委員長 | 坂口こうじ君 |
副委員長 | 大山とも子君 |
副委員長 | 古賀 俊昭君 |
谷村 孝彦君 | |
矢島 千秋君 | |
執印真智子君 | |
服部ゆくお君 | |
中嶋 義雄君 | |
福島 寿一君 |
欠席委員 一名
出席説明員教育庁 | 教育長 | 横山 洋吉君 |
次長 | 幸田 昭一君 | |
理事 | 斎藤 尚也君 | |
総務部長 | 中村 正彦君 | |
学務部長 | 比留間英人君 | |
人事部長 | 臼井 勇君 | |
福利厚生部長 | 岡本 宏之君 | |
指導部長 | 近藤 精一君 | |
生涯学習スポーツ部長 | 鈴木 雅久君 | |
教育政策担当部長 | 石川 武君 | |
都立高校改革推進担当部長 | 山際 成一君 | |
参事 | 星川 敏充君 | |
参事 | 瀧川 清君 | |
参事 | 渋井 信和君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
教育庁関係
・一般会計決算(質疑)
○坂口委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、教育庁関係の決算に関する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより教育庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、教育庁所管分を議題といたします。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○中村総務部長 去る十月八日の当分科会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の平成十三年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料、これのまず目次をお開きいただきたいと思います。今回要求のございました資料は、ごらんの二十件でございます。
一ページ、二ページ、見開きになっておりますけれども、お開きいただきたいと思います。教育庁が所管する歳出予算・決算状況及び一般会計に占める教育費の割合でございます。
教育費における予算、決算、不用額及び執行率を、学校種別、目的別の区分ごとに、平成四年度から十三年度まで、また下の表に、一般会計に占める教育費の割合及び一般財源充当額を年度ごとにお示ししてございます。
三ページをお開き願います。教育庁所管事業の廃止、終了及び見直しについてでございます。
平成十二年度及び十三年度における教育庁所管事業のうち、廃止、終了及び見直しとなりました事業について、予算とともに、その内容についてお示ししてございます。
四ページをごらん願います。平成十三年度決算区分別執行状況でございます。
平成十三年度教育庁所管予算のうち、執行率が八〇%以下の事業について、予算現額に対する支出済額、不用額及び執行率を、また、それぞれの主な理由、平成十四年度予算をお示ししてございます。
次の五ページは、公立小中学校及び都立盲・聾・養護学校在籍者数の推移でございます。
上の表は、都内における公立小中学校の在籍者数の推移、下の表は、盲・聾・養護学校の在籍者数の過去五カ年間の推移を、それぞれ各年度五月一日現在でお示ししてございます。
次の六ページをごらん願います。公立小中学校における三十九人以下学級についてでございます。
公立小中学校において三十九人以下学級を実施している道府県ごとに、対象及びその内容をお示ししてございます。
七ページでございます。公立小中学校施設の耐震診断及び改修の実績状況でございます。
都内における公立小中学校施設について、校舎、屋内体育館別の全棟数に対する耐震診断の実施状況と実施率をお示ししてございます。
八ページをごらんいただきます。平成十三年度公立小中学校における体育的行事実施日でございます。
上が小学校、下が中学校ですが、平日、土曜日、日曜日、祝日の別に、実施時期を学期ごとに区分し、実施校数及び実施率をお示ししてございます。
九ページは、コース制高校についてでございます。
コース制を設置した学校名とその設置年度、それぞれの外国語などのコース名、また、備考欄に都立高校改革推進計画との関係をお示ししてございます。
一〇ページをごらん願います。都立高校改革についてでございます。
一〇ページは、〔1〕としまして、計画策定前の新タイプ校の状況でございまして、タイプ別に、学校名、開校年度、新タイプ校の設置に伴い閉校となりました対象校について、募集停止年度及び閉校年度をお示ししてございます。
一一ページ、一二ページ。一一ページは、まず〔2〕で、第一次実施計画の状況、それから一二ページには、〔3〕としまして、第二次実施計画の状況をお示ししてございます。タイプ別に、学校名、開校または開校予定年度、統廃合の対象となりました学校について、募集停止年度及び閉校年度をお示ししてございます。
一三ページをごらんいただきます。都立高等学校の入学者選抜制度の変遷でございます。
学区合同選抜制度、学校群制度、グループ合同選抜制度及び単独選抜制度ごとに、実施年度及びその期間、制度改善の背景とそのねらい、また内容についてお示ししてございます。
一四ページをごらん願います。都立高等学校の学区制度の変遷でございます。
左側の欄に学区制度の変遷を、その右側にそれぞれの根拠法令等、制度の目的及び概要などをお示ししてございます。
一五ページをごらんいただきたいと思います。都立高校の修学旅行における参加者数等についてでございます。
平成十三年度における修学旅行の参加者数、不参加者数及び不参加者の理由について、全日制、定時制の別にお示ししてございます。
一六ページをごらん願います。都立高校の修学旅行における参加費用についてでございます。
〔1〕は本人負担額別校数内訳でございます。本人負担額については、金額を五千円ごとに区分して、その範囲に該当する学校数を、全日制及び定時制別に過去五カ年間の状況をお示ししてございます。
次の一七ページは、〔2〕といたしまして、参加費用別校数内訳でございます。交通費、宿泊費及び諸経費の別に、これも金額を五千円ごとに区分しまして、その範囲に該当する学校数を、全日制及び定時制それぞれについて平成十三年度の状況をお示ししてございます。
一八ページをごらん願います。都立学校卒業者の進路状況でございます。
都立高校卒業者の進路状況として、進学者、専修学校等入学者などの進路区分ごとに、人数及び卒業者全体に占める割合を過去五カ年間について、また平成十三年度につきましては、全日制及び定時制の別にお示ししてございます。
次の一九ページに、都立盲・聾・養護学校高等部卒業者の過去五カ年間の進路状況をお示ししてございます。
二〇ページをごらんいただきます。都立盲・聾・養護学校予算・決算額の推移でございます。
〔1〕は、運営費予算・決算額の推移でございます。都立盲・聾・養護学校運営費における予算・決算額の推移を、過去十カ年間につきましてお示ししてございます。
次の二一ページでございますが、〔2〕といたしまして、施設整備費予算・決算額の推移でございます。
都立盲・聾・養護学校施設整備費における予算・決算額の推移を、過去十カ年間についてお示ししてございます。
次の二二ページでございますが、〔3〕といたしまして、就学奨励費予算・決算額の推移でございます。
都立盲・聾・養護学校就学奨励費の支給対象者数及び予算・決算額の推移を、過去十カ年間についてお示ししてございます。
二三ページをごらん願います。都立盲・聾・養護学校調理業務委託費学校別一覧でございます。
平成十一年度から平成十三年度の各年度について、税込み契約金額をお示ししてございます。
二四ページをごらん願います。都立養護学校の保有教室数の状況でございます。
学校ごとの保有教室数及び転用教室数を内数でお示ししてございます。
二五ページをごらん願います。都立盲・聾・養護学校スクールバス平均運行時間及び最長乗車時間の推移でございます。
平成十年度から平成十四年度までの過去五カ年間におけるスクールバスの平均運行時間及び最長乗車時間を、盲学校、聾学校、肢体不自由養護及び知的障害養護の区分ごとにお示ししてございます。
二六ページをごらん願います。平成十三年度東京都教職員研修センター事業実績(研修)でございます。
(1)が指定研修、(2)が専門研修、(3)がその他というふうに研修ごとに分類し、それぞれの研修の種別、対象者、研修実施状況及びその概要についてお示ししてございます。
二七ページをごらんいただきます。いじめ、不登校、中途退学等の推移でございます。
都内公立学校における、いじめ発生件数の推移、不登校児童生徒数の推移、保健室登校の児童生徒数及び都立高等学校中途退学者の推移について、それぞれ学校種別ごとにお示ししてございます。
二八ページをごらん願います。子どもの権利擁護委員会から都教委への対応依頼についてでございます。
公立小学校、中学校及び高等学校について、平成十一年度十月以降、平成十三年度までの依頼件数をお示ししてございます。
二九ページをごらん願います。平成十三年度、「心の東京革命」教育推進プラン実施状況でございます。
平成十三年度におきます実施状況について、実施主体、対象者及び概要をお示ししてございます。
以上、甚だ簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○坂口委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○古賀委員 平成十三年度の決算を含みます学校教育現場の重要な問題について、大きく二点質問をいたします。
今月の初めに、町田市で事業をやっている有権者の方から、新聞にこういうチラシが入ったという連絡を受けました。これは、東京都教職員組合町田支部が主催する教育研究と交流の会への参加を、父母それから市民に呼びかけるビラ、チラシであります。教職員組合が教育について研究をするということは、これは勝手、自由であります。しかし、このチラシによりますと、研修会は十月九日水曜日午後二時三十分から行われると記載されております。つまり平日の勤務時間中に予定されているわけです。町田市の小学校において公開授業を行うという形で予定されているという、この二つの点。つまり平日の二時半です。それから、公開授業という形で組合がこういう行事を行う。この二点について、大きな問題を含んでいるということがいえます。
この組合主催の研修会は、町田市の大西市議会議員が町田市教育委員会にいろいろ働きかけをいたしました。問題があるということで抗議もしたわけです。私も、東京都教育委員会に対して問題点を指摘いたしました。その結果、中止になったわけでありますが、私たちが指摘をしなければ、そのまま実施されていた可能性は非常に高い。東京都教育委員会並びに町田市教育委員会の管理の甘さと職務怠慢、これを指摘しないわけにはまいりません。
今回の公開授業の主催者は職員組合なのか。これには組合と書いてあるんですが、学校なのか。まず、入り口の議論としてはっきりしてください。
○近藤指導部長 町田市の教育委員会に問い合わせましたところ、授業は学校の管理下で実施されるものであり、主催者は学校であるとの回答を得ております。
○古賀委員 町田市教育委員会は、学校が主催すると。学校主催というのは、余り聞きなれない言葉なんですね。学校は、校長が責任を持って管理運営している公的な施設でありますけれども、町田市教育委員会は学校主催という回答を行った。先ほどから申し上げておりますように、この都教組が発行している、市民に呼びかけたチラシには、主催と大きく丸で囲んで、東京都教職員組合町田支部がやるものですというふうに書いてある。チラシと町田市教育委員会の見解は真っ向から対立をしているわけです。
これを聞けば、組合と市教育委員会は癒着しているなということは、だれでも判断がつくわけですが、東京都教育委員会は町田市教育委員会と同じ見解を持っているのかどうか、いかがでしょうか。
○近藤指導部長 今お話がございましたように、職員団体の新聞折り込みチラシによれば、授業公開の主催は東京都教職員組合町田支部と明記されてございます。このことは町田市教育委員会の見解とは異なってございまして、今後、町田市教育委員会の見解について調査していく必要があると考えております。
○古賀委員 これは余り調査する必要もない問題なんですね。長年いろいろな経過があって、今申し上げましたように、なれ合い、癒着があるということなんですよね。平日の午前中は授業をやる、午後は授業をやらずに組合行事をやるということを実行しようと思えば、かなり前から準備する必要があるわけです。突然こういうことを思いついてやれるわけがない。ということは、教育委員会と学校長の間で、組合のこういう行事についてはそれなりの便宜を図れという内々のもたれ合いの構造があったというふうに判断せざるを得ないわけです。これは余り調査して時間をかける問題じゃないわけです。
しかも、学級通信というものまでちゃんと各学校で配られているんですね。学級通信、それぞれの学校で子どもたちに配っているわけです。これにも、公開授業をさせていただきます、十月九日(水曜日)と。組合主催とはどこにも書いてない。受け取った保護者は、公開授業があるんだな、子どもの教育についてはだれしも、保護者、父兄は関心がありますから、行ってみようかということになる。うまく悪知恵をたくましくして、職員組合らしく、都教組らしく、いろいろな知恵をめぐらしてやっているわけです。
これを調べると今おっしゃったんですけれども、はっきりね、やはり都教委は都教委として見解が違うんですから、都教委の立場で指導すべきです。町田市教育委員会は、結果的には行事をやめましたけれども、その構造は、病んだ構造は引き続き続いているというふうに見なくてはならないということです。
今申し上げましたように、校長が勝手に通常の時間割を変更して、職員組合に乗っ取られたような形で、聞こえのいい公開授業を実施しているということになるわけです。いろいろ調べますと、教育委員会が校長に、午前中で授業をやめて、午後は、打ち合わせとか学内の調整ということで授業はやらないようにしなさいということをいったようですね。調査しなくても、かなりのことがわかっているわけです。
このように、子どもたちを犠牲にする--教職員組合はさも子どもたちのため、いつもそんなことをいいます。しかし、こういう組合活動に子どもを巻き込んで犠牲にするということは許されないことで、こういう今回の職員組合の、都教組の行為について東京都教育委員会としてはどのような見解を持つのか、いかがでしょうか。
○近藤指導部長 学校における教育課程の編成と管理は、学校長の権限と責任のもとに行うものでございます。校長が、お話のような職員団体からの要請に基づいて公開授業を認めるということは、公教育の公正中立の確保という観点からも望ましくないと考えております。
今後、各学校の教育課程が適正に編成、実施されるよう、区市町村教育委員会に対して指導してまいります。
○古賀委員 四月から学校完全週五日制が実施をされて、授業時間が大幅に削減される。学習内容も、伴って内容が少なくなっているんですけれども、いかに授業時間を確保しようかということで四苦八苦しているわけです。知恵を絞っているわけですが、組合の行事に協力をして午後からの授業はやめにするなんということが、この東京都下でまかり通っているわけです。ですから、今の時点だけとらえれば、町田市教育委員会と都教組はお友達なんですよ。同じ穴のムジナなんですよ。そういう視点を忘れないで、指導していくということですから、生易しいことではできないと思いますけれども--平成十三年度もそうでした。ことしもこうやって続いている。覚悟を決めて、強い指導をしていただきたいというふうに思います。
それで、この行事に参加をする教員の服務についてでありますけれども、町田市教育委員会は教研集会に参加する教員の服務について、勤務時間中であるにもかかわらず、研修として承認するということにしていました。勤務時間中は仕事をするんですよ。しかし、仕事をしない組合活動を、研修という美名で今まで認めてきているわけですね。今回、私どもの指摘もありまして、十月七日に文書を出し、教研集会については今後一切研修を認めない旨の通知を出したということであります。この点は、いろいろいわれたからということもあるでしょうけれども、評価をいたしますが、多くの市区町村、他の自治体教育委員会では、まだまだ放置されている、手つかずの同様の問題がたくさんあるわけです。
そこで、改めてまたお尋ねいたしますけれども、現在、教職員組合の教研集会の取り扱いに関連して研修という扱いをしているところ、つまり認めている市区町村の教育委員会はどのくらいあるのか、実態を明らかにしてください。
○臼井人事部長 教研集会の服務上の取り扱いについてでございますが、現時点で研修としての扱いを認めておりますのは十九区九市、合計で二十八区市の教育委員会でございます。
○古賀委員 区部二十三区、その中で十九区が都教組等の、日教組もそうですけれども、組合の行事、教研集会を研修ということで、勤務時間中の組合活動を野放しにしているんですね。
ちなみに、資料を見ますと、年休をとってやりなさいと、つまりバツじゃなくてマルの二十三区の自治体は、千代田区、中野区、北区、板橋区、四区だけに限られていまして、あとは組合のいいなりになって、もたれ合いの構図が見取れるわけですよ。多摩地域の場合には今、九市ということで、まあまあ改善が進んでいるというふうに判断できるわけです。しかし、まだ組合とお友達の市教育委員会もありまして、八王子市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市などが、組合活動そのものを、研修という名目で、給料もちゃんと払っているんですね。ちなみに島しょ、島の方は全部年休で対応しているということで、これはきちんと正常に取り扱いが行われているというふうに判断できます。
半数以上の教育委員会が、勤務時間中に、研修と称して組合活動への参加を認めているというわけでありまして、東京都教育委員会はこれを知らなかったわけがない。私が資料を求めたら出てきたわけですから、百も承知ということですね。これまでどのように対応してきたんですか。
○臼井人事部長 東京都教育委員会は、本年六月に、教研集会についての承認研修の取り扱いを認めない旨、通知文書により徹底を図ったところでございます。各区市町村教育委員会に対しても、通知の趣旨を踏まえまして適正に対応するよう指導したところでございます。
○古賀委員 長い間手つかずだったんですよね。私どももいろいろ、公式、非公式に指摘をいたしました。結果、ことしの六月に、教研集会については、今ご答弁のように、承認研修の取り扱いを認めないことにしたわけです。これは半歩前進、一歩前進ということだろうというふうに評価していいと思いますけれども、教研集会については、この町田の場合は年二回やっていたんですね。一回じゃないんですよ。しかも、以前は、この後、国立市の問題をやりますけれども、国立は年六回やっていたんですね。組合が三つあるものですから、二つずつ認めるということで、年六回ですよ、認めてきた。今は国立は、今年度からは、いろいろ問題がありましたから、是正していますけれども。年何回やっているかということも一つの大事な情報となるわけです。それぞれの自治体によって差があります。
そういうことで、実態は、教育委員会は私たち以上に詳しくご存じですから、この六月の通知文書がより徹底するように、一層努力してもらいたいというふうに思います。
そもそも教研集会についてどういう理解をすべきかということが前提にあるわけですけれども、教研集会というのは職員組合の組合活動そのものだということなんですよ。組合活動そのもの。ですから、研修の扱いを認めないことにしたという通知が出たわけですので、それはよしといたしますけれども、これがわからない教員がたくさんいるわけです。都民も、研修ならいいじゃないかという人も、仲間でなくても、そう思う人はいるかもわかりませんね。ですから、研修扱いしない、認めないということは理の当然でありますけれども、もう一度改めてその理由を説明してみてください。
○臼井人事部長 教研集会は職員団体の主催により実施しているものでございます。勤務時間内の職員団体活動の見直しを迫られている現状におきまして、たとえ研修という名称であっても、教研集会は職員団体活動であることに変わりなく、勤務時間中に給与を受けながら実施することは不適当と判断いたしまして、今回、研修の取り扱いを認めないことといたしました。
○古賀委員 この当たり前のことが、何度いって聞かせてもわからない教員が山ほどいるわけです。そういう問題意識を持って--東京都教育委員会の指導に、町田市教育委員会もついこの間まで従わなかったわけですよ。こちらでいろいろいって、こういう文書も出ているでしょう、組合の活動そのものですよということを、都教委にも市教育委員会にも私たちが何度も話をして、これはなくなったわけで、まだまだ、東京都教育委員会の今のようなご説明が理解できない人、それから従わない市区町村教育委員会があるわけです。今後、そういう確信犯的な教育委員会に対してはどうやっていくのか、これは最後の質問ですので、しっかり答えてください。
○臼井人事部長 先ほどご答弁いたしましたように、まだ大半の区市町村で実施しているところもございますけれども、私どもとしては、今後とも、今回の、教研集会については承認研修の扱いをしないという趣旨につきまして、趣旨の徹底を図り、厳正に指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○古賀委員 もう実態はわかっているわけですから、今の決算委員会でのご答弁が改善へ向けての一歩となるように、我々見守っておりますので、しっかり監視しておりますので、来年度の資料要求で見せていただいたときには、改善が進んだな、もうおかしなところはなくなったといわれるような努力を重ねてお願いをしておきます。
それでは次に、これもひどいというか、ゆゆしき問題なんですが、国立の教育の問題に関連してお尋ねいたします。
国立市の教育の正常化を願って、さまざまな保護者の皆さんや、市民活動を行っておられる皆さんがおられます。私どものところにもいろいろなお話を持ってきてくださるわけで、中には、新聞で大きくそのことが取り上げられる、また、大きな問題となったものが多くございます。
