委員長 | 前島信次郎君 |
副委員長 | 山田 忠昭君 |
副委員長 | 清水ひで子君 |
東村 邦浩君 | |
河野百合恵君 | |
山加 朱美君 | |
酒井 大史君 | |
樋口ゆうこ君 | |
田島 和明君 | |
比留間敏夫君 |
欠席委員 なし
出席説明員健康局 | 局長 | 平井 健一君 |
技監 | 長岡 常雄君 | |
総務部長 | 浅井 憲彦君 | |
医療政策部長 | 奥田 匠君 | |
医療サービス部長 | 梶山 純一君 | |
食品医薬品安全部長 | 中井 昌利君 | |
地域保健部長 | 齋藤 進君 | |
事業調整担当部長 | 海老原 繁君 | |
参事 | 桜山 豊夫君 | |
参事 | 木村 豊彦君 | |
参事 | 小松 博久君 | |
参事 | 丸山 浩一君 |
本日の会議に付した事件
平成十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
健康局関係
・平成十四年度東京都一般会計決算(質疑)
○前島委員長 ただいまから平成十四年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会をいたします。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
健康局、酒井企画担当部長は、公務の都合によりまして、本日の分科会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
本日は、健康局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願い申し上げます。
これより健康局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十四年度東京都一般会計決算中、健康局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○浅井総務部長 去る十月八日の本分科会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
お手元配布の平成十四年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらん願います。資料は、目次にございますように、九項目から成ってございます。
まず、第一ページをお開き願います。資料1、小児初期救急平日夜間診療事業の実施状況及び都補助額でございます。
都では、平成十四年度から、区市町村が固定施設で行う小児初期救急医療事業に対しまして、財政的支援として、医師、看護師等の確保に係る人件費等を対象に補助を実施しております。表は、十四年度におきます区市町村の事業実施状況と都の補助実績を記載したものでございます。
なお、備考欄にございますとおり、三つの区市につきましては、年度途中からの補助開始となっております。
次に、二ページをお開き願います。資料2、健康費の予算及び決算の推移でございます。
平成五年度から十四年度までの予算現額、決算額、翌年度繰越額、不用額及び執行率でございます。予算現額及び決算額につきましては、それぞれ一般会計に占める割合を記載してございます。
次に、三ページをごらん願います。資料3、精神障害者共同作業所及びグループホームの施設数・補助額の推移でございます。
上段は共同作業所、下段はグループホームについて、それぞれ平成十年度から十四年度までの施設数及び補助額を記載してございます。
続きまして、四ページをお開き願います。資料4、精神障害者通院医療費助成に係る認定患者数及び助成額の推移でございます。
上段に認定患者数を、下段には助成額を、それぞれ平成十二年度から十四年度まで記載してございます。
なお、注にございますとおり、表中、括弧書きでお示ししました数字は、都が単独で実施しております助成制度に係る認定患者数及び助成額を再掲したものでございます。
次に、五ページをごらん願います。資料5、透析患者に対する災害対策の概要でございます。
災害発生に備えた取り組み及び災害発生時の対応を記載してございます。
続きまして、六ページをお開き願います。資料6、ウイルス肝炎精密検診受診者数でございます。
平成十四年十月から開始いたしましたウイルス肝炎総合対策の一環といたしまして、老人保健法に基づく基本健康診査での肝炎スクリーニング検査陽性者に対する精密検診を実施してございます。表は、十四年十月一日の事業開始から本年三月三十一日までの精密検診受診者数を記載したものでございます。
次に、七ページをごらん願います。資料7、慢性肝炎等の難病医療費助成制度終了時における認定患者数でございます。
慢性肝炎、肝硬変・ヘパトームにつきましては、平成十三年十月の東京都特殊疾病対策協議会報告書の内容を踏まえまして医療費助成制度の見直しを図り、平成十四年九月末をもって制度終了となってございます。表は、制度終了時におきます認定患者数でございます。
続きまして、八ページをお開き願います。資料8、慢性肝炎等の医療費助成に係る低所得者等に対する経過措置の認定状況でございます。
慢性肝炎等についての難病医療費助成の見直し及びウイルス肝炎総合対策の開始に伴いまして、低所得者等に対しましては経過措置を実施しております。表は、平成十五年三月三十一日現在の経過措置認定患者数でございます。
次に、九ページをごらん願います。資料9、B型・C型ウイルス肝炎入院医療費助成制度認定状況でございます。
ウイルス肝炎総合対策の一環として平成十四年十月から実施しております入院医療費助成の認定患者数につきまして、十五年三月三十一日現在で記載してございます。
以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料についての説明を終わらせていただきます。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○前島委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○山田委員 健康局の皆様におかれましては、都民の日常生活に密着をした保健、医療の幅広い分野で事業を展開されておられまして、都民の生命と健康を守ることを使命として日夜努力をされておりますことに対しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
それでは、私の方から、大きく三項目についてご質問をさせていただきます。
なお、質問につきましては、既に申し上げて質問通告してありますので、簡潔にご答弁をお願いをいたしたいと存じます。
まず最初に、救急医療体制の充実について、とりわけ小児初期救急医療についてお伺いをいたしたいと思います。
これは、平成九年十二月の国の救急医療体制基本問題検討報告や、あるいは、それを受けて平成十年十二月の東京都救急医療対策協議会報告を踏まえて、都民や救急隊にわかりやすい制度として、初期、二次、三次の救急医療機関の要件を明確にし、新たな救急医療体制の方向が示されたものであります。特に、小児初期救急医療については、少子化あるいは核家族化、共働き家庭の増加など進行する社会状況の中で、緊急に取り組む課題であるとして、東京都は、平成十四年度から、区市町村が平日の夜間帯に実施いたしました小児初期救急医療事業に対して、新たに運営費の助成を開始したというものであります。
この事業につきましては、先ほど申し上げましたように、東京都救急医療対策協議会報告を踏まえて、初期救急医療については区市町村が、二次、三次の救急医療は都が整備するという役割分担の中での施策といたしまして、地域の実情を踏まえた施策として高く評価をされているところでもあります。
先ほど資料の説明がございましたけれども、平成十四年度は六区一市においてこの事業を開始いたしております。小児科の医師が不足をしているといわれている中で、このように実施した区市は、大変な努力をして実施にこぎつけたのではないかと私は推察をしております。
さて、私の地元であります西東京市は、清瀬あるいは東久留米、小平、東村山市によります北多摩北部保健医療圏に位置しておりますけれども、この圏内は、それぞれの市は人口あるいは面積ともに規模が小さいことから、小児科医が少ないという事情がございます。市が事業を実施しようとする意欲があっても、平日の夜間帯に小児科の先生を確保して対応することが非常に難しいという実情がございます。
そこで、お伺いいたしますけれども、北多摩北部保健医療圏の小児初期救急医療体制について、現在、どのような状況になっているか、都としてどのように現状を把握しているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○桜山参事 北多摩北部保健医療圏におきます小児科の初期救急医療につきましては、清瀬を除く小平、東村山、西東京、東久留米の四市が休日夜間急患センターを設置いたしまして対応しておりますとともに、すべての市におきまして在宅当番医制を実施しております。休日夜間急患センターの整備や在宅当番医制は、他の医療圏に比べても遜色はありませんが、いずれの市におきましても、小児の患者さんに対して小児科医師が専門に対応する体制が確保されているわけではございません。
○山田委員 ただいまご答弁をいただきましたけれども、北多摩北部保健医療圏では、必ずしも小児科医師が専門に対応する体制が確保されているわけではない、そのような都としての現状認識をしているようでありますけれども、だからといって、それでよいというわけではないと思います。とりわけ子どもは、大人と異なりまして、病状が急変するということ、そういう特徴があるわけでありまして、やはり専門の小児科の医師が診察をするということが望ましいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○桜山参事 ご指摘のとおり、成長過程にあります小児は、大人に比べても代謝が活発で、予備能力が乏しく、その分、症状の変化も早いという実態がございます。また、発達段階に応じた小児特有の疾病があることや、小児は本人が自覚症状をうまく訴えることが困難であるなど、診察上留意すべき点が多く、できるだけ専門的な対応を行う必要があると考えております。
こういったことから、都としては、決められた場所で、平日夜間でも確実に小児科医師による診察を受けることができる、わかりやすい救急医療体制の整備を進めているところでございます。
○山田委員 ご答弁いただいたように、やはり小児科医師によります初期救急医療体制を整備することが、少子化や核家族化等が進行する社会状況の中で子育てをする都民に大きな安心を与えるということになると思います。聞くところによりますと、北多摩北部保健医療圏では、圏域内の各医師会や関係市が協力をいたしまして、初期や二次の小児医療の確保を図ろうと協議を進めていると聞いております。既にこれまでも、地区医師会の有志の方が、圏域内の二次救急医療機関の施設を利用して、準夜間帯の初期救急医療を始めている例もあると聞いております。
このように各市が実情に応じた取り組みを行っていくことに対して、都としても積極的に支援をすべきと考えるものでありますが、見解を伺いたいと思います。
○桜山参事 限られた医療資源を有効に活用するという観点からも、ご指摘のように、各市が工夫を凝らしながら、その実情に合った取り組みを行うことが望ましいと考えております。
このため、北多摩北部保健医療圏における小児医療確保のための具体的な取り組みや仕組みづくりに当たりましては、今後とも関係市町村や地区医師会と十分協議し、積極的に支援をする方向で検討してまいります。
○山田委員 我が党は、都立八王子小児病院や都立清瀬小児病院の移転、統合によります既存地域の小児医療体制の後退を心配いたしまして、多摩地域の小児医療体制の再検討をすることを都に強く求めてまいりました。都は、その意を受けて、本年三月に、多摩地域における小児医療体制検討会を設置をし、この九月に取りまとめが行われ、多摩地域における小児医療体制についてと題する報告書が出されました。
そのまとめでは、多摩地域の小児医療の充実に向けた施策展開を行うことにより、都全体の小児医療の水準の向上を図っていくとしておりますが、まさに多摩地域の底上げがあってこそ都全体の小児医療体制の充実が図れると思っております。多摩地域の小児医療の充実に向け、都は、今後とも事業検証をしっかりと行い、都民に安心の医療を提供できるようバックアップを行っていただきたいことを強く要望いたしまして、小児医療対策についての質問を終わりたいと思います。
次に、ウイルス肝炎総合対策についてお伺いをいたします。
平成十四年度の主要新規事業であり、既存施策の再構築として、これまで定例会、予算特別委員会を通じて活発な審議がありましたウイルス肝炎総合対策についてでございますけれども、このウイルス肝炎につきましては、国民病ともいわれる肝臓病とか、特にウイルス肝炎につきましては、感染者が都内に二十万とも、あるいは三十万ともいわれております。肝臓につきましては、沈黙の臓器ともいわれ、肝炎感染者の多くが自覚症状がないために適切な治療を受けずに肝硬変や肝臓がんへと進むといわれております。最近も、従来のインターフェロンが効きにくい難治性の患者さんにも効果がある治療薬として、ペグインターフェロンが輸入承認され、年内にも保険適用される見込みとの報道がございました。このように患者さんにとって朗報もある一方で、いまだに、いわれない偏見、差別に苦しんでいる患者さんがおられるのも現実であります。
そこでお尋ねいたしますが、ウイルス肝炎総合対策については、都が、医学技術の進歩を踏まえ、国に先駆け施策化を図ったものであり、大いに評価するものでありますが、その目的や概要について、改めて確認をいたしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 平成十四年度より開始いたしました都のウイルス肝炎総合対策は、これまで難病対策として慢性肝炎や肝硬変などの患者に対して行ってきた医療費助成制度を見直し、ウイルス肝炎の予防と早期発見から専門医療機関での早期治療に至るまでの一貫した流れを重視した対策として、新たに構築したものでございます。
具体的には、老人保健法に基づく健診などでのウイルス肝炎検査陽性者に対しまして、都独自に専門医療機関で精密検診を実施するとともに、検診後の早期治療を促すために、新たに入院医療費の助成制度を創設したものでございます。
○山田委員 総合対策につきましては、十四年度の決算を見ますと、予算現額の総合ウイルス肝炎対策では、規模で三十五万二千八十一人、金額で四億六千五百万余のところ、支出済額の規模は二十三万七千百八十六人、三億六千八百万余で、執行率は七九・三%であります。ウイルス肝炎入院医療費助成につきましては、予算現額、規模が、一万百五十件、四億三百三十三万余が、支出済額の規模は千六十五件で一億百五十万余でありまして、執行率二五・二%となっております。実績は必ずしも予算規模に達しておりません。
