委員長 | 野村 有信君 |
副委員長 | 中西 一善君 |
副委員長 | 森田 安孝君 |
秋田 一郎君 | |
山下 太郎君 | |
ともとし春久君 | |
臼井 孝君 | |
花輪ともふみ君 | |
古館 和憲君 | |
三原 將嗣君 |
欠席委員 なし
出席説明員知事本部 | 本部長 | 前川 燿男君 |
外務長 | 田邊 隆一君 | |
次長 | 森澤 正範君 | |
技監 | 石河 信一君 | |
企画調整部長 | 渡辺日佐夫君 | |
秘書部長 | 今里伸一郎君 | |
政策部長 | 村山 寛司君 | |
政策担当部長 | 石井 恒利君 | |
企画調整担当部長 | 中田 清己君 | |
特命担当部長 | 高島 茂樹君 | |
危機管理調査担当部長 | 金子正一郎君 | |
国政広域連携担当部長 | 熊野 順祥君 | |
首都調査担当部長 | 関口 栄一君 | |
自治制度改革担当部長 | 幡本 裕君 | |
国際共同事業担当部長 | 高橋 道晴君 | |
人事委員会事務局 | 局長 | 高橋 功君 |
任用公平部長 | 松田 曉史君 | |
試験室長 | 村松 満君 | |
参事 | 矢島 達郎君 | |
選挙管理委員会事務局 | 局長 | 押切 重洋君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
知事本部関係
・一般会計決算(質疑)
人事委員会事務局関係
・一般会計決算(質疑)
選挙管理委員会事務局関係
・一般会計決算(質疑)
○野村委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
本日は、知事本部、人事委員会事務局及び選挙管理委員会事務局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより知事本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、知事本部所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○渡辺企画調整部長 去る十月八日の当分科会において要求がございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料の表紙をおめくりいただきたいと存じます。
要求のございました資料は、「東京構想二〇〇〇」三カ年推進プランの決算状況でございます。
表の左側の欄に、三カ年推進プランを構成する職住近接の推進など二十三の計画事業を記載し、それぞれの事業について、平成十三年度の予算額、決算額、差し引き及び執行率を記載してございます。最下段の合計欄をごらんください。二十三事業合計の平成十三年度予算額は三千四百八十六億円余、決算額は三千四十一億円余、執行率は八七・二%となっております。
以上、簡単ではございますが、要求がございました資料の説明とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○野村委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○臼井委員 それでは、トップバッターで質疑をさせていただきます。平成十三年度決算の審査に当たりまして、首都移転問題についてお伺いしたいと思います。
首都移転問題については、平成十二年に衆議院の国会等移転に関する特別委員会が、二年を目途に移転先候補地を絞り込むこととしていたわけでございます。その期限がことしの五月であったことはご承知のとおりでありますが、平成十三年度は、首都移転問題にとって大変重要な時期であったわけでございます。ここで東京都は首都移転に一貫して反対し、反対運動を続けてきたわけでございます。改めて、東京都がこの運動、活動を行ってきたことについて確認をしたいので、経過をご報告いただきたいと思います。
○関口首都調査担当部長 都はどのような活動を行ってきたのかというご質問でございますが、首都移転につきましては、一極集中による弊害の是正、あるいは災害対応力の強化、あるいは国政全般の改革への効果というものが主張されておりますけれども、財政負担等多くの問題を抱えておりますことから、都は一貫して反対しております。
この平成十三年度は、首都移転の再検証を行いまして、首都移転費用が国の主張する十二兆三千億円にとどまらず、二十兆一千億円にも上ることを明らかにいたしました。また、パンフレットあるいはビデオの作成、首都移転に断固反対する会によるラッピングバスの運行などを行ってまいりました。さらに、年度をまたぎますが、ことし五月には、都議会と協力いたしまして、首都移転断固反対総決起集会を実施したところでございます。
○臼井委員 お話しのように、平成十二年には東京都はこれを検証し、十三年十月にはこれの再検証を行って、お話しのような内容でございましたけれども、首都移転なるものはバブルの発想でしかなく、膨大なむだ遣いであることを世に問うたわけでございます。都議会、都、都民が一体となってこの反対運動を行ったことにより、本年五月の首都移転候補地の絞り込みが先送りされました。
しかし、衆議院の特別委員会では、移転規模の見直しなどを行ってでも移転しようという動きがあると聞いております。十八日から臨時国会が開催されておりますが、首都移転に対する現在の国会の状況はどうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。
○関口首都調査担当部長 首都移転に関する現在の国会の状況でございますが、本年五月に予定しておりました衆議院特別委員会、こちらで候補地の絞り込みをできなかったということで、一時は、衆議院の議長のもとに協議機関を設置いたしまして検討していくという流れがございました。しかしながら、実際は設置されることなく、特別委員会に差し戻しされたわけでございます。
また、通常国会の閉会に当たって、与党三党首の会談で、首都機能移転問題については、社会、経済、国民意識等、諸事情の変化を重く受けとめ、次期通常国会において結論を得るよう努力すると合意をされました。現在開催されている臨時国会で、規模あるいは形態について、引き続き特別委員会を設けて審議されると聞いております。
他方、最近開かれました与野党の国会対策委員長会談において、各党とも積極的に移転すべきという雰囲気はないという新聞報道もございまして、国会での首都移転に向けた取り組みは先行き不透明な状況でございます。
○臼井委員 これまでの都の積極的な反対活動が移転推進の動きを鈍らせたと、私ども、評価に値すると思っています。
今答弁があったように、国会は混迷をしているようでありますが、一方では、首都移転問題は国民的議論も高まらず、今日、マスコミもそれほど取り上げていない状況であるにもかかわらず、衆議院の特別委員会を初め、先々週ですか、首都機能移転候補地の六県知事が会合を持って、候補地を中心にした移転推進活動が依然として続けられているのでございます。この候補地の六県知事は、公共事業費を年間一千億円として、十年ぐらいで段階的に実現する案を発表するなど、費用や規模の縮小をしてもやるというようにいっているのでございます。
こういうことを見ますと、なかなか予断は許さないというふうに見るべきだと思うのでございます。状況によっては、東京都も迅速に対応しなければならないと思うのでございまして、今、多少状況はこちらにいいからといって、安心して油断していてはいけない、こう思うのでございます。白紙撤回に持ち込むまで、とにかく油断しないでしっかり取り組む必要があるのではないかと思います。
そのためには、私は、この反対運動の進め方としては、単に積極的なPR活動を打ち出すだけが唯一の方法ではない、さまざまな戦法が考えられる、そのように思っています。したがって、都は今後どのように首都移転反対を進めていくつもりなのか、お答えいただきたいと思います。
○関口首都調査担当部長 今後どのように首都移転反対を進めていくつもりかというお尋ねでございます。
ただいま申し上げましたとおり、首都移転に関する国会の動向は極めて混迷しております。移転の規模あるいは形態、手法の見直しを特別委員会で検討する動きもございます。
また、先生、先ほどおっしゃられた六県、実はあのとき、愛知と京都が欠席しておりますが、八府県の共同アピールということでアピールがされております。今後国会での検討がどのように動くか、予断は許せません。私どもといたしましては、十分な情報収集に努めまして、今後とも注意深く、国会の動静、世論の動向を見きわめながら、準備怠りなく、適時適切に対処してまいります。
○臼井委員 ただいま答弁がありましたように、状況変化に適切に対応できるように戦略を立てる戦略会議のような会議を設置して、しっかり準備を整えて対応するようにしていただきたいな、こんなふうに思っているわけであります。
そして重要なことは、移転に反対していくという直接的な活動は当然大切でありますが、そういうことを考えるのでありますが、しかし、より大切なことは、これからの東京をどうするかということではないかと思っているわけでございます。東京がこれまで以上に、世界から多くの人が来訪し、世界の政治、行政の都市として発展していくことが、首都移転の意義を失わせることになると考えるわけであります。
