各会計決算特別委員会第三分科会速記録第四号

平成十四年十月十八日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長大木田 守君
副委員長真木  茂君
副委員長松原 忠義君
長橋 桂一君
小美濃安弘君
かち佳代子君
小松 恭子君
倉林 辰雄君
小林 正則君
矢部  一君

欠席委員 なし

 出席説明員
住宅局局長橋本  勲君
技監小関 尚久君
総務部長梶原 康二君
住宅政策担当部長小川 富由君
参事加藤 英夫君
地域住宅部長小林 計代君
区市町村調整担当部長高岡 信也君
民間住宅部長井上 克彦君
民間住宅施策推進担当部長松田 紀子君
住宅経営部長青木 治道君
営繕担当部長渡部 景之君
参事野澤 直明君
参事庄司 静夫君
参事神通 和夫君
建設局局長小峰 良介君
次長上條 弘人君
理事石河 信一君
総務部長谷川 健次君
用地部長磯邊 武一君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長岩永  勉君
公園緑地部長安藤  明君
河川部長鈴木  進君
市街地整備部長田中  亨君
多摩ニュータウン事業部長高西 新子君
企画担当部長山崎 俊一君
総合調整担当部長高松  巖君
道路保全担当部長依田 俊治君
公園計画担当部長住吉 泰男君
多摩ニュータウン事業技術担当部長野村 孝雄君
販売企画担当部長友繁 佳明君
参事阿部  博君
参事内海 正彰君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  住宅局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・都営住宅等保証金会計決算(質疑)
  建設局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・新住宅市街地開発事業会計決算(質疑)
  ・多摩ニュータウン事業会計決算(質疑)
  ・市街地再開発事業会計決算(質疑)
  ・臨海都市基盤整備事業会計決算(質疑)

○大木田委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○大木田委員長 本日は、住宅局及び建設局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いします。
 ちょっと確認をさせていただきますが、質疑は、平成十三年度決算の審査から逸脱しないよう、委員長として特にお願いをいたします。
 また、理事者におかれましても、答弁は簡潔明瞭に行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 これより住宅局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、住宅局所管分及び平成十三年度東京都都営住宅等保証金会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 去る十月四日の本分科会でご要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙を開いていただきますと、目次がございますが、合計十六件の資料の件名を掲げております。
 初めに、一ページをお開き願います。1は、都営住宅等敷地内における駐車場の設置区画数及び契約区画数でございます。平成十四年三月三十一日現在で、駐車場を設置している団地数、設置区画数、契約区画数などを記載しております。
 二ページをお開き願います。2は、平成十三年度都営住宅敷地分賃貸料収入でございます。貸付目的を公共施設等設置と民間施設設置とに区分し、主な設置施設、団地数、貸付先、件数、賃貸料収入を記載しております。
 三ページをお開き願います。3は、木造住宅密集地域整備促進事業及び緊急木造住宅密集地域防災対策事業の実績でございます。平成九年度から平成十三年度までにつきまして、事業を実施した地区数及び決算額を記載しております。
 四ページをお開き願います。4は、住宅局所管一般会計当初歳出予算と歳出決算の推移でございます。平成四年度から平成十三年度までにつきまして、当初歳出予算は当初予算額を、歳出決算については決算額を記載しております。
 五ページをお開き願います。5は、都営住宅、公社住宅、都民住宅の建設実績でございます。平成四年度から平成十三年度までにつきまして、都営住宅、公社住宅については新規、建てかえに区分し、また、都民住宅については新規の建設実績戸数を記載しております。
 六ページをお開き願います。6は、都営住宅応募状況でございます。平成九年度から平成十三年度までの新築募集及び空き家募集の応募状況を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 七ページをお開き願います。7は、都営住宅の平均、最高、最低使用料の推移でございます。平成十年度から平成十三年度までにつきまして、平均使用料、最高使用料、最低使用料の推移を記載しております。
 八ページをお開き願います。8は、都営住宅使用料一般減免の状況でございます。一般減免における平成四年度から平成十三年度までの減免件数及び減免額を記載しております。
 九ページをお開き願います。9は、都営住宅における高齢者、障害者向け対応でございます。昭和四十六年度から平成十二年度における、高齢者、障害者向けの対応状況を記載しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 一〇ページをお開き願います。10は、使用料等滞納者、高額所得認定者の都営住宅明け渡しの件数でございます。平成四年度から平成十三年度までの使用料等滞納者及び高額所得認定者の明け渡し件数をそれぞれ記載しております。
 一一ページをお開き願います。11は、既設都営住宅へのエレベーター設置状況でございます。エレベーターの設置を開始した平成三年度から平成十三年度までの団地数及び設置数を記載しております。
 一二ページをお開き願います。12は、車いす使用者向け都営住宅の建設実績及び応募状況でございます。平成九年度から平成十三年度までの建設実績と応募状況を記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 一三ページをお開き願います。13は、都営住宅の併存店舗数でございます。併存店舗がある都営住宅の団地数、棟数及び店舗数を記載しております。
 一四ページをお開き願います。14は、都民住宅の空き家及び契約家賃の状況でございます。都民住宅の供給方式ごとに、管理戸数、空き家の戸数及び率並びに平均戸当たり契約家賃を記載しております。
 一五ページをお開き願います。15は、東京における分譲マンションのストック数でございます。分譲マンションのストック数を、区部と多摩地域に分けて、各時点のストック数を記載しております。
 一六ページをお開き願います。16は、東京の住宅ストックの現状及び海外との比較でございます。東京の住宅数の推移、東京における最低居住水準に満たない世帯の割合の推移、バリアフリー住宅の割合をそれぞれ記載しております。
 さらに、次の一七ページには、住宅の平均使用年数の比較及び日米の中古住宅流通市場規模の比較につきまして記載しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上で、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 質問させていただきますけれども、決算から逸脱するようなことがありましたら、厳しくご注意いただきたいと思います。(笑声)
 最初に、私は、都営住宅の使用料、あるいは高額所得者関係、それから建てかえ事業の課題、そして、区市町村への移管の関係についても質問と思ったんですが、大変時間がかかるということでありますので、当初の三点だけに絞ってお尋ねしていきたいと思います。
 最初に、都営住宅の使用料についてお伺いをしていきます。
 東京都は厳しい財政状況の中で、都営住宅の着工、建てかえ等を、大変な苦労を伴いながら進めていただいているわけでありますけれども、そういう中で、残念ながら、都営住宅に入居しながら滞納している、こういう現実があるようでありまして、極めて遺憾である、このことを申し上げて、質問させていただくわけです。
 いただいた資料によりますと、昭和五十五年度には三十二億円強ぐらいだったところが、わずか六年間ぐらいで、六十一年には九十六億、約百億円も滞納が出てきているんですね、こういう資料から見られるわけでありますけれども。この六十一年を起点に下がってはきているわけであります。当然、その下降しているということについては、住宅局がそれぞれの取り組みを強化してきた、その結果だと。ピーク時の半分以下に減少してきたということは、そういう成果のあらわれだ、こう思うわけでありますけれども、滞納については、入居したくても入居できない、いわゆる社会的不公平も生じているということはいうまでもありませんし、苦労してまじめに支払っている居住者にとっては、まさに許せない、ゆゆしき問題である、こう思うわけであります。
 都営住宅の家賃は、それぞれの収入に応じて設定されているわけですよね。本来、所得が低い居住者も払えないことはないはずだろう、こう思うわけであります。都営住宅の適正な管理と居住者間の公平性を確保する上からも、ぜひこれからも、滞納者については放置をせずに、厳正に対処をしてほしい、私はこのことを申し上げるわけであります。
 そこで、滞納について幾つか伺いますけれども、まず、平成十三年度の都営住宅使用料の収入額と滞納額がどういう状況になっているのか、伺っておきたいと思います。

○青木住宅経営部長 平成十三年度決算におきます都営住宅使用料の収入額は七百六十二億円でございます。平成十二年度に比べますと、約十二億円増加してございます。また滞納額は、平成十二年度に比べまして一四・六%、約八億円減少して、四十六億円台になったところでございます。

○倉林委員 今日の厳しい社会状況を反映して、滞納整理はさまざまな困難を伴うのではないか、こう思うわけであります。そういう中で滞納を確実に減らしていくために住宅局が全力で取り組んでいる、これについても評価は当然いたしますし、今お聞きいたしますと、十二年度に比べて一四・六%、八億円減少している。しかし、四十六億円もの滞納の額が残っている、こういうことであります。まことに許しがたいわけでありますけれども、具体的には、どのような取り組みがこの減少額になってきたのか、その辺をちょっと教えてください。

○青木住宅経営部長 滞納がこのように減少いたしましたのは、まず、訴訟前の和解申し立てや明け渡し訴訟の提起など、法的措置を過去最多の二千五百件以上実施いたしまして、最終処理の徹底を図ったこと。また、初期、短期の滞納に対する文書や訪問による督促の強化、局を挙げた一斉電話督促など、また、広報紙等による滞納予防の意識啓発などの取り組みを積極的にしたことなどが挙げられると考えております。
 こうした法的措置や滞納予防の意識啓発などを通じまして、先ほど委員ご指摘のように、滞納は放置しないという東京都の姿勢が居住者の意識の中に徐々に浸透して、滞納抑制につながったと考えております。

○倉林委員 滞納予防の意識啓発とか、滞納を放置しないという東京都の姿勢が居住者の意識の中に徐々に浸透して滞納抑制につながったと。いわゆる法的措置を徹底したということが最も効果があったということだろうと思います。最終処理をしていく、進めていくことは、滞納をすれば明け渡しになるんだという、その意識を居住者に持ってもらう上でも大変効果があった、こう思うわけであります。しっかりと進めていただきたいと思いますが、しかし、本来ですと、法的措置になる前に、滞納が少ないうちに速やかに滞納を解消させる、このことが原点であり大変重要なことだ、こう思います。
 こうした認識のもとで、東京都として、さらに滞納を減少させるためにどのような取り組みをなさってきたのか、あるいはまた、これからしていくのか、ちょっとお伺いしておきます。

○青木住宅経営部長 さらなる滞納の減少に向けまして、先ほど申し上げました法的措置を引き続き徹底するとともに、初期、短期の滞納者への納付指導をさらに強化するほか、退去した滞納者に対しましても、法的措置や訪問督促などをさらに強化することなどを着実に行っていきたいと考えております。
 また、滞納を発生させないために、居住者自身の自覚と努力が不可欠でございますけれども、滞納予防キャンペーンや相談会の実施、訪問による居住者の個別指導など、きめ細かく対応していく所存でございます。
 さらに、今後、生活保護世帯の家賃を福祉事務所が代理して納付する方式の定着と拡充に向けました取り組みなど、滞納が発生しない仕組みづくりについても積極的に進めてまいります。

○倉林委員 退去した滞納者に対しても法的措置や訪問督促をさらに強化する、こういうことでありますけれども、たしか住宅局は公社に委任して、臨時職員をお願いして、いわゆる人海戦術でお願いしている、こういうことも実施されていると思うんです。それはもちろんそれなりの効果があるわけですけれども、やっぱり費用対効果ということも考えなければならないんだろうと。職員をふやして、どんどん滞納を集めればいい、しかし、気がついたら、それに近いお金を支出していたということであっては、また目的が達せられないという意味合いにもなりますので、ぜひ頑張っていただければと思います。
 そういう中で、今の説明の中でもありました、生活保護世帯の家賃を福祉事務所が代理して納付する方式の定着、拡充に向けた取り組みをしていくんだ、こういうことでありますけれども、これらの措置は、ぜひ積極的にこれからも進めていただきたい。限りなく滞納をゼロにして、頑張ってほしい、このことを申し上げて、時間の関係で終わります。次に行きます。
 次に、高額所得者の問題について質問をさせていただきます。
 私は、高額所得者の存在は、まず低額所得者のための都営住宅という、都営住宅本来の趣旨に反して居住しているんだろう、こう思うんです。そして、もう一つは、高額所得者が居住し続けることによって、他の住宅に困窮している人が入居できないという、二重の意味で問題だ、是正しなければならない、私はこう思っております。
 そういう中で、高額所得者の認定者数については、資料をいただいていますけれども、平成六年度には約一万三千百五十四人、一万三千人を超えるときもあったようであります。四年度には七千五百人が、翌々年の六年には一万三千という大台、二倍にもなる数字になっているわけであります。その後、減ってきているわけですけれども、その原因は、公営住宅法の改正、社会経済環境の変化、さらには、きょうの委員会資料の高額所得者の明け渡しの数字にもあるように、住宅局の努力によっても大幅に減っていると聞いております。
 そこでお伺いしますのは、十三年度の高額所得者の認定数についてちょっと明らかにしてください。

○青木住宅経営部長 平成十三年度におきます高額所得者の認定数は千五百二十人となっております。

○倉林委員 資料を見ても、本当に十三年度に千五百二十人。多いときには一万三千人からあったわけですから、数字的には大変減ってきているわけですけれども、明け渡しに要する時間も大変重要な課題だというふうに思っております。都は、高額所得者の明け渡しの義務の実現に向けてどのような取り組みをなされてきたのか、また、なされていくのか、どのぐらいの日数をかけて取り組んでいるのか、明け渡しに至るケースでひとつ説明していただきたい。

○青木住宅経営部長 高額所得者への対応でございますけれども、当初の一年は、自発的明け渡しを期待いたしまして、収入が明け渡し基準を超えている旨の通知をいたし、相談会等で、明け渡しに向けた指導をしているところでございます。
 こうした指導にもかかわらず明け渡しに応じようとしない者につきましては、翌年度に行う二回目の相談会や、収入の職権調査をいたしました上で、高額所得者審査会に付議をいたしまして、明け渡し請求をしているところでございます。この付議のための手続と、その後の明け渡し請求などに、約六カ月程度の期間が必要となっているところでございます。
 また、この明け渡し請求から明け渡しまでの期限は、公営住宅法の規定によりまして六カ月となっております。したがいまして、明け渡しに至るまでのケースの時間は、認定から約二年後というような状況になってございます。

○倉林委員 今、説明をお聞きしますと、一年は、自発的明け渡しに向けた指導をしている。そして、六カ月間は明け渡しを請求する。そして、さらに六カ月間は明け渡し期限の中にある。こういうことですので、約二年間、認定からたっていく、こういうことですね。早い話が、結局、ごねていれば、二年間、明け渡しにならないということですよね。
 こうしたことが、まさに都営住宅の不公平感につながっているんだ、私はこう申し上げるわけですけれども、東京都が全国に例のない、外部委員から成る審査会を設置して厳粛に、かつ相談会で個別事情を聞きながら対応しているのはわかります。評価する点もあるわけですけれども、もっと早く明け渡し請求をすべきだと私は思うんですよね。
 例えば、東京都の指導に全く従わない場合、あるいは相談会に呼んでも来ないというような事例もあるわけでしょう。そういう人には、自発的な明け渡しなどは率直にいって期待できない、こう申し上げても過言ではないと思うのであります。ぜひ速やかに審査会に付議して、迅速に明け渡しにつなげるべきだ、こう思うわけでありますけれども、高額所得者の明け渡しに向けて、都はどのように取り組んでいるのか、もう少し説明してください。

○青木住宅経営部長 都といたしましては、個別の相談に応じつつ、居住者自身の明け渡し努力を促す方向で対応してきているところでございますけれども、ご指摘のような事例もございますので、高額所得者審査会への付議の早期化、ひいては明け渡しの迅速化についての見直しを検討したいと考えてございます。

○倉林委員 そもそも高額所得者というのは、先ほども申し上げておりますけれども、やはり即退去すべきだ、これが一般都民感情だと思いますよ。ぜひ明け渡しの迅速化を図ってほしいし、最近は、高額所得者認定数が減少しておりますけれども、油断をしないで、高額所得者の居住の減少に努めていただきたい。このことを、決算でありますから、質問はやめて、要望に切りかえます。
 三点目、伺います。
 都営住宅の建てかえに関してでありますけれども、敷地の高度利用を図り、生み出した土地を有効活用するということは、地域の活性化にとって極めて重要であります。せんだって、南青山一丁目団地建替プロジェクトにおいて、事業者と基本協定を締結したという発表がありましたけれども、このプロジェクトは、都営住宅敷地を有効活用し、民間事業者の手で地域の活性化に役立つ開発を行おうとするものだ、こういうことのようであります。こうした取り組みは、都心の一等地だからできるということもあろうかと思いますけれども、必ずしも一等地だけではなく、多摩地域においても進めていくべきだろう、私はこう思うわけであります。
 そこで具体的に伺いますが、東村山市の本町団地というのがありますけれども、この建てかえ事業について、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○庄司参事 東村山本町建てかえ事業に関するご質問でございますが、東村山団地の建てかえ事業におきましては、平成十三年度は三百四十八戸着工しております。また平成十四年度につきましては、建設予定戸数百七十六戸を着工済みでございます。建てかえ計画を今後見直し、今年度着工部分を最終として、これ以上建設を行わないこととしております。

○倉林委員 当初の建てかえ計画では、建設を四期に分けて、全体で二千九百五十戸の住宅を建設する予定であった、こういうことであります。この計画を見直して、十四年度着工分を最終として都営住宅建設を取りやめることになった、こういうことであります。
 そこでお伺いしますが、従前の居住者に、それで迷惑をおかけになることはございませんか。

○庄司参事 平成十三年度末の既着工戸数でございますが、千七百八十四戸ございまして、十四年度着工戸数百七十六戸を加えますと、全体で千九百六十戸となります。当団地の元戸数である千九百三十四戸を超えます。そのために、従前居住者の方が入居する住宅は確保できることになります。
   〔発言する者あり〕

○倉林委員 小松さんが何かいうだろうと思ったので、先に申し上げておきました。
 都営住宅の関係ですけれども、例えば東村山市なんかの場合は、人口当たりの受け入れ率からいきますと、都内でも四番目という高い都営住宅の受け入れ率なんです。ちなみに、私は選挙区が武蔵村山市、東大和市なんですけれども、武蔵村山市は、人口からいきますと一位の住宅率なんでしょう。東大和市が三番手、東村山市が四番手。どうしてこんなに私の選挙区にだけ偏って都営住宅があるのかと思うのでありますけれども、率直にいいまして、財政力の低い自治体に限って、そういう意味では都営住宅が多いんですね。逆にいえば、都営住宅があるから民生費が支出されて、財政力に影響を来している、こういう読み方も実際あるんですよ。
 そういう意味では、東村山市の都営住宅はもう十分責任を果たした、こう申し上げておきたいと思うわけでありますけれども、ご案内のように、本団地は、東村山駅と久米川駅の中間に位置しておりまして、市役所あるいは東村山消防署の出張所、税務署、警察などが隣接しておりまして、東村山市は建てかえ事業に強い関心を持っております。強い関心を持っております。
 そこで、東村山市は、建てかえ計画の見直しに対してどのような意向を持っているのか、その辺の把握はどうされているのか、ちょっとお聞かせください。

○庄司参事 東村山市の意向でございますが、東村山市からは、昨年十一月に、建てかえ事業を抜本的に見直し、今後の建設予定地については、市と十分協議の上、都営住宅以外の土地利用を図るよう強く要請するとの意向が示されておりまして、建てかえ事業の見直しは市の意向に沿ったものとなっております。

○倉林委員 市の意向に沿う、こういうことのようでありますけれども、建てかえ計画の見直しによって、本町団地北ブロックに広大な土地が生まれるわけであります。地域の活性化にとって、この土地の活用というのは、先ほど申し上げましたように市の中心街でありますから、大変大きな意義を持つんです。
 そこで、この土地の活用方法についてはどのように考えているのか、決算を通してどのように考えられてきたのか、そこのところをお聞かせください。

○庄司参事 住宅局では、住宅マスタープランに基づきまして、都営住宅の再編整備を進めております。再編整備や都営住宅の建てかえに際し、敷地を有効に活用して地域の活力を高め、ひいては東京を再生させるために行うものでございます。当団地の北ブロックにつきましても、再編整備の考え方に従い、この土地を都市再生用地として位置づけまして、当該地域の活性化のため、その活用を図っていくこととしております。

○倉林委員 ことしの第二回定例会で、石原知事は東村山市本町団地について--私、知事の答弁があるなんて思ってもいなかったのであります。失礼ですが、局長さんの答弁かなと実は思っておりましたが、知事みずから答弁しました。この団地については、再編整備の郊外型モデルプロジェクトとして取り組む、こういう姿勢を明確にしておりますね。
 そこで、都心部において実施されております南青山一丁目団地建替プロジェクトと郊外型モデルプロジェクトの、それぞれの違いといいましょうか、特徴といいましょうか、そこを説明してください。

○庄司参事 南青山一丁目団地建替プロジェクトに比べますと、民間事業の活用や地域の活性化を目指す点では、同様の特徴がございます。また、双方の地域特性の違いがございまして、南青山一丁目が、都心居住の推進を主な目的とした複合施設の整備であるのに比べ、本団地におきましては、多摩地域の地域特性を生かし、住宅を主体とした郊外型のまちづくりを目標としております。

○倉林委員 もう最後にしますから……。
 多摩地域の特性を生かして郊外型のまちづくりを行っていく、こういうことであります。
 東村山市議会でも、北ブロックの土地利用などに関して、先般、本町都営北ブロック町づくり調査特別委員会というのを設置いたしたようであります。これは、北ブロックの計画見直しに対する東村山市の、市も議会も市民も挙げての関心のあらわれである、こう私は思うわけであります。この計画の策定に当たっては地元市と十分協議を行っていくべきだ、こう考えておりますけれども、これにだけお答えをいただいて、私は、時間の関係で終わります。

○庄司参事 本団地北ブロックの計画策定に当たりましては、住宅局は東村山市と、本年九月に協議会を設置したところでございます。この協議会では、市のまちづくりの計画を踏まえ、整備方針や事業手法などについて話し合っていくこととしております。今後も、この協議会を活用し、精力的に市と協議してまいります。

○真木委員 一昨日の読売新聞の夕刊に、大変気になる記事が載っておりました。都市基盤整備公団の団地において、家族にみとられずにひっそりと死んでいく孤独死が、三年間で六百九十人いらっしゃったと。多くの方々が、六百九十人のその大半の方が、お亡くなりになられてから数日後に発見されたというようなことになるんじゃないかと思うんですが、都営住宅における平成十三年度におきます孤独死の状況を把握されておりますでしょうか。

○青木住宅経営部長 孤独死という定義がなかなか難しゅうございますけれども、今おっしゃられたように、家族にみとられずにひっそり亡くなられたということで考えますと、必ずしもそれに合致しないかと思いますが、都営住宅の中で単身でお亡くなりになられた高齢者の数を申し上げますと、平成十三年度、年度を通じまして三十九名でございます。

○真木委員 都市基盤整備公団の団地におきます高齢化率、これは二〇%ということのようでございます。六十五歳以上人口の全国平均が一七%に対し、公団の居住者は二〇%ということなんですけれども、都営住宅における高齢化率というのは把握されておりますでしょうか。

○青木住宅経営部長 これまたぴったりとしたデータがないんですが、私どもの名義人の方で見た場合でございますけれども、六十五歳以上の割合は、平成十三年度末で四二・一%となってございます。

○真木委員 名義人の方が六十五歳以上の場合が四二%。大体六十五歳以上の方が名義人、世帯主でいらっしゃって、そして、その子どもと同居しているということは余りないのかなと。子どもがいらっしゃるなら、六十五歳以下の名義人の方々が多いかと思いますので、この四二・一という数字から、そんなに離れたものにはならないのかなという気がいたします。
 東京都住宅局が都営住宅をやっているからといって孤独死対策をやれというのは、これはいい過ぎだと私は考えておりますが、しかしながら、だれにもみとられず、死後数日間たって見つかるということは、やはり悲惨なことであります。基本的には福祉の問題であり、さらには、福祉局というよりも、地域の各区市の福祉の仕事であるという認識は重々持った上で、しかしながら、金のかからない--決して金かけちゃだめですよ。住宅局がやるべきことじゃないと基本的には思っております。そのことに決して金をかけないでいただきたいという上で、何らかの知恵を今後ともお絞りいただきたいという要望をしておきたいと思います。
 続きまして、住宅供給公社につきまして、東京都の住宅政策との関連でお尋ねしたいと思います。
 戦後、この間、勤労者に住宅を提供するということで、都営住宅、そして住宅供給公社と、東京都は積極的な経営をなさってきました。私の町田市でも、都営住宅はどんどん建てかえが進んできております。というか、もう大半が建てかえが終わりました。一方、住宅供給公社は全く建てかえられず、築三十年以上という状況になっています。
 そこで、東京都として住宅供給公社をどのように位置づけるかを簡単にお聞かせいただきたいんですが、東京都の住宅政策全体の中において、公的住宅供給事業をどのように位置づけ、その中でまた住宅供給公社をどのように位置づけるかを確認したいと思います。

○小川住宅政策担当部長 本年二月に策定いたしました東京都の住宅マスタープランでは、今後、成熟社会が来るということで、住宅政策といたしましては、公共、民間を合わせた住宅全体を対象として、市場の活用を重視した住宅政策へ展開していくとしております。
 したがいまして、公共住宅につきましては、今後は、市場を通じた住宅サービスの供給を基本とする中で、公営住宅につきましては、都民のセーフティーネットとして市場を補完する役割に徹する。住宅供給公社につきましては、これは中堅所得者のファミリー世帯に対する賃貸住宅供給をこれまでやってきたわけでございますが、建てかえ事業等、既存ストックの活用を中心として住宅供給を推進していくというふうに考えております。

