委員長 | 大木田 守君 |
副委員長 | 真木 茂君 |
副委員長 | 松原 忠義君 |
長橋 桂一君 | |
小美濃安弘君 | |
かち佳代子君 | |
小松 恭子君 | |
小林 正則君 | |
矢部 一君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市計画局 | 局長 | 勝田 三良君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 杉浦 浩君 | |
理事 | 小林 崇男君 | |
総務部長 | 飯山 幸雄君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
マスタープラン担当部長 | 河島 均君 | |
都市基盤部長 | 只腰 憲久君 | |
航空政策担当部長 | 甲斐 正彰君 | |
外かく環状道路担当部長 | 成田 隆一君 | |
都市防災部長 | 柿堺 至君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
環境局 | 局長 | 小池 正臣君 |
総務部長 | 西野 和雄君 | |
参事 | 梶原 秀起君 | |
環境改善部長 | 松葉 邦雄君 | |
参事 | 小島 高志君 | |
自動車公害対策部長 | 山本 憲一君 | |
参事 | 月川 憲次君 | |
自然環境部長 | 町 格君 | |
廃棄物対策部長 | 福永 富夫君 | |
スーパーエコタウン担当部長 | 古川 芳久君 | |
参事 | 松本 保幸君 | |
環境評価部長 | 百合 一郎君 | |
局務担当部長 | 平田 信幸君 |
本日の会議に付した事件
平成十三年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
都市計画局関係
・一般会計決算(質疑)
・都市開発資金会計決算(質疑)
環境局関係
・一般会計決算(質疑)
○大木田委員長 ただいまから平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会を開会いたします。
本日は、都市計画局及び環境局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いいたします。
これより都市計画局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、都市計画局所管分及び平成十三年度東京都都市開発資金会計決算を一括して議題といたします。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○飯山総務部長 十月四日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております当局の平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をめくりまして、目次をごらんいただきたいと存じます。
資料は、1の防災生活圏促進事業実施地区の一覧から10の屋外広告物の許可申請と違反広告物の対応状況までの十種でございます。
それでは、まず一ページをお開き願います。防災生活圏促進事業実施地区の一覧でございます。重点地区と重点整備地域に分けまして、各区ごとにそれぞれ地区名と面積を記載してございます。
二ページをお開き願います。生産緑地地区の追加指定状況でございます。過去十年間の区部、市部別に、それぞれ地区数と面積に追加と削除の動きをあわせて記載してございます。
三ページをごらんください。民営鉄道建設に対する利子補給の金額の推移でございます。過去十年間の利子補給金額の推移を記載してございます。
四ページをお開き願います。首都高速道路公団に対する出資金等の推移でございます。過去十年間の公団に対する出資金、貸付金の金額及び出資率、貸付率の推移をそれぞれ記載してございます。
五ページをごらんください。各戸貯留浸透施設等事業補助の実績でございます。過去十年間の補助対象の区市数、件数、補助金額の実績を記載してございます。
六ページをお開き願います。総合治水対策における雨水流出抑制施設の整備状況でございます。第一欄は、平成三年度までの累計を、以下年度ごとに公共施設等、民間施設等、それぞれにおける整備状況を記載してございます。
七ページをごらんください。七ページから八ページにかけまして、平成十三年度に都市計画決定された面整備事業等の一覧を記載してございます。
七ページは、(1)地区計画等の一覧でございます。地区計画、沿道地区計画、再開発地区計画に分けて、区市ごとに地区名及び面積を記載してございます。
次の八ページは、(2)市街地再開発事業の一覧でございます。区市ごとに地区名、施行者及び面積を記載してございます。
次に、九ページから一二ページまでに都心五区における主な面整備事業等の一覧を記載してございます。
九ページは、(1)地区計画等の一覧でございます。地区計画と再開発地区計画について区ごとに地区名と面積を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。(2)特定街区の一覧でございます。区別にそれぞれ街区名と面積を記載してございます。
一一ページをごらんください。(3)市街地再開発事業の一覧でございます。区別にそれぞれ地区名、施行者及び面積を記載してございます。
一二ページをお開き願います。(4)土地区画整理事業の一覧でございます。区別にそれぞれ地区名、施行者及び面積を記載してございます。
一三ページをごらんください。建築確認申請件数と紛争処理状況でございます。都が扱いました建築確認件数、建築紛争件数、処理状況及び紛争調停に係る建築紛争調停委員会開催回数をそれぞれ記載してございます。
一四ページをお開き願います。屋外広告物の許可申請と違反広告物の対応状況でございます。
1は、屋外広告物許可件数でございます。東京都、特別区、市ごとにそれぞれ許可件数を記載してございます。
2は、違反広告物対応状況でございます。特別区、市ごとに除却枚数を記載してございます。
以上で資料の説明を終わらせていただきます。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大木田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○小美濃委員 それでは、簡潔に二点お伺いをさせていただきたいと思います。
平成十三年十月に東京の新しい都市ビジョンが発表されまして、東京における都市再生の確かな道筋が明らかになったわけであります。
これを受けて、用途地域などの見直しについては、平成十三年度、東京都都市計画審議会から土地利用に関する基本方針の答申を受けて、ことし七月に用途地域に関する指定方針及び指定基準を都において策定し、現在私の住んでいる市もそうなんですが、地元の市区町で見直しの原案を策定中であると聞いております。
そこで、国際ビジネスセンターの形成のため、建築基準法の改正によって追加された商業地域における高容積率のメニューを有効に活用していくことが重要であると考えているわけでございますが、具体的にはどのような場所に指定していくのか、お伺いいたします。
○森下都市づくり政策部長 商業地域におけます高容積率のメニューについてのご質問でございますけれども、現在、丸の内地区や西新宿地区など、周囲が四車線以上の主要幹線道路網により区画されるなど、公共施設の整備水準が極めて高く、また一定規模以上の敷地から成る街区が連続している区域につきまして、一〇〇〇%の容積率が指定されております。
これらの地域のうち、地区計画などによりまして育成すべき用途、壁面の位置などを定めて特定街区などを適用した場合の町並みと同等の水準が確保できる区域につきまして、容積率一一〇〇%から一三〇〇%を指定していく考え方でございます。
○小美濃委員 私は、武蔵野市という多摩出身でございますけども、多摩地域の道路が未整備で、低容積率が指定された住宅地や区部の周辺部では、土地の有効利用がなかなか進んでいないという地域もあります。
そういった地域につきまして、今後どのような見直しを行っていくお考えがあるのか、お伺いしたいと存じます。
○森下都市づくり政策部長 多摩地域で容積率六〇とか、あるいは八〇%が指定されています地域は、約二万三千ヘクタールほどございます。
これらの地域の中で、良好な環境を維持しながら、より有効な土地利用を図っていきたい地区につきましては、地元市町と連携をとりまして、壁面の位置であるとか土地の細分化を防止するための敷地規模の最低限度などを地区計画で定めまして、例えば容積率を一〇〇%などに変更していくという考え方でございます。
それから、周辺区部でございますけれども、土地区画整理事業を施行すべき区域、約九千ヘクタールほどございますけれども、このうち約六千三百ヘクタールについては、土地区画整理事業がいまだ施行されておりません。こうした区域では、土地の有効利用が進みにくい状況にございます。
そこで、区画整理事業を施行することはできないものの、道路率が一定割合以上あり、まちづくりの意向のある地区につきましては、地元区と連携をとりまして、区画道路や公園などの地区施設あるいは敷地規模の最低限度や壁面の位置などを地区計画で定めまして、これとあわせまして用途地域の変更に取り組んでいくという考え方でございます。
○小美濃委員 今回の用途地域の見直しを行う場合、先ほど来ご答弁がありましたとおり、地区計画というのが大変大きな要素になっておりまして、また原則にもなっているというようなことでございます。
この地区計画を定めるということに対してのねらいというんでしょうか、その辺についてお伺いいたします。
○森下都市づくり政策部長 まちづくりの方向性とかあり方を地区計画に定めた上で用途地域を見直すこととしておりますけれども、これによりまして、望ましい市街地像の実現に向けまして個々の建築行為をより適切に誘導していきまして、また地域にふさわしい良好な市街地形成に努めていこうと、そういうものでございます。
また、地区計画の策定を原則化することによりまして、地元のまちづくりの機運を高めていくことも期待できるものと考えております。
○小美濃委員 今回の東京都全域を対象とする見直しは、平成十六年度に行うと、こういうふうに聞いておるわけでございますが、今までの例を見ますと、この機会を逃すと、もうまた何年か先ではないと、なかなか用途地域の変更はできないんではなかろうか、こういった心配が今まではあったわけでございます。
そうしますと、やれ急げと、船に乗りおくれるなと、そういった機運で、大分やっつけ仕事になってしまうという場合もありまして、これが大変大きな問題になっていたことも事実なわけであります。
今回のこの見直しに関しては、この機会を逃すと、用途地域の変更はまた何年か先になってしまうのかどうか、この辺についてお伺いいたします。
○森下都市づくり政策部長 用途地域の変更時期についてでございますけども、今回の見直しにつきましては、東京の新しい都市づくりビジョンの実現と東京の都市再生を推進するということを目的としておりまして、全域を対象とした変更につきましては、平成十六年度内のできるだけ早い時期に完了していきたいと考えております。
この全体の見直しとは別に、地区計画の策定とあわせて用途地域などを変更するという方針を今回明確にしたわけでございますので、地元のまちづくりの機運に合わせまして、随時に用途地域の変更を適切に行うことが可能であると考えております。
○小美濃委員 用途地域の見直しは、各地元自治体にとりましても、またお一人お一人の地権者の方にとりましても、大変重要な問題であります。
かつては、先ほども申し上げましたけれども、何年に一回の全体的な一斉の見直ししか行われていなかったわけでございますが、ただいまのるるお伺いしましたご答弁で、必要とあらば地区計画を定めて随時見直しをしていっていただける、その辺は大変評価をいたすところでございます。
しかし、こういった情報が、この議会だけ、もしくは各自治体まででとまっていては、なかなか先に進まないわけでございまして、といいますのも、地区計画というのが先ほどから原則であり、またキーワードだと思うんですが、地区計画を立てるにしましても、やはり地元住民の方々のご理解やご協力がなければ、なかなか地区計画というのは頓挫してしまう場合が多いわけでございまして、そういった意味では、こういった情報は積極的に広報を使って、東京都独自の広報を使って、積極的にやはり広めていただきたい、そんなふうに思っております。
そういったことで、都民全員が良好なまちづくりを目指すという視点に立って、まちが形成されていくことを望みまして、この質問は終わらせていただきたいと存じます。
次に、屋外広告物について一点ご質問させていただきます。
平成十三年二月に広告物審議会の答申を受けて、十三年十月から路線バスに続いて電車の広告が可能になりました。
しかし、現在の屋外広告物の規制が社会の実態にそぐわない面が随分出てきているんではないかと思っております。
実際、私も昨年、一般質問させていただいたんですけれども、捨て看板一つとってみても、国の屋外広告物法では、相当の期間がたったものでないと撤去できない、そういった、はっきりいって余り意味のない法律で規制されていたわけであります。
しかし、東京都が迅速にそれについて対応していただきまして、相当の期間は発見したときだというガイドラインを出していただいたことは、大変評価しておりますし、やはり石原都知事が常日ごろおっしゃっているように、国に先んじて都が率先して、積極的に、いいものはいいというものを出していくことは、またそういったことで国に対して物をいっていくということは、ますます重要になってくるんではないかと、こう思っております。
そこで、都では、屋外広告物の規制の今後のあり方について検討を開始したということでありますけれども、検討の方向性についてお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 広告物規制の今後のあり方についてでございますけれども、この十月八日に東京都広告物審議会に諮問を行いました。
そこでの主な視点は五つほどございまして、第一点としましては、総量規制の導入とゾーニングの細分化。第二点としまして、地域ルールの導入。第三点としまして、民間資金の活用による避難誘導標識等の整備。第四点としまして、違反広告物対策と検証制度の充実。第五点としまして、適正な車体利用広告の誘導等を考えております。
○小美濃委員 具体的に示していただきましたけれども、特に避難誘導看板なんていうのは、大変これから重要なものになってまいりますし、ぜひとも国に対して、これからも積極的に要望していっていただきたいと思っております。
また、屋外広告は、大変多くの人の目に触れる反面、度を超えるとまちの美観風致を損ねてしまうということがあるわけでございます。
やはり、もろ刃の剣を持っているわけでございますけれども、先ほど諮問の内容にありましたように、これからの屋外広告というのは、今の国の法律だけではどうしても推進していかないものでございますので、私は機会ある限り、このことは申し上げていきたいと思っているんですが、とにかく国の法律を早急に改革していただくように都から強く要望していただきたいということを要望して、質問を終わります。
○小林委員 それでは、建設の発生土の再利用促進事業についてお尋ねします。
最初は、建設発生土の再利用って、一体どんなことをするんだろうなというのが、この質問をやる一つの動機なんですけれども、後でまた幾つか質問しますけれども、最近、上がだんだんだめなものだから、下の方へだんだん行って、マンションでも大体地下は当たり前みたいになってきている。それで、水道、下水道、こういった一〇〇%に向けた事業というのは、今都内全域に行き渡っているわけですね。そうすると、当然その土が出てくる。それをもう一回再利用して使うということのようであります。
それで、平成十二年度に、国では循環型社会形成推進基本法が制定されて、建築の資材については建設リサイクル法というのができて、ことしの五月から完全に施行になったわけであります。
そうした中で、建設廃棄物とは若干その性格は違いますけれども、建設による発生土の再利用というのも、上物はかなりいろいろ東京都も本腰を入れてやられているということなんですけど、一体、それは地べたの土はどうなっているのかと調べたら、もう十年前に中央防波堤内側に再利用センターができて、十年間も実績があるということ。よし、これは細かく聞いてみようということで質問をさせていただきます。
最初に、この再利用センターで、多分全国で一番土がいっぱい出ているんじゃないかと思いますけれども、この建設発生土の事業、リサイクル事業について、そのおさらいも含めて、目的と最近の実績というのは一体どういうふうになっているのか、お伺いいたします。
○南雲都市づくり調整担当部長 建設発生土再利用センターの事業の目的でございますが、都内の東京都関連の公共工事から発生いたします建設発生土のリサイクルを促進いたしますとともに、山砂の使用を減らすことによりまして、自然環境の保全にも寄与するものでございます。
具体的には、水道や下水道工事に伴う掘削土を改良いたしまして、従来管の埋め戻し土として使用していた山砂にかえて建設発生土の再利用を促進することでございます。
また、再利用センターの実績といたしましては、過去五年間の取扱土量は、平成九年度から十一年度までの三カ年は三十五万立米、平成十二年度は三十一万立米、十三年度は三十二万立米となっております。
○小林委員 今までは山を削って、そこから砂を持ってきて埋め戻したわけですから、それがこの実績値でいうと大体三十万前後になるわけですから、それが全く山を削らなくて済むわけですから、これは環境の面から非常に私はいいことだし、もっといろいろな領域にまで含めてやってもらえればなというふうに思います。
ただ、この数字を見ていると、少しずつ減っているんですね。施設ですから、当然最大の容量があって、減っているというのは、ちょっといい方が悪いかもわからないけど、施設がちょっと遊んでいるのかなと、そんなふうに思うわけです。
そこで、尋ねますけれども、冒頭、私が申し上げましたが、ちょうど十年経過したわけです。十年たつと、大体制度でも仕組みでも、一定程度リニューアル、見直しをして、十年たてば要望や要求や社会的な需要というものも変わってくるだろうと思うんですね。
そこで、十年を経過したわけですが、その所期の目的というのは当然あったと思いますが、その目的を十分達成したというふうに考えてよろしいんでしょうか、お伺いします。
○南雲都市づくり調整担当部長 再利用センター事業につきましては、これまでに再利用されました改良土の合計が三百万立米を突破いたしまして、都の建設発生土のリサイクルの推進に相当程度貢献してきたと考えております。
本年四月からは、今リニューアルの話がございましたけども、サービス向上の観点から、夜間の営業も実施いたしまして、都内の公共工事が減少する中で、再利用センターの取扱土量は現在増加傾向にございます。
こうしたことから、東京都関連の公共工事における建設発生土のリサイクルの促進という所期の目的は、おおむね達成されていくのではないかと考えております。
○小林委員 達成されたということですから、そうすれば当然、次の目標というのが出てくるわけですね。今まででいいなんていうことにはならない。
そうすると、今までは下水や水道といった公共工事に限っていたわけですが、最終的にはすべての工事で発生する土が再利用されれば、そうすれば少なくとも山から取ってくる砂は一切要らないわけですから、全部再利用できる。
じゃあ、下水工事以外にどういうことが考えられるかというと、私、そんなにいろいろ知っているわけじゃない、結構道路、今、穴掘って、いろいろな管とかいろいろ埋めていますよね。下水だけじゃない。電気もそうですね。地下埋設とかというのは、多分日本のこれからの大きな課題になってくるんで、まちづくりの面からいっても、あるいはNTTもそうだし、そういったところが想定されます。
ですから、公共工事だけじゃなくて、もっともっと広い事業の範囲を拡大していくということは、これから十年の大きな課題だと思うんですね。この辺はいかがでございますか。
○南雲都市づくり調整担当部長 委員ご指摘のとおり、従来は東京都関連の公共工事を対象にしてまいりましたけれども、今後は、今おっしゃいましたけれども、東京電力あるいは東京ガス、NTTなどの民間工事からの発生土を受け入れるなど、それについても検討してまいりたいと考えております。
そうすることによりまして、施設の有効活用が一層図れますとともに、自然環境の保全にも寄与していけるものと考えております。
○小林委員 本当に満額の回答でございますけど、ぜひ、十年後じゃなくても五年後ぐらいにその辺が、NTTが何トンだとか東電が何トンだとかガスが何トンとか、あるいは今の施設のキャパシティー、アッパーが何か三十五万トンとかと聞いていますけど、当然また施設をもう少し大きくしなきゃいけないとか、そういったハード、ソフトの面において、新たな十年が非常に期待されると思いますが、ぜひ五年後、私いるかどうかわかりませんが、いたら質問しますから、どうぞ期待します。
以上でございます。
○長橋委員 それでは、私の方からは二点ご質問させていただきたいと思います。
まず初めに、防災都市づくり事業についてお伺いいたします。
これは、平成七年一月に起きた阪神・淡路大震災を教訓にして、平成九年三月、二年かけてつくりました防災都市づくり推進計画、整備計画が作成されたわけでございます。
阪神・淡路大震災、皆さんももう大変ご記憶に新しいわけですけれども、もう一度振り返りますと、死者が六千四百三十二人、負傷者が五万六千人以上、また全半壊した家屋が二十万棟以上とか火災による消失が七千五百棟、避難者が三十五万人、断水が百二十万世帯、停電が百万世帯など、その他電話やガスも含めて大変な被害が出たわけでございます。被害額も約九兆円から十二兆円と、こういうふうにいわれておりまして、今まで起きたソ連のアルメニアの大地震やロサンゼルスの地震よりも被害が大きく、都市を襲ったものでは世界最大規模だったと、こういうふうにいわれております。
もし、このような大地震が関東、東京圏を襲ったら大変なことになる、大惨事になることは間違いないわけでありますが。そしてまた、南関東直下型地震についても、いつ起きてもおかしくない、こういう状況にある、こういうふうに聞いておるわけでございます。
そこで、平成九年に計画を作成して、この計画は災害に強い都市構造の確保、地域特性に応じた防災都市づくりの推進、個々の建築物の耐震性、耐火性の向上、これを目指して事業を展開してきたわけですけれども、ここで、六年ですか、たって見直しをすると、こういうふうに聞いております。
まず、この防災都市づくり推進計画の見直しの理由、そしてまた進捗状況、また見直しの方向についてお伺いいたします。
○柿堺都市防災部長 防災都市づくり推進計画については、ただいまご質問にもございましたように、平成九年三月に作成されておりまして、この中でおおむね五年ごとに計画を見直すこととしております。
また、昨年四月には震災対策条例が施行され、防災計画の策定が改めて位置づけられたこともございまして、現在推進計画の見直し作業を実施しているところでございます。
進捗状況につきましては、計画策定後の社会経済情勢の変化や都民の防災意識の変化も背景にございまして、各地区あるいは事業資本によりまして、進捗状況に大きな差が見られるところでございます。
このため、対象地域や事業手法等について一層実効性のある計画とするべく、関係局や区市と連携しながら見直し作業を進めているところでございます。
○長橋委員 社会経済状況の変化、また都民の防災意識の変化、また震災対策条例、これが作成されたということで見直しをするということでございますけども、ご説明にありました対象地区の見直しということも進めているということでございます。
そこで、対象地域である重点地域、重点整備地域の違いや目標の決め方についてお伺いしたいと思います。
また、対象地域を広げるのか広げないのか、どういうふうに考えているのか。また、どのように検討されているのかを含めてお伺いできればと思いますが、よろしくお願いします。
○柿堺都市防災部長 既定計画における重点整備地域につきましては、地域危険度が高く、かつ特に老朽化した木造建築物が集積するなど、震災時に甚大な被害が想定される二十五地域六千ヘクタールを指定しているところでございます。
この地域の整備目標につきましては、地域の燃えにくさの指標でございます不燃領域率を平均で三八%から四五%に高めることを十カ年の目標としております。
一方、重点地区につきましては、重点整備地域のうち、事業による整備効果が高く、地元の事業熟度の高い十一地区千八百八十ヘクタールを指定してございます。
重点地区におきましては、事業の重層化、集中化により、十年後の不燃領域率を平均で三七%から五〇%に、二十年後には七〇%に高めることを目標としております。
また、この地域を広げるのか狭めるのか、それにつきましては、先ほどもご説明いたしましたけれども、事業効果あるいは財政状況を含めまして現在検討しているところでございます。
○長橋委員 新たな重点地区の見直しも考えるのかということもお伺いしたかったわけでございますけれども……。
次に、重点地区等の整備に当たりまして、建築物の不燃化、いわゆる建てかえの促進や、また公共施設である生活道路や公園、広場の整備、また、これは非常に難しい、一番課題だと思いますけれども、住民の合意形成などの具体的な課題については、どのように対応してきたのか。また、特にその中で問題点はどこにあるのか、お伺いいたします。
○柿堺都市防災部長 都市防災にかかわらず、公共事業を円滑に進めるためには、ご質問のとおり、住民の地元合意形成が一番重要な課題でございます。
この中で、都市防災不燃化促進事業あるいは木造住宅密集地域整備促進事業など建てかえの促進や、あるいは身近な公共施設の整備につきましては、区の事業ということで位置づけられておりまして、区が中心となって合意形成を図っているところでございます。
都といたしましては、区に対し、積極的に技術支援、財政支援を実施しているところでございます。
一方、区画整理事業あるいは市街地再開発事業など都施行の事業につきましては、先ほど先生から課題ということがございましたけれども、現下の財政状況から、事業を積極的に進めにくい状況にあるということでございます。したがいまして、区と都が連携しながら、工夫して合意形成に努めているところでございまして、局としても積極的に合意形成の場に参加しているところでございます。
○長橋委員 私の地元豊島区は、今ご説明のありました重点整備地域、二十五ある、そのうち四カ所も指定されているわけでございまして、そのうち、特に東池袋地域が重点地区に指定されて、都市防災不燃化促進事業や防災生活圏促進事業などが進められているところでございますけれども、これらの防災都市づくり事業をどのように進めてこられたのか。また、その課題について、どのようなものがあるのか、東池袋地域の課題についてお伺いいたします。
○柿堺都市防災部長 東池袋地区、さまざまな事業がございますが、私どもが所管しています雑司ヶ谷墓地周辺地区都市防災不燃化促進事業につきましては、面積約二十・九ヘクタールでございまして、昭和五十六年から事業を実施しております。これまでに百四十五棟に対して建築費を助成しておりまして、地区全体の建物の不燃化率は、事業開始時に一一・一%であったものが、十三年度には三五・一%まで向上しております。
また、南池袋地区防災生活圏促進事業につきましては、面積約三十一ヘクタールで、平成十年度から事業を実施しております。平成十年度から十二年度までは推進計画の作成を、十三年度は細街路整備五件あるいはまちづくり協議会への活動支援の実績がございます。
両事業とも、不燃化率の一層の向上が課題でございますが、地区を貫通する主要延焼遮断帯の位置づけのございます環状第五号の一号線が現在事業中でございまして、また区域内の老朽住宅の建てかえ時期も来ていることから、今後道路整備にあわせて建てかえを促進するなど、地元区と一層連携して推進してまいりたいと考えているところでございます。
○長橋委員 最後に、環状五の一号線の貫通というのが大きくまちを変えていく。これは、建設局の方の仕事でございますけれども、ぜひ含めて大いに促進していただきたい。
私も地域を歩いておるわけですけれども、木密地域で非常に密集した地域でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、防災性の向上を図るには、防災広場や街路の整備などが大変重要なことであると思いますけれども、この防災生活圏促進事業、この執行率が資料によりますと毎年低い状況にあるわけであります。
また、予算についても、事業が始まった平成九年に比べると低くなっている。執行率が低いから予算も低く抑えられているのかということではないと思いますし、ぜひこの執行率を上げて予算の獲得も力を入れていただきたいと思うわけでございますけれども、その理由と、今後実績をどう上げていくのか、お伺いいたします。
○柿堺都市防災部長 執行率の低い理由につきましては、この制度が個人の建てかえの計画に沿って助成する制度ということもございまして、現下の不況下から、建築主の資金調達が困難になり、建てかえ棟数が減ったこと、あるいは公共施設の整備に住民の合意が得られずに、計画どおりに進まなかったもの等がございます。
事業の推進のためには、圏域内の地元の住民の理解が不可欠でございますので、都市防災づくりの必要性や助成制度について、区とも連携しながら積極的にPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
○長橋委員 先ほど申し上げました阪神・淡路大震災の教訓ですけれども、年月とともに、またこういう社会情勢、経済情勢の中で薄れてきている、こういうふうに思うわけであります。
南関東直下型の発生も、いつ起きてもおかしくない。先ほど申し上げましたけれども、東京の安全、都民の安全のためにも、一日も早く防災まちづくりを実現していかなければならない、こう思うのは私一人じゃないと思います。
そこで、さまざまな防災都市づくりの施策を展開していくことが重要でありますけれども、今後新しい手法も視野に入れて、また厳しい財政事情を含めて、費用対効果を考えてどう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○柿堺都市防災部長 都では、防災訓練等を毎年実施し、都民の防災意識の向上に努めているところでございますけれども、先生ご指摘のとおり、阪神・淡路大震災直後の危機意識というのが薄れているのは、否めない事実かというふうに思っております。
しかしながら、大都市においては、一たん震災が起きれば大きな災害が想定されるわけでございまして、不燃化促進事業等の防災対策は着実に進めるべき大きな課題だというふうに認識しているところでございます。
厳しい財政状況でございますが、関係区あるいは地元区市と緊密に連携し、ご指摘のように、費用対効果の高い防災都市づくりの施策を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○長橋委員 防災都市づくりに続きまして、今度は、私の地元の問題でもあるんですけれども、駅周辺整備事業についてお伺いしたいと思います。
社会経済情勢の変化を踏まえて、これからの東京の都市づくりというのは、都市再生プラン等で話題になっておるわけですけれども、こういう都市再生という大きな流れの中で、本当に暮らしやすい、また人に優しいといいますか、また新しい流れの中でまちづくりをつくっていくことが大事であると思います。
そのためには、これまでつくられた都市のインフラというものを大きく見直し、改善し、それをどう使い勝手のよいものにしていくかということが大事になってくると思うわけであります。
特に、地域の生活拠点である駅、鉄道の駅やその周辺に政策の目を向けて整備ということをしていくことは、大変注目されているわけでございます。