その中に、先日、九月の初めでありましたけれども、やはり報道で報じられて、皆さんもご存じだと思いますけれども、有給の組合活動百七十時間、国立市学校職員、勤務の一カ月分という大変大きな見出しの記事が私たちの目を引きました。これは、情報公開条例によってだれでも見ることができる資料によってわかったわけです。ですから、情報公開条例を使わなくても、都の職員の皆さんは、職責、職務上十分承知しておられることでありまして、一々国立市の市民が、あるいは私たちが--学校の事務職員の平成十三年度の、ながら条例に基づく勤務時間内の組合活動の合計時間が百七十時間になる。同時に、この人は、後で名前はちゃんと申し上げますけれども、時間外勤務手当を五十三時間受給しているわけです。それも、時間外勤務手当、これは残業と我々は普通呼んでおりますけれども、やり方がちゃんと手順が決まっているんですが、事前申請全くなしで行っているものがある。また、ながら条例の手続の不備もあるということが、この請求した資料によってわかるわけです。
この問題は、国立市議会でも、公明党の太田市議会議員が取り上げて追及しておられました。太田市議が、教育の問題については、国立第五小学校で起こった体罰の問題、学校の職務免除の問題、教育委員会の名義付与の問題、それから市の監査について質問を行っております。皆様も、都教委も会議録はごらんになったというふうに思います。その中で、国立の第五小学校の事務職員の時間内組合活動と超過勤務について調査するように質問をしているわけです。
まず、ながら条例の件は、今、都政の大きな解決されなければならない問題として浮上してきております。この一連の報道や、こういう一般の市民の方からの働きかけを受けて、都教委としてはこの問題についてどう対応してきたのか、その経緯の説明を求めます。
○臼井人事部長 本件につきましては、平成十四年九月十日に、国立市教育委員会に調査の依頼をいたしまして、九月十九日までに報告をお願いいたしました。
なお、調査の内容でございますが、平成十三年度及び十四年度八月末までの、国立市教育委員会が手続を行った各職員団体の支部及び東京教組加盟単組の、職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例に基づく適法な交渉の準備に係る手続状況と、国立第五小学校における関連する各種帳票の写しの提出をお願いしました。
○古賀委員 こういう許しがたい実態があるよという指摘を受けて、市議会や住民の皆さんが指弾したわけです。それを受けて、今、九月十九日までに報告をするようにということで、いろいろな書類を出しなさいと、ながら条例に関するものですね、お願いをしたということで、それを見れば大体事の善悪、是非ははっきりするし、実際は、情報公開条例で集めた住民の皆さんの資料で、これはすっかり露見してしまっているんですよ。しかし、役所というところはきちんと裏づけの資料を集めて、それに基づく結論を出すという作業が必要だろうと思いますので、その結論を待つ以外にないわけですけれども、その調査の中で、この当該事務職員が、ながら条例に基づく時間内、いわゆる勤務時間内の組合活動に従事した時間、それから超過勤務時間、残業ですね、平成十三年度、それからもう既に平成十四年度に入っておりますけれども、その実態はどうなっているか、答弁してください。
○臼井人事部長 当該事務職員の平成十三年度の時間内職員団体活動に従事した時間は、約百七十三時間でございます。超過勤務手当の支給額は五十三時間、金額が二十一万六千二十九円でございまして、平成十四年度の八月末現在の時間内職員団体活動に従事した時間は約六十四時間、八月末までに超過勤務を行い支給された超過勤務手当は二十時間で、金額が八万二千六十八円でございます。
○古賀委員 数字がいろいろ並んで、ご理解が難しい面も、全体をつかむ上であろうかと思いますけれども、新聞に報道された内容も、今の数字を裏づけているわけです。
それで、十三年度、十四年度における、ながら条例による具体的な内容を今お話しいただいたんですけれども、これは適正な手続がとられていたかどうか、どうでしょうか。
○臼井人事部長 書類を見る限りでは、本承認の押印がされていないところが、平成十三年度におきましては、六月十一日、七月十二日、二月十二日の三カ所、それから平成十四年度におきましては、六月十一日の一カ所ございます。また、時系列に記入されていない箇所が複数ございました。
○古賀委員 この人は事務職の、長年学校でその職に当たってきた、大変な経験を積んだ人なんですよ。その人が単純に何か間違うということは、単純ミスはだれだってありますけれども、信じがたい。書類を見ますと、でたらめが散見されるわけですよ。
以前に、正規の手続を踏まないで時間内組合活動を行って、給与返還を行って、これも大きな問題になりましたけれども、あれだけ大問題になった給与返還の経験があるわけですから、適正にこういう書類がつくられ、手続を踏まれているというふうに、普通はだれでもそう思うわけですけれども、平成十三年度以降の書類は今に至るまで完璧でない、きちんと作成されていないということです。
私は今回、予算委員会でも、それから六月の代表質問でも、ながら条例の準備という文字を削除する、要するに条例改正を行うように質問を行いました。年間約二十億円の給与のむだ遣いが、この準備行為で平成十三年一年間で組合に出されているわけです。しゃあしゃあと向こうはそれをせしめているわけですね。こうしたことを踏まえますと、時間内の職員組合の活動における、ずさんな手続は許せないですね。許せません。
現在、職員組合の活動の適正化に向けて交渉が行われている。その中で、ながら条例の適用の範囲が決められることにこれからなっていくわけです、どうするかと。私たちは、準備行為を削除して、適法な交渉のみにしようということで、労使交渉を見守っているわけでありますけれども、この適法な交渉の範囲というのは自治省の見解ではどうなっているのか。旧自治省ですよね。それをちょっと確認しておきたいんです。
○臼井人事部長 昭和四十一年の六月二十一日付の自治省公務員課の決定によりますと、条例準則中、適法な交渉を行う場合には、適法な交渉に付随する行為は含まれるとするのが相当であり、適法な交渉に入る前の二十分から三十分程度の時間、あるいは適法な交渉を行うための取り決めがその趣旨に従って運営される限り、その必要最小限の時間は条例解釈運用上、給与の減額の対象とならないと解する、というふうにしてあります。
○古賀委員 なかなか法律の文章、条例の文章というのはわかりにくいんですけれども、私たちが今危惧しているのは、こういうふらちな学校事務職員がばっこするのも、この条例の、適法な交渉の準備行為というものが一つは大きく原因としてあるわけです。今、総務局が労使交渉の所管局としてやっているわけですけれども、適法な交渉の準備行為を、仮に自治省の準則どおり、我々の要求どおり削除するとしても、皆さんは長年いろいろ組合と妥協をしたこともあるでしょうし、いろいろな交渉の中では、お互いになれ合うことも場合によってはあるかもわからない。ということで、今までの準備行為であったものをうまく適法な交渉そのものに滑り込ませる、できるだけ組合に対しては実害がありませんよ、ほとんど前と変わりません、だから何とか当局の要求をのんで条例改正をやらないと、議会もうるさいし都民も厳しい目で見ていると。そういう何か悪知恵を働かせる可能性があるということを、当の都の職員、担当者じゃありませんけれども、その周辺にいる人や学校現場の人たちから、再三いろいろ情報がもたらされるわけですよ。だから、仮に準備行為を除いたにしても--この準備行為を入れているのは、東京と新潟と京都だけですからね。しかし、よそでもいろいろ問題がある。そこと同じように、運用で組合にサービスする可能性がある、注意しなさいということを我々いわれるものですから、この機会に、今、適法な交渉の範囲をお聞きしたわけです。
先ほどの話は非常にややこしかったんですけれども、要するに、どこで交渉を行うか、場所、いつから、何月何日にやりますか、ではいつにしよう、時間はどのくらいの時間をかけようというようなことは、これは昼休みでもできるし、勤務時間外でもできるんですよ。そういうのをうまく適法な交渉に滑り込ませてはだめだと。前後の、会議の前の準備は多少、二十分か三十分ぐらいは--一時に会議のときに、一時にいきなり全員が集まって、すぐ始めるわけじゃありません。五分前に来る人もいる、十分前に来る人もいるということです。それは会議はいろいろな場合が想定されるわけですね。
だから、皆さんも、学校の教育現場で、このながら条例の存在、しかも準備行為があるために、いかにこういうでたらめな行動がまかり通っているかということをよく認識していただいて、総務局に対しても、教育の正常化に一つの大きな役割を果たす条例の改正になるという立場を伝えてもらいたいというふうに思うんです。
それから、当局が組合に過大なサービスというか、援助を行うということは、労使の相互不介入の原則にも結果的には反するということになるわけで、これは組合のためにもならないんです。ですから、適法な交渉というのは、勤務時間中に給与を受けながらできると考えるわけでありますけれども、少なくとも、今まで認められてきた職員団体の大会、職員組合ですよ、組合の大会、本部の委員会、執行委員会などの会議は当然認められないということが、また話が戻りますけれども、自治省の見解にも含まれているわけですので、今、十二月に向けて最後のいろいろな駆け引き、やりとりが行われていると思いますが、どうか都教委も重大な関心を持ってかかわってもらいたいというふうに思うわけです。
この、当該職員といってきましたけれども、新聞も実名を挙げておりませんし、恐らく私がこの人の名前を求めても、皆さんはおっしゃらないと思います。しかし、私はこういう公の場で、この人の名前をこれから挙げようと思います。それは、学校の事務職員というのは、父母、つまり保護者あるいは市民に対して全体の奉仕者なんですよね、公務員として。ですから、いろいろ問題が生じた場合には、その氏名は黒塗りで伏せて議論すべきではないというふうに思うからです。
しかも、先ほど申しましたように、公開されている、だれでも求めることができる資料によって、どなたが見ても、何だ、これは、という内容になっているわけです。先ほどのながら条例の関係でもちょっとご答弁がありましたけれども、日時が時系列的に記載されていない。後になるほど近い日にちが記載されていることが当たり前だと思うんですけれども、突然前の日付がくるんですよね、書類に。普通、ながら条例の適用で職場を離脱しますということで手続をする場合に、日付が古いものと新しいものが入れかわるなんということは、書類にその都度、枠に順番に書いていくわけですから、あり得ない。ところが、この事務職員の方は、自分が全部処理できるんですね。時系列的に日付がない。それから、職務専念義務免除時間が合わない記載がありますね。何時から何時までいなくなりますという時間、合計何時間何分と書くんですけれども、その時間が合わない。それから、職務専念義務免除時間が記入されていない。何時間いなくなっていたのかわからない。それから、本承認欄という捺印する場所があるんですけれども、判が押されていない。
それから、これも奇怪なのがあるんです。記録に残りますので、やはり具体的に挙げておかないと、議論の内容が細かくわかりませんので、申し上げるんですけれども、本承認というのは校長先生が押す欄なんですよね。ところが、平成十三年度には--校長先生はもちろんいらっしゃいますが、しかし、この方は平成十三年度で退官されておられる。おやめになったわけです。平成十四年度からは新しい校長先生が見えているんですけれども、そのいない校長先生がいたことになっているんですよね。学校に赴任もしていない校長の印が、平成十四年度から勤務された校長先生の印が、平成十三年度中の職務専念義務免除の本承認欄に捺印されている。それが一カ所や二カ所じゃない。これがベテランの事務職員のやっていることです。
だから私は、名前を公にしても問題ないというふうに思うんですね。公務員でいらっしゃる。全体の奉仕者です。国立五小の、東京都がもともとは採用して、事務職員として公務に携わってきた人ですね。(「県費職員か、問題の」と呼ぶ者あり)そうです。福嶋朋子さん、福嶋朋子氏です。平成九年には課長補佐に就任されておられるということです。人の印鑑を使ったかどうかはわかりませんけれども、学校に赴任していない先生の印が堂々と押されている。こういう行為はだれが考えても、単なる間違い、ミスだということでは済まないというのは、もうだれしも異存がないと思いますよ。ですから、国立の教育は正常化されているとか一生懸命やっていますとおっしゃるけれども、実態は旧態依然。
では、ほかの学校はどうかということで調べてみますと、これも情報公開条例で、今はありがたい時代ですね。何でも、見せてくださいというと見せてくれます。こういう書類は五年間保存しなければいけないんですね。ところが、後で残業のこともやりますけれども、不存在、書類がありませんという答えがあちこちから来るんですね。校長先生も教頭先生も頑張っておられると思うんですが、こういう古つわものみたいな、組合の牢名主みたいな人がいると、歯が立たない。
福嶋朋子氏、この人が加入している職員団体は何という団体か。つまり、組合名をしっかりいってもらいたいと私は思うんですね。いかなる役職についているのか。どうでしょうか。
○坂口委員長 速記をちょっととめてください。
〔速記中止〕
○坂口委員長 では、速記再開。
○臼井人事部長 その方は、東京都教職員組合、いわゆる都教組の北多摩西支部の事務職員部長というふうに伺っております。
○古賀委員 都教組の北多摩西支部の事務職員部長ということですから、たとえ組合といえども立派な幹部さんなんですよね。そういう組合の幹部で、他のお手本にもならなければならない、かがみにもならなければならない人が一体どういうことだろうかというふうに思うんです。前回のそういう給与の返納の問題もありましたから、それを承知でこういうことをやっているわけで、断じて許せないというふうに思いますけれども、この人の身分というのはどうなっているんですかね。東京都で採用されていますけれども、給与は東京都がもちろん支払っていますよね。給与の支給について、その取り扱いはどうなっているのか、一応みんな勉強になりますから、答弁してください。
○臼井人事部長 お話のとおり、当該職員の給与は、市町村立学校職員給与負担法に基づきまして都が支払っております。いわゆる都費負担職員でございます。これにつきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第三十七条によりまして、採用や処分などの任命権については都が有しているとともに、超過勤務命令や職務専念義務の免除などの服務を監督する権限は、地教行法の第四十三条により、市にございます。また、身分上は市の職員であると解されております。これは、昭和三十一年六月三十日付の文部省の通達あるいは平成十年五月二十九日の閣議決定などの内容からも、市の職員ということが明らかになっております。
○古賀委員 市の方の職員ということに法的にはなるということです。採用と処分、つまり任命権は東京都にあるわけですから、市の職員だから都はかかわりないよということは絶対いえない。つまり逃げられないんですよ、東京都は。これからそういう立場で、いよいよ超過勤務、残業のことについてお尋ねいたします。
つまり、所定の勤務時間が来て、仕事がどうしても終わらないという場合には、いかなる職場でも残業をやるわけですけれども、どういう手続で残業というのは行われるのか、命じられるのか、それをちょっとお願いします。
○臼井人事部長 超過勤務の命令権者は、学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例第十一条及び同施行規則第七条によりまして、市の教育委員会が有しておりますが、市の規則により、学校長がその権限の委任を受けております。このため、具体的に学校における手続としましては、学校長が超過勤務等命令簿により事前に職員に対し勤務を命じ、命令簿の命令権者欄に押印することとなります。また、事後に、勤務の状況を確認の上、従事した職員とともに確認欄に押印することで手続が完了いたします。
○古賀委員 それでは、ながら条例の先ほどの問題点は、もう大体おわかりいただいたんじゃないかと思うんですが、今度は超過勤務について、今、原則、基本はどうかということを述べてもらったんですよね。まず学校長が命令するわけですよね。事前に職員に対して残業を求める。そして、命令簿という書類がありますから、それに校長先生が判を押す。そして、実際残業が終わった後に確認の欄に判を押すということを、今教えてもらいました。それがそのとおり行われていれば何の問題もないわけです。
この方はよく残業をしているわけです。しかし、先ほどちょっと触れましたが、二カ月前の時間外勤務を、難しい言葉でいえば遡及、さかのぼって請求をしている。普通、今月残業すれば、来月清算ですよね。この人は事務能力が著しく欠けているのかどうかわかりませんけれども、福嶋さん、後から請求するんですね、何カ月もたってから。いろいろなフクシマさんがいますから……。(笑声)この国立五小の福嶋さん、女性です。四月の残業、時間外勤務手当等の報告書というのがありますけれども、これはだれでも、求めると出てきますね。これを六月に提出なんですね。書類をつくる人も福嶋さん。残業する人も福嶋さん。九月のやつを十一月、十月の分を十二月。民間会社で、二月以上もたって、いや、実は私、以前に残業していましたなんて請求しませんよ。あり得ない話ですよ。そういう実態が今あるんですね。
それから、細かくいろいろいえば、市教委からどういう書類が上がってくるかによって、これは最終的な結論は出ると思いますけれども、先ほどご説明いただいた手続を見ますと、例えば、校長先生が命令していないんです、命令権者の欄に判がないんですから。しかし、本人は残業しているんです。命令されないのに残業しているのがあります。こういう都教組の部長さんがいるわけです。
この超過勤務手当の手続、私も細かくいろいろ指摘すればいえますけれども、東京都教育委員会が、都が人件費は、お金払っているんですから、手続はきちんと行われたというんですか、いわないんですか。行われましたか、どうですか。
○臼井人事部長 国立市教育委員会から提出されました資料を見ますと、超過勤務手当でございますけれども、平成十四年度は、四月から七月までの各月において超過勤務を命じておりまして、このうち五月分につきましては、学校長の確認欄への押印がありません。また、六月、七月分につきましては、命令欄、確認欄とも学校長の押印がございませんでした。なお、十三年度につきましては、学校長の確認欄の押印はございましたが、十一月十六日、二十二日及び二十八日の命令欄の押印はございませんでした。
○古賀委員 命令があって、命令の判を校長が押して初めて残業を行うということになるわけですね。命令印がないのが、平成十三年度も十四年度もあるということなんですよ。 あとの問題点は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば平成十三年六月は、六月八日に超過勤務命令があったということで、二時間残業しています。それは六月八日から十二日、十九日と来るんですけれども、一番最後の欄がどういうわけか六月二日になっているんですよ。普通、上から順番に書いていきますよね。突然六月二日が最後に出てくるんですよ。六月十九日が最後かと思いますけれども、どっこい、この方は、思い出したのか、また、忘れていて、もう少し残業手当が欲しくなったのかどうか知りませんけれども、六月二日が最後に出てくる。
この判は、校長先生、中田先生という判ですけれども、当然、なぜ空欄があって押してないんですかと、校長先生に聞きたくなりますよね。もうおやめになっていますけれども、しかし、いらっしゃるわけですから、聞こうと思えば聞けますね。私も確認をいたしました。校長先生は平成十三年、国立五小にいらっしゃって、この福嶋さんの超過勤務命令簿に判を押しましたかと聞きましたら、校長先生は、私は押していませんとお答えになりました。この中田という校長先生の印は、超過勤務命令簿に押してありますから、一見すれば校長先生が命じたんだなというように思いますけれども、空欄もあったり、いろいろ不自然だから、時系列的になっていないというようなこともあるので、お聞きしましたら、押していないと。しかも、この押されている印鑑は、こういう公文書に押す場合には、私はこの印鑑は使っていません、自分が出勤簿に押す印を、こういう超過勤務命令簿の場合には押すので、ここに押されている校長の命令印、この判を私は使うはずはありませんと。(「明らかに犯罪じゃないか、事実だとすれば」と呼ぶ者あり)そうですね。この印鑑は、当時、教頭先生に預けられていたものが使われているようですね。それと一致するということです。この印は明らかに校長先生が出勤簿に押す印とは違いますから、校長先生が押したものではないことははっきりしますね。そうおっしゃっている。しかも、印が違う。では、預かっていた教頭先生が押したのか。教頭先生もいらっしゃいますから、聞けばすぐわかる。お二人、教頭先生がいらっしゃる。両教頭先生に確認いたしましたけれども、押した覚えはない。きのう、きょうのことなんですよ、十三年度のことですからね。北朝鮮の拉致事件のように、二十何年、四十年前の話じゃない。校長も押していない。しかも、そういう場合にこの印は使いませんと。その押されている印を預かっていた教頭は、押した覚えがない。これが堂々とまかり通って、残業手当をせしめているわけです。
いろいろな背景はあると思いますけれども、これは余り議論の余地のない事件だというふうに思うんです。だから、私は対応をもっと迅速にやってもらいたいというふうに思うんです。しかも、事務職員としては、もう五十代の方ですから、きのう、きょう学校事務に携わった人ではない。うっかりしました、間違えました、ごめんなさいでは済まないわけで、こういうずさんな手続によって手当が支給されているわけですけれども、その額はどうなっているんでしょうか。
○臼井人事部長 適正な手続がなされていない超過勤務につきまして、平成十四年度の五月分が一万六千三百九十六円、六月分は一万二千二百九十七円、七月分は一万六千四百八十四円でございます。また、平成十三年度の十一月分は二万四百五円でございます。
○古賀委員 今のは、校長の命令印がなくて確認がされていないものについて調べた金額ということなんですよね。しかし、押されている、一見したところ書類は完璧だと思えるものも、実際、校長先生は当時押していないといっているんですから、これは背景は非常に重大だというふうに思うんですよね。
