社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会速記録第七号

平成十七年四月二十二日(金曜日)
 第十五委員会室
 午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長山崎 孝明君
副委員長木内 良明君
副委員長野村 有信君
理事東村 邦浩君
理事高島なおき君
理事大西 英男君
理事名取 憲彦君
柿沢 未途君
松村 友昭君
宮崎 章君
服部ゆくお君
曽根はじめ君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 委員外の出席者
証人
東京都出納長櫻井 巖君
東京都総務局長赤星 經昭君
東京都財務局長松澤 敏夫君
東京都福祉保健局長幸田 昭一君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査(証人喚問)
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項
証人出頭要求について

○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本日の議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○山崎委員長 次に、本委員会の今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく証人喚問を行います。
 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
 初めに、付託事項調査のため、百条調査権に基づく記録の追加提出要求を行います。
 要求のある方は発言を願います。

○野村委員 平成十四年三月ごろ、福祉保健局、当時の旧福祉局が、社会福祉事業団の定款変更に際しまして総務局、また財務局と協議をされている、その資料を提出願いたいと思います。
 あと一つ、先ほど理事会で申し上げたのでございますが、ちょっと失念しておりますので、思い出したら後ほどまた……。

○東村委員 さきの証人喚問で、宮川財産運用部長の証人尋問で答弁いただきました緒方弁護士との顧問契約書、それから、そのときに非常勤職員という位置づけをされましたので、非常勤職員としての身分を明らかにする文書、そしてこの緒方弁護士がその顧問契約を結ばれてから今日に至るまで担当された事件の案件、この一覧を提出願いたいと思います。

○曽根委員 一点目は、財務局の顧問弁護士の一覧表をお願いします。
 二つ目は、前回、濱渦副知事の行動記録をお願いしましたが、実際に出てきた資料は日程であって、実際に庁有車の運行記録との、昨年の九月十五日など違いがあるということで、改めて行動した記録の資料を、提出をお願いします。

○野村委員 平成十三年十月ごろから平成十四年三月にかけて、福祉局が、十四年度予算を財務局との協議に当たりまして、特に社会福祉事業団の予算関係につきまして財務局主計部予算課と折衝を持っておりますが、その要求を受けとめた側の財務局主計部の予算担当者の記録をお出しいただきたいと思います。

○山崎委員長 ほかに……。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 この際、お諮りいたします。
 ただいま野村副委員長、東村理事、曽根委員から要求がありました事項につきまして、付託事項について調査を行うため、知事等に対し、四月二十五日正午までに記録の提出を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。

○山崎委員長 これより、東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
 本日、出頭を求めました証人は、出納長櫻井巖君、総務局長赤星經昭君、財務局長松澤敏夫君及び福祉保健局長幸田昭一君、以上四名であります。
 次に、本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
 この際、各証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由なく証言を拒んだときは、罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 委員会室内の方々は、全員ご起立ください。
   〔全員起立〕

○山崎委員長 証人、出納長櫻井巖君、代表して宣誓書を朗読してください。
   〔証人櫻井巖君朗読〕
     宣誓書
 良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また
 何事もつけ加えないことを誓います。
  平成十七年四月二十二日
櫻井  巖 

○山崎委員長 それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
   〔各証人宣誓書に署名捺印〕

○山崎委員長 ご着席願います。

○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略いたします。

平成十七年四月十四日
証人 櫻井  巖
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   島田 幸太郎
2 住所   東京都中野区
3 生年月日 昭和二十六年二月二十二日
4 職業   地方公務員(東京都出納長室副出納長)

平成十七年四月十三日
証人 赤星 經昭
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   相上 孝司
2 住所   千葉県松戸市
3 生年月日 昭和二十二年十一月七日
4 職業   東京都職員(主席監察員)

平成十七年四月二十一日
証人 松澤 敏夫
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   櫻井  務
2 住所   東京都多摩市
3 生年月日 昭和三十二年九月五日
4 職業   東京都職員

平成十七年四月十三日
証人 福祉保健局長 幸田 昭一
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月二十二日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   吉川 和夫
2 住所   野田市
3 生年月日 昭和二十五年七月十七日
4 職業   地方公務員

○山崎委員長 お諮りします。
 本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 各委員に申し上げます。
 一つ、尋問中に他の委員等が委員長の許可なく証人に発言すること、二つ、尋問中に会派の主張や個人的な見解を述べること、三つ、証人の人権を侵害するような発言をすること、このようなことは厳に慎んでいただくとともに、職員の個人名を出すことは最大限ご配慮いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、出納長櫻井巖君以外の証人におかれましては、こちらからお呼びするまで一たんご退室いただき、控室においてお待ちいただくようお願い申し上げます。

   〔櫻井証人着席〕

○山崎委員長 初めに、証人、出納長櫻井巖君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは櫻井巖君ですか。

○櫻井証人 はい、櫻井巖でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○櫻井証人 東京都出納長、昭和二十年十月九日でございます。

○山崎委員長 それでは、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 大西理事。

○大西委員 この百条委員会は、深夜にわたる審議がずっと続いてきて、きょうもまた予定では一時二十分までかかるそうでございますので、私は、極めて効率的に、要点だけをお尋ねしてまいりたいと思います。
 まず、十六年度の社会福祉事業団に対する建設費補助の四回分の支給の執行を福祉保健局が要求したのに対して、出納長室が執行の停止を求めたと聞いています。なぜそうした判断をされたのかについて、まずお聞かせを願いたいと思います。

○櫻井証人 今のお話でございますけれども、福祉保健局から三月二日に私ども出納長室の方に支出命令書の持ち込みがされました。翌日、私に報告があったわけでございますけれども、この件につきましては、ご存じのとおり、包括外部監査におきまして、抜本的見直しが必要であるという社会福祉総合学院に関することでもあったわけでございまして、また、知事から既に関係局に調査の指示も出ていたということでございます。
 そういう中で、私どもとしましては、公金の支出に当たりまして慎重を期した方がいいだろうということをもちまして、福祉保健局の考え方、どうしていくのかというところのすり合わせをしっかりしておいた方がいいだろうと、そういう意味で福祉保健局の方に照会をしたということでございまして、今、先生お話がありました執行停止ということではございません。

○大西委員 これは言葉のあやですけれども、事実として執行は停止されたわけですから、執行停止、こういうふうに私どもあえて表現させてもらいたいと思うんですね。
 しかも、外部監査から指摘をされたのは今後の問題であって、今日までの問題についてではないんですね。そして今回支給するのは今後の、まだ平成十七年度予算が成立してないんだから、十六年度中の予算の執行についてなんだから、その点については、継続性を確保していかなければならない準債務負担行為の支払い、執行をとどめたというのかな、あなたのいい方をすれば。これは、十七年度の予算の提案中に、特別職として責任ある立場としてどうしてこういう行為が行われたのか、まことに不可思議だと思うんですけれども、いかがですか。

○櫻井証人 今申し上げましたように、包括外部監査で補助金のことについても少し触れられております。そういうことで、私どもとしては、公金でございますので、慎重にすり合わせを所管局とした上で、考え方を統一した上でやっておいた方がいいだろうと、そういう判断のもとにやりました。
 なお、先生、今執行停止とおっしゃいましたけれども、これは支払い期限が実は月末まででございまして、いわゆる会計処理期間中にそういうところはしっかりやっておいた方がいいだろう、そういう判断のもとにやらせていただきました。

○大西委員 長い間のこの審議時間の中で、こうした補助金や今日までのこの学園にかかわるさまざまな問題について、法的な違反はなかった、不正はないし、疑惑がなかったということが、今後の問題は別ですよ、明らかにされてきたわけですよ。
 そして、そうした今日の状況において、あなたがなさった、いろんなへ理屈をこねていらっしゃるようだけれども、年度内に払えばいいんだから、それを年度内中に討議をしたんだから、支払い停止なんていわれる覚えはないとおっしゃるけれども、事実、精査をする、福祉局に対して調査をした、そういうことについては、何らかの疑義を持っていたはずだから、ここでこうやって何らの疑義も不正もないということが明らかになった今、そうしたあなたの特別職としての行為について、今どういう感想をお持ちか、ちょっとお聞かせください。

○櫻井証人 出納長は、知事とも議会とも独立して会計処理を担わなくちゃいけない職責を持っております。したがって、その職責を全うしていかなくちゃいけないということでもちまして、今申し上げましたように、しっかり所管局と私どもの方で考え方をすり合わせておいた方がいいだろうと、そういうことで照会をし、月末までの中で、会計処理期間中にそういうことをしっかり整理しておいた方が無難だろうと、そういうことで慎重を期してやった、そういうことでございます。

○大西委員 これは、あなたが義務と責任を果たすためにそうやったと、あえておっしゃっておられるけれども、私たち客観的に、この支払いが滞ったということについて、その裏に何かあるのではないかという大きな疑義を感じることは事実です。そして、これらの今の審議の経過の中で、ああした執行停止と思われるような行為をあなたの職責において行ったということは、あなたが特別職として誇りを持っておられるのなら、もう少し厳しく自己の責任を感ずるべきだと私は率直にご指摘をして、次の質問に移ります。
 出納長の財務局長時代についてお尋ねしていきたいと思います。
 社会福祉総合学院の運営について、平成十三年十月ごろ、福祉局が財務局に対して公有財産管理運用委員会への付議協議をしたとき、その必要なしと回答した。一方、財務局は、そのような事実はないと否定しているわけですね。
 当時、既に社会福祉事業団に係る十四年度予算査定を当時の松澤主計部長が進めていたときの財務局長として、都と事業団との土地賃貸借契約を含む一連の社会福祉事業団が、事業について、特に社会福祉総合学院の外部委託について、どの程度あなたは把握していたのか、お尋ねをいたします。

○櫻井証人 先生、ちょっとご確認を含めて、失礼でございますけれども、松澤が、主計部長が、主計部長のときには、私はまだ財務局長に就任しておりませんで、記憶ですと十五年から私は財務局長ということでございますので、少しちょっと、その時点ではまだちょっと……。
   〔「あのときは田原局長」と呼ぶ者あり〕

○大西委員 ああ、そうか。はい、わかりました。
 このときは、ちょうど福祉改革を、石原都知事の改革姿勢の具現化として行政側も議会も挙げて取り組んでいた時期ですね。そして福祉局は当然、そうした福祉改革の理念について、あるいは施策について財務局に説明をしていたと思うんですね。財務局として正確に把握しているとするならば、予算管理上、または公有財産管理上、この福祉法人にかかわる改革について注意義務を怠っていたのではないか、こう考えざるを得ないのですけれども、その点についてはどう考えますか。

○櫻井証人 十四年当時ということじゃなくて、私自身が在任しておりました財務局長ということで責任を考えてみれば、それは予算編成全体の中で、これは既定経費ということで、私どものレベルまで、いわゆる局長査定というレベルまで上がってくる大きな事項じゃないということで、担当レベルで、課長レベルであるいはやったかもしれませんけれども、その段階においても、しっかりやっぱり所管局あるいは所管課の方でですね、主計部の、きちんといろんなことを精査した上で予算査定に臨むというのが、それは重要なことでございますので、そういうところについてきちんとやったらどうか、それは、私自身が例えば財務局長時代でいえば、しっかり確認しなくちゃいけなかったと、そういう責任はあったというふうには思っております。

○大西委員 これ、その当時にしっかりと確認をしておけば、こういうような問題というのは起きなかったはずなんですよ。今、都政におけるこうした混乱を招いた原因というのは、その時点にやっぱりあったのではないかと指摘せざるを得ないですね。今この時点で、あなた自身の責任においてしっかりと、これらの事態を招いた責任の一端があなたの財務局長時代の執務にあったということについて、率直にお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○櫻井証人 先生おっしゃいますように、十四年度予算編成に当たって、福祉局と財務局がもう少し予算編成の中で財産管理も含めてしっかり精査していれば、こういうことを招かなかったということは、おっしゃるとおりだろうと思います。
 十六年度の予算編成に当たりまして、私、就任したわけでございますけれども、その際にも、もう少し担当レベルでもしっかり精査をしておけば、先生方にこのような形でもってご迷惑をかける事態に至らなかったという責任については自覚をしております。

○大西委員 これね、私たちも四年に一度の審判を目前に、こうしているんですね。そういった中で、都政に何らかの不正があった、疑惑があったのではないかということが、特定のマスコミ報道によって都民の間に先入観を持たせるような事態に立ち至っているんですね。しかも、都政新報の中に、自由意見として、こういうふうに三十代の係長級の人がいっていますね。「人事抗争のために、一部マスコミを使って疑惑を捏造するという小説まがいのことが都庁で行われたことに大きなショックを受けている。都庁を二分する騒ぎとなっており、このままでは都民の信頼を大きく損ねることになる。」、こういう意見が出されているということも、我々はさもありなんと、こう感じるんですね。
 今、庁内で、白組、赤組あるいは黒組、こういった幹部職員の相関図みたいなのが出回っていることがあるんですよ。そして、これは本当にゆゆしき事態ですね。ゆゆしき事態ですね。そしてこれは、私たち、百条委員会を設置してこうした審議を続けていく目的の一つは、こういった人事におけるさまざまな疑惑--疑惑というか、職員も不審に思っている、あるいは対外的にもマスコミを通じて、あたかもそういった人事抗争によってこういった事件が捏造されているかのごとき報道も、一部にはあるわけですね。
 こういった事態というのは、私たちはしっかりと解明をして、そしてちょうどこの四月は、夢と希望にあふれて、東京から日本を変えるんだという石原都知事の姿勢に共鳴をして、多くの優秀な職員たちが入庁したばかりのときですよ。この夢と希望にあふれているこれからの都政を担う人材が、どのような今心境でいるか、私たちは心配でならないわけでございまして、こうした事態を今日招いてきたその遠因が、あなたの財務局長時代の、そうした福祉局とのそごによって生まれているということは、あなた自身も責任を感じるといったわけですけれども、これについて、あなたは率直にどういうような今お考えを持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○櫻井証人 先生、重ねて申し上げますけれども、十四年の、この社会福祉総合学院の運営形態の変更といいましょうか、そういうときに私まだ財務局長に在任していませんので(大西委員「その後、財務局長として就任したから」と呼ぶ)はい、十六年度のときに、これは直接局長査定という中で接しておりませんけれども、財務局長としては、そうはいっても、財産管理と予算にかかわっているわけでございますから、そういう意味で結果責任があると、そういうことについては自覚しております、先ほど申し上げましたように。
 そういう中で、やはりこれはしっかり、私の調査では、財産処理がいささか問題点があると思っておりますので、そこをしっかり今後も精査した上で、学校が現実にある、そこに生徒さんがいらっしゃる、そういうことも踏まえた上で、都民の目線でしっかり対応策を考えていかなくちゃいけないと、そういうふうに考えております。

○大西委員 次の質問に移ります。
 包括外部監査にかかわる包括外部監査報告に基づいて、財務局は、社会福祉総合学院を、定期賃貸借契約の契約期間五年を経過後、契約更新時に、社会福祉事業団に敬心学園がその施設を返却することを文書で求めているんですね。相変わらず小日向の研修センターとの統合案に拘泥しているんじゃないかと思うんですね。どのような理由なのか、公有財産利活用委員会の副委員長としてお答えをいただきたいと思います。

○櫻井証人 その財務局の文書はちょっと別としまして、財産利活用の関係で申し上げますと、そもそも財務局長時代に、財政再建との関係で、都有財産の有効活用というのを検討いたしました。そういう中で、局の壁を超えるというのが一つの懸案でございましたので、一つの事例としまして、都民の方々に直接影響ない職員の研修施設、こういうものを一つの事例として、そういう集約化あるいは局の壁を超えた取り組みができないかということで検討したことは事実でございます。
 それが、都有財産利活用推進会議の中では、残念ながら実質的には凍結状態にございまして、それ以前に、都有財産の利活用推進会議という取り組みの中では、緊急を要する取り組みがございますので、先生が今お話にございました小日向とのお話ございますけれども、種々検討をしたことは事実でございますけれども、それはすべて今現在では凍結状態で一切動いてない、そういう状態にございます。

○大西委員 知事、副知事の指示による調査委員会の運営について、百条委員会が請求した記録によると、出納長が三局長に対し調査指示の統括的立場に立っていると聞いていますけれども、いつ、だれの指示によるものなのかをお聞かせいただきたいと思います。

○櫻井証人 今先生のお話の調査委員会というのは、それは特別職で構成するお話か、それとも全然違うお話か、ちょっと十分確認できなくて申しわけありませんけれども、私が三局長、今先生お話がございました三局長に対して直接調査を指示するとか、そういう立場には一切立ってございません。

○大西委員 それについては、今後またちょっと調べてみたいと思います。
 最後に、あなたは出納長という、知事の選任、議会の同意を得た特別職というお立場ですよね。四副知事も特別職です、これはもちろん。本来特別職は、知事のもと、長の補佐機能を果たしながら、特別職相互間においてその独立性を維持するのが、その職への都民の信頼を得ることになるんだと思うんですね。あなたは現在特別職として、副知事との関係において、その独立性を確固たるものとして維持しているのかどうか、自信を持って出納長の職務上の権威を保っていると考えるのかどうかについて、お尋ねをしたいと思います。

○櫻井証人 非常に難しい尋問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、事会計処理に至りましては、知事と、あるいは大変失礼ではございますけれども都議会の先生方とも独立して、しっかりした公金の収入支出、これをやっていかなくちゃいけない、そういう職責を担っているということは十分自覚しておりますし、それに当たって、今までも一切、知事あるいは副知事等と、どうしようかということでやったことはございません。これはもう出納長として十分職責を果たさなくちゃいかぬという自覚を持って、今後も努力をしてまいります。
 ただ、この件につきましては、実は知事から特別な指示をいただいておりまして、種々知事と直結してやっているという事実はございます。

○大西委員 終わります。

○山崎委員長 木内副委員長。

○木内委員 予特での濱渦副知事発言に端を発した今回の問題に関する都庁職員の皆さん全体のこの憂慮というものは、今日極めて大きいものがあるわけでありまして、それぞれの立場からの対立というものが構図となって今庁内にまで広がっておりまして、こうした経過に伴う職員の皆さんの疑心暗鬼あるいは動揺など、大変に危機感すら覚えるほどの憂うべき状況が今広がっているといっても過言ではないと思います。
 先日発行されました都庁関係の報道によりましても、都政の行く先を真剣に憂うる職員の声が数多く掲載されていたのは、証人もよくごらんになっているところだと思います。しこうして、今回のこの件が表ざたになる前から、庁内の状況は何ともいえない閉塞感に覆われてきているということが指摘できるわけでありまして、この百条委員会でも、私は再三にわたって、都庁の空気の刷新、真の都政改革というものが必要だということを申し上げてきているわけであります。
 そこで、まず証人に率直にお尋ねするわけでありますけれども、現在の都政を覆うこうした閉塞状況について、どう思われますか。

○櫻井証人 今現在都庁の中に、先生がおっしゃるような形でもって、さまざまな、いうならば職員の思いが錯綜していることはあろうかと思います。
 私ども執行機関としては、一日も早くこの社会福祉総合学院に関する諸問題をしっかり整理して、執行機関の責任で、先生方の前にも都民の皆様の前にもしっかり説明責任を果たしていくような方策をお示しすることが非常に重要であろうと。そういうことをもって、職員の皆さんにも安心してこれからも汗をかいて職責を全うしていただくよう、特別職の一人としても努力しなくちゃいかぬと、こういうふうに思っております。

○木内委員 率直に、この百条委員会が設置をされた理由、それから、今おっしゃられた現実的な閉塞状況についての関連、またその原因は何だとお考えになっていますか。

○櫻井証人 職員から見れば、この百条委員会、大変重い都議会の権能というか機能といいましょうか、これが発揮されて今日があるわけでございまして、そういう執行機関と議決機関の都議会との関係、そういうものを職員一人一人がさまざまな形で心配をしてくれているというふうに思っておりますし、私自身も大変、特別職の一人として憂慮しているし、率直にいってじくじたる部分もございます。
 ひとえに今回の問題は、私ども執行機関がしっかり、相互に連携をとって対応すべき部分でございますので、その職責を、執行機関としての職責を果たせるよう、その一員としてこれから汗をかいてまいりたいと心から考えております。

○木内委員 今証人が一部証言された中で、いみじくもいっておられました。執行機関の一員としてのというお立場でのお気持ちを証言していただいたわけでありますけれども、とりわけ証人は、濱渦副知事の側近としての実は立場がよく職員の間でいわれるわけでありますが、この側近といわれることと、この状況に対して責任を感じられることはありませんか。

○櫻井証人 濱渦副知事には大変失礼でございますけれども、側近といわれるのは、私にとってはまことに心外でございます。特別職それぞれで役割を分担しなくちゃいけない、そういう立場にあるというふうに自覚しております。

○木内委員 濱渦副知事の側近といわれることが心外であるということを、もう少し詳しくお述べいただけませんか。

○櫻井証人 私は、都の職員として本分を尽くすと、そういう職責があると、そういうことを十分自覚してやっていると、そういうことでございます。

○木内委員 今後いろいろお聞きをしていくわけでありますけれども、私は、さまざまな状況から、証人がこの問題に深くかかわっておられるのではないか、こういう実は思いを強く持っているのであります。したがって、そうしたお尋ねを今したわけであります。
 今のご自分の職責を果たそうとしておられるという証言がありました。確かに、これまで尋問してきた局長あるいは部長とは異なりまして、証人は議会の同意を得た特別職でいらっしゃる。その点では、先ほど申し上げた、この問題に深くかかわっておられるのではないかという私のこの疑義というのは、裏を返せば我々にも実は責任があるわけでありまして、今後お尋ねすることについてはひとつ誠実に証言をお願いしたい、こう思うわけであります。
 まず、証人と濱渦副知事との関係についてでありますけれども、確認をさせてください。石原都政が誕生し、濱渦氏が都庁に来てからの証人の経歴をまずお述べいただきたいと思います。

○櫻井証人 細かい年月まで覚えてませんけれども、衛生局の企画担当部長と総務部長、病院経営本部長、財務局長、それで現在でございます。

○木内委員 あえて誤解を恐れずに申し上げれば、ここ数年の証人の出世の速さ、こういったいい方は大変世間的過ぎるかもしれませんけれども、これに言及する人が多くいるわけでありまして、この出世の速さ自体に瞠目する人々が多いというのも事実でありまして、これはもう証人ご自身はお答えにくいかもしれませんけれども、異例ともいえるスピード出世について、証人ご自身はどうお考えでしょうか。

○櫻井証人 私が特に言及すべきことはございません。申しわけありません。

○木内委員 通例といいますか慣例といいますか、庁内のこれまでの人事のあり方と客観的に比較して、そのスピードについてはいかがでしょうか。

○櫻井証人 私自身が好んで職についているわけじゃなくて、知事のご判断のもとで任命をされているということでもって、任命された職に本分を尽くしていると、そういうことでございます。

○木内委員 ご自分の意思ではないけれども、しかし結果としてこうなっている。そうした、人間だれしも持っている上昇志向というものはおありだと思いますけれども、際立ってそういうことをお持ちだというご自身の認識はありませんか。

○櫻井証人 難解な尋問をいただいておりますけれども、私自身は、都民の奉仕者として、給料をいただいている分、汗をかかなくちゃいけないと、そういうことで全うしていきたいというふうに思っております。

○木内委員 特別職やあるいは局長の人事は、最終判断は石原知事がされるということであります。しかし、選考過程での、現実としての濱渦副知事の影響力というものは大変に大きいということは想像にかたくないわけでありますけれども、この点については、証人はどうお考えですか。

○櫻井証人 濱渦副知事がその人事の関係でどのくらい、どういうふうに役割を果たされているか、私はわかりませんけれども、特別職あるいは都の職員それぞれがチームを組んでともに汗をかいていく、そういうことは非常に大事なことだろうということに心得ております。

○木内委員 職員それぞれが汗をかいてという、一般論としての努力のあり方はよくわかります。
 濱渦副知事のこの選考過程における影響力についてはどうお考えですか。

○櫻井証人 わかりません。

○木内委員 次に、社会福祉総合学院に関する包括外部監査報告についてお尋ねをします。
 まず、この件についての基本的認識でありますけれども、社会福祉総合学院の設置、敬心学園への業務委託についてどのように考えておられますか。

○櫻井証人 今おっしゃったのは、社会福祉総合学院の十四年四月からの業務運営委託ということで受けとめさせていただければ、福祉改革の一環として、さまざまな形で福祉サービスをアップする一つの手法として、あるいは選択肢としてあったんだろうと、そういうふうには考えております。

○木内委員 今非常に微妙な、これまでのご答弁と違うところがありますのは、選択肢として可能であっただろうと。これまで、当時の政策判断として妥当であったということをお述べになっていると思うのですが、いかがですか。

○櫻井証人 業務運営委託という単体で考えれば、それも都政の業務を運営する手段の一つの選択肢でございますから、それを選ぶというのも一つの判断だろうというふうに思っています。
 ただ、今回の場合はそこと違った要素が出てきていると、それが財産の問題だというふうに考えております。

○木内委員 言葉をかえれば、この十四年における設置、業務委託等について、当時の政策判断としては正しいものであったというふうにはお考えになりませんか。

○櫻井証人 社会福祉総合学院がやっていた業務を運営、それを委託するというのは、一つの福祉改革の手法としてあったんだろうというふうに考えております。
 ただ、この場合は自主事業というのが伴っているわけでございまして、これは委託でも何でもなくて、全く私学の世界の話になっているわけでございまして、そういうところがもう少し精査をしていかなくちゃいけないかなというふうな部分であろうと、そういうふうに考えております。

○木内委員 今のお考えは、当時指摘をされ、また、この内容についての協議を、検討を行うよう行動したことがございますか。

○櫻井証人 十四年の当時あるいは十三年からのことであるならば、一切関与してございません。

○木内委員 恐縮ですが、当時どういうお立場におられましたか。

○櫻井証人 たしか記憶では、衛生局の総務部長の席にあったかなというふうに記憶しております。

○木内委員 当時の選択肢の一つであるということは、いわゆる政策、事業展開の妥当性がありということでもあると思いますが、どうでしょうか。

○櫻井証人 当時の社会福祉総合学院がやっていた事業、これをですね、いろんな形で民間の力をかりてやろうというのは、政策判断として一つあると思いますし、成立もし得るというふうに考えております。

○木内委員 学院の現在の状況に法律違反があると思いますか。

○櫻井証人 今先生がおっしゃった学院の状態というのは社会福祉総合学院ということであるならば、それは、その業務を臨床専門学校、いわゆる敬心学園に委託しているということでございますので、その範囲内の運営業務委託の部分であるならば、何の違法性もないわけでございます。

○木内委員 先日の財産運用部長が証人喚問で証言されておられましたけれども、契約違反についてはどうお考えですか。

○櫻井証人 今回の財産の関係で、いわゆる東京都と事業団の間で土地の契約があるわけでございますけれども、その契約ということであるならば、用途、使用目的、財産のですね、財産というのはそれぞれ使用目的があるわけでございまして、その使用目的からすれば目的外使用の状態になっているなというふうに考えております。

○木内委員 出納長の考え方そのものについては、適否は別にして、よくわかりました。
 次に、証人と社会福祉総合学院とのかかわりについてお尋ねします。
 今回の外部監査報告を聞く以前に、この学院について、職務上どのようなかかわりを持ち、どのような認識をお持ちでしたか。

○櫻井証人 社会福祉総合学院という、広く、幅広くとらえて申し上げますと、先ほど申し上げましたように、財務局長時代に、都有財産の利活用のプランを財政再建との関係で検討しようということで、いわば検討を開始したわけでございます。そういう中で社会福祉総合学院の存在というのは知っていたということでございます。

○木内委員 幅広くとらえて、財務局長時代に検討を開始されたと。検討を開始されたのはいつですか。

○櫻井証人 財務局長時代、十……、次年度の予算編成に先立って、夏ごろからいろんな予算編成に向けての取り組みを始めましたので、その中でいわゆる着手したということでございます。

○木内委員 今よく聞き取れなかったんですが、平成何年ですか、検討開始は。

○櫻井証人 十五年の夏ごろというふうに記憶しております。

○木内委員 十五年夏は、恐縮ですが、何月ですか。

○櫻井証人 大変恐縮ですが、月までは記憶しておりません。

○木内委員 私が仄聞するところ、平成十五年の夏という今お話でしたけれども、この年の十五年三月、証人が病院経営本部長時代に濱渦副知事と学院を視察されたという話がありますけれども、これはご記憶ありますか。

○櫻井証人 記憶にありません。

○木内委員 これは、冒頭申し上げたように百条委員会でありますので、事実については、もう一度確認をいたしますけれども、あるいは必要ならば補助員との打ち合わせをされて結構ですから、その事実があったどうか、もう一度証言願えませんか。時間を置いて結構です。

○櫻井証人 申しわけありません、記憶にありません。

○木内委員 これはまた後ほど、改めての機会にお尋ねをしたいと思っておりますけれども、あるいは正式な視察ということではなく、全く非公式に現場に行かれているかもしれないということも推測できますので、改めてこれは証言を求めたいと思います。
 次に、包括外部監査報告への対応についてでありますけれども、提出資料92では、この件に関して各局が知事ブリーフィング等を行った資料を要求したものでありますけれども、出納長室の分を実は見まして、着目したことがありました。
 資料は二つありまして、三月一日付で知事から総務、財務、福祉保健の各局に出した文書指示と、庁内に設置した調査改善委員会の設置についてという文書であります。出納長室がつくっているという指摘があるものでありますが、いずれもこれは出納長室の本来業務とは何ら関係がないものではないか。それを属人的に知事の指示を受けて行ったと考えてよろしゅうございますか。

○櫻井証人 出納長の職にある者として知事から特別に指示をいただいて取り組んできているということで、個人的な取り組みじゃございません。

○木内委員 こうした例えば調査改善委員会あるいは各局に出した文書指示、これは元来、業務として出納長室がやるべきものですか。

○櫻井証人 出納長あるいは出納長室の本来業務というのは、自治法あるいは東京都の組織規程でもって分掌事務が、先生お話しの分掌事務というのは整理されているわけでございますけれども、この件につきましては、知事の補助機関の一員として、知事から特別に指示をいただいて取り組んでいると、こういうものでございます。

○木内委員 知事の特別の指示ということでありますけれども、仮に知事の特別な指示がなければ、セクションとしてはどこがやるべき業務になりますか。

○櫻井証人 この件につきましては、本来ならば、先ほどから申し上げていますように財産管理というのは執行機関の責任でございますので、東京都全体の財産を所管している財務局と、この今回の件の所管局であります福祉保健局がしっかり連携をとって、ラインとしてそれぞれ職務権限と職責を持っているわけでございますので、やっていかなくちゃいけないと、このように考えております。

○木内委員 にもかかわらず出納長室がこの作業に当たられたということの理由をもう一回お聞かせください。

○櫻井証人 この件につきましては、既に知事は、いわゆる関係局でしっかり調査検討をし、方策も含めて取り組むようにという指示をなされているわけでございます。それはあくまでも、ですから執行機関として、ラインとして、それぞれの職務権限において取り組みなさいよと、こういうご指示だろうと思いますけれども、私への指示は、そういう知事のいろんな、いうならばお考え、方針を整理する際の一つの、いうならば整理した話を持ってこいと、こういう趣旨でございまして、知事と私が直結して、知事からのご指示の中で知事にいろいろご報告をしていると、こういうことでございます。

