委員長 | 馬場 裕子君 |
副委員長 | いなば真一君 |
副委員長 | 大山とも子君 |
中屋 文孝君 | |
野上じゅん子君 | |
林田 武君 | |
清水ひで子君 | |
相川 博君 | |
花川与惣太君 | |
木内 良明君 |
欠席委員 なし
出席説明員大学管理本部 | 本部長 | 鎌形 満征君 |
管理部長 | 二村 保宏君 | |
調整担当部長 | 中山 洋一君 | |
改革推進担当部長 | 佐藤 広君 | |
生活文化局 | 局長 | 高橋 信行君 |
総務部長 | 幸田 昭一君 | |
男女平等参画担当部長 | 高西 新子君 | |
広報広聴部長 | 浅井 憲彦君 | |
都政情報担当部長 | 村松 満君 | |
文化振興部長 | 三好 勝則君 | |
都民協働部長 | 中島 建夫君 | |
交通安全対策担当部長 | 宇波 興宣君 | |
私学部長 | 谷川 健次君 | |
消費生活部長 | 中澤 正明君 | |
参事 | 島田幸太郎君 |
本日の会議に付した事件
平成十二年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
大学管理本部関係
・一般会計決算(質疑)
生活文化局関係
・一般会計決算(質疑)
○馬場委員長 ただいまから平成十二年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
各会計決算特別委員長から、十月二十六日付をもって丸茂委員は本分科会から第三分科会に変更になり、清水委員が第三分科会から本分科会に所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告いたします。
なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりとさせていただきますので、ご了承願います。
本日は、大学管理本部及び生活文化局関係の決算に対する質疑を行います。よろしくお願いをいたします。
これより大学管理本部関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十二年度東京都一般会計決算中、大学管理本部関係を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○二村管理部長 去る十月十五日、当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして説明申し上げます。
お手元にお配りしてございます平成十二年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんください。
表紙をお開き願います。目次でございます。ご要求のございました資料は、東京都大学改革基本方針の策定経過及び内容外五点でございます。
一ページをお開きください。本年二月に発表いたしました東京都大学改革基本方針の策定に係る経過をお示ししてございます。
二ページをごらんいただきたいと思います。ただいま申し上げました東京都大学改革基本方針の内容を簡単な概要としてお示ししてございます。
三ページをお開き願います。都立の四大学につきまして、上段の表で学生数を、下段の表で教職員数を、各年度五月一日を基準日として平成四年度から十三年度まで過去十年間の推移として一覧にしたものでございます。
四ページをお開き願います。都立の四大学別に、上段では各年度の当初歳出予算額を、下段では十二年度までの決算額の推移を一覧にしてお示ししたものでございます。
五ページをお開き願います。都立大学におきます奨学金受給者数を、日本育英会からのものとそれ以外とに分けましてその推移を示したものでございます。
六ページをお開き願います。都市研究の概要及び研究成果について、平成八年度から十二年度まで、各研究テーマごとに各年度の決算額と公表されている成果とをあわせてお示ししてございます。
七ページをごらんください。研究奨励費による研究の例を都立の四大学別にお示ししてございます。基礎的な研究から応用開発を目指した研究まで、さまざまな研究を行っております。
八ページをごらんいただきたいと思います。主要な公立大学の学生数、教員数、学生経費、研究経費の比較でございます。学生数、教員数は、平成十二年五月一日の現員で、学生数には大学院生を含んでおります。また、経費につきましては、十二年度の予算額をお示ししております。
なお、大阪市立大学、横浜市立大学につきましては、医学部を除いた数値でございます。
以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○林田委員 それでは質問をさせていただきたいと思います。
大学における研究費全般についてお尋ねしたいと思いますが、その前に、これと密接に関連する問題についてまずお聞きしたいと思います。
国立大学の改革をめぐっては、文部科学省が六月に出した大学の構造改革の方針、いわゆる遠山プランが、これまでの護送船団方式的な大学行政のあり方を一気に断ち切ろうとするものといわれておりますけれども、大学関係者に大きな波紋を投げているようであります。その中でいわれているいわゆるトップサーティー、トップ三十の大学とは何か、また、トップサーティーをどのように選ぶのか、お聞きしたいと思います。
○二村管理部長 六月に出されました大学の構造改革の方針、いわゆる遠山プランでございますが、ここでは、再編、統合で国立大学の数を大幅に削減する一方、大学に第三者評価による競争原理を導入して、すぐれた業績の大学には国公私立を問わず予算を重点的に配分しまして、世界に通用する上位三十大学、これは国公私立合わせますと六百七十の四年制大学がございますが、その約五%といわれております上位三十大学の育成を目指すというものでございます。
理系、文系を問わず学問分野別に、研究と高度な人材育成の両面に着目して評価することから、大学院の博士課程に置かれる組織、いわゆる専攻ごとを念頭に置いて対象を選定する。また、一定期間を置いて評価し直し、入れかえも考えられるとしております。しかしながら、どこでどのように評価するのか、国からいまだ明確にはされていないところでございます。
○林田委員 対象の大学には、国立、私立と同様に公立も入るというようなお答えでございましたけれども、都立の大学はその中に入るんでしょうか。入るとすれば、どんなことが期待できるんでしょうか、お答え願いたいと思います。
○二村管理部長 国の考え方は、先ほども述べましたように、大学別ではなく、大学院に置かれる専攻ごとにトップサーティーを選定することとされておりますが、受験業界の二、三の独自の調査によりますと、これは大学別でございますが、国の研究費の総額あるいは論文引用数、最先端研究の状況などの評価を行いまして、その結果、都立大学はトップサーティーに入るというふうにしております。
トップサーティーに入りますと、研究経費を含めた資金が重点的に配分されますことから、研究、教育の一層の充実が期待されるのはもとより、配分先が研究者個人ではなく、学部、学科の専攻などのため、各大学はどの分野の組織をどのように世界最高水準に伸ばしていくのかを大学の戦略として判断する、その上で学長が申請するということになります。その過程で学長のリーダーシップの発揮が求められ、マネジメント機能の強化につながるねらいもあるというふうにされております。
○林田委員 トップサーティーに入ると、研究経費を含めた資金が重点的に配分されるということがわかりました。それはこれからのことではありますけれども、ぜひ都立大学がトップサーティーに入れるよう関係者の皆さんにご努力願いたいと思うし、またご期待も申し上げたいと思います。
それでは、これまでの研究費はどうしてきたのか、順次お聞きしたいと思います。
まず初めに、平成十二年度について都立の大学の研究費についてはどういうものであるのか、その総額はどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
○二村管理部長 都立大学を例にとりますと、十二年度決算では、教員の研究奨励費や都市研究費など一般財源によるものが十一億六千万余円でございます。国などの公募に応じて採択される提案公募型研究費あるいは民間企業等からの受託研究費など東京都の歳入となる特定財源によるものが四億九千万余円で、合計で十六億六千万余円でございます。そのほかに、東京都の会計にはあらわれませんけれども、科学研究費補助金が七億六千万余円となっておりまして、総計では二十四億三千万余円となっております。
○林田委員 ただいまのお答えで、都立大学だけでも二十四億三千万余という研究費がつぎ込まれているという答弁がありました。いずれも大きな実を結ぶものと期待しているところであります。
ところで、科学研究費という言葉が今お答えの中に出ましたけれども、東京都の歳入歳出に計上されておりませんけれども、そもそもどういう性格のものか、お伺いしたいと思います。また、これまでの実績はどのようになっているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○二村管理部長 科学研究費でございますが、人文、社会科学、自然科学などあらゆる分野ですぐれた研究を行います研究者や研究グループに国から直接交付される研究助成費でございます。国の予算規模は、平成十二年度で約一千四百億円となっております。研究者の所属は要件ではございませんで、研究者個人あるいは研究グループが申請をして助成金の交付を受けることから、研究者の所属する大学、ひいては、東京都の歳入歳出には計上されておりませんけれども、公的資金であるということから、原則としてその管理は大学が行いまして、研究者等の必要に応じて支出するものでございます。
実績でございますが、都立大学について見ますと、過去三年間で、平成十年度が四億九千万円、十一年度が六億九千万余円、十二年度が七億六千万余円と、着実に伸びているところでございます。
○林田委員 ただいまお話をお伺いいたしますと、科学研究費としての相当の補助金が交付されているということが理解できたわけでございますけれども、一方、予算に計上されている教員の研究奨励費はこれまでどのように配分されてきたのか、お伺いしたいと思います。
○二村管理部長 教員の研究奨励費でございますが、都立大学を例にとりますと、平成十二年度の場合、これは教授五人、助教授五人、それから助手七人で構成されます実験系の講座で見ますと、約二千六百万円の研究費が講座ごとに支出されております。また、教授五人、助教授五人、助手二人で構成されます非実験系の講座、これで見ますと、約七百五十万円の研究費が講座ごとに設定されているところでございます。
その他の都立の大学では、都立大学と異なりまして講座制を採用しておりませんので、教授、助教授、助手のそれぞれについて、実験系、非実験系ごとに分かれて単価が決められているものでございます。
○林田委員 今説明があったように、研究奨励費は講座単位や教員ごとに一律に配分されているということでありますけれども、今大変厳しい東京都の財政状況の中にありまして、研究費が効果的に活用されるためには、一律的な配分ということを改めまして、研究の成果に応じて配分していくべきではないかと考えますけれども、所見をお伺いしたいと思います。
○二村管理部長 教員の研究奨励費につきましては、一般財源で支出されますことから、都財政の影響を受けまして、これまで削減されてきたところでございます。大学の研究において不可欠なものではありますが、今後も厳しい財政状況が続くと考えられるため、研究奨励費の活用状況をなお一層精査していく必要があるものと考えております。
そういう中にありまして、研究費の一律的な配分については、今年度から都立大学においてその一部を見直しまして、研究の活性化を図るとともに、すぐれた研究能力を持つ研究者やグループの特色ある研究を奨励することを目的といたしまして、学内公募による総長特別研究費を新設したところでございます。
○林田委員 大変改善の跡が見られるようでございますけれども、改善につきましては一定の評価をさせていただきたいと思います。
研究に一生懸命取り組んでいる教員が報われる、そういった方向性でもっと研究に対するインセンティブを与えるべきだと思っております。今後さらに都としてどう取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○二村管理部長 一般財源によります研究費につきましては、総長特別研究費あるいは学長特別研究費などの競争的研究費の割合をふやしまして競争的な環境を取り入れますとともに、今後、研究に対する評価方法を確立しまして、統一的、客観的な基準に基づいて研究費の配分が可能となりますような仕組みを検討していきたいと考えております。また、研究環境の整備など研究支援策などを講ずることによりまして、教員の研究意欲を一層高めるように努力してまいります。
○林田委員 最後の質問になりますけれども、教員に対する研究費が有効に利用され、成果に結びつけるにはどうしたらいいのか、最後に、本部長の決意をお聞きしたいと思います。
○鎌形大学管理本部長 ただいまお話がございましたように、大学の研究活動にとりまして研究費は不可欠なものでございますけれども、研究活動をより一層活性化するためには、お話のように、これを教員に一律に配分するのではなく、すぐれた研究に取り組んでいる教員に重点的に配分する仕組みを整備していく必要があると考えております。国におきましても、トップサーティーだとか、それから民間の経営感覚を取り入れた国立大学の法人化が検討されておりまして、従来の護送船団方式の大学行政のあり方を大きく転換して、国際競争力のある大学を育成しようとしております。
