各会計決算特別委員会速記録第一分科会第五号

平成十七年十月二十四日(月曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十名
委員長服部ゆくお君
副委員長長橋 桂一君
副委員長大津 浩子君
伊藤 興一君
原田  大君
高木 けい君
崎山 知尚君
近藤やよい君
いのつめまさみ君
松村 友昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
議会局局長西野 和雄君
管理部長谷村  隆君
議事部長松原 恒美君
調査部長民谷 嘉輝君
監査事務局局長高橋 道晴君
参事皆川 重次君
財務局局長谷川 健次君
経理部長臼井  勇君
契約調整担当部長山本 憲一君
主計部長安藤 立美君
財産運用部長泉本 和秀君
調整担当部長塚本 直之君
特命担当部長三津山喜久雄君
建築保全部長南部 敏一君
参事吉田 長生君
参事松村  進君

本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
議会局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
監査事務局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
財務局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都用地会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都公債費会計決算(質疑)

○服部委員長 ただいまから平成十六年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、議会局、監査事務局及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 なければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたします。
 以上で議会局関係を終わります。

○服部委員長 これより監査事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 なければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。

○服部委員長 これより財務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成十六年度東京都用地会計決算及び平成十六年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
 本件は、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○臼井経理部長 それでは、私の方から、先日の委員会におきまして要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元配布の平成十六年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんください。
 最初に表紙をおめくりください。今回要求いただきました資料は、目次に記載してありますとおり、五件でございます。
 一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号、中小企業受注実績(十年間)でございます。これは、工事関係と物品関係の中小企業受注実績の過去十年間分の件数と金額を集計したものでございます。
 次に、二ページをお開きください。要求資料第2号、平成十六年度中小企業受注実績(局別)でございます。表にございますように、工事関係と物品関係の受注実績につきまして、それぞれ各局別に件数と金額をお示ししたものでございます。
 次に、三ページをお開き願います。要求資料第3号、一般会計歳出の当初予算額と補正予算額の推移でございます。平成七年度から十六年度までの一般会計の当初予算額及び補正予算額と、十七年度の当初予算額をお示ししたものでございます。
 次に、四ページをお開き願います。要求資料第4号、一般会計と普通会計の繰越額の推移でございます。平成七年度から十六年度までの一般会計及び普通会計の繰越額について、実質収支額とあわせてお示しをしたものでございます。
 最後になりますが、五ページをお開き願います。要求資料第5号、都債償還額及び減債基金残高の推移(一般会計)でございます。平成七年度から十六年度までは決算ベース、十七年度は予算ベースとなっております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○服部委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○崎山委員 都議会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、都有財産の有効活用と未利用地の売却についてお伺いいたしたいと思います。
 平成十五年の十一月に、第二次財産利活用計画が策定、そして発表されました。これについては、本分科会で委員でもあります近藤委員から、これに関連して昨年、本会議でも質問がありました。
 平成十六年度予算の審議等における懸案事項の措置状況にもこの課題が掲載をされておりますし、昨年九月設置した全庁的な都有財産利活用推進会議において、各局所有の財産全般について詳細な洗い出しをこれから行って、十八年度稼働に向けて電子財産情報データベースシステム開発にも取り組んでいるということで、ご答弁も去年ありました。
 ここで、まず最初に、第二次財産利活用計画の基本的な考え方についてお伺いいたしたいと思います。

○泉本財産運用部長 第二次利活用総合計画は、都有財産の利活用について、施設の複数局での共同利用など、局の壁を越えた資産の有効活用の推進や、都有地を活用したまちづくりの推進を図る先行まちづくりプロジェクトなど、先進的な施策展開のための資産の有効活用などを基軸にしてございます。
 また、所管の局で行政財産として資産を引き続き利用していく場合も、都政全体の変化や事業の趨勢などを踏まえて有効活用の拡大を図っていくこととしております。そして、活用の余地のない資産については積極的に売却などを進めていく、このような基本的な考え方に立ってございます。

○崎山委員 この第二次利活用計画ですね、平成十二年度から二次になって、売却だけではなくて、貸すということも含めて、いろいろ新たな視点で新たな計画がこれから詰められていくのかなというふうに思っております。
 それで、次にお伺いしたいのは、十二年十一月に始まったこの計画なんですけれども、十四年までの三年間で、当初、目標一千億円であったわけですね、売却額が。それが四百億円も上回る一千四百億円の売却額となっております。そこで、当初の目標額を大幅に上回ったことの分析についてお伺いしたいと思います。そして、一件当たりの落札額が当初の目標よりも高かったのかどうなのか、それからまた、成約件数が多かったということなのか、お伺いをしたいと思います。
 そしてもう一つは、この第二次利活用計画にもあらわれておるように、成約率が年々減少していっていますけれども、現時点での成果と達成状況をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○泉本財産運用部長 平成十二年度から十四年度の売却目標でございました一千億を大幅に上回る一千四百億円以上の実績を上げましたのは、利用する見込みのない財産について積極的に売却を進めたことに加えまして、特に十三年度に都立大学深沢校舎跡地あるいは旧公害研究所跡地などの大型物件の売却があった、これが大きな要因となってございます。
 第二次都有財産利活用総合計画の主な成果でございますけれども、一般会計分売却について、平成十五年度は百五十億、平成十六年度は約百六十七億となってございます。
 また、局の壁を越えた転活用の成果といたしましては、組織再編に伴う総合庁舎や合同庁舎の利活用、職員住宅について、そのあり方の検討を踏まえた利活用、また多摩の保健所の移転、売却などがございます。

○崎山委員 東京都の財政が厳しいということもありますし、もう一つはやはり、遊休地として遊んでいる土地ですから、ぜひ大いに利活用を進めていただきたいと思います。
 それで、三点目にお伺いしたいのは、いわゆる遊休地があります。これを財務局が普通財産化をして、多分売却するなり定期借地権で土地を貸すなりとかいう形で、今いろいろ活用が行われていると思いますけれども、その流れ、利活用のフローについて具体的にちょっと教えてもらいたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○泉本財産運用部長 普通財産の売却のフロー、手続でございますけれども、行政財産として不用になった財産は、まず各局に他の目的で活用していくかどうか照会を行います。その上で、各局から取得意向がなければ、地元の区市町村への取得照会という手続を経まして、地元区市町村において行政上、活用余地、取得意向がない場合には、売却等の処分を行うこととしてございます。

