委員長 | 小磯 善彦君 |
副委員長 | 矢島 千秋君 |
副委員長 | 大沢 昇君 |
植木こうじ君 | |
田中たけし君 | |
伊藤 ゆう君 | |
松下 玲子君 | |
橘 正剛君 | |
串田 克巳君 | |
林田 武君 |
欠席委員 なし
出席説明員労働委員会事務局 | 局長 | 押元 洋君 |
環境局 | 局長 | 大橋 久夫君 |
総務部長 | 白石弥生子君 | |
企画担当部長 | 大野 輝之君 | |
都市地球環境部長 | 小山 利夫君 | |
環境改善部長 | 梶原 秀起君 | |
参事 | 柿沼 潤一君 | |
自動車公害対策部長 | 中島 博君 | |
参事 | 前田 敏宣君 | |
自然環境部長 | 福島 章人君 | |
廃棄物対策部長 | 森 浩志君 | |
参事 | 長嶋 博宣君 | |
局務担当部長 | 月川 憲次君 |
本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
労働委員会事務局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
環境局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
○小磯委員長 ただいまから平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、労働委員会事務局及び環境局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより労働委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十六年度東京都一般会計決算中、労働委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○押元労働委員会事務局長 去る十月十二日の本分科会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
お手元にお配りをしてございます、平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料、一ページをお開きいただきたいと存じます。
係属十年以上の不当労働行為審査事件の概況でございます。平成十六年度末時点での主な事件につきまして、それぞれ事件名、件数、事件概要及び経過状況を順に記載してございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○小磯委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で労働委員会事務局関係を終わります。
○小磯委員長 これより環境局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十六年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○白石総務部長 去る十月十二日の当分科会におきましてご要求のありました資料についてご説明を申し上げます。
お手元の平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。目次のとおり、六項目ございます。
まず、一ページをお開き願います。東京における二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成十一年度から十五年度までの各年度における排出量の推移を、産業、家庭、業務、運輸及びその他の部門別内訳とともに記載しております。
二ページをお開き願います。都内における自然エネルギーの主な活用状況でございます。
太陽光発電、風力発電、バイオマス発電について、その主なものの設置者、場所、発電規模を記載しております。
三ページをお開き願います。環境影響評価条例の改正に伴い環境影響評価書の提出が不要となった高層建築物でございます。
対象事業は二件ありまして、おのおのその名称、位置、建物の高さ、延べ床面積を記載しております。
四ページをお開き願います。二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況でございます。
(1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質それぞれの表におきまして、上段に一般環境大気測定局における平成十二年度から十六年度までの測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を、下段に自動車排出ガス測定局における状況を記載しております。
五ページをお開き願います。自動車公害対策に関する主な事業実績でございます。
平成十六年度の主な事業ごとに、その予算現額、支出済額及び主な事業の実績を記載しております。
六ページをお開き願います。平成十六年度決算不用額の主な内容でございます。
不用額一億円以上の事業を対象に、その予算科目、事業名、不用額及び理由を記載しております。
以上で説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願いいたします。
○小磯委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○林田委員 地球温暖化対策について質問いたします。特に、横田基地のボイラーの天然ガス化について伺います。
本年三月、平成十七年第一回定例会において、米軍横田基地で大量に排出するCO2、二酸化炭素に対する東京都としての対策、対応について私が一般質問をいたしました。石原知事から、都内の米軍基地が都の地球温暖化対策に逆行することは許されない、米国に強い要請をしていくとの答弁をいただきました。
また、横田基地への地球温暖化対策の実施要請についての質問では、横田基地では軽油を一カ月で二千七百キロリットル使用しており、天然ガスに変えた場合には大幅なCO2の削減ができる、防衛施設庁などに、米軍との調整を進め、地球温暖化対策を進めていくよう求めていくとの答弁がありました。
この問題は、平成十四年、自民党の都議五十五名が署名した請願を契機としており、重要な課題であることは申し上げるまでもありません。議会で私が質問して以来、東京都は、防衛庁、防衛施設庁、外務省、環境省に、米軍横田基地における地球温暖化防止対策の推進等について文書で要請したと聞いております。そこで、その後のこの問題の進捗状況について伺います。
まず、大量に使用している軽油を天然ガスに変えていくために、基地内で使用されているボイラーを、軽油も天然ガスも燃料として使用できる併用型に変えていくというお話でございましたが、その点について、現在までの状況はどのようになっているのか伺います。
○梶原環境改善部長 防衛施設庁によりますと、横田基地のボイラーについては、老朽化しました同施設の改築工事を、中央地区、西地区、東地区の順に工事を進めておるところでございまして、既に中央地区と西地区につきましては、軽油と天然ガスの併用型のボイラーに切りかえられております。
また、東地区につきましては、平成十七年度に発注し、平成十九年度の完成を目途に工事を進める予定というふうにお聞きしております。
○林田委員 以前の状況ですと、軽油を天然ガスに変えることは、施設整備は別として、その価格差から大幅な負担の増加となるとの説明がありましたが、現在、軽油が急激に高騰しているため、価格差に変化があるのではないかと思います。天然ガスへの移行の好機であるとも思います。
そこで伺いますが、東京都は防衛施設庁に対し、その後どのように接触しているのか、また、今後、この問題でどう対応しようとしているのか伺います。
○梶原環境改善部長 防衛施設庁とは適宜情報交換を行っているところでございますが、天然ガスの使用につきましては、最終的にはユーザーでございます米側が判断するというところでございます。そういうことでございますが、ご指摘のとおり、軽油の価格高騰の影響などもございますので、燃料転換の好機であると考えられます。
こうしたことから、都といたしましては、横田基地の地球温暖化対策を進めるため、国に対しまして都の意向を十分に伝え、引き続き対応を求めていく所存でございます。
○林田委員 ありがとうございます。経過を伺いまして、東京都を挙げて環境局や防衛施設庁がこの問題の重要性を認識され、必要な情報交換や対策の協議をされているようであり、また、施設面でも計画的に進められているようで安心いたしました。
日本が京都議定書の批准をして半年、横田基地は大量の軽油を使用しており、燃料を転換することで地球温暖化対策に大きく寄与するものであります。引き続き、東京都として国と交渉して対応していくことをお願いいたします。終わります。
○松下委員 私は、大きく分けて二点、地下水の保全対策と環境学習についてお伺いしたいと思います。
まず初めに、地下水の保全対策についてお伺いしたいと思います。
都内の水道使用量のうち約十分の一を地下水が占めており、私の地元、武蔵野市におきましては、水道の水の約七割を深井戸からくみ上げた地下水が占めております。地下水は貴重な水道水の水源であり、地下水を守り、涵養することはとても重要であると私は考えます。
そこで、環境局は、地下水の保全の意義や重要性についてどのように考えているかをお伺いしたいと思います。
○福島自然環境部長 地下水を保全することは、水循環をより自然に近い状態に回復させることでありまして、地盤沈下の防止、地下水の水質の保全や回復、湧水の保全や復活を図るとともに、水辺環境を改善するために重要であると考えております。
