委員長 | 林田 武君 |
副委員長 | 野上 純子君 |
副委員長 | 柿沢 未途君 |
鈴木 隆道君 | |
高倉 良生君 | |
西岡真一郎君 | |
坂本たけし君 | |
鈴木 一光君 | |
古館 和憲君 | |
名取 憲彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員警視庁 | 警視総監 | 伊藤 哲朗君 |
総務部長 | 東川 一君 | |
警務部長 | 池田 克彦君 | |
交通部長 | 押久保 仁君 | |
警備部長 | 西村 泰彦君 | |
地域部長 | 佐藤 男三君 | |
公安部長 | 高石 和夫君 | |
刑事部長 | 金高 雅仁君 | |
生活安全部長 | 園田 一裕君 | |
組織犯罪対策部長 | 田端 智明君 | |
総務部企画課長 | 瀧澤 敬治君 | |
総務部会計課長 | 長谷川道雄君 | |
東京消防庁 | 消防総監 | 関口 和重君 |
次長予防部長事務取扱 | 小林 輝幸君 | |
総務部長 | 佐竹 哲男君 | |
人事部長 | 瀬川 俊君 | |
警防部長 | 秋山 惠君 | |
防災部長 | 新井 雄治君 | |
救急部長 | 浅野 幸雄君 | |
指導広報部長 | 齋藤 隆雄君 | |
装備部長 | 佐藤 行雄君 | |
総務部企画課長 | 大江 秀敏君 | |
総務部経理課長 | 田村 雅直君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 梶原 康二君 |
財務局 | 局長 | 谷川 健次君 |
経理部長 | 泉本 和秀君 | |
参事 | 竹本 節子君 | |
主計部長 | 安藤 立美君 | |
財産運用部長 | 塚本 直之君 | |
特命担当部長 | 三津山喜久雄君 | |
建築保全部長 | 南部 敏一君 | |
参事 | 松村 進君 | |
参事 | 岡沢 裕君 |
本日の会議に付した事件
平成十七年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
警視庁関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
東京消防庁関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・平成十七年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成十七年度東京都用地会計決算(質疑)
・平成十七年度東京都公債費会計決算(質疑)
○林田委員長 ただいまから平成十七年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、警視庁、東京消防庁、選挙管理委員会事務局及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより警視庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十七年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で警視庁関係を終わります。
○林田委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十七年度東京都一般会計中、東京消防庁所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○古館委員 それでは、消防庁関係について質問させていただきます。
〇四年度、平成十六年度の行政評価で、都民防災教育センター、いわゆる防災館の見直しが出された際に、私は、池袋防災館を訪問いたしましてお話を伺いました。その中で、防災館が池袋駅に近いところにあるということから、近隣住民を初め修学旅行などで上京してきた子どもたちなども来館して、見学、体験するなど、防災教育に役立っていることを大変実感いたしました。
立川及び本所、そして池袋にある防災館三館についての存続を求めて、私は総務委員会でも質疑をし、さらには文書質問も行ってまいりました。ことし九月一日の防災訓練の参加者の感想の中では、消防庁のテントでは、ガス濃度の測定や土手の陥没箇所での土のう積みなど実践的な訓練が印象的だったことや、体験コーナーが多岐にわたっていてとてもよかった、子どもたちからお年寄りまで実際に体験できるのがよかったなど、大変好評の感想が寄せられておりました。
都民が実際に体験する訓練は非常に大事で、その点でも消防庁の防災館は非常に重要な役割を果たしています。都民の防災行動力の向上にとって、常設の訓練施設としての三つの防災館は、いよいよ重要な役割を果たすことは明らかであります。
そこでお尋ねいたしますけれども、いつでも気軽に体験学習できる防災館は極めて重要な施設であると考えています。今後、消防庁は、防災館の活用についてどのように考えておられるか、伺います。
○齋藤指導広報部長 防災館につきましては、都民の防災意識や防災行動力をより一層高めることを目的として設置しております。防災館では、地震体験や煙体験などの体験型訓練を中心といたしまして、都民の災害対応力の向上を図るなど、活用しているものであります。
今後とも、一般都民はもとより、消防団、ボランティア、自主防災組織及び自衛消防隊等、より多くの都民の防災行動力向上を図る施設として、一層活用してまいります。
○古館委員 ありがとうございました。今の答弁でも、最後のところで、多くの都民の防災行動力向上を図る施設として一層活用していくということですので、三つの防災館がいよいよ充実されて、都民の負託にこたえられるようなものとなるように、私どもも議会の場で大いに応援したいと思っています。
先ほど私は、九月一日の防災訓練での参加者の声を紹介いたしましたが、いうまでもなく、災害発生時はもちろんのこと、救命救急業務を初めとした安全・安心の諸活動を通して、都民の最も身近な場で活動しているのが消防署員であります。ところが、この七年間を見ますと、消防職員が増員されていないばかりか、むしろ減っているというのが資料の中でも明らかであります。消防職員こそ、私は増員が必要だと考えております。このことを要望としておきたいと思います。
また、消防署員とともに、日常的には本業を持ちながら、いざというときに駆けつける消防団員も町の信頼を高めております。地域に根差して頑張っている消防団員への手当、費用弁償の引き上げ、これも本当に切実に求められております。地域で都民の命と財産を守るために大きな役割を果たしていることは、住民がその活動ぶりを見聞きして、ひとしく認めていることであります。消防団員の費用弁償が据え置かれていることについても、その増額を求めて、私どもの質問を終わります。
引き続いて会派としても応援をしていきたい、このことを申し述べて、質問とさせていただきます。以上です。
○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で東京消防庁関係を終わります。
○林田委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十七年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
○林田委員長 これより財務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十七年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成十七年度東京都用地会計決算、平成十七年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○泉本経理部長 それでは、私から、先日要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
恐れ入りますが、お手元配布の平成十七年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんください。
最初に、表紙をおめくりください。今回要求いただきました資料は、目次に記載してございますとおり五件でございます。
一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号、中小企業受注実績、十年間でございます。