しかし、書類上は一応手続を踏んでいるというふうに表面上は見えるわけですから、それはちょっと一応おくとしまして、校長印が押されていないのに、今のおっしゃった額が支給されているということは、手続として問題があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○臼井人事部長 超過勤務手当の手続でございますけれども、超過勤務命令簿に基づきまして、時間外勤務手当等報告書という電算入力帳票を作成いたします。この帳票を学校が市の教育委員会に送付し、市の教育委員会が各学校の帳票を取りまとめて都に送付することで、本人への時間外勤務手当の支給が行われております。
○古賀委員 帳票という言葉が出てきましたね。その帳票というのはだれがつくるんですか。
○臼井人事部長 国立五小におきましては、作成者は当該事務職員となっております。
○古賀委員 だから、本人がつくっているわけですよね。先ほどいいましたように、校長は判を押した覚えはないといっています。本人が勝手につくった書類じゃないかということに当然なってくるわけで、疑いをだれしも持ちますね。調査するということに今なっているわけですけれども、都教委の調査に対する報告は、これはもう大分時間がたつんですよ。それはどうなっていますか。
○臼井人事部長 調査の件でございますけれども、前任の校長先生、それから教頭などに事実確認を含めまして、現在、市の教育委員会で鋭意調査をしておりまして、今月中には報告される予定というふうに聞いております。
○古賀委員 今月中にははっきりするでしょう。しかし、私どももかなりいろいろ調べていまして、事のてんまつは大体はっきりしているわけです。校長先生もある面では加担しているともいえるんですけれども、知らなかったというのも怠慢になりますよね。しかし、そういうものがまかり通る風潮が、国立の教育の場合は特に支配的であったということがいえるわけです。だから、校長にも当然職責上責任はあるというふうに思いますけれども、命令を校長からされていないのに、自分で超過勤務手当をもらうための手続を行って、残業手当を受給するというのは、学校事務職員としての資質、能力以前の問題ですよね。適格性に欠けると私は思うんですけれども、どうですか。
○臼井人事部長 事務職員は事務の処理について指導する立場でございますので、適正な手続に基づいて適正な処理をしていただきたいというふうに考えております。
○古賀委員 先ほど身分についてやりとりしまして、今は市の方に出向しているような形になっているわけですよ。だから、都からすれば、給与は出しているけれども、若干、指導には隔靴掻痒の感もそれはあるでしょう。ではこういうふうにやればいいというようなことも、国立の方にいろいろ知恵を授けることもできるというふうに私は思うんですよ。その例として、例えば都立高校の服務はどうなっていますか。
○臼井人事部長 都立高校につきましては、定期的に監査を実施しまして、出退勤を初め超過勤務等の服務について日ごろから指導監督をしております。
○古賀委員 都立高校の場合には、服務について監査が行われているわけですね。いつまで学校にいたかとか、いつ学校を出たか、それから、超過勤務の今問題になっていることについてもやっているということですから、同じ学校という範疇で考えれば、やろうと思えばこういうふうにできないことはないわけですよ。国立市はどうなんですか。
○臼井人事部長 国立市におきましては、学校等に特に監査等は実施していないと聞いております。
○古賀委員 都教委も今調査を求めて、これから任命権者として対応してやるということですから、国立市に対して、市の職員の身分であるということなんですから、監査をやるように都から指導してほしいんですよ。その点はどうですか、都立高校でやっているんですから。
○臼井人事部長 ただいまご指摘のような実態もございますので、都教委としては、引き続ききちっと手続を踏んで、適正な手続をとるように、服務関係について厳正な取り扱いをするように指導してまいりたいと考えております。
○古賀委員 監査を具体的にやるように、これも一つの改善策の具体例として、指導してほしいというふうに思います。
この福嶋さんは、情報公開の仕組みとかそういうのは余りご存じなかったのかもわからないですね。みずから墓穴を掘っているんですよね。今まで当たり前に何十年とこれがまかり通ってきた、これでいいんだというふうに、とんでもない錯覚をしながら、都教組の幹部として、事務職として今日まで来ているわけです。
そういう事例というものが、五小の例を今挙げましたけれども、ほかのところはどうかということで、先ほど触れましたけれども、市内の各学校に同様の超過勤務の事務職員、東京都が採用して派遣しているの、同じですよね。その人の超過勤務命令簿はどうなっていますか。書類は五年間保管しなきゃいけませんということに決まっているんですけれども、出てきた書類は、返事は、各学校、不存在、ないというんです。あるのもあるんですけれども、非常に不備が目立つ。しかも、五小の例を今取り上げてお話ししましたけれども、確認欄に印がないやつ、出てきても、辛うじてあったやつでも、確認印がない。それから、印は押してあるけれども、いかなる仕事をした残業であったのか記載がない。決裁の印がないとか、やはり日時が逆転しているのがあるとか、いつからいつまでやったかわからない、時間が未記入のものがあるとか。五年以内は保管しなさいという文書が、存在しませんというのも、国立というところは本当によくこれで文教都市なんか名乗っていると思いますね。不存在、堂々とそういうのが出てくる。出てきたやつも、今申し上げたような不備が目立つということです。
ほかの事務職員のやつも挙げようと思えばあるんですよ、福嶋さん以外にも。しかし、もう委員長が時間を気にしておられますので……。(「組織的な犯罪だよ、これは」と呼ぶ者あり)そうですね。これは一つ端的な例として挙げましたけれども、これは一つの犯罪だと思いますよ。今その証拠を固めておられると思います。どういう結論になるか、私はわかりませんけれどもね。国会議員の場合、秘書給与、国民の税金ですね、詐欺罪で起訴されて、結局有罪が確定して、税金を国民からだまし取ったということで、国会議員が何人もやめていますよね。まさに詐欺横領、公文書偽造。校長先生が押した覚えのない、使っていない印鑑が堂々と押してある。これはもう結論は見えているような気がいたします。
しかし、こういうことは、保護者や一市民の皆さんが、何とか国立市の教育をよくしたい、東京都の教育をよくしたい、よい教育環境のもとで、すぐれた教師のもとで教育を子どもたちに受けさせてやりたいという思いから、情報公開を求めて、明らかになったんですよ。本来皆さんの仕事なんですよ。そのことがどんなに都民の信頼を損ねたかということを、ぜひ思いいたしてもらいたいんですね。自分たちがやらなかったらこのままだったのではないかという思いに駆られれば、それはそのまま都教委や市教委に対する不信ということになるわけですから、ぜひそのことを踏まえてもらいたいと思います。
決算ですから、そういうことがあった、こういう事態が発生した、これを踏まえて次どうするかということにつなげていくことに、この議論は意味があるわけですので、そのことをひとつ忘れないでいただきたいというふうに思います。
この職員はほかにも、これだけじゃないんですね。受付に来た保護者に対して暴言を吐いたり、それから職員会議、朝の会合等でも積極的にかなり発言をしていますね。どっちが校長先生かわからないようなやりとりがあります。いろいろ問題がほかにもあります。細かくそれは挙げませんけれども、ぜひそういうことも勘案をして、早急に結論を出してもらいたいというふうに思うんです。
国立、特にこの第五小学校は、私は本会議でも取り上げましたけれども、体罰によって教師が処分を受けるとか、教員同士でお金のやりとりをやっていた。それから、子どもへの差別発言というのもあるんですね。そういう問題教師、不良教師を、できるだけ異動によって学内を大掃除しようと思っても、今の異動要綱が一つの障害となって、結局、去年は異動もできなかったわけですよ。だから、とりあえず研究所に行ってもらうとか、とにかく教壇に立ち続けるということは--我々が子どものためにいろいろなことを、条例だ何だかんだいろいろいいますけれども、実際こういう、もうやり直しがきかない教育の場に子どもを預けて、先生にゆだねている親の立場からすれば、悠長には構えていられないわけですよ。ところが、校長の学校経営を妨害するようなこういった教員もいるということですので、ぜひ懲戒免職を含む重い処分で対処すべきだというふうに思いますけれども、都教委、これは市教委の立場ももちろん含まれてきますけれども、どう対処しますか。
○臼井人事部長 この件につきましては、現在、国立市教育委員会で事実確認等の調査をしておりまして、今月中に報告が上がる予定になっております。東京都教育委員会としましては、国立市教育委員会と連携を図り、事実関係を明らかにした上で、処分も含め厳正に対処してまいります。
○古賀委員 では、もうこれで終わりますけれども、日本の教育の問題は、国立のこういうケースも含めて、どこにあるかということは、戦後の行き過ぎたいろいろな個人主義とか過度の権利主張とかいろいろあると思いますけれども、一つは、教員は労働者であると、みずからを規定して、自認して、組合運動に全力を注いできた日教組とか、革命を目指すといっている日本共産党の先兵となって活動している全教、こういった教員のさまざまな問題行為を目こぼししてきた、国民や都教委や我々にも責任があると思うんです。ですから、今回生じた結果を踏まえて、そういう野放しはもうこれから我々は認めない、許さないという立場で立ち向かっていく、そういう決意とか姿勢があって初めて、健全化の方向に東京の教育は向いていくというふうに思いますので、今ご指摘した事例を踏まえて、これを教訓として、東京の教育の正常化に取り組んでもらいたいと思います。
以上です。
○福島委員 渋谷区の福島でございます。(笑声)心の東京革命の教育推進プランについて端的に質問させていただきますので、明快なご答弁をいただきたいと思っております。
本件につきましては、昨年来所属させていただいておりました文教委員会において、教育庁はもとより、所管局でありますところの生活文化局において質疑をさせていただき、推進方を強く要請しつつ、私なりの提案もさせていただいたところであります。
また、六月の第二回の定例議会において、学ぶとは誠実を身につけること、教えるとは希望を語ることであるとの私の教育に対する考え方、基本的認識を表明させていただき、今日の教育の大きな誤りは、学校、家庭、地域が子どもから難儀を取り去ろうとしたことにあり、結果、精神的な価値より物的価値を求め、社会的責任より個人の権利が優先する。基本的ルールが欠如し、道理をも喪失した社会が蔓延している。こうした考えのもとに、石原知事に対して、あるべき教育の姿について、そしてあるべき教師像についてお伺いいたしましたけれども、前段の古賀先生の質疑を踏まえて、ぜひ横山教育長に、みずからの言葉で、あるべき教育の姿、あるべき教師像についてまずお伺いさせていただきたいと思います。
○横山教育長 今、前段の古賀先生の質問も絡めてということでございましたけれども、先ほどの話を聞いておりまして、私どもも今懸命に教育の改革に向かって進んでいる、そういう状況でございます。一丸となってやっているつもりでございますが、そうした中で、たとえ一人、二人といえどもそういう事例があるというのは、非常に水を差されるといいますか、大変なことであると、私ども自戒しますとともに、これまでの指導も含めて、深く反省をいたしております。本件につきましては徹底した原因解明をしますが、今後につきまして、再び起こらないように、徹底した指導に努めてまいりたい。
そういうことを踏まえた上で、ただいまの教育のあり方の問題ですが、子どもたちを主体に考えた場合、教育の場面というのは、家庭、学校、地域社会、こういう三つの場面があろうかと思います。そうした中で、教育というのは、学校、家庭、地域社会、それぞれが役割を果たして、まさに三者が一体となって、子どもたちに教科的な知識を教える、これだけではなくて、みずから学び、みずから考える、生きる力をまさに育成していく。その上で、思いやりの心や社会貢献の心をはぐくむことが重要であると考えております。まさにそれが教育の本質であると考えております。
そうした教育を実現するためには、教師が子どもへの深い愛情と豊かな人間性をまず持つこと、そして使命感、正義感、倫理観を兼ね備えて、子どもの個性やよさを最大限に伸ばすことができる指導力と、そして実践力、行動力、その上で社会性、視野の広さを備えていることが必要であろうと私は考えております。
いずれにしましても、教育はまさに国家の礎を築いて、日本の将来を担う人間を育成する壮大な営みでございます。都教育委員会はもとより、私ども大人が子どもたちに対して果たすべき重要な責務である、このように考えております。
○福島委員 今、教育長から、個性を生かしながら生きる力を養っていくことが極めて肝要だというご答弁をいただきましたけれども、みずからを律する自律の心、みずからが立っていこうとする自立の心、まさしく、本会議でも申し上げましたけれども、法灯明に守られた自灯明に気づくことこそが生きる力であり、まさしく人間力だと認識させていただき、本題に入りたいと思っております。
過般の委員会で資料請求をさせていただきましたけれども、秋のとうきょう親子ふれあいキャンペーンということで、十月一日から十一月三十日まで、今まさしくキャンペーン期間中であります。東京都と区市町村あるいは民間団体が実施主体となって、百四十九事業が実施されておりますけれども、事業の概要とその効果についてご説明いただきたいと思います。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 とうきょう親子ふれあいキャンペーンは、星座観察、水田耕作などの自然体験活動や、伝統工芸、染色などの文化活動などを親子でともに行うことにより親子の触れ合いを深めていくため、毎年、夏と秋に、区市町村や民間団体と連携して実施しておるところでございます。特徴的な事業として、父親が運営しております、おやじの会などが中心となって、子どもたちとの相撲大会やクッキング教室などを実施し、親子の触れ合いを深め、成果を上げております。また、親子ふれあい将棋教室の参加者からは、親と子が和やかに楽しく過ごす中で、親子の触れ合いの大切さと他人を思いやる心を教えてもらったなどと、感想を多くいただいております。
とうきょう親子ふれあいキャンペーンは、次代を担う子どもたちに、親と大人が、正義感や倫理観、思いやりの心をはぐくみ、人が生きていく上で当然の心得を伝えていく、親と子の心の交流の初めの第一歩でございます。今後とも、心の東京革命の趣旨を踏まえ、より効果的な推進に努めてまいります。
○福島委員 ただいまのご答弁で、親と子どもの心の交流こそが、心の東京革命推進の第一歩だということでありましたけれども、片や一方で、子どもたちが生活の大部分を過ごす学校での道徳教育は、まさに心の教育の核心部分であると理解いたしておりますが、公立小中学校で実施されている道徳授業地区公開講座の授業内容について、具体的にご説明をお願いしたいと思います。
○近藤指導部長 道徳授業地区公開講座は、保護者、都民の参加のもとに、道徳授業を公開し、子どもたちの心の教育について意見交換などを行うものでございます。この公開講座を通しまして、学校と家庭と地域社会との連携による道徳教育を推進し、道徳授業の充実を図っているところでございます。
この授業は平成十年度より実施してきているわけでございますが、平成十三年度には、都内公立小中学校の約八割に当たります千五百八十二校で実施しており、今年度はさらに実施校数を拡大し、全校で実施する予定でございます。
○福島委員 実績で千五百八十二校、公立小中学校の八割ということでありますけれども、ぜひ十割、全校実施を目指して速やかに努力をしていただきたいと思っております。
また、道徳授業地区公開講座を実施して、具体的にはどのような成果が、あるいは効果があったと認識をしておられるのか、所見をお伺いしたいと思います。
○近藤指導部長 道徳授業地区公開講座の実施を通しまして、地域の方々や保護者の方からは、道徳の授業がよくわかった、道徳の授業の内容について家庭で子どもと話し合う機会が持てたなど、大変有意義であったという声をいただいております。
また、各学校においては、道徳授業地区公開講座の実施を通しまして、道徳教育の指導計画の改善、道徳の授業にかかわる校内研修の充実など、道徳教育が着実に進んでおるところでございます。
○福島委員 今までの質疑の中で、学校内外問わず全都的に幅広く事業を展開していること、あるいは一定の評価を上げているということでありましたけれども、昨年の文教委員会の質疑でも私は指摘させていただきましたが、そのほとんどの事業は、既に区市町村の単独事業として実施されている事業であり、どうもその後づけで、心の東京革命という冠のみをつけているといった感がいまだに否めません。この手法のみで区市町村の理解を得るには、もう既に限界に達していると思っておりますし、今後はどのようなお考えのもとに心の東京革命推進プランとして策定しようとしておられるのか、現状も踏まえてお尋ねをしたいと思います。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 心の東京革命を推進していくためには、都教育委員会がみずから取り組むのはもちろんでございますが、各行動主体や区市町村、民間団体の役割が極めて重要でございます。限られた人的、物的資源の中では、心の東京革命の趣旨に合致した他団体等の実施する事業のうち、モデル、模範となる事業を積極的に取り上げまして、教育推進プランとして一つにまとめることにより、一体的、効果的な事業展開ができるものと考えております。
○福島委員 ご答弁の中にありましたけれども、区市町村や民間団体との連携をして盛り上げていくということは当然のことでありますが、さらに全都的にすそ野を広げていく、あるいは推進強化を図るためにも、先駆的あるいは先進的に事業展開をしている区あるいは市をモデル地区指定してボトムアップをしていく。底上げを図っていく。モデル地区指定を図ることにより、周辺の自治体との相乗効果を図っていく。この種の事業は、評価も難しく、極めて時間がかかり、終わりなき課題だからこそ、一定のスピードと、常に緊張感が必要なものだと思っております。
昨年の文教委員会での質疑の中で、所管の部長から、モデル地区指定について検討していきたい旨の発言がありましたけれども、これまでどのような検討を行い、今後どう取り組まれていこうと考えておられるのか、ぜひお尋ねしたいと思います。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 昨年、委員からご質問いただいた後、心の東京革命の取り組みを推進する、教育庁内の「心の東京革命」推進委員会におきまして、平成十四年度より、心の東京革命教育推進モデル区、仮称でございますが、その指定を新しい項目として盛り込みまして、検討を進めているところでございます。
また、現在、「心の東京革命」教育推進プランの見直し作業を行っておりまして、この作業の中で、モデル地区の設定につきまして、都のモデル事業や区市町村の単独事業の状況を勘案しながら、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。
○福島委員 今の答弁の中に、たしか四度ほど検討という言葉がありましたけれども、ぜひ具体化、具現化するための、自己内省から始まるところの検討をしていただきたいと思っておりますし、私が聞き及んでいるところでは、心の東京革命モデル地区指定をしていただいて、胸を張って推進をしたいという地方自治体もあると聞き及んでおりますので、ぜひ速やかにお話し合いに入っていただきたいと思っております。
また、今の答弁の中で、「心の東京革命」教育推進プランについて現在見直しをしているということでありましたけれども、このプランも策定後既に二年が経過し、都を取り巻く環境も社会情勢も、法改正から始まった学校完全五日制の問題等々、加速度的に変化をしているわけでありますが、今回の見直しを行う理由とその方針について、お伺いしたいと思います。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十二年八月に策定いたしました教育推進プランの取り組みの計画期間は、生活文化局が所管する全都的な心の東京革命行動プランと同様、おおむね三年となっており、見直しが必要と考えております。また、平成十三年七月の社会教育法及び学校教育法の改正、平成十四年四月からの新学習指導要領、学校完全五日制の実施等、ここ数年、教育をめぐる環境は大きく変化してございます。これらの状況に対応した取り組みを推進していくためにも、既存のプランの見直しが必要であると考えております。
見直しの方針としては、これまでの取り組みの成果や実績、事業の継続性を考慮しつつ、総合的な学習の時間を地域で支援する地域教育サポート事業や、完全学校週五日制に対応いたしました子ども放課後・週末活動等支援事業等を加えて、新たな教育推進プランを再構築していくことでございます。
○福島委員 どんなよきプランであったとしても、プランをつくった日、その日が最良、ベストであり、その後は臨機応変に対応できるからこそ、心の東京革命の意義があると思っていますし、また、東京都のまず第一義はスピード感でありますから、臨場感と、世情に合った再構築に向けてご努力いただきたいと思っております。
失われた十年間といわれて久しいわけでありますけれども、この間、日本が、あるいは日本人が失ったもので最大のものは、国家の尊厳と日本人の誇りそのものだと思っております。結果、世界の中で個たる国家としての意思表示すらできない、漂流を続けている今日の日本がある。この国の形そのものが問われている今だからこそ、心の東京革命を社会運動として定着化させ、心を鍛えること、生かされて生きていることに気づくこと、生きる力を培うこと、子どもたちはもとより天空に浮かぶ小さな小さな星であり、だれしもが一番星の輝きを持っている、そのことに気づかせることが、まさしく心の東京革命の名にふさわしい、心の教育であると確信をいたしております。社会運動に準ずる、自己改革から始まる心の東京革命を、自信を持って、まさしく常在不変の精神を持ってお取り組みいただき、さらに推進強化されますことを切にお願いをして、私の質問を終わります。