先ごろ国が発表いたしました肝炎ウイルス検査等に関する集計では、感染者率は全国でC型、B型合わせて二・九%との報告がありました。都での実績はこれを下回っているようでありまして、この辺からも肝炎総合対策における各事業実績の伸び悩みにもつながっているのではないかと思います。
このウイルス肝炎総合対策が都民ニーズに合っていないわけではないと考えますけれども、予算執行が十分でなかったことに対して、どのように分析をされているのか、お伺いいたしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 本事業の平成十四年度実績が低調であった要因として現在考えておりますことは、予算上はウイルス肝炎検診を受けられた方の陽性率を四・四%程度と見込んでいたものが、実際には二・七%であったことが一つと、当初、平成十四年四月を予定しておりました精密検査のための専門医療機関の指定が十月になったことなどが影響しているものと思われます。本事業に対する都民のニーズは引き続き高いものがあると考えておりまして、都といたしましては、極めて重要な事業であると認識しております。
○山田委員 ウイルス肝炎総合対策につきましては、患者団体等からも期待が高かったものでありまして、十四年度においては、先ほど説明のあったように、いたし方ない点もあったといたしましても、より多くの患者、あるいは感染者の方に利用される制度にしていくのが重要と考えておりますので、今後とも努力をしていただきたいと思いますが、それに対する所見をお伺いいたしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 都といたしましては、本制度が広く活用され、自覚症状があらわれにくいウイルス肝炎に罹患している方々が、一人でも多く早期発見、早期治療につながることを望んでいるところでございます。このため、患者さんからの要望にこたえ、入院医療費については、申請を受け付けたその月の初日から助成を開始するなどの改善を加えてきております。
今後とも、ウイルス肝炎の早期発見、早期治療の重要性や、この新たな制度の利用を都民に周知する努力を重ねるとともに、一般医療機関と専門医療機関との連携のもとに、本制度が適切に運用されるよう努めてまいります。
○山田委員 都の姿勢はよくわかりました。このウイルス肝炎については、医原病、つまり医療機関が原因で発病するとの報道も記憶しております。肝炎患者の医療対策は、本来、国が責任を持つべきものだと思いますが、国に先駆けた都のウイルス肝炎総合対策は、大いに評価されるものだと考えております。
しかし、せっかくの制度も、都民に利用されないのでは宝の持ちぐされになってしまいます。この制度により一人でも多くの感染者の方が療養生活を支えられるよう、改めて都民への周知を要望しておきたいと思います。
それでは次に、輸入食品の安全対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
平成十五年十月、農林水産省が発表いたしました平成十四年度食料需給表によりますと、日本の食料自給率はカロリーベースで五年連続横ばいの四〇%でありまして、相変わらず輸入食品に頼っている状況になっております。
このような中で、平成十四年度には、農薬が基準を超えて残留する中国産冷凍ホウレンソウや、日本では認められていない食品添加物が使用された肉まんなど、食品衛生法に違反する輸入食品が相次いで発見をされました。そして、連日のように新聞などで報道されたことは、いまだに記憶に新しいと思います。
そこで、昨年発生いたしましたこれらの輸入食品の主な違反事例と、都の対応についてお伺いをいたします。
○中井食品医薬品安全部長 平成十四年度には、ご指摘のありました冷凍ホウレンソウなど、農薬の残留基準違反によりまして東京都が公表した農産物は二十五件、また、肉まんなど、日本では認められていない食品添加物の違反使用により公表した食品は十一件ございました。いずれも販売禁止などの措置をとるとともに、迅速に都民に情報を伝えるため、報道機関に公表するなど、適切な対応を図ってまいりました。
○山田委員 輸入食品につきましては、一義的に国が対応すべきものと考えております。しかしながら、検疫所における輸入食品の検査には限界があるとも聞いておりまして、こうした状況について具体的に説明いただくとともに、都の役割についてもお伺いいたしたいと思います。
○中井食品医薬品安全部長 検疫所では、輸入食品のすべてを検査しているわけではございません。過去の違反状況等から、違反の蓋然性の高いものを中心に検査しております。したがいまして、輸入時に検査の対象とならずに市場に流通する輸入食品の監視、検査は、自治体の役割となります。東京都では、輸入食品を専門的に担当する独自の輸入食品監視班が中心となりまして監視を行っているほか、輸入食品関係営業者に対する講習会を開催して、違反発生防止に努めております。
○山田委員 今お話がありましたように、都は、輸入食品の安全を確保するため、さまざまな対策を講じているとのことでございますけれども、都民の食に対する強い不安がある中で、ぜひ都民の健康を守るため、輸入食品を含めたすべての食品について安全確保対策を一層強化する必要があると思いますけれども、最後に見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○中井食品医薬品安全部長 平成十五年度からは、輸入食品監視班を一班ふやしまして二班体制にするとともに、特に、違反食品が広域に拡散することを防止するため、輸入業者や問屋に重点を置いた監視を行うなど、対策の強化を図ったところでございます。
また、輸入食品を含めまして食品の安全確保を図るためには、生産、流通、消費の各段階を通して食品安全行政を総合的に推進していく必要がございます。このため、現在、仮称ではございますが、食品安全基本条例の制定に向けまして検討を行っているところでございます。
○酒井委員 それでは、私の方からは、小児医療について何点かお伺いをしたいと思います。
まず第一点目は、今、山田副委員長の方からもございましたけれども、平成十四年度から、都は、小児初期救急医療事業について区市町村に運営費を補助する事業を開始しておりますけれども、資料要求した資料によりますと、平成十四年度においては、葛飾区、練馬区、中野区、杉並区、品川区、江東区、そして町田市の六区一市にとどまっております。この数字は、当初、予算段階で予定をしていた数字と比較をして、どの程度の達成率であったのか、まず初めにお伺いしたいと思います。
○奥田医療政策部長 小児初期救急平日夜間診療事業につきましては、平成十四年度予算で、十八年度までの達成を目指して、当面、十四区市町村での実施を目標といたしまして事業開始をいたしました。結果的に目標の約半分ということでとどまっております。
○酒井委員 今ご答弁にありましたように、十八年度までの計画で、当面十四という目標にしてきたけれども、半数にとどまった。実績がかなり低迷をしていると思いますけれども、都は、これまでにこの事業の達成に向けてどのような取り組みを行ってきたのか、お答えをいただきたいと思います。
○奥田医療政策部長 事業実施に先立ちまして、全区市町村に対しまして小児初期救急医療事業の実施に関する意向調査を行いまして課題を把握した上で、取り組み方法等について個別に説明を行うなど、各区市町村の積極的な取り組みをお願いしたところでございます。
なお、小児初期救急医療事業を先行的に実施しております区市町村に、地区医師会や二次救急医療機関、所轄消防署等の関係機関で構成する協議会を設置いたしまして、事業運営にかかわるさまざまな課題への対応方法について分析、検討を行っていただいており、今後は、未実施の区市町村に対し、その成果を普及することはもちろん、さらにきめ細かく連携し、協力しながら取り組みを推進してまいります。
○酒井委員 今、積極的に、きめ細かく連携しながら取り組んでいくというようなご答弁があったわけですが、この事業がなかなか進まない要因の一つには、小児科医がなかなか足らないということで、これは他の委員からもお話が出ているわけですけれども、特に、この結果、十四年度においては六区一市にとどまっているということで、先般、東京都の方で多摩地区の小児医療についての資料をいただいた中にも、子ども千人当たりの小児科医数ということで、二十三区は三・三人いるのに多摩地区は二・〇しかいないという形で、圧倒的に多摩地区の小児科医といったものが少ないというデータも東京都の方ではつかんでいただいているようなんですが、区市が実際にこの事業に取り組んでいくに当たり、今の小児科医の問題を含めたさまざまな阻害要因が考えられるわけですけれども、その大きなネックになっているのは何なのか、お答えをいただきたいと思います。
○奥田医療政策部長 ただいま先生からご指摘いただきましたとおり、未実施区市町村におきましては、小児科医の確保が非常に大きな問題であるというふうに私どもも把握しております。特に多摩地域は、区部と比較して、ご指摘のとおり少ない。さらに細かく見ていきますと、市町村間においても差があることが、事業推進上の大きな課題であるというふうに考えております。
○酒井委員 やはり小児科医が少ないということが根本的な原因になると思うんですが、今回、平成十四年度で行われた事業、資料によりますと、都の補助額といったものが、丸々一年間実施したところでは三百六十七万五千円ですか、注のところを見ると、この補助事業については、補助対象経費はお医者さんと看護師等の確保にかかわる人件費等の補助率二分の一といった記述がございます。この補助費についても、実際に今後、区市で幾らかかっているのか、実際に支出している事業費の内容等を十分精査をしていただきまして、例えば、これはお医者さん一人に看護師一人と、あと事務員一人の経費で出していると思うんですけれども、例えば、なかなかお医者さんの数というのは、絶対数が少ないわけですから、ふやすことというのは難しいのかもしれませんけれども、例えば看護師を一人追加するであるとか、また、いろいろと子どもの医療の問題等とかで、大きな病院でも小児科医がいないためにお薬を大人の分量で出しちゃったとか、そういう医療ミス的なこともあるわけですから、例えば薬剤師さんを入れるような、そういった基準に変えていくとか、補助を充実をしていく上での基準の見直し等についても検討していただきたいと思います。これは今回は要望にとどめさせていただきます。
それとあわせて、根本的な問題であります小児科医の不足に対して、都は、小児医療研修といったものを実施したそうでありますけれども、その結果、小児医療救急に取り組みを始めたお医者さんはどの程度いるのか。また、東京都として、この平成十四年度の研修以外にどのようなアクションをとられてきたのか、お答えをいただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 内科医等の開業医に対する小児医療研修の効果についてでございますけれども、平成十四年度は三十九名が研修を修了いたしました。修了者は、地域の救急医療などの小児医療に貢献しているものと考えております。小児初期救急医療事業実施地区から参加いたしました医師は三十一名でございまして、そのうち十八名、約六割の方が初期救急に参画をいただいていると聞いております。
また、開業医研修以外の取り組みといたしましては、国の予算に対する提案、要求の中で、小児科医師の養成確保や小児医療に関する診療報酬制度の抜本的な改善等について、提案、要求しているところでございます。
○酒井委員 今ご答弁にありましたように、三十九名が研修を修了したということと、参加した医師三十一名のうち十八名、約六割の方が初期救急に参画をしていただいているということですので、ぜひともこういった事業を今後ともさらに推進をしていただきたいと思います。
そして、これは根本的には、やはり東京都も国に対して予算要求を行っているということで、この中で、小児科医の確保であるとか、あと、診療報酬の問題ですね。子どもは手がかかるのに、大人に対する診療報酬と変わらないということで、お医者さんの側からすると、余りお金の面でのメリットがないし、病院経営、一般の病院であれば経営のメリットが薄いということで、その点について改善をしていく必要があると思うわけですけれども、実際に東京都が行ってきた要望に対して、国はどのような反応なのか、具体的な動きがございましたら、お答えをいただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 都では、平成十三年度から、同様の要望を国に対して行っているところでございます。国におきましては、平成十四年度に、小児科医や産科医の労働実態や、人材、財源などの効率的な配備などの課題について調査研究を行うため、研究班を設置したというふうに聞いております。
○酒井委員 今、国の反応についてご答弁をいただいたわけですけれども、東京都としては、平成十四年度だけではなく十三年度から要望をしてきたということで、多分今年度も、来年度に向けても要望をしていると思うわけですが、なかなか具体的な小児科医がふえるという状況には至っていないのではないかと思います。
こういった国への働きかけといったものは、当然引き続き行っていただきたいと思うわけですけれども、なかなか国の対応が遅い中で、東京都としてもいろんな事業を行っているということは重々承知をしているわけですけれども、例えば、小児科を持っている医療機関に補助金みたいなものを出すような形で経営を支えるであるとか、また、東京都として個別にやることといったことはなかなか難しいのかもしれませんけれども、普通のお医者さんが小児科医になるような経済面でのインセンティブ等も与えられるような取り組みといったものも行ってほしいなという、これは私の希望なんですけれども、東京都として、そういったことも含めて、小児科医をふやすための新たな対策といったものを、この平成十四年度の事業の結果を踏まえて講じていくお考えがあるのかどうかお伺いをして、質問を終わりにさせていただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 ことし六月に出されました、多摩地域における小児医療体制検討会のまとめの中でも述べているところでございますけれども、平成十六年度から、医師法等の改正によりまして、医学部卒業後二年間の臨床研修が義務化されることとなっております。東京都では、この二年間の臨床研修の後に、小児科医を目指す医師が三年程度の専門研修を受けるに当たりまして、指導環境を確保するための支援策を具体的に検討していくこととしております。また、離職小児科医師の再就職を支援するため、小児医療に関する最新の知識等を習得するための研修や、就業場所等に関する情報の収集、提供などについて検討してまいります。
