委員長 | 大木田 守君 |
副委員長 | 真木 茂君 |
副委員長 | 松原 忠義君 |
長橋 桂一君 | |
小美濃安弘君 | |
かち佳代子君 | |
小松 恭子君 | |
倉林 辰雄君 | |
小林 正則君 | |
矢部 一君 |
欠席委員 なし
出席説明員港湾局 | 局長 | 高橋 信行君 |
技監 | 高野 一男君 | |
総務部長 | 津島 隆一君 | |
参事 | 井戸 秀寿君 | |
港湾経営部長 | 浅倉 義信君 | |
参事 | 吉田 安輝君 | |
臨海開発部長 | 三枝 修一君 | |
参事 | 萩原 豊吉君 | |
参事 | 金子 優君 | |
港湾整備部長 | 梶山 修君 | |
計画調整担当部長 | 松井 創君 | |
参事 | 安藤 哲士君 | |
離島港湾部長 | 樋口 和行君 | |
参事 | 松本 義憲君 | |
地方労働委員会事務局 | 局長 | 立花 壯介君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
港湾局関係
・一般会計決算(質疑)
地方労働委員会事務局関係
・一般会計決算(質疑)
○大木田委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、港湾局及び地方労働委員会事務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
なお、質疑は、平成十三年度各会計決算の審査から逸脱しないよう、委員長として特にお願いをいたします。
また、理事者におかれましても、答弁は簡潔、明瞭に行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
これより港湾局関係に入ります。
初めに、高橋港湾局長から、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員の紹介があります。
○高橋港湾局長 過日の分科会で所用のため欠席いたしました当局の幹部職員をご紹介いたします。
参事で開発調整担当の萩原豊吉でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○大木田委員長 紹介は終わりました。
○大木田委員長 これより決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、港湾局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○津島総務部長 十月八日開催の当委員会におきましてご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
ご要求のありました資料は、表紙の次のページの目次にありますように四項目でございます。
まず、一ページをお開き願います。1の国内主要港における取扱貨物量の推移でございます。
東京港、横浜港など国内主要五港における外貿貨物量及び内貿貨物量につきまして、平成九年から平成十三年まで、五年間の推移を取りまとめたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
次に、二ページをお開き願います。2の羽田沖浅場前面水域における覆砂事業の推移でございます。
上から、事業目的、しゅんせつ土投入実績とその年度別推移並びに位置図でございます。図の中で斜線を引いた部分が本事業の実施区域でございます。
次に、三ページをお開き願います。3の臨海関係第三セクターの経営状況でございます。
平成十一年度から平成十三年度の三社の決算状況をお示ししたものでございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
最後に、四ページをお開き願います。4の東京港臨海道路事業(第一工区)の年度別建設事業費の決算の推移でございます。
事業費及び財源内訳を平成元年度から平成十三年度まで記載してございます。詳細につきましては、ごらんいただきたいと存じます。
以上をもちまして、簡単でございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
○大木田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○倉林委員 私は、都市における環境問題という観点から、現在計画されております東京湾の中央防波堤内側埋立地、これの森づくりについて何点か質問をさせていただきたいと思います。
この森については、平成の森とか千年の森とか協働の森とか、いろいろ、それぞれがそれぞれにいっているようで、私もどれをとらえていいのか実は悩んでいるのが率直なところですけれども、ひとつ早目にいいネーミングをつけていただく方が、都民の皆さんにわかりやすいんじゃないかな、こう思っているわけですけれども、それはそれといたしまして、質問に入らせていただきます。
東京湾では、過去からごみの処分場を提供してきました。昭和四十年代に埋め立てられたこの十五号埋立地は、現在は若洲海浜公園になっております。ゴルフ場やキャンプ場等が整備されて、多くの都民に利用されまして、見事な公園に生まれ変わっているわけでありまして、そういう意味では、まさに隔世の感があるわけでありますけれども、昭和の終わりごろまでごみの処分場だったこの中央防波堤内側埋立地は、埋め立てが終わってから相当の時間がたっております。しかし、現在その埋め立て工事のための残土の仮置き場になっているわけでありますけれども、ここで計画されております森づくりは、これまでにも議会で何度か取り上げております。
ことしの予算特別委員会の総括の質疑の中でも、我が会派の古賀議員が質問し、その質問に答えた形で石原知事が、都民に対して森づくりのために土や苗木の持ち寄りを呼びかけるという、こういう意思表明をしたことは大変画期的なことであった、こう思いますが、ことし二月に、海上公園審議会は答申をまとめたというふうに聞いております。この中で、中央防波堤内側に森をつくってヒートアイランド現象の緩和に役立つ自然環境の再生を行うべきだ、こういう内容だというふうに聞いておりますけれども、そこでちょっとお伺いをしたいと思いますが、この埋立地の概要、そして、この森づくりについての審議会での経緯といいましょうか、経過についてお知らせをいただきたいと思います。
○三枝臨海開発部長 中央防波堤内側埋立地でございますけれども、ここは、昭和四十八年度から六十一年度までの十四カ年にわたりまして、東京都の区部から出た約千二百三十万トンのごみと、さらにしゅんせつ残土等によって埋め立てられた土地でございます。全体百九十五ヘクタールございますけれども、このうち約八十八ヘクタール、これがごみにより埋め立てられた部分でありまして、この部分は、港湾計画上では緑地というふうに位置づけられております。この八十八ヘクタールという面積は、都立日比谷公園の約五倍という、都心部では最大規模の未利用地ということになってございます。
また、海上公園審議会答申、これは本年の二月十二日に答申を行っておりますけれども、この土地はかつてごみの島であった、こういったシンボル性に着目をして、まず一つには、広大なスケールメリットを生かした自然環境を再生すること、二つ目として、都民一人一人がドングリや苗木を持ち寄って公園づくりに参加するなど、都民協働による大胆な公園整備手法を取り入れる、こういったことを提案しております。
また、整備の例といたしましては、豊かな森のある公園、あるいは水や水辺と触れ合える公園、こういったものが提案されているところでございます。
○倉林委員 この公園は、十四年前に、十四年にわたってごみを捨てていた、こういうことですが、実は私も、たしか二十年か二十数年前だと思うんですが、現地を見に行ったことがありますけれども、あのときは、実は率直にいってごみの捨て方に私びっくりいたしました。瓦れきやプラスチックあるいはビニール等が原形のまま捨てられていて、置いてあったような気がします。当時、多摩地域ではかなりごみの問題が大きな話題になりまして、多摩の方がごみの捨て方ははるかに進んでいるなと、こんな思いをいたしたことを今思い出したわけであります。
これはこれといたしまして、今答弁にありました自然再生、都民協働という基本理念のもとに森づくりを行うことについて、私ももちろん大賛成でありますし、まず、このことをきちっと申し上げておきたいと思いますが、このごみの島が森として生き返るということは非常に象徴的でありますし、リサイクルや自然に対する都民の思いをさらに強くして、そういったボランティア運動などをされている方々にも大いに励みになるだろう、こう思います。
そういう意味では、都市における森は、大気の浄化、CO2の固定化によります温暖化の抑制、あるいは先ほど申し上げましたようにヒートアイランド現象の緩和といったようなさまざまな効用も期待できますし、さらには緊急時には防災拠点という、こういう意味合いからも大変重要な森になるだろう、こう思っております。
そこで、お伺いしますが、この森づくりに対して、都民の意見を聞いたことがあるんでしょうか。例えば、あるとすればどのような意見があったのかを聞かせてください。
○三枝臨海開発部長 海上公園審議会の検討に際しまして、都政モニターアンケートを実施させていただきました。このアンケートによりますと、この埋立地につくる公園のあり方として第一位になったのが、次世代に引き継ぐ大きな森林公園でございました。三つまで選べる複数回答でございましたけれども、四七%という非常に高い支持率でございました。以下、順に申し上げますと、第二位になったのが、釣りや潮干狩りなど水に触れられる公園、これが三八・八%です。それから第三位が、自然エネルギーやリサイクルなどのモデル公園三六・五%、動植物などが観察できる公園三五・四%、大きな芝生広場のある公園三四・六%などが代表的な意見でございます。
このほかにも、NPOなどのさまざまな団体から、数世代にわたる長期間の森づくりでありますとか、あるいは子どもから高齢者までが参加できる森づくり、あるいは自然環境の回復に寄与する森づくり、こういった声も寄せられているところでございます。
○倉林委員 アンケートによって、次世代に継ぐ大きな森林公園、あるいは自然エネルギーやリサイクルのモデル公園、加えて動植物などが観察できる公園など、どれを聞いても大変、アンケートの期待どおりといいましょうか、私どもも考えているような思いがアンケートの中に出てきたというふうに思うわけでありますけれども、今のアンケートのご答弁を聞きまして、大変不景気が続いて閉塞感が漂うこの時代において、多くの都民が森づくりに夢を託している、そんな思いもいたしたわけでありますけれども。
ところで、先般、国も都市再生プロジェクトの第三次決定において、大阪の堺市や兵庫県の尼崎などとともに、この森づくりを臨海部の緑の拠点整備事業、こう位置づけております。これを受けて、国土交通省は、研究会を設置して学識経験者やNPOの代表者などを委員として研究を重ねている、こう聞いておりますけれども、国もこの事業の重要性を認識しているわけでありまして、今後は、国庫補助など財政的な支援も期待できるわけであります。
しかし、ここは、先ほどから申し上げておりますとおり、都有地であります。都民の貴重な財産であるわけであります。補助金を頼って国のいいなりになるようなことはないと思いますけれども、当然あってはならない、こう思いますが、東京都がそれだけにきちんとリーダーシップをとって事業を進めていかなければならないだろう、こう思います。
そこで、お伺いしますが、これまでの取り組み状況はどうなってきているのか、また、この決算を通してどう検討され、来年度以降はどう取り組んでいくのかについてお伺いいたします。
○三枝臨海開発部長 二月の答申を受けて以来の取り組みでございますけれども、今年度は、現在まで、土づくりであるとかあるいは植栽の基盤づくりなどについての基本的な調査を行ってきたところでございます。また、これまでのこういった調査を受けまして、来年度に向けては、専門家による計画調査あるいは都民協働の仕組みづくり、さらには土づくりのためのヤード整備に関する経費の予算を要求しているところでございます。
この土地は、現在、先ほどご指摘ありましたように、残土の仮置き場として使われております。で、現地での測量とか土の搬入、植栽というのは、現時点でできる状況ではございません。したがいまして、残土がなくなるまでの間に、できる限りの準備を着実に進めたいというふうに考えております。
また、国との関係についてでございますけれども、国土交通省あるいはご指摘の研究会とも密接な連携をとって、効果的に事業ができるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。ただ、この土地は都有地でございます。しかもここでつくる森は、私どもの将来の世代に引き継がれて、都民の貴重な財産になるものであるということから、私ども、東京都のリーダーシップのもとに着実に整備を進めたいというふうに考えております。
○倉林委員 都のリーダーシップの下に着実に整備を進めていく、こういうことでありまして、ぜひ国と連携して取り組んでいっていただければいいな、こう思います。
政府の施策や法整備に頼るだけではなくて、連携をとりつつみずからが活動を始めるということも当然、先ほど申し上げましたように重要でありますが、特に国には、財政面での支援あるいは技術面での側面支援などをお願いして、あくまでも事業主体は東京都であることをぜひ都民にPRしていただいて、都のリーダーシップを発揮して取り組んでいただきたい、重ねてお願いをしておきます。そこで、答申では、自然の再生のほか、この森づくりを都民協働で行うように提案されていると思います。また、知事が一定の予特で答弁したように、このようなビッグプロジェクトは、東京都だけではなくて、都民や民間セクター、あるいはボランティアやNPOなどと連携した息の長い運動を展開していく必要があるだろう、こう思っております。近年、環境や福祉などあらゆる分野で都民参加の意識が高まっておりまして、このような自然環境の再生などの取り組みにも多くの都民の参加が期待できるだろう、こう思っております。
