各会計決算特別委員会速記録第十六号

平成十三年四月二十日(金曜日)
   午後一時五分開議
 出席委員 二十七名
委員長立石 晴康君
副委員長木内 良明君
副委員長田島 和明君
副委員長たぞえ民夫君
理事織田 拓郎君
理事小礒  明君
理事丸茂 勇夫君
理事井口 秀男君
理事尾崎 正一君
真鍋よしゆき君
田代ひろし君
吉田 信夫君
今井 悦豊君
樺山 卓司君
藤田 愛子君
古館 和憲君
石川 芳昭君
白井 常信君
比留間敏夫君
沢西きよお君
田中  良君
寺山 智雄君
曽根はじめ君
新藤 義彦君
小山 敏雄君
西田ミヨ子君
秋田かくお君

 欠席委員 三名

 出席説明員
出納長室出納長佐々木克己君
副出納長三宅  亨君
副出納長宮原 恒男君
教育庁教育長横山 洋吉君
知事本部本部長安樂  進君
総務局局長大関東支夫君
財務局局長木内 征司君
主税局局長大塚 俊郎君
生活文化局局長高橋 信行君
都市計画局局長山下 保博君
環境局局長中野 英則君
福祉局局長前川 燿男君
衛生局局長今村 皓一君
産業労働局局長浪越 勝海君
中央卸売市場市場長大矢  實君
住宅局局長戸井 昌蔵君
多摩都市整備本部本部長田原 和道君
建設局局長古川 公毅君
港湾局局長齋藤 哲哉君
都立大学事務局局長川崎 裕康君
警視庁総務部長末綱  隆君
消防庁次長杉村 哲也君
選挙管理委員会事務局局長南  靖武君
人事委員会事務局局長中山 弘子君
監査事務局局長久保田康治君
地方労働委員会事務局局長歩田 勲夫君
収用委員会事務局局長安間 謙臣君
議会局局長細渕  清君

本日の会議に付した事件
 平成十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(意見開陳)
 ・一般会計決算
 ・特別区財政調整会計決算
 ・地方消費税清算会計決算
 ・小笠原諸島生活再建資金会計決算
 ・母子福祉貸付資金会計決算
 ・心身障害者扶養年金会計決算
 ・中小企業近代化資金助成会計決算
 ・農業改良資金助成会計決算
 ・林業改善資金助成会計決算
 ・沿岸漁業改善資金助成会計決算
 ・と場会計決算
 ・都営住宅等保証金会計決算
 ・都市開発資金会計決算
 ・用地会計決算
 ・公債費会計決算
 ・新住宅市街地開発事業会計決算
 ・相原小山開発事業会計決算
 ・市街地再開発事業会計決算
 ・臨海都市基盤整備事業会計決算
 ・港湾事業会計決算

○立石委員長 ただいまから平成十一年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日は、平成十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について、意見開陳を行います。
 これより決算の審査を行います。
 平成十一年度東京都一般会計決算外十九会計決算を一括して議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○小礒委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、平成十一年度の各会計決算について意見の開陳を行います。
 平成十一年度の決算状況は、歳入歳出の実質収支が八百八十一億円の赤字で、二年連続となっております。また、経常収支比率は一〇四・一%となり、昭和五十三年度以来二十一年ぶりに一〇〇%の水準を超え、都財政の硬直化がさらに進んできており、都債現在高も七兆円を大幅に超えるなど、都財政は依然として厳しい状況にあります。
 東京都は、こうした状況を踏まえ、財政再建を都政の最重要課題の一つとして位置づけ、十一年七月に財政再建推進プランを策定し、財政構造改革に向けて全力で取り組んでいます。
 いうまでもなく、財政再建の真の目的は、都民ニーズにいつでも的確に対応できるよう、強固で弾力的な財政体質を確立し、都民一人一人が希望や夢を持ち続けられるような豊かな社会を築き上げていくことであります。
 そのために、都みずからが内部努力の徹底を図ることはもちろん、施策の見直しや税財政制度の改善にも積極的に取り組むなど、今後も引き続き、財政再建推進プランに掲げた目標の確実な達成を図るとともに、スリムで効率的な執行体制の整備を強く要望いたします。
 では、各局の主な事項について申し上げます。
 まず、政策報道室関係について申し上げます。
 一、都政の新しい課題に積極的に挑戦するため、知事本部を設置されましたが、政策立案、総合調整機能など、トップマネジメント補佐機能の、より一層の強化を求めるものでございます。
 二、首都移転問題については、国の動きに対して、都として移転先候補地との比較考量調査を十分に行い、移転反対に向けた、幅広い活動を強力に展開をされたい。
 三、情報公開制度を適正に運用するため、庁内の指導、調整はもとより、公安委員会及び警視庁に関する情報公開に向けた準備を着実に実施し、より開かれた都政を推進されたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、都政改革ビジョンⅠの着実な取り組みと、都政改革ビジョンⅢの策定に当たっては、中長期的な視点を見据えたものとなるように努められたい。
 二、区市町村の振興は、地域の均衡ある発展の促進に努められたい。
 また、多摩、島しょ地域の振興は、都市基盤整備の推進や地域特性を生かした諸施策の強力な推進に努められたい。
 三、島しょ地域の災害復旧、復興は、被災住民に対する積極的な生活支援並びに復旧、復興のための財政支援に努められたい。
 また、現行法制度の弾力的な運用及び新たな立法措置等を講じるように、国に要請されたい。
 四、電子申請や電子調達など、IT化を推進し、電子都庁の実現に努められたい。
 五、私学助成については、公立学校とともに公教育において果たしている役割の重要性と、都議会における私立学校助成に関する決議にかんがみ、厳しい財政状況にあっても各種助成制度の充実に努められたい。
 次に、都立大学事務局関係について申し上げます。
 一、大学改革を推進し、本来の使命である社会への貢献をさらに充実をさせるとともに、都民の信頼にこたえる大学づくりに努められたい。
 二、創造的、先端的学術研究をより一層進め、産・学・公の連携を推進し、東京の産業の活性化に寄与されたい。
 次に、財務局関係について申し上げます。
 一、財政再建推進プランに掲げた目標を確実に達成し、財政構造改革に向け一層の取り組みに努められたい。
 二、厳しい経営環境にある中小企業の受注機会を確保するため、共同企業体の活用、分離分割発注などにより、中小企業の経営安定化への取り組みをさらに強化をされたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、大幅な税源移譲や財源調整措置の撤廃を国に強く求めるとともに、東京都税制調査会を活用し、地方分権時代の税制のあり方を引き続いて検討をされたい。
 二、課税の適正化と滞納額圧縮のために、今後とも各納税者の理解と協力を得て、実情に沿った適切な対応を進められたい。
 次に、生活文化局関係について申し上げます。
 一、江戸東京博物館、東京国際フォーラムなどの効率的かつ円滑な運営に努めるとともに、豊かで潤いのある生活を求める都民ニーズにこたえる文化施策を、さらに一層の推進を求めるものであります。
 二、公衆浴場の経営安定化施策、インターネットによる電子商取引における不適正取引防止対策など、消費生活施策を一層推進をされたい。
 三、改正された青少年健全育成条例やテレホンクラブ等営業規制条例を適切に運用しつつ、青少年の健全育成に努めるとともに、男女平等参画社会の実現に向けた施策を一層推進をされたい。
 次に、都市計画局関係について申し上げます。
 一、二十一世紀の都市は、目標をより明確にし、長期的かつ広域的な視点に立った政策誘導型の都市づくりが重要であります。このための新しい都市づくりビジョンを早期に策定をされたい。
 二、外環など三環状等の広域幹線道路ネットワークの形成及び鉄道等公共交通網の整備を積極的に推進されたい。
 三、災害に強い市街地の整備を積極的に展開されたい。また、発災直後の速やかなる復旧、復興を図るため、震災復興グランドデザインを新たに策定するなど、都市復興マニュアルの充実強化に努められたい。
 次に、環境局関係について申し上げます。
 まず、旧環境保全局関係であります。
 一、環境基本計画の改定に当たっては、太陽光発電等の未利用エネルギーの活用、地球温暖化対策に総合的に取り組むことを望むものであります。
 また、貴重な里山などの緑地の保全、屋上の緑化等を計画的に推進されたい。
 二、低公害車への買いかえ、DPF装置の装着への助成などの取り組みにより、ディーゼル車規制の円滑な導入を図り、大気汚染を改善されたい。
 三、ダイオキシン類等対策の着実な推進や今日的な土壌汚染対策を進めるため、事業者への十分な情報提供と指導を求めるものであります。
 次に、旧清掃局関係について申し上げます。
 一、廃棄物の発生を抑制し、資源化を推進するため、広域的な仕組みづくりに積極的に取り組まれたい。
 二、産業廃棄物の適正処理のため、事業者に対する普及、指導の充実と、PCB処理など産業廃棄物対策を積極的に推進されたい。
