委員長 | 東村 邦浩君 |
副委員長 | 佐藤 広典君 |
副委員長 | 樺山たかし君 |
宇田川聡史君 | |
尾崎 大介君 | |
たぞえ民夫君 | |
上野 和彦君 | |
野島 善司君 | |
石毛しげる君 | |
こいそ 明君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 依田 俊治君 |
次長 | 矢口 貴行君 | |
道路監 | 道家 孝行君 | |
総務部長 | 島 博文君 | |
用地部長 | 藤井 芳弘君 | |
道路管理部長 | 内海 正彰君 | |
道路建設部長 | 林 健一郎君 | |
公園緑地部長 | 伊藤 精美君 | |
河川部長 | 高橋 興一君 | |
道路保全担当部長 | 米田 秀男君 | |
道路計画担当部長 | 桐越 信君 | |
公園管理担当部長 | 北村 俊文君 | |
参事 | 吉原 一彦君 | |
参事 | 小田 昭治君 |
本日の会議に付した事件
平成十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
建設局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
○東村委員長 ただいまから平成十七年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより建設局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十七年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○島総務部長 去る十月十一日の当分科会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
お手元の平成十七年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと思います。
表紙をおめくりいただきますと、目次に十一件の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
一ページ目をお開き願います。事業別予算、決算額の推移でございます。
この表は、道路、河川、公園など建設局事業につきまして、平成八年度から平成十七年度までの予算額と決算額を事業別にあらわしたものでございます。
二ページをお開き願います。骨格幹線道路及び地域幹線道路の予算、決算額の推移をあらわしております。
この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路につきまして、平成八年度から平成十七年度までの予算額と決算額をあらわしたものでございます。
三ページ目をお開き願います。小田急線(世田谷代田駅-喜多見駅間)連続立体交差事業の決算額の推移とその内訳でございます。
この表は、小田急線の世田谷代田駅から喜多見駅間で実施しています連続立体交差事業につきまして、平成六年度から平成十七年度までの決算額を都市側と鉄道側に分けてあらわしたものでございます。
四ページ目をお開き願います。JR南武線(稲田堤駅-府中本町駅間)連続立体交差事業の事業費とその内訳でございます。
この表は、JR南武線の稲田堤駅から府中本町駅間で実施している連続立体交差事業につきまして、平成三年度から平成十七年度までの稲田堤駅から稲城長沼駅間の一期区間と、矢野口駅から府中本町駅間の二期区間の事業費の決算額と、平成十八年度から平成二十二年度までの二期区間の残事業費を都市側と鉄道側に分けてあらわしたものでございます。
五ページ目をお開き願います。連続立体交差事業における事業の周知方法でございます。
この表は、連続立体交差事業の周知方法につきまして、広報の実施主体別に広報の手段等をあらわしたものでございます。
六ページ目をお開き願います。みちづくり・まちづくりパートナー事業の現状でございます。
この表は、みちづくり・まちづくりパートナー事業につきまして、平成十一年度から平成二十年度までの全体事業費と、平成十六年度までの決算額、平成十七年度の決算額、平成十八年度の予算額及び平成十九年度以降の事業費をあらわしたものでございます。
七ページをお開き願います。稲城大橋有料道路の交通量、収入実績及び維持管理費の推移でございます。
この表は、稲城大橋有料道路につきまして、平成八年度から平成十七年度までの交通量、収入実績及び維持管理費をあらわしたものでございます。
八ページ目をお開き願います。都立公園整備の決算額の推移でございます。
この表は、都立公園整備につきまして、平成十三年度から平成十七年度までの決算額を公園別にあらわしたものでございます。
九ページをお開き願います。北多摩地域の都立公園における用地取得でございます。
この表は、北多摩地域の都市計画公園と緑地につきまして、都市計画面積、開園面積、今後の用地取得面積をあらわしたものでございます。
一〇ページ目をお開き願います。霊園葬儀所整備費の決算額でございます。
この表は、霊園葬儀所整備費につきまして、平成十七年度の予算額と決算額をあらわしたものでございます。
一一ページ目をお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十三年度から十七年度までの道路、河川及び公園の決算額を財源別にあらわしたものでございます。
以上、要求のございました資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○東村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○樺山委員 私は、東部低地帯、いわゆる江東ゼロメートル地帯といっておりますけれども、この水害対策といいましょうか、行政がこの具体的なシミュレーションをどう描いているかということについて幾つか質問をしたいというふうに思います。
河川海岸費というのがございますけれども、これは五百五十二億。そのうち八十四億円、つまり一五%強が高潮防御施設費ということになっております。いつ東京湾あるいは河川を、高潮がいわゆる都市部を襲う、そういった可能性があるかもしれない、こういうことに対応する費用でありますけれども、この高潮防御費で整備する地域の中で、東京の東部地域、いわゆる低地帯、海水面より地盤が低い地域、繰り返しますが、ゼロメートル地帯、この地帯は、歴史的にも、人口、資産、特に工業資産、商業資産が集積した地域でありまして、この地域のいわゆる高潮対策というのは大変に重要であるといわざるを得ないわけであります。
都は、この地域を守る外郭堤防や水門を既に整備しているわけでありまして、私自身も、先日まで二年間、東京都の水防会議の委員という立場にありましたので、その辺の都の意気込みといいましょうか、心構えはよく存じているわけであります。
しかし、こういった行政や我々の予測をはるかに超える近年の異常気象、これによって引き起こされた台風や集中豪雨で、それこそ本当に予想だにしないような大雨等が降った場合に一体どうなるんだろうか。河川から水があふれて大きな水害が生じるおそれが極めて大きいと考えております。
ご承知のとおり、ことしの梅雨は異例の長さでありまして、しかも、全国各地にかつてない集中豪雨をもたらしたわけであります。特に、七月十五日から二十四日までの十日間における西日本各地の被害は甚大でありまして、二十八名に及ぶ死者、行方不明者を出したことは記憶に新しいところであります。
これらに象徴される異常気象は、地球温暖化によるヒートアイランド現象によって海水の温度が上昇して、日本の気候自体が亜熱帯化しつつある徴候であるとの有力な学説をも許す背景となっております。
東京に一時間に一〇〇ミリを超える雨、つまり短時間の集中豪雨の確率は、ついせんだってまでは百年に一回ぐらいだろうといわれていたわけでありますけれども、今や、いつ、あしたこれが起こっても不思議ではないとだれもが考えるに至る、こういった状況になっております。つまり、昨年、ニューオーリンズを襲ったカトリーナ級の超異常気象が、いつこの東京にやってくるかもしれないという不安感を多くの都民が抱き始めているという現実を我々は直視しなければならないと思います。
加えて、幸か不幸か、現在、関東地方のダムの貯水量がすべて一〇〇%を超えております。そのダムと密接不可分な関係にある山林の保水力も限界に近づいているといわれておりまして、つまり、何か事態の急変でもあれば、ぎりぎり限界まで水をたたえたダムの水を思い切り放水、放出をするしかすべがないわけでありまして、そうなれば河川のはんらんの危険性が限りなく増大するという当然の理屈になるわけであります。
中でも、支流が多くて水量の豊富な荒川が危ないという説が、近年、流域住民の間に強く流布されるに及んでおります。荒川は、埼玉、山梨、長野の県境、いわゆる甲武信岳を水源とする川でありまして、東京の都市部を貫いて東京湾に注いでいるわけであります。その象徴的な特徴は、水源から河口までの距離が短い、そして勾配も大変急だ、そういった地形的な事情等によって、歴史的にもはんらんを繰り返してきているという川であります。荒ぶる川あるいは荒っぽい川が、その名称の由来となったともいわれているようであります。
この荒川流域には、足立、江東、墨田、江戸川、葛飾、いわゆる江東ゼロメートル地帯の各区がそれぞれ密集した住宅地域を抱えておりまして、多くの都民が、申し上げているような危険と表裏一体の生活を余儀なくされているといって過言でないわけであります。
加えて、我が葛飾区、そして、お隣に二人いらっしゃるわけでありますが、江戸川区、この荒川と並ぶ一級河川、中川という川が貫流しておりまして、これまでもよく区民、住民の間では、もう六十年も前になる昭和二十二年のカスリン台風によってこうむった未曾有の被害について、事あるごとにいまだに語り継がれている、そういった現実もございます。
そこでまず、以上のような歴史的な経過等々も踏まえ、今後の溢水あるいは洪水による水害の可能性について、東京都はどういう認識をしておられるかお伺いをしたいと思います。
○高橋河川部長 東京の東部低地帯に広がります、東京湾の満潮面、AP二・一メートルより低い地域、いわゆるゼロメートル地帯は、先生お話しのとおり、歴史的に洪水や高潮による水害が多く、都ではこれまで、重点的に河川整備を進めてまいりました。
東部低地帯では、伊勢湾台風を想定した、満潮面より三メートル高い高潮に対応した安全な高さの防潮堤が既に概成しております。
都では、平成十二年に東海地方を襲った、時間最大一一四ミリ、総雨量五八九ミリの東海豪雨、これは東京の観測史上最大の降雨をもたらした狩野川台風をはるかに上回るものでありますが、これを想定し、浸水予想区域図を発表しております。
その際に実施いたしましたシミュレーションによれば、下水道などからの内水はんらん被害は予想されておりますが、東部低地帯の河川護岸からは、このような大豪雨におきましても溢水が発生しないことが確認されております。
○樺山委員 大変力強いお答えをいただいて、ゼロメートル地帯の大雨、今後相当の豪雨に見舞われたとしても、それなりの対応ができるということでございますから、非常に休心をしたというよりも、安心をしたところであります。
しかし、我が葛飾区に、下町において水害の可能性を研究し、それをまちづくりに役立てようとするNPO法人があります。これ、かなり地域では有名な団体であります。この団体の理事長が、いわゆるスーパー堤防の名づけ親ともいわれる都庁OB、かつ河川の専門家の方であります。
この護岸のプロが繰り返し訴えていることは、荒川、そして中川が貫流するゼロメートル地帯に、先般来申し上げております予測不可能な大地震、集中豪雨が突然襲ってきた場合の被害想定や住民の心構え、何より行政がそれを未然に防ぐための今後の手だてについてであります。
前歴が前歴な方だけに、その考え方には強い説得力があって、地元区の葛飾区や江戸川区でも、お招きしてシンポジウムを開催したり、その護岸知識、治水に関する知識について、それなりの評価をしているようであります。
いずれにいたしましても、堤防のあり方や治水についてのプロパー中のプロパーが、あしたやってくるかもしれない突発事態について、流域自治体や住民に警鐘を鳴らし続けているという現実をぜひご認識いただきたいわけでございます。
その危機認識というのは、極端なことを申し上げると、地域の地価の動向にすら影響を及ぼす、実はこのぐらいの状況になっておりまして、例えばこれから建てる建物は、平屋、二階はだめよ、三階建て以上を建てないと、皆さん大変ですよと。しかも、三階建て以上にもって加えて、屋上をちゃんとつけなさい。あるいは、あの広大な新小岩公園を早くスーパー堤防にしなさい、避難場所があそこしかないですよと。こういったお話がどんどん地域の自治町会を中心に広がっておりまして、また、それをかたくなに信じる、こういった風潮すら現に生まれているわけであります。
このことでもおわかりのとおり、近年話題になっている首都直下型地震のような大地震によって外郭堤防が損壊すると、この地域全体に水害が広がって、集中豪雨に加えて多大な被害が予想されるわけであります。
そこで、具体的にお伺いしたいわけでありますけれども、東部低地の河川の外郭堤防の耐震対策、これは大変重要だと思うわけでありますが、まず、この外郭堤防の耐震対策の都が講じている現状についてお知らせいただきたいと思います。
○高橋河川部長 東部低地帯の外郭堤防が地震時に損壊いたしますと、東京湾からの海水が浸入いたしますことから、外郭堤防の耐震対策は極めて重要であると認識しております。
平成七年の阪神・淡路大震災を踏まえまして耐震設計基準が見直され、平成九年度から計画的に外郭堤防の耐震対策を進めてまいりました。十七年度末現在、隅田川や中川など対策の必要な外郭堤防五十五キロのうち、九六%に当たる五十三キロの耐震対策を完了いたしております。残る区間につきましても、現在工事を進めておりまして、平成二十年度までに完成いたします。
なお、お話のございましたNPO法人に関してでございますが、同法人のホームページによりますと、地震によって堤防が崩れたときの洪水の広がり方を、国土交通省が作成した洪水時のシミュレーションを転用し、デモ版を作成したとあります。したがって、荒川の計画降雨に発生する大規模な洪水と、耐震設計されている堤防が破壊されるまでの大規模な地震との複合災害を前提としているものと判断できます。
このような大洪水と大地震が同じ年に発生する確率は、荒川の計画降雨で想定されている二百年に一回の降雨確率と、マグニチュード七クラスの首都圏直下型地震が発生する三十年以内に七〇%程度の確率を掛け合わせることにより、四千六百年に一回と算出されます。
また、地震により破壊された堤防の応急復旧に要する期間を一カ月とすると、この期間に洪水が発生した場合には、NPOが想定しているような被害が発生すると考えられます。このような事象が発生する確率を計算いたしますと、五万五千年に一回と算出され、極めて非現実的な想定といわざるを得ません。
○樺山委員 すごい答弁が出ました。五万五千年に一回ということで、氷河期がまた地球に復活しないと、そういった状況にはならないというふうなお話かと思いますが、いずれにしても、既に耐震対策がかなり具体的に進んでいる。ゼロメートル地帯の都民もおおむね、地震時の水害というものに対しては、行政は相当進んだ対応をしているということを理解させていただいたわけであります。
しかも、平成二十年度までに残りを全部完成させるということですから、これは率直にいってびっくりいたしました。ぜひそれを達成するように最大限のご努力をいただきたいわけでございます。
また、この外郭堤防の内側の河川についても、満潮時に周辺地域より水位が高くなって、その護岸の耐震化は重要だと考えております。例えば、今申し上げた中川の上平井水門という水門がありますが、これより上流は、地震が起きると、地盤が満潮時の水位よりも低くなってしまう。したがって、満潮時に護岸が損壊あるいは決壊をすれば、当たり前のことでありますけれども、おびただしい浸水が、洪水が予想されるわけであります。
この地域の護岸は、昭和四十年代の後半から五十年代にかけて整備された比較的古い護岸でございまして、地震による液状化、これもさまざまなシミュレーションで既にもう予想されておりまして、引き続いて強力な震災対策を進めていくことが極めて重要だと考えております。
そこで、中川の上流部の護岸の耐震化、先般、NHKのテレビでちょっと間違った報道がありまして、地域住民がある意味でパニックに陥ったという経緯がございました。それは、石原知事が記者会見できっぱり否定をいただいた。大変心強かったわけでありますが、この中川上流部の護岸の耐震化について、現状と今後の進め方についてお伺いしたいと思います。
○高橋河川部長 外郭堤防につきましては、先ほどお話し申し上げましたとおり、高潮に対しては安全な高さを確保しております。かつ、耐震対策につきましても、平成二十年度には完成いたします。
また、外郭堤防の内側の護岸につきましても、台風や集中豪雨による洪水に対しまして安全な高さを確保しております。
しかしながら、この護岸につきましては、阪神・淡路大地震を踏まえた耐震強化対策は道半ばであります。お尋ねの中川上流部の護岸、延長九・三キロにつきましても、耐震化が既に終了している〇・四キロに引き続き、整備を進めてまいります。