○真木委員 今のご説明の中にはございませんでしたが、住宅供給公社の目的とかそういうものから見ますと必ず出てきますのが、勤労者に対する良質な住宅の提供ということが供給公社の目的に入っております。しかしながら、住宅供給公社の団地にお住まいの方々は、元勤労者が大分多くなられてきたこと、それともう一つは、良質な住宅とは、この現在の状況の中でなかなかいえなくなってきているという状況があります。東京都としてどのように位置づけていくかというのを、もうそろそろまた考えていかなければならないと思うんですが、一方、東京都は、住宅供給公社の自主自律的な経営というような中で、この十三年度決算の中におきましても、住宅供給公社への補助というものは、もう微々たるものになってまいりました。住宅供給事業に対する東京都の補助、十二年度、十三年度、十四年度、次々に取りやめておりますが、その状況につきまして確認したいと思います。

○小林地域住宅部長 公社住宅の建てかえ事業などに関します支援制度といたしまして、建てかえ事業にかかわる建設資金の貸し付け、それから、建てかえ後の家賃の緩和措置を行うための家賃激変緩和資金の貸し付け、それから、建てかえ後の高齢低所得者や生活保護世帯の方の家賃負担を軽減するための高齢低所得家賃補助などがございますが、公社の自律的な経営などを高める観点から、これらの新制度については、新たな建設事業のみを対象といたしまして、平成十一年度以降、段階的に取りやめているところでございます。

○真木委員 十三年度まであった微々たる家賃激変緩和補助、今まで公社の住宅にお住まいになっていた方が、建てかえに伴い家賃がぽんと上がる、それに対して一定の補助をしていこうというような最後の補助も打ち切られてきました。
 これは、私は決して非難しているわけじゃありません。住宅供給公社が四十七都道府県全部にあるかと思いますが、それがどんどん破綻していったり、民営化をしていこうという議論が進んでいる中で、ずぶずぶに東京都が補助をしろということは全く申し上げているつもりはございません。
 しかしながら、自主自律的経営という名のもとに、東京都が実質提供し、都民が住んでいるこの六万戸について、今まで東京都が提供してきたけれども、これからは勝手に公社が考えてくれということで、東京都の住宅政策というものが責任を持ち得るのかということに関しまして、疑問を感じざるを得ません。
 六万一千戸のこの住宅供給公社の内訳を見ますと、築後三十年から三十九年のものがその半分の三万戸、四十年以上のものに関しましては一万五千戸あるわけです。だから、六万一千分の四万五千、厳密にいうと四万四千九百九十、これがもう三十年以上なんです。だから、四分の三が三十年以上。そして、この十二年度、十三年度、十四年度の建てかえ戸数を見ますと、三百十八、四百八、二百四十二。これは建てかえ棟数じゃなくて戸数なんですね。数棟を建て直したというだけでありますから、これは一体いつになったら建てかえがされるのかなという形で、非常に不安を覚えるわけであります。
 町田の住宅供給公社、一万戸近くあるわけでありますけれども、これにつきましては一向に建てかえのめどが立っておりません。東京都として、住宅供給公社に対しどのような指導を行っているのか、確認したいと思います。

○小林地域住宅部長 公社における建てかえに対する指導でございますが、公社におきましては、現在、建設、管理コストの縮減ですとか、適切な家賃の設定に努めながら、建てかえ事業の推進に取り組んでいるところでございます。都といたしましても、公社において、こうした経営努力によりまして、既存ストックの適切な維持管理、計画的な建てかえを進めていくものと考えております。

○真木委員 東京都は、募集事務等はもう供給公社に一切をお任せするという形になって、そちらの方はどんどんお任せしている。一方、供給事業においては補助は全部打ち切って、あとは自主自律的にやってくださいと。そして、六万戸ある建てかえはどうなるかわからないということで、一方においては供給公社に対して非常に重きを置きつつ、一方の住宅供給事業につきましてはお任せするという形で、ちょっと何となくアンバランスかなというような気がいたします。
 問題は、住んでいる六万世帯の方々に、おたくはいつまでここに住めますよ、何年以後に建てかえを考えていますというようなビジョンを示していただかなければ、その方々の人生設計も立ち得ないんだと思うんです。新築をしても、建てかえをしても、できる限り家賃には反映していただきたくありませんというのは、当然の話だと思います。そういった希望を酌みながら、一方、やはり良質な住宅に転換していかなければならないと思いますので、その辺の公社のビジョンを示すような東京都の指導、同時に、東京都からさほど、さほどというんじゃいけませんね、建てかえ等の高度化によって、都営住宅と同じように持ち出しが少なくて済むことができると思いますので、東京都の財政に負担をかけず、一方で、大変難しいですが、お住まいの方々にも負担を軽減していくような、そんな形で一刻も早く供給公社のビジョンを明確にすることを求めて、質問を終わります。

○長橋委員 私も簡潔にご質問させていただきたいと思いますが、私は、分譲マンション、最近非常に大きな話題になっておりますが、いわゆる老朽化の問題でありますし、管理の問題、建てかえの問題でございます。
 マンション建替え円滑化法がいよいよ十二月から施行される。今まで、建てかえたくてもなかなか、組合の位置づけであるとか、運営のルールであるとか、そういったものが不明確であったり、権利関係をどうすればいいのかということで進まなかったことが、一歩これから前進する。東京都としても、既にその対応策についてはさまざまご検討だと思いますので、それについてご質問させていただきたいと思います。
 資料によりますと、都内の分譲マンションのストック数が約七十万戸になったと。十年前が四十二万戸、十年前に比べて一・六倍にはね上がっている。都心に行きますと、区によっては、二倍、三倍になっている区もあるようでございます。一方で、老朽マンションの急増というのがあわせてありますし、また居住者の高齢化、今後大きな問題でありますし、今後の住宅政策の緊急の課題である、こういうふうに思うわけでございます。
 そこでまず、決算でございますので伺いますが、十三年度に実施しましたマンション施策というのはどういうものがあるのか、教えていただきたいと思います。
 その上で、実際のマンションの管理に従事している人たちとか居住者、こういう人たちの現場の声を十分に聞くということが大変大事だと思いますけれども、その点ではどのように考えているか、ご答弁をお願いいたします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 十三年度は、主にマンションの適切な維持管理を支援するための施策を行ってきております。具体的には、維持管理についての基本的事項や、計画的な修繕につきましてまとめましたガイドブック等による普及啓発、市区町村への相談窓口の設置、マンションの維持管理に関しまして、専門家を現地に派遣する管理アドバイザー制度による支援などがございます。
 また、これらの施策の実施に当たりましては、管理組合の団体や管理会社の団体など、分譲マンションにかかわる関係団体の代表との協議会を設けまして、必要な情報交換を行ってきております。十三年度は、本協議会、部会を含めて八回開催をいたしております。

○長橋委員 今、ご答弁がありました、ご説明がありました、この協議会、マンション管理の協議会だと思いますが、また部会、十三年度は八回開催したということでございますけれども、この協議の内容、また、部会はどのぐらいあって、どういう部会があるのか、ご説明をお願いいたします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 この協議会は、正式名称を東京都分譲マンション管理・建替え協議会と申しまして、分譲マンションに係る関係団体、具体的に申しますと、不動産関係、宅建業関係、管理業の関係など民間の事業者の代表や組合の代表の方々、公社、公団、区市の代表など、行政機関も含めた協議会でございます。十三年度に設置されておりまして、協議会の部会として、維持管理部会と建替え・改修部会を設置いたしております。
 この部会におきまして、それぞれ相談体制のネットワーク整備や、分譲マンションの維持管理に対します支援策ですとか、都や区の建てかえや維持管理に関する取り組みの紹介、それから、参加団体同士の取り組みの情報交換など、幅広い取り組みを行っているところでございます。

○長橋委員 さまざまな関係団体が集まって協議会や部会で検討されている、こういうことでございますけれども、特に、相談体制の充実といいますか、これは大事だと思いますし、個々のマンションの現場の相談体制、実際は区市町村の相談担当者がやるのであると思いますけれども、この相談体制の充実については、ご付言されたんですけれども、もう少し具体的にどのようなことがあったか、お教え願いますか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 相談体制につきましては、先ほどご紹介申し上げましたが、区市町村にそれぞれ相談のための窓口を設置いたしております。また、都におきましても、既に平成十二年度から管理アドバイザー制度を発足させておりまして、現地に派遣いたしまして、専門的な見地から相談業務を推進しているところでございます。

○長橋委員 今、管理アドバイザーが現地へ赴いていると。実際、日常的に、また、きめ細かい対応ということでは、基礎的自治体である区や市が、いろいろな意味でつながりを持ってご相談に乗っているかと思います。その相談能力の向上といいますか、また、相談体制の充実をぜひ図っていただければ、こういうふうに思います。
 次に、適切な維持管理ということで、平成十二年度に我が党も一生懸命推進いたしまして、マンション管理適正化法が成立いたしました。また、十三年度からマンション管理制度がスタートして、管理ということが非常に大きく取り上げられてきたわけですけれども、都内のマンション管理士の登録数が、およそ千人以上いるということで聞いております。マンション管理士の活用についてはどのように考えているか、お答えをお願いします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 都では、先ほどご説明申し上げましたマンション管理アドバイザー制度を平成十二年度から既に実施してきておりますが、今後は、新たに創設されましたマンション管理士に管理アドバイザーをお願いするなど、その積極的活用を図ってまいりたいと存じます。

○長橋委員 次に、維持管理することによって老朽化を防げるということもあるわけですけれども、一方で、どうしても建てかえ時期を迎えた老朽マンションというのがあるわけでございます。その対応についてでございますけれども、現在、その一つの目安といいますか、築三十年を超えるマンションが四万四千戸ある、こういうふうに書いてありました。十年後には、これが一気に二十万戸になる。年々ふえていくわけでございます。これだけ大量の老朽マンションの存在が、今後大きな社会問題になってくることは間違いないわけでございますけれども、この点について都の基本的な認識、どのようにお考えでしょうか、お願いします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 今後、大量の老朽マンションが建てかえ時期を迎えようとしておりますが、そのまま放置されれば、居住環境や防災面での深刻な問題が発生するということが予想されます。これらのマンションにつきまして、適切な改修または建てかえが行われる必要がございますが、特に建てかえを進めるにつきましては、諸手続が繁雑であることに加えまして、居住者の合意形成が非常に困難な現状がございます。このため、マンションの建てかえの円滑化のための方策は、都市再生と居住環境の向上の観点から重要と認識しております。

○長橋委員 建てかえに当たって、老朽化とあわせて、やっぱり居住者の合意形成が非常に困難である、こういうことでございますけれども、そういう居住者の合意形成を解決していく。いろんな権利関係であるとか、また、基本計画をどう立てたらいいのかということだと思います。本年六月にマンション建替え円滑化法が制定されて、今後施行されるわけですけれども、建替組合の設立や、権利変換手法による関係権利の円滑な移行等を内容とするこの円滑化法の成立によって、良好な居住環境を備えたマンションへの建てかえが円滑に進むことが非常に期待されているわけでございます。
 都としても、この円滑な建てかえを推進するための独自の支援の取り組みが、東京は特に必要ではないかと思いますが、ご意見をお願いいたします。

○松田民間住宅施策推進担当部長 都としての円滑な建てかえを推進するための独自の支援策について具体的に申し上げますと、まず、本年七月に、老朽共同住宅の建てかえを促進するために容積率の緩和を行う、総合設計制度が創設されております。住宅局といたしましては、居住者の合意形成を支援するとともに、建てかえ事業が円滑に行われますよう、建替アドバイザー制度の創設、建てかえ期間中の仮住居としての都営住宅等の提供を、十二月の法施行にあわせて行うこととしております。さらに、建てかえを進めるための手順や要点などを管理組合向けにわかりやすく解説しました建てかえガイドブックの発行を、今年度中に行うこととしております。

○長橋委員 都独自の施策として、建替アドバイザー制度の創設、こういうことでありますけれども、これが、一番困難である居住者の合意形成の対策としてある、こういうことでございます。ただ、合意形成ということになりますと、建てかえをしよう、こういう発意があってから決議するまで、さまざまな場面が想定されるわけでございます。基本計画を立てる、また、もう直前までいって、事業者はどこにするのかというようなことがあるかと思います。そうなってくると、かなり専門的な知識、そういうのが必要になってくるんじゃないかと思いますけれども、建替アドバイザーについては、どのような人材を考えているのか、また、どのような具体的なアドバイスをしていくのか、教えていただきたいと思います。

○松田民間住宅施策推進担当部長 建替アドバイザーにつきましては、一級建築士や、権利調整や資金計画に関する専門家である再開発プランナーにお願いすることを考えております。建替アドバイザーの業務といたしましては、マンション建替え円滑化法の説明や、建てかえに関する支援策の紹介、また、合意形成の進め方について具体的なアドバイスをするということを考えております。

○長橋委員 ぜひ、この建替アドバイザーの有効な活用、また、住民の皆さん、管理組合の皆さんに徹底をお願いしたいと思います。
 最後に、マンション問題をお伺いしていますけれども、東京において最も集中的に、また先鋭的にあらわれることでございますので、マンション問題イコール東京の住宅政策の最大の問題である、こういうふうに思うわけでございます。今後、急速に進む居住者の高齢化、また管理の面でも、建てかえ実施に当たってさまざまな困難が出てくるわけであります。そういう意味で、今後の大きな課題でありますけれども、五年後、十年後を見通した場合に、このマンション施策というのは長期的に取り組んでいかなきゃいけないし、また、早急にいろんな支援策を考えていかなきゃいけないと思いますけれども、取り組む姿勢について、また、どう考えるか、お答え願います。

○井上民間住宅部長 先ほど来ご議論のございますように、都内の分譲マンションは、都民の主要な居住形態として、都内にもう定着してございます。そういう状況でございますので、今後、マンションを良好なストックとして維持管理して、さらに円滑に建てかえる、こういうことが東京を初め大都市の重要な行政課題であるということは十分認識してございます。しかしながら、一方では、分譲マンションは個人の財産であることもまたこれ事実でございまして、本来的には、維持管理や建てかえは区分所有者、管理組合が主体となって取り組むべきものだろうとも思っております。
 そうはいいながら、実際問題として、先ほど来、先生のご指摘もございますように、なかなか居住者全員の合意をとることが困難であるとか、あるいは、マンションですので、共用部分があって、その扱いにいろいろ苦慮するとか、高齢化がマンションでも進んでいるとか、こういったような集合住宅ならではの解決すべき課題がまた散在している、たくさん積み上がっている、こういうこともまた、私どももわかっております。
 したがいまして、東京都は、今まで、区分所有者、管理組合への側面的な支援を継続して実施してきましたが、ただいま担当部長がご説明、ご答弁申し上げましたように、今後、各種の施策を重層的に実施いたしまして、長期的な視点を踏まえて、総合的なマンション対策を積極的に推進していこうと思っております。

○長橋委員 マンション建替え円滑化法が十二月ということでございますので、それに対して東京都はより一層の支援策をやっていただきたいと思いますが、その上で忘れてならないのは、やはりマンション管理組合のご意見、声、居住者の声--住んでいる人たちの財産であるわけですけれども、そういうのを本当に良好なものとして守っていく、こういうことをぜひ忘れないでいただきたいと思います。ぜひ現場の声をさらに聞いていただきたい、こう思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、簡単に……。
 お伺いしますところによると、住宅供給公社の未利用地がある、こういうふうにお伺いしまして、それについてご質問させていただきます。
 先ほど、真木副委員長からもお話が、住宅供給公社はありましたけれども、住宅供給公社が所有して、現在建設困難となっている用地があるというふうに聞いておりますが、どのような用地があり、その面積、広さですね、また取得時期についてはどうなっているのか、お伺いいたします。

○小林地域住宅部長 事業化されていない長期保有地といたしましては、八王子の大谷地区約二十四万六千平方メートル、大柳地区約七万八千平方メートルなど五地区、合計約六十五万九千平米となってございます。取得開始の時期でございますが、大谷地区が昭和四十二年、その他の地区が昭和四十年代後半となっております。

○長橋委員 六十五万九千平米が建設困難な用地として未利用地になっている、そういうことでございます。六十五万九千平米という広大な用地が、昭和四十年代から三十年以上続いているわけでございますけれども、どうしてこのような状況になったのか、その理由をお尋ねしたいと思います。

○小林地域住宅部長 理由でございますが、地区によりそれぞれございまして、例えば、地元市との住宅建設に係る事業化の協議が調わなかったこと、また、事業予定地内の一部に民間の敷地が残されていること、さらには、用地取得後、地元市から土地区画整理事業等の計画が示されまして、その計画の進捗に合わせて事業化や用地の処理を行うことが求められてきたことなどでございます。

○長橋委員 いろんな理由があるわけですけれども、そうした長期未利用地、保有地というのですか、現在、この多くは更地のままになっているのではないかと思いますが、何かに活用されているんでしょうか。公明党が、我が党が提案した三宅村の「げんき農場」なんかは、ここの地域でやっているとお伺いしていますけれども、そのほか、どういった活用がされているのか、お伺いいたします。

○小林地域住宅部長 長期保有用地のうち八王子市の大谷地区につきましては、ただいまの三宅村「げんき農場」、それから多摩動物公園の牧草栽培用地、八王子市の運動場等として、また、大柳地区につきましても、牧草栽培用地や運動場として都や市などに貸し付けを行って活用を図っているところでございます。

○長橋委員 三十年以上にわたってそれらの用地を、若干ですけれども、そういった形で活用している。これも本当に、この六十五万九千平米のうちではごく一部であるわけでございまして、これ以外にもいろんな残地があるとお伺いしまして、それなら、駐車場であるとか市道等、いろんな形で活用されて--主な長期保有地が五カ所ある、こういうふうにお伺いしましたけれども、それらの用地を保有しているということは、当然、固定資産税や都市計画税がかかってくるわけで、これらについてはどれくらい払っているのか、お答え願います。

○小林地域住宅部長 長期保有用地の固定資産税、都市計画税につきましては、平成十三年度におきまして、八王子市大谷地区が約三千九百万円など、五地区の合計で約六千三百万円となってございます。
 なお、多摩動物公園の牧草栽培用地ですとか市の運動場などに全部を貸し付けております大柳地区につきましては税の負担がなく、また、一部について貸し付けを行っている大谷地区については減額をされているというところでございます。

○長橋委員 毎年、固定資産税や都市計画税を六千三百万円払っているわけで、大変な金額になるわけでございます。そういった意味で、公社のこの長期保有地、今のいろいろな活用というのはあくまで、三宅村「げんき農場」も暫定措置でありますし、そのほかのところも、期限が決まっていないものもあるかもしれませんけれども、暫定ということでございます。そういった意味ではなくて、民間への売却など、また、都でどういったものに活用していくのかということを含めて、特に売却などの処理を図るべきであると思います。三十年間も使っていないものを、今後どう使うかというよりは、やはり売却を中心に図っていくべきだと思います。
 この資料をいただきますと、民間への売却というのが、この三年間、十年度と十三年度の面積で、六十五万九千のうちわずか三千八百平米しか民間には売却されていないわけで、いろんな事情があるかと思いますけれども、売却の処理についてはどう考えていますか。お答え願います。

○小林地域住宅部長 長期保有用地の処理につきましては、これまでも、委員からお話がありましたように、民間への売却等をしてございまして、公社においては、民間への売却を基本方針として現在も進めているということでございます。今後も、この方針に基づきまして売却をさらに進めていきたいということでございます。

○長橋委員 それはずっといってきたことであるかと思いますし、指導監督する立場にもあるかと思いますし、公社が所有している長期保有地については、今後、都としても積極的に活用していく。どうやって活用していくのか、それについてやはりしっかりと検討していかなきゃいけないと思います。
 最後に、この積極活用についてお伺いいたします。

○小林地域住宅部長 先ほどご答弁したとおり、公社におきましては、これまで、民間への売却を基本としながら処理を進めてきたところでございます。都といたしましては、その方針を基本としながら、その早期処理に向けて支援をしていきたいというふうに思っております。

○小松委員 まず、都営住宅の建設について伺いたいと思います。
 都は、二〇〇〇年度から都営住宅の新規建設を全くやめてしまった。前回の住宅マスタープランが、一九九六年から二〇〇五年の十年間に一万三千戸の新規建設を打ち出して、まだ四千戸が建設途上。すなわち、あと九千戸以上の新規建設計画を残したままですね。確かに、ことし二月に策定されました今回のマスタープランでは、都営住宅の新規建設から全く手を引いており、このこと自体、問われなければなりませんが、その前に、すなわち今回のプラン策定の前年度から、まだ前回プランの一万三千戸建設に向かった真っただ中で、ゼロにしてしまう。それも、いただいた資料ですが、九六年に十年間で一万戸建設を策定した翌年から、千戸、七百戸、五百戸とどんどん減らして、二〇〇〇年度にゼロにしてしまったわけです。少なくとも二〇〇一年度、昨年度予算までは前回プランが生きていたのではないでしょうか。これでは約束違反といわれても仕方がないんだ、こんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

○小川住宅政策担当部長 平成十三年度につきましては、現在の住宅マスタープランの計画期間ということでございまして、第二次マスタープランの計画期間は一九九六年から二〇〇一年でございますが、見直しとして、二〇〇〇年までがその期間となっている。したがって、十三年度については新しい住宅マスタープランの計画期間に入っているということでございます。ご理解いただきたいと思います。

○小松委員 そういうことは早いですよね。十四年の二月、確かに十三年度ではありますけれど、もう既に十三年度からゼロにしてしまう。でも、二〇〇〇年度のゼロ戸というのは、思い出していただくと、私よりもずっとそちらの方がよくおわかりと思うんですけれども、たしか、財政が悪化して大変厳しい、そして、財政再建推進プランが九九年にできたわけですね。その中で住宅局も、これ、泣く泣くといっていいんでしょうかね、二〇〇〇年度の新規建設をあきらめた、本意ではないんだといっていたのではなかったでしょうか。実は、もうあの時点から既に、当局はこの新規建設撤退の準備をしていたのですか。

○小川住宅政策担当部長 十二年度につきましては、財政の非常に厳しい状況の中、限られた枠の中で、苦渋の選択として新規をゼロにし、建てかえを進めていくという措置をするんだというふうにお答えをし、その後のこういったものの住宅政策的位置づけをどうするかということが今後の課題であるというふうにご答弁をさせていただいております。
 その後、平成十二年の四月には、社会経済状況の変化ということで、東京都の住宅政策審議会に政策の見直しを諮問したというわけでございます。
 十三年度につきましては、厳しい財政状況が引き続きあったということと、住宅政策審議会の審議状況、あるいは東京構想二〇〇〇、そういった中での住宅政策の見直しの指摘の中で、ストック重視の考え方に基づいて新規建設を取りやめているというところでございます。

○小松委員 今のお話では、二〇〇〇年度と二〇〇一年度のゼロは少々意味が違うというようなことですけれど、それでは、九六年から九九年までの四千戸、そして二〇〇〇年度、二〇〇一年度のゼロ、すなわち六年間で四千戸。十年間のうち六年ですから、つまり計画年数の二分の一以上の期間で計画戸数は三分の一以下という、この六年間の総括が、今度のマスタープラン作成に当たっても全然ないんです。いきなり、まるっきりもう抜本的に都営住宅の制度を変えてしまったということにすっ飛んでいるんですけれど、この総括、どうされていますか。

○小川住宅政策担当部長 第二次マスタープランにつきましては、一九九六年から二〇〇五年までの十年計画の中で、建てかえについては四万戸、あるいは新規については一万三千戸ということでございます。したがって、マスタープランの見直しという時点では五カ年ということでございますから、五カ年ベースでの達成率を見ますと、新規については六〇・四%、建てかえについては八三・九%。計画一〇〇%というのは、その時々の社会情勢によって違うということで、必ず一〇〇%というわけではございませんが、私ども、この厳しい財政状況の中で、トータルでは七八・一%という達成率でございまして、住宅政策の推進に向けてできる限りの努力をさせていただいたというふうに思っております。

○小松委員 いいたいことはたくさんありますけれども、今は決算委員会なので、ことしの二月に策定された今回のマスタープラン、これの詳しい質疑というのは、所管委員会でも今回ありますので、後日の事務事業などでもう少し中身は掘り下げたいと思うんですけれど、きょうは、前回のプランが生きていると思われる昨年度まで、その中で伺っていきたいと思うんです。
 前回プランの基本方針を見ますと、住宅に困窮する低額所得者の住生活を支援する公営住宅は、都民が適切な居住水準を確保し、ゆとりと魅力ある東京居住を実現する上で基礎的な役割を担うものです。このため、既存ストックの有効活用を図りつつ、区市町村による供給を促進する中で、都営住宅の新規供給を進めます。こうはっきりおっしゃっておられるんですね。この基本方針は、今おっしゃることによると、五年をたったところで効力を失ったんですか。いつ、これが変わるんですか、この十年の間で。

○小川住宅政策担当部長 第二次マスタープランの見直しを行いまして、本年二月に策定した、いわゆる第三次マスタープラン、私ども新住宅マスタープランと申しておりますが、そこでいわば政策を見直しているということでございます。見直しに当たりましては、住宅政策審議会の諮問でありますとか、種々の庁内的な議論も踏まえて、今後の成熟社会、大きく社会経済状況が変化するという中で、新しい体系の見直しを行ったということでございます。

○小松委員 私が伺っているのは、今回のマスタープラン、いいたいことはあるけれど、これは後に譲って、前回のマスタープランが続いている中で、いつの時点で、都営住宅の新規供給を進めますというこの基本方針が変わったかと。私も担当所管ではなく--五年前はそうだったんです。ですから、旧マスタープランの時代ですよね。そういう意味では、あんたは委員会じゃないからわからないんだろうけど、ここでしっかりと、その五年を振り返って変えているんだというような文章でももしあれば、お示し願えればいいんですけれど、いつの時点でこの基本方針が変わり、また、何年度から、都営住宅の新規供給はやめますという方針になったんですか。その辺の経緯というのが、どうも一つ見えないんです。

