委員長 | 坂口こうじ君 |
副委員長 | 大山とも子君 |
副委員長 | 古賀 俊昭君 |
谷村 孝彦君 | |
矢島 千秋君 | |
執印真智子君 | |
服部ゆくお君 | |
中嶋 義雄君 | |
福島 寿一君 | |
真鍋よしゆき君 |
欠席委員 なし
出席説明員健康局 | 局長 | 長尾 至浩君 |
技監 | 長岡 常雄君 | |
総務部長 | 浅井 憲彦君 | |
医療政策部長 | 奥田 匠君 | |
医療サービス部長 | 金田麻里子君 | |
食品医薬品安全部長 | 河津 英彦君 | |
地域保健部長 | 齋藤 進君 | |
参事 | 酒井 洋一君 | |
参事 | 梶山 純一君 | |
参事 | 海老原 繁君 | |
参事 | 木村 豊彦君 | |
参事 | 丸山 浩一君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
健康局関係
・一般会計決算(質疑)
○坂口委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、健康局関係の決算に関する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより健康局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、健康局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○浅井総務部長 去る十月四日の本分科会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元配布の平成十三年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらん願います。
資料は、目次にございますように、1の衛生費の予算及び決算の推移から、11の獣医衛生事業の実績(動物愛護事業に関するもの)まででございます。
まず、一ページをお開き願います。1の衛生費の予算及び決算の推移でございます。
平成四年度から十三年度までの予算現額、決算額、翌年度繰越額、不用額及び執行率でございます。予算現額及び決算額につきましては、それぞれ一般会計に占める割合を記載してございます。
次に、二ページをお開き願います。2の都立衛生研究所の予算及び決算の推移(分野別)でございます。
平成九年度から十三年度までの予算現額及び決算額を研究、試験検査、管理運営等の分野別に記載してございます。
次に、三ページをごらん願います。3の精神障害者共同作業所及びグループホームの施設数・補助額の推移でございます。
上段に共同作業所、下段にグループホームについて、それぞれ平成九年度から十三年度までの施設数及び補助額を記載してございます。
続きまして、四ページをお開き願います。4の食品保健費決算の推移でございます。
平成九年度から十三年度までの決算額を記載してございます。
次に、五ページをごらん願います。5の精神障害者通院医療費助成に係る認定患者数及び助成額の推移でございます。
上段に認定患者数、下段に助成額を、それぞれ平成十一年度から十三年度まで記載してございます。
なお、注にございますとおり、表中、括弧書きでお示ししました数字は、都が単独で実施している助成制度に係る認定患者数及び助成額を再掲いたしたものでございます。
続きまして、六ページをお開き願います。6の都内の小児科医師数の推移でございます。
平成二年から平成十二年まで、都内の小児科医師数及び医師総数を、二年ごとの調査結果に基づき記載してございます。
次に、七ページをごらん願います。7の都内の小児科医師数(年齢区分別)でございます。
平成十二年末現在における都内の小児科医師数及び医師総数を、年齢区分別に記載してございます。
続きまして、八ページをお開き願います。8の都内の小児科標榜医療機関数の推移でございます。
平成二年から平成十二年まで、都内において、小児科を診療科目として標榜する病院の数及び診療所の数を、一般病院、一般診療所の総数とともに、二年ごとの調査結果に基づき記載してございます。
次に、九ページをごらん願います。9の八〇二〇(ハチマル・ニイマル)運動の概要でございます。
歯科保健対策に係る八〇二〇運動につきまして、運動の趣旨、推移並びにその成果と現状を記載してございます。
続きまして、一〇ページをお開き願います。10の東京都歯科医療連携推進事業の概要でございます。
同事業の目的、開始年度、事業内容及び実施状況について記載してございます。
次に、一一ページをごらん願います。11の獣医衛生事業の実績でございます。
平成十三年度における事業実績につきまして、狂犬病予防法に基づくものと東京都動物の愛護及び管理に関する条例に基づくものとに区分して記載してございます。
以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○坂口委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○古賀委員 東京都の医療改革、中でも、患者中心の医療について、平成十三年度、新しい動きがありましたので、その件について質問をいたします。
近年、医療事故、それから院内感染が続発をしているわけです。昨年は、高度先進医療を提供すべき都内の特定機能病院でも、初歩的ともいえる医療ミス、それから、それに伴うカルテ改ざんの事実が明らかになりました。信じがたいことです。
都民の医療に対する不信、不満は、かつてないほど高まっているわけです。しかしながら、医療の現場ではいまだに、患者が主体的に医療にかかわっていくという意識が、医療従事者、それから患者の双方に低いわけでありまして、我々もしばしば体験し、また仄聞するわけでありますけれども、診断を受ける医者に気軽に話しかけられない、相談ができない、それから、医師から十分な説明が受けられない、こういった悩みを都民は抱えているわけです。こういう不安を解消できずにいるというのが、現在、現実の偽らざる姿であろうというふうに思います。
医療に対しますこういった不安を解消し、信頼を回復するということは、生易しいことではありません。石原知事は、こういった状況を打破するために、東京発医療改革を積極的に推進するという公約を掲げて、その中で、患者中心の医療の推進を提唱しています。患者中心の医療を進める上では、まず、患者の生の声を聞くというのが何よりも大切であります。
患者の声相談窓口、これは患者、それから家族、この双方が持っているさまざまな疑問、それから苦情、要望というものを受けとめて、患者や家族と医療機関とのよりよい関係を築くために、患者と医療機関との橋渡しを行う、あわせて、患者中心の医療に向けた医療機関の意識改革を推進することを目的にして、平成十三年の五月に、当時の衛生局に設置されました。この窓口の平成十三年度における相談の実績、それから現在はどうなっているか、あわせて伺います。
○梶山参事 患者の声相談窓口の平成十三年度の相談実績でございますが、相談者総数は九千五百二十二人、相談内容別延べ件数は一万一千百八十七件となっております。
最も多かった相談内容は、健康や病気に関する相談で、二千四百七十七件、二二・一%、次いで、医療上または医療内容のトラブル、千四百二十九件、一二・八%、職員の対応に関すること、千百九十四件、一〇・七%などでございました。その他に、医療法等に関することや診療報酬に関することなど、医療全般に関する相談が寄せられております。
なお、平成十四年度の状況についてでございますが、四月から九月までの六カ月間で五千件を超える相談が寄せられており、相談件数に大きな変化はございません。
○古賀委員 患者の声相談窓口は、発足しました初日は二百件を超える相談が寄せられたというふうに私ども報告を受けております。その後も、報道機関、たびたびこれを取り上げまして、注目をされるようになりました。今の答弁にもありましたように、年間一万件を超える相談が寄せられているわけで、これは、相談事業は各種いろいろありますけれども、刮目に値する件数であるというふうに思います。これはまさに医療に対する都民の関心の高さを端的にあらわしている結果であるというふうに判断できます。
このような窓口を都民が待望していたということが、今の答弁、数字が裏づけているというふうに私は思いますけれども、患者の声相談窓口について、都はどのような評価を現時点で下しているのか。いかがでしょうか。
○奥田医療政策部長 ただいまご質問の中でお話にもございましたとおり、患者の声相談窓口の事業を開始いたしまして、その内容あるいは件数の多さから、改めて都民の医療に対する関心の高さ、あるいは今まで表明できなかった都民の声がいかに多かったかということを痛感しているところでございます。
結果を見ますと、相談者の約九割の方々が、窓口の対応や役割に納得と理解を示しているということから、都民の医療に対する信頼を取り戻すために大きな役割を果たしているものと考えているところでございます。
また、患者の声相談窓口に寄せられました具体的な声を、ケースに応じて医療機関に伝えることによりまして、医療機関側も、今まで埋もれていた患者の声を知ることになり、患者やその家族と医療機関との間のよりよい関係づくりに向けた意識改革に、ひいては患者中心の医療を推進する上で大きく貢献しているものと考えております。
○古賀委員 平成十三年の五月七日から患者の声相談窓口が開設をされて、事業が始まりました。当時、私も厚生委員会に所属しておりましたので、衛生局の方から各委員に配られた資料、今手元に私は持っておりますけれども、これを見まして、その内容について、従来の都立病院に対するいろいろな患者の声があったわけですけれども、それを吸収していくという上で、いろいろ工夫が凝らされているなということを実感いたしました。
相談体制については、まず、医師、保健婦、薬剤師、専門家がちゃんと配置をされて、相談に応じるという体制が組まれた。それから、相談事項については、よく限定するわけですけれども、この場合は何でもいいですよと。医療に関すること全般、例えば医療従事者、医師とか看護婦等がその代表でありますけれども、その対応がどうか、それから、医師の説明が不足していないか、健康相談などが、具体的にこういうことを相談していいということがちゃんと広報されていました。また、受け付けの方法が、電話でもいい、直接都庁に来てもいいですよ、手紙でも構わないということで、医療機関と家族、患者とのよりよい関係を築くための工夫というものが、相談事業としては最初からきめ細かく配慮されていたなということを私、当時も思ったことを今、資料を見ながらまた思い返しているわけです。
従来出なかった患者の声というものが行政で取り上げられるようになった。個々の医療機関にその声が伝えられるということは、これは当たり前のことなんですけれども、従来はその仕組みが確立していなかっただけに、この相談事業は、別に持ち上げるわけではありませんけれども、画期的なことであったというふうに判断していいというふうに思います。
どうしても患者というのは、やはり命を預けるという--預けるわけではありませんけれども、そういう気持ちで接するわけですから、立場が弱い。それから、患者として医療機関に、自分の考えていること、それから願っていることを伝えることが非常に難しいというのは、昔からいわれてきたことです。医療機関が患者の声を真正面から受けとめる、それから、患者の要望に的確にこたえていく、そうすれば日本の医療というのは大きく前進をするということになります。
これまでの一年間、患者の声相談窓口の活動成果、それから活動成果を具体的にはどのような形、方法で都民、それから医療機関に提供されたのか、その方法と形式について教えてください。
○梶山参事 患者中心の医療の実現に必要な医療従事者の意識改革を図るため、相談者の個別の意見などを必要に応じて医療機関に伝えたほか、集計したデータを本年七月に報告書として取りまとめ、公表したところでございます。
また、東京発医療改革のさらなる進展のために、平成十三年十一月に設置した、医療のより良い関係を考える会にこの患者の声相談窓口に寄せられた数多くの相談事例を提供し、その事例を素材にしながら、さまざまな立場から自由な意見交換を行っていただいているところでございます。
○古賀委員 医療のより良い関係を考える会という組織ができたと、ただいまそういうご答弁がありました。これは患者の声相談窓口に寄せられる都民の声を参考にして、医療を受ける者、それから医療に携わる者が自由に、相互に意見の交換を行う。それから、従来はなかったわけですから、私ども、患者中心の医療を行うということであれば、そういう何か組織、機構というものを設けるべきではないかと、私ども都議会自民党はかねてから主張しておりましたので、そういう私どもの要望に沿った形でこれが設置されたというふうに理解をいたします。
この医療のより良い関係を考える会の設置から現在までの活動状況はどうなっていますか。
○梶山参事 医療のより良い関係を考える会は、患者の声相談窓口に寄せられる都民からの声を医療の場に生かしていくべきという考え方に基づき、昨年設置いたしました。
考える会は、医療を受ける立場の委員五名、医療に携わる立場の委員五名、学識経験者の委員五名から構成されており、医療当事者間のコミュニケーションという課題を中心に、それぞれの委員が立場の違いを超えて、毎回活発なご意見を交わしていただいております。
平成十三年度は二回開催いたしましたが、本年五月には、「考えよう 医療におけるコミュニケーション」というテーマでシンポジウムを開催し、多数の都民の方々のご参加をいただいたところでございます。また、七月には、第一回以降の検討の結果を医療当事者間の意思疎通についてという内容で取りまとめ、提言として発表したところでございます。
○古賀委員 この医療のより良い関係を考える会が設置をされて、ほぼ一年の歴史を刻んだというか、今、答弁がありましたけれども、実績を積み重ねてきているわけでありまして、引き続きその充実に当たってもらいたいというふうに思います。
