各会計決算特別委員会第三分科会第三号

平成十六年十月二十日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 八名
委員長田中  良君
副委員長古館 和憲君
東村 邦浩君
川井しげお君
大津 浩子君
鈴木あきまさ君
東ひろたか君
藤田 愛子君

 欠席委員 二名

 出席説明員
環境局局長平井 健一君
総務部長梶原 康二君
参事大野 輝之君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長梶原 秀起君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事月川 憲次君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長小山 利夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
港湾局局長成田  浩君
技監樋口 和行君
総務部長斉藤 一美君
団体調整担当部長岡田  至君
港湾経営部長片岡 貞行君
参事新田 洋平君
臨海開発部長鈴木 雅久君
参事尾田 俊雄君
参事松本 義憲君
港湾整備部長田中  亨君
計画調整担当部長滝野 義和君
離島港湾部長萩原 豊吉君
参事西塚 武彦君

本日の会議に付した事件
平成十五年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  環境局関係
・平成十五年度東京都一般会計決算(質疑)
  港湾局関係
・平成十五年度東京都一般会計決算(質疑)

○田中委員長 ただいまから平成十五年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、環境局及び港湾局関係の決算に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 去る十月十三日の当分科会においてご要求の資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の平成十五年度各会計決算特別委員会第三分科会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次のとおり八項目ございます。
 まず、一ページをごらん願います。1、東京における二酸化炭素排出量の推移でございます。
 平成十年度から十四年度までの二酸化炭素の総排出量及び民生、運輸の各部門の排出量を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況でございます。
 (1)の二酸化窒素、(2)の浮遊粒子状物質それぞれの表におきまして、上段に、一般環境大気測定局における平成十一年度から十五年度までの測定局数、環境基準達成局数及び達成率の状況を、下段に自動車排出ガス測定局における状況を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、自動車公害対策に関する主な事業実績でございます。
 平成十五年度の自動車公害対策に関する事業別の予算現額、支出済額及び主な事業の実績を記載しておりますので、ごらん願います。
 四ページをお開き願います。4、東京都パーク・アンド・ライドの実施状況でございます。
 まず、(1)、実施駐車場の推移でございますが、平成十二年度から十五年度までの各年度末現在で実施している駐車場数及びその対象駐車台数でございます。
 (2)では、実施駐車場の所在区市名を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、野川流域における雨水浸透ますの設置状況でございます。
 平成十一年度から十五年度までの区市別の雨水浸透ます設置の補助実績を、環境局分と都市計画局分に分けて記載しております。
 六ページをお開き願います。6、都内の地下水揚水の状況でございます。
 まず、(1)、地下水揚水量の推移でございますが、昭和四十五年から五年ごとに平成十二年までと、直近の平成十四年の地下水揚水量について、上段に合計を、下段に使用目的別の内訳をそれぞれ地区別に分けて記載しております。
 次に、(2)、用途別揚水量でございますが、平成十四年の用途別の揚水量を地区別に分けて記載しております。
 七ページをお開き願います。(3)、地区別の事業所数、井戸本数及び揚水量でございます。
 アは、平成十四年の揚水実績を地区別、使用目的別に分け、おのおのの事業所数、井戸本数、揚水量を記載した総括表でございます。
 イは、そのうちの区部について区別に記載したものでございます。
 おめくりいただきまして、八ページのウは、多摩部について市町村別に記載したものでございます。
 九ページをお開き願います。7、二十三区の清掃工場の大気汚染防止対策でございます。
 平成十六年九月末現在稼働中の各清掃工場におけるダイオキシン類、ばいじん、硫黄酸化物等に関する大気汚染防止対策でございます。
 一〇ページをお開き願います。8、二十三区におけるごみと資源の分別状況でございます。
 二十三区におけるごみと資源の分別状況は、基本的には同様でございますが、そのうちペットボトル以外のプラスチック製容器包装の資源回収については、取り扱いに違いがございますので、表にまとめさせていただいております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田中委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川井委員 環境局というのは大変だなと、まず思いました。非常に難しいし、この質問をしようかしまいかということも実は迷ったんですけれども、温暖化対策にしても、京都議定書、果たして、批准はされたけれどもというところでありますし、余り時間もないと思いますし、台風もあるので早目に進めたい、こう思っておりますので、協力をしていきたいと思います。
 そこで、ヒートアイランド対策に絞って質問をしよう、こう思っております。
 実は、この問題、ここにいただいている、東京都ヒートアイランド対策推進会議から出ている「ヒートアイランド対策取組方針」というのがあります。
 ここで個別のものを見ていきますと、道路、公園、河川、運河、建物とあって、また市街地整備、重点地区の検討、苗木の生産、供給から民間と共同した施設の推進、あるいは施策の調査研究の推進、こうありまして、これを詳しく聞いていくと、実は、道路なんかは建設局に聞かなきゃわからぬのだろうという問題があったり、あるいは下水道局に聞かなきゃ、ちょっとどうなんだろうかという問題があったり、そういう意味ではなかなか難しい。しかし、体系的に全体を聞くとなると、やっぱり環境局なんだろうな、そんな思いをまず伝えておきながら質問をします。
 それから、通告をきちっとしておりませんから、もし答えの方がうまくいかないということであれば、わからないでも何でも結構です。よろしくお願いをいたします。
 実は、屋上緑化で一つお聞きをしたいなと。この屋上緑化についても、かなり環境局の努力で知事に上手に吹き込んだというか、知事があちらこちらに行って屋上緑化のPRをしているようですけれども、実は、私はさほど期待していないのであります。そんな立場から質問をしていきたい、こう思っております。
 屋上緑化の推進への七都県市による共同取り組み、こういうふうに書いてあるんですけれども、これは、十四年に実施して、十五年も引き続き実施する予定と書いてあるんですけれども、十五年は実施したのでしょうか。

○百合都市地球環境部長 実施をしております。

○川井委員 実施した中で、七都県市の中、他の行政においての進捗状況というか、努力の方向というのがおおよそわかりましたらお知らせいただきたい。

○百合都市地球環境部長 七都県市で実施をしておりますのは、いわゆる屋上緑化の技術ですとか情報提供とかといった意味でのシンポジウム、公開セミナー等を開催しているところでございますけれども、その中で各自治体の実績というような形では出てきておりませんが、ちなみに、東京都におきましては、平成十二年から制度化をいたしまして、十五年までの四年間の合計では、屋上緑化の総合面積としては約四十五万平米というふうになっております。

○川井委員 また、七都県市で国に対して支援策を要望していくというようなことも触れてあるんですけれども、これは税制面等々だと思うんです。あるいは技術的にも協力をいただくという形なんだろうと思うんですけれども、税制面ではどういうようなことをご要望されておられて、国の方の対応方はどういう状況であるのか、お聞かせ願いたい。

○百合都市地球環境部長 私ども、国に対しては、屋上緑化を推進するという立場から、夏と冬それぞれ、要望という形で要求をしているところでありますけれども、税制につきましては、屋上の緑化施設にかかわります固定資産税--これは償却資産ということになりますけれども--について非課税というようなことで要望しているところでございます。
 現在のところは、都市緑地法に基づき、区市町村の定める緑化の推進を重点的に図るべき地区というのがございますけれども、この認定を受けました緑化施設につきましては固定資産税の軽減措置が適用されております。

○川井委員 ぜひこれは努力してほしいんですが、屋上緑化でそれだけの努力をしていくならば、私は、一般の住宅のお庭、あるいは、昔農家だった方、まだ大きな住宅地を持っておられて、そこの庭の中にかなりの樹木が残っているわけですけれども、こういうものに対しての税制の努力も一緒に図ってほしいなというふうな思いがするんです。
 そちらの方は余り努力されていないのかなという思いがあって、そういうせっかくの緑が駐車場にどんどん変わっていく姿を見るんですが、これは屋上緑化だけでの努力なんですか。同じ環境局として、住宅、庭の部分の緑についての考え方というのはないんですか。

○福島自然環境部長 屋上緑化以外では、生産緑地地区ですとか緑保全地区、市民緑地というところでそれぞれ、相続税ですとか、所得税では譲渡所得の特別控除というのが何点か存在しております。

○川井委員 生産緑地や何かを聞いたわけではなくて、一般住宅の庭、庭といっても、かなり広いお庭を持っている方もいらっしゃるわけであって、そういうところはできるだけ緑を保持していくという立場からも、そういう働きかけをしていかなければいけないんだろう、こう思っているんですが、私の不勉強で、あるいは私が知らないのかもしれないんですけれども、そういう働きかけは余りしていないように理解しておるんですが……。

○百合都市地球環境部長 私どもの自然保護条例の中の規定では、民間の場合は一千平米以上、公共施設の場合は二百五十平米以上の敷地の建物に新築、改築等を行う場合につきましては、敷地面積から建築面積を引きました二割を緑化するというような規定がございます。

○川井委員 私が聞いているのは、ちょっと的外れな答弁が今返ってきたんだけれども、屋上緑化の場合、税制的な働きかけをする、こういっているわけです。それで、やってきたといっているわけです。屋上緑化よりも、今私がいっている個人住宅の庭の方が、面積的にはずっと多いんだろうと私は思っているんです。そういうものを守っていかなきゃならない。それが駐車場になっていっちゃっているよという警鐘を鳴らしながら質問をしているわけです。
 それは屋敷……(「屋敷林」と呼ぶ者あり)屋敷林というのかな、今、藤田先生から、杉並は大分多いから、そういう要望もあるんだろうと思いますけれども、屋敷林に対しての税制的な働きかけをもししていなかったとするならば、何で屋上緑化だけなの、片落ちじゃないの、こういうことになるんだろう。環境局としては、屋上緑化だけ進めていくんですかということにはならぬですか。

○福島自然環境部長 屋敷内の樹木では、区市町村の指定しました保存樹林というものに対しまして、都、特別区、それから都の要綱による特定保存樹林の場合につきましては、固定資産税を非課税という形の援助措置をさせていただいています。

○川井委員 どうも要領を得ないというか、私の理解力が不足しているのか。では、保護樹林あるいは保護樹木に指定されていなければどうなんですかと聞いていかなきゃならない。一遍で答えてよ。時間がかかってしようがないよ、こんなやりとりしていたら。
 もういうから。屋上緑化というのを私が余り期待していないのは、極端なことをいうと、これだけの、例えば三百平米なら三百平米の敷地があった。これ、十階建てようが、二十階建てようが、五十階建てようが、屋上の面積は広がりませんから。屋上の中で緑化できるなんというのは、せいぜいこの面積の三分の一から四分の一だろうと思っております。ところが、これが十階から五十階になると、壁面は物すごい勢いでふえていきます。同じ熱を伝導する物体であります。にもかかわらず、どうも屋上緑化だけ、随分熱を入れているような気がしてならない。
 やっぱり環境ということであるならば、私が先ほどいった屋敷林なんというのは、最も大事にしていかなければならないだろう。この方がよっぽど自然の大地をそのまま使って--その自然の大地の力というのをもっと環境局が信じてほしいんです。土中生物というか、そこにすむミミズやバクテリア、こういう力。東京都の道路の両わき一メートルを土にしたら、日本の、あるいは東京の排気ガスの問題はなくなるという学者がいるくらい。ですから、そういうところをやっぱり大事にしていかなきゃならないんです。つくって、しかも、時間を見て水をまかなきゃならぬというような屋上緑化にそれだけ力を入れるんだったら、もっと屋敷林に力を入れてほしい。
 屋上緑化なんというのは、私よくいうんだけれども、毛布を敷いて水をまいたって一緒だというんですよ。よっぽど金がかからない。しかも、そこに水をまくのは、何で水をまくんですか。そのエネルギーは何なんですか。電気であれば、電気はどこから持ってくるんですか。火力発電ですか。原子力ですか。環境のためにやっていながら、新たに環境を汚すものを使って水をまく。
 ところが、屋敷林とか、そういう自然の土というものは、そんなことをしなくてもいいわけです。土中にある水分が自然に蒸発する。気化熱を奪っていく。
 それに関連して、そこの部分は保水性舗装についても全く同じ。この部分でちょっとお聞きしておきます。
 保水性舗装一平米について、どのぐらい水を蓄えるんですか。何リットル蓄えるんですか。

○百合都市地球環境部長 保水性舗装につきましては、平成十三年度から随時、箇所を決めて実験的に実施をしているところでございますけれども、平米当たりについてどの程度というところまでの検証はまだできておりません。

○川井委員 実は、検証するというふうなことも書いてあるんですが、やっていないのかな。効果の検証というかな、そういうものをしていく。
 しかも、実験的に施行する、こうあるんですが、実験的に施行する前に、もう既に、東京都の土木研究所なり、あるいは民間の企業の中でそういうデータを示されているから実験的にやっているんじゃないですか。やみくもにやっているんですか。

○百合都市地球環境部長 保水性舗装につきましては、例えば平成十三年度ですと、西新宿におきまして実施をしておりますけれども、その際には、散水後の表面温度ということで検証しております。そのとき、約五十五度Cの表面温度であったものが、散水後の温度としては四十五度Cということで、約十度低減をしたという結果も出ております。
 また、平成十四年度におきましては、八重洲地域で降雨の翌日の保水性舗装の表面温度をはかったところが、五十二度Cが四十二度Cということで、やはり約十度Cの低減効果があったというふうな結果が出ております。

○川井委員 十五年度は、重点事業として丸の内外一カ所、こう書いてございます。
 今、水を散布したときの表面温度だけお伝えいただいたけれども、水をまいて温度が下がるのは当たり前じゃないですか、そんなものは。そうじゃなくて、保水性舗装は、水をそこに蓄える、それが蒸発するときに気化熱を奪う、だからヒートアイランドに貢献するであろう。そうであるならば、一平米についてどのぐらい蓄えるのか。これが何平米、全体で打ってあるのか。そうすると、そこに蓄えられている水が何万リットルなのか。それが気体になるとき、どれだけの熱量を奪っていくのか。これは当然じゃないですか。
 水をまいたら温度が五度下がった、十度下がったなんというのは、そんなものは、あなた方があえてこういう結果が出ていますなんていわなくたって、昔から水を打つというのはあるんだから。店の前に、夏場は水を打つんですよ。それだけでも涼しくなるというのは知恵で知っているわけだから、そんなことを聞こうとしているんじゃないんです。
 一平米についてどのぐらい水を蓄えるか、わからないんですか。わからないのに施行させたということですか。どのぐらい銭をかけたんですか、わからないのにやらせたことについて。

