社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会速記録第六号

平成十七年四月十九日(火曜日)
 第十五委員会室
 午後一時五十一分開議
 出席委員 十三名
委員長山崎 孝明君
副委員長木内 良明君
副委員長野村 有信君
理事東村 邦浩君
理事高島なおき君
理事大西 英男君
理事名取 憲彦君
柿沢 未途君
松村 友昭君
宮崎  章君
服部ゆくお君
曽根はじめ君
藤田 愛子君

 欠席委員 なし

 委員外の出席者
証人
東京都財務局財産運用部長宮川 雄司君
学校法人敬心学園理事長小林 光俊君
東京都生活文化局長山内 隆夫君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査(証人喚問)
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項
証人再出頭について

○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本日の議席については、ただいま着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○山崎委員長 次に、記録の提出について申し上げます。
 去る四月八日の委員会において、知事等に対し、四月十五日までに提出を求めました記録について、お手元配布の「記録の提出一覧(四月八日新規請求分)」のとおり、議長あて提出がありました。
 なお、本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
 なお、要求した記録のうち、お手元配布の「「不存在」「一部不存在」とされた記録一覧(四月八日新規請求分)」の記録につきましては、不存在とのことであります。
 本件につきましては、85番、90番、92番、94番、98番につきましては、なお引き続き請求することとしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、去る三月二十九日の委員会において提出期限を延長していた記録及び「不存在」「一部不存在」とされ引き続き請求していた記録の一部につきましては、四月八日の委員会において再度可及的速やかに提出を求めていましたが、これらの記録の一部につきまして、お手元配布の「記録の提出一覧(四月八日再請求分)」のとおり、議長あて提出がありました。
 本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
 なお、一部提出のない記録がありますが、理事会で協議した結果、引き続き請求することとなりました。ご了承願います。

○山崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、百条調査権に基づく証人喚問を行います。
 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
 この際、委員より発言の申し出がありますので、これを許します。

○大西委員 先ほどの理事会で富田議員の不出頭が明らかになったわけでございますけれども、それに先立って、昨日、民主党が記者会見を行ったと伺っております。
 けさ、私は新聞を見て驚いたんですよ。これは産経新聞のきょうの朝刊ですね。「百条委泥沼の様相」、これは、マスコミは何を書くのも自由だけれども、こんな民主的に粛々と真相解明のために論議が続けられている委員会というのはないんですよ。そして、その中で、しかも民主党の柿沢未途都議は、「百条委は人民裁判の空気を帯びてしまっている」、こう書いてある、新聞の中に。
 そして、私どもも、昨日の記者会見の要旨を手に入れました。その中で柿沢議員は、人民裁判的委員会だ、政略的に民主党が糾弾されている云々、多数が行ったことで議会の自殺行為だ、こう述べているんですね。
 私は、とんでもない、こうした事実認識を全くたがえた認識のもとでこの百条委員会に参加している委員がいるということは、断固百条委員会として許せないと思うんですよ。
 民主党は何ですか。最初、この百条委員会の設置について賛成したんだ。そして、その日の民主党の幹事長の談話として、十分な調査を行う場ができることは歓迎する、問題の真相を明らかにしていきたい、こう表明している。そうした考え方に我々も立脚をして、そして、さまざまな証人尋問を請求して、今まで粛々と行ってきた。
 人民裁判とは何だ、人民裁判とは。人民裁判とは、まず、これは三省堂の大辞林だな。ここにはこう書いてある。「社会主義国家などで、人民の中から選ばれた代表が行う裁判。」「多数者が少数者を私的に断罪すること。つるしあげ。」こういったふうに書かれていますね。
 さらに、世界歴史事典データベース、もう人民裁判なんというのは死語で、古い言葉で、現代の用語解説や何かにはなかなか載っていない。そういう中で、世界歴史事典データベースの中でこの人民裁判を調べてみると、主に社会主義国において独裁体制、ファシズム体制を強力に進める中で、報復的なリンチあるいは政権を担っている人間たちの政策意図に基づいた人民に対する弾圧、こういうことによって行われているということが明らかになっている。
 あなたはそれを知っているのか。人民裁判的といって決めつけているということは、まさしく我々常識的には、都民の広範な人たちは、人民的裁判ということを聞いたら、そうしたファシズムの延長線上の報復、リンチが行われているような裁判であるということを認識しかねない。
 こうした認識の委員が同じ委員会の席で同席しているということは、百条委員会の設置について、民主党は進んで賛成したんじゃないか。そういう意味では、同席をすることは我々は断じて認められないと思うんですね。
 しかも、民主主義とは、柿沢さん、何なの。議会民主主義というのは、さまざまな歴史の過程を経て、最終的には、大いに論議を尽くそう、大いに意見の異なった人たちの立場を認めよう、そして、議論を尽くした後には多数決によってしっかりとした結果を導き出していこう。これが、人類長年のさまざまな政治闘争の中から生まれてきた、今最もベターだといわれている政治制度ですよ。議会民主主義ですよ。その議会民主主義、委員会民主主義を否定するような発言じゃないか。
 これについては、私は断固柿沢議員の責任を追及したい、そのようにまず表明をしたいと思います。

○木内委員 きのう、都議会民主党は、きょうの調査特別委員会への富田政調会長の証人出頭を拒否するということを決定されたわけであります。
 この社会福祉総合学院の問題を予算特別委員会で疑惑として提起し、本委員会設置にも賛成した都議会民主党が本委員会での証言を拒否するということは、みずからの説明責任を放棄したものといわざるを得ないと私は断ぜざるを得ないわけであります。
 したがって、常識では極めて理解に苦しむところでありますけれども、この点については、都議会民主党には決定を再考するよう強く求めたい、このように思うわけであります。
 さて、関連して、証人出頭請求に対する内田議長への回答の中で、出頭請求書に記載された証言を求める事項のいずれにも該当するものはなく、証言することはありません、これは地方自治法第百条第三項の正当な理由に該当するものと考える旨の実は回答内容となっているのでありますけれども、既に理事会あるいは本委員会で確認をされているとおり、第一項目から六項目まで、個別具体の項目が五番目まで、さらに調査に必要な事項として第六項目めが極めて明快に記されているわけでありまして、そうした意味から、今回の出頭請求については極めて必要な尋問であり、また公平な請求である、こういうふうに判断をするものであります。
 今も大西理事から言及がありましたけれども、民主党のきのうの記者会見の中で、人民裁判的委員会だ、政略的に民主党が糾弾されている印象を与えている、目的からずれているなどの発言がされたと仄聞をしているのであります。
 こうした発言は、あたかも民主主義のルールにのっとらない強権的政治を連想させるものでありまして、都民に信頼される都政改革を目指し、当該問題の真相究明を行おうとする本委員会の真摯な努力をまさに冒涜するものでありますし、さらには議会の権威を著しく損なうものにほかならないと私は考えるものであります。
 恣意的に都民の不信を助長させるがごとき発言は厳に慎まれたいことを指摘させていただいて、私の発言を終わります。

○大西委員 関連をして、私の方から提案をさせていただきたいと思います。
 木内副委員長からご指摘のあったとおりでもありますし、私たちの百条委員会の設立の意義、設立の目的を損なうそうした発言が委員によって外部に対してなされたということは、重大な問題です。
 したがって、柿沢議員の釈明、謝罪、これなくしては、この委員会で柿沢委員と同席することはできません。これを提案させていただいて、お取り計らいについては委員長の方でよろしくお願いを申し上げたいと思います。

○山崎委員長 発言は終わりました。
 理事、お集まりください。
 速記ストップ。
   〔速記中止〕

○山崎委員長 速記開始。
 暫時休憩し、理事会を開きます。
   午後二時六分休憩

   午後二時五十分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 民主党柿沢委員から発言の申し出がありますので、これを許します。

○柿沢委員 本日の当委員会の冒頭で、自民党の大西理事、また公明党の木内副委員長から、昨日の私の都議会民主党の記者会見における発言についてご指摘をいただきました。その内容は、大略、人民裁判という言葉を使ったことについて、この委員会に対する非常に失礼な発言に当たるのではないかという内容であったかというふうに思います。
 こうしたご指摘を委員からお受けをするということは、私の不徳のいたすところだというふうに思っておりますけれども、この発言そのものは、議場の外側で行ったものでもございますし、議員がこうした議場の外で行った発言について、こうした形で委員会で取り上げてお話をいただくということについては、いささか不本意な思いもございます。
 その意味で、私は、この件について謝罪ということはいたしかねるというふうに思いますけれども、しかし、私ども都議会民主党として、繰り返し申し上げてまいりましたけれども、この百条委員会の議論を早く学院の運営のあり方の本筋にかかわる議論に戻していただきたい、そのことをお願いしたいと思いますので、ある程度のご批判は甘んじて受けつつ、ぜひともこの点についてご理解をいただきながら、この委員会の運営を、この発言をもって正常化していただくことをお願い申し上げたいというふうに思っております。
 そのことについてご理解をいただけるかどうか、これはもう皆様方のご判断にかかっているわけでございますけれども、私としては、お二方の、理事、副委員長からいただいたご指摘は、私自身の身に降りかかった、本当に不徳によるものだというふうに思いながら、このご発言をさせていただいているということを念頭に置いていただき、ご判断をいただければというふうに思っております。
 以上、私からは、これをもって私からのお話とさせていただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

○山崎委員長 暫時休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時一分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 先ほどの柿沢議員の人民裁判発言にかかわる問題で理事会を開きまして、この件については、今後理事会で協議していくという結果になったことをご報告いたします。

○山崎委員長 これより、東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
 本日、出頭を求めました証人は、財務局財産運用部長宮川雄司君、学校法人敬心学園理事長小林光俊君、生活文化局長山内隆夫君及び東京都議会議員富田俊正君、以上四名であります。
 なお、学校法人敬心学園理事長小林光俊君につきましては、出頭時刻を本日午後三時に変更したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 また、証人、東京都議会議員富田俊正君につきましては、議長から、本日の委員会に証人として出頭するよう通知いたしましたところ、お手元配布の「証人出頭請求について」のとおり、証人尋問には応じない旨、及び証人としての出頭はいたしかねるとの通知が議長にありました。
 朗読は省略いたします。

平成十七(二〇〇五)年四月十八日
東京都議会議員 富田 俊正
 東京都議会議長 内田  茂殿
   証人出頭請求について
 平成十七年四月八日付「一七議事第一一号」にて、貴殿より地方自治法第百条第一項の規定による証人出頭請求をいただきました。
 しかし、私には、地方自治法第百条第一項の規定による調査事項である、「証人出頭請求書」に記載された「証言を求める事項」のいずれにも該当するものはなく、証言することはありません。
 これは地方自治法第百条第三項の「正当な理由」に該当するものと考えます。
 よって、証人尋問には応じません。
 以上

平成十七(二〇〇五)年四月十九日
東京都議会議員 富田 俊正
 東京都議会議長 内田  茂殿
   証人出頭請求について
 平成十七年四月八日付「一七議事第一一号」にて、貴殿より地方自治法第百条第一項の規定による証人出頭請求をいただきました。
 しかし、私には、地方自治法第百条第一項の規定による調査事項である、「証人出頭請求書」に記載された「証言を求める事項」のいずれにも該当するものはなく、証言することはありません。
 これは地方自治法第百条第三項の「正当な理由」に該当するものと考えます。
 よって、証人としての出頭はいたしかねます。
 以上

○山崎委員長 本件については、富田俊正君を除く三名の方に対する尋問終了後、その取り扱いを決定したいと思います。ご了承願います。
 次に、本日の証人に対する尋問方法につきましては、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で、なお、要領上の6の(1)の尋問の順序のアの宮川雄司君と小林光俊君の順番を入れかえることといたしますので、ご了承願います。
 この際、各証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご承知おきください。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 委員会室内の方は全員ご起立ください。
   〔全員起立〕

○山崎委員長 証人、生活文化局長山内隆夫君、代表して宣誓書を朗読してください。
   〔証人山内隆夫君朗読〕
     宣誓書
 良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また
 何事もつけ加えないことを誓います。
  平成十七年四月十九日
生活文化局長 山内 隆夫 

○山崎委員長 それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印をお願いいたします。
   〔各証人宣誓書に署名捺印〕

○山崎委員長 ご着席願います。

○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略いたします。

平成十七年四月十二日
証人 宮川 雄司
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   田崎 輝夫
2 住所   東京都練馬区
3 生年月日 昭和二十九年三月十六日
4 職業   東京都職員 東京都財務局財産運用部総合調整課長

平成十七年四月十二日
証人 小林 光俊
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   高木 博義
2 住所   杉並区
3 生年月日 昭和十二年八月二十四日
4 職業   学校法人敬心学園職員

平成十七年四月八日
証人 生活文化局長 山内 隆夫
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年四月十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   板垣 一典
2 住所   東京都杉並区
3 生年月日 昭和二十八年三月十三日
4 職業   地方公務員

○山崎委員長 お諮りいたします。
 本件のうち、証人、財務局財産運用部長宮川雄司君の補助者の同席を除き、本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山崎委員長 委員各位に申し上げます。
 先般の委員会でも申し上げましたが、尋問中に他の委員等が委員長の許可なく証人に発言すること、尋問中に会派の主張や個人的な見解を述べること、三、証人の人権を侵害するような発言をすること、このようなことは厳に慎んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、学校法人敬心学園理事長小林光俊君以外の証人におかれましては、こちらからお呼びするまで一たんご退室いただき、控室においてお待ちいただきますようお願いいたします。

   〔小林証人着席〕

○山崎委員長 初めに、証人、学校法人敬心学園理事長小林光俊君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは小林光俊君ですか。

○小林証人 はい、そうでございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○小林証人 役職名は、学校法人敬心学園理事長でございます。
 生年月日は、昭和十八年五月二日生まれでございます。

○山崎委員長 それでは、委員会を代表して、私から質問をさせていただきます。
 今回、このような場に、学校法人敬心学園の小林理事長においでいただいたことは、都議会の歴史を振り返っても極めて異例なことでございまして、冒頭、日ごろから都の福祉施策にご理解とご協力をいただいていることに対しまして、委員会を代表して、敬意を表するところでございます。
 さて、これまで、産経新聞や週刊ポストなどの報道では、学校法人敬心学園の小林理事長が、東京都社会福祉総合学院から東京都の土地を転借し、あたかも、安い賃料で専門学校を経営し、公共施設の使用につき不正な便宜を図ってもらったように伝えられております。
 このようなことは事実なのかを明らかにするために、こうして小林理事長を証人としてお呼びしたわけでございますが、社会福祉総合学院の事業を受託するに至った経緯はどうだったのか、学校設置の手続は公明正大に行われたのかどうか、校舎の使用状況や生徒の数の実態、あるいは学校の収支の状況など、さまざまな角度からお聞きいたしますので、ひとつ、まあ、かたくならないように、真実を語っていただきたいと思います。
 まず最初に伺いますが、あなたが理事長を務める学校法人敬心学園とは、どのような団体で、学校法人としていつ認可され、これまでどのような学校を経営されているか、ご説明願います。

○小林証人 はい。本日は、このような会にお呼びいただきまして、ありがとうございます。
 委員長を初め、先生方のご質問は、まことに誠心誠意、私はお答えをいたしたいと思います。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、お答えをいたします。
 私ども敬心学園は、昭和六十一年三月三十一日都知事が設立を認可した専門学校を設置する学校法人であります。
 法人の所在地は、新宿区西早稲田でございます。
 現在、設置校として、臨床福祉専門学校を含めて、三校の専門学校を運営しております。
 卒業生は、現在まで、合わせて一万二千名に上っております。
 一つのまず専門学校は、日本福祉教育専門学校でありまして、昭和六十一年三月三十一日の設置認可でございます。
 二つ目は、日本リハビリテーション専門学校でありまして、平成九年の十二月二十五日の設置認可でございます。
 三つ目は、臨床福祉専門学校であり、平成十四年三月二十五日の設置認可でございます。
 三つの専門学校の色分けを申しますと、日本福祉教育専門学校は、福祉、介護系の学校であります。
 そして、日本リハビリテーション専門学校は、医療系の専門学校であります。
 それから、臨床福祉専門学校は、福祉と医療系の両方の分野の専門学校となっております。臨床福祉専門学校は、福祉、医療人材のリーダーを育成する目的で、社会人、大学生のための専門職養成校として、新しい形の高等教育機関を目指しております。
 去る三月三十一日に発表された国家試験の結果を紹介いたしますと、社会福祉士は、全国平均二九・八%に対し、本校は八四・三%、そして、精神保健福祉士は、全国平均六一・三%に対し、本校は八二・二%、さらに、言語聴覚士は、全国平均五五・八%に対して、本校は八二・八%でありました。
 なお、理学療法学科は、まだ卒業生を出しておりません。
 平成十五年度に、都民が求める新しい福祉、保健、医療の連携統合された質の高いサービスを提供できる人材の育成、研究を目指して、臨床福祉研究学術集会を立ち上げました。
 また、平成十六年に、情報発信の媒体として、学術雑誌「臨床福祉ジャーナル」を創刊いたしております。
 以上でございます。

○山崎委員長 それではまず、今回の、この学校に対しまして、公募に応じた経緯についてでありますが、福祉総合学院の運営事業者・借受者の公募をどのようにして知り、そしてなぜ応募をされたか、ご説明願います。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 公募は、平成十三年十月二十八日の朝日新聞に「都社会福祉総合学院運営を民間受託へ」と題した記事が掲載されました。その新聞報道により知りました。
 新聞報道により関心を持ったことはもちろんでありますが、私は当時、社会福祉法人の理事長も兼務していたため、東京都社会福祉総合学院という施設ができて、そこで福祉関係の研修を行っていることを知っておりました。そのような立派な施設を利用できる魅力を感じておりました。
 そこで、これまで福祉人材育成の実績を踏まえ、都の福祉政策にぜひ協力したいと考えて応募いたしました。
 なお、応募したいと電話でお聞きしますと、平成十三年十月三十一日に公募説明会を開催するので出席してくださいとのご案内があったと、こういう次第でございます。

○山崎委員長 それでは、公募に応じた経緯、今、十三年十月三十一日にその説明会というのを知ったというふうにお答えでございますが、その後公募に応じた経緯を、時系列で簡単に説明いただきたい。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 平成十三年十月三十一日の公募説明会は、敬心学園が設置する日本福祉教育専門学校の事務職員と、当時敬心学園総合企画本部の職員が出席いたしました。我々としては、学校法人として教育事業の分野で応募しようと考えました。
 十一月上旬に職員が学院を訪ね、事業団の意向をお伺いし、それに沿った提案書をつくりたいと考えました。
 公募要項は大変複雑で、要求される内容は高度でありました。委託事業と自主事業の二つに分けて十一月二十六日までに計画書を提出することは容易ではないと判断されましたので、プロジェクト委員会をつくって会議を重ねたほか、職員を中心として、日本福祉教育専門学校の事務職員総出で文書作成にかかわりました。
 その結果、十一月二十六日に、東京都社会福祉総合学院運営事業者・借受者利用計画書を学院へお届けさせていただきました。
 以上の経緯であります。

○山崎委員長 学校設置の許可申請は、いつから始められたんでしょうか。

○小林証人 はい。平成十三年十二月二十八日運営受託者に決定した後、臨床福祉専門学校を設置するための認可申請に必要な書類を作成いたしました。
 そして、書類がそろった後、平成十四年一月三十一日練馬区長あてに認可申請書を提出させていただき、三月二十五日練馬区長から認可をお受けをし、四月一日開校に至ったわけでございます。

○山崎委員長 申請から認可まで二カ月というのは、かなり短いと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○小林証人 はい。通常、既存の建物を活用して学校を新たに設置する場合、申請は開校の六カ月前までだと聞いておりましたが、都の福祉施策を学校法人に委託して行うという特殊事情を考慮をして、開校六カ月前までを過ぎても申請を受け付けていただきました。

○山崎委員長 校地と校舎は借り物ということで申請されたのでしょうか。

○小林証人 はい、そのとおりでございます。社会福祉総合学院から委託される事業が、もともと公募の段階から学院の既存の建物を使うことを前提としておりましたので、校舎を借りることを前提に申請したものであります。
 そのために、建物の賃料を払っており、応募のとき、民間の不動産関係者などとも相談をして、当学園として支払える賃料を提案をいたしました。

○山崎委員長 運営事業受託者に決まった後、東京都社会福祉事業団との定期建物賃貸借契約は、いつ、どのように行われたのでしょうか、お答えください。

○小林証人 はい。平成十四年四月一日、東京都社会福祉事業団との間で、五年間の建物の一括貸し付けである定期建物賃貸借契約を締結し、事業団からの請求により、公証人役場にて公正証書を作成しております。
 五年間の定期契約であり、初めから契約更新が約束されているものではないということであります。

○山崎委員長 今伺った、敬心学園が平成十四年四月一日に東京都社会福祉事業団との間で結んだ定期建物賃貸借契約は、五年契約ということですが、当初から学園はそれでいいというふうに思っていたんでしょうか。

○小林証人 はい、本来は、学校運営は、校地、校舎の継続的利用が前提となっているもので、当学園は、当学園からは、契約締結に当たり、事業団と複数回打ち合わせを行いました。
 その席上、公募要項にも更新可能とするというただし書きがあることから、平成十九年四月以降も敬心学園が臨床福祉専門学校の授業が継続できるよう、繰り返してお願いいたしました。
 その際、事業団からは、この契約書の第四条一項では、「契約期間は平成十四年四月一日から平成十九年三月三十一日までとし、本契約は、期間の満了により終了するが、東京都社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会において再度審査の上、再契約を可能とする。」という条項の趣旨について説明があり、このような形となった次第であります。

○山崎委員長 事業団との定期建物賃貸借契約は五年契約ですが、再契約が可能とする条文が、四条の一項でしょうか、そこに書いてあると。
 学校を立ち上げることは、当然、長期で継続的に、また安定的に経営しなければならないというふうに我々は認識しております。しかし、継続的、安定的に施設が使えなくなることも考えられますが、これについてはいかがなんでしょうか。