○松下委員 重要であるとのご認識、どうもありがとうございます。
「東京の環境二〇〇五」の中でも、都市化の進展により土地被覆率や雨水の流出率が増大するなど、水辺環境が悪化し、災害の発生も懸念されており、東京都は地下水の保全対策を推進するとともに、健全な水循環の回復のためにさまざまな施策を展開していると書いてありますが、現在、環境局はどのような地下水保全の取り組みを行っているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○福島自然環境部長 地下水の過剰なくみ上げによる地盤沈下を防止するため、環境確保条例に基づきまして、一定規模以上の井戸を新設する場合、井戸の深さ及びくみ上げポンプの出力やくみ上げ量を規制しております。
また、雨水の地下への浸透を推進するため、主に野川流域で、区市に対しまして雨水浸透ますの補助金を交付しております。
○松下委員 今のご答弁のように、また平成十六年度の決算説明書を見てみましても、地下水保全対策として、地下水の揚水規制や雨水浸透施策を行ったことが決算説明書にも書いてございます。
また、先日の常任委員会で、我が党の西岡議員も雨水浸透施策について質問をしております。その中で、雨水浸透ますの効果や意義については、質問を実際にしてご答弁もいただいておりますので、重なる部分に関しましては、さきの常任委員会の答弁の引用をさせていただきますが、雨水浸透ますは、より多くの雨水を地下に浸透させることができるため、設置によって、雨水が集中して河川や下水道に流出することを抑制する効果があるとご答弁されていらっしゃいます。
そこで、この雨水浸透ます設置補助事業の平成十六年度の補助実績をお伺いしたいと思います。
○福島自然環境部長 平成十六年度の補助実績は九百二十七基でございます。しかしながら、補助制度による雨水浸透ますの設置には、数や地域におのずから限界がございまして、今後は広域的な対策が必要になると思っています。
○松下委員 今、雨水浸透ますの補助実績をお伺いして、九百二十七基というご答弁をいただきましたが、私の地元の武蔵野市では、雨水浸透ますの設置がどういった現状になっているのか確認しましたところ、平成十六年度の実績は三百五十二基でありました。この数は、武蔵野市には新築物件が五百件ございまして、その約七割に雨水浸透ますを設置している現状でございます。
この三百五十二基というのは東京都の補助制度を受けてはおりませんので、今のご答弁の数字には入ってはおりません。武蔵野市では、市が独自に補助を行っているのはこの中でも五件のみで、補助には頼らず、総合治水対策の一環としまして雨水流出抑制施設の設置を推進しているとのことでありました。この雨水流出抑制施設には、浸透施設として雨水浸透ます、また浸透トレンチや浸透舗装などがございまして、市の独自の施策で雨水浸透ますを設置推進している現状でございます。
こういった情報にもありましたのは--総合治水対策としての情報、こういったものも、関係局と連携をしてぜひ情報をお集めになり、環境局といたしましても発信していっていただきたいというふうに私は思いました。
地下水保全対策と総合治水対策というものが、ともに東京の安心・安全な暮らしを守る上で大変重要な対策だと思いますので、さらにその連携を強化されて、今後も推進していっていただきたいと思います。ご答弁の中の補助制度の限界というのは、まさにこういった関係局との連携により都内の市区町村の情報というものを収集されることで、補助に頼らずに独自に取り組んでいる先進的な事例などにもあるような効率的な対策ができるのではないかと思いますので、私からのご要望として述べさせていただきます。
次に、地下水保全の取り組みを行っている結果、現在、都内の地下水はどのような状況になっているかをお伺いしたいと思います。
○福島自然環境部長 現在の地下水の状況でございますが、地下水のくみ上げ規制を進めました結果、平成七年以降、一年間に二センチメートル以上地盤沈下した地域はございません。
現在、地盤沈下は一応沈静化いたしておりまして、地下水位が上昇している地域も一部には見られる状況でございます。
○松下委員 地盤沈下は沈静化しているという現状ですが、引き続き地下水保全の取り組みを推進していただきたいというふうに思います。
また、雨水浸透施策についても、どういった影響が出ているということ、効果が具体的にどのようになっているということは、大変難しいことではあるとは思いますが、引き続き、地下水保全の取り組みの結果、雨水浸透施策もどういった状況になっているかということを今後も調べていっていただきたいというふうに思います。
そして、環境局さんは、今後、どのような地下水保全に向けた取り組みを進めていくのかをお伺いしたいと思います。
○福島自然環境部長 地下水を保全するためには、市民、事業者、行政のおのおのが多様な取り組みを都内全域で進めることが必要でございます。
環境局は、地下水保全の重要性や雨水浸透の方法などの普及啓発に努めております。また、雨水浸透対策のモデルケースとして、野川流域の関係自治体との連絡会において、連携して取り組みを推進しております。
今後は、点から面へと雨水浸透施策の展開を図るなど、まちづくりと連携した広域的な雨水浸透対策を推進してまいります。
○松下委員 ありがとうございます。先ほど私からのご要望としても述べさせていただきましたが、ぜひ関係自治体や関係局との連携を今後も強化されて、広域的な地下水保全の推進、また総合治水対策としての推進もお願いしたいと思います。
続きまして、環境学習についてお伺いしたいと思います。
ことしの夏、毎年暑くなって、さらに毎年毎年暑くなっているというふうに私自身感じているのですが、近年、地球温暖化や都市の温暖化の進行など、環境の危機的な状況があらわれております。環境に対する関心や意識も高まっているように思いますが、東京都の環境学習に対する取り組みについて、幾つかお伺いしたいと思います。
環境パートナーシップコーナーの利用状況と、その役割についてお伺いいたします。
平成十五年十月には、それまでの環境学習センターを廃止し、新たに都庁内に環境パートナーシップコーナーを開設しておりますが、このパートナーシップコーナーの果たしている役割とその状況についてお伺いしたいと思います。
○大野企画担当部長 環境パートナーシップコーナーでございますが、環境学習に関しまして、NPO、事業者、区市町村、学校といいました各主体間の連携、協働などのコーディネーターの機能を担ったり、あるいは地域における環境学習のリーダーとなる人材情報の紹介、こういった幅広い活動をしております。
また、図書、ビデオなどの教材の貸し出しには多くの申し込みがございまして、平成十六年度には、専用のホームぺージがございますが、そのホームぺージに十六万件を超えるアクセスがございました。
○松下委員 今のご答弁の中でも、環境学習リーダーの紹介ということが役割の中にございましたが、環境学習の推進は、環境行政にとって非常に大きな意味を持っているのではないかと思います。
東京都は、これまで推進してきた環境学習リーダーの養成を平成十五年度で終了していらっしゃいますが、その理由はどういったものかをお伺いしたいと思います。
○大野企画担当部長 環境学習リーダーの養成講座でございますが、これは平成六年度から実施をしてまいりました。
当初の養成目標である五百人という目標を平成十五年度に達成いたしましたために、終了したということでございます。
現在では、区や市におきましても環境学習関連の人材育成が行われておりまして、同時に、これらの人材が中心になりまして、地域における環境活動の普及や実践が進められているという状況にございます。
○松下委員 それでは、現在、東京都は環境学習をどのように考えて、どのような取り組みを実施しているのか、平成十六年度の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○大野企画担当部長 環境学習を進めることによりまして、次代を担う子どもたちが環境に対する高い意識を持つことは、持続可能な社会をつくる上で極めて大きな意義があると考えております。
そのため、都におきましては、学校の授業の中におきまして子どもたちが温暖化問題などを学びまして、家庭において家族と協力しながら身近な省エネなどに取り組む環境学習プログラム、キッズISOというのを平成十六年度から開始をしております。
平成十六年度は試行でございまして、トライアルでございまして、十一校で約七百人が参加しました。ちなみに、今年度は約百校におきまして八千五百人が参加する、こういう状態でございます。
また、これともう一つ、気象キャスターの方が学校に出向きまして地球温暖化の出前授業を行う、こういう取り組みを開始しておりまして、平成十六年度には三十校で実施をいたしました。今年度は約五十校で実施をする予定でございます。
○松下委員 次代を担う子どもたちへ、環境に対する高い意識を本当に子どものころから持つという意味で、十六年度の取り組み、大変すばらしいものではあると思いますが、今後もさらに進めていっていただきたいと思います。
今、環境学習についてお話をお伺いしていましても、地元の自治体である区市町村の役割、学校との連携というものが重要と考えていらっしゃると思いますが、どのように連携を行っているのか、お伺いしたいと思います。
○大野企画担当部長 環境学習を効果的に進めますためには、小中学校などの教育現場を抱える区市町村との連携が非常に重要であると考えておりまして、都は、環境学習、環境教育推進連絡会というものを設置をいたしまして必要な調整を行っております。
また、区市町村が実施をいたします環境学習プログラムや環境イベントに対しまして、環境学習に関する専門家の人材情報の提供などもあわせて行っております。