○小川住宅政策担当部長 十二年度、十三年度予算につきましては、厳しい財政状況の中、ストック重視という考え方の中で、限られた資源を建てかえやスーパーリフォーム、そういったものに重点的に配分するとして、新規建設をやめたものでございます。

○小松委員 具体的にはそういうことですよね。だけど、基本方針は変わっていないんじゃないですか。基本方針の中でこういうふうに--本当に都営住宅の新規供給を進めたいんだけど、十二年のあの時点では厳しいからできなかったということじゃないんですか。
 もう少しお伺いしますと、前のマスタープランの八ページから一二ページぐらいの間、ちょっとつまみ食いしてみますと、このプランの中でこういうふうにいっているんですね。都民の住宅状況は、居住水準の低さは改善されつつあるものの、最低居住水準に満たない世帯の割合は借家世帯の三四・三%、こういうふうにあるんだと。一方、マンション価格は低下してはいるものの、景気の不透明さ等により、収入の先行きの見通しが立てにくく、持ち家を確保することはなお厳しい状況にありますと。また、こうもいっているんですよ。借家についても、都民が適切な家賃負担のもとで、ゆとりある居住を実現できる良質な借家ストックは、依然として不十分な状況にあります。だから都営住宅が大切なんだ、こういっている。まさにすばらしい分析だと思うんですけど、この現状分析、これは今、社会情勢も含めて、変わったんでしょうか。

○小川住宅政策担当部長 住宅マスタープランにつきましては、五年ごとに見直しをするということで、それの前提となりますのは、五年ごとに行われる住宅・土地統計調査でございますが、九八年の統計調査、居住水準については、急速ではございませんが、着実な改善が見られている。また、住宅価格については、これはバブル崩壊後で非常に大きく改善している。そういった中で、大きな社会経済の変化はあったと。また、東京構想二〇〇〇にもございますように、成熟社会が到来する。これからの人口、世帯は、東京都においても減少するんだ。その中で、どんどん建てるのではなく、ストックを十分活用し、考えていく時代なんだというご指摘がございます。そういう意味では、第二次マスタープランと現在のマスタープランとは、大きく考えが変わっているということでございます。

○小松委員 ちょっとお答えがすれ違っちゃったというのは、今回のマスタープランをつくるに当たって、これは一つ見方は違うんですけれど、百歩譲るとしても、いわゆる五年で見直したその五年前に、この状況が既に変わっていたんでしょうかということで、今回のマスタープランをつくるに当たって、こういう見直しをしたんだというお答えではなくて、もう一回お伺いしたいと思います。

○小川住宅政策担当部長 第二次マスタープランの考え方として計画は進めていったわけでございますが、その中で非常に厳しい財政的な制約があり、また、十二年度からの政策諮問、その中で非常に強くストック重視というような考え方も出されたということでございまして、十二年度、十三年度について新規建設をとめるという形になったわけでございます。つまり、第二次マスタープランのスタートのときの考えと、三年、四年、社会状況が変化してきたところで、それの実行については、考え、見方を少し変えながら対応してきたということでございます。

○小松委員 初めてゼロにした二〇〇〇年度ですね、その時点でも、マンション価格は確かに低下はしているけれども、今のこの社会状況、経済状況、これは大変な状況になっているというのは変わらないんじゃないですか。だから、個別に各自が持ち家を手に入れるというのは大変難しいんだと。一方、先ほど、借家は、その辺、空き家がいっぱいあるよというけれど、やはり厳しいんですよ、皆さんね。だから都営住宅に殺到するんじゃないんですか。
 出していただきました資料、応募状況を見ますと、空き家では、例えば一番多く出した六千戸に応募しても、最高は五十倍ですよ。新築に至っては、最高は三けたじゃないんですね。これはちょっと特殊な例かと思い、私はそれを例にとろうとは思いませんけれど、出していただいた資料でも、十二年の十月、最高千四十三倍、それから十三年の五月、千五百六十三倍、十月、千二百三十七倍なんです。これを人に見せたら、何の応募率だなんてね。東大の応募率なんというものじゃない。受験倍率なんてものじゃないですよね。それで、大体この平成九年、十年、十一年、十二年、みんなとっても、最高は三けた出ていますね。
 最高というのは、必ずしもこれが正常なこととは私も見ておりません。ですから平均を見ますけれど、この平均でも、新築になりますと、千九百十五戸と、平成十年の十月に数を多く出したら、それでも二十三・七倍あるわけですよ。最近だんだん倍率が多くなって、昨年の五月は平均が七十一倍。本当にこれは住宅が足りてない、都営住宅に入りたいという希望が多いというわけですよ。その辺どうなんでしょうかね。
 それで、この募集戸数が足りないというのは、二〇〇〇年度から新規建設していないから。その上、建てかえというのも、元戸数にだんだんこれからなるわけですね。そうすると、このままでいけば限りなくゼロに近づく、新しく建てないんですから。その日もそんな先の話ではない。そういう中で、応募状況がますます厳しくなること、これは目に見えているのではないでしょうか。この現状、どうごらんになりますか。

○小川住宅政策担当部長 都営住宅につきましての現在のマスタープランでの考え方でございますけれども、都営住宅の管理戸数につきましては、将来の人口、世帯などを考えますと、今後、建てかえ、スーパーリフォームなど、現在管理している住宅の活用に重点を移すということで、戸数については抑制する必要があるというふうに考えております。その一方で、区市町村などの公営住宅の供給あるいは民間のストックの活用といったことで多様化も図りたい。
 私ども、政策の目的といたしましては、真に困窮する方の住宅ニーズというものに的確にこたえるということが、行政上の非常に重要な課題であろうというふうに思っておりまして、そういう形で政策として取り組みたい。つまり、都営住宅の数ということではなくて、真に困窮する方に、いかに住宅ニーズを満足させるような手当てを打てるか、セーフティーネットとして施策を立てていく、そういう目的で今後は考えていきたい、これが今の新しいマスタープランの考え方でございます。

○小松委員 そうすると、こうやって倍率が多い、申し込まれていた方々は、住宅に真に困窮する方々ではない、こういうことですか。応募するからには、ちゃんときちっと、真に困窮しているから、倍率が高くなるんじゃないんですか。

○小川住宅政策担当部長 東京都の住宅の募集につきましては、非常にたくさんの方が応募されるということでございますが、このごろ他の事業主体でよくやっておりますように、個別個別の方の住宅の困窮度といいますか、ニーズをよく見きわめてから応募していただくということがなかなかできていないということでございます。これは推定でございますけれども、やはり最低居住水準、行政として、セーフティーネットとして保障しなければいけないというふうに考えております居住水準を満たしているが応募されているという方もままあるというふうに、私ども思っております。

○小松委員 それは大変問題な発言ですよ。最低居住水準を満たしている方が応募している。いいじゃないですか。当たり前じゃないですか。最低居住水準、一人で何平米だと思う。十七平米ですよ。皆さんは豊かな住生活を送っていらっしゃるから、わからないでしょう。事実、東京都のマスタープランの中でも、それこそ誘導居住水準ですか、今度は二〇二七年か、そのときには、二分の一はそこに持っていきたいという目標を出しているじゃないですか。
 そういう意味では、この居住水準については、きょうの決算の問題でもありませんので、これは後でまたじっくりやらせていただきますけれど、こうした最低居住水準の方々が、これではということで、少なくとも都市型の居住水準、さらには誘導居住水準を求めて都営住宅に行くということは、これはいいことじゃないですか。最低居住水準を満たした方が応募している、それが問題だ、そういうことなんですか。

○小川住宅政策担当部長 都営住宅につきましては、都民共有の財産と。国及び都の税金でつくらせていただいて、また運用させていただいていると思います。安ければいいだろう、よければいいだろう、多々ますます弁ずというような考えで行政を進めるということは、私どもいかがなものかと思っておりますし、それが、都民の方々がそうなんだというふうに、私どもはちょっと思っておりません。

○小松委員 安ければよいとかね--今、都営住宅、収入に応じて、応能応益をやっていますから、決して安いとは限りませんよ。そうでしょう。安ければよい、だから都営住宅へ申し込むんだ、そういうことじゃないんですよ。時間が余りなくて、次のができなくなりますから……。
 こうした東京都の考え方がやはり今度のマスタープランに出てきたということでは、大変遺憾に思います。
 そうした中で、新築だけでなく、都営の建てかえの中でももう元戸数にするんだと。先ほど、倉林議員の話もありましたけれども、私も同じ市に、本町団地のすぐそばにおりますけれども、元戸数にするということで、土地があいたということで、それを有効活用しようということで、地元からだと進んでいるようですけれども、何で地元がそんなになったかといったら、これは市が半分持ちなさいと、半分持たされたら大変だ、こういう市側の考えもあるんですよ。
 しかし、この元戸数にしたということで、大変な犠牲が出てきているんですね。例えば障害者住宅は、千九百六十戸でしたか、最初の計画の中では百十戸、そういう市との協定もちゃんとあるんです。まだ四十戸ぐらいしかできていないと思います。もちろん、障害者住宅といっても、車いす住宅を、ではないですよ。障害者の方々を優先にするとか、障害者の方々に住んでいただく住宅の部分です。障害者の方は最後の方で、これは少し最後の方に行っちゃったけど待っててくれという中で、今回大変ショックのようです。障害者住宅ができれば、東村山のみならず、この近隣の方々の障害者の住宅の提供、保障になるわけですね。
 先ほどの倉林議員の話では、確かに障害者が多くなるということは民生費を圧迫することになるということで、何も東村山がというふうにおっしゃっているようですけれども、そこはちょっと考えが違って、障害者住宅というのは、やはり一番弱いところ、その方々が安心して住み続けられるということでは、そうやって市の民生費を圧迫することがおかしいんですよ。本来ならば、もっと国がやるべき、都ももっとやるべき。ところが、だんだんだんだん市に、分権だ何だという財政的な負担まで来るから、そういうことにもなるんだけれども。実際には、障害者はどこかに住まなくちゃならないのに、そんなに厄介にされるんですか。そうではないと思うんです。
 その辺では、どこかでまたきちっとした議論を残したいと思いますが、今回のこの障害者住宅がなくなった、これについては、ぜひどこかできちっと保障させる。それから、予定されている高齢者の施設や保育園、ホールなどもありますけれども、そうした市民施設、市がおつくりになるならどうぞご勝手にという都の姿勢のようですが、こういうきちんと協定で結ばれているものを、そういう形で破っていくということでは本当に困ると思う。
 この元戸数になったというのは、いつの時点で元戸数になったんですか。

○庄司参事 先ほどもご答弁申し上げましたが、平成十三年度末の既着工戸数が千七百八十四戸ございまして、平成十四年度着工百七十六戸を加えますと千九百六十戸になります。当団地の元戸数が千九百三十四戸でございますから、平成十四年度分を含めますと元戸数に達するということでございます。

○小松委員 質問の仕方が悪かったんでしょう。今、本町の例をとりましたけれども、この本町のように元戸数にするんだよと決めた時点というのは、いつからなんですかということです。本町が最初なんですか。これは都内の方であるんじゃないですか。いつの時点でその元戸数になったんですか。昔はそれこそ、昔の話をすると笑われますけれども、本当に一・二、一・五、二倍とかあったんですよ。こんなにいっぱい建てられちゃたまらない、せいぜい元戸数にしてくれと運動したぐらいなんですよ。それが今は、元戸数なんていうのはもう当たり前だみたいになっていますけれども、いつの時点でそうなったんですか。

○小川住宅政策担当部長 建てかえの戸数につきましては、マスタープランで、管理戸数抑制、ストック重視の考え方を踏まえということでございますので、平成十四年度から見直しをしております。

○小松委員 平成十四年度というと今年度ですよね。既にもう元戸数で動いちゃっているんですよ。この本町は少なくとも動いちゃっているんですよ。そしてさらに、ついでだから例として挙げますけれども、お隣の東大和の向原住宅、団地、どっちでしょうかね、二期建てて、三期目は、あと百四十戸建てると元戸数に達するから、だからもうこれは、あとの百四十戸を建てるのみというように計画もされているんですよ。これはまだこれからだとしても、本町は既にもうそういうことで、もう完了しているんだ、もう三期目も着工しているんだと。何も十四年度ではないでしょう。これは本町が最初なんですか、元戸数にするよというのは。

○小川住宅政策担当部長 先ほど申し上げましたのは、マスタープランを踏まえた考え方を具体的に示したのは十四年度からだということでございますけれども、個別個別の団地につきまして、それぞれの地域の事情なり何なり、そういったことでの配慮ということを考えれば、いろいろな考え方があると思います。

○小松委員 いいでしょう。どこかの時点で始まったということは必ずあるはずで、そういう方針がどこかになかったら--あら、ここでこうしましょう、ここはこうしましょうという、そういういいかげんなことは住宅局やっていないでしょう。きちんと方針が出てでしょう。それを聞いたんですけれども、後でちゃんとそれはお聞かせください。
 少なくとも、こうした二〇〇五年度までの計画で九千戸の新規と、建てかえの中から発生する新築住宅、これが建設中止になった。これを合わせると大変なマイナスになるということで、これは、都営住宅からの撤退とか住宅政策の大きな後退というふうに私は見たいと思い、これは認められないものであると思います。少なくとも二〇〇五年度までの計画やり残しは完成させて、今後も新規建設を継続することを、きょうは、ここで求めるだけにしまして、次の質問に移ります。
 次に、都営住宅に求められております、都も一定進めて大変評価のある、都営住宅の福祉的対応ですが、その中で、時間もありませんので、障害者のグループホームについて伺っていきたいと思います。
 九八年度から進められてきました障害者のグループホームの進捗状況、この現状を伺うものです。

○野澤参事 都営住宅の空き家を活用いたしました知的障害者グループホーム事業でございますが、平成十年度から開始いたしまして、現在、足立区、立川市、町田市、東村山市におきまして五カ所で住宅を提供しております。

○小松委員 本当は人数も聞かせていただきたいのと、それから、これは知的障害者ですね、と思いますけれども、知的障害者ということではグループホーム進んだんだけれども、障害者ということになりますと、精神障害者や、高齢者ということでは痴呆の高齢者とか、身体障害者とかいろいろあるわけですけれども、こうした分野はどうなっているんでしょうか。

○野澤参事 精神障害者、それから痴呆性高齢者に対するグループホーム事業につきましても、住宅を提供できるようになっておりますけれども、現在のところ、区市町村から具体的な要望はございません。要望があれば協議をしていきたいと考えております。

○小松委員 今までにそういう要望がない、しかし、知的障害者も精神も痴呆も門戸は開いているんだということですね。これは意外に知られていない部分もあると思うんですね。ぜひこれはもっと周知徹底させて、そしてやはり来年度からの支援費制度に向かって--基盤整備が足りないといわれているわけですから、そうした面からもグループホームというのは非常に効果があると、これは一般の評価でもあります。これをぜひ進めていただきたい。そのためにも、この問題そのものは福祉局の取り組む問題でもありますし、住宅局がその住宅を提供するということでは、じっくりと連携をとって拡充をしていっていただきたいと思います。そのときに、そういう住宅のソフト面も含めてお願いをしたいということで、きょうはちょっとここでとめておきます。
 次に、障害者や高齢者から要望の強いエレベーターの設置なんですけれども、昭和三十年、四十年代の中層住宅、当時、若い世代で元気のよかった名義人の方々、上層階に住んでおられ、今や大変高齢化になって、ご不便をされているという方が多くて、私のところへも、上層階から一階へ、またはエレベーターのついたところへ移動したい、そういう相談が大変ふえております。でも、申請しても、実際にはすぐ移れるという状況にない。それはそうです。そんな一階ばかりいっぱい余っているわけじゃないですからね。でも、具体的には、こうした申請がどのぐらいあるんでしょうか。

○青木住宅経営部長 十三年度に、高齢者等が、階段の昇降困難を理由にいたしまして住宅変更の申請をした件数というのは、八百九件でございます。

○小松委員 ありがとうございます。十三年だけで八百九件。本当にすぐに移動できない理由もわかりますね。本当に多いんだと思います、十三年だけですからね。
 一方、既設中層都営住宅のエレベーターの設置、やはり資料をいただきましたが、これを見ますと、始めたときから大分たってはおりますけれども、非常に努力もされているということは評価したいと思うんですね。進んでおりますよね、このエレベーターは。しかし、あちらこちらから希望が多いと思うんですね。大体は、全体の賛同を得るということで自治会からの要望も多いと思うんですけれども、この要望は今どのぐらいあるんでしょうか。

○渡部営繕担当部長 廊下型の都営住宅でございますけれども、自治会からの要望があるのは、平成十三年度末におきまして約三百棟でございます。

○小松委員 約三百棟。そうしますと、この一一ページのエレベーター設置状況から見ますと、この二、三年は百基ですか。今、三百棟というと、それは基数じゃないわけですね。三百棟ですね。大体一棟に一基という標準的な考え方でいきますと、大体一年に百基とすると、三百基というと、最低三年間はかかるということになると思うんですね。そういう意味では、大変時間がかかるのに、お年寄りは待てない。一言だけでいいですが、ぜひこれは早めていただいて--これは私、前にも、最初に建設・住宅委員会になったときにも、ぜひやってほしいと。大分進んではいるものの、まだまだこれだけ希望がある。もしかすると、自治会で希望を出してないけれども、希望を持っている方もたくさんいらっしゃるというところもあると思いますので、ぜひ今後の取り組みを急いでいただきたいということでの決意というか、それだけお伺いしておきたいと思います。

○渡部営繕担当部長 都営住宅のバリアフリー化を進めるために、これまでにも、営繕事業並びにスーパーリフォーム事業などによりましてエレベーターの設置をしてまいりました。今後とも、自治会からの要望なども踏まえまして、エレベーターの設置について調査検討を行いながら、可能なものにつきましては、対象住棟の居住者全員の合意を得まして、財政状況を勘案しながら設置に努めてまいります。

○小松委員 それでは、最後にもう一点だけ。
 簡単なんですが、平成十三年度決算審査意見書というのがありますが、その一〇七ページに、別項意見といたしまして、適切な予算計上を行うべきものという指摘がされております。十一年度以降、この損失補償件数、金額が増加しておりますが、この増加した実態、これをどうとらえていらっしゃいますか。

○井上民間住宅部長 委員ご指摘のように、監査委員の別項意見で意見を付されておりますが、監査の指摘ではございません。
 それから、ご質問でございますが、個人住宅建設資金の融資あっせん事業に伴います損失補償は、これはいわば過去の融資あっせんの際に、東京都が融資あっせんを行う際に、金融機関と東京都の間で結んだ融資あっせん契約書の定めに従いまして補償を行うものでございますが、現在、平成十四年ではこれはもう廃止しております。しかしながら、過去にあっせんしたものはまだ残っております。それらが現時点になりまして滞納その他の事故が生じてきます。そうしますと、過去の契約に基づきまして損失補償が発生するわけでございます。
 この実態でございますが、一つには、現下の社会経済状況による借り受け者の償還不能、こういうのがあろうかと思います。ただ、現下の社会経済状況による償還不能というだけではなくて、例えば近年、金融機関が強制執行であるとか、あるいは競売であるとか、そういったような債権回収の努力を強化してきているとか、そういうふうな各種の状況が組み合わされて件数が増加しているものと思います。

○小松委員 意見と指摘を間違えまして、大変失礼いたしました。
 今お答えがありましたように、平成九年度が五件であったのが十三年度四十件に、金額にしましても大変ふえているということでは、今後もさらにふえるという形が出てくると思うんですけれども、これまで当初予算に計上してこなかったということで書かれているわけですが、その理由はなぜでしょうか。

○井上民間住宅部長 損失補償に係ります予算計上につきましては、毎年度、当初予算の中で、限度額につきましては都議会の決定をちょうだいしております。
 ただ、限度額でご決定いただいておりますが、実際に翌年度に発生する滞納であるとか、そういう事故の件数であるとか事故の金額であるとか、あるいはその発生する時期、こういったようなものを事前に、前の年に予測することが技術的に極めて困難でございます。そういうことで、歳出予算としては計上を見送ってきたものでございます。

○小松委員 予算計上していない中で、どのように支出してこられたんでしょうか。

○井上民間住宅部長 個人の住宅融資あっせん事業など利子補給事業におきましては、民間金融機関での低金利の状況が現在大分続いておりますため、借り受け者の中には、年度の途中で繰り上げ償還をして安い金利の方に借りかえる、こういったような借り受け者が相当数ございます。そうしますと、結果として相当額の不用額といいますか、余裕部分が財源で生まれてまいります。こういう繰り上げ償還によって生じました財源を、不用額を損失補償に用いてきたものでございまして、この不用額につきましては毎年度、今回もそうですけれども、決算委員会でご承認をちょうだいしているところでございます。

○小松委員 わかりました。こうした損失補償や件数や金額も、今後はふえていく可能性もあります。間もなく予算の局要求が発表されるときでもありますので、ここにも書かれておりますが、局は損失補償にかかわる歳出予算の計上を適切に行われたいという監査の、指摘じゃなくて意見、やはりこれらをきちっと受けとめて、ぜひそうした方向で進んでいただきたいという要望だけつけて、終わります。
 以上です。

○小美濃委員 それでは、都営住宅について質問をさせていただきます。
 都営住宅に対する大綱的かつ総括的な質問は、我が党の倉林委員が先ほど明快にしていただきましたので、私は、地元の武蔵野市緑町にあります武蔵野団地の建てかえ事業の現状や今後の計画についてお伺いしたいと思います。
 武蔵野団地につきましては、平成十三年度に建てかえ事業に着手する、こういう話であったわけでございますけれども、現在、いまだ建てかえ事業に着手されておりません。多くの居住者の建てかえへの関心も高まっているところでございますが、現状はどういう状況なのか、まずそれが一点。
 そして、都としてもこの事業を計画的に進めてきたとは思うんですけれども、なぜ建てかえに着手できないのか。居住者と合意ができていないということでございますけれども、主な理由は何なのか、その辺のところをまず最初にお伺いしたいと思います。

○庄司参事 武蔵野団地の建てかえ事業についてのご質問にお答えいたします。
 武蔵野団地につきましては、昭和二十八年度から三十九年度にかけて建設したものでございます。その後、昭和五十六年度から五十九年度にかけて、各住戸の部屋を一部屋ふやすなどの改善を行ってきております。
 建てかえにつきましては、平成十三年度末に工事着手の予定でありました。しかし、居住者から建てかえ計画に対する要望が出されたために着手できず、現在、計画内容について理解を求めているという状況でございます。その折衝に時間がかかっているのが現状でございます。

○小美濃委員 問題点というのは恐らく--私もいろいろなお話をお伺いしました。建て増しをして、現在、多くの方が三DK、およそ五十五平米のところに住んでいらっしゃる方々がおひとりになられた。おひとり暮らしの方が一DKに移らざるを得ない。そういったところでのいろいろな問題があるのではないかと思っております。
 しかし、先ほど来さまざまな議論がされておりますけれども、やはり多くの住宅困窮者に住宅が提供できる体制を整備していくためには、こういったことは、今、転換期として、一定の理解は示すわけであります。やむを得ないなという一定の理解は示すわけであります。今まで老夫婦がお二人で暮らしていた--かなり高齢化していますのでね、武蔵野団地の場合は。そういった方が、お一人の方が亡くなられて、今おひとり暮らしをされている、そういった方は、恐らくいろんなところに、思い出の家具ですとか思い出のさまざまなお品が残されている。それが、今、三DKだから置けるんだけれども、一DKに移ってしまうと、そういったものも処分せざるを得ない、そういった状況もご理解いただきたいな、そんなふうにも思うわけであります。
 こういった個々の実情に関しましては、都としては精いっぱいの相談に乗っていただきたい。その上で、ぜひとも住民の方々のご理解を得て、建築計画を早急に進めていただきたい。これはまず要望しておきます。
 さて、同団地の建てかえにつきましては、平成十二年の五月策定の大規模総合建替推進プログラムに取り上げられております。これはどういうものかといいますと、実は私どもの武蔵野市議会建設委員会で配られた資料なんですが、このプログラムの目的と性格。大規模団地総合建てかえ事業は、少子高齢化などの社会状況に対応するとともに、周辺地域の活性化などにも寄与する住宅団地への再生を図ることを目的として、今後十年程度の間に建てかえ時期を迎える、おおむね建てかえ戸数三百戸以上云々を対象とすると。具体的な方策として、ミックストコミュニティの実現、福祉政策等との連携、木造住宅密集地域における防災まちづくりとの連携。これが実は、この緑町の武蔵野団地がモデル地、モデルケースとしてケーススタディーをされていたわけであります。
 この建てかえの検討の際に、先ほど申しましたとおりミックストコミュニティなども検討されておったわけでございますけれども、これを検討するのに当たって、武蔵野団地建替検討委員会、これは東京都に設置された課長級の会議だと聞いておりますが、公団と都との土地の等価交換方式による相互乗り入れを目指す、福祉施策との連携などなどが、これにより検討されていたのではないかと推測されるわけでございますが、実際に現時点、どのような検討がなされていたのか。また、その後の状況としては、この大規模総合建替推進プログラムはどうなっているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○庄司参事 平成十一年から十二年にかけまして、ミックストコミュニティ実現の一つの方法といたしまして、公団桜堤団地と都営武蔵野団地との土地交換方式による相互乗り入れを内部的に検討しておりました。しかし、管理戸数抑制やストック重視の考え方に基づきまして都営団地の再編整備を進めていくことから、公団団地への都営住宅の併設は困難であると考えているところでございます。