○木内委員 今重大なお話がありまして、一つは、職務権限に応じてということでありますが、これは出納長室の職務権限でしょうか。

○櫻井証人 先ほど申し上げましたように、自治法で出納長の役割というのは規定をされておりますし、また東京都の組織規程でもって出納長室内の各課の分掌事務というのも例示されております。
 で、今回のこの件については、知事から、知事の補助機関の一人として、おまえなりに調査し、検討し、整理したものをおれに報告しろと、知事にみずから報告しろということで取り組んできているものでございまして、そういうふうなことで理解をしております。

○木内委員 先ほど、本来であれば、福祉保健局等いわゆる担当局の仕事であろうと。職務権限に応じた適正な形というものは、本来そうであろうというのが我々の率直な実は認識であります。それが出納長室と今お話に転換をされているわけでありますが、知事の指示で職務権限を越えた形での作業着手ということになったのでしょうか、そうしますと。

○櫻井証人 先生、分掌事務と職務権限というのをちょっと分けて考えていただきたいんですけれども、私自身の持っている職務権限というのは、収入支出に対するいわゆる最終、都としての最終決定、これが職務権限でございます。
 今、私が知事の特別な指示のもとで種々調査し、知事からのご注文によって報告をしておりますけれども、それはあくまでも補助機関としての調査であって、何かを決めるとか、何かの、いわゆる都の諸権限ございますけれども、それを行使すると、そういう性格のものじゃございません。

○木内委員 先ほど、職務権限に応じてという証言が一つと、これと並んで、知事の考えを整理する際のいわば情報なり資料という意味の証言をされておりますね。どうですか、もう一度。

○櫻井証人 口幅ったいいい方というよりか、語弊があるかもしれませんけれども、少なくとも知事は、この件につきましては、既に関係局に対して、それぞれの職務権限に応じてというか、職責に応じて取り組みなさいよと、こういう指示をなされているわけでございます。それと別建てで私に知事から直接指示がある。中身は、私なりに解釈すれば、知事に対していろいろ調査したものを報告しろと、こういうことで理解しておりまして、これまでも直接知事にそういうことで整理したものを報告しているということでございまして、各局の職務権限に立ち入るようなことは一切してございません。

○木内委員 いや、私がお聞きしたのは、先ほどの証人のいわれた証言そのものの確認なんですが、知事の考え、これを知事自身が整理する際の一助とするという意味、趣旨の発言をされたと思うんです。どうですか、それは。

○櫻井証人 私なりに知事から特別に指示いただいたことを理解すれば、そういうことだろうと思うんですけれども、私からの報告をどうされるかは、知事の取捨選択、政策判断の問題だろうというふうに考えております。

○木内委員 今の証言でよくわかりました。ご自身の受けとめ方としては先ほど証言されたことだ、しかし、知事自身がどう受けとめて、情報を判断材料に使うかは別問題と、こういうお話ですね。
 逆にいえば、他にこういう情報源なり提供というものがなければ、知事の判断は、今いわれた証人の情報に大変に左右をされるという結果になることが十分うかがわれるわけであります。いいかえれば、こうした、証人のところで作成しているこうした情報に関する資料というものは、今回の問題に関していかに証人が中心的な役割を果たしているかということを如実に物語っていると思うわけであります。各局へのさらに文書指示というものは、いつ、だれが、どこで何をやったかということについても克明なものでありまして、この筋書きなり全体の発想の展開をする際、知事に対するこうした情報の提供がまさに証人ご自身だという可能性も強く感ぜられる今の証言だというふうに私は思います。
 さて、財産運用部が作成した弁護士意見についてでありますけれども、福祉局と財務局とのやりとりの中で、財産運用部長が触れておられましたけれども、顧問弁護士意見が資料ナンバー79により提出をされております。余りに遅いこの提出自体、その信憑性に疑問が生ずるわけでありますが、その内容も二月二日付の弁護士意見なるものに酷似をしているということがいえると思います。
 そこで、証人はこの弁護士意見なるものの存在をご存じですか。

○櫻井証人 承知していません。

○木内委員 日付も同じ二月二日、内容も似ているということで、これまでの本委員会での尋問でも言及されてきたところでありますけれども、実は、その答弁というのは非常に納得しにくいものであります。弁護士意見の存在を否定し切れずに、あわてて別ペーパーで用意したと考えるのが、いわば事実の経過からして最も妥当ではないかと思うのであります。もとよりこれほど重要な問題についての弁護士意見なるものが存在をしない、あるいは聞き取った者がメモをしたのか、いずれにしても、この委員会での議論の大きなこれはポイントになっているところでありますし、その後の財務局の理論的支柱になっている重要文書でありますし、あなたの関与がなかったとは到底思えない。(発言する者あり)委員長、不規則発言が、つぶやくようでなく、異常な、質疑がしにくい、尋問が。注意してくれませんか。

○山崎委員長 はい。気をつけてください。

○木内委員 いや、済みません。こういう重要文書につきましては、証人の関与がなかったとは到底思えないのであります。
 次に、二月二十五日の記者会見で、知事は、都有地を使って特定の学校法人が学校を設置、運営していることは認めた覚えはない、十三年十一月に民間に委託するということだけは聞いたと発言をされました。三年以上前の、月まで特定して知事が発言したということは、会見の直前に知事に今回の件を説明した者がいるのではないか、十分推測されるわけであります。これまでだれも認めてはおりませんけれども、その説明した人物が疑惑をつくり出して、いわば知事に誤解を与え、罪のない人物を陥れようとしたという推測も成り立つ。
 そこで、まず、提出資料ナンバー60、十三年十一月二十七日、知事への説明資料についてでありますけれども、この資料では、二月二十五日の記者会見における知事の発言どおり、社会福祉総合学院の民間委託については記載されていますけれども、学校法人についての記述はないわけであります。この資料だけで、知事はわからないまま、これをインプットすることになってしまいます。
 また、提出資料ナンバー62、十七年二月十八日、関係三局長の濱渦副知事への報告資料、この資料では、学院の運営の経緯や受託者選定の経緯など二枚の資料で説明していますが、その他資料として、先ほどの十三年十一月の知事説明資料が添付されています。
 こうしたいわば資料を知事に見せながら、知事には何も知らされずに勝手に進められたんだというようなことがささやかれていたんだとすれば、知事の誤解もこれはやむを得ないことになってしまう。
 ところが、今回のこの疑惑をつくり出した者は大きなミスをしている。実は、その後の十四年一月二十五日に、民間委託先として敬心学園を選定したとの、こういう知事ブリーフィングを当時の福祉局はきちんと行っていたんですね。ところが、この疑惑をつくり出した者はそれに気づかずに、誤った情報を知事に入れてしまったのではないか、こう思われるわけであります。
 では、その人物はだれかという問題になるわけでありますけれども、十三年十一月の知事説明資料は、十七年二月十八日の三局長から濱渦副知事に報告された資料の中にあったものであります。とすれば、対象者は限られてくる。濱渦副知事か三人の局長か、そしてもう一人、今回の財産面について知事から特命を受け、全面的に任されていた証人、すなわちあなたですね、この中のだれかということにならざるを得ない。恐らく三人の局長が知事にささやくことなどできるわけがありませんし、こんなことをする動機もない。恐らく濱渦副知事かあるいは証人のあなたか、どちらしかないのではないかと考えざるを得ないわけであります。これについては答弁は求めません。
 次に、三月分のこの建設費補助金に対する執行停止の問題であります。
 証人は、三月二十五日の予算特別委員会で、高島委員の質疑に対しましてお答えになっている。先ほどの大西理事の尋問に対する答弁の中で、執行を停止したということではない、こういうふうに実は証言をされましたね。この予特の高島委員とのやりとりの中ではこうなっているんです。「どのような法令の根拠で、若干でもそうですが、停止できたのか、出納長にご答弁をいただきたいと思います。」と。これに対して、「東京都会計事務規則に基づきまして、関係機関に照会等をできるということがございますので、それに基づいて事務処理をいたしたというものでございます。」、こうお答えになっている。停止できたのか、出納長にどうして停止できたのか聞いたところ、それを否定しないで、肯定をしつつ、事務処理をしたんだと、前述の理由でと、こういうふうにお答えになっているんですけれども、この答弁と本日のこの証言については食い違いはありませんか。

○櫻井証人 食い違いございません。先ほど申し上げましたように、これは会計処理期間中に照会をしたということでございまして、執行停止ということではございません。

○木内委員 提出資料の39番によりますと、三月四日、出納長の判断により、福祉保健局に対して説明を求めたとありますが、間違いありませんか。

○櫻井証人 先ほどお話し申し上げましたように、三月二日に福祉局から持ち込まれ、支出命令が持ち込まれたと記憶しております。四日に、私なりに判断をしまして、先ほど申し上げましたように、公金の支出だから、福祉保健局と考え方をよくすり合わせしておいて慎重を期した方がいいだろうということでもって、その旨照会をするように指示をいたしました。

○木内委員 今回指摘を受けた生活文化局、水道局へも当然同様の対応をしていると思いますが、いかがでしょうか。

○櫻井証人 水道局は公営企業会計で別建てで会計処理していますので、私どもが直接やっておりませんけれども、生活文化局の関係については今後、今現在、ここの場では詳細は把握してございません。

○木内委員 生活文化局について詳細ははっきりしていないということを詳しくお述べください。

○櫻井証人 先生のおっしゃっているのは、恐らく、外部監査報告、包括外部監査報告の中で文化関係の団体についての監査があったということで、それに関する支出があったんじゃなかろうかと、こういうことでのお尋ねだろうと思うんですけれども、それについて、この時期にその関係する団体についての支出があったかどうか、今現在ここでは把握していないということでございます。

○木内委員 報告で指摘を受けた生文局、それから福祉保健局ということになるわけでありますが、直接のかかわりからいけば、どうして福祉保健局だけという判断をされたんですか。その意図について証言してください。

○櫻井証人 包括外部監査報告の事前説明会の席で、関係局長に対して、調査検討するようにという知事の調査--失礼しました、調査指示というんでしょうか、そういうものが出ておりました。そういうことも当然、特別職の一人として承知しておりましたし、外部監査報告書の中に幾つかの補助金に関する問題点が指摘されていると、こういうようなことも私なりの頭の中にございました。そういうようなことも含めまして、慎重を期して公金の支出、こういうことをやっていった方がいいだろうということで、淡々と会計事務規則に基づく照会、事務処理、こういうことをやったということでございます。

○木内委員 公金の支出について慎重に対処するというこの気配りは、生文局には必要なかったんですか。

○櫻井証人 今、包括外部監査報告書を細かくひもとく時間がございませんけれども、包括外部監査報告の中では、いわゆる文化関係につきましては、今後各種の文化団体に対する補助金のあり方について検討するようにと、たしかそういう趣旨のものがあったかと思いますけれども、それについて一つ一つですね、点検をしているということはございません。

○木内委員 今、包括外部監査報告をつまびらかにすることはしていないということですが、出納長として、この包括外部監査報告の中をつまびらかに読むということは必要ないんですか。

○櫻井証人 包括外部監査報告というよりか、包括外部監査そのものが、今後に向けていろんな取り組みを、いうならば進める一つの羅針盤みたいなものだろうと思っております。そういう意味で今後順次読み込んで、そういう中で、予算セクション、あるいは実際の事業を所管しているセクション、そういうところがどういう対応をしていくのか、そういうことも見ながら、最終的な公金の支出というところでどう考えるかということの精査をそれぞれのところと連携してやっていかなくちゃいかぬというふうには思っております。

○木内委員 提出資料ナンバー39、ここに本件予算の執行停止の指示者氏名と指示にかかわる内容、「福祉人材養成機関整備費補助金の支出にかかる経緯」、この二項に「出納長の判断により福祉保健局に対して東京都会計事務規則に基づき、」--この後「包括外部監査報告に対する福祉保健局の考え方及び今後の対応方針等の説明を求めた。」、明確に包括外部監査報告の位置づけがなされておりますね、これ。生文についてはなぜこの作業をしなかったんですか。それも、見ていないという話……。

○櫻井証人 先ほど申し上げましたように、包括外部監査報告の中では、この社会福祉総合学院というか、事業団といいましょうか、それに対する補助金についての幾つかの問題点が指摘されたということ、それで、そういうものを含めまして、知事から関係局長に対して特別な調査指示、こういうのが出ていたこと、それと、私自身が知事から特別な指示でもって財産関係を中心に調査をしろと、こういう指示を受けていたこと、そういうことをも重ね合わせて、それで公金の支出でございますから慎重を期した方がいいだろうと、そういうことで粛々と事務処理をしたと、そういうことでございます。

○木内委員 私は、ちょっとこれ、別に問い詰めることが目的の百条委員会じゃありませんので、この繰り返しは実は割愛したいんですけれども、それは違うんじゃないかと。今いわれた、知事からの特別な調査指示というふうに今いわれました。それから、特別の財産関係についてといわれた。ところが、先日の山内生文局長あるいは総務局長等の証言内容は実は微妙に食い違っておりまして、これを総合いたしますと、何々を含めてとか、何々は、ちょっと正確な文言は覚えておりませんけれども、知事はそうした特定した実は切り口で物をいったのではないということが証言をされている。それが今の証人の証言ですと、知事から特別な調査指示があったと、特別の財産関係についての指示であったと、こういうことなんですが、これはちょっとほかの証言とは食い違うようでありますが、証言願います。

○櫻井証人 総務局長、生活文化局長が恐らく記憶によって申し上げたのかもしれません。私も記憶によって、メモをとっておりますので、そのときのを申し上げますと、この包括外部監査報告のいわゆる事前報告会といいましょうか、説明会といいましょうか、その席で、知事は、水道の関係につきましては、引き続き経営改善にしっかり取り組んでやってくれと、こういう趣旨のことを申し上げられております。それと、文化の関係につきましては、経過だけでやっているものが多いが、点検をしてくれと、こういうようなことでございます。それと、この社会福祉事業団の関係につきましては、資産の問題等、局をまたいで検討、活用してくれと、こういうようなことで、三点、具体的なコメントをその場でされておるというふうに私なりのメモでは記録に残っております。
 そういう趣旨で、今、その場でもって知事が関係局長に対して調査の指示をされたのかなということと、私が申し上げた特別の指示というのは、知事から私に対して、この社会福祉事業団の関係について、財産関係を中心に調査をしろと、こういう指示をいただいています、特別な指示をいただいていますということで申し上げたつもりでございます。

○木内委員 たしか私の記憶では、きょうが三回目の実質的な証人尋問なんですけれども、知事のコメントについて確認を求めたそれぞれの証人からの証言、非常に断片的でありましたけれども、今の証人の証言というのが極めて間口が広く、中身が具体的であった、こんなふうな印象を持っております。
 したがって、もとに戻りますけれども、生文についても、公金の支出に慎重な取り扱いを期される出納長であれば、もとより、当然、福祉保健局に行ったと同じ調査なり回答を求める作業を行うべきではなかったんでしょうか。

○櫻井証人 そういうとらまえ方もございましょうけれども、私としては、先ほど申し上げましたように、社会福祉総合学院について、そういうことで特別の関係局長に対し--特別じゃなくて、その事前報告会といいましょうか、説明会の場で、知事から、社会福祉総合学院というか、社会福祉事業団の関係について調査の指示が出ていたということ、その中で、補助金についても幾つかの問題点のいうならば提起といいましょうか、そういうものもあったこと、そして私自身が知事から特別な調査の指示、こういうものもいただいていたことということをもって慎重に公金の支出に対応したと、こういうことでございます。
 先生がおっしゃった、生活文化局の公金の支出についても同様な対応をすべきじゃなかったかということについては、なお私がこれから努力しなくちゃいけない部分だと思っております。

○木内委員 生文局への作業が欠落した点についての私の尋問に対して、そういうとらえ方もある、あるいは今後努力していかなければならないことであるということは、裏を返せば、少なくとも当時、生文局も指摘されて報告されていたのに、この福祉保健局にだけ限定をして行ったというのは、何らかの特定の意図があったと推測されても仕方がないんでしょうか。これは、客観的な流れとしてどうでしょうか。

○櫻井証人 私としては、会計事務規則にのっとって粛々と事務照会といいましょうか、そういうものをしたと、そういうことでございます。

○木内委員 心の中をのぞくことはできませんけれども、私としてはこの事業団のことに絞ったということなんですが、その私として判断をした根拠は何ですか、それじゃ。

○櫻井証人 先ほど申し上げましたように、事前説明会の場で、知事から関係局長に対して調査の指示も出ている、その中、包括外部監査報告の中で、補助金についても幾つかの問題点を包括外部監査人の方からいわれている、そういうようなこと、それと私自身がこの社会福祉事業団というか、社会福祉総合学院の関係について知事から特別な指示もいただいていたと、そういうことを総合的にもろもろ考えまして、それで粛々と会計事務規則にのっとって、公金の支出でございますから丁寧にやっていった方がいいだろうということでもって、考え方を所管局としっかりすり合わせしておこうと、そういうようなことで処理したと、こういうことでございます。

○木内委員 もとへ戻りますけれども、私の生文局へのこうした調査、回答を求める作業もやるべきではなかったかということに対して、そういうとらえ方もあり、今後の努力の課題だというふうにいわれたわけですが、それでは、当時、福祉保健局だけでなく、生文局に同じ回答を求め、調査を行うという作業があっても不自然ではなかったですね、逆にいいますと。

○櫻井証人 それは、そういうことについて私どもの取り組み、出納長室としての取り組み、あるいは出納長としての取り組みが不十分な点があれば、これから努力をしていかなくちゃいけないし、一つの反省材料だろうというように考えております。

○木内委員 不十分であるとすればということは、不十分であったということでいいですか。

○櫻井証人 私なりの解釈でいきますと、文化関係の補助金については、これまで単に経過で処理しているものが多いから、今後精査をして、新しい目線で補助金を再整理したらいかがですか、こういうような趣旨のものが何点かあったかと思うんですけれども、社会福祉総合学院といいましょうか、社会福祉事業団に関する補助金については、そのいわゆる補助金の根幹にかかわるようなことを幾つか触れられた部分がございました。そういうことでもって、包括外部監査の中での公金に対する支出の重み、こういうものの差を考えまして、私としては、社会福祉事業団に関するこの補助金についてしっかり福祉保健局の方と考え方を調整しておいて、すり合わせをしておいて、で、公金の支出に遺漏のないようにいたしたい、こういうように考えたわけでございます。

○木内委員 以上の点の尋問は、これは以上にいたしますけれども、どうもお話を聞いていると、整理をしますと、調査、回答を求める作業というものが福祉保健局だけについて行われた、生文局についても行われてしかるべきであった。証人ご自身の判断で福祉保健局のみに結果的になった。さまざま、根幹に触れる部分であるし、重要度について、言葉が変われば恐縮ですけれども、濃淡があるんだと、重さに。だから重要度が高いということで福祉保健局にしたなどなどとおっしゃるけれども、結局、考えてみれば、この福祉保健局にのみ調査を絞ったということの前提となる恣意的発想が感じられてならないことを申し上げておきます。
 ところで、本件の支出命令書の審査について、文書管理規定上、決定権者はだれになりますか。

○櫻井証人 出納長室の出納課長でございます。

○木内委員 これも私は不自然な話だと思うんですけれども、課長に決定権があるものについて、どうして出納長である証人が直接指示を出すようなことにこれはなるんでしょうか。この件についての証人の主体的な関与がはっきりと浮き彫りになってくるわけでありますけれども、この点についてはどうですか。

○櫻井証人 支出の決定権限ということで考えれば、今申し上げましたように出納課長でございますけれども、先ほどから申し上げていますように、包括外部監査報告の中でかかわっている事項なので、みんなに、出納長室のそれぞれの職の者については、その包括外部監査について周知を図ってきておりました。そういう中でこういうものが持ち込まれたということでもって課長の方から相談があって、私の方で最終的には判断をした、こういうことでございます。

○木内委員 いずれにしても、課長に決定権があり、日常的な事務作業としては課長マターで進められているものを、出納長である証人が極めて積極的に行ったという事実経過があると思うんです。どうでしょうか。

○櫻井証人 その時期時期の都政の動きについて、関係課長に周知し、それを遺漏ないようにするということは非常に大事だろうと思うんです。この件につきましても、そういうことでこういう包括外部監査報告が出るからそれぞれ勉強するようにということでもってやったわけで、その中で上がってきたと。
 なお、先生、なぜ出納長だとおっしゃいますけれども、出納長は、会計事務につきまして全般について責任を負っていまして、その出納長の判断で調査をしたり照会をしたり、そういうようなことをできる、そういう役割を担っておりますので、そういう中で取り組んできている、こういうことでございます。

○木内委員 今、最後の部分で釈明されたようですけれども、課長権限で行うこの審査、もとより出納長もできるんだと。日常的には課長が行う、しかし出納長もできるから今回のことについては、都政の動きもこれあり、最初におっしゃいましたね。出納長がやったんだ、問題はない、こういうお話だと思います。これはそのまま受けとめておきたいと思います。
 さて、執行停止の根拠について、先ほど来、証人は会計事務規則に基づいてというふうに答弁をしておられますけれども、それは第十三条のことだと思いますが、どうですか。

○櫻井証人 重ねて申し上げますけれども、私どもは、所管局に対して照会をしたということでございまして、執行停止ということではございません。会計処理期間中の一つの作業として、会計事務規則十三条に基づいて、先生のおっしゃった条文に基づいて照会、そういうことをやった、こういうことでございます。

○木内委員 それから、この十三条には、出納長等は、中略、法令及び関係書類に基づいて、その内容を審査しなければならないと規定されている、これに基づいての審査をされたんだと思うんですね。出納長室のホームページには審査の着眼点が示されておりますけれども、どう見てもこれらの項目に該当するとは思えないんですね、この今いわれた作業というものが。であるならば、今回、福祉局に説明を求めたのは、十三条後段にあります、特に必要があると認めたときは、関係人に対する照会、照らし合わせですね、その他実地に調査を行うことができるという規定に基づいたものと理解しますけれども、それでよろしいですか。

○櫻井証人 そのとおりでございます。

○木内委員 そのとおりだということでありますけれども、特に必要があると認めたということが、そのとおりの実はキーワードになっています。これはどういう理由なんですか、特に必要があると認めたのは。

○櫻井証人 会計処理に当たりましては、各種の書類が添付されてくるわけですけれども、そういう書類の形式審査が中心になって会計処理が進められると同時に、その支出あるいは収入の事項によっては、さらにもう少し精査した方がいいというものについては、照会あるいは実地に調査をできる、こういうことになってございまして、そういう中で、先ほどから申し上げている判断によりまして照会を私の方から指示をした、こういうことでございます。

○木内委員 先ほどからの議論の中で、一つは、包括外部監査の報告があったからだというのが直接の大きなきっかけであろう、こういうふうに思うんですが、そういうことでもよろしいですか。

○櫻井証人 一番大きな要因ということであるのは、今先生お話しのような包括外部監査報告でいろいろ意見をいただいた、こういうことでございます。

○木内委員 これまで包括外部監査ではさまざまな指摘や意見が出されてきているわけでありますけれども、出納長室で、各局に対し、支出に当たって改善計画等説明を求めたことがありましたか、あればその事例を示していただきたいと思います。

○櫻井証人 先般も、たしか厚生委員会であったかと思うんですけれども、福祉局の総務部長が、私どもが改善計画を提出しろといったという趣旨と執行停止をしたという趣旨の答弁をしているようでございますけれども、改善計画を出せといった事実は一切ございません。先ほどから申し上げていますように、この件に関しては、公金の支出ということでございますので、慎重を期して関係局と私どもの方で考え方、こういうものをすり合わせしておいた方がいいだろうということでもって、そういう照会を会計事務処理期間中、これは三月末日までに支出をすればいいという案件でございましたので、その中でしっかりお互いに調整をしておこうよ、こういうことで粛々と会計事務規則十三条に基づいて照会をいたした、こういうものでございます。

○木内委員 今、私が証人にお尋ねしたのはそのことじゃないんです。これまでの包括外部監査では、さまざまな指摘や意見が出されてきているわけでありまして、出納長室で各局に対して支出に当たって改善計画などの説明を求めたことがあったかどうか、あればその事例を示してほしい、こう申し上げたわけであります。

○櫻井証人 申しわけありません。この時点ではわかりません。

○木内委員 私は、ないのではないかと思っているわけでありますけれども、これは今すぐにわかりませんか。というのは、なぜ今回だけ突出して福祉保健局に対するこうした説明の要求があったのかということの不自然さがどうしても頭から払拭できないものですからお尋ねをしているわけでありまして、これまでそうした事例があったか、もう一回補助員の方と相談していただけませんか。

○櫻井証人 直接の包括外部監査報告との関係ということはわかりませんけれども、出納長室で例えば十六年度で約五万六千件の支出命令書を審査してございます。このうち電話照会などによりまして確認できない事案については、各所管局といいましょうか、所属において内容を確認していただく、あるいは持ち帰ってもらって整理をしていただくというようなことをやってございまして、そういうものが約、十六年度だけで二万五千件、失礼しました、二千五百件ございました。
 今回、福祉保健局にやったこの補助金の関係についても、そういう年間の支出命令の処理、あるいは照会の処理、そういうものに対しての粛々とした事務処理の一環ということでやってきたわけでございます。

○木内委員 ちょっと証人、勘違いされているんじゃないかと思うんです、私のお尋ねを。出納長室として、各局に対して、包括外部監査報告で指摘された意見等について今回のように計画を求めたり具体的な調査を行ったことがありますか、これまで。事例があればお示しください、こう申し上げている。問い合わせの話じゃないんです、今の。今わからなければ結構ですよ。

○櫻井証人 申しわけありません。わかりません。

○木内委員 私の仄聞するところでは、こういったことはないと、これまで。したがって、今回は極めて異例の作業であった、こういうふうに判断をせざるを得ないので、もし間違いがあったら後でまたご報告をいただければと思います。
 さて、この案件について、恐らく記憶がない、あるいは即答できないというぐらい恐らくレアケースであったのではないかと思うんですけれども、この案件についてのみ説明を求めた。恐らく何か予断を持ってそうした調査なり回答要求をしたのではないかと思うんですが、どうですか。

○櫻井証人 先ほどから申し上げていますように、会計事務規則にのっとって粛々と照会をいたしたということでございまして、予断は一切ございません。

○木内委員 確かに出納長は、支出負担行為の確認に当たって必要があると認めたときは実地調査等を行うことができるとされているわけですけれども、これはあくまで地方自治法二百三十二条の四第二項に規定されているように、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを確認するために行われるべきものである。今回の場合、法令または予算に違反している疑いがあったのか、また債務が確定していない疑いがあったんですか、どうでしょうか。

○櫻井証人 ですから、念のためにそういうものを精査していた方がいいだろうということでもって照会をいたした、こういうものでございます。

○木内委員 もう一回申し上げますが、法令または予算に違反している疑いがあったんですか。今は既にもう明らかになっている、ないということで。債務が確定していない疑いがあったんですか、その根拠は何ですか、一体。

○櫻井証人 この関係の補助金につきましては、先ほどから申し上げていますように、包括外部監査報告の中で触れられているということでもって、公金の支出ですから慎重を期して照会をいたしたということでございますけれども、違法だとかということでもって照会をいたしたわけじゃございません。
 それと、債務が確定しているかどうかは、その支出の整理を、支出命令の中身の整理をすればいいわけで、そういうことも含めて考え方を福祉保健局の方と整理しておこう、確認しておこう、そういうことで粛々とやっただけでございます。

○木内委員 恐らく法令にも予算の基本的な考え方にも違反はしていない云々云々ということで、にもかかわらず、こうした調査を行うということの意図を別の角度から感じないわけにはいかない。
 それから、ちょっと先ほどの議論に戻るんですけれども、厚生委員会のやりとりの中で、福祉局の総務部長は、改善計画の要求あるいは執行停止という受けとめ方をしているんですけれども、この食い違いの原因は何だと思いますか。

○櫻井証人 私にも不明でございますけれども、少なくとも私どもは、所管課長の方からは、あるいは係長の方からは、この件についての考え方、資料でお示ししましたように、対応方針等々について照会をいたしたということでございまして、改善計画を示せというようなことはございません。
 大体、改善計画というのはどういう趣旨でいったかわかりませんけれども、包括外部監査報告に対して監査人に対する改善計画というのはございますけれども、そういう趣旨であるならば、それは私どもが求めるのは筋違いでございまして、所管局が包括外部監査の担当のところを通じて監査人の方に改善計画を提出する、こういうようなことでございまして、そういう意味の改善計画ならば、私どもはそういうことを求めた覚えは一切ないということでございます。
 それと、執行停止でございますけれども、これは三月末日までに事業団から金融機関の方にこの補助金、いうならば借入金の返還金ということになりますけれども、それを払い込むということになってございますので、それに間に合うような形で会計処理をすればいい、こういうことでございますので、執行停止ということも一切やってございませんし、現に、福祉保健局と私どもの方で最終的に整理、確認した上で、二十四日には支払い手続を開始し、三十日に社会福祉事業団の方に払い込み、三十一日には事業団から金融機関の方に払い込んだというふうに聞き及んでおります。

○木内委員 ここで重大な問題は、出納長は執行停止ではない、しかし、これを所管する福祉保健局においては執行停止という、こういう実は目に遭っている、こういう受けとめ方をしているという答弁です、これまで。これは非常に問題だと思うんです。同じ行政の機構の中で、我々都民から見たら率直なこれは疑問を感ぜざるを得ないわけであります。これは理解されますか。

○櫻井証人 会計処理について周知を図れというならば、また私どもも取り組みを考えなくちゃいけないのかもしれませんけれども、公金の支出でございます。ですから、特に支出に当たっては、支払い期限に間に合うように、ぎりぎりまで間に合うようにして公金の効率的な運用を図っていく、こういうことが、都民の税金を預かっている立場からも非常に重要だろうというふうに思っております。そういう意味で、支払い期限までに会計処理を終えてきちんと支出をすればいいということでございまして、そういうことについてもし福祉保健局の理解が得られてなかったということならば、周知をしていかなくちゃいけないというふうに考えております。

○木内委員 この補助金の支出につきましては、三月二日に出納長室は福祉保健局から支出命令書の送付を受けているわけ。三月四日に、この考え方及び今後の対応方針等の説明を求める云々云々で、この間にこの議会におけるさまざまな議論があり、たしか厚生委員会だったと思いますけれども、我が党の藤井一委員の方からの指摘もあった。そして三月三十日、ぎりぎりでありますけれども、支払いを完了する予定というふうに資料には出ているわけでありまして、私は、必ずしもスムーズな手続とスピードでこれが行われたとは考えにくいのであります。
 さて、こうした、例えば予算の執行権は知事にある、法令にも予算にも違反しておらない、また債務も確定している支払いについて、この執行を延ばしたり停止することは越権行為じゃないんですか。

○櫻井証人 先ほども申し上げましたように、執行期限は、支払い期限は三月末日、そこまでにしっかり私どもの方で債務を、先生がおっしゃるような形でもってきちんと審査をした上で払い込めばいいわけです。所管局から持ち込まれたからといってその日のうちに払い込む必要はないんです。公金の効率的な運用を考えなくちゃいけないわけですから、ちょっとこれは都民の方には怒られるかもしれないんですけれども、支出はなるべく遅く、収入はなるべく早く私どもの金庫に入れて、それで効率的な公金運用をして一円でも多く利息は稼ぐ、そういうことが公金管理上肝要なことだというように考えております。
 そういう意味で、これらについては、先生おっしゃるように三月二日に持ち込まれたわけでございますけれども、三月末日までに支払いをすればいいわけですから、そのぎりぎりのところで実際の支出をした、こういうことでございまして、持ち込まれたからすぐに支出をしなくちゃいけない、こういうものじゃございません。