東京都におきましても、公立大学の先陣を切りまして、法人化を含めた四大学の抜本的な改革を検討しているところでございますが、お話の研究費配分のあり方につきましても、この検討の中で、研究費が有効に活用され、できる限り成果に結びつけられるよう、目標とこれを実現するための計画制度の導入だとか適切な評価制度の整備など、競争的な考えも取り入れまして、そういった仕組みづくりに鋭意取り組んでまいる所存でございます。
○相川委員 私から、ただいまの林田委員の質問に多少絡むとは思うんですけれども、今、都政の場におきまして都立の大学改革が盛んに議論されている中で、それに関係した大学の評価について幾つかお伺いしたいと思います。
遠山プランが出されまして、つい最近なんですが、電車の中づり広告、週刊誌の中づり広告に、某予備校と某出版社がやったというふうに聞いているんですけれども、民間レベルのトップサーティー云々というような記事が出ておりました。あれは、ある意味では大学間の競争を必要以上にあおってしまったり、あるいは受験生の競争意識をあおってしまうというような非常に危険な側面を持ち合わせているとは思うんですけれども、例えば都立の大学を改革していく上で、透明性あるいは客観性の高い第三者評価をきちんとすれば、それが改革の実現に向けての有力なツールになっていくのではないか、こういうふうに思うわけです。
国におきましても、大学評価・学位授与機構というものをつくりまして第三者評価を行うというふうに聞いているんですけれども、こうした大学評価・学位授与機構が行ういわゆる大学評価が文部科学省の遠山プランにどういうふうに結びついていくのか、この辺をちょっとお伺いしたいと思うんです。
○佐藤改革推進担当部長 大学評価・学位授与機構が行います評価は、大学の教育、研究活動の状況につきまして評価を行いまして、その結果を大学における改善に生かすとともに、国民や社会にわかりやすく公表していく、そういうような目的を持つものでございます。一方で、いわゆる遠山プランにおきますトップ三十の評価につきましては、具体的にはいまだ明らかではございませんけれども、国公私立すべての大学を対象といたしまして、評価機構とは別の組織が評価を行うというようなことが想定されておりますけれども、その評価をもとに、世界最高水準の研究を行う学問分野を徹底した競争原理の中で選定していこうとするものでございます。大学評価・学位授与機構による評価も、その結果に基づきまして、教育、研究の積極的で確実な改善を行いまして大学を活性化するものでありますことから、両評価とも同一の方向性を持つものと、そういうふうに認識をしております。
○相川委員 今のご答弁で、現状における大学の評価に対する国の取り組みがある程度理解できたわけですけれども、それでは、国の取り組みに対して、都立の大学において教育、研究の評価に対してどういうふうに今まで取り組んできたのか、この辺をお答え願いたいと思います。
○佐藤改革推進担当部長 都立の各大学ではこれまで、都立大学が平成四年度から自己点検、評価制度を導入いたしまして、今までに五回の評価を実施をしてきております。また、科学技術大学におきましては二回、短期大学におきましては一回、自己点検、評価を実施をいたしまして、さらに保健科学大学でも今年度一回目の自己点検に着手をしているところでございます。これに加えまして、都立大学と科学技術大学では、外部からの教育、研究の状況を検証していただくために、学外の専門家によります外部評価を、自己点検、評価の中で、あるいは別建てで実施をしてきております。
○相川委員 今のお話ですと、それぞれの都立の大学において、少なくとも自己点検、評価というのは行ってきた、ある部分につきましては外部評価を行ったということなんですけれども、自己点検、評価をするに当たって、例えば大学がみずから選んだ外部教員とか、そういった形での評価、おのずと自画自賛につながってしまうような結果が多少出てくるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、こうした状況の中で、国が今行おうとしている大学評価・学位授与機構などを活用して、きちっとした第三者評価を受けるようなお考えはないのか、ちょっと所見を伺いたいと思います。
○佐藤改革推進担当部長 現在のところ、大学評価・学位授与機構が発足をしましてまだ間もないということから、国立大学の一部で試験的に実施が始まったところ、そういうふうに聞いております。都といたしましても、本年二月に発表いたしました大学改革基本方針の中で第三者評価の導入の必要性を明記しているところでもございます。ご指摘にありますとおり、早期にこの評価を受けられるよう機構側に要請をしてまいります。
○相川委員 今までのお答えで、一応評価はしてきたと。問題は、そうした評価がそれからの教育や研究にどうやって生かされていくのか、そういう反映されることがなければ評価をする意味がないということだと思うんですけれども、今まで自己点検、自己評価をしてきた、あるいは外部評価の結果をどのように都立の大学の教育、研究に生かされてきたのか、この点をお伺いしたいと思います。
○佐藤改革推進担当部長 これまで各大学ごとに自己点検、評価と外部評価につきまして取り組みを行ってまいりましたが、都立大学では、例えば社会への貢献ですとか学生教育の課題ですとか、そういうようなテーマを定めた評価を行うことによりまして教員が課題について共通認識を持つというようなことや、学生アンケートの結果につきまして各教員に提示をする、そういうことで評価結果を教育、研究に反映することなどで評価結果を活用してきております。
また、科学技術大学では、大学の将来構想の策定への活用、また、短期大学では改善計画の作成と改善状況の取りまとめ、そういうことを行うなど、各大学ごとにそれぞれの改善につながるよう自主的な取り組みを行ってきているところでございます。
○相川委員 評価についていえば大体理解ができたわけでありますけれども、例えば私の地元の八王子というところは今、二十一だか二だかの大学が集積をしていまして、大学がかなり、十幾つ集まってきた時点で学園都市というような宣言を出しまして、盛んに大学と行政とがいろんな意味でイベントを行ったり、そういう取り組みをしているわけなんですけれども、例えば都立大学に限って申し上げますと、法政とか中央とか幾つかの大学があるんですけれども、どうも大学内のすぐれた業績を残されている先生が、多分たくさんいらっしゃるんだと思うんですが、そういった実績が市民に伝わってこない。もっというならば、地域社会に役立てられていないような、そうした気がするわけなんですね。そういう中で、潜在的に都立大学にいらっしゃる、すぐれた業績を持っていらっしゃる先生方を、やはり大学として都民あるいは市民に理解をしてもらうような方策を私はとるべきではないかと思っているわけであります。都民に理解されるために今までどのような方策を立ててこられたのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○佐藤改革推進担当部長 都立の大学の教員が行ってきました教育や研究の成果や内容につきまして、ご指摘にございましたように、全体として都民や産業界などに、社会に対しまして十分に情報提供してきたとはいえない状況にあるかと思います。
今般、大学改革を進める中で、自己点検、評価や外部評価の結果の公表というだけではなく、社会で活用していただける情報をさまざまな広報媒体を通じて幅広く提供する取り組みを進めていきたい、そのように考えております。この取り組みの一環といたしまして、今年度から、都立の大学の教員の研究業績につきまして、産・学・公の連携に活用する目的でデータベースの整備を始めたところでございます。これを今後四大学の教育、研究にかかわる全般的な情報提供に広げていきたい、そのように考えております。
○相川委員 それでは最後に、私からの要望というか希望を表明させていただきまして質問を終わりたいと思うんですが、今の部長の一連の答弁にもありましたように、私は、公立の大学というものは私立の大学以上に社会に開かれた大学であるべきだ、地域や社会全体に貢献する大学になっていくことが一つの大きな都立の大学の使命であるというふうに考えているわけであります。そうした理想的な大学を実現するための一つのツールとして、先ほど来質問させていただきました、大学の教育や研究に対する透明性や客観性の高い第三者評価、これをぜひ導入していただきたい。そして、それが悪用されるのではなくて、大学がある意味で独善的にならないように、都立の大学としての社会に対する責任説明を果たしていただくための一つのファクターとしてとらえていただきたい、このように思います。そして、その社会の要請や都民の期待にますます都立の大学としてこたえていかれることを改めて要望しまして、質問を終わりたいと思います。
○木内委員 二十一世紀の新しい時代といいますのは、我が国においてもあらゆる分野で既存の枠組みというものを見直し、そしてまた新しいスタートを切るべき状況にある、こういうことがいえると思います。いわゆる構造改革は我が国の社会の中ではあらゆる領域にわたって行われなければならないわけでありまして、とりわけ将来の国民的資質を担保し、あるいはまた人材を社会に送り出すところの大学教育のあり方というものは、その先端になければならない、こういうふうに思いますし、都立大学を初めとする東京都の大学におきましても、劇的な構造改革、転換というものが図られていかなければならない、こういうふうに私はかねがね主張してきたところであります。国においても、本年六月の遠山プランや、あるいは九月の「新しい『国立大学法人』像について」という形でその考え方が示されているところでありますし、また、私立大学も生き残りをかけた改革を今、大胆に行おうとしているのであります。
都立の大学においては、本日審査をいたしております決算年度である十二年度が本格的な改革のスタートの年であった、こういうことがいえるわけであります。十二年度から四つの大学の改革に着手して、これまで大学改革基本方針の策定や、あるいは大学管理本部が設置され、今、鎌形本部長がその中心となって頑張っておられるわけでありますけれども、この改革の成果というものは、例えば一掛ける四イコール四というような単純な図式ではなくて、この改革の結果、総合的、相乗的にまさに都民が期待するあり方というものが成就をされなければならない、こういうふうに思います。
先ほど来の答弁あるいは質疑にもありましたけれども、現在慎重に検討が行われているこの改革案というものは、近々大学改革大綱として全体像が示されることになっているわけでありますけれども、この中に提言あるいは報告が行われるようなこういういわば形というものは、将来的には望ましいことであるにせよ、経過的な今の段階でも、できる改革はどんどん進めていくべきであると思いますし、四つの大学がいずれ行われる再編や統合を視野に入れながら連携、共同して取り組める事柄については、もう今の段階からすぐさまスタートさせていくべきである、こういう主張をまず私は冒頭申し上げるわけであります。
そこで、まず第一にお尋ねすることは、二月の基本方針以来、四大学が連携、共同して改革の取り組みを既に進めてきているわけでありますが、議論に先立って、その経過についてご報告を願います。
○中山調整担当部長 本年二月の基本方針策定以後についてでございますけれども、本年三月に四大学の総長、学長を含めました大学改革推進会議を設置いたしました。改革の具体的内容について検討を現在まで進めてきたところでございます。
現在、大学改革の大綱をまとめるための策定作業が大詰めを迎えているところでございますけれども、大綱の策定を待たなくても実施できる改革については早期に取り組んでいくという観点から、四大学間の公開講座の共同事業化、単位互換制度の整備あるいは都立大学の都市研究所を中心といたしました共同研究など、平成十四年度の実施に向けて検討を進めているところでございます。
○木内委員 都立の四つの大学がそれぞれの特色を大事にして共同事業に取り組むということは、大学総体として教育、研究に広がりと奥行きを持たせることになる、そうしてそのポテンシャルを高めることになりますし、あるいは社会に対するさまざまな意味でのインセンティブというものもここに働いてくる、こういう結果をもたらすわけでありますから、これは申し上げていることは極めて重要な課題である、こういうふうにお訴えをするわけであります。それにとどまらず、つまり都立の大学同士の連携で自己完結するということではなく、今ある人的、物的資源を活用しながら、ほかの大学等と連携して、いわば知のネットワークを築いて社会に貢献していくということが重要でありますし、私はこのことを常々さまざまな機会を通じて訴えてきているところでありまして、現状を検証しながら次へのいわば環境の構築に向かっていきたいと思うわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○中山調整担当部長 まず、他の大学との連携事例といたしまして、都立大学におきましては、平成十三年四月から中央大学との間で単位互換制度をスタートさせたところでございます。また、本年八月には東京外国語大学とも教育・研究交流協定を締結いたしまして、単位互換や共同研究の具体的内容について検討を始めたところでございます。
