各会計決算特別委員会速記録第十九号

平成十二年五月十二日(金曜日)
   午後一時三分開議
 出席委員 二十八名
委員長山本賢太郎君
副委員長服部ゆくお君
副委員長前島信次郎君
副委員長大山とも子君
理事木内 良明君
理事土屋たかゆき君
理事遠藤  衛君
理事小松 恭子君
理事立石 晴康君
中嶋 義雄君
吉住  弘君
中西 一善君
竹下 友康君
くぼた 光君
東野 秀平君
藤田十四三君
大河原雅子君
田中 智子君
清水ひで子君
倉林 辰雄君
野田 和男君
林  知二君
大木田 守君
羽曽部 力君
藤川 隆則君
萩谷 勝彦君
田村 市郎君
植木こうじ君

欠席委員 二名

 出席説明員
出納長室出納長佐々木克己君
副出納長三宅  亨君
副出納長道本 佳治君
東京都技監都市計画局長兼務成戸 寿彦君
政策報道室長柿沼 伸二君
総務局局長横山 洋吉君
財務局局長木内 征司君
主税局局長大塚 俊郎君
生活文化局局長今沢 時雄君
環境局局長齋藤 哲哉君
高齢者施策推進室室長福祉局長兼務神藤 信之君
衛生局局長今村 皓一君
労働経済局局長大関東支夫君
中央卸売市場市場長大矢  實君
住宅局局長戸井 昌蔵君
多摩都市整備本部本部長久保田康治君
建設局局長古川 公毅君
港湾局局長浪越 勝海君
教育庁教育長中島 元彦君
都立大学事務局局長土肥 謙二君
警視庁総務部長末綱  隆君
消防庁次長杉村 哲也君
選挙管理委員会事務局局長鳴川 智久君
人事委員会事務局局長中山 弘子君
監査事務局局長石綿 昌男君
地方労働委員会事務局局長歩田 勲夫君
収用委員会事務局局長斉藤 好平君
議会局局長齋藤 康三君

本日の会議に付した事件
 平成十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について(意見開陳)
 ・平成十年度一般会計決算
 ・平成十年度特別区財政調整会計決算
 ・平成十年度地方消費税清算会計決算
 ・平成十年度小笠原諸島生活再建資金会計決算
 ・平成十年度母子福祉貸付資金会計決算
 ・平成十年度心身障害者扶養年金会計決算
 ・平成十年度中小企業近代化資金助成会計決算
 ・平成十年度農業改良資金助成会計決算
 ・平成十年度林業改善資金助成会計決算
 ・平成十年度沿岸漁業改善資金助成会計決算
 ・平成十年度と場会計決算
 ・平成十年度都営住宅等保証金会計決算
 ・平成十年度都市開発資金会計決算
 ・平成十年度用地会計決算
 ・平成十年度公債費会計決算
 ・平成十年度新住宅市街地開発事業会計決算
 ・平成十年度相原小山開発事業会計決算
 ・平成十年度市街地再開発事業会計決算
 ・平成十年度臨海都市基盤整備事業会計決算
 ・平成十年度港湾事業会計決算

○山本委員長 ただいまから平成十年度各会計決算特別委員会を開会いたします。
 本日は、平成十年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について意見の開陳を行います。
 これより決算の審査を行います。
 平成十年度東京都一般会計決算外十九会計決算を一括して議題といたします。
 本決算につきましては、いずれも質疑を終了いたしております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○服部委員 私は、東京都議会自由民主党を代表して、意見の開陳を行います。
 平成十年度決算の状況は、歳入歳出の実質収支が、十八年ぶりに過去最大の千六十八億円の赤字となっております。しかしながら、これは、減収補てん債の発行など財源対策を講じたからであり、講じなかった場合の実質的な赤字は約三千五百億円にも上ります。また、経常収支比率は九九・三%、公債費負担比率は一〇・二%となるなど、財政の硬直化が深刻な状況になっております。このままでは、都民サービスに深刻な影響を及ぼす、財政再建団体への転落が危惧されるところであります。
 都財政の再建に当たっては、厳しい経済環境において税収の伸びが期待できない中で、短期的には財源不足の解消と、中長期的には財政構造の改革が不可欠であり、歳入歳出両面にわたり、すべての施策について見直す必要があります。
 今後は、東京の活力の再生を目指し、新たな施策展開が可能で、弾力的な財政体質を確立するため、財政再建推進プランに基づき、都財政の確実な立て直しを図るとともに、スリムで効率的な執行体制の整備を強く要望するものであります。
 次に、主な事項について申し上げます。
 初めに、政策報道室関係について申し上げます。
 一、都政を取り巻く新しい課題に挑戦するため、政策立案、総合調整機能、広報広聴機能等を充実し、トップマネジメントの補佐機能を強化されたい。
 二、首都機能移転問題については、東京都と移転先候補地との比較考量を十分行い、世論を喚起するための反対活動を展開されたい。
 次に、総務局関係について申し上げます。
 一、行政改革については、都民の信託にこたえ、さらなる内部努力の徹底に努められたい。
 また、東京都監理団体に対しては、さらに厳しい内部努力を促すよう努められたい。
 二、区市町村の振興については、均衡ある発展の促進に努められたい。
 また、多摩、島しょ地域の振興に当たっては、都市基盤整備の推進とともに、地域特性を生かした諸施策の推進に努められたい。
 三、私学助成については、独自の校風のもとに公教育を実践している役割の重要性と都議会決議を踏まえ、厳しい財政状況にあっても、各種助成制度の一層の充実に努められたい。
 四、災害対策については、より実践的な防災訓練の実施や、応急給水槽の建設、学校の避難所機能の強化の推進、都民の防災意識の向上など、総合的な災害対策に努められたい。
 次に、都立大学事務局関係について申し上げます。
 一、都民の税金で運営されていることを深く認識し、教育の中立性を守り、本来の使命である社会への貢献をさらに拡充させ、都民生活の向上と産業の発展に寄与されたい。
 二、国の科学技術振興政策に対応し、提案公募型研究などを初め、創造的、先端的学術研究の成果を広く都民に還元されたい。
 次に、財務局関係について申し上げます。
 一、財政再建推進プランを着実に実行し、地方主権の確立と税財政制度の改革に向け、都が率先してより一層の取り組みをされたい。
 二、中小企業の受注機会を確保するため、共同企業体の活用、分離分割発注、公共工事の積極的な前倒し等により、中小企業の経営安定化への取り組みをさらに強化されたい。
 次に、主税局関係について申し上げます。
 一、今年度より、法人事業税について、銀行業等への外形標準課税を導入しましたが、今後とも、地方分権の推進と地域福祉の充実に向けて、国に、大幅な税源移譲と、都に不利益な税制度の見直しを求められたい。
 二、課税の適正化と滞納額圧縮のために、局を挙げての取り組みを継続的かつ強力に進められたい。
 次に、生活文化局関係について申し上げます。
 一、江戸東京博物館など文化施設の効率的運営に努めるとともに、東京ボランティア・市民活動センターへの支援など、都民との連携を築きながら文化施策を推進されたい。
 二、国内外に東京の魅力を発信して、海外からの観光客、コンベンションを誘致するシティーセールスを、東京コンベンション・ビジターズビューローとの緊密な連携のもとに、強力に展開されたい。
 三、テレホンクラブ等営業規制条例の適切な運用や、青少年健全育成条例の改正も視野に入れて、家庭と地域が一体となり、青少年の健全育成に努められたい。
 また、男女平等参画社会の実現に向けた施策を一層推進されたい。
 次に、都市計画局関係について申し上げます。
 一、二十一世紀の都市づくりに当たっては、その目標や実現のための戦略を明らかにした、新しい観点からのビジョンを策定されたい。
 二、都市交通の利便性、快適性を高めるとともに、周辺の環境にも配慮しながら、道路や公共交通の整備を推進し、交通渋滞や通勤混雑の緩和に努められたい。
 三、安全に暮らせるまちを早期に実現するため、災害に強い市街地の整備を積極的に展開するとともに、災害発生直後の速やかな復旧、復興を図るため、都市復興マニュアルの充実強化を図られたい。
 また、都市型水害に対処するため、雨水貯留・浸透施設の設置に努められたい。
 次に、本年四月一日の組織整備で設置された環境局関係について申し上げます。
 まず、旧環境保全局関係です。
 一、環境の監視、工場排水等の発生源規制などの対策を着実に行うとともに、太陽光発電等の新エネルギーの活用、ヒートアイランド化の防止等、地球温暖化対策に総合的に取り組まれたい。
 二、低公害車の普及を推進するとともに、新たな自動車排出ガス対策は、関係業界や国とも連携して、実効ある施策を構築されたい。
 三、有害化学物質であるダイオキシン類の調査分析や環境ホルモンの実態把握など、今後のPRTR(環境汚染物質排出登録)制度の実施に向けて適切な対応を図られたい。
 次に、旧清掃局関係について申し上げます。
 一、資源循環型社会を形成していくため、都として、先導的な廃棄物リサイクル施策の構築に積極的に取り組まれたい。
 二、不法投棄対策の一層の充実と、東京の産業廃棄物処理を打開するため、公共関与による産業廃棄物処理施設整備を促進されたい。
 三、市町村における廃棄物処理施設の整備や、ごみ減量化促進事業等に対する、財政面、技術面の支援の充実を図られたい。
 次に、福祉局関係について申し上げます。
 一、急速に進む少子高齢社会の中で、国の社会福祉基礎構造改革を初めとする福祉改革を推進し、二十一世紀を見据えた新しい時代に適合する福祉施策を展開されたい。