患者の声相談窓口に寄せられました声を題材にこういう機関が設けられる、これが広く都民に情報を提供していく、これは医療改革を進める、また機運を盛り上げる上でも大変重要であります。今後、今申し上げましたとおり、さらに工夫を加えてもらいたいというふうに思います。
こういった東京都の取り組み、患者の声相談窓口は、全国でも、ほかでもお役所に対するいろいろ批判は厳しいわけでありますので、公の病院を設置している、医療機関を持つ自治体では、このようなものはほかでも例を見ることができるのではないかというふうに思いましたけれども、ほかには余りないようなんですね。東京都はそういった意味で大変全国の注目を集めたということでありまして、全国の評価、全国の人たちから見てこれはどういうふうに評価されているのか、どういう影響を与えたのか。この点、東京都はある程度胸を張っていいのではないかというふうに私は思うんですが、どうでしょう。
○奥田医療政策部長 ただいまご指摘にございましたとおり、医療に関して総合的に相談に応じる患者の声相談窓口は、都道府県レベルでは全国で初めての取り組みでございます。このため、国でも都の取り組みに注目をいたしまして、国の検討会でございます医療安全対策検討会議において、都の実施状況を紹介したところでございます。これを受けまして、この四月、この検討会議は、都道府県や特定機能病院などに相談窓口を設置して、その他の医療機関にも設置を推進すべきであるとする旨の提言を行いました。
特定機能病院への設置については、既に関係法令の改正が行われたところであり、他の道府県や特定機能病院等を中心に、来年度以降、患者の声相談窓口が全国に展開していくものと考えているところでございます。
○古賀委員 石原知事は、東京から日本を変えるということを掲げて都政に登場しました。さまざまな画期的な政策を打ち出しておりますけれども、医療の分野でも、東京から日本の医療を変える、そういう展開が実際に一歩一歩歩みを進めているということが、今の答弁でも理解できました。
この東京都発の医療改革というものは、今後さらに全国の機関、お手本となるような、そういう着実な発展を私ども願っておりますけれども、患者中心の医療、至極当然のことなんですけれども、なかなかこれが今まで実際には達成できてこなかったという面もあるわけで、患者中心の医療を今後さらにどう前進をさせていくのか、ここで局長の答弁を求めた方がいいと思いますので、その決意、所見を明らかにしてください。
○長尾健康局長 患者中心の医療を実現するためには、医療従事者から患者に十分な説明がなされ、患者も受け身ではなく、主体的に医療にかかわっていくことによって、お互いの十分なコミュニケーションが図られ、患者が納得した上で医療が行われていくことが必要であると考えております。
今後とも、患者の声相談窓口に寄せられた声や医療のより良い関係を考える会の提言などを参考にしながら、患者中心の医療の実現に向けまして、着実に施策の推進を図っていきたいと考えております。
○古賀委員 医療や健康に関することについては、第三者の立場で見聞きしているときは意外と冷静に判断できるわけですけれども、自分が当事者になった場合は、意外と、どこに相談したらいいかという、まず初歩的なところで逡巡するわけですね。ですから、今回、最初にまず相談をする窓口として患者の声相談窓口が誕生した。当然全国的に注目されるのはごく自然な流れだと思いますけれども、とにかく、都民の強い味方になっているということを私は評価できるというふうに思います。
そういう視点でこれからも事業をやってもらいたいんですが、実は私のいる日野市の選挙区で、有権者にはお世話になっているんですが、日野には新しい病院が完成しまして、市立総合病院、建てかえたわけです。経営の面では今後かなり大変な重荷を背負ってはいるんですが、その病院をより市民のために有効に使うために、日野市立総合病院運営協議会というものが設置されております。その会長に就任されているのは、長町幸雄という群馬大学の教授を務められて、日野のご出身なんですけれども、群馬大学の病院長もお務めになった方です。今、市立病院の運営協議会の会長を務めておられます。
この方といろんな機会に私、お会いする機会がありまして、やはり今の医療は改めていかなければならないと、改革の姿勢を非常に強く持った方で、いろんなお話をするわけですが、患者として心得なければならないことということをこの間お話を聞きました。
病院に行く、医師の方と相対するわけですけれども、まず、患者として心がける第一は、意識の問題として、自分の体を医師に丸投げは絶対してはいけない、こうおっしゃっておりました。とにかく説明をしつこく、くどく聞きなさい。それから、もらった薬の薬効についてもよく聞きなさい。それから、どんな処置を受けるのかもよく聞きなさい。それから、手術を受ける際は、だれが責任者で、どの医師が執刀するのか、それも聞きなさい。それから、自分の病歴はできるだけ詳しく書いて病院に行きなさい。その他幾つもおっしゃっておりまして、非常に参考になります。当たり前のことなんですけれども、なるほどとうなずけるものが多いわけです。
長町先生は、群馬大学の病院長をお務めのときに、医者と患者の座るいすが、私どもの経験上、皆さんも想像がつかれると思いますけれども、医師は大体、両ひじが乗っけられるいすに座って、背もたれもある。患者さんは、丸いいすにちょこんと座らせられる--座らせられるといっては悪いんですが、座る。これはやはりどう考えてもおかしいんじゃないかということで、群馬大学の病院は今、もし行かれることがあったらごらんになったらいいと思うんですが、医師と患者のいすをお変えになったんです、逆にしたんですね。そういう簡単なことですけれども--かなり抵抗があると思います、やろうと思えば。意識の面でも、それから、それを患者の立場で見ても、最初は患者自身にも抵抗があるかもわからない。そういうことを思い切っておやりになった。
それから、手術室は、密室でやってはいけないということで、患者さんが主人公ですから、手術室に小さな窓をつけられたんです。大きなものではありませんけれども、小さな窓を設けて、手術室の中の様子がうかがえるようなことも工夫された。そういうことは、簡単なようですけれども、いってしまえばそれまでですけれども、いろいろ大変なご苦労があったようであります。
こういう方が今、日野の市立総合病院の運営協議会の会長を務めておられますので、さらに患者の声相談窓口の一層の充実のために何かさらなる知恵をという、もしそういう積極的な意欲がおありでしたら、私がいつでもご紹介申し上げますので、お申し出願いたいというふうに思います。
それから、病院の経営ですね。都立病院は、医療収支比率等も大変悪いわけですけれども、公立病院の運営についてもさまざまな提言や意見を持っておられますので、そういうものもあわせて参考にされたらいいのではないかというふうに思います。
都民が気楽に相談できる窓口が設けられて、平成十三年度からこのことが始まった。今、局長の答弁でも意欲的なお話をされましたので、今後さらに病院にも直接そういう場所を設けるとか、保健所につくってもいいと思います。身近な場所に相談窓口を展開するというようなことが、さらに患者中心の医療を推進、充実させることにつながると思いますので、そのこともあわせて要望して、質問を終わります。
○福島委員 本年の四月に、保健衛生と医療に関する新たな施策展開と事業の再構築を図るため、衛生局を廃止し、新たに健康局が設置されました。健康局という新しい局として、二十一世紀にふさわしい保健医療対策を積極的に展開されますことを切望しつつ、今回は、都民の健康の保持、増進に欠かすことのできない歯科保健医療対策について質問をしたいと思います。
ここに、東京都歯科医師会が発行しているパンフレットがありますけれども、かむことは健康の源として、東京都区市町村及び地区歯科医師会と連携をして、多くの保健衛生活動を行っていることが紹介をされております。一歳六カ月、三歳児歯科健診から成人、老人歯科健診、寝たきり訪問歯科診療など、生涯を通しての歯科健診、妊産婦、障害者のための歯科健診、さらに休日応急歯科診療、準夜間応急歯科診療など、十三にわたる幅広い項目で事業が実施されており、石原知事の健康へのメッセージには、歯科医師会、医療機関及び区市町村と連携を図り、都民一人一人が健康な長寿を実現していくと示されております。
そこで、東京都の歯科保健医療対策について、何点かお伺いをいたします。
歯と口腔の健康を維持することは、単に食べ物をそしゃくするという点からでなく、食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るための基礎となるものであり、歯を失うことは、食生活や社会生活に支障を来し、ひいては全身の健康にも影響を与えるものとされています。
最近のいろいろな調査から、八十歳で歯の喪失が少なく、よくかめている人は、生活の質や活動能力が高く、運動機能もすぐれていることがわかってきました。また、歯周病が心疾患のリスク因子であることや、口の中の細菌が高齢者の誤嚥性肺炎の原因になるなど、従来にも増して口腔状態と全身状態の関連が注目されてきております。したがって、私は、都民の健康づくりを進めるためには、歯と口腔の健康づくりに一層力を注ぐべきであると考えております。
東京都は現在、生涯を通じた都民の歯と口腔の健康づくり対策の充実と障害者などの歯科保健医療体制の整備を二本の柱として、歯科保健医療対策を推進しているところでありますが、事業の着実な推進を期待するものであります。
そこで、まず、歯の健康づくり対策についてお伺いをいたします。
東京都では、八十歳になっても自分の歯を二十本以上保とうという八〇二〇の実現に向けて、西暦二〇一〇年の歯科保健目標を策定し、さまざまな取り組みを進めておりますけれども、歯の健康づくりでは、何より都民への普及啓発活動が重要であると認識をいたしております。平成十三年度はどのような体制で取り組んでこられたのか、お伺いをしたいと思います。
○奥田医療政策部長 ご指摘がございましたとおり、普及啓発は、都民一人一人の歯の健康づくりを進めるに当たりまして大変重要な要素と考えております。都は、平成十三年度から新たに八〇二〇運動推進特別事業を実施しておりますが、現在この事業の中で都民への普及啓発活動を展開しております。
取り組みを効率的に推進するために、学識経験者、関係団体で構成いたします運営委員会を体制として設置をいたしまして、委員会で決定した事業を東京都歯科医師会等関係団体との協力のもとに推進していくこととしております。
○福島委員 ただいまのご答弁で、学識経験者などで構成する運営委員会で事業を決定するとのことでありますが、平成十三年度に実施した事業はどのようなものがあったのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○奥田医療政策部長 平成十三年度には、運営委員会での検討を踏まえまして、幼児期における弗素の効果的な活用方法を解説いたしました冊子でありますとか、喫煙と歯周病との関係についての知識を周知するための成人向けパンフレットを作成いたしました。現在、歯科診療所や区市町村において、さまざまな形で活用していただいております。
また、島しょ地区は、他と比べまして虫歯が多くて、歯科医療機関が少ないという地域特性がございますことから、これらの地域での効果的な普及啓発活動を推進することを目的に、モデル的に、神津島村において住民の意識調査を実施したところでございます。
○福島委員 歯の健康づくり対策については理解をいたしました。都民に歯と口腔の健康づくりの重要性を十分に啓発し、個人の健康づくり活動を支援する環境をさらに整備していただくよう、事業の着実な推進をこの際要望させていただきたいと思います。
次に、基本方針のもう一つの柱である障害者などの歯科保健医療体制の整備についてお伺いをします。
私は、身体障害者や知的障害者のご本人やご家族から、身近な地域で歯の治療や口腔のケアについての相談に乗ってくれる診療所や病院がないかという相談をしばしば受けることがあります。
東京都は、障害者などの歯科保健医療体制の整備を目標として、平成十一年度から東京都歯科医療連携推進事業を開始いたしております。資料を拝見いたしますと、この事業は、障害者などが身近な地域で必要な歯科医療サービスを受けられるように、障害者などの歯科医療を行うかかりつけ歯科医の定着を図るとともに、専門歯科医療機関との機能分担と連携システムの確立を図るというものであります。
実施主体は区市町村であり、平成十三年度までに二十二地区で事業に着手しておられますけれども、本事業を推進する上で、実施区市町村からはどのような課題があるのか、どのような要望があるのか、また、そういったものが寄せられているのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○奥田医療政策部長 歯科医療連携推進事業では、関係区市町村との情報交換の場といたしまして連絡会を設けておりますが、そこでは、事業推進に当たっての課題といたしまして、例えばかかりつけ歯科医を支援する専門歯科医療機関の確保が困難な地域があるというようなお話であるとか、障害者の治療にはある程度経験が必要であるため、研修等を通じて歯科医師の協力を得る必要がある、あるいは従来、歯科診療所は他の医療機関と連携をとることが少なかったので、連携強化のための工夫がより一層必要であるといったような意見を出されているというふうに聞いております。
○福島委員 専門歯科医療機関の確保が困難な地域があるということでありますが、東京都は、障害者などの歯科医療を専門的に実施できる医療機関を確保するために、どのような取り組みを具体的にされているのか、お伺いしたいと思います。
○奥田医療政策部長 都は、都内の心身障害者の歯科治療や口腔機能の訓練などを行います歯科医療の拠点といたしまして、都立心身障害者口腔保健センターを設置し、運営しておりますが、一方で、区市町村も十二区二市で、同様の目的を持ちます地区口腔保健センターを設置しているところでございます。