 三、市町村における資源の循環やダイオキシン類発生抑制等の事業に対する財政面、技術面の支援の充実を図られたい。
 次に、福祉局関係について申し上げます。
 一、二十一世紀の東京にふさわしい利用者本位の新しい福祉を実現するため、福祉改革を強力に推進されたい。
 二、子ども家庭支援センターの設置支援を初め、大都市特有の保育対策、子育て家庭への支援、児童の健やかな成長と育成に積極的に取り組まれたい。
 三、障害者地域自立生活支援センターの設置支援や、ホームヘルプサービス事業の拡大をさらに図られたい。
 四、福祉サービスの措置から契約ヘの流れを踏まえ、利用者が安心して選択できる仕組みづくりに努められたい。
 次に、旧高齢者施策推進室関係について申し上げます。
 一、介護保険制度の安定的運営を図るため、区市町村と連携し、大都市東京における介護保険制度の課題を明らかにするための取り組みを進められたい。
 二、ひとり暮らし高齢者や元気な高齢者が活動的に社会参加できるよう、介護予防・生活支援事業などの推進に努められたい。
 三、利用者がみずから適切なサービスの質と量を十分に確保するため、民間活力の導入など規制緩和の検討を進めるなど、介護サービスの基盤整備を図られたい。
 次に、衛生局関係について申し上げます。
 一、介護保険制度の導入を踏まえ、引き続き療養型病床群の整備に努め、特に、介護療養型医療施設への転換を促進するなど、介護基盤のさらなる充実に努められたい。
 二、救急医療体制の整備を引き続き積極的に推進をされたい。特に小児救急医療については、固定・通年制の体制を確保されるとともに、立ちおくれている多摩地区における周産期医療の充実整備を強く求めるものであります。
 三、重度の知的障害と重度の肢体不自由をあわせ持つ方が地域で生活をしていけるように、区部東部に入所施設の建設を推進し、あわせて通所事業など在宅療育の拠点施設としての機能も付加されたい。
 次に、産業労働局関係について申し上げます。
 一、東京の地場産業等の振興及び創造的な事業活動や新たな事業分野へ進出する企業への支援、さらに地域商店街の活性化を図る観点からも、元気を出せ商店街事業など、各種支援策の推進に、さらに一層の取り組みを求めるものであります。
 二、景気の動向等を踏まえまして中小企業への資金融資条件の緩和など、制度融資の充実を図り、中小企業の経営の安定に努められたい。
 三、厳しい雇用状況が続く中で、雇用機会の確保に努めるとともに、技術専門校の効率的、効果的な整備を推進し、職業訓練機会の拡大に努められたい。
 四、都市農業の育成、林業経営の安定、資源管理型漁業の推進などにも努められたい。
 次に、住宅局関係について申し上げます。
 一、都営住宅については、スーパーリフォーム事業などを着実に推進し、高額所得者の明け渡し促進や使用料の確実な収納など適切な管理に努められたい。また、区市町村住宅に対する支援の強化を図られたい。
 二、木造住宅密集地域については、都市基盤整備や老朽木造住宅などの建てかえ等、地元区市町村と連携して防災まちづくりを積極的に推進されたい。
 次に、多摩都市整備本部関係について申し上げます。
 一、多摩ニュータウンなど、核都市連携都市軸を形成する拠点地区整備や、関連する都市基盤の整備に努められたい。
 また、南多摩尾根幹線など広域的都市機能の強化を図られたい。
 二、調布基地跡地や昭島地区等の大規模跡地地区の整備については、地元市との連携を図りながら、着実に進められたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、都市の骨格を形成する環状八号線や多摩南北線等の幹線道路の整備、生活に密着した山間、島しょ地域の道路整備、交通渋滞の解消に多大な効果のある鉄道連続立体交差事業や、多摩川中流部橋梁の整備を推進されたい。
 二、多摩地域における渋滞緩和に効果のある交差点すいすいプラン一〇〇及び歩行者や自転車がともに安全に通行できる広い歩道の整備を促進されたい。
 三、都市型水害の解消を図るため、中小河川の護岸整備や、調節池の設置等、総合的な治水対策の推進を図られたい。また、スーパー堤防や隅田川のテラス整備を推進をされたい。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、輸送の革新と国際港湾物流動向に的確に対応するため、大井コンテナふ頭の再整備や東京港臨海道路等の整備に努められたい。また、震災対策に万全を期すとともに、海岸保全施設の整備を着実に進められたい。
 二、東京港を国際貿易港としてさらに発展させるため、より効果的なポートセールス活動を展開し、諸手続の簡素化や料金の軽減等に努め、使いやすい港づくりを推進をされたい。
 三、島しょの港湾、漁港、空港の整備に積極的に取り組むとともに、被災した港湾施設等の速やかな復旧に努められたい。
 また、離島航路補助の充実に努め、航路及び航空路の維持に万全を期されたい。
 次に、教育庁関係について申し上げます。
 一、いじめや不登校などの解決や社会全体で取り組む心の東京革命の推進など、積極的に取り組まれたい。
 二、教員の資質、能力の向上を図るため、人事考課制度の活用を図り、指導力不足教員研修の充実に努められたい。
 三、都立高校の改革は、改革推進計画に基づき、特色のある学校づくりなど、着実に実行をされたい。
 四、ユース・プラザの計画どおりの建設と、平成二十五年に予定されている国民体育大会は、多摩、島しょ地域を中心に東京都で開催ができるように万全を期されたい。
 次に、警視庁関係について申し上げます。
 一、けん銃や刃物を使用するなど、より凶悪化、組織化する来日外国人、暴力団等による犯罪を防止し、各種抑止対策を推進をされたい。
 二、ピッキング用具による窃盗事件や女性等をねらったひったくり等の犯罪を予防するため、必要な資器材の整備を図られたい。また、子どもへの虐待やいわゆるストーカー行為などの相談体制を強化されたい。
 三、犯罪のないまちづくりのため、街頭活動の強化や交番相談員の増員を図られたい。また、悪質、巧妙化している環境破壊事犯を取り締まるための資器材を整備されたい。
 四、多発する少年犯罪や非行を防止するための資器材の整備と家庭、学校、地域社会と連携した環境浄化推進の諸施策を図られたい。
 次に、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、消防部隊運用の効率化のため、消防に関する情報を光ケーブル等で取り込み、有効活用を図られたい。
 二、救命率の向上を図るため、救急車の増強、救急通信機器の改善及び救急救命士の研修を一層充実されたい。
 三、防災資機材格納庫等を整備するとともに、消防団本部機能の充実と新たな分団本部の設置など、消防団活動体制の強化を図られたい。
 以上で、都議会自由民主党を代表いたしましての意見開陳を終わらせていただきます。

○吉田委員 私は、日本共産党都議団を代表して、一九九九年度、平成十一年度の各会計について、意見を開陳します。
 本決算の九九年度は、長期にわたる不況が一層深刻化する中で、住民の暮らし、福祉を守るべき自治体の役割が鋭く問われた年でした。同時に、地方財政が戦後最悪の危機を迎える中で、東京都についても都財政の悪化をいかに食いとめ、打開するかが強く提起されており、そのためにも、財政悪化の原因を解明しメスを入れることが求められました。
 しかし都は、九九年度当初では投資的経費を一四%削減したとしながら、一方で、骨格幹線道路や市街地再開発、臨海開発関連などは事業が温存され、削減は専ら都営住宅や教育、福祉施設、生活密着の都市基盤に向けられました。
 しかも、当初予算では投資を削ったとしながら、九九年度末には、国の従来型公共事業を中心とする景気対策に追随して、三千六百九十億円の補正予算を組み、多額の借金を伴う投資的経費を積み増ししてきたことは、財政危機の構造に何らの反省もないことのあらわれとして厳しく指摘しなければなりません。
 この結果、当年度の都債発行額は、普通会計決算で約七千二百五十億円、都債残高は七兆二千九百億円に膨らみ、都財政難の根本的な打開と借金財政からの転換はまたしても先送りされました。
 その一方で、東京の福祉施策を支えてきた民間の社会福祉施設に対する公私格差是正事業の廃止により、補助の削減が強行され、盲・聾者通訳派遣事業など福祉団体補助の一律カットが強行されました。
 我が党は、当初予算の組み替え案を提出し、大型公共事業を抑制し、浪費や財政運営のむだをなくせば、財政立て直しの方向と都民福祉を守ることは両立できることを示してきました。この方向で財政の転換を図るなら、その後の福祉施策の廃止、削減を初め、都民施策の切り捨ては回避できたことは明瞭です。
 以上の立場から、我が党は、一般会計決算、特別区財政調整会計決算、心身障害者扶養年金会計決算、と場会計決算、公債費会計決算、新住宅市街地開発事業会計決算、市街地再開発事業会計決算、臨海都市基盤整備事業会計決算、港湾事業会計決算に反対するものです。
 以下、各局ごとに意見を述べます。
 旧政策報道室。
 一、横田基地、多摩サービス補助施設などすべての米軍基地の全面返還を日米両政府に申し入れること。横田基地の軍民共用使用計画は撤回すること。NLPの中止、騒音、廃棄物、環境汚染問題など基地被害の根絶に努めること。下水道料金、自動車税の軽減など特権的減免を廃止すること。