 二、仕事と家庭の両立を支援する保育対策や、少子社会における子育て家庭への支援、増加する虐待などから子どもを擁護する仕組みづくりに積極的に取り組まれたい。
 三、障害者の自立生活を促進するため、障害者地域自立生活支援センターやホームヘルプサービス事業の拡充を図られたい。
 四、福祉サービスの利用制度化によるサービス利用を支援するための在宅福祉サービスの充実に努められたい。
 次に、高齢者施策推進室関係について申し上げます。
 一、介護保険では、利用者が安心してサービスを利用できるよう、区市町村等との連携や事業者ガイドラインの検証を行うとともに、事業者のサービスの質の向上を図られたい。
 二、介護保険で自立と認定された高齢者等への施策である、介護予防・生活支援事業に積極的に取り組むとともに、元気な高齢者の社会参加を促進するため、都独自の包括補助事業を充実し、区市町村が地域の実情に応じたサービスを展開できるよう支援されたい。
 三、東京都高齢者保健福祉計画及び東京都介護保険事業支援計画に基づき、特別養護老人ホームや老人保健施設の計画的整備を進めるとともに、在宅サービス基盤の整備に取り組まれたい。
 次に、衛生局関係について申し上げます。
 一、ダイオキシンの人体への影響に関し、魚介類や母乳などの継続調査とその結果報告など、都民の不安解消に努められたい。
 二、かかりつけ医の定着促進と医療機関の連携をさらに推進されたい。
 また、それらを踏まえ、地域医療の仕組みづくりに努められたい。
 三、介護保険制度の施設サービスの一つである療養型病床群の量的整備と療養環境の改善など、制度の円滑な施行に努められたい。
 次に、労働経済局関係について申し上げます。
 一、中小企業が社会経済環境の変化に適切に対応し、創造的な事業活動や新たな事業分野への進出及び創業を支援するなど、活力ある産業の振興に努められたい。
 また、中小企業の資金需要に適切にこたえるため、融資条件の緩和など、制度融資の充実を図り、企業経営の安定に努められたい。
 二、大型店の適正な出店調整を行うとともに、活力ある商店街育成事業や元気を出せ商店街事業などの支援策の推進に努められたい。
 三、厳しい雇用状況が続く中で、雇用機会の確保に努めるとともに、技術専門校の効率的、効果的な整備を推進し、離転職者等に対する職業訓練機会の拡大に努められたい。
 四、農林水産業の振興を図るため、都市農業の育成や基盤整備の強化、林業経営の安定、資源管理型漁業の推進などに努められたい。
 次に、住宅局関係について申し上げます。
 一、都営住宅など公共住宅については、コストの低減を図り、効率的な供給に努めるとともに、区市町村住宅に対する支援を強化し、総合的な公共住宅の供給を図られたい。
 また、住宅使用料の確実な収納、今回見直された減免制度を着実に進めるなど、公正かつ適切な管理に努められたい。
 二、高齢者向け優良賃貸住宅の供給など多様な住宅供給に努めるとともに、民間を含めたバリアフリー化を促進するなど、高齢社会に対応した対策を総合的に推進されたい。
 次に、多摩都市整備本部関係について申し上げます。
 一、多摩ニュータウンなど、多摩の心や業務核都市としての拠点地区整備や、関連する都市基盤の整備に努められたい。
 また、南多摩尾根幹線など広域的都市機能の強化を図られたい。
 二、調布基地跡地や昭島地区等の大規模跡地地区の整備については、地元市との連携を図りながら着実に進められたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路及び生活に密着した道路や、山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備促進を図られたい。
 特に、環状八号線や調布保谷線等の幹線道路網、渋滞解消のための鉄道連続立体交差事業、多摩川中流部橋梁の整備を推進されたい。
 二、多摩地域の渋滞緩和に効果のある交差点すいすいプラン一〇〇及び、歩行者や自転車が通行できる広い歩道の整備を促進されたい。
 三、都市型水害の解消を図るため、神田川等の護岸整備、調節池の設置等、総合的な治水対策の推進を図られたい。
 次に、港湾局関係について申し上げます。
 一、輸送革新や国際港湾物流動向に的確に対応するため、大井コンテナふ頭の再整備や、航路、泊地の整備、臨海道路、新海面処分場等の整備に努め、港湾機能の充実を図られたい。
 二、東京港を国際貿易港として、ポートセールス活動を積極的に展開するとともに、諸手続の簡素化や利用料金の軽減等により、使いやすい港づくりを推進されたい。
 三、島しょの交通輸送路を充実し、港湾、漁港、空港の整備に積極的に取り組まれたい。
 また、引き続き離島航路補助の充実に努め、島しょ航空路線の維持に万全を期されたい。
 次に、教育庁関係について申し上げます。
 一、すべての子どもたちが人間性豊かに成長できるよう、いじめや不登校などの問題が起きないような心の教育の充実にさらに努力するなど、積極的に諸施策を推進されたい。 二、都立高校改革推進計画に基づき、学校の個性化、特色化、規模の適正化など、都立高校の改革を着実に推進されたい。
 三、教職員の業績評価に当たっては、新たに導入した人事考課の活用や研修などにより、教員の意識改革と資質の向上に一層努められたい。
 四、都民が生涯を通じて主体的に学習やスポーツ活動を展開できる機会や場を提供するなど、積極的な生涯学習の諸施策を推進されたい。
 次に、警視庁関係について申し上げます。
 一、平穏な都民生活を脅かす銃器、薬物犯罪及び不法滞在外国人犯罪、暴力団等による組織犯罪に迅速、的確に対処するための各種装備資器材の整備、開発を図られたい。
 二、多発する少年の凶悪事件及び少女を対象とする売買春等の福祉犯罪に対処するため、年少者の規範意識の高揚及び非行防止対策を推進されたい。
 三、犯罪被害者の心情や立場に配慮した、総合的な被害者救援対策を図られたい。
 次に、東京消防庁関係について申し上げます。
 一、消防部隊の迅速な活動を図るため、災害救急情報通信システムや震災対策用装備器材を充実させ、震災対策の推進を図られたい。
 二、化学災害や大規模災害に対応するため、特殊消防部隊の整備と各種消防車両等の増強等、消防機動力の充実を図られたい。
 三、消防団活動の拠点となる団本部等の整備を行い、消防団員の処遇改善を図られたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○小松委員 私は、日本共産党都議団を代表して、一九九八年度、平成十年度の各会計決算について意見を開陳します。
 本決算の九八年度は、バブル経済崩壊後の長期の不況や、大企業を中心とするリストラあらしのもとで、都民の暮らしと営業は本当に深刻な事態に追い込まれた年でありました。
 しかも、国が九七年に強行した消費税増税、医療制度改悪による九兆円もの新たな負担増、社会保障、教育、中小企業対策を初めとする施策の切り捨てが、都民生活に追い打ちをかけるものとなりました。
 景気対策に名をかりたゼネコン奉仕の公共事業の拡大は、国の財政を悪化させただけでなく、地方自治体の財政をも巻き込んで泥沼化しつつあります。
 このようなもとで、都政運営に求められたのは、これらの悪政から都民の暮らしと営業を守り、切実な都民要求の実現に全力を尽くすことでありました。しかし、当年度の予算は、都が計画したシルバーパスの全面有料化を初めとする財政健全化計画の具体化が都民の反対で阻まれたとはいえ、大型開発は温存する一方で、福祉や教育などの都民施策を後退させる方向に踏み出したものでした。
 市町村調整交付金の削減、私学助成の実質的削減、都営住宅新規建設からの後退、職業訓練校及び労政事務所の統廃合などが、都民の批判を押し切って強行されたのを初め、在宅介護支援センターの整備目標の引き下げなど、福祉の分野でも都民施策の削減が行われただけでなく、予算の執行を通じてもさまざまな形で施策の切り下げが行われたことが、決算の審議を通じて明らかとなりました。
 また、都は、当初予算で投資的経費を削減したといいながら、補正予算で大型投資を上乗せするというやり方が導入され、その結果、投資的経費はバブル前の二・五倍の水準が維持され、都財政難の真の原因である従来型の大型公共事業は温存されました。
 当年度の都債発行額は、普通会計決算で約七千六百億円、残高は七兆一千三百八十八億円に膨らませ、深刻な都財政を立て直すどころか、借金依存に拍車をかけることになった責任は極めて重大であります。
 九八年度は、臨海関連第三セクターへの公金投入が行われました。臨海開発や大型幹線道路など大型開発優先の財政運営のツケを、挙げて福祉や教育、中小企業対策など都民施策にしわ寄せさせることは、認められるものではありません。
 我が党は、当初予算に対して組み替え提案を行い、大型開発を抑制し、浪費とむだをなくす方向に踏み出すことで、都財政の立て直しと、福祉や教育などの都民施策拡充が両立できることを示しました。
 都が、この我が党の提案に真摯に耳を傾けて、都政運営の思い切った転換を図っていたならば、今日の深刻な事態を避け、都民施策を守り拡充しながら、都財政立て直しの方向に踏み出すことは可能であったと確信するものです。
 以上の立場から、我が党は、一般会計決算、特別区財政調整会計決算、心身障害者扶養年金会計決算、と場会計決算、公債費会計決算、新住宅市街地開発事業会計決算、市街地再開発事業会計決算、臨海都市基盤整備事業会計決算、港湾事業会計決算に反対するものです。
