社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会速記録第十号

平成十七年五月十二日(木曜日)
 第十五委員会室
 午後一時六分開議
 出席委員 十三名
委員長山崎 孝明君
副委員長木内 良明君
副委員長野村 有信君
理事東村 邦浩君
理事高島なおき君
理事大西 英男君
理事名取 憲彦君
柿沢 未途君
松村 友昭君
宮崎  章君
服部ゆくお君
曽根はじめ君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 委員外の出席者
 証人
東京都議会議長内田 茂君
東京都福祉保健局長幸田 昭一君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査(証人喚問)
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項

○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本日の議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
 次に、記録の提出について申し上げます。
 去る五月二日の委員会において、知事等に対し五月十日までに提出を求めました記録について、お手元配布の「記録の提出一覧(五月二日新規請求分)」のとおり、議長あて提出がありました。
 本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
 なお、要求しました記録のうち、「不存在」とされた記録につきましては、引き続き請求することといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、去る三月二十三日、四月八日、四月二十二日及び四月二十五日の委員会において提出を要求いたしました記録のうち、「不存在」「一部不存在」とされた記録の一部を五月二日の委員会において引き続き請求しておりましたが、これらの記録の一部につきまして、お手元配布の「記録の提出一覧(五月二日再請求分)」のとおり、議長あて提出がありました。
 本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
 なお、提出のない記録がありますが、理事会で協議した結果、引き続き請求することとなりました。ご了承願います。

○山崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく証人喚問を行います。
 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
 初めに、付託事項調査のため、百条調査権に基づく記録の追加提出要求を行います。
 要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 それでは、資料要求を何点か行います。
 第一に、濱渦副知事と櫻井出納長、それぞれの公用車について、平成十七年一月五日、平成十七年一月二十日、平成十七年一月二十六日及び平成十七年二月二十四日の運転日誌。
 二つ目、平成十七年一月五日、出納長専用車で二十二時二十分から二十二時四十分、新宿区から杉並区まで同乗した、外一名とされる人物の氏名及び役職名。
 三点目、平成十七年一月二十日、出納長専用車で二十時三十分から二十時五十分、新宿区から杉並区まで同乗した、外一名とされる人物の氏名及び役職名。
 平成十七年一月二十六日、出納長専用車で二十三時から二十三時三十分まで、港区から杉並区まで同乗した、外一名の氏名及び役職名。
 次に、社会福祉総合学院の建物について、定期賃貸借契約とすることを決めた日時と、決定にかかわるすべての文書。
 財務局の顧問である緒方弁護士との顧問契約事項以外の事項を相談してきた根拠と報酬。
 緒方弁護士の担当した事項の相談内容を記録した全文書。
 以上、お願いします。

○山崎委員長 この際、お諮りいたします。
 ただいま曽根委員から要求がありました事項につきまして、付託事項について調査を行うため、知事等に対し五月十五日までに記録の提出を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 これより、東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
 本日、出頭を求めました証人は、東京都議会議長内田茂君及び福祉保健局長幸田昭一君、以上二名であります。
 本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
 この際、各証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 委員会室内の方は、全員ご起立ください。
   〔全員起立〕

○山崎委員長 証人、東京都議会議長内田茂君、代表して宣誓書を朗読してください。
   〔証人内田茂君朗読〕
     宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  平成十七年五月十二日
東京都議会議長 内田  茂 

○山崎委員長 それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
   〔各証人宣誓書に署名捺印〕

○山崎委員長 ご着席ください。

○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略いたします。

平成十七年五月十日
証人 内田  茂
 東京都議会議長 内田  茂殿
   メモ等の持参について
 平成十七年五月十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、メモ等を持参することを許可願います。

平成十七年五月九日
証人 福祉保健局長 幸田 昭一
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年五月十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   吉川 和夫
2 住所   野田市
3 生年月日 昭和二十五年七月十七日
4 職業   地方公務員

○山崎委員長 お諮りいたします。
 本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 それでは、東京都議会議長内田茂君以外の証人におかれましては、一たんご退室いただき、こちらからお呼びするまで控室においてお待ちいただきますようお願いいたします。

