各会計決算特別委員会速記録第三分科会第四号

平成十七年十月二十一日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十名
委員長小磯 善彦君
副委員長矢島 千秋君
副委員長大沢  昇君
植木こうじ君
田中たけし君
伊藤 ゆう君
松下 玲子君
橘  正剛君
串田 克巳君
林田  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
産業労働局局長成田  浩君
総務部長菊地 輝雄君
産業企画担当部長三枝 秀雄君
改革担当部長佐藤 仁貞君
商工部長中井 敬三君
参事奥秋 彰一君
金融部長塚田 祐次君
金融監理担当部長森 祐二郎君
観光部長高橋 都彦君
参事米原 亮三君
農林水産部長大村 雅一君
参事秋元 篤司君
雇用就業部長松本 泰之君
就業調整担当部長関口 栄一君

本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
産業労働局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都農業改良資金助成会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都林業改善資金助成会計決算(質疑)
・平成十六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算(質疑)

○小磯委員長 ただいまから平成十六年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、産業労働局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより産業労働局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十六年度東京都一般会計決算中、産業労働局所管分、平成十六年度東京都中小企業設備導入等資金会計決算、平成十六年度東京都農業改良資金助成会計決算、平成十六年度東京都林業改善資金助成会計決算及び平成十六年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○菊地総務部長 去る十月七日に当委員会でご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料の一ページをお開きください。目次にございますとおり、要求のございました資料は、全部で十一項目でございます。
 それでは、二ページをお開きください。1、都内小売業商店数の推移でございます。
 総数で見ますと、左側、昭和五十七年の十六万二千店をピークに減少傾向にございまして、平成十六年は十一万四千店になっています。
 恐れ入ります、次の三ページをお開きください。2、都内小売業の売り場面積とそれに占める大規模小売店舗の売り場面積及び占有率の推移でございます。
 都全体で見ますと、表の上段、右寄りにありますとおり、平成十四年度では、小売業売り場面積は約千七十万平方メートル、そのうち大規模小売店舗の面積は約四百八十三万平方メートルで、総面積の四五・一%を占めております。
 次に、四ページをお開きください。3、大型店の新設届け出件数、店舗面積及び時間延長の状況について、平成十二年六月以降の届け出分をお示ししてございます。
 右側一番下の合計欄にございますとおり、約五年間で百八十件の新設の届け出と、七百一件の営業時間延長の届け出がございました。
 次に、五ページをお願いいたします。4、新・元気を出せ商店街事業の実績でございます。
 表の中段、平成十六年度では、右側の実績欄にございますとおり、イベント、活性化事業を合わせまして二千八十件、十四億五百万余円を交付いたしました。
 次に、六ページをお願いいたします。5の産業技術研究所の来所企業数、相談件数、依頼試験件数の推移でございます。
 すべての項目で、件数が年々増加しているところでございます。
 次に、七ページと八ページでございます。6、中小企業制度融資の実績と預託額の推移、過去十年間分でございます。
 次の八ページの右側に、平成十六年度の融資実績がございます。下から三段目の合計欄にございますとおり、融資実績は約十五万三千件、一兆四千八百億余円となっております。
 次に、九ページをお願いいたします。7、中小企業向け投資法人の事業概要及び実績でございます。
 中小企業向け投資法人は、1の目的の〔1〕にございますとおり、直接金融による資金面からの支援と経営面からの支援によりましてベンチャー企業の成長を促すとともに、〔2〕にございますとおり、ベンチャー投資への個人投資家の参加を促すことを目的として、平成十六年度に二つの法人を設立いたしました。
 投資法人の仕組みは、2の事業のしくみの図にございますとおり、投資法人が設立した右側の投資事業有限責任組合が、図の〔1〕、ベンチャー企業への投資により株式を取得し、次に図の〔2〕、事業化を支援した後、図の〔3〕、株式の売却等により資金を回収する仕組みとなっております。
 3の投資実績は、累計で、二法人合わせまして六十三件、三十一億一千七百万円となっております。
 次に、一〇ページをお願いいたします。8、しごとセンター事業の概要と実績でございます。
 1のしごとセンター事業の概要にございますとおり、雇用のミスマッチの解消と都民のさまざまな就業ニーズにこたえるため、あらゆる年齢層を対象に、カウンセリング、セミナーなど、総合的かつきめ細かな雇用就業支援を実施しております。
 2の実績でございますが、平成十六年度で見ますと、表の下段、合計欄にございますとおり、平成十六年七月の開設以降十七年三月までの九カ月間で、利用者は合計で五万一千百九十四人、うち就職者数は四千三百一人となっております。
 次に、一一ページをお願いいたします。9、労働相談情報センターの相談件数と職員数、あっせん件数、解決数、出張労働相談件数の推移の十年間分でございます。
 下から二段目、平成十六年度の相談件数は約四万四千件で、十三年度から徐々に減少しているところでございます。
 次に、一二ページと一三ページでございます。10、若年労働者の無業者、フリーター、派遣労働者の推移でございます。
 一二ページの(1)、無業者の推移でございますが、右端の欄、平成十六年三月卒業の合計で見ますと、都内全体では、卒業者数約三十七万人のうち、約四万七千人が進学や就職をしない無業者となっています。
 次に、(2)、フリーター数の推移でございますが、平成十三年度の都の集計で見ますと、都内では三十四万人となっています。
 次に、一三ページでございます。(3)、派遣労働者数の推移では、いずれの区分でも、その数は年々増加する傾向にございまして、右側の合計では、平成十五年度には、全国に二百三十六万人が派遣労働者として雇用されております。
 最後に、一四ページと一五ページでございます。11、都立技術専門校の応募状況と職業紹介実績、就職率、過去五年間分でございます。
 一四ページの(1)は応募状況でございますが、右端の欄、平成十六年度の応募実績は、最下段の合計欄にありますとおり、七千人の募集定員に対しまして一万四千人が応募し、応募率二〇〇%となっております。
 次の一五ページの(2)は、職業紹介の実績及び就職率でございますが、右端の平成十六年度は、最下段の合計欄にございますとおり、求人受理件数が六千百四十六件、求人数が一万八千三百七十四人、就職率は七五%となっております。
 以上、大変雑駁ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小磯委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○矢島委員 雇用対策についてお伺いをいたします。
 日本は、成熟社会における持続的成長という新しい局面に入ったという認識を示す方もおります。しかし一方では、競争圧力の状況を背景とした日本労働市場での正規労働者の減少、非正規労働者の増大が進み、安定した職場づくりに成果を上げているとはいえません。そのままでは、むしろ社会の活力の衰退につながりかねない、そういうおそれすら感じます。
 雇用対策の面からこのことを見ますと、これまでの政策は終身雇用を前提とした雇用対策であり、現在の世界的な競争社会の効率化の波の中で、企業は少しでもコストを減らそうという行動から非正規労働者の増大を生み、その結果出てくる雇用対策は、おのずから失業を前提とした雇用対策となります。
 まず、雇用就業対策の変遷と現在の基本的考え方についてお伺いをいたします。

○松本雇用就業部長 都の雇用就業対策は、戦後の東京にあふれる失業者対策と労働者の地位向上を中心としてスタートし、職業紹介が国の専管的な事務とされる中で、都は、失業者対策、職業訓練、労政事業等の施策を実施してまいりました。
 ご指摘のとおり、かつては終身雇用制や正規労働者を前提として、失業者の救済や勤労者の生活の安定等に重点が置かれておりましたが、産業構造や経済環境の変化を背景として、雇用が流動化する一方で非正規労働者が増加し、これに伴って都の施策も変わりつつあります。
 現在、都におきましては、雇用就業環境の変化に対応するため、主体的に雇用就業対策に取り組み、雇用のミスマッチの解消、非正規労働者対策、若年者雇用の改善など、都民の仕事に対する不安を取り除くとともに、東京の産業を支える人材の確保を図ることが必要と考えております。

○矢島委員 これらのことを所得から見ますと、固定化が進んでいるとも見えます。そして、この影響は少なくありません。可能性に満ちた活力ある社会を阻害しかねない要因ということになります。雇用対策もその面から組み立てなければならず、再挑戦へのステップが主要な対策の一つとなり、都の政策として取り組まれていることは評価をいたします。
 また、その一つがしごとセンターの役割と認識しておりますが、就業率等を見ると、まだ努力の余地があるように思います。現況と今後の対策についてお伺いをいたします。

○松本雇用就業部長 しごとセンターの利用者のうち、その他の利用を除く九月までの新規利用者に対する就職率は全体で三四%となっており、中高年の利用者につきましては、新規登録者に対し約六五%が就職いたしましたが、若年者につきましては、就業について不安感を持つ方も多く、就業までに時間を要するなどの理由から、二割程度と低調なものとなっております。
 東京の雇用就業問題の大きさ、困難さを考えますと、より一層の取り組みが必要であると認識しております。特に若年者につきましては、十七年度から、職人塾、しごと発見塾などの職業体験機会の提供により職業意識の醸成を図るとともに、ひとりでの就職活動に自信を持てない若者たちに、少人数のグループで就職までともに活動する就職コミュニティなどを実施しておりまして、徐々にその成果を上げているところでございます。
 今後は、さらに区市町村や事業主、NPO等との連携を強化し、必要な方に的確なサービスを提供することにより、求職者の方々の就業支援の取り組みを強化してまいります。