これは、工事関係と物品関係の中小企業受注実績の過去十年間分の件数と金額を集計したものでございます。
次のページをお開きください。要求資料第2号、平成十七年度中小企業受注実績、局別でございます。
表にございますように、平成十七年度における工事関係と物品関係の受注実績につきまして、それぞれ局別に件数と金額をお示ししたものでございます。
恐れ入りますが、次のページをお開き願います。要求資料第3号、一般会計の当初予算額と補正予算額の推移でございます。
平成八年度から十七年度までの一般会計の当初予算額及び補正予算額と十八年度の当初予算額をお示ししたものでございます。
次のページをお開き願います。要求資料第4号、都債償還額及び減債基金残高の推移、一般会計でございます。
平成八年度から十七年度までは決算ベース、十八年度は予算ベースでお示ししてございます。
最後に、次のページをお開き願います。要求資料第5号、国直轄事業負担金の推移、普通会計決算でございます。
平成十一年度から十七年度までの国直轄事業負担金の決算額をお示ししたものでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○林田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○鈴木(隆)委員 それでは、質問に入ります。
十七年度決算の状況と都財政の今後について何点かお伺いいたします。
先般、都の十七年度決算の結果が公表されました。平成元年度以来、実に十六年ぶりに黒字に転換するなど、ようやく明るい兆しが見える状況を迎えることができました。
そこで、まず最初に、十七年度決算が好転した要因について、どのような分析をしているのか、お伺いいたします。
○安藤主計部長 十七年度決算が好転した理由、要因でございますけれども、まず歳入面で申し上げますと、都税の徴収率が過去最高の九七・三%を記録するなど、地道な徴税努力を重ねてきましたことに加えまして、近年の景気回復という追い風もございまして、都税収入が前年度比八%を超える大幅な伸びを示したことが、決算好転の大きな要因となってございます。
また、大幅な職員定数削減等によりまして、人件費が普通会計ベースで二・九%減となりますなど、内部努力や施策の見直しによりまして一般歳出を〇・八%減に抑制できたことが、歳出面での大きな目に見える成果でございます。
このように、歳入歳出の歯車が非常にうまくかみ合ってでき上がった黒字決算であるというふうに考えてございます。
○鈴木(隆)委員 決算が好転した要因についてはわかりました。
財政の弾力性を示す経常収支比率も、十六年度の九二・六%から八五・八%と大幅に改善をしております。第二次財政再建推進プランの目標であった九〇%以下の水準を一年前倒しで達成したということであります。バブル崩壊後の十一年度には一〇〇%を超えていたことを思えば、まさに隔世の感があるというふうに思います。家計に例えれば、給料だけでは毎月支払わなければならない経費も賄えないほど危機的な財政状況にあったわけで、それに比べれば、飛躍的に改善されたといってもいいというふうに思います。
そこで、第二問として、経常収支比率八五・八%という結果について、都はどのようにお考えなのか、伺います。
○安藤主計部長 経常収支比率につきましては、財政再建の取り組みの数値目標の一つとして、その改善に取り組んできたところでございますが、十七年度決算では、お話しいただきましたように、当初の見込みよりも一年前倒しをしてこのプランの目標を達成できましたが、これは、まさにこれまでの取り組みにおきます一つの成果が客観的な指標によって示されたものであるというふうに考えてございます。
しかしながら、この経常収支比率の適正水準は、一般的には七〇%から八〇%の間であるともいわれておりまして、今回はプランに掲げました当面の目標を達成したということでございますが、あくまでも一つの通過点にすぎないものというふうに考えてございます。この成果は成果として、これに安心することなく、より一層の改善を目指して都財政の質的転換を進めていく必要があるというふうに考えてございます。
○鈴木(隆)委員 今答弁があったわけでありますが、多様な都民ニーズに柔軟に対応していくためには、財政に若干のゆとりがあることは大切だというふうに考えます。いわばハンドルの遊びのようなものであって、これがなければ、かえって危険な運転を招くことになるとも考えられます。
そうした観点からも、経常収支比率のさらなる改善は必要であり、先ほどの答弁でも通過点というお話がありましたが、さらなる改善に取り組んでいただくことを強く要望しておきます。
次に、普通会計決算ではいろいろな財政支出というものが示されておりますが、今回私が注目したのは、収入に占める借金返済の割合を示す指標であります。都は、今後少子高齢社会という向かい風の中で、オリンピック招致のような前向きな取り組みを進めるに当たっては、この指標はとりわけ重要性を増していくものと思われます。
この点に関して、総務省は今年度より新たな財政指標を導入いたしました。これが実質公債費比率であります。自治体の健全性をはかる新たなバロメーターとなることが期待されております。
そこで伺いますが、なぜ実質公債費比率という新しい指標がつくられたのか、その背景について簡潔にお答えいただきたいと思います。
○安藤主計部長 今年度から、地方分権の一環といたしまして、地方債がこれまでの許可制から協議制に移行したわけでございますけれども、元利の償還費が一定水準以上となった地方公共団体まで許可を要しない自由というふうなものを得るということは、一方で、地方債全体の信用を維持する観点からは適当ではないという面がございます。この判断指標として、起債の制限比率に一定の見直しを行いました結果、このたびの実質公債費比率が新たに導入されたということでございます。
○鈴木(隆)委員 今答弁でいわれましたように、起債発行がより自由化されたということは、逆にいいますと、自治体の責任もその分重さを増しているということであります。自由と責任は表裏一体だとよくいわれますが、まさにその言葉どおりだというふうに思います。
特に今年度に入り、夕張ショックや破綻法制における議論など、自治体の経営責任がクローズアップされている事例も見受けられ、都といえども、その点については十分認識をしていく必要があるだろうと考えます。
自治体の借金である公債費の負担の程度を見る指標としては、従来は、国が起債を許可する際に用いていた起債制限比率が使われておりました。今回新たに実質公債費比率が導入されたと思うが、この二つの指標の一体どのあたりがどのように違うのか、都民にはなかなかわかりづらいのではないかというふうに思います。
そこで、このたび導入された実質公債費比率と従来の起債制限比率との違いについて、わかりやすくご説明をお願いいたします。
○安藤主計部長 ことしから導入されました実質公債費比率というのは、従来の起債制限比率に比べまして、公営企業の元利償還金への一般会計からの繰出金などを広く公債費として算定対象としてございます。また、減債基金の積立不足額がある場合には、実質公債費比率の上昇要因として反映されること等に特徴がございます。
実質公債費比率が一八%未満の団体は、協議制へ移行したことによりまして、事前の協議により起債が可能な協議団体となりますけれども、二五%以上の団体は、起債制限団体として単独事業等の起債が制限され、一八%以上二五%未満の団体は、許可団体といたしまして、国に対して公債費負担適正化計画を提出することを前提に起債が許可されることになるものでございます。
○鈴木(隆)委員 今の答弁を聞いておりますと、もしもこの実質公債費比率が一八%以上となれば、起債に当たって、従来と同じく国の許可を受けなければならないということになるわけであります。
先般総務省が公表した内容を見ますと、都は一七・一%であり、国の許可を要しない協議団体にとどまることができたようであります。しかし、近隣の埼玉県、千葉県、神奈川県など首都圏の自治体ではおよそ一〇%から一六%の範囲におさまっているのと比較しますと、若干高いような印象を受けます。
そこで、東京都の実質公債費比率が一七・一%であることをどのように評価しているのか、お伺いいたします。
○安藤主計部長 今ご指摘のように、埼玉、千葉、神奈川などの近隣の自治体では一〇%から一六%ということなんですけれども、そういう中で、東京都は一七・一%という比率になってございます。これは、実は都道府県の単純平均一四・五%よりも高い数値となっているわけでございますが、他方、東京都と同様に大都市事務を抱えます政令市の単純平均を見ますと一八・三%で、一般的には、東京都や政令市など大都市事務を抱える団体の数値が高くなる傾向にございます。ちなみに、政令市の半数以上である八団体は、許可団体に区分をされております。