○木内委員 証人はどうか事実関係について淡々と証言いただければ結構ですから。感情的になることは全く必要ありません。
 三月のこの建設費補助は五千八百万円、こういうふうに聞いております。通常、この程度の金額ならば、出納長室は課長決裁で支出できるはずであるとも聞いているわけであります。それが出納長の指示で福祉局に説明を求めたということであれば、この支出命令書が出納に持ち込まれた三月以前に指示を出していたということになると思うんですけれども、いつだれに指示を出したのか、またどういう指示を出されたのか、お答え願いたいと思います。

○櫻井証人 先ほどから申し上げましたように、包括外部監査報告の中に公金の支出に係ることがございました。その中で、この社会福祉事業団といいましょうか、そこの補助金について大きなテーマとして触れられておりました。そういうことで、よく周知をするようにということで、出納長室の中の管理職について、そういうことで、関係課長たちでございますけれども、周知を図っていた、こういうことでございます。

○木内委員 事業団に対する建設費の補助は、二月にも九千万円、五千八百万円よりもかなり大きい額でありますけれども支出がなされているんですけれども、なぜこの時点では福祉局に説明を求めなかったんですか。

○櫻井証人 私自身も、この包括外部監査報告が出るまでは、社会福祉事業団、あるいは社会福祉総合学院といっていいかもしれませんけれども、粛々と運営をされている、こういうふうに理解をしておりました。そういう中で、一月二十八日に包括外部監査報告案が事前説明という形で知らされたわけでございますけれども、その中で、今申し上げた補助金の関係、触れられておりましたので、周知をして取り組んだということでございます。

○木内委員 どうも証言を聞けば聞くほど不自然な実態というのが浮かび上がってくるわけであります。
 さて、先ほど申し上げた、福祉局に対して説明を求めると同時に、支出命令書を突き返していると聞いておりますけれども、それはなぜでしょうか。
 また、会計事務規則十三条二項に差し戻すことのできる場合が規定されておりますけれども、この場合、どの項目に該当しますか。私が見る限り該当項目はないし、これは限定列挙で、これ以外の理由では突き返せないのではないかと思いますが、どうでしょうか。

○櫻井証人 支出命令書には、その支出に関する関係書類、それがすべて添付されておりまして、今回の私どもの照会に対して福祉保健局の方で検討するに際してそういう関係書類も必要だろうということでもって支出命令書を福祉保健局の方に持ち帰っていただいた、そういうことでございます。

○木内委員 これはあれですか、出納長室が求めた調査、回答への作業を福祉保健局がするに当たって、既に提出されている支払い命令書も必要な資料であろうということで返した、こういう意味ですか。

○櫻井証人 支出命令書ではございませんで、それに添付されている関係書類があるわけでございます。そういうものも含めて、検討するに際して必要だろうということでもって持ち帰っていただいた、そういうことでございます。

○木内委員 そういうのを世間では却下というんじゃないですか、あるいは差し戻しというんじゃないですか、あるいは執行停止になるんじゃないんですか、その事実は。これは私はすさまじい証言だと思いますよ。

○櫻井証人 今申し上げましたように、支出命令の照会をする件数、年間、先ほど申し上げましたように二千五百件ぐらいあるんですけれども、その中には、照会の事務処理を行う上で関係局に支出命令を持ち帰っていただいた方がいいだろうということがございます。このほかにも数多くの案件ございまして、そういう事務照会といいましょうか、そういう中の淡々とした事務処理をしたということでございまして、他意はございません。

○木内委員 支出命令を他の書類とともにお持ち帰りいただくという表現でありますけれども、福祉保健局は突き返されたと思うんじゃないですか。要するにその書類がなければ、この支払いというものは、再び福祉保健局が出さない限りこれは拒否されるわけでしょう。支出命令書までも含めて返される、返却をされる、門前払い、執行停止という着想をしても不思議ではないんでしょうか。
 会計事務規則十三条二項に差し戻すことができる場合が規定されておりますけれども、どの項目に該当しますか。もとの尋問に戻ります。

○櫻井証人 先ほどから申し上げていますように、支出命令書を持ち帰っていただくということを福祉保健局が非常に極めて異例なように受けとめておりますけれども、私ども出納長室から見れば、先ほどいいましたように、年間五万六千件の支出命令の処理をしている。その中で二千五百件のそういう照会等々があって、場合によっては支出命令を持ち帰っていただいてもう一回精査をしていただくと、こういう作業をしております。そういうことでございますので、私どもとしては、そういう会計処理の一環ということで淡々と事務処理をしたということがございます。
 なお、先生どの条文だとおっしゃいますけれども、先ほど申し上げましたように、私自身、出納長は会計事務に対して総括的な立場でもって調査をする、そういう役割といいましょうか、機能を持っております。そういう役割を踏まえまして、権能を踏まえまして、これについては、先ほどから申し上げていますように、慎重を期してしっかり福祉保健局と私どもの方で考え方を整理しておいた方がいいだろう、すり合わせしておいた方がいいだろうと、そういうことでもって対応いたしたと、こういうことでございます。

○木内委員 私は今の証言では到底納得できるものではありませんが、これだけに時間を割くことはまた避けたいと思います。
 いずれにしても、この出納長室の常識が他の局にとっては極めて非常識である、淡々と行った事務処理が実は執行停止を受けたんだというそういう実は福祉保健局の受けとめ方をしている、その発想の乖離にまさに目を見張るばかりでありました。
 それからもう一つは、会計事務規則十三条二項に差し戻すことのできる場合が規定されているわけでありますけれども、出納長に大きな権限が与えられていて、そうした立場からこうしたことを行ったというふうに趣旨で今たしか証言をされたと思うんですが、先ほどはこの程度の規模の支出であれば課長の皆さんの決裁で済むんだというようなこともあり、都合のいいところをお使いになっているような気がしてならないのであります。課長決定の案件に出納長みずからが実は身を乗り出して、これに口を、発言をしていく、余りにも不自然な感じがいたしております。
 さて、今回の問題を調査していきますと、事実のつくり出される過程というものがさまざまな意図のもとで行われようとしたことが明らかになってきております。その意図したものの一つが、社会福祉総合学院と文京区小日向にある福祉保健医療研修センターとの統合による土地の売却構想でありました。平成十五年十一月に第二次財産利活用総合計画が出されました。証人はその当時財務局長でありまして、当然この内容については承知をしていたことと思いますが、どうでしょうか。

○櫻井証人 今先生がおっしゃいました財産利活用計画、これは財務局長のときに取り組んだわけでございます。そういう中で局をまたいだ施設の活用、あちこちで空きスペースもありということでもって、もっと局の壁を超えて検討していく必要があるだろうということでもちまして、都民の皆さんに直接影響がないところからやっていかないと、初めての取り組みというか検討でごさいましたので、まず、じゃ内部施設といいましょうか、そういうところから検討しようということでもって各局の持っている研修所、研修施設、こういうものを対象として検討を開始した、こういうことでございます。

○木内委員 知っておられたということでありますね。いつだれからどういう報告が上がってきてご存じになりましたか。

○櫻井証人 全体の、各局研修施設の全体といいましょうか、そういうものが当時の財産運用部から上がってきて知ったわけでございますけれども、そういう中で幾つかの局、七局か八局、ちょっと失念しましたけれども、そういう複数局、相当数の局で局ごとの研修施設を持っているということがわかりました。
 これにつきまして、施設を集約化することによって少しでも効率的な施設運用が図れるんじゃないかという一つの試みとしてこれを検討しようじゃないかということで、いわば事例の一つとして上げたと、こういうことがございます。

○木内委員 これをご存じになって、証人は、副委員長を務めておられる都有財産利活用推進会議の委員長である濱渦副知事に報告していると思うんですが、どうですか。

○櫻井証人 この各局研修施設、あるいは今の社会福祉総合学院ということで単体で報告しているかということでございますと、そういうことはありません。

○木内委員 全く報告していませんか。総論として報告する中でこの件に触れたことはありませんか。

○櫻井証人 先生のお尋ねの趣旨でございますけれども、各局研修施設を、局をまたいだ施設の有効活用の一つの事例として説明したかということでございますと、それは総合利用計画を説明した中でやったかもしれませんけれども、社会福祉総合学院を個別にとりたててどうのこうのと、そういうようなことをやった記憶はございません。

○木内委員 今のちょっとワンセンテンスの中に、両方の実は意味があったように思うんですが、全体の中でこの件に触れたかもしれないけれども、後段で社会福祉総合学院については触れなかったということなんですが、もう一回その点はっきりしてください。

○櫻井証人 私、財産利活用総合計画のときは、各局研修施設といいましょうか、そういう視点で小日向の施設、あるいは社会福祉総合学院、こういうものをとらえたわけでございます。そういう取り組みの中でご説明したかもしれないけれども、社会福祉総合学院あるいは小日向単体としてどうするこうするということでもって説明したことはない、そういうふうに申し上げているつもりでございます。

○木内委員 例えば小日向にしてもあるいは社会福祉総合学院にしても、これについて個別具体の名前を挙げて副知事に報告したことはありませんか。

○櫻井証人 財産の利活用の総合計画、そういう中で説明したかもしれませんけれども、はっきりした記憶はありません。

○木内委員 かもしれないけれども記憶がないというのが非常にあいまいであります。これは大事なとこなんですね。説明、報告をした可能性もありというふうに受け取っていいですね、今の証言は。

○櫻井証人 財産利活用総合計画の中でこの各局研修施設、特に先生の今の尋問ですと、小日向の関係、あるいは社会福祉総合学院の関係、大変ご心配いただいているんだろうと思うんですけれども、我々というか少なくとも私の認識としては、各局研修施設の一つの施設でありまして、とりたてて小日向だとか社会福祉総合学院だとかを個別に取り出してどうしようこうしようというようなことで、その財産利活用計画の中で検討というようなことはやっておりません。したがって、各局研修施設の一環として説明したかもしれないけれども、単体としてそれをどうのこうのということで検討したこともございませんし、そういうことで副知事に説明した記憶もないと、こういう趣旨で申し上げているわけでございます。

○木内委員 しつこいようで恐縮ですけれども、個別具体のこの名前を挙げて報告したことはないかという先ほどの尋問に対して、したかもしれないけれどもしないかもしれない、記憶にない、こういう実は証言だった。今はだいぶ後退したんですけれども、どうなんですか。

○櫻井証人 ですから、財産利活用総合計画の中で各局施設、例えば研修施設一覧というものを例えば整理したとすれば、例えば総務局の研修所もありますけれども、あるいは主税局あるいは環境局、それぞれの施設があるわけでございますから、その一覧の中に入ってセットになって研修施設として説明したかもしれないけれども、単体として施設として説明した記憶はないと、こういうことを申し上げているわけでございます。

○木内委員 知事が再三言及し、濱渦副知事も非常に関心を持っているこの問題について具体名を挙げた検討が行われているのに、利活用会議の委員長でもある副知事に証人が報告一つ上げていないというのも、またこれは極めて極めて不自然であると申し上げるしかないと思います。
 いずれにしても、さらに今後真の都民本意の都政が、また都政改革が行われるよう、引き続き疑惑の全容解明に向け全力を挙げていくことをここに申し上げて、私の尋問を終わります。

○山崎委員長 木内副委員長の尋問は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時六分休憩

   午後三時二十六分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 証人、出納長櫻井巖君に対する尋問を続行します。
 発言を許します。
 柿沢委員。

○柿沢委員 櫻井証人は、知事が四月一日に設置をした東京都社会福祉総合学院の運営に関する調査改善委員会というのの委員になっておられますよね。しかし、この間の証人尋問を聞いておりますと、それ以前に出納長で独自の調査を進めていたというふうに聞こえるわけですけれども、改めてそうした調査を出納長として独自に進めていたのかどうか伺わせていただきたい、お願いします。

○櫻井証人 私なりに調査は進めておりました。

○柿沢委員 あったということなんですけれども、先ほど来の質疑を聞いた上でお伺いをいたしますが、それはだれかの指示によって行われたものなのでしょうか、伺います。

○櫻井証人 先ほどから申し上げていますように、この社会福祉事業団、あるいは社会福祉総合学院といったらよろしいんでしょうか、その財産関係を中心に指示をしろということを知事から特別に命令されまして調査をしてきていると、こういうことでございます。

○柿沢委員 先ほど来の証人尋問の中で、言葉の使い方についていろいろお話が出ていますけれども、知事から特別に指示を受けた、この表現の仕方は大変重い大きなものがあると私は思っております。先ほどから、繰り返しです、大西理事の証人尋問の中でも一度あったと思いますし、木内副委員長の証人尋問の中にも何度か出た、知事から特別の指示を受けて調査を独自に出納長として進めてきたというお話ですけれども、だとすると、石原知事はこのことについてご自身として問題であるということを認識をし、調査依頼をされたということになりますけれども、出納長としては、証人としてはそのように認識をしているということでよろしいですか。

○櫻井証人 この間知事等からお話をお伺いする中で、知事のこの件に関する基本的方針といいましょうか、スタンスといいましょうか、そういうものは、まずもって都民の目線でしっかり考えてくれということでございます。それと、それの中で調査をし進める中でただすべきことがあればただしていくんだと。そのために徹底した調査をしろと、こういうのが趣旨でございまして、その趣旨というか方針を踏まえて私なりに理解して調査をしていると、こういうことでございます。

○柿沢委員 今までの証人尋問の中で、知事はどちらかというと何も知らない立場で、どちらかというと副知事やあるいは出納長、証人ご自身からあらぬことを吹聴されて踊らされてああいった記者会見での発言につながったんではないかというような推論を行っている方がいらっしゃるように私には見受けられましたけれども、しかし、今の証人のご証言を踏まえれば、知事がこの学院の問題について問題をご自身で認識をして、ただすべきところは都民の目線に立ってたださなければいけないというお考えを持たれているということが、今証人のご発言でわかったように思います。
 ところで、この石原知事から指示をされた、特別の指示をされたと。出納長として直結という言葉も使われていましたけれども、特別の指示を石原知事からお受けになった、これはいつのことだったんでしょうか伺います。

○櫻井証人 具体的な日時は覚えていませんけれども、包括外部監査事前説明会の後でございますので、二月上旬ごろというふうに記憶しております。

○柿沢委員 二月の上旬ということですね。ここはちょっと詳しく場面を再現をしていただきたいというふうに思っているんですけれども、その証人がおっしゃる知事からの特別な指示というものを受けたときに、その場に同席をした人はいるのかどうか伺います。

○櫻井証人 私一人でございまして、同席はいません。特別の指示ということでございますので、それは私一人が受けたと、こういうことでございます。

○柿沢委員 場所はどちらですか。

○櫻井証人 突然に知事室に呼ばれましてお話をいただいたと、こういうことでございます。

○柿沢委員 改めて記憶でいうしかないかもしれませんけれども、知事からこういうお話があった、かぎ括弧つきで、再現できるだけ忠実に再現をしてください。

○櫻井証人 あの、記憶でございますので、不確かな部分ございます。
 私なりに知事のそのときのお話を理解すれば、やはり財産というのは都民共有の財産であると、そういうことをしっかり踏まえて、いわゆる学校がこういう形でということで包括外部監査でいわれているわけですけれども、そういうことで財産関係中心にその学校の関係、そういうものをしっかり都民の目線で調査して報告しろと、こういうような趣旨のお話をいただきました。

○柿沢委員 特別の指示をその件について受けたというからには、その場ではほかの話はなかったわけですね。ほかについての指示、今いろいろ、いろんな委員がおっしゃられたようなほかの案件について、これもこれもこれもということではないわけですよね。

○櫻井証人 ございません。この社会福祉総合学院に関する件の指示をいただいたということでございます。

○柿沢委員 私、ジャーナリストですので、もともと、非常に疑り深い部分がありまして、櫻井証人、この二月上旬に知事の特別の指示を受けた、一対一でお会いになっているというお話です。これは、一対一の話を一方の当事者から話を聞いても、それは事実ということをこの場で断定をすることはできない。これは石原知事に、場合によっては、そのような指示を櫻井さんにされたんですかということを伺わなければいけないですけれども、それはそれでよろしいですね。

○櫻井証人 いいとも悪いともいえる立場じゃないわけでございますけれども、少なくとも、特別の指示を受けた者として今証言をいたしておりますし、特別職の一人として責任持ってお答えをしているというか、そういうつもりでございます。

○柿沢委員 わかりました。
 今のお話で、石原知事はどちらかというと、この問題について、記者会見では発言をいろいろしてきた。それが一つの騒動の種になっているのも事実ですけれども、どちらかといえば、この問題の本質について余り詳しくはお知りではないのではないか、何が何だか余りよくわかっていないうちに、側近から吹き込まれて、うん、これは問題、勘違いをして、ああした記者会見でのややもすれば過激な発言につながったと。けが人が出る、こんな発言を、例えば副知事なり出納長に吹き込まれてしたんじゃないかというような立論がこの委員会ではなされてきたように思いますが、とりわけ四月十九日の当委員会での高島委員の宮川財産運用部長に対する証人尋問の中で、冒頭でしたが、「百条委員会の提出要求資料をめぐって興味深いお話がありました。当委員会では、執行機関に、知事がこの問題はけが人が出ると発言をした内容を事前に説明した者の氏名及び説明資料を要求いたしました。福永副知事が知事に直接確認したところ、知事は、この問題の調査に関することは濱渦副知事に、そして、財産関係は櫻井出納長に任せてある」--ここは大事。「自分はよく知らないとおっしゃったということであります。この経緯については、福永副知事から百条委員会の山崎委員長にお話があったらしいと私どもも聞いて……」--私どもというのは高島理事ですから、自民党の皆さんということだと思いますが、「聞いております。そのことは、私自身は非常に重要だと認識をしております。知事は、今回の件を濱渦副知事と櫻井出納長に全面的に任せているということがわかったのであります。そうすると、今回の疑惑捏造の首魁は濱渦副知事と櫻井出納長であります。そして、財産運用部長であるあなたは、財産運用の実務上の責任者であり、仕事柄、知事から財産関係について特命を受けた櫻井出納長と当然密接な関係にある。この疑惑捏造にあなたがどのように関与していたか明らかにしたい、そういう思いで」宮川部長に対して「本日お越しをいただいたわけでございます。」と。
 今、申し上げたとおりのことを、宮川部長の証人尋問の冒頭に当たって、高島理事はおっしゃっている。疑惑捏造の首魁だそうでございますが、この点について、この発言が事実かどうか、どうお感じになられるか、こうしたことについて証言をいただきたいと思います。

○櫻井証人 私ども執行機関の調査が不十分な中で、さまざまな誤解を都議会の先生方にお示ししたといいましょうか、あったといいましょうか、そういうことであるならば、大変遺憾でございます。
 私自身は、先ほど申し上げましたように、知事から特別の指示をいただいて、知事と直結して自分なりの調査をし、知事に報告をしてきているわけでございまして、濱渦副知事、今、名前が出ましたけれども、それはラインとして、執行機関として、それぞれの関係局長を統括する立場でそれぞれ調査をしているということでございますので、私は知事と直結してやっている立場からすれば、全く別建てでやってきているわけでございますので、そういう、仮に、高島先生のそういうお話があるとしたら、私ども説明責任を十分果たしていない部分があるのかもしれませんけれども、大変残念であると、こういうふうに考えております。

○柿沢委員 改めて、濱渦副知事と並んで疑惑捏造の首魁というふうに決めつけられたことについては、どう思いますか。

○櫻井証人 私どもは、執行機関として、都民の皆さんの貴重な財産を預かっているわけでございますので、それをしっかり都民の皆さんにサービスとして還元できるような仕組みを考えていかなくちゃいけない、そういう、いうならば責任があるわけでございます。
 そういうことで、それぞれが、所管局も含めて一生懸命汗をかいていることだと思いますけれども、今の仮に疑惑ということであるならば、私自身の立場からいけば、大変、極めて遺憾なことでありまして、私は、この財産関係について、粛々と事実関係を整理して、その上で知事にご報告していると、そういうことでございます。

○柿沢委員 繰り返しになりますが、高島理事は、四月十九日の宮川部長に対する証人尋問の場で、濱渦副知事と出納長、あなたを、疑惑捏造の首魁ということで決めつけて、しかも、その当日の証人であった宮川財産運用部長、それが、櫻井出納長と特別な関係にあるかのような尋問を行い、ある意味では疑惑捏造のお先棒を担いだといわんばかりの尋問を行っているわけでございます。--(二百六十五字削除)--ただいまの櫻井証人のご回答、ご証言がもし仮に事実だということで、疑惑捏造の首魁というのはある意味では不本意で遺憾であるということであるとするならば、私は、宮川部長へのあの尋問は一体何だったのかというふうに私は申し上げたいというふうに思います。
 さて、石原知事に呼ばれて指示されたのが二月上旬ということですけれども、それまで調査改善委員会、それでは、冒頭取り上げた、その調査改善委員会というのが設置をされるまでにある程度の日数があるわけで、その石原知事からの特別な指示というのを受けて、出納長としてどのような調査をされたのか、また、そこで何が明らかになったのか、まだ途中だと思いますので、話せる範囲でお話しください。

○櫻井証人 知事の特別な指示を受けまして、私なりに包括外部監査報告書あるいは福祉局がまとめた資料を、先生方のお手元にも届いているんじゃないかと思いますけれども、そういうものを使ってですね、私なりに、知事からの注文は財産管理ということでございますので、そこを中心に、大枠の、まあいうならば事実関係の整理をしたということでございます。
 大変、福祉局、福祉保健局の資料というのは貴重な情報を提供しているわけでございますけれども、既に先生方ご存じのとおり、土地につきましては、都と事業団の間で三十年の無償貸し付けという形になっていたと思います。で、当然、そういう、土地に限らないんですけど、建物も、使用目的というのはそれぞれ限定されているわけでして、その目的との関係からすると、これは使用目的との関係で目的外使用に当たるんじゃないかという心配があるということが見えてまいりました。
 それと、この土地につきましては、事業団と敬心学園との間の建物の定借契約でもって、たしか使用できるというような規定があったかと思いますけれども、使用できる、で、いわゆる使用権みたいな形になるのかなという心配をしているんですけれども、そういうようなことにしながら、地代をいわば取っていない。地代として単体取らなくても、それをいうならば定借の建物の家賃に転嫁しなくちゃいけないと思いますけれども、そういうことをやっていないということでございます。
 で、この無償というのは非常に重い判断でございまして、都の条例にこれに関する条例があって、公益性、公共性が担保されないと、その無償ということは出てこないわけでございます。と同時に、その条例及び議会の議決を得た場合に初めて無償にできるというぐらい大変重い判断になるわけでございまして、こういうところの心配があるなあということが見えてまいりました。
 それと、建物の方でございますけれども、先ほど申し上げましたように、事業団と敬心学園との間で定借五年でやっているわけでございますけれども、それに関して、契約書のほかに公正証書あるいは念書等があります。で、そのことによって、いわゆる建物のこの定借五年の関係が非常にわかりにくいというか、不透明な形になっているというふうに感じておりまして、そこいらをこれから精査しなくちゃいけないなというふうに考えております。
 で、いずれにしても、土地建物の、土地については、その建物の底地の形になってますから、都の財産に直接影響するということございます。そういうことで、定借の関係を整理することも含めて、土地建物の権利関係、これを精査しないと、私としては何としても早く精査した上で、現に学校があって、そこに生徒さんたち、都民の方あるいは都民の子弟の方々、通学されているわけですから、その方たちに一刻も早く安心していただけるようなことをしっかり示さなくちゃいけないだろうというふうに思っていますので、そのためにも、この土地建物の権利関係をしっかり精査していくことがその出発点といいましょうか、そういうことになるなというふうに思っております。

○柿沢委員 いや、まあ、ここまで詳しく出納長の方から問題点の指摘、列挙があるとは実は思ってませんでしたので、いささかびっくりしているところです。
 で、私どもがこの問題にかかわる、今までの証人尋問の中でもるる指摘をさせていただいてまいりましたけれども、私たちがこの社会福祉総合学院の運営の過去、現在、未来にわたるあり方、あるいは契約関係の今の状態、これを見たときに、こうした問題があるというふうに指摘をしてきたことと、今、出納長がおっしゃられたことは、ほぼ符合いたしております。
 まあ、流れもありますので、私たちとしても、一つ一つ改めてちょっと確認をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、まず、敬心学園に学院の施設の大部分を利用させているという現状をどう見ますか。私たちは、事実上、この建物だけではなくですね、土地も敬心学園に貸し付けられているというふうに考えていますけれども、財務局長の、財産管理の責任者をやった経験から答えてください。

○櫻井証人 私は、今日時点ではまだ大枠の土地建物のいわば事実関係といいましょうか、権利関係、まあ、そういうものの整理をしたということでありまして、なお今後、精査をしていかなくちゃいけませんし、専門的な検討も、にわか勉強をしながらやっていかなくちゃいけないと思うんですけれども、建物の底地になっている土地があるわけでございまして、これが、これは何もこの社会福祉総合学院だけじゃございませんで、都の土地はそれぞれ、いうならば使用目的がはっきりしているわけでございまして、その目的に応じて、各局長に知事から権限が受任されているというか、受任している、委任しているというか、そういう形になっているわけでございます。そういう仕組みに照らし合わせて考えると、この今の土地の状態というのは、目的外使用という形になっているというふうに私は理解しておりますけれども、なお精査しないといけないというふうには思っております。

○柿沢委員 まあ、目的外使用というお話がありましたけれども、これ、恐らく、この土地及び立木無償貸付契約書の第四条にある、この用途指定に違反をしているというお話だろうなあというふうに理解をさせていただきました。
 また、この契約書はごらんになられていますよね。

○櫻井証人 今申し上げました、先ほど申し上げました、知事の特別な指示をいただいて以降の調査の中で、その契約書についても見ております。

○柿沢委員 じゃあ、ちょっと細かいんですけれども、これちょっと伺っておきたいんですけれども、この契約書の五条に、転貸の禁止というのがあるわけですよ。私たちは、この土地の部分も敬心学園に事実上貸し付けられているというふうに、私たちは思っています。外部監査報告書でも、九〇%、施設の九〇%が臨床福祉専門学校に利用されていて、しかも残りの一〇%に当たる学院の自主事業も、何のことはない敬心学園に委託されているわけですから、そういう現状を見れば、この土地の貸し付けが事実上行われているというふうに見るほかないと私たちも思っています。
 で、この契約書、無償貸付契約書の第五条には、明確に、土地等を転貸し、あるいは使用する権利を譲渡してはならないということが書いてあります。これを踏まえて、どのようにご見解、お持ちになられますか。

○櫻井証人 転貸禁止ということでございますけれども、この建物の契約の中には、定借の契約でございますけれども、先ほど申し上げましたように、土地の使用を認める条項があるということでございます。それと一方、敬心学園が出した認可申請書の中には、この土地は借用という表現になってございます。したがって、使用なのか借用なのか、そこの法的な整理をしなくちゃいけないわけでございます。そういうことを踏まえた上で、今、先生がおっしゃった転貸禁止条項との関係でどうなのかということもしっかりしなくちゃいけないと思うんですけれども、実質的に、あるいは都民の目線から見れば、この都有地がこの敬心学園に使われているということでございまして、そういういわゆる、ちょっと語弊があるかもしれませんけれども、法律的な細かいこと、あるいは行政内部の手続等々を除外して考えれば、都民から見れば、やはり敬心学園が使っていると、そういうふうに見られてもやむを得ないと、そういう側面はあるというふうに思っております。

○柿沢委員 しつこいですけれども、契約の第五条、転貸の禁止というものに事実上違反をしているという認識を今披瀝されたということでよろしいですか。

○櫻井証人 今現在の大枠の事実関係の中でお話を申し上げているわけでございまして、今後なお、そういう法的なことについては精査をしていかなくちゃいけないということでもって、今この時点において転貸禁止条項に抵触するのかどうか、これについては私はまだわかりません。

○柿沢委員 しかし、まあ、このご証言、ご答弁を聞いていて、まあ、ほとんどの人は、四条の用途指定あるいは五条の転貸の禁止というものに違反をしている可能性があるというよりも、大いにある。まあ、ありますよ。そういう契約に現状としてなっていることは、まさに明らかになりつつあるんだろうというふうに思っております。
 そして、ちょっとお話伺いますけれども、櫻井証人は、大学は法学部を卒業されていますよね。

○櫻井証人 そのとおりでございます。

○柿沢委員 先日の宮川部長に対する証人尋問で、こうした契約違反、宮川部長は契約違反だということを半ば明言をしておられましたけれども、これが民法上何を構成するかというお尋ねをさせていただきました。私は不法行為じゃないかといったんですけれども、宮川部長のお答えとしては、これは債務不履行ということになるという見解をおっしゃっておりました。
 で、これは簡単な民法の問題ですので、ですから法学部ですよねと伺ったんですけれども、こうした契約違反が債務不履行を構成するということになると、債務不履行となれば、東京都は債務を履行を完全にしていない事業団に対して、契約の解除もしくは発生した損害の損害賠償請求ができる、これは民法上そういうことでよろしいですね。

○櫻井証人 法の仕組みからいえば、そういうことになります。

○柿沢委員 その場合、都が事業団に請求すべき損害額というのは、どのように考えたらよろしいでしょうか。

○櫻井証人 今現在まだ精査し切れておりませんけれども、何をもって債務不履行というふうに、いうならば東京都が考えるかということだろうと思うのです。
 この場合は、土地の関係ということになるわけでございますけれども、いわゆる公共目的、公益的目的でもって使うから無償としたわけでございます。
 一方、事業団は、現に建物を有償定借しているわけでございますけれども、そのことによって、底地として使われている土地、そこに、いうならばどういう形で、事業団から見れば債権、私どもから見れば債務になるわけですけれども、発生したかということを精査していかなくちゃいけないことになるわけでございまして、それについて今現在直ちに、どの部分が債務不履行でどの部分がそうじゃないんだというふうな交通整理というのはなかなかできかねるという状態でございます。

○柿沢委員 今のお話の中で、公共の目的という前提で無償の契約が、土地の貸付契約が結ばれているという中で、学院の建物を事実上、土地もということになるわけですけれども、敬心学園に貸し出している、有償で。これをもって、ある意味では、無償で土地を貸し付けている根拠というのが失われているということになるんだろうというふうに思います。
 平成十四年四月からその契約がスタートしているわけですから、今からさかのぼると三年間ですね、三年間の分、地代を計算に入れた適正な賃料を本来取らなければいけないということになっているという認識を私たちは持っておりますが、これはいかがでしょうか。

○櫻井証人 法の理論、民法上の理論からいくとそういうようなことになるわけでございます。
 ただ、これからしっかり精査をしていかないと、今この場で断定して、どの部分が債務不履行、で、どのくらいのいわゆる賠償額だというようなことをいうというところまでは、私自身は、まだ精査はできておりません。

○柿沢委員 ここから先は独自のお話になりますが、何回か前の週刊ポストの記事では、大手不動産会社の担当者の意見として、学院の家賃は月二千五百万、年間三億円近くするという見解が述べられています。これをもとにすれば、三年分ですと何と九億円に上る損害が都に発生している、こんな単純な計算ではないですけどね。それが、でも都が事業団に損害賠償できる額、一つの目安ということに理論上はなってしまいます。
 これは精査中だということで、お答えは尋ねてもむだだというふうに思いますので、尋ねませんけれども、例えばこういう損害が都において発生をしているということになったら、この状態を放置していれば、地方自治法の二百三十七条二項における、普通地方公共団体の財産は、適正な対価なくしてこれを貸し付けてはならないという規定に違反をして、これまた知事並びに財務局長らに対して、今の、九億円とはいいませんよ、あえて、だけれども、それだけの巨額な損害賠償請求がなされる可能性があるということになるんじゃないですか。可能性の議論ですけれども、お答えください。

