委員長 | 酒井 大史君 |
副委員長 | 村松みえ子君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
松葉多美子君 | |
早坂 義弘君 | |
村上 英子君 | |
山口 文江君 | |
山口 拓君 | |
谷村 孝彦君 | |
くまき美奈子君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化局 | 局長 | 山内 隆夫君 |
総務部長 | 南雲 栄一君 | |
広報広聴部長 | 高西 新子君 | |
都民生活部長 | 和田 正幸君 | |
消費生活部長 | 岳野 尚代君 | |
私学部長 | 新行内孝男君 | |
文化振興部長 | 山本 洋一君 | |
参事 | 三森 生野君 | |
参事 | 産形 稔君 | |
参事 | 萩原まき子君 |
本日の会議に付した事件
平成十六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
生活文化局関係
・平成十六年度東京都一般会計決算(質疑)
○酒井委員長 ただいまから平成十六年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより生活文化局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十六年度東京都一般会計決算中、生活文化局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○南雲総務部長 去る十月十二日の当分科会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
お手元に配布の平成十六年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、1、私立学校経常費補助及び国庫補助金の決算の推移外三件の資料を記載しております。
それでは、一ページをお開き願います。1、私立学校経常費補助及び国庫補助金の決算の推移でございます。
平成十二年度から十六年度までの過去五年間について、学種ごとに、歳出額及び国からの国庫補助金額の推移を記載しております。
二ページをお開き願います。2、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の決算の推移でございます。
平成十二年度から十六年度までの過去五年間について、決算額の推移を記載しております。
三ページをお開きください。3、東京ウィメンズプラザ図書資料室における図書購入経費の決算の推移でございます。
平成十二年度から平成十六年度までの過去五年間について、東京ウィメンズプラザにおける図書購入に係る決算額の推移を記載しております。
四ページをお開き願います。4、NPOの認証数、不認証数及び解散数の推移でございます。
特定非営利活動促進法に基づき、いわゆるNPO法人に対して法人格を付与する認証を初めとした各取扱件数を、平成十二年度から十六年度までの過去五年間について記載しております。
以上、簡単でございますけれども、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○酒井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○松葉委員 生活文化局関連の平成十六年度一般会計決算について質問させていただきます。
全体の歳出の中で学務費は、予算現額は千二百四十二億余円で八五・三%、支出済額は千二百三十三億余円で、さらに割合が上がりまして八六・八%を占めております。生活文化局の歳出の中で八割以上、九割近くまで占めるこの学務費、私学助成について、幾つかお伺いしたいと思います。
私、現在、二人子どもがおりまして、一人は小学校四年生でございまして、私立の小学校に通っております。もう一人は小学校一年生で、公立の区立小学校に通っております。公立に通うお子様も、また、私学に通うお子さんも、ひとしく安心してよりよい教育を受けること、そういうことができる環境を整えて維持をしていくことは大変重要であると考えております。現在も我が家の家計でも公私間の格差が出ておりますけれども、そんなことも含めまして、きょうはお伺いしたいと思います。
私立学校は、幼稚園、あるいは小学校から高校、大学までの一貫した教育を行ったり、いわゆる女子校、男子校といわれる男女別学校教育を実施するなど、それぞれの私学において創立者の建学の精神に基づく特色ある教育を推進していると聞いております。
最初に、私立学校が東京の教育に果たしてきた役割をどう認識しているのか。また、私立学校に在学する児童生徒等の割合をあわせて伺いたいと思います。
○新行内私学部長 東京の教育における私学の役割、あるいは児童生徒の割合についてのお尋ねでございますが、平成十六年度、都内の児童生徒数のうち私立学校に在学する割合は、中学校では二五%、高等学校では五六%、幼稚園や専修学校では九〇%以上となってございます。
松葉委員ご指摘のように、教育内容でも都民のニーズにこたえ、大きな信頼を得て、公教育の中で重要な役割を果たしていると認識しております。