○百合都市地球環境部長 平米当たりの保水量等につきましては、今のところ、ちょっと手元にデータはございませんけれども、今ご質問の……(川井委員「委員長」と呼ぶ)

○川井委員 手元に資料がないといったって、それはおかしな話で、そういうものが全然わからないで、恐らく水を蓄えるであろう、だからやらせてくれといってやっていったんですか。
 実は、一般の密粒アスコンだって粗粒アスコンだって、雨が降ってから何時間かは水を蓄えているんですよ。保水性舗装というからには、今までのそういう舗装材料よりも、数倍、数十倍、水を蓄えているから効果があるんだから、金が倍かかってもやらせてくれ、こういうことじゃないんですか。それがわからないのであれば、何のためにやったんですか。

○百合都市地球環境部長 私ども、土木技術研究所のデータをいただいている中では、千代田区の大手町で実施をした保水性舗装につきましては、先ほど申し上げたような形で、路面温度は最大約十三度C低減をしておりますが、その六度C以上の低減効果が約二日程度持続をしたというふうな結果をいただいております。

○川井委員 大体二日から二日半、ないし最大限で三日、雨が降ってから水を蓄えて蒸発していく。それから先は、普通のアスファルト舗装と同じ温度である。だけれども、これは、一平米に何リットル蓄えたんですか。施行したのが何千平米なんですか。全体で何立米あるいは何リットル水を蓄えて、それが全部気体になっていく中でこれだけの熱量がなくなりましたよ、貢献しましたよというものを出さなきゃ、全く意味がないじゃないですか。
 これ、下水道局がここに再生水をまく、こういうことなんだけれども、これは何時間置きにまくの。

○百合都市地球環境部長 下水の再生水の散水でございますけれども、平成十五年並びに十六年度に汐留地区内に三カ所実施をしてございます。汐留で十五年に実施をいたしましたのは、七月から九月までの三カ月間のうち三十日。これは試行的ということでございますので、いろんなパターンで散水をしておりますけれども、時間は三十分程度、ないしは、それより短かったり長かったり。それから、時刻につきましても、夕方ですとか昼間ですとか、いろんな形で、効果をはかるためにいろんなパターンで散水をしたという状況でございます。

○川井委員 それは散水車で水をまいたんだろうと思うんですが、その散水車は電気自動車ですか。

○百合都市地球環境部長 汐留のあそこの道路の中央部分に細い管のようなものを通しまして穴をあけまして、そこに下水の再生水を流して、そこから水が流れるというような形での装置でございます。

○川井委員 雪国に行くと、消雪パイプというのがあるんですね。同じような形をとったのかなと思うんですが、これはエネルギーは使わないで、自動的に蛇口を回すと出るというような形になっているのかしら。

○百合都市地球環境部長 時間によって、パイプ、バルブみたいなものをあけて、水を通して流すというような形になります。

○川井委員 そのパイプを施行していない場所で保水性舗装をした場所というのはないんですか。

○百合都市地球環境部長 汐留地区の場合、ヒートアイランド対策を実施するのはモデル地域ということで指定をいたしまして実施をしているところでございまして、こういった散水装置のついた保水性舗装を実施した道路というのは汐留だけでございます。

○川井委員 そうじゃなくて、散水装置がついていないところで保水性舗装をしたところは他にないんですかと聞いているんです。

○百合都市地球環境部長 保水性舗装のみの場所につきましては、平成十五年度以降、実施をしております。

○川井委員 ないの。

○百合都市地球環境部長 ございます。

○川井委員 そういうところは、何でまいているんですか。そういうところは散水車でまいているんじゃないんですかと聞いているの。
 最初の質問にまた戻るんだから、ちゃんと答えてよ。聞こうとしていることがわかっているんだから。

○百合都市地球環境部長 こういった舗装地域におきましては、特段散水車ということではなくて、雨が降ったときに雨がすぐに蒸発しないような保水性を実施しているところでございます。

○川井委員 そうしますと、保水性舗装をした他の場所というのは、通常よりも二倍も三倍も銭をかけながら、雨が百日降らなければ全く用なしやろうだ。特別、東京じゅうでただ一カ所、汐留でその装置がついているところだけ、下水道局の協力をかりて水をまく、こういう理解でいいんですか。

○百合都市地球環境部長 現在、保水性舗装自体、いろんな形でのトライアル、試用といいますか、検証という面もございますので、現在のところはそういった形でやってございます。

○川井委員 この保水性舗装についても、若干いかがなものかなと、実はこう思っておるのであります。
 アスファルトの表面温度というのは、夏場は六十度を超すんですよ。それに比べて、例えば芝生だとか荒木田だとかダストだとか、そういう自然の土だとかいうものは、夏場の一番暑いときでも四十度を超さないんだろうと思います。この二十度の差というのは物すごく大きいものであるだろうと私は思っているんです。
 今、環境局がここに掲げている保水性舗装だとか屋上緑化、こうやって聞いていくと、やらないよりはやった方がいいんだろうけれども、現実としては、保水性舗装、保水性舗装と、ここ二年ほどずっと聞いておるんだけれども、散水装置がついているのは、今聞いたら汐留だけ。ほかは、やっているけれども、水もまかない。私は、散水車か何かで水をまいているのかと思った。そうしたら、何のために保水性舗装をやったのか。
 ことしは雨が多いけれども、雨が降ったときに、たまたま二日間あるいは二日半、少し表面温度が低い。あとは全く普通の舗装と一緒ですということであるくらいならば、何のためにそれだけ金をかけるのか。
 局長、やっぱりこれはきちっと、平米何リットル、一万平米施行した場合は何百リットル、あるいはトンでもいい。それが気体に変わっていくときに、熱量計算としては、これだけの熱量を東京から奪っていく、地球から奪っていくんだ、だからこそやるんだというものをきちっと持っていなければ、こんなものは進めないでくださいよ。私は、そういうものをしっかり持って進めているんだろうと。
 屋上緑化についても、ただ屋上緑化は珍しいから。さっきいったように、毛布を敷いて水をまいたって同じ効果だ。しかし、見た目が違うと。議会棟の屋上に上がって、だれが見るんだ、こんな思いさえあります。
 ただ、やってくれた努力は努力として、やめろとはいいませんから、その努力をするなら、例えば屋敷林だってやらなきゃいけないです。守らなきゃならぬ屋敷林の面積と屋上緑化と、どれだけ東京に効果を及ぼすのかよく考えていただいて、もう少し地に足がついた環境にかかわる行政を進めていただきたいんです。
 そこで、さっきちょっと触れたんだけれども、自然の力、大地の力、土の力、そういうものをもっともっと考え直してみてください。そのことを大事にすることによって--それは大変ですよ、総合的な中で都市計画をしてきて都市をつくってきたんだから。今度、そのために温暖化が進み、あるいはヒートアイランドが進んだら、それをもとに戻すには、総合的な都市計画の中でこれを方向づけして、そしておさめていかなきゃならない。これは大変なことだと思う。
 であるけれども、やっぱり原点に返って、宇宙というかな、地球というものの力というものをもう少し信じて、そこら辺も大事にしていかないと、私は、思っているところと違うところに行ってしまうのかな、こう思うんですが、局長どうですか。

○平井環境局長 必ずしも十分なお答えができていないのがちょっと残念という感じもするんですが、ヒートアイランド対策につきましては、この夏、真夏日の連続記録が過去最高の四十日に達したということで、記録的な猛暑ということでございました。このことに象徴されますように、この夏の気象には正常でないものを多くの方が感じていて、今まで以上にヒートアイランド対策に取り組むべきだというような声が聞こえてきております。
 ヒートアイランド現象は、人口や業務機能が高度に集積した大都市特有の問題でありまして、これは都市再生の一環として、委員ご指摘のとおり、都市づくりのあらゆる側面において対策に取り組んでいく必要があると考えております。
 屋上緑化につきましては、ご指摘のような問題点や限界はあるものの、既に市街化が進んでしまった地域でいかに緑をふやすかということから、職員一丸となって、温度の問題や炭酸ガスの吸収の問題なども含めて知恵を絞ったものでございまして、その点のご理解は得たい、いただきたいというふうに思っています。
 ただ、お話のとおり、屋敷林や何かを視野に入れた、自然持っている土や大地や緑の力、これをもっと利用しろということはご指摘のとおりだというふうに思っておりますので、今後とも、委員のご指摘を踏まえまして、多面的な活用の方法というものをさらに工夫してまいりたいというふうに考えております。

○川井委員 最後に、十五年度ではなくて今後のことでお願いをしておきたいな、こういう思いがするんですけれども、自然環境を守っていくということは大事な大事なことだろう、こう思っております。
 そんな中で、一つのお屋敷がなくなると、そこは、二、三日たって行くと、アスファルト舗装になって、百円パーキングができた。ちょっと大きなお屋敷がなくなると、そこは、五軒、七軒、建て売りができて、真ん中にアスファルトの狭い道路ができている。今まで、それこそ屋敷林だったところが、どんどんそういう形で、アスファルトないしコンクリートで囲われていく。その建て売りの建物の縁はコンクリート舗装。小さな駐車場、一台やっととめられるスペース。玄関スペースと兼ねているその場所は、コンクリート舗装並びにアスファルト舗装。
 ぜひこれから環境局でそういうことも考えていただきたいなというのは、駐車場。主税局あるいは建設局になるのか、都市計画局になるのか、総合的に集まって相談してみて、何かいい方法はないのかと。例えば、百円パーキングのおおよそ六割ぐらいは土に戻しなさい。土に戻さなければ、二台以上のスペースについては、一台幾らで新たな環境税をかけますよ。二台までは個人の宅ということがあるでしょう。二台以上については、そういう考え方ができないんだろうか。例えば、そういうようなことを含めて議論をしてほしいんです。
 そして、今、アスファルト、コンクリートにどんどん変わっていってしまう。これじゃ、幾ら下水道局が頑張ったって追いつかない。内水はんらんは、ほとんど下水の吹き上げ、今、都市のはんらんというのは。ですから、河川のはんらんよりも、今は内水はんらんの方が多いんだろうと思っています。そこら辺まで突っ込んでいって努力をしていってほしいんですね。
 六割以上、土に戻す方法というのはいろいろあるんだろうと思っています。三多摩に行ったって、駐車料金で、ざっと月一万とか一万五千円だそうです。私どものところだと、三万五千円から四万するんですよ。それに月八百円やそこらの、仮に新しい環境税として賦課したって、何てことはない。ところが、それでざっと計算をすると、年間百五十億から入ってくるかもしれない。とらぬタヌキの皮算用で、絵にかいたぼたもち、何とか食おうと思えば、そういう数字になる。
 これは、警視庁の方で車庫証明を出している数字と、それに対して、駐車場を経営しているものを若干掛けていかなきゃいけないんだけれども、そういうようなことまで頑張ってほしい、これだけ要望しておきます。

○大津委員 環境を守る、また対策をとっていくという点で、まず、地面が余りにもなくなり過ぎたという点で、行政やあり方を考える意味で非常に貴重なご指摘であったというふうに感じております。
 そういった意味も込めまして、私、同じく環境を守るという意味で、ごみや資源ごみも含めたリサイクルを日々の生活で出している中で、一般廃棄物対策についてお伺いをしていきたいと存じます。
 まず、平成十二年、清掃事業というのが都から区へ移管されました。特別区が都の内部的な団体から、二十三区各区、基礎的な自治体へと位置づけられたことに合わせまして、住民により身近な自治体であります二十三区が清掃事業を行うことにより、ごみの減量化などの方法を一層きめ細かく実施していくことを目的として行われました。そして、現在二十三区は、ごみの収集、運搬、処理、処分を行う総合的な清掃行政の主体といたしまして、住民ニーズに合った清掃事業の実施に努めているわけです。
 一方、最終処分場につきましては、引き続き、東京都がこれまでと同様、設置、管理をすることとなっております。その最終処分場については、現在、中央防波堤外側部分の処分場と新海面処分場の二カ所において二十三区内のごみを受け入れています。
 しかし、新海面処分場以降の新しい処分場の確保というのはほとんど困難なことでありまして、この処分場をどれだけ長くもたせていくかということが、当面の二十三区の清掃事業を進める上での重要な課題の一つとなってきてしまっております。
 これも、大量消費や、いろいろなごみを人類が出し続けたという結果なんですけれども、まず、最終処分場の延命化を図る上で、現在どのような課題があるのか、東京都の見解をお伺いしたいと存じますので、お願いいたします。

○小山廃棄物対策部長 都が管理しております埋立処分場に埋め立てられている二十三区の一般廃棄物は、平成十五年で約七十八万トンでございます。
 その内訳は、焼却灰が四〇%、約三十一万トン、次いで廃プラスチックが三二%、約二十五万トンでございます。これを容積に換算いたしますと、約二分の一が廃プラスチック、約四分の一が焼却灰となっておりまして、この二つが大半を占めている、こういう状況でございます。
 このうち焼却灰につきまして、現在、これを溶融してスラグとして利用する取り組みが推進をされておりまして、今後は、最終処分場への搬入量は大きく減少するものと考えられております。
 したがいまして、最終処分場の延命化を図る上からは、廃プラスチックの埋立処分量を減らすことが、残された最も重要な課題であるというふうに認識をしております。