今後は、外郭堤防内側の護岸のうち、中川上流を含む満潮面以下の区間の耐震対策に積極的に取り組みまして、十カ年で完了させたいと考えております。
今後とも、水害から都民の生命と財産を守るため、護岸の耐震対策に一層積極的に取り組んでまいります。
○樺山委員 またまた具体的な数字が出てまいりまして、十年で残りを全部やるということをきっぱりとお約束いただいたわけでございまして、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。
ところで、葛飾にはいろいろな川が流れているわけでありますけれども、埼玉から足立を通って葛飾に入り、そして荒川に合流する綾瀬川という川があります。昔はもう名立たる汚染率、汚染度合いの高い川で有名だったわけでありますが、今では大分浄化をされまして、むしろきれいな川に復活をしたわけでありますけれども、この綾瀬川も外郭堤防の内側の河川という位置づけでありまして、中川と同様に高潮対策や耐震化が必要なことに加え、洪水に対して安全な断面を確保しなければならない河川であります。
私も先日まで東京都の監査委員の立場で、不法係留の船舶の調査に、現場に赴いたことがありますけれども、物すごく不法係留の多いところでございまして、とにかく危ない。護岸も大切だけれども、その辺から始めないと、あそこは大変なことになるなというような認識を持ったわけでありますが、なぜあそこに不法係留が多いかというと、東京拘置所がすぐそばにあって、なかなか目があそこに行き届かないんですね。もちろん観光客が来るところではありませんし、余り行きたくないところ。したがって、行政の目も余り届かないというような状況の中で、それこそサーカスもどきの係留の仕方をしている、そういう不法占有者が非常に多い地域であります。
この綾瀬川の小菅一丁目という地域がありますけれども、ここにかかっている水戸橋という橋があります。有名な橋でありまして、この水戸橋は所定の高さが確保されていないということで、もう四十年近くにわたって、かけかえの論議が延々と続いている。ところが、このかけかえに関して課題となっていた高低の、高さの処理や道路形態について、これまで地元と検討を重ねてきて、やっと合意に達したというふうなことを聞いております。
長年の懸案となっていたこの問題が、解決に向けてやっと走り出した。計画立案以来四十年近くたって、やっと前に進み出したと聞いて、私もほっとしているところでありますが、地元や交通管理者との調整が進んだという具体的な状況と、水戸橋の今後の工事のタイムスケジュールといいましょうか、これをお知らせいただきたいというふうに思います。
○高橋河川部長 水戸橋は、けた下高が低く、洪水の流下を阻害しており、かつ老朽化も進んでいることから、かけかえが必要であります。洪水を安全に流下させるための河川断面を確保いたしますと、橋と地先の地盤に高低差が生じ、日常生活に大きな支障を来すことになります。
こうしたことから長年の懸案になっておりましたが、地先への影響を極力少なくするよう、道路を河川沿いに迂回させ、コの字型の橋梁にする案を提示いたしまして、このたびようやく合意が得られました。このことにより、今年度から工事に着手することになりました。
今後、地元や関係機関の協力を得ながら、早期完成に努めてまいります。
○樺山委員 ぜひ今のような丁寧な対応に、今後とも終始していただきたいと思います。
東京の東部低地帯は、水害との闘いの歴史でありました。地元には、水に対する根強い恐怖心が依然として存在いたしておりますが、今の答弁を聞いて、外郭堤防はほぼ完成しており、また外郭堤防の内側についても着実に整備されているということを理解させていただいたわけであります。
私の地元にも、都の取り組みを都会議員としてしっかりと伝えて、今後とも都は、東部地域に暮らす百五十万人の都民が安心して生活できるよう、水害対策に万全を期していただきたい、強く要望して、もう一点だけ、申しわけありません、やります。
電線の地中化事業についてお伺いいたします。
さきの本会議で我が党の宮崎幹事長が、オリンピックは東京の存在感を世界に示す絶好の機会であることから、風格ある街並みの形成に向けて、今まで以上に電線の地中化を急ぐべきだとの質問をしたところであります。
建設局長から、センター・コア・エリア内についてはもちろんのこと、オリンピック関連施設周辺においても一〇〇%の地中化を目指す、また、緊急輸送路や主要駅周辺等においても、事業規模を拡大して実施する旨の答弁がございました。
電柱や電線類によって損なわれている都市の景観を取り戻すためにも、電線類地中化事業を進めることは大変重要だと思うわけでありますが、そこで、電線類の地中化事業に対する基本的な考え方と、既存の都道における平成十七年度の決算額、及びこれまでの地中化の延長をお伺いしたいと思います。
○米田道路保全担当部長 電線類の地中化でございますけれども、災害に対する防災機能の向上や、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図るという上で大変重要でございます。
都は、昭和六十一年度から、五期にわたる電線類地中化計画に基づきまして、山手通りと荒川に囲まれましたセンター・コア・エリア内の幹線道路や緊急輸送路を中心に事業を行っております。
既存の都道におけます電線類地中化事業の平成十七年度の決算額は四十二億五千八百万円でございまして、八・六キロメートルの整備を行い、累計では五百六十五キロメートルが地中化されました。その結果、例えばセンター・コア・エリア内の整備延長は三百四十一キロメートルとなっておりまして、その整備率は約五〇%でございます。
今後は、十年間でセンター・コア・エリア内の一〇〇%の地中化を目指すなど、事業を大幅に拡大して積極的に推進してまいります。
○樺山委員 三日ほど前だったですか、テレビを見ていましたら、十チャンネルだったと思うんですが、「ちい散歩」という地井武男が出演する東京の紹介番組といいますか、あれがありまして、下町のよさということで四谷の荒木町を徹底探訪していました。
それで、荒木町の料亭のおかみさんなんかがいろいろ出てきて、いいところですねえ、風情があっていいねえ、江戸情緒が残っていて、東京らしくなくていいねえとか、いろいろな意見をお互いに述べ合っている、その言葉の中に--電線が、電柱が林立しているわけです、細い荒木町の旧三業地に。それがいいと。こういう風情というのは残しておきたいですねなんていう、かなり乱暴な話を、その料亭のおかみさんと地井武男がやり合っていまして、ぞっとしたわけでありますが、危なくてしようがないですね。あそこは消防車も通れないだろうと思うんです。
したがって、江戸の風情を残すのも大事だけれども、逆に魅力ある東京を形成するということであれば、都道だけじゃなくて、そういった部分、区道や市道の地中化も推進して、具体的な街並み形成を図っていく必要があると思います。
最後に、今のお話に絡んで、区市道を含めた電線類地中化事業の推進に向けた意気込み、取り組みについてお伺いしたいと思います。
○米田道路保全担当部長 区市道の地中化を進めるに当たりましては、電線管理者及び道路管理者の負担が大きい、それから、区市の経験やノウハウの蓄積が少ないこと、それから、狭い道路では技術的に地中化が困難なことなどの課題がございます。
このため、区市におきましても円滑に電線類の地中化を進められますよう、専門的な知識と経験を有する東京都道路整備保全公社と連携して技術支援を行っているところでございます。また、狭い歩道におきましても地中化を進められますよう、電線共同溝の構造のコンパクト化などにも取り組んでまいりました。
都は、電線管理者等と連携して整備を進めるとともに、区市が行います地中化事業を積極的に支援し、面的な広がりに配慮した電線類の地中化を推進してまいります。
○佐藤委員 鉄道に関する工事について伺います。
鉄道と道路、河川が交差している箇所については、都と鉄道事業者が協定を締結し、工事をしております。
例えば連立事業は、道路法第三十一条を根拠とする都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱などにより事業を進めております。
都支出額は、国庫補助、地元区市町村の負担金も含まれますが、都の費用負担は、基本的に、区部であれば三〇・一%、多摩地域の場合三一・五%となっています。鉄道事業者側の負担は、原則として、区部であれば一四%、多摩地域の場合一〇%です。
連立事業だけでなく、鉄道に関する事業は、都が多くの負担をしており、責任を持って事業を履行する必要があるわけです。
協定工事で多くの予算を使いながら、その内容について議会で把握されていない部分があります。そこで、現状を確認し、改善についての意見を述べたいと思います。
そこで伺いますが、過去五年間に締結した施行協定の件数と、そのうちの都支出額の総額を伺います。
○林道路建設部長 連立事業や道路、河川と鉄道が交差する箇所の工事は、運行されている営業線そのものの改良や、その近接での事業がほとんどでございます。
例えば、JR中央線は多くの人々に利用されており、現在事業中の連立事業の対象となる八駅で、一日に約百十二万人もの乗降客がございます。この事業の執行に当たりましては、これらの利用者の安全の確保、安定した輸送力の維持を最優先して事業を進めていかなければなりません。
そこで、鉄道事業者の持つ技術力やノウハウを最大限に活用し、都と鉄道事業者の役割を明確にするため、協定を締結しております。立体交差事業や鉄道跨線橋補修などの道路にかかわる事業、河川の改修に伴う事業、踏切内の歩道拡幅の事業などで四十七件の施行協定を締結しております。
これらの五年間の都支出額の総額は、約九百二十八億円になります。
○佐藤委員 過去五年間の執行額が非常に大きな額であることがわかりました。
それでは、順に事業の内容を伺っていきたいと思います。
過去五年間に新規に締結した協定のうち、道路に係る事業、河川の改修に伴う事業、踏切内の歩道の拡幅の事業について、都支出額を年度ごとにお答えください。
○林道路建設部長 道路にかかわる事業で、十三年度で約六億円、十四年度約二十四億円、十五年度約百九十六億円、十六年度約二百五十九億円、十七年度約三百八十九億円でございます。
河川にかかわる事業では、十三年度約一億円、十四年度約十一億円、十五年度約十億円、十六年度約八億円、十七年度約十八億円でございます。
踏切にかかわる事業では、十三年度約一億円、十四年度約一億円、十五年度約二億円、十六年度約一億円、十七年度約一億円となっております。
○佐藤委員 鉄道関連工事の中でも、道路に係る事業に関して、非常に多くの予算が使われているということがわかりました。
平成十三年から平成十七年までの間に新規に結んだ協定を見た場合、都と鉄道事業者が結んだ協定総額と年度精算額を道路に係る事業について対比させてみますと、平均した場合、約九八%という非常に高い執行率となっております。
また、河川については、協定総額と年度精算額が同額になっております。
また、都は、鉄道事業者に対して、工事に係る費用及び事務費相当額を支払っているようでありますが、事務費を支払う根拠と、過去五年間の都支出額のうち、事務費相当額の総額をお答えください。
○林道路建設部長 事務費相当額とは、事業の執行に当たりまして必要不可欠となる鉄道事業者の人件費、旅費などの経費でございます。その算定に当たりましては、国の定める国庫補助事業の事務費率に準拠しております。
事務費相当額を支払う根拠といたしましては、事業の全体を定める施行協定であり、各年度の事務費相当額は年度協議によって額を定め、支出をしております。
過去五年間で締結した協定にかかわる都支出額のうちの事務費相当額の総額は約十二億三千百万円であり、今申し上げました都支出額九百二十八億円の約一・三%になっております。
○佐藤委員 都から鉄道事業者に対して、十二億円余りの事務費相当額が出ているというわけですね。
次に、工事の施行方法についての確認をさせていただきます。
鉄道に関連した事業の事業主体はだれで、工事の施行はどのように行っているのか伺います。
○林道路建設部長 事業主体は都でございますが、鉄道事業者と協力して実施しており、対等な立場で双方合意により協定を結び、施行区分を定めております。
例えば連立事業におきましては、関連側道の構築工事は都市側の施行となりますが、鉄道施設の変更や鉄道の運転保安上の必要がある工事は鉄道側の施行となります。
鉄道関連の工事は、鉄道利用者の安全を確保し、安定した輸送力の維持を損なわないために、確実な工事施行が必要とされます。そのため、技術力やノウハウを持った鉄道事業者が施行する必要がございます。
○佐藤委員 つまり、鉄道関連事業の事業主体は都になり、鉄道施設の変更や鉄道側の運転保安上の必要がある場合については、工事責任は鉄道事業者になるということですね。
工事は鉄道事業者が行っているとのことではありますが、業者選定は都が行うのでしょうか、それとも鉄道事業者が行うのか伺います。
○林道路建設部長 協定によりまして鉄道事業者が行うこととなる工事につきましては、工事契約の当事者でございます鉄道事業者が業者の選定を行います。
○佐藤委員 業者選定を行うのは鉄道事業者というわけですね。
鉄道事業者の業者選定について調査を行いましたところ、過去に問題があった事例がありました。平成十五年に新聞報道で、京王線調布駅周辺の連立事業に伴い、京王電鉄が土木工事を発注した際に談合の疑惑が報じられました。
平成十五年の京王線の疑惑に対して、都はどのような対策を行ったのか伺います。
○林道路建設部長 京王電鉄の入札について、談合の事実は確認できなかったものの、京王電鉄の契約手続が疑いを持たれかねない手順であったので、都が入札のやり直しを強く求め、京王電鉄は入札をやり直しております。
また、局内に、各鉄道事業者の工事契約の適正化を図るため、協定工事検討委員会を設置し、この委員会において、都と鉄道事業者が締結する協定の基本方針について検討いたしました。
その結果、発注する工事については、原則として東京都建設局積算基準により工事費を積算すること、契約は原則として競争に付すこと、特命随意契約理由については事前協議することとし、新たに標準となる協定書案、いわばひな形を作成いたしました。
そして、事業継続中のものにつきましては、各鉄道事業者に、このひな形に準じた取り扱いとすることを協議し、平成十六年度以降、各鉄道事業者からは、原則として応ずる旨の回答を得ております。
さらに、新たに協定を締結して取り組むこととなった下北沢付近の小田急線連立事業につきましては、ひな形に準じた施行協定を締結しております。
○佐藤委員 都として、さまざまな対策をとったことは評価いたします。
平成十五年の京王線に関する談合疑惑について伺いましたが、都の建設局道路建設部鉄道関連事業課は、平成十六年八月三十日にも、京王線調布駅付近連立事業の土木工事発注に係る談合情報についてという報道発表を行っております。
そこで、都は、東京都工事請負標準契約書に準じ、今後、談合があったことが確定された場合、請負者に賠償金の支払いを義務づける条項を追加するよう、京王電鉄株式会社に要請しましたと報道発表しております。再発防止のため、賠償金の支払い義務づけを鉄道事業者と建設業者との契約書に盛り込んだことに関しては評価いたします。
京王電鉄疑惑の後、新規の協定として締結された下北沢付近の小田急線連立事業において、罰則規定は盛り込まれていないようですが、今後、再発を防止するためにも罰則規定を盛り込むよう、都として取り組んでいただくよう要望いたします。
また、平成十五年の京王線疑惑の後、再度、業者選定をやり直したとのことですが、その結果、最初の疑惑が起きた時点で契約をとっていた業者も含まれていたわけです。通常、談合事件が起きた場合、指名停止措置がなされます。しかしながら、指名停止措置は協定には盛り込まれておりません。
鉄道建設に携わっている独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JRTTでは、国土交通省の定める基準に従い、指名停止措置要綱を定め、鉄道工事の入札を行っております。鉄道関連の事業も多くの税金が入っている事業でありますので、ぜひ協定においても指名停止措置要綱を定めていただき、国土交通省もしくは都の基準に従って業者選定を行うよう、改善を都に要望いたします。
今申し上げました京王線調布駅付近連立事業の土木工事発注に係る談合情報についてという報道発表では、都は、鉄道事業者が引き続き見積もり合わせの結果に従って業者選定を行うことは認めております。
先ほど、平成十五年の京王線疑惑に対しての都としての対策を伺いましたが、その後、平成十六年にも、京王線に関して再び談合情報が都に届いているわけです。都が鉄道事業者に対して、賠償金という罰則を設けるよう指導したことは評価できますが、見積もり合わせという業者選定のプロセスを改善しなければ、競争性は担保されないのではないでしょうか。
また、他県の話になりますが、先週、十月二十日付の共同通信等の報道において、名古屋市が発注した市営地下鉄の延伸工事の入札で事前に受注調整が行われていたという疑惑で、名古屋地検特捜部が関係者から事情聴取をしているとの報道がなされました。