今年度の東京都の実質公債費比率が高目な理由といたしましては、平成五年度、六年度、七年度に大量発行いたしました都債の償還がピークを迎えていますこと、あるいは隠れ借金であります四千三百五十億円の減債基金の積み立て不足があることに加えて、さらに地下鉄や下水道など公営企業を多く経営しておりまして、これらに対します繰出金の額も大変大きいなど、大都市事務を抱える自治体特有の影響によるものというふうに考えてございます。
○鈴木(隆)委員 答弁を伺ってわかることもありますし、もう少し私も調べてみたいなという気もするわけでありますが、ただ、さまざまな専門的な技術的な要素があるだろうというふうに思います。一見するところでは、楽々とハードルを越えているようには見受けられないというような現状があるのは確かなような気がいたします。
これから少子高齢、人口減少社会を迎える中で、都民の全幅の信頼を得ていくためにも、なお一層財政の構造改革に努めることはもちろん、起債許可団体に転落するようなこと、そういう事態だけは許されないことであります。もしも、この差配を受ける許可団体に甘んじるようなことがあれば、オリンピック招致にふさわしい都市として財政の健全性をアピールすることは到底できないというふうに考えます。
そこで、東京都の実質公債費比率に関する今後の見通しについてお伺いいたします。
○安藤主計部長 先ほどちょっと申し上げましたけれども、平成五年度、六年度、七年度に大量発行いたしました都債の償還ピークが一応過ぎたため、当面は元金償還額も低減しまして、実質公債費比率も低下傾向になるというふうに推測をしております。
しかし、実質公債費比率は都税収入にも大変大きく左右されることに加えまして、やはり大量発行した都債の借りかえの償還によって、再び公債費が増加に転じる時期もございます。したがいまして、適正な規模での都債の発行に努めますとともに、借換債の抑制を行うなど、起債残高そのものの圧縮に努める必要があるというふうに思っています。
さらに、総務省が新たに示しました減債基金積立ルールへも対応いたしまして、マイナスに働きます減債基金の積み立て不足、四千三百五十億円ございますが、これの早期圧縮を図る必要があるというふうに思っております。
○鈴木(隆)委員 お答えを聞いて安心いたしましたが、間違っても許可団体になることのないように、確固たる見通しを持ちながら財政のかじ取りを進めてもらいたいと思います。
さて、十九年度予算はこれから予算編成作業が本格化いたしますが、財政再建に一区切りつけた後の最初の一歩でもあります。将来の都政の命運を左右するといっても、決して過言ではありません。まさしく転換期に立つ重要な予算であると考えます。
そこで、最後の質問とさせていただきますが、十九年度予算編成に臨む局長の決意をお伺いいたします。
○谷川財務局長 ご指摘のとおり、今後数年間は、財政再建に一つの区切りをつけた都財政にとって、強固で弾力的な財政基盤の礎を築く重要な時期であると認識しております。都財政は健全性を回復しつつありますが、将来を見据えれば、不安定な税収構造の中、都市基盤の整備を初め少子高齢社会への備え、環境対策の充実など、いまだ多くの課題を抱えており、一層気を引き締めていかなければならないと考えております。
十九年度予算編成に当たりましては、これら都が直面する課題や十年先をもにらんだ東京のさらなる発展に向けた施策に積極的に取り組むとともに、負の遺産など、これまで着手できなかった懸案事項に対し、抜本的な対策を講じていきたいと考えております。
こうした取り組みを通じて、今後の財政運営の指針の初年度にふさわしい、中長期的視点をも重視した予算に仕上げていきたいと考えております。
○鈴木(隆)委員 本日の質疑を通して、財政再建の成果あるいは黒字決算が決して一過性のものではなく、しっかりと根の張った頑丈なものであることが確認できたと思います。これまでの財政再建に向けた努力とその成果は、我が党としても大いに評価するところであります。そうした積み重ねを決してむだにすることのないよう、今後とも、さらに継続的かつ意欲的な取り組みがなされることを強く要望して、質問を終わります。
○西岡委員 私からは、まず一問目に、都有財産の利活用推進の進捗状況について伺わせていただきます。
本年度から新会計制度が導入され、現金のみならず財産などのストックについても財務諸表に計上されるため、都有財産の利活用がますます重要になってくると思います。貴重な都有財産が有効に利用される取り組みは極めて重要であります。この点を踏まえ、都有財産の利活用推進の取り組みや考え方について質問させていただきます。
都は、平成十五年度に第二次財産利活用総合計画を策定しました。これは、同年度に策定された第二次財政再建推進プラン及び第二次都庁改革アクションプランを財産活用の面から支えるため、財産の利活用についての基本的な考え方と今後の取り組みを示したものであります。本計画は、平成十五年度から十八年度までの四カ年の計画でありまして、局を超えた資産の有効活用や貸し付けなど、売却以外の多様な活用の推進を図ることを目的としております。
本計画策定から三年が経過しておりますが、まずその成果について、平成十七年度までの取り組み状況とその実績を伺わせていただきます。
○塚本財産運用部長 第二次財産利活用総合計画におきましては、施設の統廃合などによる局の壁を超えた全庁的な視点や先進的な施策展開のための財産活用という視点から、財政の有効活用を進めてまいりました。
この実績でございますが、まず、庁内に利活用の予定がなく不用となった財産につきましては、地元区市町村や民間への売却を進めてまいりまして、平成十五年度から十七年度までの三カ年の売却実績は、約五百三十五億円となっております。
次に、庁舎の空き床利用や施設の統廃合などによる財産利活用の実績としましては、四十四件ございます。例えば都庁第二本庁舎の一階空きスペースにつきましては、民間事業者を公募の上、コンビニエンスストアを設置いたしました。また、組織の再編整備により不用となりました建設局旧工事工区や旧住宅局事務所敷地につきましては、定期借地権を設定いたしまして、社会福祉法人に認知高齢者グループホームなどとして貸し付け、利活用を図ったところでございます。
さらに、会計間をまたがる財産の利活用といたしましては、一般会計所管の小平合同庁舎へ公営企業会計で所管します水道局小平サービスステーションを設置するなど、四件の実績がございます。
○西岡委員 第二次財産利活用総合計画の取り組み状況と実績については、売却実績五百三十五億円など、今伺ったとおりでありまして、成果がそれなりに上がっていることはわかりました。引き続き、継続してこの件は積極的に進めていかなければならない課題であると思います。
ところで、現在、都の財政状況は、財政再建に一つの区切りがついたとされ、財産の利活用をめぐる状況も一定変化してきているのではないかと考えられます。そうした中、本年七月には行財政改革実行プログラムが策定されました。このプログラムでは、第二次都庁改革アクションプランから移行する中で、都有財産の利活用への取り組みを今後どのように図っていこうとしているのかを伺わせていただきたいと思います。
○塚本財産運用部長 新たな公会計制度が導入された趣旨も踏まえまして、財産の持つ経済的な価値を十分に発揮していくことが重要となってきていると考えております。
このため、行財政改革実行プログラムにおきましては、財産の一層弾力的な利活用を行うことによりまして、都有財産、特に行政財産につきまして、市場性に着目した利活用を推進することといたしました。
これまで行ってきた施設の統廃合などに加えまして、今後は、行政財産の貸付範囲の拡大を図ります改正地方自治法の施行も受けまして、事業予定地や庁舎の空き床など、各局の保有する低利用、未利用の行政財産につきましても、各局が主体的に民間事業者への貸し付けを行うなど、多様な利活用を推進していけるよう支援してまいりたい、このように考えております。
○西岡委員 これまでの財産利活用の実績と新しい取り組み方針について伺いましたが、一方で、本年の各会計定例監査報告においては、事業終了後も財務局に引き継ぎがないまま三年間も放置された財産について、利活用の観点から指摘が行われております。貴重な都民の財産が未利用のままで市場価値を発揮できない状態にあったということは、これはまことにもったいないことでありまして、二度とあってはならないことであります。