   〔内田証人着席〕

○山崎委員長 この際、陳述書の提出について申し上げます。
 このたび、お手元配布のとおり、議長並びに委員長あて、陳述書の提出がありました。
 私より朗読させていただきます。
 個人名は、陳述者の氏名その他の部分は、私の判断で飛ばして朗読をさせていただきます。
 陳述書。
 第二、私は、東京都社会福祉総合学院の運営等に関する問題について、本年二月から三月にかけて、下記の情報を正確に伝えてほしい旨、富田俊正都議会民主党政策調査会長から依頼を受けました。当時、富田政調会長は、本件については何も問題にすることはなく、一貫して予算特別委員会での質問は行うべきではないとのお考えを伝えられました。その上で、ご自身のお考えと事態の推移を正確に伝えてほしいとのご意向で、その情報を伝達されたものです。
 第三、私が富田政調会長からこの質疑の実施に関し聞いておりました内容を時系列で申し上げれば、次のとおりです。いずれも富田政調会長が私に話された内容です。
 平成十七年二月二十五日金曜。
 一、本日の十五時に知事記者会見後、十六時に濱渦副知事に呼ばれた。
 二、副知事からは、予特で中村議員から質問してほしい。代表ネタではない。社会福祉総合学院の件について疑問点を並べてくれればよい。知事がけしからぬといって、担当副知事から答弁させるという。あとはすべて自分が答弁する。(けが人はだれかと尋ねたら)副知事は、石川区長と内田議長だといっていた。彼らをつぶせば民主党もいいだろうといわれた。近々、名取幹事長とも会談したいとの申し込みがあった。
 三、昨日、朝日、毎日、読売から名取幹事長と自分に取材があり、一定で質問するのかと聞かれた。昨日の時点で本当に質問するつもりはなかったので、全く予定はないと答えたら、とぼけないでくださいよといわれた。名取幹事長とは、今後、副知事から質問するように依頼されるかもしれないから、そのときは即断しないで持ち帰ることを確認した。
 四、自分の考えは、質問をするのは避けるべきだと思う。このことを名取幹事長に連絡したら、考えると答えていたので、もしかしたら副知事の依頼を受ける可能性がある。受けた場合、その後の対応を考えなければならない。
 五、一方、受けないで断る場合、副知事への断り方も難しい。
 六、とにかく穏便に済ませたい。
 平成十七年三月二日水曜。
 一、昨日(昨日ではなく、本日だったかもしれませんが、この点、記憶が定かではありません)の議会終了後、濱渦副知事が控室に来られて、明日の夜の民主党の三役会議に出て直接お願いしたいという要請があったが、断った。
 二、名取幹事長も質問はするべきではないといっており、自分と同じ考えだ。しかし、会派で意見を一致させるためには、本件は何も問題がないということを幹事長にさらに正しく理解してもらう必要がある。
 平成十七年三月三日木曜。
 一、名取幹事長は今晩の三役会議を延期した。名取幹事長は、副知事には三役会議は開けなかったといった方がいいだろうと自分にいった。同時に、名取幹事長は、中村議員の予特質疑通告には監理団体を入れるよう指示した。
 二、本日の本会議の休憩後、内田議長と名取幹事長が会った。会談後、名取幹事長は、内田議長はこれ以上議会に手を突っ込ませないでほしいといっていた。内田議長には直接的な影響はないようだなあといっていた。
 平成十七年三月四日金曜。
 一、けさ、会派で打ち合わせをした。名取幹事長は、質問をするべきではない、早く副知事に回答したいといっていた。
 二、自分は、名取幹事長に、早く回答すると巻き返されるから、九日の中途議決の後まで待った方がいいといって、名取幹事長もそのように判断した。
 三、十六時に濱渦副知事と会うことになった。副知事は、都響の話しかしないといっているので会う。
 会談後。
 四、十六時に濱渦副知事と会った。都響の話に終始した。最後に(質問するかどうかについて)どうかと聞かれたので、答えは引き延ばした。
 平成十七年三月八日火曜。
 一、きょうの夜、名取幹事長と自分が濱渦副知事と会った。
 二、結局、二問程度質問をやることとなった。〔1〕監理団体改革の今後の課題は、〔2〕外部監査の指摘をどう整理するのかといった質問である。副知事は、質問に対し、原状に復すると答弁するとのことである。
 三、民主党としては、特定個人の責任を問うものではないこと、また、監査は都庁内部で解決すべき問題であることを確認した上で受けた。ところが、副知事側が用意した答弁を見せられたら、けが人の名前が入っていた。自分は、そんなことをいうなら自分で委員会をとめるといった。
 平成十七年三月九日水曜。
 一、きょう、濱渦副知事、中村議員、自分で会談し、質問の打ち合わせをした。昨日、民主党が出した条件を確認後、自分は退席した。
 二、中村議員は、いわれたままにやっているようには見られたくないといっている。現在、資料を勉強中。あすも副知事に会うが、副知事は新しい資料はあるといっている。練馬区の資料、弁護士の資料、外部監査報告の補足資料などだということだ。
 三、中村議員は今勉強中だが、自分は、最悪のケースとして、生文局長や財務局長に原則論を聞いて、副知事に本件がそれとずれていないかを聞くケースがあり得ると考えている。
 四、こうした情報交換が副知事に知られるとまずい。
 平成十七年三月十日木曜。
 一、きょう、名取幹事長と、局長たちに答弁させて(局長たちを)巻き込んでしまうようなことがないようにしようと相談した。名取幹事長は、きょうの三者会談(副知事、中村議員、自分)でそのように組み立てるようにと指示した。
 二、明日十時に中村議員が質問骨子を組み立ててくるが、副知事には見せないことにしている。副知事には、中村議員は質問を用意するのは不得意だから用意しないということにする。
 会談後。
 三、十六時に三者会談をした。副知事が、練馬区に提出された学校法人設立認可申請書二枚を中村議員に渡した。そこには土地を都から借用と書いてある。土地に限定した質問の方がいいといったら、副知事も同意した。
 四、財務局長に、土地の借用はいいのかいけないのかということを質問することとした。副知事が、財務局に答弁できるように用意しておくよう指示するとのこと。知事がまず知らなかったと答え、続けて副知事答弁になる。
 五、何のための質問だったんだろうという疑問が残る程度で終わりになると思う。
 六、副知事がNHKに話したみたいだ。NHKから電話があり、予特にカメラを入れるといわれた。
 第四、私が、三月十四日の予算特別委員会が行われる以前に、今回の質疑に至る経過に関して富田政調会長よりお聞きした話の内容は、以上のとおりで相違ありません。
 平成十七年五月十日。
 委員長山崎孝明殿。
 都議会議長内田茂殿。
 この陳述書を、十日、私、受け取りまして、このままで、余りにも重要な陳述書でありましたので、弁護士に相談をし、公証人役場へ行き、日付の確定をし、その上で議会局にお預けをし、そしてきょう、理事会で理事の皆さんに拝読していただきました。
 よって、本陳述書は、本委員会の調査に関係するものであることから、本委員会の資料と認めます。ご了承願います。
 なお、本資料は非公開とし、取り扱いについては十分、十分注意されますようお願いいたします。
 それでは、初めに、証人、東京都議会議長内田茂君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねします。
 あなたは内田茂君ですか。

○内田証人 はい、そうでございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○内田証人 東京都議会議員、そして議長を務めております。
 生年月日は昭和十四年三月十五日でございます。