○崎山委員 私も先日、この質問をするために、資料をちょっと用意していただきました。特に売却は、売ればもう他人の、民間の土地になってしまいますけれども、いわゆる定期借地権をこれからもっとうまく活用をしていただきたいと思います。
 というのは、例えば特別養護老人ホームだとかグループホーム、割とグループホームは用地が小さくてもできるわけですから、グループホームについて積極的に--成果として、結果として今七件、定期借地権としてグループホームができているわけですけれども、やはり各地域の中で高齢者の介護の需要が高いわけですから、グループホームに対しても、これからもっと積極的に定期借地権等を利用してやっていただきたいというふうに思います。
 最後に、この質問が私の本当に一番の目的なんですけれども、地元の荒川の旭電化跡地のことについてちょっと確認をさせていただきたいというふうに思います。
 旭電化跡地なんですけれども、旭電化の尾久工場の跡地を東京都が取得をして、広い敷地ですから、昭和五十八年に総合計画をまとめました。これは今設置をされております、当時は医療技術短大、尾久の原公園、そして浄化センターということで、最後に残っているのが教育・文化施設用地、約二ヘクタールあります。ここをどうするのかということで、東京都と荒川区で、教育・文化施設を整備していこうということでいわゆる都区合意がなされたわけですね。
 その後、私もかかわりましたけれども、ぜひ教育・文化施設として位置づけて、都民音楽プラザをということで、私も誘致活動に一生懸命頑張ったんですけれども、東京都も財政難で、十四でしたか、大型箱物施設はすべて計画見送りという形で、ないそでは振れないわけですから、これもしようがないと思います。
 それで、その中で、今もグラウンドとして利用させていただいています。土曜日、日曜日は、子どもたちのサッカーであったり、荒川区の区民祭りに使ったり、先日は総合防災訓練に利用させていただいたりという形で使われておりますけれども、ちまたいわれているのは、役所、区の職員からも、あの土地を東京都は売却、もしくは民間に貸し付ける意向があるというような話も出ているわけです。
 何にするかは決まっておりませんけれども、やはり都区合意の中で教育・文化施設用地としてせっかく取得したわけですから、しかも、なおかつ今、暫定利用ではありますけれども、区民の利用に供されているわけですから、民間に貸し付けるとか売却をしないということを、きょうここでぜひ確認をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○泉本財産運用部長 旭電化の跡地利用につきましては、都庁内で都市整備局が中心となって活用のあり方の検討を続けておりまして、その結果はまだ出ていないと聞いてございます。今後も引き続き活用計画についての検討がなされるものと考えてございます。
 跡地につきましては、今、お話にもございましたように、現在、サッカーグラウンドや、あるいは区民祭りの会場として利用されておりますが、区への暫定活用については今後とも地元荒川区と調整してまいりたい、このように考えております。
 また、現時点におきましては、財務局で売却あるいは転用することは考えてございません。

○長橋委員 それでは、私の方からも、何点か質問をさせていただきます。
 十六年度の決算、その状況または第二次財政再建推進プランの達成状況など、都の財政運営についてお伺いをいたします。
 石原知事は、平成十一年スタートして、早速十二年度から第一次財政再建推進プランをスタートさせました。瀕死の状態であった都の財政再建にいち早く取り組んできたわけでございます。
 その結果、十五年度決算におきましては、実質収支において八百八十一億という巨額の赤字が四百四十九億円と半減をいたしました。また、経常収支比率も、一〇四・一から九七・九ポイントへ改善が見られたということでございます。
 しかしながら、六年連続の赤字であり、一兆円を超す隠れ借金を抱え、依然として厳しい財政状況には変わりはない、何とか沈没寸前の東京丸が航海ができるようになったという状況であります。一歩財政運営を誤れば、荒波にのみ込まれて再び最悪の状態にもなりかねない、こういう状況には変わりはなかったわけであります。
 そこで、平成十六年度から、この第二次財政再建推進プラン、これを策定して、スタートいたしました。
 十六年度予算につきましては、我が党もその中でさまざまな提案、議論をしてまいりました。非常に厳しい十六年度予算におきましても、すぐなさなければならない喫緊の課題、特に東京再生のために、治安の回復または中小企業支援、福祉・医療の充実、都市再生、環境対策、さまざまな喫緊の課題に取り組んできたわけであります。我が党も一貫して主張してきた通勤手当の見直し、これも内部努力の結果行われましたし、また、そういう中で、都としても内部努力、職員定数の削減などに取り組んできて、都債の抑制、財源対策の圧縮、こういったことが起きながら十六年度予算が執行されました。我が党としても高く評価をしながら執行されたわけであります。
 そこで、十六年度決算の評価について、まずお伺いをいたします。

○安藤主計部長 十六年度決算についてでございますけれども、まず、数値を用いて幾つか申し上げれば、実質収支の赤字額は、前年度の四百四十九億円から二百七十六億円へと大幅に縮小いたしました。また、財政の弾力性を示します経常収支比率も、九七・九%から九二・六%に改善をいたしました。
 この要因といたしましては、一つには、景気回復に伴う都税収入の増加が挙げられますが、同時に、事務事業の実施に当たりましても、内部努力の徹底でありますとか、事業執行方法の工夫、また地道な歳入確保に努めるなど、より効率的、効果的な予算執行に取り組んだ結果であると考えております。
 このように、前年度と比べれば改善が見られますが、しかし、それでもなお実質収支は七年連続の赤字でございますし、経常収支比率も依然として高い水準にあるなど、都財政は財政再建の手を緩めることはできない状況にあるというふうに認識をしております。

○長橋委員 第一次財政再建推進プラン、引き続き第二次がスタートして、実質収支の赤字も半分へと縮小し、特に経常収支比率は九七・九から九二・六へと前進をしたということでありますけれども、ただ、七年連続の赤字、また経常収支比率も、九二・六ということですが、これはもう依然として高い水準にあるわけで、決して楽観は許されない、これは同じ認識でございます。
 そこで、第二次財政再建推進プラン、この中に、一次と違って第二次再建推進プランは、財源不足の解消という量的改善とともに財政の弾力性を回復させる質的な改善に取り組んでいく、不可欠であるということで、質と量の両面で財政構造を改革し、持続可能な都財政を構築することを目指してこの第二次再建プランを策定した、こういうことでございます。
 また、基本的な視点、私はこれが大事だと思うんですが、基本的な視点が三つありますと。最小のコストで最大のサービスを目指す、二番目に、時代変化に即応して都の施策の範囲及び水準を見直す、そして国の仕組みを変えていく。まさに東京都から改革をしていく、こういう思いでこの第二次再建プランがつくられたんだと思います。
 そこで、この第二次財政再建推進プラン、この達成状況、そして今後の課題についてお伺いをいたします。

○安藤主計部長 第二次財政再建推進プランの達成状況でございますけれども、このプランでは、具体的な目標といたしまして、ただいま先生ご指摘のように、十八年度までに、一つは巨額の財源不足を解消すること、二つ目が経常収支比率を九〇%以下の水準に引き下げることの二点を掲げてございます。
 一つ目の財源不足の解消につきましては、十七年度予算におきまして財源不足を解消し、石原都政のもとでは初めてでございますが、臨時的な財源対策を行うことなく予算編成することができたところでございます。
 もう一つの目標であります経常収支比率につきましては、先ほど申し上げましたが、十六年度決算までに九二・六%と改善いたしましたが、目標の九〇%には届いていないところでございます。
 また、二次プランでは、財源確保の目標としまして三千七百億円を掲げておりますが、そのうち、内部努力、施策の見直し、歳入確保による財源確保額は、プランの三カ年で見込んでおります二千六百億円のうち、十七年度予算までに千九百三十五億円を確保しまして、既に七四・四%を達成しているところでございます。
 しかしながら、国からの税源移譲分などとして見込んでおりました千百億円に関しましては、ご存じのとおり三位一体改革が現在進行中のこともありまして、残念ながら現時点では進捗をしていない状況でございます。
 次いで、これからの課題についてでございますが、都の目指します財政再建の目的は、収支を均衡させ、目の前にある赤字をなるべく早く解消し、さらにその先の新たな課題に対しても柔軟に対応することができる弾力的な財政体質を確立する財政構造改革の取り組みを強力に推進していく必要があると考えております。
 そのため、当面の具体的な課題といたしましては、一つは七年連続となった実質収支の赤字の解消、二つといたしまして、二次プランの目標の九〇%に達しておりません経常収支比率の改善、そして、依然として九千億円という巨額に上ります隠れ借金の縮減などが挙げられるところでございます。

