各会計決算特別委員会第一分科会速記録第三号

平成十四年十月十六日(水曜日)
第十一委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十名
委員長野村 有信君
副委員長中西 一善君
副委員長森田 安孝君
秋田 一郎君
山下 太郎君
ともとし春久君
臼井  孝君
花輪ともふみ君
古館 和憲君
三原 將嗣君

欠席委員 なし

 出席説明員
出納長室出納長大塚 俊郎君
副出納長中路 有一君
副出納長宮原 恒男君
参事岳野 尚代君
財務局局長田原 和道君
経理部長佐藤 兼信君
契約調整担当部長松村 光庸君
主計部長松澤 敏夫君
財産運用部長小野田 有君
調整担当部長矢口 幸一君
庁舎管理部長中村 忠夫君
営繕部長福島 七郎君
参事齊間 孝一君
主税局局長安間 謙臣君
総務部長鮎澤 光治君
税制部長齋藤  熙君
税制調査担当部長三橋  昇君
参事尾芦 健二君
課税部長吉田 勝武君
資産税部長山中 史朗君
徴収部長菅原 秀夫君
特別滞納整理担当部長谷口 広見君

本日の会議に付した事件
 平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  出納長室関係
  ・一般会計決算(質疑)
  財務局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・用地会計決算(質疑)
  ・公債費会計決算(質疑)
  主税局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・地方消費税清算会計決算(質疑)

○野村委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、出納長室、財務局及び主税局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
 これより出納長室関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、出納長から紹介があります。

○大塚出納長 過日の委員会で所用のため欠席をいたしました、参事の岳野尚代でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○野村委員長 紹介は終わりました。

○野村委員長 次に、決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、出納長室所管分を議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中路副出納長 先般の委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料をお開きいただきたいと存じます。
 初めに、上段でございますが、平成十三年度財務会計システムの運用等に関する経費の予算現額、決算額及び不用額の内訳をお示ししてございます。
 決算額は五億六千九百万余円となっており、その内訳につきましては、運用管理経費が一千三百四十五万余円、運用等支援委託経費が一億一千九百十一万余円、端末機賃借等経費が三億九千六百六十一万余円、プログラム仕様改善経費が三千九百八十一万余円となってございます。
 次に、下段でございますが、過去五年間の予算現額と決算額及び不用額の推移を表にしてございます。また、各年度の運用等支援委託経費について、内書きとしてお示ししてございます。
 以上をもちまして、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中西委員 それでは、第一分科会のトップを切って、ご質問をさせていただきます。
 出納長室さんは、大変高名な大塚出納長を中心に、有能な人材が凝縮されている局と伺っております。
 公金管理について伺いたいと思いますが、経済の長きにわたる低迷、そして、それに伴うデフレ経済、金融不安と、私も町を歩いておりまして、ただならぬ状況を肌身に感じておるわけであります。
 ことしの四月にはペイオフ解禁、これは定期性預金に限ったところではありますが、多くの問題を経済に引き起こしているところでございます。
 また、日経平均株価も極めて低水準、これはあり得ない株価を現在実現してしまっているという大変厳しい状態で、政府の方も内閣改造その他で対策を打っておりますが、いかんともしがたい状況です。
 東京都といたしましては、一千二百万東京都民、また、その一千二百万東京都民の公金を預かる出納長室というものは、大変な責務を負っていると私も認識いたしておりますが、今回この公金管理について、指定金融機関について、これも財政委員会でたしか特別に委員会が組まれたと思いますが、この指定金融機関について伺いたいと思います。
 まず、この指定金融機関が一行であるということの根拠は何なのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

○中路副出納長 都道府県は、地方自治法及び地方自治法施行令の規定によりまして、一つの金融機関を指定いたしまして、その公金の出納事務を取り扱わせなければならないということにされております。
 また、指定金融機関は、公金の支払い及び収納につきまして、指定代理金融機関及び収納代理金融機関を総括するという立場にございます。これは、公金の取り扱いについて、その特殊性及び重要性にかんがみ、現金の取り扱いに熟達している金融機関に処理をさせて、効率的運営と安全を確保しようという趣旨によるものでございまして、事務処理体制の統一性と能率性を図る上で、単一の金融機関を指定することとされているものでございます。

○中西委員 ご答弁ありがとうございます。地方自治法第二百三十五条第一項で、「都道府県は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、都道府県の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない。」、これが法律ですね。そして、地方自治法施行令第百六十八条第一項で、「都道府県は、地方自治法第二百三十五条第一項の規定により、議会の議決を経て、一つの金融機関を指定して」ということで入っております。
 ここで、要するに施行令で規定されているわけですから、一つの金融機関というのは、ある意味でこれを二つにするということは法律改正が必要ない。施行令ですから、これを二つ、三つに重複させることは、法改正は必要ないと私は思うんです。それを受けて、これだけIT化が進んで、ATMが普及して、これだけ技術革新が起きた現在、金融機関同士のネットワークも非常にうまく活用されておるわけでございますが、こういう状況が非常に変わった中において、特定の一行に公金の収納とか支払い業務を一手に扱わせるというのが、金融不安、今、合従連衡が本当に激しく起きておりますが、一行に限定をするということが、リスク分散、リスクをヘッジするという観点から、合理的なのかなという極めて素朴な疑問があるわけでありますが、これの合理性について、ご答弁をお願いいたします。

○中路副出納長 収納や支払い事務を安全で効率的に行う観点から、指定金融機関を通じて、二百以上に及ぶ数多くの収納代理金融機関を指導いたしまして、事務処理の統一性を図る必要がございます。このため、都といたしましては、指定金融機関は一行にしておく方が合理的であろうというふうに考えております。

○中西委員 効率性の観点から、また、使う方の役所の論理としては、窓口が一つの方が便利なわけであって、仕事は楽なわけであります。
 一行の方が合理的だということはある程度わかりましたが、こうした中において、先ほど私、施行令といいましたが、例えば複数の銀行を輪番制にしてかえていくという--指定金融機関というのは元締めですよね。元締め、指定金融機関が何をやっているかというと、例えば東京都からの指示を出す、そこを中心に各取引金融機関に情報が流れていくという形をとっていると思うんですが、輪番制というのは考えられないんですか。

○中路副出納長 指定金融機関を輪番制とすることにつきましては、地方自治法上は可能でございます。
 ただし、他の自治体と比較いたしまして、はるかに財政規模が大きい東京都におきましては、都と金融機関双方におきまして、電算システムを初め帳票類など、大幅な変更を余儀なくされるなど、経費面で大きな負担を要するとともに、綿密な事前準備が必要であろうと、どうしても不可欠であろうというふうに考えております。
 他の府県では、歴史的経緯や地域的な特殊性から、輪番制を採用している例も幾つかございますが、東京都におきましては、公金事務の効率性や安全性、都民サービスの維持の観点から考えますと、輪番制については慎重な対応が必要であるというふうに考えております。
 都といたしましては、一つの指定金融機関を選択しまして、公金の出納を統括する指定金融機関業務をきちんと遂行するよう求めるとともに、その金融機関の経営の安全性、安定性の面におきましては、専門家の意見をいただきながら、継続的に監視していくという対応が現時点では最善のものと考え、実施しているところでございます。

○中西委員 わかりました。財政委員会の方で継続して、こういう問題、ぜひとも検討、取り扱いをしていっていただきたいなと思っております。
 話はちょっと変わりますが、ちなみに国、日本の政府の指定金融機関、政府も公金を当然扱っているわけですが、私も、これはどこが扱っているのかなということは常々疑問に思っていたんですけれども、政府の、国の指定金融機関はどうなっていますか。

○中路副出納長 国庫金の歳入と歳出につきましては、中央銀行でございます日本銀行が民間金融機関である数多くの代理店を通じて行っておりまして、いわば国の指定金融機関の役割を担っていると考えております。

○中西委員 国は日本銀行が都でいうところの指定金融機関に対応すると私も思うのでありますが、国の金融行政であるとか金融政策の、かつての総量規制に始まったバブルの崩壊、アメリカに振り回された部分もあると思いますが、失われた十年どころじゃないです。失われた十数年の間において、後手後手の対応で、不良債権の処理もおぼつかず、非常に厳しい経済状況を金融不安によって巻き起こして、なおかつ、そうした中で、東京都民の税金を預かる出納長室が公金管理を任されているわけでありますが、東京都の公金はリスクにさらされ、国の公金は日銀で保護される。国がやった政策で金融不安が起きて、国の金融機関が保護され、東京都の公金は一ランク下だ。
 ということは、国税が大切で、地方税は低く扱われているというように私は非常に感じる部分もあるのでありますが、地方分権が構造改革の中でもうたわれていますし、二十一世紀は間違いなく地方分権をやらなければ国の存立にかかわる。一般的な言葉でありますが、国と地方の関係が上下主従の関係から対等平等の関係になっていくところにおいて、これは私、一つの矛盾じゃないかなという感じがいたします。
 東京都の公金に対して大変大きな責任を出納長室が負っている。それに連動した形で、我々議会も当然その責任の一端を負っているわけであって、こういうことは、銀行の経営リスクを一方的に押しつけるというのは、公金を保護しなければならないということに対して、私は国に対して、何らかこういうことを訴えていくべきだと思いますが、同じ公金という意味で、この現状、国にどういうふうに訴えていく、またどういうふうにそういうことを思っていらっしゃるのか、ちょっとご答弁ください。

○中路副出納長 本年四月の定期性預金のペイオフ解禁によりまして、地方自治体の公金管理もいや応なしに金融市場の荒波にほうり込まれたわけでございます。
 都といたしましては、都民から預かった公金を一円たりとも棄損しないよう、金融機関の評価選択基準を策定いたしまして、それを初めといたしまして、準備を進めてきたわけでございますが、今後とも、資金運用の分野については、公金を守るために必要な対応を迷うことなく実施してまいります。
 ただし、流動性預金のペイオフが解禁された場合、税等の収納金についての安全確保は都がみずからの責任で対応するには限界がございます。収納金の保護につきましては、これまでも国に対して、本年七月に要望を行うとともに、都議会におかれましても、意見書を取りまとめてご提出いただきました。そうしたこともございまして、決済性預金につきましては、ペイオフ解禁の見直し論議の中でも、保護される方向にあるというふうに認識しております。

○中西委員 わかりました。いずれにしても、国の法律が、国のシステムがそうなっている以上、自己責任の原則にのっとって、公金管理というものを徹底していかなければいけないということは、これは間違いない事実ですから、ぜひとも大塚出納長を中心として、頑張っていただきたいと思います。
 ちょっと今の話とはずれますが、ニューヨーク、人口八百万人で、アメリカの経済の中心地でありますが、アメリカといえば、日本が金融ビッグバン、橋本内閣のときに金融改革で、六大改革の中でたしか出したと思うんですが、金融再編という観点からは、アメリカは十歩も二十歩も日本より先へ行っていますね。
 そうした中で、同じような自治体、また姉妹提携都市を結んでいるニューヨーク、また、かつて東京都の職員を東京都のお金で派遣していたニューヨーク、今は、自治体交流化協会ですか、東京都の職員さん、行っていると思います。当然情報もたくさん入ってきているために、東京都の職員さんが私は派遣されていると思うのであります。このニューヨークの事例というのは、極めて東京の公金管理、ニューヨーク市の公金管理というものは、金融の再編が一歩先に行った、また日本のようにもたついていないニューヨークの事例というものは、比較検討とか参考事例として、また先行事例として、キャッチアップのためとして、まあ全面的に私は、アメリカンスタンダードがグローバルスタンダードだとは思わないけれども、現実問題として、金融システムというものはアメリカンスタンダードの部分が極めて強い。そういう意味では、当然アメリカのニューヨーク市のことは勉強してあると思いますが、ニューヨークの公金管理はどうなっているのですか。

○中路副出納長 ニューヨーク市におきましては、税等の公金の収納は、我が国と異なりまして、現金ではなく、小切手を中心として行われているようでございます。
 その仕組みといたしましては、市の所管である財務局が受領した小切手を現金化いたしまして、一時的に銀行に預金しております。預金する金融機関の指定は、市長と財務局長、監査役で構成いたします銀行委員会で決定しております。具体的には、ニューヨーク市では、シティバンク、JPモルガンチェース、バンカーズトラストなどが指定されておるところでございます。

○中西委員 いずれにしましても、ニューヨークのことについてはこれ以上深く聞きませんが、例えばニューヨークであれば、債券と預金の比率が九対一、今出納長室、東京都ではフィフティー・フィフティー、五対五という方向になっていますが、一つの先進国の中で、ニューヨークというのは、私、本当にいい事例になると思いますので、今後ともニューヨークの公金管理、またアメリカは小切手の流通が多い。日本とちょっと違う部分もありますが、いずれグローバルスタンダードという形で、これはアメリカ流とは限りません。アメリカンスタンダードとは限りませんが、いずれ一つの方向性に収れんしていくことは、世界経済の流れで間違いないと思いますので、ぜひとも東京都としても、その事例研究ということはしていっていただきたいことを要望しておきます。
 最後に、今まで私が質問した中において、ぜひとも大塚出納長に決意を表明していただきたいと思うのでありますが、ペイオフも二年間延期されました。当然、社会経済状況が変われば、私はペイオフ延期というのは、これは当たり前だと思いますよ。
 そうした中において、都民の税金たる公金が、私は、仮に決済性預金が保護されたとしても、いずれにしてもリスクにさらされるということは間違いないわけで、それは保護されるべきであると思いますが、私の前段の質問も踏まえて、大塚出納長の決意、また持論、お考え、ぜひともお聞かせいただきたいと思います。

○大塚出納長 ニューヨークの例も引きながら、幅広いご指導、ご質疑をいただきました。ある程度の海外の情報は持っていたわけでございますけれども、この委員会での中西先生とうちの窓口を通したやり取りがまた一つのきっかけになりまして、さらにニューヨークについての勉強をさせていただいたわけでございますけれども、まず初めに、そのお礼を申し上げたいと思います。
 ニューヨークを含めて、アメリカの銀行が、ご案内のとおり、非常に金融危機といいますか、それが起きたわけでありますけれども、日本の対応と違って、基本的には極めて短期間のうちに、マーケットを信頼して整理をするというやり方で、その金融不安を比較的短期間に収束させたという、日本と違った状況があるわけでございます、先生方ご存じだと思いますけれども。
 今のニューヨークの状況というのは、そういう比較的安定した金融秩序を前提に、地方公共団体もまた自己責任のもとに、地方公共団体それぞれの判断で銀行を選び、それでおつき合いをしていく、そういう仕組みになっているわけであります。
 残念ながら、我が国の場合には、その前提としての金融秩序が必ずしも落ちついた状況になっておりませんので、そういう現在東京都が置かれた環境を前提に、東京都の公金をいかに守るかという選択をせざるを得ないというふうに思っているわけであります。
 先ほど副出納長からもご答弁申し上げましたけれども、当然都議会のご支援もいただきながら、都から要望を出しているわけでありますけれども、それ以外に、全国出納長会あるいは全国知事会も、関係省庁に対しまして公金の保護を要望しておりまして、少なくとも収納金を制度的に保護扱いとすべきということは、いわば自治体の総意だということであります。
 住民等が納付した税等の収納金があるわけでありますけれども、これは、信金それから信用組合を含めた二百を超える収納代理金融機関を経由して都に納付をされます。そういう仕組みであります。
 先ほど来ニューヨークの話が出ておりますけれども、その基本的な仕組みはニューヨークと違うわけであります。指定金融機関制度もありません。違うわけでありますけれども、仮に自己責任で、そういう不安定な金融情勢の中で、収納金という公金を保護する道がないわけではない。それは、信金、信組を含めて、東京都独自の選別基準をもとに選別して、本当に安全な収納代理金融機関だけとつき合うというやり方がないわけではありません。
 ただ、そうした場合には、今のような状況の中で、金融秩序に大きな影響を与える、これが一つ、それから、当然その収納代理金融機関の数は絞られてきますから、都民サービス、これもまた支障が出てくるということは避けられないわけであります。
 そうしたことを考え合わせますと、少なくとも金融秩序の全体としての安定、安全、円滑、そうしたものはやはり国の責任だという原点に立ち返った判断を、現時点ではせざるを得ないということになりますと、収納金は、今の環境、システムを前提に考えれば、自治体の自己責任の範囲外だというふうに考えることによって、これまでもやってまいりましたし、どうにか一つの道はついたという状況であります。
 今まだ、流動性預金について、この段階でもう恒久保護をしてしまうか、それとも、単純にペイオフだけを解禁して、ペイオフ解禁を二年間延長して、二年後にもう一度判断をするかというところについては、まだ定まっておりませんけれども、そうした国の動向を見きわめながら、東京都の公金をきちんと守れるような手だてを、全力を挙げて講じていきたいというふうに考えております。

○秋田委員 私からは、平成十三年度の公金運用の実績と関連して、この四月の定期性預金のペイオフ解禁後の対応策について、伺わせていただきたいと思います。
 平成十三年度の財産収入を見ると、予算額が二十四億四千四百万円余りに対して、収入済額が十一億六千三百万円余りということで、収入率は四七・六%という低い水準になっています。この内容はどういうことなんでしょうか。また、何でこんなに収入率が低くなっているのか、お聞かせください。

○中路副出納長 財産収入は基金の運用による預金利子等の収入でありまして、その予算額は各基金の運用可能額を算出した上で、あらかじめ予測した金利水準を適用して算定しております。また金利水準は、算定時点で予想された金利動向などを考慮して決定しております。
 平成十三年度予算の算定を行った十二年八月は、十一年二月から続いていた日銀のゼロ金利政策が解除された時期でございまして、それまでの低金利が上昇傾向に転じると予測して、予算額を見積もったものでございます。
 ところが、十三年三月に再び日銀による金融緩和政策がとられまして、市場金利水準も低下したことから、実際の運用収入と予算算定時に予測いたしました金利水準との間に著しい乖離が生じまして、四七%という低い収入率となったものでございます。

○秋田委員 確かに日銀による金融政策転換などもあり、金利動向を見通すことは困難であったことというのは非常によくわかるんですが、いずれにせよ十三年度は、定期性預金のペイオフ解禁が十四年四月に予定されていたわけですが、その中で、具体的に公金をどのように運用していったのでしょうか。

○中路副出納長 これまで、歳計現金につきましては、収支予定をもとに、資金に余裕のある場合は、会計年度内で定期性預金で運用しておりました。
 基金につきましては、それぞれの基金の目的や性格により、積み立て、取り崩しの見込み等をもとに、定期性預金を中心に運用してまいりましたが、ペイオフ解禁に備えて、十二年度以降試験的に取り組んでおりました国債等の債券の運用額を拡大してきたところでございます。
 年度末においては、四月一日から定期性預金のペイオフ解禁を控え、金融情勢が極めて不安定でございますので、原則として期越えの運用は避けまして、全額保護される普通預金に入金して、公金の安全確保に万全を期してまいった次第でございます。

○秋田委員 ご存じのとおり、ペイオフは二年延期されることになりましたが、それまでは、少なくともことしに入ってからは、国民の中に、本当にペイオフ解禁して大丈夫なのかという不安があったことは、これは否めないことだと思うんですが、いずれにせよ、今後、自治体の公金も市場原理の中にほうり込まれてしまうという中で、都はペイオフ解禁に備えてどのような準備をしてきたのか、また、していくのかを改めて伺わせていただきたいと思います。

○中路副出納長 都においては、ペイオフ解禁に備え、学者、経験者等により構成します公金管理に関する検討委員会を設置いたしまして、平成十四年一月には、安全性及び流動性を確保した上で効率的な資金管理を行っていくという、都の公金管理に当たっての基本的方針と具体的な対応策を取りまとめいたしました。
 ペイオフ解禁を目前といたしました平成十四年三月には、金融情勢等に応じた的確な判断、対応を行うため、学識経験者や金融分野の専門家による東京都公金管理委員会を設置するとともに、公金管理の原則及び方法等を定めた東京都資金管理方針を策定いたしました。
 また、出納長室の組織におきましては、四月に公金管理課を新設いたしまして、金融機関での職務経験者を配置するなど、公金管理体制の充実強化を行いました。
 そして、去る八月には、中期的な資金見通しをもとに、具体的な資金配分基準を東京都におけるポートフォリオとしてまとめまして、具体的な資金配分を行っているところでございます。

○秋田委員 ただいま副出納長からポートフォリオというお話がありました。そのポートフォリオは、債券運用の割合を今後高くしていくということですが、その具体的な数字とその考え方の是非についてお聞かせください。

○中路副出納長 今回のポートフォリオは、本格的な資金運用を開始するに当たりまして、リスクを最小限としながら効率的な運用を目指すことを基本として、策定したものでございます。
 預金と債券の配分につきましては、現在の不透明かつ不安定な金融情勢を踏まえ、昨年度八割以上を占めていました預金から、ペイオフの影響を受けない債券運用へのシフトを図りまして、運用に伴うリスクを回避することといたしまして、両者の割合を五対五とすることが妥当と判断したものでございます。