○櫻井証人 損害賠償を発生する事由があるかどうか、これはこれから精査しなくちゃいけないというように先ほど申し上げているんですけれども、法の仕組みというのは、民法と自治法の関係でいけばそういうようなことになります。それで、この関係につきましては、今申し上げたように、財産管理、これは知事の専管事項でございまして、知事が最終責任者ということでございます。先ほども申し上げましたように、使用目的に応じて各局長にその管理を受任している。で、都全体の総合調整の立場、それと普通財産について財務局長が所管をしているということでございます。
 で、今回の件は、そういう意味では第一義的に、現在でいえば福祉保健局が、に該当する形になるし、財務局も当然にその責任を問われることになる。ああして知事も、最終責任者ですから、それが損害賠償という形になるのか、あるいは管理監督責任ということになるのか、それはこれから精査しなくちゃわかりませんけれども、少なくともそういう責任問題が発生することだけは、もし仮に損害賠償ということが発生するならば、そういうことになっていくということでございまして、知事自身も、私に特別な指示をし、それで報告をしていく中で、自分自身の管理監督責任はとる覚悟があるから、都民の目線でしっかりこのことを精査してくれと、調査してくれと、こういうようなことを私に命令されている、こういうふうに理解をしております。

○柿沢委員 しつこいですけれども、今損害賠償という形になるかどうか、管理監督責任かもしれない、それは知事並びに関係局、関係局長、担当職員、そういうところに責任が及んでくる蓋然性を現時点では少なくとも否定できないということでよろしいですね。

○櫻井証人 財産に限らず、各局長も具体な予算の執行において、あるいは契約において、それぞれ職務権限を有すると同時に、その職責を、責任を担っているわけでございまして、当然それに応じた形でもって損害賠償が、もし損害賠償という形が発生するならば、仮に、そういうことが問われるということになります。
 事実、私自身も財務局長の時代はそういうことで契約の面での責任と、今回先生方に大変ご心配をおかけしております財産に関する責任と、それと各局が行う予算の執行の責任、これを日々感じながら、局長、財務局長の職務を受理していたと、こういうことでございます。

○柿沢委員 わかりました。
 次に、資料15の、平成十六年度監査報告概要版の補足説明というものに基づいて尋問をさせていただきます。
 これは、包括外部監査人が提出をした資料ですけれども、中身を話しますから、そのまま聞いてください。その七ページ、八ページで、敬心学園がこのまま継続的に学院の建物を使用していくのであれば--ここで外部監査人はその可能性が極めて高いというふうに考えているようですけれども、それであれば、結果として都は敬心学園に対して補助金を支出していることになるというふうに書かれてございます。いわゆる建設費償還金として都が事業団に支出している補助金ですね、これが事実上敬心学園に都が補助をしているのと同じだということが、この包括外部監査報告の補足説明、書かれているわけですけれども、この点について何かコメントありますか。

○櫻井証人 その資料をちょっと私としては見ておりませんので、詳しいことわかりませんけれども、今先生がおっしゃった、恐らく包括外部監査人がおっしゃったのは、家賃と、それと都がこの社会福祉総合学院ということで要した建設費の償還金との関係でおっしゃっていることだろうと思うのですけれども、包括外部監査報告書の中でも、賃料につきまして発生している経費との関係でもって比較をし、コストが安過ぎるのじゃないかとか賃料が安過ぎるんじゃないかというような趣旨での意見がたしかあったと記憶しております。そういうことでするならば、一〇〇%都民の税金で建てた建物を、安い家賃で入っているということになりますので、そういう趣旨からしての補助金との関係での、いうならば懸念といいましょうか、そういうことを包括外部監査人が申し上げられた、こういうことじゃないかというふうに考えております。

○柿沢委員 同じ補足説明の文書の中で、この補助金に当たる額について、平成十五年度ベースで計算をすると、建設費借入金償還額プラス利息支払い額、これが二億二千万円、それから敬心学園からの賃貸料五千七百万円、引き算した年間で一億六千五百万に上る金額を、これは事実上都が敬心学園に、民間の学校法人に補助金として支払っている。このままいけば、平成二十二年度までに約十八億円、累積で二十一億円もの巨額の補助金が都から敬心学園に支払われることになるということを、包括外部監査人が補足説明の中で指摘をしているわけです。このような、二十一億円、年間一億六千五百万円という指摘をどのように考えますか。

○櫻井証人 今の先生のお話は、敬心学園が事業団に払っている賃料と都が事業団に支出している補助金その他の関係でおっしゃられていることだろうと思うのです。ですから、私ども行政にいる者からすれば、敬心と事業団の賃料、それと都と事業団の間の補助金の関係、全く別建てということになりますけれども、恐らく包括外部監査人がそうおっしゃっているということは、都民の目線で見た場合に、それは実質的にそういう意味合いを持つことになってくるんじゃないか、そういう趣旨で申し上げられているのかなと思いますけれども、今現物ちょっとないものですから、私の方で細かく申し上げられませんけれども、いわば、いわんとしていることはそういうことで、補助金との関係で見れば、敬心学園が結果的に受益の関係ですね、で見ればそういうことになるんじゃないか、こういう趣旨のことを包括外部監査人がおっしゃっているんじゃないか、そういうふうに理解しております。

○柿沢委員 今お話のとおり、契約関係でいろいろ形は調えてあるというか、整ってないと思いますけれども、だとしても、都民の目線に立てば、一般的に見れば、普通に見れば、事実上、あの学院の建物を敬心学園が土地とともに借り受けていて、自分の学校の校舎として使って、しかも一億六千五百万に当たる差額ですけれども、補助金を受けて学校を運営しているというふうにしか見えないということだというふうに思います。
 で、借家権の話まで証人からありましたので、触れるつもりなかったんですけれども、ちょっと触れます。
 先ほど、五年の定期賃貸借契約を結んでいるわけだけれども、しかし一方で、再契約がどうしたとか、あるいはいろいろな念書が出ていて、学校の長期的、継続的な安定運営、保証するような文言が盛り込まれていたりして、本当の意味でいわゆる定借、定期借家権が成立をしているかどうか、ちょっとあいまいな状態になっているというお話でしたかね。そういう意味では、この間も宮川部長に対する証人尋問で話しましたけれども、通常の借家権が生じているという可能性も否定できないということになりますけれども、ここについてのご認識は、改めて伺わせていただけますか。

○櫻井証人 建物の定期賃貸借契約でございますけれども、契約書は五年、それで一定の手続というか、審査会みたいなものを得て再契約できる、こういうことになっているわけでございますけれども、一方じゃ、当事者同士の契約は調っていますけれども、公正証書がございます。これは定期借家、失礼しました、定期借地賃貸借について公正証書を取り交わしているということでございます、法でそうなっているわけでございますけれども、その中では、公証人役場の方からの指導、これは非常に基礎的なことでございますけれども、更新というのはないんだよというようなことをいわれまして、いわゆる定借法本来の五年ぽっきり、これは当然なんです、本当は定借でいえば、で、公正証書はできていると。これがオフィシャルな公正証書ですから、当然、まあ役割というか、権能といいますか、機能というか、そういうものを発するわけですね、公正証書ですから。
 ところがやっぱり、これは恐らく学校認可等との関係もあったかと思うのですけれども、念書というのが実際は存在をしております。そういうようなことで、契約書と公正証書と念書があることによって、今現在の私の見立てでは、定借の五年というところの権利関係というものが非常に不透明になっているなというふうに思っております。
 その定借、相手方は学校でございますので、当然永続性というのが求められるわけですから、そういう意味でいくと、そちらから見れば、定借五年というのはもともと無理があるわけでございまして、そういうところをいうならば財産処理上の補完をするためにできる規定があったり、念書があったりというようなことのおそれが発生しなければいいなということで、そこがまだ実は整理をし切れていない部分でございます。
 いずれにしても、契約書と公正証書と念書があることによって、定借の権利関係が非常にわかりづらくなっているという現実はございます。

○柿沢委員 今、私の見立てでは不透明な部分があるというお話がありました。これ、不透明だったら、基本的には定期借家権というのは成立しないんですよ、これは。借家人の権利を弱める契約ですからね。ある意味では、すべての手続、プロセスを、しっかり法令にのっとって行って初めて定借というのは成立をして、そうでなければ通常の借家権が成立をするというのが基本なわけです。
 だとすれば、今、櫻井出納長がいみじくもおっしゃった、不透明な部分が私の見立てではいささかあるというような状況であれば、定借は成立をせず、一般的な借地権が、借家権が発生をしている。これは、とりもなおさず、敬心学園にこちらの学院の建物を立ち退いていただいて明け渡していただくときには、借家権利金として立ち退き料を払わなければいけない。都の公有財産規則に照らせば、それは、学院の建物の現在価値の四割に当たる額を払わなければいけないということになるということで、証人の認識もそういうことでいいですね。

○櫻井証人 この本契約に至るまでの過程、あるいは公正証書をつくるまでの過程を福祉保健局の資料で解析をしてみますと、これは、更新ということを前提にずっと話を詰めてきているように見受けられます。すると、一定の言質を相手に与えている可能性もあるという心配をしております。
 それと、これ、念書がありますので、念書がどういう法的効力を持つかということを、もう少し精査しないといけない部分がございます。
 いずれにしても、仮に先生おっしゃるように、定借じゃなくて一般借家の世界ということになりますと、借地借家法では、先生のお話のような形になりますので、いわゆる借地借家人の権利が非常に強いということでございます。
 そういう中で、仮に東京都が敬心学園に、いうならば立ち退きといいましょうか、そういうふうなことをお願いするということになれば、今おっしゃった、公有財産規則上はそういう四割というのが発生すると、そういう仕組みになっているということはございます。

○柿沢委員 皆さん、今、櫻井証人のお言葉は非常に重要だと思うんです。先日、宮川証人に対する証人尋問の場において、私がこの借家権利金のお話をしました。で、建物の現在価値を仮に建設費二十一億円そのまま計算をすると、四割ということですから、これは借家権利金立ち退き料は八億四千万ということになる。
 これをいうと必ず、何というか、こう、あり得ないことのようなことを皆さんおっしゃるんですけれども、しかし、今、それが基本的に、もし借家権が発生していればという仮定でお話をすれば(発言する者あり)いや、そうじゃないですよ。仮じゃないですよ。この八億円以上に上る借家権利金を支払う必要が生じてくるということだと思います。
 これも地方自治法二百四十二条に照らせば、住民監査請求をされた場合に、知事また財務局長、こうした方々に対して、公有財産の適正な管理を怠ったということで責任を問われ、場合によっては損害賠償請求の対象になる、この可能性はやはり捨て切れるものではないというふうに思っております。
 最後に、当該の土地を売却しようとしても、使用中の学校法人を無視して競争入札することはできにくいというふうに思いますので、結果としては、正常な入札にならないで、現在使用中の学校法人の落札を前提とせざるを得ない、それが入札妨害罪を構成する、そういう指摘も私は伺っているんですけれども、このことについてはご認識はございますか。

○櫻井証人 仮に今の、恐らく特定のものという、趣旨は敬心学園ということでよろしいのでしょうか。もし、仮にそういうことならば、ここに特命をする理由があるかどうか、それが都民の前に納得いく理由があるかどうかということにかかるわけでございますけれども、この土地の利用、あるいは直接都が所有しているわけじゃございませんけれども、一〇〇%税金で建てた建物、こういう性格を考えるときに、そういう特命するということは非常に困難というふうに私は考えております。
 したがって、仮にここに売った場合は、今おっしゃった刑法のお話なんだろうと思うんですけれども、つい先日もどこかの市長が捕まっておりましたけれども、入札、競争入札の妨害罪というのを形成をいたします。

○柿沢委員 どうですか、これ。刑法、民法、契約違反、こうしたもろもろの法律違反を惹起する契約状態に現在あるんじゃないですか。これをただしていくべき状況といわずして、何をただすべきなんでしょうか。私はそのように思っております。
 こうしたもろもろの問題について、証人は、今後どのようにしていくべきだというふうに考えておられますか。

○櫻井証人 今後の対策をどうするかということなんだろうと思うんですけれども、現実に、先ほども申し上げましたように、都民の方あるいは都民の子弟の方々が通う学校がある、こういう現実がございます。また、そこで修学年限、いろいろばらつきはあるようでございますけれども、そこで修学されているということでございます。
 そういうことの現状、こういうものをしっかり踏まえながら、どういう点の財産処理上の補正ができるのかできないのか、そういうことを、これから法律上しっかり整理した上で、精査した上で、それで都と事業団、それと事業団と敬心学園、この三者の間でしっかり精査をし、それで対策を考えていかなくちゃいけない。それは、あくまでも都民の目線にかなうものでなくちゃいけない、このように考えております。

○柿沢委員 ついでに伺いますけれども、そのような姿勢でこの問題の調査改善に臨むことが、まさに証人が特別に指示を受けたという石原知事の意思に沿うことだというふうに証人は認識をされているということでよろしいですね。

○櫻井証人 知事から、知事のお考えは、先ほども申し上げましたように、都民の目線で考えろ、それと、ただすべきことはただしてくれというようなこと、意向と、そういうことで。それと、あとそのためにいろんな調査を精査しろと、こういう趣旨でございます。この方針は、私なりに今現在も変わっていない、こういうふうに理解しております。
 そういうことで、これからも都の財産が、都民共有の財産でございますので、そういう目線をしっかり持って、適正な財産処理、こういうものを心がけていかなくちゃいけない、そういうふうに考えております。

○柿沢委員 よくわかりました。私も、これだけの証言が出てくるとは思ってませんでした。この問題についての調査改善の中心的な役割を担っている人から、これだけ具体的な証言が出てきたことの意味は、私は非常に重いというふうに思っております。
 さらに、それが石原知事からの特別の指示に基づくものであるという認識も引き出されました。今までの、疑惑はなかった、真っ白だということを基本とするような本委員会の議論の流れを、まさに私はこれは根底から覆すものだというふうに思っております。
 これを聞いて、またいろいろいう人が、疑惑のでっち上げだとか、できレースだとかいう人がいるんでしょうけれども、しかし、この尋問で披露した見解は、私個人の見解でもないし、櫻井証人の独自の見解でもない。公認会計士である包括外部監査人あるいは財務局の顧問弁護士、そうした専門家が、その疑いがあるといって指摘している事項ばかりですよ。問題がないとか、全部でっち上げだとか、そんなにいうんだったら、そうした指摘をした包括外部監査人や顧問弁護士以下、そういう方々を委員会に呼んで、早く見解をただしたらいいじゃないですか。
 それをやらずに、学院の運営とは何ら関係のない、我が会派の同僚議員を次から次へと証人喚問要求を行う。これが事の本質から目をそらすための疑惑隠しの政治ショーじゃなくて、一体何なんですか。
 今の証人尋問で、石原知事からこの問題に関して直接の指示があったということがはっきりしました。一方、自民党の高島理事は、石原知事は、全部濱渦副知事と櫻井出納長に任せていて、私はよく知らないと話しているといいました。どちらが本当なんでしょうか。事実を明らかにするためなら、私はこれは、石原知事にだって、ご多忙中申しわけないですけれども、当委員会のご招致を申し上げて、お話を聞いたっていいというふうに思っています。
 他会派の皆さんは、わざわざ石原知事のところへ出向いて、知事は傷つけませんからとかいっている人もいるようですけれども、そういうことを知事にいっていること自体が、議会人としての、事実の解明に本気で当たるつもりがあるのか、大きな疑問を抱かせるものだといわざるを得ません。
 これで尋問は終わりますけれども、私は、四月十九日の証人尋問に出頭された宮川部長の一日も早いご回復をお祈りをして、きょうの尋問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員長 曽根委員。

○曽根委員 それでは、櫻井出納長に証人として尋問させていただきます。
 出納長は、ことしの二月二十四日の午後は何をされていましたか。

○櫻井証人 知事とお会いをしておりました。

○曽根委員 あなたの専用車の記録を見ると、二月二十四日は、午後一時三十分に都庁を出発して千代田区に出張されておりますが、これは平河町の都道府県会館で知事にお会いになっているということでよろしいんですか。

○櫻井証人 時間は覚えてございませんけれども、都道府県会館に行った記憶はございます。

○曽根委員 そのときは、出納長一人で行かれたんですか。

○櫻井証人 知事からのお呼びによって、私一人で参上いたしました。

○曽根委員 現地で濱渦副知事と合流されませんでしたか。

○櫻井証人 今申し上げましたように、私は、知事に呼ばれてお伺いしました。そのときに、濱渦副知事は後からいらしたと、そういうふうに理解を、記憶しております。

○曽根委員 濱渦副知事も来られたということですね。確かに、濱渦副知事の記録を見ましても、十三時三十分、あなたと同時に都庁を出発して、十三時五十分に千代田区に行っています。そして、車だけは、濱渦副知事の車は十七時四十五分に都庁に返しています。
 ここで、濱渦副知事とあなたとで、知事とどういう話をされましたか。

○櫻井証人 私がお話ししたのはあくまでも知事でございまして、その知事に対して、特別な指示をいただいたことについて、現在、どういうような状況だということで報告せいということなので、その部分を報告いたしました。

○曽根委員 今回、問題となっている社会福祉総合学院の問題を知事に、何か特命があったというようなお話がありましたが、それらの報告など、話をされていたのでしょうか。

○櫻井証人 今の二十四日の話ということでよろしいんですか。そういうことならば、特別な指示をいただいた社会福祉総合学院のことについて報告をせいと、こういうことでございましたので、その時点で把握していた大枠の事実関係について口頭でお話を申し上げたと、そういうことでございます。

○曽根委員 そうすると、翌日、二月二十五日の記者会見での知事の発言で、ちょっとこれは重要なので読ませていただきますが、あれはね、とても大事な問題が出てきてね、ちょっとびっくりしているんですよ、私もね。これは、いわゆる社会福祉総合学院なるものについては、都民共有の財産である都有地を使って、特定の学校法人が学校を設置して運営しているということですが、私はこれを認めた覚えはありません。十三年の十一月に民間に委託するということだけは聞きましたけれどね。その後、ここで一々お話ししませんが、もう少し精査して報告もするし、皆さんも調べていただけばわかるけれど、かなり無理なことをしている感じがするね。大体、学校なんていうのは、前後合わせて三カ月でできるものじゃないのが、しかも、残っている文書の中に特例中の特例だとか、どういう権限で出たかわからない念書なるものがあってね、これはとても大変な問題だと思います。学校ができていて、そういう形で運営されているのは、今度初めて聞きました。これね、外部監査のメリットの一つで、私は、こういうものは正面から受けとめて、ただすものはただしていかなきゃならないと思っています。けが人が出るかもしらんね、この問題はと、こう発言されています。
 ここに出てくる念書、特例中の特例などの情報は、そうすると、前の日、あなたと濱渦副知事が知事に対して行ったものと考えるのが、だれが考えてもそういうふうに考えざるを得ないんですが、いかがですか。

○櫻井証人 先ほども申し上げましたように、私が呼ばれて、知事にこの特別な指示をいただいた社会福祉総合学院の件について報告をしたということでございます。
 その元資料は、先生方のお手元にもお届けいっていると思うんですけれども、福祉局の、福祉保健局の資料、それを見ていただければわかるんですけれども、その中に、念書、それと、特別なケースでこうですよというようなことをいっている文書がございます。そういうことをこの福祉保健局の資料を使って淡々と事実関係をご説明したということでございます。

○曽根委員 それからもう一つ、けが人が出るかもしれないと。これは明らかに、違法性を知事が、このことについては認識したというふうに受け取らざるを得ません、けが人という言葉はね。ほかにとりようないと思うんですよ。
 つまり、あなたと濱渦副知事で知事に会って、この問題はやっぱり違法性があるということを知事に情報提供したというふうに考えるのが自然なんですが、そういう事実はあったんですか。

○櫻井証人 一点申し上げますけれども、私は、濱渦副知事と会ったわけじゃありません。私が知事に呼ばれて行ったところ、たまたまいらしたというのが私の理解です。私は知事に対して、特別な指示に対してご報告をしたということで、福祉保健局の資料、これを見ていただければわかるんですけれども、淡々とその事実関係をご説明したまででございまして、けが人が出るとか何とか、そういうことを言及した覚えは一切ございません。

○曽根委員 そんないいかげんな証言じゃ困りますよ。
 知事は、けが人が出るかもしれないと。つまり、この問題では責任者がいて、その責任者は違法性の責任を問われる可能性があるんだと考えていたということに、これを読めば、どう考えてもそう受け取らざるを得ないと思うんですが、このけが人とはだれのことなんですか。

○櫻井証人 知事が知事ご自身の言葉で発言なさったことであり、私にはわかりません。

○曽根委員 それでは、あなたは知事に対して、この違法性の問題とそれの責任者について言及しませんでしたか。

○櫻井証人 どういう趣旨の責任者ということかわかりませんけれども、我々管理職というのは、それぞれ職務権限と、その裏腹の責任をしょっているわけでございます。そういう意味で、私自身も含めて、全部責任をしょっているわけでございますけれども、この場でもっては、先ほども申し上げましたように、福祉保健局の資料を使って、あるいは包括外部監査報告書の中にこういうことが触れられておりますということを淡々とご説明しただけでございまして、そういう個人名とか何かということについて言及したことはございません。

○曽根委員 知事のいい方は、平成十三年の十一月民間委託したことは知っていたが、その中身について初めて知ったと。
 当時のやはり契約に問題があり、そのときの責任者が問題だというニュアンスに聞こえますが、そういうニュアンスのことをあなたが知事に対しておっしゃったんじゃないんですか。

○櫻井証人 福祉保健局の資料に基づいて、粛々とご説明をしたまででございます。

○曽根委員 もう一つお伺いしますが、先ほどの、これはさっきの証言ですから、記録はちょっと正確にわかりませんが、あなたは、自分自身一人で知事に呼ばれて特命を受けたと。副知事の濱渦氏とは別に調査もし動いてきたというようなお話をされています。
 このときは、あなたはたまたまといいますけれども、同じ時間に都庁を出発して、同じ席に知事のところに行って、その後もかなりの時間そこにいたわけです。とても偶然と思えませんが、明らかにこれは、あなたと濱渦氏が一緒に知事に対してこの問題で対応していたといわざるを得ないじゃないですか。いかがですか。

○櫻井証人 劇はいろいろつくれるんでしょうけれども、私は、先ほどから申し上げていますように、知事から特別な指示をいただいて調査をしろということで、知事と直結してこの件については動いてきております。
 それとは別に、知事は濱渦副知事の方に、私の記憶では一月二十八日の包括外部監査報告の事前説明会のときに、関係局長ともども調査をしろという指示を出されております。
 そういうことで私は別建てでやってきておりますし、今までのこの関係に対する件について濱渦副知事に報告したことはございませんし、この一月二十……、失礼しました、二月二十四日につきましても、私は知事から呼ばれて行ったわけでございます。そこで、福祉保健局の資料に基づいてご説明をしたと、ご報告をしたと、それだけでございます。

○曽根委員 そこまでいうならもう少し聞きますけれども、資料を委員の方に配ってください。証人にも渡してください。あ、配った。
 それでは、この後あなたは一たん都庁に戻って、その後また庁有車を使って千代田にまた行っているわけですが、これはやはり都道府県会館にまた戻ったんですか。

○櫻井証人 戻った記憶はございません。

○曽根委員 どこへ行ったんですか。公用車を使っているんですから、公務ですから説明責任がありますよ。

○櫻井証人 今この場では、記憶にございません。

○曽根委員 よく思い出してください。時間はありますから。

○櫻井証人 申しわけありませんけれども、今この場では記憶はございません。

○曽根委員 濱渦副知事の専用車の記録を見てくださいよ。千代田区に行って、五時四十五分に車を帰しているんですよね、都庁に。その後、あなたの方の車に、出納長、五時五十分から六時十分までに、その千代田区に、どこに行ったのかはともかく、戻って、その後は出納長外一名で、あなたの車で、乗った時間が二十二時四十分ですよ。この間何していたんですか。十八時十分から二十二時四十分まで。

○櫻井証人 もちろん公用車を使っているわけですから、関係者の会合だろうと思うんですけど、今この場では記憶にございません。

○曽根委員 この外一名というのは、この前に知事に会っているんですよ。翌日は知事の定例記者会見で。重要問題である特命を受けた練馬の社会福祉総合学院問題を報告して、その帰り、副知事もその席は一緒だったと。あなたはたまたまというけれども、副知事は車を帰している。あなたは一たん都庁に戻って、またここに戻ったんじゃないですか。
 それとも、副知事と待ち合わせて、あなたと外一名であなたの公用車で十時四十分まで千代田で何していたんですか。大体もうはっきりしているじゃないですか、これ。副知事と一緒に同席して、その後の副知事の車を見れば。
 どうなんですか。副知事と一緒じゃなかったんですか、十時過ぎまで。

○櫻井証人 どうもこの社会福祉総合学院の関係と私のその庁有車の関係がどこで結びつくのかよくわかりませんけれども、都道府県会館で知事にご説明したことは、先ほど申し述べたとおりです。その後、都道府県会館に行っておりません。
 その先生がおっしゃっている時間外の関係でございますけれども、大変申しわけないんですけれども、今記憶にございません。

○曽根委員 二十二時四十分から杉並に行っていますよね。それから自宅に戻っていると。杉並区といえば、濱渦副知事の自宅があるところですよ。濱渦副知事を送ったんじゃないですか、あなたの公用車で。これ、どう考えたってぴったり符合するじゃないですか。その後の濱渦副知事の公用車が都庁に戻っている。で、あなたと車で外一名が加わった。それで杉並区に行っているんですよ。
 よく思い出してくださいよ。ここまではっきりしているんだから。正直にいってくださいよ。濱渦さんと一緒だったんでしょう。

○櫻井証人 失礼な話ですね。私は先ほどから、都道府県会館には戻っていません、濱渦副知事とも同乗していませんと申し上げているつもりですけれども、先生がそういうような形でもってお決めになっているというふうに、私には聞こえます。
 私は、少なくとも知事から呼ばれて行ったことは確かです。ですからそれは、きょう証言の場で申し述べたとおりです。
 その後は、濱渦副知事とは全く別行動で、その日は一切行動を一緒にしておりません。

○曽根委員 あなたは濱渦さんとは別行動だったという。しかし、あなたは夜の十時過ぎまで千代田に、車からおりていて、帰りには外一名が加わっている。これはもう記録から間違いないんですが、それでも記憶が戻らないと、これについては覚えがないということでいい張るんですか。もう一度確認します。

○櫻井証人 繰り返しになりますけれども、濱渦副知事とは、その日、都道府県会館で知事からお呼びになったときにいらっしゃいましたけれども、その後、一緒に行動は一切しておりません。

○曽根委員 だれが見ても、これはもうあなたが濱渦さんと、私はもう間違いなく、たまたまではなくて一緒に知事に会って、で、翌日知事がこのような発言をするような情報を知事に与えて、その後はつるんでいたというのは明らかじゃないですか、これはもう。こういうふうな行動をともにしているという状態が、やはりこうした問題を生んでいるんですよ。はっきりしているじゃないですか。
 それから、ちょっと先ほどのことでなんですが、知事が記者会見で、あなた、出納長に特別にこの問題で指示をしたことはないと表明したらしいんですが、あなた自身は、この知事が発言したらしいんですけど、どうですか、これを聞いて。

○山崎委員長 ちょっと、今、もう一回いってあげて。先ほどの記者会見のことですか。

○曽根委員 失礼しました。先ほどの三時からの定例記者会見で、石原知事が、この問題で出納長に特別に指示したことはないと表明したようなんですが、私は直接見ていませんが、そういうことが今伝わってきているんですが、もしこれが事実だとしたら、あなたはどう思いますか。先ほどの証言との関係で。

○櫻井証人 私はその事実を確認しておりませんけれども、先ほどから申し上げていますように、社会福祉総合学院の関係については、知事の方から、財産関係を中心に調査をしろということで特別な指示を受けています。

○曽根委員 あなたがそうおっしゃるのであれば、この質問はここまでに、尋問はこれまでにしておきますが、偽証罪という問題がありますので、証言については真実のみを答えてください。
 続いて、もう一つ別のことをお聞きしますが、出納長室からの資料の中に、社会福祉総合学院に関する調査改善委員会というものの設置について資料がありました。この委員会の設置目的はどのようなものですか。

○櫻井証人 社会福祉総合学院の関係については、このような形で先生方にいろいろご心配をいただいているわけでございます。そういう中で、執行機関として取り組もうということでもって、知事が指示されて関係局長で取り組みをしているわけでございますけれども、なかなか進まない。また、この先どういう方策をとったらいいのかということについても見えてこないと、こういうことがございます。
 そういう中で、やはり現実に学校にいらっしゃる生徒さん、学生がいるわけでございますから、そういうようなことも踏まえながら、土地建物の権利関係、こういうものを精査した上で、一刻も早く今後の方策、こういうものをまとめなくちゃいけないと、こういうようなことが必要だろうということでもって調査改善委員会、特別職を中心とする委員会でございますけれども、その場でもって、関係局長ではなかなか進捗しなかったそういう取り組みをしていこうじゃないかと、こういうようなことでございます。

○曽根委員 ここに、その提出資料の92番の中に、最後の方についていたんですが、出納長室が出したその資料があるんですけれども、その最後に添付されている中に、社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置についてとありまして、三月二十四日付の資料です、ここに、3として当面の対応となっていて、「予算特別委員会、百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整、並びに知事特命調査の確実な実施」という言葉があります。
 つまり、予算特別委員会はともかくとしても、百条委員会について、そこでの対応を調整するということはどういうことなんでしょうか。ここに出席していたのは、福永副知事を座長として、濱渦副知事、大塚副知事、竹花副知事、横山教育長、出納長、事務局長は総務局長、事務局は行政監察室です。この中の何人かは証人として証言を求められている人たちで、その人たちが、その百条委員会での対応を調整していいんですか。
 証人は、自分の責任で、個人の責任で真実のみを語るということ、決まっているじゃないですか。こんなものはあり得るんですか、こんなことが。あなたのところの資料だから、お聞きしますけど。

○櫻井証人 これはあくまでも私ども執行機関の取り組みでございますけれども、今先生おっしゃられた、それぞれ副知事を初めとしたメンバー、それと、今先生おっしゃらなかったんですけれども、総務局長、それと福祉保健局長、財務局長、これもメンバーになっております。
 そういう中で取り組んでいくわけでございまして、そういうところの百条委員会対応についても、それぞれが十分な対応できるようにしていこうじゃないかと、こういう趣旨でございます。
 その具体的に、この場で証人と呼ばれた者がどういう証言するか、それは先生がおっしゃったようなそれぞれの証人の立場で、きょうも宣誓いたしましたけれども、率直な自分の事実関係、これを申し述べると、こういうことになろうかと思います。

○曽根委員 そういうことならば、こんな会議必要ないんです、百条委員会に対しては。ずっと証人尋問だけやってきたんですから、この百条委員会は。
 ですから、対応というので、資料の提出とかそういうことなら別にしても、ここへ出てきている、証人として出席する人を事前に集めて調整するということは、そこで証言する内容にだってかかわってくることは間違いないじゃないですか。十分あり得ますよ、これは。
 そこで、この問題については、こういう証言で意思統一をするというようなことがあっては断じてならないわけですよ、これは。ですよね、当然。しかし、こういうことができるわけです、この会議では。でき得るわけでしょう、物理的に。どうなんですか。
 そういう、場合によっては答弁内容、そこでの発言内容についての調整はなかったんですか。

