各会計決算特別委員会第一分科会速記録第六号

平成十四年十月二十五日(金曜日)
第十一委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 九名
委員長野村 有信君
副委員長中西 一善君
副委員長森田 安孝君
秋田 一郎君
山下 太郎君
ともとし春久君
臼井  孝君
古館 和憲君
三原 將嗣君

欠席委員 一名

 出席説明員
総務局局長赤星 經昭君
理事石山 伸彦君
総務部長高橋 和志君
行政改革推進室長島田 健一君
IT推進室情報企画担当部長木谷 正道君
IT推進室電子都庁推進担当部長遠藤 秀和君
人事部長山内 隆夫君
主席監察員古河 誠二君
行政部長反町 信夫君
島しょ・小笠原振興担当部長高橋 敏夫君
災害対策部長徳毛  宰君
参事八木 憲彦君
勤労部長大塚 孝一君
法務部長中村 次良君
統計部長早川  智君
人権部長関  正子君
収用委員会事務局局長平井 健一君
審理担当部長市原  博君
監査事務局局長中山 弘子君
監査担当部長鈴木  襄君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  総務局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・特別区財政調整会計決算(質疑)
  ・小笠原諸島生活再建資金会計決算(質疑)
  収用委員会事務局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  監査事務局関係
  ・一般会計決算(質疑)

○野村委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、総務局、収用委員会事務局及び監査事務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより総務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、総務局所管分、平成十三年度東京都特別区財政調整会計決算及び平成十三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○高橋総務部長 資料の説明に先立ちまして、一言申し上げさせていただきます。
 さきの十月八日の当分科会におきましてご提出いたしました平成十三年度東京都一般会計決算説明書の記載に一部誤りがありましたので、おわびを申し上げます。今後このようなことが再び起こらぬよう、細心の注意を払ってまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、十月八日の当分科会においてご要求のございました資料につきまして説明をさせていただきます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りをしてございます平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 番号1、情報システム管理事務決算の概要でございます。
 1の事業別歳出決算では、情報管理システム事務、高度情報化推進事務など事業別に歳出決算を、予算現額、執行済額、翌年度繰越額、不用額に分けてお示ししてございます。
 下の欄の2の不用額の内訳では、各事業別の不用額を、契約時の落札差金や通信回線費等の実績残など、主な発生理由別にお示ししてございます。
 二ページをごらんいただきたいと存じます。
 番号2、市町村振興交付金、調整交付金の推移でございます。
 振興交付金は、市町村が行います公共施設の整備等に要する投資的経費に対しまして、また、調整交付金は、各種施策に要する経常的経費に対しまして、それぞれ財源補完する制度でございます。それぞれの交付要綱で定めております事業区分別、配分項目別の交付金の推移を、平成九年度から平成十三年度まで掲げてございます。
 三ページをごらんいただきたいと存じます。
 番号3、三宅島噴火災害に要した事業費の概要でございます。
 三宅島噴火災害に要した事業費につきまして、道路復旧工事などの復旧対策、生活支援対策など対策別に事業内容と経費をお示ししてございます。
 なお、参考といたしまして、現物支給、減免事業の推定額もお示ししてございます。
 四ページをごらんいただきたいと存じます。
 番号4、同和対策事業の決算額でございます。
 各局が実施しております同和対策事業につきまして、局別、事業別に、平成九年度から平成十三年度までの決算額をお示ししてございます。記載の局名の中には、既に組織改正により変更されている局などがございますが、これは改正前の組織で実施いたしました事業を掲げたものでございまして、組織改正の内容等につきましては、欄外に注釈としてお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらさせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 私からは、二つのテーマについて質問させていただきたいと思います。第一点目として電子都庁推進計画について、第二番目として包括外部監査についてお伺いさせていただきたいと思っています。
 第一点目として、この数年、IT、IT、インフォメーションテクノロジーのことがいわれて久しい中で、一種のブームのような時期がございました。最近は幾分落ちついたかに見えますが、そういった中で電子都庁推進計画も、そういったブームに乗っている部分が多少なりともあるのかなという疑念がないこともございません。
 そこで、計画策定に至った経過。二点目として、計画時点における都庁の情報化の状況。三点目として、電子都庁推進計画策定の背景について、まず最初にお伺いさせていただきます。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 電子都庁推進計画策定に至った経過、それから、その当時の都庁の情報化等についてのお尋ねでございますけれども、東京都におきましては、昭和六十年の第一次OA化計画以来、計画的に情報化を進めてまいりました。また、この間、全庁的に大型汎用計算機を使用する業務システムの見直しなどにも積極的に取り組んできております。しかしながら、パソコンの導入やインターネットの活用などという面では、社会のIT化に立ちおくれておりました。
 そこで、ITの導入、活用による迅速で質の高い行政サービスの推進と、都民に開かれた身近な都政の実現などを目的といたしまして、平成十三年三月に電子都庁推進計画を策定いたしました。本計画は、ITを積極的かつ効果的に導入した電子都庁を構築するために、平成十五年度を目標に、その具体的取り組みとスケジュールを示すものでございます。

○秋田委員 一時期は、東京都がその電子化という点では都道府県の中で最下位という時期もあったかに聞いておりますから、電子化というのは確かに進めなくちゃいけないことだと思うんですが、とはいえ、莫大な予算を削るわけです。一般の企業であれば、投資をする場合には、その投資効果というものをある程度見込んで、それで設備投資というものをするものだと思うんですが、この計画の策定に当たっての導入効果というものはどのように考えていたのか、お伺いさせていただければと思います。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 電子都庁の効果についてでございます。
 例えば、都民の方がインターネットを利用し、自宅や会社にいながら申請や届け出が可能となりますし、都庁ホームページからいつでも必要な情報を得ることができます。これに加えまして、都民の声等を通じまして、都政に参画する機会を拡大することができるようになるなど、ITを活用し、使いやすく便利なサービスを提供することによりまして、都民の方々が豊かで暮らしやすい生活を実感することが、この大きな効果ではないかというふうに考えております。
 また一方、都庁の内部におきましても、情報の共有化や仕事の進め方の見直しなどによりまして、行政内部の事務を効率化できるなどの効果が期待できると考えております。

○秋田委員 今、事前に計画段階でこういう効果が期待されるということを伺ったんですが、それでは、現在、見込んだ効果というのは、具体的にはどういった効果があらわれているのか、教えてください。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 電子都庁推進計画は、平成十三年度から十五年度を計画期間といたしまして、この間にネットワーク化のためのパソコンの配備、通信基盤の整備や業務を電子化する各種システムの開発を順次行ってまいります。
 このため、IT化による明確な効果があらわれるのは、各業務システムの運用が開始される十五年度以降になると考えていますが、既に都庁ホームページ、入札情報の提供、体育施設の申し込み、職員採用試験の申し込み等のシステムが稼働しておりまして、例えば、都庁ホームページにつきましては年間約五百万件のアクセスがあるなど、多くの都民の方に利用されております。
 今後とも、費用対効果には十分配慮しながら、電子都庁推進計画の所期の目標でございます都民サービスの向上を達成するよう、積極的に事業を進めてまいります。

○秋田委員 ただいまのお話だと、十五年度以降に本格的に具体的な効果があらわれるということですから、今のところそれを期待してやみませんので、どうか今後とも効果が目に見えてあらわれるように、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、第二点目として、包括外部監査についてお伺いさせていただきたいと思います。
 外部監査制度というのは、地方分権を推進していくに当たって、チェック機能をより充実強化していく観点から、地方自治法の改正により導入されたものですが、この制度は、公認会計士、CPA等の専門知識を有する外部の者と監査契約を結んで、その独立性、専門性という観点から監査するものですが、東京都においては、平成十一年度から、いわゆる包括外部監査制度が実施され、ことしで四年目になるみたいですが、まず最初に、包括外部監査人に支払った年度別経費というのは幾らか、教えていただきたい。

