社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会速記録第八号

平成十七年四月二十五日(月曜日)
 第十五委員会室
 午後二時三分開議
 出席委員 十三名
委員長山崎 孝明君
副委員長木内 良明君
副委員長野村 有信君
理事東村 邦浩君
理事高島なおき君
理事大西 英男君
理事名取 憲彦君
柿沢 未途君
松村 友昭君
宮崎  章君
服部ゆくお君
曽根はじめ君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 委員外の出席者
証人
東京都福祉保健局長幸田 昭一君
東京都財務局長松澤 敏夫君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査(証人喚問)
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項
証人再々出頭について

○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本日の議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
 次に、本委員会の今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、記録の提出について申し上げます。
 去る四月二十二日の委員会において、知事に対し本日正午までに提出を求めました記録について、お手元配布の「記録の提出一覧(四月二十二日新規請求分)」のとおり、議長あて提出がありました。
 なお、本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
 なお、要求した記録のうち、不存在とされた記録につきましては、引き続き請求していくこととしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、去る三月二十三日及び四月八日の委員会において提出を要求しました記録のうち、不存在、一部不存在とされていた記録の一部を四月十九日の委員会において引き続き請求しておりましたが、これらの記録につきまして、お手元配布の「記録の提出一覧(四月十九日再請求分)」のとおり、調査中であるとの回答がありました。
 理事会で協議した結果、可及的速やかに提出を求めることになりました。ご了承願います。

○山崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく証人喚問を行います。
 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
 初めに、付託事項調査のため、百条調査権に基づく記録の追加提出要求を行います。
 要求のある方は発言願います。

○野村委員 去る二十二日に知事が記者会見の中で、社会福祉総合学院の資産の売却にかかわるお話がございました。今日まで都庁内で社会福祉総合学院の資産の売却にかかわる相談、提案、検討等がなされている場合、全庁的にそのような記録文書があれば提出を願いたい。
 なお、文書がなければ、当時の売却にかかわる担当者の記憶に基づく報告書を委員会に提出願いたい。
 同時に、十六年度内で包括外部監査人が監査事務を進めておりましたが、監査人からもこのような提案、相談があったかどうか、監査人についても、この売却にかかわる件について報告をちょうだいいたしたいと思います。
 以上です。

○曽根委員 平成十一年一月の福祉局福祉人材養成機関の整備方針を受けて同年二月に開かれた社会福祉事業団理事会の議事録。
 あわせて、平成十一年十月十九日の同理事会の議事録。
 十三年十月九日の社会福祉事業団評議員会の議事録。
 また、平成十三年十月一日の社会福祉総合学院運営協議会の議事録をお願いします。
 また、平成十一年八月までに実施したリカレント教育に関するニーズ調査とその結果。
 同じく十一年八月に社会福祉総合学院を平日夜間と土曜開校に決定したことにかかわる福祉局の全文書。
 平成十六年三月二十六日付福生地第二一五七号の文書とその決裁の文書。
 社会福祉総合学院に関する整備費補助の平成十八年度以降各年度の見込み額。
 都立高等保育学院及び都社会事業学校の定員、応募者数、入学者数、卒業者数、教員数、職員数、予算、決算等の事業概要。
 また、二月二十四日に櫻井出納長が知事にこの件で説明した内容と関連資料。
 濱渦副知事の公用車の平成十三年以降の運行記録。
 あわせて、第二次財産利活用総合計画の対象物件など詳細な資料。
 以上です。

○山崎委員長 この際、お諮りいたします。
 ただいま野村副委員長及び曽根委員から要求のありました事項につきまして、付託事項について調査を行うため、知事等に対し五月二日までに記録の提出を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。

○山崎委員長 これより、東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
 本日、出頭を求めました証人は、財務局長松澤敏夫君、福祉保健局長幸田昭一君及び東京都議会議員富田俊正君、以上三名であります。
 証人、都議会議員富田俊正君につきましては、議長から本日の委員会に証人として出頭するよう再度通知いたしましたところ、お手元配布の証人再出頭請求についてのとおり、証人としての出頭はいたしかねる旨の通知が議長にありました。
 朗読は省略いたします。

平成十七(二〇〇五)年四月二十二日
東京都議会議員 富田 俊正
 東京都議会議長 内田  茂殿
   証人再出頭請求について
 平成十七年四月十九日付「一七議事第二四号」にて、貴殿より地方自治法第百条第一項の規定による証人再出頭請求をいただきました。
 しかし、先の出頭請求の際にも記しましたように、私には、地方自治法第百条第一項の規定による調査事項である「証言を求める事項」のいずれにも該当するものはなく、証言することはありません。
 これは地方自治法第百条第三項の「正当な理由」に該当するものと考えます。
 よって、証人としての出頭はいたしかねます。
以上

○山崎委員長 本件については、富田俊正君を除く二名の方に対する尋問終了後、その取り扱いを決定したいと思います。ご了承願います。
 次に、本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
 この際、各証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、禁錮または罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 委員会室内の方は、全員ご起立してください。
   〔全員起立〕

○山崎委員長 証人、財務局長松澤敏夫君、代表して宣誓書を朗読してください。
   〔証人松澤敏夫君朗読〕
     宣誓書
 良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また
 何事もつけ加えないことを誓います。
  平成十七年四月二十五日
松澤 敏夫

○山崎委員長 それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
   〔各証人宣誓書に署名捺印〕

○山崎委員長 ご着席願います。

○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略いたします。

平成十七年四月二十二日
証人 松澤 敏夫
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十五日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   櫻井  務
2 住所   東京都多摩市
3 生年月日 昭和三十二年九月五日
4 職業   東京都職員

平成十七年四月二十二日
証人 福祉保健局長 幸田 昭一
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十五日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   吉川 和夫
2 住所   野田市
3 生年月日 昭和二十五年七月十七日
4 職業   地方公務員

○山崎委員長 お諮りいたします。
 本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 それでは、福祉保健局長幸田昭一君以外の証人におかれましては、こちらからお呼びするまで一たんご退室いただき、控室においてお待ちいただきますようお願いいたします。

   〔幸田証人着席〕

○山崎委員長 初めに、証人、福祉保健局長幸田昭一君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは幸田昭一君ですか。

○幸田証人 幸田昭一であります。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○幸田証人 福祉保健局長でございます。
 昭和二十一年十一月十九日生まれでございます。

○山崎委員長 委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 服部委員。

○服部委員 幸田証人には、前回に引き続いて出頭をいただきまして、まことにご苦労さまでございます。
 福祉保健局には、委員会の設置当初から、大変膨大な資料要求だったにもかかわらず、大変誠実に対応してもらってきたと私は実感をいたしております。
 本委員会の当初のねらいであります疑惑の解明は、まだ幾つかの山が残されているものの、社会福祉総合学院の事業に関する一連の経緯なり手続面での客観的な事実、これは既に真相のかなりの部分が明らかになってきたと思います。
 本日は、粛々と事実関係をただしていきたいと思います。
 早速これより尋問に入ります。
 最初に、先週の当委員会での曽根委員の尋問に対し、櫻井証人が答弁で取り上げた調査改善委員会についてであります。
 これは、資料要求92のうち、出納長室が提出をした「平成十四年四月一日から平成十七年三月三十一日までの間に、社会福祉事業団及びこの関連で知事がブリーフィング、情報提供、面談等を受けた場合、この記録と使用した資料のすべて」、この中の十七年三月二十四日付「社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置について」との資料にあります。
 1の設置の趣旨では、都議会が百条委員会を設置されたことを重く受けとめ、行政として都民の目線にたえ得るしっかりとした説明責任を果たすためと書いてあります。そして、3の当面の対応として、予算特別委員会、百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整、並びに知事特命調査の確実な実施とあります。
 証人は、このペーパーを知っておりましたか。

○幸田証人 いえ、承知しておりませんでした。

○服部委員 次に、十九日にも尋問がありましたが、民主党の柿沢委員からは、いかにも事業団と敬心学園との定期建物賃貸借契約、これが有効に成立していないとの主張がなされました。
 契約の一方の当事者である敬心学園の小林理事長は、同じ十九日の山崎委員長からの尋問で、五年間の定期契約であり、初めから契約更新が約束されているものではないと証言をされました。もちろん、契約書の第四条にも再契約を可能とする定めがあるとしてですが、明快に定期建物賃貸借契約を締結したとの認識を証言されたのであります。
 そこで、まず、事業団と敬心学園との定期建物賃貸借契約の有効性についてですが、福祉保健局長としてどのように考えておられるのか、お答えください。

○幸田証人 幾多の手続を踏んで行われたものと、有効に成立しているものと認識をしております。

○服部委員 ただいま証言いただきましたように、定期建物賃貸借契約として有効であると、そういう認識でございます。なぜ幸田局長は、本件は定期建物賃貸借契約として有効であるといい切れるのか、詳細にご説明願います。

○幸田証人 定期建物賃貸借契約というのは、期限の定めのある賃貸借契約でございます。
 その特徴として、まず第一には、公正証書による書面等によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができること、また、二点目として、あらかじめ契約の更新がなく期間の満了により終了することについて、書面を交付して説明しなければならないことが挙げられておりますが、契約の締結前の平成十四年の三月二十九日付で合意確認書を両者取り交わしておりまして、その中で、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了すると記載がございまして、双方で確認をしております。
 それから、十四年の四月一日には定期建物賃貸借契約書を締結するとともに、同月二十二日に公正証書を作成し、その第二条において、契約の更新がなく期間の満了により終了するものとされております。

○服部委員 すると、宮川財産運用部長の証言にもあったように、事前確認書を双方で取り交わし、その中で説明しており、定期建物賃貸借契約は有効である、そういうことでよいのでしょうか。大事な点ですので、再度確認をさせていただきます。

○幸田証人 定期建物賃貸借契約というのは、期限の定めのある契約でございます。それから、公正証書によって契約をしてございます。契約の締結の前には合意確認書も取り交わして、双方納得をした上でのものでございます。こういう点から、定期建物賃貸借契約として有効に成立しているというふうに思っております。

○服部委員 また、宮川財産運用部長は、土地の無償貸し付けの契約に関して、契約書第四条違反、用途指定等ですが、違反であると、そうした証言がありました。極めて重要な証言であります。
 大塚副知事も予算特別委員会で、担当の副知事として、本件については全く違法性がないと、これは答弁されておりますし、だからこそ、我が会派としても平成十七年度予算に賛成をしたわけです。
 加えて、突然の変質であり、答弁内容の信憑性は問われるものの、当の濱渦副知事ですら違法性はないとしているにもかかわらず、財産管理の直接の責任者である財産運用部長から違反だとの証言がありました。
 この点について福祉保健局長は違反だと考えておられるのか、改めて明確に証言をお願いします。

○幸田証人 この契約締結に至るまでの間、手続的にはきちんとした手続を踏んで行ってきたと、資料からもそう判断できるわけでございます。そういう点では、今お尋ねの件につきましては、違反をしているという認識は全く持っておりません。

○服部委員 仮に違反だとしますと、いつから宮川部長は認識をしていたのか、この辺が問題になってきますね。どうも今回の包括外部監査報告によって知ったとのことでありますけれども、社会福祉総合学院へ宮川部長が視察されているのかどうか、それはいつか、正確に答弁願います。

○幸田証人 昨年度の上半期に、連休ごろだと思いますが、このときは副参事でございました。それから、現職の財産運用部長が総合学院を視察されたのが八月の十一日と記録されてございます。(服部委員「何年」と呼ぶ)昨年でございます。昨年の八月の十一日でございます。
 なお--はい、以上でございます。

○服部委員 ただいま、宮川部長は社会福祉総合学院へ平成十六年八月十一日に視察をされていた、そういう証言をいただきました。だとすると、財産管理の責任者であり専門である宮川部長は実態も見ていることになり、かなり早期からこの問題を把握していたと思われます。
 要求資料、これは25によりますと、平成十六年十月上旬には、東京都社会福祉保健医療研修センターを社会福祉総合学院に平成十九年度には移転させる案を、法律上の問題点を承知の上で取りまとめていたと思います。こちらですね。
 福祉保健局は、この財産運用部からの提案に対して、当時どのように考えていたのか、また、今所管の局長として、その内容について変化はないのかを伺います。

○幸田証人 財務局の案につきましては、昨年の十月の八日に担当の副参事から提案が、具体的な提案がございました。
 で、社会福祉保健医療研修センターは、小さな教室から大きな講堂まであるわけでございますけれども、これは内部職員の研修のみならず、区市の福祉事務所の職員、あるいは民生児童委員、あるいはまた民間の介護支援専門員、医療従事者等々、幅広く研修の場として活用しているものでございます。で、この研修の場として適切か否か、慎重な検討を要するものと考えていたところでございます。
 また、学院につきましては、ご案内のとおり包括外部監査を受けておりまして、その意見がどのようなものになるか、これもまたその推移を見守る必要があると考えておりました。
 その後、局におきましては、この研修センターの利用状況を調査いたしまして、やはり定員が非常に大きな、七十人以上の大教室の需要が高いということがございまして、今後のいろいろな、介護、例えば介護保険制度の改正等に伴います研修ニーズなどを考えますと、社会福祉総合学院への移転というのはなかなか難しいのではないかというふうに考えておりました。

○服部委員 それと、同じ十九日の我が党の高島理事の尋問で、財産運用部長は、文京区の小日向の研修センターの稼働実績について、自分の前の職場が病院経営本部であったということもあったのでしょうか、実態を正確に把握していたとの証言がありました。
 直接の責任者である福祉保健局長に、直近の実績について伺います。

○幸田証人 当センターの利用人数は、三万八千六百八十四人でございまして、一日平均百六十三人の利用となってございます。これは平成十五年の実績でございます。
 直近の平成十六年度の教室全体の利用状況を見ますと、十月から二月にかけての利用が非常に多く、次に五月から七月の時期が高くなっております。逆に、四月、八月、三月につきましては、年度初めや夏休み等々の理由から、利用状況が少ない状況にございます。
 で、十六年度の年間平均稼働率を見ますと、講堂の稼働率というものは六割を超えておりまして、ピーク時には九〇%近くに達しております。また一方、他の教室は平均三〇%でございますけれども、大型の教室につきましては、ピーク時には六割を超えるという状況でございます。また、平成十六年度、一日当たりの利用者が五百人以上の日が五十一日間ございます。
 行政財産という制約がある中での今後利用形態の変更を検討することも、一つ大きな課題かなというふうに思っております。

○服部委員 それでは、次に償還費補助金についてですが、予算特別委員会でも質疑があり、また、これは先週の二十二日の出納長への尋問でもその事実が確認できておりますが、社会福祉総合学院にかかわる補助金についての支出停止問題について、一方の当事者である福祉保健局長にも、念のため何点か確認をしたいと思います。
 まず、社会福祉総合学院建設に伴う償還費補助金に関して、出納長室から平成十六年度の支出が停止されたとのことでありますが、この補助金の支払い方法や内容を正確にお答えください。

○幸田証人 事業団におきましては、平成十二年の三月と八月の二回にわたりまして、市中金融機関から借り入れを行ってございます。これに伴いまして、それぞれの返済というのは年二回となってございます。毎年八月、九月、そして二月、三月、それぞれの末日が償還期日ということになってございます。
 で、十六年度におきましては、事業団へ都からの補助金を交付してございますけれども、その総額は二億九千九百万余円でございます。
 で、償還の実績でございますが、十六年の八月三十一日、それから九月の二十九日、十七年の二月十日、そして十七年の三月三十日が四回目の支払いと、償還費補助金の支払いということに相なってございます。

○服部委員 今回、どのような経緯で償還費補助金の支出が出納長室によって停止されたのか、その経緯を詳細にご説明願います。
 また、その停止の理由は何であったのか、果たしてその理由は正当なものであったと証人は理解をされていたのかどうか、お答えください。

○幸田証人 過去三回の場合でございますと、支出原議を出納長室に持ち込みまして、全く問題なく支出をされていたというふうに承知をしております。
 で、局としては、三月末支払い分につきましても、従前と同様の内容でございますので、支出問題には何ら問題なく、また債務負担行為ということも議会でお認めいただいておるものでございますので、これまでと同様に対応してくれるものと考えていたところでございます。
 しかしながら、補助金支出原議が三月二日持ち込まれたところ、学院の包括外部監査報告に対する局としての改善計画について提出がなければ困るというようなお話があったわけでございます。

○服部委員 なぜ出納長はそのような行動に出たのでしょうか。包括外部監査での対応はいつまでに取りまとめることとされていたのでしょうか、お答えください。

○幸田証人 当時の予定では、包括外部監査の意見に対します改善計画につきましては、三月に局の案を提出いたしまして、四月に入ってから監査人の意見を聞くなど調整を行いまして、最終的には五月ごろを目途に取りまとめて報告をすると、その後正式決定になると、こういうスケジュールでございました。

○服部委員 だとしますと、年度を越えても支出してもらえないことも考えられていたわけですし、また、包括外部監査は福祉保健局だけが受けたわけでもありませんね。
 水道局などでも同様な取り扱いが出納長室からなされていたとは確認されなかったのでしょうか。確認されなかったとしたら、随分、福祉保健局だけが何か標的とされていたといわざるを得ないにもかかわらず、証人は、社会福祉事業団が困るということは考えなかったのでしょうか。
 出納長室の対応について、局長としてどう受けとめられていたのか。また、その当時の出納長室に対する証人の局の対応についてお答えください。

○幸田証人 他の局の件につきましては、承知しておらないものですから、わかりませんけれども、局の方としては、事業団の建設資金の借り入れのいわゆる元利償還でございます。また、都が損失補償をしていることもございまして、この執行に支障が生じれば大変困ったことになるというふうに心配をしておりました。
 で、出納長室の方で要求のございました改善計画につきましては、いまだ局としても最終案にまとめに至っておりませんし、また監査人との意見の交換、調整等も行われていない状況から、どうしてもこの改善計画の提出を求めるということですと、私ども大変、手続的にも非常に苦しい状況になりますので、どうしてもということであれば、じゃ、文書でその理由を明示してちょうだいをしたいと、こういうお話をいたしました。
 これに対しまして、翌日、これは二十三日でございますけれども、出納課長の方から、口頭でいいから説明に来いと、説明してほしいと、こういうご依頼がございましたので、担当課長二名が参りまして、改善計画の主たる骨子をご説明申し上げてまいりました。
 その内容については、今申し上げましたように、改善計画の最終というのは一応五月であるということ、それから、包括外部監査人から大きく二点にわたってご意見をちょうだいしていること、このご意見については、抜本的な見直しをというような内容になっていると、局としてはこれを真摯に受けとめて対応するつもりだと、こういうようなお話をして、三月の二十五日、出納長室の方から、三十日に支払う、こういうふうに連絡を受けたところでございます。

○服部委員 ところで、今回の包括外部監査の対象は社会福祉事業団であったわけですけれども、福祉施設だけではなく、当初から社会福祉総合学院、これも監査の対象に含まれていたのでしょうか。いかがでしょうか、その経緯について承知されているのであれば、証言をお願いいたします。

○幸田証人 今回の対象となりましたのは事業団でございます。
 で、監査の正式の通知文書をちょうだいする以前に、昨年の五月の段階、中旬でございましたけれども、事前通知がございまして、その中に、平成十四年四月以降、民間への事業運営委託による効果という質問項目が含まれておりました。なお、この項目は、事業団の平成十五年度の事業概要、それから十四年の十二月策定をいたしました事業団の経営改革から選定をしたという説明が付されておりました。
 その後、五月、十六年五月の二十六日付で、社会福祉法人東京都社会福祉事業団の経営管理についてという記載が実施通知の中にあり、さらに六月三日、総務局の方から、平成十六年度包括外部監査にかかわる事前説明会の開催についての通知がございまして、その文書の中に包括外部監査人の指定した説明事項が添付されておりまして、その中に、第八項目めに社会福祉総合学院の民間への事業運営委託による効果についてという項目が掲げられておりました。
 したがいまして、当初から当学院が監査の対象とされていたというふうに認識をしております。

○服部委員 今のお話を聞く限りは、社会福祉総合学院を無理に押し込んだというような感じがいたします。その点は、またこれからも究明をしていかなければならないことだと思います。
 さて、定期建物賃貸借契約の有効性を確認するためにも重要であった公正証書でありますけれども、この資料はいつの時点で三局資料に追加されたのでしょうか、お伺いします。

○幸田証人 二月の十六日ごろに追加で入れさせていただいたというふうに思っております。

○服部委員 次に、要求資料86ですが、福祉局から財務局に出した平成十四年度予算要求資料について、その中の二次経費要求事項、事業名、東京都社会福祉総合学院の運営費補助という項目があります。
 その資料の二〇-五九ページ、二〇〇一年十月十二日付、平成十三年ですが、「都から事業団への土地の無償貸与への影響について」との欄には、「財務局財産運用部に確認」として、まず「事業団が運営主体であること、リカレントを中心とする福祉人材養成事業を運営すること、を満たした上で、教室等の有効利用の観点から、用途を制限して施設を有償貸出することは、都有地の無償貸し付け理由には反しない、との確認を行っている。したがって、これまで行ってきた土地の無償貸し付けには影響は及ばない。」との記載がありますよね。
 これは、福祉局として社会福祉総合学院の運営を見直すに当たって、従来からの財産管理の状態のままでは問題が生じるのか、また、そうだとしたらどのようにすればよいのかと考えたからこそ、財務局の財産運用部に協議したと考えるのが私は自然だと思うのです。それが今までの都庁各局の財務局へのやり方だと思いますが、いかがでしょうか。

○幸田証人 前回の本委員会におきましてもその辺につきましては十分ご説明したつもりでございますけれども、今、服部委員のお話のとおり、手続を尽くして今日の状況があるというふうに私は認識をしております。
 そういう点では、予算要求の段階におきましても同様の説明をし、これまでの、当時のですね、これまでの手続につきましても十分ご説明をし、ご納得いただいたものというふうに受けとめております。

○服部委員 ところで、文京区の小日向にあります研修センターの売却については、本委員会での証言でも、また、要求資料の先ほどのナンバー25、これにもあるように、財務局財産運用部から打診があったことがわかっていますが、一方の本件福祉総合学院の売却等について、あったのでしょうか。あったとしたら、いつごろ、どこから、どのような内容だったのか、伺います。

○幸田証人 今回の包括外部監査におきまして、私どもの職員からは、昨年の八月の十九日でございますけれども、包括外部監査人の補助者の方から建物の売却についてどうかというご意見がございまして、その実現可能性について内部的に検討した経緯はございますけれども、福祉保健局としては、あくまでも監査人の監査報告が出るのを待って具体的な改善案を検討することとしておりました。
 そういう意味では、この売却というお話は監査人の方からございまして、八月の二十日に、そういうご意見でございましたので、局としても、これはどう対処するかということで検討をしたことがございます。また、九月の二十四日に、包括外部監査人を含めましての学院の実査がございまして、その際、学校法人に対しまして、買うことができるかという趣旨のお話があって、法人側が無理であるというような回答があったということは、担当の方から報告として受けてございますが、その後、監査人の方から、売却に関しましてお話は以後ございませんでした。

○服部委員 最後にもう一点だけ確認をさせていただきますが、要求資料の44ですが、知事がこの問題についてブリーフィングを受けたということで、福祉保健局から提出のあった平成十四年一月二十五日の資料についていかがでしょうか、お伺いいたします。

○幸田証人 この資料は、当委員会の資料の、資料3の一部として三月二十八日に提出をいたしまして、また四月の十五日も、今お話しの資料100の一部として提出をしているわけでございますが、この内容については、もうご案内のとおり、学院の今後のあり方ということで、運営の方策、こういうことが記載をして知事に説明したものと、私は当時在職しておりませんでしたので、その説明内容は詳細わかりませんけれども、このペーパーを用いて説明をしたというふうに承知をしております。

○服部委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員長 服部委員の尋問は終わりました。
 引き続き、木内副委員長の尋問を始めます。

○木内委員 まず、定期建物賃貸借契約の有効性についてお尋ねします。
 これまでの証言では、福祉保健局長としても、この契約は定期建物賃貸借契約である、こういう認識が表明されております。ということは、借りた側も貸した側も、契約の双方の立場の者の認識においては、この契約が定期建物賃貸借契約であるとのことでありまして、手続であるとか書面の確認の点でいろいろと民主党の委員からは指摘もありましたけれども、私は、この契約は手続面で問題がないと認識しております。しかも、当事者双方が認めている以上、問題になりようがないということになるのであります。
 そこで、まず幸田証人には、事業団が本来の当事者でありますから確認させていただきますけれども、契約締結当時、また現時点で、社会福祉事業団はこの契約を定期建物賃貸借契約と認識していたのか、また、現在もそのように認識をしているのかどうか、伺います。

○幸田証人 当然のことながら、定期建物賃貸借契約という認識でございます。

○木内委員 ただいま証言があったように、間違いなく契約双方の当事者は、当時も今も定期建物賃貸借契約と認識をしているということであります。そのことからも、契約は有効であり、かつ定期建物賃貸借契約であるということに疑いはないわけであります。
 なお、生活文化局長への尋問においても、民主党の委員からは、いかにも、学校経営とは長期間の契約が前提であるにもかかわらず、五年間の定期建物賃貸借契約としたのはおかしいという趣旨の発言がありました。
 そこで、事実を確認をさせていただきますけれども、なぜ当時の事業団が、また福祉局が、五年間という期間を限定した定期建物賃貸借契約という、そういう契約方法としたのか、その理由を伺います。

○幸田証人 社会福祉総合学院で実施しようとしておりましたリカレント教育でございますけれども、当時、他に実施例がございませんでした。そのため、いわば先駆的に実施するものでございまして、また、建物の一括貸付方式につきましても同様であることから、一定期間の経過後、その実績、成果あるいはまた有効性等を十分に検証、評価する必要があると考えていたわけでございます。
 そのため、一定期間で契約が終了する定期建物賃貸借により貸し出すことといたしまして、その期間を五年といたしました。
 なお、公有財産規則の中に定める定期建物賃貸借の期限の上限も五年となっておりましたことから、財産管理上も適切な期間であったというふうに認識をしております。

○木内委員 つまり、東京都の財産管理のルールに準じて短期の定期建物賃貸借契約を締結したのであって、かつ、運営の実績や有効性を検証するために採用した方法であったと、こういうことであろうかと思います。にもかかわらず、さきの委員は、いかにも、知事にも財務局長にも、さらに証人であった宮川部長にも、損害賠償の請求が、住民監査請求があるといい、可能性があるといい、額も八億円にもなるという、こういう指摘をもしているのであります。
 なぜ、本件にかかわった多くの東京都や社会福祉事業団の職員が、さらに敬心学園の方々が、石原都政の看板であるスピードを重視しながら、当時、社会福祉総合学院の再構築のために尽力されたこのご苦労に対して、逆に、いかにも問題があり、大変な事態となっていると主張しているのか、甚だしく疑問を感ぜざるを得ません。
 賠償をというならば、今回の資料要求でも提出いただいている、ナンバー99の敬心学園の学生及び保護者の声にもあるように、いわれもない濱渦副知事の意図的な予算特別委員会での答弁や、あるいは一部の報道機関の予断を持った記事が招いた、敬心学園の学生とそのご家族の不安はもちろんのこと、入学辞退者が二十一名にも上ったとの、こうしたことの方が重大な問題であろうと私は考えるのであります。今回、突然に敬心学園がこうむった被害こそ、本来ならば賠償されるべきではないのかとさえ思うのであります。
 そこで伺いますけれども、先日の敬心学園の理事長の証言を福祉保健局長はどう受けとめられましたか。

○幸田証人 学院を所管いたします福祉保健局長といたしまして、真摯な態度で尋問に応じられていたと、理事長に対して改めて、これまでのいろいろと心血を注いでいただいた、あるいはまた福祉行政にいろいろとご支援をいただいたご理解、ご協力、そういうものに対して感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 また、本問題に関しまして、学院、それから敬心学園で学んでいらっしゃるその学生さん、その皆さん、あるいはまたお手紙もちょうだいしたご家族の方と申しましょうか、また学院の関係者の方々、そういう点を推察をいたしますと、将来に向けて適切に対処していかなきゃいかぬなと、その職責の重さを感じているところでございます。

○木内委員 私は、悔し涙あるいは怒り心頭で、この間、心身ともに疲れ切っておられる方々というのは、単に敬心学園の理事長や生徒諸君など関係者の方々だけではないと思うのであります。
 提出記録86の、本人が作成し財務局に提出した社会福祉総合学院に関する陳述書等における、例えば当時の総合調整課長、私は、民主党のようにあえて個人の名前は挙げませんけれども、その方の陳述内容では、管理職として直接確認もせず、一係長の言動だけによってそのような重大な意思決定を行ったのなら、それ自体が財産管理におけるみずからの過失を認めていることではないかという、こういう主張には強い違和感を覚えるのであります。
 そこで伺うのでありますけれども、財務局への付議に関する今回の事例は、宮川証人がいう公有財産規則第四十六条第四号に該当し、付議、協議すべきものと、当時の福祉局の職員は確認、認識されていたんでしょうか。あるいはそのように判断することに紛れがあったんでしょうか、明確に答弁願いたいと思います。

○幸田証人 公有財産に、その管理に当たりまして、規定が非常にきちっとしておる、またそろっていると。また、どういうケースの場合にどういう該当をするかというものが明確になっているというような趣旨のお話があったかと思います。で、今回の事例につきましては、今お話しのとおり、財産、公有財産規則の四十六条四号に該当し、付議すべきであるというお話でございます。
 しかしながら、公有財産規則四十六条四号の規定は、「普通財産の貸付け並びに貸付料、権利金及び敷金の減額及び免除に関すること。」という非常に簡単な規定でございまして、この規定から、今回のような既に公有財産管理運用委員会の付議を経ている物件について、その利用状況がどの程度変われば再付議というものが必要か否かという判断基準までは示されてないわけでございます。
 で、当時、福祉局の職員は、非常に判断の難しい事例であるということから、この公有財産管理運用委員会への付議というものがどのようにしたらいいのか、これは財産運用部に相談をして助言を求めたと、こういうことでございます。
 で、その結果、委員会付議あるいはまた部長協議も不要と、現行のいわゆる理由の中でおさまるものだと、判断できるということで財務局の方からお話があったというふうに私は理解をしております。

○木内委員 非常に明快な証言でありまして、私はこれを了としたいと思うのであります。つまり、普通財産の貸し付けであることは間違いないが、当初の付議内容が変更となり、付議すべきだと思ったが、確信がないので、公有財産管理運用委員会の事務局である総合調整課で実際の指導をされている係長のところへ相談に行った。確かにそうだと思うんですね。通例、付議しなさい、協議しなさいといったとしても、土地建物に関してはいろいろな形態があり、判断にも迷うことから、相談が多く寄せられるということを宮川財産運用部長自身も証言をしておられます。
 それでは、当時の総合調整課長の陳述書においても、いったいわないの話など、都民に通用する話ではないという趣旨のことが述べられて、それが、文書で協議しなかったことが問題となっております、こういう経過があるのであります。
 証人に伺いますけれども、財務局からは、当時、財産処理で判断に迷う事例についても、すべて文書で協議すべきと求められていたんでしょうか。

○幸田証人 依命通達がございまして、この中に、運用委員会に付議しようとするときには、あらかじめ総合調整課長に協議しなければならないということとされております。で、運用委員会に付議しようとするとき、あるいは付議すべきなのかどうか判断に迷うこと、多々ありだろうと思うわけでございます。で、各局におきましては、この定めに基づいて総合調整課に相談をする、助言を仰ぐと、こうなるのが実態だろうというふうに思っております。
 その際、文書で協議しなければならないかということについては、この通達にもその具体的な定めはしてございません。で、様式も定まっていない。で、通例は、口頭で、お邪魔をして、この付議依頼というようなもの、あるいはまた必要性、あるいは議案の作成と、こういうものを相談するのが一般的だというふうに思っております。
 で、それが固まった段階で付議依頼を文書で正式にする、文書を提出して協議をするというものだというふうに思っております。

○木内委員 結局、そうではないという今の証言であったわけでありまして、基準はあいまいな面もあったことから相談したのに、文書ですることを義務づけてもいなかったにもかかわらず、なかった、こういうふうにいい繕う。私は、これはもう明確な責任逃れではないかと思うのでありますね。これは弁護士文書に書かれたとおりの行動ということがたどれるわけでありまして、また一方では、そもそもこれは都庁内部の問題でありまして、これまで四年も予算をすべて認めてきている、これを放置してきた財務局の責任は、同時に非常に重いと思うのであります。
 さて、尋問の内容を変えて伺うのでありますけれども、幸田局長が、濱渦副知事から総務局長と財務局長と同様に二月二日に調査指示を受けたときの、その指示の内容についての記録や、また、二月十八日に濱渦副知事に報告した際の様子の記録も既に提出をしていただいておりますけれども、微妙に三者の記憶には違いがあるというふうに私は感じているのであります。
 そこで伺うんですけれども、証人は、二月二日に副知事から指示を受けた際、副知事は、何か現在問題となっている弁護士文書など、本問題について確証を得ている資料を既に所有していたような形跡はなかったんでしょうか。わかる範囲で結構ですので、証言を願いたいと思います。

○幸田証人 二月二日、三局長呼ばれました。で、副知事は、そのときにペーパーが入ったクリアホルダーをお持ちになりながら、包括外部監査人、弁護士などからの資料がある旨のお話があったように記憶しております。

○木内委員 ここは、証人、大変重要なところでして、確認でありますけれども、ペーパー、クリアホルダーに入れた資料を示唆するといいますか、かざして、いかにもこの問題についての確証のもととなる資料を示した。これが包括外部監査人並びに弁護士意見なるものを十分うかがわせるものだと、あるいはそう表現をしたんでしょうか、どうでしょうか。

○幸田証人 包括外部監査人、弁護士という言葉は覚えて、はっきり覚えておりますし、かざしてというよりも、お持ちになって、などからの資料があるというお話でございました。