○長橋委員 プランの進捗状況、第二次財政再建推進プランの初年度は、順調に進捗はしているということでございますが、今、最後にご答弁がありました隠れ借金、これが依然として高い水準にあるということでございます。
 この「都財政が直面する課題」、これを見ましても、隠れ借金の内訳というのがここに書いてございます。合計で九千億、そのうち、減債基金の積立不足、これが五千百九十九億円、また、他会計からの借入金が一千六百億円もあるということで、まさにこの隠れ借金、財源不足を補うために行ってきたものでございます。
 しかしながら、これも将来的には一般会計で負担せざるを得ないわけでございます。都財政の不安定要素の大きな要因であるわけでございます。ぜひこの隠れ借金を解消していく、すぐにはなくならないわけでございますが、なるべく早く圧縮をしていく、こういうことが必要であります。隠れ借金は、一兆一千億から九千億まで圧縮してきたわけですが、今後の圧縮に向けた取り組み、また、どう圧縮してきたのか、推移についてもお伺いをいたします。

○安藤主計部長 ご指摘のように、現時点で隠れ借金が約九千億ございますが、今後新たな隠れ借金を生じさせることのないように安定した財政運営を行っていくためには、これまでに引き続きまして、事業の見直しを一層徹底して財政構造改革を進めることが不可欠であるというふうに考えてございます。
 二次プランでは、先ほど先生の方からもご紹介いただきましたが、三つの視点を掲げたところでございまして、こうした視点から、各局各部署が、より現場に近い立場から、絶えず問題意識を持ちまして、既存の事業の見直しに自発的、主体的に取り組むことが必要であると考えておりまして、各局と連携し、財務局も各局の取り組みを強力に後押しをして財政構造の改革を進めていきたいというふうに考えてございます。

○長橋委員 隠れ借金がふえることはしないでどう圧縮していくか、これは大きな課題でありますが、我が党は、さきの第三回定例会で、さまざまな行政改革、財政改革を進めていくに当たって、一つの提案をさせていただきました。
 それは、事業の仕分け作戦、これをやるべきである。行政のすべての事業について、そのサービスが本当に必要なのかどうか、また、行政がやるのと民間がやるのではどっちが効率的か、または都と区市町村とのどちらがその事業については所管すべきなのか、また、各局の事業の振り分けについても不合理はないだろうか、そういったことで事業を見直し、または絞り込みをすべきである、こういうことを提案いたしました。答弁も、全庁一丸となって事業の見直しを徹底していく、こういう力強い答弁があったわけでございます。
 そこで、次に、やはりさまざまな喫緊の政策課題がある中で大事なのは、財政の弾力性の回復であります。「都財政が直面する課題」、この初めにも、財政の弾力性について書かれております。都が進める財政再建の最終的な目的は単なる収支均衡ではない、中期的に見て都税収入の大幅な増加は見込めない厳しい状況にあっても、その時々の都民ニーズに的確にこたえる強固で弾力的な財政体質をつくり上げることが真の目的である、これはもう当然、当然といいますか、そういうことでございます。そういう中で、やはり山積する課題についてスピードを持って取り組んでいく、硬直した財政を弾力性のある財政にしていかなければなりません。
 そこで、今度は、今答弁がありました経常収支比率の九〇%目標、これに対する取り組み、そしてまた、九〇%でいいということはないと思います。将来の目標、方向性についてお伺いをいたします。

○安藤主計部長 お尋ねの経常収支比率は、人件費、公債費など、容易に縮減することが困難な経常的経費に、地方税を中心といたします経常的な一般財源がどの程度充当されているかをはかることによって、ご指摘のように財政構造の弾力性を測定する指標でございます。
 この比率を改善するためには、一般財源を充当する経常的経費の削減、あるいは地方税などの経常的な一般財源の確保、これらが必要でございまして、極めて地道な努力が求められておるところでございますが、例えば十七年度は職員定数を二千二百二十三名削減し、人件費の圧縮に努めているなど、経費面での工夫を重ねているところでございます。
 なお、望ましい経常収支比率ということでございますが、都市部におきますその率は、経験則的には約八〇%程度が望ましい水準とされていますけれども、いずれにいたしましても、引き続き経常的経費の圧縮と歳入の確保に努めまして、ご指摘いただきましたように、早急に経常収支比率の改善に努めていきたいというふうに考えてございます。

○長橋委員 八〇%、これも東京都の目標ではないですが、望ましい、理想の中にあって、それは少ない方がいいわけでございます。ぜひ我が党も、全力でこの財政の弾力化、これについては努力をしてまいりたいと思っておりますが、同じくこの直面する課題の中に、その項目が出ております。
 都財政が直面する課題、幾つか出ているわけですが、都税収入の不安定性がまだある。二番目に、社会保障関係費の都負担の増加、まさに少子高齢社会の進展に伴って対象者が増加して、なおかつ三位一体改革による今後の制度変更の内容次第ではさらに増加するんではないか、こういったことが課題で掲げられております。
 また、今後の取り組みの中にも、引き続き財源不足を解消していくとともに、この中に、長期的な課題というのがございます。長期的な課題の中に、本格的な少子高齢社会を迎えるに当たって、少子高齢社会の本格化による社会構造の大きな変化を踏まえて、長期的な視点から財政のあり方を検討していかなければいけない。長期的な視点の中にこの少子高齢化問題を取り上げている、こういうふうにも見られるわけでございます。
 我が党は一貫して主張してまいりました。高齢者の増加、これはもう明らかでありますし、それに伴って社会保障費が増加をする、これは避けられない面があるわけでありますが、一方で最も少子化が進んでいるのが東京でございます。東京において安心して産み育てられる、そういう社会の構築が重要でございます。
 ここの資料にも、その一つの指標として、生産年齢人口が将来急激に減少していく。生産年齢人口が減少していくということは、少子化によって減っていく、こういうことであるわけであります。これはもう、ひいては東京の活力を失う、または世界の中において首都東京の国際競争力が失われていく、こういうことであるならば、少子高齢社会において、特に少子化対策、これが最重要課題の一つである、こういうふうに認識をするわけであります。
 我が党も、乳幼児医療費の問題、児童手当等、さまざまな提案をしてまいりました。そういう中で、なかなか少子化対策、これは広い意味でさまざまな施策があるわけでありますが、一つの指標としてお伺いをいたしますが、現状どうなっているか。普通会計における福祉費の中で、老人福祉費と児童福祉費、この額の割合、推移がどうなっているのか、お伺いをいたします。

○安藤主計部長 老人福祉費の十六年度の決算で申し上げますと、老人福祉費は二千百九十七億円、児童福祉費は千四百一億円となってございます。

○長橋委員 今、推移ということでありますので、じゃ、前年度十五年度はどのような額であったのか、お答え願います。

○安藤主計部長 失礼いたしました。老人福祉費は、十五年度は二千百六十億円でございます。児童福祉費は、十五年度千四百五十億円でございます。

○長橋委員 今、十五年、十六年、老人福祉費、児童福祉費がどれぐらいの額だったかお伺いをしたわけでありますが、聞いてもおわかりのとおり、老人福祉費と児童福祉費、老人福祉費に対して児童福祉費は約六割ぐらいにすぎないわけでございます。
 決して老人福祉費を削れというわけではございません。しかしながら、十五年、十六年見ましても、老人福祉費は若干ふえている、児童福祉費は、今お伺いしても減っている、こういうことにあって、繰り返しますが、長期的な視点ではなくて、まさに少子化対策、これは都政の喫緊の課題であり、今すぐ取り組まなければいけない課題であろうかと思います。
 全庁を財務の立場で所管する財務局、財務局がいいといえばこの政策が進むというところがあるわけでございます。ぜひこの少子社会に向けて、またそれが持続可能な社会を構築する上において大事な視点であろうかと思います。決算委員会ですからこれ以上聞きませんが、ぜひ局長の少子化対策を含めた今後の財政運営の決意を聞いて、質問を終わりたいと思います。

