効果を十二分に発揮しているものと認識しております。

○上野委員 今ご答弁で伺いましたように、都議会議事堂屋上、このほかに、本日の資料にもありますように、都は、浄水場など都有施設において太陽光発電施設の設置や、臨海部で風力発電を設置するなど、さまざまな取り組みに努力していらっしゃいます。
 また、都民を巻き込んだ再生可能エネルギーの利用拡大プロジェクトについても、都立の潮風公園などで展開されております。
 地球温暖化の進行を阻止するには、二十一世紀半ばまでに、全世界でCO2の排出量を劇的に減少させる必要があるといわれております。
 この点について、省エネルギー対策とあわせて、最も重要な対策である再生可能エネルギーの大量導入に向け、改めてまた局長の決意をお伺いいたします。

○村山環境局長 今るる地球温暖化対策あるいはヒートアイランド、それから再生可能エネルギー、全体として根は一つだと思うわけでございますが、これらの問題について、日本をリードするような施策展開をというお話をいただきました。私ども、そういう構えで頑張っていきたいというふうに思っております。
 そういう上では、先ほど申し上げた環境基本計画を来年改定する際に、どういう考え方で、どういうレベルの施策を、どの分野についてやっていくのかということが非常に大切だというふうに思っております。再生可能エネルギーの大量普及というのが一つの大きな柱になりますでしょうし、それから緑の問題もなろうかと思います。
 それから、まちづくりの一つ一つの中で、省エネルギーや太陽光や何かのことを含めた再生可能エネルギーをビルトインしていくというような、そういうまちづくり全体の施策展開もまた肝要だろうと思っておりまして、その辺をどういうふうに計画の中に組み込んでいくのかというのが、私どもに今課せられた課題だというふうに認識をしておりまして、現在、そのための作業をし、来年まで頑張って、当局の職員一同、頑張っていかせていただきたいと思っております。
 その際に、ご指摘いただいた点の中で、もちろん施策は大胆である必要があるわけですけれども、実施する際には、いろいろ現場の実情などをちゃんと踏まえて、その辺も配慮したきめ細かさも同時に必要だというご指摘もいただきましたので、区市町村との関係、民間企業との関係その他、構えは大胆に、実施においては繊細な意識を持ちながら両面頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○上野委員 力強い局長のご答弁、ありがとうございました。
 この再生可能エネルギーというのは、地球温暖化だけでなくて、防災対策上も非常に効果があるといわれております。そういった意味では全力を挙げていただきたい。
 また、今後、二〇一六年のオリンピック招致に向けまして、東京を環境先進都市としていくためにも、全庁を挙げた温暖化対策を一層推進していただくことを強く期待いたしまして、私の質問を終わります。

○たぞえ委員 初めに、ヒートアイランド対策について伺います。
 今、地球温暖化に伴って、異常気象が地球上で大規模に起こっておるわけですが、地球の平均気温がこの百年で〇・六度上昇しているのに、東京でも事実、二度以上上昇する。そのため、都民が高温にさらされる時間が増加して、都市生活の快適性が損なわれる、低下するという事態が生まれているわけです。
 オフィスや家庭、コンピューターや自動車などで使うエネルギー熱の増加、コンクリートやガラス面からの日射による高温化、また先日、都議会の討論会でも出ましたが、自動車の車体の底から出る高熱、こういう新たな都市公害、この熱に対して、解消するためにどう取り組むかということは、まさに待ったなしの課題だというように思います。
 この問題については、気象学者からもさまざまな実証研究が行われていまして、私が大変注目したのは、最近の大手町と八王子の昼と夜の気温の変化についての検証です。昼の気温が大手町で三十九度、八王子が三十八度と変わらないのに対して、翌日の明け方の気温が、都心では三十度を下がっていないのに、八王子では二十四度に下がっている、こういう結果でありました。
 八王子の場合には、緑を初め自然が多く残されていますから、それが夜間の気温を下げる大きな要因である、このように指摘されているわけです。したがって、新宿御苑などの広大な空間や緑地があることによって、周辺に比べて温度を下げるという効果があることから考えてみますと、海風、谷風、山風などの風の道とともに、公園、樹木、そして芝生などの効果を活用していく、これは都政運営にとっても大変キーポイントになるというふうに考えています。
 そこで、この東京都庁舎敷地内の緑化は対策がどう講じられているか、初めに伺います。