○櫻井証人 今までの調査改善委員会の取り組み、実質一回、計二回開いておりますけれども、最初はいうならば特別職、そして先ほど申し上げた関係局長も含めて、こういう取り組みをしていこうじゃないかと、みんなのコンセンサスを得てこういうものができ上がっていると、こういうことでございます。
 で、二回目に、少し中身に入りましたけれども、それは、これまでの三局の取り組み内容、こういうものを特別職に、いうならば説明すると、こういうものが中心でございまして、この百条委員会の関係について具体的に何か取り組んだというようなことではございません。

○曽根委員 こういう調整は一切やらないことがこの百条委員会の、少なくとも関係者一人一人について、問題点がどうなのかということについて、わざわざ証言するときだって別々にやっているわけです、一人ずつ呼んで。後ろに全部並んでいるのと同じことになっちゃうんです、これじゃ。これは改めて強く申し上げておきたいと思います。こんな調整の場はね、つくるべきじゃないんです、これは。
 それから、この資料は、幹事局が、事務局長が総務局長であるにもかかわらず、なぜ出納長室から出ているのか。それから、これは知事に対してブリーフィングをしたときの資料というふうになっているんですが、つまり、ここでの内容を出納長室のあなたのところから知事にブリーフィングしたということになるんですか、この資料は。

○櫻井証人 先ほどから申し上げていますように、私は、知事からこの社会福祉総合学院の関係について特別な指示を受けて調査を進めてきている立場にございます。
 そういう中で、一方では別建てで三局長が今後の方策も含めて検討をするというようなことになっているわけでございますけれども、これも、先ほど申し上げましたように、なかなか先が見えてこないという中で、現に学校に生徒さんいらっしゃるわけで、学生さんいらっしゃるわけですから、早く都民の目線に耐え得るような方策を示していかなくちゃいけないと。
 そういうものを考えますと、現在の関係局長を中心とした取り組みじゃ非常に限界があるということでもってお話ししたところ、具体的なそれじゃ取り組みどうするのか考えろと、こういうことでございましたので、案をつくりまして知事にご説明し、知事にご決定をいただいたと、そういうことでございます。

○曽根委員 そうすると、知事の指示のもとにこうした調整委員会もつくって、調査改善委員会というのをつくって、答弁調整もして、予特だけじゃなくて百条委員会についての打ち合わせもして、内容は知事に逐一報告した、その役目があなただったと、こういう経過なんですか。

○櫻井証人 知事からそういう素案をつくれということでもって素案を出しまして、知事のもとに特別職全員集まってこれを検討し精査した上で、こういう形でもって知事が決定をされたということでございます。
 で、その中で実務的にも円滑に進むようなことでもちまして、関係三局長、総務局長、福祉保健局長、財務局長、これも入れた形で実践と、それと今後の方策を出すためのスピードアップ、これを図るために、知事のもとでの特別職の総意として、こういう形でやった方がいいんだろうということでこういう、決まったと、こういうことでございます。

○曽根委員 改めて知事の先ほどの記者会見での発言の真意も含めて、やはり証人として来ていただいて、きちんとした知事の証言を得ることがどうしても必要だということを指摘しておきたいと思うんです。
 次に、あなたは二〇〇三年度、平成十五年度に財務局長になりましたが、この年度の予算概要の中に施策の見直し再構築というところがあって、廃止、休止する主な事業を六つ挙げられていますが、その中の一つに、東京都社会福祉総合学院の運営費補助が廃止になったということですよね。この代表例として特別に明記されていたことは、その年度の財務局長ですから当然知っていましたね。

○櫻井証人 申しわけありませんけれども、承知しておりませんでした。

○曽根委員 これは別に細かいことって、さっきちょっとお話があったような気がしますが、細かいことではなく、予算概要というのは書くものは限られているんであって、ここに特記されているものなんですよ。六つしかないんですよ、施策の見直し再構築。
 もちろんあなたが組んだ予算じゃありませんよ。あなたはその年の夏ぐらいになっているんだと思うんですが、しかし、その年度の予算執行に責任持っている最高責任者ですよね、あなたは。その年度の予算概要を当然逐一見ていなきゃならないし、この施策の見直し再構築で、なぜ社会福祉総合学院の運営費補助が廃止になったのかという理由については、あなた自身が知らないでは済まされないものじゃないですか、この概要というのは限られているんですから、挙げられている項目は。それをなぜ知らなかったんですか。

○櫻井証人 財務局長の仕事は大変広範でございまして、先生のおっしゃるように、その一々をすべて承知していればそれはベストだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、十五年度予算概要の中でそういうことを表記されているということは承知しておりませんでした。

○曽根委員 それでは、その年度の平成十五年、二〇〇三年の二月に、我が党の大山とも子議員が厚生委員会の予算審議の中で、この学院を民間に貸してその賃貸料分で補助金を減らしていくというこの予算概要で原案出された問題について、時間限られている中の大きな問題として取り上げて、当時、都の福祉人材教育への公的責任の後退であり、実態は民間学校のために税金でつくった施設を丸投げしているようなものじゃないかと、この学校の実態について厳しく批判する質問をしているんですけれども、これ予算審議の委員会ですよ、厚生委員会ですけれども。その年度の執行に責任持っているあなたが知らないのは私はおかしいと思うんですが、ちゃんと知っていたでしょうね。

○櫻井証人 財務局長就任時は承知しておりませんでした。

○曽根委員 そうすると、この年度に財務局としては、我が党は厳しく批判したんですけれども、この学校に貸し付けをしてその賃貸料で補助金を減らすと、こういうやり方については、いわば大変手放しで評価してこの概要にわざわざ載せていると。そのときは、財務局のこれは評価なんですね、この問題についての。
 それが今日では、貸し方が問題だ、執行を、一時的とはいえ停止させるというようなことまであなたはやっていると。一体いつ認識がこんなに大きく変わったんですか。何が原因なんですか。

○櫻井証人 先生のお立場が、その十五年度二月のときとどう違うのか、よく見えない部分がございまして、ちょっとどういう表現していいかわかりませんけれども、少なくとも私はこの一月二十八日の包括外部監査報告書で、この社会福祉総合学院の件が包括外部監査人から種々意見をいただいて、その中で、知事の特命を受けて調査する中で、財産関係にも幾多の心配事、懸念があるなと、こういうようなことでやってきているわけでございまして、そういう意味で、財務局長時代と認識の差があるということでございます。

○曽根委員 しかしですね、外部監査の報告は、確かに学院のあり方を抜本的に見直す必要があるというふうに書いてありますが、契約を更新する場合は賃貸料の改定交渉を行う必要があるということで、貸し付けそれ自体が問題だとは外部監査人は主張していません。にもかかわらず、あなたは異例の執行停止っていいますか、要するに予算の支払いを停止することまでやって、何が何でもこれを食いとめたいという動きをしたというのは一体、外部監査人の報告ではそこまで指摘はしていないんですよ。その財産の貸し付けの問題までは。一体どこでそういうことをあなたは考えたんですか。

○櫻井証人 先ほどもお答え、失礼しました、証言を申し上げたかと思いますけれども、その補助金の三月の執行にかかわる件につきましては、会計処理期間中にこの補助金の関係について包括外部監査で触れられているところから、福祉保健局と私どもの方で考え方をすり合わせしておいた方がいいだろうと、より慎重を期した方がいいだろうということで照会をしたことでございまして、支出期限が三月末日でございます。ですから、そういう会計処理の時間的な間もあるということでもちまして、そういう対応をしたということでございまして、執行停止ということではないということを先ほどから申し上げているつもりでございます。

○曽根委員 実態は明らかに三月二日に出納長室に持ち込まれたものを、三月末、恐らく二十四日のこの調査改善委員会ですか、ここで何か議論があったんじゃないかと私は思うんですけれども、その直後には執行していると。一カ月近く引き延ばしたことは事実ですよ、これは。私は、今の尋問を見ても、明らかに自分の権限で予算の執行を一時とめてまで、何が何でも学院の、学校法人の貸し付けを問題にして、これを機に再契約を中止させようという意図が見え透いているというふうにいわざるを得ないと思います。
 それは何の意図に、なぜそういうふうなことが出てくるのかということで、以前から財務局の方にもお聞きしていますが、財産利活用の問題です。特に小日向の研修センターの統合問題なんですが、今まで若干尋問がありましたので少し省略しますけれども、あなた自身が財務局長のときに、あなたの責任でつくられた第二次財産利活用総合計画の推進の中でこの問題が出てきています。その後、この第二次計画をつくって以降、同研修センター、小日向の研修センターの統合について、あなた自身はどのように取り組んできたのかを、経過をいってください。

○櫻井証人 重ねて証言申し上げますけども、先ほどもその補助金の関係について、執行停止というお話をいただきました。極めて残念であります。三月二日に持ち込まれたもの、で、支払い期限が月末、その間に公金運用上、支払い期限ぎりぎりのところで払うというのは、これは企業感覚からすれば当然のこと、知事がかねがねおっしゃっている、コストあるいは金利意識ということを持てば、当然のことだと私は理解しておりますし、実際に私どもの照会に対して福祉保健局の方から回答が来たのは二月、あ、失礼しました、三月の二十二日か三日だと思います。ですから、私どもは、それを受けて直ちに、月末もある中で、支払い期限が迫っている中で適切な会計処理をしたと、こういうふうに考えております。
 それと、先生のお尋ねの小日向と社会福祉総合学院の件でございますけれども、これも先ほど証言申し上げましたけれども、第二次都有財産の総合利活用計画の中で、どうしてもこれまでの財産の利活用の壁を乗り切るというためには、局の壁、これを越える工夫をやっていかなくちゃいけない。あるいはいろんな行革の中で、各局でいろんな形での事務所、事業所等の施設の空きスペース等々の発生も現実に出てきていると。そういう中で、やっぱり全庁的な取り組みという形に変えていかないとなかなかうまくいかないんじゃないかと、こういうことを考えたわけでございます。
 そういう中で、いきなり都民の方々が利用されている施設を検討対象ということになると、今までの都の未経験の分野に取り組んでいくわけでございますから、直接そういうことではなくて、都の職員が利用するいわゆる内部施設、こういうものを一つのテストケースというようなことでもって取り組んでみようじゃないかということでもって、各局の研修施設、こういうものを事例として検討したと。そういう中で、他の局も含めまして小日向の施設、そして社会福祉総合学院、これがあったと、こういうことでございます。

○曽根委員 考え方は先ほどもお聞きしたんですけれども、私から見ると、非常に異例の熱心さでこの問題追及しているんですね。あなたが財務局長のときには第二次総合計画をつくり、これを推進する第二次財政再建プランにもこのリストが挙がっている。そして今度は、昨年九月に都有財産--出納長に去年の夏なられたと。そうすると、今度は九月に都有財産利活用推進会議の副委員長のポストにおさまって、立場を変えながらも今日まで一貫して、この中でこの研修所の統廃合。
 なかんずく、ほかのところも全部当たったんです、私たちは局を。ほとんど具体的には進んでいないし、財務局の働きかけも余り熱心じゃない。しかし、福祉保健局に対してだけは、チャート図を送りつけ、部長が乗り込み、断られても執拗に働きかけるという形で、この小日向の施設を何としても練馬に持っていくという働きかけをしていることは、これは事実経過で明らかだと思うんです。
 で、お聞きしますけれども、小日向の施設、この現状は、研修所としての有効活用という点ではどう評価されているんですか。

○櫻井証人 異常なということがどういうことなのか、その尺度というのは非常に不明でございますけれども、都有財産利活用推進会議という取り組み、おっしゃるような取り組みの中では、この各局の研修施設の、いうならばそういう事例としての、検討をしてきたということも含めまして、すべて個別の活用事例については凍結状態ということにございまして、これについて、私が何かやってきているということは一切ございません。

○曽根委員 いや、あなたの意見として、小日向の施設の現状は、研修所として有効性はどうなのかと。あなたは衛生局の時代、大変長かったわけで、あそこを使っているのは、かなりの部分衛生局でしょう、看護婦さんの研修とか。私もこの間行ってきましたけど。そういう点では知り尽くしているはずですよ、あの施設について。
 私は、職員の方などに聞く限り、場所も便利だし、大変使い勝手のいい施設だと。これを練馬に移すことなどどだい考えにくいというふうな話を聞いていますが、どうなんですか。練馬に移して、研修所としての有効性が上がるんですか、あの練馬の大泉の方に移して。

○櫻井証人 練馬に移すというのは、私は一切知りませんし、どういう形でもって研修施設を集約化していくかどうかという中で一つのプランとしてありますけれども、全く、先ほどもいいましたように、凍結状態だと申し上げているんです、すべてが。
 その中で、これから、あれからまた一年余たっているわけですから、ほかの局でもいろんな施設の空きスペース等々の発生もございます。そういう中で、トータルとして、都のいろんな施設のいわば再配置といいましょうか、再利用といいましょうか、そういうようなことを考えていかなくちゃいけない時代になっていると。そういう中の検討対象のあくまで一つでございまして、何が決まっているとか、どうなっているとかということは、まだ一切見えていません。これからでございます。

○曽根委員 そこまでいうならお聞きしますけど、九月に利活用推進会議を一度だけ開いただけで、その後、なぜ促進の幹事会なり課長級会議を開かないんですか、全体会議も含めて。つまり、研修所の統合が非常に大きな課題だと、あそこでわざわざ、幹事会で宮川部長が発言していると。各局の協力お願いしますと発言しています。それぐらいですよ、発言は。幹事会の発言というのは、それ一個きりですよ。しかし、それがほとんど進んでいないんですよ、小日向も含めてですけれども。だったらば、全庁的にもう一度会議を開くなり課長級会議を開いて促進を図らなきゃならないところが、全然そういう会議は開かずに、個別に小日向の統合だけを追いかけているんですよ。どういうことなんですか、これは。
 あなたは、財務局などに対して、この小日向の研修センターの統合の促進を、その後、推進会議以降、指示したり状況を問い合わせたことはありませんか。一切ないといえるんですか。

○櫻井証人 小日向のことを先にお答え、証言しますけども、一切ございません。
 それと、都有財産利活用推進会議でございますけれども、先生のおっしゃるように、一体何やっているんだというふうなことでございましょうけれども、私の認識として、それで、そういうことでこの推進会議の取り組みを事務局にもお願いをしてきておりますけれども、何といっても今急がなくちゃいけないのは、あと一年弱に迫った公会計制度改革のために、財産情報システムの構築を急がなくちゃいけないんです。ですから、これを何としてでも早くつくり上げなくちゃいけないということでもって、優先的に取り組んできております。
 そういう中で、実はこれを全庁的、統一的な情報システムにしようということでやっておりますので、それまで各局ばらばらでやったやつを、そこにいうならば束ねるというか、そういう中でいろいろ苦労はございました。例えば公営企業局、これ、参加していただかなければなかなかうまくいかない、財産情報としてもうまくいかない。と同時に、例えば一元化するために違う情報も必要だと。A局ではこういう情報が必要だ、B局じゃこういう情報が必要だということで、そこいらの交通整理もしなくちゃいけない。そういうことを実はこの二月まであれこれやっておりまして、ようやく全庁的、統一的な財産情報システムの展望が開けたということでございます。
 そういうことで、先生、私どもが利活用について何かということでございますけれども、そういうことは、残念ながら今現在では、大変申しわけないんですけど、まだ具体的な取り組みに至るまでには至っていない、その準備作業の段階だというふうにご理解いただきたいと思います。

○曽根委員 ちょっと申し上げておきますが、私が聞いているのは、あなたが九月以降にこの問題で指示したり問い合わせたことはないかというだけで、最初にお答え、一言で済むんですから、私の尋問よりもはるかに長い証言で、そんなこと求めていませんので、簡潔にお願いします。
 ことしの一月十三日、財務局の財産運用部の副参事が生活文化局に出向いて、臨床福祉専門学校の認可にかかわる資料を借り出していますけれども、あなたが財務局長や財産運用部に直接または間接的に指示したんじゃないんですか。

○櫻井証人 指示しておりません。

○曽根委員 財務局がこの件で顧問弁護士に相談していることを知っていましたか。

○櫻井証人 具体的には存じ上げておりません。ただ、私の財務局長時代に実際に財産処理した経験から、法律問題を整理しなくちゃいけない部門であるということは承知しております。

○曽根委員 私どもは、前回の証人尋問の際に、一月三十一日現在の弁護士の意見を含んだ東京都社会福祉総合学院にかかわる外部監査報告案と財産上の問題についてという文書が財務局の内部でつくられているということで、その写しをこの委員会に示しました。その前にも、平成十七年二月二日現在弁護士意見という文書を示しました。
 これら弁護士の意見が文書として財務局の中でつくられ、存在していたということについて、あなたは知りませんか。

○櫻井証人 知りません。

○曽根委員 あなたが指示して処分させたことはありませんか。

○櫻井証人 今申し上げたように、知りません。

○曽根委員 最初の知事への二月二十四日の訪問といい、それから、次にお聞きした点でのあなたの財務局長時代の認識の問題といい、そしてまた小日向の施設の統合に対する執着といい、あらゆる角度から見て、あなたが練馬の学院問題を小日向の施設の統合に利用しようと画策した事実は、もう明らかだと思います。改めて疑惑、疑義が深まったというふうにいわざるを得ません。引き続き、私どもはこの事実を追及していくことを申し上げて、尋問を終わります。

○山崎委員長 藤田委員。

○藤田委員 それでは、私も証人に尋問をさせていただきます。
 まず、出納長の職務ということで先ほど来出ておりますけれども、福祉局に対して、いわゆる出金願が出た後、福祉局の側は、実際には支払いを返付するというような、命令書を返付するというようにとっているようでございますけれども、これについては、もう一度伺いますが、正しいですか。

○櫻井証人 申しわけありません、「テンプ」するというのはどういう……

○藤田委員 返付。

○櫻井証人 返付、あ、失礼しました。私どもは、先ほどからお答え申し上げていますように、この関係については、会計事務規則に基づいて、会計処理の審査事務の一環として処理したわけでございますけれども、その中で、この関係についての考え方等を双方ですり合わせをしておきたいと、そういう趣旨でやったわけでございます。その検討の際に福祉保健局で必要かなということでもってお返しを申し上げたと、こういうことでございます。

○藤田委員 そうしますと、普通ですと、この東京都会計事務規則という中には、本来ですと、この中で内容を、先ほどもありましたけれども、特に必要があると認めるときは、関係人にその照会その他実地に調査を行うことができるというふうにしておりますけれども、これは福祉局には、返しますといったんじゃなくて、調査をお願いしますということをいったということでいいんですか。

○櫻井証人 当該課長、当該係長から福祉保健局の方に、こういう趣旨で照会をしたいということでもって、先ほど申し上げた考え方等を整理してほしいと。それで、その際に、あわせてこれを福祉保健局の方にお返しをしたと、こういうことでございまして、返すことが目的じゃなくて、考え方等をすり合わせしようと、こういうことが主眼でございます。

○藤田委員 実はその後に、その返付というのはどういうことかということがありまして、実質、返付というのは、歳出の手続に問題があるときに限る、あるいはその内容が法令に反するときに認めるということが書いてあるわけでして、私は、これはある意味では非常に越権行為だというふうに思います。
 この第一項の中で、実際にこれを関係人に照会するのであれば、これを返付する必要はないわけでして、ここのところをどうなっているかということをきちっと聞くということが重要であって、ここのところを返付するという必要はないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○櫻井証人 会計事務処理上必要な場合に、その関係書類が支出命令書にたくさんついてございますので、戻している例というのは、この例だけじゃなくて、年間二千六百件程度の照会のやりとりの中でも、ほかに事例がございます。
 それと、先生、私先ほど申し上げましたように、会計事務規則の四条に、会計事務の総括ということで出納長がさまざまな形で調査できると、こういう役割になっておるわけでございまして、そういう点もご理解をいただきたいと思います。

○藤田委員 私も実際に持っていますし、読んでいますし、実際の流れも聞いておりますので、どうぞ簡潔にいってください。
 それでは、先ほどありましたこの五千八百万円の前に、二月の頭にお金を出金したというときには、どのように考えて、これについては何も調査をしなかったのでしょうか。

○櫻井証人 三回目の出金のお話だろうと思うんです。それ、私自身の調査の過程の中で、いろいろこれはしっかり精査しておいた方がいいなと、そういうようなことで判断をいたしまして、考え方をすり合わせしておこうと、こういうことで行ったと、こういうことでございます。

○藤田委員 三月の二日の分ではなくて、二月の頭に支払った九千万円のことでございます。そこについては、何ら問題なく出金をしたということでいいですか。

○櫻井証人 失礼しました。二月二日の三回目の出金、支出の関係だと思いますけれども、二月二十三日にこの包括外部監査報告公表されて、先生方のお手元にも行ったわけでございまして、そういうようなことも含めて私どもとしては判断をしているわけでございます。

○藤田委員 それは明らかにおかしいですね。一月の二十八日に概要が出て、そして問題がありとして、二月の二日には濱渦さんを中心とした実際に協議が持たれて、そしてその中で、ここの問題はとても大きい問題だということになっているにもかかわらず、三月の二日の問題では差しどめを、返付をして、そして二月の二日にはこれを何も問題なく通したということでは、これは残念ながら、職務に対して私は忠実ではなかったというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○櫻井証人 とめたというふうにおっしゃっていますけれども、考え方のすり合わせをしておいた方がいいという私なりの判断でもって照会をしたわけでございまして、三月末日までの支払い期限の中で、しっかり会計処理としての整理をしておこうと、こういうことで四回目をやったわけでございます。
 三回目については、包括外部監査、確かに先生おっしゃるように二十八日、私どもは事前報告会という形で承知はしておるわけですけれども、対外的には二月二十三日公表と、こういうようなことでございまして、なかなかそういう行動がとりにくかったと、こういうようなこともございます。

○藤田委員 それは単なるいいわけだと思います。二月の二日に、実際には濱渦副知事からそれぞれの三副知事、そして、もちろん出納長もわかっていらっしゃったかと思いますけれども、この席で、この包括外部監査の問題についてしっかりと調査をするようにということが出ているわけでありますから、先ほどもなかなか改善されないというようなことをお話しをなさいましたから、実際には、この二月の二日の時点で九千万円出すときだって、十分にこれについては知っていらしたというふうに思いますけれども、そこのところができていなかったのではないかと。あるいはこれをもっと、問題になった、いわゆる予特の後のことだから、こういうことをやろうというふうに思ったんだと私は思わざるを得ません。
 二つ目に、事務レベルでしっかりと精査をしていればよかったというようなお話を、さっき答弁をなさいました。財務局時代に、実際に事務方レベルでしっかり精査をしていればよかったというのは、実際にはどういうことでしょうか。

○櫻井証人 これ、先ほどお尋ねというか尋問の中で、十四年のいうならこれの、社会福祉総合学院の運営形態といいましょうか、財産形態の変更という取り組みをしているわけですけれども、その予算編成過程の中で、予算の中身やら財産の変更をどうしていくんだとかというようなことについて、福祉保健局と財務局中心にしっかり整理していれば、もうちょっと違った世界が開けたんじゃないかと、こういうような趣旨で申し上げました。

○藤田委員 それでは、財務局の調整ということで、主計部の中ではどんな議論がなされて、実際にはそのすり合わせがあったと私は思っていますけれども、これについては、普通の予算編成の流れとしたら、どのような状況で行っているんでしょうか。

○櫻井証人 実際その場にいませんので、申し上げる、具体的に申し上げるということはできないんですけれども、通常、事業運営の変更等々ということになれば、主査レベルのところでやっぱり相当精査をしてやっていくということになりますので、そういう段階でもって、そういう運営形態の変更だとか財産形態の変更について、財務局の内部あるいは福祉保健局と財務局の関係含めてもうちょっと精査していれば、違った展開といいましょうか、方策といいましょうか、そういうのが見えたんじゃないかと、こんなふうに考えております。

○藤田委員 それでは、財務局の主計部の中でそういうことがなされなかったというふうに考えていいですか。

○櫻井証人 やったかやらないか、私はその場にいませんのでわかりませんけれども、少なくとも今現在の状態を考えるならば、財産の面について少しすり合わせが不十分だったかなと、こういうような、推測です、これはあくまで。そういうようなことを感じております。

○藤田委員 普通には、予算の執行のために、財政負担だとか財政面はどんなふうにしていくかというようなことを考える。そこに予算をつけるというときには、実効性だとか法に照らしてとか、そういうようなことは無視して、局が出してきたものをすべて、では主計局はオーケーをするんですか。

○櫻井証人 ですから、そういうところはしませんので、そういうところをもうちょっとしっかり精査をしていかなくちゃいけなかったなというふうに申し上げているわけでございます。

○藤田委員 それでは、財務局並びに福祉局の職員のやったことが、実は残念ながら少しそごがあったというふうにおっしゃるということでよろしいでしょうか。

○櫻井証人 繰り返しになりますけども、私、その十四年度の予算編成、直接やっているわけでございませんのでわかりませんけれども、財産のところが、いささかその学校の、いうならば運営といいましょうか、それと、これは定期借家の世界になっているんですけれども、そこのところのアンマッチがあって今現在のいろんな支障が出ているのが要因の一つでございますので、そういうことから推測すれば、もうちょっと、当時、それぞれのところで精査をすればよかったのかなというふうには思いますけれども、それはあくまでも私の考えでございます。

○藤田委員 違法性がなかったというふうに濱渦副知事はいわれました。違法性がなかったということは、すなわち、その中でしっかりと法律にも照らして、そして、財務局の財産運用部と話した話さないはいろいろありますけれども、そして、実効性があるものかどうかということをきちっと主計の中で議論をしたからこそ、これが予算執行になっているのだと思います。
 十四年度の部分はわかりませんけれども、じゃあ、十五年も同じようにやってきたわけなんですけれども、十五年は、櫻井さんは、櫻井証人は財務局長でございましたけれども、その時点では、その問題については何ら問題がなかったのですか。

○櫻井証人 私、十五年夏に財務局長に就任しまして、先ほども先生、曽根先生でしたか、お話があったんですけれども、十五年度の予算執行と十六年度の予算編成にかかわったわけでございます。その中では、大変申しわけないんですけれども、この社会福祉総合学院の運営形態あるいは財産形態については、よく承知しておりませんでした。

○藤田委員 それでは、今、先ほどの冊子のことも覚えていらっしゃらないということですから、まあ大方そういうことだとは思いますけれども、それではもう一つ、私の調査では、財産活用に問題があるというふうに思っていますというふうにおっしゃいました。そして、知事からの特別の指示を受けてというふうにおっしゃいましたけれども、問題があるというふうにおっしゃいましたけれども、問題は何でしょうか。

○櫻井証人 先ほど、土地と建物の関係についてお話を申し上げました。土地が都と事業団の間で三十年無償ということで、いわゆる公共目的で社会福祉総合学院に、設置してそれに使うんだということになっているわけでございまして、その使用目的と乖離が出てきているんじゃないかという問題を申し上げたわけでございます。
 それと、建物については定借の五年といっているわけでございますけれども、できる規定があったり念書があったりして非常に権利関係が不透明になっていると、そういうことで問題があるんじゃないかと。これはあくまでも今現在の大枠の話でございまして、今後きちんと精査した上で、先ほども申し上げましたように、現に今学校がある、生徒さんもいらっしゃる、そういうことも踏まえた上で今後の対策を考えていかなくちゃいけないなと、そういうふうに考えております。

○藤田委員 この調査は、プロジェクトを持ってやっていらっしゃるのですか、それとも一人でやっていらっしゃるのですか。

○櫻井証人 一人でやっております。

○藤田委員 私たちが十三人、そして、段ボール三箱読むのにどうしようかというふうに日夜考えながらやっていることをお一人で調査をするというのは、すばらしい能力がおありだと私は思いますけれども、実は先ほど、目的外使用である土地に対して無償は重い判断である、そして、定期借家権の五年が不透明であるというようなことは、実はすべてこの資料の中に書いてあります。
 目的外使用というその言葉だけは残念ながら出てきませんでしたけれども、では、新しいことといいますか、何をもってして、知事に特別に自分だけが一人で調査をしているということを、どういうふうにご報告をしようというふうに思っているんでしょうか。

○櫻井証人 これまでもそういう知事の指示のもとで報告を申し上げてきておりますけれども、今後ということであるならば、さらに詳細な資料というか、情報を庁内、関係のところにお願いして集めながら、そういう財産関係でございますので、そこの権利関係の整理をするということを中心にやっていきたいというふうに思っております。

○藤田委員 先ほど、三局長の中で調査をしているが、なかなか改善がされないというようなことがおっしゃられましたけれども、いつまでにこの調査を終えて、どのような改善をしていこうとしているのか、この期限をどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○櫻井証人 私としては、学校ということでございまして、やっぱり父兄の方、そして生徒、学生さんですか、いらっしゃるということでもって、なるべく早くというふうに思っておりますけれども、今現在は全く未定でございます。

○藤田委員 これからの問題については、どのように見直しをしていくかということは大変重いことだと私も思いますけれども、外部監査報告の中でもそれは述べられていることでありまして、私たちがなぜこの百条委員会をつくったかということは、実質的に執行側から疑義がある、問題がある予算であるということから、そこから発したと私は思っています。ということは、今回のこの問題について、櫻井証人は、この問題については疑義があるとお思いでしょうか、ないとお思いでしょうか。

○櫻井証人 何についてということでございますけれども、財産の関係については、先ほどから申し上げていますように、土地の関係あるいは建物の関係について、今現在でいうならば、目的外使用だとか、あるいは定借が非常にわかりにくく、権利関係が不透明だと。で、そのことによって、結果的に、都有地である、底地である都有地ですね、そこに支障を、影響を及ぼすんじゃないかと。そういうようなことでもちまして、法律上、今後精査していかなくちゃいけないというふうに考えているわけでございます。

○藤田委員 それは今後のことだと思います。先般の状況の中で私たちが百条委員会をつくった理由は、執行側が、疑義がある予算であるということをいったからこの百条委員会をつくったわけです。実際にこの問題で予算に疑義があったのですか、なかったのですか。

○櫻井証人 予算との関係でいけば、この関係は直接補助金の関係が出てくるかと思いますけど、補助金については違法性はないわけでございまして、補助金というのはあくまでも裁量の部分もございますので、そういうことでございます。ただ、財産関係というのは、法律の中で個別具体的に整理されている部分もございます。そういうところを心配しているということを申し上げているんです。いずれにしても、十七年度予算について疑義があるということはないと思います。

○藤田委員 ないということを、予算の議会の中で殊さら何か問題があるように大きな声を出すというのは大変不愉快でありますし、そういうことが今、こういうふうに都庁内部をもみんな疑心暗鬼にさせるような状況になっている。これについては大変私は不愉快ですし、本当にどういう意味でこの百条委員会をつくったのかということをしっかりと皆さん受けとめていただきたいというふうに思っています。
 以上で終わります。

○山崎委員長 発言がなければ、証人、出納長櫻井巖君に対する尋問は終了いたします。
 櫻井証人、長時間ありがとうございました。
 ご退席して結構でございます。
   〔櫻井証人退席〕

○山崎委員長 ちょっと各党理事さん--ちょっと速記とめて。速記とめてください。
   〔速記中止〕

○山崎委員長 速記再開。
 この際、議事の都合により、暫時休憩します。
   午後五時四十二分休憩

   午後六時三十六分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
   〔赤星証人着席〕
 次に、証人、総務局長赤星經昭君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席において発言願います。
 それでは、私からお尋ねします。
 あなたは赤星經昭君でしょうか。

○赤星証人 赤星經昭でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○赤星証人 東京都総務局長、昭和二十年八月五日生まれでございます。

