各会計決算特別委員会速記録第七号

平成十三年一月二十六日(金曜日)
   午後一時四分開議
 出席委員 二十八名
委員長立石 晴康君
副委員長木内 良明君
副委員長たぞえ民夫君
理事織田 拓郎君
理事小礒  明君
理事丸茂 勇夫君
理事井口 秀男君
理事尾崎 正一君
羽曽部 力君
真鍋よしゆき君
田代ひろし君
吉田 信夫君
谷口 卓三君
今井 悦豊君
樺山 卓司君
藤田 愛子君
古館 和憲君
石川 芳昭君
白井 常信君
比留間敏夫君
沢西きよお君
田中  良君
寺山 智雄君
曽根はじめ君
新藤 義彦君
小山 敏雄君
西田ミヨ子君
秋田かくお君

欠席委員 二名

 出席説明員
高齢者施策推進室福祉局長高齢者施策推進室長兼務前川 燿男君
高齢政策部長金内 善健君
介護保険室長吉川 和夫君
保健福祉部長若林 統治君
施設事業部長反町 純夫君
高齢施設企画担当部長笠原  保君
財務局局長木内 征司君
技監畑野 喜邦君
経理部長碇山 幸夫君
契約調整担当部長中村 忠夫君
主計部長成田  浩君
財産運用部長橋本  剛君
地域整備担当部長菊地 睦郎君
庁舎管理部長川島 英男君
営繕部長野本 孝三君
参事岸野  勇君
収用委員会事務局局長安間 謙臣君
次長宇口 昌義君

本日の会議に付した事件
 平成十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
  高齢者施策推進室関係
  ・一般会計決算(質疑)
  財務局関係
  ・一般会計決算(質疑)
  ・用地会計決算(質疑)
  ・公債費会計決算(質疑)
  収用委員会事務局関係
  ・一般会計決算(質疑)

○立石委員長 ただいまから平成十一年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日は、局別審査のうち、高齢者施策推進室、財務局、収用委員会事務局の順で質疑を行います。
 なお、本日は質疑終了まで行い、意見開陳等は後日行います。ご了承願います。
 これより決算の審査を行います。
 平成十一年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。
 これより局別審査を行います。
 高齢者施策推進室関係に入ります。
 高齢者施策推進室関係の決算については、既に説明を聴取いたしております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○金内高齢政策部長 過日の委員会でご要求のありました資料につきまして、平成十一年度各会計決算特別委員会要求資料としてまとめ、お手元に配布させていただきましたので、ご説明申し上げます。
 表紙の次のページの目次をごらんください。
 ご要求の資料は、1、老人医療費助成制度(マル福)の予算、決算及び対象者数の推移外九件でございます。
 それでは、目次の項目に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。老人医療費助成制度(マル福)の予算、決算及び対象者数について、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移をそれぞれまとめたものでございます。
 二ページをお開きください。老人福祉手当の予算、決算及び対象者数について、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移をそれぞれまとめたものでございます。
 三ページをごらんください。特別養護老人ホーム施設整備助成費及び対象箇所数について、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移をそれぞれまとめたものでございます。
 四ページをお開きください。特別養護老人ホームの都加算の概要(平成十一年度)について、入所者に係る加算、職員の増配置等、施設管理等の加算として、合計二十四項目をお示ししたものでございます。
 五ページをごらんください。特別養護老人ホーム都加算、公私格差是正事業費の対象施設数(平成十一年度)について、市立と法人立とをそれぞれまとめたものでございます。
 六ページをお開きください。特別養護老人ホームの区市町村別待機者数について、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移を、区部、市部、町村部別にそれぞれまとめたものでございます。
 七ページをごらんください。板橋看護専門学校の歳出予算額、決算額につきまして、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移をそれぞれまとめたものでございます。
 八ページをお開きください。老人福祉施設の指導検査の実績(平成十一年度)でございます。特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームに対する指導検査の実績をまとめたものでございます。
 九ページをごらんください。老人保護措置費都負担金(住所不定)の決算額と対象者数につきまして、平成七年度から平成十一年度までの五年間の推移をそれぞれまとめたものでございます。
 一〇ページをお開きください。老人総合研究所の主な研究テーマ及びその成果等(平成十一年度)につきまして、長期プロジェクト研究と短期プロジェクト研究とに分けまして、まとめたものでございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○立石委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○丸茂委員 都は、高齢者保健福祉計画で介護サービスの充実を掲げ、施設サービスの緊急整備として、特別養護老人ホームや老人保健施設などを整備し、施設サービスの必要な高齢者が入所できるようにする、こう計画を立てております。
 そこで、今回は、特別養護老人ホームの整備や入浴サービスについて、介護保険実施以前である本決算の九九年度までの到達点と、介護保険実施後の都民要求とのかかわりで何点かお伺いいたします。
 そこで、まず特別養護老人ホームの整備状況ですが、都の高齢者保健福祉計画の目標からして、九九年度でどこまで到達したのか。また、十二年度の達成見込みについてもあわせてお伺いいたします。

○若林保健福祉部長 特別養護老人ホームの九九年度、平成十一年度でございますけれども、完成ベースで申し上げますと、完成箇所数で申し上げますと、完成箇所数が二十一カ所、定員にしまして千七百六十三名の定員でございます。総定員としまして、これまで開設している施設に今の数字を加えますと、総定員としまして二万七千三百二十五人でございます。
 計画との関係でのお尋ねがございましたが、これまでの計画では二万七千二百八十人ということでございますので、計画目標を達成したところでございます。
 二〇〇〇年度、平成十二年度につきましては、目標数としましては二万八千六百人を目標としておりますけれども、完成見込みとしまして、年度内に完成するということで十六カ所、千三百四十人、総定員としまして二万八千五百人ということで、十二年度につきましても、おおむね目標達成できるのではないかというふうに考えております。

○丸茂委員 九九年度は目標は達成できたと。十二年度もほぼ達成できる、そういう数字になってきている。おおむね達成できる。
 それでは、現時点で都内の特別養護老人ホームの入所希望者、最近は待機者という形じゃなくて入所希望者と呼んでおりますけれども、どのくらいと把握しているのか、お伺いいたします。

○若林保健福祉部長 特養ホームの入所希望者の把握のお尋ねでございますけれども、特養ホームの入所につきましては、これまでの措置制度のもとでは、高齢者の希望をもとに、各区市町村に設置いたしました入所判定委員会で判定をしまして、入所手続を進めてきましたので、入所できない方々、待機者でございますけれども、区市町村で把握をされてきたところでございます。
 平成十二年四月の介護保険制度の実施に伴いまして、入所希望者につきましては、区市町村の窓口を通さずに、高齢者本人またはケアマネジャー等を通じまして、直接、特別養護老人ホームに入所を申し込むということになります。そういうことから、手続上という点からも、さらには介護の必要度という面からも、区市町村がこれまでのように待機者という形で把握することは困難となってきているところでございます。

○丸茂委員 いろいろ制度が変わって困難だというご答弁だったんですが、私、実際に現状どうなっているのかということで、城南五区、調べてみたんですね。で、資料では、六ページにこれまでの待機者数の推移が出て、十一年度は区部で六千五百八十一、あるいは市部で三千二十三、町村部で六十、合わせて九千六百六十四と、ずっと減ってきている。また、介護保険ということで、より判定もやられて、こういう数字になっていると思うんです。
 直近のところで、城南五区をお聞きしました。例えば品川区は、十一年度末、この六千五百八十一の段階では二百六人だったのが、十月末の数字しか整理されていませんでしたが、三百十九。目黒区は、二百の数字が、これはパソコンで数字をつかんでいまして、ことしの一月二十四日現在で五百七十二と、倍以上ですね。大田区は、五百七十五から、十二月二十八日現在ですけれども、千二百十。それから世田谷区が、三百九であったものが、これは十月末の数字しかわからなかったんですが、九百五十七と、約三倍近いですね。それから渋谷区が、百八十一から、ことし一月二十四日ですけれども、二百五十。
 これは、これまでの待機者数とは違いますけれども、実際に特別養護の老人ホームに入所したいという順番待ちも含めて、実際に希望がこれだけあるということを各区がつかんだ。担当がつかんでいるわけですね。
 したがって、私は、これから、施設整備なんかも含めてどれだけ必要があるのか、十分正確につかんでおく必要があるのじゃないかという点で、改めて都としても把握をしないのかどうか、それ、お聞きしておきたいと思うんです。

○若林保健福祉部長 介護保険制度のもとでは、必要なサービスを提供するために、保険者である区市町村が、介護保険事業計画を策定することになっております。そして、計画的に介護サービス基盤の整備を進めていくということになるわけでございます。
 このため、住民の介護ニーズの適切な把握が必要になりますので、その中で、区市町村においては特別養護老人ホームの必要数、定員といいますか、含めましてとらえる、まとめていくということになると考えております。
 お尋ねの、都としましても介護保険事業支援計画を改定していくわけですけれども、改定に向けまして、広域的な観点から、特養ホームなどのニーズ調査を行うこととしておりまして、先ほど申し上げました、区市町村が把握した結果と総合的に調整を図りまして、都全体の特養の必要数を把握していきたいというふうに考えております。

○丸茂委員 ぜひ把握して、それも区市町村と調整を図りながら、やはり必要数はしっかりと押さえていただいて、そして計画が、やはりもっとふやさなければならないだとか、そういう事態になれば、やはりそれなりの計画拡充ということもあり得るわけですから、ぜひそれはきちんとお願いをしたいというふうに思います。
 そこで、介護サービス基盤の整備についてなんですけれども、東京都としても広域的な対応が求められるという点で、介護サービス基盤の整備については、都としてどういう形で進めようとしているのか、その点についても改めて伺っておきたいと思います。

○若林保健福祉部長 東京都といたしましては、これまでも、必要な介護サービスが提供されるように、東京の地域実態に応じた介護サービス基盤の整備を総合的に支援してきたところでございます。
 今後とも、都では、特養ホームや老人保健施設の整備に加えまして、介護を必要とする高齢者等が身近な地域で安心して暮らせるように、ケアハウスあるいはグループホームなどの整備についても積極的に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

○丸茂委員 そこで伺っておきたいんですけれども、毎年のように、特別区長会から、都に対する予算要望を含めて要望があると思うんですが、特別養護老人ホームについていいますと、この要望に対してどのような対応をしていこうとしているのか、その点伺っておきたいんです。
 二〇〇一年度要望では、直近のものでお伺いしておきたいんですが、介護保険制度施行に伴って入所需要増加が見込まれる、それにもかかわらず、現状は遠隔地に多い、それから地域的にも偏在している、そのため、入所希望への対応に苦慮していると。したがって、特別区内に地域密着の都市型特養ホームの建設促進が急務だとして、補助基準面積の拡大や建築単価の引き上げ等、補助制度の充実や民設への補助単価の引き上げ、未利用の都有地の利用等、具体的な要望が出されておりますけれども、その点について都はどういう対応をしようとしているのか、お答えいただきたいと思います。

○若林保健福祉部長 特別区長会から要望をいただきました、それぞれの項目ごとにお答えさせていただきたいというふうに思います。
 まず、整備費の補助基準面積の拡大ということでお尋ねがございましたけれども、都心部においては、特養ホームを建設する場合には、敷地面積が限られているために、やむを得ず、三階、四階と高層化していくといいますか、多数階に建てるということになるわけでございます。
 国の基準におきましては、高層階、地上三階建て以上の建物を建てるというときには、高層化加算ということで、国基準の面積の一・〇八を加算しているところでございますが、東京都におきましては、都市部ということから、この基準に独自の東京都の基準を加えまして、地上三階建て以上ということではなくて、地下を含めまして三階層以上と、区のご要望を生かしながら、こういう形で東京都独自の拡大といいますか、加算をつけているところでございます。
 次に、建築単価の引き上げについてでございます。
 東京都におきましては、従来から、国単価より高い都単価を設定しまして、具体的に申し上げますと、十二年度の単価で申し上げますと、国基準よりも平米単価三万六千九百円の上乗せをしまして、東京都の実情に応じた整備費補助を行ってきているところでございます。
 これに加えまして、スプリンクラーをつけなきゃいけないというときにも、スプリンクラーについての特別な加算を設けて実施しているところでございます。
 三番目の、用地取得費の補助についてでございますけれども、用地取得費につきましては国庫補助の対象とされておりません。このため、従来から都独自で、用地助成費を補助事業として実施してきているところでございます。
 補助基本額につきましては、これまで、平成七年度までは十七億円ということでございましたけれども、地価が下落しているということを勘案しまして、平成八年度から十億円に見直しを行ったところでございます。地価下落の傾向は依然として続いておりますので、補助基本額の上限額を見直すということは考えていないところでございます。
 四番目としまして、未利用都有地の提供、あるいは都営住宅に併設する場合の土地の活用等についてのご要望があったわけでございますけれども、区部における建設用地の確保が難しい状況の中で、都有地の活用も施設整備の促進に有効な方策であるということで認識しておりまして、特養ホームの用地に適する未利用の都有地がある場合には、これまでも、施設配置の均衡等にも配慮しながら既に実施している、取り組んでいるところでございます。
 具体的には、平成十一年度、北区の用地を活用いたしましたし、十二年度も江戸川の土地を活用したりしているところでございます。
 また、社会福祉施設と都営住宅との合築、あるいは都営住宅の敷地の区への無償貸付、社会福祉法人への減額貸付等については、住宅局におきまして、福祉施策との連携の方針のもとに、既に実施しているところでありまして、これにつきましても、品川区あるいは北区、それぞれ実施しているところでございます。
 以上、特別区から、特養ホーム建設が促進されるよう要望いただいたところでございますけれども、都としても、区と十分協議をしながら、より一層整備の促進に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

○丸茂委員 今、るるお答えいただいたんですけれども、やはり現状と都の補助の水準との差がまだまだあると。
 例えば、大田区で直近でやった多摩川の特養、これは二百床の特養ですけれども、建物の総体は四十七億かかっています。実際の補助は、国、都を合わせて四分の三が、ストレートじゃありませんけど、基準単価によって行われるところですが、実際補助を受けたのは十九億九千六百万なんですね。二十億弱。ですから、実際に建物にかかった費用の半分以下。
 それから、土地の問題でも、最近、大田区も入所希望者が大変ふえているというので、百床の特養と十床のショートステイ、あわせて、老人保健施設も百床、それからショートステイ十床と、こういう施設をつくるために、土地も取得しまして、民設民営でこれを運営していこうという計画になっております。その土地は、東京都の消防署の跡地と、あと民間の企業の跡地なんですが、そこの土地、どのぐらいかとお聞きしましたら、六千四百五十五平米の二十六億円余なんですね。ですから、特養と老健施設半々にしたって、十三億の取得費がかかっている。
 こういう実情からして、特に大田区はまだ工場跡地だとかあるんですが、都心区を含めて、これからなかなか用地取得というのは大変だと思うんですね。それに必要な手当てというのは、やはりそういう実情をつかんでいただいて、十分対応できるように、東京都は特に支援をしていく役割もあるわけですから、これは強く求めて、終わりにしたいと思います。
 それで、次に、九九年度までは、特別養護老人ホーム都加算と公私格差是正事業がありました。資料でも出していただきましたけれども、都加算等があった場合は、決算で二百二十一億円余の補助があったものが、二〇〇〇年度には、経営支援事業ということで百億円となっております。
 そういう中で、施設運営が大変厳しいという状況は、私ども、独自の調査の中でもつかみまして、これは、昨年の厚生委員会の事務事業質疑で詳しく論議をしてきたので、繰り返しませんけれども、運営の実態を見ますと、やはり都加算、公私格差是正事業の必要性、重要性が一層はっきりしてきているという点で、復活を求めると同時に、そのかわりに実施された経営支援事業についても、私ども、三年の見直しじゃなくて、期限なく継続、逆に充実をせよという形でお尋ねしてきたところです。
 その経営支援事業に絞ってお伺いいたしますけれども、前川推進室長は、本会議答弁で、この支援事業に当たっては、民間の全施設に対して二回の実態調査も行った、それから、代表者とも十分協議して実施した、また、都議会の審議も経て創設をした、したがって、今後とも事業の適正な実施に努める、こういう答弁もされているわけですけれども、そうしたもとでも、実際に運営してみると、なかなか大変だということで、昨年十二月に経営者の皆さんから、この経営支援事業等への要望が出されていると思うんですね。その内容はどういうものなのか、そして、その内容にどう対応しようとしているのか、その点、お伺いしておきたいと思います。

○若林保健福祉部長 平成十二年十二月二十二日付でございますけれども、東京都内にあります、民間の特別養護老人ホームの経営者で構成します東京高齢福祉推進協議会という団体から、特別養護老人ホーム経営支援事業に関する要望書が提出されたところでございます。
 内容としまして、二つございまして、特養ホーム経営支援事業の平成十三年度予算における逓減率の緩和が一つでございます。十億円というふうに要望書に書いてあります。二番目としまして、高齢者在宅サービスセンターにおける利用者サービスの向上と、利用者数の増を目的とした高齢者在宅サービスセンター緊急整備支援事業の実施ということで、五億一千万。この二点の要望をいただいたところでございます。
 特別養護老人ホーム経営支援事業につきましては、先ほどお話がございましたように、都議会の議論を踏まえまして、特養ホームの代表者との一年間にわたる十分な検討、協議を行いまして、平成十二年度から本事業を実施しているというところでございます。
 その主な内容につきましては、一つは、利用者サービスの向上のための支援として三十三億円。これは三年後に見直しを行うということで、協議が調っております。
 二番目としまして、介護保険制度に円滑に移行するための支援として四十二億円。補助率としましては、措置制度のもとで、これまでの都加算、公私格差、支給してきたわけでございますけれども、その額につきまして、十二年度は五%減をして積算をすると。平成十三年度につきましては、それを一五%減、十四年度につきましては二〇%減。そして、逓減して、三年後には、円滑に移行するための支援事業としては廃止をすると。これにつきましても、協議し、合意が調ったところでございます。
 三番目としまして、特養ホームの環境整備のための事業として二十五億円。
 合わせて百億円の事業を立ち上げたというところでございます。
 本事業につきましては、十三年度予算編成に向けまして、都議会からご要望をいただいております。また、特養ホームの代表者との協議をさらに今続けておりますけれども、その場におきましても要望が出ております。それから、先ほどご説明しましたように、東京高齢福祉推進協議会からも、補助の逓減率を一五%ではなくて一〇%に逓減してほしい、こういうことでの要望があったわけでございます。
 私どもとしましては、これらを踏まえて総合的に判断をして、平成十三年度予算原案では経営支援事業の逓減率を緩和したというところでございます。あわせて、二番目の要望としましての在宅サービスセンター緊急整備支援事業、これについても予算計上したところでございます。