○山崎委員長 それでは、私から尋問をいたします。
 内田議長には、大変お忙しい中、百条委員会の証人としてご出席いただき、大変感謝申し上げる次第でございます。
 もともと、都議会議長たる方が証人としてこうした百条委員会に出席するということ自体、大変な問題でありますし、ここにこのような状況に至ってしまったこと自体、まことに無念の思いを私は抱いております。
 先ほど理事会でお配りし、ただいま私が朗読いたしました陳述書は、内田議長が、みずからの証言を補強する意味で、中村委員の質疑に至る経緯を知っている職員から事情を聴取し、陳述書の形で整理するよう依頼をして徴したものであります。そして、先ほどいったように、十日の日にご本人から私は受け取り、日付の確定をする、その他弁護士と相談をし、公証人役場に届け、印をいただいて議会局に預けたものであります。
 これから議長から証言をいただきたいと思いますが、この陳述書の内容とあわせて、真実をしっかりと明らかにしていきたいと考えております。
 まず、議長の証言をいただくに当たり、これまでの委員会としての調査の経緯を簡単に振り返りたいと思いますが、四月二十五日の委員会で、委員長総括として委員会の最後に申し上げたとおり、社会福祉総合学院の運営には、庁内の子細な手続上の問題や意思疎通の行き違いの問題はともかく、濱渦副知事が答弁したような不法とか正当でないなどということは全くないことが、既に副知事自身からも、そして、予特の場では大塚副知事からもはっきりと断言をされているわけであります。
 石原知事も、四月二十八日の記者会見で、この問題に関しては、小さな小さなエピソードがいろいろばらばら伝わってくると、これまで出てきた問題点はささいな枝葉末節なものであるとした上で、今求められていることは、これからどうするかという問題、すなわち将来の問題である、こう知事はおっしゃっておられます。
 知事がおっしゃるように、今後どうしていくのかという案は、一義的にこれは執行機関側の責任であることは当然と思います。福永副知事をトップとして調査委員会が設立されて動いているようでありますが、今日に至るまで、いまだその方向性が出てこない点は、私ども議会としても非常にいら立ちを覚えていると私も思いますし、ほかの議員さんもそう思っていることと思います。
 今この百条委員会の場において明らかにすべきことは、何の違法性もない事柄を、あたかも不法なもの、疑惑の対象として取り上げたこと自体が、どのような背景によってなされたのかということであります。
 さきの委員長総括でも述べたとおり、今後の委員会の調査すべきテーマは、一つに、ささいな話を大きくした動機とその責任だとまず私は思います。第二に、庁内で解決すべき問題を、民主党を介して議会に持ち込んだ経緯とその責任、三つ目として、この停滞した、非常に暗いというか重苦しいというか、職員の間にも、さまざまな思い、つらさ、そうしたものがうっせきしていると思うんですが、こうした現状のこの都政をいかに早く正常化に戻すかということが一番大切なことだろうと思っております。
 真実は一つでありますから、その真実を解明することで一刻も早く都政運営を正常化し、都民の負託にしっかりとこたえていくために、本日、都議会のトップである内田議長に証言していただくことになりました。
 これから尋問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、先ほど私が朗読させていただいた陳述書を本委員会に提出された、その提出に至ったというか、お願いをしたというか、その経緯について議長より証言を求めます。

○内田証人 冒頭、百条委員会の委員長を初め、委員の皆さん、大変忙しい中に、この百条委員会の場でさまざまな議論をさせていただいている、大変なご苦労をかけているわけでございまして、そのことに心から敬意と感謝を申し上げると同時に、大変申しわけない、こういう思いでいっぱいでございます。
 また、執行機関側の皆さんにおいても、この委員会からのさまざまな資料要求等によって、本当に新年度になってもなかなかその事業が出発できない、そういうような大変都政をある意味では混乱をさせている、このことについて、やはり私としては大変憂慮をもって見守っているところでございます。ですから、一日も早いこの委員会の結論を出していただきたい、こういう思いでいっぱいでありますし、そのために私もこの証言台に立たせていただいたわけでございます。
 本日、私が証言する内容は、三月十四日の予算特別委員会で中村議員が行った質疑に関して、民主党名取幹事長との間でなされたやりとりについてであります。
 この予算特別委員会における中村議員の質疑が、濱渦副知事側の仕掛けによってなされたことは、名取氏と私の話し合いや、この間、また今出されました陳述書、そしてこの間私にもたらされたさまざまな情報から明らかでございます。
 したがって、三月二十九日の本委員会における濱渦副知事の、予算特別委員会質疑に関して民主党との間で事前調整はないとの証言は、明らかに偽証であると私は確信しております。
 このことは、私と名取幹事長との間でなされたやりとりだけで十分立証することが可能でありますが、私の証言を側面から補強する証言をお示しすれば、このことが濱渦副知事側から仕掛けられたものであるということをより明確に立証することができると考えました。
 私の証言内容が名取幹事長とのやりとりが主体となるため、ほぼ同時期に民主党富田政調会長とある都庁職員の間でなされたやりとりの記録が最もふさわしい情報であると考え、幾つかの情報の中から選び、五月五日にご本人と直接面談し、知っている話をお聞きしました。ぜひ書面の形にして、陳述書の形にして百条委員会に提出していただきたい、こう無理なお願いを申し上げました。
 この職員も、予算特別委員会でのやらせの質問に富田政調会長が反対しており、濱渦副知事からの働きかけに対する対応に大変苦慮していた状況を富田政調会長本人からつぶさに聞かれ、大変同情的であります。
 富田政調会長のたび重なる百条委員会の出頭拒否と、今回私が証言に立つことで、事態は瀬戸際まで迫っており、自分の陳述書がこの状況を少しでも緩和することになればと、本委員会の提出に同意していただいたものであります。