○古河主席監察員 包括外部監査契約に基づきまして今まで監査人の方へ支払いました委託経費は、平成十一年度と十二年度につきましては、それぞれ三千万円でございまして、また、平成十三年度につきましては、三千百五十万円となっております。

○秋田委員 それでは、包括外部監査でこれまで取り上げられたテーマは、具体的にはどういったものがあるんでしょうか。

○古河主席監察員 包括外部監査におきましては、平成十一年度につきましては、都立病院の経営管理など四テーマで、三局、十一団体、平成十二年度につきましては、都立の大学の経営管理など三テーマで、九局、五団体、平成十三年度につきましては、試験研究機関の管理運営など三テーマで、八局、二団体を対象にして実施しました。今までの三年間では、十テーマ、延べ二十局、十八団体につきまして、包括外部監査を実施したところでございます。

○秋田委員 今お話をお伺いしますと、三年間で非常に多くのテーマに取り組んできたことがよくわかるんですが、それでは、外部監査人が監査を実施した監査結果はどのようなものなんでしょうか。

○古河主席監察員 今までの三年間の包括外部監査の結果につきましては、まず、平成十一年度は、病院事業における医薬品や未収金の管理改善など百四十五件、また、平成十二年度につきましては、大学事業における四大学統合とか、収入構造の改善、また、交通事業におきます広告収入努力など百二十九件、それとまた、平成十三年度につきましては、試験研究機関におきます費用計算方法の見直しとか首都圏連携など百三十二件ということで、三年間で四百六件の指摘、意見、提言をいただいております。

○秋田委員 今の監査結果をるるお話聞いていて、ちょっと部局が違うようなので、その監査結果を受けてどのように対応を各局がされたかについては、この後の監査事務局でお伺いさせていただきたいと思いますが、包括外部監査制度というのは、いわば外部の血を導入して、都民の皆様方の理解を得るためにもすごく重要だと思うんですね。幾ら都庁の中でしっかりやっているといっても、しょせん内部の中でやっていることじゃないか、いろんなことがあるんじゃないかというような妙な勘ぐりを受けることも、外部監査人に頼むということによって、いわゆる信頼性というものを都民の皆様方から得るためにも、本当に重要だと思いますし、また、実際、包括外部監査制度というのは、監査機能の充実強化を図るという点でも重要だと私は思っております。
 さらに、導入の効果としては経済性とか効率性といったものも期待できるということで、今のお話をお伺いしまして、包括外部監査の的確な指摘、意見、提言、その三つがあると私は承っておりますが、その三つを受けとめて、病院改革、大学改革、あるいは管理団体の経営改善等に今後とも取り組んでいただきたいと思っております。
 またさらに、今後とも外部監査制度を積極的に導入して、都民の皆様方が東京都に対してさらなる信頼性を抱いていただけるようにお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○森田委員 私も、先ほど電子都庁について取り上げられましたが、それに関連して何点かお伺いしたいと思います。
 東京都は、先ほどもあったように、このIT化、大変に力を入れてやってきている。しかし、IT化の頭脳に総務局のIT推進部がなっているので、ぜひ総務局が都庁全体のITの推進役になると同時に、むだを省く、こういうことに力を入れていっていただきたいなというふうに思っています。
 そういうことに関連して幾つか伺いたいと思いますが、一つは、十三年度の総務局システム関連の決算額が約六十億という膨大なものになっていますが、十三年度に行った事業というのはどんなものがあるか、まず伺います。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 まず、電子都庁推進計画関連でございますけれども、パソコンの配備やネットワーク構築などの基盤整備に約十三億四千万円、業務システムの基本設計や一部開発などに約五億六千万円となっております。
 次に、中央コンピューター室の運用管理関連でございますけれども、大型汎用コンピューターのリース経費として約三十六億円、コンピューターの運用管理委託経費として約三億二千万円というものが、主な事業とその決算額というふうになっております。

○森田委員 十三年度決算を見ますと、この情報管理システム関係で不用額が非常に多い。例えば、電子都庁推進計画でいうと、当初予算が三十九億三千万余円、四十億弱ですね。ところが、その中で不用額が二十億出ている。こういう不用額が出た理由というのは、どういうことが原因になっているのか、教えてください。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 電子都庁関連の不用額の主な理由でございますけれども、まず、TAIMS関連といたしまして、TAIMSパソコンの借り入れ及びシステムの運用支援委託契約の落札差金等が約五億四千万ございます。続きまして、ネットワーク整備についてですけれども、高速回線への切りかえ契約におきまして、既存の回線と高速回線の併用期間を解消することで発生しました実績残というようなことがいえるかと思いますけれども、これが約四億八千万円。次に、電子認証基盤の構築につきまして、当初、都が独自に組織認証システムを構築する予定でございましたものを、国の開発いたしました認証システムを利用することによりまして、約二億三千万円が残りました。続きまして、住民基本台帳システム関連でございますけれども、国の開発方針が確定しましたことによりまして、当初予定いたしました開発範囲を縮小したことによって、約一億五千万円が不用額となってございます。

○森田委員 電子都庁推進計画だけで二十億あるんですよね。この二十億の内訳というのは、落札差金が五億、実績残が六億--ちょっともう一度教えてください。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 電子都庁関連の不用額の内訳でございますけれども、落札差金で五億四千万程度ですね。それから、実績残といたしまして五億七千八百万程度。それから、開発範囲等の変更ということで五億九千三百万程度。技術動向等を踏まえた機器構成の見直し等によりまして三億二千四百万程度の不用額が生じてございます。

○森田委員 それぞれ理由があるわけですけれども、落札差金、多分これは当初見積もっていた金額より、技術の向上とかさまざまなことで安く入札したというのが大きな原因だと思うんですね。それから、技術動向等によるというのは、この世界、非常に技術の進歩が激しいから、当初計画していた金額より技術的な改善によって節約できたというふうに考えていいですか。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 先生がお話しになりましたとおり、落札差金につきましては、契約時におきまして予定していたものよりも機器の借り入れ等につきまして契約金額が安く済んだために生じたものでございます。また、技術動向の変化による不用額につきましても、先生のお話のように、技術の進歩に対応いたしまして、最適なハードウエア、ソフトウエアを導入したことによりまして生じた不用額でございます。

○森田委員 総務局は都庁のIT関連のシステムを一応すべて管理しているというか、総務局が認めなければ開発やシステムの運用はできないというふうになっているようですけれども、今、東京都庁の中で、大型システムといわれるシステムは幾つありますか。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 毎年の維持管理経費が一億円以上のものにつきまして、私ども大規模システムと考えておりますけれども、その条件に該当いたします大規模システムは、現在二十一システムございます。

○森田委員 それらのシステムも、それぞれ予算がついているわけですが、そこで、やはり技術動向とか落札差金によって維持管理費等が安くなってきているという兆候は見られますかね。その辺はチェックをされていますか。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 私どもIT推進室におきましては、各局で導入いたしますシステム関係につきましては、導入段階からシステムアセスメント等を行いまして、システムの内容等につきましてもチェックしてございます。先ほど申し上げました大規模システムに関して、幾つか私どもが関与したものとして、ダウンサイジング等々を図った例もございます。
 例えば、港湾局におきます東京港港湾情報システムにつきましては、平成十一年、十二年に大規模システムの総点検というものを行いまして、その結果を受けましてダウンサイジングを図りました。その結果、これは予算ベースの比較になりますけれども、平成十二年では一億二千三百万円であった運用経費につきまして、平成十四年度予算では五千五百万程度の運用経費になるというように、その効果は出ております。