○松葉委員 義務教育である中学校においても四人に一人、高校に至っては六割近くが私立学校に学んでいるということで、東京における私学の役割は特に重要だと考えます。こうした東京における私学の重要性を踏まえ、都としては私学助成にどのように取り組んできたのか、伺います。
○新行内私学部長 東京都の私学助成の取り組みについてのお尋ねでございますが、都は私立学校が公教育に果たしている役割の重要性を踏まえまして、公私格差の是正に配慮しながら、経常費補助を基幹的補助として、さまざまな助成策を講じておるところでございます。
さらに、時代の変化に即応しながら、より効果的な補助のあり方について見直しを行いまして、幼稚園から専修学校、各種学校に至るまで、全学種にわたり私学助成の充実に努めております。
○松葉委員 公私間格差の是正に配慮をされながら、助成策の充実もされているという、大変重要だと考えます。
そこで、基幹的補助である経常費補助の趣旨と、また、この過去三年の推移について伺います。
○新行内私学部長 経常費補助についてのお尋ねでございますが、経常費補助は、私立学校の教育条件の維持向上、児童生徒の就学上の経済的負担の軽減、私立学校の経営の健全性を高めるため、私立学校を設置する学校法人に対しまして経常費の一部を補助するものでございます。都内の公立学校経常費の実績値をもとに私立学校の標準的運営経費を算出しまして、その二分の一を補助するという形で行っております。
過去三年の推移でございますが、決算額で申しますと、平成十四年度は約千四十六億円、平成十五年度は約千三十二億円、平成十六年度は千十七億円と減少してまいりましたが、平成十七年度予算におきましては、前年度に比べまして九年ぶりに増加し、約千三十一億円となっておるところでございます。
○松葉委員 今のご答弁によりますと、十七年度予算は増加をしたということで、大変に評価いたします。今後も公明党は私学助成の充実に全力で頑張っていきたいと思っております。
ところで、池田小事件をきっかけとしまして、学校における安全対策が重要な課題となっている中で、ことしの二月には、寝屋川事件という大変痛ましい事件も起きてしまいました。都は、この学校の安全対策についてどのように取り組んできたのか、伺います。
○新行内私学部長 学校の安全対策についてのお尋ねでございますが、都は、私立学校における防災対策や防犯対策を促進し、生徒の学習環境の安全強化を図るため、平成十五年度から、私立学校安全対策促進事業費補助を実施しておるところでございます。平成十六年度におきましても、耐震補強工事に加えまして、防犯カメラやフェンス等の整備等で前年度を上回る補助を行いまして、学校の安全対策への取り組みを行ったところでございます。
○松葉委員 前年度を上回るという取り組みは、大変にありがたいことだと思います。私が住んでおります杉並区では、この二学期から公立の小学校に民間の警備員の配置がされまして、子どもたちの安全を図っております。私学に通う児童生徒の方は広範囲から通っておりまして、そういう意味でいいますと、親の立場から申し上げますと、大変に心配をさまざま抱えているということがございます。ですので、さらなる耐震補強や、また、子どもたちの安全の防犯対策等、取り組みをお願いしたい、そのように思います。
最後に、予算執行についてお伺いいたします。
予算執行においては、不用額をできるだけ出さないようにすることが必要だと考えます。助成費全体として八億八千万円の不用額が出ております。額として大きいようにも思います。ですけれども、助成費全体の執行率は九九・三%と高いものになっております。そうした中で、不用額が一番大きい私立盲ろう養護学校等経常費補助と、執行率が一番低い私立高等学校等交通遺児等授業料減免事業費補助について、その理由を伺います。
○新行内私学部長 助成費の執行に係るご質問のうち、まず、ご指摘の不用額が二億七千万円余と最も多い私立盲ろう養護学校等経常費補助につきましては、国の制度変更によりまして、これまで都を通じて行われていた補助が国からの直接の補助に変わったということが原因でございます。
また、執行率が三三・二%と最も低い私立高等学校等交通遺児等授業料減免事業費補助につきましては、対象生徒数の減少による実績の減が主な理由でございます。
○松葉委員 国の制度変更等も含めまして、やむを得ないということがわかりました。ただ、私学予算の確保につきましては、我が党も挙げまして応援してきた結果としての予算でもございます。引き続き不用額の圧縮に取り組んでいただきたいと要望いたします。
私ども公明党も、今後も私学助成振興、頑張ってまいりますので、どうか私学振興に全力を挙げていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○村松委員 平成十六年度は、青少年センターの廃止条例が強行された年です。青少年センターは、もともと飯田橋のセントラルプラザ、飯田橋庁舎にあったものを、臨海のテレコムセンターの空き室の穴埋めとして移転し、利用しにくくしておきながら、今度は利用が少ないということを口実に廃止を強行しております。青少年の居場所を奪い、引きこもり対策を後退させる一方で、青少年健全育成条例に罰則規定が盛り込まれるなど、青少年対策が後退した年でもあります。
また、財政健全化計画と財政再建推進プランの終了の年でもあります。この二つの計画に私学助成の見直しがやり玉に上げられるとか、行政評価による見直しで都立文化施設の指定管理者制度の導入に向けての議論がされた年でもありました。