○秋田委員 預金割合が八〇%以上だったのを、預金と債券割合を五対五にしていくということは、ペイオフ後のリスクヘッジに備えた措置ということだと思うんですが、預金については、金融機関の健全性とか安全性を基準にして評価して、選択していくというお話ですが、拡大していく債券の安全性というのは大丈夫なんでしょうか。特に、都民の皆様方は、債券と聞くと、何か危険なんじゃないかという感想をお持ちなんだと思うんですね。そこで、その安全性についてお聞かせいただければと思います。

○中路副出納長 債券の運用商品といたしましては、国債、政府保証債、割引金融債等の債券の中で、安全性を第一に、効率的なものを選択することとしております。国債及び政府保証債は政府の信用力を反映するものでございます。都は債券運用に当たって、満期まで持ち切るということを前提として運用することとしておりまして、国がデフォルトしない限りは、確実に購入時点の利回りが確保されることから、安全性については問題がないというふうに考えております。

○秋田委員 先週ですか、株価もたしか八千三百円を割るような状態で、日本経済に対するデフレ圧力は依然としてすごく高い中で、短期金利も長期金利も低い水準のままであることが予想されると思うんですが、今後の金利水準を具体的にどのように見込んでいるのかという点が一点。
 それから、その見込まれる金利水準の中で、どのように効率的に公金を運用していくのかをお聞かせいただきたいと思います。

○中路副出納長 短期金利は、金融緩和政策を背景に、無担保コール翌日物がゼロ%近くでフラット化しておりまして、また、長期金利につきましても、代表的な指標であります新規発行の十年物国債が一・二%を割り込み、引き続き低下傾向にありまして、金利の下押し圧力となっていることを考慮いたしますと、今後しばらくは大幅な上昇は見込めないというふうに考えております。
 このような金利水準の状況下においても効率的な運用を図っていくため、今回のポートフォリオでは、金利の変動に左右されず、安定的に高い収益が期待できますラダー型ポートフォリオと、現在の金利情勢において最も有利となります一括運用を組み合わせることによりまして、金利リスクを回避しつつ、可能な限り効率的な運用を行っていくこととしております。

○秋田委員 公金というのは、いうまでもなく東京都民の皆様のお金ですから、今後とも安全性を第一に考えて、都民の皆様の貴重な税金を一円たりともむだにすることなく、運用していっていただきたいというのはもちろんなんですが、その一方で、都民の皆さんも恐らく、低い金利の中で、あるいはこういう株価が下がっている中でも、最大限有利に運用していってほしいというのが願いだと思いますので、私からもその点をお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で出納長室関係を終わります。

○野村委員長 財務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成十三年度東京都用地会計決算及び平成十三年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤経理部長 先日の委員会におきまして要求をいただきました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元配布の平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんいただきたいと思います。
 最初に、表紙をおめくりいただきまして、目次でございます。今回要求をいただきました資料は十件でございます。
 一枚おめくりいただきまして、資料第1号、財務局のIT化に係る主なシステムの内容、経費、効果についてでございます。
 財務局のIT化に係る主なシステムといたしましては、電子調達システム、建設CALS/EC、公債管理システム、土地バンク電算システムでございまして、それぞれのシステムごとに、内容、経費、効果を記載してございます。
 次に、資料第2号、電子調達制度のメリット、デメリットでございます。
 電子調達制度のメリットといたしまして、事業者の利便性の向上を初め、五項目記載をしてございます。また、デメリットといたしまして、パソコン環境の整備を記載いたしております。
 次に、資料第3号、国土交通省で行っている電子入札制度でございます。
 ここでは、国土交通省の電子入札制度の概要を記載しております。あわせて、平成十三年度から十五年度の各年度におきます電子入札の実施予定を記載してございます。
 次に、資料第4号、他の自治体で行っている電子入札の状況でございます。
 電子入札システムを稼働している自治体は、北海道を初め五団体となってございます。それぞれ稼働時期、システムの内容、対象案件、実施件数を記載してございます。
 次に、資料第5号、都の電子調達システムの現況と今後の予定でございます。
 都の電子調達システムは、入札情報サービスシステムを初めとする四つのシステムから成る総合システムでございまして、それぞれのシステムの説明を記載してございます。また、平成十三年度、十四年度及び十五年度以降と、それぞれの年度における各システムの稼働状況及び今後の予定を記載してございます。
 次に、資料第6号、中小企業受注実績でございます。
 これは、工事と物品の中小企業受注実績の過去十年間分を集計したものでございます。平成十三年度で見ますと、工事関係においては、件数八五・六%、金額では四九・一%が中小企業分となってございます。また、物品関係においては、件数八六・一%、金額で六一・四%が中小企業分となっております。
 次に、資料第7号、平成十三年度中小企業受注実績でございます。
 表にございますように、知事部局、公営企業局、行政委員会等、各局別に、工事関係と物品関係につきまして、それぞれの発注件数と金額をお示ししてございます。区分といたしましては、全企業と中小企業に分けまして、その実績をお示ししたものでございます。
 次に、資料第8号、一般会計当初予算額と最終補正予算額の推移でございます。
 平成四年度から十四年度までの一般会計の当初予算額及び最終補正予算額をお示ししております。
 なお、右側の欄は、前年度最終補正予算額と当年度当初予算額の合計額を記載したものでございます。
 次に、資料第9号、都債償還額及び減債基金残高の推移、一般会計分でございます。
 平成九年度から十三年度までは決算ベース、十四年度は予算ベースとなっており、十四年度には一般会計から都営住宅等事業会計が分離をいたしております。
 十五年度以降十八年度までは推計値でございまして、表の下の注にもございますように、十五年度の起債額を三千七百億円、十六年度以降を三千五百億円としまして、減債基金への所要の額、全額を積み立てるものとして試算をしたものでございます。この推移でいきますと、都債の償還額は、十四年度の予算の四千七百二十五億円が十五年度以降急激に増加をいたしまして、十五年度の推計では六千七百億円台に達し、それ以降も六千億円台の高い水準で推移すると見込まれるところでございます。
 最後に、資料第10号、過去十年間の発行及び償還手数料率の推移でございます。
 都債は、その大半を民間市場からの公募により資金調達をしてございますが、発行及び償還の際に、銀行や証券会社に対しまして、それぞれ手数料を支払う必要がございます。表にございますとおり、この十年間では、都債の人気が高まる中で、都が手数料につきまして、銀行や証券会社と精力的な値下げ交渉を続けた結果、大幅な引き下げが実現をしまして、資金調達コストの削減が図られております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中西委員 平成十三年度予算は、財政再建推進プランの二年目の予算でありまして、今はまさに三年目、十四年度は三年目の真っ最中でありますが、先般私どもがいただいた資料の中にも大まかなことは書いてありましたが、財源確保目標額六千三百億円に対して、十三年度、十四年度のそれぞれについての達成状況をご答弁願います。

○松澤主計部長 今先生お話ございました財政再建推進プランでは、内部努力、施策の見直し、歳入の確保、税財政制度の改善の四つの柱に沿いまして、計画期間の最終年度である十五年度までに、六千三百億円の財源確保を図ることを掲げてございます。
 お尋ねの財政再建推進プランの二年目に当たります平成十三年度予算までに、この目標額六千三百億円に対しまして、四千二百九十四億円を確保し、達成率は六八・二%でございます。それからまた、同じく三年目に当たる平成十四年度予算までに五千七十五億円を確保しまして、達成率は八〇・六%となっております。

○中西委員 私がいただいた平成十三年度決算関係資料にも書いてありますが、銀行業等に対する外形標準課税の収入、この財政再建推進プランに基づく財源確保状況の表の中に、歳出削減の部分と歳入確保の部分があるんですが、税源移譲等のところに、十三年度、十四年度、一千億円ずつ上積みされているんですが、ご案内のとおり、地裁では、まあ主税局の所管でありますが、銀行との裁判、今のところ、東京都は大変不利な状況になっています。これ、ずっぽり一千億円が年度ごとに抜ける可能性もあるわけであって、民間なんかで考えれば、入りは厳しく、出は多目に見るのが企業経営なんかでは基本なんですが、役所はちょっと違うのかなとは思いますが、ちなみに一千億円をそれぞれ抜いたら、達成状況は何%になるんですか。

○松澤主計部長 銀行業等に対する外形標準課税による収入につきましては、財政再建推進プランの税財政制度の改善の目標額に対しまして、今お話ございましたが、税源移譲等によるものとして、収入分千億円を確保額としております。これを、今先生お話しのとおり、歳入確保額から除いて試算いたしますと、プランの達成状況は十三年度が五二・三%、十四年度は六四・七%となります。

○中西委員 それにしても随分変わりますね。六八%が五二%、八〇・六%が六五%、かなりの開きがあるわけであって、実際のところ、財務局としては厳し目の方の数字を見ながら、まあ裁判の行方は、これはいかんともしがたい部分もありますよ、裁判所が決めますから。当然我々、議会も含めて、勝訴するであろうという方向性は希望的観測として持っていますが、やっぱりお金には厳しく当たらなければならないという観点から、財務局さん、もうちょっと厳しく見ていただきたいということを、注文をつけさせていただきたいと思いますが、こういう形でますます今景気が悪くなっている状況ですが、プランの達成できるんですかね、ご答弁ください。

○松澤主計部長 都はこれまで、財政再建推進プランに基づく取り組みを進めまして、十四年度予算までに財源確保目標額の八割を達成するなど、着実に成果を上げてきております。
 しかしながら、一方で、今先生からお話がございましたように、景気の先行き、非常に予断を許さない中で、十五年度の都税収入がプランの見込みを大きく下回る見通しであること、それからまた、税源移譲が全く現在のところ進んでいないことなど、乗り越えなければならないハードルがいまだ多く存在しているところでございます。
 このような厳しい状況でありまして、財政再建の達成には困難な道のりが予想されるところではございますが、平成十五年度はプランの最終年度でありまして、内部努力や施策の見直しなどの取り組みをこれまで以上に強化することによりまして、財政構造改革を積極的に進め、プランに掲げる目標の達成に向けて、全力で取り組んでいく考えでございます。

○中西委員 主計部長さん、今八割まで達成したとおっしゃいましたが、ちょっと厳しく見れば、その八割が六五%なんですよ。八割というと、おお、頑張っているなというようなイメージがしますが、六五%というとまだまだなのであって、余り八割、八割と強調すると、この一千億円、裁判が結審するまで使えない金なんですから、私も財務局は応援しますよ。だけれども、余り八割、八割って、主計部長、主張しない方がいいんじゃないかなと思います。
 次の質問に移りますが、十二年度、十三年度は、都税収入、これはIT関連業種がわっとよくなったおかげで、法人二税というのは極めて高い伸びを示したんですが、法人事業税、住民税、この法人二税の都税収入に占める割合、これは十二年度、十三年度は何%ですか。

○松澤主計部長 平成十二年度決算の法人二税は約一兆六千五百億円でございまして、都税収入全体に占める割合は三八・六%でございました。また、平成十三年度決算における法人二税は約一兆七千七百億円でございまして、都税収入に占める割合は四〇・四%となっております。

○中西委員 わかりました。ちなみに今から十年ぐらい前の平成三年の都税収入に対する法人二税の割合は何%ですか。

○松澤主計部長 十年前に当たる平成三年度の法人二税につきましては、約二兆四千億円でございまして、都税収入全体に占める割合は四九・四%と、五割近かったわけでございまして、近年の水準と比べますと、かなりその当時は高くなっておりました。

○中西委員 それだけ景気が後退しているということであって、ITで伸びているにもかかわらず、これだけの開きがあるということは、法人二税というものの税収が減るということが都の歳入の大きな激減の原因の一つとなっていることは、私、間違いないと思います。
 ちなみに法人事業税、まあ法人二税ですね。今主税局が銀行との裁判でも争点になっておりますが、シャウプ勧告以来、地方税というのは、ある意味で応益税の部分を大切にしなければならない。国税の部分、所得税は応能税。応益税、我々地方自治体は、景気がよかろうが悪かろうが、警察、消防、その他経常的に行政サービスを行っていかなければならない中において、国の景気動向によって地方税が非常に左右をされる、所得連動的な税源であると、極めてこれはまずいわけですね。
 ですから、政府税調なんかでも、例えば一般企業に対しての外形標準課税の話が出て、私は今外形標準課税なんか導入するのは全くナンセンスであると思って、こんなものは絶対今やるべきじゃない。経済がよくなってからでありますが、シャウプ博士以来、政府税調、またいろんな文献をたどっても、例えば財団法人地方財務協会さんですか、一九五六年のものでも、ちなみに法人事業税なんかは極めて応益性にのっとるべきだということは主張されていて、学説的、理論的には地方税は応益税、入場料と一緒だよ。応能税、能力に応じて払え、所得がたくさんあったら払え、こういうふうに景気連動的なのはまずいよという中において、現実問題として、今応能税になっちゃっているのが地方税の課題であり、私は、こういう問題は国を含めて将来的に解決していくべき問題であると思いますが、現実問題として応能的になって、法人二税が景気動向に左右されるというのもこれまた事実ですから、今の与えられた所与の条件の中で、我々はいかに歳入を確保していかなければならないというところにおいて、これまた先ほどのプランの資料で、歳出削減と歳入確保のところで、歳出削減のところでは施策の見直し、経常経費の見直し、投資的経費の見直しとあります。歳入確保では例えば徴税努力、皆さんやっていますね。あとは地方税財源の改革ですよ。国から税財源を東京都に持ってこようじゃないか、これもやるべきであります。また、この中で都市再生ということも入っています。
 しかし、ここで申し上げておきたいのは、私は決して財政拡大論者じゃありません。しかし、ケインズ政策的に、掘った穴を埋めろということを私はいっているんじゃなくて、特に都心部は、某党は反対するかもしれませんが、例えば井荻の立体交差なんかだって、あれは、ちょっと今不確かですが、二百億円ぐらいの投資額に対して、五、六百億円ぐらいの経済波及効果があったと思うんですね。
 この経済波及効果というのは、いわゆるケインズ政策の乗数効果とは微妙に違うと思うのでありますが、財務局のプランの中に、もうちょっと経済を活性化させる、企業を振興させるというような点が私は入るべきだと思うんですね。企業の景気がよくなれば、法人二税は上がるわけですから、当然、ちょんちょん切るばかりじゃなくて、そういう観点、私はぜひとも必要であると思っております。
 そういいながら、財政再建団体に東京都は絶対なってはならないわけであって、そのために全力投球するのは当たり前のことでありますが、今まで財務局として、このプランにいろいろ書いてありますが、どのような取り組みをしてきたのか、今の私の話した内容を踏まえて、ちょっとご答弁いただきたい。

○松澤主計部長 ただいま先生お話ございましたように、今進めている財政再建の究極の目的は、財政収支の均衡のみにとどまるものではございませんで、東京の活力の再生を目指して、新たな施策展開を行い得る、強固で弾力的な財政体質をつくることが大きな意味での目的なわけでございます。
 そのためには、まず巨額の財源不足があるわけでございますから、これを速やかに解消しまして、財政再建団体に転落する危機を脱する必要がありまして、まずそこから第一歩ということで、都はこれまで内部努力の徹底や聖域のない施策の見直しに全力を挙げて取り組んできたというようなことでございます。
 しかしながら、同時に、都はこの間、道路の整備や連続立体交差事業あるいは公共交通網の整備など、東京の活力を支える社会資本の整備や都市を活性化させる新たな産業の創造などには、限られた財源を重点的、効率的に配分しまして、着実に取り組んできているところでございます。
 ご指摘のとおり、産業の活性化あるいは都市基盤の着実な整備は、東京の経済活動を将来にわたり活性化させるために必要不可欠でございまして、こうした取り組みを通じて都税収入が増加することになれば、都財政の再建にとっても成果をもたらすものと考えております。
 今後とも、東京の再生を目指しまして、ご指摘の点を踏まえ、財政構造改革の一層の推進と税収増の効果も十分視野に入れながら、真に必要な事業への優先的な財源配分に努めてまいる考えでございます。

○中西委員 いずれにしても、法人二税の増収を図っていくことは、現実問題として、私、必要だと思います。また、この財政再建推進プランの中に、都市再生ということは無論のこと、企業、経済の活性化という観点、財務局が、ある部分、そういう観点を入れないと、財務局はお金の大元締めですから、国でいうところの財務省みたいなものですから、いろんな局が東京都にありますが、それこそ産業労働局から建設局からありますが、財務局がそういう御旗を立てていただいて、このプランの中にそういう--まあ私は公共投資を拡大しろといっているんじゃないんですよ。効果のあることをやれと。先ほども、しつこいようですが、某党のように、建設会社さんが動いて工事をすれば全部悪と、そういう善悪二元論で物を語っちゃいけないんですよ。そういうことをいっているんじゃなくて、効果のあることをやって、企業を繁栄させる。そして、もうかった分は税金で下さいよ。まずは生かさなきゃいけない。
 ぜひともそういう頭を持って、そういう観点を持って、財務局は東京都を牽引していっていただきたい、このように私は最後に要望したいと思っております。縮小均衡に陥ることなく、頑張っていっていただきたいわけでありますが、局長、最後にご決意と、それに対してのご答弁をお願いします。

○田原財務局長 ご案内のとおりでありますけれども、財政再建の目的は、東京の活力の再生を目指しまして、新たな施策の展開を行うことができるような、そういう強固な弾力的な財政体質を確立することにあると考えております。
 こうした考え方に立ちまして、これまで、財政再建推進プランに基づく取り組みを進めてきたところであります。歳出を抑制する中にあっても、東京の再生などに必要な事業につきましては、限りある財源の中で重点的に配分をしてきたと考えております。
 先生お話しのとおり、経済環境はますます厳しくなっております。東京の活力を維持向上させ、経済の活性化を図ること、これは非常に重要なことであると考えています。ご指摘のとおりであります。
 十五年度の予算編成におきましても、全体としては歳出総額の抑制ということをしていかなければならないわけでありますけれども、一方で、限られた財源を、今のお話のようなところに、必要な事業について、さらに重点的、効率的に配分をいたしまして、首都東京の再生、これが日本の再生につながると思っておりますけれども、それから都民の安心、安全の確保といった課題に取り組んでまいりたいと考えております。

○花輪委員 それでは、まず東京都が持っている未利用地の活用について伺っていきたいと思います。
 今のお話にもありましたけれども、財源確保が大変だということで、このところ、東京都が持っている大規模、中規模、小規模、そういう土地を売却して、財政を何とかしていこう、そしてまた、持っている土地を効率的に、効果的に活用、運用していこうということのようでございますが、まず、この売却に当たっての東京都としての理念、基本的な考え方、こういうものをご答弁いただければと思います。

○小野田財産運用部長 ただいまお話しいただきました都有地につきましては、都の事務事業に利用することが本来の目的でございます、貴重な都民の財産でございます。このように認識しております。
 しかしながら、都財政の現状が大変厳しい中で、都が利用する見込みのない不要な土地につきましては、地元の区市町村に取得の意思を確認の上、財源確保のために、売り払いの促進に努めているところでございます。

○花輪委員 そのとおりだと思うんですね。土地は持っていれば、将来大きな資産に膨らんでいくという時代ではもはやありません。今必要なものはしっかりと持って活用し、必要がないものは売ったり、貸したり、そういう形で運用していく、これは正しいやり方かなというふうに思っております。
 ここでちょっとお尋ねしたいんですけれども、昨年度、土地の売却によってそれなりに収入があったと思うんですけれども、まずどのくらいの目標を立てられて、そして、どのくらいの実績があったか、このあたりをご答弁いただければと思います。

○小野田財産運用部長 十三年度に財務局が売却いたしました都有地は八百七十二億円でございます。
 この目標ということでございますけれども、この目標につきましては、平成十二年十一月に策定いたしました財産利活用総合計画におきまして、十二年度から十四年度の三カ年間での売却を、一千億円以上を目標として掲げております。
 この目標に対しましては、十二年度と十三年度の二カ年間で千百八十二億円ほどの売却実績となりまして、当初の売却計画を一年前倒して達成しておりますが、いずれにしても、十三年の実績については八百七十二億円ということになっております。