 以下、各局ごとに申し述べます。
 政策報道室。
 一、米軍横田基地、多摩サービス補助施設など、すべての米軍基地の全面返還に正面から取り組むこと。米軍横田基地の軍民共用計画は中止すること。NLPの中止、騒音、ごみ問題など、基地被害の根絶に努めること。
 一、青山公園の一部を占拠している米軍臨時ヘリポートは、早急に三者協定どおり返還を求めること。
 総務局。
 一、地方分権推進に当たっては、十分な財源措置を国に求めると同時に、都として、区市町村への分権のあり方について、財政措置も含め、対等、平等の立場で論議を尽くし、合意を図ること。
 一、市町村振興交付金、市町村調整交付金を増額し、多摩格差是正のための支援を強めること。
 一、総合防災訓練については、消防力、関係自治体、住民、企業などの総合を発揮したものにすること。陸海空の三自衛隊による防災訓練は中止すること。治安出動・訓練は行わないこと。
 一、私学経常費助成の実質的削減は行わず、二分の一補助を名実とも堅持すること。
 一、私学助成について、家計急変への対応など、授業料減免特別補助について全学校で実施できるよう徹底、指導を行うこと。
 一、私学助成について、独自の保護者負担軽減補助を検討すること。
 都立大学。
 一、大学の自治、学生の自治の原則を尊重すること。
 一、学部学科の増設に伴う職員の増配置を努めること。
 一、教員の研究奨励費、都市研究費、学生教育費を増額すること。
 財務局。
 一、財政難を口実とした都民施策の切り下げを行わないこと。
 一、大型開発優先の公共事業を抑制し、借金依存型財政運営を改めること。
 一、臨海関連第三セクターへの増資や賃料の増額など、都財政を一層困難にさせる支援は改めること。
 一、生活密着型公共事業への転換、分離分割発注の徹底など、中小企業への発注率を引き上げること。
 一、経常経費に含まれる投資的関連経費を抑制すること。
 主税局。
 一、地価公示価格の七割を固定資産税価額とする評価の撤回を国に求めるとともに、都民負担の軽減を図ること。
 一、徴税業務の行き過ぎを改め、納税者ごとに親切で適切な対応を行うこと。
 生活文化局。
 一、有機農産物流通推進事業の拡大と、わかりやすい明確な表示を行うこと。
 一、女性財団の自主活動、自主研究への助成率削減を行わないこと。
 一、女性への暴力やセクハラに対する救済対策を強化するとともに、社会的啓蒙普及活動への支援を行うこと。
 一、男女平等推進基本条例を実効あるものにするため、具体的な施策を着実に進めること。
 都市計画局。
 一、東京一極集中を一層激化させる区部中心部整備、臨海副都心を初めとする副都心整備、業務核都市づくりは、抜本的に再検討すること。
 一、圏央道、外郭環状道路、中央環状新宿線、都市高速王子線など、環境を破壊する大型幹線道路計画は、都民参加で再検討すること。
 一、東京の産業集積を守るために、工業等制限法の規制緩和地域の拡大を国に働きかけること。
 一、首都高速道路公団への出資、貸し付けをやめること。
 環境保全局。
 一、公害防止条例は、大気汚染、地球温暖化、ダイオキシンを初めとする新たな課題に対応するとともに、原因者の責任の明確化など、抜本的に強化すること。
 一、自然保護条例は、東京の残された自然と野生生物の保全、保護が優先される内容とすること。
 一、地下高速道路などの排気の脱硝装置を義務づけること。
 一、野火止用水の流水量は必ず確保すること。
 一、歴史環境保全地域に指定された玉川上水の両岸周辺の緑地を守る対策をとること。
 一、保全緑地の公有化拡大と区市町村支援の制度を新設すること。
 清掃局。
 一、廃棄物の製造段階での発生抑制の確立など、企業責任を明確にした方策をとること。
 一、二十三区清掃事業の区移管後も、広域的立場から必要な援助を行うこと。
 また、区市町村の減量・リサイクルへの支援を強化すること。
 一、新海面処分場は、計画の根本的見直しを行うこと。
 一、産業廃棄物については、最終処分までの監視、野焼き防止など、対応を抜本的に強化すること。
 福祉局。
 一、深刻になっている児童虐待を防止するために、児童相談所の児童福祉司の専門性を確保し、体制を拡充すること。
 また、関係機関、虐待防止センターなどとの連帯を図ること。
 一、子ども家庭支援センターの役割を明確にし、親への支援を拡充すること。
 一、福祉事務所は、生活保護を希望するすべての者の申請をまず受理すること。
 自立を援助するためにも、多過ぎる現在の地区担当ケースワーカーの受け持ち人数を減らせるよう、人員をふやすこと。
 同時に、ケースワーカーの専門性を高めるための研修を行うこと。
 一、都外にある、東京都が措置委託している知的障害者の入所施設の利用者への人権保障を万全とすること。
 一、産休明け、障害児、病後児、時間延長など多様な保育ニーズにこたえられるよう、人的配置も含め、体制を整えること。
 同時に、待機児を一刻も早く解消するため、保育園の増設も含め、区市町村を支援すること。
 一、特別区国民健康保険、市町村国保、組合国保への補助を増額すること。
 高齢者施策推進室。
 一、痴呆性高齢者のグループホームの整備を促進し、NPO法人についても助成を拡大すること。
 一、高齢者の住宅を確保するために、シルバーピア、ケアハウスの増設を図ること。
 また、生活援助員の派遣を検討すること。
 一、特別養護老人ホームの整備促進を図ること。
 また、都立養護老人ホーム、都立ナーシングホームの居室定数の改善を早急に行うこと。
 一、都立ナーシングホームの理学療法士、作業療法士の削減を撤回し、リハビリテーション医療体制を充実させること。
 一、在宅介護支援センターの整備を進めるとともに、地域のすべての高齢者への支援ができるよう、充実を図ること。
 一、介護保険制度の実施に伴って、不足している基盤整備を、目標に見合って早急に整備すること。
 また、理学療法士、作業療法士の配置された通所リハビリ整備のための支援策を創設すること。
 一、特養ホームの重度痴呆加算は復活すること。
 衛生局。
 一、精神障害者施策については、他の障害者施策と同水準に整備すること。
 一、財政難を口実に、精神障害者の共同作業所の新設を抑制しないこと。年度初めから補助を開始すること。
 一、結核予防事業を強化し、例えばCR検診車モデル実施後は、所内レントゲンもできるようにすること。
 一、NICUの多摩地域への整備を促進すること。その際、都立八王子小児病院の移転に伴っての病床確保を図ること。
 一、東部療育センターの早期建設を図ること。
 また、おくれている西多摩、八王子地域の整備についても早急に実現を図ること。
 一、難病患者への医療費公費負担制度については、無料制度に戻すこと。
 また、在宅生活を支援する事業を拡充すること。
 労働経済局。
 一、都の中小企業政策は、ベンチャー企業などに特化するのではなく、産業を支える工業地域集積活性化支援事業や地場産業の育成、産・学・公連携事業を中小企業が実際に活用できるよう、具体的支援を行うこと。
 一、融資について、安定化保証融資の継続を国に求めるとともに、都の制度融資についても、運転資金に逼迫している業者に対応できるよう、資金運用型融資の充実を図ること。
 一、元気を出せ商店街対策について、一層の充実と、個店対策などにも適用できるよう拡充すること。
 一、空き店舗対策、ふれあい商店街づくりなどの商業支援を、希望するすべての商店街を対象に拡充すること。
 一、職業訓練校の統廃合はやめ、不況に苦しむ勤労者の要望にこたえること。
 一、労政事務所の統廃合は中止し、拡充を図ること。
 一、障害者の法定雇用率未達成企業への指導を強めると同時に、法定雇用率そのものを欧米並みに高めるよう、国に求めること。
 また、都みずからの雇用率引き上げに努めること。
 一、能力開発校の募集数と科目は、実態に見合った見直しをすると同時に、老朽化した校舎及び施設の整備など、国に求めること。
 一、東京の農林業を守るため、必要な予算を確保すること。
 苗木生産者や獣害対策など、さらに充実すること。
 一、都市農業ブランド化推進事業など都市農業振興対策は、サンセット方式をやめ、農業者の要望にこたえること。
 一、タイム二十四、東京ファッションタウンなど、第三セクターの情報開示を全面的に行い、破綻処理は、延命でなく、都民参加で全面的な破綻処理を行うこと。
 住宅局。
 一、都営住宅など公共住宅から撤退をしないこと。とりわけ、新規建設戸数を削減しないこと。
 一、貴重な都心部の公有未利用地を活用し、都営住宅を建設すること。
 一、大幅黒字の住宅供給公社の一般賃貸住宅家賃を引き下げること。
 一、高齢化への対応として、中小規模の都営住宅にも管理人を常駐させるとともに、福祉サービスを一体的に行う仕組みづくりを検討すること。
 一、設置要望のある中層都営住宅のエレベーター設置は、早急に完了させること。
 一、超高層住宅のエレベーター電気代などの共益費負担について、調査を行い、改善を図ること。
 一、高齢者や低所得者について、住宅建てかえ時の保証金に減免規定を設けること。
 多摩都市整備本部。
 一、多摩ニュータウンについては、高齢化社会への対応や、商業施設、公共施設など、今後のまちづくりのあり方を検討すること。
 一、多摩の自然と緑を破壊する、大企業優先の秋留台開発や坂浜・平尾地区区画整理事業は中止すること。
 大型開発への事業拡充は行わないこと。