そこで、二十一世紀における日本の顔としての首都東京を実現するためには、何としても都市再生が重要である。国際都市として高度な機能を整備して、情報や金融にも強い発信力を持つことこそ、首都東京のこれからの役割である。また、世界の人類に貢献することのできるような拠点としても東京が再生されることが必要である。今後、首都として、この東京を私たちは長く使っていく必要がある。我々、都のすべての人は異存はないわけです、東京を首都として使っていくのは。したがって、その使用にたえられる都市づくりを進めなければいけない。新たな投資が必要であるというゆえんであります。
攻撃は最大の防御であります。風格ある国際都市東京のコンセプトを高め、魅力を高めていくことが、私は、この首都移転に反対する一つの戦略でもあると。広い意味で首都移転反対の活動に結びつくわけであります。このことについて当局の所見を伺いたい。
○関口首都調査担当部長 広い意味での首都移転反対の活動についてのお尋ねでございます。
国際的な競争が激化している中で、我が国は、金融分野における取引高の減少あるいは空港を初めとする基盤整備のおくれなどによりまして、国際的な地位が急速に低下してきております。こうした中で、首都圏の力をそぐことになる首都移転は行うべきでなく、政治、経済、文化などの機能がさらに一体的かつ効率的に機能し得るように、首都圏の活性化を図ることこそが我が国のとるべき道でございます。
これまでも、都市再生や都民生活の不安解消などの施策を進めてまいりましたが、現在の閉塞状況にある日本の現状を打破するためにも、空港を初めとした交通、物流ネットワークなど、インフラを整備し、あるいは観光事業の積極的な展開をしていくなど、ハード、ソフトを含めた、官民挙げた取り組みを進めることが必要でございます。先生のお話にございましたように、風格ある首都にふさわしい国際都市東京を築くことこそが、広い意味で移転反対につながる取り組みと申せます。
今後とも、都議会の皆様とともに、首都移転の白紙撤回に向けて油断することなく取り組んでまいります。
○臼井委員 それでは、二十一世紀の日本の首都として、東京の発展のためにともに頑張るということで、私の質問は終わらせていただきます。
○山下委員 平成十三年度決算のうち、都市間交流の推進についてお伺いいたします。
東京都は従来から、この国の首都として、また世界有数の大都市として、独自に都市外交を進めてこられたと思います。また、その内容は、その時代のニーズ、ニーズに合った形に変化をしてきているんじゃないかというふうにも見受けられます。都市外交の移り変わりと現在の基本的な考え方を、まず初めにお伺いさせていただこうと思います。
○今里秘書部長 都市外交の内容の変化についてのお尋ねでございますが、従来の都市外交は、友好や親善を図り、相互理解を深めることを主な目的として、ニューヨークや北京など十一の姉妹・友好都市との間で、人的交流や国際会議の開催などを行ってまいりました。
最近は、アジア大都市ネットワーク21を提唱いたしまして、海外の都市が抱える共通の問題解決に共同して取り組むなど、より具体的、実際的な、問題解決型の都市外交へと重点を移してきております。
○山下委員 ただいまご答弁にございましたアジア大都市ネットワーク21は、平成十三年度に、ちょうど昨年の今ごろでしょうか、第一回総会を開かれました。昨年、私も拝見させていただいて、成功裏に終わられたのではないかな、そのように思っております。
さて、このネットワークは一体どのような考え方のもとに形成されたのかを伺います。
○高橋国際共同事業担当部長 第一回総会の共同宣言にありますように、アジア大都市ネットワーク21は、欧米に匹敵するポテンシャルを持つアジアの大都市が、異なる政治的な立場を超えて強固なネットワークを形成し、共同で事業に取り組むことを通じて、アジア地域の繁栄と発展を目指すものでありまして、そのような考えで形成されたものでございます。
○山下委員 そのアジア大都市ネットワーク21の形成からほぼ一年の時間が経過したことになるんですけれども、この間どのような活動を行っているんでしょうか。具体的に教えていただければ……。
○高橋国際共同事業担当部長 この一年間の活動でございますが、例えばアジアの舞台芸術を一堂に集めましたアジア舞台芸術祭、共同で行う観光キャンペーンの方向を決めるアジア観光促進協議会、さらに、自動車排出ガス対策を推進し情報交換を行います排出ガス対策国際フォーラムなどを開催いたしました。また、地味ではございますが、都市開発、水道、下水道の管理についてのアジア都市の職員に対する研修事業も実施しております。
当知事本部所管事業といたしましては、中小型ジェット旅客機の開発を促進するための取り組みとして、先週、アジア旅客機フォーラムを開催したところでございます。
○山下委員 今ご説明がございましたさまざまな取り組みですけれども、それでは、皆様方は、行われてきたこの取り組みについて、一年間ですけれども、どのような評価をされていらっしゃるんでしょうか。
○高橋国際共同事業担当部長 一年間の活動の評価でございますが、初年度でありますことから、何事も手探りでやってきたのが現実でございます。各都市それぞれの文化を背景に、仕事の進め方の違いのためコミュニケーションがとりにくかったり、財政事情のため参加が制約される部分もございましたけれども、全体的には、参加都市の熱意や関心が非常に高く、また、それぞれ努力していただきまして、事業はおおむね順調に進展していると評価しております。
○山下委員 私の手元に、アジア大都市ネットワーク21共同事業参加都市一覧表というのをいただいております。まず、これを拝見させていただいていますと、十五事業、十二都市ですか、どの都市がどの事業に参加をしているか、マルあるいは空欄ということで、表になって出ておるわけですけれども、これを拝見していますと、必ずしも全都市が全事業に参加をしているわけではないというふうなのははっきりと理解できるわけでございます。私は、何もすべて、この十五事業すべてにおいて全都市が参加しなければならないということではないと思っております。例えば、先ほどのご説明の中にもございました中小型ジェット旅客機の開発促進という事業は、こういったものは各国の技術レベルや需要の問題等、さまざまな温度差があっても、ああ、これは当然なのかなというふうな理解をさせていただいております。
これは私の持論なんですが、何事においても、ましてこの都市外交という分野においても、相互理解を深めなければならないというふうに考えております。そして、相互理解を深めるための人材育成に力を注いでいかなければならないのではないかというふうな持論を私は持っております。
そういった観点から拝見させていただきますと、例えばアジア遠隔教育プロジェクトというものや、エイズ診療従事者臨床研修、こういった事業については、例えばアジア遠隔教育プロジェクトなんかは十二都市中八都市ですか、あるいはエイズの研修、お互いにしていこうという事業なんかは七都市というふうな現状がございます、一回目ですけれども。こういったものについては、何も東京都がすべて、他都市に参加してくれとお願いするだけじゃなくて、今現在参加していただいている、教育プロジェクトでは八都市、あるいはエイズの研修だと七都市ですか、こういった皆さんと共同して、参加していただいている都市と共同して、十二都市全部で参加して、力を合わせて、お互い教育やっていこうよ、お互い相互理解高めていこうよ、あるいはエイズといった問題にはアジア全体が立ち向かっていこうといったような取り組みが必要なのではないか。アジア地域の発展、繁栄を本当に目指すものであれば、そのような取り組みが望ましいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○高橋国際共同事業担当部長 先生ご指摘のとおり、アジア地域の繁栄と発展のためには、人材育成は大変重要であると考えておりまして、今例に挙げられました教育、研修事業につきましては、多くの都市に参加していただきたいと思っております。これらの事業につきましては、現在の参加都市と協力して着実に事業の実績を上げることを第一とはいたしますが、あわせて、この一年間の成果をご紹介しまして、より多くの都市の参加を促してまいりたいと考えております。
○山下委員 これは、想定させていただいた部分と少しだけプラスアルファ、一問だけ伺いたいと思っておるんです。
一連を通して、このアジア大都市ネットワーク21についていろいろなお答えをちょうだいしました。先ほども少し触れたんですけれども、このアジア大都市ネットワーク21を今後真に実のあるものとしていくためには、各都市間の相互理解というものが必要になってくると考えております。今後どのようにお進めになるか、相互理解という部分なんですが、どのような形で各都市さんとコミュニケーションをとっていくのか、そういった部分、聞かせていただける範囲でよろしいのですが、お答えいただけますか。
○高橋国際共同事業担当部長 今後どのように相互交流していくかということでございますが、何せ始まって一年ということでございます。今の我々の考え方といたしましては、今ある事業を、また、今ご参加いただいている都市と実績を積み重ねて、その上で新しい呼びかけとかそういうのはあり得ると思うんですが、今のところは、内容を充実するというところに傾注していきたいと思っております。ご理解いただきたいと思います。