○森田委員 今、東京都も非常に税収が減って、財政的に大変厳しい中での財政運営をやっているわけですね。そういう中で、この二十一システムで使っているお金が、いただいたデータによると二百二十億円、これは大変大きなお金ですよね。これは十四年度の予算で二百二十億円。十五年度は幾らになるかわかりませんけれども、できる限りやっぱり節約をしていく、そういう考え方を持っていかないといけないし、それは各局に任せちゃっていると、局の中では、いい方は悪いけれども、メーカーやソフト開発会社のいいなりになってしまう可能性がある。そこのところを、ぜひ総務局の専門のIT推進室が、よくチェックをしていっていただきたいなというふうに思うんです。
 先日の委員会でやはり取り上げましたけれども、この二十一システムの中では、主税局の持っているオンラインシステムが、一番お金がかかっているシステムじゃないか。毎年八十億円ぐらいの維持管理費がかかっている。今の時代に、コンピューターの維持管理で八十億かかるというのは少し異常じゃないかなということを、この前の主税局では取り上げました。こういうところをよくチェックをしていただきたいなと。ずうっと八十億。
 さっき部長がおっしゃっていたのは、やはり技術動向や、そういうところで値段が安くなっている。しかし、主税局の維持管理費というのは全然変わってない。これはやっぱりある部分では、いい方は悪いかもしれないけれども、メーカー等のいいなりになった金額じゃないかな。今、一億、二億のお金でも東京都は節約をしていこうという時代ですから、ぜひその辺を見ていっていただきたいなというふうに思うんです。
 主税局のこのシステムについて、総務局としてはチェックや点検をしたことはありますか。もしあって、問題点があるとすれば、どんなところに問題点があると思っていますか。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 先ほど申し上げました、平成十一年、十二年にわたって実施いたしました既存システム総点検の中でも、主税局の税務情報総合オンラインシステムにつきましても点検をいたしました。その点検の結果の課題として、私どもIT推進室では、システムの老朽化、それから、旧世代言語プログラムの複雑化、特殊機器の使用等によりまして多くの維持経費、運用経費がかかっているということで、早急にスリム化を進めるとともに、全面的なシステムの見直しをするようにということで、電子都庁推進計画の中にも取り上げまして指導を行っているところでございます。
 なお、主税局におきましては、今後三年間ぐらいで今のシステムについてダウンサイジングを図る等の見直しを行っていく予定となっております。

○森田委員 ぜひその辺のチェックをしていただきたいなというふうに思うんです。主税局もいっていましたけれども、これから新しいシステムに三年かける。今の時代に、コンピューターの世界で三年というと、すごい技術の変化があって、またでき上がったころには陳腐化するんじゃないかということも主税局には申し上げました。その辺も含めて、要するに、総務局のこのIT推進室は、各局が持っているシステムについて、どういうチェックの仕方をしているのか。また、今のチェックではわからないようなところがあれば教えていただきたいんですが。
 というのは、チェックをするにしても、業務の中身が本当にわかってないと、ある部分では、チェックしようがないかなというふうに思うんですが、その辺も含めて、ちょっとご答弁いただけますか。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 IT推進室では、全庁的かつ効率的な情報化を推進するために、各局で現在運用している情報システムのあり方や事務改善の進捗状況などにつきましても、常時点検及び評価をしております。また、業務の処理委託、情報処理機器の借り入れ等に当たりましても、事前に協議を行い、委託処理の適正化並びに購入機器の規模の適正化にも努めております。
 また、全庁のシステム関係予算につきましても、見積もりの段階におきまして、各局から見積もりを聴取いたしまして調整を行うとともに、システムの開発企画及び運用の各段階で、その有効性、効率性、信頼性、安全性につきましても評価するシステムアセスメントを実施しているところでございます。

○森田委員 ぜひIT推進室がその辺のしっかりしたチェックもして、合理的なシステム運営ができるようにしていただきたいというふうに思います。
 先ほどいいましたように、このITは東京都の一般会計の部分だけで二百二十億というお金が十四年度で使われる予定になっている。それ以外に特別会計の方を入れたら、もっとすごいお金になるんじゃないかな。それだけお金がかかるということは、その部分、都民サービスの向上に結びつかなければ、これは何のためのIT化かわからない。
 先ほどもちょっと議論がありましたけれども、人件費がどれだけ減ったのかということがありましたけれども、僕も今まで見ていて、人件費は余り減らないんじゃないかな。人件費を減らすというIT化というのは、なかなか現実的ではなくて、それよりは、いかに都民サービスを向上させるか。それはスピードアップであり、正確性であり、それから透明性であり、さまざまなことがあると思いますが、こういう都民サービスの向上に、今までのIT化してきた結果、どのようなことが、具体的にどういうことがあって、また、これから十五年度に、このIT推進計画、電子都庁推進計画は終わるわけですよね。その終わった段階で、どういう都民サービスが考えられるのか、この辺を教えていただきたいと思います。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 IT導入による効果でございますけれども、例えば、既に稼働してございますシステムの一例として、本年六月に東京都職員経験者採用受け付けシステムが稼働を始めました。この採用受け付けシステムにつきましては、千七百人程度の方の申し込みがあった中で、四〇%程度の方がインターネットを使った電子申請を行ってございます。中でも特徴的な事例としては、土曜、日曜、夜間での電子申請が多く、また、中には海外からの申し込みがある等、利用者からも大変好評を得たところでございます。
 今後もこうしたシステムを開発いたしまして、自宅や会社にいながらにして行政手続が可能となる電子申請や電子調達システムなどを開発する一方、都民の方々に対しまして素早く、的確な情報提供を行うために、都庁ホームページの充実などを実現してまいりたいと思います。

○森田委員 ぜひ、これだけお金をかけてやることですから、都民もやっぱり本当に納得できるようなサービスの向上を目指していただきたい。これはIT推進室に聞くのかどうかわかりませんけれども、逆に、これだけ電子化してくると、デジタル化してくると、そっちに弱い人もいるわけですよね、陰には。その人たちに対してのサービスというのはどうなるんでしょうかね。

○遠藤IT推進室電子都庁推進担当部長 IT化につきましては、都民の方々の利便性の幅を広げるものであるというふうに考えてございます。私ども電子化を進めるに当たりましては、こういうパソコン等にふなれな方々にも配慮しつつ、一歩一歩着実にIT化を進めていくように考えております。
 このため、平成十三年度にも実施いたしましたけれども、初心者向けのIT講習会等も引き続き実施するとともに、従来と同様の紙での申請と電子申請の併用とか、電話でのパソコンの使用方法の相談などについても今後実施してまいる予定でございます。今後とも、ITにふなれな方につきまして効果的な対策を検討しつつ、電子都庁推進計画の実現に努めてまいります。

○森田委員 ぜひその辺も配慮していただきたいな。そういうことはないと思うんですけれども、何か問い合わせたら、そういうのはホームページにありますよ、ホームページを見てくださいといわれて、ホームページをいじれる人はいいんだけれども、見られない人も都民の中にはたくさんいるわけですね。だから、そういう点も配慮して、これからは電子化、デジタル化していく流れは、これは早まることはあっても、とまることはないので、そっちの方もぜひ配慮していっていただきたいなというふうに思っています。
 最後に、今まで議論してきましたけれども、局長に伺いたいんですが、この都庁電子化計画を中心にして、これからデジタル化、電子化が進んでいくと思いますけれども、いろんな意味での都民サービスの向上等を含めて、これから電子化計画をどのようにやっていかれるのか、その辺の決意をお伺いしたいというふうに思います。

○赤星総務局長 今、先生から、るるIT化についてのお話を伺いまして、遠藤部長の方からお答えいたしましたけれども、私ども、このIT化に当たりましては、迅速かつ効率的な都政運営を図り、質の高い行政サービスを提供して、都民にとって身近な都政を実現するために、電子都庁推進計画に盛られた事業を確実に実施していくことが重要であると考えております。
 これまでにも、都庁ホームページを充実いたしたり、あるいは、電子調達や電子申請の一部を稼働させておりまして、多くの方に利用されていることは先ほど申し上げましたが、都庁内でもTAIMSを有効に活用し、業務の改革と効率化を進めております。
 先生からたびたびご指摘がございましたけれども、今後も費用対効果を十分に考慮しながら、また、ITに弱い方々にも配慮しながら、都民や事業者への一層のサービスの向上を図るために、都民の目線に立ったIT化の推進に積極的に取り組んでまいります。