○小林証人 はい、当法人は、平成十五年度から理学療法士等養成施設の指定を受けるため、厚生労働大臣あてに申請準備をしていたところ、国から、継続的、安定的に施設を利用できるようにとの確約指導が、確認の指導がありました。
 そこで、平成十四年三月十九日、当法人から事業団に対し、養成施設の指定が円滑に受けられるよう配慮してほしい旨、事業団に依頼し、その結果、事業団から国に、事業が継続的、安定的に実施できるよう十分配慮するとの文書を出していただきました。
 学校設置の認可に際しても、事業団から生活文化局に同趣旨のものが出ているとお聞きしております。
 なお、事業団には、引き続き専門学校を運営させていただくよう強くお願いいたしましたが、この三月中旬になって、急に事業団から、平成十九年三月三十一日をもって建物を返還についての話が出されたので、当学園としては、五年間の実績を積めば十分ご理解いただけるものと思っていたのに、どうしてこのようなことになっているのか、大変驚いているところでございます。

○山崎委員長 ところで、臨床福祉専門学校からは、契約更新に関しての念書が出されておりますが、どういう経緯でこのような念書を出したのでしょうか。

○小林証人 はい。私ども学校法人敬心学園から事業団に念書を出した経緯は、以下のとおりであります。
 平成十四年二月下旬に、私たちは厚生労働省へ、臨床福祉学科、精神保健福祉学科、言語聴覚学科、そして理学療法学科の四学科設置の計画書を提出いたしました。福祉系二学科を所管する厚生労働省社会・援護局と、医療系二学科を所管する同省医政局から、建物賃貸契約が五年では認可できない、それ以上の期間使用できるという一筆をもらってほしいとの要請を受けました。
 早速そのことを事業団にお伝えし、そして、事業団では検討をいただき、事業団から厚生労働省へ書面を提出していただくことになりましたが、事業団から敬心学園に対しては、定期建物賃貸借契約書の内容をよく理解しておいてほしいという趣旨で、また、定期建物賃貸借契約書どおり、無条件で再契約ができるものではないことについて、念には念を押すという意味で念書を要求されたものと理解をしております。

○山崎委員長 それでは、敬心学園から東京都社会福祉事業団に提出したというその念書の中には、具体的にはどのようなことが書かれてありましたでしょうか。

○小林証人 はい。念書には、「この度、当法人の社会福祉士、精神保健福祉士、言語聴覚士及び理学療法士の養成施設の指定申請に関して、貴事業団から国及び東京都に提出していただく文書につきましては、専門学校設立及び養成施設認可の申請事務に用いるものであり、契約期間の更新を無条件に保証するものではないことを理解しております。」と書いてあります。
 このことは、定期建物賃貸借契約書の第四条、建物の賃貸借の期間で定めている内容と同趣旨であります。

○山崎委員長 なるほどね。そうすると、申請手続その他によって、契約期間の更新を無条件に保証するものではないということを理事長さんの方が理解しているということを書いたということですね。--はい。
 それでは、臨床福祉専門学校をつくるに当たって、理事長から、例えば、都議会のだれかに対して口添えを依頼したとか、あるいは都議会のだれかから学校設立の認可について便宜を図ってもらったとか、そういったような働きかけを行ったことありますか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 今おっしゃったようなことは一切ございません。

○山崎委員長 学校設置の認可はいつ、どこからされたのでしょうか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 平成十四年三月二十五日、臨床福祉専門学校設置の認可権を持つ練馬区長からでございます。

○山崎委員長 では、あなたは、学校を設立するに当たって、都や区に対して、何か特別に配慮してもらうことを依頼したり、あるいは区や--区というのは練馬区でしょう。区や都から特別な便宜を図ってもらったようなことはなかったでしょうか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 そのようなことは一切ございません。両方ともございません。

○山崎委員長 そうすると、短期間でもあったし、こうした認可をとれたということに対して、外部の者あるいはそういう政治力、行政の方に対しての、その働きかけとか依頼とかなかったということを今理事長さんからお話を伺いましたが、ちょっとでは観点変えて伺いますが、臨床福祉専門学校の設置認可申請書やそれにかかわる他の文書を、許可庁である練馬区に提出した以外に、だれかに提供したり、第三者に見せたりとか、そうしたことは行ったことはありますか。

○小林証人 今、委員長がおっしゃったようなことは一切ございません。見せたことは一切ございません。はい。

○山崎委員長 それでは、ちょっとここから観点変えますが、先週発表された四月二十二日号の週刊ポストの報道によりますと、あなたの学校について、「立ち上げから“開校休業状態”」という見出しで、かなりひどいことが書かれていましたが、そこで、この記事に書かれた内容について、幾つか事実確認をしたいと思います。
 まず、記事によると、平成十三年四月にスタートした東京都社会福祉総合学院は、少子高齢化に備えた介護福祉士や保育士の育成機関というふれ込みで、定員八十人でスタートしましたが、初年度は入学者は九十五人と順調に滑り出したという。ところが、開校からわずか半年後に、学院を運営する東京都社会福祉事業団は、教室があいているからもったいないと、それらの施設をそっくりそのまま敬心学園に転貸してしまったと、こういっております。
 このとき、あわせて都の福祉学院の運営も学校法人敬心学園に委託されたが、同法人に引き継いだ後、都の福祉学院の方は入学者が急速に落ち込み、その一方で、敬心学園は敷地と施設を活用してみずから専門学校を開校し、こちらは三百人の生徒を抱えて活気に満ちていると書いてありました。
 しかしながら、同記事は、活気に満ちていると書いておきながら、一方で、専門学校の生徒は少なく、授業も休講が目立つとか、今でも施設の稼働率はかなり低いなど、論理的に矛盾することを書いております。事実関係もはっきり確かめずに、こんないいかげんな記事はないと思うんですが、そこでお聞きしますが、記事の中に書いてある福祉学院の課程はすべて夜間に変更され、まるで専門学校に学校を乗っ取られたような形になっているという部分がありますが、これは事実でしょうか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 学院の通学課程は、学院の開校当時から夜間でありました。また、東京都社会福祉総合学院の入学者が落ち込んだことと臨床福祉専門学校ができたこととは、関係が直接ありません。学院は学院で必死に学生募集を行っているところであります。そしてまた、臨床福祉専門学校は、平成十五年度から学生が入ってきました。十五年度は、入学定員二百八十名に対して、応募者は約五百十名であり、入学者は二百六十名であります。
 その内訳は、昼間部が二百十六名、夜間部が四十四名でありました。また、十六年度には、入学定員が二百八十名に対し、応募者が六百二十名でありました。そして二百五十三名の入学者がございました。昼間部生は、教室のあいているところに入っていただきました。夜間部は、学院で教室を使っていても、二、三の教室なので、あいている教室を使わしていただきました。ちなみに、教室は、普通教室が九つ、そして普通教室としても使用が可能なパソコン教室が一つ、そして大教室が一つございます。
 以上です。

○山崎委員長 次に、週刊ポストが専門学校関係者から貴重な証言を得たという内容で、次のようなくだりがあるんですが、最初に学校立ち上げの話が出た際には、専門学校の生徒が五百人余り、さらに都の福祉学院が土日も授業をするので、施設はフル稼働になると説明していたが、実際には、都の学院は開校休業状態で、専門学校の方も計画に比べ生徒は少なく、授業も休講が目立つ。福祉関連の専門学校なので、生徒が現地実習に出る機会も多く、学科によって二カ月くらい生徒が学校に来ない期間もある。つまり、今でも施設の稼働率はかなり低く、本来ならこんなずさんな経営で民間の学校は成り立つはずがないというものですが、この点について、正しいことを書いているでしょうか、週刊ポストの記事は。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 専門学校の学生は、開校四年後、生徒定員が予定どおり集まれば、平成十八年度以降には五百名を超える予定であります。専門学校は四学科とも厚生労働大臣指定の養成施設であり、指定を受けるためには、カリキュラムや授業時間数等の厚生労働省が定めた厳しい基準をクリアしなければなりません。そのため、先生が忌引などで休む場合には、かわりの時間に授業を行っております。
 また、その基準には定められた日数の実習が定められております。夏休みや春休みの中などで、実習など--実習で二カ月ぐらい学校を離れることもあります。したがいまして、休講が目立つことはあり得ないのであります。生徒も資格取得のために目的意識が高く、授業を欠席することはほとんどございません。
 これらのことから、教室の稼働率・教室の非稼働率は、平成十七年度は八〇%ぐらいになり、平成十八年度はほぼ一〇〇%になります。

○山崎委員長 さらに週刊ポストは、アリーナまで備えた広大な施設で、事業団が最初から定員八十名で学院を開校したことにも疑問が残ると、こう述べ、おまけにアリーナは使ったことがないというような学生のコメントまでつけ加えております。
 あたかも、学校の経営が無計画でずさんだということを強調したいがための記事と受け取れますが、アリーナについては、事実どうなんでしょうか。

○小林証人 本校は、理学療法学科を設置しているため、国が定める理学療法士、作業療法士養成施設指導要綱の第六で、全校生徒が一時に収容可能な広さを有する講堂を備えることが義務づけられております。アリーナはそのための講堂として届けてあります。
 また、理学療法学科生徒の体育の授業で使用するほか、入学式や卒業式、また各学科の実習指導者会議等などでいろいろな場合に利用しております。
 また、アリーナは、隣接する石神井学園と共同で使用しており、事業団との定期建物賃貸借契約でも、この児童が優先的に使うことが定められております。

○山崎委員長 また、週刊ポストによると、包括外部監査で、台帳に記載された物品のうち、一部のものが不明になっているということが指摘されております。具体的には、二十六万円のプロジェクターを初め、マイクロフォン二個、ICレコーダー二個、カセットレコーダー三個と事細かく述べられておりまして、都有財産が窃盗された疑いとまで書かれております。
 このような備品、設備備品等の財産について、学院からどのような、理事長さんのところが入るときに、学院からどのような引き継ぎがあったのかを教えていただきたい。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 学院からは、一つ一つの確認をしないで引き継ぎを受けたため、紛失の原因が明らかではありませんが、現に管理を任された責任を果たすため、平成十七年三月中旬に、紛失したとされる備品の代金を事業団に弁償しております。
 こうした事情について、きちんとした取材もなしに、窃盗された疑いなどと書かれるのは、極めて心外でございます。敬心学園としては、毎年度、貸与物物品等取扱要綱に忠実に物品管理を行ってこなかったことを反省しております。今後は、事業団のご指導を受けて、物品管理をきちんと行っていきたいと考えております。

○山崎委員長 かなり短期間のところで引き継いで学院の方に入られた。そのときにきちんとした引き継ぎがないまま今日に来て、外部監査人の方から、なくなっていると、物品が足りないとかという指摘がされた。これは事実でありますが、しかし、それが何か週刊誌を読みますと、どっかでごまかしているんじゃないかとか、紛失しただけでないんじゃないかというようなニュアンスの記事が書かれているということは、我々も記事を読みまして、こんなはずないなとは思うんですけれども、一般の読者からすれば、全体の記事の流れからいきますと、何か不正があるような感じがそこで醸し出されてきてしまうというような印象を受けてしまうわけですが、今回の週刊ポストの記事以外に、例えば産経新聞や、これまでの週刊ポストの報道でも、この学校が建物を安く借りたように書かれていまして、学校は開校直後生徒が集まらなかったと聞いております。学費収入がなくても、人件費や初期投資は手当てしなければならなかったと思うんですね。
 そこで、学校の収支という観点から幾つかお尋ねいたしますが、当初、生徒募集や収益の見込みはあったんでしょうか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 生徒募集に関しましては、新聞で広告を出しました。また、厚生労働大臣指定の養成施設となり、国家試験受験資格を付与できる学科を設ければ、生徒は集まるとの見通しを持っておりました。
 収益の見込みにつきましては、あくまでも生徒が定員を予定どおり充足することが前提でございますが、全学年がそろう十八年度からは、収支が黒字になると考えておりました。

○山崎委員長 当初は、それはそうでしょう。学校をつくって、すぐそうやって黒字になるはずもないとは思いますが、あなたの学校は、建物を安く借りて学校を経営して、そこでもうかっているんじゃないだろうか、そういう印象を持たれている方も多いと思うんですが、できれば、失礼ながら、その十四年度がどうだった、十五年度はどうだったというような、実際の収支について、差し支えなかったらお答えいただきたい。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 生徒定員が充足する平成十八年度以前は、収支はマイナス、すなわち赤字となります。具体的には、平成十四年度、理学療法学科と言語聴覚学科を開設するために、機械器具や備品類を約二億二千万円、初期投資いたしました。このため、減価償却を含め、平成十四年度から十六年度まで、単年度の運営費はいずれも赤字、すなわちマイナスでありました。
 臨床福祉専門学校の収支を年度別に見ますと、次のようになります。平成十四年度約一億四千万円のマイナス、すなわち赤字であります。そして平成十五年度は、約八千万円のマイナス、赤字であります。そして平成十六年度は、約五千万ぐらいの赤字、すなわちマイナスだと予想しております。
 現在の経営は、はっきり申し上げて大変厳しいわけですが、学校を設置し、末永く継続していくに当たって、安定した運営ができるような五年間の収支計画をつくっております。これから厳しい少子化の時代でもありますが、その計画に沿って運営できるよう努力していこうと思っております。

○山崎委員長 それでは、そもそも、初年度、生徒は何人ぐらい来ると見込んでいたのでしょうか。初年度ね。

○小林証人 はい。事業団の公募要項では、授業開始日を平成十四年四月一日としますとあります。我々は、計画書作成段階で、学校を設置して運営を始めるには期間が短過ぎると考えました。平成十五年四月一日開校ではどうかと事業団にお尋ねいたしました。しかしながら、事業団からは、どうしても平成十四年四月一日に授業を開始してほしいといわれました。かなり無理があるということはわかっておりましたが、事業団の強い意向を踏まえ、当面、厚生労働省の養成施設ではない学科を二つ設置し、スタートすることといたしました。
 二学科のうち、介護福祉教員養成学科は、国の養成施設でないため、平成十四年度に開校できるということであります。
 それから、高校卒業生を対象としない福祉系の学科であるということ、そして福祉教育課程の本科を設置しておかないと、福祉系の附帯教育、すなわち介護教員講習会等が開けないということがあります。この学科の設置をそういった状況から決めました。
 もう一つの音楽療法学科は、当時、国家資格制定の動きが国会でありました。近い将来国家資格になれば学生も集まるであろうとの期待があり、設置に踏み切ったものでございます。
 このようなことから、四月に開校しても、入学定員の半分、すなわち二十人近くの生徒は入ってくれるだろう、どんなに悪くても三分の一ぐらいは入ってくれるだろうと見込んでおりました。専任教員を採用していることもあり、学校をスタートして学生がいないようなことはないと考えておりました。
 だが、実際には、生徒募集期間が短かったことと、そして初年度開校したのは、国家試験受験資格が付与される学科ではなかったことなどにより、学生が集まらず、結果として収益は厳しい状況となったのであります。

○山崎委員長 それでは、今年度、平成十七年度四月一日現在の在籍生徒数は何人いらっしゃるんですか。

○小林証人 はい。初年度開校した二つの学科に加え、平成十五年二月十四日に東京都私立学校審議会の諮問答申を受け、平成十五年度から新たに四学科をふやしたことにより、現在は、定員五百六十名に対し、四百七十七名の生徒が入っております。
 学生数もやっとここまで来たので、収支も均衡に近づき、ようやくとんとんになるのではないかと期待しております。

○山崎委員長 それでは、校舎の使い方を疑問視する声もあるようですが、校地あるいは校舎の使用について、事業団とあなたの学校との契約ではどのようになっているでしょうか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 定期建物賃貸借契約書第一条で、東京都社会福祉事業団が学校法人敬心学園に賃貸する建物の名称、所在地、建築規模を定めております。それによると、賃貸借する建物規模は、東京都社会福祉総合学院の校舎棟、アリーナ、渡り廊下等と記載されております。第三条で、この建物を一括貸し付けするとなっております。
 また、第二条、建物の使用目的では、学校法人敬心学園は、この建物を、東京都社会福祉事業団からの委託事業並びに敬心学園の提案による福祉人材養成事業のために使用するものとされております。
 以上です。

○山崎委員長 契約書というのは、当然のことながら、きちっとそうしたことを書いてあるのは当然だと思うんですね。実際に校舎の使用状況はどうなのかということなんですが、校舎の使用状況、それからグラウンド、駐車場はどのように使っておられますか。

○小林証人 はい。教室、実習室、そして図書室は、東京都社会福祉総合学院と臨床福祉専門学校とで共同使用しております。今年度からは、専門学校の生徒もふえたので、月曜日から金曜日の昼間は専門学校で使用しております。なお、土日、夜間は、学院と専門学校とでほぼ半々の使用状況でございます。
 グラウンドは隣接した石神井学園のものであり、当校にはございません。そのため、グラウンドを使ったこともございませんし、駐車場は、来客用として学院と共同使用しております。
 以上です。

○山崎委員長 産経新聞や週刊ポストの報道があってから学校経営にどういう影響が出ているか、そして、学校としてはそれにどう対応しておられますか。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 一連の不正を告発するといわんばかりの間違った報道に大変憤慨しております。新聞報道があってすぐ、病院など実習施設の指導者や責任者の方々から疑義をただす問い合わせが寄せられました。非常勤講師からも問い合わせが続くなど、風評被害が広がっております。
 学生からは深刻な質問が絶えなく来ております。昼間部、夜間部の在校生に対しては、三月一日の十八時二十分から約四十分間、新入学予定者に対しては、三月十四日、同じく十六時から約--十八時からですね、十八時から約十五分間、今回の報道に関して事実でないことについてそれぞれ説明を行いました。
 そこでの主な質問は、学校がなくなるのではないか、卒業前になくなったらどうするのか、賃料が安いといわれているので、授業料が上がるのではないかというものでありました。
 また、理由は必ずしも新聞報道だけとはいい切れませんが、十七年四月の新入予定者の中から、理学療法学科十名、言語聴覚療法学科十一名、計二十一名の辞退者が出ました。これにより我々は、三月十九日あるいは二十六日に追加の入学選考を行い、学生の補充を行いました。
 また、私は四月二日の入学式であいさつに挑みましたが、学生が安心して勉学に励めるよう、入学生と父兄に向かい、我々敬心学園は全く適正、適法に学校運営を行っていることを改めて強調いたしました。
 このような産経新聞や週刊ポストの悪意に満ちた報道については、今後、敬心学園としても、専門家とも相談をして、何らかの法的措置を含めて厳しい対応を考えざるを得ないと考えております。

○山崎委員長 今の学校を仮に、五年間という契約ですから、更新しないで五年ということで廃止した場合、どんな影響が出るでしょうか。

○小林証人 はい。通常、学校設置を引き受けるに当たりまして、五年で終わるようなことを考える人はいないと思います。国の養成施設に指定されている学校で国家試験の受験資格取得を目指す生徒は、途中で転校してその資格を継続することはできないことになっております。学校がなくなることにより、その資格を無理やり奪われる生徒の損害は極めて大きいと思います。このようなことになれば、社会問題にも発展するおそれがあります。したがいまして、現に在籍する生徒が卒業するまでは廃止はできないと考えております。
 また、専任教員、そして非常勤講師、事務職員も職をなくすることになり、卒業生にとっては母校がなくなることになります。そうなれば、我々はこのような事態を回避し、学生を守るため、別のところに校舎を見つけて、そこで学校運営を継続せざるを得なくなるわけでありますが、必ずしも適地がすぐ見つかるとは限らず、移転までの期間、どのように対処するか、大きな問題でございます。

○山崎委員長 最後に伺いますが、今回、この百条委員会の中で、一部から、例えば学校の設置認可手続が不適切であったとか、土地の転貸を安く受けていた、まあ、中には土地という問題、これはいろいろ議論がありまして、しかし、それを土地の転貸というふうにいっている方々もいらっしゃいまして、土地の転貸を安く受けていたというように、学校に対して根拠のない疑念がかけられていることについて、理事長としてどうそれを感じ、どう思っていらっしゃるか、思っている考えをお述べいただきたいと思います。

○小林証人 はい、お答えいたします。
 敬心学園としては、二十数年にわたりまして学校法人を運営してきました。一万二千名を超える卒業生を世に送り出してきました。敬心学園は、敬心学園に学んだ者、今現在学んでいる学生たち、多くの人たちが、今回の産経新聞報道や週刊ポストに始まる一連の報道に心を痛めております。私を信じてくれていると思いますが、世間の風評は予想以上に骨身にしみております。そのようなとき、百条委員会にかけられることとなりました。私としては、これで潔白が証明されることとなるので、逆にうれしく思っております。
 まず、私が申し上げたいことは、事業団から、事業運営者・借受者となって臨床福祉専門学校を設置し運営しているのは、公募に応募して、私どもにご下命を下さったものであり、違法性があるとは全く考えておりません。逆に、私どもは、建物を目いっぱい活用して、東京都の福祉、保健、医療の人材養成に大いに貢献しているものと自負しているところでございます。その意味で、都の事業に側面から協力して、協力させていただいていると思っております。
 私の心情を率直に申し上げますと、高齢化社会の中にあり、新しい福祉、保健、医療のリーダー養成は、もとより東京都の方針でありました。その方針に沿って人材養成をしているのは、都の趣旨に沿っているわけであります。そうでありますから、我々は都に協力していて、後ろ指を指されるようなことはないと確信しております。
 報道は、初めから、敬心学園などに不正があったかのように、そして、そのことを告発するのだといわんばかりの調子で、予断をもって書いているように思います。じっと耐える以外にはありませんでした。
 百条委員会で真実が究明され、当時の事情を知らない人たちが間違った憶測をされているのが正されるのは、敬心学園理事長としてまことに喜ばしい限りであります。私ども敬心学園といたしましては、臨床福祉専門学校を継続的、安定的に運営できるよう関係各位にご配慮をいただきたく、伏してお願い申し上げます。
 今回このような機会を与えていただきましたことに、関係者の皆様のご尽力に感謝申し上げます。まことにありがとうございました。