○矢島委員 しばらく前に「13歳のハローワーク」という本がベストセラーになり、大きな話題を提供しました。生徒、学生はいずれ自立することになりますし、自己の将来の社会の中での役割を考えていくことに、早いということはありません。実際、国や国の支援を受けた自治体の取り組みもあります。民間でも、ビジネスの展開、あるいは人生設計の組み立て、また、起業から解散、業を起こすところから解散まで体験できる参加型の、そしてリアルな教育プログラムが提供されていると聞いております。
 職業は、社会に出る前に初めて考える学校での話ではなくて、将来ぶつかるかもしれないミスマッチを少しでも減らし、自己の社会での役割、方向性を見定めていく学びの中にあります。まさに雇用対策で社会の現実と格闘している所管が、今の答弁いただいている部長の所管でございますので、その知り得るものを、何らかの形で学生生徒に提供する積極的な取り組みをぜひしていただきたい。これは意見だけ申し上げておきます。
 次に、新銀行東京についてお伺いをいたします。
 今回の決算審議では、旧の新銀行設立本部が審議の対象でありますけれども、設立の意義を確認する意味で、平成十七年度上期の速報が公表されておりますので、その点についてお伺いをいたします。
 これによりますと、九月末で預金残高は千九百三十九億円、融資、保証残高は五百六十九億円。平成十七年度業務計画では、それぞれ二千八百七十億円、二千五百八十億円とされておりますので、預金は順調でありますが、融資、保証はかなり下回っており、都も一千億円の出資をしているだけに、私自身、強い関心を持っております。
 設立の趣旨であります融資、保証の実績について、都はどのように評価しているかお伺いをいたします。

○森金融監理担当部長 新銀行東京の本格的な業務展開は七月からであったこともあり、平成十七年度上期の実績は、年間目標に対して必ずしも十分な結果とはなっておりません。しかし、その中で、ポートフォリオ型融資は順調に伸びていると認識しております。
 今後は、ポートフォリオ型融資の伸びを引き続き維持するとともに、その他の融資、保証について取り組みを強化していくことが必要でございます。
 このため、同行では、融資要件を緩和して対象を拡大するとともに、公共工事代金債権信託や中小企業向け売り掛け債権等に関する間接的な資金供給にも取り組んでいくこととしております。
 都としても、こうした取り組みが着実に進展するよう、新銀行東京に働きかけてまいります。

○矢島委員 都は、平成十五年五月、新銀行構想を発表してから、十六年四月に株式会社新銀行東京を発足させるまでの間、新銀行設立に向けた調査研究を財団法人東京税務協会に委託をいたしました。その費用については、既に昨年度の各会計決算委員会で我が党の三宅委員が質疑をいたしておりますが、今回の歳入では、この東京税務協会への委託に係る経費のうち、新銀行が負担すべき経費六億四千八百万円余の歳入が計上されております。
 そこでまず、この内容について具体的にご説明をお願いいたします。

○森金融監理担当部長 平成十五年度、都は財団法人東京税務協会に、新銀行の創設を含め、地方経済の再生及び地方税財源の涵養につながる有効な施策の調査研究を委託いたしました。その成果を踏まえて新銀行マスタープランが作成され、それに基づき新銀行東京が設立されております。
 この調査研究の成果は、実際の新銀行東京の業務やシステム、組織体制に反映されるなど、新銀行東京のビジネスモデルや資産のかなりの部分に直結しているということができます。
 このため、この調査研究委託費につきまして、都と新銀行東京との負担額を算定し、新銀行東京が負担すべき額を受け入れたものでございます。

○矢島委員 今回の東京税務協会への調査研究委託経費の精算では、東京都と新銀行の負担割合はどのような考えに基づいて決められたのか、お伺いいたします。

○森金融監理担当部長 都と新銀行東京との費用分担の考え方といたしまして、中小企業の資金需要等のマーケティング調査など新銀行の方向性の決定に要した費用、及び都がBNPパリバ信託銀行を買収するために実施した資産調査に関する費用は、都の負担といたしました。
 一方、新銀行東京の業務内容等の検討に要しました費用や、成果物が資産として計上できる銀行システムの構築に要した費用等につきましては、新銀行東京の負担といたしました。
 この結果、調査研究委託費約八億七千万円のうち、都の負担は約二億二千万円、新銀行東京の負担は約六億五千万円で、その割合はおおむね一対三となったところでございます。

○矢島委員 都と新銀行との負担割合の考え方、費用の負担の額はわかりました。その決定に当たっては、単に両者が合意するだけではなくて、当然のことながら、手続にも内容においても適正でなければならないことは当然であります。それはどのようにして担保されたか、お伺いをいたします。

○森金融監理担当部長 負担額の決定に当たりましては、都と新銀行東京それぞれが、費用負担の基本的な考え方や負担額の算出方法につきまして、外部の公認会計士や弁護士に、会計面、法律面から専門的なご意見をいただき、それらを踏まえて具体的な算定作業を行いました。
 このように、公平な立場にあります第三者の意見を反映し、適正に処理したところでございます。

○矢島委員 都と新銀行東京の関係は、両者の存在が極めて公共性が高いということから、特に会計処理が適正でなければならないのは当然です。これらの点に特段の注意を払いながら、ますます高まる都民、中小企業の皆さんの期待にこたえられるよう、都は、株主の立場で新銀行東京の経営をしっかり監視していただきたい。これは要望しておきます。
 次に、ベンチャー投資法人についてお伺いをいたします。
 日本の経済は、コスト上昇型ではない持続型の経済成長の領域に入っているという見方があります。そして、新時代の布石は多様な挑戦の中にあるということになります。
 その意味で、中小ベンチャー育成が産業活性化のためにも重要でありますけれども、現状は、優秀な技術やノウハウを保有していても、創業間もない事業には、融資による資金調達が大変困難です。また、これらの企業は、経営や財務戦略、マーケティングなどの経験が不足し、せっかくよいものを持った事業を軌道に乗せるのは簡単なことではありません。
 こうした企業を支援するために、融資では限界がありますので、出資など直接金融による支援や適切な経営支援が必要ということになります。
 その意味で、昨年十月に二つの投資法人が設立をされましたが、大変大きな意義があると私は思います。最近では、民間の金融機関などがベンチャーファンドを立ち上げておりますけれども、都のファンドの特徴はどのようなところにあるのか、お伺いをいたします。

○塚田金融部長 都のベンチャー投資法人は、民間のファンドでは投資しづらい創業間もないベンチャー企業を中心に投資を行いまして、手厚い経営支援を行うことで、その成長を促進することに重点を置いております。
 これに加えまして、二、三年後には、投資法人自体が上場することによりまして、間接的ではありますが、多くの個人投資家がベンチャー企業投資に参加することも目指しております。
 また、今回創設されました二つの投資法人には、傘下に八つのファンドがあり、環境や福祉分野などで社会貢献をする企業へ投資するファンドなど、特色あるファンドがそろっております。
 こうした都ならではのファンドが、それぞれの特徴を生かしましたベンチャー企業支援を行うことによりまして、個性豊かで競争力のある企業や産業の育成が促進され、東京の産業活力の強化につながるものと考えております。

○矢島委員 多様なベンチャー企業を対象に出資しているということになりますが、投資法人創立後の投資状況について、投資した中小企業は創業後何年程度のものが中心なのか、お伺いをいたします。

○塚田金融部長 九月末現在で申し上げますと、二つの投資法人の合計で六十三件、約三十一億円の資金を出資しているところでございますが、このうち、投資時に創業後三年未満のものは三十二件、約十五億円でございます。また、五年未満のものになりますと、四十六件、約二十二億円となります。
 これら創業間もない企業への資金供給が、件数、金額とも七割以上を占めているところでございます。

○矢島委員 まさに必要なところに取り組んでおられる。これからも積極的なご努力をお願いいたします。
 創業期にある企業への資金供給は大変重要であります。ですけれども、ベンチャー企業の投資は、確かな目ききがなければ死んだお金になってしまいかねない、こういう面もございます。都が百億という貴重な財源を投資してこの枠組みをつくったのですから、ぜひ引き続き民間の力を有効に活用し、ベンチャー企業への資金供給が積極的、有効に使われるよう、適切に、そしてしっかりとした監視をお願いいたしたい、このように思います。
 もう一点、東京都の積極的な創業支援政策の一方で、民間の中でも草の根創業支援の動きがあります。山口県で最初に開かれ、昨年には東京で開催されたとお聞きしておりますが、地域の個人から応募を募る公開起業オークションであります。
 また、NPO法人が間に立ち、五十人未満であれば届け出不要の少数私募債をまねた仕組みで資金を集め、起業に至った方法でありまして、金融機関の認知も受けた市民バンク、さらに進みますと市民ファンドというものもあると聞いております。
 東京都としても、地域に根差したこれらの動きを何らかの形で支援をし、きめの細かい創業支援として、その施策の幅を広げるべきだと考えます。意見だけ申し上げておきます。
 最後に、局長の決意をお聞きするわけですが、都は、従来からの制度融資に加えて、新銀行東京、ベンチャー投資法人など、多様な手法で中小企業支援を行っていることは評価できます。日本の経済は、ようやく回復の兆しが見えてきたというものの、この景気回復への動きをより確かなものにするためには、企業の大半を占め、日本の産業を支える中小企業への金融支援が重要な役割を果たします。
 最後に、中小企業への金融支援充実について、局長の決意をお伺いいたします。