○丸茂委員 実際に介護保険制度が実施に移されて、いろいろな介護サービス、それから、やはり行き届いた、きめ細かなサービスが求められると思うんですね。それに対応するように、東京都としてもきちんと支援をしていくということが大変大事だというふうに思います。
 それで、特に緊急にサービスの拡充が求められている問題の一つをちょっと取り上げたいんですが、それは入浴サービスの問題なんですね。九九年度までは、通所入浴サービスをデイサービスセンターで受けていた人が、介護保険になってサービスが受けられない、そういう人が出まして、その要望は大変強いものです。
 さらに、自宅で巡回入浴サービスを受けたくとも、住宅そのものが路地の奥で車が入れない。また、部屋が狭くて巡回入浴サービスが受けられない。さらには、ヘルパーさんの介助を受けて自宅の浴室で入浴したいと思っても、体の非常に大きい方、それから、体も硬直していますので、非常にこの介助も大変だと。それであったなら、浴室を改造して、リフトなりそういう形で、もう少し入浴が楽にできるようにできないのかと。そういう検討も、スペースの問題だとか、お金もかかるわけですから、そういうところで、特にスペースの問題では、そういう余地が全くないという形で、大変困っている方がいらっしゃいます。
 施設によっては、痴呆高齢者を一部受け入れているというところも聞いているんですが、ほとんどがデイサービスの定員がいっぱいで、人員も不足していると。それから、入浴サービスをデイサービスで受けたいと思っても、これまでマイペースで生活されてきた方は、一日、デイサービス、人前でいろいろ訓練を受けたり、あるいはいろいろな指導を受けても、かえって疲れてぐあいが悪くなる、こういう方もいらっしゃいます。そこで、何とか週一回でも、通所で入浴サービスだけでも受けられないかという要望が強く寄せられております。
 それじゃあ、施設側からすれば、それの受け入れはどうなのかということで、いろいろ調べてみましたら、入浴サービスは二時間から三時間かかるんですね。そうしますと、単位で三百二十三単位、送り迎えを入れますとプラス八十八単位、それから特別入浴加算を入れますと六十単位で、特別区の補正係数一〇・七二を乗じますと、五千円程度の収入にしかならないんですね。
 一方、これまでは都加算の入浴介助助成というのがあったんですが、それが介護保険に吸収されて、全くそれがなくなった、そういうハンディもあります。
 ちなみに、訪問入浴では千二百五十単位で、一万三千四百円になるんですね。そういうものと比べても、施設での入浴サービスというのが、この負担が大変重いと、施設側としてはですね、そういう状況があります。
 そうした都民の入浴サービスの要求、それから実態、そして、それに対する対応ですね、支援サービス、この辺の状況を把握しているんでしょうか。把握しているんであれば、どういう対応が必要だと考えるのか、その点をお伺いしておきたいと思います。

○若林保健福祉部長 通所介護のことについてのお尋ねでございますけれども、介護保険での通所介護は、入浴あるいは食事の提供、その他日常生活上の世話とか機能訓練等、こういったものを行うことによりまして、利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持及び家族の負担軽減を図る、こうしたことを基本方針として、通所介護事業というのは成り立っているわけでございます。
 このため、国の通知では、このような通所介護の本来の目的に照らしまして、施設入浴を希望する、施設を使って入浴をする、そういう希望をする要介護高齢者につきましても、入浴サービスのみではなくて、高齢者同士の交流であるとか機能訓練などの他の介護サービスとあわせて通所介護を利用していただくということになっているところでございます。
 都としましては、これまでも、入浴サービスを含めたデイサービス事業者については、区市町村を通じまして事業者に説明するとともに、サービス向上のための取り組みをいろいろ指導してきたところでございます。
 デイサービスセンターにおきましては、利用者の心身の状態、いろいろ先生ご指摘のように、心身の状態、人によって違いがありますので、心身の状態に応じてきめ細かな対応をしてきているというふうに私どもは把握しているところでございます。

○丸茂委員 今ご答弁いただいたんですけど、現実は、私も詳しく述べたんで、もう繰り返しませんけれども、実際には、せめて週一回でも、そういう入浴サービスが受けられればという要求が強いんですね。
 それで、実際にケアマネジャーさんやヘルパーさんも、そういう要望を受けて、何とかそういうものに対応できるようにしたいと思っても、今ご答弁のあった保険制度のいろいろな仕組みの中で難しい点もあるかと思うんです。現実には、そういう要望に、逆にいえば、やはり必要なものは逆に改善、強化していくということが大事だと思うんです。その点、もう一度お答えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○若林保健福祉部長 ご指摘いただきました事項につきましては、今後、その都度、施設の責任者から十分に事情をお聞きして、また区市町村と協議をしながら、必要に応じて改善をお願いしていきたいというふうに考えているところでございます。
 先生ご指摘の家屋の状況であるとか、心身の状況とか、そうしたことから、真に施設での入浴のみを希望する方につきましては、通所介護事業とは別に、区市町村独自の事業として通所入浴事業として実施しているというところもある、そういう区市町村もあるというふうに把握はしているところでございます。

○丸茂委員 これ以上いいませんけれども、ぜひそういう実情に応じて、区市町村の間でそういう取り組みをやっているということであれば、大いに東京都としても支援をしていただきたいと思うんですね。
 入浴サービスというのは、やはり寝たきり高齢者にとっては気分転換になるし、血行もよくするし、なおかつ、何よりも体を清潔に保つという点で、非常に効果もあり、あるいは利用者からも大変喜ばれているんですね。
 そういう点で、今後ともきめ細かな介護サービスの充実が求められるというふうに思います。
 それで、国の制度でやはり不十分であったら、その制度を変える。そして、制度が十分できなくても、必要な介護サービスであれば、都独自でも支援をしていく。そういうことも含めて、よりよい介護サービスが受けられるように、一層の支援を求めて、質問を終わりたいと思います。

○藤田委員 平成十一年度は、介護保険の実施に向けまして、それぞれの区市町村がニーズ調査を行って、介護保険事業計画を市民参加で決定して、都が支援計画をつくっていった年でございました。それが、現状、どのように適合しているかという点から、何点か質問させていただきたいと思います。
 ケアプランの作成等を行う居宅支援事業者は平成十一年の六月、それから介護保険の居宅サービスを提供する事業者は八月から、申請の受付が開設されたと聞いております。
 現在、事業者の参入状況ということで、毎月いろいろな広報をいただいておりますけれども、現状はどのようになっておりますでしょうか。
 それから、それが計画に沿ったサービス基盤になっているのかどうかということで、在宅の三本柱といわれております、訪問介護、通所介護、それからショートステイの面からお尋ねをいたしたいと思います。

○吉川介護保険室長 介護保険におけます事業者の参入状況についてのご質問でございます。
 先生のお話にございましたように、昨年、十二年の四月からの介護保険事業を円滑にスタートできますよう、十一年度の準備段階から、事業者の指定の受け付けを行ってまいりました。その結果、これはことしの一月一日現在でございますが、居宅介護支援事業者が千七百六十一、居宅サービス提供事業者が二千五百八十一、トータルで四千三百四十二という数が、みなし指定を除きました総数でございます。
 先生の方から、在宅三本柱でのお尋ねがございました。
 訪問介護につきましては、先ほど申し上げました居宅サービスの二千五百八十一のうち千百三十八件でございます。それから、通所介護、これは四百七十五件、短期入所生活介護、これは二百九十八件となってございます。
 この総数を事業主体別に見ますと、従来から介護サービスの主な担い手でございました社会福祉法人に加えまして、株式会社などの営利法人、医療法人、それからNPO法人など、多様な事業主体の参入が進んでおりまして、ほぼ計画に沿った形で事業者の指定が行われてきたかなというふうに受けとめております。

○藤田委員 それで、毎月、「居宅介護支援事業者及び居宅サービス事業者の指定について」というのをいただいているんです。それに、休止、廃止というような状況もそこにつけられているわけですけれども、実際に介護量としてどんなふうになっているんでしょうか。足りているのか足りていないのかというようなことでありますけれども、それと同時に、その休廃止の大きな理由などがわかりましたら、ぜひ教えていただきたいというふうに思います。

○吉川介護保険室長 先生ご指摘の、事業者の休止ないしは廃止ということでございますが、十二年度になりまして、例えば訪問介護の事業者で、大変大きな事業者さんの方で休止、廃止というふうな、確かに都内におきましてもございました。その今申し上げたような訪問介護での、最大手の状態で申し上げますと、指定を百四件受けたところ、休止が七件、廃止が十八件というのが、私の今手元にございます、昨年の十一月段階ですが、状況でございます。

○藤田委員 済みませんが、今何か大きな理由などがわかれば、教えていただきたいと思います。

○吉川介護保険室長 ただいま私が申し上げた大手の事業者さんの場合は、原因の一つには、利用者数が当初の予定より伸び悩んだというようなお話を伺っておったり、それからもう一つ、訪問介護の中でも、身体介護に比べて家事援助のご希望が多かったなどの理由も聞いてございます。
 いずれにしましても、その事業者さんは、手続上は休廃止ということになっておりますが、幾つかの事業所の統合をしたというふうな状況だったと聞いております。

○藤田委員 私も厚生委員会におりますので、これまでの事務事業の中でも、いろいろ質問させていただいたわけでございますけれども、例えば私のおります杉並区の中では、一万人の方が申請をした。そして、何らかの理由で今現在サービスを受けている方が五千人、それで、措置の時代からの方が二千人、新たにサービスを受けた方が三千人というような状況になっていたわけでございますけれども、その中で、その受けなかった五千人について、例えば、もちろん経済的な理由、それから、要介護認定を受けられなかった方ももちろんいらっしゃいますし、家族で間に合っているからというような方もいらっしゃいますし、それから、使い勝手が悪いというような、そんな状況があったかと思います。
 ただ、実際には、地域の中を歩いておりますと、いかにももう確実にこれだったら介護保険の認定を受けて、要介護度が出るような方でも、いえ、結構ですというようなおっしゃり方で、全く介護保険のかの字もわからないというような方が実際にはいらっしゃるわけなんですね。
 こういうことは、やはり十一年度に措置を受けている方には、確実に区の方からPRがありましたし、いろいろなところであったわけなんですが、実際には、この介護保険のPRというものはどんなふうに行われてきましたでしょうか。

○吉川介護保険室長 介護保険制度につきますPRについてのお尋ねでございます。
 保険者でございます区市町村におきましては、十二年四月の制度開始に向けまして、広報紙への掲載であるとか住民説明会の開催などに加えまして、例えば当時の六十三区市町村でいいますと、二十四自治体でホームページを開設したり、それから十自治体で地域のケーブルテレビを活用したり、さまざまな工夫を凝らして制度の周知に大変努力されたというふうに理解しております。
 一方、東京都の立場では、この保険者でございます区市町村を広域的な立場から支援するということで、十一年度におきましては、テレビ、ラジオの東京都の提供番組を活用いたしましたり、それから、制度をわかりやすく解説、紹介するリーフレットをつくって配布したり、さらに外国語版のパンフレットをつくったりしてきたところでございます。
 いずれにいたしましても、今後ともこの制度が都民に理解され、よりよく利用していただけますよう、区市町村をできるだけ支援しつつ、東京都としても積極的に努めていきたいというふうに思っております。

○藤田委員 いろいろやっていただいたんですけれども、結局そこにうまくフィットしないような方々がたくさんいるということなんですね。近所の方は、その方々がどんな生活をしているか、よくわかっていらっしゃいますので、あそこ、やはり介護保険などでどうですかというふうに聞いても、いえ、そんなことはわかりませんから結構ですというふうにいわれて、私も一カ所そんなことがありました。お訪ねしました、八十歳以上の三姉妹で、もうこんなちょっとしか扉をあけないような状況の中で、いえ、大丈夫ですといって、そそとして、つつましやかにお暮らしだと思うんですが、全く受け入れないというような方々もいらっしゃいます。
 それで、民生委員さんに、どんなふうにそれがなっているのかなということで、ご存じでしょうかというようなことで、民生委員さんにもそれをおつなぎしたんですが、なかなかそこもうまくいかないというようなことがあるんです。
 これまで、私たちも地域の中で、そういう介護のことなどについても、民生委員さんが働いてくださる、そういう意味でも働いてくださるということがいいと思って、いろいろなところで提案もしてきたんですが、今回一部に、こういう介護保険制度で、国事業というふうに聞いていますけれども、民生委員さんが相談員として実践をしているというふうに聞いておりますけど、その役割などを教えていただきたいと思います。

○若林保健福祉部長 介護相談員派遣事業についてのお尋ねかと思いますけれども、介護相談員派遣事業につきましては、介護サービスの提供の場を訪ねまして、サービスを利用する方等の話を聞き、相談に応じるなど、利用者の疑問や不満、不安とか、こうしたものの解消を図りまして、介護サービスの質的な向上を図ることを目的とする有効な事業でございます。
 利用者からの苦情を受けるということになりますと、それはあくまでも事後的な対応になるわけでございますので、今申し上げました事業を実施することによりまして、苦情等の発生を未然に防ぐということが可能になるわけでございます。
 国は、本事業を、平成十二年度から、介護サービス適正実施指導事業というメニュー事業として、国庫補助を実施しているところでありますけれども、都におきましても、これを受けて、今年度から事業を実施しているというところでございます。
 民生委員さんが、本事業の介護相談員として、事業目的に沿った活動をしているというところでございます。

○藤田委員 それで、この民生委員さんがやっていらっしゃる介護相談員派遣事業ですが、実際にはどんなメニューで、何といいますか、研修を受けていらっしゃるのかをお尋ねしたいと思います。

○若林保健福祉部長 介護相談員の養成研修につきましてですが、日数としましては、前期、後期と研修を分けまして、前期四日間、後期一日と、合わせて五日間の研修で、いろいろな相談にかかわる相談員の役割であるとか、あるいは、高齢者といいますか、利用者の権利保護のことであるとか、相談とかコミュニケーション技術を身につけることとか、さらには、後期研修では、問題解決、どのようにして問題解決をしていくかと、少しずつグレードを上げて、トータルで介護相談員としての技術といいますか、研修をしていただくという仕組みでございます。

○藤田委員 役割がいろいろ違ってくると思いますので、もちろん、ケアマネジャーにつなぐことができるとかというようなことで十分なのかもしれないんですが、例えば私がどこかにお話を伺いに行ったときには、じゃあ、これについてはどうですかって、確実な答えを即出すというようなことは、非常に安心を得るわけですね。そういうことができないと、ああ、これは面倒くさいからできないわといって、また後回しになるというような状況になります。
 そういう意味で、研修がどんなふうに、実際にメニューがどんなふうになっているか、詳しくはわかりませんけれども、ある意味では、かなり高度なことが要求されるような状況にもなろうかと思いますので、ぜひこの研修はきちっとやっていただきたいというふうに思います。
 さて、介護保険の参入が、先ほどお話がありましたように、これまでの社会福祉法人以下、株式会社などの営利法人、医療法人、NPO法人、非常に多種多様な事業主体が参入をして、これは非常によいことだというふうに思っているわけですけれども、しかし、だとすると、その法人がどんなサービスをしてくれるのかと。やはりそこには、質の問題でありますとか--質に代表されますでしょうか、そういうことが多く問題になるかと思います。
 そのときに、やはりここはサービス評価、第三者の目が非常に厳しく入ることが必要になってくるかと思います。このサービス評価のあり方について、これまでは、福祉全体からいえば、保育などについても自由化されれば、規制が緩和されれば、そこに必ずサービス評価というのがついて回るようにならなければいけないと思っていますけれども、この介護保険についてのサービス評価、事業者に対してのサービス評価はどんなふうになっていますでしょうか。

○若林保健福祉部長 介護保険制度下におけるサービス評価につきましては、現在、高齢者施策推進室におきまして、平成十一年七月に東京都サービス評価制度検討委員会を設置いたしまして、介護サービスの質の向上や経営改善への支援、情報の透明性の促進を図ることを目的に、検討を進めてきているところでございます。
 平成十二年度におきましては、介護保険制度の導入の初年度ということで、在宅及び施設サービスにおいて、制度動向や利用者動向を把握するため、利用者の満足度調査を行い、状況の把握に努めていくこととしております。
 今後、大都市東京の地域特性に応じたサービス評価の仕組みを、国に先んじて構築していきたいというふうに考えているところでございます。
 なお、国においても、評価基準など、仕組みづくりの検討が進められていると聞いておりますので、必要に応じまして、都の検討結果を伝えていくつもりでございます。

○藤田委員 これからというところだということでございますけれども、ある意味では、こういうふうに「明日のふくし」などにも書いてあります。行政がコントロールする福祉のシステムは制度疲弊が起きているので、それを変える時期にあるというふうになっているわけですけど、必ずそこには、先に評価といいますか、そういうことが出てこないと、後からどうしても追っかけ、追っかけということになろうかと思いますので、これについてはぜひ早急に、前倒しでもして、サービス評価のことはやっていただきたいというふうに思います。
 それで、その間にも、とにかく苦情は山盛りいっぱい来るわけです。実際には、制度としては都の管轄で、国保連の中で、この苦情処理に当たるわけでありますけれども、その前に、おおよそすべて大きなところはもう解決されて、最終、非常に込み入った問題については、この国保連のところまで来るのであろうかと思いますが、実際にこの苦情処理がどんなふうに円滑に解決をされているのか。
 国保連からも、この「東京都における介護サービスの苦情相談白書」というようなのが出ておりまして、やはりそこに来るまで、区市町村でおおよそ解決しているというような状況が、ここの中に書かれておりますけれども、やはりここには、それぞれのサービスの受け手、それから介護者、それからケアマネジャーがいて、またそこに事業者がいてという、非常に込み入った中での苦情だと思います。この苦情の処理の実態についてお尋ねいたしたいと思います。
 そして、さらに、それぞれの市区町村では、オンブズマンなどのようないわゆる第三者機関も検討しているというところもたくさんあるかと思いますけれども、そんな状況についてお尋ねをしたいと思います。

○吉川介護保険室長 介護保険に係る苦情処理の実態についてお尋ねがございました。私の方からは、そのオンブズマンのところを抜きまして、苦情処理の実態をお答えしたいと思います。
 先生のお話にございましたとおり、利用者本位の仕組みとしてつくられた介護保険制度におきまして、利用者の方々の声を、保険者はもちろんでございますし、私どもも真摯に受けとめていくということは極めて重要であるというふうに思っております。
 そういう意味で、東京都は、区市町村である保険者と、専門的相談機関である東京都国保連合会、それと私どもということで、介護サービス相談窓口担当者連絡会というネットワーク化を図りまして、相談に対応しているところでございます。
 十二年四月の制度発足から九月までということで、六カ月間での苦情の総件数は、五千三百九十七件ございました。区市町村の方へ寄せられた苦情は四千九百三十一件、国保連合会の方が百六十五件、私ども東京都へ参りました苦情が三百一件ということで、それぞれで対応したところでございます。

○若林保健福祉部長 苦情解決専門員制度のオンブズマンの実績についてのお尋ねでございますけれども、私どもとしましては、平成十二年度から、高齢者いきいき事業、都の包括事業を実施しているところでございます。区市町村の選択事業ということで、苦情解決専門員の設置ということで実施しているところでございますけれども、現在、大田区、足立区、葛飾区、それに町田市と、この三区一市で専門員を実施しているところでございます。