○小美濃委員 今、公団住宅と都営住宅の併設は困難である、こういったご答弁をちょうだいしたわけでございますが、今ご説明のありました管理戸数抑制やストック重視といった考え方、これはどのようなところから出ているのか。先ほどの質問とちょっと似てきてしまうんですが、その根拠をお示しいただきたいと存じます。

○庄司参事 管理戸数抑制やストック重視の考え方につきましては、都の住宅政策を総合的に推進する計画であります東京都住宅マスタープランで示しておりますとおり、将来の人口や世帯数の減少動向、区市町村との役割分担を踏まえまして、これまでの新規建設を主たる対象とした住宅政策から、既存のストックを有効に活用する住宅政策への転換ということに基づいているところでございます。

○小美濃委員 住宅マスタープランが一つの根拠になっておるということでございます。これは先ほど来議論されておりまして、いつの時点でどうのこうのという議論もございましたけれども、しかし、一度決まった住宅マスタープランは、今後の都の住宅政策のかなめであると考えておりますし、これはさまざまな考えのもとでつくられているものと思っておりますので、とりあえずはマスタープランにのっとって施策が進められることを望むわけでございますが。
 しかし、ここでいろいろ議論されたこともあることでございますし、また、こういった住宅マスタープランといったような長期計画は、一般的にはおおむね三年から五年で見直し計画が立てられると存じております。先ほど他の部長さんからもお話がありましたが、五年ごとに見直すなんてこともありましたし、その時々の社会経済状況などを考慮しながら、せっかく大規模総合建替推進プログラムのようなものをおつくりになられたわけですから、そういったものもまた生きてくるような取り扱いをしていただきたい、そんなふうに期待をしているところでございます。
 しかし、先ほど、都営住宅の建てかえ事業の中で、公団住宅への都営住宅の併設は困難である、こういう答えはいただいたわけでございますが、ミックストコミュニティの検討については、これはいいことでありますので、まだ生きているのかな、私はそんなふうに考えているわけであります。
 都として、都営武蔵野団地の建てかえに際しまして、この団地の敷地をうまく有効利用してミックストコミュニティを実現するような方策もぜひ検討すべきではないか、そう思っているわけでございますけれども、ご見解をお伺いいたします。

○庄司参事 武蔵野団地におきましては、都営住宅の建てかえに合わせた再編整備によりまして、都市再生用地を創出することも可能でございます。これにつきまして、民間活力の活用を含めました幅広い検討を行っていきたいと考えております。

○小美濃委員 広く民間活力の活用を含めた幅広い検討を行っていきたい、そういうご答弁でございましたが、例えば、今注目されておりますPFIの手法を導入するとか、また、先ほど他の委員もおっしゃっていましたけれども、障害者施設、特に知的障害のグループホームなどが検討の対象になるのかな、そんなふうに思っているわけでございます。その点についてはどのようにお考えなのか、お伺いいたします。

○庄司参事 PFI的な手法の導入など、さまざまな事業手法について検討していきたいというふうに考えてございます。

○小美濃委員 武蔵野市は特に狭い市でありますし、ぜひ土地の有効利用、広大な都営住宅の余ったというか、利用できる土地を有効活用できるということは、市としても大変大きなことでありますので、ぜひともそういう方向で持っていくようにお願いいたしたいと存じます。
 また、実は武蔵野団地、建物も、先ほどのご説明もありました昭和二十九年からの計画でございますので、大変老朽化いたしております。住み続けることが困難になっている方も多いわけでありまして、現在お住まいになられている方のことも配慮いたしまして、本当に、本当に早急に地元市と具体的な協議を開始していただきたい、そんなふうに思っております。これまでの経緯も踏まえた対応が実は重要であると考えておるわけでございますけれども、現実の今時点の武蔵野団地の建てかえ事業の今後の予定、見通し、そんなものをお伺いしたいと思います。

○庄司参事 武蔵野団地の建てかえ事業につきましては、できるだけ早期に第一期工事に着手したいというふうに考えてございます。市に対しまして、これまでも協議をしながら事業を進めてきたところでございますが、建てかえ事業の検討内容や事業を取り巻く状況の変化などについて理解を得ながら、早急に建てかえ計画案を策定していきたいというふうに考えてございます。

○小美濃委員 できるだけ早期にというわけではなくて、やはりしっかりと決意を述べていただくならば、来年度には、ぐらいの決意を述べてもらわないとだめですよ。本来でしたら平成十三年にやらなきゃいけない事業だったんですから、これを、早期なんて言葉じゃだめですよ。本当に十五年ぐらいから必ずやる、それぐらいの意気込みでお願いをしたい、そんなふうに思っているわけであります。十五年度にやったって二年もおくれているんですから、これは本当に大変なことですよ。
 ちょっと苦言を呈させていただきますけれども、来年やったって二年間おくれているわけです。住民の理解が得られなかった、こういったことも、ここでは余り、公の場ですから多くは語りませんけれども、私、たまたまお話を伺っている限りでは、当局の対応が、主に説明責任がかなり不足をしていた。話が急に飛んでしまったり、そういった問題がやはり多くあった。これもはっきりと申し上げておきます。どうか、もつれた糸を一本一本丁寧に丁寧にほぐしていただいて、住民のご理解を一日も早くいただき、何が何でも十五年度に着工するということを強く要望して、質問を終わります。

○大木田委員長 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
   午後三時十分休憩

   午後三時十七分開議

○大木田委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を再開いたします。
 発言を願います。

○小林委員 それでは、私も都営住宅のことについて質問させていただきます。
 都営住宅というと、昔は低層で、そこに住まわれる人は車などを持つなんてことはあり得ないということで、当初の建てかえのときは駐車場というのはなかったんです。いろいろ議論の過程は多少は知っているんですけれども、いつの間にか、建てかえと同時に駐車場も設置するという流れに、今はもう当然のようになっているんですけれども、我々も選挙で歩くと、おれの家よりも立派な車に乗っていて家賃はおれの十分の一だとか、よく我々もいわれて、公平公正の原則からすると非常に問題があるんじゃないかというふうにいわれて、我々もその返答に窮する場面が結構あるわけです。
 そういった意味で、その辺の公平で公正というのは当然やっておられるとは思いますけれども、確認の意味で最初の質問をさせていただきます。
 都営住宅に駐車場を設置するというのはいつごろから始まったのか。それから、駐車場を何か場所によっては自治会が管理しているようなことも、聞いたりすることもあるんですけれども、駐車場の管理運営というのはどうなっているのか。まず最初そこから伺います。

○青木住宅経営部長 都営団地におきましては、新設の団地では多摩ニュータウンにおいて昭和五十年度から、その他の団地においては平成二年度から、また既設の団地では平成四年度から敷地内に、駐車場を設置しているところでございます。
 駐車場の管理運営につきましては、東京都住宅供給公社が行っております。

○小林委員 そうすると、把握している範囲でいえば、自治会とか、中の何かカークラブとか、ああいうところで管理しているのはないわけですね。供給公社が全部やっているわけですね。

○野澤参事 駐車場の管理運営につきましては、住宅供給公社が行っております。

○小林委員 じゃ、どのくらいあるのかということで、これから中身に入っていきますけれども、東京都全体とすると数がでか過ぎて感覚として何かわかりませんので、多摩地区だけでいうと、駐車場の数、区画数になりますけれども、どのぐらいあるのか。それから、その数がある程度埋まらないと、都民の財産になるわけですから、当然、契約の率というのは非常に重要な位置を占めると思うんですけれども、平成十三年度の末でどの程度なのか、お伺いします。

○青木住宅経営部長 平成十三年度末現在でございますが、多摩地域で二百七十二団地、おおよそ二万二千区画の駐車場を設置しております。契約率は約九一%でございます。

○小林委員 一番最初に多摩ニュータウンが昭和五十年で、平成二年と平成四年というのが出ていましたが、当然、建てかえがその前から行われて、低層から高層になっているものもあるわけですね。最近のものは、建てかえの段階から、どのぐらい公共スペースをとったらいいかとか、駐車場を幾つつくったらいいのかというように、計画的につくられているというのはよく承知していますけれども、一方で、さっきいいましたように、駐車場を見込んで建ててない住宅があるわけですね。それが後になって、こういう車社会ですから、駐車場がないと、何百世帯という人が周辺の駐車場をみんな借りちゃうわけです。そうすると、そこに住む--私は実はその住んでいる一人なんですけれども、私も家に駐車場がないものですから、近くの駐車場を借りにいこうとすると、団地の人がもう何百人という人がそこを全部借りちゃって、駐車場の値段がウナギ登りになるみたいなね。値段が上がるのはいいけど、ないんですからね。そういう状況があるということで、都営住宅を建てた後に駐車場をつくるということを、私も何カ所かで目にしております。
 そこで、既設の団地における駐車場の設置ということになりますけれども、最初、建物を建てたけれども、住民の要望、団地の中の要望があって後からつくった駐車場、幾つの団地があって、どのぐらいの駐車台数があるのか、それを伺います。

○青木住宅経営部長 多摩地域におきまして、今お話しのように、既設団地に駐車場を増設したという団地は七十六団地、区画数で約四千四百でございます。

○小林委員 小平市内の津田団地という、どのぐらいあるのかな、二千戸ぐらいあるのかな、非常に大きな団地があるんですが、そこは結構古くて、高層にして、多分小平市内で一番高い住宅じゃないか、当時はね。当時は駐車場がなかったんです。ところが、移り住んだ人たちが勝手に真ん中の森林、そんな大げさじゃないけど、木が植わっているようなところをみんな勝手に伐採して駐車場にしたんです。それを、住宅局は黙って目をつぶっていたのかどうかわかりませんが、周りの住民が怒っちゃって、何だ、自分の私有地のように勝手に木を切って駐車場にするのはけしからぬということで、またもとに戻したんですね。そういう経過があって、せっかく--何千戸レベルになると、真ん中に祭りがやれるスペースがあったりとか、公園があったりとかして、周辺の人たちから見ると非常に貴重な遊び場になったり、憩いの場になったりしているわけです。そういう意味で、後からつくるというと、どうしてもそういうスペースをつぶさなきゃ、駐車場をつくれないわけですね。
 私の場合は、子どもを連れて、よく自転車の練習とかしていた。ある日突然駐車場になったりすれば、何というのですか、あれ、どうしたんだろうということになるわけです。そういう意味で、そういうことをする場合には、当然、近隣の住民と--当初の計画からすれば、当然、緑被率だとか公園の面積とかいろんなことが、市のまちづくりの計画の中に組み込まれていると思うんです。それが大幅に変わるわけですから、当然そことの合意は図られるべきだというふうに思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○渡部営繕担当部長 既設の団地に駐車場を設置する場合は、既存樹木をできる限り移植あるいは保存いたしましたり、新たに植栽をするなど、緑の保全に努めております。また、都の緑化基準に基づきまして緑化計画を立てまして、関係機関と協議を行うとともに、工事に先立ちまして、必要に応じまして近隣住民にも説明をしてございます。

○小林委員 都有地ですから、有効に活用するのはもう全然、私も反対するわけじゃありませんけれども、私は割と玉川上水が好きで、今、玉川上水のすぐ近くなんです。そこが好きで今のところに住んでいるわけですけれども、そういった意味で、都の土地の有効利用というのは、もちろんそれはそれでそのとおりだと思うんですが、一方で、千単位になってくると相当、くどくなりますけれども、緑がいっぱいあるわけですね。それが失われるということになるわけです。そういった場合どのように調整されるんですか。

○渡部営繕担当部長 緑の保全も非常に重要なことでございますので、まず、既設団地におきましては既存の樹木の調査を行います。それで、都の緑化基準に基づきましてまず緑地を確保いたしまして、その上で駐車場の整備をしているところでございます。

○小林委員 ですから、駐車場はもうこれから必要ですからやむを得ない。やむを得ないというか、ある意味ではまちづくりの観点から、一定規模の集合住宅を建てる場合、そこに住んでいる人たちの駐車場の需要というものは適正に把握しておかないといけないというふうに思うんですけれども、それと同時に、資産の活用の点からも、当然、余り広過ぎても、また周りから怒られるということもありますので、その辺の居住者の駐車場の適正な規模の把握と、あとは資産の活用、こういう観点から駐車場の有効利用を図るべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○野澤参事 都といたしましては、これからも、必要な緑地面積を確保した上で、適切に駐車場の設置を行っていきたいと考えております。
 また、資産の有効活用の視点から、空き駐車場の地域の皆様への開放につきましては、本年の七月に港区の高輪一丁目アパートで始めたところでございますが、今後とも、そういう視点から駐車場の有効な活用を図ってまいりたいと考えております。

○小林委員 最初の資料要求の中で、契約率が八七%。そうすると、逆算すると一三%があいているということになるわけですね。そういう意味で、需要の予測がちゃんとしてくれば、当然、残ったのをずっとそのままにしておくというのはもったいないわけですから、場合によっては、場合によってはじゃなくて、余ったら積極的に周辺に開放して、少しでも資産の有効活用を図っていくという面から、第一義的にはそこに住んでおられる人に活用してもらうということですが、そこに余りかたくなになると、せっかくの資産が有効利用されないということになりますので、残った場合は積極的に周辺に利用してもらうということを要望して、私の質問を終わります。

○かち委員 マンション問題についてお聞きします。
 先ほども質疑がありましたけれども、マンションはこのところ急増しておりまして、一般的になってきたというのと同時に、都市部での重要な居住形態となっていると思います。その適切な管理というのは、その区分所有者のみならず、社会的にも求められているところであるわけですが、そういった意味から、十二年にマンションの管理適正化法というものができまして、十三年にはその指針が出されたところです。都においても、マンション管理ガイドブックなどを初めとしたさまざまな取り組みがなされてまいりました。
 さて、現在、東京の全居住者数の三分の一を占める分譲マンションの約七十万戸のストックのうち、四万五千戸が三十年以上経過しており、十年後にはそれが二十万戸を超えるだろうともいわれています。老朽化やスラム化が懸念されており、行政の急速な対応が求められている今日です。
 先ほどお聞きしようと思ったんですが、老朽化が進みつつあるこのマンションに対する都としての基本的な考え方は、お聞きしましたので、省略します。
 資料によりますと、一七ページにありますけれども、日本の住宅の寿命、これはマンションかどうかはちょっと不明ではありますけれども、外国の建物と比較するといえば、そういうものが入るだろうと思うんですが、日本の場合は二十九年弱。アメリカは四十四年、イギリスは七十五年と、大変長い期間保つことができる状況になっているわけですね。私は、これから老朽化といわれるようなマンションがふえる中で、古くなっても、使える状態で、適正な管理をして修繕をして、いかに保っていくかということが非常に重要ではないかというふうに思います。単にスクラップ・アンド・ビルドで建てかえ、まちづくりの中でやるとか、いろんなことを進められつつあるんですけれども、それがまた大量な建築物の廃棄物を出し、新たな産廃問題にもつながりかねない。そういう意味では、使えるものを修繕して、できるだけ長持ちさせるという観点から、少しお聞きしたいと思います。
 阪神大震災の経験からも、都内のマンションの実態がどうなっているか、とりわけ旧耐震基準の以前につくられたものがどういう状況で分布されていて、ちゃんと改善、補修されているのかどうか、そんなことも含めての実態把握が必要だと思いますが、都としてはどのような取り組みをされてきて、また実績はどんなものでしょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 マンションの実態把握は必要なことだと考えておりまして、これまで区市におきまして実態の調査を行ってきているところでございます。
 具体的に申し上げますと、平成十年度から実施をいたしておりまして、十三年度までに十一区四市で調査が既に完了しております。十四年度には四区五市で調査を実施しておりまして、今のところ合計十五区九市で調査が行えることとなっております。

○かち委員 十年度から始まったこの取り組み、調査ですけれども、当初なかなか進まないかなと思ったんですが、十五区九市ということで、徐々に全区市で調査が進められつつあるかなというふうに思います。私は、できるだけ全市区がこの調査に取り組んで、その状況を東京都として把握する必要があると思っております。そういうお考えはあるのでしょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 都といたしましては、マンション施策推進のための連絡会、行政連絡会などを通じまして、区市に対しまして実態調査の実施をするよう働きかけていく所存でございます。都としてのマンション施策を進めていく上で、このようなデータは貴重なものだと思いますので、区市町村の協力を得まして、必要な情報を活用していきたいと考えております。

○かち委員 横浜市のように、悉皆調査的な、非常に綿密な調査をしているところもありますので、ぜひそういう貴重な情報は都としても把握していただきたいと思います。いつ大きな震災が起きても不思議はないという、こういう東京の中に住んでいる我々としては、ぜひそのことを要望したいと思います。
 都内では、老朽小規模マンションの約二割が長期修繕計画を持っていないともいわれています。管理組合という仕組みそのものがなかったり、居住者の老齢化などによって、非常にその管理が不全であるというところから、国としてもそういうものを促進するように法律ができたわけですけれども、こういうことに対し、耐震診断や改修計画、また長期修繕計画をぜひつくるための都としての誘導、支援策が必要だろうと思いますけれども、いかがでしょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 都は、平成十一年に長期修繕計画・計画修繕ガイドブックを発行いたしまして、長期修繕計画の必要性について啓発を行ってきているところでございます。また、マンションの維持管理に関する居住者からの相談に応じるために、区市町村に相談窓口体制を整備いたしております。
 都におきましても、平成十二年度からマンション管理アドバイザー制度を創設するとともに、十三年度からは、弁護士、建築士による専門相談窓口を設置いたしております。
 これらの制度を的確に運用することにより、居住者自身によって管理組合の適切な設置や長期修繕計画の策定が行われるよう、支援していく所存でございます。

○かち委員 もちろん技術的なノウハウ、そういうアドバイスなどは当然必要なことなんですけれども、長期修繕計画をつくるだけでも数万円かかるというような話もありますので、そういうものをつくる誘導策としての経済的な支援ということもぜひ考えていただきたいと思います。
 今、マンション管理組合などで一番悩んでいることは--国会がきょうから開かれまして、ペイオフ問題の延期というようなことが審議されるようです。いずれこのペイオフが実施される状況を迎えるだろうと思いますけれども、管理組合の長期修繕積み立てともなると、数千万から億という単位になるわけですね。これが全部集まれば、年間四千億円とも試算されているわけですが、このペイオフによって、こつこつとためてきた修繕費が一瞬にして消えてしまう、こういうこともあり得るわけです。共用部分の修繕費として、これは個人の預金というものとはまた性格の違う、公共的な側面を持っていると思います。そういう意味では、ペイオフの対象から、このような修繕費というのは外すべきだ、外すようにというふうに国に働きかけるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 修繕積立金のペイオフ対応策につきましては、基本的には、預け入れ先の分散化など、マンション管理組合が自己の責任と判断のもとに対応すべきものと考えております。

○かち委員 ですから、個人の預金とか個人の責任というだけでは片づかない側面を持っているので、ぜひそういうことは考えていただきたいと思います。
 大規模修繕に欠かせないリフォームローン、現在の返済率、二・七%だと思いますが、都や一部の区市で実施している公庫融資を利用すれば、何とか返済が回っていくというような状況にあります。都はこれまで一%の利子補給を行ってきましたけれども、住宅金融公庫がなくなった場合でも、このマンション改良工事助成制度、こういうものは継続すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○井上民間住宅部長 都のマンション改良工事助成制度でございますが、国におきましては現在、特殊法人の改革の一環として住宅金融公庫の見直しが行われておりまして、その中で、公庫のあり方も含め、各融資の内容が議論されていると聞いております。
 東京都としましては、国の動向を注視していくとともに、融資を取り巻く現下の社会経済情勢を踏まえ、今後の対応を図っています。

○かち委員 第二回国連人間居住会議宣言というのが出されまして、そこでは、適切な住まいの確保は国民の権利であり、国はそれを保障する責務があるとうたわれています。公庫廃止は世界の流れに逆行するものだと私は考えます。都もそれに連動するようなことであれば、国と同じような責務が都にも問われるものだと思います。
 今後、急速に増加するであろう老朽マンションについて、当面、一定の年数が経過したもの、例えば新耐震基準以前のものについては、マンションドックのような診断制度をつくり、マンションの延命化に対する都としての、これも誘導支援策が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 マンションの維持管理や建てかえを適切に進めるためには、マンションの現状を把握することは必要なことだと考えております。このため都は、修繕に関するガイドブックや都の相談窓口における相談、管理アドバイザー制度の利用を通じまして、管理組合などがその必要性を認識し、自主的に的確な診断が行えるよう支援していく所存でございます。
 なお、建築物の構造や設備の安全性などにつきましては、建築基準法に基づく三年ごとの定期検査によりまして検査が行われることとなっております。

○かち委員 都営住宅や公共的な住宅とは違うんだというふうにいわれるかもしれませんけれども、先ほどから私も申してまいりましたように、マンションとはいえども、非常に公的な、社会的な側面を持っているという点では、マンションも、国民の権利として、その適切な住まいを保障していく、そういう位置づけを、国としても、また都としても持っていただきたいと思います。
 そういう意味で、今回法律もできて、都としてもいろいろな施策に取り組んではおられますけれども、あくまでも技術的な側面だけに終始しているように思いますが、先ほどいいましたように、経済的な力のない老齢化した人たちが住んでいるマンションをどう担保していくのかという点においては、やはり金銭的な側面での援助も必要だということを申し上げて、質問を終わります。

○矢部委員 資料をいただきました。先ほど来質疑の中で出ている部分で重複する部分もありますので、なるべくそういうところは避けながら、ちょっと逆に確認をしたいところもあったりいたしまして、そういう立場でお尋ねをしたいと思うんです。
 東京における住宅数の推移という表も、一六ページ、16で出していただきましたが、一九七〇年ぐらいから以降は住宅の戸数が過剰、東京では余っている状況が続いているわけですね。一九九八年では、一・一五倍ぐらいの数での供給過多なわけです。そういう中で、住宅マスタープランが十四年二月に策定されて、こういう形で出てきたということは、大変いいことではないかというふうに思っております。
 この中のことを中心にお尋ねさせていただきたいと思うんですが、東京の、東京というか江戸の住まい方といった方がいいかもしれませんが、一つには、九尺二間の棟割り長屋、これが江戸の基本的な住宅でございました。この時代が続いて、この時代から、今風にいえばワンルームマンションなわけですが、三坪に一軒ずつ入って、トイレは共用、おふろは銭湯へ通うという形の住まい方が江戸の住まい方で、いきでいなせな住まい方だったんだろうと思うんですね。それが今の時代になって、ワンルームがこれとイコールとはいいがたい。要は、火事が多くて、財産を持っていても焼けちゃうから何も持たない、宵越しの銭は持たないという住まい方の時代と、財産をそれぞれが持って銀行に十分に預けるお金のある時代と、違ってきていると思うんですが、ただ戸数だけでいっても、これはちょっとまずいのかなという感じは一つ持っています。
 そういう中で、ワンルームマンションというのが存在をすること自体、ある程度は必要かもしれませんが、もう必要な時代は過ぎて、今は逆にそれが使われ方として、住宅として使われないことの方が多いのではないかという感じがしております。どなたにお尋ねしたらいいのかあれですが、実態をどういうふうに把握されて、どのくらい東京にあるというふうに認識されているのか、されているのかされていないのか、ぜひ教えていただきたいと思うんです。
 なおかつこれは、建築というか、マンションのトラブルのうちの大きな要素にもなってきておりますので、ぜひ住宅局としてのとらえ方を教えていただきたいと思います。

○小川住宅政策担当部長 ワンルームマンションの実態でございますが、私どもも、こういった新しい住まい方が出てきているということについては着目はしているのではございますけれども、住宅政策の分析の一番基本になっております住宅・土地統計調査、これは、住まいの方に、国勢調査と同じように調査票を出して、ご回答いただいているわけでございますが、そうなりますと、いわばワンルームマンションを借家として借りている、あるいはワンルームマンションを投資用としてお使いになっている、そのあたりはちょっと数的には十分把握できないところはございます。
 ただ、東京の住宅の住まい方の特徴でいえば、単身の方が非常に多いということ、それから、単身の方で借家住まいの方が非常に多いということでございまして、そういったものにワンルームマンションというのが非常によく使われているのではないかというふうに考えています。

○矢部委員 私もそういう認識なんですが、どのくらいあるのか。なおかつ、良好な住環境かといえば、先ほど来の最低居住水準の十八平米なんというような数字がベースになっちゃって、逆にその数字を満たしていればいいというような感じでつくられているというのは極めて遺憾だというふうに思っておりますし、本来の役目はある面で終わっている、総戸数が満ちている時代にはですね。むしろ、ある識者に聞きますと、ワンルームマンションというのは住宅としてカウントせずに、商業施設としてカウントして、非住宅で課税をするべきものではないかというような考えもあります。私もそれは大いに賛成をしているところでございます。なかなかこれは実態をつかみにくいんでしょうけれども、住宅の最低居住水準ということにこだわりますと、このワンルームを認めている限り、この数値は一向に上がっていかないということになると思うんですね。いただいた資料の、持ち家と借家との居住水準、満ちているか満ちていないかの表からしましても、そこが、一向に上がっていかないという部分の物すごい大きなウエートを占めているというふうに思っておりまして、これは何らかの形で、実態の調査とともに、トラブルをなくすという意味で、ワンルーム規制条例等々をどんどんつくる区もあるようですけれども、住宅局としての対応、対策を望むところでございます。
 先ほど来出ていました老朽マンションという言葉、あるいは老朽建築物という言葉がありましたが、これは税法上をいえば、耐用年数という言葉がもう一面ありますね。木造で二十五年、鉄筋は五十年と私は認識しておりますし、私が建築を学んでいるときに、鉄筋のかぶり圧が二五ミリ、表面からの中性化のスピードが一年に〇・五ミリ、したがって五十年というのが耐用年数、こういうふうに教わってきました。だから、五十年までは老朽ではないんじゃないですか。