また、重度の心身障害者を対象といたしました歯科診療事業といたしまして、関係の病院と心身障害児施設に対して運営費の補助を引き続き実施しているところでございます。
○福島委員 都立口腔保健センターを中心として、区市町村にも十二区二市で口腔保健センターが設置され、専門的な医療機関がある程度確保されているということでありますが、今後もさらに充実に努めてほしいと思いますので、要望をさせていただきたいと思います。
また、先ほどの答弁から、障害者などのかかりつけ歯科医になることに初めは不安を持つ歯科医師もいることがわかりました。私は、都立心身障害者口腔保健センターの持つ機能を活用して、地域のかかりつけ歯科医に対する支援機能を強化していくことが重要であると考えますが、平成十三年度ではどのような取り組みをされたのか、お伺いをしたいと思います。
○奥田医療政策部長 都立心身障害者口腔保健センターは、かかりつけ医を対象といたしました障害者歯科医療の専門的な研修を実施しております。平成十三年度でございますが、個別研修を七回、集団研修を四回実施いたしまして、延べ六百九十八人が受講したところでございます。
また、各区市町村が歯科医療連携推進事業を実施するに当たって、口腔保健センターの歯科医師がその協議会に積極的に参加いたしまして、かかりつけ歯科医の定着も含めた連携推進事業の展開を支援させていただいております。
今後とも心身障害者口腔保健センターの機能を活用いたしまして、こうした取り組みの強化に努めてまいります。
○福島委員 ただいまのご答弁に尽きるわけでありますけれども、かかりつけ歯科医の定着は、何人の健康にも欠かすことのできないものであると理解をいたしております。口腔領域のプライマリーケアを継続的に提供するのもかかりつけ歯科医であり、また、歯科医療連携システムを強力に推進するに当たり、その中心となるのもかかりつけ歯科医であります。
歯科医療連携推進事業や各種の歯科保健事業を実施するに当たって、かかりつけ歯科医の機能強化、定着がさらに必要と考えますが、どのような取り組みを行っているのか、お伺いをしたいと思います。
○奥田医療政策部長 都はこれまで、歯科医療連携推進事業を通して、専門歯科医療機関との連携体制を整備することにより、個々の歯科診療所が、予防から治療まで一貫したプライマリーケアを行うかかりつけ歯科医としての機能を強化できるよう努めてまいりました。
また、区市町村が実施している歯周疾患検診とそのフォローを行います歯周疾患改善指導事業など、各種の歯科保健事業を住民に身近な診療所で実施していただくことを通じまして、都民へのかかりつけ歯科医の定着を促進しているところでございます。
さらに、都民一人一人の理解を得るために、かかりつけ歯科医を持つことの重要性を啓発いたします各種のパンフレットを作成し、配布することなどにより、かかりつけ歯科医の定着、促進を図っております。
○福島委員 私は、都民一人一人が豊かで充実した人生を送るためには、歯と口腔の健康を守ることが極めて重要であると常々思っております。平成十三年度の歯科保健医療関係の事業を見ますと、少しずつ成果が上がっているものの、今後とも区市町村がさまざまに取り組んでいる、生涯を通じた歯科保健対策への支援を強化し、また、だれもが身近な地域で適切な医療サービスを安心して受けられる基盤を、歯科医師会など関係団体と十分連携をしながら整備していただきたいと考えております。
そこで、最後に、局長にお伺いをいたします。
前段申し上げましたように、本年四月に衛生局を廃止し、健康局となったわけでありますが、局長として、今後歯科保健医療対策についてどのように考えていくのか、その基本認識と決意のほどをお伺いしたいと思います。
○長尾健康局長 口は全身の健康の入り口でありまして、歯と口腔の健康を維持することは、都民の健康を守る上で非常に大切であると認識しております。そのため、歯科疾患の早期発見、早期治療にとどまらず、齲蝕や歯周疾患の予防を中心とした歯と口腔の健康づくりが重要であることは、ご指摘のとおりでございます。
今後とも、歯と口腔の健康づくりを進めることが都民一人一人の生活の質の向上につながるという視点から、歯科医師会等関係団体と十分に連携いたしまして、歯科保健医療体制の充実に積極的に取り組んでまいります。
○福島委員 ただいま局長から、口は全身の健康の入り口であるとご答弁をいただきました。まさしく私もそのとおりであると理解をいたしておる一人でありますが、今後とも歯と口腔の健康の重要性を十二分に認識していただいて、歯科保健医療対策の一層の充実を図られますよう切に要望して、私の質問を終わります。
○谷村委員 昨年七月に都立病院改革会議の報告書が発表され、十二月には、当時の衛生局と福祉局が都立病院改革マスタープランを策定し、本年第三回定例会では母子保健院が廃止される条例が可決されました。直接的には本委員会の審議事項ではありませんが、多摩地域における都立病院改革においては、清瀬小児病院や八王子小児病院が梅ケ丘病院と統合し、総合的で高度専門的な医療を提供する病院としての小児総合医療センターを新たに府中病院のキャンパス内に整備し、都における小児医療の拠点として充実を図っていく、こういう再編整備計画案が発表されました。
こうした背景も受けまして、また、小児科医の不足の警鐘が乱打されて久しいこともあり、今、小児医療に対する都民の関心は最大限に高まっていると思います。
そこで、初めに、小児救急医療について伺います。
都では平成十二年九月に、東京都救急医療対策協議会の審議を経て、東京都における今後の小児救急医療体制のあり方についての報告がなされております。共働きの家庭の増加、小児科医師の減少や高齢化等の厳しい状況を受けて出されたものだと思いますが、この報告書で提言されている、入院を主体とした二次救急医療体制の整備について伺いたいと思います。
平成十三年度から開始した小児科の休日・全夜間診療事業の取り組み状況に関し、病床確保の状況と患者の取扱実績、特にそのうち、入院治療の対象となった患者はどういう状況であったのか、確認させていただきたいと思います。
○梶山参事 平成十三年度における小児科の休日・全夜間診療事業の実績でございますが、五十一医療機関の参画を得て、七十三床の病床を確保してございます。
この取扱患者実績は、約二十七万人でございました。そのうち、入院された患者さんは約一万五千人であり、救急患者さんの約五・五%となっております。
○谷村委員 今のご答弁で、入院を主体とした小児科の休日・全夜間診療事業における救急患者の多くが軽症の初期救急患者であるということですけれども、念のための確認という意味で、初期救急とそれから二次救急の違いとその対応、取り組みの違いについてご説明していただきたいと思います。
○梶山参事 救急医療対策は、傷病の程度に応じ、初期、二次、三次の体制をとってございます。初期救急医療事業は、入院を必要としない軽症の救急患者に対する医療の確保を目的として、区市町村が休日夜間急患センターまたは在宅当番医制で実施しております。二次救急医療事業でございますが、入院治療を必要とする重傷の救急患者に対する医療の確保を目的として、東京都が固定・通年制で休日・全夜間診療事業を実施しておるところでございます。
都民への適切な医療の提供と医療資源の有効活用のためには、初期救急と二次救急を担うそれぞれの医療機関が、その機能に応じた役割分担を行うことが重要であるというふうに考えてございます。
○谷村委員 ただいま説明をいただきました初期救急と二次救急の役割の違いについては、一般都民にとって少々わかりにくいものとなっております。先ほどの報告書、東京都における今後の小児救急医療体制のあり方についての中でも、このように指摘をされております。少子化、核家族化の中で、育児に携わる若い世代は、子育ての知識、体験を継承する機会が乏しい反面、マスメディアからの情報は豊富で、育児不安が増大していると思われると。これにつけ込んで、都民の不安を意図的にあおり、みずからの勢力の拡大を目的とした一部団体、政党のビラが配られる。とんでもないことであります。
その結果、小児救急というのは、初期救急体制を飛び越えて、二次救急体制がすぐそこになければならないと、こういう不安に陥るわけであります。医療を受ける側の目線に立って小児救急医療に係る普及啓発活動を行い、安心して子育てのできる社会環境をつくり上げることが大変に重要であると考えますが、見解を伺いたいと思います。
○奥田医療政策部長 安心して子育てをするためには、小児救急医療体制の整備を図ることはもちろんでございますが、救急医療機関に関する情報や、子どもさんが病気やけがをしたときの家庭での的確な処置等に関する情報を都民が利用しやすい形で提供することが重要であることは、ご指摘のとおりでございます。このため、都は、保健医療情報センター「ひまわり」で、夜間、休日に小児救急医療に対応できる医療機関の案内を行いますとともに、東京子育て情報サービスによりまして、子どもの心配な症状に対する知識や応急手当て等についての情報サービスを実施しているところでございます。
今後ともあらゆる機会を通じまして、かかりつけ医制度あるいは小児救急医療制度等の普及啓発を図っていく考えでございます。
○谷村委員 初期救急と二次救急の役割分担を明確化した上で、いまだ十分に確保されているとはいいがたい平日の準夜帯等における小児救急医療体制の整備を図ることが急務であると思います。この点について、救急医療対策協議会の報告書では、初期救急医療については、画一的な方策によることなく、実情に即して行うことが必要であり、都は、各区市町村の創意工夫に対して支援すべきと提言をされております。
そこで、平成十三年度の小児初期救急に関する都の取り組み状況と今後の展開について伺いたいと思います。
○奥田医療政策部長 都は、小児初期救急医療を実施する区市町村を支援するため、平成十三年度から新たに小児初期救急医療体制整備支援事業を実施しております。この事業は、区市町村、地区医師会、二次救急医療機関、所轄消防署等の関係機関で協議会を構成し、小児初期救急医療事業の運営にかかわるさまざまな課題への対応や事業実績の分析等を行い、未実施の区市町村にはその成果を普及することによりまして、小児初期救急医療の取り組みを支援するものでございます。
平成十三年度は、葛飾区及び練馬区で協議会を設置いたしまして、小児の初期救急医療にかかわる諸課題について検討をお願いしたところでございます。引き続き、実施地区の拡大を図っていく考えでございます。
○谷村委員 次の世代を担う子どもたちを健全に育成することは、親はもとより、社会の責務であると思います。子どもの急病に対する親の不安を解消し、安心して子どもを育てるために、小児医療、特に小児救急医療の充実に引き続き努められるよう、強く要望いたしたいと思います。
次に、周産期医療対策事業について伺います。
東京都の出生数は、年によって増減があるものの、おおむね減少傾向が続いております。その一方で、二千五百グラム未満の低出生体重児、いわゆる未熟児の出生割合は、年々増加の一途をたどっているようであります。
安心して子どもを産み育てる環境をつくることは、今行政に求められております最重要課題の一つであると思います。都では、平成九年度から周産期医療対策事業を開始し、周産期母子医療センターを計画的に整備しておりますが、現在の周産期母子医療センターの数は、区部十七カ所に対して、多摩地域は三カ所しかありません。また、NICU病床数を出生千人に対する比率で見ても、区部の二・二床に対して、多摩地域では〇・八床となっております。出生千人に対するNICUの必要病床数の目安が二床であることを考えますと、多摩地域での病床整備がおくれていることは明らかでございます。
多摩地域での病床整備を早急に進め、このような地域偏在を解消していく必要があると思いますが、都では平成十三年度にどのような対策を講じたのか、伺いたいと思います。
○海老原参事 多摩地域における平成十三年度の周産期医療への取り組みについてでございますけれども、都といたしましては、これまで、多摩地域の医療機関に対して、周産期医療に取り組むよう、機会あるごとに働きかけを行ってきたところでございます。
こうした取り組みの結果、平成十三年度には、多摩地域のNICUを新たに三床確保し、二十四床から二十七床へと増床したところでございます。
また、平成十二年度から実施しております多摩地域周産期医療連携強化事業では、NICUを有してはいません、NICUがないんですけれども、新生児医療に対応可能な医療機関におきまして、新生児の受け入れを行っているところでございます。平成十三年度は、十二の医療機関の協力を得てこの事業を実施したところでございます。
○谷村委員 現在、多摩地域の周産期母子医療センターは三カ所のみで、そのうち二カ所は、清瀬と八王子の都立小児病院でございます。冒頭に触れましたが、平成十三年度に当時の衛生局で策定した都立病院改革マスタープランでは、その清瀬小児病院と八王子小児病院については、府中キャンパスに新たに整備される小児総合医療センターに統合することになっております。ここでも新たにMFICU、母体胎児集中治療管理室も設置し、周産期母子医療も積極的に取り組んでいくと伺っております。周産期医療は高度専門医療であり、集中化することや、広域基幹病院である府中病院と隣接して整備することによるメリットも大きいものがあると考えます。
十三年度にNICUが三床ふえたとはいえ、多摩地域のNICUの整備はまだまだ十分だとはいえないと思います。小児総合医療センターの整備に当たっては、健康局としても、このNICUの特段の整備を働きかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○海老原参事 NICUの病床数は現在、区部百四十四床に対して、多摩地域では二十七床でございます。ご指摘のとおり、多摩地域にNICUを整備する必要があることは、私どもとしても十分に認識をしているところでございます。