○花輪委員 この八百七十二億円というのは、東京都の一般会計に占める予算の歳入額が六兆三千億円ぐらいですから、相当なパーセンテージですね。一・三八%ということでございます。立てた目標より相当な割合というかスピードで目標を達成されているということは、これは非常に評価に値するな、皆さんも本当に頑張っていらっしゃるなというふうに思うところです。
 ところが、皆さんが頑張って売ってくださっているわけですが、中には、少し大き目の土地を売却しようというときに、どうしても地域住民とのあつれき、理解、そういうところで問題が起きてくる場合があると思うんです。
 昨年も随分問題になりました。東京都立大学の深沢校舎の跡地の売却に当たりまして、あれは長谷工さんに売却をされたわけですが、東京都としても、最初に基本的な考え方ということを、世田谷区さんとか東京都、そして長谷工さん、そういうことをお互いに申し合わせて売却をしたわけですが、残念ながらこれが、都も区もまた買い主も、自分に都合のいいように解釈ができるような文章であったために、それが生かされずに、余計な混乱を生んでしまったとか、また、地元自治体とか特に地元住民の方に、最初に情報の開示とか意見集約、そういうものが余りなされなかったということもあり、随分と請願とか陳情、こういうところで皆さんもご苦労をされたと思います。
 住民の方にとってみても、隣にあった大きな大学の跡地が、知らない間に、気がついたらば、あら、ここに大きなマンションが、それも十七階、十九階建てというでかいマンションが建つのかというと、これはびっくりするのは当たり前のことだと思います。
 それに、学校の用途というのは、もともと用途地域が、今でいうと、これは二種中高層というんですかね、第一種中高層住居というんですか、昔でいう二種みたいなものですね。こういう用途ですし、その周辺は昔の一種、第一種低層地域、そういうところの中に、学校だから、少し容積とかそういうものが大きい用途地域があるわけです。そうすると、普通の一戸建ての地域に、突然でかいマンションができてしまうという、もともとでは予想されなかった、そういう事態が起きてきてしまったわけです。
 皆さんも相当ご苦労をされたと思います。本当に皆さんも、高く売ったのにもかかわらず、議会からはああだこうだいまだにいわれて、住民からもおしかりを受けるような結果になったわけですが、ぜひこの反省に立って、どういうところに問題があったのか、それで、今後はどういうことを解決していったらいいか。まだ都立高校なんかも、統廃合によって相当土地が出てくると思います。そういうことを、売却を皆さんもしていかなければいけない。そういう中で、どのような考え方で、この反省に立ってやっていらっしゃるか、やっていこうとしていらっしゃるか、そのあたりを答弁いただければと思います。

○小野田財産運用部長 都におきまして、利用計画がない大規模の未利用地につきまして、これは売却した場合、地元区市町村のまちづくりに与えます影響が大きいことから、売却に当たりましては、地元の区市町村と十分協議の上、売却を行うことが必要であると考えております。
 お話しいただきました都立大学跡地の売却でございますが、地域の実情に適した開発が行われるように、地元区の参画も得まして、土地利用の基本的な考え方をあらかじめ策定いたしまして、入札時に応札者の提案を募るとともに、土地の落札者に対しまして、土地利用上の条件を契約事項として課しました。
 しかしながら、都議会のご審議を通じまして、土地売買契約の縛りだけでは必ずしも十分ではない。地元自治体の都市計画による地区計画などの規制が必要ではないのか、このようなご指摘がございました。
 今後でございますが、地元自治体と十分協議が図れますように、時間的な余裕をとりまして、あらかじめ都の売却計画を早い段階で地元区市町村の方に周知を図るなど努めてまいりたいと考えております。

○花輪委員 今地元市町村になるべく早い段階でということは、地元といわゆるそのあたりの協議が十分図れるような、時間的な余裕を持ってということで、よろしいんですか。

○小野田財産運用部長 もちろん地元の地域自治体におきます利用の方策とか、あるいはいろいろな方途につきまして、十分に東京都との間で協議、検討ができるだけの時間をとるという意味で、それなりの時間をとってまいりたいというふうに考えております。

○花輪委員 ぜひそういう形で、余裕を持ってやっていただければと思います。
 もともと地域によっては、その地域の自治体が考えているまちづくりのあり方、防災を拠点につくっていこうとか、また、福祉を重点に考えていこうとか、それぞれ自治体で思いもあるでしょうし、また、地域にもそれぞれの思いがあると思うんです。ですから、大きな土地であればあるほど、時間的余裕を持って、まあだらだらと、四年も五年も十年もほうっておけということではなくして、しっかりと皆さんも入っていって、議論を重ねて、まちづくりに有効な形で土地が使われるというようなことを目標にやっていっていただければと思います。
 次に、同じ土地の未利用地の有効活用ですが、今度は貸すという形の有効活用についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 今東京都では、いわゆる未利用地を駐車場として貸し出しているようでございますが、その件数、そして面積、金額をご答弁ください。

○小野田財産運用部長 平成十三年度におきます実績でございますが、未利用の都有地を駐車場として財団法人東京都駐車場公社に貸し付けております件数は、千代田区丸の内の旧都庁第二本庁舎の跡地あるいは八王子の旧畜産試験場跡地など二十七件、面積にいたしまして三万一千九百十五平方メートルでございます。契約額につきましては総額で三億五千七百万円余でございます。
 また、平成十三年度には、新たに未利用地を駐車場として民間駐車場事業者に貸し出すための手続を行いまして、平成十四年四月から貸し出しを開始したところでございます。

○花輪委員 まず、どうして財団法人駐車場公社に貸し付けているんでしょうか。なぜ貸しているのか、ご答弁ください。

○小野田財産運用部長 財団法人東京都駐車場公社は、都内におきます駐車場の発展、改善、これに寄与することなどを目的に設立されました公益法人でございます。そのため公社では、公の施設としての都営駐車場や、都立病院来訪者のための公共施設に附属した駐車場などの経営のほか、都が貸し付けました未利用の都有地を駐車場として運用するなど、長年の駐車場整備、管理のノウハウを生かして事業を行っております。
 お尋ねの未利用の都有地を公社に貸し付けております理由は、例えば観光バス駐車場の確保など、民間では事業採算の合わない場合、こうした場合でございます。
 それから二番目といたしまして、地元が都に準じました公的団体への貸し付けを希望している場合がございます。こうした場合でございます。
 それから三番目には、都の事業開始などの都合で、駐車場の貸し付けを年度途中で解除する場合とか、あるいは貸し付け面積の変更などを弾力的に行ってもらうために、そういったことから、東京都駐車場公社に貸し付けをしている、こういうようなことでございます。

○花輪委員 そして、ことしというか十三年の末から、先ほど民間にも少し貸し出しを始めたということですが、今までは駐車場公社でやってきた。今度はどうして民間にもやらせるようになったんでしょうか。

○小野田財産運用部長 都は未利用地を積極的に売却するために、インターネットの都庁ホームページに掲載するなど、PRに努めておりますが、これらを見ました民間の事業者の方々から、未利用地について、借り受けに関する問い合わせとか、あるいは企画、提案も多数寄せられるようにこのところなっております。
 都では、境界画定や地元との調整等に時間を要しまして、売却まで相当の期間が見込まれる物件などにつきましては、多角的な有効活用策の一環といたしまして、民間駐車場事業者に対して、駐車場用地として暫定的な貸し付けを開始したものでございます。

○花輪委員 私は、基本的には民間でできることは民間に任せるということの方がいいというふうに考えています。先ほど中西副委員長もいっていました。企業をもうけさせて、税金を取るということですね。日本の国は市場経済です。にもかかわらず、昨年までは、要は駐車場公社という税金でできているような会社、役所の下請のような、いわゆる民間の市場経済の中になじんで入っていっていないような、そういうようなところに駐車場を任せていたわけです。
 本来民間でできることは民間でやっていく。そして、役所がやらなければいけないのは、市場性に合わないとか、いわゆる役所でなければできないということを役所はやっていっていただきたいと思うんですね。
 最近は、管理団体とか報告団体、たくさんあります。そういうところが、本来民間で十分やれるような仕事を、役所のそういうところが仕事を奪ってしまっている。丸投げして奪ってしまっている。競争原理のないところで仕事をとってしまっている。これは市場原理の土俵の上に、まさに役所の団体がずかずかと入り込んで、民業を圧迫しているともいえるような構図だと私は思っております。
 昨年までは駐車場公社のことしか頭になかったから、未利用地があれば、駐車場公社を通して駐車場経営をしていたけれども、ことしからは、いわゆる十三年の末からは、それの方針を改めて、民間にできることは民間にやっていただこうということで、民間の駐車場会社にこの駐車場経営をお願いしたということでよろしいんでしょうか。その辺の確認をお願いします。

○小野田財産運用部長 現在のいろいろ社会情勢の変化、それから民間事業者等の進出状況、そうしたものを総合的に勘案いたしまして、今年度からは、民間事業者にも都有地を貸し付けて、それを有効活用の上に、都の未利用地の有効活用策の一環としていきたい、このように考えたわけでございます。

○花輪委員 まことにわけのわからない答弁ですけれども、考え方が変わったのか、変わってないのかだけ、お答えください。

○小野田財産運用部長 考え方といたしましては、東京都の未利用地を有効活用するということにつきまして、より適切な引き受け手、こうしたものにお願いするということで、選択肢を広げたということでございます。

○花輪委員 これ以上やってもしようがないんでしょうけれども、考え方が私は変わったんだと、変わってくれたんだというふうに思っております。ぜひ民間の力を活用して、なるべく役所がいわゆる市場社会の中にずかずかと入り込んで、民業圧迫をしないようにしていただければと思います。
 今駐車場公社が東京都から委託を受けている駐車場は二十七件、三万一千九百十五平米ということでございます。先ほど、この二十七件を駐車場公社に貸し付けている理由を三つほど挙げてくださいました。観光バスの確保というようなこととか、地元が要望しているとか、また、東京都の事業で、途中で解約しやすいようにとかいう理由がありました。
 どれもこれも、もうちょっと考え方を改めていけば、二十七件のうち相当数が民間にでもお願いができるような私は案件だというふうに思っています。そのあたりも、今すぐ駐車場公社から仕事を取り上げなさいとはいいません。しかし、考え方をしっかりと、理念を持っていただいて、今後の活用に生かしていっていただきたいな、そんなふうに考えております。お願いいたします。
 次に、契約、入札のことについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 財務局さんは、公平で、公正で、そして透明性の高い入札、契約を目指して、日々ご苦労をされていることと思っております。昨年も三宅島の問題とか、またこの前も低価格入札とか、いろいろ問題もあります。そういう中でも本当にご苦労をされていると思いますが、一つちょっと教えてほしいんですが、談合情報検討委員会というものがあるようでございますが、これについて少し詳しくご答弁をいただければと思います。

○松村契約調整担当部長 都におきましては、地方公共団体の契約制度を根本から否定する談合はあってはならないものとの認識から、従来より、競争入札の発注に当たり、入札参加希望者に対して、談合の疑いを持たれるような行為を行わないよう、注意を喚起しております。
 談合情報取扱要綱におきましては、契約担当部署ごとに談合情報検討委員会を設置し、契約担当者等が談合情報を受けたときは、調査の必要性を判断し、必要であるものについては、事情聴取の後、談合情報検討委員会へ付議し、入札執行の是非を審議することとしております。
 財務局談合情報検討委員会に付議された案件についてでございますが、そのほとんどが落札者名を特定する内容でございます。情報で具体性に乏しいものなどを除き、公正取引委員会へ連絡することとしております。
 実績でございますが、平成十二年度につきましては、談合情報数十四件、委員会開催回数十三回、うち公正取引委員会へ連絡した件数は七件でございます。
 平成十三年度につきましては、談合情報数十五件、委員会開催回数十五回、うち公正取引委員会へ連絡した回数八件。
 平成十四年度九月末現在におきましては、談合情報数七件、委員会開催回数七回、うち公正取引委員会へ連絡した件数は六件でございます。
 なお、委員会に付議した案件のうち一件につきましては、情報内容の信憑性が極めて高かったため、入札を延期し、入札参加者をすべて入れかえて、実施をいたしました。それ以外の案件につきましては、談合の事実が確認できなかったため、入札を実施いたしました。

○花輪委員 今のお答えいただいた数字を聞くと、私が想像していたよりも多いなという気がいたします。十二年度においては、談合の情報が十四件あって、うち、いわゆる公取委へ、これはガセネタじゃないなと思って通報されたんだと思いますが、そういう件数が七件ですね。十三年度においても、情報が十五件あって、公取委へ通報したのが八件、そして十四年度は、この九月末までで七件の情報があって、うち六件を通報されたという、そういうような状況で、まだまだ皆さんもご苦労がなかなか絶えないなというふうに思うわけですが、そんなことも恐らく含んでだと思います。
 また、昨年来のいろいろ不正行為の発生なんかを含んでだと思いますが、ことしの四月からこの入札、契約事務について、変更、改善をされたということですが、このあたりもご答弁をいただけますでしょうか。

○松村契約調整担当部長 公正性、透明性、競争性のより一層の向上を目指しまして、本年の四月に、工事に係る入札、契約制度の大幅な見直しを行いました。
 見直しの内容といたしましては、第一に、従来、予定価格二十五億円以上の契約で実施していた一般競争入札の実施範囲を、九億円以上にまで拡大いたしました。
 第二に、従来、七億円以上の契約で実施していました予定価格事前公表を、契約の全入札案件で実施することといたしました。
 第三に、談合等不正行為の発生を防止するため、入札参加者の公表時期を入札後に変更するとともに、現場説明会を原則廃止することといたしました。
 そのほか、入札に当たって、積算内訳の提出を求めて積算状況を確認する。建設共同企業体の結成方式を、あらかじめ企業体を結成した上で希望申し込みをする自主結成方式とするなどの制度改正を実施しているところでございます。

○花輪委員 一般競争入札の額の拡大とか、価格の事前公表、入札参加者の公表時期ですとか、現場説明会、みんなが顔を合わせる時期を廃止するというようなことが、この四月から改定をされたわけです。
 ちょっとこの改正によってどれだけ効果があったかどうかという検証をしてみたいと思うのですが、まず十三年度、昨年のいわゆる財務局さんの契約件数、そして金額、落札率、これを教えていただけますか。

○松村契約調整担当部長 平成十三年度財務局工事契約のうち、建築土木工事八千万円以上、設備工事二千六百万円以上の大型工事案件の実績は、契約件数七百八十五件、金額約二千四百十六億七千八百万円、落札率の平均は九四・一%でございます。

○花輪委員 十三年度は落札率が九四・一%だったということですが、では、今年度、その新しいやり方、改善されたやり方で入札が行われるようになってから半年ですけれども、これまでの実績、契約の件数、金額、そして落札率をご答弁ください。

○松村契約調整担当部長 平成十四年九月末までの大型工事の契約実績は、契約件数三百四十七件、金額約一千二百七十九億四千九百万円、落札率の平均は九〇・六%でございます。

○花輪委員 四月にお金もかけずにやり方を変えた、これだけで、何と九四・一%だった落札率が九〇・六%まで、これは約三・五%ですか、落ちているということです。一年間の財務局さんの契約件数が、先ほどは二千四百億円とおっしゃいました。オール都庁でいうと、六千億円ぐらいという、そんな話を聞いたことがあります。そうすると、六千億の一%だと六十億ですか、三%変われば百八十億、ざっくりいってですけれども、ちょっと仕組みを変えるだけで、これだけのメリットが出て、私はすごいなというふうに思っているんですが、これはやはり改革の効果だというふうに私たちはとらえていいわけでしょうか。

○松村契約調整担当部長 落札率低下の原因につきましては、制度改正による影響のほか、低迷する経済状況や公共工事の減少などの要因が考えられ、改正による効果がどの程度反映されているかについて、検証することは困難でございます。
 いずれにいたしましても、公共工事は低廉であるだけではなく、良質な施工も肝要でありますことから、競争性の向上とともに、適正な履行の確保にも努めてまいります。

○花輪委員 制度改正による影響ばかりではなくして、経済情勢とかそういうものの影響もあるかもしれないから、検証することは困難であるというご答弁だったんですが、皆さんからは、前年度までは不正なことがもしかしたらあったかもしれませんとはいいづらいでしょうから、いろんな状況と要因というふうにいわなきゃしようがないのかもしれませんが、さっきちょっと調べましたら、平成十二年度、十三年度が九四・何%だったかな、十三年度は九四・一%、その前のもちょっと調べましたら、やはり九四・八%ということなんですね。だから、十二、十三と九四%台で来て、ここに来て、突然九〇%台まで落ちてきている。ということは、ある程度制度改正の意味があったのかなというふうに私は考えております。
 今後も、ぜひ入札、契約事務については、透明性、そして公平性、そういうものをしっかりと確保していっていただきたいなというふうに思います。
 あと、電子入札のことをきょうはちょっとお尋ねをしようと思ったんですけれども、電子入札については、この後に質問される方もいらっしゃるようですし、時間も相当来ていますので、割愛をさせていただきたいと思いますが、来年度から順次拡大をしていくということでございます。
 今委員会の資料要求の資料にも出ていましたけれども、全国の幾つかのところで、先進事例が始まっているようでございます。そういうところのこともしっかりと研究をしていただいて、そして、まだまだ制度面の問題、あとテクニック、技術の問題、そういうところも課題はたくさん残されているかと思います。
 先ほど、ちょっとやり方を変えただけで、四%ぐらい影響が出てくるわけですね。ですから、こういう電子入札制度みたいなのを導入して、しっかりとみんなが安心して参加ができるようなシステムをつくっていただければ、もっともっと大きな効果が出てくると思います。
 そういう意味では財源の確保にもつながってくるわけですね。百円で買おうと思ったものが、九十円で買えるようになる。確かに安かろう悪かろうじゃ、それは困りますけれども、皆さんのしっかりした目で見ていただければ、いいもの、悪いものは見分けることが可能だと思いますので、そのあたりもやっていただきたいと思います。
 何か横須賀の話を聞きましたらば、電子入札を入れたらば、落札率が八六%ぐらいまで下がったという話も市役所の方がいっておりました。そういうような事例もありますので、ぜひ積極的に、なるべく急いで、でも慎重に、頑張って入れていただければと思います。
 以上で質問を終わります。

○森田委員 今、入札に関して質問がありましたけれども、私の方も、引き続き入札に関連してお話を伺いたいんですけれども、あくまで入札というのは、公平、公正、透明性、これは非常に大事だな、これはいうまでもないことですが、財務局のホームページなんかを見ても、結構最近は、過去の入札の価格とか、そういうのが随分出ていて、昔に比べると、非常に公開性というか、そういうものが広がったなというふうに思っています。
 そういう意味では、もっともっと電子入札等を契機にして、透明性、公平性、これを上げていっていただきたいなというふうに思うんですが、一つ、これは具体的にはちょっと会社名は申し上げませんが、十三年度の入札に関連して、過去にも私は、予算特別委員会等で取り上げたことがあるんですが、あるシステムを入札させると、金額が余りにも離れ過ぎている。ある局のシステムの入札に関していうと、ある会社は、A社は数十億円、B社は数千万円、ひどいのは数百万円、こういう入札をしてくる。
 ここにあるのは、これから透明性や公平性を高めなくちゃいけない電子調達システムの、まあ一部だと思うんですが、財務局の入札に関連して、やはりA社は一億一千二百万円、B社は一千二百万円、C社は十万円、こういうような金額で入札をしているんですけれども、こういうことというのは、これは財務局の問題ではないと思うんですが、企業側の問題だと思いますが、どうしてこういうことが起こるのか、この辺はどう考えていらっしゃいますか。

○松村契約調整担当部長 システム開発の特性から、一般的には、当初のシステム設計の受注に成功すれば、その後の開発、運用管理で有利な立場に立つことができるといわれております。価格のみで落札者を決定する競争入札におきましては、極端な低価格で入札する事例が見られました。
 先生ご指摘のように、こうした行為を防止するためには、当初の契約におきまして、価格だけではなく、技術的な提案や次に続く開発や、運用管理のコストにつきましても、価格とあわせて総合的に評価する仕組みが必要でございます。
 このような観点から、システムの新規開発で、後年度の開発や運用管理に与える技術上、コスト上の影響が大きいものにつきましては、昨年十二月から、価格のほか、技術面の審査、評価を行った上で落札者を決定する、総合評価競争入札を導入しておりまして、最初に損をしても後で取り返せることがないように配慮してございます。
 この総合評価競争入札の運用状況を十分見きわめながら、総体として低廉で、しかも、質が高いシステム構築が可能となるよう、努力してまいりたいと考えております。

○森田委員 今いわれたとおりのことで、こういうシステムの場合は、最初に安い値段、かつてどこかで百円入札ってありましたよね。それでとってしまうと、あと継続して、維持管理費等でお金を取れる、こういうような形になっているので、過去の東京都のそういうシステムの場合でも、明らかにそういうふうになっているなと見られるケースがありました。企業は幾ら東京都に奉仕しようとする気持ちがあっても、赤字では絶対やらないと思うんですね。当初は赤字であっても、何年かで完全に取り戻す。
 ところが、最初のシステム設計をとってしまうと、あとの維持管理費は随意契約になってきます。A社がとれば、何年か、五年なり十年かはA社がずっと維持管理費をとっていく。そこで取り戻すという形になっていると思うんです。ここを変えないと、本当の正確な入札というのが行われないんじゃないかな。特に、公平、公正な入札を行おうという基本システムの設計に関してもそういうことが行われているということは、これから大きな課題じゃないかな。
 先ほど部長が総合入札システム、要するに価格だけじゃないファクターを入れて、検討するということですが、この辺はぜひそこのところをよく検討されて、公平性のある入札制度をつくっていただきたいなというふうに思います。
 その入札に関連して、電子入札については、メリット、デメリットというのは資料として出していただきましたけれども、この電子入札に関する今後の東京都の予定、どういう形にいつまでに持っていくのか、この辺をちょっと明らかにしていただけますか。