○松下委員 引き続き、東京都全域で環境学習に関する取り組みが広がっていかれますように取り組んでいただきたいと思いまして、私の質問をこれで終わらせていただきます。
○橘委員 私の方からは、東京都が二〇〇〇年に策定いたしました十五年計画の緑の東京計画について、平成十六年度の事業を中心に質問いたします。
この計画が計画どおりに実行されれば、東京における緑の潤いが創出されるであろうし、逆におろそかになれば、殺伐としたまちになるおそれもありますので、東京の緑化にとって大事な事業であると思います。
その観点から、まず、緑の東京計画を策定した背景と目的について、概略的に説明をお願いいたします。
○福島自然環境部長 緑の東京計画の背景といたしましては、第一に、東京の緑は依然として減少傾向にあるということ、第二に、都市環境の改善や防災、人に潤いや安らぎを与える機能など、緑の持っている機能が都民のため十分には生かされていないということ、第三に、一方、都民の緑への関心はますます高まっていることが挙げられます。
緑の東京計画は、こうした状況のもとで、緑の持つ機能を活用することによって、二十一世紀の東京を持続して発展できる都市とするため、今後取り組むべき緑づくりの目標と施策の方向や推進策を示すことを目的として策定されたものでございます。
○橘委員 この計画は、全庁的な緑の事業が盛り込まれておりまして、他の多くの局にもまたがるさまざまな事業が行われているわけですけれども、この中で、中心的な役割を果たす環境局が実施する事業の中で、平成十六年度に力を入れて取り組んだ事業にはどんなものがあるかお伺いします。
○福島自然環境部長 市街地等で緑をふやすため、緑化計画書制度により、屋上を含め敷地内の緑化を指導しております。
また、歴史環境保全地域や緑地保全地域などの保全地域を指定いたしまして、良好な自然環境の保全を図っており、平成十六年度には図師小野路歴史環境保全地域の拡張を行い、現在、合わせて四十四カ所、約六百九十二ヘクタールの保全地域を指定しております。
さらに、自然公園での豊かな自然との触れ合いを推進するため、自然公園施設の整備やエコツーリズムの推進などに取り組んでおります。
○橘委員 今のご答弁にもありましたように、東京の緑化については、特に大きな課題の一つとして、市街地でいかに緑を確保していくか、この点にあろうかと思います。
特に近年、ヒートアイランド対策として注目されております屋上緑化、それから壁面緑化、市街地で緑を確保する上でも、こうした対策は極めて大事な事業であろうと思います。
屋上緑化、壁面緑化についてどのような取り組みをされてきたのか、また、確保された屋上緑化面積はどれくらいになるのか、この点についてお伺いします。
○小山都市地球環境部長 市街地における屋上緑化、壁面緑化につきましては、緑化計画書制度によりその推進を図っております。
この制度は、一千平米以上の敷地で建築物の新築等を行う場合、自然保護条例に基づき緑化計画書の提出を義務づけるもので、緑化基準により、屋上緑化を含め一定面積以上の緑化を求めているものでございます。
具体的には、屋上面積のうち、人の出入り可能な部分の約二〇%の緑化等を行うものとしております。また、この屋上緑化面積には壁面緑化の面積を加えることができるものとしております。
十六年度に提出されました緑化計画書は千百四十七件で、これにより計画された屋上緑化等の面積は約十九・四ヘクタールでございます。これは、日比谷公園の約一・二倍の面積に相当いたします。
○橘委員 緑化計画書の提出義務化によって緑化を促しているとの今のご答弁でございましたけれども、この緑化基準にとどまることなく緑化を進め、市街地における緑の量的な確保と質的に豊かな緑の確保が求められていると思います。
例えば、市街地に残された貴重な樹木を保全することは重要な取り組みであろうと思いますし、また、こうしたすぐれた取り組みを促していく必要もあろうかと思います。
特に、大規模な建物ほど緑化の取り組みに関する余地がまだあると思いますし、東京都としては、こうした大規模な建築物に対してはどういった取り組みをしていくのか、この点についてお伺いします。
○小山都市地球環境部長 延べ床面積一万平米を超える大規模建築物の新築等において、緑化計画書に加え、環境確保条例に基づき建築物環境計画書の提出を義務づけております。
この建築物環境計画書制度は、大規模建築物に環境配慮の取り組みを求めるものでございまして、その中で、緑化については緑化計画書の緑化基準を上回る取り組みを高く評価し、公表するというふうにしておりまして、よりすぐれた緑化の取り組みを促すものでございます。
また、本年六月に本制度の評価基準を改正いたしまして、既存樹木を保全することや、高木による植栽についても評価を行うことといたしました。この新しい評価基準は、この十月一日より施行しておりまして、本制度により大規模建築物における緑化の取り組みを推進し、市街地における豊かな緑の確保に努めてまいります。
○橘委員 新評価基準の施行のように、常に工夫していく努力が非常に大事であろうと思います。
ちょっと視点を変えますけれども、近年、緑の保全、それから緑の創造、そして市民参加のあり方という観点から注目されておりますのが、里地とか里山の保全についてであります。これについてはメディアでも頻繁に紹介されていることもありまして、都民の関心も高まっております。
そこで、里地、里山の保全は、自然保護条例に基づいて推進されていると思いますけれども、具体的にどのような取り組みをしているのか、また、今後の見通しについてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○福島自然環境部長 里地、里山の保全の取り組みですけれども、今年度、あきる野市にあります横沢入地域、約四十八ヘクタールにつきまして、自然保護条例に基づく初めての里山保全地域の指定手続を進めているところでございます。
横沢入地域では、保全計画を定めた上で、都民、ボランティア団体、企業などと草刈り、森林の間伐作業などを実施しまして、里山の自然を保全、回復していきます。
また、他の保全地域におきましても、都民やNPO等の協力を得まして、下草刈りや植生回復など自然環境保全活動に取り組んでいるところでございます。
○橘委員 今のご答弁にもございましたけれども、緑に関する取り組み、それから緑の保全、こうしたことには、これからはNPOであるとかボランティアなど、都民の参加が非常に重要になってくると思います。そうでないと緑化の取り組みは長続きしないし、運動が広がっていかないことは、だれもが認めるところであろうと思います。
そこで、行政の取り組みとあわせまして、都民の幅広い参加を促すためにどのような取り組みを行っているのか、この点についてお伺いします。
○福島自然環境部長 東京の緑の保全に当たりましては、行政だけではなく、都民や企業、NPOなどが多角的に緑地保全などの活動に参加することが大切でございます。
現在、四十四カ所ある保全地域のうち、半数を超える二十四カ所の保全地域において、ボランティア団体による草刈りなどの緑地保全活動が行われております。
また、都民ボランティアとの連携による新たな取り組みといたしまして、一部の保全地域において、平成十五年度から、都民、NPO、企業、行政等が連携して自然環境保全活動を行う東京グリーンシップ・アクションを実施しております。
さらに、緑地保全にかかわる人材育成を進めるため、都民とともに森林を保護していく大自然塾や、緑のボランティア活動に関する指導者認定講習を実施するなど、多方面にわたる緑地保全の取り組みを行っております。
○橘委員 現場の知恵を生かしたさまざまな工夫が、また先駆的な取り組みが行われている様子がよくわかりました。
緑に関する施策は多岐にわたっておりまして、多くの局がかかわり、全庁を挙げて取り組んでいく必要があると思います。そのためには各局が連携をしていくことが極めて重要であって、ぜひ環境局が先頭に立って、各局を引っ張るくらいの心意気で計画の推進に頑張っていただきたいと思います。
最後に、大橋環境局長の所見を伺いたいと思います。
○大橋環境局長 環境局におきましては、今、緑を保全するためのさまざまな努力をいたしております。
例えば、先ほどお話のありました東京のヒートアイランド対策の一環としても、屋上緑化等の市街地における対策を推進しております。
一方、緑のボランティアを初め、都民の緑の保全に関する関心と意欲はますます大きくなっております。このような背景の中で、委員からご言及のありました都民参加の視点も踏まえまして、企業、個人、NPOなど幅広い都民の方々とともに、緑の保全の仕組みを一層充実することが重要であると考えております。
また、今後、環境行政は、まちづくりや産業政策、農林水産行政など、各局の事業と連携することも重要であると考えております。
委員の皆様を初め、広範な都民の方々の理解とご協力を得ながら、緑の保全のための施策を推進してまいります。
○植木委員 最初に、環境局の事業を積極的に推進していただきたいという問題について、やります。
十二年度に環境保全局から環境局になったわけですが、その後の五年間の決算の推移についてお示しいただきたいと思うのです。大きな変動があれば、その変動の意味といいましょうか、特徴も教えてください。
○白石総務部長 環境局になりましてからの五年間の決算額の推移でございますけれども、百万円未満の四捨五入でお答えさせていただきます。