○藤田委員 最後に、私はもちろん、介護の基盤がきちっと整わなければ進めるべきではないという立場におりますけれども、地域の中で皆さんのご意見を伺いますと、家族サービスについてどういう評価をしていくのかというようなことがやはり出てきます。
 もちろん、これは、例えばドイツの例を見るまでもなく、実際に基盤が十分整備された上で、では介護保険を入れたときに家族サービスをどういうふうにお金として換算していくのかということになるわけでありまして、始まったときに、家族サービスもすべて計算に入れろというようなことも声が上がりましたけれども、これは、介護の社会化ということを考えたときに、なかなかそれは私は納得いかないところなんですが、こんなところは現在話としてどんなふうになっているのか、ちょっと最後に局長に伺って、お考えでもいいですが、東京都の考え方というようなことでも結構でございますので、お話を伺いたいと思います。

○前川高齢者施策推進室長 これから高齢化が一層進展してまいるわけですが、その中で本当に必要な介護保険サービスを利用者が選べて、そして地域の中で安心して暮らせると。これを実現するためには、今お話がありましたが、私ども、やはり第一には、その利用者が選べるような十分な社会的サービスを行政が責任を持って整備する、これが根本であろうと思います。
 ただ、今お話がありましたように、じゃあ、家族は全く、何といいましょうか、らち外でいいのかというと、そういうことはないのであって、やはりそこでは、家族というものが、家族で見たいというときには十分見られるといいますか、そういう側面も必要であろうと。この両面相まって、きちんと機能するように努力をしていきたいと、抽象的ですけれども、そう考えております。

○曽根委員 私から、高齢者の生きがいデイサービス事業について何点かお聞きしたいと思います。
 私の地元の北区にある都営の桐ヶ丘団地の中で、十年ほど前から、保育園の跡を使って、虚弱だったり引きこもりがちなお年寄りのためのデイホーム事業というのが行われてきました。実施主体は北区の社会福祉協議会。これは、お年寄りが自分で通ってくるか、もしくは家族の方が付き添って通ってこられるということを基本にして、趣味の活動や昼食などを一緒にすることによって元気を取り戻すといいますか、生きがいを持って暮らすことができるようにということで始まったものです。
 十年間の活動の中で、例えば、伴侶を亡くした後、ずっと閉じこもりっ放しだった方や、それから、家族と離れて暮らす中で、一日じゅうだれとも口をきかない生活を送っておられるような方が、そのまま放置しておけば、痴呆症や、もしくは病気や寝たきりになってしまう危険性が高いのを防ぐということによって、ここに通うようになって見違えるように元気になったとか、生き生きしてきて、お世話される側からお世話する側に変わっていったなど、私はいろいろ見てきまして、この活動は、地道だけれども、すばらしい成果を上げているんじゃないかというふうに思ってきました。これが、九九年度、この決算をやっている十一年度までの姿なんです。
 ところが、介護保険が始まって、本年度から、このデイホームの位置づけが変わりまして、北区のいわゆる介護予防事業ですか、の一環の生きがいデイサービス事業として位置づけられて、つまり、介護認定の審査を受けたけれども、自立と判定された人のためのサービス施設ということになりました。したがって、介護認定で要介護や要支援の認定を受けた方は、このサービスは介護保険外ですから受けられませんよと。微妙なところにいる方が多いわけですから、要支援の方なんかで、今までここに通ってきていたのが、通ってこられなくなったりしたケースも出ました。
 最も大きな問題としては、利用料金が、それまで食事代の実費三百五十円のみだったのが、介護保険が始まってから、介護保険の中じゃないんですよ、外のサービスですけれども、食事代が四百円になり、その上利用料四百円の合計八百円が一回に徴収されるようになりました。結果として、もう一年近くになりますが、利用者が大幅に減ってしまって、せっかく十年間築いてきたデイホーム事業の成果が台なしになりかねないというところに来ているんです。
 今、施設が移転をするということになって、事業のあり方も見直そうということで、いろいろ練り直しをやっているところなんですが、私は改めて、この九九年度、十一年度までに積み上げてきたデイホーム事業のすばらしい成果の、一番大事なところは何だったのかということを見直す時期じゃないかなというふうに思っています。
 それで、その介護保険以前の、このデイホームでやっていた生きがいデイサービス事業と、介護保険が始まってからの、この国の包括補助も使った、この生きがいデイサービス事業と、対象者や位置づけや補助のあり方や利用者の負担という点では、どういう位置づけの違いがあるんでしょうか。

○若林保健福祉部長 北区立の桐ヶ丘デイホーム事業についてのお尋ねでございますけれども、平成十一年度につきましては、先生ご指摘のとおり、北区の社会福祉協議会が運営主体となりまして、東京都の区市町村高齢者福祉推進事業の補助を受けまして、いわゆるミニデイというふうに呼んでおりますけれども、事業を実施して、東京都が費用の基準額の二分の一、北区が二分の一を負担するということで、北区が社協に運営費を補助するという仕組みで実施してきたところでございます。
 平成十二年度につきましては、介護保険制度が実施されましたので、介護保険の対象とならない方、対象外の方への事業ということになりまして、北区が実施主体となりまして、その運営を社協に委託して実施しているものでございます。
 事業の形態としましては、国が実施している介護予防・生活支援事業の中の生きがいデイサービスということで実施しているもので、国が二分の一の補助、東京都が四分の一、北区が四分の一、そういうことで運営費の補助をして実施してきているところでございます。
 対象者につきましては、これまでの生きがいデイサービスにつきましては、国や都の要綱によりまして、おおむね六十歳以上のひとり暮らし高齢者等で家に閉じこもりがちな者を対象者とするということで実施してきたものでございます。要介護、要支援の認定を受けている方につきましては、介護保険のデイサービスを利用するということになるわけでありますけれども、認定を受けていない方、対象とならない方がデイサービスを希望する場合には、生きがいデイサービスを利用することが可能ということでございます。
 それから、費用の負担のことでございますけれども、これにつきましては、介護保険制度の利用料の負担等、介護保険制度との均衡を考慮しつつ、区市町村が定めるということで実施してきているところでございます。

○曽根委員 私、このミニデイサービスといいますか、これでやってきた事業が、介護保険が始まったことに対応して、それとの仕切りの関係で位置づけを変えた、その変えた発想が、大きな間違いがあると思うんですよ。
 一つは、お年寄り一人一人の状態というのは、この人が介護保険の対象だとか対象じゃないとかいう微妙なラインというのは、いっぱいあるわけです。したがって、認定を受ければ、あなたは介護保険サービスを受けてくださいというふうになるけれども、今まで頑張って、いわば介護サービスを、何といいますか、寝たきりを受けないようにするためにも、今までのサービスを続けて、自分で自力で施設に通ってきた方がいい場合が多いと私は思うんですね。しかし、あなたはこの介護保険サービスの対象だ、こういう仕切りの仕方が一つ。
 それから、利用料金を、介護保険のサービスを受けている人が一割負担なんだから、外側の人も、それに見合ったサービスの負担を受けてくださいというふうにやるやり方。私、違うと思うんですね。だって、サービスの中身は全く変わらないんですから。サービスの内容が変わらないのに、今まで三百五十円だったものが、二倍以上の八百円になるというのは、利用するお年寄りにとっては納得できない話だと思うんです。
 しかも、その方々というのは、多くは、介護保険のサービスを受けられないけど、保険料を払っているわけですよね、今は。だから、保険料を払って、介護サービスを受けないわけですから、いってみれば、そういう方に、介護保険のサービスを受けている人と同じ負担をしなさいというのも、私、ちょっと理不尽だと思うんです。
 もう一つ、ここでの活動の実際の経験を見て思うのは、日本のような場合、まだ生きがい活動というのは未定着だと思うんですね。そういう場合には、介護サービスというように、どうしても受けなきゃならないということがはっきりしているようなサービス以上に、お年寄り本人が、こういう生きがいの活動に、余りお金の心配をせずに通ってこられるようにしなければ、今後地域に普及させるのは非常に困難になると思うんです。
 このことについて、行政の側は、大した負担じゃないと、一回四百円ちょっとプラスになっただけじゃないかと思うかもしれないが、そのことがいかに、その利用するお年寄りの側にブレーキをかけるかということに、もっと配慮が必要だと思うんですよ。
 例えば、北区は所得によって利用料を半分に下げたりしているんですけれども、家族の所得も合算されますので、家族が同居の場合には大抵減額は得られないと。しかし、お年寄りが、じゃあ、家族から気軽に、ここに通うからお小遣いがもらえるかというと、そういう関係にない場合が圧倒的です。自分の年金さえ使うのを遠慮しているわけですから。そういう方が多いわけです。週二回通えば、月に七千円ぐらいになりますよね。したがって、そういうお金を払ってまで通わせる必要があるのかというふうに、家族から、何といいますかね、無言の圧力がかかったり、また、かかるんじゃないかと気兼ねして、お年寄りの側から自分で来なくなったりして、今どんどん利用者が減っている。
 やはり、この活動というのは、介護保険をいわば利用しなくて済むように、お年寄りがいつまでも元気で暮らせるようにするために、その予防として非常に重要な活動だと思うんで、できるだけそこでの本人負担を軽減するという方策が必要だと思うんです。
 それで、改めて聞きますけれども、この料金の取り方というのは、区市町村が定めるとなっていますよね。したがって、例えば北区なら北区が、いや、今までどおり、十一年度までのように食事代のみでやりましょうというふうに決めたとすれば、そのことについて、補助金を出している国や東京都からとやかくいうことはないというふうに考えていいんですか。

○若林保健福祉部長 ご指摘の何点かにお答えしたいというふうに思います。
 一点目の、これまで、通所介護、在宅の方が通う施設のことでの介護保険制度のもとでは、公的な介護保険という制度、仕組みにのっとってサービスの提供を受けるということから、仕組みとしては指定という仕組みをとっているところでございます。介護保険制度の要件を満たしているということになりますので、そこに介護保険の認定を受けた方が介護保険のサービスとして受けるためには、指定を受けていただくという形になりますので、そういう意味からは、指定を受けないままでは、介護保険のサービスとしての利用はできないという形になるわけでございまして、逆に、在宅サービスセンター等が介護保険の指定を受けて、そして対象でない方にサービスを提供するということについては、それは制度としては実施できるわけでございますので、そういう意味では、その二つの施設についてはそういう違いがあるわけでございます。
 それから、利用料についてのお尋ねでございますけれども、利用料につきましては、生きがい活動支援通所事業ということで、一割を負担していただくということになっているところでございます。

○曽根委員 そうすると、先ほどのお話では、利用料については、区市町村が割と裁量で決められるというふうなお話だったんですが、実はそうじゃなくて、やはり一割負担が原則で貫かれているよということになるんですかね。それが一点。
 それから、もう一度確認しますが、要支援の認定を受けたりした方が、じゃあ、引き続きここに通いたいから、介護保険外のこの施設に通うことが、正式に、これは北区の事業ですから、北区が認めることができるということですか。
 二つお答えください。

○若林保健福祉部長 一点目の、介護保険と同じサービスを受ける場合につきましては、一割相当の負担をしていただくということでございます。
 それから、二番目の、利用が可能かどうかということでございますけれども、それについては、利用が可能でございます。

○曽根委員 自分で通うということが原則の施設ですから、それが可能な人ということにもちろんなるわけですが、要支援の方ならば、歩ける方いっぱいいますので、それが可能であるということは、一つやはり改善になると思うんですよ。
 ただ、利用料金については、私、先ほどもいいましたが、介護保険サービス自体の利用料だって、私どもがかねてからいっておりますように、高過ぎる、一割負担というのは。ましてや、この保険外のサービスを受けている方にとって、金額は、そんなにばかみたいに高いということはないですけれども、しかし、これがやはりブレーキになるということですので、やはり改善をすべきだということを申し上げておきたいし、北区の事業なんですから、その辺の裁量を認めるような方法で、制度の改善をお願いしたいと思います。
 もう一つは、都の補助額のことを北区に問い合わせると、いろいろ支障があるんだというふうに聞きました。それは、補助額が頭打ちになるんだという話なんです。北区の場合、高齢者が五万人を超えて、かなりふえているんですが、この場合、この生きがいデイサービス事業の補助限度額というのはどれほどになるんでしょうか。

○若林保健福祉部長 本事業に対する区市町村に対する配分額、補助金の配分でございますけれども、六十五歳以上の人口規模によって決められているところでございまして、人口五万人以上の自治体につきましては、国基準では二億二千五百万ということになっております。

○曽根委員 聞くところによると、五万人以上になると、あとはどれだけふえても、限度額がその額で頭打ちだということらしいんですね。北区というのは、そういうふうに限度額が頭打ちになると、途端に、利用者がふえることを警戒し始めるんですね。福祉に大変冷たいものですから。
 ですから、私、基本的には、補助額も、利用者がふえていけば、それに見合って出せるように、枠を広げる必要があるんじゃないかと。国の補助を簡単に変えるということは難しいとしても、例えば、この事業に都の単独で、今行っている包括補助を足して、補助額を増額するというようなことはできないんでしょうか。

○若林保健福祉部長 東京都の包括補助制度での高齢者いきいき事業につきましては、区市町村が地域の実情に応じてさまざまな事業を展開できるように、各種事業をメニュー化して包括的に補助する仕組みになっているわけでございますが、現在、介護保険制度など、他の公的制度の対象となっている事業や、他の補助制度で補助を受けている事業などにつきましては、対象外としているところでございます。

○曽根委員 つまり、国の包括補助の対象となった事業は、今、それそのものには都の単独の包括補助事業は適用できないと、ダブルで補助はできないということですね。
 ただ、いろいろ工夫のしようはあると思うんですね。例えば、ここでは、そこで食事も出しているんですが、今いろいろ検討している中で、施設が新しくなって厨房も広くなるので、そこを拠点に配食サービスを、ほかのデイサービスに供給したらどうかという話があるんですよ。というのは、この桐ヶ丘のデイホームの活動に学んで、区内の各地域で、二十何カ所もミニデイサービスが始まっているんですね。ただ、一番難しいのは、食事を出すのが難しいと。つまり、厨房の施設があるところが少ないんで、集会所を使ったり、自宅を使ったりしているんですが、その食事が、ここを拠点に、区内あちこちに配食できるとなれば、もっともっとこのデイサービスをやりたいという人はいるという話を聞いたんですよ。
 今、定年退職しても、何か地域の役に立ちたいという人はどんどん出てきていると。それを促進するためにも、そういう配食サービスをやったらどうかという話もあるんですね。この配食サービスを、例えば別事業として、それに補助するというようなことは可能なんじゃないでしょうか。

○若林保健福祉部長 私ども、税金を使って事業を実施しているところでございまして、一つの事業、同一のところに二つの公的な資金が入るということは好ましくないということから、他の制度で補助を受けている事業については対象を除外するということで、仕組みをつくっているところでございます。
 先生ご指摘のように、区市町村におきましては、いろいろ工夫をしまして事業を組み立てているところでございます。ですから、具体的には、そういうような案を含めまして、先生がご指摘のような案を含めまして、区の方から実際に全体像をお示しいただいて、その上で私どもも検討していきたいというふうに考えているところでございます。

○曽根委員 可能性がありそうなんで、そういう工夫をしたときには、かなり柔軟にやってもらいたいんですよ。
 最後に、一番気になる点なんですが、国のこの包括補助は、今のところ期限なしで出ているんですよね。ところが、都の包括補助は、財務局から厳しく期限つきだと。私が質問しても、やはり期限つきだという答弁が出ているわけです。これは、やはり国でさえ、介護保険の周辺の、いわばすそ野といいますかね、こういうところの状態にいるお年寄りが介護保険にどんどん入り込んでくると、保険サービスそのものがパンクするかもしれないと。それの手前で、介護サービスを受けなくていいような、いつまでも元気に暮らせるようにという、この事業のあり方については、重視していると思うんですね。
 ですから、東京都も、同じような対象の方にいろんな意味で事業をやるわけですから、やはりこの包括補助は少なくとも恒常化して、本格的にできるようにするというふうに、もっと財務局とかけ合って頑張るべきじゃないかと思うんですが、最後にこの決意をお伺いして、終わります。

○若林保健福祉部長 高齢者いきいき事業につきましては、区市町村が創意工夫していろんな事業に取り組んで、在宅サービスのメニューをふやしていくということで、極めて区市町村が高く評価をいただいている事業でございます。基本的には、サービスメニューをふやしていくということから、立ち上がり経費といいますか、事業実施に係る経費を補助していくということを考えているところでございますけれども、加えて、実際には、事業を継続していく経費についての要請といいますか、要望もあるわけでございます。
 私どもとしましては、区市町村の取り組みを支援するために、事業の継続に向けて、これまでも努力してまいりましたけれども、引き続き努力してまいりたいというふうに考えています。

○立石委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 高齢者施策推進室関係の決算に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○立石委員長 異議なしと認め、高齢者施策推進室関係の決算に対する質疑は終了いたしました。
 以上で高齢者施策推進室関係を終わります。

○立石委員長 これより財務局関係に入ります。
 財務局関係の決算については、既に説明を聴取いたしております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○碇山経理部長 先日の当委員会におきましてご要求をいただきました資料九件につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。資料第1号、中小企業受注実績でございます。
 工事関係と物品関係それぞれの契約区分につきまして、平成七年度から十一年度の全企業の受注件数と受注金額及び、そのうち中小企業が受注いたしました件数と金額、これを対比させまして、構成比率を下段にあわせてお示ししたものでございます。
 次の二ページ、資料第2号、都内区市町村の公共工事におきます予定価格の事前公表実施ないしは試行団体でございます。
 平成十二年十一月一日現在で、千代田区ほか合計八団体が、工事予定価格の事前公表を実施もしくは試行しておりまして、それぞれ予定価格の対象範囲と、実施または試行を開始いたしました時期を記載してございます。
 次に、三ページ、資料第3号、談合防止に関します措置及び談合情報の取り扱いでございます。
 ごらんのように、1にございますように、東京都の談合防止に関する措置でございますが、上段の表の左の措置の欄にございます、指名の取り消しや契約の解除、指名停止措置等の措置につきまして、真ん中の欄にお示ししたように、具体的な内容を、右の記載書類欄にございますように、競争入札参加者心得、標準契約書あるいは指名停止措置要綱にそれぞれ明示してございます。
 2の談合情報の取り扱いでございますが、東京都では、契約の公正かつ適正な執行を図りますため、発注いたしました契約に関する談合情報について、談合情報取扱要綱を定めておりまして、お示ししましたフローによりまして対応しているところでございます。
 続きまして、四ページ、資料第4号、公営企業会計支出金の決算額推移でございます。
 病院、中央卸売市場、工業用水道事業の三会計に対します一般会計からの公営企業会計支出金につきまして、平成七年度から十一年度までの各年度におきます予算現額、決算額、不用額を、それぞれの会計ごとに記載したものでございます。
 次に、五ページ、資料第5号、宝くじ収益金及びその使途の推移でございます。
 平成七年度から十一年度までの宝くじ収益金と、収益金が充当されました公営住宅建設その他の事業区分ごとの充当額を記載してございます。
 次に、六ページ、資料第6号、都有地の管理、処分の動向でございます。
 (1)でございますが、東京都が保有します、すべての土地の面積及び財産台帳価格につきまして、一般財産、準公営企業会計財産、公営企業会計財産の区分ごとに記載したものでございます。これらの合計は、合計欄にございますとおり、面積が三億三千二百九十四万五千平方メートル、台帳価格が八兆四千六百三十七億四千百万円でございます。
 (2)は、財務局所管の用地会計で取得いたしました土地の平成九年度から十一年度の実績について、面積、金額を記載したものでございます。
 (3)でございますが、土地バンクに登録しております未利用の都有地のうち、五年以上十年未満のものと十年以上のものに分けまして、それぞれの十一年度末現在の件数と面積を記載したものでございます。
 (4)でございますが、平成九年度から十一年度に財務局が行いました土地の売り払いにつきまして、公募による売り払い、それと、その他として、一般競争入札や随意契約等によります売り払いにつきまして、それぞれの件数、面積、金額を記載したものでございます。
 続きまして、七ページ、資料第7号、本庁舎の清掃その他業務委託の状況でございます。
 平成七年度から十一年度までの各年度におきます本庁舎の維持管理に係ります委託契約につきまして、清掃委託、建物総合管理、エレベーター保守管理、その他の区分ごとに決算額を記載したものでございます。
 次をおめくりいただきまして、八ページ、資料第8号、本庁舎の上水及び中水の利用状況でございます。
 平成七年度から十一年度につきまして、上水及び中水の使用量及び決算額を記載したものでございます。
 十一年度の実績は、一番右の欄にございますとおり、使用料金について申し上げますと、上水の使用料金は五千四百万円、中水の使用料金は三千百万円でございます。
 次に、九ページ、資料第9号、本庁舎の省エネ対策と実績についてでございます。
 1の主な対策に、平成七年度から十一年度までの間に取り組んでまいりました本庁舎の省エネ対策の主なものを記載してございます。
 2の実績には、これらのうち、光熱水費につきまして、電気、上水道、地域冷暖房、それと合計の区分ごとに、上段に決算額を、また下段に対前年増減額をそれぞれお示ししたものでございます。
 十一年度実績は、一番下の欄にございますとおり、合計で申し上げますと、十年度実績に対しまして、十七億八千八百万円で、九千四百万円の減となっております。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○立石委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより質疑を行います。
 発言を願います。