○谷村委員 平成十三年度決算概要説明の中で、都立学校体育施設の開放を引き続き実施するほか、都民のだれもがスポーツに親しむことができるよう、区市町村が行う地域スポーツクラブづくりを支援するなど、区市町村、学校及びスポーツ団体と密接に連携して、その充実に努めてまいりました、このようにありました。
そこで、都立学校体育施設の開放状況について質問をさせていただきたいと思います。
まず、平成十三年度の体育施設の開放状況について、グラウンド、テニスコート、体育館、格技場、プールなど、施設別に開放状況を教えていただきたいと思います。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十三年度の実績でございますが、改修工事等により施設開放を休止している都立学校十九校を除く二百五十校で体育施設開放を実施いたしました。施設開放の状況は、昼間は、グラウンドが百四十二校、テニスコートが百二十六校、体育館が九十六校、格技場が九校、プールで三校を開放いたしました。夜間では、グラウンドが二校、テニスコートが四校、体育館が五十二校、格技場が八校、プールが一校でございます。
○谷村委員 今、平成十三年度の開放状況についてお答えいただきましたけれども、これは、平成十二年度実績と比べて増減はどうなっているでしょうか。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 平成十二年度に比べまして、昼間の開放では、グラウンドが三校、テニスコートが五校、体育館で五校増加いたしましたが、格技場が九校、プールで一校減少してございます。夜間開放では、体育館が四校、格技場が一校増加いたしましたが、グラウンドが二校、テニスコートで二校減少しております。
○谷村委員 なかなか一進一退の状況のようですが、例えば都立高校については、体育館では、平成十二年度の昼間開放が五十六校だったのが平成十三年度では五十八校と、これは二校ふえておりますけれども、その分、夜間開放では、平成十二年度が四十二校に対して平成十三年度は四十校と、逆に二校減っております。
また、都立高校に関していえば、体育館について、昼間開放していない学校が百三十八校もある。夜間の開放をしていない学校が百五十六校も存在している。各学校が都教育委員会に提出した開放事業計画書に基づき施設開放事業を実施していると思いますが、この開放していない理由、開放できない理由というのはどのように把握していらっしゃるでしょうか。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 学校が毎年三月に提出いたします開放事業計画書によりまして、次年度の開放施設や開放日を都教育委員会として把握してございます。開放日以外の施設は、学校行事やクラブ活動等、その予備日も含めまして、学校教育活動で使用しているものと判断をしてまいりました。
今後、開放事業計画書の提出時に詳細な聞き取りを行うとともに、年度途中に、学校教育活動等に伴う施設使用の増減により開放計画を変更する場合には、変更計画書を提出させまして、体育施設開放の状況を的確に把握し、都立学校の体育施設開放の推進に努めてまいります。
○谷村委員 計画書で学校が報告をした、この開放日以外というのは、学校行事やクラブ活動等、その予備日も含めて、学校教育活動で使用しているものと判断をしてきた。そういうことに対して、今後はしっかりと開放事業計画書の提出時に詳細な聞き取りをする。そして、年度途中であっても、施設使用の増減によっては、開放できる状況である場合は変更計画書を提出させると、大変に意気込みのあるご答弁をいただきました。
これまで、当初計画の段階で施設開放はしないと決定していれば、その後、クラブ活動の状況、一学期にはクラブの部員が多いわけですけれども、一学期が終わるころには部員が減っていくという、そういう状況によって体育施設があいているのではないかという都民の指摘があったとしても、年度当初に施設は開放しませんと決まったことだからといって、検討もしていただけなかった。ぜひとも年度途中での施設使用の状況の確認も、都として積極的にお願いをしたいと思います。
また、各学校からの計画書に対して、特に施設開放率の少ない学校というのがありますが、これに対しても、計画書が提出された段階で、詳細な実態の確認、把握をぜひお願いしたい、このように思います。
それから、都民に対する体育施設の開放状況の案内を、ホームページで学校別に掲載されておりますけれども、学校名と運動種目と電話番号しか掲載されていない。大変わかりにくい状況になっていると思います。例えば、ある学校の種目では、ソフトボールは開放種目としてあります、こうなっていますけれども、他の学校では少年野球を開放しています。これは、ソフトボールはいいけれども少年野球はだめということなのか、少年野球はいいけれどもソフトボールはだめなのか。学校によっては、少年野球とソフトボールが開放種目だというふうな表現をしている学校もあるわけです。施設開放の種目が限定されているという意味なのか。その関連施設を開放しているという意味なのか。いいかえれば、施設開放している種目なのか、開放できるという種目なのかというのが全くわからない。ほかにも、これは恐らく体育館だと思いますけれども、バレーボールは開放種目として掲載されている。それだけが掲載されている。ほかの学校ではバスケットボールが掲載されているけれども、バレーボールは掲載されていない。これはそれぞれ、バレーボールしかできないのか、バスケットボールはできるのかといったことが--特にスポーツは、バスケットであればゴールがなければできませんし、バレーボールであればネットがないとできない、こういう競技でありますので、こうした種目だけの記載というのは大変不親切だ、このように思います。
そこで、少なくとも夜間利用ができるのかどうか、それから休日利用ができるのかどうか、時間帯はどうなのかというような、利用者にわかりやすい最低限度の情報提供をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○鈴木生涯学習スポーツ部長 都教育委員会がホームページで提供しております施設開放情報は、今後、グラウンド等の開放施設名や昼夜間別、曜日等の情報を掲載するなど、利用者にわかりやすい情報を工夫し、提供するよう検討してまいります。
○谷村委員 ありがとうございました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。ぜひとも実現をお願いしたいと思います。
次に、教員の継続研修について伺いたいと思います。
平成十三年度に継続研修を申請した都立学校の教員は何人いますでしょうか。また、継続研修の申請をした教員のうち、継続研修の承認の要件を満たさず、結果として研修を認められなかった教員、また、継続研修を取得したものの、その報告が虚偽であった教員というのは何人くらいいらっしゃるんでしょうか。
○臼井人事部長 継続研修でございますけれども、平成十三年度に継続研修を申請した都立学校の教員は五千三百五十二人でございまして、そのうち研修を承認されなかった者は二百六十四人でございます。
○谷村委員 今の二百六十四人のうち、いわゆる虚偽の報告で、研修は取得したけれども、それは認められなかったという教員は何人いますでしょうか。
○臼井人事部長 二百六十四人のうち、虚偽で認められなかった者は二百五十三人でございます。
○谷村委員 虚偽で報告をして認められなかった、でも、継続研修は取得したという教員が二百五十三人もいる。研修を取得したけれども結果として承認されなかったケースについて、その理由はどういうものなのでしょうか。また、報告書の段階で、これは認められませんよというふうに承認しなかったケースというのはどういう理由でしょうか、教えていただきたいと思います。
○臼井人事部長 研修を承認されなかった理由についてのお尋ねでございますけれども、継続研修は自宅では研修できないというふうにされているにもかかわらず、当初の申請から研修場所を自宅としている者や、閉館中の図書館で研修をしたと虚偽の報告を行った者などがございます。
○谷村委員 こういう虚偽の報告の中には、研修を実施した場所が図書館だというように報告をされていたけれども、調べてみたら、その日は図書館が閉館だった、こういうようなケースがあって、それは取得したけれども、報告したけれども、認めなかったと。明らかに、また簡単にチェックできるような虚偽報告というものが平然と出されているという、とんでもない話だと思います。こうした研修が承認されなかった教員については、都の教育委員会としてどういう対応をされているんでしょうか。
○臼井人事部長 研修を承認しなかった者につきましては、継続研修の名簿から削除いたしまして、今後一切継続研修を認めないこととするとともに、先ほど出ました、閉館中の図書館で研修を行ったとの虚偽報告が明らかになった者につきましては、無届けによる早退などとして扱いまして、該当する時間分の給与を返納させております。
○谷村委員 いわゆる無届けによる早退等として扱い、その該当する時間分の給与を返納させたということなわけです。これは、やっているのが教員なわけですね。いわゆる職務の規定としてはそういうことになるということはわかるんですけれども、こういう虚偽の報告をする教員が、二百五十三人、平成十三年度でいた。こういう教員たちが子どもたちを教育しているということを思うと、私はぞっとするわけですね。いろいろ教員の不祥事が続いております。そういうことが続いて感覚が麻痺する方もいらっしゃるかもしれませんけれども、平然と虚偽の報告を公文書で出す、そういううそをつくような教員が今の東京の子どもたちを教えているという実態について、私は、こういう教員たちが、給与を返納したということで済んでいますけれども、子どもたちを教育する資格があるのか、教員として適格性があるのかと、大変に憤る思いで、この数を聞いたわけですけれども、横山教育長、どのように思われますでしょうか。
○横山教育長 先ほども申し上げましたけれども、私ども今懸命に一丸となって教育改革に取り組んでいる。その意図するところは、まさに公教育に対する信頼の回復にあろうかと思っております。今ご指摘があったような教員というのは、まさに教員の自覚に欠ける。こういった者が多数いるということは、私どもまことに残念でなりません。まさに教育者としてあるまじき行為であると考えております。
継続研修につきましては、今年度から取り扱いを変えましたけれども、今後とも、教員の服務の厳正につきましては、一層指導を徹底してまいります。
○谷村委員 継続研修は十四年で終了するとのことですが、今後も残る教員の自主研修はどのようなものがありますでしょうか。また、自主研修に対するチェック体制というのは、継続研修でこれまで行われていたように、同様に実施されていくと考えてよろしいでしょうか。
○臼井人事部長 長期休業中におきます自主研修につきましては、今年度から、一日を単位とした自宅での研修を認めないことといたしました。同時に、新たに自主的な研修グループによる研修を、自宅外において一定の範囲で認めることといたしました。この研修につきましては、研修成果をホームページ等で都民の前に公開するとともに、研修場所等についても厳正なチェックを行いまして、今後適正に対応していく所存でございます。
○谷村委員 明らかに不正とわかるような申請のもの以外についても、虚偽報告は一切認めないという体制で臨んでいただきたいと思います。これは教育者としての資質にかかわる問題だと思って、全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
次に、委員会の要求資料として作成していただきました、一五ページ、一六ページに掲載していただいております修学旅行の資料に関連して、お尋ねしたいと思います。
平成十三年度の修学旅行における生徒の参加、不参加の状況について資料を提出していただきました。それによりますと、全日制で一千百二人の不参加者、定時制で七百三十三人の不参加者がいるという状況です。修学旅行の不参加者数の実態を都教育委員会として正確に把握することは大変に重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○近藤指導部長 修学旅行は、高等学校学習指導要領特別活動の旅行、集団宿泊的行事に位置づけられておりまして、平素とは異なる生活環境において、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活のあり方など望ましい体験を積む上で意義ある学校行事でございます。不参加者の実態を把握することにつきましては、今後、不参加者の理由等も含めまして、各学校における修学旅行の実態について十分に把握してまいります。
○谷村委員 そこで、この不参加者数の内訳ですが、経済的理由による不参加者数が全日制で二百四十一人、全体の二二%に及ぶ数になります。また、定時制の場合は百七十八人、これは全体の二四%となっております。大変に大きな割合を占めているわけですけれども、経済的理由で一生の思い出となる修学旅行に参加できない生徒が四百十九人もいる。私は、大変にかわいそうな状況、事態だなというふうに感じておりますけれども、こうした生徒に対して、都教育委員会としてどういう配慮をしているのでしょうか。
○近藤指導部長 経済的な理由等で不参加の生徒に対しても、他の生徒と一緒に事前学習に参加させ、見学先の資料収集等を行っているところでございます。また、修学旅行期間中については個別の課題を用意するなど、特別時間割による指導を行っているところでございます。
都教育委員会といたしましても、今後とも、修学旅行の事前、事後の指導を通しまして、修学旅行に参加することのできない生徒の心情を十分に察し、学級内における人間関係等について特段の配慮をするよう、各学校に指導してまいります。
○谷村委員 特に学級内における人間関係等について特段の配慮をしていただける、こういうお話でございましたけれども、経済的理由で修学旅行に参加できない生徒が数多くいるというこの背景には、修学旅行の参加費用、本人負担額が大変に高い、こういう指摘があります。
そこで、平成十一年度末に、修学旅行実施に当たっては、一人当たりの所要上限経費は、別途通知するまでの間、税別で八万五千円までとするという通知を、教育庁学務部長名で出されておりますが、こうした通知が出されるに至る背景というものを確認させていただきたいと思います。
○比留間学務部長 修学旅行の経費につきましては、従来から保護者の中に、一般の団体旅行と比較いたしまして割高になっているのではないかという声がございまして、都教育委員会は平成十一年四月に、保護者負担の軽減などを図る観点から、都立学校の事務室長等も委員に含めました検討委員会を設置して、平成十二年一月に報告を取りまとめたところでございます。この報告に基づきまして、同年三月に、学校徴収金取扱い要綱を策定するとともに、修学旅行一人当たりの経費の上限を定めまして、各学校へ通知したところでございます。
○谷村委員 この八万五千円も今日においてはどうなのか、こういうところがあると思います。私としては、まだまだこれは高い状況にあるとは思いますけれども、上限額を税別で八万五千円というものを出したということについては、これは高く評価されるべきだとは思います。保護者負担の軽減を図るため、教育庁は検討委員会まで設置した。その報告を受けて要綱を策定した。ここまでして出された通知にもかかわらず、資料の一六ページをごらんいただきたいと思いますけれども、平成十二年度では全日制と定時制の実に四六%、百三十八の学校が、この税別で八万五千円、税込みでいきますと八万九千二百五十円になりますが、この上限を超えている。平成十一年度末にこの通知が出たんだから、十二年は間に合わないんだというような議論が多少あるようですけれども、旅行条件の変更というのは、一般概念でいきますと、一カ月前であれば堂々と変更できるものなわけであります。平成十二年度でも、この通知を守ろうと思えばできないわけはなかった。しかし、百三十八の学校が、この通知にもかかわらず、この上限額を超えて修学旅行を実施している。
これが、その次の平成十三年度になっても、全日制で四十二校、これは全体の二一%に当たります。定時制で九校、全体の一〇%になりますけれども、合わせて五十一の学校がこの上限額を超えているようですが、都教育委員会としてはこういう実態についてどのような指導をしていらっしゃるのでしょうか。
○比留間学務部長 平成十二年三月の通知以降、上限額を超える学校につきましては減少してきているところでございますけれども、ご指摘のとおり、平成十三年度につきましてもまだ上限額を超えている学校はございます。このため、昨年十月に、業者選定委員会及び契約方法について遵守すべき点を改めて通知いたしますとともに、校長連絡会におきまして全校長に対して指導したところでございます。
また、上限額を超えている学校に対しましては、個別に事情を聞き、確認をしたところでございます。
今後とも、要綱さらには通知の趣旨の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷村委員 都立高校で実施されております、この修学旅行につきましては、さまざまな課題を抱えていると思います。今後も引き続き、私自身取り組んでまいりたいと思っておりますけれども、この都立高校における修学旅行の本人負担分、参加費用の上限額を税別で八万五千円として都が定めているということについて、保護者にもしっかりと周知を図るべきだというふうに私は思っております。保護者がしっかり、東京都教育委員会として修学旅行の本人参加費用負担分の上限を定めているということを認識していれば、学校側から、参加費用は九万を超えていますよ、十万を超えていますよということをいわれても、それはおかしいじゃないかというように指摘できるわけであります。
そういうようなことも含めて、都の教育委員会が平成十一年度末に徹底した通知につきましては、保護者も含めてしっかりと再徹底をお願いしたいと思いますけれども、平成十一年度末に修学旅行の参加費用の上限を八万五千円と定めて全校に通知した際ですけれども、このときに、修学旅行の参加費用以外に、生徒の制服、体操着、実習服、その他の学校指定品、卒業アルバム等の取り扱いについて、保護者の負担にならないように徹底をしておられます。例えば卒業アルバムについては、例外的状況を除いては、一冊当たりの製作上限単価は税別で一万一千円以下とするよう徹底をしてあるわけですが、こうした他の事項はきちんと履行されているのでしょうか、大変に疑問が残ります。実態はどうなっているでしょうか。
○比留間学務部長 平成十三年度における卒業アルバムの契約額につきましては、ただいまご指摘のとおり、上限額一万一千円ということで定めてあるわけですが、これを超える学校が十六校ございました。これらの学校に対しましては、先ほどの修学旅行と同様でございますけれども、昨年、個別に事情を聞き、確認したところでございます。
今後とも、このアルバム等の契約額につきましても引き続き周知の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○谷村委員 教育庁として、こういう卒業アルバムも含めて上限単価というのを通知しているものの、その実が守られていないという状況があるわけであります。学校徴収金取扱い要綱が平成十一年度末に策定された。これは全校に通知されたわけです。適正かつ効率的な学校運営を図ることを目指しているわけですが、その後も修学旅行の参加費用の上限額が守られていない。卒業アルバムの契約額も守られていない。こうした状況を見るときに、徴収金の取り扱いを定めたり、あるいは業者選定委員会を設置しなさい、こういうふうに決めている学校徴収金取扱い要綱そのものが、実はきちんと守られていないのではないかという危惧を抱かざるを得ないわけであります。今後、この学校徴収金取扱い要綱等も含めまして、どう取り組まれるのか、確認をさせていただきたいと思います。
○比留間学務部長 学校徴収金の取り扱いにつきましては、学校徴収金取扱い要綱及びこれに基づきます取扱通知に基づいて、適正な処理を教育委員会としては指導してきたところでございますけれども、修学旅行や卒業アルバムにつきまして、ただいまお話しのように上限額を超える学校がある、こういった状況がございまして、なお一層の徹底が必要であるというふうに考えております。
このため、この学校徴収金の取り扱いにつきまして、ただいま申し上げました要綱さらには取扱通知に沿って適正に事務処理が行われますよう、近日中に再度、各学校に対して通知を行いたいというふうに考えております。
また、この学校徴収金の取り扱いにつきまして、本年末に学校に対する調査を行いまして、その結果に基づいて、個別に必要な事項について指導してまいりたいというふうに考えております。
○谷村委員 学校徴収金の適正な取り扱いについて再度徹底をしていただける。また十四年度については、状況調査を都としてしっかり行っていただく。うちの子は学校の先生のいうことを聞かなくて困るという声はよく聞きますけれども、学校そのものが教育委員会のいうことを聞かないわけですから、そういう教育現場の苦しみも当然のことなのかなというふうに感じますけれども、教育庁からの通知がしっかり現場の学校で守られるように、今後しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
○坂口委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
午後三時二十三分休憩
午後三時三十八分開議
○坂口委員長 それでは、休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を再開いたします。
発言を願います。
○大山委員 まず、たくさん資料を用意していただきまして、ありがとうございます。
早速ですけれども、一ページ目の、教育庁が所管する歳出予算決算状況及び一般会計に占める教育費の割合というのを十年間でお願いしたんですね。これを見てみますと、平成四年度から七年度までは、わずかずつですけれども、増加してきました。その後減少して、十三年度を見ますと、最高でありました七年度の八八・五%まで落ちてきてしまっているんですね。
教育費の十年間、分野別も出していただいているわけですけれども、大幅に減っているのは社会教育費と施設整備費。施設整備費は、平成七年度に比べて二六・八%にまで落ち込んでいるわけです。所管がえだとか何だとかもあったわけですけれども、この十二年、十三年というのはどういう年だったかといいますと、財政健全化計画を着実に進めるんだということでやっていた時期というか、年ですね。