まず、平成十二年度でございますが、予算現額三百四億三百万円に対しまして、決算額二百七十三億二千三百万円、執行率八九・九%でございます。平成十三年度は、予算現額三百三十三億六千八百万円に対しまして、決算額二百六十九億八千九百万円、執行率八〇・九%でございます。平成十四年度は、予算現額三百七十七億九千四百万円に対しまして、決算額二百九十九億七千七百万円、執行率七九・三%。平成十五年度は、予算現額四百四十三億一千九百万円に対しまして、決算額三百三十六億一千四百万円、執行率七五・八%。平成十六年度は、予算現額二百九十五億三千二百万円に対しまして、決算額二百四十二億九百万円、執行率八二・〇%となっております。
以上、ディーゼル車規制を初めといたしまして、各種の施策を適切に推進したものでございます。
○植木委員 そうしますと、十二年度には、決算ですから二百七十三億あったのが、決算年度では二百四十二億と、大きく後退がずっと続いているという状況だと思うのですが、途中で、これは十五年度でしょうか、三百三十六億になっているんですけれども、十五年度、今お話のあったディーゼル対策などがふえてきたというのが加わっているということだと思うのですけれども、今の環境局の決算から、ディーゼル対策、つまり粒子状物質減少装置装着促進事業費を除いた場合、決算の推移はどんな傾向になるのでしょうか。
○白石総務部長 決算額から粒子状物質減少装置装着促進事業費を除いた決算の推移ということでございますが、平成十二年度は決算額二百七十億二千九百万円、執行率八九・八%、平成十三年度は決算額二百五十八億五千八百万円、平成十四年度は決算額二百八十七億七千九百万円、平成十五年度は決算額二百六十三億二千万円、平成十六年度は決算額二百二十二億九千八百万円となっております。
○植木委員 ディーゼル対策は重要な対策ですけれども、それがだんだん、十五年度はたくさん執行されてきたわけですけれども、それが終息というのですか、一段落つくと、がくんと予算が減っちゃうんですよね。
つまり、総体としても、もちろんそういう傾向はあるのですけれども、このままいくと、ディーゼルが一段落すると--もっとほかの新しい事業をやって、予算を引き続き確保するというのであればいいんですけれども、がくっと減っちゃうという点ではちょっと心配なんですが、こういう減っている現状についてどのようにお考えなのでしょうか。
○白石総務部長 今、委員の方からは、決算額が減っていることが環境行政の後退ではないかというようなニュアンスでおっしゃったというふうにお聞きいたしましたけれども、私は、環境行政は今ますます推進されておりまして、ここのところ、特に地球温暖化対策、ヒートアイランド対策、有害化学物質対策、廃棄物対策など、直面する問題に対しまして、非常に現場感覚とスピード感覚を持って、国に先駆けた取り組みを進めているというふうに思っております。
決算額の推移と施策の推進というのは必ずしも連動するものではございませんで、先ほどからありましたように、都民の参加だとか企業、それからNPOの参加等も進んでおりまして、非常に今、環境行政についてはアクティブに活動しているというふうに思っております。
○植木委員 もちろん、金額だけで中身は見られないわけですけれども、一生懸命やっていらっしゃることは、よく私も承知しておりますけれども、そうはいっても、二〇〇〇年度と比べてずっと減ってきていることは現実なんですね。むしろ環境問題というのは、逆に今、非常に重要視されてきて、今も話がありましたけれども、ヒートアイランド対策だとか地球温暖化とか廃棄物処理の問題とか、それから先ほどあった緑地を確保する問題とか、さまざまな施策が一層重視されているときだと私は思うのです。
そういう意味で、単純に金額が減ったからだめだというふうには思いませんけれども、やはりもっと積極策を打ち出して、実績をつくって予算をきちっと確保して、環境局として本当に東京の環境がよくなったといえるような、そういう立場で臨んで、予算要求も含めてしていただきたい、そういうふうに思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○白石総務部長 この間の環境局の活動でございますけれども、今年の第一回定例議会では環境確保条例を大きく改正いたしまして、温暖化対策に対する事業者の取り組みを強化したりとか、さまざまな成果を上げておると思っております。
また、実際の改善につきましても、既に発表しておりますが、大気環境につきましては大幅に改善されているということでございまして、今後とも、私どもといたしましては、いろいろな環境問題に対しまして、東京の環境の危機の克服に全力を挙げて取り組んでいこうと思っております。
○植木委員 ぜひ積極策を打ち出して、環境局として、やはり首都東京の環境問題ですから、存在感をうんと打ち出していくというのが僕は非常に大事だと思うのです。だから、決算だけですべてを語るという思いはありませんけれども、決算の面でも反映できるように、ぜひ取り組みをお願いしたいというふうに思います。
そこで、具体的な問題に入りますけれども、一つは地球温暖化対策、今お話ありましたけれども、実効性ある取り組みについて伺っていきたいというふうに思っています。
京都議定書に基づいて、二〇一〇年度における東京都の温室効果ガス排出量を九〇年度比でマイナス六%、つまり六%削減するということを目標に掲げておりますが、実際はどういう状況になっていますでしょうか。十五年度の資料になるのでしょうか、二酸化炭素の総排出量、九〇年と比べてどうかということをお示し願いたいと思います。
○小山都市地球環境部長 都内の二〇〇三年度のCO2排出量は七千百三十万トンでございまして、九〇年の排出量五千七百七十万トンに比べますと、約二三%の増加でございます。
○植木委員 ことしの予算議会の質疑をちょっと読んでいたら、当時は二〇〇二年度の数字でしたけれども、二〇%増加しているという答弁がございました。そうすると、二〇〇二年から二〇〇三年までプラス三%、つまり削減じゃなくて、ふえちゃったんですよね、一年間で。
そうしますと、目標に掲げていたのが幾らで、そして、実際が今いったように二三%で--そうしますと、目標を達成するマイナス六%にするには、目標がたしか二〇一〇年度までに一五%とお聞きしているのですが、合計二九%、これから削減しなきゃいけないという、そういうことですね。
○小山都市地球環境部長 目標は、環境計画におきましても、一九九〇年比マイナス六%というふうにしてございますので、単純計算でいきますと、この二三%プラス六%、二九%ということになります。
○植木委員 実に二九%、これから二〇一〇年度までに減らさなきゃいけないというのは、これは僕は大変なことだと思うのですよね。僕は危機的じゃないかなと、まあ、目標をやるという姿勢に立てばですよ。のんべんだらり、このままでいいということではないと思うのですね、環境局の方々ですから。
予測以上のことが起きてこうなったのか、いろいろな原因があると思うのですけれども、増加しているところには何が一番、大きくいってどんなものなのでしょうか。
○小山都市地球環境部長 増加の要因といたしましては、都市の活発化等々があろうかというふうに思いますけれども、温室効果ガス排出量の算定基礎となるエネルギー消費量は、二〇〇三年度の場合、前年度比三%減というふうになっております。
一九九〇年度比では一二%増というふうになっておりますけれども、エネルギーの消費量は減ってきているというような傾向も見られるところでございます。
○植木委員 今のはちょっと意味がわからないのですけれども、エネルギーの消費量は減ったけれども、二酸化炭素はふえ続けていると。ちょっと意味がわからないのと、それから、ふえている主な原因ですよ、問題は。そこに目を突き刺さなかったら、やはり減らせないと思いますから、そこが知りたいのですけれども。
○小山都市地球環境部長 産業部門等、あるいは業務部門、家庭部門、運輸部門と、それぞれ別々に排出量を分析しておりますけれども、産業部門におきましては二・一%、それほどふえていない。業務部門において一三・三%増加というようなことがございます。それから運輸部門につきましては、逆に二・四%の減少というようなことがございまして、主要な増加部分は業務部門ということがいえるかと思います。
先ほど、エネルギーにつきまして三%減というふうに申し上げました。CO2についてはふえているわけでございますけれども、これにつきましては、エネルギー消費量が減少したにもかかわらず、温室効果ガス排出量が大幅に増加したのは、原子力発電の長期停止に伴いまして、二酸化炭素の排出量が多い火力発電所による電力供給がふえたことが原因となっております。
○植木委員 原子力発電の故障ということ、これは直すということでいいと思うのですけれども、今お話のあった業務、それから産業、ここが大きな要因であるということなんですが、業務といえば、やはり一番大きいのが業務オフィスビルですよね。環境基本計画にも、それから白書にも、CO2の増加の最大の原因にもなっている事業所ビル、自動車等の二酸化炭素の発生、こういうふうにいわれているのですが、都内のエネルギーの三割を占めている、いわゆるオフィスビルなどの面積が今どんどん増加していると思うんですよね。
これに対して、抑制策としてはどんなことを手を打っているのでしょうか。
○小山都市地球環境部長 都はこれまでも、建築物環境計画書や地球温暖化計画書制度によりまして業務部門の温暖化対策を推進してまいりました。
さらに、本年三月に環境確保条例の改正を行いまして、建築物環境計画書制度を強化いたしまして、新築ビル省エネ対策などの環境配慮をなお一層求めております。
また、竣工後の建築物につきましては、大規模事業所を対象とする地球温暖化対策計画書制度を強化いたしまして、都の指導助言と評価、公表をすることによりまして、より高いCO2の削減を誘導しております。