 一、米軍麻布ヘリポートの都立青山公園用地不法占拠の即時返還を求めること。
 次、総務局。
 一、火山災害への取り組みを強化し、とりわけ三宅島の被災者に対する支援策の大幅な改善を国に求め、都独自でも支援策をさらに拡充すること。また、いつ帰島できても対応できるように、道路などの復興、個人住宅の再建のための個人保障制度の確立と支援を行うこと。
 一、地方分権を抜本的に推進するため、国に十分な財源措置を強力に求めること。
 一、外郭団体の見直しについては、多額の赤字で債務超過に陥っている三セクは、清算を含む抜本的な対策をとること。
 一、総合防災訓練については、陸海空の三自衛隊中心の防災訓練ではなく、消防力、関係自治体、住民、企業などの共同を重視したものとすること。
 一、都区財政調整については、特別区が基礎的自治体として自立したことを踏まえ、財政権を確立するよう対等平等の立場を貫き、協議を尽くすこと。市町村調整交付金、市町村振興交付金の増額など、多摩格差是正のための財政的支援を強めること。
 一、区市町村合併や多摩の将来構想は、当該自治体の自主性を保障すること。
 一、私学助成経常費補助の削減をやめ、私立学校経常費二分の一の補助を名実ともに堅持するとともに、幼稚園の経常費二分の一補助を直ちに実現すること。
 一、私立学校で経済的理由で中途退学にならないよう、保護者負担軽減措置を別枠助成すること。
 一、都の同和行政は直ちに終了すること。人権啓発センターの事業は、同和偏重でなく、憲法の基本的原則に基づきすべての人権擁護を課題とすること。
 都立大学。
 一、大学の自治、学生の自治の原則を尊重すること。
 一、授業料減免対象を拡大し、負担軽減を図ること。
 一、就職難解決のため、専任体制を強化すること。
 一、教員の研究奨励費、都市研究費、学生教育費を増額すること。
 一、都民カレッジについては事業を継続すること。
 次、財務局。
 一、大型公共事業に偏った投資的経費を見直し、都債発行を大幅に抑制すること。
 一、減債基金の過大な見積もりを是正すること。
 一、都発注の官公需の中小企業向けの比率をさらに引き上げるとともに、分離分割発注、地元優先を推進し、中小業者の受注機会を拡大すること。
 一、国直轄事業は、維持管理費用を初めとして、廃止の立場で国に強く求めること。
 次、主税局。
 一、赤字の中小企業にも課税する一般的な外形標準課税は導入しないこと。
 一、法人事業税については、財源の一層の確保という観点から、制限税率いっぱいまで課税すること。
 一、景気回復の決め手として、消費税の三%への減税を国に求めること。消費税増税は都として反対すること。
 一、固定資産税評価額を、地価公示価格の七割とする評価替えの撤回を国に求めること。
 次、生活文化局。
 一、女性財団の自主活動、自主研究を保障し、都の支援を継続すること。
 一、有機農産物流通推進事業の拡大と、わかりやすい明確な表示を行うこと。
 一、女性への暴力やセクハラに対する救済対策を強化するとともに、社会的啓蒙普及活動への支援を行うこと。
 一、男女平等推進基本条例を実効あるものにするため、具体的施策を着実に進めること。
 一、芸術文化振興策の拡充を図ること。
 次に、都市計画局。
 一、東京一極集中を一層激化させる都心部、臨海部などの開発促進、多摩地域での業務核都市づくりを抜本的に再検討すること。
 一、圏央道、外環道、中央環状新宿線など大型幹線道路の促進を再検討すること。
 一、首都高速道路公団への無利子貸付を根本的に見直し、自己調達に切りかえさせること。また、既往貸付分については、利子負担を求めること。出資金についても都負担の軽減を図ること。
 一、ホームからの転落防止など、鉄道駅施設の安全対策を強化すること。
 一、東京の産業集積を守るため、工業等制限法の規制緩和地域の拡大を働きかけること。
 次、環境局。
 一、ディーゼル車排ガス規制を抜本的に強化するとともに、自動車総量の抑制策をとること。
 一、地球環境保全の立場から、自動車交通、業務ビルからの二酸化炭素発生抑制など、総合的対策をとること。
 一、ダイオキシンを初め有害物質について、原因者、製造者責任を明確にした抜本的対策をとること。
 一、市街地の緑と自然の保全を図るとともに、保全緑地の公有化拡大と区市町村への支援を強化すること。
 一、歴史環境保全地城に指定された玉川上水などの貴重な史跡と自然を守ること。
 一、清掃事業移管後も、減量・リサイクル、産業廃棄物対策など、広域行政としての責任を果たすこと。
 一、処理方法の見直しを図り、大規模処分場の延命を図るための抜本策をとること。
 次、福祉局及び旧高齢者施策推進室。
 一、民間社会福祉施設職員給与格差是正事業は、格付方式に戻し、拡充すること。
 一、特別養護老人ホームや老人保健施設など介護基盤整備の促進と、特別養護老人ホーム、高齢者在宅サービスセンターなどへの都加算を復活させ、入浴サービスなどデイサービスを拡充すること。
 一、高齢者の支えとなってきたシルバーパスの無料制度や老人医療費助成、老人福祉手当は、もとの制度に戻し、拡充を図ること。
 一、介護保険事業に対する区市町村への支援を強化すること。
 一、痴呆性高齢者のグループホームの整備促進、NPO法人への助成を拡充すること。
 一、障害者医療費助成制度をもとに戻すこと。障害者医療費助成、障害者手当、ひとり親家庭医療費助成の所得制限をもとに戻すこと。
 一、障害者児の雇用促進、総合的な卒後対策を拡充し、民間共同作業所、通所訓練事業への支援、仕事確保への援助を強化すること。
 一、ゼロ歳児保育、延長保育、病後児保育、一時保育など多様な要求にこたえられるように職員配置基準を引き上げること。特例保育の職員配置は維持し、待機児解消のため、増改築、土地取得ヘの助成を積極的に行うこと。
 一、特別区国保、市町村国保、組合国保への補助を増額すること。
 次、衛生局。
 一、地域医療の中核として、また専門医療の役割を担う都立病院の拡充を図ること。
 一、多摩地域に都立総合病院の建設を進め、特別区との不均衡を是正すること。
 また、リハビリテーション病院の設置とNICUの整備促進、都立小児病院の機能を拡充すること。
 一、東部療育センターの早期建設を図ること。
 一、難病患者への医療費公費負担制度は、無料制度に戻すこと。また、ヘルパー派遣など在宅支援の事業を拡充すること。
 一、精神障害者の手帳交付による福祉サービスを拡充し、他の障害者の施策と同じ水準まで早急に引き上げること。
 一、精神障害者児などの民間共同作業所、通所訓練事業への支援を強化すること。
 一、チェーンドラッグやディスカウント店の薬剤師配置など、適正管理を徹底すること。
 次に、旧労働経済局。
 一、大企業のリストラ、人減らしを規制し、雇用確保を働きかけること。サービス残業への規制を強化すること。
 一、都の中小企業対策は、ベンチャー企業などに特化するのではなく、産業を支える工業地域集積活性化支援事業の継続拡大や、地域産業育成への支援を強化すること。
 一、融資については、安定化保証制度の継続を国に求めるとともに、都の融資制度についても、資金運用型融資の拡充を図ること。
 一、元気を出せ商店街対策について一層の拡充と、個店対策などにも適用できるよう拡充すること。
 一、空き店舗対策、ふれあい商店街づくりなどの商業支援を希望するすべての商店街を対象に拡充すること。
 一、職業訓練校の統廃合をやめ、勤労者、青年の要望にこたえ拡充すること。
 一、労政事務所の統廃合を中止し、拡充を図ること。
 一、障害者の法定雇用率未達成企業への指導を強めるとともに、法定雇用率そのものを欧米並みに高めるよう国に求めること。また、都みずからも雇用率引き上げに努めること。
 一、東京の農林業を守るため、必要な予算を確保すること。苗木生産者や獣害対策などをさらに拡充すること。
 一、タイム二十四、東京ファッションタウンなど第三セクターの破綻処理は、公開を原則に、都財政や都民負担を最小限に抑えて行うこと。
 次、住宅局。
 一、都営住宅など公共住宅から撤退しないこと。とりわけ、新規建設戸数を抜本的にふやすこと。
 一、都営住宅の家賃減免制度はもとに戻すこと。
 一、大幅黒字の住宅供給公社の一般賃貸住宅家賃を引き下げること。
 一、設置要望のある中層都営住宅のエレベーター設置は、早急に完了すること。
 一、高齢者や低所得者について、住宅建てかえ時の保証金に減免制度を設けること。
 一、都として民間マンションの実態調査を行い、基本台帳の新設を行うとともに、大規模修繕、建てかえ支援のための基金の創設、助成や融資を拡充すること。
 次、多摩都市整備本部。
 一、多摩ニュータウンでの高齢者対策、商業施設、公共施設などについて、今後のまちづくりのあり方を検討すること。
 一、大企業優先の秋留台開発や、多摩の自然と緑を破壊する坂浜・平尾区画整理事業は中止すること。
 次に、建設局。
 一、公園や歩道、生活道路、自転車専用道路整備などの生活密着型公共事業を重視し、財源を重点的に確保して推進すること。
 一、道路舗装の補修サイクルを短縮し、安全確保に努めること。
 一、幹線道路沿線の環境対策を抜本的に強化すること。
 一、中小河川の整備では、親水性のある緩傾斜護岸を取り入れること。
