委員長 | 和田 宗春君 |
副委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 藤井 一君 |
小磯 善彦君 | |
三宅 茂樹君 | |
こいそ 明君 | |
新井美沙子君 | |
丸茂 勇夫君 | |
中村 明彦君 | |
清原錬太郎君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
企画担当部長 | 梶原 秀起君 | |
都市地球環境部長 | 百合 一郎君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 柿沼 潤一君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
参事 | 中島 博君 | |
自然環境部長 | 徳毛 宰君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境科学研究所次長 | 宮本 孝君 | |
地方労働委員会事務局 | 局長 | 久保田経三君 |
本日の会議に付した事件
平成十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
環境局関係
・平成十四年度東京都一般会計決算(質疑)
地方労働委員会事務局関係
・平成十四年度東京都一般会計決算(質疑)
○和田委員長 ただいまから平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、環境局及び地方労働委員会事務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより環境局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十四年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○西野総務部長 それでは、去る十月十日の当分科会におきましてご要求いただきました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元配布の平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をめくってください。目次のとおり、ご要求いただきました資料は二十一項目でございます。
まず、一ページの1、都の一般会計決算額と環境局決算額の推移でございます。
平成五年度から十四年度までの、環境局と一般会計合計の決算額の推移をお示ししてございます。
なお、組織改正前の平成五年度から十一年度までにつきましては、環境保全局と清掃局のそれぞれの決算額を記載してございます。
二ページをお開きください。2、地球温暖化対策計画書制度の実施状況でございます。
まず、(1)、計画書の提出件数でございますが、平成十四年度における産業部門、業務部門別の提出件数でございます。
次に、(2)、計画書の集計結果でございますが、計画書の提出のございました八百六件に係る平成十三年度の二酸化炭素総排出量及びこれに対する平成十六年度時点の総削減量及び削減率でございます。
次に、3、建築物環境計画書の提出状況でございます。
平成十四年度、十五年度の計画書の提出状況を、建築物の用途別に集計した件数及び構成比でございます。
三ページをお開き願います。4、屋上等緑化の導入実績でございます。
平成十二から十四年度の緑化計画書の届け出件数及び屋上等緑化面積の実績でございます。
次に、5、都有施設の再生可能エネルギーの導入実績でございます。
平成十四年度末現在における太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの種類別の導入場所及び合計出力でございます。
四ページをお開き願います。6、都内の住宅用太陽光発電の導入実績でございます。
新エネルギー財団の補助実績により集計をいたしました、平成九年度から十三年度までの各年度における設置件数、合計出力でございます。
次に、7、東京における二酸化炭素排出量の推移でございます。
平成八年度から十二年度までの総排出量、民生部門及び運輸部門からの排出量の推移でございます。
五ページをお開き願います。8、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況でございます。
(1)二酸化窒素、(2)浮遊粒子状物質ともに、表の上段に一般環境大気測定局における平成十年度から十四年度までの測定局数、環境基準の達成局数及び達成率の状況を、表の下段に自動車排出ガス測定局における状況を、それぞれ記載してございます。
六ページをお開き願います。9、地下水の水質測定調査結果でございます。
平成十一年度から十四年度までの調査地点数、環境基準超過地点数及び環境基準超過項目とその項目ごとの地点数でございます。
七ページをお開き願います。10、粒子状物質減少装置装着経費の負担内訳でございます。
(1)DPF、(2)酸化触媒ともに、三・五トンから八トンの車両と八トン超の車両に分けて、平均装着総経費に対する補助額及び自己負担額の内訳でございます。
八ページをお開き願います。11、ディーゼル規制適合車ステッカーの発行実績でございますが、全国で発売されるDPF、酸化触媒の装着に際し発行された実績で、平成十五年十月十日現在、十八万一千五百台でございます。
次に、12、粒子状物質減少装置に関する主なトラブルでございます。
平成十五年十月十日現在までのDPFに関するトラブルの内容及びその件数でございます。
九ページをお開き願います。13、規制対象ディーゼル車の対応状況でございます。
平成十四年三月末現在、二十万二千台であった都内登録の規制対象車の各時点における対応状況をお示ししてございます。
一〇ページをお開き願います。14、主な移入種の現状と対策でございます。
都内における主な移入種名、生息・生育地、影響及びその対策でございます。
一一ページをお開き願います。15、絶滅の危機に瀕している主な野生動植物の現状と対策でございます。
絶滅の危機に瀕している主な野生動植物の種名、生息・生育地、危機の状況及びその対策でございます。
一二ページをお開き願います。16、保全地域の公有化の推移でございます。
平成十年度から十四年度までの各年度における公有化に要した費用の決算額、公有化面積及びその地域名でございます。
一三ページをお開き願います。17、都内における卓上ボンベ・スプレー缶の収集・処理の状況でございますが、区部、多摩地域、島しょ地域のそれぞれにおける卓上ボンベ・スプレー缶の収集・処理状況を、収集・処理方法の区分ごとの区市町村数でお示ししてございます。
次に、18、都内におけるごみの収集・処理に伴う発火等の事故件数でございます。
十一年度から十四年度までの各年度における区部、多摩地域、島しょ地域別の発火等事故件数でございます。
なお、区部につきましては、卓上ボンベ・スプレー缶が原因と特定された件数を、内書きで括弧内に記載してございます。
一四ページをお開き願います。19、ダイオキシン類規制強化に伴う廃棄物焼却施設の推移でございます。
(1)一般廃棄物焼却施設と(2)産業廃棄物焼却施設ともに、平成十三年十二月一日の調査時点と、全面的に規制が適用になりました平成十四年十二月一日の調査時点との、事業所数、焼却炉数及び焼却能力の推移でございます。
次に、20、多摩地域の廃棄物処理に係る一部事務組合へ派遣している東京都職員の職員数と職務内容でございます。
平成十五年四月一日現在、都から職員を派遣している一部事務組合への派遣職員数及びその職務内容でございます。
なお、環境局からの派遣職員数を内書きで括弧内に記載してございます。
一五ページをお開き願います。21、一般廃棄物焼却施設のダイオキシン類対策に係る施設の改造・解体等に対する国庫補助等でございます。
ダイオキシン対策に係る施設整備等の種類別の国庫補助率及び交付税措置の状況でございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○和田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ(明)委員 それではまず、移入種、海外からさまざまな動植物が日本の各地域にもそれぞれ繁殖をし始めているということに対して、お聞きしたいと思いますが、それとまた低公害車の普及ということ、もう一点は卓上ボンベ・スプレー缶に対する処理等々についての対応をお聞きしたいと思います。
まず、当然、我が国は四面を海に囲まれておりますから、基本的には移入種の本来入り込む余地はなかったところだと思います。しかし、現在、ちょっと深刻になりつつあるこの対応策ですね。人為的にそれぞれのいろんな事情等々で持ち込まれた移入種が、それぞれの地域の生態系が脅かされるといいますか、中には、今まではぐくまれてきた日本固有の生態系そのものが根本的に絶滅する危機も出てきたようであります。この実態を教えていただきたい。
また、近年、移入種に対する多くの関係者の関心が、この件について急速に高まっているようでありますけれども、生物の多様性の確保、生態系の保全など、野生生物の保護の重要性が叫ばれている中、その一つとしての移入種対策が本当に今日的に注目されているわけでありまして、そこで、先ほど移入種の実態というお話をさせていただきましたが、移入種の影響についても含めまして、どのような状況になっているのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○徳毛自然環境部長 移入種の影響といたしましては、外部から生物が導入されることにより、在来種の捕食、競合による在来種の駆逐、交雑による遺伝的攪乱、農林水産業への影響、人の健康への影響などの発生が指摘されております。
環境省によれば、我が国では、少なくとも千九百種余りが国外から導入され、定着しているとされております。
都において移入種による影響が顕著なのは、島しょ部でございます。その中でも、小笠原諸島におけるノヤギによる希少な固有植物の食害や、まきの材料として沖縄から導入されたアカギの急速な繁殖による既存の植生の破壊が大きな問題となっております。
また、多摩におきましては、ハクビシンによる農業被害が拡大する傾向にあります。
○こいそ(明)委員 千九百種余りが現状として確認されているということでありますけれども、この移入種が希少な動植物の生息に多大な影響を与えているということが明らかになってきております。これまで、東京都環境局として移入種の対策を、具体的にどのような取り組み方を行ってこられたのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○徳毛自然環境部長 東京都の移入種の対策といたしましては、移入種が地域の希少な動植物に重大な影響を与えておりまして、その希少な動植物や生態系の保護を特に必要とする場合など、緊急性が高いと判断したものから対策を講じております。
移入種による被害が顕著な小笠原諸島におきまして、破壊された植生を回復させるため、ノヤギの捕獲を行っております。また、南島において、クリノイガなどの駆除を小笠原村やNPOと連携して行っております。
このほか、地元自治体によりまして、大島のタイワンリスや多摩のハクビシンなどによる農作物への被害を防ぐため、捕獲が行われております。
○こいそ(明)委員 小笠原において、顕著にいろいろな被害が出ているということでありますけれども、多摩地域における移入種による被害も年々ふえてきている、こう聞くんですね。ハクビシンが主な影響の動物のようなお話がありましたが、いわゆる移入種による被害に対する--また、多摩地域においては、地元自治体の対応だけでは当然なくて、広域行政体として、東京都の環境局として、今日的に大変問題になってきた移入種対策を、この多摩地域に限定して、実態を把握する中で、どのような対応策を具体的にされているのか、もう少し詳しくお願いしたいと思います。
○徳毛自然環境部長 現在、多摩地域におきましては、先ほどお答えしましたように、ハクビシンによる農業被害につきまして、地元自治体で捕獲を行っている。それ以外に、先ほど資料でお示ししました一一ページに書かれておりますが、多摩地域におきまして、例えば植物のムサシノキスゲなどは都立公園内で保護管理をしておりますし、あるいはタマノカンアオイなどは、都内全域ですけれども、特に多摩地域におきましても、今、野生で採取を禁止している地域もございますが、ここに書いてありますように、保全地域内に野生動植物保護地区を指定しまして、タマノカンアオイを含め五種を採取禁止にしております。あるいは昆虫類でオオムラサキは、多摩地区で、公園等でえさとなる樹木を植栽して保護しているという状況になっております。
○こいそ(明)委員 多摩の全体的な地域、よりその実態を調査していただいて、可能な対応策は当然にして今後講じていかなければいけないと思いますので、このあたりの体制を整えていただきたいと要望いたします。
私は、九月二十九日の都市・環境委員会で、森づくり推進プランに関して、東京に生息する動植物のうち、二千二百二十三種が絶滅の危機に瀕していると。いわゆる保護上、重要な種類がこのような危機に瀕している。また、この危機の原因として、生息環境の悪化も、やはり重要な要素となってきているのではないか。一方で、今るるお話をさせていただき、ご答弁もいただいておりますけれども、移入種による希少な動植物の捕食、競合による駆逐も、もう一つの要素、要因となってきているということだと思うんですね。
東京都はこれまで、生息環境の保全や移入種対策も含めて、希少な動植物を保護するため、先ほどお話がありましたが、どのような取り組みを、多摩地域に限らず、とられてきたのか、もう一度確認の意味でお願いしたいと思います。
○徳毛自然環境部長 都では、平成十年三月に、東京都の保護上重要な野生生物種、通称東京都レッドデータブックを作成しまして、東京都の保護上重要な野生生物種や生息・生育地域等を明らかにいたしました。
また、平成十二年三月には、東京都野生生物保護育成指針を作成しまして、野生生物の保護対策を進めるための基本的な考え方や、行政、都民、事業者など各主体の取り組みの方向等をお示ししました。
具体的な取り組みとしましては、小笠原諸島や伊豆諸島、鳥島に分布する国際的にも貴重な生物であります鳥類のアカガシラカラスバトやアホウドリ、植物のムニンノボタン、ムニンツツジなどについて、保全のための基礎調査や保護増殖事業を実施しております。
さらに、自然保護条例に基づく開発許可に際しまして、東京都レッドデータブック等に記載されている希少な動植物の十分な保全対策を講じるよう、事業者に指導を行っております。
○こいそ(明)委員 今お話のように、東京都のレッドデータブックの中の、先ほどもちょっと挙げられておりましたけれども、タマノカンアオイですね。これも絶滅に瀕しているという種類の中に入っていると思います。これも委員会でも取り上げさせていただきましたが、大変貴重な群生されているところが、開発行為によって、これが部分部分、例えば公園に、またそこでカンアオイを生育させていくというようなことはありますけれども、しかし、実際、自然のままの状況というものをより保護保全していくという必要性はあろうかと思うんですね。このあたりはどうかということ。
もう一点は、これ、例えば事業者にほとんど任せていますよね。そうすると、その確認はどうなっているのかなと。例えばの例でありますけれども、多摩の丘陵の中で起きたことでありますけれども、群生されていたタマノカンアオイがぱっと消えてしまった。それは移したんだというけれども、どこに移したんだといっても、これが全然わからないんですね。こういうことも事業者任せ。で、チェックはどこでやっているんだ、これは地元市じゃないか、こういう話もあるだろうけれども、このあたりの状況と対応策というのはどうなんでしょうか。