○植木委員 事業所ビルには、新築を含めて、排出量の抑制のための計画書を出させたりして指導を強化していると。これはぜひ大いに頑張っていただきたいと思うんですけど、問題は本体がどんどんふえちゃっているということなんですよね。これが一番問題なんですよ。もちろん必要があると、個々の建物で見れば、自分たちはそれぞれが必要だと主張されるからあれなんですけど、問題は、環境から見ると、実際にはオフィスがどんどんできちゃっているんですよね。これをどうするかという問題もあると思うんです。
平成十四年度七月に都市再生緊急整備地区が七地区指定されて、その面積は二千三百七十ヘクタール、実に東京ドームの五百倍ぐらいの床面積がどんどんふえる、こういう計画なんですよね。そうすると、建てるものに対しては厳しく規制して、それは大いに努力してもらうということは大事なんだけど、問題は、絶対量がふえていくという問題に対して、環境局が幾らいっても、他の局がどんどん進めたら同じ、あるいはもっと悪化するわけですよね。その上で、環境局も残念ながらアセスについても条例改正をして、対象高さが百メートルだったのを百八十メートルまで引き上げてしまった。面積要件も、十万平米だったのを十五万平米に引き上げてしまった。
そういうことで、結果的には緩和して、オフィスがどんどん建てられるような、手続的に簡単にして、どんどん促進できるような条件をつくってしまった。つくってしまったという表現がいいかどうかわかりませんけれども、結果的にはそういうことになっているんじゃないかと思うんですよ。
条例改正前に高層建築物におけるアセスの手続は全体で何件あったのか。また、このうち特定地域に該当するものは何件あったのか。特定地域というのは、この新しいアセスの適用ですね。お示し願いたいと思います。
○小山都市地球環境部長 旧条例では、高層建築物については高さ百メートル以上、かつ延べ床面積十万平米以上の建物が対象でございました。手続が終了した案件も含めまして、全体で四十二件でございます。このうち特定の地域に該当するものにつきましては三十件でございます。
○植木委員 対象、前は四十二件あった。
では、条例改正は十四年ですから、まだわずかしかたっていないですけれども、どんな状況になっていますでしょうか。
○小山都市地球環境部長 条例改正以降、特定地域において、条例改正がなければアセスの対象となったものは六件でございます。
○植木委員 つまり、百メートルから百八十メートル、案件が外れたのが六件。そのほかに、手続をとるのが二件。だから、わずかの間に百八十メートル前後の、前と後の建物が建つ。そのほか百メートル以下はもうどんどんどんどん建っているわけですね。
これも都市整備局の話なんですけれども、ごくごく絞って丸の内だけでも、非常に今、駅周辺、建設ラッシュですけれども、特に都心部のセンター・コア内だけでも開発面積が五百七ヘクタール。東京ドーム百九個分、これがセンター・コア内での建物。問題は、CO2排出量がセンター・コア内だけで三・二ポイントも押し上げられている、自動車流入量が十四万台にも及ぶ、こういう話が出ていました、これは予算議会の話ですけれども。
そういう意味で、これだけオフィスビルが、アセスの対象、あるいは外れているもの、それからもともと対象になっていない百メートル以下も含めて、相当な面積で今進んでいるわけです。それぞれ建て主は必要だ必要だということなんですが、問題は、環境として、こういう状況でCO2の削減目標は、この面からの改善はなされるんだろうか。一定の抑制ということも、環境局としての立場で考えられるんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○小山都市地球環境部長 環境局では、開発事業につきましては、条例に基づく環境アセスメント手続、建築物環境計画書制度、屋上等の緑化計画書制度などによりまして指導しておりまして、都民の良好な環境の確保に努めております。
今後とも、こういったような建築物の更新期、これを地球温暖化対策推進の好機ととらえまして、環境に配慮した都市づくりを推進してまいります。
○植木委員 余りいうと酷なんですけれども、これで抑制されるんですかということなんです、問題は。いかがですか。
○小山都市地球環境部長 ただいま申し上げましたような建築物環境計画書制度あるいは地球温暖化対策計画書制度、これらのようなものの対策を通しまして、事業者の皆様には努力をお願いいたしているところでございます。
○植木委員 ぜひその点で頑張っていただきたいというふうに思うんです。やはり環境局が既存の建物にあるいは新築の建物に抑制をお願いすると同時に、全体としてどうなのかというのを、都市整備局だとかそういうところと、本当は調整して話し合う必要があると思うんですよ。都市整備は都市整備だよ、環境局は環境局だよという、そういう縦割り行政じゃなくて、全体として東京の環境を抑えていく目標を何とかしなきゃいけないんだから、どうするんだという話し合いを私はやるべきだと思うんです。いずれにしても、ぜひ一生懸命やって、努力をお願いしたいというふうに思うんです。
もう一つは運輸関係、つまり自動車関係の温室効果ガスの排出源の自動車対策。ディーゼル対策の話は先ほどもございましたが、実際にオフィス床面積がふえていくと、先ほどもセンター・コア内だけで十四万台、これは各ビルを積算するとそうなるんだそうですが、交通量が流入する、こういうことがいわれているんですが、環境局でつかんでいる自動車の交通量の推移というのはどんなふうになっていますでしょうか。
○前田参事 警視庁で実施しております交通量調査の調査結果によりますと、都内の主要交差点の交通量は、平成十一年度と平成十六年を比較いたしますと、一%程度減少しているというものでございます。
○植木委員 交差点の交通量は一%減少したと。いいことだと思うんですけれども、白書によりますと、白書と基本計画を見ていると、そういう表現は使っていないんですね。これが違うのかどうかわかりませんけれども、都内の自動車交通量は増加傾向にあり、区部の混雑平均速度が書いてあったり、排出ガスに含まれる二酸化窒素の増加により生活環境に大きな影響を及ぼしていると。交通量も、これは平成十一年度までの資料しかないんですけど、新しい資料があればまたお出しいただきたいんですけれども、グラフの絵で、ずっと増加傾向になっているというふうに出ているんです。減少すればいいんですけれども、自動車交通量は必ずしも極端には減っていない。まあ、一%--僕は後で数字はぜひいただきたいと思います、総交通量を。交差点だけじゃなくてね。
で、ディーゼル対策は行っているということなんですが、全国の排出ガス測定局の中でワーストファイブに都内の測定局が幾つ入っておるのでしょうか。
○梶原環境改善部長 今のお話の中で、ちょっと限定をしてお話を申し上げた方がよろしいかと思いますので、平成十六年度におきます全国の自動車排出ガス測定局ということで限定して、年平均値のワーストファイブについてご説明申し上げます。
二酸化窒素につきましては、五位に相当する測定局、つまり同じ数値を示す箇所が四カ所ございますので、ワーストファイブは全部で八局となります。この八局のうち、都内の測定局は六局でございます。
それから、浮遊粒子状物質の方は、同様に同じ数値を示す箇所がやはりございますので、ワーストファイブは全部で六局となります。このうち、都内の測定局は一局でございます。
○植木委員 浮遊粒子の方は一局ということで、少し減ってきているようですが、二酸化窒素の方は、全部で八のうち六局ということですから、依然としてこういう状況もある。
そういう意味で、自動車対策は今もやっておられ、努力されていることは重々承知しておりますけれども、やはり自動車交通総量の抑制のいろんなプランというんでしょうか、やり方は世界でもいろんな努力でやられていると思うんですけれども、総量の抑制策、ここに相当思い切って踏み出す必要があるんじゃないかと思うんですね。いかがでしょうか。
○前田参事 交通量の削減、総量抑制のための施策でございますが、東京都はこれまで、道路ネットワークの整備とあわせまして、交通量の抑制を図るため、自動車の効率的な利用や使用の抑制を図る各種の交通需要マネジメント施策を行ってきたところでございます。
具体的には、集中的な渋滞対策事業でございますスムーズ東京21拡大作戦の実施、パーク・アンド・ライド等によります自動車から公共交通機関への転換の促進等を行っているところでございます。
また、物流対策におきましては、事業者に対します共同配送の実施を働きかけてございまして、都内百貨店での納品物流共同化などで成果を上げているところでございます。
今後とも、各局、また区市町村と連携いたしまして、交通需要マネジメントの総合的な取り組みを推進してまいるところでございます。
○植木委員 各局とも連携してというお話がありました。先ほど建設の方でもいったんですけれども、環境局は一生懸命やっているけれども、実際は、現場でそうなればいいんですけれども、ならないケースが多々ある。そういう意味で、環境局として具体的な強力な働きかけ、あるいは世界のそういう抑制、最近はヨーロッパなどでは、超高層ビルの建設などを抑制したり、それから位置も、交通も考えて許可したりという、いろんな工夫をしているんですよね。だから、そういう点では全然方策がないわけじゃないんです。
もちろんなかなか難しい面はあると思いますけれども、そういう強力な働きかけや抑制策を具体的に求めるという決意が必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大野企画担当部長 東京が直面します環境問題はいろんなものがございますけれども、一番難しいのは地球温暖化対策であると思っています。と申しますのは、地球温暖化はCO2が原因ですけれども、CO2は特定の一つの活動から出てくるものではございませんで、人間が、都市の活動をしている中で、すべての側面で出てくるということであります。
