各会計決算特別委員会第一分科会速記録第四号

平成十四年十月十八日(金曜日)
第十一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長野村 有信君
副委員長中西 一善君
副委員長森田 安孝君
秋田 一郎君
山下 太郎君
ともとし春久君
臼井  孝君
花輪ともふみ君
古館 和憲君
三原 將嗣君

欠席委員 なし

 出席説明員
警視庁警視総監石川 重明君
副総監警務部長事務取扱人見 信男君
総務部長岩橋  修君
交通部長福島 和夫君
警備部長池田 克彦君
地域部長濱口 征三君
公安部長米村 敏朗君
刑事部長米田  壯君
生活安全部長渡邉  晃君
組織犯罪対策本部長宮本 和夫君
総務部企画課長関根 榮治君
総務部会計課長鹿倉 則彰君
消防庁消防総監杉村 哲也君
次長人事部長事務取扱白谷 祐二君
総務部長中村 正弘君
警防部長関口 和重君
防災部長鈴木 正弘君
救急部長水崎 保男君
予防部長鈴木 淳雄君
指導広報部長櫻岡 正規君
装備部長三上  進君
総務部企画課長佐藤 行雄君
総務部経理課長稲葉 義行君
議会局局長岡田 重信君
管理部長長野  宏君
議事部長稲熊 明孝君
参事花田貢市郎君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  警視庁関係
  ・一般会計決算(質疑)
  消防庁関係
  ・一般会計決算(質疑)
  議会局関係
  ・一般会計決算(質疑)

○野村委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、警視庁、東京消防庁及び議会局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより警視庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。

○野村委員長 これより東京消防庁関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 平素は消防庁、特に現場の方々におかれましては大変なご苦労の上、都民の安全を図っていただき、本当にありがとうございます。
 そこで、平成十三年度決算に関連して幾つか質問を行いたいと思います。
 まず初めに、私が住んでいます新宿区は、日本一あるいは世界一の繁華街あるいは歓楽街と呼ばれております歌舞伎町がございます。この繁華街は年々治安が悪化すると同時に、犯罪、火災などが相次いでおります。とりわけ昨年九月に起きました歌舞伎町雑居ビル火災におきましては多くの方が亡くなるという大惨事に発展してしまいました。
 歌舞伎町のことをよくご存じない方は、歌舞伎町になんか人は住んでいないんじゃないかという方もいらっしゃるようですが、歌舞伎町にも、多くとはいえないまでも、かなりの数の皆様方が住んでおり、また、もちろん働く人はいっぱいいらっしゃいます。この繁華街で働き暮らす住民の皆様方にとっては、防犯あるいは防火対策面での強化をなお一層望んでいるのが現実だと思います。
 私は、昨年、歌舞伎町の火災を受けて建築行政面から一般質問を行い、東京消防庁にあっては、これまでに緊急査察や、この火災からの教訓を得て国に対し消防法の改正要望などを行い、その結果、法改正に反映され、十月末には施行されると聞いております。
 そこで今回お聞きしたいのは、この火災を受け、地元の消防署と町会あるいは商店街といった地域の方々と連携した、放火を含んだ防火対策を進めていくことも極めて重要なことだと思います。これまで地元と連携した活動あるいは取り組みについてどのようなことを行ってきたのかをお聞かせ願えればと思います。

○櫻岡指導広報部長 ご指摘のとおり、放火火災を含む火災予防対策につきましては、消防署と地域との緊密な連携が何よりも重要であります。このことから、当庁におきましては、消防署ごとに町会、自治会、自主防災組織、消防団、さらには関係行政機関等に参画いただき、住宅防火対策や放火火災対策等を審議する住宅防火等推進協議会を設置いたしまして、地域と一体となって推進しているところであります。
 また、繁華街を有している地域につきましては、町会、自治会等はもとより、地元の商店街等とともに連携を強化し、放火火災を含む火災予防対策の推進を図っているところであります。
 ちなみに、歌舞伎町を管轄しております新宿消防署では、昨年の火災を受けて、町会、商店街振興組合、消防団等と連携した巡ら警戒、防火座談会、防火診断、パンフレット、チラシ等の配布、電光掲示板を利用した広報活動などを実施してまいりました。地元の町会、商店街振興組合等の方々のご協力に感謝申し上げますとともに、今後とも火災予防対策につきましては、地域と一層密接な連絡のもとに積極的に推進してまいる所存でございます。