駅舎の施設などのバリアフリー化をしたり、駅で分断された地区に自由通路を設けて人の行き来をしやすくするとか、駅前広場や駐輪場などの公共施設の整備を進めていく必要もあると思いますし、さらには駅前保育所、また駅舎に保育所をつくるとか、あわせて福祉施設も併設したりするなど、高齢者にとっても、また子育てと仕事を両立させたい働き盛りの世代にあっても、トータルで魅力のあるまちづくりをしていくことが重要であるかと思います。
そこで、まずお伺いしますが、国における政策の流れはどのようになっているのか。また、それに対応した東京都の自治体の事業はどのように展開されているのか、お伺いいたします。
○只腰都市基盤部長 ご指摘の生活拠点としての必要性、重要性の高い駅とその周辺でございますが、多くの利用者が集まる空間といたしまして、バリアフリーにも配慮した、利便性が高い、快適な都市空間としていくことが望まれてございます。
駅周辺整備にかかわる国庫補助制度といたしましては、自由通路など駅の周辺の公共空間の総合的な整備を図る都市再生交通拠点整備事業、あるいは乗り継ぎ利便性の向上を図る交通結節点改善事業等がございまして、近年こうした補助制度の拡充が図られているところでございます。
このうち、都内で実績のございます都市再生交通拠点整備事業につきましては、平成十二、十三年度にそれぞれ各一件、平成十四年度には五件ということで、適用箇所が増加傾向にございます。
○長橋委員 そこで、お伺いいたしますけれども、私の地元の大塚駅でございますけれども、大塚駅並びに大塚駅の周辺は南北の広場を結ぶ歩行者の道路がないわけで、そのために都電が通っております駅東側の都電のホームを通って南北に渡ったり、またその隣には非常に細い、幅の狭い歩道があるわけですけれども、そういったところを利用されているということで、町の分断や、また交通安全上の問題がたびたび起きてまいりまして、事故なんかも起きているというふうにお伺いしております。
また、駅舎においても、もちろんエスカレーターなどのバリアフリー施設が整備されていないなどの状況があります。
お話のありました都市再生交通拠点事業、こういうことでございますけれども、これまで地元商店街や住民らがつくりました大塚駅を考える会が中心になって、大塚駅に自由通路を設けたい、駅舎にエスカレーターを設置してもらいたいとか、駐輪場の設置などを豊島区やJRなどに要望、陳情を出してきたわけでございます。
こうした地元の要望や、これらに対する豊島区の取り組みなどについて東京都はどのように承知しているのか。また、その大塚駅に対する国の動向、特に国土交通省の動向はどのようになっているのか、認識しているのか、お伺いいたします。
○只腰都市基盤部長 ご指摘ございました大塚駅周辺でございますが、地元の豊島区におきましては、地元の住民、商店会あるいはJR東日本などと大塚駅周辺を考える会を結成いたしまして、この会を通じまして長年にわたりまして協議が進められてきたというふうに聞いております。
平成八年には、大塚駅周辺整備マスタープランを作成し、大塚駅及びその周辺の整備につきまして調査検討がまとめられたことにつきましては、都としても承知しているところでございます。
また、平成十三年には、JR東日本におきましても、交通バリアフリー法の施行に伴いまして、駅の改良と、ただいまご指摘ございました自由通路の設置案を区に提示するなどの動きがあったことにつきましても、私ども認識しているところでございます。
こうした動きに対する国の対応でございますが、来年度の基本設計費に対します補助の概算要望を都を通じて出しておりまして、この補助採択に向けまして都として取り組んでいるところでございます。
引き続きまして、来年度に向けました本要望を行いまして、予算、国庫補助の採択に向けまして取り組んでいくということでございます。
○長橋委員 大変にご努力いただいておりますので、お願いしたいと思いますが、今後、この自由通路の整備、駅周辺整備について都の支援をぜひ行っていただきたいわけですけれども、ぜひ地元区の要望を聞いて、またこの実現に向けて、そしてまた国の働きかけをさらに強くしていただきたいということで、どのような支援を行っていくのか、最後にお伺いして質問を終わります。
○只腰都市基盤部長 先ほどお答えいたしましたとおり、来年度の国庫補助の採択に向けまして、都としても全力で取り組んでまいります。
また、あわせまして、区が主体となって進めております調整会議におきまして、これに都も参画しておりますので、この会議での検討を踏まえまして関連部署との調整等の協力を行っていく所存でございます。
○かち委員 私からも、都市ビジョン関係と首都高速道路公団への無利子貸付に関してお聞きします。
平成十三年度、二〇〇一年度は、都市計画局としては、東京構想二〇〇〇、また東京メガロポリス構想に基づいて、さまざまな計画づくりが進められた年でした。その柱ともなっているのが、この都市づくりビジョンなんですね。こういうものをベースにして、東京のいわゆる都市づくりの仕組みづくりが急速に進行した年であったと実感しています。
そこで、この都市ビジョンは、東京をエリアごとに分割し、政策誘導型の都市づくりといわれているわけですけれども、区部を中心とした都市再生という名のもとで、経済再生に偏在した都市づくりではないかというふうに私は思えてなりません。
住民生活や環境に多大な負荷をもたらす、とりわけヒートアイランドに加速させる、こういう状況が大いに懸念されるわけです。
それで、まず都市ビジョンで分類された国際ビジネスセンターとしてのセンター・コア内の開発状況を見てみたいと思います。
このエリアでの市街地再開発事業、特定街区、総合設計制度、再開発地区計画、それぞれの件数と面積、延べ面積をお示しください。
○森下都市づくり政策部長 センター・コア内におきます主な開発計画につきまして、平成十四年三月末現在でございますけども、都市計画決定あるいは許可済みのもので事業が完了していないものの数でございますけれども、まず市街地再開発事業が二十八地区約二百六ヘクタール、延べ面積が四百十八ヘクタールでございます。同じく特定街区が五地区八ヘクタール、延べが九十六ヘクタールでございます。総合設計が七地区九ヘクタール、延べが七十八ヘクタールでございます。再開発地区計画が二十四地区約六十二ヘクタール、延べ面積で三百二ヘクタールでございます。
○かち委員 お答えいただきましたけれども、これらの再開発事業のトータルの面積で見てみますと、市街地再開発では事業面積の大体三・一五倍の延べ面積になります。再開発地区計画では六・一倍、総合設計では六・九倍、特定街区では七・五倍というふうになっています。
これだけでも相当な容積と高層化が想定されるわけですけれども、実際私も六本木ヒルズや汐留再開発、東品川開発状況なども見学させていただきましたけれども、まさに巨大ビル群の林立が着々と進んでいるわけです。
今東京のヒートアイランドの主要な要因といわれているのが、IT化したこの事務所ビルや自動車交通、こういうものが指摘されているわけですけれども、こういう計画が進んでいくことが、さらにそれを加速させるということになるのではないでしょうか。
今の開発状況を見てきたときに、ここにどれだけの就業人口と発生交通量があるかという点でいいますと、私も計算してみたんですが、就業人口は二十万六千五百八十九人、自動車交通量では二十四万三千八百八十八台というふうに推計されているわけです。センター・コア内だけ見ても、かなりのボリュームで人も車も集中させる再開発が進んでいるということです。
この都市ビジョンに基づいて、今後も再開発地区計画、特定街区、高度利用地区、総合設計や街区再編プログラム、特定容積率適用区域制度などなど、都市計画に関する新たな指標や規制緩和、こういうものの中で一層急ピッチに進められようとしています。
国の再開発法とも相まって、東京都においてはことし七月から、環境アセスまで大幅な規模の緩和と手続の省略によって再開発に拍車をかけています。環境局に確認したものですけれども、ことし七月の環境アセス条例改正後、現在までに環境アセスの対象外になったものが、特定地域において既に二件出ています。いずれも百六十メートルもの超高層建物ですけれども、この事業はアセスさえも不要だということになったわけです。
こういう状況を見ていると、これからも民間主導の過剰なオフィスビル建設が進み、東京全体の再生というよりも、経済的にもかなりゆがんだ形で加速させ、環境悪化は免れない。しかも住民不在の都市づくりといわざるを得ません。
既に、ことしもヒートアイランド現象でさまざまな異常現象が出現しています。第三回定例議会で我が党の代表質問でも指摘させていただきましたけれども、二〇一〇年までに九〇年対比でCO2六%削減計画というものを東京都は持っているわけですけれども、二十三区内だけでも、試算によりまして六・七%がもう増加している。これを倍して削減するということは、大変至難のわざになってきているわけです。
こういう状況の中で、いかに東京のこの過熱化を静めるか、膨張を抑制するか、バランスのとれた都市開発を進めていくのかということが、今課題になっていると思うんです。
そういう中で、東京を冷やす役割として、巨大建造物を抑制し、雨水浸透を図り、公園の整備や生産緑地などの確保などで緑を抜本的にふやすことなどが求められていると思うんですけれども、資料の二ページですけれども、生産緑地の追加指定、こういうものを見てみますと、年々減少しているということをいわざるを得ません。
東京の都市農業の振興、育成というものは、都市計画上でも大変重要であると考えます。もちろん、産労局などとのタイアップも必要だろうと思いますが、そして税制上の問題もいろいろあるとは思いますけれども、都市計画局として、今後この生産緑地、どのように維持確保していくおつもりなのか、そのお考えをお聞きします。
○只腰都市基盤部長 生産緑地地区の指定でございますが、ご承知のように区市の事務ではございますが、都は、各区市が緑の東京計画や都市計画マスタープラン等に基づきまして追加指定に向けて要綱や基準を作成するよう要請しているところでございます。
また、都市づくりビジョンでは、生産緑地地区の指定を促進するため、都は情報提供などにより区市の要綱策定を支援しているということを記載しているところでございます。
○かち委員 指定要綱をつくって情報提供をするというのが東京都の今やっていることではありますけれども、これで現に減少しているという状況なのですから、より積極的な対策が求められるのではないかと思うんですね。
具体的には後ほど小松議員の方から質問させていただきますけれども、もっと区市の要望や農家の皆さんの声を聞いて具体的な施策をとるように求めます。
一方、五ページにあります総合治水対策の取りまとめとしての役割が都市計画局にはあるわけですけれども、雨水の地下浸透や再利用対策などが重要な課題となっています。
各戸貯留対策事業の補助の実績、これを行ってきたわけですけれども、これを見ますと平成十一年度で終了ということなのですが、暫定処置として十三年度まで続けていただいたわけですが、やはり十二、十三年度とは減少しているんですね。
都として、これらの成果をどのように評価しているのか、そして今後どう考えるのか、お聞きします。
○只腰都市基盤部長 各戸貯留浸透施設等の助成事業でございますが、この事業の実施によりまして、総合的な治水対策の重要性あるいは効果につきまして、広く都民あるいは区民、市民に浸透してきたのではないかというふうに考えております。
今ご指摘ございました、平成四年度から十年間やってきたわけでございますが、そういう意味で、地域住民へ普及啓発するという都の先導的な役割はおおむね達成したものと考えてございます。
○かち委員 総合治水対策は、広く区市に浸透した、都の先導的役割は終わったというお答えでしたけれども、激変緩和の二年間を見ても、東京都の補助がなくなるということで、既にだんだんやろうとする市区が減ってきているわけです。東京都がやらなくなれば、区市もやはり消極的になるということを示しているのではないでしょうか。
十年たったとはいえ、まだ実施している自治体が数の上でも半数に及ばない。繰り返し都に要求しているというところもありますので、実施自治体というのは、本当にまだ限られた自治体なんですよね。そういう意味では、もっとこれを普及啓発して実施させるという立場に立って、定着するまで継続すべきだと考えます。
それでは、今後都として雨水貯留浸透などの対策についてどうかかわっていかれるのか、お聞きします。
○只腰都市基盤部長 東京都といたしましては、昭和六十一年度から、当局を含めました関係局、それから関係の区市町村で構成されます総合治水対策に関する協議会を設けまして、治水対策や都民へのPR活動を進めてまいってきております。
今後都といたしましては、広域行政という立場から、民間の大規模施設や都などの公共施設への貯留浸透施設の設置指導等の雨水流出の抑制の対策に一層努力してまいります。
○かち委員 事前にお聞きしたときに、総合治水対策として、どの地域にどれだけの雨水を貯留していくのかという展望というか、計画を持ち得ないのかという点では、それはなかなか難しいというふうにお聞きしました。
しかし、今のようなやり方では、やはりとても受動的だと思うんですね。都として積極的に浸水を防ぐという立場に立つならば、もっと計画的にこういうものを進めていただきたいというふうに思います。
それで、次にですが、都市計画局としての税金の使い方を見直すべきだと思う点について質問します。
資料の四ページにあります首都高速道路公団への出資と無利子貸付についてですが、首都高速道路公団、何本か事業中のものがありますけれども、現在工事中の路線の進捗状況をまずお聞きします。
○只腰都市基盤部長 都内の首都高速道路でございますが、三路線で工事中でございます。
まず、王子線でございますが、板橋区板橋から足立区江北に至る延長六キロの路線でございまして、進捗率は十三年度末で九一%、本年中には開通の見通しでございます。
次に、新宿線でございますが、目黒区青葉台から豊島区高松に至る、先ほどの王子線の南側の路線でございまして、延長十キロでございます。進捗率は、四五%でございます。
また、晴海線、これは臨海副都心の開発を促進する路線でございますが、江東区の有明から中央区の晴海に至る延長二・七キロの路線でございまして、進捗率は三%でございます。
○かち委員 今ご説明ありましたけれども、晴海線については、実質的にはまだ事業が始まってはいないわけですが、今後中央環状品川線という問題も出てくるわけですけれども、首都高速道路の問題は、四公団の赤字問題、民営化促進委員会という、国の方でも今随時検討されているところですけれども、こういう道路のあり方、つくり方、進め方というものが、今根本から問われている時期だと思うんです。
東京都では、この首都高に対して、無利子貸付を行っているわけですけれども、現在までの貸付額は一体幾らになるのか。そして、この財源は都債ということですけれども、その金利負担というのはどのぐらいになるんでしょうか。
○只腰都市基盤部長 中央環状の王子線及び新宿線に対しましては、ただいまご指摘ございましたように、平成元年度から十三年度まで無利子貸付を行ってございます。その貸付総額でございますが、二千五百三十六億三千六百万円でございます。
財源につきましては、都債充当ということでございますが、都債の金利等、具体的な発行条件につきましては、当局では把握してございません。
○かち委員 トータルで二千五百三十六億三千六百万円貸し付けてきたわけですけれども、これは無利子であって、東京都は都債でその利子分を払い続けていかなければならないわけですが、それは私が財務局の方に確認したところでは、年間六十数億ということになるわけですね。
これは、全く法的な根拠という点では、東京都に義務があるというものではないわけです。そういうものを払い続けなければならない、この無利子貸付についてのあり方というものは、本当に今見直すべきではないかと思います。
十三年度の執行額、二百六十億五千六百万円というふうになっておりますけれども、この内訳をお聞きします。
○只腰都市基盤部長 十三年度の貸付金の決算額の内訳でございますが、十三年度の執行済み額が百三十八億七千四百万円、それから十二年度から繰り越してきた額が百二十一億八千二百万円でございます。
○かち委員 お答えいただいたように、使用済み額では、予算上、百三十八億七千四百万円ですが、そこに十二年度、前年度からの繰り越しが百二十一億八千二百万円、トータルで二百六十億ということになったわけですね、繰り越された分があって。
その前年の十二年度というのはどういう年だったかといいますと、当初予算では百三十八億余だったんですね。そこに二百十億円の最終補正がつけられました、三月の時点で。しかし、結局百二十一億円、約当初予算額に近い額が使い残しということで繰り越されたわけです。
それまで、都市計画局としては、この貸付金については単年度決算をしていたわけですけれども、この十二年度から繰越明許制度ということを導入しまして、繰り越し、繰り越しというふうにいうわけですけれども、大変多額な繰り越しが行われました。
東京都全体では、厳しい財政運営を迫られている中で、この十二年度というのは予想外に四千億近く増収があったということでしたけれども、こういう中で、東京都として法的に義務のない、そういう貸し付けにこれだけの、年度末に二百十億円もやって使い切れるわけがないわけですけれども、こういうことをやるということが、本当に財政運営上正しいのかという点では、大きな疑問を持たざるを得ません。
そのときも聞きましたときには、事業の進捗状況見合いだといわれましたけれども、明らかに使い切れないことがわかっていながら、それを補正し、繰り越す、こういうあり方は、本当に見直さなければならないと思います。これでは、本当に管理監督をしていないといっても過言ではないと思うんです。
都には、さまざまな融資制度がありますけれども、このような無利子貸付制度というのは、ここだけしか通用しないものです。この間、公平性とか負担の平等などという形で、多くの福祉施策が切り下げられてきました。また、聖域なしの見直しなどということもいわれてきたわけですけれども、なぜかここだけはそのまま聖域になっているんですね。本当にじゃぶじゃぶの予算づけといっても過言ではありません。
しかも、この無利子貸付制度というのは、国との関係でも、名目は渋滞解消何とか対策ということで、もっともらしい名目はついていますけれども、東京都だけにしか通用しないものです。しかも、国の要綱というもので決められており、法的根拠を持たないものです。
やっていることも、国が半分出せば東京都も自動的に半分、国が五分の四になれば東京都も五分の四ということで、東京都自身の主体性が全くここにはない。
いろいろな施策も十年で見直しをするといわれていますけれども、これは既に十年を経過しているわけです。そういう意味では、この無利子貸付制度のあり方、始まった当初と今日との経済状況あるいはそのときの動機づけというものからしても、随分変わってきている、状況が変化してきているわけですから、これは見直すべきではないかと思いますけれども、ご見解はいかがでしょうか。
○只腰都市基盤部長 ご存じのように、首都高速道路でございますが、東京の社会経済活動を支える根幹的施設でございます。
先ほど申し上げたように、中央環状線につきましても東側半分しかできていないということで、決してその整備は十分ではございません。そういうことから、交通渋滞等の頻発が起きているわけでございまして、私どもとしては、この整備が東京あるいは東京圏の発展に向け、必要不可欠なものというふうに考えております。
ただ、この事業費につきましては、首都公団単独で支弁するということは大変困難でございまして、必要な無利子貸付、あるいは出資等の、あるいは国からの支出等が、ぜひともその整備に当たっては必要なものというふうに考えている次第でございます。
○かち委員 道路公団のあり方そのものが今問われている。情報開示がきちんとされないとか、こんなに赤字路線をつくっていいのかとか、そういう問題も今国において議論をされているところですので、そういうことも根本から振り返って見直すべきだと思います。
そして、この無利子貸付については、昨年の予特委員会で我が党の木村幹事長が質問いたしました際に、知事自身も都の負担軽減の必要性は認めるというふうに述べられているものです。
現在、そういうこともありまして、余りに税金に頼り過ぎている、また経営実態のあり方というものも非常に今問われているときですので、ぜひこれは見直しをしていただきたいと思います。
以上、るる伺ってきましたけれども、都市計画局としてやるべきこと、見直すべきことが、私はどうも逆立ちをしているのではないかと思います。今後は、経済効率一辺倒ではなく、ぜひ都民参加、環境確保を最優先にした都市計画づくりというものをやっていただきたいということを強く求めて、質問を終わります。
○松原委員 私の方は、京浜急行の蒲田駅の総合改善ということで、二、三お尋ねをさせていただきたいと思います。
これは、私ども大田区、かち委員もいらっしゃいますが、私たち大田区の住民にとっては、大変長い長い課題でございました。もう恐らく三、四十年の悲願だという感じもします。
あそこは、ご承知のとおり、国道一五号線、通称私ども古い人間は一号線、第一国道というんですけど、そこと穴守線の空港線が一緒に交差しているところと、それから環状八号線のところと京浜急行の本体の交差しているところで、すぐ至近距離なものですから、大変交通が混雑しました。
ちょうどその環状八号線ができたころから、非常に本線と込み合いまして、以来ずっと込みっ放しで、つい最近まで一時間で大体四十五分あいていないというあかずの踏切になりまして、都内でも有数な観光名所みたいな形になりました。
そんなところで、地元も大分連合会とか町会とか挙げて署名運動をとりました。たしか十二、三万の署名も集めたと思いますが、町会や連合会、大田区全体の自治連合会も参加しました。
そして、たしかそれが四年ぐらい前ですが、それを受けて都市計画決定がされてきました。たしか、おととしだと思うんですが、森総理大臣と石原慎太郎知事が現場視察に来てくれました。森総理は、我々、中の人間ですからいいたくないんですが、支持率が一八%という、大変支持率が悪いときだったんですが、しかし、この件については私たちは支持率を上げたいなというふうに思うぐらい、京浜急行のことについては現場を見てくれまして、その場で石原知事が、私の昔の選挙区だったところですよといいましたら、森総理が、これはもうとにかく、私も空港に行くときは何回も引っかかって、えらい思いをしたことがいっぱいありますよ、早くやりましょうというふうな形でいっていただいて、今日まで来たというふうな感じなんです。
やっと、そういった意味で、都市再生の問題も含めて予算化されてきました。そういうことで、待ち望んでいた事業なんですけど、今後この京浜急行線の連続立体交差事業について、完成までのスケジュールはどうなっているのか。また、都は今後どのように取り組む気持ちでいるのか、とりあえずお伺いいたしたいと思います。
○只腰都市基盤部長 ただいまご指摘ございました京浜急行線の蒲田駅付近の連続立体交差事業でございますが、地元の大変強い要望等を受けまして、平成十一年三月に都市計画決定され、平成十二年から十四年度にかけまして事業認可を取得して、現在事業中でございます。
大変地元の要望、強いわけでございますので、一応事業年度につきましては二十六年度までにということになってはございますが、今後集中的な用地取得やあるいは工期短縮の工夫を行いまして、また特に今ご指摘ございました京急本線と交差する環状八号線の踏切につきましては、仮線を高架構造にすることなどによりまして、早い時期に踏切が取れるように努力してまいる所存でございます。
○松原委員 それで、この京浜蒲田の周辺の、ここがおかげさまで十七年度までということぐらいで、かなり期限は切ってやってくださると、そういう話になりました。大変地元としては喜んでいるところなんですが、関連して、あそこはたしか五つの、本線の中で、平和島と梅屋敷と京急蒲田と雑色と六郷土手と、五つあると思うんですね。その中で、雑色とそれから梅屋敷、そこを朝、皆さん乗ったことありますか。これは、すごいんですよ。両方上下線がありまして、その上下線の中に、ちょうどラッシュアワーのときは列車が二台あるんです、上下線が。その踏切の下をくぐっていくんです、命がけで、通勤に間に合うように。えらいところなんですよ。
ですから、そういう状況にありますので、自分たちの駅がいつごろなるのかというのが非常に注目の的なんですね、地元にとって。そういうことで、本線全部が認可されたわけなんですが、例えば京急蒲田が終わったならば、隣のところをやっていくと、この順序とか、そういうものというのは考えているのか、ちょっともしわかれば教えていただきたい。
○只腰都市基盤部長 今ご指摘のこの京浜急行線の蒲田付近の連続立体交差事業でございますが、本線並びに空港線合わせて七・五キロございまして、その区間に二十八カ所の踏切がある現状でございます。
ご指摘のような大変本数も多い路線でございますので、朝夕、大変地元にご迷惑をかけているような実情かと思います。
具体的な工事の手順につきましては、特に蒲田駅につきましては、高架の二層構造ということで、大変大規模な工事になると。また、蒲田以外の区間につきましても、現在ある路線を一遍仮線に振りまして、その後高架橋をつくるというような構造になりますので、今ご指摘のありましたような具体的な個別の各駅につきまして、どういう時期に、どういうような工事がなされて、どういうふうになるのかというようなことにつきましては、これは建設局の所管になりますが、地元に十分な情報が行くように、私ども、建設局に対しましても伝えてまいりたいというふうに思います。
○松原委員 わかりました。それは、建設局の方で聞くようにします。
あと、これはまた一つ、都市計さんなのかどうかわかりませんが、あそこは非常にそういうふうなことで詰まっていますね。経済的なロスというのは非常にあったと思うんですが、その辺が、例えばこれが整備されると、どのぐらいその経済効果というものが出てくるか、試算とか、そういうのは都市計さんの方でやっていますか。
○只腰都市基盤部長 現在大規模なこうした公共事業をやる際には、BバイCと我々いっておるんですが、費用対効果の表を正確につくりまして、具体的にどういうメリットがあるか、また工事費がどのぐらいかかるか、その比率を提示しまして、国庫補助の採択をするというような仕組みになってございます。
ちょっと今手元に個別の数字、持っておりませんが、この地区につきましては、大変高い効果があるということで事業採択がなされたというふうに私ども考えております。
○松原委員 もし具体的に数字が出たら、ひとつ教えてください。
それから、京急蒲田、今いろいろと直されておりまして、改札口なんかも変わってきております。そういうふうな形で、駅そのものの改修についても関心が非常に強いところなんですが、これは具体的にどういうふうな事業内容で進んでいくのか、ご説明いただきたい。
○只腰都市基盤部長 蒲田駅でございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、京浜急行の本線と空港に行く空港線との分岐駅になってございまして、ホームにつきましても、そういう乗りかえが可能なような構造になってございます。
今ご指摘ございましたように、最近に至りまして駅の構造を一部変えまして、横浜方面からも空港に行けるような配線がなされたというようなこともございます。
また、将来的には、この駅につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、高架の二層構造の駅で、上下線を分離いたしまして、二階部分と一階部分で線路を分けまして、それぞれが羽田空港方面に直通できる構造にするということで、そういう構造の連続立体交差事業になってございます。
また、この蒲田駅につきましては、鉄道駅の総合改善事業、これ、具体的には駅周辺で行われます都市側の事業と一体的に行われる駅の総合的な改善事業に対しまして国と地方公共団体が補助する事業でございますが、この事業を適用いたしまして、京急蒲田駅の二層高架構造に対しまして、その制度を適用するということで事業を行っているものでございます。
○松原委員 この話の中で、総合事業ですか、これは百十三億ぐらいかかるというふうに予算で聞いているんですが、かなり大がかりな、大変な二層構造でやるということ。また、それとあわせて、バリアフリー化とかエスカレーターの設置ということで、かなり立派な駅ができ上がるのかなというふうに思っておりますが、より一層頑張ってほしいなというふうに思います。
最後に、こういうふうな改善によって、具体的なメリットというんでしょうか、どのような効果が生じるのか、ご答弁いただきたいと思います。
○只腰都市基盤部長 京急蒲田駅に鉄道駅総合改善事業を適用することによる効果でございますが、今後予測される駅利用者の増加等に対しまして、先ほど申し上げたようにホームを上下に分離いたしますので、その分離化による混雑緩和などが図れるものというふうに考えております。
また、鉄道の運行につきましては、品川から羽田空港あるいは横浜方面から羽田空港への直通列車がふえるということ。それから、駅の上下線の分離によりまして、品川、横浜間の通過の所要時間も短縮されるような時間短縮効果も生じるものというふうに考えております。
○松原委員 最後に要望なんですが、全体事業として二十六年に完成の予定ということでございますが、地元としては、すべてが一カ月でも二カ月でも早くという、そういう強い思いがありますので、ぜひとも努力していただいて、二年ぐらい早く前倒しになれば大変ありがたいかなというふうに思いますので、要望して終わります。
ありがとうございました。
○真木委員 まずは、景観につきまして二点簡単にお伺いさせていただきたいと存じます。
まず一点目、屋外広告物についてお尋ねしようと思っておりましたが、小美濃議員と多く重なりますので、簡単に今後の展望についてお尋ねしたいと思います。
平成十二年にラッピングバスの広告が解禁されました。今の決算対象であります十三年におきましても、電車の車体利用広告が緩和された。こうした屋外広告物の規制緩和、大変大きな動きが出てきている中、この間の流れについては基本的に評価していきたいと思います。
そして今、十月八日でしたか、改めてまた審議会に諮問したということでございまして、関心は今後の流れになります。
一点だけ教えていただきたいと思いますが、今後の車体利用広告の検討の方向性について、お答えいただける範囲でお答えいただければと思います。
○野本市街地建築部長 車体利用広告の検討の方向についてでございますけれども、今お話の十月八日に広告物審議会に諮問しましたけれども、その一つの項目としまして、車体利用広告について検討いただくことになっております。その中に、車体利用検討委員会という小委員会を設置しまして、その中で具体的に企画の検討等をしていただくということでございます。
具体の内容でございますけれども、都民意識の分析であるとか、あるいは交通安全面の検証等をやることを考えております。
○真木委員 この間の基本的な規制緩和の流れというものは評価いたしますし、そしてこれからも規制緩和の流れということになっていくんだとは存じます。
しかしながら、やはり都市の景観に広告物は非常に大きな、とりわけ動く車体に関しましては非常に大きな影響を及ぼすものであります。
さらには、私の観点からいわせていただきますと、都内ではよく見るんだけど、多摩では見ないな、私の地元の方ではよく見ないなと。とりわけ、私も本会議で質問させていただきましたが、都県境であります町田においては余り見ることがない。
これは、広告の経済効果ということも広告主が考えているのは事実でありましょうが、もう一つのネックとして、やはりこの屋外広告物の規制の主体が都道府県である、政令市においては政令市であるということの、その主体の違いであります。