 一、狭山丘陵、多摩丘陵公園など、大規模近郊緑地を保全し、公有化を積極的に進めること。
 一、中小零細企業の看板等への道路占用料の軽減を図ること。
 一、汐留、有明北、豊洲・晴海などの大企業奉仕の区画整理事業は中止し、都民参加で抜本的に再検討すること。
 一、環境を破壊し、地域分断、まち壊しの大型幹線道路計画を見直すこと。
 次、港湾局。
 一、臨海副都心開発は凍結し、抜本的に見直すこと。
 一、臨海関連道路や埋め立て等、一般財源投入を改めること。
 一、環境破壊や大企業奉仕の有明北地区、豊洲・晴海地区などの埋め立ては中止すること。
 一、臨海関連第三セクターの破綻処理は、都民犠牲でなく、民間企業の責任を明確にし、都民参加で抜本的に見直すこと。
 一、新海面処分場は、ごみや建設残土などの徹底した減量を行い、計画を見直すこと。
 一、地震災害にも見舞われた島しょの港湾、漁港、海岸保全施設、空港などの修復、整備を進めること。
 教育庁。
 一、いじめ、学級崩壊、不登校などに対応するためにも、教員の増配置、養護教員の複数配置、スクールカウンセラーの配置を図ること。
 一、都立高校の統廃合計画を抜本的に見直し、希望する子どもの高校全員入学を保障すること。
 一、都立学校の老朽校舎・体育館の改築、耐震改修を捉進すること。また、区市町村立学校の耐震診断、補強工事に対する補助制度を新設すること。
 一、基礎学力を重視した教育を目指し、三十人学級の実現に向けて具体的に着手すること。
 一、都立工業高校におけるパソコンなどIT関連機器の更新を早めること。
 一、就職希望の高校生に対して、職業教育や就職情報提供の充実を図ること。
 一、卒業式や入学式での日の丸、君が代の押しつけはやめること。
 一、都立青年の家の事業を継続するとともに、ユース・プラザの建設を促進すること。
 東京消防庁。
 一、国の消防力基準及び都の消防力配備基準を早期に達成すること。
 一、救急救命体制の拡充を図ること。
 収用委員会事務局。
 一、土地収用手続は、公平、公正、厳正に進めること。
 以上です。

○織田委員 平成十一年度決算認定に当たって、公明党としての意見を申し上げます。
 十一年度の一般会計決算は、危機的な財政状況のもとで、市場会計からの二千億円の借り入れや、減債基金の積み立てを一部見送るなど、可能な限りの財源対策を実施することにより、民間企業であれば倒産に当たる財政再建団体ヘの転落を回避したところであります。
 しかしながら、それでもなお財源不足が生じ、結果として、十年度に引き続き、実質収支が八百八十一億円の赤字となっております。
 都は現在、平成十一年七月に策定した財政再建推進プランに基づき、財政構造改革を進めていますが、隠れ借金が一兆円も存在するなど、財政再建は道半ばであり、引き続き財政再建の取り組みを確実に実施していかなければなりません。
 また、財政再建は、単に財源不足を解消し収支均衡を図るというだけでなく、行政の質そのものを変化させる機会にほかなりません。その点で我が党が強く指摘してきた行政評価制度の導入は、決算重視の観点からも必要不可欠であると考えます。
 都は過日、今年度から行政評価制度を本格実施することを明らかにしております。行政評価のねらいは、都民の視点に立った成果重視の都政への転換を図るとともに、都政に関して都民に対する説明責任の徹底を図るものであります。こうした動きが決算のあり方を大きく変容させる契機となることを期待するものであります。
 また、この際、決算の審議を次年度の予算に反映させるという観点から考えると、今後、決算審議の迅速化と前倒しを行うべきと考えるものであることを付言しておきます。
 以下、各局に関して主な意見を申し上げます。
 なお、このたび、組織改正が行われましたが、ここでは旧来の組織名称及び所管事務の分類に基づいて申し上げます。
 初めに、政策報道室について申し上げます。
 一、首都機能移転問題については、今後、二年を目途に候補地を絞り込むという国会決議があったことも踏まえ、都としてさらに反対運動を展開し決議の形骸化を図られたい。
 一、テレビ、ラジオや刊行物に加え、インターネットやパソコン通信など多様な媒体を活用し、都民にわかりやすく、きめ細かい広報広聴活動に努められたい。
 一、東京の地域テレビ局である東京メトロポリタンテレビジョンに対して、その特色を生かして地域に密着した放送を、より一層充実するよう要請されたい。
 一、開かれた都政の確立と都民参加を推進するため、情報公開制度を適切に運用されたい。
 一、新たに生じる行政課題に迅速に対応するため、トップマネジメントの補佐機能を充実し、各局にまたがる事業が円滑に推進されるよう積極的に取り組まれたい。
 続いて、総務局について。
 一、組織定数の見直しや一層の事務改善など、徹底した行政改革に努められたい。
 一、国に対して、地方財源の充実、確保を働きかけられたい。
 また、区市町村への権限移譲を促進されたい。
 一、災害対策として、警視庁、消防庁、自衛隊との緊密な連携を図る体制を整備し、情報連絡、避難誘導、救出救護など、総合的防災対策の強化に努められたい。
 一、私学助成については、私学教育の重要性と都議会決議を重視し、助成水準の維持に努められたい。
 次に、都立大学事務局。
 一、大学の持つ高度な創造的研究能力を活用し、中小企業やベンチャー企業を支援する共同研究や技術移転などの産・学・公連携の取り組みを一層進め、都内の産業の発展に寄与されたい。
 一、都民の生涯学習ニーズにこたえるための、都民カレッジにかわる新たな支援策や、社会人向けのより高度な専門教育を行うためのプロフェッショナルスクールの実現など、社会に開かれた大学づくりに努められたい。
 一、二十一世紀を担い、国際社会で幅広く活躍できる人材を育成し、都民が世界に誇れるような大学を目指すべく、大胆な大学改革を進められたい。
 次に、財務局。
 一、財源不足を解消するとともに、財政の弾力性を回復するため、財政再建推進プランに基づく取り組みを引き続き実行することにより、財政構造改革を着実に推進されたい。
 一、都内の中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあり、都としても中小企業安定化のための対策を積極的に展開する必要がある。このため分離分割発注や公共工事の前倒し発注などを積極的に活用し、受注機会の拡大と発注の平準化等に努められたい。
 一、土地、建物の都有財産については、重要な経営資産であり、総合的観点から有効活用を図る必要がある。平成十二年十一月に策定した財産利活用総合計画に基づき、全庁的な利活用の促進を図るとともに、利用予定のないものについては、売却することにより都財政の増収を図られたい。
 一、真の地方分権の実現のためにも、懸案となっている税源移譲を初めとする地方財政制度の抜本的な改革を、国に対して強く要求されたい。
 次に、主税局。
 一、固定資産税、相続税については、高地価により生活者が過重な負担を強いられないよう、引き続き大都市地域の実情に見合った税負担のあり方について検討するとともに、国に強く働きかけられたい。
 次に、生活文化局。
 一、都民の創造活動支援など総合的な文化施策の推進に努めるとともに、東京ボランティア・市民活動センターを拠点として、市民活動を支援するために、情報提供、専門的な人材養成に努められたい。
 一、海外諸都市との実りある交流、協力を推進し、世界に開かれた国際政策を推進されたい。
 一、学校、家庭、地域社会の協力を得ながら、自立した青少年の育成を目指した施策を推進するとともに、男女平等参画社会実現に向けて、施策の充実を図られたい。
 一、消費者被害の未然防止を初め、不適正取引、表示の是正方策などに取り組むとともに、遺伝子組みかえ食品対策などを推進されたい。
 次に、都市計画局。
 一、都市づくりのビジョンの策定に当たっては、IT革命などの社会状況の変化を踏まえ、二十一世紀を見据えた新たな都市像を構築されたい。
 一、都市防災不燃化促進事業の一層の推進に努められたい。
 また、発災直後の復興、復旧を図るため、都市復興マニュアルの充実強化に努められたい。
 一、多摩地域の振興と発展のために、多摩都市モノレールを活用したまちづくりを進められたい。
 一、都市の根幹的公共交通網である東京臨海高速鉄道臨海副都心線の大崎駅までの延伸及び常磐新線、日暮里・舎人線を早期に整備し、都民生活の利便性の向上に努められたい。
 次に、環境局。
 一、都民の健康を守り、地球環境の保全を図るとともに、東京が持続的な発展を遂げるために、施策の一層の推進を図られたい。
 一、大気汚染対策については、ディーゼル車規制の周知を徹底するとともに、中小企業の厳しい経営環境を勘案し、DPF装着や買いかえに対する助成策を的確に講じられたい。
 また、DPFの開発を促進するとともに、都としても価格低廉化への働きかけを行われたい。
 一、ダイオキシン類対策を推進するとともに、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンの調査研究を一層進め、有害化学物質対策に努められたい。
 一、屋上緑化などによる緑の一層の増加、水辺環境、湧水の保全など、緑の東京計画を着実に推進されたい。