そこで、私は、きょうは生活文化局の決算で二つのテーマについて質問をさせていただきます。最初は、私学助成について何点か伺います。
まず、公立学校と私立学校の格差を解消するために、東京都として、公立学校の経常経費の実績、この実績値をもとに私立学校の標準的運営費を算出して、その二分の一の補助をしておりますが、その目的は一体何なんでしょうか。
○新行内私学部長 私学助成の目的についてのお尋ねでございますが、私学助成の大宗を占めます経常費補助の目的は、先ほども松葉委員のご質問にお答えしましたとおり、私立学校の教育条件の維持向上、児童生徒の就学上の経済的負担の軽減、私立学校の経営の健全性を高めるためという目的を持って助成しているところでございます。
○村松委員 公私格差を是正する、これが目的だと思うんですね。そこで、生徒一人当たりに換算した場合に、公立高校への公費負担と私立高校生の公費負担、これを示してください。
○新行内私学部長 公費負担の格差というご質問でございますが、私ども、一定の計算に基づきまして、都内の私立高校におきましては、公費は、一人当たりで計算いたしまして、三十三万四千七百三十三円、公立の場合におきましては九十三万三百四十円ということになっております。
○村松委員 公立の生徒さんが一人当たり九十三万円に対して、私立の生徒さんは一人三十三万円ということですから、二分の一の補助、こういうふうにいっておりますけれども、実は生徒一人当たりで見ると三分の一しか補助していない、こういうことになるんじゃないでしょうか。このことは、結局、保護者の授業料の負担につながるわけです。私学関係者がいうとおり、二分の一の実態に合った助成を、私からも強く要望いたします。
そして、私学振興予算等に関する要望書がありますけれども、これは私学関係者の中で東京都に対する要望のイの一番に上がっているのが、標準的運営費の二分の一の公費負担の堅持及び内訳の明確化と書かれているんですね。このことは、やっぱり受ける方の生徒さんの親御さんも二分の一の負担を実感していない。それから、運営している学校協会の人たちも、そのことは実感していないということがいわれていると思うんです。こういう問題、ぜひそういう実感がないようなことはやめてほしい。本当に実質で二分の一補助、これを実施していただきたいというふうに思います。
次に、学校の安全対策について伺いますけれども、都立学校で学ぶ生徒も私立学校で学ぶ生徒も、同じ大事な都民です。一日の多くの時間を過ごす学校の安全対策は、待ったなしです。十月二十三日、中越大地震から一年になります。その後も大規模な地震や被害が出ているだけに、この震災対策を急ぐことが求められております。
そこで伺いますが、平成十五年から十六年まで、安全対策促進事業が実施されて、十七年も延長されましたが、十五年と十六年度の予算額と決算額、そして実施した学校数、これをお答えください。
○新行内私学部長 安全対策についての実績のお尋ねでございますが、村松副委員長ご指摘のとおり、私立学校における防災対策及び防犯対策ということで、生徒の学習環境の安全強化を図るということで、平成十五年度及び十六年度の二年間にわたり、防犯カメラ、フェンス等の整備及び耐震補強工事、そういった事業を実施しておるところでございます。
防犯対策ということに限って実績をご説明いたしますと、平成十五年度の防犯カメラ等の実績は百四十九校ございました。その補助額につきましては、一億七千九百五十七万八千円でございます。また、十六年度の防犯カメラ等の実績でございますが、百六十四校で、補助額は二億一千八百十一万円、こういうことになっております。
○村松委員 震災補強対策、この問題について、私、今伺ったんですが、耐震の問題についての実施状況、これはいかがなんでしょうか。
○新行内私学部長 耐震の実施状況でございますけれども、平成十五年度に耐震化をした学校数は二十三校、補助額は三億二百九十七万一千円、平成十六年度に耐震化を実施した学校は五十三校でございまして、補助額は八億五千百八十八万円、こういうことになっております。
○村松委員 この事業の実施を始めたのが平成十五年ですよね。それで、そのときの執行率というのが六九・五%ですよね。十六年度が九九・六%。このことは、最初始めた年は周知徹底されないままにいるから、執行率が下がっていると思うんですよ。で、その次の年は周知されているから、執行率が上がってきている、そのことがいえると思うんですね。
それで、学校の校数で見ますと、二十三校と五十三校ですから、七十六校ですよね。私学はとてもそんなものじゃないですよね。小学校を見ると五十一校、中学校の数が百七十九校、それから高校が二百三十八校、そこへプラス幼稚園が八百八十六校で、合わせて千三百五十四校、このうちの七十六校のみということですよね、この事業を使っての耐震補強工事というのは。当然、先ほどの千三百五十四校の中には、昭和五十六年以降に建てられた学校ももちろんあると思うんですけれども、それにしてもこの耐震補強工事というのは、まだ始まったばかりだというふうに私は認識しているんです。
それから、この事業は、「東京都の私学行政」という、ここに、耐震補強工事及び付帯工事については、補助のみ十七年度に限って延長して実施するというふうに書かれておりますけれども、十五、十六、十七と、これで終わるというわけではないと思うんですが、どうでしょうか。