○松村契約調整担当部長 本年四月より、発注予定情報や入札経過等をインターネットで一元的に提供する入札情報サービスシステムを稼働させました。十月からは、物品関係の入札参加資格申請をインターネットで行う資格審査システムを稼働させておりまして、十二月からは、工事関係の資格審査申請をインターネットで行う予定でございます。
 電子入札システムにつきましては、平成十五年度の早い時期に、財務局発注の大規模工事案件で稼働させる予定でございまして、平成十六年度以降、財務局での稼働状況を検証し、順次拡大する予定でございます。
 契約事務システムにつきましては、平成十五年度四月から財務局で稼働させ、平成十六年度以降、各局に展開する予定でございます。

○森田委員 部長のおっしゃったような予定で、順調に今進んでいるんですか。

○松村契約調整担当部長 今のところ、順調に推移してございます。

○森田委員 例えば物品関係の入札参加資格、これをインターネットで行って、十月からやっているということですが、この反応はどうですか。例えばインターネットで申し込むのが、何%ぐらいがそれで申し込まれているかという数字はわかりますか。

○松村契約調整担当部長 これまで、物品関係でいうと、約一万二千者ぐらい登録がございましたけれども、十月十二日現在、インターネットでプログラムを入手した人数が四千二百二十七名、こういうふうな状況になってございます。一応これが十月、十一月末まで申請受け付けという形でございます。

○森田委員 電子入札にかかわって、特に課題というのはどんなことを考えていらっしゃいますか。

○松村契約調整担当部長 一つは、国とのシステムの関連とかいろいろございますが、東京都のシステムというのは、国と異なって、入札情報、資格審査、電子入札、契約事務と、四つのシステムから構成される総合システムでございまして、いわゆる独自のシステムとして開発をしてございます。
 そういった観点から、契約事務システムというか、東京都のシステムにつきまして、区市町村連携等も図っていきたいというふうに考えてございます。例えば都と区市町村では、契約事務処理規模や契約制度の異なる面もございますが、事業者の利便性とか発注者のコストの縮減等の観点から、電子調達システムの区市町村連携を図ることも望ましいということも考えておりまして、こんな観点から、協議も進めてまいりたいと考えております。
 それからまた、本人確認とかそういった問題も課題でございますが、電子入札におきましては、すべてインターネットを通じて入札手続を行っておりますことから、セキュリティーを確保するためには、本人であることや、データの改ざんのないことなどを確認し、証明する機関、すなわち認証局が必要でございます。現在、認証局の公募の手続を進めているところでございます。
 認証局の指定に当たりましては、事業者の負担を軽減し、電子入札を広めていく観点から、安全性とともに、事業者が利用しやすい価格設定についても配慮し、認証局の決定を行ってまいりたいと考えております。

○森田委員 大分先まで答えていただいたんですが、今、国、国交省を中心にして、電子入札をやっています。その中で一つの大きな課題は、本人確認認証システムに非常にお金がかかる。一件で四万から五万円かかる。それで登録しないと、実際に入札に参加できないということになっていますね。
 これは、国はどちらかというと比較的大きな企業が多いんでしょうけれども、東京都の場合、さっきデータが出ていましたけれども、中小企業の比率というのは八〇%を超えている。こういう中小企業が、四万も五万も認証システムで、これも毎年ですから、取るというのは大変なことになるんじゃないかなと。この辺の認証システムについては、東京都はどのように考えていますか。

○松村契約調整担当部長 先ほども申し上げましたけれども、事業者の負担を軽減し、電子入札を広めていく観点から、事業者が利用しやすい価格設定というのが非常に大事だと考えておりまして、都におきましては、国の方は、帝国データバンクがいわゆるICカードと、それに伴うカードリーダーが必要ですね。それと、設置費用なんかも頼みますと、十万ぐらいかかるというふうなシステムでございますが、都の場合はフロッピーディスクで、それよりもはるかに安いような価格設定を考えておりまして、基本的にはこの価格につきましては、いわゆる認証局と事業者の間でございますが、私どもといたしましては、できるだけ事業者が利用しやすい価格設定についての配慮をしまして、認証局の決定を行ってまいりたいと考えております。

○森田委員 ぜひその辺工夫していただいて、中小企業の皆さんにも余り負担にならないような本人確認システムを確立していただきたいなというふうに思います。
 それともう一つ、一つの企業が、国の仕事と東京都の仕事、それから、これから区市がやるようになると思うんですが、そのときの認証というのはそれぞれ別にとるのか、共通性が持てるのか、この辺はどう考えているんですか。

○松村契約調整担当部長 現在のところ、国の電子入札に参加するためには、国の指定する認証局の指定が必要でございまして、東京都の、今後、認証局が違いますので、それぞれとらなければいけないと考えておりますが、ただ、認証システムというのは、今後どういうふうに展開していくか。いろいろこれから、例えば国の方もコアシステムとかというふうなのもありますし、どういった形で認証が広がっていくかというふうなことも含めながら、できるだけ事業者が安い費用で参加できるようなシステムが広がれば、東京都もそれに乗り移ることもできましょうし、そんなふうな観点から今後も検討していきたい、こう考えております。

○森田委員 この世界は本当にドッグイヤーといいますか、すごい進歩の激しい世界ですので、今考えていることも、もしかすると新しい技術開発でもっともっと簡単に、安くできる方法ができてくる可能性は十分あると思うんですね。
 この辺も含めて、東京都も一度確立したシステムはこれだというんじゃなくて、中小企業や都民の皆さんが使いやすい、そしてお金もかからない、で、セキュリティーも高くなる、このような形をぜひとっていただきたいし、そして、これからのさまざまな課題が電子入札等については出てくると思うんです。こういうものについても、都民の声を聞きながら、しっかりとした形をつくっていただきたいなと。
 国に次いで大きい自治体である東京都ですから、東京都のやり方が他の自治体、そして東京都にある区市への影響力も非常に強いので、そういう意味でよく工夫をされ、検討されて、今後進めていっていただきたいというふう思います。きょうはこれで終わります。

○野村委員長 この際、議事の都合により、約十分間休憩いたします。
 再開は三時といたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時二分開議

○野村委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○古館委員 それでは、質問させていただきます。
 十三年度予算は、十二年度途中に生じました都税の増収の流れを受け継いで組まれた、このようにいえるかと思います。
 具体的にいいますと、都税で見ますと、当初、平成十二年度が三兆九千八十五億円の都税を見込んでいたわけですが、実際に十三年度の当初になりましたら、四兆三千九百四億円ということで、税収だけでも約四千億近い増になっておりまして、プラス一二・三%。補正後で見ますと、平成十二年度が四兆二千六百八十二億円だったものが、十三年度も四兆三千七百七十七億円ということで、これも千億円を超えるプラスで二・六%。
 この都税の増収が、後の主税局質疑で明らかにしたいと思いますけれども、銀行税もありましたが、ITやリストラ効果などによる一時的なものであったということは、既に明らかになっております。
 ところが、実際の都政の十三年度は、十二年度最終補正予算と連動して、財政再建二年目といいながら、この都税の増収を目の当たりにして、石原都政が今までも標榜していた都市再生、ここに大型開発事業などの浪費、これがいよいよ始まった、このようにいえると思います。
 具体的には、平成十二年度の予算が、都市の整備が前年対比でマイナス一七・八%だったものが、十三年度になりましたら、都市の整備がプラス四・八%、投資的経費が十二年度マイナス二〇・〇%、ところが、これが十三年度はマイナスの一・六%と、明らかに十二年度予算と比較した場合でも、大型公共事業へのシフトがはっきりとあらわれております。
 東京構想二〇〇〇に基づく三カ年推進プランは、十三年度がスタートで、その実態は三カ年の推進プラン事業の七割が大型開発を初めとする公共事業で占められております。
 初年度であり、石原知事の路線が徹底され始めたことを私は示したものだと考えることができますが、そこで、お尋ねですけれども、東京構想二〇〇〇に基づく三カ年推進プランが発表され、この計画に基づいて財務局が予算を計上したと理解をしておりますけれども、この三カ年の推進プラン、そもそもこれをまとめているのは知事本部でしょうか、それとも財務局でしょうか。

○松澤主計部長 今お話しの三カ年の推進プランにつきましては、平成十二年十二月に策定しました東京構想二〇〇〇の実現に向けまして、平成十三年度から十五年度までの三カ年にわたり、都が重点的に取り組むべき事業をあわせて明らかにしたものでございまして、現在の知事本部の前身に当たります、政策報道室が取りまとめを行ったものでございます。

○古館委員 今のご答弁で、この三カ年の推進プランが今の知事本部、前の政策報道室だということですので、詳細はそちらの方で、決算で質問をしたいと思います。こうした路線のもとで、昨年の決算でやはり取り上げたんですけれども、いよいよ国絡みで大型公共事業を首都再生の名で推進するというのが、非常に際立った特徴になってきています。しかも、石原色といってもいいと思うんですけれども、その証左が、国直轄事業負担金が急速に拡大してきていることであります。
 そこで、お伺いいたしますけれども、石原知事になってからの国直轄事業負担金の額を、済みませんけれども、十一、十二、十三年度の決算でお示しをいただきたいと思います。

○松澤主計部長 国直轄事業負担金の過去三カ年の決算額についてでございますけれども、十一年度が四百七十二億円、十二年度五百五億円、十三年度五百四十七億円となっております。

○古館委員 私も手元にちょっと資料があるんですけれども、これまで、国の直轄事業負担金なんですが、十三年度までの十年間の平均を出しましたら、四百億円程度なんですね。国の直轄事業で東京都が負担したお金です。それが、十二年度になったら五百億円を突破して、十三年度になりましたら、五百五十億円と急増しているんですね。この平均、しかも十年間で平均しますと、その六五%が借金、起債で賄われております。
 いうまでもありませんけれども、国直轄事業というのは、道路にしても河川にしても、国の管理です。国がやる事業、すなわち国道や一級河川であります。この国の事業に対して、五割とか三分の一だとかというのをわざわざ都が負担をしている、これが国の直轄事業の負担金なんですね。
 知事は首都再生などといいまして、昨年六月に、与党三党に対して、首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトというのを、提出を要望しておりますけれども、これは国の事業だから、東京都には迷惑をかけないから大丈夫だというふうに知事はいっているんですけれども、今いっていることとは全く逆の状況でありまして、今私がいったのは、石原知事になってから、むしろ国の直轄事業の負担金が急増しているというのが現実なんですね。
 したがいまして、国に上げた首都圏再生緊急五カ年十兆円プロジェクトというのがもしやられたとしたら、ますます東京都の負担金が多くなっていく。大体五割から三分の一というのが、今までの状況ですと、決められて負担をしているわけですから、これは本当にとんでもない東京都の財政の持ち出しになります。このままだと都財政は、都がいう国家的プロジェクトによって、さらなる都財政の投入、都債の膨張になりかねないと考えますが、いかがでしょうか。

○松澤主計部長 都はこれまで、地方に比べまして国費の投入が薄かった東京も含め、首都圏に対しまして、国が緊急的に投資を行い、首都圏の再生と日本全体の景気浮揚につなげていくべきとの考えから、今お話がありました十兆円プロジェクトの提案などを、国の事業として行うよう、国に対して積極的な対応を求めてきているところでございます。
 また、財政再建推進プランに基づきまして財政構造改革を進める中で、都の投資的経費につきましては、国費の導入を図りつつ、都の財政力で対応可能な範囲を十分見きわめながら、投資効果の高い事業に財源を重点的に振り向けまして、都市基盤の整備など、都市再生に着実に取り組んでいることとしております。
 したがいまして、このことから、先生ご指摘のようなさらなる都の支出の拡大とか都債の膨張に結びつくものではない、このように考えております。

○古館委員 それはかなり詭弁に近いですね。というのは、国の直轄事業というのは、国がどういうふうにやるかということと負担の割合だとか負担の状況というのは、なかなか説明が、最近は何か少し改善されているようですけれども、全くいわれないでやられている事業というのはたくさんあるんですね。
 それで、国の直轄事業という形は、国のやっていることに対して、東京都が負担を負わせられているというのが今の現実なわけでありますから、だから、こういう問題について、五百億とか五百億円を超える都財政の負担というのは、国の直轄事業なんだから、本来は国がその問題について負担をするというのが当たり前のことなんですけれども、そういうふうになっていない。
 知事は、十三年度の予算特別委員会で、我が党の木村議員の国直轄事業負担金の見直しをと求めた質問に対して、制度として改めるように今も強く申し入れている、このように答弁をしております。国直轄事業負担金の見直しにつきましては、その後、一体どのような進展があったか、お伺いしたいと思います。

○松澤主計部長 現行の国直轄事業負担金制度につきましては、都にとっては都市基盤整備が進むなどとメリットがある一方で、事業の実施に当たって、今お話がございましたが、地方団体の意見を反映する仕組みがないことや、維持管理費の負担を求められるなどの問題も多いと認識しております。
 ただ、この国直轄事業そのものについて必要ないということではございませんで、あくまで維持管理費の負担であるとか、地方団体の意見を反映する仕組みがないということに対して、都は問題が多い、こう認識しているわけでございます。
 このため、国への提案要求等におきまして、制度の改善を求めてきておりますが、十二年度以降、事業種別や箇所別事業内容が事前に国の方から通知されるなど、一部の改善が図られてきているところでございます。
 今後とも、都議会の応援をいただきながら、国に対して引き続き制度改善の速やかな実現を強く求めてまいります。

○古館委員 私も先ほどからいっていますけれども、石原知事になってから、急速に国の直轄事業がふえてきた。しかも、その六割以上が都債、借金で賄うという状況なんですね。
 都税収入が落ちていけばいくほど、負担は求められてくるわけですから、それを払うためにどうするかというと、必ず都債を発行して、その要求された金額を払うというのが、この国の直轄事業の仕組みなんですね。しかも、それが宿命だといってもいいぐらいの、非常に私は不合理な問題だというふうに思っています。
 先ほど答弁の中に、維持管理の問題が出ていました。国の仕事でありながら、なぜ東京都が維持管理の負担をしなきゃいけないのか。ちなみに、十三年度は維持管理費用でどれぐらい負担していますか。

○松澤主計部長 国直轄事業負担金の維持管理分についてでございますが、十三年度で八十七億円でございます。

○古館委員 だから、八十七億円といいますと、私どもよくいっていますけれども、例えばシルバーパスなんかでも二十三億円(「それは次元が違うんだよ」と呼ぶ者あり)いやいや、次元は違わないんですよ。それが、ちゃんとそういうことのお金が、別に使えば、こういうことになれるという状況を今いっているんです。例示を今いっているんですね。
 そういう中で、私たちはこの維持管理費用という八十七億円というものも、国の事業でありながら、東京都が負担する必要は全くないから、東京都もこれは改善してくれといっているんですね。そうじゃありませんか。

○松澤主計部長 現状では、国直轄事業負担金は、現行の法令に基づきまして、地方団体が負担すべき義務を負っている経費でございまして、都が一方的にその支出を見合わせることは、現状では不可能でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、この維持管理分については国の方に要望している、こういうことでございます。

○古館委員 これはぜひ直ちにでも、本当に国の直轄事業の維持管理、この負担は、国としてきちんと自分たちで処理をする、こういうことを強く求めていただきたいと思います。
 同様に問題なのは、首都高の無利子貸付金であります。これも十一年度百三十一億円、十二年度になったら今度は二百四億円と、二百億円オーダーになるんですね。十三年度が二百六十一億円というふうに、首都高に対して無利子で貸し付けをしている。東京都の財政が厳しいといっている状況の中で、そういう状況になっているんですね。
 これは、十三年度の予算特別委員会で、やはり当時財務局長をしておられました木内財務局長が、今後、わかっているだけで、さらに二千億円もの無利子の貸し付けが見込まれるだろう、こういうふうに答弁をしているものであります。
 したがいまして、この無利子貸付金は、都債、借金で、それもほとんど賄っているというふうに思うんですけれども、都の利子負担は十三年度で幾らになるでしょうか。

○松澤主計部長 首都高速道路公団への貸し付けの財源としてこれまで発行した都債の十三年度決算での利子負担額についてでございますけれども、合計で六十四億円でございます。

○古館委員 さっきの国の直轄事業の維持管理負担は八十七億円。そして、首都高に対して、無利子でわざわざ貸し付けをしている。その利子をだれが払っているかといったら、都民の税金で、東京都が六十四億円払っているわけですね。この問題は、我が党が何度も繰り返し質問をして、これに対して知事も見直しの必要性を認めたものであります。
 改めて聞きますけれども、首都高に対する無利子貸付金は義務ではないと思うんですけれども、いかがですか。

○松澤主計部長 首都高速道路公団への無利子貸付金につきましては、法令で定められた義務負担では確かにございませんが、現在その対象となっております、ご案内のとおりの首都高速道路の板橋足立線あるいは中央環状新宿線の整備は、都内の慢性的な交通渋滞を解消するなど、東京における社会資本の整備を進める上で、緊急かつ必要性の高い事業でございます。こうした判断に基づきまして、これまでルールに従って、国と折半で負担をしている、こういうことでございます。

○古館委員 そうは答弁いたしましても、やはりこれも十三年度の予算特別委員会での木村議員の質問に対して、木村議員はどういう質問をしたかというと、公団に対して、自力調達を求めなさいということを知事に提案したんですね。知事はこれに対してどういう答弁をしたかというと、債券化を積極的に考えるべきではないかとまで述べているんですね。
 ですから、今主計部長がそのようにお答えになりましたけれども、東京都の石原知事も、この問題については、債券化などについて積極的に考えるべきだ、ここまで述べているということは、やはり利子を東京都が負担していることについて、いかがなものかという判断というのは、私は十分にあると思っていますし、財務局も、そういう点でいえば、私もそういう思いがあるのではないかというふうに思っています。
 こうしたところにこそ改革のメスを入れるべきですし、この首都高速道路公団への無利子貸し付けの見直しについて、我が党としては、これは引き続き、全局分でも取り上げたいと思っているところであります。
 次に、十三年度の財政運営で、補正予算について触れなければなりません。補正規模は千三百億円弱と、十二年度の五千三百億円から見ますと、規模は小さくなっているんですけれども、その内容は相変わらず公共投資のばらまきといってもいいような状況にあります。しかも、十三年度は再び都債頼みの補正予算になっております。
 そこでお伺いしますが、十三年度補正予算で計上した都債は幾らだったでしょうか。

○松澤主計部長 十三年度の補正最終予算では、国の緊急経済対策と歩調を合わせまして、介護予防拠点や道路の整備あるいは公営住宅の解消など、いずれも都民生活にとって必要不可欠な事業に都債を充当したところでございまして、全部で七百七十四億円計上しております。
 なお、この七百七十四億円のうち三百十六億円は、NTTの株の売却益を活用した無利子貸付金でございまして、都の財政負担額は生じないものとなっております。

○古館委員 今NTTのことをいわれましたけれども、実態はそういう形で、つまり補正予算というのを使う。そうすると、足りなくても公共事業を何とか保障しなきゃいけないという形で、都債を最終年度で発行するという形が往々にしてあるんですね。補正予算で公共事業を追加しても、現実には十三年度にこういうものというのは繰り越されるんですね。つまり最終年度で都債を発行する。ところが、そのツケというのは、事業はその翌年に繰り越されていくわけですから、その場合でも、その財源である都債も同時に繰り越されていくということになります。
 ところが、表の数字では、なかなかこれが表に出てこないというのが現実なんですね。そうすると、決算説明書で、都債の決算額が三千百三十三億円と、三千億円を少し上回る程度となっておりますけれども、先ほどいった都債の最終発行によって、この最終補正で計上し、繰り越しとなる都債を含めて、幾らになりますでしょうか。

○松澤主計部長 十三年度から十四年度に繰り越しをしました都債は四百八十八億円でございまして、これに、今先生からお話がありました十三年度の都債決算額の三千百三十三億円を単純に合算しますと、合計額は三千六百二十一億円になります。
 ただ、先ほど申し上げました財政負担のないNTT債を除きますと、三千三百九十八億円になるところでございます。