○古館委員 それでは、質問させていただきます。
 最初に、三宅島の問題についてですが、先般、三宅村の方々と懇談を行いましたが、皆さんからさまざまな要望が出されました。その中で最も強い要望が、冬季期間の三宅島への航路の確保でございました。現在、東海汽船の航路として八丈島への航路があるわけですけれども、この航路を変更して三宅島へ寄港するということが非常に強く要望として出されております。都としては、村民の島への思いを十分に考慮して、航路の変更を関係機関に働きかけるべきだと思いますけれども、まず、この問題についてどのようにお考えか、お尋ねします。

○徳毛災害対策部長 三宅島では、現在も二酸化硫黄の放出が続いております。島民の一時帰宅に当たりましては、ガスに対する十分な安全対策を確保した上で実施している状況でございます。一般客が乗船する御蔵島、八丈島航路の定期便を三宅島に寄港させることにつきましては、今後のガスの状況を見ながら、安全対策を第一に、国と三宅村と十分協議し、検討してまいりたいと考えています。

○古館委員 間もなく冬季期間というのに入るわけですので、これは十分に検討していただくということで答弁がありましたけれども、これは時期を非常に早めなきゃいけないということもありますので、早急な対応で実現できるように強く求めておきたいと思います。
 それで、先ほど資料をいただきまして、この資料で、三宅島噴火災害に要した事業費の概要というのがあります。この資料によりますと、支援経費のうちほとんどが復旧対策に要した費用で、中でも砂防工事が占める割合が非常に高いということが、このいただいた資料の中でもわかります。一方、それ以外の対策としては、村への財政支援、これもありますけれども、押しなべて島民への支援経費が少ないというふうに私はこれを見ながら感じております。
 それで、お尋ねいたしますけれども、生活支援対策に三億八千七百八十六万円ほどを充てられておりますけれども、この経費の国費等の内訳ですね。東京都が出しているお金だとか、そうした内訳を明らかにしていただきたいと思います。

○徳毛災害対策部長 資料にもありますとおり、平成十三年度、東京都は三宅島のハード、ソフト事業といたしまして、総額約百四十四億円余りの事業を実施いたしました。ご質問の生活支援対策経費三億八千七百八十六万七千円の内訳といたしましては、都費が七千五百七十九万一千円、国費等が三億一千二百七万六千円でございます。国費等の中には、都も拠出している被災者生活再建支援基金からの一億四千二百六十四万七千円の支出が含まれております。

○古館委員 今、お答えがあったんですけれども、全体で百四十四億円ほど出しているということなんですが、この区分でいうと、大くくりでいうと、国とか基金で大体半分ぐらいなんですよね。都の費用がほとんど使われているというのは、復旧対策の方でかなり使われておりまして、生活支援に対して支援金などの支給等で国が出しているのが三億八千何がしのうちの三億一千万円ほど、東京都が出しているのが七千五百万円余ということであります。これは私は、都費が国の半分以下で七千五百七十九万円というのは、余りにも少ないな、このように思っています。
 先日の総務委員会で、私の質問に答えて徳毛部長は、島外の生活支援について、島外の避難生活が長期にわたり、帰島後の生活再建には特別の支援が必要と考えられることから、国に対し特段の措置を講じるよう提案、要求しているところでございます。都としては、国に要望しているところでございますので、対策等についても、鋭意都として検討しているとの答弁でありましたけれども、これは生活支援などの抜本的な対策が本当に早期に実現できるように、しかも、全島帰島ができた場合に、それが速やかに実現できるように、改めて強く求めておきたいと思います。
 続きまして、多摩の将来像に関連して、幾つかお伺いをしたいと思います。
 多摩の将来像が、平成十三年の八月に出されました。ここで石原都政は、その後、都民に、都民サービスにとっても大きな役割を果たしてきた東京都の機関とか施設の縮小、廃止、こういう方針を、これが出てきた後に出されてきているんですね。この多摩の将来像で、多摩の格差は基本的には解消されたというふうにいっているんですけれども、しかし、現実には、二十三区もそうなんですけれども、ただ、集中して縮小とか統合とか民営化、廃止、こういうものが出されてきているのが多摩地域で極めて多いんですよね。
 例えば、保健所にしましても、十二ある保健所が五つの保健所に、そして、二保健所が政令市の保健所にという予定で、ですから、十二ある保健所が七つに減らされる。都立の小児病院も、清瀬、八王子にあるのが統合、移転などで一つになる。それから、経済事務所も、それぞれ三つ、西多摩、南多摩、北多摩というふうに経済事務所があるんですが、経済事務所という名前ではなくなって、それが全部さま変わりしていく。都税事務所も六カ所あるんですけれども、これもたしか二カ所に減らして、あとは支所という形で、人を一人か二人か少人数配置して、都税事務所も六都税事務所ではなくなる。都立の福祉施設もどんどん順次縮小して、民間移譲あるいは廃止をしていく。
 ですから、私は、この多摩の将来像というのが平成十三年度に出されていて、多摩の格差がほぼ解消されたというふうにいっているんですが、今述べたように、さまざまな縮小、統合、廃止、これが今現実に提案されて、今進んでいこうとしているんですね。私どもはこういう問題に対して、市町村の方、市民の方々と一緒に、こうしたことはすべきではないという立場で取り組んでおりますが、当然に自治体や市民からも、その存続や充実を求める声が広がっております。
 そこで質問ですけれども、この間の多摩における縮小、統廃合計画が実行されるようなことになれば、都自身がいう多摩格差はおおむね解消したという評価自体を根本的に見直す必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○反町行政部長 道路や下水道整備など、いわゆる多摩格差につきましては、都と市町村が協力をいたしまして積極的に取り組んできた結果、現在ではかなりの部分で解消してきております。
 一方、多摩における都立施設の統廃合計画などにつきましては、各事業の所管局が、市町村と都の適切な役割分担等の新たな視点に立って、住民サービスの低下を来すことのないように、市町村への事前説明を行いながら検討しているものでございます。

○古館委員 だから何なんだろうかということなんですよね。今、私がるるいいましたけれども、それぞれの施設が縮小されたり、廃止されたり、統合されたりしていくということは、そこに住んでいる市民サービスというのは、当然に落ちていくわけですよね。ここでいっているところの多摩格差というのは、この多摩の将来像の中に、八つの課題という形で多摩格差があって、それがおおむね解消されているというふうになっています。ただ、この場合に、大体人口比なんですね。例えば、図書館だったら図書館一館に対して何人の人が、その一館平均で何人いるかという人数で二十三区と余り変わらないという計算をしているんですよね。
 だけど、私は、この多摩の将来像のときに討論させてもらったんですけれども、そういう図書館が一人当たり何人平均で二十三区と余り人数的には変わらないというんですけれども、図書館というのは、距離が近くて、身近で利用できるというのが本来の図書館機能なんだけれども、じゃ、そういう距離だとか、どれぐらいかけて図書館に行けるのかというようなことが、きちんと照合されていかないと、本当の意味で多摩格差がなくなったかどうかという目安は難しいんじゃないかということを、私、そのときにしたんですけれども、今度は、なおかつ、それでもまださまざまな施設が多摩の方で集中的に縮小されていくということなんですね。私はこういう問題で、それを計画どおり、今いった縮小とか統合だとかが進んでいくと、格差はむしろ広がるということは明らかじゃないか、こういうふうに思います。
 こうした意味からも、これら縮小、統合、廃止などについては、存続、充実のために、また私どもも力を尽くしていきたいと思いますが、次に、関連して、地方分権に伴う事務事業--その前に、要望だけさせてもらいます。
 これが現在まだ計画進行中なので、これ以上のことはいいませんが、ただ、私たちはこの問題について、その結果について見直しをしなさいというと、何か減っていくことを想定しているといういい方になっちゃうので、そうではなくて、改めてこの問題が計画されて進んでいく、そういう状況の中で、一定程度、やはり落ち着いた段階で、多摩格差の問題については、改めて、本当に格差がなくなっているのかどうかということも含めて、私は検証してもらうことを強く求めておきたいと思います。
 次に、地方分権に伴う事務事業などの移管が、この間具体的に進められてきておりますけれども、この問題についても、多摩の事業にかかわって、幾つかお尋ねをしたいと思います。
 この間、地方分権のくくりの中で、都から多摩各市町村に移管された事業について、地方分権一括法の施行により法定事務として移譲された主な事業名と総事業数及びそれに対して措置された金額、これを第一点、お示しをいただきたいということ。
 第二が、条例によって東京都が市町村に事務処理特例という形で移譲した、この主な事業名と総事業数及び十三年度の市町村に対する事務処理特例交付金の額は幾らか、お伺いしたいと思います。