○新行内私学部長 耐震化に関するご質問でございますが、まず、一つご説明しておきたいのは、この事業、確かに委員ご指摘のとおり、十五、十六年、そして十七年に延長、こういう事業でございますが、これが始まりということではなくて、それぞれの学校の努力によって、それぞれの社会状況等を踏まえまして耐震化は進んでおる。
それで、学校ごとのというのが、その辺が私どもの統計の数字というのがなかなかわからないんですが、今現在、文科省等で出している耐震化率というのは、先ほど委員ご指摘のとおり、昭和五十七年以降の、もう耐震性はあるよという建物の数、棟数とか、あるいは五十六年以前で、もう耐震化はやったよ、だから安全だよ、そういったものを合わせまして学校全体が持っている棟数で割る、その結果の耐震化率、こういうことになるわけですが、その耐震化率は、平成十六年十二月一日現在、東京都の私立学校におきましては、六四・八%ということになっております。そういう意味では、全国的な平均からは進んでいる、上回っている、こういうことがいえると思います。
なお、耐震化の問題、今後というお尋ねでございますが、確かに耐震性を強化していくということは、今現在、東京都北部地震とか新たな地震の危険が喧伝されておる、こういう中で非常に重要なことでございますので、その辺につきましては、今後また適切に対処していきたい、このように考えております。
○村松委員 今後の状況というのは、私学の方から、学校の方から要望があったら、適切に対応していきたい、そういうお答えととってよろしいでしょうか。
○新行内私学部長 繰り返しになって恐縮でございますが、適切に対処してまいりたい、こういうことでございます。
○村松委員 次に、防犯対策について伺うんですが、学校での防犯も大事な課題になってきておりますが、四年前のあの池田小学校の事件と、それから、ことしの二月には大阪の寝屋川市で起きた学校内での教職員殺傷事件以来、各学校では、防犯対策、これを相当強化していると思うんですね。
それで、私も公立学校に行きましたら、一つの学校で十カ所ぐらい防犯カメラを設置している。防犯カメラを設置していても、見る人もいないというような状況もありましたけれども、でも、やっぱり防犯カメラが設置されているということだけでも、侵入してくる人にとっては、それなりの効果はあるというふうに思うんですよ。
先ほど紹介したこの本の中にも、防犯対策の中で、防犯カメラと門やフェンス等の整備、そういう形で載っているんですが、ここでは、もう既に十七年度は終了した事業になっているんですよ。耐震補強のみ補助するというふうに書かれているんですが、でも、やっぱりことしの大阪の寝屋川市のあの事件を見て、とてもじゃないけど私学の先生たちも、それから関係者も、もっと強化しなければならないという、そういう分野じゃないかと思うんですね。
この問題についての実態はどうなっているのか。その後、補助しているのか、それとも、これからも補助しようとしているのか、そのことをお聞かせ願いたいと思います。
○新行内私学部長 防犯対策のご質問でございますが、先ほど私は、今ご質問の私立学校安全対策促進事業費補助という枠で防犯対策あるいは震災対策をやっておりますもので、先回りして十五年度、十六年度の実績を先ほどお答えしたようでございまして、失礼いたしました。
繰り返しませんが、十七年度は、学校の要望を踏まえまして適切に対処しておるところでございます。
○村松委員 ぜひ今後も要望を踏まえて、十七年度、十八年度もお願いしたいというふうに思います。
続いて、アスベストの問題に入りたいんですが、今、アスベストの問題が健康被害をもたらしているということで大きな社会問題になっているんですね。既に公立の方は調査が終わって、部分的にはもう改修工事も始められているという状況なんですが、私学の方は、そのアスベスト調査が今どうなっているのか。それから、何らかの形で公的な支援、この問題についてお考えをお願いしたいと思いますが。
〔発言する者あり〕
○酒井委員長 私学部長に一応お断りいたしますけれども、十六年度中の決算において、もしアスベストの調査を行っているのであれば、お答えをいただきたいと思います。
○新行内私学部長 平成十六年度におきましてはアスベストの調査は実施しておりませんので、平成十六年度の状況についてはつまびらかにはできません。
○村松委員 私の方から、アスベスト問題、今、社会的な問題になっているし、この決算の中で十六年度になかったからということで、質疑や答弁はおかしいというような意見は、またそれもおかしな話で、来年度の予算に反映するという意味での決算を今しているわけですから、それはやっぱり重要な問題だと思います。
次に、音楽鑑賞教室、この問題について、文化振興について伺います。
青少年や子どもたちが、みずみずしい感性を持つこの時期に、質の高い文化に触れ、文化活動に参加することは、芸術への理解を深め、豊かな人間性をはぐくむためにも大変意義深いことだと思います。東京都はこれまで、小中学生を対象にしたオーケストラによる音楽鑑賞教室や、伝統芸能、バレエ、オペラなどの鑑賞教室を開催してきました。二〇〇四年度からは、これが廃止されて、参加体験型のプログラムに変更になりました。参加体験型プログラム自体は、子どもたちに貴重な機会を提供する場として、大変いい企画だと思いますし、発展させていただきたいと思います。