そこで、お伺いをいたしますけれども、この森づくりについては、先ほど申し上げましたように、幅広く都民の参加を募って、かつてない規模の都民協働プロジェクトとすべきであるというふうに私は思っておりますけれども、これについてはどのようなお考えなんでしょうか。
○三枝臨海開発部長 この事業の、私ども現時点での、先ほどネーミングのお話がございましたけれども、現時点での項目としては、都民協働による海の森づくりといったような仮称で進めておるところでございます。したがいまして、多くの都民との協働で行うということを、その第一のコンセプトとして大切にしております。
ただ、今後、都民協働の森づくりを進めるに当たりまして、この八十八ヘクタールという規模が非常に、これまでになく広大であるということ、それから、森づくりというものが非常に多くの期間を要するということで、恐らく事業期間も数十年の単位での組み立てになってくるのかなというふうに考えております。そういたしましたことを勘案いたしますと、これまでにありましたボランティアであるとかNPOであるとか、そういったものの参加の仕組み、これだけで恐らく対応できないのではないかというような思いもありまして、今後、協働の新しい仕組みといったものを構築してまいりたいというふうに考えております。
先ほどもお話ししましたように、予定地が使えるようになるまで、時間があるようでないわけでございます。今のうちに、都民の意見の反映ができるような仕組みづくりであるとか、あるいはボランティア団体とかNPOの参画の仕方などの検討を進めてまいりたいと思っております。
○倉林委員 多くの都民や団体が、この森づくりのコンセプトを高く評価しているわけであります。申し上げるまでもありませんが、二十一世紀は、人々が新しい豊かさを求めて社会貢献やボランティア活動に今以上の価値観を見出していく社会になっていくと思っております。このような方々に、ぜひ活動の場を提供するという面から見ても、大変意義がある、こう思っております。ぜひとも参加をしたいということで、実は私どもにも幾つかの団体から声が寄せられております。きょうは控えますが、ぜひこうした声に的確に対応して、都民協働を実のあるものにするためにも、予算あるいは体制面での準備が不可欠である、こう思っております。特に森づくり構想のための調査費などはぜひ継続していかないと、取り組みが途切れていくんじゃないかという逆に心配があるわけですけれども、ぜひ、発信するという意味からも、財政難の折でありますけれども、特段の努力を払っていただきたい、このことをお願いして、質問を終わります。
○真木委員 港湾局につきまして、港湾行政とITの関係、IT革命といいましょうか、IT化の推進に向けまして、二点の観点からお尋ねをしたいと存じます。
一つは、やっぱり港湾、東京都行政として考えるときに、東京都独自でできることは何か、そしてもう一つは、民間や都民のために東京都としてインフラ整備することはどんなことができるのか、そういった二つの仕事があるかと思うんですが、まず、東京都独自でできること、港湾におけるIT化の推進に向けまして、十三年度内にどのようなIT化に向けた措置を行ったのか、お尋ねいたします。
○吉田参事 IT化の取り組みについてでございますが、港湾局では、IT化により、電子申請ができるようシステム化を進めてまいりました。
具体的には、平成十一年十月から、港湾EDIにより船舶の入出港届及び係留施設等の使用許可申請についての電子申請が可能となりました。さらに平成十二年四月には、上屋や野積み場などの陸上施設の使用についても、港湾局のホームページから、インターネットにより電子申請ができるようにいたしました。また、コンテナターミナルのゲート前の混雑緩和を図るため、平成十三年度から、ITを活用したコンテナ予約搬出入システムのトライアルを実施しております。
○真木委員 日本は、IT技術におきましては先進国であります。しかしながら、なかなかそれが生活の中に生かされていないという面がございます。とりわけ物流の観点、特に物流の中でも陸上輸送は進んでいるということでございますが、港湾についてはなかなかいい評価を得られていないのが日本の港湾の実情のようでございます。
とりわけ、その日本の港湾の中では東京は進んでいるだろうというぐあいに思っておったんですが、知事みずからがシンガポールの例を引き合いに出して、ハードもソフトも日本製なのにシンガポールは物すごい、日本製で物すごい技術を実施している、もう既に稼働していると。ところがそれに比べ東京はということで、いつも議会の中でいわれております。シンガポールができて日本でできない、東京でできない、その最大の理由は何でありましょうか。
○吉田参事 シンガポールでは、中継貨物が多い、または税関など通関の手続も我が国と異なるということで、単純な比較はできませんが、シンガポールでは複数の行政機関への貿易手続が一つの手続で完了できる、いわゆるシングルウインドー化されているのに対し、東京港も含めて我が国の港湾のIT化は、国の機関、港湾管理者、荷主、船会社などが個別にシステムを開発してきたため、相互に連携できない状態にあります。現在、港湾管理者や税関など各行政機関に対する申請手続は、それぞれの窓口で個別に行わなければなりませんが、港湾関連手続のシングルウインドー化に向け、関係省庁で調整が進められておりますので、平成十五年度には、各行政機関に対する申請手続が、どこの端末の機械からでも一回の入力で完了するようになる予定でございます。
○真木委員 今のお話を伺っておりますと、国の縦割り行政が大きな弊害となっているというようなことだと存じます。実際に多く、日本の物流の何だかんだといったときには、必ず国の縦割り行政が滑った転んだということで出てくるわけでありますけれども、ぜひ、国としてもそういった整備を進めているということでございます、東京都としてできること、最大限やっていただきたいというぐあいに思うのでありますけれども、そういった中で、今後、東京都として東京港をどのように、ITを活用しながら、利便性の高い、そして物流効率の高い港につくることを目指しているのか、その目指す像につきまして、お尋ねしたいと思います。
○吉田参事 民間の事業者も、ITについては、東京港の中で積極的な取り組みをいたしております。具体的に、例えばコンテナのターミナルでは、貨物の搬出入やヤード内でのコンテナの配置、船の積み込みなど、すべてコンピューターで管理されています。しかし、これも、先ほど国の縦割りというお話がありましたけれども、民間においても会社ごとにシステムが開発されているために、相互の接続ができない、したがって、荷主やトラック業者がコンテナの所在を知ろうと思っても、即座に判明できるような仕組みになっておりません。これからIT化がさらに進展し、コンテナにかかわる船社、港運業者、トラック業者、荷主がインターネットを活用して相互の情報交換が可能になれば、貨物情報を共有することができますので、コンテナの搬出入がスムーズになるなど、円滑な港湾物流が実現することができるようになるというふうに考えております。
○真木委員 ぜひ東京都みずから、東京都だけでできることですね、ぜひ頑張っていただきたいと思います。シンガポールでは三井造船がすべてシステムを考えられて、中心になっているということでございます。三井造船がやられたということでございます。ぜひ東京都としてできること、最大限やっていただきたいと思います。
続きまして、もう一つは、東京都としては、民間の仕事を助けていく、また、都民がITの恩恵にあずかれるような環境整備を図っていくという仕事があるかと思います。総務局が中心となりまして、総務局IT推進室が三千三百万IT都市構想というようなことで出しております。
その中で、東京都道の掘削、光ファイバーの敷設に関しては、掘削の規制緩和を図るべきだと。具体的には、五年に一度しか掘削を認めていないものを、光ファイバーの敷設に関しては特例的にやれということで総務局の方が打ち出し、そして建設局の方では、東京都道の掘削許可の例外を設けました。その例外が首都圏都市再生緊急整備地域ですね、七つほど指定をされましたこの七つの地域において、その規制緩和を行いました。港湾局という関係でいきますと、臨海副都心地区、この地区の地主さん、地主さんというと語弊がありますけれども、大家さん、大家さんでも同じかな、東京都港湾局が管理をしているというところでございますけれども、この臨海副都心地区の光ファイバーの敷設状況、掘削に関しましての規制緩和の必要があるのかないのか、お伺いしたいと思います。
○浅倉港湾経営部長 臨海副都心地域における光ファイバーケーブルの敷設状況等についてでございますが、港湾局が所管しております臨海副都心と都心を結ぶ交通アクセスでありますレインボーブリッジや臨海トンネルなどには、既に光ファイバーケーブルが敷設されているか、敷設に必要な共同溝が空間としてとってございますので、基本的に、必要に応じて光ファイバーケーブルの設置が可能というふうに考えております。また、臨海副都心地区内の道路につきましては、共同溝が既に設置されておりますので、光ファイバーケーブルの設置のために掘削する必要は現在ないというふうに考えております。
○真木委員 総務局が鳴り物入りで打ち出しました都市再生整備地域における、七地域における掘削許可とはいうものの、七分の一はもう完全に万全であるということが今明らかになったわけであります。ということであれば、なおさら、私はこの前建設局にも要求をいたしました。オール東京で、光ファイバーの敷設に関しては、五年に一度しか穴をあけちゃいけないよなんというけちなことをいわず、光ファイバーの敷設というのはこれは国策であり、オール東京で取り組んでいかなければならないことなんだから、すべての都道でも掘削許可を認めろ、規制緩和をしろというぐあいに申し上げたところです。といいますのも、光ファイバーとISDNの間には大きな差があって、ADSLで対処すればいいわけでありますが、電話局から二キロ以内でなければADSLではできませんので、であればなおさら、首都圏再生地域、こうした都心のところじゃないところの方が掘削許可を規制緩和していくことが重要である、このようなことを申し上げたところであります。
港湾局におきましては、この臨海副都心地区以外にも港湾道路--港湾道路という表現でよろしいんでしたか、臨港道路ですか、臨港道路をお持ちでございます。この臨海副都心地区以外の臨港道路における光ファイバー敷設についての掘削許可について、お尋ねをいたします。
○浅倉港湾経営部長 臨海副都心以外の港湾局所管道路につきましては、掘削工事を行う際に工事調整を行っていること、また、ふ頭の背後道路という特性から、市街化の進んだ都道のように掘削工事が頻繁に行われることが少ないといった現状がございます。そのことから、掘削に当たって、道路舗装後数年以上経過しなければ掘削を認めないといった特段の規制は、現在のところ設けておりません。
○真木委員 同じ東京都が所有する道路でありながらも、臨港道路については都道という扱いではなく、しかも道路法が適用されない。道路交通法は適用されるけれども、道路法は適用されないということを、この質問を通じまして勉強させていただきました。
そして、掘削に関しましても、規制のあり方が違うということでありますが、確認をいたします。電気通信事業者が光ファイバーの設置に関して臨港道路に穴をあけたいという申し出があった場合、必要に応じて許可をするということでよろしいわけですね。
○浅倉港湾経営部長 港湾局所管の臨港道路に新規の光ファイバーケーブルを敷設する場合、既設の利用できる管路があれば、共同利用を促進してまいります。また管路がなければ、埋め立て企業者等と調整の上、新規の敷設を認めていくということになると考えております。
○真木委員 必要に応じて認めていただけるということで確認をしたいと思います。
続きまして、港湾局の中で飛行場をお持ちでございます。とりわけ三多摩にあります調布飛行場も港湾局の管轄ということでございまして、調布飛行場は、十三年三月に、この十四年度の直前に場外離着陸場から公共用飛行場に認められたと。要は、それまでは飛行場じゃなかったけれども、十三年三月に飛行場に認められたということのようでございます。ですから、十三年度はさぞ整備が急速に進んでいるのかなというぐあいに思いましたところ、予算の執行率を見ましたら、たしか、ちょっときょう資料を持ってくるのを忘れちゃったんですが、五八%でしたですね。
東京都におきまして、東京都が自由に使える空港というのは、内陸、島しょを除きますと、羽田と調布だけです。横田は米軍の許可を得なければ、今、防災時には、災害時にはとかいう議論になっていますけれども、本当に災害のときどうなるのかわからないわけでありますから、やはり東京都が独自に使えるのは羽田と調布だけと。幾ら滑走路が短いといっても、整備をしっかりと進めていただくことが危機管理につながるんじゃないかと思うんですが、その予算の執行率が低いことに関して若干の心配をいたしております。整備すべきものができなかったとかそういうことではないということで確認をしたいんですが、いかがでしょうか。
○松本参事 調布飛行場の整備についてのお尋ねでございますが、先生のご指摘のとおり、調布飛行場は、平成十三年の三月でございますが、都営の公共用飛行場として供用を開始いたしました。現在、大島、新島、それから神津島空港へ定期便が就航しておりまして、島の方々の民生の安定に寄与しておるところでございます。
ご指摘の執行率でございますが、平成十三年度予算では、飛行場周辺の整備を主として実施しておりまして、具体的には、飛行場外の旧滑走路の撤去あるいは事業者用道路の附帯施設などを実施しております。