今回捜査が行われているのは名古屋市ということではありますが、鉄道関連工事をめぐる競争性に対して疑惑が起きているわけでもありますから、鉄道関連工事の事業主体である都も、契約手続の監督責任がある以上、制度の見直しを厳正に行うことが求められます。
都との合意に基づき、鉄道事業者はどのように契約を締結しているか伺います。
○林道路建設部長 この事業が公共事業であることにかんがみ、契約に当たって、その透明性及び公正性の確保のため、原則として競争に付す方法により契約を締結しております。
具体的には、指名競争入札による契約や、指名競争入札の後、さらに価格を下げる交渉を行う指名競争見積もり合わせといわれる民間企業独特の方法により、競争性を確保した契約が行われております。
○佐藤委員 競争に付す方法というのは、入札の義務づけがなく、指名競争入札や指名見積もり合わせなどで業者選定を行っているということですね。
それでは伺いますが、都と鉄道事業者との協定において、入札に限定せず、競争に付す方法を求める取り決めをしている理由を伺います。
○林道路建設部長 東京都を含む地方自治体の場合には、地方自治法によりまして、原則として競争入札を行わざるを得ません。
しかし、民間企業にとっては、指名競争入札が唯一絶対の方法ではなく、それぞれの契約にとってふさわしい競争性のある契約方法を選択できるわけでございます。例えば市場における競りなども、その一つの方法でございます。
ところで、鉄道事業者により、指名競争入札や指名競争見積もり合わせなど、契約方法に違いはございますが、いずれも競争性を確保した契約方法であると認識しており、それらを包含する表現として、競争に付す方法としておるところでございます。
○佐藤委員 指名競争入札や指名競争見積もり合わせが行われているとのことではありますが、鉄道事業者各社の基準は統一されておりません。統一された客観的な基準で業者選定を行うことが必要ではないでしょうか。
引き続き、鉄道関連工事の見積もりに関して伺います。
事業主体が都ではありますが、工事の見積もりを行うのは都でしょうか、それとも鉄道事業者でしょうか。また、都の積算基準を使っていない場合があれば、どういう事例なのかお答えください。
○林道路建設部長 協定により鉄道事業者が行うこととなる工事につきましては、工事契約の当事者として、鉄道事業者が工事費の積算を行います。協定書のひな形によりまして、工事費の積算に当たっては、原則として都建設局積算基準によることを鉄道事業者に求めております。
しかし、鉄道に関する工事につきましては、この基準ですべてが網羅されているわけではなく、鉄道事業者各社の基準によらざるを得ないものがございます。例えば、軌道工事や信号工事などの電気設備工事は、局の積算基準では定めがないため、各社の基準によることになります。
しかし、都は事業主体として、鉄道事業者が積算する事業費及び施行計画について、事前に厳正な確認を行っております。
○佐藤委員 つまり、お話を伺ってまいりましたが、鉄道関連工事については、見積もりも業者選定についても、都は鉄道事業者に任せているわけですね。
都が鉄道事業者に委任する以上、しっかりとしたチェックが必要です。軌道工事や信号工事などについては、都建設局積算基準に定めがないということではありますが、都の積算基準がない分野については、鉄道事業者各社が見積もり算定に使えるような積算基準の補完をするよう、都に対して要望いたします。
鉄道事業者の契約は、原則、競争に付す方法ということですが、特命随意契約もあるのではないでしょうか。
そこで伺いますが、鉄道事業者はどのように特命随意契約を行っているのか伺います。
○林道路建設部長 特命随契を採用する理由は、大きく分けて二つございます。
一つは、鉄道営業線の日常運行の安全の確保や、鉄道設備の特殊性に起因する技術及び経験の必要性のある場合は特命随契としております。
もう一つは、鉄道施設の品質管理、施行管理、安全管理を行う上で継続性を保持することが必要な場合にも特命随契としており、その結果、責任の一元化が図られております。この場合、最初に業者を決めるときは指名競争入札等の方法で行っており、その契約の際の落札比率を基準として、その後の特命随契における契約金額の適正化を図っております。
なお、特命随契を採用する理由につきましては、都は事前協議を行い、確認をしております。
○佐藤委員 安全面の配慮というものは、非常に大切な課題といえます。鉄道事業者からすれば、安全確保のために特命随意契約で業者の選定を行っていると述べるかもしれませんが、入札を行い、かつ安全への対策を行っている事例もあります。
鉄道建設に携わっている独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構では、鉄道工事の入札を行い、鉄道・運輸機構のホームページ上で入札経過調書の情報公開も行っております。
同時に、鉄道・運輸機構では、低入札価格調査制度調査対象工事に係る監督体制等の強化についてという通達を出し、低価格入札の場合には、監督体制の強化などを行い、安全の確保に取り組んでおります。このように、入札を行った場合であっても、監督体制の強化や示方書などへの明示等といった対策をとることができるわけです。
税金が使われている事業である以上、安全面の配慮と競争性の双方を実現する必要があり、鉄道・運輸機構の取り組みは見習うべき事例であると考えております。
引き続き、業者選定の方法について伺います。
私も、鉄道関連工事の現場を見て回りましたが、鉄道事業者の系列会社が施行している現場がとても多いという印象を受けました。業者選定を行う際に、どのようにして業者の絞り込みをしているのか疑問を持ちました。
そこで伺いますが、鉄道事業者各社がそれぞれ登録業者を持っているのかどうか伺います。
○林道路建設部長 東京都におきましても、競争入札参加有資格者名簿を備えて指名業者の登録を行っているのと同じように、鉄道事業者におきましても、安全性の確保や品質管理の点から、それぞれ技術力、工事実績、信頼度、資金力などに基づき業者登録をしていることは確認しております。
また、例えば大規模な土木工事におきまして、京急の連立事業では八工区で二十三業者、JR中央線連立事業におきましては九工区で二十業者、小田急線下北沢付近の連立事業におきましては五工区で十七業者がそれぞれ建設共同企業体を結成して受注しており、多くの業者が施行を担当しております。
ところで、先ほどお話のございました鉄道建設・運輸施設整備支援機構についてでございますが、この機構は、東北新幹線の延伸工事や成田新高速鉄道の新規敷設などの発注主体でございまして、また連立事業における複々線化事業として、小田急線経堂連立事業と西武池袋線中村橋連立事業とに資金助成を行っております。
この機構は、国の独立行政法人でございまして、国の手続に準じて入札経過調書の公開などの入札契約手続を行うことを義務づけられた団体であり、民間企業である鉄道事業者とは同一に扱うことはできないと考えております。
○佐藤委員 現状の取り組みでは、鉄道事業者の登録業者しか競争に参加できないわけです。
契約については、多額の税金が投入されている以上、客観的な基準が必要と考えます。
また、安全面への配慮と履行の確保は大事ではありますが、税金を使っている以上、契約内容のチェックは必要であり、過去の契約経過の関係書類を提出させるべきではないかと考えます。
そこで伺いますが、都がどのように鉄道事業者の契約を確認しているのか伺います。
また、鉄道に係る事業において、過去五年間の入札件数と随意契約の件数をお答えください。
○林道路建設部長 毎年度の確認行為におきまして、各年度の契約方法、出来形、支払い状況を確認してございます。
そのうち契約につきましては、鉄道事業者から、工事件名、契約金額、契約業者を記載した工事件名リストを提出させ、個々の契約についての社内資料である契約書を確認の上、契約経過についてヒアリングし、競争性の確保の状況を確認してございます。
平成十七年度は、この工事件名リストにより契約件数を把握しており、例えば連立事業では七路線九カ所で、総件数は六百八十三件に上ります。
また、鉄道事業者の登録業者しか競争に参加できないというお話がございましたが、多くの乗客の命を預かっております鉄道施設を安全に改変するため、技術力や経験を有する登録業者に限定し、その中で競争性を確保しながら施行業者と契約することは当然のことだと考えております。
○佐藤委員 工事件名リストを提出させているとのことですが、ぜひ契約書や契約経過の関係書類などに関しても提出させる必要があるのではないでしょうか。都として、さらに詳細に契約内容の把握に努めていただくよう要望いたします。
契約内容の把握と同時に、鉄道事業者の契約情報の公開が必要であると考えております。
都と鉄道事業者が結んだ協定を具体的に確認いたしますと、道路、東京都市計画道路補助線街路第二六号線及び同第五四号線と小田急電鉄小田原線、代々木上原駅から梅ヶ丘駅間との連立事業及び複々線化事業に関する施行協定書によれば、第十条において、必要に応じて相互に進捗状況を速やかに受けることができるものとすると規定しております。
同時に、平成十六年三月三十日に都と小田急電鉄が取り交わした覚書においても、公正性と透明性の確保という項目の、第一条、一においては、甲と乙は、事業の遂行に当たり、公正性と透明性の確保に努めるものとすると記されております。
以上のように、都と鉄道事業者が協定を結び、そこには透明性の確保が規定されているにもかかわらず、契約経過の関係書類は出てきておりません。事業に税金が投入されている以上、契約の検証と都民への説明のため、契約案件の審査、契約経過の関係書類の精査と開示が必要と考えております。
また同時に、見積もり内容、契約経過の関係書類といった書類の提出がなければ、詳しい検証ができないのではないでしょうか。契約経過の関係書類を都に提出してもらうことに制約はないわけですし、そもそも公開して困る情報はないわけですから、可能な限り情報公開すべきと強く要望いたします。
そこで伺いますが、都に契約経過の関係書類を提出させることを義務づけ、公開も必要と考えますが、都の見解を伺います。
○林道路建設部長 透明性及び公正性の確保にかかわる協議を行った平成十六年度以降の確認においては、社内資料の提出に応ずる鉄道事業者もあらわれてきております。
また、十七年度からは、契約方法についても、都が取得した文書の扱いとなる資料の提出を求めており、提出に応じる鉄道事業者もあらわれております。
さらに、今年度には、工事件名リストの提出に当たり、契約方法を明記させることをすべての鉄道事業者に求めるなど、契約情報の把握に努めておるところでございます。
○佐藤委員 情報開示については、開示の判断も業者任せであったわけですが、都の働きかけで、都への契約情報の提出と情報公開の取り組みが進んでいるということがわかりました。
都が取得した文書の扱いとなるということは、情報開示の対象となるわけです。さらに、契約内容の審査と情報開示の取り組みを進めていただくよう要望いたします。
平成十五年の談合疑惑に対して、局が協定工事検討委員会で再発防止に努力したことは評価いたします。しかし、現在の制度においては、鉄道事業者に対して入札を強制しておりません。鉄道事業者に対して拘束力のある制度変更が必要であり、また、契約情報の公開が、適切な契約を行う抑止力になると考えております。
都は、入札を強制せず、現状の業者選定方法で構わないとしておりますが、都は、都民に対して税金の使い方を説明する責任がありますし、同時に、鉄道事業者も株主に対しての事業の説明責任があります。
先ほどお話しいたしましたように、鉄道建設・運輸施設整備支援機構では、工事の入札を行い、入札経過調書の情報公開も行っておりますが、入札を行ったからといって、工事の内容に問題が出るとはいえません。都も、鉄道事業者に対して業者選定の方法を改善するよう、協定でも盛り込むべきと考えております。
契約方法について申し上げれば、初年度が競争入札で、二年目以降は随意契約で契約している案件もあるようでございますが、複数年の工事が見込まれるのであれば、最初から複数年度の契約で業者選定を行うことも今後検討する余地があるのではないでしょうか。
鉄道事業者の社内規定にあるといえども、統一された客観的な業者の選定基準が鉄道事業者各社に求められます。
京王線談合疑惑が報じられた際、平成十五年十月十日の定例記者会見において、石原知事は、限られた業者が事業をあらかじめ引き受けてしまうのは、あってはならないことだと答えております。また、都が京王電鉄に業者選定を委任していることに関して記者から質問されますと、もっと開かれた形で競争入札すべきと答えておりまして、業者選定方法の見直しに言及しているわけです。
また、翌年には再度、京王線に関する談合情報が都に届き、平成十六年八月十三日には、定例記者会見において、石原知事が記者からの京王線の談合情報のことで質問を受け、入札そのものの見直しについて指摘をしております。
このように、石原知事からも、平成十五年については協定の見直し、平成十六年については入札そのものの見直しの指摘があったわけです。
しかしながら、その後も、鉄道事業者各社の業者選定の方法が根本的に変わったわけではなく、入札による業者選定を行っているわけではありません。また、先ほど、平成十五年の疑惑に対して、都が対策を行ったと伺いましたが、翌平成十六年度に再び談合情報が都に届いております。見積もり合わせという業者選定のプロセスを改善しなければ、競争性は担保されないのではないでしょうか。
また、先ほど申し上げたように、名古屋市では、地下鉄工事に関して、名古屋地検特捜部が関係者から事情聴取をしており、鉄道関連工事について厳しい目が向けられております。
業者選定方法に関しては、客観的に見て公正であるプロセスと、各鉄道事業者により異なっている業者選定方法ではなく、統一された基準が必要と考えます。そのような理由からも、入札による業者選定が望ましいと考えております。
都は、鉄道事業者に対して入札の義務づけを行うべきと考えておりますが、見解を伺います。
○林道路建設部長 再三ご答弁申し上げているとおり、原則として競争入札を行わざるを得ない自治体と異なりまして、民間企業である鉄道事業者にとって、指名競争入札が契約に当たっての唯一の方法ではないと考えております。入札を行った上で、さらに価格交渉を行う指名競争見積もり合わせも、十分競争性のある契約方法だと考えております。
○佐藤委員 鉄道事業者が業者選定を行っている現状のもとでは、入札の義務づけは難しいというお答えなのでしょうが、今後の課題として、入札の義務づけについて検討いただくよう要望するとともに、契約経過の関係書類の情報公開、また登録業者制度の改善と新規事業者の参入について、鉄道事業者への指導及び制度の改善を強く要望いたします。
鉄道関連工事には、過去五年間で、平成十三年から十七年の間に、新しく締結された協定においては約九百二十八億円もの多くの予算が使われております。しかし、協定については、議決案件ではなく、請負契約でもないため、財政委員会にも契約案件としても提出されておりませんし、環境・建設委員会でも契約案件としての審議を行うわけでもありません。
予算としては、議会において審議されておりますが、複数年の固定的な費用が発生すること、また金額が非常に大きいことから、新規協定そのものを契約案件として審議することも必要ではないかと考えております。
契約案件として議会審議すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○島総務部長 連続立体交差事業等については、毎年度、予算として都議会で十分なご審議の上、議決をいただいておりますし、また当該事業の区市町村負担金についても、地方財政法の規定に基づきまして、毎年度、議会の議決をいただいているところでございます。
なお、議決事項は地方自治法に列挙されており、契約案件は、地方自治法施行令で定めます工事または製造の請負に限定されております。連続立体交差事業等は、都と鉄道事業者が相互に協力して行う共同事業でありますことから、議決案件にはならないと考えております。
○佐藤委員 議会では、予算案の審議がなされるのみにとどまっているわけですが、新規協定の締結の是非そのものを議会で審議するべきと考えまして、このような質問をさせていただきました。
都市計画審議会の決定を受けているということでありますが、審議会だけでは事業のチェックが行き届かなかったために、平成十五年の京王線疑惑が起きたともいえます。
連立事業に関して申し上げれば、国が着工準備採択を決定し、都の都市計画審議会で都市計画決定をした上で、国が事業認可の判断をすることになっております。つまり、新規協定の締結の際、議会の意思を反映させることが非常に難しいのが現状です。
連続立体事業を初め、単独立体交差事業や河川に係る事業、踏切に係る事業など、多くの鉄道関連工事があり、さきにお答えいただいたように、過去五年間で、平成十三年から平成十七年の間に新しく締結された協定においては、約九百二十八億円もの税金が使われているわけです。
請負契約に当たらないから議決事項ではないというお答えではありますが、では、新規協定の締結の是非について、議会の意見をどう反映させるのか、都として真摯に考え、改善に取り組むべきでないかと考えております。今後の協定の締結や年度協議の執行を含め、議会の意思を反映するよう検討をお願いいたします。