しかし、参加体験型プログラムは、どうしても、もともと興味のある子や、親御さんが熱心な子が参加するという形になってしまうのに対して、音楽鑑賞教室は、すべての子どもたちがプロのフル編成のオーケストラの生の音を聞くことができる。テレビやCDの音でなく、本物の生の音を聞くことができるという点で、こちらもまた貴重な事業だったと思います。こうした意義のある音楽鑑賞教室をやめないでほしい、復活させてほしいという保護者や音楽関係団体などの要望を聞いております。先日お伺いしたところ、生活文化局さんにもそうした要望が届いているとのことでした。
そこで、まず、音楽鑑賞教室がどのような形で実施されてきたのか。平成十五年度の実施回数や区市町村数、参加人数、経費の負担方式など、教えてください。
○山本文化振興部長 再構築前の平成十五年度の音楽鑑賞教室の実施回数でございますけれども、年間百七回、うち東京都交響楽団が六十七回、日本フィルハーモニー交響楽団など民間のオーケストラが四十回でございました。
実施区市町村数は、十九区十八市、計三十七区市でございまして、参加人数は約十万人でございました。
なお、経費の負担でございますが、民間オーケストラの場合は、都と区市でそれぞれ百二十七万円を負担しており、東京都交響楽団が出演する場合には、楽団への運営費補助があるため、都の負担はございませんでした。
○村松委員 この音楽鑑賞教室が廃止された経過というのは、これは行政評価、ここの中で廃止された経過になっているんですが、これは第一次評価として生活文化局の方で評価したのには、総合評価として生文の方はBにつけているんですよね。それが第二次評価の中で、どういうわけかCにつけられている。Cというのは何なのかというふうに見ましたら、事業の規模と内容の見直しが必要だということで見直しの経過になったわけです。事業の規模と内容というふうにいっても、事業の規模はそれこそ十万人、先ほどお答えがありましたけれども、十万人の子どもたちが見る。
それから、子どもたち一人当たりに対してどのくらいかというと、五百円くらいで見られるんですよね。そういうものが、生文の方にすれば、これはBの評価をつけておきながら、総務局、知事本部の方でCにつけている。そういう中から、音楽鑑賞教室だけでなく、子ども歌舞伎教室とか、子ども文楽教室とか、バレエ鑑賞教室とか、こういうのが削られてしまっているというわけなんです。
東京都の事業が廃止された二〇〇四年度には、各市町村でどのようにこれが取り組まれたのか、示していただきたいと思います。
○山本文化振興部長 区市町村が独自に実施いたしました平成十六年度実績では、十六区十四市、計三十区市で実施したと聞いております。
○村松委員 年間百回、三十七の区市で実施されていたものが三十の区市に減ったという、しかし、東京都がやめても、ほかに三十の自治体で実施しているわけです。やはり子どもたちに一回は本物を聞かせてあげたい、こういう思いからニーズは高いんだというふうに思うわけです。ということだと思うんですが、同時に、できなくなってしまった自治体も、回数を減らした自治体もあるわけですけれども、そこの子どもたちにとっては本当に残念なことだなと、そのことを感じます。
調べていただいた資料によりますと、先ほどご答弁がありませんでしたが、民間オーケストラの場合には区市町村が百二十五万円出さなければ、民間オーケストラは来ていただけないという問題があったり、都響の場合には区市町村百二十五万円出せば引き受ける、こういう状況になっているわけですが、都響は六十回のところを六十四回とか六十五回に回数をふやして、今、頑張っていただいております。
ところが、民間のオーケストラ、ここでは区市町村の百二十五万円が入らなければ、自分たちがどうしてもやりたくても採算がとれない、こういうことでやれないという状況になっております。
私たちが民間オーケストラの皆さんにお聞きしたところ、何とか自分たちも区市町村の子どもたちの要望を受けてやりたいと思っていても、やっぱり採算のとれないようなことはできないなと。安くするために本来の編成を減らして、例えばフルート二本、オーボエ二本必要なところを一本でごまかすことはできるけれど、でもそれでは、本物を聞かせたい、そういう自分たちの思いが伝わらない、そういうふうな声がありました。子どもたちにオーケストラってこの程度のものか、こういうふうに思われたら嫌なんだということをおっしゃっておりましたが、まさに私もそのとおりだと思うわけです。
ぜひ東京のすべての子どもたちが一回はフルのオーケストラの演奏が聞けるように、都として音楽鑑賞教室を復活させていただきたいと思います。
ところで、リニューアルされた参加体験型プログラムですが、現在の実施状況を示していただきたいと思います。
○山本文化振興部長 今のご質問の前に、先ほど私の方で経費のお話を申し上げなかったというふうにおっしゃいましたけれども、先ほど私の方では、都と区でそれぞれ約百二十七万円の負担をしていたというふうなお答えを申し上げておりますので、ご確認をいただきたいと思います。