 一、東京スタジアムの運営に当たっては、都民や地元市へ新たな財政負担を押しつけることのないよう努めること。
 また、交通渋滞、騒音問題等については、関係機関と連帯し、住民の迷惑にならないように努めること。
 建設局。
 一、生活密着型道路整備を抜本的に拡充すること。特に、歩道のない危険な生活道路の歩道設置を急ぐこと。
 一、川崎や尼崎などの公害訴訟を踏まえ、幹線道路沿線の環境対策を抜本的に強化すること。
 一、圏央道へのアクセス道路の環境影響評価を改めて行うこと。
 一、都民への緑化普及啓発や緑化活動の拠点としての重要な役割を持つ緑の相談所は、継続すること。
 一、フィンガープランにある狭山丘陵など、緑地の計画的な買収を進めること。
 一、空堀川など中小河川の拡幅計画では、芝生など可能な限り親水性のある緩傾斜護岸を取り入れること。
 一、汐留、有明北、豊洲・晴海などの大企業奉仕の区画整理事業は中止し、都民参加で再検討すること。
 一、環境を破壊し、地域分断、町壊しの調布保谷線は、住民参加で計画を見直すこと。
 港湾局。
 一、臨海副都心開発は抜本的に見直すこと。
 一、臨海関連道路建設などへの一般財政投入を改めること。
 一、環境破壊や大企業奉仕の有明北地区、豊洲・晴海地区などの新たな埋め立てについて中止すること。
 一、臨海関連第三セクターへの公的資金投入などの救援策は撤回し、破綻処理は都民参加で抜本的に行うこと。
 一、最終処分場建設計画については、ごみや建設残土の減少などを考慮し、抜本的に見直すこと。
 一、大島波浮港の臨港道路建設について、地元意見を十分反映させること。
 一、島しょにおける港湾施設、漁港施設、海岸保全施設、空港などの整備を進めること。
 教育庁。
 一、いじめ、学級崩壊、不登校などに対応するためにも、教員の増配置、養護教員の複数、スクールカウンセラーの配置を図ること。
 一、都立高校の統廃合計画を抜本的に見直し、希望する子どもの高校全員入学を保障すること。
 一、三十人学級の実現に向けて、具体的に着手すること。
 一、都立工業高校などにおいて、技術革新の速いパソコンなどの更新を早めること。
 一、就職希望の高校生に対して、職業教育や就職情報の充実を図ること。
 一、卒業式や入学式での日の丸・君が代の押しつけをやめること。
 一、多摩ユース・プラザの建設は関係者の合意で進めるとともに、青年の家は存続させること。
 選挙管理委員会。
 一、どんな重い障害を持った人や寝たきりの高齢者でも選挙権が行使できるように、選挙制度の改正を国に働きかけること。
 一、視力障害者や聴覚障害者などへの選挙広報等の情報提供に努めること。
 消防庁。
 一、国の消防力基準及び都の消防力配備基準を早期に達成すること。
 収用委員会。
 一、土地収用手続は、公平、公正、厳正に進めること。
 以上です。

○中嶋委員 平成十年度決算認定に当たって、公明党として意見を申し上げます。
 現在、都政の最大の課題は財政再建であり、したがって、今後は、決算の視点に関しても変容が迫られると思われます。予算の執行率などもさることながら、むしろ予算を執行した結果が重視されるべきであり、これは、いわゆる行政評価制度の考え方に合致いたします。
 また、財政再建は、単なる縮小均衡を追いかけるのではなく、行政の質そのものを変化させる機会にほかなりません。よく指摘される決算重視の観点も、こうした角度のアプローチが不可欠であると考えます。
 都においても、今秋にも予定される都市構想策定に合わせ、東京政策指標を発表する方針を明らかにしています。これは東京版ベンチマークスともいうべきものであり、短期、中期、長期の政策目標を都民にわかりやすく提示して、しかも、その達成ぐあいを常に公表するものであります。これも、従来の決算のあり方を大きく変容させる機会になると思われます。
 こうした問題意識のもとで、今後とも決算のあり方を模索、研究していただきたいことをまず申し上げておきます。
 次に、各局に関して主な意見を申し上げます。
 初めに、政策報道室について。
 一、きめ細かい都政情報の提供のため、インターネットなどの新しい媒体を、広報広聴活動により一層活用されたい。
 一、開かれた都政の確立と都民参加を推進するため、情報公開制度を適切に運用するとともに、実施機関の拡大を図られたい。
 次に、総務局関係について。
 一、組織定数の見直しや一層の事務改善など、徹底した行政改革に努められたい。
 一、国に対して、地方財源の充実、確保を働きかけられたい。
 また、区市町村への権限移譲を促進されたい。
 一、災害対策として、警視庁、消防庁、自衛隊との緊密な連携を図る体制を整備し、情報連絡、避難誘導、救出救護など、総合的防災対策の強化に努められたい。
 一、私学助成については、私学教育の重要性と都議会決議を重視し、助成水準の維持に努められたい。
 続いて、福祉局。
 一、区市町村が運営する障害者地域自立生活支援センターや知的障害者生活寮を積極的に支援するなど、障害者の自立と社会参加を促進するための施策を一層充実されたい。
 一、子ども家庭支援センターの整備を支援するなど、地域の子育て支援機能の強化を図るとともに、ゼロ歳児保育や延長保育の拡充など、子育て家庭への支援を一層推進されたい。
 一、福祉サービス利用者の選択権を確立し、その権利を擁護するための施策の充実を図られたい。
 一、ノンステップバスの整備助成を拡充するなど、福祉のまちづくりを着実に推進されたい。
 次に、衛生局。
 一、安心して子どもを産み育てられる環境を整備するため、診療報酬の改定や小児科医の養成等、小児医療の充実についてさらに国に要望されたい。
 一、今後ますます増大していくリハビリテーションへのニーズに対応するため、リハビリテーション医療従事者の確保及び質の向上に関する施策をさらに充実し、診療報酬の改定等について、引き続き国に要望されたい。
 一、区東部地域に新たに重症心身障害児施設を整備されたい。
 一、発症メカニズムが明確ではないアレルギー疾患について、総合的な研究に取り組むとともに、相談、指導体制についても一層の充実を図られたい。
 一、高次脳機能障害について、医療面の支援のあり方について検討を進めるとともに、障害の診断技法の確立や専門医療機関への支援策について取り組まれたい。
 次に、港湾局関係。
 一、東京港は、輸送革新に対応できるよう、港湾機能の充実を図られたい。
 また、ポートセールス活動の一層の充実を図られたい。
 一、耐震強化岸壁の整備や液状化対策、新交通「ゆりかもめ」の橋脚や橋梁等の耐震性強化、また防潮堤、内部護岸の着実な整備を推進されたい。
 一、島しょ地域等の港湾や漁港、空港などの整備充実を引き続き推進されたい。
 また、島しょ航空路線の維持を図るため、国の航空政策の動向を踏まえ、離島航空路補助等を着実に実施されたい。
 次に、生活文化局に関して。
 一、都民の創造活動支援など総合的な文化施策の推進に努めるとともに、市民活動を支援するため、情報提供、専門的な人材養成に努められたい。
 一、海外諸都市との実りある交流、協力を推進し、世界に開かれた国際政策を展開されたい。
 一、男女平等参画社会実現に向けて、施策の充実を図られたい。
 一、不正取引、表示の是正に取り組むとともに、消費者の関心の高い有機農産物流通推進事業、遺伝子組みかえ食品対策などを推進されたい。
 次に、都市計画局。
 一、都市づくりのビジョンの策定に当たっては、IT革命などの社会状況の変化を踏まえ、二十一世紀を見据えた新たな都市像を構築されたい。
 一、都市防災不燃化促進事業の一層の推進に努められたい。
 また、発災直後の復興、復旧を図るため、都市復興マニュアルの充実強化に努められたい。
 一、多摩地域の振興と発展のために、多摩都市モノレールを活用したまちづくりを進められたい。
 一、都市の根幹的公共交通網である東京臨海高速鉄道臨海副都心線の大崎駅までの延伸及び常磐新線、日暮里・舎人線を早期に整備し、都民生活の利便性の向上に努められたい。
 次に、環境保全局について。
 一、大気汚染対策、とりわけ自動車公害対策が重要である。このため、交通量対策やアイドリングストップ、低公害車の普及などを総合的に推進するとともに、ディーゼル車対策、交通需要マネジメントを初めとする新たな自動車公害対策の構築に努められたい。
 一、ダイオキシン類対策を推進するとともに、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンの調査研究を進め、有害化学物質対策に努められたい。
 一、総合環境アセスメント制度の本格実施に向けて努力するとともに、エネルギーの有効活用や新エネルギーの導入など、地球環境問題への取り組みを推進されたい。
 旧清掃局について。
 一、人間と環境が調和した循環型社会づくりを基本に、廃棄物行政を強力に推進されたい。
 一、清掃工場におけるダイオキシン類削減対策を早急に進めるため、適切な財政的、技術的支援を図られたい。
 一、PCB廃棄物を初めとする有害廃棄物の適正処理や産業廃棄物の不法投棄など、産業廃棄物問題に積極的に対応されたい。
 次に、教育庁関係。
 一、教員資質向上のため、初任者研修や現職研修、さらに長期社会体験研修などを充実されたい。
 また、人事考課制度を適切に運用し、活力ある教育現場を実現されたい。
 一、都立高校の個性化を図り、総合学科や単位制高校などを設置する都立高校改革をさらに推進されたい。
 一、障害児の職業教育を充実し、社会的自立が図られるよう努められたい。