○山崎委員長 今、理事長のお話、証言を聞いてみますと、当初、都の方針に沿って参画したと。その参画については不正はなかったと。だれに特別頼んだわけでもない。しかも、当初は非常に経営は苦しいけれども、高齢化社会にあってそうした人材養成は必要だ。そうしているうちに、あたかも何か不正があったようなことが新聞や週刊誌に書かれて、今のお話を聞いていると、本当につらい思いをされてきたと思うんです。
 そうした意味で、我々もこの百条委員会で、ここに不正があったかなかったかということを今真相究明しているところでありまして、今、こうして理事長さんの証言をしっかりと我々は真摯に受けとめなければいけないというふうに感じたところでございます。
 不正がないにもかかわらず、さもあったような、そうした問題があったようにいろいろ中傷されて、それは今通っている生徒さんにとってはどうなるんだ。学校を転校して資格が取れないということも今証言でありましたけれども、そこに、今の法律の中では、敬心学園に通っている、そこで取らなきゃいけない、資格を。途中から、一年やってほかの学校に行ったんじゃ取れないということを僕は初めて知ったわけですが、そうした生徒さんにとっては本当に切実な思いだと思いますし、その親御さんも恐らく相当な心配をされていると思うんです。
 とにかく、さまざまな報道がありますけれども、我々は真相をきちんと理解するようにこの委員会でも今後一生懸命追求し、また、間違った報道は厳にあってはならないと思います。もしもそういうことがあって、先ほど、入学者がほかへ行ってしまった、二十数名がほかの学校へ行ってしまったというような、そういった実際の話を聞きますと、やはり心が痛む思いでございます。
 いずれにしろ、この百条委員会は、今回のさまざまな問題について真相を究明し、疑惑があるのかないのか、不正があるのかないのか、その点をしっかりとこれからも究明していく。その間に、この問題がスタートした時点に振り戻って、なぜこうしたような百条委員会が生まれたかということは、もう各委員もみんなしっかりとやっているわけですから、これからも我々の使命を果たしていきたいと思います。
 こうした場に出るなんということは、私がこういう委員会をやるのも初めて、ほかの委員も初めてですから、理事長さんにとっても、こうした場に、証人喚問という立場に置かれたことはさぞご心労だったと思いますけれども、最後、ここではっきりということができてうれしかった、こういうお話を聞きまして、私もほっとしているところでございます。
 どうぞこれからも、生徒のため、また、高齢化社会に向けての人材育成のために全力を挙げて頑張っていただきますように委員長としてお願いを申し上げ、本日の証言にお越しいただいたことを心からお礼を申し上げて、尋問を終わります。ありがとうございました。
 私からの尋問は以上であります。
 証人、学校法人敬心学園理事長小林光俊君に対する尋問は終了いたします。
   〔小林証人退席〕

   〔宮川証人着席〕

○山崎委員長 次に、証人、財務局財産運用部長宮川雄司君から証言を求めます。
 どうぞ。
 理事会でも申し上げましたとおり、宮川証人に対しましては、通院中の状態であるということも伺っております。診断書も委員長は拝見をいたしております。尋問する方々には、十分その点を留意されて、ご配慮をいただきたいと思います。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらからの質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは宮川雄司君ですか。

○宮川証人 宮川雄司でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○宮川証人 東京都財務局財産運用部長、昭和二十七年二月二十三日生まれでございます。

○山崎委員長 委員からの発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 高島理事。

○高島委員 きょうは本当にご苦労さまでございます。お体も悪いというお話をお聞きしていますので、淡々とスピーディーに質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(「大きい声出しちゃだめだよ」と呼ぶ者あり)はい、落としています。
 まず、簡単に今までの経緯をちょっとおさらいをさせていただきたいと思っております。
 濱渦副知事は、三月十四日、民主党の中村議員の質問に答弁する形で、補助金や財産の運用に違法性があるという、私からすれば爆弾発言を発しました。そして、その発言をきっかけとして百条委員会が設置されたわけでございます。
 しかし、前回の百条委員会で濱渦副知事、関係三局長を尋問しましたが、そんな事実は全くなく、何と爆弾発言をした当の副知事まで、過去も現在も違法性などない、あの答弁は今後のことをいっただけだといい出しました。これまで社会福祉事業団に支出していた補助金も財産の運用にも違法性などないと、初めから私自身は確信しておりました。それが前回の百条委員会で明らかになりました。
 しかし、このことで新たな疑問が生まれました。濱渦副知事は、何も問題がないのに、なぜゆえ予算特別委員会であのような発言をしたのか。何も問題がないものを、あたかも大変な問題が今起こっているかのように捏造しようとしていたのではないか。そして、百条委員会の設置によってこの捏造の発覚を恐れた濱渦副知事は、慌てて三月二十九日の当百条委員会で発言を修正した。これが私は真実だと考えております。
 ところで、百条委員会の提出要求資料をめぐって興味深いお話がありました。当委員会では、執行機関に、知事がこの問題はけが人が出ると発言をした内容を事前に説明した者の氏名及び説明資料を要求いたしました。福永副知事が知事に直接確認したところ、知事は、この問題の調査に関することは濱渦副知事に、そして、財産関係は櫻井出納長にすべて任せてある、自分はよく知らないとおっしゃったということであります。この経緯については、福永副知事から百条委員会の山崎委員長にお話があったらしいと私どもも聞いております。
 そのことは、私自身は非常に重要だと認識をしております。知事は、今回の件を濱渦副知事と櫻井出納長に全面的に任せているということがわかったのであります。そうすると、今回の疑惑捏造の首魁は濱渦副知事と櫻井出納長であります。そして、財産運用部長であるあなたは、財産運用の実務上の責任者であり、仕事柄、知事から財産関係について特命を受けた櫻井出納長と当然密接な関係にある。この疑惑捏造にあなたがどのように関与していたか明らかにしたい、そういう思いで本日お越しをいただいたわけでございます。
 そこで、るるご質問させていただくわけでございます。
 まず初めに、事実確認をさせていただきたいと思います。
 三月十六日の財政委員会であなたは次のようにご答弁をなさいました。財務局では、十四年四月から特定の学校法人が社会福祉総合学院の建物を借り受け、事業の委託を受けるとあわせて専門学校を運営している、こうした事実は包括外部監査で知った、これは事実だと思います。特に議会答弁であるので、これが財務局の公式見解だと理解をしておりますが、いかがでございましょうか。

○宮川証人 先生のおっしゃるとおりでございます。

○高島委員 続いて、では、本委員会の提出資料ナンバー60によりますと、二月十五日の関係三局部長会で、契約書第四条の用途指定には事業団が設置すると明確に書いてあり、違反をしていると発言していますが、議会の提出資料にあるのだが、これも事実でしょうか。

○宮川証人 事実でございます。

○高島委員 財務局は、包括外部監査が出るまで学院の運営状況を知らなかったこと、社会福祉事業団と東京都の土地無償貸付契約は違反だと考えていること、この二点を確認をさせていただいたわけでございます。
 この確認をさせていただいたことを前提に、これから何点か尋問させていただきたいと思っております。
 あなたは、臨床福祉専門学校の認可申請書の写しを持っていらっしゃいますか。

○宮川証人 三局の部長級のPTでいろいろと検討してきた過程の中で、最終的に福祉保健局がまとめられた資料の中に存在をしているということは知っております。

○高島委員 今、見たことがあるというふうなご認識だと思います。三局のPTの中でですね。それはいつごろで、それを現実に今もお持ちなのかどうか、その二点をお願いいたします。

○宮川証人 三局のPTは、二月三日が第一回でございまして、その後、私の記憶では、二月の九日、それから十四日、十五日、この四回でございました。
 私のところには、福祉保健局の方から、最終的にこういう資料で濱渦副知事の方にご報告を申し上げるということで、資料が、局長そして私あてに届けられております。

○高島委員 大変申しわけございません。日にちはわかりました。今もお持ちですか。
 それからあと、今、福祉保健局の方からですね、副知事、あっ、局長ですか、副知事に報告するということで、局長また部長さんにその資料が来たということでございますが、それはいつごろでしょうか。

○宮川証人 最初、二月の十四日か十五日か、ちょっと記憶、定かでありませんが、二月十八日にまとめられた資料よりも、少し、何といいますか、項目の少ないもの、三十四項目程度だったと思いますけれども、それが一度示されました。その後、いろいろと追加ということで出てまいりまして、最終的には、四十七あたりだと思いますけれども、事項をまとめられたものが最終的だということでいただきまして、私、現在も持っております。

○高島委員 今、どうも日にちがですね、部長さんもはっきり、今のお話を聞くと、十四日か十何日かわからないようなことだと思うんですけども、そこで、もう一度私どもで確認をとりたいんですが、この平成十七年の一月の十三日に、生活文化局は、財産運用部の副参事の求めに応じ、臨床福祉専門学校の設置許可申請資料を提出したと、そういうお話を私ども聞いております。この指示を、副参事にですね、指示したのは、上司であるあなたでしょうか。

○宮川証人 今の先生からのお話については、初めて承りました。

○高島委員 その事実がないということで理解をさせていただいているわけですが、実は本日の百条委員会で、宮川証人の後に生活文化局長からもお話を聞く予定であります。その結果によっては、あなた自身が偽証罪になる可能性もあるわけですね、今の知らないというお話を聞きますと。その辺で、もう一度その辺の確認をさせていただきたいと思います。

○宮川証人 その点については初めて伺いました。報告も受けておりません。

○高島委員 ご報告を受けてないということですが、あなたが知らないならばですね、勝手に部下の方がそのことをやられたということでしょうか。

○宮川証人 状況がわかりませんので、勝手かどうかということについては、私としてもわかりません。

○高島委員 ちょっと申しわけないですね、くどいようですけども、私ども、組織論でいきますとね、やっぱり副参事の方が行かれたということで、勝手という言葉を私がいったのが的確かどうかは別として、当然、担当部長であるあなたがそのことを知らないというのが、ちょっといささか問題かなと思っているんですね。くどいようですけど、もう一度、あなたはご存じかどうか。

○宮川証人 存じ上げておりません。

○高島委員 私ね、非常に残念だなと思っているんですね。この大事な、大変な問題ですよね。ましてもや、おたくの部下が生活文化局まで行って、一月の十三日にこの資料を全部お持ちになったと。そのことを担当部長さんが全く知らないと、そういう今お答えをなさったということは、これは非常にゆゆしき問題だと思っているんですね。
 先日、私ども、先回の百条委員会でも、財務局の局長さんもお話をしまして、まあ、いろいろとお話をさせていただきました。そういう意味でいくと、申しわけないけども、財務局の体質なのかなと。何でも部下がやったのがわからないとかですね、そういうことを、どうも私は考えてしまうんですね。どうなんですか、その辺は、証人は。

○宮川証人 まあ、お答えになるかどうかあれなんですけれども、例えば、私どもの方の仕事、非常に多岐にわたっております。例えば、財産運用部長協議なるもの一つとってもですね、年間に、行政財産の使用許可であるとか、あるいは普通財産の貸し付けであるとか、この辺にかかわるものだけでも千五百件程度、これは十五年度の実績ですけれども、ございます。それから、評価関係でいきますと、それでも五、六百件。そのほかいろいろな事業がございまして、今、先生、その辺、おまえ、どうなっているんだというお話がありますけれども、今、このお話については初めてお伺いしましたので、そういったような状況でございます。

○高島委員 結局、私から見ると、どうも財務局さんは、何でも部下に、勝手にやったと。そして、何年かたって問題が出るとですね、それはおれたちは知らなかった、勝手に部下がやったことだというような傾向が非常に強いなあと。非常に残念でならないんですね、私自身の見解からすると。
 前回の百条委員会で、財務局長は、十三年十月、公有財産管理運用委員会に付議すべきかどうかの、今お話をしました福祉局からの相談について、都有財産は係長レベルでは判断できない、部長の判断が必要だといっているが、今回の件は副参事の判断として考えてよろしいのかどうか、あえてもう一度聞きます。

○宮川証人 ただいまの先生の方のお話の状況について、私もつかんでいるあれではありませんので、そういうような状況があるかないか、その辺は調べさせていただきたいと思います。

○高島委員 残念だなあ、非常に。あのですね、何カ月ほどもないんですよ。ことしの一月の話。当然、こういう問題が、外部監査人から報告されて、出ているわけだ。当然、その前段として、いろいろと、そちらの局の副参事が、生活文化局へ行って資料を持ってきていると。そういう話が出て、当然、そういう話がきょうまで担当部長さんが知らないということ自体、私からすると非常に疑問を感じざるを得ないと思っているんですね、私としては。これは私が異常なのか普通なのか、よく理解はできませんけれども、そういう感覚をいたします。
 残念なことにですね、私どもは、その辺のことについては、当然、状況によっては副参事をお呼びしなければいけないという、そういう考え方も出てこざるを得ないんですね。当然そういう事実関係が、後ほど生活文化局の局長さんの方から、きっとそういう話が出てくるんではないかと思います。そういう意味では、ぜひですね、その辺のことを確認とらせていただきたいと思います。
 それからもう一つ、くどいようですけどね、申しわけない。この一月十三日、財務局の財産運用部の副参事が、生活文化局へ行って、今回の案件について資料をすべてお持ちになった。当該の担当部長として、このことは一切知らなかったのかどうか、もう一度聞かせていただきたい。

○宮川証人 私どもの方では、よく知事がですね、端切れ地がどうなっているというようなことも何度かおっしゃっています。今、利活用の推進等で、いろいろな調査、いろいろな検討を進めております。そうした過程の中でですね、確かに今、先生、おまえ、部長として副参事のそのぐらいつかんでないのかというようなお話だと思うんですが、多岐にわたって私どもいろいろ対応しておりますので、今の先生のお話の点については、私の方としては存じ上げておりません。

○高島委員 このことについてもですね、またいろいろと事実関係が出てくると思いますので、質問を新たにさせていただきたいと思います。
 続いて、財産利活用についてお伺いをしたいと思います。
 今回の件は、包括外部監査が契機となって社会福祉事業団のあり方が問われることとなったものと多くの人は考えております。実は、社会福祉総合学院と福祉保健医療研修センターを何が何でも統合させようという、財産の利活用に事の本質があるのではないかと私自身は考えております。そこで、何点か質問させていただくわけでございます。
 提出資料ナンバー25では、社会福祉総合学院と福祉保健局所管施設にかかわる財産利活用の財産運用部検討結果として、十五年十一月の第二次財産利活用総合計画の策定から記載されている。福祉総合学院と福祉保健医療センターの統合は、少なくともこの十五年十一月の時点から検討対象となっていたことが明らかだ。
 念のために確認をいたしますが、第二次財産利活用総合計画のような重要な計画を公表する際には、当然、財務局長の了解を得ていると考えますが、よろしいでしょうか。

○宮川証人 公表に当たりまして、計画の公表に当たりましては、きちっと委員会の方にもお話を申し上げているというふうに伺っております。

○高島委員 当時の財務局長であり、現在、都の財産活用を濱渦副知事と連携しながら進めている櫻井出納長は、少なくとも、十五年十一月時点から社会福祉総合学院と研修センターの統合構想に関与していたわけであると私どもは認識しております。
 その後、十六年九月、十月には、財産運用部から福祉保健局総務部に、社会福祉総合学院と福祉保健医療研修センターを統合した上で、研修センターを売却したい旨、相談をしております。これは提出資料ナンバー25でも明らかであります。この調整の当事者はだれか、まただれの指示によるものか、お聞かせいただきたい。

○宮川証人 その前にですね、いわゆる、今先生がおっしゃったその売却ということについての考え方なんですが、これは、私が就任前から既に検討が進んできたものでございますけれども、あくまでも、財務局財産運用部としての一つの考え方を、提案というふうに資料にもなっていると思いますけれども、一つの提案という形でですね、お示ししたものでございまして、ただ売り払うとか、そういった意味合いではなくてですね、都民一般にお使いになるようなことの選択肢も含めて、私どもはこういうことを考えておりますということをお示ししたものでございます。
 で、あのペーパーそのものは、今申し上げましたように、私が八月に財産運用部長に就任する前に既に検討がございまして、で、私がその当時の担当から聞いた話では、いずれにしても、それを実施するにおいては、関係局の方と十分協議をした上で、その上で具体化を進めていく必要があるというのが、一応財務局の方針として今後臨んでいくと。この財務局の方針というのは、松澤財務局長でございますけれども、そういうことの中で、今、先生おっしゃったその九月の段階、この辺もですね、何が何でも売却しますよということではなくて、売却をすることも一つの提案としてですね、例えば二つある研修所であれば、一つにするというような方向で統合はできないだろうかと、こういうようなことでお話を持っていった次第であります。

○高島委員 よくわかっているんですけど、私の証人尋問の中で、今の問題は、この調整の当事者はだれで、だれの指示によるものかと、そういうことを私どもは証人にお聞きしているんです。

○宮川証人 私が就任した時点で既にできていたものでございますので、だれがどういうふうなということについては、私の今知る限りでは、存じ上げておりません。

○高島委員 こんな大事なことを、前任--八月だ、九月、十月といっても大したあれじゃないんですけども、このことをどなたの指示でどうなったのか、財務局の財産運用部長であるあなたが、記憶にないとか、どういう形なのかというのは、いささか私としては解せないんですね。
 もう一度お聞きしますけども、どなたの指示でおやりになったのか、もう一度お聞かせいただきたい。

○宮川証人 研修施設の見直しというのは、先生もご案内だと思いますけれども、第二次財政再建推進プランの中に、一応見直しをするということで、基本的に定められております。それから、先ほどお話がございました第二次利活用総合計画の中でも、新資産アセスメントを実施するという項目の中で、研修所の見直しというものが入ってございます。
 で、基本的に、そうした計画そのものというのは、もちろん、小日向にございます福祉保健、あれは医療研修センターでございますか、ああいったもの以外にも、いろいろな各局の研修専用施設についての見直し全般に及んでおります。その中の一つでございます。

○高島委員 あのですね、内容はもうわかっているんですよね、証人。内容わかっているから、この調整の当事者はだれか、だれの指示によっておやりになったんですかということをですね、申しわけない、くどいわけじゃないんですけども、それを証人に聞いているわけです。だから、内容はもうわかっているから聞いているんですよ。申しわけないけども、その辺のことをもう一回きちっとお答えをいただかないと、これ、何回もオウム返しというわけにいかないんで、ぜひ。

○宮川証人 調整、調整ということでおっしゃいましたけれども、調整そのものについて始め、本格的に始めたのは、私が就任してからでございます。
 で、先ほど申し上げましたように、当初は、一つの提案、提言という形の中で、関係局の方の状況を一応つかんでいこうというような考え方だったんですが、具体的に、やはり、関係局の方と個別に当たって調整を進めていった方がいいだろうというのが、財務局長の方の、松澤財務局長の方の方針でございまして、私はそれを受けて、関係局の方と、担当課長等交えてですね、当たってきたという状況でございます。

○高島委員 そういうことですとね、松澤局長の、まあ、そういう話だと思うんですよ。今、松澤--ごめんなさい。宮川証人が、本格的にやり出したのは私のときですという話だから、その流れはずっとご理解していると思うんですね、私の感性では、と思います。
 そこでですね、じゃ、これ、何回もオウム返ししてもしようがないんで、調整をしました、いろいろと。その結果をだれに報告なさったんですかと。都有財産利活用推進会議の委員長である濱渦副知事や副委員長である櫻井出納長に報告しているんですかと。証人にお答えいただきたい。

○宮川証人 調整は済んでおりません。と申しますのは、よろしいですか、九月--例えば今の社会福祉総合学院の件につきましても、九月十六日だったと思うんですが、福祉保健局の総務部長の方に、私、直接伺いまして、そして実は九月の二十四日に都有財産利活用推進会議を立ち上げるということで準備を進めておったわけなんですけれども、そのプロセスの中で、じゃ、この問題をどう取り上げようかということで検討していたんですが、その九月十六日の段階では、包括外部監査が今入っている状況の中で、この問題について財務局として取り上げられるということについては少し待ってほしいと、こういうお話がございましたので、やはり基本的には、関係局と十分協議した上で成案を得ないと、実行のところで問題が起きますので、私の方は、そういうことで、財務局長の方に、この辺についての利活用推進会議での取り上げ方というのは、考え方は、基本方向を一応統一しようと。
 基本方向を統一しようというのは、例えば、複数ある研修施設については、うまく調整をして一つにする方向。ですから、何かを、どちらかをどう動かしてということではなくて、基本的にはそういう方向を考えようと。あるいは、場合によったら、会議室などをうまく手当てをするようなことの中で、研修専用施設を一つ減らすこともできるのかなと。
 こういったような中で、基本方向だけを当時の幹事会で--当時というのは、九月二十四日の利活用推進会議の後に幹事会が開かれましたので、私の方でその辺をご報告をさせていただいております。

○高島委員 今、調整が終わっていないということの証人の発言だと思うんですけれども、それでは、きょうまで、その調整期間中といえども、いろいろと途中経過があったと思います。当然、私どもが考えるに、私が考えるには、推進委員会の委員長である濱渦副知事とか、それから櫻井出納長に、昨年の九月からいろいろな議論があって、いろいろと今お話があったように、幹事会でいろいろな議論があったと。そういうことについては、報告をなさったんですか、なさってないんですか、そのことをもう一度。