それから、フルオーケストラをお聞きになるという話で、これが非常にいいというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、例えば文化会館の音楽監督の先生は、子どものころ、そういったものを無理やり聞かされて嫌になったというようなこともいっておられまして、なかなかこれは考え方がいろいろあるんだろうというふうに思っております。
それでは、質問の方にお答え申し上げます。
子ども向けの舞台芸術参加体験プログラムの件でございますけれども、平成十六年度から再構築をいたしました同プログラムにつきましては、都立文化施設を舞台といたします鑑賞プログラムに加えまして、地域に芸術家が出向いて行うアウトリーチプログラムがございます。このアウトリーチでは、例えば子どもたちとオーケストラとの共演、人形劇教室などのワークショップ、それから吹奏楽などの実技指導など、子どもたちが芸術家と直接触れ合う機会を提供しておるものでございます。
平成十六年度は、東京芸術劇場でのオーケストラ等の成果発表等が二千三百二十人、発表会の準備でございますアウトリーチが二千二百七人、江戸東京博物館での児童演劇の成果発表等が二千二百三十三人、事前準備のアウトリーチが八百十九人、東京芸術劇場での能楽の成果発表等が六百五十六人、事前準備のアウトリーチが六百六十人となってございます。
○村松委員 今のご答弁だと、オーケストラの演奏を全面否定するんですか。音楽鑑賞の、そういう(発言する者あり)先ほどの民間オーケストラの問題をいっているんです。今のこの事業の問題についていっているわけじゃなくて、先ほどの大友さんが音楽鑑賞教室が嫌になったと、子どものころというね。確かにそういう人もいるかもしれないけれども、でも圧倒的多数の子どもたちは、やっぱり年に一度の生の演奏、本物の演奏を聞けるんですよ。その機会を奪ってしまったということの責任感を棚に上げて、一人の人がそういったからといって、そのことを口実に開き直るようなその答弁は絶対に許せないですよ。
それから、子どもの参加体験プログラムを先ほどご答弁いただきましたが、芸術劇場や江戸東京博物館は二十三区の方ですよね。この実施した状況、実績、これをいただいたんですが、これもみんな二十三区なんですよね。さっき私が紹介をした、その後続いている音楽鑑賞教室、これが続いているのはまだ結構あるんですよね。三多摩の方も二十三区の方もあるんですけれども、でもやっぱり東京都がこれから重点を置いていこうとする子ども参加体験プログラム、これが三多摩の方にはないということで、それにかわるものというふうにおっしゃっているようですけれども、そうじゃないんじゃないですか。
私は、やっぱり三多摩の方でも、残念ながら東京都立のそういう劇場はないですから、なかなかできないというふうなことはあると思うんですが、やる気になれば市民会館とか、いろんなところがあるわけですから、やっぱりそれは何らかの形で工夫してもらって、この子ども参加体験プログラムをぜひ実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山本文化振興部長 平成十六年度は初年度でございまして、確かに多摩のウエートが非常に低かったということは事実でございます。今後は参加団体や区市町村の協力を得ながら、多摩地域でのアウトリーチの充実を図ってまいりたいと思います。
○村松委員 音楽鑑賞教室を含めた芸術鑑賞教室の十五年度の予算額や決算額、これは六千三百万円だった決算額ですが、十六年度が四千二百万円、十七年度が三千五百万円というふうに、リニューアルされたことによって予算額も減っているということがあるんですよね。
やっぱりどの子にも本当に小さいうちから高いレベルの文化、音楽、それを味わってほしい。私もこの前ラジオで三味線の音を、プロが弾くと本当にきれいな音色が出る。だけど素人がやったらこうだというので、そのうんと大きな差を感じているんですね。やっぱりそういうのをみんなに体験してもらうという意味でも、ぜひともこういう文化活動には、今後も力を入れていただきたい。そのことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○山口(文)委員 私の方からは、男女平等参画施策について、関連して何点かお尋ねします。
決算書によれば、男女平等参画施策の企画調整及び東京ウィメンズプラザの運営においては、執行率が数字から見ると十分とはいえません。男女平等参画のための東京都行動計画のうち、重点課題の一つであるDVの防止への対応については、東京都配偶者暴力対策基本計画策定に関する策定協議会にシェルター運営などを行う市民団体が参画するなど評価が高く、中間まとめを得た今後の計画策定が期待されるところです。
しかし、DV対策以外にも男女平等への課題は全庁を通じて多岐にわたり、さらに積極的な施策展開が求められています。
労働の分野の男女平等参画も、大きな課題だと思います。東京都男女平等参画基本条例に雇用に関する項目が明記されたことは、東京都の特徴として評価されています。ポジティブ・アクションに対する企業啓発も大きな意義があるが、労働における間接差別の是正を早急に進めなくてはならない問題だと思います。非正規雇用が女性労働の多くを占める現状の労働環境の中で、産業労働局では十一月にパート、派遣、契約労働者への強化月間の取り組みが行われますが、民間事業者への影響も大きいことから、局を越えた推進体制と施策の展開が必要だと考えます。