それで、その次の三ページを見ていただきますと、教育庁所管事業の廃止・終了及び見直しについてということで、大まかなものを洗ってくださいということで出していただいたわけですけれども、平成十二年度では、五日市青年の家が十二年度の末で廃止をして、多摩教育研究所も十二年度の末で廃止をして、十三年度では、近代文学博物館を廃止にして、生涯学習センターも廃止、それから社会教育会館も事業終了、青年の家は四カ所廃止というように、都民の皆さんの、残してくれ、これは重要なものなんだということで大きな運動があったにもかかわらず、進めてきたというのが状況なわけですね。
大きなものだけじゃなくて、例えば定時制高校の生徒の修学旅行の補助、先ほども修学旅行のお話がありましたけれども、七十万五千円ですよ。東京都の予算から見たら、本当にポケットの中の、あっというようなちょっとのものを削って--東京都にとっては小さいと思いますよ、しかし、受け取っている高校生にとっては本当に大きなものなわけですね。そうやって、財政難だとか何だとかかんだとかいって、こんな小っちゃなものまで削ってきているというのが十二年、十三年というところなわけですね。小っちゃなものさえも削ってきているものです。
資料の二一ページをごらんいただきますと、盲・聾・養護学校施設整備費予算決算の推移を資料でいただいたわけですけれども、十年間で、やはり最高額だった七年度のところで比べますと、十三年度は一四・三%にまで激減しているという状況です。盲・聾・養護学校の施設整備費決算はなぜこのように激減しているということなんでしょう。
○比留間学務部長 盲・聾・養護学校の施設整備費でございますけれども、各年度の整備内容でございますとか工事の内容によりまして、これについては変動いたしますけれども、厳しい都財政の影響から、全体としては減少傾向にございます。
この十年間で、施設整備費が最も多いのは平成七年度の約百六十六億円でございまして、最も少ないのは平成十三年度で、約二十四億円というふうになっております。
平成七年度でございますけれども、内容について若干申し上げますと、南大沢学園養護学校あるいはあきる野学園養護学校の二校につきまして、学校を新たに設置するということで、新設工事の経費が約五十三億円、それから、立川ろう学校や八王子養護学校の老朽校舎の改築で工事費が七十五億円、王子第二養護学校などの校舎の増改築等の工事費で約十億円という状況でございました。
一方、平成十三年度でございますけれども、文京盲学校、小平養護学校、立川養護学校等の老朽校舎の改築工事約十一億円、これらは基本的に工事費が余りまだ出てこない設計等の段階でございまして、約十一億円、それから、調布小学校の大規模改修約二億円、江東養護学校、小金井養護学校の校舎等の増改築工事が約六億円、こういう内容でございます。
○大山委員 厳しい財政状況で、全体として減少してきたというふうにおっしゃいましたけれども、減少のぐあいが並じゃないと思うんですよ、一四・三%ですから。平成七年度は新設の学校もつくっていたわけですね。しかし、だんだん新設の学校もつくらなくなって、改築予算だとか増改修の予算になったということですね。
この状況を見たときに、大規模改修も見直したというようなことでしたけれども、六十年ですか、間隔がかなり延びたということですが、盲・聾・養護学校でこのように大規模改修だとか新設をなくしているということで、本当にいいのかという問題なんです。
やはり資料で出していただきましたけれども、小中学校の子どもたちの人数は減少しているけれども、障害児学校の子どもの人数は増加しているということなんですね。私、資料でお願いしたときに、小中ということでお願いしたんですけれども、養護学校は高校生、高等部もいますので、平成十年度と比べると、八百四十一人ふえているということなんです。
それで、養護学校を訪問する機会もあるわけですけれども、音楽教室を普通教室として使っていたり、一つの教室をアコーデオンカーテンで区切って使っているところというのは非常に多いわけですね。
普通教室以外の教室を転用している状況というのを、資料の二四ページで出してもらったわけですが、これは平成十四年五月一日の状況だというわけですけれども、その時点では、肢体不自由学校では転用している教室は七十九、知的障害の養護学校では百五十六の教室を転用しているんだというふうに書かれています。これは十四年ですけれども、その一年前、十三年のときはどのぐらいの数字だったんでしょう。
○比留間学務部長 平成十三年度の転用の教室数でございますけれども、管理諸室あるいは特別教室を普通教室に転用している状況は、肢体不自由養護学校で七十七室、知的障害養護学校で百三十八室の、計二百十五室でございます。
○大山委員 わずか一年の間に、合計二百十五教室から二百三十五教室にふえているわけですね。このように圧倒的に教室が足りない。全体の保有教室数で、病弱養護も含めて千二百、そのうち、二百三十七教室が、何と転用をしている教室だということなんです。
例えば、高等部まである養護学校で、小中の音楽室をなくしてしまったので、休み時間の移動がそれこそ大変で、中学生が高等部まで行かなくてはいけなくなったり、それから、アコーデオンカーテンで仕切っていたとしても、隣の声は筒抜けだという状況です。トイレも不足していますから、肢体不自由の養護学校なんかでは、ランチルームもない、トイレも不足して、一つの教室で学習もする、トイレもする、給食も食べるという状況。
それから、本来は教室ではないような教材室まで転用している学校というのは、二けた以上の教室を転用している学校で、どうですか、何を転用していますかというふうに出してもらいましたら、図工室だとかプレールームと並んで一位だというところなんですね。
これを合計して二百三十五教室も足りないわけですから、一刻も早い対応が求められているというふうに思います。
スクールバスの乗車時間も資料でもらいましたけれども、平均も最高も、長くもならないけれども、一貫して短くならないという状況ですね。
知的障害児学校と肢体不自由養護学校の重度と最重度の子どもたちの割合というのは、どれぐらいになっているのでしょう。
○比留間学務部長 平成十三年五月一日現在で、重度、最重度の子どもたちの在籍割合につきましては、知的障害養護学校が三五・〇%、肢体不自由養護学校が六七・五%でございます。
○大山委員 重度、最重度がふえているんだというのは、平成四年度で見ますと、知的障害の養護学校では二六・一%だったんですね。それが平成十四年度は三六・一%、それから肢体不自由の養護学校では、四年度は六五・四%だったけれども、十四年度は六九%になっているという状況です。
こうやって重度化もどんどん進んでいるわけですけれども、往復でスクールバスを見ますと、平均でも六十九分だとか六十五分だとかいうわけですから、往復だと二時間以上乗るわけですね。それから、最長なんていいますと、百五分ですから、二百十分ぐらいになるわけですね。三時間半という長い時間をバスの中に拘束しておかざるを得ない。それ自体、子どもの発達保障という面から見たら許されないことだというふうに思います。重度の子が自分で毎日毎日三時間半もスクールバスの中にいるんですよ。それで平気なんていう人はちょっと疑いますけれども、それは大変な負担になるわけですね。
例えば、新宿には区立の養護学校というのがあるんですけれども、区内ですから、そこだったら最高でも六十分以内に抑えようということで、何とかやるという状況なんですね。ですから、最重度の子どもたちが、近いからこそ訪問学級にもならずに学校に出てくることができているというのも事実なんです。やはり身近なところに養護学校があること、これが、一向に短くならない通学時間を短縮するいい道だというふうに思いますけれども、どうですか。
○比留間学務部長 通学時間の短縮につきましては、スクールバスの運行コースの見直しでございますとか、盲・聾・養護学校全体の通学区域あるいは配車計画の見直し等を検討する中で、さらに効果的に時間短縮を図ることができるように、努力と工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
○大山委員 今までも、そうやって努力されてきたわけですね。しかし、努力はされてきたけれども、平均も最高も一向に短くならない、これが事実なわけですよ。絶対的な距離が長いわけですから、限界があることは明らかですよね。そういうことがあるわけです。
ところで、新しいタイプの高校ということで、かなり立派な校舎の高校をつくり始めたのが平成十一年度以降ということになるわけですが、新しいタイプの高校と盲・聾・養護学校の教室がふえるような工事、大規模改修だとか改築ですか、それをそれぞれ十一年から十三年まで比較すると、どれぐらいになりますか。
○比留間学務部長 都立高校改革推進計画に基づきまして、新しいタイプの高等学校を設置しておりますけれども、その整備に要する経費でございますが、平成十一度から十三年度までの施設整備の合計額は、百三十六億三千七百万円余となっております。また、盲・聾・養護学校の増改築等に要しました経費は、同様に平成十一年度から十三年度までで、合計で九十四億五千万円でございます。
○大山委員 今、三年間で比較していただいたわけですけれども、結局、十一年から十三年までのスパンで見ると、高校改革というふうにいって進めているところには百三十六億三千七百万円を使い、また盲・聾・養護学校、これだけ教室が不足して、一つの部屋で食べる、学習する、出すということまでやっている状況、スクールバスの時間も短くならない、そういう本当に子どもの基本的な発達を保障することさえ大変な状況になっているところには九十四億五千万円。結局、財政難だといって、削減する、調整弁にするというのは障害児教育の部分だというふうに、この決算を見ていわざるを得ないと思います。
続いてですけれども、調理業務の委託について質問したいと思います。
障害児学校での給食ということですけれども、障害児学校の給食委託、民間委託をして六年ということですが、食事というのは、やはり安全でおいしくて安心して食べられる、これが大前提になるわけです。学校給食というのは、とりわけ役割が大きいと思うんですね。
学校給食は生きた教科書だというふうにいわれているわけですけれども、とりわけ障害児の学校では、食べる力を高めるとか、味覚の発達を促す役割を持っている、子どもたちの命と生きる力をはぐくむ教育の一環なんですということをおっしゃるわけですね。同時に、地場産業を育てて、安全で豊かな食文化を支えるという社会的な営みでもあるわけです。
この学校給食ですけれども、学校給食法ではその目標を何といっているでしょうか。
○比留間学務部長 学校給食の目標については、学校給食法の二条で、一つとして、日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養うこと、二つといたしまして、学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと、三つといたしまして、食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること、四つといたしまして、食糧の生産、配分及び消費について正しい理解に導くこと、というふうに定められております。
○大山委員 その目標を実現させるために、障害児学校の給食もある必要があるわけですね。
障害児学校の調理業務を委託するねらいは何ですか。
○比留間学務部長 都立の盲・聾・養護学校は、知的障害と病弱の養護学校でございますけれども、この調理業務を委託しているわけですが、これにつきましては、発達段階に応じた給食の提供、障害の状態に応じたきめ細かな給食の提供、生活実態に合わせた寄宿舎の食事時間の改善、こうした内容の充実を図ることとあわせまして、財政の効率化を図ることを目的といたしまして、平成八年度から七カ年計画で実施したものでございます。
○大山委員 給食内容の一層の充実と財政の効率化を図るためなんだという、この二つのねらいがあるというのは、どんな文書でも、教育庁が出されるときには書いてある文章ですね。
委託の現状がどうなっているのかということなんです。ある養護学校で昨年四月から委託が始まったわけですけれども、四月の給食開始日にチーフが休みなんです。サブチーフは既に退職をしてしまって、学校には全く連絡なし、こういう初日で始まったわけですけれども、このチーフとサブチーフの人たちというのは、パートさんたちに指示を出して調理していくわけですね。ですから、その指示を出すべき二人がいなかった初日、当然、給食時間は一時間十分もおくれてしまっていたんですね。
その後も、その日だけじゃなくて、時間のおくれや食器の汚れ、それから、茶わんと汁わんとテーブルに血液がついていたということもあったんです。指を切ったパートさんがそのまま調理の業務をやってしまった。これは本当に基本的なことだと思うんですけれども、そういうことなんです。
ショックだったのは、白衣のままトイレに入るということ、これは調理をする人の最も基本とする衛生管理の一つですよね、それが、注意されたけれども、一度ならずまた重ねてやるわけです。集団給食で、白衣を着て、白衣のままトイレに入るなんていうことは、基本中の基本、やっちゃいけないことですね。(「手も洗わないといけないしね」と呼ぶ者あり)手も、もちろん洗わなければいけない。床にこぼした油の掃除を、ホースを使って水まきしている。かまをあけたまま、めんにかけるつゆをつくっていて、ふたも閉めないで床の水がはね上がっていると。
九月に、もう四月じゃないですよ、九月にチーフとサブチーフ一人もしくは二人ともいない日が何日かあったりしながら、サブチーフとパートさんが退職してしまったということなんです。
こんなことは最初だけかなというふうに思ったんです。しかし、一年間を通じて余り事態は変わっていないわけですね。じゃ、学年末はどうかということで、一月は給食回数が十四回、そのうち、十回は時間がおくれて、形や色や味などがよくないときが六回、それから、白玉もちが生だったり、異物混入が、金たわしの破片が一回とか、配食忘れや間違いが六回、一回、衛生等の指摘事項が六回というように、これは三月になっても同じような状況なんです。学年末でもこの状態。
この業者だけなのかな、特定の業者だけなのかなというふうに思ったら、そうでもないという状況なんです。これは東京都立盲・ろう・養護学校の給食をよくする会連絡会という、現場の栄養士さんたちが中心になっている会が、給食調理業務委託六年を振り返ってということで、各学校にアンケートをしてまとめたものですが、最初のころのを見ますと、調理業務責任者と数人の調理員以外、衛生面に大きな不安があるとか、調理員の技術に差があるとか、提供時間におくれたとか、業務責任代理者退職だとか、衛生教育が非常に心配だとかいうことがたくさん書いてあるわけなんですね。
それで、どこにも書いてあることというのが、調理技術の未熟、衛生面での不安が、ほとんどのところで抱いているというのが書かれていますし、異物混入も後を絶たないということなんです。(「具体性がないよ。いつ、どこで、だれが、どうした」と呼ぶ者あり)それはありますからね。盲・ろう・養護学校の給食をよくする会連絡会ということで、調べたことも具体的にこの中にあるわけです。
そしたら、都教委が調理業務委託の履行状況を把握するために、学校給食会に委託して、二回巡回してもらったと思うんですけれども、その指導事項の主なものというのはどうなっていますか。
○比留間学務部長 昨年度、学校給食会に委託して行いました巡回指導では、年二回学校を訪問いたしまして、手洗い、服装、調理における衛生管理などについて、調理委託の履行状況を確認いたしますとともに、学校及び委託業者から意見聴取を行いまして、円滑な運営ができるよう指導助言をしたところでございます。
また、各学校の指導内容をまとめまして、年二回行います委託業者全体の連絡会におきまして、他校の状況も含めて、給食委託事業の適正な実施について周知徹底を図ったところでございます。
○大山委員 私は、指摘事項の主なものは何ですかという質問をしたわけですけれども、時間の関係もありますから、ここに、指導内容についてということでいただきました。
これ、具体的に項目が幾つあるかというと、四十二の項目があるんです。そのうち、両方とも、一回目も二回目も同じ指導に丸がついているのが二十五項目もあるわけですね。ですから、都教委が委託して調べた分も、それは服装のことだとか、手洗いは手順どおり励行することだとか、調理器具は下処理用と混同して使用しないことだとか、生もの、牛乳等は室温で放置せず、速やかに冷蔵庫等へ入れることだとか、非常に基本的なことなんですね。
都教委が委託して調べたことも、巡回指導したことも、それからこの会が行ったことも、ほとんど同じような状況なわけです。ですから、決して特定の事業者の問題でもないというふうにいえるんですね。
業務委託成績評価という報告が出ているわけですけれども、十二年度と十三年度の評価はどうなっていますか。
○比留間学務部長 東京都では、清掃、警備、給食調理、こうした業務委託契約につきまして、履行状況を把握して、受託業者の履行の是正並びに育成を図るため、平成十二、十三年度両年度で業務委託成績評定を試行いたしました。この試行の結果を踏まえて、評価方法などを改正した上で、本年度、平成十四年度から本格的な実施をしたところでございます。
ただいま、十二、十三年度の結果ということでございますが、給食調理業務委託についての平成十二年度の試行の評価の結果については、三十二校中、優良が四校、良好が九校、普通が十五校、やや不良が四校という内容でございます。
平成十三年度の試行の評価の結果でございますが、三十八校中、優良八校、良好十二校、普通九校、やや不良九校、こういう内容でございます。
○大山委員 優良というところも、もちろんあるわけです。しかし、やや不良というところが、十二年度では一二%、十三年度では二四%というこの率の高さ、約四分の一もの学校でやや不良になってしまっているわけですね。
結局、子どもたちにどういう影響が出ているかといえば、時間に間に合わなければ困るわけですから、栄養士さんは献立を落とさざるを得なかったというところもあったというんですね。例えば、四品目つくっていたんだけれども、それを三品目にするとか、手の込んだことはできなくなってしまうとか、めん類を出すところは、出すのがすごく構造的に時間がかかってしまうところは、子どもたちはめんが好きなんだけれども、献立から抜かざるを得なかったとか、そういう状況が起きているわけです。
どうしてこんなことが起きるのかということを、きちんとやらなければいけないんだと思うんですけれども、一つの業者だけでないということから見ても、構造的な欠陥が考えられるんじゃないかというふうに思います。
一つは、調理員が全員交代してしまうということがあるわけですね。三年ごとの契約更新、これは必ず全員がかわってしまうわけですね。それから、新規に委託するところも必ずかわるわけです。
三年ごとの契約更新のときだとか、業者が倒産してしまっただとかいうので、この六年間でかわったのは何校ありますか。
○比留間学務部長 盲・聾・養護学校の給食調理につきましては、平成八年度から委託を開始したわけでございますけれども、当初の二年間は単年度契約でございました。十年度から原則として複数年、これは三年でございますけれども、三年で契約を行うということで実施してございます。
平成八年度から十四年度までの総契約校数は、全体で八十三校でございますけれども、そのうち契約更新が四十二校、その中で業者変更があったのは十校でございます。
○大山委員 詳しく内訳もいただいたんですけれども、契約更新で八校、倒産してしまったところが二校ありますね。これらのときは、もちろん、必ず給食調理の従事者が全員入れかわるわけです。
障害児学校で提供する給食というのは、普通食はもちろんですけれども、皆さんご承知のとおり、そのほかにも、食べる機能の発達段階によって、離乳食のように、初期だとか、中期だとか、後期だとか、それから、アレルギーに対応した除去代替食だとか、腎臓病を持っている人もいるし、糖尿病を持っている人もいますから、治療食などもあって、大変複雑なわけですね。そういう複雑な中で、さらに、必ず決まった時間に提供する。もちろん、スクールバスの時間なんかもありますから、それは重要なことなんですね。
こうした作業内容や手順、子どもたちの食事上の配慮というのは、継承されていかなければいけない、これは必要なわけです。そんな中で、その学校の調理、子どもたちに熟知した調理員が、この十四年までの間に十校分も総入れかえになっているということなんですね。それは本当に危険な状態だというふうにいわざるを得ません。ある栄養士さんは、委託開始後数カ月は事故と紙一重の混乱が続いたというふうに、緊張した回答をさっきのアンケートに寄せています。
二つ目ですけれども、委託調理員が定着しないという問題です。平成十四年度まででいいんですけれども、交代した人数、調理責任者、副責任者、パート職員それぞれどうなっていますか。
○比留間学務部長 委託業者の調理従事者の変更につきましては、変更の都度、学校に変更届けが出されるという仕組みになっております。
変更の理由については、事業者の人事異動でございますとか、職員の退職、病気休業、休暇による欠員の補充、さまざまな理由があるわけでございますけれども、平成十三年度で申し上げますと、全体で三十九校九舎、委託の学校、寄宿舎がございますけれども、百十八人の変更の届け出がございました。
○大山委員 十三年度だけの数字でも、百十八人もの方が交代しているんですね。
さっきのアンケートは、八年度から交代した人数を集約しています。それは、八年度は五人、九年度は四十五人、十年度六十人というように年々ふえて、十二年度までの合計が二百七十八人ですから、百十八人と合わせると三百九十六人ですか、大変な数になると。とりわけ調理業務責任者、さっきから出ているチーフさんということですね、その方たちが、合わせると五十一人交代しているんです。それで、正規社員の交代が百四人なんですね。学校数を上回って、平均すれば一年たたずに責任者が交代してしまっているということ、これはまさに異常事態だといえると思うんです。
責任者が交代するということは、責任者というのは調理の段取りをとったり、パート職員を指導したり、それから、揚げ物、焼き物、煮物などの加熱を伴う調理をすることができる調理員が交代してしまうということですから、調理業務に大きな影響が出てきます。