○谷川財務局長 副委員長がいろいろご指摘のとおりだと思っておりますし、また、我が国は、いわゆる右肩上がりの発展が終わりまして、総人口が減少している中、高齢者がさらに増加する。これは私自身、このような大きな時代の変換点に都政が立っていると認識しております。
 こういう観点を財政的に見れば、当然ご指摘ございましたように、社会保障費を初めとする財政需要の増加が見込まれている、また、その財源を負担する世代が減少するという二重に厳しい時代が到来することになると考えてございます。
 このような認識のもとで、少子高齢社会においても、子育て支援を初め、高齢者対策など、さまざまな施策を展開し得る安定した財政運営を行う、そのことを踏まえて、都財政そのものの構造改革が不可欠だ、このように思っております。
 都では、十八年度から公会計制度改革がスタートいたしますが、こうした新たなツールも活用しながら、職員一人一人の意識改革を行い、行政の組織体質を大胆に変革いたしまして、強固で弾力的な財政体質をつくり上げ、都政を活力あるものにしていきたい、このように思っております。

○長橋委員 今、局長から力強いご答弁をいただきました。我々議会もそうでありますが、やはり財務当局は、東京都の十年後、二十年後、これをどうあるべき姿に、また東京のあるべき姿を見据えていかなければならないと思うわけでございます。
 これからも十分議論を踏まえて、また、そういう中で積極的に改革していく、特に財政構造改革、これを進めていかなければならない。我が党も一緒に議論をして、ともに進んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上でございます。

○松村委員 まず初めに、中小企業向け官公需の発注について伺います。
 資料を出していただきましたが、二〇〇四年度、平成十六年度の中小企業の契約実績は前年度と比べてどうなっているんでしょうか、まず伺います。

○山本契約調整担当部長 平成十六年度における中小企業の工事契約件数は二万二千八百九十三件で、全工事契約の八六・三%を占めております。また、契約金額は二千七百八十五億七千万円で、同じく五一%を占めております。前年度と比べますと、中小企業の受注は、件数、金額とも、率については前年度を少し上回っております。しかし、契約金額自体につきましては、前年度より減少しております。

○松村委員 今、中小企業向け発注全体についていったんですけれども、物品もあわせてありますので--いいです、表を見ればわかりますので。
 それで、この十六年度、二〇〇四年度の都全体の契約実績は、中小企業向け発注率が件数では前年度に比べて増になっていますけれども、金額全体では前年度比一・七五%減の五四・六%と、中小企業向け発注が後退しています。
 そこで、官公需と比較--組合協会や中小建設業制度改善協議会などから、私どもの方の会派にも強い要望をいただいております。そこでは、やはり金額で契約比率六〇%以上にしてほしいという強い要望が出されていますけれども、前年度に比べて後退した要因と、そういう要望にこたえて契約実績を上げるための取り組みについて伺いたいと思います。

○山本契約調整担当部長 中小企業の契約金額が前年度に比べて下がっている大きな要因といたしましては、長引く不況の中、都の発注額全体が年々減少していることが挙げられます。また、工事の内容、規模による影響もあると考えております。
 これまでの中小企業に向けた方策でございますけれども、東京都は、公共事業における中小企業の受注機会を確保するため、いわゆる官公需法に基づきまして、工事等が適切に施行できる範囲で可能な限りの分離分割発注の推進に努めてまいりました。また、一定規模以上の工事につきましては、大企業と中小企業との共同企業体方式を採用しております。さらに、中小企業から構成される事業協同組合等の活用などにも積極的に取り組んできております。

○松村委員 確かに契約金額が年々減少はしていますけれども、パイが少なくなったからしようがないというようなことにはいかないというふうに思うんです。
 というのは、石原都政になって生活密着型公共事業が少なくなったことなどにもやっぱりその要因はあるというふうに思うんです。局別の実績を資料に出していただきましたけれども、この資料を見ても、福祉保健局とか、それからまた教育庁、下の方にありますね。こういう分野においては、中小企業への発注率が金額でいえば九七%近くになっていることからも、やはり今、都民が本当に切実に求めているそういう学校分野とか、または福祉保健局、特養老人ホームなどは待機者がふえている、そういうところへの公共事業がふえれば、都民施策にとっても一番重要な課題でありますし、そういうことがふえれば中小企業の発注もこれに伴ってふえるということにもやはりつながる問題だというふうに思います。
 それから、最大の問題といいますか、やはり分離分割発注だというふうに思うんです。今も官公需法に基づいて努力されているというふうに思いますけれども、平成十二年度でしたか、効率的な工事契約ということで、そういう通知もあわせて出された中で、きょうは時間がそれほどとれませんのでまた改めて行いたいと思いますけれども、私、分離分割発注はやはりこの間後退しているんじゃないかと。今後、ぜひ、できたら、財務局の受けているこういう中身、これ、財務局一括として局が出されておりますけれども、そういう分野の中でも分離分割発注がこの間どうなっているのかということを、もっと皆さん方の立場からも分析して、可能な限りというか、それにやはり努めていくべきだというふうに思います。
 そういう点では、私は、一つには、各局などを分析し、そういう数値目標を--六〇%というか、非常に低いところもあるわけであります。確かに大きなゼネコンしかやれないものもあるといっても、そこでも適切なジョイントを組むとか、さまざまなきめの細かな対策というのはいろいろとれると思うんですけれども、やはりそういう点では、ぜひ数値目標を設定して中小企業受注機会を確保していただきたいというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○山本契約調整担当部長 先ほどお答えいたしました工事の件数と金額の率は東京都全体でございまして、公営企業を除きますと、十六年度の工事契約件数は一万六千六百六十三件で、全工事件数の約九〇%、契約金額では千七百六十四億八千百万円で、同じく六三・九%となっております。
 東京都は、中小企業の受注機会を確保するため、さまざまな取り組みを行っておりますけれども、契約の内容等によっては、中小企業に受注させることのできないものもございます。したがって、数値目標の設定については難しいと考えますが、今後とも、いわゆる官公需法に基づきまして、中小企業の受注機会の確保に向け、鋭意取り組んでまいります。

○松村委員 国の閣議決定を受けて、今おっしゃいました官公需法に基づいて、財務局長、それから産業労働局長、連名で毎年、官公需についての中小企業者受注機会の確保についてという通知を出しておりますよね。しかし、この十年間の流れを見ても、ほぼ横ばいといいますか、ほとんど、例えば金額にしても、件数についてはふえているといっても、やはり伸びてないんですね。毎年毎年通知を出すだけじゃなくて、よくその中身を分析して、財務局としてもこういう通知を出している以上、どういう効果を上げるかということの検証が私は必要だと思いますし、また、今答弁の中でおっしゃいました公営企業局がやっぱり低いわけですよね。そこにおいても本当にどうなのかというところの分析をもっとしていただきたいというふうに思います。
 そこで、この点では最後に、ちょっと契約ということから離れるといいますか、私は、こういう業界、中小企業の置かれている今日の苦境の実態から、現場からもいろいろな提案がされております。例えば、この間、都営住宅の新規建設がゼロになったということも、非常に都内中小業者の受注が低くなっている原因だということの一端を挙げております。またそういう分野を再開する。
 それから、個人住宅の耐震補強工事、これも近々の、今、本当に大きな直下型や大規模地震に備えてまず何が必要かといったら、これはもう専門家というか関係者が一致して指摘しておりますし、また、国もいろいろな検討が始まっております個人住宅に対する耐震補強工事です。いろいろな危険なところについては、何か簡易な、簡便なそういう耐震補強ができないか、東京都もいろいろ情報提供していきたいというようなことは本会議でも答弁がありますけれども、やはり思い切ってこの分野に私は予算を計画的に、短期間でも投入して、本当にそういう崩れる、壊れる--これはただ住まわれている個人だけじゃなくて、それによって火災が広がらないとか、大きな、都民にとってもそういう効果があるということから考えれば、そういう対策をとる、そのことによって、都内中小企業の分野の仕事もこれに伴ってふえますし、雇用もふえるとか、本当に一石二鳥、三鳥もの都政にとっての都民の期待、これにこたえることができるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。ご答弁をいただきたいと思います。

