各会計決算特別委員会第二分科会第六号

平成十六年十月二十七日(水曜日)
第十委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長大木田 守君
副委員長遠藤  衛君
副委員長坂口こうじ君
野上じゅん子君
松原 忠義君
田代ひろし君
樺山たかし君
大西由紀子君
藤川 隆則君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
生活文化局局長山内 隆夫君
総務部長有留 武司君
都民安全対策担当部長脇  憲一君
広報広聴部長高西 新子君
都民生活部長高島 茂樹君
消費生活部長古川 芳久君
私学部長南雲 栄一君
文化振興部長山本 洋一君
文化施設改革担当部長花田貢市郎君
参事三森 生野君
参事杉谷 正則君
参事江津 定年君

本日の会議に付した事件
平成十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
生活文化局関係
・平成十五年度東京都一般会計決算(質疑)

○大木田委員長 ただいまから平成十五年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
 本日は、生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより生活文化局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都一般会計決算中、生活文化局関係所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○有留総務部長 去る十月八日の当分科会におきましてご要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元配布の平成十五年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらん願います。
 表紙を一枚おめくり願います。資料は、目次にございますとおり、1の私立学校経常費補助及び国庫補助金の決算の推移外二件でございます。
 一ページをお開き願います。私立学校経常費補助及び国庫補助金の決算の推移でございます。
 平成十一年度から平成十五年度までの過去五年間につきまして、表の区分ごとに、歳出額及び国からの国庫補助金額の推移を記載しております。
 次に、二ページをお開き願います。都内の公立及び私立の幼稚園数並びに園児数の状況でございます。
 表の欄外、(注)2にございますとおり、平成十五年度学校基本調査報告をもとに、平成十五年五月一日現在の幼稚園数及び園児数を記載しております。
 次に、三ページをごらん願います。私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助の決算の推移でございます。
 平成十一年度から平成十五年度までの過去五年間につきまして、決算額の推移を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○遠藤委員 文化振興について、特に子どもの文化体験を中心に何点かお伺いいたします。
 子どもたちを心身ともに健やかに育てていくことは、私たち大人の、そしてまた社会の責任でもあります。心の東京革命の七つのルールの中にも、体験の中で子どもを鍛えようとありますが、子どもたちに、バーチャルな世界だけでなく、全身で本物を体験させることが、今、必要であります。文化について子どもたちが、見るだけでなく体験することが必要であります。昨年行われました文化に対する世論調査では、子どものころから美術館や劇場に親しめる環境をつくるが都民要望の第一位だったそうですが、大切なのは、美術館や劇場といった箱物をつくることではなく、文化に親しめる環境をつくること、子どもたちに文化に親しむ体験をさせることであります。
 私の地元の調布では、おはやしの大会が行われますが、子どもたちが見違えるような生き生きとした目を輝かせ、参加をしております。みんなで努力し、発表する緊張や喜び、やりがい、達成感といったものを実感する体験が子どもたちに必要なのであります。
 例えば、十月十日、私の地元の祭礼でありますけれども、ここで、中学一年生くらいの男の子がリーダーで、おはやしに出演をいたしたのでありますが、終わってから、そのチームの小学生、三年生から六年生くらいの五、六人が、そのリーダーを囲んで、本当にうれしそうにはしゃいでいる光景を見たのでありますが、そのすばらしさに私も本当に心から、いいことなんだなということを非常に強く感じたのであります。
 今申しましたように、みんなで努力し、発表する緊張感や喜び、やりがい、やったぞという達成感というものを実感する体験が今日の子どもたちに必要であるということは、今お話しして、おわかりだというふうに思います。体験から得る喜びや悔しさといいますかね、そういったものは、社会人になったときに必ず大きな力になるだろうと私は思っております。
 一昨年の文教委員会で私が、地域や学校で、単に芸術、文化を鑑賞するだけではなく、本物に触れる事業が必要であるとご質問をしたのでありますが、それに対しまして、鑑賞事業をワークショップ形式に転換することも考えているとの答弁があったのでありますが、その後どうなっているのか、まず、お伺いいたします。

○山本文化振興部長 遠藤副委員長のご質問にお答えいたします。
 文化行政の一元化に伴いまして、教育庁から生活文化局に鑑賞教室事業が移管されましたが、単に鑑賞するだけではなく、子どもたちが実際に音楽や演劇と触れ合い、体験できるものにしたいという視点から見直しを行いまして、子ども向け舞台芸術参加体験型プログラムとして再構築をいたしました。これは、会場近隣の学校などとも連携して実施するものでございまして、この七月には、黒柳徹子さんのプロデュースによりますコンサートを池袋の東京芸術劇場で実施をいたしました。
 今後、児童演劇や伝統芸能についても実施する予定でございます。

○遠藤委員 参加体験という考え方は大変結構だと思います。せっかく子どもたちが本物の文化を体験する事業でありますので、本物のアーチストにも触れ合い、身近な地域で直接交流するような機会にしていただきたいと考えますが、ご見解を伺います。

○山本文化振興部長 今年度から始めました子ども向け舞台芸術参加体験型プログラムでは、プロの芸術家が地域の児童館、体育館等身近な施設に出向きまして、子どもたちと直接触れ合い、芸術への興味と関心を高める活動を実施しております。
 また、都立の各美術館におきましても、子どもや学校向けのプログラムを実施しておりまして、例えば東京都現代美術館におきましては、アーチストを学校に派遣いたしまして、子どもたちと一緒に作品をつくる、アーチストの一日学校訪問事業を行っております。
 このような活動は、子どもたちに大変喜ばれるだけではなく、アーチストの方からも、子どもたちとの触れ合いで刺激を受けた、文化のすそ野を広げるものなどと高く評価されております。
 これからも、子どもたちがアーチストと触れ合う機会をふやしてまいりたいと存じます。

○遠藤委員 次に、活動の場の確保についてお聞きいたします。
 地域の文化活動を行う際に、練習場所あるいはまた発表の場の確保が大きな課題になっていると聞いております。先ほどお話ししましたように、おはやしのような音を出す活動は、できる場所がなかなか見つからないとも聞いております。地域の文化活動の場をもっと広げていく必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。

○山本文化振興部長 活動の場を広げることについてのお尋ねでございますけれども、東京都では、文化芸術に関する総合支援サイトでございます「TOKYO ART INDEX」におきまして、文化施設や活動スペースなどの情報を提供させていただいております。
 一方、各区市町村においても、それぞれの地域の実情に合わせ、学校や公共施設を文化活動の場として提供する取り組みが行われております。地域に身近な区市町村と連携をいたしまして内容の充実を図り、よりきめ細かい情報提供を行って、活動の場が広がるように努めてまいります。

○遠藤委員 東京のまちには大都市として多様な文化が存在し、日々新しい文化が生まれております。都民の文化活動、特に次代を担う子どもたちの文化活動には、はかり知れない潜在的な力があり、青少年健全育成にもつながると考えております。東京のこれからの文化を支える大きな柱ともなります。こうした力を損なうことのないよう、先ほどの私の質問、活動の場の確保についての答弁の中で、連携という言葉がありましたが、今日、この連携ほど大切なことはないと考えております。ぜひ地域との連携を密にして、お互いにきめ細かい情報の提供を行うことで、文化活動の場を広げてほしいと思います。
 東京都としても、今後、民間施設を含め、活動の場の一層の拡大に努めていただき、東京がさらに活力と創造性に満ちた、文化の香り高いまちになることを期待いたしまして、次の質問に行きます。
 育英資金事業についてであります。
 今、国は、いわゆる三位一体改革を進めております。これに対応して地方六団体は、義務教育費国庫負担金や私立高等学校等に対する補助金を廃止対象として盛り込んだ改革案を国に提出し、この案を受けて、政府も具体策の取りまとめを進めております。私学に通う生徒、保護者の皆さんは、こうした補助金が廃止されれば非常に大きな影響が出ることになるのではないかと非常に心配をしておられます。これについては、私もその動向を注視しているところでありますが、もう一方で、国の特殊法人改革の流れで、高校奨学金が平成十七年度に都に移管されると聞いております。こうした状況の中ですから、この財源措置をきちんとされるのか、非常に心配な面があります。
 そこで、これに関連して、育英資金事業について何点かお尋ねをいたします。
 まず、近年の厳しい経済雇用情勢のもとで、奨学金に対するニーズが高まっているのではないかと思うんですけれども、都の育英資金の過去三年間の貸与実績はどうなっているのか、まずお伺いします。