○小礒委員 それでは、お尋ねさせていただきたいと思います。
 まず一点といたしまして、各事業の、それぞれの廃止、中止、事業の見直し、これは各年度出てきているわけでありますが、ちなみに、平成九年度からは八事業、追って十年度は十六事業、十一年度は十八事業、そして十二年度は総計で七十七事業ですか、いずれにいたしましても、年度を追って事務事業の見直し、廃止、中止が非常に多くなってきている状況があります。
 確かに、スクラップ・アンド・ビルドという観点に立ってみれば、当然に見直しをしなきゃいけない事業はあろうかと思いますが、この中で、資料をいただきまして、これが果たして中止せざるを得ない事業なのかどうなのか、都民の立場に立ってみて、よく理解できない部分がありますので、この考え方について、お聞きしたいと思います。

○成田主計部長 私ども、財政運営を行うに当たりましては、社会経済情勢が厳しく変化する中におきまして、都の行うすべての事務事業につきまして、聖域なく見直しを行っているところでございます。
 そして、その場合の見直しの視点でございますが、現在都では、財政再建推進プランに基づきまして、すべての施策につきまして、一つ、施策及びサービス提供方法が時代変化へ適応しているか、二つ、民間または国及び区市町村との役割分担の明確化、三つ、事業効果と財政負担の均衡の確保、四つ、行政コストの最小化など、あらゆる角度から精査、点検を行いまして、事業の廃止、休止等の見直しを行うとともに、必要に応じて再構築を図っているところでございます。

○小礒委員 私、先ほど、八年度から十二年度まで、廃止、中止になりました事業の数につきまして出させていただいたわけでありますけれども、これを全部やるには時間がありませんので、とりわけ何点かですが、まず、今お話がありましたように、役割が終了もしくは低くなった、目的も一定的に達したというお話もございましたし、区市町村との役割の分担の明確化とありました。それ、前後いたしますけれども、区市町村との役割の明確化、かなりこれ、数があります。
 これは、私の地元市になりますけれども、聞く中で、東京都から移管という形で、非常に重くなってきている。これは、先ほどから、廃止、休止の事業数が、いわゆる毎年数が多くなるに従って、当然、地元の区市町村の負担も大きくなっていることも事実なんですね。それはそれとしておきまして……。
 また、都としての役割が終了もしくは低くなっているということでありますが、幾つかある中で、例えば、現在、大気汚染、水質汚染、さまざまないわゆる環境問題がありますが、この環境経理簿関係につきまして、一たんは中止になり、また予算がついたり、また、モニター試行制度が廃止になっている。または、さまざま、高度汚染地域の実態把握。これは、また別の局のところに、私は土壌汚染について要望いたしたわけでありますが、これが一定的縮小にもなっているし、廃止にもなっている、モニター制度でありますけども、地域の実態把握。
 それと、いこいの水辺整備事業。これは、都民生活を行う中で、やはり、いやしの空間といいましょうか、まさに憩いの場所として、要望事項は少なくないのではないかと私は思うんですね。この中で、先ほどのお話の、事業の見直しという一つの視点の中でどうなのか。
 それから、もう一点は、母子保健サービスでありますけれども、これは現在、庁内の方に移ったという説明もあったわけでありますが、実際この母子健康サービスのあり方は、非常に今日的に強まっているのではないかと私は思うんですね。保健所の方にも問い合わせいたしましたし、いろいろ聞き取りもいたしましたが、現状として、これを一定の見直しをして、どのような成果が現実としてあるのかどうか、そのあたりどうなんですか。

○成田主計部長 ただいまの小礒委員からのご質問は、大きく分けて三つあろうかと思います。
 一つの、まず環境関係でのご質問でございますが、先生の方にお渡ししました、十二年度予算で一応廃止した事業の中で、高濃度汚染地域の実態把握、これは一応調査が終了したものでございます。
 また、環境経理簿モニター試行調査、これは、CO2とか、そういう大気汚染あるいは環境汚染、そういったものを、いわば家計簿という形で、都民の方にも理解しやすい形で進めていこうというものでございますが、これらにつきましては、そのモニターに対する試行、そういったものが終了したということでの事業終了でございます。
 また、二番目は、いこいの水辺整備事業でございますが、これにつきましては、ご案内のように、中小河川の整備の場合に、現在最も重要なのは、洪水から都民の命、財産を守ると。そういう治水安全度の向上、これが最優先で図られるべき事柄だろうと思います。それと比較したときに、例えば河川の遊歩道や散策路、あるいは休憩所の設置、緑化、こういったいわばアメニティーの向上を図るもの、こういったものについては、やはり現在の財政状況等の中では我慢していただくことも必要かなということで、このいこいの水辺整備事業につきましては、財政再建プランの期間中の事業の休止という形で位置づけられているところでございます。
 また、最後の母子保健の関係でございますが、これは、母子保健の関係で、これまで庁外にございました母子保健の相談センター、その機能を本庁の方に持ってまいりまして、本庁の母子保健の施策と一体となった事業展開を図っていくと。そういった中で、先生の方、資料でお渡ししました中では、事業の、これは廃止といいますか、統合という形で整理させていただいたところでございます。

○小礒委員 今お話しの、優先度及び調査が一定的に完了したと解釈いたしますが、これは私も各局回りまして、独自に調べましたけれども、例えば環境協力モニター、また高濃度の汚染地域の実態把握、これは今後も当然にして、高濃度、いわゆる土壌も含めて調査し、実態把握をしていかなきゃいけない必要性というのが非常に高まってきている状況の中で、これはどうしても、やはり財政当局の方で理解してもらえないか。
 それから、もう一点は、水辺の事業でありますけれども、これをたくさん--百幾つの中の一つでありますけれども、いこいの水辺整備事業について、確かに治水的な整備は、これはもういうまでもないわけでありますけれども、しかし、一定的に整備をされ、またその時間が経過した中、周辺環境というさまざまな部分で、地元のいわゆる行政庁の方からも、役所の方からもやはり要望があり、さまざまな要望があったところが、ほとんどこれが実現でき得ない部分があるんですね。これはもう、すなわち担当局はやりたい、しかし、財政の上でだめだ、こういうことですね。
 それと、もう一点は、イベントが一律カットになりましたね。ところが、花火が復活しましたね。これはどういう理由ですか。

○成田主計部長 イベントにつきましては、この間の施策の見直しの中で、多くの事業につきまして、その縮小、廃止を図らせていただいたところでございます。
 その中にありまして、花火の問題につきましては、これは、地元の関係区からの強い要望と、それが、その地域のみならず、東京全体の観光振興にも寄与していくということ。特に、昨今の景気の厳しい低迷の中で、やはり都民の皆さんの気持ちも落ち込んでおります。そういった中で、やはり都民の皆さんに元気をつけて、生き生きとした東京をつくっていこうという部分。これはちょっとあれかもしれませんが、そういうやはり都民の、あすの東京にかける、そういう強い要望、そういうのを踏まえて、その部分につきましては継続させていただいたものでございます。

○小礒委員 イベント一律カットというようなことで、新聞にも一時報道されましたけれども、私は、今お話しの中の、やはり花火は、その連綿とした歴史の中の伝統であるし、都民の皆さんが喜んでくれるわけでありますから、これはいいと思うんですよ。
 今のお話のように、強い要望があったっていったって、ほかのイベントだって、そんな低い要望ではなかっただろうという感じがするんですね。用地を買収しなきゃいけない、活性化させていかなきゃいけない、さまざまな創意工夫をして汗をかいてきたところも、そこはもう有無をいわさずカット。じゃなくて、やはりもっと精査をしていただきたいと思うんですね。
 イベントについても、花火の復活は、私はやはり歓迎している一人ですよ。でも、ほかのイベントの方も、やはりそれなりに理由もあるし、強い要望が出されているところもあると思いますので、それらのこともやはりお考えいただきたいと思います。
 それと、これは平成七年から、七年十一月十七日に都市計画決定をいたしました、多摩ニュータウン広域循環型中水道事業の中止でありますが、この中止の理由はどうなんでしょうか。

○成田主計部長 多摩ニュータウンの中水道事業についての中止の経緯でございますが、これにつきましては、まずこれは十二年度予算で決定されたものでございます。一応それをあえてお断りした上で、ご説明させていただきたいと思います。
 多摩ニュータウンの広域循環型中水道事業は、リサイクル型都市の形成を図るために、下水道処理水を活用しまして、大規模な商業・業務系施設のトイレ用水を供給しようとするものでございますが、バブル後の景気の動向等を反映いたしまして、同多摩ニュータウン地域への大規模商業・業務施設の進出が長期にわたりまして低迷しており、需要と供給の乖離が著しいことから、事業の採算性が全く見込めない状況にございました。
 もう少し具体的に説明させていただきますと、当初は、計画水量が一日当たり一万五千トンに対しまして、確実な需要量は七%の千トンにすぎなかったわけでございます。また、この計画を縮小しまして、日量三千トンにすれば、建設費は当初の約二分の一になりますが、この見直し案をもとに、開発の進展により、需要量がその後、毎年二%ずつアップすることを見込んでも、この供給開始後、長期間にわたりまして、毎年三千万の赤字が発生し、これが二十年間で累積しますと、約六億六千万に上ると試算されたところでございます。
 また、現在の経済状況では、この試算の前提の二%という需要量が本当に見込めるかどうか、不透明でございまして、施設完成後の経営の主体となる下水道局も、引き受けられる状況にはないとしていたところでございます。
 こうした状況から、既に二十八億円の経費を投入してございますが、事業を継続すれば、建設費にさらに三十二億円が必要となる上に、供給開始後も、一般財源によります多額の赤字補てんが必要となる。また、一たん事業を開始した後の事業撤退は一層困難であると。そういう判断のもとに、多摩都市整備本部、それから下水道局とも十分協議の上、事業を断念することとしたものでございます。

○小礒委員 随分ご丁寧にご答弁いただきましたので、どうしようかということなんですが、もう一度質問させていただきます。
 平成七年から八年、そして年度を追って、事業計画、用地取得、いわゆる工事着手、計画的に進んできておりましたので、この問題を、決算でありますから、取り上げさせていただきました。
 その中で、今お話しのように、バブル期、バブルが崩壊したということでありますが、当該の地域は、首都圏整備計画の中の位置づけ、そして東京都の多摩の心しん構想の中の計画上の位置づけ、そして業務核都市の位置づけ。この業務核都市は、東京都が調査して、一定のまちのいわゆる計画を立案するんですけども、これをしていないのが、実は東京都なんですよ。
 今、部長がいわれるように、これは採算ベースに合わないというけれども、七年の計画決定をする中で、さまざまな検証や、これに対する事業のいわゆる検討を加えながら、これを立ち上げたと思うんですね。七年、八年、九年、当たり前ですけど、年度を追ってきまして、なぜいきなり中止にしたかということを、まずお尋ねしたいんです。

○成田主計部長 ただいま、先生、いきなりとお話がございましたけども、私どもとしましては、この七年、八年以降の動きの中で、十一年度予算の編成の中で、現在のような経済環境の中では、この中水道事業の事業の採算性がどうなるのか、これを再度点検しようと。そういう形で、一年間、私ども、多摩都市整備本部等々と、この事業の採算性等について議論をさせていただいたところでございます。
 そうした一年間の議論、検討の中で、この十二年度予算編成の中で、やはりこの事業の採算性については難しいと。また、将来、その施設の管理運営をバトンタッチする下水道局においても、この事業の採算性について、なかなかそれについて肯定しがたいという中で、先ほど申し上げましたように、この下水道事業の断念に至ったわけでございます。

○小礒委員 私がいきなりといったのは、要するに、先ほどいいました年度を追ってきた。いうまでもありませんけれども、バブルがいわゆるはじけたといいますか、景気が一気に悪くなってきた年度は、十二年や十一年じゃないと思うんですよ。
 それとともに、いわゆる中止に伴って、本年三月に、国に対して補助金を返却しなきゃなりませんね。このあたり、どうなんでしょうか。都市基盤整備公団にも負担金を求めて、これも返さなきゃいけない。とりわけ、国からの補助金を獲得する中で、この事業の必要性、これは、東京都として当然にしてさまざまに説明をし、そして最終的に国からの補助金が獲得できた事業ですよね。これについて、都が一方的に中止をするということ。
 これはまた、地元市にとっても、いきなりではないと今お話があったけども、実際、私たち地元のいわゆる市なり地元から見ると、いきなり中止というようなとらえ方だったんですよ。
 こんなことを含めて、国にどれだけ返却しなきゃいけないのか。公団には、どの程度の負担金を返さなきゃいけないのか。

○成田主計部長 今回の中水道事業の廃止によりまして、国の方に対しましては、既に受け入れ済みの国庫補助金約十一億円の返還が必要になります。
 また、都市基盤整備公団の負担金約四億七千万につきましても、返還する必要はございますが、私ども、この事業の将来性を考えたときに、また将来の赤字の補てん等を考えたときに、この現時点におきます、こうした国庫補助金等の返還を勘案したとしても、トータルで考えた場合には、財政負担が少ないということで判断させていただいたところでございます。

○小礒委員 いや、私はそう思いませんね。大変なこれはむだであります。
 それはどういうことかと申し上げますと、いわゆるこの節水型循環システム構造の中水道、中水道の送水管約八キロ、配水管二・八キロ、これは、今お話しのように二十八億円が投入されたということであります。
 じゃあ、これ、一体どういうふうに使うんですか、中止にして。もっと早く、見直しができたということをいって、地元にも周知する期間があったことも、これは私どもははっきりといえると思うんですね。それとともに、これをどうやって中止、いきなりもう中止だといって、どのようにされるおつもりだったんですか。
 これは、もう少し進めます。
 これは、南多摩処理場から八王子方面に向けて、三市にわたって計画がなされたわけでありますけれども、ところどころ、とりわけ四カ所ですね、もう切れているんですね。
 せんだって、下水道を利用して光ファイバーを通しましょう、また、ここもどうか、さまざま提唱があったんですよ。財務がどうしてもやはりだめだ、中止だということで、特定的に、これはもう一切こういうことをやらない。非常に厳しい、特定的な、やはりこれは廃止でありますから。
 であるならば、この二十八億円、また都の一般財源の十億七千万、先ほど国庫は十一億といいましたが、十一億二千万円でありますけれども、とりわけ東京都の一財、十億七千万、これ、どう使うんですか。管が埋まっているだけですよ。管が埋まっているだけ。ですから、ここまで進まないうちに、なぜ先々の見通しを立てて、見直しをもっと早くしなかったのか。
 それと、もう一点は、ここまで進んできたら、中止は中止としても、一年間、今お話で、検討したということならば、これの再利用。少なくたって、二十八億円のうちの十億七千万投入しているわけでありますから。これは何にも使えませんよ、はっきりいって。ところどころ、四カ所、全部寸断されてしまっているわけだから。どうするんですか、これ。

○成田主計部長 事業の見直しがより早い時点で行われていればというご指摘につきましては、私の方としても、より早い時点といいますか、それについては考えるところがございます。
 ただ、やはりその事業の見通しが難しい、不可能になったといった時点で、そこで事業の見直しに踏み切るのも、一つの勇気かなと思っているところでございます。
 また、先ほどの既設のパイプ等の活用につきましては、これは先日の多摩本部の委員会等の中でも、多摩本部の技術サイドの方でもいろいろ研究をしているようでございます。私ども、そうした多摩都市整備本部の研究といいますか、そういうのも十分注視していきたいと考えております。

○小礒委員 十億七千万、地下に埋めておくんですよ。何の使い勝手もなくて、老朽化になってしまって、十億七千万ですよ、これ。税収上げるには大変だ。
 それと、もう一点は、東京都の基本的な計画が進んでいれば、中水道は採算ベース合うんですよ。それから、前の知事じゃないけれども、いわゆる循環型の時代到来の中で、一定的に財政負担をするのはもう当然の話だ。
 ところが、ある程度中途半端な形で進めておいてですよ--これをだから認めてきたのは主計部でしょう、今までずっと。予算を認めてきたわけじゃないですか、七年からずっと。そして、今ここまで来て、どうしようも、何のあれも使えない、この管は。何てことないです、これ。いわゆる多摩本部はやりたかったんですよ。もう少し進めたかった。せめて、この四カ所の部分はやりたかった。これは、あなたたちが有無をいわさず切ったんだよ。それを今、部長は、今度は、多摩本部の技術に任せる以外ないと。これは、技術に任せる以外はないっていったって、これをつなげていくにも、これは大変なまた経費がかかりますよ、実際問題として。
 ですから、やはりもう一度いわせていただければ、これはすなわち、先々のことを見通して予算をつけてきた、そしてまた、勇気を持って切るんだったら、もっと早く勇気を持ってやればよかったじゃないですか。どうしようもなくなった状況の中で、勇気を持ってやったんだと。そして、十億七千万も何でもないの、これ。何の使い勝手ないですよ。モグラがそこに入るかどうか、よくわからないけども、寒くて入れないでしょう、ここだって。
 いずれしたって、このことにつきまして、やはり単に切るだけではなくて、こっちのとらえ方が一方的かもしれませんけれども、ただ切るだけじゃなくて、長期的な税収増を見込むにはどうしたらいいかという観点に立ってみても、やはりもう少し精査していただきたかったなという感じがいたします。
 それともう一点は、続けさせていただきますが、私は、基本的には、事業執行及び事業につきまして、反対ということをいうつもりはございません、前段でいいますが。臨海部の、港湾局、そして建設局、この中で、例えば今、沈埋トンネルを一つの例、挙げさせていただければ、一千七百五十億ですね。このいわゆる道路整備、今後、この計画が進む中で、どのぐらいの予算がかかるんでしょうか、主計として。もう十三年度が始まりますからね。