○東村委員 それでは、私の方から、難病に対する医療費助成、それから多摩地域の小児医療の二点について、平成十四年度の決算に基づいてお伺いしたいと思います。
最初に、在宅難病患者の対策の問題ですけれども、実は、私のもとに、難病の進行性筋ジストロフィーのお子さんを持つ方からメールが参りました。この方のいろんなお話を聞いている中で、人工呼吸器を今頼りに二十八歳と二十六歳のお子さんがいる。この進行性筋ジストロフィーについては、人工呼吸器をつけないと二十歳で命が終わってしまうといわれている難病でございます。
そこで、この方が何点か、非常に不合理なんじゃないか、腑に落ちないという点で要請がございまして、その要請の内容として、人工呼吸器を使用した難病患者の訪問看護事業の問題についてお話がございました。現在、国が指定する対象疾病四十七疾病と、都が指定する対象疾病、この疾病によっては訪問看護事業について余りにも差があり過ぎる。例えば、通称ALSと呼ばれている筋萎縮性側索硬化症、これは国が指定する対象疾病です。これに対して、進行性の筋ジストロフィー、これは都が指定する対象疾病なんですね。
そこで、まず第一にお聞きしたいのは、人工呼吸器使用難病患者の訪問看護事業について、具体的にどういうものなのかということについて、まずお伺いしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 都の人工呼吸器使用難病患者訪問看護事業でございますが、これは、在宅で人工呼吸器を使用している筋萎縮性側索硬化症などの難病患者が、診療報酬で定められている一日二回を超えて訪問看護を必要とする場合に、一人、年間二百六十回、これは一週間当たりでは五回ほどになりますが、この回数を限度として訪問看護に要する費用を助成するという事業でございます。
この事業は、訪問看護ステーションや訪問看護を実施している医療機関に委託して実施しておりますが、利用可能な者は、国庫補助の対象事業となっております関係から、国が指定した難病疾患の患者のみに限られております。
○東村委員 先ほどいいました人工呼吸器なんですけれども、これは一日二回の訪問看護で足りないわけなんですね。足りる場合もありますけれども、大部分が足りないわけなんです。そういう意味で、国が指定する難病の疾病、いわゆるALSについては、一人、年間二百六十回、これを限度として診療報酬の対象外の訪問看護を実施してくれている。片や、先ほどいいました進行性の筋ジストロフィーについては、一日二回までだと。しかし、人工呼吸器をつけている、こういう実態があるわけです。
そこで、当初、国は進行性の筋ジストロフィーという病気を対象疾病には指定しなかったけれども、都が単独指定難病として対象疾病とした経緯について、まずお伺いしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 都は、従来、進行性筋ジストロフィーについては小児慢性疾患として医療費助成を行ってまいりましたが、原因不明なまれな疾患であることや、治療法が未確立であり、長期の療養が必要であるなど、難病としての要件を満たしており、また、医療への依存度が高く、療養上特段の配慮が必要な疾患であることから、平成十年度から、都の難病指定を行っております。
○東村委員 当初、従来は小児慢性疾患の中で医療費助成は行ってくれていたけれども、これはやっぱり難病の要件をきちっと備えているということで、平成十年度から都の難病指定を行ったと、今おっしゃってくださいました。
そこで、さっきいった事業の対象となっているALS、筋萎縮性側索硬化症と、進行性筋ジストロフィーとの病気の相違点はどこにあるのか、これについてお伺いしたいと思います。
○梶山医療サービス部長 いずれの疾患も神経系が侵される難病であり、進行性に筋力の低下が見られるようになります。病状の末期の段階では、呼吸をするための筋肉までが侵され、人工呼吸器の装着が必要となる例が多い疾患でございます。発症年齢は異なっておりまして、筋萎縮性側索硬化症は成人期になってからの発症であることに対し、進行性筋ジストロフィーは小児期で発生する遺伝性の疾患でございます。
○東村委員 今、部長がおっしゃってくださったように、いずれも神経難病で、進行性に筋力の低下が見られ、最後は呼吸筋が侵されて自力で呼吸できなくなる。したがって、人工呼吸器がいずれも必要なんだ。ところが、年齢が、ALSの場合は成人になってから、そして進行性の筋ジストロフィーについては小児で発症する。こういう発症年齢が違うというだけであって、症状はほとんど同じなわけなんですね。
そこで、なぜ、このように似ている疾病であり、同じ難病であるのに、訪問看護サービスが同じように受けられないのか、こういう患者を持つ父兄の方から出てくる声というのは、私は間違った声じゃないと思いますし、ためにする、そういう声じゃないと思います。本当に心の底から、なぜそうなんだと、片や、小児の段階からこういう症状がある、むしろこちらの方がもっと手厚くてもいいんじゃないかと、通常、私なんかも聞いていて思ったりするわけなんです。
そこで、私は確かに、国がこれに入れてくれれば本当は一番いいんでしょうけれども、今、国の指定でここまでですよと。一日二回を超える訪問看護はもう認めませんよ、こういっている進行性筋ジストロフィーの方のこれについては、やはり国に先駆けて都が、これは都の責任でもないんでしょうけれども、都として、どうかこの事業の拡大を考えてあげてもらいたいなと心の底から思うわけでございますが、これについていかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 都といたしましても、進行性筋ジストロフィーは、筋萎縮性側索硬化症と同様に、在宅での介護には極めて多くの労力を必要とする疾患の一つであると認識しております。このため、国に対しては指定を行うよう引き続き提案、要求を行うとともに、在宅で療養を続けている重症の難病患者に対する療養サービスのより一層の充実を図る観点から、今後検討してまいりたいと考えております。
○東村委員 国に対して要請しながら、かつ都としても今後検討してまいりたいという答弁が、今ございました。ぜひとも、これは予算要望の中で、私は入れてもらいたいと思うんですね。決算委員会というのは、翌年度の予算に反映させるために、このようにスピーディーな決算委員会をやっていただいているわけですから、この決算委員会で検討していきたいといった声、どこまでできるか、非常にこれからの闘いだと思うんですけれども、ぜひとも私は、この予算の中に入れて、そんなに多くの方じゃないと思いますから--これは普通で考えても、やはりおかしいと思うんですよ、冷静に考えても。これは国の責任だといえばそこまでかもしれませんけれども、そこを東京都が救っていってあげる、そういう制度をぜひともお願いしたいということを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次の多摩地域の小児医療の問題でございますが、先般の第三回定例会の厚生委員会の席におきましても、私はこの問題を取り上げさせていただきました。非常に前向きな答弁をしていただきまして感謝をしているわけなんですけれども、この多摩地域の小児医療の検討会の報告書の中で、具体的に都は、二十三区区部は出生千人に対してNICUの病床数は二・二床、多摩地域は〇・八床しかない。だからこそ、当面、整備する間に突発的なトラブルが生じた際の対応策として、多摩地域の周産期母子医療センターの整備と地域連携、こういう施策をこれから検討するということで発表していただきました。これは非常に大事な視点であると思います。
そして、私は、多摩地域の周産期母子医療センターと、いわゆる地域の新生児医療に対応可能な医療機関との連携強化の問題の中で、一番ポイントとなるのはトランスファーであり、その手段であるドクターカーなんだという話をさせていただきました。健康局からは非常に前向きな答弁をしていただきました。第一回定例会で私が一般質問で同じようなことをいったときに、新たな配置を検討していく、こういう答弁で、今回、厚生委員会では、現在都立八王子小児病院に配置されているドクターカーが多摩地域の周産期医療を支える上での多大な成果を認め、その上で、多摩地域に新たにドクターカーの配備をする。こういう配備をするという答弁までしていただきまして、これは非常に私、地元の八王子の地域に帰ったときに、お母様方は喜んでいました。ここまでようやく東京都も踏み込んでいただいたということで感謝をされていました。
その上で、私は再度念押しの上で、新生児医療に対応可能な十三の医療機関と周産期母子医療センターとの連携強化の仕組み、これは恒久的な役割なのか、それとも多摩地域にどんどんどんどん周産期母子医療センターが整備されるまでの補完的な役目なのかと聞いたときに、これは補完的な役目なんだという話をされまして、私はそれであるならば、もっともっとやっぱり都が積極的に、統廃合が予定されている清瀬や八王子をカバーしているこの地域にNICUを整備していきなさいよ、それがやっぱり東京都の責務ですよと話をしたら、局長は、多摩という特殊なエリアを考慮して、周産期医療の一層の充実に努める、このように答弁をしていただきました。
そこで、ドクターカーについては一歩踏み込んだ答弁をしていただきましたが、NICUについてはかなり抽象的な部分がありましたので、きょうはそこを具体的に掘り下げていきたいなと思うわけです。
そこで、まず、ページでいいますと、一般会計決算説明書の六二ページに出ています、母子医療体制の整備、この中にNICUの整備補助についても含まれているんだろうと思います。
そこで、平成十四年度のNICUの整備費補助の状況についてはどのようになっているのか、まずこれについて伺いたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 平成十四年度のNICUの整備費補助の状況でございますけれども、平成十四年度における周産期母子医療センターに対する整備費補助は、六施設に対しまして合計一億八千三百三十四万円となっております。補助を行った六施設のうち二施設につきましては施設の改修等を行う施設整備費補助でございまして、残りの四施設につきましては医療機器を購入するための設備整備費補助でございます。
○東村委員 そこで、今ご答弁いただいた補助を行った六施設のうち四施設は、医療機器を購入するための設備整備費の補助だと。したがって、NICUを整備するという施設の改修等は二施設にとどまっているわけなんですね。これは多摩地域が含まれているんでしょうか。部長、どうですか、これは。
○海老原事業調整担当部長 多摩地域については、補助の対象になっておりませんでした。
○東村委員 先ほど、区部は二・二床、多摩地域は〇・八床と、格差があるわけなんですね。東京都の整備目標は二床なわけですよ。二床。この東京都の整備目標でいう出生千人に対してNICUを二床整備していくためには、多摩地域では合計七十五床なきゃいけないんです。ところが、現在整備されているのは三十九床なわけですね。この三十九床も、これは府中にできる予定の小児総合医療センター、これと杏林大学のNICUの数が合わせて三十九床で、全部これは医療圏でいうと北多摩南部の地域なんですね。それ以外のところはほとんどないわけでありまして、これから整備するのは、どれだけ足りないかというと、三十六床足りないんです。これ以外の地域で三十六床整備していかなきゃいけないんですけれども、先ほどの答弁で、多摩地域ではゼロだと。結局、二・二床整備されている区部で、この二施設が改修をされた。そして、四つの施設で医療機器が購入された、こういう現状なんです。
そこで、具体的にお伺いしたいんですけれども、例えば、よくNICUの整備といったときに、このNICU、一床じゃ機能しませんよ、最低九床なければNICUは機能しないんですという話をよくお伺いします。そこで、このNICUを例えば九床整備した、こう仮定した場合に、初期投資経費はおおむねどの程度かかるのか、これについてまずお伺いしたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 NICUを例えば九床整備する場合の初期投資でございます。既存の周産期母子医療センターの整備の状況などから推計いたしますと、NICU一床当たりの整備費は、おおむね二千五百万円程度になるものと考えられます。したがいまして、NICU九床を整備するには、おおむね二億二千五百万円程度と考えております。
○東村委員 NICUを九床整備するには、おおむね二億二千五百万円ぐらいかかる。これに対して、いわゆる東京都が助成されている施設整備費や、先ほどいいました設備整備費は大体幾らぐらいかかるのか、これについてもお答えいただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 補助率は三分の二となっておりますので、計算しますと……
○東村委員 補助率だけでいいですよ。
補助率三分の二ということですから、施設整備費でいくと大体一億三千五百万円、設備整備費でいくと九千万ぐらいでしょうか。初期投資に関しては、この辺まではNICUの整備はかなり補助をしていただいているわけです。
そこで、もう一つ大事なことは、実際にそれを運営していく上で、どれくらいかかって、どれくらいの収入があって、どれくらいの補助があるのか。これによって、初期だけでこういうNICUは終わるわけじゃありませんから、やはり病院側もどうするのかという判断になってくると思うんです。
そこで、NICUを九床運営していくための人件費や医療材料費などのランニングコスト、これについて年間どの程度かかるのか。東京都の場合、都立小児病院というのを抱えていますから、この辺のデータをもとにで結構ですので、答えていただければと思います。
○海老原事業調整担当部長 NICU九床を運営していくためのランニングコストでございます。各周産期母子医療センターの状況から推計いたしますと、年間のランニングコストは、おおむね六億円程度ではないかと考えております。内訳といたしましては、人件費が三億六千万円、医療材料費などの経費が二億四千万円程度と考えております。