○秋田委員 次に、これまた昨年アメリカにおいて同時多発テロが起きて、ニューヨークの世界貿易センターが崩壊するという、ほんとに痛ましいというか、衝撃的な事件が起きました。先般も私はたまたま、日本テレビですか、日本テレビにおいて世界貿易センターのまさに中にいたカメラマンを中心とする映像ドキュメントを見させていただき、その中で、まさにアメリカの消防署の署員の皆様方が命を張って一生懸命救出作業を行う姿を見させていただいたところでございます。
 そこで、その火災直後からアメリカ各地において、炭疽菌を使った無差別なテロ行為も起きております。かつてこの東京の地においても、今やもうすごく昔のような気さえしますが、サリン事件という事件もございました。いわゆる地下鉄サリン事件は、私どもの世代にとってもいまだ記憶に残っているかと思います。
 先日、たまたま歌舞伎町の方においても護身用の催涙ガスを使った同時多発の異臭事件が発生しております。私もたまたまそのとき新宿区役所に用があり現場を通りかかったのですが、消防署の署員の皆様方が救急車に倒れた人を運んでいる姿をつぶさに拝見したところでございます。
 そこで伺いますが、いつ発生するかわからないNBC災害に対して、十三年度予算においてこれら災害に対応した消防部隊を整備したと聞いておりますが、どのような部隊なのかお聞かせください。

○関口警防部長 東京消防庁では、NBC災害に対する専門部隊として、特殊な防護服、分析装置、除染装置などを装備した化学機動中隊を平成二年より十隊整備しておりますが、さらにこの種の災害対応力を強化するため、より高度な専門部隊として、第三消防方面本部消防救助機動部隊を本年四月に整備しました。この部隊は、放射線遮へい能力や高い気密性を有する特殊災害対策車を初め、救出ロボット、救助車、排煙高発泡車、中性子線積算測定器、生物剤検知チケット、化学戦薬剤検知器等の車両、資器材と、各分野の専門的な研修を受けた隊員により構成されています。
 また、この部隊の活動をより的確なものとするため、専門的な支援や助言を受けられるよう、大学や研究機関等の専門家をメンバーとするNBC災害支援アドバイザー制度を本年四月に構築しております。

○秋田委員 最後に、実際に化学物質等を使った災害が発生した場合の対応はどうされるのかをお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○関口警防部長 化学物質等による災害発生時には、NBC災害専門部隊である消防救助機動部隊や化学機動中隊が中核となり、防護服を着装した隊員が化学戦薬剤検知器などにより測定を行いながら、消防警戒区域を設定し、関係機関との連携やNBC災害支援アドバイザー制度の活用を図り、住民等の安全確保を最重点とし、化学物質等の拡散防止に配意しつつ、人命救助、消火、救急活動を行うこととしております。
 十月七日に発生した歌舞伎町の異臭事件に際しては、消防救助機動部隊及び化学機動中隊等が出場し、化学分析によりガスを特定するとともに、消防警戒区域を設定し、避難誘導を行い、多数の傷者を救急搬送したところです。