したがいまして、地球温暖化対策というのは、都市の活力でありますとか人間の生活をどう繁栄させながら、同時にCO2抑制という大きな目標を達成するか、こういう二律背反の要素がどうしてもあります。そういった面で、これで直ちに解決するとか、あるいはこれをやればこの問題は解決するという、なかなか決め手がないわけでございますけれども、いずれにしましても、いろんな方策を努力いたしまして温暖化の抑制に努めてまいりたいと考えております。
○植木委員 確かに難しい面はありますけれども、今ご決意を述べられたように、全力を尽くしていただきたい。
もう一方で、先ほども緑の東京計画のお話がありましたけれども、環境に優しいまちづくりというのはもう一方でつくっていく。緑を確保したりして、ヒートアイランド対策を進めていくというのが非常に大事なんですが、都内の公園面積の推移、これは全都と二十三区、どんな推移になっているのでしょうか。わかりやすく説明するのは難しいかもしれませんけれども、お示し願いたいと思います。
○福島自然環境部長 これは都市整備局の資料でございますけれども、これによりますと、平成七年から平成十六年までの間に、都内全域の公園面積は、五千八百二十七ヘクタールから六千七百五十九ヘクタールへと約一六%増加しております。
この間の区部の公園面積は、三千四百十六ヘクタールから三千七百十五ヘクタールへと約九%増加してございます。
○植木委員 区部の方が増加率が低い。現実的に私の住んでいる中野なんというのは、二十三区でたしかワースト二十二位だったと思うんですけれども、なかなか公園が確保できないで苦労しているんですよね。大きな敷地というのがほとんど今までないということで、努力していたんですけれども。
今の伸び率、特に二十三区は、これは建設局の話ですからいっちゃいますけれども、数字をもらって、自分でグラフを建設局の人たちとつくったら、二十三区はある程度いくと、ずっと横ばいになっちゃうんですね。伸び率がぐっぐっぐっぐっと減っていく時期が出てくるわけですね。これでは本当に公園整備というのはなかなか難しいものだなと。土地は限られていますから、努力が必要かなというふうに思っているんです。
そこで伺いたいのは、今、中野区と杉並区との境に、国の方針で、東京の一極集中を是正しようということで、警察大学校、十三・七ヘクタールあるんですが、東京ドームが四つ分ぐらいになるんでしょうか、四つ弱ですね、三・五ぐらいになるのかな。これが移転して、その跡地をどうするかというのが今検討されていて、一部に警察病院を設置しようということ、これは決まったんですが、あと十ヘクタールちょっとが残っていて、これをどうするか。で、二〇〇一年度には、東京都も入って、少なくともその中で、貴重な緑を残そうよということで、防災機能も備えた四ヘクタールの公園をつくろうということでお決めになった。
ところが、最近またいろいろ方針が変わってきて、いわゆる防災公園としての公園面積が一・五ヘクタールになって、あとは建物の公共空間などを積み重ねるんだというお話になっていて、今論議をされている最中ですから、これは都市整備局で質疑を別途行いましたので、いいんですけれども、私は、こういう都心に十三・七ヘクタールという公共用地はもうないと思うんですよね。民有地だと、これは、そうはいったって、民間の人の持ち物をどうするということはなかなかいえない。国の土地ですから、思い切って確保するということは、いろいろ相談が可能であると思うんですね。
しかし、現実には作業は都市整備局の方でやるものですから、ここではお聞きできないんですが、四ヘクタールぐらいの緑があれば、ヒートアイランドとか環境に配慮した、特に中野の周辺は、震災が起きたときにも非常に被害の多い地域ですから、何とか潤いのある公園の一つに貢献できるんじゃないか、こんなふうに思っているんですが、一般的な話で恐縮ですけれども、いかがでしょうか。
○小山都市地球環境部長 先生から今お話が出ましたヒートアイランド現象、これは人工排熱、それからアスファルトの舗装などによる人工化、そういったようなものが主な要因でございます。
そういったようなところから考えましても、一般的には、緑を保全、回復することはヒートアイランド対策に有効であるというふうに考えます。
○植木委員 実は都市整備局でこの問題を質疑したら、公園にもかかわってくるし、それから、そういうヒートアイランドにもかかわってくる、環境局だとか建設局だとか、そういうところとも話をして調整したらどうですかという提案をしたんですよ。そうしたら、調整するというご答弁があったんです。実際にはこれはまだまだ、国も入っていますから、いろいろ難しい問題はあると思うんですけれども、そういう調整の話があったときには、ぜひ緑確保のために、環境のために力を尽くしていただきたいというふうに、これはお願いをしておきます。
最後に、もう時間がありませんけれども、簡単に質問したいというふうに思います。
ことし、北区の豊島五丁目というところで、保育園などでダイオキシン類の土壌汚染が発見されて社会的な問題になってまいりましたが、東京都がこの対策に主導的にかかわって進めるべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○柿沼参事 土壌汚染に係る対策の実施主体は、土地所有者でございます北区及び都市再生機構でございます。東京都は、北区や都市再生機構が行う対策が円滑に進むように、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく対応を北区及び都市再生機構とともに行ってまいります。
○植木委員 実施主体は持ち主である、あるいは地元区であるということです。それは原則だろうと思うんですね。
しかし、東京都としてもいろいろやっていらっしゃるわけですよね。ダイオキシン類の土壌汚染の常時監視を行っている。この調査地点なんかはどんなふうに選定されているのでしょうか。
○柿沼参事 ダイオキシン類対策特別措置法に基づく土壌汚染の常時監視につきましては、一般環境における健康影響を未然に防止するという視点で、多くの人が利用する公園や学校などの公共用地を中心に、地元の各区市町村と協議の上、毎年場所を変えて計画的に実施しております。
○植木委員 そうしますと、いろいろ区市町村と協議の上で計画的に実施していると。
いろんな化学工場の跡地というのは都内にまだたくさんあると思うんですけれども、同様の汚染が起きていないかどうか、こういった点も常時監視において調査対象といいましょうか、調査すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○柿沼参事 ダイオキシン類による土壌汚染の原因は、工場以外にも、農薬の使用や焼却炉からの飛散など、さまざまな要因が考えられます。そのため、常時監視の実施に当たりましては、今後も引き続き、健康影響を未然に防止するという視点から、現在多くの人が利用している公共用地を中心に調査地点を選定してまいります。
○植木委員 そういった点を未然に防止する立場から、たくさんの人が利用しているところは調査地点に選んでいくというお話でしたので、ぜひご努力いただきたいと思うんですが、この保育園の土壌汚染のときも、住民の皆さんの中からはいろんな声が出ておりまして、もともと化学工場の跡地だったんだから、何でもっと早く対策、調査をしなかったんだということを行政にも説明を求めたい、こういうふうにおっしゃっているんですよね。確かにそういう可能性があるところに対しての心配というのは、いろんな方から出ることもあると思うんですね。
だから、よく区と相談して、区にいろんな方々の声が上がって、そして東京都にも声が上がってくれば、東京都はやらないよと、こういうことはいわない、調査地点に入れていこうという話は当然あり得る、こういうことでよろしいでしょうか。
○柿沼参事 ダイオキシン類の常時監視の調査地点の選定は、先ほど申し上げましたような多くの人が利用する公共用地を中心に選定してまいりますが、区市町村との協議という過程もございますので、そういった形でできるだけ広く現状の把握ということを進めてまいりたいと思います。
○植木委員 やはりそういう調査の中で発見されて、都民の安全が確保されるということは大事ですから、ぜひご努力をお願いしたいということを重ねてお願いして、私の質問を終わりにします。
○矢島委員 先進社会の日本にとりましては、持続可能な社会とするために、むだのない資源の活用と、そして廃棄物の再利用、有効資源としての再利用、これにしっかり取り組んでいかなければならないのは当然だと思います。実際、東京都も多くの廃棄物対策に取り組んでおられますが、東京都の廃棄物対策のうち、再資源化について十六年度の成果をまずお伺いいたします。
○森廃棄物対策部長 平成十六年度の数値が集計中でございますので、平成十五年度までのデータでお答えさせていただきます。
一般廃棄物につきましては、都内の再資源化率は、平成十年度の一二%から平成十五年度の一七%に上昇してきております。
都といたしましては、平成十六年度に市町村のごみ減量化事業に対する補助を行いましたほか、多摩地域の焼却灰をリサイクルするエコセメント化施設の整備に対する財政的、技術的支援などを行っております。
次に、産業廃棄物につきましては、建設廃棄物などのリサイクルを関係部署と連携して推進してきました結果、再資源化率は、平成十年度の二一%から平成十五年度には二九%に上昇してきております。
また、スーパーエコタウン事業の推進によりまして、平成十六年度には、建設混合廃棄物や廃情報機器類のリサイクル施設が整備されるなど、産業廃棄物の再資源化が進んでいると考えております。