○東村委員 先ほど、初期投資がおおむね二億二千五百万とおっしゃいました。これに対してランニングコスト、一年間だけでおおむね六億かかるわけなんですね。先ほど、小児の診療報酬の問題もいわれていましたけれども、六億かかるNICUの整備、実際に、これは不採算であり、やりたがらないという声が出てくるわけなんですけれども、これに対する、まず収入と、都からどれだけの補助金が出ているのか、これについてお伺いをしたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 NICUを経営いたします医業収入の推計でございます。モデル施設を設定して試算をいたしますと、医業収入はおおむね四億円程度と思われます。また、東京都からの運営費補助でございますけれども、NICU九床に対しまして、約一千万円の補助額となると考えております。
なお、国に対しましては、私ども、これでは随分足りないというふうに考えておりますので、周産期医療にかかわる診療報酬の改善要求等を提案しているところでございます。
○東村委員 今、ランニングコスト、六億かかるといわれて、これに対する医業収入というのは、モデル事業ですけれども、約四億、二億の差がある。二億の差に、都からは一千万円の補助金なんです。九床ですから、一床当たり約百十七万円。これでもよくやってくれているとは思うんですけれども、今、国に対して診療報酬の改定を要請している。これも大事な点ですよね。
ただ、私は思いますけれども、東京都が既に今回八王子の小児病院、清瀬の都立小児病院、これを統廃合して、多摩に小児総合医療センターをつくる。その上で、ようやく多摩地域の小児医療の区部との格差、そして多摩地域内での格差ということを、あの検討会の報告書で認めてくれたわけですから、そこまで認めてくれたのであれば、これだけ二億の差があって、一千万しか補助してないといえば、それは当然病院側としても、例えばこれは民間でやれといったときには、大学病院でやれといったときには、それは大学病院はやりませんよ、恐らく。
で、かけ声だけ、整備に努めていきますといったって、これは一向に進まないわけなんですね。多摩地域の人たちは、こういう中に置かれて、これは東京都がそこまで突っ込んでくれたということは、やっぱり期待をしているわけなんですね。どうかその期待を裏切らないでもらいたいし、もう少し突っ込んでもらいたいなと思うんです。やっぱり補助金の額、一千万じゃ、申しわけないんですけれども、これは周産期医療体制整備を推進していきますということを、大きな声ではちょっといえないんじゃないかと思うんですけれども、この多摩地域の周産期医療の充実にかける局長の決意を伺いたいと思います。
○平井健康局長 多摩地域は、区部と比較いたしましてNICUの病床数が少なく、周産期母子医療センターの早急な整備が重要であると認識しております。周産期母子医療センターの整備に際しましては、新生児専門の医師や医療スタッフの確保が困難であること、また、ご指摘のとおり、NICUの運営が不採算であることなどの課題がございまして、センターの整備を促進するため、都として支援策の充実を図っていく必要があると考えております。今後とも、多摩地域の医療実態を踏まえまして、周産期医療体制の充実に努めてまいる所存でございます。
○東村委員 都として、支援策の充実を図っていく。ただ、ちょっと一歩前進していただいたのは、運営が不採算であるという検討課題ということを一つ認識をしていただいたということかなと思うんですけれども、こういう状況をほうっておくと--やはり今東京都が府中に小児総合医療センターをつくれと、私はこれについては、やるべきだと思っているんです。で、どんどん応援もしていきたいと思っております。ただ、いつもいいますように、地域の今カバーしているこの体制がなくなってしまったときに、この地域の人たちというのは取り残されてしまうわけであって、何かあったときには、私は東京都の責任も追及されるのではないかと思います。こういう状況をほうっておくと、結局は、小児病院をそのままにしておくべきなんじゃないかという議論が、また後戻りする議論が出てくる。これはやっぱり都としてもいつまでもほうっておくべき問題じゃないと思いますし、できればこれは予算の中にきちっと盛り込んでいってもらいたいと思うんです。
一つの例として、五五ページを開いていただきたいんですけれども、ここに地域医療対策等という形で、地域医療対策の予算と決算額が出ております。その中に医療施設の近代化施設整備費補助というのがあるんです。これが約六十九億予算計上されて、支出額が三十七億です。五三・五%の執行率なんです。ここに不用額が三十二億もあるんです。私は、同じ健康局の中でも、地域医療ということでこれはきちっとやられて、当初、予算を組まれたときには、これはやっぱり一定の整備目標というのを設定されてやられたと思うので、私はこの執行率云々ということをいっているのではないんですけれども、医療施設近代化施設整備費補助等、これは療養環境の改善や療養病床の整備を目的として、民間の医療施設に対して必要な整備費の一部を補助しているわけですから、東京都は小児医療も同じ地域医療ということで位置づけているのであれば、この辺のお金をもう少しNICUの整備費の補助に回していただければ、私は多摩のこの十三医療機関も、ある意味で手を挙げてくるんじゃないかと思うんです。そういう後押しも我々だって一生懸命やっていきたいし、やっぱり現実問題としてやっていかなきゃいけない問題でございます。この辺のことをどうか東京都は真摯に受けとめていただいて、これから対応を考えていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○河野委員 平成十四年度、健康局の決算について、ウイルス肝炎対策、精神障害者授産施設、神経難病医療ネットワークの三つの問題についてお伺いをいたします。
まず、ウイルス肝炎対策について伺います。
平成十四年十月一日から、東京都の難病医療助成対象から慢性肝炎、肝硬変・ヘパトームが外されました。我が党は、昨年の第一回定例会の場で、医療費助成の存続を強く要求し、都議会も全会一致で存続を求める請願を採択いたしました。慢性肝炎は完治する確率が極めて低く、長期の治療を必要としますから、患者にとっては命にかかわる施策の後退になりました。病と医療負担に苦しむ患者の方々の要望を踏まえ、医療費助成はどうしても必要であることを感じておりますが、その立場から、順次お尋ねをいたします。
そもそもC型、B型のウイルス肝炎は、国が行ってきたずさんな医療行政のもとで、手術のときの輸血や血液製剤によって感染が広がったことが原因になっています。そして、患者さんのほとんどが通院で治療を受けています。東京都衛生年表の平成十三年度の数字を見ますと、難病医療助成の慢性肝炎の助成実績は、入院九千五百四十五件に対し通院が三十六万三千六百十一件と、通院が入院の三十八倍に及んでおります。助成額の総額で比べても、通院は入院の三・七倍です。東京都は、入院患者に対しては医療助成を残しましたけれども、通院の患者の方々に対してなぜ助成を打ち切ったのか、このことについてお伺いをいたします。
○梶山医療サービス部長 東京都特殊疾病対策協議会報告によりますと、慢性肝炎や肝硬変などについては、ほとんどがB型あるいはC型肝炎ウイルスが原因であり、原因不明なまれな疾患であること、あるいは、治療法がないなどという難病の概念から外れることなどから、病状が悪化しなければ助成できない、これまでの現行難病医療費助成制度を再構築し、予防から早期発見、早期治療の一貫した体制づくりを行うこととしたものでございます。
○河野委員 先ほどもお話がありましたように、慢性肝炎は、肝硬変から肝がんに進行する病気です。その進行は二十年から三十年という長い期間にわたって、その間に少しでも進行をおくらせるよう治療を受けなくてはなりません。近年、インターフェロンなどの治療薬が開発されておりますが、それでも治る確率は三割程度といわれており、その治療代は数十万円の負担がかかります。私の知人には、インターフェロンの投与を受けて治療を始めたけれども、余りのつらさに途中でやめざるを得なかったという方もいらっしゃいます。長い闘病生活を耐えて、在宅で通院しながら生活している人たちへの医療費助成を、なぜ打ち切ってしまったのか。こういう方々の生活実態を見ていると、納得することができません。
現在、通院で治療を受けている人たちの医療費負担は、一カ月に二万円近くになります。都民の健康と生活を守るために、医療費助成の復活を私は求めますが、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 ただいまご答弁申し上げましたとおり、慢性肝炎あるいは肝硬変などは、B型あるいはC型肝炎ウイルスがあり、これまで難病と考えられておりました概念からは外れていると考えておりますので、新たなウイルス肝炎総合対策を実施いたしたものでございます。このため、旧制度の復活は考えてございません。
○河野委員 私は、やはり今のご答弁、冷たい都政の姿勢を示しているんじゃないかということを申し上げておきたいと思います。
山田副委員長が先ほどご質問なさいました問題と重なりますが、入院医療助成についてお尋ねをいたします。
予算現額、決算額、対象見込み、そして助成実績数については山田副委員長がお話しになりましたので、私の方からは具体的な数字は申し上げません。副委員長と同じように、私は、不用額が多く発生したことについて、改善の策がとられるべきだということを考えております。
先ほど、ご答弁の中で、一万百五十件という対象見込みに対して、千六十五件の助成実績という件数がございましたが、これに対して都の方のお考えは、今後、これから適用を受ける方は、希望者は多いだろうということと、それから、一定の制度の改善をしてきたこと、こういうことが述べられました。
私は、もう一点、この改善のための問題で、現在でも入院医療助成の制度があることを知らない患者さんが多いのではないかと判断をしております。東京都は、都民にこの入院費の助成制度があることを周知徹底させる努力、十分に行ってきたでしょうか。
○梶山医療サービス部長 この新たな入院医療費助成制度につきましては、平成十四年三月に、これまでの医療費助成を受けられておられました方々全員にお知らせするとともに、七月以降も、各種の経過措置や制度の一部改正などについて、「広報東京都」への掲載や、リーフレットを作成、配布することなどにより周知を図ってまいりました。今後とも、新たな入院医療費助成制度につきましては、医療機関や保健所などの関係機関を通し、積極的に周知を図ってまいりたいと考えております。
○河野委員 これも私の知り合いの人なんですが、最近、慢性肝炎で入院をして、そして、この制度があることを実際にご存じなかったようなんです。病院にも、そういう制度があるということが掲示されていなかったり、あるいは、病院の相談室のケースワーカーさんからのご紹介もなかったということで、結局、自費負担をされているんです。通常の通院のときでも、この方の場合は相当高額な治療を受けておられるようなんですが、せめて入院したときに、そういう助成制度があることを知っていれば本当に助かったという、これは本当に具体的な声なんですが、そういう言葉も聞かれますので、ぜひ、今、関係機関にも周知徹底というお言葉がございましたが、さらに東京都が努力されるように私は求めておきたいと思います。
もう一つの問題をお伺いいたします。
通院患者への助成がなくなり、今、低所得者への経過措置が平成十七年度まで三カ年の期限で実施され、資料では、ことし三月三十一日で三千八百十一人の方が受けておられるということになっています。経過措置を実施するに当たって、当初見込んだ該当者数と実績との関係はどうだったでしょうか。
○梶山医療サービス部長 慢性肝炎あるいは肝硬変などの患者さんの方々への旧制度の経過措置でございますが、当初予定しておりました対象者は約六千人ほどでございました。このうち五千四百件の申請があり、認定基準を満たしていた方々は約四千件でございました。平成十四年度末における助成対象者は、委員お話しのとおり三千八百十一人でございました。
○河野委員 この経過措置は、住民税非課税の人が対象になっておりますが、経過措置の申請の仕組みが複雑で理解が難しかったという声、また、申請の期間も、昨年七月半ばから九月三十日までと短期間であったことなどで申請できなかったという方も残されている、そういうことを聞いております。
昨年の申請期間中に対象になった住民税非課税の人の課税年度、これは何年度だったのでしょうか。
○梶山医療サービス部長 対象といたしましたのは、平成十三年分の収入にかかわる方々でございます。
○河野委員 平成十三年度の収入に対しての課税ですか。平成十三年度、非課税だった方への措置ではないんですか。
○梶山医療サービス部長 失礼いたしました。言葉が足りませんでした。平成十三年分の収入にかかわる平成十四年度の区市町村民税が非課税の世帯でございます。
○河野委員 平成十三年の収入に対して課税額を決めて、十四年度に納税するわけですけれども、じゃ、十四年度非課税だという方が対象だったわけですね。
私は、今思うんですが、その十四年度の収入が算定された十三年度以降、十三年とか十四年から年金生活に入った方とか、あるいは、失業して収入が非課税対象まで減ってしまった人、こういう方は、この経過措置の中には今入っていないということになると思うんです。低所得者を救済することや激変緩和のためにこの経過措置を行ったという考え方に照らして、再検討が必要ではないかと考えております。
具体的には、経過措置期間中に住民税非課税になった人に対しては、いつでも申請できるようにすること、また、住民税の本人非課税に対象を広げること、こういうことを行って、長い不況で今なお先行きが見えないこと、こういう経済情勢も考慮して、経過措置期間を、平成十七年度、この三年で終わらせるのではなく、それ以降も期間の延長が必要ではないかと考えているんですけれども、どうでしょうか。
○梶山医療サービス部長 これまでの難病医療費助成制度は、平成十四年九月末をもって終了しております。新たな入院医療費助成制度が開始された後は、申請を受け付けておりません。経過措置は急激な変化を防ぐためであり、期間は治療の継続などを考慮して三年間と設定いたしましたものでございます。経過措置期間の延長は、現在考えてございません。
○河野委員 資料でお示しいただきましたように、平成十四年九月三十日の時点で慢性肝炎と肝硬変・ヘパトームの難病医療助成を受けていた患者さんは三万一千三百二十七人、そのうち経過措置の対象になった方は三千八百十一人で、一割ちょっとです。二万七千人の方が医療助成を切られるという結果になりました。激変緩和の経過措置というにしては、余りにも不十分だと私はいわざるを得ないのではないかと思います。今、期間の延長などについてもお考えはないということでしたが、これからさらに都民の生活実態なども含めて検討していただくことを、強く求めておきたいと思います。
続きまして、ウイルス肝炎の早期発見を初めとした総合対策について、幾つかお伺いをいたします。