 一、総合環境アセスメント制度の本格実施に向け努力するとともに、エネルギーの有効活用、風力発電等の新エネルギーの導入など、地球環境問題への取り組みを推進されたい。
 一、人間と環境が調和した循環型社会づくりを基本に、廃棄物行政を強力に推進されたい。
 一、清掃工場におけるダイオキシン類削減対策を進めるための適切な財政的、技術的支援を図られたい。
 一、PCB廃棄物を初めとする有害廃棄物の適正処理や建設廃棄物のリサイクル、産業廃棄物の不法投棄対策などを進めるほか、首都圏におけるエコタウン構想を推進するなど、産業廃棄物問題に積極的に対応されたい。
 次に、福祉局。
 一、世界に類例を見ない速さで進む少子高齢社会と相まって、成熟社会の到来とともに高度化する福祉ニーズを的確にとらえ、新世紀にふさわしい利用者本位の新しい福祉を実現するため、福祉改革を強力に進めるための施策展開に全力を傾注されたい。
 一、区市町村が実施する障害者地域自立生活支援センターや知的障害者生活寮、ホームヘルプサービス事業を積極的に支援するなど、障害者の自立支援と社会参加を促進するための施策を一層充実されたい。
 一、子ども家庭支援センターの整備支援をするなど、地域の子育て支援機能の強化を図るとともに、大都市特有の多様な保育ニーズに対応したきめ細やかな保育施策を実施し、仕事と子育ての両立のための支援策を充実するなど、子育て家庭への支援を一層推進されたい。
 一、利用者自身の適切な選択による福祉サービスの利用を支援する仕組みづくりに努め、福祉サービスの措置から契約への流れに適切に対応した施策の展開を進められたい。
 一、ノンステップバスの整備助成を拡充するなど、バリアフリー化の環境整備を一層推進されたい。
 次に、高齢者施策推進室。
 一、介護保険の保険者である区市町村と連携し、大都市東京における介護保険制度の課題を明らかにするための取り組みを進め、介護保険制度の早期定着と安定的運営を図られたい。
 一、介護サービスの基盤整備を推進するため、区市町村と連携し、在宅及び施設サービスの質と量を十分確保するとともに、利用者がみずから適切なサービスを選択し利用できるよう、民間活力の導入など規制緩和の検討を進められたい。
 一、ひとり暮らしの高齢者等への生きがい対策、自立生活支援等の寝たきり予防対策など、介護保険制度の対象とならない保健福祉サービス施策を総合的に実施できるよう、区市町村を支援されたい。
 一、包括補助制度を積極的に運用し、市区町村が地域の実情に応じてさまざまな事業を展開できるよう支援されたい。
 次に、衛生局。
 一、精神障害者の社会復帰施設を計画的に整備し、地域生活支援システムを確立することで、精神障害者の自立と社会復帰の一層の促進に努められたい。
 一、SIDSにより子どもを亡くした親の精神的な支援のため、引き続き相談体制の整備に努めるとともに、都民への普及啓発を充実されたい。
 一、療養型病床群の整備を強力に推進するとともに、介護基盤のさらなる充実のため、介護療養型医療施設への転換にも配慮した施策展開に努められたい。
 一、都民の健康的な生活習慣を確立するための地域の実情に応じた主体的、自主的な健康づくりを促進する施策の展開を図られたい。
 一、内分泌攪乱化学物質対策について、人の健康や生態系への影響などの調査研究を引き続き実施するとともに、調査結果等を情報提供することにより、都民の不安の解消に努められたい。
 一、高次脳機能障害について、医療面の支援のあり方について検討を進めるとともに、障害の診断技法の確立や専門医療機関への支援策について取り組まれたい。
 次に、労働経済局。
 一、起業家等の創業活動を活性化するため、操業スペースの提供、創造的技術支援、人材育成、能力開発、情報提供による支援、さらには創業支援融資及び税制の優遇措置などを図られたい。
 一、中小企業の新分野進出や技術力向上、新製品開発などを促進するため、未利用特許の有効活用を図るシステムの充実を引き続き図られたい。
 一、景気動向を踏まえ、中小企業の資金需要に適切にこたえるため、融資条件の緩和など制度融資を充実し、中小企業の経営の安定を図られたい。
 一、厳しい雇用状況が続く中で、勤労者の生活の安定を図るため、雇用機会の確保に努めるとともに、技術専門校の効率的、効果的な整備を推進し、離転職者等に対する職業訓練機会の拡大に努められたい。
 一、都市農業の育成や農業生産基盤の整備、強化を推進し、農業振興策の充実を図られたい。また、島しょ地域の基幹産業である農業と水産業の振興発展のための施策に積極的に取り組まれたい。
 次に、多摩都市整備本部。
 一、多摩ニュータウンにおいては、宅地処分の推進、暫定利用などの柔軟な事業展開を図り、自然環境と調和した戦略的なまちづくりを推進されたい。
 一、多摩自立都市圏の形成を図るため、各地域整備において、商業・業務機能の整備は当然として、公園、緑地、文化・スポーツ施設の整備など、生活の質向上に資する環境整備に努められたい。
 次に、港湾局。
 一、東京港は、東京とその周辺地域の住民生活を支える海上輸送基地であり、外貿コンテナ船の基幹航路のメーンポートとして、また、国内海上輸送の拠点港湾としてますます重要度を増しており、引き続き、輸送革新に対応できるよう、外貿コンテナターミナルの整備や、航路、泊地しゅんせつ、東京港臨海道路の整備など港湾機能の充実を図られたい。
 また、諸手続の簡素化、迅速化や、港湾利用料金の軽減等による港湾トータルコストの低減などを図り、効率的な港湾運営に努めるとともに、外貿ミッションのよりフレキシブルな展開を進めるなどポートセールス活動の一層の充実に取り組まれたい。
 一、大規模地震に的確に対応するため、耐震強化岸壁の整備や港湾施設用地の液状化対策、橋梁等の耐震性強化、また、高潮対策としての防潮堤、内部護岸の着実な整備を推進されたい。新海面処分場の整備を着実に進めるとともに、その延命化に努められたい。
 一、東京港の埋立地については、都民のレクリエーションニーズに対応した施設の整備拡充を図るとともに、快適な水辺空間をつくるため、水質汚濁対策などに取り組み、都民に開かれた港づくりに努められたい。
 一、伊豆諸島及び小笠原諸島における産業振興、交通利便性の向上及び住民生活の安定のため、島しょ地域の港湾や漁港、空港などの整備拡充を引き続き推進するとともに、被災した港湾施設等の一日も早い復旧に取り組まれたい。
 また、島しょにおける航路及び航空路の維持、発展を図るため、離島航路、航空路補助の充実に努められたい。
 次に、教育庁。
 一、教員の資質向上のため、新たに設置した教職員研修センターにおける現職研修等の教員のライフステージに応じた研修や、指導力不足教員に対する研修などを充実されたい。
 また、人事考課制度を適切に運用し、活力ある教育現場を実現されたい。
 一、都立高校の個性化を図り、総合学科や単位制高校などを設置する都立高校改革をさらに推進されたい。
 一、障害児の職業教育を充実し、社会的自立が図られるよう努められたい。
 一、地震等の災害に備え、学校施設の耐震、防災化を進め、非常用物資の備蓄も確保されたい。
 一、地域に開かれた学校づくり、民間人校長の登用など、大胆な学校改革を図られたい。
 一、新しい青少年教育の拠点であるユース・プラザの設置を計画どおり推進し、広く都民の生涯学習活動への支援を拡充されたい。
 次に、警視庁。
 一、都民生活に脅威を及ぼしている不法滞在外国人、凶悪化する来日外国人犯罪及び暴力団等組織犯罪を徹底的に検挙するために必要な捜査活動用器材の充実に努められたい。
 一、多発するピッキング用具使用犯罪や悪質なストーカー犯罪に対応するための資器材の整備を推進するとともに、都民の抱える困り事等の各種生活安全相談業務について積極的に広報活動を展開し、速やかな対応を図られたい。
 一、交通公害を抑止し、交通事故防止や渋滞の解消を図るため、信号機等諸設備の整備を推進するとともに、子どもや高齢者の交通安全教育の充実に努められたい。
 一、情報通信技術等を悪用したハイテク犯罪の急増への対応を図るため、高度な専門技術に精通した捜査官を養成するとともに、取り締まりに必要なコンピューター等の資器材の充実に努められたい。
 一、交番相談員を増員し、街頭活動の強化を図るとともに、環境破壊事犯を取り締まるために必要な資器材の整備を図られたい。
 一、大規模災害発生時の応急体制を確立するために必要な各種装備資機材を整備するとともに、迅速な救助活動を展開するための諸対策の推進を図られたい。
 一、深刻化する少年犯罪に的確に対処するため、学校、家庭、地域との連携強化により規範意識の高揚対策を推進するとともに、少年非行防止の各種資器材の充実に努められたい。
 一、犯罪被害者の心情に配慮した総合的な救援対策の推進に努められたい。
 一、警察活動の拠点である本部関係庁舎、警察署庁舎、交番、駐在所の整備を推進するとともに、大規模災害発生時の早期臨場体制を確立するための待機宿舎の整備拡充を図られたい。
 最後に、消防庁。
 一、特殊災害への対応力を強化するため、特殊部隊を整備するとともに、消防車両等の更新を行い、消防機動力の充実を図られたい。
 一、震災時の消防水利を確保するため、耐震性防火水槽等を整備するとともに、各種装備機材を整備し、震災対策を積極的に推進されたい。