○山崎委員長 委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 野村副委員長。

○野村委員 赤星証人にお尋ねいたします。
 先ほどの当委員会で曽根委員の尋問に対し櫻井証人が答弁で取り上げた調査改善委員会は、要求資料92のうち、出納長室が提出した、「平成十四年四月一日から平成十七年三月三十一日までの間に、社会福祉事業団及びこの関連で知事がブリーフィング、情報提供、面談等を受けた場合、この記録と使用した資料のすべて」の中の(内訳)2の、十七年三月二十四日付、「社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置について」との資料にあります。
 この資料の1の設置の趣旨では、都議会が百条委員会を設置されたことを重く受けとめ、行政として都民の目線に耐え得るしっかりとした説明責任を果たすため云々と書いてあります。そして、3の当面の対応として、「予算特別委員会、百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整、並びに知事特命調査の確実な実施」とあります。
 ここにそのペーパーがございますが、あなたは、このペーパーをご存じでありますか。

○赤星証人 私、先ほどの答弁を聞いておりまして、初めてこれを見ました。

○野村委員 先ほど出納長は、知事から直接出納長がこの調査を統括せよと、そのような答弁をなさいました。それに、前提に立ってこのような資料を準備され、当百条委員会に一つの記録として提出されたものと私どもは思考しております。にもかかわらず、調査改善委員会の事務局長は総務局長でございますが、総務局長のお手元にこのような重要な文書が届いていないというのは、果たしてこの調査改善委員会は真摯にこの真実を解明する意思があるのかどうか、大変疑問に思うわけでございます。
 また、あなた自身は、調査改善委員会の事務局として、このような委員会出発点に当たって、非常に重要な、基本的な今後の調査の方針を定めた文書がお手元にない。まさに、事務局長であるけど、事務局長不在の調査改善委員会ではないかといっても過言ではございません。
 事務局長という任を与えられた職責を果たす上で、このような文書があなたに届いていないということは大変ゆゆしき問題と思いますが、あなたはどう思いますか。

○赤星証人 三月二十四日に、副知事、あとの教育長、出納長、特別職の方皆さんと三局長が集まりまして、委員長になられました福永副知事からご説明がありまして、私ども、調査特別委員会をつくるという話を伺いました。そのときはペーパーも何もございません。で、委員長が福永副知事がなります、これからこれまでの調査のスピードを速めます、改善案をまとめる、それと、これまで三局で調べてきた調査を引き継ぐ、この三点の話がございまして、事務局は総務局で引き受けてもらうというお話がございました。
 私ども、それを受けまして、四月の一日に要綱が設置されまして、知事決定の要綱が設置されたわけでございまして、私どものやることは、この要綱に従ったことだけをやるというふうに私は認識しております。

○野村委員 調査改善委員会の事務局長が、今後の調査方針のこのような指示文書をお持ちでない。これは、百条委員会に提出されましたこの文書が、調査改善委員会の公式文書であるのか、あるいはそうでないとすれば、百条委員会対応のために虚偽の文書を作成したのか、そう疑問を持ってもいたし方ない状況でございます。
 総務局長としては、この文書の作成者をどなたと推定いたしますか。

○赤星証人 それは私の方ではわかりませんが、これが出されたのが出納長室でございますので、総務局でつくったものではございません。

○野村委員 私も指摘が今欠落しておりまして、大変申しわけありません。私どもに届いた記録には、総務局、財務局、福祉保健局、そして、「社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置について」という三月二十四日付の文書でございまして、この記録提出者は出納長室となっております。ですから、出納長室で作成されたものと私どもも認識が十分できるわけでございます。
 じゃ、仮に出納長室が、これは改善委員会の公式文書として作成したにもかかわらず、総務局長の事務局長としてのお立場の方に届けてないという、このような出納長室のあり方について、あなたはどういう所見をお持ちになりますでしょうか。

○赤星証人 出納長が知事からどのような指示を受けてなさっているのかわかりませんが、私どもが指示を受けておりますのは、委員長、福永調査改善特別、調査改善委員長になりましたけれども、福永副知事から指示を受けました。三月二十四日の夕方に、全副知事、あとの二人の特別職、三局長が集まった席で指示を受けました。調査特別委員会、これまでの、先ほど申し上げましたけれども、これまでの調査を引き継ぐということ、速やかに調査するということ、将来に向けた改善策を取りまとめるというご趣旨の指示がございましたので、私どもとして、知事決定の要綱を四月一日付、これは知事決定でございますけど、要綱をつくってご提出してあると思いますけれども、その中に今みたいな、今のような内容は書いてございませんので、私どもとしては、委員会というのはこれに基づいて実施されるべきものと考えております。

○野村委員 財務局、福祉保健局にもこのような指示文書が届いているはずでございますので、後日の委員会でまた財務局、福祉保健局に確認をさせていただきたいと思いますので、この問題から次の問題に移らせていただきます。
 資料ナンバー86番、行政監察室が、当時の財務局の財産運用部の職員に対しまして、当時、公有財産管理運用委員会に付議したかどうかの確認作業の中で、たしか三名だと思いますが、財務局財産運用部の職員さんから陳述書をおとりになりました。この陳述書、私どもも資料としていただいておりますが、あなたのお手元にございますか。

○赤星証人 持っております。

○野村委員 その陳述書は、原本でお持ちでございますか。

○赤星証人 写しでございます。

○野村委員 私どもの今までの委員会での調査によりますと、総務局行政監察室が、当時の当事者である財務局財産運用部の三人の職員から直接的に陳述書をお出しいただいたと、そう聞いておりますが、総務局においては写しでございますか。なぜ原本があなたのお手元にないんでございますか。

○赤星証人 陳述書の日付をごらんいただきたいと思いますが、私どもが、行政監察室が要求したのが二月の二十八日でございます。陳述書のたしか日付が二月の十四日だったと思います。私どもは、財務局が三局でお話しになったときに、いろんな話をやったときに、財務局でもヒアリングをしたというお話がございましたので、私どもは財務局に対して、じゃ、ヒアリングしたのならば、そのものを下さいということで、三月七日にお話を聞いたときにお持ちになったものでございます。

○野村委員 確かに陳述書は存在するけど、じゃ、これは財務局がその職員さんからおとりになったということで、財務局がとった陳述書の写しを行政監察室で把握しているということでございますね。

○赤星証人 これは福祉局と三局で部長会をやっておりまして、その際、福祉局の資料の中にたしか係長さんの陳述書が入っていたと思いますけれども、そのお話が出たときに、財務局でも話を聞いているんだというお話がございました。私どもが、行政監察室が、それでは私どもに対して、そのおとりになったものをいただけますかと、二月二十八日にお願いしたわけです。本人から意見を聞く前に、どういう陳述書が出されているのかわかりませんでしたので、それをいただくということをお願いしましたところ、三月七日の日に届いたわけでございます。

○野村委員 じゃ、今までの私どもの、行政監察室が直接当人から陳述書をとったということじゃなくて、財務局がとったものを総務局に渡ったと、そういう理解、私どもとしては理解を訂正しなきゃいけないんですが、そういう理解でよろしいわけですね。

○赤星証人 そのとおりでございます。

○野村委員 話はまた飛びますが、先ほど柿沢委員から、平成十三年、十四年にかけての社会福祉事業団が民間事業者に外部委託するについて、業者選定上の手続にお触れになりまして、入札妨害である、刑事罰の対象になり得る、まあ、あくまで仮定の話とおっしゃっておりますが、これは告発の対象にもなり得ると。それから、二月二十五日の知事の記者会見では、けが人が出るというご発言もございました。
 私も仮の話でございますが、この場合、告発者はだれで、被告はだれで、都政をめぐる刑事事件が発生した場合、総務局がこの所管であろうと思いますので、これは仮定の話でございますので、一般論の手続上の判断として、局長はどうお考えになりますでしょうか。

○赤星証人 仮定のお話でお答えにくいんですが、私どもの受けた調査では、違法という事実が調査の中で出ておりませんので、私ども、そのようなことを考えたことは今の段階でございません。

○野村委員 限られた時間でございますので、必要な質問を続けさせていただきます。
 赤星証人は、三月二十九日の百条委員会で、私ども、包括外部監査報告書には、違法とか、そのような記載はございません。私たち調査を命ぜられましたけれども、調査の段階で違法という内容を確認していないと証言されております。
 また、予算特別委員会で濱渦副知事からは、包括外部監査人から、現在行われている問題の補助金は不当かもしれないという疑惑が発せられたと。しかし、百条委員会で濱渦証人は、三月十四日の答弁内容、正当な形に戻さないといけない、財産が正当な形で、不法でない形で処理されなければいけないについて、将来、包括外部監査人の意見等に沿った方向で改善していくに当たって、法令等に違反しないように、処理の問題と、事の本質をすりかえるような証言をされております。
 確認のためにお聞きしますが、あなたは、今回の社会福祉総合学院の件について、不正があったとお思いになるか、あり、またはなしの二者択一でお答えいただきたいと思います。

○赤星証人 私どもは、東京都社会福祉総合学院の設置運営の経緯、これをお手元に資料としてお出ししてあると思いますけれども、私どもは事実関係を調査を命ぜられました。事実関係において、それぞれ局において、若干の意見の、手続上の意見の相違がございますけれども、私どもで、今の段階で違法であるとか、そういうような話は、この調査結果では出ておりません。

○野村委員 正当な形に戻すということは、現在は正当ではないことを前提にしていると考えるのが普通でございます。不法でない形で処理されなければいけないとの答弁は、普通の日本語では、今が不法といっているのと同じであろうと思います。木内証人も、この点は、過日、濱渦証人に執拗にお聞きになっておりましたが(「証人じゃないよ」と呼ぶ者あり)あっ、木内副委員長がお聞きになっておりました。
 赤星証人は、予算特別委員会の濱渦副知事のこの答弁を聞いたとき、包括外部監査を、また監理団体改革を所管する局長として、どのようにお感じになりましたか。

○赤星証人 私どもは、事実関係と、それから包括外部監査で指摘した、指摘された事項について改善を図るというのが私どもの役割でございます。資料にございますけれども、包括外部監査の報告書というところに、二つの意見と一つの指摘がございました。私どもはそれを是正するのが役割だろうと、局の役割だろうと思います。
 それは、現時点で見て、包括外部監査人の目から現時点の状況を見て、改善すべき点が指摘されたものと認識しております。

○野村委員 総務局は、監理団体改革を推進している所管局でございますが、平成十四年三月二十二日、社会福祉事業団が委託事業並びに自主事業を行うに当たりまして、定款を変更して、収益事業として福祉人材養成のための教室の貸し付けをすると。貸与する事業を始める、ついては定款変更をいたしますので、知事あてに定款変更承認申請を出されました。その手続の過程で、総務局行政改革推進室並びに監理団体指導課長お二人に福祉局が協議を申し入れて、お二方の印鑑が押されております。
 既に十四年三月二十二日現在で、総務局も、事業団が学院を外部委託するこの定款変更を協議の中で承認するに当たって、このような形態を、事業転換をすることを承知されていたわけで、これは文書で証明できるんでございますが、こういった作業があったことを今の総務局長はご存じでございますか。

○赤星証人 私が就任したのは十四年七月でございまして、今先生がおっしゃったことは存じ上げませんが、印が押してあるとすると、総務局としての意思決定をなされたものだと思います。

○野村委員 同時に申し上げますと、当時の財務局主計部長、松澤部長もですね、この同意の印鑑を押されております。新しい、まあ、あなたにとっては新しい事実でございましょうから、私からお知らせいたします。
 つきましては、今回の包括外部監査人の社会福祉事業団の監査に当たりまして、監査人はこの資料を確認していらっしゃるでしょうか。

○赤星証人 今の、私ども確認して--今の段階で確認できません。わかりません。

○野村委員 東村理事さんから、包括外部監査人の監査調書について、まだまだ提出されていない部分があるからお出しするようにと、今、記録請求中でございますが、多分、その中で確認できるものかと思っておりますので、後ほどまたこれについては調査をさせていただきたいと思います。
 次に、監査結果の事前報告等についてお伺いいたします。
 地方自治法の規定では、外部監査人は、監査の結果に関する報告を議会、長、監査委員並びに……に提出しなければならない。地方自治法二百五十二条の三十七第五項の規定でございますが、長よりも議会を先にしているが、このことについてどのようにお考えなさいますか。

○赤星証人 議会、執行機関ともに車の両輪でございますので、大事なところだという意味だろうと思います。

○野村委員 私は法律の専門家でないので、法令解釈については詳しくは存じませんが、法令の条文の上では、議会、長、監査委員と書いてありますので、議会に一番最初に報告するのが筋ではないかと素人判断いたしますが、こういう記載の順位というのは、そういう解釈は通用しないんでございますか。

○赤星証人 恐らく先生は事前報告会のことをおっしゃっているのかなと思いますが、事前報告会は、各局、正式報告する前に、各局に最終確認をして、数字でございますとか、その場でございます。でございますので、私どもとしては、それは事前報告会か、正式の報告会の前の段階と考えております。

○野村委員 後ほどその辺についてはお聞きいたしますが、提出資料や証言によりますと、一月二十日、知事及び濱渦副知事に対し、事前に報告し、また一月二十八日に、同副知事及び総務、財務、福祉保健局長に対し、事前に報告をされています。この事前報告をやった趣旨はどういうことでございますか。

○赤星証人 先ほども申し上げましたけれども、事前報告会は、最後の各局、まあ事前報告会行くまでに各局とのやりとりがございますけれども、資料のやりとり、内部確認のやりとりございますけれども、一月二十八日というのは、各局との最後の確認の場だというふうに認識しております。

○野村委員 事前報告というのが、監査事務進行上必要な作業ということはわかりましたが、通常、事前報告の中で作業すべき一つの基準というものがあろうかと思います。私どもの知り得る範囲では、事実誤認、誤植、てにをはの誤り、その程度のことと理解しておりますが、いかがでございましょうか。

○赤星証人 一般的にはそのようなことと認識しております。

○野村委員 ところで、議会に監査報告書が提出されまして、監査人より報告があったのは二月二十三日が初めてでございます。長の事務についての監査のため、慎重を期することとはいえ、議会等への報告時期と比べると早い。何ゆえ一カ月も前に事前報告をしたのか、お伺いいたします。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、最後の確認の時期でございます。各局にお話をして、ここで問題があれば、その場で意見をいってもらう最後の場でございますので、それで事前報告会が一月の二十八日に開かれたわけでございます。その後、てにをは等が直されまして、二月の、最終原稿できたのが二月の二日か三日、ちょっと今、確認させてもらってよろしいですか。--失礼しました。二月二日に最終原稿ができて、二月三日に印刷に出したということでございます。

○野村委員 重々承知でお聞きしているんですが、事前報告というものは、てにをは等、そういった修正作業、そのためにやるということでございますね。
 なぜこのようなことを念押しするかというと、そういう作業期間中にもかかわらず、かなり重要な部分が追加、加筆されていると。そのことについて疑問を抱いているので、お聞きしたわけでございます。
 二月二十三日に行った監査の結果報告は、包括外部監査報告書と包括外部監査報告書の概要が議会には出されております。ところが、監査人が一月二十日の知事と濱渦副知事への事前説明に当たっては、包括外部監査報告書(案)、資料57番と、概要版により、資料30番、説明したことが、濱渦副知事の証言で明らかになっておりますが、その概要版は二月二十三日に提出された包括外部監査報告書の概要と同じものか。承知の上でお聞きしているんでございますが、議会に出された概要とこの概要版、同一のものかどうか、そういうことでございます。

○赤星証人 議会への概要版は意見を要約したもので、もっと短くなっております。

○野村委員 私が検証したところ、一月二十日の概要版、議会に報告された概要、これ、中身はですね、全く違っておりまして、要約といえたものではない。指摘事項が全く違います。
 数値を概要版ではかなり明確に出しておりますが、議会報告は記述文でございまして、議会に出された概要は記述文でございまして、全く中身は違います。その辺、局長、ちょっとご認識が浅いんじゃないかと、失礼ですが思います。(赤星証人発言を求む)いや、いいですよ。じゃ、次の質問入りますから、そのときお答えください。
 で、一月二十日の概要版と二月二十三日議会へ出された概要と同じものでないとするとですね、なぜ議会にも出さないんでございましょうか、一月二十日の概要版を。
 その概要版は、監査結果報告の中でどのような位置づけになっているんでございましょうか。単なる本報告書の概要なのか、何か深い意味が位置づけであるのか、お聞きしたいと思います。

○赤星証人 一月の二十日に出された概要は、知事にご説明するためにわかりやすくしたものでございまして、議会に提出されたものは、本文の中の要点、意見ですとか指摘事項等、その重要部分だけを全体的にお示ししたものでございます。

○野村委員 次に、一月二十日の概要版に対する補足説明、資料30番が二月二日に出されております、二月二日に。濱渦副知事が、補助金が正当でないかもしれないという疑念が発せられたと判断の根拠となった重要な資料でございます。私ども委員会が濱渦副知事に対して、このようなご発言の論拠となった資料をお出しくださいと申し上げたら、この補足説明、二月二日付が出てまいりました。だとしますとですね、このような重要な意味深い資料をですね、なぜ二月二十三日、議会にも補足説明書を出さなかったのか、お聞きしたいと思います。

○赤星証人 二月二日付の濱渦副知事がおとりになった補足説明は、私どもが存じ上げないで、濱渦副知事がこの包括外部監査を理解するためにおとりになったものでございまして、私どもは議会に出されるまでわかりませんでした。

○野村委員 議会にも報告されない、濱渦副知事個人用の文書です。このような重要な予特でのご判断をお述べになったと。これじゃあ、まさにですね、執行機関の事務に対して、議会にその資料も事前に出されていなくて、このような予算案を議論する予特でですね、議会を無視した不公平な執行機関の議会対応ではなかろうかと思うんです。
 まあ、これを総務局長にお聞きしてもこれは無理な話で、ごめんなさい、私の見解として申し述べております。何かご見解があったらおっしゃってください。

○赤星証人 私どもの包括外部監査の報告というものは、公式の報告は、ここに書いてございます平成十六年度包括外部監査報告書、これが私たちの公式の報告のすべてだと考えております。これを濱渦副知事が理解されるためにおとりになったんだろうと思います。
 で、私どもとしては、あくまでも公式文書というものは、外に出す、議会に説明されたもの、そして私どもに公式としていただいたもの、これがすべてだと理解しております。

○野村委員 またこの二月二日の補足説明については、この後、内容について検討させていただきます。
 知事の側から依頼やサジェスチョンによるものだとする問題でございますが、法が求める公正不偏の態度と、みずからの判断と責任の監査人のありようについての法律の条項ですが、この法にもとるものと思いますが、いかがでございましょうか。
 そのような議会にも提出されない補足説明に基づいてご判断なさる、また、監査人がですね、議会に出さないような資料を執行機関の一部の方に非公式文書としてお渡しなさる、そういう中で、執行機関が監査人の報告を参考としてこれからの都政運営に当たると。このような、本来でしたら公正不偏の態度、また、みずからの判断と責任において監査人というのは立ち居振る舞わなきゃならないんでございますが、いかがでございましょうか。

○赤星証人 私どもは、包括外部監査人は、みずからの責任と判断で、包括外部、平成十六年度包括外部監査報告書をまとめられたものと考えております。
 先ほどおっしゃった資料につきましては、濱渦副知事が理解されるためにおとりになったものと理解しておりまして、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、包括外部監査報告書というのは、これがすべてであるというふうに理解しております。

○野村委員 二月二十三日の議会への監査報告前の一月二十日、一月二十八日に知事への事前報告を行い、しかも一月二十八日には、事前報告の聴取をもとに、知事より事実経過等の調査を関係三局長に対して指示しております。このような執行機関側の予断専行的ともいえる動きが起きたことをどうお考えでございましょうか。
 わかりやすく申せば、二十三日の議会報告以後ですね、この監査報告に基づいてさまざまな対応をなさってもよろしかったんじゃないかと思うんでございますが、一月二十八日、事前報告を受けた後、直ちに、何かと皆さん動き回ったようでございます。その辺、どのようにお考えでございましょうか。

○赤星証人 一月二十八日の事前報告会の後でございますけれども、二月の二日に副知事に呼ばれまして、三局で調査をしろというお話がございました。これは福祉保健局長をリーダーとした三局の部長級職員によるプロジェクトチームをつくって、社会福祉総合学院について調査するように、設置運営の経緯、都有財産活用の経緯、受託者決定に至る経緯などについて事実関係を明らかにするようにというご指示を濱渦副知事からいただいたことでございます。

○野村委員 次に、監査報告書の記述の変化についてお伺いします。
 一月二十日の事前説明の際に、知事や副知事から、報告書案の内容について何か注意や指示がございましたか。

○赤星証人 一月二十日の知事へのご説明の際に、これは監査人が、包括外部監査人がご説明になった後、濱渦副知事から、報告書案にある社会福祉総合学院はというお話がございまして、その設定、福祉総合学院の話をされた後だと思いますけれども、知事から、現在、都では、端切れ地も含め、資産の有効活用に努めているところである、みんなで知恵を出していく必要がある、局をまたいで考えるべきとの趣旨のご発言がございまして、その後に、包括外部監査人から、資産の活用については水道事業のところにも書いてあるというお話がございました。これは水道事業のところに同じような資産活用のことが書いてございまして、そういうふうな説明がございました。

○野村委員 一月二十日の事前説明に際して、私どもがいただいた記録によりますと、まず知事が、現在、端切れ地等を含めて資産活用について見直し、検討中であると。その後、濱渦副知事から社会福祉総合学院についてはという問いがあったと。我々がいただいた記録の文書の発言の順序はそうなっておりますが、今のお話だと、濱渦副知事が先に社会福祉総合学院についてご指摘をなさったということでございますか。

○赤星証人 これ、お出しした資料、時系列で書いてございません。ここに書いてあるのは、知事、副知事、それから局長、包括外部監査人という形になっておりまして、時系列でそのまま書いたものではございません。

○野村委員 いずれにしても、今の証言が正しいそのときの時系列の発言でございますね。
 一月二十日に行いました知事、濱渦副知事への事前説明に使われた監査報告書案、資料57、一月二十八日に行った知事への公式の事前報告案に使われた監査報告書案、資料58とを比べると、記述に変更が見られます。両資料のページ一九四ページ、東京都社会福祉総合学院の運営の改善についての項で、一月二十日の事前説明になかったが、一月二十八日の公式の事前報告会では、二カ所に文書の追加挿入がございます。そして、この挿入は、二月二十三日に提出の正式の監査報告書にも、そのまま引き継がれております。すなわち、ページ一九七の六行目から九行目の、このような学院運営の実態を踏まえ、都からの補助を極力削減できるよう、学院の運営のあり方について抜本的な見直しを図る必要がある。この場合、現在の資産の活用については、局内だけでなく、都全体としての有効活用を含めて検討すべきであるの文章と、同じページの二十七行目から二十八行目の、この場合、現在の資産の活用については、局内だけでなく、都全体としての有効活用を含めて検討すべきであるの文章、この二カ所でございます。
 これら文言は、どのような経緯で、何ゆえ追加されたのか。一月二十日から二十八日の短い間に追加されているが、要望や依頼を受けて追加したのか、お伺いいたします。

○赤星証人 先ほどご説明申し上げましたけど、一月二十日の日に局をまたいでというご発言ありまして、その際に、包括外部監査人から、資産の活用については、水道事業のところにも書いてある、一月二十日の当日用の資料の、これは四二ページだと思いますけれども、そこの水道事業のところにも同じような記載がございます。で、包括外部監査人は、みずからこの件につきまして、自分で加筆、訂正されたものと聞いております。

○野村委員 私どもも、この加筆についてどのような経緯で加筆されたのか、記録を請求しておりまして、そのお答えの中で、最終的には監査人の自主的判断においてというふうに記載されております。しかしながら、先ほどの副知事、知事のご発言を監査人はお聞きになっているわけで、私どもから見ますと、確かに最終的には監査人の自主的判断であろうと思いますが、そのときの知事のご発言、副知事のご発言に影響されていると、そう考えるのは当然だと僕は思うんでございますが、いかがでございましょうか。

○赤星証人 私、外部監査人がどういうあれでお変えになったか知りませんが、先ほど申し上げましたように、知事からご指摘があったときに、外部監査人が、本文の方の水道事業の方の四二ページに、「個々の未利用資産の最適な利用の実現に努められたい、また局を越えた都全体として有効に活用できるようにされたい。」という、ご自分で水道事業のところで書かれておられましたので、こちらについてもみずからの責任でお変えになったものだと思います。

○野村委員 二月二日、監査報告概要版の補足説明が出されました。先ほど申し上げました。その中身でございますが、「このようなことから、事業団が、契約更新を行う場合は、土地と建物の財産的価値を考慮に入れた賃貸料で契約できるように交渉することが必要と考えます。それができないならば、五年間の賃貸借契約の期間満了をもって更新することをせず、全庁的に本件資産の有効活用を図るなど、抜本的な対策を講じる必要があると考えます。」、これ、あくまで濱渦副知事個人用の監査人からの補足説明書でございますが、正式な一月二十八日の監査報告書よりも、また一歩踏み込んだ、五年間の契約を更新するに際して、相手方がこの賃貸料の引き上げに応じない場合は、返してもらって、全庁的にこの資産の有効活用を改めて抜本的に見直しましょうと、そういう踏み込んだ指摘がございます。
 監査人のお立場で、このような東京都の既に公に認められた、数年継続された施策、これに対して、このように大胆に政策的判断を下すのも監査人のお仕事なんでございましょうか。私どもは、あくまで公認会計士さんのお立場で、会計基準に基づいた効率的な行政運営がされていると、そこまでが監査人の判断の範囲ではないかと。政策選択まで、ここまで踏み込むものが監査人のお役目として許容されるものか、お聞きいたしたいんでございます。

○赤星証人 先ほど来申し上げまして、申し上げているように、平成十六年度の包括外部監査報告書が最終報告だと受けとめておりますので、ここのところ、一九七ページの「事業団が契約を更新する場合には、賃貸料等の改定交渉を行うなどの対策を講じられたい。」ということが包括外部監査人のご意見だろうというふうに認識しております。

○野村委員 一月二十八日の最終的な正式な監査報告と、濱渦副知事に渡された補足説明のこの意見の結論でございますが、これは中身を精査いたしますれば、完全に補足説明の方が一歩踏み込んで、大きな相違あるいは乖離がございます。このような正式な監査報告に基づかないで、このような非公式な補足説明によって、濱渦副知事が予算特別委員会で、この補助金については不当かもしれないという疑惑が監査人から発せられたと、このような事態は、濱渦副知事、長を補佐する特別職として、大変残念ながら、職務に対しまして自覚が少し足りないんじゃないかと私は思うんでございます。
 まあ、局長にその見解聞いたら大変かわいそうだから控えますが、私の見解として申し述べさせていただきますが、委員会としても、ぜひ、このような二月二日の非公式な補足説明によって、あのような重大な発言を予算特別委員会で濱渦さんがなさった、この事実を私ども改めて深く認識しなきゃいけないと考えております。
 このような、監査報告書の指摘に戻りますが、このような都全体を視野に入れた指摘は、報告書案文がほぼでき上がってから入れられるようなものでなく、監査人として報告書を書く前から当然、基本的な検討基準としてあるべき内容のものでございます。つけ足して入れるもんじゃないと、簡単にいえばそういうことでございます。
 先ほど局長もおっしゃいましたが、今回の監査対象となっている水道事業の経営管理についての報告中、意見(1-8)の駐車場用地の貸し付けにおける管理費比率の見直しでは、水道局の保有する遊休地を月極駐車場に活用し、昭和六十三年以来TUD(東京都市開発株式会社)に一括して管理を任せている云々と書いてございます。そして、さらに、行政財産として保有する遊休土地の将来の水道事業への活用時期及び必要性に濃淡をつけ、長期に事業に供する見込みのない土地については、駐車場に限定することなく、より効率的な有効活用を図られたいと述べております。
 この記述を見ても、監査人は、指摘事項や意見を述べるに当たって、財産の有効活用の視点は持っていたわけでございますが、本件について、福祉総合学院の運営についてでございますが、当初はそのような視点での記述がなかったことは、当初から指摘を考えていなかったのではないかと思われますが、いかがでございましょうか。
 先ほどのお話では、知事の、また副知事の問いに対して、水道事業の方で触れてますよと、財産の活用について、そう監査人はお答えになっているんでございますが、初めから社会福祉総合学院の運営については、財産の有効活用の視点という形ではごらんになっていなかったのではないかと思うんですが、いかがでございましょう。

○赤星証人 その前段階のことは、私は、何を申し上げても推測になってしまいますので、それは監査人がみずからの責任と判断でお書き、加筆されたものと考えております。そのように聞いております。

○野村委員 一月二十日と二十八日での監査報告書案のページ一九五(表2-21)の(注)になかったんでございますが、二月二十三日の監査報告書に(注)1として、「建物貸付料収入のうち、特定学校法人に対する賃貸料は五千六百七十万円(消費税込み)である。」と追加挿入されています。何ゆえ特定学校法人に対する賃貸料を急遽追加記述する必要があったのか。とりたてて書く必要があると思わないが、いかがでございましょうか。
 もう一回わかりやすく申し上げますと、二十日と二十八日の報告書案にはなかったのが、二月二十三日の議会に出された監査報告書には、この(注)1が追加挿入されております。お伺いするところによると、一月二十八日が最終で、二月三日に印刷屋に発注したと。一月二十八日の事前説明において、まさか、こんなものを入れろって知事が注文つけるはずないんで、これ、あえてこれ入れたのはどういうわけでございましょうか。

○赤星証人 私どもで、どうしてそれ入ったかわかりませんが、恐らく二月二日まで、かなり、数字でございますとか、てにをはに手を入れておられましたので、その段階でみずから、外部監査というのはみずからの責任と判断でお書きになって、かなり、先生熱心に手をお入れになっておられましたので、その段階でお入れになったものだと思います。

○野村委員 余り決めつけるように、監査人の先生の報告書、追加加筆について、監査人さんはあくまで自主的判断において下されたということでございます。ただ、私どもはその辺の追加加筆について、特に施策の転換を求めるような形で、執行機関側がある程度の誘導、影響力を発揮したんではないかと、私どもは感じられるところがあることだけは申し添えさせていただきます。
 肝心のお話でございますが、総務局はこのような包括外部監査に当たりまして、局としての位置づけ、また責務、特に監査事務の遂行に当たりまして、その事務管理を一年間なさっておりました。法律にはその辺のところは多分触れてないんだと思いますが、法解釈上、また東京都の事務規則上、包括外部監査に当たりまして、局はどんなお立場でこの事務を管理されておりますか。

○赤星証人 私どもの包括外部監査に対する位置づけでございますけれども、監察室がございますが、監察室に包括外部監査に関することという規定が、組織規程上ございます。ここで包括外部監査の事務局、本当の事務局でございます、で、連絡、それから契約等々に当たるということで、包括外部監査人のお手伝い、事務的なお手伝いのみに限られております。

○野村委員 監査人は、地方自治法によりまして、中立公正、独立性、それを確保しなきゃいけませんので、当然事務に携わる局も、そういった監査人の法律上の立場をやはり堅持するための一つのつき合い方があったかと思います。
 逆に、万が一、監査人と執行機関は利害関係も持ってはいけないんでございますが、万が一、執行機関側から監査人に影響を与えるような何か働きかけがあった場合、あるいは監査人が、当然、立派な先生方が法律を遵守してなさっているんでございますが、万が一、法律の規定から若干でもずれて、外れて、中立公平さを失うような場面があった場合、これは所管する局として、あくまで事務管理をお手伝いするんでございますが、それは違いますよ、あるいは執行機関に余計なことをいうなと、そのぐらいの権限は当然持っているはずだと思うんでございますが、いかがでございましょうか。