不用額が生じた理由といたしましては、旧滑走路の舗装厚が想定値よりも薄くて、撤去量が少なかったこと、それから、撤去に際して発生しましたコンクリートのがらでございますが、このがらを周辺の道路整備などの路盤材として転用するといったコスト縮減に努めたこと、それからさらには、航空事業者の移転が一部おくれたことに伴いまして、測量調査を見送ったことなどによるものでございます。
○真木委員 大きな整備のおくれはないということでございます。短くてなかなかYSでさえも飛べる飛行場じゃないわけでありますけれども、しかしながら、やはり飛行場が東京都に一つしかない、羽田しかないということであれば、それは心配であります。危機管理の観点からも、ぜひ調布飛行場の整備をしっかりやっていただきたいということをお願いをさせていただきます。
飛行場に関しましてもう一点、小笠原空港についてであります。
ことしの五月、私は民主党視察団として、議員十二名、総勢二十名前後で小笠原に行ってまいりました。二十五時間三十分の船旅、小笠原まで乗って行ってきたところでございます。
行ってみますと、やはり島の皆様には、空港を一刻も早くつくってもらいたいというのは悲願であることが切実に伝わってまいりました。夜間に急病人が出た場合とか、本当に命にかかわる問題であり、ぜひつくってもらいたいという切実な要望をいただいた次第でございます。
昨年の十一月に、空港予定地でありました父島の時雨山、これを撤回いたしたわけであります。十一月に撤回をされたということでありますが、予算の執行率を見ますと、きょうちょっと資料を持ってくるのを忘れたんですが、三十数%、三二とかいう数字でしたね。十一月ならば八カ月たっているわけでありますから、なぜ三二なのかななんてくだらぬことを思ってしまうわけでありますが、事前にもう撤回が決まって何もしていなかったとかいう邪推もしてしまいます。さらには、時雨山案は撤回したけれども、小笠原空港自体は撤回されたわけではありません。引き続き調査があってしかるべきだというぐあいに思うのでありますが、この予算執行率の低さにつきまして説明を願います。
○松本参事 小笠原空港についてでございます。小笠原空港につきましては、平成十年の五月に父島の時雨山周辺域に空港建設を決定いたしまして、先生が今ご指摘いただきましたように、昨年の十一月でございますが、自然環境への影響やあるいは事業費といった観点から、父島時雨山周辺域での空港建設を撤回したところでございます。
その執行率につきましては、今申し上げました撤回というようなことに伴いまして、平成十三年度予算に計上しておりました環境アセスメント、飛行場設置申請に膨大な書類が必要になるんですが、その書類の作成あるいは現地周辺での地質調査などが見送られたことによって不用額が生じたものでございます。
なお、現在、時雨山案にかわる複数の航空路案につきまして、費用面、環境面、技術面といった観点から、総務局と連携しながら、引き続き検討を進めているところでございます。
○真木委員 小笠原の抱える問題、まだまだたくさんございます。特別措置法も来年度で終わってしまうという中で、テクノスーパーライナーが近々、TSLといわれるものが運航を開始いたします。港湾局に特にかかわることは少ないかと思いますけれども、今までの「おがさわら丸」よりも大きな船が小笠原に向かっていく、日の出と小笠原の港を行き来することになります。今のところ新しい港をつくる必要はないと、またクレーンについて若干の懸念がございましたが、クレーンについても解決をしそうだということでございます。しかしながら、新しい大きな船が走るに当たって、いろいろなことが考えられるわけでありますので、港湾局としても、このテクノスーパーライナーの運航に向けて万全を期していただくことをお願い申し上げ、私の質問を終わります。
以上です。
○長橋委員 私の方からも東京港についてお話をお伺いしたいと思いますが、特に、大変低下をしているという国際競争力、これをどうしたらいいのか、また、当然それはIT化ということにもつながってくるわけですけれども、その辺についてお伺いをしたいと思います。
東京港は、首都圏四千万人の消費者を抱えて、その生活と産業を支えているという重要な役割を果たしているわけでございます。平成十年度から、東京港は四年連続で外貿コンテナが取扱量で日本一位ということになっておりますけれども、しかしながら、この十年間で、アメリカやヨーロッパから来る、向かうコンテナ船がだんだんと日本に寄港しなくなってきている、こういうことで、アジアの各港と競争の中でだんだんと地位を低下してきているわけでございます。
コンテナ量の取扱量については、そういうことで、東京港は世界のもう第十八位に甘んじている、楽観できないような状況になっているわけでございます。今後さらに世界の物流のルートから日本の港、特に東京港が外れていくことになれば、日本の国民生活に大きな影響が出てくることは間違いないわけでございます。
そういった意味で、まず初めに、東京港の国際競争力、これを強化するためには、まず何が課題なのか、お伺いをいたします。
○吉田参事 東京港の国際競争力の問題でございますけれども、国際競争力を強化するためには、今先生のお話にありましたように、基幹航路を維持するということで、船舶の大型化に対応したコンテナふ頭の整備を行うこと、また、交通アクセスの充実などハード面の整備の面がございます。また、競争力という面では、特にソフト面での港湾サービスの充実、コストダウンなどが重要であると考えています。また、港湾サービスの充実におきましては、ターミナルゲートのオープン時間の延長、税関など関係行政機関の開庁時間の延長や、的確な情報伝達による貨物のゲートの中での通過時間の短縮などが課題となっております。さらに、コストダウンの点では、水先料など船舶関係費用、荷役料、港湾施設使用料などの縮減が必要と考えております。
○長橋委員 今お話をお伺いしますと、たくさんな課題がある。大型コンテナ船が寄港できるようにするとか、ゲートのオープンの時間も、延長というよりは、本当に二十四時間化していかなきゃいけないし、コストの縮減でも日本の東京港は高い、こういうふうにいわれているわけでございますので、ぜひ、たくさんの課題があるわけですけれども、この国際競争力、だんだんと低下していくという中にあって、東京はどのような取り組みを行ってきたのか、まずお伺いいたします。
○吉田参事 これまでの取り組みでございますが、東京港に関係する官公庁、民間事業者など、関係機関、団体が官民一体となりまして、平成九年七月に東京港振興促進協議会を設置いたしました。そこにおきまして、東京港を国際競争力のある使いやすい港としていくために、平成十一年四月にアクションプランを策定し、ソフト、ハードの両面にわたりまして六十七の諸施策を決め、その実施に取り組んでまいりました。
具体的な成果といたしましては、ハード面では、大井コンテナふ頭の再整備、港湾サービスの面では、港湾EDIによる船舶の入出港届や係留施設等使用許可申請等の電子申請化、コストダウンにおきましては、港湾施設使用料の軽減などを行いました。アクションプランの項目のうち、平成十三年度末までに実施できましたのが四十九項目で、実施率は七三・一%という数字になってございます。
○長橋委員 平成九年から官民一体となった取り組みで、そういった六十七項目、そのうち四十九項目を実施してきた、こういうことで、それなりに評価をするわけでございますけれども、しかしながら、競争力という点ではなかなか進んできていない、こういうふうに思うわけでございます。
電子申請とかいうことでございますけれども、IT化の前に、まず、コンテナを積みおろす時間が限定されているということが、日本の港、東京の港の大きな原因である、こういうふうにいわれておりますし、日本を除く、資料をいただきましたが、ヨーロッパやアメリカ、アジア、主要港は二十四時間可能になっているというふうになっているわけでございます。そういった意味では、港湾サービスの向上ということで、港湾の利用者がいつでも使える、いわゆる港湾の二十四時間三百六十五日フルオープンというのが大変重要な課題であるかと思います。アジアのシンガポールや香港、釜山など大変発展しているわけでございますけれども、東京港では利用時間がいまだに限定されているとなっておりますけれども、現状はどういうふうになっているのか、お伺いをいたします。
○吉田参事 アジアの主要港におきましては、先生ご指摘のように、二十四時間三百六十五日フルオープン化が実現しているところが多うございます。
これに対しまして、東京港では従来、コンテナターミナルのゲートのオープン時間でございますけれども、平日は八時半から十六時三十分までで、昼休みは十二時から一時間お休み、土曜日につきましては十一時三十分まで、日曜と祝日はゲートを閉めるというような形で取り決めがされておりました。
ところが、昨年十一月、港湾労使の合意によりまして、東京港におきましても、土曜、祝日を含め、ターミナルゲートのオープン時間が夜の二十時まで、八時までというふうに延長することが可能となりました。また、先生がおっしゃっておられました船からの積みおろしなどの荷役作業につきましては、二十四時間可能ということになりました。
こうしたこともありまして、具体的に大井ふ頭の一部のゲートでは、特定曜日でありますけれども、昼休み時間のゲートオープンを行うようになり、昼休み休憩後の渋滞緩和が改善されてきたというようなことも、現実に起こってきております。
○長橋委員 かなり前進をしたというふうに思いますけれども、やはり物流にとって、顧客のニーズにどうこたえていくのか、必要な荷物が早く、なおかつ円滑に輸送されることが大変重要であるわけでございます。そういう意味で、このIT化の活用をするということが大事になってくると思いますし、そういった意味で、真木委員もお話をされていましたけれども、平成十三年度のITの活用については具体的にどのような取り組みを行ったのか、お尋ねをいたします。
○吉田参事 港湾物流の効率化のための平成十三年度の取り組みでございますけれども、ITを活用いたしまして、コンテナを予約して搬出入するというようなシステムの導入に取り組んでまいりました。これは、コンテナのターミナルのゲートの前にトラックが集中いたしまして、特に朝、昼、夕方に渋滞が発生しております。この渋滞を解消するため、トラックが集まるのを分散する方策が必要となっているわけでございますが、渋滞するピークを平準化するために、港運事業者、トラック事業者など関係者を交えまして調整を重ね、事前にコンテナの搬出をする時間を予約していただきまして、スムーズにコンテナを引き出す、そういうシステムを構築いたしまして、トライアルを実施してまいりました。
このトライアルにつきましては、平成十三年度から今年度にかけて六回実施しておりますけれども、当初、予約の仕方については、電話での受け付け、対象のターミナルも青海の公共だけということで実施を始めましたが、その後インターネットによる受け付けを行い、また、実施するターミナルもすべてのコンテナターミナルへと拡大するということで事業を進めてまいっております。
○長橋委員 具体的な取り組みについてお伺いをしたわけですけれども、ひとつ、このコンテナ予約搬出システム、これもスピード化を図るのは大変重要なわけですけれども、トライアルということでございますので、ぜひ本格実施に向けて一日も早く進めていただきたいと思うわけでございます。
話が戻りますが、東京の国際競争力を高めるために、今いった予約搬出入システム以外も含めて、さらに一層IT化を進める必要があると考えるわけでございます。
このIT化の阻害原因というのが、一つは、さっき真木委員がいった国の縦割り行政、それから、港湾という長年の伝統にあって商慣行がそれぞれ違ってきている、各企業がそれぞれ独自のシステムや方法でやっているというのが大きな阻害原因といわれていますけれども、こういった阻害原因は、やはりどこかがリードしてやっていかなければいけないと思います。今後、そういうIT化を含めてどのように進めていくのか、お伺いをいたします。
○吉田参事 取り組みについてのご質問でございますけれども、まず、コンテナの予約搬出入システムのトライアルにつきましては、これまでは輸入をしたコンテナだけを対象として行ってまいりましたけれども、今後は、輸出をするコンテナも対象にできるようにするというようなことも含めまして、本格導入を目指しまして、システムの改善を図って進めておるところでございます。
しかし、このシステムが十分機能するためには、港湾事業者や運送事業者、荷主や船会社などで、コンテナのある場所が今どこにあるか、または通関が終了しているかどうかなどの情報の共有化が不可欠であります。しかし、先生ご指摘のとおり、国の縦割りがある、それからまた、民間の事業者においても会社ごとに独自にシステムを開発してきているというようなことで、お互いに情報が接続できるような形になっておらないために、情報の共有化が非常に難しいというのが現状でございます。
そこで、官公庁、民間の間も含めて情報の共有化を図るため、東京港も含めまして、我が国の主要港湾十港の港湾管理者で港湾物流IT化推進委員会を設置し、全国共通で必要な情報はどんなものが必要なのかなどの検討を今進めているところでございます。
また、国におきましても、港湾物流情報化懇談会を設置いたしまして、さまざまな情報レベルのものを、どうやったら情報交換がスムーズにできるようになるかというようなことの検討を開始したところでございます。
東京都におきましても、国や他の港湾管理者と協力して、港湾に関する円滑な情報交換、情報共有化の枠組みづくりを精力的に進めてまいりたいと考えております。