○木内委員 かざしたかどうかは、私のこれ伝聞による認識でありますけれども、もう一回確認しますけれども、監査人、弁護士などから云々いうところをもう一度おっしゃっていただけますか。

○幸田証人 などからの資料があるというふうにおっしゃったと思います。

○木内委員 そうしますと、その日はまだ指示を出したばかりでありまして、三局部長プロジェクトの資料提出もない中で、相当の資料を既に副知事が持っていたとすれば、そのとき、証人は不思議だとはお思いになりませんでしたか。

○幸田証人 副知事から、私どもの所管に関します、総合学院に関するお話であったわけでございまして、副知事からの指示事項を間違いなくきちんと聞かなきゃいかぬということで、そちらの方に私も頭がいっておりましたので、そういうことを考える余裕はございませんでした。

○木内委員 それでは、尋問の内容を変えますけれども、今にして思えば、このタイミングでそうした資料について言及することに疑問は感じませんか。

○幸田証人 副知事のお立場からすれば、いろいろな情報が職責上も入ってくるんだろうなというふうに思っておりまして、いわば牽制といいましょうか、注意喚起といいましょうか、ちゃんとしっかり書類を出せよという意味でおっしゃられたのかなというふうには思いました。

○木内委員 ところで、十九日の証人喚問で敬心学園の小林理事長は、事業団から、平成十九年三月三十一日をもって建物等返還について話が出されたという証言をされましたが、これは事実ですか。

○幸田証人 理事長のお話は事実でございます。

○木内委員 証人は、事業団のだれが、いつ、どういう内容を敬心学園理事長に伝えたのか、承知している内容を証言願いたいと思います。

○幸田証人 事業団の理事長が、三月の七日に敬心学園の理事長さんを訪問されまして、包括外部監査で抜本的な見直しというものが迫られているということ、それから、それによって学園への委託あるいは建物の貸し出しというようなものについてもなかなか難しくなることが予想されると、こういう説明をして、十九年三月の定期建物賃貸借契約終了後の再契約ができない可能性もあるということを視野に入れて、移転も含めてご検討いただけないかというお話をしたと報告を受けております。

○木内委員 そのことについては、事業団理事長は自分の判断で行動されたんでしょうか。

○幸田証人 事業団理事長に対しましては、私からお話を申し上げ、依頼をいたしました。

○木内委員 福祉保健局長は、事業団理事長に対して具体的に、今いわれたどういう話をされたんでしょうか。また、なぜそういう話をされたんですか、理由についてお尋ねします。

○幸田証人 敬心学園との定期建物賃貸借契約につきまして、十七年、ことしの三月の二日付で財務局長名の文書によりまして、学院の建物は、契約が切れる平成十九年四月には事業団に確実に返還されるのかどうか、回答を求められたところでございます。
 あわせて、返還されることが確実な場合には、五年間の建物の賃借契約が終了する三月三十一日に、定期建物賃貸借契約が終了することを承認します、また、定期建物賃貸借契約が終了する平成十九年三月三十一日をもって、定期建物賃貸借契約書第二十条の規定に基づき建物等を返還いたしますと、こういう確認書案がこの通知文につけられまして、回答文書に添付するよう依頼があったわけでございます。
 このため、事業団理事長に対しまして、事業団と学園との契約でございますので、事業団理事長に対しまして、こういう通知があり、この善処方についてよろしくお願いをしたいという依頼をしたわけでございます。

○木内委員 今、証人がいわれた財務局長からの三月二日の文書に基づいて事業団側に連絡をされたと、こういうことであったわけですけれども、それでは、副知事からは、今回の問題について幸田証人に、社会福祉総合学院をもとに戻すようにすべき、こういう指示は具体的にあったんですか、なかったんですか。

○幸田証人 前回の本委員会で証言いたしましたけれども、三局長呼ばれたときに、学院の土地と建物、これは二月の十八日でございましたけれども、一応私の方から調査取りまとめをした報告を申し上げた際でございますが、利用形態をもとに戻すためにどうしたらいいか、そのときの理由をそれぞれの局で検討して報告するようにとの指示がございました。この点につきましては、前回もたしか証言をしたところでございます。

○木内委員 そういう具体的な指示が既にあったというふうに受けとめるわけであります。また、財務局長へは、要求資料83によりますと、十九年三月末までに学校法人が建物を返すか否か文書で確認するよう指示で出ているわけでありますけれども、証人はこのことを知っていますか。知っているとすれば、いつ知りました。

○幸田証人 ペーパーは、本委員会に資料として提出されたものを見て初めて知りました。

○木内委員 今までの尋問内容からして、既に副知事から具体的な指示が出されていたということになりますけれども、いかがでしょうか。

○幸田証人 それぞれにペーパーでご指示があったわけでございまして、先ほどお答えしたとおり、敬心学園に対しての連絡などの対応も、このいわゆる財務局長からのお話にのっとって、依頼文書にのっとってやったところでございます。

○木内委員 最後にお尋ねをいたしますけれども、こういう実はうわさを聞いているんですが、出納長は、三月の厚生委員会における我が党の藤井一委員の質問に対する福祉保健局の答弁があった翌日、朝からかなり大声でだれかを相手として、はっきりしませんけれども、どうも電話であったようですが、こうなったら徹底してやってやるとか、なぜだと、長い時間どなり散らしていたという、そういう話が一部の職場に流れているとの情報を聞いているわけであります。ひょっとして幸田証人本人か、あるいは当日答弁した部長があるいは叱責の相手だったのではないかという推測もあるわけでありますけれども、そういう事実はありましたか。

○幸田証人 出納長からお電話いただいたのは事実でございますけれども、まあ中身につきましては、まあちょっと、いやあ、まあご容赦いただきたいと思います。

○木内委員 まあ、証人のお人柄からして、口に出すこともはばかられるような内容であったのかというようなことを推測せざるを得ないわけでありますが、おおむね見当がつくところでありまして、私の尋問を以上で終わります。

○山崎委員長 木内副委員長の尋問は終わりました。
 続いて、柿沢委員の尋問をお願いします。

○柿沢委員 まず、敬心学園と社会福祉事業団との契約について、こちらからも確認をさせていただきたいと思います。
 この契約は五年間の定期建物賃貸借契約ですけれども、間違いありませんですね。

○幸田証人 五年の定期賃貸借契約でございます。

○柿沢委員 ということは、五年で契約が終了するということになる、これでよろしいですね。

○幸田証人 五年でございます。

○柿沢委員 契約書、契約書というか契約書関連書類の中に、社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会で再度審査の上、再契約を可能とするという旨の規定がございますけれども、再契約を結ばないということになるのは、どのような事態が生じた場合でしょうか。

○幸田証人 一つ考えられますのは、現在の契約で、いわゆるこの審査会で審査をし、いわゆるこの評価が適当でないというような事態が出た場合が一つ考えられるかと思います。それからもう一つは、契約に際しまして、再契約ということであれば、そのときにまた新たないろいろな条件が出てこようかと思いますので、その条件に合致する合致しない、いわゆるそれを了とする了としないというような場合もあり得るかというふうに思います。そのほかにもあるのかもしれませんが、まだ十分そちらの方の検討は、私はまだしてございません。ただ、理由としては、現時点でお答えするとしたらそういうものが考えられようかと思います。

○柿沢委員 敬心学園の小林理事長がこの証人尋問にお見えをいただいた際に、国家試験の受験資格を取得するには転校ができないというような旨のご発言がございましたけれども、これはどういうことなのか、ご存じでしたら教えていただきたいと思うんですけれども。

○幸田証人 ルールによって、その学校でカリキュラムを、定められたカリキュラムを学んで、そして卒業と、こういうことになるわけでして、途中で転校等はすると、その従前学んでいたものが有効に生きない、こういうご趣旨だというふうに理解をいたしました。

○柿沢委員 ということになると、これは在校生が卒業するまで学校が存続しないと大変大きな問題になりますよね。学校側が生徒から授業料の返還を求められるなどのことを求められるということも考えられます。これはつまり、五年後に契約を終了するということはやっぱり事実上できないということになるんじゃないかと思います。
 また、理学療法学科の夜間部は修業年限が四年ということになっていますけれども、在校生が卒業するまでの責任を果たそうとすると、再契約をしない場合は契約終了後の四年前、つまり五年間の契約期間の一年目には次回は再契約しない可能性もあるという旨を通知しなければならなくなるんではないかというふうに思うんですけれども、この二点についてお尋ねをさせていただきたいんですけれども。

○幸田証人 既にご案内かと存じますが、この四月一日に、都庁内といいましょうか、副知事等々をメンバーといたします調査改善委員会が設置されまして、従前の調査等々についてはこの委員会が引き継ぐ、こうなっているわけでございます。今ご質問の点につきましては、この調査改善委員会で将来に向けて十分その方策を検討することに相なろうかというふうに思っております。

○柿沢委員 しかし、再度伺わせていただきますけれども、もともとこれは五年の定期建物賃貸借契約を結んでいるわけで、二年目には、修業年限四年の理学療法学科の夜間部については、場合によっては責任が持てなくなるということはリスクとして当然あったわけですから、そのことについては福祉保健局としても事前に認識をされていたかと思われますけれども、いかがなんでしょうか。

○幸田証人 学校の生徒さんが路頭に迷うようなことは、都として、当然のことながら私学の所管の局においてもそれは避けなければならぬ、当然こういうお話になるわけでございます。私もそれは十分認識をしてございます。そうなりますと、現実の問題に対する対応として、やはりそういうご迷惑をかけるようなことはしてはならぬだろう、こう思っております。ですから、そうならないような対処策を考える必要があるというふうに思っております。

○柿沢委員 そうすると、それはやはり再契約が前提という話になるんじゃないですか。

○幸田証人 それも含めて、改善委員会の方で十分な検討をしなければならぬというふうに思っております。

○柿沢委員 ちょっと納得しがたい部分がありますが、まあ次に進みますけれども、学校設置を引き受けるに当たりまして、五年で終わるように考える人はいないと思います、これが小林理事長の先日の証人喚問、証人尋問に対するご証言でございました。ここから推測をすると、学校を設立する段階から五年後以降も再契約をして学校を継続する意思であっただろうということは推測されるわけです。また、収支についても、全学年がそろう十八年度から黒字になると考えていたと、かく発言していることから、三年間赤字が続いてやっと黒字になって二年目で学校をやめるということは考えられるはずはないわけですから、これはもう再契約が大前提だとして学校を設立しているというふうにしか考えられません。
 設立当時、事業団、福祉局も基本的には再契約を前提として、そのような言質を敬心学園に対して与えていたんではないでしょうか。

○幸田証人 このプロポーザルを行う際に、公募要領の中にそういう記載をしている部分がございます。また、契約書におきましても明確に、ご案内かと存じますけれども、審査委員会の審査を経て再契約を可能とすると、こういう規定はございます。
 ですから、読み方によってはそういう見方もあるのかもしれませんが、しかし、契約書上では明確に、両者合意の上、その審査委員会というものを前に置いて、それを踏まえての中身になろうかというふうに思っております。

○柿沢委員 読み方によってはそういう見方もあるということについては、それでよろしいですね。

○幸田証人 ですから、再審査、再審査ではございません、失礼しました、その審査委員会の審査を経て再契約は可能であるということでございます。

○柿沢委員 今、先ほどのご証言はそういうことではなかったはずです。今の流れを聞いていましたら、これはもう再契約を前提とした契約書の取り交わしだというふうに見ようによっては見えるという内容のご証言だったというふうに思います。この点についてもう一回確認させてください。

○幸田証人 契約書の規定というのはもうはっきりしているわけでございますから、それを文字どおり読んでいただければいいというふうに思います。

○柿沢委員 しかし、これについては、後ほどまた弁護士の口頭意見等をご紹介させていただくかもしれませんけれども、また財務局の担当部長、また先日は出納長、こうした方々から、契約の交わし方が不透明な部分がある、場合によってはこの定期建物賃貸借契約がしっかり結ばれているのかどうか疑わしい部分があるというような内容のご証言も、ここであるわけでございます。
 また、資料として提出されている財務局顧問弁護士の意見の中にも、ここについては事実関係をよく調べないといけないというご指摘をされていることになっているわけで、そういう意味では、これはやはり敬心学園に本当に通常の借家権が発生をしていないのかどうかということはしっかり確認をしなければいけない事項だというふうに思うんですけれども、この点はいかがですか。

○幸田証人 私は、これまでの事業団とそれから学園の、敬心学園の方との契約に関しましては、契約という、それこそ自由の原則に基づくものをきちっとされているというふうに思っております。
 というのは、例えば定期賃貸借契約というのは、ご案内かと存じますが、通常の借家権では一年未満というのはできないわけですけれども、定期賃貸借というのは期間の定めというのは自由なんですね。ですから、そういう意味では、まさに市場原理の原則にのっとって特別法という形で出てきたくらいですからおやりになっているんだろうというふうに思います。
 ですから、私は、双方十分確認の上結ばれた契約というふうに今でも思っておりますし、そこの点は、法律論争になりますと、私、法律家ではございませんので、あらゆるものを総合してご判断いただくということはあるのかもしれませんが、私は現時点では、局で、あるいはまた事業団で行われてきたこの契約行為というのは、きちんとしたルールにのっとって行われているものと確信をしております。

○柿沢委員 とすると、この契約関係について、通常の借家権の発生しているという可能性があるのではないかということについては、調べる必要がないということですか。

○幸田証人 私は、定期賃貸借建物契約だというふうに、あくまでもここのところはきちっと思っております。

○柿沢委員 これは私どもの考えですけれども、これは継続的、安定的にやはり事業は行われなければならない専門学校との契約を、そもそも五年の定期建物賃貸借という契約で結んだこと自体に非常に困難な点があったんではないかというふうに思います。
 また、再契約を保証しているかのようないわゆる文書を出さなくては学校設立の認可がおりなかったという経過を考えると、これはあえて五年の定期建物賃貸借契約という形で契約を取り交わしたということに、いささか私たちは無理があったのではないかなというふうに思っていることをここで申し述べさせていただきたいと思います。
 次に、財務局とのやりとりについて確認をさせていただきます。
 この件については、当時の福祉局の担当であった係長さんの証言が文書で記録として当委員会にも提出をされています。ここの詳細に、だれがだれに相談したということは書かれているわけですけれども、これによると、十月二十三日に財務局の担当係長から、公有財産管理運用委員会への付議も、財産運用部長への協議も必要でない旨の回答を得たということになっています。しかし一方で、財務局の係長二人、またその上司である総合調整課長の陳述書がやはり提出をされておりまして、これがまた今の福祉局の方の担当係長の証言を真っ向から否定するような内容になってしまっているわけですね。
 この財務局側の担当課長、そして係長お二人の陳述書は、総務局の行政監察室にも提出をされています。署名捺印も押されている文書で、ごらんいただいていると思いますが、一方で、福祉局の担当係長さんの証言の文書というのは、これは署名捺印があるものではありませんし、この間の資料を拝見している限り、総務局の行政監察室の方には提出をされていないようですけれども、これは提出をされておられますでしょうか、ちょっとお伺いしたいんですけれども。

○幸田証人 二月二日に副知事に呼ばれました三局、それで十八日に取りまとめて報告をした、これは私から報告をしたと先ほども証言いたしましたけれども、その際に、一連の関連資料ファイルを用意いたしまして、その中にペーパーはとじ込んでございますし、この資料は本委員会にも提出をしてございます。多分、今お話しの財務局の資料関係よりも早くお出ししているはずでございます。

○柿沢委員 ただ、本委員会の提出資料の中の行政監察室の内部調査で入手した資料一切、一式というものの中には、この福祉局の担当係長さん、当時の、証言文書は、私が見たところ入っていなかったわけですけれども、行政監察というのは、これはまた独立した権限を持ってこうしたことについて調査を進められるものだと思っておりますけれども、こちらの方には提出をされておられるのかおられないのか、ちょっと改めて確認させてください。

○幸田証人 三局PTの検討経過がございました。その席でも既にそのペーパーは出してございます。ですから、ごらんになっているんではなかろうかと私は思いますが、とにかく資料としては出ていることは間違いございません。

○柿沢委員 わかりました。時系列としては福祉局の担当係長さんの文書の方が先だったのかもしれませんけれども、いずれにしても、同じ土俵というか、で検討する上で、これは、私、個人的には、ご本人の署名捺印をいただいて、正式な形で行政監察室にも提出をしたらどうかと思いますけれども、いかがでしょう。

○幸田証人 ごらんいただければわかるかと思いますが、その係長の証言内容でございますけれども、これには、その事情を聴取した課長、これは名前と、それから立ち会った者の名前と記載をしてございます。
 署名捺印というお話でございますけれども、この内容については、事実を淡々と記録をし、それを提出をしたということでございますので、効果としては全く同じだというふうに思っております。

○柿沢委員 局長の認識は了解いたしました。
 この文書の内容に沿って質問させていただきますけれども、まず、係長からの口頭での回答を財務局の公式見解としたのはなぜか。総合調整課長と相談するということで、本来、これは回答が保留されていたということになっていたようなんですけれども、これ、当然、相談の結果の回答かどうか確認するべきだったというふうに思うんですけれども、これは財務局の担当課長と相談した結果の回答かどうか確認しているんでしょうか。

○幸田証人 この内容につきましては、公有財産の規則に見てもなかなかぴたりおさまるものがない、どう判断したらいいんだろう、そこで相談をした。これは八月の時点で、多分委員もその辺の記録はごらんいただいていると思いますが、八月の時点でご相談に伺った。その後、検討するということでいろんな検討をされていたんだろうと思いますが、九月の末に、当時の福祉局の副参事が財産運用部の方に出かけております。十月のたしか一日というふうに記載があったかと思いますが、その当時の係長に再度お話をして、課長に相談してみると、こういう話に。で、その後ご返事が来たということでございます。
 通常、付議をするかしないかというのは、先ほどもちょっとご説明といいますか証言いたしましたけれども、ご相談して了とされれば、再度念押しの確認をするというのは余り例がないんじゃないかと私は思います。

○柿沢委員 しかし、公有財産に関して、私たちはこれは非常に重要な変更だというふうに思っているんです。そういう重要な事項において文書が取り交わされないまま付議不要という判断が行われたということについて、いささかの私たちは不自然さを感ぜざるを得ません。
 このように公有財産にかかわる重要な事項について、過去にも口頭でのやりとりで協議を済ませたことがあるのかどうか、あるとしたら、その事例を挙げてください。

○幸田証人 私は、ちょっとその過去の事例というものは承知をしておりません。

○柿沢委員 そういう認識をこちらからも述べさせていただいて、その先に進みますけれども、三月二十九日の証人尋問の際にも、我が会派の名取理事からも申し上げましたけれども、十月二十三日に回答を得て、二十五日に公募を発表するというのは、非常に、余りにも用意周到過ぎるんじゃないかと。つまりは、二十五日の公募日程に間に合わせるために、再付議も部長協議も経ずに進めなければ間に合わなかったんじゃないかというふうに考えざるを得ません。(発言する者あり)もしくは、公有財産管理運用委員会へ付議されると、土地の貸し付けが有償になりかねない。そうなると、地代も考慮した建物の賃貸料にしなくてはならなくなり、困る。それで、その手続をあえて省いたとも推測したくなるわけでございます。
 ところで、運営費補助の全額削減についての説明を主計部に平成十三年九月二十五日にしているというふうにお話しされていますけれども、財産運用部からの回答によっては公有財産管理運用委員会への付議がされることになって、平成十四年度以降の運営形態が予定どおりとなるかどうか定かでもないにもかかわらず、先に予算の説明をしたというのはおかしいんじゃないですか。

○山崎委員長 意味わかった。柿沢さん、じゃ、もう一回。もう一回。

○柿沢委員 もう一回申し上げます。運営費の補助についての全額削減、これについて主計部に対する説明を平成十三年九月二十五日に行っているというお答えがございましたけれども、財産運用部からの回答によっては、この段階では管理運用委員会への付議がされる可能性もあったはず。で、平成十四年度以降の運営形態が予定どおりになるかどうか定かではないにもかかわらず、先に予算の説明をしたというのはおかしいんじゃないですかというお尋ねでございます。

○幸田証人 二十三日、十月の二十三日というお話と九月の二十五日というお話でございますね。はい。当然のことながら、予算の説明の段階ではアイ・エヌ・ジーの部分と、それから今後のスキーム、これがいわゆる、こうなればこういうふうになるというスキームを一つ念頭に置きながら説明に入ったと。ですから、当然のことながら、財務局におかれましては、予算の確定をする前に、当然のことながら、そこの肝心な部分という、今お話でございますから、そこの部分は確認をする。また、した後に、二次経費でたしかあったかと思いますけれども、二次経費の最終の詰めに入る、こういう段取りになるかと思います。

○柿沢委員 そうすると、九月二十五日の主計部に対しての説明の際には、財産運用面から付議あるいは皆さんの事業の計画というものがそのままいけるかどうか、財産運用部に相談をしているということについては、触れていたんでしょうか。

○幸田証人 当然そういう前提で、今アイ・エヌ・ジーであるということを前提でお話をしてきた。それで、付議が必要であれば、当然のことながら付議の手続に入らなきゃいけませんので、それを念頭に置きつつご説明をしてきたと、こういうことでございます。で、十月の二十三日に付議省略可というご返事をいただいたゆえに、二次経費として、局としての積み上げを財務と詰めていった、主計部と詰めていったと、こういう経過でございます。

○柿沢委員 今いった、その前提、当然の前提というのは、何を前提にしたことですか。

○幸田証人 付議が必要か否か、これを今アイ・エヌ・ジーで財務と、主計部とお話をしている過程で、付議が必要か否か、今財産運用部と協議をしておる、こういうことを念頭に置いての説明をしてきたということでございます。

○柿沢委員 じゃ、そのお話は主計部に対してされているということでご理解させていただいてよろしいですね。わかりました。
 次に、資料ナンバー85の「包括外部監査人及び補助者が監査実施時に作成している監査調書、ワーキングペーパーなどの資料すべて」に関連をして尋問をさせていただきます。
 この資料を見ますと、総務局長との証人尋問の際にも触れましたけれども、監査報告書の文章が加筆訂正、あるいは削除されていく過程が非常によくわかります。
 さて、このワーキングペーパー等について、福祉保健局長が初めてこの資料を見たのはいつですか。それを伺います。

○幸田証人 当初の指摘案という、この十一月の、私がもらっている資料では十一月八日というふうになってございますけれども、幾つかこの過程で、包括外部監査人と私どもの局の方との意見交換があったというふうに聞いてございます。正直私が、おおむね、ある程度固まってきたという段階だと思いますが、十二月の頭か十一月の下旬だったんじゃないかというふうに思っております。

○柿沢委員 この間も触れさせていただきましたけれども、この資料を見ると、最初につくられた文案から、日を追うごとにトーンが弱められているということがわかります。つまりは、監査人が最終的にまとめられた報告書のトーン以上に、実際には問題視をしていたということがいえるんじゃないかと思います。
 例えば、資料8の十一月八日付、一番最初の文書になるかと、ワーキングペーパーになるかと思いますが、「リカレント教育は他の福祉系大学院や専門職大学院(日本福祉大学)でも実施されており、同学院が損失を計上しながら運営し続ける必然性は乏しい。特定民間学校法人との運営委託契約が平成十九年三月までであることと、教育機関としての責任を考慮する必要はあるが、他の福祉系大学院や専門職大学院との提携や移管、受講者が少ないコースの閉鎖、東京都が保有するより交通の便の良い場所への移転などにより、損失の発生を食い止める必要がある。」と大変厳しい指摘がされています。このような指摘が当初されていたことを、福祉保健局長としてどのように思いますか。

○幸田証人 先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、包括外部監査人の見方というのと、それから資料、これ、十分な資料でご説明しなきゃいかぬということで、当局も、この学院に関しましても、かなり膨大な量の包括外部監査人に資料を提供してございます。で、それを読み込む中でですね、包括外部監査人がご理解いただいた部分が、数字あるいは実態と、こういうものと比較して食い違うということであってはならないわけでございますので、正確には、あるいは実態は、あるいは実情はということで幾多説明してきたということで、私も担当課長数名から聞いております。
 そういう過程の中で変遷をしてきた、これは監査人がやはり、何がいわゆる状況として正しいのかという、あるいはまたせんだっても多分お話があったと思いますが、公平中立の観点から、監査人としてのこのご意見を最終的にはまとめられてきたというふうに理解をしております。

○柿沢委員 抽象論としてはそれで理解しますけれども、具体的な事実確認書のやりとりを経て、こうしたものは修正あるいは加筆、削除というものがなされていくということだったかと、この間の総務局長の証人尋問の際にもそんなお話で、事実確認のたび重なるやりとりを経て、最終的な報告書をまとめていった過程であるというふうに聞いているんですけれども、しかし、この損失の発生、あるいは損失を計上しながら運営し続ける必然性は乏しい、こうした認識については、具体的に福祉局の側から、福祉保健局の側からどのようなお話があってこれを削除するに至ったか、これは局長、お答えできますか。

○幸田証人 今のご指摘のところ、これは当初指摘案というのが十一月八日にされているというふうに報告がございますが、ここで今のお話のところとダブりますけれども、「交通の便の良い場所への移転などにより、損失の発生を食い止める必要がある。」というくだりでございますですね。この点に関しましては、局の見解としてこういうようなお話をしたという、ちょっと箇条書きでございますけれども、記録がございます。通学課程の授業料等収入は、業務委託費として特定の学校法人に支出することになっている。定員割れにより授業料等収入が減ると、その同額分について特定の学校法人への委託費が減ることになり、事業団の収支には影響しない仕組みとなっている。つまり、定員割れで収支に影響を受けるのは、受託者である学校法人である。よって、通学課程入学者の減少が収支における根本的損失とはいえないのではないかと、こういうような局の見解を述べたところでございます。
 で、その後、十一月二十四日の監査人修正案では、この損失発生の文言については、事実誤認であることを監査人が了解し、削除をされたと、こういう記録になってございます。

○柿沢委員 その点については、包括外部監査人サイドも了解をされた上だということで認識としてはよろしいですね。わかりました。
 一方、最終的な包括外部監査報告書がまとめられたのと時期を同じくしてといいますか、資料としても提出をされておりますが、平成十六年度監査報告概要版の補足説明という文書が当委員会に提出をされております。これについて、総務局の赤星局長に対する証人尋問では、濱渦副知事が個人的な整理のために手元に持っていた資料であるというようなご発言があったかと思いますが、いずれにしても、この資料の七ページ、八ページにおいて、事業団に対する都の補助金が、事業団の建物の賃貸という収益事業に対して補助金を出しているということになっているということ、また敬心学園が学校教育法に基づき専門学校を自主事業として設置をしていて、このまま継続的に建物を使用していくのであるならば、結果として都が敬心学園に対して補助金を出していることになるという指摘がなされています。また、この補助金の額についても、建物賃貸料と東京都が建設費償還金として事業団に出している補助金の差額に当たる一億六千五百万円が、事実上都から敬心学園に補助金として出されている状況だということが書いてあるんですけれども、この点については幸田局長のご認識はいかがですか。

○幸田証人 当初、記録によりますと、このプロポーザルをする際に、一つの計算方法としては賃貸料、失礼しました、学校の補助金という、校舎建設費の補助金というものは、プロポーザルの際の検討過程の中では、認識といいましょうか、計算の中には入っていなかった。むしろ運営費ということで、運営費補助の削減というところに視点を置いて対応してきたというふうに考えておりました。
 で、今回、包括外部監査人のこういうご指摘、認識でございますので、十分今後抜本的な検討を加える中での一つの視点として考えていく必要があるという認識でございます。

○柿沢委員 これ、さらにだめ押しみたいな形で、賃貸料について、学院建物を建設した経緯と福祉人材養成機関としての性質を考慮しても、現在の賃貸料の額は財産的な価値を全く考慮しない金額になっていますという指摘がなされているわけです。そういう意味では、外部監査報告書そのものには記載をされなかったわけですけれども、しかし、ワーキングペーパーの段階から報告書にまとめる過程の中で、本来監査人が触れたかった事項について、結果として報告書に盛り込むことができなかった、そういう経過があったのではないかというふうに推測されるわけです。
 この点について、どういう経過があったのか、ご存じであれば、教えていただきたい。

○幸田証人 それは承知しておりません。

○柿沢委員 そのことについては、これはやはり、先日も申し上げましたけれども、最終的には包括外部監査人にどうしてこういう経過になったのか、直接伺わなければ事態が判然としない部分が残されているように思います。その意味で、改めてこの委員会で包括外部監査人、守屋さんから直接お話を聞く機会を設けていただきたいということをこの場でお願いをさせていただきます。
 また、包括外部監査というものは、そもそも、行政内部では適正だと信じて行っていたものでも、外部の目から見た場合に問題があるという指摘がされるものです。この指摘を真摯に受けとめて、改善すべき点は改善していくということが都民の立場に立った行政であり、税金の使われ方だと思います。私は、この包括外部監査報告書あるいは補足説明あるいはワーキングペーパーの段階でのさまざまな指摘、こうしたことを踏まえて総合的に見ると、やはりこの学院の建物というものが事実上学校法人の自主事業にほとんどの部分が使われている。また学院から委託を受けた部分についても、同じ学校法人が事業として受けているわけですから、もうほとんど敬心学園グループの校舎の一つとして使われているというふうにみなしていい状況にあるということを外部監査報告は指摘をしているのではないかというふうに思っています。いわば、これ(発言する者あり)いうふうに私は思っています。
 いわば、例えば都立高校の昼間制と夜間制、定時制があるところで、昼間制を例えば中高一貫校にする。そこで、民間の学校法人に自主事業としてそこで学校をやらせて、夜間の、定時制は都の独自事業としてやります、これからもやります、これも何のことはない、その同じ学校法人が受託をして事業をやっている、こういう状態なんです。これはもうほとんど都立高校の校舎とはいえない、民間の学校の校舎、これと同じことが行われているということなんじゃないかというふうに思います。
 少なくとも私は、これまでの証人尋問の場においても、証人の側からも提起されたことでありますけれども、都民の目から見てこのようにしか見えない状況があるというふうに思います。この点は、当然調査改善委員会の結論として改善をしていくということになるだろうというふうに思っておりますので、そのようにお願いをしたいと思います。
 最後に、三浦文夫さんという方をご存じですか。ご存じでしたら、その方とこの百条委員会、かかわりについてお答えください。

○幸田証人 現在、当学院のですね、学院長をお願いしております。もちろん非常勤でございます。
 それから、三浦さんは、社会福祉事業大学、社会事業大学のですね、教授もされていらっしゃるというふうに承知をしております。

○柿沢委員 それだけですか。ほかに思いつく関係はございませんか。

○幸田証人 過去のことということも含めてのお話でございましょうか。どうもそういう雰囲気のようでございますけれども、多分、それでございますと、過去にですね、敬心学園の理事をされていたことがあるということでございます。

○柿沢委員 それでは、この三浦文夫さん、敬心学園の理事をされていたということですけれども、この理事を退任をしたのがいつごろなのか教えてください。

○幸田証人 理事を退任されましたのは、平成十三年十二月の十九日でございます。

○柿沢委員 そうです。私たちの調査によると、平成七年五月十六日に理事に就任をし、平成十三年十二月十九日ですか、辞任をしている。つまり、社会福祉総合学院の学院長に就任をしながら、敬心学園の理事も務めておられたということになります。
 しかも、平成十三年の十二月十九日、この日付に理事を退任されておられる。これはまさに、翌日十二月二十日ですよ、二十日に社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会というのが行われている。前日に辞任している。これは何かを疑わせることにはならないんでしょうか。
 しかも、敬心学園の小林理事長は、過日の尋問で、公募について知ったのは、平成十三年十月二十八日付の朝日新聞の報道で知ったというふうにいってます。しかし、これは、身内の側が事業の委託、理事がですよ、学院長を兼ねていて、そのことを新聞報道で知った。明らかに不自然だと思うんですけれども、いってみれば、これは、試験をする側と試験を受ける側が一緒だったといっても、これいい過ぎじゃないんじゃないですか。証人は、この事実、知っていましたよね。どうですか。

○幸田証人 三浦さんはですね、まあ敬心学園の理事をされていたということは事実でございます。私も、これはペーパーで確認をしてございます。
 それで、十九日、十二月の十九日退任をしたのはですね、審査委員会、この公募をいたしまして、申込者のヒアリングを行うと。で、審査委員会がある。で、審査委員会の結果を報告し、また発表をすると、こういう段取りになるわけでございます。で、三浦文夫さんは今回のこの審査委員会のメンバーでもございませんし、しかし、さりとてですね、やはり今、柿沢委員がご心配のようなことがあってはならぬということで退任をしていただいた経緯でございます。
 それから、理事がですね、まあ、敬心学園の理事という方、まあ複数いらっしゃるというふうに伺っておりますけれども、理事会というのは年じゅう行われるわけでもございませんから、毎日顔を会わせるということはないと思いますけれども、この三浦さんから敬心学園の方にこういうプロポーザルがあるというようなお話をしたということは確認はしてございません。事実、ございません。そういうことはないというふうに聞いております。