○小川住宅政策担当部長 耐用年数につきましては、先生ご指摘のように、構造のコンクリートの中性化、そういったところから割り出している税法上、あるいは、例えば都営住宅など公営住宅については七十年という期間を設定しておりますが、そういった構造上の仕様からくるものがありますが、もう一つ、いわゆる設備関係の老朽化あるいは陳腐化、そういったものもあるように考えられます。
 やはり老朽化のマンションでの建てかえの議論といいますと、躯体が旧耐震基準ということで防災の面で問題があるというようなご議論と、それからもう一つ、やはり最近のバリアフリーでありますとかいろいろな住宅の設備、台所とかそういった設備の水準から比べると非常に使い勝手が悪い、そういうようなことから、維持、改良に要する費用、これは区分所有法の表現でございますが、維持、改良に要する費用と建てかえの費用を比べて、建てかえが望ましいというような場合には建てかえをする、そういうような議論になってくるかと存じます。

○矢部委員 マスタープランに、東京居住の現状と課題というところにも出ていまして、今のお話の部分なんですけれども、建物の寿命という概念からすれば、今のお話のように、表面からの風化を防がなければ、それこそ風雨にさらされている状態のままほっておいたときに五十年ということであり、それに対してのメンテナンスをしていけば七十年もあるでしょうし、最近の建築は、百年ということを一つの目標にして建築をしているわけですね。
 だから、先ほどの中にもありますけれども、一つには、昭和四十六年の十勝沖地震によって少し基準が変わりました。その後の宮城沖地震でしたかによって、昭和五十六年に新耐震基準というのができて、ここで地震力に対する考え方が大きく変わって、柱の強度が増すというようなことがあって、これで一応地震には耐えられるだろうということになったんですが、それはもう一面、地震に耐えられなさそうなものがあるから、その不安を解消しようということで、平均レベルを上げたということであろうと私は思っているんです。
 ですから、この新耐震基準に満ちてないから地震のときに壊れるかといえば、神戸でもそういう建物でも残っているものもあるわけですし、これはまたチェックの仕方によっては変わってくると私は思うんです。ですからそれは、耐震検査をして補強をしてという考え方もありますし、ただ、致命的に命が危ないというような状況ではまずいんでしょうけれども、そうでないものについてまで全部建てかえをするというのは環境負荷を増すだけ、というのは私も同感ですし、その辺の言葉の使い方として、すべてを老朽という一くくりで表現されるのは極めて遺憾に思うんですが、いかがですか。

○小川住宅政策担当部長 ご指摘のように、老朽だから建てかえだということではなくて、マンションを例に挙げますと、やはり入居者の方が維持、保全をしながら長期にわたって使っていくか、あるいは費用対効果の関係から建てかえを選択されるか、それは基本的には居住者あるいは管理組合、そういった方々のご判断だというふうに考えております。
 私ども、建てかえということにつきましては、建てかえをしたいというふうに合意形成をし、決断をしたにもかかわらず、いろいろ諸般の手続なり側面的支援が十分でないということで建てかえが実現できない、そういうことがあってはならないということで、それは行政としては支援していこうというふうな考え方です。大きな意味では、先生ご指摘のように、ストックを十分使って、環境に優しい政策をしていこうというふうに考えております。

○矢部委員 要は、無用に危険をあおるようなことはよくないということを申し上げておきたいというふうに思いますし、設備面の老朽化、これもあります。それはメンテがしやすい建物、しにくい建物があるでしょうから、あるいは形状によっても違う。そういうものによっては何とかしなくちゃいけないということで、先ほど来のアドバイザーという制度があるということは大変いいことだと思っておりますが、ややもすると、どちら側の立場でという、その幅があるわけです、その判断を下す中での。これは大変命にかかわることですから、安全側をとりたいと思いますが、今、最近の地震学者は、東京でそんなに大きな地震はあと百五十年ぐらい来ないだろうという定説になっているようでございますし、そういう中で余りオーバースペックにするということについてもどうなのかというのは、私の意見として申し上げたいと思うんです。
 一七ページに、いただいた資料で、住宅の平均使用年数。これは住宅という言葉が適切かどうかはありますけれども、イギリスでは、いつでしたか大変なロンドンでの大火があって、それ以降、木造の建築物は許可をされないという中で、石の建築に変わったという経緯を経て、百年使うというのが当たり前になっているわけですし、アメリカも四十四年と書いてありますけれども、アメリカも一応、木造以外の建物については百年を目指しているようでございます。日本はそうではなくて、ぐっと低くなって三十年という数字になっています。三十年前ぐらいからビル化が進んできているわけですから、ここで全部評価、判断をするのはちょっと危険が多いとは思うんですが、これからのあり方、あるいは木造とそれ以外のもの、こういうものを含めたときに、やはり日本では、不動産の市場というものが、中古ということでは、マンション等々についてはありますけれども、一戸建てのものについては、中古といいつつも、ほとんどの評価が更地で評価をされて、建物は評価をしないというような、社会通念といってはいけないんでしょうけれども、不動産業界での考え方があるのではないかという気がしているんですね。これを何とか変えていかなきゃいけないんだろうと思うんですが、実際、民間住宅部ですか、担当されていて、こうしたことについての疑問は感じられませんか。

○井上民間住宅部長 実際に不動産の取引等の窓口で相談等、あるいは業者の相談等受けておりますと、委員ご指摘のように、中古住宅市場の、特に戸建て等で売買される価格は、おっしゃるとおり土地の評価額に係るものが大多数でございまして、建物に係る評価は極めて低くなっております。
 実際に、それに対して、それぞれ業者あるいは消費者等が疑問に思って、それでいろいろそういうことの相談をしてくるということは、現実には余りございません。
 したがいまして、今現実の課題として俎上に上っていることはございません。

○矢部委員 これも、同じ都庁の中でも、主税局は最近の考え方として、再建築評価というような価格を設定して、建物をまた評価をしていくような傾向が出てきました。都市計画局は、建物のさっきの性能調査というか、何年かごとにするということはあるんでしょうけれども、結局、不動産業界の中で建物の性能、寿命等々を客観的に判断するものが持てないというところが、面倒くさいからというか、建て直しちゃうということを前提に考えてしまうような傾向が強いのではないかと思うんですね。だから、私は、かねてから主張しているのは、建物にカルテをつくったときから、あるいは、手を、メンテナンスをどう入れたかということをはっきりさせるということで、建物の性状、性能を客観的に、だれが見てもわかるように表現をできる仕組みをつくっていくことが必要ではないかと思っております。恐らく、不動産の立場から難しいかもしれませんが、いかがでございましょうか。

○松田民間住宅施策推進担当部長 先生ご指摘のように、欧米と日本と比べますと、建物の寿命がかなり開きがございまして、また、中古住宅の流通量もかなり違ってきております。
 その理由の一つは、先生おっしゃるように、中古住宅の評価が適切にされず、性能について消費者が不安を持っているということが原因であると考えられておりまして、中古住宅の性能について適切な評価を行っていくということは必要なことだというふうに考えております。

○矢部委員 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律というのができて、最近、廃材をどう使うかまできちっとしなければいけない。あるいは、どこでどう処分するかまで出さなきゃいけないということで、今までのように、壊したものはすべて捨ててしまえばオーケーというふうにはならない時代に入っていますし、京都会議等々のことも含めてですね、そうした環境負荷に対する考え方が、きちっとしなければいけないという時代を迎えておりまして、先ほど来の、耐震基準に満ちているか満ちていないか、あるいは設備面がどうだのこうだのということはありますが、そうしたことを踏まえた上でも、使えるもの、使えないものをきちっと分けて、限りある資源を有効に活用するという意味での不動産市況も誘導していただくようなことについてはぜひ前向きにご検討いただきたいと思っております。
 それと同時に、最近の傾向なんですが、不動産をどういうふうに見るのがいいのか。面積で日本の市況というのは表現します。あるいは部屋の数で表現しますが、だんだんだんだん、かつて和風の時代と違って、押し入れというようなスペース、収納スペースがなくなってきまして、すべてカウントのできるスペースにかえてしまう。結果として収納が全然できないというような、ちょっとゆがんだ形の建物がすごく多くなってきております。これは極めてよくないというふうに思っておりますし、質を上げるといいつつも、見かけ上だけで現実の質は上がっていないというようなこともあるようでして、これはこれからの考え方として、本来あるべき姿というのか、あるいはその収納スペースというものについての考え方を明確にしていく必要があるのではないかというふうに思っております、一つは。
 もう一つは、建築基準法上、天井の高さというのは、最低限が二千百五十でしたか、そんなに高くない数字です。それは、最低限これでいいですよということなんですが、それですべてつくられたのでは息が詰まってしまうわけですし、かつて、木造の時代は標準的なものが二千三百五十から二千、もっとそれ以上ですね、二千六百ぐらいあったこともあるわけですが、そういうものと、床面積だけでいう限りにおいては、同じ評価にしかならぬということですね。
 そこで一つの提案として、これは、なるほどと思うんですが、最近のようにロフトのようなものがついた建物、高さが三メートルを超えて四メートル近くあるというものも、面積だけでいう限り同じ評価になってしまう。そうしたものを望むという要求があるにもかかわらず、評価の物差しがちょっと違ってしまっていると思うんですね。そういう意味では、不動産の評価の数値を、面積ではなくて、体積、容積というか、立米で表現をする市況がつくられるべきではないかと思うんです。日本以外ではそうした数値を使っているところがあるというふうに聞いていますが、いかがでございますか。

○小川住宅政策担当部長 住宅の質のあり方について、幾つかご指摘をいただきました。いずれにしても、住宅の数が達成をし、今後はやはり住宅がどういうようなものを、価値を持つかという、質の時代に入っていくだろうというふうに考えております。そういう質のことを考えますと、ただの広さということだけではなくて、耐震性とか、そういった安全性でありますとか、あるいは環境に優しいというような、そういった環境として対応性があるとか、そういったものがきちっと住宅の評価に結びつくということが重要かと思います。
 これは、やはり都民の住宅の質に対する要求が上がってくるということと一緒に相前後して、市場が成熟をしていくというようなプロセスをとるのだろうと思っております。先ほど紹介もございましたが、住宅性能表示といった、そういった新しい、住宅の質を評価するという制度も出てまいりました。まだ、天井高とかそういうものにつきましては、そういった快適性に関することはまだ国の基準としては出てはありませんが、今後、住宅性能の一つとして、やはりそういった住みやすさ、住み心地といったものも出てこようと思われます。私ども政策に携わる者といたしましては、そういった都民のニーズあるいは社会の動きを的確に把握をして、いい制度については普及、促進をして、消費者の選択を推進する。また、その消費者の選択を推進することで、不動産の市場でもいいものがちゃんと評価されるというような形に持っていく必要があると思います。今後とも社会の動向を見きわめて調査、研究し、また施策に反映をさせていきたいというふうに考えております。

○矢部委員 このマスタープランの一五ページに、四つの二十一世紀の東京居住の将来像ということが表現されていますけれども、その中のことも、言葉としてはこういうことですが、それを数字というか、物理的にというか、体感をする、表現をするという意味で、ぜひお願いをしたいと思います。
 先ほど来、修繕についての、これは税法のことになってくると思うんですが、税法面がいろんなことで影響していると思うんですが、最近、修繕引当金というのが税法上、対象外になってしまったようですね。これは、そうすると、引当金で積んでおくよりは、必要になったときに借りて、それを返済していった方が、税法上、有利だという考えになってしまうんですね。これはどちらが正しいのかわかりませんが、税制がそうした仕組みにまで影響するということではないかと思うんですね。これは結構大事なことでございます。
 それと同時に、不動産がやはりもう少し流動化をしていくということ、住みかえがしやすくするのには、取得にかかる税が抑制をされるということが大変大事だと思うんですが、現在は不動産取得税、これは都税ではございますけれども、極めて高くなって、高いままでありますね。二分の一に減免はされているんですが、それでもまだまだ高いというようなこともあるんです。ですから、そうした税制も含めて、ライフスタイルに合うように整えるということでのぜひご努力をいただきたいと思います。これを最後にお尋ねしてまいりたいと思います。

○小川住宅政策担当部長 税法の、税制の住宅あるいは住まい方に対する影響というのは、ご指摘のとおり非常に影響の深いものがございます。東京都として、例えば固定資産税につきまして、新築住宅については大幅な減免を導入をいたしました。これは都心居住が非常に大きく動いておりますけれども、業界の方にお伺いしますと、やはりそれに非常に寄与しているというような評価もございます。
 また、不動産とそれ以外の資産との、資産間の格差是正といいますか、そういった観点から、私ども国に登録免許税、これは実際上は登記の手数料的なものでございますので、これは実費という形で直すべきだということで、昨年来から要求をしております。そういうことで、引き続き私ども、税の問題というものは非常に大きな問題だという認識のもとで研究をし、また必要なものについては改正を提言していきたいというふうに思っております。

○大木田委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅局関係を終わります。

○大木田委員長 これより建設局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中建設局所管分、平成十三年度東京都新住宅市街地開発事業会計決算、平成十三年度東京都多摩ニュータウン事業会計決算、平成十三年度東京都市街地再開発事業会計決算及び平成十三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷川総務部長 去る十月四日の当分科会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただきますと目次がございまして、七件の資料の件名が掲げてございます。順番に従いまして、順次ご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。道路補修費の予算と実績でございます。
 この表は、道路補修費について平成四年度から平成十三年度までの予算額と決算額を示すとともに、決算額の内訳として区部、多摩部をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、予算額、決算額には島しょ部を含んでございます。
 次の二ページをお開き願いたいと思います。歩道の整備状況でございます。
 この表は、歩道の整備について平成四年度から平成十三年度までの整備延長と決算額及びそれぞれの区部、多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、延長及び決算額には島しょ部を含んでおり、平成十年度、十二年度、十三年度の決算額には土地開発基金などからの引き取りに要した経費を含んでございます。
 三ページをお開き願います。交差点すいすいプラン一〇〇の進捗状況と今後の計画でございます。
 この表は、事業を開始した平成六年度からの交差点すいすいプラン一〇〇の年度別事業費と完成箇所数をあらわしたものでございます。
 なお、下記の注書きの2にございますように、完成箇所数の括弧書きは累計を示してございます。
 続きまして、四ページをお開き願います。骨格幹線・地域幹線道路の事業概要と財源内訳でございます。
 この表は、平成十三年度の都市の骨格を形成する幹線道路の整備と地域幹線道路の整備のそれぞれの事業につきまして、事業概要と財源内訳をあらわしたものでございます。
 事業概要といたしまして、路線、箇所、規模及び事業費を、財源内訳といたしまして、国庫支出金、負担金など、都債及び一般財源を示すとともに、各項目の公共、単独の数値と、その計をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、路線数と箇所数については、公共と単独の合併路線がございますので、計の数値とは一致してございません。
 五ページをお開き願います。中小河川の整備状況でございます。
 上段の表(1)は、中小河川整備費の平成九年度から平成十三年度までの決算額の推移と主な事業をあらわしたものでございます。
 また、下段の(2)は、中小河川整備の進捗状況として、平成十三年度末における護岸整備済み延長及び護岸整備率をあらわしたものでございます。
 なお、下の注書きにございますように、中小河川整備計画は、四十六河川を対象として整備しております。
 六ページをお開き願います。直轄事業負担金の決算額の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金について、平成四年度から平成十三年度までの道路と河川別の決算額と、それぞれの財源の推移をあらわしたものでございます。
 七ページをお開き願います。二十三区内の都施行土地区画整理事業及び市街地再開発事業の現状でございます。
 この表は、東京都施行の土地区画整理事業と市街地再開発事業について、地区名、所在区、施行面積、施行期間、事業費をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 どうぞよろしくご審議お願いいたします。

○大木田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 質疑は平成十三年度決算の審査から逸脱しないよう、委員長として特にお願いいたします。
 また、理事者におかれましても、答弁は簡潔、明瞭にて行うよう、よろしくお願いをいたします。
 発言を願います。

○倉林委員 逸脱したら忠告してください。ただし、私だけにでなくて。
 それでは、道路あるいは河川、公園についてお伺いをしていきたいと思います。
 まず、多摩地域の道路関係について、整備について何点か質問をしていきたいと思いますが、道路の整備というのは、申し上げるまでもなく、東京の交通渋滞を解消し、活力ある東京の再生を図るためには、都市の骨格を形成する幹線道路をネットワークとしてとらえて、重点的に整備をすることが重要であると、こう私は思うわけであります。
 しかしながら、多摩地域における幹線道路網の整備率は、率直に申し上げて、区部に比べて特に低く、その上、特に多摩南北主要道路五路線のうち、府中所沢線については道路整備が大変おくれておりまして、渋滞解消、多摩地域間の連携を図るためなど道路整備が大変緊急な課題であると、こう申し上げておきたいと思います。
 そこで、道路整備のきょうまでの実態と、特に府中所沢線の、あわせて決算を通して、今後の見通しについてちょっとお聞かせください。

○阿部参事 府中所沢線の整備についてでございます。
 府中所沢線は、町田市から東村山市に至る路線で、交通渋滞の解消はもとより、多摩地域の自立性の向上や地域の活性化に寄与する南北方向の主要な幹線道路でございます。
 本路線の総延長は二十七・三キロで、このうち十三年度末までに十二・六キロが完成をしております。完成率は四六%でございます。現在、東村山区間や府中区間など、四・五キロで事業を実施しております。
 今後の見通しでございますけれども、未整備区間についても国費等の財源確保に努めまして、地元の理解と協力を得ながら、引き続き事業化を図ってまいります。

○倉林委員 それでは、地元であります東村山で大変恐縮でありますけれども、お聞かせいただきたいと思いますが、現在、野口橋より南側においてですけれども、整備事業が進められております。府中所沢線の東村山市内の事業中箇所の進捗状況についてちょっと聞かせてください。

○阿部参事 府中所沢線の東村山市内における進捗状況でございますけれども、現在、八坂交差点から新青梅街道までの九百メートルの区間で事業中であり、この区間の進捗率は九七%でございます。
 本年七月には、新青梅街道との交差点付近の工事は完了いたしまして、交差点から南側約六百メートルの区間については四車線を交通開放いたしました。今後、八坂交差点付近や歩道などの整備を進めまして、平成十六年度に完成をさせる予定でございます。

○倉林委員 進捗率九七%まで進行しながら十六年度完成予定。残り三%で十六年までかかるというんですが、ひとつよろしくお願いしたいと思うんですけれども、時間の関係でこれ以上いいません。不思議だなというところだけわかってもらえればいいんです。
 ご案内のように、この道路には先般、石原知事も視察においでいただきまして、この南北道路の上に立ちまして、よし、こういう状況ならばぜひ推進に努力しよう、こう決意を述べていただいたところであります。ただ問題は、そこまで進捗していただいているんですけれども、これから先のさらに北側部分に進んでいってもらう中には西武線の立体交差という問題もあります。これがかなりのガンになっていくんだろうと思うわけでありますけれども、場合によっては、この立体交差を困難であるとするならば、もう少し前進していくためには、むしろそこは保留にして、次の事業、いわゆるその先から事業を推進していく方がいいんじゃないか。そういう声もあるんですけれども、これについていかがでしょうかというと、委員長から、決算ですよと、こういわれそうですから、そういう段取りで進めていってほしいなということを要望にかえて、質問は終わります。
 続いて、歩道の整備についてちょっと伺っておきます。
 歩道は、申し上げるまでもなく、沿道の自動車の走行、騒音に対するバッファーゾーンとして大きな役割を果たしておりますし、街路樹を植栽することによる都市景観の向上などの大きな役割があるわけですけれども、特に歩行者が安全で安心して通れる歩道の整備に寄せる都民の期待は大変大きい、こう思うわけであります。東京都が実施いたしました交通安全に関する世論調査においても、歩道の整備に対する要望が最も多くなっていると聞いておりますけれども、東京都では計画的な歩道の整備を進めているということも、もちろん伺っておりますけれども、東京都における歩道の整備状況及び現在の区部と多摩地域の歩道の整備率について、ちょっと明確にしてください。

○依田道路保全担当部長 平成十四年三月末現在、島しょ部を除いた東京都における歩道整備対象道路延長は千八百七十二キロでございまして、そのうち千四百十キロが整備済みでございます。整備率は約七五%となっております。
 これを区部と多摩に分けますと、区部については整備済み道路延長が七百七十一キロメートルで、整備率が約八五%。一方、多摩地域については、整備済み道路延長が六百三十九キロメートルでございまして、整備率は約六六%となってございます。

○倉林委員 大変多摩地域の整備率が低いということが明確にあるわけですけれども、それはそれとしまして、地元の東村山でまた恐縮でありますけれども、東京都が府中街道や所沢街道などの整備を積極的に進めているわけですけれども、歩道の整備率は六〇%ということですね、今、お話ありましたように。多摩地域の整備率はもちろん低いんですけれども、より一層の歩道の整備促進に対する要望が強く寄せられているわけですけれども、東村山市内における歩道整備の進捗状況及び決算を通して、今後の取り組みについてどんな思いでいるのか、ちょっと聞かせてください。

○依田道路保全担当部長 東村山市内では、府中街道や所沢街道など四路線を整備対象路線として取り組んでございます。このうち平成十三年度には、所沢街道の青葉町の約三百二十メートルが完成いたしておりまして、現在、残りの三路線について整備を進めているところでございます。
 平成十四年度には、この中で新青梅街道の美住町の完成を予定しているところでございます。残る二路線につきましては、既に用地の約八〇%を取得してございまして、工事に着手もしてございます。今後とも、財源の確保を図るとともに、地元の市や町、関係住民の理解と協力を得て歩道の整備を積極的に進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

○倉林委員 どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、みちづくり・まちづくりパートナー事業について先にお聞かせいただきます。
 この事業については、多摩地域の道路整備の促進を図る事業の一つとして、みちづくり・まちづくりパートナー事業があるわけですけれども、東村山市においても、現在、二路線が事業を行っていることも承知しております。
 そこで、みちづくり・まちづくりパートナー事業のこの目的はどのようなものなんでしょうか、伺っておきます。

○阿部参事 みちづくり・まちづくりパートナー事業の目的でございますが、この事業は、市町村が行うまちづくりが円滑に進められるよう、これを支援する事業でございまして、地域のまちづくりに関連する都道を部分的かつ先行的に都と市町村が役割を明確にして、協力をして整備するものでございます。

○倉林委員 このパートナー事業は、都道を都と市町村が役割を明確にして整備をすると、こういうことですけれども、この事業のそれぞれの役割、並びに事業の概要についてちょっとお伺いしておきます。

○阿部参事 都と市町村の役割でございます。
 東京都は用地補償にかかわる費用、市町村は工事等にかかわる費用、これらをそれぞれ負担をいたしまして、その施行は市町村が行うというものでございます。
 事業の概要ですけれども、事業期間は平成十一年度から平成十五年度までの五年間、実施する地元自治体は十一市一町、対象となる路線は十六路線、延長は合計約五・六キロ、これらを整備するものでございます。

○倉林委員 パートナー事業は、都と市町村がそれぞれ費用負担を行って五年間で完了するということであります。地元では、まちづくりに大変有意義な事業だということで大変期待をいたしております。そこで、事業開始をして既に三年が経過をしているわけですけれども、十三年度までの進捗率ですね、これをちょっと教えてください。

○阿部参事 本事業の執行率でございますけれども、みちづくり・まちづくりパートナー事業は、現在いずれの路線も用地取得の段階にございます。執行率は平成十三年度末で約二一%でございます。

○倉林委員 今の説明ですと、十三年度までの都の執行率が約二一%。こういうことになりますと、残りの事業が大変多くあるわけですよね。予算的には、五年間で四百億の予算だというふうに聞いておりましたけれども、ちょっと資料を見ましても約八十二億円ぐらい、三年間で進捗していないと。金額的にもこう出てくるわけですけれども、特にといいましょうか、先般、多摩北部都市広域行政圏協議会というんですか、五市の市長さん方が、十六路線の完全実施を求めて、予算の確保と事業期間の延伸を都に、青山副知事に申し入れをした、こういうことが新聞にも載っておりましたし、私も聞いておりますけれども、当初の計画どおりこの事業が完了できるかということについては、私も五市の市長さんが心配することが十分理解できますし、私も同じ思いであります。
 いうまでもなくこの事業は、都と市や町が信頼関係のもとにそれぞれの役割を決めて合意した事業だと思います。道路整備特別交付金事業にかかわる事業として約束をされたというふうに聞いております。地元の市や町に大変期待されている、こういう事業であります。すべて完成されるように事業費の確保に努めていただきたいなと、こう思うわけであります。
 具体的に要望の中にも、五年間延長して平成二十年度までの期間の中で事業費の確保を図ってほしいと、こういう要望だったと思いますけれども、これについての決意をということで申し上げますと決算から逸脱すると思いますので、ぜひこの事業を強力に、要望に合った形で進めていただくようにお願いをして、次に移らせていただきます。
 それでは、中小河川の整備についてお尋ねしていきたいと思います。
 先般、台風二十一号が十月の一日の夜に時速六十キロ以上の速いスピードで東京を通過いたしたわけでありますけれども、わずか数時間の風雨によって、鉄道のダイヤが混乱するなど、都民に大きな影響を及ぼしたわけでありますけれども、幸い今回の台風では、洪水による大きな被害はそんなにありませんでしたし、この数年だけを見ても、毎年幾つかの台風が東京に接近しております。そのたびに多くの都民が水害を心配するという状況が依然として、残念ながらあるわけであります。
 そこで、まず都内の中小河川の整備状況と、現在、東京都が重点的に行っている河川の整備箇所、これについてお伺いをしておきます。