○山崎委員長 はい、ありがとうございました。
 今、議長に陳述書の経過を伺いましたが、余りにも重いというか、事実を知らされまして、大変なある意味でショックを私自身も受けております。
 それは別として、今回、議長自身が証言に立ちたいというご自身からの申し入れがあったわけですが、議長の証言に立つという決意を固めたそのお気持ちを伺いたいと思います。

○内田証人 三月十四日の予算特別委員会における民主党の中村明彦議員の質問と、それに対する濱渦副知事の発言に端を発した形でこの百条委員会が設置されたことは、ご承知のとおりであります。
 この間、議会運営委員会での議論は、その設置要領を定める中で、調査事項として、社会福祉総合学院に関する疑惑、疑念について五項目、その他一項目であり、その他の項目について、自民党の委員の意見として、副知事からの要請によりこの質問が行われた状況があるので、これも対象としたい旨の発言がありました。
 対する意見として、それなら正式に項目をふやして対応すべきとの発言もありましたが、大多数がこのままでよいという意見があり、設置が定まり、手順を踏んで本会議において全会一致で議決されたものであります。
 当然、議員として、本会議の議決に責任を持つものとの前提で、この百条委員会での真相の解明が進むと思っておりましたら、民主党の富田議員が証人喚問に出頭を三回も拒否する挙に及んだのであります。
 他の証人の方々がすべて百条委員会に出席され証言をされてきたこの経緯を見ても、議員であることの特権を履き違えておられるのではないか。当初より私は、議長であっても、遠慮なく証人として呼んでいただいてもよいとして、議会人の立場として申し上げ、関係する諸議員に対して心の用意をしていただくようサインを送ったつもりでございます。
 先ほど、山崎委員長の発言の中にもありましたが、今後の当委員会の運営に関する三点にわたる調査テーマが示され、このことについて徹底的に真相を究明していくことが、本委員会の今後の使命と確信するとの提案が四月二十五日の当委員会でありました。
 このことで第二の局面に展開したと私なりに理解をいたすとともに、マスコミ等がこの問題を自民党、公明党対民主党の政治対決と見出しが躍る中で、当委員会の結論は、そのような議会内の対立をあぶり出そうとしているのではないというふうに私は思っておりました。
 当委員会も、議会全体としても、今回のような捏造され仕掛けられた質疑が、大切な予算委員会の場でこそこそと行われようとした異常な都政に断を下し、執行機関側も議決機関側も、その責任を都民に発揮できるような組織に生まれ変わることが都政改革につながると確信するものであります。
 そのためにも、富田議員が出頭要請に応じて真実を証言することが議会人としての責任を果たすことになり、今回私が証言することもなかったと思います。しかし、ここまで来れば、私も経過を知る一人として、真実を申し上げ、当委員会の今後の真相解明の一助になればと出頭を願い出たわけでございます。

○山崎委員長 百条委員会設置のときの議運内のお話も聞きました。我々は、同士として、また同僚として、富田政調会長にはぜひとも出頭をお願いし、真実を述べていただきたいという願いを込めて、三回にわたって喚問要請をしたわけであります。
 ところが、民主党からの理由は、運営にかかわるという問題だから、運営にかかわってないというのが主な出頭拒否の理由でありました。
 ところが、私はこう思うんです。今回のこの百条委員会は、本来、各会派が真相究明のために、全会派が賛成して設置されたわけですが、本来であれば、こういう題にすべきという思いが私はあるんですが、あったんですが、予算特別委員会における民主党中村議員の質問に対して濱渦副知事の答弁により問題提起された社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会、これが本来でありますよ。しかしながら、余りにも長いから、要約されてこう出てきたというふうに私は思うんで、だとするならば、富田議員にはぜひとも出席をしていただきたかったと、このように私も思っているところでございます。
 さて、先ほど朗読しました陳述書には、中村議員が質問に至る経過について詳細に記載されております。この間、議長ご自身も、三月十四日の予算特別委員会の民主党の質疑に関連して、まあいろいろな情報を得ていると思いますが、ご存じのことをすべてお話し願いたい。

○内田証人 もちろん、すべてお話をさせていただきますが、私は、名取幹事長とお会いして話をしたやりとりだけの証言きりできません。補佐する意味で、このある情報の中から、先ほどの陳述書にあるようなものを同時につけさせていただいたというのは、それも含めてお聞きいただければわかるんではないかなと、こういう思いでした行動であります。
 まず初めに、三月三日の日に、午後二時五十分ごろであったと思います。本会議一般質問の第一回目の休憩時、名取幹事長が議長室に来られ、我が会派の富田が、濱渦副知事からかなりしつこく予特で社会福祉総合学院のことで質問するよう頼まれているので困っていると話がございました。
 名取幹事長の話によりますと、富田には、呼ばれても、頼まれても、承諾しないで保留して帰ってくるように指示をした。また、三月一日か二日、日時ははっきり、このことで私は記憶がちょっとあいまいなんですが、本会議終了後、控え室に副知事が来て、民主党の役員会があるので、そこに伺って直接お願いをしたいと要請がありましたが、ぼかして返答して、役員が集まらないので役員会の開催を行わないで対応をしたと、こういっておりました。
 私としては質問を行うべきでないと考えているが、これは名取幹事長がいっているのですが、しかし、知事の側近であり、余りむげな対応もできないので苦慮をしている、富田の代表質疑でなく、中村明彦の質疑で予定を組むので、通告書に監理団体についてを入れておいて、質問しない予定でいきたいとおっしゃられました。
 そこで、私は、そんなことを民主党の会派として受けたら大問題にもなるし、議会の中でも孤立する、あなたの会派もばらばらになってしまうんではないか、議会の立場としても見過ごすことはできない、こう申し上げました。薄々どのようなことを質問しようとしているか、情報として既に入手をしていましたので、この問題で私は、一切関与していないのだから、議会に手を突っ込むようなことはしないでほしい、しない方がいいよ、やめさせた方がいいよ、こういうことを申し上げ、最後にはっきりと、質問はやらせない方がいいんじゃないか、こう申し上げた次第であります。そうしたら、なるべくそのようにするとお帰りになりました。
 三月八日、十四時四十五分ごろだと思います。議運の終了後、議運終了したその席で、その後どうなったのと私の問いに対して、議長室に同道されて、名取幹事長は、予定どおり質問通告だけはしておいて、当日は質問しないように決めたといわれました。多少の雑談をして帰られました。
 三月の十一日、十五時ごろでございます。予特総括の質疑の一回目の休憩時でありました。議長室に訪ねてこられ、その後いろいろの働きかけがあって質問することとなった、自分としては、都政の中で今まで積み上げてきた立場、議会内での議長を初めとした信頼関係など全部無にすることになるといって頑張ったがだめだと、こう報告がありました。