○成田産業労働局長 東京の活力の源泉は、申し上げるまでもなく、都内企業の大部分を占める中小企業でございます。しかし、現在、この中小企業は世界的な競争のうねりの中に置かれておりまして、新技術の導入あるいは新たな事業分野への進出など、国際競争に打ち勝つための事業展開、また、そのための資金調達能力が強く求められております。
 このため、貸し手である金融機関が優位な立場に立った従来の間接金融偏重の金融システムを変革しまして、中小企業経営を適切に金融支援していくことが極めて重要であると認識しております。そして、創業時のバックアップはもちろんのこと、中小企業が自律的な成長軌道に乗れるよう、成長過程に応じた多様な金融支援の仕組みを構築することが必要でございます。
 こうした考えのもとに、制度融資を活用した間接金融による支援に加えまして、CLO、CBOによる債券発行や各種ファンドの活用など、直接金融の手法を取り入れた多彩な金融支援施策を展開していくことによりまして資金供給構造の改革を進めまして、先ほど来先生もご指摘のように、中小企業の成長ステージに応じた円滑な資金供給に努めているところでございます。
 今後とも、これら金融支援策の一層の充実と相互連携の強化を図りまして、経済動向あるいは金融情勢に対応した適時適切な金融支援を実施してまいります。

○矢島委員 局長のしっかりした認識を伺って、安心をいたしました。局長の話の中にもありましたけど、状況、バックグラウンドは常に変わっております。後から現況に対する対応になると、やはりおくれおくれの対応になってまいりますので、必ず先を見ながら、見通しながら柔軟な対応をしていけるように期待をしておりますので、都民、そして東京にある企業のためにご検討をよろしくお願いいたします。

○橘委員 私の方からは、しごとセンターと都市農業の二つのテーマについて質問いたします。
 まず初めに、昨年七月に事業がスタートしたしごとセンターについて幾つかお聞きします。
 このしごとセンターについては、石原知事の知事選での公約の一つとして掲げていたものでありますが、我が党も、民間事業者の活用や、国の若年者支援事業であるジョブカフェを取り込むことなど、建設的な提案を行いまして、一貫してしごとセンターの設置を推進してきただけに、その成果には強い関心を持ち、注目しております。
 先ほど資料で説明がありましたけれども、この一〇ページの昨年度十六年度の実績を見ますと、昨年七月にスタートしてから九カ月間で、再来も含めた利用者数は五万一千二百人弱、本年九月までの利用者数も含めますと約八万八千人に近い数字となっており、数字の上では好評ぶりがうかがえます。
 しかし、評判がよくても実績、成果が伴わなければ、施策としては失敗なわけですから、特に私がこの資料で注目したのは就業者数です。ここで、平成十六年度の九カ月間の実績は約四千三百人、今年度の九月までの六カ月間で約四千八百人と、大きく伸びております。これはしごとセンターの一つの大きな成果と前進であると思いますし、今後の期待、役割も一段と大きくなってくるものと思われます。
 そこで、まず初めに、このしごとセンターの設置の目的、趣旨を改めて確認させていただくとともに、しごとセンターが都の雇用就業対策の中でどのように位置づけられているのか、この点について伺います。

○松本雇用就業部長 東京には、旺盛な求人ニーズがありながらも、一方で多くの失業者が存在しております。しごとセンターは、こうした雇用のミスマッチを解消することにより、仕事に関する都民の不安を取り除くとともに、東京の産業を支える人材の確保を図ることを目的として設置いたしました。
 また、若者から高齢者に至るまであらゆる年齢層の都民を対象として、仕事に関するさまざまなニーズに一カ所でこたえようとしたものでございます。
 具体的には、相談体制の充実を図り、きめの細かいカウンセリングにより、求職者の能力や適性に応じた仕事の紹介に結びつけるなど、都独自の就業支援策の展開を図ってきたところでございます。
 現在、しごとセンターを中心とする事業は、労働環境の整備、職業能力の開発とともに、都における雇用就業対策の大きな柱の一つとして位置づけられております。

○橘委員 しごとセンターが発行しておりますパンフレット等を見ますと、同センターでは、さまざまなケースあるいは年齢層に対応できるように、きめ細かな事業を展開しているようでございます。
 そして、十六年度に実施した事業でございますけれども、この十六年度の事業を踏まえまして、従来の施設とか従来の事業にない特徴、また、サービスとしてはどんなものを行ってきたのか、この点についてお伺いします。

○松本雇用就業部長 しごとセンターの特色でございますけれども、第一に、今、先生がお話しのとおり、すべての年齢層の都民を対象としていることでございます。若年者を対象とした国の施策であるジョブカフェ事業も取り込みまして、各年齢層の特性を踏まえた的確なサービスを行っております。
 第二は、さまざまなサービスを一カ所で提供していることでございます。求職者に対しまして、個々の適性に応じたカウンセリングを中心とし、適職診断や就職に必要な知識を付与するセミナー、パソコン操作等の能力開発講座など、就職に至るまで継続的な支援を行っております。
 また、ハローワークや福祉人材センターなどのさまざまな雇用関係の機関を集約し、連携して効率的にサービスを提供しているところでございます。
 次に、第三は、人材紹介会社などの民間のノウハウを積極的に活用していることでございます。特に中高年を対象として、カウンセリング、求人開拓を初め職業紹介までの一連の流れを委託したり、複数の会社を競わせる仕組みは、全国に先駆けた取り組みとなってございます。

○橘委員 今の説明で、今まで就業したいといった希望を持っている方たちがこういった施設が欲しかったという、そういったニーズにある程度的確に対応した施設であると私は実感しております。
 また資料に戻りますけれども、先ほど説明がありました資料によりますと、若年者、中高年の就職者数というのは伸びているんですけれども、高年齢者については、同センターの新規の利用がこれまで八千三百人を超えている割には、就職者数の伸びがやや低調のように思われます。
 高齢者の雇用は今でも重要な政策課題となっておりますし、二〇〇七年問題といわれるように、団塊の世代が大量に退職する時代もすぐ目の前に来ております。戦後の経済成長を支えてきた団塊の世代が持っている知識や技能を次世代に継承していく仕組みづくりの一端を担う観点からも、このしごとセンターにおける高齢者の就業支援は一段と重要性を増して、ニーズも強まってくると思われます。
 こうした社会状況、雇用状況の変化に合わせた高齢者の就業支援は、これまで以上に充実させていかなければならないと考えますけれども、この点についての見解を伺っておきたいと思います。

○松本雇用就業部長 しごとセンターでは、これまでも、働く意欲と能力のある高齢者の就業機会の拡大を図ってまいりました。平成十六年度は、就業相談や職業紹介を実施したほか、業界団体の協力のもと、マンション管理員やケアスタッフ等の分野で、就職に必要な知識、技能を習得するための講習と就職面接会を開催するなど、高齢者の再就職の支援を行ってきたところでございます。
 今後は、ご指摘のような観点から、しごとセンターにおいてきめ細かな職業相談や能力開発を行うことはもちろん、さきの定例会で公明党の藤井議員にお答えしましたとおり、しごとセンターと技術専門校が連携して、技術、技能を持つ団塊の世代を、技術専門校の講師や民間企業における教育訓練指導者など幅広く若年者の職業能力開発に活用する仕組みを検討するなど、高齢者の就業支援に積極的に取り組んでまいります。

○橘委員 このしごとセンターについてですけれども、懇切丁寧で好評だと私も聞いておりましたので、何人かの若い方、それから高齢の方に私も紹介しております。就業にとって、また能力開発にとって、希望の灯ともなっているようでございますので、さらに事業を拡充されまして、そのことを期待して、このテーマについての質問を終わらせていただきます。
 次に、都市農業について質問いたします。
 東京の農業の特色は、大消費地の中で消費者の顔が見える生産活動が行われているということにあると思います。また、東京の農地は、消費者に最も近いところで農産物を生産する食料供給基地でありまして、緑豊かな潤いの空間や子どもたちの食育の場、そういったことにもなっておりますし、さらに、ヒートアイランド現象の防止とか災害時の緊急避難場所としての役割など、幅広い分野にわたって公益的な機能を発揮しているのも事実でございます。
 そうした農地の有用性を重視した我が党は、公明党政務調査会の中に都市農業振興プロジェクトチームを設置いたしまして、都内各地で、農業体験農園、野菜の直売所など都市農業の実情を調査するとともに、農業者の声も多数お聞きしました。それを踏まえまして、都市農業関連予算の拡充、施策の強化、関連税制などについて政府に申し入れを行うなど、全力を挙げて取り組んでおります。
 その都市農業の現状については、都市化の波や税制上の制約など厳しい状況がありますけれども、事実、私が住んでいる板橋区におきましても、農地が比較的多く残っている地域なんですけれども、それでも、ここ数年を見ましても、宅地化が進んで、農地が年を追うごとに消えていっているのが現状でございます。
 そこで、現状についてお聞きしたいんですけれども、平成十六年度の都内の農地面積と耕作放棄地の面積、これは過去と比較してどのような状況になっているのか、この点についてお伺いします。