今後とも、多摩地域の医療機関に対して周産期医療への取り組みを働きかけるとともに、小児総合医療センターの整備に当たっては、病院経営本部と十分に連携を図り、NICU病床の確保に努めてまいりたいと考えております。
○谷村委員 よろしくお願いいたします。
本年十二月に予定されている東京都保健医療計画の改定に当たって、平成十三年三月の医療法改正で、基準病床数の算定式が変更されたことから、都全体の基準病床数が削減されることが見込まれております。病床は、都民に適正な医療を提供するための貴重な財産であり、限られた病床を有効に活用することがますます重要になってくると思います。
そこで、都は、病院の開設や増床の許可に先立って、事前相談制度により病床の配分を承認していますが、平成十三年度十二月末現在で使われている病床や、事前相談で病床の配分を承認されている病床は、都内で合計何床あるのでしょうか。そのうち、病床の配分は承認されたが、工事着工等の前提となる開設や増床の許可に至っていない病床は何床あるのでしょうか。
○梶山参事 平成十三年十二月末現在で使われている病床や、事前相談でその病床配分を承認されている病床数は、都内全体で合計約十万七千床でございます。このうち、本年九月末現在で開設や増床の許可に至っていない病床は約二千五百床であり、率にして約二%ほどでございます。
○谷村委員 現在までに開設や増床の許可に至っていない、約二千五百床もあるということですけれども、これはどのような理由によるものでしょうか。
○奥田医療政策部長 病院の新築であるとか増改築工事のために設計を行うなど、工事着工の準備段階のため、開設や増床の許可に至っていないケースが大半でございますが、中には、病院建設用地について、地権者等との関係で仮契約から本契約に至っていないようなケースや、病床の段階的開設のために、承認された病床の一部しか開設許可の申請に及んでいないケース等がございます。
○谷村委員 その開設に至っていない二千五百床ある中で、長期間を要しているものはどういうケースがあるのでしょうか。
○奥田医療政策部長 最も長期間開設や増床の許可申請のないケースといたしまして、平成九年度に承認したもので、病院建設用地について、地権者等との関係で仮契約から本契約に至っていないケースがございます。
○谷村委員 平成九年度ということは、病床数の承認を受けてそれを確保しながら、四年以上も経過していまだに開設許可を受けていないというのは、都民の医療の確保という観点から大変に問題があると思います。
ほかにも、三年、二年を経過しているケースもあるようですけれども、この間は、たとえ他の法人がその地域に病院開設のための病床数を確保しようとしても、仮にどんなに条件が満たされたとしても、実質的に病院が開設できない状況になるのだと思いますけれども、事前相談で病床数を確保した、しかし、病院建設用地として申請している土地が、仮契約から本契約に何らかの事情で至らないと。状況が変わってしまったのだとは思いますけれども、しかし、歳月は過ぎていく。結果として、病院はいつまでたっても開設されない。都ではこうした事前相談で一定の病床数を確保しながらも、開設や増床の許可に至らない病床について今後どう対応されていくのか、お伺いしたいと思います。
○奥田医療政策部長 都といたしましては、限られた病床の有効活用を図るという観点から、この六月に、事前相談のための事務取扱要綱の見直しを行い、九月締め切り分の事前相談からは、承認後は、原則として六カ月以内に開設許可申請をすることということを義務づけるなど、改正を行ったところでございます。
今後は、この要綱に基づきまして、事前相談を受けた病院の開設や増床については、期間内に着実に推進するよう指導しますとともに、要綱の改正以前に承認したケースにつきましても、この趣旨を踏まえ、早期に病床が活用されるよう、適切に指導していく考えでございます。
○谷村委員 ことしの六月から要綱が見直されて、事前相談を受けての承認後は、六カ月以内の開設申請を義務づけるように改正されたということですけれども、今ご答弁の中にもございましたけれども、要綱改正以前に承認されているケースについても、余りに長期にわたっているものについては、適正な指導、厳正な指導というものをしていただけるよう、早期の病院開設を待ち望んでいる都民、地域住民の立場からも強く要請をいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、平成十三年度に都は、多摩地域の保健サービスの再構築として、現在十二ある多摩の保健所を七つに減少させる案を発表しておりますが、この件について伺いたいと思います。
昨年十月二十五日に、当時の衛生局は、二十一世紀の東京都保健所、多摩地域の保健サービスの再構築に向けてをまとめられ、その日のうちに東京市長会で、翌日には町村長会に説明をされております。
まず、この保健所再編という都民生活に大変に密着した事柄について、その改革の発表、報告のあり方について、基本的なことを確認させていただきたいと思います。
この重要な保健所再編について、都議会に対しては、いつ、どのような形で正式に報告をされたのでしょうか。
○齋藤地域保健部長 ただいまご質問のございました、二十一世紀東京都保健所をいつ議会に発表したかということでございますけれども、この報告書は、お話にございましたように、昨年の十月二十五日、市長会において説明し、また同日付で都議会各会派あるいは厚生委員会委員の方々に資料をご配布し、ご説明を行っております。厚生委員会の場でのご報告は行ってございません。
○谷村委員 発表ではなく、都議会への報告はいつしたかという趣旨でお尋ねをしております。なぜ厚生委員会への報告が行われていないのか、ご説明をいただきたいと思います。
○齋藤地域保健部長 なぜ委員会に報告しなかったというお尋ねでございます。
当時、衛生局でございますけれども、衛生局としましては、発表当時、その当日、都議会に迅速に情報を提供し、厚生委員会委員の方を初め議会の皆様に理解を得るために、厚生委員会の開催を待たずに、発表当日に個別に資料配布し、報告とさせていただいたところでございます。
○谷村委員 資料の配布をもって都議会への報告という形をとるのは、これはおかしいんじゃないでしょうか。例えば昨年一年間での、平成十三年度における厚生委員会に報告された資料等をいただきましたけれども、例えばTOKYO福祉改革STEP2、これは福祉局になりますが、衛生局でいうと、都立病院改革マスタープランについて、これは都立病院改革会議の報告書の段階でも既に発表当日に配られてはいますけれども、委員会には改めて報告をされております。発表当日に資料を配布する、各会派と厚生委員に配る、説明に上がる、それは結構ですけれども、委員会にきちんと報告されていないのはなぜなんでしょうか。
○齋藤地域保健部長 委員会にきちんと報告していないのはなぜかということでございますけれども、そうした当日の情報提供をもって適切に情報提供をしたというふうに当時考えておったところでございます。
○谷村委員 例えば都立病院改革マスタープランについては委員会に報告する、保健所の再編については報告しないと、この違いはどこにあるんでしょうか。
○齋藤地域保健部長 病院改革マスタープランあるいは今回の二十一世紀の都保健所、どこに違いがあるかということでございますけれども、私の理解でございますが、二十一世紀の都保健所は、当時の衛生局の内部で、長いことかけて実務的に局内で検討してきた結果というふうに理解しております。また一方で、マスタープランの方は、外部の有識者を含めた病院改革推進会議、正式な名称はちょっと忘れておりますが、そちらのご報告を受けて、都としてのマスタープランとして対外的に、知事のコメントも含め、発表という形をとったものですので、事の重要性に差があるかということになりますと、定かにはいえませんけれども、そういう趣旨から、当時の私どもの判断として、病院改革会議の方はご報告させていただき、こちらの方については、資料配布を通じてご報告といいましょうか、情報提供させていただいたというふうに理解してございます。
○谷村委員 そのようにお答えするしかないと思いますが、よくわかりません、その違いについては。
十月二十五日に東京都市長会に、二十六日に町村長会にと報告をされておりますけれども、ある市長が市議会に報告をしたところによりますと、衛生局の説明を受けた東京市長会では、地方分権の流れだといって、自分たち、東京都で何でも決めてしまって、都は、我々市をパートナーと思っていないというご発言とか、市町村に何から何まで押しつけて、非常に高圧的で乱暴であるなどとの大変な反発があったと伺っております。
その後、読売新聞、十二月一日付では、稲城の石川市長が、都政に対して後ろ向きというか、極めて自己中心的、首都機能中心の考えとはいえ残念と述べ、多摩地区軽視という大きな見出しにもなっておりますけれども、すべてにおいて縮小、縮小で、ろくな話題がないとも語ったというふうに報道されております。
その三日後、これも同じく読売新聞ですけれども、十二月四日に、立川市の青木市長、これは当時、東京市長会の会長で、今は全国市長会の会長を務められている大変立派な方ですけれども、その青木市長は、保健所の再編案などを例に挙げ、突然出てくる話があり、各市長とも困っている、市長会の担当部長会や部会で協議してからやってほしいと、都の進め方について注文をつけた。さらに、三多摩は東京じゃないような感じが出ている、都の財政が厳しいからでは困る、市の方がよっぽど財政は厳しいんだと、こういうふうな見解を示したことなどが報道されております。
こうした都政にまつわる大変重要課題を、市長会や町村会には担当者が出ていってきちんと説明をしている、都議会に対しては資料だけ配って、それで報告を終わりましたよというのは、これは都議会軽視じゃないですか。
○齋藤地域保健部長 当時の判断としましては、適切に情報提供させていただいたということでございますけれども、ただいま委員の方からご指摘いただいたような点があり、不適切な点があるということであれば、今後十分留意していきたいと考えております。
○谷村委員 先に市長やあるいは市議会の方に都政のこういう重要課題が流れて、後から、都は何をやっているんだというふうに地元都議会議員の方に話が来るという、結果として、順序が逆になってくるような状況もあるわけでございます。もとより、これは東京都の組織の問題でありまして、東京都市長会あるいは町村長会の了解をとって、それですべて話が済むというものではないと思います。
この保健所再編案に対して、東京市長会あるいは二十六市三町一村の首長、市長、町長、村長がどのように受けとめていると健康局では認識されていますでしょうか。
○齋藤地域保健部長 市長会あるいは市議会がどのように受けとめているというふうに認識しているかということでございますけれども、この間、市長会の方では、たび重なるご要請もいただいておりますし、また、あわせて市議会の方からも、再検証してほしい、再検討してほしいという決議もいただいております。また、町村会の方からも、よく地域的な状況等を踏まえて検討してほしいというお声をいただいておりまして、ともに、都であれ市町村であれ、保健サービスの向上を図るという意味で基本的な責務は同じにしておりますし、また、一緒になってやっていくということが基本でございますので、市町村からそういったご懸念あるいはご指摘があるということにつきましては、真摯に、また重く受けとめているところでございます。
○谷村委員 では、今、多摩の市長、町村長の反応というのをお伺いしましたけれども、各市町村議会というのはどういう反応が出ているでしょうか。
○齋藤地域保健部長 市町村二十六市議会のうち二十四市議会から、撤回してほしい、十分検討してほしいという趣旨の決議書をいただいているところでございます。
○谷村委員 私は、多摩の保健所再編につきましては、昨年の第四回定例会で取り上げさせていただきました。その際、当時の今村衛生局長は、「今後、再構築の趣旨などにつきまして市町村に十分説明をいたしまして、ご理解を賜れるよう努めてまいりたいと考えております。」と、このように答弁をされました。
平成十三年度においては、市町村の理解を賜るためにどういう取り組みをされたのでしょうか。十三年度に限定してお答えいただきたいと思います。
○齋藤地域保健部長 十三年度に、理解を得るためにどのような取り組みを行ったかというご質問でございます。
先ほど申し上げましたように、十三年の十月二十五日あるいは二十六日、市長会あるいは町村会にご説明申し上げたところでございますけれども、市長会の方では当日、聞きおくのみということであったように聞いております。そういった関係もございまして、なかなかご説明に再度伺わせていただくという状況下にはなかったところでございますけれども、いろんな機会を私ども利用させていただいて、二十一世紀都保健所の趣旨等については、事務的には、担当の実務者の方とあらゆる機会を通じてお話はさせていただいたところでございます。
その後、ことしに入りまして、先ほどもお話ししましたけれども、市長会の方からの重ねてのご要望というものを受けまして、そのご要望を受けた形で新たに、本年度でございますけれども、市町村と私ども、実務者のレベルでの検討会を提案し、ご了承を得て立ち上げたという経過がございます。
○谷村委員 先週、多摩地域保健サービス検討会中間のまとめが出されておりますけれども、その中で、多摩地域の保健サービスの再構築についての中で触れられている再構築のスケジュール、すなわち平成十四年度から、残す五つの保健所、継続させる五つの保健所を基幹型保健所に、廃止する五つの保健所を地域型保健所にしたと記載をされております。こうした変更がなされるということは、スケジュールどおり多摩の保健所再編を進められたということだと思いますけれども、この段階で、平成十四年四月一日からスケジュールどおり基幹型と地域型保健所に移行をしたという、こういうことをスケジュールで進められたわけですが、十三年度中に多摩の二十六市三町一村の理解は得られた、そして都議会の理解も得られたという認識で、こういうスケジュールどおり進められたのでしょうか。