○山下委員 いろいろお答えいただいてありがとうございました。アジア大都市ネットワーク21が目指すアジアの繁栄と発展、これを本当の意味でなし遂げるためには、先ほど申し上げたように、相互理解と、アジアを本当の意味で理解する人材育成が必要と私は考えています。何も以前を批判する気はございませんが、儀礼的な人材交流であるとか行政主導の都市外交、例えば行政が主導になって、留学生、どんどん留学しなさい、そういう時代ではないのは私も認識させていただいております。あるいは、財政的な問題で、さまざまな分野に節約というか、今までのようにはいかない部分もあろうとか、こんなふうな想像もめぐらせていただいております。私は、そういうやり方ではなく、例えば、今、東京都にいらっしゃる世界各国の人々と直接触れ合う機会を通じて、国際理解、本当の意味で都民の方々に理解していただけるように側面からサポートしたり、あるいはNPO、特に国際交流をやっているようなNPOと連携して、市民ボランティアを育成する支援をするとか、あるいは青年海外協力隊や海外駐在経験者など、皆さん方をお呼びして、彼らが得た経験、実績を生涯教育の場や学校教育の場で生かしていけるような--何もお金を使うことがすべてではなく、皆さんのお知恵も、今まででも十分出していただいているとは思うんですが、さらなるお知恵をおかりしながら、私も勉強させていただきたい、そんなふうに思っています。そういったお金のかからない方法で、この相互理解ということを深めていくことこそが重要である、私はそんなふうに考えています。真の相互理解が繁栄と発展を、本当に二十一世紀、このアジアを開いていく道なんじゃないかと。
そういった意味においても、先ほど来申し上げている人材育成、さまざまな部分であると思います。さらに力を入れていただけるよう強く要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○ともとし委員 私の方からは、さきに決算特別委員会冒頭のところで、知事本部の概要説明等においてもさまざまな説明がありましたので、重複するかと思いますけれども、あえてお聞きしておきたいと思います。
まず一つは、この知事本部というのはたしか十三年度から設置されたのかなというふうに思いますが、その設置の目的、それから都政の中における位置づけですね、これらについてお伺いしたいと思います。
○渡辺企画調整部長 知事本部の設置の目的等についてのお尋ねでございますけれども、知事本部は、東京を取り巻くさまざまな危機を突破するために、山積する行政課題に的確に対応し、機動的、戦略的な都政運営を行うことができる執行体制を構築するために、平成十三年四月に、当時の政策報道室を再編し、設置したものでございます。
知事本部は、都の行財政の基本的な計画、総合調整、都市外交並びに報道に関する事務等を所管してございます。こうした事務事業を行う中で、知事、副知事、特別職を補佐しながら、事務レベルで、都政のさまざまな課題、施策の総合調整を行うことが重要な役割であるというぐあいに考えてございます。
○ともとし委員 今ご説明のあったとおりの位置づけの中で、また、目的を持たれて知事本部というのは発足されたのかなと。今おっしゃるように、機動的、戦略的な都政の運営をする、そしてまた総合調整等を行っていく、これが最大のものになってくるのかなというふうに思います。いうなれば、東京都政のちょうど頭の部分になっているのではないかな、非常に大事な位置づけになってくるのかなというふうに思います。
平成十三年度に知事本部が取り組んできました重要な施策というのはどういうものがあるのか、お聞きしたいと思います。
○渡辺企画調整部長 十三年度に取り組んだ知事本部の重要な施策ということについてでございますが、知事本部で取り組んできた施策は非常に多岐にわたってございます。その一端をご紹介させていただきますと、基本的には、知事の政策、方針に基づいて、都の行財政の基本的な計画及び総合調整を所管するというのが基本でございますので、その立場に立ちながら、各局の事業について、必要に応じ、全庁的な視野に立って調整を行っていくということでございます。
個別的な事業につきましては、ちょっと詳細になりますが、ご紹介させていただきますと、重要施策の策定、それから都市再生の推進、政策評価、首都圏におきます広域的な危機管理体制の構築などの重要な施策に関する企画調整が一つございます。また、先ほど高橋部長の方からご答弁申し上げましたが、アジア大都市ネットワークあるいは海外との連絡調整、情報提供等の都市外交の推進、また、国の施策及び予算に対する提案要求、七都県市との連携等の、政府、近隣自治体との連携であるとか協調とかの取り組みがございます。さらには、首都移転反対の取り組み、このようなことを十三年度は進めてまいりました。こうした取り組みにおきまして都政の中におきます総合調整機能を発揮することが、私ども知事本部の重要な役割であると認識してございます。
○ともとし委員 一つには、全庁的な視野に立って調整を行ってきたと。重要施策の策定、政策評価あるいは危機管理基本調査、あるいはまた、都政の中の総合調整機能を具体的に発揮してきた、それが一つの重要な施策の内容である、そういうようなご答弁かというふうに思うんですが、この十三年度取り組んできたそうした重要施策、その調整能力というか、調整機能は十分に発揮されたのかどうか、これについてご答弁をお願いしたいと思います。
○渡辺企画調整部長 調整機能は十分発揮されたのかということで、いわば評価をみずからしろというようなことかと思います。
先ほどお答えいたしました重要施策、アジア大都市ネットワーク21、政府、近隣自治体との連携、首都移転反対等々、十三年度に取り組んだ事業につきましては、それぞれにそれなりの成果を上げてきたというぐあいに評価をしております。そういう意味で成果を上げたのかなと思いますので、それを進めていく。事業を進めていく中で、知事本部が調整機能を発揮した、あるいは各局も大変努力したということもございますので、評価としては、ある程度のできばえであったのかなというぐあいに考えております。
しかしながら、現在の客観状況を見てみますと、これまでのレベルを超えまして、都民サービスを充実し、都政をより一層活性化していくという必要がございます。そういうことになりますと、従来のような縦割りの東京都の行政のままでは、こういうことを実現することは難しい。都庁が持ってございます潜在力を十二分に生かしていくためには、さらに知事本部が努力をして、その中心的な役割でございます総合調整の機能をより一層高めていくということが必要でございますので、引き続き私ども努力していかなければならないというぐあいに考えてございます。
○ともとし委員 まずまずの一年間であったかな、こういう評価というふうに思いますが、私は、この知事本部の位置づけ、非常に大事なものがあるなというふうに思っています。知事本部のその位置づけの重要施策がどういう状況にあるかということで、東京都の中の各方面、そちらの方のまちづくりに大きく影響してくるから、というふうに私は認識をしているんですね。知事本部がきちっと見ているところは、まさに日が当たって、すばらしい一つの事業が成果として出ているのかなと。知事本部の目線がちょっと違ったところにあって、その目線から外れたところは、まさに暗いといわざるを得ない、そんなような状況があるのかなと、反面見てしまうというものがあるんですね。
例えば、まちづくりについて若干質問をしていきたいというふうに思うんですが、知事は、東京から日本を変えるんだ、そういうような、いろいろなところでのメッセージ等があります。非常に意欲的にいろいろな問題に取り組んでいる。まさに東京から日本を変えているような、そういう事業というのは、本当に石原知事、よくやっている、そんな感じさえすることは事実です。東京の危機を打開して、今後の都政の政策の苗を植えるべく、危機突破プランあるいはまた東京構想二〇〇〇、こうしたものを出しながら、中長期的に東京都が取り組むべき施策を体系づけている。また、そうした後も、例えば認証保育室等の問題、また首都圏の十兆円プロジェクトの提案、あるいはまた羽田空港の再拡張、国際化、その促進などで、スピード感を持って東京の抱える問題を解決しようと。本当にそういう意味では見事なる行動をしつつ、まさに東京を引っ張っているな、なかんずく日本を引っ張っているなと、そういう意味では大きく評価をするものであります。