見積もり方法、契約の仕方、契約経過の関係書類についての確認方法と情報公開などと、鉄道関連工事の契約手続に関しての質疑を行ってまいりましたが、これだけ多くの税金が使われている割には、都が事業の内容を十分に把握できていないという印象を私は受けております。
協定の締結は、東京都契約事務の委任等に関する規則第六条三項により、知事から建設局長に委任されると規定されておりますので、建設局長が責任者として協定を締結されているわけです。協定では、都と鉄道事業者とは対等な契約関係であるとされているのかもしれませんが、税金から事務費相当額を支払っているわけでもありますので、契約事務の手続がさらに厳正な手続になるよう改善をされるべきであると考えております。
また同時に、税金が使われている以上、書類の提出について、鉄道事業者も都に協力的な姿勢で事業に取り組む必要があります。
そこで伺いますが、鉄道事業者に対して、透明性及び公正性の確保について、その履行情報の厳格な把握を求めますが、都の見解を伺います。
○林道路建設部長 これまでも、鉄道事業者の工事の発注に当たっての工事の見積もり、契約手続にかかわる透明性及び公正性の確保につきまして、確認行為の中でヒアリングを行い、社内資料を書面審査し、資料の提出を求めてきております。
今後も、社会的要請を踏まえ、鉄道事業者に対して、この事業が公共事業であることを十分に認識させ、より一層の意識改革を求め、透明性及び公正性の確保に確実に取り組むよう積極的に進めてまいります。
○佐藤委員 決算の質疑でありますから、事業の進め方を伺い、改善点の指摘と要望をいたしました。今後も事業を進めるためには、今の事業の進め方の改善が不可欠であると強く申し上げておきます。
鉄道関連事業は、多くの都民及び利用者からの要望の強い案件です。しかしながら、多くの予算を使うので、その公正化と透明性を確保することが求められております。都は、税金の使い方を説明する義務があると同時に、また、鉄道事業者も株主に対しての説明責任があるわけです。制度の枠組みの中で、どのようにして鉄道事業者に協力させ、都民の信頼を得るような事業運営を行うかが、鉄道関連工事の事業主体である都に対して問われております。税金の使い方を検証し、契約内容を見直すためにも、鉄道事業者の契約情報の公開の徹底を強く要望いたします。
最後に、今後の鉄道関連工事における予算管理について申し上げます。
複数年に及ぶ協定は、年度ごとに年度協議を結び、事業執行を行っております。協定は複数年度にまたがる契約であり、鉄道関連工事という事業の性格上、事業途中の凍結は難しいといえます。
複数年の協定を結ぶということは、つまり、将来にわたって複数年の固定的な巨額の費用負担を生み出すことになります。それが議会の議決を経ることなく決まっているのが現状です。
年次の予算審議を行うといいましても、新たな協定締結に伴う将来的な負担の審議がなされているとはいいがたい状況にあります。毎年、年度協議の執行内容を確認することにとどまるのではなく、規律のある財政運営を行うためにも、現在の協定の残り総額を把握した上で、新規協定の締結を行うかどうかについて、議会で審議を注意深く行う必要があると考えております。
建設局で予算管理を行うだけにとどまることなく、今後、新たな協定締結に伴う予算措置を行うためには、事業の改善とともに、議会の意思反映が不可欠であると強く申し上げておきます。
多岐にわたり質疑をさせていただきましたが、以上で私の質問を終わります。
○林道路建設部長 連続立体交差事業にかかわる経費を含めます知事の提案する予算案は、その内容につきまして、常任委員会、予算委員会、本会議での広範な審議を経て議決をいただいておるところでございます。
協定による鉄道関連事業におきましては、複数年度にまたがる施行協定を結んでいるものが確かに多くございますが、この中で、各年度の事業費につきましては、議決をいただいた予算の範囲内において定めることとなります。また、連立事業などにおきましては、地元区市町村の受益負担金を徴するに当たりまして、地財法に基づきまして、やはり議会の議決をいただいておるところでございます。
鉄道関連事業の執行に当たりましては、利用者の安全の確保、安定した輸送力の維持を最優先しなければなりません。そこで、鉄道事業者の持つ技術力やノウハウを最大限に活用し、都と鉄道事業者の役割を明確にするため、協定を締結しているところでございます。
しかし、鉄道事業者は民間企業でございまして、契約自由の原則により、各工事の契約は、社内の規則に基づき締結をしておるところでございます。しかし、この事業が公共事業であることにかんがみ、契約締結に当たっては、競争性を持った方法とすることについて東京都は求めており、各鉄道事業者からその協力を得ているところでございます。
引き続き、鉄道事業者に対して、社会的要請や公共性を十分に認識させ、透明性、公正性を確保しながら、安全に着実に事業を推進してまいります。
○上野委員 私からは、東部低地帯のソフト面からの水害対策について、五点ほどお伺いいたします。
決算説明書一六四ページから一六七ページにわたりまして記載されております河川維持費、河川防災費についてでございますが、十七年度決算におきまして約四十七億余の事業が執行されております。このうちの高潮対策におけるソフト事業についてお尋ねしていきたいと思っております。
高潮防御施設の整備は、都民の安全・安心のために重要であることはいうまでもありません。終戦直後の極めて財政状況が厳しい中で、昭和二十二年九月のカスリン台風、二年後の昭和二十四年八月のキティ台風以来、国や東京都の尽力により、営々と施設整備が図られてまいりました。おかげさまで、今では治水に対する安全性がかなり確保されてきております。
しかし、これらの立派な施設ができたとしても、そうした施設が的確に運用されなければ、整備された目的が果たせないということになりかねません。このような観点から、高潮防御施設のかなめとなります水門の管理運営について、幾つかお伺いいたします。
東京の東部低地帯であります江戸川区や江東区などでは、満潮面より低い地域が約百二十五平方キロメートルもあります。もしもこの地域を高潮が襲った場合、大きな被害が予想され、都民生活に多大な影響を及ぼすことになります。
今月の六日ですが、皆様も記憶に新しいと思います。台風並みの発達した低気圧が関東地方沖合を通過いたしまして、強い暴風、雨に襲われました。翌七日は、秋晴れの好天に恵まれましたが、東京湾では、この七日の満潮潮位が、予測潮位よりもプラス五十三センチ、八日はプラス五十五センチを観測いたしました。これは、首都直下地震による津波の予測高さが五十センチ未満と想定されていることからも、まさに異常な潮位が観測されております。これにより、当然、河川水位状況にも影響があったものと思われます。
そこで、この十月七日の河川水位の状況についてお伺いいたします。
○高橋河川部長 去る十月七日から九日にかけての連休期間中、台風一過の秋晴れにもかかわらず、隅田川など東部低地帯の河川で高潮が発生いたしました。
墨田区にある源森川水門では、大潮の満潮とも重なり、十月八日午前五時四十四分には、平常時より七十センチ高い、AP二・八三メートルを観測いたしました。これは、全国各地に被害をもたらした台風十六号の影響を受けまして、前線上で発達した低気圧が引き起こした気圧低下などによる水面上昇と考えております。
○上野委員 ところで、潮位の異常があった場合、適切な水門操作が実施されなければ、いわゆるゼロメートル地帯では浸水してしまうことになります。
そこで、都民の安全・安心を守るためには、水門操作などについての万全なるマニュアルと体制を整備し、実施していくことが極めて重要であると考えますが、所見をお伺いいたします。
○高橋河川部長 水門などの操作につきましては、職員のだれもが迅速かつ確実に操作できますよう、東京都河川管理施設操作規則におきまして、各水門ごとに操作水位と操作方法が具体的に定められており、その規定に基づき、水門の開閉や排水機場の運転を行っております。
また、水門管理につきましては、二十四時間体制で万全を期しております。勤務時間内は、各水門に勤務する職員が操作し、夜間や祝祭日等、勤務時間外におきましては、二十四時間水門の監視を行っております木下川センターの指示により、各水門に設置されている水門管理住宅に居住している職員が操作することとなっております。
○上野委員 水門その他、操作などの規則が整備されて、しかも二十四時間体制で確実に行われているということをお伺いいたしまして、安心いたしました。
それでは、十月七日から九日における水門などの実際の操作状況についてお伺いいたします。
○高橋河川部長 東部低地帯などの河川では、十月七日未明から水位が上昇いたしました。このため、午前三時五十分から、水門管理住宅居住職員を現地に配置する異常潮位態勢をとりまして、操作規則に基づきまして水門の開閉操作を行いました。この作業は、九日午前七時三十分ごろまで続きまして、その間、職員が現地で、潮位の変化に合わせまして、源森川水門など七水門で延べ二十九回の開閉操作、一排水場での運転操作を行いました。
このことによりまして、東部低地帯の高潮に対する安全性と船舶の航行が確保されました。
○上野委員 ありがとうございます。八日、九日、これはちょうど日曜、祭日に当たりまして、大変にいい天気でありました。地元江戸川では、各地域で祭りが開催されておりまして、宇田川委員とともに、私たちも楽しく参加させていただいたわけでございます。
住民の方が楽しく過ごせたその陰には、こうした職員の皆様が、昼夜を問わず、必死に都民の安全・安心のために的確な対応がなされたからだということが、今のご答弁を聞いてよく理解できました。職員の方は任務を遂行したまでといわれるかもしれませんけれども、そのご苦労に、私は心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。
さて、災害には、こうした自然災害だけではなく、突然の事故による災害もございます。ことし八月十四日には、航行中のクレーン台船が東京電力の高圧ケーブルを切断する事故がありました。首都圏一帯に停電を引き起こしまして、さらには交通機能まで麻痺するという、こういう状況になりましたが、このときの水門管理は、各水門などに設置されております自家発電機が稼動し、非常時にも事なきを得たと聞いております。
そこで、これら水門管理を支えているシステムの現状と課題についてお伺いいたします。
○高橋河川部長 現行のシステムでは、船舶航行の安全性を確保する必要があることから、現場状況を確認しながら、水門で直接操作する現場操作方式を採用しております。また、木下川センターで各水門の水位情報を収集し、監視及び緊急閉鎖などのバックアップを行っております。
しかしながら、このシステムは昭和六十二年に導入され、二十年近く運用しているため、設備の老朽化が進んでおります。加えて、部品類が製造中止になるなど、維持管理に苦労しております。
○上野委員 非常にこれは大事な話だと思います。こうした災害への対応を、老朽化したシステムで努力していただいているということですが、技術革新が日々進んでいる中で、私はより高い安全性を目指す必要があると考えます。
水門管理を的確に行うためには、水門管理システムが重要な役割を担っているわけですが、先ほどのご答弁によりますと、整備されてから約二十年経過している。設備の老朽化など、故障時の対応が困難になってきているとのことでありました。
ご承知のとおり、昨今の情報通信技術の発展は著しいものがございます。我が公明党はこれまでも、最新のIT技術を活用したシステムの構築が必要であると主張してまいりました。建設局では、こうした主張を受けまして、水門管理システムの再構築に取りかかっていると聞いております。
そこで、これらシステムの再構築の考え方と整備の進捗状況、また今後の予定について所見をお伺いいたします。
○高橋河川部長 ただいまお話がありましたとおり、技術革新の成果を水門管理システムに取り入れ、再構築を進めることが重要であると認識しております。
このシステムにつきましては、IT技術の発達により、迅速かつ大量の画像などが送れるようになりましたことから、センターにおいて各水門の監視や操作を行う、より効率的な集中監視方式を採用することとしております。
各施設を結ぶ光ファイバーケーブルの設置につきましては、平成十五年度より着手し、十七年度に完了しております。引き続き、今年度から、各水門などにおいて監視や制御の設備を順次整備し、二十二年度までの完成を目指してまいります。
今後とも、東部低地帯の高潮などに対する安全性の一層の向上に努めてまいります。
○上野委員 二十二年度の完成を目指していくとの力強いご答弁をいただきまして、大変うれしく思っております。ぜひとも一層の推進を願うものでございます。
東京の都市基盤、都民の生活の利便性、快適性を向上するために、今、多様な施設整備が行われるようになってきております。
一方で、埼玉のプール事故に見られますように、管理運営に十分な配慮がなかったことが痛ましい事故の発生原因であったということがわかって、そのことが今、社会的な問題となっております。社会全体の安全・安心は、整備された施設が期待された機能を的確に果たすよう、着実に運用されていくことで確保されるものでございます。
高潮防御施設の整備において、たとえ立派な耐震護岸が整備されたとしても、水門管理を一歩間違えば、ゼロメートル地帯と呼ばれる低地は、たちまちに浸水被害の危険にさらされるわけでございます。
東部低地帯には、多くの都民が生活しております。その安全・安心をしっかり確保するために、適切な水門管理を確実に行っていくことが極めて重要でありますので、今後とも水門管理に万全を期していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○東村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時二十九分休憩
午後二時四十分開議
○東村委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を再開いたします。
発言を願います。
○たぞえ委員 初めに、直轄事業負担金決算について伺います。
十七年度では、国の直轄事業として、都の負担は五百二十億円になっています。都は、その財源はどこから支出するのか、制度とあわせて、まず説明いただきたいと思います。
○吉原参事 直轄事業負担金は、国が国道や一級河川等の整備をみずから実施した場合に、法令の定めによりまして地方公共団体が負担する経費でございます。
平成十七年度の直轄事業負担金の決算額は五百二十億円で、その財源は、都債が二百九十八億円、一般財源が二百二十二億円でございます。
○たぞえ委員 都債で二百九十八億円、これはもう借金そのものです。一般財源二百二十二億円は、都民が東京都に納めた税金です。国税を納めている都民が、国の事業のために、東京都を通過して再び国税を払わなきゃいけない。こんな理不尽なことはないと思います。しかも、国の事業費を都が借金までして負担させられる。全く国は虫がよ過ぎるというふうに思います。こういうことだからこそ、全国知事会がことし七月に、負担金を求めるな、廃止をせよと国に要求しているのではないでしょうか。
では、東京都はどうか。整備費の負担は認めるが、維持管理費は廃止してほしいと、ことし六月、国に要求をしています。維持管理費の廃止、これは一歩譲って誠意を持っているというふうに思いますが、同時に、国への要望を読んでみますと、計画段階から緊密に地方と協議することを法制化するべきだと、こういうふうに要望しているわけです。
計画段階からの協議というのは、国の負担については受けられないという知事会の意思とは違って、緊密に協議が調えば、整備費とあわせて維持管理費もテーブルの上で議論ができる余地がある、そういうことになるんじゃないですか、どうでしょうか。
○吉原参事 全国知事会は、国直轄事業負担金が、自治体に対しまして個別に財政負担をさせる極めて不合理なものとして、これを廃止すること、特に維持管理費にかかわる負担金は、本来、管理主体が負担すべきことから、早急に廃止することを要望しております。
東京都は、圏央道や荒川のスーパー堤防などの国の直轄事業は、都市基盤整備を行う上で重要性が高い事業と考えております。しかしながら、維持管理費につきましては、本来、管理者である国が負担すべきものであることから、廃止を求めております。
今後とも引き続き、制度、手続の面における改善を含め、国に対して強く働きかけてまいります。
○たぞえ委員 結局、整備費は出すが、維持管理費は困りますと。そういう中途半端な姿勢が、国が膨大な負担を求める根拠、理由づけになっているんじゃないでしょうか。毅然とした態度がとれない、そういう立場では、この全国が求めている整備費の廃止という、この流れに都は乗っていくことができなくなってしまうと思います。
具体的に、整備費や維持管理費の負担は、都内でどういう箇所で事業が行われているのでしょうか。
○吉原参事 平成十七年度決算におきまして国が実施した主な事業箇所は、道路の整備では圏央道や甲州街道、河川の整備では荒川や多摩川、公園の整備では国営東京臨海広域防災公園などでございます。