○大津委員 そうしますと、二分の一を占める廃プラスチックが今後の重要な課題になってくるかと思います。
 一方、廃プラスチックの資源回収の状況を見ますと、ペットボトルは全区で回収されていますけれども、そのほかのプラスチックでは、プラスチックのトレイなど、そういったものが九つの区で資源として回収されているのみでありまして、大半は不燃ごみとして収集をされています。それでは、処分場をどれだけ延命化するかということに関して考えてみたいと思います。
 延命化をするためには、やはりプラスチックについては、容器包装を中心に、その利便性から日用品の多くに使用されておりまして、発生抑制とともに、いかにして廃プラスチックを資源として回収していくかが二十三区の清掃事業の重大な課題の一つでありまして、処分場の延命化のポイントであるというふうに考えております。
 今、二十三区において廃プラスチックの資源回収が進んでいない理由につきまして、東京都の今の状況のお考えをお伺いしたいと思います。

○小山廃棄物対策部長 二十三区におきます不燃ごみに含まれる廃プラスチックの七割強は、容器包装廃棄物でございます。容器包装廃棄物につきましては、容器包装リサイクル法で、分別収集から圧縮、保管までが区市町村の役割とされておりまして、区市町村が回収した容器包装廃棄物の再商品化のみが事業者の役割とされております。
 このような現在の仕組みのもとでは、区市町村にとって、容器包装の分別収集に要する費用が過大な負担となります。そして、このことが廃プラスチックの資源回収が進まない主な原因であるというふうに考えております。
 これに加えまして、二十三区におきましては、大都市の特性から、圧縮、保管するための用地の確保が困難であることも原因の一つというふうに考えられます。

○大津委員 そうしますと、現行の制度上、収集、運搬などの役割を担う区市町村の負担というのが重たく、とりわけ二十三区では、圧縮、保管用地の確保が困難であることが廃プラスチックの資源回収を阻害しているということと解釈いたします。
 もちろん、資源回収の促進を図るためには、現行制度の改正を国に求めていくことも重要でありますけれども、あわせて、廃プラスチックを焼却不適とするこれまでの考え方を転換し、つまり--廃プラスチックは、今まで不燃ごみということで収集してまいりました。これをエネルギー資源として、廃プラスチックを資源ごみとして積極的にとらえまして、熱を回収するサーマルリサイクルを行うということも必要であります。
 本年の五月、東京都の審議会から、廃プラスチックの発生抑制とリサイクルの促進に関する答申がことしの春、出されました。その答申の中では、廃プラスチックをこれからは埋立不適物と位置づけ、これまでの焼却不適との考え方を百八十度転換し、埋立処分量ゼロを目指すことが打ち出されるとともに、サーマルリサイクルを選択肢の一つとすることが提起をされたわけです。
 東京都は、答申を具体化するに当たりまして、廃プラスチックの埋立処分量ゼロを実現していく上で、サーマルリサイクルの位置づけをどのようにお考えか、お伺いしたいと存じます。

○小山廃棄物対策部長 廃プラスチックの埋立処分量ゼロを目指しますには、発生抑制を促進するとともに、マテリアルリサイクルを推進していくことが基本であるというふうに認識をしております。
 一方、廃プラスチックをエネルギー資源としてとらえるならば、資源の保全、環境への負荷、経済性の面から、マテリアルリサイクルに適さないものについてサーマルリサイクルを行っていくことが選択肢の一つとなり得るものであります。そのようにしていくことが埋立処分場の延命化につながるものというふうに考えております。
 なお、二十三区の清掃工場は、ダイオキシン類対策等の施設整備が十分に行われておりまして、廃プラスチックをエネルギー資源として活用することが十分可能な状況にございます。

○大津委員 廃プラスチックの発生抑制やマテリアルリサイクルをさらに徹底していくことが求められていることは当然であります。循環型社会を形成していく上では、これとあわせまして、サーマルリサイクルの方も並行して積極的に推進していくことも必要であります。
 実際問題、これまでは長らく、廃プラスチックを不燃ごみとして収集をし続けて、埋め立ててきました。埋立処分場がなくなるというところに来て、ようやく気づいてきたところでもありますけれども、今の焼却炉は、プラントの性能から考えても、ダイオキシン対策工事が平成十四年度に施されておりまして、廃プラスチックを可燃ごみとして焼却場の中で燃やしても、十分ダイオキシンは影響の出ないところまで来てはおります。
 東京都は、清掃局から二十三区一部事務組合に移管しましたけれども、そういった点で、ごみ収集車、朝、ごみを収集しておりますけれども、あの部分は、例えば杉並区とか港区とか、区の方で収集しております。
 一方、東京都の答申では、サーマルリサイクルで、不燃ごみを今後は燃やしてエネルギーにしようという計画があります。そういった段階で、分別を最初にさせておくままで、最後でサーマルリサイクルをするのがいいのか、それとも、最初のごみ収集の段階でもう分別をやめちゃって、プラスチックの不燃ごみは燃やしてもいいという分別体系にするか、どっちがコスト的に税金にむだがないかという検討をしていかなくちゃいけない段階にも来ていますが、そういう意味で、移管をしてしまったので、収集の判断は各区になりますので、難しい部分がたくさんあるかと思います。
 そういう意味では、新聞報道の記事によりますれば、国においても、廃プラスチックのことをやはり問題に取り上げてきまして、廃プラスチックの取り扱いを可燃扱いに統一するという動きがあるとの新聞記事ですし、また、きょう、ちょうどこの同じ時間に、環境省の方でこういったことも検討されているはずです。
 そういった意味では、東京都は、二十三区と今後とも連携しながら、廃プラスチックは埋立不適物との考えのもと、最終処分場の延命化の観点も踏まえ、サーマルリサイクルの実現に向け積極的に取り組むことも強く要望いたしまして、やはり移管したとはいえ、国の動き、また、都としての今後のサーマルリサイクルを据えた大きな方針を打ち出して、連携をして、税源にも余りコストのかからない効率的な熱リサイクルに向けて頑張っていただきたいと思います。
 これで私の質問を終えさせていただきます。

○古館委員 それでは、何点かご質問させていただきます。
 地球温暖化など環境問題が、現在大変大きな問題となっております。気象庁はこの六月七日に、百年後には、関東地方の平均温度が最大一・五度上昇して、都心では早朝でも二十八度の気温になる、このように発表しました。温暖化は、海面上昇、異常気象から生態系破壊などを引き起こして、人間活動にも大きな被害が出る、このように指摘をしております。
 先進国に温室効果ガスの削減目標を義務づけた京都議定書の採択から六年半がたちました。日本政府が議長国として確定した京都議定書に基づくガス削減目標は、九〇年度時の二酸化炭素排出量三億二千トンの六%、すなわち一千九百二十万トンを減らすことでした。しかし、減ったかというと、現実には削減と逆方向に向かってきています。このようなことを考えますと、温暖化対策には国の責任が決定的ですが、首都東京の果たす役割は、何にも増して重要であることは論をまたないところです。
 そこで、お尋ねしますけれども、東京における地球温暖化問題での地域特性とは何だとお考えでしょうか。

○百合都市地球環境部長 温暖化問題に関する東京の地域特性ということでございますけれども、東京は、カナダ一国に匹敵をいたします経済規模を有しておりまして、大量のエネルギーを消費するとともに、二酸化炭素や排熱など、大きな環境負荷を与えてございます。
 また、さらに、地球温暖化問題に加えまして、熱汚染ともいうべきヒートアイランド現象が加わりまして、二つの温暖化という大都市特有の問題を抱えております。

○古館委員 環境局としての二つの東京における地域特性が、先ほどいいましたけれども、地球温暖化と、もう一つはヒートアイランド現象。こういうことが東京の一つの地域特性という形で、環境局そのものがそのように認識をしているというのは今のお答えでわかりました。
 この質疑に当たって、私も都市・環境委員会の記録を読ませていただきましたけれども、小池前環境局長が、この地域特性にかかわってこのように述べています。何よりも、オフィスなど業務部門からのCO2排出量が多いという大都市特有の地域特性、このように強調しているんですね。つまり、オフィスなどの業務部門からのCO2の排出量が非常に多い、これが大都市特有の地域特性という形で前局長が強調されております。
 そこで、お伺いしたいと思いますけれども、東京において、温室効果ガス排出量、暫定値ですが、これも増加傾向が継続していると聞いています。産業部門と業務部門と家庭部門、運輸部門、大くくりでこの四部門に分かれていますけれども、この中で、最近の傾向として、どの部門が最も温室効果ガスがふえているでしょうか。

○百合都市地球環境部長 都が毎年行っております温室効果ガス排出量総合調査によりますと、東京都地域における二〇〇二年度の温室効果ガス排出量は、CO2換算で六千九百四十万トンございました。これは、一九九〇年度に比べまして一五・八%増加をしております。
 また、温室効果ガスの総排出量の九七%を占めます二酸化炭素の排出量状況は、六千七百十万トンでございまして、九〇年度比で一六・四%増加をしているところでございます。
 二酸化炭素の排出量を部門別に見ますと、九〇年度に比べまして、業務部門の増加率が三八・九%増と、最も大きくなっております。次いで、家庭部門の二三・二、運輸部門の一九・八%増となっており、産業部門につきましては、逆に三六・六%の減少となってございます。

○古館委員 今のご回答だと、二酸化炭素が総排出量の九七%を占めているということですから、先ほどいった地球温暖化だとか、あるいはヒートアイランド現象そのものに対しても、かなりの負荷を与えているということは明瞭だと思うんです。
 しかも、東京の特性として、九〇年から見ますと、業務部門の増加率が極めて多い。このことは何を意味しているかというと、今の都市再生、そうしたものが極めて、排出効果ガスそのものに対しても、ある意味では否定的な影響を与えているというふうにいえるかと思います。
 そこで、やはりここで導き出される対応策は、大きなオフィスビルが既に存在をして、今もこれからもさらにふえ続けていく、こうした業務部門を核としながらCO2を大量に排出する悪循環、これをどうしても断ち切ることが重要だと思います。そのためには、CO2削減の義務化を実行する以外にはないというふうに思います。
 このことは、環境審議会での出発点ではなかったのかと思いますが、改めて義務化について見解を求めたいと思います。

○百合都市地球環境部長 平成十四年十二月に東京都環境審議会に諮問をいたしました時点では、一律の削減義務化という問題意識があったことは事実でございます。
 しかし、その後、対象事業者の実態調査を行ったところ、事業所における省エネ対策の取り組み状況は、既に削減努力がかなり進んでおり、削減余地の少ない事業所がある一方、取り組みがおくれまして、努力次第で相当の削減が見込まれる事業所も多数あるなど、さまざまでございました。さらに、業務形態におきましても、IT関連や外資系の業務ビルは二十四時間稼働しているところもあるなど、多様でございます。
 このような状況で一律何%というような形で削減義務を課すことは、非常に難しいものがございます。仮に、一律の削減義務を課した場合、低いレベルに設定せざるを得ず、高い削減効果が期待できないという問題があるということが明らかになりました。
 このため、五月の環境審議会答申では、一律削減義務を課すのではなく、個々の事業者の削減努力を最大限引き出す制度とすることが実効性が上がるという基本的な考え方に基づきまして、制度の具体的な提言をいただいたところでございます。

○古館委員 今の答弁は、一律削減ということではなくて、これは答弁になかったかもしれないんですが、議事録にもあるんですけれども、東京都が作成するガイドラインに基づいて事業者が削減計画を策定する。事業者がみずから立てたものを、自分で評価して公表する、こういう義務化というふうにとらえていいんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回、審議会で具体的な制度としてご提言をいただいたのは--ご指摘のとおり、これまでの温暖化対策計画書制度におきましては、事業者が任意の目標を設定いたしまして、それに基づいて努力をするというような制度でございましたけれども、その結果のトータルな数字といたしましては、三年間で二%削減というような形で数値が出てきております。
 これに対して、もっとさらに削減を高めるべきだという発想から、どのようにやるかということが基本にあったわけでございますけれども、今回提言いただきました内容につきましては、ご指摘のとおり、東京都が具体的な削減対策メニューをお示しし、削減対策を事業者みずからが設定できるような助言、指導を行いながら、それを結果として、努力結果を評価、公表するというような形で社会的な評価も得ていくというような制度にすることが実効性のある制度であるというようなご提言をいただいております。

○古館委員 ちょっと早口なので、要するに、先ほどいったように、事業者が削減計画を策定して、自分で評価して公表するんですよね。これを義務化という形で括弧づきでいっているようなんですけれども、私は、これは義務化でも何でもない。なぜかというと、自分で作成すればいいんですから。そして、自分で公表すればいいんですよね。それを義務づけるというだけの話であって、削減そのものを義務づけているということとは全く意味合いが違うんです。
 義務化というのは、二酸化炭素の削減目標を見据えて、削減する数値をきちんと決めて、それらの達成に責任を持つ、これが本来の義務化だというふうに、これは当たり前のことだというふうに思います。
 私が冒頭に東京の特性ということを聞きましたけれども、環境局の常任委員会での答弁を見ましても、二酸化炭素の産業界の排出量が全国平均で二〇%です。ところが、東京の場合は四〇%ですから、倍なんです。そういう現実なんです。全国の平均が、京都議定書のときよりもかえって排出量がふえていて、その大もとが東京であります。だから、冒頭でのお答えで部長が、地球温暖化問題に加えてヒートアイランド現象という二つの温暖化の指摘どおりのことが今引き起こされているというふうに思います。
 こうした実態の中で事業者に計画を立てさせるなどは、私は今もいったように、削減どころか、かえって増大を招く、このことが十分に考えられることだし、これこそ、現実を踏まえたら、このようにするということは逆方向に向かうというふうにいわざるを得ません。
 この背景には、日本経団連など財界代表が、今回の削減計画をどうするかということを論議する審議会に専門委員として二名入っていました。もともと義務化に対して反発が非常に強いメンバーを審議委員に加入させて、その結果が、マスコミなどにCO2削減断念かなどと報道される結果となりました。
 しかし、京都議定書での削減目標を実現するためには、CO2削減の義務化がかなめになっていることは、今私がるる述べたとおりです。その根本的な見直し、転換を強く求めておきたいと思います。
 続きまして、自動車排ガス対策についてですが、都の条例によってPM除去装置をつけなければならない対象の車で、現在装着していない車はどのくらいありますでしょうか。また、国の自動車NOx、PM対象の車は都内でどれぐらいあるでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 平成十四年三月末時点で、昨年十月の条例規制開始時に規制対象となる都内の登録車両は二十万二千台でございました。
 自動車登録データによりますと、平成十六年三月末時点で、二十万二千台のうちの十九万台がPM減少装置の装着や新車への買いかえ等により規制への対応を行っており、残りの一万二千台が装置を装着していないと推計されます。
 また、平成十六年三月末の自動車登録データによりますと、今後十年間で、ガソリン車等を含め約三十五万台が自動車NOx・PM法の規制対象となり、このうちディーゼル車につきましては、約半数の十七万から十八万台と推計されます。