○小山都市地球環境部長 東京都庁舎における緑地面積は約一万一千平米でございまして、緑化率が約六一%となっております。これは、都庁舎における緑化基準三〇%の二倍を超えるものとなっておりまして、さらに都議会議事堂の屋上緑化に取り組むなど、率先して緑地の確保に努めております。

○たぞえ委員 大変な努力をされていると思います。
 ヒートアイランド対策として、学校の校庭の芝生化、これは広大な地面を冷やすわけでありますが、十七年度にモデルで実施した芝生化の効果、どのような効果があったのか伺いたいと思います。

○小山都市地球環境部長 既に芝生化をしておりました杉並区立和泉小学校で効果測定をした結果では、表面温度の低減とともに、一般的に熱中症予防の指標として使われる体感温度についても効果が観測をされております。
 体感温度につきましては、二十八度C以上になると、運動などを行うのは危険とされておりますが、二十八度C以上となった時間は、ダスト舗装の校庭より約一・五時間ほど短縮されるという効果が観測をされております。

○たぞえ委員 都内の公立小中学校で芝生化を実施した場合、東京全体でどのくらいの緑化面積が生まれるのでしょうか。

○小山都市地球環境部長 平成十六年度の統計によりますと、都内公立小中学校が約二千校、このうち屋外運動場面積は、新宿御苑のおおよそ十九倍の約一千百ヘクタールでございます。
 緑地の面積につきましては、各学校での遊具等、器具の設置状況や運動場の利用形態により異なること、また、各学校がそれぞれの実情に応じて判断していくこと、このようなことから算定が難しゅうございますけれども、一定程度の面積にはなるというふうに思っております。

○たぞえ委員 大変な緑が創出されるわけですから、先ほど議論がありましたけれども、地元区市町村等との協議を含めて緊密な対策が必要だと思います。
 東京都みずからが道路用地で取得したような土地でありますが、事業化するまで数年、その場所がさくで囲まれて放置されている。放置ということではないんでしょうけれども、都民的には、何年もその場所が同じような状況になっているわけですね。しかも、アスファルトやコンクリート化されたそういう用地がある。こういったものも、事業化するまでの間に、そうした緑化対策などをとって、都施設の緑化ということを大いに推進する必要があると思います。
 その上で、環境局が都庁各局に対して、このヒートアイランド対策を進めていく上でどういう働きかけを行っていくのか。例えばこの議会局にはどういう働きかけを行っていくのか、例えば警視庁にはどうやっていくのか。個々のことは伺いませんが、全体的にはどういう働きかけを行っていこうと考えていらっしゃるのでしょうか。

○小山都市地球環境部長 平成十四年八月に、環境局が事務局となりまして東京都ヒートアイランド対策推進会議を設置いたしました。この会議におきまして、平成十五年三月にヒートアイランド対策取組方針を策定いたしました。この取組方針に基づきまして、街路樹再生、屋上緑化、壁面緑化などの各局事業の取り組みを促しているところでございます。

○たぞえ委員 東京都がこのヒートアイランド対策を一層進める上で、私は大変重要だなと思っておりますのが、〇二年度から実施したメトロスです。これは小学校などに設置されている百葉箱に、温度、湿度などを記録できる小型の装置を設置して観測してきました。メトロスは百二十地点での気象観測が行われましたが、この効果についてまず伺います。

○小山都市地球環境部長 東京都は平成十四年度から、ヒートアイランド現象の地域的な特性を把握するために、平均二・五キロメートル間隔、区内百二十カ所において気温、湿度を計測し、真夏日や熱帯夜の日数を把握することといたしました。
 平成十四年度から平成十七年度まで計測を続けた結果、当初の目的であった地域的な特性を把握することができたものと考えております。

○たぞえ委員 この百二十カ所の観測は都内全域を網羅しているわけですが、最近では集中的な雨が夏場に多く降って、大体時間も午後三時から四時、こういうのがピークになっている。さらに夜九時から十時ごろも集中している。この時間帯に集中するというのは大変おもしろい現象だと思います。
 専門家の話で注目する点では、どこの地域に大量に雨が降るのかという予測は、一時間前に気温が一番高くなる地域に集中しているというデータでした。降り出す一時間前の風と気温がどうなっているか、このことを事前にキャッチすれば、集中豪雨の地点などの予測が可能だというわけです。
 メトロスはその先端を行く観測体制の器具です。ところが、東京都は、三カ年計画だといって、十七年度にこの事業を終了してしまったんです。ヒートアイランド対策の場合、実態の把握、モニタリング、観測体制を安定して保証するということが何よりもかぎです。きめ細かな気候、風の観測体制などは、この三年間で十分だというわけにはいかないわけです。
 メトロスによる気象観測百二十カ所、この復活は、快適な東京をつくる上で決定的だと思います。ぜひこの復活を求めますが、どのようにお考えでしょうか。