多摩の方を走るバスでありますと、どうしても必ず東京都しか走らないという運行予定を組んでいるバスしかラッピングはできないということになるわけですので、バスですからいろいろなローテーションで、やり繰りをしながら、観光バスに突然変わる、うちの方ですとスヌーピーバスなんていうのもございます。これは、突然観光バスに変わったりするわけですけれども。また、定期的な車検で、ふだんは町田しか走らないけれども、どうしても神奈川を走ることがあると。そうしたときにはラッピングができない、そういったいろいろな制約を受けます。
ですから、とりわけ今後タクシーに関して議論していくわけでありますが、東京都内しか走らないタクシーというのは、これはあり得ないんですね。ふだん、九九%東京都内であっても、必ず僕みたいなのが乗っていくと。僕が乗っていけば、途中必ず神奈川を通りますので、その車、もし僕のうちに乗っけてくれといったときには、ずっと東名では帰らずに中央高速で帰らなきゃいけないなんていう、コース選定も制約されるなんてことになりかねませんので、その辺はどうぞ周辺の都道府県、政令指定都市との環境整備状況、規制緩和の状況も見計らって整備を進めていただくということをぜひお願いさせていただきたいと思います。
ぜひ、そうした方向で、基本的な規制緩和の流れは是とするものでありますけれども、この間の急激な動きに関しては、もうちょっと慎重になっていただきたいなという気持ちを持っているものでございます。
もう一つ、景観ということに関しましてお尋ねをさせていただきたいと思いますが、都市計画局の方で景観を扱うのは、何も近代的な景観だけではないかと存じます。歴史的な景観、もしくは自然景観に対して、平成十三年度、どのような取り組みをしてきたのか、お尋ねしたいと思います。
○野本市街地建築部長 平成十三年五月に、東京都の景観形成上、重要な骨格となる景観基本軸の六番目の軸として、崖線の緑、湧水等のすぐれた自然環境の保全や、歴史的、文化的資源を生かした景観づくりを進める国分寺崖線景観基本軸を指定しました。
また、生活文化局で所管しておりますけれども、歴史的価値を有する都選定歴史的建造物の景観を保全するため、その周囲で建築行為等を行う場合の配慮事項を歴史的景観保全の指針として公表しました。
また、十一月には、虎ノ門金刀比羅宮外三件を都選定歴史的建造物として選定しております。
○真木委員 今のお取り組みを聞いておりますと、指定、公表、選定ということでございまして、答弁は要りませんが、これは予算の執行を伴わないものばかりでございますね。
そもそも古い町並みを保全する、そういったことで、古い町並み、歴史的な景観を保全するということで、東京都の補助制度はあるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 東京都景観条例では、古い町並み保全のための補助制度は設けられておりませんけれども、歴史的な建造物については、ただいま申しましたとおり、保存及び修復等の制度を設けております。
制度の運用につきましては、生活文化局において、都が選定した歴史的建造物の保存、修復等に係る経費の一部を補助するため、歴史的建造物景観意匠保存事業を平成元年度から実施しまして、現在は景観条例に基づく都選定歴史的建造物の保存に係る事業費補助事業として、所有者に対し補助する制度を行っております。
○真木委員 今の補助の対象となりますのは、一つ一つの建物であったり、一つ一つのもうちょっと小さな建造物であったりするわけでありますね。やはり町並み、景観ということでいきますと、一つ一つの建物には補助するような価値はなくても、それがまとまって、古い町並みとなって、江戸の、武蔵野の歴史的な景観を残すということで、一つ一つは大したことないけれども、大したことないなんていっちゃ失礼ですけれども、全体としてやはり価値があるという、そういった町並みがたくさんあるわけですね。
ところが、こういった町並みとか、そういうのは、地元であればあるほど、大して価値を見出していないということが往々にしてございまして、しかし、オール東京で見たときには、やはり歴史的に非常に価値があるというところがたくさんございます。
そうしたところに、地元の市や区が何らかの補助をしなければならないような、呼び水となるような、東京都の、薄い補助で結構ですから、制度を設けていただき、古い景観、歴史的な景観、また自然の景観--自然と歴史は金で買えないというようなことをこの前聞きました。一度失われると戻ってまいりませんので、そうした古い町並みの景観を守ると、そういったことにもぜひ東京都として取り組んでいただきたいというぐあいに強く要望しておきたいと思います。
と申しますのも、私の地元で、小野路に宿通りというのがございます。これは、去年都議会の方で私も紹介議員となって請願を通していただきました。宿通りがいよいよ今度拡幅されることになりました。
この宿通りといいますのは、まさに宿、昔の宿場でございまして、水路があって、古い町並みが残っている、そうしたところでございます。今三・五メートルほどしかない東京都道なんですが、その東京都道を今度八・五メートルにすることを決定いたしました。
しかしながら、今三・五メートルしかない道路の横に水路が走っている。それを八・五メートルにするんですが、その横にあえてまだ水路は残そうと。市と都の強力な要請を、地元の皆さんが、家を削られるわけでありますけれども、水路はあえてその八・五メートルの外に移そうということで協力をしていただき、その古い町並み、水路がある町並みを残そうということになりました。
しかしながら、今のままで行きますと、水路は残った。だけど、今の趣のある壁はどうなるのかと、全く何の保障もないんですね。これは、もう地元の皆様の、東京都は保障のためのお金は出します。建設局の方からお金が出るわけですね、用地費が。だけど、それで何に使うのかというのは、私有財産で、もう勝手でございまして、もらったお金は家の方に力を入れて、壁は一番安いやつだとか、もっとお金かけて近代的なものにしてしまうとか、そういうことがあり得るわけでありまして、せっかく東京都がお金を出して水路まで--余分な土地、余分といっちゃいけないんですけど、余分じゃないんです、必要なんですけども、道路以上の幅の水路の分まで東京都が用地買収をした。多くのお金を出したにもかかわらず、何ができるかわからないというのでは、これは余りにも策がないということになると思いますので、ぜひそうした観点からもお取り組みをいただきたいと。
これは、何も宿の問題だけではございません。まだまだオール東京、あちらこちらにそうした問題があるかと思いますので、ぜひご検討いただきたいと思います。
そして、もう一つ、今度は景観から離れますけれども、この宿通りの横の部分におきまして、町田市の小野路地区で都市基盤整備公団が区画整理を計画しておりました。しかしながら、都市基盤整備公団が、定期的な見直し、また今回の独立行政法人への移行に伴い、区画整理の事業撤退を表明いたしました。
これから都市基盤整備公団が独立行政法人になるのに伴い、新規事業から多く撤退することが見込まれます。東京都のオール東京であちらこちら、都市基盤整備公団の計画地があったわけでありますけれども、今後の東京のまちづくりの上で、都市基盤整備公団の撤退というか、都市基盤整備公団の新規の区画整理からの撤退ということは、大きな影響を及ぼすと思いますが、この問題についての心構えについてお尋ねいたします。
○森下都市づくり政策部長 都市基盤整備公団につきましては、特殊法人等整理合理化計画によりますと、市街地の整備改善事業は都市再生を図るものに限定する、あるいは新規の宅地分譲事業は廃止するなどの業務の見直しを行いまして、独立行政法人への移行を進めていくこととなっております。
また、ことし七月には、都市基盤整備公団の事業評価監視委員会の審議の結果、今ご指摘の小野路西部土地区画整理事業を公団としては中止すると発表しております。しかしながら、都市基盤整備公団は、本事業の当事者でもあり、また当該地域の最大地権者でもあることから、多摩地域の特性を生かした土地の有効利用を図るとともに、道路や公園の整備など、地域の整備課題に対し、積極的に対応していく必要があるものと考えております。
今後、他でも同様な状況が生じるような場合があるかと思いますけれども、地域の活性を図るため、地元市と連携を図りながら、公団に対しまして必要な協力を要請してまいります。
○真木委員 公団は、やはり土地を取得してきた責任が、計画してきた責任があるわけですので、公団の責任をしっかりと追求というか、果たしてもらうように、これは市からのお願いじゃ力弱いですから、やはり都が全面的に応援していただきまして、都として公団に強く働きかけをしていく、リーダーシップを発揮していただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
○小松委員 それでは、都市計画局関係、何点か質問させていただきます。
まず、都市再生への確かな道筋としての都市づくりビジョン、これが先ほどから出ておりますけれど、昨年十月に発表されているわけですが、このビジョンは、都が今後の政策誘導型都市づくりを展開する上での基本的な方針を明らかにするものだとしまして、五十年先を見据えつつ、二〇二五年を目標時期とする、こういうふうにいっているわけですね。
しかし、そこにおける目指すべき都市像というのは、先ほど我が党のかち議員からもありましたけれども、まさに環状メガロポリス構造の実現であって、その中心がその名前のとおりのセンター・コアであり、せいぜい隣接する環状都市軸まででしょうか。多摩においては、核都市連携都市軸として、立川とか八王子、多摩ニュータウンなどが入っているものの、その他の大部分の多摩の位置づけ、いまいち弱いんではないかという、そういう感想を持つものですが、いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 都市づくりビジョンにつきましては、委員ご指摘のように、今後の都市づくりの基本的な方針を明らかにするものでございますけれども、この中で環状メガロポリス構造の構築とか、あるいはその都市構造を踏まえました五つのゾーン別の戦略などを打ち出してございます。
それで、このゾーン別の戦略でございますけれども、区部及び多摩、それぞれの地域特性を踏まえまして、その将来像を描き、その実現のための取り組むべき戦略を記載しているところでございますけれども、多摩につきましては、都市環境再生ゾーンあるいは核都市広域連携ゾーン及び自然環境保全活用ゾーンに分けまして、それぞれその特性に応じまして、その将来像と必要な施策について記述しているものでございます。
○小松委員 今ありましたように、核都市広域連携ゾーン、これが大変多摩の大部分位置する大きなところですが、私もそのゾーンに住む一人なんですが、八王子や立川を挙げながらも、核都市広域連携といわれても、全くぴんと来ないわけですね。
しかし、多摩こそ都民の三分の一が居住する東京の今後の発展地ではないか、多摩に住んでいる者としては、こう考えているわけですが、もっと焦点を当てる必要があるんではありませんかというふうに思うわけです。
センター・コア中心の環状都市メガロポリス構造実現の都市づくりビジョンということですが、これではますます都心への一極集中を招くと。都心居住で職住接近、そういうことをおっしゃっておりますが、これはほんの一部。多摩は、完全なベットタウン化ということになりはしないでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 東京の都市づくりのためには、センター・コアの整備は、業務の再編であるとか都心居住の推進等、大変重要なことでございます。
それとあわせまして、多摩につきましても、核都市であります八王子とか立川等の整備であるとか、その核都市以外の周辺部におきましても、例えば圏央道インター周辺での物流等の産業立地地区であるとか、福生、羽村、瑞穂地域の住工複合地域形成などを示しております。
また、ほかにも、農地の多い地区につきましても、東村山、清瀬、東久留米等でございますけれども、農住の調和した、水と緑と潤いのあるまちづくりを目指す農住調和地区の形成などを進めることといたしております。それらの多様な機能を備えた東京の都市づくりを進めていくということを掲げているものでございます。
○小松委員 農住ということでは、またちょっと後で触れますけれど、残念なことに、今触れていない中で、例えば多摩の将来を語るときに、やはり世界で唯一、首都に基地があるという、この横田基地問題を抜きには考えられないんではないかと。今回の計画では、当基地の軍民共用化、これを目的にしているように記述されておりますけれども、この軍民共用化という形では、たとえ基地が万が一返還されても、空港の固定化にはなりはしないでしょうか。
隣接住民にとっては、横田基地は騒音被害の最たるものなんですね。返還されて、また空港化では、地元住民の理解、得られるんでしょうかね。横田基地は七百十四ヘクタールですか、ぴんと来ないので、よく例えられておりますが、旧の田無市がすっぽり中に入ってしまうという大変な広大な土地であるわけです。この基地を返還させ、この跡地を多摩の発展のために活用すれば、その効用は大きいと思われるんですけど、こうした横田基地についての論議、ないんでしょうか。
○甲斐航空政策担当部長 横田基地につきましては、基地返還ということを、都といたしましては、知事以下、国に対して申し入れております。
といいますのは、横田基地という横田の飛行場自体が三千メーター強の滑走路を持ち、今首都圏の空港容量が足りないという中で、大切な使い方ができるところだということで、ぜひこれは基地を返還していただいて、空港として使いたいと、こういうふうに都としては国に訴えているところであります。
○小松委員 空港、足りないからということですけど、その辺は羽田とか成田とか、また違うんですね。この多摩のベットタウンの中で、こうした空港を位置づけるということ。これは、将来的な話ですから、今ここで決算の中でこれ以上論ずることはしませんけれど、やはりあの広い、今申し上げたように、旧田無市がすっぽり入る。あそこは、住民の騒音被害をすぐ隣で受けるような空港ではなく、あそここそ多摩の中の未来の都市として、土地として、あの中に産業もできれば住宅もできればいわゆるあらゆるものが入ってくるということで、大きな要素、効用を持つんじゃないかというふうに思われるということで、きょうはとめておきましょう。
なぜこんなことを申し上げるかといいますと、最近多摩に対しての、都市計画局さんがということじゃないんですよ、東京都のさまざまな施策の削減というか、切り捨てというか、どういう言葉が一番いいのか。非常に多摩の各市長さんも怒っておられるんです。(「それはいえる」と呼ぶ者あり)多摩の皆さん、よく--そうですよね。保健所、十二カ所から五カ所でしょう。計画ですよ。十二カ所から五カ所。都立病院、小児病院、八王子も清瀬もなくしちゃうんだ。そしてまた、勤福会館、もうみんななくなっちゃいました。青年の家ももうみんななくなって、奥多摩にたった一カ所つくる。それから、また都税事務所も、これも統廃合していきますね。
このほか、社会教育会館も縮小、それから図書館も、こういうように、都市計画局というのは、都市づくりビジョンということで今申し上げているんだけど、そうした都市づくりビジョンの中に、やはりこうした本当に削られていく多摩の実態を見据えるというのかな。そうじゃなくて、多摩の人々が安心してそこで住み続けられる、地域の中でいろいろなものを活用できる、そうした都市づくりビジョンというものであってほしい。
やはりセンター・コアが中心になっていくと、こうやって削られていくのかなというのをちょっと感じましたので、そういう形で一言、どうしても申し上げたかったということで、今後の中ではその辺を位置づけていただきたいということを申し上げておきます。
そこで、ところで、この都市づくりビジョンには、都市づくりといいながら、また産業と連動した都市づくり、こういういい方をしながら、IT、ものづくり、商店街振興、こういうものはありましても、この産業の中に農業が含まれていないんですね。当ビジョンでは、一貫して農業といういい方ではなく、農地の多面的な機能の活用、こういうとらえ方をしているわけですね。農地の積極的な活用の促進、こうもおっしゃっています。
このことは大変大切であり、決して否定するものではありませんが、その前に農地は産業として位置づけられるべき東京の農業にとっての基盤であるわけですね。なぜこの観点が明記されないのかと。
例えば、私も農対審で諮問を受けて答申を出した一人ですので、この農業振興プランへの答申をはっきり覚えているんですが、この中でも魅力ある産業としての東京の農業ということをきちっとうたっているわけですね。この辺での見解をひとつお伺いしたいと思うんです。
○森下都市づくり政策部長 私どもの策定しておりますのは、都市づくりのビジョンでございます。農地は貴重な緑でございまして、都市に潤いや風格を与える機能であるとか、環境を改善する機能があるとか、あるいは都市の安全を確保する機能があるということなどで、主に都市環境を中心としました多様な機能を備えていることに着目しております。そこで、私どもの都市づくりビジョンでは、都市農地の政策につきまして、豊かな都市環境の創出の欄で記載していると、こういうものでございます。
ただ、もちろん、こういう都市におきましては、こうした農地が果たす重要な機能を維持、存続していくためには、農業経営が成り立つような方策も、産業政策等も連携しながら講じていく必要がございます。
そこで、都市づくりビジョンにおきましては、農と調和した緑豊かなまちづくりの促進とともに、農地維持のための農業経営の法人化の促進、生産緑地地区の指定の促進、農地や民有緑地における税制上の軽減措置拡大などにつきまして記述し、政策として出しているところでございます。
○小松委員 確かに、農業支援は具体の面では産労局の方で、都市計のビジョンづくりとはまた一つ違って、ビジョンづくりの中には、具体の面では産労ということであるのかもしれませんけど、基本の都市づくりビジョンの中に、もっとこの観点が、産業としての位置づけが欲しいということを求めておきたいと思います。
ただ、この中にも、今おっしゃっていたように、市街化区域内の農地や民有緑地の保全と、そういう中に農業経営の一戸一法人化の促進とか生産緑地の指定の促進ということも確かにございます。
ただ、この生産緑地ということでは少し伺っておきたいんですが、生産緑地の資料が出されましたので、それを見ているわけですが、昨年度、十三年度の生産緑地の追加及び削除の状況にしても、やはり追加と削除と、差し引き四十五・三五ヘクタールの減少になっているわけですね。
先ほどかち議員の方からも出されたように、追加しても減っていくということは、減る方がこれだけ多いからだということですね。逆にいえば、追加指定が進まないということではありますけれど、ここに追加指定というように数字で書かれておりますけれど、要綱等による生産緑地地区の追加を行っているというのは、どういうところが多いんでしょうか。
○只腰都市基盤部長 生産緑地地区の追加指定でございますが、世田谷、練馬、足立、葛飾、江戸川の五区におきまして、要綱等を定めまして追加指定を行っているところでございます。
○小松委員 こういうふうに追加指定を行っているところもあるわけですけど、一方、やはりこれが進まない一因として、区市への買い取り申し出に対して、買い取りができない。そのために、区市によっては新規の指定をちゅうちょしている、こういうところがあるようにも伺っておりますけれど、いかがでしょうか。
○只腰都市基盤部長 生産緑地の指定のまず要件でございますが、面積の要件あるいは農業継続の可能な条件と、これを別にいたしまして、もう一つの要件としまして、良好な生活環境の確保に相当な効用があり、かつ公共施設等の敷地の用に供する土地として適している、こういう二つの条件がついているところでございます。
この条件につきましては、生産緑地が何らかの要因で解除された後に、その土地をどうやって利用するかということから、後段につきましては条件がついているんだと思いますが、公共施設等の敷地の用に供する用地として適しているかどうかということにつきましては、良好な市街化を図っていくために必要な公園などの公共性、公益性の高い施設を設置するのに適した土地というような意味でございまして、公共施設の敷地とすることができるような土地を広く意味するのではないかと、私どもそのように解釈してございます。
○小松委員 そうしますと、この生産緑地法第三条の後段、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものとしている、この解釈の仕方ですね。そうすると、これは公共施設の敷地とすることができる土地を広く意味するものだということで、公共施設等の予定地として、あらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないと、こう判断してよろしいでしょうか。
○只腰都市基盤部長 先ほどご答弁申し上げたとおり、良好な市街化を図っていくために必要な公園等の施設を設置するのに適した土地という意味というふうに私ども解釈してございます。
○小松委員 ということは、公共施設等の予定地としてあらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないというふうに読んでいいのかと聞いているんです。
○只腰都市基盤部長 先ほど申し上げましたとおり、生産緑地がいずれ何らかの要件で解除された際、その土地をどう使うかということになりますと、買い取りの申し出等ができるということになるわけでございまして、その際、その土地がどういうふうに使われるかということをこの後段で規定しているというふうに私ども考えてございます。
したがいまして、良好な市街化を図っていくために必要な公共施設を設置するのに適した土地というふうに私ども解釈しているところでございます。
○小松委員 なぜそこでこだわるんでしょうかね。これは、生産緑地地区に関する都市計画ということで、第三条の解釈、そしてまた、その解釈のあり方として、今、後段のということでお読みになった最後に、公共施設等の予定地としてあらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないと、こう書いてあるんですよ。だからどうなのかって、今ちゃんとそれを確認したいと思って聞いているのに、なぜそれを、はい、そのとおりですっていえないんですかね。
○只腰都市基盤部長 先ほど来ご説明していますように、生産緑地法の第三条第一項に、どういうものを生産緑地として決めるかということが明文で記載してございます。
その中で、一段の後段に、かつの後ですが、公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであると、それが要件になってございます。
どういうものがその土地に適しているかにつきましては、先ほど申し上げたような公共性、公益性の高い施設を設置するのに適した土地というふうに私ども解釈して、事務を運用しているということでございます。
○小松委員 なぜ、きちんとこうやって明文化されているものに対して、これはそうだといい切れないんですか。何かそれはまずいんですか、この後の方。これは、そちらがいつも運用に使っている中に書かれているんじゃないんですか。これが非常に大事だから、今伺っているんです。
○只腰都市基盤部長 おっしゃっている意味でございますが、多分、「逐条解説生産緑地法」という書物がございまして、その書物の中の、後段についてはこういう解釈だということをご指摘いただいているのかというふうに思いますが、私どもとしては、広く公共施設の敷地とすることができる土地を意味するということで、そういう判断のもとに事務を執行してございます。
○小松委員 なぜこだわるかって、やはりここなんですよ。そちらがこれだけ私が読んでもそこをいわないというのは、やはりそこに問題があるからこそ、今私、こうやってこだわっている。このことが、この生産緑地の追加に大きな障害になっているんですよ。今部長がすっきり答えられない。私が、ちゃんと「逐条解説生産緑地法」の中の文章を読み上げているにもかかわらず、はい、そのとおりですといえばいいわけでしょう、それがいえないで、ここには後段のってあって、公共施設の敷地とすることができる土地を広く意味するものであり、そこでとまっちゃうんですよ。
その先に、公共施設等の予定地としてあらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないといい切っているではないですか。これは、今も申し上げます、何回いってもわかっていただけないなら。「逐条解説生産緑地法」の四七ページですよ。そちらが持っているのと、私がコピーして持っているのと同じものでしょう。ここが大事なんですよ。それでは、私が今申し上げた、公共施設等の予定地としてあらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないという、これに対してはどういうことなんですか、この逐条解釈法の。
○只腰都市基盤部長 ご指摘いただきました「逐条解説生産緑地法」と申しますのは、生産緑地法を解説する解説本でございまして、私どもとしては、先ほど来申し上げましたように、公共施設等の敷地の用に関する土地につきましては、その施設を設置するのに適した土地であれば、広く含まれるというふうに解釈して事務を運用してございます。
○小松委員 これは、部長さんがそういうことであるならば、いわゆる公共施設等の予定地としてあらかじめ保全する必要がある土地に限定する趣旨ではないと、この生産緑地法の逐条解説に書いてあるということでは、部長さん、だめならば、局長さん、どうですか、こういう解釈しているんですよ、ここでは。どうしてそれがそのとおりだって--いや、違う、そのとおり、逐条解説ではこうやっているけど、都はこれに従ってないんだというのか。なぜ、その前の、意味するものでありでとまっちゃうんですか。私は、この一番最後の、この土地に限定する趣旨ではないという、もっといってしまえば、これがもっと徹底されていれば、もっと追加指定というのはふえているんですよ。これが徹底されていないからこそ、追加指定というのが非常に少ないんだ。もっともっとこれを広報すべきなんですよ。もう同じような答えなら要らないよ。
○只腰都市基盤部長 何度もお答えいたすわけでございますが、あらかじめ保全する必要のある土地に含めまして、それを含めまして、公共施設の敷地とすることができる土地を広く含んで、広い概念として私どもとしてはこの条文を運用してございます。
○小松委員 何回やっても平行線になるのでね。こうやってこだわると、ますます疑問になりますよね。ここにちゃんと広く意味するものであり、その後段に書かれているわけですからね。こうした土地に限定する趣旨ではないという。いや、ここが大事だということで、やはりこのことをもっと広報すべきというふうに思うんですよ。それは、どうでしょうか。もっと広く、こういう追加指定ができるんだよということを各区市に、今は分権により、指導じゃないといいますから、きちっと広報するということではいかがでしょうか。
○只腰都市基盤部長 先ほど、最初のご答弁で申し上げましたとおり、生産緑地の指定につきましては区市の事務でございまして、都といたしましては、追加指定が出されるよう、要綱等で要請を行っているところでございます。今ご指摘いただきましたような形で、追加の生産緑地の指定がなされることにつきましては、私どもとしては先ほど申し上げたビジョン等にも記載しましたとおり、そういう方向で事務を運用してまいりたいというふうに思っております。
○小松委員 とにかく、この逐条解釈によれば、公共施設という青写真までは求めないということですよね。やはりこのことをもっときちっと各区市や、それから農業者に広報し、そして追加指定を促進させるという、そうしたことで農地を確保して、東京の農業を発展させる。それだけでなく、緑の保全や災害時の空地確保、そうした多機能の拡充を求めて、この生産緑地については終わりたいと思います。
大分時間をとってしまって、こんなつもりなかったんですが、最後に多摩モノレールについて伺っていきたいと思います。
平成十年十一月に立川北から上北台間が、また平成十二年一月には多摩センターから立川北間が開通したわけです。当初、赤字路線と大変心配されていたわけですが、このモノレールも多摩センターまでの延伸で、利用者もふえて、今や黒字に転じたという話も聞きますが、そこで伺うわけですが、既に開業しました十六キロメートル区間の利用客数の推移はどうでしょうか。
○只腰都市基盤部長 十六キロ区間でございますが、平成十二年一月に開業してございます。開業の次の年度の十二年度でございますが、一日平均七万九千八百人、十三年度が一日平均九万二千七百人でございますので、前年比で一六%増加いたしました。十四年度に入りまして、四月、これは学生さんが大変多いということもございまして、十一万六千四百人ということで、開業時の計画利用者数を突破したような状況でございます。着実に私ども、利用者が伸びている状況ではないかというふうに考えております。
○小松委員 目標値の十一万六千人、ことしの四月は突破したと、非常にいい方向に行っているわけですけど、それでは会社の経営状況はどんな状況でしょうか。
○只腰都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社の平成十三年度の経営状況でございますが、先ほど申し上げましたように、乗客数が着実に伸びておりまして、これを反映しまして営業収入が増加しております。
償却前でございますが、経常利益を開業後初めて六億円計上したということではございますが、償却した後の当期損失につきましては約三十億円の損失ということでございます。
会社の経営環境、先ほど申し上げたように、乗客については増加傾向にはございますが、運賃の値上げ等が困難な中で、会社が現在増収策等を行っているわけでございますが、一層の経費削減を図る中で、なかなか経営状況につきましては厳しい面もあるというのが実態でございます。
○小松委員 乗降客、伸びていると。一応、償却前黒字にも転じたと。しかし、厳しいんだという現状ではあるようですが、それでは将来のトレンドはどのように予測しておられますか。
○只腰都市基盤部長 将来の伸びでございますが、多摩モノレールが西武線、中央線、京王線等の放射状の各線と結節しているということで、ネットワーク効果みたいなことで、だんだん利用者が増加しているような状況がございます。
また、沿線には学校などの所在が多いということで、学生の利用率も徐々に向上しているような状況にございます。
また、路線の整備によりまして、沿線におきまして土地区画整理事業あるいはそれに伴います住宅建設等が行われておることがございまして、これらの開発事業の進展によりまして、今後も利用者数及び運輸収入につきましては、これまでより緩やかになるとは思いますが、増加傾向にあるものと予測してございます。
○小松委員 そこで、私ども、私の地域でもあります武蔵村山、踏切もなければ駅もないという、多摩の陸の孤島といわれている、ここはモノレールに頼るしかないんですよね。こうした地域への、すなわち箱根ヶ崎方面への延伸に関する取り組み状況、これ、過去に同僚の議員も大分聞いておられますが、改めてここで伺いたいと思います。
○只腰都市基盤部長 一昨年十月でございますが、都と沿線の二市一町並びに会社で構成いたします計画調整会議を設置いたしました。以降、最新のデータに基づきました移送需要の予測、あるいはそれに対応いたしました運行計画等の検討を行ってきているところでございます。
今後、先ほど申し上げましたような会社の厳しい経営状況もございますので、それを踏まえつつ、事業の採算性あるいは導入空間の確保策を含めて、さまざまな角度から検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小松委員 このところ、私はこうやって詳しく伺うの、改めては初めてですけれども、大分いろいろな議員が聞いていても、ちっとも、同じような答えで、進まないということですがね。