○古館委員 たまたまNTT債というふうにいわれていますけれども、こういう仕掛けというのはずっと今までもあったわけですよね。大体この三千七百億円オーダーでの都債発行というのは、私どもの試算によりましても、将来的に借金残高は減らないんですよ、三千七百億円も発行していると。大体三千億円の前半、低い前半で、やっと残高が落ちていくかという状況にあるんですよね。だから、この財政運営のやり方というのは、いつまでたっても借金が減らないというぐらいの都債の計上なんだということを指摘して、そういう点でいえば、これで依然として将来の都債残高を抑制する水準にはならない、私どもそのように思いますが、どのようにお考えですか。

○松澤主計部長 今先生の方から、都債、借金借金というお話がございますが、これは公共的な施設というか事業に充てる財源でございまして、世代間の負担の公平を図る観点から、今申し上げました投資的経費の財源として適切に活用することを基本としながら、財政再建推進プランに基づきまして、平成十二年度以降、抑制を図っているところでございます。
 お話の三千六百二十一億円という発行額が大きいか小さいかという問題はございますけれども、これは十三年度で、起債依存度で見ますと、いわゆる歳入総額を起債発行額で割った率でございますが、これで見ますと、大体五・七%でございます。十三年度の地方財政計画では、これが一三・三%、あるいは十二年度との比較になりますけれども、四十七都道府県平均でいきますと、一一・五%ということで、かなり低い水準になっているわけでございます。今後ともこうして健全な財政運営を続けていけば、将来的には償還額も平準化されていくものと、このように考えております。

○古館委員 この問題については、いわゆる将来的にというふうにいうんですけれども、現在の起債発行の、バブル時代からずっと続いて、いわゆる十年償還という形になりますから、今一番、これから都債の公債費負担というのは多くなるという時期に来ているわけですよね。そういう中にあって、この四千億円近い都債発行というのは、依然としてやはり高いレベルにあるというふうに思っていますので、その点については、本当に改めて強くその抑制ということを求めておきたいと思います。
 最後に、基金についてお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、十三年度末の財調基金と減債基金の残高、それぞれ幾らでしょうか。

○松澤主計部長 十三年度末における、まず財政調整基金の残高でございますが、これが約千八百九十一億円でございます。それからまた、同じく減債基金につきましては、一般会計分ということで約七千九百三十三億円となっております。

○古館委員 詳細は全局の方でもいいますけれども、減債基金に約八千億円が積み上がっているんですね、現在。都財政の状況から見て、大変大きな金額だというふうに思います。
 提出資料では、十八年度においても、三千億円を超す残額が見込まれているんですね。これ自体は--現在、正直いって低金利なんですよ。大体、発行の一・四%ぐらいです。この低金利というのは、都債の発行、公債費の負担、こういう点から見ると、かなり大きなウエートを占めるんですよね。だから、三千億円を超す残額というのが、果たして三千億なのか。もっと私は多くなると、残額は。つまり積立金額が多いというふうに私は予測をしております。
 そこで、減債基金が都債の償還のために重要なものとの説明ですけれども、都債の発行額が減れば、将来の公債費が減るとともに、毎年度の減債基金積立額も減る仕組みになるんじゃないでしょうか。財政が厳しいんですから、なおさら都債の抑制が必要だと考えますが、いかがですか。(「仕事しないで寝てろっていうことなんだよ」と呼ぶ者あり)そういうことじゃありません。そういう極端なこといってません。

○松澤主計部長 今金利が低いということは、都債の資金調達面からいくと、かえって条件がいいということでございますので、そういう面では逆にプラスでございます。
 都債の償還額、今なぜこれから、先生からお話がありましたように大量に出てくるかといいますと、平成四年度以降大量に発行した都債の償還時期が到来することによりまして、平成十四年度から急激に増加しまして、その後も当分高い水準が続く、こういうふうに見込まれているわけでございます。
 そういうことで、財政構造改革の一環として、これまで十二年度から都債を三千億台に抑制しまして、一方で減債基金の積み立てを含めまして、将来の財政負担を軽減していく、こういうようなことでございます。
 しかし、一方で都債は、先ほども申し上げましたけれども、世代間の負担の公平を確保しながら社会資本の整備を進めるための財源としても、これは重要な役割を果たしているわけでございますので、この都債の機能は、今後ともそういう面から活用していく必要が一方でございます。
 したがいまして、都債については、投資的経費の財源として、都市基盤の整備や都民生活に密接に関連する事業について、優先度を厳しく峻別して事業の重点化を図った上で、真に必要な事業について、将来の公債費負担を十分に配慮しながら適切に活用していけば、現在規模程度で発行していけば、これは健全な財政運営につながっていく、このように確信しております。

○古館委員 最後に、私どもちょっとつくってみたんですけれども、この赤い傍線ですけれども、これが実は、投資的経費と公債費を足した場合。これは石原知事になってからの歳出の予算のつき方なんですね。この赤い傍線がぐっと上に上がるというのは、これは投資的経費といわゆる公債費に歳出で使ったお金。これが一般歳出の全体と、それから経常経費の予算のつけ方。明らかにこれは、経常経費、投資的経費と公債費というのが、ほとんどこれは公共事業に費やされているわけですから、改めて私どもは、都民の暮らしを大事にする、そういう都政への転換を求めて、質問を終わります。

○秋田委員 私からは、財政再建推進プランについて、基本的な観点からお伺いさせていただきたいと思います。
 平成十三年はプランの二年目ということですが、改めてプランの目標をお聞かせ願えればと思います。

○松澤主計部長 今先生からお話ありました財政再建推進プランは、財政構造の転換を通じての自主的な財政再建に向けて、その重要な第一段階の道筋を明らかにするものでございまして、目標は、お話のとおり二つ掲げてございます。
 目標の第一は、財政再建団体への転落を回避するとともに、十五年度までに巨額の財源不足を解消すること、これが一つ目でございます。
 それから二つには、経常収支比率を十五年度までに当面九〇%以下の水準に引き下げることとしております。

○秋田委員 今部長から、目標は二つあると。その中で、経常収支比率の九〇%以下の水準への引き下げというお話がございました。そこで、経常収支比率について質問させていただきたいと思います。
 経常収支比率については、財政の弾力性を示す指標としていわれております。経済学でいうところの需要の確保の弾力性とか、そういう意味での弾力性とは、また微妙に異なるとは思うんですが、経常収支比率とは具体的にどのようなものなのか、また、十三年度を含めて、過去三年間どういう推移で来たのかをお聞かせ願えればと思います。

○松澤主計部長 経常収支比率につきましては、人件費とか扶助費あるいは公債費等の経常的な経費に、都税などの、経常的な一般財源といっていますが、経常的な一般財源がどの程度充当されているかを示すものでございまして、地方団体の財政構造の弾力性や健全性を示す代表的な指標となっているものでございます。
 これを家計に例えていいますと、月々の決まった収入で生活費を賄った上で、その余剰としまして、臨時的な支出に対応できるお金がどれだけ残っているかというようなことで、この経常収支比率が高ければ高いほど、これは新たな住民ニーズに対応できる余地が少なくなりまして、財政は硬直化している、こういうことになるわけでございます。一〇〇%を超えますと、もう通常の収入では家計費が賄えないということでございますので、極めて悪い状況、こういうことでございます。
 この経常収支比率の適正水準につきましては、いろいろ学説、議論がございますが、おおむね都道府県においては八〇%以下とされております。
 それから次に、経常収支比率の都の過去三年間の数値についてでございますけれども、平成十一年度が一〇〇%を超えていまして一〇四・一%、それから平成十二年度が九五・六%、平成十三年度が九二・四%、このようになっております。

○秋田委員 財務局の皆様方の努力によって、プランが着実に成果を見せつつあるということがよくわかりました。目標の九〇%も間近と思いますが、今後、経常収支比率の改善についてどのように考えていくのか、お聞かせ願えればと思います。

○松澤主計部長 経常収支比率については、ただいまその算定方式をご説明しましたように、これを改善していくためには、分母に当たる経常的な収入、主にほとんど都税でございますが、この都税が増加するか、あるいは分子に当たる経常的な支出が減っていくというか抑制していくか、これにかかってくるわけでございます。
 十四年度以降について見ますと、分母である都税収入が、今の景気の状況等を見ますと、大幅に落ち込むことが見込まれる一方で、分子である経常的経費については、先ほどもちょっと議論がございましたが、今後都債の大量償還期を迎えることから、公債費の増加が、分子については避けられないこともございます。そういうことで、このままでは経常収支比率は再び上昇するようなことが考えられるわけでございます。
 このように、十四年度以降も、経常収支比率も含めまして厳しい状況にあると認識しておりまして、今後とも、財政構造改革の取り組みをより一層推進していくことが不可欠と考えております。

○秋田委員 今のお話ですと、分母に当たる経常的な収入、そして、その主たるところの都税収入が落ち込み、一方で、分子である経常的支出、それが公債費の増加によって、経常収支比率は再び上昇していくというお話でした。
 しかしながら、一方で、経常収支比率に示されている、いわゆる先ほどもお話ししました財政の弾力性というものを確保していくことは、今後とも非常に重要だと思うんですが、そこで、最後にお伺いしたいと思います。
 財政再建推進プランの最終年度に当たる十五年度予算を前に、財政の弾力性をどう確保していくのでしょうか、お聞かせください。

○松澤主計部長 今先生からお話ありましたとおり、社会の変化に即応しながら新たな都民サービスを展開するためには、財政の弾力性あるいは健全性を確保していくことが財政運営上極めて重要でございます。
 十五年度は、ただいまも申し上げましたように、景気の先行きが非常に予断を許さない中、経常的収入の中心である都税収入の低迷が見込まれることから、歳出における経常的な経費をさらに抑制していくことが大きな前提といいますか、不可欠となっているわけでございます。
 したがいまして、財政再建推進プランに基づきまして、職員定数の削減や監理団体への財政支出など内部努力を初めとして、経常的経費に係る施策の徹底した見直しと再構築を進めることなどによりまして、財政の弾力性の確保に努めていく考えでございます。

○秋田委員 内部努力を含む経常的な経費の抑制には、非常にさらなる皆様方の努力が必要だと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 また、当初は、ことしの七月に出されました、この「財政再建の取組状況と平成十五年度予算編成」を絡めて質問させていただく予定ではございましたが、平成十三年度決算と乖離するのも問題ですので、その点については財政委員会の方で質問させていただきたいと思います。
 質問を終わります。

○ともとし委員 それでは、私も何点か質問をさせていただきます。
 関連がありますので、さっきの花輪委員の未利用地に絡めてお伺いしたいんですが、十三年度の中で未利用地の売却をやられたと。この金額、もう一回教えてくれますか。

○小野田財産運用部長 十三年度に財務局が売却いたしました都有地は、八百七十二億円でございます。

○ともとし委員 この土地を買ったときの値段は幾らですか。

○小野田財産運用部長 この土地を購入いたしましたときの購入価格は、手元に資料がございませんので、申しわけないんですけれども、わかりません。

○ともとし委員 突然ちょっと質問させていただいたので、資料がないのは当然だというふうに思いますし、ぶしつけな質問でお許しを願いたいと思うんです。恐らく私はマイナスじゃないかなと。本来、こうした行政はもうけちゃいけないわけですから、当然マイナスになるのかなというふうに思うんだけれども、私は逆に、このマイナスになった部分、これがまさに税金のむだ遣いじゃないかなと。
 要するに、本来目的があって買ったはずの土地が要らなくなった、それを売った、それによってマイナスになった。これこそ都民にとっては、本当に、もうちょっとうまくやってくださいよというような感じが出るのも、やむを得ないことかなというふうに思うんです。
 若干観点を変えて、十年以上保有している未利用地、これは何件ぐらいで、金額はどのくらいですか。

○小野田財産運用部長 財務局で現在所管しております都有地のうち、千平方メートル以上という規模の土地についてお答え申し上げますと、十年以上未利用地として保有している土地は三十七件、面積にいたしまして、合計で約百五十四万平方メートルでございます。
 また、これらの土地の財産の台帳価格でございますが、合計で六百八十八億円になります。

○ともとし委員 膨大な数字が出てきているわけですが、全体の予算からいえば、六百八十八億、大したことないよといえばそれまでかもしれませんけれども、私たち都民にとっては膨大な金額になるわけです。
 なぜゆえに十年以上も未利用地になっているのか、この辺について伺いたいと思います。

○小野田財産運用部長 お話の未利用地の中には、一つに、その土地を含む地区全体の開発のために、その一部として財務局が所管いたしまして、現在もまだ地区全体の開発の進捗を見ていないもの、あるいは大規模な下水道施設を設置するために、当面財務局で所管しておりまして、施設の完成後、所管の下水道局に移管を予定しているもの、あるいは、過去に大型の都立施設を建設する予定のもとに取得した土地で、その施設の建設について地元の区市町村との調整が整っていないものなどがございます。
 現在も、それぞれの土地の事情とか、利用計画に関する調整などの必要性から、結果として、売却処分までに十年以上の期間を要しているものがあるためでございます。

○ともとし委員 この三十七カ所、金額にすると六百八十八億。この中で売却を予定されるのはどのくらいありますか。

○小野田財産運用部長 ただいま申し上げました三十七件の土地につきまして、基本的には売却する方向で今後検討してまいりたいと存じております。

○ともとし委員 質問の通告とちょっと内容が変わっちゃうので、本当に申しわけないとは思っているんですが、そうすると、三十七件というのはほとんど売却する方向にあるということは、要するに、地区全体の開発の進捗状況、これはもうとんざしたということですね。
 あるいはまた、下水道施設設置のために云々という、そういう項目、三項目ぐらいいっていただいたわけですが、そういったものについては、もう全部十年以上たっちゃって、この目的をもう既に失っている、こう解釈していいんですか。

○小野田財産運用部長 例えて申し上げますれば、下水道事業施設用地等につきましては、これは特別会計でございます下水道会計、企業会計の方とのやりとりということで、普通会計であるところの、一般会計であるところの財務局との間で売買がなされるというふうに認識しております。

○ともとし委員 下水道局はわかりました。ほかのものはどうなんですか。

○小野田財産運用部長 例えば、都市整備の再開発のための用地ということも申し上げましたけれども、これらの用地につきましては、今後、そうした地元の区市町村等、こうしたところとの売買あるいは協議で取り扱いが決まっていくというふうになります。

○ともとし委員 十年以上もたって、当初、目的があって土地を購入したんだけれども、現状、財政困難、いろいろな状況の中で、逆に売らざるを得なくなった、こういうふうに解釈ができるのかなというふうには思うんですけれども。
 先ほど冒頭にも申し上げました。目的があって土地を買ったんですよ。その目的が、要するに当初の予測と違って達成できなかった、それを売却する。こうなると、売却するときは、決してプラスになって返ってこないんです。しかも、十年以上の土地であれば、十年間の何らかの金利というのも入ってくるわけですよね。これは相当膨大なリスクがあったんじゃないかな。私は、税金のむだ遣いというのは、こういうところにあるのかなというふうに思っているんです。この辺についてのご答弁をいただければと思います。

○小野田財産運用部長 こうした土地は、過去の時点におきまして、東京都の事業の用に供するために、そうした見込みのもとに東京都が購入したものでございます。その後、いろいろ東京都の事業の計画の変更等によりまして、こうした不用の土地が出ているわけでございます。
 このことにつきまして、従来におきましては、行政におきまして、どちらかといいますと、保有しております土地を適正に管理する。保有するコストも、民間と違って、行政の場合はかかりません。そうしたことから、むしろ保有することに重点が置かれてきたわけでございますけれども、平成十二年度に、そうしたことの反省の一つといたしまして、東京都は財産利活用総合計画という計画を策定いたしまして、本来の目的で買ったものではあっても、別の用途に、例えば転用して活用できないか、あるいは、区市町村の方にそうした形でもって引き取っていただいて、売却して、別の用途で区市町村の方でご利用いただく、あるいは、その上でどうしても不用なものであれば、これは積極的に売却をいたしまして、財政事情の厳しき折、財源を確保していこう、このようなことで売却をしておるわけでございます。

○ともとし委員 わかりました。当局としても、財産利活用総合計画、きちっと計画は立てるべきは立てて、きちっと都民に迷惑をかけないように、具体的なそういう行動の中で一つ一つを処理されている、こういうふうに解釈したいと思います。
 その上で売却するということも、これはもちろん、今おっしゃるようなそういう中身であるならば、それは当然やむを得ないことだというふうに思いますけれども、有効利用するという観点も、これもやはりきちっとやっていかなければいけないんじゃないかなと。いかにして民間活力を生かしてこの土地を利用するか、これは非常に大事なことじゃないかなと。それで、来るべきときに、それが当初の目的に利用できるという時間稼ぎというか、そんなこともできるのではないかな、こういうふうに思うわけですが、この辺の民間活力について、土地の問題として最後にお伺いしておきたいと思います。

○小野田財産運用部長 お尋ねの民間活力の導入という視点でございますが、一つは、先ほど申し上げております売却のレベルで申し上げますと、未利用地の売却を促進させるために、平成十三年度から、財務局で売却できなかった物件がございます、これを民間の不動産事業者に委託いたしまして売却を行う制度を開始したところでございます。
 また、お話の売却以外でも、事業用の定期借地制度等を活用いたしました民間事業者への貸し付けや、あるいは一時貸付による民間事業者に対する暫定利用などの活用を図っているところでございます。
 今後とも、さまざまな工夫を行いながら、未利用地の売却促進や有効活用を図ってまいりたいと存じます。

○ともとし委員 それでは、別な観点で伺いたいと思います。
 これも、先ほど質問していた、そういう内容に関連して、もう一度ちょっとお伺いしておきたいと思うんですが、都債の話からいろいろありました。
 国直轄事業、これに対して都の負担金がある、非常におかしい、何とかしろというような質問の内容かというふうに思うんですが、国直轄事業の場合、都で負担するそういう割合というのは、他の道府県と割合は違うんですか。

○松澤主計部長 これは、道路や港湾、河川も含めて全く同じ率でございます。

○ともとし委員 それで、直轄事業がふえたということなんですが、これは工事量がふえたのですか。それとも、そのふえたという部分は、どういうことをいわれているんですか。

○松澤主計部長 これにつきましては、今申し上げましたように、国が直轄で行う道路であるとか河川であるとか港湾であるとか、そういう国のやる整備事業が、負担率は変わりませんので、これが事業量的にある程度ふえてきている、こういうことでございます。

○ともとし委員 だから、要するに事業量がふえたんでしょう。仕事の量がふえたんでしょう。どうなんですか。

○松澤主計部長 これは、例えば臨海地域の臨海道路を、第一期の方は都施行でやりましたけれども、今度第二期は、都で負担しなくて、三分の一負担すれば、国施行で第二期の今度、中防から若洲まで行くというように、工事箇所とか、そういうものがふえることも含めて事業量、事業費がふえている、こういうことではないかと思います。

○ともとし委員 だから、事業量がふえたんだから、金額がふえたって当たり前でしょう、こんなの。どうなんですか。
 どうも共産党のいっていることはよくわからない。事業量がふえて、金額がふえて、何が悪いのという感じなんだけれども、どうなんですか、これは。

○松澤主計部長 私ども、先ほども申し上げましたように、国直轄の負担金制度そのものがおかしいとかいうことではなくて、これは、国がそういうことをやることによって、都のいろいろな都市再生であるとか、いろいろな社会資本整備が整うわけでございますが、ただ、今国の方に要望しているのは、こういうことを、国が一方的に工事計画とかも示さないでやったり、それから維持管理費について、維持管理は、本来国のものですから、国が本来負担すべきものを、裏負担を都道府県が負担しているとか、そういうような部分について、透明性であるとか維持管理費の負担であるとか、それから事務費の問題とか、こういうことについて、国の方に改善をしてくれと、こういう要望をしているところでございます。

○ともとし委員 ですから、今の状況の中では、国の直轄事業をふやしてもらって、都の再生、都というか首都再生のために、いろいろな事業を国のお金を中心としてやっていただけるんだったら、これはいいことなんですよ。
 こんなことも文句をいって、国の直轄事業をまた減らされたら、都民が困るんだって。だから、もうちょっとその辺がわかっていただけるような政党になってもらいたいなということは、あえて、これは委員会ですから、そのことはいいません。
 都債についてお伺いしておきたいと思うんですが、バブル期に、先ほどもありました、大量に発行したそういう状況があります。その都債について償還期を迎えてきているかというふうに思うんですが、今後の財政運営上に大きな影響が出てくるかな、こう思うわけですが、まず、都債の発行額がピークであった平成五年、それから、この決算であります十三年度の起債の依存度、それから、公債費負担の比率の推移についてお伺いしたいと思います。

