各会計決算特別委員会第三分科会速記録第三号

平成十五年十月十七日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十名
委員長和田 宗春君
副委員長吉原  修君
副委員長藤井  一君
小磯 善彦君
三宅 茂樹君
こいそ 明君
新井美沙子君
丸茂 勇夫君
中村 明彦君
清原錬太郎君

欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長高橋  功君
技監小林 崇男君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
連絡調整担当部長加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長安藤  明君
参事山室 善博君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事石井 一夫君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君
建設局東京都技監建設局長兼務小峰 良介君
次長上條 弘人君
道路監岩永  勉君
理事杉浦  浩君
総務部長町   格君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長柿堺  至君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長石井 恒利君
多摩ニュータウン事業部長高西 新子君
企画担当部長田中  亨君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長阿部  博君
調整担当部長内海 正彰君
多摩ニュータウン事業技術担当部長野村 孝雄君
販売企画担当部長友繁 佳明君
参事島  博文君

本日の会議に付した事件
 平成十四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  住宅局関係
   ・平成十四年度東京都一般会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都都営住宅等事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都都営住宅等保証金会計決算(質疑)
  建設局関係
   ・平成十四年度東京都一般会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都新住宅市街地開発事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都市街地再開発事業会計決算(質疑)
   ・平成十四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算(質疑)

○和田委員長 ただいまから平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、住宅局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより住宅局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都一般会計決算中、住宅局所管分、平成十四年度東京都都営住宅等事業会計決算及び平成十四年度東京都都営住宅等保証金会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 それでは、去る十月十日の本分科会におきましてご要求のございました資料について、ご説明を申し上げます。
 お手元の平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙を開いていただきますと、目次がございます。合計十八件の資料の件名を記載しております。
 初めに、一ページをお開き願います。1は、都営住宅の施設維持管理に関する居住者からの主な要望事項でございます。
 施設の維持管理に伴う要望について、主なものを記載しております。
 二ページをお開き願います。2は、東京都住宅供給公社に対する東京都からの派遣職員数でございます。
 平成十年度から十四年度までの各年度末現在の都からの派遣職員数及びその内訳を記載しております。
 三ページをお開き願います。3は、東京都住宅供給公社固有職員の現員数でございます。
 平成十年度から十四年度までの各年度末現在の現員数を記載しております。
 四ページをお開き願います。4は、東京都住宅供給公社の非常勤嘱託員の現員数でございます。
 平成十年度から十四年度までの各年度末現在の非常勤嘱託員の現員数及びその内訳を記載しております。
 五ページをお開き願います。5は、東京都住宅供給公社営繕工事関連制度による契約業者数でございます。
 小口、緊急修繕工事店及び空き家補修工事店に区分いたしまして、それぞれの契約業者数を記載しております。
 六ページをお開き願います。6は、不適正使用に対する是正指導件数でございます。
 平成十年度から十四年度までにつきまして、是正指導を行った不適正使用の内容を各項目ごとに記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 七ページをお開き願います。7は、住宅局一般会計等歳出予算、決算の推移でございます。
 平成五年度から十四年度まで、一般会計と都営住宅等事業会計について、上段の1の表は当初歳出予算額を、下段の2の表は歳出決算額を記載しております。
 八ページをお開き願います。8は、都営住宅、公社住宅、都民住宅の建設実績でございます。
 平成五年度から十四年度まで、都営住宅、公社住宅については新規、建てかえに区分し、また、都民住宅については新規の建設実績戸数を記載しております。
 九ページをお開き願います。9は、都営住宅応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度までの新築募集及び空き家募集の応募状況を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。10は、公社一般賃貸住宅の応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度まで、新築募集及び空き家募集に区分し、それぞれの応募状況を記載しております。
 一一ページをお開き願います。11は、都民住宅の応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度までの新築及び空き家の応募状況を記載しております。
 一二ページをお開き願います。12は、都民住宅の空き家及び契約家賃の状況でございます。
 都民住宅の供給方式ごとに、管理戸数、空き家の戸数及び率、並びに平均戸当たり契約家賃を記載しております。
 一三ページをお開き願います。13は、都営住宅使用料一般減免の状況でございます。
 一般減免における平成五年度から十四年度までの減免件数及び減免額を記載しております。
 一四ページをお開き願います。14は、使用料等滞納者、高額所得認定者の都営住宅明け渡しの件数でございます。
 平成五年度から十四年度までにつきまして、使用料等滞納者及び高額所得認定者の明け渡し件数を記載しております。
 一五ページをお開き願います。15は、都営住宅における高齢者、障害者向け対応でございます。
 昭和四十六年度からの高齢者、障害者向けの対応状況を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 一六ページをお開き願います。16は、既設都営住宅へのエレベーター設置状況でございます。
 エレベーターの設置を開始いたしました平成三年度から十四年度までの団地数及び設置数を記載しております。
 一七ページをお開き願います。17は、車いす使用者向け都営住宅の建設実績及び応募状況でございます。
 平成十年度から十四年度までの建設実績と応募状況を記載しております。
 一八ページをお開き願います。18は、マンション改良工事助成事業実施状況でございます。
 平成十年度から十四年度までの実施状況を、予算、申し込み及び実績に分けまして、それぞれの戸数及び利子補給対象金額を記載しております。
 以上でご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○和田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉原委員 それでは、住宅関係の十四年度の決算について、若干ではありますけれども、お尋ねをさせていただきたいと思っております。
 まず、十四年度の都営住宅の建てかえ事業の実績についてお尋ねするわけでありますけれども、東京の人口は、二〇一〇年をピークに、後は減少していくと。そしてまた、二〇一五年ぐらいまでは横ばいであり、それ以降については、人口も徐々に減っていくだろうという見込みがあるわけであります。
 これはもう、当然いうまでもありませんし、また、都営住宅の役割というものも、住宅に困窮する都民の居住面の基盤として重要な役割を担っている、そういうことであろうかと思いますけれども、十四年度の都営住宅の建てかえ事業の実績はどうなったのか、お尋ねいたします。

○青木住宅経営部長 平成十四年度の建てかえ実績でございますけれども、延べ十九団地三千八戸でございます。これにかかわる支出額は、約百九十七億七千万円でございます。

○吉原委員 それでは、今後の建てかえ対象の戸数あるいは団地、どのぐらいあるのか。また、今年度、十五年度の建てかえ計画はどうなっているのか、お尋ねいたします。

○青木住宅経営部長 今後の都営住宅等の建てかえ対象でございますけれども、昭和三十年代以前に建設されました住宅を中心といたしまして、約二百団地三万四千戸が対象となってございます。
 また、平成十五年度の建てかえ戸数につきましては、延べ十八団地三千戸を予定しているところでございます。

○吉原委員 それでは、東京都の住宅政策審議会、十三年五月に答申があったわけでありますけれども、それに基づいて、昨年の、十四年の二月ですか、住宅マスタープランというものを発表されました。
 その中でも、これから都営住宅の管理戸数を抑制していくべきだ、そういう意見も中に組み込まれていたわけでありますけれども、都営住宅の管理戸数の抑制方針をそういった形で出してこられたんだろうと思いますけれども、今後についてはどういう形で建てかえを進めていくのか、お尋ねいたします。

○青木住宅経営部長 今後の都営住宅等の建てかえに当たりましては、地域の実情や居住実態などを踏まえながら、従前の戸数以下に抑えることを基本といたしまして建てかえを進めてまいります。結果といたしまして、抑制が図られるものと考えております。

○吉原委員 そうすると、そういうことのようでありますけれども、もう一方では、都営住宅の区市町村への移管というものも、これまで進めてこられたと思います。お話をお聞きいたしますと、平成元年から今日まで進めてこられた。主に当初は、区の方に対してそういう形で来たようでありますけれども、昨年あたりから、三多摩の方にもそういったお願いをされているようでございます。
 そういった意味では、今日までの、移管という形で各区市町村にお願いをされてきた、あるいは協議を続けてこられたんだろうと思いますけれども、その取り組みの中身というものをお伺いいたします。

○高岡区市町村調整担当部長 特別区への都営住宅の移管につきましては、昭和五十六年一月の都区検討委員会、平成元年二月の都区協議会、平成十二年三月の都区制度改革実施大綱と、三次にわたる合意を経まして、各区と協議をしながら移管を進めてまいりました。
 また、市町村につきましては、平成十三年に開催されました市長会役員会及び町村会総会におきまして、都営住宅の移管は個別に協議し、合意した団地について移管することとされました。
 都といたしましては、住宅管理についての技術的支援やノウハウの提供を積極的に行うなど、移管の促進に努めてきたところでございます。

○吉原委員 今の昭和三十年代の建てかえ、三万四千戸あるというお話だったと思います。そしてまた、今お話しいただきましたように、今日まで八千戸弱の移管を進めてこられたというお話のようでございますけれども、いずれにいたしましても、住宅政策審議会あるいはマスタープランの中でも、もう人口がある一定のところまでいくと確実に下がっていく、そういう見込みがあるわけでありますから、その二十六万戸の世帯に対する、これから少しずつ減らしていこう、そういう動きが当然あってしかるべきでありますし、住宅局としてはそれを、私自身は、各市町村にも、あるいは建てかえのときも積極的にやっていくべきだろうと思っております。
 そういった意味では、今お話をお聞きしますと、毎年、昭和三十年代につくられた、残っているものの建てかえを、三千戸ぐらいだろうと思いますけれども、進めていく、あるいは、同時に各区市町村に対して移管のお願いをしていく、この二本立てで少しずつ少しずつ減らしていこうという姿勢だろうと思うんです。
 しかしながら、管理移管のことについても、もう十数年、十五年近くたっているわけでありますし、私自身としては、皆さん、各市町村に対して熱心に、各区市町村にメリットになるような形でそれぞれ進めてこられたんだろうと思いますけれども、しかしながら、八千戸弱という数字をお聞きしますと、まあそんなに大して、成果が上がっているな--十四、五年かけた割にはどうなのかなという思いが一方であります。
 そしてまた、建てかえのときも、三万四千戸、三十年代の建物を建てかえる予定があるということでありますけれども、毎年決まり切って三千戸ずつ、あるいはもうちょっと前後するのかもしれませんけれども、そのぐらいずつやっていくということについては、二〇一五年以降は人口が減少していくというと、もう目の前に来ているその年数ではないかなと思うんですね。そうすると、もし皆さんがつくられた住宅マスタープランに沿ってやっていくとすれば、もう少しピッチを上げていく必要があるのではないかなと思うわけであります。
 そんな意味では、それぞれ局の皆さん、大変ご努力されているということもよくわかるわけでありますけれども、我々住民の代表としてみますと、局としてももう少しスピードアップしてもらいたいという思いがありますので、局長に、その辺のこれからの意気込みというものがもしあれば、お尋ねをさせていただきたいと思います。

○高橋住宅局長 ご発言にもございましたけれども、住宅マスタープランにおきましては、人口、世帯が二〇一〇年あるいは二〇一五年以降減少していくと見込まれておりますことや、区市町村の役割の拡大を踏まえますと、都営住宅につきましては、今後建てかえやスーパーリフォームなど、現在ある住宅ストックの維持管理に重点を移して、供給、管理戸数を抑制していくことが求められるというふうにしてございます。
 都営住宅の新規の供給につきましては、既に平成十二年度から凍結をいたしまして、ストック有効活用の観点から、建てかえやスーパーリフォームに重点を移しております。また、建てかえにつきましては、平成十四年度から従前戸数を上限とすることといたしまして、現在その着実な実施に努めております。
 なお、地域での福祉サービスの向上に向けて取り組んでおります区市町村への移管につきましては、地域の実情を勘案した上で、地元自治体が安心して移管を受け入れられるよう、住宅管理のノウハウあるいは技術的な支援、こういったことに努めまして進めていきたいと考えております。
 こうした取り組みを着実に進めまして、抑制に努めていきたいというふうに考えております。

○吉原委員 ぜひお願いをしたいと思います。今のお話ですと、従前戸数についてはそれなりにというお話でありますけれども、区市町村に移管については、やっぱり区市町村、私は町田出身でありますけれども、我々、地域の中に入ってみますと、本当にこれ、将来的に区市町村にとってプラスになるんだろうかという疑義を、やっぱりそれぞれの自治体の皆さん、お持ちの方がたくさんいらっしゃるんだろうと思うんですね。
 それは、確かに中身を見ますと、東京都については努力をされているという形で、それぞれの区市町村にお願いをしているということもよくわかるわけでありますけれども、それが進まないというのは、区市町村それぞれの自治体が、やっぱりそれに見合うメリットというものを大きく感じられていないんだろうと思うんです。
 お話はなかったかもしれませんけれども、たしか道府県だったかと思いますけれども、そこは五〇対五〇ぐらいの割合で公的住宅をそれぞれお持ちになっている。東京都の場合は、九五%だか六%が都営住宅であるというお話もお聞きしているわけでありますけれども、五〇対五〇、そこまでいいかどうかわかりませんけれども、もしそれを目標とするならば、今の移管の形であれば、到底まだまだ、足を踏み出したにすぎない位置にあるのではないかなと思うんですね。
 ですから、やっぱり区市町村ともよく協議をしていただいた中で、それぞれのメリットをそれぞれ見つけていただいて、それに向けてしっかりと前に前進できる、そういう方策を局の皆さんにぜひお考えになっていただきたいなと思って、その要望だけさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○藤井委員 私からは、三点質問をさせていただきたいと思います。まず第一点目は、公共事業に伴う都営住宅のあっせんについて、二点目は、都営住宅の中の駐車場の使用について、三点目は都民住宅の問題でございます。
 まず最初の公共事業、いろいろ行われているわけでございまして、道路の拡張に伴っての立ち退き、あるいはまた私の地元大田区では、今、京浜急行の高架化事業が行われておりますけれども、こういった事業に伴って、やむなく立ち退きをせざるを得ない、こういった場合の例であるとかさまざまありますけれども、いずれにしても、こういった公共事業によって、住んでいる住宅を出ざるを得ないという場合、東京都においては都営住宅をあっせんしているわけでございます。
 そこでまず、平成十二年度から十四年度の建設局の事業に伴う都営住宅のあっせん件数は、どのぐらいあったでしょうか。

○青木住宅経営部長 平成十二年度に建設局へ当初割り当てました戸数が七十五戸あります。実際にあっせんして入居した戸数は五十八戸でございます。
 平成十三年度につきましては、当初割り当て戸数七十戸に対しまして、あっせんして入居した戸数が四十三戸。
 平成十四年度には、当初割り当て戸数七十戸を十戸上回る八十戸をあっせんしたところでございます。

○藤井委員 ただいまご答弁ありましたように、平成十四年度では、あっせんして入居した戸数が八十戸ということでございましたけれども、その八十戸の事業ごとの内訳はどうなっていますか。

○青木住宅経営部長 特別割り当てをいたしました戸数の具体的な事業の割り振りにつきましては、建設局が決定しているところでございます。
 平成十四年度の八十戸の内訳につきましては、道路事業が六十戸、河川事業が六戸、公園事業が三戸、区画整理事業が六戸、再開発事業が一戸、連続立体交差事業が四戸となっております。

○藤井委員 連続立体交差事業が四戸というご答弁でしたけれども、このうち京浜急行の連続立体交差事業に関して立ち退いた方を都営住宅にあっせんしたのは何戸ですか。

○青木住宅経営部長 この事業にかかわりまして十四年度に都営住宅をあっせんした戸数は、一戸でございます。

○藤井委員 これは、後ほどの建設局でまた議論するために、今お聞きしたのですけれども、いずれにしても、公共事業で移転対象となるこういう世帯については、やはりきめ細かく対応しなきゃいけないということを、私は再三議会でも述べさせていただいたわけですが、これについて住宅局はどのように対応されているのか、お伺いをいたします。

○青木住宅経営部長 委員お話のように、都市計画事業と公共事業の施行に伴いまして住宅が除却された場合、都営住宅の入居資格のある世帯に対しまして、公募によらず使用を許可するものとしての特別割り当て制度を採用しているところでございます。
 この制度の運用に当たりましては、公募計画や地域ごとの空き家の発生状況などを考慮いたしまして、できる限りの対応をしているところでございます。

○藤井委員 要望でございますが、やはり私どもにも、たくさん相談が来ております。やむなく出なければいけない、だけれども、都営住宅に入りたくても入れないという声が寄せられております。これは住宅局だけの問題ではない。建設局との連携の問題もありますけれども、いずれにしても、やはりその人の状況に応じた--ある程度期限が決められているわけですから、その期限内までに都営住宅がなければ、あきがなければ、やむなく高い民間の家賃のところに移らざるを得ないという実態もあるわけでございまして、そういった意味では、今ご答弁にありましたように、できるだけの配慮がある対応を今後ともされるよう要望しておきたいと思います。
 次に、都営住宅の中での住宅敷地内での駐車場の問題でございますが、東京都では、新設の団地については平成二年度から駐車場を設置している。また、既にできている既設の団地については、平成四年度から駐車場を設置しているということでございます。
 こういった都営住宅の団地内の駐車場の台数も年々ふえてきているわけですけれども、しっかりと駐車場については経営をしていただきたいというふうに考えるわけですが、そこで何点かお伺いをいたします。
 第一番目に、昨年度、十四年度の駐車場に係る東京都の歳入はどういう状況でしょうか。

○石井参事 平成十四年度決算におけます歳入は、約二十四億五千万円となっているところでございます。

○藤井委員 大変な金額なわけですね。
 これまでに都営住宅の団地内に設置した駐車場、どのぐらい整備されたのか伺います。

○石井参事 都営住宅の駐車場は、平成十四年度末までに、団地の建てかえ等の際に新たに設置したものが約二万三千区画、既設の団地におきまして設置または増設したものが約一万二千区画、合わせて三万五千区画を整備しているところでございます。

○藤井委員 この都営住宅の駐車場については、都営住宅条例という中で一章を設けているわけですけれども、この条例を改正する前と、管理の仕組みというのはどのように違っているのか、お伺いいたします。

○石井参事 平成十五年三月の条例施行前、改正前でございますが、都営住宅の駐車場の敷地を、都営住宅の管理業務を委託してございます東京都住宅供給公社に対しまして行政財産の目的外使用許可をし、公社が自主事業として駐車場の管理運営を行ってきたところでございます。
 平成十五年四月以降は、条例で駐車場を都営住宅の共同施設として位置づけたために、都営住宅と同様、公社に管理を委託しているところでございます。
 なお、その際、利用料金制を導入いたしまして、駐車料金は管理受託者であるところの公社の収入とするとともに、駐車場の管理経費等をあらかじめ定率で定め、それを控除した額を都へ納付させる、そのようにしたところでございます。

○藤井委員 この条例改正前まではなかなか、公社がそんなに一生懸命やっていなかったとはいいませんけれども、やはりこの条例を改正して、先ほど答弁がありましたように、非常に駐車場収益が上がったというふうに聞いているわけです。
 それでは、今回のこの条例改正で利用料金制を採用されたというふうに聞いておりますけれども、この駐車場の料金はどのように決まるのでしょうか。

○石井参事 都営住宅等駐車場の駐車料金でございますが、近傍の民間駐車場の料金等を勘案し、管理受託者であるところの公社が都の承認を受けて決定しているところでございます。