最初に、この制度の内容を具体的にお示しをいただきたいと思います。
○梶山医療サービス部長 この新たな制度でございますが、東京都新たな感染症対策委員会及び東京都特殊疾病対策協議会からの提言を受けまして、慢性肝炎及び肝硬変などについては、難病医療費助成制度の再構築を行い、新たなウイルス肝炎総合対策として、正しい知識の普及や啓発、四十歳以上の方々へのウイルス検診の実施、新たな医療費助成制度の創設など、また診断や治療に役立つ調査研究の実施など、ウイルス肝炎対策を予防から治療までの総合的施策として推進していくこととしたものでございます。
○河野委員 区市町村では、国の法によって基本健診を行い、そして陽性という結果が出た方には東京都が精密の検診を受けていただくという制度になっているということなんですが、実際に国の制度で区市町村が行った基本健診で陽性者となった方の数、それから陽性率、どのくらいいらっしゃるのか。それと、都の精密検診をその中で受けた方、こういう到達についてお示しをいただきたいと思います。
○梶山医療サービス部長 平成十四年度には、都内で老人保健法に基づくウイルス肝炎検診を約三十二万五千名の方々が受診いたしましたが、このうちの陽性者は八千七百十六名であり、陽性率は二・七%でございました。また、精密検診の受診者数は、平成十四年十月の事業開始から平成十五年三月までの六カ月間では四百四十八名でございました。
○河野委員 基本健診の陽性者と比較して、精密検査を受診した数は、計算いたしますと、わずか五%程度ということですが、この問題についてはどのように判断をされているでしょうか。
○梶山医療サービス部長 事業の開始が十月一日からであり、また受診票の有効期間が六カ月間であるために、三月末までの実績からだけでは、一概には少ないとは判断できないと考えております。
都では、区市町村の協力を得まして、基本健診受診者に制度の周知を図ってきたほか、ポスターやリーフレットなどによる普及啓発を図り、より多くの方々が検診を利用されるよう努めてまいります。
○河野委員 慢性肝炎は、健診で陽性の結果が出ても、本人にとっては自覚症状がないために、そして初期のうちは病気についての十分な認識もない場合が多くあると聞いています。東京都の精密検診は無料で受けられるのですから、病気についての理解や制度の周知などに努力していけば、受診者の数はもっと伸びると考えます。放置しておけば肝がんにまで進行していく病気ですから、東京都が検診の受診者数をふやす努力、今いろいろとお答えをいただきましたけれども、さらに重ねた努力が必要ではないかと考えるのですが、今後、さらに一層この周知徹底について努力していただく上で、東京都が今お考えになっていることがあったら、この機会にお答えいただきたいと思います。
○梶山医療サービス部長 この新たな制度のより一層の周知につきましては、区市町村あるいは医療機関など関係機関へのより一層の周知を図るとともに、「広報東京都」への掲載やリーフレットの作成、配布などによって周知を図ってまいりたいと考えてございます。
○河野委員 そんなに先ほどのご答弁と変わらないとは思うんですが、ぜひ努力していただきたいと思います。
私は、申し上げておきたいんですが、検診の受診者をふやし、適切に医療につないでいくところまで東京都が支援していくことが大事であると考えています。安心して患者さんが治療を受けられるためにも、やはり通院医療費助成の復活が強く求められていることを、再度この機会に指摘をさせていただきます。
二つ目の問題に入ります。精神障害者の授産施設への補助金についてです。
決算説明書、六六ページに、精神障害者通所授産施設補助というのがあります。具体的な授産事業の内容と運営費補助の目的、そして補助対象はどのようになっているのかについてお答えください。
○梶山医療サービス部長 通所授産施設は、一定程度の作業能力を有し、将来、就労を希望する精神障害者の方々に対して、作業の場を提供し、必要な訓練や指導を行うことを通して、精神障害者が地域社会で自立して生活できるよう支援することを目的とした施設でございます。
これらの施設では、利用者の方々の精神や体の状態を十分に勘案しながら、それぞれの施設が創意工夫を凝らして、多様な作業訓練、例えば弁当やパンの調理、あるいは清掃活動、喫茶店など、実にさまざまな訓練を実施しております。
この通所授産施設に対して、国が補助金の対象としておりますものは、施設を運営するために必要な経費と職員の給与などでございます。
○河野委員 精神障害者の方々の働く場所づくりは大切な問題です。国基準での運営費補助ということでありますけれども、授産施設の運営を支えていくためには、今、十分な額となっているでしょうか。
○梶山医療サービス部長 運営費補助金は、事業費や人件費などを基礎にして算定しており、国と都がその経費を負担しておりますが、これに加え、都は独自に、授産施設の活動を支援するために、通所者の昼食費や交通費、また施設整備費の補助を行わない施設に対しましては、開設準備経費を上乗せして補助しておるところでございます。
○河野委員 都も努力されているということはわかりました。今後とも、運営について、ぜひ都も補助の拡充に努力されるようにお願いをしておきます。
通所授産施設の運営については、国や都が補助されているということなんですけれども、この施設の運営には、その他にどういう収入がありますでしょうか。
○梶山医療サービス部長 通所授産施設を運営しているのはほとんどが社会福祉法人であり、運営費補助金以外の財源といたしましては、寄附金が主な収入となっております。
○河野委員 実際に運営されている方々のお話を聞くと、なかなかお金のやりくりも大変だということが聞かれます。そして、施設運営にとっては補助金が支えになっているということが強くいわれております。ところが、昨年、そしてことし、補助金が交付される時期がかなり遅くなっていて、施設の運営に支障を来しているということが、私たちのところにも届いております。
他県と比較をして、年度当初に交付されている県もあるけれども、東京では早くても七月ごろ、遅いと十月から十一月になっている施設もあるとのことです。そのために、補助金が交付されるまで資金繰りに苦労して、金融機関から利子のつく融資を受けたり、身内から無利子で借りたり、あるいは職員の給与などを遅配してお金のやりくりをしている、しのいでいるというのが現状だと聞いております。
東京都の補助金の交付時期を、施設の運営を安定的に進める上でも、早めていくことが大切だと思うのですが、早めるという方向で、お考え、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 都はこれまでも、通所授産施設に対します補助金の早期交付に向けて取り組んでまいりましたが、国が補助基準額を改定する時期が毎年異なっているなどの問題があることが一つの原因であると考えております。通所授産施設の安定的な事業運営を確保するためには、補助金の早期交付も今後の一つの検討課題であるというふうに考えております。
○河野委員 私たちも調べましたけれども、例えば北海道などでは、補助金を十二カ月で割りまして、十二分の一ずつ毎月交付しているところもありますし、大体年度当初交付するように努力している県が相当多数あります。やはり、そういうふうな行政のバックアップがないと、なかなかお金の面でも施設を運営していくのが厳しいという側面もあると思いますので、ぜひ交付時期を早められるように、健康局の方でもご努力をいただきたいということをお願いしておきます。
私は、今、授産施設についてお伺いをいたしましたけれども、福祉ホームあるいはグループホームの方々からも同様の声が寄せられております。あわせて、運営を支援する方向でご努力をお願いしておきます。
三点目に、神経難病医療ネットワーク事業についてお伺いをいたします。
この事業では、パーキンソン病や、先ほどもお話がありましたALS、筋萎縮側索硬化症という病気ですか、それから進行性筋ジストロフィーなど、疾病が指定されていて、入院施設の確保や支援を行うために、地域の医療機関が協力してネットワークがつくられ、患者の療養と家族を支えるために事業を進めていると聞いています。
この事業が開始された年度、そして事業の内容、またネットワークというのはどのように構成されているのか、お答えをいただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 神経難病医療ネットワークでございますけれども、平成十三年度から患者及び家族を支援する事業として開始したものでございます。
具体的に申し上げますと、神経難病患者に対する適時適切な入院施設を確保するため、高度専門医療を担う拠点病院及び安定期患者の受け入れ等を行う協力病院を指定するとともに、安心して在宅療養生活ができるようにするため、これらの病院、保健所、かかりつけ医等、在宅療養を担う関係機関によるネットワークの構築を図ったものでございます。
拠点病院でございますけれども、急性増悪期等の総合的、専門的医療を要する患者の受け入れ、協力病院等に対する医学的な助言、指導を行う病院でございます。協力病院は、安定期における医療を要する患者の受け入れ、在宅療養を支援する病院でございます。
これらの病院及び保健所には、連携の核となる相談連絡員を、また疾病対策課に難病医療専門員を配置いたしまして、関係機関相互の連絡調整を緊密にし、事業の効果的な実施を図っているところでございます。
○河野委員 拠点病院、協力病院の位置づけについてご説明いただきまして、ありがとうございました。
この拠点病院や協力病院はどのように配置されているのでしょうか、そして拠点病院には都立病院は入っているのでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 病院の配置の状況でございます。私どもといたしましては、保健医療計画を踏まえまして、二次保健医療圏ごとに拠点病院を一カ所、協力病院五カ所を目標に整備を進めているところでございます。現在、拠点病院は二十三病院、協力病院は五十病院を指定しているところでございます。
協力病院は、二次保健医療圏によりましては不足している圏域がございまして、その拡大を図るなど、引き続きネットワーク事業の充実を図ってまいります。
また、都立病院でございますけれども、都立病院に関しましては、神経病院が協力病院として入っているところでございます。
○河野委員 今、二次医療圏ごとに拠点病院はほぼ充足していて、これから協力病院についてはネットワークに入っていただくところをふやしていく努力方向が示されたわけですけれども、その拠点病院の問題なんです。区東部とか、西多摩、南多摩、北多摩西部、それに島しょを加えますと、五つの医療圏においては、拠点病院はないというふうに、私たち、医療圏ごとに病院の数を当てはめてみましたら、そういう結果が出ています。
例えば、私、江戸川ですが、区東部の保健医療圏ですね、都立墨東病院があります。その都立墨東病院が拠点病院の役割を果たすというふうに東京都が努力できるのではないかと考えております。また、協力病院についていえば、府中病院や神経病院がある北多摩南部と島しょがゼロという状態です。協力病院は医療圏ごとに五つの病院を配置する目標ということですが、多摩地域では、五つの医療圏全部で、この五病院という目標には達しておりません。
東京都の保健医療計画平成十四年度改訂版には、神経難病医療ネットワークを拡充するということが書かれております。これは患者さんにとって本当に切実な要望なんですけれども、拠点病院、協力病院の拡充についてどのように検討されているでしょうか。私は、特に都立病院が自治体立の病院として積極的に拠点病院の役割を果たしていく必要があると考えます。二十三区の都立病院を拠点病院に位置づけることを含めて、都立病院についての東京都の考え方をお示しいただきたいと思います。
○海老原事業調整担当部長 本事業の開始の時点に当たりまして、都立病院の参画について検討が行われたわけでございますけれども、都立病院の医療機能の集約とネットワークの充実という再編整備の考え方に基づきまして、神経病院が拠点病院として参画をしたところでございます。
現在、二十三区において、拠点病院が整備されていない二次保健医療圏は、区東部のみでございます。区東部におきましても、医療資源の状況を踏まえまして、拠点病院の指定を行ってまいりたいと考えております。
○河野委員 ぜひ努力していただきたいのと、私がきょう申し上げたかったのは、やはり都立病院をもっともっと位置づけていくことも、地域の医療を充実させていくということでは必要ではないかと思います。拠点病院、協力病院、ともに視野に入れて都立病院を位置づけていただくことを求めておきたいと思います。
もう一つの問題ですが、協力病院は、不採算部門になっても、患者の命を守る使命感を持ってネットワークに入っています。東京都がこうした病院に財政支援を強めてほしいとの要望もありますが、この問題では東京都はどういうお考えをお持ちでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 協力病院に対する財政的支援につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
○河野委員 ぜひ、検討課題から実施の方向へ移していただけるように、ご検討をよろしくお願いいたします。
もう一つです。日本ALS協会東京支部の方々が要望されております。筋萎縮性側索硬化症という病気の方々の団体ですが、平成十六年度に向けた東京都への予算要望の中で述べられております。紹介いたしますと、人工呼吸器患者が拠点病院などから在宅療養に移行する場合、主治医、家族、MSW、かかりつけ医、難病担当保健師、訪問看護師、ケアマネジャー、患者団体などの地域支援関係者によるコンファレンスを開催して、医学、管理、吸引指導、緊急時のバックアップ、看護介護体制などを総合的に整備するよう指導してくださいというふうに要望されております。患者さんたちの要望にこたえて、具体化を進めていただきたいと考えるのですが、いかがでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 ALS患者退院時のコンファレンス等、在宅療養の整備につきましては、現在、保健所が中心となりまして、ケース検討会や療養支援計画策定評価事業等を活用し、在宅療養の支援に当たっているところでございます。
今後とも、引き続きALS患者の在宅療養の支援に努めてまいります。
○河野委員 ぜひご努力をお願いします。
最後に申し上げます。
医療行政は、都民の命と直結している重要な分野です。病を持った人が、お金のことを心配することなく、安心して医療が受けられるよう、東京都が施策を充実させていくこと、そして改善をさせていくことを強く求めて、質問を終わります。