○宮川証人 報告はしておりません。

○高島委員 報告をしていないということで、またわかりました。
 ただ、当然こういう問題がいっぱい出てきてね、この財産利活用の問題も含めてやってて、それで、昨年の九月からいろいろ会をやったりしている中で、当然、先ほど前段の、先ほど証人からお話があった小石川のことについても、今回の案件についても、いろいろな議論があったときに、私はどうも理解できないのは、当然そういう中で、委員長である濱渦副知事、副委員長である櫻井出納長に対して、いろいろな経過があるとか、当然そういうお問い合わせがあってしかるべきだと私は思うんです。
 これだけ百条委員会まで設置して、いろいろな議論がある中で、どうなんだと、いや、実はこうなんですという話があってしかるべきだと私は思っているんですね。そういうことについてはいかがですか。

○宮川証人 済みません。じゃ、時点の問題で僕はちょっと誤解をしていたかもしれませんが、いわゆる今日に至るまでということでございますか。そういうことでございますか。

○高島委員 はい。

○宮川証人 私どもの方は、利活用推進会議の委員長が濱渦副知事で、副委員長が出納長でございますけれども、また幹事長が財務局長で私が副幹事長という役割を負っております。
 この件につきましては、実は利活用のところは非常に幅広うございまして、いわゆる遊休資産等の未利用地なども一応洗い出すとか、あるいは実際のところ、これは恥ずかしい話なんですが、財産台帳というのは、紙と、いまだに紙と、和紙とこよりの部分もあったり、いろいろなものがございます。ですので、実態といろいろかけ離れたものもあったりしますので、こういったものの整理などもしていかなくちゃいけない。そういった中の一こまとして、今申し上げた都有のいわゆる施設のですね、有効活用を図ろうというような中の、またその一つとして、研修専用施設の見直しというものがございます。
 それで、今回の中では、私は一点だけ出納長の方にお話を申し上げたのは、時期はちょっと忘れましたが、というか、二月中旬、中旬以降だったと思うんですけど、ちょっと済みません、思い出せないで申しわけないんですが、要するに、知事が、とにかくその端切れ地等について一体どうなっているんだと、報告もないというような中で、九月に、九月二十四日に利活用推進会議を立ち上げましたので、少し何か中間のまとめみたいな形をひとつできないだろうかということは検討しておりまして、その中で、この社会福祉総合学院、小日向の研修センターの取り扱いをどうするかと。それについては一応凍結をしようというようなことでご報告し、お話をいただいております。

○高島委員 なかなかちょっとその辺がね、まあ、いろいろと議論があるのかなと思っております。
 今、櫻井出納長にご報告したということだと思います。私どもは、さっきいった小石川の件と今回の案件なんですけれども、そのときに、僕は、調整をしているのは松澤局長でね、ですよね、調整をなさっているのは松澤局長だと思うんですよ。だれかがこのことを調べろと、この関係について、この二点について調べろということを、どなたかが指示があってこの案件に出したのかなということがちょっと心に残っているんですけども、そういうことはありますかありませんか、それだけで結構ですから。

○宮川証人 この案件について調べろというような指示はいただいておりません。

○高島委員 わかりました。
 じゃ、またちょっと次の質問をします。
 また、前回の百条委員会では、関係三局局長がですね、濱渦副知事に、事実関係などにいまだそごがあり、調査を継続すると二月十八日に報告したとの証言が各局長からございました。
 にもかかわらず、提出資料ナンバー78によると、平成十七年三月二日には、財務局長名で、福祉保健局に対して、民間学校法人との建物賃貸契約を五年で解消するような文書を出すとともに、学校法人から明け渡しの確認書もとるよう依頼をしているんですね、この資料。実は、証人の前に敬心の理事長からも同じようなお話もございました。そういう依頼をしているわけですね。
 なぜ、関係局が先般の百条委員会で調査中といっているにもかかわらず、こういった文書を出したのか、そのことをお聞かせいただきたい。

○宮川証人 私どもは、今、先生のお話の点については、これは財務局として、公有財産規則の第六条の二項に基づいて調査をしている一環というふうに考えております。

○高島委員 あのですね、調査の一環とかそういうことじゃなくて、この文書はさ、もう五年で出ていきなさいと、そういう文書なんですよ。そのことを先ほど山崎委員長からも、敬心の理事長にもお話をしました。どういう目的で、何のためにこのような文書を出したのか、そのことの意味をいっていただきたい。

○宮川証人 お答えいたします。
 要は、事業団と、それから学園との建物の貸し付けの契約が、五年間の定期借家契約ということであるわけです。ですから、五年間の定期借家契約であるということは、当然更新権のない契約でございますから、ですので、それは当然、平成十九年の三月でございますか、契約期限が切れた時点で返ってくるんですねということを確認をしようというものでございます。

○高島委員 あのですね、敬心の理事長も、五年間で出ていけと、そのための文書も、念書、そういう話が出てるんですよ。これは調査のためだというならば、とんでもない話だと私は思うんですよ。
 調査して、相手は、学校は継続してやっている中で、五年たったらあんた出ていきなさい。当然念書出しなさいということを、調査だという認識でやられるということは、大変相手の敬心に対して問題のあることだと私は思っています。
 先ほど委員長からいわれているように、その五年間で生徒さんたちは大変な不安はある、自分たちが卒業できるのかどうか、学校がなくなってしまうのかという、そういうものが出てきているという話の中で、今、証人は調査ですという話の中で、どこのだれが納得するのかなと素朴な疑問を禁じ得ない。
 そこで、この文書を出すに当たって、上司である局長、財産利活用推進会議の委員長である濱渦副知事や副委員長である櫻井出納長の了承を得たのか、それともあなた自身の判断なのか、その辺をはっきりお答えいただきたい。

○宮川証人 この三月二日の文書は、松澤財務局長の方からの指示で出しております。

○高島委員 調査だという認識は、私は持ってません。そして今、上司である局長からの指示だということですが、民間学校法人を何としてでも五年で追い出して、社会福祉総合学院と福祉……(発言する者あり)

○山崎委員長 ちょっと静かにしろよ。失礼だぞ。

○高島委員 民間学校法人を何としても五年で追い出して、社会福祉総合学院と福祉保健医療研修センターを統合し、この研修センターを売却しようとしている。こうまでして、私は、福祉保健医療研修センターを売却したいという意図が禁じ得ない、意図が十分あると思ってるんですよ。それについて何かお考えありますか、ご意見。

○宮川証人 私どもの方の、財産管理の面で私ども仕事をしておりますので、確かに先生がおっしゃるように、あそこで学校を運営しているということについて、これはそれなりの一つの存在としてあることについては、私どもも当然のことながら認めております。
 ただ、財産管理面でいきますと、条例、規則、通達というものに沿って適正な手続を踏んでいかなくちゃいけないというものが一方でございます。それが私どもの職務でございますので、五年間の定期借家契約であるということであれば、財産管理上の手続としては、その辺をやはり確認しておく必要がある。
 ただ、何が何でも追い出そうとか、そういうことではないということで、ひとつご理解をいただきたいというふうに思います。

○高島委員 きょう、証人が、敬心の理事長とのお話は当然聞けなかったと思うんですけども、私は、財務局の、ましてや東京都の財務局の財産運用部長であるお立場のある証人が、公式の文書をそうやって出していくことが、どれだけ波及効果があるのか、どれだけその影響があるかというのは、スタンダードな考え方で十分理解できると思っている。そのことを調査だというならば、これはゆゆしき問題だと私は認識しています。
 そして、じゃ、続いて、平成十六年九月、小日向の研修センターを練馬区の社会福祉総合学院へ統合する提案を行ったわけですが、他の都有財産についても同様の提案があるのかどうか、お聞かせいただきたい。

○宮川証人 資料がちょっと手元にございませんので、正確にお話しできませんが、主税局あるいは建設局あるいは環境局等の研修施設等については、先ほど申し上げましたように、複数あるものについては一つにまとめていくとか、あるいは会議室等を使っていろいろとその施設の利用の有効、効率性を図ろうというようなご提案は申し上げております。

○高島委員 施設の有効利用とか部屋を有効にやろうということについてはわかるんですよ。それは、もうさっきからわかっているんですね。
 ただ、こういうふうに、小日向の研修センターと練馬の社会福祉総合学院が統合するという提案の中で、この物件のみだと私は認識しているの。じゃ、なぜそのことをなさったのか、しようとしているのか、その辺のことについて、証人、ご意見をいただきたい。

○宮川証人 小日向にある研修施設でございますけれども、確かに施設は立派なものでありますが、かなり、私どもの調査ではですね、稼働実態がかなり厳しい状況。と申しますのは、実質的に、私の記憶では千三百人定員ぐらいのたしか教室があったと思うんですけれども、実際にその年間で利用されていることを人数で割りますと、たしか年間で一万八千人ぐらいの利用があるんですが、これを二百五十ぐらいで割りますと、大体一日当たり七十五人程度、千三百人の教室について七十五人程度というような状況にあります。
 私も、今のポジションに来る前は病院経営本部におりまして、小日向のセンターの実態はよくわかっております。ですので、私が就任したときに、そういった一つの、必ずしもその二つをどうするということではなくて、一つの提案として出てきたゆえんというものは、私もそれなりに理解できるなというふうに思っております。

○高島委員 済みません。じゃ、記憶がないというお話、記憶がないというかね、データがないということなんですけど、もう一度くどいようですけど、これ以外に統合する、そういう案件はあるんですか、ないんですか、それだけもう一回聞かせていただきたい。

○宮川証人 先ほどお話ししたようなことの繰り返しになりますけれども、基本的には、まあ、具体的にどこをどうするということについては、ちょっと私も思い出せないところはございますが、複数あるものについては、一つにできることならばまとめていくと。
 そういう中で、ただ、そこで残ったものも、具体的に、じゃ、どういう活用を図っていくのかということについては、またこれから検討していくということになります。

○高島委員 私は、こういう統合するやつはここしかないと、そういう認識を持っているんですよ。だから、先ほどから、どういう根拠で、なぜ、なぜここをという、そういう質問というか、証人にお聞きしているわけでございまして、どうもその辺があやふやなのかな、定かじゃないのかな、そういう認識を持ってます。
 じゃ、続いて、提出資料を子細に分析した結果、興味深い事実があったんですね。提出資料ナンバー57では、一月二十日の知事、副知事への包括外部監査事前説明時の報告案が、提出資料ナンバー58には、一月二十八日の知事、副知事に加え、櫻井出納長や監査対象局長も入った公式報告での報告案、これはそのまま二月二十三日に私ども議会にも報告された内容です。それぞれ提出されているわけでございます。両者を比較すると、一月二十日の案では記述のなかった、現在の資産の活用方法については、局内だけでなく、都全体としての有効活用を含めて検討されたいなどの表現が、一月二十八日の報告案には盛り込まれているんですね。加筆されているわけです。
 この八日間に何が起こったのか。だれの指示でこの表現が盛り込まれたのか。一月二十日に出席していなかった櫻井出納長の指示なのか、その辺をお聞かせいただきたい。

○宮川証人 私は、包括外部監査報告について中身を見ることができたのは、先生が今おっしゃった一月二十八日の夕方でございます。ですから、今、先生がおっしゃっている、その二十日から二十八日ということについては、全く存じ上げておりません。

○高島委員 この外部監査報告ですね、一度、一回目に知事にちゃんと出ているんですよね。そして次に、八日たって、印刷かけたり、こうしているわけですよ。で、二十八日に私ども議会の手に入ってきたわけです。そのときには、何点かちゃんと加筆されててですね、いろいろと話が出るわけです。もちろんこのことについても、またいろいろと証人をお呼びしてお聞きしなければいけないなと思っています。
 そこで、宮川証人は、全く知らない、関知していないということだと思いますんでね、そのままお聞きしたいと思いますが、この表現が盛り込まれたことで--先ほどお話をしました現在の資産活用について、それはお聞きですよね。この表現が盛り込まれたことで、社会福祉総合学院と福祉保健医療研修センターの統合は進めやすくなったのではないかなと思っているんですよ、この加筆されたことによって。そのことについてどうお考えか。

○宮川証人 私としては、それがどういうふうになっていくのかということについては、正直申し上げてわかりません。と申しますのは、その統合そのものも、先ほど先生がおっしゃっておりますけれども、その二つをどうしていくのかということについて、まだ具体的に案を固めているわけでもありませんし、それから、我々財産運用部、財務局単独で決められる話ではございませんので、その点についてはよく存じ上げません。

○高島委員 まあ、どうもその辺の、全くすれ違いといっていいんでしょうか、先ほどの資料要求の中にも、ちゃんと出ていきなよと、五年で出ていきなさいと。調査という項目でそういう文書まで出して、そして受ける側の学校側の理事長は、困った問題ですと、生徒に不安を及ぼしていますという話をしながら、淡々と粛々と進めていっているんですよ。
 その中で、どうなるかわかりません。じゃ、なぜ、このまた外部監査報告のこの資料、これはすべて事実の話をしているんですね。この中にも、突如八日間の中で、利活用の文章がちゃんときちっと加筆されていると。こういう意図的な話が出ていて、当然、財産運用部の責任者である証人にお聞きしても、全く私もどうなるかわかりません、どうなっているかわかりませんといわれて、まさに私は東京都政は暗黒の時代かなと、そう思わざるを得ないんだよね、私自身としては。
 さあ、そこでだ。まずそこで、基本的なことをまた何点かお聞かせいただきたい。
 あなたが財産運用部長に着任したのはいつごろでしょう。

○宮川証人 八月一日付でございまして、実際にはたしか八月一日は日曜日だったと思いますので、八月二日に参りました。

○高島委員 その前のポストはいつからいつまで、どのような役職だったでしょうか。

○宮川証人 平成十四年の四月一日、病院経営本部ができ上がったときから、今回の、昨年の八月の異動までですので、十六年の七月三十一日まで病院経営本部におりました。

○高島委員 たしか櫻井出納長は、十五年六月から十六年の七月まで財務局長であったはずです。
 病院経営本部の担当部長の前は、いつからいつまで、どのような役職であったのかお聞かせいただきたい。

○宮川証人 病院経営本部時代の役職は、平成十四年四月一日から平成十五年の六月、異動の時期はちょっと私忘れましたので、あれなんですが、そこまでが都立病院の再編整備を進めていく部署での担当の参事をしておりました。その後は、今回の財産運用部長までの異動の間は、担当部長ということで同じ仕事をしておりました。

○高島委員 担当部長さんということですが、たしか櫻井出納長は、十四年の四月から十五年の六月まで病院経営本部の本部長であったんですね、たしか私の記憶では。担当参事の前は、じゃいつからいつまで、どのような役職であったのかお聞かせいただきたい。

○宮川証人 担当参事の前は、衛生局の広尾病院の事務局長でございました。時期はちょうど環境局からの異動だったと思いますけれども、平成十二年の八月だったと思いますが、その後、平成十四年の三月三十一日までが広尾病院の事務局長でございます。

○高島委員 そうですね。十二年の八月から十四年の三月まで広尾病院の事務局長でありました。たしか櫻井出納長も十二年の八月から十四年の三月まで、当時は都立病院を所管していた衛生局の総務部長だったはずです。こうしてみると、あなたは随分櫻井出納長の大変身近にいるように感じるんですね、私は。出納長の腹心といっても過言ではないかなと。出納長には何でも相談しやすいというかね、何でも話しやすいと思うんですが、いかがですか。

○宮川証人 お答えいたします。
 ちょっと誤解をされてちょっと困るなという感じがするので申しわけないんですが、広尾病院の時代というのは病院事業部の所管でございまして、私、広尾病院の事務局長が、衛生局の総務部長と直接何かをするという機会はまずございません。私が櫻井出納長と仕事を一緒にさせていただいたのは、もう私、三十今度は一年目になりますけれども、先ほど申し上げた担当参事、病院経営本部ができ上がったときの初代の本部長のときに、一年二カ月でございますか、部下としておりました。

○高島委員 これは私の見解ですけれども、ある意味じゃ、現在、副委員長である櫻井出納長ね、その出納長と、私ども過去を見ると、証人とが非常にまさに仲のいい、信頼関係を構築されているのかなと、ある意味では松澤財務局長よりも先に、出納長といろいろと意見交換をしながら進められているのかなと、ふと私なんか単純だから思ってしまうんですよ。そんなことは決してないと思うんだけれども、その辺はどうなんですか。

○宮川証人 まあ、そういうふうにお尋ねですのでお答えしますが、私自身は余り、何というんでしょうか、言葉は悪いんですけれども、群れるというんですかね、僕はそういうのは余り好きじゃありません。それで、確かに櫻井出納長が病院経営本部長でいらしたときは、非常に仕事に熱心で、いろいろとご指導はいただいております。ただ、やはり我々役人はそれぞれの役人の本分というのがございますので、生意気なことを申し上げて申しわけございませんけれども、そういうような感じは持っておりません。

○高島委員 はい。財産利活用推進会議の委員長は濱渦副知事、副委員長は先ほどからいっているように櫻井出納長。そして私からすると、まさに出納長の腹心である宮川部長ということになれば、非常に今回の福祉総合学院、それから研修センターというのが何となくほのかににおってくるような、そんな気がしてならないんですよね、私としては。だからそういう意味では、改めて櫻井出納長も、また機会があれば濱渦副知事もお呼びして、この辺は少しきちっとやっていかなくちゃいけないのかなと、そんな思いがしています。大変いろいろとプライベートなことというかな、群れをなしてなんというお言葉をいただいて申しわけなかったかなと思うんですが、この辺は率直にお聞かせいただいた方がいいかなということだったものですから、ご理解をいただきたい。
 もう一つ、今度は重要な事柄ですけれども、これは土地無償貸付契約についてですけれども、社会福祉事業団と東京都が締結した土地の無償貸付契約のことです。この契約について、このことについて何点かまず伺いたいんですが、社会福祉事業団への都有地の無償貸付契約はいつ提携なさったんでしょうか。

○宮川証人 平成十一年の三月十七日におけます東京都公有財産管理運用委員会での決定を受けて、ちょっと私、今それの契約書自体持っていませんが、原案はちょっとあるんですけれども--ちょっと待ってください、原案はないな--あるか。三月の二十五日ではなかったのかというふうに思います。

○高島委員 無償貸付契約、証人のお話ですと、三月の二十五日、平成十一年だと思いますけれども、三月の二十五日だということだと思います。
 そこで、平成十七年二月の二十三日の実は産経新聞の朝刊では、社会福祉事業団が都から借り受けていた土地を特定の学校法人に転貸、転貸しですね、しているとの報道があったが、土地の転貸は事実かどうか、お聞かせいただきたい。

○宮川証人 契約上は土地の転貸ということはございません。

○高島委員 そのような事実はないということの証人の発言でございました。(発言する者あり)ちょっとやめてよ、あなた、さっきからね。申しわけないけれども、ちょっと--失礼いたしました。事実はないということでございます。
 それでは、あなたが、産経新聞もごらんになったと思うんですけれども、財務局の見解が何度か産経新聞に取り上げられているんですね。これは、あなたを含むあなたの部局が取材に応じているのかどうか、お聞かせいただきたい。

○宮川証人 先生のおっしゃった二月二十三日の、あれは朝刊だったと思うんですが、あれについては、私ども、実はこの間、取材というものは一切ございません。変ないい方ですけれども、気持ち悪いほど取材はございません。それで、二月の二十三日の夕刻だったと思うんですが、たしかうちの担当課長の方に産経新聞の記者が来たというのは、報告は聞いております。その後、ちょっと今手元にございませんのであれなんですが、もう一回ほどたしか取材を受けているというふうに聞いております。

○高島委員 まず最初に、今、証人が二月の二十三日に、夕方、産経新聞から取材を受けている、もう一度あると、二回あったんですね。私の記憶が間違いでなければ、この過去、百条委員会の証人喚問の証人の資料要求、特に新聞から、各社資料要求をさせていただいている中に、取材のメモとかものがあれば、全部提出するようにということをたしか資料要求していると思います。それで、不存在なんですね。一切ないという私は記憶があるんです、正直いいまして。私の勘違いかもしれない。でも、過去、取材について、週刊ポストも含めて取材について全部出すようにというお話があったらば、不存在だったと記憶をしております。
 その中で、今証人は、二月の二十三日夕方、産経新聞から取材があったと、課長に。それからもう一点、もう一回あったという証人がお話をしましたけれども、このことはちょっと私自身もう一度明確にお聞かせいただきたい。

○宮川証人 私の記憶に間違いがなければ、今申し上げたことについては資料として当委員会の方にご提出申し上げております。
   〔「なかった」と呼ぶ者あり〕

○高島委員 そうだ。たしか私の記憶ではない、不存在だと思ったので、この辺は後ほどきちっと私どもも精査させていただきます。私の記憶ではなかったと思うんですがね。このことはもう一回、機会があればきちっとお話をさせていただきたいと思っております。
 そこで、その中で、じゃ、例えば課長さんが来て、私、あの記事見て、非常に事実と違うような記事の掲載をしているように、気がしているんですね。当然、担当部長、先ほどお話があったように、これは転貸ですかといったら、転貸の事実はないとご答弁なさっているわけですよ、証言しているわけですよね。そのことで当然、そのことについて抗議するなり何なりすることが私は当たり前のことだと思っているんですけれども、その辺いかがですか。

○宮川証人 私どもは取材を受けたわけでもありませんし、どういうことなのかなということで、私も二月二十三日、朝出勤をして、あの記事を見て驚いたと。ただ、具体的に財産管理上どうなのかということについての問題とは、何か私の理解ではそういうふうには読めませんでしたので、そういうような、今先生のいうようなお話については考えておりません。

○高島委員 はい、済みません。委員長、ありがとうございます、私の勘違いで、二月の二十三日に、産経新聞の方とは、何回か来たということでございますので、あえて訂正させていただきたいと思います。
 そこで、これだけ、ごめんなさい、話戻りますけれども、百条委員会も設置して、「歪んだ補助金」というシリーズがあって、当然こういう形で出て、当然、先ほどお話をした転貸はしていない、事実はないと証人が発言していて、ずっと来ているんですよ。それは事実誤認だとか抗議するというのは、それはわからなかったとかというのは、ちょっといささかこのこともおかしいと思うんですが、その辺は抗議する意思はないんですか。