○藤井委員 それでは、先ほどありました利用料金制を導入するメリット、これは一口でいうとどういうメリットがありますか。

○石井参事 利用料金制は、平成三年、地方自治法改正におきまして、公の施設の利用料を管理受託者の収入とすることによりまして、その運営に当たって、管理受託者の自立的な経営努力を発揮しやすくするために創設された制度でございます。
 この制度の導入に伴いまして、公社の経営努力により駐車料金収入が増加した場合には、公社に増収分として反映される。それとともに、都におきましては、定率に基づいて算定されたところの管理経費等を控除した納付金に加えまして、公社の経営努力による増収分についても一部還元される、そのようになったところでございます。

○藤井委員 大変、そういった意味での努力をされてきているということに対しては評価したいと思いますが、都営住宅の駐車場については、大変区画数が多いということですから、歳入も今後期待できるというふうに考えるわけです。
 先ほど答弁にありましたように、既設の団地でまだ一万二千台分しかできておりませんので、今後、都の公有財産であります敷地を利用して駐車場をつくり、そして収入を上げるということは、私は大事な観点ではないかというふうに思います。
 なおかつ、駐車場については、やはり効率的に管理するということも大変重要だというふうに考えます。
 最近の「すまいのひろば」ですか、見ますと、この中に駐車場の空き区画の募集が出ておりましたけれども、その中で、いわゆる入居者は、原則として自分の住んでいる団地の駐車場しか借りられないと思ったんですけれども、原則はそうだと思うんですけれども、最近、高齢化によって、車を持っていた方も手放して、駐車場があいているところもあるというふうに聞いております。そういった場合、隣の都営団地に住んでいる方で、たまたまそこは駐車がもういっぱいだ、敷地内の駐車場がいっぱいだ、でも、隣の団地の都営住宅の駐車場があいている場合は借りられるというふうに、ここに出ているわけですけれども、そういった意味で、非常に柔軟なこういったやり方というのは大事だと思います。
 そういう意味で、今後とも、住宅局がこういう経営努力を続けて、さらにこういった歳入確保のために努力されることを希望したいと思います。
 最後に、都民住宅について何点かお伺いしたいと思います。
 バブル経済の崩壊によりまして、地価やあるいは家賃が下落をしているということで、都民住宅の制度の創設時点と比較いたしまして社会状況が大きく変化をしているという中で、都民住宅についても、各方面から見直しが求められているということでございます。
 まず、これまでの都民住宅の制度について、住宅局としてはどのように評価をしているのか伺います。

○安藤民間住宅部長 都民住宅制度は、バブル経済期の地価、建築費、金利の高騰等による異常な住宅事情に対処するために創設したものでありまして、厳しい住宅環境において良質なストック形成に寄与してきたものと認識しております。
 一方で、制度創設後の地価の下落に伴う住宅価格や家賃水準の低下などの状況から、制度の本来的な意義が薄れてきているため、抜本的な見直しが必要であると考えております。

○藤井委員 これまでこの都民住宅が果たしてきた役割は、非常に大きいと思います。我が党が提案をさせていただいてつくった、この都民住宅の制度、平成二年からですか、もう十何年たつわけでございますけれども、一方で、都民住宅がいろいろな課題を抱えているということも事実であります。
 中でも、空き家対策ですね。都民住宅の空き家対策というのは、大変早急に取り組まなければならない課題であると思います。
 要求いたしました資料の一二ページの中で、空き家の状況が出ておりますけれども、この都民住宅の全体の空き家率は二・六%というふうになっております。中でも、都の施行型の都民住宅の空き家率が六・七%というふうに、ほかの型の都民住宅に比べて大変空き家が多いという状況があるわけですけれども、この都施行型の都民住宅の空き家率が高いという原因については、どのように認識をされているでしょうか。

○石井参事 都施行型の都民住宅で空き家の多い団地は、交通の便が悪いこと、また、周辺に店舗が少なく利便性に欠けること、そのような立地条件に恵まれていないということが主たる原因であるというふうに考えているところでございます。

○藤井委員 空き家の解消策としては、民間の立場であれば、まず家賃を下げるというのが普通なわけですけれども、都民住宅の場合は、民間を活用して供給した都民住宅については、二年に一度、契約家賃を見直しているということでございますが、都が直接供給しました都施行型については、平成十年度以降見直しが行われていないわけですね。この都の施行型が最も空き家率が高いということから、これを早急に使用料の見直しを検討する必要があるというふうに考えるわけでございます。
 バブル経済のときに、急に異常に住宅家賃が上がって、中堅所得の方たちが住もうと思っても、公団やあるいは公社、こういったところは家賃が高くてなかなか住めない。また反対に、都営住宅だと収入基準が低いために、そこの対象ではないということで、小さなお子さんを抱える若い中堅所得の方たちが住宅に非常に困ったという、そういう状況があるわけでございまして、そういう厳しい住宅環境において、都民住宅は、良質な賃貸住宅の提供ということについては大きな貢献をしたというふうに考えます。
 しかし、社会経済状況が大きく変化をした現在においては、都民住宅は、先ほどの空き家の問題を初めさまざまな課題があるわけでございますが、現在都民住宅が抱えている課題は、空き家率以外にどのような課題があるのか伺います。

○安藤民間住宅部長 都民住宅が置かれた状況は、制度創設時に比べまして、地価の大幅な下落など、制度の前提となる社会経済状況が大きく変化しております。こうした背景から、現在抱えている課題としましては、空き家対策以外に、これまで都民住宅が需要の少ない周辺部に多く供給され、都民の利用ニーズの高い都心及びその周辺地域等での供給が少ないことや、家賃補助等の後年度負担などが挙げられます。

○藤井委員 今ご答弁にありましたように、いろいろと課題を抱えている都民住宅制度ですけれども、これを見直しを図る必要があるというふうに考えます。今後見直しに当たりましては、社会経済状況の変化あるいは施策の実効性など、こういったものを的確に見通した上で検討を進めていっていただきたいというふうに考えます。
 そこで、今後の都民住宅制度の見直しに当たって、どういう方向で取り組んでいくのか伺います。

○安藤民間住宅部長 都民住宅は、これまで需要の少ない周辺部に多く供給されてきたことから、都民ニーズの高い都心及びその周辺地域への供給には十分に対応できていない状況にあります。
 このため、都民住宅制度の見直しに当たりましては、こうした立地面での要請に十分対応していくために、都市計画等の特例や税制も活用しながら、利便性の高い地域への供給誘導に効果を発揮するよう、制度の再構築に取り組んでまいります。

○丸茂委員 最初に、都営住宅に関連してお伺いをしたいと思います。
 都民の暮らしは、今、年金の切り下げあるいは医療費の負担、勤労者においては、賃金の引き下げから不安定雇用の増大、高い失業率など、ますます大変な状況になっております。
 こうした状況のもとで、都営住宅に入りたいという声が以前にも増して高まっていると感じております。こうした都民要求にこたえる上でも、住宅は福祉という立場で、都営住宅の期限つき入居による追い出しじゃなくて、都営住宅の増設や制度の拡充、改善が必要だと考えます。
 そこで、まず伺いますけれども、東京都は平成十三年に東京の住宅白書を出しております。そこでは、東京の民間賃貸住宅の実態や民営借家ストックの特徴など、細かく分析もされております。簡潔にその内容を示していただきたいと思います。

○水流住宅政策担当部長 十三年度の住宅白書におきましては、東京の民間賃貸住宅に関する特徴といたしまして、例えば、東京の全世帯の約四割が民間賃貸住宅に居住していること、その居住者につきましては、若い方々を初めとする単身世帯の占める割合が約四割と高いこともありまして、年収三百万未満の世帯のうち、民間賃貸住宅に居住している者の割合が約六割となっていること、一住宅当たりの平均面積は徐々に拡大しているが、三十三・五平米であることなどを指摘してございます。

○丸茂委員 そこでは、総体的にいいますと、東京の賃貸住宅の七五%の民間賃貸住宅に住んでいる。最近、設備共用住宅の激減だとか非木造化の進行など改善は見られるけれども、規模が小さいだとか、それに比べて家賃が高い、そういう問題も指摘をされております。
 今お話しをされました三百万未満の世帯も、全国と比べて、居住世帯の状況によりますけれども、六〇%を超えるそういう数字にもなっております。また、ファミリー世帯の形成期、長子が五歳以下の割合も、五一・二%と半数以上を超えている。こういう状況も指摘をされております。
 そういう状況を踏まえますと、質の問題でお伺いしますと、居住水準で見ますと、三十平方メートル未満では、三人以上の世帯で最低居住水準を満たしていない、二人以下の世帯では誘導居住水準も満たしていないなど、指摘もされております。こうした最低居住水準未満世帯の早期解消のために、達成期間あるいは実施計画、こういうものを定めて具体的に取り組むべきだと思いますが、その点お伺いいたします。

○水流住宅政策担当部長 平成十四年二月に作成いたしました住宅マスタープランに掲げる政策目標でございますが、最低居住水準に満たない世帯について、二〇一〇年には五%程度と、ほぼ解消するとしてございます。
 その実現に向けまして、セーフティーネットとしての都営住宅ストックの活用のほか、民間賃貸住宅市場の活性化、中古住宅の流通促進など、市場を活用した施策の推進に取り組んでまいります。

○丸茂委員 次に、低所得者層に対する住宅提供が都営住宅の大きな役割だと考えております。要求しました資料にも、都営住宅、公社住宅、都民住宅の建設実績等も出されておりますし、また、都営住宅応募状況もお願いしたところ、示されました。
 特に、まず十四年度の新規募集で、平均応募倍率が五月、十月とも五十倍を超えているように、都民の都営住宅に入りたいという希望は、高い比率で依然続いております。これを経年で見てみましても、平成十二年度十月から、五十六・九倍と五十倍を超える状況が続いております。空き家募集につきましても、平成十二年十月から十二・三倍、十四年度の十月募集では三十一・七倍と、これも非常に倍率が高くなっている。こういう状況にあります。
 この応募倍率の高さについてどう受けとめているのか、その点、まずお伺いいたします。

○水流住宅政策担当部長 ご指摘の都営住宅の応募倍率でございますが、資料では、一般公募分について応募倍率をお示ししているわけでございますけれども、提出したわけでございますけれども、ご案内のように、この一般公募枠のほかにも幾つか募集枠がございまして、全体で都営住宅の毎年の応募者数というものを見てみますと、これは経年的に安定した数字になってございます。
 また、それに対するストックからの毎年の空き家の発生戸数でございますけれども、これもおおむね毎年三%強ということで、安定的に推移しているわけでございます。
 このように、この一般公募の資料のように、必ずしも、全体で見ますと、経年的に応募倍率が非常に窮屈になってきているというわけではないということをご理解いただきたいと存じます。
 その上で、こうした応募状況に対してでございますけれども、都営住宅について、都民の共有の財産として、真に住宅に困窮されている方々に適切に供給していくということが大切と考えてございまして、応募されている方々について、その収入あるいは居住の状況などを総合的に見て判断させていただきたい、そういうことに努めていく必要があるというふうに考えてございます。

○丸茂委員 私も特別枠があることは承知しているんですが、現にこの一般公募を見ますと、やっぱり倍率が非常に高くなっているということは事実ですから、やっぱりそういうものをしっかり受けとめていただくことが極めて大事だというふうに思います。
 そういうところで、じゃ、実際応募されている入居希望がどういうところにあるのか、そういうところを調査したり、あるいは何らかの形で把握したことがあるのでしょうか。

○青木住宅経営部長 これまで、特にそのような調査をいたしたことはございません。

○丸茂委員 調査はされていないというお答えだったんですが、私ども議員の立場ですと、都民の方からさまざまなご相談を受けたり、都営住宅に入居したいという、こういう相談もたくさん寄せられております。
 そういう立場で、いろいろ私の経験も踏まえていいますと、一つの例では、長期にわたる病気やあるいは通院で、今までの蓄えも使い果たした。したがって、民間の高い住宅では生活が成り立たなくなってくる。したがって、都営住宅に入居して、住まいだけでも安定させたい。
 それから二つ目の例でいいますと、最近、不況と勤め先のリストラで職を失った。ハローワークに行っても再就職先がなかなか見つからない。職があってもパートやアルバイトで収入が少ない。また、派遣労働や契約社員、そういう不安定雇用で収入も安定しない。したがって、公的住宅にぜひ入りたいと。
 あるいは、中小企業を経営されてきた方ですけれども、実際に自分の自宅と工場を持っているけれども、この長引く不況と産業空洞化のもとで借金が返せない。結局は、住宅や工場は、返済のために競売にかけられている例も、幾つも私どもに相談が来ております。結局住むところがなくなって、やむを得ず、とにかく民間に移って生活の場を支える。そういう中で、やっぱり公的住宅、低家賃の住宅に入れないのか、こういう相談も寄せられております。
 それから、年金生活の方々ですけれども、この方々にも、大変民間家賃の負担が重くなっているという状況にあります。その年金も、最近切り下げられるという中で、少しでも家賃の負担を軽くして安定した生活を送りたいと。これは、高齢者によっては特別の住宅がありますけれども、公団住宅入居者にも、そういう声が生まれております。最近少なくはなっているにしても、木造アパートが老朽化しまして、大家さんから立ち退きを迫られて、どうしても急いで都営住宅に入らなければならないという形での相談等、寄せられております。
 都営住宅入居に当たっては、やっぱり収入基準があるわけですから、そういう方々の世帯等、収入等を聞きますと、ほとんどの方々が都営住宅収入基準に該当する、そういう所得の方が大変多いのが実態です。
 そういう低所得者に対する住宅供給というのであれば、私は都営住宅だと思うんですけれども、それが東京都の住宅政策ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 今、数々の事例でご指摘がございましたけれども、私ども、都営住宅を真に住宅に困窮する方々のためのセーフティーネットとして的確に機能させることが大切と考えてございまして、そのために、まさに入居管理の適正化、あるいはその入居資格、その審査のあり方、そうしたものをしっかりと今後とも充実をいたしまして、要望にこたえていけるように努めてまいりたいと考えているところでございます。

○丸茂委員 入居管理の適正化になりますと、またそこでやりとりになっちゃいますので、もうひとつ、実態にやっぱり正面から、都民の都営住宅に入居したいという要望を正面から受けてもらいたいと思うんですが、そういう意味で、今私が述べたような、都民の都営住宅入居の要望がどういうところにあるのかという都民ニーズはつかんでほしいと思いますし、例えばポイント方式の応募なんかも、特別、理由を書く欄がありますよね。ああいうところもよく拾っていただいて、どこにそういう要求があるのか、その辺もつかんでいただきたいということを求めておきたいと思います。
 先ほど局長から、新規都営住宅建設、平成十二年からゼロにしてきたと。この資料でも、十年、十一年は、実績で多少残っておりますけれども、十四年は全くゼロ。十二年から新規建設はゼロになっております。
 こういう状況のもとで、都として、先ほどもいいました都民の都営住宅に対する要望にどう対応していこうとしているのか、その点、お伺いをしておきたいと思います。

○水流住宅政策担当部長 二〇一〇年あるいは二〇一五年で、東京の人口あるいは世帯数がピークを打って、それから減少傾向に向かうという推計がなされてございます。一方、都営住宅は、一たん建設いたしますと、七十年間の長期にわたって管理運営していくものでございます。
 そうしたことを踏まえて、今後の都営住宅のあり方を考えますと、建てかえあるいはスーパーリフォームといった、現在のストックの維持管理に重点を移した政策展開、供給、管理戸数を抑制した政策展開というものが必要かというふうに考えてございます。
 同時に、繰り返しになりますけれども、都民共有の財産である都営住宅ストックの有効活用、セーフティーネットとしての機能ということを考えまして、高額所得者などへの対応を強化するなど管理の適正化を推進するとともに、入居を希望される方々に対する適切な入居資格のあり方、審査のあり方、そうした面での充実を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

○丸茂委員 将来予測されることを見込んで、いろいろ対策を立てているということなんですけれども、現実に都営住宅入居を求める、こういう希望にどうこたえるのか。そこはやはり十分考えていただきたいし、例えば東京の明け渡し基準なんかも、全国と比べますと、東京の水準という点では--この水準についても、国に対して、基準の大幅拡大なり、これを求める必要があるというふうに思いますし、やはり都民の切実な要求にこたえて、そして必要な供給を行っていく、この点での一層の努力を求めたいというふうに思っているんです。
 私も実際、こういう公共住宅のあり方等、欧米の住宅政策、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、いろいろ参考にしたいと思って、そういう書物もひもといてみたんですけれども、イギリスの、これは国の住宅政策で、ちょっと東京と似ているなというところを感じましたので、ちょっと述べたいと思うんです。
 イギリスのサッチャー時代に、住宅政策の再編、こういうことがやられまして、ここでは公営住宅の売却という大変厳しい手段もとったわけですけれども、そういうむちゃなことがありますけれども、労働市場というんですか、労働者の実態からいいますと、非熟練労働者あるいは単身者、女性から成る失業者、低所得者、不安定就業者の階層が、住宅市場にアクセスする支払い能力、民間の住宅に入りたくても支払い能力がない。そういう中で、社会的住宅に入ろうと思うと、減少する社会住宅に入居できなくて、結局はホームレスや同居を強いられる、そういう結果になったという報告になっております。
 また、ロンドンの中心部の活性化を目指すとして、ロンドン・ドックランド開発公社、LDDCと略称でいうそうですけれども、こういう民間資本による開発会社を設立して、そしてロンドンの中心部等を、民間資本による新たな業務機能の集積や住宅建設を目指したけれども、開発地区の住民は、年収が少なくとも一万六千ポンド必要なところ、大部分が年収一万ポンド以下で、結局、できても入居できないという、なかなかうまくいかなかったという事例が出ていました。
 そして、土地売却などで、この開発会社は収入が上がったそうなんですけれども、得られた総収入の大半は、道路を中心とした社会資本整備に振り向けられて、住宅費には一%が支出されるにすぎなかったと。そうした結果、地域住民はその恩恵をほとんど受けない形で、民間活力による道路や住宅が進捗する一方、低所得者向け住宅供給は大きく後退してしまった、こういう事例も紹介をされておりました。
 ここはイギリス、ロンドンの話ですけれども、最近の都市再生、それから都心の開発、そういうものを見ますと、先の将来が何か大変心配になってまいります。そういう点で、現実に都民が抱えている要求に、私は真正面から、やはり身近な自治体、これまで住宅政策、区市町村--先ほどお話がありましたけれども、やはり東京の特殊性がありまして、東京都がその役割を大きく担ったわけですから、その点を正面から受けとめて対応をしていただきたい、その要望にとどめておきます。
 次に、一般会計決算書を見て、ちょっと気になる点がありましたので、お尋ねしておきたいと思います。
 私どもに配られました説明書三八ページに、地域住宅対策費が計上されております。ここでは、七億円の補正減に加えて、不用額が六億七千万円余です。合わせて十三億七千万円余になっております。これを当初予算の八十五億五千万円余と比較しますと、一六%に相当するものになっております。当初予算に対する執行率でいえば八三・八%となるわけですけれども、執行率と減額補正の理由は何か。また、その対策についてもお伺いをしておきたいと思います。