○反町行政部長 まず、法定事務として市町村へ移譲されたものでございますが、狂犬病予防法に基づく犬の登録等事務など十八項目でございます。それに対する財源は、地方交付税の基準財政需要額に算入をされまして、国が措置をしております。
 なお、当該部分に対応する金額は、総体として単位費用に組み込まれておりますので、私ども承知しておりません。
 次に、地方分権一括法の施行後、事務処理特例制度によりまして新たに市町村へ移譲したものは、都市計画法による開発行為、建築等の規制に関する事務など二十三項目でございます。十三年度の市町村に対する事務処理特例交付金の額は、約十四億八十万円でございます。

○古館委員 もう少し具体的にお聞きをしたいと思うんです。
 それで、立川から選出をさせていただいていました浅川前都議にも協力をいただいて、少し立川市の例を聞いたんですけれども、立川市の場合、地方分権一括法の施行によって、十三年度ベースで法定移譲で、事務として身体障害児補装具の給付事務とか犬の登録、今お話ありました鑑札の交付とか、注射済み票の交付事務とか、児童扶養手当の支給事務とか、建築基準行政事務、法定外公共物の管理事務など七項目、これで、人件費含めて一億三千万円ほど新たに負担増になったと。
 また、十四年度から移譲される児童扶養手当を入れますと、これは平年度ベースで、これだけで一億五千万円。
 それで、合計八事業で約三億円の負担増と見込んでいるとのことであります。
 都も、立川市と同じ不交付団体なんですよね。立川も不交付団体なんです。ですから、交付税で措置されるといっておりますが、東京都はその分、立川に移譲されたわけですから、東京都の負担は軽減された。ところが、立川市も不交付団体ですから、その分の負担はふえた、こういうふうに私は認識しておりますが、そういう認識でよろしいでしょうか。

○反町行政部長 法令によります権限移譲の財源につきましては、国が交付税で措置するというふうに、ただいまご説明いたしました。
 そのため、不交付団体にとりましては、事実上、財源措置とはなり得ないということになります。

○古館委員 今そのようにお認めになりました。
 それでまた、条例による事務処理特例事務につきましても、これは条例による事務処理特例事務なので、本来東京都の仕事であるんだけれども、地域の住民、身近なところでやった方がいいということで事務処理特例事務という形でやっておりますが、立川市の場合は、指定統計事務、老人医療費の助成事務、女性福祉資金貸付事務、心身障害者医療費助成事務、教職員給与等支給事務、教職員研修の実施、環境確保条例事務など四十八事業について、人件費を含めて、およそ一億七千万円の超過負担となっているとのことであります。これは立川市の場合です。
 そこで、これらの事務処理特例条例による移譲事務にかかわる費用は、事務処理特例交付金で見られておりますけれども、この事務は、もともと東京都の事務を、先ほどいいましたが、住民の利便性から市町村が実施しているものであって、実態を調査して、私は、今いいましたように、超過負担などが生じるようなことがないようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○反町行政部長 市町村に対する事務処理特例交付金につきましては、各市町村の事務処理実績等に基づいて交付いたしております。現在、適切に財源を措置しているというふうに認識しております。
 今後とも、市町村の事務処理に支障がないように、適切に対応してまいります。

○古館委員 適切に対処しているということですが、私は今、実態を調査して、そういうことがないようにしてほしいということをいったんですよね。
 改めて--東京都の今の見解はわかりました。だけれども、実態として出ているということがいわれているわけだから、それを実態調査をぜひしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

○反町行政部長 事務処理特例交付金につきましては、各団体の実際の経費ということもございますけれども、標準的な経費として算定いたしておりまして、その標準的な経費と、実態のある程度の差ということは、生ずる可能性がございます。
 私どもは、その標準的な経費については、毎年見直しをいたしておりまして、今後もそういった考え方で、標準的な経費のあり方について点検をさせていただきたいと思っております。

○古館委員 ぜひそうした超過負担がないような形で、再度実態などを把握していただきたいと思います。
 そこで、市町村調整交付金について、お伺いを今度させていただきたいと思っております。
 実際のこの交付額は幾らでしょうか。また、平成十三年度での市町村の要望の状況はどうなっているか、お答えいただきたいと思います。

○反町行政部長 多摩市町村への交付額でございますけれども、全体で百十八億八千七百万円余となってございます。
 また、主な要望として、長期安定的な財源確保と、それから交付金の一層の充実強化というものが東京都市長会等から出されております。

○古館委員 この市町村の調整交付金というのは、人件費を除いて、さまざまな生活だとかを含めた市町村の事務、そういうものを勘案して交付するものですよね。
 この振興交付金と調整交付金が、十三年度の場合、この資料にもありますが、合わせて二百四十億円であります。
 これまで、十年前の平成四年度、ここのところが、二つの交付金、振興交付金と調整交付金を合わせると一番多くて、平成四年度の場合に三百十三億五千万円。今二百四十億ですね。ここ数年間が大体二百三十億から二百四十億円。この十年間で最低に落ち込んだ交付金となっております。
 私は、振興交付金と調整交付金はどのように措置されてきたかというのを少し調べさせてもらいました。十三年度では、二つの交付金は、先ほどいったように二百四十億なんですが、今いったように、最高の場合が平成四年度の三百十三億五千万円だった。
 実は、この平成四年度というのは、十三年度と都税収入がどうかということを比較しましたら、ほとんど同額なんですね。同額で、片方は三百十三億何がし。この平成十三年度は二百四十億ですから。八年度も、都税収入が同程度でありました。都税収入ですね。そのときでも、二百六十三億五千万円の両交付金の総額でありました。
 したがって、都財政が厳しいとかという問題ではなくて、私は改めて、この交付金の位置づけの問題なんだというふうに思っております。
 市町村振興交付金と調整交付金について、財務局が十五年度予算編成に対して出した文書では、高どまりの補助事業というものに、名指しでこの市町村の交付金の事業が挙げられています。しかも、それを削減の対象としている。これはとんでもない話であります。
 交付金、とりわけ調整交付金の思い切った増額を--これは決算なので、改めてこれは、来年度からの、高どまりだから削減だなんていうのは、こういうものは絶対屈服しないで、きっちり基礎的自治体に対しても、東京都としてのそういう責任を全うしてもらいたい、このように思っております。
 次に、基地を抱えたことに伴う基地交付金の増額について質問させていただきます。
 これは、もともと固定資産税見合いなんですね。なぜかといったら、基地については固定資産税が入ってこない。だから、それに伴って基地交付金というのが成立しているわけです。当該市町村に入ってこないための代償措置として基地交付金があるんですね。
 米軍基地と横田の軍民共用化については知事本部で行いますけれども、一体その乖離はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