○成田主計部長 ただいまお話のございました臨海道路沈埋トンネル第一期工事部分につきましては、このほど終了したところでございます。

○小礒委員 要するに、それは一工区でしょう。これから二工区始まるんでしょう。そうすると、よくわからないけれども、正確なところわかりませんが、少なくとも三千億円以上かかるでしょう。
 それともう一点は、いいですか、これは私は、やっぱりやるべきことはやるべきだという前提で先ほどもいっているつもりなんですが、高潮、橋梁、それから臨海都市基盤整備、市街地再開発。市街地再開発だって、総額六千億かかる。それから橋梁も、現行もそうだけれども、十三年度も相当数かかってくる。臨海都市基盤整備だって、十二年度に五百八十九億円。橋梁関係では千九百億円、高潮でも百四十億円ですかね。さまざまに、これは必要だからかけているという認識は当然あります。ありますが、余りにもこの査定の中で、先ほどの中水道の問題もそうだけれども、またイベントの問題もそうだけれども、さっきいいました、十二年度は七十七カ所の事業見直しを踏まえてと。しかし、やはりどうもバランス性を欠いている部分もあるのではないかなという感じが実はするんですよ。集中的に投入する必要性も確かにあるかもしらぬけれども、しかし、それにもっと説得性を持たしてもらえませんかね、我々にも。
 何でもかんでも反対--きょう、私は、朝、街頭演説をやってきまして、その横に、狭い道路に十トン車トラックがもうひしめいて、また、あかずの踏切、両方から。もうそれこそディーゼル車の排出ガスなんというもんじゃない。もうすごいものです。立ってしゃべったって、せき込むぐらいすごい。こういうところは全然予算つけないじゃないですか、局がいっても。
 それともう一点は、用地買収費は、今いった当該の地域は優先的に入っていますよ。例えば、多摩川中流部だってどうですか。是政橋だって、もう長年の懸案、何もやらないでしょう、これも。そして、多摩川原橋はやっとつきましたよ、改良工事が。改良工事ですよ、それは。飽和状態になっている狭い道路、あかずの踏切、用地買収をしてくれっていったって、みんな切られちゃっているから、何もできないんですよ。そしてこの数字だと、バランス性欠いていないですかね。そのあたりどうなんでしょうか。

○木内財務局長 お話、財政運営の根本といいますか、基本にかかわることでありますので、私の方から答弁をさせていただきたいというふうに思っております。
 私はこういうふうに思っております。行政の行う仕事ということの中では、やってはいけないことというのは非常に少ないんだろう、できればやりたいということが多くのことなのかもしれないなというふうに思っているところでございます。
 しかしながら、一つとして、社会状況、時代状況が変化する中で、ひょっとすると、かつてはやっていることが正しいことが、今の状況の中では見直すべきものというふうに位置づけられることもあるでしょうし、さらには、残念ながら財政状況が悪化する中にあって、優先性を考えたときにどうなんだろうかというような問題提起。今、二つ例を申し上げましたけれども、そういうこともあるんだろうというふうに思っております。
 そんな意味で、今、先生の方から、バランスを欠く、あるいは精査しろというお話があったわけでございますけれども、中水道についても、私どもとして、この事業については……。(小礒委員「中水道だけじゃないですよ、私がいうのは」と呼ぶ)すべての事業、再開発だとか、あるいは区画整理だとか、道路の整備等々について申し上げれば、先ほどの一点目の視点というよりは、二点目の方の視点であるところの今日の財政状況の中で、残念ながら行うことができ得なくなっていることも確かであろうというふうに思います。
 かつまた、市街地再開発事業なんかについては、時代状況が変化する中にあって、事業として成り立ち得るかどうかという問題提起もされているというふうに思っております。
 そんな意味で、私たちは、ご批判は多々あろうかと思いますけれども、財政運営に当たっては、バランスを欠くことなく、かつまた、事業それぞれについて可能な限り精査を行い、それぞれ所管局と議論を進めている中から、そうした結論をいただき、議会の決定をいただいているものというふうに思っております。
 ご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

○小礒委員 理解してくれといっても、一〇〇%は理解できませんが、いずれにいたしましても、日常生活を営む中で、先ほどもいいましたような排気ガス、多摩だってそうなんですよ、はっきりいって。もうそういう状況があるんですよ、現実。何とかしてくれと何十年いい続けても、予算がつかない。持っていっても切られてしまう。それで、臨海部でこれだけ予算がつけば、都民はみんなそう思いますよ。やはり知らない人は、予算だけまず見れば。さっきのイベントだって、やるべきことは初めからやればいいわけだ、そんなことは。
 いずれにしても、ご理解をいただきたいという話もありましたので、できるだけ私たちもこれから理解するように努めたいと思いますけれども、ぜひひとつ各予算を--これ、今後の課題になるかもしれませんが、住民や都民から余り極端に批判が起きないような形の編成をぜひお願いしたい。予算委員会これからですから、これでとどめさせていただきますけれども、ぜひ強い要望をさせていただいて、終わります。

○立石委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩させていただきます。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十分開議

○立石委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○古館委員 それでは質問させていただきます。
 九九年度は、青島都政にかわって石原都政が都政運営を進めてきた年度であります。青島都政は、ご記憶にありますように、九八年度、都税収入を対前年比六・七%増、四兆六千二百億円というかなり強気な予算を編成して、財政健全化にめどをつけたとしましたけれども、結局、年度途中で、都税収入が当初予算に対して四千四百億円程度の減収になるという見通しが出たことから、財務当局は、この税収不足を、ある意味では、私からいわせれば最大限に利用して、九八年十月に「破綻寸前の都財政」という緊急アピールを都民に出しました。
   〔委員長退席、たぞえ副委員長着席〕
 そして、これに続いて、九九年度の各局からの予算要求の段階で、六千二百億円の財源不足が出る。青島知事は、こういう中で突然、不出馬を表明して、知事選挙で石原知事が誕生したわけですが、石原知事は、財政再建団体になるより、自分の手で、福祉施策の、とりわけ経済給付的な事業などの全面見直しをするという立場に立って、九九年度は、二〇〇〇年度を視野に入れて、次から次へと論立てをする報告書が出されてきた年でございました。
 九九年六月には「危機に直面した東京の財政」、同じ六月には「東京都の福祉施策を考えるⅢ」グリーンぺーパー、そして九九年、翌月の七月、財政再建推進プラン、一連のこうしたものが出されて、二〇〇〇年度を視野に、福祉の全面的な施策の後退が進められてきたと、私どもは理解しています。
 九九年度決算をもとに、財政難の大きな要因、今後の財政運営のあり方に関連して、幾つか質問したいと思います。
 まず最初に、都税収入の減収の要因についてですが、財務局などから出されるいろんなパンフなどによりますと、景気の低迷が長期に続いていることを、大きな要因として挙げております。九九年度の場合でも、このこと自体一つの要因であることは私は否定はしませんけれども、ある意味で一番の要因というのは、法人税、個人都民税などの最高税率の引き下げなどの減税政策にもあるのではないか、このように理解をしておりますが、いかがでしょうか。

○成田主計部長 平成十一年度の都税収入は、一般会計で対前年二千三百四億円の減でございまして、税目別で見ますと、法人二税が二千三百十九億円の減と、最大の要因となってございます。
 これは、ご指摘の、十一年度に実施されました恒久的な減税等の影響も一定程度認められますが、全体といたしましては、長引く景気の低迷を背景とした企業の業績不振によるものであると、税務当局からは聞いてございます。
 ちなみに、十一年度の恒久的な減税に伴う影響額、これは、予算ベースで申し上げますと、個人都民税、法人二税合わせて約五百六十七億円でございます。

○古館委員 それは、十一年度に税制改正があったということで、とりあえず五百六十七億という減税で、いわゆる減収になったわけですよね。これは、最高税率の引き下げとか、そういうところが主でしたから、大企業であるとか、高額所得者であるとか、そういうところに集中的に減税の恩恵が回りました。
 これが平年度化されたらどうなるかといいますと、ここに資料がありますけれども、今いった法人二税、個人住民税など合わせますと、平年度で三千百八十億円の減収になる。そういうのが立て続けに十年間ずうっと続いてきまして、私ども試算しますと、この十年間の、最高税率の引き下げなどを初めとする減収というのは、総額で四兆二千二百二十八億という、極めて規模が大きな、いわゆる大企業や高額所得者などへの減税という形があらわれたということを指摘して、次の質問に移りたいと思います。
 次は、都債の発行についてであります。
 質問の二つ目は、財政健全化計画での、あの当時、五千億規模の発行。これは今でもその方向をとっているというふうに、私は理解しておりますけれども、この財政健全化計画での五千億規模の都債発行とした根拠は何でしょうか。

○成田主計部長 平成八年に策定いたしました財政健全化計画におきまして、都債の発行額を当面、五千億円程度に抑制するという基準を定めておりますが、これは、当時、都債残高が急増している中、起債制限団体への転落を回避するとともに、中長期的に財政の弾力性を確保するため、将来の公債費負担を可能な限り軽減する、そういう基本的な考え方に基づいて策定したものでございます。

○古館委員 つまり、将来の都債発行での公債費負担の軽減ということで、それはそれなりに考え方としては正しいと、私はこのように思っているんですが、五千億の話は、また後でします。
 ところが、そのように定めていながら、九八年度、九九年度の二年連続で、七千億から八千億近いオーダーの巨額の都債発行をしました。これはなぜでしょうか。

○成田主計部長 十年度、十一年度の当初予算では、ただいま申し上げました財政健全化計画の考えに沿いまして、都債について、それぞれ五千億円台の発行に抑制したところでございます。しかしながら、両年度とも年度途中に、都税収入の減収への対応、それから経済対策などの緊急課題への対応などの必要が生じたために、厳しい財政状況の中、他に財源確保が困難であることから、都債の追加計上を行ったものでございます。
 これらの都債が将来の公債費負担を伴うことは避けられませんが、都債を追加発行しないとすれば、その時点で、都が行っているさまざまな施策の中止あるいは抑制を行わざるを得ないことともなります。年度途中で、今申し上げました施策の中止、抑制、そうした方策を選択することは、よほどのことがない限り難しいと考えまして、起債の増発により施策水準の維持を図ったものでございます。

○古館委員 結局、減収といっても、それは余り大した比率ではなくて、経済対策という国絡みのことでかなりの増発をしてきたと、私は理解をしております。
 ところが、それが景気対策として、本当の意味で生きてくればいいんですけれども、去年、二〇〇〇年度末に出た「日本経済の現況」という、経済企画庁の調査局が出した、ミニ白書とも呼んでいますけれども、そこでは、こういうふうに経済対策をやったんだけれども、企業部門でのリストラが続いているため、常用雇用で見た雇用者数は伸びず、失業率も高く、賃金の回復にもおくれが見られていると。最後の結論は、生産、設備投資については、IT関連以外の業種への広がりに乏しく、家計消費も、IT関連以外は伸び悩んでいるものが多いと。つまり、そういうことで景気はよくなっていないということを、経済企画庁も認めているわけですね。
 そういう中にあって、そういう都債の大量発行、五千億というめどが、七千億、八千億というふうに、九八、九九年度の両年度で発行された。そのときの一つの大きな要因の中に、国の直轄事業がありました。目標よりも三千億ぐらい上回るような都債発行の中で、この国直轄事業、道路、河川事業に重点的に都債発行をしてやるということで、とにかく九八年度は、四百四十五億円の国直轄事業の経費が回ってきて、お金がないから、東京都はどうしたかというと、全部都債発行した。九九年度も、国がこういう事業をやるよっていって、これだけ払えといってきたお金が四百五十九億円で、これもお金がないから、都債発行で賄った。つまり、二年連続、過去最高の国直轄事業に対するお金を賄うために、都債を発行したわけですね。これも都債の大量発行の要因になっていると私は思っています。結局は、都民に後年度負担を増大させるものではないでしょうか。ご見解を伺いたいと思います。

○成田主計部長 国、地方を問わず、景気対策は喫緊の課題でございます。そうした中で、国にあっては、景気対策の一環ということで、直轄事業を実施してきたものでございまして、それに対して、現在の制度上は、都としても、地方団体はこうした国直轄事業に対しては一定の負担をせざるを得ない、そういう仕組みになってございます。
 それにより、将来の財政負担ということでございますが、これは、起債の発行により景気の回復を図っていくということと、将来の財政負担と、その両方のバランスの中での判断として実施したものでございます。

○古館委員 これは局が違うので、後で建設局の方にも、この都債発行の問題をいいますけれども、最終的にこの都債残高は、国直轄事業だけでも一千億超えている。私の記憶だと、優に超えていますね。
 ですから、本当にこの問題というのは、単に東京都の問題というだけじゃなくて、国が仕事を押しつけてきて、これを払えと、お金がないから都債発行という、それがやっぱり都債発行を膨らませている一つの要因にもなっているということを指摘して、次に進みます。
 九九年度の都債残高は、それでは幾らでしょうか。あわせて、七千億超の発行が続けば、二〇〇六年、平成でいえば十八年の残高は幾らになると推計しているでしょうか。

○成田主計部長 ただいま、二点のご質問がございました。
 後段の方の部分でございますが、都債につきましては、私ども、公債費の将来にわたる負担に配慮いたしまして、発行の抑制に努めることを基本としてございます。そうした中で、平成十二年度は、最終補正予算後で四千百五十六億円、また、平成十三年度の当初予算は三千五百七十七億円となっているなど、今後、七千億円を超える都債の発行が続くものとは想定してございません。
 また、最初の方のご質問の、平成十一年度末の都債の残高でございますが、七兆一千七百十一億円でございます。

○古館委員 想定はしていないということで、仮に七千億超の発行が続けばどうなるか。想定はしていないといっても、今まで、三千八百って置いたこと自体が、極めてまれな低い都債発行だったわけで、それまでは、今まではずっと高い都債発行で推移してきたわけですから、改めて、七千億で仮に計算をした場合に、九九年度現在の都債残高は七兆一千七百十一億円というお答えがありましたが、それがどうなるか、もう一回お答えいただきたいと思います。
   〔たぞえ副委員長退席、委員長着席〕

○成田主計部長 ただいま申し上げましたように、現時点では、今後七千億円を超える都債の発行ということが続くとは想定してございませんが、仮に、委員のご質問のように、ご指示のように、七千億円という形で試算いたしますと、平成十八年度末の都債残高は、約九兆二千億円となる見込みでございます。

○古館委員 つまり、九九年が二〇〇六年になったら、主計部長が仮にっていいましたが、七千億超で発行、仮にやった場合に、二兆円を超える残高になる。だから、こういう規模の都債を発行していたのでは、絶対に将来的な負担というのは低くならないわけですよね。
 そういう中で、続いて質問しますが、九九年度の残高よりも低くするためには、今後、毎年度の都債発行をどの程度に抑えなければならないか。どういうふうな計算になりますでしょうか。

○成田主計部長 今後の都債発行の水準でございますが、それは、その時点時点における社会経済情勢や、あるいは他の財源の状況等を総合的に勘案して決める必要がございます。現時点で一定額に設定することは適当ではないと考えているところでございます。
 今後とも、都債につきましては、発行の抑制を基本としつつ、その適切な活用に努めてまいります。

○古館委員 そういうふうにお答えができないということですので、私の手持ちの中で、つまり、財政健全化計画や財政推進プランで計画している五千億の都債発行という形でやったとしても、残高は減らないんですよね。三千五百億円でも減らないんですよ。残高が減っていくというのは、実は三千億ぐらいにかなり都債の発行を抑えないと。そうすると、十八年度にちょうど、先ほど主計部長がおっしゃった約七兆二千億、この水準に戻るんですよ。そのことについて大体試算すると、そういうふうになる。その点については、いや全く間違っているよ、そういうふうにお答えになりますか。どうですか。

○成田主計部長 この問題につきましては、都債の償還期間が、起債時から原則として三十年、そういうことから、今後の発行額を相当落とさない限り、残高は高原状態で推移するものと見込まれるところでございます。
 また、ご案内のように、民間債の償還方法が、平成四年度から、すべて満期時に全額償還する方式に切りかわったわけでございますが、平成十四年度以降の償還額が急増することも合わせますと、これに対処するためには、減債基金をルールどおり積み立てまして償還の平準化を図る必要がある、そのように考えているところでございます。

○古館委員 今、全然答弁が逃げちゃって、逆に都債の発行をふやす方向の答弁なんですよね、今のは。なぜかっていったら--後からちょっと質問しようと思ったら、先に答弁が来ちゃったんですが、三千億にして、どうやら今の条件が続いたと仮定した場合といえば、答えられますか。だめ、それでも。--だめだったら、次に時間をかけていきますけれども、要するに、三千億ぐらいの状況じゃないと、残高は減らないんですよね。残高が減らないと、いつまでたっても公債費が全体としてふえていくという関係になるんです。
 そういう意味でいうと、次に公債費について質問しますけれども、九九年度の場合、四千二百三十八億円の公債費、借金返済に回るお金ですが、減債基金を除いて、投資的経費の関連費用の割合はどれぐらい占めているんでしょう。つまり、借金のこの四千二百三十八億円、これから減債基金を除く、そうすると、純粋な実償還額というのが出てくるはずなんですが、その償還額の中で投資的関連経費が占める割合はどれくらいか、額でちょっと教えてください。

○成田主計部長 ただいまご質問のございました、減債基金積立金を除く公債費から、投資的経費等の財源に充当しておりません減税補てん債等に係る公債費を除きました、ご質問の、主として投資的経費に係る公債費は、三千六十二億円でございます。

○古館委員 つまり、九九年度の公債費について、減債基金をルールどおりに積み立てた場合、それでは幾らになりますか。あわせてちょっとお答えください。

○成田主計部長 ただいま、平成十一年度につきまして、減債基金、これは当初、二分の一の積み立てにせざるを得ない状況があったわけでございますが、それをルールどおりに積み立てた場合の公債費でございますが、先ほどの決算額四千二百三十八億円に、その減債基金のルールどおりの積み立てのための所要額千百十六億円を加えまして、全体で五千三百五十四億円になります。