○小山都市地球環境部長 平成十七年度までの百二十カ所でのメトロスでの計測は、ヒート対策の第一弾として、区部における地域的なヒートアイランド現象の傾向を把握するためのものでございました。四カ年度において当初の施策目的を達成することができました。
 また、この四年間、さまざまなヒートアイランド対策を講じ、また昨年度は、集中的にヒートアイランド対策を推進するヒートアイランド対策推進エリアを設定し、対策を推進しております。
 こうしたこれまでの測定やさまざまな取り組みは、いわばヒートアイランド対策の第一段階でございまして、今後さらにレベルアップした新たな段階のヒートアイランド対策を構築していくこととしております。測定のあり方についても、新たな段階を踏まえた施策体系の検討の中で考えていくべきものと認識しております。

○たぞえ委員 この三年間で地域的な特性を把握できたということであるわけでありますから、この貴重な結果に基づいて対策をすき間なくやる必要があると思います。もし十八年度以降も実施されていれば、昨年九月のような集中的な豪雨、これに対する対応策も生まれたのではないか、このように考えます。
 今、答弁で、構築していく中で考えていくというふうにおっしゃいましたが、この三年間のデータ、そしてこの特性を、施策に直ちにつくっていくというふうにするべきだと思います。施策です。実施をするということが何よりもかぎ、こういうことであると思うんです。
 こうした取り組みは、今、埼玉県や神奈川県でも始めておりまして、ヒートアイランド現象でその影響を受けている埼玉や神奈川と一体となって対策を進めることが大変有効だと思います。ディーゼル規制についても、八都県市で共同で推進をしてきたわけですから、この課題こそ、八都県市で進めることが大きな効果を生むと思います。
 都が率先してその実現に努力をする必要があると思いますが、お答えいただきたいと思います。

○小山都市地球環境部長 ヒートアイランド対策につきましては、今年度初めて、八都県市首脳会議の環境問題対策委員会におきまして、八都県市として取り組む課題と位置づけられました。
 八都県市の取り組みの初年度といたしまして、都は、これまで都が先進的に行ってまいりましたヒートアイランド対策で培った知見を情報提供し、また各県市と共同してヒートアイランド対策の取り組みを促進するための普及啓発パンフレットをこの夏に作成いたしました。
 今後とも、各県市と共同しながらヒートアイランド対策を進めてまいります。

○たぞえ委員 ぜひ強力に進めていただきたいと思います。
 さて、地球温暖化の原因になっている二酸化炭素についてですが、京都議定書に基づいて六%削減しなければならない。しかし、逆に二四%も増加をしています。大気汚染については、自動車排ガスは、ディーゼルの浮遊粒子状物質こそ改善され、環境基準が達成されましたが、二酸化窒素は横ばいで、きょうの資料にもありますように、自排局で三十四局中十九局の適合にとどまっています。
 東京都が積極的な地球温暖化対策というのであれば、自動車の集中を呼び込む事務所や事業所の過度な東京集中を抑えるとともに、自動車の走行量、排ガスの規制など、さらに強化することは欠かせないというふうに思います。
 東京都のディーゼル車規制の場合、新車の買いかえだけではなくて、後づけのPM減少装置の装着でも対応できるようになっていたため、厳しい中小企業の経営環境の中で、買いかえのほかに、多くの事業者が装置を装着することで対応できるようになり、こうした大きな取り組みが大気環境の改善を進めたというふうに思います。
 そこで、PM減少装置の指定はこれまでどのぐらい行われてきて、どのぐらいの台数が普及したのか、改めて伺います。

○中島自動車公害対策部長 PM減少装置でございますけれども、これまで計三十社、六十三型式が指定されております。こうした指定の結果、東京都のディーゼル車規制の対象となる元年規制車から長期規制車までのほとんどの車両が、PM減少装置の装着によりまして規制対応が可能な状況となっております。
 私ども東京都の推計では、これまで全国で約五十万台普及してきております。