○小林地域住宅部長 地域住宅対策費、十四年度の執行率でございますが、八四%というお話がありましたけれども、補正につきましては議会でご承認いただいておりまして、そこを考えますと、九一・三%という数字になっておりまして、特に低いとは考えておりません。
 それで、減額補正の内容でございますが、三宅島災害対策住宅建設費、それから、品川区の特定公共賃貸住宅の買い取りに当たりましての契約差金発生によるものなどでございます。
 また、不用額につきましては、事業者である区及び市の事情や、地元との調整等に起因する着工のおくれなどによるものでございます。
 今後の対策でございますが、区市町村の意向や情報を、今後一層正確かつ迅速に把握するなどしまして、適切な執行に努めてまいりたいというふうに思います。

○丸茂委員 三宅島の実情は、今の島のああいうガス発生の状況ですから、その状況は理解できるんですが、多額の補正になっておりますので、これは私の方でももう少し勉強しながら検討したいというふうに思っています。
 同じ地域住宅対策費の高齢者向け優良賃貸住宅、これも執行率が五七・四%と極めて低いわけですけれども、これについては、その主な理由なり対策、一体どうなっているのでしょうか。

○小林地域住宅部長 予算の執行率でございますが、当初計画いたしました事業が、近隣との調整などによりまして工事の着手がおくれた結果、低下したものでございます。
 今後の対策につきましては、区市町村へのヒアリング等を一層密に行うなどによりまして、事業の円滑な執行に努めてまいります。

○丸茂委員 私も、時間がなくてなかなか調査が進まなくて、今事情を聞きましたので、今後、私自身、実情を調査して、問題点があれば勉強していきたいというふうに思います。
 次に、都営住宅のエレベーターの設置の資料要求もいたしました。既設都営住宅のエレベーター設置状況が、平成十四年度で六十七団地百一基となっております。既存の中層都営住宅へのエレベーター設置については、平成三年度より実施がされておりまして、バリアフリー化に大きく貢献し、高齢者や身体障害者を初めとして、多くの居住者に大変喜ばれておりますし、大変住みよい環境になったという声が寄せられております。
 資料でも、これまで四百五十九団地六百九十六基のエレベーターが設置されてきたところですけれども、今後の問題として、要望に沿ってさまざまな設置がされているかと思うんですが、都に寄せられている要望もかなりあるんじゃないか、その住棟も相当数あるのではないか、そう考えるわけです。
 そこで伺いますけれども、現在エレベーターの設置要望はどのくらい寄せられているのか、お伺いいたします。

○渡部営繕担当部長 既存の廊下型中層都営住宅におきまして、自治会からのエレベーター設置要望が出されている住棟でございますが、平成十五年三月末現在、約二百六十棟ございます。

○丸茂委員 こうした要望の寄せられた住棟について、今後どのように設置促進を進めていくのか、お伺いをいたします。

○渡部営繕担当部長 エレベーターの設置に当たりましては、自治会からの要望を受けまして、日影規制その他の法的な規制、あるいは狭いスペースへの配置や構造的な検討などの技術的な側面からの設置の可能性につきまして検討を行ってございます。その上で、要望を受けた時期を考慮いたしまして、予算の範囲内で対象住棟を定めまして、当該居住者の意向を確認しながら工事を実施してございます。
 今後とも、エレベーター設置につきましては、可能なものから順次着実に設置してまいります。

○丸茂委員 団地によっては、やはり車いすの生活だとか、福祉施設に通うのに、本当に車を抱えながら階段を上りおりする、そういう団地の状況もあります。そういう点では、可能な限り促進方を求めておきたいと思いますし、私も何件かかかわったんですが、実質は住宅供給公社の部門で対応しておりますけれども、ここに必要だと、そこに必要なら、どうやればそれが実現できるのかという点で、知恵を出して対応いただく。
 施設の制限だとか技術的な問題だとかいろいろありますけれども、やっぱりここに必要だという立場でいろいろ知恵を出せば、解決の道は見えますし、それから、実際、居住者の中でほぼまとまったんだけれども、居住者の同意が得られないと。そういう方々の理解を得るために、私自身も反対されている方と直接お話し合いをして、その方の納得をいただいて、団地自治会全体が一致して設置ができたという点もありますので、ぜひ、この資料を見ますと、階段型も徐々に取り組んでおりますから、そういう階段室型エレベーター設置を含めて大変強い要望がありますので、重ねて促進方について要望したいと思います。
 それから、先日、森づくりプランの中間のまとめの議論をしてきたところなんですが、多摩産材を使って、東京の木をもっと使ってほしいということで、いろいろ資料を取り寄せましたら、住宅局が一番、内装材で木を使用していると。だけど、十四年度は住宅局の場合は実績がゼロと。
 他局は何とか工夫してやっているんですが、住宅局はどう取り組むのかなというところをちょっと腹に思っていましたので、この機会ですので、その取り組む考えについてお伺いをしたいと思います。

○小林地域住宅部長 多摩産材の使用について、住宅局は、確かに十四年度はゼロでございますが、いわゆる建物関係のところでは、財務局、教育庁もゼロでございまして、住宅局だけの問題ではございません。
 都営住宅における多摩産材の使用でございますけれども、内装工事を行う関係業界にヒアリングを実施いたしましたところ、コスト面ですとか供給面、そういうことの問題があるために使用は難しいということでございました。その結果として、都営住宅における使用実績がないということでございます。
 局といたしましては、関係市町村や森林組合等へのヒアリングなど、これまでも行ってきておりまして、その結果で申しますと、一定の品質のものを安定的に供給できる状況に現在のところない、それから、流通上やコスト面での課題があるということから、現段階での使用は難しいというふうに考えております。

○丸茂委員 私も、現実にはなかなか大変なところはあると思いますけれども、こういうプランをつくって具体的に、コスト面でもなるべく下げて、多摩産材が使われるように、間伐方式から伐採方式からいろいろ工夫をしていこうと。この戦略3では、とうきょう木づかい運動で木の循環も復活させよう、将来の環境問題を含めて取り組もうと。そこでは、公共施設等で東京の木から優先的に使っていこう、とうきょう木づかいルールを呼びかけると。
 ここまでいっておりまして、アクションプログラムでも、公共事業、公共施設での木づかい、東京の木の公共部門での率先利用、計画、実施を十五年度からスケジュールを組んで取り組もうということですから、特に大量に使う住宅局としては一段と努力をしていただいて、こういう、せっかくつくって、みんなで進めていこうというプランですから、取り組みを求めて質問を終わりにしたいと思います。

○新井委員 それでは、三点質問させていただきます。
 まず第一点目ですけれども、都営住宅の原状回復義務について、特におふろについてお伺いいたします。
 以前にもこの件についてお伺いをしているわけなんですけれども、バリアフリータイプのおふろに変更したものについては、資源の有効利用あるいは環境への配慮ということで、原状回復義務を免除すべきだというふうにお話をしていたわけなんですけれども、都はどんなふうに検討されたのか伺います。

○青木住宅経営部長 この件につきましては、昨年度来検討を重ねまして、この四月から、都がふろを設置した住宅で、都の基準に適合したバリアフリータイプのふろに変更したものにつきまして、原状回復義務を免除し、次の居住者が使用できるようにいたしたところでございます。

○新井委員 やっとバリアフリータイプの部分だけが使用可能になったということですけれども、このバリアフリータイプのおふろというのはどのようなものでしょうか。

○青木住宅経営部長 都の基準では、浴槽がステンレス製で、幅が百センチ、一メートル、また、またぎの高さが五十五センチ程度のもので、破損等がなく、住宅管理上支障のないものを認めております。

○新井委員 このバリアフリータイプの部分についてはオーケーということで、介護保険での改修が可能になっておりますので、ぜひ、改修の際にはこのタイプにかえるような指導などもなさっていただきたいというふうに思います。
 ともかく、全然動かなかったものが、この四月から、バリアフリータイプについては使用可能ということで、一歩前進したということで評価をしたいと思うんですけれども、これは、都がおふろを設置した五万五千戸のうちの一部ということで、肝心なところは、おふろがもともと設置されていない十三万二千戸、この都営住宅の方が非常に問題なわけなんです。
 こちらの、もともとおふろがないところに、このバリアフリーのおふろを改修でつけられた場合、やはり同じように、使用可能ということで原状回復義務を免除するということが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○青木住宅経営部長 ご指摘の、ふろを設置していない都営住宅というのは約十三万戸ございます。これらの住宅につきまして、個別にバリアフリータイプの原状回復義務を免除いたしますと、それに応じましてシステムの大幅な変更が必要となりまして、費用的には多額のものが必要となります。
 また、これらのふろは、ご自身のニーズ、好みに応じて設置したものでございまして、多種多様なものがあろうかと推測されます。都が直接管理をしてございませんため、必ずしもその管理状態が十分でない可能性もございます。
 また、当初から都がふろを設置している住宅では、都が提供するものとして居住者の方に理解していただいているわけでございますけれども、この十三万戸に及ぶ住宅につきましては、居住者が持ち込む住宅として制度的に定着しているところでございます。
 そういう意味から、原状回復義務を免除いたしまして、次の方がご使用になるということは、安全面、嗜好面等の不安、不満を招くおそれもございます。今申し上げたような多くの困難な課題があるというふうに現在考えているところでございます。

○新井委員 ということで、この件については全然進んでいないということなんですけれども、現状を見てみますと、本当に毎日毎日たくさんの、東京都全体で見ましたらば、使用可能なおふろが廃棄されていて、一方では廃棄物という面でも環境を汚染して、一方では、また新しく入る方が新しいものを設置しなくちゃいけないということがありまして、私どもも地域の住民の方から、都営住宅のそういう現状を見て、何で都は、こういうむだ遣いをしているんだということを常にいわれている立場にありまして、何とか改善の方向で今一生懸命やっていますからというふうにお返ししているわけなんですけれども、ずっとこの状況が続いているわけなんですね。
 今は、せめてバリアフリータイプにかわったおふろだけでもというふうに申し上げたわけなんですけれども、当然、バリアフリーということではなくても、使用可能なおふろに関しては、十分それを次の方に使ってもらったらどうかというご提案も私もさせていただいて、前回のときにも、基本的には、次に入られる方が見て、使用可能だということであれば、それを使用してもらえばいいじゃないかというふうなお話もさせていただいているわけですね。
 そうすると、撤去費用の問題とかいろいろあるということですので、それならば、デポジット制みたいなことで、一たん撤去のための費用をお預かりして、次の方がそのまま使えば、その撤去費用、お預かりしたものを前の方にお返しする。撤去をする場合には、その費用で撤去をするというふうなことをすれば、そのときに契約を交わせば、何か事故があったときも、別に東京都の責任だということではなく、個人の判断でそれを継続使用したんだからということで、うまくいくんじゃないかというふうなことも含めてご提案をして、これについても、一つの提案として受けとめさせていただきたいというご答弁もいただいているわけなんですが、この一年間、そういう部分でもまだ全然進んでいないということなんですけれども、現状として、バリアフリータイプでない、普通のおふろの入れかえについてはどんなふうに話し合われてきたのでしょうか。

○青木住宅経営部長 先ほどのご質問で申し上げましたように、都が直接管理する場合は、先ほどのような課題が山積しております。
 ご提案の、居住者同士で引き継ぎをしたらどうかというようなお話でございますけれども、前の居住者が退去してから次の入居者が決まるまで、数カ月のタイムラグがございます。そういうことで、居住者間で直接やりとりすることは、事実上極めて困難だというふうに私どもは理解をしているところでございます。
 また、除却費をあらかじめ徴収する方法につきましては、次の居住者の方の嗜好で、そのふろを使うかどうかが決定されるということでございますので、非常に不安定な要素、トラブルが発生する要素もございます。
 さらに、経費の面で、実はふろを処分するときに、家財などと一緒に処分する経費に比べますと、ふろを単独で処分するというのは、かなり高額になるというような問題もございますので、先ほど申し上げたように、これまた困難な課題が山積しているというふうに認識しているところでございます。

○新井委員 現状がいいというふうには、皆さん思っていなくて、一生懸命考えていらっしゃるんだと思うんですけれども、そもそも都営住宅におふろを設置するようになったときに、設置しなかったものを設置するようになったときに、では、その前の問題をどうするかということをきちんと考えて、二十年以上前なわけですから、システムの構築をすべきだったわけですよね。
 それで、もうずうっと前から、この点についてはいろんな方が多分ご指摘をしているというふうに思うわけなんですけれども、なかなか動いていかない。やっぱり、こうだからできない、ああだからできないということで、何かご提案しても、全部いいわけで、こうだからできない、ああだからできないとおっしゃるんですけれども、そうじゃなくて、こうしたらできるだろうかという、ぜひ前向きな発想で取り組んでいただかないと、全然変わっていかないというふうに思うんです。
 例えばモデルケースとして、自治会で引き継ぎの仲介をやってみるとか、住民同士というのは確かに間隔があくから無理ですので、供給公社の中で仲介をするとか、全体にやるのは無理なので、具体的にモデルケースとしてぜひ取り組まれて、全体のシステムを変えていこうとすると、またなかなか動かないということもありますので、これも、私どもが住民の方から、むだ遣いばっかりしていてというふうに責められることがないように、一日も早く動かしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 それから二問目は、都営住宅の店舗併用住宅の空き店舗スペースのNPO等への提供ということについてなんですけれども、一年半前でしたか、住宅マスタープランが出されまして、その中でNPOへの開放ということが掲げられているわけなんです。非常にいいことだということで私も評価をさせていただきまして、その折に、住宅マスタープランが出た折に質問をいたしまして、頑張ってください、一生懸命頑張りますというふうにお答えいただいていたわけなんですけれども、その後どうなりましたでしょうか。

○石井参事 ご質問の件につきましては、昨年来より検討してございます。具体的には、活用の可能性のある空き店舗とそうでない店舗との仕分け、また、立地、規模等に関する調査、さらに関係局との協議を行ってきたところでございます。

○新井委員 一生懸命頑張りますというふうにお答えいただいてから一年たっているわけなんですけれども、その前に、既に住宅マスタープランで方針として出されているわけですよね。
 住宅局の方は一生懸命やろうとしているのかという姿勢はうかがわれるわけなんですけれども、関係局とはどんなふうな協議をしてきているのでしょうか。

○石井参事 都営住宅の空き店舗は行政財産でございます。その目的外使用許可につきましては、自治体固有の種々の制約があるところでございます。このような制約と空き店舗の活用等の整合性について協議してまいりました。
 今後とも、具体化に向けて鋭意努力していきたいと思います。

○新井委員 昨日、新聞に記事が載りまして、住宅供給公社なんですけれども、空き店舗に高齢者の介護事業のNPOを低額家賃で募集をするということで、記事が大きく載っておりました。(発言する者あり)そう、とてもいいことなんです。
 それで、そもそもこの供給公社がなぜやったかというと、東京都が都営住宅の空き施設にNPOを誘致する方針をマスタープランの中で打ち出した。これを見て、ああ、これはいいことだということで実施をしたということなんですね。だから、マスタープランに書き込まれたことで、こういうことが出てきたということは、それだけでよかったなとは思うわけですけれども、一方で本家本元の住宅局の方がなかなか進まないということでは、ちょっと困ったなということがございます。
 今、目的外使用というふうなお話があって、そこでちょっと関係局との協議が進まないのかなと思いますけれども、地方分権ということで、法律の中で禁止されている、こういうことはしてはいけないというふうに書かれていること以外は、実際には法の読み方、運用というところで、規則なども含めて、自治体が今いろいろ工夫をしているようなところが実態です。
 実際に、公有財産のNPO等への開放ということも、ほかの自治体ではやっているところもあるわけで、これは法律上できない、規則上できないということでは、まずないというふうに私考えておりまして、要は、自治体としてこれをやろうという、やる気を見せればできることだと思いますので、ぜひ住宅局の方は頑張って協議をしていただいて、実現にこぎつけていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 それから三問目です。都営住宅の再編整備についてお伺いしたいと思います。
 こちらも住宅マスタープランの中で、老朽化した都営住宅の建てかえに際して、敷地の高度利用や住宅の集約化により用地を創出するため、都営住宅の再編整備を行う、こんなふうに書かれているわけなんですけれども、再編整備を進めるに当たっては、いろいろ課題があると思うんですけれども、どのような課題があるというふうに把握していらっしゃるのか、教えてください。

○庄司参事 都営住宅の再編整備を進めていくに当たりましては、建てかえに伴う居住者や近隣住民への対応のほか、地元区市との調整や用地の利活用方策の検討などが必要であると考えております。

○新井委員 この課題の中で、一番最初に建てかえに伴う居住者、あるいは近隣住民への対応ということをお答えいただきましたので、もちろん地元の区市との調整も当たり前のことですけれども、こういう部分については十分に努力をしてやっていただけているのかなということで、安心をするわけなんです。
 まず、この再編整備の中で去年、資料をいただいたんですけれども、現に建てかえのために工事を行っている団地が三十八団地、建てかえ等で既に建物が除去されているものが十六団地というふうにお聞きいたしました。その後、建てかえ等で除去された団地については、土地の活用を検討していらっしゃるというふうに聞いておりますけれども、どのようにされているのか、その後の検討状況を教えていただきたいと思います。

○庄司参事 建てかえ等で除去した十六団地のうち、区市に既に売却したものが二団地、財務局への引き継ぎのための手続を進めているものが四団地、公園など将来用途が決まっているものが二団地ございます。残りの八団地につきましては、現在、活用方針等を検討中でございます。

○新井委員 今お答えいただいた八団地の進捗状況なんですけれども、ちょっと団地名も含めて教えていただけますか。どういうふうにしていると出されていますね。

○庄司参事 既に区市に売却したもの二団地でございますが、これは北区浮間第十三団地でございます。町田市の第十八町田、町田第二十一、高ケ坂といっておりますが、その二団地でございます。財務局への引き継ぎのための手続を進めている四団地でございますが、板橋区の上板橋七丁目住宅、練馬区石神井関町二丁目第二住宅、府中市美好町住宅、国分寺市第十八住宅でございます。あと公園などの将来用途が決まっている二団地でございますが、港区の青山南一丁目団地と杉並区の方南第四住宅でございます。

○新井委員 ありがとうございました。
 十六団地のうち、この八団地についてはほぼ活用が決まっているということですが、こうした活用を決めてくるまでに地元の区市とどのような調整をしたのか、お伺いしたいと思います。

○庄司参事 都営住宅の建てかえに当たりましては、地元区市と協議を行い、事業を進めているところでございます。また、既にある敷地につきましては、都営住宅用地として活用しない場合、その敷地の利活用について区市の意見を伺っているところでございます。