先ほどのレッドデータブックの中の、大変貴重なこのような種類の保護保全は、やはり優先して行うべきだと思うんですが、開発やさまざまな形の中で、タマノカンアオイだけじゃありませんけれども、姿がどんどん消えていくという状況について、このあたりはいかがでしょうか。
○徳毛自然環境部長 自然保護条例に基づきます開発許可につきましては、一定規模以上の自然地において宅地造成などの開発行為を行う場合に必要な手続でありまして、許可に当たりましては、条例の趣旨や許可基準の各項目により、事業者に対して、できる限り自然の保護と回復を図らせ、開発が自然と調和したものとなるように指導しております。
その際、開発地域内に存在する、先生がご指摘になったタマノカンアオイなど貴重な動植物につきましては、その場所で保全する方法が最善で、望ましいということは考えておりますけれども、あるいは適切な場所への移管、移植、ビオトープなど新たな生息・生育環境の創出など、可能な限り最善の保全方法を事業者に講じさせております。
今後とも、開発許可に際しましては、事業者に対して、保全のための技術的な指導や、基準以上の緑地の確保を求めるなど、自然の保護と回復に十分配慮した開発となるよう努めていきますし、また、事業者のいろいろな対策につきましても、行政としまして、監視、指導するようにしていくつもりでおります。
○こいそ(明)委員 これは万たびいわせていただいて大変恐縮なんですけれども、一方では、これだけ希少なそれぞれの動植物が、目の前からどんどんどんどん、開発によっても、生育環境、さまざまな要因によって、消えていってしまう。これは今もご答弁がありましたけれども、事業者に指導する。事業者任せ。事業者がどこへどう持っていこうが--調和のとれた環境を確保していくんだと一方ではいっておきながら、現実的には、どこにどう行ったのか、事業者がやるんだと。
事業者責任だ、事業者を指導しているんだといっても、これはどこへ行ったかわからぬと。恐らく公園だろう。だろうだろうで、これで果たして本当に本腰を入れた--こういう希少な消え行く動植物をしっかりと保護保全しているという姿勢がちょっと見えにくいんですけれども、このあたりは、私はもう少しハードルを上げても、これはしっかりと……。一回消えちゃったら、本当に、復元といいますか、なかなか厳しい状況はいうまでもありませんけれども、やはり希少な、レッドデータブックスに載っているような、それもまだまだ自然に繁殖したり、ある部分は群生として点在しておりますので、このチャンスに、これは一気に消えてしまったら、全く早いわけでありまして、ぜひハードルを高くしながらも、こういう保護保全をしっかりと腰を据えて東京都の環境局としてチェックしていくということで、いかがでしょうかね。
○徳毛自然環境部長 特に、先生ご指摘のタマノカンアオイなどにつきまして、先ほどもちょっとお答えしましたけれども、事業計画地内にある貴重な動植物につきましては、その場所で保全することが確かに一番望ましいと。ただ、事業内容によりまして、なかなかその場所で保全できないという困難な場合もありますので、その場合には、同じような環境の場所に移植する方法、また先ほどお答えしましたように、ビオトープなど人工的に環境をつくって保全する方法などを講じさせております。
その際も、事業者任せということではなくて、行政が必ず、ちゃんと事業者がそのとおり行っているかどうかというのも追跡調査しておりますので。
それから、特にタマノカンアオイなどの貴重な動植物につきましては、専門家の意見も聞きながら、事業者を適切に保全するように指導していきたいというふうに考えております。
それから、先ほど先生のご質問で、一つよろしいでしょうか。先ほど一一ページということで、絶滅の危機に瀕している野生動植物の対策を述べてしまったんですが、先生がお聞きになったのは、主な移入種の対策ということだったので、失礼しました。
多摩地区につきましては、一〇ページにありますように、ハクビシン以外にも、淡水魚のオオクチバスとか、アメリカシロヒトリとか、あるいはアメリカザリガニとかいうものにつきまして、池の管理者とか街路樹の管理者等が一部除去あるいは駆除しておりますので、よろしくお願いいたします。
○こいそ(明)委員 今、部長のご答弁で、いわゆる追跡をしているというお話があったけれども、私、これ、ちょっと最後に触れさせていただきたいところなんですけれども、多摩丘陵の残された、俗にいうところの里地、里山を含め、要するに、そのような形状ですね。里地と里山だとか、多摩丘陵が連なるところとか、こういうところにも、さっき申し上げた、例えばタマノカンアオイが自然生息していた。いわゆる群生としてあった。非常に珍しいといわれていた。ところが、これが開発によって消えてしまったんですね。消えてしまったということは、さっきいった、だろうだろうで、あそこの公園に移したということ、それが枯れてしまったのかといったら、初めから来ないといわれたわけです。これは本当に追跡しているのかなと、単純に疑問に思ったところもありまして、ぜひ現状で基本的には保護保全、しかしそれがどうしてもできないんだったら、少なくとも、どこかへ行ってしまった、わからぬわからぬということだけじゃなくて、しっかりとした追跡チェックもそこで行っていただきたい。
こういうことを申し上げて、次に移りますが、私どもの住んでおりますところも、市街地でありますけれども、今申し上げたような植物だとか、さまざまな小動物もまだまだ生息している。せんだって、私、多摩から稲城へかけて道路を走っておりましたら、タヌキがひかれて死んでいたんですね。びっくりしたんです。初め、猫かな犬かなと思っていたんですけど、行ってみたらタヌキ。ああ、タヌキがまだ生きていたんだ。タヌキはこういうところでも--「平成たぬき合戦」のアニメを見られた方、いると思いますけれども、タヌキは、そうだ、ここにまだこうやって生きているんだけれども、はねられちゃったんだ、何とかわいそうだろうなということで、本当に思いました。
それはそれとして、まだまだそういうふうに小動物も生息している、そういう環境がまだあるんだと、ほっとするところもあるわけなんですけれども、例えばその近くにも、いわゆる連綿として、連続して崖線が実はあります。豊かな自然環境がまだまだ残されているところでありまして、このような人の手がついていない場所、自然豊かな、例えばその近くにも、中小河川が、河川環境とも相まって、良好な景観を形成しているところもまだあるんですね。
せんだって、いわゆる連光寺という地域でありますけれども、崖線を歩いておりましたとき、豊かな緑と水に浮かぶカワセミ、カワセミがまだいるんですね。そしてサギなどが見られました。また、もうちょっと見たら、まさに自然だなというのは、カラスが大変ふえていまして、キジが--きれいなキジですね、あれは雄ですかね、キジのきれいな方。カラスが囲んで、突っついていじめているんですよ。こういう状況も自然だなと思いつつも、かわいそうだななんて思いながらも。
また、この近くでは、今申し上げたような本当に自然豊かなところで、カワセミもまだまだ生息している。近くには、今申し上げたようにタヌキもいるわけでありまして、このような自然の残された、本当に貴重な宝庫といっていいかどうかよくわかりませんけれども、このようなところをやはりしっかりと残しておいていただきたい。
市街地の中で点在するこれら貴重な自然を、地元自治体の責任で保全すべきであるということは聞いております。しかし、地元の自治体だけでは、なかなか保護保全が厳しい状況の中で、私はこの間も申し上げたけれども、都民の共有の財産であり、ここを散策すれば一目瞭然、大変な原風景であり、それから、都民の皆さんがそこに憩うというんですか、非常にいい空間でもありますし、ぜひこういうところを、広域自治体としての東京都としてしっかりと保護保全していただきたいな、こういうことを強く私どもも思うわけでありますが、このあたり、いかがでしょうか。局長、お願いしますよ。
○小池環境局長 お答えさせていただきます。
先日、委員会でも、連光寺の崖線のことにつきましてはご指摘いただきましたので、先日、多摩の方を視察する際に、現地を見てまいりました。その際、今お話がございましたけれども、ちょうどあそこは大栗川の下流部ぐらいになりますか、多摩の方と合流する箇所ということになろうかと思いますが、ちょうど河川がありまして、崖線には本当に自然の残された緑がありまして、河川と緑が相まって、非常に開放された空間ということで、本当に貴重な、すぐれた景観だろうと思います。ですから、そういうところは、本当に自然が残されたところで、貴重なところですので、ぜひとも保全していきたいというふうに思います。
幸い、現地を拝見しまして、河川の護岸工事がまだされていなくて、自然のまま残されている。それから、上部の方は桜ケ丘カントリークラブがありまして、ちょうどその間に挟まれたところの崖線だということになっておりますので、今の時点ですぐ手がつくというようなことはなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、ここの箇所につきましては、環境局ということではないんですが、都市計画上の措置として、平成十三年度に、多摩都市計画の市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発または保全の方針という中で、五年以内ぐらいに保全していくというような方向づけだけはなされているということがございますので、そういったことと相まって、保全の手段も検討してまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、多摩には残された自然というのが非常にいっぱいございますので、自然保護条例に基づく手法、保全地域の指定ということももちろんございますが、保全地域に指定しますと、買い取り請求がありました場合には、公有地化しなければということがございますので、なかなか現下の財政的な問題を考えますと、そう簡単にはいかないということがありますので、こういう都市計画の手法あるいはまたそのほかに考えられる手法はないかどうかということで、今、私どもも内部に検討会を設けておりまして、他局とも連携しながらいろいろと、また地元の自治体のご意見なんかを伺いながら、その方法について引き続き検討してまいりたいと思います。
○こいそ(明)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
二点目、十月一日からディーゼル車の排気ガス規制が施行されて、大変なご努力を環境局の皆さんがされた。東京の空気が、我々多摩の方から都心部へ来ると、多摩にいても感ずるんですけれども、随分きれいになったような感じもしますよ、気持ちとして。ですから、そういう面で、今後とも大気汚染を浄化していかなければいけない。今申し上げた十月一日からの施行もそうでありましょうし、また、電気やメタノール、天然ガス、LPガス、これが低公害車として普及促進をされていくと。
今後に向けては、せんだって、我々視察に行かせていただきましたけれども、世界で初めてですか、バスとして燃料電池をエネルギーとして稼働している。運行している。ああいうバスにも乗車させていただきましたが、これらの新しい低公害車が着実に普及をしているということでありますけれども、この低公害車の普及とともに、それら燃料供給施設が当然にして必要になってくることはいうまでもありませんね。車が走るには、やっぱり充てん、供給されなければいけないわけでありますから、この実態ですね。今、都内の全体を見た中で、これはどういうふうな状況で供給されているのかな。供給施設があるのか、こういう実態的なものについてお伺いしたいと思います。
○中島参事 先生お尋ねの、低公害車のためのインフラといいますか、そういった燃料供給施設でございますけれども、例えばCNG車ですとか、LPGスタンドの設置状況について申し上げますと、平成十五年九月末時点で、CNGスタンドは、区部二十八カ所、多摩地区で九カ所、合計で三十七カ所となっております。また、LPGスタンドにつきましては、区部七十九カ所、多摩及び島しょ地域で二十五カ所、合計で百四カ所の整備となっております。
○こいそ(明)委員 今ご答弁いただきましたCNGスタンド及びLPGスタンド、箇所はわかりましたけれども、これの整備について、東京都の環境局としてどのような評価をされているのか、そのあたりをお聞かせいただきたい。
○中島参事 都内のCNGスタンドにつきましては、平成二年から設置されております。最近五年間に整備されましたスタンドは二十六カ所でございまして、全体三十七カ所のうちの約七割を占めております。その設置主体は、燃料関係事業者や運送事業者でございます。こうした事業者によるスタンドの整備に伴いまして、近年、低公害車でございますCNG車の普及が進んでおります。
○こいそ(明)委員 そこで、LPGスタンドについても、とりわけCNGスタンドの整備の全体的な状況というものを、資料をいただきましたので、見させていただきましたが、一定の地域に何カ所か集中しているという状況が見えるんですね。例えば、臨海部などの流通拠点のある、大変活発なところでは、それもやむを得ないのかなという感じが実はいたしております。しかし、例えば多摩地域の中でも、人口五十二万ですか、もっと超えていますか、八王子市は全くないですね。それから、全体的な多摩地域を見ても、なかなかバランス的な面で、供給整備が偏っているというんですか、バランスがとれていないような感が、一方的ないい方で申しわけないんだけれども、資料をいただくと、そういうように見えるんですね。
やはりこれから、CNGだけじゃありませんけれども、さまざまな低公害車を供給していくと、いわゆるドライブに行っても、また物流の点からも、バランスがないと、そこまで航続的にまだまだ難しいですね、往復なんかしてくる場合は。ですから、そういうことを踏まえると、やはり、東京都全体のバランスを考慮して、インフラを整備していくという--これは東京都として、基本的な、素案的なものも含めて、促進といいますか、全体のバランスを考慮するという意味でも、しっかり取り組んでいかなければいけないのではないかなと思うんですが、このあたりどうでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 低公害車の普及を図るためには、燃料供給に支障がないようスタンドを整備していく必要がございます。お話にもございましたCNGスタンドの整備に際しましては、経営上の負担の少ない用地確保が困難という課題もございますけれども、都といたしましては、設置者に、CNG車導入の潜在的な需要やスタンド設置地域のバランスに十分配慮するよう促し、効果的な整備に努め、低公害車の普及を図っていきたいというふうに考えております。
○こいそ(明)委員 ぜひバランスを考慮していただきたいと要望いたします。
次に、いわゆるスプレー缶及び卓上ボンベなどの資料をいただきました。これにおける収集・処理に伴う発火等の事故件数という資料をいただきましたけれども、十一年から十四年を見ても、とりわけ十四年の区部は百三十件、そして多摩地域においては六十八件ですね。島しょ部はゼロと書いてありますけれども、少なくとも卓上ボンベ・スプレー缶が発火の原因になっている。その中で、例えば今申し上げたように、LPGなり、CNGなり、要するに、普及をしていく場合に、さまざまな要因で、例えばじんかい車にボンベを積んでいますよね。これが発火したら二次災害が発生するんじゃないか。私は、そういう大変な危険性を、年度を追った数字、発生状況を見ても、そういう感じがするんですね。
