各会計決算特別委員会速記録第三分科会第五号

平成十七年十月二十四日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十名
委員長小磯 善彦君
副委員長矢島 千秋君
副委員長大沢  昇君
植木こうじ君
田中たけし君
伊藤 ゆう君
松下 玲子君
橘  正剛君
串田 克巳君
林田  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
中央卸売市場市場長森澤 正範君
管理部長高津 満好君
事業部長荒井  浩君
新市場担当部長大野 精次君
参事坂  崇司君
参事大橋 健治君
参事後藤  正君
参事戸田 敬里君
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長矢口 貴行君
用地部長藤井 芳弘君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長道家 孝行君
公園緑地部長内海 正彰君
河川部長野村 孝雄君
企画担当部長林 健一郎君
道路保全担当部長阿部  博君
道路計画担当部長桐越  信君
参事小田 昭治君
参事伊藤 精美君

本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
中央卸売市場関係
・平成十六年度東京都と場会計決算(質疑)
建設局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)

○小磯委員長 ただいまから平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、中央卸売市場及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより中央卸売市場関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都と場会計決算を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高津管理部長 去る十月七日の当分科会でご要求のありました資料につきまして、お手元に配布いたしてございます平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料に基づきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願いたいと存じます。BSE対策の実施状況についてでございます。
 施設整備や業務改善など、項目別に実施状況を記載してございます。
 特定部位の除去、焼却を行うほか、施設や設備についての改善や作業の見直しを行い、安全・安心な食肉の供給に努めております。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のございました資料につきましてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中委員 よろしくお願いいたします。
 ただいまBSE対策の実施状況についてご説明いただきました。
 私自身、先日行われました、十五日に開催されました食肉市場まつりにも参加をさせていただきました。大変多くの方々が楽しそうに参加されている様子も拝見してまいりましたが、そこで安心して地域の方々が牛肉をお買い求めになっている様子を見させていただきましたが、BSE対策の重要性を改めて認識をさせていただきました。
 今、このように資料要求に基づいてのBSE対策についてお話しいただきましたが、中央卸売市場として、特定部位の除去、焼却を行うほか、さまざまな衛生対策を実施するなど、万全の対策が講じられていることを改めて理解したところでございます。
 ところで、食肉市場でお伺いをいたしましたが、厚生労働省より、BSE対策としてピッシングの中止に係る指導が行われており、中止することは大変なことだというようなことをお伺いしました。そこで、このピッシングについて何点かお伺いをしたいと存じます。
 まず最初に、ピッシングとはどういったものなのか、そこからお聞かせをいただきたいと思います。

○大橋参事 ピッシングについてでございますが、牛のと畜は、まず最初にと畜銃で牛を失神させ、その後ピッシングを行い解体が進められますが、このピッシングとは、牛の暴れを防ぐために、と畜銃であいた額の穴からワイヤーを挿入し、脳及び脊髄の破壊を行うことをいいます。

○田中委員 ありがとうございます。
 そこで、ピッシングを行うことが、BSE対策上どのような問題があるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

○大橋参事 ピッシングにつきましては、食品安全委員会が平成十六年九月に答申いたしました、日本における牛海綿状脳症対策についての中間の取りまとめで、ピッシングの実施により額の穴から脳、脊髄組織が流出し、食肉及びと畜場内の施設等が汚染される可能性があるとされていることから、ピッシングの扱いについては、今後、その廃止を含め、さらに検討する必要がある旨の報告をしております。
 こうしたことから、厚生労働省は、各都道府県に通達を出しまして、ピッシングの中止に向けた指導を行っているところでございます。

○田中委員 それでは、ピッシングに関します海外の状況あるいは国内の状況はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと存じます。
 また、芝浦屠場の現状はどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。

○大橋参事 まず、海外の状況でございますけれども、EUやアメリカ、カナダでは行われておりませんが、我が国では、厚生労働省の調査によりますと、昨年十月時点で、百六十あると場のうち、百十五と場、約七割のと場において実施されております。
 芝浦屠場でも、作業者の安全確保という観点から、すべての牛についてピッシングを実施していますが、使用したワイヤーは一頭ごとに交換し、消毒するなどの対策を講じて、食肉への汚染を防止しております。

○田中委員 状況がよくわかりました。
 先ほどの食品安全委員会の報告からいたしますと、食の安全を確保する上で、このままにしておくわけにはいかないと思っております。
 そこで、ピッシングを中止するとどのような課題があるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○大橋参事 ピッシングを中止いたしますと、牛が暴れて作業者がけがをする危険性が高いため、作業上の安全確保が最も重要な課題となります。
 また、牛が暴れないよう、動かなくさせる装置を導入できないか、動かなくなるまで牛をとどめておく場所をどう確保するかといった施設面の課題もございます。

○田中委員 作業上の安全確保という点で課題があるということでございますが、それでは、ピッシングの中止について、中央卸売市場として具体的にどのように対応していくのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

○大橋参事 中央卸売市場といたしましては、今後、ピッシングの中止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、作業上の安全を確保するため、まず、作業面、施設面に係るそれぞれの課題を整理し、ピッシングを中止した場合の作業工程や作業内容、牛を動かなくさせる方法の有効性を調査検討し、その上で新しい作業工程案をまとめ、実際にそれを検証してまいりたいと考えております。

○田中委員 ありがとうございました。
 作業上の安全を確保しながら、ピッシングを中止していくことは、さまざまな点から検討が必要になると思われます。実施に当たりましては、作業面、施設面などで困難なことが多く出てくるのではないかとは思いますが、ぜひとも適切な対応をお願いしたいと思います。
 また、さらに安全で安心な食肉を都民に提供し、消費者の信頼にこたえられるよう、中央卸売市場として、今後もさらなるご尽力を賜りますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で中央卸売市場関係を終わります。

○小磯委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都一般会計決算中、建設局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○矢口総務部長 去る十月十二日の分科会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に六件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。道路補修費の予算と決算でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成七年度から平成十六年度までの予算額と、決算額の区部及び多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。歩道の整備状況でございます。
 この表は、歩道の整備状況につきまして、平成七年度から平成十六年度までの整備延長と決算額を区部及び多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 続きまして、三ページをお開き願います。都道における電線類地中化事業の整備状況でございます。
 上段の表は、電線類地中化事業につきまして、平成十二年度から平成十六年度までの整備延長と決算額及び施行箇所をあらわしたものでございます。
 なお、参考といたしまして、下段の表には、平成十六年度末までの整備対象延長に対する整備済み延長と整備率を記載してございます。
 四ページをお開き願います。骨格幹線道路、地域幹線道路の予算と決算でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路につきまして、平成七年度から平成十六年度までの予算額と決算額をあらわしたものでございます。
 なお、下の注意書きにございますように、骨格幹線道路及び地域幹線道路の区分は平成十三年度からでございます。平成八年度から平成十二年度までは、骨格幹線道路及び生活密着道路の額を記載してございます。
 続きまして、五ページをお開き願います。神田川、妙正寺川、善福寺川の河川改修計画の進捗状況でございます。
 この表は、神田川、妙正寺川及び善福寺川につきまして、計画延長と平成十六年度末までの整備済み延長と整備率を河川別にあらわしたものでございます。
 続きまして、六ページをお開き願います。都市公園の整備費の実績でございます。
 この表は、都市公園の整備費につきまして、平成七年度から平成十六年度までの決算額をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○矢島委員 区部霊園の公園化の問題について、まずお伺いをいたします。
 東京市の事業を東京都は引き継いでおりますが、都内には八カ所の都立霊園がありまして、そのうちの四カ所は区部、明治七年に開設された青山、谷中、雑司ケ谷、染井の各霊園であります。
 これらの都立霊園問題について、東京都は、東京都霊園管理問題等検討委員会を設置し、平成九年に答申を受け、また区部霊園については、公園管理審議会から区部霊園管理の答申を平成十四年に受けております。
 それまで区部霊園は、都市公園化を目的にして、昭和三十五年から貸し付けを停止しておりました。しかし、五十年近くかけても一割強程度の空き地しか確保しておらない状況でありますし、また、著名人のお墓も各霊園に数多くございます。このままのペースでありますと、公園化に四百年から五百年かかるということになろうかと思います。
 そのため、方針を東京都では転換をして、霊園と公園との共存を目指して、また財源確保のために青山墓地の再貸付を開始しました。一坪一千万円近い価格にもかかわらず、四十四倍の競争率だったと聞いております。
 そこで、区部霊園について、昭和三十五年、都市公園化方針決定の理由、その後の経緯についてお伺いいたします。

○伊藤参事 都市公園化方針決定につきましては、昭和三十二年の首都圏整備計画に基づきまして、東京都区部のオープンスペース確保を目的とし、青山霊園、谷中霊園について昭和三十二年に都市計画公園の決定をいたしました。
 青山霊園、谷中霊園では昭和三十五年から、また、染井霊園、雑司ケ谷霊園も昭和三十七年から墓所の再貸付を停止し、空き墓所を確保することにより将来の公園化に備えることといたしましたが、ご指摘のように、区部霊園の全面公園化は、極めて長期間を要する困難な事業でございます。
 そこで、平成十四年に東京都公園審議会に諮った結果、これまでの空き墓所を活用しながら、区部霊園を公園と霊園が共存した空間として再生することといたしました。
 平成十六年度から青山霊園の再生事業に着手し、現在は谷中霊園の再生計画の策定に取り組んでおります。
 今後も、順次区部霊園の再生を進めていく予定でございます。