○古館委員 つまり、ルールどおりならば、今、二分の一に減債基金を落としましたから、今の答えは二千百九十六億円になります。全体で、そうなると、ルールどおりで、公債費額というのは五千三百五十四億円になると。ですから、そこから二千百九十六億円の減債基金を差っ引きますと、大体三千百四十億ぐらいなんですね。そうすると、三千億がいわゆる投資的関連経費で借金した分の返済に回りますと。だから、ほとんどが公共事業、投資的経費、この関連の公債費負担というふうになる。そのように、今のお答えで理解できると思います。
 そこで、話を減債基金に。
 九八、九九、二〇〇〇年度と三年連続で、ルールに基づく減債基金を、半分の二分の一にしましたね、実際には。減債基金をルールどおり、ルールどおりといっていながら、三年間連続して二分の一にしているんですね。だけど、財政状況というのは、今度、予算の審議がまたありますから、それ以上はいいませんけれども、それでも何とかなっているわけですよ。それで、二分の一にした、この減債基金の実態に見合った見直しという提案を、我が党は、財政難、財源不足を解決していくことについての有力な方策の一つということを、繰り返し繰り返し議会で提案をしてまいりました。私は、今でも妥当な措置だというふうに確信しています。
 そこで、質問ですが、九九年度当初で設定した公債費の利率は幾らでしょうか。そして、実際の都債の発行利率は幾らとなっているでしょうか。

○成田主計部長 平成十一年度の公債費の利率についてのご質問でございますが、それにお答えする前に、ただいま古館委員の方から、減債基金の積み立てがこれまで、ルールの二分の一でいいというようなご指摘がございましたけれども、私ども、この二分の一の積み立ては、財源不足の上でやむを得ずとっている措置であるということをご理解いただきたいと思います。
 現在のように二分の一のまま継続いたしますと、平成十七年度には減債基金がなくなってしまいます。その時点で、巨額の一般財源を公債の償還に充てなければならないということになりますと、その分、他の施策への重大な影響が懸念されるということで、私ども、この間の財政運営を通じまして、減債基金の積み立てについては、あとう限り早い時期に、もとのルールどおりに戻したいということで、この間の平成十二年度の最終補正予算、それからまた平成十三年度の当初予算におきまして、それに対する取り組みといたしまして、従前の二分の一から、四分の三の積み立てということで取り組ませていただいたところでございます。
 ところで、公債費でございますが、利率でございます。
 公債費の予算の中の利子償還につきましては、既に発行した部分につきましては、約定どおりの利率で計上いたしましたし、また、今後発行するものにつきましては、予算の編成時点での直近の利率に、過去の金利上昇の例を勘案いたしまして、平成十年度に発行するものについては三・五%と、また平成十一年度に発行するものについては四%と設定しまして、所要額を計上したところでございます。

○古館委員 前置きが長くて、私の質問に全然答えてくれていない。公債費利率は、結局九九年度は四%なんですよね。三・五%なんて前に置いたんだけれども、結論は私は二つしか聞いていないんですよ。発行利率で何%ですか。これ四%でしょう。実際の発行利率は何%ですか。前置きが長すぎて、全然、最後の二つ目の答えしてないんですよ。答えてください。

○成田主計部長 予算では四%、実際は一・七%でございます。

○古館委員 つまり、私が二分の一でいいとかということをいっているわけじゃなくて、二分の一ということ自体の一定の妥当性という問題についていえば、九九年度、積むための見込んでいる利率は四%だった、ところが、実際に発行利率は一・七%ですから、二・三%、利率低いんですよ。
 だから、先ほど、やむを得ずとっている措置だとおっしゃいましたが、ここは本当に真剣にもう一回、どういうふうにしたらいいかということについて、この減債基金と公債費の問題については、改めてきちっと計算し直すというか、据え直すというか、そういう方向で対処すべきだ、私はこのように思いますが、いかがですか。

○成田主計部長 ただいま、古館委員のご質問にお答えする中で、新発債、新たに発行する起債の利率についてご説明申し上げまして、これについて、予算では四%、実際は一・七%ということを申し上げました。しかしながら、利子の償還を行う部分でございますが、多くの部分は、過去に発行した部分の利子償還費になります。そういう意味では、十一年度債の利子の償還は、全体の中ではウエートが低いわけでございまして、そういう意味で、この十一年度の予算編成時点で見込んでおりました利子償還額の不用額は二十一億円でございまして、公債費の当初予算額の対比で見ますと、〇・五%になるところでございます。

○古館委員 その話はまたやりますけれども、先ほど、都債の残高でいいましたでしょう。私が九九年の当初でもらった資料のときは、九九年度の残高見込みということでもらったときは、七兆二千八百八十二億だったんですよね。さっきの答弁は、結局、決算段階になったらどうなったかというと、七兆千七百十一億円、つまり、千百七十一億円が既に減になっているわけです。減っているんですよ。それは、そういう流れの中で、つまり、当初見込みというのは、常に数字は動くものであって、しかも、こういう低金利の中でいうと、下の方に向かってだんだん修正されていっているというのが、今、現実なんですね、いろんな資料を見てみますとね。そういう中で、この問題については、改めて減債基金の問題については、討論させていただきたいと思います。
 次に、質問に移りますが、毎年繰り返されている予算編成時での財源不足論というのは、そのかなりの比重で、公債費の支出増が根拠となっています。私は、公債費関連についてはもっとシビアであっていいと思っています。その意味では、現在の動向で見ますと、過大見積もりというふうな感じを否めません。財源不足の調整弁の役割を果たしている、このようにも私は感じるわけでありますけれども、この点についていかがでしょうか。見解を伺いたいと思います。

○成田主計部長 公債費の過大計上というご意見もございますが、その前に、先ほど私の方で申し上げましたのは、利子の支出が当初予算に比べて、その経費の〇・五%だというお話でございまして、古館委員の、その時点でのストックといいますか、残高の七兆二千あるいは七兆一千ということとは関係ございませんので、ちょっとその点についてはお断りさせていただきたいと思います。
 それで、ただいまの、公債費の過大計上ではないかというご意見でございますが、もしも、この過大という、先生がおっしゃる意味が、金利の見方についてであれば、この金利というのは、都がひとりコントロールできるものではございませんし、将来の見通しについても慎重に対処する必要がございます。そのため、過大であるという指摘は当たらないと思います。
 また、先ほど来の公債費における減債基金積立金のことが過大であるということであれば、これにつきましては、何度も申し上げておりますように、ルールに基づいて積み立てる必要があるということでございます。ただ、財源不足の中で、やむを得ず、その財源不足を埋めるための緊急避難的な措置として、一部計上を見送っているところでございます。
 予算要求の時点で、減債基金の積み立てを本来ルールで要求し、最終的には、所要額の二分の一をこの間見送ってきているのは事実でございますが、先ほど申し上げましたように、このまま二分の一の見送りを続けますと、十七年度には減債基金がゼロになるという、非常事態を迎えるところでございます。過大というご指摘は全く当たらないと考えます。

○古館委員 私は、二分の一に固定せよなんという質問をしていないし、二分の一でずっといけなんという質問をしていないことだけはいっておきます。主計部長は、二分の一、二分の一とこだわっているんだけれども、私は、過大であって、それをもっと適切に修正したらどうだという話をさっきからしているわけで、そこのところは誤解のないようにしていただきたいと思います。
 今日の都財政難は、とりわけ都債の十年償還、一括償還が迫っている中では、その主要な要因が、バブル崩壊の中で、財政の見通しだとか、財政力を全く無視して、時には一兆円を超える都債発行をしながら、大型公共事業をどんどん進めてきた、これが今日の都財政難をつくり出してきたことは、私の質疑の中で明らかになったと思います。
 実償還額の中のほとんどが、結局は、いわゆる投資的経費に充当されているということは、先ほどの答弁で明らかであります。九九年度でも、結果的には一兆円を超える投資的事業へ膨らんでいます。それから財政投入の中でも、とにかく三千億から四千億円に上る、経常経費の中にカウントされている投資型経費もあります。これだけでももう一兆五千億くらいになるわけですね。そして同時に、四千二百三十八億円に達する公債費、この負担があります。このほとんどは、さっきいったように投資型経費につぎ込まれていくお金であります。この三つの歳出額を足すと、実に一兆八千億余の投資関連予算となります。
 そこで、質問の最後に、予算編成に際しましては、投資的事業と経常経費の中の投資型経費、そして公債費、この三つの支出全体をとらえた上限設定がどうしても必要ではないか、このように考えます。こうした立場から、財務当局として確固とした上限設定などをする、そして、そういう立場で公共事業も下方に見直しをする、そのことを強く求めますが、最後にご見解を伺って、質問を終わりたいと思います。

○成田主計部長 まず、ご質問にお答えする前に、減債基金の積み立て、これは足らないではないか、過少ではないか、財政当局としてそれに対してどう対応するのか、そういうご批判については甘んじて受けたいと思いますが、過大であるというご批判は、理解に苦しむところでございます。
 それから、ただいまの上限設定云々等々のご質問でございますが、これまでの財政運営におきましても、投資的経費につきましては、事業の重点化を一層図りながら、都の財政力で対応可能な範囲に抑制しているところでございまして、また都債につきましても、世代間の負担の公平に配慮しつつ、将来の財政負担の軽減を図るため、抑制に努めてきているところでございます。
 今後も、投資的経費や経常経費の区別なく見直しを行い、財政構造改革を進めるとともに、東京の再生を目指しまして、新たな施策の展開を行い得る、強固で弾力的な財政体質を確立していかなければならないと思います。ご意見の中の、投資的経費イコール悪玉論とでもいうような、そういう意味での主張にはくみし得ないものでございます。

○古館委員 そういう何か、私は決めつけて話はしておりません。
 それで、今いいましたけれども、バランス、バランスというのだったら、こんなに苦労してないはずですよ、都の財政の問題で。つまり、あのバブルが崩壊した後に、一兆円を超える都債も発行して、それが十年一括償還で間もなくやってくる。そこに、巨額な財源不足になっている一つの大きな根拠があるわけですからね。だから、そういうことを考えた上で、全体的にそういう公債費負担がどうなるか、それで投資的経費がどうなるか、経常経費の中の投資型関連予算はどういうふうになっているのか、そういうことを全体として勘案しながら予算編成したらどうですかということを質問したんだということ、このことをきちっともう一回表明させていただいて、質問を終わります。

○今井委員 私の方からは二点です。東京都の土地の管理、有効利用、それから、宝くじの事業のあり方についてご質問いたします。
 今、十一年度の決算をやっているわけでございますけれども、若干、論議の中で、財務局決算からちょっと逸脱して論議をすることがあるかと思いますが、冒頭、ご了解いただきたいと思います。
 財政構造の問題で今論議がされましたけれども、私は、東京都がお持ちになっております膨大な一般普通財産の土地、そして事業用地、こういうものの扱い方が依然として変わっていない、こういうことで、ここに絞って指摘をしていきたいと思っております。
 十一年度には、四月には石原慎太郎知事がさっそうと登場してまいりました。そして、行政評価の問題、バランスシートの問題、また資産アセスメントの問題等、これを実現すべき、かなりこういう主張がされました。私たちは、この二年間、その動向をじっと見てまいり、ある場合にはまた質問をし、そして提案をしてきたわけでございます。
 そこでお伺いいたしますが、東京都の行政評価の実施、バランスシート、そして資産アセスメントなどの中で、行財政の中で、財産活用そのもの、土地でございますが、どのようになってきたのか、まず当面これをお答えいただきたいと思います。

○橋本財産運用部長 財産、つまり、土地を中心とした財産活用の基本的スタンスといいますか、基本的考え方についてのご質問だというふうに思いますけれども、社会経済情勢の変化に的確に対応する都政が求められております今日、都が保有する土地や建物に関しましても、鋭いコスト意識を持ちまして財産の有効活用を図る必要があるというふうに考えているところでございます。
 このようなことから、従前は、どちらかといえば土地や建物などの財産を適正に管理、保有するという視点を重視しておりましたけれども、現在におきましては、財産を、行政経営の貴重な資源といたしまして、積極的に利活用または処分をしていくという視点に重点を移していくこととしているところでございます。

○今井委員 都債残高が七兆円、そしてまた隠れ借金が約七千億円、まあ一兆円ですよね、実際問題、現在ね。それから、東京都が土地を買って、依然として使わない普通財産、行政財産。この活用されていない財産を、負の財産と私はいっているんです。この負の財産も、私の試算では八兆円近くあるのではないか、こう思っておりますし、こういう問題の活用なくして、この財政健全化計画も財政再建推進プランもあり得ないわけです。
 こういう論議については、この土地は限定して何で使わないのか、幾らかかったのかということは論議されますけれども、トータルで普通財産と行政財産、この借金、利息、活用、年次、こういうものは論議したことはありませんので、本来でしたら予算委員会で徹底的に、予算編成の中で論議する問題でありますけれども、あえて、機会がここしかありませんので、決算委員会で質問したいと思うんです。
 そこで、今、東京都は、財産は、土地、この中で普通財産と行政財産、これについて初めてお伺いいたしますが、台帳価格というものがあります。地価相場価格、売買価格、路線価等で、まず普通財産と行政財産が何件ぐらいあって、どのくらいに今試算しているのか、おわかりになりましたら、お答えください。

○橋本財産運用部長 都が保有する財産の全体像ということでございますが、いわゆる準公営企業会計、公営企業会計に属する財産を除いた、一般会計と特別会計に属する財産を一般財産と呼んでおりますけれども、その全体の土地の面積は八千八百ヘクタールでございまして、そのうち行政財産の面積は約八千ヘクタールでございます。それから、普通財産の面積は約八百ヘクタールでございます。
 それの価格ということでございますが、台帳に記載するときの当初の取得価格について台帳価格と申しておりますが、台帳価格については、行政財産につきましては約五兆八千億円、普通財産につきましては約八千四百億円ということでございます。

○今井委員 東京都には、普通財産、行政財産を合わせて約一万四千件、未利用地として現在あります。これは東京ドームの二十六個分ですか、百十五ヘクタール、膨大な土地が、塩漬けになってずうっと眠っております。全部がほとんど十年から長いのは二十五年、三十年。これからの都政運営の中で、これをこのままの状態で運用していくということは、さっきもいったように、大きな負の財産になりますね。これをどのように活用するかによって、財政構造が完全に生まれ変わる、こういうふうに思うわけでございます。
 今、部長から答弁いただきましたが、この一万四千件、地価相場価格といいますか、現在の路線価でいくと大体どうなりますか。台帳価格じゃなくて路線価でいくとどうなりますか。概算で結構です。

○橋本財産運用部長 先ほど申し上げました台帳価格と申しますのは、取得時に、取得した価格を載せまして、それに、いわゆる地域の地価の変動率をかけまして補正をいたしておりますけれども、その時々の時価ということについては、何といいましょうか、作業としてはやっておりません。したがいまして、時価ということについては把握はいたしておりません。

○今井委員 六ページの資料をいただきまして、財務局ですから、土地バンクだけの限定の答弁になろうかと思いますけれども、実際問題、土地バンクの中にある土地はたった一割ですよね。今、九割は行政財産であるわけですね。ここで論議する中で、行政財産を云々というのは、皆さん、資料的にもいろんな面で非常に難しいとは思いますけれども、この土地バンクの中で、これ資料をいただきましたが、五年以上十年未満、全く利用されていないのが七十七件、十年以上も利用していないのが百四件、こうなっております。行政財産の方では、こういう数字はおわかりですか。

○橋本財産運用部長 行政財産は、先ほど、約八千ヘクタール全体があると申し上げました。そのうちの現在未利用となっておりますのは、七十ヘクタールでございます。

○今井委員 実は、土地を購入する場合には、土地の使用目的というのがあります。それに、起債を発行する場合もあるし、また自主財源を使う場合もありますし、借金として借り受ける場合もある。
 例えば、今、土地バンクの中で、買って十年、十一年という土地は、幾つかの例で結構ですが、何の目的で買って、どういう財源で買った土地なんでしょうか。十年以上の中で、百四件ありますけれども、どこか一カ所で結構でございますから、そういう国から金を借りているのか、国庫補助がついているのか、いや、目的買いで都債で買ったのか、また都単で買ったのか。例えば一つか二つ、どういうふうな買い方をしているんですか。

○橋本財産運用部長 一つの例ということでございますので、例えば、昭和四十七年に、富士見高原の土地を東京都の単費で買ったということがございます。

○今井委員 僕は、四十二年に区会議員になりまして、先輩に連れられて、八丈小島を見に行ったことがあります。それから、八王子の例の滝山の住宅地を、区会議員になったばかりのときに見に行きましたが、膨大な土地を買いましたね。四期やって、都議会に来まして、また見に行ったら、草ぼうぼうで、そのまんまに、いまだになっているんですよ。
 これは例えばの例ですけれども、それは、行政財産の、住宅局なんですけれども、住宅局は目的があって、借金をして買っているわけですよ。地元の自治体との調整がつかず、下水も入らない、道路もできない、で、草ぼうぼうになって、そのまま本当に塩漬けで三十五年。最近、何か一部売るとか売らないといううわさが入っておりますけれども、これなんかは、財務局のこの場で質問するのは大変恐縮ですけれども、そういう財産のあり方、皆さん方は予算をつける方ですから、幾ら公共財産であろうと、一般財産であろうと、そういう活動を促進しながら、財政の手当てというのを組み立てていかなきゃならぬ。こういうものを論議したことは、部長、ありますか、例えばこの土地。

○橋本財産運用部長 ただいまお話しの八王子の滝山町の都営住宅予定地でございますが、これはおっしゃるとおり、昭和四十六年に住宅用地として取得したものでございまして、五十六年に、住宅建設の予定がなくなったということで、財務局に引き継ぎを受けたものでございます。
 その間、市に対して、遊び場等で暫定利用してもらっているというのが一部ありますけれども、その後、都市計画道路の施行でありますとかというふうなことがございました。それから、現在も資材置き場等としての暫定活用なども行っておりますけれども、現在は、この土地につきましては、八王子市が区画整理事業を進めたいという計画を持っているというようなこともございますので、私どもといたしましては、市のそういう計画を中心に、今後の利用の仕方について協議をしているということでございます。

○今井委員 当時の出来事は、財務局長ぐらいしかお知りじゃないと思いますけれども、わかれば参考までに、住宅局が行政財産で、お金はどのくらいで買って、買った中身は、国庫補助が、たしか目的ですから、起債がついていると思いますね。わからなかったら結構ですが、どういうふうにお金が出て、どうなっているのか、わかりますか。参考までに。大分古い話なんで、いらっしゃらなかった方が多いんで、わからないか。わかれば……。

○橋本財産運用部長 四十六年に取得したときの取得価格でございますが、四十五億五千万円で取得しております。その中で起債がどのぐらいかということについては、申しわけございません、今手元に資料がございません。

○今井委員 今、起債残高が七兆幾らという論議をしてましたよね。それから、公債費はどうやって組んでいるかというような論議をしていました。それから隠れ借金が一兆円ある。場合によっては、活用しなければ、隠れ借金だ。含み財産の負なんですよ、東京都の。これに手をつけないということは重大な問題なんで、ここで取り上げているわけなんですよ。
 例えば、起債を起こして、そういう土地を買う。行政財産と一般財産。一般財産は大体バンクに送ってきますから、そういう場合、起債はどこで償還して、どうやって手当てをしていって、土地は幾らぐらい、どうなっているのか。そういうのは、今、全体にだれが、どの局がこれを把握しているんですか。そのときの借金はどうなって、どうやって返して、それは今どこへ含めちゃっているんですか。
 こういう重大な話は、予算委員会でも決算委員会でも論議ないけれども、本来は予算委員会で論議すべき問題なんだけれども、どうですか。どこへ流れちゃうのか。どういうふうに処理しているんですかね。