○柿沢委員 それは、まあ、そういうでしょう。だけど、これ、借受者のね、運営事業者・借受者審査委員会が行われる前日ですよ、やめているのが。これ、どう考えてもですね、三浦文夫学院長兼敬心学園の理事からある程度の情報がもたらされているということを推測することができてしまうんじゃないですか。私はそのように、この状況を見て、そういうふうに思います。皆さんどうでしょうか。
 まあ、これは当時のことですから、皆さん、調査の過程においては、確かに当事者でないから、いろいろ聞いて、そう話していますよと、これが幸田証人のお話しできる限界だというふうに思うんですけども、これはもう当時の担当者にぜひこの件についてしっかり伺って、ないならないでしっかり証言してもらわなきゃいけないというふうに思うんです。委員会として、当時の担当者を証人としてお呼びをしたいというふうに思いますので、理事会で協議をお願いをいたします。
 学院の学院長が借受者となった学校法人の理事であったという事実からして、これは、敬心学園の運営の委託と校舎の借り受けをすることが、事前に情報として先行して敬心学園にもたらされて準備がされた、あるいはこれはもう既に決まっていたということが推測として十分成り立つんじゃないかというふうに思います。
 ですから、これ、学校法人の認可を特例中の特例で行って、しかも財務局への付議も不要という回答を得たということで、申しわけないいい方ですけれども、すっ飛ばしてね、そうしたことで、ある意味では平成十四年の四月一日に学校を開設をするということに間に合わせていったというふうに考えれば、これは全部合点がいってしまうんですよ。この実態を解明するのが、私は百条委員会の本質、本筋の議論だというふうに思います。
 そのことを申し上げて、私は尋問を終わらせていただきます。以上です。
   〔発言する者あり〕

○山崎委員長 柿沢委員の尋問は終わりました。
 松村委員。

○松村委員 幸田証人に対する尋問を行います。
 初めに、提出資料78で、「本件に係わって、財務局と福祉保健局との間でやりとりされた全ての文書」が出されています。これによりますと、最初に二月三日、財務局長から福祉保健局長あてに出されています。そして二月九日に福祉保健局長から財務局長に回答が出されています。
 ところが、三月二日と、一カ月近くたって再度確認するという公文書が出されているわけですが、二月九日から三月二日まで、福祉保健局は財務局とのやりとりは一切なかったのでしょうか。この点をまず伺います。

○幸田証人 文書でのですね、公文書でのやりとりというのは、この件だけでございます。

○松村委員 非常に、その間には、二月二十四日には、二十五日ですか、知事の記者会見もありました。今、文書による、この公文書によるやりとりはこれだけだったというんですけれども、証人の、では記憶のあるところですね、それ以外というか、どういうやりとりがあったのでしょうか。

○幸田証人 公文書以外といいますか、公文書は明確なものでございますので、そのやりとりで記録が残るというようなものについては、今申し上げたとおりでございますが、それ以外について、財務と、あるいは所管課同士でですね、あったかどうかというのは、記憶にちょっとございません。

○松村委員 次に、社会福祉総合学院と文京区小日向の社会福祉保健医療研修センターとの統合をめぐる問題についてお聞きします。
 昨年九月十六日に財務局の宮川財産運用部長が福祉保健局の吉川総務部長を訪ね、社会福祉総合学院と研修センターの統合について打診がありました。それに対し吉川総務部長は、総合学院が外部監査を受けているので待ってほしいと答えています。
 その後、十月上旬に、この提出資料ナンバー25に入っている統合のチャート図が財務局から示され、十月二十一日に福祉保健局契約管財課長は、財務局に対し口頭で、現在、民間学校法人に貸し付けているので難しいと、事実上お断りの回答をしています。
 まず、以上の事実について確認したいと思いますが、証人、どうでしょうか。

○幸田証人 財産運用部長がですね、ごあいさつ程度にお越しになったというような話は聞いておりましたし、それから、そのペーパーについて私は承知をしておりませんので、その時点でですね、その時点でそのペーパーについては承知しておりませんが、包括外部監査を受けている状況にもありということで、そういうお答えをしたということは聞いております。

○松村委員 もう一つ、事実確認ですけれども、それでは、昨年十月二十一日以後、社会福祉総合学院の問題について、財務局から福祉保健局に対する問い合わせ、あるいは資料要求や説明を求められたことはありましたか。それとも、それ以後はもう動きがとまったのでしょうか。十月二十一日以後です。

○幸田証人 現時点での記憶ではですね、そういうようなことはなかったというふうに思っております。

○松村委員 先日二十二日の尋問で、財務局財産運用部長宮川証人は、十月二十一日の福祉保健局契約管財課長の回答について詳細な説明を求めてきたが、包括外部監査の結果が出るまでは難しいというお話もあり、状況把握が進まなかったと証言しています。
 そして、我が党の曽根委員が、一月下旬ぐらいまでの期間、説明を求め続けてきたととらえてよろしいですかと確認し、宮川証人は、そのように理解しておりますと実は証言しているんです。
 さらに宮川証人は、学院についての説明や資料を福祉保健局に対し再三にわたってお願いしたんですが、健康局と福祉局が統合した後で文書が見当たらない、あるいは包括外部監査を行っているさなかなのでお持ちできないというような話がありましたので、引き続き説明を求めてきたと述べています。以上のことは事実でしょうか。

○幸田証人 ちょっと申しわけございませんが、その具体の内容につきましては、ちょっと私、承知しておりません。

○松村委員 もう一つ、確認を含めてですけれども、三月二十九日の尋問で、財務局松澤証人は、九月十六日に吉川総務部長と話した結果として、これはなかなか難しいというような話を財産運用部長から聞きまして、それ以降は、この小日向との見直しについては、そこでとまっているというか、それ以降はもう動きがないわけでございますと。財務局として、九月ぐらいまでそういう話で一応進めていたと述べているんです。これは事実でしょうか。
 少なくとも十月上旬には、今、福祉保健局長は見たことがないといいますけれども、この統合のチャート図が財務局から示され、十月二十一日に福祉保健局契約管財課長から事実上お断りの回答をするという経過があったのですから、私は明らかにこの今いった財務局の一連の事実となる証言だというふうに思うんですけれども、この点については証人はいかがでしょうか。

○幸田証人 私が承知している限りで申し上げますと、財務局の方から、その研修所のですね、研修施設のお話があった。それで、研修施設のお話はあったけれども、現時点では包括外部監査等々を受けている折柄ということでですね、もうしばらく待ってほしいという趣旨の回答をしたということは承知しております。

○松村委員 それでは、次に、前回の幸田証人に対する私の尋問で、総合学院と小日向の研修センターとの統合について、福祉局として検討したことはないという事実を確認しました。
 それでは、こうした統合案が財務局で、あるいは庁内のどこかで検討されていることについて、当時の福祉局、もしくは現在の福祉保健局が初めて知ったのはいつでしょうか。

○幸田証人 都庁全局でですね、研修施設についての、まあ検討をするというお話は、たしかあれは利活用委員会、総務部長が各局幹事になっておりますけれども、その席でお話があったということは聞き及んでおります。

○松村委員 それでは、利活用検討委員会で初めてというか、福祉保健局としては知ったと、こういうことで確認してよろしいんですね。
 次にですね、二〇〇三年、平成十五年十月の第二次財政再建推進プランで、財産のさらなる有効活用として社会福祉保健医療研修センターの見直しが例示されています。その具体化については、財務局と福祉保健局の間でどういうやりとりがあったのでしょうか、進められてきたのでしょうか、伺います。

○幸田証人 ちょっと申しわけございませんが、承知しておりません。

○松村委員 承知してないということは、あったのかないのか。全庁的な第二次財政再建推進プランで例示されて、その後、財務局はいろいろ検討していたと。それは、じゃ、福祉局とのやりとりはなかったというか、承知していないと。福祉局長、現在の福祉保健局長の知らないところでと、こういうようなことになるんでしょうか。

○幸田証人 申しわけございません。私、その具体的なですね、内容、やりとりというのはちょっと承知していないという意味でございまして、そのあったかなかったか含めまして、今この席でちょっとお答えする材料を持ち合わせておりません。申しわけございません。

○松村委員 続いて、社会福祉総合学院を運営している社会福祉事業団と敬心学園との建物賃貸借契約についてお聞きします。
 二〇〇二年、平成十四年の四月一日に社会福祉事業団と敬心学園が五年間の定期建物賃貸借契約を結んでいます。その前年、二〇〇一年、平成十三年十月二十五日に社会福祉総合学院の運営事業者・借受者の公募を発表したとき、建物貸し付けの条件として、期間については既に五年間となっており、そして、括弧してですね、ただし、事業団が適当と認める場合には更新可能としますというただし書きがついています。
 わずか五年間という、長期安定運営が求められる学校を設置する契約としては、私は極めて短い期間の設定だと思いますけれども、こういう短い期間の設定をしたのはなぜですか。

○幸田証人 先ほどもお尋ね、ご質問がございまして証言したところでございますけれども、一つは、事業団が学院の貸し出しというこの制度を行うに当たってですね、いわゆる定期建物賃貸借契約、これを締結すると明記したわけでございます。
 また、契約に先立ちまして合意確認書等々も行ったわけでございますが、この公募に書いてある内容、そしてまた、このリカレント教育を初めとして、まあ、他に余り例がない先駆的なものだということで、実施をし、その評価を得てですね、再度と、再契約を可能とするというまあ契約を結んだわけでございます。
 で、もう一つは、現在の公有財産規則の中で、定期建物賃貸借の期間、これが上限五年とされておりますので、こういう要素をすべて総合して実施をしたと、こういうことでございます。

○松村委員 私、どうも重要な証言だと思いますので、ちょっと繰り返しになりますけれども、わからないというかですね、学校の設置認可も当然求めておりますから、それを含んだ一括有償貸し付けだと思うので、長期安定がやはりその大前提だと思うんです。それをですね、一般賃借契約ではなく、あえて定期賃貸借契約にしたのはなぜかという点なんですね。
 確かに、定期建物の賃貸借契約だと、今いった東京都の規定ですか、五年間と、そういうふうになります。しかし、それが長期安定を求められている学校という、そういうのに貸すと、そういう設置認可を前提としているというふうになった場合、長期安定ということには非常に不安がある。後でも少しちょっとずっと触れていきますけれども、この定期契約にした理由、リカレント、最大のものは、定期借家賃貸借契約にすれば五年間だと。しかし、今、リカレント、実績を見る必要があるという場合にもですね、それは何も定期借家に五年間ということじゃなくても、それはいろいろな形で検証できるというふうに考えるのが一般的ではないかというふうに思うんですけれども、この点については、今ご答弁のあったとおりだ。
 繰り返しになりますから、次を伺いますけれども、それでは、公募の段階では、ただし書きで再契約可能ではなく、更新可能という言葉が使われていますよね。このことを見ても、必ずしも定期賃貸借契約であるとは読み取れません。提出資料3には社会福祉総合学院の設置から運営形態見直しに至る経過のこの年表、これが出ておりますけれども、これを見ても定期契約にすることをいつ決めたのかが読み取ることができません。
 そこで、改めて、定期賃貸借契約をするという意思決定を、福祉保健局、そして社会福祉事業団はいつ行ったのですか。

○幸田証人 詳細に、ちょっと正確にですね、これ、いい切れるちょっと今自信がないものですから。というのは、ペーパー類、詳細なものが今手元にございませんのでわかりかねるところでございますが、定期賃貸借、先ほどもちょっと触れましたように、現行のいわゆる普通財産の貸し付けの場合には、上限、いわゆる定期賃貸借契約というは、あれは平成十二年だったと思いますが、新しい制度で、借地借家法に基づく特別規定というようなことの位置づけだったと思います。そういうようなことからですね、この都の規定に準じて五年というふうにしたものというふうに思われます。
 それがいつの時点かというのは、ちょっと今、決裁のですね、時点がちょっと不明でございますので、申しわけございませんが、ちょっとお答えしかねるところでございます。

○松村委員 いつ決めたかわからないと。そういう点では、どうして定期契約にした、今局長が述べた理由が、今になってそういう点がわかるのでしょうか。定期契約をした理由ですね。そしてまた、いつの、しかもどういう文書に記録されているのですか。そういう記録文書はないんでしょうか。

○幸田証人 公募をする際に決めたんだろうというふうに私は思っておりますが、ただ、それが何月何日かというのは、今、ちょっとわかりませんので、ちょっと日にちはちょっと不明だということを申し上げましたけれども、少なくとも公募として出す以上はですね、その以前に、当然のことながら意思決定されているんではなかろうかというふうに思います。で、それが何月何日かというのは、ちょっと私、今の時点ではわかりかねるということでございます。

○松村委員 そうすると、そういう文書の記録はないということなんですか。例えば、今いった、じゃ、通常の一般の賃貸借契約にするか、それとも定期建物賃貸借契約でいくのかと、そういう記録は、検討した記録はないと。また、それがいつの時点でそれを決定したとか、そういうワーキンググループの、いろいろ検討した経緯はわかるんですけれども、出てきませんし、やはりそれはどこかで決裁をしたというふうに思いますし、公募の段階では、ただし書きで、今も質問しましたけれども、再契約可能ではなく、更新可能という言葉を使われているんですよね。そうすると、やはりもう少し局内の検討で、やはりはっきりした文書なり記録が残っているんではないかというふうにも思いますけれども、もう一度、じゃ、その点についてご答弁を。

○幸田証人 通常の借地借家法に基づく賃貸借契約というのは、都ではとり得る方策ではございません。それはないはずでございます。というのは、それこそこの本委員会で議論されておりましたけれども、いわゆる契約がですね、とめどもなくずうっと永遠に続くというようなことがあってはならないという議論がこれまであったかと思います。ですから、通常のいわゆる借地借家法に基づくいわゆる更新が永続的に続くような契約という選択はなかったというふうに思います。
 ただ、定期賃貸借契約は、期限はフリーでございます。ですから、そういう意味では長くとることもありますし、短くとることもある。そういう点で、現行の規定ではですね、五年というのが規定で上限が定められておりますので、それで五年にした。ですから、通常の借地借家に基づくところの契約形態というのは当初から予定はしていなかったと、ここははっきりしているところでございます。
 それから、先ほどの公募のところの更新というお話でございます。これはまあ、新しい規定だということがあってかどうかはわかりませんが、正確に書くとすればですね、再契約という文字が妥当だろうというふうに思っております。

○松村委員 先日二十二日の尋問で、敬心学園理事長の小林証人は、山崎委員長の、五年契約ということですが、当初から学園はそれでいいというふうに思っていたのでしょうかという質問に対し、本来は、学校運営は校地、校舎の継続的利用が前提となっているもので、当学園からは、契約締結に当たり、事業団と複数回打ち合わせを行いました、その席上、公募要項にも更新可能とするというただし書きがあることから、平成十九年四月以降も敬心学園が臨床福祉専門学校の事業が継続できるよう繰り返してお願いしましたと証言しました。
 また、通常、学校運営を引き受けるに当たりましても、五年で終わるようなことを考える人はいないとも述べています。
 その後、再契約を可能とすると契約書に明記されたとはいえ、わずか五年間の定期賃貸借契約という形は、校舎の継続的利用が前提となっている学校運営のための契約としては好ましくないとは思わなかったのでしょうか。ちょっと別の角度ですけれども、証人の見解を伺いたいと思います。

○幸田証人 当時の、いわゆる公募に当たりましてはですね、公募要領の中にもございますように、まあ、いろいろないわゆる経営主体を対象として想定して広くかけたわけでございます。で、現実にいろいろな、まあ、株式会社もあれば、社団法人、社会福祉法人もあればというふうに聞いております。そういう意味で、この五年という条件は、一つ、やはり公募の大きな要素でございます。で、その経営主体というものを、何も学校法人だけに限定したものではない、広く募集をした、その中で、いわゆるよりよいものを選択をしたということになろうかと思います。
 で、そういう点では、冒頭も申し上げましたように、まず第一義的には、学院のいわゆる教育、実施しております教育をですね、受託をしてもらうということ、それからもう一つは、空き教室というものを活用した案を出してもらうという、この両方が相まって、総合的に一番すぐれたものを選定するという、こういう過程にあった選択でございます。ですから、当初から学校をということではなかったというふうに私は理解をしております。
 ただ、この学校を設置するに当たっては、これはまあ、専門家といいましょうか、所管の局は生活文化局になりますが、伺ったところによりますと、受託事業を行う場合には、その場所での学校法人というものが必要だということで、学校というものがあわせて設置されてくる。まあ、どちらが優先されるかということになりますと、私どもの方としては、まず第一義的には、この公募の条件に合った提案、これを、よりよいものを選んだ、こういうことがまず第一義だというふうに思っております。

○松村委員 再契約について、幸田証人は前回の尋問でも、五年間を実施してみて、その検証を社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会で審査した上で、必要性が高い、あるいは効果もあるということになれば、この審査委員会が判断の上、再契約が可能になっていると述べておりますけれども、じゃ、この審査会はいつ設置するのでしょうか。

○幸田証人 必要な時期に必要な形で設置する予定でございます。

○松村委員 敬心学園の小林証人は、五年間の実績を積めば十分ご理解いただけるものと思っていたと述べています。審査会の審査の基準は、おおむねこの小林証人の認識と大きな違い、そごはないということでよいのですか。あるいは小林理事長が考えていらっしゃるように、もっと厳しく検証するつもりですよということもあり得るのでしょうか。どうなんでしょうか。

○幸田証人 現時点でその厳しいか厳しくないかということは、ちょっとお答えしかねるところでございますが、いずれにしろ、その時点においてですね、適時適切な判断ができるようないわゆる形で設置をするということでございます。

○松村委員 二〇〇一年の平成十三年十月に公募を発表し、翌年四月に学校開設という当時の福祉局と事業団の計画について、小林証人は次のように述べています。我々は、計画書作成段階で、学校を設置して運営を始めるには期間が短過ぎると考えましたと、平成十五年四月一日開校ではどうかと事業団にお尋ねいたしましたと、しかしながら、事業団からは、どうしても平成十四年四月一日に事業を開始してほしいといわれましたと、こう証言しています。なぜそんなに急ぐ必要があったのですか。

○幸田証人 学院のこの運営につきましては、先ほど来からご説明申し上げておりますように、建物の一括貸し付け、それから、まあ直営方式から民間事業者によるものと、あ、失礼しました、学院の運営につきましては、十三年の秋に事業団が直営方式から民間事業者による建物の一括貸付方式へと抜本的に見直す方針を決めまして、十四年度から実施するということにいたしたわけでございます。
 で、この方針に基づいて、いわゆるプロポーザル方式の応募者選定を行ったということでございます。で、借り受け者と決まったものが学校法人さん。で、学校法人の場合、たとえ、先ほどもちょっと触れましたけれども、受託事業といえども、みずからの学校以外で事業を行う場合には、これは国の通知等々に基づきまして学校の設置認可が必要だということがございます。それから、これによりましてですね、学校法人敬心学園の方では、十四年度からの受託事業を実施するためには、十三年度中の新たな学校の設置認可が必要だったということでございまして、いわゆる前倒しというようなことではございません。

○松村委員 次に移ります。
 最後に、社会福祉総合学院の開設とその後の見直しをめぐる問題についてお聞きします。
 社会福祉総合学院は、都内四カ所、練馬、大田、足立、立川にあった都立高等保育学院と文京区小日向の研修センター三階にあった東京都社会福祉事業学校を廃止して設置したものです。当初の計画では、具体的には、提出資料の5、ここにありますけれども、一九九四年、平成六年十一月の福祉人材のあり方検討委員会報告ですが、これらの高等保育学院、そして練馬高等保育学院に併設していた介護福祉士養成の介護福祉科、さらには社会福祉主事を養成していた社会事業学校を発展的に継承するということが明確にされていたと思いますが、いかがですか。

○幸田証人 資料にはそういう記載がございます。

○松村委員 保育士養成の都立高等保育学院は、都内四カ所で、定員数が全部で九百二十人でした。昼間の二年課程、立川には夜間部があって三年制、練馬高等保育学院には介護福祉科を併設し、保育士資格を持っている人を対象に、介護福祉士の養成を行っていました。昼間の一年制で定員四十人です。さらに、社会福祉主事養成の社会事業学校は、やはり昼間の一年制で定員が五十人、比較的幅広い年代の都民を対象に社会福祉の基礎的な知識を提供し、施設職員やボランティアとして社会福祉に携わる人材を養成していました。これらをすべて発展的に継承することを明確にして、新しい社会福祉人材養成校の構想でスタートしたことは、今日の社会福祉学院をどう評価するのかを考える上で、私は大事なポイントだというふうに思います。
 福祉人材のあり方検討委員会報告は、保育や介護の人材養成によって、より専門性の高い人材や先導的役割を担う人材の養成が都の役割であるとして、保育については三年ないし四年制の課程にすることを初め、カリキュラムについても、全体としてもっと充実する必要があるという方向で、新たな福祉人材養成学校の設置を提言したのです。そして、この人材養成校は、将来的には短期大学以上の学校として整備することが望ましいと明記されています。
 さらに、九六年、平成八年ですけれども、福祉局の福祉人材養成機関基本計画検討委員会の報告についてという文書では、新たな養成機関は大学院大学を目指す目標と重なるところがあると、ここまでいわれていたわけです。
 そこで伺いますけれども、これらの報告を受けて、九七年、平成九年十月に、福祉局の行政計画である新たな福祉人材養成機関の基本計画が出されています。これは提出資料6で入っています。この基本計画では、実務者や社会人に対するリカレント教育、つまり、さらにレベルの高い再教育を柱とすること、同時に、既に働いている実務者などの多様な条件に対応できる昼夜開講制を採用し、昼間でも夜間でも都合のよい時間に授業を受けられるようにすることがうたわれています。これは間違いないですね。証人、いかがでしょうか。

○幸田証人 報告書の中にそういう記述はございます。

○松村委員 九九年、平成十一年十月に、リカレント教育中心に方針を転換し、そのために平日夜間と土曜開講だけになったということではなく、事実は、当初の計画からリカレント教育中心で、なおかつ昼間も夜間も開講する計画だったんですよね。社会人を対象に昼間の教育を行うには、当然それにふさわしい条件整備が必要になります。そのために福祉局の基本計画には、五ページの運営の形態、昼夜開講制のところに「実務者等が現在の職場に在籍しながら、安心して修学できる諸条件の整備については、今後検討する。」と明記されています。これは非常に大事なことです。この「実務者等が現在の職場に在籍しながら、安心して修学できる諸条件の整備」という点については、その後どのように具体化されたのでしょうか。

○幸田証人 今、お話しの中で、平成六年の十一月の報告、それから、これを踏まえて平成九年の十月には、新たな福祉人材養成機関の基本計画、これを策定したわけでございます。で、ここではですね、当時における既存の保育士養成施設、こういうものを継承していくというのは、ご指摘といいましょうか、ございましたとおりでございますが、これをもとにしてリカレント教育あるいは介護福祉士、社会福祉士、こういうものを養成していくことを主な内容として専修学校とする計画内容であったことは事実でございます。
 しかし、その後の社会環境の変化、あるいはまた先般も、これまでも証言申し上げてまいりましたけれども、社会状況が変わる、その中で、例えば一つの例を申し上げますと、介護保険制度が十二年に導入されると、こういうものに合わせてですね、種々民間でも、いわゆるこの専門教育というものが普及をしていったという事実経過がございます。
 こういう中で、都としても今後どうすべきかということがあって、いわゆるアンケート等を再調査をして、それで、その結果、やはり民でできる部分と公が担う部分ということで分けて、ご案内のとおり十三年の開校時には、その見直しを踏まえた形でスタートをしてきた、こういう経過がございます。
 ですから、ある意味、当初の検討から、場合によっては少し後退しているんではないかというようなご趣旨だとすれば、社会状況に応じて必要な手を打ってきたというふうに思います。

○松村委員 証人、まあいろいろ証言いただきましたけれども、私が今最後に聞いたのは、最後にというか質問で聞いたのは、実務者や社会人に対するリカレント教育を柱とする、そして二十一世紀の東京の社会福祉を担う人材を養成すると、そして、運営形態として昼夜開講制、新たな福祉人材養成機関としてのそういうことをやっていくために、学生が昼間でも夜間でも都合のいい授業に出られる体制をとると、さらに、実務者などが現在の職場に在籍しながら安心して修学できる諸条件の整備をするというふうにうたわれているんですね。それが、じゃ、どういうふうに具体化されたのかと。具体化されたのですか、それとも、今おっしゃいましたその後の社会状況ということで、一切そういうことにはならなかったのか、その点について、どういう局としての基本的な計画や方向に対して具体化されたのかをご答弁ください。答弁じゃない、証言ください。

○幸田証人 都でそれがすべて行えるということ、行っているということではなくてですね、私どもで考えているのは、社会福祉における公の責任というのは、そのサービスを必要とする人にサービスを行き届かせる、で、それに必要ないわゆる人材を養成していくんだと、こういうスタンスがまず一つでございます。
 で、それに伴って平成六年、そして九年、そしてまあ十三年と経過する中で、民間でできるものは民間にお願いをするということで、いろいろな主体がですね、競い合いながら、よりよい良質なものを提供していこうという、まあ福祉改革の理念とも合致するわけですが、そういうスタンスが一つございます。
 で、当時から比較をいたしますと、例えば大学ででもこのリカレント教育というものが非常に充実強化を今されてきております。また、専門学校等々におきましてもやはりコースの豊富さということが一つ挙げられようかと思います。
 そういう中で、この学院が担う役割も、そういう意味では、従前、平成六年当時から比べますと、大きくその役割は薄まっているんだろうと私は思っております。そういう選択の中で、現在の、まあ苦悩といいましょうか、苦心があるというふうに思っております。

○松村委員 まあ、基本計画で修学資金の整備等を検討するということも、予算は要求したけれども、結局、その後具体策がないままに来ているということじゃないんでしょうか。
 それから、もう一つ聞きますけれども、福祉局の基本計画には、一三ページで、教員の確保について次のように明記しています。新たな人材養成校の成否は、優秀な教員を得られるか否かにかかっている、そのためには、教員確保への思い切った先行的投資と魅力ある採用、処遇制度を工夫する必要があると。さらに、実務経験が豊富である、意欲のある福祉現場の職員を教員として登用できるようにする、そのために、養成機関と教員を派遣する施設との間で、一定期間教員として勤務した後に再びもとの現場に戻れる人材のこういう仕組みづくりは欠かせないと、こういうふうに明記されておりますよね。
 これについては簡潔にでいいんです、その後どうじゃなくて、どのように具体化されたのかと。こういう基本計画が、だって出されて、それはさっき事実ですというふうに答えたんですから、その後どう具体化されたのかについて、そのことだけでいいんですよ、簡潔にお答えください。

○幸田証人 先ほどもちょっと触れましたが、十一年にリカレント教育のいわゆるニーズ調査をした。とすると、そのニーズ調査の結果いわゆる需要と供給の関係というもの、あるいは都民の皆さんあるいは施設の皆さんがいわゆるお考えのものというものがはっきりしてきた。そこで、従前いろいろ検討はしたけれども、やはり時代の求めるものに変えようということで変えてきたということであろうかと思います。

○松村委員 まあ、結局、当時の基本計画で、東京都がやはり責任を持つ福祉の人材養成、リカレントや実務者を含めたその方向が、結局、予算要求をしたけれども、今の場合、具体策がないままに来たということがその経緯であります。
 当初の計画から研究機能を持つことが重視されており、専任の教員のための個室の研究室が整備されましたが、実際には二〇〇一年、平成十三年に開設された社会福祉総合学院は全く違ったものになり、研究機能を持つどころか、専任教員は一人もいないというのが実態ですから、研究室は、本来の役には全く利用されていないと、本当にもったいない話だというふうに思います。
 そこで、さらに、九七年、平成九年十月の基本計画が決定された後の経緯についても、若干、大事な機会なので、証人に尋問したいというふうに思います。
 基本計画の後、直ちに基本設計、実施設計に着手されましたが、九九年、平成十一年四月に石原知事が就任して、今、局長もるるお答えがあったような事態が大きく変わってくるんです。その年の七月に財政再建推進プランが発表され、監理団体に対する財政支出の三〇%削減が打ち出され、一般財源投入額が大きい事業の一つとして社会福祉事業団への補助が名指しされています。その直後の八月から九月にかけて、福祉局は、ニーズ調査の結果や都の財政事情等の理由を持ち出して、平日夜間と土曜のみに計画を転換します。
 そして、二〇〇〇年、平成十二年十月には都庁改革アクションプラン、福祉改革推進プランが相次いで発表され、福祉を大幅に民間にゆだねていく方向が強まる中で、二〇〇一年四月に社会福祉総合学院が開設されます。そして、十月には、早くも民間事業者の公募がされます。働きながら学ぶための条件整備や教員の確保については、条件整備は具体化されず、計画はどんどん先細りになり、実際に開設された学院は、当初の計画とは全く違ったものになっていました。
 幸田証人は、前回の尋問で、社会福祉をめぐる環境の変化に対応して養成機関のあり方を見直したといいました。今も尋問でそのことをただ繰り返すのみですけれども、都有地に都民の税金で補助金を出して立派な施設をつくりながら、昼間はがらあきという事態をつくり出した上、その打開策といって、建物の九割を民間の専門学校が使っているということになってしまったのは、私は、環境の変化ではなく、福祉人材養成に対する都の姿勢が大きく後退した結果ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○幸田証人 先ほどもお答えしたとおりでございまして、私は、この時代や社会経済状況に伴って大きく変化をすると、これも福祉人材という育成の役割も、これも同様だろうというふうに思います。

○松村委員 社会福祉総合学院が開校する直前の二〇〇一年、平成十三年三月に、福祉局の福祉人材計画委員会最終報告が発表されています。そのポイントは、福祉人材の育成は、サービス提供主体の事業者が経営責任として行っていくという考え方を示したことです。これは福祉局自身の説明です。
 民間事業者への建物の一括貸し付けを打ち出した福祉局ワーキンググループの検討報告、これは提出資料12にありますけれども、ここでも次のように述べているんです。学院は、福祉実務者のリカレント教育を行うことにより、実践的で専門性を備えた人材を養成することを目的として設置されたが、その背景には、平成六年から十一年当時には、福祉人材の養成、質の向上は、事業者や市町村では対応困難であるとの認識があったものと推測されると、このように書かれているんですよ。ところが、介護保険の導入や市場サービスによる競い合いが進展していく中では、人材確保は事業者の課題であり、人材の養成は、基本的には事業者責任で実施されるべきだと、こういうふうに大転換をしていくと、検討報告の二ページ、リカレント教育と都の役割というところに書いてあります。
 そこで、幸田証人にお聞きします。こうした東京都の方針転換の結果、社会福祉総合学院開設後、どういう状況になっているかという問題ですけれども、学院の入学者数の推移、どうなっていますか、お答えください。

○幸田証人 済みません。学生の推移でございますけれども、十三年度が応募者百九十名で、これは定員でございますけれども、定員八十名に対して、応募者が百九十名で入学者が九十五名、十四年度が応募者七十三名で入学者が六十八名、十五年度が応募者七十四名で入学者六十二名、十六年度が応募者三十七名で入学者三十六名、十七年度は応募者二十六名となってございまして、ちょっとこれ、三月二十五日現在の数字でございまして、入学者数の確定値は、ちょっと今、用意をしてございません。
 それから、通信課程の方につきましては、十三年度、応募者六百十名、入学者二百三十七名、十四年度、応募者三百十二名、入学者二百十九名、十五年度、応募者四百八名、入学者二百五十一名、十六年度、応募者四百三十名、入学者二百二十九名、十七年度も入学者は二百名を超えるということでございます。

○山崎委員長 松村委員さあ、ちょっと尋問に早く結びつけてくれないかなあ。いろいろその、資料や何か質問してもね、こちら側で逆にいっちゃってよ、面倒だから。あんた、調べてわかってるんだろう。

○松村委員 今、答弁がありましたのを少し整理しますと、通信課程を除く通学課程でも、最初の年は、定員八十人に対して二百四人の応募があり、倍率は二・六倍、定員を超える九十五人が入学しています。ところが、次の年には、建物を敬心学園に一括貸し付けした上、学院の事業も、二年課程でスタートしたのを、早くも一年課程に変更し、定員八十人に対して入学者は六十八人。そして今年度は、入学者がわずか四十人です。どんどん減っている。
 このような現状を福祉保健局はどう認識しているのでしょうか。そして、今後どのように改善し、打開していくのですか。

○幸田証人 一つは、今日時点で考えてみた場合に、やはり魅力の点でですね、まあなかなか薄いのかなというような判断といいましょうか、感想を持っております。そういう意味では、今後、今回の包括外部監査の方でご指摘をいただいている意見として、抜本的な見直しをということがいわれておりますので、今後、時代に合った、適時適切な対応策を検討していきたいというふうに思っております。

○松村委員 これで終わりますけれども、昼間は全部敬心学園で、平日夜間も、普通教室が九教室あるうち、学院が使っているのは二つか三つ、あとは敬心学園の臨床福祉専門学校が使っているのが実態です。建物の利用状況が、敬心学園が九割、学院一割といわれていますが、生徒数で見ると、敬心学園が学院の十倍以上です。常勤の教員は一人もいません。教師はみんな非常勤。教員だけではなく、常勤の職員も一人もいない。非常勤の職員が一人常駐して、非常勤教師の授業のこまを埋める手配をしています。社会福祉総合学院は、どこから見ても本当に細々やっている状況です。それは、社会情勢の変化で余儀なくされたのではなく、福祉人材養成に対する都の姿勢の大後退の結果であることは明白です。
 先ほど確認したように、新しい福祉人材養成校は、都立高等保育学院や社会事業学校を発展的に継承するとしてスタートし、将来は短期大学以上の学校を目指すとされていたんですよ。その本来のあり方に立ち返って、東京都として社会福祉総合学院における福祉人材養成を抜本的に拡充することを強く求めていることを申し上げて、私の尋問を終わります。

○山崎委員長 この前もいったけど、意見表明やめてくれないかなあ。要望するとか何か、もうだめだよ、そういうことをいったら。もう指さないぞ、次から。
 藤田委員。

○藤田委員 二回目でございますけれども、証人に尋問をいたします。
 まず初めに、一月の二十八日、外部監査を受けてよかったということが、他の証人の発言で、幸田福祉局長からあったというふうにありましたけれども、まず、本意をお聞かせください。

○幸田証人 そのときの、私、終わった後ごあいさつ申し上げたのは、事業団のですね、経営管理全般にわたってのご指摘あるいはご意見でございました。で、ちょうどこの事業団が受託運営する社会福祉施設というのが多数ございまして、こういうものの民間移譲というようなものを本格化するちょうど時期に当たっておりましたので、こういう時期に、経営の効率化なり、あるいは組織改革の観点からご指導いただく機会を得たことは意義の大きいことであったと、こう考え、申し上げました。