事業が終了するなど各局で利用見込みがない財産は、速やかに財務局に引き継ぎ、財務局は有効な利活用にさらに取り組んでいただきたいと強く要望させていただきたいと思います。
また、将来、事業の予定があるけれども、現在は低利用、未利用となっている行政財産については、今伺ったように、各局で工夫して迅速に、かつ都民や都政のニーズに見合った利活用が行われていくことが大切だと考えております。財務局は、地方自治の本旨に基づく責任をしっかりと果たすためにも、各局をしっかりと指導していただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、特別会計及び財政指標について伺わせていただきます。
北海道夕張市が財政破綻しましたが、市の財政について、法令に基づき予算審議と決算審査を受けても、夕張市のように破綻する自治体が今後は一切ないとは断言できません。歳出削減に努力をしていても、景気低迷による税収不足の時代が二度と到来しないとは断言できないからであります。
さて、財政について審議する上で、全体像を把握する上でわかりにくくさせているものの一つに特別会計というものがあります。国の特別会計は、十八年度当初予算ベースで三十一会計、四百六十兆三千億円余りとなっており、国会でも特別会計のあり方について審議が行われております。
東京都の特別会計は、十八年度予算で十七会計、四兆三千億円余りとなっております。特別会計については国でも議論があり、整理統合の話が進んでいるようであります。また、必要だと思っております。
まず最初に、国での議論のポイントをどのように都は把握しているのか、伺わせていただきます。
○安藤主計部長 特別会計でございますが、これは本来、事業ごとの収支を明確にするなど、特定の理由がある場合に例外的に認められているものでございますけれども、先生おっしゃったように、国には道路や空港の整備、さらに保険事業とか融資など合わせて、十八年度予算では三十一会計、歳出額四百六十兆円もございまして、一般会計の五倍以上という、目が届かないのではないかと思うくらい大きな規模にまで達しております。
現在、その歳出の内容や運営につきましてさまざまな問題点が指摘されてございまして、財政制度等審議会の報告を例にとりますと、一つは、特別会計においては歳出の効率化が図られておらず、固有の財源をもって不要不急の事業が行われているのではないか、あるいは多額の剰余金が放置されているものが見られるなど、財政資金の効率的な運用が図られていないのではないか、あるいは各省庁の既得権益の温床と化しているのではないかといった財政規律の面からの指摘がなされるなど、その見直しが議論されてございます。
政府においては、平成十九年を目途に特別会計整理合理化法案、仮称のようでございますが、これを国会に提出いたしまして、五年を目途に、二分の一から三分の一に減らすこととしているところでございます。
○西岡委員 ご答弁にもありましたように、歳出の効率化が図られていないこと、固有の財源をもって不要不急の事業が、私なりには自己増殖的に行われているのではないかということで理解をしておりますが、その改革が急がれていると認識をしております。
また、国の特別会計は、まさに縦割りの弊害が顕著にあらわれておりまして、国全体の財政規模をより一層わかりにくくさせています。
東京都は、財政規模は大きく異なりますけれども、国と同様の問題を抱えていないのかどうか、極めて危惧をする、心配をしているところであります。また、隠れ借金といわれるような借金が各会計間でやりとりされるような場合には、財政状況を正確に把握できないことも心配されます。
基本的な事項でありますけれども、東京都の特別会計は一体どのような理由で設置され、また、国の特別会計制度との違いはどこにあるのかを伺わせていただきたいと思います。
○安藤主計部長 東京都の特別会計は、地方自治法を根拠といたしまして、特定の事業を行う場合でありますとか、特定の歳入をもって特定の歳出に充てて経理する必要がある場合に設置をしているものでございまして、今年度予算では十七会計、額にしまして四兆三千百七十七億円と、一般会計の約七〇%の規模にとどまっておりまして、一般会計の五倍以上を占めます国と比べまして、都の特別会計は非常に小規模でございます。
その内容について申し上げますと、約九割が、公債費会計や特別区へのお金の繰り出しであります特別区財政調整会計、さらには地方消費税清算会計など、全くの義務的経費についてその経理を明確にするものであること、あるいは貸付助成を行う会計の中には、個別の法律でその設置が義務づけられているものも少なくないことなど、東京都の特別会計は、その性格が国とは明らかに異なるだけではございませんで、その他の事業会計も非常にシンプルであって、例えば国におきます、かつてのグリーンピアに代表されるような赤字の保養施設をいつまでも経営したりするというような、ブラックボックスとやゆされるような国の特別会計とは全く質の異なるものであるというふうに思っております。
○西岡委員 今のご答弁で、国と同様の問題は抱えてはいないということで、説明を聞いて理解いたしました。これからも、都民にとってより一層わかりやすい広報も研究をしていただきまして、よりよい財政運営を心がけていただきたいと思います。
さて、わかりやすいといえば、地方財政について議論する上で、経常収支比率などの財政指標が重要視されておりますけれども、この指標は、長年大きな変化もなく運用されておりますが、都民、納税者の方々にとって、自分の支払った税金が国や地方で使われている中で、東京都においてはどの程度サービスとして自分たちに還元されているのかといったような、わかりやすい指標が十分には示されていないように感じております。
一方、起債残高の累積と財政指標に関して、その改善策が識者の方からも指摘をされているところであります。国では、地方自治体の財政指標について見直しを行うような動きがあるのかどうか、伺わせていただきたいと思います。
○安藤主計部長 先ほどもご答弁申し上げたところでございますけれども、まず地方債協議制度における早期是正措置の仕組みといたしまして、実質公債費比率が新たな財政指標として導入をされております。
さらに、夕張市の事例も背景にあると思われますけれども、新しい地方財政再生制度の検討を行っております総務省の研究会におきましても、自治体のより正確な財政状況を把握するという視点から、単年度の収支などフローの指標だけではなくて、資産や債務などのストックの指標、さらには普通会計のみならず、公営企業や地方公社等も含めた新たな財政指標の検討がなされているというふうに聞いております。
○西岡委員 議論はされているということであります。都でも、財政について指標を公表しておりますけれども、それが本当に十分なものであるのかどうか、改めてご認識を伺わせていただきたいと思います。
○安藤主計部長 東京都では、経常収支比率など一般的な財政指標の公表に加えまして、全国に先駆けて、普通会計だけではなくて、監理団体等も含めました連結のバランスシートの作成に取り組みまして、ストック情報や都全体の財政状況を明らかにしてきたところでございます。
さらに、十八年度からは新たな会計システムも稼働いたしましたけれども、これによりまして、決算におきましては財務諸表の作成をより迅速に行うとともに、これをもとにいたしました都財政のアニュアルレポートも作成する予定でございまして、工夫を凝らしながら、わかりやすく財政情報を都民の皆さんに公表してまいりたいと考えてございます。
○西岡委員 最後に、総括的な意見をいわせていただいて質問を終わりたいと思いますが、都財政は、景気回復、都税の徴収率の向上、財政再建の成果などにより都財政が好転してきたことを評価いたしますが、今後は、オリンピックへの準備、多数の公共施設が建てかえの時期を迎える、あるいは団塊世代の大量退職に伴う退職金など都政課題にこたえ、かつ、人口減少社会を迎えながらも、公債費も同時に削減していく必要がありますので、まだまだ予断を許さない状況であります。さらなる健全財政に向けた、財務局のより一層の取り組みを要望させていただきたいと思います。
また、先ほどご答弁いただきましたが、十八年度決算では新たな手法が前倒しされているということで、十八年度決算を待ちたいと思いますが、これからも堅実な財政運営に努め、財政指標の改善に向けた永続的なご努力を要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。