 一、救急ヘリコプターを整備し、救急活動体制の充実強化に努められたい。
 一、消防活動拠点である消防署所の改築及び耐震性に問題がある庁舎について、耐震補強工事を実施されたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○田中委員 私は、都議会民主党を代表し、平成十一年度一般会計並びに特別区財政調整会計など十九特別会計の決算について意見を述べさせていただきます。
 平成十一年度普通会計決算は、歳入総額六兆五千三百二十六億円、歳出総額は六兆四千九百五十七億円で、形式収支は三百六十九億円の黒字となっていますが、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は八百八十一億円の赤字であり、二年連続の赤字となっています。しかも、これは中央卸売市場会計から二千億円もの借り入れを行ったにもかかわらず生じた数字であります。同決算では、歳出を七百七十八億円削減しておりますが、都税収入、とりわけ法人二税が前年度と比べて二千三百十九億円、一四・二%もの減となったことも赤字決算の大きな要因となっています。都債現在高も対前年度比七・四%、五千二百九十五億円増の七兆六千六百八十三億円となり、平成二年度からの九年間で三・三倍、金額で五兆円以上増加したことになります。
 また、経常収支比率は、前年度を四・八%上回る一〇四・一となり、昭和五十三年度以来二十一年ぶりに一〇〇%の水準を超えてしまいました。これは、人件費などの経常的な経費を都税収入などの経常的な収入だけでは賄うことができない厳しい状況を示しており、都財政の硬直化がさらに進んだことを示しています。
 こうした中で東京都は、平成十一年七月に、平成十二年度から十五年度までを計画期間とする財政再建プランを策定し、平成十五年度までに財源不足を解消し、経常収支比率を九〇%以下の水準に引き下げることを目標として示しました。
 平成十二年度は、同プランに基づいて千九百四十億円の財源を確保するとともに、情報技術関連業種を中心とした企業収益の改善により法人二税が大幅に伸びたため、一息つくことができました。しかし、十一年度の例にもあるように、都税収入の動向は極めて不安定であり、今後を決して楽観視することはできません。
 今後とも、電子都庁化に伴う事務事業の見直し、本格実施される行政評価制度などを活用しながら、より一層の内部努力や施策の見直し、再構築に取り組まれるよう強く求めるものです。
 以上、総括的な意見を述べ、以下、各局別事項について意見を申し上げます。
 まず初めに、旧政策報道室について。
 一、道州制の実現に向けて、七都県市の連携を防災、廃棄物、環境、首都圏、東京湾関連施策から、まちづくり、産業、労働、教育施策などの分野に拡大し、共通する事項の統一条例化、広域連合制度の活用などを検討すること。
 一、道州制導入や区市町村合併を視野に入れて、税財政制度のあり方、国の事務、府県事務、大都市事務、区市町村事務の見直し、自治体組織のあり方などの調査、検討を積極的に推進すること。
 一、都民の平穏で安全な生活を守り、地域のまちづくりを進める立場から、騒音やまちづくりの障害などの基地問題の解決に努めるとともに、米軍基地の整理・縮小・返還に積極的に取り組むこと。
 次に、総務局について。
 一、各区市町村の自治能力の強化、行政コストの削減を図るための広域連合の活用や、区市町村合併について積極的に働きかけること。
 一、行政評価に貸借対照表、キャッシュフロー計算書、行政コスト計算書による「機能するバランスシート」を活用するとともに、行政評価モニター制度の整備や、第三者機関としての行政評価委員会の設置を検討すること。
 一、都庁の電子化を促進し、業務の効率化と迅速化、都民サービスの向上を図るとともに、情報技術を効果的に活用できるよう事務処理体制を整備すること。
 次に、都立大学事務局について。
 一、公開講座の充実や、社会人が履修しやすい柔軟な履修方法を工夫するとともに、運営監理委員会を設置し、第三者の意見を反映する仕組みを検討するなど、さらに開かれた大学となるよう取り組むこと。
 次に、財務局について。
 一、地方税財政制度の抜本的改革を通じて、自治体への税財源移譲を図るよう国に強く働きかけること。
 一、公会計に企業会計手法を導入するための法整備を国に働きかけるとともに、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、行政コスト計算書による「機能するバランスシート」の積極的な活用を図ること。
 一、主要な政策課題と取り組み局とを横断的にとらえることが可能になるマトリックス方式による予算説明を加えること。
 次に、主税局について。
 一、地方自治体の行財政需要に配慮した所得、資産、消費等のバランスのある地方税制改革を国に求めるとともに、課税自主権の積極的な活用に努めること。
 一、税負担の公平を実現するため、滞納発生の予防、防止に努めるとともに、既存滞納分についても引き続き徴税努力に努め、その整理を行うこと。また、その際、納税者の実態に即したきめ細かな対応を行うこと。
 一、納税・課税証明申請書等の各種申請様式の電子化に引き続き、申告、納税の電子化を図るなど、税務事務の一層の情報化を進め、効率化と納税者サービスの向上を図ること。
 次に、生活文化局について。
 一、男女平等参画行動計画に基づき、女性施策を積極的に展開すること。女性施策の効果的な推進のために、ウィメンズプラザの積極的活用を図ること。また、女性財団との関係については、関係者、都民の意見を尊重し、慎重に検討すること。
 一、青少年の健全育成の観点から、書店やコンビニエンスストアにおける不健全図書の区分陳列等の周知、指導を徹底すること。
 一、消費生活センターにおける情報収集、提供、相談体制を充実し、消費者契約における紛争処理などに積極的に取り組むこと。
 次に、都市計画局について。
 一、放射五号線の計画検討に当たっては、外環道、圏央道等、ほかの道路計画との関連で総合的、実証的に整備の緊急度を検証し、玉川上水保全の重要性、地元意見を十分に尊重しながら、慎重に対応すること。
 一、東京都都市景観マスタープランに基づき、景観形成事業を着実に実施すること。
 一、東京の緑化政策の一環として、まちづくりの観点から、民有地を対象に緑とオープンスペースを確保するための誘導策を検討すること。
 次に、環境局について。
 一、ダイオキシン類の実態把握や排出抑制指導に努めるとともに、引き続き分析体制の整備を進めること。
 一、地元関係者などと連携して学校の敷地や公園を活用したビオトープをつくり、市街地におけるビオトープネットワークを構築すること。
 一、ごみの減量・資源化を進めるための広域的なシステムづくりを図ること。
 次に、福祉局について。
 一、保育サービスを充実するため、ゼロ歳児保育の充実や保育時間の延長、障害児保育の充実を図ること。また、大都市の多様な保育ニーズに対応する保育制度を創設すること。
 一、平成十五年度の措置から契約への制度変更を踏まえ、心身障害者の入所施設、通所施設などを重点的に整備し、待機者の解消を図ること。
 一、福祉のまちづくりを推進するために、すべての鉄道駅にエレベーター等を設置するとともに、だれにも乗りおりしやすいバスを導入すること。
 次に、旧高齢者施策推進室について。
 一、東京都における介護保険制度の課題や問題点の把握に努め、必要な見直し等を国に働きかけること。また、低所得者対策など東京都独自に改善できる点は早期に取り組むこと。
 一、特別養護老人ホームの用地助成を引き続き実施するなど、介護保険施設の整備を進めること。また、学校の空き教室の転用を進めるなどして、在宅サービス施策を充実すること。
 一、利用者保護やサービスの質の向上を図るために、利用者保護制度の構築や、第三者によるサービス評価に取り組むこと。
 次に、衛生局について。
 一、東部療養センターを早期に建設すること。
 一、精神障害者にかかわるグループホームや共同作業所などへの補助を充実し、待機者解消に向けて施設整備を促進すること。また、精神障害者とほかの障害者との施策の格差是正に努めること。
 一、難病対策として、医療費公費助成の対象疾病を拡大するとともに、在宅難病患者対策を充実すること。
 次に、旧労働経済局について。
 一、職場における男女平等の推進、ファミリー・サポート・センターの拡大、雇用関係調整委員会の設置など、勤労者が働きやすい環境整備に向けた施策を充実すること。
 一、ベンチャー企業の成長段階に応じた総合的な支援の仕組みづくりに取り組むとともに、東京都の空き庁舎等の活用を二十三区内と多摩地域に拡大するなど、創業支援を充実すること。
 一、地域商業の活性化を図るため、区市町村の商店街振興計画の策定を支援すること。また、地域のまちづくりと連携しながら、ハード、ソフト両面にわたる商店街振興事業を創設すること。
 次に、中央卸売市場について。
 一、牛や豚の、と畜解体処理に係る衛生面の配慮を充実し、都民への安全な食肉の供給に努めること。
 次に、住宅局について。
 一、都営住宅の建てかえやスーパーリフォーム事業など公営住宅建設事業を推進すること。また、都営住宅等のストックを留学生用住宅や民間住宅の建てかえ用住宅などとして有効に活用すること。