○安藤主計部長 都営住宅の新規投資の戸数でありますとか、個人住宅の耐震補強工事に対する助成等についてでございますが、直接私どもが所管するところではございませんけれども、各局において適切に判断し、必要な投資規模でありますとか新たな対応等を検討しているかと思いますが、耐震補強工事につきましては、さきの第三回定例会で、新たな工法の提案など募集ということでお答えをし、承知しているところでは、都市整備局において現在募集に入ったということでございますし、こういうものを踏まえながら適切な対応がなされていくというふうに考えてございます。

○松村委員 この点については、先ほどの質問にもありましたけれども、やっぱり財務当局が、これだけの財源が確保できる、思い切ってやったらどうかというような、みずからイニシアチブをとった提案というのをぜひとっていただくようなことを求めて、この質問は終わりたいというふうに思うんです。
 次に、二〇〇四年度、平成十六年度決算と、特に第二次財政再建推進プランなどについて、何点か伺っていきたいというふうに思うんです。
 まず私が伺いたい点は、財務局は、昨年同様、今審議しております本決算については、これは八月の十八日ですか、東京都普通会計決算についてという、ここでも七年連続赤字決算と、私にいわせれば、いい立てているといいますか、そういうものを発表しておりますけれども、私は、そこで、一般会計決算は、この要求資料を見ていただいても、実質収支は二百三億円の黒字となっております。一般会計決算ですね。なぜ赤字なのか、ぜひ都民にわかるように説明していただきたいと思います。

○安藤主計部長 ご請求いただきました要求資料第4号にありますように、一般会計決算におきましては、これは出納長所管の調書からでございますけれども、実質収支が、お話のように二百三億円の黒字でございます。一方、普通会計決算ベース、これは総務省等の財政白書等にも登録される数字でございますけれども、その実質収支はマイナス二百七十六億円の赤字でございますが、これは、普通会計決算は、ただいま申し上げたとおり、財政白書等に掲上、表記される全国統一の数字で、一つの一定のルールに従って掲載されるものでございますが、これによりますと、一般会計の実質収支から、例えば事業繰り越しでありますとか支払い繰り延べ等を控除するという形になっておりますので、一般会計の数字と乖離がある、こういうことでございます。

○松村委員 要するに一般会計は黒字だと。二百三億黒字になっていますね、事実。しかし、特別会計を合わせた普通会計決算では、制度繰り越しや事業繰り越しを差し引いた実質収支、これも百七十三億円黒字になっていますよね。普通会計決算でも、実質収支、これは制度繰り越しや事業繰り越しを引いた百七十三億円黒字です。しかし、支払い繰り延べが四百四十九億円あるので、二百七十六億円赤字だというんです。一般会計の関係でも、今、主計部長が答弁いたしました。一般会計の実質収支から、結局繰越額があると。でも、繰越額は、一般会計では、例えば事業繰り越しだとか制度繰り越し、これは差し引いているわけですね。だから、私、差し引いても黒字なのに、なぜかと思ったら、結局、普通会計決算の概念といいますか、そこに支払い繰り延べがあるからなんだということなんです。
 では、普通会計決算における支払い繰り延べというのは何でしょうか。つまり、一般会計でもいいです。一般会計は実質収支が黒なのに、そこから支払い繰り延べが、事業繰り越しや明許繰越以外にもあるんだ、だから赤になったんだというその中身、この支払い繰り延べというのは何なんでしょうか。

○安藤主計部長 資料第4号の支払い繰り延べ四百四十九億でございますけれども、これは、下水道事業会計支出金が三百六十四億円、それから病院会計支出金が三十六億円、このほか都税の還付未済等がございまして、四四九という数字になってございます。

○松村委員 今、下水道支払い繰り延べが三百六十四億円というから、大多数が下水道の支払い繰り延べだと。ところが、下水道支払い繰り延べといっても、下水道事業会計は未納になってないんですね。下水道会計の年度末が五月末だと。だから、三月末には支払わないけれども、五月末に支払い繰り延べ金が実は支払われているということがその実態ではありませんか。赤字だといっても、実際には会計間の年度の違いを利用してというか、悪用してといいますか、その違いで、本当は年度末に払わないものを繰り延べで五月までに約束というか、払っていると。
 私、昨年の決算で、下水道会計事業など、それほど年度内に払わなくてもやりくりできるんだったら、もう一回一般会計の繰出金、これはいろいろルールがありますけれども、やはりその時々の財政に応じてということなんだから、それほど余裕があるんだったら見直したらどうかというふうに当時の主計部長にただしたら、そうじゃないんだといっておりましたけれども、ようやく私、この実態がわかったんです。下水道会計は全然痛くもかゆくもないというか、だって、自分たちの会計にとっては、五月末に入れば未納でも未収でも何でもなくて、きちっと会計処理ができるということなんです。私、こういうやり方は、本当に都民の目から見てもおかしなやり方はやめるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがなんでしょうか。

○安藤主計部長 松村委員お話しのように、昨年もこの件でやりとりがあったというふうに私も承知をしておりますけれども、下水道サイドからいいますと、公営企業側に何ら支障がないのではないかということですが、私どもは、この繰り延べに当たっては、公営企業に、資金繰りに支障を来さないように十分配慮して繰り延べている、そのことから問題が発生しないということであって、一般会計サイドから一方的な都合で支払い繰り延べを行えば、当然に公営企業サイドには問題が発生するということでございます。
 また、この間、支払い繰り延べを完全に解消できないのは、例えば緊急度の高い施策でありますとか、最低限の財政上の蓄えのため、これらを優先的に財源を充てんする必要があった、こういうことでございまして、お話のように、制度を悪用して財務局が赤字決算をつくり出しているということはございません。支払い繰り延べは、やむを得ない緊急の措置であると考えておりまして、可能な限り速やかに解消すべきものと考えてございますが、この間の事情はそういうことでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