これらのことを踏まえて、区市町村が、例えば区民、市民に求めている卓上ボンベ及びスプレー缶の取り扱いというものは、現状としてどうなっているのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 区市町村のごみの分別方法ということで、不燃ごみ、有害ごみ、あるいは資源ごみというふうな区分で、それぞれ地域の実情に応じて収集をやっておりまして、すべての区市町村におきましては、卓上ボンベ・スプレー缶を廃棄する場合においては、最後まで中身を使い切って出すように、住民に周知をしているところでございます。
なお、多摩地方の半数の地域につきましては、使い切った後、缶に穴をあけ、出すことを住民に周知しておるというところでございます。
○こいそ(明)委員 要するに、二十三区の区部と、多摩地方とはいわないんですけれども、多摩地区とのそれぞれの基礎自治体によって、いわゆるスプレー缶及び卓上ボンベ、小さいやつですね、これが、全部使い切ってから捨ててくださいという指導、または穴をあけて出してください。私、これ、非常に出す側は混乱するんじゃないかと思うんですよ。この地域では、いや、使い切って出してくださいよ。一方の、例えば市では、また区では、とりあえず市では、穴をあけて出す。これはもう少し、私、たびたびいって申しわけないけれども、広域的な行政をつかさどっている東京都として、このあたり、消防庁の関係もあるかもしれませんけれども、しっかりと出すところも指導していく必要性があるんじゃないかなと。
やっぱり、残留で出した場合、発火のもとにも当然なっているわけであって、そうすると、穴をあけていかなければいけないのか。出すには、穴をあけるにも、やっぱり事故が発生しないようなしっかりとしたところをしていかなければならないわけでありまして、広域行政体、東京都環境局として、このあたりはどういうふうに、今--先ほどから申し上げた、それぞれ年度を追ってますます発火件数がふえている現状について、具体的な取り組みを行っているのかな、このあたりもお願いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 卓上ボンベ・スプレー缶の事故がふえているということでございまして、先ほど申し上げましたように、出し方について、事故防止の観点あるいは住民の安全上の観点、それぞれ地域の実情がございますので、そういった自治体が、清掃事業の実態でありますとか、収集方法あるいは分別の仕方などを勘案して、地域の実態に即して総合的に判断をして、適切に対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
それとともに、やはり正しい出し方を住民に十分周知して、徹底していくということが、何よりも大切であるというふうに考えているところでございます。
○こいそ(明)委員 そのとおりなんですよね。そのとおりなんだけれども、もっと具体的に、件数がどんどんどんどん毎年ふえているわけでしょう。危険というのは、例えば車両が走っていると。繁華街に行ってしまった。そこのところでばあんとはねたという事態、これは大変なことになるんじゃないか。ですから、そういうことを踏まえて、先ほど冒頭に申し上げておりますように、当然、これは消防庁の所管の範疇もあるかもしれないけれども、少なくとも東京都の環境局として、具体的な出し方、それから事故を防ぐ。これだけの発火件数が伴っているわけでありますから、これはやっぱり抜本的に、観念論で指導するんじゃなくて、率先してマニュアルをつくり、いわゆる事故を未然に防ぐような方策を早急に私は立てるべきだと思います。その点について一点。
それと、事故防止の徹底を図っていかなければいけないわけでありますけれども、卓上ボンベ・スプレー缶のもう一方の責任関係は、やはり製造業者にも責任があるというふうに思います。危険性があり、区市町村の処理が困難なものについて、拡大生産者責任の考え方に基づいて、製造や販売を行った事業者による回収を進めるよう、まさにこの点も取り組んで、また都が広域自治体として働きかけていくということも必要ではないかと思いますが、この所見を伺いたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 東京都は、広域自治体といたしまして、区市町村において発火等の事故により処理施設あるいは収集車両に重大な損傷を受けた場合には、事故の報告を受けるとともに、再発の防止策についても報告を受けております。
また、こうした事故事例の情報を共有化し、それぞれの自治体の安全対策に資するという目的で、速やかに区市町村に対しまして注意喚起の文書を送付するとともに、多摩地域の、例えば廃棄物の行政連絡会等の場がございますので、そういった場を通じまして、より詳細な事故の報告を行うなど、事故防止の徹底を図っているところでございます。
それから、製造事業者等の責任の問題でございますけれども、ご指摘のとおり、危険性がございまして、区市町村の処理が大変困難なものにつきましては、製造や販売を行った事業者による回収を進めるべきであるというふうに考えておりまして、このために、都は、有害性、危険性、処理困難性を有する廃棄物につきましては、拡大生産者責任の考え方に基づきまして、製品の設計段階での工夫や、製造・販売事業者による回収などを盛り込んだ廃棄物処理法の改正を強く要求しているところでございまして、今回の法改正の中には盛り込まれませんでしたけれども、引き続き、制度の確立に向けまして、区市町村と連携しながら、国や事業者団体に対しまして、強く働きをかけていきたいというふうに考えてございます。
○こいそ(明)委員 ぜひ各方面含めて働きかけを強くしていただきたい。重ねて要望いたしまして、最後の東京都の派遣職員、これは限定いたしまして、環境局でありますから、清掃事業関係で。
二十三区の清掃事業に、これは資料もいただきましたけれども、多くの都職員を派遣している。これは現業が段階的に区の職員ですか、身分がなっていくということ、そうでありましょうけれども、行政関係の職員数も、例えば十五年では、総計で一千三百四十三名のうち、都職員が千六十八名いる中で、行政職員も当然いると思うんですが、これらの多くの職員を派遣しているのはどのようなところなのかというところを、もう一度確認のために教えていただきたいと思います。
○西野総務部長 平成十二年四月一日から、従前、清掃局でやっておりました清掃事業を特別区に移管いたしました。移管に当たりまして、事業を円滑に進めるためには、区の事業実施体制を整備する準備期間が必要なことから、移管前日の十二年三月三十一日現在、清掃事務所あるいは清掃工場等に従事していた都職員を、移管に関する都区合意あるいは地方自治法等の規定に基づきまして、六年間に限って二十三区や一部事務組合に派遣しております。
先生ご指摘のように、派遣職員の大半を占めるのは収集等に携わる現業系職員でございますが、これらの職員は十八年四月に区の職員へ身分切りかえすることになってございます。また、行政系職員につきましても、身分切りかえを希望する職員を除きまして、毎年度計画的に都に戻しているところでございます。
○こいそ(明)委員 いずれにしても、今ご答弁いただきましたような二十三区の事情につきましては、現業職員の身分の対応がだんだんこれから進んでいくという中での、やはり今これだけの数字になっているということで理解いたしますけれども、さりとて、二十三区に比べて、多摩地区の自治体の、日の出の広域処分組合には職員派遣がありますけれども、派遣職員が極めて少ないのではないか。要するに、多摩地区の一部事務組合に技術系の職員が派遣をされておりますよね。それだって一名ぐらいですかね。一名といっても、ほとんど派遣されていないところが多い。
こういう現状の中で、多摩地域においても、これから、先ほど申し上げたところのスプレー缶の処理についても、これは全体的な取り組み、それから、いろいろな技術的な面、指導監督、反対に基礎自治体としての都に対する要望、これらのことが当然あるわけでありますから、私は、二十三区の現業を除いての行政職の数を、多摩地域の状況を見たときに、やっぱり一部事務組合に職員を派遣して、関係する自治体とのまさに連絡調整及び指導監督の職務に当たれないのか、こう思うわけでありますけれども、このあたりはどうでしょうか。
○西野総務部長 区市町村の首長さんの仕事の中で、いろいろ重要な仕事、難しい仕事、多々ございますが、その中でも、廃棄物行政というのが非常に大きなウエートを占めている事業だと思います。
多摩の市町村におきましては、みずからの判断とみずからの職員を使って、特に最終処分場の整備など極めて難しい仕事を、自分で従前から行ってきた経緯がございます。これに比べまして、二十三区につきましては、十二年四月一日に、ある意味ではある日突然、事業が移管する、こういう特別な事情がありましたので、先ほど申し上げましたような、都職員を六年間に限って派遣して、支援しているという状況がございます。
多摩の市町村につきましては、先ほど冒頭申し上げましたように、従前から多摩の市町村長さんたちが非常にご努力をして、独自の、地域に合わせた収集あるいは埋め立てを共同してやるとか、苦労してきた実績がございますので、東京都がお手伝いする部分については、多摩地域の地元市町村あるいは一部事務組合から要請があった場合に応じまして、職員を派遣している状況でございます。
その結果、先生ご指摘のように、本年の九月末現在で、三多摩の広域処分組合に対して職員十五名、このうち、環境局が五名でございます。また、柳泉園組合につきましても、一名派遣をしている状況でございます。
なお、派遣職員につきましては、中間処理施設や最終処分場の建設や維持ということが中心になりまして、当然、資格者あるいは経験者ということが求められることが多いため、技術系職員の比率が多くなってございますが、事務系職員についても派遣しているところでございます。
○こいそ(明)委員 区部においても、やっぱり自治法改正に伴って、十八年四月から現業職員も区の職員という身分切りかえになりますよね。さりとて、全体的な、本事業を東京都全体で見て、それにおいても、やはり私は、多摩地域がさまざまな状況を抱えつつ、また小規模な市町村が大変多いわけですね。事故対応等々含め、職員の派遣等々は、やはり現場を知る、多摩地域の事情を知る、そして全体的な行政施策を確立していく、推進を図っていくという面からも、東京都が広域自治体として、職員派遣も含めて、強力に支援していく必要性があるのではないかと思いますけれども、多摩地域へのこれら支援について、局長のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○小池環境局長 東京都が、広域自治体として、区市町村の行います廃棄物処理事業への支援を進めていくということは、広域自治体である東京都としての基本的責務だと考えております。
これまでも、今、総務部長の方からお答えいたしましたように、多摩地域の一部事務組合、それから市町村については、それぞれの要請を受けまして、例えば現在ですと、エコセメント化事業の推進や個別の施設建設等に際しまして、技術的、財政的支援を行ってきております。
私自身も、古い話になりますが、現在の三多摩地域の廃棄物広域処分組合に、昭和五十八年に、谷戸地域の日の出の処分場の建設に携わりまして、埋立処分をちょうど管理する、こういうような立場で派遣を受けました。当時、多摩におきましては、最終処分場をいかにして確保するかというのが大きな課題になったわけですが、そういうような形で、東京都の職員もほかにもかなり派遣されておりましたが、多摩の抱える問題、多摩地域の共通した、各市町村の抱える大きな課題等につきまして、東京都が積極的に支援していくということは、これまでもずっととられてきていると思います。
人数的に、区部でとられているものに比べまして、大分差があるのではないかというご指摘がありますが、それは先ほど総務部長がご答弁申し上げましたように、これまでの経緯、それぞれの性格ということで、状況によりますものでございますので、いずれにいたしましても、私ども東京都といたしましては、多摩地域の廃棄物処理事業が円滑に進むように、こういった基本的な観点から、地域の実情に即してきめ細かく、市町村や一部事務組合に今後とも支援をしてまいりたいと思います。
○こいそ(明)委員 要するに、日の出の広域処分組合は、確かに広域性がありますから、二十三区の状況とまた違う。また、広域性をもととするエコセメント化ですか、こういう方向にもこれからなっていくということでありますから、東京都の職員派遣をしながら、バックアップ、支援していく、これは当然だと思います。
しかし、それだけじゃないですね。多摩地域に、いわゆる各市町村の中で、財政状況も当然にして厳しい状況下もあり、新たなる課題や状況が創出されてきているわけでありますから、私は、少なくとも一部事務組合の中にも職員を派遣しつつ、まさに局長がいわれるようなきめ細かい対応をこれから強力に、今までもという話があったけれども、より強力に、多摩地域の各市町村に対するこれら支援策を進めていただきたい。強く要望して、終わります。
○中村委員 それでは、私は、屋上緑化について何点か質問させていただきます。
屋上緑化というのは、環境保全だとか温暖化対策の中で、非常に重要な柱でもあります。自然保護条例でも、敷地面積が千平米以上の新築や改築の建築物に対して、緑化を義務づけているわけでございます。きょう配布になりました資料を見ましても、年々届け出件数がふえている。そしてまた、緑化面積も、平成十二年度に比べますと、約三倍近くにも広がっているという、非常にいい結果を見ているなというふうに思うわけでございます。
この屋上緑化、新築、改築の建物に対して、今行われているわけですけれども、既存の建物についても普及を図るべきではないかな、そういうふうに思うわけです。それには、東京都がみずから率先して屋上緑化を推進すべきであると思うわけでございます。
昨年、議会棟の屋上緑化工事をいたしました。私も屋上へ行きまして、見てきまして、工事が終わったときに、我々都議会民主党の会派で視察をさせていただきました。非常に立派、そしてまた雰囲気もよくでき上がっていたわけですね。その中でも、また太陽光発電だとかも設置されて、なかなか費用をかけた--五千万近く費用をかけているわけですけれども、かなりかけただけのことはあるなというふうに思ったわけでございます。ただ、五千万かけたらもっとすごいものもできるんじゃないかなという、そういうのもありましたが、そういう中で、屋上緑化を議会棟につくったわけでございます。
その本来の屋上緑化の目的、そして議会棟の屋上緑化の内容と、またその緑化をしたことによる効果について、まずお尋ねいたします。
○百合都市地球環境部長 屋上緑化でございますけれども、都は、ヒートアイランド対策などの推進のために、都庁舎グリーン化プロジェクトの一環といたしまして、都議会議事堂の屋上を緑化し、あわせて太陽光発電設備を設置したところでございます。
議会棟の屋上でございますけれども、北側と南側の双方に対称に配置をしておりまして、緑化面積につきましては、合わせて七百七十平方メートル、それから、東京都産の苗木を活用いたしまして、十九種、約二万株を植栽してございます。
平成十四年十月七日に完成したところでございますが、議会棟の屋上は、都庁舎を初めといたしまして、周辺の高層ビルからも眺めることができるということもありまして、都民の普及啓発としても効果を上げているというふうに思っております。また、これまでに、多くの方々にも見学をしていただいているところでございます。
○中村委員 周辺のビルからよく見えるというんですけれども、余り、どうなのかな--そしてまた、都第一本庁舎の展望室からもすぐ見えるわけじゃないんですよね。のぞき込まないとなかなか見えないな、そういう点もありますけれども、やったことの意義はかなりあるのではないかなというふうに思うわけです。