同時に、東京構想二〇〇〇の中で三カ年推進プランがあるわけなんですね。昨年から策定が始まった重要施策であろうかと思います。この三カ年プランは、平成十三年から三年間で都が重点的に取り組むべき事業を示したものになってくるわけですが、初年度でありました平成十三年度の決算状況を、資料を見させていただきますと、全体で八七・二%、まちづくりに関連するものでいえば、道路問題八二・七%、物流の効率化九三・二%、水と緑の骨格形成が実に一〇一・三%、都市型水害対策の推進等についても八一・八%などというふうになってきているわけですね。しかしながら、それぞれの地域でどのくらい進捗したかということについては、東京全体ということになっておりますので、わからないんですね。全体的にはよくやっている。しかし、地域に当てはめていくと、これが具体的なものとしてはわかってはこないんです。丸の内のようなビジネス街、あるいはまた新宿、渋谷、池袋などの繁華街、あるいは周囲に広がる住宅地や工業団地、多摩地域のようなニュータウンに至るまで、さまざまな地域があるわけですね。ですから、それぞれの地域の特性に合わせていろいろな事業を効率的にやっていく、効果的にやっていく、このことは非常に大事ではないかなというふうに思っているんです。
そこでお伺いするんですが、東京構想では、東京を九つの地域に分けて、それぞれエリアコンセプトを示しているわけですね。私の地元は足立区なんですが、この中では区部東部・北部エリアに区分されております。区分されている、足立区を含むところのこのエリアは、東京都においてはどういう位置づけになっているんでしょうか。
○中田企画調整担当部長 東京構想におきます区部東部・北部エリアはどのような位置づけになっているかというお尋ねですが、東京全体の魅力を高めるためには、それぞれの地域の特色を生かした都市づくりが重要でございます。このため、東京構想では東京を九つのエリアに区分いたしまして、それぞれのエリアの将来像を示しております。
委員お尋ねの区部東部・北部のエリアでございますが、この地域の特性は、河川や親水公園など、潤いのある水辺に恵まれ、住と工の融合した活気に満ちた地域であるとしております。
次に、将来像でございますが、既存の中小企業の集積などを生かした地域経済の活性化、創意工夫を凝らした取り組みによる商店街の活性化、都市基盤施設や住宅市街地の整備による震災危険度の低減、日暮里・舎人線や常磐新線の整備による交通利便性の向上などを図ることとしております。
○ともとし委員 それでは、都心のエリアというふうにいわれている地域の将来像はどういうふうになっていますか。
○中田企画調整担当部長 センターエリアでございますが、先ほどと同じように地域の特性といたしましては、日本の政治、経済、文化を牽引する原動力となる首都心しんを形成する地域であるとしております。
次に、この地域の将来像でございますが、首都東京の中心にふさわしい国際ビジネスセンターとしての再生、歴史と伝統を生かした観光まちづくり、秋葉原におけるIT産業の振興、りんかい線など新たな鉄道の開通に伴う新駅周辺の活性化などを図るとしております。
○ともとし委員 今の二つのご答弁を聞いておりますと、まさに区部の東部・北部エリア、この将来像は、確かに日暮里・舎人線や、つくば線のような、将来につながるような夢のあるそういう話、一部あることは事実です。しかし、そのほかは、今の状況が悪くならないように手を打っておくだけというふうに、極端にいえばですよ、そんなような感じさえするんですね。今の答弁のように、首都東京の中心的なそういったところについては、まさに発展をさせていこうという、そんなエリアの将来像が見えてくるわけですよ。まさに夢のあるようなそういう話かなというふうに思います。
こういうふうに都心部と比較対照していくと、区部東部・北部のエリアはどうも軽んじられているのかな、同じ都民でありながらと。しかし、中心部については、実際の都民の数、人数という面からいけば非常に少ない、周辺部から比べてみると、そんな感じさえもあるんですが、こういうようなことを考えちゃいけないのかどうかわかりませんけれども、この辺についていかがでしょうか。
○中田企画調整担当部長 先ほど述べましたが、東京全体の魅力や活力を高めていくためには、それぞれの地域の特色を生かしながら、まちづくりを進めていくことが必要であると考えております。先ほどと繰り返すような発言になりますけれども、東京は、都心や副都心などのビジネス街、江戸以来の歴史と伝統を有する下町、隅田川や多摩川など豊かな水辺とその周辺に広がる住宅市街地など、さまざまな特色ある地域から成り立っております。こういった東京全体の魅力、活力を高めていくためには、それぞれの地域の特色を生かしましてまちづくりを進めていくことが必要でありまして、エリアコンセプトは、その目標の姿としての将来像を示したものとしております。
○ともとし委員 さらに、それでは具体的に移らせていただきますけれども、公共交通も、そういうような話がずっと前段の中でもありました。大江戸線ができて、山手線の内側というのは、鉄道がおおむね十分圏となってきているんですね。それに比べて周辺区、特に私の地元であります足立区では、鉄道へのアクセスの不便な地域というふうにいわれているわけですね。今なお多く残っているわけです。これらを解消するために、日暮里・舎人線の整備が進められているわけですね。あるいはまた、常磐新線というか、つくば線というか、そういうのも進められているわけです。ご存じのように、この日暮里・舎人線というのは平成八年に開通予定だったわけですよ。それがいろいろな状況があって延びてしまった。平成八年から平成十二年に延びたんですね、当初。それがさらにまた延びてきている。しかしながら、三カ年プランの中には位置づけがされているわけですね。平成十五年には開通できるんだ、そういうような思いで心待ちにしていました。ところが、昨年、これまた急に開業の時期をおくらせる、こんなようなお話が突然また出てきたわけです。都が三カ年の重点的な取り組むべき事業としていながら、こういう結果になってしまったということは、非常に残念なんですね。
あるいはまた、足立区というのは、花畑だとか六町の方に区画整理事業が進んでおります。反対する地元の皆さんを説き伏せて、事業化までいっているわけなんです。大切な事業なんですね。この三カ年プランの中にはこれは位置づけられていないんですよ。しかしながら、この六町の地域というのは、常磐新線、つくば線の真上というか、そういうような地域なんですね。ですから、つくば線の開業に合わせて、特に新駅の周辺というのは、まちづくりがある意味では終わっていなければいけないんです。このつくば線というのは平成十七年に開業の予定なんですよ。ところが、区画整理はほとんど進んでいません。本当に都施行の中でこの区画整理というのが、この十七年の開業に合わせて完成できるかどうかというと、はっきりいって疑問です。しかるに、汐留や秋葉原の区画整理事業は、センター・コア・エリアで活性化させる事業として三カ年推進プランに位置づけられて、着々と準備が進んでいるんです。こう見ると、まさに対照的なんですよ。東京都という観点から見れば、ある意味では、都心部も、あるいは周辺部も、これは同じように進めていかなければいけないんじゃないか、こういうふうにも思うんですね。
今ずっとるる述べましたけれども、これらについてもう一度、区部の外周部に対しての--区部というか、東京都の外周部ですね、これらについての所見をお伺いしておきたいと思います。
○中田企画調整担当部長 先ほど述べました形になりますけれども、東京構想二〇〇〇におきましては、東京を九つのエリアに分けまして、その現状と将来像を記述しております。そのまちづくりにおきましては、各エリアに従いまして、現状あるいは将来像、この考え方に沿いまして着実に事業を進めているところでございます。
○ともとし委員 着実に進めておりますというけれども、進んでいないんですよ。さっきもいったけれども、区画整理事業、それこそまるっきり進んでいないんですから。特にこの駅のところなんというのは全然進んでいないために、それこそ地元の区でも、本当にどうしようかというふうに、お手上げ状況で困っちゃっているんですよ。
先ほども申し上げました、知事本部というのは東京都の頭脳の部分なんだと。やっぱり東京全体に目配りをしていただきながらやっていただかないと、さっきも申し上げましたけれども、目線からそれたところは大変な思いをしてしまうんですよ。都施行ですからね、区画整理事業は。知事本部の所管じゃないから、それ以上は詳しく答弁されなくても結構ですけれども、ただ、知事本部というのは頭脳だと、知事本部がある意味では東京全体の縦割り行政から横割りをつくりながら、東京全体を見ていくというのであれば、その辺についてはしっかりしてもらわないと困る、こういうふうに思うんです。
それらについても、都心部については、民間のプロジェクトや何かを使ったり何かしていくことができる。周辺地域になると、何となく民間のプロジェクト立ち上げが非常に難しいとか、いろいろなことがあるかもしれません。しかしながら、そういった地域であっても、やはり都市基盤というのはきちっと整備していかなければいけないのかなというふうに思うんですね。思い切った、てこ入れをする必要があるというふうに私は認識しております。
こういう、例えば都心部のそういう整備をちゃんとやりなさいよ、あるいは周辺部の整備もちゃんとやりなさいよというと、ハード重視で、公共事業ばかりで、本当に福祉やソフトの政策を軽視していると批判する勢力もあるから、東京都の行政を執行する皆さんにとってはいろいろなふうに思うんでしょうけれども、少なくとも周辺部における都市基盤の整備、これはひいては福祉にも全部つながっていくんですよ。何かハードのことをやると、前回もいいましたけれども、全部悪みたいないい方というのは、逆に周辺区にとってみれば迷惑だな、そういう感じがするんですね。そういう意味では、しっかりそういった面について取り組んでいただきたいというふうに思うんです。