○宮川証人 今抗議する意思はないかというようなお尋ねだと思うんですけれども、今百条委でこうやっていろいろとご議論をいただいているところでもありますし、それから、私どもの方は、正直申し上げまして、繰り返しになりますけれども、財産管理というのは、これはもう淡々と、条例や規則や通達に従って適正な手続で管理をしていくということが、もうこれは原則でございますので、ですから、そういった中で私どもは粛々と進めていくと。ただ、いろいろな、庁内の中でも何かうわさが飛び交ったりしていまして、私どもの方はその辺については極めて心外だというふうに思っております。

○高島委員 これ以上いいませんけれども、これだけ大きく新聞に書かれていて、これもくどいようですけれども、敬心の中で話があって、誤った記事が掲載されてですね、粛々と仕事をやっていますと、いろいろな話が出ますというご答弁で、財産運用部長としての責任は果たしてない、私はそういう認識を持っていますよ。当然、事実無根の話が記事に載っているならば、それなりの毅然とした態度を、局として、また部長としてとるべきだと、そういう私は認識を持っています。
 続いて、週刊ポスト四月二十二日の記載記事について伺いたいと思います。週刊ポスト四月二十二日号に掲載された記事は読んだことがございますか。

○宮川証人 読んではおります。

○高島委員 私も何回も読まさせていただいた記事ですよね。石原知事が握る、補助金二十一億、違法、内部文書すっぱ抜く、こう書いてあったんですよね。書いてあるんです。この記事で、百条委員会にも提出されなかった内部資料を週刊ポストが入手したとあります。この資料はA4判九ページにわたる法的な分析・検証と、社会福祉事業団と福祉局が交わした資料が添付されたものであります。財務局が三月中旬にまとめたとされる資料ということですが、この資料をあなたはご存じですか。

○宮川証人 全く存じ上げません。

○高島委員 くどいようですけれども、記事の中ですね、この記事、この記事にですね、ごらんになっているからとやかくもうくどくどいいませんけれども、記事では財務局が作成したとなっているが、改めてまた心当たりはございますか。

○宮川証人 全く存じ上げません。

○高島委員 財務局で、週刊ポストと、これはもう大変私どもも毎週買っているんですけれども、これだけのものが書いていて、これだけの記事を出しているんですよ。これは、じゃ間違っているということでいいんでしょうか、この記事がね。どうですか。

○宮川証人 間違っているのかどうかということについては、私はよくわかりません。

○高島委員 記事では、財務局の資料には、記事ですよ、記事では、財務局の資料には、平成十四年四月にさかのぼって事業団から適正な地代を徴収しなければならないとか、都は事業団に適正な対価を求めなければ地方自治法違反になる、あるいは福祉局が勝手に許可したなど、実は前回の百条委員会でその存在が明らかになった弁護士意見に書いてあることと同じことが実は記載されているんですよ。
 さらにいえば、公有財産について財務局長にしか判断権、総合調整権がないと記事にもあるんです。これは、前回の百条委員会で民主党さんからの尋問に対して財務局長が証言した内容と大体符合しているんですね。財務局が弁護士意見を作成し、民主党さんとはいいませんけれども、週刊ポストに資料を提供していると疑われても仕方がないのかなと私は思っています。偽証罪で告発されないうちに、これがあるのかどうか、きちっともう一度お答えしていただきたい。

○宮川証人 私の記憶でも、そういう文書が存在しているということについては承知しておりません。

○高島委員 それでは、週刊ポストからあなたの部局に取材はあったのか。あったらば、どのように対応したのかお聞かせいただきたい。

○宮川証人 週刊ポストからは、私どもの財産運用部の方に直接取材はございません。ただし、局の方に、局の方の広報担当の方に取材があったという話は聞いておりますが、ただ、例の、私が聞いたところでは、調査改善委員会でございますか、そちらの方で一応対応すると--対応するといいますか、そういうことで今現在調査を進めている段階であるので、お答えできないというようなお話をしたというふうに聞いております。

○高島委員 局の広報さんが対応したということの今証言なんですけれども、この文章で、A4の九ページ、これがずっと弁護士の意見、その中でもずっと符合してくるんですよ。ここにある。下の方には、どうも今お話があったように、現在調査中だからしませんよというまたこの文章が出ているんですね。だから、全くこの記事も、ちょっと私どもも読んでみると、何が何だかちょっとわからないような気がしているんです、私自身も。非常に残念だなと。残念だなという思いがしています、この記事に対してね。そういう意味では、きちっと取材を行った上でこの記事が出たのなら、私もわかるんですよ。でも、どうもはっきりしない中で、あたかもこういうものが出てくるということについては非常に残念なんです。
 私ども、先ほども産経新聞のことでご質問しました。当然、所管する部としてこのことについて訂正を求める、そういうお考えはあるんでしょうか。私は当然訂正を求めるべきだと思っていますけれども。

○宮川証人 訂正を求めるべきかどうかということについてでございますけれども、内容的に私ども基本的には全く関知をしていないものでございますので、今の時点でですね、今の時点でどうせよということのお尋ねがあれば、もうこれは皆さんお読みになっているような内容でございますので、むしろ僕たちの方は、とにかく早く事実関係を明らかにして、影響が大きくならないように対応策を出して、そしてきちっとした財務局の見解として整理する方が先であるというふうに考えております。

○高島委員 証人ね、産経新聞もそう。それから今回の週刊ポストもそう。もうあなたの話を聞いていると、個人的な見解じゃなくて、やはりもう少し、やはり報道がきちっと事実を都民に知らしめるべき、僕はそう思うんですよ、私自身は。その中で一番担当している部長が、先ほどからお聞きしていると、どうも他人事といっては失礼かもしれないけれども、認識が非常に薄いなと、そう思えて残念でならないんですよね。
 こうした報道によって都民の間にまさに誤解や疑念が広がり、東京都に対する不信の念を惹起させると思っているんです。庁内にも大きな混乱と疑念が渦巻いていると。これは、僕はあなたの初期的な、初期の対応ミス、先ほどからお話ししているように、そういう認識をすごく強く持ちました。この点については、ぜひ証人も認識してほしい。
 産経新聞、週刊ポスト含めて、いろんな意味の問題が出てきて、当然事実ではないとお話をなさっている中で、抗議もしない中でいくということについては、やはり担当部長として違うんではないか、そういう認識があるので、ぜひ証人にも認識をしていただきたいと思っています。
 そこで今度は、財務局長は、三月十六日、財政委員会で、学校法人が土地と建物を一体的に使用していることは契約違反であると答弁しました。尋問の冒頭に確認したとおり、あなたも契約違反といっております。契約違反という言葉は重い。今でも契約違反と考えているのか、お聞かせいただきたい。

○宮川証人 土地無償貸付契約書の第四条、用途指定がございますけれども、ちょっとお時間をいただいて、説明させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
 公有財産の管理運用委員会で平成十一年の三月十七日に決定したもの、これは資料としても出ていると思いますけれども、この中に、貸し付けの理由のところで、要は、事業団がみずからの責任で自主事業として行うと、事業団がみずからの責任で自主事業として行うと。これは、実は私ども財務局が書いたわけではなくて、この公有財産管理運用委員会というのは、それぞれの所管局が議案をつくりまして、そして、事前に総合調整課長とも調整をし、そして公有財産管理運用委員会の場では、この議案について、まず所管局、提案局が説明をいたしまして、そこで質疑を行い、書類審査をする、こういうふうに成り立っております。
 その中で、この中で事業団がみずからの責任で自主事業として行うと。それによって無償で貸し付けるということが決まっているわけでございます。したがいまして、土地等無償貸付契約書第四条で定める用途指定というのは、事業団みずからが設置をするということでございますので、この規定に反しているというふうに思います。

○高島委員 重要な違反ということではなくて、土地の無償契約四条と実態がそぐわない、そういう部分があるというふうに認識してよろしいんでしょうか。

○宮川証人 基本的には、やはり公有財産管理運用委員会で決まったことを前提に契約書を作成をするということでございますので、基本的には契約四条に違反をしていると、そういうふうにいわざるを得ません。

○高島委員 三月十六日の財政委員会において、我が党の秋田議員の質問に対する答弁で、財務局長は契約違反とはっきりいったわけですね。あなたの証言と矛盾していますが、どちらが本当なんでしょう。

○宮川証人 今申し上げたのは(発言する者あり)いや、今申し上げましたのは契約書のですので、土地等無償貸付契約書の第四条、ですから契約違反でございます。基本的には松澤財務局長の申し上げたことと同じことでございます。

○高島委員 つまりそれは、松澤財務局長--要するに四条にやっていることは契約違反ですと、そういう認識を持っているということでよろしいですね。(宮川証人「はい」と呼ぶ)ごめんなさい。
 じゃ、今回の件において、契約は、十一年三月、社会福祉事業団と東京都が締結した土地の無償貸付契約と、十四年四月、社会福祉事業団と民間学校法人が結んだ建物賃貸契約の二つがある。どの契約のどの部分がどのような理由で違反しているのか、もう一度お聞かせいただきたい。

○宮川証人 私どもの方は、財産運用部としては、東京都の土地を事業団に貸し付けるという部分でかかわっております。それで、事業団の建物をどうするかというのは事業団の方になるわけですけれども、ただし、先ほど申し上げましたように、なぜあの土地を無償で貸し付けたかということの中で、基本的には、先ほど申し上げましたように、あそこで、先ほども敬心の理事長のお話ございましたけれども、きちっとした学校教育をなさっていると、それは私どもも認識をしておるわけですが、あそこにおいて学校法人が自主事業として行っている、その辺が基本的には問題があるのではないですかと、このように申し上げている次第でございます。

○高島委員 学校、民間の法人が、民間学校法人が、施設を、自主事業を行っている実態だということだと思うんですね、証人がおっしゃっていることは。
 そこで、実はまた九割の話が出ると思うんですよ。先日、松澤証人にもお話をいただきました。このこともいろいろと議論がありました。あえてここでもう一回宮川証人にお聞きしたいんですが、九割を民間が使っているとのことですが、これは、当委員会の提出資料ナンバー80によると、民間が九割を使っているというのは、単に建物維持管理の負担割合のことではないか。違うとすれば、九割とは何か、何を示しているのか、一応お聞かせいただきたい。

○宮川証人 九割というのは包括外部監査報告書に記載をしてございまして、私どもはそれをそのまま受けとめております。

○高島委員 わかりました。まあこの辺のことについては、私としては、先般の百条委員会で、松澤証人との九割の正当性というのかしら、その辺の議論があって、証人がお聞きになったどうかわからないんですけれども、私どもとしては、この九割を使っているといっているが、実は社会福祉総合学院が七割の面積を使いながら、わずか一割の負担で使用しているとか、いろいろと私どもとしては、またいろいろと思いがあるんですね。どうもその辺が、財務局さんとちょっと違う考え方を持っているのかなと。過日も松澤局長といろんな議論を少しやらさせていただいたわけです。
 そこで、整理するんですが、社会福祉事業団と民間学校法人の建物賃貸契約は違法ではなく、契約違反の疑い、問題もないが、学校法人の自主事業である福祉人材養成事業のために施設を貸し付け、使用させていることで、結果的に事業団と都が結んでいる土地の無償貸付契約第四条に反することだというふうに私は認識しているんですが、いかがですか。

○宮川証人 都有地を民間に貸し付けてはいけないということはないわけでございまして、そういった意味では、何といいますか、都有地を民間に貸し付けるに必要な手続をきちっとしていただいて、そして契約を締結するというのが筋であろうというふうに思っております。

○高島委員 どうもその辺の契約云々といういろんな話が出てくると思うんですけれども、例えば先日の百条委員会において、土地の無償貸付契約について、私の尋問に対して財務局長は、社会福祉総合学院が行っている夜間、通信課程、この部分は契約に合致、民間の学校法人が行っている福祉の人材養成も契約と合致しているといっています。
 そうすると、事業団が学校法人に委託している学院の事業も、学校法人が自主事業している、行っている福祉人材養成事業も、すべて契約に合致していることになると私は認識しているんです。その辺はどちらが正しいのか、ちょっと教えていただきたい。

○宮川証人 松澤財務局長は、どういうふうな今の関係で答弁をしたのかということについては、ちょっと私今定かでないんですが、ただ基本的に、ですので、都有地をいかに活用するかということで、そこを福祉人材養成をするために使うと。それが事業団がやるのか、あるいは民間がやるのかと。その前に、当初はまず都が直営でやるという構想があったわけですけれども、それよりもむしろ事業団にやらせようと。で、平成十一年の三月十七日に公有財産管理運用委員会に付議をして、まあいいだろうと。
 その後で、やはりもっと効率よく進めた方がいいじゃないかということで、今度は管理運営を委託をすると。これは決して問題あるわけじゃありませんで、効率よく仕事をするわけですから、事業団の事業として管理運営を委託をすると。
 次に今度は、じゃ、そこで、福祉人材養成事業を行うということについてはいいんだけれども、そこが学園の自主事業として行うということになると、平成十一年三月十七日で決定した公有財産管理運用委員会での貸付理由、これにそぐわない、そういうものでございます。

○高島委員 つまり四条に、先ほど、僕は、ちょっとごめんなさい、確認をとるんですけれども、四条の手続論でだめだというふうに証人がいっているんですよ。証言しているんですよ。そのことはどうなんですか。もう一度聞かせていただきたい。

○宮川証人 ちょっと、済みません。先生の今のご質問のところを十分理解していないのかもしれないんですが、今現在見たときに、四条の規定と、じゃ、実態とがどうなのかということでいいますと、平成十一年三月十七日での公有財産管理運用委員会で決まったこととは異なっていると。
 ですので、じゃ、これを、やっぱり今実態があるわけですから、この辺を契約上どうするかということについては、やはりきちっと事実関係を明らかにして、その上で適切なやり方を考えていくことの方がふさわしいのではないかと、財産管理を担当する私どもとしては、そのように考えております。

○高島委員 じゃ、最後の、この件では、ちょっともう一回最後に聞かせていただきたいんですが、財務局が、先ほどいった契約違反ということですよね。それでは、契約違反の実態、違反の実態を生じたのはいつの時点か、ちょっとお聞かせいただきたい。

○宮川証人 結局、自主事業として学園があの建物でいわゆる事業を行う、そういう、これは私の私見でございますけれども、契約を締結した時点であるというふうに考えます。

○高島委員 済みません。契約した時点をもう一度教えてください。

○宮川証人 事業団の建物を事業団が、要するに学園が自主事業として活用すると。これはある意味では事業団としてはお願いするという部分もあったのかもしれませんけれども、そうした建物を一括貸し付ける契約を締結した時点であると、これは私の私見でございますけれども、そのように考えております。

○高島委員 わかりました。いろいろとちょっと、私自身もいろいろと考えて質問させていただいているんですが、あなたのおっしゃっていることでいくと、十一年三月の事業団と都が締結した土地の無償貸付契約は有効だったと。ところが、十四年から学校法人が自主事業を行うことにより、そのために、土地の無償貸付契約第四条に、事業団が設置する福祉人材養成機関の用地等として使用しなければならないという規定に抵触しているという、そういう認識じゃないかなと私は思っているんですよ。あなたは土地の契約と建物の契約をちょっとごちゃごちゃにしているのかなと、そういう私は認識を持っています。
 まず、土地の無償貸付、ちょっと確認ですけれども、土地の無償貸付契約について整理すると、十三年四月に社会福祉総合学院が開校し、その時点で契約は有効。このときは学校が夜間と通信課程で人材養成事業を行っていたと。事業団が設置した学院が人材養成事業を行っているのだから、土地の無償貸付契約の第四条にも抵触せず、契約違反でないということだと、そこもよろしいですね。これはあなたも承知しているはずだと思っています。
 ところで、現在においても学院が人材養成事業を行っている、民間委託という形で。だから、現在でも土地の無償貸付契約は違反していない、何の問題もないと。
 そして、今度は建物の賃貸契約。これは、あなたも財務局長もこれまで問題にして、全く瑕疵がない契約と。昼間の空き教室、空き施設を民間学校法人に貸している単純な話。したがって、今でも有効な土地の無償貸付契約と全く問題のない建物賃貸契約が同時に存在している、そういう認識です。
 あなたのいい分では、夜間、通信課程のみを業務委託を行って、昼間施設を全く活用せず、ほったらかしておけば、土地の無償貸付契約は違反にならない、何の問題も発生しない、そういう認識をとるんですけれども、いかがですか。

○宮川証人 空き教室がいっぱいあって、空気を詰めておくことで都有財産の有効活用といえるのかというお話でございますけれども、まさにそのとおりでございまして、やはりきちっと有効活用をしなければいけない、僕はそのとおり思います。
 ただ、その有効活用をするにおいて、いわゆる土地そのものを無償で貸し付ける、その理由、条件というものが決まっているわけですね。ですから、もしそれを変えるならば、変えるという形での手続を行っていただければいいわけなんです。

○高島委員 どうもその辺がね、まあちょっとね……。今証人がいっているので、施設の有効活用を進めるのは当たり前。これは都は、東京都は、これまで財産の有効活用を推進してきたんですよ。例えば知事公館、これは民間に貸し付けて、月額三百万円もの収入を上げております。このことは知事の実はホームページにも取り上げられて、都の財産活用の象徴、見本みたいになっているわけですね。
 また、第二次都庁改革アクションプランでは、財産の有効活用を推進するため、財産管理に関する規定の弾力的な運用など、具体的な方策を検討するといっています。
 ところが、あなたは、どうも昼間のこの空き教室、それは有効だといいながらも、まあ私からすると、ほったらかしにしておけと。契約上問題がなかったという、要するにそのまま使わなければ、そのままほったらかしにしていれば、契約上問題がなかったというふうに私は理解するんですよ。
 あなたも都の財産管理を任せられていると。貴重な都民の財産を何が何でもほっぽらかしにしておいて、それでいいのかな、そういう認識を持っているんです、私どもとしては。つまり、知事公館だって、今では、実は財務局の研修施設になってしまったことも事実ですよ。活用されていない。
 十七年の三月二十五日の読売新聞の朝刊に、国の職業訓練施設に空き教室が多く、問題だとの記事が実はこれは掲載されているんです。ごらんになっているかどうかわかりませんけれども、十七年三月二十五日です。ごく最近ですね。
 国のこの施設では、民間企業の管理職や社員といった職業についている人たちを実は対象にセミナーを実施しているんです。このセミナーの大半を実は平日の昼間に実施しているんですね。職業を持っている人はなかなか実は参加できない。受講者が少なく、割合でいうと、三〇%も空き教室になっているという内容なんです。この施設では、十七年度から、夜間、土日に空き教室を民間業者に開放するため、市場テストを実施して効率的な運営を行うということです。
 つまり昼と夜の違いがあるんですが、空き教室を活用していくという点では、実は今回のケースと全く私ども同じだと思っているんです。社会福祉事業団では、昼間の空き教室を活用するため、実はご案内と思いますが、プロポーザル方式で、国に先駆けて施設を効率的に活用してきたと思っています。その意味では、いかに今回の例が先進的な施策であるかと私は認識しているんです。そういう意味では、昼間空き教室にしておけば、当然この国の施設のように批判を浴びてしまうのかなという、私はそういう認識を持っています。
 そこで、率直に聞きますけれども、いろいろと、手続とかいろいろありますけれども、四条の絡みもありますけれども、空き教室活用のため、民間学校法人に施設を貸してはいけないというふうに認識はお持ちなんでしょうか。

○宮川証人 先ほどもちょっとお答えしたと思うんですが、確かに今先生おっしゃるように、空気を入れておく必要はないわけでありまして、有効に活用すると、これは私も賛成でございますし、当然のことながらそういう方向で、先ほどもお話し申し上げましたけれども、遊休のそういった資産などについてもいかに有効に活用するか、こういう観点で進めていかなきゃいけないと思うんです。
 ただ、それを進めるにおいての手続の部分で、実際になぜ都有地は、これ、釈迦に説法で申しわけないんですけれども、都民の財産なわけですから、それをただで貸し付けると。なぜただで貸し付けるのかということに、きちっと公有財産管理運用委員会の議案にその旨が記載されているわけです。ですから、私たちの方はあくまでも財産管理の立場ですので、その事業を行っていることがいいとか悪いとか、そういうことではなくて、手続そのものについては、財産管理としてふさわしい手続を踏んでいただきたいと、このように申し上げたいと思っております。

○高島委員 どうもその辺がいつも食い違うところなんです。
 実は、先日の百条委員会において、私は財務局長に対して、契約違反が明白であれば、当然直ちに契約解除や損害賠償請求をしないのかと、こうお聞きしたわけです。それに対して財務局長は、社会福祉総合学院のあり方も含めて包括外部監査が出たので、調査を進め、そういうものをはっきりさせた段階で、見直すことは見直すと証言しているわけですね。単なる時間稼ぎとは思ってしまうんですね。
 どのような調査を行って、何が判明すればどのような是正をするのか、明確にお答えいただきたい。

○宮川証人 今回、本件の場合は、再三先生ご指摘のように、学校がそこで学生に教育をしているわけですので、そういったことも十分に受けとめていかなくちゃいけないということはございます。
 要は、じゃ、どうすればいいのかということについては、私ども、PTで、ちょっと話があれなんですが、十四日、十五日に、私ども、私どもといいますか、私も参加して、部長級でPTをやりましたけれども、あそこでの議事録をごらんいただければ、財務局の、今、ただいまおっしゃった松澤財務局長のお考えということと一致するところでございますけれども、とにかく、やはり早くそういった手続を補正するならば、早く事実関係をとらまえて、その上で慎重に、今申し上げましたようにいろいろと影響があるわけですから、行政内部の方で慎重にこの辺の取り扱いを検討していく必要があると。この辺については、議事録をごらんいただきますれば、私が財務局長の命を受けて、その点についてよく説明をしろというふうにいわれておりますので、私はそのように説明をしてきております。
 ですから、早く事実関係を調査をして、その結果をもとに、外部にもできる限り影響を及ぼさないような方法で、知恵を出して対策を検討していくということが必要ではないかというふうに思っております。