都として、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
○産形参事 パートタイム労働、派遣労働を含む雇用の分野における参画の促進につきましては、男女平等参画のための東京都行動計画における重点課題の一つとして積極的に取り組んでおります。
具体的には、産業労働局を中心に、男女雇用平等参画状況調査の実施、ポジティブ・アクション実践プログラムの作成普及、セミナーの開催等に取り組んでいるところであります。
生活文化局におきましても、ポジティブ・アクションの普及を図るため、経営者を対象としたシンポジウムや企業に講師を派遣する出前講座等を実施しております。今後とも、関係局と連携を図りながら、雇用の分野における参画の促進に努めてまいります。
○山口(文)委員 次に、東京ウィメンズプラザは、平成十三年に女性財団から東京都の直営施設となりました。情報提供事業として図書資料室の運営があり、事業開始は平成七年ですが、昭和五十四年の日比谷図書館内に設置された東京都婦人情報センター所属の資料を受け継いで、現在の所蔵図書は約五万五千冊となっています。
しかし、図書購入費の推移を見ると、財団運営時の平成十二年は五百八十一万六千四百六十三円だった購入費が、平成十三年度以降は二百万円台となるなど大きく減少しています。他の自治体を見ると、直営で女性センターを運営している神奈川県では、平成十五年、約三百十七万円、財団が運営している大阪府では、平成十五年、約四百五十四万円となっています。
ウィメンズプラザにおける図書購入費が、このように減少してきた理由について伺います。
○産形参事 東京ウィメンズプラザの図書資料につきましては、平成七年の開館以降、幅広い分野から集中的に購入を進め、図書資料室の充実に努めてまいりました。この結果、一定水準まで蔵書が拡大できたことに加えまして、財政状況等も勘案して、平成十三年度以降は新刊書を中心に図書を購入しております。
また、平成十三年から図書検索システムが稼働したことにより、利用者が蔵書の貸し出し状況を把握できるようになったため、同一の図書を複数冊購入する必要がなくなりました。このようなことから、購入額が減少したものでございます。
○山口(文)委員 ウィメンズプラザの図書資料室では、歴史的かつ専門的な価値の高い資料や、他の自治体の行政資料も充実して、専門性の高いレファレンスが受けられる点でも評価は高いとされています。
しかし、何分、新しい資料に乏しい点が見受けられるという声が聞こえてくることはとても残念です。今後の女性のエンパワーメントに向けた資料充実に対する都の考え方を伺います。
○産形参事 東京ウィメンズプラザにおきましては、東京都婦人情報センター時代からの図書資料を保管するとともに、男女平等参画に関する社会的動向に十分配慮し、時宜を得た図書の購入に努めております。さらに、最新の行政資料、民間団体等が発行する資料の収集等を行い、質量ともに歴史的、専門的な価値のある図書資料を所蔵しております。
今後とも、ウィメンズプラザの図書資料室の役割である男女平等参画に関する都民の自己啓発、自主的な研究や活動などを支援するため、図書や行政資料、民間団体、企業等が発行する資料、雑誌等の収集に努めていきたいと考えております。
○山口(文)委員 国連開発計画の二〇〇三年のジェンダーエンパワーメント指数では、日本は四十四位と一層低下している現実があります。東京では男女平等参画のシンボル拠点としてウィメンズプラザに対する期待は大きく、先日も毎年恒例のウィメンズプラザまつりが開催され、盛況に終わったと聞いています。
資料室でも専門性の高い非常勤職員司書が資料請求やレファレンスに応じていますが、直接来館できる人には限りがあります。資料室の利用を含めて、メールマガジンの発行など、発信力を高める取り組みや機能の充実など工夫が求められますが、ウィメンズプラザからの情報発信や利便性の向上を今後どう図っていくのか、見解を伺います。
○産形参事 東京ウィメンズプラザの図書資料に関しましては、ホームページにおいて新着図書の紹介などの情報を提供するほか、ホームページ上からの図書資料の検索並びに予約を可能にしております。また、ウィメンズプラザで実施する各種講座や講習会の情報を、広報誌プラザニュースやホームページで紹介するなど情報発信に努めております。
施設の利用に関しましても、インターネットにより会議室やホールなどの施設予約ができるようサービスの充実を図っております。今後とも、ホームページの改善などにより、適切かつ迅速な情報提供を進めるとともに、都民の利便性の向上に努めてまいります。
○山口(文)委員 国連女性差別撤廃委員会において、たびたび間接差別の是正勧告を受けている日本の現状を東京からぜひ打開していただきたいと思います。
人口の半分を占める女性が働き、自立することは、成熟した社会にとって当然のことだと思います。しかし、現実には雇用の間接差別は温存されたままであり、働く女性にとって大きな壁として立ちはだかっています。都は、こうした問題にも積極的に切り込み、真の男女平等を実現することができなければ、今、抱いている子育てや介護など社会の問題解決をも遠のかせてしまいます。ウィメンズプラザが直営になったからこそ東京の男女共同参画が大きく前進したといわれる取り組みを期待します。
次に、NPOについて質問いたします。