○藤田委員 それでは、この社会福祉総合学院に対して、外部監査人の指摘は何であったというふうに考えますか。

○幸田証人 学院に関しましては、意見が、主なものが二つと、それからご指摘が一つでございました。
 で、ご意見の二つに関しましては、現状を包括外部監査人のお立場から分析をされ、やはりあるべき方向を目指した改革が必要であると、こういうご趣旨が、二点、意見として述べられたというふうに理解をしております。

○藤田委員 もう一度、二点と一つの見直しのことについて、もう一度はっきりおっしゃってください。

○幸田証人 意見の一つはですね、社会福祉総合学院通学課程の運営方法の抜本的な見直しについて、それから、もう一点のご意見が、社会福祉総合学院の運営の改善についてと。そして、もう一点、失礼しました、それから指摘が、物品管理指導の改善についてという、意見が二つの指摘が一つというふうに理解しております。

○藤田委員 一月の二十八日に知事並びに関係局長が呼ばれて、そして、二月の二日、PTの作成に当たって、作成ができたというふうに聞いておりますけれども、そこでの課題は何でしたか。

○幸田証人 PTに関しましては、副知事からですね、知事の指示を受けて、これまでの経緯、経過等々について吟味をし、報告するようにということでございまして、たしか報告の日限を、二月の十八日に知事に報告するから、その前にというようなご指示を受けて、局として三局で構成いたしますPTを立ち上げまして、そこで議論を重ねてですね、二月の、ええとあれは何日だっけな、十八日か、十八日に、副知事に私から取りまとめたものを報告したところでございます。

○藤田委員 ごめんなさい、もう一度聞きますね。PT作成に当たっての目的といいますか課題を、もう一回きちっといってください。

○幸田証人 PTはですね、三局の部長級で構成するチームを設置しろということと、事務局は福祉局で、で、そのときに構成するものとしては、監理団体担当、行政監察室、それから財務局の財産運用部、まあこういうところのメンバーを中心に構成をいたしました。
 なお、当局は、総務部長と、それから生活福祉部長がこのメンバーに加わってございます。
 委員長、済みません。中身はですね、歴史的事実、運営形態と運営の変遷、そして経緯など、で、その裏づけとなる書類をということであったかというふうに思っております。

○藤田委員 それでは、二月の十八日に濱渦副知事室で関係三局長が報告をし、そして、そこで発言をしたということが資料62に出ています。濱渦副知事はそこで、これは福祉局の出されたものでありますけれども、学院の土地と建物の利用形態をもとに戻すためにはどうしたらいいのか、契約の相手方に事前に申し入れをする、そのときの理由をそれぞれの局で検討して報告するようにというふうにいわれたというふうにしていますけれども、これは、このPTの中の話ではなくて、さらにこれをつけ加えたということでいいでしょうか。

○幸田証人 PTは部長級で構成するものでございまして、この報告につきましてはですね、福祉局、私が、福祉保健局長が主として資料に基づいてご説明をいたしました。で、その際同席していたのは、総務局長と財務局長でございます。

○藤田委員 済みません、ちょっと長くなっちゃったので、あれなのかもしれないですが、この濱渦副知事が提起をされたものは、PTをつくったそれ以降、テーマは、先ほど歴史的事実とか経緯などを提案してくださいといったのがこのPTでした。そして、二月の十八日に濱渦副知事が、もとに戻すためにはどうしたらいいかということをそれぞれの局で検討して報告するようにというのは、これは、これまでのことよりプラスして提案をされたということですか。

○幸田証人 ええ、そうでございます。二月の十八日にそういう指示がございました。

○藤田委員 先ほど幸田証人は、三月の七日に敬心学園の理事長へ、事業団理事長から学校を、失礼しました、契約を十九年三月で終了するということができるかどうかというようなことで、三月七日にこれをお話しに行ったというふうにしているわけでありますけれども、この学校法人との契約に問題があるからというふうに思ったわけではありませんか。

○幸田証人 いえ、決してそういうことではございませんで、財務局の方からの公文書による通知がございましたので、これに基づいて、局としてですね、事情をお話しをし、で、事業団理事長にお話しをし、それで敬心学園の方に事業団理事長から話をしたということでございまして、決してこの問題があるというようなことであったからではございません。

○藤田委員 三月の二十四日に、福永副知事を座長とした社会福祉総合学院に関する調査改善委員会が設置をされておりまして、その中で、財務局から、財産管理面でこれまでの経過と問題を徹底的に洗い出すこと、あわせて、福祉保健局に指示をして、学校法人が十九年三月末に建物を返すか否か文書で確認することというのが出ておりますけれども、これ以前に、もう既にそういう話があったんですか。

○幸田証人 それは、今のペーパーはですね、指示のペーパーは、あれは知事からそれぞれの局長に出たペーパーでございまして、改善委員会の方は四月一日に設置でございます。これは要綱設置の委員会でございます。ですから、今のお話の、この指示のペーパーというのは、改善委員会ではございませんで、知事からでございます。

○藤田委員 先ほど問題があるというふうに思っていないというふうにおっしゃいましたけれども、それについては、例えば財務局から、こういうことを、建物を返すか否か文書で確認することというようなことが出されると、それは何があっても出さなきゃいけないというものでしょうか。そこで、幸田証人は、問題があるというようなことがないのであれば、そこのところは、いえ、これについては、これまで提案をした、失礼しました、調査をした内容の中で疑義はありませんというようなことはいえるような立場にはないのでしょうか。

○幸田証人 この中では、財務局の方では、敬心学園の方からペーパーをもらってこいと、まあ、様式までついてですね、ちょうだいしたわけでございます。
 で、今のこの状況、当時、そのペーパーを受け取った状況の中では、少なくともいろいろな形で新聞等々でも報道されている経緯これありで、やはり、ここで今、都としての状況についてもお話をしておく必要があるだろうと。
 当然のことながら、定期賃貸借契約でございますので、期間が来れば終わるというふうに私は理解をしておりますので、当然、そのあたりも勘案して判断をすべきことかというふうには思いましたけれども、ただ、いろいろと新聞等々でいろいろいわれている折柄、また学園の方でもですね、いろいろなご苦労もあるということも承知しておりましたし、やはり、この事業団の方にもきちっと都としてのいろいろな動きというものをお伝えすること、必要性あるという判断をしてお願いをしたということが実態でございます。

○藤田委員 調査結果は途中であるけれどもというただし書きがありましたけれども、出納長の証人喚問で、目的外使用というふうに考えている、土地に対して無償は重い判断である、定期借家権、定期借家の五年間が非常に不透明であるというふうにいっておりますけれども、いかがでしょうか。

○幸田証人 私は、先ほど来からお答えいたしておりますように、法的にですね、きちんと手続を踏み、契約書を取り交わし、公正証書を作成した。この公正証書というのは大変強いものでございますので、そういう点でそのようなことは決してないし、行ってきた手続というのは、私は有効であるし、正しいというふうに思っております。

○藤田委員 先ほどのお話ですと、これはだれも、今まで何回か聞いたんですけれども、何も期限を切ってないというようなことだったんですが、五月までにこの対応をまとめるというふうにおっしゃいましたけれども、外部監査の内容も含めて、今一番の問題は何であるというふうに考えられておりますでしょうか。

○幸田証人 五月までにというのはですね、これまでの包括外部監査を受けて、その報告を取りまとめてという、その事務的な流れでございまして、今回、その時期がいつになるかというのはですね、ご案内のとおり、改善委員会の方がこれまでの経緯を全部受けとめて調査検討していく、将来に向かって方向性を出していくと、こういうことになりますので、この改善委員会の方でいつまでにこの検討ができるかというのは、ちょっと今定かでございませんので、時期については少し変わるかもしれません。
 それから、一番の課題というのは何かというお尋ねでございますけれども、少なくとも福祉保健局におきましては、幾つかご指摘をいただいている。これは事業団に関してでございます。私が今一番やはり大きな課題として受けとめなきゃいけないのは、やはり十八年度の指定管理者制度に向けて幾多ご意見をちょうだいしておりますので、それに向けての考え方等をしっかり局として持たなきゃいかぬ。それから、今回の学院に関しましては、やはり時代の状況というものを十分踏まえて、現時点で今後どのような方向に持っていくのがベストなのか、このベスト案を十分この改善委員会にお諮りをし、よりよいものを出していくことが重要だなというふうに思っております。

○藤田委員 今まで公正証書その他、いわゆる契約書についても不備がなかったというふうに思っていらっしゃいますか。

○幸田証人 争いが起きるような不備というようなものは決してないというふうに思っております。

○藤田委員 このままで放置をしておけば、将来にわたって疑義があるというような証言を濱渦さんはしたわけでありますけれども、争いになるような契約書の不備もなく、そして疑義もないというようなことで、私は、どこからこの問題が起きてきたのかということを、非常に本当に不審に思っています。
 それで、昨年からの財産利活用の観点から、先ほど、八月に、十一日に財産運用の方が学院を訪問、そして、八月の十九日に外部監査の補助者から学院の売却について考えられるかと聞かれた。それから、九月の利活用の問題のその前に、学院の実査があって、法人に売却が考えられるかというふうに監査人が聞いたというように、大変、何かその辺に非常に、反対にこちら側が疑義を生じるような、そういう問題提起がされているわけでありますけれども、私は、知事が先般の記者会見の中でも、原状復帰、もとに戻す、これを繰り返していらっしゃるというところに、またこれも非常に、ある意味では、どうしてそこにこだわるのかなというふうに思うわけです。
 もし本来、今、幸田証人は、契約書の不備等はないというふうにおっしゃいましたけれども、もしかすると、財産運用のところで、きちっとした、もう一回委員会にかけるとかということが必要であるというふうに考えられることもあるかというふうに私は一つには考えておりますけれども、これはやればいいわけであって、そして五年、十九年の三月にもう一度、不備がなければ、その学園にまたお願いをするということは十分考えられるわけでありますので、なぜそこに原状復帰、もとに戻すということにこだわるのかということについて、非常にここにも疑念が私にはわいてくるわけでありますけれども、この問題についてはどのようにお考えでしょうか。

○幸田証人 私も、その真意といいましょうか、というところが知りたいというふうに思いますが、私自身よくわかりません。

○藤田委員 今までの状況を聞いておりますと、私も、いろいろな問題がありながらも、これからの都庁のあり方として、指定管理者の先ほどお話がありましたように、民間との協働していく、あるいはNPOとの協働していく、そういうところに一つの大きな福祉の方向転換ということもありますので、私自身は、この問題については、今後とももちろん注意をしなくてはいけないけれども、しかし、今の時点で、私自身は、そういう意味では疑義があるというふうには思いませんので、ぜひ今後の大きな改革に期待をいたしたいと思います。
 以上です。

○山崎委員長 発言がなければ、証人、福祉保健局長幸田昭一君に対する尋問は終了いたします。
 幸田証人、長時間ありがとうございました。
 ご退席していただいて結構でございます。
   〔幸田証人退席〕

○山崎委員長 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後五時十四分休憩

   午後六時十九分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
   〔松澤証人着席〕

○山崎委員長 証人、財務局長松澤敏夫君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは松澤敏夫君ですか。

○松澤証人 松澤敏夫でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○松澤証人 東京都財務局長でございます。
 生年月日は、昭和二十四年二月七日生まれでございます。

○山崎委員長 委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 東村理事。

○東村委員 それでは、証人に対して尋問を行います。
 四月十九日の百条委員会で、生活文化局長は、財産運用部の副参事から、包括外部監査の関係で臨床福祉専門学校の認可の状況について知りたいので、当時の資料を確認したいとの要請があった。このため、一月十三日に関係資料を渡したと証言されました。これについて、証人、あなたが副参事に指示をしたのですか。

○松澤証人 いえ、私の方は指示してございません。

○東村委員 財産運用部長も、このことは知らないと証言されました。
 それでは、指示をしたのは総合調整課長だということでしょうか。

○松澤証人 これについては、副参事が自分でやったということだというふうに思っております。

○東村委員 副参事が自分でやったということに、改めて伺いますが、間違いありませんか。

○松澤証人 これにつきましては、四月十九日の当委員会における証人尋問で私も初めて聞いたわけでございますが、その後、副参事に一応確認しましたところ、自分の仕事の職務の中でですね、この問題について問題意識を持ってやったと、こういうふうにいっております。

○東村委員 証人は、三月二十九日の百条委員会で、包括外部監査報告の内容を知ったのは一月二十八日と証言いたしました。本当は、一月十三日以降一月二十八日までの間に財産運用部から報告があったのではないでしょうか。証人は偽証をしておりませんか。

○松澤証人 一月二十八日の包括外部監査での事前説明会で初めて、この報告について私知りました。

○東村委員 包括外部監査の内容を事前に知っているということは、これは大変なことだと思います。財産運用部長も百条委員会で知らないと証言されました。証人も知らないと今証言しました。知っていたのは副参事だけ、こんなことはあり得ないと。
 あなたは、まあ、あなたといっていいのか、あなた方といっていいのかわかりませんけれども、いい逃れたと思っているかもしれませんけれども、私は、世間にはこういうことは通用しない。部下が勝手にやった、こういう大事なことをですね、こういう大事なことを部下が勝手にやったということは、世間には到底通用しないと思いますが、本当に、証人、あなたは知らないんでしょうか。

○松澤証人 今の先生のお話、ちょっと事実の問題がございますが、副参事の方もですね、包括外部監査の内容を事前に知っていたということではないというふうに私聞いております。
 で、この問題につきましても、そういうことで、繰り返しになりますが、私ども知ったのは一月二十八日の包括外部監査の事前報告会、知事以下特別職が出席して、私も一緒に出席しましたが、そこのところで初めて知ったということでございます。

○東村委員 副参事も、包括外部監査でこれを知ったのではないと。(松澤証人「内容は」と呼ぶ)内容は。要するに、じゃ、どういう目的でこの副参事はこのことについて動いていたのか、これについて証言を求めたいと思います。

○松澤証人 担当副参事は、財産の利活用の推進する直接の担当の副参事でございまして、この件については、問題意識というか、ずっと持っておりまして、それで、一月に十七年度の予算原案の内報があったため、一つの節目としてですね、研修施設の統廃合について再確認しようと思い、臨床福祉専門学校の設立認可等に係る書類の閲覧を私学部に求めたと、こういうことでございます。

○東村委員 これはね、今いった内容というのはですね、この前の山内生活文化局長の証言とはちょっと違いますね。これは、本年一月十三日、財産運用部の副参事が、生活文化局私学部に、本件に関して、財務局として都有地の有効利用について聞かれた場合の対応として、校舎の賃貸について五年で終了でないことを明確にできる書類があればよいのだがと、こういった明らかに今回の疑念の発端となるような意図を持って調査に出向いたということが、もう既に生活文化局長の証言によって明らかにされております。
 宮川財産運用部長証言では、彼は指示していないと、こういうことは。今、財産利活用についての調査があるということを証人はおっしゃいました。
 私は、これはだれかが指示しなければ、単なる利活用の調査で、この賃貸について五年で終了でないことを明確にできる書類があればよいのだがという、こういった発言は出ないと思いますが、証人、いかがですか。

○松澤証人 繰り返しになりますが、この点については、私とかですね、財産運用部長から指示してやったという事実はございません。
 それから、生活文化局長がいったお話については、私もこの前の委員会で知りましたが、担当の副参事の話についてはですね、事務的にお願いしたというふうに聞いておりますので、この点について、特にこういう具体的な形で話をしたというふうには、副参事の方からは聞いておりません。

○東村委員 どうも今の答弁を聞いていると納得できないわけでございます。包括外部監査というのは、常々知事もおっしゃっているように、非常に重要なことであると思いますし、実は財産運用部長、先ほど我が党の木内副委員長、木内副委員長の福祉保健局長の答弁でも、宮川財産運用部長が、平成十六年八月十一日にこの敬心学園の現地まで視察をしていると、こういったこともいっているわけでございます。いろんなこの場でいい逃れをしても、総合的に情報収集すると、このいいわけというのはだれも信じることができないと思います。
 財務局長は、この包括外部監査の内容を一月二十八日に知ったと既に証言をしておりますし、財産運用部長は、特定の学校法人が専門学校を運営している事実を包括外部監査で初めて知ったと百条委員会で証言をしております。したがって、このことを認めてしまうと偽証となる、どうしても認めたくない、その理由はそのことにあるんではないかと私は一言申し上げておきたいと思います。
 その上で、濱渦副知事は、三月十四日の予算特別委員会で、土地建物が不法でない形で処理されなければならないと発言をし、証人は、翌々日の十六日、財政委員会で契約違反と答弁されました。契約違反なら、地方自治法に抵触し、違法となるわけです。この時点まででは、違法、不法を連係して恐らくアピールするねらいがあったんではないかと勘ぐるわけでございますが、あなたは、三月二十五日の予算特別委員会で、これまでの財産管理について、違法であるという認識は持っていないと答弁されました。財政委員会答弁を実質的に修正しようとされました。三月二十九日の百条委員会では、契約第四条は現状から見てそぐわない部分があり、将来に向け改善が必要と証言されました。三月二十五日では今後の対応を調査するといっておいて、四日後には将来に向け改善が必要と証言をされました。
 この将来に向けて改善が必要との証言によって、これまでの財政委員会や予算特別委員会での答弁は、すべて将来のことだというすりかえを図ったんではないかと思うわけであります。
 大塚副知事の全く違法性なしとの答弁を聞いて方向修正をしたんではないかと、そう思うわけでありますが、これは濱渦副知事と全く同じ手法だと私はとらえるんですけれども、副知事の手法を見習ってこのように答弁の推移をしていったのか、これについて伺いたいと思います。

○松澤証人 土地の無償契約の四条の契約違反の問題でございますが、私は特に濱渦副知事がどうかということじゃなくて、私の考え方を一貫して申し上げているところでございます。
 今、先生の方から、財政委員会から、それからずっと予算特別委員会を通じて答弁が大分変わってきているんじゃないかというお話もございましたけど、基本的に私はですね、いろいろこの問題をずっと調査したり、自分の範囲内でわかっている範囲内で見てきた段階で、財産管理の問題から違法であるということは認識しておりません。これは最初からそういうことでございます。ただ、契約書四条との関係で、ここら辺のところは契約違反的なものがあるんじゃないかということを申し上げましたら、まあ、契約違反だったら違法じゃないかというような、そういうまたご議論もあったものですから、そこら辺のところは、私は契約違反と違法とは違うんだということも含めてご答弁したつもりでございますが、私の答弁がまあ舌っ足らずといいますか、表現不足の面もあったと思いますが、一貫して違法ということは考えておりませんでした。だから、そういう意味で修正してということじゃなくてですね。
 ただ、この契約違反というのも、いろいろ自分なりに考えていく中で、調査の結果も踏まえたり、いろんなことを考えていく中で、全体的に四条が契約違反というようなことではないというようなことを、まあ、そういう表現を使って答弁をさせていただいているということでございます。

○東村委員 全体的に、四条が契約違反でない。したがって、違法ではないと。どうですか、それは。

○山崎委員長 もう一度答弁して。

○松澤証人 契約書四条が違法ということではなくてですね、四条というものに該当しない部分が内容としてあるので、その部分は、いわゆる契約違反的なものといいますか、強くいえば契約違反でございますが、そこら辺がそぐわないといいますか、適合してないと、こういうことをいっていることでございます。

○山崎委員長 はっきりいえよ、はっきり。

○東村委員 大変にあいまいな、まあ、このそぐわないとか、非常に聞いている人が、本当に証人の意図するところはどこなのかというのが非常によくわからないんですけれども、今回の件は、三月十四日の濱渦副知事の不法発言が事の発端でございます。あのときは、都政にとんでもないことが起きているという印象を与えたわけでございます。しかし、濱渦副知事は、三月二十九日の百条委員会で、あれは将来のことをいっただけと不法発言を撤回されました。あなたがやっていることも私は同じなんじゃないかと、このように思うわけですけれども、濱渦副知事が自爆をし、よりどころがなくなった財務局長が、保身のために議会答弁や百条委員会の証言も何とか修正しようとしている、そう見えるわけなんですね、はたから見ていると。ずっと聞いていたら。
 しかし、いまだに宮川部長と櫻井出納長は、財産関係には問題があるとしておられます。主計部出身の証人は、このことについて今どのように思っているのか、率直にお答え願いたいと思います。

○松澤証人 最初は、この問題の論点が二つあって、まず予算的な部分とですね、財産管理と二つ出てきたわけでございますが、予算については、要請もないし、問題ないという話と、それから財産管理の面という、二つがあったわけでございます。
 今、先生ご質問のこの財産管理の問題についてはですね、ただいま、先ほどですか申し上げましたように、契約書の四条の関係では、これは全く問題がないというか、真っ白だっていうんですかね、そういうことではないということでございまして、この点についてはですね、櫻井出納長も、それから宮川財産運用部長も全く同じことなんで、ただ、そこの四条の解釈のとらえ方の問題については、これはまだいろいろ事実関係も調査中でございますので、はっきりした結論というのは出てないわけでございますし、これからのことにゆだねられるわけでございます。
 そういう中で、この四条の解釈というものについて、私の方の見解は先ほど申し上げたようなことになっているということでございまして、いずれにしましても、現在の状況というものが、平成十一年の三月のときに土地の無償貸し付けしたときの条件なり、それから財産運用委員会に、財産運用委員会に付議した理由から見ると、やっぱり現状ではそぐわない部分がやはりあるのじゃないかということについては、これは同じようなことじゃないかなというふうに思っております。

○山崎委員長 聞いてるとわかんねえな。

○東村委員 委員長もわかんないとおっしゃっていますけどね、私も今話聞いていてよくわからない、本当に。
 宮川財産運用部長と櫻井出納長は明確に問題があるといっているんです。で、私は、財務局長として本当にこの二人と同じスタンスで明確に問題があると思っているのかどうか、これについてもう一度伺いたいと。わかりやすく答えてもらいたいと思います。

○松澤証人 契約書の四条につきましては、用途指定ということでございまして、この用途指定の条文が、事業団が設置する福祉人材養成事業に使わなきゃいけないと、こういう用途指定がついているわけでございます。これが、全部ですね、今申し上げたように、否定するような条文解釈になるのかということについては、私はそういうふうに思っていないと、こういうことを申し上げているわけでございます。
 具体的には、前回のときの二十九日のときにも答弁させていただきましたけれども、高島先生のご質問にさせていただきましたけれど、事業団が設置する福祉人材養成事業というものを考えた場合に、一部とはいいながら、福祉総合学院が、夜間、通信については実施主体、まあ、委託ですけどなっているわけでございます。それはクリアする。それからもう一つ、民間とはいいながら福祉人材養成事業をやっていると。ただ、その実施主体の部分が、非常にそこが公共性が問われる、経緯からいったらなっているので、ここはやっぱりそぐわないというか、該当しないんじゃないかと、こういうふうに答弁しているところでございます。

○東村委員 じゃ、私なりに解釈してよろしいでしょうか。宮川部長と櫻井出納長が、明らかに財産関係には問題があるとおっしゃっていますけれども、そのスタンスとはちょっと違うと。こうとらえてよろしいですか。

○松澤証人 基本的に、用途指定に該当しないということは共通でございますが、そこの中身の問題についてですね、目的外使用というようなところまでいくかどうかということについては、私は、それはかなりきつい契約違反になりますので、そういうふうには思っておりません。

○東村委員 片や財産の指示を出している、指示を出されている、財産利活用の指示を出されている櫻井出納長、その下に財務局長がいて、財産運用部長がいらっしゃると。財産運用部長と出納長は明らかにおかしいといっているけれども、財務局長は、そこまでいっていないと。非常にこれ聞いていて、恐らくこれを知事が聞いていたら、何が何だかさっぱりわからないという。
 知事がきのうの記者会見でもいろんなことをおっしゃってですね、なかなか私も聞いていて理解しにくい部分がありました。
 私は、もっと証人が財務局長としてしっかりしていればこんなことにはならなかったし、早くから知事に正確な情報が上げられて、疑念があるだとか不法だとか、そういったことが論じられることはなかったんじゃないかと思いますけれども、これについていかがですか、証人。

○松澤証人 これにつきましては、一月二十八日の包括外部監査報告事前の説明会、これが出て以降、二月二日に濱渦副知事からも三局長呼ばれてご指示を、指示を受けてですね、それで我々もいろんな形で調査を始めたわけでございます。また三月一日には知事からもそういう指示があったわけでございますので、まだこれについては調査中ということもございますので、そういった最終的なまだまとめには至っていないと、こういうことでございます。

○東村委員 確かに、先ほどいいましたように、上に櫻井出納長がいて、下に財産運用部長がいて、まあサンドイッチ状態で非常に仕事がしづらいというのはよくわかるんですけれども、不思議なことに、金曜日の櫻井出納長の証言、この知事の追加の記者会見を通じて感じるのは、今回の問題の調査を知事は濱渦副知事に命じ、副知事からの報告が外洋中でなかなか来ないので、次に櫻井出納長に特命し、そして出納長は、本来の業務以外のことですよね、本来の業務以外のことを、この調査を一人でやっていると、こういった答弁があったわけであります。
 しかし、海外出張から帰った濱渦副知事は、二月十八日に、櫻井出納長も知事の特命を受けていたにもかかわらず、出納長は同席しないで、今度は三局長を呼んで話を聞いているわけです。出納長の調査は一人でやっているということらしいんですが、証人は、出納長からこの件で話を聞かれたのはいつといつか、これについて伺いたいと思います。

○松澤証人 私が、出納長が知事の特別の指示を受けて調査しているということを知ったのはですね、先般の委員会で初めて知りました。

○東村委員 それも寂しい話でありまして、執行機関側の委員会として東京都社会福祉総合学院の運営に関する調査改善委員会、これが、福永副知事が座長で、事務局が総務局に置かれていると。そして、濱渦副知事のもとにまた三局長が呼ばれて調査を開始していると。そして、櫻井出納長は知事の特命を受けて一人で調査をされていると。一体全体これは本当に、我々議会側もそうなんですけれども、聞いている多くの人は、この問題の執行機関側の調査指揮命令系統は一体どうなっているんだろうと。しかも、何らまだ知事に報告がされていないと。
 こういうことをやっているから、事の本質が、わけがわからなくなっていくんじゃないか。その辺をもう少しやはり責任を感じてやっていただきたいなと。これじゃあ、下で仕事している人は、だれの指示を聞いて自分たちは仕事をやっていけばいいのかということにほんとに迷ってしまうわけでございます。都政が今混乱しているのは、こういうところに私はあるんじゃないかと、このように思うわけであります。
 その上で、今回、社会福祉事業団と東京都のこの土地の無償貸付契約について何点か伺いたいと思います。
 私は、百条委員会で何度も主張してきましたが、この契約は何ら問題ないと思います。財務局は契約四条の社会福祉事業団が設置する社会福祉人材養成機関の事業等に使用するとの条項に違反しているといっておられますが、事業団が設置する社会福祉総合学院が事業を民間委託することによって、現在に至るまで福祉人材養成事業を行っているわけであります。土地の契約に何の問題もないはずでありますし、建物の賃貸借契約は土地とは別の契約であり、異なる契約がそれぞれ有効に存在しているだけだと考えるわけであります。
 前回の百条委員会でこの点について財産運用部長に尋問しましたし、契約違反を主張する部長の証言には、全くといっていいほど私は聞いていて説得力がありませんでした。そこで、このことについて証人である財務局長に尋問をしてまいります。
 そもそも契約違反ということは、先ほどもいいました、包括外部監査報告のどこにも書いておりません。なのに、あなたは、三月十六日の財政委員会で契約違反であると答弁されました。どのような情報をもとに、いつ契約違反と判断するに至ったのか、これについて再度お聞きしたいと思います。

○松澤証人 私の方でこの問題について問題意識というか、そういうのを持ったのは、一月、先ほどの繰り返しになりますが、一月二十八日の包括外部監査の報告の中で二点、一つはですね、民間の特定の学校法人が建物を九〇%使用しているということが明らかになりましたので、これは、翻ってみると、先ほど申し上げました契約書の四条に抵触するのかどうかという、そこのスタートとですね、それからもう一つは、やっぱり監査報告の中で、建物の使用が十九年の三月以降も継続的に使われる可能性があることというものが出てまいりましたので、その点についてどうなのかと、ここが私どものスタートラインでございます。それについて、事実関係も含めて、どういうふうにこれからその問題を明らかにしていくかと、こういうような経緯の中で進めてきたと、こういうことでございます。

○東村委員 そこで、証人、あなたは、契約違反であるというこの財務局の見解を濱渦副知事に報告したことはあるのか、また、今回の件について知事から財産に関することを任されている櫻井出納長に報告したことはあるのか、この二点について簡潔にお答え願いたいと思います。

○松澤証人 特にこの点についてはまだ調査中ということでもございますので、副知事にも、あの、知事にもそういうものを報告したことはございません。

○東村委員 私はそれはおかしいと思いますよ。先ほど明確に契約違反の、非常にあいまいないい方をされましたけれども、そぐわないとか、四条については契約違反の可能性があるというんですかね、端的にいえば、そういうことを喚起しているわけですよね、財務局長は。こんな大事なことをなぜ濱渦副知事、さらには知事の特命を受けている櫻井出納長に報告しなかったんでしょうか。

○松澤証人 ただいま答弁しましたように、二点大きなテーマが、テーマというか課題がございまして、それで、この契約違反の問題については、さっきいいましたように、解釈をやっぱりこれからどういうふうにやっていくかというところをはっきりさせないままに、ただ一律に契約違反という話にはならないと思いますので、やはりそれをちゃんと調査してはっきりしていかなきゃいけないという、そういう意味でまだ途中段階ということ。
 それからもう一つは、建物が十七年三月までに使用されるということについての、本当にそうなのかということをまだ福祉保健局の方にも照会している状況でございますので、結論が出ていないということもありまして、まだそういうことを報告できる段階ではないと、こういうようなことでございます。

○東村委員 証人は、要するに、解釈の問題も一つあると。それから、調査中の部分もまだまだたくさんあるから結論が出せる話ではないと、まだ、こういう今答弁でしたよね。ところが、現にあなたの部下である財産運用部長はおかしいということをいい切っているわけなんですね。部下と上司、これはもう完全に別個のものと、組織ではなくて、もう財務局長のもとに財産運用部長がいると、普通私はそう思うわけなんですけれども、これはやっぱり違うということと考えてよろしいんでしょうか。

○松澤証人 表現がいいかどうかわかりませんけれど、その問題についてグレーっぽいことはお互い同じなわけでございます。真っ白でもないし、真っ黒でもない、違法でもない。ただ、このグレーの部分をやっぱりどういうふうにこれからはっきりさせていくかというのは、これはまだ組織的に固まったということでなくて、当然、財産運用部長は所管する直接の部長ですから、いろんなシビアなもちろん考え方も出てきますし、また、私は私なりにまた自分なりに解釈していますので、これはやっぱり一つの財務局の見解というか、組織としてまだまとめていく段階には来ていないので、それをもってお互いが合っていないからおかしいとか、そういうことでは私はないと思っていますので、やはりこれはこれからちゃんと調査をしていくなり進めていく中ではっきりした見解というか考え方が統一化されるものだと、このように思っております。

○東村委員 それは、この百条委員会でそんないいかげんなことで僕は許されないと思いますよ、証人。まだ調査中で、解釈もいろいろあるんだったら、きちっとやっぱり財産運用部長がここに証人に立つときに、お互いにやはり財務局という中でその辺は整合性を持って臨まなければだめなんじゃないですか。そんなに、あんたは勝手にやりなさい、おれはおれでやるから勝手にやりなさいと、そんなことでいいんですか本当に、財務局は。みんなびっくりしますよ、そういう話、今の答弁を聞いていたら。どうですか、これは。

○松澤証人 この委員会でそれぞれ参考人という、参考人じゃなくて、こういう形で尋問というかあるわけでございますから、その中でそれぞれの考え方の中で答えているという部分もございますし、繰り返しになりますが、そういう意味で我々財務局の中で不統一ということではなくて、今まさにそういうことも含めて、これからまとめていくことも含めてやらなきゃいけない状況でございますので。ただ、この段階でそういう話があれば、そういう答弁もあったということもございますが、別してこれは不統一ということでもございませんし、また、契約書の四条にそれなりに抵触することについては、共通の土俵というふうに思っております。

○東村委員 恐らくきょうここにいらっしゃる各副委員長、理事、委員聞いていて、松澤証人と宮川財産運用部長の答弁が同じスタンスであるというのはだれも思わないと思います。私も聞いていて、今お話のあった件とはちょっと違うと思います。これは議事録をもう一度見てもらえばわかると思います。
 その上で、松澤証人に私前回、主計部長時代のことを聞きました。主計部長時代にこの問題を知り得る立場じゃなかったんですかということを確認しました。そこで何点かお伺いしたいんですが、本日記録提出がされた資料の中に、まずは、福祉局から財務局主計部予算第二課担当者への事前説明資料、平成十三年九月二十五日、それから福祉局から二次経費要求資料、平成十三年十月十六日、財務局主計部予算第二課長予算調整資料、平成十三年十一月上旬。つまり、福祉局がこの社会福祉事業団の平成十四年度予算関係について財務局主計部予算課と折衝した際の予算担当者の記録が提出をされました。
 まず、このときの証人の肩書は何だったんでしょうか。

○松澤証人 財務局主計部長でございます。

○東村委員 じゃ、この最初の九月二十五日のこの福祉局の、福祉局から財務局主計部予算第二課担当者への事前説明資料、これについては、内容については関知していたんでしょうか、それとも関知していなかったんでしょうか。