○古館委員 今のご答弁は、結局、都のPM減少装置を装着した車はかなり多くて、ただ残りもありますが、この車も、国のNOx・PM法のもとでは、両方とも規制の基準をクリアしなきゃならないというものですよね。クリアできなければ車検証の交付が受けられない、こういうことでいいんですよね。
 メーカーの責任で後づけ装置を開発させて装着させること、これこそが原則的立場だと私は考えますけれども、どうでしょうか。見解を求めたいと思います。
 また、今日までメーカーに対してどのような働きかけをしてきているのかも、あわせてお答えいただきたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 大気汚染対策の根本的責任は国にありますが、メーカーにも自動車排出ガスの削減に努める社会的責任があることから、都はメーカーに対しまして、低公害車の早期開発、PM減少装置の供給、事業者の負担軽減への配慮等を求めてまいりました。
 NOx、PM同時除去装置の開発につきましては、都といたしましても、事業者にとって望ましいと考えており、メーカーや国に対し、機会をとらえて装置の開発を要請してきたところでございます。
 現在、国の性能評価制度におきまして、NOx、PM同時除去装置は一型式が認定されておりますが、新技術で走行実績が浅いことなどから、使用状況を踏まえて再度評価されることとなっております。

○古館委員 今お答えがありましたけれども、実は九四年の十二月に、旧運輸省、今の国土交通省ですけれども、通達があります。九四年の十二月に出した通達は、公害防止上、放置できなくなるおそれがある、または放置できないと判断される状態の場合、メーカーに無償修理を求めるものとなっております。
 この通達を実効あるものにしていくためにも、私は、後づけ装置をメーカーの責任できっちりつくらせる、その責任を果たさせるべきだというふうに思いますが、再度お聞きしたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 自動車の構造や性能が基準に適合しない、あるいはふぐあい状態にある場合、自動車メーカーが無料で改善措置をとる制度といたしまして、道路運送車両法に基づくリコール制度と、ただいまお尋ねの通達に規定する改善対策制度がございます。いずれの制度も、基準不適合やふぐあいの原因が設計または製作の過程にあることを要件としております。
 これに対しまして、自動車NOx・PM法は、大気汚染の改善を図る目的から、排出基準に適合しない使用過程車につきまして、対策地域内では車両登録できなくするものであり、設計、製作段階での不適合やふぐあいを是正するものではないことから、国はメーカーに改善措置を求めるものではないとしており、この通達を根拠に都がメーカーに要請することは難しいと考えております。

○古館委員 ここに、東京都から出していただいた、国土交通省の今お読みになったものがあります。
 それで、今おっしゃったのはそのとおりだというふうに思うんです。私は、この問題での行動があると。ここで大事なことは、私、先ほどいいましたが、公害防止上放置できなくなるおそれがある、または放置できないと判断される状態の場合--公害防止上放置できなくなるとか、いわゆる公害防止上というのが大きな要件の一つになっています。そういう中で、ただ、今いわれたように、原因が設計または製作の過程にあることが要件だ、ここが一つのネックになると思うんです。
 ここまで考えているんだったら、その援用というものを--東京都として、改めて国に対して、こういう通達をさらに援用して、それこそ拡大解釈というか、そういうものの拡充ということを求める、このような考え方はございませんでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 ただいま申し上げましたリコール制度ですとか、あるいは改善対策制度、これとNOx・PM法による車両登録の制限というのは別のものだというふうに理解しております。
 ただ、自動車排出ガスが大気汚染の原因である以上、自動車メーカーには排出ガスの削減に努める社会的責任があると考えておりまして、国も含めまして、都は今後とも、メーカーあるいは国に対して技術開発や事業者の負担軽減に努めるよう求めてまいります。

○古館委員 先ほど私がいったように、公害ということについても、つまり、日々、公害防止というのは当然発展するものですよね。だけれども、買い手というのは、逆にいうと、それに追いついていかない場合があります。もっときつい公害基準を設けましたよといったら、常に買い手は車がそれに適合しないと走れない、こういう状況ですから、公害というところまで視野が行っているという点も含めて、引き続いてこの問題については大変重く見て、今後とも働きかけを国とメーカーにいってほしい。
 私は、この問題は待ったなしの課題だというふうに思いますと同時に、先ほどいいましたけれども、車を持っている人に対しては深刻な結果を招きます。
 先ほどから私は、後づけ装置の問題も指摘をしました。今これが開発されていないという状況の中では、適合できなければどうなるかというと、車検の交付が受けられないということを私いいましたけれども、これに対抗して、最近、ちまたでは車庫飛ばしという言葉があるようなんですね。これは何かというと、私もよくわからなかったんですけれども、指定区域以外のところで車検をとるということができるんです。そういうようなことがまかり通っていくんじゃないかということが、ちまたで大変うわさになっているというのが非常に気になるところです。
 この問題では、国が指導しているということでありますけれども、現実の問題として起こることが予想されます。したがって、メーカーに後づけ装置の開発を促すということは、この点でも極めて重要だと思いますが、改めて認識をお伺いしたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 自動車NOx法につきましては、都といたしましても、流入車が都内に入ってくるという意味では問題があるというふうに考えておりまして、この点につきましては、八都県市とも連携いたしまして、これまでも国に対して対策を求めてきているところでございまして、やはり根本的な責任は国にあることから、今後も引き続いて、そういったことに対しての要望をしてまいりたいというふうに考えております。

○古館委員 ぜひこの通達の精神の援用の立場で、引き続き、国、またメーカーなどに働きかけていただきたい。
 この自動車公害の問題でもう一つの大きな方策というのは、自動車の総量規制や総量抑制を行うことだと思います。そのためには、TDMだとかモーダルシフトなどの対策を組み合わせて、公共交通機関の利用の拡大など、総合的対策を講ずる必要があると考えますけれども、その取り組み状況はどうなっているでしょうか。

○月川参事 自動車交通がもたらします大気汚染を改善するためには、ディーゼル車規制など単体対策とともに、交通量の抑制を図ることが重要な課題でございます。このため、東京都は、道路ネットワーク整備とあわせまして、自動車の効率的な利用や使用の抑制を図る交通需要マネジメントに、関係局を挙げて取り組んでいるところでございます。
 これまで集中的な渋滞対策といたしまして、スムーズ東京21拡大作戦を開始したほか、パーク・アンド・ライド等によりまして、自動車利用から公共交通機関への転換を促進するとともに、物流対策につきましては、流通事業者等に対しまして共同配送の実施を働きかけているところでございます。
 今後とも、交通渋滞や大気汚染の改善に向けまして、交通需要マネジメントの取り組みを民間事業者とも連携いたしまして総合的に推進してまいります。

○古館委員 それでは、最後に、緑の施策展開にかかわって幾つか質問いたします。
 都市の環境やその魅力を評価するときに、その都市の緑の豊かさというのが、実は一つの指標としてよく使われます。世界の魅力的都市では、長い歴史の中で、緑を守りながら、都市づくりにおいて、しっかり緑を守り創出してきた、これが世界の歴史的な遺産にもなっているところがいっぱいあります。それらの都市の豊かな緑というのは、歴史と風格を醸し出して、何よりもそこに住む人々の快適な生活環境を確保してきました。同時に、それはまた、緑は地球環境の問題にもかかわる大きな要素だと考えています。
 そこで伺いますけれども、都市環境の保全などに緑はどのような役割を果たしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○福島自然環境部長 都市環境の保全のための緑の役割は、植物の蒸散作用によるヒートアイランド現象の緩和、二酸化炭素の吸収と固定による地球温暖化の防止、さらには大気の浄化、騒音、強風の緩和がございます。
 それに加えまして、都市に潤いと安らぎをもたらし、火災の延焼防止、生物の生存基盤を確保するなど、多面的な役割を担っております。

○古館委員 まさに環境局らしい答弁がありまして、ほっとしました。
 本当に緑というのは、今ご答弁がありましたように、繰り返しませんけれども、地球温暖化を初めとして、日常の私たちの日ごろの生活、そういう中でも、とても重要だというふうに思っています。
 そういう中で、今東京が環境の危機にさらされている。その一つとして、これほど重要な緑の役割が余り重視されていないということなのではないかと思います。緑の減少を食いとめる有効な施策が講じられてこなかったからではないかとも思います。
 本来、緑を保護して回復させていくという具体的な戦略が、私はどうしても必要だと。そのために、まず、緑の置かれている現状を把握する必要がある。
 それで、お聞きしますが、東京の緑の現状というのは、どのように今なっているでしょうか。

○福島自然環境部長 東京の緑の現状を把握するために、平成十二年度に新たにみどり率を設定しました。このみどり率では、平成十年の時点で、区部が約二九%、多摩が約八〇%、島しょを除きます都全体では約六三%でございます。平成十年までの約二十五年間で約四ポイントの減少となってございます。
 都は、こうした緑の減少を踏まえ、平成十二年度に、緑づくりの目標と施策の推進策を明らかにしました緑の東京計画を策定しました。都民、企業、区市町村と連携しながら、緑づくりの取り組みを進めているところでございます。

○古館委員 今の答弁では、平成十年度ということで、みどり率について述べられたんですね。その後の状況については述べられない。
 実は、東京の緑の減少が著しいということは、今の答弁でもおわかりになったと思いますが、私の手元にみどり率という資料をいただいたんですが、この以前は緑被率ということで調査されていたんですが、このみどり率が、平成十年のデータを最後に、その後のデータがないんです。だから、今直近では幾らですかと聞いてもわからない、これが今の状況だと思います--そんなのは答弁要りません。これでは、緑のその後の状態、傾向がわからない。実感として漸減傾向にあるということは、今おっしゃったとおり、否めないです。
 緑の確保のために、財源投入を初めとして必要な施策展開をすることは、私は、人の生活環境を確保することであり、重要なことだと思います。しかし、それを議論すべきデータがないんですね。残念なことに、この決算委員会でも平成十年のデータでしか示せないというのは、やっぱり私はいかがなものかというふうに思っています。既に五年間以上が経過した平成十年度のデータでは、実態を的確にとらえた議論はできないと考えています。
 緑の果たす役割を最大限に活用しながら、東京の環境を、真に人も動植物も共存できる環境をつくろうとするならば、緑の現状を定期的に把握し、戦略として緑をどのように確保していくのか議論し、政策立案に役立てていくのか。そのためにも、最新の緑の現状を把握することが極めて重要と考えています。緑の施策展開をより一層拡充するためにも、みどり率等の調査は欠かせないと考えます。
 緑の拡充を戦略として位置づけ、政策立案の中に取り込んでいくことを強く求めて、私の質問を終わります。

○藤田委員 それでは、まず、産業廃棄物についてお尋ねをいたしたいと思います。
 東京の廃棄物対策の中では、一番大きな問題になっているわけでございます。そして、この決算の書類、説明書を見せていただきますと、この産業廃棄物の中で、ページ数で二ページのところに、国庫支出金、スーパーエコタウン整備等に関する国庫補助金の実績減によるものであるというふうに書いてございました。
 そして、この減が、三二・七%しか収入率がないということが、ここの中に出ているわけなんです。ちょっとこれはどういう状況なのかなということでお尋ねをいたしましたが、これは数字のことですので、どんなふうになっているかを説明を受けましたら、とにかく建設混合廃棄物リサイクル施設の補助ということと、それからバイオガスの発電のところに予算措置があったんだけれども、その分については、清算が、概算払いは行わずに清算払いによって処理をするので、非常に工事がおくれていて、この分については十六年度に予算を繰り越すというようなことでありましたので、実際に行ったものが、それに見合っただけの収入しか来なかったというようなことですので、その説明はわかりました。
 それでは、このスーパーエコタウン事業について、現在どういうふうに事業が進捗しているかということをまずお尋ねいたしたいと思っています。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業では、中央防波堤内側埋立地にPCB廃棄物処理施設とガス化溶融等発電施設の二施設を、また大田区城南島には、建設混合廃棄物や食品廃棄物、廃情報機器類等を対象とした七施設の整備を推進しているところであります。
 PCB廃棄物処理施設を除くその他の施設は、公募によりまして事業選定したものであります。
 PCB廃棄物処理施設は、本年七月に着工しまして、また、その他の公募により選定した施設につきましては、既に一施設が竣工し、現在五施設が工事中であります。その他の二施設については着工準備中であります。

○藤田委員 実際には、産業廃棄物は、もうすべてそれぞれの事業者の責任ということになっているわけでありますけれども、このスーパーエコタウン事業における都の役割というものはどんなものになりましょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業は、廃棄物問題の解決と新たな環境産業の立地を促進し、循環型社会への変革を推進することを目的としたものでありまして、廃棄物処理、リサイクル施設の整備、運営に当たりましては、民間事業者が主体となって、事業者みずからの責任において実施するものであります。
 都は、施設の立地に必要な都有地を確保しまして、整備する施設及び事業者の決定を行いますとともに、計画全体の推進と調整を行うものであります。

○藤田委員 この中で、建築廃材というものが非常に大きなウエートを占めている産業廃棄物であるということは疑いのないところでありまして、ここのところの問題をどうするかというのは、それも中小の人たちに対してどうしていくかということで、ここが進められたという経緯があることは存じ上げています。
 そしてもう一つは、食品リサイクル法が始まって、この中で、飼料化とバイオガスの発電施設の整備が進められているわけでありますけれども、この二施設といいますか、食品リサイクルについてどういう施設をつくっていこうかというのは、どんな選定をしたのかを伺いたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業の公募によります事業選定に当たりましては、廃棄物問題の解決への寄与や環境配慮への取り組みなどについて総合的に審査しました。
 食品廃棄物のリサイクル施設につきましては、飼料化、バイオガス発電及び肥料化の合計三件の事業提案がありましたが、事業の実現可能性に課題のありました肥料化施設を除きまして、飼料化施設及びバイオガス発電施設の二施設の整備事業を選定したものであります。