○橋本財産運用部長 用地を取得するときの財源といいますか、財源手当てにつきましては、いわゆる先行用地を取得するということで用地会計がございまして、それはすべて起債を充当するわけですが、用地会計で取得をする場合。それから、その当該年度に事業に着手する見込みのあるものについては、一般会計で予算を組んで取得をする場合等がございます。
 そういう意味で、用地会計については、過去十年のデータなど、今手元に資料がございますけれども、一般会計も含めた全体について、今、先生がおっしゃるようなことについては、ちょっと集計をしておりません。

○今井委員 ですから、東京ドームの二十六個分未利用地がある。そうすると、それは、目的でみんな買って、起債を発行して、借金として残ってきている。使えばいいんですよ。使わなければ、その累積がどこへ流れ込んじゃっているのか、どこの局もわからない。本来、財務局がわかるべきことでありますけれども、私は、組織上で、知事がいないから申し上げますけれども、全く横の連絡が、普通財産と行政財産、とれない。行政財産が幾つあるのか、どのくらいなのか、財務局はわからない。これで、知事がいわれているとおり、冒頭いったバランスシートだ、資産アセスメントだ、こういうことをおっしゃっても、私は、全くナンセンスだと。この辺は局間で論議したことがあるのかないのか、それはどうでしょう。

○橋本財産運用部長 先ほど申し上げましたように、全体の土地の財産の面積がどのぐらいあって、そのうち行政財産がどのぐらいで、普通財産がどのぐらいでというようなことにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、きちんと把握をしておりまして、行政財産のうち、今現在使われていないのはどのぐらいだというのも、先ほどご答弁しましたように、きちっと財務としては把握をいたしておるところでございます。
 ただ、それの財源について、未利用について現在償還しているものはどのぐらいあるかというようなことにつきましては、先ほど申し上げましたように、会計がそれぞれ分かれておりますし、会計ごとの集約をしておりますけれども、一般会計などにつきましては、その辺の引き抜いたといいましょうか、合わせた形の集計はしてはいないということでございます。

○今井委員 我々都民から見ますと、普通財産も行政財産も、やっぱり東京都の税金で買って、東京都の財産だと思うんですよ、都民は。皆さんは縦分けしているんです。だから、今必要なことは、この土地を買って三十年間遊んでいますよ、だけど、この土地を買うときには起債を払って、国から国庫補助をいただいて、東京都が財政これだけ投入したんだから、その借金が今どうなっているか全くわからない、どこもつかんでいないということ自体、これは大変なことではないでしょうかっていうんですよ。それはどう思いますか。今、皆さんにいっても、それは出てこないでしょうから……。

○木内財務局長 今、今井委員の方から、財産の適正な管理の問題に関して、滝山団地予定地の話を例として申されたものだというふうに思っております。
 財産の管理について、事実上、この間の不適正財産もしかりでしょうし、あるいは具体的な例で申せば、この土地、昭和四十六年でしたか、取得し、しかしながら、その間の住宅の利用ができ得ないということで、五十六年度に土地バンク制度ができたときに、財務局として未利用のものを全部引き取りましょうということで、財務局が一元的に管理することによって、売却なり何なりをしようという考え方でセットしたわけではございますけれども、残念ながら、先生よくご存じの土地の状況の中で、だれも買い手もいなければ利用もできないという実態の中で、今日、日時を過ごしてきたことについては、財政当局としても、あるいは財務局長としても責任があるんだろうというふうに考えているところでございます。
 個別的なことはさておきまして、それらのものについて、この場合には住宅用地ですから、原則として起債四十五億を充てることによって、元利も含めれば一定の金額を税をもって賄ったということが現実の社会であろうと思います。今は手元にございませんので、私、了知しておりませんけれども、現在価値が、どの程度の価格であるかもわかることはできませんけれども、金利負担とかそれだけではなくて、貴重な時間という観念も失っているという意味においては、非常に残念だというふうに思っております。
 そんな意味で、財務局としても、各局の所管の行政財産のみならず、あるいは行政財産、普通財産にかかわらず、当局の所管する財産についても、可能な限り、不用のものについては速やかに売るように、体制の整備をし、今お話をいたしました昨年十一月の財産の利活用計画の中においても、そうした財務局の持っているもののみならず、全庁にわたって、財務局としてもそういうものに関与して、財産を資産として、資源として活用するとともに、財政構造改革ということを財産面から進めるという視点で取り組む決意でございますので、その点もご了承いただいて、いろいろな問題については、過去についての反省の上に立った上で、それぞれ先のことを少し見ていただければありがたいというふうに思っているところでございます。

○今井委員 局長がそういう答弁して--私、二十年前に都議会へ出てきて、こういう現場を見たんで、質問しましたよね。それからなかなか土地バンクができなくて、土地バンクができて、用地会計ができたけれども、もうほとんど機能しない。それで、十一年か十二年でやめたんでしょう。こういう状態でいると、今、私がいわなければ、皆さんだれも、この負の資産というのがわからない。だからあえていうんですよ。こういう負が、僕の試算では八兆円ぐらいあるんです。今いったとおり、起債を払って、どうやって償還して、どうやって利息払って、金がどうなっているのか。借りればやっぱり利息を払うんですよ。そういうことが明白になっていない。
 今、局長から答弁があったから、それはそれといたしまして、今、東京都の財政は、健全化計画、再建プラン、アクションプラン、いろんなことをいっています。プランだけでも十一ぐらいできているんですが、その中で大事なのは、私は皆さんにお願いしたいのは、都民の貴重な財産と、都民的な物の考え方に立ってもらいたい、行政は。これがないですよね、全く。マンション業者は、土地を買って三年以内に建物を建てて売却しなければ、これは商売にならない。会社倒産しちゃう。ですから、もうこれは三年以内に必ず売却。早い人は一年以内、できていないうちに売却しちゃう。これが鉄則ですよ。ところが、東京都の皆さんの、財政に携わる行政マンが全く民間感覚がない、失礼ですけれども。これが一つの大きなあらわれですよ。
 今、葛飾区に十一カ所、調べたら、土地があるんですよ。草ぼうぼう生えている。二十年以前、何だなんて、よく見たら、下水道の土地。あんなごちゃごちゃしていて、防災上危険なところだから、駐車場にしてくれれば、また公園に提供したら、どんなに区民は助かるか。鎌倉二丁目なんというところは、もうずうっと道路が私有地に入ってね、都有地が活用できれば何とかできる。これも再三お願いしたが、一向にやらない。民間に利益を与えるなといって、一切手をつけない。こういう土地が十一カ所あるんですよ。
 木内副委員長の江東区に行ってごらんなさい。どこ見たって全部東京都。草ぼうぼう生えているんですよ。この管理地だって、膨大な金がかかっているわけですよ、管理するだけ、維持するだけだって。
 そういうことを再三いっているけれども、私、土地問題について三回目ですけれどもね、全然改革する動きもなきゃ、もう、かわれば、それっきり。こういう状態ではこれからいけないと思うんですよね。
 それで、八丈小島という島を買いましたね。昭和四十六年、私見に行きました。ヤギが住んでいますけれども……。(笑声)この島を買った目的というのは何なんですか。いろんな政治的な何かあったのかどうか知りませんけれども、何か目的があったのかどうか。
 もう一点、あわせて、長野県の土地、これは教育庁で買って、保養所にするということで、それで私も見に行って、これはなかなか使えないなと思ったら、案の定使えない。半分長野県に返してしまった。
 この八丈小島という島、そっくり買っちゃったんだけれども、これは何でしたっけ。ヤギが今住んでいます。

○橋本財産運用部長 八丈小島でございますけれども、これにつきましては、四十五年に八丈小島住民全員離島援助事業ということで--その前に地元住民の請願がございまして、それを受けた形で、四十五年に八丈小島住民全員離島援助事業ということで、東京都が取得をしたものでございます。

○今井委員 長野県は、教育財産が普通財産に戻っているんでしょう、今。それは今どうする予定なんですか。

○橋本財産運用部長 長野県につきましては、昭和四十七年に、野外教育施設用地として教育庁が取得をいたしまして、その後、計画を取りやめまして、現在は、普通財産ということで財務局に引き継がれておりまして、いろいろ利用計画を考えたんですけれども、現在は、売却が適当であるということで、長野県の開発公社の方に、その三分の一を先日売却したところでございます。

○今井委員 大体、皆さん、企業がバブルのときに土地を買って、みんな借金をして倒産しているんですね。東京都も本当は倒産なんです。あれだけの膨大な土地を取って、いまだに使わない。これは、東京都、行政だからもっているんですよ。都民が支えているんですね。それをよく理解していただきたいと思います。
 話は余談になりますけれども、東京都は非常に不思議な国だっていわれますね、外国の人にね。何でかというと、これ今のと直接関係ありませんが、東京都に都市計画道路がいっぱいあるんです。線引きしてある、計画道路が。都市計画道路に線引きになると、何か建築の制限は、部長、あるんですか。どういう制限があるんですか。

○橋本財産運用部長 都市計画決定をされたところにつきましては、都市計画上の制限がございまして、簡単にいいますと、いわゆる売買するときの制約でありますとか、建築制限、比較的移転が簡単なものについては認められますけれども、かたいものについては建築ができないといったような制約がございます。

○今井委員 これも世界で日本だけ、東京だけなんです、特にね。いわゆる都市計画道路、線引きの中に入っちゃいますと、計画線の中に入っちゃいますと、木造二階しか建てられない。今度三階までになった。親子三代、道路ができないために建てかえがきかない。泣き泣き、おじいさんが死んでいった、そういう話もあるんですよ。これは大変なことなんです。これは財務局じゃなくて、僕は都市計画の委員長をやっていたから、都市計画についてはよく話しましたけれども、こういう問題も、財務局ね、財産管理の上で、しっかりとこれからリーダーシップをとってもらいたいんですよ。
 ワシントンから車で二時間ぐらい行くと、ボルチモアというところです。小さい湾ですね。二時間ぐらい。私は毎年行っている。ベーブ・ルース誕生の地です。私の好きなハーレー・ダビッドソンがある。そこで、ここに行ったときに、十年ぐらい前に、この倉庫を全部建てかえて、まちづくりをするっていうんですね。土地を買収すると。私は、都市計画道路、東京みたいにつくったって、そんな簡単にはできないよ、計画進まないんだ、こういう形で向こうと論議して帰ってきた。来年行ったら、もう全部土地ができちゃった。この土地を、プランニングは全部地元がやって、行政はそこで本当のアドバイス程度。それで驚いたのは、民間の不動産屋さんが土地をどんどん買っているんですよ。行政から頼まれた。地価の売買価格の二割高く買い取るんです。行政が金払うんです。ばばばあんと一年のうちにできちゃう。民活ですよ、これ。東京都にそんなことやりなさいといえば、これは法律がどうだとか国がどうだとか、必ずいいますよ。今もうこういう時代なんですよ。
 だから、東京都がこういう未利用地を幾ら競争入札で売却したって、買い手なんかつかないんですよ。自分たちから売りにいかなきゃだめなんですよ。不動産業どんどん使うんです。手数料払うんですよ。そういう時代になってきたんですよ、今。そういうことがあなた方の中で、この土地の財産の中で論議されてなきゃいけないんですよ。これは答弁要りませんけれどもね。
 そういうことで、局長、最後になりますけれども、二十一世紀に入って、非常に財政難の厳しい中で、行政、財政、構造も改革しなきゃいけない。しかも急ピッチでやらなきゃだめです。三年後に検討委員会つくって、そんなのだめなんですよ。一昔十年って、今は一昔一年なんです。こういう問題を含めて、これ以上、こういう質問をまた三回やらないように、都民のために、どうかひとつ本腰を入れて、財務局がリーダーシップをとっていただいて、普通財産だとか行政財産だとかそんなこといわないで、最後に答弁をしていただきたいと思っています。
 宝くじの見直しもやると、三十分か四十分かかりますと、地元の会合に間に合わなくなっちゃいますので、(笑声)これで終わりますけれども、どうか局長、よろしくお願いいたします。

○木内財務局長 財産に関しての負の遺産という観点から、財務局に対して厳しいご指摘をいただきました。ある意味では感謝申し上げたいというふうに思っております。
 その中で、財産をめぐる問題については、広くは財産権の不可侵、私権の不可侵の問題と公共の福祉とか、そういったものに関連するものも多々あろうかとは思いますけれども、財務局といたしましても、財産を総合調整する立場において、今の負の遺産を解消すべく、全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。よろしくご指導賜りたいと思います。

○曽根委員 私からは、まず契約の問題について幾つか質問したいんですけれども、資料でいただいているように、一ページの中小企業の受注実績を見ても、工事関係、物品関係、それぞれ中小企業の受注実績は、この間いってみれば横ばい状態で、工事でいえば五〇%を出たり入ったりしている状況。物品関係でも六〇数%にとどまっていたということで、私たちは、特に公共工事、なかなか五〇%を大きく超えない中で、中小企業が受けられる仕事を極力回すということで、六割、七割を中小企業に発注できるようにすべきだというふうにいってまいりました。
 先ほど、成田主計部長が、公共事業悪玉論だというとんでもないお話がありましたが、私たちは、公共事業について、特に中小企業がちゃんと仕事を受けられるものは大いにやりなさいと。むしろ、都営住宅のように、都民も喜び、中小企業も仕事が回る大事な公共事業を、切り捨て論じゃないか、東京都はこの間と。どんどん切ってゼロになって、来年もゼロにしようとしている、これこそ問題じゃないかというふうに申し上げているわけで、公共事業全部が悪玉なんて、とんでもないわけで、これだけは申し上げておきたいんです。
 で、十一年度までは、基本的に、東京都の発注する工事などは、分離分割できるだけやりましょうという基本できたわけですね。本年度になって急に、経営効率とかいろんなことをいい出して、一括発注できるものはするみたいな話が出てきた。これについては、先ほど古館委員と成田主計部長のやりとりを聞いていたら、ああいう激しい調子で何か昨年も財政委員会でやり合ったようですので、指摘だけにとどめますけれども、やはりこの受注状況を見ても、決して中小企業がきちんと仕事を受けられる状況にまだなっていないわけで、その上で一括発注なんかをどんどんやられたら、ますます大手に持っていかれてしまうということですから、これは一括発注にシフトするようなことが絶対ないように、申し上げておきたいと思うんです。
 もう一つ、中小建設業の方から、この間、私ども強く要望を受けております、入札予定価格の事前公表制について、これはぜひ促進をしていただきたいという立場でお聞きしたいんですけれども、東京都もたしか十年度ぐらいから事前公表制をとり始めていますが、十一年度の実績がどのぐらいあるのか、そして、事前公表制をとった中でどういうメリットがあったのかについてお聞きしたいんです。

○碇山経理部長 予定価格に係ります事前公表でございますが、ただいま委員がおっしゃいましたように、私ども、十年の第三回定例会付議案件から実施したものでございます。
 十一年度の実績でございますが、知事部局で見ますと、予定価格九億円以上の議会案件につきまして五十九件、予定価格七億円以上九億円未満の案件が十二件で、七十一件でございます。
 それと、ご質問の、どんなメリットがあるかということでございますが、予定価格の事前公表につきましては、私ども、契約事務の公正性なり適正化というような観点、あるいは契約事務の改善、改革という観点から進めておるわけでございます。いろいろなメリットが考えられますけれども、三点ほどお話をさせていただきますと、入札契約手続の透明性がより向上するのではないかということが一点でございます。それから、何というんですか、予定価格を探ろうとするいろいろな動きがあるということで、これを防止できるというのが巷間よくいわれているところでございます。さらに、積算の妥当性、私どもの発注者側の積算、それから業者さんの応札価格というような,突き合わせというような観点から、積算の妥当性の向上に資するというような観点でとらえております。

○曽根委員 入札予定価格を公表するということによって、価格を探ろうとする動きを防止できると。探ろうとする動きがあるということは、わかる可能性があるからですよね、探っていけば。そうじゃなければ探ろうとしませんものね、最初から絶対にわからないのだったら。わかる方法が何かあるわけですよね、きっとこれは。これは別に証拠があっていっているわけじゃないんで……。
 で、ちょっと数字の点、申しわけない、わかったら教えてほしいんですが、予定価格を公表しない入札と、公表して入札した場合に、予定価格にどれぐらい、何%ぐらいまでなのかというのは、平均的に何か数字が出ているんでしょうか。

○碇山経理部長 ただいま、メリットについて、私、三点ほどお話を申し上げましたが、あえて二番目については、不正な動きを防止できるということが巷間いわれておる、というようなことでお話し申し上げたところでございます。
 それから、ご質問の点で、多分、事前公表した場合としない場合の、いわゆる落札比率ということを、曽根委員からのご質問というふうにとらえておりますが、私ども、事前公表は、先ほど申し上げましたように、十年の三定案件から試行として実施しておるわけでございますが、若干の時点がずれますが、非公表で、例えば九年の一定。これは、過去に余りさかのぼっても--大体同じ期間をとらえますけれども、九年の一定から十年の二定ぐらいをとらえた場合のものが、大体九九・〇九%ぐらい。十年の三定から、先ほど申し上げました試行を行ったわけですが、十二年の一定までの期間をとらえますと、九八・四八%ということですから、事前公表したからといって高どまり、いわゆる高い買い物と申しますか、ということはないということでございます。したがいまして、先般議会にもご報告しました本格実施に踏み切ったという経過でございます。

○曽根委員 実態はこういうことで、公表しない方が落札価格が予定価格に近くなるというのが実態ですよ。私は、多分それは、わかっているから近くなるんだろうと思うんです。わかる力を持っているのは、やっぱりそれなりの、そういう手が使えるところ。中小企業はほとんどそれができない。公表した方が予定価格よりも離れるという実績の上でも、東京都にとってこれは別に損じゃないということでも、結果ははっきりしていると思うんですね。
 そういう点で、中小の業者の方から、とれる仕事まで大手に全部持っていかれる、向こうは価格握っているんだというわけですよ。これは業者の方がいっているんですよ。私がいっているわけじゃないんだけれども、握っている方にみんな持っていかれちゃうというんですよ。それだったら、もう対で公平に勝負できるように、最初から価格がわかっていりゃ公平ですからねということを、私、いわれたんですよ。なるほどなと思いました。私、そういうことはよくわからなかったものですから、やっぱり中小業者が本当に仕事を正当にとるためには、事前公表制というのはいいんだなと。ただ、東京都の場合、まだ七億ですか、九億ですか、限度額が大きいですよね。それで、実際はやっぱり中小建設業が仕事をとれるのは区市町村なんですよ。
 それで、資料をいただいたところによると、まだまだ事前公表制をとっている自治体が少ないというふうに思うんです。これは東京都も本格的に実施していくと思いますけれども、ここでつくってきたノウハウをぜひ区市町村に普及していただいて、金額的にも、区市町村の方が対象範囲が小さいですから、こういうところにもっともっと広がるように、指導、援助をしていただく方法がないのかどうか、この点をお聞きしたい。