○矢島委員 現在、区部霊園について、東京都の谷中あるいは青山霊園は、自前で財源確保をしながら霊園と公園の共存を果たそうとしている、そういうことであろうかと思います。その財源確保が墓地の再貸付でありまして、結果は、霊園の現状固定化という側面も出てまいります。
 しかし、もともと霊園の都市公園化の構想は、都市部に極めて不足している、都民の憩いの公園確保のための重要な施策として作成されたものと思います。しかも、霊園の立地によって、四カ所ある区部霊園についても状況は違っております。
 青山霊園は二十六万平米、谷中、雑司ケ谷は各十万平米、染井は七万平米の広さがあります。そして、雑司ケ谷、染井の十七万平米を擁する豊島区の一人当たりの公園面積は〇・七四平米。東京都で一番の少なさ。ご参考に申し上げますと、区部最大の千代田区の三九・四一平米に比べ五十三分の一の狭さでございます。
 それだけに、公園化の方針は、公平な都民福祉の増進のために重要な課題でありますし、長期計画に組み入れるなど、別途公園整備のための財源を確保し、整備を進めるべきであると思いますが、お伺いいたします。

○伊藤参事 青山霊園では、園路や広場の整備を進めるため、墓所の再貸付によって得られた使用料を活用し、再生事業を進めております。
 染井霊園、雑司ケ谷霊園の再生を進めるに当たっても、基本的には青山霊園と同様な仕組みを考えておりますが、二霊園の置かれている状況を勘案し、立地条件や特性に応じ、また、地元自治体のまちづくりの意向を踏まえながら、個別に検討してまいります。

○矢島委員 最下位の〇・七四平米といいましても、その上の中野区は一平米を超えておりますから、圧倒的に状況は違いますので、東京全体の緑、そして憩いの場を考えたときに、仕組みも含めてぜひ検討し直して、公平な立場から東京の緑の確保、公園の確保に努めていただきたい、これをお願い申し上げます。
 水害対策について、次、お伺いいたします。
 昭和六十二年ごろと記憶しておりますが、私の地元豊島区では、七月、八月にかけて、二回連続して時間六〇ミリ前後の豪雨が降りました。サイレンが鳴り響く神田川は、あの狭いコンクリートのといのようなところを激流がほとばしって流れておりましたし、暗渠化しております区内小河川沿いは水があふれ、くぼ地が水がはけないまま浸水し、大変な惨状であったことを鮮明に覚えております。
 その後、東京都、そして地元豊島区の懸命の努力のかいがありまして、神田川には分流が完成、小河川に続く道路下には下水道第二幹線が敷かれて、まだその道路は貫通しておりませんから、全線完成までの対策として、一時貯留槽として活用し、くぼ地に隣接するスポーツ施設、豊島区の退避施設でありますが、ここには一時貯留のための大規模の湧水槽が設置されて、大きな効果を上げてまいっております。それだけに、過日の都内豪雨被害には、人ごとでない都市問題の難しさと対策の重要性を改めて認識をいたしました。
 急峻な国土の日本で昔からいわれておりますとおり、水を制する者は国を制する。都市部も、まさに新しい都市の温暖化の中で課題を抱えて、取り組まなければいけない重要な課題であろうと思います。
 そこで、中小河川の整備についてお伺いをいたします。
 先月四日夜、時間一〇〇ミリを超える記録的な集中豪雨が中野、杉並両区を襲い、戦後二番目といわれる大規模な浸水被害が出ました。さきの第三回定例会で--両区を横断する神田川、善福寺川、妙正寺川沿いで被害が大変大きくて、中でも五〇ミリ改修の未整備区間に集中をいたしました。都内中小河川の整備率は六割と聞いておりますけれども、平成十六年までの河川改修や調節池の整備状況についてお伺いをいたします。
 まず、神田川、善福寺川、妙正寺川、三河川における十六年度末の整備率、これは先ほどの資料報告に出ておりましたが、この状況、そして過去五年間の整備進捗率はどうであったか、お伺いをいたします。

○野村河川部長 まず、平成十六年度末の護岸整備率でございますが、神田川七九%、善福寺川三九%、妙正寺川二三%でございます。
 このほかに、神田川環七地下調節池の第一期分や妙正寺川上高田調整池など、十六年度末で、三河川合計で九カ所、貯留量約六十三万立方メートルの調節池を整備済みとしております。
 次に、過去五カ年における護岸整備率の進捗状況でございますけれども、神田川は七七%から七九%に二%の増、妙正寺川は一七%から二三%に六%の増となっております。善福寺川では環七地下調整池の第二期分の工事を推進しております。

○矢島委員 大変厳しい財源状況の中でさまざまな努力をされている様子は、今のご説明でわからないこともありませんが、必ずしも十分な整備率ではない、このような印象を受けます。
 第三回定例会で、我が党の代表質問に対し、被害の大きかったこれらの河川の未整備区間整備指示を石原知事が答弁をいたしました。また、建設局長は、激特事業実施に向けて国と調整を進めることも明らかにしていただきました。このことは、都民の皆さんの生命、財産にかかわる重大事であるだけに、ぜひ早期に着実に進めていただきたい、これを特にお願いをしておきます。
 そうしている間にも温暖化が進み、都市型の集中豪雨は発生することがありましょうし、局地的に時間五〇ミリを超える規模の豪雨となる可能性も十分あります。その対策は重要であります。その意味で、神田川の環七道路下調節池の効果は集中豪雨対策として有効であったと思いますが、こうした調節池の機能やあり方についてお伺いいたします。

○野村河川部長 調節池でございますけれども、洪水のときに、河川がはんらんする前に一定水位以上の洪水を一時貯留いたしまして、河川の流下水量を調節する機能を有しております。
 河川整備の基本は河道の拡幅でございますけれども、鉄道や幹線道路がふくそうし、河川沿いにも家屋が密集している都市河川におきましては、拡幅による改修には、用地買収等を含め長時間を必要といたします。このため、洪水の一部を貯留する調節池は水害の早期軽減に効果的でございます。

○矢島委員 実際に、先ほど申し上げたように、地元豊島区でもそのことは見ておりますので、ぜひその努力を続けていただきたい、このように思います。
 河川改修の前倒しをし、早期に整備に努めたとしても、完成までに相当な時間を要することになります。今の答弁にありましたとおりです。そのため、今説明のありました調節池の機能は重要であります。ぜひともこのことには、重ねてお願い申し上げます。
 第三回定例会の我が党の一般質問で、河川沿いの公共施設の敷地を活用した調節池設置の提案をしております。また、中野区も、こうした考えから、十月十一日に、都へ都営住宅等を活用した同趣旨の要望を行ったと聞いております。
 東京都は、積極的に公共施設の敷地を活用した調節池整備を進め、浸水被害低減に努めるべきであります。我が党の中野区選出、川井しげお議員は、本年八月には既に、妙正寺川沿いの都営鷺の宮アパートの敷地を活用した調節池整備について、みずから計画立案し、構想図まで作成、建設局を初め関係各局に提案をしております。その計画は、十分な貯水量に加え、平常時には川との親水公園の機能も有する、大変行き届いたものであります。
 そこで、平成十六年度末までに、こうした考えにより整備した調節池はあるのか、また、神田川、妙正寺川、善福寺川の川沿いには多くの集合住宅や公園がありますが、今後こうした公共施設の敷地を活用した調節池の整備をどのように進めるか、お伺いいたします。

○野村河川部長 供用済みの調節池でございますけれども、平成十六年度末現在で二十三カ所ございますけれども、このうち十二カ所につきましては、公園など公共施設の敷地を活用して整備を行ったものでございます。
 このたびの水害を踏まえまして、善福寺川や妙正寺川につきましては、公園などの公共用地を活用した調節池の設置が有効であり、検討を進める必要があると考えております。
 お話のございました鷺の宮アパートにつきましても、治水効果の検証や地元の理解を得るなどの課題はございますけれども、今後、関係機関と調整しながら検討をしてまいります。

○矢島委員 水害対策、河川対策も、全部総合的に間を埋めながら進めていかなければならないものでありますけれども、最終的には、被害を受ける都民の皆さんの生命、財産、そして心の痛みにかかわることでありますので、今後もしっかりと進めていただきたい。最後にもう一度要望しておきます。
 次に、道路整備についてお伺いをいたします。
 東京には道路がないといわれた戦後の東京の道路整備は、経済の発展と自動車交通の増大に追われるように進められてまいりました。しかし、社会経済の成熟とともに状況は変わってきたように思います。
 道路のつくり方一つ見ても、今までの交通量の対策から、緑とゆとりを兼ね備えた都民生活を、公共空間として、また防災機能を持った空間として進められようとしております。これも、首都圏の三環状道路を初め骨格幹線道路、首都高速道路などの東京全体の道路ネットワーク整備が少なからずもたらしているものであるように思います。この道路ネットワークは、都民の生活に直結するだけに、早期に整備がなされるよう努力することが必要です。
 そこで、現在進められております中央環状新宿線の建設についてお伺いいたします。
 この道路が整備されることによりまして、山手通りの現在の交通量がどのくらいとなると予想しているのか、お伺いいたします。

○道家道路建設部長 ただいま副委員長からのお話にもございましたとおり、首都圏三環状道路を初めとする高速道路や骨格幹線道路などの道路ネットワークが完成した場合、例えば山手通りの豊島区要町交差点付近では、現況一日約五万台の交通量が約一万台減少するなど、中央環状新宿線が整備される区間において、交通量はおおむね減少すると予測しております。