その原因として考えられることは、正規、パートとも待遇が悪いので、退職、転職が多いということが一つです。
それをあらわしているというような状況では、資料の二三ページを見ていただきますと、都立盲・聾・養護学校調理業務委託費学校別一覧というのに出ています。例えば、正規の職員を一人一年間で七百万なら七百万かかるとしても、葛飾盲学校でも二人。三人は雇用できませんね。八王子養護学校も二人ぐらいがぎりぎりというような、こういう委託経費が並んでいるわけです。
賃金抑制と、さらには、熟練したけれども評価しないで賃金を抑制しているんだということ、それから長時間労働の押しつけや--時間に間に合わなければだめということがありますから、チーフとサブチーフは六時だとか六時半に出勤してやっているところもあるという状況ですね。だから、本当に疲れ切ってしまっている人たちもいるわけです。
さらに、業者が頻繁にほかの受託現場に転勤させるところもあるんですね。調理ができるようになると、病院などの大きな施設に行ってしまうというところもあります。学校給食が軽んじられているという状況です。
三つ目ですけれども、不十分な調理管理体制ということです。直営の時代には、さっきからいっています異物混入などはほとんどなかったことですけれども、委託後は後を絶たないということです。報告があるのは、事前に発見して除去できるものです。しかし、子どもたちが直接口にするものだけに、重大な問題なわけですね。
栄養士さんは、委託業者の調理員さんを直接指導できるんですか。
○比留間学務部長 都立学校の給食調理は請負契約でございまして、契約書により委託の内容を明確にいたしますとともに、日々の業務については指示書等により行うこととされ、学校の職員が受託側の調理員に直接指揮監督することはできないというふうになっております。
都立学校の調理作業につきましては、栄養士の作成する指示書等に基づき行っておりまして、あわせて献立の内容や作業工程等を詳しく打ち合わせを行うなど、委託業者に対する指導は事前に十分に行われているというふうに考えております。
○大山委員 直接指導はできないということなんです。
それで、直営のときには、給食委員会、調理員さんも栄養士さんも教師も参加して、話し合いができて、打ち合わせをして、栄養士と調理員全員でやれたわけですね。栄養士さんはいつでも調理室にも入れました。子どもたちにも、調理員さんも声をかけたり、それから、どういう食べぐあいだとかいうのを見ることもできたわけです。
しかし、委託の場合は、今ご答弁がありましたように、打ち合わせは栄養士さんと調理員のチーフだけですね。栄養士さんは、中間検査のときだけ調理室には入れますけれども、それ以外は入れない。だからこそ、業者がチーフの派遣を怠ったり、調理員の研修や衛生教育に無責任といったことが、調理員の未熟練と相まって、結果、異物混入が多発しているんじゃないでしょうか。
来年度、肢体不自由養護学校にまで委託を拡大するというふうにしています。十月四日付の肢体不自由養護学校の調理業務委託の実施についてという文書には、これまでの調理業務委託の成果を踏まえてというふうにあるわけですけれども、その成果というのは一体何なんですか。
○比留間学務部長 現在、これまで行ってまいりました委託の成果については取りまとめを行っているところでございますけれども、現時点までで、ある程度まとめた内容で申し上げますと、委託の前後で比較いたしますと、発達段階に応じた給食の提供が図られている、きめ細かな給食の提供が図られている、寄宿舎の食事の時間について生活実態に合わせたものになってきている、こういったような改善充実が図られているというふうに考えております。
さらに、米飯給食の回数をふやすことができた。それから、別調理、これは養護学校の特別な内容でございますけれども、障害の程度に合わせた別調理ができるようになった。また、セレクト給食、バイキング給食ができるようになった。こういった、委託実施校から具体的な声もいただいておりまして、委託の効果は十分上がっているというふうに考えております。
なお、保護者からも、衛生管理、児童生徒への接し方など十分配慮されているという声もいただいているところでございます。
○大山委員 きちんと総括もしているんですか。そして、一校だけのことじゃない、構造的な問題なんだというのを、事実を示して今いってきたわけですよね。それが総括もしないで、問題も見ようとしない、これは非常に問題ですよ。
今やらなければならないことは、実施したことへのきちんとした総括だというふうに思います。それもしないで、財政効率化だということで、障害児の重度化が進む中で、さらに調理に対して配慮が必要な、食べさせ方にも配慮が必要な、命と直結するわけですよね、肢体不自由養護学校といったら。そういうところへの委託の拡大を急ぐことじゃなくて、今私が質疑の中で指摘したような問題、委託の構造的な問題をきちんと総括することが必要だと思います。
思い余って現場の栄養士さんが都教委にですか、お手紙を書きましたよね。給食の調理委託は、清掃委託と違ってやり直しができません。時間におくれたり、でき上がり品が焦げていたり、生だったり、まずかったり、塩が固まっていたり、異物混入などがあっても、給食時間には子どもたちが待っています、これなんですよね。清掃委託だとかというんだったら、でき上がりが悪ければ、やり直しをすればいいわけです。食事はそうはいかないわけですね。
業務委託の最低限の約束、それは成果物が仕様書どおりであることと時間におくれないこと、この二つだけをとってもできていないという状況があるわけですから、この委託の事業の総括をきちんと行って、障害児学校の給食調理業務委託について抜本的に見直す必要があるということを指摘して、次の質問に移ります。
次ですけれども、都立高校の問題です。さっきもいいましたコース制の高校だとか、都立高校改革推進計画策定前にも、新しいタイプの学校、そして一次の実施計画、二次の実施計画ということで、資料にも、年表にしてください、よくわからないのでといったんですけれども、これだけたくさん変化していれば、短時間では作業ができないだろうというふうに思いましたので、九ページからの、コース制高校以降の資料でいいですということになりました。
それにしても、昭和六十三年度から八王子高陵高校のコース制が始まって、元年には赤城台高校が募集停止、国際高校が開校、二年度は田柄、松が谷の二つの高校がコース制になって、三年度は定時制単位制の山吹高校が開校というように、今年度まで見てみますと、募集停止や新しいタイプの高校に統廃合されるということで、都立高校で何か変わらない年がないというような状況が続いています。
ところで、これだけいろいろなことをやっているわけですが、制度を変えたことに関しての評価などは、その都度やっているのかということなんです。例えば、昭和六十三年度から始めたコース制、短いところですと、七、八年たつと廃止だとか、中高一貫教育校にするとか、単位制にするとかということが並んでいるわけですね。これはどういうことなのかということなんです。短い間に新しくつくったものをさらに変えてしまうということですけれども、これはどういう意図なんでしょう。
○比留間学務部長 コース制についてでございますが、コース制については、生徒一人一人の個性の伸長や、高校の個性化、特色化などを図るため、昭和六十三年度から導入し、成果を上げてきたというふうに考えております。
ただ、導入後、一定期間が現在経過いたしまして、この間、新しいタイプの学校の設置が進む、あるいは本年度、学区制の廃止を行う、こういったことでコース制に関する環境は大きく変化をしてございます。
コース制を導入している学校でございますけれども、その学校側の意見として、継続を望む声が多いということがございますが、一方で、生徒、保護者の国公立大学志向の進学希望の高まりにこたえたいという学校もございまして、来年度は、この学校の要望も受けまして、小松川高校につきましてはコース制を廃止するということにしたところでございます。
教育委員会といたしましては、今後も引き続き、都立高校を取り巻く環境の変化に対応するため、コース制について、そのあり方を検討していく考えでございます。
○大山委員 教育ですから、五年や六年や七年や八年でどうだったのかという結果が出るというようなことは、そう簡単なことではないというふうに思うんです、子どもたちが成長してどうだったのかということを含めてですからね。そうはいっても、十五校中六校が、廃校もしくは単位制や中高一貫校にさらに変えられていくということなんですね。
それで、いろいろ都民の要望だとかということを挙げられましたけれども、例えば、東京都公立高等学校PTA連合会が十四年の六月に発表していますけれども、これは十一年に四千人近い保護者の方に回答をいただいているんです。四千人の規模ですから、なかなかすばらしい数だと思うんですけれども、その中で、もう一度入学させるならどういう高校がいいですかと、普通科や商業高校、国際高校、芸術高校だとか、いろいろ全部ここに載っているものが書いてあるわけですけれども、その中で一番高いのは、普通科の三八%なんですね。ですから、今、公立高校に行っている親御さんたちは、新しいタイプの学校ではなくて、今の普通高校、専門高校の充実を望んでいる。それがどれくらいの割合かというと、五二・六%あるんだということなんですよ。(「仮定の質問をしちゃだめだよ。やり直すなら、でしょう」と呼ぶ者あり)仮定じゃないですよ。
ということですから、コース制の高校と、高校改革計画含めた--このアンケートは、今実際に行っている子どもたちを持つお父さん、お母さんたちが、どういう高校がいいですかというふうに聞かれたわけですから、自分の子どもの行っている高校もわかる、そういうお母さんたち、お父さんたちが答えたところが、普通科は三八%、そして、今の普通科や職業科の充実は五二・六%の人が望んでいることなんだということは明らかなんですね。
コース制の高校は、入るときから何コースっていうふうに分かれるわけですよね。そのコース制の高校と高校改革計画を含めた新しいタイプの高校の関係というのはどうなるんでしょう。
○比留間学務部長 先ほどご答弁申し上げましたけれども、コース制の高校につきましては、昭和六十三年度からスタートいたしまして、以後、順次、コース制の学校をふやしてきたわけでございますけれども、その後、少子化に伴う生徒数の減、生徒の多様化、こういった状況に対応して都立高校改革を進めていくという中で、必要な学校につきましては、さらに充実、発展を図る観点からも、新しいタイプの高校に改編をしていく、こういう計画を進めてきているところでございます。
○大山委員 高校に入学するときにそれぞれのコースを選ぶコース制が、うまくいかなかったわけですけれども、さっきのアンケートにもありますように、中学生の段階で、自分は何をしたいとか、何に向いているということがわかる子というのは、発達段階からいっても余りいないと思うんですね。少ないと思うんですよ。
だからこそ、普通科で高校生の時期にじっくりみずからを見詰めることも含めて力をつけていくこと、そういった意味でも、高校入学の段階で振り分けるんじゃなくて、高校に入ってからじっくり考えることができる仕組みが求められているんだというふうに思うんですね。だからこそ、新しく始めたコース制の高校が、数年でまた変わらざるを得ないという事態になっているんだと思うんです。
ところで、第二次計画にあります小石川工業高校は、私の地元新宿にある高校です。同窓会の方々も、守る会の方々も、統廃合には納得がいかない、廃校するのは納得がいかないといっている高校ですね。この高校の廃止になる理由は何でしたか。
○山際都立高校改革推進担当部長 小石川工業高校の統合につきましては、生徒の減少に対応しまして、工業高校の適正配置を進めるというふうな観点で、その対象にしたわけでございますが、その理由につきましては、都市計画道路が通ることが予定されまして、計画が実施されると教育環境が制約されること、あるいは中途退学者が多く、改善が必要な学校であること、さらには、継続的に二次募集が続いていること、校舎が老朽化しており、改築の必要がある、そのようなことを総合的に判断いたしまして、改革対象校として選定したものでございます。
○大山委員 都市計画道路が通ることによって大幅に教育環境が変わるんだというようなことを、まず最初にいわれたわけですけれども、地理的なことだとか、小石川工業高校の歴史の重さと、生徒たちの実践や就職率一〇〇%の実績などについては、文教委員会で我が党の曽根委員が詳しく質疑していますから、もう触れませんけれども、都立高校のいまを考える全都連絡会が主催した都立高校改革シンポジウム、これは教育庁の皆さんも参加されている集会ですが、その会場発言の中で、小石川工業高校を守る会の方が、山際部長さんに、同窓会の人が総合芸術高校が小石川工業の跡地に移転される計画だということを聞いている、それはどうなんだというふうに質問をされたわけですけれども、時間がなくて答えはなかったということなんです。それはそういうことになっているんですか。
○山際都立高校改革推進担当部長 ただいま質問の、都立高校のいまを考える全都連絡会が九月一日に開催されまして、その中で参加者から、今大山副委員長がおっしゃったような発言があったこと、これは事実でございますが、東京都教育委員会としては、それに対して具体的な話は発言をいたしておりません。
○大山委員 発言されていないわけですね。それで、六月に発表した新配置計画では、今目黒にあります芸術高校は総合芸術高校になるんだ、移転をするということまでは書いてありますけれども、移転先は検討中だというふうに書かれているわけですね。そうすると、その移転先というのは、いつ発表して、いつ決めるんですか。
○山際都立高校改革推進担当部長 現在の芸術高校については、これは目黒区にあるわけでございますが、敷地が約五千平米と非常に狭隘でございまして、総合芸術高校に改編する際には、新しい場所に移転することを含めて、教育条件の整備を行うことが必要であるというふうに考えております。
総合芸術高校の設置場所につきましては、新たな実施計画において明らかにしていきたい、かように考えております。
○大山委員 新たな実施計画は、いつ提案されて、どういうふうに決定されるんですか。
○山際都立高校改革推進担当部長 既に新配置計画案については九月二十六日に発表しておるところでございますが、新しい実施計画については十月に決定する予定でございます。
○大山委員 十月何日に発表するんですか。それで、決定するのはいつですか。時間がかかりますから、質問したことにきちんと答えてください。
○山際都立高校改革推進担当部長 新配置計画案及びそれを含む新実施計画案については、東京都教育委員会が決定する事項でございまして、十月の第二回の教育委員会で決定をする予定でございます。
○大山委員 十月の第二回の教育委員会で、その中身を発表して、その場で決定するということなんですか。そして、日にちは、第二回というのは十月二十四日でいいんでしょうか。
○山際都立高校改革推進担当部長 通例、教育委員会は第二木曜日、第四木曜日ということになっておりまして、予定では十月二十四日になろうかと思います。その時点で、教育委員会として決定をしまして関係者の方に明らかにする、そのような段取りで進めていく予定でございます。
○大山委員 十月二十四日に決定すると決めているのにというか、そういう段取りにしたいというふうに思っているにもかかわらず、いまだに、ごく一部の人にはいったけれども、公表もしないということなんでしょうか。それは公表しないで、そのまま当日発表して、当日決めるということなんですか。
○山際都立高校改革推進担当部長 先ほど申し上げました総合芸術高校については、現在の芸術高校が非常に狭隘である、そして総合芸術高校に改編する際には、新たな場所に移転することも含めて教育条件を整備することが必要である。移転先につきましては、現在検討中でございまして、その検討結果を踏まえて、十月二十四日、それを決定し、都民の前に明らかにしたい、かように考えております。
○大山委員 その移転先が、都立高校のいまを考える全都連絡会のシンポジウムのときに、小石川工業の跡地なんですかというふうに質問されて、それにも答えない。そして、十月二十四日には、その日に提案をして、その日に決める、こんな乱暴なことがありますか。みんな心配しているわけですよね。
しかも、仮に小石川工業の跡地に総合芸術高校を持ってくるなんていうこと、そういう提案をしたならば、さっきいっていた、都市計画道路によって校地面積が非常に狭くなって、教育環境が悪くなるんだ、だから小石川工業はここでは存続できないんだ、そういって廃止をしますといっておきながら、そこに、今の芸術高校よりも、より規模の大きくなった総合芸術高校を持ってきますと。全く自分たちがいっていた理屈とも合わなくなりますし、しかも、都民の皆さんが本当に心配している移転だとか、そういう状況を事前に発表もしないで即日で決めてしまう、そんなやり方はひど過ぎるというふうに思います。(「共産党だって、中央委員会で決める前は何も発表しないじゃないの」と呼ぶ者あり)論議を積み重ねるんです。
ということですから、そういうやり方というのは、してはいけないことだというふうに思います。きちんと決まっているんだったら、今いうべきだし、そういうことも小石川工業の跡地への移転も含めて検討しているんですか、ちょっとそれを答えてください。
○山際都立高校改革推進担当部長 先ほど来からお話を申し上げておりますが、総合芸術高校の移転は必要であるというふうにとらえ、現在、その移転先について検討をしているところでございます。
移転先につきましては、さまざまに内部的に論議を重ねているところでございますが、その対象につきましては、統合により閉校となる校地の活用を軸に検討を進めているところでございます。
○大山委員 小石川工業の廃止の理由、廃校の理由と全く整合性がなくなるような、もしも提案をするというならば、都民の批判というのは非常に大きくなるというふうに思います。
最後にですけれども、町田の教研集会のことが話題になったわけです。ですから、そのことですけれども、まずいっておきたいのは、この問題は町田市教育委員会の問題なんだということです。したがって、町田市の教育委員会が自主的に解決すること、解決するべきものだということをいっておきます。
さらに、話を伺っていますと、教研集会が正しく理解されていない、このように思いましたので、幾つか質疑をしたいと思います。
私、子どもたちの育つ環境の荒廃が進んでいるだけに、自主的な研修は重要だし、ますます必要になってきていると思います。また、自主的な研究についてですけれども、公の評価といいますか、札幌高等裁判所の判例では、教師にとっての研究と修養は、教師たる資格を具備するための必要不可欠の要件といわなければならず、その自由と自主性は尊重されなければならないというふうになっています。
教師の研修は、子どもたちに対する義務です。だからこそ、その責任を果たすために、教職員の自主的研修は大切にされるべきだというふうに思いますけれども、都教委は教員の自主的な研修をどう位置づけているんですか。
○坂口委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕
○坂口委員長 速記再開。
○臼井人事部長 教員の自主研修の意義、役割についての点でございますけれども、教育公務員特例法十九条一項に「教育公務員は、その職責を遂行するため、絶えず研究と修養に努めなければならない」、このように定められておりまして、教員は絶えず自主的な研修に努める必要がある、このようにいわれております。
その意味におきまして、自主研修は教員にとって重要なものであるとの認識は、都教委としても持っております。だからこそ、各教員はその意義を十分に自覚いたしまして、都民の誤解を招くことがないようにすることが肝要かというふうに考えておりまして、特に勤務時間内における自主研修につきましては、不適正な行動をとるようなことがないよう、東京都教育委員会としても厳正に対応しているところでございます。
○大山委員 重要だという認識だということですね。
教研集会は全国で開かれているわけです。各地域でも開かれている、教職員だとか、父母だとか、市民も自由に参加できる教育研究と交流の集会なわけですね。
今回の町田の教研集会はどうだったかということですけれども、私、参加した方にも聞いてみました。五百人もの方々が参加して、そのうち、五十人の市民が参加してくれたそうなんです。
学校のそれぞれの分科会をやっているところで、あちらで拍手が出てきたり、こっちでは笑い声が聞こえたりということで集会が開かれたわけですけれども、例えば小学校の教職員で参加した方、少年「非行に向きあう」というところの分科会に参加された方は、母親の報告に心を打たれました、希望を持てない子どもたち(大人も)であるから、非行に走るのではないだろうか、今後も常に自信を持てるような子に育てたいと考えていますと。
父母で、小学生のお子さんを持つお母さんですが、子どもの体と心の危機という分科会に参加された方は、これまでも父母の立場で何度も参加させていただき、子どものことを考えるよい機会をいただいていますというような感想があったり、それこそお父さん、お母さん、それから教師の方、それからPTAの会長さんも、有意義な会でした、保護者にとっても大事な内容です、先生方のご努力の姿を身近なところで知れたらと思います、同じようなことを各学校ごとにできないかと思いますというふうに、参加した感想文も見てみたんですけれども、五百人もの方々が参加をして、成功したということがうかがえると思うんですね。
こうやって教職員が自主的に研修することは、子どもにとっても、それから学校にとっても有意義なことなんです。だからこそ、都教委も教研集会を承認研修としてきたんじゃないんでしょうか。
しかし、都教委は、ことしの六月、都立学校に対して、教研集会については承認研修の取り扱いを認めないという通知を出したわけですけれども、なぜこのような通知を出したんですか。
○臼井人事部長 教研集会は、職員団体の主催により実施するものと理解しております。勤務時間内の職員団体の活動の見直しを迫られている現状におきまして、たとえ研修という名称であっても、教研集会は職員団体活動であることに変わりはございません。勤務時間中に給与を受けながら実施することは不適当と判断いたしまして、研修の取り扱いを認めないことにいたしました。
○大山委員 教育公務員特例法、これが基本ですよね。この二十条二項では、教員は授業に支障のない限り、本属長--学校だったら校長先生ですね--の承認を受け、勤務場所を離れて研修を行うことができるというふうになっています。これを受けて都教委は、場所、時間等公務に支障がなく、内容が研修に値するならば、校長が承認して差し支えないものというふうにしてきました。