○長橋委員 IT化の推進委員会であるとか、また港湾物流情報化懇談会、これを国において設置をされた、こういうことで、具体的に、それぞれ今までばらばらだったところが一括して同じシステムを共有できるような体制づくりということだと思いますけれども、何か懇談会というと本当に前に進むのかなというような感じもするわけでございます。ぜひ前進をさせなければいけませんし、そういった意味では、東京都が東京港の管理者でもありますし、ぜひリードオフマンとして期待をしたいと思います。
続きまして、若干、三宅島の災害復旧についてお伺いをさせていただきます。
この三宅島における火山活動、これはもう続いているわけでございますけれども、あわせて、台風によってもさまざま港湾施設の被災があったというふうに聞いております。その取り組みについてお伺いをさせていただきます。
三宅については、一昨年来から火山活動はだんだんと低下傾向にあるわけですけれども、有毒な火山ガスの噴出は依然として続いているわけで、いつ三宅村の方々が帰島できるか、そのめどが現時点においても立っていないわけでございます。避難生活も二年が続いて、帰島の思いは日増しに強くなっていることはお察し申し上げるわけでございます。一日も早い帰島は、東京都民のみんなの思いでもあるかと思います。
配布資料によりますと、決算説明書から、島しょ等港湾整備費のうち三宅島の災害関連事業を拾い上げますと、予算現額で約二十八億円となりますけれども、この予算に対して執行済額が去年に引き続き低かった。今年度は八億四千万円であった。中には執行率がゼロだったという事業もあるというふうに思います。全体として約三〇%となっておりますけれども、何とか本年度は本格復旧されるのではないか、こういう期待もあったわけでございますけれども、まずは、この執行率が低かった、こういう事情についてご説明を願います。
○樋口離島港湾部長 三宅における十三年度の災害関連事業の執行率についてでございますが、三宅島の災害復旧につきましては、広範囲にわたる事業を円滑かつ効率的、効果的に進めるために、全庁的な対応といたしまして、災害対策本部のもとに災害対策技術会議を設置し、進め方を定めておりまして、島の状況などに応じまして、段階的かつ計画的に実施することとしております。
この方針に基づきまして、港湾局におきましては、十三年度予算として、当面の復旧に加えまして、早期帰島も視野に入れた必要額を見積もっておりました。
事業実施につきましては、復旧の資機材搬入あるいは一時帰島などに関する施設復旧などを行いましたが、火山ガスの多量噴出、先ほど先生お話ございましたが、そうしたものが続く中で、帰島段階に対応した整備を行うに至らなかったため、不用額が生じたものでございます。
実施した主な事業内容としては、阿古漁港や三池港における沈下した岸壁のかさ上げ、あるいは伊ヶ谷漁港の岸壁ケーソンの製作などでございます。
○長橋委員 十三年度の事業は、そういったことで低かった理由についてはよくわかりましたけれども、その間に、三宅島噴火から二年の間に台風などの被害もあったわけでございます。本年度も大変大きな台風がこの三宅島島しょに頻繁に襲来をいたしました。多くの被害があったと思いますけれども、中には、三池港などはすぐ裏に民家などもある、こういうことで、三宅島での台風による港湾施設等の被害についてはどのように対応したのか、お伺いをいたします。
○樋口離島港湾部長 三宅におきます台風の被害と対応でございますが、伊豆、小笠原などの離島は気象条件が非常に--先生ご指摘のように、非常に台風を生みやすい、台風の被害を受けやすい立地でございまして、特にことしは三度にわたり台風が発生しました。そんなわけでございまして、三宅島では、小さな被害も含めますと二十件以上の施設が被災をしてございまして、主な被災としては、三池港海岸の防潮堤倒壊や坪田漁港の係留施設、防波堤道路の破損でございまして、対応といたしましては、すぐに手をつけられるような施設、それと緊急性が高いといったものにつきましては、早期に復旧をすべきということで、既に対応して復旧を終えてございます。また、被害の大きい三池の防潮堤などにつきましても、直ちに調査、設計を開始し、早期復旧に努めているところでございます。
○長橋委員 三池の防潮堤、これは調査、設計を開始して早急にやるということでございますけれども、ぜひ早く進めていただきたいと思います。
ところで、三宅村では全世帯を対象に、一時帰島事業、この実施をしているわけでございますが、一時帰宅に際してさまざま住民の方から安全確保、また生活の面とか、いろいろな課題が各局に要望として出されていると思います。三宅村からさまざまな要望が出されていると思いますけれども、港湾局関連ではどのような要望があって、そしてまたどのように対応しているのか、お伺いをいたします。
○樋口離島港湾部長 一時帰島などに際しての港湾局関連の新たな要望でございますが、現在、船の接岸には阿古漁港と三池港を利用しておりますが、波浪や火山ガスの影響によって両港とも同時に使用が、接岸が困難となる状況が発生してございます。このことから、安全に接岸できる港を常時一港は確保してほしいというようなことで、伊ヶ谷漁港にも接岸できるようにしてほしい旨の要望が本年八月にございました。このため、伊ヶ谷漁港に接岸が可能となるよう、直ちに防舷材等の設置に着手したところでございます。
○長橋委員 有毒ガス、風が吹いて両方港が使えない、そういったことで、やはり一時帰島に関しては、ぜひそういったことで進めていただきたいと思います。
三宅島での災害復旧工事というのは何かと制約があって、作業員の方もガスマスクをつけて作業しているわけで、大変ご苦労が多いわけでございます。こういった厳しい状況にあって、道路、港湾等のインフラ、また泥流対策等は進んでいるというふうにお伺いしておりますけれども、今後は、帰島を視野に入れて生活関連の復旧対策をさらに進めて、帰島が可能になった時点で一日も早く島へ戻れるよう、環境づくりが大切である、そういった意味では、今からきちっと準備をし、計画をしていかなければ、いつ--帰島ということがわかった時点でそれに間に合うような、そういった計画というのが必要だと思いますけれども、復旧についてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○樋口離島港湾部長 早期帰島に向けた復旧への取り組みでございますが、先ほど申し上げましたように、全庁的な取り組みをしておるところでございますが、加えて港湾局としては、帰島が可能になった場合、可能な限り速やかに帰島が実現するというようなことに積極的に取り組んでございまして、港湾局自体の取り組みの充実を図っておるところでございます。
具体に申し上げますと、帰島のめどが明らかになった段階で、必要となる施設復旧に速やかに着手できるよう、局内に災害復旧検討委員会を設置し、復旧組織体制の組織整備の強化を行うとともに、整備手順等を定めたところでございます。
また、空港の再開につきましても、速やかに実現できるよう、これに関しましては、国及び航空会社等のいろいろな関連機関がございます。そうした関連機関と一体となって対応ができるような体制を整えたところでございます。
こうした体制を継続的に維持するなど、今後とも三宅島の復旧に的確に対応していきたいと考えております。
○長橋委員 復旧に向けては、本当に万全の準備をお願いしたいと思いますけれども、この復興のためには、ハードの部分以外にも、交通手段の確保ということがあるわけでございます。いわゆるソフト面での対策というのも必要になってくるわけでありますけれども、いわゆる従来三宅島に就航してきた定期船、これが三宅島から--今三宅島はだれもいませんので、現在三宅島は通過して、竹芝から八丈まで就航しているわけでございます。
この航路の現状と都の対応については、八丈航路ということですけれども、大変な欠損を抱えている。そして東京都はそれに対して、国の災害特例として航路補助を働きかけて、十二年度は一億円強、十三年度には二億円強の国庫補助を確保できた。これに都の補助金を加えて航路事業者へ補助して、この存続に努めたということでありますし、今年度、十四年度においても、この航路の状況は変わってないわけでございますけれども、そこで伺いますけれども、十四年度の八丈航路の欠損額はどのくらい見込んでいるのか、また、その欠損額についてどのように対応しているのか、お伺いをいたします。
○樋口離島港湾部長 離島にとりまして、航路は最も重要な基盤でございまして、三宅における復旧復興のための存続、維持というのが非常に重要でございます。したがいまして、離島の交通路確保となるこの航路について、従来から国及び都で補助を行ってきたところでございまして、十四年度についても災害が継続しておりまして、旅客が減少して航路事業者が非常な打撃をこうむっておりまして、大きな欠損額が出ておりまして、八丈航路としては七億一千万円程度と見込んでおります。都の財政が厳しい中でございますので、十二年度及び十三年度同様、国へ災害特例補助の要望を行ってきているところでございます。加えて、過日、港湾局としても独自に国土交通省へ直接要望してまいりました。今後とも、機会をとらえて積極的に国に働きかけをしていくこととしております。
○長橋委員 今いろいろ状況はお伺いしてわかりました。港湾、漁港、空港、航路も含めて、三宅復旧には必要不可欠な施設でありますので、ハード面のみならず、ソフト面でもぜひ推進をしていただきたいと思います。
三宅島を取り巻く状況というのは、刻々といい方向に向かっているというふうに思いますけれども、的確にとらえて迅速な対応を、特に港湾局については生活ラインの一番入り口のところでございますので、ぜひ、さらなるしっかりした取り組みをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○かち委員 私からも、東京港の港湾機能の整備と東京湾の海の自然の回復という点で何点かお聞きしたいと思います。
資料を出していただきました。国内主要港における取扱貨物量の推移ですが、主要港はどこも、経済状況を反映して厳しい状況に置かれているという実態があるわけですが、その中でも、自動車産業拠点を持つ名古屋港などは、そういう中でも上向きというような状況が見られるわけです。
こういう全体の中で、東京港におきましては、外貿コンテナの取扱量は、先ほどもお話がありましたけれども、四年連続一位という貿易量を示しています。これは、輸入食料を中心に、首都圏四千万人の消費地を抱える東京港の最大の特徴だと思いますが、それでは、このコンテナの輸入、輸出の割合というのはどういうふうになっているでしょうか。
○浅倉港湾経営部長 平成十三年におきます輸入と輸出の割合でございますが、輸入が五九・九%、輸出が四〇・一%でございます。
○かち委員 私、資料をいただいたんですけれども、十一年度、十二年度、十三年度の輸出と輸入の外貿コンテナ取扱貨物量というのを出していただいたんですね。これを見ますと、十一年度は輸入に対する輸出の割合、これは七三%、十二年度は七一%、十三年度は六五%ということで、年々輸入に対して輸出が減っているという状況が、これでわかるわけですけれども、これはなかなか厳しい状況ではないかなというふうに思います。入ってくるときは満杯で来ても、出ていくときは空コンテナということになりますと、コスト高との問題もありますし、バランスのとれた貿易というふうになかなかならないんじゃないかと思うんですね。かつては、工業製品とか電化製品など輸出も盛んであったわけですけれども、産業構造の変化の中で、中国や東南アジアなどへの生産拠点の流出、こういうことが貿易のアンバランスを生み出しているのではないかなというふうに思いました。
こういうことが続くと、東京港の健全な貿易港としての将来というのが大変心配になるわけですけれども、輸出が少ないということは、空コンテナがたまってしまうということにつながるわけです。臨海地域を歩きますと、空き地にやたらとコンテナがふえているというのを実感するんですが、現在どのくらいのコンテナ数を年間取り扱っているのか、また空コンテナの保管場所の整備、これはどのように対処されているのでしょうか。
○浅倉港湾経営部長 空コンテナの保管場所等についてでございますが、基本的に空コンテナにつきましては、それぞれのターミナル内で一定程度確保することを原則としておりますが、ターミナル内で確保できない部分につきまして、各ふ頭や中央防波堤内側などに、コンテナの保管場所であるバンプールを、二十フィートのコンテナに換算いたしまして約四万八千五百個分を整備してございます。また、大井ふ頭地区では空コンテナの保管場所の土地を確保することが難しくなっていることから、今後は、広い面積が確保できる中央防波堤外側にバンプールを整備していきたいというふうに考えております。
○かち委員 年間二百六十万個のコンテナを扱って、空コンテナが現状ではふえつつある、こういう状況に苦慮をされているようですけれども、この空コンテナを抑制するためには、では、どうしたらいいかということなんですが、いろいろとご苦労されているようです。昨年もPRやイベントなども取り組まれたようですけれども、その反応や今後の見通しというのはどうでしょうか。
○浅倉港湾経営部長 先生お話しのように、輸入されたコンテナは、実入りあるいは空として輸出されていくわけでございますので、空のコンテナを抑制するためには、東京港の輸出貨物取扱量を増加させまして、輸出入のバランスをとっていくことも一つの方法と考えております。
先ほどお話がありましたように、工業製品の生産拠点が我が国からアジアにシフトするなど、産業構造上の問題があり、なかなか難しいところもあるわけでございますけれども、輸出業者である荷主に対しまして、東京港をより多く利用するよう働きかけていくことが必要と考えておりまして、東京港では、昨年十一月に多くの荷主を招きまして東京港のつどいを開催し、利用促進のPRを図ったところでございます。来年一月にもこの東京港のつどいを開催する予定であります。
今後とも、荷主のニーズに的確にこたえる使いやすい港づくりに、より一層取り組んでまいります。