○反町行政部長 助成交付金についてでございますけれども、これは固定資産税を対象としておりますことから、固定資産税相当額が交付されるべきものであると考えております。実際の交付額は、これを大幅に下回っております。
 その理由といたしましては、国における助成交付金を含めた基地交付金の予算が十分に確保されていないということによるものでございます。

○古館委員 それで、本当にこれ、ひどいんですよね。立川なんかの例は、固定資産税相当額のわずか一四・八%ぐらいしか入ってこないんですよね。昭島、福生、武蔵村山、羽村、瑞穂、この平均でも三九・六%分しか交付されない。固定資産税の見合いでいいますと。
 これは、やはり大きな問題だと思うんですよね。これに対して、都として、国に対してどのような働きかけをしてきたか、また、今後どのようにしていこうとしているのか、改めてお尋ねしたいと思います。

○反町行政部長 都といたしましては、これまでも国の施策及び予算に対する提案要求、それから全国渉外知事会による基地対策に関する要望など、あらゆる機会をとらえて、国に対して基地交付金の予算の増額を要求してまいりました。
 今後とも、国への働きかけを粘り強く行ってまいります。

○古館委員 石原知事は、どこに対しても遠慮なくいうというふうにいっているわけで、私は、こういうところこそ早急に解決しなきゃいけない問題だというふうに思っております。それ以上いうと、知事本部の方でいいたいので、避けますけれども、そのように私は思っております。
 最後になりますけれども、市町村振興基金の繰り上げ償還についてお尋ねいたします。
 市町村の切実な要望の中で、平成十三年度に、実は六%以上の振興基金の高金利について繰り上げ償還を行いました。このことによって、市町村の財政による効果額は大体幾らぐらいになったのでしょうか。

○反町行政部長 平成十三年度に実施いたしました借りかえにつきましては、都内市町村の三十九団体中、二十一団体が対象となりまして、それらについて負担軽減額の総計、十三年度単年度で二億六千三百万円余り、それから総額で二十九億三千五百万円余でございます。

○古館委員 結局、百八億円ぐらいの借りかえをしたんですよね、六%以上の高金利で。そのことで、全体で、先ほど二十一団体といっていましたが、二十九億円のいわゆる効果額があった。つまり、それだけ負担が、償還する場合に減るということですよね。これは、本当に多摩の各市町村から歓迎されております。
 私、調べてみましたら、四%以上の金利で現在も払い続けている未償還元金が、すべての市町村でどれぐらいあるかというと、四%以上の高金利のやつが四百七億円を超えているんですね。
 このように、いまだに四%、五%などの金利返済のために、市町村が、はっきりいってきゅうきゅうとしている。こういうことは、現在一・四%ぐらいの低金利ですから、非常に重いものなんですね。したがって、早急な手当が求められていると思います。
 私も、今回の借りかえの実施が、市町村の財政の健全化にとっても貢献したと考えています。しかしながら、現在の市町村の財政状況は、引き続き厳しい状況にあって、苦しい財政運営を強いられております。
 振興基金の借りかえのさらなる実施によって、原資となる利子収入が減少してしまって、将来の貸付枠の確保ができなくなるおそれがあるというならば、私、一つ提案があるんですけれども、例えば東京都が首都高速道路公団に、平成十二年で二百四億円、十三年度で二百六十一億円などと多額の貸し付けを行っております。今後も、わかっているだけで二千億円を超える貸付見込みをしています。しかも、無利子で貸し付けておりますので、その利子分、十三年度だけでも六十四億円支出している。こういうところにこそメスを入れて、それこそ市町村の財政健全化に資するために、この原資を持ってきて、市町村に、無利子を含めた低利で貸してあげるといった手法も研究してもらいたい。
 さまざまな工夫を凝らして、市町村が生き生きと市民や町民や村民へのサービスにこたえられるように、そういう工夫を凝らしていただきたいということを強く要望して、私からの質問を終わります。
 以上です。

○臼井委員 私は、給与問題について質問させていただきます。
 十三年度は、財政再建の二年目ということで、各局とも内部努力に努められました。そして、特に建設事業などの大変な圧縮によって、かなりの成果を上げていることが見受けられます。
 財務局の取りまとめた公表資料、「平成十三年度普通会計決算について」によれば、実質収支赤字も、平成十二年度の六百七十八億円から百億円に大幅に減少いたしまして、経常収支比率も、同様に九五・六%から九二・四%に低下するなど、財政再建推進プランの成果が着実にあらわれています。
 しかしながら、この経常収支比率について、この資料を細かく見てみますと、小さな字で書いてありますが、職員給与の削減措置がなかった場合は、平成十二年度は九七・七%、十三年度は九四・四%という注釈がついております。職員給与の削減が行われなかった場合には、実に、各年度二ポイントも経常収支比率が高くなったことになるわけであります。これは、給与関係費が、いかに経常収支比率、いわゆる財政の弾力性を占う収支比率を押し上げているかのあらわれではないでしょうか。
 職員の給与制度を所管する総務局として、このような実態をどのようにとらえているか、見解を伺いたいと思います。

○大塚勤労部長 給与関係費につきましては、一般会計当初予算ベースで、歳出総額の約三割を占めるものでございまして、ご指摘のように、経常収支比率に与える影響は極めて大きいものがあると考えております。
 したがいまして、現在の年功により人件費が増嵩する給与制度を抜本的に見直し、限られた原資を職責、能力、業績に基づいて配分する新たな給与制度を構築するとともに、引き続き職員定数の削減に努め、給与関係費総額を抑制していく必要があると考えております。

○臼井委員 ただいまお答えのように、給与関係費を抑制するために人事・給与制度を抜本的に見直すとのこと、それ自体は大変有意義であります。職員は、その責任の度合いや仕事の成果などをしっかり評価されることによって、それに見合った給与をいただくことによらなければならないと思うのであります。そのことによって、働きがいが出てくるし、職員の意識改革も進むと思います。着実に進めていただくようにお願いいたします。
 さて、職員給与の扱いということで申し上げますと、昨年度の給与改定に際しまして、理事者側は都労連との間で、一般職の給与削減措置について、十三年度末で打ち切るという労使合意を行い、これを第四回都議会定例会に条例提案いたしました。
 私どもといたしましては、まさに寝耳に水の話で、まさか石原知事が、雇用情勢がとにかく最悪の状態の中で、そんなはずはないと。失業率も、とにかく五・五%を超えていた。中小零細企業だけでなく、大企業までもがばたばたと倒産している中で、都民の苦悩は極致に達していたわけであります。そのときにこのような提案が行われるとは、自民党は夢にも思っていなかったのであります。
 そこで、理事者側の再考を求め、第四回定例会では継続審議といたしました。さらに、その後のなかなか結論が出ない状況を踏まえて、議会が動かなければだめだなと考えたのであります。第一回都議会定例会では、議員提案として給与削減継続の条例案を提案いたしました。それがあったからだと私は思っていますが、結果的には、労使交渉が再度行われ、給与削減措置を再度、引き続き八月から行うということで決まったわけでございます。私たちは、これを了として、議員提案は取り下げをいたしました。こうした経過、紆余曲折があったことは、こちらにいらっしゃるすべての方々の記憶に新しいことと思います。
 こうした経過を振り返りますと、理事者側には、職員の給与を決定するその制度と申しますか、方法につきまして、これまで誤解があったのではないかと思われる節があるわけであります。つまり、職員の給与は労使合意で決めるものという考えがあったのでございます。人事委員会勧告を受けて、それについて労働組合との間で労使合意ができれば、それですべてが決定されると、このように考えていたのではないかということであります。そこには、都民の代表であり、いわば世論を代弁している議会の意向を酌むという姿勢が見えなかったのであります。
 そこで、給与決定方法について、議会との関係をどのように考えているのか、改めてここで表明していただきたいと思います。