○南雲私学部長 お答え申し上げます。
 都の育英資金の貸与実績についてでございますが、平成十三年度から十五年度の貸与人員総数は、約千三百人、千五百人、千八百人と増加してきておりまして、また、その貸与総額も、約六億円から八億円へと増加してきております。

○遠藤委員 やはり相当伸びてきているんですよね。
 それでは、今後、移管が予定されている国の高校奨学金の方はどうなんでしょうか。今後どのような計画で、どのくらいの規模で移管されるのでしょうか。それについては、当然、国にしっかりとした財源確保を求めるとともに、移管に伴って現行のサービス水準が低下することのないようにすべきでありますが、どのようなお考えか、お尋ねいたします。

○南雲私学部長 国の育英事業でございますけれども、日本育英会の都域における直近の貸付総数は約四千二百人でございまして、都の育英事業の約二倍でございます。
 財源確保につきましては既に国に要望しておりまして、当該移管分については交付金で措置する方向で、国において概算要求がなされております。
 今後、国の財源措置の状況を踏まえまして、現行水準の確保に努めてまいります。

○遠藤委員 ぜひひとつ努力していただきたいと思います。
 さて、こうした奨学金の流れの一方で、さきの第三回定例会では定例監査の報告もありましたが、その中で、今後の育英資金の債権管理のあり方について検討するよう、監査委員から意見要望が表明されておりました。
 今のお話では、今後、規模も拡大するとのことですので、やはり事業のあり方も考えた方がいいのではないかというふうに思います。国が、日本育英会という形で、直営以外の方法で対応したように、都も、いつまでも行政が直営で行うのではなくて、新たな道を模索してはどうかと考えます。その際、単に事業の効率性だけを考えるのではなくて、他の関連事業もあわせてきめ細かなサービスができるような方向で、ぜひ検討していただきたいと思います。
 例えば、現在、都の外郭団体である東京私学財団が、高校生の特別奨学金事業や入学支度金貸付事業などを既に都から移管を受けて実施しております。これに育英事業もあわせて移管し、これらの各種のサービスを一元的に実施することで、より一層きめの細かい都民サービスが実現できるのではないかと考えますが、所見を伺います。

○南雲私学部長 育英事業と他の関連事業とをあわせまして、きめ細かなサービスが可能となるような民間活力の導入についてのご提言でございますけれども、一層の都民サービスの向上にも資するものと思われますので、関係機関とも十分協議の上、ご提言の趣旨を踏まえて検討してまいります。

○遠藤委員 もう一点お伺いいたします。
 育英・奨学金事業は、もともと営利的な要素が全くないため、その公共性をしっかりと担保しながら、安定的な財政基盤が確保されなければ、継続していくことが大変困難な事業であります。したがって、財団移管への道が開かれる場合には、その点を十分考慮し、移管後においても都が引き続き本事業の財政的な支援をしていくという役割なり責務というものを明確にしていく必要があると思うんですが、局長の見解をお伺いします。

○山内生活文化局長 育英資金事業は、経済的な理由によりまして就学困難な者に対し、教育を受ける機会の拡充を図り、次代に貢献し得る人材の育成を進めるものであります。社会のセーフティーネットの役割を担う大事な施策であると考えております。
 今後の検討によって実施主体を移す方向となれば、都としても、本事業の継続的な実施に必要な支援につきまして、ご指摘の趣旨を踏まえまして、その責務を明確にして取り組んでまいります。

○遠藤委員 ありがとうございました。
 経済は上向きになっているとはいえ、まだまだ都民一人一人の生活を取り巻く情勢は大変厳しいものがあります。今後ますます、こうした育英事業が大事になってくると思います。ぜひとも充実に努めていただくよう要望し、あわせて、今日の経済状況の中で、納税者の立場を十分に頭に入れて、有効かつむだのない予算執行をしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○野上委員 最初に、放置自転車対策についてご質問いたします。
 自転車は排気ガスが出るわけでもなく、大変環境に優しく、幅広い世代で手軽に使用でき、行動範囲も広い、利便性の高い乗り物です。自転車は、公共交通機関とともに利用を促進すべき乗り物と考えますが、一方で、駅前の放置自転車は依然として大きな社会問題となっています。ことしもまた、十月二十二日から駅前放置自転車クリーンキャンペーンが実施されております。私の地元の金町駅でも、葛飾区と地元の商店街等が協力をして、駅を利用する人々に、これなんですけれども、ポケットティッシュを配って、あとパンフレットを手渡して、放置自転車をなくすための取り組みを実施しております。
 昨年の文教委員会でも放置自転車対策について質問をいたしましたが、平成十五年度の調査では、放置自転車の全体的な状況が前年に比べてどのような結果になっているのか、お伺いしたいと思います。

○脇都民安全対策担当部長 東京都では、駅前放置自転車の現況等につきまして、毎年十月の晴天の平日に調査を実施しております。お尋ねの平成十五年の放置自転車台数は、全体で約十五万台でございまして、前年に比べ二万一千台、率にして一二%の減少になりました。これは、前年の一四%減に引き続きまして二年連続で大幅に減少し、最多期でありました平成二年の二十四万三千台と比べますと、九万三千台、率にして実に三八%の減少を果たしたことになります。

○野上委員 昨年も、放置自転車の台数が二年連続して減っていることがわかりました。
 駅前への自転車の乗り入れ総数や自転車駐車場の利用台数などの状況についても伺いたいと思います。

○脇都民安全対策担当部長 駅前への自転車の乗り入れ総数は約七十二万七千台で、前年より一千台増加いたしました。このうち自転車駐車場を利用した台数は約五十七万七千台と、前年より二万二千台増加いたしまして、過去最高となりました。これは、乗り入れ総数の八割が適正に自転車駐車場を利用したということでございまして、残りの二割が放置したということになります。
 なお、自転車駐車場の駐車可能台数は約七十五万一千台で、前年より一万九千台減少してしまいましたが、乗り入れ総数よりも二万四千台上回っている状況でございます。

○野上委員 駅前の放置自転車台数が大幅に減少し、自転車駐車場の利用台数もふえているということで、調査結果全体では好ましい傾向にあるということがわかりました。
 自転車駐車場の駐車可能台数が減少し、自転車の乗り入れ台数もわずかながら増加するという厳しい中で、駅前放置自転車を二年連続して減少させた理由について伺いたいと思います。

○脇都民安全対策担当部長 駅前放置自転車を大幅に減少させることができた理由でございますけれども、まず、新たな自転車駐車場が、一部ではありますが、放置の多い駅の近くに設置できたことがございます。
 また、利用しやすい料金の工夫や自転車駐車場への誘導など、利用促進を図ったこと、撤去活動の強化や撤去自転車の返還手数料の値上げなど、放置しにくい環境づくり対策を講じたこと、さらに、全都一斉のクリーンキャンペーンのほか、地元商店会、自治会など、幅広く市民を巻き込んだ啓発活動を繰り広げたことなどがございます。