○かち委員 輸出と輸入のバランスをとるための努力ということで、先ほどから、ソフトの面での改善、サービスの向上のためにいろいろな取り組みもされてはいるわけですけれども、東京港を使わないで輸入が入ってきた場合は陸路を通ってくる、そうすれば、公害問題とか渋滞とかいろいろな問題が出てくるというお話もありましたけれども、逆に、遠くから東京港に持ってきて輸出をするということになると、やっぱり同じような問題が出るんじゃないかと思うんですね。ですから、輸出量をふやすためには、その港の近くに生産拠点がなければ難しい問題だろうと思うんです。これは、港湾局だけの努力ではなかなか解決できない、国の政策的な根本問題もあるのではないかというふうに思っております。
こういう中で、空と海の両方の機能を国際社会に向けて開いているということで、東京都では四本目の滑走路の計画が今着々と進んでいるわけです。昨年の十二月には、国土交通省の方で、羽田空港の再拡張に関する基本的な考え方というものが決定されまして、これに対し、石原知事が同意したということで経過報告をされているわけですが、その決定をされたという内容はどういうことかといいますと、このことについては、B滑走路平行案というのは、東京港の港湾機能にとっては大変大きな影響をもたらすものではないかなというふうに思うんですね。港湾局の使命としては、やはり航路の安全、そして港湾機能を阻害しない、そういうことが最重要課題だと思うんですが、そういうこととこの今度の滑走路案というものは、大変大きく影響し合う問題を含んでいると思うんですが、そういう点で港湾局としてはどういう対応をされてきたのか、どういう意見を上げてきたのか、その辺の経過についてはいかがでしょうか。
○梶山港湾整備部長 国土交通省の方からB滑走路平行案が提案されて以来、東京都は、港湾機能との共存を図ることが大きな課題でありました。現在、国土交通省は東京国際空港再拡張にかかわる航路安全基礎調査検討委員会を開催し、検討を行っているところでございますが、私ども港湾管理者といたしましては、この国の検討会等の機会をとらえ、具体的には港湾機能の維持確保、新海面処分場の確保、あるいは羽田沖浅場の機能保持、さらには小型船舶の運航水域の確保などについて強く主張してきているところでございます。
○かち委員 今お答えがありましたように、港湾機能の安全確保、機能の確保ということで強く主張されてきたということでしたけれども、じゃ一体どこまでその検討がされているのか、そういうことはどうなのかということで何度かお聞きしたんですけれども、なかなかそれは国の検討会でやっていることだからということで、直接的には私どもには教えていただけなかったわけですね。
私も、そういうこともありましたので、国土交通省の方に行ってまいりまして、今の検討状況はどうなのかということで率直に聞いてまいりました。そこで聞いてきたことですけれども、実際に多摩川の河口に半分ぐらい出っ張って、こちらの方に五キロぐらいですかね、桟橋になるか埋め立てになるかわかりませんけれども、滑走路がむき出してくるわけです。そうすると、航路との関係でいくと、ちょうどここを交差するような形になってしまうわけですね。前の案だったらどうかという点では、それはわかりませんけれども、前の案よりむしろ直接的にバッティングするような状況がある。それは離陸や着陸をするときの高度の問題、それから外国船など大きな船のマストの高さ等、理論的には大丈夫だとはいわれるものの、直接クロスするようなこういう状況がつくられようとしているわけですね。
そういう中で検討してきた安全対策としては、現在ある航路、この第一航路を限りなくというか、本当にぎりぎり新海面処分場側に引き寄せるということと、航路自身を、今は真っすぐなんですが、どうしてもカーブをしなければならないということで、その最大カーブが十度ですか、そのくらいに押しとどめるということと、港湾局側の要望としては双方向機能を確保するということで、ふ頭側の航路、この幅を現在の二倍以上くらいに広げるというようなことが検討されているということをお聞きしてまいりました。
それで本当に大丈夫なのかという点では、まだこれから検討ということで、なかなかまだいろんな課題はあると思うんですけれども、この今の航路をこれだけ移動したり幅を広げたりということになりますと、必然的に新たなしゅんせつをしなければならないという問題も出てくるだろうというふうに思うんですね。東京湾は、あちこちで埋め立てをしたりしゅんせつをしたりということで相当いじめられているという状況があると思うんですが、東京港の整備を進める上で、新たな滑走路計画との関係でしゅんせつ土の問題、これは現在どのぐらいしゅんせつされていて、どのように処理されているんでしょうか。
○梶山港湾整備部長 今のご質問は、新滑走路ができるためにどれだけしゅんせつ土が出るということではなくて、現在どうですかと、こういうことですね。
十三年度実績では、維持しゅんせつも含めまして、しゅんせつ土砂は二百六十四万立米でございます。うち、東京港でしゅんせつされる良質な土砂は百三十三万立米で、これが有効利用されております。残り百三十一万立米が最終処分場に送られております。
○かち委員 約二百六十四万立米のうち半分は良好なしゅんせつ土として利用していると、あとは中防に埋め立てているということでしたけれども、そのあとの良好なしゅんせつ土の利用方法なんですけれども、お聞きしたところ、千葉だとか横須賀などの港湾をつくって掘り下げたところ、深く掘ってあるところにまた埋め戻しているような状況であるというようなお話でしたけれども、それでは、今後の予測量、これから出るだろうと思われるしゅんせつ量はどれぐらいでしょうか。
○梶山港湾整備部長 十四年度以降の予測量は、現行の処分計画によれば、今後減少していくというふうに思っております。
○かち委員 減少していくということでしたけれども、いただいた資料を見ますと、十四年度から十八年度までは発生量が千五百九十五万立米、十九年度から二十三年度までは千三百五十万立米ということで、この予測量を見れば減っていくだろうということですけれども、この予測を立てた時期が平成十年の五月ということなんです。この時期というのは、まだ七次計画ができていない六次計画の段階だということ、それから、十二、十三年度あたりからベイエリア21とかいろいろ東京湾岸域の新しい構想がどんどん出てきた時期、それから、新しい滑走路の問題なども新しく出てきている時期ですよね。
そういう中にありますと、先ほどいいましたように、新滑走路のために今の滑走路をさらに横にずらしたり拡幅したりというような問題、それからバースをもっと広げていくという問題もありますし、そういうことを含めると、新海面処分場も延命させなければならない。こういうことを考えますと、このしゅんせつ問題というのはなかなか厳しい状況にあるんじゃないかと思うんですね。
東京湾の湾奥、千葉の湾岸域におきますと、青潮の発生が最近頻繁に起きているんです。それはやはり深く掘り下げてしまい過ぎた、無酸素状態が発生しやすい状況にあるということなんですが、そこがあるから、持っていけるからということで、こちらをどんどん掘っていったら、今度はこちら側に青潮の発生の危険も出てくるんじゃないかと思うんです。そういう意味では、このしゅんせつ問題というのは本当に慎重に行うべきだというふうに思います。
この夏、たまたま漁船に乗る機会がありまして、私は羽田沖をぐるりと回ってみました。そこで感じたんですが、海の上にいるんですが、潮の香りが全然しないということなんです。かつて、この付近は多摩川河口近くにありまして、干潟の生命活動の活発さは陸の畑以上だともいわれていました。川が運ぶ豊富な滋養分と淡水、そして、降り注ぐ太陽の光が海の生命のふ卵器ともいえる環境だったんです。ここにアサリやハマグリなどの稚魚を放流して、ワカメの藻場をつくることでプランクトンの豊富な海をつくり上げ、アナゴやカレイやハゼ、こういった魚介類の生息にも大変適した環境だったわけですね。時代の変化の中で、高度成長時代には工場排水だとか、今は下水道処理水だとか、こういうことで海が再び、一度は回復しつつあるんですが、また再び汚濁の危険性にさらされています。
こういう中にあって、羽田拡張工事の問題がありました。拡張工事をするその代償として、護岸法線より三百五十メートル、七キロぐるりと新滑走路を取り囲むような状況で浅場をつくって、干潮時には護岸から五十メートルにわたって干潟ができる造成工事をやるということが漁連の皆さんとの話し合いの中で約束をされ、港湾局が十数年かけて造成をされてきたところです。
そういうところがどこまでできているのかなということで、私、この間見に行ってきたんですけれども、沖から見たら、海面との境の砂浜、見える砂浜がほんの一部しか残っていない。もっとできているんではないかと思ったんですけれども、この砂浜が十分に造成されていないという状況を感じてきたんですけれども、この浅場造成の現況と今後の見通しというのはどういうふうになっているんでしょうか。
○梶山港湾整備部長 羽田沖浅場の造成の規模ですけれども、幅が約三百五十メートルから五百五十メートル、延長にして七千メートル、面積にしますと二百五十ヘクタール、こういう規模でございます。この事業の現状でございますが、まず昭和六十二年度に設計を行いまして、六十三年度から工事に着手いたしました。平成十一年度に浅場造成の基礎部分が完了しまして、十二年度には表層部分に砂を上からかぶせると、こういった養浜工事が完了してございます。
砂の流出が一部見られるために、その防止対策といたしまして、十三年度には試験的に砂どめ堤を二基、これはちょうど浜辺から直角に出て、幅が五メートルで長さが五十メートルの突堤タイプのものですが、そういうものを二基整備いたしました。十四年度には、引き続きましてこの砂どめ堤を二基行う予定でございます。
今後は、安定した浅場になるように、砂の流出防止対策として、砂どめ堤の整備だとか、そういうことで、必要に応じて土砂の補充を行ってまいりたいと思っております。
○かち委員 一応十二年度で養浜工事が完了したということだったんですけれども、実際にはなかなか砂浜が育っていないという、流出してしまうということで今日も頑張っていただいているところですけれども、ぜひ東京湾の自然を取り戻すという意味からも、この護岸整備を続けていただきたいと思います。
魚をここに生息をさせるためには、放流もされているんですけれども、生息調査をした結果もいただきました。スズキとかマハゼとかアナゴ、シロギスなどは、生息は一応しているんですけれども、年間六回の調査で、スズキが六十三とかマハゼが二百八十とかアナゴが百九十八とか、なかなか十分に生息し切れていないというのが今の現状だというふうに思うんですね。
こういう中で、稚魚も放流されているようですけれども、平成十年からクロソイを年間一万二千匹ずつ放流しているということなんですけれども、ソイというのはカサゴの仲間で、岩礁の海に生息するものだと聞いていますけれども、砂浜の江戸の海に適した魚の放流の仕方、そういう点ではどうなのかなというふうに思いますけれども、その根拠はあるんでしょうか。
○安藤参事 稚魚の放流の目的でございますが、浅場造成によりまして生物の生息環境が回復していることを確認するため、それと生物資源を豊かにするための放流でございます。
また、クロソイの選定の理由でございますが、羽田までの陸上でのトラック輸送、その間の適応力があるということ、それから稚魚の入手がしやすい、それと羽田沖浅場に設置しました魚礁への定着性に適していると考えられること、それらのことから選定いたしました。
なお、砂地の魚といたしまして代表的な魚種としてはヒラメが考えられますが、この魚は他の魚を捕食してしまうというようなことがございまして、そういったことから放流の対象から外したということでございます。
○かち委員 では、クロソイが今後どのように生息していくかということを検討されていくんだろうと思いますけれども、やっぱり江戸前の海に適した魚が生息できるような環境をぜひ検討していただきたいと思うんですね。
こういう問題は、港湾局が考えるというのもなかなか厳しいところもあると思うんですが、さりとて環境局かといえば、海のことはなかなか環境局も手薄なんですね。じゃ産労局かと。漁業との関係ではちょっと対象にならないというようなことがありまして、どこが中心になってやるかといえば、やっぱり今造成している港湾局が中心になるだろうと思うんです。ぜひ局が中心となって、関係局とも協力しながら、また、地元で漁業を細々とやっていらっしゃる方もいますので、ぜひそういう方々とも意見を交換しながら、江戸前の海を自然回復するために、今後ぜひ努力をしていただきたいと思います。
最後にですが、城南島地域の駐車場不足の問題です。
城南島では、かねがね工業協同組合の方々からも、駐車場の不足の対策が要求されてきたところです。ことしはキャンプ場の隣に人工ビーチができて、新たな憩いのスポットにもなりつつあるところですが、ここに来るには、公共交通がほとんどないので車で来るしかないというような状況もあります。
こういう中で、平日も休日も路上駐車が目に余る状況です。人工なぎさができたりキャンプ場があるという点では、子どもたちも大変多く出入りをする。そういう点から、安全確保の点からも駐車場整備が緊急の課題になっていると思いますけれども、局として、これまでにどのような対応をされてきたのか、また、今後の見通しはどうでしょうか。
○三枝臨海開発部長 城南島地区の駐車場問題でございますけれども、ここの駐車場問題には二つの側面がございます。一つは、今かち委員からご指摘がございました公園の利用者にとっての駐車場の問題、さらには地元の企業に働く従業員の方々、あるいはそこへ、そういった企業へ訪れる方々の駐車場対策という、二つの側面がございます。私ども埋立地を処分するに当たりましては、駐車場用地を含めて進出事業者に対して処分をしてきたという経緯がございます。