そうした中で、特に都心部、二十三区の地区ですね、それの方にはまだまだ緑が少ないんではないかなというのが、私どもは現実に感じているわけです。多摩地区の方は、緑が豊富で、豊かで、自然があって、心が休まる。先ほどもまだいまだにタヌキがいるというような話もありましたので、そういうようなところとちょっと違うのが、この都心部、二十三区ではないかな。そこにもっと多くの緑を設置するべきではないかなというように思うわけですよね。
屋上緑化を推進していくならば、この緑の少ない地区に積極的に率先して設置をするべきだというように思うわけですけれども、東京都の所有している施設、これまでに屋上緑化の実績、届け出件数だとか、緑化面積だとかもございましたけれども、その実績とどんな具体的な事例があるのか、そしてまた今後どのように進めていく予定があるのか、これもお知らせください。
○百合都市地球環境部長 都はこれまでも、都立高校、都立病院、都営住宅、水道局庁舎、下水処理場などにおきまして、屋上緑化を進めてきたところでございます。比較的規模の大きな事例としましては、江東区にございます東京都江東高齢者医療センター、また大田区にある都立荏原病院などがございます。
本年度は、江東区にございます東京都環境科学研究所のほか、警察署四カ所、都立高校で四校、都営住宅団地の二団地五棟、それから水道局の営業所などの三カ所において、屋上緑化の実施をすることといたしております。
今後も、本年三月に策定いたしましたヒートアイランド対策取り組み方針に基づきまして、屋上緑化を推進してまいりたいというふうに考えております。
○中村委員 江東区だとか、そういうところ、非常に緑が少ないのではないかなと感じるところにも優先的に設置していくということで、非常にいい考え方であるな、いい方向性であるなというふうには思うわけでございます。ただ、そういう都有施設だけではいろいろ限界があるのではないかな。また、屋上緑化のできないような構造物、建築物もあるわけでございます。そうした中で、民間のところにも啓発していく必要があるのではないかなというふうに思うわけですね。
例えば、台東区の事例をちょっと調べました。台東区では、十月一日に屋上緑化等助成金制度というものを設置したわけですね。その制度の中身にちょっと触れますと、二平米以上の緑化面積を持つ屋上または壁面、ツタだとか、いろいろなものがありますけれども、そういうところに設置するに対して、緑化をするに対して、助成をするよということでございまして、助成金の限度額というものは、ある程度の金額なんですけれども、屋上緑化に対しては最大四十万まで、壁面緑化、横壁の方には二十万円までというような助成制度も台東区の方ではつくって、民間啓発というものをしていこう、そういう行政の姿勢があるわけでございます。そして、都心部、二十三区に多く緑をふやしていこうという考え方。
東京都では、いろんな問題で限界もあるでしょうけれども、これから既存の建物、そしてそういうものを民間に普及していくには、どういうふうにしたらいいのか、それの取り組み方をお示しいただきたいと思います。
○百合都市地球環境部長 委員ご指摘のとおり、既存の建築物での屋上緑化につきましては、新築と異なりまして、構造上の荷重の問題、コストの問題、維持管理などの点で、現状では非常に普及が難しい状況にあることは事実でございます。そのために、軽量、またローコスト、ローメンテナンスなど、既存の建築物に適応いたしました屋上緑化技術を開発し、普及させる必要があるというふうに考えております。
こうした厳しい条件に対応いたしまして、かつ、ヒートアイランド緩和効果の高い屋上緑化技術法を開発するために、現在、重点事業の一環といたしまして、東京都環境科学研究所、産業労働局農業試験場及び建設局土木技術研究所が連携して、調査を実施しているところでございます。
今後、これらの結果につきまして、広く民間事業者の方に情報提供するとともに、民間の既存建築物における屋上緑化の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○中村委員 屋上緑化のことだけに絞らせていただきましたけれども、今後も、東京全体、二十三区、緑が多くなったら、どんなにすばらしいまちづくりができるんだろうなというふうに期待をしているわけでございますけれども、緑がふえれば、それだけヒートアイランド対策、温暖化防止、それから環境保全、そういうのにもつながっていくわけでございまして、その緑を見ることによって、都民の心が潤い、また目を休ませてくれる。小学校の児童にも、緑のあるところにこそ、昆虫類だとか、いろいろな花が咲いたりする、そういう情操豊かな子を育てていく相乗効果も当然出てくるわけですよね。そういうこともあわせまして、これは多方面、いわゆる民間だとか、そういうのにも積極的に働きかけるような取り組み方を、今後もぜひお願い申し上げまして、要望として、終わります。
○小磯(善)委員 ダイオキシン、それから温暖化対策、ディーゼル車規制についてお伺いをいたします。
まず、ダイオキシン類対策特別措置法が施行されて、東京都の大気、そしてまた水が、数値をもとに、どれぐらいきれいになったかをお伺いしたいと思います。そしてまた、ダイオキシン類対策特別措置法の評価をどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○松葉環境改善部長 東京都は、ダイオキシン類対策特別措置法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、それから環境確保条例により、ダイオキシン類の発生抑制などの対策を推進しているところでございます。
都内の環境大気中のダイオキシン類の濃度は、平成十年度は年平均値で〇・三六ピコグラムでございました。平成十一年度からダイオキシン類対策特別措置法が施行され、また平成十三年四月には環境確保条例を施行いたしまして、これに基づき廃棄物焼却施設等の指導を強化した結果、平成十四年度の年平均値は〇・一二ピコグラムとなり、平成十年度に比べまして、平成十四年度は約三分の一に減少いたしました。
また、都内河川の水質のダイオキシン類濃度は、平成十年度は年平均値〇・六九ピコグラムであり、平成十四年度の年平均値は〇・二五ピコグラムでありました。平成十年度に比べ、平成十四年度は約三分の一に減少いたしました。
このように、ダイオキシン類濃度が大幅に減少いたしましたのは、法や条例によります規制の効果と認識してございます。
○小磯(善)委員 今、大気も水も三分の一の数値になったということで、やっぱり法の影響がきっちり出ているなという感じでございますが、去年の十二月にさらに厳しい数値になったわけでありまして、十五年度はさらにまた数値がよくなってくるんじゃないかなと思っております。
きょう、資料を出していただきました一四ページの資料を見ますと、去年のダイオキシン類の規制強化によって、廃棄物焼却施設が、規制強化に合わせるには設備投資に大変お金がかかるということで、産業廃棄物の焼却施設の方は、焼却炉数が五十一あったものが、この規制によって十九に減ったということで、三十二の焼却炉が減少したということでございます。
その三十二の焼却炉について、現状どのようになっているか、お伺いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 委員ご指摘のとおり、平成十三年十二月一日に稼働していた五十一の産業廃棄物の焼却施設のうち、平成十四年十二月一日の時点で、三十二炉が不適合ということがございまして、そのうちの三十一炉が操業停止、一炉が改造中でございました。
操業停止をした産業廃棄物の焼却施設は、現在、二十炉が解体済みでございまして、十一炉が未解体の状況でございます。
○小磯(善)委員 操業を停止した二十七の事業所、それと三十一炉に搬入していた廃棄物は、理屈からいくと、ほかの中間処理施設へ行ったか、もしくはそのまま最終処分場に直行したというふうに思われるわけでありますが、都は、焼却処理されていた廃棄物の行き先がどのように変わったと認識しておられるか、お伺いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 操業を停止した焼却炉の減少率は、全体の六〇%でございます。一方、焼却能力の減少率というのは、約一七%にとどまっておるところでございます。
焼却炉の停止に伴う産業廃棄物の行き先のことでございますけれども、ご承知のとおり、産業廃棄物は、事業者責任により広域的に処理をされているため、具体的な行き先については、把握することはなかなか困難でございます。
都といたしましては、他の中間処理施設や、あるいは最終処分場に持ち込まれたものもあると思われますけれども、最近は、建設リサイクル法を初め、各種のリサイクル法の施行に伴いまして、廃プラスチック類を高炉原料に利用する施設や、木くずをセメント原燃料や、あるいは発電用に利用する施設など、大規模なリサイクル施設が稼働を開始しておりますことから、これらのリサイクル施設等にも持ち込まれているというふうに認識をしております。
○小磯(善)委員 東京都は、産業廃棄物Gメンですか、産廃Gメンを設置されたわけでありますが、本当は、廃止になった焼却炉のごみがどこに行ったか、産廃Gメンの方に調査をしていただければよかったかなと思っているわけですが、産廃Gメンがどのような活動をして、またどのような成果を上げてきたのか、ここでちょっとお伺いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物は広域的に処理をされておりますために、広域の監視体制の強化のために、東京都は平成十四年度から、いわゆる産廃Gメンを設置いたしまして、現在、警視庁の派遣職員を含めまして、総勢十一名で活動してございます。
活動内容といたしましては、これまで関東甲信越、静岡、福島エリアの県及び政令市等とも連携いたしまして、不法投棄現場の合同調査、不法投棄ルートの解明、産業廃棄物の収集、運搬車両の路上調査などを実施するとともに、処理事業者などに対しまして、適正処理に関する指導を行っております。
また、廃棄物処理法の違反事実が認められた場合には、速やかに許可の取り消しなど行政処分を行っております。平成十四年度には、平成十三年度分の処分実績五件を大幅に上回ります、二十二件の取り消し処分を行っております。
適正処理の徹底のために、引き続き近隣の自治体と連携、協力を図るとともに、厳正な対応を行っているところでございます。
○小磯(善)委員 先ほど焼却炉を解体した数が二十の炉であるということでありますが、当然、焼却施設の炉を解体すると、何も防御策を講じなければ、作業員もダイオキシンをかぶってしまいますし、大気中、また排水等を通して、環境中にダイオキシンが飛散してしまうということで、国では労働基準監督署による決まりと、東京都の方では、私も町田市の鶴間のいわゆる煙害問題を通じて、横浜市瀬谷区にある焼却炉の解体のときに、要するに、大気中にダイオキシンが飛散しないという制度を東京都でつくるべきだ、こういうことを都市・環境委員会で主張させていただいて、東京都としても要綱をつくられたわけでございますが、そういったものをもとに、いろいろ指導を行ってこられたと思っております。
それの安全確保に対して、東京都がどのような指導を行ってこられたか、お伺いをしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 都では、平成十四年十一月以前から、事業者に対しまして、廃棄物焼却施設の解体撤去に当たっては、労働安全衛生法に基づき、労働基準監督署に解体作業にかかわる届け出をするよう指導するとともに、都にもその写しの提出を求め、ダイオキシン類の飛散防止の指導をしてきたところでございます。
こうした作業従事者の暴露防止対策に加えまして、今、先生からもご指摘、ご提案がございましたことも踏まえまして、平成十四年十一月に廃棄物焼却施設の廃止又は解体に伴うダイオキシン類による汚染防止対策要綱を制定いたしまして、周辺環境にダイオキシン類が飛散しないよう、工事期間中、総粉じんのモニタリングを行って、解体工事の管理をするよう指導しております。
また、工事の開始前には解体工事計画書を、工事が完了したときには解体工事完了報告書の提出を求めまして、指導の徹底を図ってございます。
○小磯(善)委員 焼却施設の解体には多額の費用がかかることから、焼却施設を廃止したが、まだ解体していない焼却施設も数的にあるようでございます。東京都は、これらの未解体の焼却施設の事業者に対して、今後どのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
○福永廃棄物対策部長 まだ解体をされていない焼却施設につきましては、平成十四年十一月の都の要綱におきまして、解体するまでの間に、放置、破損等によりダイオキシン類が環境中に放出されないように、適正に管理することとしております。
このため、都では毎年度、まだ解体をされていない産業廃棄物の焼却施設の管理者に対しまして、管理状況について報告を求め、適正に管理するよう、引き続き指導を行ってまいります。
○小磯(善)委員 しっかり指導の方、よろしくお願いしたいと思います。
続いて、地球温暖化防止についてお伺いをしたいと思います。
東京都は、平成十四年二月から地球温暖化阻止東京作戦を開始されました。そしてまた、地球温暖化対策計画書制度を全国で初めてスタートさせたわけであります。ただ、この温暖化の見込みということについては、二〇一〇年度には、一九九〇年度比でおおむねCO2排出量が一五%増加すると予想されておりまして、京都議定書の一九九〇年度比六%削減という目標を達成するには、現在のところは大変厳しい状況であると思っております。そういった意味で、もう一歩踏み込んだ実効性のある地球温暖化対策を早急に講ずる必要があるんじゃないかな、こういうふうに私は思っております。
東京都は昨年の十二月に、環境審議会に対して、東京における実効性のある温暖化対策を諮問されておりますが、どういう諮問をお願いしておられるのか、そしてどのような検討状況なのかをお伺いしたいと思います。
○百合都市地球環境部長 地球温暖化対策でございますけれども、都は、地球温暖化問題とヒートアイランド現象という二つの温暖化が深刻化しているという状況を踏まえまして、地域特性に応じた対策を講ずることで、東京を環境配慮が内在化された持続可能な都市へ転換していくという考え方に基づきまして、昨年十一月、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針を取りまとめたところでございます。
一方、平成十四年度におきます地球温暖化対策計画書の集計では、事業所から提出されました任意の削減目標は、三年間で平均二%という結果であったために、これらの事業所に対して行っているエネルギー使用の実態調査では、この値よりもまだ削減余地のあることがわかってまいりました。
このように、有効な排出削減を図るためには、自主的取り組みでは限界があることがわかってきたことなどから、大規模事業所の温暖化対策、また新築建築物の環境配慮、消費者への省エネ情報提供の対策の三点につきまして、現行の制度よりもさらに一歩踏み込みました実効性のある取り組みが必要であるというふうに考えまして、現在、環境審議会で審議をお願いしているところでございます。
環境審議会の企画政策部会におきましては、これまでに五回の部会を開催するとともに、産業界との懇談会を開催するなど、精力的に検討を進めていただいているところでございます。