○高島委員 財務局長は、包括外部監査が出たので、調査した上で、見直すことを、見直すところは見直すと証言する一方で、私の尋問に対して、事業団は、東京都との三十年間の土地の無償貸付契約を一たんキャンセルし、もう一回ちゃんとした土地の契約を手続的にとって現実に合った形にすれば、そういう形が一番可能ではないかと、こう証言しているんですね。もう見直しの結論が出ているような気がするんですけど、その辺はどうでしょう。

○宮川証人 松澤財務局長は、一つの方法論としてお話しになったというふうに私は理解をしております。

○高島委員 じゃ続いて、まあ、あと何点かですが、財務局の体質についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 今回の件は、財務局の、先ほどからくどくいっているようですけれども、組織体質上の問題が僕は大きく関与していると思っております。十三年十月に、公有財産管理運用委員会への付議が必要ないといっておきながら、三年半もたって、何ゆえあのとき付議しなかったのかと私はいい始めていると思っております。しかも、この委員会は、委員長が財務局長、以下都の職員による内部組織。開こうと思えばいつでも開ける委員会を三年半もほっておいたのは、実は財務局ではないでしょうか。
 提出資料ナンバー60によれば、二月十四日の三局部長会で、福祉保健局の総務部長が、当時の職員は、極めて重要なことだから、事柄だから、財務局に相談に行っている、協議しているといった、といったんですね。これに対し、あなたは、原議にはハンコをもらいに来るものだと。協議不要という回答を財務局として出した事実はない。何でも総合調整課長了解済みと原議に書けば通ってしまうということになると、通ってしまうことになるなどといっていらっしゃるわけですね。
 今回、きょうの百条委員会も実は庁内放送されているわけですけれども、あなたからどんな--あなたのこうした発言を実は都庁の職員もずっと見ていらっしゃると思うんですよ。そういうふうに思うと、職員の方はどういう思いなのかなと思っています。財務局長が信用できないから、どんな小さな案件でも協議をし、あるいは文書をもらおうと考える。そういうことを考えてしまうと、実は都庁は完全に私は麻痺してしまうのではないかと思っているんです。
 そこで、結局、委員会付議も部長協議も不要だという今回のようなケースでは、原議や記録を残していないのが普通だろうと思っております。三年半もたって、財務局が幾ら探しても記録があるわけがない。残す必要がないからだと私は思っています。そして、記録がないから、財務局は認めていない、判こをもらわない局が悪い、これでは各局やっていけないと思っているんですね。あげくの果ては、各局が勝手に総合調整課長了解済みと原議に書けば何でも通ってしまうということになるという。
 では、そこでお聞きしますが、これは委員会付議も部長協議も必要という決裁をとったことがあるのかどうか。

○宮川証人 実は、本委員会にもご提出申し上げておりますけれども、きちっと公有財産管理に必要な規程がまとめられた規程集がございます。それをごらんいただければ、まあ、こういういい方はあれなんですけれども、私の感覚ではもう一目瞭然の世界でございます。
 今私は、今から見てその当時どうだったのかということを考えますと、福祉局はたくさんの施設をお持ちです。いろんな事業をやっておられます。で、担当の方がその辺についてご理解が浅いということは、僕はないんじゃないかと思っております。
 それから、実際に私が病院経営本部にいた時代に、土地の問題でいろいろあったときには、私は担当参事ですけれども、問題があればすぐに総合調整課長に電話を入れて、実際に同じ棟ですから、私がととんとおりていきまして、当時の総合調整課長と三回お会いしまして、で、財産運用部長協議ということで手続を進めております。
 ですから、もちろん私どもは、福祉局の職員の皆さんがいいかげんにやっているというようなことではなくて、そういうようなことを申し上げているわけではなくて、手続そのものが現実になされてないということを申し上げている次第でございます。

○高島委員 公有財産管理運用委員会への付議案件は年間どの程度あるのか。また、委員会への付議は必要ないが財産運用部長への協議案件は年間どの程度か。さらには、委員会付議も財産運用部長協議も行わない案件がどのぐらいあるのか、ちょっとお聞かせいただきたい。

○宮川証人 ちょっと私の頭に入っている実績でお答えしますと、公有財産管理運用委員会に付議をしている案件といたしましては、平成十五年度の実績で八十件あったと思います。
 それから、同じ平成十五年度を見ますと、財産運用部長協議なるもので、これは実は公有財産の管理関係だけではなくて評価の関係もあるんですが、評価を除きまして、公有財産管理関係だけで申し上げますと、約千五百件ございます。
 その他については、通達等でそれぞれの所管の方に任されていますので、私どもは、何件あるかということについては存じ上げません。

○高島委員 今、千五百件という膨大な数字をおっしゃったんですが、財務局長は、財産については、財務局長ですよ、財産については、自動販売機を動かすような小さなこと以外は管理職の判断が必要、係長レベルでは判断しないと、こうおっしゃっているんですね。財産運用部の職員は、自動販売機を動かすようなことは判断するが、それを超える判断ができないのか。私はそうは思わないんですね。膨大な件数を、先ほどおっしゃいました膨大な件数を的確に処理するため、各局と調整をとりながら、各局と調整をとりながら、適切な判断をしながら組織を支えていると思っているんです。上司のあなた、上司であるあなたから見てどうなんでしょうか、その辺は。

○宮川証人 先ほど申し上げましたように、規程集等ではっきりと、これが付議省略できる事項であるとか、これは財産運用部長に協議をしなくちゃいけないということが全部表になって出ているんですね。
 それで、今、先生、もう一つの方の話なんですが、それぞれの部局の職員が確かに一生懸命熱心にやっておられると、それについては私どもも認めております。と申しますのは、公有財産規則の第四条、第五条には、行政財産、それから普通財産、関連事業財産については、所管局が第一義的に責任があるというふうになっています。ですから、私たちは、第一義的に所管局がきちっとやっておられるということを前提に仕事を進めております。

○高島委員 ある書物で、ちょっと名前を忘れちゃったので、いいかげんなことは失礼なのかなと思うんですけれども、今回のこういう稟議ですね、付議するものについて、課長クラスへ行くのは全体の一%ぐらいだと。どなたか、先般の委員会でいろんな話が出たんだけど、係長行政というんでしょうかね、俗にいう、まさに係長さんがきちっとその辺のことを対応してくれていると、そういうお話をかいま見るというか、聞くことがあるんですね。実際、課長のところに上がるのは、先ほどいった膨大な数の中での本当に一%ぐらいにしかすぎないと。あとは係長の皆さんたちが、さっきからお話があるように、一生懸命努力しながら、各局と調整しながらきちっとやっていくという認識を持っているんですが、その辺はいかがですか。

○宮川証人 都庁の中にはいろいろな事務事業があるわけでございまして、財産関係は、例えば都有地を売却する一つとらえても、隣地との境界をめぐって、それぞれきちっと立ち会いをして確定していかなきゃいけない。ほんの一センチを争うような内容なんですね。ですので、財産関係の方は、きちっと規程に整理をされて、どういうような場合はどういう手続をしなくちゃいけないかと、この辺ははっきりとしなくちゃいけないということで、そのように整えております。
 さらに、私どもの方も、例えば今回のように人事異動などで新しい担当の方が入ってくるというような場合などには、やはりきちっとその辺を勉強していただかなきゃいけないということで、例えば昨年の例ですと、六月、まだ私が来る前ですけれども、三日間にわたってそういった勉強会を催している。こういう中で職員の方々がそれぞれ、各部局において一生懸命財産管理をしていっていただけていると、そのように考えております。

○高島委員 今、証人から証言があったと思うんですよ。昨年の六月かな、今、三日間もかけて職員が勉強していると、大変すばらしい部下ですよと、そういう職員が、もちろん自分たちの責任の中できちっとやっていったものがずっと歴史にあるんですね。
 そこで、私どもが、私がいっていることは、そういう係長がきちっと責任持ってやって、やった事実を、私から見れば、それは聞いてない、それから、その話は係長級では現実にはだめなんですよと、そういう話を転嫁していく、責任を転嫁するというふうに私どもはちょっと認識せざるを得ない、そういう認識を私はしているんですよ。
 私どもは、過日の財務局長もそうです、局長としてきちっと、どうなのか。やはり部下の責任はきちっと、とるという意味じゃなくて、結果がいけなかったからどうこうじゃないんですよ、部下がやった行動については、これは局長も部長もきちっとその事実の中で部長が責任を負っていく、局長が責任を負っていく、そういう組織で初めて私は信頼関係があるのかなと。先日の局長の話もそう、今回も、非常に私は、そういう意味の組織論でいけば非常に残念な思いがしているんです。
 そして、先ほどからくどいようですけれども、マスコミの取材の中でいろんな話があって、ある意味では私はミスリードだったのかなと。取材を受けていながら、部長の話、証人の話を聞くと、いやあ、私どもは粛々と仕事をしているから、取材が来て、百条委員会がつくられて、いろんな議論をされている中で、マスコミはいろんな話が出ていて、それも、先ほどお話ししたように、転貸ではない、そういう話が出ながら、事実じゃないことが記事として掲載されている中で、そのことについて、私どもは粛々と仕事をしているから、それは違うんですよという話では、私は、部長としての責任はいささか疑われてもしようがないのかなと、そういう思いがいたします。
 その意味では、ぜひ十分ご認識をいただきたい、私はそう思っているんですよ。このことについてはもう私どもこれで質問を終わりますけれども、ぜひそのこともご理解をしていただきたいと思っております。
 以上で私の証人喚問を終わります。

○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分休憩いたします。
   午後五時五十八分休憩

   午後六時三十三分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 証人、財務局財産運用部長宮川雄司君に対する尋問を続行いたします。
 発言を許します。
 東村委員。

○東村委員 それでは、証人尋問を行いたいと思います。
 前回の百条委員会で、私は、弁護士意見について財務局長の証言を求めました。なぜなら、だれかが弁護士を使って、この社会福祉総合学院の見直しのスキームを問題化させようとしたのではないかという疑念を持ったからであります。弁護士にかなり私的な、かつ限定をした情報を流し、弁護士から、包括外部監査が公表する前に対応しないと大変なことになるとの見解を導き出して、そして、この弁護士意見をもってあたかも不正が存在するかのように印象づけたのではないか、こういった不正捏造のプロセスがあるのではないか、このようなことに対して私はやはり真相を明らかにしていかなければならない、このような思いで、この弁護士意見なるものについて尋問をしたわけでございます。
 二月二日という日付がございます。この弁護士意見にはこう書かれております。当時の福祉局長が、公有財産管理運用委員会への再付議など適切な手続を経ず独断で承認した定期建物賃借契約を安易に認めてはならない。財務局長以下の職員を守るためには、この契約を財務局は決して認めないことである。そのため、財務局は、直ちに福祉保健局に対して、民間学校法人への有償貸付は財務局としては了知しておらず、土地の無償貸付契約に反するおそれがあることの通知をし、なぜそのようなことをしたのか、福祉局はどう関与したのか、借家権の発生有無の確認の三点について公文書で回答を求めるという内容が書かれておりました。
 これまでの財務局のさまざまな行動を見ていると、どうもこの弁護士意見と同じような行動をしており、さらにもっといえば、この弁護士のアドバイスどおり忠実に行動されていると思います。
 私は、そこで、この弁護士意見についても、やはり今回、きちっと証人にお尋ねをしなければならない、そのような観点から何点か尋問をしたいと思います。
 財務局長は、前回の百条委員会で、弁護士意見の存在を知らないと証言されましたが、証人、あなたの依頼に基づいてこの弁護士意見というのが作成されたのではないでしょうか。

○宮川証人 私は、依頼など一切してございません。

○東村委員 このような弁護士意見というのは、必要性を感じるのは財務局以外に考えられないわけでございますが、証人は、では、これはだれがつくらせたのか、どうお考えなのか、伺いたいと思います。

○宮川証人 私にはわかりません。

○東村委員 提出資料ナンバー60によりますと、証人は、十七年二月十五日、関係三局の部長級打合会の席上で、社会福祉事業団と民間学校法人の五年間の定期建物賃借契約に関連して、こう発言されております。「更新可能というと契約が継続する形になる。」--中略します。「これまで示した条件が問題なければ継続するという意思を表示したものと一般的には取られるという見解を聞いている。」、このあなたの発言に対して、福祉保健局の総務部長は、「「聞いている」というのは?」と尋ね、あなたは、「顧問弁護士とかいる。」と答えていらっしゃいます。
 要するに、あなたは顧問弁護士から見解を聞いているわけでございます。あなたが見解を聞いたこの顧問弁護士と、今回、資料ナンバー93で提出をされた弁護士意見、これを示した弁護士、これは同一人物なのかどうか、これについてお答え願いたいと思います。

○宮川証人 顧問弁護士から、先ほど先生がおっしゃった見解ということについては、私は直接は聞いておりませんけれども、担当課長から聞いております。
 それから、この顧問弁護士と、私が十五日ですか、申し上げた顧問弁護士、同一でございます。

○東村委員 今、担当課長から聞いているというお話がありました。担当課長の氏名、職責、正確にお答え願いたいと思います。

○宮川証人 職責、職務は、総合調整課長、田崎総合調整課長でございます。

○東村委員 今、職責とご氏名をいただきました。これは後ほどまたお伺いするかもしれません。
 今回、財務局から弁護士に口頭で相談した内容が、先ほどいいましたように、ナンバー93として、参考資料として提出をされました。前回、財務局長が否定をされました、この弁護士意見なるものはないということで否定をされて、なかなか資料要求でも出てまいりませんでした。今回になってようやく、ナンバー93なる弁護士意見が出てまいりました。流れを見ていると、慌ててかわりにメモを作成して提出したのではないかと、こう憶測をされても仕方がないような私は一連の流れかなと思っております。
 そこで、せっかく財務局がつくってこられたので、何点かこれについて尋問したいと思います。
 まず、作成をしたのはいつか、これについて伺います。

○宮川証人 作成をしたと、何を作成したかということ、ちょっとよくわからないんですが。

○東村委員 今、財務局が出してきた弁護士相談内容の報告書、これをメモしていたからこれがつくられたわけですよね。メモしてないとこういうのはつくれないわけですよね。このメモをとった日付と、それを受けて作成した日付、この両方について伺います。

○宮川証人 これは、職員の記憶をたどって復元したといいますか、再現したものでございます。と申しますのは--いいですか、お話し申し上げて。--はい。弁護士との意見というのは、いろいろな案件がございますので、基本的にはもう時間を限った中で口頭でご相談をしているというのが実態でございます。

○東村委員 それでは、日付は特定できないと、こういうことでよろしいですか。

○宮川証人 これはあれですか、日付というのは、個々の相談を受けた日ということでございますか。(東村委員「そうです」と呼ぶ)相談を受けた日、これは特定できます。申し上げますか。(東村委員「はい」と呼ぶ)私の、ちょっと今資料がないのはあれなんですけれども、私の頭に入っている範囲でお答えいたします。
 最初の相談については二月二日の日でございます。それから、次の回答文書については二月の十日だったと思います。それから、三番目のところですが、これは三月の二日でございます。それから、四番目は、十七日あたりだったと思います。

○東村委員 どうも二月二日という日付を聞くと、勘ぐってしまうのかもしれませんけれども、前回、百条委員会で問題となったこの弁護士意見とまさに同じ日付でございまして、後づけで記憶をたどってと。いろんな先ほど局面を聞いていたら、記憶にないという話はあるんですけれども、非常に、ここに来て記憶がよみがえったのでしょうかね、非常に明確にこの弁護士意見が文章として出されております。
 そこで、お尋ねしますが、この相談をした財務局の顧問弁護士の氏名についてお尋ねしたいと思います。

○宮川証人 ちょっと名前の方は失念いたしましたけれども、緒方先生でございます。

○東村委員 名前は失念したというのは、下の名前を失念したということですか。(宮川証人「そうでございます」と呼ぶ)上の名前は緒方弁護士。これはお一人でしょうか。

○宮川証人 緒方先生、緒方弁護士は一人でございます。

○東村委員 この、今、顧問弁護士とおっしゃった緒方弁護士は、いつから財務局と契約をされているのか、そして契約をしている顧問弁護士としての契約内容、これについて伺いたいと思います。

○宮川証人 私の記憶では、平成十五年の十二月からだと思います。それで、設置要綱がございまして、枝川一丁目の、要は都有財産の適正化に向けた一連の訴訟を中心にご相談いただく、こういう内容でございます。

○東村委員 ということは、これは契約書があるということですね。どうですか、契約書はありますか。

○宮川証人 ちょっと、契約書が存在しているかどうかということは、ちょっと私は存じ上げておりません。一応要綱で設置をしておりまして、東京都の非常勤職員ということで採用しております。

○東村委員 では、非常勤職員ということは、何らかの形で稟議なり、その取り交わした文書は残っているはずだと思いますけれども、これはいかがですか。

○宮川証人 雇用の原議は存在していると思います。

○東村委員 後日またこれを要求資料として、記録提出として要求をしたいと思います。
 そこで、この資料では、平成十七年一月二十八日以降弁護士に相談したと内容を書いているんですけれども、それ以前にこの緒方弁護士に今回の件について相談したことはあるんでしょうか、ないのでしょうか。

○宮川証人 相談してございません。

○東村委員 十五年十二月に契約をして、契約したけれども、この件については一月二十八日以前に相談した事実はない、こういうことでよろしいですね。これは大事なところなんで。何かありますか。どうぞ。

○宮川証人 おっしゃるとおりでございます。

○東村委員 証人は、先ほどもいいました十七年二月十五日の関係三局の部長会で顧問弁護士がいると発言をしております。今、この顧問弁護士と口頭で法律相談を行った人物は同一人物だ、こういう話でしたよね。これは間違いありませんか、確認の意味で。

○宮川証人 この件についてということでございますか。それとも、顧問弁護士と、いろいろな案件がございますので、それぞれの案件についてそれぞれの所管のところで先生と相談をしております。

○東村委員 そういうことを聞いているんではなくて、二月十五日、十七年二月十五日に関係三局の部長会で顧問弁護士とかいるとおっしゃった、その弁護士とこの緒方弁護士は同一人物ですかとお聞きしているんです。

○宮川証人 大変失礼しました。同一人物でございます。

○東村委員 ということは、緒方弁護士に詳細に今回の問題についてさまざまご意見を聞いたと、こういうことでよろしいですか。

○宮川証人 詳細ということを先生どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、僕もよくわからないんですが、今回の我々の方の認識は、包括外部監査報告書の案を読んだときに、二点ございまして、一つは、事業団が建物を貸し付けた民間学校法人が学校教育法に基づいて専門学校を設置しているということ、それから、五年間の定期建物賃貸借契約であるけれども、今後も校舎として継続的に建物を使用する可能性がある、この二点について私どもは関心を持ちまして、この辺が法的にどういうことを意味するのか、それについてお話を申し上げたというふうに聞いております。

○東村委員 ということは、相談事項の一項目、二項目ということでいいわけですね。
 そこで、この件について、現在までの間、弁護士の見解を、先ほども名前が出ておりました財産利活用推進委員会ですか、この委員長の濱渦副知事、それから副委員長の櫻井出納長、そして、当然これは事務方になると思いますが、財務局長、松澤財務局長、これらのお三方に報告されたんでしょうか、どうですか。

○宮川証人 意見につきましては、この文書を出すに際しまして、財務局長の方に口頭で報告をしてございます。

○東村委員 櫻井出納長と濱渦副知事には報告をしていないということでよろしいでしょうか。それとも、財務局長経由で上がっている、このように考えているのでしょうか。

○宮川証人 財務局長に意見については申し述べましたが、その上がどういうことになっているかと、今先生のお尋ねについては、私はわかりません。

○東村委員 それでは、財務局長に報告した内容、どのような報告をしたのか、これについて伺いたいと思います。

○宮川証人 一つは、ちょっと私の記憶をたどらしていただきたいんですけれども、二月の三日付の文書を出すに際して、基本的に私どもの方で文案をつくりまして、それについて弁護士に意見をいただいて、基本的にはそういう方向で、行政内部で早くその調査を進めていくと、これは非常に大事であると、こういうお話をいただいて、その点について、財務局長に決裁をいただく際にご説明をしております。
 それから、三月の二日の文書につきましても、これは財務局長の方から、こういう文書を、一応、何といいましょうか、出すようにという指示がございましたので、たまたまちょうど三月二日の日が弁護士の出勤日に当たっておりましたので、一応内容については、ここに書いてございますように、確認書の様式、内容について一応指導を受けて、これでよしということでお話をしてございます。

○東村委員 これについては文書で報告しているということでよろしいんですね。文書で報告をしているということでよろしいんですね。

○宮川証人 要は、報告自体は口頭ですけれども、中身についてはこういう文書でいきますということでご報告をしているということでございます。財務局の方から福祉保健局の方に出す文書をお示しをしている、そういう意味でございます。

○東村委員 こういう大事なことを、常日ごろ、いろんな今までの議論の局面で、財務局長の話なんか聞いていると、基本的に文書でやりとりをしていると。こういった非常に大事な部分ですよね、これを口頭で済ませる、ましてや財務局長に口頭で済ませるということは通常はあり得ないんじゃないですか。やはりきちっと文書で、財務局長にこうなりましたと文書でお渡しするというのが筋なんじゃないですか。

○宮川証人 二月三日の文書を例にとりますと、私どもの方としては、公有財産管理運用委員会のペーパーがございますですね、十一年の三月十七日、どの部分が今回のこの包括外部監査報告で示された内容とかかわるのか、この辺も含めて、そして原議を仕立てて、こういう文書で一応出しますということで、それはそれでお示しをしてご判断をいただいたということでございます。

○東村委員 ということは、その文書を局長は持っているということでよろしいんですか。財務局長は持っているということでいいんですか。それとも、ただ見せただけで持ち帰ったということですか。財務局長には渡さないで持ち帰った、その辺の事実関係をお願いします。