○花輪委員 私も、昨年の九月、歌舞伎町で四十四名の方が亡くなりましたが、その後の皆さんの対応、ご努力について、お伺いをしていきたいと思います。
 去年のあの火災以降、皆さん一万五千棟、都内のいわゆる雑居ビルを調査をされたというふうにお伺いしております。そして五万九千件ですか、違反指摘を行った、これは大変な数で大変な労力、大変なご努力があったことと思います。一万五千棟のビルで五万九千、約六万の指摘、一棟当たり四件くらいの指摘をされてきたということだったと思いますが、この五万九千件の違反指摘を行ってきていますけれども、緊急特別査察というのですか、これを実施する以前、このような建物にはどのような形で皆さんは、検査ですか、査察を行っていらっしゃったのか、そのあたりをご説明いただければと思います。

○鈴木予防部長 従前の査察実施方法についてのお尋ねでございますが、面積や用途などを勘案し、比較的大規模な防火対象物を優先して、査察の実施サイクルを設定してありました。
 具体的には、防火管理者の選任義務及び自動火災報知設備の設置義務を有するもので、不特定の方が利用するなど規模の大きなものにあっては二年に一回、また、用途を問わず、防火管理者の選任義務があるか、もしくは自動火災報知設備の設置義務を有するなど、規模の小さなものにあっては五年に一回と定めておりました。
 これらに基づき、各対象物について定期的に査察を実施していたものでございます。

○花輪委員 このような形で査察を行っていらっしゃったのですが、実際は、何とも不幸なことに、ああいう事件が起きてしまった。またその裏には、悪質で、査察に行って指摘をしてもいうことをなかなか聞いてくれない、そういう中で、結局、査察をして指摘をしても直されないままで終わってしまっていた、そんな件数も結構あった、というふうな話を聞いたことがあります。
 今回の火災の教訓から、皆様さまざまな仕組みの整備、条例、法律、その他の整備、ご努力をされています。そのあたりを、どのような形で取り組んでこられたか、お答えをいただければと思います。

○鈴木予防部長 昨年の九月の新宿歌舞伎町雑居ビル火災の教訓を踏まえた、これまでの取り組みについてでございます。
 雑居ビルの出火防止や人命危険を排除するために、緊急特別査察や、階段、廊下クリーンキャンペーンを実施したほか、有識者から成る検討委員会を設置し、その結果に基づき、総務省消防庁に対して所要の要望をしたところ、消防法が改正され、今月二十五日に施行されることになりました。その新たな消防法では、立入検査の時間的制限の廃止、命令を行った場合の公示、消防吏員による物件の除去命令、罰則の強化などが定められました。
 一方、火災予防条例を改正し、避難施設における安全の確保と適正な維持管理を図るため、火災の予防または避難に支障となる物件を置く行為などを禁止することといたしました。
 また警視庁、都市計画局などと連絡協議会を設置し、雑居ビルの防火安全対策の推進を図りました。さらに、消防法令の改正の趣旨を踏まえて、より危険実態に即した立入検査を行い、違反是正の徹底を実施するなど、査察の執行態勢の強化を図っております。

○花輪委員 それで、皆さんに査察をしていただいて、五万九千件という指摘があったわけですが、話によると、これはまだ、指摘をしたのだけれども一〇%くらいは直してもらえてない、というようなところがあるようでございます。
 具体的には、その直っていない一〇%は一体どんなところなんでしょう。例えばこれが悪質とか、また本当にいいかげんにしているようなところであれば、ある程度強硬な手段を、毅然とした態度でとっていっていただかないといけないのかな、ああいう事件もあった後ですし、四十四人も死んだ後です、そのあたりを本当にしっかりと、この一〇%も、しっかりつぶしていくような形でやっていただきたいなと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○鈴木予防部長 緊急特別査察の違反改修状況について、一万五千百八十四棟に対して立入検査を実施し、五万九千百六十五件の違反指摘を行いました。警告、命令などにより是正を図った結果、火災から一年後の本年八月三十一日現在、五万三千四百八十件が既に是正されております。率にしまして、九〇・四%の改修率というふうになっております。
 違反指摘でまだ未是正となっているものの内訳でございますが、防火管理者の未選任、あるいは消防計画の未作成などの防火管理関係、点検未実施や機能不良などの消防用設備等の維持管理関係が主でございます。
 現在までに改修されていない違反指摘については、関係者において改修を計画中であるものや、警告、命令の履行期限内にあるものなどといった現況でありまして、これらに対しては、今後も強力な是正を図ってまいります。
 そして、履行期限を経過したような場合には、命令、告発等により、適宜、適切な対応を行っていくとともに、今後とも改正消防法などを駆使して、厳正な予防行政を展開してまいります。