○矢島委員 中央環状新宿線は地下化により建設されます。これに伴い、環境の改善効果が期待されております。特にCO2、車の交通量が減っていくわけでありますから、削減効果があると聞いておりますけれども、どのように想定しているか、お伺いいたします。

○道家道路建設部長 中央環状線は、圏央道、外環道とともに首都圏三環状道路を形成して、都心方向の交通を分散することによりまして、都内の交通混雑緩和に寄与する重要な路線でございます。
 現在事業中の新宿線、品川線を整備することにより、首都高速道路全体のネットワークが強化され、高速道路はもとより、一般道の走行速度が向上すると考えております。
 これによりまして、地球温暖化の要因となっておりますCO2については、年間約二万二千トンが削減できると首都高速道路株式会社では推計をしております。これは、代々木公園の十二個分の樹木が吸収する量に相当するものでございます。
 このように、中央環状線の整備は、環境改善に大きな効果が見込まれると考えております。

○矢島委員 中央環状新宿線地上部では環状六号線整備が進められております。東中野では、既に一部区間の整備状況が見えてまいりました。実に余裕がある状況に期待をしております。
 しかし、地元には、まだまだ沿道環境への影響を危惧する声があります。その一つは、地下トンネルの換気塔であります。この換気塔について、地元は規模縮小の要望があります。
 今後、環状六号線の整備に当たって、沿道環境への不安を取り除き、新時代にふさわしい沿道整備を進めるべきと思いますが、お考えをお伺いいたします。

○道家道路建設部長 環状第六号線は、渋谷区松濤から豊島区要町の交差点まで約八・八キロの区間を中央環状新宿線と一体的に整備しておりまして、幅員四十メートルの広い道路空間を確保し、首都東京にふさわしい、質の高い道路づくりを目指しております。
 整備に当たっては、交通渋滞が生じないよう、停車スペースや沿道利用に応じた荷おろしスペースなどを設けることとしております。さらに、広幅員の歩道や中央分離帯の緑化に取り組むなど、そのほか電線類の地中化や低騒音舗装を行うなど、沿道環境に配慮してまいります。
 また、お話にもございました換気塔でございますが、換気塔を設置する箇所では、当初計画に比べ換気塔の幅を縮小いたしまして、これまでより歩道幅員を広げて整備することとしております。例えば東中野の換気所におきましては、換気塔の幅を一・六メートル縮小いたしまして、両側の歩道をそれぞれ〇・八メートルずつ広げ、七・五メートル及び七・六メートルの歩道幅員を確保して整備いたします。

○矢島委員 環状新宿線は、首都高速五号線高松ランプから環状六号線を南に下ることになります。高松ランプから八百メートル先には、池袋駅より西に向かう都市計画道路の手前で地下に入ることになります。いわゆるここが、先ほどから出ております要町交差点ということになります。
 この要町交差点より南側は、東中野とほぼ同様の、大変幅の広い歩道幅員で整備されておりますけれども、要町から北側、高松ランプの間はそれが予定されておりません。そのため、地元では、広い幅員での道路整備を従来より強く要望しております。東中野の整備と同様の歩道広幅員、高規格整備とすべきと考えますけれども、お考えをお伺いいたします。

○道家道路建設部長 環状第六号線の要町交差点から北側の八百メートルの区間は、中央環状新宿線着工前、幅員四十メートルの六車線の道路として完成しておりました。この区間につきましては、環状第六号線の将来交通量などを考慮いたしまして、要町交差点南側と同様に、停車帯を有する四車線化の検討を行います。歩道につきまして、広い歩道空間を確保し、歩行者や沿道環境に配慮した質の高い整備ができるよう、あわせて検討いたします。
 今後とも、地域住民の理解と協力を得ながら、これら事業を着実に推進してまいります。

○矢島委員 その道路区間には中学校が隣接してあるなど、大変に住宅地が続いている中にある場所でありますので、整備については、今いった形でご努力をぜひしていただきたい。
 私、区議会にいましたときに、ちょうど高速道路がどこで地下に入るか、要町交差点を南に越えたところで入ろうというのが当初計画でした。地元の大変な要望があって、東京都、そして首都高の方でもご努力いただいて、手前で入るような経緯もあります。
 地元の意見を聞きながら、可能な方法をしっかりとって、それが地域の区民の皆さんに、あるいは都民の皆さんにご了承いただける、理解いただける、東京都の真心の努力として、これからいろんな場面で、道路建設は東京の骨格づくりでありますので、あわせてご努力していただきたい。今の答弁は早速皆さんにお話しして、東京都の努力の様子を伝えたいと思います。どうぞしっかりお願いいたします。

○伊藤委員 それでは、私の方から、電線の地中化計画についての質疑をさせていただきたいと思います。
 要求資料をきょうご提出いただきまして、まことにありがとうございました。三ページに当たるかと思いますが、三ページのこの資料にも基づきながら質疑をさせていただきたいというふうに思っています。
 私の仲間で、商社に勤めているものですから、海外によく、いろんな都市に行く者がおりまして、話を聞いたことがあって、私は、東京都というまちが、実は余り世界の都市に比べるときれいではないんじゃないかな、むしろ雑然としているんじゃないかなという思いを持っていたのですけれども、いろんな都市に行ってみると、どうやらこれほどきれいなまちはないという方がいらっしゃるんです。何をそう指しているのかといえば、どちらかというと、地上の部分でごみが散乱していないとか、あるいは、よく地域の人たちが水をまいたり掃いたりしているということが、世界の都市と比べてもきれいだということだそうです。
 ただ、それを少し目線を高くしたときに、本当に世界と比べてきれいかどうかというのは、またちょっと違う話になってくるようでありまして、どちらかというと、その部分に関しては、まさに環境並びに景観の先進都市に比べると、この東京都、少し落ちているところがあるんじゃないかなというふうに思います。クモの巣を張ったような電線というのは、やっぱり見ばえとしていいものじゃないし、きれいな建物がある中でも、電線が非常にひときわ目立っているということが残念に思えてなりません。
 先般、去年の、一年半ぐらい前ですから、平成十六年三月の予算委員会で、これは自民党の先生ですけれども、この地中化のことを再三質疑されておることを速記録から拝見させていただきました。この中に、石原知事が、いまだに電線類が張りめぐらされて、雑然といいますか、いかにも醜悪な態様で残念な話であります、これは地中化に努めていくのは当然だと思うという答弁をされているのを見させていただきました。
 そこで、今後、東京都がどのような計画で電線の地中化を推進されていくのかを中心に伺ってまいりたいと思いますが、まず、東京都において、どの程度既に電線が地中化をされてきたのかという実績について、この資料にも基づきながらお答えをいただければと思います。

○阿部道路保全担当部長 都道における電線類地中化事業ですが、この事業は、防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出等を目的として実施してきており、これを昭和六十一年度から平成十五年度までというこの期間で見ますと、延べ四百六十二キロメートルを地中化しております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 全体像を考えるために、この資料にも基づいていえば、都道の総延長が二千三百二十八キロということでありますから、大体二〇%を上回るぐらいの地中化率がされてきているということだと思います。
 ただ、まちを歩いていて、本当に二〇%強の地中化がされているのかという、余り実感がないものですから、今後の整備方針を含めて、ぜひどのような形で今後進められていくかをお答えいただければと思います。

○阿部道路保全担当部長 電線類地中化事業につきましては、山手通りと荒川に囲まれたセンター・コア・エリア内の幹線道路、災害時の緊急輸送路及び主要駅周辺などで優先的に推進をしてまいります。
 整備に当たりましては、電線共同溝の構造をコンパクト化するとともに、電線管理者である東京電力やNTTが所有しているマンホールや管路の既存ストックを有効に活用するなどによりまして、コスト縮減と事業期間の短縮を図り、地中化事業を一層推進してまいります。

○伊藤委員 地中化を進められるに当たっては、いろんな弊害がもちろんあると思います。予算の問題、それから、これを地中化するということは、道路をある程度封鎖してやらなければいけませんから--封鎖というといけないのかもしれませんが、そこを一時的に使っていかなければいけませんから、交通渋滞等も起こると思います。
 そういう意味では、地域の方々のご協力等々を必要とするんだろうと思いますけれども、そのためにも、全体像として、東京都の都道においてどれぐらいこれからどんな速度で地中化をしていくかということを、地域の方々、都民の方々にご理解をいただく必要があると思うわけですけれども、こうした全体像がわかる、よく首都高を今、特に外環などをつくられているときに、これからこういう時期にこういうふうにつくりますということが全体像でわかるマップがあると思いますけれども、そうした地中化計画の全体像がわかるマップを用意されているかどうか、お答えください。

○阿部道路保全担当部長 これまでの電線類地中化には、道路管理者である東京都と電線管理者とが共同して実施したものと、それぞれの電線管理者が単独で実施したものがございます。
 都が主体となって施行した箇所の図面は備えてございますけれども、電線管理者が単独で施行した箇所を含めた、いわゆるマップはまだ作成されておりません。
 今後、電線管理者との連携を強化いたしまして、計画的に地中化事業を一層推進していくために、都全域の地中化の状況が把握できるマップを作成していきたいと考えております。