○新井委員 十分協議をなさっているのかと思いますけれども、例えば、今のお話になられました八団地の中で、区市への売却済みの二団地と用途が決定済みの二団地というところについては問題がないのかなというふうに思いますが、財務局へ引き継ぐ手続中というところの四団地なんですけれども、これについては財務の方に渡してしまいますと、当然売却ということが待っているわけで、慎重にしなければいけないと思うんです。
 この関係区市にちょっと聞いてみましたらば、まだまだ財務の方に渡して売却をしてもらっては困るというところがあるようです。ですから、活用が決まっているというふうに、まだ東京都としてはとらえられない部分も多分にあるのかなというふうな感触を受けます。
 そういう意味では地元区市との調整ということを慎重にしていただいて、合意をしっかりとしてから財務の方に渡していく。財務の方に渡されると、その後は財務の問題なんですけれども、売却の折には十分周辺の住民と情報提供しながら協議をしてやっていかないと、また何か建つときにわあっと反対運動が起こって紛争になるというふうなことが繰り返されてしまうわけですから、そういう部分については十分慎重に行っていただきたいというふうに思います。
 それから、この八団地以外、まだまだこれから活用方針を決めていく部分が残っておりますよね。そういう部分の八団地についても、同じように丁寧に協議をして進めていただきたいということをくれぐれもお願いをしておきます。
 それから、今のところは既に更地になっている部分の取り扱いなんですけれども、工事中の団地、三十八団地についても、中には建てかえるに当たって土地の有効活用ということで、用地が生まれてくるという場合があるわけですけれども、そういうふうに生まれてきた用地について、どんなふうに活用するのかという方針を決定するとき、そのときにも具体個別にどうするかということ以前に、方針決定時点で地元区市に十分意見を聞いていくべきだというふうに考えるわけなんですけれども、いかがでしょうか。

○庄司参事 建てかえ事業中の団地につきましては、当初計画を大幅に変更し、用地を生み出して活用を検討する場合もございます。こうした場合につきまして、地元区市と協議調整を行っているところでございます。
 例えば、多摩地域の代表的な団地でございます東村山本町団地におきましては、当初計画を見直し、再編整備の郊外型モデルプロジェクトとして敷地を活用することといたしております。事業の実施に当たりましては、都と東村山市で協議会を設置し、意見交換を行っているところでございます。
 今後とも、建てかえ計画につきましては、地元区市と十分連携を図って事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○新井委員 東村山のような大型プロジェクトの場合は、単に情報交換とか意見聴取ということではなくて、住民の方も含めた協議会を設置して進めていらっしゃるということで、これは非常にいいやり方だなということで評価させていただきたいと思います。
 すべてにおいて、大型に限らず、こういった形で丁寧に進めていただきましたらば、反対運動も起こってこないのかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 更地、これから生まれる敷地の利用については、やはりいろんな地域から、一体どんなふうに使うのだろうかというふうな問い合わせがぱらぱらと上がってきています。早急に区市との協議をしながら、方針を立てて、そして個別にそこの活用をどうするかということを決めるときには、周辺住民の方にも十分周知徹底して、合意形成ということを念頭に置きながら進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

○こいそ(明)委員 それでは大きく一点、いわゆる住宅局の監理団体である住宅供給公社の関係について、一、二お聞きしたいと思います。
 まず、若干前後いたしますけれども、都営住宅の営繕管理業務が公社にほぼ一〇〇%ですか、委託されている状況があるわけでありますけれども、また、実際的に行っている協力店、以前の協力店制度から、新たに工事店制度に改正になりましたね。これは名称だけじゃないと思うんですが、この背景及び住宅局がこの制度改正に当たってどのように関与して、また指導を公社にしてきたのか、このあたりからお願いします。

○渡部営繕担当部長 公社におきましては、契約の透明性の確保、あるいは公正な競争の促進などの社会的な要請、あるいは一層の住民サービスの向上にこたえるために、制度全般の見直しを進めてきていると聞いておりますが、その一環といたしまして、協力店制度につきましても、業者の新規参入の機会拡大、また競争性を発揮するといったねらいで改正いたしまして、工事店制度を創設したというふうに理解しております。
 局といたしましては、検討委員会の段階で参加いたしまして、議論を重ねてまいりました。また、素案の段階におきましては、局に説明を受けまして、必要な助言、指導を行ってきたところでございます。

○こいそ(明)委員 検討委員会に参加して、局へも素案の段階で説明を受けてきたんだというお話で、その中で必要な助言、指導を行ったということでありますが、具体的にどのような助言、指導を行ってきたのか、主なところを教えていただきたい。
 それから、今回の改正の要点は何か。公募の定数ですね、応募される新規参入者は大変多いんじゃないかと予測をしたわけでありますけれども、どのように設定をされたのか。また、最終的に契約業者のうち、新規業者はどの程度あったのか。審査の最終結果について、局としてはどのように評価しているのか。このあたりお願いします。

○渡部営繕担当部長 公社の方との協議の中で、特に私どもが強く主張しましたのは、やはり公開性を高めて競争性を発揮するということでございますので、できる限りの新規参入業者を確保できるような、そういった形をつくってほしいと。
 それから、当然仕事をする中で、できのいい会社、あるいはいろいろとミスの多い会社、そういうことがございますので、そういった工事の結果についてよく評価をして、次年度の契約に反映できるような、そういったところを十分にやってほしいといったあたりを強く要請いたしました。
 次のご質問でございますけれども、主な改正の内容ですが、一応業務を緊急工事、小口緊急工事、空き家補修工事、単価契約工事、そういったものに分類をいたしまして、それぞれ制度の目的を明確化したこと、あるいはモデル工事によりまして、競争入札で単価を決めまして、一番低い価格設定を出した会社から順次契約をしたこと。
 それから、契約は一年といたしまして、先ほど述べましたように、成績評価を行い、不良の場合には翌年の申し込みができない、そういったことが主な内容でございます。
 緊急及び空き家改修の募集数は四百六十九社ございまして、契約業者数はその他十四社を含めまして、四百七十社となりました。そのうち、新規業者につきましては百八社で、約二三%でございます。結果といたしまして、新規業者がかなりふえまして、優良な施工業者を私どもとしては確保できたというふうに理解してございます。

○こいそ(明)委員 確かに制度改正を一部行った中で、今ご答弁いただいたような数の新規参入業者が決まって、今、仕事をしているというお話でありますけれども、これを募集する中で、小口、緊急修繕工事募集の案内と書いてありますね。これを私も読ませていただきましたが、新規参入するに当たって大変厳しい、進めれば進めるほど、非常に厳しい基準がだんだん高くなっていくという感が実はしたんです。
 しかし、新規参入ということで百八社ですか、新たに入ったということでありますけれども、その中で四百六十九ですか、かなりの応募者があったということでありますけれども、実質、現行の既設業者はどのくらいあって、新規業者は一年でまた新たに更新しますよね。既設の業者については、今どのような取り扱いを更新時にしてきたんでしょうか。

○渡部営繕担当部長 もともとの協力店の数と新規業者との関係でございますけれども、平成十四年度時点におきます協力店の数は、実数でございますけれども、四百二十八社ございました。
 今回の新たな契約業者数は、すべて含めまして、六百十五社ございまして、そのうち百四十八社が一応新規ということになりますので、もともとの協力店の中でも、今回の公募に当たりましての実績評価、あるいはもろもろの施工体制等を審査する中で、当然外れたという会社も結構出ております。そういった意味で、新規契約業者の数が一定の率を占めているというふうに理解してございます。

○こいそ(明)委員 そうすると、ここで新規で参入した業者と既設の業者ですね、公平性から見て、これは一年になるわけですか。来年いわゆる再更新という形になるわけですね。その答弁は後ほどいただきます、続けますから。
 例えば、新規参入者が業務にそれぞれ当たる中で、実際にどのような実態になってきているのか。このあたりをあわせて教えていただきたいということと、もう一点は、時間もあれですから続けますけれども、東京都住宅供給公社が平成十五年八月十九日ですね、工事店各位ということで、下請契約における代金支払いの適正化等ということで発信していますね。これはどういう必然的理由があったのか、教えてください。

○渡部営繕担当部長 まず、来年度に向けてのまた新たなる公募の話でございますけれども、今回の制度に当たりましては、一応一年ということで公募にかけてございますので、当然、来年度に向けましては、全体をもう一度新たな公募にかけまして、選定をして決める。したがいまして、そのときには新たな会社の参入がまた確保されるというふうに考えてございます。
 それから、実際に始まりまして、どういうことになるのかというご質問でございますけれども、かなり新規の会社がふえたということもございまして、工事価格はおおむね五から一五%、業種によって違いますけれども、下がってございます。また、新規業者を含めまして、すべての工事店に対しまして研修を行って、居住サービスの低下を招かないように努めておりまして、今のところ特に問題は聞いてございません。
 それから今、委員からお話がございました文書の件でございますけれども、実際に建設業におきましては、元請があって下請、重層的な下請構造がございます。そういう元請からの契約の中で、なかなか明確な契約行為がなくて、そのために下請の方がいろんな意味で社会問題として、新聞、テレビでもありましたけれども、お金を十分払ってもらえないとか、そういったことが社会問題化されまして、実は公社に委託しております営繕業務につきましても、そういった懸念があるといったような指摘がございました。
 そういう中で、私どもも公社もそうでございますけれども、やはり建設とか営繕工事を進めていく上で、立派な工事をしていただいて、その中で効率のいい仕事をしていく上では、各種各層の関係者が協調してやっていくことが必要でございますので、そういった意味で、下請契約に当たりましては、適正な契約行為をしながら、よく協力してやってくれるようにといった趣旨で文書が来たというふうに聞いてございます。

○こいそ(明)委員 下請契約における代金支払いの適正化等に関するビラでありますが、実際にこれはどのように配布されたのかということと、それから、東京都住宅供給公社と書いてありますね、これはそのとおりなんでしょうけれども、実際にこれを発信する場合は、責任ある立場の理事長なり、いわゆる、当然にして公職の役職及び氏名がここに記入されてしかるべきじゃないですかね。
 これは後ほどお願いしたいと思いますが、これはどのような経過で、このようなものが出たかという話を、私も一部だけでありますけれども、聞いているのは、いわゆる協力店から工事店になりましたけれども、要するに実際的に行っているのは、例えば小口修繕については二十四時間体制ですね。大変細々とした、いろんな気づいた修繕に対応していかなければいけないということでありますけれども、これが二十四時間であるということ。
 その中で、例えば局は、いわゆる発注元ですよね、一番最初の。予算をここにつけているわけでしょう。本来、東京都の住宅局がやるべき仕事の委託を供給公社に任しているわけですね。ところが、任した先が今いった、例えば小口修繕であれば、工事店に現行であれば行く。その工事店がどういう形をとるかというと、小口でも下請、孫請を使っているんですよ。全部じゃないと思います、私が聞いた話は。
 その中で実際的に請け負っているのが、局からどの程度行っているか、これは全体でわかりますけれども、その流れを申し上げますと、局から公社でしょう、公社から工事店だ、工事店から今度は下請、孫請に行くわけですよ。そうした場合、限定して話をしていますから、二〇%、三〇%、ひどいときは四五%が実際的に支払い、おかれていると。こういう現状は珍しくないという話なんですね。
 私はかねてからお話をさせていただいているけれども、これは決して一件だけの話ではない。新規参入がここでありましたね、私も前進したと評価いたしますよ。しかし、局からの発注、局から本来やるべき業務を公社が間に入って、公社が制度的な中で下請、いわゆる工事店並びに工事店からそういうような形で流れて、実際的に居住者の要望に対処しているという現状があるわけですよ。
 そうすると、例えば的確に適正に修繕をしているとは思いますよ。しかし、少なくとも実際的に請け負っているというんですかね、この下請業者が、少なくとも聞いている範疇では、四五%からの率でやらなければいけない現状、またはその反対かもしらぬ、こういう現状があることを私は大変ゆゆしきことだと思うんですよ。
 もう一点は、二十四時間体制だと。また新たに、こういう下請は大変厳しい、現状として。それはそうでしょう。その中で、二十四時間体制だからね、実際に行くのはそこなんだから。こういう新規参入というものをしたいんだといったときに、これは非常に厳し過ぎるね。下請においても非常に厳しいですよ、これをいろいろ読んでいく中で。いずれにしても、新規参入の枠もこれだけ拡大していくのは必要だろうけれども、こうやって実際にやっているところが入れない。そうやって厳しい状況で請け負わざるを得ない、こういう現状はおかしいんじゃないかと思うんですよ。
 もう一つは、これはよくわからないけれども、例えばよく都営住宅において、いろいろ足場組んで塗装等をやっているところがありますよね、都内を見て歩いても。そこの中で、本業じゃないところが何でやっているんだ。全く違った業種を日常的にやっているところが、例えば一つの話として、そういう業種がやっている。他業種の登録はしているからいいんだけど、実際はそうじゃないよなというところは我々も聞いていますよ。見にも行ったけれども、見てもいるけれども、こういうあたりは一体、登録したというけれども、登録しているからそこになったんでしょうけれども、こういうあたりも含めて、どのように局として公社に対して指導監督行為を行っているのか、このあたりをひとつお聞かせいただきたいと思います。

○渡部営繕担当部長 先に文書の件でございますけれども、一応これは東京都住宅供給公社の名前で、各工事店の方へじかに発送したというふうに聞いてございます。
 それから、実際の工事の実態の話でございますけれども、先ほど申し上げましたように、建設業というものはいろんな職種が重層的に組み合わさって、かつ親請、元請、下請といった形で重層的になっておりますので、そういう各種各層の業者の方々と相協調して、やはりいいものができ上がるということは、そういうことが目的でございますので、むしろそういうものと外れていることが実態としてあるんであれば、非常に残念でございますし、私どもとしてもよく情報等には耳を澄ませながら、そういったことがあれば適切な対処をするように公社にも指導したいというふうに思っております。
 私どもも月に一回は報告会がありまして、そこで情報交換等をしてございます。また、全体会においては課長級の会議もございますし、年に一回の検査、監査等もしておりますので、そういった機会をつかまえながら、今度せっかく立派な工事店制度をつくったわけでございますので、そういった趣旨が生きるように、いろいろ委員の方からご指摘がございましたので、そういうことがないようにしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。

○こいそ(明)委員 公社にほとんど一〇〇%、これはもう窓口の一本化だということで、いわゆる都民サービスで結構じゃないかと、一面そういう評価もあると思いますよ。しかし、少なくとももととすれば局であるし、公有財産、すなわち管理する責任は都営住宅ですから、これは住宅局だと思うんですよ。
 その中でぜひ、やはり現実的な話は評議委員会でも出されているんだけれども、公社は余り対応していないよ、これははっきりいって、今の問題も。少なくとも、局がしっかりした状況把握と対応をしていかなければ、動きはしない。それをぜひお願いします。
 その中で、これはちょっと直接的な話じゃないかもしれませんけれども、住宅局の監理団体でありますから、もうちょっと聞かせていただきたいのですが、現在、理事長、副理事長、理事、非常勤の、そしてまた常勤監事もいろいろおられますけれども、部課長が公社の方に派遣されていますね。十四年から理事が一名、局派遣になっていますね。これはどういうことで派遣されているのか。また、どのような職務内容をもってしているのか。当然にして連絡調整的なものをしっかりやっているんだろうけれども、そのあたりどうなんでしょうか。

○加藤連絡調整担当部長 都から供給公社へ派遣しております役員についてでございますけれども、公社の行っております中堅所得層向けの賃貸住宅の供給や都営住宅の管理などの事業は、都の住宅政策の一環として推進してきたものでございまして、都の政策と十分な連携が必要というふうに考えてございます。
 このような観点から、情報の分析を初め今後の事業の実施における指導と判断において行政経験、都の行政実務に精通した都の職員の役員派遣が必要であるということで、公社から要請を受けまして、都から派遣したものでございます。
 なお、職務につきましては、公社経営改革、それから総務関係を中心に担当しているところでございます。

○こいそ(明)委員 公社経営に携わるお仕事もされていると。また、当然にして局からの派遣理事ですね、局長も非常勤だけれども、理事でおられるということで、かなり意思疎通がそこで図られているかなというふうに我々は認識を持っているわけでありますけれども、それはそういう認識で、これからもう少し進めさせていただきたいと思います。
 例えば、公社の現員が五百七十名、非常勤嘱託職員を入れて二百二十一名、その他にも従事されておられる方々がおられると思いますけれども、都からの派遣職員は、現行では平成十一年、十二年、十三年から大幅に十四年はふえていますね。これはこれとして、さらに意思疎通を図っていくということなんでしょうが、その中でこれだけの現員の、いわゆるプロパー職員が仕事に従事されている中、これは人事のことだから、ここであえて明快なご答弁をいただかなくても結構なんです。
 しかし、これだけの仕事量と、都から管理、営繕委託を含めて相当額の事業が公社に移管されている事実から見たときに、要するに理事長が、毎年ではないけれども、ヘッドがそれぞれまたかわる。これを見ていても、資料をいただいても、ヘッドがかなりかわっていますよね、これは公社全体だけれども。
 今申し上げた現行職員、プロパーだけだって五百七十名、嘱託職員を入れて二百二十一名、さらにまだおられますよね、再雇用だとか。こういう組織体系の中で、なぜいわゆるプロパーの代表である理事が空席のままに置かれているのか。
 それからもう一つは、経営改革を進める中においては、当然にしてプロパーの意見が尊重されていかなければいけない。歯車が絡まっていかなければいけないと思うんですね。このあたりの現状はどうなんでしょうかね。

○加藤連絡調整担当部長 住宅供給公社のプロパーOBの役員については、ご指摘のとおり本年六月末付で退任したところでございます。都の派遣役員、あるいは都のOB役員を含めまして、役員の構成その他につきましては、現在のさまざまな諸状況の中で適材適所という観点から、最終的には公社の責任において選任しているところでございまして、そのような中で結果として、現在のところは公社プロパー職員OBの役員がいないということになっているところでございます。
 二つ目の、経営改革について公社の大多数を占める固有職員の意見をどのように吸い上げているのかという点でございますけれども、平成十三年から五カ年の経営計画をつくりまして、さらにことしの五月にはその実施計画であるアクションプランをつくったところでございます。
 このアクションプランの中では、公社全体としてのさまざまな、こういう目標を持ってこういうふうにやっていこうというメニューと同時に、それを各部においてもどういう目標を持ってやっていくというような、いわばブレークダウンしたような目標を持っておりまして、それぞれ一人一人の職員がかなり具体的なイメージを持ってできるような改革にしようとしているところでございます。
 もう少し具体的な動きで申し上げますと、公社職員一丸となって経営改革を進めていくために、現在、公社の抱えている課題とか現状につきまして、役員とか部長とか、あるいは課長級の管理職が講師となりまして、それぞれの現場からの求めに応じて、出前講座というような形で懇談する機会を持ちまして、そういうような中で認識を一致させて経営改革に推進しようというふうなことをやっているところでございます。
 さらに、もう一つの試みとしては、業務改善運動ということで、ことしの二月から各係単位でそれぞれ、例えば都民サービスの向上を図るためにはどんなふうにしたらいいんだろうか、効率化をより進めるためにはどうしたらいいんだろうか、あるいは接遇をよくするためにはどうしたらいいんだろうかというようなテーマをもとにさまざまな提案をし、ちなみにことし二月から始まった第一クールにおきましては、全社から二百七十六件ほどの提案があって、そのうちの約半数が現状で改善をしているというようなことで、公社一丸となって経営改革を推進しようと頑張っていると認識してございます。