 一、都営住宅の管理に当たっては、入居者の公平性を高める観点から、期限つき入居や使用承継の見直しなどを検討すること。
 一、都営住宅においてペットが伴侶動物として飼育されている実態にかんがみ、ペットの飼育について検討すること。
 次に、多摩都市整備本部について。
 一、多摩地域における整備については、多摩地域全域を視野に入れ、地域間のアンバランス、多摩内格差を助長しないよう留意すること。
 次に、建設局について。
 一、幹線道路の整備については、区部環状、多摩南北方向などを重点的に整備すること。
 一、JR中央線や京急蒲田駅など鉄道の連続立体交差化事業を推進するとともに、臨海新交通「ゆりかもめ」延伸部の推進など、公共交通に関連する事業を進めること。
 一、二十二世紀の都市の森づくりや市民緑地制度を推進するとともに、都市公園の整備についても着実に推進すること。
 一、事業を進めるに当たっては、事業評価を実施するなど、事業の効率性、透明性を高めること。
 次に、港湾局について。
 一、東京港臨海道路や新海面処分場を整備するなど東京港整備事業を進めること。また、中央防波堤内側など臨海部の土地活用に当たっては、動植物との共生など自然環境に十分配慮すること。
 一、伊豆諸島及び小笠原諸島と都市部との交通アクセス改善のため、各島の空港整備や小笠原空港での環境調査等を実施すること。
 次に、出納長室について。
 一、金融改革に伴う金融機関の再編成、業務の見直し、ペイオフ解禁を踏まえて、指定金融機関のあり方、公金の運用管理のあり方などを早急にまとめ、公金の運用管理に万全を期すこと。
 次に、教育庁について。
 一、教職員の資質の向上を図るために、社会人講師を拡充するとともに、教職員の民間企業への長期社会体験研修、管理職等研修などを実施すること。
 一、スクールカウンセラーについては、中学校への全校配置に向けて計画的に配置すること。また、スクールカウンセラー未設置校を中心に、長期欠席生徒に対応したアドバイザリースタッフの派遣を行うこと。
 一、応募者が多いことにかんがみ、都立養護学校高等部職業学科の拡充に向けて取り組むこと。
 次に、地方労働委員会事務局について。
 一、地方分権一括法による地方労働委員会制度の自治事務化に伴い、制度の改善を国に働きかけるとともに、事件処理の迅速化を図ること。
 次に、警視庁について。
 一、インターネットなどを活用したハイテク犯罪については、捜査員の養成や不正アクセスの行為の事例分析など、重点的に対策を講じること。
 一、ストーカー、ピッキング犯罪対策用資器材等の整備など生活安全対策の充実強化を図ること。
 一、犯罪被害者支援要員の確保を初めとした犯罪被害者支援体制の整備を進め、犯罪被害者対策を拡充すること。
 最後に、消防庁について。
 一、災害救急情報センターを充実するとともに、震災時の市街地大火や同時多発火災対策、救急活動対策を強化すること。
 一、放射性物質、劇毒物、化学物質などの特殊災害への対応力を強化すること。
 一、地域防災体制の中核を担う消防団員の処遇の抜本的な改善を検討すること。
 以上、都議会民主党としての意見を述べさせていただき、平成十一年度一般会計並びに特別区財政調整会計など十九特別会計の決算を認定させていただきます。
 以上。

○沢西委員 私は、都議会無所属クラブを代表いたしまして、平成十一年度各会計歳入歳出決算について、これを認定する立場から意見開陳を行います。
 平成十一年度における各会計にかかわる事業執行については、我が国政治経済の混迷を主たる要因に、先行き不透明のまま低迷を続ける経済環境を背景に、危機的状況にある都財政の中にあって、行政事業の継続性という基本的なコンセプトを遵守、地域福祉、住宅、道路、公園、ごみ、環境、さらには震災対策、中小企業振興といった都民生活に直接かかわる事業の着実なる展開に努められてきたことには、一定の評価をするものであります。
 しかしながら、事業の継続性にとらわれる余り、それぞれの事業における財政再建への取り組みに積極性に欠ける側面のあったことは、紛れもない事実であると申し添えておきます。いつ財政再建団体に転落してもおかしくない状況にある都財政の再建が喫緊の課題であることは、共通の認識であると思います。
 そのことを確認した上での要望でありますが、各事業局においては、あくまでも都民生活の安定と向上という一点から、事業の再構築に取り組まれるとともに、特に経済活動につながる事業においては、都経済の活性化に効果ある需要創出に積極的に取り組まれるよう、強く申し上げておきます。
 なお、平成十一年度各会計決算にかかわる各局別の意見については、今日に至るまでの委員会審査の過程の中で、指摘すべき点は指摘し、ただすべきはただしてきていると思っており、その本旨についてはご理解を得ているものと確信しております。
 また、将来的な事業展開にかかわる個別の主張、要望については、本来的には予算要望、あるいは定例会、常任委員会での議論を通じて行うものとの考えに従って、さらには、重複を避ける意味も含めまして、割愛させていただきます。
 都政は、今まさに歴史的転換期にあると思います。それだけに、行政に対する都民の要望は、これまでの経験則では対応が困難になるほど多様化してくることは明らかであります。そのことをしっかりと認識の上、今後の都政運営に当たられるよう申し上げ、加えて、職員の皆様の一層のご奮闘を期待いたしまして、私の都議会無所属クラブを代表しての意見開陳を終わります。

○藤田委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表して、本委員会に付託された平成十一年度の各会計決算について意見を申し上げます。
 平成十一年度の普通会計決算は、形式収支においては三百六十九億円の黒字となったものの、繰り越すべき財源などを差し引いた実質収支は八百八十一億円の赤字となり、二年連続で赤字となりました。このような中で、都債残高は七・七%増の七兆六千六百八十三億円となり、平成二年度からの九年間で実に三・三倍、五兆円以上増加しております。
 このような都の財政危機の中で、最大の課題は都民への説明責任ですが、これまで情報の公開や提供のあり方は、極めて不十分といわざるを得ません。事業の効率性や事業変革は議論されなくてはなりませんが、その形態だけが先行してはなりません。まず、何より情報公開、情報提供、そして第三者機関がチェックする事業評価、サービス評価を徹底して行うべきであり、その積み重ねの中から改革の道を探るべきであり、この点をまず強調しておきます。
 初めに、各局共通事項について述べます。
 一、事業執行に当たっては、政策形成過程の情報を公開し、複数代替案の検討を含め市民参加のシステムを拡充すること。また、パブリックコメント制度を検討すること。
 一、地方分権一括法の成立により都と市区町村は対等の関係であることを踏まえ、市区町村の決定を応援すること。
 一、行政と市民のパートナーシップを促進していくため、地域の非営利の市民事業やコミュニティ事業との連携を積極的に進めること。
 一、都庁発注の建設産業廃棄物など産業廃棄物については、減量・リサイクルを推進するとともに、最終処分地までのプロセスを把握すること。
 一、都庁内のリサイクルを推進するとともに、不要な配布資料等の削減に向け、さらに努力をすること。
 以下、各局について申し上げます。
 まず、政策報道室関係について。
 一、都政への市民参加を拡大するため、住民投票条例、市民参加条例の制定に向け、検討をすること。
 一、インターネットなどを活用して都政情報提供システムの拡充を図ること。
 一、首都機能移転問題については、現行政府案の問題点を明らかにするとともに、地方分権及び行政改革の視点から本質的な議論を進めていくこと。
 次に、総務局関係について。
 一、行政財政改革を進めるに当たって、組織の再編は、特に女性、子ども、環境にかかわる部門の総合性を確保し、実効性のある行政機構とすること。
 一、行政評価制度は第三者機関で行うシステムとすること。
 一、地方分権を積極的に推進し、自治立法を進めるため、政策法務室を設置するとともに、職員の創造的な能力を育成すること。
 一、第三セクターの経営情報の公開を進めること。
 一、総合的な人権施策を積極的に推進し、とりわけ子どもの権利保障の確立に向けた取り組みを進めること。
 一、女性幹部職員の積極的登用を図ること。
 一、行政オンブズマンの導入について、積極的に検討をすること。
 次に、財務局関係について。
 一、公共事業などについては、行政目的に照らし、事前、事後を含めた施策評価及び業績評価を行い、情報を公開していくこと。
 一、導入されたバランスシートや連結決算については、対象範囲の拡大など充実をさせること。
 一、福祉、環境など生活関連整備を重点化するよう積極的に対応すること。
 一、入札制度において、障害者雇用率の高い事業者、ISO取得事業者、男女平等推進事業者、そしてNPO支援事業者などを優先する仕組みを検討すること。
 一、地方分権推進の立場から、東京都としても地方税財政制度の見直しを国に強く求めること。
 次に、主税局関係について。
 一、地方分権の確立に向け、地方自主税源の拡充、課税自主権の拡大を国に求めること。