○大村農林水産部長 まず、農地面積でございますけれども、平成十六年は八千三百九十ヘクタールでございまして、五年前の平成十一年の九千百九十ヘクタールと比較いたしまして八百ヘクタールの減、率にしまして九%の減少でございます。
 また、耕作放棄地につきましては、最も新しい資料は平成十二年の数値でございますが、この農業センサスの数値では五百三十五ヘクタールでございまして、その五年前の平成七年の四百十七ヘクタールと比べますと百十八ヘクタールふえておりまして、率にして二八%増加しているという状況でございます。

○橘委員 ただいまの答弁にありましたように、農地面積の減り方、耕作放棄地の面積の増加、これは実に憂慮すべき状況であることが、今の数字で如実に物語られていると思います。農業従事者の高齢化が進んで、後継者を確保しなければ、ますます耕作放棄地がふえていくことは見えております。
 こうした都市農業の抱える諸課題に対し、一九九九年に成立した食料・農業・農村基本法は、その三十六条第二項の中で、「国は、都市及びその周辺における農業について、消費地に近い特性を生かし、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるものとする。」というふうに、都市農業の振興を国の責務として明記いたしました。
 そこでお伺いしますけれども、この法律が施行されてから、国はどんな振興策を実施したのか、また、東京都がこれまで行ってきた施策にどのように影響したのか、この二点についてお伺いいたします。

○大村農林水産部長 まず、東京都は、昭和五十八年度から継続いたしまして、生産施設などの整備事業によりまして市街化区域内の農業を支援してきたところでございます。
 また、これに加えまして、平成六年度には、生産緑地を保全するための農地整備事業を新たに実施いたしますとともに、平成七年度から農業ボランティアの養成を開始いたしました。
 その後、食料・農業・農村基本法が成立いたしまして、これに基づきまして、国の方で、都の農業ボランティアなどの事業を取り込んだ形で、平成十二年度に市街化区域を対象とした事業を開始いたしました。また国は、平成十五年度には、農業体験施設あるいは防災兼用井戸などの整備事業を加えたところでございます。
 こうして始められました国庫事業の活用によりまして、それまで東京都で行ってきました農業ボランティア育成などの事業が、新たに区や市で実施できるようになりました。また、生産緑地保全事業の補助率を引き上げることができまして、農業者の方の負担を軽減することができたところでございます。

○橘委員 ただいまの説明をお聞きしますと、国の施策展開のおくれが、今まで都市農業の一つのネックになってきたような感じを受けましたし、その分、東京都が今後もリード役を果たしていかなければ都市農業は維持できないのかなという、そんな感想を持ちました。
 これまで展開してきた都の振興策の基本的な考えと、そしてまた、平成十六年度に行った主な事業、その成果についてお伺いします。

○大村農林水産部長 東京都の農業は、生産者の顔が見える距離に多くの消費者が存在するというメリットがございます。そこで、このメリットを生かしまして、安全で付加価値の高い農産物の提供、また環境配慮など、都民の要望に耳を傾け、きめ細かく対応することが重要であるというふうに考えてございます。
 こうした観点から、平成十六年度には、活力ある農業経営育成事業によりまして、酪農家がみずから生産して販売するアイスクリームの加工施設、また、農地の周辺住民に配慮いたしました低農薬型ハウスなどを整備いたしたところでございます。
 また、生産緑地保全整備事業によりまして、都民が本格的に農業を体験できる農園の整備あるいは災害用に備えた防災兼用井戸の設置などを行ってまいりました。
 その成果といたしまして、都内十四の区市などで意欲ある農業者グループの経営改善が図られるとともに、都市農地の多面的な機能が向上したところでございます。

○橘委員 私、先ほどから申し上げたこと、それから今答弁の中でもあったように、都市農業は厳しい厳しいというふうにして、何か厳しさをクローズアップした感がありますけれども、この都市農業というのは、余り厳しさだけをクローズアップしても、発展性はかえってそがれるのかなという気がしてなりません。
 一転して、反面、いい方で見ると、結構、都市農業を取り巻く状況というのはいい方に少し好転しつつあるのかなという状況も、私は見えているのかなと思います。といいますのは、まず一つは、消費者が食の安全、地産地消、そして食育といった観点から、農業に非常に関心を持ち始めている、これが一点でございます。
 二点目には、農地を宅地にすべきだという声が以前はかなり強くありましたけれども、今はそういった声がかなり影を潜めまして、都市にも農地は大事なんだ、残すべきだ、そういった声が強くなってきているということ、これが二点目です。
 三点目には、定年後あるいは定年を前にして、新たな人生として就農を希望するサラリーマンが非常にふえているという、そういったデータもございます。これが中高年層の雇用の受け皿になり得るという、そういった状況に変化しつつあるように思います。
 また、国としても、公明党の強い要望もありまして、農水省が今月一日には農村政策課に都市農業地域交流室を設置いたしまして、都市農業を支援する体制を整備いたしました。国の施策については、今後の成果を見定めなければなりませんけれども、これは都市農業にとっては一つの大きな前進かなというふうに私は考えております。
 こうした状況の変化の中で、東京都が今後都市農業をどのように振興していくのか、また、これを進める上でどんな課題があるのか、その考えについてお聞きしたいと思います。

○大村農林水産部長 先生ご指摘のように、昨今東京では、人口の伸びの鈍化などを反映いたしまして、ひところ激しかった農地の宅地化の波もようやくおさまったやに見える状況でございます。
 一方で、東京農業を支えます農家では高齢化が進みまして、耕作をあきらめざるを得ない状況なども少なからず見受けられるところでございます。
 そういう観点から、今ある農地をいかに保全し、新たな担い手をいかに確保するか、これが東京農業の喫緊の課題というふうに考えてございます。
 こうした難しい課題を解決するに当たりまして、都市農業は東京にとって貴重な産業であり、持続的に発展させるべきもの、こういう認識に立ちまして、農地保全、担い手確保、そして経営として成り立つ農業という三つの軸で積極的に農業振興を図ってまいりたいと考えております。
 あわせまして、今ご指摘のように、都民の中にいろいろなニーズが発生してございます、地産地消、食育、その他。そういうふうな意味から、食の安全・安心の確保あるいは農業体験などを通じて、さまざまな都民ニーズにこたえるとともに、都市農業に対する都民の理解を一層深めるように、東京都としても取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○橘委員 都市農業の振興については、税制という大きな問題もあるだけに、国に対しては、東京都と協力しながら積極的な施策の展開をしていくように、また課題の解決をしていくように我が党も働きかけていく決意でございますので、東京都のさらなる努力を期待しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○植木委員 商店街の実態、それから融資の実態について、詳しい資料を出していただきました。私は、この資料の中から、融資の問題と、それから商店街振興についてご質問をしたいというふうに思います。
 最初に、東京都の融資制度の現状について、二ページにわたって詳しい資料をお出しいただいたわけですけれども、わかりやすくするために、制度融資の融資の目標、それから融資件数、貸付実績、預託金の推移を特徴的に示すために、この十年間で何がどうなったのか、この点についてわかりやすくご説明願いたいと思います。

○塚田金融部長 まず、融資目標につきましては、平成七年度は一兆二千五百億円、その後貸し渋り等に対応しますために、十四年度に融資制度を見直した上で一兆五千億円、さらに十五年度には一兆七千五百億円に引き上げ、現在に至っております。
 次に、融資件数は、平成七年度は約二十四万件、十四年度は約十九万件、十六年度では約十五万件となっております。
 融資実績につきましては、平成七年度は約二兆五千五百億円、十一年度以降は一兆円台後半で推移し、十六年度は約一兆四千八百億円となっております。
 最後に、預託金につきましては、平成七年度は約三千億円、その後、預託を必要としない金融機関所定金利による融資メニューの導入や、金融機関側に事務コストの削減を求めたことなどにより、十六年度には約一千八百億円となりました。

○植木委員 押しなべて、この十年間のスパンで見ると、途中で経済状況が少しずつ変動はありますけれども、融資実績そのものは、やっぱり全体として後退している、減ってきているという状況になっていますけれども、どのような認識でおられるでしょうか。

○塚田金融部長 ここ十年間で、経済、金融環境は大きく変化しておりますために、十年前の融資実績と現在の実績を単純に比較することは適当でないと考えます。
 しかしながら申し上げますと、全国の中小企業向け貸出残高の総額は、平成七年度には二百六十六兆円であったものが、経済状況等の変化を反映し、十六年度には百七十七兆円と大幅に減少しておりまして、中小企業金融そのものが縮小しています。
 さらに、大手都市銀行を中心とした中小企業向け独自融資へのシフトなど、金融機関の融資姿勢も大きく変化してきていることが融資実績減少の主な要因と考えております。