以上です。
○山加委員 世界に類を見ない高齢社会に突入している我が国でありますが、平成二十七年には都民の四人に一人が高齢者になると予測されております。高齢化の急速な進行や生活習慣病の増加などにより、治癒することの困難な疾患や慢性疾患を持つ患者が増加をしております。また、医学や医療技術の目覚ましい進歩によって、障害を残した状態で長期の療養や介護サービスを必要とするという事例も増加をしております。
こうした状況の中で、寝たきり予防への対策とともに、障害の軽減や日常生活動作の維持向上及び看護や介護に当たる家族等の負担も軽減されるリハビリテーションへの充実は、今後一層増大することが見込まれると思います。
欧米では、早くからこのリハビリテーションの重要性が認識され、医療体制も充実してまいりました。しかし一方、我が国におけるリハビリテーション医療への取り組みは、昭和四十年、理学療法士及び作業療法士法が制定されたことに端を発しておりますけれども、療養報酬での位置づけが大変低かったこともあり、必ずしも医学界も積極的に取り組んできたとはいいがたい状況であります。
その結果、世界的に見ても立ちおくれた状況となっているわけですが、都においては、昭和四十四年、養成学校、当時、府中リハビリテーション学院、現在の都立保健科学大学ですが、設置されまして、理学療法士、作業療法士の養成に着手し、また平成二年には、当時では我が国でも大変数少ないリハビリテーション専門病院を開設するなど、都としてはまさに先駆的な取り組みを行ってきたところであります。
それだけに、本格的な高齢社会を迎えた今こそ、その立ちおくれを一挙に取り戻すべく、国に先んじて、都は、リハビリテーション医療体制の整備をまさに積極的に推進していくことが大変重要な課題であります。こうした観点から、リハビリテーション医療の充実に向け、何点か伺わせていただきます。
まず、都の、これまでのリハビリテーションへの取り組み状況についてお伺いをいたします。
○梶山医療サービス部長 都のリハビリテーションへの本格的な取り組みは、昭和四十九年から二年間実施いたしましたリハビリテーション医療基礎調査に始まり、その後、昭和五十三年にはリハビリテーション医療調査委員会を設け、昭和五十五年には、この委員会から、東京都におけるリハビリテーション医療体制のあり方に関する報告書が提出されております。
この報告書の中では、リハビリテーション専門病床の整備目標数などが提言されておりますが、この目標数は、その後の医療を取り巻く状況の変化などを踏まえ、現在では三千床となっております。
また、平成二年には、都内のリハビリテーション医療の中核的な専門病院として、東京都リハビリテーション病院を開設し、リハビリテーション医療の充実に努めてきております。
さらに、平成十三年度からは、東京都リハビリテーション協議会からの報告を踏まえ、急性期から回復期、そして維持期に至るスムーズなリハビリテーション医療を実現するための地域リハビリテーション支援事業を開始してきているところでございます。
○山加委員 私も、この東京都リハビリテーション病院、視察をさせていただきました。大変リハビリを必要としている都民にとっては心強い存在であるということを、私も実際現場を見せていただいて、感じたところであります。
しかし、それと同時に、このリハビリテーション病院の存在が、医療機関の情報という意味では、都民になかなかわかりにくい状況ではないかなということも感じました。
リハビリにおいては、例えば脳卒中等の急性期の治療及びリハビリテーション医療が終わると、続いては回復期のリハビリテーションができる医療機関への転院をすることになるわけですけれども、実はこのリハビリ医療を行っている医療機関の情報というのが、なかなか一般都民にはわかりにくい状況にあるわけであります。
私も、過去において、不慮の事故によりまして、自身の体験から、リハビリテーションの情報不足ということを大変実感した一人でありました。ちょうど平成二年、東京都リハビリテーション病院ができたころリハビリの情報不足に悩んだ都民の一人といたしまして、当時この病院のことを知っていれば、私も機能障害がもう少し軽減できたのかなと、そんな思いでこの視察をさせていただいたわけですけれども、やはり、都民がこうしたリハビリテーションを実施する医療機関の情報を知らないということでは、都民ニーズに十分にこたえ切れていないのではないかとも思います。
リハビリに関する情報の都民への提供について、都はどのような取り組みをしているのか、伺います。
○梶山医療サービス部長 都民の方々への情報提供についてでございますが、都は、リハビリテーション医療を実施している医療機関の状況を定期的に調査しており、この情報を医療機関名簿として平成八年度からおおむね二年ごとに公表しております。現在の名簿は平成十三年十一月に取りまとめたものであるため、この改訂に向けて既に医療機関の調査に着手しており、今年度中には、健康局のホームページなどIT技術も活用しながら、広く都民の方々に周知を図ってまいることとしております。
○山加委員 不幸にして事故や病で倒れたとしても、寝たきり状態にならない、たとえ障害を背負ってしまったとしても、住みなれた地域で暮らし続けることができることが、何よりも大切なことであります。そのためには、急性期リハビリから回復期リハビリ、回復期リハビリから維持期のリハビリへのスムーズな移行が何よりも大切なことだと考えますが、リハビリの充実のための現状の課題について、都はどのような認識をしているのか、伺います。
○梶山医療サービス部長 リハビリテーション医療の充実に向けての課題についてでございますが、急性期から回復期、そして維持期に至るスムーズなリハビリテーション医療を実現するために、関係する各機関の連携をより一層強固なものにすることが求められていると認識しております。
このため、東京都リハビリテーション協議会からの報告でも提言されているとおり、サービスの提供に当たっては、総合的なアプローチを重視すること、また特に維持期のリハビリテーションに関しては、地域性を配慮した体制整備を行うことなどの視点を踏まえまして、リハビリテーション医療の推進体制を整備していく必要があるものと考えております。
○山加委員 ただいまの答弁にも、地域性を配慮した体制整備を行うことという課題が示されましたけれども、今、特に求められているのは、地域性に配慮したリハビリ支援の充実、そしてそのための連携システムの構築であると思います。こうした点について都はどのような取り組みを行っているのか、伺います。
○梶山医療サービス部長 地域で行われておりますリハビリテーション医療への支援の充実などについてでございますが、都といたしましては、急性期から回復期、そして維持期に至る重層的な医療連携システムが、関係する各機関の参加と協力によって構築される必要があると考えております。
こうした観点から、住民に身近な区市町村単位の地域においては、在宅介護支援センターや障害者自立生活支援センターなどが整備されつつあり、また、都では、平成十四年十二月に改定いたしました東京都保健医療計画に基づき、平成十八年度までに、島しょ地区を除くすべての二次保健医療圏単位の地域で、それぞれ一カ所の支援センターを整備し、リハビリテーション医療への支援の充実を図っていくこととしております。
○山加委員 一口にリハビリテーションといっても、機能障害の程度、それに至った経過は、まさに個々に違うわけでありますから、地域におけるネットワーク化、そして地域のケアシステムの整備を含め、今後は、全都的な立場からのリハビリテーション体制の確立が大変重要であることはいうまでもないことであります。
この点に関して、都としてのリハビリ医療体制及び今後の取り組みについて決意を伺いたいと思います。
○梶山医療サービス部長 都は、平成十二年度に東京都リハビリテーション協議会を設置し、急激な高齢化の進展や、リハビリテーション医療を取り巻く状況の変化にも対応し得るリハビリテーションのあり方の検討に着手し、平成十三年十一月には、今後の都におけるリハビリテーション医療提供体制の充実に関する具体的な提言を取りまとめたところでございます。
また、都が設置した東京都リハビリテーション協議会においては、リハビリテーションに関するさまざまな調整や、情報の収集、提供を行うとともに、地域リハビリテーション支援センターの指定とその活動の評価を実施するなど、リハビリテーション提供体制を支援するための全都的な活動を行っているところでございます。
今後とも、ご指摘の点を踏まえ、全都的な視点から、地域におけるリハビリテーション医療体制の充実に向けた支援を継続してまいりたいと考えております。
○山加委員 私は、都民生活三百六十五日二十四時間の安心・安全を願うときに、福祉の向上は幸せの向上であります。それだけに、託される都民の願いは切実であります。リハビリテーションは、都民のだれもが必要とするものではありませんけれども、しかし、だれもが、いつあすは我が身になるかもわからない、いつ必要とされるかもわからないわけであります。
ですから、それを受けて、都は、平成十二年の四月から始まった介護保険制度のみならず、従来の社会システムが大幅に見直されているわけですが、例えば障害者福祉施策の分野では、平成十五年度から、利用者の自己選択、自己決定を基本としたサービスの支援費制度が施行されております。こうしたことに連動して、今後も、私は、リハビリを取り巻く環境はますます我が国では大きく変化をしていく状況にあるわけですから、都として今後とも、都民の声、そして何よりも現場の声によく耳を傾け、都民のリハビリテーションニーズに十分に配慮した体制整備を着実に推進されることを強く要望したいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○前島委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後二時五十七分休憩
午後三時九分開議
○前島委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を再開いたします。
発言を願います。
○樋口委員 精神障害者施策について何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
安心して地域に生活できるようにということで、精神障害者の方々は、いつでも適切な医療が受けられるような体制というものが大切だと思っております。精神科救急患者の受け入れを、都では、都立の四病院、墨東、豊島、松沢、府中の四病院において行っておりましたけれども、措置患者の重症者に対する緊急医療が中心でございました。
都は、重要施策として、平成十四年度、九月から、新たに東京都精神科救急医療情報センターを設置しまして、夜間救急における初期救急医療として、外来医療に対する医療機関の確保や、二次救急医療として入院可能な病床を確保するなど、精神科救急医療体制の充実を図ってこられたと聞いています。
そこで、お尋ね申し上げます。この新たな精神科救急医療体制、平成十四年度、九月からの実施状況はどうだったんでしょうか。
○梶山医療サービス部長 平成十四年九月から開始いたしました都の新たな精神科救急システムでございますが、現行の都立四病院に加えて、民間の精神病院や診療所の協力を得ることにより、夜間や休日などに発生した、入院を必要としない初期救急患者への対応を初め、入院を必要とする精神科救急患者や身体疾患を合併した救急患者に対しても、迅速かつ適切に医療を提供できる体制として整備を図ったものでございます。
具体的には、一日当たり初期救急患者に対応する医療機関を三カ所、入院患者や身体疾患合併患者に対応する病床をそれぞれ三床ずつ確保するとともに、精神科救急医療情報センターを設置して、この新たな診療体制がより円滑に運用されるように努めてきております。
また、事業を開始いたしました平成十四年九月から平成十五年三月までの七カ月間の実績でございますが、精神科救急医療情報センターでの救急にかかわる相談件数は五千九百四十三件、初期救急が九十二件、二次救急が百四十六件、身体合併症救急が十五件でございました。
○樋口委員 七カ月に五千九百四十三件、ほぼ約六千件の取り扱いがあったということは、精神障害者の方やご家族の方々、いかに精神科救急医療を望まれていらしたのではないかと推察できます。
そこで、お伺いをさせていただきますが、新たな精神科救急医療を実施したことにより、どのような成果が上がったんでしょうか。
○梶山医療サービス部長 この新たな精神科救急医療体制を構築いたしましたことにより、特に夜間や休日などの時間帯には、これまで都立四病院に救急患者が過度に集中していた現状を改善することができたものと考えております。また、地域で生活されている精神障害者の方々にとりましても、いつでも安心して症状に応じた適切な医療機関を受診できる機会が確保されたことになり、地域精神医療のより一層の充実を図ることができたものと認識しております。
○樋口委員 地域精神医療の向上が図られたというご説明を今伺いました。ただ、先ほどの実績の中で少々問題点がありまして、身体合併症の救急の件数が少ないと考えられるんですが、いかがでしょうか。これまでの実績を踏まえて、課題や問題点についてはどのように認識されていらっしゃるんでしょうか。
○梶山医療サービス部長 精神障害者が身体合併症を併発した場合の救急医療につきましては、一般医療と精神科医療との連携が困難な事例が多いことから、総合的な診療基盤を持つ大学病院などの参加、協力を前提としておりますが、こうした身体疾患を合併した患者にも対応可能な医療機関が限られているのが現状でございます。
都といたしましては、この新たな精神科救急医療システムが円滑に機能するよう、引き続き、初期救急や二次救急については民間医療機関の、また身体合併症救急につきましては大学病院や公立病院などの幅広い参加と協力を求めてまいりたいと考えております。
○樋口委員 精神障害者の方々が地域の中で安心して暮らしていくために、いつでも適切な医療やアドバイス、そういったものが受けられることが一層重要となっていくと思います。今後とも精神科医療の充実に努めていただきたいと思います。
次に、先日、精神障害を持つ方々から、地域の理解、そして、社会復帰をし、自立するためにも、精神障害者の雇用を支援することの大切さについてお話を伺いました。
私の住んでおります中野区でも、精神障害者の方が、社会復帰の訓練の場として、積極的に社会に交わろうとしている喫茶店があります。しかし、店舗を借りるときも、地域の反対だとか、また地域の理解がなかなか進まず、大変であったということもありますし、また経営的にも大変厳しい状況にあります。