○野上委員 放置自転車が減少した理由として、今、さまざま例を挙げて説明がありましたので、よくわかりました。
 その中で、自転車駐車場の新設については、新たに用地を確保することが難しい中で、どのような工夫をしてつくっているのかについてお伺いしたいと思います。

○脇都民安全対策担当部長 ご指摘のとおり、新たな自転車駐車場の設置は年々難しくなってきているのが現状でございます。そのような中で、昨年設置できた例を見ますと、通行の妨げにならないような比較的広い歩道上に整理区画を設けまして、そこに駐輪できるようにした例とか、駅前の再開発に合わせまして大型の自転車駐車場を設置した例とか、また、既存の自転車駐車場を改良することによりまして収容能力を大幅に改善させた例など、地域の実情に合わせたさまざまな工夫が行われております。

○野上委員 放置自転車を減少させていくためには、自転車駐車場の新たな設置が有効とは思いますが、それが難しい状況の中では、利用率の悪い自転車駐車場への誘導など、既存ストックの活用にも引き続き努力をしてほしいと思っております。
 また、安易に駅周辺に乗り入れないなど、乗り入れ台数の総数を減らす工夫も必要かと考えます。
 放置自転車対策は、基本的には区市町村が条例に基づき具体的な取り組みを進めることになっていますけれども、一部の区では、レンタサイクルを実施するなど、自転車の有効利用を図る新たな取り組みもなされています。さまざまな対策に取り組む区市町村に対して、都としても積極的に支援をしていく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。

○脇都民安全対策担当部長 ご指摘のように、放置自転車対策は、基本的には区市町村が条例等に基づきまして具体的な取り組みを進めることになっております。
 都といたしましても、これまで、区市町村でのさまざまな取り組みの事例を紹介し合い、お互いの参考にするよう、区市町村自転車対策担当研修会を開催したり、「交通安全だより」という情報誌の中で放置自転車対策の特集を組み、区市町村の先進的な取り組みなどを紹介してまいりました。
 今年度からは新たに、「交通安全だより」をホームページで提供していくなど、さらに事業の充実を図ってまいります。
 また、要請があれば、区の開催する放置自転車対策の検討会へ職員を派遣し、助言を行うなどの支援も行っているところでございます。
 今後とも、区市町村への支援の充実に努めてまいります。

○野上委員 けさの我が党の出している新聞の中に、違法駐輪対策に効果ということで、記事が載っておりました。これは大阪府高槻市の例で、違法駐輪対策の一環として、商店街や警察の協力を得て、開放した歩道などの公道上に、自動的にかぎのかかる固定式駐輪ラックを設置し、効果を上げているということでした。これは、一般の株式会社がリースをして、一千台近くのラックを設置して--買い物客が集まる午後三時を中心に、最大で千四百台の自転車やミニバイクが違法に駐輪されて、歩道の点字ブロックも見えない状況だったと。そのことから、商店街もお客さんに来てもらわないと困るということで、駐輪してから二時間までは無料とする、二時間を超えると自動的にラックにかぎがかかって、二百円投入すると外す仕組みとなっている、これで大変に効果があったという例なども載っておりました。
 いろいろな区市町村がさまざまな対策に取り組んでいるということで、それを都で積極的に支援をしていく、ホームページにも出していくということなので、新たな展開が見られるかと思います。
 自転車は、放置の問題ばかりではなく、歩道上をスピードを出して走り去るなど、安全利用の点でも多くの問題を抱えております。自転車の事故件数も、昨年は二万七千件余りと、減ることなく横ばいの状況で推移していると聞いております。
 このように、自転車問題はさまざまな観点から取り組んでいく必要があり、今後とも区市町村や関係機関等との連携を強めるなど、広域的自治体としての都の役割を果たしていっていただきたいと切に要望いたします。
 続きまして、東京ウィメンズプラザについてお伺いいたします。
 平成十五年度は、東京ウィメンズプラザが直営化されて三年目に当たります。この間、都においては、男女平等参画のための行動計画が策定されたり、ウィメンズプラザにおいても、雇用の分野において参画促進や配偶者暴力対策への取り組みなど、重点課題に即した事業展開が図られてまいりました。特に平成十四年度からは、配偶者暴力相談支援センターとしての業務を開始し、相談体制の強化など、機能整備が図られております。
 こうした事業の再構築が進められる中で、講座とか研修事業などへの参加状況も含め、ウィメンズプラザの利用状況について伺いたいと思います。

○江津参事 ウィメンズプラザの利用状況についてでございますが、直営化いたしました平成十三年度以降、入館者数、講座、研修の受講者数はいずれも増加をしております。入館者数は、十二年度の約二十一万七千人から、十五年度は約二十五万八千人に、また、講座、研修の受講者数は、平成十二年度の約二千人から、十五年度は約二千五百人となっております。
 ホール、視聴覚室、会議室などの貸出施設の平成十五年度の利用状況は、全体では前年度と同じ六六%の利用率となっております。ホールの利用率は約三〇%にとどまっております。

○野上委員 利用者全体ではふえているという説明を伺い、安心いたしました。
 ところで、ホールの利用率が三〇%と低いとのことですが、その理由をどのようにとらえているか、お伺いします。

○江津参事 ホールの利用率が低い理由でございますが、施設の利用率につきましては、午前、午後、夜間の貸出区分を単位とした、いわゆるこま数による利用率でございます。
 ホールの利用率が低い理由といたしましては、貸し出しには、施設の設置目的から一定の制約があることや、二百四十六席というホールの規模に適した事業を平日の午前中などに開催するケースが少ないことなどが考えられるところでございます。

○野上委員 ホールの利用率の背景がわかりましたけれども、ウィメンズプラザ全体が、男女平等参画を目指す多くの都民にさらに親しまれ、利用しやすい施設になることが必要であります。施設の効率的な活用の点からも、さらなる利用促進に努める必要があると考えます。利用向上のためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。

○江津参事 より多くの都民の方に利用していただくため、施設や図書資料の貸し出しについて、インターネットによる予約システムを平成十四年度から導入し、利便性の向上を図っております。
 また、経営者団体や教育機関を初めとする関係団体へのPR活動、広報紙での施設紹介を行うなど、利用促進に努めております。
 さらに、利用者、都民の声を施設運営に生かすため、利用者団体連絡会を開催するとともに、講座受講者及び施設利用者へのアンケートなども実施しておるところでございます。
 今後とも利用促進のための方策について検討し、引き続き一層の利用向上に取り組んでまいりたいと思います。

○野上委員 東京ウィメンズプラザは、交通の便もよく、多くの都民が利用しやすい立地条件を備えております。こうした条件を生かし、これまでの取り組みに加えて新たな方策を検討するなど、さらに利用向上のために努力されることを期待しております。
 東京都は、都内の企業に働きかけて、男女平等参画を推進する立場にあります。そのような立場の東京都の内部で、男女平等参画がどこまで進んでいるのでしょうか。その指標として、東京都の女性管理職の登用状況についてお伺いしたいと思います。

○江津参事 東京都の女性管理職の登用状況についてでございますけれども、毎年度、人事委員会が公表しております都職員の構成によれば、平成十五年四月一日現在、都の管理職に占める女性職員の比率は一〇・九%でございます。これは、国の省庁や他の道府県と比較して、全国一高い比率と聞いております。