○野上委員 十七年度は、第二次財政再建推進プランによる取り組みの二年目に当たるということで、また、平成十二年度から始まりました第一次財政再建推進プランによる四年間の取り組み期間を合わせると、十七年度は取り組み期間の六年目ということになります。二次にわたる財政再建推進プランによる取り組みは、平成十年度決算において一千億円を超える赤字額を計上し、財政再建団体への転落さえも危ぶまれる状況からスタートしたということですが、この間の取り組みが実を結び、都の財政再建にようやく一つの区切りをつけるところまでたどり着くことができたということです。
しかし、本格的な少子高齢社会の到来に伴う社会保障費の増加など、都財政にはまだまだ克服していくべき課題も山積しており、今後も手を緩めずに財政構造改革を進めていくことが求められます。そこで、今後の財政運営を進めていくに当たって、これまでの取り組みや進捗状況について確認するとともに、今後懸念される都財政にとっての障壁への対応について、何点か伺います。
第二次財政再建推進プランで掲げていた目標の進捗状況について伺います。
○安藤主計部長 第二次財政再建推進プランでは二つの数値目標を示してございまして、一つは、十八年度までに巨額の財源不足を解消すること、二つ目が、同じく経常収支比率を九〇%以下の水準に引き下げることでございました。
この間、全庁挙げまして財政再建に取り組んだ結果、最初の財源不足の解消につきましては、十七年度及び十八年度予算におきまして、臨時的な財源対策を行うことなく当初予算を編成することができたのに加えまして、二つ目の経常収支比率につきましても、十七年度決算で八五・八%にまで改善されるなど、二つとも当初の設定よりも一年早く目標を達成することができたところでございます。
○野上委員 二次プランで掲げた目標について、巨額の財政不足の解消もできた、それから経常収支比率を八五・八%に達成することができた、二つとも確実に達成できたということです。この間の取り組みを私たちも一緒になって推進してきた立場から、すばらしいことだと思っております。
また、財政再建に向けた個々の取り組み方策については、大変厳しい努力を必要とするものが多くあったと思いますが、こうした努力の結果を今後に生かしていくことが重要であります。
そこで、第二次財政再建推進プランで掲げていた具体的な取り組み方策による財源確保の状況について、具体的に伺います。
○安藤主計部長 第二次プランでは、給与関係費の削減などの内部努力、それから施策の見直し、徴税努力などの歳入確保、地方税財政制度の改善の四つを取り組み方策の柱といたしまして、十八年度で見込まれます三千七百億円の財源不足を解消することといたしたところでございます。
このうち、地方税財政制度の改善につきましては、残念ながら成果が見られませんでしたが、内部努力、施策の見直し、そして歳入確保の取り組みを合わせた財源確保額は合計で二千八百二十二億円と、三つの目標額の合計二千六百億円を上回る成果を上げてございまして、これはまさに財政再建への取り組みを徹底した結果であるというふうに考えております。
○野上委員 四本の柱の、人件費の削減を初めとして内部努力、それから施策の見直し、歳入の確保など、プランの具体的方策に着実に取り組んできた結果、財源不足の解消につなげてきたということです。
この中で、内部努力は当然のこととして、特に施策の見直しが重要であります。財政再建推進プランによる財源確保への取り組みにより、収支の均衡など量的な面での改善は進んだと思いますが、都財政の健全性を維持していくために、今後は施策の見直しを通して、より質的な面での改善に力を入れていかなければならないと思います。
そこで、第二次財政再建推進プランの取り組みを踏まえて、今後の施策の見直しの進め方について伺います。
○安藤主計部長 東京都では、二次にわたります財政再建推進プランを通じまして、すべての事業について厳しく見直しを行ってまいりますけれども、こうした取り組みやプランで掲げました目標が達成されたからといって終わらせていいものではないというふうに思っております。私どもが目指しますのは、都税収入が不安定な中にありましても、お話がありましたように、少子化対策や社会資本の整備など新たに生じます財政需要にもきっちりと対応できる、強固で弾力的な財政基盤を確立することでございます。そのためにもやはり、社会経済状況の変化に的確に対応しながら、スクラップ・アンド・ビルドを徹底する、それに加えまして、仮に財源の確保につながらなくとも、手法や内容を見直すことで事業を再構築いたします、お話のような質的な見直しも進めまして、これまでの成果に安心することなく、今まで以上に財政構造改革を加速させていく必要があるというふうに考えてございます。
○野上委員 目に見えないこういった成果というのは、一度根づくことによって、将来にまでわたってその効果があらわれるものであり、今後、都財政の構造改革を進めていく中でより大きな効果をもたらすと思っております。
従来より我が党が提案してきた事業の仕分けですね、これも、実際に現場で事業に携わっている職員の視点からすべての事業を見直す取り組みであり、二次プランで得られた成果とあわせて、質的な向上を目指す取り組みを今後とも引き続き行っていただきたいと思います。
先ほどの財源の確保についての取り組み状況について、もう一つお伺いします。
三千七百億円の目標に対して確保額が約二千八百億円ということで、九百億円程度不足しているわけですが、これは、取り組み方策の中で唯一、地方税財政制度の改善による財源確保額が計上されていないことが原因であるということです。地方税財政制度の改善による財源確保が進んでいないのはなぜなんでしょうか。
○安藤主計部長 地方税財政制度につきましては、この間、三位一体の改革によりまして、不十分ながら三兆円規模の税源移譲が実現されましたけれども、その一方で、私どもについて申し上げますと、根拠のない東京富裕論が蔓延をいたしまして、法人事業税の分割基準の不合理な見直し、さらには、特に都への影響が大きい地方特例交付金の廃止が強行されました結果、都にとりましては、全体で、残念ながらマイナスの収支となっていることから、プランにおける財源の確保額としては計上していないものでございます。
○野上委員 三位一体改革では、国から地方への税源移譲が十分に進んでいない。それに加えて、法人事業税の分割基準の見直しなど、国の不合理な制度改正が行われたことによって、都にとって結局はマイナスとなってしまっています。しかし、それにもかかわらず、相変わらず、東京が富裕である、東京ひとり勝ち論というのがありますが、東京の財源を奪おうとする動きが絶えない状況となっております。こうした東京富裕論が絶えない中にあって、十七年度決算では実質収支が五百四十三億円の黒字になったということです。
そこで伺いますが、十七年度決算が黒字となったことで、東京が富裕であるということが喧伝されていますが、それに対する所見についてお伺いします。
○安藤主計部長 十七年度の決算におきまして、ようやく十六年ぶりの黒字、五百四十三億円でございますけれども、黒字決算となりましたけれども、これはあくまでやはり国や他の自治体に先駆けまして、都議会、都民の方々のご協力をいただきながら歳出削減や歳入確保に全力を挙げてきた、取り組んできた結果で、その結果なし得たものであるというふうに考えてございます。
お話のように五百億円余の黒字でございますが、これは、これまでの決算に比べれば確かに大きな黒字ではございますけれども、東京都の場合に、都税収入が毎年数千億円の規模で変動するという、ほかの自治体にはないリスクを抱えていること、あるいは今後も多くの需要を抱えていることを考慮いたしますと、それのみで財政全体を判断すべきではないというふうに思っております。そうした中で、五百億円という数字だけをとらえまして、東京は富裕であるということを殊さらに強調するような主張は、やはり都の努力や実情を全く顧みないばかりか、東京から財源を吸い上げようとする動きにつながるものでございまして、強い危機感を抱いているところでございます。