○たぞえ委員 今、答弁で甲州街道という話がありましたが、これは新宿駅南口の駅前の甲州街道なんです。国道ですよ。道路を広げている放射五号線。これは国の仕事じゃないですか。なぜ都がそのために莫大な負担をしなきゃいけないのか。驚く実態です。
都の負担は、全局合わせて五百六十四億円ですから、そのうち九割以上が建設局で占められています。この規模では、建設局の決算額で見てみますと、建設局全体の一二%がこの負担になっている。一割以上です。これだけの資金をもし単独で東京都が事業を行うとすれば、例えば路面補修や都立公園の整備、道路緑化、中小河川の整備、また交差点改良すいすいプラン、たくさんの都民要望にこたえることができる事業費ではないですか。
こういう大事な都民の税金を、国の旗振りに従って支出をしなきゃいけないというこの問題について、廃止するべきだという知事会の意向、これに東京都は今後どう対応されていくのでしょうか。
○吉原参事 先ほどご答弁申し上げましたとおり、全国知事会では、国直轄事業負担金が自治体に対して個別に財政負担をさせる極めて不合理なものとして、廃止することを求めております。
都につきましては、維持管理費につきまして、本来、管理者である国が負担すべきものであるということから、廃止を求めてまいります。
○たぞえ委員 知事会のことは知事会、都は都、これはまさに知事会に失礼なんです。東京都の知事だって、この知事会に入っているわけでしょう。地方自治体である東京都が、国の指図に従って、都道府県自治体全体の足並みに乱れを生ませるようなことは絶対にあってはならないと思います。
そして、今、答弁で不合理だからというお話でありましたが、まさに整備費こそ都財政を圧迫させるものであり、本来国がやる事業、国がみずから予算を組み、事業をしなきゃいけないことなんです。地方は今、財政力が厳しい中で大変な整備費負担を求められている、だから、これは地方自治体が大きな影響を受けるものだといって廃止を要求しているわけです。
私は、維持管理費のみならず、この整備費についても、全国知事会の足並みをそろえて、都として国に廃止をするよう求める必要がある、このことを要望しておきたいと思います。
○吉原参事 東京の都市基盤施設の整備状況はいまだ不十分でございます。東京を魅力と活力のある都市に再生し、産業の活性化や国際競争力の向上を図るためには、今後とも国と連携し、積極的に事業を進めていく必要があると考えております。
○たぞえ委員 国は国で予算をつくり、東京都は東京都で予算をつくる。それぞれがそれぞれの仕事をする。また、連係プレーも事業内容によってはあるでしょう。しかし、どう考えたって、新宿駅南口のあの甲州街道、放射五号線は、あくまでも国道なんですよ。そこに代々木出張所という国土交通省の出先事務所があります。そこが統括しているのです。そこで旗を振っているのに、お金はしっかり都が出す。こんな不都合はだれが考えたっておかしい、そのように申し上げておきます。
次に、連続立体交差事業についてです。
平成五年二月に都市高速鉄道第九号都市計画決定変更が行われて、小田急小田原線経堂区間は十六年十二月に複々線が完成しました。この事業は、国土交通省が補助する街路事業として、東京都が事業主体となって、東京都は事業の総括等を分担してきました。
ここでいう東京都の総括とは、事業プラン、用地取得、補償、鉄道施設工事など、すべての事業について権限を持っていると思いますが、そうなのでしょうか。
○林道路建設部長 本事業は、梅ヶ丘駅付近から喜多見駅付近までの延長六・四キロの連続立体交差化を図るものでございます。
東京都は、地元区及び鉄道事業者と共同して、踏切除却による交通渋滞や地域分断の解消に取り組んでおり、事業主体として、事業計画の策定や進捗状況の管理、高架下利用の検討など、総合的な調整を行っております。
○たぞえ委員 総合的な調整といわれましたが、一番大事なのは、こうした鉄道事業によって同時に行われる駅周辺のまちづくりが、鉄道立体化を軸にして進められているということなんです。高架か地下かによって、駅の位置、出入り口、急行停車かどうか、駅ビルのあるなし、大型道路の導入、用途の変更による建物の位置、高さの変更、いわば鉄道構造いかんでまちは改変する、そういう認識が総括的な立場にある東京都に据わっているかどうか、これが大事だと思います。
現に私の地元の、小田急小田原線の立体工事が行われましたが、どの駅も再開発と広場がセットされて、駅周辺のまちは歴史的な大改造が今行われている、これが今の現実です。
だから、都民の税金を莫大に投入するということは、この鉄道用地に係る住民だけではなくて、広域なエリアの住民生活に多大な影響を与える。そういう意味で、まちにも大きな影響を与える、この鉄道立体という事業がもたらす都の仕事は、まさに総合的な調整という非常に重い意味を含んでいるというふうに私は考えます。
その総合的な調整という役割を持つ東京都が鉄道側と協定を結んだ上で、鉄道側が工事を行うということが先ほど議論でも出ました。この工事について、東京都はどう関与するシステムになっているのか、伺いたいと思います。
○林道路建設部長 連続立体交差事業全体につきまして、東京都は小田急電鉄と、施行範囲、双方が施行する内容、概算全体事業費及び費用負担額等を定めた施行協定を、対等な立場で双方合意により締結しております。さらに、各年度ごとに小田急電鉄と、予算の範囲内で実施する工事の内容などを調整し、施行協定に基づく年度協議を行った上で、鉄道施設工事については、鉄道利用者の安全を確保し、安定した輸送力を維持する必要があることから、小田急電鉄が実施しております。
こうした手続の中、東京都は、施行協定に基づき、工事の進捗などの管理を行っております。
○たぞえ委員 鉄道事業者が公共事業を受託している以上、資金の流れが明確に、また鮮明にならなきゃいけないというふうに思います。
都の年度予算は小田急電鉄にどのように流れ、都はその負担金をどう会計上チェックされているのですか。
○林道路建設部長 事業の実施に当たって、都は、施行協定に基づく年度協議で定めた都の負担額を、事業の進捗に合わせ四半期ごとに支出し、年度末に精算を行っております。この精算に当たっては、工事の出来形を確認した上で、各年度ごとの契約、支出等が適正に行われているかどうかを確認しております。
○たぞえ委員 確認されているわけですから、それはそれとして、しかし、十七年度までに六百五十億円もの費用を都市側から負担して鉄道ができました。
しかし、でき上がってみますと、小田急線に乗っていただければわかるのですが、例えば小田急は、始発から一番混雑する朝七時半まで、駅の職員を無人化しました。私も始発の時間に現場に行きましたら、駅が真っ暗け、人がいない。シャッターは遠隔装置で開いておりましたという姿がありました。
ところが、そのシャッターがあかなかったという事態が起こったわけです。始発の電車がもう入ってきた、しかし、乗客は、改札口のシャッターが閉まって駅構内に入れない。新宿駅に来た、次の電車に乗った乗客は、新宿駅で詰め寄って、どういうことなんだ、駅に職員がいない、しかもシャッターがあかない、始発の電車に乗れなくて市場に行けなかった、どうしてくれるんだと、新宿駅で小田急に詰め寄った、そういう出来事がありました。
また、駅名の看板が、駅のホームが長いために--垂れ下がっている看板がありますね、これが三カ所しかないんです。ですから、看板と看板の間に座っている方は、おりるときに、一体この駅はどこの駅なんだという識別ができない、こういうことが全駅でありました。私は早速、小田急の本社にいって、せめて柱ぐらいには駅名を張りつけて、乗客が乗りおりできるように改善するべきじゃないかと申し入れて、そのように改善がされましたが、こういうこともあった。
それから、ホームの待合室に、冬ですと、皆さん寒いから入っていらっしゃる。ところが、スピーカーが入っていないために、案内の声が聞こえないわけです。間もなく新宿行き電車が参りますというのが聞こえない。ずっとその中で待っている。ぱっと見たら、もう電車がとまって、ドアが閉まって行ってしまった。そういう苦情がたくさん寄せられました。
これだけの公的な事業を、しかも東京都が数百億というお金をつぎ込んでいるにもかかわらず、利用者の立場に立った対応がされない。税金投入が本当に還元されていないんじゃないか、こういう批判が起こるのは、私は当然だというふうに考えられます。
事業主体である都として、このことをどういうふうに認識されているんですか。
○林道路建設部長 連続立体交差事業は、道路と鉄道を立体化することにより、踏切を除却し、周辺の交通渋滞や地域の分断の解消を目的としております。あわせて、小田急線の場合は、輸送力の増強による所要時間の短縮などを図ることを目的とした複々線化事業を小田急電鉄が行っております。
立体化が完了する前の当区間内の十七カ所の踏切は、すべてピーク時間帯に四十分以上遮断する、いわゆるあかずの踏切であり、このうち五十分以上遮断する踏切が七カ所にも及んでおりました。しかし、これらの踏切がすべて除却されたことにより、交通渋滞や地域分断が解消されております。
それとともに、連続立体交差事業を契機とした、地元区による経堂駅高架下広場整備や成城学園前駅の交通広場整備、高架下利用が行われるなど、駅周辺まちづくりが進んでおります。
このように、連続立体交差事業は極めて効果がある事業と認識をしております。
○たぞえ委員 構造的サービスの改善はされましたが、利用サービスはさまざまな問題を抱えています。多くの税金を使って完成した施設ですから、それを利用する都民の立場に立って、安全性や利便性、そういう十分な考慮をした運営を行うというのは小田急電鉄の社会的な責任だと思います。
それとともに、先ほど申し上げたように、小田急電鉄の会計上の透明性ということも都民に明らかにする必要があると思うのです。
連続立体交差事業の決算資料によりますと、十七年度は、決算額十三億円のうち、都市側は七億円支出をしています。この黄色い表紙の冊子は、有価証券報告書総覧という小田急電鉄の平成十七年度決算書であります。同じ色ですが、こちらは平成十年度の決算書で、私は素人ではありますが、こういうものについて今回改めて見てみました。
十七年度決算書で、小さな字でたくさん書いてあるんですけれども、この中に特別収益というページがありまして、工事負担金受入額八十八億七千万円という数字が出てきます。十七年度の東京都の財政負担は七億円であります。七億円と八十八億円で、どうしてこんなに差が決算書の中で出てくるのかなということで、いろいろページをめくって見てみました。
ところが、この中に出てきますのは、この負担金の収入について、受入額は、海老名-厚木間高架工事五十一億四千百万円ほかでありますというふうになっている。神奈川県が負担したんでしょうね。東京都というのは出てこないんです。これは、全国官報販売協同組合というところで、霞が関で売っているものですが、都民はこれを見て小田急の収益事業についての確認をするしかありません。
先ほど議論がありましたように、東京都のこうした連続立体の負担金の議決は、予算議会で、その予算案に基づいて審議され、決まっていきます。しかし、実際にどうこれらが使われたかというのは、この冊子を見るしか都民は方法がない。ところが、そこに負担金を注入した地方自治体名が、十七年度は一つも出てこない。一体、東京都は出したというが、小田急は受け取っているのかどうかというふうに素朴に思うわけですよ。(「それ、書く必要ないんですよ」と呼ぶ者あり)ところが、十六年度は書いてあるわけです、この中には。東京都から幾らと書いてある。なぜ十七年度、都は注入しているのにそういう記載がないのか。
これは、こういう小さなものの中で書き切れないということも確かにあるでしょう。私がそこで申し上げたいのは、こういう税金が投入されているということを、こうした決算書以外でも都民にこれを明らかにするというか、公示するというか、そういうことも、小田急電鉄が社会的な使命を果たす大事な任務じゃないか、このように思うわけです。
東京都は積極的に、税金を注入した場合の決算額の推移、そして、どういう事業がこのことによって行われたか、このことは企業と協力をして、ぜひ都民に見えるようにしていただきたいと思っています。
つけ加えていいますと、この連続立体事業の際に、騒音震動防止策としてレール下にゴムシートを敷くということが、アセスで当時出されていました。私もその当時、都議を始めたころでしたので、ホーム等でその砂利というんでしょうか、石の埋設工事を見ていましたら、ゴムシートを敷くわけじゃない、どんどんどんどん石を乗っけていく、アセスと違うんだなというふうに思ったこともありました。計画どおりに事業が適切に行われるというのは大変大事で、そのことが都民の住環境を支えていく、まず第一のきっかけになると思います。
次に、都市公園について伺います。
東京都は、都市公園の拡張整備を促進するとして優先重点公園を決めていますが、きょう出された資料のように、十五カ所の都立公園整備では、終了した公園はまだありません。用地の拡大のために、いつ用地買収に踏み出すか、このための年次計画を策定して取り組まなければならないと思います。
東京都と区市の優先エリアを今回の整備計画で定めたわけですが、その最大の根拠になっているのが都市計画決定です。決定から既に半世紀以上経過しているために、そこに住む都民の生活の場があり、用地を買い取ることが現実離れしているという実態があります。
具体的に用地の取得が進まない要因について、どのように都としては考えていらっしゃるのでしょうか。
○伊藤公園緑地部長 都立公園の事業では、平成八年度から平成十七年度までの十年間で七十九ヘクタールの用地を取得いたしました。
公園の整備を計画的に進めるために、平成十八年三月に都市計画公園・緑地の整備方針を定め、今後十年間に整備に着手する予定の区間を明らかにいたしました。
公園用地の取得に当たりましては、既に開園している区域に近接するなど、整備効果の高い区域から進めることを基本としております。
公園用地の取得に当たりまして、住みなれた場所に住み続けたいという高齢者世帯の増加とか、あるいは権利関係の複雑化、あるいは事業反対者の存在など、さまざまな課題がございます。これからも地権者の理解と協力が不可欠でございまして、今後とも十分に説明を行いながら事業を進めてまいりたいと思っております。
○たぞえ委員 用地の獲得の一番のおくれは、用地費が少ないということなんです。九八年には四百六十億円が、〇三年には三百三十七億円まで減って、整備がおくれています。東京全体で都市計画決定している公園緑地は一万六百ヘクタールあるわけですが、そのうち都民に公園として開放されている、利用されているのは、わずか四割にしかすぎません。
用地取得にふさわしい予算を組むために、局として今後どういう立場、また方針で臨むのでしょうか。
○伊藤公園緑地部長 先ほどお答えいたしました都市計画公園・緑地の整備方針におきまして、今後十年間に整備に着手する予定の優先整備区域として、二百五十ヘクタールの区域を明らかにしております。これらの土地の取得に当たりましては、今後、地権者の協力を得るとともに、その整備に必要な予算の確保に努めてまいります。
加えまして、都市計画公園の区域内におきまして、地権者の協力を得て、土地を無償で借りて整備し開園する借地公園事業を積極的に進め、さらに開園面積の拡大に努めてまいります。
○たぞえ委員 借地公園というお話が今ありましたけれども、民設公園のことでしょうか。違うんですか。やはり、東京都がみずから用地を取得した都立公園の整備、これが何よりも大事。ただ、現実に、買えなくて借りるということは、やっぱりありますよ。それは私は否定しないんです。しかし、これだけの広大な面積を決定しているわけですから、そのための必要な予算はやはりきちんと、ぜひ組んでほしいなと思います。
具体的な事例でありますが、都立祖師谷公園、世田谷区にある公園ですが、これは、都市計画決定面積は五十三・三三ヘクタールという、大変広大な住宅地を公園に転換するものです。現在事業化している面積は八・四九、今後、この十年のスパンで整備する計画は一・六四、これを開園したとしても、都市計画決定した面積の五分の一にしか値しないのです。
ところが、都市計画決定しているために、このエリア、有名な地名でいいますと成城ですとか祖師谷、千歳、そういう地名の約千五、六百世帯にこの網がかかっているのです。しかし、そこに住んでいらっしゃる。この人々にお話を聞くと、東京都の公園をふやすことは反対じゃないよと。しかし、自分の土地を実際に手放すということになれば、移転先の問題とか、子どもの通学とか、また親の通勤、そしてさらには、ご両親の病院通いだとか、さまざまな新たな負担が生まれてくる、こういうことがあるから、そうすぐにはどうぞというふうにいえないんですというお話がありました。
確かに、公園をつくる効果と、そしてそれに伴う負、この関係、こういう用地の取得をめぐっての問題、これに東京都としてはどういうスタンスで臨んでいかれるのですか。
○伊藤公園緑地部長 祖師谷公園は、昭和六十二年に事業認可を取得して以来、東京教育大学農場跡地を核として整備を進めてきており、都民にレクリエーションの場や水辺に親しめる場として利用されております。
祖師谷公園におきましては、地権者の理解と協力を得た結果として、平成十七年度の決算は、用地会計を含め約七億円となっております。
事業の推進に当たりましては、引き続き地権者の理解と協力を得るため、祖師谷公園の優先整備区域を明示したリーフレットを配布し、公園の必要性を粘り強く説明するとともに、各地権者の生活再建支援など、きめ細やかに対応してまいります。