○野上委員 管理職への女性の登用が、国や自治体の中でも全国一進んでいるとのことですが、大変に心強いことと思います。今後とも女性管理職がふえることを期待して、男女平等参画に関する私の質問を終わります。
 最後に、育英資金貸付事業について要望をさせていただきます。
 先ほど遠藤副委員長から、育英資金事業についての質疑がありましたけれども、私からも一言要望させていただきたいと思います。
 さきの第三回定例都議会の一般質問におきまして、高校奨学金制度の今後のあり方について質問いたしました。私自身も奨学金を受けて学生生活を豊かに過ごすことができたことを感謝しております。そのころは成績要件というのがありまして、五段階の成績の四・二以上と三・七だったか、高校のときの成績の状況によって、貸してもらえる金額が二段階に分かれていたということを記憶しております。その後、しっかりと、きちんと返還をいたしました。こういった制度は、勉強をやる気のある子どもたち、高校生に貸出自由ということで、大変に意義が大きいかなというふうに思っております。
 来年度、国の高校奨学金が都に移管されることになっておりますけれども、その際に、奨学金の借り受け者が借りやすいように、これまでの日本育英会の奨学金の貸付要件にあった成績要件を、移管後は撤廃し、都制度に一本化すべきであると、この前、一般質問いたしました。やる気のある生徒はだれでも奨学金を受けることができる、こういった制度にしていっていただければと思います。
 ようやく国においても、移管財源にかかわる概算要求が出されたところであり、都でも現在、鋭意検討していただいているところだと思います。予算要求途上の現時点では、まだまだ余り明快なご答弁がしにくいと思いますので、今回は質問いたしませんが、ぜひよい方向で結論を出していただけますよう、重ねて要望させていただきます。
 以上で終わります。

○藤川委員 まず最初に、文化振興関係の十五年度の決算と十六年度の予算についてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。

○山本文化振興部長 藤川委員の質問にお答え申し上げます。
 文化振興費の平成十五年度決算額は九十九億六千万円余であり、ヘブンアーチストや東京ロケーションボックスなどの事業、江戸東京博物館など都立文化施設の運営等に関する経費が含まれております。このうち、国際フォーラムの運営など、平成十六年度に他局に移管された事業に要する経費を除きますと、七十一億八千万円余となります。
 また、平成十六年度当初予算は六十七億四千万円余でございます。

○藤川委員 予算額としては非常に、ほかの局と比べて少ないと思うんですが、皆さんのかかわっている仕事というのは物すごい価値のあることであると、僕はそう思っているわけです。
 そして、二カ月くらい前かな、日本経済新聞に大きな見出しで出ていたんですけれども、多分気がついた人もいると思うんですけど、要するに、日本の政治や経済がこういうふうに惨めな状態にあるのは、もとをただせば、文化についての理解をしている本当の政治家なり経済人がいないといった人がいますけれども、だれか読んだことありますか、僕、読んだんですけどね。それを読んだときに思ったんですよ。やはり日本の文化について、日本の将来についてまじめに考える人であればあるほど、そういうことを知らなくちゃまずいと。それを等閑に付しているからおかしくなっちゃったんじゃないかと、僕は思うわけです。
 それで、この質問だけはしたいと思うんですが、東京都だけでもって千二百万人いる。その周辺を合わせると三千万人いる。そうすると、千二百万人または三千万人の中に、プロまたはプロはだしの人が大勢いるわけですよ。そういう人に、年に一回か二回ぐらい出てきて、ただでやってもらってもいいんじゃないかと。そうすることによって、人件費が、お金がかからないですからね。要するに、何か皆さんがやろうとすると、人件費に物すごくお金がかかるわけですよ。だけど、それがただだったら、日本の将来のために、文化と政治と経済の振興のために役に立つのであれば、やってくれたっていいじゃないかと思うわけですけど、そういうことについて、当委員会としてはそういうPRに一生懸命精を出しているのかどうか、聞きたいと思うんです。

○山本文化振興部長 民間の文化活動の支援についてでございますけれども、PRという面では、文化芸術の総合支援サイトでございます「TOKYO ART INDEX」を運営いたしまして、若手や新進アーチスト、先生がおっしゃるようないろいろな文化活動に対して、商業ベースにはなかなか乗らないような活動の情報発信もさせていただいておるところでございます。
 また、ことし四月には、文化振興部に活動支援課を新設いたしまして、体制の整備を図り、助成金などの情報提供や公共空間の開放などにも積極的に取り組んでおるところでございます。

○藤川委員 僕は思うんですけれども、前の委員会でも、分科会でも発言したと思うんですけど、僕がサラリーマンを十八年やったときに、あるアメリカの出版社の社長が僕にこういうことをいったわけです。おまえもいよいよ父親になったか、なったら、おまえのできる限りのベストのものを子どもたちに与えろというわけですね。食うものにしても、聞くものにしても、見るものにしても、そのベストなものだと。そうすることによって子どもは大きく育つであろうというふうにいったわけです。
 それは、子どもだけじゃなくて、やはり東京都民についても同じことがいえると思うわけですよ。ちゃんとしたものを、本物を見せるわけですよ。本物を聞かせるわけです。そうすることによって東京都民が大きく育つということは、結局、皆さんがそういう気持ちを持たないとできないわけですよ。だから、やるかやらないかの勝負なわけですね。そして、僕の目から見て、どうもそういう面において消極的に過ぎるんじゃないかと思うわけです。だから、本物に触れるということはやっぱり大切なんだなと思うわけですよね。
 そして、一カ月ぐらい前ですかね、ある人と話したんですが、親の背中というのはやっぱり大変価値があると。僕の父親の背中や母親の背中というのは、無学文盲で大したことなかったけど、だけど、そこから学ぶものはたくさんあったわけですよ。だから、今の両親から子どもたちが学ぶということは、背中は、そういう価値のある背中をしてないんではないかと思うわけです。だから、我々がつき合う人でも、できれば本物の人間とつき合いたいし、なるべく本物に近い人と話を交わすことによって、その人から得るものがたくさんあると思うわけですよね。それは、本物志向というのは、人間関係だけじゃなくて、すべてそうだと思うわけですけど、その点についてどうお考えか。

○山本文化振興部長 例えば東京都現代美術館で申しますと、アーチストの方が美術館に子どもたちを呼ぶのではなくて、逆に学校に出かけていきまして、子どもさんたちと一緒に作品をつくるというふうな活動も最近始めておりまして、そういった取り組みを今後とも進めていきたいというふうに考えております。

○藤川委員 意見だけ述べておきたいと思うんですが、結局、我々の置かれている状況、現状というのは、非常に惨めな状態にあると思うんですね。だけど、僕は山本さんと会ったときに、この男は自分自身のために、また自分の環境、周りを取り巻いている人についてどういう利用価値があるかというふうに考えるわけです。すると、山本さんはこういうふうなところに利用価値があるんじゃないかなと思うわけです。大木田委員長なんかも、やっぱり僕にねらわれている一人なんですけど、この男は将来こういうふうに利用したら--何も党派のためだけじゃなくて、東京都全体のために役に立つんじゃないかとか、日本のために役に立つんじゃないか、そういうふうに思うわけです。そういうふうな態度でもって皆さんを見ているわけですよ。だから、こんなことをいうとあれなんですが、僕なら僕の目にかなった人というのは、結局その人はそれだけの価値があるんじゃないかなというふうにいってもいいと思うんですね。だから、漠然と見ているわけじゃないですよ。漠然と見ているようだけど、やっぱり漠然と見てないわけですね。この人はこういう利用価値がある、このものはこういう価値があるというふうに見ているわけです。だから、皆さんがそういう態度で臨まれる限りにおいては、生活文化局全体として、都民を、また、東京都を取り巻く人たちは物をそういうふうに見ているわけですから、大変な力になるわけですよ。だから、これはぜひお願いしたいと思うんですね。そうすることによって東京都が活性化するし、東京都が活性化すれば日本の国が活性化するし、日本の国が活性化すれば世界が活性化する、全体が生き生きとするというふうに思いますから、ぜひともお願いしたいと思います。