○野上委員 法人事業税の分割基準一つをとってみても、これまでの見直しの影響額は毎年約千七百億円もの額が都の減収となっています。一たび不合理な税財政制度の見直しが行われると、その影響は将来にまでわたってしまいます。少子高齢が先鋭的にあらわれている東京が、他の自治体に先駆けた取り組みを続けていくためにも、その源となる東京の財源を確保していかなければなりません。都にとって不利益となる税財政制度の見直しが行われないように取り組むべきでありますが、局長の決意をお伺いして、私の質疑を終わりたいと思います。
○谷川財務局長 最近声高に聞こえるようになってまいりました、取りやすいところから財源を取ればよいというような安易な議論は、財政再建に向けた都のこれまでの努力を無にしかねない、非常に理不尽なものであると考えております。そもそも都民の税金により賄われている都の財源は、都民一人一人に還元されるべきものでございます。数度にわたる法人事業税の分割基準の見直しなど、不合理な制度改正がこれまでも行われてまいりましたが、お話の少子高齢社会、それへの対応、社会資本の整備などを着実に行っていくためにも、これ以上都の財源をまともな理屈もなく奪われることがあってはならないと考えております。
決算における実質収支が黒字になったことで東京富裕論を掲げて、都の財源をねらう動きが勢いを増してくることも十分考えられ、引き続き都議会のご協力をいただきながら、都の努力と実情を広くアピールし、国の不合理な動きを阻止するための取り組みを強化してまいりたいと考えております。
○古館委員 それでは最初に、事務事業評価、いわゆる行政評価に関連してお聞きします。
過去に、事務事業評価、いわゆる行政評価ですね、これについて知事本局に聞こうと思って準備を進めていましたら、知事本局からは、事務事業評価、行政評価は財務局に移ったと、こういうふうに聞きました。それで、新規の評価だけではなくて、過去のフォローアップですね、これはどうしたんだと聞いたら、これも全部財務局の所管になったと、こういう返事なんですよね。なぜ知事本局から移ったのかということについては、勝手な推測をするわけでありますけれども、それはおいておいても、財務局に移ったということで事務事業評価はどのように変わるんでしょうか。
○安藤主計部長 ご指摘の事務事業評価は、財務局の中で私ども主計部が担当することになるわけでございますけれども、この評価はそもそも、マネジメントサイクル、いわゆるPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクションというサイクルをつくりまして、成果重視の都政を展開することによりまして事業の不断の見直しを進めていくための道具でありますので、その目的は、私ども財務局が所管しても変わるものではございません。
今年度から財務局がこの制度を所管することになりましたのは、予算編成と一体的に事務事業評価を実施することにより、決算分析の一層の充実と翌年度の予算への反映を徹底いたしまして、マネジメントサイクルをさらに機能させる新しい取り組みへと再構築したことによるものでございます。
○古館委員 予算編成と一体としてということで、予算編成の一環としてという趣旨ですよね。これは、なるほどそうかなと、わからないでもないですが、確かに、どのように予算に反映されているかということが、一方で行政評価という形で知事本局でやると、それとの関係で予算にどのようになっているかということがわかりにくいというのは、一面でそのとおりであります。
したがって、今回どうしてもこれを質問しなきゃいけないというふうに思ったのは、知事本局から、行政評価、いわゆる事務事業評価が財務局に変わると。そこで財務局の所管ということになりますと、一方で、行政評価が知事本局というと政策的な意味合いというのがかなり強まっていくんですけれども、財政面からの評価ということが中心になったりしますと、いわゆる事業を廃止するための評価になるんじゃないかという懸念もまた同時にあるわけですね。そういうことがないように、ここできっぱり明言していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○安藤主計部長 ただいま申し上げましたとおり、新たな事務事業評価は、これまで以上に質の高い事後検証や分析を行いまして、その結果を次の予算に的確に反映させていくという趣旨で行うものでございます。さまざまな角度から事業の見直しを行ってまいりますので、その結果として、評価した事業が廃止となることもございますけれども、決して事業を廃止するための事務事業評価ではございませんで、事業の本質を再認識するための評価であるということをご理解いただきたいということと、私どもは、政策面も当然配慮しながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○古館委員 今、決して廃止するためのものではないということで、そのような形でぜひ考えていただきたい。
これは本当に、財務局になっていくと、そこで切られるとそれっきりになっちゃうという部分があるわけですよね。知事本局で評価が違っちゃうと、財務局に行って頑張るという一定のクッションがあるんだけれども、財務局で予算編成と一体といわれちゃうと、だめとなっちゃうとそれっきりだめという形になりかねないという非常に心配があります。したがって、これは各局と十分に調整してもらいたいし、知事本局の時代でも、事業実施局が継続ということを希望していても、いや、これは抜本見直しだとか廃止だとかって、結構そういう事項というのがいっぱいあったんですね。私も総務委員、結構長いもので、ええ、これがどうして、事業局が一生懸命継続といっているのに何で抜本見直しだとか廃止なのかというような感じで受け取っていたこともあります。
そこで、現在、財務局でフォローアップしているという事業はどれぐらいあるんでしょうか。
○安藤主計部長 知事本局が平成十七年度まで実施した事務事業評価のうち、見直し状況調査、いわゆるフォローアップの対象となっている事業は二十五事業でございまして、今年度は、その二十五事業すべてについて財務局でフォローアップを行うこととなります。
○古館委員 それで、二十五事業、フォローアップということなんですけれども、財務局としては、これを改めていわゆるフォローアップとして切り捨てるというようなことでは考えていないというふうに理解していいんですか。
○安藤主計部長 先ほど申したとおり、事業の本質的な面で評価をしていくことになります。ただ、これまでの評価の中で、抜本見直し、ないしは見直し、あるいは廃止--廃止まであったかどうかわかりませんが、そういうふうな一定の評価があるものについては、なぜそうなったかということは十分参酌しながら判断していくことになろうかというふうに思います。
○古館委員 今の部長の答弁は、知事本局とやりとりしているときよりも、変な話ですけど、お世辞をいうわけじゃないんですが、結構弾力的なんですね、今の答弁。知事本局は、これはだめだというと結構だめというので、やりとりがずっと--まあ、いいますとあれですけど、結構そういう厳しいところがありましてね。逆に、さっき私が質問したのは、財務局として、いわゆるここが逆にいうと決算を削ったりする部分だからこそ、余計に私が今心配していっているんだということはしんしゃくしてもらいたいと思うんですが、答弁がもしあったらしてもらいたい。
○安藤主計部長 知事本局は厳しくて財務局は優しいということはないと思いますし、逆のことはよくいわれますけれども、そういうことは、特に我々はバイアスをかけてどうこうということではございません。これまでに、事業の見直し、ないし抜本的な見直しが必要だというような結論が出ているものについては、やはりその背景があるということでございますので、そういうものは十分参酌しなければいけないし、かつ、現時点で、時間の経過もございますでしょうから、そういったものを見ながら、事業の本質に迫って見直すということについては、知事本局であろうと財務局であろうと変わらないということを申し上げているつもりでございます。
○林田委員長 暫時休憩いたします。
午後二時七分休憩
午後二時十五分開議
○林田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
○古館委員 先ほどお話ししていました個別の事業の話ですけど、例えば先ほど、今もちょっとお話が出たんですが、消防庁と質疑をさせてもらいました。消防のあの見学施設で、池袋防災館などが行政評価では最終的に抜本見直しと、そういう形になっていたのがあって、しかし、今も継続しているものもあるんですね。これらを強権的に廃止したり、都民サービスを後退させることのないようにと、この点では消防庁も一層活用を図っていきたいというふうに考えているわけなんですね。そういう場合にはやっぱり現業局といいますか、そういう現場の声をしっかり聞くというのが行政評価としては大事なことだということだけ申し述べて、次の方に移りたいと思います。