○赤星証人 包括外部監査につきまして、包括外部監査人も公務員と同様の守秘義務等がございまして、包括外部監査については、みずからなし得る範囲、権限というものは定められておりますので、私どもは、むしろ、そういうことに外からの口が入らないようにする、先生がおっしゃったようにそういうことが大事でございまして、私どもとしても事務局に徹するということはそういうことだろうと思っております。

○野村委員 今回執行機関側から、監査人にある程度の影響力を発揮するような言動、動き、接触、ございましたでしょうか。

○赤星証人 私どもでは存じ上げません。

○野村委員 次に、監査報告書が出た後のこの監査報告の取り扱いでございます。当然執行機関側は、監査報告のご意見を尊重して今後の行政運営に反映させる。また、議会側も、これを真摯に受けとめて研究させていただき、議会の判断において執行機関側にご提案申し上げる、そういう関係にあろうかと思います。
 そのためには、監査報告が出た後、執行機関と議会が、この監査報告に基づく議会の正式の場で何かしらの議論をして、その中でお互いこの納得し合えるところで監査報告人、監査人の報告を参考、尊重すべきだろう、これが私は順序であろうと思うんでございます。ひとつ、その辺いかがでございましょうか。監査報告書が出た後の執行機関、議会の対応についてですね、当然議会の対応は、議会がみずから自主的に判断すべきことでございますが、ひとつの理想的なあり方としてね、所管局はどうお考えでございましょうか。

○赤星証人 包括外部監査が議会、執行機関、監査委員に報告をされておりますので、外部監査結果について、執行機関は執行機関として改善策を考えるということになっていますけれども、議会は議会のお立場で、この報告、包括外部監査人の報告を受けられて、いろいろなご判断をされるものだろうと、こういうふうに認識しております。

○野村委員 今回の混乱は、二月二十三日に監査報告がなされて、三月十四日の予算特別委員会で包括外部監査人の報告に基づく濱渦副知事のご判断、そこからこの混乱が生じたわけでございます。
 今申し上げたように、執行機関も議会も、包括外部監査報告を、一つの民間的な発想をお持ちの公平なお立場の先生のご指摘、意見を十分拝聴した上で、それを行政運営に反映させる、これが本筋だと思います。
 にもかかわらず、執行機関側は二月二日以後、さまざまな動きをなさっております。弁護士さんとご相談なさって、その監査報告に基づいて、犯罪性があるとか違法性があるとか、いろいろばたばたやっていたようでございます。私どもは、その辺はもう調査委員会で十分把握しているわけでございますが、このような動きを、監査事務を扱う総務局、局長としては、どうごらんになりますか。

○赤星証人 私どもは、包括外部監査の報告を受けて、その改善策、意見、指摘事項について、執行機関としてそれを粛々と改善策を考えるべきであろうかと考えております。

○野村委員 もう時間が過ぎましたので、最後にさせていただきます。
 二月二日に、先ほどからご指摘申し上げた濱渦副知事個人用の補足説明が提供されております。また、財務局財産運用部は、二月二日から顧問弁護士さんと相談を開始されております。また、濱渦副知事は、二月二日に三局長へ調査の指示を出されております。その後アメリカへ行かれました。二月二日だけで、一連のこのような、私どもから考えると非常に意味深い執行機関側の動きがございます。このことに大いな恣意的な動きがあったということを、議会側の一つの疑問として提示をさせていただきたいと思います。
 なお、きょうは、先ほど出納長をお呼びして証人尋問をさせていただきまして、出納長に対しては、知事からも一対一で特段の指示があって、今後の調査、対応をせよと。それに基づいて、出納長は三局含めて、全庁的な調査改善策等々の統括的、中心的立場に自分は立っているんだとお述べになりました。
 三時の定例記者会見において、知事は、櫻井出納長にそのようなことを指示した覚えはないとおっしゃったそうでございます。私のひとり言になってしまうので、このような大きな食い違いについては、ひとつ今後の委員の皆さんのご議論の中でも再度お触れいただきたいと思います。
 ひとり言になってしまうので、きょうの知事の記者会見、どうご感想をお持ちになっておるのか、最後の私の質問でございます。聞いてないですか、記者会見。

○赤星証人 聞いてはおりましたが、どういう趣旨でいわれたのか存じ上げません。
 その後に、また緊急記者会見を開かれたということも聞いておりますが、それは中身は、私、もうこちらに来てましたので、聞いておりません。

○野村委員 以上です。

○山崎委員長 東村理事。

○東村委員 それでは、証人に対する尋問を行います。
 ただいま野村副委員長から非常に大事な点についてのご質問が、尋問がございました。その中で、私も何点か気になった部分がございますので、確認を、また尋問をさせていただきたいと思います。
 まず、先ほど証人は、一月二十日のこの事前説明、これはあくまでも監査人が現場でやってきた仕事を事前で調整をする、この作業の日であると、こういうお話をされましたけれど、それに間違いありませんか。

○赤星証人 一月二十八日が最終確認をする日というふうに認識、一月二十日は、知事が一月二十八日にその事前報告会へ出られる前に、冒頭いつも帰られてしまいますので、知事からいつも各局にいろいろなお話をいただく、その前で認識していただく会でございます。

○東村委員 一月二十日については、石原知事並びに濱渦副知事、櫻井出納長は出席された、こういうことでよろしいですか。

○赤星証人 一月二十日には出納長は入っておりませんで、知事、濱渦副知事、特別秘書、知事本局長、それから包括外部監査人と補助者と総務局の事務局でございます、私どもでございます。

○東村委員 先ほど野村副委員長も引用されていましたけれども、地方自治法の第二百五十二条の三十七、ここに包括外部監査人の報告について記載されておりまして、先ほどもお話がありましたが、議会、長及び監査委員、これはどっちが上で下とかいうことじゃなくて、並列という私は認識をしております。
 その中で、通常、この一月二十日の、二十八日が最終の調整ですよね。一月二十日というのは、恐らく監査人にとっては、自分たちがこれだけ仕事をしてきました、それを最終的にこの事実が間違っていないかどうか確認をする一つの日であると、出発であると、私は先ほどの答弁でそう考えたんですけど、いかがですか。違いますか。

○赤星証人 一月二十日と一月二十八日でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、一月二十日は、知事に一月二十八日の会議にいろいろなお話を伺う、いっていただくという場も兼ねておりますので、そのご認識をいただく場、包括外部監査のご認識。一月二十八日が各局、ここで包括外部監査の対象になっている局の局長さん、及び特別職皆さん入ります、関係の部長さんたちも入りまして、最終確認をこの場でするというふうに理解しております。

○東村委員 普通は逆なんですよね。普通、監査をしたときに、いきなり企業でいうと会社の社長や副社長に報告するということはあり得ないわけなんですね。これ、大事な点でございまして、まずは自分たちがやったことの事実関係を、現場の部長クラスに、これで本当に、人間がやることですから、人間がやることですから、事実関係が違ってくるかもしれない、前提が違ってくるかもしれない、さまざまな問題の認識が違ってくるかもしれない。そういうことで、事実関係を確かめた上で最終的にトップに上げる、これが本来のやり方なんですけど、先にトップが出てくる、これはどういうことなんですか。

○赤星証人 先生のご指摘、一月二十日の前に既に各局といろいろな折衝をしております。これは、事実確認、数字の違い、内容でもいわれる部分、違うんじゃないかというお話もいろいろあります。
 で、一月二十八日の事前報告会には、外部監査の大切さを知事からお話しする、していただく機会ともなる。ご存じのように、知事になって初めて十一年度から始めたものですから、そういうこともありまして、知事に事前に話をしていただくという部分もございまして、従来からこの形をとっているものでございます。

○東村委員 私は、このやり方は大変に誤っていると思います。というのはですね、包括外部監査というのは、石原知事のときに導入されたとよくいわれるんですけれども、これは正確にいいますと、地方公共団体の外部監査というのは平成九年度の改正によって実施をしなければならなくなったわけです。その上で、都道府県、政令指定都市、それから中核都市は、法が定めて、法令上、これは何が何でも包括外部監査の契約を締結して監査を受けなければならないんです。これは、任意で導入しているわけじゃなくて、法が決めてやっているわけなんですね。
 で、さっきの話で、いわゆる議会と長と監査委員というのは、これは並列です。さっきの話、聞きますと、もう一月二十日の前に各局で事前調整をしていると、事実関係の確認をきちっとしてると。だから、もう一月二十日に知事に、案という言葉ですけども、これはもう知事に報告をしているわけですね。
 この時点で、本来ならば議会にも監査委員にも報告するのが筋じゃないんですか。これが当たり前の話じゃないんですか。いかがですか。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、各セクションで一月の二十日、二十八日の前にいろいろご確認はいただいております。で、最終確認の場といいますか、各局皆さん出て全体像を見るというのは、よその部分を見るわけじゃございませんで、各局ばらばらで確認しているわけでございますけども、私どもとして、一月二十八日は、事前説明として各局が最終確認をいただく場というふうに認識しております。

○東村委員 証人、よく聞いておいてもらいたいんですが、私はそういうことをいってるんじゃないんですよ。本当、よく聞いておいてくださいね。
 一月二十八日は、先ほど証人は、石原知事が各局の局長に包括外部監査というのはこういうもので、認識していかなきゃいけないですよということを認知してもらうために開いたとおっしゃいました。したがって、さっき、一月二十日は、私、事前調整の日ですかといったら、そうじゃありませんと。その日よりも前に、もう各セクション、各局監査したところの事実関係はもうチェックをしていますと。その上で、一月二十日には、知事、副知事にきちっと説明をしていますと。
 ここは、案といえども、説明をしているということは、さっきのあの地方自治法の二百五十二条の三十七の、この法令の準拠性ということを考えれば、これは並列ですから、議会と長、特に長より先に実は議会が書かれているんですね。議会、長、それから監査委員。知事に一月二十日報告するんであれば、先ほど製本したのが正式だといった、これはわかりますよ。それは製本したのが正式ですよ。けれども、一月二十日に知事に報告しているんであれば、議会にもきちっと報告するのが筋なんじゃないですかということを証人に聞いているんです。いかがですか。

○赤星証人 先ほど、あの、先生がおっしゃった、一つ、抜けておりましたので、それもお答えさせていただきますけれども、先生、平成九年改正でございますけれども、法は、実施は平成十一年からでございます。(東村委員「それは知っています。私は、あくまでも改正としかいっていません」と呼ぶ)はい。
 包括外部監査人でございますけれども、先ほど申し上げましたように、監査結果を取りまとめる過程で、手続の、先ほど申し上げた手続の一環として、監査対象局の局長、それから事実確認のための意見交換を行いますけども、それに先立ちまして、当日出席する知事にご説明を申し上げました。
 先生おっしゃった、議会にも同時というお話がございます。私どもとしては、まだ確認の段階というふうにその時点を認識しております。

○東村委員 確認の段階を行政のトップの長に報告すること自体、おかしいんじゃないですか、それは。どうですか、それ。これ大事なところですよ。

○赤星証人 あの、包括外部監査の最終報告書としてまとめられたのは、二月二十三日の報告書でございまして、これは、先生、今お話がありました、従来からこの形でやってまいりまして、それは最終確認をしてやっていこうということでございまして、こういう形になっておるものでございます。

○東村委員 それだったら、よく条文、さっきから法令だとか、いろいろなところでみんないっていますけれども、それだったら、この最終的に二月二十三日に出した製本を石原知事に、濱渦副知事に報告すれば足りるんじゃないですか。知事、副知事に先やって、議会は後回し、これは、はっきりいって、これは議会軽視といわれても、後でそれいわれても仕方ないと思いますよ、証人。どうなんですか、これは。
 これはだからね、だから予断を持って調査が進められたんじゃないですかっていわれても、これはね、多くの人が聞いてたら、そう思いますよ、はっきりいって。どうですか。

○赤星証人 今後のあり方については、改めて、じゃ、検討させていただきたいと思います。

○東村委員 何か今後のあり方なんて、どこかの副知事に似てきましたね、本当。これ、どうなんですか。今いっている、この今回のことは適正なのかどうか、これについて聞いているんです。

○赤星証人 私どもといたしまして、従来のやり方を踏襲してこういうやり方をやってまいりましたけれども、今、先生のご指摘もありましたので、我々としても十分考えさせていただきたいと思います。

○東村委員 私、一般の平場の議会だとか常任委員会での質疑をやってるわけじゃなくて、要するに百条という、今回の疑念が発しられたというこの問題で開かれた百条委員会での、今、証人に対する尋問をやっているんですね。その中で、今後改善していくということは大事なことですけれども、今のこのやり方というのは、まさに予断を持って進められたと認識をされても仕方ないんじゃないですかということを聞いているんです。

○赤星証人 私どもといたしましては、包括外部監査人がみずからの責任と判断でお書きになったものというふうに認識しております。

○東村委員 ちょっと、証人が全くまともな答弁していただけないんですけれども、私、聞いているのは、全然そんなこと聞いていないんですよ。包括外部監査人が不適正だとか適正だとかいってないんです、私。いわゆるこの一月二十日に、事前に知事と副知事という、ここで条例で書いてある行政の長だけに先に説明があって、議会にはそれから一カ月後ですよ、二月二十三日ね。この一カ月の間に、先に行政の特定の長、そして副、この人に説明することによって、予断を持ってこの間さまざまな調査が、この予算特別委員会までの間に進められてきたんではないんですかと。そういったことが入る可能性があるし、そういうことをいわれても仕方がないんじゃないですかということを証人に聞いているんです。

○赤星証人 今、先生ご指摘のその手続の期間につきましては、若干一カ月近く、一カ月弱の期間の差がございますけれども、私どもとしては、その間に不適正なことが行われたものとは考えておりません。
 しかし、ご指摘のような問題が、先生からご指摘を今受けました。私どもとしても十分これから考えていかなきゃならぬものだとは思います。

○東村委員 一カ月もあれば、先にこういうことがわかる。で、この前の予算委員会じゃないですけど、それまでの間にいろんな自分たちで調査をして、さまざまな問題提起もできるし、いろんなことを進めていくことができるわけですよ。こういうことを、今回の問題で、本来ならばあっちゃいけないんです。今までもあっちゃいけないんです。ところが、ずっとやっぱり議会が軽視されてきているんです、はっきりいって。これは、はっきりいって議会軽視ですよ、ほんと。議会がこんなに一カ月間もほっぽらかしにされて、行政の執行機関の、しかも一部の人たちだけが知っているなんていうのは、これはとんでもない話であって、これはやっぱり、改めていただけるという話ですけれども、今回こういう問題があるっていう、これはね、まさに予断を持ってさまざまなことが進められやすいと。
 しかもね、このままいくと、まあ堂々めぐりになりますけれども、これは大事な点なんですよ。その上で、先ほど野村副委員長からも、過失があったと。普通、監査人が、先ほどの話だと、一月二十日はもう知事に報告していますから、行政のトップに報告しているわけですよ。トップに報告した後に加筆をするということは、普通はあり得ないんですね、トップに報告した後に。それは、行政の方から、例えば内部牽制だとか内部統制、こうしてもらいたい、だからこの部分も書き入れてもらいたいということで入れることはあるかもしれない。そういう意味で、私は、監査人がみずからとさっきおっしゃいましたけれども、監査人みずからというよりはむしろ行政の側から、こういうこともぜひとも進めたいし、入れてもらいたいという情報を与えたか、喚起させたか、指示をしたか、そういうことがあったからこういう加筆が入ってくるんじゃないかと。
 しかも、物すごく大事な加筆なんですね。これ読みますと、このような学院運営の実態を踏まえ、都からの補助を極力削減できるよう--これだけでも大事なんですけれども、学院の運営のあり方について抜本的な見直しを図る必要があると、ここまで書いてあるんです。しかも、この場合、現在の資産活用の方法については、局内だけではなく、都全体としての有効活用を含めて検討すべきであると、ここまでいってます。物すごく大事な部分で、本来ならば、総務局長、現場の、いわゆる監査人と相対する窓口なわけですよね。総務局長、これだけ加筆されたときに、納得したのかしなかったのか、ここ、大事な点なんですけど、いかがですか。

○赤星証人 先ほども申し上げたところでございますけれども、一月二十日の会議の席上、知事からもお話があって、外部監査人が資産の活用について水道事業のところにも書いているというご発言がありましたので、私としては、水道事業のところと同じに加筆されたのかなというふうに思いました。

○東村委員 証人、笑われちゃいますよ、本当に。水道事業で加筆されているから、それが福祉事業団にそのまま加筆していいという論法というのは、それぞれ一生懸命仕事をしている人たちにとっては、そんな単純な動機で判断されてこういう大事な部分を加筆されたら、大変に失礼な話であって、普通はこういうところを現場でやりとりして、いや、そうじゃないですよ、事実はそうじゃないですよって、訂正なんかも求められるんです、我々監査したときには。それくらい後で加筆をするということは重たいことであって、水道事業で書かれたから、それはそのままこちらに書かれて当然だと思いましたという今の証人の答弁は、余りにも無責任じゃないんですか。

○赤星証人 言葉が足りなかったかもしれませんが、私の申し上げたのは、水道事業のところに書いてあるからという、水道事業のところの資産活用のところに同じような項目が触れておられたので、そのことを、外部監査人が二十日の日に、同じように水道事業のところにも書いてございますというお話になって、その後は、みずからお書きになったものでございますので、我々が特にお願いして書いてもらったものでもございませんので、そのところは、先ほど申し上げた水道事業のところにただ書いてあったという意味じゃなくて、同じような項目があって、それをお答えになって、それでお加筆になった、加筆されたというふうに認識したものでございます。

○東村委員 また戻っちゃうんですけど、私は、それを書いたことに対して総務局長はどう認識していたのかと聞いてるんですよ。これで納得したのかどうかということを聞いているんです、証人に。だから、水道事業で書いてあるから監査人が書いた、監査人の責任にしないでもらいたいんです。書いた、それを受けて、総務局長として納得したのかどうか、そこを聞いているんです。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、包括外部監査、私が先生に申し上げるのは失礼でございますけれども、包括外部監査人というのは、独立して外部監査を行うものでございますので、私どもが包括外部監査人の書かれたことに納得するとかなんとかいうよりも、最終的に出されたものが包括外部監査結果というふうに我々は認識しております。

○東村委員 そういうことじゃないんですよ。要は、包括外部監査人が確かに専門家として出してきた、けれども、局として、いやこれは違いますよと、納得できませんよと、こういうことをいってもいいわけですよ。そういう権利はあるわけなんですよ。何でもかんでも伝家の宝刀でこれがすべてだというわけじゃなくて、局としてもこれは納得できません、この部分については見解が違いますよ監査人、ということをいってもいいんです。そういうことをいわなかったということは、そのとおりだって自分たちで認めたということなんですかと聞いているんです。

○赤星証人 お出しした一月二十八日の資料をごらんいただきたいと思いますけれども、この席には福祉保健局も出席しております。で、福祉保健局長も説明を受けておりました。そこで、これは確認もいたしました、皆さんが記憶していたものを、各局確認してもらったものでございますけれども、事業団が受託運営する施設の民間移譲が本格化するという転換点に立つ時期に指導を受けたことは有意義、今回の指導の趣旨を広く施策に生かし、利用者本位の新しい福祉を目指して局一丸となって努力していくという趣旨の局長からのご発言がございました。局としてもこういう考え方なんだなと我々は認識しました。

○東村委員 要は、総務局長としては知らないけど、福祉保健局がそういったから仕方ないんだろうということなんですね。これはまた改めて福祉保健局に、それだったら私は確認をしなきゃいけないと思いますけれども、それでよろしいですか。

○赤星証人 知った、知らないということではなくてですね、包括外部監査というのは内部監査と違って、我々としては、包括外部監査が独立の存在としてありますので、私どもの事務局はあくまでも連絡担当ということでございますので、包括外部監査人がみずからの責任で書かれたことに対して、私どもとして、先生これ違いますよというようなことは、今まで申し上げておりません。

○東村委員 ということは、繰り返しますけど、これは福祉保健局がこれを判断したということと同じですよね、今いったように。私どもは関知していないし、あくまでも連絡係だから、これはまさに福祉保健局が最後関知したからということで、納得したから、これを受け入れたと。わかりました。これは福祉保健局でまたこれを確認したいと思います。
 ただ、私、さっきもいいましたように、これだけ一カ月も、知事に、案とはいえども報告しているわけですから、報告して、二月二十三日に、いわゆる車の両輪と口でいっているけれども、はっきりいって議会軽視してきたんですよね、この問題について。これは、この問題だけじゃないかもしれない、今までのやり方で軽視してきたんですよ。
 で、結局、そちらはそちらでいろんな物議を醸し出しながら、さまざまな予断を持って調査をした。こちらは、開いたときにはもう二月二十三日、予算特別委員会まであと、三月あのときは十四日ですか、ほんのわずかな期間しかないわけです。そういった中で、議会が調査しようと思っても、たったあの短い期間で調査なんてできるわけないんです、この難しい中を本当に。それを、予断を持って先にやってきたところが、さまざま疑念を発してきた、こういうことが私は可能性としてあるということを指摘して、次の尋問に移りたいんですが、三月十四日の予算特別委員会の中村委員と濱渦副知事とのやりとりについて、何点か総務局長の見解を聞きたいと思います。
 私も含めて議会の皆さんは、執行機関側の多くの皆さんにも経験があると思いますけれども、一般的に、質問通告が出ると、今回の場合、三月十四日の通告書には監理団体についてと記載されていたわけですけれども、非常に概括的で、内容が監理団体についてという大きなテーマですから、各局の課長さんなりが質問予定者に連絡をとって、どういった質問が具体的になされるのか聞きに見えるわけなんですよね。そして、執行機関の職員は、必要な調査をしたり、事実関係を確認したり、準備をされるわけですけれども、今回、総務局は、この質問通告を見て、民主党の中村委員に接触をし、質問の内容を確認したのか。確認したという場合であったら、どういう内容を確認したのか、これについてまずお聞きしたいと思います。

○赤星証人 ご指摘のように、議会のときにはいろいろお話があって、接触をさせていただきます。で、私ども総務局には質問がないというふうにお話を伺っております。

○東村委員 ということは、単刀直入に聞きますけれども、三月十四日の予算特別委員会での民主党の中村委員の社会福祉総合学院に関する質問は知らなかったと、こういうことでよろしいでしょうか。

○赤星証人 総務局としては知りませんでした。

○東村委員 赤星証人も、この包括外部監査、監理団体を所管する局長として、中村委員の質問と知事の答弁を聞かれたと思います。本来ならば、自分が所管局長だと思われたと思いますけれども、このやりとりを聞いてどう感じたか、これについて伺いたいと思います。

○赤星証人 私から知事の発言について判断するといいますか、論評する立場にはございません。

○東村委員 証人、よく聞いておいてほしいんですけど、赤星証人は、総務局長として、知事じゃないんです、中村委員の質問とそれに対する濱渦副知事のこの答弁、監理団体についてといきなり出てきました。本来これは、包括外部監査もそうですけども、総務局長が所管するところです。自分ではなくて、いきなり濱渦副知事が答弁をされた、この光景を見ていてどう感じたか、これについて聞いているわけです。知事について聞いてるんじゃなく副知事ですね。

○赤星証人 監理団体の担当は、先ほど知事といわれたものですから、失礼しました。今、副知事のお話でございました。監理団体改革は総務局所管でございますが、副知事に質問したいというお話でございましたので、私どもとしてはどういうことかなと、私どもに質問がなかったわけでございますので、どういうことかなという感じでございました。

○東村委員 私どもにとってはどういうことなのかなと、率直にそう感じたわけですよね。
 それで、山崎委員長のこの百条委員会での濱渦証人に対する、民主党の中村委員が質問することをあなたは知っていましたかという尋問に対して、濱渦証人は、予告なるペーパーが存在し、その中に、Q一、監理団体改革について現在までの改革の取り組み状況とその成果を含めて伺う、A一、副知事と書いたのが、こういうのがあったと、だから証言をしたと、こういう話をされました。しかし、三月十四日の予算特別委員会の中村委員の通告を見ても、監理団体についてという通告タイトルはありますが、答弁者の欄に、副知事などとどこにも記載されていません。ましてやQ一、A一などとも記載されておりません。で、濱渦証人は、民主党との事前調整もないときっぱり否定されておりました。
 誤解していたら困るので申し上げますが、私はこの事前調整そのものを否定しているのではなくて、議会と執行機関とが、やはり限られた時間の中で中身のある話、議論をしていくためには、私たち議会もきちんとしっかりと事実を取材し、確認をする必要があるし、執行機関も事実を調査して明らかにして、論点、疑問点を浮かび上がらせる。すなわち質問の具体化の作業、これは当然にやらなきゃいけないし、やっていいことだと私は思っております。
 しかし、濱渦証人は、不思議なことに事前調整はないというし、Q一、A一の予告なるペーパーがありましたと、こういった答弁をされました。この百条委員会で今問題になっていることは、議会の場を利用して疑惑が捏造されたんではないかと、こういうことがいろいろ問題提起をされているわけなんですね。そこで、三月十四日のこの通告以外に、中村委員の質問に関して、この予告なるペーパーを総務局は持っていたのかどうか、また、その存在を知っていたのかどうか、これについて伺いたいと思います。

○赤星証人 先ほども申し上げましたように、私どもも、議会の予特、大変な場でございますので、内容を知るということは、いち早く知って対策を練らなきゃいけないものですから、お聞きしましたけれども……

○東村委員 もう少し大きな声でいってくれないと、わからないよ。

○赤星証人 はい。お聞き申し上げたんですが、私のところ、総務局には質問がないということでございましたので、私どもとしては、その後のものは存じ上げません。

○東村委員 議会運営の慣行として、便宜上作成される質問の項目、答弁者が箇条書きに記載された一覧表、これには、社会福祉総合学院の問題、監理団体の問題が一切記載されておりません。赤星証人は、部下の職員から、民主党の中村委員の予算特別委員会の質問通告にあった監理団体についてなる部分について、質問はどのような状況になっているかという報告を受けていたのか。例えば、他の局になったとか、質問がなくなったとか、そういうことがもしわかれば、具体的に証言願いたいと思います。

○赤星証人 私も気になりましたので、私の局にはあるのかないのかというお話を伺いまして、先ほど申し上げましたように、総務局にはないと。で、ほかの局のところも、それはわかりませんでした。はっきり申し上げて、最後までわかりませんでした。

○東村委員 総務局ではないと認識したと、こういうことでよろしいですか。改めて確認したいと思います。

○赤星証人 私どもは、総務局にはないですよといわれましたので、部下から報告を受けて、二度ほどぐらい確認したと思いますけれども、ないということなので、私どもとしてはないというふうに考えました。

○東村委員 それでは、次に、証人に確認をしたいんですが、総務局では、この議会答弁を作成する際に、答弁内容について局長は確認をされるんでしょうか。

○赤星証人 私が答弁するものでございますので、確認いたします。

○東村委員 繰り返しになって申しわけないんですが、先ほどの山崎委員長の濱渦証人に対する、民主党の中村委員が質問することをあなたは知っていたかと、こういった尋問に対して、濱渦証人は、予告なるペーパーが存在し、その中に、Q一、監理団体改革について現在までの改革の取り組み状況とその成果を含めて伺う、そして、A一、これはアンサーという意味でしょうね、A一、副知事というのがあって、これに沿って監理団体担当に答弁を用意していただいたと、こう証言しているんです。監理団体担当に答弁を用意していただいた。監理団体担当というのは総務局じゃないんですか。

○赤星証人 先生のご指摘、私どもの監理団体改革担当で答弁を用意したというのではなくて、私ども、副知事から指示がございましたのは、アンサーとかクエスチョンじゃなくて、監理団体改革の実績を教えてほしいということで、その実績についてはお届けしたというふうに聞いております。

○東村委員 つまり、直接質問に対する答弁を用意しろということはなかったけれども、監理団体の実績について教えてもらいたい、こういった問い合わせがあったと、こういうことでよろしいですね。(赤星証人「委員長」と呼ぶ)いいです。いいですね。
 さらに、野村副委員長の、三月十四日の中村委員の予算特別委員会の質疑に関して、濱渦証人に対して、予算特別委員会で質問があることは民主党から事前に打診があったのか、また、質疑方法について調整されたのかと尋問した際、濱渦証人はこのように証言されています。事前の打ち合わせはない。金曜日、前の週の金曜日に、質問の中に、監理団体改革についてということで、濱渦証人、私の氏名があったので、行政改革推進室に具体的な答弁の趣旨について用意するようにお願いした、とのことなんです。総務局は、具体的にはこの行政改革推進室、ここなんですけれども、具体的な答弁の趣旨なるものを準備したのか。当然、局長は確認されていると思うんですけど、はっきり証言をしてもらいたいと思います。

○赤星証人 先ほど申し上げましたように、私どもにご指示があったとされておりますのは、行政改革の実績を持ってきてほしいと、副知事から行政改革の実績を持ってきてほしいということで実績をお持ちしたと、こういうふうに聞いております。

○東村委員 行政改革の実績を持ってきてもらいたい、いわゆる具体的な答弁の趣旨を用意したのではないと、こういうことですか。どうですか。

○赤星証人 先ほど来申し上げた、申し上げました行政改革というか、監理団体改革の実績を持ってきてほしい、それをお持ちしたと、こういうふうに聞いております。

○東村委員 これ、よく考えれば、タイミング的に予算特別委員会の前で、実はこの辺の情報を、まあ、具体的には知らされてなかったんですけれども、薄々知ってたんではないですか。どうですか。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますように、私どもに副知事から指示がございましたのは、監理団体改革の実績を持ってきてほしいということでございまして、質問の内容等については私どもは一切知らされておりませんし、先ほど申し上げましたように、総務局に質問はないよといわれておりましたので、私どもとしてはそれ以上のことは考えておりませんでした。

○東村委員 まさに監理団体担当であり包括外部監査担当である、二重の今回担当である、一番肝心かなめの総務局長ですら何も知らされていないまま、今回、このある限られた人物で秘密裏に疑惑捏造が進められてきた。監理団体担当であり包括外部監査担当である総務局長、赤星総務局長は蚊帳の外に置かれているという、まさにそういう状況であったと私は思います。
 そして、監理団体について、知事の職務指示を受けたから具体の指示と認識したというような意味のことを証言をして、濱渦証人は証言をされておりますが、今の赤星証人の証言ですと、担当局長ですら質問の件について全体像を具体的に知らされていなかった。これは、首を振ってうなずけるような問題ではないんですけど、恥ずかしいことなんですけれども、知らされてなかった。事実ですからね。まさしく今の都政のあり方が、あり方の問題が私はここにあらわれているんではないかと。やはり行政というのは下から積み上げなんです、やっぱり。それを秘密裏に問題を提起して何かをやろうという、特定のところだけで進められてしまう。これは本当、総務局長は、私は腹の中はわかりませんけど、煮えくり返るような思いなんじゃないかということは思います。
 さらに、この都庁、事業団だけではなく、民間の学校法人まで巻き込まれちゃって、名誉を傷つけられて、そこに通う学生や都民を不安に陥れた。私はこの責任は大変に重いと思いますし、今の都政のあり方そのものが問われるゆゆしき問題だと思います。
 冒頭、包括外部監査の報告のあり方もいいました。あれだって総務局長も蚊帳の外でしたけど、議会も蚊帳の外にされたんです、一カ月間。この一カ月って大きいですよ。一カ月間、蚊帳の外にされたんです。
 こういったことが今の都政で行われているから、今回さまざまな、この問題をきっかけに、この百条委員会で事実関係を明らかにして都政を正常化に戻したい、これが我々議員の考え方であり、議会の思いだということを最後に述べさせていただきまして、証人に対する尋問を終わりたいと思います。