○宮川証人 要するに、財務局から福祉保健局の方にお出しをした文書については、一応原議仕立てで、ですから起案の形で持っていきまして、こういう内容ですということでご決裁をいただいたということですので、その後、文書を差し上げたかどうか、あるいは今現在お持ちであるかどうか、それは私は存じ上げません。

○東村委員 ちょっと堂々めぐりになりますから。ちょっとお聞きしたいんですけれども、その報告を受けて、そのときの財務局長は具体的にどのようなご指示をなされたのか、またどういう反応をされたのか、これについて伺いたいと思います。

○宮川証人 一点は、余り法律的なかたい表現ではないようにということで、局長の方で手を入れていただきました。それから、二月三日のPT、ちょうど翌日が二月三日でございまして、そのPTにおいて、まあこれはPTの活動ではないんですけれども、今回出す文書についてきちっとその協力の依頼を取りつけるよう説明するようにと、このように指示を受けております。

○東村委員 さて、財務局が、今になって出てきたこの文書、あればもっと早く出せば逆に疑念をきちっと晴らしたことになると思うんですけれども、今になって出してきたという部分で、記憶をたどって、都合悪いことは記憶ないんでしょうけれども、記憶をたどってこれだけつくられたということです。これはそういう意味で、やりとり、今させていただきましたけれども、先ほどもいいましたけれども、二月二日に最初相談をした、緒方弁護士に二月二日に相談をした。その二月二日の弁護士意見が、実は前回の百条調査委員会で明らかになってきたわけですよね。
 この弁護士意見には、先ほどもいいましたけれども、財務局長以下の職員を守るためには、当時の福祉局長が独断で承認した事業団と民間学校法人の有償貸付契約を財務局が決して認めないことだという、財務局を守るという本当の意図が明確にここに記載されております。当然ながら、今回、百条委員会に提出された弁護士相談記録には書かれておりません。
 前回、百条調査委員会でその存在が明らかになった弁護士意見、これは証人はお読みになっていますか。

○宮川証人 議事録で見せていただきましたといいますか、やりとりの中でのご紹介があったところでは読みましたけれども、文書そのものは存じ上げません。

○東村委員 ある程度はお読みになっているということですので、全容はわからないということですから、ここで、委員長、許可いただければ、証人にこの弁護士意見を渡したいと思いますが、よろしいでしょうか。

○山崎委員長 はい。どうぞ。
   〔東村委員、宮川証人に資料を渡す〕

○東村委員 恐らく議事録で読まれていますから、細かい部分は目を通せば全体がわかると思いますし、恐らくよくご存じの意見だと思います。今回の出てきている相談事項の二つにもかなり関連する事項が書かれております。
 そこで、見られた上で証人にお聞きしたいんですが、そこに書かれています、当時の福祉局長が、公有財産管理委員会への再付議など適切な手続を踏まず独断で定期建物賃借契約を認めたとありますが、証人の見解を伺いたいと思います。

○宮川証人 表現としては大変、独断とか、かなりきつい表現になっていますけれども、私どもの方は、少なくとも公有財産の管理運用委員会に付議されていないという事実は認識をしております。

○東村委員 今の認識を聞いているんではなくて、この弁護士意見に対するコメントを、この文書に対する見解をどうなのか求めているわけでありまして、それについて答えてもらいたいと思います。

○宮川証人 この点をめぐっては、福祉保健局と財務局との間で、正直申し上げて、いったいわない、聞いた聞かないの、そういう世界でございますので、私どもの方としては、その辺について具体的にどうなのか、その辺がわからない段階でこういうような表現はとれる話ではないというふうに思っております。

○東村委員 今、でも大事なことをおっしゃったんですよ。わからない段階でこれを適切かどうかというのは判断できないという、非常に大事な私は部分だと思っております。
 その上で、さらに何点か聞きたいんですけれども、ちょっと目を通してもらいたいんですね。この定期建物賃借契約を認めた場合、土地の無償貸し付けの理由がなくなり、財務局に地代を取る義務が発生をする、こういうことが書かれてあるわけなんですけれども、1ですね、1の上から三行目ぐらいですかね。三行目ぐらいから、定期建物賃借契約を認めた場合、土地の無償貸し付けの理由がなくなり、財務局に地代を取る義務が発生する、こう書かれてあります。これについて証人はどう思われますか。

○宮川証人 具体的にどういうふうなことなのか、よくわかりません。

○東村委員 財産運用部長として証人に、こういう土地の無償貸し付けの理由がなくなり--なくなった場合、財務局に地代を取る義務が発生するという、この見解について、もし今回の件でなくても、一般論でも結構ですから、見解を伺いたいと思います。

○宮川証人 大変重要なことですので、私、今、大分緊張しておりまして、頭の中が大分かたくなっているんですけれども、ちょっと軽々にお話ができる話ではないというふうに思っております。

○東村委員 結構です。じゃあ、どんどん聞いていきます。
 現実に今地代を取っていないというんですから、財務局長以下の職員に、ここで書いているように、損害賠償請求が求められる記載が行われていますけれども、この損害賠償請求について、証人、これは行われると思いますか。どうですか。あなたの見解を聞きたいんですけど。

○宮川証人 私の見解としては、現実に都有財産に損害を生じているのであれば、それは当然のことながら、職務権限は私どもにございますので、そのようなことになろうかと思います。

○東村委員 それは、財務局長、財務局に損害賠償請求の責任があると、このように理解してよろしいですか。

○宮川証人 基本的には財産管理権は知事の専権でございますので。ただ、具体的な対応については、これは財務局、財務局長が知事から委任を受けていますから、そういった意味で、事務局としてはかようなことになるだろうというふうに思います。

○東村委員 知事の財産処分権の委任を受けている財務局長の責任と、こういうことでよろしいですね、じゃ。よろしいですか。

○宮川証人 そのようになると思います。

○東村委員 よくわかりました。また、じゃ、そのことについては次回、財務局長等にもお聞きしたいと思います。
 そこで、以上、何点か、ポイントになる部分を実は今質問したんですね。これを整理すると、公有財産管理委員会への再付議不要を認めれば、建物賃借契約も認めたことになり、土地の無償貸し付けの理由がなくなり、財務局長が損害賠償を請求されるというのが、この弁護士のこの意見の論理なんですね。
 財務局は、どうもこの行動を見ていると、この弁護士意見にのっとって、この十三年十月二十三日、何度も議論されましたけれども、財務局から公有財産管理委員会への再付議は不要との見解を得ていると、福祉保健局があれだけはっきりした資料を示しておりますし、これは何度もいろいろなところで議論されていますけど、なかなかかたくなに認めないわけなんですね。たとえ福祉保健局のいっていることが正しくとも、恐らくどんなことがあっても、この事実は認めることはできないし、認めると大変になる、これが恐らく財務局の本音ではないのかと思うんですが、証人、いかがでしょうか。

○宮川証人 財産管理におきましては、私どもの方は、もちろんこの件に限らず、いろいろな局面で、都有財産にどう影響するかと。例えば、入札で売却をしたという場合に、後で掘ってみたら、つまり、建物を建てるときにですね……

○東村委員 簡潔にね。

○宮川証人 地下に構築物があったとか、そういったような事例もあるわけでございまして、私どもの方は、基本的には常に財産管理においては、そのような危険といいますか、そのような、何といいますか、きちっとした対応をしなくちゃいけないという、そういう姿勢で仕事を臨むべきだというふうに心がけております。

○東村委員 その上で再度証言を求めたいんですが、今もかなり詳しく述べていただきました。知らないとさっきおっしゃったんですけど、随分詳しいなと私は思いましたけれども、今申し上げた、このお渡ししましたね、弁護士意見、これは、証人、財産運用部長として正しいと思いますかどうか、これだけについてお答え願いたいと思います。

○宮川証人 何をもって正しいとおっしゃっているかどうかわかりませんけれども、全体で見たとき、基本的な流れとしてはそのようなことなのかなというふうには思います。

○東村委員 いわゆる、じゃ、弁護士の意見は、全体としては正しいものであると、そう受けとめてよろしいですか。

○宮川証人 これが弁護士の意見なのかどうか、私はよくわかりませんけれども、ここに書かれていることについては、全体として見たときに、いろいろな表現もございますけれども、基本的な流れとしては、そのように私は感じております。

○東村委員 私は、この弁護士意見の内容は正しいとおっしゃっていると。これは、さっきお話も出ていました、公有財産管理委員会に付議をしていないことが、ひいては土地の無償貸付契約違反につながる、これはまさに弁護士の見解ですね。この弁護士の意見の考え方を、このとおり、上司である財務局長や財産利活用推進委員会ですか、この委員長の濱渦副知事、そして副委員長の櫻井出納長に進言をされているのでしょうか。

○宮川証人 私自身、この文書を存じ上げておりませんので、今、先生がおっしゃっている意味については理解しかねます。

○東村委員 この弁護士意見というのは、十七年二月二日現在と。二月二日。財務局も出してきた、相談を受けた日が二月二日。非常に符号しておるんですけれども、ここには、民間学校法人への有償貸し付けは財務局として--一番下の6のところですね。6のところよく見ていただきたいと思いますけど、民間学校法人への有償貸し付けは財務局としては了知しておらず、土地の無償貸付契約に反するおそれがある、こういうことなど三点について福祉保健局に公文書で回答を求めるよう記載されています。そして、そしてですよ、二月三日に、先ほども話がありました、全く同じような内容で、財務局から福祉保健局にこの三点について文書照会がなされているわけなんです。これは前回の百条委員会でもいわれておりました。
 私は、ここまでね--確かにこれは状況証拠かもしれません。状況証拠も一つの(発言する者あり)静かにしてください。状況証拠も一つのこれは証拠なんです。こういう状況証拠の中で、もはや弁護士意見を知らないなどという証言は通用しないんじゃないかと。私は、恐らくだれも、今、部長はあえて知らないような形で答弁されましたけど、知っていることについてはぺらぺらしゃべられるんですね。こちらが聞いていないことまでどんどんどんどん、かなり奥深く証人は話をされております。
 そこで、だれも、こんな知らないという証言は、私は通用しない。そういうところで、だれが作成したのか、この、今お渡しした弁護士意見、だれが作成したのか、再度、証言を求めたいと思います。

○宮川証人 私は存じ上げません。

○東村委員 知らないということで押し通すんでしょうけれども、この二月三日に福祉保健局に文書照会した目的は、じゃ、何でしょうか。

○宮川証人 先ほどもお話し申し上げました、先ほどといいますか、自民党の高島先生のときにもちょっとお話し申し上げましたように、PTのところで、私の発言がございます。基本的には、包括外部監査報告が公表される前に、こうした手続の瑕疵とか、そういったものについては、やはり早くですね、行政内部の方で慎重に取り扱って、是正していく方がいいだろうという考え方のもとで、公有財産管理規則に基づきましてこうした文書を出したものでございます。

○東村委員 是正すべきものは早く是正した方が財務局として責任を逃れられると。つまり、弁護士意見でも、財務局としての善管注意義務を果たしたかという証左のために、文書照会をしなさいと記載されているんです。あなた自身は、じゃ、この二月三日の福祉保健局への文書照会で、財務局の、ここでいわれている善管注意義務は果たせたと、このように考えていらっしゃいますか。

○宮川証人 私どもの方は、気がついた時点で早く是正を進めていくという、そういう姿勢で仕事をしております。これで善管注意義務が果たせたかどうかということについては、私たちはやはりもっと早く基本的な対応を講ずるべきだという観点で考えておりますので、なかなか難しいのではないのかなというふうに思っております。

○東村委員 なかなか善管注意義務を果たしたかどうかというのは難しい、こういう見解でよろしいですね。
 そこで、この、今までの尋問で、あなたは、この弁護士意見の存在を知らなかった。今、お渡ししましたので、後でもう一度よく読んでいただきたいと思いますけど、作成していないともいっております。
 ただ、本当に財務局、この財産運用部がやはりこの財産利活用の中心になると思います。それは間違いないですよね。で、このあなたたちのよって立って行動しているこの行動は、弁護士意見そのものなんですね、これも読んでいると。本当に私、これを読んでいて、最初、こういう存在を私も知らなかったんですけど、読んでいてびっくりしたわけですよ。いや、本当によくまあ、ここまでそのとおりの行動をされているなと。よっぽどこの意見というのが財務局にとって大事だったんだなということを、これを読んでいて、また、皆さんのやりとりを見ていて、一連の動きを見ていて本当によくわかったんですけれども、ここでね、弁護士意見で、もう一度そこを見ていただきたいんですけれども、2のところですね。事業団が形式上五年の定期借家契約の形をとりながら事実上借家権を認めている場合は、その前提となっている事業団と民間学校法人の建物賃借契約を財務局が承認した時点で、借家権利金に相当する価値を民間学校法人に理由なく無償譲与したことになり、巨額な損害賠償請求が財務局に対してなされるおそれありと記載されているんです。
 しかし、既に借地借家法が改正され、平成十二年三月一日に施行されました。そうすると、定期借家契約の満了とともに、借家権が消滅します。このことを証人はご存じでしたか。

○宮川証人 定期借家契約は、先生、今おっしゃるように、期間が満了したと同時に更新権がないということでございますので、そこで終了するというものでございます。

○東村委員 そこでね、証人、五年たった後も社会福祉事業団が学校法人に建物を継続的に使用させる念書を出しているという全く事実無根の話をこの弁護士に話をして、あたかも--今いった証人の答弁とここの弁護士の意見、この部分は違うんですね、内容が。あたかもこういったミスリードをさせたのではないか。こういった弁護士のミスリードをさせたから、私は、財務局は、ああ、これは大変なことになったと、徹底してこの問題を、自分たちの責任がないように持っていかなければ大変なことになると、そう思って、さまざまなところに--これは悪意か善意か、私はいいません。それは問いません。ただ、やはりこのミスリードされた意見が来たがゆえに、これをもって行動しなければ大変なことになる。今いったように、おっしゃったように、消滅するわけですから、何ら問題にならないわけなんですね、損害賠償請求の問題。ならないんですけれども、でも、それをミスリードした、こういったことがあるんではないですか。どうですか。

○宮川証人 ミスリードと今、先生おっしゃいますけれども、私はその意味を理解しかねます。

○東村委員 知らないというんだから、理解しかねるんでしょうけどね。
 資料の82によりますと、この社会福祉事業団が生活文化局長に出した文書、これは「事業団としては、敬心学園が開設を計画している福祉人材養成施設の性格に鑑みて、その事業が継続的・安定的に実施できるよう十分に配慮する」という一般的な文言なんですね、これ、よく読むと。冷静に何度も読みました。五年の契約期間満了後も引き続き建物の使用を認めるものではなくて、さらに、敬心学園の理事長は、事業団から東京都に提出していただく文書は、契約期間の更新を無条件に保証するものでないということを理解していると。この旨の念書として社会福祉事業団理事長あてに提出をしております。
 証人は、このことについてはご存じでしたか。

○宮川証人 二月三日に出した文書に対して、二月九日に福祉保健局の方から文書が、回答文が返ってきておりますけれども、私の記憶では、たしかそこの文書に添付された資料の中にあったような気がいたします。

○東村委員 これ、すごい大事な部分なんですよね。気がしますと。非常に都合いいときはぺらぺら答弁されるんですけど、ここは非常に大事な部分で、気がしますというだけで済まされるような--ご存じだったんでしょう、これ。どうなんですか。

○宮川証人 気がしますと申し上げましたのは、今ちょっと手元にないものですから、明確に確認ができません。ただ、私の記憶では、そういった念書というものが入っていたというふうに思っております。

○東村委員 先ほど高島理事が質疑された中で、一月十三日でしたね、この財産運用部の副参事が生活文化局から提出を受けた資料の中に、この文書が既にもう入っております。入っております。これについて生活文化局にも確認をしました。あなたが、証人が知らないとすれば、この副参事は、だれの指示で生活文化局に資料提出を依頼したのか。要するに、この副参事というのは、まさに証人の部下ですよね。証人の指示以外で動けないと思うんですけど、いかがでしょうか。

○宮川証人 考えられるところで申し上げれば、今一月十三日とおっしゃいましたよね。端切れ地等でとよく知事がおっしゃっているんですけれども、要するに、九月二十四日に立ち上げた利活用推進会議のいろいろな取り組みですか、そういったことの中で、具体的に今どこまで話が進んでいるのかというようなことで、その辺の報告がないというようなことはよくおっしゃられます。
 それから、ちょうど予算の査定が終わった後だと思うんですけれども、多分、研修施設ですか、そういったものについての見直しもプランにありますので、財務局長の方からは、とにかく早く成果をまとめろというような話がありましたものですから、我々の方としては、この問題に限らないで、利活用に絡む問題について何か一つ、その成果としてまとめられないかというようなことで、それぞれ所管で調査を命じていると。そういう中で、そんなような段階だったというふうに思います。

○東村委員 ということは、知事から、これ、利活用の問題、どうなっているんだと。また、予算査定の段階でどうなっているんだと話があって、財務局長から早くまとめなさいと、そういわれて、一月十三日、この問題を明らかにしに生活文化局に行ったと、そう理解してよろしいですか。

○宮川証人 一月十三日に行ったかどうかというのは、私、ちょっと存じ上げないものですから、何ともいいようがないんですけれども、仮にもしそういうことがあったとした場合に、いろいろな、その時点では各局に協力をいただきながら調査を進めていた時期に当たっておりますので、その中であったのかなと、このように感じております。

○東村委員 そういう調査の中で利活用という、先ほどぽろっと何か研修所の利活用という話もぽろっと出ましたね、プランとしてあるという話も出ましたね。恐らく、個々具体的にはおっしゃっていないんですけれども、大きな意味で、この問題も含めて、この一月十三日に既にこの念書を含めたさまざまな資料を生活文化局から入手をしたと、そう私は理解してよろしいですか。

○宮川証人 正直申し上げて、理解してよろしいかというお尋ねについては、私はよろしいともよろしくないともいえる立場にはございませんので、あれなんですが、ちょっと何ていいますかね、誤解といいますか、要するに、我々は九月二十四日に利活用推進会議を立ち上げて、そして、いろいろな部会を設置したり、いろいろな検討を進めてきているわけなんですよ。そういった中で、今、それぞれの進捗を図らなくちゃいけないという、それぞれの所管がですね、担当が具体的ないろいろな調査をするということは、私は当然のことだというふうに考えております。

○東村委員 ということは、部長としての証人は指示は出していないけれども、場合によっては担当の課長が自分で調査をした可能性はあるという、今の話を聞いたら、そういうことですね。わかりました。
 こういうことは、まさに、証人は指示をしていないけれども、担当の課長が自分で動いた、事前に調査したということを一つの証言として私は得たわけでございます。
 そこで、これまで弁護士意見について、証人に対して弁護士意見についてさまざま尋問をしてきました。なかなか証人は、この今お渡しした弁護士意見、認めようとされません。しかし、実は、もう我々は、複数の関係者からさまざまな証言をいただきまして、弁護士意見の当事者たる弁護士の氏名も連絡先ももう存じ上げております。本当に証人は、この期に及んで、この弁護士を知らないのか。今後、場合によっては、この弁護士にも話を聞かなければならないし、ある意味で、証人の直接の部下である、冒頭お名前が出てまいりました田崎総合調整課長にも確認をせざるを得なくなる。仮に、仮にですよ、このお二人のいずれかから、財務局が弁護士意見の作成にかかわっていた、こういった証言が出てくれば、証人は偽証罪にも問われかねないわけでございます。そこのところを、最後ですけども、もう一度よく考えて、再度証言をしてもらいたいと思います。

○宮川証人 私どもの緒方弁護士は、今、先生お話があったような、そういう意見とか、そういうようなことをまとめられるような方ではないということは、私は存じ上げております。
 今おっしゃった、そのだれがということについてなんですけども、僕も、ちょっとよくわからないのは、いろいろと証言なり何なりがあるというふうにおっしゃいましたが、だれがそういうようなことをおっしゃっているのか、非常に疑問な点が多うございます。

○東村委員 今後はそのことについてまた明らかにしたいと思います。
 先ほど、緒方弁護士はそういうことは一切やられていない、こういった話がありました。これは確認しておきます。
 そこで、この最後に、どうしても認めないというのであれば、今後とも徹底して調査をし、調査の結果いかんによっては偽証罪としての告発もあり得ることを申し上げまして、私の尋問を終わりたいと思います。

○山崎委員長 東村理事の尋問は終わりました。
 続いて尋問をお願いいたします。
 柿沢委員。

○柿沢委員 柿沢でございます。このたび百条委員会の委員になりました。既にいろいろお騒がせをしておりますけれども、委員の皆様方、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 私、百条委員会の設立の発端となった中村議員の予特の質問の時点では、私は、中村委員がどういう質問をするのかということについては、同僚でありながら、余りよく知りませんでした。この問題についての詳しい知識も、産経新聞の最初の記事は見た程度で、あんまり知識はなかったんですよね。ですから、百条委員会が立ち上がって、しかも、土屋さんにかわって私が委員に選ばれて、初めてこの問題を調べたわけですけれども、それだけに、これまでの巷間いわれているようないろいろな経過にとらわれず、より客観的な立場で物事の本質を見ることができるのではないかと、私は自負いたしております。そのことを申し上げさせていただいて、まず尋問させていただきたいというふうに思います。
 今、東村理事の方からもいろいろお話がありました。弁護士意見(二月二日現在)、私も持っていますけれども、今回改めて不存在に、これですよね、要するに、なっていますけれども、私は、それはそれで別にいいと思っています。私たちが聞きたいのは、文書があったかないかというようなことではなくて、事の本質にかかわることですので。
 その弁護士意見にかわるというわけではないですけれども、先ほどもお話が出てきた「東京都社会福祉総合学院に係わる顧問弁護士への相談内容」というのが今回提出記録として出されてきた。資料のナンバーでいうと、79番、93番、95番、105番と、同じものがいっぱい出てきますけれども、その中にいわゆる借家権のことが書かれてございます。
 今回の契約は五年の定期建物賃貸借契約ということになっていまして、敬心学園には定期借家権が生じているということになっているわけですけれども、問題は、この定期借家権が有効に生じているかどうかということにかかっているのではないかというふうに思っております。
 借地借家法を読みますと、定期建物賃貸借は契約の更新というのがありません。これは先ほど来お話がありましたとおりです。決められた期間が満了したら、契約は当然に終了する。この場合ですと、学院の建物を明け渡してもらわなければならないということに原則としてはなるわけです。
 借地借家法三十八条の一項の規定によりますと、定期建物賃貸借の契約をしようとするときには、あらかじめ建物の賃借人に対して、契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借契約が終了することについて、その旨の記載した書面を交付して借り主に対して説明をしておかなければならないということになっています。
 ということは、この定期借家権、敬心学園が有している現在、定期借家権を有効に成立させるには、事業団は、契約の時点で、契約以前に、敬心学園に対して、この契約は五年で、平成十九年三月三十一日で終わりですよ、それ以上の契約の更新はありませんよということを書面を交付して、事前に説明しておかなければならなかったわけですね。
 今回の契約で、宮川財産運用部長が知る限り、そうした書面の交付があったんでしょうか、伺います。