補助金については、本日既に質問をされた方がいらっしゃいますので、割愛をいたしますけれども、特に補助金の交付時期を、年度初めになるように、私からもお願い申し上げます。
医療体制の整備とともに、真に精神障害者の方々が地域社会で自立した生活をしていくためには、いかに一般的な就労に結びついていくかということが重要だと考えております。
そこでまずお伺いをさせていただきたいと思います。都では、精神障害者の就労支援対策としてどのような取り組みをされていらっしゃるんでしょうか。
○梶山医療サービス部長 精神障害を持つ方々への都の就労支援策についてでございますが、一定程度の作業能力を有しながら、雇用されることが困難な状態にあり、将来、就労を希望している方に対しましては、通所授産施設や共同作業所などにおいて、福祉的な就労を通して必要な訓練を行い、作業能力の向上を図ることとしております。
また、自立への動機づけをすることによって社会復帰が可能な者に対しましては、精神障害者の社会復帰に理解のある事業所に一定の期間通い、地域社会への適応能力の向上を図ることを目的として、社会適応訓練事業を実施しております。
○樋口委員 一般就労という次のステップのためにも、今ご説明されました社会復帰施設等の福祉的就労は、精神障害者の方々にとって重要な事業として認識をしております。
それでは、一般就労のための就労支援事業としまして、どのようなものがあるのでしょうか。
○梶山医療サービス部長 精神や身体などに障害を持つ方々が一般就労できるような機会の拡大を図り、安心して働き続けられる支援策を講じることは、重要なことであると考えております。このため、例えば、福祉局では、身近な区市町村で生活面や就労面などでの支援を一体的に行う区市町村障害者支援事業を、また国の機関であります東京労働局においては、ハローワークなどが医療機関などと連携し、実践的な就職活動のノウハウを提供するジョブガイダンス事業を行っていると聞いております。
健康局といたしましては、所管しております中部及び多摩精神保健福祉センターなどで、今後とも、こうしたさまざまな取り組みに対して協力を続けることにより、障害を持つ方々の就労機会の拡大と社会復帰を支援してまいりたいと考えております。
○樋口委員 ただいまのご答弁から、健康局は、精神障害者の方々の将来に向けたさまざまなプログラムを通じて訓練を行って、また一方、国や関係局が一般就労に向けた多様な事業を展開しているということがよくわかりました。
ただ、現実として、福祉的、一般的な就労、なかなか厳しくて、精神障害者の方からは、企業に面接に行っても断られてしまう、賃金が安くて、今は家族の人に助けられているが、将来が不安でたまらないなどというお声を聞きます。
今後、これらの事業が有機的に結びついて、精神障害者の方の就労の拡充が一層図れるよう、関係局の間でしっかりと連携がとれるように強く要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
大気汚染の保健対策について何点かお伺いをします。
十四年度の決算ということですが、東京都が大気汚染訴訟に敗訴しまして、東京都も国に対して、国の責任において患者を救済する制度の創立を求めているという状況であります。
私も、自動車公害の責任は国にある、国の責任だと思います。ただ、当事者として苦しんでいらっしゃる患者団体からは、東京都独自の大気汚染健康障害者医療費助成制度の年齢撤廃などを望まれていらっしゃいます。
まず、医療費助成制度の概略についてお伺いしたいと思います。
○小松参事 医療費助成制度は、大気汚染の影響を受けると推定される疾病にかかった者に対し医療費を助成することにより、その者の健康障害を救済することを目的とし、昭和四十七年に創設いたしました。
助成対象者につきましては、十八歳未満の者で、原則として、都内に引き続き一年以上住所を有することとしております。
次に、対象となる疾病の範囲でございますが、慢性気管支炎、気管支ぜんそく、ぜんそく性気管支炎、肺気腫及びその続発症に罹患していると認定された者であることと定めております。
給付内容は、治療費等に要した費用のうち、健康保険等の給付を除いた本人負担分から入院時の食事、療養費の標準負担額を除外した分を東京都が負担するという内容になってございます。
○樋口委員 医療費助成制度の認定患者数についてお尋ね申し上げます。
区市町村別の認定患者数は、既に把握はされていらっしゃると思いますが、各地区ごとの十八歳未満の総数に対する認定患者数の割合について、区市町村別に見て、高い、低いなどという地域格差はあるんでしょうか。
○小松参事 地域ごとの認定患者数の割合でございますが、十四年度では、東京都全体の平均は二・九%でございます。そのうち、割合の高いところは、区部では中野区の三・九%、新宿区の三・六%、多摩地域では東村山市の四・七%、西東京市の四・三%となってございます。一方、低いところでは、区部においては港区、世田谷区などの二・二%、多摩地域では町田市の二・一%、東大和市の二・三%となってございます。
○樋口委員 ご答弁にありました認定患者数の割合で見る限り、中野区などの区部で高い割合のところもありますが、一方、多摩地区においても中野区以上に高いところもあり、また、都心部においてもそれほど高くないところがあるなど、さまざまであることがわかりました。
このような状況から、ぜんそくなどの呼吸器系の疾患の原因は、必ずしも幹線道路を通行する自動車の排ガスばかりではないということを示しているのではないでしょうか。その原因として、大気汚染のほか、例えばダニやカビや、そういったアレルゲンの影響、あるいは人の喫煙、受動的な喫煙など、多くの原因が関係しているのではないかと推察されます。
ところで、この医療費助成制度については、平成十二年の第一回定例会では、条例の一部改正に当たり、浮遊粒子状物質を中心とした大気汚染物質について健康影響調査を実施し、健康に与える影響の解明に努めること、また制度全般にわたる総合的な検討を行うこととの付帯決議がされました。
この付帯決議を受けて、東京都は、平成十二年度から十四年度までの三年間をかけまして、大気中微小粒子等にかかわる健康影響調査という新たな調査を実施されたと聞いております。それはどのような内容の調査なのでしょうか、お伺いします。
○小松参事 本調査は、大気中微小粒子等と健康影響の関係を明らかにすることを目的として実施いたしたものであります。具体的には、都内六地域から小学校を選定し、PM二・五を初めとする各種大気汚染物質を測定するとともに、これら小学校の児童について、呼吸器症状やアレルギー疾患に関するアンケートや、アレルゲンの有無を調べるための血液検査を実施するなど、さまざまな調査を行ってまいりました。
○樋口委員 最後の質問になりますけれども、これらの調査がまとまったらば、当然速やかに都民に公表されるのではないかと思います。小学校の児童さんも協力していただいたこの調査、まとめと公表は一体いつごろになるんでしょうか、お伺いしたいと思います。
○小松参事 現在、三年間の調査をもとに、児童の呼吸器症状やアレルギー疾患と大気中微小粒子等との関係について、総合的な解析を行っているところでございます。今年度末を目途に、専門家から成る大気汚染保健対策分科会においてご審議をいただき、そのご意見を踏まえながら、都民の皆様にわかりやすい形でまとめ、できるだけ早い時期に公表してまいりたいと考えております。
○樋口委員 この調査によって、健康被害と、大変小さな粒子、人の肺の奥深くまで到達するといわれているPM二・五などの大気汚染物質との関係、あるいはアレルギーとの関係など、新たな知見が得られることを期待したいと思います。また、この調査結果も踏まえて、患者団体さんからも大変要望の強い年齢制限の見直しなど、医療費助成制度全般にわたる総合的な検討に早期に取り組まれることを要望し、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○清水委員 まず、決算書六九ページ、特定疾病対策費中、リハビリテーション医療中、地域リハビリテーション支援事業についてお伺いいたします。
高齢者や障害者が寝たきりになることを予防し、生涯にわたって住みなれた地域で生き生きと生活を送り続けることができるようにするためには、地域において保健、医療、福祉の連携が図られた、体系的なリハビリテーションサービスの提供体制の構築が求められております。
重要なことは、予防的リハビリテーション、急性期・回復期リハビリテーション、維持期のリハビリテーションです。これらを量的にも質的にも充実し、各地域ごとに整備することが重要な課題となっています。
我が党は、一九九九年の第三回定例会で、都内の救急告示病院で、すぐその場から早期のリハビリに対応できるのは四割にすぎないこと、民間の専門病院の整備は二年連続実績ゼロで、当時、厚生省が示した老人保健福祉計画策定の基本指針で、介護予防の推進のための施策を位置づけ、具体的に地域リハビリテーション支援センター推進協議会の設置に取り組むことが重要であることを提案し、当時の衛生局長から、本格的な高齢者社会にふさわしい地域リハビリテーションの整備のあり方について、関係機関などとの協議を行っていきたいという回答を得てまいりました。
その後も、委員会また特別委員会などを通して、地域リハビリテーション支援センターなどの問題について質疑をさせていただいてまいりましたが、そういう中で、都としての取り組みも始められ、順次整備が進んできているというふうに思います。
そこでお伺いいたしますが、都が始めた地域リハビリテーション支援センターの役割は何でしょうか。
○梶山医療サービス部長 都はこれまでも、リハビリテーション医療の充実に努めてきておりますが、平成十三年十一月の東京都リハビリテーション協議会からの報告を受け、地域の中でリハビリテーションに関して中核的な役割を担っている医療機関を、地域リハビリテーション支援センターとして、計画的に指定、設置することとしております。
この支援センターには、個々の患者に対して、専門的立場からのリハビリテーションの目標設定などのアドバイスを行うほか、医療機関などの施設から在宅への移行を円滑にする役割を発揮することが期待されております。
○清水委員 それでは、地域においてどのような役割を担うこととされているのでしょうか。
○梶山医療サービス部長 この支援センターが行う事業の内容についてでございますが、具体的には、地域のリハビリテーション医療従事者への研修の実施などのほか、地域の医療機関や福祉施設からのリハビリテーションに関する相談への対応、さらには、各関係機関との連絡会や事例検討会の開催などでございます。
○清水委員 指定要件というのはどのようなものになっているでしょうか。
○梶山医療サービス部長 地域リハビリテーション支援センターの指定でございますが、所定の手続に基づきまして、具体的には、該当する医療機関が所在いたします二次保健医療圏を構成している区市町村及び東京都リハビリテーション医療協議会の意見を聴取するわけでございますが、こうした手続を経て、都が指定を行っております。
なお、都は、この指定に当たりまして、都独自の指定基準を設け、質の高い支援センターの確保を目指しております。
○清水委員 指定の手続及び昨年度、平成十四年度末現在の指定状況というのはどうなっているでしょうか。
○梶山医療サービス部長 指定の手続につきましてはただいまご説明いたしましたが、平成十四年度の指定の状況でございますが、質の高い支援センターの確保を目指しているため、平成十四年度末では、東京都リハビリテーション病院と東京都多摩老人医療センターの二病院のみを指定しております。
また、指定の要件でございますけれども、先ほど答弁に一部不備がございました。まず第一に、地域におけるリハビリテーション医療の拠点病院としての役割を果たすことができる専門的な医療体制、具体的には、一定の施設基準や人員配置を満たしていることなどが挙げられます。第二に、紹介患者の受け入れや逆紹介など、他の医療機関との連携体制や地域の関係機関への支援体制を有していることが挙げられ、また、情報提供や研修の体制も整備していることも指定の要件としております。
○清水委員 十三年度というのは、予定は何カ所で、結果は--先ほど十四年度末は二カ所ということはご報告いただいたんですけれども、十三年度ではどうだったのか。で、十四年度は、予定が何件で、結果が何件で、そして先ほど十四年度末は二件だということなんですけれども、それぞれ予定をお示しください。
○梶山医療サービス部長 平成十三年度及び十四年度におきます支援センターの指定に当たりましての候補となりました病院の数でございますが、それぞれ一カ所でございました。都は、先ほど申しましたように、質の高い支援センターの確保を目指しておりますことから、それぞれ当該年度には一カ所ずつを指定いたしました。
○清水委員 予算は二カ所だったんではないですか、両方とも。
○梶山医療サービス部長 十三年度及び十四年度の予算は、いずれも二カ所でございます。
○清水委員 ことしのことは議題になっていないので、これからのことだということで意見をいうんですけれども、ことしも、今二カ所ですよね。二カ所の予算を組んで、二カ所になったわけです。しかし、候補は四病院あったはずなんですね。武蔵野赤十字病院、八王子市の永生病院、河北リハビリテーション、東京労災病院ということで、四カ所が手を挙げたということになっていると思うんです。
この四カ所の病院について、リハビリテーション協議会の委員の方々がそれぞれ訪れて、この議事録を読ませていただきますと、この四病院にそれほど大きな差がないんだ、決定的に差異というのが見られるわけではないような印象を持って調査から帰った、これは委員の方ではなくて、都の事務局の方が報告しているわけです。
そして、部会長が、いずれも甲乙つけがたいという状況で、予算的に二つしか選べないというのは、非常に部会としても非常に苦しい状況でしたというふうに述べているんですね。この「非常に」ということを二回もいわれておりました。
そうであるならば、十三年度に予定は二カ所で、結果的に一カ所だった。十四年度にも二カ所で一カ所だったと。十五年度に、都の予算というのは百二十五万円、国から出てくるお金と合わせて二百五十万だから、一カ所百二十五万円でしょう。それがこの協議会では、財政的な関係で、四カ所あったけれども、二カ所にといっているんですね。
十五年度に、この地域リハビリテーション支援センターを、甲乙つけがたいというようなそれぞれのところなのですから、四カ所指定してよかったのではないですか。ご意見をお伺いいたします。
○梶山医療サービス部長 指定に当たりましては、書類審査だけではなく、リハビリテーション協議会の委員の先生方及び東京都健康局の職員が、実際に候補となりました病院に出向きまして、担当の医師や理学療法士、作業療法士の方々などのお話をお伺いいたしました。指定に当たりましては、これらの結果を総合的に判断いたしたものでございます。したがいまして、平成十五年度の指定を二カ所とさせていただきました。