 一、地震等の災害に備え、学校施設の耐震、防災化を進め、非常用物資の備蓄も確保されたい。
 一、地域に開かれた学校づくり、民間人校長の登用など、大胆な学校改革を図られたい。
 次に、警視庁関係。
 一、交通事故防止や交通渋滞の解消を図るため、交通信号施設、交通管制機構施設、道路標識や道路表示等の整備を図るとともに、交通公害を抑止する対策を強力に推進されたい。
 一、悪質、巧妙化している環境破壊事犯を取り締まるために必要な資器材を整備するとともに、犯罪のないまちづくりのため、都民参加の各種施策を推進し、また、交番相談員を増員し、街頭活動の強化を図られたい。
 一、都民の抱える困り事等の各種生活安全相談業務について、積極的に広報活動を展開し、速やかな対応を図られたい。
 一、交番、駐在所の整備を推進するとともに、大規模災害発生時の早期臨場体制を確立するための待機宿舎の整備拡充を図られたい。
 続いて、都立大。
 一、大胆な大学改革を推進されたい。
 一、大学の先端的、創造的研究の高い能力を最大限活用し、民間企業への技術移転を進めるとともに、経営、経済、法律など広範囲にわたる大学の持つ豊かな資源を生かし、中小企業やベンチャー企業をさまざまな面から支援し、産・学・公の連携を一層推進し、東京の経済、産業の発展に寄与されたい。
 一、産・学・公の連携の中で、学生の起業、創業を促進する環境づくりに努め、新産業創出を図られたい。
 住宅局。
 一、都営住宅の建てかえやスーパーリフォームによる良質なストック形成を着実に進めるとともに、都民住宅についても着実な供給を図られたい。
 一、シルバーピアや高齢者向け優良賃貸住宅の供給、既存都営住宅へのエレベーター設置、公共、民間住宅のバリアフリー化など、高齢者の居住安定対策を総合的に進めるとともに、子育てファミリー世帯に対する住宅対策の充実を図られたい。
 一、民間分譲マンションの適切な維持管理を図るため、区市町村とも連携し、相談体制の整備など、支援策の充実に努められたい。
 続いて、消防庁。
 一、増大する救急需要に対応するため、救急車の増強及び高度救急処置器材等を更新し、救急活動体制の充実強化を図られたい。
 一、消防部隊の円滑な運用を行うための災害救急情報通信システムを整備するとともに、各種通信機器や装備器材を充実されたい。
 一、火災による死者を防止するため、住宅防火対策に努めるとともに、火災通報システムの普及を促進し、各種広報に努められたい。
 一、消防団員の処遇改善のため、防災資機材格納庫や装備資器材を充実させ、消防団活動体制の強化を図られたい。
 次いで、財務局。
 一、不況対策として、中小企業安定化対策を推進するため、分離分割発注の推進、公共工事の前倒し発注などを積極的に活用し、発注の平準化と受注機会の拡大に努められたい。
 一、税源移譲等の地方財政制度の抜本的な改革を国に対して強く要求されたい。
 主税局について。
 一、固定資産税については、負担の均衡化、適正化を進めながら、納税者にわかりやすい固定資産税制とするよう、国に対し強く要請されたい。
 高齢者施設推進室関係について。
 一、都民が安心して介護サービスを利用できるようにするため、相談、苦情等に対応するマニュアルの改定や事業者のガイドラインの検証等を行い、サービス利用者を保護する仕組みを充実されたい。
 一、介護基盤の充実に区市町村と連携して取り組まれたい。特に、痴呆性高齢者のための痴呆性高齢者グループホームの整備に当たっては、国制度とあわせて、区市町村と一体となって設置促進に取り組まれたい。
 一、ひとり暮らし高齢者等への生きがい対策、自立生活支援等の寝たきり予防対策など、介護保険制度の対象とならない保健福祉サービス施策を総合的に実施できるよう、区市町村を支援されたい。
 一、総括補助制度を積極的に運用し、区市町村が、地域の実情に応じて、さまざまな事業を展開できるよう、支援されたい。
 労働経済局関係について。
 一、起業家等の創業活動を活性化するため、創業スペースの提供、創造的技術支援、人材育成、能力開発、情報提供による支援、さらには創業支援融資及び税制の優遇措置などを図られたい。
 一、中小企業の新分野進出や技術力向上、新製品開発などを促進するため、未利用特許等の有効活用を図るシステムの充実を引き続き図られたい。
 一、景気動向を踏まえ、中小企業の資金需要に適切にこたえるため、中小企業金融安定化特別保証制度の活用や融資条件の緩和など、制度融資を充実し、中小企業の経営の安定を図られたい。
 一、都市農業の育成や農業生産基盤の整備、強化を推進し、農業振興策の充実を図られたい。
 また、島しょ地域の基幹産業である農業と水産業の振興発展のための施策に積極的に取り組まれたい。
 最後に、多摩都市整備本部について。
 一、多摩ニュータウンの開発事業においては、開発戦略の見直しを図りつつ、自然環境と調和した活力あるまちづくりを推進されたい。
 一、多摩自立都市圏の形成を図るため、各地域整備において、商業・業務機能の整備は当然として、公園・緑地、文化・スポーツ施設の整備など、生活の質向上に資する環境整備に努められたい。
 以上で意見開陳を終わります。

○土屋委員 私は、都議会民主党を代表し、平成十年度一般会計並びに特別区財政調整会計など十九特別会計の決算について意見を述べさせていただきます。
 平成十年度普通会計決算は、歳入総額六兆五千九百六十二億円、歳出総額は六兆五千七百三十六億円で、形式収支は二百二十六億円の黒字となっていますが、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は、十八年ぶりに赤字に転じ、過去最大の一千六十八億円の赤字となっています。これは、減収補てん債の発行など二千四百八十二億円の財源対策を講じてもなお財源不足が見込まれたため、公営企業会計への支払いの一部を平成十一年度に繰り延べたことなどによるもので、都財政の危機的状況を如実に示すものです。
 また、経常収支比率も、前年度から三・二%上昇して九九・三%となり、財政の硬直化がますます進んでいます。一方、都債現在高(普通会計債)も、対前年度比七・三%(四千八百三十七億円)増の七兆一千三百八十八億円となり、将来の経常収支を圧迫する要因となっています。
 このような長期にわたる財政緊縮状況は、対前年比六%、八%もの税収増が見込めた鈴木都政の財政再建期とは全く様相を異にしており、全く新たな対応が求められていることは改めていうまでもないことであります。だからこそ、私たちは、この間、企業会計の導入や行政評価制度の導入を提案してきたものであり、都政の財政状況や行政施策の効果について都民につまびらかに明らかにすることによって、都民とともに、都民の支持と監視のもとでしか、本当の意味でのリストラクチャリング、単なる歳出削減にとどまらない事業の再構築はできないのであります。
 バランスシート等の活用については、近々、中間のまとめが出ることになっており、行政評価についても十二年度には拡大試行が実施され、十三年度には本格実施が予定されています。都政のリストラクチャリングに向けたツール、道具は整備されつつあります。
これらのツール、道具を活用しながら、今後、思い切った財政再建策に取り組まれることを強く求めておきます。
 以上、総括的な意見を述べ、以下、各局別事項について意見を申し上げます。
 まず初めに、政策報道室について申し上げます。
 一、資源・エネルギーの大量消費を抑制し、再生利用と有効利用を促進し、最終的な廃棄物については、地球環境への負荷を最小限にして自然に戻していく循環型社会の形成を目指して、都民や事業者とともに総合的な施策を展開すること。
 一、東京都情報公開条例を改正し、東京都公安委員会を実施機関に加えること。
 一、予算と計画の統合、政策形成、調査研究、政策法務機能の強化など、トップマネジメント機能の充実強化を図ること。
 次に、総務局について。
 一、分権推進に向けた体制を再構築し、全国の自治体と連携した第二次分権改革に向けた取り組みを強めるとともに、市区町村の自主性、自立性の向上を図るため、都から区市町村への一層の権限移譲を進める第二次東京都地方分権推進計画を策定すること。
 一、都政運営の透明化、政策選択の民主化、科学化を進めるため、数値指標を活用した行政評価の拡大試行を実施し、本格実施に向けた体制を整備するとともに、市民と行政をつなぐ第三者機関、行政評価委員会の設置を検討すること。
 一、都庁の電子化を促進し、業務の効率化と迅速化、都民サービスの向上を図るとともに、情報処理技術を効果的に活用できるよう、事務処理体制を整備すること。
 一、政策課題別の大くくりの局編成と行政分野の統廃合によって、間接業務の大幅な縮減を図るとともに、政策部門と事業実施部門の分離、事業実施部門への企業会計の導入等によって、政策形成能力の強化、事業部門の効率化を促進する組織再編成を実施すること。
 一、私立学校における教育条件の向上、保護者負担の軽減並びに学校経営の健全化等を図るため、情報公開の推進、各種の助成を行うこと。
 次に、都立大学事務局について。
 一、提案公募型研究のさらなる充実など、新たな教育、研究環境への対応を進めるとともに、産業振興に資する研究の充実を図ること。
 一、都立大学の運営に関しては、健全な学生自治を守る意味からも、政治的公平、公正な運営が図られるよう努力するとともに、学内の改革を推進すること。
 次に、財務局について。
 一、地方交付税不交付団体に対する財源調整措置の速やかな廃止とともに、分権体制の確立に向けた自治体への税財源の移譲を国に強く働きかけること。