○鈴木河川部長 都内中小河川の改修につきましては、一時間五〇ミリの降雨に対応することを目標としており、整備を進めております。平成十三年度末現在の護岸整備率は五八%となっております。
 また、重点的に整備を進めている河川でございますが、区部では神田川や石神井川など、また多摩地区では空堀川や野川など、水害の危険性が高く、緊急に整備を要する十三の河川でございます。

○倉林委員 この台風二十一号は、区部よりもむしろ多摩地区に雨の量が多かったということだったようでありますけれども、改めて多摩地区においても治水対策を着実に進めていく必要があるだろうと。そういう意味で、私は強くこう思ったところでありますけれども、そこで多摩地区の重点整備河川であります空堀川の改修状況が現在どうなっているかを伺います。
 また、中・上流部の中においては、河道内調節池、いわゆる川の中に水をためるための池をつくるわけですけれども、これが整備されておりますけれども、水害軽減をするための効果がどのようになっているのか、ちょっとお聞かせください。

○鈴木河川部長 空堀川の改修につきましては、清瀬市内の柳瀬川合流点から東村山市内の浄水橋上流までの約九・三キロが完了しておりまして、十三年度末の護岸整備率は六六%となっております。
 現在、東村山市内の西武多摩湖線との交差部など四カ所において鋭意工事を進めております。
 また、平成十三年五月には、高木橋上流部の四百八十メートルの区間において新たに事業認可を取得いたしまして、現在、用地買収を進めております。
 また、お話にございました河道内調節池でございますが、これは昭和五十年代に中・上流部においてたびたび水害が発生したことから、河道を先行的に整備し、調節池として利用するものです。現在までに芝中調節池など六カ所が完成しており、その貯留量は十一万八千立方メートルとなっております。台風二十一号では、これら調節池全体で六万五千立方メートルの洪水が流入しており、これにより中・上流部の水害は軽減されたと考えております。

○倉林委員 下流からの改修を待たずに先行して、河道内調節池を整備して、中・上流部の被害軽減を図ってきた。大変評価していいかと思います。そういう中でも、都の整備目標であります一時間五〇ミリの雨に対応するためには、河道の本格的な改修を、やはり基本的に早急に進めていく、これが原点だろうと思うわけでありますけれども、最後に空堀川の支川であります奈良橋川について、周辺では開発が進んでおり、水害も発生しております。今後、早急な改修が必要だというふうに思うわけでありますけれども、奈良橋川の過去の水害の発生状況と今後の進め方、これは決算を通してどのように検討されているのかという進め方をお聞かせください。

○鈴木河川部長 奈良橋川におきましては、近年では平成十一年八月に空堀川合流点、上流部におきまして十四棟の浸水被害が発生しております。
 これらをかんがみまして、地元である東大和市より早期改修を求める強い要望が出ておりまして、私どもとしても改修計画の策定に向けて地元市と協議を進めておるところでございます。

○倉林委員 地元ソングで恐縮でございます。
 最後に、公園関係についてご質問させていただいて終わらせていただきたいと思いますけれども、自然あるいは緑、公園を確保するということは、都民の身近な自然との触れ合いの場として、あるいはまたヒートアイランド対策としても大変私は重要な事業だと、こう思っております。東京には、関東山地から武蔵野台地に向かって突き出しております市街地に接する丘陵地があるわけでありますけれども、それは雑木林に覆われて、静かな自然を保つこの丘陵地の積極的な保全や利用を進めるには、やはり公園の整備が私は重要だと、こう思っております。そこで、その取り組みについてちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○住吉公園計画担当部長 狭山丘陵を初めとする丘陵地の雑木林は、地域の大切な緑として、また都民の身近な自然との触れ合いの場として貴重な存在となっております。また、連担する大きな緑はヒートアイランド対策にとっても重要な役割を果たしております。
 このため、都といたしましては、野山北・六道山公園を初め、小宮公園、桜丘公園など十一カ所の丘陵地公園約四百ヘクタールの整備を図ってきたところでございます。

○倉林委員 狭山丘陵には、丘陵南西部の大部分を占め、武蔵村山市と瑞穂町にまたがる野山北・六道山公園があるわけです。谷川総務部長さんは武蔵村山の助役さんということで、現地にいらっしゃいましたから、よくご案内だと思いますけれども、その雑木林の自然がたっぷりと残されていて、私は大変よい公園でありますと思っております。特に里山の文化や自然を直接体験できる公園として、また都民も多く利用しているということで大変喜ばれているわけでありますけれども、この公園の整備状況について、ちょっとお聞かせください。

○住吉公園計画担当部長 野山北・六道山公園は、面積が約二百六十ヘクタールの都市計画公園でございます。里山の文化や自然との触れ合いをテーマに、昭和四十八年から事業に着手し、現在、都立公園最大の規模である百二十六ヘクタールを開園しております。
 整備に当たりましては、これまで、雑木林の更新、古民家や谷戸の田んぼの復元、茶畑の保全など特色ある公園づくりに努めてまいりました。
 また、公園の管理に当たりましても、ボランティアを導入し、雑木林の手入れや田んぼづくりなどに都民の参加を得て取り組んでおります。平成十三年度には、車いすでも利用できる展望デッキなどの整備も行ったところでございます。

○倉林委員 公園の整備が減少しているということを聞いておりますけれども、今後の野山北・六道山公園の整備についてお伺いをしておきたいと思います。
 公園は都民のかけがえのない財産でありまして、今後とも、特に用地取得においても努めて整備をしていきたいということを要望しておきますけれども、その整備について、ちょっともう一度お聞かせいただけますか。

○住吉公園計画担当部長 野山北・六道山公園は、貴重な動植物をはぐくみ、都民のレクリエーションの場としても価値ある緑のオアシスでございまして、その整備に努めてきたところでございます。
 公園整備費につきましては、平成十年度には約四十億円でありましたが、用地費の減少によりまして、平成十三年度には三億円弱となっております。
 今後は、事業予算の確保に努め、より多くの都民利用を図るための施策の充実とともに、野山北・六道山公園を、里山の原風景を再生し、里山の文化や自然を直接体験できる公園として整備を進めてまいります。

○倉林委員 時間の関係で、公園だけに絞ってお伺いしましたけれども、先ほど申し上げましたように、自然、緑、公園、大変重要な課題であります。特に東京都は、緑や自然の重要性とか必要性ということは大変強くうたってはいるんですけれども、緑地の保全のための用地買収などにはほとんど手をつけていない。こういう実態なんですね。大変残念ですよ。ぜひこれからも、そういうヒートアイランドの問題、あるいは緑、自然、緑地、こういうものを求めていく上においても、財政的なこともあるでしょうけれども、ぜひとも用地の確保にはこれからも積極的に進んでいただきたい。このことをお願いして、終わらせていただきます。

○小林委員 私は、多摩地区に限ってでありますけれども、建設事務所のことについて質問してまいります。本当は踏切のことを質問しようと思ったんですけれども、千何百カ所もあるというんで、それは質問してもしようがないということで。
 かねてから、私の住まいと事務所のちょうど真ん中ぐらいに、市の巡回の、枝が出ていたとか道路が陥没しているとか、そういう車が、ちょうど私が行くときにいつも出ていって、多分巡回して回っているんだろうなというふうに思っておりまして、それでいろいろ調べたら、小平の中にもそういう北多摩北部建設事務所の、小平市と東久留米を管轄するというんですかね、工区があるということで。
 十数年前にも一度、歩道のふたが一回ひっくり返って行ったことがあって、そのとき余り対応がよくなかったので、それはちょっと違うんですけれども、そういうこともあって、じゃ、実態はどういうふうにやっているのかなということで資料を取り寄せましたら、五つの建設事務所があって、管理工区が二十三、それから工事工区が三あって、そこに勤めておられる人、百三十四人の方々がそういう巡回をするとか、工事にかかわるということであります。私が十数年前に行ったとき印象が悪かったというのは、多少この質問をすることでやりとりをしたときに、当時はそういうこともあったのかもしれないと。最近はもうそんなこと、絶対にございませんということでありました。
 それから、もう一つ、本当にこの制度が、これからも引き続いて必要なのかどうかということも考えてみる時期に来たのではないのかなと思った。
 というのは、工事の技術が随分進んだのと、道路も、いわゆる最低限の道路舗装や整備というのもかなりやられていますので、そういった意味で、かつてのように、そんなにぐるぐるぐるぐる回らなくても、もっと違うやり方で少し見直すということも必要なのではないのかなという、そんな思いから今回質問を思い立ったわけです。
 それで、最初に、おさらいの意味で、この管理工区の役割と、日常どういうふうな仕事をしているのか、まずお伺いをいたします。

○依田道路保全担当部長 道路管理者には、道路の機能を確保し、いつでも円滑、安全に道路を利用できるよう、常に良好な状態に保つよう努める責務がございます。そのため、都道の管理者でございます東京都は、一つは、計画的な道路及び道路施設の維持修繕と更新。二つ目は、日常の道路巡回点検や、これに伴う応急措置。三つ目は、不測の事故や災害に対する応急・緊急対応等を実施して、道路の機能保全に努めているところでございます。これらの業務を、地域に密着し、円滑・効率的かつ即時的に実施するために、各地域に管理工区を適切に配置をし、万全を期しているところでございます。
 お尋ねの工区の具体的業務でございますが、一つは、道路機能回復や改良のために行う各種工事の監督、それから、二つ目は、日常の巡回点検パトロールによる道路の段差あるいはガードレールなどの不具合の発見や、これに伴う応急措置と作業委託業者、関係者への連絡指示等。それから、三つ目は、道路の陥没、道路冠水、街路樹や街路灯の倒壊など不測の事故に際して、通行者の安全確保、交通規制、周辺住民への周知・広報、関係機関との情報連絡、業者指示などの応急・緊急対応を行っております。
 そのほか、住民等からの多様な苦情、要望の対応や、ライフラインなど道路占用工事の指導、調査なども行っておるところでございます。こうした業務は、道路管理上、一体連携して行う必要がございまして、道路管理者が一元的に行っておるところでございます。
 なお、工区は住民サービスの最先端でございますので、職員には日ごろ都民への接遇について教育をしているところでございまして、万全を期しているところでございます。

○小林委員 今のお話を伺っていると、二十四時間三百六十五日ということになろうかと思うんですけれども、土曜や日曜、祭日、こういったお休みのときというのは、どういうふうに対応されていますか。

○依田道路保全担当部長 管理工区業務のうち、巡回点検パトロールでございますが、これは土・日、祭日は実施してございません。が、全路線について、少なくとも三日に一回巡回できるよう、ローテーションにより実施をしております。
 また、道路の維持作業でございますけれども、平日の昼間、勤務時間内においては、巡回点検班からの報告や住民からの苦情を受け、緊急に措置しなければならない場合は、小規模なものについては直営作業班が対応、または委託業者に指示して実施しているところでございます。
 休日・夜間等勤務時間外におきましては、住民や警察等からの情報は、都道管理連絡室で集中して受ける体制になっておりまして、この連絡室からの連絡を受けた建設事務所の補修課長並びに工区において、施設の補修など、当面緊急な措置について委託業者等に指示し、実施しているところでございます。

○小林委員 今、三日に一回、回るということなんですけれども、私が思ったのは、市でもぐるぐるぐるぐる回っているんですね。多分似たような基準でやっているんだろうと思うんですね。それを一緒にやったらいいんじゃないかと思う。まさか都道を避けて通るわけにはいかないですからね。まさか逆に、都は市道を避けるわけにはいかないですよね。どうしてもつながっていますから、やっぱり同じようなところを走るわけですね。これは何かもったいないような気がするなというふうに思うんですけれども。
 例えば東久留米市と、ですから、例えばうまくそこを--財政的な問題だけじゃなくて、車なんかできるだけ走らない方がいいわけですからね、ディーゼル車がどうとかと今いっているわけですから、そういうことはいかがですか。何か障害があるんですか。

○依田道路保全担当部長 巡回点検パトロールにつきましては、市は市道の管理者としての責務を果たすため、いわゆる市道の巡回点検を行っておりまして、東京都は東京都で、都道の管理者としての責務を果たすため、巡回点検をおのおのが実施しているところでございます。
 なお、お話がありましたように、お互いに都道、市道を通って来る場合もございますので、お互いに必要な情報の提供などは、連携をとって行っているところでございます。
 また、都道の巡回点検につきましては、限られた組織、人員の中で、可能な限り効率的、計画的に点検できるよう、工夫しながら実施しているところでございます。

○小林委員 要するに別々に、管理者は別だからということだと思うんですけれども、それは納得するようだけれども、それは考えてみればむだですよね。
 最近はないけれども、昔、下水道のとき穴掘って、それで埋めたら三日後に、今度は水道の穴掘って埋めたと。予算が別だからそうなったと。そんな話ですよね、要するに。直接は一緒じゃないかもしれないけどね。
 一般の人から見れば、走っているときにこれが都道だ、これが市道だなんていって走っている人いませんよ。みんな一緒なんですよね。都の車が行ったり、市の車が行ったり、それはやっぱり、さっき行ったのに、また何で行ったんだみたいな話になっちゃいますよ。だから、それは何か工夫すれば、私はできると思うんですね。それは今までのやり方でやろうとしているから、私はそういう発想になると思うんです。今はもうそういう時代じゃないと思うんです。何かやっぱり考えて、工夫してやれるような方向を探る、そういう時期に来ているんだろうというふうに思います。
 例えば、法律はどうかわかりませんけれども、例えば、幸いか不幸か、小平市には国道がないんですよね。ですから、都と市だけですから、例えばそこの、何か両方の資格を持つそういう団体みたいなものをつくるとか、そうやって、市は市で事務所があって、都は都で事務所が別にあるわけです。一カ所でいいわけですよね。そんなことを私は考えますが、そういったことは可能ですか。

○依田道路保全担当部長 先ほど申しましたように、道路パトロール、巡回パトロールについては、道路の管理責任を果たすという意味で、市は市道の点検を、都は都道の点検をしているところでございますが、最近、郵便局と協定をして、点検を、集配のときに一緒に見て、それを情報提供しましょうとか、あるいは運送屋さんと協定してと、こういう動きも現にございます。これは責務としてやっているわけではございませんで、そういう機会をとらえて点検していただきたいという、お願いに近いものだろうと思います。こういう動きもございますので、基本的には都は都道の管理者として責務を果たしながら、そういったことも今後考えていく必要があるかなというふうには思っております。

○小林委員 環境局のときに、産廃の質問をしたときに、Gメンとか、きのうかきょうの新聞なんかでも、新聞配達、朝早いじゃないですか。不法投棄というのは大体深夜とか朝方やるんだそうです。新聞配達の人に委託をして--委託というのかな、そういう協力のお願いみたいにして、そういう発見があったらすぐ連絡をする。今みんな携帯を持っていますからね。そういうことだって可能ですよね。技術的にもかなり進歩していますし、あと時代の要請もそういうふうになっているわけです。ですから、余り都の責務、責務とか、市の責務って、一般の人から見れば公的な責務なんですよね。市だの、国だの、都だのというのは皆さんが思うだけで、一般の人から見ればみんな役所は一つなんですよ。そういうふうに思いませんか。私はそういうふうに思うんです。そういう時代だと私は思う。
 そういう意味で、局長、今私が申し上げたようなことを今後ぜひ考慮に入れていただいて、管理に当たっていただければと思いますが、決意--決算というのは予算になるのかな、そういうことを要望しますが、もし局長の見解があればお尋ねします。

○小峰建設局長 先ほど道路保全担当部長からもご答弁申し上げましたけれども、やはり道路管理者としての東京都の責務というのは果たさなければいけないわけでございます。道路の機能を確保し、いつでも円滑で安全に道路が利用できるような状態というのを保つことでございます。これについては、やはり管理者としての責務、これはまた法律的にもそうせなければいけないということでございます。
 そういう意味から、道路及び道路施設の計画的な維持、修繕、更新を図るとともに、日常の巡回点検パトロール、あるいは、それに基づく応急措置などにも努めてまいりたいと思います。
 これからも安全、円滑で快適な交通を確保するため、都民を初め、民間部門の知恵や協力を得ながら、社会経済の変化など時代の要請に合った効率的、効果的な道路の管理に努めてまいります。

○長橋委員 時間もたってまいりましたが、私は、地元、霊園を二つ抱えておりますので、この霊園に絞ってご質問をさせていただきたいと思います。
 今月の十一日に公園審議会から、将来の区部霊園ですね、二十三区の区部霊園のあり方と、その方向性についてまとめた、区部霊園の管理について、中間まとめが出されましたけれども、区部霊園については、昭和三十五年、三十七年から全面公園化、こういうふうに都市計画で決まっていたわけですけれども、その全面公園化の問題点と、この中間まとめが出された今後の方向性について、まずはお伺いいたします。

○安藤公園緑地部長 区部霊園の管理について、中間のまとめでは、全面公園化の問題点として、青山霊園、雑司ヶ谷霊園など区部四霊園については、全面的に空地化することは極めて長期間を要すること。また、現在の使用者を霊園外に移転させることは、受け皿が存在しないことや、多額の補償費を要すると、非常に困難な事業であるとしています。
 今後の区部霊園の方向性につきましては、区部霊園が開設以来百三十年の歴史の中ではぐくんだ自然資源や人文資源は、都民共有の貴重な財産である。都は、そうした財産を良好に保全しながら、さらに四十年間で得られた空地を効果的に活用し、霊園利用者だけでなく、広く都民が利用できるよう、公園と霊園が共存し、相乗的に機能を発揮する空間として再生すべきであると、中間のまとめで提言しています。

○長橋委員 そういうわけで、霊園利用者だけではなくて、広く都民に利用してもらおう、使用できるようにしていこうということで、空地を再生していくということで、全面公園化について四十年間かけてやってきたわけですけれども、何回も聞いていますけれども、その空地というのはどのように得られてきたのか、まずお聞かせください。

○安藤公園緑地部長 使用者からの自主的な墓所の返還や、都が行いました無縁墳墓整理によるものでございます。

○長橋委員 もうそれはそのとおりでございますけれども、要するに四十年間かけて、いわゆるこの墓所の返還、それから無縁墳墓の整理。その結果が、空き墓所がわずか九%にも満たない。面積でいえば全体の五・五%しかならなかった。まあ、何ていいますか、そういうことで四十年間やってきたわけですよね。このペースで行けば、四十年間かけて九%ということは、全部は、とても無理ですけれども、だから四百年みたいな話になっちゃうわけで。
 つまり、全面公園化に向けてといっておきながら、施策は待ちの施策であったということになると思います。非常に困難な事業というわけでございますけれども、どう考えても全面公園化というのは無理だというのは、改めてわかったのではなくて、本来であれば、もっと早く都民の声を聞いて、諮問を受けてじゃなくて、また監査を受けてというのではなくて、早くもっと都民の声を聞いて、どういう姿が一番いいのかというのをすべきではなかったのか。
 そういうことであれば、市街地だから、市街地の本当に一等地に霊園があるのに、再開発していないから空き墓所がある。ぜひ再開発をしてもらいたいという声もあれば、いつになったらこの公園化をするんだという声もあるわけで、そういう意味でいえば、今回のこの中間まとめというか、十二月に諮問されるそうですけれども、もっと早くやるべきだったのではないかなと、こういうふうに思うわけでございます。
 それで、まず墓所の返還、これはどのような理由によって行うのか。また、墓所の返還の促進に関してどういう問題点があるのか、お答えをいただきたいと思います。

○安藤公園緑地部長 使用者の東京都外への転居や、承継者がいないため、今後、墓を守っていけないなどが返還の理由でございます。
 また、墓所返還に関し、困難な点でございますが、使用者に返還時の原状回復義務が課されております。その原状回復に費用がかかること、遺骨の改葬先を探さなければならないことなどでございます。

○長橋委員 まず、墓所の返還でありますけれども、困難な点は、原状回復費用がかかる。そして、遺骨の改葬先を探さなければいけない。これは大変なことであると思います。
 聞きますと、この原状回復、更地に戻すということであると思いますけれども、平均、この墓所というのは、一墓所四平米。いろいろ大きいのもあれば小さいのもあると思うんですけれども、平均四平米である。そうすると、平均四平米の墓地で原状回復をすると、個人でやりますので、五、六十万かかる、こういうふうに聞きました。
 ところが、管理料ですと、一平米年間六百四十円。ですから、四平米だと年間二千五百円で済んでしまう。そういうふうに考えますと、なおかつ原状回復をして遺骨の改葬先も探さなければならない。こういうことになると、毎年二千五百円の管理料を払えば済むということであれば、これはいつまでたってもこの墓所の返還というのが進まないと、こういうふうに思うわけであります
 今回の中間まとめにおいて、青山霊園がリーディング・プロジェクト、こういうことでありますけれども、この原状回復費用の免除であるとか、また遺骨の改葬先も確保する、こういうふうに一応中間まとめでは答申されていると。これについても、他の区部霊園についてはどういうふうに考えていくのか。他の区部霊園といいますか、公園化に向けた有効な手段ということでこういう答申が出たと思うんですけれども、この原状回復の費用も個人だと五、六十万かかるわけですけれども、幾つかまとめてやれば、また都の事業としてやれば費用はそんなにかからないわけで、その半額だとか、もっとまとめてやればですね。それをいきなり、更地じゃなくて、それをまとめてやれば、事業にもつなげていけるのであれば、かなり違ってくると思うんですけれども、どのように検討していくか、お答えください。

○安藤公園緑地部長 現在、中間のまとめに基づきましてパブリック・コメントを実施しております。ここで出された意見や審議会での議論を踏まえまして、今後、最終答申を受ける予定でございます。
 青山霊園における墓所返還時の原状回復の費用につきましては、最終答申を受けた後、都として検討していくことになります。
 他の区部霊園につきましては、今後、個別に検討する必要があるものと受けとめております。

○長橋委員 費用のかかることでありますので、全部を持つということがいいのかどうかというのもあると思いますけれども、やはり公園化ということを考えると有効な手段と思いますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
 次に、今度は無縁墳墓の整理でございますけれども、これについてはどのような手続でやっているのか、そしてまた、その費用はどれぐらいかかるのか、あわせてお願いいたします。

○安藤公園緑地部長 無縁墳墓の手続についてでございますが、まず現地調査を行いました後、当該の墓所に一年間、無縁墳墓を整理する旨の立て札を設置するとともに、官報に登載いたします。その後、使用者が生存しているか、縁故者がいるかなどについての在籍調査を行いまして、不利益処分のための聴聞手続を経まして改葬が行われることとなります。これらの手続につきましては、二年以上の期間を要しております。
 また、現在進めております無縁墳墓整理事業に要する費用でございますが、一墓所当たり約二十万円でございます。

○長橋委員 これも考えますと、無縁墳墓の整理、これは条例で決まっているそうで、五年以上たつと取りやめることができると、こういうことであると聞きました。ただし、五年たって直ちにというわけにはいかないので、十年ぐらいかかっているような状況であるということもあるところでございますし、現在この空き墓所が、四十年間かけて一・五ヘクタールということでございますので、管理料で計算しますと約一千万円。これが無縁墳墓のために入ってこない。これが毎年一千万円。十年だと一億円になるわけですね。
 また、三万七千墓所ぐらいあるわけですけれども、それを、無縁墳墓整理事業、千基あったとすれば、約一墓所当たり二十万円ということですので、二億円ぐらいになる。こう考えると、それが本当に五年ということではなくて長期、十年かかって、またなおかつ二年かかってみたいなことで、大変長期にわたってかかってくる。その分、本来都として、管理料であるとか、そういったものが入ってくるにもかかわらず入ってこない。こういうことを考えますと、この無縁墳墓整理事業についても、管理滞納期間短縮とかいうことも検討していかなければいけないと思いますけれども、これについてもどうお考えでしょうか。

○安藤公園緑地部長 無縁墳墓整理事業につきましての短縮でございますけれども、現在十年間滞納したものについて無縁墳墓整理を行っておりますが、今後五年程度の期間で無縁墳墓整理をやっていく必要があるものというふうに考えております。

○長橋委員 これは青山霊園だけではなくて、ほかの霊園もそういう方向でということでよろしいんでしょうかね。
 現在、地元のことですけれども、今いった無縁墳墓整理事業、私の地元で雑司ヶ谷と染井霊園があるわけですけれども、この進捗状況はどうなっているのか、お伺いいたします。

○安藤公園緑地部長 これまで無縁墳墓整理事業などによりまして、雑司ヶ谷霊園では千百カ所、四千六百平方メートル。染井霊園では五百七十カ所、四千三百平方メートルの空き墓所をそれぞれ確保しております。
 現在、新たに空き墓所確保のために五カ年計画による無縁墳墓整理事業を実施しておりまして、雑司ヶ谷霊園では百三十カ所、六百平方メートルにつきまして在籍調査に着手しております。
 また、染井霊園では二百三十カ所、九百平方メートルにつきまして無縁墳墓をする旨の立て札の設置を行っております。

○長橋委員 染井、雑司ヶ谷についても五年計画でやっていらっしゃるということでございます。
 次に、染井霊園もそうですけれども、雑司ヶ谷霊園については避難場所になっているわけでございまして、災害時の対策として、地元要望にこたえて、さまざまな整備を都としてもしてきていただいております。先日もインナーリンク構想、請願を趣旨採択していただきまして、地元としても一歩前進したということで喜んでいるわけでございますけれども、この雑司ヶ谷霊園、今までどのような整備を行ってきていたのか、お伺いをいたします。