○伊藤委員 ぜひそのマップをつくっていただいて、推進のエンジンにしていただきたい、そして、理解を得るためのツールにしていただきたいというふうに思いますので、改めて早期のマップの作成をお願いしたいと思います。
 それから、今お話に上がったように、東京都だけではなくて、電線の管理者であるNTTや東京電力が独自に行っている地中化というものも、これ、特に東京都がすべては把握しづらいというようなお話があったわけですけれども、こうしたNTTや東電が行われているものと、東京都でまたばらばらに地中化が行われていくというのは極めて非効率なことでもありますし、NTTや東電が地中化したものをどの程度東京都として把握をされているかということをお答えいただければと思います。

○阿部道路保全担当部長 電線管理者が単独で埋設したものにつきましては、道路占用許可の手続をとっております。この占用許可の手続の中で、埋設物の延長などを道路台帳により管理をしております。

○伊藤委員 ぜひこうしたNTT等の行っている独自の地中化というものも把握をしていただいて、それもぜひマップでわかるようにしていただけると、どこまで進んだかということが網羅できていいのではないかなというふうに思うわけですけれども、一層のこの把握をぜひお願い申し上げたいというふうに思います。
 それから、当然東京都として、これは事業者と協力して進めていかなければいけないわけですけれども、当然、事業者の側も、地中化をするのはお金がかかるということもあって、いろいろお伺いしていくと、道路の下に電線を埋め込んでいく作業は東京都の負担ということですけれども、道路の下に電線が埋め込まれて、その電線が今度はそれぞれに住んでいらっしゃる宅地の地下に、要するにお庭の中に入ってきた段階から、これは全部NTTや東電が費用を出さなければいけないと。
 いってみれば、ここまでは東京都でやれますけれども、それぞれのお宅の庭の地下に関しては、東電、NTTさんがお金を出してくださいということですから、必ずしもこれ、東京電力あるいはNTTがどうしてもやりたいと思えるかどうかというのは、今後のメリットにかかわってくるのではないかというふうに思うわけですけれども、こうした事業者の負担を軽減する方策はお考えでしょうか、お答えください。

○阿部道路保全担当部長 電線類地中化事業は、現在、道路管理者と電線管理者が共同して実施しており、電線管理者は、ご指摘の宅地内の工事を初め、地下へのケーブル引き込み工事、架空線、電柱の撤去工事などを実施し、その費用も負担しております。
 都といたしましては、負担軽減の方策の一つとして、電線管理者に対する補助制度の創設を国に提案要求するなど、地中化事業の一層の推進に努めてまいります。

○伊藤委員 電線地中化で、もちろん事業者が得られるメリットも多々あると思います。例えば震災時における強度も、地上に立っているよりも地下に入っている方が当然強いとか、特にこれからITの社会になってきたときに、今の空中にぶら下がっている、これぐらいの太さか、もうちょっと太いかわかりませんが、その中にはおさまり切れないケーブルをこれからはつくっていかないと、光ファイバーを含めて、なかなか今の電線の中だけでは対応できないということもあるんだと思います。
 そうした電線地中化で事業者が得られるメリットについて、具体的にお答えいただけますか。

○阿部道路保全担当部長 電線管理者が地中化を行うということは、防災機能の強化や都市景観の創出等の面で効果があり、公益事業者として社会的責任を果たしているというふうに考えております。
 また、阪神・淡路大震災におきましては、委員今ご指摘のように、地中化された通信線は、架空線の約八十分の一の被害率であったという報告もございます。地震時の被害がこのように軽減をされるとともに、電線管理者の事業に対する信頼性も、地中化をするということで向上するというふうに考えております。

○伊藤委員 ぜひそのメリットを事業者の方々に特にお伝えをいただくご努力をお願い申し上げて、早急なこの推進をしていただきたいというふうに思うわけですけれども、東京都の今後の取り組みについて、改めて決意を含めてお答えいただければと思います。

○阿部道路保全担当部長 電線類地中化につきましては、山手通りと荒川に囲まれたセンター・コア・エリア内の幹線道路、並びに災害時における緊急輸送路及び主要駅周辺などで優先的に整備をしてまいります。
 今後とも、財源の確保を図りながら、地元区市や電線管理者と連携し、電線類地中化事業を一層推進してまいります。

○伊藤委員 では、最後に、これは本当に数年でできることではないと思います。本当に国家百年の計にふさわしいような長期プランの地中化だと思いますので、まさに千里の道も一里からでありますので、まだ二十数%ということで、ぜひこれが一〇〇%になるように積極的な推進をお願い申し上げて、要望とさせていただきます。
 以上です。

○橘委員 私の方も、電線類の地中化について、これを中心にお伺いしたいと思います。
 近年、全国各地で電線類の地中化事業が展開されるようになりまして、整備が行われた地域では非常に空がすっきりして、町並みもまたさわやかになって、従来の弊害は徐々に解消されつつあるようでございます。しかし、整備には大きな投資を必要とすることもありまして、予算確保という課題が立ちはだかっていることも間違いありません。
 それで、ただいま伊藤委員からもるる質問がございましたので、なるべく重ならない観点から、私の方から若干質問させていただきます。
 東京都でも、建設局が中心になって精力的に整備を進めておられるようですけれども、既存の都道における電線地中化事業の平成十六年度における決算額についてでありますが、ここには数字が資料で出ておりますけれども、都単独事業と、それから国庫補助を受けた事業、この両方があるようでございますので、この二つに分けた数字でお示し願えますでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 電線類地中化事業は、先ほども申し上げましたとおり、防災機能の強化とか、あるいは良好な都市景観の創出等を目的として実施してきております。
 既存の都道における電線類地中化事業の平成十六年度の決算額は、二十九億七千六百万円でございます。その内訳ですが、国庫補助がある公共事業費は十一億五千万円、都単独事業費は十八億二千六百万円でございます。

○橘委員 今の数字でもよくわかりますけれども、東京都が非常にこれに力を入れているということが数字にもよくあらわれていると思います。
 そこで、平成十六年度における電線地中化の事業内容ですけれども、そのうち整備延長については、ここの資料に七・三キロメートルと出ておりましたので、これは結構でございますけれども、箇所数は大体どのくらいになるのでしょうか、お示しいただけますでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 平成十六年度でございますが、先ほど申し上げましたセンター・コア・エリア内で清澄通りなど、災害時の緊急輸送路では環状七号線、鎌倉街道など、計三十七カ所において実施をしております。

○橘委員 この資料を見ますと、平成十六年度とそれ以前の年度の決算額、それから延長の件数を拝見しますと、十六年度の整備延長が大幅にふえております。これは先ほども若干説明があったかと思いますけれども、その要因はどこにあるのか、これについてもう一度説明願えますでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 整備延長がふえた要因でございますが、まず、事業の円滑な執行ができたことによりまして、その結果、事業費を伸ばすことができたというのがございます。
 また、電線共同溝の浅い位置への埋設と構造のコンパクト化を実現いたしまして、整備の単位で、例えば一メートル当たりということで見ますと、一メートル当たりにかかる費用は二割程度縮減をしたということでございます。

○橘委員 再度、恐縮ですけれども、今の答弁で、構造のコンパクト化とありましたけれども、それは具体的にどんな内容なのでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 構造のコンパクト化ということでございますが、電線ですとか、あるいはその他の電線類を収容するいわゆる箱が、東電の幹線を入れたり、また宅地に供給する引き込み線を入れたり、多くのものを入れてきたものをかなり深い位置に、安全性確保のために入れてきておりました。
 今回のコンパクト化というのは、既に入っている幹線についてはそのままさわらずに、引き込み線ですとか、あるいは通信線等を絞って共通の管に入れながら、まず入れる箱を小さくした。そして、さらにそれを非常に浅い位置に入れたということからコストの縮減が図られたものでございます。

○橘委員 よくわかりました。
 これまで国の整備状況を見ますと、幹線道路を中心に整備が行われているように思います。東京都の場合は、住宅密集地が多いということもございまして、また商店街も多いということもありまして、景観だけでなくて、災害対策、それから安全な歩行空間の確保といった観点からも、商店街、そして住宅地での整備と、防災上重要な道路でも力を入れていく必要があるかなと思います。
 そこで、十六年度における商店街、住宅地及び防災上重要な道路、この三点の要素に絞った施行箇所について説明をお願いいたします。

○阿部道路保全担当部長 平成十六年度の主な施行箇所ですが、商店街では蔵前橋通りの亀戸天神前など十五カ所、住宅地では鎌倉街道の多摩市乞田で施行いたしました。また、防災上重要な役割を果たす幹線道路では、環状七号線の板橋区小茂根等八カ所ほかで施行いたしました。

○橘委員 ちょっと観点を変えた質問になりますけれども、電線類を地中化した後のスペース活用についてなんですけれども、これは何か工夫をなさっているのでしょうか、お答え願えますでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 歩道は、本来、歩行者の安全かつ円滑な通行の確保を目的として設置しております。
 歩道の整備に当たりましては、現在、車いす利用を含めたバリアフリーへの対応や、歩行者と自転車の事故防止等が強く求められております。地中化した後の歩道の整備に当たりましても、こうした社会的要請にこたえることを基本としておりまして、現時点では、ご指摘のような利活用は行っておりません。