また、試験研究機関との連携につきましては、都立大学が東京都老人総合研究所を初めといたしました四研究所、それから科学技術大学が東京都産業技術研究所を初めとしました五研究所と連携大学院協定を締結いたしまして、学生、教員、研究員の交流や共同研究に着手しているところでございます。
○木内委員 それから、もう一つの大学改革への発想の切り口というのは、国際化ということではないかと思います。私は、さきの予算特別委員会で石原知事あるいは当時の川崎事務局長と議論の展開をしたところでありますけれども、我が国の知的資産あるいは国民的資質の系譜として持っております人間性あるいは情緒性、こういったものがなかなか世界に評価をされていない。例えば年間百五十万ドルもの経済援助を東南アジアを初めとする各国に行っていながら、その国際的貢献性あるいは日本の国際社会におけるポテンシャリティーというものが正確に評価をされていない、こういううらみが常につきまとってきているわけであります。
こうしたいわゆる我が国の世界の舞台への閉塞感、あるいは様子というものがきちっと伝わらない、そういう隘路を克服するためには、いろいろな角度の努力が必要だと思いますけれども、例えば都立の大学から世界に発信する、いわば首都東京の都立の大学からの作業というものが国際社会に大きなまた地歩を広げる、日本のあり方に大きく資することができると思うわけでありまして、例えば東京と姉妹・友好、交流都市の関係にある十以上の世界各国都市の大学との連携等も私はこれまで強く訴えてきているわけであります。こうした成果を踏まえて、十二年度以降にあっても海外の大学とのさまざまな連携、交流が行われてきているんだ、こういうふうに認識をしているわけでありますけれども、改めて現状についてはどうなっているか、お尋ねをしたいと思います。
○中山調整担当部長 まず、都立大学についてでございますが、ニューヨーク市立大学、イエール大学を初めといたしまして十九の大学と研究者、教員、学生の交流あるいは共同研究を内容といたします国際交流協定を調印いたしまして、今年度もウィーン大学やオーストラリアのマッコーリー大学と相互に学生を交換しているところでございます。
また、都市研究所におきましては、国連大学の高等研究所と協定を締結いたしまして、研究者の交流や研究交流会の実施、セミナー、シンポジウムの共同開催などに取り組んでいるところでございます。
次に、科学技術大学でございますが、スタンフォード大学を初めといたします十二の大学と交流協定を締結しておりまして、平成十二年度にはシドニー工科大学やシンガポール国立大学などの協定締結校五校に教員、学生を派遣し、共同研究や国際交流を図っているところでございます。
○木内委員 どうもこの決算委員会の審議といいますのは、その年度を中心にテーマを一つ一つ取り上げていくということになりがちでありますから、確認の作業が多いのでありますけれども、ただ、非常に重要だと思うことは、議会での議論を紡ぎながら、あるいは私どもが提案をしていく、その提案を受け入れて理事者側の皆さんはそれをまた実施していく、あるいは検討して推進に努めていくということでありますから、それなりに意義が極めて大きいものである、こういうふうに思っているわけであります。
海外の大学との交流を深めるに当たっては、学生や研究員の派遣、受け入れはもとより、今日的な課題としてよくいわれるIT革命が進展しているという状況をかんがみて、こうした情報通信技術を活用した遠隔教育システムが極めて有効であるから、都立の大学においてもそのような取り組みを行うべきである、こういうふうに私は訴えてまいりました。いわゆるディスタンス・ラーニング・システムを活用して海外大学との単位の協定なども行いながら我が国からの発信も行うべきである、こういうふうに私は予特で提案をいたしました。
これに対して当時の川崎都立大学事務局長は、お尋ねのディスタンス・ラーニング・システム、遠隔教育については、海外のこれらの大学との研究教育の交流促進のために、大変効果的な手段であると考える、今後、その方法等について十分検討してまいりたいという趣旨のこういう答弁があったわけであります。これを受けて、都立の大学において、ディスタンス・ラーニング・システムあるいはこれに類似した遠隔教育システムが行われていると思うんですが、その確認をしたいこと。
それからもう一つ私が訴えたいのは、今日的にこのディスタンス・ラーニングといいますのは、学習者と講師が時間や地理に制約されずに教育が行われ得るということ、最新の知識を習得しやすい、非常にコンテンポラリーなレクチャーなりそうしたカリキュラム編成ができるということ、あるいは学習コストが従来などに比較して極めて安いという利点があるわけでありまして、今後この拡大を図るべきだと思いますが、これまでの経過も踏まえてまず見解を伺います。
○中山調整担当部長 現在、科学技術大学で情報通信技術を活用いたしまして遠隔教育システムの取り組みを行ってございます。交流協定を締結してございます米国スタンフォード大学とインターネットを活用いたしまして、双方向の遠隔共同事業を実施しまして、例えば自動車の縦列駐車をする際に超音波センサーを用いましてスムーズに行う、そういった技術でございますが、そういった支援システムの開発など、共同研究実験を行っているところでございます。日米の学生があらかじめ実験に必要なイメージ図を送付しておきまして、時間を指定いたしまして、リアルタイムで議論を交わすなど、貴重な体験となってございます。
次に、ディスタンス・ラーニング、いわゆる多様面の利用についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、これからの大学教育を考えるに当たりましては、さまざまな分野において遠隔教育の手法が活用できるものというふうに私ども考えてございます。例えば、キャンパスが異なります都立の四つの大学におきましても、インターネットなどの情報通信ネットワークを活用した事業展開、こういったことをやると非常に有効な手段である、こんなふうにも考えてございます。
また、社会人が自宅などにおきまして、時間を選ばずに授業を聴講するといった展開も想定されますし、公開講座の内容を電子教材化して、都民に広く提供するなどの、そういった利用も考えられるところでございます。
今後とも遠隔教育の広範な活用策について、さらに検討を進めていく所存でございます。
○木内委員 インターネット等を利用したり、今の情報通信技術を駆使してのディスタンス・ラーニングというのは、今後恐らく想像以上に、この実体というものは拡大できる余地がある、こういうふうに思うんです。
インターネットを利用して、時間的、空間的制約を超えた教育の試みが、ご報告のようにもう既に行われているわけでありますけれども、一つには国際化、グローバル化というものが一方にあり、一方にはIT化が進む現代の特徴というものがあるわけであります。まさにこれからの大学教育における、グラウンドの広さ、あるいは大きな可能性を示唆しているテーマだというふうにも思います。
ところで、グローバルといえば、先日、幾日でありましたか、石原知事の主催で、アジアネットワークの催しがございまして、私もこの議事堂の二階のスペースから見ておりまして、その後、京王プラザホテルで行われたレセプションに参りましたときに、フィリピンの代表の方と、片言でありましたけれども、会話をいたしました。この点についても実は言及をしたところであります。このアジア大都市ネットワーク21において、今後連携して取り組む十五の共同事業の中に、遠隔教育プロジェクトがあったということを当日知りまして、私はみずから主張してきたことの正鵠を射ていたということを改めて感じたわけであります。そのプレゼンテーションの内容というものはどんなことでありましたか、また、参加者の反応はどうでありましたか、お聞きします。
○中山調整担当部長 アジア遠隔教育プロジェクトについてでございますけれども、アジア大都市ネットワーク21の参加都市間におきまして、インターネットを利用いたしまして、遠隔教育を実施するものでございます。具体的な教育内容といたしましては、東京ファッションやビジネス日本語あるいはIT技術などを想定しておりまして、参加都市間の協力によりまして、これらの教育によって得た知識を活用するために、アジア独自の国際共通資格の創設を目指していくものでございます。
科学技術大学が行いましたこの提案につきましては、参加都市の関心も非常に高く、共同提案となったデリーからは、ぜひ必要な事業であり、成功する可能性が高い提案だというふうに評価されているところでございます。
○木内委員 これはぜひ精力的に展開をされるよう強く要望しておきたいと思うんです。いわば都立の大学が核になって、アジアの諸都市との連携の中で一つのシステムをつくり上げてもらいたい、こう思います。
遠隔教育についていろいろ聞いてきたわけでありますが、この手法はグローバル教育としてだけでなく、大学の通常の授業にも応用できるし、我が国内外の大学等の連携あるいは都民の生涯学習にも活用できるものであります。さまざまな教育機会の提供という面において、たびたび申し上げるように、広範な可能性を秘めているわけでありますから、いわゆる国際社会の遠隔教育という概念の推進にとどまらず、申し上げたような分野についても、これを積極的に推進していくべきだ、このことを訴えるわけでありますが、どうでしょうか。
○中山調整担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、ご指摘のとおり、これからの大学教育を考えるに当たりましては、さまざまな分野において遠隔教育の手法が活用できるものと、そういうふうに考えてございますので、今後なお一層遠隔教育の広範な活用策について検討を進めてまいりたいと思います。
○木内委員 ちょっと角度を変えて、今度は、社会人の学習ニーズにこたえる、あるいは生涯学習という視点からの問題を取り上げるわけであります。
私どもは、かねて本会議あるいは所管の委員会等でこのことを訴えてまいりました。都立大学が先頭に立って、社会人の学習ニーズにこたえる環境づくり、あるいは生涯学習の機軸となる、そうしたシステムを創出をしていくべきだ、こういうふうに申し上げてきたところでありまして、例えば、学生が時間を選ばず、いつでもどこでも事情に合わせて、いわばオンデマンドで授業を受けられるのであれば、これは社会人にも通用するわけでありますけれども、昼間とか夜間とかいった従来の就学形態は、今後大きく変わってくる可能性もあります。
私は、今回の大学改革を待つまでもなく、都立の大学が社会のニーズの変化に合わせて柔軟かつ大胆に改革していくべきだと考えているわけでありまして、開学五十年ではぐくまれたこれまでの伝統を大事にしながらも、新しい時代の展開に当たっては、これまでの概念を打ち破って新しい可能性を探るべきだ、こういいたいのであります。
その意味で、多様化する社会人の学習ニーズには、今回の改革の中で、より積極的に都立の大学としてはこたえていく必要があるであろう、こうも思うわけであります。
繰り返しますけれども、私が従来から主張しております都心部キャンパスでの社会人向け大学院の開設についてであります。社会人対象の大学院を実現するに当たっては、最近他の多くの大学もこれに取り組んできているところでありますけれども、ほかの大学では出し得ない、持ち得ない、いわば都立の大学としての独自性をこの分野においても出していく必要がある、こう訴えるわけであります。しかし、余り時間をかけて悠長なことをしていて、三年も五年もかかるというのでは、これは時代の展開にマッチしたタイミングとはいえないわけでありますから、可及的速やかにこの実現を目指すべきである、こう訴えるわけでありますけれども、これまでの状況と今後の具体的な見通しについて、答弁できる範囲でお答え願いたいと思います。
○中山調整担当部長 今委員ご指摘のとおり、いろんな大学でこういった試み、なされてございます。特に東京八重洲など都心部を中心に社会人向けの大学院の進出が続いてございますけれども、こういった中で、新宿につきましては、多くのビジネスマンがいるにもかかわらず、いわゆるビジネススクールと呼ばれている社会人向けの大学院、まだいわゆる空白地帯になってございます。そういったことから都の実施する場合には、ちょうど空白地帯において、都庁舎を利用して計画している、こういったことで特色を出そうということで今検討しているところでございます。庁舎の有効活用という観点から都庁舎の会議室を夜間有効に利用する、そういった方向で現在内部的に関係局と調整を進めているところでございます。
都庁にキャンパスを確保できますと、ユニークな大学院として多くの社会人学生を集めることができるだけではなくて、大学と都政が連携する、そういった拠点としても広く活用できる、さまざまなメリットがある、そんなように考えてございます。
○木内委員 さっき私が申し上げたように、ぜひ可及的速やかにこの実施が行われるよう強く要望をしておきます。
それから、大学院でキャリアアップをしたいという社会人のリフレッシュ教育のニーズとともに、もう一つ今日的社会の特性として、高齢化ということがあるのでありますけれども、学ぶ意欲の高い都民の生涯学習ニーズというものがますます高まってきていることにも注目をしなければなりません。