○小磯(善)委員 ぜひとも、この環境審議会での産業界との懇談会とか、こういったものは大変大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、排出量取引でございますが、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針では、CO2排出削減の義務化の検討とあわせて、削減目標達成のための補完的措置として、排出量取引も検討を進めるということになっておるかと思いますが、東京都としては、どのような視点でその排出量取引について検討を進めるのか、お伺いしたいと思います。
○百合都市地球環境部長 排出量取引でございますけれども、一般的には、温暖化対策の中で、自己努力による削減ではコストが大変高くなるなどの困難な場合に、経済的な補完手段としての意義を持っているというふうにいわれております。
今後、都といたしましても、CO2削減におけます有効性など、さまざまな角度で検討していきたいというふうに考えております。
○小磯(善)委員 こういう業務部門とか、そういったのも大事なんですけれども、家庭部門のCO2排出量も大変大事であるということでありますけれども、いわゆる省エネラベルですか、これの制度化について検討をされているんだと思いますけれども、どのような検討をされているのか、お伺いしたいと思います。
○百合都市地球環境部長 委員ご指摘のとおり、家庭におけますCO2排出量を削減するためには、例えば家電製品自体の省エネ性能の向上、すなわち消費電力量のより少ない製品の普及拡大が必要でございます。消費者に対し、確実に製品の省エネ情報を伝える省エネラベルの制度化が極めて重要というふうに認識しております。
省エネラベルの制度化に当たりましては、消費者である都民の視点に立ちました検討が必要であり、また運用の際には、家電メーカーや小売、量販店の理解、協力が不可欠であるというふうに考えております。
そのために、ことし七月、業界団体、消費者団体、NGO等との連携によりまして、仕組みづくりを検討段階から進めることを目的といたしまして、家電で少エネ実行委員会を設置いたしまして、ラベルの表示対象商品や表示内容等の詳細の検討を進めているところでございます。
今後、審議会や実行委員会における論議も踏まえまして、実際に即した有効な制度として構築してまいりたいというふうに考えております。
○小磯(善)委員 省エネ、イコール電気代の節約ということでございますので、そういった意味では、この製品を使うと、五年間で電気代が十万円安くなるとか二十万円安くなるとか、そういうラベルを東京都でもお考えのようでございますけれども、私はそういう経済的な手法による省エネの推進というのは大変有効であると思っておりますので、しっかりとお願いしたいと思います。
それからもう一つ、家庭内のCO2排出量の削減につきましては、やはり意識の啓発活動、こういったことが大事であろうかと思っております。そういった意味で、いわゆるNGOとかNPOの方々がいろいろなところで、地域でこの地球温暖化阻止について活動されておる。そういったところともしっかりと連携しながらやっていくことが大事ではないかなと、こういうふうに思っているわけであります。
私もお願いして、環境家計簿をしっかりと普及させようとしているNGOのホームページと東京都のホームページのリンクとか、そういったご努力もしていただいているわけでございますけれども、東京都として、都民の意識啓発としてどのような対策を講じていくのか、お伺いしたいと思います。
○百合都市地球環境部長 家庭部門におけます省エネルギー対策を進めるためには、一般家庭における省エネ意識の啓発が大切だというふうに考えております。都といたしまして、これまでホームページや各種広報誌等の活用を通じまして、身近なところからの省エネの呼びかけを続けてきているところでございます。
NGO等との連携につきましては、ただいまお話ございましたけれども、都のホームページからNGOのホームページにリンクするなど、NGO等からの情報発信のサポートにも努めてきたところでございます。
また、環境家計簿の普及につきましては、八都県市のホームページ上でCO2排出量が計算できるようにしておりまして、今後とも、八都県市地球温暖化防止キャンペーン等を通じまして広域的な取り組みについても推進していくなど、都民の意識啓発に努めていきたいと考えております。
○小磯(善)委員 太陽光発電等、再生可能エネルギーの導入についてお伺いいたします。
太陽光発電の設備の導入量は、日本が世界一の座を占めるなど、徐々に日常生活の中に浸透しつつございます。しかし、発電コストが高いなどの理由によって、エネルギー使用量の全体から見れば、わずかな発電量にすぎないのが現状であろうかと思っております。
国においても、この自然エネルギー、再生可能エネルギー促進のための法律ができて、各電力事業者がその数値目標を掲げて、それに対して努力されているわけでございますけれども、東京都におきましても、こういう再生可能エネルギーの導入を進めているわけですが、さらに率先して導入を図っていくべきである、こういうふうに思っておりますが、そのご見解を伺いたいと思います。
○百合都市地球環境部長 都内の電力自給率は約一〇%ということでございまして、都域外からのエネルギー供給に大部分を依存しているという現実がございます。
また、東京を持続可能な都市へと変革するためには、省エネルギー対策の推進に徹底して取り組みますとともに、地域分散型で環境負荷の少ない再生可能エネルギーの導入を進める必要があるというふうに考えております。
都はこれまでも、太陽光発電や風力発電設備等の導入を推進してきたところでございますけれども、今後とも、都における再生可能エネルギーの導入について、バイオマスエネルギー等の活用や、さらなる風力発電設備の整備の可能性も含め、幅広く検討していきたいというふうに考えております。
○小磯(善)委員 東京都の独自の取り組みとしてディーゼル車規制をされて、それが日本をリードして、そしてまた世界を動かすというような形になりつつあるわけであります。そんなことで、特に地球温暖化防止という観点から見ますと、この東京で地球温暖化防止の策が成功すると、本当にそれは、日本、そしてまた世界の温暖化対策に貢献するというふうに私は思っております。
そういった意味で、今、一生懸命、環境審議会の方で検討していただいていると思うんですけれども、ぜひともそういった答申を踏まえて、新たな東京都独自の地球温暖化防止条例というような形の制度化を目指すべきではないかなと、こういうふうに思っているところでございます。東京として、世界をリードする実効性ある温暖化対策の実現に向けた今後の取り組みを何とぞよろしくお願いしたいと思います。
それでは、ディーゼル車規制についてお伺いしたいと思います。
資料の七ページのところに、DPF、それから酸化触媒の自己負担というのが出ております。論議いろいろあったところなんでしょうけれども、DPFに関しては、三・五トンから八トンまでの小さい方のトラックが七十一万円の自己負担、八トンを超える大きいトラックの方で五十六万円ということで、自己負担額が逆転しているわけですね。
これは、ここの表を見てもわかるように、大きい方は国の補助があるんだけれども、小さい方は国の補助がないということでございます。そういったことを踏まえて、東京都の国に対する働きかけや、その成果、そしてまた、このような差ができた理由についてお伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 国のPM減少装置導入補助について、都は、本年十月一日の規制開始に向けた事業者の対応を促進する観点から、補助金総額の拡大と補助要件の緩和を強く求めてまいりました。
そうしたこともございまして、国は、十五年度予算で道路特定財源を初めて活用し、四十億円の予算を計上するとともに、補助要件につきましては、補助対象地域を自動車NOx・PM法の対象地域内だけでなく全国に拡大する、運送事業用車両だけでなく自家用車両も対象とする、PM排出量の多い元年規制トラック向けのDPFも対象とするなどの緩和措置を講じました。
しかしながら、国は、車両総重量三・五トンから八トンまでの車両についてはCNG車の導入を促進する方針であることや、予算との関係から、補助対象とはしていないということでございます。
○小磯(善)委員 また、国は、六月に補助金受け付けを途中で打ち切って、全国の自治体や事業者にかなり大きな混乱をもたらしたというふうに思っております。そういうことで、東京都は、このような国の補助制度並びに運用についてどのような対応をしてきたのか、お伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 国が六月十一日に突然、補助金交付を打ち切ったことに対しまして、東京都は直ちに、八都県市と連携いたしまして、補助金総額の拡大と早期の受け付け再開を要請いたしました。
しかし、国は受け付けを再開せず、また、受け付けた補助申請についても交付決定が八月末までおくれ、その時点で大量の不交付通知を行ったことは、国の補助金の受け入れを想定して対応しようとしていた事業者の取り組みに大きな影響を与えました。
このため、都は、八都県市と連携して、PM減少装置の装着や新車の納入が規制開始に間に合わない事業者に対し、遅延に関する証明書を発行して不利益が及ばないように対応いたしました。
あわせまして、一たん八月末で締め切った十二月三十一日までの規制対象車に対する補助受け付けを九月に再開するなど、規制を遵守しようとする事業者への支援に最大限努めたところでございます。
○小磯(善)委員 国は、補助金手続について、その態度を長期間保留して、最後に不交付の通知をしたということであります。これは、まじめに対応しようとした事業者に大変な迷惑をかけた行為であると思いますし、また、その影響というのは全国に及んだのじゃないかなと思っております。
都の条例の特徴は、国と違って、他県からの流入車も含めた運行を禁止しているということであります。同じ使用過程車に対する規制でも、国のNOx・PM法は対策地域内だけの登録車両に限定しているということで、そこは大変大きな違いであろうかと思っております。
条例が地域の大気汚染の改善を目的とする以上、登録地のいかんにかかわらず、排ガスの悪いディーゼル車を運行禁止とすることは妥当でありますが、その影響が全国に及ぶことから、これまで条例の実効性については疑問の声が寄せられてきたのも事実であります。
そういう中で、十月一日、規制を開始したわけでありますが、東京都は各地で取り締まりを行っておりますが、他県車両の違反状況、こういったのはどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 規制開始後三週間の取り締まり状況について、現在集計中ですが、これまでに確認できた車両全体に占める違反車両の割合は一・九%でございました。都内登録車両の中での違反者の割合は一・四%で、他県登録車両についても二・二%にとどまっております。
都はこれまで、八都県市と連携して、ラジオ、新聞等による広報、物流拠点や高速道路パーキングエリアにおけるPR、それから幹線道路への横断幕の設置など、他県からの流入車に対しても事前の周知徹底に努めてまいりました。
また、八都県市を除く十三府県でもPM減少装置の装着補助が制度化され、事業者の対応促進が図られました。
こうした取り組みの結果、他県の事業者においても、規制適合車や初度登録から七年未満の規制猶予車両を優先的に配車するなど、一都三県の条例規制への対応を図っていると考えております。
○小磯(善)委員 最近は、PM減少装置のステッカーをつけた車が、車の後ろにつけるとよく目立つわけでございますけれども、資料の八ページの11に、PM減少装置のステッカーの発行実績が十八万台というふうに報告されており、大変な数だなと思っているわけですが、東京都はこのステッカーについてどのような認識、評価をしているのか、お伺いをしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 ディーゼル規制適合車ステッカーは、PM減少装置の普及を促進するため、装置装着時に車両に貼付することとしたものでございます。
車両のフロント右側のドアであるとか、あるいは後部の外から見やすい位置に貼付することによりまして、都民や事業者への規制周知に大きな効果を発揮するとともに、ディーゼル車規制推進のシンボルマークのような役割を担って、事業者の規制への対応の促進につながったと考えております。
○小磯(善)委員 では、PM減少装置の中でDPF、これは大変新しい技術なものですから、トラックの業者の方からは、本当にあれ、大丈夫なのかなという声がもうずっと、私も二年間ぐらいずっといろいろな方から聞いているわけでございます。そういった意味で、しっかりとした保証をつけるべきであるという質問もさせていただいたと思っております。
そういったことで、資料12にDPFの主なトラブルというのが出ているわけでございますけれども、都では、装置メーカーの保証についてどのような状況と認識して、また指導されているのか、お伺いしたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 資料12に記載いたしましたとおり、これまでに発生した主なトラブル四十件のうち、車両側の整備不良等に起因するもののうちの一件は自己負担が生じましたけれども、そのほかはメーカー保証等によって対応いたしました。
都といたしましても、メーカーや装置を装着した事業者から情報を収集し、装置の稼働状況を把握するとともに、メーカーに対しましても、装置の使用条件やメンテナンス費用等の情報提供を徹底するよう指導しております。
こうした積み重ねが装置に対する信頼を高め、普及の拡大に寄与していると考えております。
○小磯(善)委員 ディーゼル車規制を十月一日から行って、そのために、いわゆる事業者の方に大変な負担を強いて、これに対応してこられた。また、中には、もうとてもじゃないけれども、車を買いかえるだけのお金がないということで、廃業された方もいっぱいおられるわけであります。
そういう廃業された方、そしてまた、そういう大変な投資をされた事業者の方にとって唯一のといいますか、心の安らぎじゃないけれども、理解ができるのは、要するに、我々がこうやって多額の費用をかけたんだから、東京の空がこんなにきれいになったんだというものが本当に明確にわかること、これがやはり大事なんじゃないかなと。
さっき、こいそ明委員が、東京の空、きれいになった、空気、きれいになったというふうにおっしゃっておりましたけれども、本当にそれが数値としてわかるような、トラック事業者の方に、これだけきれいになったんですよと、こういえるようなものを提示していかなきゃいけないんじゃないかなと。
一日にペットボトル十二万本のすすがあるんだというふうにいっているわけですから、例えば十二万本から何万本に減った、例えば五万本に減りましたとか、そういうのが大事なんじゃないかなと、こういうふうに思っております。
そんなことで、東京都は、規制によって大気が浄化した成果をわかりやすい形で明確にして、事業者や都民に対して条例規制への一層の理解と対応促進を求めていく必要があると思いますが、今後、ディーゼル車規制を推進していく局長の決意を伺って質問を終わります。
○小池環境局長 十月一日からの取り締まりによりましてどういう状況になっているかということにつきましては、先ほど担当部長からご報告させていただきましたが、これによりますと、違反車両というのは非常に少ない、こういうふうに受け取っているわけでございます。
このことは、条例制定以来約三年にわたりまして、東京都といたしましては、規制内容の周知徹底だとか事業者の方々への対応促進ということで、さまざまな形で働きかけてきた結果だと思いますし、また取り組みに当たりましては、八都県市で連携して取り組んできたということで、全国的にも影響を及ぼしたのではないかと思います。