したがいまして、進出事業者に関しましては、自社の敷地内に駐車場を確保することを原則としてきております。しかしながら、城南島におきましては近年の車両数の増加が顕著であるといったようなことから、地域の交通を確保する、さらには住民の安全を確保するといった観点から、未利用地に暫定的な駐車場を整備して路上駐車の解消に努めてきたところでございます。
特にことしの春には臨海トンネルが開通をして便利になり、さらに人工の砂浜がオープンするといったことから、公園の利用者の増加も大幅に見込まれるといったような状況がございました。昨年来、必要な措置をとってきたところでございます。
具体的に、まず公園内の駐車場でございますけれども、四月の人工海浜のオープンに合わせまして、暫定の駐車場百二十台、臨時駐車場六十八台、計百八十八台を整備いたしました。さらに、公園の外になりますけれども、ここでは従前二百六十台の駐車場を確保しておりました。八月十九日に、臨海道路第一工区の工事用に使っておりました土地の一部を使いまして、ここに臨時の駐車場六十台を増設いたしました。
この結果、昨年度の時点で合計四百八台の駐車場でございましたけれども、現時点では二百四十八台の増、六〇%増の六百五十六台を確保しているところでございます。
さらに、このほかでございますけれども、公園の駐車場につきましても利用者の少ない平日につきましては、八月の十七日から駐車場の利用料金を半額に値下げをしております。その上で、本来、公園の駐車場は公園利用者のための施設でございますけれども、緊急避難的な措置ということで、平日のあいているスペースを地域の進出事業者に提供して、一般利用者との共用を図るということにしたところでございます。
なお、今後の見通しでございますけれども、これまでの措置でもって今後どのような利用状況になっていくか、さらには、地元の声等も見きわめた上で今後のことは検討したいというふうに考えております。
○かち委員 いろいろと検討、努力をされてきたということがわかりまして、大変ありがたいと思っておりますが、事業者の皆さんは当初、駐車場を敷地内にということでやってきたんですけれども、協同組合としてバスも走らせるというようなこと、公共交通も努力をしてきたんですけれども、こういう今の不景気の中で、工場で仕事をする、バスの時間にはとても帰れないような状況も実際あるわけですね。従業員の方々は必然的に車で通わざるを得ないというような状況もありますので、ぜひそういうことを含んで、この城南島の環境整備ということを今後も引き続き頑張っていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○小松委員 それでは、臨海三セクの経営について伺いたいと思います。
古くて新しい問題であり、我が党議員団も一貫して問題を指摘し続けてきたところであります。今や臨海を語るときに避けて通れない大変重要な問題でもあります。私も経済・港湾委員会の時代に何回か質問させていただいておりますが、久々にその経営状態を見させていただきましたが、都の安定化策や社内努力で一定、当期損益が少しずつ減りつつあるというような改善はされつつあるわけですけれども、一方、累積損益は三社合わせて十三年度末で八百四十五億円と、三年前の七百四十五億から何と百億円も拡大しているわけですね。
三社の資本金合わせますと、臨海副都心建設が二百二十億ですか、TTCが百七十六億、そして竹芝地域開発百五十億、繰り上げていいますと。これ合わせますと、約五百四十六億円。ということからしましても、資本金をはるかに超えた、すなわち債務超過であり、事実上の破綻ではないか、このように思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○井戸参事 小松委員の臨海三セクについてのご質問にお答えいたします。
臨海三セクの経営状況でございますけれども、お手元の資料三ページをごらんください。臨海三セクにつきましては、平成十年につくりました経営安定化策によりまして、三社が事業統合し経営改善に取り組んでございます。十三年度決算におきましては、営業損益は三十八億円の黒字、当期損益は十七億円の赤字、累積損益は八百四十五億円の赤字となってございます。
当期損益ですとかあるいは累積損益はいずれも赤字でございますけれども、ビル事業などの本体の事業が示します営業収益につきましては黒字となっておりまして、平成十一年度から連続して三カ年の営業黒字を計上しております。そういったことで、経営安定化策の予定を上回る形で事業を進めております。
また、ここには表示されておりませんけれども、固定資産の減価償却前の収支につきましては、平成十三年度は九十七億円の黒字となっておりまして、平成十年度黒字転換して以来黒字となっておりますので、事業継続につきましては確かな見通しをつけているというふうに考えております。
○小松委員 確かにその部分ではそうですが、しかし、それは今もおっしゃったように、あくまでも都が二百七十億円、これを投入して--いや、二百七十億円にはとどまりませんね、このほか都としての支援策、例えば夢の島のマリーナの管理移譲や駐車場用地の超安値の貸し付け、または都の関連施設の入居など、多くのものがあるわけです。
それでは、これはそれぞれ決算年度でどのくらいになっているのでしょうか。
○井戸参事 先生おっしゃいましたマリーナ事業ですとか駐車場事業等につきましては、会社の方でビル事業以外の通信事業とかあるいは施設管理事業など、それぞれの附帯事業の一環として行っております。例えばマリーナ事業につきましては、時期に応じた柔軟な施設管理を行い、また、利用者の便益の向上を図るために、マリーナの管理をその附帯事業として行っております。
同様に、臨海地域におきます駐車場の不足を解消する交通対策の一環としまして、ビルの中の駐車場事業ですとか、あるいは未処分地の有効活用を図るという観点から、臨時駐車場を附帯事業として行っております。
この結果としまして、三セクにつきましては十三年度決算におきまして、マリーナ事業としましては六億二千万円、駐車場につきましては二十一億円の収入を計上しております。これらにつきましては、本体事業以外に会社がみずからの判断で収支の改善を目指しているということでございまして、臨海三セクに対する支援というふうには考えてございません。
また、都関連の施設の入居の問題でございます。また、都の施設につきましても、施設の老朽化ですとか行政需要の変化等の都側の事情もございまして、移転する必要があった施設が、民間ビルではなく臨海三セクに入居したものでございます。現在、総務局研修所、生活文化局青少年センター等が入居をしてございます。
これらの施設についてでございますけれども、年間の支払い額はおおよそ十一億円でございます。結果として臨海三セクの経営安定化の一助となっているということにつきましては事実でございますけれども、その実態につきましては単なるテナントの賃貸借といった商行為でございまして、補助等の支援とは性格を異にするというふうに考えてございます。
○小松委員 でも実際には、例えば青少年センターなどは、何も無理して入らなくたっていいものを入ったとか、この関連施設、当時でしたけれども、合わせて百億も、移転するのにも全部含めてかかったじゃないかといわれているように、これはあくまでビルに入居率が低かった時期に入れたわけでしょう。
ですから、これは一つの支援策なんですよ。じゃ実際には、今十一億ということでしたけれども、何年か前まで、都の関連施設は二十億、二十億って私の頭にあったんですけれども、減っておりますね。これは結局、今都の関連施設が減っているということですか。
○井戸参事 東京都の施設につきましては、当然事業の必要性等から移転したものでございます。
○小松委員 それがきょうは主体でないからいいですけれども、でも、そうすると、都の関連の施設が移転しちゃった、その後はどうなっていますか。
○井戸参事 ただいま入居者を募集しております。
○小松委員 すなわち都の関連施設が移転をすると、その後は空き家になってしまう、あいてしまうということではありませんか。
それでは、伺いますが、入居率、今はどのくらいになっているでしょうか。
○井戸参事 平成十四年八月現在の入居率でございますが、十三年度末と比べますと、例えばテレコムセンターでございますけれども、現在九五・五%でございまして、三月の九九・三%より若干下がっております。
また、竹芝のビルでございますが、ニューピアノースですとかサウスビルあるいはホテル等合わせまして現在九五・三%ですけれども、三月末は九八・三%でございました。
台場フロンティアビルにつきましては、現在一〇〇・〇%で、三月末が九八・五%でしたので、若干上がってございます。
また、青海フロンティアビルでございますけれども、現在七〇%でございまして、三月が六七・〇%でしたので、これも上がってございます。
また、有明フロンティアビルでございますけれども、現在七八・七%でございまして、前回が、三月末が七八・六%でしたので、これも上がってございます。やや下がっているものもあれば上がっているものもあるという状況でございます。
○小松委員 入居率はそういうことで、まだ可能性はあるというビルもあるようですけれども、でも、大分入っているようですね。
それでは、これらのビルの賃料はどういう計算になっているでしょうか。
○井戸参事 これらのテナントの賃料でございますけれども、これにつきましては各ビルで、全体で既に百を超えるテナントが入ってございまして、各社は将来の賃料状況に強い関心を示しておりまして、ビル賃料を明らかにすることにつきましては今後の会社経営に大きな影響を及ぼしますおそれがありますので、差し控えさせていただきたいと思っております。
○小松委員 この賃料を差し控えさせていただきたいということになりますと、非常にこちらは差し支えがあるわけです。と申しますのは、あの安定化策の基本は、賃料を平成十六年度までには五〇%引き上げるんだということでしたので、一体入居率がどのくらいで、どのくらいの賃料が入っているのかと、その推移はどうなっているのかと、それがわからないと、非常に今後の見通しも難しいわけです。
それでは、三年前、このときも私の質問に対して、十六年までに一・五倍にするといっていたわけですけれども、じゃこの入居率からしての、賃料を含めての一・五倍といった見通しというのはあるのでしょうか。
○井戸参事 先生お話の経営安定化策では、平成九年度と比較しまして十六年度までに五〇%、八十七億円の増収を見込もうというふうな計画でございました。これにつきまして増収状況でございますけれども、賃料収入を含みますビルの事業収入で見ますと、経営安定化策実施前の平成九年度におきましては二百五億円のビル収入でございました。それ以降、前年を上回る増収を続けまして、平成十三年度には二百五十四億円となってございます。ちなみに九年度対比では四十九億円、二四%の増となってございます。
○小松委員 私が今お聞きしたのは、十六年度までにその賃料を一・五倍にすると、これは大前提であったわけですね。この大前提である一・五倍というのは、要するに賃料を値上げしていくんだと、引き上げていくんだと、これはどうだったのですかという質問です。
○井戸参事 計画につきましては、賃料の値上げだけじゃなくて、入居率の向上ですとか賃料の改定により五〇%アップしていこうというふうな計画でございました。現在、経済の長期の低迷ですとかあるいは二〇〇三年問題などから、この五〇%アップにつきましては厳しい状況にあると見ております。しかしながら、人件費の削減でございますとか管理経費の徹底した節減などの内部努力ですとか、あるいは金融機関の協力を得まして経営安定化策が実施されております。
この結果、先ほど申し上げましたように、計画の予定を上回る数字として経営改善が進んでございます。平成十年度には、計画どおり償却前の黒字を達成しましたけれども、さらには二十三年度におきまして、当期損益の黒字達成への道のりを強く歩んでまいりたいというふうに思っております。
○小松委員 要するに賃料の一五〇%、一・五倍というのは、そのものが無理なんだと。しかし一方では、内部努力をして一定の増収があるからとおっしゃっておりますけれども、あのときの安定化策は、何といっても基本であるビル事業ですから、賃料を一五〇%にしていくということであったわけですね。
ですから、今ここに、私探しましたら、平成十三年の七月十四日付の日経新聞がこういっておりますので、ちょっと紹介したいと思います。東京都心部のオフィスビル需要が緩和に転じる兆し広がっている、としまして、二〇〇二年後半から二〇〇三年にかけて新規の大型ビルが相次ぎ稼働する見通し、十分なテナントの入居が得られず、ビルの空洞化を招きかねない、二〇〇三年問題と業界は警戒している、空き室率も二〇〇三年には五・六%に達する見通し、こう報じているわけですね。
今、いわゆる二〇〇三年問題ということで、このほかの新聞でもいろいろ騒がれておりますが、当局はどうとらえておられますか。
○井戸参事 二〇〇三年問題についての対応でございます。今後、丸の内地区ですとか汐留地区あるいは六本木の六丁目開発など、いわゆる都心地域のオフィス床の供給過剰、いわゆる二〇〇三年問題が懸念されていることはご指摘のとおりでございます。これにつきましてのビル事業への影響についてでございますけれども、立地条件ですとかあるいは設備の面、管理の状況など、ビル全体のマネジメントの質がポイントになるというふうに考えてございます。
こうした観点から臨海三セクについて考えてみますと、立地条件では、課題となっておりました交通アクセスにつきましては、この四月の臨海トンネルの開通ですとか、あるいは汐留駅の開業による大江戸線と「ゆりかもめ」の連結、さらには、待望のりんかい線の十二月の大崎延伸などにより格段に向上するというふうに思っております。
また、まちのにぎわいについてでございますけれども、有明の総合電機メーカーの情報発信センターのオープンですとか、あるいは有明の丘防災拠点の着工、病院の着工、あるいは青海地区の大江戸温泉村など、まちのにぎわいも着実に高まっているところでございます。