そこで、都民カレッジ事業の廃止については、これを極めて強く惜しむ声があるわけであります。平成十一年の決算特別委員会のときにも私はこれについてただしているんですけれども、いよいよこの九月をもって事業が終了となったわけであります。この都民カレッジ事業は、開校以来十年の歴史を持って、この実績は高く評価されているわけでありまして、今回の廃止を惜しむ受講者のさまざまな声にもそれが顕著にあらわれているところであります。
私は、これを衣を変えて、形を変えて、もう一度リニューアルして、新しいスタートをすべきだということを強く要請をしておくわけであります。今回事業の終了に当たって、総括的に一点お伺いしたいのは、都民カレッジが最も評価された点、もう一つは、特に他の民間カルチャーセンターなどと異なって評価された点も多いと思うわけでありますが、この検証を行って、リニューアルの再スタートにまた生かすべきであるという立場からお尋ねをします。
○中山調整担当部長 都民カレッジは、他の民間カルチャーセンターと比べまして、比較的低廉な価格であるという利点に加えまして、内容的にも大学院の修士課程レベルを目標といたしまして、高度な内容を取り扱う大学院講座でございます。また、他と比較しまして、専門性が非常に高い理数科系の科目、こういったものも他のカルチャースクールでない特色でございます。また、講座の数も三百を超える多様な講座を提供してまいりました。この辺も他の民間カルチャースクールではちょっとまねのできないすぐれた特性であったというふうに認識してございます。
これまで十万人を超える都民が受講いたしまして、都民の生涯学習ニーズにこたえ、生涯学習の先導的な役割を果たしてきた、このように考えてございます。
○木内委員 私も、何度も公開講座の資料、案内書を見まして、今答弁にあったように、非常に専門性の高い、非常に間口の広いテーマを選択して、これを幅広く都民に提供してきた、このことには大きな評価をしたいと思うのであります。カレッジを廃止するに当たっては、受講者への周知、説明のほか、これまで受講者が提出した論文等の添削など、残務整理を一たんは丁寧に行う必要があると思いますし、それとともに、十年間の総括として、事業報告書等を発行して、これまでのカレッジの事業を記録にとどめ、今後に生かしていく必要がある。私は中身にそれほど高い評価をしているわけでありますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○中山調整担当部長 都民カレッジの廃止に当たりましては、受講者への説明会を開催したのを初め、今年度の受講者の論文添削など、廃止に伴う残務整理を適切に行っているところでございます。また、これまでの十年間の都民カレッジの授業を総括する意味から、所管の生涯学習文化財団では、ご提案の事業報告書を作成することとなってございます。私どもといたしましても、今後の公開講座の再構築に当たって、この報告書を活用できるようにしていきたいと考えてございます。
○木内委員 こういう報告書を作成して、今後に生かしていきたい、こういうことでありますから、ぜひ期待をしたいと思います。私は一つの提言として、仮に再構築するにしても、いわば専門性が高い、間口の広いこれまでの特質を生かしながら、また新しい時代の要請にこたえる形での再構築も必要だというふうに思うんです。
先ほどどなたかの質疑でありましたけれども、たしか八王子でしたか、二十以上の大学が蝟集をしている。それぞれの個性を持った大学であり、それぞれの学部、学科ごとにさまざまな知的集積のあるそうしたバリエーションを持った地域東京でありますから、こうしたいわば他大学との連携や、あるいはまた地域的特性を反映した形での区市町村といった自治体との連携のもとでの、こうしたいわば公開カレッジ、公開講座というものが検討されてもよろしいのではないか。いわば新しい角度からの再構築への検討も必要だと思うんですが、いかがでありましょうか。
○中山調整担当部長 今後の公開講座の再構築でございますけれども、現在都立の四大学の教員も交えましたワーキンググループを設置いたしまして、四大学間における公開講座の共同事業化につきまして、具体的に検討を進めているところでございます。
加えて、今委員のご指摘のありましたように、多摩地域たくさんの大学がございます。そういった他の大学との連携による共同実施、あるいは区市町村が実施する生涯学習事業との連携、こういったものを含めて進めていく所存でございます。
また、地域の元気な高齢者の参加など、市民の協力を得て行う手づくり方式の講座など、多様な事業展開も検討し、これからの時代にふさわしい公開講座の再構築に取り組んでいきたいと考えてございます。
○木内委員 申し上げたように、近く大学改革大綱も策定、発表されるわけでありまして、今後幅広い都民の学ぶ意欲にこたえていくことに対しましては、いろいろな手法を駆使して、新しい都立の大学が全力で取り組んでいくというスタートを切ってほしいと思うわけでありまして、本部長のその点における見解をお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
○鎌形大学管理本部長 ただいまお話ございましたように、都立の四大学ではこれまでも、都民の学ぶ意欲にこたえるために、先ほど来お話ございましたように、都民カレッジを初めとしますいろいろな事業を実施してまいりました。しかし、グローバル社会への移行だとか、大学全入時代の到来を前にしまして、国公私立の各大学は生き延びをかけた競争の時代に入っているわけでございます。都立の大学におきましても、その例外ではございませんで、首都東京が設置をいたしました公立大学としての立場をきちんと踏まえて、教育研究面での改善は当然のこととして、都民や地域の要請に積極的にこたえるとともに、日本、ひいては世界に向かって、持てる大学の資源を役立てていかなければならないと感じているところでございます。
そういう意味におきまして、既に公表いたしました大学の改革基本方針におきまして、改革により目指す大学像で掲げました、都市の活力の生成拠点として東京の持続的発展に貢献する大学だとか、学術、教育、文化の交流拠点として都民が活用できる大学という、これからの大学に一層求められております社会への貢献が極めて重要なことと考えております。
できるだけ早く公表したい、発表したいと考えております大学改革大綱におきましても、これを具体的にしっかりと書き込みまして、お話の都民の学ぶ意欲に十分こたえられるよう、さまざまな面で大学の資源を積極的に活用いたしまして、他大学だとか区市町村、民間などとも連携を図りまして、都民の期待にこたえてまいりたいと考えております。
○清水委員 幾つかの資料を用意していただきまして、ありがとうございます。平成十二年度は、今も何人もの委員からお話がありましたように、大学改革基本方針の発表からこの間改革が進められてきております。学術の中心である都立大学の発展のために、東京都としては、学問の自由を定めた憲法の精神に沿って、教育研究条件を整備し、教育研究の自由な発展を保障する努力を進めることが一層重要になってきていると思います。
大学には都民の負託にこたえた自主的、創造的な改革が期待されているところです。そういう中でこの基本方針が続けられておりますが、私はその中の二つのことだけ伺いたいと思います。
現在進められている改革に当たっての検討は、諮問会議の開催なども順次公表されている部分がありますが、五十年の歴史を持つ都立大学、この間開学五十周年の式典にも参加させていただいたり、またその際に企画された幾つかの行事などにも参加させていただいて、市民、都民が多数これに参加をしている様子を見てまいりました。
特に多摩ニュータウンの中にあるということで、多摩ニュータウンを都市研究の中でどのように研究し、そして今後どのように整備して、またよりよい、住みよいまちづくりをしていくかというようなことを、大変深い視点で研究された発表なども、出席させていただいて、東京にある大学としての役割というものが本当になされているなということを伺ってきました。
また、先ほど出された資料の中でも、都市研究の成果、研究奨励費による研究の例などにも見られますように、本当に貴重な研究をされていると思います。ですから、そういう歴史や伝統の上に立った、そしてまた新しいニーズにこたえた改革というものが求められていると思うんですけれども、その検討というのは、大学の教員や学生や大学関係者自身の意見を聞く努力、また広く都民の声を聞く努力、そういうふうにしながら進めていくべきだと思いますけれども、この間そうした努力はどのようにされてきているのかを伺いたいと思います。
○佐藤改革推進担当部長 大学改革の検討に当たって、大学の教員や学生、また都民の意見をどのように聞いてきたかということでございますけれども、本年二月に策定をいたしました大学改革の基本方針の策定などにおきましては、都政モニターや教育モニター、また産業界等のアンケートを実施をいたしまして、策定をいたしました。また同時に、学長をメンバーといたします会議を設定をいたしまして、基本方針の策定に努力をしてきたところでございます。
また、基本方針を発表いたしまして、広く都民の意見の集約に努めますとともに、基本方針から現在大学改革の大綱の策定に当たりましては、先ほど申し上げましたと同様、大学の学長をメンバーといたします大学改革推進会議を設けまして、大学側の意見を十分に聞きながら進めてきたところでございます。
また、教職員や学生の意見につきましては、改革の状況を周知するための説明会の開催や意見聴取など、大学が行ってきております。各学長は学内の意見を踏まえた形で推進会議に参加してきているところでもございます。今後とも、大学改革の推進に当たりましては、大学改革推進会議などを通じまして、大学側の意見を十分に聞きながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○清水委員 具体的な問題について一つだけ聞きたいと思います。
都立大学のB類の問題に関しては、何回か常任委員会でも議論があったというふうに思いますが、この間B類の廃止ということで打ち出されているわけです。その理由としても、制度の当初とは社会状況が違ってきているということでご説明をされているわけですけれども、八王子に住んでおりますから、そうした生徒、また社会人枠を通して入学をされておられる方とも、お話をする機会が何回もあります。また、学生が自分たちの問題として、B類の廃止ということがどうなんだろうかということを広く都民にも、さまざまな場所で聞いているというふうに伺っています。そういう中では、本当にB類を完全に廃止をしてしまってよいのかという、そういう声も多数聞かれますし、夜間の課程が必要な学生もいるというふうにも伺っています。そういう学生はどこで学べばいいのかという強い声も出されています。
私は、きょうはそのことはおいて、社会人枠として入学をされた方の学ぶ場所の確保についてだけ伺いたいと思うんです。先ほど、社会人が学ぶ場を提供するということで、都心における都庁を利用しての社会人大学院の問題などもかなり詳しく話されましたけれども、それはもちろん大事だというふうに思うんです。八王子の南大沢に行かずに都心部で行う。また、社会人大学院ということでより高い学問、研究を求める方に門を開くということも非常に重要なことだと思います。しかし、そうであるならば、社会人枠のB類をどうして廃止するのかということに大変疑問を感じるわけなんです。社会人入試の競争率というのはどうなっているのでしょうか。
○佐藤改革推進担当部長 社会人特別選抜の入学者の志願数等の関係でございますけれども、平成九年度以降ここ五年程度の志願倍率で見ますと、おおむね二倍から三倍程度の間の推移になっております。実質受験をした方の実質倍率でとらえますと、二・〇倍から三・〇の間ぐらいのところの数字を推移しております。
○清水委員 例えばどういう方が都立大学の夜間の社会人枠に入学を申し込まれるのかという疑問を私も持ったわけですけれども、例えば、理工系の大学を出られて民間の研究所に勤められて、人文系の学問を自分はもう一度履修したいという方もいらっしゃいますし、また、理工系の大学を出て自治体職員となって、心理学とか、やはり人文系の学問をもう一度履修したいということで、ここに入学をしたい、またされているという方もいるというふうに伺っております。そういう方は、首都圏には安い授業料で夜間に開設をされている場所が非常に限られているので、もしこの社会人枠のB類が廃止をされてしまったら、学ぶ場所を奪われてしまうではないかというふうに強くいわれているわけです。
この間社会人枠を拡充をしてきたという経過もあると思うんです。夜間の状況が制度当初とは違っているというそのこと自体は、例えば昼間働いて夜勉強する学生が少なくなってきているとか、そういうことについては、そういう状況になっていることは否定はしませんけれども、そういう場所をこれからますます求める、そういう社会的な状況でもあるというふうに思うんです。廃止をするんではなくて、さらに充実をしたり、改善をしたりということで、方向が進められていくべきだというふうに思うんですが、どのようにお考えですか。
○佐藤改革推進担当部長 ただいまお話のありました社会人の特別専攻を含めまして、夜間B類の入学者の実態からいきますと、本年度入学者のアンケート調査を行いました内容を見ましても、いわゆる定職を持って既に働いている方、もしくは今後その予定のある方等々の数字からまいりますと、極めて少ない比率になっております。