ところで、この本事業におけます地元市の負担というのはどうなんでしょうか。
○只腰都市基盤部長 既に開業しております十六キロ区間を例にとりますと、会社に各沿線五市からご出資をいただいております。一市当たり三億三千万円余でございます。また、会社に対する経営支援ということで、無利子貸付、一市当たり十五億円をお借りしているというような状況でございます。
また、整備に当たりまして、あるいはその沿線につきましても、区画整理事業の立ち上げ等、あるいは立川駅等も含めまして、そういう沿線開発等も市の協力をいただいて実施しているような状況にございます。
○小松委員 今回はまだ出ないでしょうけれど、前回の東大和とか立川見ましても、大変多額な負担をしているようで、地元市にとっては本当に大変なことと思うんですけれど、この地元市、または町ですね、瑞穂なんかは。こうした負担を少なくとも軽減していく、このためには、どういうふうに考えていらっしゃるか。このことについては、どう見解を持たれていらっしゃるんでしょうか。
○只腰都市基盤部長 会社の厳しい経営状況等を勘案いたしますと、これは都ももちろん入るわけでございますが、関係の公共団体によります必要な援助というのはどうしても不可欠なのではないかというふうに考えておりますが、具体的な事業スキーム等につきましては、現在具体的に申し上げる段階にございませんので、今後の検討課題というふうに現段階では考えております。
○小松委員 やはり地元にとっては、大変大きな負担になるわけですよ。先ほどからの答弁を伺っていますと、乗降客も目標の十一万六千人を突破し、これからも緩やかではあろうが、伸びていくだろうと。償却前経営も一応黒字となったと。
にもかかわらず、経営は厳しい、そうですよね。足が前に出ない。一体何が問題か。やはり、金の問題ではないでしょうか。金がかかり過ぎるということ、一言に尽きるんではないかというふうに。
ですから、これを前向きに問題解決するためには、こうした過疎地域の地域交通ですね、どう解決していくかという原点から徹底的に論ずる必要があるんではないかと思うんですね。
今のままですと、地元負担も大変多額になるし、都の負担も大きいと。こうした問題、すなわち過疎地域の交通対策、これこそ、やはりもっと国の力が入らないとならないと思うんですね。そういう意味では、特定道路建設費、こうしたものも私どもは一貫して一般財源化して、道路をつくるだけではない、交通対策費にも充てるというような国に対しての働きかけ、これを一時も早く強力にすることによって、先ほども申し上げましたような、駅も踏切もない、踏切事故も従ってありませんけれど、こうした武蔵村山の悲願のモノレールの延伸、これを強く求めて質問を終わりたいと思います。
○矢部委員 何からお伺いしようかと思っていますが、都市計画局そのものの名前は変わりませんけれども、中の部がそれぞれえらく変わって、要領を得なくなってきたような感じがしております。しかし、皆様からすれば、それが今都民のニーズに合っている形に変えたということなんでしょうけれども、根本、都市計画局というのは、都庁の歴史の中で、ある面で天皇がいた時代もあるわけで、しかし、いた時代といいながら一人しかいなくて、それ以来、何もないのかと逆に思ってしまったり、あるいは知事は、東京には都市計画がないまで、こうおっしゃるわけですが、都市計画局というのは、久しぶりにここへ参るものですから、基本、今何をしているんでしょうか。わかりやすく一言で。
○勝田都市計画局長 大変難しいご質問、ある意味で難しいご質問で、一言でなかなか申し上げられないわけでございますが、一言であえていえばまちづくりということかと思います。
ただ、まちづくりは、大きく分けて、ハード面のまちづくりとソフト面のまちづくり、こういったものがございます。従来は、都市計画法にのっとった土地利用、それから道路、鉄道等の都市施設、それから再開発区画整理のような面開発、こういう都市計画の体系で理解しておりましたが、現在はそれぞれの政策に応じてまちをつくっていくと、こういうふうにスタンスを変えてきたということでございます。
部の名称も、そういったものに従って変えさせていただいたということかというふうに理解しております。
○矢部委員 国の方が、どちらかというと建設省といわれたイメージのところから、国土交通省というふうに名前を変えて、より東京の都市計画局に近づいてきたかなという感じがしてまして、そういう意味では、考え方は東京の方が先を行っているというふうにも見えなくもないというふうに思うんです。
基本の流れというのは、特にここ数年の中で大きく変わったことというのはあるんですか。今組織の変更がありましたけれども、基本の方針、大きく、極端にいえば百八十度転換したようなものってありますか。
○勝田都市計画局長 先ほどご議論がございましたが、都市づくりビジョンというのがございましたが、ここの中で私どもとしては非常に劇的に変えたという意識でございますけれども、先ほどちょっとご説明したような都市計画法の体系による仕事のかかわり方、こういったことから、都市づくりビジョンで五つのゾーンに区分けいたしまして、そのゾーンごとの地域特性あるいはその地域の将来像のようなものを、まずイメージいたしまして、そのイメージに沿った施策、必要な施策あるいは足りない方法、こういったものをつくり出していく、こういうことを総合化したものが都市づくりビジョンということでございまして、そのあたりについては、私どもの仕事の意識としては、かなり、百八十度といえるかどうかわかりませんが、ドラスチックに変えたというふうに認識しております。
○矢部委員 意識改革がされたということでありますけども、資料を幾つか要求もさせていただきました。東京都の制度の中で、平成十二年ですか、四月一日から都と区の制度が変わって、都市計画の仕事が区の方へ大分シフトしましたね。多摩は、市ですから、それより前からやっているわけですし、本来、都市計画の仕事の大方は市町村の仕事というか、市の仕事になるんだろうと思うんです。
ましてや、政令指定都市のあるところは、もっと強力に政令指定都市がやっているところもありますし、そういう中において、逆に政令指定都市のない東京というのは、かつての東京市の名残も抱えているという中で、特に二十三区のエリアということについての東京都の取り組みというのは、東京市の名残があって、ずっと続いているものが多くあるんだろうと思うんです。
だから、多摩をやらないんじゃなくて、多摩は東京都がやらなくても、市の方に十分に権限があるということだろうと思っていますが、そういう中で、この変化と同時に、建築の紛争のことで資料をお願いを申し上げましたが、民間への移行というのがもう一方の考え方としてあるわけですね。確認事務についていえば、民間の認証機関というところへ移行しようという方向。だから、あれは何というんでしょうか、民営化というのか、規制緩和というのか、そういうトレンドも入ってきているように思うんですが。
だから、都と区の間での都区制度の改革、あるいは国の政策の民営化ということの中での変化というのも、当然あるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 確認にかかわる制度改正のことなんですけれども、民間の指定確認検査機関による制度ができましたけれども、これにつきましては、都と民間の役割分担、あるいは確認業務についての手続の迅速化、このようなものを目指したものでございます。
○矢部委員 手続事務としてはそういうことなんでしょうけれども、結局東京都という組織の中、あるいは都市計画局という中において、とらえ方、対処の仕方というようなことは一貫した流れがあるんだろうと基本は思うんですね。そういう中で運用はどうされているかということをお尋ねしたんですが。
ここ最近の傾向として、この資料のことでお尋ねしていきたいと思うんですけれども、平成十二年四月一日から確認事務が、五千平米だったものが一万平米までが区の方へ移管されました。また、平成十一年五月一日からは、民間の確認機関もできるようになりました。
そういう中で、この件数の変化がもう少し目に見えてここへ出てくるかなと思ったらば、ここには余り変化は出てない。減ってはいますけど、一万三千が一万台になって三千件減っているということでは減ってはいますけれども。また、総体、まちの世の中の様子からすれば、ビルの建設あるいは建物の建設件数はふえていますから、総数はぐっとふえているだろうと思います。
それに伴って、当然のごとく、建築紛争もふえるであろうというふうに思いますし、と思っておりましたが、この数字からすると逆に減って、この数字だけ眺めておりますと、東京都内は至って平和で何もないように映ってくるんですけれども、現実はそうではなくて、大分泣き寝入りというのか、言葉は適切じゃありませんが、紛争に至っても強引に時間とともに、確認がおりたから着工して、いつの間にか工事が終わって、気がついたら何もされずにいなくなってしまったというようなことがあちらこちらにあるようですし、ある特定の業者は、どこに行ってもそういうことばかりしているというような札つきの人もいたりするようです。
何を申し上げたいかというと、東京都として、この二つの出来事がありました。一つは区へ移管、もう一つは民間の認証機関ができた。そういう中で、いろいろな建築の紛争というものは、当然のごとく、これは民事ではありますけれども、起こるわけですし、かつての日照権争いというような時代もありましたが、そういうことも経る中で、中高層建築物の紛争の予防に関する条例というような条例を制定されて取り組みをしているわけですから、その条例はなくなってない、その条例が生きてずっとつながっている以上、一貫して処理がされていかなければ、私はおかしいと思っているんですけども、どうもそうじゃない様子が見えますが、最近の傾向を少し教えていただけますか。
○野本市街地建築部長 都で扱った紛争案件につきましてですけれども、今お話に出ました指定確認検査機関で確認を行ったものについて、パーセント、割合をお示ししますと、平成十一年度については二四%でしたけれども、平成十二年度は四〇%、平成十三年度は五八%と、残念ながら紛争案件は民間での確認がふえていると、そのような状況でございます。
○矢部委員 紛争はふえているわけでしょう。ふえているんだけれども、その後の処理の仕方は、この中、ちょっと確認したいんですが、この一三ページの表は、紛争処理状況(都扱い)となっていまして、確認件数は都確認のもの、要するに東京都が確認事務を扱ったものでしょう。この右側の紛争のところについては、紛争調整室がある関係で、都のだけじゃなくて民間のものも含まれているという理解でいいわけですね。その中の比率が、こういう構成比が変わっている。でも、総数は減っているという感じを受けるわけですけども、それで何も問題は起きてないんですか。
要は、その後のあっせんの件数や調停の件数はぐっと減っているわけですが、問題はないという認識ですか。
○野本市街地建築部長 件数そのものにつきましては、確かに減ってございますけれども、私ども、紛争調整については問題なしということを認識しておりませんで、引き続き民間で確認したものでも、あるいは区の方に確認が移ったものにつきましても、私どもがやるべき紛争調整については引き続き責任を持って対応していくと、そのように考えております。
○矢部委員 具体的にどう責任を持った--うまくいった例というか、うまくいかない例はないと思っているでしょうけど、うまくいった例というか、処理のあっせんの件数は減っているんで。だから、この辺、私は大変理解しがたいんですが、民間確認検査機関に出したときには、あっせんすら拒否することもあるようだし、調停なんていうのは、双方の合意がなければ調停に臨まないというルールが東京都はあるようですけども、業者の側がほとんど応じないから、調停まで行くことがないというふうに聞いていますけど、そうなんですか。
○野本市街地建築部長 紛争については、あっせん、調停という制度がございますけれども、あっせんを拒否するところはまずございません。私ども、呼びかけに答えまして、住民、それから事業者ともあっせんに応じていまして、ほとんどがあっせんで紛争が解決すると。
それで、物によりましては、調停に移行した方が解決しやすいだろうと思われるものにつきましては、そういった調停を進めるんですけれども、残念ながら余り積極的に受け入れてはもらえていないと、そのような状況でございます。
○矢部委員 十二年、十三年はゼロなんですから、全然受け入れられていない。だけれども、その中で、本来そういうふうにするべきだといったのは、例えば二十三件、十九件のうちどのぐらいあったんですか。
○野本市街地建築部長 なかなか何件というのは明確にお答えするのは難しいんですけれども、そのうちの数件については、できれば調停で解決できればなと思ったものもございましたということでございます。
○矢部委員 なかなかどこまで東京都ができるのかというのは難しいんですけれども、これからの方向として、民間の確認検査機関に確認事務はゆだねる、国はそういう方向のようです。もしそうならば、東京都は紛争調整室なんかなくしちゃったらいいんじゃないですか。
○野本市街地建築部長 建築確認につきましては、都、それから区あるいは市、それから指定確認検査機関と手分けして、役割分担して行うわけですけれども、紛争調整につきましては、引き続き都あるいは区市等の行政で対応する必要があるということで、その重要性については今後とも変わらないだろうと、こんなふうに考えております。
○矢部委員 重要性が変わらないといいながら、変わっているわけだと私は思うんですよ。現実的に、私もたまたまあるところに出ましたら、その会社はとんでもないことをいい出しまして、我が社は一部上場企業です。株主様から出資をいただいている企業です。したがいまして、いろいろなことはあるでしょうけれども、当初の計画をどこも変更するつもりはありません。そして、さらに、工期内に完成させて収益をきちっと上げるのが株主の皆様への義務だと考えていますという発言が民間との調整の会であるんですね。
何も聞く意思はありません、何をいわれても、確認が通った以上、工事は着工して、指定された期日までに完工させるんですと、こういい切るわけです。何もできないじゃないですか。
○野本市街地建築部長 建築紛争調整につきましては、先生ご指摘のように、なかなか限界がございますけれども、今後ともできるだけのことをして紛争調整に当たり、そういった事業主が一切譲歩しないということのないように、引き続き強力に指導していきたいと、そのように考えております。
○矢部委員 冒頭申し上げましたように、これはあくまで民事の要素が極めて強い、行政は民事不介入という立場もあることは承知していますが、そういう中でつくられた条例があるわけですから、その条例にのっとって、やはり余りにも悪質なのは、とても見過ごすわけにはいかぬと私は思っていますし、あっせんから調停というところを、どちらからでも要請があったときは、調停に移行するというようなことはできないんですか。
○野本市街地建築部長 調停制度の積極的な活用でございますけれども、今後そのように片方からでも調停の申し出があった場合については、積極的にそういった調停制度の活用を考えていきたいと思います。
それから、これまでの説明の中で、ちょっと十分説明し切れなかったんですけれども、特に今後指定確認検査機関の確認につきましては、私どもと連絡調整の場がございますので、そこで、単に法律に基づいてチェックするだけでなくて、紛争調整について一定の努力を事業主がするようにということを、それなりの働きかけというんでしょうか、あるいは説明というか、そういうことをするようにということで申し入れを行うと。
それから、そのほかにも、今後紛争案件につきましては、その案件ごとに文書でもって、その指定確認検査機関に慎重に確認検査を行うようにと、こんなことも実施することにしたということをあわせてご報告申し上げます。
○矢部委員 ちょっとくどくて申しわけないんですが、今のその紛争予防条例の中で、先ほどのあっせんから調停ということを、どちらかからの要請があればできるということが読めるんですか。
○野本市街地建築部長 調停への移行なんですけれども、どちらかの申し出がありまして、調停へ移れるかどうかと。本来は、調停は双方の合意のもとにやるということでございますけれども、調停により抜本的に問題解決が図られるということであれば、行政の方からそういったことでの指導はできると、そのように考えております。
○矢部委員 東京都の中は、大いに、東京都までといった方がいいのかもしれませんが、規制緩和の方向はいいんですけども、規制緩和というのは野放しにしろということではなくて、ルールをもって、ルールの中で取り組みをするということだろうと思っております。
そういう意味では、調停委員会というような第三者機関もあるわけですから、大いに活用して、回数で見たって、調停の件数と委員会の開催数からいえば、一つの案件について三回ぐらいしか開かれないわけですから、そのくらいで結論が出ていくということであれば、逆にきちっとした判断が出されるわけですから、大いに活用するべきだというふうに申し上げておきたいと思います。
それと同時に、民間の機関へ行くと、私も知りませんでしたが、東京都が確認したときは、正本ですか、確認申請の正本は五年間ですか、保存しますね。民間の確認検査機関へ行ったときは、その保存義務がないんだそうですが、概要書しか残らないというけれども、そういうことで一貫した処理だといえますか。
○野本市街地建築部長 指定確認検査機関で行った確認書類等でございますけれども、これは必要がある場合については、私どもの方で取り寄せができるということになっておりますので、そういった制度を活用して、必要な場合は取り寄せをしたいと、そのように考えております。
○矢部委員 それは、そういうことなんですが、今進んでいればいいんだけれども、結局役所の場合は、公文書というか、文書の保存期間というのが決められてて、どこかで保管されている。民間の株式会社は、そこまでは必要ないように聞いていますけれども、そうじゃないですか。
○野本市街地建築部長 指定確認検査機関につきましても、確認図書については保存義務がございます。
〔「何年間」と呼ぶ者あり〕
○矢部委員 それは、同じルールで動いてなくちゃおかしいと私は思うんですけど、基本は。同じことをしているんだから。民間がやろうが、役所がやろうが、今までやっていたものを代替するならば、同じでなければおかしいと思うんですが、同じでいいんですか。
○野本市街地建築部長 指定確認検査機関につきましても、保存義務はございますけれども、大変申しわけございませんけれども、年数についてはただいま手元に資料ございませんので、また後ほど調べてご報告したいと思います。
○矢部委員 これは、東京都もそうですし、今区へ移管されているからということがありますけれども、これは保存図書といっても、極めて莫大な、膨大な量になってしまう。物によっては、それこそロッカー一つでもおさまらないんじゃないかというようなものもあるわけですが。何かこの保存の仕方は、IT化がいわれている時代に、みんな図書をもって保存しなくちゃいかぬというのもどうもいただけないなと。電子的な保存の方法もこれからは大いに考えて、合理的な処理の仕方を検討された方がいいんじゃないかと思うんです。
消防もそのようで、みんな持って歩いて、査察に行くときそれを持っていくんだというんですけども、大変な騒ぎしてて、そのときのは出てこないので、古いのを持っていったりしたようなこともあるようですから、これはもう、ぜひ、どこでやるのかわかりませんが、都市計画局としてIT化というのが、実際の確認申請事務はデジタルデータでの申請も大分進んできているようですし、構造なんかはほとんどそれでやっているようですから、活用していただきたいと思いますが、いかがですか。
○野本市街地建築部長 確認図書の保存についてでございますけれども、IT化というのは、特に場所をとらないとか、あるいは保存の確実性というんですか、そういった点でも検討の価値があると思いますので、今後検討させていただきます。
○矢部委員 民間の検査機関は、床面積、延べ床面積の制限が逆にないんでしょうな。だから、小さなものまで全部できるということなんだろうとは思うんですよ。ですが、東京都が音頭をとらないと、多分できないでしょうから、運用の仕方について、どこかで何か協議される必要があるというふうに思いますが、前向きにぜひお願いしたいと思います。
それから、十三年度の中で九月一日の歌舞伎町の火災事故があって、あれからいろいろなことを私も悩みましたが、結構建物の性能だとか、建物がどう安全だとか、検査は受けているかとか、検査済み証が発行されているかとか、あるいは副本があるのかないのか。結局建物のカルテみたいなものというのはどこにもないんですね。
それは、そのときになって慌てて大騒ぎするというのが現実なんですが、ある程度整えておくというような癖をつけるようなことをしていかないと、今これからの方向としては、確認は民間に、あるいは後の報告だとか検査は行政の側にというようなシフトをされていくようですから、そういう中で行政としてきちっと、チェックしたものについてはこうですよという証明をしたり、あるいは確認をきちっととれたり、ほかの保健所だとか警察だとか消防だとかというようなところとの連携をとれたりというようなことが必要だと思うんですが、されているようですけれども、まだ具体的にこれが見える形になっていません。何か今されているか。
○野本市街地建築部長 歌舞伎町の火災に端を発しまして、雑居ビル、いわゆる複合ビルですか、これについての安全確保が大きな課題となっております。
これにつきましては、今カルテというお話もございましたけれども、私ども、制度の中で定期調査報告制度というのがございまして、この制度でもって維持管理が適切に行われているかどうかについてのチェックをしていくと、このようなことを考えております。
それから、各関係部署の連携についてですけれども、警察あるいは保健所等々、関係部署と定期的に会合を持ち、情報交換し、適切な対応をすると、このようなことも実施しておりますので、ご報告申し上げます。
○矢部委員 都民の生命と財産を守り、安全で快適なまちになるように、ぜひ前向きに取り組みをしていただきたいと思います。
屋外広告物のところ、資料の要求をさせていただきましたが、もうずっと出ておりますので、簡単に質問したいんですが。都市景観と屋外広告物に関する世論調査というのの中に、車体利用広告を見た経験、程度別パターン、年齢別、職業別というのがあって、全体としてのまとめのところに、電車もバスも見たことがないという人が六・七%、それ以外、九四%ぐらいの方は何らかで見ているというわけです。
人間というのは動物の仲間ですから、動態視力があって、動いているものは見えるけど、とまっているものは見えにくい、こういう性格の動物ですから、余計そういうことなんだろう。それは、それなりの効果もあるということだろうと思うんですね。
ルールがつくられているのはいいんですが、先ほど来の県境のこともあります。それから、どうも私はわからないんですが、トラックの荷台がそっくり看板になっていまして、中で照明がついて、音まで出るんです。どう見ても、これは屋外広告物としか見えないけれども、どうもそうした手続はされていないような車が走っていましたり、あるいは、古いバスをそっくり買い上げて、外側はそっくり、窓も全部広告にしちゃっていまして走っているものがあったり。ちょっと無法地帯になりつつあるという感じを持つんですね。
それで、これがタクシーにまで広がると、もっとそれが激しくなるでしょうし、これは、東京だけでない、なおかつ県条例で決めなきゃいけないとするならば、あるいは政令指定都市もあるから、一都七県、七都県という中でどこまでできるか、これは難しいでしょうけども、やらなきゃ、困るのは都民だったり国民だったりするわけですから、積極的な調整をして、なおかつやり得というようなことのないようにしていかなければいけないというふうに思っておりますんですが、これから審議会もあるようですけれども、今どんなふうになっておりますか。
○野本市街地建築部長 他の道府県で許可を受けた広告掲載車両ですけれども、現行の屋外広告物条例では、許可申請等の適用除外ということで、条例上は規制できないということになっております。
ただ、このまま放置するということでなくて、実は近隣県の八都県市の協議会というのがございます。そこの会議がやはり定期的にございますので、次回の会議にぜひこういった車体利用広告のはんらん等につきましては調整を図ってまいりたいと、そのように考えております。
○矢部委員 ともかくまちがにぎわっているのはいいことですけれども、めちゃくちゃになってしまうのは困るということですし、またそういう中では、逆に取り締まるという部分も一つですが、もう一面は、いいものと悪いものとをはっきり分けて、いいものは何らかの賞を与えてもいいだろうし、悪いものは、悪いもののリストをつくって、そこに掲載して、こんなみっともないことはするなというふうにした方がいいだろうと思うんですが、東京の美観、景観を維持するという観点からも、ぜひ積極的に取り組みをお願いしたいと思うんです。
先ほどちょっと申し忘れちゃったんですが、さっきの建築の紛争の、もうどうしようも悪いやつは、名前をどんどん公表した方がいいんだと私は思っています。今のインターネットの世界、一部上場がどうのこうのといっているような企業ならばこそ、逆に不名誉なことは困るんでしょうから、不名誉なことをやっていて、表に出なきゃいいんだというのではなくて、悪いところは悪いとはっきりいって公表するぐらいの決意をもって臨んでいただきたいということをいって、そのお答えをいただいて、質問を終わりにしたいと思います。
○野本市街地建築部長 建築紛争予防条例によりますと、あっせん調停への出頭の拒否であるとか、あるいは関係資料の提出を拒否したり、あるいは工事着手の延期または工事の停止について都の要請に応じなかった場合、こういった場合は企業名を公表できるということになっておりますので、こういったことを勘案の上、今後指導していきたいと思います。
○大木田委員長 お諮りいたします。
全員が発言しましたので、本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市計画局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね五分程度休憩いたします。
午後三時四十八分休憩
午後三時五十七分開議
○大木田委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
これより環境局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十三年度東京都一般会計決算中、環境局所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○西野総務部長 それでは、去る十月四日の当分科会におきましてご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元配布の平成十三年度各会計決算特別委員会第三分科会資料の表紙をおめくりください。
目次のとおり、ご要求いただきました資料につきましては、十六項目に取りまとめてございます。
一ページをごらん願います。1、都の一般会計決算額と環境局決算額の推移でございます。平成四年度から十一年度までの環境保全局と清掃局の決算額の推移、平成十二、十三年度の環境局の決算額及び同期間における一般会計合計の決算額の推移でございます。
二ページをお開き願います。まず、2、東京における二酸化炭素排出量の推移でございます。平成八年度から十二年度までの各年度における総排出量、民生部門及び運輸部門の推移でございます。
次に、3、条例の規制対象となるディーゼル車台数でございます。平成十四年三月現在のデータにより推計しますと、トラック十九万四千台、バス八千台、合計二十万二千台でございます。
次に、自動車からの粒子状物質排出量でございます。平成十一年十一月に「危機突破・戦略プラン」で発表いたしました平成六年度の粒子状物質排出量は、四千二百トンでございます。
三ページをお開き願います。まず、5、自然環境費の予算額・決算額の推移でございます。平成四年度から十三年度までの予算額及び決算額を記載してございます。
次に、6、屋上緑化推進の目的、費用及び効果でございます。屋上緑化推進の目的、都施設の施工例での整備費及び主な効果について記載してございます。
四ページをお開き願います。まず、7、東京における自然の保護と回復に関する条例による開発許可の実績でございます。平成十三年度の許可件数、開発許可面積、確保された緑地面積及び開発許可面積に対する緑地面積の比率でございます。
次に、8、保全地域の指定と管理でございます。(1)保全地域の指定でございますが、平成十三年度の指定内容、面積及び指定理由でございます。
(2)保全地域の管理でございますが、通常の管理業務とボランティア活動の支援がございます。
五ページをお開き願います。まず、9、保全地域公有化実績でございます。平成十三年度に公有化いたしました十一カ所の保全地域の名称、公有化面積、購入金額でございます。
次に、10、保全地域の指定及び公有化面積の推移でございます。平成九年度から十三年度までの指定面積及び公有化面積の推移でございます。
六ページをお開き願います。まず、11、里山保全地域への取り組み状況でございます。多摩地域の谷戸の保全に関する調査を平成十二年度に実施し、平成十三年三月には多摩丘陵里山保全連絡会を、平成十四年四月には百草・倉沢部会及び堀之内・東中野部会をそれぞれ設置し、協議検討を行ってございます。
次に、12、産業廃棄物対策事業費の決算額の内訳でございます。PCB廃棄物の適正処理支援対策で約二億四百万、産業廃棄物の規制指導で約四千百万円等でございます。
七ページをお開き願います。13、ダイオキシン類の調査結果でございます。大気、公共用水域、地下水及び土壌の各調査対象における環境基準、及び平成十三年度の調査結果をお示ししてございます。
八ページをお開き願います。14、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況でございます。
まず、(1)二酸化窒素でございますが、表の上段が平成九年度から十三年度までの一般環境大気測定局における測定局数、環境基準の達成局数及び達成率、表の下段が平成九年度から十三年度までの自動車排出ガス測定局における測定局数、環境基準の達成局数及び達成率の状況でございます。
次に、(2)浮遊粒子状物質でございますが、表の上段が平成九年度から十三年度までの一般環境大気測定局における測定局数、環境基準の達成局数及び達成率、表の下段が平成九年度から十三年度までの自動車排出ガス測定局における測定局数、環境基準の達成局数及び達成率の状況でございます。
九ページをお開き願います。15、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の測定局ワースト10でございます。二酸化窒素及び浮遊粒子状物質につきまして、それぞれ平成十三年度における自動車排出ガス測定局の年平均濃度ワーストテンの測定局名及び濃度の状況でございます。
なお、参考といたしまして、平成十一年度全国道路交通情勢調査による平日昼間十二時間の自動車交通量及び道路名を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。16、光化学スモッグ注意報等の発令状況の推移でございます。昭和四十六年から平成十三年までの各年の予報、注意報及び警報の発令日数、初回発令日から最終発令日までの注意報発令期間及びオキシダント最高濃度の推移でございます。
以上で説明を終わらせていただきます。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○大木田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○小美濃委員 それでは、何点かに分けて質問をさせていただきます。