○植木委員 目標はずっとふやしてきているんですよね。ところが、融資実績は、件数、額ともに両方とも減っている。預託原資に至っては、この十年間で半分近く--いろいろ節約をしてきたり、内容を変えてきたりしたという説明がありましたけれども、やっぱり制度融資の仕組みそのものが中小企業や業者の要望や実態に合っていなくて、前以上に借りづらい、そういう状況があると思うんです。それから、保証協会による保証渋り、金融機関の貸し渋り、こういうものがあると思うんです。
 現に、東京都はこういう状況ですけれども、全国で見ますと、大都市部や幾つかのところで見ますと、大阪や京都、ここでは京都の資料で見ますと、ここ四年間で貸付額が八倍になっているわけですよ。貸付件数も四倍にふやしている。特に借りかえ融資の利用実績が非常に大幅に伸びている例もあります。ここでは、預託金の積み増し、そして借りかえ対象に対して、運転資金や制度融資に加えて、設備資金の返済金も認めていることや、保証協会の保証つき民間融資の既往債務についても貸付対象にするとか、そういう中小業者や中小企業から歓迎されてきて、融資実績がぐっとふえてきている。大阪でもそうですけれども。
 そういう意味で、先ほど認識をいいましたけれども、努力で出てきているところがあるわけですね。やっぱり京都や大阪でも、制度融資のメニューはすべて政策金利になっているわけです。
 そういう意味で、中小企業の資金繰りを一層支援するために、制度融資の預託金を増額して、政策金利を誘導して低金利の融資をふやすなど、中小企業が借りやすい仕組み、そういうものに努力すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○塚田金融部長 中小企業金融の円滑化のためには、金利水準だけではなく、迅速な手続や金融機関がスムーズに融資実行できる貸付条件などにも配慮する必要があると考えております。
 こうした考えから、小規模企業向けや経営支援のための融資で低利な政策金利を設定する一方、金融機関所定利率のクイック融資を設けるなどし、円滑な資金供給を促しております。

○植木委員 ぜひ、そういう意味で改善の努力をしていただきたいというふうに思うんです。
 それから、三宅島の特別融資というのが実行されていたというふうに聞いておりますけれども、これはどのようなものでしょうか。

○塚田金融部長 三宅島の中小企業を支援いたしますために、平成十二年七月より災害復旧資金融資を実施し、あわせて利子補給及び保証料補助を行っております。その後、避難指示解除に合わせまして、本年二月からは運転資金の融資期間延長と利子補給対象額の拡大を図りました。
 さらに、本年十一月にも設備資金の融資期間延長等を実施することを既に公表したところでございます。

○植木委員 そうしますと、今、特別融資の実態が出されましたけれども、十一月からの特別融資の新たな仕組み、この点についてはどういうものでしょうか。

○塚田金融部長 本年十一月から、まず、災害復旧資金融資における設備資金の融資期間を、十年でしたのを、五年延長し十五年に延長いたします。また、既に借り入れている保証つき融資のすべてにつきまして、災害復旧資金融資で借りかえることができるよう、借りかえ条件を緩和いたします。

○植木委員 今の借りかえ条件の緩和というのは具体的にはどういうことでしょうか。

○塚田金融部長 ただいまちょっとご説明申し上げましたように、既に借り入れている都の保証つき融資のすべてにつきまして、災害復旧資金融資で借りかえることができるということでございます。

○植木委員 保証協会の保証つきの既往債務についても借りかえ融資の対象にする、こういう事例がここで実施されるということですけれども、この点は多くの中小企業からも要望が上がっているんですよね。実例をこうつくってきたわけですから、そういう意味で、他の中小業者にも対象を拡大するように、ぜひ、これは今後の問題ですから、努力を要望しておきたいというふうに思っております。
 それから、同じ融資の関係ですが、新銀行が十六年四月に、都の一千億円の全額出資で設立、出発してきたわけですけれども、融資、保証の実績について、それから目標についてもお示しいただきたいというふうに思います。

○森金融監理担当部長 融資、保証実績でございますけれども、平成十七年度の業務計画の融資、保証の金額が二千五百八十億円でございます。これに対しまして、新銀行東京が十月十四日に公表した平成十七年度上期実績のデータ等によりますと、これは速報値でございますけれども、融資、保証の残高は五百六十九億円でございます。

○植木委員 さらに、新銀行の出資先について、その名前を教えていただきたい。
 それからまた、与信の内訳、預金の種別、貸倒引当金の内訳、平均金利など、基本的な点について情報をお願いしたいと思います。
 それから、預貸率は幾らになっているのかをお示し願いたいと思います。

○森金融監理担当部長 個別の株主名でございますけれども、民間出資者、新銀行東京、双方の経営戦略にかかわることである上、今回の増資に当たって、出資先各社と新銀行東京は守秘義務契約を締結しているため、都からその内容を公表することはできないところでございます。
 なお、主な出資先につきましては、新銀行東京が、銀行法等関係法令に基づき、しかるべき時期に公表するものと聞いております。
 それから、もう一点、与信の内訳等のご質問がございましたけれども、こちらも、現段階ではいずれも新銀行の方から公表されておりません。与信の内訳等につきましては、決算が出された後、しかるべき時期に公表されるものと聞いております。
 預貸率も、同じく決算が出た後に、オーソライズされた数値として出されるものと承知しております。

○植木委員 本当におかしいと思うんですよね。一つは、融資、保証残高が通期目標の二割程度にとどまっているという現状が示されました。しかも、達成は非常に厳しいと、これはマスコミ関係や専門家からもいわれております。
 それから、今、内訳についてや出資先については守秘義務があるんだ、こういうのですけれども、東京都が一〇〇%全額出資しているにもかかわらず、そういう公表ができない、しかも、銀行が自己資本比率と株主構成に直接影響する増資の内訳についても東京都に知らされていない、こういうことは非常に異例だと思うんですよね。だから、筆頭株主の東京都がそういうことを知らないということ自体、非常におかしいと思うんです。
 マスコミ関係には、いろんなところから、どういうふうに流れているかわかりませんけれども、情報として増資の問題も出ているし、一定の株主の名称も出たりしているわけです。当の東京都は一切知らない、こういう状況です。
 きょうは、その新銀行の内容について追及するという意味じゃないんですけれども、いずれにしても、融資目標を達成していない、こういう状況の中で、区市町村に行きますと、新銀行がやっぱり中小企業や本当に困っているところに対応できていないんじゃないかという声が非常に強いんですよね。二十三区の区長会も、新銀行が中小企業の資金ニーズに十分対応できるよう支援を行うこと、こういう要望がわざわざ区長会からの要望書の中で出ているわけですね。そういう意味で、内容的にも非常に不十分さが指摘されている。
 そういう意味で、私は、中小企業の皆さんが、本当に制度融資など一層の充実を図っていただいて困難を乗り切れるような、そういう支援策としての融資を積極的に、先ほど預託金の問題などでは前向きのご答弁いただきましたけれども、ぜひ今後とも努力をしていただきたいというふうに思っております。
 次に、商店街振興についてですが、資料にあったように、小売商店街をめぐる環境というのは年々悪化している。そういう中で、東京都の支援策というのが非常に期待を寄せられているわけです。その一つが新・元気を出せ商店街事業ですけれども、これは非常に歓迎されておりますけれども、決算を見ますと、実績残がある、こういうふうに聞いておりますけれども、その金額と理由についてはどのようになっているのでしょうか。

○中井商工部長 平成十六年度の新・元気を出せ商店街事業は、予算額十五億円に対し、執行額は約十四億五百万円であり、約九千五百万円が執行残となっております。
 この主な理由としては、交付申請時の予定額よりも少ない金額で実施された事業があること、事業自体が中止になったものがあることでございます。いずれも、交付決定後における個々の商店街の事情によるものであり、やむを得ないものと考えております。

○植木委員 事業が中止したというのは、これはやむを得ないことですけれども、しかし、せっかく区市町村や商店街から期待されているわけですから、事前の調整をよくやることと、それから、途中の段階でも調整できるようなそういう仕組み、あるいは途中でよく聞き取りをするとか、そういう努力をして、活用を一層強める必要があると思うんですね。
 そういう意味で、今後とも、この新・元気を出せ商店街事業、拡充すべきだというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○中井商工部長 新・元気を出せ商店街事業につきましては、今年度、地域連携型モデル商店街事業などの新たな制度を開始するとともに、予算規模を大幅に拡充したところであり、区市町村の要望額を十分に満たす規模になっていると考えております。

○植木委員 これは、継続的に今後も--いつも来年度はどうなるかという心配が、商店街から常に私のところにくるんですよ。来年度どうなったのかというのを予算の段階から教えてくれ、こういうふうに商店街の役員の人たちからはせっつかれる、そういうほど期待されています。ですから、来年度も一層拡充を図るようにお願いしたいというふうに思っております。
 それから、商店街の街路灯の問題ですけれども、財政負担が非常に大きくなってきているというのが近年非常に大きな問題になっているんですね。景気が低迷してないときや商店街の環境がよかったときは、そんな問題にならなかったんですけれども、街路灯の負担というのが最近非常に大きな問題になってきて、いろんな要望が出されています。
 これは商店街のにぎわいづくり、商店のために役立つ、それはもちろんなんですけれども、消費者のためでもあり、安全確保のためであり、地域コミュニティにも、いろんな要素を持っているわけですけれども、特に不況で苦しむ商店街に、しかも新・元気を出せなどの実績残があるわけですから、そういうものにも活用できるようにぜひすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○中井商工部長 新・元気を出せ商店街事業におきましては、今、先生の方からお話ございました街路灯につきまして、その設置費用につきましては補助の対象となっております。
 また、電気代のような経常的経費については補助の対象とはしてございません。

○植木委員 これは今までやっていなかったことですから、新しい問題ですから、ぜひ今後検討していただきたい。設置費用については対象だということですけれども、ぜひ努力をお願いしたいというふうに思っています。
 それから、もう一つ、強い要望がありながら、単年度だということで十六年度には中止してしまった輝け個店支援事業、これはなぜ中止をしたのでしょうか。