たしか本部長は、その前の段階では福祉局長ですよね。見事な福祉行政をやって、私なんて敬服しているんですね。この厳しい財政の折に、東京都政の中で、それこそ福祉に対する構成比は一二%あった。金額に直したら大変な金額です。そういったものをずっと推進してきた。これは本当にすばらしい力量である。そういったことがあって、福祉局長から知事本部長になったのかなというふうに思うところもあるわけですよ。だから、むしろ、おくれている都市基盤、これについては積極的に整備していかなければいけないんじゃないかな。そうすることによって東京再生を推進していくことになるのではないかというふうに思います。そうすることによって、さっきも申し上げたとおり、それが即、福祉だとか教育だとか中小企業の振興だとか、そういったことに対しての施策が充実していくような、そういう内容になっていくわけですよ。ぜひとも都市基盤の整備を進めていくべき、特に周辺区の基盤整備を推進していくべきというふうに考えますし、そうすることが経済的な繁栄につながっていくとも考えるわけですが、その辺の見解をお聞きしたいと思います。
○中田企画調整担当部長 お尋ねの件なんですけれども、まず一言、石原都政と福祉の関係でございますが、委員ご指摘のとおり、本年度、十四年度予算で見ますと、道路整備に係ります費用は十五年前の水準となっているのに対しまして、福祉と保健の分野はこれまでで最大の構成比、委員おっしゃいました一二%となっております。決して福祉などをないがしろにしているわけではございません。
ただ、同時に、道路などの都市基盤は、委員おっしゃるように、産業や都民生活の基礎となる重要な施設でございます。その整備は、都民の利便性を高め、経済を活性化させるだけではなく、大気汚染や沿道騒音などの環境改善にも通じるため、今後とも、地域特性に応じまして着実に整備を推進していく考えでございます。
○野村委員長 ともとし委員、ちょっとお許しいただいて……。
知事本部長、三カ年推進プランの進行管理について、知事本部が当たるべきものと委員会では認識しているわけでございますが、その辺、ともとし委員からのご指摘もございましたので、また、知事本部長におつきになった契機についても言及されていますので、この際、本部長からひとつご見解をお述べいただければ幸いでございます。
○前川知事本部長 私どもは、都政全般についての総合的な調整、それから企画立案ということが任務でございます。それをやる上では、これまで作成してきた三カ年プラン等について、全体の進行管理は当然私どもが所管をする。
ただ、先ほどご質問でもありましたが、これまでと同じような、いわば行政計画的なスタイルで都政全体を進行管理あるいは立案していくというのは限界に来ている。時代も変わりまして、取り組むべき課題が非常に難しくなる。あるいは幅広くなっている。それに対しては、都政全体のいわば縦割りの壁も破って、全体的に横断的な、総合的な調整をしなくちゃいけない。それからまた、ある意味では、これまでの行政の国も含めた大きな枠を超えて、新しい発想でやっていかなくちゃいけない。こういう両面をにらみながら、従来の三カ年プランを超えた、あるいは重要施策を超えた、新しい重要施策というものを立案して、都政全体を進行管理していきたい、こう考えております。
それから、今るるお尋ねがあった点に関してでありますが、福祉と、あるいは福祉、保健といわゆる都市基盤整備というのは、決して矛盾するものではないわけでありまして、たまたま先ほど部長も若干の数字をお答えしましたが、私もちょっと昔の数字を見てみたんですが、美濃部都政の一番最後の五十三年で、福祉費の構成比は六・五%でございました、予算全体について。今年度については九・四%になっております。保健も含めると一二%でありまして、過去最大である。
内容等を見ましても、私どもは、これまで二年間にわたりまして、大変口幅ったいいい方ですが、美濃部都政以来、ある意味ではこれほど東京都が福祉行政を充実するために取り組んだ時期はないのではないかというふうに自負をいたしております。
ただ、それだけではもちろん十分ではないと。今、先生のお話もありましたとおり、ある意味では都市基盤整備を進めることこそが、広い意味での都民全体、東京全体、あるいは都民生活全体の水準向上につながっていく、そう確信をしております。
そういう意味で、この両面をにらみながら、総合的に都政の活性化、都民生活の向上を目指していきたい、こういうふうに考えております。どうぞよろしくご支援をお願いいたします。
○ともとし委員 委員長の特段のご配慮に感謝申し上げます。
今、本部長からのご答弁があって、尽きるわけでございますが、まさにハードをやってもソフトはきちっと見ているよと、基盤整備をきちっとやっても福祉はきちっと生きるんだよと、そんなこともご答弁の中には入っていたのかなというふうに思います。私は全くそのとおりだというふうに思っております。
ただ、基盤整備をするにおいても、やはり東京全体をもう一回見ていただくと助かるなと。都心のそういう状況、それも大事だとは思いますけれども、同時に、基盤整備のおくれている、そういう周辺、多摩を含めた周辺地域をやっぱり見ていただきたい。そうすることによって、そうした整備が進むにつれて、福祉もさらに充実されていくのではないか、こんなふうにも思うわけでございまして、ぜひとも東京都政の頭脳である知事本部のこれからの奮闘を心から期待して、質問は終わりたいと思います。
○古館委員 それでは、質問させていただきます。
東京構想二〇〇〇の策定に当たりまして、石原知事は冒頭に、直面する危機を打開するとともに、時代の潮流を見通した長期的な戦略を打ち出し、直ちに行動していく必要があると。九九年十一月には、危機突破・戦略プランを発表し、緊急かつ戦略的に取り組むべき当面の施策、事業を政策の苗として示した。東京構想二〇〇〇は、これを一歩進めて、五十年先を展望した東京の望ましい将来像を描き、その実現に向けた取り組みの全体像を明らかにするものだと記しています。この五十年先を展望するとしてスタートして、具体化されたのが、三カ年の推進プランであります。
ご存じのとおり、これは目標として十六の柱立てになっております。この三カ年の推進プランの計画事業費が、十三年度は三千五百三十二億円、十四年度が一・二倍の四千二百四十一億円、十五年度が一・三六倍の四千七百八十八億円と、十三年度を起点として、十五年度までの三カ年となっています。
まず、そこでお伺いいたしますけれども、三カ年推進プランにおける計画事業費の中で、公共事業の占める割合はどのくらいでしょうか。
○中田企画調整担当部長 三カ年推進プランにおきます計画事業費の中の公共事業費の占める割合というお尋ねでございますが、三カ年推進プランの総計画事業費に占めます普通建設事業費の割合は、普通会計ベースでおおむね八〇%でございます。計画事業という性格上、普通建設事業費の割合が高いというのは避けられないところでありまして、また、この中には、当然のことながら、福祉、医療の分野、例えば重症心身障害者施設や高齢者専門病院などの建設事業費も含まれております。
○古館委員 今いろいろとご説明がありましたけれども、いずれにしても、ご答弁で八割。そうした中での多くのものというのは、大型幹線道路だとかセンター・コア・エリアの活性化などを推進する、私どもからいわせていただければ、いわゆる従来型の公共事業であります。
この三カ年の推進プランは、目標1のゆとりある都市、目標2、東京を利便性の高い都市、目標15、メガロポリスの推進など、都市再生を象徴するような予算の張りつけ状況。これで見ますと、十三年度が、これ三つ足しますと千七百七十八億円、十四年度が二千六百四億円、十五年度が三千二百八十八億円ということで、十三年度を起点にして見ますと、この三カ年で、いわゆる公共事業関連、つまり今いったハードの部分ですね、福祉だとかそういうのを抜いて、実に一・八倍になっております。プラン全体が三カ年で一・三六倍でありますから、公共事業の一・八倍というウエートがいかに大きいかがわかると思います。
そこで質問しますけれども、三カ年推進プランが、一方で財政は依然として厳しいとしていながら、首都東京の再生を掲げながら、毎年度右肩上がりで予算を見込んだ財政的な見通し、根拠はどこにあるんでしょうか。
○中田企画調整担当部長 三カ年推進プランの財政的見通し、根拠についてのお尋ねでございますが、三カ年推進プランにおきます計画事業費は、トータルといたしまして、平成十一年度に策定いたしました財政再建推進プランを前提としているものでございます。総事業費は的確に算定しております。
また、各年度の計画事業費は、これを前提といたしまして、都民生活に真に必要な事業に対しまして、優先的、重点的に配分したものでございまして、右肩上がりとなっているのはあくまでも結果にすぎません。
○古館委員 今、結果にすぎないということでありますけれども、都民生活に必要だということで、先ほど私がいいましたけれども、公共事業という形で、八割が公共事業見合いの予算で張りついている。右肩上がりというのは、私が先ほど示したとおりであります。