○矢島委員 ただいまの数字一つのご説明を聞きましても、着実に一つ一つ仕事を進められて、成果が上がっているということがよくわかりました。
原料をまとめ買いをして、そしてそれをまとめてつくる方が安上がりな大量生産に支えられている、大量消費の、いわば東京は巨大な胃袋でありますし、その大都市の生活は廃棄物も中途半端では当然ありませんし、貴重資源でいいますと、都市鉱山といわれるほど、消費地の廃棄物には再利用可能な資源が大変多いことになりますが、貴重資源と汚染物質はいわば共存するということになりますので、再資源工程には、その工程の透明化など、再資源化のための課題も大変多いと思います。
また、再資源化に伴う、動脈といわれる生産工程に対応する、消費した後の再資源化が可能な廃棄物の再資源化施設、そしてまた再び消費地を結ぶ再資源化の静脈の流れが必要ということになります。この事業は、国内であろうと、国際的であろうとも、大変広域となりますし、国が現実に課題として取り組んでおります。東京港も静脈物流港に現実に指定されております。
そこで、大消費地である東京にとりまして、廃棄物対策のその先にある対策として、資源再循環を可能とする静脈物流についてのお考えをお伺いいたします。
○森廃棄物対策部長 資源の再利用を進めていくためには、東京で回収されたものを全国の産業拠点に輸送し、広域的に活用していくことも重要であると認識しております。
このため、都を初めとする八都県市や国が参加します首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会におきまして、海上輸送など、環境負荷の少ない静脈物流システムのあり方などについて調査検討を進めているところでございます。
また、都は現在、産業界と連携しながら、事業所から排出される廃プラスチックを広域的に輸送し再利用するためのルールづくりに取り組んでいるところでございます。
○矢島委員 ぜひ基盤整備、いわばインフラでありますので、しっかりと取り組んでいただきたい、そのように思います。
人、物が集積する大消費地東京は、大気汚染の原因といわれる窒素酸化物対策が自動車対策を中心に現在取り組まれております。これは、酸素を燃焼させると空気中の窒素と結合し、どこでも発生することになりますから、対策は自動車に限りません。この資料によりますと、バックグラウンドは一〇〇%達成ということになっていますが、しかし、現実に発生している中では、対策は怠ることはできないということになります。
一方、産業生産の現場では、生産性向上の環境対策のため、酸素販売量が伸びておりまして、また、ダイオキシン発生抑制のため、ごみ焼却炉に酸素を使用する動きもあると聞いております。東京都はこのような動きをどのように認識しているか、お伺いいたします。
○柿沼参事 ご指摘のように、酸素ガスを使用した燃焼技術は、製品の品質確保や熱効率の向上を図ることを目的に、産業界の一部で導入されております。また、ごみ焼却炉においても、燃焼促進のために使用されている例もございます。
こうした技術につきましては、有害ガスの排出低減など、環境上の効果も指摘されているところと認識しております。
○矢島委員 酸素の活用につきましては、単に燃焼だけではありませんで、水質汚濁対策から省エネルギーまで、酸素を活用した効果は意外と大きいように聞いております。
現実に酸素生産量が十年間で、十倍以上に伸びまして、環境対策に三分の一が使用されているといわれている状況でありますが、東京都も利用を進めるなど、取り組むべき課題の一つではないか、このように思いますので、お伺いいたします。
○柿沼参事 空気のかわりに酸素ガスを使用するということの環境上のメリットなどにつきまして、今後、情報の収集に努めてまいりたいと存じます。
○矢島委員 大変さらっとした、わかりやすい答弁をいただきまして感謝をいたします。
しかし、一方では、環境対策の切り札だという説も、専門家の方から出ているところもございますので、ぜひバックグラウンドをしっかり固めまして、検討されたいと思います。答弁の今の内容でしたけれども、今後どういうような評価となってくるか楽しみにしておりますので、しっかりお願いをいたします。
次に、外来種対策についてお伺いいたします。
東京の温暖化対策が進む状況で、おのずから植生も変わってまいります。しかし、繊細な自然環境の中にある均衡した生態系を構成する動植物が、外来種により減少し、あるいは絶滅していくのを放置しておくことはできない、そのように思います。
そのため、国は、外来種対策を、平成十六年度に特定外来生物被害防止法として成立させました。この法律の内容と東京都の外来種の状況についてお伺いいたします。
○福島自然環境部長 特定外来生物被害防止法の目的は、特定外来生物による生態系や人の生命、身体、農林水産業への被害を防止することでございます。この法律で特定外来生物に指定された種は、飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取り扱いが規制されます。
その中で国が防除の必要があると判断した種につきましては、防除対象種として公示いたします。現在、タイワンザルやアライグマ、カミツキガメなど二十一種が防除対象種として公示されまして、このうち、アライグマ、オオクチバスなど十三種の動植物が都内で確認されております。
○矢島委員 セイタカアワダチソウなど、外来種によっては、全国的に広がって、既に手おくれだという意見もありますが、地域ごとの生態系の維持というのはないがしろにできませんし、また効果があるという意見もあります。
この六月施行の特定外来生物被害防止法は、生態系保全を目的に、地方自治体が野外に生息する指定種を防除できる点が、諸外国の同様の法律に比べて画期的であるといわれております。東京都として、今後、外来種対策をどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。
○福島自然環境部長 特定外来生物被害防止法では、特定外来生物の防除の主体は国でありまして、地方公共団体は、国の確認を得れば防除を行うことができるとされております。しかしながら、防除に関する都道府県の役割については明記されてございません。
今後、都は国に対し、防除の推進と役割の明確化を要望し、それを踏まえまして対応策を検討してまいります。
また、現在、都は緊急的対応といたしまして、都民の生命、身体に直接被害を及ぼすカミツキガメのような生物に対しては、個別に対策を実施しているところでございます。
○矢島委員 国の法からいきますと、これからの課題でありますけど、東京都の外来種に対する取り組みというのは現在の問題でありますので、東京都自身として、必要なことを必要なときに迅速に行えるように、東京の生態系を少しでも従来のものを維持できるような、そういう環境をぜひ目指して努力していただきたい、このように思います。
都会の生活は、コンパクトに実にまとまっております。日常生活を車で移動する、車に頼らざるを得ない地方の方がむしろ浪費をしているということもいえます。そういう東京の環境対策は、公害をなくし、住みよい都市環境を実現する取り組みということになります。
しかし、そのためには、環境負荷を少なくしなければなりませんし、おのずから生活のスタイルも変わらざるを得ません。交通ネットワーク、まちの姿、生活空間のあり方も、環境と生活の質にとって重要な課題ということになります。対象は実に多岐にわたるということになりますが、それだけに環境局の使命は大変重い、このように思います。
環境局は、今後、次代によりよい東京を残すために、縦割り行政の壁を越えて東京の政策にしっかりと発言をする、また、都民へも環境に負荷の少ない生活のスタイルを訴えていくべきと思いますけれども、局長のお考えをお伺いいたします。
○大橋環境局長 多様化する東京の環境問題に取り組み、環境負荷の少ない都市生活を実現するためには、都民、事業者など、さまざまな方々の知恵と協力が不可欠でございます。
都はこれまで、日々のライフスタイルや産業振興のあり方など、あらゆる方面から都民、事業者、NPOなどの参加と協力、そして都庁内部の意見交換などによりまして、環境への配慮を追求してまいりました。
今後とも、環境局は、内外の幅広い方々の協力を得ながら、産業政策、都市づくりなど、都政の総合力を生かし、環境に配慮した社会の構築に向けた施策の推進と情報発信に積極的に取り組んでまいります。
○大沢委員 ただいま矢島副委員長からもご質問がありましたが、この外来生物法、そしてまた私は、都における自然環境の保護、生態系の保全について何点かお伺いいたします。
私の地元の江東区は東京湾に接しており、海浜公園などが整備され、私もよくそこを訪れ、釣りなどをしたりいたします。その場所の一つにお台場があり、そのお台場では近ごろ、たくさんのカワウを見かけます。緑がかったきれいな黒色をした鳥で憎めませんが、最近、至るところで、そのカワウの悪口をよく耳にいたしますので、私も自分なりに少し調べてまいりました。都内だけでも五千羽近く生息していること、そしてまた一日に百キロ以上飛び回ること、そしてまた、都内においては多摩川流域で甚大な漁業被害を発生させ、また近隣の県においては、東京都を大きく上回る被害をもたらしていることがわかりました。
さて、最近、生態系という言葉をよく耳にいたします。かつての学説では、自然界は全体として調和がとれて安定しているために、できる限り自然界に負荷をかけないようにすればいいというのが、生態系に関する大方の意見であるようにとらえております。しかし、どうも最近のこのカワウの問題、そしてまた、先日は林田委員が示したように、シカの増殖の問題など、どうも今までの学説というか、意見というようなものではないように思えております。