○中井商工部長 輝け店舗支援事業は、平成十五年度パイロット事業として実施したものであります。しかし、予想していたほど応募がなく、申請額が予算の三割という実績にとどまったため、事業を継続しないこととしたものでございます。

○植木委員 予定したほど応募がないというんですけれども、どういうテンポで考えていたのでしょうか。すぐに商店街がぱっとこれに対応できるんだ、そういう認識で募集をしていたのでしょうか。

○中井商工部長 輝け店舗支援事業につきましては、開始年度の前年度、平成十四年度中から関係者に対する説明を既に開始してございました。また、十五年度に入って、四月に区市町村に対する説明会を行いました。
 そうした中で十分周知を図ってまいりましたし、また、当初の申請件数が低調であったため、追加の募集を行うことといたしまして、その際には担当職員が連絡会議の場や直接訪問するなど、繰り返し働きかけをし、商店街への周知を行ってきたところでございます。
 そのような中で、結果として申請件数が最終的に十四件、予算額の三割という実績にとどまったということでございまして、こうした結果から、大変残念ではありましたが、継続しないこととしたものでございます。

○植木委員 せっかくはしごをかけて--僕はいい制度だと思ったんですよ。もちろん内容とか、どのくらい対応できるかなというのはいろいろありましたけれども、はしごをかけておいたのを外してしまったわけですよね。もちろん、パイロット事業だということもあるんだけれども、僕は、単年度でこれはそんなに軌道に乗る仕組みじゃないと思うんですよ。幾つか問題があると思うんですけれども、区の中には、都の提起にこたえて、個店支援事業をあわせて組んだ。ところが、もう次の年度になったら中止してしまった。結局宙に浮いちゃったものだから、独自で予算措置をとらなきゃならない、こういう区が幾つもあるんですね。
 私の地元の中野区も、名称を変えて、金額を結局区で負担をするということでやるとか、それから、商店街は実際に知らされたのは新しい年度になって、しかも要項が出されたのが、新しい年度で各区市町村から示されていく。商店街は、大体一カ月に一遍ぐらいの単位で会合をやっているわけですよ。自分たちが、商店の中心の人たちがそれぞれのブロックに行って説明する。ブロックから、それぞれのまた自分の商店に行って説明する。説明だけで二、三カ月すぐ過ぎちゃうんですよ。
 そういうので、末端の人たちが、じゃ、本当にそれに対応して応募するとなるには、手続が物すごい、書類がたくさん必要なんですよ。これ、そんな簡単に小売店が対応できる現状にはないですよ。景気のいいときでも商店というのは、新しい企画をやるときとか、改良するときとか、それから店舗そのものをリニューアルするとか、そういうのは、自分の財政力だとか、将来、自分の営業をこれにかけられるかということをいろいろ考えて考えて、考え抜いて初めて結論を出すんですよ。たまたまその年度にそういうのを考えていたところは、多分申請したんだと思うんですよ。ところが、新たにその提起を受けて、やろうかな、やるまいかなといって対応するには、商店会長から個店の人たちが聞いてから決断するまで、そんなわずかな期間じゃできませんよ。
 私も、実は兄弟のほとんどが商人なんですけど、呉服屋だったり、薬局だったり、それから不動産屋だったり、たばこ屋だったり、喫茶店やったりしているんです。私の兄弟は多いですから、みんな商人なんですよ。商人というのは、自分で、一人の一国一城のあるじ。あるじだけに責任がある。その責任の中で、本当にお金をかける価値があるかどうか、それにかけられるかどうか、そういう判断を迫られるわけですよ。
 それを、ちょいと出されて、応募しなかったからすぐ引っ込めちゃう。これは僕は、商工を担当されている方たち、本当に商人の今の苦しみの実態をよく知らないんじゃないかなというふうに思わざるを得ないですよ。そういう意味で、僕はおかしいと思う。
 それから、東京都自身が掲げてきたことからいっても、これ、反するんですよ。東京都の掲げてきた方針というのは、地域商業の生き残りとさらなる発展のために、三つのことが一体的に進むことが重要だといってきたわけでしょう。一つは商店街への支援、それから商店街を構成する個々のお店への支援、商店街の核となる人材養成、東京都自身がいってきたことに反するんですよ、これ。どうですか。
 ぜひそういう実態、要望にこたえて、輝け商店街事業など、個店支援のための事業をやっぱり開始すべきですよ。いかがですか。

○中井商工部長 商店街を活性化するためには、集客の核となるような魅力的な店舗が必要でございます。このため都は、専門家の派遣や講習会の開催など、商店主の経営力向上や魅力的な店舗づくりへの支援に努めてきているところでございます。
 また、現在の新・元気を出せ商店街事業の中でも、個店対策といたしまして、例えば商店街のイメージを統一化するためのファサード整備事業、あるいは商店街の活性化、にぎわいの維持のための空き店舗活用、さらに、商店街が掲げるテーマに沿った取り組みを行う個店に商店街が支援をするというような、そういった事業を行うような場合には、商店街に対する助成として、現在の新・元気を出せ商店街事業の中でも対応しているところでございまして、こういった形で個店に対する支援も行ってきておりますし、今後も行っていくという考えでございます。

○植木委員 元気出せの中でやるというけど、元気出せは、それで非常に要望が多くて、申請でいえば目いっぱいなんですよ、結果がいろいろあったけども。だから、これの中に全部包括しちゃうというのはやっぱりおかしいですよ。やっぱり輝け個店支援事業というのをちゃんとやるというふうに答えてほしいんですけれども、いかがですか。

○中井商工部長 先ほど申し上げましたとおり、個店対策につきましては、専門家の派遣、これは個々の個店に対する派遣が一番多うございます。また、講習会等で、その店の新しい魅力アップのノウハウ、そういったことも普及、啓蒙させていただいているところでございます。
 また、新・元気を出せ商店街事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今年度、前年比十億円増、二十五億円の予算規模という形で十分な予算措置をしているところでございますので、こういった一連の施策で個店対策は十分対応できているというふうに考えております。

○植木委員 いろいろいったけども、やっぱり個店支援事業をやるといっていないんですよね、結局。輝け個店支援事業ですよ、これについてはいっていないんですよ。これは要望が強いですから、ぜひやるべきだということを重ねていっておきたいというふうに思っています。
 それから、各区市町村に商店街振興プランをつくらせる指導を行ってきたのですけれども、その目的と、実際はどのくらいの実績、つまり区市町村が作成したか、お示し願いたいというふうに思います。

○中井商工部長 商店街の活性化を図るためには、地域の実情に精通した区市町村が主体となり、商店街と緊密な連携をとりながら商店街支援策を展開していくことが重要であります。
 そこで、都は、平成十三年度から十四年度にかけて、商店街組織のあるすべての区市町村を対象に計画づくりを支援いたしました。その結果、区市町村における商店街振興プランは、平成十四年度末までに、対象となる五十六区市町村のうち五十二区市町で策定されました。

○植木委員 せっかくつくったプランですから、このプランが生きるような区市町村の努力、それから東京都の支援、これは非常に重要だと思うんですよね。そういう区と、それぞれの商店街連合会が協力して、あるいは論議を重ねてつくってきたものですから、これが絵にかいたもちになったのでは、このプランは生きないと思うんですよね。
 これは私のところの中野の振興プランですけれども、読んでみると、なかなか努力して、いい角度から書いて、ここまでできればいいなという思いも実際に随分します。それから、これは相当時間をかけないとだめだなというものも中にはあります。実際の商店街にこれの一つ一つが対応するというのは、本当に粘り強い努力が、区市町村も商店街も個店も努力していかないと大変ですよね。
 そういう意味で、僕は、これをつくらせた責任が東京都にはあるわけですから、積極性を引き出そうということでつくらせてきたと思うんですけれども、そういう意味で、この振興プランに基づく商店街支援事業--商店街が行う事業については、元気を出せ事業がいろいろやってきていますけれども、各区市町村でやる事業について、総合的というのか、包括的というのか、そういう支援が望まれていると思うんですけれども、ぜひやってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。

○中井商工部長 先生ご指摘の振興プランにつきましては、新・元気を出せ商店街において、この振興プランに基づく、商店街の自主的、意欲的で多種多様な取り組みを支援しているところでございます。
 また、新・元気を出せ商店街事業は、イベント事業につきましても、活性化事業についても、適用範囲を非常に広くとってございます。また、地域連携型モデル商店街事業、今年度から開始しておりますが、これにつきましては、区市町村が参加する地域協議会で事業計画を策定するという形になっております。そういう面では、新・元気を出せ商店街事業は、区市町村、そして商店街の自主性を十分発揮できる、そのようなものとなっております。
 したがいまして、先生ご指摘の新たな区市町村に対する補助制度を立ち上げることは考えてございません。