○安藤公園緑地部長 雑司ヶ谷霊園では、防災上の視点から、これまで霊園周囲の万年塀を撤去しまして生け垣とする事業を実施してまいりました。また、霊園の入り口につきましては、五カ所新設し、既設の入り口十一カ所の改良などを実施してまいりました。

○長橋委員 最後に、この防災の観点においても、ぜひ地元の声をよく聞いて事業を実施していただきたい、こういうふうに思います。
 最後に、雑司ヶ谷霊園、染井霊園について、青山リーディング・プロジェクトが出て、もちろん同じではないと、こういっているわけですけれども、リーディングと書いてあるものですから、雑司ヶ谷、染井霊園も、もしかしたらこれもあるのではないかみたいな声も上がったりしているわけでございます。まだ検討中だと思いますけれども、この雑司ヶ谷、染井霊園については、どのように方向性を考えているのか、最後にお尋ねいたします。

○安藤公園緑地部長 先ほどの中間のまとめで現在パブリック・コメントを行っているところでございますが、その中間のまとめでは、区部四霊園の立地条件や特性は大きく異なっており、リーディング・プロジェクトとしての青山霊園で示した再生の方針や、そのための制度手法がそのまま適用できるとはいえないとしまして、こうした状況を踏まえると、他の区部霊園の将来像や実現手法については、今後立地条件や特性に応じて個別に検討していく必要があるとしております。

○かち委員 三点ほどお聞きします。
 まず、多摩ニュータウン住宅建設対策費補助の見直しについてです。
 昭和四十九年から、都のニュータウン開発事業に伴って始まったこの制度が見直しをされ、十三年度が一つの区切りとなるようですけれども、きょうは、この見直しの経緯についてお伺いします。

○高西多摩ニュータウン事業部長 多摩ニュータウンにおきます住宅建設対策費補助制度、いわゆる住建補助制度についてでございます。
 本制度は、開発初期の大量かつ集中的な住宅建設による地元市の財政負担を軽減するため、昭和四十九年に創設されたものでございます。具体的には、ニュータウン内の小中学校等の建設にかかわります市負担分につきまして東京都が補助をするというものでございます。
 見直しの経緯でございますが、平成八年の東京都行政改革大綱によりまして、高率補助金について適正化を図るということになりまして、住建補助も見直しの対象となりました。これを受けて、都と地元の八王子市、多摩市、稲城市で、多摩ニュータウン住宅建設対策補助金部会を設置し、ここでの議論をもとに平成十一年五月に見直しを行ったものでございます。
 その内容でございますが、補助率につきまして、開校当初から七年間を一〇〇%、八年目は十二分の十一、九年目は十二分の十、以降段階的に低減させまして、十三年目以降は二分の一にするというものでございます。
 なお、平成十一年度から十三年度までは激変緩和措置を実施し、十四年度から平年度化したものでございます。

○かち委員 ニュータウンという事業のもとで、大量な、集中的な住宅建設に伴う地元の財政負担を軽減するためということで始まったこの制度なのですが、いろいろと市とも検討されてきた結果ということではありますが、では、現在、八王子、多摩、稲城市の対象となる学校数はどういうふうになっていますか。

○高西多摩ニュータウン事業部長 平成十三年度の補助対象校は、三市合計で五十二校でございます。各市の内訳は、八王子市で小学校が十五校、中学校が八校、計二十三校、多摩市で小学校十五校、中学校八校、計二十三校、稲城市で小学校四校、中学校二校、計六校となっております。

○かち委員 五十二校の建設費が対象になっているということですけれども、この見直しを行うに当たって、関係市議会や市長さんなどから、都に継続を求める意見書が出ていたというふうに伺っていますけれども、その辺を確認したいんですが、いかがでしょうか。

○高西多摩ニュータウン事業部長 補助金の見直しにつきましては、平成十一年三月二十三日付で、八王子市長、多摩市長、稲城市長の連名で、都知事にあてまして、多摩ニュータウン住宅建設対策補助金に関する要請書というものが出されております。その趣旨は、見直し案の実施は、激変緩和措置が講じられるとはいえ、地元市の行財政運営に深刻な影響を与えるので、これまでどおりとするよう求めるというものでございます。
 その後、平成十一年五月に、先ほども申し上げました内容で見直しを行い、現在に至っているものでございます。

○かち委員 そういう意見書が出た後に見直しをして、現在の経過をたどっているわけですけれども、地元市としては、決してこれをもろ手を挙げて賛成をしているという状況ではないと思うんですね。東京都の財政再建プラン、こういうもとで、当初の状況とは条件が変わった、状況が変わったということで、大幅な起債返還の大後退という現状になっていると思うのです。
 こういうことは、当該市にとっては大変大きな財政負担になると思います。実際、稲城市のような年間二百億の予算規模の自治体が、この件だけについて百億円の起債残額を抱える、こういうことでは、本当に今後の財政運営にも大きな影響を与えると思います。こういうことで、歴史的な経過や当該市の実情を十分にかんがみて、この制度をもとに戻すよう、一応意見を述べておきます。
 次に、公園整備について伺います。
 先ほど倉林委員から質疑がありまして、私も大変同感の意を持つものですけれども、最近のヒートアイランドや異常気象、こういう現象は本当に看過できない状況だと思うんですね。緑は、潤いや憩いの場というだけではなくて、本当にこの過熱した東京を静める、そういう意味でも、都市計画された公園整備というものは急いで行っていかなければならない現状にあると思うのです。
 その意味で、都においては、緑の東京計画で平成二十七年まで公園整備目標を定められましたけれども、それでは、都市公園の開園実績というのはどうなっているでしょうか。

○住吉公園計画担当部長 都立公園の開園実績でございますけれども、平成十二年度に二十四カ所、三十六ヘクタール、平成十三年度に十六カ所、十七・八ヘクタールの開園を行っております。また、平成十四年度につきましては、十一カ所、八・二ヘクタールの開園を予定してございます。

○かち委員 この公園マップを見せていただいたんですけれども、地図を見ただけでもいかに緑が少ないかというのがわかるのですが、ここに都市計画決定された計画予定公園名が載っていまして、八十七カ所あるのですね。予定面積では三千九百、約四千ヘクタール。しかし、現在の開園状況というか整備状況は千六百六十七、まだ半分に至っていない、四〇%程度しかないわけです。こういう状況の中で、今のご説明によると、十二、十三、十四の三年間で、箇所数では半分、面積では四分の一、十四年度は予算で既に四分の一に減ってしまうんですね。あと十五年で四百ヘクタールの整備を行うという計画なんですけれども、これでいきますと、平均でも年間二十六ヘクタール以上やらなければならないわけですけれども、それが十七ヘクタール、八ヘクタール、こういうことではとても目標には追いつかないし、このままいったら、本当に公園整備予算がなくなってしまうのではないかというぐらい、私は非常に危機感を持っております。
 こういう状況に対して、担当局としてどのようにお考えでしょうか。

○住吉公園計画担当部長 都立公園の整備でございますけれども、現在の都の財政状況等によりまして、この数年、都立公園の整備、開園が非常に少なくなっているという現状がございます。
 今後は、平成二十七年に都民一人当たり七平方メートルという目標に向けて、いろいろな知恵を絞って、この目標に向けて公園の整備をできるだけ計画的に進めていきたいというふうに考えております。

○かち委員 できるだけ計画的に進めていきたいという思いはわかるんですけれども、現実に予算配付をしなければ進まないわけですね。結局、今のお話でも、財政事情だというわけです。私、過去の十年間の整備状況の資料をいただいたんですけれども、これを見ますと、整備費の予算、決算額というのは大体三百数十億なんですね。十年前は七百億とかそういうときもありましたけれども、大体三百数十億で経過しています。しかし、それはほとんどが用地買収で起債を起こしたその返還分であって、実際に用地買収で使えるお金というのは六十億とか数十億しかないわけですね。それすらも使えていないというのが現状だと思うのです。これでは、やっぱり本格的な公園整備は到底できないのではないかと思います。
 今までにもいわれているように、世界の諸都市と比べても、東京の一人当たりの公園面積は大変低いレベルにあるわけです。現状はどうなっているのか、多摩地域と区部に分けるとどういうふうになるのか、お答えください。

○住吉公園計画担当部長 一人当たりの公園面積でございますけれども、東京都全体では約五・四平方メートル、区部では約四・四平方メートル、多摩部では約六・五平方メートルとなっております。

○かち委員 公園の目標としては、国では一人当たり十平米を目標としています。東京都は緑の東京計画で七平米を掲げられているわけですが、今のお話のように、区部と多摩を合わせても、まだ五平米程度なんですね。このままでは、目標達成は大変暗い見通しというふうに思います。国際都市東京を目指すというならば、こうした公園整備、面積も国際水準にぜひ見合うように予算運営を進めていただきたいと思います。局としては、どのように考えているでしょうか。

○住吉公園計画担当部長 今後は、緑の東京計画に従いまして、緑の骨格軸の形成や防災公園の整備、さらに東京の顔となる文化財庭園の復元など、事業の重点化を図っていく予定でございます。また、国庫補助の拡大を図るなどして、水と緑がネットワークされた風格都市東京を目指した都立公園の整備を進めてまいります。

○かち委員 東京の公園は、絶対数が面積としても少ないわけですから、重点化などといわないで、全面的に計画されたものは進めるようにぜひよろしくお願いいたします。
 次に、最後に、国の直轄事業の負担金について伺います。
 幾つかの直轄事業があるわけですけれども、とりわけ道路事業の負担金について伺います。平成十三年度の主な道路直轄事業を出していただきましたが、十三路線、その中には圏央道あきる野インターとか、湾岸道路、江戸川区環七立体などの新設工事なども対象になっています。平成十三年度の当初予算額及び決算額は幾らでしょうか。また、その差額についてはどう対応されたのでしょうか。

○谷川総務部長 平成十三年度の直轄事業負担金のうち、道路事業の当初予算額は百六十二億円でございます。決算額は三百七十七億円でございます。差額の二百十五億円については、百十八億円を既定予算から流用いたしました。残り九十七億円については、補正予算で対応いたしました。

○かち委員 当初は百六十二億円で、決算が三百七十七億円、随分補正と流用をされたということなんですけれども、それでは、十一年度、十二年度というのはどういう状況だったでしょうか。

○谷川総務部長 平成十一年度の当初予算額は百二億円、決算額は二百九十六億円でございます。百四十億円を既定予算から流用し、五十四億円を補正予算で対応いたしてございます。また、平成十二年度の当初予算額は百二億円、決算額は三百二十八億円でございまして、四十八億円を既定予算から流用し、百七十八億円を補正予算で対応してございます。

○かち委員 いずれも当初予算の二倍から三倍近い決算額になっているわけです。補正や流用で対応されているわけですけれども、こういう組み方、今財政が非常に厳しい、予算を組んでからも一〇%シーリングというようなことが徹底されている中で、ここだけはなぜこのようなことが許されるのだろうかと全く不思議です。いずれもこういう状況ですから、それで、こういうことがなぜできるのかということで、予算の組み方、これはどういうふうになっているのでしょうか。

○谷川総務部長 直轄事業負担金については、翌年度の事業予定箇所や進捗見込みが示されるようになってございますけれども、負担金額については明らかにされていない現状がございます。したがいまして、予算編成に当たっては、国の直轄事業の動向、あるいは都の予算見積もり方針などを総合的に勘案しながら見積もっている状況でございます。

○かち委員 普通の予算の組み方では全くないということなんですね。都の予算編成時には、一体どこをどれだけやるのか、どれだけの予算を組めばいいのかというのは全くわかっていない。五月になってから、国からやっと予算額が出てくる。しかし、箇所づけは、またその一カ月ぐらい後から出てくるという状況なんですね。その後、七回ぐらいにわたって補正を組んで、こういう結果になるということですので、余りにもこの予算の組み方が国の都合次第ではないか。地方分権という立場からしても、このようなやり方は通用しないのではないかと思うのです。
 しかも、道路事業については、国はガソリン税や道路特定財源というものを充てているわけですけれども、都においては、すべて一般財源か起債ということで、そのことが一般の施策に大きく影響するわけですから、このようなやり方というのは、都としてぜひ国に意見を上げるべきではないかと思いますけれども、どのように対応されているのでしょうか。

○山崎企画担当部長 直轄事業負担金についてでございますけれども、東京都は以前よりこの制度の改善を国に働きかけてきております。その結果、先ほど総務部長の答弁にありましたように、平成十二年度から、翌年度の事業の予定箇所や進捗見込みなどの情報が国から提供されるようになっております。平成十四年度には、さらに国土交通省と会議や事業現場の視察を実施するなど、情報交換に努めているところでございます。
 このように、一定の改善が図られてきておりますけれども、なお引き続き計画段階からの協議の法制化等、国に対して提案要求を行っていきたいと思っております。

○かち委員 お互いの現場同士の情報公開、そういうものはやられているんでしょうけれども、これは本当に一方的な国のやり方をそのまま都に押しつけている形に変わりないと思うんですね。聖域なき見直しといわれ、都民にとっては切実な予算までシーリングがかかっている中で、不要不急、いろいろ意見のある道路事業がこのような特別待遇の予算編成を行う直轄事業というものは、改めて見直すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

○小美濃委員 それでは、先ほど我が党の倉林委員から、多摩の道路事業に関しまして、大変丁寧に質問をしていただきました。その中で、みちづくり・まちづくりパートナー事業、これは当初五年間で計画をしたということは、先ほど質問の中にもございました。しかし、配分額が各市の予算額を下回り、円滑な事業がおくれぎみであります。そのために、平成二十年度まで延長したということも先ほど述べられました。
 しかし、私どもの市でも、十五年度までという計画で、地権者の方々もその計画を立て、その計画どおりにならなかったということで、大変困っていらっしゃる方もいらっしゃいます。ぜひとも計画どおりの事業を推進していただきますよう重ねて要望いたしまして、質問に入らせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、松原副委員長着席〕
 実は、今回はJR連続立体交差化事業について簡潔に質問をさせていただきます。
 知事も、平成十二年第一回定例会の所信表明の中で、多摩地域の都市づくりについては、調布保谷線、府中所沢線などの南北方向の道路整備や、JR中央線の連続立体交差化事業などに重点的に取り組んでまいります。また、当該決算年度の平成十三年第三回定例議会でも、東京都は交通渋滞の解消に向け、本年四月、JR中央線の連続立体交差の工事に着手したほか云々、積極的に都市基盤を整備しております。また、十四年第一回の定例議会でも、連続立体交差化事業も早期完成に向け取り組みを強化しておりますなどなど、三年にわたり、知事も大変力を入れているJR中央線連続立体交差化事業が、当該決算年度、平成十三年度に着工をしたわけであります。
 そこで、まず、今現在、工事が盛んに行われている状況でございますけれども、事業の進捗状況についてお伺いをいたしたいと存じます。

○岩永道路建設部長 JR中央線の連続立体交差事業でございますが、お話のように、多摩地域における南北交通の円滑化、あるいは沿線のまちづくりに寄与する大変重要な事業でございます。事業区間のうち、三鷹駅から国分寺駅間六・二キロメートルの東側区間につきましては、用地取得が既に完了しております。また、全区間において仮線路や仮駅舎の建設工事を現在実施しているところでございます。また、西国分寺駅から立川駅間二・八キロメートルの西側区間につきましては、必要な用地の約九〇%を取得している、このような状況になっております。

○小美濃委員 現在、私の選出をさせていただいております武蔵野市は東側区間に当たるわけでございますけれども、この東側区間につきましては、全線にわたり工事が進められ、高架完成に向けた地元の期待は大変高まっているわけであります。また、先ほどご答弁がございました西側区間につきましては、必要用地の九割を取得しているということでございますけれども、この東側区間、また西側区間の今後の見通しについてお伺いをいたします。

○岩永道路建設部長 まず、東側区間につきましては、平成十八年度の高架化を目指しまして、十五年度には上りの仮線、十六年度には下りの仮線にそれぞれ切りかえまして、本格的に高架工事に着手していく予定でございます。また、西側区間につきましては、二十年度の高架化に向けまして、本年度内に用地取得を完了させまして、十五年度から仮線工事に着手していく予定でございます。

○小美濃委員 比較的東側区間に関しましては順調に進んでいると私も認識しているわけでございますけれども、西側区間に関しましては、残り一割といえども最後までしっかりと用地の取得に向けて努力をしていただきたいな、そんなふうに思っております。
 また、交通バリアフリー法では、駅などの旅客施設を新たに建設する場合は、バリアフリー基準への適合を義務づけております。今回、連続立体交差化事業により高架化される駅のバリアフリー対策についてお伺いをいたします。

○岩永道路建設部長 連続立体交差事業により高架化される駅舎につきましては、高齢者や障害者などを含むすべての人々が円滑に利用できるようエレベーターやエスカレーターを適切に設置するなど、バリア対策を推進していくことになっております。
 基本的には、各駅エスカレーターを四基、エレベーターを二基ということで整備を進めておりまして、そのほか、バリアフリー対策として誘導ブロックなど、きめ細かな対策も実施してまいります。

○小美濃委員 大変力強いご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 次に行きたいと思いますが、先ほど申しました、私の選出させていただいております武蔵野市は、武蔵境駅というのが、実は該当の駅になるわけでございますけれども、この駅付近では、武蔵野市が、まちづくり側道など、連続立体交差化事業と一体となったまちづくりを進めているほか、地元住民による駅広場まちづくり協議会というのを地元住民がつくりまして、連続立体交差化事業を通して、さまざまな駅周辺のまちづくりを進めているわけであります。こういった地元市との連携についてはどのように取り組んでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。

○岩永道路建設部長 この連続立体交差事業と地元の自治体で進めておりますまちづくりを総合的、一体的に進めることが、地域の発展に大きく寄与するというふうに考えております。今後とも、駅前広場や関連側道など、地域のまちづくりにつきまして、地元市や鉄道事業者などと緊密に連携を図りながら事業を推進してまいります。

○小美濃委員 先ほどご紹介をいたしました地元住民でつくる駅広場まちづくり協議会は、本当にみずから駅前でフリーマーケットなどを開催して、連続立体交差化事業にかかわる武蔵境駅舎、これの改築に関しまして、自分たちも費用を自分たちで捻出しながらまちづくりに貢献をしよう、こういう動きをしているわけでありまして、連立事業によるよりよいまちづくりが行われるよう、地元住民ともしっかりと連携をとっていただきたい、こう思っているわけであります。
 また、当初、平成十五年度には、実はこの東区間は完成の予定でございました。しかし、用地取得等々の関係で十八年に延期をされたわけであります。先ほどご紹介をいたしましたように、知事も三年連続してご自身の所信表明演説で述べられておられることですし、これ以上延期などということがないように、一日も早い完成を目指して事業を進めていただきたい、こう申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

○真木委員 河川についてお尋ねをいたします。
 先ほど来多摩地区の河川につきまして話がございました。多摩地区の河川におきまして、整備をするといった場合、曲がりくねった暴れ川を真っすぐな川に整備をするということが多分にございます。全体でなくても、一部分部分、曲がっていたところを真っすぐにしていくというようなことで、昔は水が流れていたけれども、今は川の形だけして水が流れていないというようなところが随所にございます。これを旧河川敷というぐあいにいわせていただきたいと思いますが、その旧河川敷の管理につきまして、幾つかお尋ねします。
   〔松原副委員長退席、委員長着席〕
 平成十三年度におきまして、旧河川敷の管理のために要した費用、草刈りや清掃など、旧河川敷の維持管理に要した費用をお尋ねします。

○鈴木河川部長 東京都は、多摩地区におきまして五十四河川、延長四百十キロを管理してございます。草刈りや清掃などに要した維持管理費は、旧河川敷を含め、十三年度決算額は約四億五千万円でございます。

○真木委員 特に旧河川敷の管理のための費用というものは積算されていないということでございますけれども、旧河川敷では多分に不法投棄等が行われております。旧河川敷の管理についてどのような工夫をされているのか、実態は行っているのかどうか、確認をします。

○鈴木河川部長 改修工事などに合わせまして旧河川敷を整備しまして、市民に開放しているところでは、ごみの不法投棄は少ない実態でございます。ただし、一部の旧河川敷には、残念ながら不法投棄が見受けられます。
 このため、例えば境川でございますが、おおむね年六十回の河川監察を実施し、また、警告看板やネットフェンスを設置するなど、不法投棄の防止に努めているほか、草刈りや清掃などを適宜実施しているところでございます。さらに、市民の方々による河川清掃、これは多摩地区の河川で随所で行われておりますが、これらの実施に当たっては、都と市がごみの運搬、処理に協力することとしております。
 今後も、地元市など関係機関及び市民との連携を図りながら、旧河川敷の適正管理を進めてまいります。

○真木委員 管理につきましては、また後でお伺いしますが、旧河川敷、今話のありました境川等におきましても、売られたりしております。隣接している方が、非常に豊かな自然、生物多様性の確保された緑地として、憩いの場としておったものが、突然ブルドーザーが入った。何事かと思ったら、向かい側の人が買っていたというようなことがこの前もありまして、私は通報を受けて、警察に動いてもらいまして、警察が、パトカーが行ったら、実は買っていたというような、そういったこともあった次第でございます。
 旧河川敷の、多様な生物多様性、そして地域の皆様の憩いの場として、できる限り保全の方向で考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木河川部長 旧河川敷につきましては、これまでも自然環境を保全した遊歩道のほか、せせらぎ公園、ポケットパーク、あるいは子どもさん方の遊び場として整備してきております。
 今後も、地元市や地域の方々の意見を聞きながら、利用計画の策定や整備に当たってまいります。

○真木委員 今、地元の方々の意見というのを聞きながらということを、どうぞよろしくお願いしたいと存じます。都なり市がすぐ整備といいますと、立派な公園をつくっちゃうんですね。立派な公園をつくっていただく必要は全然ないんだと思うんです。保全をしていただきまして、ちょっとした遊歩道、市民の目に触れるように、歩けるようにしてもらう。そうしますと、不法投棄とかもできなくなるわけでありまして、立派な公園、埋めてしまって、旧河川の形だけ残しながらも、そこにブルドーザーを入れてしまって公園にしているなんていうこともたくさんあります。ブルドーザーを入れての立派な公園にしていただくんじゃなくて、ちょっとした歩けるスペースだけを確保していく。そのことによって市民が旧河川敷を楽しむ。そのことによって不法投棄がされないような自然な環境ができていくというか、きれいな環境ができていくということにつながるんだと思います。売るとかいうことではなくて、一方、立派な公園をつくる必要はない。むしろやめてもらいたい。それよりも、市民に親しまれる遊歩道的なスペースをぜひ考えていただきたいというぐあいに思います。
 引き続きまして、河川の改修についてでございますが、先日、九月議会におきます本会議質問を私もさせていただきました。そして、神奈川県の約束不履行による整備のおくれ、そのことによって、東京都が境川の河川改修をおくれているという事実を指摘し、その改修に向けまして、極めて積極的なご答弁をいただきました。五カ所につきまして、あえて東京都は整備をしないで残されていた部分、それを整備をする方向でご答弁をいただいたんですけれども、境川はいかにも旧河川法のもとでの整備というか、親水とか景観というものに全くといっていいほど配慮されていない、ぼんと掘っちゃった、コンクリートで固めた川であります。せめてこれから改修をするその五カ所につきまして、少しでも、一カ所でも多く景観や親水に配慮したものにしていただきたいというぐあいに思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木河川部長 河川の整備に当たりましては、これまでも良好な河川環境の保全、再生、創出に配慮した川づくりを積極的に進めてきております。
 境川におきましても、根岸橋下流及び境橋下流の二カ所で階段護岸やテラス整備を行うなど、水辺に近づける川づくりを実施してきております。今後とも流域住民の安全を守るため、神奈川県の改修工事の進捗状況を勘案しながら、未改修箇所の解消に努めてまいります。

○真木委員 続きまして、すいすいプラン一〇〇につきましてお尋ねをしたいと存じます。
 東京の道路、どこも渋滞しておりますが、多摩地域の東京都道におきましては、片道複々車線の道が少ないというようなことによりまして、右折部分、交差点で非常に渋滞をいたします。そうしたことから、右折待機線をつくるこのすいすいプラン一〇〇、大変なお金がかかりますけれども、それでも道をつくり直すということではなくて、少ない費用で大きな効果を上げるということで、本当にいい事業だなというぐあいに考えさせていただいております。
 そうした中で、すいすいプラン一〇〇も、平成六年から始まったんですよね。五十二カ所は完成をし、残りの四十八カ所につきましても、既に着手をしている。未着手のところは一カ所もないということでございます。この大変効果のあるすいすいプラン、右折待機線の整備、これは百全部できてから次を考えるというのでは継続的な事業にはなりません。百が完成をするもうそろそろ、次期すいすいプラン一〇〇ツーとでもいうのでしょうか、にでも向けて、もうそろそろ準備に入るべきだと思うのですが、一〇〇ツーに向けた決意を伺います。

○依田道路保全担当部長 本事業は、交差点での渋滞解消や事故防止など、道路交通の円滑化あるいは安全化を図るための重要な事業でございます。このため、多摩地域を中心に百カ所の交差点を選定して事業を進めているところでございます。
 今後とも、地元市や関係住民の理解と協力を得て、まずは現在事業中であります四十八カ所の完成に向けて、事業推進を図ってまいりたい、このように考えます。