まず一点目は、ダイオキシンの話について質問をいたします。その中でも、土壌汚染対策について質問させていただきます。
ダイオキシンは、ご案内のとおり毒性が大変強く、我々の子孫への影響も多大である、こんなふうにいわれているわけでありまして、このような有害なダイオキシン類につきましては、大気や水質は、焼却炉などに対する規制がしっかりとあるわけでございますが、しかし、土壌の汚染対策については、まだ取り組みが始められたばかりであります。
東京都は、土壌汚染対策についてさまざまな取り組みを行っていると聞いておりますけれども、都内でもさまざまなダイオキシン類による土壌汚染が恐らく問題になっているのではないかというふうに考えているわけであります。
そこで、まず最初に、都ではダイオキシン類の土壌汚染状況をどのように把握をされているのか、一点目としてお伺いをいたします。
○百合環境評価部長 ダイオキシン類の土壌汚染状況につきましては、都内全域の人口割合を勘案いたしまして、区市町村ごとに調査地点数を定め、調査を実施しているところでございます。
調査地点の選定に当たりましては、地元自治体から候補地を募り、毎年地点を変えて実施をしております。平成十二及び十三年度は、公園や学校など六十地点の調査を行ったところでございます。
これまでの土壌調査の結果では、環境基準の一グラム当たり一〇〇〇ピコグラムと比較して、極めて低いレベルで推移をしております。平成十三年度では、最低三・七ピコグラムから最高一二〇ピコグラムで、平均濃度は二四ピコグラムという結果に相なっております。
○小美濃委員 濃度が低い値を示しているということで一安心なわけでございますが、こういった調査結果をどういう情報提供として行っているのでしょうか、方法をお願いいたします。
○百合環境評価部長 平成十三年度までのダイオキシン類の調査結果につきましては、調査対象の区市町村に通知をいたしますととともに、プレス発表を行いまして、都民の方々にもお知らせをしているところでございます。また、環境局のホームページにも掲載いたしまして、情報提供に努めているところでございます。
○小美濃委員 都内でダイオキシン調査をしているという全般的な状況は理解ができたわけでございますけれども、例えば一番心配されているであろう清掃工場などの発生源、そういった周辺でのダイオキシンの土壌汚染があるのではないか、こういったことを心配されていらっしゃる都民の方も多いのではなかろうかと思っております。
そこで、例えば焼却炉などの発生源周辺のダイオキシン類の土壌汚染状況は、どのように把握をされておりますか。
○小島参事 発生源周辺の土壌汚染の状況ですけれども、平成十二年一月からダイオキシン類対策特別措置法が施行されまして、都は、同法に基づき、平成十二年度以降、発生源周辺についても土壌調査を行っています。
平成十二年度から十三年度に五カ所の清掃工場の周辺二十五地点で行った調査の結果では、土壌一グラム当たり〇・五三から一九〇ピコグラムの範囲にあり、土壌環境基準の土壌一グラム当たり一〇〇〇ピコグラムを下回っています。今後も、発生源周辺の汚染状況の把握に努めていきます。
○小美濃委員 先ほども述べましたけれども、十二月から、排水や焼却炉でしたか、などには基準が厳しくなるわけでございますけれども、土壌というところは、本当にまだ取り組みが始められたばかりでございまして、今後ともしっかりと調査を行っていただいて、土壌汚染対策に積極的に取り組んでいただくことを要望して、一点目の質問を終わりたいと思います。
次に、地球温暖化対策の関係について質問をさせていただきます。
本当にことしの夏は暑くて、熱帯夜が続いておりまして、地球温暖化というのはこういうことなのかなということを実感した夏でありました。東京においては、ヒートアイランド現象が相まりまして、広範な気候変動を引き起こすなど、一層深刻になっているようであります。このまま推移をいたすならば、自然の生態系や人類社会に大きな影響を及ぼすことが懸念されておりまして、地球と我々人類の存続をかけた問題への取り組みは、一刻の猶予も許されない状況にあると思われます。
私どもの国では、本年六月に京都議定書の批准がようやく決定をされまして、温暖化対策を本格的に実行すべき段階に入りましたが、環境税や排出量取引など実効性のある対策は、欧州各国と比べ、導入がおくれている状況であります。
こうした中で東京都は、本年一月に東京都環境基本計画を策定し、二〇一〇年度の温室効果ガス排出量を、一九九〇年度比で六%削減することを目標として掲げ、温暖化対策の取り組みの強化を打ち出したところであります。また、二月に地球温暖化阻止東京作戦を開始し、政策提案や都独自の取り組みを進めておりまして、環境確保条例に基づく地球温暖化対策計画書制度と建築物環境計画書制度が施行されたわけであります。
そこで、お伺いするわけでございますが、環境確保条例に基づき実施している地球温暖化対策計画書制度、これは、これまでの運用でどのような成果が上がっているのか、お伺いをいたします。
○百合環境評価部長 地球温暖化対策計画書制度でございますけれども、本年四月からの制度の実施によりまして、エネルギー消費量の大きい事業所に対しまして、地球温暖化対策計画書の提出と公表が義務づけられたところでございます。その結果、事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を全国で初めて把握することができるとともに、事業者が自主的に定めた削減目標値や目標達成のための取り組みなどが明らかになったところでございます。
八月の集計結果によりますと、提出された計画書における温室効果ガスの今後の三年間の削減目標は、平均で約二%でありました。
○小美濃委員 一般的に我々、環境の基準というんでしょうか、規格というんでしょうか、こういうことを思い浮かべますと、環境ISOの認証取得ということが頭に浮かぶわけでございますが、この環境ISOの認証を取得する事業所、これは今たくさんあるようでございますけれども、環境ISOとこの制度とを比べるとどのような関係になっているのか、お尋ねいたします。
○百合環境評価部長 環境ISOは、事業活動におきまして継続的に環境負荷の低減に取り組むために、環境マネジメントシステムを構築することをねらいといたしております。
一方、都の地球温暖化対策計画書制度につきましては、事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制を直接の目的といたしまして、事業者が削減目標を定め、自主的、計画的に取り組むことをねらいとしているものでございます。
○小美濃委員 まあそういうことなんでしょうね。環境ISOも、私、悪いとは思わないんですけれども、これは、私も市議会にいるときにちょうど厚生委員長でございまして、ヒアリングを受けました。取得するのに大変多額な費用負担があったり、また毎年更新、見直しの費用がかかったり、この不景気に企業がこれだけの莫大なお金をかけて積極的に取得をすることがなかなかできない状況も中にはあるのではないのかな、こんなふうに思っている次第であります。
しかし、今やある意味では、テレビコマーシャルでも、環境ISOを取得しましたというように、一つのブランドのような形で語られているわけでありまして、何か環境ISOを取得していなければ環境に対しての配慮がない企業なんじゃないか、こんなふうにも、まるで差別をされているような、そんなような感じに私は見受けられるわけであります。
そういったところで、先ほどご説明がありました地球温暖化対策計画書制度は、私は、これはこれで温室効果ガスを抑制するということを目的として、また各社が自発的に取り組むということで、大変有効な制度だと思っております。東京が率先してこうした制度を国に働きかけていくことが大変重要であると思っておりますし、石原知事のおっしゃっております東京から国を変えていくというような、そういったものにもつながっていくのかな、そんなことを思っております。私は、環境ISOだけがマネジメントシステムではないと思っておりますし、ぜひとも、地球温暖化対策計画書制度も東京発のブランドとして今後定着するよう、頑張っていただきたいなと、そんなことを思っております。
そこで、今後二〇一〇年までに六%削減をするという東京都環境基本計画の目標を達成するために、事業所の取り組みを強化する必要があるのではないか、そんなふうに思っているわけでございますが、どういう指導助言を行っていくのか、お尋ねいたします。
○百合環境評価部長 先ほどお答えいたしましたとおり、八月の集計結果では、大規模事業所における温室効果ガスの今後三年間の削減目標は、平均二%にとどまっております。このまま推移いたしますと、環境基本計画の目標である六%削減を達成することは、大変困難な状況になっているということでございます。計画書の中には、二〇%以上削減するとした優秀事例もございますので、これらの分析を通じまして、現行制度のレベルアップを図るなど、事業所対策の強化を検討してまいりたいと考えております。
○小美濃委員 この地球温暖化対策計画書制度とともに、環境確保条例に基づいて、建築物環境計画書制度も今年度から開始をされているわけであります。簡単で結構でございますので、どういう内容なのかということをお教えをいただきたいと存じます。
○百合環境評価部長 建築物環境計画書制度につきましては、本年六月から実施をしているところでございますけれども、この制度は、延べ床面積が一万平方メートルを超える建築物の新築または増築において、エネルギーの使用の合理化、それから資源の適正利用及び自然環境の保全といった三つの分野ごとに、環境配慮の取り組みを記載した計画書の提出を義務づけることによりまして、建築物による環境負荷の低減を図ろうとするものでございます。
なお、提出されました計画書につきましては、都がホームページで公表するということになっております。
○小美濃委員 趣旨は大変わかるわけでございますが、では、この制度が地球温暖化対策にとってどういう効果があるのかというのは、ペーパーをいただいたんですけれども、書いてないわけでありまして、具体的な効果をお示しいただければと存じます。
○百合環境評価部長 効果というお話でございますけれども、エネルギー使用の合理化の方策について、例えば具体的に屋根や外壁の断熱、ペアガラスによる窓部の断熱など熱負荷の抑制、それからコージェネレーションシステムの導入、空調や照明のエネルギーマネジメントシステムの採用、またアトリウムによる自然エネルギーの利用などが具体的な方策として挙げられております。
大規模建築物の新築または増築のときに、このような取り組みを促しまして、都が公表することにより、環境に配慮した質の高い建築物が市場に評価されることが期待できるのではないかと考えております。また、省エネルギー対策が促進されることによりまして、地球温暖化対策の効果を上げていくことが可能になるというふうに考えております。
○小美濃委員 具体的に例を挙げていただきまして、この建築物環境計画書制度も、先ほどの地球温暖化対策計画書制度とともに、東京発全国行きの制度にしていただきたい、こう願うわけであります。
環境問題というのは一人一人の自覚が大変重要でありまして、そういう意味では、自治体の取り組みが本当に重要な位置づけになってくるのかなと思っております。市区町村はもちろんのことでございますけれども、やはり環境、大気の問題ですとか、そういったことを考えますと、広域自治体であります東京都の役割はなおさら重要になってこようかと思っております。どうぞ、国に先駆けて積極的に取り組むようお願いを申し上げ、実は、温暖化に関連はしているんですけれども、ちょっと視点を変えて、風力発電施設の観光振興活用についてお伺いをしたいと存じます。
都は、温暖化対策の一環として、臨海部における風力発電施設の整備を進めていると聞いております。風力発電の施設は、東京における自然エネルギー開発の促進という点で重要な意義を持つことは当然でありますが、臨海部における新たな集客スポットが生まれるという意義もあるのではないかと思っております。東京の観光振興という観点からも、風力発電施設の活用を図るべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
○梶原参事 今年度、中央防波堤内側に設置いたします二基の風車でございますが、都におけます風力発電の象徴的な施設と位置づけてございます。この風車が稼働しますと、多くの見学者が、今お話しのとおり訪れるものと予想され、当面は、既存の見学コースに組み入れるなどして対応してまいりたいと考えてございます。
将来的には、中央防波堤内側海浜公園としての公園整備の計画もございますので、周辺環境が整いましたら、集客力のある施設として、観光の面でも寄与できるものと考えてございます。
○小美濃委員 これはほかの局もかかわることでございまして、局間の連携によりまして、環境に配慮した千客万来都市東京に向けてご尽力をいただきたい、そんなふうに思いながら、次の質問に移りたいと思います。
地球温暖化のお話をさせていただいているわけでございますが、二酸化炭素の排出量を削減するには、廃棄物の単なる焼却に伴う二酸化炭素の排出量を減らすことももちろん必要なんでありますが、そのためには、できるだけ焼却の際のエネルギー回収を進めるほか、廃棄物の発生抑制、リサイクルなどなども進めることも重要であります。
容器包装廃棄物は、排出された廃棄物のうちの容積比で約六割、重量比で二割から三割に達しておるわけでありまして、その減量は大きな意義があるといわれております。
このため、容器包装リサイクル法が平成九年から施行されまして、瓶、缶、ペットボトルなどが法の対象になりました。また、平成十二年から、その他プラスチック製やその他紙製の容器包装などが追加をされているところであります。
都内の市区町村も懸命に取り組んでいるようでありますが、区部と多摩地域の現在の容器包装リサイクルの取り組み状況をお伺いいたします。
○福永廃棄物対策部長 都内の区市町村におきましては、循環型社会の形成に向けまして、廃棄物の発生抑制、リサイクルを推進しているところでございます。
容器包装の分別収集の状況でございますが、区部及び多摩地域におきましては、瓶、缶、ペットボトルにつきましては、すべての自治体で分別収集が実施されております。しかしながら、その他プラスチック製やその他紙製の容器包装につきましては、瓶、缶等に比べまして、取り組む自治体が少ないのが現状でございます。
なお、多摩地域におきましては、区部に比べまして、その他プラスチック製容器包装の分別収集を行う自治体が多いという特徴がございます。
○小美濃委員 その他プラスチック製やその他の紙製の容器包装、特に紙が分別収集が進んでいないようなんでありますね。現在の法の仕組みは、再商品化を行う事業者に比べて、分別収集を行う市区町村の財政負担が過大になり過ぎている、これが一つネックではないかといわれております。プラスチック製容器包装などはかさばるので、分別収集や保管などにコストがかかり、区市町村は大変苦労しております。
都議会においても、この三月に国に対し意見書を提出したところであると聞いておりますけれども、都は、市区町村が取り組みやすい制度とするよう、他の自治体とともに、国に積極的に法改正に向けて働きかけるべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 ご指摘のとおり、容器包装リサイクル法では、収集、運搬や保管等が区市町村の役割となっておりまして、再商品化を行う事業者に比較しまして、区市町村に過大な財政負担がかかっておりまして、区市町村が取り組みにくいものになっていると認識しております。
都はこれまでも、国に対しまして、区市町村の過度の負担を軽減するための措置を国に対しまして提案要求するとともに、大都市清掃事業協議会等を通じまして、同様の要求を行ってまいりました。本年は、さらに七都県市で、事業者との役割分担を見直し、区市町村の財政負担を軽減するよう、法の改正を行うことを要望することといたしております。今後とも、関係自治体と連携しながら、国に積極的に働きかけてまいります。
○小美濃委員 私は武蔵野市から選出をされているわけでございますけれども、私どもの市では、容器包装の収集などに約一億円程度の費用をかけております。大変なコスト負担であります。しかし、市の試算では、こういったペットボトルやプラスチックトレーを回収し、リサイクルすることで、これは市試算ですけれども、CO2が二分の一に抑制をされているという試算が出ております。単純にこれはお金の問題ではないということで、現在まで実施をしているわけでございますけれども、しかし、これは税金なんですよね。実際、市民の方々は分別をすればするほど税負担をして、税負担が大きくなっているわけでございまして、これはやっぱりおかしな現状が続いているわけであります。
こうした法律は本当に早く是正をしていかなくてはならないと思っておりますので、本当にこれは積極的に法改正に向けて働きかけていただくように、強く要望をいたしておきたいと思います。
次に、発生抑制やリサイクルを進めていく一方で、市区町村では、焼却などの中間処理によって、最終処分量の減量化に取り組んでいるところであります。しかしながら、多摩地域では二ツ塚処分場の後の処分場の確保が大変難しくなっておりまして、埋立処分量をさらに削減する取り組みも大変重要であります。
多摩地域においては、焼却灰のエコセメント化事業、区部においても、溶融スラグ化事業が進められているわけでございますが、こうした取り組みは、最終処分場の延命化や焼却灰の資源化にとって大変有意義であり、大いに私も評価をし、進めてもらいたいと考えております。
しかし、そのためには、製品となったエコセメントや溶融スラグの販路拡大が最重要課題ではないかと考えております。都としても、製品の利用拡大に向けて支援をしていくべきと考えておりますけれども、ご見解をお伺いいたします。
○福永廃棄物対策部長 三多摩地域廃棄物広域処分組合や二十三区清掃一部事務組合におきましては、施設の整備とともに、製品の販路拡大に向けた検討を推進しております。
都といたしましても、平成十一年度から、国やメーカーと共同でエコセメントの試験施行を行いまして、その成果などによりまして、本年七月に、エコセメントの品質を明確に定め、適正な使用を促すためのJIS化が制定されました。これによりまして、一層の販路拡大が期待されると考えております。
また、溶融スラグは、コンクリート用細骨材や道路用骨材として、本年七月に、JIS化前の技術情報でございます標準情報が公開されまして、今後のJIS化が期待されます。
都といたしましても、引き続き、製品の利用につきまして、関係部局が連携して都内の公共工事への利用を促進するなど、販路拡大に向けた支援を行ってまいります。
○小美濃委員 私は多摩の選出でございますので、本当に二ツ塚処分場にはお世話になっているわけであります。これは、いってみれば日の出町の皆様の、多摩は一つといった、そういった本当に温かいご理解の上に成り立っているわけでございまして、心から感謝をしているわけでございますけれども、先ほども申し上げましたが、二ツ塚処分場がいっぱいになったら、第三処分場もというわけにはなかなかいかないんじゃないかと思うんですよね。一日でも二ツ塚処分場の延命を願うばかりなんでありますが、先ほどご答弁の中にも、関係部局の連携で公共工事への利用を促進する、こういったご答弁をいただいたわけでございまして、これは積極的に進めていただきたいと思うんですけれども、そういう中で、実績をしっかりとつくり上げて、ぜひとも民間への販路拡大につなげていっていただきたい、こういったことを強く要望して、質問を終わります。
○小林委員 最初に、資料要求していましたので、その資料に沿って質問してまいります。
五ページの10、保全地域の指定及び公有化面積の推移というところで、通告した内容と若干変わりますが、大きな流れは変わりませんので、どうぞご容赦ください。
その中で、九年度から十三年度、指定面積と、それからその指定されたところを都の予算で買うという公有化の面積が五年間載っております。多かったり少なかったり、多少でこぼこがありますが、指定というのはなかなか、相手の都合も、人の土地を勝手に--まあ勝手にじゃないよね、了解とって指定をするわけですから、相続とか、病気になって畑仕事ができないとか、そういういろんな家庭の事情とか、あるいは東京都が将来ここは緑地で残したいとか、そういった双方の都合で指定をされますので、若干これはでこぼこがあるでしょうし、公有化の方も、相手が売りたいといっても、逆にこっちがお金がなかったりとかいうことで、これも双方の、何というんですか、都合で決まるわけですが、そうはいっても、やっぱり東京都は将来にわたって公有化を、いわゆる公的な空間、緑地というものを将来にわたって計画的に確保していくというのは、当然方針としてあるわけですよね。
そこで、伺いますが、その上の段の9のところに保全地域公有化実績というのがあって、十一の地区で公有化をして、二十二億のお金で買っているわけですよね。十一地区というのは最初から、来年はこの十一地区買おうと思って計画をして、それで予算措置をしたのか、あるいは、もっと本当は三十億ぐらい用意したんだけれども二十二億になったとか、本当は十億ぐらいだったんだけれども、買ってほしいという要望があって二十二億になったのか、この辺はいかがでございましょうか。
○町自然環境部長 公有化の決算額二十二億二千七百万円でございますけれども、これに対しまして、公有化の--予算額をちょっと申し上げようと思いましたが、後ほどご紹介をさせていただきますが、緑地保全対策につきましては、執行率がほぼ九九%いっておりまして、ほぼ予定どおりの執行になってございます。予算を組む段階で、既に意向をご確認できる方々もございまして、その方々を中心に予定額を計算して計上しておる形でございます。
○小林委員 大体この実績を、そんな長い将来じゃないんですけれども、ここ数年はこういう予算規模で行かれるんですか。
○町自然環境部長 今のご質問の前に、先ほどの予算額をお答えさせていただきたいと思いますが、予算額は、先ほどの二十二億に対しまして二十二億四千万円でございます。
今の、今後の予算化でございますけれども、現在、保全地域は約六百六十五ヘクタールほどの指定をしておりまして、八三%を超えるぐらいの公有化を進めてきております。今後も引き続き計画的に公有化を進めていきたいというふうに存じます。
○小林委員 それでは、一方で、樹林地とか里山なんかに見られるようなああいうところが、開発によって失うという、そういったことも、私、自然保護審議会委員なものですから、四、五年ぐらい入っていますのでよくわかりますけれども、それで、過去五年に、自然保護条例の開発許可がどのくらいあり、開発の面積というのはどのぐらいなのか、自然保護条例に基づく開発許可ですね、平成九年から過去五年間、お知らせをいただければと思います。
○町自然環境部長 自然保護条例におきましては、自然地を含みます一千平方メートル以上の開発は許可を要するものとしてございます。お尋ねの平成九年度から五年間におきます開発許可件数は一千六百六十二件でございまして、この開発許可面積は約八百八十九ヘクタールでございます。
○小林委員 これは五年間の合計ですね。
それで、資料要求の中で、前のページになりますが、四ページの一番上の7というところに平成十三年度が載っておりますけれども、これでいくと、ちょっと資料の説明をまず聞きたいんですけれども、これ、百十二・一ヘクタール開発を許可して、その許可した中で、その中で緑地を確保しなさいといって確保された緑地というのが五十四なんですか。ちょっと資料の説明……。
○町自然環境部長 今先生のいわれたとおりでございまして、開発許可の面積が百十二・一ヘクタールで、その中で確保された面積が五十四・五ヘクタールでございますが、これは、この年度におきましては、石材の開発がございまして、この石材の開発におきましては、緑地の残留基準自体が五〇%になっているというような件が入っておりまして、こういう数字になってございます。
○小林委員 そうすると、さっきいった千六百六十二件の八百八十九ヘクタールというのは、私、何でこれ聞いたかというと、八百八十九ヘクタールだから、では、この半分は緑として確保されたのかなと聞こうかと思ったんですが、今話を聞くと、石材の場合だけ特別に何か五〇%ということだと、この八百八十九ヘクタールというのは、本当は数字で出してもらえば一番いいんですけれども、急に質問しているものだからわからないと思いますが、では、この八百八十九ヘクタールの、おおよそでいいですが、どのくらい緑地として確保されましたか。わからなきゃわからないでいいですから。
○町自然環境部長 今のお話の件は、確保された面積の合計は三百二十四・六ヘクタールということで、比率といたしましては、三六・五%に相当する形になってございます。
○小林委員 そうすると、平成十三年度の場合は非常に、石材、石をとるところだから緑を余計目にとったということですから、この程度に済んでいたわけですが、大体百十二の半分ぐらい、大体六十ヘクタールぐらいずつ毎年失っているといういい方もできるわけですね。そういう意味で、本来ならば、環境局はそれを体張って阻止していくというのが本当の仕事の役割だと思うんですね。
そこで、私も先ほど申し上げましたが、自然環境保全審議会の委員をやっておりまして、非常に、こんな開発いいのかなと思うようなことも結構あったりして、住民運動があったりして、なかなか、規模を縮小したり、かなり中間点に落ちつくとかというのがありましたけれども、そこで、自然を守る環境局として、今までのこれらの開発に対してどのような姿勢で臨んでいくのか、お伺いしたいと思うんです。
○町自然環境部長 東京を自然と共生し持続可能な都市としていくためには、残された自然地の保全、それから失われた自然の回復、さらには新たな緑の創出等に努めていく必要があるというふうに考えてございます。
このため、今ご質問いただいております自然地の開発の許可に際しましても、できるだけ多くの緑を残すために、事業者に、緑地基準を上回ります緑地の確保について協力を求めているところでございます。今後とも、可能な限り開発と自然の保護の両立が図られるよう、努めてまいりたいと思います。
○小林委員 今、前に話したところでいえば、どんどん減っているのに、今何か失われた緑を確保するとか回復するとかという、皆さんもいろいろ開発の中で苦しんでいることもよくわかりますけれども、どうも何か一生懸命やっているという姿勢が余り伝わってこない。そんな気が、私だけかもしれませんが、そういうふうに私は思います。
それで、次ですけれども、個別の案件でございますけれども、永山団地、今自然保護審議会、この前中間報告で私、委員でありましたが、ほとんどの人が、あれはちょっとやり過ぎじゃないか、無謀じゃないかという意見がありましたが、環境局は一貫してその推進の立場にあったように私は思いますけれどもね。
そこで、伺いますが、地元の青梅の自治体のマスタープランに位置づけられているんだということを地元の人もいっていたし、局の人もいっていた、そういうふうに聞くと、では、東京都って何のためなんだ、東京都の環境局って、何をもってそこの仕事をしているのかということになるじゃないですか。
そこで考えますが、東京都というのは、やっぱり広域自治体として、適正に緑を残したり、あるいはさっきのあれじゃないけれども、生産緑地を残したりとか、一定の計画に基づいてやっていくわけですよね。そういうふうに考えると、東京都全体の貴重な自然を保全するという立場で、私は、場合によっては地方分権と若干乖離するかもしれませんが、東京都としてのそういう緑地の配置とかというのは、それは地域に一定程度、基礎自治体に対して一定程度指導していくべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○町自然環境部長 東京の自然の保護につきましては、これまでも、保全地域の指定制度によりまして、東京全体の貴重な自然の保護に努めてきているところでございまして、平成十二年の条例改正におきましては、新たに森林環境保全地域及び里山保全地域の制度を創設いたしまして、その充実を図ったところでございます。また、本年一月に策定いたしました環境基本計画におきましては、先ほど先生がおっしゃいました地元のマスタープランを作成する際にも、自治体が自主的、自立的に環境面から配慮すべき事項を広域的な観点から定めた環境配慮にかかわる指針を作成し、公表しているところでございます。
今後とも、保全地域制度の適切な運用や環境配慮指針の普及、徹底に努めるなど、広域的な観点からの対応に、さらに努めてまいりたいと存じます。
○小林委員 今最初にいおうかと思ったんですけれども、きのう「プロジェクトX」で砂漠の、あれ何かすごく感動したんですけれども、あれやっていて、一方で何か緑をばさばさ切っているなんというのは何となしに嫌な感じがしたんですけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。私、応援団の一人でございます。
それから、産業廃棄物について質問させていただきます。
産業廃棄物、いろいろ今新聞でも話題になっておりまして、当然、いろいろな問題があれば排出者の責任であるというのは、もうこれはいうまでもありませんけれども、一般廃棄物というのは要するに自区内処理、いわゆる見える範囲で中間処理をして、さっきも話がありましたけれども、二ツ塚に広域で処分をしているわけですよね。
そこで、自区内処理という原則がありますが、産業廃棄物の場合は、東京のごみが青森へ行ったり岩手へ行ったりして、どうしても見えないというところもあって、そこら辺にいろいろな不正が働いたりして、今そこが温床になっているわけです。では、東京都は全部自区内処理やればいいじゃないかとか、そうもなかなか事情が許さない。
そこで、伺いますけれども、東京都内から出た産業廃棄物の排出量はどのぐらいあるのか。それから最終処分量、いろいろ減量化したりリサイクルしたりするということはあると思いますけれども、どのくらいなのか、そして、そのうち都外で処分されているのはどの程度なのか、伺います。
○福永廃棄物対策部長 都内の産業廃棄物の排出量でございますけれども、平成十二年度二千五百四万トンでございます。減量・再資源化された後の最終処分量は、その約九%に当たる二百三十二万トンとなっております。このうち、都外で最終処分が行われたものは百七十四万トンでございまして、これは最終処分量全体の約七五%を占めております。
○小林委員 かなり再利用されているんだなと。九%ですから、九一%が減量・再資源化されているということになりますね。
では、九一%減量、再利用されているわけですが、東京都はその際に、九一%の減量・リサイクルに対してどういうかかわりを持って、どういう責任を負っているんですか。
○福永廃棄物対策部長 都内の産業廃棄物の排出量のうち、約五七%は上下水道事業から排出される汚泥等でございまして、これらは、排出事業者でございます水道局及び下水道局の責任において減量・リサイクルが進められております。
次に排出量が多いのは建設廃棄物でございまして、約三五%を占めており、これらにつきましては、廃棄物処理法及び東京都廃棄物条例に基づきまして、建設業者に対しまして、多量排出事業者としての減量等に関する計画作成を義務づけますとともに、産業廃棄物適正処理・資源化推進協定、いわゆるエコトライ協定と申していますけれども、これを都と建設業者の間で締結するなどによりまして、減量・リサイクルの促進に努めております。
また、都の公共工事の発注部局と連携をいたしまして、公共工事におきまして、リサイクル計画の作成などにより、建設廃棄物の発生抑制、減量・リサイクルを進めております。
○小林委員 九一%減量・再資源化ということなんですが、これが多いかどうかというのはちょっとわかりづらいんですけれども、わかりやすくいうと、この周辺になると思うんですけれども、ほかの道府県との比較で多いのか少ないのか、教えてもらえればと思いますが。