○山崎委員長 今、三月三日、三月八日、三月十一日と、三回にわたって議長室に名取幹事長が行かれたということでありますが、伺いますが、議長室のそういう来訪者というか、面談、お客様の記録というのは、議長室には控えというか、記録というものはあるんですか、お答えください。

○内田証人 議長室の入り口に秘書課がありまして、そこでどなたが何時何分にいらしたか、来訪したか、これはきちっと記録をとってあります。それを確認してご答弁申し上げました。

○山崎委員長 今のお話を伺っていますと、濱渦副知事が事前調整は全くないということをこの百条委員会で証言されております。それからすると、明らかにこれは偽証であったといわざるを得ないと私は思います。
 その濱渦副知事の偽証はもちろんのこと、真相究明に向けた委員会の活動に対する非協力的な態度、事実を隠ぺいしようとする行動については、我々は厳正に対処していかなければならないと思うんです。
 富田議員が出頭を拒否したということは、先ほどの陳述書、議長の証言、これを見れば、ご自身がここへ来て真相を述べれば偽証が成立してしまう、それをやはり恐れてのことなのか、ほかにまだ理由があるのか、私はわかりませんが、だれもがこうした経過、また今日の議長の証言を聞けば、これはだれが見ても明らかだと私は思うんです。まことに残念きわまりない思いであります。
 富田議員については、委員会では、正当な理由がないということを委員会として議決いたしております。私は、前にも申したことはあると思うんですが、同僚議員、また個人的にも彼は私に大変親切にもしてくれている人でありまして、そういった意味で、告発などというようなことは何としてでも避けたい、これが私の本音であります。まことにそうした点では、皆さんも逆の立場になればどんな思いになるか、本当につらい思いでいっぱいであります。
 議長には知り得る範囲の証言をしていただきました。ほかにまだあるならば、お話伺いたいと思いますが、その前に、たしか五月二日の本委員会で、民主党柿沢委員から、内田議長から名取議員に対して、ある議員を介して三人で会った、そして濱渦副知事の偽証を立証するため協力してほしいという根回しがあったという発言がありましたが、この点について事実はどうだったのか。議長自身が濱渦副知事の偽証を立証するがための協力要請というのをしたんですか、お答えください。

○内田証人 四月十四日の夜だと思います。時間はかなり遅い時間、十時ごろだったんではないかと思いますが、ここにおられる大西都議会議員の仲介で、極秘で名取幹事長が会いたいといっているので、どこかとってくれといわれて、赤坂のホテルの一室をとり、そこで名取幹事長にお会いをしました。
 最初に、名取幹事長から、富田の喚問を、なぜ、議長との信頼関係からいえば事前に相談なかったのか、冷たいじゃないかと、こういわれたわけでございますが、この問題で私は事前にさんざんご注意を申し上げたのに、それを乗り越えて行動されたのはそちらであって、そのような状況の中で、昔のような信頼関係といわれても困りますよとお答えをさせていただきました。
 柿沢議員が委員会で、内田議長は、名取幹事長に対して、百条委員会で濱渦氏を偽証にしたいから協力してくれと発言をしましたが、私はその会談の折、そのようなことはいっておりません。とり方のあれもありますけど、私の口からはいっておりません。
 これは、そのときに同席した大西議員が、その発言を委員会の中で柿沢議員がする中で、自席から立ち上がってですね、委員長の席に詰め寄って、今の発言は何だと。同席していたから知っておりましたので、そう詰め寄ったのは、皆さんよく見ていた光景だというふうに思っております。それをもって私はおわかりいただきたいなと思うわけでございます。
 で、そのときに私が申し上げたのは、百条委員会の喚問要請を断ることは、病気とか忌引の以外は、いかなる理屈をもってしても告発になってしまいますよと。前途のある人なんだから、出頭して事実を証言すればよいのではないでしょうかと。また、マスコミが自民党と公明党対民主党の対決といっているけど、私はそんな結果は出したくない、こう思っているといいました。
 名取幹事長は、証人喚問とマスコミに報道されただけで富田は大きな打撃を受けているんだと。富田は後援者と相談して態度を決めるといっているから、あとは本人任せにするんだ。私は、再度、これはどういう経緯で申し上げたかというと、富田氏についてさまざまな情報を知っていましたから、よくそんなことをいえるな、皆を、皆さんを巻き込んだのは富田議員じゃないかというふうに思っておりましたけど、あえて助ける意味でアドバイスを再度いたしました。名取幹事長はそれを受けて、議長の話だから、伝えることは伝えようといって帰りました。しかし、ご返事はありませんでした。
 以上でございます。

○山崎委員長 今のお話で、真実を知っている議長が、議会人としての責任、良心から、本委員会において何としても真相を明らかにし、都民に対する責任を果たしていこうという強いお気持ちは痛いほどわかりました。議長の思いとは異なって、執行機関の一部には、その一部による疑惑捏造に執行機関をチェックすべき議会が利用される、このことで都政の停滞が生まれたわけであります。
 そして、最後にここで議長にお伺いいたしますが、今日の都政のこの混乱、停滞、そして今後の都政への思いについてお気持ちを伺いたいと思います。