○植木委員 何でこんなことを繰り返しいうかというと、商店街の中でもいろいろあるんです。それから区の中でもいろいろあるんですよ。例えば商店街でいえば、元気を出せ商店街事業に応募できるところはまだいいんです。そこに応募できないレベルの商店街がたくさん現在では出ているんですよ。中にはもう商店会そのものを解散しよう、そういうところも出てきているんです。先ほど街路灯の話をしましたけど、これ、深刻な話ですけれども、街路灯を維持できなくなって、そのために解散をして、撤去しちゃったんですね。商店はまだ若干残っているんですよ。でも、会そのものをもう運営できなくなってきている。こういうところには、元気を出せ事業だけではなかなかいかないんですよ。だから、区の支援が必要だし、都の支援が必要なんですよ。
 それから、業種においても、もう商店街を見ていても、元気のあるところを見るとチェーン店ですよ。資本力のあるところはどんどんどんどん進出してくるけれども、地元の商店がどんどん減っていっちゃう。物品販売がなくなっていっちゃう。生鮮三品は、ここにも出ているように、もう壊滅状態ですよね。最近では文房具屋もなくなってきている。それから、規制緩和では、お酒屋さんやお米屋さんも影響を受けてきている。
 そういう中で、商店街、うまくいっていそうだなというので行ってみると、おやじさん、いうんですよ。うちの息子にはこの仕事を引き継がない方がいいよというんだというわけです。つまり、自分の息子にも引き継ぎをさせたくない、苦しい思いをさせたくないというんですよ。そういう現状があるんですから、相当手厚くやって、二重三重にやって初めて、それでも全部は、なかなか救えませんよね、こういう経済状況ですから。
 そういう意味で、私は、都の商工担当が積極的にそういう現状のところにも足を運んで、一つ一つ拾い上げていくような努力を積み重ねてほしいという思いなんですよ。だから、先ほど来要望したことを一つ一つ、私は努力をしていただきたいというふうに思うんですね。
 それで、最後ですけれども、そういう商店街の置かれている実態等を見て、ぜひ局長、商店街だけじゃなくて中小企業対策も含めて、融資制度も含めて一層の拡充を、僕は努力をしていると思うけれども、一層の努力をしていただくように要望したいし、それから、担当職員の皆さんがどんどん現場に行って苦しい実態を聞いて、どうするんだというのを一緒に悩むような、そういう努力をしていただきたい。その決意をお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○中井商工部長 商店街振興事業を初め中小企業施策につきましては、これまでも、種々の施策を実施する中で、東京の経済の活性化に資するよう努力してきたところでございまして、今後とも、引き続きそうした努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○植木委員 僕は、金融も含めていっているんですから、局長ちゃんと答えくださいよ。さっきからにやにやしているんだけど、私は腹立っているんだよ。ちゃんといってください。
   〔塚田金融部長発言を求む〕

○植木委員 だめですよ、委員長。私は局長にいっているんですから。

○小磯委員長 私が指名しているんですから。

○塚田金融部長 ただいま金融融資のお話が出ましたので、お答えいたします。
 中小企業金融の円滑化に向けましては、毎年いろいろ工夫を凝らしてまいりました。例えば、一つメニューをとりましても、平成十五年度二十八あった融資メニューを昨年度は十七、ことしは十六にするなど、不断の見直しの努力を続けております。引き続きまして、中小企業にとりまして、わかりやすく使いやすい制度にするよう努力してまいります。

○植木委員 総括して、局長、頼みます。

○成田産業労働局長 委員長のご指名でございますので答弁申し上げますが、ただいまの問題につきましては、商工部長、金融部長からるる申し上げたとおりでございます。
 植木委員からも現場に即した具体的なご意見がございましたけれども、私どもの商工部長、また金融部長も、そういった現場の具体的な取り組みを踏まえまして、元気を出せ商店街事業についても苦労して取り組んでいる、そういうのを踏まえて答弁したつもりでございますので、その点につきましては、決算委員会のこの分科会の委員の皆様、先ほど来の答弁を通じまして、私ども産業労働局が、そういった商店街の皆様の切なるご要望にこたえるように現場に足を運び、一人一人の商店街の皆様の声に耳を傾けながら答弁申し上げた、その趣旨については十分ご理解いただけると思います。どうぞよろしくお願いします。

○林田委員 産業労働局の奥多摩町におけるシカ食害対策について伺いたいと思います。
 多摩の森林は、木材生産だけでなく、都民の水源として重要な役割を果たしてまいりました。近年、多摩の森林を守り育ててきた林業は、木材価格の低迷により、厳しい状況に置かれていることはご承知のとおりであります。また、森林の質の低下が危惧されております。
 それに追い打ちをかけるようにシカの食害であります。急増したシカの食害で森林被害が拡大し、特に奥多摩町川乗谷支流逆川源流上部森林地帯はまさにシカの食害で裸山となり、昨年七月にはゲリラ的豪雨が発生し、川乗谷並びに本流である多摩川に土砂を大量に含んだ濁流が流れ込んで、水道施設、飲料水、漁業協同組合、水生生物などに多大な影響を与えました。
 平成十六年七月二十一日、奥多摩町河村町長から、シカの食害による森林被害対策に関する緊急要望書が出され、私も同僚議員と現地を調査いたしましたが、シカの食害の深刻さを痛感いたしたところであります。
 こうしたこともあって、東京都では、平成十六年秋以降、早急な対応を開始していただきました。平成五年には三百頭から四百頭であったシカの数が、今や二千頭から二千五百頭にもふえ続け、奥多摩町だけでなく、近隣県へも広がりが危惧されているのが実態であります。シカ対策は長期的、継続的に、そして、奥多摩町のみならず、西多摩一円、近隣県へも広がる可能性があるシカでありますので、シカの生息数減少のために、近隣県との連携も必要と考えられます。
 それで、まず平成十六年度及び十七年度に行っているシカ捕獲について実施状況をお伺いいたします。

○大村農林水産部長 平成十六年度については、東京都及び市町村の捕獲によりまして、シカ四百六十一頭、また、一般のハンターによります狩猟によりまして百四十三頭、合計で六百四頭のシカを捕獲し、計画数の六百頭を達成したところでございます。
 平成十七年度につきましては、九月三十日に策定されました東京都シカ保護管理計画に基づきまして、市町村の捕獲によりまして四百五十頭、一般のハンターによる狩猟によりまして二百頭ないし三百頭、合計で六百五十頭から七百五十頭の捕獲を目的とする計画となってございます。
 なお、十七年度、今年度の捕獲実績は、九月末現在で百八十頭となっているところでございます。
 実は、私も先週の土曜日に奥多摩町のシカ捕獲の現場に同行いたしまして、見てまいりました。河村町長さん以下、町の役場の方、また、地元の猟友会の方たちが頑張って朝早くからやっているんですけれども、なかなか大変だというのが実感したところでございます。その中で猟友会の方からは、東京都でこういう捕獲を始めたということで、どうもシカが捕獲を始めると埼玉県側に逃げてしまうというふうな話も聞きまして、なかなか捕獲が、東京都のテリトリーだけでは非常に難しいというのを実感したところでございます。
 そういう意味で、ご指摘のように、今後は、隣接県との連携も図りながら、捕獲頭数の達成、適正規模への縮小を目指してまいりたいというふうに考えてございます。

○林田委員 次に、特に産業労働局にお願いしたいことは、シカの捕獲で数を減らすことがまず第一でございますけれども、一遍に大量の捕獲ができるわけではないわけで、捕獲と同時に、今までシカにより被害を受けた森林への手当てを行うことが必要不可欠なことだと思います。
 これまで産業労働局では、森林の復旧に当たって、積極的に地域材を利用するとともに、緑化する地面に網を張って、シカが入り込まないようなさまざまな工夫をしていると伺っております。
 また、特に治山工事の実施に当たっては、土砂崩れの後の急な斜面、難しい場所の復旧に大変ご苦労いただいて、地元でも感謝しているところでございます。シカ被害を受けた森林の復旧について、具体的に、いつまでどのように行うのか、お伺いいたします。

○大村農林水産部長 それでは、被害と復旧の状況を、写真を使いながらご説明させていただければと思います。
 (パネルを示す)シカ被害の多い箇所では、このように、地面に下草がたくさん腰ぐらいまで生えていたのが、みんな食べられてしまう。そして、多くの木は表皮をシカにむかれてしまいまして、保護のために樹液を出しても、それも食べ尽くされてしまうということで、木の方が弱って、立ち枯れをしている木がたくさんあらわれてくる状態となってきてございます。
 この奥多摩町の一部では、シカ被害による裸山で雨による侵食が進行し、土砂の崩壊も発生した状況となってございます。このように下草が全部食べられてしまいまして、木の方も立ち枯れして全部倒れてしまうというふうな状況で、がけ崩れ、崩壊が始まってくるという状況になってございます。
 このため東京都では、昨年度、多摩の全山を対象に被害状況の調査を実施し、復旧計画を策定いたしました。特に被害の激しい奥多摩町オオダワ地区十ヘクタール及び雲風呂地区四ヘクタールで、治山事業の実施によりまして復旧を予定してございます。
 このうちオオダワ地区の一部、〇・五ヘクタールにおきましては、平成十六年度に緊急の治山工事を実施いたしました。今見ているのがオオダワ地区でございます。そして、十七年度も引き続き同地区で五ヘクタールの工事を実施するとともに、残りの箇所についても引き続き復旧を計画してございます。
 治山工事の実施につきましては、まず、崩壊地全体を視野に置きながら、残っている木を生かしながら、まずやるところでございますが、地域の材を用いまして土どめのさくを設置いたします。そして、植生の回復を図るために、種子のついたむしろを置きまして、その上に、シカの食害対策といたしまして金網を張っていくというふうな状況をやって、この金網を上まで全部設置して工事を進めているところでございます。
 このような工法によりまして、平成十六年施工地では緑化も進みまして、今、行った、むしろの上にも草が生え始めまして崩壊がとまっている、復旧に成功しているという状況でございます。
 また、崩壊のおそれのない裸山については、シカ侵入防止のネットさくや、また、苗木を筒状のカバーで覆い、枝葉をシカに食べられないようにした上で植林を実施してございます。
 なお、十七年度につきましては二十ヘクタールの事業を予定しておりまして、現在着工の準備を進めているところでございます。