○橘委員 私、今こういう質問をいたしましたのは、私の近所に電柱が今まであったんだけれども、それが撤去された路線がございまして、それを見てびっくりしたんです。
 といいますのは、わずか直径四、五十センチ程度なのでしょうか、電柱の直径というのは。あの電柱がなくなっただけで、意外と広いスペースができるものだなというふうに感心した体験がございまして、それで、そのスペースのところをお年寄りが歩いている姿を見ますと、特に夏なんかは、少し休みたいような感じで歩いていらっしゃるんだけれども、そこには休むところもない、木陰も余りない。それで、ああ、ここに電柱がなくなったんだから、少しだけれども、ベンチまでは置けないけれども、ちょっと寄っかかるようなところ、木陰がちょっとあったら、これはすごくいいだろうななんて、そんなことをちょっと感じましたので、今こういう質問をしてみました。
 それで、確かに電線類の地中化というのは、今答弁がありましたけれども、景観の保護であるとか安全な歩行空間、これも大事な視点だと思います。しかしながら、全国で電線の地中化というのは進んでおるわけでして、確かに、私もいろいろ調べてみましたけれども、その空間を少しの憩いの場とか、そういった場所として活用しているケースはそんなにはないようでございます。しかしながら、工夫はやっぱりされているようで、ちょっとした寄っかかるようなバーを置くとか、それによってお年寄りがちょっと休憩できるとか、そういった工夫も若干はされているようであります。
 そこで、私が今申し上げているのは、ちょっとしたスペース--電柱を撤去しました、それで全部が全部そこにスペースができるわけではありません。安全な歩行空間を確保するというのが一番のメーンだと思います。しかしながら、場所によっては、スペースがかなりとれることがあるんですね。電柱を撤去したことによって、かなりの広さのスペースがとれるところも、私も歩いてみて、ここだったら結構あるんじゃないかと、そういったところも気がつきます。
 そこで、私は提案しておきますけれども、全国的に今整備が行われている、その中でも、やはり東京都で行うことというのは全国の参考になると思いますので、東京都でそのスペースが確保できるようなところは、お年寄り、または乳母車を引いた若いお母さんたちがちょっと休むことができるような、そういったスペースを確保するという工夫をちょっとなさってみてはどうかなと。
 それが、やはり私は、この東京の道路状況を見た場合には、いずれ時代の、また社会の要請として、歩道をもっと憩いの場にすべきだという要請は強くなってくると思います。そのときに備えて、少しでもテストパターンとしてつくってみるとか、また、全国で進めている今の整備を少しリードするような、東京都がちょっと工夫しているよといったことを示すためにも、可能なところはそういったスペースをつくって、まちの中のちょっとした憩いの場をつくってみてはどうかなと私は考えますけれども、所見を伺います。

○阿部道路保全担当部長 電線類地中化後の歩道で、一定以上の幅員があり、かつスポット的に比較的広い空間を持つ箇所がございます。こうした箇所につきましては、ご指摘の憩いのスペースなど、活用の工夫について、それぞれの地域の状況、歩道幅員、これらを踏まえまして検討してまいります。

○橘委員 じゃあ、今の検討、どうかよろしくお願いいたします。
 最後ですけれども、公明党は、この電柱の地中化、電線類の埋設の件でございますけれども、電線類の地中化については、住宅地などを中心にこれからは進めていくべきだということをマニフェストにも盛り込みました。
 冒頭にも私申し上げましたけれども、電線類の地中化というのは、景観面とか、それから災害時の安全確保といった観点からも、これから重点的に整備をする必要があると思います。
 この景観面、同時に災害時の安全確保という観点から、東京都としてどのようにして整備を進めていくのか、この見解を伺いたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 都はこれまで、電線共同溝の構造をコンパクト化するとともに、電線管理者が所有しているマンホールや管路のいわゆる既存ストックを有効に活用するなどによりまして、コスト縮減と事業期間の短縮に取り組みながら地中化事業の促進に努めてきたところでございます。
 今後とも、財源の確保を図りながら、地元区市や電線管理者等と連携をいたしまして、地中化事業を一層推進してまいります。

○植木委員 若干ダブる点もありますけれども、ご容赦願いたいというふうに思います。
 まず第一に、山手通りの環境対策の問題なんですが、道路整備については、今、資料でたくさん出されましたけれども、問題は、それが住民にいろんな被害をもたらすということであってはならないというふうに思うんですね。
 それで、山手通りの工事が今進行しておりますけれども、地下に換気所を設置するということで、いよいよかなというふうに私は思うんですけれども、そういう段階に来たというふうになっていると思いますが、現在の状況についてお示し願いたいと思います。

○道家道路建設部長 山手通りの地下で建設を進めております中央環状新宿線は、現在、全線十一キロにおいて、民営化した首都高速道路株式会社が事業を実施しております。
 本路線の九カ所に設置する換気所の進捗状況といたしましては、全換気所におきまして、換気設備を収容する地下構造物の建設を進めているほか、低濃度脱硝装置や電気集じん機などの換気設備についても既に製作を進めている段階でございます。

○植木委員 山手通りの当初計画から、ずっと私携わってきているんですけれども、当初は、換気塔、高さ四十五メートルで、幅も、ちょっと正確な数字は忘れちゃったんですけれども、十メートル近くあったと思ったんです。それから、吐き出す排気も、集じん機はあるけれども、窒素酸化物やSPM、浮遊粒子状物質などはそのまま、一切除去することなく、高い煙突で高く吹き上げて周辺に散らすという、そういうものだったわけですね。
 住民からは、そんな道路ならつくるべきではないとか、いろんな多くの意見が出されて、公害の調停なども行われました。しかし、東京都としては、あくまでも計画どおりに進めるということで現在に至ってきていますけれども、そうした中で、公害対策をということで運動をされている方々も含めていろいろ研究をしまして、全国では、道路周辺の住民の命と健康のためにということで、土壌脱硝だとか光脱硝とか、いろいろ努力をされている例があるということをいろいろ聞いたり教えていただいたりしながら、私たちも検討してきました。
 そういう中で、窒素酸化物や浮遊粒子状物質などを除去する装置を都内の道路にも何とかならないのかということで、国や道路公団、東京都や中野区にもいろいろ働きかけるなど、日本共産党の中野区議団、それから住民団体、町会などと一緒に取り組んできました。
 そういう中で、国と道路公団などがパイロット実験ということで、京浜島に実験装置をつくって実験をずっと続けるようになって、ようやくこれが実際の現場につけることが可能であると、こういう判断が出されるようになってきたということで、何とかこれが早くできないかということで私たちも見守ってきました。
 そういう意味で、この低濃度脱硝装置、集じん装置をつけて山手通りに活用するわけですけれども、この脱硝装置がどのくらい効果があるのか、窒素酸化物、SPMの除去の成果の到達点、それから、換気塔から出される排気ガス濃度はどのくらいになっているのか、まずその点だけ、ちょっとお示し願いたいというふうに思います。

○道家道路建設部長 この新宿線では、換気所周辺の大気質の状況を踏まえまして、電気集じん機に加えて低濃度脱硝装置を設置することにいたしました。
 この装置を導入することによりまして、二酸化窒素の換気塔出口濃度が、おおむね〇・一ppmから〇・〇一ppmとなりまして、九〇%除去されると考えております。

○植木委員 SPMについてはどうですか。

○道家道路建設部長 換気塔から出される浮遊粒子状物質、いわゆるSPMでございますが、八割以上除去されるというふうに考えております。

○植木委員 NO2の方は九〇%を上回るというお話ですけれども、SPMは八割に現在はとどまっているということですね。
 そういう点で、これをこれから実際につけて管理運営されるわけですけれども、そのメンテナンスに当たって、専門的な言葉はちょっとわかりませんけれども、フィルターだとか集じん機の設備、いろいろ途中で交換すると思うんですよね。半年に一遍ぐらいというふうにちょっと聞いているんですけれども、そういうメンテ回数、交換回数を、半年に一遍を、さらに回数を上げれば、除去の能力が落ちる前に引き上げられるんじゃないか。
 これは専門的な立場からではないので、実際がどうかわかりませんけれども、そういうことで、可能な限り効果を高めてほしいという要望が非常に強いんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○道家道路建設部長 先ほど申し上げました低濃度脱硝装置や電気集じん機のメンテナンスにつきましては、京浜島での実験結果や、これまでの他の事例の実績をもとにいたしまして、現在、首都高速道路株式会社において詳細な検討を進めているところでございます。

○植木委員 ぜひ、その詳細な検討の中で、住民の期待にこたえてほしいと思うんです。
 最近の調査はちょっとわかりませんけれども、かつて調査した資料を見たときに、この山手通り周辺のSPM、非常に周辺の子どもたちに与える影響が大きいという調査を見たことがあるんです。ぜんそくの率が、ほかから比べて非常に高いんじゃないか、そういうこともありますので、ぜひ詳細検討の中で、可能な限り効果を引き上げるご努力をされていただきたいというふうに思っています。
 それから、濃度について、今、実験結果を通じて効力のお話があったんですけれども、住民から見ますと、確かに効力は上がっているようだと。しかし、実際に目に見えるようにしてほしいというのが強いんですよ、結構。簡単なようで難しいのか、その辺はよくわかりませんけれども、そういう要望に対しては、現時点ではどうでしょうか。どんな考えでしょうか。

○道家道路建設部長 換気塔から出る出口の濃度の件だと思いますけれども、この表示を目に見えるようにというご提案でございますけれども、二酸化窒素の評価というものは、換気塔から出て拡散後に、地上付近の濃度と比較すべきものでありまして、換気塔出口濃度で評価するものではないというふうに認識しております。
 さらに、評価に当たっては、一日平均値を年間計測いたしまして、低い方から九八%に相当する値と環境基準値とを比較するものでありまして、計測結果を現地で目で見えるように表示するということは、首都高速道路株式会社でも考えておりません。