○藤田委員 先ほど、東京都の役割は何かという話をいたしましたら、計画全体の推進と調整ということでございました。これは、産業廃棄物を処理するという計画全体の推進だけではなくて、環境的にどういう配慮をしたものかということをきちっと見据えた上で実施をしていくものだというふうに私は思っているんですが、食品リサイクル、始まったばかりということで、どんなふうにしていくかは、普通考えれば、堆肥化。都庁舎内のこの食堂も小作へ持っていって、それを堆肥にしていくというような、そういうことがありますから、この問題は、今はそういうふうになっていると思うんです。
 ところが、実際には、この廃棄物に関しては本当に日進月歩で、どんどんどんどん技術改定が行われたり、そして新たな施策が出されているというような、そういう状況にあるのがこの廃棄物に関する問題だと思うんですが、片方で、この環境局の中では、実は、自然エネルギーへの転換をしていこうというところに大変重きを置いているというふうに思うんです。
 そうしますと、この中では、食品リサイクル、ある意味では、飼料の中に実はお弁当のかすを、全部食品リサイクル、三%まで入ってもいいよというふうになっているわけですよね。そうすると、緑のバランが入っていたり、ちょっとしたカバーが入っていたりというのでも、とにかく構わない、持っていく。三%以下なら大丈夫。そして、それを全部圧をかけて、最初は風で飛ばして、そして熱をかけて、小さなものになっていくから、最終二%ぐらいプラスチックが入ったものでも、飼料としてオーケーだというふうになっているわけなんですよね。
 ただ、私が鳥や豚だったら、プラスチックは食べたくないですね。そして、それを今度は人間が食べるわけですから、飼料として本当にいいものかどうかというのは、もちろんやっているところはあるということは、札幌などでもやっていますから、それについては現状は何も問題が起きていないということはありますけれども、プラスチックのことについては、多々いろいろな問題があるということはわかっているわけであります。
 そうすると、この環境局の中では、いわゆる食品リサイクルも含めて、都市型のバイオガスにしていくというのが非常に有効であるということをずっといい続けているわけですよ。そうしたら、どうしてこれを選定しなかったのかなというのは大変疑問に思うわけです。
 もちろん、ずっとこれは、例えばお金をかけて土地を買って、その事業者がきちっとその施設をつくるわけですから、そこが買ったわけですから、十分そこの施設になっていくわけですから、永遠に飼料をつくり続けるわけですね。だから、廃棄物というのは非常に、先ほどお話ししたように、技術革新が進むから、そこはすごく難しいところだと思うわけなんです。
 いろんなことを調査しながら、これはこの二業者に選定をしたというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、私は、なかなかこの辺の政策判断といいますか、東京都がここを土地を確保して売っていく場合には、やはりそこには東京都の意思というものがしっかりと働くというようなことをぜひ考えていただきたいというふうに思いますし、そうでなければ、環境局としての役割が私は果たせないのではないかというふうに思っています。
 これについては--部長が手を……。ではお願いいたします。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 先生ご指摘の飼料化施設のお話でございますけれど、先ほど先生、えさとなったときに二%のプラスチックが混入しているとおっしゃったんですけれども、食品廃棄物の受け入れ基準として、最大でも二%と、事業者は決めております。
 先ほど先生からご紹介ありました札幌の施設が平成十年度から動いておりまして、こちらの方は五%の受け入れ基準と聞いております。実際は、もっと少ない受け入れ実績のパーセントとなっていると聞いております。
 そういうことでありまして、ここでつくられました飼料は配合飼料の原料となりまして、五%から数%の、配合飼料会社の方でまざりますので、最終的にはもっと少なく、またこの施設の中でも、先生のご指摘にありましたように、ふるい選別、風力選別によって取り除かれますので、実際は本当にわずかなものであると考えております。
 それから、先生からお話のありました、環境局としてということでございますけれども、バイオガス発電施設も、このスーパーエコタウン事業で整備を進めておりまして、この規模は一日当たり百十トン、国内最大の規模のバイオガス発電施設をエネルギー利用するということで進めております。
 それにつけ加えまして、このたび飼料化の施設も整備するというものであります。

○藤田委員 考え方を伺ったので、事実はもちろん十分わかっておりますから、それはぜひ、スーパーエコタウンだけで問題を解決するのではなくて、総合的に環境局がどういう方向に東京の環境を考えていくのかという観点から進めていただきたいという話でございます。
 それでは続きまして、非常にしつこいというふうに思われるかもしれませんが、水に関してお伺いをさせていただきます。
 水を治める者は天下を治めるというふうに知事もいわれておりますけれども、私たちは石けん運動を通して、すべてがつながっているという地下水、川、緑、大気というところで、この水問題については、ずっと本当にしつこくて、させていただいています。そして、その実も上がってきているというふうに思いますけれども、東京の環境の悪化がそれに追いつかないというところもありまして、これは永久に質問せざるを得ないような状況になっているのかなというふうに思っています。
 平成十二年に、いわゆる公害防止条例から環境確保条例に改正されたわけでありますけれども、翌年には雨水浸透指針が策定されまして、工業用水など涵養量を超えるくみ上げの結果、地盤沈下を引き起こしたということもありました。
 しかし、揚水規制、今また温泉ブームなどで温泉も揚げられるということで、そこも全部、この径を調整しながら揚水規制をしてきたわけですので、鎮静化をしている。ある意味では、いろいろな要素はありますけれども、下町といいますか、東京駅やあるいは上野駅で工事をすると、水がかえってあふれてしまって、地下鉄、地下の工事がなかなか難しいというような、そういう状況にもなってきているというのが現状でございます。
 多摩地域においては、平均して水道水源の三割を地下水に依存しています。昨年十二月に、水道局もようやく水道水源にこれを位置づけたということがありますけれども、水道水の水源として利用されているだけではなくて、非常災害時には水道水のかわりにもなる貴重な水源でございます。
 この地下水を涵養するには、雨水浸透が有効な手段の一つであるというふうにありますけれども、条例改正や指針ができて三年以上が経過をしていますけれども、どのくらい推進されてきたのかをまず伺わせていただきます。

○福島自然環境部長 東京都は区市に対しまして、井戸、揚水施設でございますけれども、それらの設置者が届け出を行う際に、雨水浸透施設、また雨水の貯留施設の設置を指導するよう要請しております。
 雨水浸透施設につきましては、条例制定後ですけれども、三十基が設置されたことを確認しております。
 また、雨水貯留施設につきましては、設置された例はないということを確認してございます。

○藤田委員 地下水の、今三十基というふうにおっしゃられたんですけれども、条例では、地下水保全を図るためには、三十ワットを超えるポンプをつける井戸を新設する人は、雨水浸透の施設に努めるように規定をしているわけでありまして、それが三十基されているということであります。それから、井戸の新設に伴っても、この雨水浸透の貯留施設をつくらなければいけないというふうになっているわけです。
 それでは、地下水保全指定地域については、条例によって制度化されたわけでありますけれども、これは評価をしたいというふうに思いますが、都は、条例制定後の三年間、地下水保全地域を指定していないというふうに聞いています。
 地下水は、土地所有者の私水、自分の水だということで、なかなかその指定が難しいというような面もあるわけですけれども、地下水保全地域はどのような場合に指定をされるのか、また、そういう指定制度があるのだということをどんなふうにして周知をしているのかを伺いたいと思います。

○福島自然環境部長 地下水保全地域は、地下水揚水量の増大及び雨水浸透量の減少によりまして地盤沈下の発生等、生活環境に支障を及ぼすおそれがあり、総合的な地下水保全対策を行う必要がある場合に知事が指定できることとなってございます。
 本制度につきましては、条例改正時などに、区市に対して説明を行ってきたところでございますが、今後も説明会を開催して周知に努めていこうと思っております。

○藤田委員 次に、自然環境保護条例の問題でございますけれども、これも水に関してでございますが、全国に先駆けて湧水を取り上げて、東京都の湧水等の保護と回復に関する指針を策定しました。
 都内にある湧水の数が、経年変化についてどういうふうになっているかを伺いたいというふうに思います。

○福島自然環境部長 都内におきます湧水地点の調査は、昭和六十年度から平成十五年度にかけて五回行っております。
 東京都が実施いたしました昭和六十年度には、五百十四カ所の湧水がございました。
 その後、区市町村に湧水地点の調査協力を依頼しました結果、平成二年度には六百二十三カ所、平成七年度には六百五十三カ所、平成十二年度には七百十七カ所、平成十五年度には七百六カ所の湧水が確認されております。
 この平成十五年度の調査結果をまとめました湧水マップを現在作成中でございます。

○藤田委員 先ほど、私水であるというようなこと、自分の土地というようなことがあったわけでありますけれども、十五年に、五十七カ所の湧水を東京の名湧水として選定をしたわけです。
 その選定の際には、地域からの推薦を経ても、私有地内だと公開ができないという状況があって、名湧水に選定されなかったものがあったわけでありますけれども、今後は、このような土地所有者にもぜひ公開してほしいというようなことで働きかけをしていくべきだというふうに思っていますけれども、それについてはどのようになっていますでしょうか。

○福島自然環境部長 十五年度に名湧水五十七カ所の指定をしました際に、先生ご指摘のとおり、何カ所か公開を望まないということで、名湧水に指定されなかった箇所がございます。その箇所も含めまして、その他の湧水もたくさんございますが、それにつきましても保全活動を推進できますように、地元区市町村と土地所有者による長期的な取り組みを図るべく、湧水保全連絡会をつくりまして、そこにおきまして情報提供や意見交換を行っているところでございます。
 今後とも、本連絡会におきまして、湧水マップや、都が所有する湧水に関する資料や、ほかの地域のすぐれた湧水保全の取り組み事例を紹介いたしまして、情報の共有化を進めて、湧水の保全に東京都も努めていくところでございます。

○藤田委員 先ほどの質疑の中で、水を浸透させていくということが重要なんだというような話がありましたが、雨水浸透ますというのは非常に安く、効果的に地下に雨水を浸透させる効果があるというふうにいわれておりますし、治水対策や下水道合流改善など非常に多面的な効果があることから、設置補助を東京都も行ってきたわけでございます。
 資料にも出していただきましたけれども、都市計画の方はそれぞれ市区町村にというようなことで、十四年、十五年は中止になっておりますけれども、都市計画あり、それから環境局のもあり、それから公共ということでは、道路のところにそれぞれの--それぞれでもないですか、下水道局もこのますをつくっているというような、そんな状況で浸透ますをつくってきているわけです。
 環境局の緑の東京計画では、二十七年度までに累計四万三千五百基の雨水浸透ますを設置する方針を立てていまして、平成二年度の設置補助事業の開始から十五年度までで一万九千四十五基が設置をされてきたというふうになっています。
 ところが、昨年の行政評価で、湧水の保全、水循環、水辺環境の再生には雨水浸透ますの設置が有効である、全体計画の半分が実施されたけれども、今後も着実に実施する必要があるというふうに、環境局は、この行政評価に対して自分たちで評価をしたわけです。
 ところが、二次評価を行った知事本局は、本事業以外でも、都内の広い地域で雨水浸透を進められていることがあると。それで、雨水浸透ますの湧水涵養の効果は未検証であることから抜本的な見直しが必要であるというふうに、評価をそういうふうに出してきたわけなんですね。
 では、環境局が緑の東京計画をおろすのかということでありますけれども、ここについてはどうでしょうか。

○福島自然環境部長 東京都は緑の東京計画をおろすのかというご質問でございますが、決して緑の東京計画をおろすということは考えてございません。

○藤田委員 でしたら、未検証であるというのは、お聞きしたら、例えば市区町村にもう渡したものについては、なかなかそれをきちっと詳しく検証していないというようなこともあるということですので、ここの部分は検証していただくというふうにお願いしたいわけです。
 先ほど、湧水がどんなふうに変わってきていますかという経年変化について伺ったところ、昭和六十年度には五百十四カ所だったのが、平成十五年度には七百六カ所ということで、ある意味では非常にふえている。もちろん減っているところもあるんですけれども、東京都全体からすればふえているということは、これは、ある意味では非常に力強い説得になるのではないかというふうに私は思うわけです。
 いろんな数字を使って、ぜひこの浸透ということをしていくことが、緑の、そして水の循環をしていく上には非常に有効な手段であるというふうに思うわけでありますけれども、今後、どのような地下水保全対策を展開していくのかをお伺いしたいと思います。

○福島自然環境部長 湧水の数がふえているというご意見でございますが、最初六十年度の五百十四カ所から平成十五年度に七百六カ所という、このふえた背景には、PR効果がかなりあって、今まで気にとめていなかった湧水を届け出たという、そういう数も含まれているので、一概に湧水がふえたということの実証にはならないのかなという気もいたします。
 東京都が進める施策でございますけれども、雨水浸透を進めて地下水や湧水の保全を図るためには、雨水浸透ますの設置だけではなくて、透水性舗装の敷設ですとか緑地の確保など、極めて多様な取り組みを流域全体が一体となって進めていくことが必要かと思います。このため、関係自治体と連絡会を設け、連携して雨水の地下浸透を進めるための効果的な対策を検討してまいります。
 また、都民や事業者が積極的に雨水浸透対策に取り組めるよう、地下水保全の重要性や雨水浸透の方法などに関する普及啓発に努めてまいります。