さらに、東京都教職員組合との間で、一、教育特例法十九条、二十条に基づき、校長、教育委員会は、研修を積極的に行う努力をするべきである。二、研修は自主的、自発的に行うべきである。三、研修は、教職員の職責を遂行する内容のものであるならば、主催者によって選別するものではない。これが、都教委と東京都教職員組合との間で合意をしてきた内容なわけですね。
ですから、さっきから、都教委が指導しろだとかという発言がありましたけれども、指導することによって、区市町村の教育委員会に対して明らかに大きな圧力を与えている、影響を与えている。問題なのは都教委の姿勢だというふうに思います。
今述べました、この六月に出した通知というのは、教育公務員特例法にも、みずから確認したことからも逸脱しているといわざるを得ません。
こんなに父母にも公開されて、都民のだれもが参加できる研修を都教委はやっていますか。今、学校は多くの問題に直面しています。だからこそ、教職員や行政担当者だけでなくて、子どもを中心にして、父母、市民、地域の皆さんと手をつないで、意見を交流し合い、行動することが求められているんじゃないでしょうか。
子どもたちの豊かな成長、発達を保障するために、自主的な研修、研究活動はなくてはならないものなんです。それに対して不当な圧力をかけることは許されないことだという意見を述べます。
最後に、ながら条例のことですけれども、これは労使間の合意で進めるべきものであります。必要な改善点があるなら、労使で話し合って合意して決めることだということを述べておきます。
さて、日本共産党の先兵として活動している全教などという発言が、先ほど古賀議員からありましたけれども、いつも新聞「赤旗」をよく読んでいただいているようですけれども、基本的な認識が非常に誤っているというふうに思っています。
日本共産党の方針は一貫しているわけです。労働組合と、日本共産党、政党というのは、それぞれもちろん別の組織でありまして、一党支持を強要する、それは絶対あってはならないということを一貫して主張し、そして実践してきました。ですから、労働者を先兵とするような方針とは全く無縁です。
昔、社会党が一党支持というのはありましたけれども、そういう場合は、先兵としてというふうにいってもいいですよ。しかし、日本共産党は、労働組合と政党の活動、そして一人一人の思想信条の自由を保障する、これは当たり前のことなんです。ですから、非常によく読んでいただいている割には認識がどうなのかということで、こういう発言をするということは、日本共産党にとっても、それから全教にも失礼だというふうにいわざるを得ないということを発言して、終わります。
○執印委員 それでは、質問をさせていただきます。
まず、執行率が低いもののうちで、特に低いのが学校給食の管理運営費で、これが二五・一%となっておりますが、その事業内容と執行率が低かった理由をお聞かせください。
○比留間学務部長 学校給食用牛乳の供給事業でございますけれども、十三年度の決算におきまして、予算額二億五千四百万に対して、執行額六千四百万余ということで、執行率が低かったわけでございますが、これにつきましては、これは補助事業でございまして、事業の内容を従来の補助事業の内容からかなり大幅に変えたということが一点ございます。それから、啓発用事業で牧場乳業ふれあい支援事業という事業がございますけれども、これについての執行率が悪かったという、この二点が挙げられようかと思っております。
○執印委員 学校給食の管理運営費と学校給食用牛乳の供給ですね。
それで、今、内容についてはお話しいただいたわけですが、執行率が低かった理由は何だったのか、お聞かせください。
○比留間学務部長 この学校給食用牛乳供給事業の中に、牧場乳業ふれあい支援事業というのがございますけれども、これは農林水産省の国内畜産業の振興を目的とする学校給食用牛乳供給事業の一つでありまして、児童生徒に対し、地域の酪農乳業に対する知識を深め、理解を促進することをねらいといたしまして、平成十二年度から開始されたものでございます。
この事業の内容は、児童生徒が牧場等に行き、酪農の現場で見る、聞く、触れるなどの体験をする教育を実施する場合、国が経費の二分の一以内の助成を行うというものでございますが、これは十三年度に執行がございませんでした。
この理由といたしましては、この支援事業が開始されたのが平成十二年度半ばからでございますけれども、実施方針や実施方法などについての決定がおくれまして、学校への周知が難しかったということが一点でございます。
二点目として、この事業につきましては、日帰りの行事に限定をされておりまして、東京のような大都市で近郊に酪農の牧場等が少ない地域では、実施に制約が多いということがございます。
それから、この事業が実施された当時、BSE、牛海綿状脳症の発生と時期が重なりまして、タイミングが余りよくなかったということと、この補助金については、乳業メーカーが構成する東京学乳協議会を通じて学校に交付されるということで、学校にとって若干わかりにくい方式であったということが挙げられるというふうに考えております。
○執印委員 内容と執行率が悪かった理由がよくわかったわけですけれども、私は、この事業は、生き物と触れる機会の少ない東京の子どもにとっては大変いい施策だというふうに、まずは執行率の低さからこの事業に入っていったわけですけれども、考えたわけなんですね。
それで、十四年度の予算も示していただきまして、前年度五八%の計上となっておりますので、前年度実績を見て予算を立てるとなれば、当然の部分もあるかとは思うんですけれども、児童生徒と畜産業をつなぐ大変いい機会になると思います。
わかりにくさがあるとか、日帰り限定だとかということもあるようですし、都内で畜産をしているところは少なくなってきているということもあるんだと思います。また、市区町村の教育委員会がこれをどう受けとめていくかということもあると思いますが、私の住んでいる地域にも一軒だけ酪農家がございまして、小学生の見学を受け入れているんですが、ただ牛を見るだけではなくて、例えば牛が幾つおっぱいがあるかということもわからない子どもも今ふえておりますし、それから、牛は角があることになっているんですけれども、今、角の部分は、角があると乱暴になるものですから、焼いてしまうとかということもあって、そんなこともいろいろ含めて、一日どれぐらい牛乳の量を出すんだとかというところから始まって、人と牛と一緒に暮らしていくということの大切さ、つまり、命の大切さを子どもたちに伝えているんですね。
そんな話を聞くと、そういう機会を持った子どもたちというのは、今、東京に育つ中で非常に幸せだなというふうに感じるわけです。今後とも、いろいろやりにくさがあるようですけれども、ぜひ継続していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○比留間学務部長 牧場乳業ふれあい支援事業につきましては、先ほど国庫補助事業ということで申し上げましたけれども、現在、農林水産省におきまして、この学校給食用牛乳供給事業について、生産者や乳業関係者、学校給食関係者、自治体関係者による意見交換会を設けまして、地域の特性や自主性を重視した補助事業となるように見直しを行っているというふうに聞いております。
この牧場乳業ふれあい支援事業については、国は、補助方式を変更した上で存続させる方向で検討しているというふうに聞いておりまして、東京都教育委員会といたしましては、この国の検討経過を見ながら対応していきたいと考えております。
○執印委員 例えば、総合学習などの時間に行くのもいいと思いますし、伺うところによると、どの時間を使って出かけてもいいというようなことになっているそうですから、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。次はスクールバスの問題なんですが、都立の盲・聾・養護学校の通学用のスクールバスの運行についての契約は、競争契約というふうに聞いておりますが、具体的にはどういう手順で行われ、業者を決定する際にはどのようなメンバーがかかわるのか、その際、保護者や児童生徒の意見や希望は反映されているのかどうか、お伺いいたします。
○比留間学務部長 都立の盲・聾・養護学校のスクールバスの運行についてでございますけれども、毎年度、各学校で、校内のスクールバス委員会等において、通学区域内を効率的に運行できますよう、それから、児童生徒の障害や家庭の状況、道路、交通事情等を踏まえるとともに、必要に応じて実際に試乗を行った上で、慎重にコースを学校で決定しているところでございます。
保護者や生徒児童の要望につきましては、学校では日常の教育活動の中で、こうした点についてはきちんと把握しておりまして、それらを踏まえて、この検討を行っているところでございます。
各学校では、さらに、コースを設定した後、複数の事業者を選定いたしまして、コース別に見積書を徴し、最も金額の低い事業者と契約を締結する、こういう方式をとってございます。
○執印委員 それでは、スクールバスの契約は一ルートごとの契約というふうに伺っておりますが、平均の契約額と最低、最高額はどれだけになるのか、お伺いいたします。
○比留間学務部長 スクールバスの契約金額でございますけれども、これにつきましては、リフトつきバスあるいは観光バスの違い、中型車や大型車といったバスの大きさの違い、運行時間等によって異なっておりまして、一概に比較することはできません。
ただいま申し上げたことを前提とした上で、平成十四年度の契約の実績について申し上げますと、平均契約額は約一千三百万円、最高契約額は、運行時間七十二分の大型でリフトつきのバスで約二千万円、最低契約額は、運行時間六十三分の中型でリフトつきバスの約六百万円でございます。
○執印委員 それぞれのコースによって、それから使用するものによって決められているということだと思いますが、見積価格ですとか、事業者の決定が適正かどうかのチェックというのは、だれがどのように行っているのでしょうか。
○比留間学務部長 チェックについてでございますけれども、スクールバスの見積価格につきましては、準備契約に先立ちまして、毎年一月から二月にかけて、各学校の見積額を教育庁において調査、精査してございます。さらに、契約結果につきまして、同様に、四月に各学校から報告書を徴しまして、契約金額、事業者について把握、チェックをしているところでございます。
また、各学校におきましては、見積価格、事業者等、契約内容や履行の確保のチェックに関しまして、契約事務の手続に従いまして、事務担当者の履行内容の確認と学校長の確認を行っているところでございます。
○執印委員 きょうも実は保護者の方がお見えになりまして、いろいろなお話も伺ったわけですが、スクールバスの運行事業者には、契約の際に、運転手や、乗車、下車の際などに介助に当たる職員及び乗務員に対する研修や講習の実施を義務づけることなどが、仕様書には明記はされているようですけれども、安全、安心に通学できるような配慮はどのようにされているのでしょうか。
○比留間学務部長 スクールバスの運行契約を締結した場合、年度当初に学校が開催する連絡会におきまして、乗務員に児童生徒の状況について周知を図り、個別の児童生徒への対応や留意事項について理解を深めるとともに、乗務員と担当教員が日々の児童生徒の状況を定期的に情報交換する中で、運行上の安全の確保に努めているところでございます。
○執印委員 ぜひ、必ずきちんとやっているんだということの把握を、教育委員会としてしていただきたいというふうに思います。
それから、一人一人の障害の程度ですとか、種類が違う児童生徒の個性に応じて対応するためには、かなりの専門的な知識や経験が必要だと思います。例えば、添乗する方については、その委託した会社が雇われるんだと思いますが、講習の内容とか実施状況についても把握をして、必要に応じて改善指導していくべきだと思いますし、きめ細かな配慮をするということを、東京都の教育委員会から業者に向けて上手に伝えていくことが必要だと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
○比留間学務部長 本来、運行上の安全管理につきましては、運行事業者が行うことでございまして、盲・聾・養護学校の障害種別の特性も踏まえまして、必要な知識習得の機会を設けるべきものだろうというふうに考えております。
それぞれの学校におきましては、講習会等を実施することは重要というふうに考えておりまして、講習会等の実施状況につきましては、毎年、各学校からのヒアリングを通じて把握するところでございますけれども、今後、さらに必要に応じて指導助言を行って、安全な運行の確保に努めていきたいと考えております。
○執印委員 ぜひ十分に対応をお願いしたいと思います。
それから、子どもたちが乗っている平均の時間ですけれども、先ほども質疑がありましたが、平均の運行時間は六十五分で、最長の乗車時間が百五分だと。一日、本当に三時間乗っているわけですから、毎日の通学の際に、長時間閉鎖的な空間の中に置かれるということにもなりまして、子どもにとっては、ほかの子と一緒で、もしかしたらその時間も楽しいという子もいるかもしれませんけれども、大人でも、途中間があいても、一日三時間バスに乗っていることを考えますと、苦痛が伴うというふうに判断する方が適当だろうと思います。
例えば、一定の契約額の中で、多様な運行ルートや車両の形態というのを組み合わせることなどによって、費用の問題というのはあるわけですけれども、これまでの見積もりのあり方にとらわれない柔軟な方法というのをを取り入れていくことも考えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○比留間学務部長 スクールバスにつきましては、これまでも必要な台数の配車に努めてきたところでございますけれども、あわせて、運行コースや配車計画の見直しにより、長時間乗車の解消を図ってきたところでございます。
今後とも、契約における透明性、公平性、履行の確保などの点に留意しながら、効果的に時間短縮を図ることができるよう、運行コースの見直しなどを工夫していきたいというふうに考えております。
○執印委員 バスの長時間化というのが、先ほど大人が考えても苦しいだろうというふうに申し上げたんですけれども、保護者の方から、長時間化になると、障害があるお子さんが、せっかくトイレの排せつが可能になったとしても、長時間乗車をしていることによって失敗をしてしまう子どももいるということなんですね。
排せつのしつけというんですか、子どもに教えるということは、経験した者でないとわからないんですけれども、なかなか大変なことなんですよね。一度成功したら、そのチャンスをまたうまくつくっていきながら身につけさせるということが、どうしても必要になってきますので、きょうは書いたものをいただいたわけですけれども、本当に私自身も身につまされる思いがいたしました。だから、そういうことも含めて、長時間のコースというのは、そういう意味の人権から見ても考え直さなければいけないことだというふうに思います。
今、東京都はNPOとの協働の指針なども出しておりますので、例えばNPOが入札に参加できる条件整備を、これは教育庁だけでは無理だと思いますが、他の部署とも調整しながら進めて、一人一人の子どもの状況に合わせて、子どもの成長を応援するという、そういう視点に立ってスクールバスの運行をしていただきたいことをお願いして、次の質問に移ります。
次に、いじめについても出していただきましたが、福祉局で平成十年度から子どもの権利擁護委員会が試行されておりますが、この間、東京都の教育委員会が子どもの権利擁護委員会から対応を依頼された相談の中で、いじめなど主な内容別の相談件数を伺います。
○近藤指導部長 都教育委員会が子どもの権利擁護委員会から対応を依頼された相談の件数は、平成十二年度、いじめについては四件、体罰については二件、教員または学校の対応や指導については四件でございます。また、平成十三年度は、いじめについては一件、教員の対応については一件の依頼がございました。
○執印委員 これが、いろいろお話を伺いますと、局間の壁といいますか、どうしてもあるようでございまして、いろいろ難しいこともあったというふうにお話は伺っておりますが、こういった問題が権利擁護委員会からあったときに、東京都の教育委員会は、区市町村の教育委員会とはどのように連携を図られたのでしょうか。
○近藤指導部長 子どもの権利擁護委員会から依頼されたいじめなどについての相談の対応は、都教育委員会が、当該の区市町村教育委員会に対し、速やかに内容や事実の確認を行い、いじめなどの解決に向けて積極的に指導助言を行っております。
○執印委員 平成十年からの試行、試しの期間の中ですけれども、いろいろなことを乗り越えながら、当該の教育委員会にも必要なものはいっていくということができてきたのかと思いますが、現状で、子どもの権利擁護委員会との連携を東京都の教育委員会はどのように進めているのでしょうか。
○近藤指導部長 都教育委員会は、子どもの権利擁護委員会の専門委員会が実施する懇談会に参加いたしまして、いじめなどの具体的な事例について協議をしております。また、都教育委員会におけるいじめ問題等への対応について説明をいたしまして、連携や協力のあり方等について共通理解を図っております。
なお、それ以外についても、都教育委員会に対応を依頼された相談については、子どもの権利擁護委員会と連携を図って進めているところでございます。
○執印委員 この子どもの権利擁護という発想が、今、大人の社会になかなかうまく根づいていかないというようなところもある中で、こういった形で連携を進めてこられたことについては、今後ともぜひ頑張っていただきたいというふうに思っておりますが、先ほど来ご説明いただいた中で、権利擁護委員会に対してのいじめの相談などは、平成十三年度は十二年度より少なくなっているように見えるわけです。それから、文部科学省の調査の資料もいただいておりますけれども、いじめは減少しつつあるというような数字になっております。
同様に、東京都は教育相談センターというものも立ち上げられておりますが、いじめ相談の件数と内容というのは、ここの部分に関してはどのようになっているでしょうか。
○近藤指導部長 東京都教育相談センターにおけるいじめの相談件数でございますが、平成十二年度は延べ六百四十三件、平成十三年度は延べ六百四十八件で、相談件数は横ばいでございます。
主な相談内容は、からかい、悪口、冷やかし、嫌がらせの行為などでございます。
○執印委員 十二年度、十三年度を比べると、横ばい、ちょっとだけふえたというような中で、実際にいじめの問題というのは、まだまだ解消できていないのかなというふうに思うわけですが、子どもにとっては、いろんなメニュー、いろんな相談窓口があることが必要かなと思います。
これは、いじめが原因というふうに私も決めつけておりませんし、原因の特定できない数字ではありますが、警視庁からいただいた資料によれば、十九歳以下の自殺というのが、平成九年四十人、平成十年七十六人、平成十一年六十一人、平成十二年四十二人、平成十三年が六十五人だそうです。その中で、十五歳以下の自殺というのが、残念ですけれども本当にあるわけですが、平成九年で三人、平成十年で十六人、平成十一年で十六人、平成十二年で六人、平成十三年で八人というふうになっております。
どんな事情があったかわかりませんけれども、小さな子どもたちがみずからその命を絶ってしまうということは、本当に大人の側がありとあらゆる相談機関をつくったり、学校の中でもきめ細かに子どもの様子を見ていたりしながら、何とか防いでやりたいことだというふうに思います。
今、子どもの権利擁護委員会のことでお尋ねをしてきたわけですが、相談センターもそうですし、子どもの権利擁護委員会もそうですけれども、保護者とか子どもから相談を受けて、問題解決に向けた積極的な取り組みを行っていると私どもも聞いておりますが、こうした取り組み、特に子どもの権利擁護委員会の取り組みについての東京都の教育委員会の見解をお伺いいたします。
○近藤指導部長 都教育委員会では、平成十三年度に東京都教育相談センターを設置いたしまして、電話や来所相談の対応など、いじめや不登校等の問題の解決を図っているところでございます。
今後とも、子どもの権利擁護委員会からの対応を依頼されたいじめ等の問題につきましても、迅速かつ的確に対応していく所存でございます。
○執印委員 ありがとうございました。
青木悦さんという方がいらっしゃって、女性の方なんですけれども、この方は、お父さんが戦争から帰ってきて、非常に心が荒れていたそうで、家族に暴力を振るったんだそうです。その青木悦さんもよく暴力を振るわれたんだそうですけれども、学校に行って、担任の先生じゃなかったと書いてあったと思うんですけれども、先生がすれ違いに、おまえ、頑張っているねというふうにいってくれる、その一言で、いつも自分のつらい状況を頑張れたというふうに本に書いてあったのを読みまして、子どもはやっぱり、いろんな人に見守られながら育っていくのが一番いいし、子どもは生まれてくる状況というのを選べませんので、いろんな形で応援していく必要があるというふうに思います。
昔でしたら、両隣の大人も含めて、いろんな手助けがあったんでしょうけれども、核家族化が進んだ中では、行政がいろんな相談機関をつくる、いろんな子育てを応援する、子育ち、子どもが育つ力を応援するところをつくっていくことが何よりも必要だと思いますので、福祉局で立ち上げたものですけれども、子どもの権利擁護委員会については、教育委員会もぜひ一緒になって、その問題解決を今まで以上に進めていくということをお願いしたいと思います。
最後の質問に移りますが、「あいさつ-卒業生の皆さんへ-」というものが配られているというふうに伺っております。都立高校の卒業式のときに配っているものだと思いますが、これはどのような目的で都立高校に配布しているんでしょうか、また配布の方法について伺います。
○近藤指導部長 「あいさつ-卒業生の皆さんへ-」は、高校生活を締めくくるとともに、新たな生活への動機づけとなる卒業式に当たり、設置者である東京都教育委員会が、卒業生に対して祝福の意をあらわし、卒業生の卒業後の人生に対する期待を込めた、はなむけの言葉として全都立高校に配布しております。
配布方法については、例年二月末に、すべての都立高校にB3判とB4判のあいさつ文を配布しております。
○執印委員 それでは、これを東京都の教育委員会から受け取った都立高校では、どのように活用しているのでしょうか。