○植木委員 これは、環境局の方の、いわゆる道路上の環境測定とのかかわり合いもあると思うんですけれども、住民はいずれにしても、少しはよくなったよというのを示していただきたいというのは、やっぱりそうだと思うんですよね。現実に道路は車がずっと走っているわけですから。
 そういう意味で、環境に配慮した方策をやっているんだよというのを見せてほしいという思いが、依然として私どものところへ声として上がってくるので、これは現時点ではそういうお話ですが、今後実際にやっていく中で、またいろいろと努力を積み重ねていただきたい。これは要望だけにしておきます。
 それから、換気塔と道路の計画ですが、塔の高さ、当初計画四十五メートルということで、基本的にはそのぐらいの高さが必要だというお話は聞いていますけれども、場所によっては低める可能性もあるというお話も聞いておりますし、それから、装置が非常に改善されたことによって幅が狭くなった。そのことによって、歩道部分にも一定の余力をプラスすることができるというふうにお伺いしているのですが、この点についてはいかがでしょうか。

○道家道路建設部長 先生のお話にもございましたように、換気塔の塔の高さについては、当初の高さの四十五メートルと同じ高さでございます。それから、換気塔の幅につきましては、種々の工夫をすることによりまして小さくすることが可能でございます。

○植木委員 実際にはどのくらい小さくして、道路部分にどういうプラスになるのかということをお示し願いたい。

○道家道路建設部長 換気塔の形状につきましては、圧迫感を軽減してほしいという、広く沿道住民の要望がございまして、当時の首都高速道路公団におきまして、外部の専門家による路内換気塔デザイン選考会が設置され、換気塔の形状等が検討されてきております。その委員会の意見を踏まえまして、昨年秋には、スリム化された換気塔デザインについて説明会が開催されております。
 その結果、例えばでございますが、東中野換気所におきましては、中央分離帯の幅を一・六メートル縮小することが可能となり、両側の歩道をそれぞれ〇・八メートルずつ拡幅いたしまして、七・五メートル及び七・六メートルの歩道幅員で整備をすることとしております。

○植木委員 〇・八メートルずつ縮小できたと。非常に住民の皆さんも、これはご努力いただいたという評価をしておられるんです。
 ただ、当初は、とにかくのっぽビルが建つんだというので、わざわざ模型を設計の方々がつくって、自分たちで、こんなでっかいものが道の真ん中にできていいのか、世界の中でこんなひどい道路はないんじゃないかというようなことを住民説明会のときにやられた方もおられましたけれども、まだまだ改良の余地はあると思うんですけれども、これは、現在のところはもう進行してしまっていますから今後の課題ですけれども、一層の改善をやっていただけたらというふうに思っております。
 それから、歩道幅が今広がったというお話がありましたが、今、東中野の北側、早稲田通りのところまで非常に幅員が広がって自転車道もできたということで、モデルができたり、それからクイックプランと重ね合わせて、大久保通りのところも若干変化が出てきたとか、これまでは延々と工事が続いて、ちっとも変化が出てこないという思いがみんなの中にあったんですが、ここのところに来て、一定モデルが実施されてきているのですが、どんな形で整備する計画になっているのか、歩道部分についてお示し願いたいと思います。

○道家道路建設部長 東中野の先行整備区間、いわゆるモデル区間でございますけれども、幅員は、これまで申し上げたように、全幅員四十メートルでございます。そのうち両側の歩道、多少それぞれ幅員が違いますけれども、八・七五メートルと九・二五メートルという、ゆったりとした歩道を設置しております。
 さらに、車道部分につきましては、荷おろしスペースを設けるところについては九・二五メートルございまして、それから、停車帯を設ける区間については八・七五メートル、それから最後に、中央分離帯が四メートル、こういう横断構成になっております。

○植木委員 歩道幅員がこれだけできたというのは、今までの東京都の道路行政の中でも新しい試みであると私は思うんですね。
 実は最初は、この山手通りは、たしか両車線三車線ずつで、道路の幅員は非常に狭い設計だったんですよ。私の地元の中野区議会で、日本共産党の区議団が、何とか道路幅を広げられないのか、二車線でいけるんじゃないかという話を提案いたしまして、それで、中野区長も東京都に申し入れる、東京都も、警視庁や関係局とも、道路公団もそうですけれども、調整を図った。結構時間はかかりましたけれども、こうした歩く人にやはり配慮した道路、非常にそういう点では、植栽についても住民の皆さんと話し合って、こういう植栽がいいよというお話も、意見交流を図って決めてきた。そういう点では非常に、かかわってきた者の一人として、実はおとといもそこを歩いてきたのですけれども、住民に優しい道路というものを今後も進めていただきたいと思います。
 今の関連のとは一つだけ違うのですが、この後、水害問題もちょっとお聞きするのですが、道路の方でも雨水浸透というのを努力してほしいというのが、この間の議会の中でも随分出ましたけれども、山手通りそのものでは、どういう計画というのでしょうか、検討はされているのでしょうか。雨水浸透についていかがでしょうか。

○道家道路建設部長 道路における雨水の浸透の整備状況でございますけれども、山手通りにおきましても、歩道を中心に浸透性舗装をして、雨水の浸透に努めることにしております。

○植木委員 道路全体は結構広いあれですけれども、ぜひ雨水浸透についてもさらに研究していただきたいと思うんです。
 というのは、直接山手通りだけではないんですが、ご存じかどうかわかりませんけど、大久保通りとの交差点のところは、ちょうど山手通りも下がってきていて、大久保通りも下がってきていて、山手通りがちょっとだけ高いこともあって、大久保通りの側に水がばあっとあふれて、川が何にもないところで水があふれるんですね。下水道の方には、下水道の方で努力してくれというのでいろいろいってはいるんですけれども、こうたびたび水が出ると、下水道だけでというわけにもいかないので、道路の方にも努力をしていただきたいということを重ねて要望しておきます。
 次に、神田川流域の水害対策についてお聞きしたいというふうに思っております。
 神田川水系は、ここに資料でいただきましたけれども、神田川、妙正寺川、善福寺川、これに江古田川なんかも、支流として実際にはついてはいるんですけれども、いずれにしても、その辺の資料をいただきましたけれども、改めて簡単に具体的な整備状況についてお示しいただきたい。

○野村河川部長 神田川水系の整備状況でございますけれども、一時間五〇ミリの降雨に対応する護岸や調節池の整備を実施いたしておりまして、平成十六年度末の護岸整備率は、三河川で五五%でございます。調節池につきましては、九カ所、貯留量約六十三万立方メートルの調節池を整備済みでございます。
 今後とも、着実かつ効率的に河川整備を進めてまいります。

○植木委員 この資料を見てみますと、神田川七九%の整備率、妙正寺川は二三%、善福寺川は三九%と。
 先ほども、伸び率が神田川でプラス二%、妙正寺川でプラス六%というお話がありましたけれども、いずれにしても、この進捗率で、現状、水害なども実際に出るわけですから、どのように認識されているでしょうか。

○野村河川部長 河川整備に当たりましては、水害の発生状況や市街地状況などに応じまして、より重点化を図りまして、限られた予算で最大の効果が得られるよう事業を進めてきております。特に、神田川水系の三河川につきましては、中小河川の中でも最も重点的に進めてきたというふうに認識をしております。
 今回の水害を教訓に、今後も一層、早期整備に努力をしてまいります。

○植木委員 重点的に行ってきたというのですが、平均で六〇%、現実にそれぞれ非常に低い。打開策がどうしてもやっぱり必要なんですよね。
 そういう意味で、未整備区間について、既に本会議等でも出されたというお話がありましたけれども、改めてどのような手だてを打っているのかお示しいただきたいと思います。

○野村河川部長 今までもご答弁をさせていただいておりますけれども、五〇ミリに対応する護岸が完了した区間では比較的水害が少なく、減災効果があったというふうに認識をしております。
 未整備区間の護岸につきましては、緊急に整備できるよう、現在、国と調整を進めているところでございます。

○植木委員 未整備区間について、特にこの神田川、妙正寺川、善福寺川を見て、押しなべてやるのですか。それとも重点はどこか、例えば妙正寺川だとか、そういう検討はされているのでしょうか。

○野村河川部長 河川激甚災害対策特別緊急事業の調整の状況ということだと思いますが、今、その採択に向けて国と調整を進めているということでございます。この事業は、原則五年間に整備可能なメニューで、いかに効率的にやっていくかということで、現在、調整を進めているところでございます。

○植木委員 わかりました。
 ぜひ努力をお願いしたいと思うんですが、それから、現在、ここに出ている進捗状況、五〇ミリ対応ということなんですが、実は五〇ミリに一〇〇%効果をあらわしていないんじゃないかというふうに私は見ているんです。
 つまり、現在、五〇ミリ改修したところでも、実際には、私が考えているのは、中野の部分しか見えませんので、多分、下流の方でまだ工事の進捗が、いろいろ経過があって進んでいないところも多分あるんだろうと思うんですね。そのために、川底が一定、深さが当初計画どおりになっていない、だから、実は一〇〇%効果が上がっていないということをお聞きしているのですが、そのとおりなのかということと、一〇〇%効果を上げるための見通しというのでしょうか、その辺はどんなふうになっているのでしょうか。

○野村河川部長 五〇ミリの降雨に対応する護岸の整備が完了している区間でありましても、今、委員からご指摘がありましたように、下流の流下能力に合わせて、河床の掘削が未施行の区間がございます。それらの区間につきましては、早期に下流部の整備に合わせて掘り下げを実施していくということでございます。
 当面は、河道の能力に加えまして、調節池等の整備に合わせて治水能力の向上を図っているところでございます。