○藤田委員 私が住みます杉並の中を川が三本走っておりますが、私の近くには善福寺川というのがありまして、そこは公園と一体化をしています。
 ところが、公園の問題と川は建設局です。そしてその中に、例えば二十二号、この間も大変な雨量になりまして、和田の方は浸水をしましたけれども、その問題は下水道局というように、非常に--十二年前に私が質問したときに、たった一行、ここは下水道局ですというような、そういうような発言がありましたけれども、局の中でも、先ほどお話ししましたように、十分連携をとる、それから局間で連携をとるというようなことが、これからの施策の上では非常に重要なことになってくるのだというふうに思っています。
 それから、最後にちょっと局長にお伺いをしたいのですけれども、私は、今回の決算委員会の中で、十五年度の予算概要というものをまず、こちらの予算の説明書を見ると同時に、見てまいりました。そして、主要施策の成果というもの、これは十六年の本、ことしに出ていますけれども、その中で結局どういうことが書かれているかというと、環境局の予算は実に一%にも満たないというのが、都庁全体の予算の構成でございます。
 そうしますと、東京の中で、本当に今ほど環境の問題が大きくクローズアップをされて、これは必然ともいえることだと思いますけれども、すべての局の上に立って、そして環境の観点から見たら、この都市計画はどうだろうか、あるいは環境の視点から見たら、この川づくりはどうなんだろうか、全部これを統括するような形で、環境局がやはり主導的な立場を持っていかないと、どんどんどんどん本当に人間が住めなくなるような、そんな都市になってしまうのではないか。
 東京都の二十三区の中で、これだけもう、私も政策の中で熱帯夜を減らそうなんていうようにいいましたけれども、ますますふえてしまうような、そんな状況にありますけれども、この東京湾の風道、そして川をどうやって生かしていくか、風の流れをつくっていく、そして、多摩の方の緑とこれが相まって、やはり東京の二十三区の状況も含めて、東京全体の環境を考えていかなければいけないというときに、やはりどうしても環境がトップに立つという、こういう考え方をぜひとも進めていかなければいけないというふうに思うんです。
 それにしても、余りにも予算が少な過ぎるということで、もちろん応援隊の意味でございますけれども、ぜひこの十五年度の決算の状況を見て、十七年度に向けてどういう気構えをお持ちになって進めていくかということをお伺いして、質問を終わります。

○平井環境局長 先ほども申し上げたとおり、ことしの夏の状況などから、環境問題に対する関心は、従来以上に急激に高まっていることを感じております。
 環境局の予算が少ないということでございますが、環境行政と申しますのは、もう既にご承知のとおりで、改めて申すまでもございませんが、特定の、例えば道路をつくるとか公園を整備するとかいう、そういう所管といいますか地域といいますか、そういう守備範囲を明確にした事業じゃなくて、いってみれば、すべての人間行動について、環境配慮といいますか、環境を考慮することを求めていくという面がございます。
 したがいまして、何かを進める場合は、環境に関する施策を進めるに当たりましては、常に全庁の協力を得てとか、民間事業者の知恵をかりてとか、あるいはその力をかりてとかという形で、必ずしも自分がやれる分野というのは極めて限定されております。
 私どもは、環境という問題を、二十四時間自分の問題として考えるべき立場にあって、その立場から各部門の人々に協力を仰ぐという形で環境行政を進めていかざるを得ないというふうな立場でございます。そのために、もちろんいろいろな限界はございますが、日々、研さんに努めていくという実態でございます。
 予算獲得につきましては、やはりさらなる事業充実を求めて、いろいろな意味で呼び水となる、あるいはアドバイス、指導等あらゆる手段を使って、環境改善が進むような積極的な事業展開に今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。
 よろしくご支援もお願いします。

○鈴木委員 ただいま、環境局の東京都に見る予算は一%にも満たないということで、大いにこれから頑張っていただきたい、こういうような発言もございましたが、私がこれから質問をいたしますこの問題は、この環境局の予算がふえていくということは、ある意味では大変困った問題でございまして、まさにこの環境局の諸施策というものが、最終的には都民一人一人の東京の環境を保全する、環境をよくしていこうという一人一人の取り組みにまで特化されて、都民一人一人が努力をしていかなければいけない、そういうことなんだろうなと思いつつ、東京の先人が残してしまっている負の遺産ともいうべきこの問題について質問をさせていただきます。
 環境局は、平成十五年度に実施した主な事業の一つとして、ダイオキシン類汚染土壌対策など有害化学物質対策の推進に一億六千五百万円を支出しております。私は、その中で、大田区大森南ダイオキシン類汚染土壌対策についてお伺いをいたします。
 大分眠くなっているところだと思いますが、大森南四丁目地域といいますと、何かローカルな話かな、こういうふうに思われるかもしれませんが、目を覚ましていただくということも踏まえまして、この土壌汚染の経緯について簡単に触れさせていただきますと、これは平成十二年三月、東京都下水道局より、大田区大森南の森ヶ崎水処理センターのすぐ隣といってもいいんですが、区道で、東京都下水道局の光ファイバーケーブル敷設工事の発生土壌よりPCB等の汚染物質が検出されたという連絡があったわけでございます。
 そこで、平成十二年五月、大田区は、現地で土壌の調査を実施いたしました。平成十二年七月、大田区の土壌調査の結果で、ダイオキシン類等による汚染を確認したわけであります。平成十二年九月十三日、ダイオキシン類特別措置による必要な措置をとるよう、大田区は東京都に依頼をいたしました。ダイオキシン類対策特別措置法にのっとって、その処理が現在行われているという、現在進行形の事業であります。
 今申し上げましたように、平成十二年に大田区大森南四丁目で発見されたダイオキシン類汚染は、住宅のある市街地で推定約八百キログラムもの大量のPCBが捨てられていたことによるもので、地域の住民をいわば大変な不安に陥れたわけでございます。私もその当時、実際に私の家の近くでございますし、区議会の当事者として、現地はよく見て、経過も承知をしております。
 この事態に対し、都は、これまでに汚染土壌の掘削除去を行ったわけでございます。その費用は五億一千万円余。今は、大森南の現地の不安は全くなくなっております。しかし、保管をされている汚染土壌は約一千立方メートル。これ、ドラム缶にすると六千七百本にもなる膨大なものでありまして、この浄化処理が安全かつ円滑に行われるということが何よりも望まれることであります。
 そこで、現在は第一段階というわけですが、この掘削除去、保管の段階ともいえるわけですが、その対策事業の現状と今後の予定について伺いたいと思います。

○柿沼参事 大田区大森南四丁目で発見されましたダイオキシン類汚染土壌につきましては、現在保管中でございます。
 今後、これを安全に処理するために、まず第一段階として、大田区東海二丁目に設置する施設で、PCBを汚染土壌から分離する処理を行います。
 第二段階としては、それを中央防波堤内側埋立地に建設中の東京PCB廃棄物処理施設でPCBの無害化処理を行う、こういう二つの段階に分けて実施することにいたします。
 現在、第一段階のPCBを分離抽出する処理施設の設計等を進めておりまして、今後、十一月下旬を目途に処理施設の設置工事に着手することとなっております。これに先立って、地元説明会も行う予定でございます。
 なお、このPCB抽出分離処理は、平成十七年四月から開始して、平成十七年度中には、第二段階の無害化処理も含めて汚染土壌対策を終了する予定でございます。

○鈴木委員 着々と第二次対策計画が策定をされまして、無害化処理、PCB広域処理施設を活用しての施策でございますが、汚染土壌からPCBを分離していく、これはドラム缶が約四十本分ということでございますが、また分離したPCB液の無害化処理を行っていく、平成十七年十一月稼働予定ということでございます。こういうような計画が、もちろんきちっと行われるということを期待をし、要望するところですけれども、今、十一月下旬じゃないですね、近々ということですか、地元区への説明をしてくれる、こういうことですが、この説明については、十分かつ丁寧にやっていただきたい。このようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 さて、東海二丁目にPCBの分離処理施設を設置すると。今のお話でございますが、処理施設は、今回だけのための施設なのでしょうか。
 あるいは、こういうことがしょっちゅう起こってもらっては困るわけですね。かといって、私どもの大田区というのは、城南京浜地帯、工業地帯と申しますか、こういうことで、残念なことでこういう事実が判明をしてしまったわけなんですが、またこういうことが出てくるかもしれない。そういうときに、またこの施設が汚染土壌の処理をするために恒久的に設置をされて、ここでこういうような作業が行われるのか、非常に心配もするところなのでございます。
 今回の処理のための施設なのか、あるいは恒久的な施設なのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

○柿沼参事 今回設置する分離処理施設は、大田区大森南で発見されました汚染土壌の処理のために使用する施設として一時的に設置いたしますので、処理終了後は、速やかに撤去する予定でございます。

○鈴木委員 この施設にも大変な予算をかけて施設をつくり、そこで処理するわけでございますが、やはり恒久的にそこに設置するというのは困ったもんだな、こんなふうにも考えておりますので、その点もよろしくお願いをしたいと思います。
 特に、都民の胃袋ともいえる大田市場の隣接地でございますので、万が一にも、この分離処理施設用地での、いってみれば二次的な汚染というものが出てきてもらっちゃ困るわけでございます。
 さて、次に、施設は仮置きということはいろいろ伺っておりまして、わかっておりますが、一時的にしろ、ダイオキシン類やPCBの処理施設ということになりますと、安全性の確保が極めて重要となるわけです。今回のPCB分離処理に対してはどのような安全対策を講ずるのか、伺います。

○柿沼参事 汚染土壌の処理に当たりましては、第一に汚染土壌の飛散防止、第二に分離の際のPCBの漏えいの防止、第三に処理実施中のモニタリング、これらを柱に安全対策を講じてまいります。
 具体策を例示いたしますと、汚染土壌の飛散防止対策として、汚染土壌を露出した状態で扱う作業は、汚染土壌の粉じんが外部に飛散しない構造の建物内で処理をします。また、建物の排気は、高性能フィルターでろ過し、外部への粉じんの飛散を防止します。
 また、PCBの分離は、常温で汚染土壌から溶剤を用いて抽出する方法を採用しております。この方法は、熱を加えることはないために、蒸発などによってPCBが外部に漏えいするおそれがなく、最も安全な方法でございます。このため、周辺環境への影響はないものと考えております。
 さらに、念のため、処理作業中を通じて、建物の排気口や使用溶剤の常時モニタリングを行い、PCBの環境への漏れがないことを監視するほかに、施設周辺の大気等の環境についても定期的にモニタリングを行いまして、周辺環境の安全性の確保には万全を期してまいります。

○鈴木委員 今ご説明をお伺いする範囲では、万全だよと、こういうことでございますけれども、しかしながら、いろいろ出てくるということもあるわけでございますので、万全をぜひ期していただきたい、このようにお願いしておきたいと思います。
 地元住民や事業者にとっては、今も伺ってきたとおり、安全ということが一番気になるところですので、安全の確保、もう一にも二にも万全を期していただきたいということなんですが、何ていうんですか、この二次対策計画の、今のずっと流れを伺いましたが、きちっとした管理というんですか、計画の管理というのにも、その都度その都度、目を光らせていただきたい。これは答弁要りません。こういうふうにお願いをしておきたいというふうに思います。
 それで、この費用についてなんですが、対策費用についてお伺いをしたいと思うんですが、汚染土壌の掘削除去や処理を含め、合計で約十六億円かかるというふうに伺っております。掘削除去、保管、この第一次対策に約五億一千万円、無害化処理、これが第二次対策ですが、約十一億円ということで、約十六億円余というふうに聞いておりますが、この膨大な費用ですが、都と区による負担のほか、この汚染原因者にも負担を求めなきゃいけない。当然のことだと思います。
 そして、求めているというふうに聞いておりますが、この費用負担の考え方について聞いておきたいと思います。

○柿沼参事 費用負担についてでございますが、都は、公害防止事業費事業者負担法の規定に基づきまして、費用負担計画を策定し、汚染原因者であります三菱瓦斯化学株式会社に、総事業費の四分の三の費用負担を求めております。
 残りの四分の一、約四億円になりますが、これらは公費負担分でございます。そのうち五五%が国庫補助金、残りの四五%は、東京都と大田区で二分の一ずつ負担をいたします。東京都と大田区の負担は、具体的にはそれぞれ約一億円ということになります。
 なお、平成十三年十一月には、三菱瓦斯化学株式会社は、費用負担に関する行政処分の取り消しを求める訴訟を提起しておりまして、現在これについて係争中でございます。

○鈴木委員 今、ご説明をいただきましたように、この三菱瓦斯化学株式会社の負担分が十二億ぐらいあるわけですね。これはしっかり、原因者責任、払ってもらわなきゃ困るわけです。
 裁判につきましては、現在進行中ということで、あえてその内容とか進捗状況については、東京都が不利になるようなことが出てきちゃ困りますので、あえて--電気が消えましたが、質問を続行いたしますが、あえて、現在裁判中、係争中のことでありますので、答弁は求めませんけれども、もし都が敗訴でもすれば、考えたくないんですが、この費用負担の見直しということが出てくるわけなんですね。ですから、何としても、東京都におかれましては、この裁判に勝訴するよう万全の体制で臨んでいただきたい、このように私は思うわけでございます。裁判においても、都の処分が正当と認められるよう、万全を期すようお願いをしたいと思います。
 あえて答弁は求めませんけれども、決意について伺っておきますが、いかがでございますか。

○柿沼参事 今、委員ご指摘のように、この裁判については、私ども、原因者を三菱瓦斯化学というふうに判断し、費用を請求したという経過がございます。
 この判断については正しいというふうに確信しておりますので、私ども、都庁内法務担当とも協力しながら、確実な対応をとってまいりたいというふうに思っております。