 一、企業会計方式の導入に当たっては、単に民間の企業会計に準拠するのではなく、その活用方法を念頭に置きながら、都財政の実態を正確にあらわし、また、政策判断が可能となる財政指標を示すことができるものとすること。
 一、行政評価の結果を予算編成に反映させるとともに、業績評価制度の整備と予算編成、執行の分権化を進め、成果重視の予算編成手法に改めること。
 次に、主税局について。
 一、地方自治体の行財政需要に配慮した所得、資産、消費等のバランスのある地方税制改革を国に求めるとともに、課税自主権の積極的な活用に努めること。
 一、税負担の公平を実現するため、滞納発生の予防、防止に努めるとともに、既存滞納分についても、引き続き徴税に努め、その整理を行うこと。
 また、その際、納税者の実態に即したきめ細かな対応を行うこと。
 一、インターネット技術の活用など、納税、徴税事務の合理化に積極的に取り組むこと。
 次に、生活文化局について。
 一、男女平等参画の推進に関する条例の積極的運用を図るとともに、各種審議会への女性の登用に努めるなど、女性施策を積極的に展開すること。
 一、青少年の健全育成の観点から、書店やコンビニエンスストアにおける成人向け雑誌の区分陳列等の指導を徹底すること。
 一、東京大空襲犠牲者名簿の収集、作成を進めるとともに、十二年度中の完成をめどに、東京空襲犠牲者追悼・平和祈念モニュメントの建設に取り組むこと。
 次に、都市計画局について。
 一、東京都都市景観マスタープランに基づき、景観形成事業を着実に実施すること。
 一、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるよう、公共的性格を有する建築物が施設整備をする際、支援を行うこと。
 一、木造住宅密集地域の整備を促進すること。
 一、東京都都市復興マニュアルが有事に的確に活用されるよう、関係区と共同で模擬訓練を行うこと。
 次に、環境保全局及び清掃局について。
 一、ダイオキシン類の実態把握や排出抑制指導に努めるとともに、引き続き分析体制の整備を進めること。
 また、環境ホルモン対策についても、引き続き実態把握調査を行うとともに、あわせて都民への適切な情報提供を行うこと。
 一、都市の緑の不足やヒートアイランド現象の改善のため、ビルの屋上や壁面の緑化を推進するとともに、率先して都の施設におけるビル緑化を進めること。
 一、貴重な自然を守り後世に残すため、保全地域の指定を計画的に進めるとともに、保全地域の公有化を推進すること。
 また、区市町村が行う公有化に対する補助制度や緑地トラスト制度の創設を検討すること。
 一、特定交差点における窒素酸化物の改善を図るため、セットバック効果のシミュレーションを行うこと。
 一、産業廃棄物処理の民間による事業化の促進や、公共関与によるモデル施設整備など、民間事業者と連携協力して産業廃棄物対策を推進すること。
 次に、福祉局について。
 一、子ども家庭支援センターの整備など、子育てに対する支援体制を整備すること。
 また、ゼロ歳児保育や延長保育など、保育サービスを充実すること。
 一、障害者の地域の自立した生活を支援するため、ホームヘルプサービスの充実や障害者地域自立生活支援センターの設置拡大、ガイドヘルパー等派遣事業、区市町村障害者就労援助モデル事業などを実施すること。
 一、福祉のまちづくりを推進するため、鉄道駅へのエレベーター等の設置を拡大するとともに、だれにも乗りおりしやすいバスの導入を図ること。
 一、福祉人材を養成し、確保を進めるとともに、現状分析や将来予測を踏まえた、福祉人材の総合的な養成計画を策定すること。
 次に、高齢者施策推進室について。
 一、特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険施設の整備を進めるとともに、ショートステイの整備や余裕教室活用促進事業などにより、在宅サービス施設の整備を進めること。
 一、元気な高齢者に対する施策として、社会参加の促進や健康づくりの推進を図るとともに、これらの施策を総合的に展開するため、元気高齢者支援計画を策定すること。
 次に、衛生局について。
 一、区市町村がそれぞれの計画に基づいて生活習慣病の予防に取り組めるよう、健康づくり推進事業を実施すること。
 一、動物取扱業者に関する登録制の導入や指導基準の整備など新たな制度の導入を図るとともに、指導体制の整備を図ること。
 一、医薬分業の推進を図るとともに、ドラッグストアなどにおいて薬剤師の配置が適正になされるよう指導すること。
 一、都立病院における救急医療体制や土曜診療体制を整備するなど、診療体制を充実するとともに、三百六十五日、二十四時間体制を推進するため、必要な体制を整備すること。
 次に、労働経済局について。
 一、失業なき労働移動、高齢者、障害者、女性等の雇用促進を図るため、労働相談、雇用開発、職業能力開発を一層促進すること。
 一、仕事と育児の両立を支援するファミリー・サポート・センターの設立支援を進めること。
 一、ベンチャービジネス支援や新産業総合育成支援などを創設するとともに、創業支援機能の整備を図るなど、創業の支援を図ること。
 一、奥多摩町、檜原村では、杉による日照被害が深刻であり、森林の荒廃に歯どめをかけ、東京の森を守るための新たな補助制度を検討すること。
 次に、中央卸売市場について。
 一、O157対策など、と畜衛生の改善に万全を期すること。
 次に、住宅局について。
 一、都営住宅団地の大規模な建てかえに際しては、ソーシャルミックスの推進や福祉施設の併設など、区市町村の福祉のまちづくりと連携しながら、総合的な建てかえ事業を展開すること。
 一、分譲マンション改良のための融資を拡大するなど、民間住宅建設資金融資あっせん事業を行うこと。
 また、相談体制の充実など、分譲マンション居住支援事業を拡充すること。
 一、都営住宅における心身障害者などの優先入居を進めるとともに、公営住宅を活用したグループホーム等をさらに拡大すること。
 一、都営住宅においてペットが伴侶動物として飼育されている実態にかんがみ、ペットの適正飼育のあり方について検討すること。
 次に、多摩都市整備本部について。
 一、多摩地域における整備については、多摩地域全域を視野に入れ、地域間のアンバランス、多摩内格差を助長しないよう留意すること。
 また、北多摩地域などの都市整備課題に関する調査を実施すること。
 一、平成十三年度春の東京スタジアムの開場に向けて、調布基地跡地周辺の整備を推進すること。
 次に、建設局について。
 一、厳しい財政状況にかんがみ、道路の整備については、区部環状など幹線道路の整備を、中小河川の整備に関しては、他の河川に比較して水害危険度の高い神田川などの整備を重点的に行うこと。
 一、事業を進めるに当たっては、事業評価システムを本格的に導入し、事業の効率性、透明性を高めること。
 一、比較的少額の経費で渋滞解消に効果の大きい交差点すいすいプラン一〇〇の事業の着実な推進を図ること。
 一、二十二世紀の都市の森づくりや市民緑地制度を推進するとともに、公園の管理に際しては、地域住民の声を取り入れる場を設けること。
 次に、港湾局について。
 一、東京港、川崎港、横浜港等の管理主体の統合化など、東京湾における広域的な港湾管理のあり方を検討すること。
 一、東京港臨海道路や新海面処分場を整備するなど、東京港整備事業を進めること。
 また、中央防波堤内側など臨海部の土地活用に当たっては、動植物との共生など、自然環境に十分配慮すること。
 一、伊豆諸島及び小笠原諸島と都市部との交通アクセス改善のため、大島空港、八丈島空港、調布離着陸場について整備を行うこと。小笠原空港についても環境調査等を十分に行うこと。
 次に、教育庁について。
 一、校長のリーダーシップのもと、円滑かつ責任ある学校運営体制を確立すること。
 一、個に応じた多様な教育の推進が可能となるよう、小中学校での三十人学級実現に向けて取り組むとともに、チームティーチングを積極的に進めること。
 一、教職員の資質の向上、児童生徒指導の充実を図るため、社会人講師の拡充、民間企業への社会体験研修、主任等に対する適切な研修を実施するとともに、責任感を一層高めるよう指導すること。
 一、高等学校教育の振興を図り、生徒の多様化に対応するため、総合学科や単位制、中高一貫六年制学校など新しいタイプの高校の設置や、普通科高校におけるコースの設置、専門学校における学科改善、制度、施設面での個性化、特色化など、都立高校改革を推進すること。
 一、小中学校の余裕教室を活用して、区市町村が、福祉や防災、市民活動等の場として利用できるよう、必要な支援を行うこと。
 次に、地方労働委員会事務局について。
 一、パート労働や派遣労働等の労働形態の多様化、外国人労働者の増加等の新たな事態に対応するため、事務局体制を強化すること。
 最後に、警視庁について。
 一、ハイテク犯罪の急増に伴い、電気通信技術等に精通した捜査官の養成やコンピューター等の資器材の整備を図ること。
 一、犯罪の被害者や遺族の視点に立った総合的な救援対策を推進すること。
 一、ストーカー行為等、都民の社会生活上生じる各種問題に対応するため、生活安全対策を積極的に推進し、犯罪の未然防止に努めること。
 以上、都議会民主党としての意見を申し述べさせていただき、平成十年度一般会計並びに特別区財政調整会計など十九特別会計の決算を認定させていただきます。