○松澤主計部長 まず、起債依存度の方についてでございますが、一般会計の決算ベースで申し上げますと、平成五年度の一五・一%に対しまして、十三年度では、財政再建推進プランに基づきまして都債発行を抑制した結果、四・九%と、平成五年度に比べまして約三分の一まで起債依存度が低下しております。
 それからまた、公債費負担比率の方でございますが、これは普通会計決算ベースで、平成五年度では六・四%だったものが、十三年度では一一・三%となっておりまして、これは、平成五年度に比べますと約二倍弱に上昇してきております。

○ともとし委員 今ご答弁いただいたように、十三年度の起債依存度は、五年度の約三分の一というふうに大きく減少したわけですね。公債費の負担比率は約二倍に、逆に公債費の負担は重くなってきているわけですよね。
 今後も厳しい財政状況が続くと想定されるわけですが、特にバブル期に大量発行した都債の償還が急増していくわけですけれども、これまで蓄えてきた減債基金、それを取り崩して活用する時期に入るのかなというふうに思います。
 先ほど話を聞いてみますと、減債基金の残高なんかは、大き過ぎるとよくないのではないかというような、本会議の内容からいっても、何かそんなようなこともちらちら聞こえるわけですが、税収がさらに落ち込むと見込まれる中で、この時期をどうやって乗り切るのか、その辺のことを、将来を見据えながら当局としてはどのように考えているのか、その辺のこともちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。
 同時に、都債というのは、さっきも何か、借金がどうのこうのといろいろありましたけれども、何か都債が借金であり、借金がイコール悪だ、こういうふうに聞こえるわけなんですが、都債が悪という主張、これについても、ちょっと短絡的ではないかなというふうに私は思うんですね。
 そこで、都債の基本的な考え方、役割、この辺についてお伺いしたいと思います。

○松澤主計部長 まず、都債の役割について答弁させていただきます。
 都債につきましては、投資的経費などの財源を確保するためのものでございまして、世代間の負担の公平を図ることと、それから財源の年度間調整を図る、大きく分けて二つ役割がございます。
 まず、一つ目の世代間の負担の公平を図る役割としましては、例えば道路などを建設する場合、その道路を利用するのは現在の住民だけでなくて、将来の住民も利用することに当然なるわけでございます。財源として、こういうことで都債を活用して、その償還費を将来の各世代にも負担していただくことによりまして世代間の公平を図る、こういうものが一つ大きな役割でございます。
 それから、二つ目の年度間の財源調整を図る役割でございますが、例えば現在のように、税収の急激な落ち込みに伴う財源不足を都債で賄うことによりまして、都民に必要なサービスの水準を維持するなど、計画的な財政運営を図ることが可能になるわけでございます。
 こういうことで、これらの機能を通じまして、都民のために、長い期間にわたって社会資本、生活関連資本の整備が図られる、こういうような都債の役割がございます。
 したがいまして、東京都が発行している都債は、国のような赤字債ではございませんで、あくまで公共施設の整備ということで、今申し上げたような役割を十分担うものでございます。
 しかしながら、最初のお尋ねでございますが、当然、都債を大量に発行すれば、これはローンと同じでございますから、将来、元金、利子を払わなきゃいけないわけでございますから、もちろん将来の財政負担を十分考慮しながら有効に活用することが重要になっているわけでございます。
 先生、先ほどもお話ございましたように、平成十五年度以降どうしても--バブルがはじけた後に、税収が大幅に低下したときに、都民サービスを維持するために、都債を平成四年度以降大量に発行いたしました。それから、景気対策のために都債を大量に発行した。こういうものが十年満期ということで、平成十四年以降、償還期が急激に増加する時期を迎えるものですから、この財政再建推進プランに基づきまして、平成十二年度以降、都債を抑制してきている。
 こういうようなことでございまして、ちなみに、平成十年度まで、平成十一年度までは大体七千億オーダーで都債を発行してきたわけでございますが、十一年度以降、十二年度以降は三千八百億、三千七十五億、十四年度予算でも三千七百億ですから、こういう抑制をしていけば、これからの大量の償還の山を越えたら、今度それは、十年、例えば低くなるわけですから、そういう意味で、先ほど申し上げましたように、都債の平準化が図られるんじゃないか、このように考えているわけでございます。

○ともとし委員 今の答弁がわからないようじゃ、しようがないなというふうに僕は思いますけれども、本当にすばらしい答弁だというふうに私は理解をさせていただきます。
 都債は、投資的経費の財源である、世代間の負担の公平を図るという役割がある。まさにバランスシートの上でも、負債である都債に見合う道路や公共施設といった(発言する者あり)少し静かにしていてくれないか。
 公共施設といった資産が存在するわけでありまして、都債を減らしさえすればよいという主張は、まさに角を矯めて牛を殺しかねない、そういうものである。まさに都債の役割というものを、ある意味ではわかっていらっしゃらないのかな、そういうふうにも思うわけですが、したがって、都債を単なる借金として考えるのではなくて、都民の資産を構築する重要な財源として有効に活用すべきである。この辺についての所見も伺っておきたいと思います。

○松澤主計部長 今先生からお話ございましたとおり、都債は都民の資産を構築する重要な財源でございまして、その意味から、使わなければよいというものではないというふうに考えておりまして、ただ、先ほど申し上げましたように、将来の財政負担を十分考慮しながら有効に活用することが都債活用のポイントといいますか、大事なことだというふうに考えております。
 そういう中で、財政再建推進プランに基づきまして極力抑制をしておりますが、こうした中にありましても、都市再生あるいは福祉、医療、教育など都民生活並みの公共施設の整備には、都債を財源として重点的に配分して、着実な取り組みを行ってきております。
 今後とも、こうした健全な財政運営を心がけながら、都債を適切に活用して都民の期待にこたえていきたい、このように考えております。

○ともとし委員 全くそのとおりでして、厳しい財政状況の中で、将来のために資産を残していく、これは今を生きている我々にとっても非常に重要なことなんですね。都民の福祉の向上、そうしたものを図るためにも、将来の負担を視野に置きながら都債を活用していくことは、これはある意味では当然だ、このように思っているわけでございます。
 このような都債の効果、役割、いろいろな面であるわけですけれども、一般都民の人に対して、非常に理解しづらい。一生懸命、投資的なそういうものの中にこの都債を充当して、事業効果も非常に上がっているというところがたくさんあります。
 そうした状況の中で、九月に発行した東京再生都債、非常に都民に好評でした。道路交通網の整備と、資金の使途が都民にわかりやすく示されていたわけですね。その点を都民に支持されて、あっという間にこの再生都債というのは売れたというふうに聞いているんですが、こうしたことを踏まえて、都債の役割、効果をもうちょっと都民にわかりやすくPRすべきと思うんですが、その辺についての所見も伺っておきたいと思います。

○松澤主計部長 ご指摘のとおり、都債は、都民などからの資金を公共施設の整備等に活用するものでありまして、その役割や効果について都民に一層わかりやすくPRし、理解していくことはその前提となるものでございまして、極めて重要なことと考えております。
 このため、これまでは、どちらかといいますと機関投資家向けのIR、いわゆる広報活動でございますが、こういったものや、インターネットによる財政情報の公開などを行ってきたわけでございますが、これに加えまして、ただいま先生からお話がございましたように、本年九月には、個人の都民向けに東京再生都債を初めて発行し、都債を都民に身近なものにするよう新しい展開を図ったところでございます。
 この東京再生都債では、この資金の使途についても、現場見学会を開催するなどによって都民に肌で感じていただく、こういうような形で考えているところでございます。
 今後も、このような創意工夫を重ねながら、都民に具体的な都債の役割、効果をこれまで以上に積極的に示していきたい、このように考えております。

○ともとし委員 一定の評価はしていきたいというふうに思うわけですけれども、財政というのは、都民になかなかわかりにくいものになっているんですね。都民に理解してもらわなければ、財政構造改革も進んでいかないと思います。そのわかりにくいものをわかりやすくしていくのがまさにプロの道であり、財務局職員の皆さんの力になってくるのではないかなというふうに思っております。
 各局の決算の説明資料を見ても、単なる不用額の説明で、どういう事業効果があったとか、よくわかりません。事業効果をはっきりと都民に示していく。借金はだめだという、そういう議論がまかり通るというのは、事業効果をきちっと示していない。都民のために、ここまでのことをこういう角度でやっていますよという、そのことをやはりPRしていくことが大事なのではないかなというふうに思います。
 各局の話を聞いて特に感じるのは、各局をまたぐマクロベースの見方というものが欠けているわけですね。こういうものをある意味で束ねるのが、私は財務局であり、知事本部の役割でもあるのかなというふうに思うんですね。
 バランスシートも作成されて、ようやくマクロベースの把握がされるようになってきたのは、ある意味での前進だというふうには思っております。都民にわかりやすい決算がまだまだ不十分でありますけれども、そのためにも、我が党が主張しております複式簿記の導入、こうした中で抜本的な会計制度の見直しが不可欠だというふうに思うわけですが、都民が理解できる決算、この改革努力を強く要望して終わりにしたかったんですが、どうしてもやはり局長の答弁を聞いておいた方がいいかなというふうに思いますので、ひとつ見解をお願いしたいと思います。

○田原財務局長 税金の使い道を明らかにするというのは、まさに一番民主主義といいましょうか、それの要諦だと思っておりますので、経済、財政の状況が厳しくなればなるほど、今のお話の都債も含めまして、どういうふうな使い道で税金を使ったか、さらには、その効果がどういうふうにあったか、それをぜひ--ただいまお話いろいろ、バランスシート、それから決算の工夫等々ございましたけれども、行政評価も始めておりますし、そういうもの全体を含めまして、都民にわかりやすい財政を心がけてまいりたいと思っております。

○臼井委員 私は、財政再建プランについての考え方、これを質問させていただきたいと思います。
 まず、私は感ずるんですけれども、東京都というのは、全国の都道府県の中で唯一不交付団体なんですね。その不交付団体である東京都が、なぜ財政再建をしなければならないのか。東京都が赤字再建団体になるようなことがあれば、全国の都道府県、市町村、みんなそうなってしまうだろうと思うんですね。私は、どこにこういう原因があるのかなと。
 一つは、財政をたくさん食うといっては失礼ですけれども、使うのに人件費がありますね。東京都の職員の人件費は、予算の上で三割。そうすると、ここにまず目をつけるのが財政再建の一番最初だろう、そういうふうに思いますね。
 今回、財政再建プランの中では、内部努力、それから施策の見直し、歳入の確保等、六千三百億円を掲げて、既に八〇・六%を達成しているということであります。
 そういう東京都の中で、よく私どもの周辺で耳にするのは、東京都の財政再建プランは、都民のために本当に役立っているのか、ほとんどが我慢をせい、辛抱せいということで、いろいろな予算の削減、縮小である、そういうことをいわれるわけですね。
 地元の三多摩の市町村等は、我慢をしているよ、しかし、東京が日本の首都として、日本の自治体をリードする自治体として、しっかりした体質の再建ができることについては協力しなきゃならないな、こういうことでいるわけでありますから、私はその期待にこたえてもらいたいと思うんですが、まず、どうも見ても、赤字再建団体に転落するのを防ぐための財政再建なのかどうか。それなら、縮小縮小、削減削減、何もやらない方がいいのかもしれません。そんな状態なのかどうか、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

○松澤主計部長 今先生からお話ありました、平成十一年七月に策定しました財政再建推進プランでございますが、この目標につきましては、財政再建の第一段階として、当時、かなり赤字限度額が大きいといいますか、ほとんど近いような状態がございましたので、内部努力や施策の見直しなどの取り組みを通じて、十五年度までに、まず第一段階として巨額の財源不足を解消しよう、それから財政再建団体への転落を回避しよう、こういうことでつくられたものでございます。したがいまして、プランに基づく施策の見直しに当たりましては、全体としては歳出を抑制するということを目指すものとなっていることは事実でございます。
 しかしながら、一方で、それだけではなくて、地方分権が進むなど時代状況が大きく変化する中で、国や区市町村あるいは民間との役割分担の明確化などを図りながら、施策の選択あるいは再構築などもあわせて行っていくということも、この財政再建推進プランの中での一つの考え方になっているわけでございます。
 それからまた、こうした厳しい財政状況の中にあっても、財源を重点的に振り向けまして、首都圏の再生や都民生活の不安を解消するための優先課題に、新規事業を含めまして、積極的な対応もあわせて図ってきたというふうに考えてございます。
 そういうことで、繰り返しになりますが、財政再建推進プラン、十五年度までは巨額の財源不足解消と、それから赤字団体への転落回避ということが一つの大きな目標になって、六千三百億を確保する、こういうことでございましたので、そういう考え方で今最後のところまで進んできている、こういうことでございます。

○臼井委員 知事として、為政者として、この東京をどのようにしたらいいのかということは、最高責任者である知事としては大変な関心事だと思いますね。
 そうすると、財政再建は、これは技術的なことじゃないのかなと。彼が目指しているのは、この東京をどうしたらいいのか。今この東京が、社会資本、インフラが、首都として、世界の都市として非常に立ちおくれてしまった。また、都市環境も非常に問題が生じている。したがって、東京の遷都論というんですか、首都移転なんという問題も国の中で出たわけですね。これに敢然として知事は反対をし、議会も挙げてこの阻止に動いたわけでありますね。
 東京をどうするのか、そこに私は、知事さんが提案をした財政再建、十兆円の都市再生プラン、この二つの組み合わせがあると思うんですね。都市再生プランは、国も今やこれを認めて、都市の構造特区とか、そういうような制度をつくるようにまでなってきたわけですから、知事が国を動かしてきたと私は思うんですね。
 それで、特に感ずることは、あの首都移転反対のときに、首都移転だけではどうも東京は分が悪いな、そこで、首都再生といわずに、都市再生ということで知事さんはいって、他の都市を自分たちの味方につけた、そういう政治戦略を持たれたと思うんですね。私は、これは東京のリーダーとして大変すばらしいことだと思うんですよ。そして、都民に向かって、東京をよみがえらせるぞ、日本の顔として世界に君臨できる大きな都市をつくると。
 東京は、それこそ一千二百万の人口があり、日本最大の都市ですよね、人口としても。首都と企業が存在すれば、これは私は、大きな力を持っているといって過言ではない、これが再生できないはずがない。それは、やはりそこに指導者の政策、政治的なリーダーシップ、そういうことによって都市が再生されていくんだろうと思うんですね。
 そこで、都市再生の特別措置法、これに基づいて特区をつくるわけですが、ひとつ霞が関あたりを、都心三区を、行政特区とか政治特区とかそういうようなことをやって、国にもっともっと、この首都を魅力あるものにしていくということの理解を求めたらどうなんだろう。私は、ワシントンにもロンドンにも負けない、あそこに首都として機能するものをつくり上げる、そういう呼びかけを東京都からやって、それこそ政治、行政特区として、国の力をあそこにもっと投入させるべきだと。国が東京都に依存して、首都の行政に対してもし無関心であるとすれば、これはとんでもないことだと思うんですね。
 都市再生の中で、都民に夢を持たせる、都民に期待を持っていただける、そういう行政の展開をいかがでしょうか、所見を伺いたいと思います。

○野村委員長 当委員会には知事がいらっしゃらないので、田原財務局長にご答弁願います。

○田原財務局長 私が知事の代弁をするのは力不足でございますけれども、今のお話、知事が、東京の再生が日本の再生につながる、あるいは首都圏の再生が日本の再生につながるということで、国に対して十兆円プロジェクトを提唱して頑張ってきたということで、日本全体の活性化のためにも、都市が元気にならなきゃいけない、東京が元気にならなきゃいけない、こういうことであろうと思っております。そのための施策を、東京都としてできる限りのことをやってまいった、それから、これからもやっていくつもりでおります。
 ただ、国への働きかけはやってきましたけれども、新たな施策をもっと進めていく、推進していくためには、先ほどから話が出ておりますように、財政の再建をきちんとして、東京自体の財政が確立をされて新しい施策に取り組むことが必要であるということで、財政再建推進プランにつきましては、十五年度までにきっちりと目標達成をして、新たな段階に進めていく、こういうことになろうかと思っております。

○臼井委員 ぜひそういう東京都の方向を、しっかり皆様方とらえて、それで皆様方自身も見据えて、そして敢然と財政再建にも取り組み、そして首都の再生、都市の再生、これにも取り組んでいく、そういうことについてぜひ頑張ってやっていくことを期待するわけでございます。
 それで、そういうことの中で多少考えておかなきゃならぬことは、過去の行政のやり方、手法に、何か今日の財政危機をもたらしたような原因があるんじゃないかというような反省も一部加えておかないと、前へ突っ走るだけでは、また失敗を犯すこともあり得るわけですから、そういう面で、その辺のところもぜひご検討いただいて、どういうことであったのか、今私は答弁してほしいとはいいませんが、ともにこれから都政発展のために努力するということを申し上げて、皆様方にご期待を申し上げて、質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。

○野村委員長 これより主税局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十三年度東京都一般会計決算中、主税局所管分及び平成十三年度東京都地方消費税清算会計決算を一括して議題といたします。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○鮎澤総務部長 先般の分科会におきまして要求のございました主税局関係の資料につきまして、ご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 初めに、目次の次にございます一ページの要求資料第1号、都税の当初予算額と決算額の推移についてご説明申し上げます。
 この表は、都税総額と主要税目の法人二税及び固定資産税、都市計画税の当初予算額と決算額について、平成四年度から平成十三年度までの十年間の推移をお示ししたものでございます。
 次に、二ページの要求資料第2号、法人二税に係る税制改正の影響額についてご説明申し上げます。
 この表は、平成四年度から平成十三年度までの十年間について、法人二税に係る税制改正の影響額を初年度と平年度に分けてお示ししたものでございます。
 次に、三ページの要求資料第3号、主税局のIT化の状況及び経費についてご説明申し上げます。
 上段は主税局IT化推進基本方針、下段は、主税局が取り組んでいるIT施策について、概要、経過及び予定並びに経費をお示ししたものでございます。
 次に、四ページの要求資料第4号、税務情報総合オンラインシステムの稼働状況及び経費についてご説明申し上げます。
 この表は、税務情報総合オンラインシステムの税目別稼働状況及び経費の推移をお示ししたものでございます。
 次に、五ページの要求資料第5号、督促状発付件数及び臨戸件数についてご説明申し上げます。
 この表は、平成九年度から平成十三年度までの五年間について、督促状の発付件数及び臨戸件数の推移をお示ししたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料に関する説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○秋田委員 平成十三年度の決算を見ると、固定資産税、都市計画税の税収は、都税収入の約三割を占めております。固定資産税、都市計画税は、今や法人二税と並ぶ基幹税目であることは間違いないと思います。
 そこで、固定資産税、都市計画税について二点ほどお伺いさせていただきたいと思います。
 東京の固定資産税、都市計画税は、地価が下落しているとはいえ、依然として高い水準を保っていることは間違いございません。都民の負担感はますます高くなっております。
 そこで、東京二十三区と全国で、一平方メートル当たりの固定資産額は平均でどれくらい違うのか、商業地と住宅用地の別に示していただければと思います。

○齋藤税制部長 一平米当たりの固定資産税額についてのお尋ねでございますが、平成十三年度におきます一平方メートル当たりの固定資産税額を東京二十三区と全国で比較いたしますと、小規模住宅用地におきましては、全国の百十一円に対し、東京二十三区は五百二十六円でございまして、約四・七倍になっております。また、商業地等におきましては、全国の四百六円に対しまして、東京二十三区は四千百六十二円でございまして、約一〇・三倍となっております。
 なお、地価について申し上げますと、小規模住宅用地では、東京二十三区は全国の約四・二倍、商業地では約八・八倍となっております。

○秋田委員 ただいまのお話によりますと、もう一度繰り返させていただきますと、小規模住宅用地においては、全国の百十一円に対し、東京二十三区は五百二十六円で約四・七倍、商業地等においては、全国の四百六円に対し、東京二十三区は四千百六十二円で約一〇・三倍ということでした。
 私の個人的な感想をあえて述べさせていただくと、すごく高いなと。まるで都市住民をねらい撃ちにしているかのような様相さえ、私は個人的な感想としてあります。正直なところ、固定資産税という税制自体に疑問を感じざるを得ないところがございます。
 しかしながら、いずれにせよ、一方で地価が高いとはいえ、ほとんどの都民にとっては、自分が住み、あるいは事業を営んでいるのがその土地でございます。固定資産税、都市計画税がかかってくる土地でございます。その土地に対して、毎年これだけ、全国平均から比べるとかなり負担感のある税金を払わなければならないということで、都民の皆様は本当に大変なんだと思っております。
 そこで、来年度はちょうど評価がえの年ですが、都はこれまで国に対して、固定資産税税制についてどのような働きかけをしてきたのか、またその成果、どういう結果を得てきたのかをお伺いさせていただければと思います。