○こいそ(明)委員 認識をしているところだということでありますけれども、私の認識とちょっとその点は違うんで、いずれにしても、時間もありませんから、このあたりにしたいと思いますけれども、この役員名簿の一覧を各年度いただきましたけれども、ヘッドになる方、理事長並びに副理事長がそのところ、そのところで、その時期というんでしょうかね、なっておられるということであります。
 やはりこれだけ、これは都庁全体的な話なんでしょうけれども、ヘッドがどんどんかわる。経営改革を一生懸命取り組んでいかなければいけないときだと思いますよね。しかし、理事だってころころかわる。それから、せっかくの理事会にはこれだけ多くの職員を代表する意見が、その場で発言する機会が与えられない。それから、少なくともほとんどが天下りじゃないですか、このあれを見ると。
 ましてや主要部長を含めて、固有名詞はいわないけれども、理事、主要部長を含めたって、ある一定的な任期になれば機械的に帰るでしょう。その間にどれだけプロパーの気持ちや心というものをつかんでいけるのか。経営改革は、組織だろうけれども、やっぱり人だと思いますよ。このあたりが私は非常に、これは都庁全体の問題かもしれませんけれども、これはおかしいと思う。幾ら口でいろんないいことをいって、方針を打ち立てたって、すぐどこかへ行っちゃう。それで肝心かなめの主要な部長ポストだって、またすぐ機械的に戻ってくる。発言する場があったとしたって、そこには代表が、今までおられた理事がそこにもいない、空席になっている。あとはほとんどが天下りだ。こういう現状というのはいかがなものかなというふうに、率直に思います。
 それから、先ほど接遇のことについても取り組んでおられるという話だったけれども、実は私、ある機会があって、要するに渋谷の住宅供給公社の、本庁というのかな、本社ですか、行くことがありました。
 そうしたら全くわからない、どこに何がどうあるかわからない。あそこへはかなりの都民の方が来ていますね。来てもみんなうろうろしている、わからない。サインもそうでしょうけれどね。それこそ窓口の接遇という問題はどうなのかな。口ではいろいろなことをいっているけれども、そういう基本的なところは一体どうなっているのか。
 それからもう一点は、そのときにちょうど役員室に入りました。役員のところはすばらしいじゅうたんを敷いてあって、なおかつすばらしい受付があって、そこに何人かおられて、対応は敏速だ。ところが、それは内向きじゃないか。どこにどうしなければいけないのは、やはり都民向けじゃないですか、本来的には。何かおかしいんじゃないか。これは本当に一端の一端だけれども、そういう感じもいたしましたよ。
 いずれにしても、局長、やはりこれは全庁的な話も、当然人事だから、あるでしょう。しかし、もう一つは、本当に経営改革を取り組んでいくんだということであるならば、局からもう少し工夫してくださいよ。局長は理事なんだから、少なくとも一定の発言力は当然あるわけであって、それから今いったように、この公社事業のかなりの部分も今、局を経由して事業がどんどん移管されているじゃないですか。かなりの予算額だって投入され続けているわけでしょう。そこで局は何もいわなかったら--いわないとはいわないけれども、もっとより強く発言をしながら取り組んでいただきたいなと私は思うんですが、そのあたりいかがでしょうか。

○高橋住宅局長 東京都住宅供給公社に対する都からの指導監督の関係、また、公社の経営のあり方について具体的なお話を含めて、人事の関係など難しい問題もありますけれども、いろいろお話をいただきました。
 ご案内のように都は、住宅供給公社法に基づきまして、公社を設置している立場と、それから都営住宅の管理業務を一元的に委託をしている立場にございます。公社が非常に厳しい社会経済環境の中で独立した法人として都の財政支援を受けないと、自立した経営をしていくためには、公社の経営計画あるいはアクションプランといったものを、ここで掲げる経営改革を強力に進めていく必要があるというふうに考えております。
 また、お話にもありましたけれども、二十四時間三百六十五日、営繕工事などの住宅の日常的な維持管理を迅速に円滑に行っていくというためには、工事店制度などのこういう制度本来の趣旨を十分に発揮できるような業務の執行が必要だろうというふうに、また大事だろうと考えております。
 こうした公社の経営改革と効率的で質の高いサービスを実現していくというためには、お話のように公社の役員、職員が心を一つにして取り組んでいくことが基本であり、何よりも必要だというふうに考えております。
 都といたしましては、設置者として、また都営住宅の管理業務を委託している両方の立場で、ご指摘の点も踏まえながら率直な意見交換を公社とも行い、また、今後とも適切な指導監督をしていけるよう最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。

○小磯(善)委員 それでは、都営住宅の不適正使用に対する是正指導等についてお伺いします。特に近隣の迷惑行為等について重点的にお伺いします。
 きょう資料を出していただきました六番目、六ページでございます。ここに不適正使用に対する是正指導件数というのが載っているわけでございます。不正入居、不正同居から動物飼育等まで六項目にわたって、平成十年から五カ年間、それぞれ出ているわけでございます。これは通報ベースということでございますけれども、大体毎年千件以上の指導件数が出ているわけでございます。
 まず、お伺いいたしますけれども、ここに毎年千件ずつ指導した、そういう中で、この指導の結果によって明け渡しに至った件数をお示しいただきたいと思います。

○青木住宅経営部長 平成十年からの最近の五カ年間の明け渡し件数でございますけれども、ご指摘の六項目の事由によりまして明け渡した件数は、平成十年度百二十九件、十一年度二百六十五件、十二年度二百七十九件、十三年度二百三十五件、十四年度二百四十五件となっております。

○小磯(善)委員 今のそれぞれの年度ごとの件数ですね、この件数がさっきの六項目のうちの、例えば平成十年度の百二十九件が六項目のどれが何件で、どれが何件というのが掌握できるんであれば、今でなくて結構ですので、また後ほどお願いしたいと思います。
 不適正使用の中でも、都営住宅の居住者が日々の生活の中で悩まされているものの中に、同じ団地内の居住者による迷惑行為というのがございます。恐らく住宅局、それから住宅供給公社には、都営住宅に住んでおられる近隣の方から、迷惑行為についていろんな相談とか苦情が来ているんだと思います。皆さん方だけじゃなく、我々都議会議員にも、都営住宅なものですから、しょっちゅう参ります。
 それをいろいろ住宅局、公社の方々にもお話をするわけでございますけれども、まず、近隣に対する迷惑行為、具体的にはどういったものがあるのか、お伺いしたいと思います。

○青木住宅経営部長 近隣に対する迷惑行為といたしまして、しばしばご相談や通報が寄せられるものの代表的なものといたしましては、生活騒音、ごみの未処理による悪臭、動物飼育などでございます。

○小磯(善)委員 騒音の中にも入るんでしょうけれども、例えばわざとドアをけっていくとか、下から天井に向かって棒で突っついたり、また逆に自分の床を棒で突っついて下の人に迷惑かけたりとか、とにかくありとあらゆるいろんな迷惑行為が私のところなんかにはよく来るんですけれども、とにかく他人に迷惑をかけずに生活するというのが、だれもが守るべき最低限のルールであると思うわけであります。
 いわゆる近隣トラブルは、自治会をも含めた当事者間で解決するのが基本であるというのはよくわかりますけれども、余りにも迷惑行為が目に余る場合は、都営住宅の管理者として都の介入が求められるということだと思います。こういう迷惑行為があった場合に、一般的にどのように対処しているのか、お伺いしたいと思います。

○青木住宅経営部長 都営住宅の管理業務を受託しております住宅供給公社が、近隣から迷惑行為を受けている居住者から相談や通報を受けた場合、まず、当事者双方の事情を聞いた上で事実を確認いたします。
 その結果、騒音やごみの未処理による悪臭など近隣に対する迷惑行為が明らかな場合には、原因者側に注意、指導を行っているところでございます。また、当事者双方のいい分や主張がある場合もしばしばございますので、その場合には双方の話し合いの場を設け、問題解決に努めているところでございます。

○小磯(善)委員 確かに今おっしゃるような対応をされていると思います。これは公社がやるんですよね。
 それでもだめだと、それでも解決しないという場合の対処はどのようなものでしょうか。

○青木住宅経営部長 原因者による近隣に対する迷惑行為が明らかであるにもかかわらず繰り返される場合、あるいは一たん停止いたしましたけれども、再開するなどという場合もございます。
 そういう場合につきましては、原因者を呼び出しまして、厳重に注意をしているところでございます。また、文書により注意するなど、強力かつ粘り強く指導を続けているところでございます。また、ケースによりましては、福祉事務所や保健所、さらには警察などにご協力を要請する場合もございます。

○小磯(善)委員 ここまでもやっぱり公社になりますか。

○青木住宅経営部長 ご相談の内容によってでございますけれども、ケース・バイ・ケースでございますが、都が直接ご相談やご指導というような場面もございます。

○小磯(善)委員 本当に我々が思うのは、いわゆる騒音とか悪臭とか迷惑行為の被害者側が泣き寝入りしてしまうということは、やっぱりあってはならないんじゃないかなというふうに思っております。
 都営住宅二十六万戸の中にはさまざまな方が居住しているのは事実であって、中には近隣や他人への迷惑など一顧だにしない者もいるというふうに思います。東京都は、深刻な近隣迷惑行為に対してはもっと強力な措置を講じるべきだと私は思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

○青木住宅経営部長 ご指摘の近隣に対する迷惑行為が生活を著しく脅かす場合、または都営住宅の管理上問題が生じている場合などについては、使用許可を取り消す場合もございます。使用許可を取り消した上で、なお住宅が返還されない場合には、明け渡し請求のための法的措置をとることとしておるところでございます。法的措置につきましては、厳格な要件が要求されますけれども、今後とも明け渡し訴訟の提起も含めまして、より一層の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

○和田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。
 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十五分休憩

   午後三時二十八分開議

○和田委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十四年度東京都一般会計決算中、建設局所管分、平成十四年度東京都新住宅市街地開発事業会計決算、平成十四年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算、平成十四年度東京都市街地再開発事業会計決算及び平成十四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○町総務部長 去る十月八日の当分科会において要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の平成十四年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開き願います。目次にございますように、十七件の資料に取りまとめさせていただきました。この順番に従いまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。道路補修費の予算と実績でございます。
 この表は、道路補修費について、平成五年度から十四年度までの予算額と決算額をお示しするとともに、決算額の内訳として、区部、多摩部をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、予算額、決算額には島しょ部を含んでおりますので、区部、多摩部の合計と決算額は一致しておりません。
 二ページをお開き願います。歩道の整備状況でございます。
 この表は、歩道の整備について、平成五年度から十四年度までの整備延長と決算額及びそれぞれの区部、多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 下の注書きにございますように、延長及び決算額には、先ほどの資料と同様に島しょ部を含んでおります。また、決算額には、土地開発基金などからの引き取りに要した経費を含んでおります。
 三ページをお開き願います。交差点すいすいプラン一〇〇の進捗状況と今後の計画でございます。
 この表は、平成六年度からの交差点すいすいプラン一〇〇の年度別事業費と完成箇所数をあらわしたものでございます。
 なお、完成箇所数の括弧書きは累計でございます。
 四ページをお開き願います。骨格幹線、地域幹線道路の事業概要と財源内訳でございます。
 この表は、平成十四年度の都市の骨格を形成する幹線道路の整備と地域幹線道路の整備のそれぞれの事業について、事業概要と財源内訳をあらわしたものでございます。
 事業概要として、路線、箇所、規模及び事業費を、財源内訳として、国庫支出金、負担金など、都債及び一般財源を示すとともに、各項目の公共、単独の内訳及びその計をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、路線数と箇所数については、公共と単独をあわせて実施している路線がございますので、計の数値とは合っておりません。
 五ページをお開き願います。事業中の連続立体交差事業の概要でございます。
 この表は、現在事業中の九カ所の連続立体交差事業について、箇所、関係区市、事業延長、踏切除却数、施行年度をあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。京浜急行本線及び同空港線(京急蒲田駅付近)連続立体交差事業の経緯でございます。
 この表は、平成二年四月の事業採択から十四年度までの本事業の主な経緯をあらわしたものでございます。
 七ページをお開き願います。多摩地域の中小河川及び歩道の整備状況でございます。
 上段の表(1)は中小河川の整備状況を、また、下段の(2)は歩道の整備状況について、平成十年度から十四年度までの整備延長、決算額、河川名及び路線名をそれぞれあらわしたものでございます。
 なお、各表の注書きにございますように、決算額には用地会計での支出及び土地開発基金などからの引き取りに要した経費を含んでおります。
 八ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金について、平成五年度から十四年度までの道路と河川別の決算額と、それぞれの財源をあらわしたものでございます。
 九ページをお開き願います。都市公園の整備費と維持管理費の実績でございます。
 この表は、都市公園について、平成五年度から十四年度までの整備費と維持管理費の決算額をあらわしたものでございます。
 一〇ページをお開き願います。多摩地域における都市公園の整備実績でございます。
 この表は、多摩地域における都市公園について、平成五年度から十四年度までの造成費、新規及び追加開園の箇所数、面積をあらわしたものでございます。
 なお、箇所数につきましては、各年度ごとに重複している公園がございます。
 一一ページをお開き願います。公園協会の管理受託業務における民間委託件数及び実績でございます。
 この表は、平成十年度から十四年度までに公園協会が東京都から管理受託した事業費及びそのうち公園協会が民間委託した実績をあらわしたものでございます。民間委託したものについては、件数、金額、主な委託内容をお示ししております。
 一二ページをお開き願います。二十三区内の都施行土地区画整理事業及び市街地再開発事業の現状でございます。
 この表は、東京都施行の土地区画整理事業と市街地再開発事業について、地区名、所在区、施行面積、施行期間、事業費をあらわしたものでございます。
 一三ページをごらん願います。多摩ニュータウンにおける街路、河川、公園緑地の整備実績と用地取得実績でございます。
 上段の表(1)は、街路、河川、公園緑地の整備実績について、計画、整備済みの延長などと進捗率をあらわしたものでございます。また、下段の(2)は、新住宅市街地開発事業及び多摩ニュータウン関連事業の用地取得実績について、計画、取得済みの面積と取得率をあらわしたものでございます。
 一四ページをお開き願います。多摩ニュータウン事業用地の販売(処分)状況でございます。
 上段の表(1)は、東京都及び都市基盤整備公団の事業用地の販売(処分)状況について、全体計画、実績、今後の予定をあらわしたものでございます。また、下段の(2)は、同様に東京都及び都市基盤整備公団の最近の販売(処分)実績をあらわしたものでございます。
 一五ページをお開き願います。宅地販売(処分)にかかわる地元市との調整手順でございます。
 この資料は、新住宅市街地開発事業区域内における宅地処分の際の地元市との調整について、根拠、確認書の締結時期、調整手順、平成十五年三月末までの協議件数をあらわしたものでございます。
 一六ページをお開き願います。坂浜平尾土地区画整理事業の見直しに向けての取り組みでございます。
 この表は、坂浜平尾土地区画整理事業の見直しについて、現在までの取り組み状況をあらわしたものでございます。
 一七ページをお開き願います。建設局緊急地域雇用創出特別基金事業の実績でございます。
 この表は、平成十四年度に建設局において実施した緊急地域雇用創出特別基金事業について、件数、実施額、新規就業者数をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○和田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ(明)委員 それでは、まず質問させていただきたいと思いますが、最初に多摩ニュータウン関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 多摩ニュータウンは、昭和四十年度に事業が開始をされました。居住人口が十九万人、非常に居住環境に配慮した都市として成長をしてきているわけでありますけれども、このような中で新住区域の道路、公園等の都市基盤整備が完了するということには一応なっておりますけれども、平成十五年末に新住宅市街地開発事業が一方的に終了するというようなことを我々も聞いております。このような状況の中で、事業が今まで進捗されてきた中で、多くの地元関係者の方々の協力が当然あったわけであります。
 提出をしていただきました資料によりましても、これまでの用地買収面積は約二千ヘクタールとなっておりますし、多くの地元住民の協力がまさにそこにあったからこそ立派なまちとして整備されてきたことも、忘れてはいけないのではないかというふうに前段で申し述べさせていただきたいと思います。
 多摩ニュータウン事業に関連して、今回の資料から整備実績を見ると、河川、公園整備に比べて街路の整備実績が約七割という状況になっておりますが、この未整備ですね、整備しなければいけない箇所はどこなのかということで、まずお聞きしたいと思います。

○野村多摩ニュータウン事業技術担当部長 多摩ニュータウン事業に関連する街路整備の残事業延長は、十九・八キロでございます。このうち、主なものは南多摩尾根幹線本線部の未整備区間十三・一キロメートルとなっております。

○こいそ(明)委員 南多摩尾根幹線は、多摩ニュータウンの東西の骨格を形成する主要道路でありますけれども、町田街道と中央道を結ぶ、さらには圏央道ですね、広域的なネットワーク形成にとって、この路線というものは非常に重要であるという認識でありますけれども、この路線の整備が喫緊の課題であるということだと思います。
 この幹線道路、尾根幹線整備に当たっては、当面、多摩川原橋から町田街道までの交通を確保する中で、稲城市内の川北下地区の側道整備がまずはポイントになってくるんではないかと思いますが、現在のこの地域における進捗状況と今後の開通見通し、整備見通しについてお聞きしたいと思います。

○野村多摩ニュータウン事業技術担当部長 南多摩尾根幹線は現在、側道整備に取り組んでおりまして、整備済み延長は十二・五キロメートルで、側道の整備率は九一%となっております。
 今お尋ねにございました川北下地区でございますけれども、この区間は橋梁部区間と盛り土の区間に分かれてございます。まず、橋梁部区間については、昨年度、JR武蔵野線をまたぐ竪谷戸大橋の側道二橋の架設工事を完了しております。今年度は上部仕上げ工事を実施し、十六年度末の完成を目指しております。
 次に、盛り土部区間につきましては、今年度は昨年度に引き続き用地買収を進めるとともに、公団区域内において盛り土工事を予定しております。
 尾根幹線の川北下地区は、関連する多摩川原橋、南武線連続立体交差などの整備完了にあわせ、調布保谷線と連続した道路ネットワークの形成が図れるよう、十七年度末の完成を目指して事業推進に努めてまいります。

○こいそ(明)委員 側道部分については、川北下地区は十七年度を目途として開通させていくというお話でありますから、引き続いてご努力をしていただきたいと思います。
 また、尾根幹線の本線部分の整備につきまして、側道の整備は今ご答弁いただきまして、かなりの進捗状況が私ども確認できるわけでありますけれども、この尾根幹線本線ですね、かなり地元各市長会、各市からも、また、住民が環境対策を含めてこの本線部分の整備に対して強い関心と要望を出しているわけであります。
 現在、この本線の整備が見直し中であるというふうに聞いておりますけれども、今後の整備の見通しについてはどのようになっていくのか、このあたりをお願いしたいと思います。

○野村多摩ニュータウン事業技術担当部長 南多摩尾根幹線の本線部整備につきましては、平成十三年度の行政評価結果を受けまして、昨年度、最新のデータに基づいて交通量推計を行ったところでございます。
 現在、この推計結果をもとに、道路構造、コスト縮減策、環境対策等についての検討を行っております。今後はその検討結果に基づいて計画を見直し、将来の交通混雑状況、地元要望等を勘案しつつ、優先順位をつけて、段階的かつ着実に整備を進めていきたいと考えております。