○鈴木委員 終わります。頑張ってください。

○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時二十九分開議

○田中委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 これより港湾局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都一般会計決算中、港湾局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○斉藤総務部長 十月十三日開催の当分科会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元の平成十五年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらん願いたいと存じます。
 ご要求のございました資料は、表紙の次のページの目次にございますように、五項目でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、東京港における取扱貨物量の推移と国内主要港との比較でございます。
 これは、過去五年間におけます東京港の取扱貨物量の推移をお示しするとともに、国内主要港の貨物量と比較したものでございます。
 表の左側には、上段から下段にかけまして、東京港を初め国内の五大港を記載し、その右側に、それぞれの港ごとに、上から総取扱量、その内訳といたしまして外貿貨物、外貿コンテナ貨物、内貿貨物の取扱量をお示ししてございます。
 詳細につきましては、表をごらん願いたいと存じます。
 恐れ入りますが、二ページをお開き願います。2の東京港における港湾労働者数の推移及び二十四時間利用可能な福利厚生施設の整備状況でございます。
 (1)の港湾労働者、これは常用者でございますが、労働者数の推移は、東京港におけます過去五年間の港湾労働者数の推移をお示ししてございます。
 (2)、二十四時間利用可能な福利厚生施設の整備状況は、二十四時間利用可能な福利厚生施設をお示ししたものでございまして、上から、ア、売店、イ、仮眠所、ウ、休憩所の各施設名等でございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 三ページをお開き願います。3、新海面処分場における埋立実績と処分状況でございます。
 平成九年度から平成十五年度までの埋立実績と各年度の処分状況を、廃棄物と土砂の種別ごとにお示ししたものでございます。
 詳細はごらん願いたいと存じます。
 四ページをお開き願います。4の東京港臨海道路事業--これは第一工区でございますが--の年度別建設事業費の予算と決算の推移でございます。
 予算額、決算額及び財源内訳を平成元年度から平成十五年度まで記載してございます。
 詳細につきましては、ごらん願いたいと存じます。
 最後に五ページをお開き願います。5、東京港臨海道路Ⅲ期事業計画、事業費及び進捗状況でございます。
 まず、事業計画につきましては、事業費と、そのうちの都負担金をお示ししてございます。
 その下の表では、平成十四年度及び十五年度の都負担金の予算額、決算額及び進捗率をお示ししてございます。ごらん願いたいと存じます。
 以上で説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○田中委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 超大型の台風二十三号が四国に上陸をしたということで、皆さんもお帰りが心配になるところだと思いますので、スピーディーに質問しますので、どうぞ答弁の方もよろしくお願いいたします。
 十月としては、観測史上、最多タイの二個目となるということですが、西、東日本の広い範囲で大雨となるおそれがあり、気象庁も、大雨や暴風、高波、高潮への警戒を呼びかけているということでございます。
 ことしは、まさに台風の当たり年で、日本に上陸した台風の数が、これまでの最高である六個を抜いて、既に十個と記録を更新しております。このうち、十月九日に、台風二十二号は首都圏を直撃して、千葉県や静岡県に大きな被害をもたらしました。この台風は東京湾を横切るように通過したために、東京でも、海に近い区部では、強風と豪雨が吹き荒れて、交通機関などに大変な影響がありました。
 ことしは、黒潮の蛇行などの影響によって潮位が上昇して、過去百年間で最も高い状態にあるそうです。これに台風の来襲が重なるなどの要因により、例年にも増して、高潮による潮位が上昇しているとのことであります。
 私の地元の大田区も東京湾に接しており、高潮による浸水を心配しておりましたけれども、被害がなかったので、安心をしているところなんです。
 台風などによる高潮の水害から都民の生命と財産を守るため、水門の改良や防潮堤の整備などの高潮防潮施設の整備は重要だというふうに考えております。
 付記されておりますこの決算説明書によりますと、八十億円近い整備がされたところでありますが、私は、水害から都民の生命と財産を守るという観点で、東京港の高潮災害対策について何点かお伺いをしたいというふうに思っております。
 そこで、まず、首都圏に来襲した台風二十二号などによる東京港での高潮への対応状況についてどうだったか、お伺いをしたいと思います。

○田中港湾整備部長 東京港での高潮への対応状況でございますが、ことしの夏は、ご指摘のように、東京港におきまして、毎月のように台風による高潮が発生いたしました。
 まず、八月三十一日の台風十六号では、二メートル五十七センチの潮位を記録いたしました。
 次に、九月二十九日の台風二十一号では、台風十六号の潮位を抜きまして二メートル六十四センチと、本年最高の記録を達成いたしました。
 さらに、先日、首都圏を直撃いたしました十月九日の台風二十二号におきましては、幸い満潮時を過ぎておりまして、最高潮位は一メートル九十一センチでございました。
 港湾局では、こうした台風によります潮位に対して、水門を閉鎖するなどの対応をとりまして、未然に高潮による浸水被害を防いでまいりました。
 特に、九月の台風二十一号の通過時には、東京港に十九あります水門を全部閉鎖いたしまして、さらに現場の防災事務所では、延べ三十時間に及ぶ非常配備体制で警戒に当たりました。
 また、二十二号の通過時にも、すべての水門を閉鎖し、延べ十一時間に及ぶ非常配備体制で臨みますなど、毎月のように襲来する台風に対して警戒体制をとりまして、いずれの台風でも被害を未然に防止してまいりました。
 今夜半にも東京を襲うといわれております台風二十三号に対しましても、引き続き万全の体制で臨んでまいります。

○鈴木委員 万全の体制をとっていただいて、私ども海の近くに住んでいる人間も、今のお話を聞きますと、若干安心をしたというところですけれども、先般の、たしか十月九日のNHKのテレビニュースで、東京港の防災事務所の辰巳水門の閉鎖状況が放映をされておったと思います。これらを見てみますと、水門などの高潮防潮施設や、それを管理する港湾局の現場事務所の努力によって、ことしの一連の台風にも、東京の市街地の被害が未然に防がれたんだなというふうに大変感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 東京港における高潮災害対策を継続的に、たゆまず実施していかなければ、もうまさにことしの状況、この台風を見てもおわかりのとおり、安全は守れないというふうに思っております。
 そこで、ここで改めて、東京の安全を守る高潮防潮施設とは、どのような考え方に基づいて整備されているのか、伺っておきたいと思います。

○田中港湾整備部長 東京の臨海部は地盤が低く、かつては高潮による被害にたびたび見舞われてまいりました。このため、東京港では、昭和三十四年の伊勢湾台風による大被害の教訓を生かしまして、伊勢湾台風級の高潮が襲来しても安全な高潮防潮施設を、昭和三十年代から順次整備してまいりました。
 台風による高潮の高さを地区ごとの特性により計算いたしまして、防潮堤の高さを海面から四・六メートル以上、高いところでは八メートルの高さで整備しております。
 したがいまして、今回の台風によります異常潮位、二メートル六十四センチに対しましても、十分対応できる機能を有しております。

○鈴木委員 海面から四・六メートルから八メートルの高さで整備されているということで、台風二十一号のときの対応でも大丈夫だ、こういうようなことであります。高潮から守る施設は、十分安全性を確保した高さがあることが、今ご説明を伺いましてわかりました。
 しかしながら、たびたび地元のことをいって恐縮ですが、私の地元の大田区にも、区の南東部に位置をしておりまして、平和島運河に面した呑川の水門など、四カ所の水門がございます。決算説明書によると、高潮防潮施設の整備として、水門の改良や防潮堤の補強などを実施しておりますが、こうした水門などは、伊勢湾台風を契機に昭和三十年代から整備が進められてきたということですが、昭和三十年代といえば、もう既に、建設後四十年近く経過をしておりまして、老朽化、それから耐震性の面で不安がございます。私のところは、若干、内海ですけれども、かなり傷んでいるなというところが見受けられます。
 今後、こうした施設の老朽化対策や地震対策、これについてどのように考えているか、見解を伺っておきたいと思います。

○田中港湾整備部長 ただいまご指摘のように、これまで整備してまいりました水門などの高潮施設は、既に四十年以上経過しておりまして、老朽化や耐震強化対策が今後の重要な課題であると認識しております。
 しかし、近年の厳しい財政状況の中で、こうした防災事業への国の補助金も削減される傾向にありまして、施設の整備や改修を早急に進めることが極めて厳しくなっている状況でございます。しかし、これは都民の生命や財産にかかわる問題であるため、今後も国に対して、老朽化や耐震強化対策に対する積極的な予算措置を働きかけてまいります。
 また、施設の維持改修につきましても、老朽度等を十分調査いたしまして、老朽化が進む前に予防保全型の補修を行うことによりまして、施設の延命化など効率的な対策を推進していく必要がございます。このため、今後、予防保全型の管理の導入に向けまして、アセットマネジメント的な管理方策についても検討してまいります。

○鈴木委員 この老朽化対策とか地震対策もぜひ念頭に入れて、やはりちょっと心配でございます、ぜひ整備を進めていただきたいと思います。
 今、答弁の最後に出てきました、このアセットマネジメント的な手法というんですが、道路の管理とか維持ですか、とみに最近、この手法を用いてというところだと思いますが、この公共施設の維持保全については、こういうようなアセットマネジメントのような効率性を追求していくという考え方を検討していくことは、都民の貴重な税金を有効に使うためにも、ぜひ進めていただきたい。こういうふうに要望しておきたいと思います。
 しかし一方で、早急にやらなければならない箇所など、緊急を要する老朽化対策や耐震強化対策については、今後も着実に進めるよう、これは予算の確保に一層の努力をしてもらいたいというふうに、そのように要望しておきたいと思います。
 次に、少し視点を変えまして、ソフトの対策の面から質問してみたいと思います。
 高潮発生時には、迅速な水門の開いたり閉じたりという開閉操作や、正確な指揮命令の、そういうような系統を確立するなど、こういうソフトの面の対策が重要であると考えますが、そこで、東京港における高潮時の水門開閉システムというのは、実際に今どういうふうになっているのか。
 また、今日非常に情報化が進む中で、こうしたシステムを改善していく--こういう異常気象等というのは、今日の日常になってございますので、改善をしていく必要があるんじゃないかと思っているんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○田中港湾整備部長 水門の開閉システムでございますが、東京港防災事務所内にある高潮防災センターを中心といたしまして、五つのサブセンター間を通信システムで連絡いたしますとともに、水門を遠方監視するシステムを導入いたしまして、非常時におきます指令体制の迅速かつ円滑化を図っておるところでございます。
 しかし、これらのシステムも、設置後既に十数年を経過しておりまして老朽化が進んでおり、更新時期を迎えております。このため、今後、システムの再整備に当たりましては、光ケーブルなどの新しい技術を導入いたしますとともに、現在五つあるサブセンターを、隅田川を挟みまして東部地区と西部地区の二つの地区に統合するなど、より効率的、経済的なシステムへの再構築に向けまして検討を進めてまいりたいと思います。

○鈴木委員 高潮時に情報ネットワークを活用して、水門操作などを迅速かつ正確に行うことによって初めて、江東ゼロメートル地帯など東京区部での大きな浸水被害を防止することができることを考えますと、改めて防災体制の重要性を感じるところです。
 こうした防災活動を支えるシステムについては、情報機器の技術革新なども適切に取り入れて、その内容を一層充実させて、万全の安全体制を築いてもらいたいというふうに思います。
 ところで、高潮に対する備えとして、情報システムの適切な運用に加えて、さらに、必要なソフト対策として、地域住民に対して高潮災害に関する情報提供を行って、住民の高潮に対する関心を高めることが必要だと考えます。また、災害時における迅速な避難を心がけるためにも、地元区との連携の上、住民が参加した防災訓練の実施が重要であるというふうに考えております。
 私の方の地域でも、この十月十七日に、大森の海の目の前なんですが、四町会合同の防災訓練を行いまして、私も参加してきたんですが、従来どおりの地震や火災に対する訓練の内容なんですね。ですから、当然のことながら、もう既に港湾局さんの方でも、こういうような訓練をやっているというふうにも聞いておりますけれども、高潮被害を想定した訓練というものが必要だなというふうに、自分も地域の防災訓練に参加して感じました。こういったメニューも防災訓練に積極的に組み込むよう、関係各区と連携をとるべきだというふうに考えております。
 そこで、東京港の高潮災害対策として、地域住民等への広報活動等について現状はどのようになっているのか、どのように行っているのか、その辺について伺っておきたいと思います。

○田中港湾整備部長 高潮に関する広報活動でございますが、地域の方々に、今住んでおられる場所の安全がどのように守られているかを知ってもらうことは、防災意識の向上のためにも重要と認識しております。
 そこで、住民への広報活動の取り組みの一つといたしまして、昨年に引き続き、ことしもこの七月、警察、消防署などの関係行政機関の参画のもと、江東区の地元の小学生や地域住民なども参加いただきまして、土のうづくりなど、大型台風の直撃を想定した総合高潮防災訓練を実施いたしました。
 こうした防災訓練を通じまして、自分のまちは自分で守る、こういう意識がより深まるよう、今後とも、地元区と連携いたしまして防災意識の向上を図ってまいりたいと思います。

○鈴木委員 きょうは、この台風二十三号の東京への接近ということもありまして、東京港の高潮災害対策について、さまざまな角度から質問をさせてもらいましたけれども、いざというときに迅速な対応を可能にするためには、平常時における水門閉鎖の訓練など、防災訓練の充実というものが重要だというふうに考えます。
 また、既に、今お伺いをしましたように、防災訓練の公開など行っているということですけれども、防災事業の広報や啓蒙活動をより充実させること、そういうことによって地域住民の防災意識を高めることも、災害時の対応に役立つことであると思います。こうしたソフト対策も、水門や防潮護岸などのハードの整備があってこそと考えております。
 今後、東京港における高潮災害対策への取り組みに向けました局長の決意を最後にお伺いしたいと思います。

○成田港湾局長 委員が冒頭にご紹介されましたように、ことしは、十月九日に首都圏を直撃しました台風二十二号を初めといたしまして、近年になく上陸した台風が多く、各地で大きな影響を及ぼしたところでございます。
 東京港におきましても、その都度、海岸管理者といたしまして、東京港防災事務所を中心に、日ごろからの訓練を踏まえまして適時適切に水門閉鎖を行うなど、未然に浸水被害の防止を図ったところでございます。
 都では、都民の生命と財産を守るため、高潮対策のかなめとなる水門、排水機場などの老朽化対策や耐震強化対策を進め、都市防災機能の強化に努めているところでございます。
 このほか、高潮災害発生時に被害を防止するために、地域住民と連携しました防災訓練を日常的に実施するとともに、高潮の高さや水門の開閉に関する情報につきましては、IT技術を活用いたしまして、都民の皆さんにわかりやすく情報提供することを検討するなど、ハード、ソフト両面にわたって施策に取り組んでまいります。
 また、テレビ情報によりますと、台風二十三号は、今夜から明朝の未明にかけまして、関東地方に接近するとのことでございます。港湾局といたしましては、東京港の防災事務所を中心に、各組織と連携を一層緊密にいたしまして、万全の体制で臨んでまいりたいと考えております。