また、設備の面でございますけれども、ご承知のように臨海部における臨海三セクのビルにつきましては、通信インフラが充実していること、また、耐震性にすぐれていることなどのメリットがございます。
確かに二〇〇三年問題は大きな試練というふうには考えてございますけれども、こうした有利性を生かしながら、着実に入居率が上昇するように、向上するように指導してまいりたいというふうに思っております。
○小松委員 そのお話だけを黙って伺っておりますと、非常に夢物語のような形ですばらしい臨海が進んでいくように感ずるわけですが、しかし、どうでしょう。皆さんはしょっちゅう行かれていると思うんですが、私もたまに行ってみますと、今本当に見た目では、空き家が非常に目立つというところです。
先ほど伺っていれば、そういうビルもあれば一定埋まっているビルもあるということで、それはいろいろだと思うんですが、やはりそれらを見ましても、入居率のこの推移を見てまいりましても、ずっとだんだん上がっていく、で、いっぱいになったということではないんですね。やっぱり繰り返しながら--ビルなんてそんなものなんでしょうが。
だから、事は、ビルの入居率も上げるのは大切なんだけれども、賃料を上げなくてはならないわけですね。そうしないと一五〇%にはならないということだと思うんですけれども、これが二〇〇三年問題と今騒がれているように、大きくビルが出る。そして、決してこの地域の地価も上がっていないということになれば、賃料がきちっと上がっていくって考えられないんじゃないですか。一五〇%で上がり、そして幾ら内部の努力があったとしても、これは完全に考えられないんじゃないでしょうかね。どうですか。
○井戸参事 賃料の改定についてでございますけれども、これまで会社としましては粘り強くテナントと交渉を行っておりまして、改定を実施してきたというふうな例も伺っております。具体的な中身につきましては申し上げられませんけれども、少し、それほど多いという例ではございませんけれども、着実に粘り強く交渉を行って、改定については実施してきております。
○小松委員 大もとの賃料が幾らかっていってくれないんですから、この基本が幾らかいわないところでのどんな論議を尽くしても、そちらは全部資料を持っているわけですから、非常に私もやりにくいわけで、これは本当に都民に明らかにされないところに問題があるわけです。
いずれにしても、苦しい、一五〇%にいかない、だけど何とかいこうとしようとしているその努力は認めますよ。しかし、そこまでいかないんじゃないかという、もうこれが一般の推定なんですね。そういう前提である賃料の引き上げがないという、前提が崩れたというわけですから、これは破綻状態。これがやっぱり債務を引き上げているということではないんでしょうか。
先ほど、日経の七月といいましたけど、さらにこの日経新聞、その前の五月二十四日付ではこういっております。都が支援に合わせて立案した再建計画には、交通網の充実に合わせ賃料を現在の一・五倍に引き上げることが盛り込まれている。しかし、都心の高層ビルが続々誕生しており、都幹部もハードルは極めて高い、こういっている。むしろ、早期に抜本処理した方が傷口は広がらない、自治体には思い切った対応が求められそうだ、このようにいっているわけですね。どうでしょう、これに対して。
○井戸参事 先ほど申し上げましたように、平成十年につくりました経営安定化策に基づきまして、着実に経営改善の実を上げてございます。先生ご指摘のような話は必要ないというふうに考えております。
○小松委員 それは、あと何年かすれば明らかになるわけですが、残念なことに、そのときには井戸部長も部長ではなくなっちゃうということですから。残念ですけれども……。
ところで、ちょっと視点を変えまして、銀行の支援実績もお伺いしたいと思います。
○井戸参事 金融機関の方の支援実績でございますけれども、金融機関につきましては、経営安定化策に基づきまして平成十年度から十年間にわたりまして、都の支援額と同等の適用金利の引き下げ、資金繰りの協力などにより支援を受けてございます。
ただ、金利ですとか融資決定などについての具体的な支援内容につきましては、金融機関の方にとりまして、ほかの顧客への融資活動における妨げになるとか、あるいは金利につきましては、借り手方の事業運営につきまして大きな影響も与えるものでありますことから、金融機関側あるいは借り手側の双方に守秘義務が課されております。一般的な商取引の慣行からも、これまで金利を明らかにした例はございません。
このことから、金利等の具体的な支援内容につきましては、会社の資金繰りにも結果として重要な影響を与えますので、控えさせていただきたいというふうに思っております。
○小松委員 こういう大事なことになると、みんな守秘義務だとかなんとかいって、いってもらえないんですけど、それ以上聞いてもいってもらえないんでしたら、では、利払い状況はどうなっているでしょうか。
○井戸参事 金融機関への利払い状況でございますけれども、平成十三年度におきましては七十四億円でございました。経営安定化策の前の平成九年度と比較しますと、平成九年度が百二億円でございましたので、二十八億円、二七%の減少となっております。
○小松委員 減少したところで七十四億円、銀行はちゃんと利払いを受けているんですよ。ビル事業だけですね、今のは。それだけから見ても、ビル事業の賃料も含めた実際の収入は、調べたところでは二百五十四億円だということからしましても、その事業収入の三分の一近くを銀行に支払っているということではありませんか。都が十年間で二百七十億円、いや、それ以上の支援をする。銀行の支援策、実績はいえないというけれども、銀行は利払いだけはしっかり受けている。これで、公金投入された都民が納得すると思いますか。
そこで、今度は自治大臣の官房総務審議官が、各都道府県知事または各指定都市長にあてまして第三セクターに関する指針というのを平成十一年五月二十日に出されているのはご案内のことと思いますが、そこで、この通知について何点か伺うわけです。
この通知には、最初に、各地方公共団体は指針の内容に十分留意の上、適切な対処をと求めておりますが、臨海の三セクについても、都はこの指針に基づいて対処してきている、これからも対処する、こう認識してよろしいですか。
○井戸参事 指針と申しますのは、国の第三セクターに関するセクターの運営とか対応に関する指針でございまして、平成十一年に出されたものでございます。これにつきましては十分承知しております。
これについての見解でございますけれども、その内容の中で触れてございますけれども、一律に三セクを取り扱うのではなくて、金融機関との間で存続についての合意がなされている場合ですとか、あるいは当該第三セクターの果たしている公共的、公益的使命など、行政的な評価を加味した上で総合的に検討しろというふうに記載してございます。
臨海三セクにつきましては、十一年に出されましたこの指針を逆に先取りする形で、平成十年に、会社、金融機関、行政が一致協力して経営改善計画である経営安定化策を策定し、経営安定化に取り組んでいるというふうに考えてございます。
○小松委員 私が質問しようとしたことをどんどん先にお答えいただいてしまったようでありますので、それでは、私、こういうのを用意してきました。(パネルを示す)これは、きっとそちらでも手元にあるかもしれません。要するに、ここにも書いてありますように、経営の予備的診断の参考例というのでありますね。これはちょっと小さくてわからないかもしれませんが、もう十分承知されている当局の方は頭に入っておられると思うんですけれども、ちょっと確認をしたいと思います。
まず、ここには単年度黒字かどうかということ。青い線がイエス、ノーというのが赤い線で記しました。そうしまして、単年度黒字かどうか。これはノーですね。まだなってないからノー。ノーのときは下に行くわけです。その次、減価償却前の黒字かどうか。本当はこれ、支援策をする前の話ですから、そうしたら本当はノーなんですね。ノーになれば、事業計画どおりの償却前赤字か。これもノーだということで、おおむね所定期間内に黒字。こういう安定化策がなければ、ずっとノー、ノー、ノーでCになっちゃうんですよ。
今おっしゃってましたけど、安定化策があったとして、そして、じゃ減価償却前の黒字になった。はい、イエス、進みます。累積欠損金があるか、これはイエスですね。これがどのくらいあるかというのは、対自己資本比率が五〇%未満なのか、五〇%から一〇〇%なのか、それとも自己資本以上なのか。これはまさに自己資本以上です。ですから、ここからここまで進みます。
そうすると、ここで事業計画どおりの累積欠損か。これの見方ですね。恐らくこれは、そちらは安定化策でイエスなんだと。そして隣に、おおむね所定期間内に単年度黒字が可能か。これもイエスだということで、Aだというふうにおっしゃるでしょう、きっと。もう答えはわかってるんですからね。そうすると、そのAというのは、経営努力を行いつつ事業は継続していきなさい、こういう答えなんです。
ところが、私はそれをおめおめ、そのとおりですねと申し上げるわけにいきません。これ、念のため皆さん方に申し上げます。Aは、今のよう。Bは、事業内容の大幅見直し等による抜本的な経営改善が必要。Cは、深刻な経営難の状況にあり、経営の視点からは事業の存廃も含めた検討が必要。
何がいいたいかと申しますと、もうその安定化策を立てるあの九年度自体に、既に自己資本以上の債務超過があったではありませんか。ですから、あの安定化策によって、これがイエスのところへ行ったんですよ。あの時点ではノーといわざるを得ないんですよ。ノーだったらば、今申し上げたように、経営の視点からは、事業の存廃も含めた検討があのときに必要だったんですね。まさにこれは支援策をやったからこそできたけれども、あのときにもう破綻の処理をすべきだったんではないでしょうか。
○井戸参事 先生のお話ございましたように、自治省の通知でございますけれども、これにつきましては、経営が困難な三セクにつきまして、ではどうするかということで、経営改善を図っていくのか、あるいは処理するのかということを検討しなさいというふうな指針でございました。その前提として、今先生のお持ちのそのパネルにつきましては、あくまでも経営についての予備的診断の参考例ということで、改善計画ですとかあるいは処理ですとか、そういったものを決める前に、参考例として事前にこういったような枠組みについて検討しなさいというものでございました。
平成十年に関しましてはこういった枠組みはございませんでしたけれども、当然当たり前のこととして、東京都といたしましては、会社、金融機関、行政等が一致協力してそういうことをやっていこうということで、経営安定化策を検討してつくったわけでございます。ですから、予備的診断のパネルというのは、先生もおっしゃいましたように、改善計画等をまとめる前の指針といいますか指針の参考例ということでございますので、したがって、臨海三セクの場合につきましては、それを使いまして診断するとか、あるいは検討するというような必要性は含まれてないというふうに考えてございます。
○小松委員 まず、私ども共産党都議団が一貫して、やはりこのCなんだということは、この十一年の五月に出た指針ですね、方針ですね、これの通知の以前からいってきたわけですけど、この時点でそうあるべきだった。それで、今部長のお答えでは、先ほどのと合わせますと、これはあくまでも予備的診断なんだと。その先に確かに書いてあります。先ほどのお答えでした。当該第三セクターが果たしている公共、公益的使命など行政的な評価を加味した上で総合的に検討されるべきであると。ここをとらえて、総合的に検討してこういう安定策を出したんだということですが、私、この臨海の三セクについて、本当に公共、公益的使命など行政的な評価ができるのでしょうかね。
最近は、福祉の世界では民間移譲というのがはやっているようですけれども、これこそビルの貸し業ですよ、貸しビル業ですよ。民間と同じじゃありませんか。
○井戸参事 臨海三セクの公共性についてのご質問でございます。まず、臨海三セクのビルにつきましては、ビルの中に地域に対する冷暖房施設ですとか、あるいは地域に対する変電施設あるいは下水ポンプ場等のインフラ施設を収容しておりまして、その建物自体が公共的役割を担っております。
また、この三セクターにつきましては、臨海地域におけるまちづくりのモデル的あるいは先導的役割を果たすということでつくられましたけれども、現在も共同溝、道路、情報通信基盤等の管理とか公共性の高い事業を実施しております。
さらに、現在この臨海三セクターテナントビルの中でございますけれども、三社におきまして、百を上回るテナントですとかあるいは九千人に上る従業員が働き、地域の雇用と経済の下支えを行っております。
また、臨海副都心につきましては、年間約三千七百五十万人が来訪しまして、都民に親しまれるとともに三万四千人が働きまして、新しいまちとして定着してきてございますけれども、この第三セクターを支援せずに処理することになりますと、公共的な役割を果たせなくなり、臨海副都心の開発に大きな支障が生じるというふうに考えてございます。
○小松委員 都民のためにモデル的にとおっしゃいますけれども、あそこに住んでいらっしゃる都民というのは、住宅部分ですけど、住宅部分の下に今おっしゃったようなインフラというようなもの、共同溝はたしかなかったはずですよね。その共同溝があるのは、オフィスビルの部分が主だったと思うんですね。
この共同溝を含めた臨海全体にどのぐらいのお金を投じたかという話になると、もう少し話ができるんですが、きょうはこれは一般会計部分ですので、そこには触れることができませんので、その中の三セクということで進めていきたいと思うんですけれども、臨海三セクだけに限っても、今までの答弁、やりとりから明らかなように、まず、安定化策の基本であるビルの賃料が計画どおりにいかない、これは明らかになりましたね。