この計画では、財政見通しとしては、経済成長を二%見込んでいるんですよね。その上で立てられていますね。これは質問じゃありません、現実ですから。こういう経済成長二%見込みの中で、この東京構想二〇〇〇が出されたわけです。
これが出されたのがちょうど平成十二年の十二月であります。経済成長を二%と見込んだのは、はっきりいって願望であったということは、どなたもこれはお認めになることかと思いますけれども、こうした右肩上がりの予算の張りつけを現実のものにしたというのは、十二年度の途中あたりから、IT関連の景気、それからリストラによって、税収が伸びてきたということがほぼ捕捉できる時期でありました。そういう状況の中で、十三年度以降も同様の税収増になるという判断が、主税局を初めとして働いていた。それで右肩上がりの予算計画になったのではないか、このように思いますが、いかがですか。
○中田企画調整担当部長 各年度におきます、三カ年推進プランにおきます計画事業費の総額は、先ほどいいましたが、財政再建推進プランを前提としております。ただ、当時の最新の税収見込みも加味しておりまして、これは当然のことでございます。
問題は計画の内容でございますが、先ほどいいましたように、福祉、医療を含めまして、都民生活に密着した事業あるいはインフラ、こういった整備などにバランスをとりまして、重点的に配分したところでございます。
○古館委員 今、当然のことだということは、当然そういう税収増も見込みの上だというふうに理解できるのかなと思いますが、このときはIT景気で、大体、主税局だと八百億円の増収ですね。それから、リストラの方が多くて、大体千六百億円ぐらいかなと。さまざまな税収増で、三千五百億円程度、十二年度は最終補正だったんですね。そういう予想しなかったレベルでの税収増があって、十三年度の予算がそういう方向の中で組まれてきた、流れはそういう流れであります。
しかも、この税収増の見込みの中で、首都再生を最重要課題としてさらに推進したいという思惑が、東京構想二〇〇〇の三カ年推進プランの扱い方に変化をもたらしたと私は思っています。それが重要施策であるというふうに考えています。
そこで、三カ年推進プランが現実にありながら、十四年度になって突然重要施策が出されてきたのはなぜでしょうか。
○中田企画調整担当部長 三カ年推進プランが現実にありながら、十四年度になりまして重要施策が出されたのはなぜかというお尋ねでございますが、平成十四年度の重要施策は、厳しい財政状況下にありましても、これまでのどちらかといえば初めに財政ありき、こういった考え方、視点をとりませんでした。首都圏の再生と都民生活の不安解消のために、真に優先度の高い事業に重点的に予算を配分することを目的としまして、重要施策を策定したところでございます。
したがいまして、シーリングの枠も外しまして、現に都民生活にとって重要性の高い三カ年推進プランの事業のほとんどは、平成十四年度重要施策として選定されております。
○古館委員 そのように今おっしゃいましたが、ほとんど推進プランのことを踏襲しているといういい方をされたように思いますが、ところが、そうでもないんですね。
それで、前任の部長さんがある雑誌に書いていたので見ますと、十四年度に重要施策として百二十五の事業を選定した。そのうち、三カ年推進プランの計画事業、取り入れたのはおよそ半分の六十三事業なんですね。あとの六十二事業は、都市再生などの既定事業が十九事業で、四十三事業が新規事業なんですね。
ということは、三カ年という計画、当時は政策報道室、そこでつくった三カ年というものが、むしろその時点では、推進プランは初年度で既に不十分だったというふうに認識をしたからじゃありませんか。いかがですか。
○中田企画調整担当部長 推進プランは初年度で既に不十分ではなかったかという委員のお尋ねでございますが、先ほど述べましたように、平成十四年度、重要施策の意義は、予算との関係でその役割を明確にいたしまして、厳しい財政状況下にありましても、都政の取り組むべき課題を鮮明にしまして、真に必要な事業に重点的に予算を措置することを明確にしたものでございます。都民生活にとって重要性の高い三カ年推進プランの事業とあわせまして、平成十四年度の重要施策を選定しているところでございます。
○古館委員 それじゃ、聞きますけれども、三カ年推進プランの事業というのは、これはシーリングの枠がはまっていたと思うんですね。この重要施策はシーリングの枠外ですね、いわゆる一〇%削減とかというのは。この十四年度の重要施策はシーリングの枠外であるというふうに私は認識していますが、それでよろしいですか。
○中田企画調整担当部長 平成十四年度の重要施策は、首都圏の再生、都民生活の不安解消、こういったことのために、優先度の高い施策を厳選して、限りある予算、人員等を措置することとしたことから、シーリングの枠外としております。
○古館委員 つまり、もう性質は変わっているんですよ。十二年度の三カ年推進プランというのはシーリングの枠がはまっていた。ところが十四年度の重要施策はシーリングの枠外にしたということ自体、三カ年の計画プランそのものと性格を異にしているというふうに私は理解をするものです。
知事は、十三年度第二回都議会定例会で、この重要施策について、一律に経費を削減しようとする余り、新しい施策を生み出したり、既定の事業を積極的に再構築しようとする前衛的な気概が失われようとしていると述べております。
私どもは、一律の経費削減、とりわけ福祉だとか医療だとか、そういう都民生活に密着したものに対する経費削減などは絶対に反対であります。結局、都市再生などの公共事業にシーリングの枠を取っ払って、さらに事業展開をやりやすくするためのものであることは、予算の張りつけ状況から見ても明らかでありまして、そのために重要施策を新たに構築したんだということを指摘しておきたいと思います。
そこで、私は昨年の総務委員会で、十四年度の重要施策に関連して、その財源内訳を尋ねたところ、今整理中であるとの答弁でしたが、整理が進んでいるのか、わかったらお答えいただきたいと思います。
○中田企画調整担当部長 十四年度の重要施策の財源内訳についてでございますが、平成十四年度の重要施策の予算額、これは予算額でございますので、四千十七億円でございますが、会計間重複分を控除した全会計ベースの予算額は三千九百四十八億円となります。この財源内訳は、国庫支出金が七百六十六億円、都債が一千六百八十七億円、その他、特定財源が七百五十三億円、一般財源が七百四十二億円となっております。
○古館委員 都債が、今、三千九百四十八億円の予算額に対して千六百八十七億円というんですから、四〇%をはるかに超える都債発行の中で、この重要施策が成り立っているということになります。重要施策が公共事業優先で、しかもその半分近くが借金に依存して賄う。こうした手法や財政運営こそ、私は従来型の焼き直しだというふうに思っています。
最後に、知事本部が十三年度に国に対して出した首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトについてお伺いしたいと思います。この問題は後日改めて質問したいと考えていますけれども、決算年度のことなので、伺いたいと思います。
これを国に求めたのは、東京構想二〇〇〇が示している環状メガロポリス構造の一環だと思いますけれども、十兆円プロジェクトを国に要求したということは、東京都も応分の財政負担を覚悟してのことだと思いますが、将来的な財政負担をどのように考えていらっしゃったんでしょうか。
○石井政策担当部長 首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトにおける財政負担についてのお尋ねでございますが、これは、投資効果の高い経済対策が求められている今、首都圏に集中的に投資を行うことが、首都圏の再生とともに日本全体の景気浮揚につながるという考え方に基づき、知事が平成十三年六月、国に対し提案したものでございます。
その内容は、従来の制度にとらわれることなく、法律の改正や財源配分の見直し等を図り、首都圏に国費の重点的、集中的な投資をして、国がみずから積極的に事業を展開することを求めたものであります。
○古館委員 今の私の質問に答えてくれてないんですけれども、私は、そういう国家プロジェクトの一環で、従来の制度にとらわれないで、国がみずからという話は、今ご答弁の中で理解しましたけれども、そういう中で、十兆円プロジェクトということについて、知事は、これは国がやることだから、国の方に面倒を見てもらうということをしばしばお答えをしていたように私は記憶しているんです。そうすると、都の財政の持ち出しというのはないと、こんなふうに理解でき得るものなんでしょうか。
○石井政策担当部長 五カ年十兆円のプロジェクトの提言に関しましては、今答弁申し上げたような内容で、その筋立てができております。
○前川知事本部長 古館先生のご趣旨は、十三年度の三カ年とは違って、十四年度が、意図的に首都再生、東京再生ということを推進するために、そちらへ予算を振り向ける、そのために重要施策をつくったんだと。また、それが将来的な財政負担につながる、そういうお話をされたいんだと思いますけれども、ちょっとそのストーリーは無理であります。