○植木委員 ぜひ早く、いろいろ事情があるようですから、無理にとはいいませんけれども、お願いしたいと思います。
 それから、護岸についてですが、今回はどこも一〇〇ミリですから、実際には護岸からあふれちゃっているところが大変多いんですけれども、そういう中でも橋げたが低い場所が--特に今回、北原橋のところで橋げたにぶつかって、それと護岸が壊れたのとが重なったと思うんですけれども、そういう意味で、一つは応急処置、きのうも実際見てきましたけれども、コンクリが一応吹きつけてはありますが、川底にはちょっとはみ出た部分もあったりして、これから寒くなれば、そう大きい雨は降らないかもしれないんですけれども、もし今降れば、ぶつかっちゃって二次災害でも出ないかというような状況だと思うんです。
 もちろん、そういう点では、いろいろ計画を持って進めていると思うのですけれども、その見通し、それから北原橋そのものはどのようにするのか、その辺のお考えをお示し願いたいと思います。

○野村河川部長 妙正寺川の被災箇所は、北原橋上流と三谷橋上流の二カ所でございますけれども、そのうち、まず北原橋上流部につきましては、九月六日までに応急復旧を実施いたしておりますけれども、この区間につきましては、今年度中に当該箇所を含む本格的な改修工事に着手する予定になってございます。その中で、お話の北原橋についても上げるというか、正規な形でやっていくということでございます。
 それから、三谷橋上流部につきましても、応急復旧に引き続き、現在、本格的な復旧に着手をしておりまして、今月中には完了する予定でございます。

○植木委員 北原橋のところ、今ちょっとよくわからなかったのですが、本格的にやっていくとかという表現だったのですけれども、改善して高くするのですか。その辺がちょっとよくわからなかったのですが。

○野村河川部長 ここは、先ほどご答弁いたしましたように、五〇ミリ対応の護岸を整備するということでございますので、橋についても五〇ミリの対応がされるということでございます。
 工事に入りますと、北原橋については、工事中は仮の橋にかけかえて、ネックということも解消がされるというふうに考えております。

○植木委員 それから、さっき地下調節池の問題が出たのですが、これも二つありまして、これは本会議でも出ていましたけれども、神田川側の取水口の活用についてどういう状況だったのかというのが一つ。
 それからもう一つは、妙正寺川の調節池も第二期工事がここまで来て、取水口は今やっている最中と、こういうことなんですが、たしか私、十六年だったと思うんですけれども、担当者のところへ伺って、工事が随分長引きそうだけれども、途中の段階でいざ水が出たときに、取水を可能にするということは技術的にできないのかというようなお話をしたのもちょっと覚えているんです。
 そのときには研究してみるというお話だったのですが、その後、一定改善が図られる方向になってきているのではないかなと思いつつ質問するんですが、一つは、取水口の工事をできるだけ前倒しでというのが中野区からも要望が来ていると思うので、前倒しに努力していただきたいということと、その過程でも水が出た場合の対応の仕方、それから神田川の調節池の今回の活用状況について、あわせてお示し願いたいと思います。

○野村河川部長 まず、妙正寺川からの取水施設でございますけれども、これにつきましては、今年度から工事に着手をいたしまして、平成二十年度の完成を目指すということでございます。
 この工程につきましては、前倒しということはなかなか難しいということはございますけれども、その取水時期につきましては、工事中に取水した場合の安全確保、あるいは高低調整などを考慮する必要はございますけれども、十九年の出水期までに暫定的な取水が可能となるよう、今後事業を進めていくということでございます。
 それから、この前の神田川から応急的に取水をした効果でございますけれども、これにつきましては、第一期の二十四万立方メートルに加えまして、二期区間にも緊急的に洪水を取り入れまして、神田川の下流域で、河川からの溢水の被害を大きく軽減させ得たものというふうに考えてございます。

○植木委員 河川の改修や地下貯留の方はわかりました。しかし、それでも五〇ミリということで、今回のように一〇〇ミリがずっと続くようなことがあれば、それに対応できないということで、貯留施設の問題もあると思うんです。
 私のところは鷺宮なんですが、私のところも水が出て、周辺一帯が、まさにひざ近くまで水が出て、それから川の周りは、皆さんもご存じのとおり、建設関係の人なんかは、機械そのものが泥水につかって心臓部が使えなくなったと。そうすると、心臓部だけでも百万円はする、一体どうするんだというので、融資の相談などをやったり、本当にいろんな思いを持っておられる地域なんですね。護岸、河川改修は、ご存じのように、その下の沼袋あたりまでしかできていませんから、そういう点では、上流部分での貯留施設は非常に重要になってきていると思うんです。
 中野区から具体的に、都営住宅のところの公共施設云々が出されておると思うんですけれども、この点については関係機関との調整などがどのように行われるのか、その調整状況というのでしょうか、お示し願いたいと思います。

○野村河川部長 お話のございました鷺の宮アパートの用地を活用した調節池でございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたように、治水効果の検証に加え、地元の理解を得るなど課題がございますけれども、今後、関係部署と調整をしながら検討を始めていきたいというふうに思っております。

○植木委員 そこだけでいいかどうかというのは、私も専門的にはわかりませんけれども、住民からはいろんな案が出るんです。ただ、そこが実態に、それができるのかどうかというのはありますから、そこは専門的な皆さんに検討していただくしかないんですけれども、この周辺には区立のスポーツ公園だとかがあったり、それから神田川のところでも地下鉄の車庫があったり、いろんな土地が住民からは見える。本当にこれを活用できるんだろうか、やってもらいたいんだという声もあるんですけれども、これはぜひ専門的な立場でご検討をしていただきたいというふうに思っております。
 それからもう一つは、現実には、これから河川改修にずっとご努力願うわけなんですけれども、しかし財政の問題もあるし、一遍にできるというものでもありません、周辺住民の協力がどれだけ得られるかという問題もありますので。そうすると、どうしても周辺の皆さんの中でも、いよいよこれから建てかえの時期に入る、水害地域になっちゃっているけどどうしようかというので、ハザードマップを見て、自分の家をどうしようかというのを検討する家も出てくると思うんです。それで、家の床を高床式にできないだろうかと思っている方が現実におられるんですね。
 これは当然、自分の生活のことですから真剣に考えておられるのですけれども、そういった問題について、高床式の工事に助成というのは、かつてあったのではないかと思うのですが、これも今回適用するような検討はいかがでしょうか。

○野村河川部長 高床式の助成でございますけれども、昭和五十七年度から平成十年度まで、水害予防住宅等高床工事助成事業補助ということで、区が補助するのに対して都が補助を行うということで行ってきたわけでございますが、都の財政健全化計画に伴いまして、平成十年度をもって補助を廃止いたしております。この経緯を踏まえまして、新たな補助は考えておりません。

○植木委員 このときは、たしか神田川の方で激甚指定があって、用地買収をされる中で、住民の皆さんが建てかえをしてという段階だったと思うんですね、七年から十年。
 私も随分住民の皆さんに立ち会ったことがあるんですけれども、財政問題は確かにありますけれども、今回は逆に妙正寺川の方がずっと出ているので、また神田川とは違った、神田川水系の中でも違った意味合いを持ってきているし、それから都市型水害の規模や、関心というのでしょうか、皆さんの思いも募ってきているわけですから、これは従来がどうだったからというのにやるんじゃなくて、今回のに対応するにはどうしたらいいかという、それこそ激甚指定を国に申し入れるのと同じで、東京都も努力をするということが必要じゃないかと思うので、ぜひこれは検討していただきたいというふうに思っています。これは総合治水の面からいっても必要なことじゃないかと思います。
 それから、あと一点、二点で終わりますけれども、周辺道路の雨水浸透効果、先ほど山手通りのことで突然質問してしまったのですけれども、あれは大きな道路ですから質問しましたが、この点についてはどうでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 道路につきましても、総合的な治水対策の一つとして歩道の透水性舗装を実施しており、その施工面積は約三百二十万平方メートルとなっております。
 今後とも、歩道を中心に透水性舗装を推進し、総合的な治水対策の充実強化に努めてまいります。

○植木委員 この質問の最後に、先ほども住民の声を幾つか紹介しましたけれども、住民の中には、機械が使えないとか、家が古かったために改修がなかなか進まないとか、いろんな思いを持って、なぜうちのところが水が出たんだ、ハザードマップと比べてどうだとか、いろんな意見が出ておるんですね。
 そういう意味で、十分丁寧に住民の方々の意見に耳を傾けて、私のところだけでもこれだけの話がいろいろ出てきているわけですから、もっともっといろんな意見が出てきていると思いますので、そういう意味での説明が必要だと思うのですけれども、そういう説明会などの計画はどのようになっていますでしょうか。

○野村河川部長 今回の被害を踏まえまして、地元からご要望があれば、東京都の方もそういう説明会等に出ていって、いろいろご説明をさせていただくというふうに基本的には考えてございます。
 中野区の例をとりますと、災害が発生した地域センターごとに、区が主催をして、水害に関する情報提供や今後の対応等について説明する予定というふうに伺っております。
 都といたしましても、この説明会に参加をさせていただいて、いろいろご意見をお聞きするなどきめ細かな対応をしていきたいというふうに考えてございます。

○植木委員 最後に、ウミガメの保存の問題について質問します。
 伊豆大島の間伏地区の海岸について、海岸整備を計画しているとお聞きしますが、具体的にはどのような計画になっているでしょうか。