○齋藤地域保健部長 この四月からの保健所の基幹型あるいは地域型について、市町村あるいは議会にどのように説明したのかということかと思いますけれども、十四年度に基幹型保健所と地域型保健所の体制に移行していくということにつきましては、先ほど出ておりました、昨年十月に策定、発表いたしました二十一世紀の東京都保健所にも明記しているところでございます。また、厚生委員会等、予算審議等経まして、都の局内部の組織改正として実施に移したものでございまして、そのことそれ自体を特に取り上げて、市町村あるいは町村会、市長会、町村会等にご説明を、それだけでもってしてはございません。
○谷村委員 そういうことではなくて、保健所再編のことについて、市長会でも町村会でもさまざまな反発が出ているわけですね。それは、きちっと今村衛生局長もご理解を賜るように努めてまいりますと、去年の四定でお答えをされているわけでございます。その理解が得られて、私は、この冊子でまとめられたスケジュールというのはスタートするものだというふうに認識をしておりますけれども、平成十四年四月一日から基幹型、地域型というふうに十二の保健所を分けたということは、十三年度中に多摩の市町村の理解を得られたという認識でされたのかどうかということを聞いているんです。もう一度お願いします。
○齋藤地域保健部長 今のご質問の趣旨が、保健所再編について理解が得られたという認識のもとに基幹型と地域型保健所の区分をこの四月に実施に移したのかというご質問の趣旨でございますとしますと、そうは考えてございません。あくまでも再編については、私どもの二十一世紀の都の保健所の中でも十五年の四月以降というふうに記載させていただいておりますけれども、この基幹型と地域型保健所の再編につきましては、十四年の四月ということにさせていただきまして、保健運営協議会等にもご説明させていただいた上で、都の局内の組織改正として実施させていただいたものでございます。
○谷村委員 だから、片や理解は得られていないけれども、片方でスケジュールどおり進めるという、十二ある保健所の五つを基幹型にして、八王子と町田とあとの五つ廃止するものを地域型の保健所にするという、スケジュールどおり進めるということは、これは理解は得られてないけれども、改革はやりますよという、そういう姿勢ですよね。都議会では、きちんと理解を求めるようにしますとおっしゃっているけれども、あるいは市長会、町村長会での反応を受けとめていながら、平成十三年度中、これといった理解に努められたことというのは何もされていない。そういう中で、スケジュールどおり十四年四月一日からは基幹型と地域型の保健所に分けると、ちょっと乱暴ではありませんでしょうか。
○齋藤地域保健部長 保健所再編そのものについて理解が得られていないのに、基幹型と地域型をそれだけ先行させてスケジュールに乗って進めるのは乱暴ではないかということかと思いますけれども、私ども、この基幹型、地域型の区分は、当然、保健所再編、多摩地域の保健サービスの再構築というものを前提に置いた準備期間としての局内組織改正でございますけれども、あわせて、その当時から私どもが掲げた多摩地域の保健サービス再構築につきましては、市町村の理解を得るよう最大限努力して着実に進めていくという基本的な考え方のもとに、この四月に二つのタイプの保健所に区分し、組織改正したということでございますので、ぜひご理解賜りたいと存じます。
○谷村委員 今月九日に、東京都市長会の役員を務められている十二名の市長の方々が、来年度予算編成に関して都議会公明党に足を運んでくださいました。その際の懇談の折には、この保健所再編も含めて、都に対する相当な不信感、先ほどご紹介した新聞記事と全く変わらない、現在の都に対する不満感というのを大変強く述べておられました。都が保健所再編を打ち上げて間もなく一年が経過しようとしているわけですが、全くもって多摩の市町の理解は得られていないということを再認識したわけでございます。
そこで、その二日後、私ども公明党、また自由民主党さんも、それぞれ、こうした東京都市長会の声を健康局に届ける要請をしたところでございますけれども、長尾健康局長は、先週十八日に、みずから東京都市長会の役員会に赴かれたと聞いておりますけれども、一年もたってようやく局長が出かけていくというのは、昨年の今村衛生局長のご答弁を受けましても、また、東京都市長会、多摩の各市議会からの大反発を考えるとき、大変遅過ぎた感が否めませんけれども、それでも、都議会公明党、また自民党からの要請を受けられての行動としんしゃくし、一定の評価をするものであります。
そこで、局長はどういう発言をされたのか、また、市長会役員会からどういう感触を局長は得られたのか、確認をさせていただきたいと思います。
○長尾健康局長 保健所再編は、基本的には東京都内部の組織機構の改革でございます。ただ、保健所というものは住民の保健衛生にかかわる施設でありまして、非常に影響するところも大です。そのため、保健所の再編をするに当たりましては、市町村の意見を十分に聞いて、理解を得ながら進めてまいりたいと考えております。
こうした考え方に立ちまして、昨年以来、都と市町村の方でいろいろ接触をやっております。ただ、なかなか表舞台で乗ってきていただくことができなくて、やっと検討会を発足させましたのが、ことしの六月以降でございます。それから鋭意短期間で検討してきたんですが、時間的な制約もありまして、先週の時点で中間のまとめを出すという約束がございましたので、中間のまとめを出したところでございます。
それを踏まえまして、十八日の市長会の役員会、通常これは局長というのは出ないんですが、健康局だけ出てこいといわれまして、そこで一言説明してまいりました。内容は、保健所再編については、平成十五年四月の実施にこだわらず、引き続き市町村との議論を重ね、その理解を得るべく努力をしていきたいと、そういうふうに説明しております。
今後とも引き続き精力的に意見交換を重ねまして、その理解を得て、速やかにかつ着実に、保健所再編を含めます保健施策の再構築をぜひ実現させたい、かように思っております。
○谷村委員 ただいまの健康局長の東京都市長会役員会へのご出席、そして再編実施を平成十五年四月にこだわらない、こういうご発言は、多摩の保健所再編の進め方について一つの仕切り直しだと、このように受けとめてよろしいのでしょうか。
○長尾健康局長 仕切り直しという言葉は難しいんですが、続けて、現状をさらに進めていくということで精力的に協議をしていきたいと思います。
○谷村委員 いかなる改革であれ、都民はもとより、関係する区市町村としっかりとした連携をとりながら、相互理解と信頼関係を大事にしながら進めていただきたいことを重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大山委員 十三年度の決算ということですけれども、本題に入る前に、先ほど小児救急の問題について言及されましたので、私もちょっと一言だけ意見を表明しておきたいというふうに思います。
子どもの病気が初期なのか二次なのか、それとももっと大変なことなのかというのは、受診をしなければわからない、これはもう私たちだけがいっていることではなくて、小児科の学会などでも常識になっていることです。育児不安があるからこそ、三百六十五日二十四時間の医療を提供していた母子保健院が大切だったわけです。廃止することで充実したなどということは、さらに育児不安を増大させることになることであり、少子化対策にも逆行することです。切実な都民の運動を敵視して、攻撃するとしても、母子保健院の廃止に賛成したことを合理化することはできないし、何よりも都民が審判をするであろうということを表明しておきます。
それでは、本題の十三年度の決算に入ります。
資料の一ページに、衛生費の予算及び決算の推移という表を出してもらいました。一ページです。これを見ますと、平成四年度から徐々に決算額がふえているわけですけれども、平成八年度をピークにして、どんどん減ってまいりました。十三年度はピーク時の八八・九%にまで下がってしまいました。分野別に見ましても、例えば保健所の運営費七八・四%にまで下がっています。それから健康推進事業は八〇・六%まで下がり、医事衛生事業は七四・五%、研究所運営は八四・七%、そして衛生施設整備というのは、十年前と比べると二けた違うと、まさに軒並み減少という状況になっています。
都民の命と健康に責任を持つ局として、このような状況になっていることをどう考えているんでしょうか。
○酒井参事 健康局は、都民の生命と健康を守ることを使命として、健康の保持増進、生活環境面の安全確保、保健医療の提供など、都民の日常生活に密着した広範かつ多岐にわたる施策を展開しております。
平成十三年度におきましても、重症心身障害児施設の整備、エイズ・ピア・エデュケーション、BSE対策、花粉症対策のための研究、患者の声相談窓口の設置、小児初期救急医療体制の支援などの施策を新たに展開し、都民ニーズへの的確な対応を図ったところでございます。
先生の方からご指摘のありました、平成八年度と比較しまして平成十三年度決算が八八・九%になっている理由でございますけれども、平成九年七月に高齢者施策推進室が設置され、健康局の老人保健施設関係の事業が移管したこと、また、十三年六月には保健科学大学を大学管理本部への所管としたことなどによりまして、局所管事業が八年度よりも十三年度は少なくなっていること、また、衛生研究所や看護学校の新設、改築などの施設整備が平成八年度をもって完了したことなどによるものでございます。
○大山委員 組織改正だとか施設建設が終わったということですけれども、施設建設の費用が十年前と比べると二けた違うというのは、まさにこういうことなんだと思うんですが、九年度というのは、全体に占める割合というのが、一般会計に占める割合は二・三%占めていたんですね。それから比べてもマイナス〇・二ポイントということで、ここでも下がっておりますけれども、やはり私は、福祉局と並んで健康局というのは都民の命と健康を守る重要な役割を持っているわけですから、都政の中の位置づけを高める努力をまず行ってほしいということを強く求めておきます。
それでは、具体的に伺いたいというふうに思います。
衛生研究所のことなんですけれども、食の安全については、我が党のかち議員が三定の一般質問でも取り上げたところですが、この問題というのは、例えばきのうと一昨日、NHKでは特集番組を二夜連続で組むというほどに、国民的に大きな関心事となっているわけです。そんなときに、調査研究だとか試験検査、研修指導、公衆衛生の情報の収集、分析、提供ということを基本の柱だというふうにしている衛生研究所ですけれども、食の安全を確保するためにも重要な役割があると思いますけれども、どのように認識されていますか。
○河津食品医薬品安全部長 ただいま、食の安全を確保するためにも衛生研究所の役割が重要ではないか、こういうご質問がございました。
衛生研究所そのものは、都道府県や指定都市における衛生行政の科学的、技術的中核機関として設置されておりまして、守備範囲は、食品に限らず感染症や医薬品、環境化学物質など幅広いわけでございますが、その中で業務は、今先生ご指摘にありました四本柱でございます。すなわち調査研究、試験検査、研修指導、それから公衆衛生情報の収集、解析、提供ということでございます。
そういう意味では、調査研究を初めといたしまして、四つの業務はいずれも欠くことのできない重要なものである、こういう認識を持って事に当たっているところでございます。
○大山委員 重要だという位置づけをしっかりと据えているということですね。
衛生研究所は、日々の食中毒対策はもちろんですけれども、O157が出たときにしても、BSEでも、遺伝子組みかえ食品などの分野でも、大きな役割を果たしてきたところです。
にもかかわらず、局自身も都民の食の安全を確保するために重要だという位置づけを持っていながらどうかということなんですが、いただいた資料の二ページは、衛生研究所の研究費、衛生研究所の予算と決算の推移を出していただきましたが、その決算を見ますと、研究費が十一年度と比べて決算額で六千三百二十四万円の減です。これは四二・五%に激減しているわけですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
○河津食品医薬品安全部長 ただいまの衛生研究所費の十一年度から十三年度にかけての減少ということでございます。これが約六千三百万円でございますけれども、それぞれ理由がございます。
まず一番目でございますが、内分泌攪乱化学物質を測定する、これはダイオキシンの測定を始めるためでございますけれども、そのための備品整備を十一年度に行いましたので、十一年度が出っ張るわけでございますが、それが翌年度は減少いたします。これが約二千二百万円でございます。その次に、漢方薬の薬理活性に関する研究や感染症に関する検査診断法の開発、疫学解析などの研究が終了したことによりまして、こちらの方では一千六百万の減でございます。そのほかに、すべての分野にわたって研究費等の効率的な執行、これは全体として財政再建推進プランの中でも、内部努力は三割で、それ以外の経常経費は二割ということが、こういうことを我々も行わなければならないものでございますから、できる限り効率的な執行に努めまして、こちらの方で二千五百万の減を行ったということでございます。
○大山委員 備品が終了しただとか、研究、大きいのが二つ終了したんだ、それから内部努力なんだということですけれども、大きな研究が終了しても、またやらなければいけない研究というのもありますし、私が十一年度といったわけですけれども、よく見ていただきますと、九年度、十年度、十一年度というのは、でこぼこはありますけれども、ほぼ同じような額で推移しているんですね。十二年度に前年度の四三%に激減しているわけです。幾ら大きなものが終了したからといって、この年だけのことじゃない、たまたま下がったんだということじゃないということだと思うんですね。