○山崎委員長 柿沢委員。

○柿沢委員 まず、先ほど野村副委員長の尋問の最後ですか、知事の記者会見におけるご発言があったかと思いますので、六時過ぎに行われた知事の二回目の何か緊急の記者会見の中身が入ってきましたので、それをちょっとお話ししようと思うんですが、今、思い直すと、その直前に、濱渦副知事が外郭団体の担当をしているわけで、福祉、総務、財務局の三局長を呼んで、これは大事な問題だからきちんと精査して報告してくれといって、あんまり報告が来ないので、濱渦を督励したと。それでもなお遅いので、二月の上旬に濱渦君がたまたまアメリカに行っていなかったので、これは財産管理、利活用の問題でもあるので、櫻井出納長を呼んで、とにかく至急調べて詳しい情報を私にもたらしてもらいたいといったと。それを受けて、二月二十四日は休暇だったが、わざわざ出てきて、都道府県会館の部屋で彼から経過を詳しく聞いたと。私の指示を受けての詳細な報告だったというお話があったそうでございますので、ご報告をさせていただきます。
 で、尋問に入らせていただきますけれども、調査改善委員会が立ち上がって、今、総務局長さんは事務局長をされているということだったかと思いますが、また、総務局行政監察室が内部調査をしているわけですけれども、現時点で判明した事実、法令、規則や契約に照らして不適正といえるような状況というのはありますでしょうか、伺います。

○赤星証人 調査改善委員会でございますけれども、まず、事務局長という職、ございませんで、総務局が事務局でございまして、幹事が総務局、財務局、福祉保健局三局でございまして、事務局長ということはございません。
 それから、社会福祉総合学院の設置運営の経緯、お手元に資料が、三枚のものが、私ども出させていただいておりますけれども、幾つかの点で私どもも調査をさせていただき、これは時間がかかりましたのは、やはり事実確認、きちっとする、評価を加えないで事実確認するということが大事だろうと思いまして、調査いたしました。で、違法とかいう、今の段階で、私どもが改善委員会に引き継いだ段階、調査改善委員会に引き継いだ段階で違法というようなものは、認識、調査ではあらわれておりません。ただ、意見が異なって、認識が若干異なっておりますのは、平成十三年の八月から十月までの期間で意見が、福祉保健局と財務局の間で意見が異なる。これは、相談はあっただろうということは、私どもある程度双方の話を聞いて、相談が、事前相談、何かあったということまではわかったんですが、その後、具体的にどこまで相談したのか、それと、口頭了解にせよ、与えたのか与えないのかということにつきましては、双方が別々の場所にそれぞれ陳述書を出しまして、ここは意見が一致しておりませんし、私どもが呼んでいろいろお話聞いても、この点については意見が一致いたしませんでした。

○柿沢委員 契約関係でいいますと、今までの証人尋問の中で、私、たびたび確認をさせていただいていますけれども、事業団の土地無償貸付契約書の四条、用途違反、用途指定に違反をしているということについては、証人尋問の中で複数の証人から、これは違反している疑いが非常に強いというお話をいただいているわけですけれども、このこと自体は、私はかなり明確になってきたのかなというふうに感じていますけれども、その点についてだけでもいかがでございますでしょうか。

○赤星証人 土地無償貸し付けは東京都と事業団で行っているものでございまして、先ほど申し上げましたように、それぞれの意見が一致しておりませんで、認識が違うようでございますので、我々としては、その法解釈は、当該財産を所管している福祉保健局、総合調整、財産の総合調整を行う財務局で意見を統一すべきものと考えております。

○柿沢委員 わかりました。
 先ほど、平成十三年の八月から十月にかけての意見の食い違いというお話がありましたけれども、先ほど証人尋問の中でも出てまいりましたが、資料86、「総務局行政監察室が今回の件に係わって内部調査で収集した資料一式及び調査報告など調査結果を整理した資料」というのがありますが、その中の資料としては、当時、財務局財産運用部総合調整課長だった方、また担当係長の二人の陳述書が出されていて、こちらの記録には入っているわけですね。
 一方で、この内部調査の資料一覧の中には、福祉局の担当者だった係長の方の証言文書は提出されていないようですけれども、これはどうしてなんでしょうか。

○赤星証人 そちらの陳述書は、二月の十八日に濱渦副知事にご報告した三局の報告書の中に入ってございます。それは、福祉局が陳述をとって提出したものでございます。

○柿沢委員 いや、いったいわないの事実の経過を調べようと思うと、この証言文書というのが、内部調査の資料として、今回、議会提出されたものがこれだけあるわけですけれども、入っていてもいいのかなと思うんですけれども、どうしてなんでしょう。

○赤星証人 その資料は、既に議会の方に提出されております。二月十八日分の内容ということで、三局が濱渦副知事に説明した内容の中に、これは福祉保健局が集めた資料でございますので、その中に福祉保健局として提出してございます。

○柿沢委員 いや、そういうことをいっているんじゃなくて、私もその証言文書は何度も何度も見ていますし、引用もしていますし、名前を引いて大変ご迷惑をおかけした経過もありますけれども、この行政監察室が行っている行政監察で、内部調査の中で収集した資料の一式という資料の中に入っていないということは、行政監察室としてそれを持ってないということなんですかということをお尋ねしているんです。

○赤星証人 私どもも二月の調査に、行政監察室として、総務局の行政監察室と、それから監理団体改革担当が入っておりまして、メンバーで、で、そこで資料もいただいております。で、もう既にいただいたもので、今回このために集めたものではございませんので入れてございませんが、その段階でもう既にいただいておりましたので、このためにだけ集めた資料ではありません。

○柿沢委員 はい、わかりました。済みません。ちょっと確認をさせていただきました。
 で、今回の提出資料の中に、85番、「包括外部監査人及び補助者が監査実施時に作成している監査調書、ワーキングペーパーなどの資料のすべて」というのがあります。これを見てみますと、最初の段階では、結構最終的な報告書よりかなり厳しい指摘があったんだなということがわかります。例えば十一月八日付の日付があるペーパーですけれども、リカレント教育は他の福祉系大学院や専門職大学院でも実施されており、同学院が損失を計上しながら運営し続ける必然性は乏しいとか、特定民間学校法人が校舎として長期的に使用する可能性が極めて高いのが実情とか、これ、かなりはっきり厳しい指摘をこの段階では行っています。
 こうした初期の段階のペーパーというのは、包括外部監査の担当局として、総務局長、逐一ごらんになっておられるんでしょうか。

○赤星証人 私は見ておりません。私が初めて見ましたのは、ポイントという全体のまとめ、本当のポイントだけをまとめたものでございまして、それが十二月の二十七日、ほんとぎりぎりでございまして、それを見たという記憶はございますけれども、今おっしゃったような資料は見ておりません。

○柿沢委員 今回、こうした事前のワーキングペーパー、出していただいたわけですけれども、じゃ、この段階では、福祉保健局との間の包括外部監査事実確認書というのが、例えば十一月十七日付で入っていたりとか、そういう事実確認のやりとりを福祉保健局との間で交わしているということはこの資料の中で確認できるわけですけれども、総務局としては、この内容にわたることは知らなかったというか、報告を受ける立場になかったということですね。

○赤星証人 先ほど申し上げましたように、私ども事務局は直接そういうことに携わりません。ほとんどが包括外部監査人または補助者の方々が、資格を持った補助者の方々が直接局とお話しになるということでございます。
 で、出された資料も、包括外部監査人から出されたものだと思いますが。

○柿沢委員 はい、わかりました。
 で、十一月八日付のペーパー以降、このワーキングペーパーの指摘内容は、福祉保健局との事実確認書、やりとりをして、内容の修正が入っていきます。例えば十一月十五日付のペーパーで、リカレント教育について、先ほど申し上げた、同学院が損失を計上しながら運営し続ける必然性は乏しいという文言が削除されています。これはどういう議論を経てそうなったのか、証人はご存じではないですよね。ご存じですか。

○赤星証人 存じ上げません。

○柿沢委員 さらに、同じ十一月十五日付のペーパーでは、特定民間学校法人が長期的に使用する可能性が極めて高いというのが、継続的に使用する可能性があるという文言に変わっています。指摘は、借り受け者と再契約することを前提とするような記述になっているので、適切ではないという福祉保健局サイドの見解を受けてのものだと思いますけれども、これについてその包括外部人サイドと福祉保健局サイドのやりとりについては、やはりこれも知らないということでいいですね。

○赤星証人 存じ上げません。

○柿沢委員 さらに、十一月二十六日のペーパーでは、学院の建物は東京都の土地に建設されており、上記の発生経費に加えて地代相当額を考慮して賃料を算定する必要があることになるという、必要があるというのが、適切であると考えられるということに表現として弱められています。これについてはなぜ表現を弱めることにしたのか、総務局長、ご存じないですね。

○赤星証人 存じ上げません。先ほど申し上げましたように、私が初めて包括外部監査のポイントを受けたのは十二月の二十七日でございましたので、存じ上げません。

○柿沢委員 むだなやりとりをさせていただいて大変恐縮でしたけれども、どういう形でこう伺っても、この包括外部監査報告が、ワーキングペーパーの段階から最終的な報告案に至る加筆や修正のプロセスというものは、総務局長にお伺いをしてもわからないということなんだろうというふうに思います。いずれにせよ、今申し上げたとおり、福祉保健局との事実確認書のやりとりを経ていく中で、包括外部監査報告書が随分内容が薄まった、いってしまえば骨抜きになった印象が否めないわけです。
 さらに、資料の85番の最後の方に、先ほども出ましたけれども、「平成十六年度監査報告概要版の補足説明」というのがあります。平成十七年二月二日付のものですけれども、これも総務局長さんは事前にはごらんになられていないということでよろしいですね。

○赤星証人 二月二日の資料は、副知事が包括外部監査人からいただき、二月、議会の三月二十八日、ぎりぎりだったと思いますけれども、資料の提出期限ぎりぎりに濱渦副知事から呼ばれまして、私と課長が一人ついていきました。この資料は出したい、この内容かどうかわからないんだけれども、この資料を出したいので、出してくれと。で、いただいたのが三月の二十八日だったと思います。それで議会の資料提出になったものでございまして、それまでは一切見たこともございません。

○柿沢委員 確認をさせていただきました。この資料は、先ほどのやりとりの中でこういういい方をしていたかどうか記憶をたどっていたので、濱渦副知事が理解のため、包括外部監査の報告に関する理解のためにとった個人的なものであるという認識を述べられたかと思いますが、それで証人の認識としてはそのようでよろしいですか。

○赤星証人 私の認識を申し上げたのではなくて、濱渦副知事がそれを、この委員会だったと思いますけれども、本人がこのペーパーについては知事から指示を受けてみずから理解するためにもらったものだというような趣旨の発言を聞きまして、私は理解したわけでございます。

○柿沢委員 はい、わかりました。
 いずれにしても、今、ワーキングペーパーに関する包括外部監査報告がまとめられるプロセスについて表現が弱められていった過程、あるいは指摘の文言が削除された過程、お尋ねをさせていただきましたけれども、総務局長にこれをお尋ねをするのはいささかその相手が違うということがわかりました。やはり総務局長に聞いても、やっぱり事の本質にかかわる部分というのはなかなか、今調査中ということでありますけれども、わからない。これはやはり、この包括外部監査報告においてどういう問題意識があって、どのようにしてつくられたかということは、包括外部監査人にお出ましをいただいて、その報告書がつくられるプロセスと福祉保健局とのやりとり、文言の修正の経過、こうしたことを確認をして、そもそも根底にある包括外部監査人の問題意識がどこにあったのかということを確認しなければならないのではないかというふうに思います。
 それともう一つ、これは余り誤解をされるとあれなんですけれども、資料の番号の92番、先ほど曽根委員--(八字削除)--からもありましたかね、社会福祉総合学院に関する調査改善委員会の設置について、出納長室が出した三月二十四日付のペーパーがあります。これについて調査改善委員会の設置の趣旨、あるいは調査体制、当面の対応、その後の対応ということが書かれているわけですけれども、この内容について妥当なのかどうかというのはおきますけれども、この重要な資料が調査改善委員会の事務局をされている総務局の方に提出をされていないというお話がありましたけれども、それは事実でいいですね。

○赤星証人 事実でございます。で、きょうの質疑を伺って、きょう出されているということがわかりまして、初めて見ました。

○柿沢委員 それで、今、私も実はこういうペーパーがあって、これは総務局として持っていないというか、提出されていないものだと、総務局に対して提出をされていないものだというのは先ほど知って、慌ててとりに行って、どんなことが書いてあるの、こんな重要なのを総務局に出さない、とんでもないという話だったので見てみたんですけれども、別に僕はこれは大したことないんじゃないかと思えるんですよね。後で記者さんにも見てもらいたいと思うんだけれども、これを出さなかったということが、それは故意か過失かは知りませんけれども、重大な出納長室の何か思惑を前提とした行為であるかのようにいうのは、どうも私はどうなんだろうな、そこまでいうことでもないんじゃないのかなという感じがするんですけれども、現物を見て、局長、証人、どう思われますか。

○赤星証人 私ども東京都社会福祉総合学院の運営に関する調査改善委員会の事務局を務めておりまして、特別職と三局の局長が幹事を、で、総務局が事務局をやっております。このような指示は副知事からもいただいておりません。私どもは指示をいただいた範囲で要綱を作成し、知事の決定をいただいたわけでございまして、ここに書いてあります予算特別委員会、百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整というのは、本来の百条委員会にはなじまないだろうと思いますし、私どもは設置要綱でできた知事決定の範囲で仕事をすべきだろうと、こう思います。

○柿沢委員 ご認識はわかりました。いずれにしても、私どもは、その(「議会がだまされているんだよ」と呼ぶ者あり)いや、とにかく事の本質にかかわる質疑をしたいと思っておりますし、先ほどの包括外部監査報告書がつくられた経過というのを総務局長に伺ったらどうかなというふうに思ったんですけれども、これはやはり包括外部監査人にやはり聞かなければいけない事項だというふうに認識をいたしましたので、そういう意味では、ぜひこの百条委員会にもどんな形ででもお見えをいただいて、この報告書をつくった経過についてお話をいただくということをお願いをしたいというふうに思っております。
 以上で尋問を終わります。

○山崎委員長 松村委員。
   〔委員長退席、野村副委員長着席〕

○松村委員 赤星総務局長への証人尋問を行わせていただきます。
 まず、先ほど我が党の曽根はじめ委員から櫻井出納長に社会福祉総合学院に関する調査改善委員会、この点について伺いました。これは、今もお話がありましたとおり、資料ナンバー92の最後に出されております。これは「平成十四年四月一日から平成十七年三月三十一日までの間に、社会福祉事業団及びこの関連で知事がブリーフィング、情報提供、面談等を受けた場合、その記録と使用した資料のすべて」の中に入っておりますけれども、出納長はもちろんこれは肯定しました、出納長室から出されたものだと。先ほど赤星証人は初めて聞いたという重大な答弁をなされております。全く食い違っておりますけれども、そこで、改めてこの調査改善委員会は何回、いつ行われたのかを改めて伺わせていただきます。

○赤星証人 まず、事前の準備会と申しますか、三月の二十四日の日に各特別職、三局の局長が福永副知事に呼ばれまして、そこの場で改善、調査改善委員会を立ち上げる、知事からそういうお話があったということで、三月二十四日でございまして、そのお話がありまして、事務局、総務局やれというご指示がございましたので、お話を聞いて、その内容が速やかに実態を調査する、今スピードを上げるということが一つと、それから将来に向けた改善策を取りまとめて知事に報告するということが一つ、それからこれまで三局がやってきた調査を引き継ぐというご指示をいただきました。
 それで、この要綱をその趣旨に沿って、まあ、私ども一般的な形の要綱がございますので、メンバーもお聞きしまして、四副知事、出納長、教育長、で、委員長は福永副知事というお話でございましたので、それを受けて私どもで要綱を作成し、各委員から決裁、で、知事からご決裁いただいて、四月一日決裁いただいて、第一回を四月一日に開いて、ここでは設置要綱の説明、なぜこれが設置されたかということでございました。二回目に四月十三日に開きましたけれども、(松村委員「いつですか」と呼ぶ)これは実態調査、(「四月十三日」と呼ぶ者あり)二つ、福祉保健局と総務局で調べた報告内容をご説明したということでございます。

○松村委員 今、四月一日知事決定で要綱をつくったと。それは最初の事前説明会といいますか、第一回で副知事が指示したというか、初めに述べた三つの点云々とありましたけれども、もう一度その知事決定でつくられた要綱の中身についてお述べください。

○赤星証人 これは資料で提出してあると思いますけれども、ちょっと読ませていただいて(松村委員「提出されているんですか」と呼ぶ)提出してありますよね。設置要綱は資料か、あるいはもうちょっと前にお配りしたかもしれません。ちょっと読ませていただきます。
 平成十七年四月一日に知事決定がございました。先ほど予備調査というのは、予備に集められたというのは三月二十四日でございます。で、知事で決定された設置要綱ができたのが四月一日でございます。で、内容は、設置ということが第一で、平成十六年度包括外部監査の意見を受けた東京都社会福祉総合学院の運営について速やかに実態を調査し、将来に向けた改善策を取りまとめて知事に報告するため、東京都社会福祉総合学院の運営に関する調査改善委員会を設置するという、まあ、設置の目的が書いてございます。あと所掌事項、それから構成、で、先ほど申し上げましたように、所掌事項としては、東京都社会福祉総合学院の運営の実態調査及び包括外部監査の意見に対する改善策の検討、それから、その他東京都社会福祉総合学院の運営の改善に関し必要な事項となっておりまして、構成としまして四副知事、出納長、教育長の名前がございまして、委員長は福永副知事とするということ。運営は、委員長が必要に応じて委員会を招集し、主宰する。委員長は必要に応じて関係職員または専門的知識を有する者に会議への出席を求めることができる。委員会は非公開とする。それと、幹事として総務局長、財務局長、福祉保健局長とし委員会に出席するとなっておりまして、庶務は、委員会の庶務は総務局が所管する。で、調査の引き継ぎとして、東京都社会福祉総合学院に関し、これまで総務局、財務局、福祉保健局が行った実態調査は本委員会が引き継ぐというような構成になっております。

○松村委員 そうしますと、確認しますけれども、先ほど櫻井出納長は、同じ社会福祉総合学院に関する調査改善委員会、この設置についてという資料で、当面の対応、百条委員会における関係局長答弁及び各局議会対応の十分な調整並びに知事特命調査の確実な実施と当面の対応をそういうふうに書いて、それを肯定しておりましたけれども、百条の対応を調整するというようなことは全く決めていないのですか。そういうことの発言やそういう当面の対応については、話がこの会議の中であったのかどうか。

○赤星証人 そういうような話は出ておりませんし、私どもの要綱にも一切入っておりません。百条委員会には各証人がそれぞれの責任で出るということでございますので、一切そういうことはやっておりません。

○松村委員 次に、これもこれまで取り上げられてきました資料ナンバー108、この「一月二十日と二月二十三日の外部監査報告の違いに関する事情について」という中で、こういうふうに書いてありますよね。「一月二十日の包括外部監査報告書案は、監査手続きの一環として事実確認をしている段階であり、包括外部監査人が各局に対し、固有名詞の取り扱いや表現上事実誤認がないか等の確認作業を行っていた状況であった。」と。「この確認作業は、二月二日の最終原稿確定まで続いていた。」と。
 それで、さらに同じような説明といいますか、ちょっと書き方のニュアンスが変わっているんですけれども、「一月二十日現在では、包括外部監査報告書(案)であり、知事に説明すると同時に各局並びに補助者に配布し、一月末日を目安に最終的な事実確認及びてにをはの校正を依頼しております。」と。
 それでは、各局からどういう意見が上がってきたのでしょうか。てにをはや事実関係のみであったのか、各局から上がってきたその意見というものについてお伺いいたします。

○赤星証人 それは外部監査人がみずからやっております。私どもでやったのではない、外部監査人と各局との間で調整をしております。

○松村委員 これも先ほど来出ておりますけれども、二月二日が最終原稿ができたという答弁がありましたけれども、二月二日以前に、この一月二十日に出されていた案が、この二十八日には変わっておりますよね。その点についても、この間の経過について、繰り返しになりますけれども、どういう、この間経過で変わったのか伺います。

○赤星証人 一月二十日と二十八日に変わりました件については、先ほど来何度かご説明させていただきましたけれども、一月二十日の日に、端切れ地の問題も含め、資産の有効活用に努めているところであり、皆で知恵を出していく必要がある、局をまたいで考えるべきだというお話があって、まあ、いろいろありましたけれども、そこで包括外部監査人から、資産の活用については水道事業のところにも書いてあるというお話があって、その後、ご自分でそこのところを加筆訂正、加筆されて、二十八日の日にその加筆されたものが事前報告会に出されたものでございます。

○松村委員 既に出されているとおり、この一月二十日には記述がなかった点が二カ所、大きくいえばですね、意見、それから意見の前の同じ文言が意見の前に入っていると。特にその文言の追加された記述が、この場合、現在の資産活用方法については、事業団、局内だけではなく、都全体としての有効活用を含めて検討されたいと、こういう記述がつけ加えられている。これは私も重要だというふうに思いますけれども、これは各局に対するてにをはや事実関係の問い合わせによるものとは全く私は違う性格のものだというふうに受けとめますけれども、これはあくまでも監査人が独自の判断といっている答弁を繰り返されておりますけれども、それは各個別に局とやりとりしていると。しかし、総務局は、外部包括監査人を補佐したりとか、いろいろ私は、てにをはを含めていろいろな意見を取りまとめるということを具体的に各局に指示しているというんであったならば、当然私はそういう点を知り得る立場にもあるんじゃないかと。それを云々という意味じゃなくてですね、事務方としても。なぜこういうふうに、その指示が固有名詞の取り扱いや表現上事実誤認がないかなどの確認作業だと。しかも、それを二月二日というふうに指示しているものが、この段階でこのような、全くてにをはや事実関係、そういう問い合わせとは違うものが入ってきているということについては、どうしても私、理解が都民にはできない点だと思いますけれども、再度お答えください。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、これは包括外部監査人がみずからお直しになったので、どうして直されたかというのは私どもにはわかりませんけれども、先ほど来申し上げたのは、一月二十日の日にいろいろお話が出たと。それで、包括外部監査人は資産運用、活用については水道事業のところにいろいろ書いてあるので、同じような形に直されたのではないかと思いますが、これは包括外部監査人がみずからの責任で直されたので、私どもとしてはそこは推測の域を出ません。

○松村委員 この資料の中にも繰り返し出ているように、一月二十日、包括外部監査人の知事説明の際に、知事から、現在、都では端切れ地も含め、資産の有効活用に努めているところであると。皆で知恵を出していく必要がある、局をまたいで考えるべきだとの発言があったと、そう記述されておりますよね。この知事の発言によって社会福祉総合学院の意見に加筆されたとするなら、これは私、外部監査の信頼性や評価にかかわる重大なものと思われますが、証人はどう思いますか。

○赤星証人 今申し上げた一月二十日のところで知事からお話があり、包括外部監査人も認識として、資産の活用については、資料、提出した資料に書いてあると思いますけれども、水道事業のところに書いてあるというところは、水道事業のペーパーが、古い、四二ページを見ていただくとわかりますけれども、そこの趣旨だろうと思いますけれども、資産活用について、一番下の二行だと思いますけれども、個々の未利用資産の最適な利用の実現に努められたい、また局を超えた都全体として有効に活用できるようにされたいという趣旨が入っておりましたので、そこと同じように考えられたのかなと我々は思いました。それ以上は、包括外部監査人がみずからの責任で書かられたことなので、我々にはそれ以上のことはわかりません。

○松村委員 いや、経過からの客観的な事実として、そういう知事の発言があって新たな加筆が行われたということになるならば、これは外部監査というその信頼性や評価にかかわる、私は重大な問題だというふうに思われないのかと証人に聞いているんですけれども、重ねてどうでしょうか。

○赤星証人 外部監査人が加筆されたそこの部所について、知事がお話しになって、外部監査人は恐らく自分の書かれたところ、ほかのところに書かれておりますので、そこにも書いてありますよといってみずからまたお感じになったのかもしれませんので、我々としては、これが知事がいったから書いたのかとか、あるいはほかの圧力があって書いたのかということではないだろうと思います。外部監査人がみずからそこのところをお気づきになって書かれたんだろうと思います。

○松村委員 事前説明は従来からやっているという答弁は既にありましたけれども、それでは、この包括外部監査の事前説明は何のために行うのですか。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、各局との最終的な事実の確認等を行うものでございます。

○松村委員 そうですよね。固有名詞の取り扱いや表現上の事実誤認がないかどうかと。それは大変ですよね、やはり。それぞれにそれを監査人としても誤りがないように、しかも、てにをはや、公表するに際してですね、やるということは、それはわかるわけです。しかし、これはそういう最後の各局との事実誤認だとかいうことではなく、今回の経過を見れば、明らかに全くそれとは違う性格のものを持った、結局は事前説明になっているということではありませんか。
 それでは伺いますけれども、これまでにも知事などの意向によって報告書の内容が変わったことがあるのですか。

○赤星証人 私が局長になってからは聞いておりません。

○松村委員 事前報告ということが、固有名詞の取り扱いや表現上の誤認がないかなどを正確を期するためにやるという意味の事前説明を否定するものではありませんけれども、しかし、今回といいますか、それがいかに異例なものに、異例といいますか、なっているかと。やはりこれは先ほど来もありましたけれども、私は、包括外部監査ということの、全く信頼性や評価ということにもかかわる私は重大な問題を今後ともはらんでいる問題だというふうに考えざるを得ません。
 以上で尋問を終わります。

○野村副委員長 藤田委員。

○藤田委員 赤星証人に尋問を行います。
 ここのところで、もうほとんど重なってきていますので、私も最後にまとめというような形でちょっとお尋ねをいたします。
 私がこの108番の資料を要求をいたしました。そしてその中で、先ほど来出ています一月二十日の話と二月の二十三日、違うというところで、実はやはりここに知事が声を出して、その趣旨の、こういうことの趣旨の発言があった、そしてその後、実際にはいろいろあったにせよ、包括外部監査の最終のものとが変わってきている、こういうことがあるということは、やはりここの問題は、初めに一月二十日にだれに出すかという先ほど来尋問がありましたけれども、長と、そして議会と、これが一緒に出されなければいけないという、こういうような状況が明らかになっている部分だというふうに私は思いますが、証人はいかがでしょうか。

○赤星証人 先ほど来申し上げておりますけれども、現在の、ことしやりました形というのは、事前報告、事前確認というものが先に立っておりました。その当否という問題は別として、事実としてそういう形でやっておりました。

○藤田委員 今お聞きしたのは、そういう形に見えてしまうというふうに、そのおそれがあるということが非常に私は問題だというふうに思っています。先ほど、来年からはもう一度考えてみたいというふうに思いましたけれども、こういう一つ一つのことが実は大きな問題につながっていく、これもどうだったのかなという疑念を抱かせるというようなことにつながりかねないというふうに思いますけれども、その点についてはどのようにお感じになりますか。
   〔野村副委員長退席、委員長着席〕

○赤星証人 私は、包括外部監査人と三年おつき合いさせていただいて、非常に立派な方でございますので、それはそれとして、今おっしゃった制度の問題とその方がどういう方かというものとはまた違う問題でございますので、十分考えさせていただきたいなと考えております。

○藤田委員 最終的には個人の問題よりも、結局は制度の問題になろうかと思いますので、ぜひその点については、今後の取り組みを期待をいたしております。
 それからもう一点、最後に、先ほど来何回も出ております出納長室が出した調査研究会、研究でございますけれども、私も実はこれは何回も読んでいたんですが、どこから出たのかだけをちょっと見落としまして、出納長室だということで、先ほどの質問にちょっと使えなかったわけですが、実はこの一番最後のところで、当面の対応、各局議会対応の十分な調整というものがあります。
 先ほど赤星証人は、ここについては百条委員会の趣旨からすれば大変問題があるというふうに発言をなさいましたけれども、もう一度お尋ねをいたします。このような調整をしてほしいということをこの中で議論があって、そしてそれについて発言をなさいましたでしょうか。

○赤星証人 私どもが指示を受けた内容ではそのようなことはございませんし、もしそのような意見が通って対応されていたら、このように三局ばらばらでいろんな意見が出てはこないと思います。我々は百条委員会に証人として個別にしっかりと意見をいうべきだと。

○藤田委員 まさにそうだと思います。これは甚だしく議会を軽視したものですし、大体このような資料を出してくること自体が、もう本当に情けない問題だというふうに思っています。これをすんなりと出してくる、この感覚がわからないですね。こういうことを調整をしようというふうに思っている、こういう行政側の、そして出納長室側の意図が全くわかりませんし、これだけ議会がなめられているというのは、本当に問題であるというふうに思います。
 以上で尋問を終わります。

○山崎委員長 ほかに発言がなければ、証人、総務局長赤星經昭君に対する尋問は終了いたします。
 赤星証人、長時間ありがとうございました。ご退席して結構でございます。
   〔赤星証人退席〕

○山崎委員長 この際、お諮りいたします。
 現在までの進行状況から、本日中に尋問が終了しないことが見込まれるため、本日の尋問を終了し、四月二十五日に尋問を行いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 次に、証人出頭要求についてお諮りいたします。
 付託調査事項、学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について調査を行うため、改めて四月二十五日午後一時に、財務局長松澤敏夫君及び福祉保健局長幸田昭一君を証人として本委員会に出頭を求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 ここで、かなり長時間、前もその前も本日も一日で終わらないというような委員会運営になってしまっていることに委員長として心からおわびを申し上げる次第でありますが、私の見解を少し述べたいと思います。
 外部監査報告が示されて、それを柱とした場合、これを事前と事後に分けると、この点については予特で大塚副知事が違法性は全くなかったと、百条委員会で濱渦副知事も事前については違法性は何もないと、こう断言しているわけであります。ですから、今後この問題を調査委員会をつくって対応していくと、こういっているにもかかわらず、各局をそれぞれ尋問しますと、事前に問題があるというようなことをいう証人もいるわけです。これでは審査が先に私は進まないと思う。お二人の副知事がはっきりと、事前は違法性がないと。濱渦副知事の件についてはいろいろ理事会でも問題になっておりますが、これからは違法性のないようにしたいというような答弁を、証言をしておりますが、それについても事前、事後と分ければ、事前は違法性は全くないという、二人の副知事が断言をしているわけですから、この点をはっきりと認識されて、また、これからの証人も当然そういう立場で証言しなければならないと、私は、行政の一体性、一貫性を考えれば、当然そういう立場で証言をすべきであると私は思います。
 ですから、これからは、審査が先にこのままでは進まないので、この委員会は一方でまた、予特で展開された民主党の質疑とその答弁について、それが極めて異例であることを原因として百条委員会も設置された。その解明もこの委員会はしていかなければならないと思うんです。
 したがって、各委員の質問も証言者も、真実を述べることによって、また的確な尋問によって、この委員会の速度を少し速めてもらいたいと。このままでは相当数時間もかかるであろうし、一人に対して尋問も相当な時間を要している。ですから、今後、委員会運営について、私も反省するところは多分にあると思います。反省もいたしますが、ぜひ速度を速めると、それからポイントをしっかりと絞るということをひとつ考えていただきたい。これは委員長としてのお願いであります。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後九時二十分散会

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