その中で、何よりも私ども重要視しておりますのは、大変厳しい経営環境の中で、やはり特に中小零細企業の方々は、大変な思いをして対応していただいたと思っております。その思いの中には、経営は厳しいけれども、今お話がありましたように、東京の空をきれいにする、都民の健康をよくするのであればやむを得ないということがあって対応していたんだろうというふうに考えております。
こうした事業者の方々の努力にこたえるためにも、今ご指摘がありましたように、ディーゼル車からのPM排出量がどれだけ減少して大気汚染の改善に結びついていくかということを、できるだけわかりやすく説明していくというのが私どもの責務だと思っております。現在、調査分析中でございますので、できるだけ早く取りまとめまして公表してまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、このようなことを通じまして、今後ともディーゼル車規制に対する事業者の方々の理解と規制への対応を一層促進して、まさに東京にきれいな空気を取り戻せるように頑張ってまいりたいと思います。
○丸茂委員 私は、大気汚染の環境改善を含めて、何点かお伺いしたいと思います。
まず、東京の大気汚染状況はどうなっているのか。大気汚染がなかなか改善されないということで、住民団体の中では、みずからの手で系統的な大気の測定運動、こういう粘り強い取り組みもされております。
そこで、平成十四年度の二酸化窒素と浮遊粒子状物質の大気汚染の状況について、まずお伺いいたします。
○松葉環境改善部長 二酸化窒素の年平均濃度は横ばいで推移してございますが、浮遊粒子状物質の年平均濃度は、ここ数年、低下傾向にございます。
特に、自動車排出ガス測定局における平成十四年度の浮遊粒子状物質の年平均濃度は、平成十三年度に比べまして、その傾向が明らかでございます。
二酸化窒素に係る平成十四年度の環境基準の適合率は、一般環境大気測定局におきましては九三%で、自動車排出ガス測定局におきましては三七%でございました。
浮遊粒子状物質に係る環境基準の適合率は、一般環境大気測定局におきましては四〇%で、自動車排出ガス測定局におきましては、すべての測定局で環境基準に適合していませんでした。
なお、浮遊粒子状物質にかかわる環境基準の適否でございますが、環境基準を超える日が年間八日未満であっても、基準を超える日が二日連続いたしますと、それだけで不適合と判定いたします。そのために、適合率が低くなる傾向にございます。
○丸茂委員 今、二酸化窒素あるいは浮遊粒子状物質の傾向のお答えがありましたけれども、特に私、自動車排出ガス測定局において、その状況はどうなっているのかと。特に浮遊粒子状物質については、すべての測定局で環境基準に適合しないという状況があります。
私の地元大田区でも、よくニュースになりますけれども、松原橋という箇所がありまして、十四年度の状況を見ますと、二酸化窒素ではワースト四位と、浮遊粒子状物質ではワーストワン、こういう最悪の状況にあります。昨今、土壌浄化装置、こういうものがつくられて一定の改善が期待されますけれども、まだまだ対策がかかるかと思います。
対策としては、何といっても、発生源対策が極めて大事だというふうに思います。
特に粒子状物質については、PM発生量の多いのが自動車によるもので、約六割を占めているといわれております。その自動車の中でも、ディーゼル車が排出するPMが慢性呼吸器疾患を引き起こしたり、あるいは発がんの要因にもなる、こういう健康への被害、影響も大変大きいということも認識しております。
そういう意味から、私どもはディーゼル車の規制を求めてきたわけですけれども、都としても、先ほど来お話があったとおり、ディーゼル車対策に取り組み出しております。
そこで、今回のディーゼル車規制と対策で、どの程度粒子状物質は改善されると考えているのか。先ほど、まだ検証中だということなんですが、どの程度考えられるのか、その点いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 条例によるディーゼル車規制によりまして、粒子状物質の排出量は大幅に削減するというふうに考えております。
その排出量につきましては、平成十一年に作成いたしました危機突破戦略プランでは、平成六年度の四千二百トンから、平成十七年度には六割削減して千六百トンにするとしております。
今お話もございましたけれども、現在、ディーゼル車規制の効果も含めまして、排出量の算出について見直しを行っております。
○丸茂委員 ぜひ見るべき改善の結果を出していただきたいというふうに思います。
次に、二酸化窒素の方についてもお聞きしたいと思うんです。
先ほど、二酸化窒素の傾向は横ばい状況だというお答えがありました。私は、粒子状物質と並んで、この窒素酸化物排出量も極めて大事な問題だと思いまして、その排出量を見ますと、七割以上がこれまた自動車から排出される。窒素酸化物は、汚染がひどいところでは呼吸器障害の健康被害を発生させております。
東京都は、今、PMを優先して対策をとっておりますけれども、二酸化窒素の大気汚染も、一般局では基準達成が九三%で、自動車排出ガス局の基準達成は三七%であるという報告もございました。
資料で達成状況を出していただきましたら、平成十年度は五七%と、こういう数字も示されております。引き続き、この二酸化窒素の対策が求められていると考えております。
そこで、都は、環境基本計画で、二酸化窒素の基準達成を二年後の平成十七年度としておりますけれども、達成の見込みはどうなのか、お伺いいたします。
○山本自動車公害対策部長 都内の窒素酸化物排出量の七割以上が自動車から排出されておりまして、そのうち八割がディーゼル車によるものでございます。
この十月からディーゼル車規制を実施しておりますけれども、ディーゼル車からのガソリン車への買いかえや減車が進んでおりまして、都内のディーゼルトラックは減少しております。
こうした条例による新たな規制や国の排出ガス規制は、窒素酸化物の排出量に大きな影響を与えますので、二酸化窒素の環境基準達成について、改めてここで検証していきたいというふうに考えております。
○丸茂委員 改めて検証していきたいということで、結果がどうなるのか、余り自信の気持ちが伝わってこないんですけれども、状況を見ていきたいと思います。
そこで、この二酸化窒素の環境基準については、過去に緩和が行われた経過があります。一九七八年ごろだと思いますけれども、この緩和の法案提出の時期と成立、実施時期はいつだったのか、この際、お伺いしておきます。
○松葉環境改善部長 二酸化窒素の環境基準でございますが、旧公害対策基本法の規定に基づきまして、昭和四十八年に環境庁告示で定められてございます。その内容でございますが、一時間値の一日平均値が〇・〇二ppmであることと定められました。
この基準につきましては、昭和五十三年七月に、中央公害対策審議会の答申をもとに改定されまして、その内容が、一時間値の一日平均値が〇・〇四ppmから〇・〇六ppmまでのゾーン内、またはそれ以下であることと改定されました。
○丸茂委員 成立、実施時期と聞いたんですが、七八年に実施されたと、そういうお答えをいただいたんですけれども、この一九七八年七月に、それまでの環境基準が二倍から三倍に広げられたという状況にあります。
私はなぜ聞いたかといいますと、その当時、環境基準緩和は公害患者にとって一層過酷な状況をつくり出す、一体、今後の対策はどうなるのかという議論がされまして、特に、私の地元旧東京二区には、今、知事を務めておられる石原慎太郎氏が国会議員として活動しておりました。当時、知事にいわせると、おれは反対したというかもしれませんけれども、この基準が緩和された法改正の前、一九七六年十二月に、福田内閣のもとで環境庁長官に就任しております。そして、一九八七年十一月には、竹下内閣のもとで運輸大臣に就任するなど、政権の中枢にいたという経歴があります。
私は、二酸化窒素がこうして基準が緩和されたもとで、その高い基準がいまだに横ばい状況にあるという状況ですので、昨日もこの都庁前で、自動車公害による健康被害の皆さんがマイクを持って訴えているのを見ましたけれども、やはり健康への影響を考えますと、二酸化窒素においても、基準を一刻も早く達成する、さらには、過去の〇・〇二ppm、この基準を下回るような、そういう取り組みを求めておきたいというふうに思います。
次に、自動車排気ガス対策を進める上で、東京のような大都市では自動車の総量規制が必要だと、平成十二年のこの委員会で指摘したことがあります。そのとき、公共交通中心のシステム確立や、あるいは自動車排気ガスについての総量規制基準、こういうものをつくって対策を求めたらどうかという提案も行いました。
ちょっと角度が違うかもしれませんけれども、最近、NHKテレビの朝のニュースを見ておりましたら、宅配貨物を、これまでのトラック輸送から、一部、鉄道貨物に切りかえてとの報道がありました。そのニュースでは、二酸化炭素の排出削減だとか、あるいは都のディーゼル規制も一因になったと報道もされておりました。また、聞くところによると、この九月からのトラック速度の規制強化も要因だとも聞いております。
都として承知している範囲で、この貨物輸送切りかえがどういうことからできたのか、お伺いいたします。
○月川参事 国は、二酸化炭素削減などを目的といたしまして、トラックによる貨物輸送を海運または鉄道に転換しますモーダルシフトを推進しております。その一環といたしまして、貨物鉄道の輸送時間短縮を可能といたします電車型特急コンテナ列車の導入を推進しております。
先日、テレビなどで報道されましたコンテナ貨物の鉄道への転換が進んでいるという状況は、こうした国の施策を背景としているものでありますけれども、さらに、十月からディーゼル車規制が開始され、環境に配慮する傾向が高まってきたこと、また、九月から高速道路での交通事故防止を目的とした大型トラックへの速度抑制装置の装備義務づけが開始され、トラックと鉄道の輸送時間の差が縮小したためと報道されております。
○丸茂委員 一つは、国としてのモーダルシフトが挙げられておりました。東京都としても、港湾機能においても総合的にモーダルシフト、これも検討課題になっているかというふうに思います。
そういう施策をとると、いわゆる自動車依存の交通量は減るわけで、そのことによって環境への負荷も軽減されることは確かだというふうに思います。そういう点で、国の積極的な取り組み、あるいは東京都自身の取り組みが極めて重要な一例だというふうに思います。規制緩和万能ではなく、必要な規制や、あるいは規制強化が必要だというふうに思います。
かつて、工場から排出される排気ガスが大気を汚染すると。そのために、燃料をC重油からA重油、B重油に切りかえることによって、硫黄酸化物を抑制して環境基準を達成していく、こういう過去の実例もあるわけで、そういう点では、東京都もそうですが、国においてもやはり積極的な取り組みが求められるというふうに思っております。
そこで、国が、自動車NOx・PM法の車種規制の適用を最大で二年半に延期する状況にあります。東京都はこれまで、当初の予定どおりとすべきと要望してきたことは承知しているんですが、その後、国はどういう対応をしているのか、この際、お伺いいたします。
○山本自動車公害対策部長 国が自動車NOx・PM法による車種規制の適用を最大二年半おくらせたことは、深刻な大気汚染の改善を先送りするものでございます。
都は、使用過程車対策の重要性を踏まえ、これまで再三にわたり、国に対して当初予定どおりの実施を求めてまいりました。しかしながら、国の方は、規制の適用延期を適切であるとするなど、全く危機感に欠ける態度をとり続けております。
○丸茂委員 私は、NOxあるいはPM対策が極めて大事だというのは、東京都民にとってみれば、先日、東京地裁の判決でも、健康被害と自動車排気ガスとの因果関係が認められて、国、都、道路公団に被害者への賠償も命じられました。
また、判決は、健康被害が予見できたにもかかわらず、乗用車にまでディーゼル化を進めたことなど、自動車メーカーの対応にも問題があったと指摘しております。そういう自動車メーカーにもきちんと責任をとってもらう意味でも、国の対応が求められるというふうに思います。
自動車による健康被害についても、行政、メーカーに必要な情報公開を義務づけて、環境アセスメントの面でも評価する。また、自動車交通量の削減やまちづくりなど、大気汚染の改善のために実効ある対策が求められるというふうに思います。引き続き、具体的に実行されるよう対策を求めておきます。
次に、自動車NOx・PM法の対象地域となる都府県は、自動車排出NOx・PM総量削減計画を策定することになっております。
東京都としては、この計画をいつを目途に策定していくのか、この機会にお伺いしておきます。
○月川参事 自動車NOx・PM法に基づきます総量削減計画につきましては、現在、東京都、国の地方行政機関、区市町、関係機関などから成ります幹事会におきまして、早期に策定すべく作業を進めているところでございます。
○丸茂委員 早期にということで、具体的な方向が見えないわけですけれども、新しい責任の問題ですから、一刻も早くまとめ、そしてその結果を都民に公表していただく、そのことを求めておきたいと思います。
ところで、最近、PMとNOxを同時に除去できる除去装置が開発されまして、ディーゼル車のこの装置が国の認定も受けたと承知しております。都の規制にも、また国の規制にも対応できるというのであれば、今後装着して対応したいという要望も高まるのではないかというふうに私、受けとめているんですが、都としての補助や希望に沿った新たな対応が求められると思いますが、この点ではいかがでしょうか。
○月川参事 ただいまお話のありました装置につきましては、国はこの九月に、窒素酸化物または粒子状物質を低減させる装置の性能評価制度に基づきまして、NOxとPMの両方を低減する装置の第一号として認定いたしました。
この装置につきましては、既に都がPM減少装置として指定しているものであり、装置装着によりまして都条例に適合いたします。
ただし、この装置は、装着対象となります車両が、現在は、国、都とともに平成元年規制以前の一型式に限定されております。元年規制以前の車両は、この十月一日から条例違反となっていることから、十月以降は都のPM減少装置装着補助の対象といたしておりません。
○丸茂委員 対象がもう期限的にも終了しているので、補助対象にはならないというお答えだと思うんですけれども、いろいろな事情でこういった装置がつけられない--悪意でなければ、この除去装置そのものも、これからいろいろ改善も図られるかと思います。
私、いろいろこうした施策をとる場合に、少しでも環境対策に協力したいという要望には積極的にこたえる必要があるだろうというふうに思っております。
そういう思いでいろいろ見ておりましたら、逆に、除去装置をつけたけれども、東京都から警告書が来て、実際に装置していたのに一体何だというのが都内の運送業者から出たという逆のニュースを見まして、こういうものをスタートした時点ではいろいろな問題が起きるなということをつくづく感じたわけです。
先ほど、違反者は少ないという、局長からも答弁があったんですが、ある組合では、三千人いる組合で、結局は、このDPF装置と、あるいは車への買いかえができなくて、その組合員のうち六百人が実際は廃業したという大変な数字も見て、私、驚いたところです。
私は、そうしたトラック輸送者が少しでも改善に協力するために、また改めて補助を求めてくる、そういう場合には、柔軟に東京都が対応すべきだ、そういうふうにも考えておりますし、特にNOxとPM、国と東京都のずれがあるわけですから、こういう状況も踏まえて何らかの対応が必要だと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 私どもで、環境確保条例に基づいて、むしろ国の規制に先駆けて大気汚染を解消したいということで、今回、ディーゼル車規制を実施してございます。