○松澤証人 主計部の予算編成の過程につきましては、先生に釈迦に説法でございますが、まず、局の方から予算要求が締め切り前に事前に説明することもあります。それが今回の九月二十五日の件じゃないかなと思っています。正式に要求締め切りがあってからの話としては、この十月十六日が、二次予算ですから十月十六日に要求があったと。これにつきましても、主査、担当とのペアの調整の段階から予算二課長の段階、それから私の主計部長の段階というふうになっていきますので、こういうものを段階的にやるということについてはもちろん承知しておりますが、今、委員のいわれた九月二十五日の内容の中身については、私、主計部長という立場でいきますと、この内容については、その当時としては承知しておりませんでした。

○東村委員 聞かれたことだけに簡潔に、時間がないので答えてもらいたいんです。余計なことをいわなくて結構です。関知していたかしていないか、それだけ答えて。しかも、私は委員じゃありません、理事ですから。誤解のないように。
 次の福祉局からの二次経費要求資料、十三年十月十六日、これについては内容について関知していたのかしていないのか、簡単に。

○松澤証人 先ほどの話の延長上でございますので、関知というか、その内容そのものについては私は承知しておりません。

○東村委員 それでは、最後の十三年十一月上旬のこの財務局主計部予算第二課長予算調整資料、この中身については関知していたのか、知っていたのか知らなかったのか。

○松澤証人 この資料につきましては、前回も出させていただいておりますが、二課長ということだけじゃなくて、主計部長、あるいは当時の財務局長の調整資料になっておりますので、これについては私は承知しております。

○東村委員 それでは、最後のこの財務局主計部予算第二課長予算調整資料、これについては関知していると、こういうことですので、これについて伺いますが、この中で運営方法の見直し、明確に記載されておりますよね、この中で。読み上げましょうか。大丈夫ですか。明確に運営方法の見直し、記載されていますよね。これについてはきちっと掌握をしていた、こういうことでよろしいですか。

○松澤証人 これにつきましては、三月の二十九日の委員会でも答弁させていただきましたが、これは主計部長として、この問題については、こういうスキームについては基本的に好ましいことというか正しいことだということで判断して、こういうやり方を変更してこういう形になったことについては了解というのは、我々はそういう形で取り組んだわけでございます。

○東村委員 先ほど九〇%云々という話をされていました。この中の文章を読むと、こう書いてあるんですよ。その際に、当該民間事業に施設を一括して貸し付け、貸し出している。一括して貸し出すということは、一〇〇%ということなんですよ。一括して貸し出している。そして、事業団が施設使用料及び建物維持管理費を徴収するとともに、受託事業者は施設の日中における活用を行い、福祉人材養成事業を展開すると書いてあるんです。ここまでいっていて、包括外部監査を通して初めて九〇%云々という実態を知ったなんていうことを今さらおっしゃるんでしょうか。どうも解せないんですけれども、私は。

○松澤証人 私どもというか主計部長の目線は、やはり民間に空き教室を、それを、あいているから使っていただいて、それで賃借料を取って、それが歳入になって運営費が結局その分要らなくなる。それから、四月からやっている社会福祉総合学院の夜間それから通信については、直営でやっているものを委託にすると、こういうことについてが一番大きなスキームの問題でしたので、この点についてやはり主計部サイドとしては問題ないと、こういう認識の中でこの問題をとらえたと、こういうことでございます。

○東村委員 私は、一括貸し付けしているということを明確に書いてあるじゃないかと。この時点で、これは九〇%ではなくて一〇〇%だということでしょう。そうじゃないんですか。そこを聞いているわけです、私は。

○松澤証人 要するに、民間にその委託している、民間がやっている部分と、それから社会福祉総合学院がこれを委託してやっている部分というのは大体どのぐらいの割合かとか、そういうことについては、正直いって、一括方式といいながら、そこまでは承知しておりませんでした。今から振り返ってみてもですね。

○東村委員 今さらそういうことをいわれても本当に困るんですけれどもね。要するに、主計部長として、これは関知していた、承知していたといいながら、承知していなかったと、この件に関しては。これ、びっくりしましたけれども、今。これから、じゃ、各局、財務局に予算折衝するときに何と書いて出せばいいのかと、みんな多分今の答弁を聞いて悩むと思いますよ、本当に。
 もっといえば、証人、そこまでいうんでしたら、三月二十九日の私の証人に対する質問で、証人はこう答えているんですね。「基本的なスキームとか、今申し上げたようなことについては承知しておりましたが、その具体的な細かい、例えば中でいろんな予算の、賃借料の単価が幾らだとか、額が幾らだとか、そういうようなところについてはなかなか細かいことですので承知していない」と、こう答えたんですね。
 ところが、こんなの私が見ても賃借料幾らかというのはわかりますよ。書いてあるじゃないですか、ここに。受託事業者の十四年度と十五年度、しかも、細かい内訳で施設使用料幾ら、建物維持管理費幾らと書いてあるじゃないですか。ここまで書いてあって、あえてまだこんなことを、前回知らないといいましたよね。でも、さっきこれ、関知しているといっていましたよね。予算というのは数字に出るわけでしょう、一番。主計部長というのは、まず委託したら、委託料を幾らにするのかとか、賃借料を、じゃ、建物を一括して貸し付けるんだったら建物を幾らにするんだとか、賃借料を幾らにするんだとか、そういうことは明確にまずぴんと来るはずでしょう。だから、書いてあるんですよ。なのに、あなたは前回、私に対して細かいことを知らないとうそをいったんですよ。これはどうなんですか、本当に。

○松澤証人 資料には書いていますので、結果的には当然知らなければいけなかったことだというふうには思っておりますが、ただ、具体的には、さっき申し上げましたように、予算の調整の仕方として、担当主査レベルで時間をかけてかなり精査して、それから予算二課長でまた精査して、それで私のところに来るので、それをやっぱり限られた時間の中で説明を聞いた中で、問題点があるとか、こういうところがポイントですよというところはかなりやはりそこのところに重視してやるわけでございますが、この紙全体を、書いてあるから全部じゃあ承知してたかということになると、これはなかなか、私も能力がないのかもしれませんが、そこは、そこまでその当時としてはなかったということだと思いますので、結果的にはこれはそういうことで、内容として入っていたということ、そういうことでございます。

○東村委員 私は全部精査しろといっているんじゃないんですよ。これも、じゃあ、現場が、その予算二課長の責任にしたいわけですか、証人は。普通、だから、この言葉が見出しで入ってきて、この資料の中で何が一番ポイントかといったら、さっきの運営方法の見直しということを明確に書いてあって、そこで一括貸し付けをして、使用料と維持管理費を徴収して、あいているところを活用すると。しかも、福祉人材育成、人材養成事業をやると書いてあるんですよ。
 そうしたら、端的にポイントは、一番大事な部分は何かといったら、賃借料と委託費じゃないですか。それを真っ先に、これ以外に何が重要なんですか。そこが一番重要でしょう、だって。それによって補助金幾ら補てんしなきゃいけないのかというのは明確になるはずじゃないですか。優秀な主計部長が、主計部長というのは、ある意味で財務局の主計部長かもしれないですけれども、都全体の事業を査定してやっていくわけじゃないですか。そんな人が知らないということはあり得ないじゃないですか。私はうそをいったとしか思えないですけど、どうなんですか。

○松澤証人 知らないという言葉にもし語弊があるならば、やっぱり結果的に知り得るべきことだったということは認識しておりますが、ただ、正直に、聞かれて、その分まで全部精査して承知してそのときあったのかというと、そこまでは、全体のスキームの中でさっき、ちょっと時間が長くなりますから、余り、割愛しますけれど、賃借料を取って、それで空き教室を活用していくとか、そういうような面で財政負担の面から見たらこれは問題ないということなので、これは予算的にも好ましいことだと、こういうふうに判断したわけでございます。

○東村委員 包括外部監査報告でもう賃借料について指摘しているわけじゃないですか。それを事前に主計部長、証人、あなたがこの時点できちっとこういうことをやっていれば、包括外部監査報告でもああいう指摘もされないで済んだわけなんですよ、はっきりいって。私は今の答弁を聞いていて、恐らく、今後、各局は財務局の主計部にどんな資料を上げたら後で自分たちの身を守ることができるのかということを、恐らく聞いていて思うと思いますよ。私が担当者だったら、そう思いますね。
 その中で、私はもう本当、いろんな、自分に都合いいときは、これは財産運用委員会に付議しなきゃいけないとか、こういうことをいっているんでしょうけども、財産運用委員会なんかは、財産管理運用委員会ですか、これなんかは毎回出席しているんですか、証人は。

○松澤証人 これについては出席しておりません。

○東村委員 財産運用、財産管理運用委員会に出席しないで、あなたは、証人は委員長ですよね、どうですか。

○松澤証人 出席すべきところだというふうには思っておりますが、これまでそういう形でずっと行われてきておりますし、そういう中で時間がかち合ったりすることもございますし、そういう意味で財産管理運用委員会にはこれまで出席していないと、こういうことでございます。

○東村委員 委員長ですかどうか聞いているだけです。それに答えてください。委員長ですね、あなたは。

○松澤証人 委員長でございます。

○東村委員 委員長であるあなたがこれに出ないで、しかも、付議しろとか、文書で出せとか、おまけに、主計部長時代はこれだけ資料を出しておいて関知していないとか、知るべきところを知らなかったとか、それでいてね、今回の問題について、みんなが一生懸命やってきたことに関して、ああいう発言をする私は資格はないと思いますよね、本当に。きちっとやっていれば、それはみんな納得するでしょう、恐らく回覧でやっているんでしょうけどね。
 その上で、もうこれ以上聞いても何か本当にもうどうなっているのかと思いますよね、本当に。本当に。私はこれ、嫌がらせでいっているわけじゃないんですよ、本当に。その上で、今回のいろんな行動を見ていたら、まさにもう責任逃れをしようとして、最後はあの弁護士の意見に何とか従っていけば逃れられるんじゃないかと思って何となく行動したような私は気がしてならないんですよ。
 そこで、この弁護士の意見について何点か伺いますけれども、先般、宮川財産運用部長に質問しました。そのときに宮川部長は、相談をした財務局の顧問弁護士の氏名について教えてくださいといったら、緒方弁護士一人でございますと、こう答えられました。その上で、契約内容、これについて教えてくださいといったら、平成十五年の十二月からだと思いますと。それで、設置要綱がございまして、枝川一丁目の、要は都有財産の適正化に向けた一連の訴訟を中心にご相談をいただくという内容でございますと、こういうご回答がありました。
 ところが、きょう出てきた弁護士意見、設置要綱が出てきました。私はこれを読んでびっくりしました。この要綱は、江東区枝川一丁目地区適正化事業実施に伴う法律上の諸問題の発生を未然に防止し、及び紛争解決の促進を図るため、図るために、財務局に顧問弁護士を設置しと書いてあります。しかも、職務は何かと見たら、「顧問弁護士の職務は、江東区枝川一丁目地区適正化事業実施に係る法律相談に関することとする」と限定されております。さらに、この非常勤職員の立場を明確にする資料はありませんかといったら、出てきました。発令通知書、職務内容、同じことが書いてあります。「江東区枝川一丁目地区適正化事業実施に係る法律相談に関すること」と書いてあるんです。これだけなんですよ。なのに、今回の問題について弁護士に相談しているということは、職務内容外で相談をしたと認識してよろしいでしょうか。

○松澤証人 この顧問弁護士の方に職務としてお願いしているのは、今、先生お話のあったとおりでございます。ただ、当初スタートしたときから、同案件がもう訴訟に入ったりして、ある程度落ちつくというか、その幅が狭まってきたものですから、これを幅広く財産管理一般について法律相談を現状としてはお願いしていると、こういうことでございます。

○東村委員 それはまさに詭弁ですよ。(「詭弁だよ」と呼ぶ者あり)要するに、私的に情報を流して、私的な見解を出させて、そして、あの二月二日なる、財務局がつくってきたやつじゃないですよ。その前に財務局が既にその弁護士から引き出したメモなる二月二日の弁護士の意見を、この弁護士につくらせたんじゃないですか。これは明らかに職務違反になるんじゃないですか、これは。本来ならば、やるんだったら、顧問契約の中にすべての、今も問題、うちのあれでよくいわれますけど、せめてその他と書いて、その他事項の中に入れていただいて、その他の中に含まれるんだったらわかりますけど、これ限定しているじゃないですか。全然違うじゃないですか。何でその弁護士にこんなことを相談させるんですか。そして、そういう意見を出さすのですか。仮に財務局が出してきた弁護士の意見が正しいとしても、その正しい意見ですら、その弁護士には本来相談すべき事由じゃないんじゃないですか、局長、証人。

○松澤証人 繰り返しになりますが、当初は枝川地区のことということでやったわけでございますが、それ以降は、例えば十六年度、七十八件相談をしているわけでございますが、いろんな財産管理に関することを幅広く顧問弁護士に相談をしている、こういうようなことでございます。

○東村委員 この日額報酬を見たら、一回二万一千四百円と書いてあるんですよね。これで、こんな報酬でその他あんなもろもろのやつをたくさん相談を受けたら、普通弁護士だったら、こんな金額では許さないと思いますよ、本当に。恐らく後で取ってつけたんじゃないかと、これを明らかにするために。私は、まさにどうも画策をしたとしか思えないんですよ。素直に読み取れないんですよ、本当に。
 私は、三月二十九日の百条委員会で、民主党の名取理事が、この係長が上司の課長に相談もせずに独断で回答した可能性があるのではと、こういった尋問をされました。それに対して証人は、財産管理は文書主義だから、そのようなことはないと証言されました。それくらい文書に厳格にこだわる証人が、全然関係ないこの弁護士の顧問契約書を、いや、これは広く流用するんですよというような、そんないい方をするのは、まさに先ほど不規則発言がありましたけど、詭弁でしかないと思います。
 また、この前、財産運用部長に私が尋問したときに、財務局長に、証人あなたにですね、緒方弁護士の見解を口頭で報告したと証言されました。文書主義を金科玉条のように大切にしている財務局が、何でこんな大切なことを口頭で財務局長に報告しているんだと、おかしいんじゃないかと思いました。これに反して福祉保健局には文書主義を押しつけて、財務局の中では口頭がまかり通っている。そういう局なんですか、財務局は。

○松澤証人 あくまでこの顧問弁護士の方に対しては、財産運用部の方で財産管理を適正に行っていく上で法律的なものを相談して、それで意見をいただくと、いろんな形で意見をいただく、こういうものでございますので、今回の件についても、文書を出すに際して、先生の方に、弁護士さんの方にそういうことを相談して、それを私の方に口頭で話があったと、こういうことでございます。

○東村委員 だって、これ今一番問題となっている重要なことじゃないですか。こういう重要なことを文書にしないで口頭で済まそうという、それもおかしな話でしょう、だって、証人。
 財産運用部長は、財務局長には口頭で報告したが、濱渦副知事や櫻井出納長には報告していないと証言されました。では、お聞きしたいんですが、あなたから副知事、濱渦副知事、櫻井出納長に報告したんですか。

○松澤証人 そうしたことはございません。

○東村委員 何度もいいますけど、この土地の無償貸付契約が違反をしているという疑義が発せられたわけでしょう。その論拠となるこんな大事な弁護士の見解、これをなぜ副知事や櫻井出納長に報告しなかったんですか。

○松澤証人 弁護士の方の相談の意見は、二月二日のものは、あくまで事実関係を調べることをしなさいということを、まあアドバイスといいますか、意見をいただいたわけでございますので、何かその結論めいたものをいただいたわけではございません。そういう意味で、繰り返しになりますが、こういうことを含めて調査をずっとそれ以降続けてきていると、こういうようなことでございます。
   〔発言する者あり〕

○東村委員 財務局が後出しじゃんけんで出してきたのは、問題提起の部分があるかもしれませんけれども、その前に二月二日というあの弁護士意見はまさに、今不規則発言がありましたけれども、まさに結論なんですよ、あれ。だから、あの結論に沿って福祉局に徹底して、もう本当にこれは調査というよりは、こうしなさいという命令みたいな形で文書を出しているわけですよね、本当に。まあ、これ、今、報告していないといったこと、今度これ、逆に濱渦副知事や櫻井出納長にいろんな角度で質問したときに出てきた場合に、これは、あなたは偽証罪に問われることになると思います。
 そこで、二月十八日に三局長が濱渦副知事に報告した際、先ほど幸田福祉保健局長がいっておりました。ファイルを振りかざして弁護士意見があると、こう発言されたということです。このことは、まさに、先ほどいいましたけど、幸田福祉保健局長が証言をされております。濱渦副知事は、二月二日の弁護士意見かそれに類推するものをこの時点で持っていたということは、恐らく私は間違いないんじゃないかと。だから、それだけ強気に、ここにあるんだよということをいったんじゃないかと思います。
 二月十八日ということでありますから、財務局が後出しで提出をした口頭相談メモとは全く異なるものだと、もういいかげんに正直に話してもらいたい、本当に。どのような資料を濱渦副知事に説明したのか、伺いたいと思います。

○松澤証人 繰り返しになりますが、私ども、私の方からそういうものを濱渦副知事の方に資料として出した事実はございません。

○東村委員 局長は知らないけれども、財産運用部長から、局長を通り越して、先ほどのやりとりを聞いていて、どうも局長と財産運用部長の物の考え方、とらえ方に差があるように思えますし、局長は知らない間に、財産運用部長からこの弁護士意見なるものを櫻井出納長に提出したのではないか、この辺のことは確認されましたか。

○松澤証人 四月十九日の百条委員会において、財産運用部長が東村理事からいただいた写しで私も初めて見ました。この弁護士意見なるものについては、財務局としては、そういうものは承知しておりませんので、またそれに基づいて何か出したということは、またあり得ないことでございます。

○東村委員 くしくも読んでいただいたということです。読まれて、自分たちが動いている行動と余りにも同じなのでびっくりされたんじゃないですか。どうですか。

○松澤証人 今、理事からお話のあった弁護士意見なるものについては、もちろん読みましたが、詳細にそれを検討してみたわけではございませんが、やはり今回の件について財産管理の面から見ると、かなり前提条件をこう仮定で想定したような意見になっているというような印象は受けました。

○東村委員 今大事なことをおっしゃったんです。仮定で想定して動いているんです。ただ、私はね、この局内のいろんなことを想定する段階で、局内では仮定で物事をやはり、何かあってはいけないから、こういう場合はどうなんだろうとかいう仮定で事態を想定して、きちっと契約を結んで弁護士とやりとりして相談しても、それは構わないと思うんです。それはもう何かあってはいけないから仮定でやっていくのはいいと思うんです。それを悪いといっていることではないんです。ただ、余りにもこの仮定で想定したことがそのまま、繰り返すようですけれども、一連の動きとして行われている、これが不思議で仕方ないといっているんです。
 まあ、この百条委員会でも仮定で議論されている部分が結構あるんですけれども、百条委員会で私は仮定で議論しちゃいけないと思うんです。百条委員会ではやはり真実に基づいてどうなのかということを、推測があったとしても、仮定、前提を立てて、こういう前提だから、こういう仮定の場合はこうなりますかと、こういう議論はしちゃいけないと思いますけれども、局内で最悪の事態を想定するといいと思うんですけれども、恐らくそれが知らぬ間にひとり歩きして、まただれかに利用されて、今回これだけ大きな問題になってきたんではないかと私は考えるわけであります。
 そういった意味で、証人は、私は知りませんとか、私は関知していませんとか、本当は知り得る立場でなければなりませんでしたとか、いろんな形で逃げられるんですけれども、もっとやはり責任をしっかりととっていただいて、証人、局長が、財務局長がしっかりしていれば、今回の問題はこんなにこじれずに私は済んだと思っております。
 そういう意味で、今からでも遅くないですから、本当に何が真実でどうなのかということを明らかにしてもらいたいということをお願いいたしまして、私の尋問を終わりたいと思います。

○山崎委員長 東村理事の尋問は終わりました。
 続いて、柿沢委員の尋問を始めます。

○柿沢委員 今回の証人尋問に先立って、先ほどもお話がありました「東京都社会福祉総合学院に係わる顧問弁護士への相談内容」という資料が出てきています。先日の宮川財産運用部長へのお尋ねでは、この資料の中の顧問弁護士の口頭意見というのは、財務局の非常勤職員であり顧問弁護士の緒方孝則弁護士によるものだということですけれども、先ほど、半ば確認をした状況にあるとは思いますが、改めて、局長もそのように、緒方孝則弁護士の口頭意見であるということでよろしいですね。

○松澤証人 そのとおりでございます。

○柿沢委員 この資料の中で、財務局の顧問弁護士、緒方弁護士は、口頭意見として次のように述べています。土地無償貸付契約書、都と事業団が取り交わしたもの第四条には、都が貸し付けた土地は、事業団が設置した福祉人材養成機関の用地として使用しなければならないとする用途指定が付されているが、民間学校法人が設置している専門学校は、事業団が設置した福祉人材養成機関ではなく、用途指定に反しているので事実関係を調べる必要がある。契約書四条の用途指定違反であり、これは契約違反であるということは、過日の証人尋問でも宮川財産運用部長が明言したとおりだと。そして、この点については出納長も同じ認識を語っていたかと思われますけれども、改めて、松澤証人の認識もこれと同じであるということでよろしいかどうか、伺わせてください。

○松澤証人 先ほどの東村理事のご質問の答弁と重複いたしますが、基本的には契約書四条の中の部分にそれが該当するという意味で、契約違反的なものはもちろんあると思いますが、ただ、その解釈として、度合いとしてどの程度の契約違反なのか、ここら辺については、これからはっきりさせていかなきゃいけないことだと思っておりますし、私の解釈としては、全面的にこれが、四条が契約違反というふうには思っておりません。

○柿沢委員 この口頭意見を見ると、用途指定に反しているので、事実関係を調べる必要があると書いてあるんですね。ということは、これはもう四条に反しているということを明言をしている文書だと思うんですけれども、その認識は同じということでいいですか、今のお話は。

○山崎委員長 弁護士は弁護士だろうな。

○松澤証人 ここら辺の解釈は非常にデリケートなもんですから、口頭意見でいただいたこの文書だけで、用途違反というものがどの程度のレベルなのかということについては、これはこれだけで私はまだはっきりしない部分がございますので、逆にこういうことを受けて、事実関係も含めてはっきりさせていくべき問題だというふうに思っております。

○柿沢委員 ついでに、契約書のことで、土地無償貸付契約書のことで申し上げると、転貸の問題がございます。第五条。この転貸の禁止というのが、土地及び立木無償貸付契約書の五条にはっきり書いてありますけれども、しかし、先ほど証人もおっしゃられたように、学院の施設の九割が臨床福祉専門学校の校舎として使われている。
 さらに、学院の自主事業の夜間通学課程も敬心学園に委託されている。そもそも学校設立認可の申請に当たって、敬心学園が都有地を借りているかのような記載がある。そうした状況を見れば、これをやはり敬心学園、臨床福祉専門校に対して土地の転貸が行われていると事実上見られるような状況があるというふうに私は思います。
 また、過日の宮川部長も、証人尋問において、契約上は転貸という形にはなっていないけれども、実態として、外観上はそういうふうに見られるような状況もあるというふうに認めています。また、櫻井出納長も同じ認識を語っているところでございます。
 転貸となると、土地無償貸付契約書の五条に違反をするわけですけれども、財務局長、見解を聞かせてください。

○松澤証人 転貸に当たるのではないかというお話でございますけれど、これは、都は事業団と、三十年間の土地の無償貸し付けを事業団と行っているということで、それをまた貸し付けるということはあり得ませんので、転貸しているという認識はございません。ただ、事実上、土地と建物を一体的にやっている面があるんで、これをどう判断するかという一つ問題は、都民の目から見てですね、あると思います。
 ただ、契約書の五条の今先生いわれた転貸等の禁止の関係については、これは転貸の契約を事実上結んでいるわけでもございませんし、それから、建物は、これ使用を認めているだけで、権利を譲渡しているものではないわけでございますから、そういう意味での五条違反ということは、私はないんじゃないかというふうに思っております。

○柿沢委員 そうすると、これは外形的にはそう見えるような状況もあるということは、今局長もお話をされていましたけれども、それはそれでよろしいですか。

○松澤証人 だから--お答えいたします。形式的には、もう間違いなくこれは事業団との無償貸付契約でございますので、それをまた貸しているというような事実的なものは要件としてないわけですから、転貸という認識はないわけでございますが、転貸ということはないわけでございますけれど、ただ、外形的に、今先生からおっしゃったように、それをどう見るか、それはまた一つ法的な問題というか、契約の解釈と別の問題としてですね、どう判断するかということはそれはあろうかと思いますので、この点については、やはり調査を通じてそういう面についても明らかにしていくと、こういうことだと思います。

○柿沢委員 ということで、今契約の問題についてはそういうご認識であるということはわかりました。
 四条の違反について、その用途指定に反しているということについて、先日の宮川証人、宮川財産運用部長は、これらの契約について契約違反ということであるとするならば、これは民法上の債務不履行に当たるという認識を示しておられましたけれども、これについては証人はどのようにお考えですか。

○山崎委員長 法的に違反なら、そうなるんじゃないのかな。

○松澤証人 これは、財産運用部長は財産運用部長としての、一番の財産管理の所管ですから、かなりそういう面で一番厳しいところで見ている部分もあると思いますが、ただ、これが今お話しになったようなことになるかどうかはですね、これは繰り返しになりますが、契約書の四条のやっぱりとらえ方をこれからどういうふうにはっきりさせるかということが出てこない、事実関係が出てこないと、これについて今ここでそういうお答えをすることにはならないと、こういうふうに思っております。

○柿沢委員 そうすると、契約上の問題であるとか、法的な問題であるとか、一つ一つ実は確認をしていこうと思ったんですけれども、これはもう精査をしてみないと、事実関係をはっきりさせて判断をしてみないと何ともいえないという答えが恐らく続くことになろうかと思いますので、これは少し省きたいと思いますけれども、しかし、一つだけ聞いておきたいのは、今おっしゃられている松澤局長も含めて、調査というのを実際いつまでやったら結論が出るのかということです。
 こうした財産運用、公有財産の管理、こうしたことに関して権限を持って有権解釈ができるのは財務局だろうと、都庁の中では、そのように私は理解をしております。この意味で、このことについて明確な、こういう状態だということを最終的に判断をするのは財務局長ということになろうかというふうに思います。
 その意味でいうと、先日、四月の二十二日ですけれども、知事が記者会見をしておっしゃっていましたけれども、福祉、総務、財務局の三局長を呼んで、大事な問題だからきちんと精査して報告してくれといって、あんまりその報告が来ないんで、濱渦さんを督励したと。またその後でなかなか情報が上がってこない、早く調査しろというような趣旨の発言をしていますけれども、これはやはり早く結論を出して、こういうことであったということを財務局として明らかにしなければいけないというふうに思うんですけれども、どうですか。

○山崎委員長 そうだよ。今、福永さんがやるんじゃないのかな。

○松澤証人 私ども財務局として、財産管理を総合的に調整する立場としてですね、この問題を調査して、今お話があったように、できるだけ早く明らかにしていくことが重要だというふうに認識しております。
 また、知事から、それから副知事からも調査を指示されてきたわけでございますが、これにつきましては、三月二十四日に副知事、特別職、三局長が集まった中での今回新しく四月一日からスタートいたします調査改善委員会の中に、これまで三局で調べてきた調査を引き継ぐということになっておりますので、この中できちんと私どもの立場というか、考え方も明らかにしていきたいと、このように思っております。

○柿沢委員 今の契約の問題とか財産管理面の問題でいえば、今まさにおっしゃられた、財務局がこう考えているというものが出てこないと、ほかの局だって、それに対して我々はこう考えるというやりとりができないじゃないですか。
 そういう意味では、財務局の側が明確にさまざまな専門家にも見解を聞きながら、こういう状況にあると認識をしているということを早く出さないと、これは結論が出ない話になってしまうんじゃないですか。それをやるのは私は財務局の責任だと思いますけれども、このことはいたずらに調査中で状況を精査しなければいけないばかりを繰り返して、ある意味では先に結論を延ばしていくんではなくて、ちゃんとやっていただきたいというふうに思います。
 そうでないと、私は、こういうある種の政治的な議論の流れがどっちに行くのかを見定めて、それまでシロもクロも結論をペンディングしておこう、そういう思惑で、そういうまだまだ調査中ですよと、精査しなきゃわかりませんよという見解を繰り返しているというふうに思えてしまいます。
 そういう意味では、私は、専門家に聞いて、事実はもうこういう形で資料で積み上がっているわけですから、ある程度の判断がもう下せる状況にあるはずですから、私はその見解を聞きたかったし、きょうこうしてまだ事実関係を精査している最中でございますというのは、非常に残念でなりません。
 次に、資料に提出されている平成十六年度監査報告概要版の補足説明に基づき伺いますけれども、この資料、七ページ、八ページで、敬心学園がこのまま継続的に学院の建物を使用していくのであれば、これは包括外部監査人のワーキングペーパーなどを参照すると、その可能性が極めて高いと包括外部監査人は考えていたようですけれども、それであれば、結果として、都は敬心学園に対して補助金を支出していることになると書いてあります。この指摘について、証人はどのようにお感じになりますか。

○松澤証人 今先生からお話ありましたように、そうした補足意見というのは私も後で見て知ったわけでございますが、今お話のありました補助金の問題については、これからやはり包括外部監査の報告を踏まえまして、都からの補助金を極力削減できるよう、今後の社会福祉総合学院の見直しを進めていく中で検討していかなきゃいけないものだというふうに認識しております。

○柿沢委員 都が民間学校法人である敬心学園に補助金を支出しているというこの指摘は、やはり大変に重いというふうに思います。
 また、その補助金に当たる額にしても、平成十五年度ベースで計算すると一億六千五百万円という額を指摘をしているわけで、このままでいけば、平成二十二年度までに約十八億円、累積二十一億円の巨額の補助金が都から敬心学園に支払われるということが、この補足説明において指摘をされているわけですから、これについては、額の大きさも含めてどのような感想をお持ちですか。

○松澤証人 やはりこれからその社会福祉総合学院のあり方というのも一つの宿題になっておりますし、そういうことも含めましてですね、補助金の出し方についても、今後、これから今お話があったようにかなり巨額の部分ということと、それから、賃借料がかなり、今年度でいえば、三億円払って五千七百万という形にもなっているわけでございますので、やはりそこら辺をこれからどういう形、削減するような方向で検討していかなきゃいけないと、こういうふうに思っております。

○柿沢委員 私たちは、この百条委員会の場において繰り返し申し上げてきたように、土地無償貸付契約書の四条並びに五条に違反をしているというふうに考えています。
 その意味でいうと、土地無償貸付契約書の条文そのものは十三条しかないわけですから、四条、五条が両方違反だという話になれば、なればですよ、それはもう非常に問題のある、契約書そのものがもう成立していないといっても過言でない状況があると思います。
 また、これは宮川証人のお話に依拠すれば、民法上の債務不履行を形成して、損害賠償の対象にもなりかねないという話にもなっている。
 さらに、それだけではなくて、特定の民間学校法人に年間一億六千五百万円もの補助金が支出されている状態になっている。これをほかならぬ包括外部監査人が指摘をしているわけです。
 さらに、先ほどの幸田証人に対する証人尋問においては、私たちが指摘をさせていただきましたけれども、三浦文夫さんという社会福祉総合学院の学院長をお務めになられている方が同時に敬心学園の理事を務めていて、運営事業者・借受者選考委員会の開催の前日に理事を辞任をされている。そうしたある意味では、どういう形で敬心学園にこの公募の情報がもたらされたのか非常に疑わしい、疑いを差し挟まざるを得ないような状況も明らかになってきているわけです。
 こうしたことを種々踏まえて、これを一点の曇りもない、何ら不適正も見出せないということが今の段階でどうしていえるんでしょうか。私は本当にこれは不思議で不思議でなりません。調べれば調べるほど、私たちから見れば、また専門家の意見をかりても、不適正な状況だらけであるということがわかってまいります。
 このことはしっかり申し上げたいというふうに思っておりますし、私は、三月二十五日の予算特別委員会で大塚副知事が早々に答弁に立って、違法であるというような認識は毛頭持っておりませんということもおっしゃられた。また、三月二十九日ですか、濱渦副知事が、やはり現時点において違法や不適正な状況というものは見当たらないということをおっしゃられた。この二人の副知事の認識にも問題があると私は思っています。
 その意味では、私は、大塚さんがあの時点でああいうご答弁をされた。濱渦さんが証人としてここに来られてそういう認識をいわれたと。調査中ですよ、しかも。松澤局長、まだ調査中だよね。そういう段階においてああいったご証言、ご答弁をされたというのは、一体何なのかと私は思います。
 そのぐらい、私たちが独自に調べた結果としては、不適正、あるいは契約違反、場合によっては地方自治法違反、こうしたことが幾つも見つけられる状況にあるというふうに申し上げさせていただきます。
 そして、大塚副知事、また濱渦副知事にも改めてそのときの発言の真意を伺ってもいいんじゃないかというふうに思います。
 次に、借家権についてです。
 先ほどの顧問弁護士の見解の資料で、財務局顧問弁護士の意見として次のように書かれています。「五年間の定期建物賃貸借契約とは、貸し主において再契約をするかどうかの判断はあるにしても、契約内容としては、五年後に無条件で建物が返還される契約である。「今後も継続的に使用する可能性がある」とは更新権付の借家契約の可能性を示唆する表現であり事実関係を調べる必要がある。」。先ほど幸田証人は、定期建物賃貸借契約、五年の、これは契約として有効に正当に成立をしているという認識を語られましたが、この問題についても、権限を持って有権解釈をできるのは、私は財務局長さんだと思っております。
 そうしたことを踏まえて、今の顧問弁護士の意見を踏まえる限り、定期借家権ではなくて、通常の借家権が発生している可能性も否定できないというふうに考えておりますけれども、また宮川部長もそのように証言しておられますけれども、これについては、松澤証人の見解はいかがですか。