○吉田委員 それでは、私は私学助成について質問させていただきます。
 資料も用意をしていただきましたが、私立学校経常費補助は、この資料に出していただいた四年間の推移を見ても、総額で約百三十五億円余ですか、率にするとマイナス一二%の削減という事態となっておりますが、これは、いわゆる第一次プランだけではなくて、財政健全化計画も含めれば、さらに削減額は大きなものとなって、私学に影響を及ぼしていると思うんですが、財政健全化計画以降の削減総額をまずご紹介していただきたいと思うんです。

○南雲私学部長 吉田委員のご質問にお答え申し上げます。
 財政健全化計画によりまして、平成十年度から十四年度までの五年間で九十九億円、第一次財政再建推進プランによりまして、平成十二年度から十六年度までの五年間で四十七億円、合計百四十六億円の削減額でございます。

○吉田委員 一概に合計百四十六億円といってもぴんとこないと思うんですが、これは、高校、中学、幼稚園、小学校、それぞれ違うかもしれませんが、多分高校で見れば、一つの学校当たりに換算すれば、一千万あるいは二千万、数千万というふうな影響を受けている学校もあるというふうに推察いたします。当然、生徒の減少の中で、できる限り授業料などの引き上げは抑えたいという努力をしてきていると思います。しかし、そうはいっても、それでも経営的に困難で、授業料の引き上げなどを余儀なくされたという事態もあるかと思うんですが、例えば私立の高等学校について見たときに、この間の授業料の推移、これはどのような状況なんでしょうか。

○南雲私学部長 平成十六年度と十一年度の授業料、年額の比較で申し上げますと、高校では約二万円増加しております。五年間の増加率は年平均で約一%でございまして、率としては低い増加率になっております。

○吉田委員 平均では一%、二万円というお話がありましたけれども、これはそれぞれの年によってもまた、でこぼこの事態となっていると思うんです。
 これだけ、いわば相当--私立学校当局は、たとえ補助が削減されても、授業料にはね返らないように努力をしているのが現状だと思うんですね。したがって、これ以上新たに私学助成が削られるということになれば、もう経営的には困難で、授業料にはね返らざるを得ないというところまで追い詰められているのではないかというふうに私は思います。
 そこで、もう一つ質問しておきたいんですが、いわゆる東京の私学助成は他県に比べて高いのではないか、こういう分析をする向きもあるんですけれども、私は、これはやはり東京の物価その他を考えてみて、こうした見方は当たらないと思うんですが、直接所管している局として、この東京の私学助成が他県に比べて高過ぎるというふうな見方についてどのような基本的見解をお持ちなのか、ご答弁をお願いいたします。

○南雲私学部長 大都市である東京におきましては、学校運営に係る人件費、物件費などの経費が他の道府県以上にかかるためでございまして、生徒一人当たりの補助金額は高いわけですけれども、経費に対する補助率で見ますと、全国平均の水準を確保しております。

○吉田委員 そこで、後で私立幼稚園の問題について若干詳しく質疑をしたいわけですが、この私学助成全般をめぐっては、ご承知のとおり、三位一体改革の今のさまざまな動きの中で、地方六団体が--私はそうすべきではないと思って、いってきましたけれども、義務教育費だけではなく私学助成も廃止対象に挙げると。きょう出していただいた資料で見ても、私学助成の中で国からの国庫補助金というものは、昨年度で見ると百四十九億円ですか、非常に大きな比重を占めております。こういう新たな状況もあろうかと思いますが、これ以上私学経営を困難に陥れてはいけませんし、また、父母負担に対して新たな負担を押しつけることは、私はあってはいけないと思うんですね。ぜひ私学助成は、削減するのではなく、維持、拡充の方向でご努力をしていただきたいと思うんですが、基本的な見解、ご答弁をお願いいたします。

○南雲私学部長 東京都はこれまでも、時代の変化に即応しながら、より適正かつ効果的な補助のあり方について見直しを行いまして、施策の展開に努めてまいりました。
 今後とも、社会経済状況の変化に対応しながら、適切に対処してまいります。

○吉田委員 まあ、適切にというのは、何に対して適切にかということがありますが、それはやはり、本来私学の果たしている役割、そうしたことにかんがみた適切な対処ということを改めて要望しておきたいと思うんです。
 そこで、きょう、あと、私立幼稚園、そして私立幼稚園に対する助成の問題について若干詳しく質疑をさせていただきたいと思います。
 私も、今回の質疑をするに当たって改めて、東京都の私学行政についてざっと学ばせていただきました。そうすると、少子化によって子どもたちの数は減少はしているんですけれども、幼稚園に通う園児の数は、わずかではありますけれども、減少ではなく、逆にふえつつあるという状況もありますし、とりわけ子どもたちをめぐるさまざまな新たな社会的な困難が増大する中で、やはり保育園とともに幼稚園の果たしている役割というのは非常に大きなものがあるかと思いますし、しかも、その中で私立幼稚園が圧倒的多数を占めているというのが東京の状況かと思うんですけれども、まず基本的に、今日のそうした諸状況の中で、幼稚園の果たしている役割、そして、それを担っている私立幼稚園の役割についてどのような見解をお持ちなのか、まずご答弁をお願いいたします。

○南雲私学部長 幼稚園は、幼児教育の場を提供する教育機関でありますとともに、地域の幼児教育のセンター的な役割を果たしております。特に私立幼稚園は、都内で九割を超える園児が通っておりまして、非常に重要な役割を果たしていると考えております。

○吉田委員 九割を超える園児が通っているのが私立幼稚園であると。ただ、当然、公立の幼稚園と比べれば、保育料などの父母負担が格段に高い。そういう状況を補うという意味で、保護者負担軽減事業費補助ですか、これが取り組まれてきたわけですが、まず、この保護者負担軽減事業費補助の基本的なねらい、役割ということについてご説明をお願いいたします。

○南雲私学部長 園児保護者負担軽減事業費補助でございますけれども、この補助金は、幼稚園教育の振興と充実に資することを目的として、私立幼稚園等に在籍する幼児の保護者の負担軽減を行う区市町村に対して補助を行うものでございます。

○吉田委員 そこで、私立保育園の保護者に対しての負担軽減ということを考えたときに、当然、公立の負担と比べて私立の負担がどの程度の格差があるのかということを見ておく必要があると思うんですね。もちろん、それは、今もお話しのように、直接的には各区市町村の仕事でもあるわけですから、すべて東京都で格差を補えということをいうわけではありませんが、そこで、参考までに、直近の資料で見たときに、私立の幼稚園の保育料と公立の保育園の保育料、平均で見た場合に、それぞれどの程度になっていて、どれだけの差があるのか、状況をお示し願いたいんですが。

○南雲私学部長 幼稚園保育料の公私格差でございますけれども、平成十五年度の私立の平均保育料は二十八万八千百十一円、公立の平均保育料は七万二千二百六十六円でございます。

○吉田委員 そうしますと、要するに、二十八万八千円に対して公立が七万二千円だということになると、年額だと約二十一万ちょっと、月々で見れば、当然二万円弱の差が現実に生まれている。やはりこれが、できる限り格差が是正できるような補助であってほしいと求められるわけですけれども、資料で示していただきましたが、資料の3、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費の決算の推移を見ますと、さまざまな制度の若干の変更はありますが、決算額そのもので見れば、平成十一年度、一九九九年度の五十二億四千八百万から四十五億六千九百万ということで、減少していますね、一人当たりで見たときにどの程度になるかは理解しておりませんが。
 その一方で、この東京の私学行政の資料を見たときに、わずかではありますが、保育料はやはり値上げが行われているわけですね。保育料の方は片や値上げが進められる、東京都の保護者軽減措置の補助額の方は逆に減ってきているということになれば、もともと大きな格差があるにもかかわらず、さらにこれが広がりかねないというふうに客観的には見ざるを得ないと思うんです。
 そこで、過去三年間で、父母が負担する保育料に占める軽減補助の比率、これは減っていると思うんですが、実態はどうなっているんでしょうか。