したがいまして、その中で必要な対応策については十分対応していきたいというふうに考えております。
○丸茂委員 国の責任があれば国にも求め、そして、東京都としてもせっかくの施策に取り組む、その実効性を高める上でも、やはり柔軟に対応していただくことが極めて大事だというふうに思いますので、要望しておきます。
次に、環境アセスの関連でお聞きしたいと思います。
平成十四年度は、環境影響評価条例が改正された年であります。この条例改正で、特定地域における高層建築物の対象事業の要件を、高さ百メートルを超え、かつ延べ面積十万平方メートルを超えるものから、高さ百八十メートルを超え、かつ延べ面積十五万平方メートルを超えるものに緩和が行われました。
そこでお伺いいたしますけれども、これまでアセスメント手続が実施された高層建築物は何件で、そのうち、条例改正で対象外となった規模の建築物は何件あるのか、お伺いいたします。
○百合都市地球環境部長 条例改正までに環境影響評価条例に基づきましてアセスメント手続が行われた、特定地域における高層建築物は三十件でございます。そのうち、条例改正時にアセスメント手続中のものが二十一件ございました。その中で、条例改正によりまして対象外となりました評価書未提出の案件は二件ということになっております。
○丸茂委員 対象外は二件あったと。この環境条例改正のときに、丸ビルの再開発をめぐって、いろいろ議論があったということが記憶にあります。
こうしたアセスの対象事業の要件が緩和されると、一層、高層建築物が建築されるのではないか。その高層建築物が新たな電波障害あるいは風への影響、日照被害等々、さまざまな環境への影響が生まれます。
条例の対象外となった高層建築物による環境影響に対して、どのような対策をとっているのか、お伺いいたします。
○百合都市地球環境部長 高層建築物により生じます環境影響に対する対策ということでございますけれども、電波障害、風環境、日照等につきましては、都市計画にかかわる諸制度や、中高層建築物紛争予防条例などの建築行政の手続におきまして、環境への配慮を指導しているところでございます。
なお、電波障害につきましては、中高層建築物紛争予防条例施行規則の一部を改正いたしまして、知事は建築主に対し、必要があると認めるときは、電波障害の影響を著しく受けると認められる範囲を示す図面の提出を求めることができるといたしまして、アセスメント手続に準じた対策をとっているところでございます。
○丸茂委員 電波障害については、アセスに沿った形で義務づけられたと。私、こうした影響を初めとして、高層建築物が一定の規模になると、ヒートアイランド現象等、いろいろ環境への影響が生まれる、こういうことを心配しております。そういう意味で、識者によりますと、その影響も大きいという報告もあります。
そうした点では、私どもアセスの改正に当たって、計画段階のアセスを導入したというものでしたけれども、その計画アセスも民間は対象外にしたことや、あるいは事業段階のアセスにおいて、調査計画書に対する見解書や、あるいは公聴会の廃止など、アセスを骨抜きにしたんじゃないかという批判もして、この改正に反対したわけです。
いずれにしても、規制緩和が広がりますと、一層、大規模な高層建築物が計画されることになるのではないかという心配をしていたんですが、先日聞いた話ですけれども、今回の改正アセスにも対象になるかと思いますけれども、赤坂防衛庁跡地に高さ二百六十一メートル、床面積五十五万平方メートルの超高層、超大規模な高層建築物が計画されていると聞きまして、大変びっくりしたところです。
そうした都市再生ということで、ヒートアイランドが一層進む、そういうことがあってはならないというふうに思いますし、私どもこれまで、欧米に学んで、環境、住宅、産業、交通、財政など、全体として生活の場としての都市の再生を位置づけると。そのため、成長管理の都市づくりが必要だとも提起してまいりました。
環境アセスについても、そうした意味で、人間が住み、働き続けられる都市の環境が守れるもの、そういうものに役立つものとして、今後必要な検討を行うよう求めて質問を終わります。
○新井委員 二問、質問させていただきます。
一問目は、廃棄物処理にかかるコストのことについてお伺いいたします。
最近、容器包装リサイクル法の改正を求めるごみ研究会というNPOが廃棄物会計ということを提唱いたしまして、ごみ処理と、ごみのリサイクルにかかるコストを明らかにして、それを公表し、そして大量生産、大量消費の社会から転換していこうというふうなことを提唱しているわけなんですけれども、この廃棄物会計ということにつきまして、東京都はどのような認識をお持ちでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 それぞれの区市町村がごみ処理事業に要するコストをみずから適切に把握し、公表していくことは重要であるというふうに考えております。
先生お話しの研究会が提唱されている廃棄物会計は、その際の参考となる一つの試みであるというふうに受けとめております。
○新井委員 そこで、東京都は、市区町村清掃事業年報というものを毎年出されているわけなんですけれども、調査項目が非常に豊富で、毎年、各市区町村の担当の方にお願いしているわけなんですけれども、この目的は何でしょうか。また、ごみ処理コストに関しては、この年報の中でどのようなデータが出されているのでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 東京都区市町村清掃事業年報は、各区市町村が行っております清掃事業の全体の概況を把握するとともに、区市町村に情報提供することを目的に作成しております。
このうち廃棄物処理事業経費の項目では、各年度の歳入歳出決算額を事項別に掲載しております。また、集団回収にかかわる補助金などについても掲載しております。
○新井委員 ごみ処理に関しては、いろいろなデータがさまざまなところで出されているわけなんですけれども、例えば二十三区の方では、二十三区の清掃協議会がこういう年報を出したり、市部の方では、市町村自治調査会がごみの実態調査というのを、これも毎年出しているわけなんですけれども、費用にかかる部分というのを出しているところがほとんどないということで、こちらの清掃事業年報では財政という項目がございまして、今おっしゃったように、ある程度の処理コストというものを記載している。毎年調べて出している、非常に貴重なデータだというふうに思うわけなんです。
今回、その廃棄物会計ということでの調査をしている団体、あるいはその調査を受けている現場の職員にヒアリングをしたんですけれども、なかなか廃棄物処理にかかるコストをすべて把握していくのは難しいということで、聞く方も答える方も非常に苦労しているというような状況があります。
各項目がそれぞればらばらに出されていたりとか、案分もなかなか難しいということで非常に手間取っていて、せっかくそのコストを明らかにしたいということで調査を始めているわけなんですけれども、実は正確なコストが把握できないで終わってしまうんじゃないかというような懸念も出ているようなんです。
こちらのこの清掃事業年報では、ごみ処理にかかる行政コストが十分まだまだ明確になっていないということを踏まえて、各市町村のごみ処理コストを統一的な基準で把握できるようにするというふうなことで、こちらの年報のデータをぜひ充実させていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 ごみ処理コストの計算や公表は、それぞれの区市町村において取り組まれているところでございます。
しかしながら、先生お話のような統一的な基準につきましては、中間処理や最終処分までみずから行っている団体、あるいは一部事務組合に委託しているところなど、事業形態がさまざまでございまして難しい面もありますので、今後ごみ処理コストの分析方法について研究を進めてまいりたいと考えております。
また、区市町村清掃事業年報の内容につきましては、それぞれの区市町村が清掃事業を進めていく上で参考となる統計資料として、随時必要な見直しを行い、充実を図ってまいります。
○新井委員 確かに今おっしゃったように、本当に統一的な基準というのは出すのが難しくて、一部事務組合でやっていたり、回収、それから保管、移送など、全部ばらばらですので、本当に担当職員も、ちゃんとしたコストを把握しようとすると、頭を悩ませて眠れないというような職員も出てきているようなんですけれども、非常に難しい部分ではあるんですけれども、このコスト把握というのは非常に大切だということもございまして、東京都の方には、研究していってくださるということですので、各自治体の比較ができるように、また正確なコスト把握ができるようにということで、ぜひお願いしておきたいというふうに思います。
それから、この廃棄物会計調査、少しずつ結果が出てきていまして、それを見ていると、ごみ量がほとんど横ばい。最近、そんなにごみ量はふえていないんですけれども、容器包装などのリサイクルを進めれば進めるほど、市区町村の清掃事業経費が増大していくという傾向が、これは明らかに読み取れます。
自治体の負担と、それから事業者負担ということが非常にアンバランスということで、自治体負担が多いような現状でありますので、事業者の方も、リサイクルしているんだからというような感覚で、安易に便利に使いやすい容器がどんどんできてしまって、それをまた消費者が購入してしまうということで費用がかかっていくというふうな状況だと思うんですけれども、こういった傾向について、東京都は、私は非常に深刻な事態が起こっているというふうに思うわけなんですけれども、どのように認識していらっしゃるでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 現行の容器包装リサイクル法におきましては、容器包装廃棄物の分別収集や保管が区市町村の役割とされておりますために、リサイクルの促進のために分別収集を充実させることによりまして、区市町村の経費負担が必然的に増大しております。
都といたしましては、区市町村の負担を軽減し、発生抑制とリユースを促進するために、拡大生産者責任の考え方に基づきまして事業者に回収義務を課すなど、経費負担と役割分担の見直しを国に強く求めておりまして、リサイクルが進むほど区市町村の負担が小さくなるような仕組みの実現を目指してまいりたいと考えております。
○新井委員 今もおっしゃったように、拡大生産者責任という考え方に基づいた容器包装リサイクル法の改正ということで、いろいろなごみの活動をしていらっしゃる団体が一堂に会しまして、容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワークというものが設立されました。
全国的な組織、いわゆる消費者団体の組織なんですけれども、この方たちも、これから容器リサイクル法の改正を求めてということで大きな運動展開をしていくということでございますので、同じように一生懸命、これまでも国などに意見もいってくださっているわけなんですけれども、より一層、この改正に向けて、都の方も働きかけを強めていただきたいというふうにお願いさせていただきます。
次に、地下水の汚染調査について伺います。
東京都では、二キロメッシュで都内を二百六十八のブロックに分けまして、四年間ですべてのブロックを一巡して東京全体の調査が終わるというようなことを、環境基準項目の二十六項目についてやっていただいているわけなんですけれども、この概況調査におきまして新たに地下水の汚染が判明したという場合、どのような対処をなさっているのでしょうか。
○柿沼参事 概況調査の結果、環境基準を超える地下水汚染が見つかった際には、汚染の範囲を把握するため、汚染井戸の周辺の井戸で地下水調査を実施しております。また、汚染井戸の所有者に対しては、飲用の注意を喚起しております。
さらに、汚染の原因を究明するため、汚染井戸の周辺にある有害物質を取り扱う工場等に立入調査をし、有害物質の種類やその取扱状況、有害物質の地下への浸透があるか否かなどを確認するなど、汚染源究明調査を実施いたします。ここで汚染の原因者が判明した場合には、浄化対策を指導いたします。
なお、汚染が見つかった井戸に対しては、その後も汚染状況の推移を継続的に監視するため、定期モニタリング調査を実施しております。これらの調査結果につきましては、毎年度公表いたしております。
○新井委員 地下水汚染が見つかった場合には、しかるべく対処をしていただいているということなんですけれども、例えばこの間、世田谷区の病院が廃院したわけなんですけれども、その土地が売却された際に、医療廃棄物の埋設あるいは水銀による土壌汚染というのが発見されまして、地域の人々が非常に不安を覚えたということがありました。
平成十三年十月には、環境確保条例の土壌汚染に係る規定が施行され、また、ことし二月には土壌汚染対策法も施行されましたので、土壌汚染が見つかるというケースが非常にふえてきたわけなんですけれども、かつて、処分困難だったものを、ともかく有害物質を埋めてしまうというふうなことがあちこちで行われていて、それが今になって判明してきているんだという状態なんだと思うんですけれども、このように、病院とか工場、研究所などが閉鎖されて初めて明らかになるというケースが大半で、その場合には、もう事業者などは、移転してしまった後はその対策をほとんどとってくれないということで、結局は、国とか自治体とかが税金で何とかしていこうというふうなことが多いわけなんです。
その病院とか工場等が稼働中に地下水汚染というものが発見されましたらば、その事業者に確実に対策をとらせることができる、その責任においてとらせることができるというふうになると思うんですけれども、市や区では、こういった都のような大規模な項目の調査というのはなかなかできないということで、非常に貴重な調査をしていただいているわけなので、病院とか研究所あるいは工場など、地下水汚染の可能性が高いと思われる施設があるところは、そこの敷地内にもし井戸があれば、そこから井戸水をもらう。井戸水で調査するとか、あるいはその周辺を意識的に調査するとか、そういうことをして、事前にその地下水あるいは土壌汚染を把握するという努力が必要なのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○柿沼参事 概況調査を実施するに当たりましては、地域の環境状況に詳しい区や市の意見を参考にしながら、工場等の立地状況あるいは地下水の利用状況、こういったものを勘案して地下水の調査地点の選定を行ってまいりました。
今後の調査地点の選定に当たりましては、委員ご指摘の病院などの施設も考慮に入れまして地下水の水質の状況を把握するよう、工夫してまいりたいと思います。
○新井委員 事前にキャッチするということで、よろしくお願いいたします。
それで、多摩地域には非常に大きな基地、横田基地、それから多摩サービス補助施設というものがあるんですけれども、この中の調査もなかなか難しいということがございます。横田では燃料漏れ等もありましたし、あるいは神奈川だったと思うんですけれども、基地が返還されてから土壌汚染、地下水汚染が見つかって、どうしようかというふうなことがあったというのを新聞でも読んだ覚えがあるんですけれども、こういった米軍の基地内で本来、地下水調査というのを、非常に広い敷地ですので、行うべきではないかというふうに思うんですね。
なかなか難しいということであれば、その周辺で水道みずみち、水の流れなども十分勘案して、その汚染が出やすい位置というものを見て、ぜひ調査するべきであるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○柿沼参事 米軍施設については、日米地位協定の制約もあり、基地内において地下水調査を行うことは困難でございますけれども、過去に基地内で航空燃料が漏れた事故があった際には、米軍に浄化対策を求めるとともに、地下水調査の実施、それから、その結果の報告を求めてまいりました。