それでは、文字どおり食品安全対策決算はどうでしょうか。九年度以降十三年度までの決算数字をお願いします。
○河津食品医薬品安全部長 食品保健費の中の食品安全対策費ということでございますけれども、決算説明資料の中では、食品保健費というものは七つの項目に分かれておりまして、食中毒の対策費であるとか、あるいは食品営業許可施設への衛生監視費、それから衛生検査所、これは築地とか芝浦にございますが、そういうところの管理運営費、それから食品衛生の自治指導委託費、こういった七項目の中に食品安全対策費というのがございます。
その食品安全対策費と申しますのは、ということでございまして、全体として食品の安全を確保するための業務を行っているわけでございますが、その中で食品安全対策費と申しますのは、食品の収去、これは検査のために職権で抜き取りをするということですけれども、収去とか検査機器の整備等に要する経費でございます。そういう意味で、この経費の推移といいますのは、平成九年度が二億四千二百万円でございます。平成十年度は、微減でございますが二億三千三百万円。平成十一年度に至りまして、これは内分泌攪乱化学物質対策で、ダイオキシン測定のための高額な機器を、これは具体的にガスクロマトグラフィーでございますが、これを衛生研究所に設置する予算、これをこの科目で執行しております。ということで、三億二千九百万円に上がっております。その後は下がっておりますが、平成十二年度が一億五千百万円、平成十三年度が一億四千六百万円となっております。
○大山委員 これも減っているわけですね。十一年度から十二年度半減して、そしてさらに十三年度は減額するという状況です。平成九年度と比べても六割になっているわけですね。これだけ食の安全ということがいわれているときに、あっちもこっちも減らしているということです。しかも減り方も激しいといわざるを得ません。
健康局としては、だれもが安心して食べることができるようにすること、それから、みずから判断して選ぶことができるようにするために、輸入食品への対応や遺伝子組みかえ食品を初めとした食品に対するリスクの情報の収集など、ますます都独自の先行調査や地道な調査研究の積み重ねなどが求められるわけです。そのために、調査研究体制の充実強化はもちろんですけれども、輸入業者への監視指導や検査など、輸入食品対策の充実強化等、研究内容に関して都民と双方向対話型での情報の共有などが求められている、必要だというふうに思いますが、どうですか。
○河津食品医薬品安全部長 ただいま二点のご質問があったと思いますけれども、まず、食品保健費が十一年度から十二年度に一億八千四百万円減少しているということがございますけれども、これは、先ほど申し上げましたことと連動した理由が、まず大部分を占めております。すなわち一億八千四百万円のうち、先ほど申し上げましたダイオキシンを測定するための装置、これに一億四千八百万円かけております。これがそっくり、翌年減少になるわけでございます。残りは広域流通食品監視用の検査機器の減、これは一千九百万円でございます。そのほかに検査用の消耗品費等の節減、これは我々も内部努力しなければなりませんものですから、そういうことで一千七百万円の減をしております。
中身につきましては、収去して検査をするとか、そういう件数そのものを減らしているわけではございません。ですから、検査件数であるとか、実際に監視指導に歩く者を減らすということではなくて、できるだけ内部努力をするものはする、それから、既に機器整備が終わったものは当然の減として落ちるということでございます。
それから、今後の方向でございますけれども、輸入食品ということが今騒がれておりますけれども、従来より、食品指導センターの中に、全国で唯一でございますが、輸入食品専門とする輸入食品監視班というものを置いております。これが昨年の雪印食品のときにも、このグループが、この班が即大田区の冷凍倉庫に入ったわけでございますけれども、こういうことで取り締まりの強化を図っております。
また、都におきましては、双方通行のコミュニケーションということですけれども、食品保健懇話会といいますのは平成五年から行っておりますが、これは、消費者団体の代表であるとか、それから公募委員が参加をいたしまして、まさにこれは対話をしながら進めております。さらにホームページとか各種パンフレットも出しておりますし、ホームページでもお答えできるものは、すべてではございませんけれども、時間に限りとかがございますが、できるものはお答えもしております。さらに、保健所等における講習会なども通しまして、積極的な情報展開をしているところでございます。
今後とも輸入食品に対する監視検査を継続いたしますとともに、調査研究成果につきましては、都民への公表に努めて、できる限りわかりやすい提供と、それから意見の交換も進めていきながら、リスクコミュニケーションをこれまで以上に図っていく所存でございます。
○大山委員 ずっと山のようになっていた、丘のようになっていたところが激減しているわけですよね。例えばその他検査用消耗品等の削減といったって、保健所のスクリーニングの検査だとかを節減するわけですから、それは都民に影響するわけですよね。それで、さらには--もちろんやってないというわけじゃないですよ。しかし、今の状況の中で、これだけ食品の安全ということがいわれている中で、あっちもこっちも減らしているというのが問題なんじゃないんですかというわけですよ。しかも、食品監視員の人数だってずっとふえていないわけですよね。そんな中で必死に職員の方はやっていますよ。だからこそ、今食品の安全がこれだけ都民の皆さんが関心を持っているときに、減らすんじゃなくて、やっぱり充実していく、きちんと東京都政の中に位置づけていくということが必要なんじゃないんですかということなんですよ。そしたら当然人数だってふえるでしょう、食品監視員だって。
さらに、ホームページがちょっと古いのが載っていたとかというのを私も経験しましたけれども、そういうホームページを更新するのだって、人がいないのでは大変なんですから、そういうことも含めて、より充実していく立場で予算もきちんと、予算を伴わなければ充実できないわけですから、きちんと位置づけてほしいというふうに思います。
同時に、さっき衛生研究所の施設設備の整備費が激減していて、衛生研究所の整備費も十一年度で終わったんだというようなこともありましたけれども、整備計画はまだ終わってないはずなんですよね。それで、建物を壊したスペースだけがだだっ広く真ん中に空き地になっているわけです。先日私も研究室を見せていただきましたけれども、いろんな機器がたくさんあったり、試薬があったり、検査機器があったりする中で、研究員の皆さん、本当に一生懸命やっておられるわけですよね。ですから、だからこそ、整備計画をきちんと進めていくということを求めておきます。
次に質問したいのは、公社病院のことです。公社病院には多摩南部病院と区部東部病院がありますけれども、病床数はともに三百六床で、大久保病院の三百四床とほぼ同じ規模なわけです。
まず、運営費補助についてですけれども、十三年度決算では、東部地域病院には一億四千万円、それから多摩南部病院には三億一千九百万円、大久保病院には二十九億一千七百万円が出されているわけです。大きな差があるわけですけれども、公社病院と都立病院の運営費補助の根拠の違いは何でしょう。
○奥田医療政策部長 運営費補助の根拠の違いというお尋ねでございますが、公社病院は地域医療連携システムの推進という役割を担っておりまして、この点から生じる不採算性に対して補助金の交付を受けているところでございます。
一方、都立病院は、全都または複数の二次医療圏を対象に、一般医療機関では対応が困難で、現行診療報酬制度では不採算となる行政的医療、これを提供しており、これに対して、地方公営企業法に基づく補助金の交付を受けているところでございます。
○大山委員 不採算性、そして不採算ということは両方に出てきたわけですけれども、公社病院の不採算性というのは、地域医療連携システム推進のためのものだということと、都立病院は、一般医療機関では対応が困難な不採算な行政医療に対する補助なんだということですね。具体的にはどう違うのかということなんですけれども、一般医療機関では対応が困難という意味は、どういう困難なのかということをちょっと教えてください。
○奥田医療政策部長 具体的には、感染症医療など法令等に基づき対応が求められている医療、難病医療、周産期医療、専門リハビリテーション医療など、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療、そして、エイズなど新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療、これらを都立病院が行う行政的医療としているところでございます。
○大山委員 対応が困難というのは、内容であり、それで不採算なんだということなんですね。都立病院には、一般医療機関では困難な不採算な医療に対する補助金が明確に位置づけられているわけです。しかし、公社病院の補助金にはそういう位置づけではないということなわけですね。だから、公社病院と都立病院への運営費補助の額がこれだけの差が出ていることだというふうに思うわけです。
ところで、公社病院は運営費補助が毎年減っています。東部病院は、十一年度が五億五千八百万円、十二年度が二億二千万円、十三年度が一億四千二百万円、多摩南部病院は九億三千六百万円、五億四千三百万円、三億一千九百万円等、両病院ともどんどん減っているわけですけれども、これはどうして減っているんでしょう。
○奥田医療政策部長 補助金が減少しているがというお話でございますが、公社病院は、将来にわたって良質な医療を提供するための基盤といたしまして、安定的な経営の確立を図るために積極的に経営改善に取り組んでおりますが、この結果であるというふうに考えております。
○大山委員 経営努力の結果なんだというふうにおっしゃるわけですけれども、結局、補助金は限りなく減らして、診療報酬で合うものしかできないということなんじゃないんでしょうか。このことは、都民の医療要求と必ずしも一致するものではないというふうに思います。
例えば、よりリスクが高い新生児にとってはなくてはならないNICUですけれども、都内に幾つあって、そのうち多摩地域には幾つありますか。
○海老原参事 都内の周産期母子医療センターの整備状況についてでございます。本年十月一日現在で申し上げますと、都全体として二十施設、NICUは百七十一床整備されております。このうち、多摩地域におきましては、三施設二十七床となっております。
○大山委員 では、圧倒的に多摩地域が足りないという認識は皆さん--だからこそ、多摩地域にNICUをふやしてほしい、こういう大きい要求があるわけですね。
多摩地域ですけれども、多摩南部病院というのは、NICUをどうしてやらないんでしょう。
○奥田医療政策部長 多摩南部地域病院では、平成十一年度に向けてNICUの改修工事について検討をした経緯がございますが、当時都財政が厳しさを増す中で、新規の建物の建設が凍結されて、実現を見ませんでした。しかし、その後平成十三年十二月には都立病院改革マスタープランが策定されまして、府中キャンパスに、母体、胎児を管理するMFICU、新生児に集中的に対応するNICUを備える小児総合医療センターを整備する方針が示されました。
多摩南部地域病院における周産期医療につきましては、こうした動向であるとか、あるいは今後の多摩地域における医療需要、地域の医療機関での整備状況も見据えながら考えていく課題であるというふうに考えているところでございます。
○大山委員 幾ら地域の整備状況といったって、まだまだ府中にできているわけではありませんし、都内には百五十あるわけですよね、曲がりなりにも。多摩では、あの広大な中に二十七ですから、どんどん設置してほしいというのは都民の要求なわけですよ。公社の、先ほどいっていた役割から見ると、どうなんですか、このNICU設置というのは。可能だということなんでしょうか。
○奥田医療政策部長 公社の病院は、診療所と病院あるいは病院間での機能分化や専門化を推進して、地域における医療支援、他の医療機関と連携しながらその医療を提供していくということで、サービスを提供しているところでございまして、そういった中で、それぞれの医療課題のサービス提供について取り組みをしていきたいというふうに考えております。
○大山委員 では、NICUも設置しようと思えばできるということなんですか。
○奥田医療政策部長 先ほどもご答弁申し上げたかと思いますが、多摩地域における全体の地域の医療機関での整備状況を見据えながら考えていく課題であるというふうに考えてございます。
○大山委員 NICUというのは不採算なわけですよね。それだから二の足を踏んでいるというのはあると思うんですよ。だから、NICUが必要だったら、やっぱり公的な責任としてもやってほしいと私は思いますよ。それでも、しかしできないという、できないというか、かなり二の足踏んでいるという状況だと。
それでは、透析医療なんですけれども、透析患者は年々増加しているわけです。二〇〇一年は都内に二万一千八百七十四人、それからその年の導入患者数は二千八百七十五人、その前の年が三千二百二十九人です。さらに、十年以上透析を受けている方が約二三%になっておりまして、長期化による合併症、カルシウムの沈殿、沈着で骨が痛くなったり関節炎になったりというような、それだけじゃないですけれども、さまざまな症状が出てくるんだということなんですね。これらは、透析の技術も進歩して、透析しながらも十年、二十年と生きられるようになったからこそ起こる、比較的新しい問題でありますから、これからの研究というふうにいえるというふうに思います。