特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法の施行後六年半が経過し、現在、全国で約二万二千団体が誕生し、そのうち四分の一である四千百三十五団体、これは今年度の四月現在の数ですが、東京都で認証され、活動を行っています。
東京都では法人格を付与する法人設立認証事務を行い、ことし三月には東京都におけるNPO法の運用方針を定めました。東京都でも指定管理者制度が導入され、分権を推進する時代にあって、NPOなど民間団体、市民団体との協働はますます求められる状況です。NPOを管理するのではなく、パートナーとしてNPOの育成と質の向上につながるサポートやフォローが欠かせない課題です。
認証や東京ボランティア・市民活動センター運営費補助以外の具体的な市民活動促進への対応が必要ですが、見解を伺います。
○和田都民生活部長 市民活動の主体でございますNPOに対する行政の支援は、NPOとの協働を推進する立場から、市民活動の促進に向けた環境整備を図っていくものであると考えております。こうした考え方に基づきまして、東京ボランティア・市民活動センターでは、東京都からの補助によりまして、情報提供、相談、人材育成等の事業を実施しているところでございます。
都におきましても、都並びに区市町村の職員を対象に、NPOとの協働の意識を高めるための講座を実施し、また、都とNPOとの協働事業や区市町村におけるNPO支援施策の一覧をホームページ等で都民に提供いたしております。こうしたことから、都におけるNPOとの協働事業は年々増加をしてきている状況でございます。
○山口(文)委員 資料によりますと、平成十六年度のNPOの不認証数が急激に増加して、十六年度は二十五件となっています。これは運用方針によるものなのか、その理由を伺います。
○和田都民生活部長 NPO法人の数がふえていくという状況の中で、近年の申請の中には、法人格取得の簡便さから、NPO法人であることを利用して、いわば暴力団等が隠れみのに使うというような場合や、必ずしも公益、非営利とは認められない活動を行うものが見受けられるようになってきております。こうした活動は、NPO法人全体の信頼を低下させるばかりでなく、市民生活に悪影響を与えるおそれもあり、都としては法人運営の健全化を図る観点から、東京都におけるNPO法の運用方針を平成十七年三月に作成したところでございます。
平成十六年度のNPO法人の不認証数は増加しておりますけれども、都の運用方針は平成十七年の五月に施行されたものでありますことから、十六年度における増加の直接の要因とはいえないものと考えております。
十六年度におきます不認証の理由では、特定の個人や団体等の利益を目的とした事業を行うものや、特定非営利活動を主たる目的としていないものなどが多くなってきております。
○山口(文)委員 NPO法とのかかわりですけれども、総会定足数の項目などNPO法と東京都の運用方針では一部かけ離れた項目が見受けられます。NPO法はできるだけ行政による介入や関与を減らし、自主的な活動を初めとする社会貢献活動の発展を促進するためのものであり、認証を担当する行政機関は法律の定める要件に適合すれば認証しなければならないとされています。当然、東京都以外の道府県で定足数を理由とした不認証はないと聞いています。
NPO法の趣旨に反するような運用は遺憾であると考えますが、都の考え方と今後の対応を伺います。(発言する者あり)そんなことはいっていません。
○和田都民生活部長 都におけるNPO法の運用方針は、NPO法人の自主性を尊重するため、行政の関与する部分を具体的に限定し、かつ明確にしたものでございます。そして、各法人がNPO法を安易に拡大解釈することなく、適正な法人運営を確保し、健全な発展を促進することを目的としておりまして、法の趣旨に反するものというふうには考えてございません。
NPO法人の社員総会の定足数につきましてでございますけれども、総会が法人の最高意思決定機関であるという重要性を踏まえ、また、法人の民主的な運営を確保するために、少なくとも社員の過半数以上とすることを運用方針上の基準として定めたものでございます。今後とも都の運用方針に基づき、適切に対応してまいります。
○山口(文)委員 確かにNPOを隠れみのにした事業体が社会問題となっているということは事実だということを認識しています。しかし、多様な社会のニーズに対応する民間の非営利団体の果たす役割は重要であり、今後も期待されるところです。本来こうした団体は、権力の規制をできる限り抑え、市民の豊かな発想で自主的な活動をしてこそ自立した市民社会が育つものと考えています。
過渡期にはさまざまな問題が生じ、困難を覚えるときもありますが、NPO法人が認証という方法をとったのは、許認可とは違い、行政の裁量を厳しく禁じたものと聞いています。法の精神にのっとり対応するべきということを申し上げて、質問を終わります。
○酒井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○酒井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時三分散会
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