○こいそ(明)委員 今、道路の状況について、混雑状況、通行量の調査をされているというお話でありますけれども、南大沢のアウトレットモールがオープンし、それぞれ部分部分でありましたけれども、整備されながらいろんな施設が張りついてくる中で、我々が通行しても非常に混雑してきていることは事実なんですね。ますます加速度的に交通量がふえてくることは間違いないのではないか。
 こういうことから見ても、私は、地元市及び近隣住民ですね、環境対策は当然にして今この時代でありますから、しっかりと配慮して対策を講じていただくことはいうまでもありませんけれども、それらのことを踏まえながら、これはその地域だけの導線を確保するだけでは当然ないわけであって、三千三百といつもいうけれども、この三千三百万の首都圏の中においての位置づけは--私は以前、一般質問で質問させていただきましたけれども、知事からも、この必要性というものは答弁いただいているんですね。
 ですから、しっかりとした形で、これは整備を着実に進めていただきたい。いわゆる地元の悲願でもあるんですよ。全線開通を目指して、ぜひご努力をいただきたい、こういうふうに要望させていただきたいと思います。
 資料もいただきましたが、稲城市の坂浜平尾土地区画整理事業についてでありますけれども、平成十四年三月に、当時私も所属をしておりました建設・住宅委員会で、地元市並びに地元の代表が参加した検討委員会の設置について、設置をすべきではないかと。要するに東京都が一方的にこれを凍結並びに中止を出したわけですね。これは前段で、東京都の主要事業として、そこを都市計画決定を行って、先行買収をどんどんかけたんです。これはもう虫食い状態になっているんですね。やはりそこに居住されている方々、それからまた将来的なさまざまな事業も含めてどうなっていくんだと、商店もね。こういうことで大変不安に思っている。
 ですから、こういう地元の意向等もしっかり聞きながら--はっきりいって東京都がこの計画をつくって、やるんだ、協力してくれということでスタートした事業でありますから、それをまた財政状況が厳しいからといって、さて、やめたと。一やめたで、こんなことで済むわけないんで、この点について、その後、この地域の住民及び土地区画整理事業区域内の方々との話し合いや取り組みはどのように行ってきたのか、このあたりをお願いします。

○野村多摩ニュータウン事業技術担当部長 坂浜平尾土地区画整理事業につきましては、都財政や社会経済状況が大きく変化する中で二百十二ヘクタールの土地区画整理事業を実施することは困難となり、事業の見直しを行っているところでございます。
 平成十四年十月に学識経験者、地元市、住民の代表とともに、坂浜平尾まちづくり委員会を設置いたしまして、まちづくりの必要性や将来像、解決すべき課題などについて検討を進めてきたところでございます。本年五月には、まちづくり委員会での検討を踏まえまして、別途、市が事務局となって、地権者代表四十一名で構成しておりますまちづくり協議会においてアンケート調査を実施し、住民意見の集約を図っているところでございます。

○こいそ(明)委員 アンケート調査を行ったと、その結果についてということなんでありますけれども、どのような取り組み、また意向を地元市並びにその関係住民との--アンケートも一つの手法だと思いますが、何回か地元に出向いていって、それぞれの説明会を通しながら、また、ときには審議会へ出向いていって、その審議会の中でいろんな説明並びに意見聴取を行ってきたと思うんですね。それらのことを踏まえて、今後どのように具体的にその声を生かしていくのか、このあたりをお聞かせください。

○野村多摩ニュータウン事業技術担当部長 アンケート調査は、本年五月三十日から六月十三日まで、区域内の地権者約七百名に対して実施したものでございます。
 その中での主な意見として、道路や下水道などの都市基盤の早期整備、現在の良好な居住環境の保全、農業の継続性の重視、自然を生かしたまちづくりの実施を望むというものがございました。このアンケート結果も参考にしながら、現在、地元市と住民でまちづくりの検討を進めております。
 都といたしましても、その検討を踏まえ、まちづくり委員会で議論を深めるなどして、早急に見直しの方向をまとめてまいりたいと考えております。

○こいそ(明)委員 るる申し述べさせていただいておりますけれども、この区画整理事業の見直しを東京都が表明してから三年が経過をしてきたということであります。その間、ご案内のように多摩都市整備本部が廃止をされた、そして事業完了がもう目の前だと、いろいろ動きがあるわけでありますけれども、また来年度には、これは後ほどちょっとお聞きしたいと思いますけれども、現行の建設局の組織の中に位置づけされている多摩ニュータウン事業部の組織も何か見直しをされるやに聞こえてくるわけであります。
 それらのことを踏まえると、これは区画整理事業だけではありませんけれども、ともかく地元、坂浜平尾は今後どのような展開になってしまうのかなということは、当然にして当然のごとく、住民の不安感は増してくることは当然であります。
 その中で、住民からまちづくり素案が具体的に示された場合、都として整備すべき都道の鶴川街道と三沢川を含めて、速やかにこれを整備していく必要性があるんではないか。都はそれだけの方針を打ち出して、東京都の責任ははっきりいって、いうまでもなくて一番重いわけでありますから、これらのことを踏まえながら、一段と不安感を除去するような形で説明責任をさらに果たして、ぜひ取り組みを行っていただきたいと思います。
 また、この四市にまたがる多摩ニュータウン区域でありますけれども、要するに売却するということで、売り地がまだ相当数、都市基盤整備公団もかなりの住宅用地が、未利用地が点在しておりますけれども、これらの宅地販売が大変厳しい状況のように私ども見ております、経済動向を勘案する中で。しかし、これについてどうかという、その状況についてお聞かせいただきたいということと、もう一点は、私は、あそこの四市を含めた多摩ニュータウンという一つのまちづくりを形成してきた中において、ただ売ればいいんだと。マンションだろうが、いわゆる斎場だろうが、何だはいいけど、買ってくれるところがあったらどんどん売っちゃえばいいんだと、こういう方向というのはいかがなものか。
 やはり東京都が責任を持って進めてきた。それから国も関与もしてきたところでしょうけれども、いずれにしても、ただ売ればいい、売却すれば事足りるようなことではないと思うんですね。
 やはりしっかりとしたまちづくりを、東京都のここを一つの中心とするのであるならば、西南部のこれだけインフラを整備してきた、これだけ知恵と技術と予算を投入し続けてきたこの多摩ニュータウンを、ただ単に終結するんだ、もう事業はやめちゃって、その後は知らないよという話じゃなくて、これからも大切な地域として輝かせるといいますか、魅力的なまちづくりにする責務は東京都にあるんではないかというふうに私は考えるところであります。
 これらのことを踏まえて、宅地販売の状況と、この都有地に対する今後の方針といいますか、今後どのような形でこの用地を活用も含めて考えられているのか、教えてください。

○友繁販売企画担当部長 まず、宅地販売の状況でございますが、多摩ニュータウンの宅地では平成十四年度末までに三百六十ヘクタールを販売し、残っております宅地は百二十六ヘクタールでございます。これまで宅地販売の促進のために不動産関連団体への委託販売や、組織を挙げての訪問などに取り組み、平成十四年度は住宅系から研究施設や学校等にシフトするなどして、十ヘクタールを超える宅地の販売をすることができました。
 しかしながら、企業の土地取得意欲の減退や都心回帰の傾向、マンション供給の急増などによりまして、需要の減少が見られることから、宅地の販売は依然として非常に厳しい状況にあります。
 次に、売るだけじゃなくて、ほかにどうかうまく促進してまちづくりをやれということでございますが、近年、特に業務用の宅地などでは、企業の土地に対する考え方が所有から利用へと移行しておるなどして、定期借地を活用しながら進出するということの中で新たなまちができているところも多く見られます。
 このような状況の変化を踏まえまして、今のところは宅地販売を基本としつつも、今後まちづくりに弾みがつくような宅地や、販売の難しい宅地につきましては定期借地などの活用について検討し、まちづくりのためにやっていきたいと思います。

○こいそ(明)委員 それも一つの選択肢といいますか、それも取り得る手段だなと思いますね。南大沢でもアウトレットモールが十五年間ですか、定期借地として今使用されていますね。これは先ほど申し上げた公団もそうでありますし、現実的な対応ですね。長期的な観点に立ってみて、今すぐ土地を売却して、駅前の一等地をぼんぼこぼんぼこ安い値で、マンションがばんばん同じように建っていく。こういうことが果たして責任ある行政のまちづくりなのか。そういう思いの中では、当然そうじゃないのはいうまでもないですけれども、ですから、事業用の定期借地等の活用もしっかりと図っていくべきだ、現実的にそう思いますね。
 それとともに、急ぐことはない。どんどん土地を売って、例えば多摩市においては、あれだけ六割強の新住宅市街地開発法の開発区域になりました。残された面積はもう四割、その中でいわゆる地方分権だ、移管だ移管だということで、公園及びどんどこどんどこ地元市に移管されてくるから、財政状況は大変厳しい。これは多摩市だけではないと思います。特段それだけの新住区域を担っているところはそうであります。
 また、もう一点は、地元市並びに関係者が協力を、冒頭申し上げましたけれども、そのような形で皆さん、東京都もそうであったことは認識しておりますけれども、このようなまちが形成されてきた。形成された中でいろんな問題点が、それぞれの課題、それぞれのいろんな思い、これが今できてきていますね。そこには何があるか、不安だね。これからどうなってしまうかなということも、そうだ。まだ事業が残されている。事業完了、いわゆる終息の宣言が一方的に行われたとしても、まだまだ残された事業が、これはいうまでもありませんけれども、数々ありますね。これは後ほどご答弁いただきたいと思います。
 また、東京都が地元市の財政状況にどうこたえていくか。それにはそれなりの雇用だとか、財政面に寄与するような施設整備も必要だし、また一面、住宅ばかりのまちを形成していって--この間私はある全く違う農業団体の人と話をしたときに、緑だ、公園だも結構だけれども、農地はどうなんだ、もう二%しかない、あそこのところは。
 これはどうなんだということではありませんけれども、私は、残されたあの用地を果樹園にしたり、まさに都市農園にするとか、いろんな発想が当然必要になってくるんじゃないのか、実はそういう思いもいたすわけでありますけれども、東京都としては建設局として、多摩ニュータウンのまちづくりを今後どのように進めていくお考えなのかということと、もう一点は、十五年度で新住事業が何か終了するようなことがいわれておりますけれども、よくわかりませんが、多摩ニュータウン事業部の組織が、先ほど触れましたが、見直しがなされるやにも聞いております。
 現在どのように検討されているのかを--総務局でありますけれども、しかし総務局の方としても建設局の素案、建設局の原案を重視するというお考えもあるようでありますから、このあたりを聞かせていただきたいと思います。

○高西多摩ニュータウン事業部長 多摩ニュータウンは、宅地、道路、公園等の都市基盤の整備がおおむね完了いたしまして、十九万人余りの人々が住む都市として発展してまいりました。現在まだ多摩センター地区の活性化、あるいは未利用地の有効活用などの課題が残されておりますが、一方、また多くの大学の集積、あるいは豊富な人材、また近年、企業立地が徐々に進んでまいりまして、ポテンシャルは高まりつつあると考えております。
 都は今後、これらのポテンシャルを生かして、業務、商業、住宅等の施設を積極的に誘致するため、ただいまお話のありました定期借地制度の活用を検討してまいります。
 また、地元市や民間事業者等とも連携しながら、例えば職住近接ですとか、あるいは郊外ならではの良質な住宅の供給など、いろいろな知恵を出し合いまして、新たな時代の要請に対応した魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

○町総務部長 長年にわたり進めてまいりました多摩ニュータウンの開発は、先生お話しのように、新住宅市街地開発事業が平成十五年度で終了し、また相原小山土地区画整理事業も本年度末で換地処分を終える状況になってきております。
 こうしたことから、多摩ニュータウン事業の執行体制の見直しが必要な時期になっております。しかし、多摩ニュータウンにつきましては、未利用地の活用の問題でありますとか、尾根幹線の整備の問題、坂浜平尾の土地区画整理事業の見直しなど、重要な課題が残っていることもご指摘のとおりでございまして、建設局といたしましては、これらの課題に責任を持って的確に対応していくために、執行体制の見直しに際しましても、何らかの形で部長級ポストの存続が必要であると考えているところでございます。現在、その実現に向けまして、関係局と鋭意調整を進めているところでございます。

○こいそ(明)委員 ぜひとも関係局との調整を進めていただきたい。これを強く要望します。
 最後に、多摩ニュータウン事業として、若干ご答弁の中で触れられましたけれども、多摩ニュータウン事業として、まだまだ残っている事業を、今、ご答弁いただきましたけれども、残っている仕事も重要性があるわけでありまして、建設局として、このあたりをしっかりと受けとめて、推進を図ってほしいということでありますけれども、多摩ニュータウンのまちづくりについて、国は都市再生本部を中心にモデル地区として指定したやに、そういう話も聞こえてくるのですけれども、これはこれとして、実際、責任施行者のまさに重要な立場である東京都として、こういう動きも踏まえて、この多摩ニュータウンのまちづくりについて、建設局長、そして都技監としての見解を、そしてまた決意をお聞きしたいと思います。

○小峰東京都技監 多摩ニュータウンは、三十五年を超える歴史の中で、地元住民、都議会、関係機関のご指導、ご協力のもと、高度成長期の住宅難の解消やスプロール化の防止に大きく貢献してまいりました。また、社会経済情勢の変化に対応いたしまして、業務機能や教育機能の導入を図るなど、すぐれた環境を生かした複合拠点として発展してまいりました。しかしながら、先ほど来、担当の部長の答弁にもございましたが、尾根幹線の整備、坂浜平尾地区の事業見直し、さらには未利用地の活用などの課題が残っております。
 今後とも、地元市や関係局との連携を図りながら、多摩地域における魅力ある重要拠点として一層発展するよう、事業の推進に努めてまいります。

○こいそ(明)委員 では、その他につきまして、時間が少し押してきましたから……。
 それでは次に、これは資料要求させていただきまして、資料も提出していただきましたが、多摩地域における都市公園の整備について、この点についてお聞きしたいと思います。
 平成十四年の多摩地域における都市公園の整備はどのように進んでいるのか、この状況について。
 また、続けてお聞きします。多摩地域において、公園として都市計画の決定がされている面積に対する整備済みの面積はどの程度になっているのか、お願いしたいと思います。

○住吉公園緑地部長 多摩地域の都市公園は、野山北・六道山公園、小金井公園、神代植物公園など、豊かな自然資源に恵まれた丘陵地や武蔵野台地に位置しておりまして、都民の憩いの場として親しまれております。
 平成十四年度につきましては、狭山丘陵の八国山緑地など六公園を整備いたしまして、十ヘクタールを開園しております。
 また、多摩地域で都立公園として都市計画決定している面積は二千二百三十ヘクタールでございます。現在七百五十ヘクタール、二十八カ所の都立公園を開園しておりますが、既に緑地機能を有しているゴルフ場や公有水面なども含めますと、計画面積の六割となっております。

○こいそ(明)委員 続きまして、またまた多摩地域についてでありますけれども、多摩地域にあって、自然豊かな丘陵、里地、里山もそうでありますけれども、この丘陵地の保全は当然にして重要であるという認識の中で、とりわけ先ほど申し上げた地域、ニュータウン関係市といってもいいでしょうか、丘陵地帯では、一面、開発がかなりの速度で、新住外のことでありますけれども、進んできている。この地域にある丘陵地の公園の整備はどのような状況であるのか、これをお聞かせをいただきたいと思います。

○住吉公園緑地部長 多摩丘陵は四季の変化が楽しめる雑木林が広がっておりまして、神奈川県に連なる緑の回廊を形成しております。この丘陵の公園整備は、雑木林や谷戸の保全を主に、桜ヶ丘公園や小山田緑地など四公園を整備いたしまして、十年間で三十一ヘクタールを開園しております。

○こいそ(明)委員 緑の回廊を形成していくんだということでありますが、大変結構なことだろうと思います。今後、多摩丘陵の公園の整備の進め方についてでありますけれども、具体的に、一定の予算が当然かかってくるわけでありますけれども、いろいろな工夫をしていかなきゃいけないと思います。
 多摩丘陵の公園の整備の進め方について、どのように今までのことを踏まえながら、整備を踏まえながら、今後、考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。

○住吉公園緑地部長 多摩地域の一人当たり公園面積は六・四五平方メートルでございまして、都市公園法で標準とする十平方メートルにはいまだ及ばない状況でございます。
 今後とも、国費の導入を図りながら、多摩丘陵の緑と水のネットワーク形成に重要な桜ヶ丘公園や小山田緑地の一層の整備に努めてまいります。
 また、整備に当たっては、地元市や民間企業、NPOなどとも連携いたしまして、多摩丘陵の自然資源の保全と活用に取り組んでまいります。

○こいそ(明)委員 多摩丘陵の公園の整備状況について、鋭意取り組みをされて、推進されていることはよくわかったわけでありますけれども、しかし、公園計画区域には、もう数十年間にわたって市街地形成というのですか、市街化されてきたというところが現存としてあるわけでありまして、ここを整備を実施していくとなると、非常に難しい、極めて難しい状況にも突き当たっていくのではないかというふうに思うのです。
 ですから、現状をよく見据えながら、計画の見直しも時には並行して進めていくべきではないか、これは本当はご答弁いただきたいのですけれども、要望にとどめさせていただきます。
 続きまして、最後でありますけれども、いわゆる都立公園の管理は、主に公園協会が担われているということでありますけれども、また、公園協会と類似した動物園協会が、各四園でありましょうか、管理をしているというふうに聞いております。動物園協会における管理受託業務の実績について、お聞かせいただきたいと思います。

○島参事 動物園事業につきましては、管理の効率化とサービスの向上を目的といたしまして、昭和六十一年度から財団法人東京動物園協会に入場料等の徴収を含みます入場券の販売や改札の業務、案内業務などを管理委託しております。
 平成十四年度の委託経費につきましては、二十一億一千五百万となっております。

○こいそ(明)委員 それで、平成十四年度決算で、動物園協会の役員数とその人件費はどうなっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○島参事 動物園協会の平成十四年度の決算におきましては、常勤役員が三名で、二千六百万円、常勤職員につきましては百三十八名で、十億九千三百万円、非常勤が七十四名で、二億三千九百万円となっております。

○こいそ(明)委員 とりわけ動物園は、水族館もありますけれども、動物園は動物園の事務所、事務部門と、動物園協会とが運営を行っているわけでありますけれども、その役割分担はどうなっているのでしょうか。

○島参事 動物園の事務所と協会との役割分担でございますが、動物園の事務所は動物園の企画計画業務、飼育業務、普及教育活動及び園内の整備事業を行っております。一方、動物園協会は、東京都から管理受託を受けまして、入場料等の徴収を含みます売改札、案内業務、動物ガイドなどを行っております。
 また、動物園協会の自主事業といたしまして、雑誌「どうぶつと動物園」などの出版や、動物の生態、飼育にかかわる相談などの公益事業のほか、園内の売店やレストランなどを経営する収益事業を行っております。