多摩地域では、やはり区部と比べると導入透析できるところというのは少ないわけで、合併症への対応というのは、これからなわけですね。だからこそ、東腎協の方々からも、多摩南部病院でやってほしいという要望が出ているわけですが、実施する予定はあるのかということと、ない場合は、その理由をお願いします。
○奥田医療政策部長 公社が提供いたします医療サービスというか、医療機能につきましては、地域の医師会であるとか地元行政機関あるいは学識経験者等を構成員とする運営協議会というものを、公社の各病院に設けております。そうした課題については、この審議を踏まえて決定するということになりますが、ただいまご指摘のような問題につきましては、最近では、平成十三年の二月に開催されました運営協議会で議論をされております。
多摩南部保健医療圏では、透析を行う医療機関はほぼ充足しているということから、当面実施する必要はないのではというのが、そのときの結論でございました。今後大きく医療需要が変化するというような場合には、公社病院の役割を踏まえながら、医療機能の役割分担と連携の中で考えていくべき課題であるというふうに考えております。
○大山委員 充足しているんだったら、その要望は出されないわけですよね。しかし、しばしば出ている。結局、都民の要望が強くても、採算が合わなかったり、行政的な医療でないということから、公社病院はやらないと、要望があってもやれないということですね。
例えば大久保病院は、腎の透析医療を都立病院のセンターとして掲げて充実してきた分野です。合併症への対応も、研究も含めてさらに充実が求められているわけです。さらに、リハビリだとか精神科や診療内科も重要な役割を果たしていますが、これらはいわゆる不採算といわれている分野です。私は、大久保病院が引き続き都立病院として、こうした、不採算ではあっても都民のために必要な医療に取り組むことを求めると同時に、公社病院が、都が設置した公設病院として、NICUを初めとする不採算な医療にも積極的に取り組むことを要望して、終わります。
○坂口委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時五分休憩
午後三時十六分開議
○坂口委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を再開いたします。
発言を願います。
○執印委員 それでは、まず、在宅難病患者対策について伺います。
人間、いわゆる健康であるということは万人の望みだというふうに思いますが、なかなかその望みのように一生を終わることはできないというのが大方だというふうに思います。病気の中でも、原因と治療法が不明であるというのは、本人にとっても家族にとっても、非常につらいことだというふうに考えます。
この在宅難病患者対策の中で、執行率が低いものが二つありましたが、一つは、会議の開催減によるものというふうにご説明をいただきましたので結構ですが、在宅難病患者居宅生活支援事業について、事業の内容と、執行率が三八・四%となっておりますが、その低かった理由を、まずお伺いいたします。
○金田医療サービス部長 在宅難病患者居宅生活支援事業についてでございますが、この事業は、難病患者の在宅生活を支援するため、区市町村が行うホームヘルパーの派遣事業や、日常生活用具の給付に対して都が補助を行うものでございまして、平成九年度から実施しております。
対象とする疾患は、国の調査研究対象の百十八疾患に慢性関節リューマチを加えた百十九疾患でございます。また、都は、地域においてこの事業を担うホームヘルパーを養成するための研修事業も実施しております。
次に、執行率についてでございますが、この制度は、介護保険法や老人福祉法、身体障害者福祉法の施策が優先して適用されるため、結果として該当者が少なくなることが、執行率の低い主な理由と考えております。
○執印委員 介護保険法ですとか老人保健法、障害者保健法の施策が優先するために執行率が低いというご説明もございましたけれども、十三年度予算の見積もりというのは、それではどのように行ったのでしょうか。
○金田医療サービス部長 十三年度の予算の見積もりについてでございますが、この制度を開始するときにモデルといたしました二つの地区の状況をもとに、その後の各年度の実施状況を踏まえ、算定したものでございます。
○執印委員 事業開始に当たってモデル地区で状況を見たということですので、この事業が行き渡れば、需要としてはあるのではないかなというふうに、ご説明を伺いながら感じたわけですが、先ほど、区市町村が行う事業に対しての都の補助だということでございましたが、それでは、窓口となります区市町村への働きかけというのは、この間どのように行われてきたのでしょうか。
○金田医療サービス部長 区市町村への働きかけについてでございますが、毎年度当初に事業の実施に係る依頼の通知を出しているほか、区市町村の保健福祉関係課長会においても、事業の説明と実施の依頼を行っております。区市町村のご理解とご尽力により、平成十三年度は二十地区、今年度は新たに五地区が加わり、現在、二十五地区においてこの事業が実施されております。
○執印委員 二十五地区といいますと、大体都の自治体の半分だというふうに思うわけですが、区市町村の自治体の担当者にとっても、何というんですかね、少数の方対象ということもあって、なかなか取り組みにくい部分もあるのかというふうに思いますので、十分に働きかけをしていただきたいというふうに思います。
また、先ほど、この事業の対象が、難病が百十八、そして慢性関節リューマチを加えた百十九疾患ということでしたが、私も市議会議員の時代に、難病指定の病名が新たに加わるたびに市議会では審議をして、条例の書きかえをしていたものですから、そのたびにその病名というものを目にしたわけですが、ちょっと素人にはわからないような難しい病名がたくさん並んで、さらに加わっていくという中で、聞いているだけでも大変ですから、そういうふうに難病に指定されたご本人というのは、その大変さはいかほどかなというふうに思いました。それに、他人に自分の状況を理解してもらいにくいということが、特に難病の大変さなのかなというふうに感じてまいりました。
ですから、市町村への働きかけもそうですけれども、こういった事業があるという情報提供も含めまして、患者さんが少しでも体の面でも心の面でも楽になるための、東京都からの働きかけが必要だというふうに思いますが、まずは医療機関の主治医から患者への情報提供というのが一番、そういった意味では、病名だけではなくて、こういった事業があるということも含めて、情報提供をすることが必要だと思いますが、患者さんへの周知というのは、現在どのようになっているのでしょうか。
○金田医療サービス部長 患者さんに対しての情報提供についてでございますが、在宅療養の相談は、医療機関ではケースワーカーが、また、保健所等では保健師が窓口となって行われております。
都では、患者団体はもとより、これらの専門職に対しても、相談に際し適切な支援ができるよう、この事業の案内や実施地区の状況などについて情報提供を行っております。
○執印委員 医療機関でも情報提供が行われているということですが、この辺のきめ細かさが今後必要なのかなというふうに思います。診療そのものが、一時間待って三分の診療というようなことがいわれている中で、患者本人がこういったものがあるということを知らなければ、先生から何を引き出すこともできないと思いますので、ぜひ丁寧な対応をしていただきたいわけですが、私は、こういった事業、一人一人が在宅で暮らせるうちは在宅で暮らしていく、そのために何らかの手助けがあるということは、非常に重要な施策であるというふうに考えておりますが、今後この事業の執行率の向上に向けてどのような対策をお考えか、お尋ねいたします。
○金田医療サービス部長 この事業は、先ほども申し上げましたように、実施主体が区市町村であることから、引き続き区市町村に対し事業の実施を働きかけてまいりたいと思っております。
また、患者さんや医療機関などに広くこの事業を周知するため、インターネットなどの活用を図るとともに、患者さん向けに、本事業を初め相談窓口の案内など、在宅患者支援に関するリーフレットの作成などについても検討してまいります。
○執印委員 ぜひ、今二十五の自治体というふうにおっしゃっていましたけれども、全自治体で取り組むように、そして、せっかくつくって、東京都が市町村を応援しているわけですけれども、その行政の優しさというようなものが患者の側にきちんと伝わるような形で、そして、それを知っていれば、もうちょっと私、楽にその時代を過ごせたのにということがないように、十分にこれから対応していただきたいことをお願いいたします。
次に、アレルギーの対策について質問いたします。
東京都は、東京都アレルギー性疾患対策検討委員会というのをつくりまして、この委員会から昨年の六月、都におけるアレルギー性疾患対策のあり方についての最終報告がされております。三年にわたり検討を重ねてきた結果として、今後具体的な対策の展開が期待されるところでございます。
平成十二年に東京都が発表いたしましたアレルギー疾患に関する全都調査報告書によりますと、三歳児の五人に二人が何らかのアレルギー疾患を持っているということが明らかになっておりまして、六割の人が、医療機関以外に相談に乗ってもらいたい場所として、保健所や市区町村の保健センターというのを挙げております。さきに出されました報告書では、一つ目として、一次予防を基本とした対策、二つ目として、都民の生涯を通した対策、三つ目として、関係者の連携強化による対策が三つの基本戦略であるとされております。
これらのアレルギー性疾患対策を推進していく上で、保健所、保健センターには、情報提供や関係機関の連携を図っていく拠点としての役割が求められているというふうに思います。こうした地域拠点を中心としたアレルギー疾患に関する対策の充実に向けて、全都的な支援とコーディネート機関を果たしていくことが都の役割であると考えた上で、質問をさせていただきます。
まず、アレルギー疾患についての適切な情報提供や相談の機会を整えることは、緊急そして重要な課題であるというふうに思います。平成十三年度、東京都の保健所で行っているアレルギーに関する普及啓発活動の実施状況を伺います。
○丸山参事 都の保健所においては、地域住民向けに、専門医師などによる講演や生活指導を行うアレルギー教室を開催するなど、普及啓発に努めております。平成十三年度は十三保健所で実施しており、参加延べ数は千四十四名でございます。
○執印委員 まだまだ参加されたい方がいらっしゃるのではないかなというような気持ちでこの数字を伺いましたが、次に、アレルギー疾患については、原因究明の研究というのも急がれますけれども、日常の生活環境ですとか、それから生活習慣の改善など、予防対策が基本原則であるというふうに思います。
こうした面の情報提供や相談事業の充実のためには、専門的な知識を備えた保健師などの人材を育成して、人的資源の充実をしていくことが必要です。平成十三年度のアレルギー疾患に関する講習、研修の実施状況について伺います。
○丸山参事 アレルギー性疾患の相談に携わる都、区市町村の保健師等の専門職を対象に、アレルギー専門研修を実施し、資質と技術の向上を図っております。平成十三年度は、三日間の研修で百二名が受講しております。
○執印委員 ことしの四月、五月に、私ども生活者ネットワークでも、アレルギーに関するアンケート調査をいたしました。これは、都内の六千四百二人から回答をいただいたわけですが、あなたや家族の方で何らかのアレルギー関連の症状をお持ちの方はいますかという問いに対しては、これは八二・一%もの方が「はい」というふうに答えています。複数回答になりますけれども、その中の答えでは、鼻炎というのが最も多くて三千六百四十三件、五六・九%、次が皮膚炎二千二百五十八件、三五・三%、次がぜんそく千二百六十三件、一九・七%、じんま疹九百八十二件、一五・三%、結膜炎九百二十件、一四・四%の順というふうになりました。かなりの人がアレルギーの症状を持っているということがわかりますし、特に鼻炎など、春先になりますと、一目でわかるような対策を立てている方が非常にふえてきているというふうに思います。
また、同様に、私ども、日常の中での対策が必要ではないかというふうに思いまして設問した中に、ふだんの生活の中で何か気をつけていることはありますかというふうに尋ねましたところ、六五%の方が、食べ物に気をつけているというふうに答えられております。実際には、自分で対応できるところが食べ物、いろいろ売られている中から、少しでも添加物の少ないものを選ぶという、そういう対応しかできないんだと思います。大気汚染ですとかそれから飲み水、そういった問題については全体的な対応が必要ですので、こういった答えが一番に出てきたのかというふうに思いますが、場合によっては、食べ物というのは命にかかわるというような事態もありまして、子どもの通う保育園とか幼稚園の、また学校の給食で、アレルゲンの除去食を選択できるように求める保護者の要望もたくさんあるというふうに伺いましたし、実際にやっているところもあると思います。
このような実態を見ましたときに、特に栄養士さんなど、その現場、子どもとかかわる現場の職員との連携が重要と考えますが、これまで行ってきた情報提供はどのようなものがあったでしょうか。
○丸山参事 アレルギー専門研修は、栄養士や環境衛生監視員等さまざまな専門職種の方々を対象に、最新の知見や技術に関する情報提供を行っております。また、都の保健所では、地域の学校や保育園など、先生のご指摘の栄養士や保育士の方々向けの講演会等も実施しております。
○執印委員 まず家族もそうですし、それから、こういったいろいろな栄養士さんとか保育士さんとか、家族にかかわるみんながこういった形で心を合わせながら、まずは本人の苦痛を取り除くような形でいろいろな対策を立てていかなければならないと思いますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。