○真木委員 一〇〇ツーに向けた力強い決意を聞かせていただいたと理解をしたいと思います。
 その上で、具体的に町田街道は本当に整備がおくれております。そして、さらに、町田街道というのは東京都の一番南の部分を走っておりますけれども、町田の中心であります町田駅を中心として南北を比べてみたとき、北の方は、その横の市道とかが整備されてまいりまして、町田街道の渋滞もそんなではなくなってまいりました。しかしながら、南部の方の町田街道の渋滞、これは市道の側道等ができていないことなどもありまして、また、東京都道の側道もあるんですけれども、そういった町田街道への依存率が高く、大変渋滞をいたします。その中で、小川の交差点、また町田辻という交差点があるんですが、この交差点の整備が一刻も早く求められているところでございますが、始まったばかりで、平成十八年完成などといううわさも出ております。その辺につきまして、完成のめどをお聞かせください。

○依田道路保全担当部長 町田市内では十八カ所で事業に取り組んでおりまして、平成十四年三月末現在、既に八カ所が完成をしております。残りの十カ所で事業中でございます。
 ご質問の小川交差点につきましては、平成十三年度より用地買収に着手をしておりまして、十七年度の完成を予定しております。また、町田辻交差点につきましては、今年度から用地買収に着手をしておりまして、十七年度の完成を予定しております。
 今後とも地元の市や関係住民の理解と協力を得て、予定どおり事業が完成できるよう努めてまいります。

○真木委員 この質問をさせていただくということで、担当部局と重ねて協議をさせていただきました。一刻も早くということでお願いをし、強く迫ったところ、十七年度というお答えをいただきました。しかしながら、まだまだ少しでも早くという強い希望を表明させていただきたいと存じます。十七年度といわず、十六年度中の完成目指しまして、当初十八年度なんといううわさもありましたけれども、一刻も早い完成を強く要望させていただきたいと存じます。
 その上で、十四年度におきましても、効果満点渋滞解消プランでしたか、少ない予算で効果満点渋滞解消プランということで、バスレーンなどもやられております。そういった少ない予算で解消を図るということ、大変高く評価をするものでありますが、一方、それに矛盾するようなことをいうようでありますが、今いいました町田市の南の町田街道の横に並行して走ります都道の藤沢街道といわれる、町田三・四・三七号線というものがございます。これは、私はそこに引っ越しをしてきてから五年間ぐらい、地図が、都道、県道の色というのは緑色だったり黄色で書いてあったりするのですが、これは間違いであろう、何考えているんだ、この昭文社はとか、そんなふうに思っているほどの、農道でもない、本当の抜け道、桑畑の道でありました。都議に立候補をするということになって初めて、本当にあれが都道なんだということを知ったような、幅員が二メーター五十程度ですかね、とてもすれ違えない道であります。桑畑で、みんな地域の皆さんは、(「あぜ道じゃないの」と呼ぶ者あり)そうなんです。本当に都道だというのは絶対にだれもが信じられない道であります。これは、先ほど申し上げましたように、町田街道南の、町田街道に並行する道でありまして、一刻も早い開通が望まれております。この藤沢街道の整備、一刻も早くお願いをしたいところでございますが、いかがでございましょうか。

○岩永道路建設部長 町田三・四・三七号線ですが、この路線は町田街道と並行し、町田市内の円滑な交通と、安全で快適な生活環境の確保に不可欠な道路であると思っております。現在、都営金森団地付近から境川にかかる鶴間橋付近までの約一・二キロメートルで事業を進めております。このうち、金森団地付近から百七十メートルと、鶴間橋付近から三百八十メートルが既に完成しております。残りの鶴金橋交差点から南側六百八メートル区間につきまして、現在用地取得を行っておりまして、その進捗率は約六四%でございます。また、工事につきましては、今年度から着手いたします。
 今後とも財源の確保に努めまして、地元の理解と協力を得ながら、早期完成に向け事業を進めてまいります。

○真木委員 どうぞ一刻も早い完成をお願いいたします。本当に一度見に来ていただきたいというような、山合いの中での都道で、二・五メートル程度の道はよくあるかと思いますが、あんなところでというのは本当にびっくりするようなところでございますので、一刻も早い完成を強くお願いを申し上げます。
 最後に、東京におけるIT化の推進と都道の関係につきましてお尋ねをいたします。
 知事は、第二回定例会の中で、道路などを管理するために設けている各種の規制を緩和し、民間の活動を支援することも重要ということで、IT推進につきまして規制緩和を打ち出しました。そして、ことし発表されました総務局IT推進室の方でつくりました三千三百万電子都市構想の中で、東京都道等における掘削許可の規制緩和、光ファイバー敷設のための掘削許可の規制緩和が必要であるというぐあいに主張、提案されております。そこの状況につきまして、建設局の対応につきましてお尋ねいたします。

○須々木道路管理部長 掘削規制の緩和ということでございますけれども、まず掘削規制につきましては、道路におけます円滑な交通の確保、事故の防止、そういったものを図るとともに、道路のたび重なる経済的な掘り返しを抑制するために設けているものでございます。
 このたび、電子都市構築に関する懇談会、お話がありましたが、提言を踏まえまして、光ファイバーケーブル敷設の際の掘削規制の緩和をするということにいたしたわけでございます。実施内容といたしましては、道路舗装の種類によりまして、現在一年、三年ないし五年の制限期間を設けておりますけれども、都市再生緊急整備地域に限定いたしまして、三年、五年の期間を、いずれも特例といたしまして、工事完了後一年に短縮するということのものでございます。この十月一日から実施いたしております。

○真木委員 この規制緩和の対象地域を、都市再生緊急整備地域、二十三区内の七地域ですね、だけに限定する理由が、全くもってわかりません。秋葉原付近でありますとか、湾岸地域とか、新宿駅周辺とか、既にほとんど光ファイバーが設置されているようなところばかりでありますし、そういったところは、例えば今、電話局から二キロ以内だけしかできないADSLが十分対応できるわけであります。問題は、多摩の方が、電話局から二キロから外れたところはADSLができないわけですから、ISDNの次は光ファイバーを敷設するしかないわけですね。そうしたためには、やはりオール東京の都道で、光ファイバーの敷設のためならば原則五年というのを外して、一年前だったけれども、どこかの電気事業者さんもむだな工事はするわけがないんですから、お金がかかるわけですから、必要だと思う部分だけあけたいわけですから、そういった光ファイバーはやっぱり国策、都策として、ぜひ光ファイバーの敷設のためには規制緩和を、七地域に限らずオール東京で認めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○須々木道路管理部長 規制緩和の地域についてでございますけれども、繰り返しになりますけれども、路上の工事の掘削規制、これは道路におけます円滑な交通の確保、事故防止、そういったものを図るための都民にとって必要な規制というふうに考えてございます。
 今回の掘削規制の緩和につきましては、光ファイバーケーブル敷設を早期に行うというための特別な措置というふうに考えてございます。そのために、電気事業者などの意向も十分考慮しながら計画し、実施したものでございます。
 今後とも、光ファイバーネットワークの促進に寄与できますよう取り組みます。緊急性の高いものについては、適切に対応してまいります。

○真木委員 最後の、ルールは変えないけれども、緊急性の高いものについては適切に対応という言葉を重く受けとめまして、質問を引き取りたいと思います。
 ありがとうございました。

○小松委員 建設局の質疑も七人目になりますと、そしてまた、多摩の委員が多い中で、私の質疑内容はすべて出されております。お答えもいただいております。二度お聞きするのも意味ありません。そのお答え、十分解釈した上で、ほんの少しだけお伺いしたいと思います。
 まず、道路関係では、先ほど伺っておりますと、同僚議員に対するお答えでも、例えば歩道の整備とか、道路整備ですね、それから例えば具体的には府中街道や所沢街道、十三年から青葉町をやったよとかといういろいろなところが具体的に出されましたけれど、私も倉林議員と同じ東村山ですので、よくわかっているんですけれど、本当に時間がかかっているんですね。その青葉町の歩道一つをやるにも、何メートルあるんでしょうね、全部やる、何年かかるのといいたくなる。一方では、先ほど出されました府中所沢線、いよいよ八坂交差点から新青梅街道まで九七%できた。あと三%で三年かかっちゃうというんですよ。先ほどからのパーセントを聞いていますと、歩道でも、道路整備でも、前回、私が建設住宅委員というんですから、五年前に聞いたパーセントと大して変わっていないんですよ。
 要するに、多摩のそうした道路を進めていくのに、年間一%とか二%、そういう形でしか進んでいないと思うんですけれど、いかがですか。そんなことないよ、ここで一〇%進んだよなんてことあるんでしょうか。本当に一、二%だなと思うんですけれど、どうでしょう。

○岩永道路建設部長 先ほど府中所沢鎌倉街道の説明をさせていただきましたけれども、私どもといたしましては、路線を重点化いたしまして、特に多摩では南北方向の道路がおくれているということで実施しております。平均いたしますと、大体年間約十キロメートル、区部、多摩合わせまして、毎年完成しておりますけれども、区部に比べまして、多摩の方の道路整備率がおくれているということも事実でございますので、私ども今後とも事業費の確保に努めまして、それぞれの路線でさらに事業が進捗するように努力していきたい、このように思っております。

○小松委員 それはまさに事業費、要するにお金、予算、それが足りないからということではありませんか。すなわち、多摩への道路の位置づけ、私、南北道路なんて聞いてないんですよ。全くの歩道の整備とか--府中所沢線のこれからできる三十六メートルなんて、あんなの、私、無理だと思うんだけれど、少なくとも新青梅の北側の道路、ほんの少々でしょう。そんなのができないというのは、まさにこれは金があればできるんじゃないですか。どうでしょう。

○岩永道路建設部長 あと少しで道路が完成するのではないかというご質問ですけれども、私ども、今年度から十四、十五、十六年度と三カ年にわたりまして、効果満点道路事業という名のもとに、そういう路線を選びまして、短期間にその事業を終わらせるということで努力をしているところでございます。したがいまして、多摩の事業につきましても、この効果満点道路事業のような事業を引き続き継続してやっていきたい、このように思っております。

○小松委員 私は、要するに、金がないんじゃないのといいたかったんですけれど、そうもいえないのでしょう。でも、先ほどかちさんが伺っておりました道路直轄事業、聞いて驚きますよね。本当に当初予算の二倍から三倍、それも流用や補正、例えばこの補正予算、その道路直轄事業に充てなくて、もし多摩の道路に充ててみてくださいよ。あんな三%なんてすぐできてしまうよね。歩道だってできる。本当に道路の整備できるんですよ。だから、やはりその辺は位置づけの問題じゃないんですかね。
 その辺になると、建設局さんだけでいくのかどうか、知事本があったり、もっと上があったりしますから、非常に問題もあるんでしょうけれど、少なくとも多摩の道路がこれだけおくれているという中で、やはり今後は多摩の道路--直轄道路みたいに、あそこまで予算欲しいなんていっているんじゃないんですよ。あと一%、二%で進んでいくんじゃなくて、ここで一気に、たまには一〇%進んだ、三%なんて一遍にできちゃった。そういう決意というのは、局長さん、いかがでしょう。

○小峰建設局長 先ほど道路建設部長がお答えしましたけれども、私ども、道路整備をする上で、例えば幹線道路、あるいは地域の幹線道路といって、全体のネットワーク、バランスのとれた形で整備しています。ただ、その一方で、大変財政的な厳しさが、ご案内のとおりございますので、有効にその財源を活用するという意味で、効果満点道路事業などのように、あるいは先ほど来話がございますように、交差点のすいすいプランなど、早期に効果が発現できるような事業にも重点的に投入しているところでございます。

○小松委員 非常にそつのないお答えでしたけれど、ぜひ多摩の生活道路、重視をしていただきたい。そういう意味で、先ほどやはり質問で出されましたけれど、すいすいプランは非常に渋滞解消に役に立つということで、大きく評価を得ております。
 先ほど、全く私も同意見で、百個を十八年度でしたっけ、までやるというのじゃなく、もっと前倒しをして、次のところを調査をしてやってほしい。これは同じ要望をしておきます。
 ただ一つだけ、せっかくですから、すいすいプランをやることによってこんなに効果が出たんだよというのを、具体的に時間などはかっていらっしゃるんじゃないでしょうか。それをひとつ出していただきたいと思います。

○依田道路保全担当部長 交差点すいすいプラン一〇〇は、交差点に右折レーンを設置することによりまして、交通渋滞の緩和、交通事故の防止、ひいては排出ガスの減少などの効果が期待されているものでございます。
 完成した箇所のうち、幹線道路など代表的な箇所で効果の測定を実施してございますが、例えばあきる野市西あきる交差点におきましては、朝夕のピーク時において、交差点を通過するのに要する時間が、整備前十三分であったものが約二分に短縮される。また、青梅市物見塚交差点におきましては、交差点通過時間が六分から約一分に短縮されるなど、大きな効果があらわれております。

○小松委員 都内の議員さんもきっとびっくりされるでしょう。本当にいいことです、これは。私も車を運転していまして、あれ、この渋滞がこんなにすっすっ行くというのは、あれは所沢の久米川町のところですか、びっくりしたときがちょうど完成したときでした。そうか、ここにすいすいプランの交差点が完成したんだということで、大変ありがたく思ったわけですよ。ところが、やはりまだまだ一方では、右折路がないために、延々と渋滞しているというところがまだまだ多いので、ぜひこれは、今のような効果はすばらしいじゃないですか。こういうところにこそ力を、お金をかけるという点では、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、中小河川の問題ですけれども、これも先ほどお答えいただきましたので、あえてもうお答えはいいんですけれども、ただ一ついただきたいのは、やはりこれに関しても、先ほど伺っていましたら、例えば地元の空堀川一つとっても、護岸整備率六六%というお答えでした。これ十三年度ね。その前の年からして、どのくらいふえていますか。

○鈴木河川部長 空堀川の十三年度の整備延長は〇・三キロでございます。したがって、護岸整備率は二%、前年度からアップしております。

○小松委員 六六%で二%というと、一〇〇%になるまで二%で計算していったら何年かかります。これもまた大変なことですよ。この空堀川、私、本当に十メートルといかない、河川のすぐ横に住んでいるんですが、かつては強い雨が二十分ぐらい降ると、もうあふれるんですよ。ですから、台風なんていうと、もう寝られたものじゃないです。ところが、どうでしょう、今。台風が来ようと何が来ようととはいいませんけれども、安心して寝ることができるようになった。
 それだけじゃないんです、空堀川の改修は。皆さんご存じだとは思うんですけれども、本当にすばらしい河川になっているんです。ずっと道路からそのまま芝生のような形になって、車いすでも水辺まで行ける。これは私、委員会で前にも申し上げたことがありますけれども。そして、今はカルガモの親子、まあ随分数がふえました。ですから、私、今まで車で行っていたり、自転車で行っていたのが、これはもったいない。庁舎に来るときぐらいは歩こうということで、とことこ歩いています。体のためにもいいですけれども、カルガモを見ながら、あっ、カルガモの親カルガモ、きょうはいないなとか、あっ、あのボス的なカルガモはどこへ行っちゃったとか、その間に白いシラサギがいたり、私は余り詳しくないんですけれども、いろんな鳥が、七、八種類違う鳥がいたり、魚も結構います。すばらしい自然ですよね。だから、前の溢水していたときとは本当に雲泥の差です。まさにこれは自然災害でなく、人災だったんだなと思います。と同時に、自然もやはり人間はつくり出すことができるんだなと。
 これだけいい思いをしている近隣の一人として、やはりこれを今度は大和の方、先ほど高木橋のところを聞きましたけれども、これもやっぱり一気に早くやらないと、いまだにあの辺は溢水するんですよ。ですから、今は私、自分のところは大丈夫で、まずはあっちの大和の方へ行かないとならない。
 だから、そういうことがありますから、これは何としてもこんな一年に二%なんていうことでなく、六六%までいきました。しかし、二%では、今六六とするとまだ三四%あるわけですから、十七年もかかっちゃいます。とんでもありません。何としても一気にこれをやり上げる。
 また、一方では、これは十三年度も十四年度も書いてありますけれども、管内の事業の進捗は下流部の影響を直接に受けるということで、この下流部が未改修、埼玉県管理、これが荒川水系の整備促進が当面の最大な課題となっているという記述もあるわけですので、ぜひともこうした荒川水系、埼玉県側への要請も強くしていただいて、せっかくできた川です。一番上流部から気持ちよく川が流れ、人災がないような川をぜひつくっていただく。そのためにお願いをして、質問を終わります。

○松原委員 それでは、済みません、私がラストバッターでございますから、そんなに長くやりませんので。
 この間もちょっと京浜急行のことを聞いたんですが、私ども大田区にとりましては、羽田空港の国際化とこの京浜急行の高架化は大きな課題でございますので、またまたしつこいのですが、この前、都市計さん、今回は建設でございますので、質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 京浜急行の立体交差の全面の事業認可が出ました。一部、平和島の方が後からおくれてしまったわけですが、非常にうれしいなと思っています。そして、私も起工式に出ましたけれども、ことしの五月に起工式が行われました。この間、今後の進捗状況なんですが、どうなっていくのか、お尋ねしたい。

○岩永道路建設部長 京浜急行線の連続立体交差事業ですが、これは羽田空港へのアクセスの向上に役立つとともに、環八や第一京浜など、二十八カ所の踏切を除却し、また地域のまちづくりや交通渋滞の解消に寄与する大変重要な事業でございます。
 このため、全線六キロにわたる事業区間の早期完成が強く求められておりまして、現在、全区間におきまして用地を取得し、事業を進めております。
 また、京急蒲田駅付近では、工事に支障となる国道側の駅改札口を地上から高架へ移設しまして、仮線工事を実施中でございます。

○松原委員 道路部長は二建の所長さんをおやりになっていたので、現場をよく知っていらっしゃるんですけれども、この環状八号線と踏切のところの交差と、それからもう一つは空港線との高架の、この問題を二つ、この地区では抱えているわけですが、これを同時にある程度解決していこうという、多少の時間の差はあるんですけれども、やっていこうということになっています。
 そこで、まず環状八号線と交差する踏切の早期解消、これについて伺っていきたいと思うのです。予定を教えてください。

○岩永道路建設部長 ご指摘の踏切は、環八に残る唯一の踏切でございまして、交通渋滞も激しいことから、早期高架化による渋滞の解消が急務となっております。工事を進めるに当たりまして、まず既設の線路を仮設の線路に切りかえる必要がございますが、この段階から環八をまたぐ高架化を設置いたしまして、立体化を図ることとしております。また、この立体化事業を平成十三年度から踏切すいすい事業にも位置づけまして、十七年度の踏切解消に向けて、事業を今進めているところでございます。

○松原委員 今もお話がありましたけれども、踏切すいすい事業ということで打ち出されております。十七年度を目指しているということでございますけれども、この間、さっきお話もありましたけれども、効果の大きい東京の事業ということで、代々木立体交差、これがやっぱり京浜蒲田の高架化と同じような高架なんですが、これは総事業費が六百四十億かかっているんですね。けれども、その効果が、やる前とやった後では、交通量が二倍、最長所要時間、四・六キロの走行で一時間以上が短縮された。沿道生活道路への進入が三割減ったということで、経済効果は何と二百億ということですね。だから、三年で元をとっちゃうというか、そういうことで大変大きなものが、この事業としては、私も、こんなに代々木の方は長いですからね、けれども、やっぱり大変な効果が出てくるなと、今から楽しみにしているところです。
 それに関連して、空港線の方に行くやつが二年ぐらいちょっとおくれていくという話を聞いているんですが、たまたまあそこの環状八号線の下を一五号線が抜けていくわけですね。今聞いているところでは、国道の抜けたところに踏切が、手前でとまっちゃうということなので、要するに、一緒に十七年度に上がってくれればいいんですけれども、上がらない場合は、二年間ぐらいがトンネルの中にとまる、こういう状況になってきて、人体や何かにえらい影響が出てしまうんじゃないかということがあるんですが、この辺についてどういうふうに認識を持っているのか、お尋ねします。

○岩永道路建設部長 踏切による渋滞、それから、国道一五号線と平面交差しているところの渋滞ということで、二つの渋滞ポイントがあるというお話はご指摘のとおりでございまして、私ども、まず踏切の方は十七年度ということでございますけれども、これを実施しております国土交通省と工程調整等をいたしておりますけれども、どうしてもおくれる、現時点では、これがおくれるということが確実でございますけれども、それぞれの事業に努力いたしまして、なるべくこの期間を可能な限り縮めるということに努力していきたい、このように思っております。

○松原委員 大変いい答弁をいただいたのですが、ぜひ一緒にいってうまく解決できるように、いろいろ工法的な問題とか用地買収の問題もあると思いますが、ぜひ努力をしていただきたいなと思います。
 それから、そのような形で踏切の方と立体交差が一緒にやられますので、その間、私、やっぱり相当な交通の渋滞というんでしょうか、影響が出てくると思うんですね。この辺は管理部長として須々木さんの方なんですかね、要するに、環八と、交通渋滞で、その間、相当のことがあって、やはりあれは神奈川県とか環八の沿線、品川区、これは相当な影響が出てくると思うんですよ、上げるまでがね。そのときに同時工事をしちゃった場合に、その辺はどういうふうに対策を考えているのか、お尋ねしたい。突然で申しわけないんですけれども。

○岩永道路建設部長 まず、踏切の方は、先ほどご説明しましたとおり、仮線に必要な用地買収を先行して実施いたしますので、そのけたをかけるときには一時的に交通どめをしなくちゃいけませんけれども、一晩でけたをかけるという技術も今ございますので、その時点では問題なかろうかと思います。
 また、国道の方でございます。詳細には聞いておりませんけれども、現在、国道の第一京浜ということで相当な交通量があるということで、現在の交通量を確保しながら工事を進めるということが原則でありまして、多分という話になりますけれども、そこら辺のところは交通管理者とも十分協議して進めていかれるだろう、このように思っております。

○松原委員 わかりました。その辺もちょっと出てくると思うので、今後少し研究をしていただきたいと思います。
 それから、これは都市計さんに聞いたらこちらだという話だったので、要するに、五つの駅があそこにあるわけですね。そこで、梅屋敷と雑色駅が、特に朝晩なんですが、この両方とも大田区内では五つの指に入る商店街と町の工場を抱えたところなんです。朝の通勤のときになりますと、この両方から絡んじゃうときがあるんですね、ダイヤで。そうすると、そこへ通勤の人が、男だけじゃなくて、女の人もばかばか走っていって、線路を渡っていくんですよ。物すごく危ないなというのが、現場で何回も見るんですね、毎日のように。そういうことで、要するに、梅屋敷にしても、雑色にしましても、やっぱり自分たちが先になるのか後になるのかということで、大変関心の的なんですよ。一緒にやるのかどうか、その辺の進捗状況でどういうふうな形で考えていらっしゃるのか、現時点で、ちょっと教えていただきたいんですけれども。

○岩永道路建設部長 お話の梅屋敷、雑色駅付近の事業の今後の予定でございますけれども、この間の事業の実施に当たりましては、現在地元区、鉄道事業者と緊密に連携を図りまして、効果的、集中的な用地取得、施工方法の工夫を行っていく予定でございます。
 梅屋敷や雑色駅周辺につきましては、平成二十四年度の完成を見込んでおりまして、また、全体事業の完成は平成二十六年度でございますけれども、先ほど申し上げました工法等の工夫によりまして、極力これを短縮するように努力してまいります。

○松原委員 要するに、私は今、順位を大体聞いたつもりなんですけれども、今しゃべれないんでしょう、正直いって、その辺はね。なかなか難しいデリケートな部分があるし、これからのことがあると思いますので、はっきり一つのある程度方針が出たら教えていただければありがたい、こう思います。
 もう一つ、沿線の方が、要するに、本線の方と、周辺のまちづくりの整備があるわけですが、特に本線の方は東京都が中心でやっていただいています。しかし、駅の周辺については区がやっているわけですが、駅だけきれいになってもしようがないので、やはり周辺のまちづくり、特に駅前の整備というのは、本線と同時に、大変大事なものがあると思うんです。その辺はやはり商店街の方々は大変注目というか関心が強くて、同時に、再開発というか、ある程度のいろんなものができるかどうかを、地元の商店街なりに非常に心配しながら研究をしているんですが、その辺のことで区の指導が強く今求められているわけですけれども、いわゆる駅周辺のまちづくりの整備について、この辺が都と区の連携について、どういう認識を持っているのか、お尋ねしたい。

○岩永道路建設部長 お話のように、沿線の再開発事業などのまちづくりと一体的、総合的に事業を進めることが、この事業効果をさらに高めるということで、これも今後の大きな課題であるというふうに思っております。現在ですが、京急蒲田駅など三駅では、連立立体事業に合わせまして、大田区施行の駅前広場や関連街路などの整備が始まっております。今後とも、この大田区や地元が行うまちづくり事業と連携を図りながら事業を進めていきたい、このように思っております。

○松原委員 それでは、要望だけにしますけれども、京浜急行の問題については、やはり今までは品川から快速が川崎に一遍に行きまして、京浜蒲田というのは全然とまっていなかったのですが、今回は快速がとまることになって、例えばその手前の駅とか先の駅の人が、やはり全部今京浜蒲田を利用して、京浜蒲田というのが非常に活発に動きそうなところです。いわゆるJRとは七百メートルの区間しかないのですが、これが表裏一体になってくるという非常に大きな可能性があるものですから、この辺の問題についてはぜひしっかりと取り組んでいただきたい。
 沿線の五つの駅については、その辺の人口密度がかなり大きいですし、大田区の三分の一は、二分の一といってもいいぐらい影響を受けるところですので、この辺のことについても、都と区が十分話し合って、この京浜急行の高架化促進について頑張ってほしいということを要望して、私の質問を終わります。

○大木田委員長 お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後六時二十九分散会

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