一方、都はこれまで、基地周辺の井戸で概況調査を実施してまいりましたけれども、地下水汚染は発見されておりません。今後も、基地近傍の概況調査に当たりましては、基地内からの影響も適切に把握できるよう、調査地点の選定を行ってまいります。
○新井委員 二キロメッシュで行っていらっしゃるので、ある程度水の流れ、水道みずみちを配慮すれば把握が可能かなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
昨年八月に、立川市内の水道水源で一・四-ジオキサンの地下水汚染が発見されました。水道水であったということで、都民の不安が非常に高まっているわけなんですけれども、この件につきまして、汚染原因等、都は調査なさったのでしょうか。
○柿沼参事 ご指摘の汚染ですが、この原因を明らかにするため、一・四-ジオキサンが検出された水道水の水源井戸の周辺地域で事業場の立入調査を行いました。その結果、いずれの事業場においても一・四-ジオキサンを使用した事実は確認できませんでした。
また、井戸の周辺を調査した結果ですが、一・四-ジオキサンに汚染されている井戸は、深さ約百メートル以上の深井戸でございまして、近くの汚染源の影響を受けやすい浅井戸ではほとんど検出されませんでした。
このため、今後、汚染井戸のモニタリングや発生源調査を継続するとともに、より広範囲に一・四-ジオキサンの地下水調査を進めてまいります。
○新井委員 深井戸でしか見つからなかったということで、なかなか原因究明するのは難しいかというふうに思うんですけれども、ぜひ今後も究明の調査を続けていただきたいということと、水道局の方の所管になりますけれども、こういった地下水汚染があった場合に、くみ上げをとめてしまうと、それはもうどこかに流れていってしまうわけで、汚染を広げていくということにつながりますので、汚染が見つかった井戸でも、ぜひくみ上げを続けるように、環境局の立場からご意見をいっていただければありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○和田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
○和田委員長 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十四年度東京都一般会計決算中、地方労働委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○久保田地方労働委員会事務局長 去る十月十日の本分科会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます、平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をお開き願います。
一ページをお開き願います。取扱事件数の推移につきまして、審査関係では不当労働行為と労働組合の資格審査について、調整関係ではあっせん、調停事件と労働争議の実情調査について、それぞれ取扱件数、新規受け付け、終結件数の順に、平成五年度から十四年度までの件数を記載してございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○和田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ(明)委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいと思いますが、近年、景気が当然低迷し、厳しい経済環境で、とりわけ中小企業にはさまざまな状況が起きてきています。
とりわけ中小企業経営者は、資金繰り等々、当然にして仕事の受注量も下がってきている、また、従業員にしっかりとした給料等々も支払うために大変な苦労をしているというふうに、我々、歩きながらもいろいろな話を聞くわけなんですね。
このような中で、中小の労使紛争、とりわけ中小企業の使用者側、経営者側と労働組合との間で紛争になった例、地方労働委員会の資料の取扱事件数を見ると、不当労働行為事件及びあっせん等の調整事件の新規受け付け件数はふえて、増加しているようでありますけれども、中小企業関係について、その件数はどうなのかを教えていただきたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 十四年度の地方労働委員会の不当労働行為及び調整事件の新規受け付け事件数は、お手元の資料にございますように二百七十件でございますが、従業員規模別で見ますと、従業員百人未満では百二十四件で、全体の四六%となってございます。
○こいそ(明)委員 中小企業関係の件数が百二十四件の四六%であると。決して少ない数ではないと思うんですね。労使紛争が起きたときに、労働者側の方は、いわゆるその組織の上部組織及びさまざまな労働相談の機会はあるようでありますけれども、とりわけ中小事業者は、役所や大企業と違って、労使関係事務に人員を割いたり、配置したり、体制がなかなかとりにくいと。そのような中から、厳しい状況があるわけであります。
このような中で、続きますけれども、中小の経営者は、このような労使紛争のいわゆる発生時というのでしょうか、これらの中で、どのようなところ、どこに相談等々行けば対応していただけるのか、このあたりはどうなっているのでしょうか。
○久保田地方労働委員会事務局長 東京都では、労使紛争全般につきましては労政事務所の方に、また労働争議の調整や不当労働行為につきましては、私ども地方労働委員会に相談することができます。
また、国の機関の方では、労働基準監督署では、賃金や労働時間等の労働条件などに関する相談も行っております。
この件に関しましては、労働者に限らず、使用者でありましても、基本的には同じところに相談できることになっております。例えば、私どもの地方労働委員会の例でいいますれば、労働争議のあっせん申請は使用者側もできる形になってございます。
○こいそ(明)委員 先ほどからいっておりますけれども、中小企業の経営者から地方労働委員会にあっせん、調停の申請というものは余り聞いていないんですが、経営者の申請の実態はどのようになっているかということと、使用者側、いわゆる経営者側から申請した件数、また対応はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 労使双方で申請のできます労働争議のあっせん申請件数について平成十四年度で見ますと、新規受け付け百三十八件中、使用者からの申請は十二件でございました。
○こいそ(明)委員 百三十八件中、十二件だと。当然にしてといいましょうか、少ないですよね。中小企業の経営者は、地方労働委員会には--率直にいって、いろいろ話を聞きますと、労働者側にとっては有利で、使用者側にとっては--いわゆる公平の原則で公平だ、公平に扱っているんだと、こういいますけれども、ところが、一方、労働者側にとっては有利ではないのかと。
経営者側にとっては、率直に平たい言葉でいえば、不利な制度ではないのかと思い込んでいるといいますか、思っている経営者の方が少なくないようでありますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○久保田地方労働委員会事務局長 地方労働委員会の役割は、労働組合法、労働関係調整法等に基づきまして、中立、公正の立場から労使紛争を簡易、迅速に処理することによって、労働基本権の保護と労使関係の安定、正常化を図ることにございます。
十四年度の不当労働行為の場合で見ますと、取り下げを除いた終結事件六十五件中、命令になったものは十二件にとどまっておりまして、五十三件が和解となっております。このように、事件の大部分は使用者も納得して解決していると考えております。
○こいそ(明)委員 大変申しわけないんですが、いわゆるあっせん、調停、和解という中で、公平の原則で、これは当たり前の話ですけれども、労働者の権利をしっかりと守り抜いていくんだということはわかりますね。
しかし、もう一点、いわゆる労使紛争の経過というんですか、紛争に発展してしまったという中で、弁護士さんにも、またそれなりの機関にもなかなか相談でき得ないという立場の使用者側、経営者側にとっては、やはり敷居が高いというか、円満解決の調停になったのかなというふうな感じも実はするんですね。
その中で、地労委として、るる局長ご答弁いただきましたけれども、当然にして当然のごとくのご答弁だろうなというふうに受けとめております。
ただ、私が聞いている話は、冒頭申し上げた厳しい経営環境の中で運営し、そこで発生する労使紛争、長引く不況、中小企業のまさに使用者というか経営者は、小規模ながらも会社を経営していくのに、毎日必死に努力を積み重ねているというところが決して少なくない。労使紛争が少しでも長期化すれば、その企業の基盤さえも危なくなってくる、危うくなってくるということだと思うんですね。
地方労働委員会は、こうした大企業じゃない、この都庁のような役所でもない、中小零細企業者のまさに厳しいさまざまな状況の中の実態を十分に把握する必要性というものがあるんじゃないかと。
先ほどから局長は、そのとおりのご答弁で、淡々、整々、粛々というご答弁ですけれども、実態というものがあるので、こういうことは率直、素直に把握していただきたい、こういうふうに思うんですね。
経営者でも公正に労働紛争処理はしているということでありますけれども、同時に、経営者でも地方労働委員会を利用できる--利用できるといういい方はわかりませんけれども、あっせん、調停できるということでありましょうけれども、経営者側にも、地方労働委員会の利用についても、しっかりした十二分の周知を図るべきだと。
実情をよく把握しながら--その範疇はあると思いますよ。産労のような、いろいろと雇用を含めた労働のさまざまな関係のセクションとまた違った意味で、かなり限定されている部分があると思いますけれども、しかし、今日的な状況というのは、るる申し上げたように、使用者側も労働者側も厳しいということは事実であって、その中でこそ、本当に公平な立場での一つのあっせんなり、本来的な使命をぜひ遂行していただきたい、これを強くお願いして終わります。
○小磯(善)委員 この前の局長の説明の中で、労働委員会には判定的機能と調整的機能の二つがあるということでございましたが、この判定的機能についてお伺いしたいと思います。
判定的機能の中心は不当労働行為の審査でありますが、申し立てられてからその事件が終わるまでの期間がどれぐらいかかっているのか、お伺いしたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 不当労働行為事件が申し立てられてから終結するまでの平均所要日数でございますけれども、平成十四年度で見ますと七百八十五日となってございます。
ちなみに、過去五年間で見ますと、平均所要日数は一千四十二日となってございます。
○小磯(善)委員 解雇、それから不当転勤されて、解決までに二年も三年もかかっていたのでは、現実問題、本人は救われないのではないかなという感じがいたします。
審査に二年、三年かかってしまう理由について伺いたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 審査が長期化する理由でございますけれども、救済対象者が多くて、立証が複雑で困難な昇給、昇格事件等が現在、相当数係属しております。
また、代理人を含め、当事者の日程調整が困難になる場合が多く、調査や諮問の期日の間隔が広がってしまうこと、さらに、同一当事者間で関連する事件が中央労働委員会や裁判で争われているために、その推移を見守る必要がありまして、事件処理を保留にすること等がございます。
○小磯(善)委員 確かにいろいろな、また難しい理由があることはわかったわけでございますが、ただ、労働者の切実さ、また、その資金繰りに奔走したり、仕事をとるのに四苦八苦している中小企業経営者の苦しみをよく考えていただければなと。なるべく早く解決することが大切であろうと思っております。
ところで、地方労働委員会で命令が出た場合、その後どうなるのか、お伺いしたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 命令が公布されまして、両当事者がその命令に従いましたら、そのまま事件は解決するわけでございます。しかし、不服があった場合に、中央労働委員会へ再審査を申し立てるか、あるいは地方裁判所へ命令の取り消しを訴えることになります。
さらに、中央労働委員会の再審査命令に不服であれば、地方裁判所へ訴えることができます。その後、高等裁判所、最高裁判所へ進む場合もございます。
○小磯(善)委員 そうすると、十四年度中に命令した事件のその後の状況をお伺いしたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 十四年度に命令を発した事件について見ますと、地方労働委員会の命令が確定したものが三件、中央労働委員会に再審査の申し立てがあったものが九件、東京地方裁判所に取り消し訴訟の提起があったものが二件となってございます。
○小磯(善)委員 いわゆる中央労働委員会への再審査申し立てが多いというのがわかります。
ちなみに、その中央労働委員会での再審査の平均審査期間というのはわかるのでございましょうか。
○久保田地方労働委員会事務局長 中央労働委員会の再審査事件の平均所要日数は、平成十一年から平成十三年の平均で見ますと一千五百三十日となってございます。
○小磯(善)委員 またそれも大変長い期間であるなという感じでございます。その上、地裁、高裁、最高裁へと訴えていたら、何年かかるかわからないと。
この場で中央労働委員会、また裁判所へ、早く処理しろとはいえないわけでありますけれども、まず初審である地方労働委員会の審査期間を短縮しなければならないのではないかなと、こう思うわけでありますが、東京都としてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いしたいと思います。
○久保田地方労働委員会事務局長 事件の所要日数を短縮するために、地方労働委員会といたしましては、第一回の調査期日を早期に設定すること、また、証人の人数を縮減すること、また、命令書の作成期間の短縮などに努めてきております。
さらに、IT化の推進によって事務処理を迅速化させること、それから、職員の事務処理能力の向上のための研修などにも努めているところでございまして、今後とも審査促進に向けて努力してまいる所存でございます。
○小磯(善)委員 いろいろと努力されていることは理解するわけでございますけれども、先ほどもいいましたように、労働者の切実さ、また中小企業経営者のつらさを考えますと、まだまだ不足しているんじゃないかなと思っております。要するに、結果が出なければ意味がないんじゃないかなと。今の仕事のやり方を根本から見直すなどの対応をお願いしたいと思います。
行政委員ですから、その委員の方々との協議も必要でありますし、事務局だけでできるものではないことはわかっておりますけれども、ぜひ積極的にお願いしたい、こういうふうに思います。このことを要望して私の質問を終わります。
○和田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後三時四十八分散会
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