○野村河川部長 間伏地区の海岸でございますけれども、伊豆大島の南西に位置する海岸でございまして、冬場の強い西風や台風による波浪によりまして、海岸線が五十年間で約六十メートル後退するなど著しく侵食されており、地元からもその対策を要望されている海岸でございます。
 このため、今後、本海岸を海岸保全区域に指定をいたしまして、人工リーフの整備を基本とした侵食対策事業を考えてございます。現在、基本的な調査検討を行っております。

○植木委員 この海岸は、野生動物であるウミガメの繁殖地となっていて、特にアカウミガメというのが絶滅危機種に指定されている保護動物になっているそうですが、ここはそういうウミガメの繁殖地であり、また一方で、サーフィンなどを楽しむところになっているわけです。
 そういう中で、地域の自然を守ってウミガメの保存ができるようにということで努力されている方たちから、先ほど出ました、人工リーフというようなことを考えているようだけれども、同じ大島の中で筆島海岸では、人工リーフの設置後、必ずしも砂浜が回復しない、こういう点では失敗ではないかという声も上がっているのですが、こういう点についてはどのような見解でおられるでしょうか。

○野村河川部長 人工リーフは、波浪を減衰させるといいますか、減勢させまして、侵食を防止することを目的として海中に設置するものでございます。建設局では、これまでに大島など五海岸で十一基設置いたしまして、確実に侵食の防止効果があらわれておりますし、全国的にも侵食防止対策として広く採用されている手法でございます。
 お話の筆島海岸における人工リーフにつきましても、侵食防止に一定の効果を上げているというふうに判断をしております。なお、当該海岸は、強い海流の影響などで、砂浜の変動が非常に著しいということもございますので、砂の変動調査を継続して行っております。

○植木委員 海岸の特性にもよるんでしょうけれども、非常に砂浜が洗われて、砂浜が少なくなってきている。それから、砂防ダムにたまった砂が適切に流れてきて砂浜を形成する、それが我々人間が思うようにきちっといけばいいんだけれども、なかなかそうはいかないという面もあったりする。
 それだけいろいろ難しい点はあると思うのですけれども、ウミガメが上陸しなくなったのでは元も子もないわけですので、そういった地元の意見、請願陳情なども出されていると思うのですけれども、そういった要望に対してはどのようにこたえていく考えでしょうか。

○野村河川部長 本海岸の侵食対策の検討に当たりましては、大島町とともに意見交換会を開催しております。意見交換会では、ウミガメの保護に携わっておられる方々や、一刻も早い対策の事業実施を望まれている方々、あるいは先ほどちょっとお話がございましたように、サーフィンの関係の方々など多くの方にご参画いただきまして、貴重なご意見や情報を伺っているところでございます。
 今後とも、このような意見交換会を実施しながら、さまざまなご意見を十分に伺いながら、侵食防止対策の事業化を図ってまいります。

○植木委員 今、今後のことについて関係者とよく話し合っているというお話がありましたので、ぜひそういう意見の反映をしながら、ウミガメの保存に努めていただきますようにお願いして、質問を終わりにします。

○田中委員 私も、幹線道路の整備及び首都高速道路中央環状線につきましてお聞かせをいただきたいと存じます。既に何点かの質疑がございましたので、簡潔にお伺いをしたいと思います。
 幹線道路は、都市活動や都民生活を支える極めて重要な基盤施設でございます。これまで都は、かなりの財源を道路整備に投じてきましたが、都市計画道路の整備率は、さきの決算特別委員会でも出ましたが、約五五%と伺っております。
 また、本日お示しをいただきました資料によりますと、幹線道路の整備費用、骨格幹線道路が九百二十四億、そして地域幹線道路に百五十九億ということで、合計千八十三億円、平成十六年度に投入をされております。
 そこで、まずお聞かせをいただきますが、平成十六年度、千八十三億円の巨費を投じて幹線道路が整備された、その距離、延長をお聞かせいただきます。

○道家道路建設部長 十六年度に完成いたしました建設局所管の幹線道路延長は、約七キロメートルでございます。

○田中委員 一千億円を超える巨費を投じて七キロの整備ということで、まだまだ残された四五%の部分を整備するに向けても相当な金額がかかるし、また一大事業だなと、そういった数字からも改めて感じております。
 東京都は現在、山手通りや環状八号線、調布保谷線などの幹線道路の整備を進めておりますが、都内の都市計画道路の整備率は、今いったようにまだ半分程度でございます。この道路整備がおくれることによりまして、交通渋滞あるいは経済活動などへの支障を来すばかりではなく、大気汚染など都市環境の悪化の要因にもなっているかと思われます。
 こうした緊急に解決すべき課題のために、道路整備を着実に進める必要があろうかと思われますが、改めまして、今後、都内の道路整備をどのように進めていくのか、ご所見をお伺いいたします。

○道家道路建設部長 今、委員のお話にもございましたとおり、これまで環状第八号線など区部環状道路や多摩南北道路などの整備に全力で取り組んできているところでございまして、幹線道路の整備は着実に進んでいると認識をしております。これによりまして渋滞解消が図られるとともに、二酸化炭素や窒素酸化物が減少するなど、環境改善効果にも寄与しているというふうに考えております。
 今後は、道路のネットワークの強化を図るため、区部では放射七号線や、お話にございました環状第六号線、また、多摩地域では南北幹線道路五路線などを重点的に整備し、事業効果の早期発現を目指してまいります。

○田中委員 ぜひ一刻も早い整備をお願いしたいところではございますが、今お話しいただいたように、重点路線となっております山手通りの拡幅につきまして、若干お聞かせをいただきます。
 先ほど来、豊島区近隣あるいは中野区方面のお話も出ましたが、私の地元品川区の西五反田あるいは目黒区の下目黒方面では既に工事が進められており、拡幅のために用地を取得されておりますが、その用地を取得した状態のまま、工事がおくれている状況が長く続いております。
 地元の方にとりましては、道路整備に協力して住みなれた土地を供給しておきながら、また、土地の有効活用の観点からも早期工事着工を望んでいると思います。しかし、いまだこのように一部工事の進捗が進んでいない状況になっているのはどのような要因からなのでしょうか、お伺いをいたします。

○道家道路建設部長 山手通りは、都の骨格幹線道路として精力的に整備を進めているところでございまして、目黒区青葉台二丁目から品川区大崎三丁目までの区間で、地元の理解と協力を得ながら用地取得を進めているところでございます。
 ご指摘の西五反田や下目黒地区でございますが、実施を予定しております中央環状品川線の換気所や出入り口の整備計画との整合を図りつつ、具体的な工事の計画を検討しているところでございます。

○田中委員 今、状況をお聞かせいただきましたが、このような状況になっていることにつきまして、沿道の住民の方々に対してどのような説明を行っているのでしょうか、お伺いします。

○道家道路建設部長 沿道の住民の方々に対しましては、日ごろからきめ細かな対応を行っております。例えば、計画段階から現在に至るまでも、さまざまな説明の場におきまして、品川線の計画や事業内容の説明をするとともに、山手通りの事業内容及びその実施状況のご質問に対して丁寧に対応してきております。

○田中委員 中央環状線の品川線につきましては、地元から、今お話ございました換気所あるいは出入り口の抜本的な見直しを求める声も上がってございます。山手通りの整備を今後円滑に進めるためにも、このような住民の声に対し、誠心誠意対応すべきと考えておりますが、そのお考えをお聞かせいただきます。

○道家道路建設部長 骨格幹線道路でございます山手通りや三環状道路の一つでございます中央環状品川線は、交通渋滞を解消し、都市の再生を図る上でも極めて重要な路線でございます。これらの路線を一刻も早く整備するためにも、沿道地域住民の理解と協力を得ることは、先ほども申し上げましたとおり大変重要なことであると考えております。
 これまでも都といたしましては、環状第八号線や調布保谷線などの道路整備に当たり、十分な説明や的確な情報提供に努め、事業着手前から完成に至るまで、段階ごとに説明会などを実施いたしまして、住民の理解を得ながら事業を進めてきたところでございます。
 今後、当該路線におきましても、地元の意見を聞きながら、地域の理解と協力を得られるよう努力してまいります。

○田中委員 ただいま力強いご答弁をいただきましたので、ぜひ期待を申し上げますが、今回は決算委員会という場所でございまして、新宿線と違いまして、品川線はこれから事業認可が行われるという路線であり、また別の機会でぜひ質疑をしていきたいと思います。
 地元におきましては、今いった換気所あるいは出入り口から出る排気ガスによる環境問題、そして換気所そのものの景観の問題、それから工事期間の長期化による沿道住民の商業活動や生活環境に与える問題など、大変多くの不安を抱えておりますので、ぜひこのような地域住民の方に対しましても、引き続き適切な対応をおとりいただきたいと存じます。また、本日もさまざま議論がありました新宿線におきましては、既に先進事例といいますか、先進的にさまざま対応をとっていただいておりますので、その成果が品川線にも生かされるような前向きなご対応をお願いしたいと存じます。
 そしてさらに、技術は日進月歩、日々新しい技術が開発されてまいりますので、新宿線が整備された以降、その後品川線が整備されるわけですが、それまでの間にも新たな技術が生まれましたらば、その時点での最新の機器を設置いただきまして、少しでも地域住民の不安を解消いただけるように絶大なるご尽力を期待しまして、質問を終わります。

○小磯委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十八分散会

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