○碇山経理部長 区市町村に対しての普及というようなことでございますが、基本的には、契約というものは、財務会計行為の一つとして、各首長さんが創意工夫を凝らしながらやるということになるかと思います。
 私ども、ご案内のとおり、財政構造改革というような観点から進めておりまして、契約制度におきましても、このような観点から契約制度の改革を進めていかなきゃいけない、構造改革を進めていかなきゃいけないというふうに思います。これまで、そのような意味で、ただいま申し上げました予定価格の事前公表を初め、いろいろな入札制度の改善に努めてきたわけでございますけれども、こうした取り組みにつきましては、例えば、昨年の第三回定例会に発表した契約制度の改善等につきましても、プレス発表をやるとか、あるいは区市町村等の契約担当者で構成します、東京都公共工事契約業務についての連絡会というのがございますが、そういう場においても発表するなりして、周知に努めてきたわけでございまして、区市町村ともそのような意味では連携をとっていきたいというふうに思います。
 それから、先ほどの質問の中で、再度、曽根委員からお話がありましたので、私も再度申し上げますけれども、予定価格がわかるということで探るという意味ではないということです。わかるということではないということは、あえて再度申し上げさせていただきたいと思います。

○曽根委員 お立場から重々わかります。
 ぜひ区市町村に普及するように、いろんな連絡会議もあるようですので、努力をしていただきたいことをお願いしておきます。
 次に、庁舎の管理の業務委託の状況について。資料もいただいているんですが、七ページにありますが、これは、私ども今まで余り縁がなかったビルメンテナンスの会社なんかから、最近、都の公共施設の管理を委託されているんだけれども、どんどんどんどん切られて本当に大変だと、もう何にも、何といいますか、悪くいえばおいしいところが何もなくなってしまったという話を、ここのところを、ぜひ共産党さん取り上げてほしいというふうにいわれました。
 相当大変なのかなと思って、ちょっと資料をお願いして、私びっくりしたんです。七ページの資料を見ると、庁舎の清掃とその他の業務委託ですね。その他の業務委託の方にある建物総合管理やエレベーターの保守管理、その他、これらは、減ってはいますけれども、平成七年度、九五年度から九九年度にかけて、小計のところを見ると八五%ぐらいになっているわけですが、庁舎清掃だけがほとんど半分、五三%に減っているんですね。これだけ大きな差がある。ほかの委託業務に比べても、庁舎の清掃の業務委託の費用が極端に落ちているなというのがわかったんですけれども、これは、幾らいろいろあったとしても、今まで、平成七年度、庁舎の清掃がほかに比べてむだ遣いのきわみだったとは私思えないんですけれども、しかし半分に減らしているわけですよね。どうやって費用を節約したのか。もちろん節約は非常にいいことなんですが、これだけ大きく減らしたということは、どこかにしわ寄せがいっているんじゃないかと思うんですが、どういう減らし方をしたんですか。

○川島庁舎管理部長 本庁舎の清掃委託につきましては、経費節減の観点から、これまで積極的に仕様の見直しを行ってきたものでございます。
 少し具体的に申し上げますと、例えば、九年度からは、執務室のタイルカーペット、一枚ずつタイルになったカーペットですね、これを毎日清掃していたものを、二日に一回に直しました。それから、十年度からは、ゴンドラによる窓清掃、これも月一回行っていたのを、二月に一回。あるいは外構の掃き清掃、外の掃き清掃でございますが、これを一日二回やっていたのを、一日一回にした。さらに十一年度からは、エレベーター清掃について申し上げますと、毎日清掃と、一週間に一度特別清掃をやっていたんですが、この特別清掃をやめた。ビニール床のワックス清掃も、月一回から、二月に一回。それから、くず入れ、茶がらの処理、これも一日二回やっていましたものを、一日一回にする。こうした仕様の見直しを中心に、今までずっと見直しをしてきまして、その結果落ちてきたものでございます。

○曽根委員 確かに、回数を減らすということで、そんなにほこりが残っているというわけでもないですから、そういう減らし方で節約する分には、適切にやることはいいと思います。
 ただ、私たち議会棟の中、清掃を見ていましても、別に回数を減らしたから、じゃ、作業員の方が作業をしている時間が少なくなったかというと、そうでもないんですね。大体午前中からずうっと、あちこちあちこちで作業していらっしゃいますよ。ですから、人数的にはそんなに減ってないんじゃないかなという気がしているんです。
 そうすると、半分費用を落としたときに、私が心配するのは、その清掃事業者に雇用されているパートなどの労働者の労働条件に影響が出ているんじゃないかということが心配なんですが、こういう賃金その他の、事業者が雇っている清掃の作業員の方の労働条件なんかについては、財務局は把握していらっしゃいますか。

○川島庁舎管理部長 受託会社の各社の給与等労働条件につきましては、各社ごと、それぞれの給与規定等を踏まえ経営されているものと理解しております。
 また、いわゆるパートの人たちの料金と申しますか、価格も、これも市場価格といいますか、世間相場といいますか、こうしたものを踏まえて雇用されているものではないかというふうに、私ども理解しています。
 そういう意味で、給与支払い額自体は、それぞれ会社の経営方針の問題がございますので、把握しておりませんが、それぞれ会社がどのような作業効率、能率を上げてやるか、どのような雇用をするかというのは、会社がそれぞれ努力して対応していただいているものと受けとめております。

○曽根委員 私、もともと、この莫大な維持費のかかる庁舎をつくってしまったところに根本的な問題があるし、また、都民から批判、相変わらずバブルの塔とかいわれているわけですよ。その批判にこたえて、せめて維持費を節約しようというのは当然なんですが、しかし、そのことをもって、清掃などで働いている作業員の方に犠牲を負わすというのは筋違いだと思うんですよね。そういうことがあってはならないと思うんですよ。しかも、庁舎の清掃の作業員に幾ら給料を払うかは、事業者が決めることでタッチできないと。入札の価格は幾らでも下げられる。そうなると、本当にローアーリミットがないわけですから、事業者によってかなりのことができるというふうになってしまっている。ここはやっぱり何らかの是正をする必要があるんじゃないかと思うんですよね。
 障害者の雇用の場というのは大変限られているわけですが、私の見たところでは、十一年度あたりから、たしかそれまでは議会棟の清掃に障害者の方が入っていたのが、いなくなった。別の事業者が入ってきたような気がします。貴重な障害者の雇用の場が、しかも都庁のところで奪われてしまったのではないかなという気がするんですが、こういうことがないように、何か、例えば障害者を雇っている事業者に対する何らかの優遇策なり、そういうことはあり得ないんでしょうかね。

○川島庁舎管理部長 清掃委託にかかわります、障害者雇用への何らかの配慮はどうなっているかというご質問だと受けとめております。
 いろいろ難しいと思うんですが、現在、都は、身体障害者を多数雇用する企業者に対しまして、昭和六十三年二月の財務局長通知に基づきまして、その経営の安定と育成を図る観点から、優先して指名することとしております。現在、こういった通知を踏まえて対応しているところでございます。

○曽根委員 つまり、障害者の雇用を進めている企業については、入札に優先して入れますよということですよね。しかし、指名入札になって、何社かが競争して、最後は価格で競争するわけですよね。したがって、どうしてもやっぱり、そういうふうにぎりぎりの、何しろ半分まで下げたんですから、価格で競争し合うということになると、障害者を雇っているところはどうしても不利になるというのは、私、素人でもわかることなんですよ。
 だから、やっぱり庁舎の清掃やメンテナンスについては、公共の工事だとか製造に対する契約のように、そこで働いている労働者の労働条件を最低以下に落とさないために、ローアーリミットの設定が必要だというふうに思うんですね。しかし、これは地財法の関係で法的な枠があるそうなんで、この対象になっていないそうなんで、国の制度ですから、すぐには変わらないにしても、やっぱり可能なあらゆる手を打って、せめて障害者の雇用の場を都庁から奪わないでほしいということは申し上げておきたいと思うんです。
 そのことが、例えば財政の節約に対する内部努力が足りないとか、むだ遣いだとかいう人がいたら、いや、私は、都民の財政は、もっとはるかに大きな金額が、例えば開発関係だとか第三セクターとかで、どぶに捨てるように使われていると、そっちの方を問題にするということを、声を大にしていいたいと思うんです。
 その点で、庁舎管理の、特に清掃の委託に関しては、やはり適切な対応を求めて、私の質問を終わります。

○たぞえ委員 私は簡潔に伺います。
 私が質問するのは、この都庁舎の資源循環型シテスムの確立の問題です。
 この資源循環型都市をつくるというのは、ごみ、廃棄物の対策を強化するだけではなくて、自然エネルギーの有効利用という分野を都庁舎にどう生かしていくかという点です。
 実は、私きのう、東村山の浄水場を訪ねました。この浄水場は、年間二千五百万キロワットの電気を消費しているんですが、この場内には、五百十平方メートルにわたって三百枚のパネルが四列、ですから、千二百枚の太陽光発電のパネルがありました。これは昼間の太陽光のパネルで、実に七万キロワットの発電をして場内で処理をする。非常に循環型に、また経費の節減と削減に努めているというお話でありました。これは、石油に換算しますと一万七千リットルに匹敵するということで、大変すばらしい取り組みだと思います。こうした太陽光パネルについては、これまでの東京都の環境保全局と新エネルギー・産業技術総合開発機構から、それぞれ三分の一の補助が出て、こうした促進が全国的にもうたわれているところです。
 私は、その所長からもお話を聞いて、将来は太陽光パネルのコスト削減が行われるから、やっぱり東京全体でもこれを大いに普及するべきだというふうにおっしゃっていましたが、財務局としては、全庁的にこうした取り組みをどう生かしていくんでしょうか。

○川島庁舎管理部長 都庁全体といいますか、都庁舎において検討した経過がございますので、ご報告したいと思います。
 副委員長ご指摘の、自然エネルギーの有効活用としての太陽光発電装置をもっと活用すべきではないかということで、実は、平成十年度に、私ども庁舎管理部におきまして、太陽光発電システムの導入について検討した経過がございます。その際、都庁舎の中で日照条件の比較的よい、第一庁舎の南西の角を想定しまして、最大で五キロワット程度の発電を行うという前提のもとに試算した経過がございますが、経費の回収が極めて困難であることと、都が現在使用している電力を補完するものとしては、経済性から見てかなり問題が多いというのが、そのときの検討の結果、判明したことでございます。
 ただ、都庁舎にしましても、今後のコストの動向ですとか、それから、省エネ、省資源にかかわるいろんな技術革新がございますので、私どもとしましても、こうしたエネルギー活用の新技術の動向について今後とも関心を持って注視するなど、引き続いて研究したいというふうに考えております。

○たぞえ委員 ところが、検討、研究とおっしゃいますけれども、実際にやっていることは、先ほど曽根議員が質問したように、都庁舎、議事堂のトイレの洗浄水はちょろちょろ、ちょろちょろしか出してくれない。それから、去年は、五階の控え室が天井から水が降ってくる。これだって、ちゃんと点検、保守管理していないからですよ。それから、エレベーターの定期清掃の廃止だとか、いろいろ節約節約といって、必要なことは切るけれども、太陽光発電とか緊急性が求められているものは、一たん研究したら、その利用価値と、償還が大変だからやりませんと。これは逆立ちだと思いますよ。今、全世界的に、こういう自然エネルギーを大いに活用しようというときに、一たん研究して、もうそれっきりというのは、余りにも都民への無責任な姿勢ではないかと思います。
 そこで、おととい、私はこの屋上に上ってみました。大変景色もすばらしいわけですが、屋上は六千百六十平米あるそうです。そこには、排気口と議長室の上、それから予特の部屋の上の本会議場ですね、明かりとりがある以外は、平面の屋上です。大変広い面積を持っている。そして、第一庁舎、第二庁舎に行く渡り廊下。この上は何もないです。太陽の光をとるには、ばっちり有効な平面を持っている。もう一回検討するべきじゃないですか、太陽光発電。どうですか。

○川島庁舎管理部長 私どものオフィスからも、十八階ですので、議会棟の屋上はよく見えます。ただ、一見、確かに六千平米強ございますが、あれはゴンドラの動く余地--ゴンドラを今格納しているんです。それを、窓ガラス清掃するときに出して、周りを使って、そういう空間を使ってやっていますので、見た目すべてが使えるわけではないという状況でございます。
 いずれにしましても、平成十年に太陽光発電の都庁舎導入を検討して、都庁舎の現在使っている電力の補完としては難しいのかなと。ただ、副委員長ご指摘のように、太陽光発電にふさわしい電力利用の状況とか場とかいうのもあろうかと思います。それにつきましては、それぞれ新しい設備の中で実際には実施しているというふうに、私ども伺っております。都庁舎の議会棟の屋上で太陽光発電を実施するについては、ちょっといろいろ問題が多過ぎるのではないかというのが、私どもの現在の考えでございます。
 ただ、さっき申し上げましたように、将来の技術革新の動向を踏まえると、もう少しというか、かなり安くならないときついと思いますが、そういった状況が出てくれば、その段階で改めて検討する必要があろうかと思います。

○たぞえ委員 いろんな節約で、蛍光灯のスイッチをちょこちょこ、ちょこちょこ押すようなことが、本当の節約とか経費の節減だと思いませんよ。
 もう一つ聞きますけれども、この都議会の議事堂は、議会局に調べていただいたら、第一回予算定例会そのほか入れて四回、それから臨時議会、また常任委員会、特別委員会、すべての傍聴者、四千六百二十名、都民が見えられている。団体扱いでの見学者が六千六百二十五名、個人で一万六千七百七十五名、大変な数の方が、この都庁舎に見えられている。正面玄関を入ってから、この委員会室に来るには、エスカレーター、エレベーターという機械が人を運びます。私も普段は余り気にしなかったんですが、住友ビル、それからNSビルから入ってくる場合に、エスカレーターがありますが、これは今動いているんでしょうか。

○川島庁舎管理部長 議会棟の一階と二階を結ぶ、南北二基のエスカレーターについてのご質問だと思いますが、これは、利用者が極めて少なかったため、省エネルギーの観点から、議会局と協議の上、平成五年七月から運転を停止しております。

○たぞえ委員 この巨大な都議会議事堂をつくったときには必要性があった。つけてみたら、運転とめちゃった。いまだつけない。真っ暗け。案内表示もない。ですから、ここにいらっしゃる都民の方は全部エレベーターを使うしかないんです。箱ですね。ところが、我々も使っていますが、いつになっても来ない。今、一体どこを上がったり下がったりしているか、さっぱりわからない。傍聴議会の日は、都民の方が幾ら待っていても、行くところに行けない。せっかくあるエスカレーターを有効利用しないということは、これが節減なんですか。もっと案内表示をつけたり、電気をちゃんとつけて、ここに行けば一階から二階に上がれると。こうすれば、職員の方も都民の方も、この都議会議事堂、もっと使いやすいんじゃないですか。それこそが本当に開かれた都議会ですよ。スイッチを切れば、それが経費の節減なんというのは、都民サービスの削減にしかなりません。
 これ、動かす必要があるんじゃないですか。どうですか。

○川島庁舎管理部長 都庁全体で、エレベーターの運行状況についてのご不満が随分多いことは、よく承知しております。
 ただ、今、副委員長ご指摘の議会棟のエスカレーターも、私、状況をよく存じ上げませんが、エスカレーターが仮に動いたとしても、あそこ、二階までしかエスカレーターは行っていないんですよね。通常、議会棟をご視察いただくためには、六階とか五階ですか、そういう意味では余りメリットはないのかなというふうに思います。
 そこで、このエスカレーターにつきましては、既に七年半以上休止しておりまして、特段に状況の変化がなければ、運転を再開する必要性は極めて少ないのではないかというふうに考えているところでございます。

○たぞえ委員 メリットがないとおっしゃいましたけれども、設置をしたときには、その理由と根拠があったはずなんですよ。いつから、都民がこのエスカレーターを要らなくなったのか。そんな表示はだれもしていませんよ。動かさないから、メリットが生まれないんじゃないですか。高齢者、障害者も来るんだから、もっと都民に、エレベーターだけじゃなくてエスカレーターも大いに利用してもらって、もっともっと都議会を都民に身近なものにする、そういう姿勢こそ私は必要だと思います。余りこういうのを使いませんと、かえって保守管理費が高くなるんですよ。それから、職員の方だって大いに使える。それから、ここの建物は一階と二階が入り口ですから、それを結ぶ唯一のエスカレーターです。もうちょっと、都庁管理者なんだから、庁舎管理者として--あなた方が使うんじゃないんですよ、都民が使うんだから、もっとそういう立場で、このエスカレーターの再開、もう一回いってください。

○川島庁舎管理部長 先ほどお答えしましたが、平成五年の段階で既に、つまり、三年にオープンしてから五年に至るまで、ほとんど使われていなかったというふうに、私ども承っております。その後、状況は現時点で特に変わってはいないのかなということでございまして、先ほどお答え申し上げましたとおり、特段に状況の変化がない限り、運転を再開する必要性は少ないのではないかというふうに思っています。

○たぞえ委員 七年前のそういう様子をいまだ引っ張ってくることが、どだい無理なんです。バリアフリー法が通って、駅にエスカレーター、エレベーターをどんどん推進しようというときに、つけたものの、七年前スイッチを切ったから、もうやりません、こういう閉鎖的な都庁の姿勢が、今、都民から批判されているんですよ。関係ある議会局と協議して、早速このスイッチを入れてくださいよ。どうですか、もう一回。

○川島庁舎管理部長 繰り返しになって恐縮でございますが、そもそも当初つくったときの想定した状況というんですか、つくっていたわけでございますが、事実上使われていなかったということで、議会局と協議の上、休止しているわけでございまして、何か具体的な状況が変われば必要かと思いますが、現段階では再開する必要はないのではないかというふうに思っております。

○たぞえ委員 一回、都民の方が出入りする玄関の実態調査をやる必要があるんじゃないですか。どういう年齢の層の方が来ているのか。その目の前にエスカレーターがあって、それが使えない、そういうことについて都民がどう思っているのか。もう七年たつわけですから、ぜひ調査していただきたい。そして、経費節減だといって、あっちこっちを切るんじゃなくて、どうやったら太陽光での発電をこの都庁舎全体に生かしていけるか、そういう発想の転換を--財務局というのは切るのがお得意かと思ったら、消すのもお得意、これじゃ困ると思いますよ。
 二十一世紀なんだから、もうちょっと明るい未来を目指して努力していただきたいということを申し上げまして、終わります。

○立石委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 財務局関係の決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○立石委員長 異議なしと認め、財務局関係の決算に対する質疑は終了いたしました。
 以上で財務局関係を終わります。

○立石委員長 これより収用委員会事務局関係に入ります。
 収用委員会事務局関係の決算については、既に説明を聴取いたしております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、これより質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○立石委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 収用委員会事務局関係の決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○立石委員長 異議なしと認め、収用委員会事務局関係の決算に対する質疑は終了いたしました。
 以上で収用委員会事務局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五分散会

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