それから、アレルギーの疾患というのは一つの症状だけではなくて、例えば目ですとか呼吸器、それから皮膚などというふうに、いろんなあらわれ方をするというふうに思います。そういった場合、複数の科を、病院の科を受診しなければならないわけですが、それも本当に大変なことだというふうに思いますが、こういった患者サイドのニーズに対応するためには、アレルギー専門の総合外来など、医療資源の豊富化がこれからの課題となってくるというふうに思います。
東京都としては、都内のアレルギー疾患を専門とする医療機関の実態をどれぐらい把握しているでしょうか。また、その把握した情報を都民に向けてどのような形で提供しているでしょうか。
○丸山参事 平成十二年度の医療施設調査によれば、都内でアレルギー科を標榜しているのは、十七の病院と三百八十六の診療所でございます。都民の方々には、医療機関案内「ひまわり」によりまして、電話やインターネットで、アレルギー科を標榜している医療機関を案内しております。
○執印委員 今も「ひまわり」などで医療案内をされているようですけれども、ぜひ、こういったものについてはアクセスしやすい形に情報をつくっていただくということと、それから、民間の団体などでこういった情報を持っているところがありましたらば、ぜひ十分な情報の交換をしていただきながら、患者の立場に立って対応していただきたいというふうに思います。
こういったアレルギーについては、担当の皆さんの方がずっとよくご存じだと思いますけれども、私もまちの中を回っていますと、本当にいろんな対策をしないと--その方は子どもがアトピーでどうしようもない状況だということで、玄関先に水を山のように積み上げてありまして--水を山のようにとは変ですけれども、段ボールに入った、その中のビニールか何かに入った段ボールを山のように積み上げてありまして、非常にアトピーがひどいので、食べるものをつくる、飲み水そうですし、食事をつくるときも、それからおふろの水も、すべてそれでやっているということでしたけれども、金額を聞いたら、ちょっと私具体的に今忘れましたけれども、本当に一年の生活費のほとんどがそれにかかっているんじゃないかと思うぐらいやっていらっしゃる方もありました。本当にそのことで、例えばアトピーなどでからかわれて、みずから命をなくしてしまったお子さんもこの間いたようですけれども、大変大きな問題になっておりますので、よろしくお願いいたします。
先ほど最初に申し上げました東京都が行った三歳児の実態調査は、国の全国調査の結果と比べても、高い有病率であるということですし、また、東京都の死亡者死因のうちの年間約五百人がぜんそくというふうに伺っておりまして、東京のこういった率も高くなってきているようでございます。十三年の六月に出されました、先ほど申し上げました東京都アレルギー性疾患対策検討委員会の報告書の冒頭でも、東京都の保健行政上の大きな課題というふうに述べられております。
今質問させていただきました情報提供の充実、それから市区町村への支援を含めて、健康局が中心となって、全局的な取り組みを今後も進めていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
○矢島委員 健康局の、平成十三年度は衛生局という名前でしたけれども、衛生局といいますと、どうしても思い出しますのは、と場での例のBSEの発見のときに、至急に体制を組んで検査のトレーニングをやっておられました。そのときにたまたま見学するときがありまして、その当日だったか翌日だったか、疑いがあるというのを見つけたことがあったようでした。やはりそういうような緊急の事態があるときというのは、職員の方の体制を組むのも、その方たちがそういう検査に当たるのも、そして全頭検査に至るまでの中での組み立てというのは、容易なことじゃなかったかと思います。公務員として公僕ですから、仕事は当然のことでありますけれども、やはり緊急事態のとき、例えば救急災害のときとかそういうときを含めて、日ごろの精励がそういう対応に生きてくる、緊急事態の対応に生きてくると思いますので、ぜひ、そういうようなご努力された方を慰労していただきたいし、頑張っていただいた方に、私が申し上げるのもなんですけれども、あの狭い中で検査をしていた様子というのは何とも申し上げられませんので、まず、個人的な印象で恐縮ですけれども、それを一つ申し上げて、ぜひ今後もご努力していただきたい、このように思います。
東京都は、平成十三年十月に、国の健康保健21の地方計画である東京都健康推進プラン21を策定しました。このプラン21と、十四年度にともに見直しが、先ほどもちょっと出ましたが、されております東京都保健医療計画、そして東京都高齢者保健福祉計画との関係について、まず伺います。
○齋藤地域保健部長 東京都の健康推進プラン21と東京都保健医療計画並びに東京都高齢者保健福祉計画の関係についてのお尋ねでございます。
ご案内のとおり、推進プラン21は、都民の健康な長寿の実現に向けて、都民が主体的に取り組む健康づくり運動を総合的に推進するための指針でございます。また、東京都保健医療計画は、都の保健医療に関する包括的な計画でございまして、この健康づくりにつきましても、主要課題の一つとして位置づけているところでございます。今後、プラン21の指針につきましては、改定作業中の保健医療計画に反映させていく考えでございます。
また、高齢者保健福祉計画につきましても、プラン21で掲げてございます目標などを視野に入れ、それとの整合性を図りながら、関係局と連携をとって改定作業を進めているところでございます。
○矢島委員 地方分権法によりまして、都道府県の役割、市区町村の役割が、当然ながら位置づけられましたけれども、東京都健康推進プラン21では、東京都は具体的に施策としてどのように展開をしておられるのか、これを伺います。
○齋藤地域保健部長 健康推進プラン21におけます都の施策展開についてのお尋ねでございますが、プラン21では、都は、区市町村を包括する広域的自治体として、プラン21に示されております健康寿命の延伸、主観的健康感の向上の実現に向けまして、健康づくり対策の企画、立案、調整等を行っていくこと、また、健康づくりに関する情報、技術及び技法の提供や健康づくりを担う人材育成等を行うことにより、区市町村や関係団体等の取り組みを支援していくこと、さらには、都が中心となって、各関係者の自主的な取り組みを促進するための仕組みづくりを行っていくことなどが、都の役割として推進していく施策としているところでございます。
○矢島委員 健康づくりの施策は、健康局がこれまで中心に取り組んできた健診事業とは違ったスタンスがやはり必要だろうと思います。このためには、この施策を進めることのできる専門性のある人的資源が、当然ながら、なければならない。この点についての考えと、市区町村を支援する東京都としての取り組み状況、また、民間を巻き込んで幅広いネットワーク化が必要と思われますが、この点についてのお考えを伺います。
○齋藤地域保健部長 健康づくり施策につきましての何点かのお尋ねでございます。
ご指摘のとおり、一人一人が健康で心豊かに充実した生活を過ごすことのできるよう、都民の生活の質ということを向上させていくためには、プラン21にもございますとおり、これまでの早期発見、早期治療ということに加えまして、疾病を予防し、健康を増進するための生活習慣病の予防、あるいは寝たきりの予防など、一次予防に重点を置いた健康づくり施策を推進していく必要があると考えております。このため、都では、栄養ですとか運動、休養などにつきまして、科学的、専門的な知識等を備えた健康づくりの指導者、リーダー等の人的資源を育成するため、区市町村の保健師等に対する専門研修ですとか、あるいは健康づくり指導者養成など、健康づくりを担う人材の育成に努めているところでございます。
また、健康づくりは個人の自覚と実践というものが基本でありますが、そうした機運を醸成するためには、社会全体で個人の取り組みを支援していくことが不可欠でございます。このため、都は、ご指摘のように、区市町村、地域団体、企業等とも幅広く連携、協力し、都民の自主的な取り組みを支援していくための環境整備に努めていく必要がある、そのように考えているところでございます。
○矢島委員 健康推進の施策は、その取り組みの理由の一つは、やはり改革アクションプランにおける医療費の増大、この中にも記載してありますが、これが大きく寄与していると思います。現実に、この四月の診療報酬の改定で、生活習慣病の管理指導料が設定、また管理報酬も破格と伺っております。これも大きな効果を、その効果を期待してのことだろうと思います。
老年期痴呆症の発症の例で恐縮ですけれども、ある研究所の試算では、二年これをおくらせるだけで、医療費で千六百億、介護費用で四千億が軽減されるそうであります。東京都としても、現在取り組もうとしている施策が有効に機能し、もし一年程度、高齢者特有の症状の発症がおくれた場合、今回のいろいろな事業を行うことがどの程度の財政効果になるか、一度試算をしておいたらよろしいのではないか。それを申し上げておきます。
次に、東京都は平成十二年八月、衛生局改革第二次アクションプランを策定して、石原知事の都政重要課題であります東京発の医療改革を受けて、その中核となる都立病院改革、多様化する健康危機への対策、保健、医療、福祉の連携、監理団体の総点検がテーマとなっています。
このうち東京都の保健、医療、福祉の連携について、具体的進捗状況について伺います。
○酒井参事 健康局では、平成十二年八月に策定した第二次アクションプランにおいて、保健、医療、福祉の連携をより一層深め、施策を効果的なものにするために、区市町村を主体とした施策とともに、二次保健医療圏を単位とした施策を積極的に推進していくこととしております。
その後の具体的な進捗状況についてでございますが、介護保険制度では、制度を所管する福祉局の事業とともに、療養病床の整備など、健康局が所管する事業を介護保険事業支援計画で総合的に定め、区市町村において、保健、医療、福祉の一体となった介護保険サービスが提供できるよう、体制整備を進めているところでございます。
また、精神障害者施策では、精神保健福祉法の改正に伴い、ショートステイ等の在宅福祉事業は区市町村主体となる中で、一般相談事務の一部を市町村に任意移譲し、市町村において、福祉と一体となった施策展開が可能となるような体制の整備を進めているところでございます。
さらには、精神障害者を含めた障害者福祉分野でも、在宅の身体障害者、知的障害者、精神障害者の生活を支援するため、保健、医療、福祉の各種サービス等のケアマネジメントにおける実施体制のあり方等について、福祉局と合同で委員会を設置するとともに、モデル事業の実施やその評価を行っているところでございます。
これらのことなどから、保健、医療、福祉の連携は着実に進んでいるものと考えております。
○矢島委員 私も区議会議員の経験がありますけれども、阪神大震災の前に、ちょうど当時財政再建団体の唯一の団体、赤池町に視察に行きまして、そのときに北九州市に寄りました。北九州市は衛生と福祉が統合されておりました。そして、それは当時としては先駆的な取り組みであって、大変、こういう取り組みがあるのかなと、驚いてまいりましたけれども、現在はまさに現実の必要が、今もお話しございましたけれども、行政の垣根を外したサービス提供を多くの市町村が実際上実施しています。
つまり都民個々人を考えるときに、健康増進、健康維持、健康確認、診療、機能回復、再発防止、この過程にある各施策としても分断できるはずは、当然ながらありませんし、医療と福祉は強い連携の中にあるものでありますし、東京都も当然ながら例外ではありません。
このことは、現実的に、各自治体が最前線で住民福祉のための取り組みを東京都が効果的にバックアップする条件ではないか。東京都が連携を強化することが、医療と福祉の連携を強化することが、市町村のいろいろな事業を委託し、バックアップしているその必要条件だと私は思います。東京都における医療と福祉は、組織的にも実質的にも、これは強くいっておきますけれども、組織的にも実質的にも、強い連携が必要だと思いますが、局長のお考えを伺います。
○長尾健康局長 少子高齢化の進行や疾病構造の変化、それから都民の意識やニーズに的確に対応するためには、保健、医療、福祉が連携して総合的なサービスを提供する体制の確立を図ることが大変重要だろうと考えております。
そのため、健康局では、これまでも、東京都保健医療計画等におきまして、保健、医療、福祉の連携を最も重要な課題の一つと位置づけ、具体的にいろいろな事業を実施していく中で、それぞれの事業ごとに福祉局と、特に福祉局とさまざまな連携を図ってきたし、現在も図っているところでございます。
今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえまして、保健、医療、福祉のさらなる連携強化について検討してまいりたいと考えております。
○矢島委員 局長としての答弁は、大変積極的に、内容を考えて評価をさせていただきますけれども、やはり今後の東京都の組織、それから事業の運営を考えたときに、その実効を上げていかなければいけませんから、この組織的、実質的をぜひ頭に置いていただいて、都民の立場でトータルに考えていただければありがたいと思います。
以上、終わります。
○坂口委員長 ほかに発言はございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○坂口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂口委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で健康局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時五十一分散会
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