ちなみに、昨年の調査でいきますと、いわゆるB類の学生のうちの定職の割合というのは一二%程度ということで、この中で今年度の四月の新入生、いわゆるB類全体でございますけれども、ここに入りました学生の、昼間仕事をする、定職を持っているという、合わせましても、やはり一二%、常勤でやると答えた方はそのうちの二%という状況で、このようにやはり夜間課程につきましての学生の就業状況というのは、かなり従来と変わってきております。
我々といたしましては、就労形態のこういう多様化に対応するための新しい制度の仕組みにつきましても、既存の科目と履修制度の活用ですとか、また、新しく設ける、国でも検討されておりますけれども、修業年限を設けずに時間をかけて履修をして卒業単位を取っていくというような、こういう新しいパートタイム学生制度のようなものの導入につきましても検討をしていく中で、新しい形での多様な履修機会を提供できるように検討していきたい、そのように考えております。
○清水委員 現在通っている学生にアンケートをとった場合にはそういうふうになったということですけれども、広く都民の中で、昼間定職につくなんていうことは、それ自身が今就職難で大変なことですから、それ自体が、どういうのが社会状況かということにもなるわけなんですけれども、そういう学ぶ場所があった場合に希望するかという、そういう方向をとれば、どういうふうになるかということはわからないと思うんです。私は学生のことをきょうはいっているのではなくて、社会人枠のことについてお聞きしているわけです。
例えば、これは教育庁の所管ですけれども、教員の質の向上というようなことが非常に繰り返しいわれています。そうであるならば、教育職員免許法の第九条の二には、「教育職員で、その有する相当の免許状が二種免許状であるものは、相当の一種免許状の授与を受けるように努めなければならない。」ということで、教育職員の資質の保持と向上を図ることを目的とした教育職員免許法というのがあるんです。教育職員の中には二種の免許で仕事をされている方もいます。その方を一種の免許に引き上げていくんだよということが法律の中の趣旨なんです。
例えば、じゃ、そういう二種の免許の教員の方の資質向上ということを、教育庁と連携をして、昼間は他の職員と同じように勤務をする。夜間のB類で一種免許状の取得のために努力をする。そういうようなことが、教育庁に伺ってないからわからないんですけれども、この間都立大学の役割としてやられてきたのかどうかということを考えれば、改めて、今入っている学生が、この趣旨と、こうだからということではなくて、じゃ、B類、夜間に学ぶという場所を提供した場合に、どのように東京の教育や学問に向上できるかということを工夫すれば--しかもこういうことが努力をされているという状況ではまだないと思うんです。
ですから、そういうことを考えた改革というものを行っていただきたいというふうに思いますし、先ほど、社会人の大学院は設ける、じゃ社会人の方が学びたいという場の確保は終わりですよといって、社会人大学院を設けるということとは、どうもここが一致しないので、やはり今後の改革の方向の中でぜひご検討をいただきたいというふうに思います。
次に、施設整備の問題について伺いますが、移転をしてから十年余り経過したと思います。機器類は一体どうなっているのか。通っておられる学生さんとか、そういった社会人枠の方々の話を聞くと、機器類なども相当老朽化しているというふうな話も聞いています。最新機器への更新によって、教育研究レベルの維持向上というのが今求められているんではないでしょうか。先ほど、トップサーティーの話がありましたけれども、私もある塾産業のインターネットを引いてみましたら、理系トップ三十大学の公表というところにこの都立大学が入っていたわけなんです。このこと自身がどうなのかということは別にして、こういうふうに都立大学としては評価されている、そういう理工系の学部にふさわしい機器の整備というのが必要なのではないでしょうか。現状はどうなっているでしょうか、今後の整備の方向はどうなっているでしょうか、お伺いいたします。
○二村管理部長 都立大学におきます教育研究のための機器類の整備、更新の取り組み状況はどうかというお話でございます。都立大学におきましては、移転直後の平成三年度から六年度までは新たに整備する機器の経費のみを計上しておりまして、決算額で約三億円程度で推移しておりました。また、機器がその後年を経るとともに劣化してまいりますので、それに合わせまして、七年度予算からは老朽設備更新のための経費も措置しているところでございます。
したがいまして、各年度ごとに増減はあるものの、十年度までおおむね四億円台の決算で推移してきております。近年の厳しい都財政の中では、機器需要の緊急性、有効性などについて精査をいたしまして、必要性の高いものから優先的に整備して、教育研究に支障がないように努めているところでございます。
○清水委員 ぜひ現在の求められている水準にふさわしい整備を行っていただきたいというふうに思います。
もう一つ、PRTR法、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律が施行されました。理工系の、やはり医薬品をたくさん使用する都立大学としては、化学物質の一層の適正化が求められていると思うんですけれども、どのような取り組みがなされているのか。また今後どのような方向を行おうとしているのかについて伺いたいと思います。
○二村管理部長 特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律、これを英語で頭文字だけとりましたのが、PRTRということになりまして、私どもはいわゆるPRTR法と称しております。これは平成十一年度に制定されまして、内容ごとに順次施行されてきております。十三年度より、指定された化学物質の排出量、移動量の把握が義務づけられております。また、今年度施行されました都民の健康と安全を確保する条例、いわゆる環境確保条例において、都独自にさらに厳格な規制基準が設けられているところでございます。
化学物質の取扱量が最も多い都立大学では、その管理等の基本的な事項について学内の規程を改正いたしまして、環境安全委員会及びその専門委員会におきまして、規制に対応するための条件整備に取り組んでいるところでございます。
また、実際の化学物質量の把握につきましては、薬品類全体の管理、責任体制を整備する中で、帳簿による管理の徹底を図っているところでございます。
今後とも、学内の教職員、学生への周知を初めといたしまして、化学物質を含め薬品類全体の適切な管理に努めるよう、大学にも働きかけていきたいと思っております。
○清水委員 最新の機器類の整備も求められている。また、今お話がありました新たな法律や条例の整備によって化学物質の適正化が求められている。そういう幾つかの新しい動きなどもある中で、都立大学の予算額と十二年度の決算額はこの十年余りずっと削減をしております。十年たって新しい機器類にすることが求められていますし、また財政大変ということで、施設なども、機器類だけでなくて、古くなっているところもあるということですが、やはり東京都立の大学にふさわしい整備が必要となれば、予算の増額なども求められていると思います。
新しい大学をつくっていくということで、もちろん新しいニーズにこたえることも大事ですけれども、そのために同じ枠の中でやっていけばどこかを削るという話になるわけですけれども、そういうことで、先ほどから社会人枠の問題なども触れましたけれども、今まで行ってきたものが、引き続き必要という、そういうものもまだまだ残されているわけで、全部残さなければいけないとかいうことではなくて、十分に実情も把握しながら改革に取り組んでいただきたいと思いますし、それから来年度の予算の確保にも進めていただきたいということを要望して、終わります。
○馬場委員長 ほかにございませんか。
発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で大学管理本部関係を終わります。
○馬場委員長 これより生活文化局関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十二年度東京都一般会計決算中、生活文化局関係を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○幸田総務部長 平成十三年十月十五日に開かれました当分科会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の、生活文化局と書かれた封筒の中の、平成十二年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
お開きいただきますと、まず目次でございます。ご要求のございました資料は、ここに掲げてございますとおり、全部で七件でございます。
以下、順次ご説明させていただきます。
一ページをお開きいただきたいと存じます。平成十二年度に生活文化局が執行いたしました心の東京革命推進事業の主な実績でございます。
表側の区分ごとにそれぞれの事業実績を記載してございます。また、最下段には、平成十二年度に執行した本事業の歳出額を記載してございます。
二ページをお開き願いたいと存じます。男女平等参画施策の事業別予算・決算の推移でございます。
表頭にございますように、平成八年度から平成十二年度までの過去五年間について、表側の区分に従って、予算額及び決算額の推移を記載してございます。
三ページをお開きいただきたいと存じます。消費生活総合センターの事業別予算・決算の推移でございます。
平成八年度から平成十二年度までの過去五年間について、消費生活総合センターの歳出総額及び事業別の、予算額及び決算額の推移を記載してございます。
四ページをお開きいただきたいと存じます。消費生活総合センターの相談件数の推移と特徴でございます。
表頭にございますように、相談件数及び各年度の相談内容の特徴につきまして、平成八年度から平成十二年度までの過去五年間の推移を記載してございます。なお、相談件数欄中の括弧内は、多摩消費生活センターで受け付けた相談件数でございまして、内数でございます。
五ページをお開きいただきたいと存じます。都民芸術フェスティバルの助成団体数、助成額及び入場者数の推移でございます。
平成八年度から平成十二年度までの過去五年間の助成団体数、助成額及び入場者数の推移を記載してございます。
六ページをお開きいただきたいと存じます。私立学校経常費補助の予算・決算の推移でございます。
平成八年度から十二年度までの過去五年間について、表側の区分ごとに予算額及び決算額の推移を記載してございます。
七ページをお開きいただきたいと存じます。東京都育英資金一般貸付の予算・決算及び規模の推移でございます。
平成八年度から十二年度までの過去五年間について、まず(1)に、歳出額の推移といたしまして、予算額及び決算額の推移を記載してございます。次に、(2)といたしまして、規模の推移として、表側の区分ごとに、貸付人数の実績の推移を記載してございます。
以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○いなば委員 私は、資料要求もいたしましたけれども、心の東京革命について、二、三質問いたしたいと思います。
これまでの戦後経済の発展の中で、自由や豊かさを手に入れる代償に、自己中心主義の生き方の蔓延によりまして、社会の一員として必要とされる人の心を忘れてしまうことなど、日本人の古きよき伝統や文化までなくしてしまったように思えてなりません。日本人の古きよき伝統や文化までなくしてしまった結果、親や大人自身が社会の基本的ルールや人とのかかわり方なども、二十一世紀を支えていく子どもたちに自信と責任を持って教えていくことができなくなっているような状況に思えてなりません。当の我が子にすらきちんとしたしつけや教育ができない親が急増しております。そういう中で、心の東京革命は、石原知事がこうした現状を憂えまして、次代を担う子どもたちの社会性をはぐくむ取り組みとして提唱しましたが、昨年八月に行動プランが発表されました。既に一年がたったわけであります。この運動は、学校教育を初めといたしまして、子育てや社会教育など、広範囲にわたる取り組みが必要ですけれども、特に子育てに自信を持てない親や、地域コミュニティの崩壊などによりまして、他人の子どもに無関心になってしまった大人への働きかけが大変重要であると考えております。
資料によりますと、十二年度は普及啓発を中心とした事業を展開しているようですけれども、主な内容や成果についてお示しいただきたいと思っております。
○島田参事 心の東京革命の推進は、多くの都民の方々に関心を持っていただき、行動プランに基づく具体的な行動を実践していただくことが大切であるというふうに考えております。このため、シンボルマークを都民からの公募により制定いたしましたほか、昨年十月に約四千名の都民の参加によりまして都民集会を開催し、参加者による共同宣言を行うなど、都民参加の運動の展開に努めてまいりました。また、この都民集会の場で、都民運動の推進母体として、民間団体や企業などが中心となりまして、心の東京革命推進協議会を設立し、民間と行政の連携による推進体制を構築いたしました。現在、この推進協議会には、約百五十の団体や企業、約二千三百人の都民の方々が会員となって活動にご参加いただいており、徐々に都民への普及が進んでいるというふうに私どもは考えております。三月には、親子の会話を豊かにするきっかけづくりになりますように、毎月第三土曜日を家族ふれあいの日として設定し、特に親に対する普及啓発活動として民間企業の協力を得て、その推進に努めてきたところでございます。