すなわち、都がつくったスキームそのものが、もとになる賃料が崩れたということであれば、スキームは見直さなければならないんじゃないか。それとも、このビル賃料の一・五倍の財源を他でつくれるというのでしょうか。それとも、累積赤字が減って債務超過がなくなる見通しがあるというのでしょうか。最後に伺っておきたいと思います。
○井戸参事 臨海三セクにつきましては、臨海部の開発を進めるためにどうしても必要な施設であるという大きな前提のもとに会社をつくりまして、これまで課せられたその役割を適切に果たしたというふうに考えてございます。
しかしながら、臨海三セクにつきましては当初から多額の負債を抱えており、そのため、徹底した会社の内部努力を前提としまして、東京都と金融機関の両者の支援を内容とする経営安定策に基づきまして、経営改善に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
まず、第一の目標でございます償却前の黒字については達成いたしました。また、平成十一年度以降につきましても、営業収支の黒字を重ねてございます。二〇〇三年の問題など引き続き厳しい経営環境にございますけれども、三セクそのものの設立趣旨でございます臨海の開発と都民サービスの向上等を目指しながら会社を指導し、将来の都民のためになるという会社にしていきたいというふうに考えてございます。
○小松委員 どんなにいろいろ数多く口をきいたとしても、将来厳しいというのは明らかなわけですよ。事実、臨海部開発問題を考える都民連絡会が一昨年十二月に、臨海関連第三セクターについてということで解散の提言を発表して、知事に提言しておりますね。続いて昨年の十月には、臨海三セク都民オンブズマンとして、会計士や税理士、弁護士を含む市民の代表の方々が臨海三セクの実態を分析して、都知事に破綻処理の提言、私もいただきましたが、やっぱり解散させるしかない、こういうのを出しております。
こうした累積欠損を拡大すれば財政負担も増大する、少しでも早く、破産、特別清算などの破綻の処理を急ぐべきと結論づけているわけです。これら三セクの主たる事業はいずれもオフィスビル事業であり、民間会社と何ら変わらないと。すなわち、実態としてビル賃貸を主な事業とする民間会社なんだから、公的資金を投入してのその存在、これを維持しなければならないような公共性は見出し得ないんだ、傷口を拡大するようなことは絶対にあってはならないと、こういってるわけですね。こうした提言を率直に受けとめて、これ以上の傷口を大きくしない、このことを切に望みます。
私も三年前、徹底した情報公開制度の整備を初め、出資条例の制定、出資先の借入金や経営赤字に対する債務保証、または損失保証は行わないというような五点の提起をさせていただいております。
さらに知事も、予見性に富んでいるとはいえない、国に乗せられて随分危うい措置をしてきた結果になったといわれております。だとすれば、直ちに清算を含めたきっぱりした解決に踏み出すべきです。多摩ニュータウンも既にそうした処理をしております。都民が十分納得でき、今後の三セクの破綻処理の指針となるべき抜本的な処理を求めて、質問を終わります。
○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で港湾局関係を終わります。
○大木田委員長 これより地方労働委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、地方労働委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○立花地方労働委員事務局長 去る十月八日の本分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんください。
恐れ入りますが、一ページをお開き願います。
取扱事件数の推移の表でございますが、表側にございますとおり、審査関係では不当労働行為事件と労働組合の資格審査につきまして、また、調整関係につきましてはあっせん、調停事件と労働争議の実情調査につきまして、それぞれ前年繰り越し、新規申し立て、取扱件数、終結件数の順に、平成四年度から十三年度までを記載してございます。
以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○大木田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○真木委員 地方労働委員会に関します質疑は、私一人のようでございます。地方労働委員会の大変大きな予算に対して一人で質問するということで責任を大変痛感しておりますが、代表してご質問させていただきたいと存じます。
こちらに今いただきました資料にもございますが、平成十三年度の不当労働行為事件の新規申し立て件数、命令件数及びそのうち命令が確定した件数、終結件数、それぞれお尋ねいたします。
○立花地方労働委員会事務局長 平成十三年度におきます不当労働行為事件の新規申し立て件数でございますが、百八件でございます。同じ年度に公布しました命令本数は十四本でございます。併合して出しました命令がございますので、事件数としては十九件になっております。
さらに、公布いたしました命令のうち二本、事件数としては三件が確定しております。
また、終結件数でございますが、百二十一件、うち百二件が和解等で終結をしております。
○真木委員 これは新規申し立てと確定件数、それぞれ分母と分子という関係にはならないわけでございますが、十三年度に百八件申し立てをされて、十三年度中に決着がついたのはというか、命令を出したのが十四本。十四本出したけれども、確定したのは二本しかないということで、本当にご苦労だと思います。さらに上告だとか争いを続けているということで……。ただ、その他のことで和解等で決着をしたのが百二十一件あるということですね。
命令を出せばいいというものじゃありませんが、命令が少なくて和解等で終わる件数がこれほどまでに多い、その理由としてはどういうことが考えられますでしょうか。
○立花地方労働委員会事務局長 和解による事件の解決でございますが、当事者が納得した上で合意し、和解協定書を締結するものでございます。命令よりも短期間に解決できると同時に、協定後の労使関係の安定化によい影響を及ぼすという長所がございます。
そのため、地方労働委員会といたしましても、審査の過程におきまして、機会をとらえて積極的に和解を促進するということ。あわせてまた、紛争の中にありましても関係当事者は話し合いによる解決を多く望んでいるということの結果である、このように考えております。
○真木委員 ただいまお答えがございましたように、和解等の効果というものはあるわけでございまして、申し立てを行ったことによって和解が促進されたという効果もあろうかと思います。必ずしも命令を出せばいいというわけじゃないわけでありますけれども、しかしながら、私は今いった理由だけじゃなくて、命令に至るまで、審議にかかる時間が長過ぎる、日数がかかり過ぎるという点があるんじゃないかと思うんですが、十三年度に終結をいたしました百二十一件の審査期間は、平均いたしますとどれぐらいになりますでしょうか。
○立花地方労働委員会事務局長 終結事件百二十一件の平均処理日数でございますが、千四十三日でございます。
○真木委員 ということは、平均で三年かかっているわけですね。中にはもっと長いものもあるし、国鉄の例とかもありますので全体を引っ張っているという同情すべき余地もあるわけでありますが、しかしながら、やはり平均して三年、普通のケースでも一年、二年かかっているんだと思います。
私の地元の町田市におきまして、今私立高校の案件、明泉学園というところから労働組合が申し立てを行っております。この具体的案件としましては、一年契約の講師に関する事件がかかっています。私立学校などにおきまして、一年契約の講師の扱いをめぐる不当労働行為といったときは、一年以上かかってしまうと、その身分が本当に不安定なものとなってしまうということになります。一刻も早く処理をするという必要があるかと思うんですけれども、とりわけこの明泉学園の件につきましては、一刻も早い処理をお願いをさせていただきますが、それはそれといたしまして、労働委員会として、迅速な事件処理のためにどのような努力をされておりますでしょうか。
○立花地方労働委員会事務局長 係属中の個別事件については申し上げられないわけでございますが、事件処理の迅速化につきましては地方労働委員会の大きな課題であると認識いたしまして、取り組んでいるところでございます。
具体的には、審査手続の面から答弁書の早期提出、証人の人数の縮減、審問間隔の短縮など、当事者のご理解を得ながら改善に努めているところでございます。
また、事務局体制の面からは、ITを活用しました事務処理や職員の事務処理能力向上のための研修などを行っております。
なお、本年度から事件関係書類の一部につきましては、ファクシミリ等を利用いたしました委員会への提出、あるいは当事者間の直送を認めるなどの改善を図っております。また、審査、調整事件に関するシステム開発にも取り組んでいるところでございます。
○真木委員 この件に限らずでございますけれども、迅速化。とりわけこの明泉学園、一年契約の講師ということでございますので、迅速な処理をできるようお願いを申し上げたいと思います。
ところで、今、明泉学園ということで申し上げましたが、私学関係、私立の教育機関の事件が多いというぐあいに聞いております。過去五年間の新規事件数と新規申し立て事件数全体の中で、私学関係の比率はどうなっていますでしょうか。
○立花地方労働委員会事務局長 私立学校関係の事件数でございますが、大学、高校、専門学校等含めまして、九年度は十一件、新規申し立て事件の一四・五%、十年度は九件で八・七%、十一年度九件、七%、十二年度六件、五・五%、十三年度七件、六・五%となっております。また、十四年度につきましては、これは十月十五日現在でございますが、八件、一二・一%となっております。
○真木委員 一〇%を超えたり超えなかったりしているわけでありますけれども、全体の一割近くになっていると。労働委員会に申し立てをできるのは労働組合のあるところだけですので、必ずしも全労働者の割合ということにはならないかと思いますけれども、しかしながら、私立関係の教職員、事務局員含めて全労働者の一割なんているわけじゃ全然ない中で、申し立て件数にしてみれば一割前後になるというのは、やはり比率として高過ぎるというぐあいに思います。
素人的に考えますと、私立の教育機関には東京都からの補助金が、大変な補助金がおりているわけでありますから、東京都として、しっかりと東京都の労働委員会として指導しろといいたくなるところでございますけれども、労働委員会というのは行政委員会であり、中立公正な労働委員会としてはそういうことはなかなかしづらいのかなという中で、労働委員会として、私学がこうしてふえている、どのように対処をするお考えでございましょうか。
○立花地方労働委員会事務局長 真木副委員長ご指摘のとおり、地方労働委員会は、労働組合法や労働関係調整法などに定める事務を知事から独立して遂行する専門の行政委員会として設置をされております。
したがいまして、不当労働行為の救済申し立てがあったすべての事件につきまして、公正中立な立場から調査、審議を適切に行う、また、和解による解決を促すほか、命令を発するなどによりまして、正常かつ良好な労使関係をつくり出す、これが使命であると承知しております。こうした認識に基づきまして、今後とも、委員、職員が一体となりまして粘り強くそれぞれの事件処理に当たり、労使関係の安定化、正常化に寄与してまいる所存でございます。
○真木委員 私学関係を見ておりますと、同じ組合から申し立てがたくさん出ているというような事案がございます。同じ組合のAさんに対して不当労働行為といわれるような行為を使用者側がして、それに対して労働委員会の命令が出る。そうすると、普通はそこで懲りるわけでありますが、次はBさんに対して同じようなことをして、そしてまた、同じ組合からBさんに関する申し立てをされるというようなことが何回も相次いでいるようであります。地方労働委員会というのは、中立公正であって指導権限がない中で、そういった私学に対して、確信犯的な私学に対して指導することができないということであります。
そういうことであるならば、生活文化局、私学助成をしております生活文化局の方に指導を求めるしかないということを確認したいところでありますが、そうでございますという答弁は勘弁してくれということでございますので、そこはあえてお伺いしませんけれども、労働委員会としてはそれはできないという中で、やはりそういった不当労働行為と思われるような行為を何回も行う使用者があるということは、決していいことではない。そして、そういったところに東京都が補助金を、全然そういったことと関係なく補助金を出し続けるということは、いかがなものかなと思っております。
この件につきましては、総括質疑の中で生活文化局の方に、指導権限のある生活文化局の方に問い合わせることを予告いたしまして、労働委員会に対する質問を終わります。
以上です。
○大木田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で地方労働委員会事務局関係を終わります。
以上をもちまして第三分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告につきましては打合会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、そのように取り扱ってまいります。
これをもちまして第三分科会を閉会いたします。
午後三時三十分散会
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