○近藤指導部長 「あいさつ-卒業生の皆さんへ-」のB3判の大きいものについては、卒業式当日、式場内やその入り口などに掲示しております。また、B4判の小さいものにつきましては、各学校で卒業生や保護者へ配布するなどして、設置者である東京都教育委員会が卒業生に対する期待や保護者への祝福の意をあらわし、都立高校で学んだ生徒を社会に送り出す儀式的行事である卒業式に活用してございます。
○執印委員 今、そういう形で入り口に掲示とか、卒業生、保護者に配布というふうに伺ったわけですが、これを読んでいきますと、日本人の子どもたちにかける東京都の期待というのはわかるわけですが、「国際社会に生きる日本人として」という文言が一つ入っております。
現在、我が国には、多くの外国人が住んでいて、暮らしていらっしゃると思いますが、東京都にはどれくらいの人数がいるのか。それから、特に在日の韓国とか朝鮮人の子どもたちというのは、なぜ日本に住むようになったのかということを、東京都の教育委員会はどのように把握されているのでしょうか。そして、そういう在日の韓国・朝鮮人を含めて、外国人児童生徒に対してどのような配慮をされているのか、伺います。
○近藤指導部長 まず、外国人児童生徒の数等でございますが、東京都に在住する外国人の数は、平成十三年度総務局外国人登録人口統計によりますと、三十二万四千九百五十六人でございます。そして、東京都の公立学校に在籍する外国人児童生徒は、平成十三年度八千三百九人であり、このうち、都立高等学校に在籍している外国人児童生徒は八百八十七名でございます。
東京都教育委員会は、国際理解教育の一層の充実を図るなどして、在日外国人児童生徒が心身ともに安定した学校生活を送ることができるよう配慮しているところでございます。
在日韓国・朝鮮人の方がこの日本に住んでいる理由についてということでございますが、さまざまな背景のもとに日本に住んでおられることは承知してございます。
○執印委員 さまざまな背景というようなお話もありました。それから、都立学校に在籍している外国人生徒は八百八十七人であるというふうな大枠の数字でお話しされたわけですけれども、十四年の三月十五日に、東京都教育庁指導部長斎藤尚也様がお出しになりました「公立学校に在学する在日外国人児童・生徒にかかわる教育指導について」という中で、「東京都の公立学校における在日外国人の児童・生徒の在籍について」、この資料が示されまして、今お話の数字が示されました後で、「この資料は、外国人児童・生徒数を調査したもので国籍別の調査はしていないが、その多くが在日韓国・朝鮮人と推定される。」と書いてありますので、八百八十七人のうち、そういうとらえ方をしていいのかというふうに思います。
それから、今、さまざまな背景があるというふうにお話しされたんですが、「学校における在日外国人児童・生徒にかかわる教育指導について」の中では、このように書かれております。「それぞれの国民や民族が、他国民や他民族に対して偏見をもつ例は数多く見られるが、日本人の外国人に対する偏見の強さもしばしば指摘されるところである。それは多くの場合、いわゆる発展途上国のアジアの諸民族に対する優越感や、いわゆる先進国である欧米の諸民族に対する劣等感として現れる。なかでも、韓国・朝鮮人に対する偏見や差別が形成され、いまだに解消されているとは言えない。このことは、明治以来の日本の歴史の中で形成され、強化されてきたものであり、日本人に対する戦前の朝鮮及び朝鮮人に関する偏った教育や、様々な背景のもとに日本へ渡来した事実を知らずに形づくられた朝鮮人像が、偏見を形成する役割を果たしてきたと考えられる。」ということで、これが今お話しになった背景にある東京都のお考えかと思うんですが、こういった指導資料などもつくって配布をされていることですので、この基本に立って卒業の言葉もつくられるべきだというふうに考えて、私は質問をしております。
国際社会に生きる日本人として、主体的に生きることが求められていますと、平成十三年度は書かれておりますし、平成十四年度は、「国際社会に生きる日本人として、人類の平和や福祉、環境保全などに進んで取り組んでください。」と書いてありますが、実際には、在日の方もいらっしゃる中で、本当にこのくくりだけでいいのかというのが私の疑問です。
私自身が外国に生きていたり、おっしゃったさまざまな背景の中で、外国で生きていくことを選ばざるを得なかったときに、その国がその国の子どもだけに、ともに学んでいた私や私の子どもにはその言葉をかけてくれなくて、自国の子どもたちだけへの呼びかけでいいんだろうかというふうに思います。
私自身は、日本に対しては、国語、日本語が大変好きなので、漢字とか平仮名とか片仮名というのは世界に誇れる言語だと思っておりますので、その意味では、私は愛国主義者だというふうに自分のことを考えております。ですから、日本人へということについて書かれるのであれば、やはり、ともに学んだ外国籍の子どもさんたちに向けても温かい言葉をかけるという配慮が、私は絶対に必要だと思いますし、少数者である在日外国人の児童生徒が、卒業式の最後の日になって疎外感を感じるようなことがない表現に、このあいさつ文は改めるべきだというふうに思いますが、ご見解を伺います。
○近藤指導部長 「あいさつ-卒業生の皆さんへ-」は、設置者であります都教育委員会が卒業生に向けた祝福と期待の言葉でございます。
都教育委員会の教育目標には、「教育は、常に、普遍的かつ個性的な文化の創造と豊かな社会の実現を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として自主的精神にみちた健全な人間の育成と、わが国の歴史や文化を尊重し国際社会に生きる日本人の育成とを期して、行われなければならない。」と示してございます。
また、学習指導要領の総則においては、進んで平和的な国際社会に貢献し、未来を開く主体性のある日本人を育成するとあります。
今後とも、あいさつ文については、都教育委員会の教育目標や学習指導要領を踏まえ、都立高等学校を巣立つ卒業生への激励とはなむけの言葉として作成をしていきたいと考えております。
○執印委員 私の指摘に対して、はっきりしたお答えがなく、教育委員会の教育目標と学習指導要領の部分の読み上げをされたわけですが、少数者へのきめ細かな配慮がない国の首都の公立学校を選択した子どもは不幸だなというふうに私は思います。
もしかしたら、子どもたちは、卒業式の日は友人との別れの方が忙しくて、このあいさつ文は余り読まないかもしれないというふうにも思うわけです。それはまた、資源をどうするかという観点から考え直した方がいいかなと、大人の自己満足になっているかもしれないなということも考えるわけですが、私は、どこの国がどうであっても、日本という国は、懐深く、せめて子どもたちは、どこの国の子どもであっても、縁があって公立の学校に入ったんだったら、その子どもの人権が尊重されて、本当にこの国で育ってよかったなというふうに思ったら、日本の子どもも外国籍の子どもも、この日本を愛するようになると私は思うんです。そういう教育委員会であってほしいと思います。
私は、別に被害者意識でいっているんじゃなくて、東京都の教育委員会が出したものに先ほど読み上げたようなことが書いてあるわけですから、それは皆さんがつくられたわけですから、そのことは大事にしながら、ぜひ少数者への配慮をお願いしたいと思います。
質問を終わります。
○矢島委員 先ほど谷村委員の方から、学校開放、施設開放のお話がありました。これは昭和五十一年の文部省の通知に始まる、小中学校ともにの開放だろうと思います。問題なのは、地域の施設開放で小中学校がかなり進んでいる中で、同時にスタートしたはずなのに、高校の閉鎖的なところがどうしても見られるということなんです。ですから、これは、学校開放のときの要綱になっている開放事業の運営の手引、こちらの仕組みの中で、しっかりした視点とその工夫をしていないというところに少しあるんじゃないかというふうに思います。
私は、さきに谷村委員の方から質疑してありますので、状況については伺っておりますから、要望だけ申し上げておきますけれども、この内容について、現実に進んでいるところの小中学校の運営の方法あるいは現状というのを参考にしながら、やはり都立高校であっても、地域の学校であるという視点は当然ながら変わらないし、そのときに、それを違う観点に見られることが一番悲しいことだろうと思います。市町村の問題じゃなく、東京都の都立高校も都民の財産ですから、ぜひそれを考えていただく。
ですから、見方によっては、行政が縦割りの中で、教育委員会も縦割りになっているから、この中の難しさというのは、生涯学習、スポーツの方の苦しさにもつながってくるかなと。ですから、これを所管の方に任せるんじゃなくて、学校自身の位置づけの中で、このシステムを考えていくべきだろうと私は思っています。
この答弁は求めませんけれども、多分この内容をずっといじっていないと思いますから、これを見直して、ぜひ改善をしていただきたいなというふうに思います。
あわせてもう一点お願いしておきたいんですが、学校の統廃合で、統廃合についてはいろんなご意見があるようです。そのよしあしはここでは何も申し上げませんけれども、統廃合した中で、例えば定時制がありますと、夜間の体育ができるような施設があるわけです。ですから、そこが統廃合でなくなったとしたら、部活が長くなるということもあるかもしれませんけれども、地域の観点から立てば、現実的には、地域優先、積極的な開放というのが考えられていくと思います。
ですから、切り離さないでいただいて、その観点から統廃合の位置づけを見て、二十何校が五、六校になるような計画があるようですけれども、その中で進めていく中で、そういう観点も見ていただいて、地域開放を前提にした施設の活用というのをぜひ考えていただきたい。答弁は必要ありませんから、これだけ申し上げておきます。
次に、学校教育について伺いますけれども、学校で学ぶこと、そして教育の標準というのは教育課程で国が示して、その改革で教育そのものも改革しようとしている。これが今、教育の進んでいる道だろうと思います。しかし、社会とのはざまで、その現実は、教育の現場が負うことになっている。その現場の学校組織としての、教育組織としての学校が機能して初めて、実際上それが生きてくることになろうかと私は思います。
東京都は、教育の現場、学校としての組織運営に、刺激を与えようという言葉が適切かどうかわかりませんが、従来の方法から、もっと広い形、違う形の中で有効に生かしていこうということで、平成十二年度に民間人校長が採用されて、十三年度には二名発令されています。この流れは区立の中学校にもあると聞いております。この件について、我が党の古賀議員が第二回定例会で質問しておりますけれども、都の権限と、それから具体的にどのような状況であるか、これをお伺いいたします。
○臼井人事部長 民間人校長の件でございますけれども、教育改革の一環としまして、学校教育法施行規則が改正されまして、民間人校長採用の道が開かれたところでございます。
東京都教育委員会では、教職員の意欲を引き出し、強力なリーダーシップのもと、学校改革を進めるために、平成十二年度から都立高校に民間人校長を採用したところでございます。
区立中学の校長採用につきましては、区市町村教育委員会の内申に基づきまして、東京都教育委員会が決定することになります。現在、杉並区教育委員会から、民間人を公立中学校の校長に採用、配置するよう申請が出ておりまして、東京都教育委員会としては、現在慎重に検討を進めているところでございます。
○矢島委員 権限は責任とともに大変重いということになりますが、ぜひ適切な対応をお願いしたいと思います。
先ほど教育長の方から、教育改革への取り組みのお話がありました。まことにそのとおりだと思いますし、ぜひ頑張っていただきたい。トップが頑張らないと、後ろの兵隊も弱くなりますから、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思いますが、その姿勢はまさに評価をしております。
本審議の十三年度は、いわば教育改革でいろんな面が出てまいりました。研修センターの開設、学校運営協議会を全校に導入、先ほどの民間人校長の発令、それから学校マネジメントシステム検討委員会の報告もありましたけれども、最前線の教育組織である学校が十分に機能して、その役割を果たすことになるわけですから、その責任者である校長の責任というのは、先ほど申し上げたように、教育委員会の教育長、教育庁の教育長と同じように大変重いということになります。
現在の教員が管理職試験に合格し、主幹制度がまた始まるという新しい取り組みがありますけれども、校長に至るまでの制度について、特に任用研修で、どのような改革を、どのような目的で、いかに進めてきたか、これをお伺いいたします。
○臼井人事部長 東京都教育委員会では、行政感覚や学校経営能力にすぐれ、広い視野から問題解決ができる管理職を計画的に育成するため、平成十二年度から教育管理職任用制度を改正いたしまして、A選考合格者に対しましては五年間、B選考合格者に対しましては二年間の任用前研修を実施しているところでございます。
この研修期間には、民間企業における長期社会体験研修、学校の基幹要員、さらには指導主事などジョブローテーションを行いまして、さまざまな経験をさせるとともに、教職員研修センターではマネジメントにかかわる研修を実施いたしまして、教育管理職としてのすぐれた人材の育成を図っているところでございます。
○矢島委員 これまでなかった民間人校長が採用されて、私どもの中でも、直接その校長からお話を聞いて、大変感銘を受けたというお話を聞いております。その視点と手腕というのは、今まで教員から順次階段を上がるように上がってきた方たちにとっては、大変新鮮であろうし、また見習うべきところも多いだろうと思います。
その実績については、これから評価されるということになってくると思いますけれども、東京都も、都立高校マネジメントシステム検討委員会の報告に基づいて、プラン・ドゥー・チェックに当たるスクールプランを作成して、次の改善につなげようとしておるのは、私は賛成です。全校導入に向けて動いているのも承知しております。
しかし、学校マネジメントという期待される役割に応じた権限というのは、人事権あるいは予算の権限については十分あるのか、それに見合う、期待するのと見合うものがあるのか、その保障はどうしているのか、ここが大きなポイントになろうかと思います。
一生懸命ペーパープランをつくらせて、権限を与えないところで、何もないところでしっかり頑張れといっても、やるような手がない、工夫と努力と言葉だけしかない。それだけでは、実際の改革につなげていくのはなかなか難しい面があろうかと思います。
この意味で、希望降任制度という、要するに、管理職をやめちゃって一般教員になるという制度の管理職の方の意見、民間人校長の意見を十分--ある意味では違う世界にいた人たち、あるいはそこを去ろう、その役割を自分みずから、資質を考えてかどうかわかりませんけれども、変わろうとしておるわけですから、十分参考になることだろうと思います。
この二点についてお伺いいたします。
○星川参事 民間人校長の意見や視点をどのように取り入れられるかというような観点を含めたお尋ねでございますが、民間人校長には、都立高校マネジメントシステム検討委員会の委員として、スクールプランのモデル例を策定してもらい、民間人ならではの斬新な視点から、数値目標設定の仕方や、教育サービスの品質管理などで、実践的な方策の提言を得ることができました。
さらに、民間人校長に管理職候補者研修や新任教頭研修の講師役を依頼し、経営のノウハウや民間感覚の導入などを学校の管理職に広く普及しておるところでございます。
積極面につきましては、このような形で普及してまいりたいと考えているところでございます。
○矢島委員 現在は、九〇%を超える中学校の卒業生が全日制の高校に進んでいる。ということになりますと、準義務教育化しておりますから、中学校と高校の存在の意義というのは、高校は学力をしっかりつけるところであるのは確かであろうと思います。ですから、そういう意味からいきますと、いわば高校教育も多様な需要というんでしょうか、状況にこたえなければいけない困難さというのは、随分あろうと思います。
小学校、中学校の義務教育、準義務教育化している高等学校教育、その延長線上に大学がありますから、大学が大学の教育レベルを維持するために、高校生をどういうふうに見るか、その入学してくる高校生に合わせて大学教育が変わっていくのか。二〇〇六年から大きく局面が変わっていくと思いますけれども、そういうことになると、大学の見ている高校生というものに対する考え方というのは、ある一つの面から見ますと、現況だけじゃなくて、参考になる意見だろうと思います。一面の意見ではなくて、総合的に判断する上での重要な部分だろうと私は思います。
東京都には都立大学というのがありますから、そういう教育機関を持っているんですから、出張講義とか、いろんなことがあるようですけれども、直前の問題として、高等教育の内容と状況を見る一つのサイトをそこから見ていくことも必要かと私は思います。ですから、そういうような努力をされておるのか、どう考えるか、これをお伺いいたします。
○近藤指導部長 都立高校と大学との情報交換等の機会を確保することは、極めて重要であると考えております。現在、都立高校改革推進計画に基づきまして、大学の入学選抜担当者、都立高校の校長、教育庁関係者から成る進学問題検討委員会を設置し、情報交換等を行ってございます。
平成十三年度は、都立高校の高大連携等の高校改革や大学改革について情報交換を行い、その成果を教育課程の改善に生かしております。
今後とも、都立高校や都教育委員会が大学と情報交換等を積極的に行う機会の充実を図ってまいりたいと考えております。
○矢島委員 最後に、もう一点伺います。管理職選考試験に合格した教員は、管理職候補者となって、先ほど説明がありましたように、順次研修を重ねながら、交流人事などを経て教頭となって、校長昇任試験に合格し、校長となる。今までの形からいいますと、教員としてしっかり努力をして、自分なりの教員の能力を高めながら努力してこられて、いわば先輩を見習いながら、同じ階段を上がっていくような形がどうしても目にとまります。ですから、教員として必要なことと学校の管理者として必要なことの間に、大変な乖離が存在していると私は思います。
民間人校長を入れて、それは一つの形でしょうけれども、全体的な学校管理のシステムの問題もあるけれども、校長自身の質を上げていかなければ--質というのは、能力が低いという意味じゃなくて、持っている力を発展させていかなければいけないと私は思います。
結果的に、現在のこういう時代ですから、人間関係が希薄になっているし、流動化している。それだけに、学校管理者の学校経営に対する指導力が非常に大きな問題になるわけですが、今の管理職研修だけでは、その意味で私は不十分だと思っております。
ここに東京都研修センター事業実績がありますが、マネジメントにかかわる連続的な研修という項目がほとんど見られません。短期的なものあるいは一部的なもの、そのとき限りのもの、やはり必要なのは体系的な研修だろうと私は思っております。ですから、いわばマネジメントにかかわる--今までの教員から管理職になったときに非常に求められるのは、その本人が意識改革をしなければいけない、今までと違う意味で。そして、意識改革と同時にノウハウを身につけていくということが、私は必要だと思います。
ですから、そういう継続的にやる研修機関というのを、どこかの大学に--都立大学は教員養成系がありませんので、人文学部の心理・教育学が専攻ですから、直接的にはスタッフの面からも難しいかなと思いますけれども、そういうようなある程度の機関を置いて、大学院研修で教員が一、二年行くようなシステムがありますが、こういうような教員研修を、例えば現在の大学院でいえば、通信の方法もあるし、夜間の方法もあるし、今、それらのいろんな方法が取り入れられています。社会人で夜間大学院に行っている方も、随分多く私も知っております。
ですから、そういうような体系的なものをつくり上げながら教員研修をしていかなければ、要求するものばかり多くて、あるいは民間から来る人の能力を参考にしろというだけで、実際上の必要なことをやっていないように思いますので、そこのところをこれから取り組んでいかなければ、本当の学校改革は完結していかないんじゃないか。
一つ始めたら、ある意味でそれで終わりですから、次の取り組みをしていかなければいけないわけですけれども、そういうような考え方の時期に来ているんじゃないかと私は思います。これは一番先頭を走ろうとしている教育長にぜひご意見を聞きたい。それで質問を終わります。
○横山教育長 今先生がおっしゃるとおり、私自身は、学校をよくする、あるいは都民に信頼される学校をつくるためのポイントというのは、二つあると思っております。
学校は組織ですから、組織的な対応能力をまず身につけ、高めていく、これが第一点です。それから、当然のことながら、もう一点が、教員の資質、能力の向上の問題。ただ、それがそろっても、学校が円滑に機能するためには、今お話しのように、学校をマネジメントしていく校長の資質、要するに、経営的視点からの資質向上というのは絶対必要だと思います。
そういった意味で、いわゆる教育管理職の資質向上を図るためにどうしたらいいんだというのは、確かに私どもに与えられた最大の大きな課題でございますが、これについては、従来から、民間企業への派遣であるとか、あるいは民間企業関係者を講師として招く、こういったさまざまな取り組みを行ってまいりました。
ただ、今のご指摘にもありましたように、今後、学校経営能力の向上に向けまして、教育管理職の能力育成のために、マネジメント研修の充実を図りますとともに、主幹制度の導入を踏まえまして、主幹の段階から、もっと前の段階からマネジメント能力の育成を図っていくなど、総合的、体系的な育成体制を構築し、実施をしてまいりたいと考えております。
○坂口委員長 ほかに発言はございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○坂口委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂口委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後五時五十三分散会
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