○こいそ(明)委員 公園協会の職員は、先ほどお話ありましたが、非常勤職員を入れますと、十四年度においては八百二十二名、これでよろしいですね。それと、東京都の職員体制、各四園に職員が、それぞれ事務部門、そしてまた飼育だとか、それぞれの役割を担われておられるわけでありますけれども、いわゆる動物園協会が主にやっている事業というのは何なんですか。
 要するに、そこで、少なくともある一園では、これは年間七十億の中の二十一億が動物園協会に支出をされているというお話でありますが、この二十一億円においても、人件費相当分がかなり占めている。この動物園協会関係ですね。それとともに、都の職員がここで行っている業務というのは、飼育業務や企画計画、それからその調査、設計、施行管理、これらのことが主な業務というふうに聞いておりますけれども、これだけの職員体制及び協会の職員、固有職員、非常勤職員、また時には民間の直接委託を行っているというのか、これをひとつ統合して、全体的な予算というものを効率的に、東京都の固有職員でできる部分というのはしっかりと行っていく。
 それからさらに、例えば多摩動物園においては、園舎の清掃、細かい話だけれども園舎の清掃をする。そこからぼろ出しをするという話ですね。それから、さらにまた清掃を行っていく。二重、三重のことが行われているようなところも、それだけじゃなくてあるようであります。
 またライオンバスの運行は、これは昭和五十年代ですかね。ですからもう一定の期間は当然経過しているわけでありますけれども、実績もありますが、実際運行しているところは民間会社ですね。そのほかにも、シャトルバス--これは民間か。少なくとも民間でやるべきところというものは、当然にして、もう現実にやっているところがあるけれども、もっともっと拡大する必要性があるんじゃないか。東京都の固有職員がやるべきところはしっかりやるべきじゃないか。
 そうすると、かなり、この職員数、業務内容が見直しになってくるのではないかと思うのですが、このあたりはどうなんでしょうか。

○島参事 動物園協会の人員の関係でございますが、これからもいろんな意味で経営の改善でありますとか、動物園自身が自発的な経営努力を進めることによって、先ほどご指摘がありましたアウトソーシングを含めまして、人員の削減を行い、効率化を進めていくことは必要であると考えておりますし、社会の情勢においても、必要だというふうなのが時代の要請であると考えております。
 都といたしましても、そういったものを含めまして、さらなる民間感覚の導入でありますとか、協会におきまして、コスト意識が徹底するよう、従来にも増して指導監督をしていきたいというふうに考えております。

○こいそ(明)委員 今回、六月、それで九月施行ですか、指定管理制度が、地方自治法の一部改正がなされましたね。これに伴って、猶予期間は三年間あるそうですけれども、まさに、これははっきりいって、どうしてもこの動物園協会に任せなきゃいけない部分は一体何なんだ。都が本来行っている、またやるべき業務、それから民間が担ってもらえる業務、これが、分担が、はっきりいって私は、資料もいただきましたけれども、これはもう少し工夫ができるんじゃないか。
 そうすると、全体的な予算の、約七十億の予算の中で、先ほど二十億強の支出がありますね。これらのことも精査しながら、動物園協会の業務内容、管理業務委託、公益収益業務とあるけれども、このあたりはもう少しメスを加えて当然じゃないかなと思いますし、先ほども申し上げた指定管理制度がいよいよ施行になっているわけでありますから、やはり骨幹的に動物園協会のあり方というものを改めていく必要性があるんじゃないかと思うのです。このあたり、どうでしょうか。

○島参事 ただいまお話がありましたように、ことしの法改正によりまして、指定管理者制度が入る予定になっております。その趣旨につきましては、先生もご指摘のように、コスト意識の徹底でありますとか、あわせましてサービスの向上というようなことを目指しております。
 当然、業務を遂行するに当たりまして、行政並びに財団、さらには民間の力を総合的に活用しながらやっていくことが、これからの行政を、あるいは動物園の業務を進める上で大切だというふうに考えておりますので、今ご指摘のありました指定管理者制度を踏まえまして、効率的な業務運営ができるように努力してまいりたいと考えております。

○こいそ(明)委員 ご努力も当然されておられますし、リサイクルによって発電をさせて、ふん尿をうまくリサイクルして発電をさせて、今いった、バス等に燃料として供給していくという具体的な形、これは東京都でやりますよね。あとは、売店だ、レストランだ、そして商品開発だといったって、売店のあれでしょう、縫いぐるみだとか何かという程度の開発じゃないですか。
 いずれにしても、局長、やはりこれは、先ほど申し上げた法改正も当然あり、また、類似する公園協会が現存としてありますよね。こういう団体との統合も踏まえて、または今後、民間委託の拡大、民間への参入ということを踏まえながら検討する必要性があるんじゃないかと思うのですが、そのあたり、どうでしょうか。

○小峰東京都技監 動物園も含めました公園全体にかかわることでございますけれども、先ほど答弁にございましたように、指定管理者制度というものが導入されますので、私どもの公園部門が担当しています全体を見るような形で、いろいろ検討していかなくちゃいけないというふうに思っています。その中で、効率性、それからサービスの向上といった点について、相当力を入れて検討していきたいというふうに思っています。
 これから、動物園、公園というのが都民にとりまして大変重要な施設でございますので、そういった点からも都民の期待にこたえられるような運営が行われますように努力していきたいと思います。

○こいそ(明)委員 もう少しこれは時間をかけてやりたかったのですが、もう時間がありませんからここで終わりますけれども、とにもかくにも、子どもさんだとか、世代を超えて、この四園、ちなみに私の近隣では多摩動物公園でありますけれども、ここにいろいろな世代にわたって入園していますね。そこにはいろいろと動物と、または園を歩いたり、それから家族でいろいろな時を過ごす、結構なことだなというふうに思うのです、それにつきましてはね。
 しかしその中で、やはりもう少し、私は一番いろいろ感ずる中で、そういうところで気持ちよく過ごす、時間を経過していくといいますか、それには私は--一番思ったのは、接遇体制です。受付、入場口を含めた、インフォメーション並びに対応が、私はほかからも聞いたけれども、これはどういうことかといったら、そのときの--アルバイトを使っていたかもしれない、では、どこでやっているのですか、公園協会でやっているんだというところが、公園の業務内容について非常に関心を持ち始めたことが一つなんです。
 いずれにしても、都民との接触する場所でありますし、それがやはり今、今日的に厳しい財政状況の中で、私はここだけは聖域というわけでは全くないと思うけれども、この動物園関係については初めて質問を受けたというようなお話もありましたけれども、やはりもっともっと、こういう都民との直結する部分だとか、それから業務内容だとか、民間委託への拡大だとか、こういうものをもう一度私はご検討いただきたい。強く要望して、終わります。

○藤井委員 私は、京浜急行の連続立体交差事業についてお伺いをしたいと思います。
 この事業は、大田区の特に平和島から六郷土手までの約六キロ間を高架にするという事業でございますが、地元においては、長年の区民の、あるいは都民の皆さんにとっては早く実現してもらいたいという、そういう要望が強くありまして、私もたびたびこの問題、都議会でも取り上げてまいりました。
 建設局初め、京浜急行等の努力によって、当初全面完成が平成二十六年ということでございましたが、新しい高架方式を採用することによって、これが二年ほど短縮をされるということに対して、また一番のネックでありました環八と京浜急行とのいわゆるあかずの踏切、一時間に五十分前後閉まっているという、こういった踏切も、平成十七年には一部立体化をされるということで、こういった努力に対して敬意を表したいというふうに、まず訴えたいと思います。
 その上で、いろいろと問題があるということで、私は、きょうは一つは、立ち退きを受けた方に対する東京都の対応について、何点かご質問をしたいと思います。
 まず初めに、京浜急行線あるいは急行本線、空港線ですね。連続立体交差事業の現在の事業内容、それから進捗状況はどうなっているか、お伺いいたしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 京急蒲田駅付近連続立体交差事業でございますけれども、今、副委員長からもご質問がございましたように、骨格幹線でございます環状八号線、あるいは第一京浜などの踏切を解消するとともに、近くにございます羽田空港へのアクセス機能の向上など、東京の都市再生を進める上で大変重要な事業というふうに考えております。
 そこで、ただいま副委員長からもございましたように、平成二十六年度完成予定ということを、二年間工期短縮を図るように事業を進めているところでございますけれども、本事業では、とりわけ環状八号線の踏切の早期解消が緊急の課題でございまして、現在、仮設の鉄道高架橋を設置する、いわゆる踏切すいすい事業を重点的に進めているところでございます。
 そこで、まず踏切すいすい事業八百メートルの進捗状況でございますけれども、用地については約二六%の取得状況でございまして、工事については平成十四年度から基礎工事を進めており、この八月からは橋梁の架設工事にも着手したところでございます。
 また、全体事業区間六キロの進捗状況でございますけれども、用地取得が同様に約二五%でございまして、工事につきましても京急蒲田駅付近の仮線工事、あるいは梅屋敷駅などの仮駅舎の工事を進めているところでございます。

○藤井委員 今、私はその工事をしている横を毎日通りながら都庁まで来させていただいておるわけでございまして、そういう意味では、この工事の進展を一番身近に感じている一人でございます。
 この公共工事、こういった事業を進めるに当たっては、当然用地の取得にかかわりまして、どうしてもそこが必要だから、六メートルの側道をつくるためには、そこに住んでいる方にどいてもらわなきゃいけないという問題が出てくるわけでございます。そういった意味では、この事業が円滑に進むには、こういったいわゆる立ち退きの対象になった方の理解と協力が必要不可欠であるということは当然なわけですけれども、なかなか移転先を自分で見つけることができないというような方もたくさんおります。
 いわゆる一戸建ての、あるいはマンションを持っているような方は、当然それだけの補償がなされて、違うところに移転ができる、あるいは代替地を都が提供する等々の、そういったことができるわけですが、問題は、民間のアパートに住んでいらっしゃるお年寄りであるとか、あるいは障害者であるとか、また母子家庭というような、こういった方々にとってみれば、これは大変大きな重要な問題なわけでございます。
 私は平成十三年の第一回定例会のときにこの問題を取り上げまして、当時の建設局長に質問をいたしました。これらの、長年住みなれた土地へ、愛着心と将来の不安が複雑に入り混じっている、こういった方々に対して、都は誠意を持って補償説明を行い、不安を解消すべきだということを訴えたわけでございますが、その際の建設局長の答弁は、用地交渉等に当たっては、きめ細かく対応してまいりますという答弁をいただいているわけでございます。
 そこで、道路等の用地取得を行う際、東京都の生活再建支援策、どういう内容か、またその利用状況はどうなっているか、まずお伺いいたします。

○矢口用地部長 用地取得に伴います生活再建についてでございますが、道路整備等の用地取得に当たりましては、一人一人の権利者の状況を十分把握しながら、ご要望や相談に応じながら折衝を進めているところでございます。
 用地取得に際しましては、適正かつ公平な補償を行いますとともに、これらの方々への生活再建のための支援としまして、現在、公営住宅への入居や代替地のあっせん、生活再建資金の貸付の三つの制度がございます。
 実績でございますが、平成十四年度の実績としましては、公営住宅のあっせんが八十一件、代替地あっせんが三十三件、生活再建資金の貸し付けが十七件でございます。

○藤井委員 それでは、この京浜急行の連続立体交差事業、この事業において、東京都は今、多くの方と用地取得契約を進めているということでございますけれども、これらを利用した方々、どのぐらいいるのかお伺いしたいと思います。

○矢口用地部長 本連続立体交差事業におきます用地の取得につきましては、協定に基づきまして鉄道事業者と大田区が実施しておりまして、東京都は連携を図りながら、権利者の方々の生活再建に向けた支援を行ってございます。
 本事業におきます平成十四年度の実績としましては、都営住宅のあっせんが一件、大田区によります代替地のあっせんが五件でございます。

○藤井委員 今のご答弁で、平成十四年度において連続立体交差事業でのいわゆる立ち退きを余儀なくされた方の中で、都営住宅のあっせんがわずか一件という答弁がありました。これは、大変私としては少な過ぎるんじゃないかなと。実は、私の方にも、本当にアパートを出なきゃいけない、年金暮らしで、民間のマンションだとなかなか家賃が高くて住めないので、都営住宅に入れてもらいたいとか、そういう要望は来ているのですが、現実になかなか都営住宅には入れないという実態があります。
 私は、やはりそのためにこういった都営住宅の制度があるんじゃないかなと思うのです。自分の意思ではなく、やむなく公共事業のために今住んでいるところを追われて、しかし、ある程度経済的な余裕のある方であれば、マンションなり一戸建てを買うなり、方法はありますが、こういったまさに弱い立場にある方々にとってみれば、こういった公営住宅というのは大変重要な存在だというふうに思うわけですが、たった一件しかないというのは、これはどういうことなんでしょうかね。
 そこで、まずこの連続立体交差事業における都営住宅を希望する人の数と、その方々の移転先はどうなったのか伺います。

○矢口用地部長 公営住宅へ入居を希望する方々についてでございますが、これまで折衝した方々で公営住宅を希望する方は八件ございました。
 これらの方々の移転の状況でございますが、先ほど答弁しましたように、平成十四年度は都営住宅へ一件でございましたが、平成十五年につきましては、これまで都営等の公営住宅に二件あっせんしてございます。さらに現在、都営住宅へのあっせんを進めている最中のものが三件ございます。
 そのほか、都営住宅よりも希望条件にかなっているということで、民間へ、アパートへ入居された方が二件となってございます。

○藤井委員 八件というのが実態に合っているかどうかはわかりませんけれども、それでは、都営住宅に入居を希望して、できなかったといいますか、実際に希望したんだけれども入れなかったという理由は、主なものはどういう理由でしょうか。

○矢口用地部長 都営住宅を希望しまして、なかなか入居が難しいという方々の理由でございますが、移転する方々が希望する都営住宅としましては、長年住みなれて、かかりつけのお医者さんがいることや、あるいは知り合いが多い現在の住居の近くの都営住宅を希望していることや、あるいは老後を考えまして、住宅の一階や二階の部屋、あるいはエレベーターのある都営住宅などを希望しております。
 これらの希望条件にはなかなかかなうことができませんけれども、かなえば、都営住宅にあっせんすることができまして、先ほど三件あっせん中がございましたけれども、このような形で、希望条件にかなうためには、どうしても住宅のあっせんに時間を要することがございます。
 今後とも、移転する方の意向にこたえられますように、できる限りの対応をしてまいります。

○藤井委員 先ほどこの決算委員会で、建設局の前が住宅局だったものですから、私は住宅局に確認というか、これはどうなっているんですかと質問をいたしました。要は建設局の方で決定を決めるのか、住宅局の方で決めるんですかと聞いたらば、これは建設局の方からこういう人を入れてもらいたいからというふうに来れば、住宅局は入れてますというんです。
 今の部長の答弁だと、空き家が発生するまで時間がかかって、その間に時間がかかるから、やむなく民間アパートを借りている。だから、都営に入らなかった。あるいは年寄りで、あるいは足が悪くて、一階の都営を希望しているんだけど、三階、四階をあっせんされたから断った。何ですか。早く見つけてあげればいいわけですよ。建設局が、この人は早く入れなきゃいけないから、そういうところを見つけてあげてくれって住宅局にいえばいいじゃないですか。一階を希望しているんだったら、一階の都営住宅をあっせんしてあげればいいじゃないですか。だから入れないんじゃないですか。きめ細かい対応をしているんですか。だから入らないんですよ。
 仕方なくそういう人たちは、希望しても、まだ先が、今あいていません、あなたが希望する一階には入れない、三階ならあいています。じゃ、三階なら、ちょっと階段が厳しいからってなりますよ。そういう、もっと血の通った対応をすべきだというふうに思うんです。
 これからまだまだ、京急の立ち退きの対象三百世帯ありますから、先ほど二五%というふうにおっしゃっていましたけど、まだまだそういう意味では、これからそういうケースというのは出てくると思うんですが、私としては、前に建設局長が本会議で答弁したように、きめ細かな対応をぜひしてもらいたい、こういうふうに思うんですが、最後に局長、ひとつ決意をお願いします。

○小峰東京都技監 京浜急行線の連続立体交差事業ですが、東京都が進めています東京の都市再生におきましても、大変重要な事業でございます。今、お話にございましたように、その事業を少しでも早く推進するためには、やはり地元区やら、あるいは鉄道事業者と連携を強めて、お話のございました地権者に対するきめ細かな対応というのを十分やることによりまして、事業の推進を図っていきたいというふうに思っております。

○丸茂委員 直轄事業負担金について、絞って伺います。
 平成十四年度の直轄事業負担金決算額は四百六十四億円になっております。その内訳は、都債で三百四十二億円、一般財源で百二十二億円になっております。事業を見ますと、道路が三百九億円、河川が百五十五億円となっておりますが、その事業の主なものは何なのか。
 また、事業は国直轄事業であり、当然のこととして国の責任で行う事業だと思うんですが、都の事業としてかかわるものがあるのかどうか、その点もあわせてお答えいただきたいと思います。

○田中企画担当部長 十四年度に実施されました主な直轄事業の内容でございますが、道路では圏央道や湾岸道路などの整備事業がございます。また、河川では、荒川や多摩川などの河川改修事業がございます。
 なお、直轄事業は広域的な視点から国が直接行う事業でございまして、当然のことながら、都の事業ではございません。

○丸茂委員 今、ご答弁があったように、国が行う事業である。その国の事業に都が負担するのはおかしいという立場から、我が党として、国直轄負担金の支出は取りやめるべきだ。前の予算要望でも求めてきているところです。
 都としても、この直轄事業負担金について、国に要望等を行っていると思いますけれども、その対応はどうなっているか、お伺いをいたします。

○田中企画担当部長 直轄事業負担金につきまして、都は以前から国への提案要求を行いまして、その見直しを求めてきております。
 内容は三つございまして、一つは、事業の内容、経費等について、計画段階から地方公共団体と協議することを義務づける法制度の整備、二点目は、維持管理費の負担の廃止、三点目は、事務費比率について明確な基準を設けることとなっております。
 こうした国への働きかけの結果、平成十二年度からは、翌年度の事業予定箇所や進捗見込みなどの情報が国から提供されるようになりました。さらに十四年度からは、国土交通省との会議や事業現場の視察を実施するなど、情報交換に努めてきております。
 このようにいろいろ要望することによって一定の改善が図られてきておりますが、なお引き続き計画段階からの協議の法制化など、国に対しまして提案要求を行ってまいりたいと考えております。

○丸茂委員 今、一定の改善が図られているという答弁があったんですけれども、維持管理費なんかの負担については、廃止されて当然だと思うんですけれども、現在、その点ではどうなっているんでしょうか。

○田中企画担当部長 維持管理費につきましては、本来、その公共施設の管理者である国が負担すべきものと、このように考えております。また、こうした考えは、第二次地方分権推進計画におきましても、段階的縮減を含め見直しを行うこととされておりまして、都としては国に対してその廃止を強く求めてきているところでございます。

○丸茂委員 ところで、例えば国道の整備の場合、その財源は何で賄われているのか、その辺についてもお伺いをしておきたいと思います。

○田中企画担当部長 直轄国道の整備につきましては、道路法に基づきまして、新設や改築の場合には、地方が三分の一、国が三分の二を負担しております。また、維持修繕の場合には、地方が十分の四・五、国が十分の五・五をそれぞれ負担しております。
 そのうち、国の負担につきましては、その大部分が揮発油税などの道路特定財源で充当されております。
 一方、地方負担となります都の財源につきましては、起債及び一般財源で賄っておるところでございます。