○たぞえ委員 全国で五十万台に届こうという台数に普及したということは、東京の大気環境の改善と事業者の負担軽減にも一定の役割を果たしてきたというふうに思います。
 一方、NOxやPM法の規制対応については、後づけ装置の開発、普及がおくれていて、そうした形にはなっていないというふうに聞いています。
 そこで、現在、国が認定しているNOx・PM同時低減装置の認定状況はどうなっているのか。

○中島自動車公害対策部長 NOx、PMを同時に低減する装置でございますけれども、平成十五年から国が認定を行っておりまして、このうち東京都においても指定を行っている装置は計四社、四型式でございます。
 また、この装置が装着可能な車両でございますけれども、比較的古いいわゆる元年規制車及び短期規制車両のごく一部に限られております。
 なお、装置メーカーからの聞き取りによりますと、これまでの普及台数は全国で約千三百台でございます。

○たぞえ委員 自動車NOx・PM法の規制への対応は、今やピークを迎えつつあるというふうに聞いていますけれども、後づけ装置の普及状況は全国で千三百台、全くお寒い状況だというしかない、そういう状況だ。
 我が党はこれまでも、NOxとPMを同時低減させる装置の開発を主張してきました。NOx・PM低減装置のことは、本来、国とメーカーが責任を持って対応すべき問題であるということは私どもも理解をしておりますが、この装置の開発がなぜ進まないのか。また、事業者負担の立場からこの装置をどうとらえているのか、見解を伺いたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 NOxとPMを一層低減するためには、基本的には最新規制適合車への買いかえ促進、これを図っていくことが必要であるというふうに考えております。
 ただ、コンクリートミキサー車などの特殊な車両の中には、通常のトラックあるいはバスなどに比べまして、架装のための価格も高くて、また使用年数が長くなりがちなものもございます。こうした車両のユーザーにとりましては、NOx・PM低減装置の普及が図られるということであるならば、そういう面で事業者の負担軽減につながっていくというふうに考えております。
 そうしたことから、私ども東京都ではこれまでにも、八都県市とも連携を図りながら、国に対しまして、多くのエンジン型式に対応する低廉なNOx・PM低減装置の開発を行うことにつきまして自動車メーカーに指導するよう求めてまいりました。
 近年、一部のメーカーでございますけれども、NOx・PM低減装置が開発されてきてはおりますが、やはりNOxとPMを同時に低減することにつきましては技術的に難しいものもございまして、現時点では最新規制適合車の排出ガスレベルを達成できるものは開発されてございません。
 そのため、東京都は、自動車NOx・PM法の規制対応につきまして、買いかえ支援策等の充実を国に求めるとともに、また東京都独自の買いかえ支援措置を実施しているところでございます。

○たぞえ委員 この問題は、全く国やメーカーの怠慢だと思うんです。東京都としても、事業者負担の軽減を図るために、NOxやPM低減装置の開発促進について、ぜひとも働きかけを強化するべきであると思いますが、どのような対応をされますでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 先ほどもお答えさせていただきましたけれども、NOxとPMをさらに低減していくためには、基本的には最新規制適合車への買いかえ促進が必要でございます。
 しかしながら、先ほどの特殊車両などの一部のユーザーにおきましては、NOx・PM低減装置があれば負担軽減につながることから、これまでにも八都県市とも連携を図りながら、国に対して、多くのエンジン型式に対応するそういった低廉なNOx・PM低減装置の開発を行うことについて自動車メーカーに指導するよう求めてまいりました。
 今後とも、そうした観点から、NOx・PM低減装置の開発につきまして働きかけを行ってまいります。

○たぞえ委員 本来ならメーカーの責任でNOxやPM低減装置が開発されて、メーカーの費用負担によって装置の装着が行われてもいいのにもかかわらず、国やメーカーの怠慢によって、厳しい経営環境の中で、多くの事業者は自動車NOx・PM法の規制対応に苦慮している、こういう状況だと思います。
 私の地元でも、トラック協会に伺いますと、こういう問題についての切なる声が寄せられます。東京都においても、国やメーカーの問題だと、こういうふうに片づけるだけではなくて、事業者のそうした厳しい状況を踏まえて、国やメーカーに対して一層働きかけを行っていくことを再度、強力に要請しておきたいと思います。
 以上です。

○東村委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○東村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 以上をもちまして、第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
   午後二時二十六分散会

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