○松澤証人 この借家権が生じているかどうかという問題につきましては、これについてもなかなか私ども調査しておりますが、不透明な部分がございまして、一つはですね、契約更新のない定期借家方式でやっていることであるとか、公正証書の第二条には、契約更新がなく、期間の満了により終了するとか、こういうこともうたっておりますし、それから、念書の方については、解釈の問題はありますが、無条件に保証するものではないというふうないい方で、借家権が発生していないような形の部分も事実関係として出ておりますが、一方で、やはり運営事業者の公募の要項では、更新を可能にするというふうないい方もありますし、それから、契約書の四条を含めまして、これは再度審査の上、再契約という話も出ておりますし、また、設立認可の際に、継続的、安定的に実施できるように配慮すると、こういうような継続を示唆するようなものもありますので、やはりここら辺が、私の考え方としても、どちらなのかというところがですね、今まさにそこら辺がこれからはっきりさせていかなきゃいけないことだなというふうに思っております。

○柿沢委員 今不透明というお言葉がありました。これ、不透明だったら、基本的には定期借家権というのは成立しないんですよ。ちゃんとした形でプロセスを踏んで定期借家契約が成立をしているということが、本当に全く問題のない形で、だれから見ても明らかでなければ、これは通常の借家権が発生しているというふうに見るべきなんです。そのことは申し上げておきます。
 定期借家権契約の契約書、合意確認書、公正証書には、社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会において再度審議の上、再契約を可能にするという文言が書かれております。今証人からもお話がありました。
 確かに定期借家権制度のもとでは、契約の更新というのはありませんけれども、借り主と貸し主の合意があれば、新たに契約をし直すこと、すなわち、再契約というのは可能になっています。
 ただ、この再契約というのは、あくまで契約期間の満了後、当事者間で協議をして新しい契約を結ぶものでなければなりません。期間の満了後、自動的に再契約を結ぶことが保証されているような契約の仕方をしていれば、実質的に更新を認めたものとして、通常の借家権が成立としているとみなされる。これ、私が読んだ基本法コンメンタール、新借地借家法、こちらの方にもそのような解釈が書かれていました。(発言する者あり)えっ、読んでいますよ。
 今回のケースでは、先ほどまさに証人がおっしゃられたように、臨床福祉専門学校の設立申請に当たって、その事業が継続的、安定的に実施できるように十分配慮することといたしますという生活文化局長あて、また、厚生労働省の関係部局あての文書が事業団から出されている。
 要するに、学校が設立認可をおろしてもらうために、五年の契約期間の満了後も当然再契約をして、臨床福祉専門学校が使い続けていく見込みであるというある種のコミットメントが出されているというふうに見なければならないというふうに思うんです。そのように思いますけれども、財務局長、あなたの見解、いかがですか。

○山崎委員長 そういうことなんだよな。

○松澤証人 ちょっと話がずれるかもしれませんが、更新権を伴う借家権が発生しているかどうかについてはですね、現在、私どももそういうことで福祉保健局の方に三月二日付で照会して、三月十五日の回答の中では、協議している最中だと、こういうこともございましたので、やっぱりそこら辺も含めて、これからそこら辺をはっきりさせていかないと、いろんなこれからの話については明確になってこないんじゃないかと、このように思っております。

○柿沢委員 さらに、過日の証人尋問で、敬心学園の小林理事長は、通常、学校設置を引き受けるに当りまして、五年で終わるようなことを考える人はいないと思いますというふうに証言しています。原則として、臨床福祉専門学校を五年で終わりにして、学院の建物を返さなければならない、そういう契約になっているという認識は、私は持っていなかったんじゃないかというふうに思います。
 また、山内生活文化局長も、五年でやめますという学校法人に認可は出せないと、この学校は五年後の契約期間満了後以降も継続していくことを前提として認可を出したかのような証言をしています。
 こうしたことを総合的に踏まえて、これはやっぱり、どうですか、定期借家権の成立というよりも、通常の借家権が発生をしてしまっている状況にあるんじゃないですか。もう一回確認しますけれども、どうですか。

○山崎委員長 弁護士じゃないから、わかんないだろうよ。

○松澤証人 これについては、今も申し上げましたように、非常に不透明な部分があります面は、それは状況としてあると思いますが、これについてはこれからやっぱり調査して明らかにしていかないと、なかなかそれから先の話はわからないというように思っております。

○山崎委員長 不透明といっているから、わからなくなっちゃうんだよ。

○柿沢委員 この件については、一定の見解なり、緒方弁護士に聞いていないんですか。

○松澤証人 弁護士には四回相談をしておりますが、この中では、一回目の相談の中では、あくまで事実関係をはっきりさせよということをいただいておりまして、それから、二回目の意見では、「「保証するものではない」とする「念書」は、逆に「重大な問題が無ければ契約更新を認める」「借主に多少ではあるが更新権が留保されている」ともとれる表現である。雇用契約の試用期間と似たような概念ともとれるが、定期建物賃貸借契約には更新という概念はないので、よく調べる必要がある。」と、こういうお答えをいただいておりますし、そういう意味で、まだこれから調べなきゃいけないということだというふうに、私理解しております。

○柿沢委員 いや、口頭意見を、これ、全部見ていますと、1、2、3、4あるんですけれども、全部語尾は、よく調べる必要があるというところで終わっているんですよ。私は絶対にこれは、皆さん、ぼかして書いておられるけれども、それで提出されておられるけれども、これは弁護士が何らかの見解を述べているに違いないと思う。どうですか。(「資料番号何番」と呼ぶ者あり)15番だったり93番だったり。93番にもある。今93番を見ています。

○山崎委員長 弁護士意見を改ざんしたのかよ。

○松澤証人 私の方は、この弁護士意見がいただいた意見ということで理解しておりますし、そういうことを弁護士の方からいただいたと、こういうことでございます。

○山崎委員長 弁護士意見等を勝手に改ざんしたら、大変だぞ、これ。はい、柿沢君、頑張れ。

○柿沢委員 いずれにしても、もともとの経過として、曽根委員の尋問でまずこの二月二日の弁護士意見というのが出てきて、その後、慌ててか何だか知りませんけれども、後からこの弁護士の口頭意見が出てきて、この語尾は、こっちは物すごいはっきり物をいっているわけですよ。こっちは、よく調べる必要がある。これは何か、僕は絶対緒方弁護士が何らかの一定の見解を語っているに違いないと思えて仕方がないです。そういう意味では、私は、緒方弁護士にやはりこの委員会でお話を聞く必要があるということを申し上げておきたいというふうに思います。
 で、ここから先、借家権が発生しているという仮定でいろんなお話を聞こうと思ったんですけれども、また事実関係を精査しているという話になっちゃうんで、これも飛ばさせていただきますけれども、とにかく何度もいいますけれども、こうした契約関係の問題、あるいは借家権の発生の有無の問題、こうしたことについて、権限を持ってこうだという一定の見解を出すことができるのは、これは財務局にしか都庁の中ではできない話なはずなんですよ。
 出納長も、この間いろんなことをいっていましたけれども、しかし、出納長には、本来そのことを権限を持って判断を下すということはできないはず。財務局長経験者としての見解を語っていたというふうに理解しているんですけれども、そういう意味では、この借家権の問題もそうですし、契約違反の問題もそうですし、地方自治法上の関係でどうなのかという問題も含めて、一定のこうだというものを財務局が出さない限り、調査も改善も進まないじゃないですか。それをずっとこうやって尋問を受けて、調査中です、調査中ですでは、もう通りませんよ。そのことを申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、公有財産の使用許可、また貸し付けに当たって、運用委員会付議省略、財運部長付議、あっ、協議省略ができるケースについて、前回、三月二十九日の証人に対する尋問の中で、学院の建物について、事業団が敬心学園と賃貸借契約を結ぶに当って、運用委員会に付議するのが妥当だった、その必要があったと考えているという見解が松澤証人ご本人から示されていますけれども、今もそのとおり考えているということでいいですね。

○松澤証人 そのとおりでございます。

○柿沢委員 しかし、現実には運用委員会への付議は行われなかった。これをめぐっては、もう繰り返すまでもありませんけれども、財務局と福祉保健局の主張が、担当者の主張が真っ向から対立をしているわけです。福祉保健局は、当時の担当係長の証言文書をこの委員会の資料として提出していますし、財務局は、今回提出資料の中に、当時の財産運用部総合調整課長、また担当係長二人の署名捺印つきの陳述書が、この委員会に記録として提出をされています。内容は、過日の宮川部長に対する証人尋問の中でも述べましたので省きますけれども、とりわけ当時の総合調整課長の陳述書というのは、福祉保健局の見解を真っ向から否定する、また、福祉保健局の管理職に対して、そんないい分が通ると思っているのかとでもいわんばかりの物すごい憤りが感じられる文書になっています。
 この佐藤さんの陳述書は、当然ごらんになっていると思うんですけれども、局長というか証人から見て、信用性のあるものだと思いますか。

○山崎委員長 柿沢委員、役職名でいってよ。

○柿沢委員 はい。今、名前でいった……

○山崎委員長 いったよ。気をつけてね。それで訂正しているわけだから。

○松澤証人 佐藤前、あの元総合調整課長は、私は個人的にもよく知っていますし、また、今回の陳述書の内容も見ておりますし、私は、その発言というか陳述の内容を信じたいと思っております。

○柿沢委員 あえて聞きますけれども、財務局の担当者と福祉保健局の担当者と、どちらの証言が、どっちも並び立つということはこの期に及んであり得ないと思いますけれども、どちらが正しいと考えていますか。

○松澤証人 これは、都庁の職員は、福祉保健局、財務局に限らず、みんな一生懸命それぞれの職務をやっておりますので、それについては、私ども、そういうことを十分に認識しなきゃいけないというふうにまず思っておりますが、今回の件について、お互いいったいわないというような非常に事実関係の話が出てきて、非常に私も心苦しい面がございますけれど、基本的には、私どもの三人から出たものについては、私にとっても現在も部下でありますし、また、当時もそういうことについて一生懸命やっている人でございますし、そういう面も含めて、私どもの職員の発言といいますか、その内容をやっぱり信じていきたいと、このように思っております。

○柿沢委員 きょう、改めて、別のいったいわないの問題が出てきましたね。四月十九日の生活文化局長に対する証人尋問の際に、一月十三日、財務局財産運用部の副参事が私学部の方で関係書類を求めに行ったということで、そのときに、財務局財産運用部副参事が、局として都有地の有効活用について聞かれた場合の対応として、校舎の賃貸について、五年で終了ではないことを明確にできる書類があればよいのだがとか、無償で都有地を学校法人に貸しており、建物の賃貸料にその点を含めるべきではないかという意見もある。報告内容は、都有地の効率的な運用を図ることという表現になるのではないかということもいっていたと報告を受けております、こういうことを山内生活文化局長は証言としておっしゃられた。
 そして、先ほどの証人尋問のやりとりの中で、松澤証人は、そのようなことを担当の副参事がいったとは承知していないという趣旨のお話があったかと思いますが、それは承知していないわけですね。

○松澤証人 この点については、私も副参事に直接話をお聞きして確認はしましたけれど、担当副参事の話によれば、そのようなことはいっていないというふうにいっておりますし、また、なぜ設立認可に関する書類の閲覧を求めたかということにつきましても、ちょっと付加さしていただければ、かなり問題意識を持って仕事をやってくれる副参事でございまして、その平成十六年の十月の二十一日に、福祉保健局の契約管財課長からこの点についていろいろ話をしたところ、「専門学校設立認可時に、長期安定的な貸付契約であることを建物の所有者である社会福祉事業団から厚生労働省に説明しているため、小日向にある研修センターを社会福祉総合学院に移転させることはできない」と、こういうような口頭での回答があったと、これは資料25にも出ておりますが、そういうようなことがあったので、問題意識を持ってずっとやってきた。それが年が明けてから予算の内示があった段階に資料を求めたと、こういうような話をしているところでございます。

○柿沢委員 その部分についても、生活文化局長と、今、松澤財務局長、証人の見解が明らかにこれは食い違っているわけです。その点も確認をしていかなければならない事項になってくるかというふうに思っております。
 いずれにしても、先ほど来申し上げているように、もうこの段になっては、私はこうした財産関係の問題について、財務局として調査をしていると、いろんな説があるけれども、まだその中でどれをとっていいのかわからないということは、もう通らないと思いますよ。四月二十二日の知事の記者会見でも、とにかく福祉、総務、財務の三局長を呼んで、大事な問題だからきちっと精査して報告してくれといって、余りその報告が来ないので、皆さんの調査が非常に遅いということを繰り返しいっている。そして、こうした形で百条委員会において何度もこの問題について焦点を当てて尋問が行われている。こうした実態を踏まえて、速やかにこの問題について、財務局としての一定の見解をまとめてくださることをお願いをいたしまして、私の尋問を終わります。

○山崎委員長 はい、ご苦労さま。
 柿沢委員の尋問は終わりました。
 委員長からちょっと聞きたいんだけど、都には法務部ってあって、弁護士いっぱいいるんでしょう。弁護士、いるだけの弁護士を全部集めてみんなで検討したらどうなんだよ。その緒方さん一人じゃね、弁護士だっていろんな意見があるだろうからね。今、柿沢委員からいわれたように、早くという、これはみんな願っていると思うんだけれども、そういう弁護士を全部、東京都庁じゅうの弁護士、資格持っているのを集めて、どうなんだと、四条はどうなんだとか、五条はどうなんだとかということもやっぱりこれはやるべきことだと思いますよ。これは委員長からお願いをしておきますね。
 続いて、曽根委員の尋問を始めます。

○曽根委員 それでは、松澤証人に対する証人尋問を行いたいと思います。
 最初に、私の前に二人の方の尋問で既に出ている問題なんですが、ことし一月十三日の財産運用部副参事の、この専門学校設立認可の資料借り出し問題ですね。今、松澤証人のお話では、副参事が独自に調べに行っている。その目的は、財産利活用の中で、昨年十月に、福祉保健局がこの練馬の統合問題について断ってきた。しかし、それについて問題意識を持って調べに行ったんだというお話でした。あなたも部長も知らないというふうに証言されている。
 それで、改めてお聞きしたいのは、その副参事は、その資料を入手した後、一定の情報を得たと思われますが、そこで得た情報をなぜ宮川部長にも、そして、あなたの場合には知らなかったということですが、なぜ局長にも報告をしなかったというふうに説明しましたか。

○松澤証人 そこまでは、正直のところ、まだ聞いておりませんが、ただ、担当副参事の話によれば、生活文化局から借用した資料は自分で閲覧して、それを自分で見て、あとはそのまま返却したと、こういうふうにいっております。

○曽根委員 先日の証人尋問で、宮川部長はこういうふうに証言をされているんですよ。どこだったかな、ちょっと今出てこないんですけど、ことしの一月の上旬だということで、そのころは、知事から、端切れの土地の活用はどうなったということの催促があり、財務局内では、局長から、とにかく早く成果をまとめろというような話があったと。それで、我々もこの問題に限らず、利活用に絡む問題で何か一つ成果をまとめられないかと、所管で調査を命じているというような中で、そのような段階だったと思うというような発言を、証言をされています。
 つまり、知事サイドから、端切れの土地ということは、昨年九月の財産利活用推進会議のことだと思いますが、そのことについての成果を求める督促があって、局長からの下命もあったと。それで問題意識を持っていた副参事が調べに行ったのは当然だと思いますが、じゃ、部長なり局長なりに得た情報の提供をするのが理の当然であって、自分で隠しておく理由はさらさらないと思うんですが、どうしてあなたのところにこの話は来なかったんですか。

○松澤証人 なぜ来なかったかといわれても、これはちょっと私もわかりかねないところはございますが、ただ、今の事実関係でいえば、昨年の九月の二十四日に都有財産の利活用推進会議をスタートして、それ以降は、ある意味じゃ、会議の運営というのはとまっていた状況の中で、知事の方からも予算査定あるいは庁議の席で、年が明けてから、端切れ地の問題も含めて、都有財産の洗い出しをもっと早くやれというようなお話もございましたので、私の方としては、この研修所の統廃合の問題でなくて、まず各局が持っている行政財産の遊休な土地、これについて、公営企業も含めて洗い出しをもっと早くして、とりあえずまず第一段階としては、まず洗い出しをした実態をまず出さなきゃいけないんじゃないかということを、再三ですね、再三というか、知事なりそういうお話があった後に、財産運用部の方に話をしているということでございまして、そのこととダイレクトにこのことが結びついているかどうかについては、特にそのことをもって何か私が指示してやったとか、そういうことではございません。

○山崎委員長 聞いたことだけ、わからなければわからないでいいですよ。

○曽根委員 しかし、財務局として調べに来たといって、山内証人の証言が事実だとすれば、既に副参事はかなりの問題意識を持っていて、校舎の賃貸について五年で終了ではないことを明確にできる書類があればよいのだがとか、無償で都有地を学校法人に貸しており、その点を含める、建物賃貸料にそれを入れるべきじゃないかというような、これは外部監査人の指摘ですね、その後出てくるのは。こういう問題意識を持っていたと。
 これが事実だとすれば、財務局長のあなたが、もはやこの時点で、副参事が情報を入手した時点で、局として全く知りませんでしたと、こういう問題点をというにはもう通用しない段階に来ている、来ていたということをいわざるを得ないと思うんです。この問題については、この問題点を指摘しておきたいと思います。
 次に、これは宮川部長にもお聞きしましたが、弁護士意見の資料について。
 これは、前回、我が党が、二月二日現在弁護士意見の文書をあなたに示しました。あなたは調べてみたいということでしたが、その後、資料は出てきたのは口頭意見でした。この文書そのものについての調べの結果はどうなりましたか。

○松澤証人 そうした事実はございませんでした。

○曽根委員 どうやって調べたのですか。

○松澤証人 これは、財産運用部の方に一応聞いて、調べてもらって、そういう話で確認したわけでございます。

○曽根委員 この文書は、私たちは、財務局の方々が間違いなくつくったという情報を得て、文書もここにいただいているものです。現に存在しているもので、あなたも、私の想像するに、間違いなく知っているはずです。少なくとも財産運用部では、もうかなりの人たちがこれを使っていたはずです。なぜ隠すんですか。

○松澤証人 先ほど答えましたように、そういう事実はないということでございます。

○曽根委員 委員長、お許しを願って、先日の一月三十一日現在弁護士意見の文書を証人に渡したいと思います。よろしいですか。

○山崎委員長 はい、どうぞ。みんな持っているよな、あれ。何枚もたまっちゃった、同じものが。
   〔曽根委員、松澤証人に資料を渡す〕

○曽根委員 一月三十一日現在の弁護士意見という部分を含む、「東京都社会福祉総合学院に係る外部監査報告(案)と財産上の問題について」という文書を今お渡ししました。これは当然ながらあなたは知っていなければならない文書だと思いますが、いかがですか。

○松澤証人 特に知りませんでした。

○曽根委員 これは、一月二十八日にあなたが出席した包括外部監査の恐らく事前報告を要約して、それについて弁護士の意見を付随させたという形のものだと私は見るんですが、そうすると、そこに書いてあるように、さらに財務局の立場に立った見解をまとめてみるというふうに書かれていますけれども、この部分を踏まえて二月二日の弁護士意見がさらにつくられたというふうに見ると、まさに財務局のその後の動きも含めて、ぴったりと符合するわけです。
 これは、あなたが知らないとするならば、あなたが出席した包括外部監査で出された問題点、そしてそれに対する弁護士意見、そして、これを踏まえてさらに二月二日の弁護士意見、あなたが知らないなら、一体だれがこの文書をつくって、こうやって形にすることができるんですか。

○松澤証人 ちょっとわかりかねます。

○曽根委員 これは、繰り返しになりますからこれで終わりにしますが、大きな疑惑が残るというふうにいわざるを得ません。間違いなくこれはあなた方のところでつくっているんですよ、これは。
 次に、資料で出された顧問弁護士の意見について、これは、あなた自身が直接顧問弁護士から聞いたことがあるんですか。

○松澤証人 ございません。

○曽根委員 で、顧問弁護士の意見は四つあって、その中に、一月二十八日の外部監査報告案への口頭意見の資料があります。これについて、あなたはだれから、いつ、この内容について報告を受けましたか、それとも受けていませんか。

○松澤証人 資料でご提出している顧問弁護士の相談内容の、四回やっておりますが、その一回目の話でございますか。これにつきましては、二月の二日の日に、宮川財産運用部長と、それから総合調整課長が来たときに、こういう顧問弁護士の相談をしているという話を聞いたところでございます。
   〔委員長退席、野村副委員長着席〕

○曽根委員 そのときに、宮川部長らの報告のときに、意見を要約した文書やメモはなかったんですか。すべて口頭だったんですか。

○松澤証人 口頭でございます。

○曽根委員 それを聞いたあなたも、その口頭報告をメモもしないで、そのまま聞き流したということですか。

○松澤証人 これは、二月の二日の日に、濱渦副知事に三局長が呼ばれて、その後、帰ってきてから、副知事の指示の事項、指示する、指示された事項を、一応、宮川財産総合、部長、宮川部長と、それから課長に話をしていく必要があるということで呼んだときに、そういう話を一緒に受けたと、こういうことでございます。

○曽根委員 そうすると、どういうことですか。二月二日の午後三時半ごろ、あなたを含めて三局長が副知事に呼ばれて指示を受けたということは先日お聞きしました。同時に、それと並行して、たまたまあれですか、宮川部長、じゃない、前回の証言によると、田崎総合調整課長が弁護士から一月二十八日の包括外部監査報告案についての意見をちょうど並行して聞いていたと。で、あなたが副知事からの指示を伝えるために呼んだら、弁護士の意見が出てきたと、こういうことになるんですか。

○松澤証人 出てきたということではなくて、一月二十八日に包括外部監査報告が事前説明会があって、あった後に、私の方からそれについて財産運用部の方にちゃんと調査してくれという話をしておりまして、その関係で財産運用部もそこからスタートして、いろんな形でやった中で、文書を出さなきゃいけないという話もあってやっていたわけでございますが、ちょっと長くなって済みません。それで、二月二日の日に、今申し上げましたように、副知事の話があったときに、財産運用部の方から来たときに一緒にその話をしたら、文書でそういうことも出したい旨の話を財産運用部の方からあったと、こういうことでございまして、そのときに、弁護士の方からも、出した方がいいだろうという、そういう話があったと、こういう話を聞いたわけでございます。

○曽根委員 何か非常にでき過ぎた話だというふうに思うんですが、しかし、そうであるならばですよ、それが事実だとするならば、今、副知事から指示を受けたばかりで、そのことを部下に伝えようとしたら、部下の方も動いていて、まあ、一月二十八日ももらっていますからね、報告を。それで、弁護士からの意見も聞いていたと。その内容は、財務局の今後にかかわる非常に重要な内容であることは間違いありませんよね。その内容をすぐにでも副知事にこれは連絡をするなり伝えるなりすべき内容だったんじゃないですか。あなたはそれをしなかったんですか。

○松澤証人 特にしておりません。

○曽根委員 それは大変おかしなことだと思うんですよ。あなたはすぐにこの弁護士の意見に基づいて自分の名前で二月三日付の福祉保健局への公文書をつくって送っていますよね。非常に重要な問題ととらえていたことは明らかだと思うんです。本来ならすぐに副知事に報告すべきことだったんじゃないですか。これを放置すれば、この契約状態を放置すれば、住民監査請求に問われたときに、責任が場合によっては知事に及ぶというようなこともあり得たんじゃないですか、この弁護士の意見からすれば。どうなんですか。

○松澤証人 何をもって副知事に報告しなきゃいけないかというところがちょっと私どもわかりにくいところはありますが、要は、弁護士さんにも意見を聞いたら、事実関係を調べた方がいいだろうということが、弁護士さんもそういう意見だったということで、あくまで財産運用部の方が、そういう文書で出した方がいいだろうということを前提にした中で、弁護士さんにそういう意見をあわせて聞いた中でそういうことが出てきたということでございますので、これは、ある意味ではスタートラインというふうに理解していただきたいと思います。

○曽根委員 スタートラインっていいますけれども、私たちが得た資料だって、もう一月段階からあなた方は弁護士の意見をとっているんですよ。しかも、副知事が、先ほど幸田証人の発言によれば、その後、弁護士の意見があるということもしゃべっているということからすると、明らかにあなた方は、副知事の指示が正式に出る二月二日以前の段階から弁護士に相談していたのは間違いないと思います。しかも、その資料を出そうとしないと。私たちが資料要求しても、不存在とか、提出延期とか、調査を依頼したことはないが口頭では相談したとか、いい逃ればかりです。どんな事情があろうが、百条委員会に対してこうした態度は絶対許されないということを改めて申し上げておきます。
 次に、福祉保健局への文書、先ほど申し上げましたが、二月三日付から始まりますね。この文書についてもお聞きしておきたいんですが、あなたが弁護士意見に基づいて二月三日付の福祉保健局への公文書を送り、これに対して二月九日に回答がありましたよね。その後、三月二日にまたあなたは文書を送っていますね。この二月九日から三月二日までの間に両局間で文書のやりとりはなかったんでしょうか。

○松澤証人 これについては、はっきり私も事実関係調べていないんでわかりませんが、そういうことはなかったというふうに思っております。

○曽根委員 それで、三月二日の文書は、事実上、敬心学園が五年の定期賃貸借契約終了後、この文書によりますと、事業団に確実に返還されるのかどうかの回答を求めており、また、それを法人に確認させるという、事実上の明け渡しの要請文書のような内容になっているんじゃありませんか。

○松澤証人 お答えいたします。
 これにつきましては、三月二日付で私の名前で福祉保健局長の方に照会したものでございますが、あくまで事業団ではなく福祉保健局長あてに出して、事業団に建物が返還させることが確実な場合は確認書を出してくださいと、こういっているわけでございまして、特に今委員がおっしゃったようなことではございません。

○曽根委員 だれが見ても、これは調査ではありませんね。
 いずれにしても、あなたは、これの文書を見る限り、敬心学園が平成十九年四月に建物を原状復帰して明け渡すのは当然と考えていたということは間違いないですね、この文書によれば。

○松澤証人 今回の定期建物の賃貸借契約からいけば、これは間違いなく十九年の三月に返るということでございますので、私どもも、当初は、そういうことが可能なのかということも含めましてこうした文書で確認をとらなきゃいけないということでやっているわけでございます。

○曽根委員 委員会への資料では、濱渦副知事からも、学院の利用形態を賃貸契約からもとの姿に戻す検討をするよう指示があったというような資料もありますし、また、つい最近、先日の四月二十二日の知事の記者会見でも、契約を、だからまず一回原状復帰、もとに戻すということと私は思いますというふうな知事の発言もあります。とにかく一回、敬心学園に建物を明け渡させて原状復帰させるという立場であなたも一貫して動いていたと、考えていたということでよろしいんですね。

○松澤証人 先ほど答弁させていただきましたように、財産管理の立場から、これがちゃんと建物返還がなされるかどうかということを基本的に確認しなきゃいけないということがございまして、また、それをちゃんとした形ではっきりさせないと、事実関係をはっきりさせなきゃいけないということもございまして、三月二日付でああした文書を出したわけでございますが、これにつきましては、知事の方からも、三月一日に三局長が呼ばれて調査を指示されたことの中で、福祉保健局に指示して、学校法人が十九年三月末に建物を返還するか否か文書で確認することと、こういうようなことがございまして、これは資料の方にも出ていると思いますが、そういうこともございまして、そういう形で三月二日付で文書を出したと、こういうようなことでございます。

○曽根委員 改めて確認しますが、知事からも指示があり、濱渦副知事も同様なことをいっているんですが、あなた自身、十九年四月には敬心学園は建物は明け渡すのは当然と、そうすべきものなんだと、これは、契約上、そういうふうに考えていたというふうに認識してよろしいんですね。

○松澤証人 基本的には、学校を民間で運営しておりまして、生徒の方もいらっしゃる中での問題でありますし、そういった問題をどういうふうにやるかという、こういう課題もございますが、基本的には、福祉保健局の方で、そうした、十九年三月末で一応建物が返還されるということになれば、これは、その建物の下にある土地というものも当然財産管理の問題から成っておりますので、そういうことをちゃんとやっぱり確認して、これからどうしていくかということも含めましてやっていかなきゃいけない課題と、こういうふうに受けとめたわけでございます。

○曽根委員 あなたは繰り返し財産管理の立場からというふうにおっしゃっていますが、いかにその考え方が無理筋の話であって、しかも本当の意図は別にあったかという点について次に聞いていきたいんですが、いわゆる財産利活用の推進会議なる問題なんですけども、まず、あなたは、都有財産利活用推進会議、昨年の九月二十四日に第一回が開かれました、幹事長を務めていますね。

○松澤証人 そのとおりでございます。

○曽根委員 で、この都有財産利活用推進会議でも、またその前につくられた第二次の財産利活用総合計画でも、その前に出された第二次財政再建推進プランでも、いずれにも小日向の社会福祉保健医療研修センターの社会福祉総合学院への統合、もしくは研修センターの見直しなどが課題として入っているわけですね。
 で、先日、宮川部長の証言の中から、この小日向の研修センターの総合学院への統合計画について証言した部分を拾ってみますと、次のことがいわれています。まず第一に、自分が部長になる前から、第二次総合計画に基づいてこの話は動いていたこと、第二に、本格的に福祉保健局と交渉したのは自分が部長になってからであること、第三に、有効活用を検討すべき各局の研修所の中で部長自身が交渉に行ったのは小日向の研修センターだけで、それは、小日向が研修所活用で一番大きなテーマだったので、自分がみずから乗り出したこと、第四に、都有財産利活用推進会議を一度しか開かずに進めてきたのは、全体の場で提案するより、個別に当たって調整を進めた方が効果的との局長の方針が示されたからであること、第五に、九月に福祉保健局を訪ねた後も、十月上旬に小日向の統合、売却のチャート図を示したり、十月二十一日に統合困難との回答があっても、その後も説明を求め続けてきたこと、第六に、ことしの一月には知事から、端切れの土地の活用計画はどうなったとの催促があり、財務局長から、この問題も含めて何か成果を出せないかと指示があったと、自分たちもそれに従って動いていたこと、最後に、最終的にこの統合計画を凍結することを確認したのは二月中旬ごろであること、以上七つぐらいのことをいっているんですが、これらの宮川証言について、松澤証人は、これらはすべて事実というふうに認めてよろしいんですか。

○松澤証人 済みません、ちょっとたくさんございましたので、ちょっと頭の中が全部一遍に整理できないものですから、一つ一ついっていただければあれですけど、上から三つの部分については全く事実だと思います。
 それから、四番目はどういうあれでしたですか。

○曽根委員 局長の方針で個別に当たった方がいいと。

○松澤証人 これは、個別に当たったという意味合いもあるかもしれませんが、どちらかというと、九月の二十四日に財産利活用推進会議をやった後は、財産の洗い出しとかデータベースとか、それからいろんなそういう作業に入ったので、そういう作業ベースの方に進んでいくということで、利活用推進会議がその後はずっと中断していると、こういう状況でございます。
 それから、五番目は……。

○曽根委員 十月以降もいろいろ説明を求め続けてきたことです。

○松澤証人 これにつきましては、私の段階では、九月に宮川財産運用部長と吉川総務部長が会った中で、包括外部監査があるから、それまでは待ってくれというお話を財産運用部長の方から聞きましたので、事実上、それをもって、この社会福祉総合学院と小日向のセンターの問題については、私はそこで一つ、クローズということもないですけれど、なかなか先に進まないと、こういう認識を持っておりました。ただ、今回いろんな形で事実関係を見ますと、その後も事務ベースというか、財産運用部の副参事ベースではかなりそういうものをやってきた事実はあると、こういうようなことでございます。
 それから、六つ目の、端切れ地の知事の発言があったからというお話ございますが、これにつきましては、先ほどもご答弁させていただきましたように、知事からそういうようなお話があって、私の方からは、あくまでこれは遊休資産をどういうふうにやるかという前提としての、公営企業も含めた洗い出しを早く急がないと先に進まないということで、何回か財産運用部の方に指示というか、お願いをしたわけでございます。
 それから、七つ目が……。

○曽根委員 最終的な凍結が二月中旬ごろだと。

○松澤証人 これにつきましては、そういうことで、財産運用部としてはそういう形になっているのかもしれませんが、私の方の認識としては、その九月の吉川総務部長との話の中で、包括外部監査の結論が出るまではという話があったので、それ以降については、事実上、この統合の問題については、私は凍結してきていると、こういう認識でございました。

○曽根委員 まあ、かなりの宮川部長も発言をしていて、ちょっと最後の方は、私も並べたものですからわかりにくかったかもしれませんが、まあ、大筋、あなた自身が知らなかった動きもあるでしょうけれども、大筋財務局の財産運用部のこの統合の件に関する動きはこうした流れだったということは認めてよろしいですね。改めて確認します。

○松澤証人 この社会福祉総合学院と小日向のセンターの研修所の問題については、私がもう来る前から一つのそういう考え方が出ておりまして、私が来てから、それについて、まあ、もちろん局の了解というか、局の合意がなきゃいけないので、そういうことを十分踏まえながら、できるものならやってくれと、こういう指示を出したわけでございます。
 そういう中で、八月から九月ということで具体的なことになったと思いますが、九月の段階でさっき申し上げたような状況になったので、これについては、それ以降、事実上、私の段階では凍結と、こういうふうなことになっているというふうに認識しております。

○曽根委員 あなたは九月で凍結なんだというふうにおっしゃいますが、宮川部長はそうおっしゃっていないんですよ。で、あなたは知らなかったかもしれませんが、少なくとも十月上旬に課長レベルで売却のチャート図まで示しているんですよね、福祉保健局に対して。それから、十月二十一日に回答があったけれども、それで終わりになっていないんです。いただいた資料のメモで確認しても、一月の中旬までは少なくとも引き続き説明を求め続けているんです。そういうふうに理解してよろしいですねといったら、確認したんです、宮川部長も、そうですと。つまり、あなたは知らなかったといいますが、財産運用部は少なくともことしの初めまでは引き続きこの統合計画を追いかけていたということは、あなた自身が知らなかったと、だから凍結なんだとはいえないでしょう。現実にそういう動きがあったことを担当部長も認めているんですから。どうですか、それについては。