○花輪委員 ぜひ本当に、もう刑事告発も辞さないという強い構えで、どんどんやっていただければというふうに思います。
 ただ、こうやって、この一年間で一万五千棟回っていただいたわけですが、じゃあ、これからどうするのかというところです。あそこはもうしょっちゅう、日々オーナーがかわったり、店がかわったりしていくような地域というふうに聞いております。そういう中で、きょうは直してくれたのだけれども、あしたは違うオーナーにかわって、また違う対応をしているかもしれない、そんなことも十分想定をされるわけですよね。
 皆さんもさっきおっしゃったように、五年に一遍は前から回っているわけですね。五年に一遍回っていたのだけれども、ああいう事故が起きてしまった。そうすると、ことし一回徹底的にやったのだけれども、また時間がたつと荷物が置かれ、建物が変えられ、窓が閉められ、そういうことも可能性としては十分あるわけですが、そのあたりをどういう形でこれから取り組んでいかれるか、お聞かせいただけますか。

○鈴木予防部長 当庁では、査察規程を全部改正しまして、査察の執行態勢を次のように改めました。
 第一に、査察実施のサイクルを設けずに、また防火対象物の規模などにかかわりなく、火災危険の高い対象物から重点的に立入検査を行うことといたしました。
 第二に、時間の制約を受けずに、営業形態などに見合った立入検査を実施し、原則として事前の連絡を行わないことといたしました。
 第三に、法的権限を適切に行使して違反是正を徹底するために、命令の手順等を見直し、発動基準を強化いたしました。
 第四に、消防隊による立入検査については、その要領を見直して、さまざまな機会をとらえて実施することといたしました。などでございます。
 小規模雑居ビルも含めました各対象物に対して、改正消防法などを適正に運用し、今後ともより厳正な査察を展開してまいります。

○花輪委員 今の答弁の中で、原則として事前の連絡を行わないこととした、そういう答弁がありましたが、ということは、今までは事前に連絡をしていたということなんですよね。
 例えば警察が家宅捜索に行くのに、今から行くよといって行くようなもので、私も十数年前、学生時代に、ある大規模小売店でアルバイトをしているときに、あした消防署が来るから、階段の荷物をみんなで全部片づけようということで片づけたらば、次の日に、確かに消防署の方がやってきたという記憶があります。
 そういう中で今まではやってこられたというと、なかなかリスクも大きかったのかなという気がいたしますので、今回、そういうふうに原則として事前の連絡を行わないということは、一つ大きな効果が出てくるのじゃないかと、期待をしたいと思います。
 九月一日、二日前後の新聞で、結構、歌舞伎町のことが一年ということで書かれていました。そういうのを見ますと、結局のところはまだ、まだというか、またおしぼりが置かれてしまっているとか、野菜の段ボールを置いていたとか、そういう記事があったりとか、あと建築基準法という意味で見ると、違反指摘の百三棟のうちまだ八割は対処がされていないとか、いろいろな、まだまだ不安がある、そんな記事も見受けられました。
 ぜひ、先ほどもありましたような地域とかまた警察、地元の行政、区ですね、そういうところとも協力していただいて、安全な歌舞伎町、私たちも安心して楽しめる歌舞伎町づくりをしていただければと思います。
 きょうは本当にありがとうございました。お疲れさまでした。

○野村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。

○野村委員長 これより議会局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、議会局所管分を議題といたします。
 本件につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で議会局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後一時二十六分散会

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