今後も、都市計画公園・緑地の整備方針に基づきまして着実に事業を推進してまいります。
○たぞえ委員 広大な既存の公園にさらに広大な公園をつくるわけですから、そこには、山や野原がある場所でなく、住宅が張りつき、生活をしている。そこに住む都民が、公園として快く土地を提供しよう、こういうふうになるためには、やはりその手続や、またスケジュール、さらには公園の価値というものを都民に実体験で知ってもらうことが大変大事だと思います。
上祖師谷の公園予定地の、あるおばあちゃんの話ですけれども、その場所で生まれて、もう八十歳になったといっていました。東京都が公園用地として買収したいという話があったときに、私はせめてここの自分の家で死にたいのだから、それまで待ってほしいと、このように東京都に来て発言されたのを私は目の前にして、やはりそういう都民の生活から、公園というのは出発していくんじゃないか。拡張計画があるから何でも収用していくというやり方ではなくて、公園エリアの中で最も買収しやすいところからつなげていくというふうにしていきませんと、公園の価値というのは都民から遠のいてしまうというふうに思います。
私も、決して都立公園の拡張に反対しているわけではなく、整備していく上での都民合意をどうつくるか、このことが、整備計画や今後の公園整備の中の柱になっていくことが大変大事、そのための財源的な裏づけを都民にしっかりと示す必要があると思います。
最後に、骨格幹線道路について伺います。
骨格幹線予算は、十七年度、平成九年度以来最大の一千百五億円もの予算であります。決算で見てみますと、十六年度を上回る九百七十億円という額になっています。
東京都は、二〇一六年オリンピックに向けて、骨格幹線道路についての整備をどう具体的に行おうと考えているのでしょうか。
○林道路建設部長 首都東京の道路整備は、渋滞解消、環境改善、防災性の向上にとって必要不可欠であり、幹線道路ネットワークの早期完成が喫緊の課題でございます。
このため、この十年を東京の道路整備の正念場ととらえ、首都圏三環状道路を初め都内の骨格幹線道路、連続立体交差などを集中的に整備を進めてまいります。これらの基盤施設は、オリンピック開催の有無にかかわらず必要と認識しており、今後とも、その整備に積極的に取り組んでまいります。
なお、先ほど小田急線の連立事業に関しまして、騒音対策がなされていないのではないかというようなお話がございましたが、この事業区間におきましては、騒音対策といたしまして、ロングレール化やバラストマットを敷設するなどの施設対策、防音壁や吸音板を設置するなどの遮音対策、それから車両の軽量化などの車両の対策を行い、騒音対策を進めております。
○たぞえ委員 私は事実を申し上げたんですよ。それはいいですよ。騒音対策をしっかりやって、ロングレールをやってくれる、それは結構なことなんです。しかし、アセスという手続の中で、日の出ごみ処分場の事件があったときに、そういう問題があったのでしっかりやってほしいという住民の声にこたえたアセスが、そのように定めをつくった。しかし、現実に敷かれていない箇所があるんですよ。そのことをいったわけですから、私は、今さら砂利や線路をどかして、そこに埋めろなんていっていません。そういう環境を大事にする、そういう連続立体なんだからこそ、予算の鮮明を行うべきであるということを申し上げたわけです。
今、道路の話をしているんですよね。今の答弁で、この十年が正念場だ、集中的に整備をしなきゃいけないというふうにいわれましたが、十年といえば、ちょうどゴールはオリンピック開催の年に当たるわけです。知事は、二十三日に開かれた圏央道の早期完成を目指す建設促進会議の総会で、国際オリンピック委員会の選考に勝つには三環状の早期完成だ、このように訴えて、圏央道については十年以内の全線開通を求めたと、きのう各紙が報道しました。明らかにオリンピックに照準を当てた発言で、それまでに三環状を整備する、このことは知事のおっしゃるとおりであります。
外環、圏央道、中央環状、まさに二〇一六年を目指しているわけですが、しかし手続は、外環は二〇二〇年、中央環状品川線は二〇一三年、年度は違うといっても、その方向はまさにオリンピックに向かって動き出しているというふうに思います。
そこで、最後に伺うのは、三環状に合わせて整備される環状道路です。放射五号、放射七号、新滝山街道などの事業も、こうした三環状に合わせた整備促進ということになるのかどうか、ご説明いただきたい。
○林道路建設部長 放射五号線や放射七号線は、区部と多摩の連携強化を図るとともに、外環のアクセス道路としても機能する骨格幹線道路でございます。また、新滝山街道は、圏央道の機能を十分に活用し、多摩自立都市圏の形成を図る上で重要な骨格幹線道路でございます。
これらはオリンピックの招致活動の以前から取り組んできておりまして、首都圏三環状道路を最大限に生かす道路として、幹線道路ネットワークの構成上、必要不可欠な路線でございます。
今後とも、これら路線について、既定計画に基づき重点的に整備を進めてまいります。
○たぞえ委員 知事は、東京オリンピック招致の最大の弱点は交通渋滞だと。その解決は、専ら外環だとか三環状ですね。交通インフラの整備を求めています。
しかし、三環状ができ上がりますと都心部の慢性的な渋滞が解消する、このようにいっておりますが、先ほど答弁のあった放射五号線などの幹線道路が建設完成しますと、東八道路、新大宮バイパス、こういうものに接続して、都心部への自動車の交通需要の誘発になるということも指摘されています。さらに、秋葉原や品川、大崎、大・丸・有などでの都市再生事業によって、業務ビルへの集中発生交通量は一日二十四万台という、劇的な交通量が加速をします。渋滞解消どころか、都心部のさらなる渋滞も危惧される、こういう東京の新たな都市道路整備事業、今このままで突き進んでいいのかどうかということは、我が党会派も一貫して主張してきました。
品川線に至っては、本来、首都高速道路株式会社が施行する道路を、東京都が街路事業として、その株式会社と共同して取り組んでいくということで今行われていますけれども、そこまで東京都がなぜ税金を負担しなきゃいけないのか、もっとやるべきことがあるのではないか、このことを痛感いたします。
以上です。
○こいそ委員 それでは、まず初めに、稲城大橋有料道路についてお尋ねいたします。
さきの財政委員会で、これは新聞にも報道されましたけれども、いわゆる負の遺産の四事業の一つとしてこの稲城大橋有料橋が挙げられておりましたけれども、これに対して建設局はどう受けとめているのか、まずそれをお聞かせください。
○林道路建設部長 本年九月の財政委員会資料では、負の遺産とは、当初計画と実績とが大きく乖離し、いずれ事業の見直し、再構築が避けられないものでありながら、いまだに手をつけていない懸案事項と定義をされております。
稲城大橋につきましては、これまで、利用促進に向けたPR活動や運営コストの削減などの経営改善に努めてまいりました。
しかしながら、交通量が計画の六割程度にとどまっていることや運転資金対策の必要性も見込まれていることから、今後、何らかの対策は必要と考えております。
○こいそ委員 まあいいですけれどもね、要するに建設局の事業の中で、後ほども触れますけれども、ひよどり山の有料、これも入っていますね。その中の一つとして、四つの中の一つが今申し上げた稲城大橋有料橋だ、こう挙げられているんですね。
これに対して、今のご答弁では、いま一つ意味がよくわからない。よく負の遺産だとか隠れ借金だとか、いろんなことがいわれますけれども、それにはやはり、並々ならぬ努力と効果、及びさまざまな事業に基づいて一生懸命にやられてきた、この事実経過があるわけですよね。それを一刀両断で負の遺産だとあげつらって、事何か、正義の味方かどうかわからぬけれども、とんでもない話のように、そういうことを平気でいうなんというのは、私は本当に許せないね、これははっきりいって。
これに対して、所管局であるところの建設局は、もう少しきちっとした話をすべきじゃないか。向こうだって公の委員会でやって、議事録に載っかっているんだから。このあたりはしっかり、やっぱり私は建設局の姿勢として、そんな負の遺産だよなんていわれて明快な答弁を回避するようなことは、あってはいけないんじゃないかなというふうに思うんですね。これは冒頭でありますけれども。
そして、続けますけれども、いわゆる多摩川中流部において、昭和三十年以降から、とりわけ昭和四十年代に入ってさまざまな住建が整備され始めて、南側は多摩ニュータウンが四市にまたがってきた。整備を着実に始められて、入居が始まってきた。これは当然にして、昭和初期からの、昭和の初めごろというのかな、終戦直後もそうだけれども、そのときの橋梁では間に合わないことは当たり前の話であって、それなりにどんどんどんどん、事業主体者である国及び東京都も整備をしてきたわけでしょう。だったら、対応すべきものは一体何か。慢性渋滞が、それこそ半端じゃない渋滞がどこかしこにもあるんですね、橋に集中しなきゃいけないから。こういうことの中で、地元市としては、何とかやはり一刻も早い渋滞解消を、強く国及び東京都に求めてきたわけですね。
このような流れの中で、有料だったらやってやるよという話が実は--そういういい方をしては大変申しわけないんだけれども、私は地元の方の立場として、私は当初から有料橋というのはおかしいんじゃないかと、はっきりいって。これは行政として、政治としてしっかりとしたインフラを、橋梁を整備する、拡幅をする、これがあって漸次計画を進めていくべきだと、こういう話も、私は当時からもいろいろな方々に聞いたし、全くそのとおりだなと思う一人だったんですね。
ところが、有料橋だったらやってやる、着工してやる、こういう話の中で、要するに稲城大橋有料橋は、整備後約十年の歳月が経過してまいりましたけれども、改めてまた所見を伺いたいと思います。
○林道路建設部長 稲城大橋は、多摩川中流部の渋滞を早期に緩和するため、有料道路制度の活用により短期間で整備を行い、周辺橋梁の整備に先立って平成七年四月に開通いたしました。
開通後、時間短縮効果を求めて既設の橋梁から交通が転換し、この十年間の平均では一日約一万三千台、年間約五百万台、開業以来五千四百万台が利用しております。
隣接する是政橋や多摩川原橋では、稲城大橋の開通前後で、混雑時の旅行速度が時速六キロから十三キロに上昇するなど、周辺道路の混雑緩和にも大きく貢献をしております。また、中央道の都心方向へ直結したことにより、周辺地域の利便性も大きく向上したものと考えております。
○こいそ委員 いずれにいたしましても、今回ご提出いただきました資料を見る中におきましても、通行台数はここ数年来減少傾向が続いている。これを今、経営している公社ですか、経営的にも大変厳しい状況が続いている。
ちなみに、ピーク時で五百三十万台、これは平成九年ですね。収入実績は十億三百万、これが一番ピークですよね。それから以下、かなり努力をされてきた経緯はよくわかりますけれども、しかし、平成十五、十六と、これは経営的、収入実績から見ても、交通量から見ても、月平均で--平成十六年においては一万三千四十二台という数字をいただいておりますけれども、十八年に入って一日平均一万二百台、こういうように大変減少はしていますね。
こういう中で、数字上こうなっているのだけれども、私もこの有料橋、稲城大橋はかなり利用させてもらっている一人なんですけれども、ゲートがやはり、二つあるゲートが一ゲートになっていたり、通過車両というのはほとんど少なくなっていますね。こういうあたりで、交通量が減少している理由というのは、私なりにわかるけれども、局の方としてはどうなんでしょうか。
○林道路建設部長 多摩川中流部では、稲城大橋の開通以降も、平成十年に府中四谷橋を新設し、十三年には多摩水道橋を四車線に拡幅するなど、橋梁整備を着実に進めてまいりました。
これにより多摩川を横断する経路選択の幅が広がり、交通が分散したことが要因と考えております。
○こいそ委員 先ほど冒頭申し上げた負の遺産云々の話は、私は厳重に、これは地元ということで、財務局の関係者にしっかりいいました、はっきりいって、とんでもない話だと。いろんな話も、返答ありましたけれども、こういう使い方、こういういい方、それも公で、それで新聞報道までになっていて、僕はとんでもない話だということで、強く申し入れた経緯もあります。
ぜひひとつ、その旨の、その後対応していただきたいということでありますけれども、続けさせていただきます。
稲城大橋有料道路の今後の--こういう現状がありますから、それは確かに、あの慢性渋滞を何とか解消していかなきゃいけないという中の、やはり大きな功績はありますよ。しかし、さりとて周辺状況というものを--相当インフラ整備していただいたご努力の結果によって、例えば稲城の市役所が今、道路整備されてきて、稲城市役所周辺から、例の橋、多摩川原橋が四車線になったんですね。これを通過していって甲州街道へ出て、それから調布インターに乗る。これはもう時間が二分の一短縮なんですね。極めて本当に体感、実感してわかるわけなのでありますけれども、これは反対に、こういうところにやはり影響が出始めているのではないのかなと思うんですね。
そして、これは私の受けとめている部分でもあるんですけれども、平成七年一月に開通したひよどり山有料道路、これは平成七年の一月ですね。--失礼、稲城大橋が平成七年ですね。失礼しました。十三年ですね、これがひよどりですね。そういう中で、ひよどりの有料については、今後の方向性が打ち出されましたよね。よって、平成七年に先行的に有料道路としてスタートした稲城大橋有料橋、こういうさまざまな状況というのを今後も推計的に見据えた中で、私は何らかの方策というのは必要じゃないかと思うんですね。方向性というものをぜひ検討していただくところではないかと思うんですが、ご所見をお伺いしたいと思います。
○林道路建設部長 稲城大橋有料道路は、現在でも、時間短縮効果や都心アクセスの利便性を求めて、こいそ委員のお話にありますように、一日一万台を超える利用者がございます。
一方、昨年十月にはJR南武線の一期区間の高架化や、ことし四月には多摩川原橋の二期区間が完成するなど、稲城大橋を取り巻く道路状況が大きく変化してきております。
このため、交通量調査を実施し、周辺道路や稲城大橋の交通動向を見きわめながら、今後の役割やあり方について幅広く検討してまいります。
○こいそ委員 ぜひご検討いただきたいと思いますけれども、この稲城大橋についてはかねてから--都心方向、一方向なんですね。これはやはり、ぜひフルインター化をすることによって、またその利用者といいましょうか、利便性も当然向上を--それぞれの方々、利用者がするわけでありまして、ぜひかねてからの、ここにおけるフルインター化というものをぜひひとつ今後のご検討課題にしていただければと、これも要望をさせていただきたいと思います。
それでは続きまして、JR、特に南武線の連続立体交差事業についてお聞きをさせていただきたいと思います。
JRの南武線連続立体交差化事業については、現在稲城市内で、昨年の十月、第一期区間である矢野口駅周辺の立体化が完成いたしました。先ほどの慢性渋滞もそうでありますけれども、それから、いわゆる南北の分断が一体化になってきたとか、非常にやはり、地域及びまちにとって大変効果があった事業であります。
これはもう本当に、関係の皆さんのご努力に心から感謝をするところでありますけれども、また本年四月に、先ほども触れましたけれども、多摩川原橋の四車線化の完成などによって、鶴川街道などの交通渋滞、今申し上げたようにさまざまな効果があらわれてきている。
残るこれからの第二期区間の稲城長沼駅及び南多摩駅付近についても、これは早期の完成が待ち望まれるところでありますけれども、JR南武線の第二期区間における現在の進捗の状況及び完成の目途、このあたりもお願いしたいと思います。
○林道路建設部長 昨年十月の一期区間の立体化に続きまして、二期区間におきましては、本年三月に工事に着手し、五月には残っておりました一件の事業用地の更地化も完了し、事業用地もすべて確保いたしました。
現在、仮線工事や稲城長沼駅の仮駅舎工事を進めており、今後とも地域住民の方々のご理解とご協力を得て、平成二十二年度の立体化、残っております七カ所の踏切除却を目指して着実に事業を推進してまいります。
○こいそ委員 そしてなお、本事業によって当然生み出される高架下は、極めて貴重な空間になっているわけであります。一期工事については、なってまいりました。
また、本年三月の環境・建設委員会でも質問させていただきましたけれども、高架下の利用について、事業主体であるまさに都が、地元市、また鉄道事業者との調整役を果たしているというふうに聞いているわけでありますけれども、この高架下利用検討会での検討事項と、特に、今申し上げた、完成されました一期区内の利用計画がどのように進められているのかお願いします。
○林道路建設部長 高架下の利用につきまして、地方公共団体は、鉄道事業者と協議の上、鉄道業務に支障のない範囲で、高架下利用可能面積の一五%まで公共の目的に利用できることとなっております。
本区間におきましては、平成十六年度から、東京都、稲城市、JRの三者で構成をする高架下利用検討会を持ってまいりました。