○いなば委員 ただいまお答えいただきましたように、都民を初め、民間団体、企業などから多くの賛同者を得て、推進協議会の活動を発展させていくということは、市民活動推進の観点からも大変意義あることと考えております。しかし、当初は普及啓発も大切ですけれども、これからは本格的な事業の展開なくしては、心の東京革命は地域になかなか浸透していかないのではないかとも思っております。そこで、行動プランの推進、普及啓発の中に、心の東京革命チーフアドバイザーの養成という実績がありますけれども、どのような内容かお伺いしたいと思っております。
○島田参事 核家族化や地域の連帯感が薄れるなどの影響によりまして、親や近所のお年寄りから子育ての知恵や経験の伝承が少なくなりました。また、地域の大人が子どもの育成にかかわる機会も減少し、家庭や地域の教育力が著しく低下しております。心の東京革命アドバイザーは、地域で心の東京革命の趣旨を伝えながら、さまざまな草の根的な活動をしている方々を支えたり、子育てに困っている人の相談相手になる人材をボランティアとして養成するものでございます。十二年度は、都全域で活動するチーフアドバイザーを養成いたしましたが、今年度よりこのアドバイザーの協力によりまして、区市町村単位で活動する地域のアドバイザーを養成しているところでございます。今後、この事業を都内全域に拡大していくために、チーフアドバイザーの数をふやしていくとともに、区市町村の協力を得て、都内各地で多くの地域アドバイザーを養成し、子どもの育成に関するボランティア活動を活性化していきたいというふうに考えております。
○いなば委員 では、心の東京革命を実効あるものとするために、区市町村レベルでの具体的な事業の展開が重要であるわけですけれども、そのためには区市町村との連携が必要なことはいうまでもないわけでありまして、市民レベルの参加、協力を得られやすい仕組みづくりが大切でもあります。私の地元板橋でも、区の事業などに大いに積極的に協力を申し出てくれるボランティア団体が数多くあるわけです。また、先日、都民広場で、心の東京革命推進事業の一つとして行われました大東京ダンス祭ですか、これにも参加した地域ぐるみで活動する団体があったわけであります。今後、知事の熱い思いのこもった心の東京革命を具現化していき、そして地域に定着させていくためには、こうした地域の方々の参加を促すような事業をどんどん充実させていくということが必要だと思いますけれども、ご所見をお伺いしたいと思います。
○島田参事 ご指摘のとおり、心の東京革命の推進には、区市町村レベルでの市民一人一人の参加が不可欠であるというふうに考えております。ことしの七月には、地域ぐるみで行われている年齢の異なる子どもたちの交流活動や体験活動など、他の模範となります七つの取り組みを心の東京革命推進モデルとして指定いたしましたが、今後その内容や成果などを生かして、都内の隅々まで活動を広めていくことにより、モデルとなるような取り組みを普及拡大させていきたいと考えております。また、先ほど申し上げました地域アドバイザーの養成は、区市町村に広報紙への掲載や会場の便宜供与などをお願いし実施してまいりますが、この地域アドバイザーの募集に当たっては、地域で活動するボランティアの方々へも積極的な参加の呼びかけを行うなど、地域ぐるみの育成活動に市民が参加できる場をふやし、心の東京革命の着実な推進を図ってまいります。
○いなば委員 最後に要望ですけれども、今、後段の方で、市民が参加できる場をふやしていくというようにお答えいただきましたけれども、まさに地域のまちづくりの原点というのは、コミュニティの場の拡大ということにあると思います。すべて、今非常に直接的な接触、触れ合いの場というのは数少なくなってきたわけであります。地域自治体でも交流の場といいましょうか、市民、区民のそれぞれの触れ合いの場というものが、本当に役員だけの会合ぐらいで、なかなか難しいという状況もよく耳にしますけれども、まさにそういう場を、大いに都みずからがそういう場を提供していく。お金も予算もかからないわけでありますから、そういう意味では、そんなところにも心がけしていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。
○相川委員 私から、生活文化局が所管をしております市民活動の促進事業、とりわけいわゆるNPO法人に関した質問を幾つかさせていただきたいと思います。
日本におけるボランティア、NPOというのは、ちょうど七年前ですから、まだ私たちの記憶に新しいあの阪神・淡路大震災、その後の日本海におけますロシアのタンカーによる重油流出事故、こういったことを契機にして、ボランティア活動が改めて注目されまして、今や、福祉や環境保護、国際交流といった大変幅広い分野においてボランティア、NPOが活発に今活動しているわけであります。そうした活動を裏づけるために、平成十年十二月に、特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が施行されまして、特定非営利活動法人、その法律によって認証を受けた法人が、特に東京都の中で急増している。さらには、その活動が活発化しているということをお聞きしているわけであります。私も、実は何年か前から地元の八王子で、高齢者の生活支援を行うNPOにかかわってまいりまして、そういった経緯から、行政や企業とは違った立場で活動を行うNPOやボランティアなどの市民活動に対しまして、大変関心を持っているわけであります。
そこで、生活文化局さんの所管する市民活動促進事業について、何点かご質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、平成十二年度におけます市民活動の促進、この内容についてお伺いしたいと思います。
○中島都民協働部長 市民活動の促進ということで、平成十二年度に行いました主な事業としましては、東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会の開催というのがございます。二つ目に、特定非営利活動促進法に基づく法人認証事務がございます。三つ目としまして、東京ボランティア・市民活動センター事業への補助がございます。
まず最初の東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会でございますが、この委員会は、NPO関係者を含めまして、学識経験者、行政関係者など十三名の委員で構成されまして、平成十二年十月に協働の推進指針策定への提言というものが出されております。東京都は、この提言を踏まえまして、平成十三年八月に協働の推進指針を策定いたしております。
二番目の特定非営利活動促進法に基づく法人認証事務でございます。法施行以来、平成十三年九月末までに、東京都は千八十一法人の認証をしてございます。なお、全国では四千九百六十六法人が認証されております。
三番目の東京ボランティア・市民活動センターでございますが、ボランティアやNPOの支援拠点としまして、平成十年四月に開設されております。これらの活動を促進するために、情報収集、提供、人材育成、交流機会や活動の場の提供など、幅広い支援活動を行っております。
○相川委員 今のご答弁にもありましたように、協働に関する検討委員会というのが設置をされている。その具体的な成果として、八月に協働の推進指針が出されたという説明がございましたけれども、指針の策定についての目的、内容について伺いたいと思います。
○中島都民協働部長 NPOなどの社会貢献活動団体の活動は、みずからの能力や経験を生かし、生きがいを持って取り組む多くの人々によって支えられております。機動的できめの細かいサービスの提供など、行政にはない特性をもっております。都が施策を進める上で、これらの特性を生かすことができれば、多様化する都民のニーズにより的確に対応することが可能となってまいります。また、東京都が積極的に社会貢献活動団体と協働することによりまして、行政の効率化、体質改善にもつなげることができます。こうしたねらいのもとに全庁的に協働を進めるための指針を策定したわけでございます。この指針では、協働に関する基本的な考え方や留意点、協働の進め方、さらに協働を推進するための環境づくりなどを示し、協働に関する積極的な姿勢を明らかにしております。
○相川委員 今のご答弁ですと、協働、つまり協力して働くということなんでしょうけれども、どうもイメージがつかみにくいんですけれども、具体的にいいますと、どのような事業をどのような方法で行っているのか、この辺につきましてご答弁いただきたいと思います。
○中島都民協働部長 指針では、協働について、NPOと行政が互いの立場や特性を認めながら、共通する課題の解決のために協力し合うものというふうに定義をしてございます。
協働の形態といたしましては、事業の委託、協定書などを締結して行う事業協力、さらに、協力して一つの事業を行う共催、実行委員会などの方式がございます。この場合、各事業の性格に見合った形態を選択することが大変重要になるというふうに考えております。具体的な事例といたしましては、エイズ電話相談のNPO法人への委託、NPO法人と協定を結び、都立公園の花壇の管理を任せる事業協力、さらに、事業を実施するために実行委員会を組織して行う方法がございます。また、指針では主にNPOとの協働について記載してございますけれども、従来から行われているボランティアの参加、協力、例えば都立病院での外来での患者さんのご案内、あるいは院内コンサートなど、こういうものにつきましても今後さらに推進していきたいというふうに考えております。なお、現在、都がNPOと協働したりボランティアの参加を得ている事業は、合わせて約百件となっております。
○相川委員 協働につきましては、ある程度理解ができたわけですけれども、一つは、こうした協働事業を推進するために、どのような取り組みをしていくのか、あるいはそうしたNPO活動をどんな形で支援をお考えなのかを伺いたいわけなんですが、実は、私もNPOにかかわっている中で、NPOを一つの仕事としてとらえたときに、株式会社でありますとか、あるいは有限会社と同じように人、物、金という三つがうまく整備されないと、どうしても有効な機能が起きない。例えばアメリカのようなNPO先進国を見てみますと、既にアメリカのNPOというのは、アメリカの就業人口全体の五・八%ですか、そのぐらいを占めるような状況になっている。一方で、日本の、例えば完全失業率を見ますと五%強ですね。某内閣のある大臣が、学者さんがいってましたけれども、痛みの伴う改革をして、それによって生まれた失業者というのは、IT産業を育成することによって全部吸収されてしまうなんていうことを何カ月か前にお話しされていましたけれども、むしろ私は、特に福祉のような地域産業を効率よく動かすようなNPOを育成することによって、アメリカの例にもありますように、これは本当に乱暴な意見ですけれども、今の失業者をほとんどNPOの中で吸収することができるんじゃないかと考えているわけなんです。
そうした意味で、もとに戻りますけれども、今一番NPOにとって問題になっている人、物、金、この要素をどうやってつくり上げていくのか、そういう課題の中で、東京都が今後NPOの活動に対してどんな支援をお考えになっているのかをお伺いしたいと思います。
○中島都民協働部長 NPOに対する認識でございますが、今、相川委員がおっしゃられたような米国での事例、私どももほぼ同じような認識をしております。日本においては、まだ揺籃期でございますので、わかりやすくいえば、これからという状況でございます。私どもは、それを前提に、これからどういう対策を進めていくかということをいろいろ検討しているわけでございます。
現在、一番力を入れているところでございますが、東京都との協働事業をさらにふやしていこうということを考えてございます。既に実施している個々の事業がございますが、これを協働の視点から見直しを進めております。また、事業目的に最も適した協働相手を選定するということが必要になるわけですが、その団体がどのような活動実績、また能力を持っているのか、そういうような意味で、評価が不可欠であろうというふうに思っております。そういう意味で、その仕組みをつくっていきたいというふうに現在考えております。同時に、NPOの活動実態などの情報収集を行いまして、庁内及び都民の相談に対応できる体制、これを今整備してまいります。さらに、NPOの多くが、先ほど相川委員がおっしゃられたように、運営管理の面でさまざまな課題を抱えております。そういう面から、こうした点を考慮しながら、活動環境の整備に努めていきたいというふうに考えております。
具体的には、経営管理能力の向上を図るためのセミナーの開催や、専門知識を持った人材の紹介など、活動基盤の強化を図るための取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