 以上で終わります。

○藤川委員 私は、都議会無所属クラブを代表して、平成十年度東京都各会計歳入歳出決算について、これを認定する立場から意見開陳を行います。
 平成十年度における各会計にかかわる事業執行については、歴年にわたる我が国経済の低迷を主たる要因として危機的状況にある都財政の中にあって、行政事業の継続性という基本的コンセプトを遵守、地域福祉、住宅、道路、公園、ごみ、環境、さらには震災対策、中小企業振興といった、都民生活に直接かかわる事業の着実なる展開に努められてきたことは、一定の評価をいたすものであります。
 一方で、その行政の継続性を守るという姿勢が、一歩間違えれば、東京都が財政再建団体に転落しかねないという現状認識を持ちながらも、おのおのの事業における財政再建への取り組みを遅々たるものにしてしまったという側面のあったことも指摘しておきたいと思います。
 都財政の再建が喫緊の課題であることは、改めて申し上げるまでもなく、都政にかかわるすべての人々の共通の認識であると受けとめております。
 その上での要望でありますが、おのおのの局においては、あくまでも都民生活の安定、向上という一点から事業の再構築に取り組まれるとともに、特に経済活動につながる事業においては、都経済の活性化に効果ある需要創出に積極的に取り組まれるよう、強く申し上げておきます。
 なお、平成十年度東京都各会計決算にかかわる各局別の意見については、今日までの委員会の審査の過程の中で、指摘すべき点は指摘してきており、その本旨についてはご理解を得ているものと確信しております。
 また、将来的な事業展開にかかわる個別の主張、要望については、本来的に、予算要望あるいは定例会、常任委員会での議論を通じて行うものとの考えに従って、重複を避ける意味も含めて、割愛させていただきます。
 二十一世紀を生きる私たちの子や孫に胸を張って引き渡せる、ふるさと東京、世界都市東京の創生に向け、都政は文字どおり歴史的転換期を迎えていると思います。それだけに、行政に対する都民要望は、これまでの経験だけでは対応が困難になるほど多様化してくることは十分推測できます。そのことを念頭に置いて今後の都政に対応されますよう、職員の皆様の一層のご奮闘を期待いたしまして、私の都議会無所属クラブを代表しての意見開陳を終わります。
 以上です。

○大河原委員 私は、生活者ネットワーク都議団を代表して、平成十年度一般会計ほか、本委員会の所管する各会計の決算について意見を申し上げます。
 平成十年度普通会計決算は、実質収支が過去最大の一千六十八億円の赤字となり、また、経常収支比率は九九・三%、都債残高も七兆円台を記録するなど、都財政は極めて厳しい状況でした。このような状況からも、都財政再建は緊急かつ主要な課題であり、今後、都政に求められることは、透明性、公開性を高め、都民へのアカウンタビリティー、説明責任を果たすことです。第三者機関がチェックする総合的な事業評価、サービス評価を徹底して行うべきであり、政策の優先順位を決めて効果的な運用を図ることが必要です。
 本決算については認定することを申し上げ、以下、会計ごとの決算について意見を述べさせていただきます。
 まず、各局共通事項について。
 一、事業執行に当たっては、政策形成過程の情報を公開し、複数代替案の検討を含め、市民参加のシステムを拡充すること。
 また、パブリックコメント制度を検討すること。
 一、地方分権一括法の成立により、都と市区町村は対等の関係であることを踏まえ、市区町村の決定を第一に尊重すること。
 一、行政と市民のパートナーシップを促進していくために、地域の非営利の市民事業やコミュニティ事業との連携を積極的に進めること。
 一、都庁発注の建設産業廃棄物など産業廃棄物については、減量・リサイクルを推進するとともに、最終処分地までのプロセスまで把握すること。
 一、都庁内のリサイクルを推進するとともに、不要不急の配布資料等の削減に向け努力すること。
 一、東京の林業再生を目指し、都発注の建設工事には東京産木材の優先使用を検討すること。
 一、子どもの権利を擁護するシステムづくりに、各局、積極的に検討、参画すること。
 以下、各局について申し上げます。
 まず、政策報道室関係について。
 一、都政への市民参加を拡大するため、住民投票条例、市民参加条例の制定を検討すること。
 一、都政を開かれたものにするため、政策決定過程の情報公開、提供を進めること。
 一、インターネットなどを活用して、都政情報提供システムの拡充を図ること。
 一、首都機能移転問題については、現行政府案の問題点を明らかにするとともに、地方分権及び行政改革の視点から本質的な議論を進めること。
 次に、総務局関係について。
 一、行財政改革を進めるに当たって、組織の再編には、特に女性、子ども、環境にかかわる部門の総合性を確保し、実効性のある行政機構とすること。
 一、行政評価制度は、第三者機関で行うシステムとし、早急に実現すること。
 一、地方分権を積極的に推進し、自治立法を進めるため、政策法務室を設置するとともに、職員の創造的な能力を育成すること。
 一、第三セクターの経営情報の公開を進めること。
 一、総合的な人権施策を積極的に推進し、とりわけ子どもの権利保障の確立に向けた取り組みを進めること。
 一、女性幹部職員の積極的登用を図ること。
 一、行政オンブズマンの導入について積極的に検討すること。
 次は、財務局関係です。
 一、公共事業などについては、行政目的に照らし、事前事後を含めた施策評価及び業績評価を行い、情報を公開すること。
 一、福祉、環境など生活関連整備を重点化するよう、積極的に対応すること。
 一、地方分権推進の立場から、東京都としても地方税財政制度の見直しを国に強く求めること。
 次に、主税局関係について。
 一、地方自主税源の拡充、課税自治権の確立を国に求めること。
 一、固定資産税評価替えに当たっては、自家用住宅、中小企業者について十分配慮すること。
 次に、生活文化局関係です。
 一、食品安全確保の基本方針の基本理念に基づき、遺伝子組みかえ食品及び環境ホルモンなど、新しい状況に対応した施策を展開すること。
 一、男女平等社会の実現を目指して、行動計画の進行管理を市民参画で行うこと。
 一、NPO立ち上げの環境整備などの助成を行うことなど、東京都独自のNPO支援の仕組みづくりを進めること。
 一、東京都が設置するすべての審議会、協議会での女性委員の割合をふやし、構成目標を早期に達成すること。
 一、女性財団への支援を拡充すること。
 次に、都市計画局関係です。
 一、事業決定後長期にわたって着手できない事業について、再評価するシステムを導入すること。
 一、各種都市計画権限の国から地方への権限移譲をさらに強く国に求めること。
 一、水循環マスタープランに基づき、総合的な水施策を進めること。
 一、雨水の各戸貯留、浸透施設などの助成事業を拡充すること。
 次に、環境保全局関係について。
 一、東京都版グリーンGDP試算を活用し、環境優先の原則を展開すること。
 一、環境ホルモンについての調査を多方面で進めるとともに、PRTR制度を確立し、情報を都民に公開すること。
 一、総合環境アセスメント制度の試行を踏まえ、アセスメント制度の改革を図ること。
 一、保全地域の管理における市民参加を推進すること。
 また、緑行政の総合化を進め、緑のネットワーク化を進めること。
 一、太陽光発電、風力発電、ソーラーシステム、コージェネなどの導入に東京都独自の助成制度を設け、地域分散型エネルギーへの転換を積極的に進めること。
 次に、福祉局関係について。
 一、子どもの権利条約の趣旨に沿った子どもの権利条例を制定し、子どもの権利を守る第三者機関の設置を図ること。
 一、児童虐待に対する緊急介入を迅速に進めるとともに、市民団体との連携を進めること。
 また、虐待を繰り返す親についてのケアを充実すること。
 一、障害者の自立支援と社会参加を進める施策の拡充を図ること。
 一、ひとり親の自立支援施策を関係局と連携して拡充すること。
 一、地域福祉振興事業については、広域的、専門的な事業については継続するとともに、三事業について継続している団体の支援については、市区町村、関係者と十分協議すること。
 次に、高齢者施策推進室関係について。
 一、市区町村の介護保険事業計画を着実に実施していくために、都は市区町村との十分な協議を持ち、支援を進めること。
 一、基盤整備は、東京都の目標を早期に達成し、すべてのサービスを一〇〇%に近づけ、選択できる介護サービスをつくること。
 一、苦情解決のため、第三者機関の施設オンブズパーソンを設置し、管理のガイドライン化と市民への情報公開を進めること。
 一、自己決定を支援する権利擁護システムを拡充すること。
 次に、衛生局関係について。
 一、遺伝子組みかえ食品、環境ホルモン、ダイオキシンなどに対応する、生活実態に合った独自の調査、監視体制を整え、未然防止の考え方で対応すること。
 一、食品保健懇話会を充実させ、さらに消費者に開かれたものとすること。
 一、在宅ターミナルケアが可能になるよう、地域医療体制の整備、保健医療のネットワーク化を進めること。
 一、保健所機能の強化を図るとともに、各機関との連携を進めること。
 一、患者の権利を確立するため、医療機関のサービス評価制度の公開性と公平性を確保すること。
 次に、労働経済局関係について。
 一、女性や高齢者の起業、創業への支援策を強化し、パート労働者の権利を保障する新たな雇用ルールづくりを行うこと。