○南雲私学部長 保育料に占める軽減補助の割合でございますけれども、平均保育料に占める補助額の割合は、軽減補助を受けている方の数が最も多い所得層であります年収三百六十万から六百八十万までの世帯で見ますと、十三年度が一九・一%、十四年度が一四・七%、十五年度が一四・六%でございます。

○吉田委員 そうすると、かつては、この保護者負担軽減措置によって、東京都が負担するだけで保育料の二割は見ていた。二〇%近くを見ていた。それが今は一五%を切るところまで来ているわけですよね。
 もう一つ、この問題でやはり見なければならないのは、こうした幼稚園児を抱えるような、家族形成期の若い世帯の世帯主の収入というものは、果たしてふえているのか、あるいは減っているのかということも、現実問題としては見ておく必要があると思うんです。
 私なりに見た資料としては、東京都が実施している生計分析調査、これが唯一、都民の収入を把握している系統的な調査なんですが、その中の三十歳から三十四歳代の世帯主の月収を見たときに、例えば二〇〇〇年の月収は平均で五十万二千八百二十五円、これが二〇〇二年、平成だと十四年になりますが、その月収が四十六万九千円、約四十七万というふうに、残念ながら今の経済状況の中で、一定のでこぼこはありますけれども、やはりこの三十歳から三十四歳の世帯主の収入は減っているということから見れば、私はやはりこの保護者負担軽減事業の役割というのは、ますます拡充されなければならないし、重要だというふうに思うんですけれども、基本的なお考えはどうでしょうか。

○南雲私学部長 私立幼稚園の園児保護者の負担軽減につきましては、所得に応じた負担の適正化を図りながら施策の展開に努めてまいりました。今後とも、社会経済状況の変化に対応しながら、適切に対応してまいります。

○吉田委員 今、子育てへの支援というのが、文字どおり国政の上からも大きな国民的な課題となっていることは、あえていう必要がないと思うんですが、そうした中で、やはり経済的な支援策というのは非常に大きな比重を占めていると思いますし、そうした角度から見ても、現実の幼稚園児を抱えている父母の皆さんの経済状況、あるいは、ぜひ一人でも多くの子どもを産んで育てたいという基本的な要望を持っている方々の願いにこたえられるように、区市町村とも協力をしながら努力をしていただきたいということを、改めて求めておきます。
 次に、私立幼稚園の中で果たしている、行政用語でいいますと、いわゆる一〇二条園といわれている、学校法人立でない私立幼稚園の問題について、改めて支援の強化を求めておきたいと思うんです。
 それで、資料の二ページ目に、幼稚園の設立の内訳について示していただきましたけれども、私立幼稚園八百八十六のうち、学校法人立は、その約半数に当たる四百三十二、個人立が二百四十八、宗教法人立が百九十九ということになっておりますから、数の上では、学校法人立よりも、学校法人ではない、いわゆる一〇二条園の方がわずかですが多く、約半数を占めている。したがって、こうした学校法人でない私立の幼稚園に対しても適切な支援というものがどうしても、東京の置かれた現状から見れば求められていると思うんです。
 そこで、学校法人の場合には二分の一経常費補助ということがされていますが、こうした個人立等の幼稚園に対する補助の仕組みについて、まず基本的な状況を説明してください。

○南雲私学部長 個人立等の幼稚園、いわゆる一〇二条園につきましては、学校法人立幼稚園に対する経常費補助の補助単価の三分の一として補助してまいりました。今回、第二次財政再建推進プランに基づきまして、個人立等の幼稚園の学校法人化を一層推進していく観点から、平成十六年度から二十年度までの五年間の経過措置を設けた上で、補助単価を学校法人立幼稚園の三分の一から四分の一に見直すこととしたものでございます。

○吉田委員 三分の一をさらに四分の一に見直す、経過措置を設けながらというご答弁なんですが、これは私も聞いたときに、ちょっと誤解をせざるを得なかったんですけれども、学校法人の私立幼稚園が受けている補助の三分の一にしていたものを四分の一にするということは、要するに、経常費全体に対しての比率割合でいうと、二分の一の三分の一を、二分の一の四分の一にするわけですから、いい方が変かもしれませんが、要は六分の一を、さらに経常費全体の八分の一しか助成しないということになるわけですよね。
 これは、たとえ法人化を促進するためだといっても、大変な影響を、学校法人以外の私立幼稚園の方々に負担を求めることになると思うんです。なぜなら、基本的には保育料以外の収入はないわけですからね。学校法人だったら二分の一の補助がある。ところが、学校法人でなければ、今までは少なかったけれども六分の一、それがわずか八分の一しか来ない。
 しかも、たとえそういうふうに補助が少なくても、例えば整備されてなきゃならない施設だとか、あるいは教育水準、運営だとかは、基本的に学校法人と同じだけのレベルが求められると思うんです。それとも何らかの、もう少しレベルは低くてもいいんですよというふうなことになっているんでしょうか。どうでしょうか。

○南雲私学部長 個人立等の幼稚園につきましても、認可園であることから、認可要件は学校法人立幼稚園と全く同様でございます。ただ、私立学校振興助成法によりますと、経常費補助の対象を学校法人のみに限定しておりまして、その上で、さらに既設の個人立等の幼稚園の学校法人化を促進するため、五年以内に学校法人化をすることを条件に、個人立等の幼稚園にも補助金を交付できるような規定になってございます。
 法の仕組みとして、これが大原則になっている中で、さらに都においては、単独で特例的に、この一〇二条園につきましては補助を行っているものでございます。そうしたことから、その補助単価に差を設けている、そのように理解しております。

○吉田委員 東京都が特例的にというふうにいわれましたけれども、私も改めて、この東京都の私学助成を読んで、確かに特例かもしれませんが、法的には、そういう公益性のある場合については補助を行うことができるという法の建前をもって支援されているというふうに承知しておりますし、しかも、確認したいんですが、他県でも、学校法人でない私立の幼稚園に対して補助が行われていると思うんですが、他県の状況、どうでしょうか。東京だけなんですか。あるいは、東京だけが抜きん出ているんでしょうか、学校法人以外の私立幼稚園に対する支援については。

○南雲私学部長 他県におきましても、この補助を行っているところもございます。
 それで、法人化率でございますが、平成十五年度の全国平均で八五・九%、東京が四八・八%で、法人化率は東京都が一番低いことになっております。
 助成状況でございますが、平成十六年度で十六道県が助成を行っておりませんで、一人当たり補助単価で見ますと、実施県の中では都は上位八位に入っている、そういう状況にございます。

○吉田委員 ですから、やってないのは十六道県だけですよね。要するに、三十一都府県で実施をされているし、東京が何か特別に第一位ということではなくて、今のお話だと八位という状況だと思うんです。
 しかも、東京の法人化がおくれているということを多分強調したいんでしょうけれども、逆な角度から見れば、東京では、さまざまな理由によって学校法人になっていない私立の幼稚園がこれだけの比率を占めているわけですから、それにふさわしい支援というものも、学校法人化を促進するのとあわせて、やはりしていくということが現実の課題として求められていると私は思うんです。
 そこで、私立幼稚園の方々が出している「都私幼連だより」というものを読ませていただきましたが、そこで、個人立の責任者をしている方が、今回の補助金の見直しなどによって、文字どおり一〇二条園の存亡にかかわるというようなコメントを寄せていることを見ることができました。
 法人化を促進すること自身は、私はそれは当然のことだと思うんです。
 また、法人化のためのいろんな支援策をとられていることも事前に説明を受けることができました。しかし、たとえそういうことがあったとしても、現実に私立幼稚園の約半数を占めている個人立の園、大勢の園児さんたちが通っている。しかも、少子化の中で、園児の数は微増だけれどもふえている。
 そうした中で、やはり大きな役割を果たしている個人立の園が、例えば、この補助金が削減されることによって、教育水準の低下やむなしというふうな事態が引き起こされたり、あるいは、園そのものを継続していくこと自身が困難だというふうな事態をつくるようなことがあっては、元も子もないことになると私は思うんですよね。
 ですから、どんなことがあったにせよ、やっぱりこうした個人立の園がきちんと運営をされていくということも、当然、皆さん方としては努力をされているとは思うんですけれども、そういう意味で大いに努力をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○南雲私学部長 一〇二条園の支援ということでございますけれども、先ほどちょっと説明いたしましたが、法律を制定した趣旨からも、学校法人化を促進していくことが経営を安定化させる道であると私どもは考えておりまして、今後とも、区市等を通じてさらに働きかけてまいりたいと考えております。