次は、国直轄事業の負担金の見直しについてです。
石原知事自身も、かつて、知事になったときに、国直轄事業の負担金についてですけれども、これはもう見直しが必要だと、こういうふうにいっているものであります。それで、私たちも、これはそういう意味では石原知事の見直しという意見と一緒です。ところが、石原都政になってからの七年間では約三千七百億円、年平均すると、年間五百三十億円も国直轄事業負担金として東京都から出しているんですね。青島都政時代のときにはどれぐらい年平均出していたかというと、四百億円未満なんです。ですから、石原知事の五百三十億円というのはかなりの多額に上っております。
そこで質問しますけれども、石原知事自身がみずからの発言に対して責任を持った対応をするということが当然あることはいうまでもありませんけれども、地方分権の視点で考えますと、国直轄事業負担金を地方自治体が負担するというのは、私はおかしい、これは国の事業としてやるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○安藤主計部長 国直轄事業は、そもそも、事業区域が複数の地域にわたるとき、あるいは事業の規模が著しく大きいときなど、地方自治体がその事業を施行することが不適当な場合などに国がみずから実施するものでございます。
こうした国直轄事業は、全国的視野のもとで、国道や一級河川などのように国家的施策として整備されるべきものでございますが、これらの事業によりまして当該地方自治体の住民の利益も増進されることを踏まえれば、地方がその経費の一部、通常三分の一程度でございますけれども、これを負担することには一定の合理性があるというふうに考えております。
ただ、一方で、事業の実施に当たりまして、経費負担をする地方自治体の意見を反映する仕組みが不十分なことや、あるいは維持管理経費の負担まで求められるなどの問題があるのも事実でございまして、都といたしましては、一定の合理性を認めつつ、現行制度が抱える問題点の是正を引き続き国に対して求めていく考えでございます。
○古館委員 引き続き負担をしていくと。ただ、維持管理だとか、それから三分の一負担だとかという点に一定の条件を今つけていますけれども、私は、東京都がそのように、何回も国直轄事業の質問をするとそういう答弁が返ってくるんですけれども、地方全体の中ではこれは少数意見なんじゃありませんか。どうですか。
○安藤主計部長 それぞれの地方自治体によりまして財政基盤も違いますし、投資的経費の割合あるいは求められる社会基盤整備の内容など、置かれた状況はさまざまでございまして、いろんな意見があることは当然だというふうに思いますが、国直轄事業負担金につきましても、廃止すべきという意見があることは十分承知をしております。
都といたしましては、今お答えしたように、制度そのものの廃止ではなく、地方の意見の反映、維持管理負担の廃止という改善が重要と考えておりまして、これまでどおり都の意見を主張していく考えに変わりはございません。
○古館委員 今、いろんな意見があるというふうにいいましたけれども、ここに、地方分権の推進に関する意見書ということで、地方六団体ですね。ことしの六月七日に、地方六団体ですから、全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会と。この中で、国に対する七つの提言、地方財政自立のための七つの提言というのがあるんですけれども、その提言の5の第五番目に、国直轄事業負担金については、自治体に対して個別に財政負担を課する極めて不合理なものであることから、これを廃止する、これが地方六団体で国に対して上げている意見なんですよね。こういうふうな形でなっているわけですから、その事実については認識していますか。
○安藤主計部長 お話の意見書には、お話のような内容が載っております。私どもは、これをまとめるに当たりまして、知事会に対しまして、東京都として、先ほど申し述べた意見を寄せているところでございますけれども、意見書はこういう形になっていることについては承知をしております。
○古館委員 ですから、これが、それこそ大勢というよりも、廃止すべきだというのが地方六団体の意見なんだということなわけですね。これはちょっと厳しく指摘しておきたい。それで、やっぱりこれは改めるべきだということを求めておきたいと思います。
我が党は、この地方六団体の意見書については、同意できるものもあれば同意できないものもあります。ただ、国直轄事業負担金については、これを廃止するということをずっと私どもも一貫して求めてまいりました。ですから、その点でも、都が支出している国直轄事業負担金をやめるように、地方六団体と同一歩調をとることをこの際強く求めておきたいと思います。
これだけのお金があれば、やっぱり、老人医療費の助成もやめてしまうとかそういうようなことの復活だとか、少人数学級の早期の実施だとか、福祉や暮らし、教育などの充実に大いに貢献できるのはもう間違いないですね。毎年五百億円以上積んでいるんですから。この問題についてはやっぱり大事な部分なので、改めてちょっと見解をお聞きしたいと思います。
○安藤主計部長 国直轄事業負担金につきましては、地方によって意見が異なるという現実がございまして、私どもは、先ほど申し上げたとおり、国直轄事業負担金につきましては、一定の合理性を認めつつ、その運用において是正すべきものは是正すべきだという立場で、全国知事会等にも東京都の意見として申し述べているところでございます。
直轄事業負担金が果たしている役割というのは、都市基盤整備等において大変重要であると思っておりまして、今後とも、東京都の考え方に沿って適切に対応していきたいというふうに思っております。
○古館委員 意見だけいっておきますけど、今後ともというけど、石原知事は、就任当初、国直轄事業負担金なんていうのはだめだというふうにいっていたんだからね。だから、その点で、逆に考え方を変えているのは石原知事の方ですからね。だから、この問題については、議長会のいわゆる各県、それから市町、こういうところの議会も同じような意見なんだということだけ強調しておきたいと思います。
二〇〇四年十月二十日、平成十六年度の決算まで一般会計では黒字だったんですね。それで、普通会計の決算の黒字についてちょっとお聞きをしたいと思いますけれども、財務局は、普通会計はこれまで赤字だということをしきりにいって危機感をあおってきました。しかしながら、赤字決算が続いてきた間も基金への積み増しというのはどんどん行われて、九九年、平成十一年度末には八百六十九億円であった基金残高が、〇五年度、平成十七年度末、この決算の審査の末では五千百八十億円にまで基金が積み上がっています。ちなみに、〇六年度、ここでは、当初予算では新たに東京オリンピック開催準備基金ということで一千億円余が積み増しされています。これで合計でいうと、とにかく積立金が六千五百六十七億円という極めて膨大な積み立てになっております。
いわば、先ほど赤字、赤字というふうにいっていた赤字が、こういう積立金がこれほど膨大にあるんですから、つくられた赤字、七年間だと、こういうふうにいってもいたし方のない話であります。今回解消されるということはいわば当然のことだと考えています。
そこで、まずお伺いしますけれども、〇五年度、平成十七年度普通会計決算における都税と一般歳出及びそれぞれの対前年度増減について、どうなっているでしょうか。
○安藤主計部長 都税は四兆六千二十七億円でございまして、対前年度比三千六百五十八億円、プラス八・六%の増加でございます。いわゆる政策経費たる一般財源は四兆一千六百三十四億円で、対前年度比三百五十四億円、〇・八%の減少となってございます。
○古館委員 つまり、今いったことはどういうことかというと、税収が大きく伸びているにもかかわらず、一般歳出の方は、逆に前年度比でマイナスになっているんですよね。支出されていない、三百五十四億円も減らされているということなんです。だから、税収はどんどん代表して大きく伸びているのに、都民に対する歳出はマイナス三百五十四億円の削減だと。ですから、これは税収が伸びても、都民福祉向上のための予算を切り捨てて、貯金、いわば基金の積み立てに励んできた、こういう結果といわざるを得ません。しっかり貯金をした上で黒字を出しているわけですから、せめて黒字分は都民のために使うべきだと考えております。このときの最終補正の論議でも、我が党委員がそのことを求めております、財政委員会で。