 一、東京の地域特性を生かした都市農業を振興し、多様な担い手を育てること。
 一、市区町村の生ごみコンポスト計画とリンクさせた民間堆肥プラントの設置を支援すること。
 一、市民参加の森林づくりを積極的に進めること。
 次に、住宅局関係です。
 一、バリアフリー化を進め、市場における良好な住宅のストックの拡充を進めること。
 一、ユニバーサルデザインを取り入れたバリアフリー住宅、環境共生、省エネ住宅の建設を推進し、民間住宅への普及及び支援を図ること。
 一、都営住宅の建てかえに当たっては、関係住民と十分協議するとともに、緑の確保及び震災対策用井戸の確保などを考慮すること。
 一、高齢者や障害者のグループホームとして都営住宅の積極的な活用を行うこと。
 次に、多摩都市整備本部関係について。
 一、多摩地域における整備については、環境保全に配慮し、市民との協議を十分行うこと。
 一、ニュータウン商店街対策については、まちづくりの観点から住民参加で行うこと。
 次に、建設局関係について。
 一、公共事業評価については、都民参加の視点を拡充し、事前、事後の評価を取り入れること。
 一、都市計画道路の整備に当たっては、関係住民との合意を尊重すること。
 一、CO2 削減に向け、自動車の代替交通手段として自転車の普及のため、市区町村との連携を行い、自転車道整備及び自転車歩行道の整備を進め、ネットワーク化を図ること。
 一、河川を、親水空間として、その地域に合った環境整備を進め、河川法改正で取り入れられた流域連絡会の制度を活用して、市民の意見を反映させること。
 次に、港湾局関係について。
 一、港湾区域の開発に当たっては、開発と緑のミティゲーションの考え方を導入すること。
 一、中央防波堤内側、外側の利用については、緑地について十分な用地を確保し、森林公園としての整備を進めること。
 一、臨海副都心開発の整備計画の見直しは市民参加で行うこと。
 次に、清掃局関係について。
 一、発注者責任を位置づけた新たな産業廃棄物ルールの確立を検討すること。
 一、冷蔵庫の断熱材フロン回収システムづくりを支援すること。
 次に、都立大学事務局関係について。
 一、都立大学の運営に当たっては、地域や社会人に積極的に開かれたものとしていくこと。
 一、四つの都立大学改革に当たっては、広く都民の意見を聞き、外部の学識経験者も含めた改革検討委員会を設置して進めること。
 次に、出納長室関係について。
 一、庁内の再生紙利用の拡大及び石けん使用の普及を進めること。
 次に、選挙管理委員会事務局関係について。
 一、選挙事務の執行に当たっては、投票率の向上に向け執行に当たるよう、関係各機関に指導を行うこと。
 最後に、教育庁関係についてです。
 一、子どもの権利条約の精神を十分に生かした教育行政を行うこと。
 一、教育の分権を進め、教育委員会の意思形成過程を含む情報公開の拡充を図ること。
 一、学校評議員制度、学校運営連絡協議会は、地域の独自性を生かした仕組みにし、教師、保護者、地域、とりわけ子どもの学校運営への参加を進めること。
 一、都立高校改革は、学ぶ人の権利を第一に考え、当該校の生徒、PTA、地域住民など関係者との合意を十分に図ること。
 一、学校や教職員の評価に子どもの意見を聞く機会と場をつくること。
 一、スクールカウンセラーを増員するとともに、スクールソーシャルワーカー導入を検討すること。
 一、学校のバリアフリー化を早期に図ること。
 一、教育現場でのジェンダーフリーを実現すること。
 一、人権教育の視点から性教育プログラムを開発し、年齢に合わせた適切な指導を行うこと。
 また、その指導に際してはNPOの活用を図り、早期に取りかかること。
 以上で、生活者ネットワーク都議団を代表しての意見開陳を終わります。

○藤田委員 平成十年度決算の認定審査に係る意見を述べるに当たって、まず、一般会計決算の実質収支が、昭和五十五年度以来十八年ぶりの赤字となったことに触れておきたいと思います。
 既に何名かの委員からご指摘もございましたように、赤字額は過去最多の一千六十八億円であるが、これとて、減収補てん債の発行や減債基金積み立ての一部見送りなど、ぎりぎりの財源対策を講じた結果であって、その対策を講じなければ、赤字額は実に三千五百億円にも上る状況でありました。
 改めて、この厳しい状況を、石原知事や理事者、幹部職員のみならず、すべての職員が真摯に受けとめ、現下の急務ともいうべき都財政の再建に向けて一層の努力を継続されるよう、強く要望いたします。
 さて、私は、前回は当時の自民東京の、今回は途中からでございますが、都議会民主党のお気遣いをいただき、かつ全会派のご同意をいただいて、二年連続して当委員会に所属いたしました。改めて御礼を申し上げる次第であります。
 次に、極めて私事にわたることに触れて恐縮ですが、私は今任期をもって引退いたしますので、場合によっては、今回の意見開陳が決算審査のラストチャンスになるやもしれず、そこで、この際、決算審査に対する総括的な考えを述べることをお許しいただきたいと存じます。
 議会における決算審査は、地方自治法第二百三十三条第三項に規定された、議会による決算の認定のために行われているものでありますが、現下の厳しい状況を見るに、議会による決算審査は、その重要性をいよいよ増しているといえましょう。
 決算は、この一年、東京都が都民のために何をしてきたかの記録であり、いい方を変えれば、予算として都民に示した約束がどれだけきちんと果たされたかの成績表であります。そうした観点に立つとき、みずから踏まえるべきは、決算の厳密かつ戦略的な分析であり、その結果を次の予算、ひいては今後の都政運営に生かしていくことであろうと思います。
 口幅ったい発言で、いささかためらいがございますが、戦略的な決算分析を行う場合、その基本的な視点は二つあると私は考えます。
 第一に、都が行った施策、事業が、都民の期待にこたえる成果を上げ得たかという評価であります。これは、単に、予算に盛り込まれた施策、事業が予定どおり執行できたかという検証にとどまるべきではありません。もちろん、予定どおりできなかった場合には、事業の手法や手順、目標の立て方などが適切であったかどうかをきちんと検証することは当然であります。しかし、予定どおり執行できた場合でも、単に執行率のみを見てよしとするのではなく、その事業がどれだけ都民の役に立ったのかという視点に立った、踏み込んだ評価を行うことが必要であります。
 申し上げるまでもなく、時代は大きく変わりつつあり、社会経済環境も、都民の意識も、従来とは比較にならない速度で変わっていく。こうした現状認識に立つとき、これまでどおりの事業を、これまでと同じやり方で、ただ漫然とこなして事足れりとするのではなく、都民が真に望む施策、都民のために今行わなければならない事業が何であるかを正しく見きわめ、素早くそれに対応する、柔軟できめ細かい取り組みが強く求められていると考えます。
 第二に、仮に都民の期待にこたえる成果を上げ得たとしても、その手法や執行実績が最も効率的でむだのないものであったのかどうかという視点からのチェックであります。
 いかなる事業といえども、費用対効果や公平性等の点で問題があったり、今後の都財政に過大な負担をかけるようなものは、その手法自体を大胆に改善する必要があります。
 この観点から今求められているのは、職員一人一人の創意工夫により、最少の経費で最大の効果を上げ得るような事業手法を常に追求し続ける姿勢であります。その意味では、もはや決算における執行率の高さは必ずしもよい評価につながるとはいいがたいといっても過言ではないと私は思います。
 また、昨今、予算を残して事業を達成した場合、その予算を次年度に繰り越して使用することを認め、これをコスト削減のインセンティブとするような方策も論議されていると仄聞いたしますが、現状認識が極めて甘いといわざるを得ません。端的にいえば、巨額の財源不足が生じている都財政の現状では、節約したらボーナスがもらえる的なのんびりした議論をするいとまはないと直言をしたいのであります。
 全庁的総力を挙げて財政再建を達成すること、そして、そのために可能な限り経費を節減し、高い事業効果を発揮させること、これこそが、職員一人一人に課せられた都民に対する責務であるという一点に向かって、まずその意識を改めてもらわねばなりません。
 決算を単に結果として見るのではなく、あすにつながる論議の素材として活用すること、そして、その成果を今後の都政運営に確実に反映させていくことがますます重要になっている、これが、決算審査に当たって私の感じた基本的な認識であります。
 石原知事を初め、すべての理事者各位が、ぜひこうした観点からの取り組みを果敢に行うとともに、全職員にその指導を徹底されるよう、強く要望しておきます。
 各局ごとの要望については、既に出尽くされており、私の要望は、大同小異、大方の点で一致いたしておりますので、割愛いたします。

○山本委員長 以上で意見の開陳は終わりました。
 なお、本決算の認定に付する意見案文の作成につきましては、理事会にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山本委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
   午後二時三十五分散会

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