○大塚勤労部長 職員給与につきましては、まず人事委員会勧告で適正な給与水準が示され、その内容につきまして、地方公務員法第五十五条の規定に基づきまして職員団体と交渉を行い、その合意内容をもって議会に条例提案をさせていただいているところでございます。
 給与の決定につきましては、職員の給与は条例で定めるとの地方公務員法第二十四条第六項の規定に基づきまして、都民の代表でございます都議会において議決されるものでございます。

○臼井委員 ただいま職員給与についての議決権は議会にあるとの答弁がありましたが、それにしては、これまで議会に対する説明が不足していたのではないでしょうか。
 私は、職員給与について、異例な型で、このような臨時的措置がいつまでも続くことが、必ずしもよいことではないと考えています。日夜、都政のさまざまな場面で頑張っている職員の姿を私はよく知っておりますし、職員の皆さんの苦労については十分評価しているつもりであります。
 評価した上で申し上げるのでありますが、我々も都民から負託を受けて、議員として職員給与についての最終決定という重責を担っている以上、そこに至る経過もわからずに、ただただ条例案文だけを見て判断することはできません。
 私たちのこうした立場を踏まえて、今年度の職員給与の決定が円滑に行われるよう、今後どのように対応されるのか、その基本姿勢を伺っておきたいと思います。

○大塚勤労部長 まず、昨年度の職員の給与改定に関しましては、都議会の皆様のご理解をいただくための努力が不足していたのではないかと考えております。
 私どもといたしましては、法に定められた人事委員会勧告を尊重するという姿勢に変わりはございませんが、同じく法に定められた給与条例主義の原則に基づき、都議会、都民の皆様のご理解をいただけるよう、最善の努力をしてまいりたいと考えております。

○臼井委員 そのとおりで、納税者である都民が納得できる給与が決定されることが大切であります。私は、都民代表としての職務を果たすため、議会の権能を尽くさなければならないと考えているのであります。ルールに基づいた正規の交渉は、当然行われるのであります。しかし、労使の合意が尊重されるのでありますが、すべてではないと考えているのであります。
 今後は、給与条例主義を大前提として認識した上で、昨年度のような事態を招かないよう十分に留意していただきたいということをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

○ともとし委員 私は、災害について質問させていただきたいというふうに思っているんですが、とにかく最近の報道や何かを見ていても、いつどこで何が起きるかわからないというのを、事件、事故、さまざまなものを含めて、つくづく感じるんですね。
 きょうのニュースを見ていましても、朝、自宅を出たばかりの代議士が刺されて殺されてしまう。朝出るときは、きょうも国会でしっかり頑張ろうなんていう、そういう気持ちで出たんだと思うんですよ。それが一刺しで亡くなってしまう。本当に考えられないわけですね。
 同時に、それこそ普通の人が普通の生活をして、それこそ自分の身近なところを歩いていたのを、突然のごとく袋をかぶせられて連れ去られて、二十四年間帰ってこられなかったという、そういう事件ですね。もう本当に驚くことばかりなんです。
 しかしながら、そうした拉致問題に対して、拉致の存在はなかった、そんなようなことを平気でいうような能天気な政党もありますけれども、私も本当に、そういう一つ一つを見ながら、人災あるいはまた天災、こうした災害について、やはりきちっとした対策というのは、日常から大事なものかなというふうに思っているわけです。
 東京都をめぐる状況も、現在では三宅島の噴火災害が進行中なんですね。また、過去にも、地震、台風あるいはまた火事等、さまざまなそういう災害がありました。また、このことは、今後も、いつ何どき起きるかわからないわけですね。
 そうした状況の中で、東京都は、今最も警戒している災害は何を想定しているのか、被害の状況も踏まえてご答弁をいただきたいと思います。

○徳毛災害対策部長 東京都におきましては、台風を初めとする風水害や、三宅島のような島しょ地域における火山噴火などの災害もありますが、最も大きな被害をもたらす災害といたしましては、東京直下地震を考えております。
 都が平成九年度に行った被害想定調査によりますと、区部でマグニチュード七・二の直下地震が発生した場合に、建物被害は、全壊が約四万三千棟、半壊が約十万棟、人的被害は、死者が約七千人、負傷者が約十五万八千人に上ると想定しております。

○ともとし委員 本当に大変な災害、そういう状況になるということが想定されているわけですね。
 こうしたことを想定しているということについては、当然ながら、それに伴う都としての対応策があるかというふうに思うわけですが、こうした災害というのは、必ずしも、昼間、突然のごとく出てくるとかということにも限らないわけですね。阪神・淡路のように、早朝あるいはまた夜間、そんなような状況も考えられると思うんですが、いずれの状況においても、初動対策、この辺が非常に大事かなというふうに思うんですが、この辺に関しては、東京都はどのような対策、態勢になっているか、お答えいただきたいと思います。

○徳毛災害対策部長 都では、都庁舎周辺に二百二十四戸の災害対策職員住宅を整備しておりまして、勤務時間外に災害が発生した場合におきましても、この災害対策住宅居住職員が、災害発生後、十五分から三十分以内に本庁舎に参集することとしております。
 さらにこのほかにも、都庁舎から十キロ圏内に居住する職員、これは徒歩で三時間以内に参集できる職員ということで、これが初動態勢要員でありますが、約二千名おります。
 なお、本年一月に実施した参集訓練の結果では、災害対策住宅居住職員を含めまして、一時間以内に参集した職員は五百五十名となっております。

○ともとし委員 今三宅島のそういう状況があって、それこそ対策部長を初め、災害対策にかかわる人たち、皆さん、そういう服装をされているんじゃないかなというふうに思うんですけども、ふだん、この三宅みたいな、ああいうことがなければ背広ですよね。普通の格好ですよね。たまたま今継続中というか、そういう状況だから、そういう状況になっているのかなというふうに思うんですが、ある意味では、庁内を歩いていても非常に目立って、ああ、この人たちがいるから安心なんだなという、ある種の安心感も出るので、頑張っていただきたいなというふうに思うんです。
 阪神・淡路の大震災のときに、一番我々がマスコミ等の報道を見ながら感じるのは、やはり救助している、そういう場面なんですね。ところが、阪神・淡路のときにもいわれたことは、実際、自衛隊だとか消防だとか警察だとか、いろいろなそういう人たち、専門家といわれるような人たちが行って救助したのは、ごくわずかなんですね。ほとんどが家族あるいは近隣住民、通りがかりの人、そういう人たちに助けていただいた、掘り起こされたというか、そういうような状況だというふうに、我々も視察した際、いろいろと経験談、体験談等を聞かされました。
 確かに、住民の自助努力、あるいはまた共助による日ごろの備え、非常に大切だなというふうに思っております。災害対策を預かる部といたしまして、あるいは局といたしまして、こうした日ごろの対策というものを、これまたいろいろな角度で検討され、また実施に移されているかなというふうに思うんですが、どんなことをされているのか、またどのようにしているのか、その辺のことをお答え願いたいと思います。

○徳毛災害対策部長 震災から都民の生命や財産を守るためには、先生ご指摘のように、第一に、みずからの命はみずからが守るという自己責任原則に立つ自助、第二に、自分たちのまちは自分たちが守るという地域の助け合いによる共助の考え方、この理念を広く都民が理解して、日ごろから地震への備えに努めることが必要であり、このような都民と、公助の役割を果たす行政とが連携を図っていくことが必要不可欠であると考えております。
 この考え方を基本にしまして、東京都では、自助、共助を促進させるため、防災意識の高揚やボランティア等の育成、支援に努めまして、震災に強い社会づくりを推進しております。
 また、十二、十三年度のビッグレスキューでは防災機関の連携を、今年度の練馬区との合同防災訓練では、地域住民を主体とした自助、共助を、来年一月実施予定の七都県市図上訓練では自治体間の連携を目指すなど、自助、共助、公助の連携の強化を図っているところであります。
 今後とも、都としましては、自助、共助のもとに、公助を担う行政との連携がみずからのまちを守るとの地域防災の基本認識により、一層の備えを図ってまいります。