○松村委員 都民から、都民の目から見たら、私、全然理解できないと思うんですよね。だって、今は--昨年も私、指摘したんです。そうしたら、当時の主計部長は、一般会計、年度内に払うべきものは支払うべきではないかといったら、昨年の決算では、払う財源があれば示してほしいなどといいました。
 しかし、それから数カ月たった十六年度最終補正予算では三千七百二十四億円も補正しているんですよね。税収、都税収入がふえました。そして、その三千七百二十四億円の中身を見れば、都民のための、本当にもっと必要な、繰り延べよりも大事な、優先しなければいけないというので、いろいろな福祉や暮らしの施策かといったら、一円も使ってないんですね。やったことが、国直轄だとか、首都高も入っていましたか、環状二号の用地買収や、そういう都市再生絡みなどなど、全部とはいいません、五百六十五億円。そして、今いった必要な基金があるというから、これは、だから積み立てですよね。積み立てというか貯金、これに千九百三十八億円使っているわけですよね。
 なぜ、本来制度的にも支払わなければならない、そういう赤字を--赤字と皆さん方は制度的にいうんだったら、これを最優先して解消すること。私は昨年もいいました、赤字なんていうのは不名誉じゃないかと。これだけの財政的な余裕が最終補正予算でも組める状況にありながら、私は、都民の目から見たらそっちの方が最優先で、払わなかったんだと。その結果この十六年度決算を、七年連続の赤字になりましたと、こういうことです。
 ただ、それは数字の問題だけじゃないんです。七年連続という中には、本当に財政が厳しいんだ、大変なんだという、都民への大々的な宣伝を行い、小泉首相の郵政民営化じゃありませんけれども、それがマスコミやいろいろ通じて、そちらの方が大きいんですね、声が。いろんな団体から、東京都の財政は赤字だ、赤字決算になっているんだと。だからといって都民要求が抑えられ、また、皆さん方は、これから触れますけれども、第二次財政再建推進プランを、巨額な財源不足だということで都民施策を抑え込んだだけじゃなくて、福祉を中心に大変な実態が生まれるような切り捨てをやってきたというのが、この間の経緯ではありませんか。この一部の支払い繰り延べに充てれば十分解消できるものではありませんか。重ねて答弁を求めたいと思います。

○安藤主計部長 お話のように、昨年の最終補正では、税が当初予算に比べて伸びたということがございまして、補正予算を編成いたしました。その際には、内容的には、ただいま委員ご案内のように、財政調整基金や減債基金等の積み立てを行っているところでございます。
 それと支払い繰り延べとの関係でございますけれども、支払い繰り延べは、先ほどもご答弁申し上げましたが、臨時的、緊急避難的な措置であると思いますので、可能な限り速やかに解消すべきものだというふうに思っております。
 しかし一方で、私ども東京都は地方交付税の不交付団体でございまして、しかも税収構造が不安定というものでございます。やはり安定的な財政運営のためには、これにはもちろん、突発的な事態への対応も当然に含まれているわけでございますけれども、活用可能な基金残高を一定程度確保していくことが不可欠でございまして、これは目下の財政上の最優先課題であるというふうに考えてございます。
 昨年十二月にも、旧日本興業銀行訴訟に伴いまして、都税の還付が、六百四十億円というものが急遽発生いたしましたが、これらは全額、財調基金で措置したところでございまして、何とか対応できたという貴重な経験もございます。したがいまして、目下の財政上の課題を優先するという考え方は、特に間違った財政運営ではないというふうに思っておりますし、なおかつ申し上げれば、私どもは、都税収入がこれこれの増収になりました、そして、これをどういう形で使いますかということをオープンにしてやっておりまして、この私どもがとっておる財政運営については、十分都民の皆さん方のご理解をいただいているというふうに考えてございます。

○松村委員 都民の理解をいただいているというけれども、やはり借金しながら、一方、貯金していますなんていうのは、よく皆さん方も家庭の家計に例えて話をされますけれども、私は通じないというふうに思いますし、来年度といいますか、この支払い繰り延べは即刻解消すべきだということを強く意見を申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、今年度の決算全体を見て指摘しなければならないことは、相変わらず不用額、これを出しております。これもちょっと、この決算意見書に一覧表が出されておりますので、これを私、見ても、福祉費だとか、これが三百四十一億円の不用額、それから教育費が百十三億円、健康費百三億円など、都民の福祉や教育や暮らしを中心に、平成十六年度決算は大体千六百十七億円の不用額、使い残しといいますか、出しております。本来だったら、私は、補正予算を組んででも都民施策に振り向けるべきだというふうに思うんですけれども、平成十六年度の千六百十七億円の不用額は、翌年度、つまり、ことしの平成十七年度の予算の中に繰越金として全額入って、都民のために使われるんでしょうか。

○安藤主計部長 十六年度の一般会計ベースで歳出を見ますと、お話のように執行残がございますが、このうち、財源的に、財源が翌年度に繰り越される分については翌年度繰り越しで、あるいは制度繰り越しや事業繰り越しについてはその認定をいただいたところで執行に入りますし、なお、執行残につきましては、そのまま財源が残るというものではございませんので、翌年度直ちにそれが予算に反映されるというものではございません。
 なお、執行が行かないような場合には、財源のベースで申し上げますと、それに見合った所要の財源を確保すればいいわけでございまして、そういう財政運営をとっておりますので、歳出の執行残がそのまま翌年度の歳出に入るということではございません。

○松村委員 ちょっと事前に数字を求めることを要望してなかったんですけれども、そうすると、平成十七年度の繰越金、事業繰り越しとか制度繰り越し以外の純然たるといいますか、繰越金は幾らですか、平成十七年度で。だから、つまり、ことしの予算です。

○安藤主計部長 繰り越しの内容といたしましては、先ほどからお答えしていますように、制度繰り越し等、それから事業繰り越し等、支払い繰り延べ等--これはちょっとおきまして、ございますが、事故繰越とか明許繰越につきましては、第二回定例会で報告をさせていただいていますので、そのまま執行に移りますが、十六年度の決算を打った不用額というのは、当然十七年度の当初予算には入ってございません。

○松村委員 当初で入りますよね。

○安藤主計部長 当初では入りません。残った形式上の形式収支は、歳入の出入りの結果として残ったお金でございますので、これは現金ベースでございますので、これは最終的に補正予算でもって歳入として繰り入れて歳出に充てる、こういう形になっております。

○松村委員 私、これまでも各年度の繰越金、純然たる繰越金がどのぐらい補正されているのかをずっと追っかけてみたんですけれども、ほとんど少ないんですよね。恐らく、十六年度も千六百十七億八千万円不用額が出ておりますけれども、ほとんど十七年度の繰越金には入らないと私は思います。というのは、だって、こちらの方の歳入を見れば、歳入減ですか、当初の予算現額に対して歳入減が千六百三十一億円、大体ぴったりの数字のようなんですね。千六百十七億円不用額が出ている。一方、こちらに対して千六百三十一億円、つまり歳入の方で減になる。つまり歳入不足だということで、差っ引き、ちょうどつり合いがとれるというか、素人的にもそういうふうに見えるから、恐らく不用額が、これだけ使い残しが出ながらも繰越金には入らないということになるんですね。
 そこで、私、じゃ、一体、千六百三十一億円も当初、財務局が予算を立てて、歳入が入るとしていたのが、千六百三十一億円も決算で歳入減となったこの主なもの、そしてその理由といいますか、中身についてお伺いいたします。

○安藤主計部長 十六年度の歳入決算で、収入率--予算現額等、決算で入った数字を、これは収入率と呼ばせていただきますが、その収入率で低いものを見ますと、額がそこそこあるもので申し上げますと、都債が八四・八%、これは千六百三十二億円のうち八百五十八億円が相当いたします。あとは、大きなものでいいますと、国庫支出金が九二・一%、額にして三百六十七億円というようなものでございます。