○相川委員 ぜひ今のお話にありましたように、具体的な事業を推進をしていただきたいと思います。
最後に、これは私なりの意見なんですけれども、実はNPO活動をする中で、今の状況というのは雨後のタケノコのようにNPOがどんどん立ち上がっているというような状況があるわけなんですね。そういう状況の中で、例えばNPOとしての自助自立を目指している、例えばISOの九〇〇〇シリーズを取得するようなNPOがあらわれたり、つい二日ぐらい前の朝日ですけれども、これは、ラグビー愛好者ならだれでも知っているクラブチームなんですが、不惑倶楽部というのがありまして、オーバーフォーティーの、四十歳以上のラガーメンがそういうクラブをつくっているわけなんですが、ラグビー愛好者のクラブの中で、ある病院の医師がたまたまそのクラブにいまして、病院の医師の呼びかけによって、月に一回ラガーメンがその病院に行って、車いすの方の散歩をするとか、介護する人の補助をするとか、そういうボランティア活動を数年前からやってきた。そうした自分たちの活動の継続性を社会に対して保証する、あるいは自分たちの責任を社会に対して明確にするために、NPOの認証を、昨年ですか、受けたというような記事が載っていたわけですね。そういうNPOを、例えば、選別という言葉はふさわしくないかもしれませんけれども、いい意味でのNPOとしてとらえるならば、二年ぐらい前に問題になりましたけれども、大阪の方で暴力団が、自分たちの活動の隠れみのにNPO法人を認証してしまったりとか、一方ではそういう悪い意味でのNPO認証取得というような事例も、実は出ているわけであります。
そういうところで、私は、選別すること自体が意味があるかどうか別として、NPOをやっている人間として、NPOの一定の評価を社会的に認知をしてもらうということも必要ではないかというふうに考えるわけであります。そういう中で、例えば認証の窓口としての生活文化局の中で、今後、これは難しい話かもしれませんが、NPO選別のシステムみたいなものをぜひつくり上げていっていただきたいなと。これは、支援策を推進するのと同時並行でやっていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。
○大山委員 生活文化局の十二年度決算ということで、資料の3と4で、消費生活総合センターのことについての資料も出していただきました。私は、きょうは、消費生活総合センターについて質疑していきたいというふうに思っています。
消費者にとって、消費にまつわるさまざまなトラブルだとか心配事などを信頼できるところで相談できる、それを解決できるということはとても重要なことなわけで、同時に、消費生活情報が受けられるところ、消費者運動の支援などの役割を果たしている東京都消費生活センターは、消費者の頼れる場所になっているわけです。消費生活総合センターは、飯田橋のセンターと立川に多摩消費生活センターがあるわけですけれども、三ページの3の資料で出していただきました八年度から十二年度までの消費生活総合センターの事業別予算・決算の表を見ますと、びっくりしたわけですけれども、平成八年度で、予算で九億八千九百九十五万円が、平成十二年度は五億五千百十一万円と、五年間で額として四億三千八百八十三万円の減額、十二年度は、八年度の予算の何と五五・六七%、約半分という予算になって、まさに激減かというふうにいえるわけです。しかも、その予算に対して決算は、執行率も、十二年度を見ますと八二・三%でしかないという事態になっています。この予算の激減の理由というのは何でしょう。
○中澤消費生活部長 消費生活総合センター予算の減少の主な理由でございますけれども、第一に、テレビスポットやラジオスポット、それから電光掲示板などを利用した普及啓発事業を、新聞や若者向け雑誌などの広告掲載に切りかえたため、平成十年度以降、一億五百七十六万円余の経費削減を行っております。
第二に、相談情報システムの開発が終了いたしましたので、平成九年度及び十年度にかけまして、八千二百三十三万円余が減額となっております。
第三に、支所の廃止に伴う管理費や原状回復工事費などが、平成九年度及び十年度にかけまして七千九百八十八万円余が減額になったこと、その他、印刷物の発行部数の見直しによるものであります。経費削減は、効果的、効率的な事業執行ができるよう、その事業内容を見直したものでございまして、都民サービスの低下を招かないよう十分に配慮してきたところでございます。
○大山委員 事業執行ができなくなるようなことじゃないんだというふうにおっしゃるわけですけれども、八年までは、都内に支所が四つあったわけですね。都民に身近な消費生活センターだったんですけれども、まず、九年度ではその四カ所を廃止したわけですね。その後は、ラジオスポットをやめ、テレビスポットの数を減らし、駅にあって多くの都民の皆さんが無意識に目にしているような電光掲示板への掲示をやめ、とうとう十二年はテレビスポットも廃止するという、徹底して消費生活センターの存在を、不特定多数の都民に知らせる努力というところを削ってきてしまっているというふうに思っています。若者向けの広告掲載をしているんだとおっしゃいますけれども、相談したい方というのは、もちろん傾向としては多いのかもしれませんけれども、高齢者もありますし、年齢層はすべてにわたっているわけですね。消費生活センターというのは、商品も最近多様化してますし、それから商売の仕方、流通の仕方も、これまでにないようなインターネットでの取引をするというようなことで、ますます複雑化していく中で、せっかく都民の消費生活を支援するという消費生活センターがあって、いい活動をしていても、都民がその存在を知らなくなってしまったら宝の持ちぐされということになってしまうんじゃないかというふうに心配するわけです。徹底して広報を削減するというのは、消費者行政を進めていこうという立場からも、やはり逆行しているというふうにいわざるを得ないというふうに思っています。この間、ずうっと予算が毎年毎年マイナスシーリングなんだ、一〇%削減しなさいというふうにいわれて、結局、こういうところが削られてきてしまったんじゃないかというふうにいわざるを得ないわけですね。
実際、新聞や雑誌のところで掲載しているからというふうにおっしゃるんですけれども、やはりトラブルに巻き込まれたり、それから、相談したくならないと、なかなか意識して、あそこには何がある、ここに何があるというのは自覚しないわけですよね。そういうときに無意識に見たり聞いたりするテレビやラジオ、それから電光掲示板というのは、毎日必要ではないけれども、せっぱ詰まったときには必要だというような消費生活センターのような場所は、やはり繰り返し繰り返しの宣伝というのは、こういうところだからこそ重要だというふうに思っています。都民の皆さんに知らせたい、こういうことをやってますよ、ということを、ここに消費生活センターがありますよ、ということを知らせなかったら、基幹的な仕事も先細りになってしまうんじゃないかというふうに思うわけです。
ところで、基幹的な仕事というのは、相談というのは中心的な仕事なわけですけれども、四つの支所を廃止した年、九年度は、資料4で見ますと、年間で前の年よりも一千件以上減少しているんですね。これは、やはり、身近な消費生活センターが、支所が廃止されてしまって二カ所になってしまったということに影響されているのではないというふうにはいい切れないというふうに思っています。五年間で大体回復しているわけですけれども、最近の相談の傾向というのはどうなっているでしょうか。
○中澤消費生活部長 最近の消費生活相談の傾向、特徴でございますけれども、パソコン等の普及に伴いまして、インターネットに関する相談、平成九年度百四十六件でありましたのが、平成十二年度には一千百七十四件と、この四年間に約八倍と急増しております。また、経済不況の中で、生命保険会社の破綻やエステティックサロンの倒産に伴う相談が、平成十一年度の六百三十二件から、平成十二年度は一千二百五十件と倍増しております。
件数でございますけれども、件数の傾向といたしましては、都域全体として平成八年度八万三千四百五十九件ございましたものが、平成十二年度には九万八千四百二十二件と、約一万五千件、率にして約一八%増加をしております。
以上でございます。
○大山委員 今、相談の内容、おっしゃったように、相談件数がふえているということと同時に、倒産に伴うこと、それから生命保険に関することだとか、インターネットに関すること、新しいこと、それから一筋縄ではいかないようなことというのがふえてきているというふうに思うわけです。ですから、一つ一つの相談にかかる時間ということは、当然長くかかるだろうということは容易に予測されるわけですけれども、相談件数はふえてきていますが、前のページの予算・決算を見ますと、相談についても、予算・決算額とも減っています。電話をかけてもつながらないという声も聞くわけですけれども、対応が間に合わないということなんじゃないんでしょうか。
○中澤消費生活部長 相談事業にかかわる予算、相談員数は、従来の枠を維持しておりまして、機能も確保して対応に努めているところでございます。また、区市町村における相談体制も、相談員数や相談受付日数の増加など、着実に整備をされてきておりまして、都は、区市町村との連携及び支援を行いながら相談に対応しているところでございます。
○大山委員 区市町村が消費生活センターを持って、それぞれの区市町村でそれこそ身近な相談を受けるというのは、これはこれで重要な役割だというふうに思っています。同時に、区市町村にはない、例えば東京都は行政措置権を持っているわけですし、また、消費生活センターがないところもまだありますし、それから、まだできたばっかりで、これから力をつけていかなきゃいけないというところも、区市町村ではたくさんあるわけですね。区市町村の支援をしようというときに、東京都みずからが実践を持っていなければ、説得力だとか裏づけがないものになってしまうわけで、今述べましたいろいろな意味からいっても、東京都の消費生活総合センターの役割は今後ますます大きい、今までも大きかったわけですけれども、大きいと考えていますけれども、どうでしょうか。
○中澤消費生活部長 大山副委員長ご指摘のとおり、相談事業のニーズはますます増加してまいります。したがいまして、東京都消費生活総合センターの役割というのは、まだまだ大きいものがあるというふうに思っております。
○大山委員 現在、飯田橋と立川に消費生活センターがありますけれども、今、総合センター、非常に大きな役割だし、まだまだ今後も役割は大きいんだということですけれども、多摩の消費生活センターにも相談が、十二年度は、この括弧書きの中ですと、一万件を超えて、区市町村との連携だとか消費者団体の活動のセンターということで、多摩地域で多摩消費生活センターが果たしている役割、これも同時に大きな役割だと思いますけれども、どうですか。
○中澤消費生活部長 先ほどもお答えしましたように、多摩地域におきましても市部を中心に消費生活相談の受付件数が伸びるなど、消費者支援体制も整備されつつあります。多摩消費生活センターは、多摩地域の市町村の支援や消費者の活動の場としての役割を果たしているものと考えております。
○大山委員 多摩の消費者センターも、そして飯田橋のセンターも、都民にとっても、それから消費者にとっても、大変重要な役割を果たしているということだというふうに思うんですね。そういう重要な役割を果たしているにもかかわらず消費者行政の後退というのは、全国的にも懸念されている状況にあるわけですし、実際、消費生活総合センターの予算も、決算も減額されてきているわけですね。消費者が適切な情報を得たり、消費者被害が出ないように、それからまた、被害の救済だとかやっているわけですけれども、それと同時に、考える消費者になるためにも、消費者行政の後退は許されないことだというふうに思っています。同時に多摩地域では、市町村の活動も活発にはなってきていますけれども、まだまだ消費者センターがないところもあるわけですから、同時に地域も広大なわけですから、多摩消費生活センターを中心に、より活動を活発にしていくことこそ求められているというふうに思っています。予算・決算、減額されてきていますけれども、消費者行政をこれ以上縮小するんじゃなくて、充実する方向でぜひ進めていってもらいたいという意見を述べて終わりにします。
○林田委員 生活文化局の施策の中で、交通安全対策についてお伺いしたいと思います。
交通安全対策は、生活文化局と警視庁、都市計画局、建設局の三局一庁の連携協力によって施策を進めているわけでございますけれども、交通安全対策の総合調整、普及啓発及び放置自転車対策についてお伺いしたいと思います。具体的な事業の内容と、生活文化局の役割はどうなっているのか、それを第一点としてお伺いいたします。
また、決算書の二三ページになるわけでございますけれども、交通安全対策の総合調整及び普及啓発が執行率七二・一%、不用額が二千百十三万円余、また放置自転車対策が執行率七七・六%、不用額が三百二十一万円余となっておりますけれども、主な経費と執行残の理由について、まずお伺いしたいと思います。
○宇波交通安全対策担当部長 まず、交通安全対策の総合調整等についての生活文化局の役割と具体的な事業の内容でございますが、生活文化局は、東京都の交通安全対策を総合的に実施し、効果あるものとするために、交通安全計画を初め、各種基本方針の策定、違法駐車や放置自転車対策の総合調整、交通事故防止のための普及啓発等を実施しております。