また、生態学においても、最近の通説では、自然環境を持続可能なものとしていくためには、生態系の保全を積極的に進めることが重要であると考えているようであります。つまり、動物の生態もまた、自然環境と人間生活の関係の中でしっかりととらえ、考えていくことが重要であり、今、動物と人間の共存できる仕組みをしっかりとつくり上げていくことが求められているのではないかと私は思います。
過日、先ほど申し上げましたように、林田委員の産業労働局に対する質疑の中で、多摩地域におけるシカの被害が、農林業のみならず、地域の自然環境にも深刻な影を落としていることを知り、本年九月にシカ保護管理計画が都で初めて策定されたと聞いております。人間にとってはもちろん、シカにとっても生存しやすい個体数になるように、シカの生態状況を的確に管理していく計画であると理解をいたしました。産業労働局、水道局を初め多くの関連部局がかかわった計画を、この環境局が中心になって取りまとめていったと聞いております。
いずれにしても、シカやカワウは人とのかかわりの中でふえてきたもので、それぞれが生態系にも被害を与えていることだと私は思います。最近、サソリやニシキヘビが身近なところで発見されるというテレビや新聞報道をよく目にいたします。外国からペットとして日本に入ってきたものが、国内で自然繁殖をしているということも耳にしております。
昨年、そうした外来生物による生態系に係る被害を防止するために、この外来生物法が策定されたことでございますが、このようなことを踏まえて何点か質問させていただきます。
先ほどの答弁の中で、アライグマやカミツキガメ、オオクチバスなど、都内で確認されている外来生物が十三種であるという答弁をいただきました。外来生物のうち、この駆除の対象になっているものが都内にも生息しているということととらえてよろしいのだろうと思います。一部では被害も出ていることでありますが、この防除対象種の防除に関して、都としてはどのような役割を果たしていくのか、お伺いいたします。
○福島自然環境部長 この法律では、特定外来生物の防除の主体は国でございまして、地方公共団体は、国の確認を得れば防除を行うことができるとされております。しかしながら、防除に関しましては、都道府県の役割について明記されてございません。
都は、都民の身体や生命を守るための緊急対策を実施してございますが、アライグマにつきましては、国が防除のモデル事業を実施する予定でございます。東京都はこれに協力するとともに、これまでどおり有害鳥獣として捕獲してまいります。
今後、都は国に対しまして、防除の推進と役割の明確化を求めていきます。
○大沢委員 さまざまな手だてを行って、外来種の防除や、そしてまたこの拡散を防いでいくということであろうと思います。
外来生物法実施の現状については、今ご説明をいただきました。この法律の施行は、生態系への危害、そしてまた農林水産業被害など、人間への被害などへの防止を通して、自然環境を持続可能なものとしていくものであると考えます。この法律の施行理由、環境局のご説明は、まさに生態系を保全、維持するためには、人が知恵や工夫を加えていくことが大きく必要だということにほかなりません。
今回の防除対象種に指定されなかったものや、そしてまた、国内の移動によって、本来の生育場所でないものが都内に生育し、都内の生態系に被害を及ぼしているものもあると聞いております。
そこで、都内にはどのような外来種が認定されているのか、お伺いいたします。
○福島自然環境部長 今回指定された特定外来生物以外で、生態系に被害を及ぼしている外来種として都内に生息しているものとしては、在来のカメを駆除しているミシシッピーアカミミガメ、これは屋台なんかで売られておりますいわゆるミドリガメでございますが、そういったものがございます。また、小笠原では、野生化したヤギや、沖縄から導入されました樹木でございますアカギなどによる固有種の駆逐が問題となってございます。
○大沢委員 ただいま、小笠原のヤギや、そしてまたアカギについてご答弁がありました。東京都では、小笠原諸島の固有種を保護し、世界自然遺産の登録を目指していると聞いております。ついては、固有の生物が多く生息している小笠原諸島では、外来種による固有生物への影響が懸念をされているとも聞いております。
そこでお伺いいたしますが、小笠原での外来種対策としてどのようなことが行われているのか、お伺いいたします。
○福島自然環境部長 小笠原諸島のように、これまで一度も大陸と陸続きになったことのない海洋島は、外来種の侵入による影響を受けやすく、在来の自然にとって大きなダメージになることがあります。
特に野生化したヤギについては、植物の生育に壊滅的な被害を与えており、緊急かつ優先的に対応すべき種であることから、都が平成九年度から積極的に排除を行っております。
また、繁殖力が強く、固有種を圧迫しているアカギの駆除に向けて、国は試験的な取り組みを開始しております。
また、外来種の新たな拡散を防ぐため、島に立ち入る際のルールづくりにも取り組んでいるところでございます。
○大沢委員 ただいまのご答弁の中で、島に立ち入る際のルールづくりに取り組んでいるというご答弁がありました。まさしく外来種というものは、人間の手やさまざまなところで持ち込まれるのがふえて、さまざまな固有の生態系に大きな影響を及ぼしていると思いますので、しっかりとしたルールづくりを行っていただいて、小笠原などを訪れていただく方がしっかりとしたルールの中で自然環境を保護していただきたい、そのように思います。
そしてまた、生態系を保全する上で、外来種対策の重要性はいうまでもございませんが、一方で固有の生物を保護することも、世界自然遺産登録を目指す上で私は大変重要であると思います。
そこで、小笠原固有の生物を保護するためにどのような取り組みが行われているのか、お示しいただきたいと思います。
○福島自然環境部長 世界で小笠原諸島でしか見ることのできない貴重な生物を保護し、次世代に伝えていくため、ムニンノボタンなど希少な固有植物について、国、大学と連携し、植物園でふやした固有種を現地に移植する保護増殖事業を行っております。また、アカガシラカラスバトの増殖事業を上野動物園で行っております。
○大沢委員 一方では駆除をし、一方では増殖をさせているという、大変なご苦労がおありかと思います。
今ご答弁いただいた外来種対策、固有種対策は、東京の生態系を保全する上で不可欠な取り組みであろうと思っております。特に小笠原については、そのことが世界自然遺産の登録に直結するものであれば、より一層のこの取り組みを私は期待するものでございます。
そこで最後にご質問いたしますが、東京港竹芝桟橋から南に千キロ、海洋島であり、世界にここしかないさまざまな固有種を持つ小笠原諸島の世界遺産登録に向けたこれまでの取り組みと、そしてまた今後の都の予定をお示しいただきたい、そのように思います。
○福島自然環境部長 小笠原諸島は、平成十五年、国が設置しました検討会において、世界自然遺産の候補地として選定されております。
都では、小笠原諸島の世界自然遺産登録を推進するために、平成十五年に、庁内八局と小笠原村をメンバーとする会議を設置し、さまざまな課題への取り組み方法を検討しております。また、住民説明会も開催いたしまして、地元の合意形成に努めてきたところでございます。
今後、世界自然遺産登録に必要な基礎データを収集いたしまして、国に早期登録を働きかけてまいります。
○大沢委員 今までのお話を伺っていると、環境局はさまざまなご苦労をされていることがよくわかりました。しかし、率直に申し上げて、この外来種の問題など、国の動向を待つことが多いように思われ、少しばかり物足りないことも感じるものでございますし、そのような感想を持っているのは私だけではない、このように思うのが正直な思いでございます。
カワウは、最初に申し上げたとおり、一日に百キロも飛べるため、私どもの東京から、カワウが千葉や埼玉、茨城、栃木などで多くの被害を与えているのではないかと危惧するところであります。
また、境界のない山の中においては、幾ら東京が努力しても、たくさんのシカが埼玉や山梨から移動してくることも多いのではないかと思います。そういう意味で、他県としっかりと連携を深めていくことが極めて重要だと私は思いますし、あわせて国の動向や、そしてまた国への働きかけは不可欠であると考えますし、理解もするところであります。だからこそ東京都がしっかりと国を引っ張って、そしてまた生態系の危機の重大性を都民、国民に大きく認識していただくためにも、東京都の努力は必要不可欠なものであり、重要であると思います。
自然環境行政は、広域に広がり、あらゆる分野が複雑に絡み合う生態系というものを対象にする、とても難しい行政であると思います。都庁内の各部局を取りまとめる環境局の知恵と工夫と努力が、より一層求められるのではないかと私は思っているところでございます。自然環境行政においても、今後とも環境局が、他の部局との連携の中心となって頑張ってもらいたい。そしてまた、東京都の力を一つにして国へ働きかけることとともに、都民にも一層しっかりとした広報や提案をしていただき、ぜひとも東京の自然環境の保全に一層尽力されることを期待いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございます。
○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
以上をもちまして、第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後二時五十三分散会
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