というのは、現実的に、例えば十四年度の予算の構成と、その前の予算の構成と比べてみても、福祉は伸びているし、逆に都市整備費等は落ちているわけであります。ですから、我々が今やろうとしているのはそういうことではなくて、首都の再生も、それから都民生活の充実、福祉の充実も両立させながら政策を推進していきたい。そのために具体的にどうしたらいいか、知恵を絞っている。それが現状であるし、また、そうしていきたいというふうに考えております。
○古館委員 本部長は今そういうご答弁をされておりますけれども、公共事業というのは後年度も負担するというのが特徴でありまして、その後年度負担という点でいうと、都債の発行についても、その大半が公共事業に回されていくわけですね。ですから、投資的経費というのを考える場合に、後々の後年度負担というのも--当然それは何に使われていたかというと、投資的経費に使われていたものを、その後年度に負担するわけですね。それも合計していくということになりますと、現在のレベルの経常経費の歳出額と、それから公共事業プラス、公債費負担というのをプラスすると、断然、いわゆる公共事業と公債費負担の方が多いというのが現実なんですね。
先ほどもお話がありましたけれども、結局、重要施策にしても、半分近くが都債発行でもって賄われている。これは、後年度負担に対してやっぱり都民の負担を求めるということになるわけです。
ですから、今、本部長がせっかくお答えになりましたけれども、この国の十兆円プラン、国に緊急要求で出したものだって、東京都の事業だって、この中には含まれているわけですよね、はっきりいって。例えば環状二号道路だとかというのは、これは本当に東京都の負担みたいに、もうはっきり出ているわけでありまして、圏央道の問題にしても、圏央道でありながら、例えば十二年度は百十億円も東京都が都費を負担する。
だから、国の直轄事業だから国の方で出すかというと、そうじゃない。国の直轄事業としての負担というのは、物すごい多額にわたって、毎年毎年、三百億円のオーダーだと思ったら、この三年間は、国の直轄事業の負担金額は五百億円を超えているんですから。
だから、そういうふうになると、国の直轄事業という形で、じゃ、国が出してくれるのかというと、そうじゃない。都費の持ち出しも物すごいけたに上っているんだ。しかも、石原知事になって、その国の直轄負担事業はウナギ登りに上昇しているというのが今の現実なんですね。
そういう点から見まして、こういう都政の運営の仕方、どのように都民のために有効に都財政を運営するのか、こうした視点から幾つか質問させていただいたわけでありますけれども、三カ年推進プランであれ、重要施策であれ、都民の福祉、暮らし、中小商工業などを最優先にした施策転換を強く求めて、私の質問を終わります。
以上です。
○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で知事本部関係を終わります。
○野村委員長 これより人事委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、人事委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で人事委員会事務局関係を終わります。
○野村委員長 これより選挙管理委員会事務局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、選挙管理委員会事務局所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○三原委員 政治団体のことについて、特に政治資金収支報告のことについてお尋ねしたいと思いますが、俗にいう答弁調整みたいなことはしていませんので、もし私の質問に不適切なことがあったり、理事者の答弁に不正確なことがあったら、また後ほど、委員長、職権でひとつご指導いただきたいと思います。
昨年度、まあ昨年度といいましても、政治団体の資金報告は一月一日から十二月三十一日になっていますから、年度が少しまたがりますけれども、この三月三十一日をもって、平成十三年分のいわゆる政治団体の収支報告等を含めて、一つの区切りになるわけですが、そこで、我々がいっているところのいわゆる政治団体、これの届け出が行われているのは一体どれぐらいあるものか。今まで余り興味を持ちませんでしたけれども、東京都の選管を経由して総務省に行っている全国団体と、都選管が把握する都団体と、どれぐらいあるのか。そしてまた、昨年一年の間に新しい政治団体がどれぐらいつくられて、届け出されたものか。もちろんその場合も全国団体と都団体とあると思いますけれども、その辺の数字を、まず最初、教えてください。
○押切選挙管理委員会事務局長 まず、都団体の届け出団体数は四千三十八団体でございます。また、そのうち、昨年一年間の新規の届け出数は三百九団体でございます。
次に、都選管を経由して総務大臣に届け出る全国団体の届け出団体数は二千三百六十六団体でございます。そのうち、昨年一年間の新規の届け出数は二百三十三団体でございます。
○三原委員 初めて数字を正確に聞きましたけれども、民主主義社会で、自由に政治活動ができたりすることはいいことですけれども、全国団体、都選管経由で二千三百六十六、都団体で四千三十八というんですから、合わせると約六千四百団体ぐらいあるという勘定です。それを都選管が事務的に把握するというのも、正直大変だなということを改めて認識いたしました。
特に、新しく一割ずつぐらいふえているということなんでしょう、やめるのもあるでしょうけれども。昨年は都議会議員選挙がありましたから、そういう特殊事情があるかもしれませんけれども、それにしても、まず基本的に大変なことだな、こう思います。
そこで、こうした届け出をされた団体は、政治資金規正法に基づいて、政治資金の収支報告を提出しなければならないことになっているわけです。その政治資金報告を、当然ちゃんと報告を出していると認識はしますけれども、念のため、今ご報告のあった全国団体、都団体に分けて、まあ数が多いですから、若干の数字の端数切り上げとか切り捨てがあっても結構ですが、概数。
あわせて、新たに毎回一割ぐらい新しい団体ができるとすれば、逆に解散している団体も当然あると思いますから、その解散する団体がどれぐらいあるものか。これは政治資金規正法上届け出なくちゃいけないことになっていますから、そこで自動的にわかると思いますが、そこで、念のため、収支報告書を出していない団体というのがあるらしいんですけれども、そこもわかれば、教えてください。
○押切選挙管理委員会事務局長 それでは、都団体と全国団体と分けて説明させていただきます。
まず、都団体からお答えいたします。
収支報告書を提出すべき団体数は、都団体の場合、四千二百七十二団体でございますが、そのうち収支報告書を提出した団体は三千九百八団体でございまして、収支報告書を提出しなかった団体数は三百六十四団体でございます。
なお、解散届を提出した団体は二百三十四団体で、これらは収支報告書を提出しております。
次に、全国団体でございます。
収支報告書を提出すべき団体数は二千五百六十団体でございますが、うち収支報告書を提出した団体は二千百団体でありまして、収支報告書を提出しなかった団体数は四百六十団体でございます。
なお、解散届を提出した団体は百九十四団体で、これらは収支報告書を提出しております。
○三原委員 これも初めて正確に聞いたんですけれども、例えば都団体でいえば三千九百八が収支報告を出していて、三百六十四団体が出していないと。少なくとも政治にかかわる者として愕然とする数字でございますが、事実は事実なんですから、やむを得ないな、こう思います。
ただ、政治資金規正法は、目的の中で、政治資金の収支の公開、それから政治資金の授受の規制、そういったことをきちっと報告することで、政治活動の公明さ、公正さ、あるいは民主主義の健全な発展に寄与するんだという目的がきちっとしているわけですので、どうも三百団体を超えるのがただ放置されているというのも、非常に妙な気がいたします。
選挙管理委員会が法的にどういう立場で、こういった政治資金規正法上の届け出について措置ができるのか、法的な細かいところを私はよく承知しませんけれども、東京都選挙管理委員会として、収支報告書を提出してくれるように、どういう取り組みといいますか、指導等をしておられるのか、お伺いしたいと思います。
○押切選挙管理委員会事務局長 政治資金規正法の目的につきましては、委員ご指摘のとおりでございます。
政治団体には収支報告を提出することを義務づけられているわけでございますが、都選挙管理委員会におきましては、平成十三年分収支報告書を政治資金規正法にのっとりまして適正に報告してもらうために、平成十三年十二月上旬には、新設の団体を対象に、収支報告の記載要領の説明会を開催いたしますとともに、十二月中旬には、すべての団体に対しまして、収支報告書様式及び記載例を送付しまして、周知徹底を図りまして、その提出を求めてきたところでございます。