お尋ねの第一期区間における高架下利用についてでございますが、矢野口駅付近におきまして、地元市から要望の強い駐輪場につきまして、東京都としては鉄道事業者に設置協力を求めるなどし、必要な規模の確保を図っているところでございます。
○こいそ委員 いずれにいたしましても、公共的に、ほとんど公共でありますけれども、とりわけ地元関係で使用されるところは、全体の一期、二期を入れて一五%ある、こういうことを聞いております。例えば、これを今、検討会でさまざまにご検討されて、適宜適切に配置をしていくということでありますけれども、この事業は申すまでもなく、二百十八億を東京都が出資する。地元市は八十億だと。総額は五百九十八億円。大変な予算で効果的な事業を進めるということでありますけれども、東京都は、今申し上げたような投資をしていく中で、当然、私は、地域に大切な、または公共的--例えば、この周辺、都道整備も進んでいますよね。このところで、コミュニティ施設がやはりどうしても移転を余儀なくされる。こういうところは行き場がないですね。
それからもう一点は、安全・安心対策でいわれているところの交番ですね、こういうところが、駅至近にあることがどうかわかりませんが、全体計画の中において、すなわち交番なんて駅により近いところがいいと思いますけれども、高架下にそのような利用というものも、また鉄道者側と有効な協議をしながら、適切な配置というのはできないかどうか。
これは一、二の例でありましたけれども、我々も、地元も当然そうでありますけれども、いろいろ話を聞くんですね。そして、要望すると、これはもう稲城市は、地元市が、ほとんど配置が終わっているように聞くんですよ。そうすると、これだけ二百十八億円投入した東京都が、調整役といったって、では実際、何をいうか。要するに、要望がほとんど入れられないというようなことを、直接、間接的に私も経験したことがあるんですけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。
○林道路建設部長 委員ご指摘のとおり、高架下は限られた貴重な空間であり、沿線のまちづくりと整合させ、有効かつ効果的に公共利用する必要がございます。そのため、先ほど申し上げたとおり、高架下利用検討会におきまして、鉄道事業者、地元市と一緒になってその検討を進めてまいりました。
東京都は調整役として、より一層地元の要望を反映できる形で、この検討会の運営を行ってまいりたいと思っております。
○こいそ委員 とりわけ第一期については、私ははっきりいいまして、この一五%というのは、国土交通省の指導なのかわかりませんけれども、先ほどいった負担割合からしても、公共空間を、これだけ投入して生み出したわけでありますから、私ははっきりいって、この数字というのは納得できないんですね。国からいわれているんだからしようがないよという話ではあるけれどもね。
でも、そうじゃないんじゃないかと思うね。やはり、いかにして公共公益的な施設を入れるか。それからまた、地元のまさにニーズにかなった、これは一利害じゃなくて、公共的な中でこれは必要じゃないかという判断ができるもの、これはもう一五%だったら、とてもとても入りませんよ、要望がいろいろあったとしても。ですから、こういうあたりをぜひ国に強く申し入れていただきたいということであります。
そして戻りますと、では、一期工事についてはまだ決まっていないということですか、要するに配置が最終的に。
○林道路建設部長 一期区間の高架下面積は、都市側で利用できるものが千三百平方メートルございます。この中で、公共的な利用ということで、最終的な用途のまだ決まっていない部分もございます。
○こいそ委員 今の部長の言葉を信じますよ。では、要するに、まだ入れられると。若干というのは非常に明確じゃないけれども、地元の要望というのは入れられる。地元の要望といったっていろいろあるけれども、例えばコミュニティ関係の施設、今いったけれども、例えば高架下に交番がどうかというのはわからないけれども、あのあたりのさまざまな道路整備を初め、これはもう移転を余儀なくされることだと思いますよ、これは警視庁のいろいろな判断もあるだろうけれども。そういう中へまだ取り込めるわけですね。
○林道路建設部長 地元のご要望も伺いながら検討してまいります。
○こいそ委員 地元の意向を尊重していただくのは大変ありがたい。しかし、大所高所から、東京都は調整役でありますから、ぜひ東京都の主体的な意向というものもやはり反映してもいいと思うんですね、それは地元協議と並列でありますが。当然協議しながらの話でありますけれども、私はこれもお願いしたいと思います。
それと、三点目でありますが、今申し上げた南武線の連続立体交差化事業においても、これは私は前からお話しさせていただいて、要望といいましょうか、取り上げさせていただいておりますけれども、例えば連続立体交差化事業でも、これだけ皆さん苦労して、それこそ資金的にも投入して、並々ならぬ、本当に汗をかいて努力されているこの事業が、確かに看板は立ててもらいましたよ。いい場所に看板は立ててもらった。だけど、ほとんど多くの人はまだわからないという実態があるんですね、残念ながら。
私は本当に、これは常々思っているんだけれども、例えば、さっきいった道路整備で信号機ができます、それぞれ新しい道路ができたときに。この信号の下に地名を表示しますよね。例えばこれをお願いしたいと。要するに、道路が新たに入ったので、状況が変わってきてしまったので、ぜひ入れてほしいという要望があります。八カ所ぐらいあったかな。つかないんですよ、これははっきりいって。
何でかというと、区間、区間で、市の施行であったり、公社の施行であったり、都の施行であったり、それから区画整理であったり、入り乱れちゃっているんですね、はっきりいって。だから、みんな都がやるのかなという感じはするんだけれども、いや、都じゃないんだよと。では、この便利になった道路は都じゃないのかと。ところが、都費はかなり入れ込んでいるんですね。実際上の施工もしている区間は長いんですよ、延長上。こういう中の広報も、いま一つ私は足らないと思うんですね。
ですから、建設局としてさまざまに媒体を利用して、あらゆる機会に広報されるし、事前の説明会もされている。承知しておりますよ。いろいろな形でやられているのはわかる。しかし、いま一つ、やはりみんなが喜ぶような、まさに公共公益的施設が整備されている中で、これは東京都じゃないんだなという人がおられるというか、少なくないような話を聞くと、非常に残念なんですね。これは連続立体だけじゃない。道路だけじゃありません。さまざまにありますよね、防音壁の問題もそうだし、公園の話もそうだけれども。
こういう中でどういうような広報を、今申し上げたけれども、状況といいますか、実態に照らし合わせてやられているのか、もう一段お聞きしたいと思います。
○島総務部長 局事業を円滑に推進していくために、今、先生からお話がありましたように、やはり都民あるいは地元の方々の理解と協力を得ることが必要でありますし、そのためには、いかにその事業が効果があるのか、どこがそれの費用を負担しているのか等を含めて、積極的な広報活動が不可欠であると考えております。
そのため、新聞、テレビ、ラジオ等の報道機関に対する情報提供のほかに、「東京のまちづくり」などの広報誌、あるいは東京都並びに建設局のホームページを活用した局事業のPRを積極的に行っているところでございます。
特に個々の事業につきましても、例えば環状八号線でありますとか首都高速品川線などの主要事業について、インフォメーションセンターを設置したり、あるいは多摩南北道路の調布保谷線では、実際に環境施設帯の整備モデルを現地に設置いたしまして、直接都民の方が触れられる等、理解が一層深まるような取り組みも現在行っております。
今後とも、先生ご指摘のように、さまざまな機会をとらえまして、事業に関係いたします地域住民の方々はもちろんのこと、一般都民の理解と協力が得られるような広報活動を、局一丸となって積極的に進めていきたいと考えております。
○こいそ委員 道路、橋梁等、基本的なインフラの整備をしっかり進められて、建設局が都民の理解と協力を得ながら着実にその事業を推進しているということの中で、今、私は地元を歩いていて、いろいろな声を聞くわけですね。その中でもやはり、先ほど申し上げましたように、皆さんの努力と汗が理解されないと、何か残念なんだな。
ですから、そういう意味からも、ぜひ局本体としてのPRと、それから各事務所もあるじゃないですか。そういうところでも、やはりもう一工夫、周知できるような、そして、資料にもちょっといただきましたけれども、その前にお話しいただきましたけれども、区報なり市町村報というのですか、それぞれ地元の役所で出していますよね、ホームページもそうかもしれないけれども。ですから、そういうところにも少し載せてもらうことも必要じゃないのかな、それから、話をしてもらうことも必要じゃないかなと思うんですね。そんなことを含めて、ぜひこのことも受けとめていただいて、工夫して対応していただければありがたいなと思うところであります。
そこで最後に、多摩川中流部の南側における現状の認識といいましょうか、るる申し上げましたので、今後の基盤整備の取り組みについて、最後はちょっと広報という話になってしまいましたけれども、このあたりを--いいですか。余り局長答弁はさせない方がいいなんということもあったけれども、よろしいでしょうか。では、ぜひ最後によろしくお願いします。
○依田建設局長 今、多摩川中流部周辺の、中流部を含めましてさまざまな議論をしていただきました。とりわけ、今お話しになっております多摩川中流部の南側地域、ここは多摩ニュータウンなどによる計画的な開発によって、既に基盤整備が相当程度充実している地域もありますけれども、その一方で、まだまだ整備の急がれる地域も残されているのは事実でございます。そういった認識がございます。
これまで、当地域におきましては、地域の発展と広域的な連携強化を目指しまして、稲城大橋や多摩川原橋、さらに是政橋の拡幅など、多摩川中流部橋梁とこれに関連する川崎街道などの幹線道路、さらにJR南武線の連続立体交差事業に重点的に取り組んできており、着実に実を結んできておるのだろうというふうに思っております。
また、多摩丘陵に残された緑の保全、活用をさらに推進するため、桜ヶ丘公園の事業区域の拡張に向けた取り組みも行っているところでございます。
また、三沢川あるいは乞田川などの河川においては、治水の安全性を高める、これを基本としつつも、魚や昆虫、水鳥などにも優しく、親水にも配慮した整備を進めているところでございます。
今後とも、先ほど来ございましたPRなんかも充実しながら、都民の理解と協力を得ながら必要な財源確保に努めまして、地域の安全性、さらに利便性の向上、そして良好な環境の形成などを目指しまして、基盤整備に積極的に取り組んでまいります。
○石毛委員 私は、平成十七年度霊園関係の執行状況について幾つかお伺いいたします。
都立の霊園は現在八カ所、二十五万人の方々が利用されているという大変重要な施設であるわけでありますが、これまで、芝生墓地あるいは壁型墓地、また合同式墓地などに積極的に取り組んでおられることは承知しております。
しかし、都民の墓地の需要は、そういう意味では依然高く、平成十八年度の墓地の倍率でありますが、青山霊園で約二十倍、十九・七倍ということで、また近くの多磨霊園でも十五・六倍となっております。都民の墓地の需要にこたえていくためにも、霊園の整備に係る予算執行を確実に行うことが大切だと思います。
この中に出ております執行を見てみますと、全体の執行率は七七・五%と、執行率は低く、中でも青山霊園の再生事業は六三・九%、執行率が大変低いということになっておりますが、この理由についてお伺いいたします。
○伊藤公園緑地部長 青山霊園の再生事業は、霊園の豊かな自然資源、歴史的人文資源を都民の財産ととらえ、これを活用し、広く都民が利用できるように、霊園と公園が共存した空間として再生するものでございます。
再生事業におきまして、新たに立体式墓地や広場を整備するためには、その予定区域にある墓所についての移転が必要となります。移転の折衝に当たりましては、使用者が都内ではなく遠方に住んでいる場合や名義変更が行われていない事例、移転を決意するまでに親族間での協議に時間を要する事例など、さまざまな要因があり、当初予定していた契約件数に至らなかったことが執行率に影響を与えたものでございます。
今後も、使用者の理解と協力を得て、事業の一層の推進に努めてまいります。
○石毛委員 わかりました。
墓地の移転には非常に時間がかかる。特に親族などのご了解を得るということは、なかなか難しそうであります。ともかく、需要が多いということで、鋭意この努力を続けていっていただきたいと思います。
また、この青山霊園は日本を代表する--向こうの方の神奈川などは、鎌倉霊園とか、若干ブランドというのでしょうか、大変人気が高いわけであります。お金をかけてもあそこに眠りたいという方もたくさんおられるようでありまして、それで倍率が高くなっているわけであります。
そういう意味では、私はもっと高くてもいいのじゃないかというふうに思うわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。
○北村公園管理担当部長 都におきましては、受益者負担の考え方から、原価計算に基づきまして霊園使用料を設定しております。
霊園使用料の原価でございますが、そのほとんどは土地使用料でございます。この土地使用料の算定に当たりまして、従来、固定資産税評価額を参考にしておりましたため、民間霊園と比べまして低廉な使用料となっておりました。このため、公平性の確保を図る観点から、平成十五年度に使用料の算定方法を改定いたしました。
現在は、周辺の民間霊園におきます墓地永代使用料を反映した使用料としておりまして、原価を超えます使用料を設定することは困難であると考えております。
○石毛委員 若干難しそうなお話でございますが、私の意見として、こういったこともちょっと今後考えていただける余地があれば、また収入も上がるのではないかというふうに思います。
また、都立霊園として、公平性の観点からこういったことを設定しているわけでありますが、需要にこたえるためにも、財源を確保して事業を円滑にしていただきたい。
ところで、青山霊園は歴史が古く、明治の大久保利通さんやら斎藤茂吉さん、それぞれたくさんの方が眠っているわけであります。経済、政治、文化、多様なところで活躍されている方、こういった著名な方のお墓を訪れる方も多いと思うのですが、ただお墓を見に来るだけではなく、その人たちの業績、その人の生きた時代に思いをはせて見学に来ているのではないか。こういった意味では観光資源にもなるのではないかというふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。
○北村公園管理担当部長 委員ご指摘のとおり、青山霊園には、明治以来の政治家や歌人、近代日本の発展に貢献されました外国人など、数多くの著名人の墓所がございます。現在、主要園路沿いの著名人の墓所、これを紹介する青山霊園歴史散歩マップを作成いたしまして、希望者に配布させていただいております。
今後は、例えば文学者や政治家、明治維新に活躍された方などの墓所を探訪するさまざまなコースを設定いたしまして、それにあわせてパンフレットや案内板を整備してまいります。
なお、著名人の墓所を紹介するに当たりましては、使用者の意向を確認するなど、個人情報保護に配慮しているところでございます。
○石毛委員 確かに、うちのお墓は来てくれるな、そういう--王さんの奥様のお骨がいつだったか盗まれて、それ以来まだ戻ってきていないという状況もあるようでありますが、そういったところも、逆をいえばセキュリティーというのでしょうか、また考えていただきたいと思います。
ところで、アメリカなどは、そういった案内人というのでしょうか、お墓の案内人が大変はやっておりまして、たくさんのツアーが組まれていて、たくさん行くようになっている。日本ではまだそこまでは来ていないわけでありますが、そういったことも今後あり得る。また、そういったところにも力を入れて、案内人というのでしょうか、ガイドというのでしょうか、こういったことも考えていただければなと思います。
ところで、お墓参りをされる場面で、車で行く方も多いわけであります。一例でありますけれども、多磨霊園で、南北を横断する通りがバス通りになっておりますが、バス通りに通じる霊園の通路に、至るところ、バスレーンに出るところですね、車どめなどがあって、通行ができないようになっております。大変不便を感じるんですけれども、これの理由をお聞かせください。
○北村公園管理担当部長 多磨霊園の中央部には、南側の府中市の市道と北側の東八道路とを南北に結びます延長約一・一キロメートルの園路が通じております。
この園路は、終日、路線バスや一般車両の通行にも供されております。このため、事故防止の観点から、墓参者の車両がバス通りを横断することを極力制限するようにとの地元警察署からの要請を踏まえまして、車どめを設置しているところでございます。
○石毛委員 わかりました。
あそこは、普通のところよりもちょっと込み入っておりまして、普通だと何区、何側、何番となっているのですが、何区、一種・二種、何側、何番というふうになっておりまして、非常にわかりづらいところになっております。なおかつ、隣に行くときに車どめがありますと、ぐるっと回らなければ車では行けないような状況になっております。大変複雑。