そこで伺いますけれども、〇五年、平成十七年度普通会計でも五百二十九億円の黒字となっているわけですけれども、この黒字はどのように使われるんでしょうか。
○安藤主計部長 決算上の剰余金につきましては、地方財政法の規定に基づきまして、その半分を基金の積み立てや地方債の繰り上げ償還に充て、残りについては、補正予算の財源として十八年度の歳入に繰越金として編入されることとなります。
○古館委員 少なくとも、この一般会計の五百二十九億円のうちの半分--しかとは私いいません、少なくともです、これは補正予算財源として一般会計に繰り入れるということになっているんですから、やっぱりこれは都民の福祉だとか暮らしだとか営業だとか教育、こういうことにきっちり使っていくことがとても大事になっているんですね。いつも最終補正予算のときに我が党とやり合うのはこの問題なんですよ。いっぱいお金が補正予算でもって余っているにもかかわらず、それが都民のために使われていないというのが、これは今回の最終補正予算の、実は討論の中でも指摘をしたとおりでありまして、法令に定めがあるのは仕方がありませんけれども、ため込むだけでは、都民から預かった貴重な税金、これを有効に活用しているとはいえません。自治体の役割は福祉の増進にあるわけですから、都民への還元こそ最優先に使うこと、こうした立場、これを改めて求めて、質問を終わります。
以上です。
○高倉委員 私からは、十七年度一般会計決算の歳入のうちの宝くじ収入についてお伺いをいたしたいと思います。
三月の予算特別委員会で、我が党の東村議員が、オリンピックとパラリンピックに関連をした積極的な宝くじの活用について、谷川局長と議論を交わしたわけであります。宝くじは、オリンピックのファンの一人としまして、私から、十七年度の決算を踏まえまして、さらに一歩進めた取り組みについて質問をいたします。
宝くじの広告で、公共事業などの貴重な財源として活用されていますと、このように書いてあるのをよく目にいたします。阪神・淡路あるいは新潟県中越など、震災の復興にも使われているわけでございます。ただ、実際にどのように使われているのか、よくわからないというのが都民の実感ではないかと思っております。
そこで、まず、十七年度の宝くじの売り上げと収益金がどれくらいあったのか、それを全国及び東京都に分けてお示しをいただきたいと思います。また、それが東京都ではどのような使われ方をされているのか、お伺いをしたいと思います。
○安藤主計部長 平成十七年度の宝くじの売り上げは、全国ベースで申し上げますと、一兆一千四十七億円で過去最高でございました。そして、全国の自治体が受け取ります収益金は、合計で四千六百三十三億円でございました。
ちなみに、東京都で申し上げますと、売り上げは千七百十億円で、収益金は七百十五億円となってございます。
この収益金の使途でございますけれども、公園整備、高齢者福祉施設などの公共事業の貴重な財源として使われているところでございます。
○高倉委員 十七年度にはそれまでで最高の売り上げがあって、その収益は東京都の公共事業、とりわけ高齢者施設などを中心に、七百億円以上も還元されているという大変貴重な財源であるということがよくわかりました。
宝くじは一年で時効となってしまうそうでありますけれども、昨年度だけでも全国で二百億円以上が換金をされなかったと、このように聞いております。一千万円以上の当せん金が時効になってしまった事例も七十二本あったそうでございます。この時効益金は公共事業の財源として使われ、むだになることはないということでありますけれども、もし机の奥にしまってある宝くじがあれば、再度確認をした方がよろしいかもしれません。
ところで、この宝くじの収益金がオリンピックの財源としてどう使われるのかについてお聞きをしたいと思います。
これまで国内で開催をされた、前回の東京オリンピックや札幌、長野の冬季オリンピック、さらに国際イベント、例えばワールドカップや愛・地球博などではどのように活用されたんでしょうか。また、金額としてどれくらい配分があったのかをお聞きいたします。
○安藤主計部長 充当につきましては、地方財政法第三十二条に基づきまして、省令で地方博覧会等がその充当事業として規定されておりまして、オリンピックや国際的イベントに宝くじ財源の充当が可能でございます。
オリンピックで申し上げますと、長野では八十億円、時代が少し古いので参考となりませんけれども、札幌が四億円、東京が四億円でございまして、また、国際的イベントといたしましては、愛知万博が五十五億円、日韓ワールドカップが六十億円でございます。
近年の例を見ますと、毎年二月から三月に発売いたしますグリーンジャンボの発売額に上乗せをいたしまして、優先的に財源配分されるのが通例となってございます。
○高倉委員 オリンピックの基金には及ばないわけですが、それなりの金額が期待されるということで、しかも優先的に財源配分をされるということでありますので、しっかりと取り組むべきと思います。
宝くじの効果はそれだけにとどまらないと思います。宝くじは多くの人が買いますので、広告宣伝媒体としても極めて有効であろうと思います。例えばことしも、東京マラソンくじ(実物を示す)こういうものでありますが、東京みなと祭くじなどが発売をされたようでありまして、大変カラフルなデザインとなっておりまして、こうしたイベントを盛り上げる一翼を担っているわけであります。
そこでお伺いいたしますけれども、斬新なデザインや有名な画家などに依頼して、オリンピック招致にも宝くじやポスターを有効に役立てるべきと、このように既に提案をしてきているところでありますけれども、その後の検討状況についてお伺いをいたします。
○安藤主計部長 宝くじに関して申し上げますと、宝くじ人口は約五千四百万人、宝くじの発売枚数は四十五億枚、さらにポスター五百万枚などとなっておりまして、広報媒体として高い効果があるというふうに思っております。
平成十九年七月に開催都市として申請の後は、オリンピックの招致ロゴなどを宝くじの券面やポスターに活用することが可能となります。平成十九年度につきましては、東京都宝くじでの活用を検討してまいります。さらに、平成二十一年十月の開催都市決定に向けまして、国レベルで機運を盛り上げることも重要でございまして、全国くじでの活用についても調整を進めてまいりたいと考えております。
○高倉委員 ただいまご答弁がありましたように、発行、発売枚数が四十五億枚、ポスター五百万枚というのは大変な広告媒体であろうと思っております。新しい発想で有効に活用することが必要であろうと思います。
オリンピックにつきましては、国内選考でも、東京の都市の力、とりわけ財政基盤の強さが大きなポイントになったわけであります。オリンピックの国際的な都市間競争に勝ち抜くためにも、公共事業の貴重な財源である宝くじの魅力を高め、売り上げの向上を図るとともに、オリンピックとパラリンピックのために、十七年度の実績も踏まえまして、さらに積極的な活用策を推進することが重要と考えます。
局長のご決意をお伺いしておきたいと思います。
○谷川財務局長 宝くじの売り上げは、平成十七年度で約一兆一千億円と比較的堅調に推移しておりますが、ここ数年は横ばいないし微増の状況が続いております。
宝くじの収益は、オリンピック財源としても活用可能であることから、海外の成功事例も参考にしながら、さらに魅力ある商品開発などにより売り上げの向上策に鋭意努力してまいります。あわせて、オリンピック機運の盛り上げに宝くじの券面あるいはポスターの持つ高い広報媒体機能を活用するための方策についても、さらに検討を進めてまいります。
また、東京で開催する国家的イベントの重要性に見合った宝くじ財源の確保についても、関係機関と積極的に調整を進めてまいります。
○高倉委員 宝くじは、その収益は東京都の貴重な財源であるとともに、国家的なイベントであるオリンピックの財源確保にも大変重要な役割を果たすものであります。そうした点を踏まえて、さらに有効な活用に工夫を凝らすとともに、財源確保の貢献に見合った販売環境の改善等々についても十分に配慮することが重要であると、このことを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時三十八分散会
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