○林田委員 今、パネルを見て、委員の方も、そのすごさに驚いたと思います。今、奥多摩町の森林を脅かしているシカの食害は、猿やイノシシによる従来の獣害といわれるものをはるかに超えるものだということは、今、パネルを見て、ご案内のとおりでございます。
 このまま放置すれば、美しい多摩の森林、自然は破壊され、都民の飲み水が汚染されるという重要な課題であります。産業労働局を初め環境局、建設局、水道局、知事本局、総務局の六局がシカの担当、関係局ですが、平成十七年度は、シカ対策予算、その六局の総額が六億八千万円でございます。ぜひ残すことなく政策実行に使っていただきたいと思います。一日も早くシカによる多摩の森林被害の終息を図っていただきたいとお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。

○田中委員 私は、観光産業の振興につきましてお伺いをいたします。
 東京都におきましては、東京構想二〇〇〇に基づきまして、千客万来の世界都市東京の実現を目指し、さまざまな観光施策に取り組んでいるところでありますが、その一層の推進を願う観点から、何点かお伺いをいたします。
 観光白書によりますと、日本人一人当たりの国内宿泊観光旅行の宿泊数は、平成三年の平均三・〇六泊をピークに、バブル経済の崩壊以降、減少傾向が続き、平成十六年には一・九二泊に減少しております。一方、日本を訪れた外国人観光客は着実に増加するなど、我が国の観光を取り巻く状況は大きく変化をしております。
 まず、平成十六年に内外から東京を訪れた観光客数、そして観光消費額、波及効果についてお伺いをいたします。
 また、他の産業と比較してどうかということもお伺いをいたします。

○高橋観光部長 当局で独自にきめ細かに実施いたしました東京都観光客数等実態調査の結果、昨年一年間で東京を訪問した、日帰りを含む国内、国外からの観光入れ込み客数は延べ約三億七千万人でありまして、一日当たりで申し上げますと、約百万人が東京を訪問していることがわかりました。また、観光消費額は約三兆五千億円でございます。
 これを製造業と比較しますと、工業統計によれば、これは平成十五年の実績でございますけれども、東京の製造品出荷額等は約十一兆六千億円となっており、したがいまして、観光消費額はその約三〇%の規模となっています。
 なお、観光消費による生産波及効果は約七兆六千億円、雇用効果は約四十七万三千人にも及んでおります。

○田中委員 ありがとうございます。
 今、るる数字をお聞かせをいただきましたが、この観光産業というのはすそ野が非常に広く、産業振興や雇用面からも大変に重要な産業であるとよくいわれております。また、都の資料にもそのように述べられておりますが、その数字をお聞かせいただいても、まさにその実態が明らかだということを再確認をいたしました。
 先ほども申し上げましたように、東京都は千客万来の世界都市を目指すということでございますので、今の調査における外国人観光客に絞りまして、その実態について改めてお聞かせをいただきます。

○高橋観光部長 本調査では、外国人旅行者についても実態を把握するために、全観光施設を対象として、すべての宿泊施設で直接調査を実施するなど、詳細な調査を行いました。その結果、東京都を訪れるいわゆる訪都外国人数は、総数で約四百十八万人、その観光消費額は約二千四百四十五億円、生産波及効果は約五千三百二十九億円、雇用効果は約三万三千人でございました。
 この訪都外国人数が総観光入れ込み客数に占める割合は一・一%にすぎませんが、観光消費額については、その全体の実に七・〇%を占めてございます。
 また、二十三区内の宿泊者一人当たり観光消費額で見ますと、日本人の約四万三千円に対しまして、外国人はその約二・六倍の約十一万二千円となっております。

○田中委員 日本の、そして特に東京の観光産業の発展のためには、日本人よりも二・六倍多くのお金を落としていただく外国人の方々に、より焦点を当てた施策が必要なのかなと思われます。観光産業のさらなる発展のために、外国人観光客の誘致は極めて重要であると思われますが、都は、国に先駆けまして、観光情報の発信を初め外国人観光客の誘致などに的確に対応してきたと、今の数字を見ましても評価できるものと思いますが、さらに多くの外国人を招くには、観光地としての魅力アップも欠かせないと思われます。
 そこで、都が新たに取り組みを開始した、これは平成十六年の三月に出されましたけれども、観光まちづくり基本指針がありますが、これに基づいての観光まちづくりについて、平成十六年度の取り組み内容についてお聞かせをいただきます。

○米原参事 先生ご指摘の東京都観光まちづくり基本指針を定め、地域が主体となって、住む人が誇れ、旅行者が何度でも訪れたくなるような活力あるまちを目指す観光まちづくりに取り組んでおります。
 昨年度には、観光まちづくりを都内全域に広めるため、地域の中心となり、実際にまちづくりを推進することができる人材の育成に加え、観光案内窓口の整備、観光ボランティアによる観光ガイドサービスなど、外国人の受け入れ体制を整備する新たな取り組みに取り組んでまいりました。
 また、観光まちづくりのモデル地区である、歴史と伝統を持つ上野及び若者に人気の高い臨海において、地域が主体となった取り組みを支援してまいりました。

○田中委員 今後とも観光を取り巻く状況は絶えず変化してくると思いますが、ぜひ適切に対応していただきたいと思います。
 その環境変化に対しましても、適切な新たな施策を打ち出すことが求められておると思いますが、今お話もいただきました観光まちづくりのモデル地区として指定されております上野地区の取り組みの中で、さまざまな新たな事業が展開されたと思いますが、その内容についてお伺いをいたします。

○米原参事 上野地区は、歴史遺産、文化施設、特色ある商店街など魅力ある観光資源が集積しているものの、従来は、案内や通路のわかりにくさ、施設間の連携不足などもあり、これらの資源が点にとどまり、相乗効果を発揮するまでには至っておりませんでした。
 そのため、都は、魅力ある地域への変貌に向け、文化施設や商店街、観光連盟など地域が一体となった上野地区観光まちづくり推進会議の設立を支援いたしました。昨年度、推進会議は、都の支援のもと、歴史的建造物のライトアップ、外国語対応の観光ボランティアによる案内、ガイドブックの作成、オープンカフェなど、回遊性の向上やにぎわいの創出につながるさまざまな取り組みを実施してまいりました。今年度からは、地元での機運の高まりの中で、自主的な事業として、イベント時に共通のチケットによる周遊を図るなどの新たな取り組みを進めております。

○田中委員 ありがとうございます。
 今、上野地区の概要を説明いただきましたが、多様な観光資源を上野地区では有しておりまして、日本人はもとより、外国人旅行者のさまざまな嗜好にも対応できる高い潜在的魅力を秘めた地区であると思われます。
 今、外国語対応のボランティアとのお話がございました。観光産業振興プランの柱の一つであります観光客の受け入れ体制の整備、これは大変重要だと思っております。観光客の受け入れ体制づくりにとって、上野公園でのICタグの実証実験は意義深いものだと思います。
 さきの第三回定例会でも、我が党の立石委員からもこのことについて質問をさせていただきましたが、特に外国人の対応という視点に立って、改めてこの内容についてお聞かせをいただきたいと思います。

○米原参事 今回の実証実験の目的は、ICタグなどの先端技術を用いて、外国人旅行者など初めてまちを訪れた人でも、必要な情報をその場で手軽に得ることができるIT都市の構築を目指すものであります。
 この実験では、上野公園内を対象地域といたしまして、多言語による道案内や名所の由来の観光情報を提供し、技術的仕様の標準化を進めるとともに、利用者ニーズの把握などに取り組んでおります。
 また、谷中など周辺の五つのエリアについて、飲食店、文化施設、商店街などの情報を提供しており、観光や商業振興の視点から活用策を示すこととしております。

○田中委員 ありがとうございます。
 ぜひこの上野での実験成果がいいものになるように、そして、そのことが都内の多くの地域で成果が生かされるような施策展開をぜひ期待をしております。
 また、これまでの議論を踏まえまして、東京都の観光産業の振興に向けては、特に外国人を東京に招く施策が大変重要であると私は強く思っております。
 今回、石原都知事は、東京大都市マラソンの開催に向けまして、ニューヨークとワシントンDCへ、首都ワシントンへ、十一月の初旬から視察に行かれると伺っております。このような国際的な大規模なスポーツイベントを東京で開催するということも、観光産業の振興の視点からも大変意義深いものがあると思います。
 また、さきに石原知事が発表いたしましたが、東京オリンピックの招致も、ともに大きな成果、外国人に日本という、また東京の存在を知っていただくためにも大きな機会にもなりますし、また一方、これまで今議論をしてまいりました、外国人の観光客をいかにふやしていくかという施策が、東京オリンピックの招致にも大きく大きくつながるものだと私は思っておりますので、そのような視点からもご尽力をいただきたいと思います。
 また、オリンピック招致に関しましては、このオリンピック招致準備会議の委員に成田局長もご就任いただいておりますので、ぜひそのような視点からも、局長のさらなるご尽力を特に期待いたしまして、質問を終わります。

○小磯委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で産業労働局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後二時五十分散会

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