○吉田委員 くどいようですけれども、補助金の削減によって、こうした個人立の園の教育水準の低下だとか、あるいは廃園というふうな事態に追い込むことがないようにしていただきたいと思うんですが、それはもう当然のこととしてよろしいですね。

○南雲私学部長 個人立等幼稚園につきましては、さまざまな経営努力や工夫をしながら園の経営に取り組まれておりまして、直ちに先生ご指摘のような事態にはならないと考えております。だからこそ、我々としては、より安定的な経営のあり方として、今後、学校法人化を進めていく必要があると考えているところでございます。

○吉田委員 私学助成全般、そして私立幼稚園について話をさせていただきましたけれども、いずれにしても、子どもたちの教育にかかわる分野でありますので、ぜひ現実の状況を踏まえた助成、支援策の拡充を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。

○大西委員 消費生活相談について少しお聞きいたします。
 おれおれ詐欺や架空請求など、新手の巧妙化した事件が後を絶たず、その被害の数もふえ、そして、その被害額も増加しているといわれております。一方、高齢者をねらった点検商法や催眠商法も相変わらず多いのが現状です。
 そうした中、本年六月に改正された消費者基本法では、法の中に八つの消費者権利がしっかりと盛り込まれたものでありまして、なお一層、この改正で、消費者施策の推進が期待されるところです。と同時に、都道府県と市区町村の連携による苦情処理、相談対応の必要性が、この中にもしっかりとうたわれております。
 そこで、まず、都内の消費生活センターに寄せられた相談について、その件数と特徴、また、被害に遭う年代も含めて、教えていただきたいと思います。

○古川消費生活部長 平成十五年度の都内の消費生活センターの相談件数は過去最高の約十六万件で、前年度の四割増となってございます。
 特徴といたしましては、架空請求など不当請求の相談件数の急増がございます。その件数は約六万件で、前年度の三・四倍となっております。また、その他の特徴といたしましては、過去に悪質商法の被害に遭った消費者が再度ターゲットにされる、二次被害の増加も目立っているところでございます。
 なお、相談の年代でございますが、初めて男性が過半数になったとか、年代別で見ますと、二十代、三十代が五割以上を占めているというような状況がございます。その主な要因は、不当請求、架空請求の内容が若い男性に多いということにあろうかと思います。

○大西委員 つまり、架空請求そのものは二十代とか三十代の若い男性が多かったということですけれども、二次被害もいろいろふえていくという中では、高齢者や若い人だけじゃなくて、年代も幅広く、ほとんどの人が被害にかかる、そういう状況にあるというふうにとらえていいんでしょうか。

○古川消費生活部長 年代構成が大きく動きましたのは架空請求などのせいでございまして、それを除きますと、大きな変動はないかと思います。

○大西委員 大きな変動がないということは……。

○古川消費生活部長 答弁漏れで、申しわけありません。
 年代構成は、悪質商法の内容によりまして、例えば、点検商法とかそういったものについては高齢の方が多いとか、キャッチセールスとかそういったものは若手の人が多いとかいうことでございまして、年齢構成の大きな変動なく、満遍なく被害が出ているということでございます。

○大西委員 あらゆる年代がそのターゲットになっているというふうに伺っていいんですよね。
 そこで、平成十四年度から、多摩消費生活センターの相談窓口が飯田橋に一元化されました。多摩の市町村の相談件数は、その前後でどのように変わったのか。そしてまた、相談窓口の体制は、こういうあらゆる年代に蔓延している被害、それら増加する相談に対応できているのか、非常にこの辺が心配なんですが、その辺はいかがでしょうか。

○古川消費生活部長 市町村が受け付けました相談件数の推移は、平成十三年度、約二万件、平成十四年度、約二万五千件、平成十五年度、約三万九千件となっておりまして、平成十三年度と十五年度を比較いたしますと、約二倍となっております。
 一方、市町村の相談体制でございますが、相談員の延べ人数で見ますと、平成十三年度は延べ七千七百八十一名、平成十四年度は延べ八千二百十四名、平成十五年度は延べ八千五百五十五名となっており、平成十三年度と十五年度を比較しますと、約一・一倍となってございます。

○大西委員 相談件数は約二倍にふえ、そして相談体制は一・一倍ということは、ちょっとこの数字からだけ見ると、やはりちょっと、十分な対応ができているのかなというふうに心配するんです。多摩の市町村の相談体制はこれでいいのかなというように、ちょっとそういう意味では心配しております。対応が追いついていないんじゃないかと。また、都や区部の消費生活センターに電話しても、話し中で本当にかかりにくいということをよく聞くわけですが、それがこの数字にあらわれているのかなと思っております。
 都と区市町村の相談窓口の連携や、それぞれの相談体制の改善など、行政としての工夫が必要と考えるんですけれども、その辺はいかがでしょう。
 現に、この一元化のときにも、多摩になくなったということに対しては、非常に多摩の人たちも不安を抱えていました。それについて、電話をかけてもかからないという状況が起こるということは、まさにその不安が的中してしまったというふうにとらえるんですが、その辺はいかがでしょう。

○古川消費生活部長 最初に、多摩の関係でございますけれども、一元化後につきましては飯田橋で受けておりますが、かかりにくいときには地元のセンターでの相談をお願いしているところでございます。
 急増いたします相談に迅速に対応するためには、区市町村相談窓口を含めました都域全体の相談機能の強化が重要と認識しております。そこで、都におきましては、区市分を含めました相談情報を迅速に把握し、相談業務に役立てるとともに、情報の共有化や被害の未然防止のための情報発信機能の強化、事務処理の効率化を図るため、平成十五年度から直接入力システムを導入したところでございます。平成十六年度からは、各区市においても、都の開発したこの方式の導入がされており、さらに平成十七年度は他府県でも、この方式が広範に利用される見込みでございます。
 また、これまでも都として研修や情報提供等で、区市町村の相談体制への支援に努めてまいりましたが、さらに十七次消費生活対策審議会答申を踏まえ、都と区市町村が連携し、同一事業者にかかわる相談案件を統一的に処理する仕組みを強化し、各区市町村の相談に役立ててきております。

○大西委員 答弁の中に、電話がセンターにかかりにくければ地元のセンターで対応するというふうにあったわけですけれども、実際には、私の住みます国立でも、こういう催眠商法の問い合わせがあって、それで、まずはやはり市の方に尋ねていく。ところが、専門的なものであるので、この問題はやはりセンターの方がいいだろうというふうに、そこでいわれる。そして、センターにかけてもかからないというような状況があって、どうすればいいんだというような相談をちょくちょく受けるわけです。
 今、答弁の中で、平成十五年度から直接入力システムを導入というふうにありました。ちょっとこのシステム自体よく理解できないんですけれども、これを導入することによって、そういう市民の不安や不満は解消できるんでしょうか。

○古川消費生活部長 相談情報を迅速に把握して相談業務に役立てるというのは、質的な側面かと思いますが、また、事務処理の効率化など時間的な負担も軽くなるという意味では、体制のバックアップになっていると考えております。