○福永廃棄物対策部長 都以外の他県でございますが、首都圏ということで、廃棄物の処理状況、おおむね五年に一度の調査ということでございまして、一番直近の平成十年度で申し上げますと、首都圏の最終処分率を平成十年度の数字で申し上げますと、千葉県は四%、埼玉県は七%、神奈川県は一二%となっております。ちなみに、平成十年度の都の最終処分率は一四%でございます。
一般的に、産業廃棄物の特性といたしまして、リサイクルの取り組みがおくれております建設廃棄物がある一方で、減量化しやすい製造業や農業からの廃棄物などがございまして、各県の産業構造の違いによりまして最終処分率が大きく左右されるということもございまして、一概には多い、少ない等の比較はできないという状況でございます。
○小林委員 東京都内で不法に投棄された廃棄物があるというのは余り聞かないわけですけれども、最近、青森県と岩手県のちょうど何か境のところで捨てられて、おまえんちだ、こっちだとかいって何か新聞におもしろおかしく、テレビかな、やっていて、私もずっと見たんですけれども。
それで、産業廃棄物の不法投棄は、もうかなり全国的に社会問題化しているのに加えて、かなり手口が年々巧妙、悪質になってきているというふうに思います。
東京都は、この事態に対処するために、十二名から成る産廃Gメンというのを設置しているというふうに聞いておりますが、この活動の状況というのはどういうものなんでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 産廃Gメンでございますけれども、これまで、関東甲信越、静岡、福島地区の県及び政令市と連携をいたしまして、不法投棄現場の合同調査、不法投棄ルートの解明、産業廃棄物の収集、運搬車両の路上調査などを実施いたしますとともに、排出事業者や処理事業者などに対しまして、適正処理に関する指導を行っております。
また、廃棄物処理法の違反事実が認められました場合は、速やかに許可の取り消しなどの行政処分を行いまして、今年度につきましては、既に昨年度の処分実績五件を大幅に上回る十六件の取り消しを行っております。
引き続きまして、広域監視体制を強化していくことはもちろんでございますが、悪質な事案につきましては、刑事告発も辞さないという厳しい態度で取り締まりを行うなど、不法投棄の撲滅に取り組んでまいります。
○小林委員 ぜひ頑張っていただければと思います。
それから、そうはいっても、現実に不法投棄が行われるのはずっとやまないわけですよね、地方に多いんですけれども。
そこで、その実行行為者に責任を負わせるのは、そんなものは当たり前ですけれども、これに関与した、関係した人いっぱいいますよね。そういう人たち、すべて責任を追及すべきというのは、これは当然であります。
そこで、伺いますけれども、産業廃棄物の処理の委託を行った排出業者の責任は、どのようになっているのでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物の不法投棄が行われた場合、その実行行為者が原状回復の責任を負うことはもちろんでございますが、廃棄物処理法に定める委託基準に違反して産業廃棄物の処理を行った場合は、排出事業者に対しましても原状回復を命ずることができるということになっております。
さらに、平成十二年六月の廃棄物処理法の改正によりまして、実行行為者などが倒産等で資力がないために原状回復を行うことが困難である場合で、なおかつ産業廃棄物の処理に関し適正な処理費用を負担していない場合などについても、排出事業者に原状回復を命ずることが可能となっております。
○小林委員 不法投棄の実行行為者がわからない、不明ですね、あるいは、多く見られる、倒産などによって処理できない、どこへ行ったかわからないとか、そういうときに原状回復の命令を行っても、非常に問題が多いわけですね。困難といっていい。困難ですね。こういうことが予想されるし、現実にその問題にぶつかっているわけですね。そこで、こんなような場合には、原状回復はどのように行っているんですか。
○福永廃棄物対策部長 不法投棄の実行行為者などが原状回復の命令に従わず、かつ不法投棄により生活環境の保全上の支障が生じているなどの場合につきましては、都道府県知事は、その者にかわってみずから原状回復を行った上、これに要した費用をその者に負担させることとなっております。
しかしながら、これらの者が不明または無資力である場合は、これを負担させることは事実上不可能でございますので、平成九年六月の廃棄物処理法の改正によりまして、平成十年六月以降に行われました不法投棄につきましては、原状回復に要した費用の四分の三につきまして、国及び産業界が出捐をする基金からの財政支援を受けるということができるということになってございます。
○小林委員 今回質問をしようと思って調べていたら、今回の産廃の予算の二十億というのは、この基金に入っているわけですよね。国が二十億、都が二十億、それから協会がお金を出して基金をつくって、それでやるということ、そういうことがわかりました。
それで、この産業廃棄物ですけれども、不法投棄などの不適正処理の防止に努めることということはもちろんでありますが、同時に、可能な限りリサイクルを進める、そして排出量を抑制するということでありますが、上下水道の汚泥を除くと、産業廃棄物のほとんどは建設系ですね。要するに戦後の高度経済成長されたときに建てられたものが、全部ごみになってこれから出てくるわけですね。非常に、その意味では今後相当量ふえるというふうに予想して構わないかと思うんですが、そこで、建設廃棄物のリサイクルについて、都はどのような取り組みを進めていかれるおつもりでしょうか。
○福永廃棄物対策部長 建設廃棄物のリサイクルにつきましては、都は、本年五月に施行されました建設リサイクル法に基づく再資源化等に関する指針の中で、平成二十二年度におけるコンクリートや木くず等の再資源化割合を、国の目標値でございます九五%を上回る九九%に設定しております。このほか、建設リサイクル法の周知を図るための研修会の開催やホームページによる再資源化施設の紹介など、リサイクルの促進に向けた取り組みを強化しております。
建設廃棄物は、確かに、広域的に移動する量も膨大となることが見込まれますために、今後、七都県市で連携をいたしまして、再資源化施設に関する情報の共有化について調査検討を行うなど、引き続きそのリサイクルの促進に努めていくこととしております。
○小林委員 産業廃棄物というのは広域処理というのが原則になっておりまして、そうはいっても、ほかの県ももう困るよというような話を新聞でもよく見たり聞いたりするわけですが、それで、事前協議なんという制度を設けて、事実上外から入ってくるものを規制したりしているところもあるわけですね。
東京都も、そうはいっても、これだけの人口を抱え、これだけいろいろな産業の基盤を持っているわけですから、これからふえこそすれ減ることはないわけですね。そうすると、やっぱりほかのところにいろいろ協力をお願いして、理解してもらわなければいけないわけです。そのときに、都は何も努力しないで、出たらお願いしますということでは、受け入れてもらえないと思うんですね。では、都ができる最大の、自区内処理というのか、そういうことも私は考えるべきだというように思いますが、都内の処理率を高めていく、向上に力を注いでいくべきというふうに考えますが、所見をお伺いして、私の質問を終わります。
○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物の都内処理率の向上は、ご指摘のとおり、廃棄物処理法が予定しております広域処理を維持していくために必要であるというふうに考えております。
都はこれまで、民間処理施設の設置者に対しまして、施設の処理能力の維持、増強に資するよう、技術的な指導助言を行っております。また、スーパーエコタウン事業におきまして、民間事業者を主体とした廃プラスチック類などや医療廃棄物を処理するガス化溶融等発電施設及び建設廃棄物のリサイクル施設などの整備を進めております。引き続きましてこれらの施策を着実に進め、都内処理率の向上に努めてまいります。
○長橋委員 小美濃委員も質問しましたけれども、私も簡単に、地球温暖化についての基本的なことをお伺いしたいと思います。
まず初めに、地球温暖化、世界的に非常に関心が高まる中で、本年は重要な会議が開催をされてきました。一つは、南アフリカで行われた、ヨハネスブルクで開催されました持続可能な開発に関する世界首脳会議、もう一つが、今月下旬にインドのニューデリーで行われます気候変動枠組み条約締結国会議、いわゆるCOP8でございます。京都で開催をされましたCOP3から五年、京都議定書は、今後ロシアなどの批准によって来年にも発効するというようなことも聞いているわけでございます。まさに地球が一丸となって温暖化に取り組んでいくという流れが、一応何とかできているのではないかと思いますが、しかし、日本の現状を見ますと、政府の発表によりますと、二〇〇〇年度の二酸化炭素が十年前の一九九〇年度では一割増加する、非常に厳しい状況になってきているわけであります。
翻って東京都の地球温暖化の現状を思うに、日本全体と同様に改善されていないのではないかというふうに、基本的に思うわけでございます。
それで、東京都の地球温暖化に関する最新の状況はどうなっているのか、また今後の見通しについて、まずお伺いをいたします。
○梶原参事 東京都におけます二酸化炭素の総排出量の状況でございますが、二〇〇〇年度の速報値ベースで申し上げますと、一九九〇年度比で約九%増加してございます。特に業務部門、それから運輸部門がそれぞれ約二割増加してございまして、家庭部門も約一割増加しております。現状のままで推移いたしますと、二〇一〇年度には、一九九〇年度に比べまして一五%程度増加するものと推計しております。
○長橋委員 九%増加していると。ただいまのお話ですと、業務、運輸、家庭の各部門が一律増加している、一割から二割増加しているということでございますけれども、このような状況に対しましてどのような具体策を講じているのか、まずは業務部門についてお伺いをいたします。
○梶原参事 まずは業務部門の関連でございますが、本年四月から、環境確保条例に基づきまして、大規模事業所に対しまして、二酸化炭素の排出量をみずから把握し、自主的な削減を促します地球温暖化対策計画書、先ほどのご質疑の中にございました制度でございますが、この制度を開始いたしました。本年八月の集計結果では、先ほどの説明にありましたとおり、大規模事業所におけます二酸化炭素の今後三年間の削減目標は、平均で二%でございました。また、先ほどやはりご議論がございました、本年六月から新築建築物等に省エネルギー設計や自然エネルギーの利用を求めます建築物環境計画書制度をスタートさせたところでございます。
○長橋委員 業務部門はそういう状況でございます。
次に、運輸でございますけれども、東京の全体で、環境基本計画書によれば四割を占めている。二〇〇〇年度では三四%減ったということでありますけれども、特に自動車分野で温暖化対策は大事だろうと思っていますし、また、最近技術革新が進んできているわけでございますけれども、こうした新しい技術の動向に関する都の取り組みについてはどうなっているのか、お伺いをいたします。
○梶原参事 運輸部門の対策についてでございますが、その運輸部門の約七割を占めます自動車対策が重要であるというふうに考えてございます。自動車からの二酸化炭素排出量を削減するためには、都内走行量の削減と同時に、実走行燃費の向上が必要でございます。都みずから各種のTDM施策を展開しますとともに、国に対しまして、燃費基準の強化を求めていく所存でございます。
自動車の技術革新はやはり目覚ましいものがございまして、現在有力視されておりますのは、究極のクリーンエネルギーといわれております燃料電池自動車がございます。水素と酸素を反応させて電気を起こし、モーターを稼働して走行するため、排出するのは水蒸気だけという技術でございます。都は、民間事業者と協力いたしまして、今年度中に、有明地区に燃料電池自動車のための水素供給ステーションを建設いたしまして、来年度から、自動車メーカー等と連携いたしまして、乗用車及びバスの走行実験を開始する予定にしてございます。
○長橋委員 自動車水素ステーションをつくるということでございますけれども、ぜひ、この実験走行から実際の走行になるよう、引き続き検討をお願いしたいと思います。
次に、家庭や地域での取り組みはどうなっているのか。都民一人一人の日常生活にかかわるだけに、非常に大事なわけでございまして、家庭では一人大体一トン出すといわれているわけでございます。
まず、家庭部門の対策はどうなっているのか、あわせてお願いします。
○梶原参事 家庭部門対策でございますが、都では、ことしの夏、七、八月の二カ月にかけまして、地球温暖化阻止東京作戦の一環といたしまして、省エネ商品拡大キャンペーンを実施いたしました。このキャンペーンは、エアコン及び冷蔵庫を対象にいたしまして、全国百四十九店舗の家電量販店、デパート等の参加を得て行ったものでございますが、省エネ水準と電気料金を組み合わせた都独自のラベルを店頭表示いたしまして、省エネ情報を消費者に提供させていただいたところでございます。消費者、NPO等からは、省エネ情報が一目でわかるという評価の声を多数ちょうだいしてございます。
○長橋委員 今、各部門の取り組みについてお伺いしてきたわけでございますけれども、それぞれ重要なことであるわけですが、特に家庭部門の対策を考える上で、やはり環境の教育、この重要性というのが大事であると思いますし、我が党においても、三定において、森田議員が環境教育についても申し上げたところでございます。
家庭や学校などの地域に根差した温暖化防止運動を実効性のあるものとしていくためには、個々人の意識改革とライフスタイルの見直しがどうしても必要であると思います。これは、一見遠回りのように見えますけれども、教育を通じて社会を変えていくということは、次の時代を担う子どもたちに対して、地球温暖化防止の精神を伝えてもらうことが大変重要であると思います。
しかしながら、この決算書を見ますと、環境学習の推進を見ますと、四五・八%というふうになっていまして、非常に執行率が低いわけでございます。その内容と実績を教えていただきたい。あわせて、環境教育を進めるとしている都の取り組みについて、お伺いをいたします。
○西野総務部長 環境学習についてお答え申し上げます。
決算の状況が低いということでございますが、環境学習センターを、現在、神田の環境局の研修所の中に設置をしてございますが、その改修費を予算化していたわけでございますが、その改修が比較的低く抑えられたということで、不用額として生じたものでございます。
それから、環境学習リーダーの活動状況等でございますけれども、環境学習リーダーの講座につきましては、地域における環境学習や環境保全活動を率先して行う人材を養成するために、平成六年度から実施している事業でございます。来年度で、目標としてきました五百名を超える修了生を地域社会に送り出す予定となっております。
リーダーの修了生は、区市が実施いたしますさまざまな環境講座への参画あるいは支援、あるいは区市におけます審議会委員等への就任、あるいはみずからNPO団体を立ち上げたり、あるいは既存のNPO団体に参加したりなどして、さまざまな実践活動も行ってございます。また、学校の総合学習への参画など、いろいろな活動を熱心に行っていただいているところでございます。
東京都といたしましては、今後、環境学習リーダーがそれぞれの地域の中で中心的な役割を果たすことができるよう、リーダーを紹介する人材情報の提供や一層の活動の機会の提供など、引き続き支援体制の充実を図ってまいります。
○長橋委員 今、環境学習センター改修ということがありましたけれども、お伺いしますと、来年度には廃止をすると。環境リーダーの育成も五百人を超えて、これについても来年度で打ち切る、こういうことでございますけれども、本当に、環境学習という、それの東京の拠点がなくなるというわけでございます。さまざま、財政的な問題、また行政評価の問題からそういう判断があるというふうにお伺いをしているわけでございますけれども、環境学習センターの果たした役割というのが、この事務事業を見ますと、環境学習リーダーの講座、これが中心であるというふうにお伺いしておりますけれども、それ以外にも、一般都民や親子向けのセミナーや子ども向けのセミナー、教育関係者の講座とか、さまざまな講座を実施して、本年でも九十五回で延べ三千七十九人が参加をした。それ以外にも、情報提供、レファレンスサービス、図書類の貸し出し、こういったこともやってきた、こういうわけでございますけれども、そういった機能がなくなるというのは大変残念であるわけでございます。
ぜひ、こういったものを、区市町と連携をとりながら、また東京都としての支援をしっかりやっていただきたいと思いますけれども、再度お伺いしますが、この環境学習センターが廃止をされる、これについての機能については今後どのように考えているのか、お伺いをいたします。
○西野総務部長 環境学習センターが果たしてきた役割というのは、国に先駆けて環境行政を充実するためには、行政、そして都民、そして事業者それぞれがそれぞれの機能を果たして連携していくということが必要であるという認識のもとに進めてきたわけでございますが、東京都が率先をして進めてまいりましたことが、今日では、各区市町村でもそれぞれ環境学習センター等を設けたり、あるいは各種講座を設けてきたということで、東京都の果たしてきた役割が非常に生かされてきているというふうに考えてございます。
箱物としての環境学習センターは、来年度をもって廃止することが決定されてございますが、先ほども一部ご答弁させていただきましたように、今後とも区市町村との連携を図り、あるいは区市町村の環境学習がこれまで以上に充実していきますよう、東京都の立場として、環境情報ネットワークシステムをさらに充実をしたり、あるいは都民、NPOとの連携、協働を具体的に進めていったり、あるいは区市町村の環境学習への支援を具体的に進めていくということで、これまで直接行ってきたものから、いうならば側面的な支援の役割を果たしていこうというものでございます。
○長橋委員 環境学習リーダーが、目標五百名を超える人たちがリーダーとして卒業される、こういうことでございますけれども、その一人一人が一生懸命支援していくということでありますけれども、地域によって、区市町村によってさまざまばらつきもあるのではないか。中には一人もいない区市町村もあるというようなこともお伺いをいたしましたし、ぜひそこら辺のこと、大変熱心にやっている区もあれば、そうでない自治体もあるというふうにお伺いをします。これは教育の問題で、子どもたちへの教育、また、そういったNPOだとか関係者たちの中へ入って一生懸命やっていくということでございますけれども、ぜひ、環境リーダーの活用をさらに積極的に進めていただきたい、このようにお願いをするわけでございます。
地球温暖化防止に向けて、都としてもさまざまな取り組みをやってきたわけでございますし、最後に、環境教育のことも含めて、地球温暖化の防止に向けた決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○小池環境局長 地球温暖化防止に向けた決意でございますけれども、まずは、改めまして地球温暖化防止に向けての基本認識ということで申し上げたいと思います。
もうよくご案内のことだと思いますが、地球温暖化が進みますと、地球規模で広範な気候変動を引き起こしまして、生態系や人類社会に大きな影響を及ぼすことが懸念され、重大な問題であります。そこで、都市と地球の存続そのものが問われる喫緊の課題ということを基本的な認識に置いております。
現在、国際的な状況を見ますと、ロシアが参加すれば京都議定書の発効もということで、そういった状況を間近に控えてございます。そういった中で温暖化対策は、これまでの検討、提案の段階から、いよいよ実行の段階を迎える、こういう認識でおります。
都といたしましても、都市と地球の持続可能性の確保ということを環境行政の重要な柱に据えておりまして、地球温暖化防止対策として全国に先駆けて導入いたしました地球温暖化対策計画書制度等の充実によって、業務系のエネルギーの使用削減の推進だとか、あるいはまた、環境教育も含めました家庭部門での省エネ対策の推進など、実効性のある取り組みを積極的に展開してまいりたいと思います。
○小松委員 環境基本計画というのが昨年度作成され、自然環境の保全と再生の中で、まず第一に緑の保全と再生を挙げているわけですね。荒廃する森林や減少する緑の現状を憂え、目標として、多摩地区では、十三年後の二〇一五年の段階で現状の緑率約八〇%を維持する、区部では、二九%を三二%にしていくとしているわけですね。
この目標を持って、この十三年度は何を実施したんでしょうか。
○町自然環境部長 都内の貴重な緑を保全いたしますために、平成十三年度は、自然保護条例に基づきまして新たな保全地域の指定を行いましたほか、保全地域の公有化を進めました。また、一定規模以上の開発につきましては、残留緑地を含みます緑地の確保を自然保護条例で義務づけ、開発に伴う緑地の減少をできるだけ少なくする方策を引き続き講じております。
さらに、国に対しましては、相続税の負担が、保全地域の買い取り請求や保存樹林地の指定解除請求の大きな要因となっておりますことから、条例に基づきます保全地域及び区市町村が指定しております保存樹林地につきまして、相続税の納税猶予制度を創設するよう、提案要求をしたところでございます。
○小松委員 いろいろやられたというお答えを伺ったんですが、例えば玉川上水の歴史保存地域の追加指定ということで、七ヘクタールというお話がありましたので、こういうの一つ見ましても、都の姿勢があらわれているなというのは、例えば、これは過去の話になりますけれども、野火止用水は歴史保存地域の第一号ですね。どういうふうに保存したかといったら、野火止用水を歴史保存地域に指定して、それを保存していくためには、あれは周りの緑があるからだと、できるだけ周りを取り込んで、できるだけ広い中で指定をしていこう、そういう姿勢だったんですね。
同じように、原点、もとの玉川上水、これはどういうふうに指定しているかというと、玉川上水の上水だけでしょう、たしか、指定してあるのが。そういう形で、やはり緑を残すという視点が昔と変わってきたのかなと、そんな感じが一つするわけです。
確かに保全地域の公有化もされているということですけれども、いただいた資料が大変参考になります。実際に保全地域の指定及び公有化面積の推移ということで、この資料の五ページを見ますと、昨年は二万五千八百六十六平米ということで、ピーク時の半分以下、一昨年の半分近くというふうに、だんだん減ってきているわけですね、これ一つとりましても。そして、では、去年の執行率が悪かったのかと見れば、決してそうじゃないんですね。
ですから、これは、そちらにいうよりも予算をつける側にもっともっといわなくちゃいけないかなという感じなんですが、この保全緑地の公有化では、保全地域の指定及び管理と合わせて九九%の執行率だということですから、予算をほとんど目いっぱい使ってもこういうことで、予算自体が減らされてきているという、こういう中で、ますます、一方では開発などで減少していくというのも、先ほどの資料の四ページを見ますと、開発許可面積が百十二・一ヘクタールに対して、確保された緑地面積が五十四・五ヘクタールということで、ここでも緑地面積の比率は四八・六%ということになり、多摩と二十三区とわかりませんけれども、いずれにしても、よほどの速さでどんどん緑地をふやしていかないと、一方では、東京都の努力以外のところでどんどんと緑地が減らされていくという状態ですので、この減少していく緑率をどうやって維持していくのか、伺いたいと思います。
○町自然環境部長 現状の緑率を維持していくためには、既存の緑の保全だけではなく、開発などによって減少する緑を補っていく必要がございます。
緑の東京計画におきましては、公園の整備、道路の緑化でありますとか、河川の護岸整備あるいは屋上緑化など、新たな緑の開発に取り組むことにしております。このため、庁内関係する八局から成ります緑の東京計画推進委員会を設置し、都庁挙げて取り組んでいるところでございます。今後とも、既存の緑の保全とともに、新たな緑の創出に努めてまいります。
○小松委員 緑の東京計画推進委員会を設置して都庁挙げて取り組んでいく、これは本当に結構なことだと思います。しかし、今のお話を伺っていましても、また緑の東京計画などを見ても、一番基本である、先ほども申し上げた、やはり緑の基本となる森林でも、それから里山も農地も、そのほとんどが民有地なんですよ。この民有地は、相続時、そういうときに非常に失われていくという不安定な形があるわけですね。ですから、そこに手を入れていかないとならないということでは、やはりちょっと抜けているのが、一つには、東京がどんなにやっても無理な相続税の問題、やはりこれを国に対して、やっているでしょうけれども、本当に強力な形で相続税問題、それからまた、今ある、この前の都市計画でもやったんですけれども、生産緑地の問題、これは環境局ではありませんけれども、全庁でというので、その辺で、国に対しての強い働きかけがどうしても必要だというところをやらないとだめじゃないかということが一点。
それと同時に、あとは、何か悲しいんだけれども、やっぱり一つは大もと、お金なんですよ。確かに、緑だから屋上緑化とか、みんなで心がけて花を植えましょうとか、いいんです、それは。大事なんです、そのことは。だけど、大きくは、さっきいったように、ばさっばさっとなくなっていくわけですから、やっぱりそれを公有地化していく。それで、大もとの自然環境費そのものをふやしていかなければならないわけです。
これを見ましても、いや、驚きましたね、この自然環境費の予算額・決算額、三ページにいただきました。平成四年度と十三年度、十年間に、例えば、予算でも決算でもそうですけれども、特に決算で見た方がいいかなと思うんですけれども、百五十二億五千九百万でしょう、平成四年度が。それが平成十三年度では三十億一千万になっているんですよ。五分の一ですね。それで、さっき申し上げた公有地化面積が、ピークの六万六千九百六十平米ですね。二、三年の間に二万五千八百六十六平米に、昨年は減っている。こういうことを総合してみるときに、果たしてこの八〇%守っていけるのか、大変なことだと思うんですね。
今お答えいただいたような努力も結構ですけれども、その基本的なところでもう一つ、こういう決意で頑張っていくんだ、これは局長さんなのか部長さんなのか、とにかくその決意というものを、一回ぜひお聞かせ願いたいと思います。
○町自然環境部長 八〇%の緑を維持していくというのは非常に大変な目標でございますが、自然は人間の生存基盤そのものであるというふうに我々考えておりまして、自然の保護については、財政状況厳しい中におきましても、最大限の努力をしていかなければならないというふうに考えてございます。
それから、都の中でやれることにつきましては、都の内部で全力を持って取り組んでいきたいと存じますと同時に、今お話のございました、国に制度改正を求めるような相続税の問題につきましては、ここ年来、もう国の方にも強く働きかけているところでございますけれども、引き続き強く働きかけて、ぜひ実現に向けて取り組んでまいりたい、こういうふうに考えてございます。
○小松委員 よろしくお願いしますよ。
ということで、そういった一端の中でも、今回重要施策として昨年から取り組んで、今年度いよいよその緒につきました多摩の森林再生ですね、これについては、それだけやはり期待もしたいと思いますので、何点か質問してまいりたいと思います。
ご案内のように、東京の林業というのは衰退する一方です。安価な外材の増加、それによります国産材の価格が非常に低迷する。その結果、森林は荒廃して、環境保全の立場からも危機的な状況にあるというのが現在ではないでしょうか。
そういうところで、自然の保全と再生の一環として、多摩の森林再生、具体化させるということで、人工林の計画的間伐、混交林化であるこのことは、森林の再生のみならず、雇用の創出としても期待できるものと思うわけで、伺うわけですが、まず第一点としまして、この森林再生、今年度、緒につくわけですけれども、十三年度どういう形で進んできて、今どういう進捗状況にあるのか、伺いたいと思います。
○町自然環境部長 多摩の森林再生事業につきましては、事業を予定しております奥多摩町等六市町村及び森林組合との協議がほぼ終了いたしまして、現在これら市町村との委託契約の手続に入っている段階でございます。
都は今後、準備の整いました市町村から順次委託契約を締結いたしまして、十一月から間伐作業に具体的に着手する予定でございます。
○小松委員 そういう段階にありまして、今までは、こうした間伐というのは林業の中でも大変大切なことということで、産労局が受け持っていたと思うんですよ。ですから、そういう意味で、その術を心得ているのは産労局だと。環境局が手がけるのは初めてであるわけですから、窓口は今回環境局ということですので、当然、産労局との連携が必要だと思われます。また一方では、今度は水源地ということで、水道局との連携も必要と思われます。
そうした他局との連携、協力関係、これは、雇用創出も含め、職員の問題なども含めてどのような形で連携をしていくのか、伺いたいと思います。
○町自然環境部長 森林に関する仕事は環境局としては初めての仕事ということになるわけでございまして、これまでも、今お話しの産業労働局、それから水道局も含めて、会議で意見交換をする場を設けておりまして、そういう場を通じて、それぞれの局が培われてきたノウハウを教えていただき、いろいろな面で協力をいただいて進めているところでございます。
雇用の面でのお話もございましたけれども、森林再生事業は、山仕事の中でも、プロとしての地元の森林従事者の雇用が必要不可欠な事業でございまして、こういう面で、地域の活性化と雇用の創出にもつながっていくものでございます。
○小松委員 林業が中心産業でありました奥多摩町などこうしたところでは、最近の林業の衰退で仕事もままならないという、こういうときだけに、今回の事業は、森林を再生する緑をという一方で、雇用の創出ということで、一石二鳥だと。この面からも、産労局や地元市町などとしっかり連携して、プロジェクトをつくるなどして、その効果を発揮してほしいというふうに要望しておきます。
ところで、都は既に説明会も行って、内諾している人も何人か出ているということですけれども、具体的に作業するに当たって、同じ森林でも、特に奥多摩町あたりは急峻な山林が多いわけですね。そのため、作業にも危険が伴うとか神経を使うとか、すなわち森林の立地条件によって間伐作業のしやすさが異なる、このように思われますが、こうした作業費については、どのような準備をしているんでしょうか。
○町自然環境部長 今お話しの作業費でございますけれども、作業費の問題等につきましては、特に水道局、水源林の管理に非常に豊富な経験をお持ちでございますので、水道局や、あるいは地元の事情に明るい関係市町村の意見をお伺いいたしまして、森林の立地条件の違いを反映していくということを基本に、五段階の作業単価を設定して事業に臨もうとしております。
○小松委員 地元から出ている声ですので、ぜひ関係市町村の意見を踏まえて配慮していただきたいと思います。
また、この間伐実施する前に、現況を調査したり民民の境界を明らかにしたりという事前調査が必要と思われますが、この調査費が明確にされていないんですが、ぜひ調査費をという声もありますが、いかがでしょうか。
○町自然環境部長 事前の調査につきましては、東京都の方が責任を持ってやるということで、現況調査として、今年度既に、航空機を使いまして、森林の面積、樹種等が明らかになる調査を実施してございますので、今後の事業の実施に支障はございません。