今お伺いしたように、警察の関係でそうなっているということでございますけれども、初めて行く方、あるいは車で行く方も大変多いわけでありますので、その辺、病院なんかへ行きますと、内科あるいは外科なんというと、入り口に、青いところをこう行くと、右、左、最後、到達するなんということもございますが、今後、こんなようなこともひとつ考えていただいて、わかりやすいような形をやっていただければというふうにお願いをいたしまして、終わりにいたします。
○野島委員 道路整備関係で、ざっくりした話でお伺いいたします。
多摩地域の道路整備、これらについては、都、地元自治体、それぞれ連携しながら取り組んでおるわけでありまして、平成元年、それから平成八年、そして本年四月に作成されました、それぞれネーミングは違いますけれども、多摩地域における都市計画道路整備方針、こんなところを基本に進められているものというふうに理解をいたしております。
それで、実は、そういったふうな整備計画でいわれているのは南北道路なんですね。なるほど、新甲州街道とか東八道路とか、都心に向かってくるよと。多摩地域というのは、どっちかというと、こういう都心に向かって、楕円形というとおかしいけれども、そんなところなので、それに対して南北道路をどう入れていくかということに力点が置かれているというふうに私は理解をしているのです。
そうしますと、そういう道路整備というのは、どうしても結節点からやっていきますよね。あさっての方をやって、そこだけ車が通ったって、こっちへ来なきゃ意味がないわけだから。そうすると、実は私の住んでいるのは、東京都東久留米市という一番東京の外れで、私の家の二十メートル後ろはもう埼玉県なんですよ。そういうふうな周辺市の整備がどうしても後回しになっちゃうだろう。それにどういうふうにつなげていくかということで、いろいろ今までご苦労いただいて、私の記憶の範囲内では、かつて道路振興特別交付金制度、こういったものがありました。大変助かりました。ありがとうございました。
それから、その後、この資料でいただきましたけれども、平成十一年から五年間で、必要な道路、そういったところを整備していこうというようなことでの、みち・まちパートナー。五年間で当然、随分予算も少なくなっちゃったり何かしたものですから、五年間で完成しなくて、あと五年ということで事業延伸されて今日に至っている、こんなふうに思っている次第であります。
私ども周辺市というのはどうしても、東京都という広域性で見れば、例えば新小金井街道は、埼玉県からずっと入ってきて、東久留米とかあの辺を抜けて小金井まで行くわけですよね。どうしても視点が、広域性ということになると、こっちの東京の側から見るわけだから、この辺の外れの方というのは、ある意味では後回しというのかな、そういうところがどうしても出てきちゃう。
それは投資効果から考えれば、鉄道だってそうですよ。連続立交は中央線を今やっていますし、西武線なんていうのは、夢の夢のまた夢ぐらいの話ですから、それは投資効果という部分ではしようがないわけですな。
しかし、そういうみち・まちパートナー事業をやっていただくことによって、大変効果的な道路整備が進み、沿道の改良もなされていく。こういうことで大変重要な事業というふうに思っておりまして、改めて今日までの進捗状況、それから今後の取り組み、こんなところについてお伺いいたしたいと思います。
○林道路建設部長 みちづくり・まちづくりパートナー事業は、駅周辺のまちづくりや公共施設への連絡など、地域にとって重要な役割を果たす都道につきまして、東京都と市や町が協力して整備するものでございます。
平成十一年度から、多摩地域の十一の市、一つの町が十六路線で事業を実施しており、十七年度末までに六路線が完成し、交通混雑の緩和、歩行者の安全性、利便性の向上に寄与しております。残る十路線につきましては、今年度末で用地取得率が約八割となる見込みでございます。
今後とも関係市と一層の連携を図り、平成二十年度までの完成を目指してまいります。
○野島委員 今、道路整備そのものの全体像と駅周辺のまちづくり、それもワン・オブ・ゼムなんですけれども、大変重要だ、こういうことでございます。
私、ことしの第一回定例会の一般質問で、道路の整備水準については、環境、景観への配慮や周辺地域の関連整備への好影響にも配慮していただきたい、こういう要望を申し上げたんです。質問じゃなくて要望で終わっちゃったんです。なぜかというと、あの本会議場で、東久留米や清瀬のちまちましたことをいってもしようがないだろうと。それから、私の持って生まれた性格で、極めて控え目なものですから、要望にとどめたわけであります。
そこで、せっかくきょうは委員会でありますので、地域の事情をお話し申し上げながら、お伺いさせていただきたいと思うんです。
清瀬の関係でいきますと、一本採択してもらって、今、みち・まちで事業を進めているんです。これは、小金井街道と新小金井街道、西武鉄道をアンパスで来たところを結ぶ道路なんですね。これは清瀬の駅の南口の直近なんです。
それで、まちづくりという観点からいきますと、実は清瀬市は南口の再開発、駅前から商店街があるんですが、これは四メートル道路の側にずっと張りついていたり何かして、この再開発もしなきゃいけない。それから駅広も広げなきゃいけない。それから、駅広からこのみち・まちにつなげる道路もやらなきゃいけない、こういう事情があるんですね。
そういう意味では、清瀬においては、これをぜひ周辺のまちづくりの起爆剤にしたいというのがあるんですね。そうすると、道路ができたときに、あとは何かというと、道路整備の水準をどうしていくことによって起爆剤になり得るか、こういうことだと思うんですね。
そこで、清瀬市は、市長さんがことしの一月に、ぜひ電線類の地中化、こういったふうなものを都において進めていただきたい、こういうことで要望を出しております。現場を見ていただければわかるんですが、私は、そういうことによって--それから、地域の人たちは既に、再開発をどう進めるかみたいな、そういう懇談会というのかな、商工会議所に行くとパースが置いてあったりなんかして、取り組んでいるんですよ。ぜひこういうことでやっていただきたいというのが清瀬の市長さんの要望なんですね。
一方、私の住んでいる東久留米はどうかといいますと、西口からずっと、みち・まちを今やっていただいているところ、これが完成しますと、大体線路の西側がループ状に都市計画道路でできるんですよ。大変ありがたいなと思っております。
と同時に、西口は十二・三ヘクタールを、沿道区画整備型区画整理事業というのがあったんですね、今はなくなっちゃったんだけれどもね。そういったようなことで整備していて、実は駅から五百メートルぐらいのところまで電柱がないんです。それは、かつてのNTTの株式の売却益の金があったんですね。それの無利子の貸付金があったもんだから、それを使って電線のない道路をつくったんです。その先は、さっきいった道路特交でやったんですが、これは電柱が立っているんです。
それで、西口から見ますと富士山がきれいに見えるんですが、その電柱が邪魔しちゃうんですね。今やっているみち・まちはその先なんですよ。これは東久留米の市長からもお出し申し上げているわけでありますが、その先をぜひ地中化していただきたい。真ん中に入っちゃっているから、それは行く行くまたご相談させていただきながら地中化するにせよ、そういうことにしますと、すっきり富士山がよく見える。ぜひ局長も時間がありましたら、ご案内申し上げます。
そんなことでやっていただきたいということと、実は今やっているところが、これは河川部の仕事なんですが、落合川の河川改修をやっているんですよ。河川敷が結構広くとってあって、いい絵柄でかいてあって、親水化する。遊園地とはいわぬな、すばらしい絵がかいてあるんです。そこにこのみち・まちが行くわけ、道路が。そうすると、そこに電柱が出てきちゃったら、僕は台なしだなと思うんだよね。
だから、ぜひそうやっていただきたいのと、実はそのわきに、これは都立公園の、さっきの用地取得で出ていましたけれども、六仙公園、十五ヘクタールというのが予定をされているんですよ。今まで三・五ヘクタールぐらい買っていただいていますから、全体が落ちつくのは、私の目の黒いうちは無理かなと思うんですけれども、いずれにしても、そこも武蔵野の原風景なんですね。さっき樺山副委員長は荒木町の話をしましたけれども、武蔵野の原風景。その隣に、環境局の所管なんだけれども、旧の緑地保全地域、今、名称はちょっと忘れちゃったんだけれども、それも広い地域があるんですよ。そこにこの都市計画道路が入ってきているんです。
そうしますと、せっかく武蔵野の原風景ということは、すばらしい空閑地として出てくるわけですね。それから、緑地保全地域ですから、湧水もあったり、うっそうとした樹林地があるわけですよ。そこに道路をつくるのは、一騒ぎしなきゃ僕はできないと思うんだけれどもね。だから、道路整備計画にも載っていないです。向こう十年間、まだ地ならしもしていかなきゃいけない。しかし、そういうところにまたやって、電柱が出てきちゃったら、これはもうぶち壊しになっちゃうと思うんです。
したがって、今回、東久留米もこれをやってもらうことによって、私はむしろ今後の道路整備というのは、そういう周辺環境とマッチしたような、景観に配慮したような道路整備の水準だよというショールームになると思っているんです、そういうふうにすることによって。そんなことで私は考えておりまして、そんな思いも込めて、地中化についてのお願いをしてきたわけでございます。
そんなところで、現在、要望書をお出し申し上げておりますが、どんな状況になっているのか、そんなところでちょっとお聞かせいただけますか。
○林道路建設部長 電線類の地中化は、都市景観の向上、歩行空間の確保、防災の観点からも極めて重要でございます。
みちづくり・まちづくりパートナー事業路線における電線類の地中化については、道路整備に合わせた施工ができるよう、現在、電線共同溝の設計などの準備を行っております。
今後とも、関係市及び電線管理者等の関係機関との調整を図り、電線類の地中化を進めるとともに、委員ご指摘のとおり、単に道路の中だけの話ではなく、河川、公園等との連携も図り、緑豊かな空間を形成するよう、沿道環境や景観に配慮した道路整備を行ってまいります。
○野島委員 ありがとうございました。
みち・まちそのものが、道路権原は都の負担、道路整備は当該市だというふうに承知いたしております。では、電柱を立てるのじゃなくて、地べたの中に埋めるのはどっちなのという話もあろうかと思いますが、十分ご協議いただきたいというふうに思っております。
それから、かつては、そういうことをいいますと、電線管理者、東電とか、あるいはNTTの電話の関係も入るわけですね。そうすると、そういうところに事業者負担が出てきますから、今ちょっと制度をよく知らないんですけれども、要するに普通に立てるよりも金がかかるわけだから、周辺がちゃんと電気を使ってくれて収支が合うのかどうかというのが、東電なり何なりの感覚だったわけですよ。だけど、僕はもうそういう時代じゃないと思うんです。
そんなことで、さっき申し上げました清瀬は、駅のにぎわいあるいは再開発の起爆剤、こういうことであります。あと一つ、東久留米は、そういう武蔵野の原風景、水だとか緑だとか、それを電柱で台なしにしてほしくないという空間をつくっていく、こういうことでありますので、お答えいただきましたけれども、ぜひ積極的にお進めいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○尾崎委員 私は、調布三・四・三二号線の進捗状況について何点かお伺いしたいと思います。
この路線は、京王線の西調布駅の北口から甲州街道に向かう都市計画道路でありまして、そのうち旧甲州街道から甲州街道に向かって整備中の路線なんですが、これは平成十一年度に事業説明会を行ったにもかかわらず、いまだ整備が完了しておりません。地元住民も、西調布駅前地域協議会を結成して、計画当時から都と協議を進めてまいりまして、計画では、遅くとも平成十六年には完成するという話があった路線であります。
これは、なぜ進捗状況を促すかといいますと、この路線は、平成二十四年度に完成予定の京王線立体交差事業に大きく関係しておりまして、駅前開発を進める上で、本路線が整備されないと、駅前開発を含めたまちづくりが全然進まないわけであります。
これは、西調布の駅を挟んで市道が通っているんですけれども、市の方も、この市道の整備をするのに、まずこの都道の整備をしてもらわないとどうにもこの整備が進まないというわけで、都の方にも要望をしているんですが、そこで、これまでの経緯と用地の取り組み状況についてお伺いいたします。
○藤井用地部長 ご質問の路線は、西調布駅北口から三鷹市境の調布市富士見四丁目に至る都市計画道路ですが、委員ご指摘のとおり、現在、このうち旧甲州街道から甲州街道までを結ぶ区間で事業を実施しております。
この区間では、平成十三年度末に事業認可を取得いたしまして、十四年度から用地取得に着手しております。十七年度末までに、全体の五割に当たります八百八十平方メートルの用地を取得いたしました。残る用地につきましても、事業実施に支障を来さないよう、引き続き関係権利者とのきめ細かな折衝を重ね、取得に努めてまいります。
○尾崎委員 これは、私はその地域協議会の方々とも話をしているんですけれども、今は東京都がいろいろと整備に当たっているんですが、最初は東京都道路公社の方が対応に来たり、地元住民としては、対応者がころころころころかわったりして、非常に困惑しているわけであります。
平成十三年度末に事業認可というわけですけれども、実際、最初、道路公社の方が対応に来たときには、これは平成十一年度に事業説明会を開いているわけでありまして、そのときに、少なくとも四、五年で完成するという話が住民の方にはあったわけで、てっきり四年後には完成するんじゃないかと住民の方は思っていたわけであります。
そこで、もう一つ大きな視点としては、二〇一六年にオリンピックが開催されることを仮定いたしまして、競技施設の候補にも挙がっている味の素スタジアムがあるんですが、現在、味の素スタジアムでは定期的にイベントが行われておりまして、最寄り駅としては、西調布駅の隣の京王線の飛田給駅というのを味の素スタジアムに来る方たちは利用しているんです。この味の素スタジアムは本来五万人収容という施設なんですけれども、これは今、五万人はイベントがあったときにも来ないんですが、大体平均で三、四万人は飛田給の駅を利用して乗降しているわけであります。それで、三、四万人、あの小さな飛田給の駅で乗降客があるということは、これは一つの許容範囲を超えちゃっているんですよね。
本スタジアムは、位置的には西調布駅と飛田給の中間地点にありますから、スタジアムのメーンゲートが西調布側にもありますから、これは本来、西調布駅と飛田給駅の両方から行けるような整備がされていれば、混雑を避けるためにも非常に便宜的かなとは思うんです。
そこで、安全性、また将来性を考慮した上でも、現在おくれている事業を迅速に進めていただきたいと思うんですが、所見を伺いたいと思います。
○林道路建設部長 本路線の整備は、西調布駅から味の素スタジアムへのアクセスとして重要であるとともに、安全で快適な歩行者空間の確保にも寄与するものでございます。用地取得の進捗を踏まえ、今年度は甲州街道との交差点部におきまして改良工事に着手する予定でございます。
今後とも引き続き、用地取得の進捗状況を見ながら着実に工事を進めてまいります。
○尾崎委員 先ほどもいいましたけれども、これは十キロとか五キロとか長い路線ではなくて、たかだか二百メートルの路線なんですよね。二百メートルの路線で、平成十一年度に最初に事業説明会が行われて、もちろん用地買収とか整備というのは相手方のあることですから、なかなかうまくいかないのは、それは理解をしているんですけれども、ただ、この地域協議会の方たちは、地権者も、ほかの路線と違って、二百メートルの路線ですから、そんなに何人もいないんですよね。三、四十人というところですけれども、この三、四十人の方々が、反対している方たちを一生懸命、今、説得に当たるというような努力も地域住民の中ではしているんです。
ですから、この路線の重要性というのは、オリンピックのことだけじゃなくて、実際、今、定期的に味の素スタジアムで月四回ぐらいは大きなイベントが行われているわけでありますから、この重要性というのはいささかも薄れるものではないと思います。ぜひ関係の地権者の方々とも、生活再建にも配慮していただいて、できる限りきめ細やかな対応をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問といたします。
○東村委員長 ほかに発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○東村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○東村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時二十分散会
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