○大西委員 もちろん、内部が効率的に解消されなければならないわけですが、やはり相談窓口というのが、この場合非常に、消費生活相談というのは重要になってまいります。一度解決しても、先ほどの二次被害、いろいろなものが出ているということで、それと、年代に構わずになっているということでは、ぜひ、この相談窓口の充実ということが大事だと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、行政による消費者相談などの消費者支援は重要なんですが、より一層の充実が必要ですが、一方、消費者も、みずからが考え判断する、自立した、自衛する消費者とする行動が求められているのではないかと思います。今回改正された消費者基本法でも、「自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援すること」ということで位置づけられていますが、このような中で、消費者の自立支援に向け、都としてどのように進めていこうとしているのか、お聞きします。

○古川消費生活部長 都といたしましては、これまでも、自立した主体性のある消費者の育成支援を図るため、各種講座の実施や教材開発などの消費者教育や情報提供を行ってまいりました。
 今回改正された消費者基本法では、消費者の自立支援が基本理念として盛り込まれるとともに、事業者団体や消費者団体の役割も新設されてございます。これらの動きを受けまして、都では、消費者の自立支援に向けて、事業者団体、消費者団体と積極的に連携する新しい施策のあり方について、東京都消費生活対策審議会に諮問を予定しているところでございます。審議会の答申を受け、今後、具体的な施策について検討を進めてまいります。

○大西委員 ぜひお願いしたいと思います。
 自立した消費者になるとか、消費者も自衛しなければならないということはもっともなんですけれども、そういうふうになるには、余りにも消費者には情報が不足しているという現状があると思っております。そういう意味で、若者の被害も多くあるわけで、それをもっと未然に防ぐという意味では、教育庁との連携の中で、もっと若者への、こういう被害に遭わないための教育等を充実させていくことや、それから一方では高齢者等、福祉局との連携というものも必要になると思っております。特に、若者という意味でも、教育庁との連携や他局との連携で、この消費生活相談を充実させていただきたいということを要望して、質問を終わります。
 次に、男女平等参画施策について伺います。
 男女平等参画施策の取り組みは、庁内においても、全庁的な体制で取り組むべき重要な課題です。都では、各局の事業の推進を図るために、庁内に男女平等参画推進会議を設置していますが、十五年度はどのような取り組みがあったのか、伺います。

○江津参事 男女平等参画推進会議についてのお尋ねでございますけれども、この会議は、男女平等参画の促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するために設置をしているものでございます。推進会議においては、都における男女平等参画施策の状況や課題、男女平等参画審議会の運営等について総合的な調整を行っております。
 平成十五年度は、配偶者暴力の実態調査や、男女平等参画審議会の中間報告の取りまとめ等につきまして意見交換などを行っております。

○大西委員 東京都男女平等参画基本条例に基づく行動計画、チャンス&サポート東京プラン二〇〇二の策定、推進に関して、事業者と連携協力して取り組む場として、男女平等参画を進める会が設置されていますが、具体的にどのような取り組みを行っているのか伺います。

○江津参事 男女平等参画を進める会についてでございますけれども、男女平等参画のための東京都行動計画は、都の施策とともに、都民や事業者の主体的な取り組みも含む総合的な計画であることから、行動計画の策定及び推進に関して、都民、事業者と都の連携協力の促進を図るために、男女平等参画を進める会を設置したものでございます。
 会の構成でございますけれども、東京商工会議所連合会、東京経営者協会などの事業者団体やPTA連合会など、三十一団体に参加をいただいております。
 進める会におきましては、都の施策や各団体における取り組みの進捗状況等について、情報及び意見の交換を行い、連携の促進を図っております。
 また、進める会では、学識経験者をコーディネーターとして助言等をいただくとともに、昨年度は、重要課題の一つである配偶者暴力に関しグループ討議を行うなど、各団体における取り組みの推進を図っております。

○大西委員 決算書を見てみますと、東京ウィメンズプラザの事業の中で、リーダー講座の参加者が予定より少ないということで、収入率も五七%と下がっているんですけれども、具体的には、だれを対象にどのような講座を行っているのか。そして、都民や事業者に向けた育成事業として今後も取り組みが期待されるものなんですけれども、もっと効果的に参加を促進するために、啓発やPRなど工夫できないかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

○江津参事 男女平等参画リーダー講座は、企業や学校などさまざまな場で男女平等を推進する人材を育成するために実施をしている講座でございます。昨年度は、雇用の場で女性の能力発揮を進めるためのポジティブアクションの推進や、セクシュアルハラスメントの防止などをテーマに、企業関係者や学校の教職員などを対象にして、計十回の講座を開催いたしました。時宜に適したテーマや講師の選定、男女平等参画を進める会など関係団体へのPR、企業等への出前講座の実施など、参加促進に努めてきたところでございます。
 今後とも、実施内容等についてさらに工夫をして、魅力ある講座にしていきたいと考えております。

○大西委員 このリーダー講座なんですが、ちょっと見てみますと、本当に学校、企業、それから出前講座ということで、三百人以下の従業員の会社等にも出向いて、企業に出向いてやっているものです。そして、その内容や講師陣も、私どもは評価しているんですけれども、ぜひこのことをもっともっときめ細かく進めていただいて、男女平等そのもののレベルアップが、行く行くは少子化対策にいくと思っておりますので、頑張っていただきたいなと思っております。
 それから、東京全体の男女平等施策の推進に向けて、区市町村への支援と連携が重要です。東京ウィメンズプラザにおいては、センター・オブ・センターズの機能が期待されるわけですが、具体的にどのような取り組みを行っているのかということと、それから、連携が重要という視点では、広域的な問題も必要だと思うんです。DV被害者の保護や自立に向けたDV対策は、他県との広域的な連携が必要となり、それが実質的に行われているという部分も見えるんですが、そのためにどのような連携を広域的にも図っていくのか、ちょっと二つあわせてお答えいただけますか。

○江津参事 最初に、区市町村への支援と連携について、ということについてお答え申し上げます。
 ウィメンズプラザでは、広域センターとして、区市町村の女性センター職員等の研修や相談員養成講座研修などを実施し、区市町村職員の知識や技能の向上を図るための支援を行っております。
 また、都内女性センター館長等会議や、配偶者暴力の関係では被害者支援関係機関連絡会を開催するなど、情報や意見交換に努めて、区市町村との連携を図っております。
 次に、広域連携ということで、DV関係の広域連携についてでございますけれども、DV対策の広域的な連携については、昨年は、配偶者暴力防止法の改正に当たって、国への提案要求を、都が近隣県に呼びかけをして、共同して行っております。
 また、被害者支援に当たっては広域的に対応する必要があることから、本年八月より、都と埼玉、千葉、神奈川の三県が協力して、今後の課題等について情報や意見交換を行うための連絡会を開催しております。
 今後とも、こうした場を活用するなどして、広域的な連携に努めてまいりたいと考えております。

○大西委員 昨年七月、ニューヨークでの国連女性差別撤廃委員会の日本政府等に対する勧告に見られるように、この問題はDV対策だけではなく、男女平等の課題は日常的にあらゆる分野で推進されなければならないと考えます。庁内における全庁的な推進体制、そして事業局との連携、さらに雇用機会均等等及び両立支援の観点による事業者との目標値、策を定めた実効性の期待される取り組みや、それから、市民等へのキャリアアップ講座の魅力ある仕掛けなどが充実されなければ、男女平等参画基本条例を具現化していくことは難しいんじゃないかと考えます。
 そこで、今後の教育庁ほか各局との共同での推進をますます強化して--今、余りないと思っているものですから、しっかりと強化していってほしいということを要望し、質問を終わります。

○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
   午後二時三十九分散会

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