○小松委員 支障ないというんですが、森林でしょう。ですから、境界が上からはっきり見えるところも--立ち木というのがあるそうですね。だから、それがしっかりと見えればいいんですけれども、今は大変木が大きくなっちゃって込んでいるために、立ち木などもほとんどなくなったり見えなかったりするという声では、どうしても、もちろん航空機を使っての、面積とかいろいろな木の種類とか、それは必要なんですけれども、下で具体的に民民との境、境界などを調査していかなければならないということもありますので、その辺も地元の声でもありますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思うわけです。
一方、今回の再生は、この再生事業で発生した間伐材そのものをどのように取り扱われるのかということ、またその利用ができるのかどうか、その辺でお答えいただきたいと思います。
○町自然環境部長 多摩の森林再生事業は、林業が成り立たない森林、これが非常に荒れているということで、それを間伐し、森林の再生を図っていこうという事業でございまして、そこで発生する間伐材の活用は、コスト面で極めて困難な状況にございます。このため、発生いたします間伐材は、枝払いを行って、斜面の下の方に流れ出さないように、残存します木の間にかけ渡して、安全に十分配慮した上で、現地に横伏せにしておくことといたしております。
○小松委員 切った木はその場に放置ということであるわけですけれども、今後三十年も四十年も放置したままで果たしてよいのか、一つ疑問が残ります。確かに今は、間伐どころか角材も売れてないというんですね。しかし、一方、板というのは非常に需要が多いといわれております。間伐材についても利用価値はあるはずですから、ぜひ検討の余地があると思われます。検討して、ほっぽっておけばいいんだよということではなくて、やはり産労局との協力、地元との協力も含めて検討していただきたいと思います。
いずれにしましても、森林再生事業の実施は今年度で、いよいよ来月からでもありますので、きょうは決算委員会でもありますので、意見だけ申し上げておきますが、地元市町と十分な話し合い、その生の声を聞いて生かしていただきたい。
本事業の計画そのものは評価できると思われるんですが、地元でも総論としては賛同を得ている。しかし、中身は地主のある民有林が対象ですから、先ほど申し上げたように、二十年も三十年も全くいじれない、木は切って寝かせるだけということになりますと、よほど地主にとって有利な方法を考えないと、非常に困難性も出てくるという声も聞かれます。また、それも大きな山林を持っている人をきちっとやらないと、小さいところをちょこちょこ、ちょこちょことやったのでは、非常な虫食いになってしまうということもあると。まして、奥多摩町などを見ますと、公有林--都有林も含めて、また都の分収林もある。例えば古里には百年前の村有林が共同管理であるなどと、さまざまな山林所有形態があるようですね。だからこそ、奥多摩町など地元から出されている要望書があると思います、それらも含めて、地元とそれから森林組合ですね、しっかり話し合って、合意を得ながら進めることを求めまして、きょうはこれで終わらせていただきます。
○矢部委員 資料要求をさせていただきました屋上緑化のことから、まずお尋ねをしたいと思うんですが、費用と効果というふうにお書きいただきましたが、費用対効果というふうに要求はしたんですが、なかなか出てこないようです。いろいろ効果は書いてありますけれども、いってみれば、とってつけたようにこういうことはいえるかなということであって、お金のむだ遣いでしかないなと私は思っております。
それで、屋上緑化をして、これで得られる効果と同じことを、もっと費用を少なくて得ようとすれば、まずは屋上に水を張ることですし、屋上に水を張れば、反面湿度が上がる。湿度を上げないで同じ効果を得ようとすれば、真っ白く塗ればもっとさらに効果があって、費用は五分の一か、もっとそれ以下で済むわけです。
ですから、余り、ヒートアイランド現象なんていわれている中で、それの救世主みたいに屋上緑化のことはいわないでおいていただいて、お金持ちの道楽で、やりたい人はやれば多少効果はあるよという位置づけに、私は絶対していただきたいというふうに思っているんですが、いかがでございましょうか。
○町自然環境部長 ヒートアイランド対策の面におきましては、今先生がおっしゃいました白色塗装やそのほかの方法もあろうかというふうに考えます。しかし、緑化そのものには、都市に潤いや安らぎを与える、あるいは風格ある都市景観をつくり出す、多様な生物の生息空間を確保する効果がある、あるいは雨水を一時貯留する効果があるなど、多くの機能がございます。ヒートアイランド対策のみならず、こういった多様な機能を確保していくため、都市に残された貴重な空間である屋上に着目をして緑化を推進していこうとしているものでございます。
○矢部委員 苦しいいいわけはそのくらいにしていただいて、雨の一時貯留というならば、ドラム缶でも置いて、とよをその中へ入れた方がよっぽど効果があるんですよ。景観というのはなくもないかもしれないけれども、そのために、水やりにどうやって行くんだろう、自動で電気を使って水やりをするようなものを使って、電気はどのくらい消費するんだろう、いろいろ考えていくと、なかなか帳じり合わないと思うんです。だから、これはこれで、やることについて否定はしませんけれども、そんなに大上段に構えるものではない。おやりになるならおやりいただくのはいいけれども、余り積極的にやる必要はないよと私は申し上げておきたいというふうに思いますし、これは費用対効果、出てきていませんけれども、ぜひ出していただきたいと思うんですね。これからのことに向けて、どのくらい効果があるのか。
それよりも、現実の問題としては、先ほど来も出ていますけれども、相続のことから、すばらしい庭園を持っていたお宅が、これを売らなきゃならない。そういう平地にある緑地、それも物すごく手入れの行き届いた公園のようなお庭がマンションにかわってしまう。これを取り戻すのに、相続税をもらえばいいという話じゃないだろう。そういうことをしないでも済むようなもの、あるいは、国だって物納で納められた土地を売却してビル化しちゃうことはないんだろうと思うんですが、そういうことについては働きかけはしてないんですか。
○町自然環境部長 相続税の問題につきましては、先ほど来何人かの先生からもお話をいただいているとおり、緑の保全にとって非常に大きな問題だというふうに認識をしておりまして、今後とも、国に対し強く、相続税の納税猶予制度の実現へ向けて働きかけていきたいと思います。
それから、物納があった物件に対する問題につきましては、今後そういう点につきましても、十分実現へ向けて検討をしていきたいと思います。
○矢部委員 何かをして効果がどう出るかというのはなかなか難しいことですし、現実は、屋上なんかよりは地べたにあるものを残していくことを考えるということが優先されなければいけないというふうに思っております。
先ほど出ていましたが、燃料電池、水素の基地をつくる、大変いいことではあります。ガソリンエンジンがガソリンをエネルギーに変換する効率は一七%だそうですね。火力発電所、最新の火力発電所がエネルギーを電気にかえる効率が五〇%だと威張っていますけれども、五〇%は熱になっちゃう。燃料電池は八〇%ぐらいをエネルギーに変換できるだろうといわれています。ここだけ見ると、大変すばらしいことですし、自動車の歴史の中では、地球上に最初に誕生したのが電気自動車で、それから後、バッテリーの関係もあって、だんだんこれは衰退してしまいました。
なおかつ、環境ということで考えて、電気自動車に私も乗ってみましたが、大変力はあっていいんですけれども、バッテリーが重いものですから、ブレーキがききにくい、こういう問題があります。なおかつ、バッテリーを廃棄するときの環境負荷が物すごく大きい。プラス、マイナスいろいろ考えると、どこで見るのがいいんだろうかというのは極めて難しいですね。
さっきの水素から先はいいんですが、水素をどうやってつくるか、ここが大変難しいところでして、電気分解して水素をつくっているのでは、五〇%の効率でできた電気を使ってそれで水素をつくっているというのでは、サイクルで見たときには、本当に環境にいいんだろうか、こういうふうに思ってしまうんですが、今どうしているんでしょう。
○梶原参事 今お話のございました水素電池の開発というのは、ここ数年ようやく軌道に乗ってきて、実用化のめどがようやく立ってきたところでございます。今先生がおっしゃっておりましたようなもろもろの問題、作成時のエネルギー負荷の問題もいろいろ議論があろうかと思います。ただ、全般的な環境負荷の影響という面では、この分野につきましては、総括、評価ができるような状況にはなかなか至ってございませんので、今後、おっしゃるような面も含めて、よくさらに検討してまいりたいと考えております。
○矢部委員 環境局の中には、環境科学研究所ですとかがあるわけですね。そういうところで大いに研究していただきたいなと思っておりますが。
ですから、環境を考えると、今度は水素を、今までは危険物の免許がなければ扱えなかったものが、法律が改正されて、自動車のタンクはその適用から除外をされるような方向になってきた、これはいいことだと思います。しかし、危険物を積んでいることには間違いないわけで、どういうことが起きないとはいえないというふうに思います。
その前段にある、いろんなリチウムイオン電池にしましても、日本の、ステンレスで密閉した容器をつくる技術があって初めてこのリチウム電池も可能ですけれども、その密閉容器におさまっている間は安全ですけれども、これが破壊された途端に極めて危険な自然発火をする物質になってしまうわけですね。ですから、環境といいながら、携帯電話を皆さん持ち歩いていますけれども、これがぐしゃっとつぶれた段階で火を噴くわけですから、余り危険物を持ち歩いているという認識なくいっていますけれども、両面、もろ刃のやいばのような要素を持ちながら環境というものを考えなければいけないということについて、どういうふうに理解をし、また、その安全を確保しようとされているんでしょうか。
○梶原参事 先生おっしゃっております新しい技術の分野でございますけれども、新しい技術の分野につきましての安全性というのは、私どももいろんな角度から研究しておるところでございます。先ほど来お話の出ております燃料電池に関しましては、ヨーロッパの方で既に実用化している動きもございますし、今、日々新たな研究が重ねられておるところでございます。
そういう意味で、私どもとしましては、安全性を第一に考えながら、来年度実験的に東京都内で運行させていただくということでございますので、そういう観点では、特に安全性ということをメーカーの皆さんとご一緒に十分検討しながら、今後も、特にエネルギーの削減という観点で私ども研究しておるところでございますので、少しでも新しい技術が総体としてのCO2削減に寄与できるよう、研究を続けてまいりたいと考えております。
○矢部委員 燃料電池がどの程度普及するかはありますけれども、私の夢としては、五年以内に燃料電池が開発されて、水素を使うもの、それ以外のものも含めて、十年後の東京はガソリン自動車が一台も走ってないという東京を夢見たいと思っているんですね。
それで、燃料電池、水素を使うのは一番それはたやすいんでしょうけれども、それ以外に石油、これは石油業界のこともあるんでしょうが、ガソリンになるのか何がいいのかわかりませんが、そうした石油系のものを燃料として使う燃料電池の開発というのは、今進んでないんですか。
○梶原参事 私どもが今業者の皆さんとお話ししておりますのは水素系の電池でございまして、石油系の電池につきましては、今のところ、私どもの研究素材には上がっておりませんが、今ご指摘いただきましたとおり、そういう分野についても、今後いろいろな角度から研究してまいりたいと思っております。
○矢部委員 本当の意味で環境を考え、地球に対する負荷を減らしていくということからしますと、石油、化石燃料を使うことから卒業した人間社会をつくらなければならぬだろうと思うんです。しかし、その過渡期は並行しなくちゃならないでしょうし、またその先のことはあるといたしましても、これができるかできないかで、二十一世紀、人類が残れるか残れないか、死滅してしまうかというくらいの課題であろうというふうに思います。
去年、十三年の夏だったと思いますが、イギリスの科学アカデミーの発表で、私は大変びっくりいたしましたが、平均気温があと二度上がると、といっていましたかね、地球上のサンゴが死滅してしまう。今残念ながら、地球上の酸素を供給しているのは熱帯雨林地帯の樹木とサンゴ虫、サンゴ礁ですから、半分以上はサンゴが炭酸ガスを吸着しているようです。そういう意味では、地球の温度が二度上がってサンゴが死滅してしまう、それが三十年ぐらいというようなことでいっていますから、本当にそのとおりになれば、三十年後にサンゴ礁がなくなって、その二十年後ぐらいには炭酸ガス濃度が急激に上がって、今世紀中に人類は死滅してしまうという推計になってしまうわけで、とてもそんなことになってしまってはたまらないわけでございますから、一東京のことということではなく、極めて閉鎖空間ですけれども、東京の中でできれば、地球のどこへ行ってもできるということであろうというふうに思いますので、積極的な取り組みと同時に、いろんな提言、開発をお願い申し上げたいと思います。
次に、ダイオキシン類のことで、十三年度の資料をいただきました。七ページ、13というのですけれども、この中で見ていきますと、河川の水質の中で、環境基準を超えているところが三カ所あるというのが下の注2に書かれています。それから、底質というんですか、ヘドロのところではやっぱり河川の中に二カ所ですか、注3に書かれておりますが、基準値を超えているところがある。しかし、私が思ったより少ないというか、極めて限られたところに集約されてきていまして、ここを除けば、東京の環境基準というのは、ダイオキシン類について考えれば、極めて良好な状況になっているというふうに思うんですね。簡単に思えば、この辺のヘドロをしゅんせつして取ってしまえば、全部クリアしてしまうのかなというふうに思うんですが、素人の浅知恵でございますが、現実どうなんでしょうか。
○小島参事 ご指摘のように、底質の環境基準を超過している地点は、現在二地点ということになっております。それで、この環境基準が定められたのが昨年の九月でございまして、そういう面からいきまして、もう少しこの辺のデータを積み重ねてみないと、今先生のいわれたようなことははっきりまだわからないのではないかという状況でございます。
○矢部委員 まだ結局、東京都内の清掃工場の中で基準値をクリアしてない工場もあるわけですよね。基準値をクリアしてないというのか、言葉が適切じゃないかもしれませんが、今いろいろ考えられているバグフィルター方式ですか、によってダイオキシンを取り除く設備のまだ未完の清掃工場もあるかと思うんです。また、日本全体の平均からすれば、東京は極めてレベルとしては高い方にありますけれども、そういう努力を積み重ねていって、空気中に出るものをなくし、なおかつ、コプラナPCBを完全に無害化というか、東京にある、抱えているPCBの処理が終われば、これも完全にクリアしていくことになるわけですが、その辺すべてが環境基準以内におさまるのにどのくらいかかるというふうに思われますか、年限といいますか。
○小島参事 その前に、先ほどちょっと一つ間違えたかもしれませんけれども、底質の環境基準ができたのはことしの九月ですので、ちょっと間違えたかもしれません。
それから、先ほど清掃工場の基準なんですけれども、清掃工場はただいま基準を、すべての工場は適合しております。
それから、この後何年たったら環境基準に適合するようになるのかというのは非常に難しいご質問でして、実は、大気の方はご案内のとおり、もう清掃工場の改善をもちましてかなりきれいになっておりまして、現在でも〇・六の環境基準に対して〇・二という平均になっておりまして、もうそこはかなり達成している。
残りが水質と底質の方ですけれども、水質と底質の場合、やはりこれは非常に発生源としてなかなかいろいろなものが考えられまして、かつての負の遺産というのもありますので、例えば水田で使いました除草剤から始まりまして、そういうものとか、あとは清掃工場から若干出ておるんですけれども、そういうもの、あるいはそれが東京湾に、かつて出たものが蓄積していまして、そういうものを含めまして、なかなか、いつになったら環境基準を達成できるか、大気の方ははっきりわかるんですけれども、ちょっと水質、底質の方は、今何年ということはいえないような状況になっております。
○矢部委員 もっと悪化をしているというのか、数値の高いところがいっぱいあるのかというふうに思っていましたけれども、極めて狭いエリアに絞り込まれてきているようですから、一日も早くすべての地域で環境基準をクリアしていただくようなことでの努力をお願いしておきたいと思います。
ディーゼル車の対策についてちょっとお尋ねしておきたいと思うんですが、DPFについて、十三年から始まって来年の十月一日ということで年限を切られて、その間に東京じゅうの車が対応が可能かどうかということになってくるんだろうと思うんですね。いろいろ、ディーゼル車を所有している皆様からすれば、大変な騒ぎになっているわけです。現実その効率だとか、効率というのは排気効率というんでしょうか、それが出力が低下してしまうようなことがあるとか、いろいろなことがいわれています。反面、もう万全なものが十分に供給量を満たすだけできているというような話も聞きます。現実どうなっているのか、極めて見えにくい。補助金の申請量はふえているというようなニュースも入ってきます。いろいろな状況の中で、来年に向けてのことですから、十三年度決算ということではないんですけれども、都民に対しての不安を減らすということからしたときに、現状どういうふうになって、今どんな状況にあって、これから見通しはどうなのかということをお尋ねしておきたいと思います。
○山本自動車公害対策部長 粒子状物質減少装置についてのお尋ねでございますけれども、都はこれまでに、DPFを十一社十四型式、酸化触媒は六社二十型式、合計三十四型式の指定を行っております。現在各メーカーの供給体制は整ってきておりまして、今後、需要に応じまして装置の増産体制が見込まれるというふうに考えております。
また、東京都として、ただいま違反ディーゼル車一掃作戦ということで、業界を初め、いろんな関係者に対してさまざまな形で説明を行ってきております。そういった中でも十分情報提供いたしまして、不安のないように努めてまいりたいというふうに考えております。
○矢部委員 これは現実の対応は主税局で行っているのかもしれませんが、市場というか、大分粗悪の軽油が入り込んでいるのも現実のようですね、都内に。これを何とかしない限り根本解決にはならぬかなというふうに思っております。
それからもう一つは、都内の全スタンドでの軽油を、来年の四月一日には一〇〇%低硫黄化をするというようなことでの努力もしていただいています。それとすべて合わせなくてはいけないんですが、今供給体制は整いつつあるというんですが、来年の十月一日までにというのは、その前にやらなくてはいけないわけでしょうから、順次やっていくとして、時間が今からで間に合うのかどうかというところが心配の要素だというふうに思うんですね。こうしたこと、フィルターの面、燃料の面あるいは粗悪軽油をどうするかというようなことも含めて、トータルで対応が十分にできるというふうに思われているのか。まあそれは当然思っているんでしょうけれども、現実はどうなんでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 十五年十月から開始されるディーゼル車規制につきましては、ただいまいろいろと取り組みをしておりますけれども、すべて万全に物事が進んでいるというふうには考えておりません。幾つかの問題点があるかと思っておりますし、そういった問題点を一つ一つ改善しながら、円滑に規制が進むように努めていきたいというふうに考えております。
○矢部委員 それと同時に、今乗用車というか、ジープですとかワンボックスですとか、ディーゼルが結構あるわけです、乗用車も。これは今対象になってないようですけれども、やはり片っ方だけでは公平性を欠くんだろうと思うんですね。だから、ディーゼル車全部というなら全部という方向にするべきだと思うんですが、その辺の見通しはいかがですか。
○山本自動車公害対策部長 環境確保条例におきましては、規制の対象車は貨物車ということで、ディーゼル車の中の乗用車については除外がされております。
これにつきましては、全体的にディーゼルの乗用車の環境に与える負荷が小さいというふうに想定されること、また、国のNOX・PM法の中で順次一定の買いかえが進むというようなことで、まずはディーゼルの貨物車あるいはバス等について一定の対策をとることが肝要だということで、規制を進めているところでございます。
○矢部委員 もう終わらせていただきますけれども、私なんか思っているのは、結構、貨物車だけではなくて、それはちゃんとした、いい軽油を使っていれば問題ないんでしょうけれども、そうではなさそうだなと思われるものも、随分排気ガスが真っ黒のが出ているのを見ます。
ことしの二月にシンガポールに行きましたときに、排気ガス、煙を出している車は一台もないですね。それはどうしてかといったら、半年に一度全部チェックされてしまう。それでひっかかったのは即改修、改善だし、罰金を払う。徹底してやればこれはできるということなわけですから、前向きにやると決めた以上きちっとやっていただきたいし、そのことによって、都民に対してのいろんな混乱を来すことのないような配慮はしていただかなくちゃいけないというふうに思っています。なおかつ負担は極力減らすということで考えれば、二百万もかかるフィルターをつけられるかといえば、これはなかなか難しいんだろうというふうに思っておりますが、せいぜい、補助金等々のことも含めて、対応が万全にできるように検討、対応していただきますようにお願いを申し上げて、質問を終わります。
○真木委員 私は、東京都の行政の中におきまして、環境局の占める割合、仕事の大きさというのは本当に重たいというぐあいに思っております。きょうは、もう夜もふけてまいりました。(笑声)元気よく、環境局だめだ、だめだ、だめだといわせていただきまして、その上で、今年度、また来年度以降、どうぞ環境局頑張っていただきたいという、ゆがんだ私の環境局への思いを、どうぞ誤解せずに受け取っていただけたらというぐあいに思う次第であります。
と申しますのも、きょう確認をさせていただきました環境局とのやりとりにつきましては、ぜひ、締めくくりの総括質疑というんでしょうか、の場でも、知事本部長、また財務局長のいる前でご報告を申し上げ、だから十五年度予算については環境局予算をふやさなければならないというところに持っていきたいという気持ちを込めて、これから質問をさせていただきたいと存じます。決算委員会をなぜこんなに急いでやっているかといえば、来年度予算につなげていくためにやるんだということだと思いますので、どうぞ十三年度の決算の状況につきまして、つぶさに、やってないものはやってないといっていただきまして、その上で十五年度予算につなげていきたいというぐあいに思っております。
そこで、まず第一点目、お尋ねをいたします。
光化学スモッグの状況、要求資料の中でも、最後の一〇ページの中に細かく出ております。注意報が、観測を始めた四十六年三十三、四十七年も三十三、ピークの五十九年が三十五日も注意報が出たということで、ピークを迎えました。しかし、平成に入ってだんだん落ちついてまいりまして、この十年間ずっと落ちついてきたにもかかわらず、平成十二年二十三日、平成十三年二十三日、十四年度速報値においても、やはり同じように高どまりをしております。
この光化学スモッグの注意報が、発令日数が高どまりしている近年の状況について、分析を平成十三年度決算の中でされていますでしょうか。
○百合環境評価部長 光化学スモッグ注意報の発令回数につきましては、今ご指摘のとおり、それぞれ平成十二年、十三年とも二十三回という形で増加傾向にございます。都といたしましては、毎年その年の注意報等の発令回数と気象要因等の関係について解析を行っているところでございます。
最近の増加要因として、都市部の気温上昇などが指摘をされているところでございますけれども、現在のところ原因は明らかになっていない状況にございます。引き続き原因究明に努めていくことが必要というふうに考えております。
○真木委員 私は昭和三十九年生まれでございます。観測が始まりました四十六年には、小学校に入ったばかりというようなことで、本当に学校で遊ぶな、グラウンドで遊ぶなということをいわれ続けてまいりました。そして、その後ずっと東京の空気はきれいになったということで、よくなったなと思って安心をしておりましたが、当選して一年何カ月か、都庁にいるのが最大の要因だと思いますが、都庁にいると、多摩で光化学スモッグ注意報が発令されたというのが出まして、だけど、これ、都庁にいるからだけかなと思って確認をしてみたら、やっぱり数字の上でもこれだけ多くなっているということが裏づけされているわけであります。
今指摘もありましたように、東京の気温の上昇ということが多分要因なんだろうと思いながらも、そういったことに対して分析がされていないと。ヒートアイランドと光化学スモッグの因果関係などをぜひ分析をしていただければ、ヒートアイランド対策も進めていこうじゃないかということになると思います。本当に子どもが外で遊べない、遊んではだめだよといわれる日が一日でも多いというのは、本当にかわいそうなことだと思いますので、どうぞ、光化学スモッグ注意報が近年多く出ている原因について、とりわけヒートアイランド現象と光化学スモッグの因果関係でありましょうが、ぜひ分析をしていただきたいと思います。
その上で、ヒートアイランドに対する対策、総合的な対策が、今からもわかるように、十分でないんじゃないかという気がいたします。十三年度におきますヒートアイランド対策の予算の執行につきまして、決算につきましてお尋ねをしたいと思います。
ことしの八月には、ヒートアイランド対策推進会議が立ち上がったということでございます。その中の資料を見ておりますと、十三年度に行った東京都の主なヒートアイランド対策という一覧がございます。細かく書いてありますが、細かく書いても八項目だけでございます。そして、屋上緑化ですとか下水道施設の屋上に緑を張ったとか、そういう既定路線のものばかり。公営住宅、都営住宅において緑化をしたよとか、そういうことでありますから、これなどはもう本当にルーチンの普通の仕事であります。
唯一ヒートアイランド対策として挙げられるかなと思われますのは、保水性舗装を都庁の前に試験的に施設をしたと。そこの場所に下水再生水をまく、散水をする、その工事をしたということだけじゃないかなと思うんですが、その二つの決算状況につきまして、額を教えてください。
○梶原参事 ご指摘の二つの実験でございますが、保水性舗装と下水再生水の散水を組み合わせまして、その効果を確認するために試験的に実施するものでございます。十三年度につきましては、その準備費用を建設局と下水道局が執行してございます。
経費の内訳でございますが、建設局分といたしまして、保水性舗装にかかった費用が約五百六十万円、下水道局分といたしまして、散水用の配管敷設費用が約四百四十万円、計約一千万円となってございます。
今年度に入りますと、散水を伴う実験を本格的に実施いたしますとともに、区部を中心に、都内百二十カ所で温度、湿度等のモニタリング調査を既に開始してございます。
○真木委員 ちょうど一千万というところが、いかにもまたおもしろいなと思ったりもするわけでありますけれども。
いずれにいたしましても、ヒートアイランド現象ということがいわれて久しいわけであります。私は、ヒートアイランドと花粉症は、いろいろな東京プロブレムがありますけれども、その中でも、やはり今オール都庁挙げて取り組まなければならない都民的課題であるというぐあいに思っておりまして、ヒートアイランド現象に対して、いろんな諸施策がなされているんだろうというぐあいに、当選するまでは思っておりました。しかしながら、十三年度においても、こういった状況であります。秋口には地球温暖化に対する抜本的な対策を発表する、そして、年明け早々にはヒートアイランドに対する総合的な対策を発表するという決意を伺っております。
この二つの東京都の発表には、本当に高く期待をしたいというぐあいに思うんですが、もう本当に小手先のものじゃどうにもならないと思うんですね、屋上緑化とかそういうことでは。それでは、やはり文化そのものにも踏み込んでいかなければならない。余り行政が都民の文化にかかわっていくことはどうかなと思うんですが、やはり都民から、東京から上着とネクタイをなくす、都民からはがすというぐらいの決意を持ってなければ、私はこのヒートアイランド現象というのはなくならないんじゃないかと思います。外が暑い暑いといって、中に入って、そしてクーラーを目いっぱいかけて、そのことによってまた外が暑くなっていくという悪循環をし、そして中では、男性がネクタイをし上着を来て、女性がひざかけをしている、こういうばかげた状況を一刻も早く直さなければなりません。
そうした総合的な、抜本的なヒートアイランド対策に、十三年度は一千万円だけであります。十四年度、十五年度、ぜひ抜本的な取り組みをしていただきたいというぐあいに思うんですが、決意のほどをお伺いしたいと思います。
○梶原参事 都といたしましても、ヒートアイランド対策につきましては、大変重要な課題であると認識しております。知事がよくおっしゃいますように、地球温暖化対策あるいはヒートアイランド対策というのは文明論的な課題であるというふうに、私どもも同じように認識してございます。
したがいまして、ヒートアイランド対策に、私どもとしましても、本格的に取り組む決意でございますし、おっしゃるように、来年早々には、各局の施策を一定の方針のもとに総合化した、実効性の高い取り組み方針を策定いたしまして、全庁一丸となりまして、ヒートアイランド対策に邁進してまいりたいと考えております。
○真木委員 東京の暑さというのは、これは本当にクレージーでございまして、シンガポールでも月間平均気温が一番高いのは五月で二十七・四度、ジャカルタでも一番月間の平均気温が高いのが五月、二十七・七度であります。
それに対して東京の平均月間気温、二〇〇二年で見ますと、七月が二十八・〇、八月が二十八・〇。二〇〇一年で見ますと、七月が二十八・五度ということになっています。この月間平均気温を見るだけでは、ジャカルタよりもシンガポールよりも暑いということがいえるわけであります。
こうしたデータにつきまして、ぜひ環境局の方で説得力ある数字をもって、これは、環境対策課の皆さん、本当によくやっていらっしゃるわけですけれども、お願いをして探して資料を持ってきてもらって、こういったことがわかったわけであります。
お願いというか提案としては、やはり東京都が、東京の暑さというのはいかにクレージーかということを、体感の暑さ指数などというものを客観的な数字で出す研究を、ぜひ東京都でやられたらいいんじゃないかなと。そうしたら、ハワイよりもシンガポールよりもジャカルタよりも暑いということが客観的にわかるわけであります。ハワイよりもシンガポールよりもジャカルタよりも暑い。で、背広を着てスーツを着ているということはあり得ないわけでありまして、いかに東京で背広を着てスーツを着ていることがばかげているかということを客観的な数字で出して、そしてそれを都民に訴えていくというようなこと、これは二、三百万の予算で、どこかに委託すれば、まだ粗っぽいかもしれませんけれども、そういった指数を出してくれると思うんですね。そういった努力を、東京都としても工夫をしていっていただきたいというぐあいに思うんですが、局長、ご感想などございませんでしょうか。
○小池環境局長 体感温度ということで、そういう指数を考えてはどうかということでございますけれども、今のお話のありましたシンガポールと比べても高いということについて、実は私もそういうことはちょっと存じておらないもので、ちょっと事実関係も確認しなければいけないとは思いますが、いずれにいたしましても、先ほど来議論になっておりますヒートアイランドの問題につきましては、これは本当に都民の生活、健康にとって非常に重大な問題でございますので、地球温暖化防止の問題とあわせて、その中に入る問題だと認識しておりますが、これの対策を実効性のあるものにつくり上げまして、展開を図ってまいりたいと思っております。