○丸茂委員 国は今、揮発油税等道路特定財源で賄っているわけです。その事業に対して、東京都は、第一次財政推進プランでも、大変財政が厳しいということで、都民施策の切り込みが本当に厳しく行われております。
 そういう点でいえば、こうした国の責任で行うべき直轄事業は、財政が本当に厳しいというのであれば、こういう負担金こそ拒否するくらいの態度で臨む必要があるんじゃないか。そういう拒否はできないんでしょうか。

○田中企画担当部長 直轄事業に関します費用は、道路法や河川法など個別の法律の中で、その経費の一部を地方公共団体が負担することを定められておりまして、これに基づき支出しているものでございます。
 また、こうした都市基盤の整備というものは、東京の都市再生に必要な事業だと、このように認識しております。

○丸茂委員 私は、直轄事業負担金は、先ほども説明あったとおり、あるいは資料でも出ているとおり、都債と一般財源を充てているわけですね。これはいずれも都民の税金であります。
 十四年度の決算を見ても、一般財源だけで百二十二億円。この建設局の道路補修費を見ますと、その八割近い負担になっておりますし、それから十三年度の資料で見ますと、直轄負担金五百三十五億円、そのうち一般財源四百十七億円になっております。ことしの資料で出していただいた交差点すいすいプラン一〇〇の十五年度以降予算は四百二十五億円ですから、それに匹敵するような都民負担になっております。
 さらに、この十四年度の補正を見ますと、毎年そういう補正でやりくりするわけですけれども、二百七億円余の都の負担金の流用によって補正が行われている。その中身は交通安全施設等の負担に充てられている点等見ますと、やっぱり国の特定財源で私はこの直轄、まあ国直轄の事業ですから、行うべきだ。
 そういう点で、法的な根拠があるというので拒否はできないという答弁もあったんですけれども、そうであれば、法改正を含めて抜本的な見直しを求める必要があるんじゃないかという意見を述べて、終わりにしたいと思います。

○新井委員 二点伺います。
 まず第一点目は、緑地の寄附に伴う費用負担についてということなんですけれども、非常に都の財政状況は厳しくなっておりまして、なかなか公園用地の新たな買収というのは進まない状況がございます。
 そこで、東京都にあります市民緑地制度、これに注目をいたしまして、これまでもいろいろご提案をしてきたところなんですけれども、担当の方でも非常に積極的にこれは進めていただきたいということで取り組んでいただいていて、まあ評価をしているところなんですけれども、以前の事例でもお話しいたしましたが、多摩市に実は緑地の寄附がございました、里山の寄附。で、最初は東京都か多摩市に買ってもらえないかというお申し出だったんですけれども、なかなかどちらも買えないということで、いろいろお話をして、最終的に寄附をしていただいたんですけれども、後ほど伺いましたらば、寄附に係る費用は全部地主さん、地権者の方が負担をしたということでした。
 で、どのくらいかかったものなのかと思いましたらば、測量費あるいは更正登記費とかいうもので約二百二十万かかったということなんですね。緑地の寄附をして、そういった費用負担、二百二十万もの負担をしていただいたということで、非常に恐縮をしたわけなんです。
 今回、市民緑地制度を積極的に進めていただくということで、東京都の方でも直接地主さんに呼びかけて登録をしていただくということをいっていただいたわけなんですが、そういうふうに進めていった場合、やはり相続がかかってきたときに、買収あるいは寄附というふうな話につながっていくかと思うんですけれども、そういったとき、土地に対する今いったような費用、こういった費用についてはどんなふうになるんでしょうか、お伺いいたします。

○島参事 市民緑地制度は、里山など貴重な都市の緑地を保全するため、今お話ありましたように、土地の所有者と契約を締結し、一般に公開する制度でございます。
 市民緑地契約に当たりましては、あらかじめ区域を確定するために、都の方で測量を実施しております。そのため、契約締結後、その土地を所有者の方が寄附すると申し出た場合でも、都の所有となる土地につきましては、土地所有者に測量等の負担をかけることはないことになっております。

○新井委員 それでは、市民緑地制度について登録をしていただいた方については、そういった費用負担はないということで、担当の方はぜひ頑張って働きかけをしていただきたいと思います。
 それでは、市民緑地制度ではなく、突然の相続ということで、公園にしたいということで寄附の申し出があった場合はどうでしょうか。

○島参事 これまで公園に寄附された最近の例では、霞が関の緑地保全地区がありますが、その場合には都側で測量等を行っております。
 今後とも公園として寄附を受けるに当たりましても、測量等につきましては、管理上必要なことであり、特別な場合を除いて都が測量等を行っていくつもりでございます。

○新井委員 これまでの実績でいいますと、都が測量なさっているということですけれども、ルール化はされていないということですので、これからなかなか買収というのは進んでいかないということはわかっておりますので、せめてこういった寄附の場合に、きちんと制度化をして、寄附に係る費用についてはすべて東京都の方で負担をするんだということで、ぜひ制度化について進めていただきたいということをお願いしておきます。
 それから次は、ニュータウンに関係するんですけれども、十九住区、八王子の部分で、最後に残されております、これから開発に取り組むという最後の一番大きいところですけれども、こちらの進捗状況及び今後の予定はどんなふうになっていますでしょうか。

○高西多摩ニュータウン事業部長 多摩ニュータウン十九住区は、京王線堀之内駅の北方約一キロメートルの丘陵部に位置する面積約七十ヘクタールの、都市基盤整備公団が施行するエリアでございまして、東山エリアと西山エリア及び中央部から成り立っております。
 その進捗状況と今後の予定でございますが、公団は西山エリア及び中央部の土地造成工事をおおむね完了しておりまして、十六年度よりガスや上下水道などの埋設や宅地の整備に着手する予定としております。
 また、東山エリアにつきましては、埋蔵文化財の調査のために中断しておりました一部の造成工事を今年度後半より再開すると予定しております。

○新井委員 こちらの中央部になると思うんですけれども、農業公園というものが予定をされていると思うんですけれども、こちらの方はどんな状況になっているでしょうか。

○高西多摩ニュータウン事業部長 十九住区のいわゆる農業公園は、住区に隣接する酪農集約区域と住区内の住宅予定地との緩衝空間の役割を果たすものでございまして、新住事業として計画されております。
 整備につきましては、現在公団において計画案を作成中でございまして、作成後は公団、地元八王子市及び都による検討会で調整して素案といたしまして、これを隣接の酪農家及び地元町会等関係者に提示していく予定でございます。

○新井委員 地元の酪農家は四軒いらして、そしてここの農業公園については非常に興味を持って見ていらっしゃるNPOの方たちもいらっしゃるようです。そういった意味で、これは本当に素案の素案ということで、たたき台ということで示されるということですけれども、皆さんの意見を十分に聞いて、そして四軒の方がうまく納得できるような形にぜひ取りまとめていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ここの十九住区なんですけれども、公団の方と八王子市の職員の方、それからもとの地権者の方にご案内をいただきまして、つぶさに見て歩いたんですけれども、本当にとてもいい里山なんですね。それで、トウキョウサンショウウオが産卵をしたり、オオタカがいたりとかいう跡があったりということで、非常に貴重な緑ということがいえると思うんです。
 この十九住区の東山の部分なんですけれども、ここは何とか守っていきたいというふうな声も高いですし、私も実際に見て、これは保全するに値する緑地だなというふうに見てきたわけなんです。
 ここは公団の施行エリアということなんですけれども、土地の利用のあり方について、東京都は今後どんなふうにかかわっていくのでしょうか。

○高西多摩ニュータウン事業部長 東山エリアは、お話のように、大変自然環境に恵まれた地域でございまして、これに配慮した土地利用計画となってございます。具体的には、土地造成においては改変を極力抑えることとしているほか、公園や緑地の面積もふやしまして、里山などの保全に努めております。
 今後、都といたしましては、必要に応じ、開発に際して適切な土地利用がなされるように対応してまいります。

○新井委員 自然環境を大事にしたということで、土地利用計画を行っているということなんですけれども、実際に今の計画のままでいきますと、西山はほとんど造成されてしまっているのでやむを得ないと思うんですが、東山はまだ全部そのまま残っているんですね。今年度後半から造成工事を再開するという部分について、公団の方に伺いましたらば、下水関連だけで、造成にはまだまだ入らないということで、当分の間、東山はそのままの状態で置かれるということが、確認したいわけなんですけれども。そして、五ヘクタール以上増加しているという答弁もございましたけれども、これも、五ヘクタール増加しても、もし計画どおりにいけば、本当に緑がなくなってしまって、今の状況というのは全くつぶされてしまうということが目に見えているわけなんです。
 ここは、丘陵地ということで見ると、ほかにも確かに緑はあるんですけれども、多摩ニュータウン区域というところで見ますと、ニュータウン開発の中で最後に残されている大きな里山ということで、ニュータウンがつくられる前はこういう里山だったんだなというのがそのまま残っているところなんですね。
 中は、もとの地権者の方と、それから里山保全のNPOの方たちが一緒になって保全をしていまして、もう公団に寄附されて、そのまま置いておくとどんどん荒れちゃうわけなんですけれども、きれいに里山が保全された状態であります。下草刈りとか、竹林にならないようにとか、いろんな手だてをしていて、農地もあれば雑木林もあれば、養蚕をしている地権者の方がいらして、桑畑とか、本当に原風景といいますか、昔ながらの風景が残されている貴重なところなんですね。
 もとの地権者の方も含めて、ぜひ残したいという声が非常に高くなってきていて、当座そのまま、幸いなことにそのまま置いておかれる状態で、すぐには売れないでしょうというふうに公団の方もいっていましたので、そういう意味では安心をしているわけなんですが、今後、市と東京都と公団と、八王子市からの申し出というふうになるかと思いますけれども、何とかこの地域を極力残していきたいということで、八王子市の方も考えているようですので、ぜひ東京都もそういう場合には尽力をお願いをしたいというふうに思います。
 それから、宅地販売についてなんですけれども、資料もいただきましたけれども、地元市とルールが定められておりまして、突然売って、物が建って、住民がびっくりして反対するというようなことがないようにということで、ルールをつくっていただいたわけなんですけれども、このルールというものがより住民の理解が得られるように行われるべきであるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○友繁販売企画担当部長 宅地の販売を通じて、まちづくりを進めていくという立場から、宅地販売においては、地元各市、住民の方々の理解を得ることが大切であると認識してございます。このため、地元市との間では、住民の方々への情報提供をすることを内容とする事前協議のルールも定めているところでございます。
 今後ともこのルールに基づきまして、具体的な宅地の販売に当たりましては、公募条件について市と連携し、地域住民の方々に丁寧な説明をしてまいりたいと思います。

○新井委員 これまで都と公団と五件ずつ、多摩市、八王子市が四、一で五件ということで、多摩市が公団部分の五件ということで協議が行われているわけなんですけれども、いろいろお伺いをしますと、実際に各市と東京都、それから各市と公団ということで結ばれておりまして、しかも、住宅用地の分譲に係る調整手順と業務施設用地の分譲に係る調整手順というものが若干異なっている。各市とも微妙に違っているということで、そのルールの進め方、特に近隣の住民の方に対する周知の問題とか協議の問題とか、そういうところが、やってないわけではないけれども、やり方が不十分だというふうなところが間々見受けられるようで、いろいろ苦情などもちらほらとこちらの方に上がってきている状況です。
 今後、せっかくこういうルールをつくりましたので、矢印が一方方向であるとか、ここには書いてないからやらないとかいうことではなく、ぜひ丁寧にやっていただきたいということをお願いして終わります。

○三宅委員 連続立体交差事業について、お尋ねをいたします。
 まず、小田急小田原線、梅ケ丘から喜多見駅間について、これは昨年十二月に高架が完成いたしまして、踏切が解消して、本当に地域が一体化して、世田谷の都民は大喜びをしているという状況であります。
 そこで、今申し上げました区間で、建設局が平成十四年度の予算執行を含めて、現在進められている事業の進捗状況をご説明ください。

○柿堺道路建設部長 小田急小田原線の、いわゆる経堂地区の進捗状況でございますけれども、本事業、世田谷区及びその周辺における交通渋滞あるいは地域分断の解消、あるいは安全で快適なまちづくりに寄与する重要な事業だというふうに認識しているところでございます。
 全体が六・四キロございまして、事業費が千九百十三億円でございます。このうち、国の補助金と、世田谷区の、いわゆる都市側の負担が七百八十八億、四一%、小田急電鉄の負担が千百二十五億、五九%の負担ということでございます。
 全体の進捗状況でございますが、平成十四年度百六十三億を含めまして、十四年度までの累積の執行額が千三百二十六億円でございまして、全体執行率が六九%となっております。このうち、都市側でございますけれども、平成十四年度に六十六億円執行いたしまして、累積で五百二十六億、そういうことで全体の執行率が六七%となっています。
 また、平成十五年度の予算額でございますけれども、都市側が八十八億、鉄道側が百十二億、合わせて二百億ございまして、十五年度末の執行予定としましては千五百二十六億で、全体、総事業費千九百十三億円に対しまして、八割の進捗状況になります。
 また、具体的な工事の進捗状況でございますけれども、ご質問にもございましたように、昨年の十二月に在来線の立体化が完成をいたしまして、これによりまして環状七号線以西の十七カ所の踏切がすべて解消されてございます。
 また、複々線部分につきましても、高架構造物の約九割が完成しております。今後は残る高架構造物を今年度中に整備するとともに、平成十六年の完成に向けまして、線路や電気通信設備、あるいは駅舎などの整備を進めてまいります。

○三宅委員 今申し上げた区間についてはおおむね順調に推移していると思いますが、残されました区間、代々木上原から梅ケ丘間、ここが大変に難航いたしまして、何とか、東京都のご努力は評価をいたしておりますが、本年一月に都市計画変更決定ということでございます。ここの事業化の準備はどのように進んでいるでしょうか。

○柿堺道路建設部長 本事業につきましては、現在、事業を進めております、先ほどご答弁をしました世田谷代田駅から喜多見駅間に続く都心側の延長二・二キロの区間を地下化をいたしまして、九カ所の踏切を除去するとともに、複々線化を図るものでございます。
 現在、トンネル構造物や駅舎の設計並びに周辺の地下水調査等を行うとともに、鉄道事業者との施行協定締結に向けた協議を進めております。
 また、沿線のまちづくりを連続立体交差事業と一体的に進めるため、世田谷区が区の条例に基づく地区まちづくり計画の策定に向けまして、下北沢駅周辺の関係住民と合意形成に取り組んでいるところでございます。

○三宅委員 いよいよ今残された区間について、事業着手目前であると思いますけど、今後どのように取り組むかをお伺いします。

○柿堺道路建設部長 本事業、交通の円滑化あるいは地域の活性化、またラッシュ時の混雑緩和を図るとともに、下北沢駅を中心にしたまちづくりに寄与する、効果の大変高い事業でございまして、地元からも早期事業化を強く要望されているところでございます。
 今後、早期に国や鉄道事業者との協議を調えるとともに、地区まちづくり計画との整合を図り、今年度末に事業認可を取得する予定でございます。

○三宅委員 今年度末といいますと、来年の三月末ということですね。まさしく今、事業着手目前というところでございますが、ついこの間、JRさんの中央線の連続立体化事業で不手際があって、都民に大迷惑がかかったというようなことがありますけれども、JRと、小田急やら民間の鉄道事業者との違いがちょっと見えたかなというような感想は持っています。
 また、連続立体事業について、本当に膨大な予算をつぎ込んでいるわけでございますね。なおかつ、私は今の完成部分を見ていますと、本当に都民が喜んでいる、是が非でも早期に完成をさせなきゃいけないという信念を持っておりますが、これも十月のはなに、大変残念なことに--線は違うんですね。これは京王線の調布駅付近の事業に関して、工事発注に関する談合情報で入札を延期したという新聞報道があって、加えてこれ、またすぐ後に、京王電鉄があらかじめ七つの工区で施工業者を内定したという情報がありました。
 仮にこの報道が事実であると、連続立体交差事業は多額の税金を使っている事業でありますし、先ほど説明いただきました。本当に都民の不信を招いて、必要な連続立体交差事業の停滞につながるんじゃないかという大変な懸念をしているところでございます。
 これは石原知事もこの事件に関して定例会見で、もしそんな事実があったら、きちっとペナルティーを科すとか、都が京王電鉄に発注事務を一任していることは、そういう仕組みがあるなら基本ルールを変えなきゃだめだという発言をしている。いずれにしてもこのような京王電鉄の事態に対しては、東京都は、建設局さんですね、どのように対応するのか、ここはぜひお伺いをしていかなきゃいけないなというふうに思いますので、ご答弁ください。

○柿堺道路建設部長 お尋ねのございました京王線の調布駅付近の連続立体交差事業でございますけれども、調布駅を中心にして三・七キロの区間を立体化をし、十八カ所の踏切を除去するものでございまして、本年の三月に事業化をしております。
 本事業は、電車の運行の安全性を確保しながら施工する必要があるということから、施行協定によりまして、工事を京王電鉄が実施することとなっております。
 ご質問のように、先日、本事業の施工業者の決定に関する報道がなされておりまして、基本的な役割はただいまご説明をしたところでございますけれども、ご質問にもございましたように、連続立体交差事業は多額の都費、国費が投入されているということから、京王電鉄に対しまして、事実関係の調査と適切な対応について指示したところでございます。
 今後、事実関係が明らかになり次第、説明責任を果たすよう、改めて要請してまいりたいと考えております。
 また、新たな連続立体交差事業が予定をされておりますので、その際の施行協定締結に備えまして、契約過程の公表など透明性を確保できるよう、施行協定の見直しにも取り組んでまいりたいと考えております。

○三宅委員 全般的にどうも鉄道が絡んだときの工事にかかわる東京都の姿勢が、どうなんでしょう、都民の目から見て少し弱い。何でも鉄道だから安全確保、これは大事だ。やはり日ごろから鉄道事業者のいろんな、駅舎の改築やら、そういったことで、都民から私どもの方に寄せられるのは、少し横暴過ぎるんじゃないか、こんな声も多々寄せられているわけであります。
 こういった事件もありましたし、ですから私としては、東京都が今までの既存の鉄道事業者に対する概念といいましょうか、姿勢、これをここで一度大胆に変えていただく必要があると思っております。これについて、技監の決意といいましょうか、ご意見をお伺いして質問を終わります。

○小峰東京都技監 ただいま道路建設部長が答弁申し上げましたけれども、この鉄道連続立体交差事業は、やはり私ども、もちはもち屋といっていますが、列車を走らせながら工事をするというようなことがございまして、そういった点から、鉄道会社に施行協定の中で私どもとの役割を分けて事業を進めてまいりました。
 やはり今の時代ですので、事業を実施するに当たりまして、公的な資金というのが使われてございますので、その事業の進め方、それから今ご指摘のような点というのは、まさに鉄道会社なり私どもの事業を進める上での都民の皆さんあるいは利用者の皆さんに対する配慮ということになりますが、そういった点につきましては十分気をつけて事業の推進をしていきたいと思いますし、また先ほどの答弁にありました、施行協定の中でどういった形でその辺を担保するようにしていったらいいのかといったことも含めて、見直しの検討を進めていきたいと思っております。

○和田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○和田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後五時十二分散会

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