○清水委員 しかし、この協議会の協議では、二カ所としたのは財政的なことなんだということで、部会長ですか、座長ですか、座長の方がいわれているわけで、いろいろ状況を聞いてというような、指定した病院の方がどこがよくてというようなことは、ここではいってないわけなんですね。
それでは、今、全国の状況というのはどのような状況になっているのでしょうか。医療圏ですべて整備されている県、医療圏以上に整備されている県というのはわかりますでしょうか。
○梶山医療サービス部長 平成十五年四月現在の時点でございますが、全国三十の都道府県で百五十八カ所の支援センターが指定されております。国におきましても、各二次医療圏ごとの指定を目指していると聞いております。
○清水委員 医療圏は、三百六十七の医療圏があるわけですね。そのうち百五十八カ所ということで、医療圏全部に整備しているところが十四県ありまして、医療圏以上に整備をしているというところが四県あるわけですね。十八県が医療圏または医療圏以上に整備をされていると。
先ほども別の委員のお話がありましたけれども、非常にリハビリテーションの整備というのが全体としておくれているという中で、十五年度に四カ所、甲乙つけがたいという病院があって、で、一億もかかるわけじゃないんだから、百二十五万円ほどでできるわけです。それで、十四年度にも二カ所あって一カ所、十三年度も二カ所あって一カ所ということであれば、十五年度で四カ所やるというのは、何ら問題がないことだと思うんですね。もう一度認識をお伺いいたします。
○梶山医療サービス部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、指定に当たりましては、東京都リハビリテーション協議会の委員及び健康局の職員が実際に病院に出向きまして、現状を視察いたしました。これらを総合的に判断した結果でございます。
○清水委員 例えば、決算説明書の六六ページには、精神障害者共同作業所運営費補助というのがありますが、これは我が党も昨年から事務事業などで繰り返し要望してまいりまして、予算は二百三十五カ所、支出済額、決算は二百六十五カ所ですよね。予算よりも上回って、こうやって整備をしているところがあるわけです。ですから、全国的にも東京はおくれていると。多少おくれているという認識を持って、せっかく今年度、四カ所手が挙がって、どこも遜色ないという状況なのだから、四カ所やるのが当然だと思うわけです。おくれている課題だという認識が弱いというふうに思うわけです。
それで、今年度の補正予算でも組んで、これを整備すべきだというふうに要望をしておきます。
次に、私は先日、ことし南多摩保健医療圏で指定をされた民間病院を、ここに名前が出ているわけですが、八王子市の永生病院を訪問いたしました。この指定に向けて努力をされている担当の方のお話を伺ってまいりました。一般病床百四十六床、精神百九床、療養病床四百十二床、回復期リハビリ病棟百床、併設施設、老人保健施設、訪問看護ステーションなど、地域において貴重な医療を担っています。そして、病院の理念は、今回の地域リハビリテーション支援センターが目指す方向と合致していて、期待にこたえたいというふうに抱負を語っておられました。
しかし、実際には、病院の診療活動とは直接関係しない--先ほど内容をご説明いただいたので、そういう内容です--職員の問題、器材の問題などにおける委託費の問題、地域レベルの連絡協議会の設置運営など、さまざまな課題が今後生まれてくることが予想されます。医院の中に推進員室をつくり、推進スタッフを理事長、院長を先頭に始められたそうですが、そういう状況で、指定を受けたセンターが継続的に事業を推進していくためには、都の支援が必要となっております。
また、この協議会の中で、指定第一号になった東京都リハビリテーション病院の院長がこういうふうに語っておられます。地域リハビリセンターのお仕事というのは、より大変な仕事でして、院内業務と、それから院外的なそのような業務を両立させるということは、普通では不可能ではないかというふうに考えます。したがいまして、院外的な支援センターをやはり支援していくためには、やはりかなり人的な、あるいは財政的なバックアップというのがどうしても必要でして、その辺が確立されないと、指定をしましても、その活躍というものは極めて限定されたものにならざるを得ない云々。そして、その上にさらに地域の活動をするということは、業務の上にまた業務を重ねるということになりまして云々ということで、その辺を十分やはりバックアップしてあげないと、やはりこれからの業務というのは非常に差し支えると思います。その辺をよろしく東京都の方々ご支援いただきたいというふうに私は思いますというふうに、第一号で指定された院長先生は語っております。
今回は民間病院が指定されたわけです。初めて民間病院が指定され、これ以上に大変だというふうに思うわけです。東京都の積極的な支援が求められていると思いますが、どうですか。
○梶山医療サービス部長 支援センターの指定につきまして、追加でご答弁をさせていただきたいと思います。
都は今後、平成十八年度までに、島しょ地区を除くすべての二次保健医療圏にそれぞれ一カ所の支援センターを整備していくこととしております。
また、支援センターへの具体的な都の支援でございますが、この支援センターの活動がいずれも診療報酬上の対象ではないことや、二次保健医療圏という複数の区市町村を範囲とした、非常に広域的なものでありますことから、都としても何らかの支援が必要であると考えております。このため、例えば、東京都リハビリテーション病院がこれまでに培ってきましたさまざまな支援のノウハウの普及など、こうした支援策を講じることによりまして、今後ともリハビリテーションサービス提供体制のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
○清水委員 十八年度までに医療圏全部で整備するという計画があるわけですよね。それを、おくれているという認識を持って前倒しでやっていいんじゃないか、そういうことを私は要求したわけです。
それで、十五年までで四カ所目まで来たわけです。その支援センター同士の--民間病院なんかは手探りの状態で、どうやっていいのかということをいろいろ聞きながらやっているというふうにいわれましたけれども、支援センター同士の交流などが必要だというふうに思うわけですけれども、どうですか。
○梶山医療サービス部長 それぞれの支援センターが抱える課題などにつきましては、東京都といたしましても、設置いたしましたリハビリテーション協議会の場などで検討し、それら連絡会の設置の必要性などについても検討してまいりたいと思います。
○清水委員 リハビリテーション協議会について伺うわけですけれども、この委員の中に、脳卒中、脊髄損傷などの患者会の方や家族会などの当事者団体が入っておりませんが、なぜでしょうか。また、早急にこれは含めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 東京都リハビリテーション協議会の委員には、現在、二十一名の委員がございます。この二十一名のうち、学識経験者七名、関係団体六名の方が入っております。この六名の方の中に、高齢者の代表といたしまして、東京都老人クラブ連合会から委員として入っていただいているところでございます。
ご指摘の点につきましては、現在の委員の任期が平成十六年七月末までとなっておりますことから、次期の委員選任の際の検討課題の一つであるというふうに考えております。
○清水委員 国が出している地域リハビリテーション支援活動マニュアルというのがあるんですけれども、その中では、脳卒中、脊髄損傷、リューマチなど友の会、家族の会など当事者代表、この協議会には当事者の参加が不可欠であるというふうに書いてありますよね、国のマニュアルで。ですから、やはり改選の時期には患者とか家族の方を入れるように検討していただきたいと思います。
次には、先ほど出たものですけれども、健康局のホームページの充実も提案したいと思うのです。
健康局のホームページを開いて、リハビリというのはどこを見ればよいかわかりません。地域リハビリ支援センターの一覧も、現在載っておりません。リハビリ協議会の議事録も掲載していません。協議会を開く予定も、今はホームページに載せていないわけですけれども、ホームページを開設するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○梶山医療サービス部長 都民の方々への支援センターの指定状況や、さまざまなリハビリテーションに関する情報提供につきましては、都内に四カ所の支援センターが指定となったことを含めまして、現在、その情報提供の準備を進めているところでございます。
また、リハビリテーション協議会の開催状況などにつきましても、可能な限り情報の公開に努めてまいりたいと考えております。
○清水委員 地域リハビリテーションのおくれを打開するには、医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士などリハビリの関係者が情報を共有し、知恵を寄せ合うことが重要だと思うのです。そういう意味で、食品安全の分野では、ホームページにネットフォーラムを開設し、都民が意見を書き込めるようになっています、リハビリの意見や提案を書き込んで、双方向の意見交換ができるようにしていただきたいと思いますが、どうですか。
○梶山医療サービス部長 ご指摘のありました点につきましては、健康局のホームページを開設するに当たりましての検討課題の一つとさせていただきたいというふうに考えております。
○清水委員 次の問題です。
重度の障害児の中には、日常的に医療を必要としている子どもは少なくありません。ぐあいが悪いときには、常にレントゲン、尿検査、血液検査、エコーなどの検査をして、その結果を見て、点滴を受けたり、薬を処方してもらったりしています。一週間後に結果が出るのを待ってからという対応では困るわけです。また、常時人工呼吸器をつけて自宅で過ごしている方もおられます。胃食道逆流症で体の変形が進み、胃瘻、腸瘻を造設し、その定期的なチューブの管理、交換を必要としております。そうした日ごろの医療的管理や緊急時の対応はどのように行われているのでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 在宅の重度障害児に対する医療対応についてのご質問かと思います。一般的に申し上げますと、日常的な管理につきましては、主治医がいる医療機関で検査等を行いまして、使用する酸素量の調整等、必要な医学的、医療的管理を行っているものと考えております。
また、急な体調の変化などの緊急時につきましては、主治医がいる医療機関が救急医療機関等と連携をとって対応しているものと考えております。
○清水委員 このほど出されました多摩の小児医療の報告書では、いろいろ議論してまいりましたが、一番切実な問題である重度障害者の命にかかわる大事な問題が、この報告書では不十分で、ほとんど記載をされておりません。
こういう中で、都立小児病院など小児病院の統廃合計画が進められようとしておりますが、常に専門医療を必要とし、緊急性を求められている重度障害者が、小児病院の周囲に住居を移して住んでいたわけです。八王子小児病院をなくさないでほしいという市を挙げての要求というのは、こういう人たちの医療を守りたいという願いからも来ていたわけです。府中に移転した場合に、地域での障害児医療には十分な対応ができないのではないでしょうか、伺います。
○海老原事業調整担当部長 多摩地域における小児医療体制検討会のまとめで報告されておりますように、重症心身障害児施設などの療育機関や地域の医療機関、あるいは新しく設けられます小児総合医療センター等が連携をいたしまして、医療的ケアが必要な障害児の受け入れに万全を期していくこととしております。
○清水委員 しかし、八王子や町田には重症心身者施設はありませんが、その施設をつくる計画だというんでしょうか。
○海老原事業調整担当部長 八王子市内に重症心身障害児施設をつくるという計画は、現在のところございませんけれども、重症心身障害児施設につきましては、入所や通所施設の整備されていない区東部地域に、東部療育センター、仮称でございますが、これを建設する計画となっておりまして、さきの第三回定例都議会におきまして、工事請負契約のご議決をいただきましたので、直ちに着工し、平成十七年度に開設する予定となっております。
また、通所施設といたしましては、平成十六年度に、あきる野市に西多摩療育支援センター、仮称でございますけれども、開設される予定でございます。
○清水委員 あきる野市の施設ですとか、多摩市もあるわけなんですけれども、そういうところに行ければ、こういう方たちの強い要求は出てこないわけですよ。そういうところに行けないから要求が出てくるわけです。どうやって例えば府中まで連れていけばよいのかという問題も残されています。
日ごろからたんの吸引を必要とする子どもの場合、ちょっと風邪ぎみになっただけでも喘鳴がひどくなり、頻繁な吸引が必要となるわけです。また、嘔吐の場合も配慮が必要。現在は病院の近くに住んでいて、途中で車をとめて吸引をしながら、何とか一人で連れていくことができるといっております。
府中というのは、この方たちにとって遠くの病院なんです。遠くの病院となると、一人で連れていくことはできなくなります。じゃ、そのたびに救急車かということはできません。こういうふうにいっているわけです。
例えば、大学病院などということもありますが、先日、大学病院へ重度の子が救急車で行こうとしたけれども、八王子市内の大学病院では、重度のこの方は受けられないということで、断られたというふうに聞いております。
どんなに障害の重い子でも、近くの病院で対応してもらえることが約束されていない限り、小児病院の撤退というのは絶対に納得できないということで、重心の増設というものも、やはりここでは必要だということがあります。
こういう医療の実態の中で、小児病院の統廃合ということは、私は許されないという意見を申し上げて、質問を終わります。
○前島委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○前島委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で健康局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後四時二分散会
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