○松澤証人 継続するという意味合いは、まあいろいろあると思いますが、一つ一つ、十月の段階とか、そういう中で副参事がやってきたということは、ある意味では追っかけていたというか、今の委員のお話ですとそういう形になりますが、ただ、現実的には、もうなかなか、そういう包括外部監査が入ったということで、この問題については、そこら辺がはっきりしないと出てこないというのが状況だったというふうに、そういう意味で申し上げているわけでございます。

○曽根委員 少なくとも、一回、部長が相手の局に交渉に行って、その後、チャート図まで示したり、断られても説明を求めるなど、ことしの初めまで追及しているのはこの施設だけで、ほかの局の研修所についても当たってみましたけれども、私たち調べてみましたが、そこまで財産運用部が周到にというか、執拗に追いかけているものはありませんでした。しかも、部長も、この小日向の研修所の問題が一番大きなテーマだったということも明確に答弁をしています。
 そこでお聞きしますけど、私不可解なのは、あなたは前回の尋問の際、二〇〇一年、平成十三年当時、先ほどもありましたが、主計部長として総合学院を学校法人に貸し付けて、補助金が減らせるようになったとかいうことを、まあ説明を聞いて、この契約のことは一般的には知っていたというふうに証言をされていますよね。
 昨年来、研修所の統合計画の最も大きなテーマとして、財産運用部、あなたが責任者で、財務局全体でも追いかけてきた、追及してきた、この小日向の研修所を学院に統合すれば、その前提として、今貸している専門学校を明け渡すことになることは当然認識していたはずなんですが、どうですか。
   〔野村副委員長退席、委員長着席〕

○松澤証人 もともとですね、調べましたところ、この小日向のセンターを売却して、それで社会福祉総合学院、練馬の方に持っていくという案そのものは、去年の五月ごろにそういう案が固まったというふうに聞いておりますので、それ以前の話ではないわけでございます。

○曽根委員 いや、私が聞いているのは、少なくともあなたが責任者で、あなたが去年の九月までだとおっしゃったとしても、去年の九月までは少なくともあなた自身もこの統合計画を進める立場にいたと。そしてその以前に、既にこの練馬の施設は学校法人に貸し出されていると、一括貸し出しになっているということをあなたは知っていたと、一般論としては知っていたと。
 そうすれば、当然ながら、小日向の施設を持っていけば、今貸している学校は出なければならないんです、施設を。それはもう大前提になるわけですよね。それを十分考え、気がつく余地、時間は十分にあったわけで、当然昨年の九月ごろそのことを認識していましたねということを確認したいんです。

○松澤証人 昨年の九月の段階では、私、財務局長に七月に来てから、この小日向との統合案については、一つの財産管理上の、施設の有効活用といいますか、その中の大きな課題になっておりましたので、当然、それを認識した中でずっと取り組んでいかなきゃいけないと、こういうふうに思っていたわけでございます。
 ただ、さっきいったような事実があったんで、それ以降は凍結状態になっていると、こういうことでございます。

○曽根委員 あなたは、この学園、専門学校に対する貸し付けに契約上の問題があるということを知ったのは、一月二十八日の外部監査報告のときだというふうにおっしゃっていますよね。それまでは、一般論として、主計部長のときにも聞いていたし、その後の財務局の予算概要にだって、この社会福祉事業団がやっていたリカレント教育を民間法人に委託することによって補助金も浮いたという、事業の再構築の代表例としても挙がっていますよね、平成十五年の予算概要には。これは一般論、小さな問題じゃないんですよ。東京都としては、民間に任せることによって補助金が浮いた代表例として挙げられているものですよね。財務局がつくった文書の中でも。
 そういうものとしてわかっていたわけですから、その貸している民間法人を、しかもあなたは当時、去年の秋の当時は、契約上の問題があるなんていうことは知らなかったわけでしょう。つまり、何の問題もなく学校を貸していた。その学校を、立ち上がってから短期間で閉鎖させて、建物を別の用途に使うことができるというふうに考えていたということでしょう。どうなんですか。

○松澤証人 私が主計部長当時、この問題、社会福祉総合学院について知ったということは、もちろん概要的な、設置目的とか、場所とか、規模とか、こういうことはもちろん承知しているし、また、そういう状態にあったわけでございますし、それから十四年度予算からの変更点ということで、運営を民間委託することとか、空き教室を有効活用することとか、建物賃貸料を徴収、これは当然そこの中で知ったわけでございます。
 ただ、財務局長になってから、五年間の賃借、賃貸借契約になっているとか、民間の特定の学校法人がなっている、こういうことをそのときになってから知り得たわけでございまして、そういう意味で、この研修センターというのは五年で、まあ、ある意味では期限が来ると、十九年の三月に来ると、こういう認識のもとに、それならば研修所の統廃合ともフィットするんじゃないかというようなこととのあわせの中で、そういうようなことを考えたと、こういうことでございます。

○曽根委員 私、そのことを聞いているんですがね。そういうことを考えたときは、ことしの一月二十八日以前ですから、この敬心学園に対する貸し付けに問題がある、弱点があるというふうには思ってなかったはずですよ。つまり契約上の問題もない。東京都も、いえばそれでもってお金も浮く。財務局も予算概要でいわば称賛していた事業の一つですよ、民間委託で。そういう相手の学校を、五年間で閉鎖させて、それで別の研修センターをその建物に持ってくると。事実上追い出しですよ、学校の。そういうことをすれば、当然、社会問題になるくらいのことは想像できたと思いますけど、いかがですか。

○松澤証人 このお話は、若干繰り返しになりますが、五年間の賃貸借契約と、建物ですね、こういうことというふうに理解しておりましたので、それならば、あいた場合にはと、こういう考え方でございます。

○曽根委員 そんなばかな話があるわけないじゃないですか。リカレント教育は委託であって、委託の事業をやりながら、貸し付けていたのはなぜかといえば、当然、それは専門学校が立ち上がったからでしょう。そのことを知らなかったはずないですよ。あなたは前回の証言のときに答えているんですから。
 あなたは前回の証言のときに、財務局長になりまして、いろいろな形で、五年の賃借であるとか、民間の学校法人は特定のところが使用しているとか、そういうことは十分承知しておりましたと答えていますよね。
 ですから、昨年の秋の時点では、当然ながら、民間法人が学校もやり、東京都の委託も受けてリカレント教育はやるんだけれども、まあ学校を、建物を使って学校をやっていると、自分たちで。それを追い出さなければ研修所の移転なんかできないじゃないですか。
 それを、貸し付けてですよ、契約上も、その当時は問題があったと思ってないわけですから、当然の契約をしている相手を五年で出てもらって、それはもう、だれが考えたって常識、小林理事長の証言を聞くまでもなくですよ、五年間ぐらいでまともに、ちゃんとこの学校が安定するなんてことはだれも考えられないし、大体赤字が解消されるのに三年ぐらいはかかるというぐらいのことは、だれだってわかることじゃないですか。
 それを追い出してでも研修所を持ってこれると考えたというのは、どうしてかっていうんですよ。

○松澤証人 これはまあ認識の問題でございますので、そこまでどうだったかという話をされると、なかなかそこら辺のことはございますが、繰り返しになりますように、これは五年間の建物賃貸借ということはわかりましたので、それならば、先ほど申し上げたように、これはそれで期限が切れてあれするならば、それはあとは財産の面から活用できると、こういうふうに認識したということでございます。

○曽根委員 そんなのはね、大体こういう問題は統合計画を、財務局がああいうチャート図まで書く前にですよ、で、小日向は売却まで考えていたんですから、そういう計画をつくる前に調べておくのが常識だと思うんです。
 しかも今回は、これも私、今回調べてみて気がついたんですけれども、第二次財産利活用総合計画の中では、この新資産アセスメントを実施することになっていますよね。つまり、この利活用の対象となる、例えば研修所などの有効活用を図るべき施設については、これによると、タイムスケジュールによると、おととしの十一月から始めて、十六年度ですから、昨年度の七月までに新資産アセスメントの第一次分を、評価と提言の公表としていくことで行って、それを財産活用の見直しの推進に反映させるというふうに図がなっていますよ。
 この去年七月に一次分が出るはずだった新資産アセスメントですか、これはどうなったんですか。

○松澤証人 まあ、一つの計画でございますけど、なかなかそのとおりにまだ進んでないと、こういう状況でございます。

○曽根委員 このいただいた資料103番によると、新資産アセスメントの実施状況、政策形成中と、こういうふうになっていますよね。
 ですから、研修所が一つの目玉として、見直しの対象の施設として第二次プランにも、この第二次総合計画にも、財産利活用の推進会議にも上げられていて、その研修所の中の最大のテーマは小日向だといわれているのに、小日向の新資産アセスメントすら出てこないと。
 アセスメントということは、評価するわけでしょう、現状を、利用状況とか。それで統合する相手の練馬についても調べなきゃならないわけだ。ところが、アセスメントをやってないから、今みたいな問題が起きるんじゃないですか。
 なぜアセスメントが出てからこういう売却だとか統合の計画を立てなかったんですか。順序が逆じゃないですか。

○松澤証人 まあ、どちらが先かという問題になりますけれど、あくまでやはりアセスメントをやるにしましても、相手方といいますか、福祉保健局、所管のところが了解して、ある程度そういう形でやらないとできないわけでございますので、そういう面で進んでいないということでございます。
 そういうことを含めて、こちらの方でつくって、案はありましたけれど、なかなかこれが、九月の段階ではそういうお話もあって凍結状態になっていると、事実上ですね、そういうことになっているわけでございます。

○曽根委員 だって、アセスメントは、去年の七月までに第一次出すと。第一次を出すんだったら、当然この小日向の施設については出てなきゃおかしいですよ。
 というのは、第二次の総合計画の前に第一次総合計画というのがあるので、私見ましたけど、第一次総合計画には対象の物件のリストが全部挙がっていて、その中に小日向は入ってないんですね。第二次の直前の、恐らく第二次財政再建推進プランの中で出てきたんでしょう、初めて。
 ですから、ここを統廃合したり見直しするのであれば、当然アセスメントをやらなきゃ状況わからないわけですから、いち早くこれをやって、去年の七月までに結論出して、その上で本格的に話し合いをすると、局にも交渉に行くというならわかりますよ。しかし、アセスメントをやらないで、いきなり交渉に行っているんですよ。これは、実態として、統合構想が無理やりでも今ある専門学校を追い出してしまうことになるのがはっきりするから、アセスメントを避けたんじゃないんですか、実態は。

○松澤証人 これは、十五年の十一月に第二の財産利活用推進計画をつくった中で、研修所の見直しということが出たわけでございまして、そのときには具体的な、この件に限らず、まだメニューというのはできてなかったというふうに聞いております。
 それを、年が明けてから、具体的にやる組み合わせが、まずどんなものがチョイスとしてあるかということを、まず事務ベースで、財産運用部の方でつくって、それに基づいてどうアクションしていくかと、こういうふうな段取りになったわけでございまして、それが七月なり、あっ、八月なり九月と、こういうところから始まっていると、こういうようなことでございます。

○曽根委員 今の松澤証人の証言聞いても、なぜ、一昨年の十一月につくった第二次総合計画に基づいて、どうして去年の七月までにアセスメントが出せなかったのかの理由にはなっていません。
 はっきりいいまして、前回の宮川証人に対する証人尋問の結果を見ても、今の松澤証人の話を聞いても、どう考えても、この第二次総合計画が出されて、で、アセスメントをやるはずなのがやっていない。しかも、推進会議までつくってやったんですけれども、目玉である研修所も、ほかの局は全く動きがなくて、小日向だけが執拗に追いかけられているということで、全体が、とにかく小日向を練馬に持っていくということで、そこにだけ執拗に、何が何でもということで動いていたというふうに見ざるを得ないんですよ。あらゆるあなた方の証言から見ても。
 この点に、私たちは、やはり練馬の学院を問題にしながら、実は本音は、小日向の施設、研修施設の練馬への統合を何が何でも押し込むということに一つの大きなねらいがあったというふうに見ざるを得ないということを指摘して、尋問を終わります。

○山崎委員長 曽根委員の尋問は終わりました。
 続いて、藤田委員。

○藤田委員 松澤証人に、二度目でありますけれども、尋問をいたします。
 資料107、予算編成の流れということで、先般お聞きをいたしましたところ、財務局の施策、事業の精査をして、財務局の中ではどんなふうにそれを精査をして、そしてそれについて予算の決定になるのかということをお尋ねいたしましたけれども、改めて今回の問題について、どのような精査、検討をして、そして予算を認定をしたのかを伺いたいと思います。

○松澤証人 今回の社会福祉総合学院の件につきましては、十三年の四月に社会福祉総合学院が夜間、それから通信でスタートして、それが十月に変わりまして、それで夜間、直接やったものが民間に委託されると。それから、昼間の大部分が空き教室というふうになっていたので、これについてはプロポーザルでやって、民間にそれを活用させることによって賃借料が入ってきて、事業団そのものの経営の効率化、あるいは有効活用ということが図られると。そういうことを踏まえて、十四年度、予算要求が出てまいりましたので、この点については、私、主計部長の立場としても非常に好ましいといいますか、費用対効果あるいは効率化、効果の面でもいいということで判断して、これについては問題ないということで調整したわけでございます。

○藤田委員 この調整をしたとおっしゃいましたけれども、調査、調整の視点というものはどんなふうになっていますでしょうか。

○松澤証人 これはいろんな角度からやらなきゃいけないわけでございますが、私ども主計部というか、予算という立場、編成という立場からいくと、力点を置くところは、プラン・ドゥー・シーでいけば、間違いなくまず見積もりということでございますので、そういう面で、それぞれのやっていく施策が費用対効果の面で大丈夫なのか、それから先ほども申し上げましたように、効率性、効果性の面から大丈夫なのか、それから将来の財政負担がどういうふうになっていくのかとか、そういうことを中心に調整をしていくわけでございますが、ただ、まあそれに限らず、もちろんそれぞれの施策のいろんな重要性も含めまして、法的な問題、いろんなそういう問題もあわせて、当然その中で調整していくと、こういうようなものというふうに思っております。

○藤田委員 今おっしゃったのは、費用対効果や将来の財政負担などというようなふうにおっしゃいましたけれども、そのときに、その施策の実現性とか、あるいは法に適しているというようなことは調査をいたさないのでしょうか。

○松澤証人 もちろん基本的には、それは調査というか調整すべき事由のファクターだというふうに思っております。

○藤田委員 ということは、この社会福祉法人のいわゆる学校法人への委託というのは、法的に照らし合わせて、あるいは実現可能性があるというふうに認識をしたというふうに考えてよろしいでしょうか。

○松澤証人 今、委員の方からいわれた、その法的というのをどこまで深く吟味するかという問題はありますけれど、最終的に予算というものは、問題があって出ていくことはあり得ないわけでございますから、それぞれの予算というのは、問題なくちゃんとやったことを一つの前提に予算ということは調整すると、こういうことだというふうに思っております。

○山崎委員長 濱渦の答弁がおかしいんだよ。

○藤田委員 法的に問題がなかったのに、なぜ今回法的に問題があるというふうになるんですか。

○松澤証人 法的に問題があるというのは、違法とかそういう話ではなくて、今回は契約上の四条というもの、これはちょっと繰り返しになって恐縮でございます。四条に照らし合わせてどうかという問題でございますので、どこまで深くその問題をその段階段階で調整するかという、そういう問題がありますが、これも先ほどの答弁の繰り返しになりますが、主計部の調整として、それぞれ主査の段階、それから予算課長の段階、主計部長の段階、最後は財務局長の段階ということで知事に行くわけでございますので、そこの資料にもございますように、そういう中で当然精査するものは精査していくということになるわけでございます。

○藤田委員 実際にはですね、先ほどの幸田証人の尋問の中にもありましたけれども、公正証書など法的なものはすべてきちっとそろえてあって、そして、これに基づいてこの問題は、この政策は提示をしたというふうにおっしゃいました。私は、先ほど松澤証人が都民にどのような形で見えるかというのが問題だというふうにおっしゃいましたけれども、もう一回確認をいたします。都民に見える形が大事なのでしょうか。

○松澤証人 財産管理の問題は、やはり共通の都民の貴重な財産でございますから、それが都民にとって納得できるものということも含めてちゃんとはっきりさせないとこれはいけないことでございますし、また、私どもも、財産管理の立場から総合調整ということで知事の委任を受けてやっておりますので、日々そういうことをぴしっと都民の前にやっていくというのが責務というふうに心得ております。

○藤田委員 こういう問題は、私は、都民に見え方というよりも、どういう契約をきちっとしてきたかということだと思いますけれども、契約上は問題はなかったのでしょうか。

○松澤証人 これは、今回の包括外部監査の報告が出て、いろんなことが問題提起された中で、ダイレクトにはございませんが、私どもそういう中の一環として調査してきた結果として、やはり契約書の四条というものに照らし合わせてみて、平成十一年の三月に公有財産管理運用委員会に付議した福祉局からの提案理由、あるいは契約書の四条の中の事項から見て、現状から見るとそぐわないといいますか、不適正な部分があるということを今まで申し上げているところでございます。

○藤田委員 都民に対して見える形がどうであれ、契約がきちっとしているならば、これについて都民には説明責任がきちっとつきます。契約がこういうことになっていますから、形として九〇%であれ何であれ、使っていることというふうにいっても、これについては説明責任がつけばよいわけでありますから、そこのところはしっかりとできているはずだと思いますけれども、それでは、なぜ公募をしたところで違反の可能性ありというように提言ができなかったのでしょうか。

○松澤証人 これは、先生、平成十三年の十月の段階でそういうことができなかったというお話でございますが、これにつきましては、本来ならばちゃんとそういうことをやらなきゃいけないという部分はあったかもしれませんが、ただ、この契約書の四条とか、そこら辺の実態というのはなかなかその段階では、まあ、これは福祉保健局の方から財務局の財産運用部の方に協議があったとか、そういう相談があったとか、そういう話のことともつながってくるわけでございますが、基本的には主計部の方としては、全体的に予算という面から見ると、先ほど申し上げましたように、全体として政策的にもそういう面では問題ないと、こういうふうに認識してやったということでございます。

○藤田委員 資料の109番にも、皆さん方それぞれ判をついて、これには問題ないということで決定の承認等についてやっているわけですよね。それでなおかつ、この資料の先ほどお話しした110の中にも、先ほどもご紹介がありましたけれども、「都から事業団への土地の無償貸与への影響について」ということで、「財務局財産運用部に確認」という中にわざわざアンダーラインがしてありますよ。「用途を制限して施設を有償貸出することは、都有地の無償貸し付け理由には反しない、との確認を行っている。」というふうになっています。これが問題があるというのであれば、これはすなわち最終的に主計のこの予算を出すところで判こを押せないわけじゃないですか。なぜ判こを押したんですか。

○松澤証人 判こというのは、定款変更の……。それにつきましてはですね、三月にそういう協議が主計部長の方にあったわけでございますけれども、これについては、先ほど申し上げましたように、収益事業をやるということで、その基本的な方針というものは、さっき申し上げた予算の中でスキームを変えて、賃借料を取ってそれで収益を上げていくという考え方ですから、それについて協議の段階で、これはちゃんと文書主義で来ておりますけれども、ちゃんと判こを押したと、こういうことでございます。

○山崎委員長 調整なかったといえばいいじゃないか、はっきりよ。

○藤田委員 私に怒らないでください。
 先ほどもありましたけれども、本当に主計の主計たるゆえんは、お金をきちっとそこに、施策につけていくということは、それだけのものを持って主計たるゆえんだと私は思っています。それぞれの局が出してきたって、もちろんそこにはちゃんと文書もあり、そして、今回の場合には公正証書から念書から全部あれして契約を交わしたという、こういうところにあるわけですから、そこが間違っているというふうに思ったなら、そこで判こは押しちゃいけないわけじゃないですか。それに対して、ここを押してある。今回の場合はもちろん、今は収益事業に変わったというふうにいっておりますけれども、この問題はそうかもしれませんが、実はその前のときに、この変更をしますよといったときにも、これと同じようなものがあったんじゃないですか。これと同じようなものが、この福祉人材対策の充実ということで、民間に委託をしますよということをやったときにも、同じように主計は、こういうふうにしてきちっとそれぞれから上がってきたものに対してオーケーを出しているんじゃないですか。

○山崎委員長 そうだよ、藤田さん、そのとおりだよ。

○松澤証人 繰り返しになりますけれども、予算というのは、やはり出ていくときには、どういう面も含めて問題があるというものではございませんので、これは、私、個別に主計部長としてその部分がどうだったかという話の議論があったときには、正直な話も含めて、そこの財産、契約のところはあれだという話をさせていただきましたけれども、組織的に主計部全体としてこの予算が問題がなかったかといえば、これはもう問題がなかったという形でいわざるを得ませんし、また、それに違法性があるとか、そういう問題ではないわけでございます。
 ただ……

○山崎委員長 いいんだよ、ただまでいわなくて。

○松澤証人 もうちょっとだけ、済みません。ただ、そこら辺のところのそういうことを認識する前提として、福祉保健局の方から、これはもう財産運用部の方で了解しているとか、そういうような話があれば、もうそれはそれとして、主計部の方としては、問題はないということも含めてそこは了解していくということになりますので、そこら辺が事実上問題点があるかどうかというところは、まだこれは議論のところに入っているわけでございますので。

○藤田委員 先ほどもいいましたけれども、財産運用部に確認をして、ここには問題がないというふうになっているにもかかわらず、改めて今回、一月二十八日以降になって、学校法人が九〇%使っている、建物の使用が十九年以降も使われるということに対して問題意識を持った。じゃあ、それと、用途指定が違う、四条違反だというのとは同じですか。違うんじゃないですか。

○松澤証人 この確認をしてというのは、確かに今回110番の資料で出ているように、それぞれの段階でやっているわけでございますけれども、今、先生の方からお話のあった、了解をしているじゃないかというその部分については、あくまで財産運用部に確認ということになっておりますので、その財産運用部に確認されたかどうかという問題については、これはまあいろいろ議論のあるところでございますから、そう申し上げたわけでございます。
 基本的には、やはりこういう個別の土地、財産の問題とか、こういう問題を主計部が予算要求を受けるときには、例えば組織、定数でいえば総務局とか、ITの関係はそれぞれのところで十分に所管の要求局が協議して、それから持ってくるということがございますので、こういう財産管理の問題も、そこら辺のところがもう了解済みということになれば、主計部という立場で調整するときにはそこら辺を細かく、今先生からいわれた契約書の四条がどうこうどうこうとか、そういうようなところまで詳しく、担当者レベルでやっている部分もございますけれども、そういうことをやっていない部分がかなりあります。
 今回のやつは、そういう部分は特に資料の中にも載っておりませんので、まあ、ただ、何回もいいますが、全体的には、予算としては問題は結果的にはなかったというようなものというふうに認識しているわけでございます。

○藤田委員 二月二日に出された弁護士意見なるものがいろいろ出回っております。四番目に財務局が決して認めないことであるということが書いてありますけれども、松澤さんはそこの部分だけを、最後、ただというところに、そこにひっかけて、何があっても認めないというふうに思っているんじゃないですか。

○松澤証人 私はそんな認識、持ってございません。

○藤田委員 そうしたら、もう一度改めて聞きますが、主計の予算を確定するときに、では、主計の人たちが財産運用に意見を聞くということはないんですか。

○松澤証人 それは、ないということはございません。例えば、もちろん今回のも大きな問題なのかもしれませんが、事実関係としては、やはりそこら辺のところが財産運用部との間で未調整になったりしているということがあれば、これはやっぱり財産運用部の方と、当然同じ局ですから、やることは事実としてあるわけでございますが、そこがもうはっきりと調整されているということで要求が来れば、基本的にはやっぱり主計部としては、そこら辺を前提にしながら予算の調整を進めていくというのが現実の姿というふうにご理解をいただきたいと思います。

○藤田委員 しかしですよ、特例中の特例であるというようなことで定期賃貸、定借権が五年である。そして、そこには学校を認めるということであれば、五年で認めるかどうかわからない。普通に考えたっていろいろ問題ありだなって思わないんでしょうかね。私だって、素人の私だって、それはちょっと考えれば、どうなっているのかな、どうなっているのかなというのは、普通に考えれば、これは財産運用に確認をしてみようというふうに思うのが普通だというふうに私は思います。
 結局、今回の状況の中でいろいろと問題が上がって、そして一月の二十八日以降、前回の宮川証人の話の中には、特に局内でPTのようなのをつくったことはないというような証言をされましたけれども、今回の問題に関してはどのような形で調査を局内でしているんでしょうか。

○松澤証人 これは、特に今先生からお話あったような局内にPTをつくったりしてはやってございません。ただ、基本的には財産管理の問題が中心というか、ほとんどでございますので、財産運用部の組織を通じて調査をしていると、こういう状況でございます。

○藤田委員 そうしたら、主計の皆さんはここには参加をせずに、実際にどういう、どうしてこれがオーケーで判を押して、そして、財産運用の問題になっているのかというようなことについて議論をするような場は持っていないんでしょうか。

○松澤証人 今私が申し上げたのは、包括外部監査が出た後の対応の問題として、そういう形で取り組んでいるということを申し上げたわけでございます。

○藤田委員 もう一度、主計部と一緒にこの問題について話し合ったという事実はないのですか。

○松澤証人 これは、先ほど申し上げましたように、財産管理にかかわることがほとんどというか、中心でございますので、これについては、主計部はどちらかというと予算の方でございますので、基本的には財産運用部でこれを調査して、また検討していると、こういう状況でございます。

○藤田委員 ある意味ではいいかげんに判を押したみたいなもんですよ。主計部がしっかりとかかわっていかなかったら、主計部はどういうふうにしてこれを、判こを押したのかということをきちっとある意味では釈明しなくちゃいけないわけですよね。そこに責任というものが出てくるということを考えれば、一緒になってこの問題について普通は議論をするかと思います。だとしたら、弁護士意見となるもの、これにひたすらこう(「しがみついて」と呼ぶ者あり)しがみついて、そうですね、そういう状況の中でやっているというふうにしか私には思えません。
 それで、先般の宮川証人にもお尋ねをいたしましたけれども、実際にはこの79番、資料79番、弁護士に対してご相談を申し上げた、このことについて、きちっと報告書のような形でもうメモができていますでしょうか。

○松澤証人 メモというか、特にそういうものはできておりません。

○藤田委員 先般もお尋ねをいたしましたけれども、もう既に週刊ポストの報告、四月二十二日では、A4判で九ページにわたる法的な分析、検証、事業団との交わした書類などの資料が添付されたものがつくられているというふうにいわれておりますけれども、もう調査は終わっているんじゃないんですか。

○松澤証人 先ほども申し上げましたように、まだ調査中でございますし、もちろん入り口ということではございませんが、それなりの申し上げたような、答弁で申し上げたことは出ておりますが、これからそういう事実関係をさらにちゃんと深く分析して、最終的にできるだけ早くこれをまとめていかなきゃいけないと、このように認識しております。

○藤田委員 私は、調査はというか、出ているものは、もう私たちのところにもおおよそ出ているわけですよ。公正証書もあります。念書もあります。契約書もあります。すべて出ているわけなんです。それに対して、何をあと自分たちの考えとして調査をしようというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

○松澤証人 二つございますけれども、特にまだはっきりしないのは、借家権の問題で先ほど申し上げましたけれども、今後もそれが継続されるかというところについて、福祉保健局の方に三月二日で文書で照会しているわけでございますけれども、三月十五日の回答ではまだ協議中だということもございますので、やはりそこら辺のところをはっきりさせなきゃいけないということを思っております。

○藤田委員 これは、契約はまさに十九年三月で切れると書いてあるんですよ。それ以上のことはどういう問題を、さらに再契約はできる、議論をして、そこで調整をするということは書いてありますけれども、ここで切れると書いてあるんですよ。契約ということをしっかりと見てくだされば、何を調査したいのかが明らかにわかってくるわけでありますから、そうすると、一月の二十八日からやっていることはもう二カ月以上になろうとしていますけれども、そういう問題ではないというふうに私は思います。
 そして、先般お尋ねをしました、先ほどの証人にもありましたけれども、小日向の土地と、それから練馬の土地とを問題にしていたときに、これを交換しよう、あるいは研修所を練馬に移そうというようなときには、全部事実はわかっていたんじゃないですかというふうに宮川証人に聞きました。そうしたらば、基本的にそういう視点を持ち合わせて検討はしていませんというふうに答えがあったわけでありますけれども、これについてはいかがでしょう。

○松澤証人 事実関係については、包括外部監査の一月二十八日の報告、事前説明会の報告が出てからかなりいろんなことがわかったということでございますので、その前の段階で私どもそれについて、具体的にそういうものについてまだそういうようなレベルの認識までいっていないと、こういうことでございます。

○藤田委員 財産運用を、運用する資格はありませんね。交換しようというからには、そのくらい普通にきちっと考えてから、あるいは片方が違法性があるというようなことをいうようなことがあるんだったら、そこを先に議論して、そしてこれを交換していく、あるいはこちら側に移ってもらうということがあり得る話であって、そこを何もわからないでやるということは、一方的に知事がもとの状態、そこにまず練馬を出ていってもらうというような原状復帰にしなければ、現状をもとに戻さなければいけないというところに固執しているということからしても、非常に疑惑がなお一層その部分で明らかになってきたというふうに私は思います。
 以上で尋問を終わります。

○山崎委員長 藤田委員の尋問を終わりました。
 松澤証人についても長時間でございますので、この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後九時十九分休憩

   午後九時三十四分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 証人、財務局長松澤敏夫君に対する尋問を続行いたします。
 発言を許します。
 高島理事。

○高島委員 どうも松澤証人、ご苦労さまです。もうあと私が最後でございますので、基本的なことをきちっとお聞きするだけでございますので、ぜひ気楽に真実をお述べいただきたいなと心からお願い申し上げます。
 さて、本委員会における三日間、延べ九名の尋問を通して基本的な事実が明らかになりました。これから、証人尋問を交えながら、きょうまで明らかになった事実を時系列に整理して述べたいと思っております。
 まず、二月の二十五日の知事の記者会見での発言についてであります。知事の発言の要旨は、委託は知っていたが、賃貸方式への見直しは認めた覚えがない。学校は三カ月でできるものではなく、残っている文書の中には特例中の特例とか、念書なるものがあって、大変な問題だ、けが人が出るかもしらんねというものでした。
 このうち、まず認めた覚えがないという点については、幸田証人によって、平成十四年一月二十五日に知事への説明が行われていたことが判明し、その際の資料も記録ナンバー44として提出されたのであります。
 次に、学校は三カ月でできるかという発言ですが、設置許可が二カ月でされている事例が複数、この場合は二例ですけれども、ありましたと。
 また、特例中の特例については、明文規定にあるただし書きを適用することを特例と表現したものにすぎないこと、さらには念書についても、設立事務に必要な範囲のものであったことが山内証人の証言と提出記録によって明らかになりました。
 このように、知事が会見で示された疑問は、すべて問題がなかったことが明らかになっているのですが、既に明らかになっているのですが、唯一解明されていないのは、けが人はなぜ出るのか、それはだれを想定したのかだけになったのであります。私たちは、かねてから知事に対する説明者氏名と説明資料を記録請求していましたが、不存在という回答でした。
 ところが、突然、去る二十二日の本委員会において、櫻井証人が、自分が説明したこと、そして、濱渦副知事が同席したことを証言し、知事も再度、再度の記者会見まで開いて、櫻井証人に調査を指示し、報告を受けていた事実を明らかにしたものであります。このことについては、先ほどから各委員から松澤証人にいろいろとお話の中で、十分今までのことはご理解をされていると思いますが、間違いないと思います。
 当初、出納長室が知事説明者の氏名や資料を不存在としていたにもかかわらず、櫻井証人の対応が変化した背景には何があるのか、そして、けが人が出るかのように意図的な説明を知事に行った動機は何であったのか、今後究明すべき課題が浮き彫りになったのであります。
 さて、本委員会を設置するきっかけとなったのが、三月十四日の予算特別委員会での民主党中村委員の質疑、そして、これに対する濱渦副知事の答弁でした。疑念が発しられた、補助金が正当ではないかも、正当な形で、不法でない形で処理されないといけない、本当の形に戻すという、予算を提案している側の責任者にあるまじき答弁であったわけです。
 ところが、三月二十九日の本委員会において、濱渦副知事は、予算特別委員会での不法答弁の意味を、将来の改善に向けたものと無理やり修正したのであります。
 三月二十五日の予算特別委員会では、実は私の質問に対して、大塚副知事が違法性はないと明確な答弁をしておりますが、これは、予算特別委員会に先立って開かれた知事と全特別職の会合で確認した、過去の問題には触れず、将来の改善に向けて取り組むという方針決定を受けてのことであろうと推察をされております。濱渦副知事の答弁修正も、こうした方針変更に基づくものであることは明らかだと思っております。
 この方針変更は、関係者の過去の行動、答弁や証言との重大な矛盾を招きました。細かくは申しませんが、副知事の指示による三局での調査内容、前回、櫻井出納長が作成したことが明らかになった三月一日の三局長に対する知事の指示文書、予算特別委員会前半や財政委員会での答弁は、すべて違法、不法な事態があるかのような前提においてなされていたからです。
 これまでの調査によって、こうした矛盾の実態も既に十分に明らかになっているところであります。ところが、出納長、財産運用部長だけがいまだに不法、違法の議論の大もとである契約についての見解を変更するとまさに自分たちの立場が崩壊してしまうというジレンマに陥っており、社会常識では理解できない証言を繰り返して、当委員会の運営が長時間にわたる一因となっているのであります。
 さて、松澤証人、今私どもがこのような事実関係を確認しながら、これから証人尋問を交え進めていきたいと思っております。証人も、今私がいったことについては、その趣旨を十分ご理解をなさっていらっしゃると、そういう認識を持っているわけでございます。
 そこで、まず初めに、松澤局長は、証人は、二人の副知事の見解、つまり、事前は違法性はないと述べておりますが、そのことについて証人は断言できるでしょうか、お聞かせいただきたい。