 一、NPOにかかわる事業税についての見直しを国に求めていくこと。
 次に、生活文化局関係について。
 一、食品安全確保の基本方針の基本理念に基づき、遺伝子組みかえ食品及び環境ホルモンなど新しい状況に対応した施策を展開すること。
 一、男女平等社会の実現を目指して、行動計画の進行管理を市民参画で行うこと。
 一、NPO立ち上げの環境整備などの助成を行うなど、都独自のNPO支援をさらに拡充すること。
 一、東京都が設置するすべての審議会、協議会での女性委員の割合をふやし、構成目標を早期に達成すること。
 次に、都市計画局関係について。
 一、一定年限を経た都市計画決定については、再度の手続をとるなど見直すこと。
 一、都市計画関係の分権化を進め、都と基礎自治体の対等な関係を確立するとともに、人材など基礎自治体への支援を行うこと。
 一、節水型都市を目指し、都民、NPO等とともに連携し、総合的な水施策として進めること。
 一、雨水貯留・浸透施設などの助成事業を進めること。
 次に、環境局関係について。
 一、環境優先の原則を都政において展開すること。
 一、環境基本計画を有害化学物質や自動車公害、地球温暖化など新たに浮上した環境問題も視野に入れて都民参加で見直すこと。
 一、環境ホルモンについての調査を多方面で進めるとともに、PRTR制度を活用し情報を都民に公開し、リスクコミュニケーションを進めること。
 一、総合環境アセスメント制度の試行を踏まえ、アセスメント制度の改革を図ること。
 一、緑行政の総合化を進め、緑のネットワーク化を進めること。また、保全地域の管理における市民参加を推進すること。
 一、太陽光発電、風力発電、ソーラーシステム、コジェネなどの導入に都独自の助成制度を設け、地域分散型エネルギーへの転換を積極的に進めること。
 一、発注者責任を位置づけた新たな産業廃棄物ルールの確立を検討すること。
 一、地球温暖化防止のため、二酸化炭素の実効ある総量規制を目指し、具体的行動計画を策定するとともに、自発的事業者と任意の削減協定を締結するなど、インセンティブが働く仕組みをつくること。
 一、総合的な水循環を進めるため、地下水を飲料水として位置づけた水循環の推進に関する条例を策定すること。
 次に、福祉局関係について。
 一、児童福祉審議会及び青少年問題協議会が提言した子どもの権利条例の制定を積極的に進めるとともに、総合的な子どもの施策の推進と子どもの権利を守る第三者機関の設置を図ること。
 一、児童虐待に対する緊急介入を迅速に進めるとともに、市民団体との連携を進めること。また、虐待を繰り返す親についてのケアを充実すること。
 一、子育て家庭の多様な状況を踏まえ、多様な保育ニーズにこたえる子育て支援のネットワークをつくること。
 一、利用者の選択のため、保育園なども含めてすべての福祉施設について第三者機関によるサービス評価制度を創設し、都民がアクセスしやすい情報提供システムをつくること。
 一、障害者の自立支援と社会参加を進める施策の拡充を図ること。
 一、ひとり親の自立支援施策を関係局と連携して拡充すること。
 一、地域福祉振興事業については、広域的、専門的な事業については継続するとともに、三事業について継続している団体の支援については、区市町村、関係者と十分協議をすること。
 次に、高齢者施策推進室関係について。
 一、市区町村の介護保険事業計画を着実に実施していくため、都は、市区町村との十分な協議を持ち、支援を進めること。
 一、基盤整備は都の目標を早期に達成し、すべてのサービスを一〇〇%に近づけ、選択できる介護サービスをつくること。
 一、介護保険対象外者が日常生活を行うための生活支援事業などを充実させ、高齢者の自立を支援すること。介護保険対象外者への国、都の包括補助制度の充実を図ること。
 一、高齢者の立場に立った成年後見制度を確立し、市区町村に任意後見を含めた権利擁護システムをつくるよう支援すること。
 次に、衛生局関係について。
 一、遺伝子組みかえ食品、環境ホルモン、ダイオキシンなどに対応する生活実態に合った独自の調査・監視体制を整え、都民の健康を確保するためにも、情報公開、リスクコミュニケーションなどにより、未然防止の観点から効果的な施策展開を図ること。
 一、施策決定、展開における市民とのパートナーシップを進め、食品衛生調査会に公募市民を入れるとともに、食品保険懇話会の機能を充実すること。
 一、在宅ターミナルケアが可能になるように、地域医療体制の整備、保健・医療のネットワーク化を進めること。
 一、保健所機能の強化を図るとともに、各機関との連携を進めること。
 一、医療機関のレベルアップや患者の権利に向け、医療機関が提供するサービス等の情報公開を進めること。
 次に、労働経済局関係について。
 一、女性や高齢者の起業や創業への支援策を強化し、パート労働者の権利を保障する新たな雇用ルールづくりを進めること。
 一、東京の地域特性を生かした都市農業を振興し、多様な担い手の育成を図り、有機農業を推進すること。
 一、有機農産物等の生産がふえるよう、認証制度の充実と推進を図ること。
 一、市民参加の森林づくりを進めること。
 次に、住宅局関係について。
 一、バリアフリー化を進め、市場における良好な住宅のストックの拡充を進めること。
 一、ユニバーサルデザインを取り入れたバリアフリー住宅、環境共生・省エネ住宅の建設を推進し、民間住宅への普及及び支援を図ること。
 一、都営住宅の建てかえに当たっては、関係住民と十分協議するとともに、緑の確保及び震災対策用井戸の確保などを考慮すること。
 一、住宅性能表示制度を普及させるとともに、都独自の評価項目の拡大を進めること。
 次に、多摩都市整備本部関係について。
 一、多摩ニュータウン事業の再整備においては、行政評価システムを運用し、環境保全に配慮し、市民との協議を十分行うこと。
 一、ニュータウン商店街対策については、分権の視点を踏まえ、住民参加で市町村主体のまちづくりを進めること。
 次に、建設局関係について。
 一、公共事業評価については、都民参加の視点を拡充し、事前、事後の評価を取り入れること。
 一、都市計画道路の整備に当たっては、東京圏の人口動態を踏まえた需要予測を立て、ノーアクションの代替案の検討を含め関係住民と協議をすること。
 一、CO2削減に向けて自動車の代替交通手段として自転車の普及のため、市区町村と連携し、自転車道及び自転車歩行道の整備を進め、ネットワーク化を図ること。
 一、河川を親水空間として、その地域に合った環境整備を進め、河川法改正で取り入れられた流域連絡会の制度を活用して市民の意見を反映させること。
 一、都民要望の高い都営墓地の整備を関係局と連携して着実に進めること。
 次に、港湾局関係について。
 一、港湾区域の開発に当たっては、開発と緑のミティゲーションの考え方を導入すること。
 一、中央防波堤内側・外側の利用については、緑地について十分な用地を確保し、森林公園としての整備を進めること。
 一、臨海関係第三セクターについては、一般財源の投入をせず、都の責任は出資の範囲内とし、都民に経営状況を公開すること。
 一、広域幹線道路など交通アクセスについての整備量を減らし、見直しに当たっては、都財政の危機的状況や他の都内道路の整備との均衡を考え、将来世代への負担を残さないよう、リスクを最小限に抑えること。
 次に、都立大学事務局関係について。
 一、都立大の運営に当たっては、地域や社会人に積極的に開かれたものにしていくこと。
 一、四つの都立大学改革に当たっては、広く都民の意見を聞き、外部の学識経験者も含めた改革検討委員会を設置して進めること。
 次に、出納長室関係について。
 一、庁内の再生紙利用の拡大及び石けん使用の普及を進めること。
 次に、選挙管理委員会事務局関係について。
 一、投票所での選挙事務の執行に当たっては、投票率の向上に向け執行に当たるよう、各関係機関に指導を行うこと。
 次に、教育庁関係について。
 一、子どもの権利条約の精神を十分に生かした教育行政を行うこと。
 一、教育の分権を進め、教育委員会の意思形成過程を含む情報公開の拡充を図ること。
 一、学校評議員制度、学校運営協議会は、地域の独自性を生かした仕組みにし、教師、保護者、地域、とりわけ子どもの学校運営への参加を認めること。
 一、都立高校改革は、学ぶ人の権利を第一に考え、当該校の生徒、PTA、地域住民など関係者との合意を十分に図ること。
 一、学校や教職員の評価に子どもの意見を聞く機会と場をつくること。
 一、スクールカウンセラーを増員するとともに、ソーシャルワーカー導入を検討すること。
 一、学校のバリアフリー化を早期に図ること。
 一、教育現場でのジェンダーフリーを実現すること。
 以上で生活者ネットワーク都議団を代表しての意見開陳を終わります。

○立石委員長 以上で意見開陳は終わりました。
 なお、本決算の認定に付する意見案文の作成につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○立石委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十六分散会

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