○真木委員 ぜひ、今度の総合的な施策の中でそういったもの、また、十五年度予算の中でそういった予算などもつけていただきたい。十三年度においては、ヒートアイランドに対する取り組みはやはりだめだといわせていただきたいと思います。期待を込めてでございます。
続きまして、やはり東京プロブレムであります花粉症についてでございますが、環境局が花粉症対策、十三年度中どのような支出をいたしましたでしょうか。
○松葉環境改善部長 近年、花粉症の患者が増加しておりまして、その発症にはさまざまな要因が考えられます。特にディーゼル車排出ガスの関与が疑われているわけでございます。
そこで、ディーゼル車排出ガスと花粉症との関係を明らかにするために、環境局は現在健康局と連携いたしまして、平成十三年度から調査を実施してございます。
環境局の予算でございますが、平成十三年度が三千二百万円、それから平成十四年度は三千三百万円の予算でございます。
また、このほか、今年度から開始しました多摩の森林再生事業というところで、杉、ヒノキの伐採を伴い、間接的ではございますが、花粉の減少にもつながるものでございます。
ちなみに、平成十年度の予算額は三億二千万円でございます。
○真木委員 ただいまご報告いただきました後段の、杉の伐採をやって間接的に花粉症対策になるんじゃないのかというのは、これは大変厳しい、苦しい項目でございまして、やはり環境局として独自に花粉症対策をやっているというのは、この三千三百万、ディーゼル車排出ガスと花粉症の関連に関する調査ということだけなのかなというぐあいに思います。東京都は、石原知事になられてヒートアイランド対策に取り組み始めた、花粉症に対しても取り組み始めたということで、さぞ全面的な取り組みをされているんだろうと思って、私は都庁にやってまいりましたが、どうもヒートアイランド対策は、今お伺いしましたように不十分だと。花粉症も、何かてんでんばらばらで、東京都としての、都庁としての一体的な花粉症対策というのが見えてまいりません。環境局でも、ディーゼル車との関連を調べているだけだということでございます。
国におきましては、花粉症対策として省庁連絡会議を設けております。そして主管省庁を決めたりしていますが、都庁において花粉症対策を図る、総合的な企画調整等を図る部署、所管するセクションは、どちらになるんでしょうか。
○松葉環境改善部長 環境局では現在、検討会を設けまして、健康局と連携して調査を行っているところでございます。そういう中で、専門家から成る調査委員会では、現在いろいろ検討を進めているところです。
都における花粉症の対策については、東京都花粉症対策検討委員会というものがございまして、その中で、花粉の飛散調査や予測などを行っておりまして、健康局が中心となって対策を進めているところでございます。
○真木委員 今のところ主管が健康局ということでございますが、どうぞ環境局頑張っていただいて、主管を環境局でとってくるべきなんじゃないかなというぐあいに私は思います。健康局は今企画調整機能を発揮しているというぐあいには思えません。ディーゼル車対策ですか、浮遊粒子状物質対策を、例えば光化学スモッグにしろ、光化学スモッグに強い体をつくるというようなことはあり得ない、花粉症に強い体をつくるというのも、これもいかがなものかと思います。原因を分析しても、いずれにしろ、花粉が多いときには花粉症があって、花粉が少ないときには花粉症は引くということはもうわかっているわけでありますから、やはりこの花粉をどのようにしていくのか。いま一つはディーゼル車との関連を調べていただくとともに、例えば東京のコンクリートを一〇%はがせば、浮遊する花粉をどれだけ減らすことができるんだとかいうような、こういったデータももし出せれば、大きな効果が出てくるんじゃないかと思うんですね。
やはり花粉症というのは東京プロブレムであるというのは、私は永田町にいて痛感をしました。国会議員が全国から来るわけでありますが、多くの国会議員がいうのは、地元に帰ると、花粉だらけなのに花粉症は引いて、東京に来るとひどくなる、頭が痛くなる、ぼうっとするんだと、こういうようなことを多くの国会議員がいわれておりました。
ですから、やっぱりこれはディーゼル車の関連とかいろいろあるんでしょうけれども、一つはやっぱり地面に吸い込まれないとかいろんなことがあるわけですので、そういった、単に、コンクリートをはがすのはヒートアイランド対策だけではなく花粉症対策にもつながるんだみたいなことも含めて、花粉症の研究というものをしていただきたい。それは、多分健康局の仕事ではなくて、環境局の仕事なんじゃないかな、その方がふさわしいんじゃないのかなというぐあいに思います。今の健康局の企画調整機能では、申しわけございませんが、やはりオール東京としての花粉症対策というのは見えてきておりません。どうぞ環境局が頑張って、ディーゼル車対策を環境局がやるのと同様に、花粉症対策も環境局が中心になってやっていただきたいということを強く、強く要望しておきたいと思います。
もう一つ、環境局頑張っていただきたいということをご指摘をさせていただきたいと思いますが、自然保護条例によって指定した保全地域面積と保全地域の管理経費の推移につきまして、お尋ねしたいと思います。
○町自然環境部長 平成十年度末の保全地域の面積は六百五十四ヘクタールでございまして、これに要します保全地域の指定及び管理経費は一億七千四百万円でございました。これに対しまして、十三年度の保全地域の面積は六百六十六ヘクタール、その経費は七千六百万円となってございます。
○真木委員 私の手元に、購入金額と公有化面積と、また指定の延べ面積、また管理経費等の一覧をつくってもらいました。平成八年には購入金額は八十億円あったものが、平成十三年には二十二億と、四分の一に減ってしまっています。しかしながら、こういって少なくなってはいるものの購入を続けているわけでありますので、その平成八年と比べても、五百七十九ヘクタールであった指定面積の合計が、平成十三年度末には六百六十六ヘクタールと約百ヘクタールもふえている、六百から七百にふえている、そういう大幅な指定面積の増加があるわけであります。
しかしながら、一方で、その全体の緑地の管理費用は、これは平成九年以前は管理費というのが出てこないということでございますが、一番新しく管理費として累計した平成十年では一億七千万円。ところが、平成十三年度では七千五百万円まで、半分以下に落ちちゃっています。指定地域の合計はふえているのに、この三年間、四年間だけ見ても、管理費用は半分以下に減っている。これでは、何のために緑地をふやしたのか。管理ができなければ--緑地はなくならないという面はありますけれども、やはり適切な管理が必要なわけでございまして、管理費用のこの余りにも激減に対してどのような管理を行っているのか、今の状況をお伺いします。
○町自然環境部長 管理経費は、ご指摘のございましたように厳しい状況にございますが、都民ボランティアの協力を得まして、下草刈りなどの管理を行いますほか、危険な樹木の処理等の安全対策を優先的に行うなど、必要な管理を重点的、計画的に行っているところでございます。
○真木委員 保全林の意味というのは、やっぱりなくなる緑を保全するということでの保全の意味、そしてその上で適切な管理をしていくということと、都民の利活用ということがあるんだと思いますが、今のような管理の状況では、保全はできている、保全という目的は果たしているけれども、適切な管理とまでなかなかいかないんじゃないかなと。都民の利活用にもなかなか進まないということになってしまっているんじゃないかなという気がいたします。ミニマム、最低限のことだけはやっているという大変厳しい状況だと思うんです。その中で、いろんなボランティアを活用したりなんだりしながら、いろんな工夫をされているんだと思いますけれども、やはりちゃんと保全をした上で管理をする、利活用するということが重要だと思いますので、大変厳しい財務局との折衝だと思いますが、東京都の三〇%は森林であります。この森林をやっぱりしっかりと守っていくということ、管理していくということで、環境局、どうぞ頑張っていただきたいというぐあいに思いますが、局長、アドリブで恐縮でございますが、この花粉症、ヒートアイランド、光化学スモッグ、そして森林保全、だめだ、だめだといわせていただきましたが、これらの克服に向けて、ちょっとご決意をいただけたらと思います。
○小池環境局長 先ほど来申し上げていますように、環境局の仕事といいますのは、都民の生命と健康を守る、それを確保するという重大な、行政的な意味では使命を持っていると認識しております。
個別に挙げられておりますヒートアイランドだとか地球温暖化の防止、花粉症の問題等々、それから自然保護の問題、それぞれが個別の大きな課題だと認識しておりますので、今申し上げましたような、都民の健康と生命、安全を守る、こういう立場から環境行政の、予算的にも確保を図りながら、推し進めてまいりたいと思っております。
○真木委員 光化学スモッグ、ヒートアイランド、そして花粉症、そして緑地の保全、どれも東京都政にとって非常に重要な課題だと思います。しかしながら、これは環境局のせいというよりも、財政難の中で非常に苦しい状況に置かれているんだと存じます。どうぞ、環境局が頑張っていただきまして、都民的課題に全面的にもっともっと取り組んでいただきたい。そして、そのために、財務局との折衝等につきまして私どもも応援をさせていただきたいということをお約束をさせていただきたいと思います。
今まで、だめだ、だめだということを申し上げました。最後に一点、だめじゃないことについてお尋ねしたいと思います。
航空機騒音の問題でございます。航空機騒音で、東京都は三カ所について、東京国際空港、横田基地、厚木基地の騒音測定をしております。それぞれ三カ所の場所別の決算状況を教えてください。
○松葉環境改善部長 航空機騒音の測定、今お話しございましたように、東京国際空港、横田基地、厚木基地周辺で、年間を通じまして測定を行っておりますが、いわゆる年間行っております固定調査、それから測定期間を限定した分布調査を実施してございます。このうち固定調査につきましては、都が関係区市町村に保守管理等を委託してございます。
十三年度における保守管理等の費用でございますが、東京国際空港が二カ所で三百十万円、それから横田基地が四カ所で六百二十万円、厚木基地が一カ所で百六十万円であります。
なお、東京国際空港の固定調査地点は、現在五カ所ございますが、大田区が三カ所測定しておりまして、都が行っているのは二カ所でございます。
○真木委員 今お話がありましたように、私の地元であります町田市、これは厚木の滑走路上にあるわけでありますが、そこの固定調査地点が一カ所しかございません。横田では四カ所、羽田では五カ所であり、町田の測定体制が不十分じゃないかという懸念を持つわけでありますが、大丈夫でしょうか。
○松葉環境改善部長 厚木基地にかかわります町田市内の航空機騒音でございますが、固定調査地点として、町田市役所で一カ所で実施してございます。その他に、分布調査でございますが、環境基準の類型指定の地域内で七カ所、その地域外で一カ所、合計八カ所で実施してございます。空母などの艦載機の飛来が予測される時期に、約十二週間にわたりまして測定を行ってございます。
これらの測定結果をもとにいたしまして、シミュレーション等によりまして、測定地点以外の場所の騒音の大きさも推計してございまして、騒音のコンター図として毎年公表してございます。したがいまして、現在の測定体制で、厚木基地に係る航空機騒音の状況は把握できているというふうに考えてございます。
○真木委員 なぜこれをお伺いしたかと申しますと、教育施設に対します防音施設の改善費、工事費は、防衛施設庁が、国が全額見ることになっております。このことを教育庁の方に突きつけまして、東京都が観測をしている町田高校の屋上に計測器をつけているわけであります。町田高校の屋上は、東京都みずからがうるさいということを証明していることを、この前本会議質問でいわせていただき、町田高校の改善へとつなげました。町田高校の改修工事、また、防衛施設庁に改修工事を申し出るということをお約束いただきました。
問題は、町田高校は偶然計測器があったわけですけれども、その周辺につきましては、データがないということになってしまいます。そこで、今確認をしましたが、騒音コンター、コンピューターで科学的に、ここまでがうるさいんですよと、ここまでは七五ホン以上で--ホンじゃないですね、WP何とかですね、うるささ指数、それを超えているよということをコンピューター等で出したものが、そのことをもって国に対して、東京都が作成した騒音コンターを根拠として、防衛施設庁に対して、ここもうるささ指数を超えているんだから、全額補助対象の、防音工事の対象としてくださいという申請をしていいのかどうかの確認をしたいんですが、いかがでしょうか。
○松葉環境改善部長 教育施設等の防音工事に対する助成でございますが、この制度は、国が法律に基づきまして、学校、病院などの特に静かにする必要のある場所、施設を対象にいたしまして、その防音工事の費用を補助する制度でございます。
具体的には、自治体などのいわゆる防音工事を行う事業者が申し出を行いまして、国が騒音の大きさを測定いたします。その結果が採択の基準に適合していれば補助の対象となり、防音工事に要した費用の全部または一部が補助されます。
町田市内で行っております分布調査のうち、四地点が学校でございます。防音工事の補助の申請を申し出る際に、こうした都の測定データの活用、それからまた、騒音コンターなどを根拠の一つとして利用するというふうなことについては、東京防衛施設局に確認したところ、そういうものを使ってもできるというふうなことは聞いてございます。したがいまして、全部それでオーケーになるかということではございませんが、騒音データとして利用できるものと私どもは考えてございます。
○真木委員 ここは非常に重要ですので、もう一回確認をさせてください。最終的につけるかつけないかは国が直接騒音を計測するけれども、その前の、うちの学校はうるさいということになっていますよと、東京都の調査で、コンピューター計測でこうなっていますから、うちも対象のはずです、つけてくださいという申請に行くのに十分な根拠であるということでよろしいですね。
○松葉環境改善部長 東京防衛施設局から、それを一つのデータとして採用するということについては可能であるというふうに聞いてございます。
○真木委員 ありがとうございました。これで、町田市内の、今、公立小中学校、あの騒音コンターでいけば、もう二、三十の学校が--二、三十じゃきかないですね、対象になります。そうしたことで、非常に大きな前進を図れるんじゃないかということで、今の答弁を本当にありがたく考えるものであります。
いずれにいたしましても、私の質問で元気いいのは私だけでございまして、環境局さん、何かしゅんとしちゃっていて本当に申しわけございません。どうぞ、ゆがんだ愛情を受けとめていただきまして、引き続き頑張っていただき、さらにさらに頑張っていただきたいということを強く申し上げ、そのことが都民に対する期待にこたえることであろうし、環境局の仕事は重かつ大であるということをぜひ、ともに頑張りましょうということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
以上です。
○かち委員 資料を出していただきましたので、何点かお聞きします。
十三年度は、東京都環境基本計画が出されて、東京の環境の危機をどう打開していくのかということで、大変、行政の上でも重要な位置づけがされたわけですけれども、それが果たして本当に予算、決算上裏づけられたのかどうかというあたり、今いろいろと真木委員からもお話がありましたけれども、私も、そういう点では、いろいろ予算がどんどん削られていくというところでは、非常な懸念を持っております。
それで、決算全体のところでちょっと眺めてみたいのですけれども、一ページに一般会計決算額と環境局決算額の推移が出されておりますけれども、十二年、十三年の環境保全関係の決算というのは、どういうふうになるんでしょうか。
○西野総務部長 平成十二年四月に旧環境保全局と清掃局が合併しまして、現在の環境局になったわけでございますが、現在の環境局の総務部門は、昔の両局の仕事をやっておりまして、その総務部門あるいは企画部門の経費を、正確に旧環境保全局分、清掃局分と分けることが困難でございます。したがいまして、旧環境保全局相当分の数値を正確に算出することは困難でございますけれども、平成十二年度環境費の決算額から廃棄物費及び廃棄物対策に係る人件費を案分して算出いたしまして、それを控除いたしますと、その控除して算出した額がいわゆる旧環境保全局分の、いうならば概算の数値というふうになるわけですが、百三十四億四千万円となります。平成十三年度分も同様に算出いたしますと、百四十四億二千万円となります。
○かち委員 十三年度では百四十四億ということですよね。平成四年度から比べましても、半分以上、五六%に減ってしまっているということになるわけですよね。この額を見ますと、先ほどの都市計で、私、首都高への無利子貸付のことを質問していたんですけれども、その無利子貸付額ぐらいなものなんですね。これだけ重要な環境対策が叫ばれている中で、余りにも環境対策費が少ないのではないかと思います。
このように非常に減ってきているわけですけれども、その主な原因というのはどういうことでしょうか。
○西野総務部長 平成四年度の決算額と、先ほど推計いたしました平成十三年度の数値を比較いたしますと、百八十八億五千万円の減となってございます。その大きく減少している理由は、自然環境費で大幅に減少しているものでございますが、その自然環境費が大きく減少した要因は、用地取得費関係の経費が大幅に減ったものでございます。平成四年度におきましては、保全地域公有化及び区市町村保存樹林地等公有化資金貸付、合わせまして百三十四億九千万円であったものが、十三年度は保全地域の公有化二十二億三千万円となりまして、百十二億六千万円の減少となったものでございます。
この用地取得関係費が大幅に減少しておりますのは、環境局だけの原因ではございませんで、オール都庁の中で同様な傾向を示しているというふうに考えてございます。例えば建設局で所管しております道路あるいは公園の用地取得関係費も、当局と同じように大幅な減少になってございます。平成四年というのは、まだバブルがはじける前、税収的に見ますとバブルがはじける--バブルの影響が出たのは平成四年度の後半からでございますので、四年度というのは、バブル時代の予算でありました。それに比べて、用地の取得単価あるいは東京都のその後の財政状況等がありまして、このような結果になっているものと考えてございます。
また、その他の要因といたしましては、公害防止資金の助成あるいは公害工場集団化対策等で三十億五千万円支出していたものが、平成十三年度では、環境保全資金融資あっせん等で十八億八千万円ということで、こちらにおきましても、十一億七千万円の減というふうなさまざまな要因が重なって、冒頭申し上げましたように、全体で百八十八億余の減額となったものでございます。
○かち委員 自然環境費が、先ほども五分の一に減ってしまった、その中でも保全地域公有化、これが七十五億から二十二億、これも三分の一になってしまったということですが、この保全地域公有化の問題は、さまざまな要因、経済状況などが反映しているということでしたけれども、十一年度に公有化資金の貸付制度、これがなくなったというのも非常に大きな問題の一つではないかなというふうに私は思います。
それで、平成十三年の決算の執行率なんですが、平均八〇・九%。他局と並列に比較することではありませんけれども、しかし、やはりなぜこんなに少ないんだろうというふうに思わざるを得ないわけですけれども、中には六〇%、四十数%というものもあるんですが、とりわけこの執行率の低かった項目について、具体的に理由を教えてください。
○西野総務部長 平成十三年度の執行率の低い理由でございますけれども、平成十二年度、環境局の執行率は八九・九%でございます。また、平成十一年度以前の旧環境保全局の執行率を見ましても、大体九〇%前後で推移してございます。
これらに比べますと、平成十三年度は約九ポイント、一〇%近く落ち込んでいるわけでございますが、これは、十三年度、当該年度の特殊要因が大きく影響しているというふうに考えてございます。
具体的に申し上げますと、平成十二年十二月の環境確保条例の制定に伴いまして、平成十三年度は、ディーゼル車対策といたしまして、融資あっせん及び各種補助など大幅な予算計上を行ったところでございますが、しかしながら、平成十五年十月の規制開始までにまだ時間的な余裕があったこと、あるいは国のNOX・PM法の関係政令の制定が大幅におくれたことなどから、ディーゼル車対策としての予算につきまして、事業者の対応がおくれ、執行率が悪くなったものと考えてございます。
また、そのほかの要因につきましてご説明申し上げますが、例えば中央防波堤内側処分場の第一排水処理場の改修工事を行ってございますが、これにつきましても、工法の工夫によりまして、予算計上いたしました工事費を大きく残すことができまして、執行残が大幅に生じたことがございます。また、地域環境対策におきまして事故繰越が生じたことなど、冒頭申し上げましたように、当該年度の特殊要因が大きく影響しているというふうに考えてございます。
○かち委員 いろいろ理由はあるようですけれども、その大きなものの一つとして、ディーゼル車対策の未執行分というのがあるようです。そこで、ディーゼル車に関して何点かお聞きします。
東京の自動車公害裁判は、今月二十九日に判決が下される予定になっておりますが、原告の皆さんには、長い病苦との闘いがあり、命をかけた裁判闘争が、ようやく解決への扉を開こうとしています。この被告は、国と東京都、そして自動車メーカーとなっているわけですが、この間、尼崎や西淀、川崎など幾つもの公害裁判がありましたけれども、いずれも勝利判決あるいは和解ということで進んでいます。今回メーカーの公害発生責任が問われているのは初めての裁判であり、その意味では、今度の判決は全国の注目を集めているものだと思います。
そこで、ディーゼル車規制では、都の環境確保条例の施行により、来年十月の規制対象車は、資料でもありますが、二十万二千台というふうになっております。これは、昨年の予測では十四万五千台ということでしたけれども、この格差はどうして生まれたのでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 国は、平成十三年六月に、ディーゼル車規制を強化する自動車NOX・PM法を制定いたしました。この法の施行に当たって、国は当初、都の条例とほぼ同時期に規制を行う考え方を示しておりましたけれども、最終的には、半年から最大で二年半適用をおくらせる措置をとっております。この措置によりまして、都の条例の規制が先行することになったため、規制対象となるディーゼル車が大幅に増加しております。
○かち委員 確かに、法制定の時点では国のNOX・PM法は東京都と同時期に施行するはずだったものなんですけれども、結局ことしの二月、一年か二年、国は延期をするということになって、これが事業者、ユーザーにとっては大変悩ましい問題であり、混乱を巻き起こしているのだと思います。
ことし五月に私は、地元の中小企業者やトラック運転手さんなど三十名ほどに集まっていただいて、局にも出張していただいて説明会を行いましたけれども、その中で、さまざまな意見が出されました。中でも、トラック一台で仕事をしていて、この不況のもとで今何十万ものDPFをつけても、あと一年、二年後にまたトラックを買いかえる、そんなことは到底できない、これでは廃業するしかない、こんな声が切々と出されました。
従来から自動車公害、とりわけディーゼル車対策を怠ってきた国の今度のような中途半端な対策が、このような混乱を招いているのだと思います。それで、都としては改めて国に対し、実施時期を当初の予定どおり行うよう申し入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 国が自動車NOX・PM法の適用を当初よりもおくらせたことは、東京の深刻な大気汚染の状況や都の取り組みを全く顧みない措置であり、また、使用過程車を規制の対象とした法の趣旨にも反するものと考えております。
こうした考え方から、都は国に対しまして、平成十三年十二月及び平成十四年一月に文書で、規制をおくらせることに反対であるとして、当初予定どおりの対応を強く求めたところでございます。
○かち委員 厳重に文書で抗議をしていただいたということですけれども、本当にこれが実行されるように、近県三県などとも力を合わせて、引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。
来年の規制対象車両が二十万台ということですけれども、DPF、酸化触媒の補助対象を都としては四万三千台というふうにしているわけですけれども、この根拠はどういうことなのか、それで本当に足りるのかどうか、十三年度の実績はどうなのか、さらに今後の見通しはどう考えているのか、お聞きします。
○山本自動車公害対策部長 補助実績でございますけれども、十三年度につきましては、PM減少装置については五百七十六台、今年度につきましては、昨日時点でございますけれども、千七百十七台というふうになっております。
今後の見通しでございますけれども、低硫黄軽油が、ことしの九月二日から都内の百四十四のガソリンスタンドで一般に供給が開始されております。また、来年の四月からは、全国でも低硫黄軽油が供給されることになっております。PM減少装置につきましては、低硫黄軽油の使用を条件とするものが数多くございまして、そうした意味からは、今後補助の申請が数多くあるというふうに見込んでおります。
○かち委員 今のお答えだと、二千台ちょっとぐらいまでしか進んでいないようですけれども、あと三万何千か、そういうことがこの一年の間に可能だというふうにいえるのでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 DPFあるいは酸化触媒につきましては、ただいま、減少装置につきましては、月産で二万台のような供給体制もございますし、これから事業者等に強く働きかける中で、DPFの使用を促すことができるというふうに考えております。
○かち委員 二十万台が対象だけれども、実際にディーゼル車でなければならなくて代替ができない、で、DPFをつけるしかないというような車は限られているとは思うんですけれども、そういう対象がすべて対応が可能になるように、都としては全力を尽くしていただきたいと思います。
それで、これまでの歴史的な経過を見てみますと、自動車メーカーは、公害規制の厳しい輸出用と緩い国内用と、ダブルスタンダードで販売を続けてきた経過があります。技術がなかったわけではないんですね。ディーゼル車用の排ガス対策技術というのは、当初既にありました。例えば直接噴射式ではなくて副室式というふうにすれば、もっと減少させることができるとか、IT制御装置をすれば可能だというようなことがあったにもかかわらず、利益優先対策から、そういうことを怠ってきたという経過がありました。
ディーゼル車の排気微粒子の危険性、発がん性は古くから指摘されており、アメリカでも八二年から規制が始まっていたわけです。日本でも同じ時期に浮遊粒子の規制を前提とした国の調査研究が行われて、このときに発がん性の問題も報告書がつくられていたのに、これは公表もされずに、対応しなかったという事実経過があったわけです。PM規制を嫌うメーカーの意図が働いたとされる疑惑も、公判の中で指摘をされています。
こうした経緯によって、日本のPM規制は十年もおくれて、やっと九三年からとなったものです。専門的な技術情報をメーカーと官僚が独占して、国民の命と健康に関する規制、対策を後回しにする点では、HIVやヤコブ病など数々の薬害事件と共通するものがあるのではないでしょうか。
私は、メーカーの社会的責任は極めて重大だと考えます。今回の問題は、トラック運転手に責任があるのではないと思うんです。ですから、後づけDPFなどの装置は、メーカーの責任において行うべきだと思います。さらにNOX減少装置なども早急に開発して、メーカーの責任で対応するべきだと思うものです。都にこの感想をお聞きしても、同じ被告の立場ですので、お聞きするのは控えておきますが。
ところで、来年十月までは、大量な後づけDPF、酸化触媒等の供給、装着、メンテナンス等が求められるわけですけれども、実施段階での耐久性のチェック体制、こういうものはどういうふうになっているのでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 DPFなどのPM減少装置の指定につきましては、性能を示す粒子状物質減少率のほかに、信頼性、耐久性、安全性等につきまして、専門家で組織する指定審査会で十分な検討を行った上で指定をしております。また、指定後も、装置メーカーに対しまして、供給、装着体制の確立や装置装着後の点検整備体制の拡充等について要請を行っております。
なお、装置メーカーにおきましては、三年ないし一年の保証期間を設けて、装置の信頼性の確保に努めております。
○かち委員 国のNOX法の対応は非常にずさんな状況がありました。ですから、今日までそういう環境が改善されてこなかったという事実もあるわけです。東京都が認定をしてしまえば、後はどういうものが出ても構わないというような状況が決してないように、耐久性のチェック体制も、きちんと確保していただきたいと思います。
資料を出していただいたのですが、自動車排ガスによるNO2とPMの排出状況、これが非常に、基準達成率、特に自動車排出ガス測定局ではまだまだ未達成ですね。三二%。浮遊粒子状物質についてはゼロ%というような状況になっています。
都としては、このPM、NO2を今後、いつまでに、どれだけ減らしていくのか、現状はどうなっているのかを把握して検証していかなければならないと思うのですが、PMの測定結果、これが資料では平成六年のものしかないという状況なんですね。これから対策をとって進もうとする現状を把握しなくて、どうして計画が立てられるのかなと思うんですが、このデータを今日的なものにすべきだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○山本自動車公害対策部長 自動車からのPMの排出量でございますけれども、全国道路交通情勢調査、いわゆる道路交通センサスのデータをもとに、国の定めた推計方法によって算出しております。最新の交通センサスは平成十一年度に行っておりまして、現在、このデータをもとに、十二年度の排出量の推計を行っているところでございます。
○かち委員 十二年度の排出量を調べているけれども、いつまでにそれをつくるのかという、それもめどがない。十年ごとの計画だから、今度は十九年ごろだみたいなこともお聞きしているんですが、それでは、実際の行政を進めていく上では非常に問題ではないかと思います。
ぜひ、いろいろ、環境局としての重要な役割としては、やはり基礎的なデータの積み重ね、調査研究であろうと思いますので、今日的なデータというものをつくるための予算の確保というものがどうしても必要だと思います。非常に、いろいろな面で予算が削られている、厳しいということがあるんですけれども、やはり都民の健康と安全を守る立場から、ぜひ必要な予算は確保して執行していただくということを、私どももぜひ応援する立場で頑張っていきたいと思います。
以上です。
○大木田委員長 お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大木田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後七時四分散会
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