○松澤証人 今回の社会福祉総合学院の件につきましては、私もこれまでに答弁しておりますが、予算面、財産管理面については違法性はないというふうに認識しております。

○高島委員 まさに副知事、お二人の副知事がお話をした財産面、予算面では違法性がない、そういうふうに証人が述べられていますので、そのことだけはきちっと確認をとらさせていただきました。
 次に、契約関係についてであります。委員長のお許しをいただければ、再確認の意味で、提出されている記録資料の写しを証人や委員の皆さんにごらんをいただき、そして話を進めていきたいと思いますが、委員長、よろしいでしょうか。

○山崎委員長 はい、どうぞ。

○高島委員 合わせて実は五部ございます。一部ずつ確実に配布をさせていただきたいと思いますが、それもご了解いただきたいと思います。

○山崎委員長 はい、どうぞ。

○高島委員 じゃ、よろしくお願いします。

○山崎委員長 時間もったいない。

○高島委員 はい、済みません。済みません。手間をとらせて申しわけない。
 そこで、ごらんになっていただいてもわかると思います。松澤証人も既に何回もごらんになっていると思いますが、この公正証書、この公正証書ですね、この公正証書は、だれとだれの間で取り交わされたのか、お述べいただきたい。

○松澤証人 お答えいたします。
 これは、定期建物の賃貸借契約の公正証書でございますので、社会福祉事業団と敬心学園の間で取り交わされたものというふうに理解しております。

○高島委員 証言いただいたように、これは、東京都社会福祉事業団と敬心学園の間で取り交わされた建物定期賃貸借契約にかかわって作成された実は公正証書です。
 資料の中に下線で、マーカーで線を引いて示してあるように、五年後の再契約の条項はあるものの、更新などという文字は全くありません。再契約と更新が全く異なる意味であるということは、私どもが説明するまでもないわけでございます。五年で契約が一たん切れることは明確に示されていると私は認識しております。公正証書を作成した双方合意の上、五年間の建物定期賃貸借契約が成立しており、このことに対してどなたも疑念を差し挟む余地など全く、全くありません。
 次に、知事発言にあった念書についてであります。
 済みません。次、念書をお願いいたします。
 お手元に配布した二種類の文書のうち、学校設立にかかわって生活文化局に対して提出されたものを知事は念書と私は理解されていると思っております。これは、いわば許可申請書類の一部なんですね。これらの書類は、建物賃貸契約に全く影響を与えないものであることは、もう一つの文書、これがタイトルが念書となっている敬心学園から東京都社会福祉事業団へ提出された文書で、見れば一目瞭然だと思っております。
 そこで、松澤証人、この文書は、だれがだれあてに提出されたものか述べていただきたい。

○松澤証人 今お手元にいただいた念書のところに書いてございますように、学校法人敬心学園理事長、小林理事長から社会福祉法人東京都社会福祉事業団の理事長あてに出した念書ということでございます。

○高島委員 もう一つは、よろしいですか、済みません。もう一つは、事業団から生活文化局の方へ出したやつですよね。建物定期賃貸借契約が成立している以上、五年で賃貸借契約が一たん終了することは、法律上全く疑義はありません、この文書を見ても。
 ただいま証言をいただいた念書は、生活文化局に事業団が提出した文書、これは、先ほどいったように、知事の考えている念書によって、建物定期賃貸借契約に影響を及ぼさないよう補強する意味でですよ、敬心学園から事業団に提出されたものであり、念書の存在が疑義を呼び起こすようなものでないことは全く明らかであります。
 したがって、一部の委員が疑念を表明している土地の転貸などということは存在し得るわけがなく、土地利用は、社会福祉総合学院の運営に支障のない範囲で、建物を借りれば付随的に当たり前の土地使用を行っているだけであります。これは、賃貸マンション、一戸建ての住宅等の契約をするときに、底地ですよ、底地の転貸をしているなどだれも考えないんですよ。民間ではごく当たり前の契約関係であることは、都民の方ならだれでもご理解をいただけるものと私は考えております。
 ところで、要求資料86には、当時の福祉局生活福祉部から出された平成十四年度予算要求資料の二次経費要求事項、事業名、東京都社会福祉総合学院の運営費補助というものがあります。これもひとつお願いをいたします。これは、先ほどお話をなさった、証人もお持ちでしょうけれども、あえてお渡しをさせていただきたいと思います。
 この今配布をした資料の二枚目、実はこれ相当厚い資料でございまして、私どもも、この資料86で、こんな厚い資料でございます、このうちの実は二枚だけコピーをして、各委員の皆さんにお配りをいたしました。ただいま配布したその資料の二ページ目の、二〇-五九のページ、ちょっと二枚目を開いていただくと、証人わかると思うんですけれども、これもくどいようだけど、確認のためでやらせてもらっています。
 先ほども東村委員もいろんな話が出たり、この資料を使わせていただいているんですが、都から事業団への土地の無償貸与への影響について、その欄、このちょうど下ですね、線を引いてあるところです。「財務局財産運用部に確認」として、「事業団が運営主体であること、リカレントを中心とする福祉人材養成事業を運営すること、を満たした上で、教室等の有効利用の観点から、用途を制限して施設を有償貸出することは、都有地の無償貸し付け理由には反しない、との確認を行っている。したがって、これまで行ってきた土地の無償貸し付けには影響は及ばない。」と記載があるんですよ。
 これは、従来からの学校運営を見直すこととなり、そのため福祉局が財産運用部に協議をしたことを示すものであり、予算査定作業において、主計部の担当課は、要求資料に書かれていることを同じ、同じですよ、財務局の財産運用部に問い合わせ、そう確認できたからこそ主計部長査定まで持ち上げてきたものであり、また、そう説明したはずなんですね。
 本件に限らず、予算査定とは、単に数字を云々するものではなく、要求された施策や事業について、その方針や考え方に納得しなければ要求を認めることはあり得ないものです。財政制度担当副参事、公債課長、財政課長、そして主計部長まで経験した証人、主計部長に長かったあなたは、それこそ私からすれば、釈迦に説法だと思っているんですよ。
 何なら、この考え方に基づき主計部の担当が作成した資料、三表というんでしょうね、三表というんですが、ここにも明確に貸し付けの件の記載をされているわけです。それもちょっと今お願いします。ちょっと配布してください。
 先ほどの資料、これは、福祉局が主計へ出す、そのときに財運に確認をとった。しかし、主計部も財運に今回のことについて確認をとっている。そしてまた、それは、お手元の資料、これは三表、これは主計の方で出した資料なんです。ここにも黄色い斜線で、今回の事業、あえて必要なら読んでもいいんですけれども、「運営方法の見直し」、「研究科のリカレント教育を民間事業者に委託実施させる。その際に、当該民間事業に施設を一括して貸し出し、事業団が施設使用料及び建物維持管理費を徴収するとともに、受託事業者は施設の日中における活用を行い、福祉人材養成を展開する。」と書いてあるんですよ。これ、全くそういう話です。三表。よろしいですか。
 こうした仕事の仕方については、先日、我が党の大西委員の尋問に対して、財務局長経験者である櫻井出納長もそう証言していました。しかし、櫻井証人は、何と続けて、証人、本件で問題となっている点について、当時の主計部の担当者がしっかりやっていたらと証言したんですよ。この証言を聞いて、金曜日の委員会が終わってから土日に通じて、私のところに、はらわたが煮えくり返る、怒りで血管が切れそうだという主計部の関係者の声が随分私のところへ届いてきているんですよ、証人。
 そこで、あなたは当時主計部長でしたから、従来から予算を認めてきた東京都社会福祉総合学院の運営が変更することについては、当然変更に伴う諸問題についての説明を聞き、納得したからこそ学院にかかわる平成十四年度予算を認めたものに違いありませんよね。それが予算査定というものでしょうよ。認めたことに記憶がない、そんなことはありませんよね。許されません、そんなことは。
 あるいは忘れたとしても、先ほどから述べているように、主計部の予算査定の事務の常道からいって、主計部長として理解、納得したからこそ認める査定をしたんだと思いますが、どうですか。みんなあなたの証言に注目していますよ。これ以上、部下や、今までの主計部で本当に日夜、それこそ多くのものを犠牲にしてまで誠心誠意仕事をしてきた職員の皆さんに、悲しませるようなことはしてほしくない。いかがですか。

○松澤証人 私はですね、自分のやっている責務を逃げるとか、そういうことでいっているわけではございませんし、一貫して主計部の予算調整の仕方といいますか、先生にとっては釈迦に説法かもしれませんが、そういう話の中で答弁をまず基本的にさせていただいているわけでございます。
 今お話がございましたように、藤田委員のところでも答弁させていただきましたが、主計部の予算の調整というのは、各局から要求があった段階で、担当主査、それから予算課長、それから、ちょっと長くなって恐縮でございます、それから主計部長という段階でやっておりますので、結果的にこれを松澤個人がどうこうしたという話の中で、私の方は、限られた時間の中で、そういう契約の細かいところまでという答弁をさせていただきましたが、基本的な組織としての予算という中では、これは基本的に問題ないといいますか、先ほど申し上げましたが、ちゃんとした予算として出ていっていると、こういうふうに認識しているわけでございます。

○高島委員 よくわからないご答弁なんですね。
 先ほどから話しているように、福祉局は、これだけの膨大な資料をもって、念には念を入れて、この十四年度の査定についてですね、財運の方にきちっと確認をとる。主計も確認をとる。福祉局は、財務局の財産運用部に確認をとって、そして、主計部も同じように確認をとって、そして、主計部の予算でもきちっとそのことを明記してね、主計部長、当時あなたが主計部長なのよ。それも、全く私わかりません、部下が勝手にやったんです、それはそんなこといったってさ、そうしか答えられないでしょう。十分認識しています、私が主計部長としてこれを理解しています、認めていますじゃなかったら、予算、どんどん上がっていかないんですよ、局長、証人。どうですか。もう一回。

○松澤証人 まあ、主計部の予算調整というのは、主計部長が最後の段階でございますので、そういう意味合いからいえば、私の主計部長の調整の中で、今、高島先生からいわれたことも含めて、基本的には、予算的に問題ないという形で調整をしたということになると思います。

○高島委員 それでは、当時主計部長の松澤証人は、このことについても十分認識して理解をしたというふうに私どもは思わさせていただきます。そういうことでおっしゃっているんですからね。
 次に、あなたは、三月二十九日の当委員会で、社会福祉総合学院の外部委託に関し、福祉局が財務局に公有財産管理運用委員会への付議協議を行ったところ、財務局は必要ないと回答したのではないかと、実は私の質疑に対してですね、付議が必要ないといったこともないし、協議の事実もないとご答弁なさっているんですよ。わかります。もう一回いいましょうか。はい。
 あなたは、三月二十九日の当委員会で、社会福祉総合学院の外部委託に関し、福祉局が財務局に、公有財産管理運用委員会への付議協議を行ったところ、財務局は必要ないと回答したのではないかとの私の質問に対してですね、付議が必要ないといったこともないし、協議の事実もないとあなたは答弁しているんです、証人は。そのことの確認です。ご証言いただきたい。

○松澤証人 私、たしか予算特別委員会のときの答弁した話の中ではですね、ちょっと今、議事録があれですから、ちょっとはっきりしませんが、財産運用部に対して、福祉保健局の方から八月に事前にですね相談があって了解したんじゃないかということに対して、現段階では調査しているところであるが、事前の相談はしたかもしれないけれど、了解した事実はないというふうにたしか答弁させていただいていると思います。その後、いろいろな事実関係を調べて、当時の担当者の方に聞いたら、そういう相談の事実もなかったということでございますので、名取委員のご質問のときに対しては、そういう相談の事実も、それから了解した事実もない、こう答えたというふうに記憶しております。

○高島委員 要するにですね、三月二十九日、当委員会ですよね。そこで付議は必要ないといったこともないし、協議の事実もないと、そういう答弁をしたことは事実なんですよ。
 そこでですね、平成十四年三月二十五日福祉局決定の「社会福祉法人東京都社会福祉事業団の業務運営に関する協定事項の承認について」、こういう文書も実はあるんですね。先ほど藤田議員からあったやつ。これもちょっと今配ってもらいましょう。
 そうそうそう。それね。気がつかなかったの。このこともいろいろあるんですね。まあ、今お手元に行ったやつですけど、これも各委員の皆さん十分ご存じだと思います。先ほど藤田委員もご質問なさいました。平成十四年三月二十五日の福祉局決定の「社会福祉法人東京都社会福祉事業団の業務運営に関する協定事項の承認等について」という文書ですね、これが。これは、事業団の社会福祉総合学院の建物設備等の貸付事業の実施に伴って、福祉人材養成のための教室の貸付事業、これはご承知のように、収益を目的とする事業を加えるため、事業団の定款変更の承認を求めてきた内容の福祉局原議ですね。この原議の協議の欄には、松澤主計部長の判、それから、証人、あなたの判が押されておりますと。
 そこで、もう一度確認のために、収益事業の追加等による定款変更については、社会福祉総合学院の外部委託に伴う措置、措置であり、当時の主計部長が承認書類に判を押したということは、総合学院の建物設備等を敬心学園に貸し付けることを知らなかったとはいえないんだと思うんですよ。どうですか。

○松澤証人 この協定事項の三月二十二日の承認の、私、協議の判こでございますか、今、先生からお話がありましたように、これ、定款変更ということで、収益事業をやるということでございますので、これについては、先ほど答弁しましたように、平成十三年の十月のスキームの変更の中で、予算編成の中から出てきた問題ということで、それを予算が出ていった後に協議が来たということで、そういう形でこれは判こを押しているというか、そういう理解をしているわけでございます。

○高島委員 済みません。能力がないんでね。スキームはわかっていたと。しかしね、この内容はわからなかったと。だけど判こを押したということですか。もう一回、その辺詳しく説明してください。

○松澤証人 基本的にはですね、今まで十三年度予算まで運営費補助が出ていたわけでございますが、これが平成十三年十月の福祉保健局の見直しによりまして、社会福祉総合学院の夜間と通信については直営から委託に切りかえたということと、それから、空き教室がいっぱいありましたから、これは事業団としての資産の効率化、あるいは経営改善に資するということで、その部分について収益事業を始めるということでございますので、これは十四年度予算にそういう形で要求が出てきたものの流れの一環としてですね、それが事業団の今度は定款変更に結びついてきているわけでございますので、そういう形で協議の判こを押していると、こういうことだというふうに理解しております。

○高島委員 くどいようですけどね、そういうまさに流れなんですよね。委託業務をやり、そして、昼間あいている、どうしようか、空き教室を何とかしましょうと。そういう中で、貸しましょうよね、そういう中できちっと手順を踏んでやっていって、そして、当然、収益事業になるから、定款変更になる。このことも判こを押しているんですよね、くどいようだけど。当然、主計部長として松澤証人は全部わかっていて、さっきから、流れも、スキームも、どこへ学校へ貸す、事業団が貸し付けるということも十分全部わかっていて、だから判こを押したんでしょうよ。それを、スキームがどうとか、よく確認もせずに判を押しているんですと、そういう話になっちゃうんですよ。私は、当然十分認識して、わかっていて、すべて理解してやっていると、それ以外何物もないんですよ。
 これまでのやりとりで明らかなように、そして、再三再四申し上げているように、空き教室の有償貸し出しは、社会福祉事業団が運営主体であること、リカレント教育を中心とする福祉人材養成事業を運営すること、この二点を満たした上でですね、教室等の有効利用の観点から、用途を制限して施設を有償貸し出しすることは、都有地の無償貸付理由には反しないとの財務局見解を受けて行っているものであり、土地の無償貸付契約の第四条の用途変更には当たらない、このことを財務局自身が明言しているんですよ。
 この考え方に基づき予算査定も行われ、ただいま証言を求めた社会福祉事業団の定款変更の協議も財務局は受けているんですよ。そうでしょう。本百条委員会の席でも、空き教室の有償貸し出しについては、松澤財務局長も宮川財運部長も評価しているんですよ、ずっと。実際、建物貸付料収入が都財政の負担軽減に貢献しているのも事実であります。
 社会福祉総合学院の問題は、これまでの調査の結果を見ると、つまるところ、庁内の手続にしかすぎない財産管理運用委員会に付議しなかった責任は財務局なのか福祉局なのか、それも、いったいわないという次元の問題だけに絞られており、私どもは、財務局のミスだと思っていますよ。既に全体として違法、不法の事実がないことは、先ほどあったように、大塚、濱渦両副知事の証言するとおり、明らかになっているんですよ。
 いずれにしても、これまでの証言や記録により、財産管理上も問題なく、都財政の負担軽減にも大きく貢献していることが立証されているわけですから、これは内部の手続論にこだわり、ためにする議論を繰り返すことは、都民の目線で見れば、全く奇異な行動に映るしかないんですよ。
 不可解といえば、先週金曜日の知事の夕方の記者会見で、知事が、これはほとんど同じ時点でこの問題の資産の転売する計画があった、どういうつもりで、どういう額で売るか知らないけれども、論外の話だと発言されているんですよ。証人もお聞きですよ。松澤証人、この話知っていたんですか。

○松澤証人 私は特に承知しておりません。売却という話は、何回も申し上げていますように、研修施設の見直しの中の小日向のセンターを売却という話は、我々の案の中にございましたけど、社会福祉総合学院の売却という話は、私は全然承知しておりません。

○高島委員 財産を処分できるのは、一義的には知事の権限である、そうですよね。その権限の委任を受けている財務局長以外あり得ないんですよ。このような話があれば、財務局が知らないわけがないんで、こんな事実は本当にあったのかどうか、もう一回確認をとらせてくださいよ。

○松澤証人 私の方は承知しておりません。

○高島委員 先ほど福祉保健局長の答弁に、昨年の八月に、包括外部監査人から、この建物の購入を敬心学園に打診したというような話があったんですよ。にわかに信じがたい話です。包括外部監査というものは、財産の処分にまで踏み込んでよいものでしょうかね。また、このことを利用して、このことを利用して、知事に誤った情報を上げ、だれかが上げているんですよ。また、そのことがあの発言につながったとしたならば、大変な問題になるんですよ。まさにね、君側の奸、ここにきわまりですよ。
 大体、議会の議決も経ずにですよ、資産を転売できるはずもなく、ましてもや、包括外部監査人からそのような打診があるなど、全く信じがたい話ですよ。余りにも荒唐無稽な話であり、知事が記者会見で発言されたとおり、論外な話なんですよ。
 松澤証人に関して、本委員会の証言を通じてですね、幹部とは何か、上司とは何か、責任のとり方は何かという話がずっと出ているんです、私自身からも。特にあなたの都庁人生の大半を過ごした主計部では、失礼ないい方だけど、だれも信じられない、ついていきたくない、そういう人いろいろあるんですよ。そんなことでことしの財政運営、来年度予算編成なんかできるんですか。

○松澤証人 私は、財務局長として、今回の件でいえば財産管理の面、また予算編成の面も含めてですね、自分の職責を果たすべき、懸命にやってきているつもりでございますが、今委員からそういうお話を聞くと、非常に残念というか、私にも一端の責任がどこかに、そういう話がもしあるとするならば、それはあるのかもしれませんが……。
 ただ、予算に限っていえば、今回の件について、私は、特に私が判断しなくて、主計部の中に転嫁したとか、そういうことは一言も申し上げてなくて、主計部の職員もみんなその段階段階で一生懸命やっておりますし、私が最後の判断という、主計部の段階では判断ということになりますので、最終的な結果責任も含めまして、調整というものは私の責務だと、こういうふうに認識しているところでございます。

○高島委員 あなたはね、主計部が長かった。それから、財産管理部門は弱かったのかもしれません。主計部が長かったのでね。あなたはね、僕なんかからすると、蚊帳の外に実は置かれているんですよ、もう。あなたは実は被害者なのかもしれません。どうですか。
 先日、赤星証人はね、包括外部監査のこれまでの報告のあり方は、執行機関側に一カ月も早く報告していて、並行、同等であるべき議会への報告が遅くなっていることについては、今後直していきたいと明確に証言しましたよ。あなたもね、僕は最後のチャンスだと思っている、機会だと思っているんですよ。どうかしっかりと考えて、今回のてんまつ、今回のてんまつについて、何か自分自身できちっと思いのたけをいうことがあれば、証言することがあれば、私はぜひ聞かせていただきたい。今回の件について、どうですか。

○松澤証人 包括外部監査の報告を踏まえといいますか、報告が出てからですね、この社会福祉総合学院の問題、この中の問題の大きな要素が、財産管理の問題という部分がファクターとしてあったわけでございます。したがいまして、やはりこれは都民の貴重な土地も財産でございますから、やはりこれについて事実関係をちゃんと明らかにして、そして、都民の前にやっぱりぴしっとした形でですね、そこら辺をこれからどうしていくかということも含めまして、明らかにしていくことが非常に重要なことだというふうに認識しております。

○高島委員 今回の社会福祉総合学院をめぐるさまざまな問題は、本来、庁内の関係者で調整し、処理できる程度の話だったんですよ。ところが、この軽微な問題をけが人が出るような大きな話として知事に吹き込んで、一体何のためだったんでしょう。これを実は解明しないと、今回の問題の本質は見えてこないんですよ。そのことを僕らはじっくり考えて、これからもこの百条委員会の中で大いに尋問していきたいと思っております。
 これを最後に、私の尋問は終わらせていただきます。

○山崎委員長 高島理事の尋問は終わりました。
 ほかに発言がなければ、証人、財務局長松澤敏夫君に対する尋問は終了いたします。
 松澤証人、長時間ありがとうございました。
 ご退席して結構でございます。
   〔松澤証人退席〕

○山崎委員長 この際、委員から発言の申し出がありますので、これを許します。

○柿沢委員 過日、四月二十二日の櫻井出納長に対する証人尋問の私の尋問の中で、私の発言として、その前の高島理事のご発言についての言及をさせていただきました。その点について、さきの理事会で事実に反する指摘があるというご指摘をいただきました。私も見返してみましたけれども、そのように受け取られたとするならば、その部分についての議事録からの削除というものをお願いしたいというふうに思っております。
 また、そうしたご認識を持つような表現をしたということについては、私もおわびを申し上げたいというふうに思います。
 また、あわせて当日の、これは生活文化局長、山内局長に対する証人尋問だったと思いますが、東村理事のお名前を間違って引用させていただきました。これは明確に間違いでございますので、当日のご指摘を受けて、私も間違えましたと申し上げましたけれども、改めてこの点についてもおわびを申し上げたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 本日、証人尋問に入る前にも申し上げましたが、証人、東京都議会議員富田俊正君から、お手元配布の証人再出頭請求についてのとおり、証人としての出頭はいたしかねる旨の通知が議長にありました。
 この際、証人、東京都議会議員富田俊正君の出頭拒否の理由についてを議題といたします。
 本件に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。

○名取委員 ただいまご提案がございました富田議員に対する再々出頭請求についてでありますが、富田議員に対する証人再々出頭請求について、都議会民主党の意見を述べさせていただきたいと思います。
 地方自治法第百条第一項の規定による証人出頭請求は、同項の地方公共団体の事務の調査の範囲に該当する場合でなければなりません。この事務の調査の範囲は、本委員会の設置要綱に示された調査事項の範囲であります。
 証人再出頭請求に当たっては、委員長より四点について喚問の必要があると、さきの、これは四月十九日の委員会で示された点でございますが、まず調査事項の(2)並びに(5)について民主党委員より尋問があった点が挙げられていますが、これが理由になるのであれば、本委員会の委員全員が証人として出頭しなければならないことになり、到底正当な理由とはいえません。
 三点目に、民主党の政策責任者として運営に問題点があるという認識に至った云々という点が挙げられましたが、そもそもこれらの点は本委員会の調査事項ではなく、理由にはなりません。仮にこれが理由になるのであれば、運営に問題ないという認識に至った云々を理由として、自民党、公明党の政策責任者も証人として出頭を請求しなければならず、到底、正当な理由とはいえません。
 四点目は、中村議員の資料についてでありますが、議員の資料、情報等の入手先を明らかにすることは、今後の議員の調査、行政監視、政策提案活動に重大な支障を来すものであり、議会人として自殺行為であると思います。
 以上の点によりまして、出頭に対して拒否をしたいというふうに思います。
 あわせながら一点だけ、これはお許しをいただいて発言をさせていただきます。
 実は、ただいま高島理事から貴重なご資料を提供いただきました。この中の、平成十四年度二次経費要求事項という資料であります。
 先ほど二ページ目をよく見てくださいということを高島理事はおっしゃっていました。この高島理事が斜線を引いた部分であります、黄色い。ここに「財務局財産運用部に確認」、「事業団が運営主体であること、リカレントを中心とする福祉人材養成事業を運営すること、を満たした上で、教室等の有効利用の観点から、用途を制限して施設を有償貸出することは……」(「それ、おかしいんじゃないの」「違うよ」と呼び、その他発言する者あり)

○山崎委員長 ちょっと名取先生。

○名取委員 「無償貸し付け理由には反しない、との確認を行っている。したがって……」(「委員長、おかしいよ、先ほどのとあんた違うよ」と呼び、その他発言する者あり)「これまで行ってきた土地の無償貸し付けには影響は及ばない。」、この資料をいただきましたので、ちょっと先ほどいいましたように(発言する者多し)……させていただきたいと思います。

○山崎委員長 名取理事、今は議題と違うことをやられると、おれも困っちゃうの、委員長として。今は、富田さんの再々喚問についての各意見をいいたいということでいったにもかかわらず、それを、先ほどの尋問のことをそこで反論するなり意見をいうということは、それは議会の、先ほどの打ち合わせどおりじゃなくなってしまう。これについてはちょっともう控えてもらいたい。

○名取委員 できれば、採決の後にでも発言の機会をいただきたいと思います。

○山崎委員長 それはまた理事会があるから、理事会でやりましょう。

○曽根委員 富田議員の再喚問への出頭拒否の理由の正当性について、日本共産党の意見を述べます。
 四月十九日の委員会で申し上げたように、本委員会の設立の趣旨は、都の自治事務の調査にあり、議員の証人喚問には、議員自身に調査事項について明白な疑惑が存在するとの具体的根拠が示されなければなりません。十九日の委員長の示した四つの理由も、これには該当しないと考えます。したがって、富田議員の証人喚問自体が誤りであり、これについては拒否するのは当然というふうに考えます。
 あわせて、再々喚問の提起についても、日本共産党は、同じ理由から反対いたします。
 以上です。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 証人、東京都議会議員富田俊正君の出頭拒否については正当な理由がないものと認めることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立多数と認めます。よって、本件はさよう決定いたしました。

○山崎委員長 次に、証人、東京都議会議員富田俊正君に証言を求める事項の補足説明について議題といたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 富田議員に証言を求める事項の補足説明は次のとおりです。
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会は、三月十四日の予算特別委員会における民主党議員の質問を発端として設置されたところである。事実を解明するためには、民主党の政策責任者である富田議員の証言が不可欠である。
 こうしたことから、民主党富田議員には、出頭請求書の証言を求める事項(1)から(5)のほか、(6)その他調査に必要な事項の内容として、以下二点を中心に証言を求めたいので、本委員会の証人喚問に真摯に応じられたい。
 一、民主党の政策責任者として東京都社会福祉総合学院の運営に問題点があるという認識に至った経緯及び理由並びに問題点の内容。
 二、理事者側から資料等を受けて予算特別委員会での質問に至ったとの疑問があるが、この事実の解明。
 以上。
 以上のとおり、委員長から富田議員に文書をもってご通知することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 賛成多数と認めます。よって、本件はさよう決定いたしました。

○山崎委員長 次に、証人、東京都議会議員富田俊正君の証人再々出頭の件を議題といたします。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 証人、東京都議会議員富田俊正君を来る五月二日午後一時、証人として再度出頭を求めることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立多数と認めます。よって、本件はさよう決定いたしました。
 さて、そこで、委員長から発言をさせていただきたいと思うんですが、とにかく長時間にわたって証人も大変なご苦労だったと思います。また、皆さんも当然のことながら、長時間苦労するのは当然のことでありますが、私の中間のまとめということでちょっと聞いておいていただきたいんですが、前回の二十二日の委員会の最後で、今後の当委員会での審査のあり方について、私見ではありますが、一定の整理として提言させていただきました。
 しかし、これまでの三回、そして本日の証人喚問を精査する中で、いま少し時系列に整理をして当委員会の審議に寄与したいと、こう思いまして、ご提言をしたいと思います。
 確かに提出された記録は段ボール箱三箱に及び、実質審議は四十時間に及ばんとしており、尋問する側の我々も、登壇いただいた証人も、そして要求した資料の収集分析、作成にかかわる職員にも大変なご協力をいただいております。
 そこで、今後の本委員会の審議の方向について、改めて委員長として総括したいと思うんです。
 まさにきょうまで証言や提出された記録の分析により、社会福祉総合学院に関する疑念あるいは疑惑というものは、かなり解明されてきたと認識するからであります。
 申し上げるまでもなく、この百条委員会設置の発端は、三月十四日の予算特別委員会における中村議員の質問と濱渦副知事の答弁でありました。予算案を提案する側の責任者である副知事みずからが、その予算案の中に不正、不適正な内容があるかのごとき発言をすることは、我々議会としても驚きあきれるばかりでなく、議会軽視も甚だしく、また、まさに石原知事の提案する予算案を汚し、都民の代表である議会をなめてかかった行為と断罪せざるを得ないのであります。
 副知事は、議会は何を怒っているのかいまだ理解されていないかもしれませんが、みずからの発言の重さを自覚していれば、あなた方は私の発言の真意を理解していない、過去のことを問題にしているのではなく、将来違法なことが起こらないように用心した方がいいといったまでのことなどという、当事者意識の欠如した逃げの証言などできないはずであります。
 さらに、二月二十三日以降、「歪んだ補助金」という産経新聞の予断に満ちた報道、翌々日二十五日の知事記者会見の発言、そして予算特別委員会における濱渦副知事発言、さらにいえば、その後の週刊ポストや民主党富田議員のホームページなどの攻撃的な論調などが、既に論拠を失っていることは明らかであります。
 一つには、知事が会見で示された疑問はほぼ解明されたことが明らかになりました。そして、再三にわたる資料要求にもかかわらず明らかにされなかった知事への会見に先立つ説明者は櫻井出納長であったことが、櫻井証人自身の証言から明らかになり、しかも詳細な資料に基づき自分が説明したことと、濱渦副知事が同席したことが明らかになったのであります。
 そこで今後は、櫻井証人の対応が変化した背景には何があるのか、そして、けが人が出るかのように意図的な説明を知事に行った動機は何であったのか、今後究明すべき課題が浮き彫りになったのであります。
 次に、濱渦副知事の方針の変更についてであります。
 本委員会を設置するきっかけとなったのが、三月十四日の予算特別委員会での民主党中村委員の質疑、そしてこれに対する濱渦副知事の答弁でした。疑念が発しられた、補助金が正当でないかも、正当な形で、不法でない形で処理されないといけない、本当の形に戻すという、予算を提案している側の責任者にあるまじき答弁であったわけですが、三月二十九日の本委員会において、濱渦副知事は、予算特別委員会での不法答弁の意味を、将来の改善に向けたものと無理やり修正したのであります。
 予算特別委員会において、大塚副知事が違法性はないという明確な答弁を行ったのは、知事と全特別職の会合で、過去の問題には触れず、将来改善に向けて取り組む方針を確認したことによると推定されますし、濱渦副知事の答弁修正も、こうした方針変更に基づくものであることは明らかであります。
 社会福祉総合学院の問題は、これまでの調査の結果から見ると、契約や財産関係には全く問題はなく、つまるところ庁内手続にしかすぎない財産管理運用委員会に付議しなかった責任は財務局なのか福祉局なのか、それも、いったいわないという次元の問題だけに絞られており、既に全体として違法、不法の事実がないことは、大塚、濱渦両副知事の証言するとおり明らかとなっているのであります。
 本来、この程度の問題は庁内の関係者間で調整し、処理できる話でありましょう。ところが、この軽微な問題をけが人が出るような大きな話として知事に吹き込んだのは、一体何のためだったのでしょうか。これを解明しないと問題の本質は見えてこないのであります。
 また、知事もいっているように、これは本来理事者側の問題であります。ところが、予算特別委員会で不法発言をし、議会が取り組むべき問題に化けさせたのは、ほかならぬ濱渦副知事であります。根も葉もないことを政治テーマに化けさせようとすることに何の意図があったのでしょうか。我々は今後これを究明するとともに、都政に前代未聞の騒動を起こした責任を追及しなければなりません。
 これまでの調査の過程で、濱渦副知事の都政運営のあり方に今回の問題の大きな原因があることが浮かび上がってきました。濱渦副知事が知事に上げる情報と人事権を独占し、他の副知事が意思形成に関与できないのであります。濱渦恐怖独裁政治への反感は庁内に充満し、臨界点に達しております。こうした状況を招いた濱渦副知事とその取り巻きの関係者の責任を究明し、都政運営を正常化することなしに、社会福祉総合学院問題の真の解決はあり得ないと確信するわけであります。
 したがって、結論として、今後、本委員会は包括外部監査報告にかかわる事実問題について尋問を終え、高島理事が提案したように、子細な話を大きくした動機とその責任、庁内で解決すべき問題を、民主党を介して議会に持ち込んだ疑惑の経緯とその責任、そして都政運営の正常化という三点に調査テーマを移し、徹底的に真相を究明していくことが、本委員会に課せられた今後の使命であると確信するわけであります。
 以上、今後の本委員会の審議の方向について、ここで委員の皆さんに確認してほしいという委員長からのお願いであります。
 本日出頭を求めた証人に対する尋問は終了しました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時三十六分散会

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