○鈴木委員 大型台風の到来が続発するというか、異常気象が通常になっているということは非常に心配になります。備えあれば憂いなしという言葉もありますし、高潮災害に対する万全な対策、また、これを想定した訓練など、しっかり進めていただくよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
 以上です。

○東委員 きょう台風が来ていまして、私も、図らずも今、鈴木さんが質問しました高潮対策についてやろうと思っているわけなんですが、今いろいろ話が出ましたので、そのところは全部省いて、二、三必要なことだけあれしたいというふうに思います。
 さっき、東京の高潮対策について説明がありました。私、江東区ですから、江東区に東京港高潮防災センターというのがありますよね、よく知っているんですけれども。そこを中心にして、十九の水門があって、そして四カ所の排水機場があると。水門を閉めて、中にたまった水を海に排水するやつですね。ということで、今も話に出ました。
 それで、そういう設備が老朽化しているとか、いろいろありましたけれども、それでも整っているために、この前も特に大事に至らなかったし、きょうのところも大丈夫だろうという話ですけれども、問題は、その施設を維持管理し、そしてそれを十分に機能させるというのは、これはやっぱり人ですよね。
 そういう立場から二、三質問しますが、その十九水門、それから四排水機場について、それだけの施設を、通常、一体何人の職員で維持管理、保守しているのか、非常事態のときはどうするのか、その点、まず答えてください。

○田中港湾整備部長 東京港にある十九の水門と四つの排水機場の保守に関しましては、現在、定数三十八名の職員で対応しておるところでございます。
 また、台風や異常潮位などの非常事態の際にどうするかということでございますが、非常時のレベルに応じまして、防災事務所の本部職員や水門、排水機場の職員のほか、防災宿舎に入居している職員も含め、二十四時間の体制で対応をとっているところでございます。
 ちなみに、この九月二十九日の台風二十一号、あるいは十月九日の台風二十二号では、防災事務所の所長を中心とする対策本部を設置いたしまして、総勢七十七名の体制で、職員一丸となって警戒に当たってまいったところでございます。

○東委員 今のお話では、三十八名の職員で対応し、かつ、この前の非常時には、それに加えてというか、意味でしょうけれども、七十七名でやったというお話ですが、そういう非常事態に備えるためには、確かに宿舎に泊まっていらっしゃる人、きょうも皆さんの中でも何人か、この辺に泊まる人もいるのかもしれないけれども、必要な集中体制をとるということなんですけれども、そういう体制をとって、それを十分機能させるについても、日常の施設の維持管理、そしてまた、ただ維持管理というだけじゃなくて、それを動かす職員の訓練といいますか、そういう体制が本当に必要だと思うんですよね。
 それで、三十八名ということでしたけれども、それで万全の体制といえるのかどううか、そういうふうに思っているのかどうか、その点どうですか。

○田中港湾整備部長 台風や異常潮位などの非常事態に対処するため、港湾局では、台風の進路予測など、事前に情報を十分収集、分析いたしまして、早期に監視体制を確保し、水門を閉鎖するなどの万全な対応をとっておるところでございます。
 こうした体制に対する職員の体制でございますが、平日の昼間は、東京港防災事務所及び水門、排水機場の職員で対応しているところでございます。
 なお、平日の夜間あるいは休日につきましては、このほか防災宿舎の入居職員を含め、非常配備体制で対応を図っているところでございます。

○東委員 私、この前、行って聞いてきたんです。見てきたんです、現実に。さっきいわれましたように、防災センターを中心にして五カ所のサブセンターがあって、さっきいった、全体で十九水門、四排水機場というふうになっているんですが、私の地域というか、防災センターのすぐ近くに辰巳水門がありまして、そこに辰巳のサブセンターというのがあるわけですよね。
 この辰巳のサブセンターでは、すぐサブセンターに隣接してというか、そこに辰巳水門というのがあって、あけぼの水門、東雲水門、豊洲水門と。それから、少し東の方に離れたところに新砂水門と、そこには排水機場がついている、こういう仕組みになっているんですね。
 それで、私、行って聞いてきたんですけれども、例えば、その辰巳水門とあけぼの水門とを、二つの水門を持つ辰巳サブセンターのところには、通常四人で作業していると。それから新砂水門、ここは一水門と一排水機場ですが、ここにも、一応四人で班をつくって整備に当たっていると。それから、東雲水門と豊洲水門、これは二つあるんですけれども、ここには二名でその班をつくって維持管理に当たっている、こういう話でした。
 現場の職員の話では、そのほかに、例えば佃サブセンターというのがあって、ここは、佃のサブセンターを中心に三つの水門があるんですけれども、ここは三人の班ですね。それから浜離宮の班は、やっぱり三つの水門があって、そのサブセンターに三人の班と。そういうあれになっているというんですね。
 それで私、聞いてきたんですけれども、二人だとか三人じゃ、本当に万全の体制とはいえないというんですね。現場の人の話によりますと、最低でも四人必要だと。どういうふうに必要なんだと聞いたら、一人は発電機、夜、自家発電でもこれをやっているそうですけれども、その発電機のところにつくと。一人は、その水門をあけ閉めするための、船の航行だとか、そういういわゆる安全確認ですね。それからもう一人は、水門自身の運転と。それから、ただ僕は水門自身を上げたり下げたりすればいいものだと思っていたんだけれども、そうじゃなくて、非常にごみがひっかかるので、それを洗浄しなければ、ちゃんとそれが機能しないというんですよね。だから、最低、一水門を動かすためには、それを維持管理するためには、やっぱり四人のその体制が必要だと。
 しかし、二カ所だとか、それを一日でぱっとやっちゃうわけじゃありませんから、時間を置いてやるわけなんですけれども、少なくとも、その一水門、水門を維持管理するためには、四名で一班ということが必要だというふうにいっておりました。
 私は、やっぱりそういう点で、こういう非常事態というのはそうたくさんないし、さっきの話でも、ことしに入って十月までに十二回ですか、異常潮位だとか台風であったとか、きょうも恐らくそういうことになるんだろうと思うんですけれどもね。
 だから、そういう非常事態、それはそう数は多いわけではないけれども、しかし、そのときに一〇〇%機能しなきゃいかぬ。機能するためには、施設と、それから人員が必要だというふうに私は思うんですね。だからそういう点で、やっぱり現場の実情に合った体制をつくるように、ぜひそれをやっていただきたい。
 それで、現場でさらに聞いたところでは、これは何も港湾局だけじゃありませんけれども、東京都全体として、人員、人減らしの中で、現場のそういう技術職員といいますか、そういう職員を、もう十二、三年、採用していないんだというんですね。応援は来るけれども、本当に日常的に熟知した、熟練した現場職員がなかなか育っていかないと。それで、だんだんその職員も高齢化してやめていけば、そういう専門の職員が不補充になると。そういう点で心配もしておりましたけれども、これは質問にはしませんが、ぜひそういう現場の実情を踏まえて、本当に万全の機能が発揮できるような体制をつくっていただきたいということを確認しておきたい思います。
 最後に、さっき施設の老朽化の問題もありましたけれども、この辰巳の排水機場のポンプは、昭和三十九年九月一日に設置したのが、ちゃんとプレートになって出ている。あれは三菱だったのかな。だから、ちょうど満四十年ですよね。それで、調子はどうですかと聞いたら、きちっとやっているから大丈夫だというわけですね。四十年たって、今のところ、特に問題がないというふうにいっておりましたけれども、それにしても、やっぱり機械としては、非常に丁寧な日常管理で特に支障はないわけだけれども、老朽化しているということは、さっきもちょっとありましたけれども、否めない事実だと思うんですよね。
 そういう点で、そういうポンプをも含めたリニューアルといいますか、計画的に進めていくべきだというふうに思うんですけれども、その点についてもう一回。

○田中港湾整備部長 老朽化しております高潮施設につきましては、日ごろから十分点検を実施して、必要な補修を行っておるところでございます。
 また、五年ごとに施設の健全度調査を行い、計画的な補修に努め、その機能を保全しているところでございます。
 ご質問の、そういった施設をリニューアルすることにつきましては、大変厳しい財政状況の中、国庫補助金など予算確保が厳しい状況にはございますが、今後とも、国に対して予算措置などを強く働きかけてまいりたいと思っております。

○藤田委員 私も何問か質問させていただきたいのですが、港湾のやっていらっしゃることについては、この十五年度の主要施策の成果というようなところを見させていただいて、港湾の整備、そして、島しょ港湾、空港等の整備というようなことがこの中に書かれており、過日ちょっと、私の高校の先輩の方が、東京港のこれにかかわっていらした方なので、東京はしっかりやっているよというようなことをお伺いしたので、かなりその言葉を信じながら、施策についてはそんなに、これがおかしいぞなんていうふうには余り感じなかったんですが、ただ、この決算書を読ませていただいて、普通に見るときには、収入率が低いとか、それから執行率が非常に低いとか、そういうところで、これはどうしてなんだろうかというふうに普通に見ます。
 それで、最初に気がついたのが、一四ページにありました港湾災害復旧費が一三・五%、次も空港整備が五〇%以下ということや、それから、財産収入のところで一一・二%、全体の収入率一〇%以下というようなのが何点か気になるところがありました。
 それで、特徴的なもので、港湾災害復旧というところでちょっと、では歳出の方はどんなになっているのかなというふうに見ましたんですが、そうしましたら、不用額がかなり大きくて、そして執行率は六一・二%というふうになっていたわけなんです。
 実際に災害復旧ということからすれば、ある意味では、どんなものが予定されるかわからないので、当初の予算もどういうふうにやって積み上げていくのかなというふうに思ったり、それから、では災害が起きたから、これを補正予算をつけて実行しましょうと、執行したいというふうに思っているんだけれど、でも執行率は六一%というようなことになって、実際にはこれはどうなっているのかしらと思ったんですが、なかなか読み切れませんでした。
 それで、もちろんのことで、この十五年度決算については、十七年度の予算編成に当たっての大きな判断材料になるということになっているわけでありまして、そうしますと、例示的にでございますけれども、この歳出の中で、まず災害復旧費について、災害復旧の緊急性を考えると、この不用額が大きかった、すなわち執行率が六一・二%だったというこの理由について、まずお伺いをしたいと思います。

○萩原離島港湾部長 災害復旧費に係ります不用額についてのご質問でございますが、不用額の主な内容は、噴火災害で被災しました三宅島の坪田漁港などと、平成十四年度秋の台風で被災しました新島の羽伏漁港に係るものでございます。
 三宅島の港湾施設につきましては、復旧資材の搬入や作業員の入島の拠点といたしまして直ちに復旧する必要があったため、十三年度には三池港などの整備を完了いたしました。
 一方、漁港施設につきましては、帰島後の漁業の再開に迅速に対応するため、十五年度予算に計上しておりましたが、帰島の見通しが立たなかったため、不用額としたものでございます。
 なお、これらの復旧につきましては、十七年二月の帰島開始に合わせまして、十六年度から実施いたすことにしております。
 また、羽伏漁港につきましては、被災規模が予想以上に大きかったため、十五年度事業の一部を、予算の手続上、不用額といたしたものでございまして、十六年度には再計上いたしまして事業を実施いたしておるところでございます。

○藤田委員 それでは、最初にお話をいたしました、その歳入で一三・五%というふうになっていますけれども、これについてはどのような説明になりましょうか。

○萩原離島港湾部長 港湾災害復旧費に係る収入でございますが、国庫負担金によるものでございます。
 十五年度の国庫負担金収入の減でございますが、先ほどご答弁申し上げましたとおり、三宅島の坪田漁港などや新島の羽伏漁港に係る事業の一部を繰り延べしたことによるものでございます。

○藤田委員 説明を聞けばわかるんですね。
 ただ、これは十五年度の予算概要、この決算を見るに当たって、もう一度これも見てみました。そうしますと、この特定財源が何か。どうしてもハードの局については特定財源がいろいろあります。そして、差し引きで一般財源の充当額というふうになっているわけで、そうすると、決算をしました、しかしそのときには、全く入りと出しか、ここの決算説明書には書いていないというような状況で、なかなかこれが読みにくい。
 その中にどういう特定財源が入ってきているのかというようなことをしっかりと書いてあれば、それがわかるというような状況になるんじゃないかと思うんですね。ということは、要するに、企業会計の発生主義をもう少しきちっと入れていくということが、今後は大事じゃないかなというふうに思うわけなんです。
 それで、もちろん実際には、たまたま最初の局でありまして、そして、私にとって港湾局というのは何が問題があるのかなというのをいろいろと見ているうちに、施策よりも、改めて見たら、決算書の中で、そういう問題はどういうふうにしたらということで、全部の局にかかわることだと思いますけれども、やはりもう少しここでしっかりと工夫をして、読みやすいような決算書をつくってもらうということが大事だというふうに思うわけです。
 それは、最終的な締めくくりの中で一言申し上げるつもりではございますけれども、やはり発生主義も入れ、そして、そこに公会計改革を今、十八年度からやろうとしているわけですから、その中にどんな財源があってこの決算もなされたのかということがわかるような形をぜひとっていただけるように、局の方からも一押しをしてくださると、わかりやすいのかなというふうに思っています。
 もちろん、先ほどお話ししたように、事情を聞けばみんなわかるわけですけれども、それが、例えば十六年度の予算にはどれだけ上げていますかというのは、もう全くわからない、この決算書の中では。だから、そういう意味では、もう少しわかりやすいつくりをしていただければということを申し上げまして、質問はこれで終わりますけれども、要望とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○田中委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○田中委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で港湾局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後四時十七分散会

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