○ともとし委員 角度を変えて、現在の三宅島についてお伺いしたいんですが、依然として火山ガスの放出が続いているわけですね。島民の方たちも、一日も早く帰島したいと、そういうふうに願っているわけですが、やはり何としても、そこに住んで、健康を害さない、生命が維持できるという、それがまさに第一条件でありますので、それが侵されるような状況であれば帰島ができないという、これもまたやむを得ないことかなというふうに思います。
 先ほどの船の論議を聞いていても、船が行くことが先決問題じゃなくて、第一義はやはり人間の生命なんです、命なんです。そのことがきちっと解決されていれば、途中で寄ろうと寄るまいと、本当に島民の思うようなそういう形に必然的に私はなっていくと思うし、また、なるように、少なくとも都は努力されていくんじゃないかなというふうに思うんですね。私はそう思いました。
 それで、現状、この三宅島、どのような復旧作業をし、また状況になっているのか、この辺について、ぜひともご答弁いただきたいと思います。

○徳毛災害対策部長 三宅島の復旧状況でございますが、現在、工事関係者を含めまして約六百人が、火山ガス対策を施したクリーンハウスに宿泊しながら復旧作業を続けております。
 進捗状況でございますが、島の復旧を進めていく上で必要な周回都道につきましては、現在開通済みでございます。
 また、泥流対策といたしまして、砂防ダムが既に十五基完成しておりまして、最終的には、十七年度までに七十五基を完成させる予定であります。
 来年四月には、島民のショートステイ事業も予定されているところから、必要な電気、水道等、ライフラインの復旧を進めております。
 今後とも、引き続き基盤整備を着実に進めるとともに、島民への支援については、村と連携を図りながら適切に対応してまいります。

○ともとし委員 将来の対策等についても、含めてご答弁いただきましたので、この辺にしておきたいと思いますけれども、一たん、ガスの状況がよくなって、少なくても島民が帰島できるその状況になったら--やはり今そういう復旧工事をやっている方は大変だと思うんです。それこそガスマスクというか、そんなものをしながら、あるいはまた、時間によって、それこそ正常な空気が出ている部屋に立ち帰りながら、一生懸命復旧作業をされている。そういう島の状況の中で作業をするということは、本当に大変なことだというふうに思います。
 しかしながら、それは、いざガスの状況がよくなったとき、いつでも島民の人たちが帰れるそういう状況をつくるために、恐らく都としても最大の努力をされているんじゃないかなというふうに思うんですね。
 今後とも、ぜひとも島民のために頑張っていただきたいことを強く要望して、終わりたいと思います。

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で総務局関係を終わります。

○野村委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、収用委員会事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○平井収用委員会事務局長 先般の分科会におきましてご要求のございました収用委員会事務局関係の資料について、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料、収用委員会事務局をごらんいただきたいと思います。
 収用事件の取扱件数、処理件数及び委員会開催日数を、平成九年度から平成十三年度までの五年間につきましてお示ししたものでございます。
 このうち取扱件数につきましては、前年度からの繰り越しと当該年度の新規申請件数を内訳として掲載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。

○野村委員長 これより監査事務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、監査事務局所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 この直前に行われました総務局の決算委員会で、包括外部監査について伺わせていただきました。そこで、監査結果までご答弁いただきました。
 いずれにせよ、しかしながら、監査結果を出しただけでは意味がないわけで、監査結果に基づいて、すなわち報告された指摘事項、意見事項、提言事項に基づいて何かが改善されて、初めて監査の意味が出てくるわけですが、監査人から監査の結果の報告の提出を受けた場合、知事は、監査結果に基づき措置を講じたときは、監査委員に通知しなければならないことになっております。
 そこで、包括外部監査の結果に基づいて知事が講じた措置の状況はどのようになっているのか、お伺いさせていただきます。

○鈴木監査担当部長 知事が講じた改善の措置についてでございますが、現在、平成十一年度及び平成十二年度の包括外部監査結果に基づいて講じた措置につきまして、知事より通知を受け、公表しております。
 平成十一年度の包括外部監査につきましては、百四十五件の指摘等があり、改善措置の通知があった件数は百八十六件でございます。指摘件数より改善件数が多くなっておりますのは、指摘のあて先部署が複数であったり、一件の指摘の中に、項目が複数あるなどの理由によるものでございます。
 次に、平成十二年度の包括外部監査につきましては、百二十九件の指摘等があり、改善措置の通知があった件数は百三十一件でございます。なお、改善件数が多くなっておりますのは、平成十一年度と同様の理由によるものです。

○秋田委員 状況については、よくわかりましたが、平成十二年度の外部監査においては、大学事業における四大学の統合や収支構造の改善などの指摘があったと聞いております。
 その平成十二年度の外部監査が、平成十三年度に具体的にどういうふうに生かされたのか、主な措置の、今度は中身をお伺いさせていただきたいと思います。

○鈴木監査担当部長 平成十二年度の包括外部監査にかかわります主な措置の状況についてでございますが、都立の大学の経営管理と交通事業の経営管理の二つのテーマについて申し上げます。
 まず、大学事業におけます四大学の統合につきましては、平成十三年七月に、四大学を一元的に管理運営するため大学管理本部を設置し、また平成十三年十一月に策定されました東京都大学改革大綱におきまして、平成十七年度を目途に新たな大学を設立することを明らかにしたこと等の通知をいただいております。
 次に、大学事業の収支構造の改善につきましては、抜本的改善のため、外部資金の受け入れの弾力化、授業料等の改定、職員組織の簡素化、経常的経費の削減等に取り組んでいること、さらに、平成十七年度を目途に設立いたします新たな大学の法人化を目指す中で、発生主義会計の導入や財政運営の弾力化に伴って、コストの削減、外部研究資金の積極的受け入れ、自己財源の拡充を図っていくとの通知をいただいております。
 さらに、交通事業における措置状況でございますが、広告収入努力につきましては、平成十三年度は、中づりポスター等の掲載率一割アップを目標といたしまして、掲載率及び収入額の管理を行い、掲出方法の改善や企画商品の販売等の方策を講じたこと、平成十四年度は、企画商品の開発、販売方法の改善、積極的な市場の開拓等を行い、掲載率の向上を図っていくとの通知をいただいております。
 このほか、会計処理についての指摘等がございますが、それぞれ必要な会計処理を行い、改善したとの通知をいただいております。

○秋田委員 最近は、行政や議員に対する都民の皆様方の見方もすごく厳しくなっていると思うんですが、これからの行政にとっては、透明性とかあるいは公平性、あるいは一方で効率性というものが必要だと思うんですが、そのためには、監査というのはすごく私は重要になってくると思います。
 日本には、私が聞くところでは、公会計基準みたいなものがないと聞いておりますので、その点でも充実を図っていく必要があるとは思うんですが、いずれにせよ、監査委員制度と外部監査制度とが相まって、ますます監査機能の充実を図っていくことが、これからの東京都にとってもとても重要なことだと思いますので、最後に、その点について局長の答弁を伺わせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○中山監査事務局長 監査機能の充実についてでございますが、監査委員監査と外部監査が相まって、公正で効率的な都の行財政運営の検証を果たすことが重要だと認識いたしております。
 そのため、監査委員監査では、定例監査に横断的な視点を加えて実施しているほか、事業評価の手法を用いて事務事業の監査を行う行政監査を導入するなど、有効性、効率性に重点を置いた監査を行ってまいりました。
 今後は、さらに専門性の充実強化に努めるなど、監査委員制度の一層の充実に努めてまいります。

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で監査事務局関係を終わります。
 以上をもちまして、第一分科会における決算の審査は終了いたしました。
 なお、本分科会の審査報告につきましては、打合会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、そのように取り扱ってまいります。
 これをもちまして第一分科会を閉会いたします。
   午後二時五十三分散会

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