○松村委員 都債が八百五十八億円、マイナスになっております。この主なものは、退職手当債、これが三百億円、発行予定を発行しなかった。これは財源対策として当初予算では見込んでいたけれども、結局発行しなくて済んだ。この評価はともかくとして、私、それはそれなりでよかったのかなというか、でも、もっと都民のために、予算を本当にぎりぎりで組んでやったからには使ってほしかったという気持ちがありますけれども、そういう中身が都債。それからあと、財産収入、これが五百二十一億円も見込みよりも少ない。つまり収入率が四〇・二%。先ほどもちょっとやりとり、質問がありましたけれども、これも、この間の予算上で立てた財産収入が決算の結果としてどうなっているかといったら、やっぱり低いんですよね。
 たしか先ほどの数字で、十年間で唯一膨れ上がった大きな、都立大学跡地ですか、売り払ったとかいうのを例に挙げましたけれども、あとは全部執行率というか、五〇%を恐らく切っているんじゃないかと。私、こういう実態がありながら--それは相手がいて、その担当局、担当部署の皆さんも本当に努力していると思いますよ。だから、年度内に成立しないこともあるということは十分見込めます。それはわかります。ただ、そういう場合にはやはり臨時的な収入にするとか、予算の立て方にはそれなりのあり方というか、当然持ってしかるべきではないかというふうに思うんですよ。
 逆に、だから、予算にそれだけ見込んだから、担当部署は何が何でも売っちゃわなければいけないなんていうので、変なことに--変なことといってはおかしいけれども、やっぱり拙速があってはいけませんし、都民の財産ですから、十分都民の信頼にこたえる、そういう利用とか、売る場合にもそういうのがあるべきだと思うんです。そうしたら、私は、予算当局というか、主計部としても、それだけの今までの実績がこの十年間を見てもあるんですから、それは歳入欠陥なんかにならないように、きちっとその半分ぐらいに、局からの意気込みがあったとしても、それを抑えて、歳入欠陥なんかに--欠陥という言葉があるのかどうかわかりませんけれども、ならないように予算を立てるというのが本来じゃないか。
 たまたま--たまたまというか、ことしは四百八十五億円も当初の都税収入がふえました。そういうことでやりくりできたんでしょうけれども、きちっとした収入見通しを立てていれば、私は本当に、今も財源が厳しいんだ、大変だといって、恐らく各局は、財務当局が示したあれによって、予算査定によって、最終的には知事ですけれども、本当に大変な思いでこの執行や都民対応に当たられているというふうに思うんですけれども、今幾つかの点を指摘させていただきましたけれども、この歳入減ですか、この決算を見て、財務当局は、先ほども評価というあれがありましたけれども、どういうようなお考えをお持ちなのかを聞いておきたいというふうに思います。

○安藤主計部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、歳入決算におきましては、都債でありますとか国庫支出金、そして先生お話しの財産収入等が、当初予算に比べて減少になっているわけでございますが、この背景といたしましては、国庫支出金の減等は、事業見合いでもって国庫が来る場合がございますので、あるいは国庫の配分等の問題もございまして、なかなか予算どおりにいかない部分もございますけれども、国庫は貴重な財源でございますので、各局にあっては、事業の進捗に合わせて最大限国庫の確保に努めているところでございますが、結果的にこういう数字になったということでございます。
 同時に、特にハード的な部門で申しますと、財源としては都債が充てられることになりますので、事業の規模の減があった場合にはやはり都債も減少になるということでございまして、歳出見合いで歳入が連動するということもございますので、その辺はぜひご理解を賜りたいと思いますし、都債につきましては、退手債を三百億計上いたしましたが、これは先生がおっしゃったとおりに、まことに臨時的な緊急避難の対策でございまして、発行せずにこしたことはない財源でございますので、こういうものは財源的に余裕があれば発行しないのが当然でございますので、そうした財政運営に努めてきたところでございます。
 また、財産収入につきましては、やはり相手方のあることでございますし、相手方と、あるいは単価等、種々の条件が整って財産収入というのは成立するものでございますが、予算と乖離が生じるということも、そういった性格上やむを得ない部分があろうかと思います。ただ、やはり歳入欠陥等があってはいけないということで、今年度につきましては、十七年度予算におきましては、財産収入についてはかなり見直しをして、歳入に禍根を残さないような形で予算編成をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、歳入の大宗を占めますのは都税でございまして、これらをきっちりと見積もりながら、あるいは事業の進捗に応じて必要な財源を確実に確保していく、こういう立場でもって引き続き財政運営に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○松村委員 そこで、平成十六年度は財源対策として退職手当債三百億円発行しませんでしたよね。それなら、平成十七年度は財源対策をとらなくても済んだ、組めた予算ですよね。そうすると、私は毎年この決算を見ていて、不用額がずっとこういう形で出ているんですね。今、じゃ、この間の五年間の不用額というふうに答えていただかなくても結構ですけれども、そうしますと、今いったみたく--今いったみたくというか、こういう不用額が歳入不足で相殺されて、結局繰越金とかそれにもならない、翌年度繰り越しにならないということは、平成十七年度、これからの決算で、きょうは十六年度だから余り踏み込みませんけれども、私はそういう場合、例えば不用額が--今現在十月の半ばです。いろんな各局との予算編成などで来年度の予算編成をやる中で、不用額が、例えば福祉費だとかいろんな分野で見込まれるならば、私は、また今度も歳入不足があるだろうからということじゃなくて、積極的に補正予算などを組んで都民のために使うべきではないかというふうに思うんです。とりわけ、先ほども個人住宅の耐震補強のための臨時的予算を組むべきだということを申しましたけれども、私は、本当に都民の、しかも予算というのは単年度ですよ、単年度会計というか、そういう立場に立てば、そういう都民のための予算を、補正予算をしっかり組んででもやっていただきたいというふうに思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。

○安藤主計部長 東京都の予算につきましては、一年間を見通しをいたしまして、各局においてどういう事業ができるか、それに必要な経費はどうかということで予算を編成しているところでございます。まだスタートして六カ月の時点で、不用額があるかどうか調べるということは、各局において要らない仕事は何かというように聞くものでございまして、各局においては、予算に計上した仕事を一生懸命今やっているわけですので、私どもは、予算に計上し、都議会でご議論いただいて、都民にお約束をした仕事をきっちりやり切ってほしいというのが我々の立場でございますし、各局においても全く同様であるというふうに思っておりまして、まず当初予算を完全執行を目指して各局において執行に取り組んでいただきたい、こう思っておりまして、現時点で補正予算を組むというような考え方は毛頭ございません。

○松村委員 それは不用額を出さないように、福祉や暮らしの分野で本当に目いっぱいやっていただきたい。しかし、そうはいったって、今までの経緯や実績があるんですよ、出ているんですよ。それが、だから、毎年そうじゃなくて、うやむやにといってはおかしいけれども、先ほどの、じゃあということで歳入不足をあれするとか、都債を発行しないとか、そういうことに--財産の売り払いも見込んでいたよりも半分でも結構だというようなことではなく、そういう時点が出たら、過去の経験にも学んで、直ちに都民のために手を打つということを申し上げたのであります。よくそこら辺を踏まえてやっていただきたい。
 最後に、私は、財政再建プランについても伺っておきたいというふうに思うんです。
 第二次財政再建推進プランの初年度の決算ですけれども、このプランの見込み額と決算ではどのぐらいの乖離が生じましたか。

○安藤主計部長 第二次プランにおきます都税の収入見込みは、十六、十七、十八、三カ年を通じまして、三兆七千九百億と見込んでございます。十六年度は、決算数字、お手元にございますように、四兆二千五百二十九億円でございますので、プランとの見込みで申し上げますと、四千六百億円ほど増収になってございます。