○齋藤税制部長 国に対し、固定資産税制についてどのような働きかけをしてきたのかとのお尋ねでございます。
 都におきましては、これまでも国に対し、大都市の商業地等を中心に納税者の税負担感が強くなっていることなどから、制度を抜本的に見直して、地価と税負担の関係が明確になるよう仕組みを簡明化すること、また、商業地等の負担水準の上限を引き下げること等を提案要求してまいりました。
 その結果、平成九年度の評価がえに際しましては、基準年度以外においても、簡易な評価がえによりまして、地価の下落を評価に反映できる仕組みが創設されたわけでございます。
 また、平成十二年度の評価がえに際しましては、商業地等の負担水準の上限が、従来の八〇%から七〇%に引き下げられるなど、改善が図られているところでございます。

○秋田委員 都民の立場に立って、都がいろいろと努力をされていることはよくわかりましたが、それでも固定資産税、都市計画税の負担感は高いというのが都民の実感だと思います。私もちょうどこの都庁舎の近くに住んでおりますから、余計その思いは強いですし、今お座りになっている議員の先輩方、また都の職員の方も、やはりそういう思いは強いんだと思います。
 そうした中で、都は本年、平成十四年度に、独自に小規模の非住宅用地の固定資産税、都市計画税の減免措置を講じたというのは、非常に助かるというのが都民の皆様方の声だと思います。実際私も、都が作成したパンフレットを五百枚ほどいただきまして、それを配ったところ、全部がはけたぐらい、珍しく、ああ、いいことやってくれるねみたいな声を伺いました。
 また、そうはいいながらも、一方で、先ほど申し上げたように、固定資産税、都市計画税は、都税収入の約三割を占める基幹税目の一つであり、都の財政の安定ということを考えますと、今後とも安定的に確保をしていきたいというのが、歳入側の皆様方の率直な感想だとは思いますので、今後とも、都の職員であると同時に都民である皆様方にご努力いただいて、負担感を感じながら、実態を踏まえて適切な対応をしていただきたいということをご要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

○森田委員 私は、主税局が活用しております税務情報総合オンラインシステム、ある部分では、このシステムは都庁の中で一番大きいシステムじゃないかなというふうに思っていますので、少しその辺のことについてお聞きいたします。
 このシステムは、昭和六十年から平成三年ぐらいまで開発が行われて、平成四年ぐらいから本格的に稼働をしている。税務項目は、資料にあるとおり、自動車税等、大きな税金では自動車税が入っておりませんが、大きな税金はここの中に入っている。しかし、これは非常にお金がかかっているシステムじゃないかなというふうに思っています。
 いただいた資料で、稼働を始めてから、平成四年から今日に至るまで、合計したら一千億をはるかに超えるお金が維持管理費だけでかかっている。今でも毎年八十億円前後の維持管理費がかかっている。これだけ多くのお金がかかっている理由と、どのような契約をしているのか、この辺をちょっとお聞きします。

○尾芦参事 現行の税務情報総合オンラインシステムにつきましては、先生ご指摘のとおり、平成二年の全面稼働から既に十二年が経過しております。
 非常に大きなシステムということで、多額の経費もかかっておりますが、その主な理由としましては、開発当時の技術的な制約もございまして、大量事務処理のための大型なホストコンピューターを使用しています。また、当時のそういう制約によりまして、システム仕様も、外字ですとか、あるいは仕様言語も、仕様を独自のものにした、あるいは、毎年度、税制改正等によりましてシステムの変更が次々に行われてきまして、非常に肥大化した、こういうことがコスト増につながっております。
 また、契約関係につきましては、一つは運用、現在電算センターがございますが、その電算センターの運用委託という面と、あと、プログラム等の維持管理ということで維持管理経費、これが主なものになっています。

○森田委員 ちょっと奥まった話を聞きますけれども、この維持管理費だけでも毎年八十億円前後なんですが、これは随意契約ですよね。競争入札じゃありませんよね。

○尾芦参事 おっしゃるとおり随契でございます。

○森田委員 こういうシステムの性格上、競争入札はちょっとしにくい。最初に開発したメーカーがずっと維持管理をやっている。
 しかし、ここのところ、IT不況というのが非常に深刻化しております。そういう中で、人件費とか、機器もそうですけれども、非常に安くなっている。これは、日本の経済全体にとっては非常に厳しい状況なんですけれども、現実に、かつてのこういうコンピューター関係の技術者の人件費は、今ははるかに安くなっている。
 そういう今の時代背景をこの価格に反映しているんでしょうか。また、価格を下げるように、都は交渉しているんですか。その辺はどうでしょうか。

○尾芦参事 ランニング経費等につきましては、一つはスリム化ということで、なるべく汎用性のある機器あるいはシステムに変更しているということで、ランニングコストの減の努力をしているところでございます。
 また、相手の維持管理業者につきましては、交渉して、極力経費削減ということで臨んでおります。

○森田委員 努力はしているんでしょうけれども、決算額で見ても、維持管理費がその費用だと思うんですけれども、八十億。少なくなっても七十九億とかいう程度で、人件費なんかは多分、これだけの大型のシステムですから、常時メーカーから人が来て、何人か何十人か来て維持管理をやっていると思うんですけれども、そういう人件費は安くするように交渉しているんですか。

○尾芦参事 その件に関しましては、毎年度、契約の都度、そういう交渉をしております。

○森田委員 残念ながら、その交渉をしているような結果の数字が出ていないんで、ぜひこれは--随意契約になると、そういうところがどうしても欠けてくる。去年に比べて、ことしも同じようにということになってくるので、ぜひこの辺はもう一度再検討して、この価格については--これは大変なお金で、要するに、今この十数年で一千億もかかっている。維持管理費だけでですよ、開発費は別にして。
 大変なお金なので、この辺はしっかりと取り組んで、去年がこうだったから、ことしもこうだというのではなくて、現在の経済情勢とか、あるいは人件費が安くなっている、こういうことも加味して、よく見積もり等を見て、しっかりむだのないように、貴重な税金ですし、東京都も今お金がなくて大変な状況、その税金を治めているのは主税局ですから、主税局の皆さんがそういう意識を持ってやっていかなくちゃいけないなというふうに思うんですが、どうでしょうか、もう一度。

○尾芦参事 貴重な先生のご指摘を受けまして、なお一層の努力をして削減に努めてまいります。

○森田委員 確かにこういう古いシステムというのは金食い虫で、いっぱいお金を食う割に、余り役立たない。これがこういうシステムの特徴なんですけれども、これはもう随分使ってきているので、新しいシステムを開発しているというふうに聞いているんですが、これはどんなもので、いつごろ稼働する予定なのでしょうか。

○尾芦参事 現在、今申し上げましたようなランニングコストですとか、あるいは新技術、IT対応ということで電子納税とか電子申告、こういうものに、現在のシステムでは対応がしにくいということを踏まえまして、新システムの再構築に取りかかっているところでございます。
 この新システムの稼働によりまして、電子申告や電子納税等への対応、都税の還付に要する期間の短縮など、一層の納税者サービスの向上を目指しているところでございます。
 また、新システムの維持管理、保守、運用等の経費につきましても大幅な削減をするということで、現在、先ほど先生のご指摘ありました七十二億円、これを四十億円程度とすることを目標として取り組んでいるところでございます。

○森田委員 この開発はいつごろ始めて、稼働はいつごろになるんですか。

○尾芦参事 平成十三年度、昨年度から再構築に着手しておりまして、稼働につきましては、平成十六年度から平成十七年度、順次移行していく予定でございます。

○森田委員 大きなシステムだから、時間がかかるのはわかるんですけれども、開発から四年、五年かかるというのは、時間がかかり過ぎて、できたときには、またこのシステムが古くなっちゃう、そんなような感じがするんですけれども、この辺はどうなんでしょうか。

○尾芦参事 税務の特性もございまして、非常に安定的な稼働をしていくということが一つありまして、また予算上も、単年度で大幅な予算をつけるというわけにも、なかなかこういう状況でございますのでいかないということで、安定的な稼働を目指しまして、順次、一次から三次ということで三段階に分かれまして、段階的に移行していく。円滑に安定的に移行するという趣旨で、今申し上げましたような予定になっております。

○森田委員 もう今既に、古いけれども、この税務のシステムができているので、何かすごい時間がかかるなという感じがするんですけれども。
 それからもう一つ、前のシステムは一社でやっていますよね。今回も特定の一社だけでやるのでしょうか。

○尾芦参事 今回の新システムにつきましては、現在、一次から三次の段階的に開発をしていくということで、一次から三次それぞれの段階で業者が変わっています。ですから、マルチベンダ方式ということでやっております。

○森田委員 マルチベンダ方式、よくわからないんですけれども、一社に限ると、やはりどうしても前のようなことが起こってくるので、ぜひその辺は、公平性、それから透明性というか、その辺のところをちゃんとわかるようにしていただきたいなというふうに思います。
 最後になりますけれども、国は、この税制度に関して、税金の納税者に対して電子納税というようなことも今積極的に考えているようですし、申告時期に納税者が一々税務署に行かなくても、インターネット等を通して申告ができるというシステムを考えているようですが、東京都はこの電子納税についてどのように考えていますか。

○尾芦参事 昨年三月に策定されました電子都庁推進計画、及び本年三月に策定した主税局IT化推進計画に基づきまして、平成十四年度に、マルチペイメントネットワーク対応の電子納税、及び今話がありました電子申告などの導入基本構想を現在策定中でございます。
 本基本構想におきまして、国や他団体の動向、納税者への影響、費用対効果等を検討するとともに、不正利用の防止、納税者のプライバシー保護等のセキュリティー対策を検証し、国税の電子申告、電子納税に大きくおくれることのないよう、平成十五年度以降システム開発に着手し、早期の導入を目指してまいりたいと思っています。

○森田委員 さっきいっていた電子システムと同じシステムでやるんですか。新たに別途、電子納税のシステムを開発するんですか。

○尾芦参事 基本的には、納税者からの受け付けを、申告の受付システムを構築するということになりますので、この受付システムと、それから、現在あります基幹システムとの接続あるいは配信するシステム、これを新たに構築するようになります。

○森田委員 いろいろ考えているんでしょうけれども、むだのないようにぜひしていただきたいなと。何か二重の開発にならないように、せっかく今オンラインシステムがあるわけですから、またこれから構築していくわけですから、そこに電子納税等もつけて、むだのないようにすべきじゃないかなというふうに思います。
 そんなので、都民の利便性を考え、確かに公平性、またセキュリティーを考えて、都民が安心して納税もできるような形をぜひつくっていただきたい、要望して終わります。

○山下委員 私からは、不正軽油について何点か伺わせていただこうと思っております。
 環境問題は、ご承知のとおり、今日、都政の重要課題の一つとなっております。環境局は、大気汚染の拡大を防ぎ、都民の健康を守るために、ディーゼル車対策を重点的に進めており、環境確保条例によるディーゼル車排出ガス規制が平成十五年十月から開始されると伺っております。
 私は、大気汚染のこれ以上の拡大を防ぐためには、このディーゼル車対策はもちろんのこと、排気ガス中の粒子状物質や窒素酸化物を増加させる不正軽油をいかにして排除するかが重要な意義を持つものと考えております。特に不正軽油は脱税の温床ともなっており、社会正義の観点からも徹底的に取り締まるべきであると考えます。
 都では、同様の観点から不正軽油撲滅作戦を展開しており、この点については、これまでも財政委員会等で幾度かやりとりがあったと伺っておりますが、この場で改めてお伺いしたいと思います。
 不正軽油は、税と環境にかかわる問題であり、都を挙げて取り組むべきと認識しておりますが、主税局が中心となって取り組んでおると伺っておるんですが、まず初めに、どのような取り組みをしているのか伺います。

○吉田課税部長 ご指摘のとおり、不正軽油は大気汚染を加速させ、都民の生命や健康を脅かす原因となり、また脱税の温床ともなっております。そこで、不正軽油を撲滅するため、平成十二年九月から、主税局が中心となり、都を挙げて不正軽油撲滅作戦に取り組んでいるところでございます。
 この作戦は、不正軽油をつくらせない、買わせない、使わせないため、この取り組みに加えて、さらに積極的なPRを実施し、首都圏から不正軽油を一掃しようとするものでございます。
 また、この作戦を実効あるものとするため、作戦開始と同時に、全局で構成する東京都不正軽油撲滅推進会議を設置いたしまして、都発注の工事現場などでの計画的な抜き取り調査や、各局の広報媒体、これらによります普及啓発活動を実施するなど、全庁的な取り組みを行っているところでございます。

○山下委員 都庁内部の取り組み体制は、ただいまのご答弁で理解をさせていただきました。
 当然のことながら、不正軽油の流通は、都内だけにとどまるものではなく、他県からの流通もあることを考えれば、都だけで頑張れば解決する問題ではないと考えます。他県との連携、協力についてはどのようにお考えか、伺います。

○吉田課税部長 不正軽油の製造販売は、ご指摘のとおり複雑かつ広域化しており、一自治体で解決できる問題ではなくなっております。そのため、都といたしましても、他の県との連携、協力を積極的に進めてきたところでございます。
 その一環といたしまして、昨年十月に、東京都が呼びかけまして、全国二十七都道県合同路上軽油抜き取り調査を実施いたしました。このように全国規模で一斉に実施するのは初めてのことでございまして、大きな一歩であったと認識しております。
 さらに、ことしは全国四十七都道府県に拡大いたしまして、先週十月十日に、全国の主要な幹線道路等で全国一斉路上軽油抜き取り調査を実施したところでございます。
 これに先立つ九月には、軽油引取税全国連絡会議を開催いたしまして、この会議の中で、自治体間の連携を一層強化し、足並みをそろえた対策をとる必要性を訴えてまいったところでございます。

○山下委員 他県との連携、協力については、各県に温度差もあると思います。皆様のご苦労も大変多いとは思いますけれども、今のご答弁にもありましたように、十月十日に行われた全国一斉調査を足がかりとしていただいて、今後も他県との連携を強めていただけるようお願い申し上げます。
 次に、確かに行政の徹底した取り組みなしでは、不正軽油の撲滅はなし得ないだろうと考えますが、不正軽油撲滅を真に実現するためには、行政の取り組みと、ほかにディーゼル車のユーザーである事業者や都民の理解、そして協力を得ることが不可欠であると考えます。PR等についてはどのような取り組みを行っていますか。

○吉田課税部長 作戦開始以来、不正軽油撲滅作戦に対する事業者や都民の理解と協力を得るために、チラシ、ポスター、広報紙、PRグッズなどを製作、活用し、積極的に働きかけてまいりました。
 また、広く都民からの協力を得るために、不正軽油一一〇番を平成十三年八月に設置いたしまして、不正軽油の製造販売業者などの情報を募ったところ、年度内に約百六十件の情報が寄せられました。
 また、民間団体との協力、連携といたしましては、平成十二年十一月、東京都石油商業組合など関連五団体と東京都不正軽油撲滅推進協議会を設置いたしました。翌十三年三月には不正軽油撲滅東京宣言を採択し、不正軽油撲滅を内外に大きくアピールしてまいりました。

○山下委員 ただいまのご答弁の中で、PR作戦として、チラシ、ポスター、広報紙、PRグッズなどを製作、活用していくというお答えがあったのですけれども、私は、もうひとつこれでは弱いな、PRの作戦としてはいま一歩なのではないか、そんなふうに考えております。さらなるPRに関してはご検討を重ねていただいて、強力なアピールができるように要望いたします。
 次に、今までにもご説明がございましたが、これまでのさまざまな取り組みについて、どのような効果があったと考えていらっしゃるか、具体的な数字を挙げて教えていただければと思います。

○吉田課税部長 平成十二年九月の作戦開始以来、さまざまな取り組みが、PRや大きく報道されたことによりまして、都民や業界に不正軽油撲滅の趣旨、取り組みが広く知られるようになったと認識しております。
 平成十三年度には、不正軽油が判明したものについて約六百万円の課税処分を行い、それ以外に、特に悪質な脱税につきまして十件の摘発を行い、約三十九億円の決定処分をいたしました。これらは、不正軽油の製造販売に係る業者に対し、直接的、間接的に影響を及ぼしておりまして、大きな抑止効果があったと考えております。結果として、抜き取り調査における不正軽油の検出率は、前年度の一四%から三%へと大幅に減少いたしました。
 さらに、都の取り組みが他の県にも影響を与えまして、担当組織を強化したり、関連する民間団体などと不正軽油対策の協議会を設けるなど、他県においても不正軽油撲滅の機運が高まっており、成果の一つであると考えております。

○山下委員 ただいまのご答弁の中で、成果として、平成十二年度、検査の結果、検出率というのが一四%だったものが、十三年度は三%に大幅に減少したという点は、本当にすばらしいなと評価をさせていただこうと思います。
 最後になりますけれども、これまでの取り組みを踏まえ、今後はどのように取り組んでいかれるつもりか、伺います。

○吉田課税部長 作戦開始以来、手を緩めることなく、さまざまな取り組みを工夫し、継続して実施してきた結果、先ほど申し上げましたとおり、かなりの成果を上げることができたと考えております。
 今後とも、地道な調査や監視及びPR活動を積極的に実施するとともに、他の県との連携、協力体制を一層強化するなど、不正軽油撲滅に対する取り組みを充実強化してまいります。また、都民の健康を守るためにも、引き続き全力を挙げて不正軽油撲滅に取り組んでまいる所存でございます。

○山下委員 不正軽油撲滅作戦について、何点か伺ってきました。
 私は、大気汚染の拡大を防ぎ、都民の健康と安全を確保するためには、ディーゼル車対策のみならず、さまざまな環境対策を進めていくべきだと考えております。とりわけ、大気汚染の元凶となるだけではなく、脱税という犯罪の温床ともなる不正軽油については、徹底した取り組みを今後もお願いするものであります。
 先ほども申し上げましたけれども、複雑かつ広域化している不正軽油の製造販売の手口に適切に対処するためには、自治体間の連携、協力体制の充実が必要だと考えます。ぜひ積極的に推進していただきたいと思います。
 ご答弁の中にすばらしいお答えがありました。都に青い空を取り戻し、快適な環境を確保するためにも、引き続き不正軽油撲滅作戦を強力に推進していただくことを強く要望申し上げまして、私の質問を終わります。

○古館委員 それでは、幾つか質問させていただきます。
 平成十三年度は、銀行業等に対する外形標準課税による申告の初年度に当たります。私も、銀行への課税という趣旨で、石原知事が就任する直前に質問させていただきましたけれども、この都の課税措置は、銀行業等の特性に着目をした都独自の考えによるものでありまして、私どもも高く評価をして賛成をしたものであります。
 この銀行課税での十三年度の税収は千二十九億円に上ると聞いておりますが、私は、この平成十三年度を考えた場合に、この銀行業の外形課税の貢献というのは非常に大きいものがあるというふうに考えていますが、見解をまずお伺いしたいと思います。

○齋藤税制部長 銀行課税につきましての貢献度についてのお尋ねでございます。
 ご承知のとおり、法人二税は景気動向に大きく左右される税目でございます。その中にありまして、確実に税収が見込める銀行業等に対する外形標準課税の一千億円は、税収の安定的な確保に寄与しており、その果たす役割は大変大きなものであると考えております。

○古館委員 この銀行税について、いろいろ裁判とかありますけれども、これは五年間の時限的な措置ということでもあり、また、銀行業というある意味での特性、そういうことに着目をして出され、そして、都民の皆さんの非常に大きな賛同の中で生まれたものであって、最後まできっちり、裁判状況の中でも頑張っていただきたいな、このように思っているところでございます。(「珍しいな」と呼ぶ者あり)これはもう提案して賛成しましたから。そういうことで意思表明をさせていただきます。
 十三年度の都税収入が四兆三千八百億円でございますが、これは十二年度と同水準の税収であります。銀行課税があったことによって、そういうふうになっているのが一つの要因だと思います。さらに、銀行税の増収を大きく上回るようになっているのも、今回の特徴だと思います。
 財政再建推進プランでは、財政収支の試算ということで、大体三兆八千五百億円を予定していたわけですが、およそ入ってきた決算では五千三百億円を上回ったものになっています。この傾向は、十二年度末の最終補正が、十二年度当初予算に比べて三千六百億円もの大幅な増収という傾向と連動しているように私は思っております。銀行税以外に税収増になった理由は、主なものは何でしょうか。

○齋藤税制部長 大幅な税収増となった理由でございますが、十二年度は、法人二税が、IT需要の増加やリストラ効果によりまして、大企業を中心に収益が増加しましたことから大幅な税収増になったものと考えております。

○古館委員 実は、このとき、私は財政委員をしておりまして、そのときに、IT関連の需要増ということで大体八百億円ぐらいといっておりました。だから、リストラ効果の方が、税収増としては非常に大きかったということを今でも記憶しておりますけれども、こういうような状況というのは非常に不安定要素もあると思うんですが、今後もこれは、その当時、続くというふうに思っていたのでしょうか。その事実認識を伺いたい。