○内田証人 せっかくの委員長のご要請ですから、証言以外の形で私の気持ちの一端を述べさせていただきたい、こう思う次第でございます。
 私は、地方自治体、地方議会に参画してちょうど三十年になります。この間、区議会、都議会を経験し、区政は区民のものである、都政は都民のものという信念で、どのような会合に出ても、私は、地方自治について参加をしてください、一緒に行動をしてください、こういうことを申し上げながらこの三十年間を過ごしてきたわけでございます。
 地方自治体は、ご承知のように二元代表制で構成されております。そして、対等の関係であると位置づけられています。しかし、全国三千三百余の地方自治体、さまざまな自治体の議会の皆さんとお話をするときに、よく車の両輪という言葉を使って、まあそういっているけど、執行機関側の車輪が大き過ぎて、まさに隷属的な機関になっているのは現状否めない、よくそういうことをいわれております。なれば、議会として変えていけばいいじゃないか、私はそういう思いで、またこの三十年間、議員として議会の中で活動をしてきたつもりであります。
 私は一年半余前の議長就任のときに、二元代表制の一元を担う議会という言葉を使わせていただいて、あえてこの二つの組織がお互いに緊張し合い、切磋琢磨してこの行政運営をしていくことが、究極は、その地域の住民、そして地域を構成するすべての人々に対する行政サービスにきちっとはね返っていくんだ、こう申し上げて、私は議長あいさつをさせていただいたわけでございますが、一貫して私は、議会の子としてこのことにずっと邁進をしてきたわけでございます。
 ですから、今、地方分権がいわれ、そしてこの地方分権がなぜいわれているのかというと、やはり政策官庁は国にあり、そして地方自治体はそれを行う事業体にすぎない、いわゆる三割自治、こういわれてきた事実を脱皮して、二十一世紀、本世紀は地方自治の時代だ、地方主権の時代だ、こういわれている中で、地方自治体が政策自治体に変わっていかなければいけないし、同時に、議会もその権能を高めて、そして政策自治体に、政策議会に変わっていかなければいけない、こういう思いでさまざまな取り組みをさせていただいてきたところでございます。
 私は都政に平成元年に参加をさせていただきました。そして、たしか平成三年、三年を経過したときに幹事長代行という職を受けて、予算特別委員会の中で、当時の鈴木知事に対して地方分権という一項目の質問だけで質疑を展開させていただいて、そういう中で、地方分権の究極の地方の税財政の確立を図っていくために起債制限の撤廃をしてほしい、こういうふうに申し上げたことがございます。
 知事は、この地方自治をつくった、ある意味では生みの親であったわけでございまして、私は、そのつくった国の立場から、実際に地方自治を運営して隘路はなかったのか、そういう思いを込めて聞いたわけでございますが、残念ながら鈴木知事は、この起債制限の撤廃は要望できない、こういうふうにおっしゃられたのであります。
 私は、その後迫った知事選挙、そしてこの中で、残念ながら、当時の神様といわれた、地方自治の神様といわれた鈴木知事を支援することはできないという決意に至ったのもその理由からであったわけでございます。そして、その後、やはり地方分権、地方政府を確立していく、ただ一つ、鈴木知事は、ちょっと話は戻りますけど、その年の国に対する予算要望の第一項目に地方分権という文言を入れてくれたのであります。そして、ご承知のように分権法ができ上がっていった、大きなこの足跡になったというふうに思っております。
 我が自民党、私はその控え室の、丸の内時代でございましたけど、大きな地方分権確立推進本部というのを立ち上げて、やはり最大会派の自民党が住民の皆さんのために、地域のために地方分権をなし遂げていくのが一番我々の大きな仕事であり、それに伴う財源の移譲を図っていくのが我々の大きな責務であると心に誓って、そのことに多くの仲間の協賛を得ながら実行をさせていただきつつあるわけでございます。
 もう一方で、行財政改革基本問題特別委員会、これはまさしく議会が各会派相談をし合って、そして、今回のような全会一致でこの特別委員会を立ち上げました。そのときに執行機関が、理事者側で、委員会を運営するためによく委員会運営のひな形みたいなものを理事者側から出されるわけでございますが、そういうものがあるのかといったら、単純な、私のいうような行財政改革の特別委員会をつくるに当たっての資料はなかなかできにくいということで、我々頭を寄せ合って、ほかの会派の人にもいわゆる相談をして、一緒になってこの行財政改革の委員会を去年の九月まで、七カ年の長きにわたって展開をしてきたところであります。
 それは、昭和二十二年に新しい憲法ができて地方自治がきちっと位置づけられた中で、しかし依然として国による関与、中央集権的な色合いをしたこの地方自治法を変えるような、そういう特別委員会にしていきたい、そういう思いで真の自立を図っていきたい、こういう思いで、分権を図り、なおかつ、その分権の中で地方がまさにみずからの責任を確立していく、そのためには、東京都政でいえば、都政百年のグランドデザインを描きながら、そして、現実行われる行政改革については、その時々の社会経済情勢に応じて改革を理事者側に任せるから、しかし、この都政百年のグランドデザインを描く中で、できれば数値も入れたそういう委員会の仕上げをしたいんだけど、協力をしてくれぬか、こういう形で運営をずっと携わってきたわけでございます。
 先ほど名前を出して大変申しわけなかったんですが、名取幹事長も、当時民主党、民社党の議員として私どもに本当に共鳴をして、一生懸命この運営を手伝ってくれた、そういう経緯もあったわけでございます。
 ですから、そういう意味では、私は、こういう議会での思いを本当に、名取さんを通じて、幹事長であるから、民主党の皆さんもわかっていただく、こういう背景の中で私がいろいろお願いをしたわけでございますが、私の努力足らずか、ご理解をいただかなかったわけでございます。
 そして今、その委員会は、最後に結論をまとめて、そして石原知事に、真の石原行革大綱をつくってくださいとボールを執行機関側に投げさせていただいて、この都政が本当に全国の地方自治体の本当にリーダーとしてまさに見本的な分権を、そして都行政を、自治体運営をなし遂げていく、こういうことに今我々は思いをはせているのでございます。
 また、組織についても、理事者の皆さんは、やはり都政は、先ほど都民のものだと、こういわせていただきましたけど、みずからの組織をつくり上げていくときに、ともすれば縦割り機構、そして自分たちが運営しやすい組織をつくっている。実際は、都民が使いやすい、この地域を構成する人たちが使いやすい都政の組織にしなければいけないのでありますから、そういうことも踏まえて執行機関側にお願いをさせていただいたわけでございます。
 そして、地方の税源移譲もありますが、みずからの税財政の財源確立のために、やはり地方税の税財政議連というものを立ち上げまして、これも全会一致のご参加により成立をしたわけでございます。これはしかし、政治的な私としては意向があって、本来、執行機関がやるもの、ですから、執行機関側に、このことを契機として地方自治体で初めての東京都税調をつくらせたことによって、私たち議連の役割は終わったというふうに思っていますし、また、その税調の中で都議会の会派の数名が参加をできる体制ができたということで、議会の声もそこに反映される、こういう思いでやってきたわけでございます。
 私は、この間のさまざまな執行機関側の皆さんとのいろんな対応をやらせていただいてきたわけでございまして、同時に皆さんもそうだというふうに思っております。そういう中にあって、やはり組織が適材適所で行われてきたか。くるくる変わる都政組織、そういう中で、我々が余り変わらずに、そして質疑を行ってきた。しかし、金太郎あめみたいな答弁ばっかり返ってきて、まさに新しい組織としての知恵が結集されてきていないという、私は執行機関側にある意味では残念な思いをしながら、この間過ごしてきたわけでございます。
 石原知事が登場して、その側近の皆さんが都政に入ってきました。そしたら、この執行機関側の組織が、私の目から見ても、もっともっと崩れた形になっていった。このことは、私、議会側としては大変な残念な思いでいたわけでございます。
 そういう意味からも、今回百条委員会ができたということは都政にとっては不幸な事実であり、しかし、災い転じて福になる、福となすという言葉もあるわけでございますから、都政改革につながれば、この百条委員会も大きな役割を果たしたことになるわけでございますから、新たな執行機関と議決機関の新しい出発となる可能性に大いに期待するものであります。
 このことが都民に対する行政サービス展開に必ずや役立つというふうに私は思って、あえてこの百条委員会の場で歩を進めるような証言をさせていただいたわけでございまして、ご了承をいただきたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。