○三原委員 もうちょっと突っ込んでお聞きしたいんですが、三百余の都団体、四百六十の全国団体で未提出だ、こういうことでございますけれども、団体には、いわゆる資金管理団体という場合は議員が代表者になるという明確な一つの基準がありますね。それから、そのほかの政治団体の中には、議員が推薦を受けるという形で設立された団体もあります。すべてをチェックするのは大変でしょうけれども、特に資金管理団体は議員が代表者になっていますから、したがって、極めて団体の性格がはっきりしますね。つまり、どの議員に関係している団体かということは明確なわけですけれども、そういう中に、まさか百二十六人の都会議員の直接関係している団体などはないだろうと。区市町村会議員さんから国会議員まで調べてもらいたいと思いますけれども、そんなこともできないでしょうから、都会議員でまさかそんなことはないだろうなという気がしますが、もしあれば、具体的に教えていただきたいと思います。
○押切選挙管理委員会事務局長 資金管理団体を含めて全体の十三年度分の収支報告の提出状況を見ますと、九一・五%の団体が提出しておりまして、先ほどいいましたように、三百六十四団体が未提出となっております。
このうち現職の都議会議員の関係する団体、一般の政治団体も含めますと、幾つあるかということにつきましては、代表者に都議会議員のお名前が出ているとか、そういったことでありますと把握できるんですが、全体の状況は把握しにくいわけでございますが、委員のご指摘の資金管理団体について申し上げますと、現在未提出になっているのは伊沢けい子後援会でございます。
○三原委員 これはびっくりしました。現職の都会議員の政治団体、資金管理団体は議員が代表者にならなきゃいけないですから、当然すぐわかるわけで、お調べいただけたんだろうと思いますけれども、現職の都会議員が代表者でありながら、政治資金報告書を出していないというようなことは、これは都民に対していいわけが立たない。大変なことだ、こう思いますよ。
同僚の都会議員を悪くいうようで大変失礼ですけれども、政治資金規正法ってそんな簡単な規則じゃないですよね。収支報告がもし提出されない場合は、どういう罰則があるというふうに書いてありますか。
○押切選挙管理委員会事務局長 収支報告書が未提出の場合の法的責任でございますけれども、まずは都内で活動する政治団体の会計責任者は、お話のように、毎年十二月三十一日現在の収支状況の報告を、その日の翌日から三月以内に、都選管に対しまして提出が義務づけられているものでございます。この条項に違反した者につきましては、法では、五年以下の禁錮または百万円以下の罰金に処することが規定されております。また、その団体の代表者につきましても、会計責任者の監督につきまして注意を怠ったときには、五十万円以下の罰金に処すると規定されております。
○三原委員 改めて政治資金規正法、今、中央政界でも大変問題になっていますけれども、そういう世情の中で、政治資金規正法の非常に重い責任というものを、国民あるいはまた関係者にきちっと訴えているという気がいたします。収支報告をしない会計責任者は五年以下の禁錮、百万円以下の罰金、どちらか、こういうことですから、ちょっと普通の事犯と違うと思うんですね。
もっと重要なことは、今、局長もご説明があったけれども、私も認識していますが、政治団体の代表者が会計責任者について監督あるいは相当の注意を怠ったときには、政治団体の代表者に五十万円以下の罰金を科す、こう書いてあるわけですね。ということは、政治資金管理団体の代表者は都会議員、現職議員ですから、議員が五十万円以下の罰金に処せられるというほど厳しい規定になっているのに、提出されてない団体があって、それの代表者が都会議員だなんていうのは、一千二百万の都民に対してまことに申しわけないことだ、こう思いますよ。
したがって、それほど重要なことを、まあそういっちゃ変ですけれども、四月一日以来六カ月、七カ月たとうとしているのに、漫然と過ごしているというのは、もちろん政治団体側も悪い。また、その代表者たる議員も悪い。だけれども、選挙管理委員会も、事務当局としてもうちょっと何か対応があるのではないかという気がしますが、いかがでしょうかね。
○押切選挙管理委員会事務局長 先ほどもいいましたように、政治団体には提出が義務づけられておるわけでございますので、その自覚をまちたいという面もありますが、先ほどいいましたように、そういうことがないように、私どもとしても、説明会をやったり、また、全団体に通知をして、そういうことがないようにお知らせをしてきたということもございますので、引き続き、こういったことがないように周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○三原委員 事務局長を責めてもしようがないので--地方自治法上、選挙管理委員会の職務で、政治資金規正法にかかわるところは、届け出を受け付けたり、収支報告書の受け付けをするという、いわゆる形式的な職務しかないということで、これはちょっと法の未整備というか、法の欠陥だと思うんですけれども、ただ、そうはいっても、役所として行政指導というようなことをするのは何も越権行為じゃありません。普通のいわゆる一般の政治団体であれば、普通の都民の方が政治団体の代表であったり、会計責任者であったり、会計の補助者であったりすることですから、政治に熱心に、ご関心をお持ちであっても、政治資金規正法の収支報告について十分な知識がおありでないというようなことで、おくれるようなことがあるとか、そういうのは百歩譲ってやむを得ないかなという気がしますけれども、現職の都議会議員が代表を務めて、監督責任のあるにもかかわらず、会計責任者が、六カ月も経過して、報告がもし来ていないというのであれば、甚だ無責任きわまりないことですから、それに対しては、当然行政側が、まず収支報告書を出しなさいという行政指導を行う。そういうことを二度、三度繰り返しても応じられないということになれば--的確な事由があれば別ですよ。何か火事とか、泥棒が入ってその書類を紛失したとか、そういうことなら、それは真にやむを得ない事情ですけれども、そんなことは常識的にないでしょうから、にもかかわらずそういう報告がないというのは、形式的な審査権しかないから対応が難しいんですというふうにいわずに、ぜひきちっと、そういう団体に収支報告書を出しなさいということをいう。同時に、お出しにならないと、こういう刑罰が決められていますよと。さらに、提出ということについての熱意がないのならば、捜査当局ともきちっと相談をいたします、こういう姿勢を選管がおとりになってもいいのではないか、私はこう思いますが、いかがでしょうか。
○押切選挙管理委員会事務局長 先ほども申しましたように、都選管といたしましては、これまでもさまざまな努力をしてまいりました。
この二十年間で、政治資金の収支報告書の提出率も、少しずつではございますけれども、高まってきておりまして、十三年度分につきましては、この二十年間では最高の数字、九一・五%になっていますが、とはいえ、先生がおっしゃったように、約一〇%近くの団体が未提出であるということは厳然たる事実でございます。
私どもといたしましては、提出の実効が上がりますよう、委員ご指摘の趣旨を踏まえまして、一層周知徹底を図りますよう、その方策について、具体策について検討してまいりたいと考えています。
○三原委員 じゃ、最後に、重ねて要望しておきます。
六千四百余の団体がありますから、形式審査権しかない事務局が万全を期すということは大変難しいんだろうということはよくわかります。しかし、政治資金規正法の目的というところからいっても、これがきちっと提出されないで、公正、公明な民主主義というのはあり得ないわけで、逆にいうと、そういうものを提出しない政治団体やその代表者が民主主義なんか論ずる必要はないんですよ。
そこが一番の問題なわけですから、やはり我々は、お互いに議員同士が切磋琢磨して、そういう政治団体が存在しないように努力するということも当然必要ですけれども、それ以上に、事務方として、選管事務局が特別な政治的な介入をしない範囲で、きちっと収支報告を求める、そういう姿勢を今後きちっと持っていただく。そのことがひいては、まさに目的にうたってあるように、民主主義の発達に寄与する、こういうことになると思いますから、我々も努力をしなきゃいけないと思いますが、ぜひ事務当局も努力をしていただきたい。
そして、ここにおられる委員の方も皆ご経験あると思いますけれども、資金管理団体の代表者として、会計責任者や会計補助者をいろいろ指導したり、三月三十一日までにきちっと報告するというのは、そう簡単でない。みんな本当に一生懸命につくって、三月三十一日に、皆さん、出していますよね。片方は、どういう事情があるにしろ、世間に説明できるような事情もないのに、六カ月も七カ月も出さないで、その間、みずからの政治団体として活動する。こういうふまじめな人が楽をして、一生懸命な人は妙な立場に立たされるというのは極めて遺憾なことですから、これを機会に、都民の皆さんにも訴え、事務当局にもお願いをしておきたい、こう思います。
以上は要望ですから、終わります。
○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で選挙管理委員会事務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後二時五十二分散会
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