具体的な事業といたしましては、都における交通安全対策の長期基本計画に基づき、毎年策定いたします実施計画や交通安全運動の基本方針の策定、放置自転車や暴走族対策など、各種事業の総合調整のための会議開催、運営を行っております。また、交通事故防止のためのポスター、パンフレットや新聞等、メディアを活用した普及啓発の実施や放置自転車対策といたしましては、駅前放置自転車クリーンキャンペーン等を実施しております。また、今年度から、違法駐車が交通渋滞や交通事故の原因となっておりますことから、新たに違法駐車対策を実施しております。
次に、主な経費でございますが、会議開催経費や時間外勤務手当など、総合調整のための経費、あるいはポスター、パンフレットの作成、新聞、ラジオ等メディア掲載費等、普及啓発のための経費のほか、放置自転車対策経費といたしまして、ポスター、チラシ、PR用グッズ等の作成経費がございます。
また、執行残の理由でございますが、これは、新聞広告、ラジオスポット等の落札差金や時間外勤務手当、印刷費等の実績残などでございます。
○林田委員 そういうことだと思いますけれども、次にお伺いいたします。余りしつこく不用額のことは、努力しているということで、次に移りたいと思います。
交通安全は、現実、警視庁や地元の区市町村や、あるいは住民といろいろな団体、機関が連携協力して実施しているわけでございますけれども、連携協力しなければならない、そしてまた、連携協力しなければ効果が発揮できない、それはよくわかります。例えば道路標識の設置など、警察と道路管理者、地元区市町村など、いろいろな機関、団体がかかわっているわけでございますけれども、生活文化局は、交通安全対策としてどのような考えをもとに、どのような方法で総合調整を実施しているのかお伺いしたいと思います。
○宇波交通安全対策担当部長 交通安全対策は、先生ご指摘のように、多くの関係機関や団体がかかわっておりますために、各機関の緊密な連携と協力のもとに総合的、計画的に推進していく必要がございます。そのため、都では、対策の長期基本計画であります交通安全五カ年計画及び毎年度策定いたします実施計画を、都、区市町村、交通管理者、道路管理者等、関係諸機関の代表者で構成いたします東京都交通安全対策会議、これは会長は知事でございますが、ここで調整策定し、関係機関と連携しながら交通安全対策を推進しております。中でも、交通事故を未然に防ぎ、その減少を図るためには、都民一人一人の交通安全に対する関心と意識を高め、正しい交通ルールやマナーの実践を習慣づけることが重要でございます。そのため、高齢者交通安全実践促進事業の実施、あるいはシートベルト体験車や交通安全ビデオの貸し出し等により、都民の交通安全意識の高揚を図りますとともに、警視庁、区市町村、その他関係機関との緊密な連携のもとに、過積載防止対策、暴走族対策、春秋の交通安全運動を初め、昨年は秋から年末にかけて交通事故抑止緊急対策を実施するなど、交通安全対策を積極的に実施してきたところでございます。
○林田委員 交通安全対策のために、東京都を初めといたしまして、関係諸機関、団体が大変な努力をされているということはよくわかったわけでございますけれども、駐輪問題、あるいは違法駐車問題などが、交通ルールやマナーを守らない人によって大きな都市問題となっていることは今さら申し上げるまでもありません。ことしから、平成十三年度から、違法駐車対策を始めるということでございますけれども、その背景と対策の具体的な事業内容の説明、そして、そのための予算額をお聞きしたいと思います。
○宇波交通安全対策担当部長 違法駐車対策についてでございますが、警視庁の調査によりますと、都内の瞬間路上駐車台数は、平成十二年五月の調査時点で約十四万台、そのうち約十一万台が違法駐車となっております。違法駐車は、交通渋滞や交通事故の原因となり、環境面でもさまざまな問題を引き起こし、交通の円滑化や都民の快適な生活を妨げております。このため、都内でも特に交通が集中し、違法駐車による渋滞が著しい明治通りや靖国通り、そういう四つの幹線道路と、新宿、渋谷、池袋の三つの繁華街で、都と警視庁が連携協力しまして、今年度から平成十五年度までの三カ年をかけて実施する事業でございます。
具体的な事業といたしましては、特に渋滞が多い交差点付近に赤色系の舗装を行い、駐停車禁止区域を明示する事業、あるいは音声による警告をする駐車抑止システム整備等のほか、路外荷さばき場の設置や、荷さばきパーキングメーターの設置、駐車場の利用促進等の受け皿対策、また、違法駐車に対する取り締まりの強化等がございます。なお、今年度、平成十三年度の予算額でございますが、都と警視庁合わせた総額で二十一億円でございます。
○林田委員 交通安全対策は、簡単に人が死んでも何とも思わないような、そんな状況の中で、人命尊重施策としては大変重要な大きな課題だと思っております。東京都は、今お聞きいたしましたように、生活文化局、警視庁、都市計画局、建設局、それぞれの施策を展開しているわけでございますが、生活文化局では、お聞きすると交通安全の啓蒙やキャンペーン、あるいは警視庁は直接、法のもとに交通違反や違法の取り締まりということだと思いますけれども、都市計画局、建設局は、交通安全施設の設備ですか、そんなことだと思います。それぞれの局で交通安全対策を進めているわけでございますけれども、今、予算を聞きますと、平成十三年度で違法駐車取り締まりだけで二十一億円ということで、大変な予算をかけるわけでございまして、三年間、これ、毎年出すかどうかわかりませんけれども、平成十三年、十四年、十五年とやりますと、五十億円以上のお金で違法駐車を徹底的になくそう、こういうことだと思いますけれども、これだけのお金をかけるんですから、ひとつ予算を実のある予算にしていただきたい。そして少しでも交通安全対策が実り、違法駐車取り締まりができるように、ひとつ生活文化局といたしましても、精いっぱい努力をしていただきたい。そして効果のある、実のある予算にしていただきたいと思います。そんなことを申し上げて、質問を終わります。
○清水委員 私からは、私立学校のうち、小中高等学校に対する経常費補助について伺います。
私立学校は、長い伝統の中でつくられた独自の校風のもとで、特色ある教育活動を行い、東京における公教育に重要な役割を果たしています。都は、私立学校の教育条件の維持、向上、保護者の就学上の経済的負担軽減、私立学校の経営の健全化を高めることを目的に経常費補助を行ってきましたが、私学助成の中心となる経常費補助を、財政見直し、歳出削減策で、平成八年から平成十二年の五年間で予算、決算とも一割を超える削減となっています。これは、少子化の進行や、不況が深刻になっている中で、経営環境が厳しくなっている私学の運営に拍車をかけるものであると同時に、保護者にとっては授業料値上げにつながり、一層の負担につながるものとなっています。経常費補助の予算は、公立学校の決算値をもとにして見積もる標準的運営費方式を採用し、その補助率は五〇%を維持しているといっていますが、資料にも出されていますように、年々減少する経常費補助を見ると、実際には補助率を引き下げているというふうにしか思えないのですが、どのようにお考えでしょうか。
○谷川私学部長 私立学校の経常費補助は、公立学校の決算値、私立学校の生徒数などの規模による減、これに加えまして、私学の実態を踏まえた本務教職員単価、このほかに非常勤教職員の単価を設けたことなどによって減少しているものでございます。しかしながら、経常費補助率につきましては、都内の公立学校の経常費の決算値、これをもとに算出する標準的運営費方式に基づき、その五〇%は維持しているところでございます。
○清水委員 標準的運営費方式と補助率の五〇%を維持しているということで、今お答えがあったわけですけれども、関係者の中では、算定見直しによる減額措置という疑念も今後起こってくるのではないかという懸念も出されています。これ以上補助が削減をされると、経営にも保護者にも一層の困難を及ぼす方向になりかねません。昨年、都教委の調査、保護者が負担する教育費調査報告書では、私学高校生の父母のうち八割以上が教育費に負担感を感じていると答えています。また、ことしの東京私立高校教職員組合連合による高校生アンケートによると、八三%の私立高校生が、学費が高いと答えています。二〇〇〇年度の私立高校の初年度納付金は、平均八十万九千七百四十三円と、都立高校の七・五倍となっています。生徒たちの学習権を守るためにも、学費など父母負担軽減の補助制度の拡充が求められていますが、私学助成は、こうした中で拡充に向かうべきだと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
○谷川私学部長 保護者負担軽減その他、負担軽減に向けて拡充すべきだというご意見でございますけれども、私どもといたしましては、経常費補助が私学の経営に非常に重要な要素を占めているということは十分認識しているところでございます。今後とも厳しい都の財政状況を踏まえながらしっかり対応していきたい、このように考えております。
○清水委員 幼稚園の補助について伺いたいと思います。
幼稚園の経常費補助は、小中高からおくれて標準的運営費に準じた方式を導入したと聞いていますが、私立幼稚園は、概して財政規模が小さく、補助のあり方が幼稚園の経営に大きな影響を与えると思います。そこで、都の私立幼稚園に対する認識と経常費補助の補助率の推移について伺います。
○谷川私学部長 都内の私立幼稚園には、都内全園児の九割の子どもたちが通園している、このような状況でございまして、都民の幼児教育に大きな役割を果たしている、このように認識してございます。その私立幼稚園に対する経常費補助は、今ご指摘がございましたように、平成八年度から標準的運営費に準じた方式を導入いたしまして、導入時の補助率は四五%でございました。その後充実に努め、平成十二年度では四九%になってございます。
○清水委員 四五%から、当初の予定というのは、平成十三年度には五〇%にする予定だったというふうに思います。それが現在、行われていないということで、やはり当初予定どおり五〇%を、私立幼稚園に対しても補助が実現するように求めたいというふうに思います。
幼稚園の預かり保育について伺いますが、平成十二年度に子育て支援に対する保護者のニーズにこたえるということで、預かり保育に関する補助を拡充しました。預かり保育に対する補助の経緯と拡充の内容についてお伺いいたします。
○谷川私学部長 預かり保育に対する補助事業を平成九年度に開始し、その内容は、私立幼稚園が教育時間終了後二時間、かつ週四日以上教職員を配置して園児を預かれば補助の対象とするものでございます。また、平成十二年度の拡充内容は、三時間以上の預かり保育に対し加算措置を行うとともに、新たに早朝及び夏季休暇中の預かり保育を補助の対象に加え、その充実を図ったものでございます。
○清水委員 今のお答えの中で、三時間以上の預かり保育を行っている園は、私がいただいた資料によると二百七十七園、早朝保育を行っている園は七十四園、夏季休暇中に行っている園は百十七園と、二時間以上の預かり保育を実施している私立幼稚園は、九年には、今いわれたように二四%、十二年には五五%と伸びてきているんですけれども、まだ実施が低いものが今、私が触れましたようにあるわけなんです。早朝保育や夏季休暇中などももっと充実することができれば、きめ細かな預かり保育ができることが予想されます。その点について、どのようにお考えでしょうか。
○谷川私学部長 預かり保育のきめ細かな対応をしろということでございますけれども、この預かり保育の補助につきましては、幼稚園の設置者及び保護者等の意見を踏まえまして、平成十二年度に補助制度を充実してきたところでございます。今後もその必要性に応じ、私立幼稚園の協力を得ながらきめ細かく対応していきたい、このようには考えてございます。
○清水委員 私立幼稚園側からは、やはりこれを拡充する上でも、補助の拡充が不十分であったという声も聞こえてきます。今お答えがあったように、きめ細かい対応のためには補助の充実というのがどうしても求められているというふうに思います。今、子どもたちを取り巻く状況というのは、幼児虐待とか少子化とか核家族化とか、この間、環境に大きな変化をもたらしています。幼児教育の充実や発展は、親や国民にとって大変切実なものとなっています。先ほどご答弁がありましたように、東京の幼稚園児の九〇%は私立幼稚園児になっています。東京の幼児教育の発展のために重要な役割を果たしているというふうに考えます。そして私立幼稚園は、幼児教育のプロということで、地域の子育て支援センター的な役割も果たしているというふうに思います。各地域に存在する幼稚園が、さらに園児の親たちの相談相手であってほしいというふうに考えます。幼稚園の預かり保育は、子育て支援の要請にこたえる有効な施策でありますが、そのためには、経常費補助の枠の中ではなくて、別枠における補助制度というものをつくっていかなければ、十分に拡充していくのかなという、そういう感じもいたします。私立幼稚園に対する補助をさらに充実させていただきたいということを要望して終わります。
○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。
午後三時三十五分散会
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