○山崎委員長 本来、都民のために使われるべき都庁の力というものが、この問題によって混乱をし、この都政の大停滞を生じてしまっております。これを一刻も早く収拾し、正常に戻し、今、内田議長のおっしゃるような、災い転じて福となす、そうした方向に一日も早く向けていかなければいけないと思いますし、そのためには、各会派の委員の方々のご理解をいただいてご協力をいただき、進めていきたいと思っております。
 このことを申し上げて、きょうの内田議長に対する尋問を終了させていただきます。ありがとうございました。
   〔内田証人退席〕
 ちょっと待ってください。先ほどの陳述書並びに内田議長の証言を聞きますと、これほど重大な事実が明らかになった以上、このまま証人喚問を続けるわけにはいきませんので、理事会を開いて協議したいと思いますので、暫時、委員会を休憩いたします。
   午後二時十七分休憩

   午後三時四分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
   〔幸田証人着席〕
 次に、証人、福祉保健局長幸田昭一君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席において発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは幸田昭一君ですか。

○幸田証人 幸田昭一でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○幸田証人 福祉保健局長でございまして、生年月日は昭和二十一年十一月十九日生まれでございます。

○山崎委員長 それでは、私から尋問いたします。
 まず、提出記録ナンバー78の中の、福祉保健局は、当時の担当係長に行った事実確認についての文書と、これに基づく幸田証人の平成十七年三月三十日及び四月二十五日の証言によれば、平成十三年十月二十三日に、財産運用部から公有財産管理運用委員会への付議も財産運用部長への協議もいずれも不要との回答があったと、このように述べられておりますが、一方、提出記録67及び110の中に、社会福祉総合学院の運営見直しにかかわる平成十四年度二次経費要求事項の財務局主計部への予算説明資料の中で、都から事業団への土地の無償貸与への影響について財務局財産運用部に確認とあり、都有地の無償貸付理由には反しないとの認識を行っていると。したがって、これまで行ってきた土地の無償貸し付けには影響は及ばないとの記述があります。そして、この資料の右下には、二〇〇一年十月十二日という日付が書かれております。
 福祉局が財産運用部へ相談したか否かについては、財務局と福祉保健局の見解が異なっております。また、先ほど申し上げた幸田証人の証言による十月二十三日と、予算説明資料の十月十二日という日付に矛盾があるとの指摘が、本委員会、特に民主党さんでありますが、からされております。
 そこで伺いますが、これらの二つの日付の違いを中心に、提出記録67及び110の資料が作成された経緯、主計部への予算説明が実際になされた日程等について詳しく説明を願います。