○齋藤税制部長 十三年度の当初予算の税収見積もりに当たりましては、IT関連企業やリストラ効果によりまして、企業収益は好調を保つものとして見込んだところでございます。
 各年度ごとの税収見込みにつきましては、直近の税収実績を基礎として、翌年度の経済動向や税制改正の影響などを織り込んで算定を行っているものでございます。

○古館委員 すんなり聞こえる答弁なんですけれども、結局、今のこういう景気の低迷の中で、法人二税を初めとして税収がどういうふうに動くかというのは、かなり難しいというのが現実の状況ではないかと思うんですね。当初と決算、最終予算がかなり違ってきているという状況だとか、さまざまな要素というのが織りまざって、税収というのが構築されているというふうに思っているんです。
 私は、都財政が厳しいといわれて久しい状況にあるんですけれども、その要因は、先ほど財務局でさんざんいわせていただきましたが、大型開発優先というお金の使い方と同時に、実は資料要求をして、二ページ目にある資料なんですね。これは、法人二税に係る税制改正の影響額ということで資料を出させていただきました。ここが実は、都財政を厳しくしているもう一つの要因になっているのではないかというふうに思っています。
 なぜかといいますと、この二ページ目の資料の平成十一年度のところを見ますと、法人二税が、恒久的な減税によって、とにかくおよそ二千四百億円、平年度ベースで税収減になっているんですね、この数字は。
 この資料を見ていただければわかりますが、連続的に法人二税が、平成八年度以降、減税をやられております。その減税の中心はどこに行っているかというと、最高税率の引き下げの方にかなり集中して行われているというのが、この法人二税の税制改正の特徴だったわけですね。
 このことが実は、補てんはあるとしても、私どもちょっと積算をしたんですけれども、累積でどれぐらいのマイナスになっているのかということを積算しますと、四兆円を下らないと。つまり、平年度ベースごとにどんどんそれが減収になっていきますから、だから非常に大きな減収額になると。
 その中でも、先ほど私いいましたが、平成十年度以降の種々の税制改正によっての都税の減収、今いいましたが、特に十一年度の平年度ベースで二千四百億円近くもの減収。これが実は、都税収入、都財政に与える影響、非常に大きいものがあったというふうに思いますが、この点についてはいかがですか。

○齋藤税制部長 恒久的減税による減収が都財政に与えた影響についてのお尋ねでございます。
 十一年度の恒久的な減税により、法人二税を初めといたしまして、都税収入はかなりの減収となっております。
 しかし、減収の補てん措置として、毎年度、地方特例交付金が一千五百億円程度交付されております。また、減税補てん債の起債も、八百億円程度が認められております。また、国のたばこ税の一部が移譲されておりまして、これらを合わせますと、都税の減収分は確保されているというふうに考えております。

○古館委員 そうはいうのですけれども、今もいいましたが、減税補てん債ということで、これは結局は東京都が補てんするわけですよね。結局これも、最終的には返さなきゃいけないという形ですから、減税のある意味での減収というのは否めないというふうに思うんですね。
 こういった国の税制改正ですけれども、来年度にも政府が導入しようとしている外形標準課税、これは一般的な外形標準課税といわれていますが、これは赤字企業であるかどうかというのは全然問わない。中小企業の九割の赤字の企業に対しても、軒並み課税されるといわれております。これは、力の弱いあるいは所得の低い者への課税であって、ますます日本の経済と国民生活を疲弊させていくということは明らかであって、私ども、決してこの問題、容認できるものではない。この点は、先ほど中西委員との意見は一致しているかなと思っておりますけれども、この外形課税でも、銀行業等の特性に着目をした課税というのとは全く対極にあるものだ、これが私ども日本共産党の認識であります。
 そこで、質問の最後に、都税収入の柱の一つであります大企業への法人事業税の超過課税、これを地方税法で認められている標準税率の一・一倍まで引き上げる、こういう決断を改めてぜひしていただきたいということであります。(「そのしわ寄せは中小企業に行くんだよ」と呼ぶ者あり)いや、これは大企業に対しての(「それが下請に行くんじゃないか」と呼ぶ者あり)……。
 この提案は、既に二年前の第一回定例会で、我が党の議員提出議案として提出をさせていただいたものでありますけれども、この標準税率の一・一倍で引き上げた場合、その増収額は幾らと見込んでいるでしょうか。

○齋藤税制部長 仮に法人事業税の税率を標準税率の一・一倍に引き上げました場合、都の増収額は、平成十三年度決算ベースで約四百億円程度と見込まれます。

○古館委員 この提案は、四百億というご回答でありますが、非常に大きな税収になると思います。もともと東京都が、かつて全国に先駆けて、法人事業税の超過課税を標準税率の一・一倍まで行ってきたことがあります。
 先ほどから指摘をしておりますが、この間のたび重なる法人二税の大幅減税、これで大企業の減税効果は極めて大きなものがありました。仮に今、私が提案しているように、標準税率の一・一倍まで引き上げたといたしましても、十一年度の減税で引き下げられた分の三分の一を回復するにすぎず、大企業に対して決して過大過ぎるということはないと判断していますが、ぜひ実行していただきたいと思いますが、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○齋藤税制部長 超過課税は、通常の負担を超えた特別の負担を求めるものであること、また、企業を取り巻く経済情勢が極めて厳しい状況にあることなどから、法人事業税の超過税率の引き上げは考えておりません。

○古館委員 今の特徴というのは、大企業などはかなりのリストラを含めて、相当の--いわゆる勝ち組、負け組という言葉が今はやっていますけれども、そういう部分に対して、私は先ほどいいましたけれども、過酷な税を課しているということではなくて、法的にも認められているその一・一倍というのは、これは法律の中でも、そこまでは課税できますよということでありまして、先ほど私いいましたけれども、それをやっても、今までの減税効果の三分の一を回復するということでありまして、私は決して、大企業のそういう問題に対しては過大過ぎるとは思いません。
 したがいまして、この問題については、今後とも私どもは大いに提案をしていきたいということを述べまして、質問を終わらせていただきます。

○臼井委員 平成十二年四月から実施され、平成十三年度に初めて歳入に計上されました、銀行業等に対する外形標準課税について伺います。
 ご案内のとおり、銀行側からこれについて訴訟を提起されまして、一審の東京地裁では、東京都の敗訴という極めて不当な判決が下されました。直ちに控訴をして、現在、東京高裁で審理中でありますが、このことに関して何点か伺いたいと思います。
 第一審の東京地裁判決は、事業税は、所得を課税標準としているから応能課税であるといっております。判決は、応益税である事業税の性格を誤って、不当極まりない結論を導き出しているのであります。
 そこで伺いたいのでありますが、この応能、応益で対立している事業税が立法されたときに、旧自治省、当時の自治庁でありますが、これは事業税の性格をどのようにとらえていたのか伺いたいと思います。

○三橋税制調査担当部長 事業税の性格についてでございますけれども、現行の事業税が創設をされました昭和二十九年当時の国会の質疑におきまして、自治庁次長が答弁した内容を申し上げますと、事業税は、事業を営む者が事業経営に伴っていろいろな行政サービスを受ける限りは、事業の収益にかかわりなく、その行政サービスの反対給付として、地方団体に税金として一定のものを支払うというのがその考え方である、こういう趣旨の答弁をいたしております。
 こうしたことから、当時の自治庁が事業税は応益税であると認識していたことは明らかでございます。

○臼井委員 ただいまお伺いしましたように、行政サービスの経費を賄うための応益税であるということでございます。銀行は、道路や警察や教育など東京都の行政サービスを受けて大規模な事業活動を展開していながら、不良債権処理によって税負担を免れているのが現実であります。応益税の考え方にそぐわないのみならず、銀行業のような業態から長期間税収が上がらないということは、サービス提供者である自治体経営上も、私は大変問題があると思います。
 そこで、東京都において、地方税法七十二条の十九の規定に基づいて、今のような銀行に応分の負担を求めるための外形標準課税ができる規定を利用して議会の議決をとったわけでありますし、これが都民の多くの支持を得ているわけであります。
 ところで、一審判決も、事業税の性格を応益税であると正しく理解しておれば、当然、判決の中身は全く違ったものになったことでありましょう。控訴審では、都も弁護団を強化して弁論の補強をされ、一種の機動部隊をつくって総力戦で臨んでいる、また、奥野代議士を初めとする旧自治省関係者や学識経験者から、条例の適法性を裏づける意見書を裁判所に提出していただいたと聞いております。控訴審では、主にどんな点が争点になり、双方がどのような主張をしているのか、伺いたいと思います。

○三橋税制調査担当部長 控訴審におきます主な争点でございますけれども、三つございまして、一つは事業税の性格、二つは地方税法七十二条の十九の「事業の情況」の解釈、三つ目が課税標準であります業務粗利益でございます。
 まず、最初の事業税の性格についてでございますけれども、銀行側は、所得を課税標準としていることから、応能税であるとしておりますけれども、都は、政府の国会答弁等から、応益税であることは明らかであると主張をいたしております。
 二つ目の「事業の情況」の解釈でございますけれども、どのような情況にあれば外形標準課税を導入できるかということでございますけれども、銀行側は、特定の業種のみへの導入は許されない、仮に導入ができるといたしましても、事業自体の客観的な性質等によりまして、税負担が恒常的に過少である場合に限られるとしまして、銀行業はこの要件に当てはまらないといたしております。これに対しまして、都は、特定の業種に導入できるのは明らかだといっております。事業規模に比べまして、税負担が著しく低いことが常態で、所得課税では、受益に応じた負担を求めることが困難な場合、こういった場合に導入できると主張をいたしております。
 最後に、三つ目の業務粗利益でございますけれども、銀行側は、業務粗利益は貸し倒れを考慮しておらず、銀行の業務実態を反映していないことから、課税標準としては不適切といっております。これに対しまして、都は、業務粗利益というのは、銀行業等の業務をほぼ網羅しておりまして、事業の規模、また活動量を適切にあらわす指標であるというふうに主張をいたしております。
 なお、今申し上げました三点のほか、税負担の均衡なども争点となってございます。

○臼井委員 行政サービスを提供する東京都と、都民あるいは都内の企業との関係は、その受益者としての立場から納税の契約を交わしているわけでありますし、大銀行は特に大きな公のサービスを受けているのに、一方的な地方税法の解釈で、納税を長期にわたって免れているわけであります。この方が極めて不公平といわなければならないと私は思うのであります。
 したがって、都はここにおいて、自治体の経営上の、管理運営上の行政行為として条例を提出して、都民の代表である議会の議決を求め、公平を期したことは当然だと私は思うのであります。
 そこで、銀行はこの外形標準課税を、資金量五兆円以上という特定の大銀行をねらい撃ちした、これは法の下の平等に反すると盛んに主張したわけでありますが、これについて見解を伺います。

○三橋税制調査担当部長 銀行業に対します外形標準課税でございますけれども、銀行業だけがバブル期以上の業務粗利益を上げながら、多額の不良債権処理によりまして、長期にわたりほとんど税負担をしていない、そういう銀行業に限った特有の「事業の情況」がございます。こうした不公平な情況を是正するために導入したものが、都の外形標準課税でございます。
 また、資金量五兆円未満の中小金融機関は、中小企業対策の一環として、その政策的配慮から、その対象から除外をしているものでございます。
 したがいまして、この措置は、法のもとの平等に反するものではなく、むしろ実質的な平等、負担の公平の確保を図るものでございます。控訴審におきましても、そのように主張を展開しているところでございます。

○臼井委員 中小の企業の対策についても配慮されているわけでございますし、私も、今回のこの外形標準課税は、説明するにもなかなか難しい、そして、先般敗訴の判決が出て、厳しい戦いですねというようなことで随分声をかけられております。
 説明するのもなかなか難しいんですが、とにかく、都民の八割は、依然としてこの条例を支持しているということがわかるわけでございまして、銀行のような事業活動を行っている者は、応益税である事業税を当然負担すべきでありますし、このことをもっともっと多くの都民の方々に、わかりやすく報道して知ってもらう必要があるんですね。
 控訴審で強く補強されたことは、ぜひ都民に広報してほしい。東京都の主張を正しく正確に伝えて、銀行の外形標準課税への支持を、さらに都は広く都民に求めるべきだと私は思います。主税局としての今後の取り組みを、もう一度お話しいただきたいと思います。

○鮎澤総務部長 銀行外形標準課税の訴訟につきましては、ご指摘のとおり、都民の方に広く理解とご支持を求めるために、都の主張につきまして、控訴提起時、また口頭弁論等のその都度、都庁記者クラブにおきまして、弁護団長等によります詳細な記者会見を実施しております。また、司法記者クラブに対しましても、同時に報道資料を配布するなどを行っております。こうした形によりまして、新聞、テレビ、ラジオ等のマスコミを活用いたしまして、パブリシティー活動を積極的に行ってきているところでございます。
 また、都あるいは主税局のホームページによりまして、裁判所に提出いたしました準備書面や鑑定意見書を、できるだけわかりやすく概要という形でまとめまして掲載し、広く都民の方に伝わるように努力をしているところでございます。
 そのほか、新聞やテレビ、雑誌、週刊誌等、マスコミの取材等への対応を積極的に行ってきたところでございますが、今後とも、あらゆる機会をとらえまして、都の主張を都民の方に十分周知されるよう努めていく所存でございます。

○臼井委員 控訴審も、十一月五日の第三回口頭弁論で結審の予定であると聞いております。年度内には判決が下されることになるようでございます。本年の一定本会議で、我が党の代表質問に対して、知事は、課税自主権の存亡をかけた戦いであると答弁されました。まさにそのとおりであります。
 この裁判には、地方主権の時代を迎えて、全国の自治体の熱い視線が注がれています。一審の結果を受けての厳しい戦いであることは承知しておりますが、ぜひとも勝利しなければならない訴訟であります。主税局には、精いっぱいの戦いをお願いし、これからも都民の支持を取りつけていただくようにお願いを申し上げます。
 以上で私の質問を終わります。

○ともとし委員 長い一日の委員会の最後を務めさせていただきますが、十三年度決算に関連して、新築住宅に対する固定資産税、都市計画税の減免措置についてお伺いをしておきたいと思います。
 これは十二年に創設されたものでありますけれども、実際に減免措置がとられるのは平成十三年度分からというふうに伺っているわけですが、この問題に焦点を絞って伺いたいなというふうに思っております。
 都が独自に新築住宅に対しまして減免を実施した目的、減免の内容、これを改めて説明していただきたいと思いますし、また、この減免は、平成十二年の一月二日から三年間の限定なんですね。この辺の期限を区切った理由、これらについてあわせてお伺いしたいと思います。

○山中資産税部長 新築住宅に対する固定資産税、都市計画税の減免は、新築住宅の取得を税制面から支援し、もって景気対策、良質な住宅ストックの形成に資することを目的とするものでございます。
 その内容を申し上げますと、平成十二年一月二日から平成十五年一月一日までの間に新築された住宅を対象といたしまして、新たに固定資産税、都市計画税が課される年度から三年度間、税額の全額ないし二分の一を減免するというものでございます。
 なお、減免対象を平成十二年一月二日から三年間のあれだというふうに、新築された住宅といたしましたのは、景気対策としての効果を勘案し、期間を区切ったものでございます。

○ともとし委員 この平成十三年度において減免の対象になった新築住宅、これは何件あったのか、また、着工戸数の推移はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。

○山中資産税部長 平成十三年度におきまして、固定資産税、都市計画税の減免の対象となった新築住宅は約九万七千件でございます。
 また、新設着工戸数は、住宅局の統計によりますと、区部で、平成十一年、十万四千四百六十一戸、十二年、十一万九千二百六十八戸、十三年、十一万三千三百三十一戸となってございます。

○ともとし委員 減免による都の減収額、これはどのくらいあったのか。また、一件当たり、軽減額はどのぐらいの金額になるのか、教えていただきたいと思います。

○山中資産税部長 新築住宅減免によります平成十三年度の都の減収額は、約八十億円でございます。また、新築住宅一件当たりの軽減額は約八万二千円でございます。

○ともとし委員 私は、この軽減策、東京都としても、相当思い切ったそういう思いの中で、景気浮揚策の一環としてやられたのかなというふうに思うんですね。
 今ご答弁ずっとあったように、新築の住宅、この対象になったのが九万七千、約十万です。単純に、一戸について一千万円ぐらいの建物として、今一千万円の建物というのは余り、もっと高いのかなとは思いますけれども、単純に見て一千万にしても、約一兆円ぐらいの金額なんですね。減免措置で、都の減収額は幾らかというと八十億なんですよ。八十億で一兆円からの景気浮揚策がとれる。僕は、ある意味では東京都も、リスクを少なくして景気浮揚策を見事にやられているのかな、こういうふうに思い、ある意味では評価をしているわけなんです。
 しかしながら、この減免は新築後三年間なんですね。平成十三年度の一件当たりの軽減額が八万二千円、三年間でその三倍、約二十四万円の軽減という形になるわけなんですが、住宅の新築をされるときというのは、何かにつけて出費が多いわけでして、都民にとってこれほどありがたいものはないわけなんですね。
 平成十二年は、それ以前と比べて、一万五千件も新築住宅が増加している。ある意味では、固定資産税、都市計画税の減免がその誘因になっているのかな、そんなふうにも思っているわけです。ですから、この東京都が行ったところの減免措置というものは、そのインパクトというのはかなり強いものがあったのかなと。
 しかも、住宅産業というのは、非常にすそ野が広いです。そういう面からいっても、経済効果は物すごく大きい、そんなふうにも思うんですね。国土交通省の産業連関表等を見ますと、住宅の生産誘発係数が一・九五。まさに住宅投資に対する経済波及効果、非常に高いものがあったのではないかなというふうに思います。
 一方、経済状況は、極めて厳しい状況下にあるわけですね。景気浮揚の足がかりをいまだに見出せない。現行の新築住宅の減免は、先ほどのご答弁にもあったように、平成十五年の一月一日で終わりなんです。いうなれば、ことしで終わりなんですよ。しかしながら、そういう厳しい景気状況の中でいけば、この減免措置、都民に与える心理的な、あるいは経済的な影響というのは非常に高いものがあるのではないかなというふうに思うんですね。
 せっかく中小零細、零細に近いようなそういう工務店が、景気浮揚策の一環、そうした中で、年間で一万件も、一万五千件も当初より多いという中では、本当に泣いて喜ぶぐらい、この減免措置というのを歓迎しているのではないかなというふうに思うんですね。
 ただ、東京都は、この新築住宅の減免のほかにも、小規模住宅用地に対する都市計画税の二分の一の軽減、あるいはまた小規模非住宅用地に対する固定資産税、都市計画税の二割減免、これを独自に実施しているわけですよね。一つについては、六十三年に創設されて、一年ごとに延長されてきております。もう一点については、昨年度において、単年度の措置として実施されてきているわけですね。いずれも約二百五十億の減収になっているというふうに聞いております。
 平成十五年は、評価がえの年度にも当たってまいりますので、国の税制改正によって、さらなる減収も考えられるわけです。都にしても区にしても、財政状況が極めて厳しい中で、国の税制改正の動向を見きわめながら、新築住宅の減免を含めて、今申し上げたようなさまざまな観点から都独自の措置というものを定めていっていただきたい。
 確かに慎重な検討は必要であると思いますし、主税局だけじゃなくて全庁的なものもあるかというふうに思うんですけれども、この新築住宅の減免措置は、都民にとっても、あるいは中小零細、特に零細の工務店にとっては非常に敏感に反応する、そういう内容であるかなというふうに思うんですね。ぜひとも十五年以降についても、引き続き延長すべきであるというふうに私は強く思っております。
 本当は要望にとどめておきたいんですけれども、先ほども申し上げたとおり、全庁的なものであるので、決して、主税局でやるぞなんていったって、そう簡単にはいかないよというふうにいわれるのが関の山だというふうに思いますけれども、一応、局長の決意だけは聞いておきたいと思うんですよ。いかがでしょうか。

○安間主税局長 今先生の方から、政策減税の幾つかについて、とりわけ新築住宅の減免制度についてご意見がございました。
 我々も、昨年、単年度で導入したものも含めて、幾つかの政策減税について今後どうするかというのは、やはり慎重に十分議論をして検討して決めていくべきだというふうに思っております。
 税務当局というのは、国の財務省を見てもそうですが、増税はしたい、減税はできるだけ避けたい、これが本音としてございますけれども、現下のご指摘のような厳しい経済状況もあります。それから、それが逆に税収の落ち込みにもつながっているということもあります。
 そうしたさまざまな要因をこれから慎重に見定めて、最終的にはこれは政治判断でございますけれども、我々としても、税務当局として、導入したときの考え方、それがどういう効果を持ち、そして、現在どういう状況にあるのかということをきちっと分析して、そして最終的な判断を知事に求めていきたいというふうに考えております。

○野村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野村委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で主税局関係を終わります。
 これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
   午後五時三十六分散会

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