○松村委員 三兆七千九百億円だといっていたのが、実際この決算で見ると四兆二千五百二十九億円で、四千六百二十九億円も増なんですね。そして平成十七年度、これは既に予算として四兆二千五百八億円という予算を出しておりますけれども、このプランも同じように三兆七千九百億円ですから、これまた当初予算どおり、私はもう少し決算ではふえると思いますけれども、当初予算見込みとしても、既にプランとの乖離は四千六百八億円ですよね。
 十八年度も、こういう推移でいった場合は、第二次財政再建推進プラン三カ年ではどのぐらいの都税収入の増となるんでしょうか。

○安藤主計部長 十八年度のお話並びに今年度の決算のお話がございましたが、今後の税収を見込むことは難しくて、現段階でプラン三カ年の増収額を議論することはできませんけれども、仮に四千六百億円が三年続くとすると、約一兆三千八百億円、プラン対比でございますけれども、増収になるということでございます。

○松村委員 第二次財政再建推進プランでは、三カ年で一兆一千三百億円もの巨額の財源不足になるというのがプランで、だから財源対策をとるんだ、云々だとやったんですけれども、実際、結果からいえば、まだもちろん十八年度の見通しは立たないといっても、ことしの予算並みに私はほぼ組めるんじゃないかと。皆さん方もそう予想しているのは、既に来年度予算編成に向けて、各局に対する副知事の依命通達でもこの方向を示唆しているというか、皆さん方もそういう認識があるというふうに思うんですね。そうすると、間違いなく一兆三千八百億円、今ご答弁がありましたような数字に三カ年でなります。一兆一千三百億円もの巨額の赤字だ、財源不足だといって、逆に今いった一兆三千八百四十五億円という、これを本当に都民にどう説明するのかというか、そして、このもとで第二次財政再建推進プランではまた赤字に転落する、そうなれば、赤字団体になれば、東京都がやらなくたって国から予算が切られるんだという、このことが都民に浸透しているんですよね。事実、この第二次財政再建推進プランでは、一千二百億円もの都民施策の切り捨てということを今着々とやっている。既に資料としてこの第二次財政再建推進プランの--資料は出しておりませんけれども、施策の切り捨てがやられている。
 私は、こんなに大幅な税収増が見込まれることが現実となった今、もう既にこのプランは、第二次財政再建推進プランは破綻したといわざるを得ないというふうに思うんです。プランを即刻見直すべきではないでしょうか。いかがですか。

○安藤主計部長 プランを見直せということでございますが、結論から申し上げれば、引き続き、プランに沿った財政運営に努めなければならないというふうに考えてございます。
 税収の見通しは、現時点では不明でありまして、ご意見のように楽観的な立場に立つ方もいらっしゃいますが、財政構造改革が不必要であるとは、私ども毛頭考えてございません。バブル後の推移を見れば、短期的な税収の増減に一喜一憂することなく、目的に向かって不断に継続をしていくべきものと考えてございます。
 来年度の予算編成に当たりましても、プランの目標達成を第一としたところでございまして、この方針には変わりはございませんので、ご理解をお願いいたします。

○松村委員 そもそも、第二次財政再建推進プランのベースとなる都税収入、これは一番どん底のといいますか、最も国の税制改正、しかも時限的な税制改正の影響まで取り入れて、それをベースとしてやったものであります。しかし、明らかに、この間見込まれる国の税制改正の動向とかいろんな要素を入れても、それがもう合わなくなってきている。だったら、私は、既にこの十六年度決算が出たんですから、十六年度決算をベースに置いて--皆さん方は、第二次財政再建推進プランは十四年度決算が出たからそれが一番確かな数字だと、それに基づいて三年間の財政推移を見たんですよ。だから、そういう財源不足だといって都民施策を切り捨てるような手段には使っても、本当に今、都民がこういう形になってきたときに、都民の生活や暮らしの実態に振り向けて、もっと可能な限り都民施策を応援すると。ですから、あと一年ですよね、その見通しがはっきりしているんですから、私は、現時点できちっと十八年度なら十八年度、財政再建推進プランをすべきですよ。それを実施して、いや、また再び税収が落ちたとかいろんな要素があった場合は、また新たなプランなり、その時点に立って計画というものは立てられるべきでしょう。現に始めたプランと余りにも乖離しているという実態が明らかになりながら、まだ先行きの将来がどうなるかわからないなどという話じゃないんですよ。十八年度の予算を組むこの時点に立って、十六年度決算を今私たちはやっているわけですよ。急いでやっているのも、そういう現状を分析して、議会の意見も聞いて、しっかり反映させようということにおいてやっているわけですから、十分それを踏まえてやっていただきたい。
 今、本当に都民生活は大変な思いをしていることを、私ども今、議会側も私どもの会派もたくさんの都民団体からの予算の要望、予算懇談会を開く中で、本当に聞いていてこっちも涙せざるを得ないような切実な訴えもあります。しかもこれが、景気の動向が先行きいいといっても、今、国の大変な増税だとか、また十月からは介護保険法も改悪されて、特養ホームに入所されている方も食事代や入居費まで取られている。ある原爆被爆者の会の団体の方々が、自分たちはせめてそういう措置をとってもらっている、しかし会員の皆さん方のやむにやまれない切実な声が私たちのところに毎日十数件、もうこれから暮らせないとか、そういう思いがあるわけなんです。
 そういうときに、財政がないんだからということで、都民生活の実態がこういう国の改悪などの影響でどうなっているか調査すべきだと代表質問で私たちがいっても、調査する気もないというような、本当にそういう姿勢でいいのかと。そのもとをただせば、やっぱり財務局などのこういう、今いった答弁なんですよ。財源がないんだ、これからも厳しいんだと。そして、弾力的な構造体質だというけれども、それをつくる--もう耐えられない、今、都民生活の実態があるということもぜひ私は--それは各局が現場を持っているから、そこから意見を上げていくべきだといっても、皆さん方はこれまでもそういう大枠をかけて、シーリングもかけてきた。今度はシーリングは、マイナスシーリングは外すそうでありますけれども、しかし、今の税の状況や実態をきちっと各局にも提案しながら、また都民施策を真摯に受けとめて、私は、財政運営を進めていただきたいということを申し述べさせていただきます。
 最後にもう一つ、大型開発もやろうと思いましたけれども、余り時間を費やしても、また機会があると思いますけれども、例えば国直轄事業負担金、首都高速道路の建設事業、もう破綻して沈みかかっている臨海三セク、挙げれば、都政における、都民の目から見ても、むだ遣いというのは大変なものがある。しかもそれが本当に十万円とか百万円というわずかな、それでも生きがいとして頼って、この都の補助金がなかったら生きていけないとかいうような声がある中で、そちらの大型開発の事業予算というのは本当に大変なものだというふうに思うんです。
 しかも、一般財源と都債の国直轄事業の負担割合を見ても、全く出されたのは、例えばある年度においては一般財源ゼロなんですよ。ところが、平成十六年度国直轄事業、本当に大きな、五百億近い--首都高と合わせてですか、出しておりますけれども、これはもう半分以上が一般財源をつぎ込んでいるんですよね。こういう国からのいい方についても本当に無批判にといいますか、はい、はいというふうになっているというふうに私から見たらいえます。そういうところにしっかりメスを入れれば、本当に都民の施策が守られるだけではなくて、私は、今の借金財政といわれることからも抜け出していく大きな道に踏み出すことができるというふうに思います。
 私たち、繰り返しいっておりますように、この十六年度決算を見ても、依然として逆立ち財政の状態が続いた決算である、ぜひこの転換を図って、本来の東京都が果たすべき都民の応援という自治体のあり方に戻るべきよう強く求めて、質問を終わります。

○服部委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時三十九分散会

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