○幸田証人 委員長お話しのとおり、私は過日の証人喚問におきまして、当時の資料及び担当係長への確認に基づきまして、財産運用部からの付議及び協議不要との回答は、平成十三年十月二十三日にあったと証言いたしております。
 一方、提出記録67及び110の日付についてでございますけれども、当時の福祉局では、局内におけます十四年度予算要求資料の提出期限を十月の十一日と設定いたしまして、この資料は、翌日の十月の十二日に作成されたことから、その作成日がパソコンによりまして自動的に印字されたものでございます。
 当時、主計部に対しましては、提出記録ナンバー86などにございますように、平成十三年九月の二十五日に学院の見直しにつきましての事前説明を行った後に、局全体の二次要求見積書にただいまご説明した資料を含む要求資料を添付をいたしまして、主計部に十月の十六日に提出をいたしました。
 この十月の十六日から二十二日までの間が、平成十四年度福祉局予算要求に対します主計部ヒアリング日程でございまして、社会福祉総合学院の見直しにつきましては、十月十八日に説明を行ったことが資料により確認できております。
 なお、社会福祉総合学院の見直し案につきましては、平成十三年八月二十八日から財産運用部に説明を開始しておりまして、翌月の九月の末ごろまでに見直しの考え方について財産運用部の理解が得られましたことが、提出記録ナンバー60の中の、当時の福祉局総務部の担当副参事が残しました書類に明確に記載をされております。
 つまり、主計部に説明をした十月十八日の段階では、付議及び協議の要否につきましては、結論は財産運用部からは得られていないものの、学院の委託・貸出併用方式という見直しの考え方そのものについては財産運用部の基本的な理解が得られておりましたことから、要求資料にその旨を記載をすると同時に、学院の見直しの考え方及び財産運用部との協議状況について、主計部に対して説明を行ったものであります。
 したがいまして、十月十二日の日付と矛盾するとのご指摘があるとのことでございますが、この十二日は単に資料を作成した日付であり、財産運用部から付議及び協議不要との回答を得た日付は十月二十三日であることと何ら矛盾するものではないと考えております。

○山崎委員長 何だよ、ちゃんとそういうことは早くいってくれよ。
 じゃ、とにかく、十月十二日というのはあの書類をつくった日なんだね。そういうことでしょう。それだけちょっと答えて。

○幸田証人 そのとおりでございます。

○山崎委員長 はい、わかりました。
 次に、幸田証人は、三月三十日の委員会において、担当係長の陳述は全面的に信用しているという証言をされておられますが、その見解は現在も変わりないんでしょうか。まあ、民主党さんから聞いてくれというんですから、聞きます。

○幸田証人 これまでの証言でも申し上げましたところでございますけれども、日ごろの業務を通じまして、私自身、その職員の人柄あるいは誠実さ、仕事に対する真摯な姿勢というものについては十分承知をしております。当該職員の陳述内容は、当時の資料や記録とも符合をしておりまして、これまでと同様、見解にはいささかの変わりはございません。

○山崎委員長 ただいまの二問については民主党さんからの要望でございますので、私が代表して質問をさせていただきました。
 次は公明党さんからでありますが、きょうの産経新聞には、前日まで兼任という、学院の先生か、のことについて書かれているわけですが、三浦文夫先生の敬心学園理事の辞任の時期については、四月二十五日の幸田証人の、あなたの証言では、平成十三年十二月十九日であり、社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会の前日であったと。あなたがこうやって答えたのかな。答えたね。
 理事の辞任について敬心学園が事業団に通知をした日及び実際に辞任した日を含め、はっきりとその点もう一度経過を説明してください。

○幸田証人 ご質問の点でございますが、三浦先生から学校法人理事長へは平成十三年十一月二十二日付の辞任願が提出されており、学校法人から辞任された旨の報告が事業団にございましたのは、同年の十二月十九日でございました。
 この経過につきましては、四月二十五日の証言を行った後確認いたしましたが、いずれにいたしましても、私としては、三浦先生が辞任されたことを当時の福祉局が事業団を通じて確認できたのは、十二月十九日でございました。
 三浦先生は、当時、受託者あるいは借受者の審査にかかわるお立場ではございませんでしたけれども、誤解の生じないよう、十一月二十二日に退任をなされたと理解しております。

○山崎委員長 はい。そうしますと、前日までということではなくて、十二月十九日ではなくて、十一月二十二日に辞任願を提出していたと。しかも、これは、そういう手続がもう既に済んでいたということでいいわけですね。

○幸田証人 十一月二十二日に退任願が出て、それで私どもにその報告がございましたのが十二月十九日であったということでございます。

○山崎委員長 はい、わかりました。
 証人、幸田昭一君に対する尋問は終了いたします。
 証人、ありがとうございました。
 退席していただいて結構でございます。
   〔幸田証人退席〕
 本日出頭を求めた証人に対する尋問はすべて終了いたしました。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後四時五十四分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 本日の証人、東京都議会議長内田茂君の証言により、去る三月二十九日の証人、副知事濱渦武生君の証言に虚偽の疑いが生じました。
 この際、証人、副知事濱渦武生君の虚偽の陳述の件について議題といたします。
 本件に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。

○名取委員 ただいまの議案につきまして、反対をする立場で一言意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほど理事会の中で、濱渦武生副知事から山崎孝明委員長あてに、出頭を要請する意見が、要請のお願いが出されました。この中にありますように、ただいまの貴委員会において、私があたかも疑惑を捏造したかのような発言がありましたが、これは事実と異なります。また、事実と異なる内容を含んだ陳述書が読み上げられました。証言者には弁明の機会を与えるべきでありますので、ぜひとも貴委員会において発言の機会をいただきたく存じます。
 このような内容でありますけれども、このような弁明の機会というものをお願いをしたいということがありましたので、私どもとしては、すべからくやはり弁明の機会を与えるべき、このような考え方を持っておりますので、きょう、委員会において偽証の議決をすることに対しては、反対をしていきたいというふうに思っております。
 以上であります。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 証人、副知事濱渦武生君は、去る三月二十九日の委員会で、付託調査事項の学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目の調査について証言を求めたところ虚偽の陳述をしたと認めることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立多数と認めます。よって、そのように決定いたしました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十七分散会

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