○宮川証人 確かに今先生おっしゃるように、三十八条の二項でございますか、書面の交付と。私どもの弁護士の意見のところでもございますように、書面で行われたかどうかということについては、私どもはよくわかっておりません。一応、不明であるというふうに考えております。

○柿沢委員 今、不明であるということでしたけれども、これは調査中という意味でしょうかね。あるいは、明らかでないのでわかりませんという、ただそれだけのことですか。

○宮川証人 基本的に我々の調査は、先ほどもいろいろ議論ございましたように、文書で、それぞれの所管の局に調査をご依頼申し上げて、協力をしていただく中で仕事を進めていくという形でございますので、まあ、今先生がおっしゃられたように、調査中ということでもあるわけでございます。

○柿沢委員 調査中ということになると、ちょっと先に進みづらくなってしまうんですけども……。
 今回の--今回のじゃないですね、記録のナンバーの22番を見ますと、「学校法人敬心学園との運営業務委託・建物賃貸借契約締結に関する文書」、記録のナンバー22番ですが、この中にある定期建物賃貸借契約というのの公正証書が今回の記録の中に出てきております。敬心学園さんと事業団との間で公正証書を作成している。その第二条には、「本件賃貸借は、契約の更新がなく、期間の満了により終了するものとする。」というふうに書かれています。これを見ると、公正証書を取り交わして、期間満了によって賃貸借契約が終了しますよということを通知したようにも見えますけれども、この公正証書についてはご存じですか。

○宮川証人 福祉保健局の方でまとめられた資料の中に入っていたというふうに思います。

○柿沢委員 ご存じということで、その文書をごらんになられて、もちろん定期建物賃貸借契約、本契約の文書もよくよくご承知だと思うんですけれども、この二つを組み合わせて、先ほども申し上げた定期借家権を生ぜしむるに必要な書面による契約満了による契約の終了、また更新がないこと、通知をしたと、事前に書面で通知をしたということに当たるのかどうかということをお伺いしたいと思います。

○宮川証人 定期建物賃貸借について、借地借家法の第三十八条の第一項では、期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができると、こうなっているわけでございますけれども、ただ、これについては、建物の賃借人に対して、あらかじめ賃貸人の方から契約の更新がないと、期間の満了によって当該建物賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならないと、もしそれをやらないと、第三項には、建物の賃貸人が説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効とすると、こういうふうになっているわけでございますので、実際にそういった書面を出されたかどうかについては私どもはわかりませんが、現段階ではわかりませんが、もし出されていないということになるならば、今の第三十八条の三項によりまして、契約の更新がないこととする旨の定めが無効となるとなれば、旧借家権といいますか、契約更新のある借家権がそこに存在するということになろうかと思います。

○柿沢委員 さらに厄介な問題がありますね、これには。事業団と敬心学園との間で、あたかも五年の契約期間の満了後に、原則として再契約を可能とするというようにも読めるような文書が取り交わされているということがあると思うんです。
 同じ、先ほどいった「学校法人敬心学園との運営業務委託・建物賃貸借契約締結に関する文書」、記録ナンバー22番の中に、事業団が作成した取扱秘という文書で、合意確認書の作成についてというものがあります。これは事業団と敬心学園との間で合意確認書というのを作成をしましたよという内容のものですけれども、それには次のように書かれています。
 このことについては、契約の締結に基づき、契約締結に向け学校法人敬心学園との協議を進めてきたところであるが、建物の賃貸借を借地借家法による定期建物賃貸借契約で行う場合、契約期間終了後は更新をしないことが前提であるとの見解が公証人より示された、学院建物を活用した臨床福祉専門学校設立認可の条件として、事業の継続的、安定的実施が条件とされた経緯から再契約規定を除くことは不可能であるため、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了する旨を締結前に双方が合意したとの別紙(案)による確認により、契約書を変更することなく公正証書作成を行うこととするということで、その合意確認書がその後についているわけですけれども、一方で、甲は、借地借家法第三十八条一項の定めにより、契約の更新がなく期間の満了により賃貸借は終了する旨、乙が承諾することを条件として定期建物賃貸借契約をすると、2にそう書いてある。一方で、4、定期建物賃貸借終了後の措置として、乙は、敬心学園は、契約期間の終了後、再度運営事業者・借受者審査委員会による審査を経て、再契約をすることができる旨、甲が承諾することを条件として定期建物賃貸借契約をするということが同時に書かれているということになっております。
 そういう意味では、この文書に書いてある公証人の見解では、契約期間終了後は更新をしないというのが、定期建物賃貸借契約を行う場合、前提になっている。しかし、一方で、臨床福祉専門学校は、設立認可の条件として、その事業の安定的な、継続的な実施が条件とされた経緯からすれば、これは再契約を可能とする規定というのを契約から取り除くということも不可能であるというふうに書かれている。その上で、本契約の文書の第四条を見ると、学院運営事業者・借受者審査委員会において再度審査の上、再契約を可能にするというふうに書かれているわけですね。
 また一方で、皆さんこれもご承知のとおり、敬心学園が学院の建物に臨床福祉専門学校の設立を申請するに当たって、その事業が継続的、安定的に実施できるよう十分配慮することといたしますという生活文化局長あての文書、また、厚生労働省の関係部局あての文書というものが出されている。要するに、学校認可をおろしてもらうためには、五年の契約期間の満了後も当然再契約をして、臨床福祉専門学校が使い続けることができるという、そういう見込みであるという、ある種のコミットメントを出している状況にあるわけですね。
 これは、更新をしないのが原則という定期借家権の契約の基本からすると、何度も繰り返し再契約の可能性はありますよ、ありますよ、ありますよとやっていることは、明らかに契約の更新をしないのが前提という定期建物賃貸借契約の条件に反しているというふうにいえるのではないかと思います。
 だとすると、この事業団と敬心学園との間に結ばれている定期建物賃貸借契約は、実は、定期建物賃貸借契約として有効に成立していないという可能性が出てくるのではないかということになってしまう。そうすると、これはこれで、一般的な借家権が発生してしまうという意味では困る話になるわけで、そこで、何というか、さっきから合意確認書で、まあ契約の更新はしませんよと。しかし一方で、再契約は十分に可能ですよと。再契約をするのかしないのか、使い続けることができるのかできないのか、何だかよくわからないような、非常にあいまいな形がとられて、この定期建物賃貸借契約なるものが結ばれているというふうに見ることができると思います。
 しかも、先ほど敬心学園の小林理事長さんがお見えになって、最後にいみじくもお話をされておりましたけれども、小林理事長さんとしては、実は五年の契約期間が満了したときに、当然にしてこの契約というものは続くんだというふうに思っていましたと。五年で終わりにしなければいけない学校なんてあり得るでしょうかと。何となく至極もっともなことをおっしゃっておりました。
 こういったことを踏まえていくと(発言する者あり)定期建物賃貸借、建物定期借家権契約は有効に成立していない。借り主の敬心学園には一般的な借家権、いわゆる旧借家権が生じているという見立てが成り立つ可能性があるということになります。るるご説明をさせていただいて恐縮でしたけれども、この点についてはご見解はいかがですか。

○宮川証人 私どもの方では、現段階では、更新権を有した借家権を認めているという可能性も否定できないというふうに見ております。ですので、いろいろとその辺について調査をお願いしているわけなんですが、現在、福祉保健局の方からは、事業団と学園との方で今協議中であるというお話を伺っておりますので、具体的にどうなのかなということで注視しているところでございます。

○柿沢委員 今お話がありましたとおり、一般的な旧借家権が成立をしているという可能性も否定はできないというお話を、証人、されました。
 ここで確認をしておきたいんですけれども、定期借家権と一般的な借家権というのは、同じようなふうに聞こえて、これは全く違うものだというふうに私は思うんです。従来の借地借家権制度のもとでは、貸し主の側に正当な事由がなければ借家人は立ち退く必要がなかった。そして、契約期間満了後も、正当な事由がなければ契約を更新するということになっている。それでも立ち退いてもらいたいという場合は、貸し主は立ち退き料を払わなきゃいけないということになる。これが一般的な旧借家権で、借地借家法二十八条に規定されています。
 こういうふうに、一般的な借家権というのは、借家人保護のために借家人に物すごい強い権利が認められていて、これは借家人が強過ぎるんじゃないかと、その例外を設けるべきだということで、先ほど東村委員からもお話がありましたけれども、平成十二年ですか、定期借家権制度がつくられた。従来持っていた借家人の権利を、定期借家制度というのはある意味では弱めるという制度になりますので、そのかわり、定期借家権の契約は、契約期間満了をもって契約は終了するということを事前に書面であらかじめ通知しておかなければいけないとか、一定の条件をクリアしていなければ、定期借家権というのは発生しない。一定の条件をクリアしていない定期借家権契約というのは無効になって、そのかわり先ほど申し上げた一般的な借家権が発生しているというふうに見なされるものなわけですね。
 先ほど申し上げたように、証人からもお答えとしてありましたように、仮に今回の事業団と敬心学園との建物賃貸借契約が、仮に有効な定期賃貸借契約となっていなくて、一般的な借家権を敬心学園に生ぜしめているということになると、正当な事由がない限り、敬心学園に建物明け渡しを求めることができない。契約も、原則としてというか、契約も当然に更新をしなければならないということになるんだと思うんですけれども、借地借家法上、そのように理解してよろしいのでしょうか。

○宮川証人 なかなか難しいご質問なんですが、定期借家契約五年間、今契約の途上にあるわけですけど、契約期間の途上にあるわけですけども、平成十九年三月に契約期間が満了するという契約であるわけです。今現時点でどうかということについては、なかなか即断できないんですけれども、仮に今先生がおっしゃるような、借地借家法の第三十八条の規定、一項、二項、三項の規定どおりの契約の中身であれば、これはまさに、要するに、更新権を有する非常に強力な旧借家権といいますか、それが認められているというふうに見ることができると思います。

○柿沢委員 で、先ほど証人は、今回のケースにおいて、そうした一般的な旧借家権が発生している可能性は、今の段階で不明という留保をつけながらですけれども、否定はできないというふうにおっしゃいましたよね。確認させてください。

○宮川証人 認めている可能性も否定できないというふうに申し上げました。

○柿沢委員 借地借家法二十八条には、貸し主が建物の明け渡しの交換条件として借り主に対して財産上の給付をする旨の申し出をした場合、明け渡しを求めることができるというふうに書かれています。先ほど申し上げましたが、つまりは立ち退き料、借家権利金を支払えば、貸し主は借り主に対して立ち退きを求めることもできるということです。
 今回のケース、先ほど来、可能性が否定できないということをおっしゃっているわけですけれども、敬心学園に定期借家権でない一般的な借家権が発生しているとすれば、契約期間満了後に明け渡しを受けるためには、場合によっては敬心学園に対して立ち退き料を支払わなければならないということも、これは可能性として出てくるということになると思いますけれども、いかがでしょうか。

○宮川証人 あくまでも仮定の話ということであれば、まさに今先生のおっしゃっているとおりだと思います。

○柿沢委員 さて、この立ち退き料、借家権利金が、一体、じゃあ場合によっては発生する可能性は否定をできないとおっしゃっているわけですから、発生してしまった場合、一体幾らになるのかというお話をしたいと思うんですけれども、東京都の公有財産規則四十七条によれば、建物所有者が負担すべき借家権利金、立ち退き料は、建物の現在価格の約四割ということになっている。百分の四十でしたっけね、そういう書かれ方をしています。
 となると、仮に今学院の建物の現在価値というのを正確に判定することは、算定することはできませんけれども、仮に学院の建物の建設費二十一億円を建物の現在価格と見なして計算すると、単純計算で四割ということになると、敬心学園に支払わなければならない立ち退き料は、八億円とか八億四千万とか--四割ですから、いう額に上る可能性が出てくるということになるわけですよね。

○宮川証人 具体的に事業団とそれから学園との間でどういう契約になっているのか、この辺を十分に見きわめる必要があろうかと思いますけれども、理屈の世界でいけば、先生が今おっしゃった〇・四ということで計算すれば、今おっしゃるような金額になろうかというふうに思います。

○柿沢委員 理屈の議論という前提がつきましたが、これは、敬心学園に事業団が立ち退き料として、五年の契約満了時に八億から九億という立ち退き料、借家権利金を支払わなければいけない可能性が、現に証人のお答えをもとにすればあるということになるわけです。これは、とりもなおさず、もともとの定期借家権の契約が有効に成立をしているのか、事業団と敬心学園との間で交わした定期建物賃貸借契約が定期借家権として効力を有しているのかということをしっかりと調べていかなければいけないというふうに思います。
 もし仮にこれで定期借家権、定期建物賃貸借契約に何らかの瑕疵があったというふうにみなされて、結果的に定期借家権でない一般的な借家権が生じているということになれば、もう一回いいますけれども、立ち退き料に当たる八億円、八億四千万円というような財産的な権利を、先ほどの弁護士意見にもあったような気がしますが、敬心学園に無償で与えたということになってしまいかねない。裏返していえば、それだけの財産的な損害を事業団がこうむるということになってしまうわけですね。
 これは、地方自治法二百四十二条にいう、違法もしくは不当に財産の管理を怠る事実、ちゃんとした管理をしていなかったということに該当し、住民監査請求の対象になるとも考えられます。その結果、先ほど財産管理の専権は知事にあるということでしたので、知事並びに知事の財産処分権の委任を受けた財務局長以下の職員に対して、先ほどの何億円という損害賠償請求がなされる可能性が、可能性の議論としては、可能性の議論としては出てきます。そのように考えられますけれども、証人の見解いかがですか。

○宮川証人 今の先生の話を前提にして考えれば、そういうことになろうかと思います。

○柿沢委員 ということで、今のままの状態で契約期間満了の平成十九年三月三十一日を迎えた場合、一般的な借家権がもし発生をしているということであるとすれば、今の理屈でいけば、石原知事並びに財務局長らが、八億円というような巨額の損害賠償請求を受ける可能性がある。あくまで可能性ですけれども、これは極めて大きな、ただしていかなければいけない事態でないかというふうに私は思っております。
 こうした状況に陥ることを防ぐために、都としてとらなければいけない措置はどのようなことなんでしょうか。財務局財産運用部長としての証人のご見解、この点を確認しておかなければならない、あるいはこういうことをしなければならないと、考え得ることを聞かせてください。

○宮川証人 現在私どもの方の財務局としてその辺についての調査を進めているところでございますので、基本的にどういうふうにするかというのが、これから本当に知恵を出して考えていかなきゃいけない問題である、このように考えております。

○柿沢委員 私見ですけれども、現時点において定期建物賃貸借契約が仮に万が一の可能性としても有効に成立をしていないという可能性があるのであれば、その可能性をまずふさがなければいけない。定期建物賃貸借契約をさかのぼってというか、現時点から未来にわたって有効に五年ということで、成立をさせるための手を打たなければいけないということになると思いますけれども、それはそれでいかがでしょうか。

○宮川証人 私どもの方は、この規則に定められた必要な手続をきちんと踏んだ上で、契約形態も現在の使用実態に合った形に直していく、こういう方向で考えていく必要があるというふうに考えております。

○柿沢委員 いや、そうじゃなくて、一般的な借家権が生じている可能性が否定できないと証人自身おっしゃったわけですから、これを、本来、契約書を交わして結んでいる定期建物賃貸借契約五年の平成十九年三月三十一日をもって当然に終了するはずの、そういうものとして成立させ、効力を持たせるために有効な手だてを今からでも打たねばならないということなんじゃないんですかということを伺っているんですけれども、どうでしょうか。

○宮川証人 同じ答えになるんですけどね、現時点でやはり規則に定められた必要な手続をきちんと踏むと、契約形態も現在の使用実態に合った形に直していく、そういう方向で検討すべきであるというふうに考えております。

○柿沢委員 繰り返しになりますけれども、今の証人の証言をもとにすれば、あくまで可能性という前提つきですけれども、知事並びに財務局長あるいは宮川さんご自身にもですかね、先ほどいった借家権利金に当たる、八億円という計算になるかどうかわかりませんけれども、少なくとも数億円に上るであろう巨額の損害賠償請求が行われるリスクが少なくともあるというか、少しばかりはあるというか、いうことは否定はできないわけです。このことをしっかり指摘をしておきたいというふうに思います。
 さて、話題を変えたいと思います。公有財産の使用許可または貸し付けに当たっての公有財産管理運用委員会の付議の省略、あるいは財産運用部長付議省略ができるケースについてです。
 今回提出をされた資料のナンバー86番の中に、使用許可、貸し付けにおける運用委員会付議省略、財運部長付議省略事項(土地、建物抜粋)というのがあって、土地建物の使用許可や貸し付けに当たって、運用委員会への付議や財運部長への協議というものが不要となる事項について、箇条書きでずらずらっと列挙されている。例えば、松澤財務局長も先日おっしゃっていました自動販売機であるとか、洗濯機、乾燥機、無線タクシー呼び出し電話、複写機、募金箱、掲示板、ATMの設置、こういうものは運用委員会への付議も、財運部長への協議も要らないということがずらずらずらと書かれているわけです。
 今回のケースについて考えた場合、先ほどもお答えいただいていますけれども、ここに書いてある付議を省略をするという事項のいずれかに該当しますか。

○宮川証人 ちょっと私の手元に、今のお示しいただいた資料持ってないんですけれども、基本的にはこれは公有財産規則の第四十六条に定めがございまして、そのうちの第四号、普通財産の貸し付けというところに該当いたしますので、これは公有財産管理運用委員会に付議すべき事項であるということでございます。

○柿沢委員 運用委員会に付議すべき事項であるということですね。しかし、現実には運用委員会への付議はなされなかったわけです。これをめぐっては皆さんご承知のとおり、財務局と福祉保健局の主張が真っ向から対立している。福祉保健局は、当時の担当係長が財務局の担当係長に相談したところ、付議の必要がないという回答を口頭でもらっているというふうに主張をしていますし、対する財務局はそんな回答はしていないというふうに否定をしている。前回三月二十九日の証人尋問では、当時福祉局の担当の係長の証言文書が記録として提出をされて、その中で担当の係長は、財務局の当時の担当係長、いわゆる運用調整係長から、総合学院を継続することを条件として運用委への付議も財産運用部長への協議もいずれも要しないという回答を得たというふうに証言をしているわけです。
 しかしながら、今回提出された記録のナンバー86の中には、そういう答えをしたはずの担当の係長の証言文書が出されている。そこには、運用委員会への付議も財産運用部長への協議もいずれも要しないという回答をしたはずの担当の係長が、そんな回答をしたことはないというふうに否定をしているわけですね。社会福祉総合学院について経営状況の話はありましたが、財産の活用に関し、正式に協議されたものではなく、当然ながら財務局としての見解や意見を回答したこともありませんというふうに証言をしています。
 これは本人の署名捺印もある文書で、今回の調査に当たって、総務局行政監察室にも提出されている、かなり重みのある証言だというふうに考えますけれども、この証言については、信用性のあるものだと証人は思われますか。

○宮川証人 本人がそのようにいっているということ、それから、現実にそうした公有財産管理に当たっての規程集がそろっておりまして、どういうケースがどういう場合に該当するか、この辺もはっきりしているところでございますので、本人のいっていることに間違いないと私は信じております。

○柿沢委員 この陳述書といいますかね、この署名捺印つきの文書、行政監察室に提出したというふうにいわれていますが--いわれていますって、これ、提出したものですけれども、この中には、経営状況の話はありましたが、財産の活用に関し、正式に協議されたものではなくというふうにありますけれども、これは一定の事前の相談はあったわけなんでしょうか。もしご存じでしたら、この点のことについてお話しください。

○宮川証人 この時点のことについてどうだったかということについては、私は存じ上げておりません。ただ、証言といいますか、その本人が述べているところでは、いわゆる経営状況等について話があったと。それ以外についてはなかったと、こういうような話でございますので、そのようなことだったのかなというふうに考えております。

○柿沢委員 私たちが聞いているところによると、平成十三年度の前半、福祉局の担当者から、学院の施設の有効活用について、具体的な内容が固まったら相談したいという話が一度あった。しかし、その後は何の連絡もなかった。そういうふうに私たちは聞いているんですけれども、いかがですか。そのように聞かれていますか。

○宮川証人 私、直接担当の係長とお話をしておりませんので、今先生がおっしゃったような状況であったかどうかについては存じ上げません。

○柿沢委員 それにプラスして、今回は、その上司に当たる当時の総合調整課長の佐藤匡さんの陳述書というのも同じ記録ナンバー86番で一緒に出されています。これについては、私たちは前回の松澤局長に対する証人尋問で、この陳述書の存在についてお伺いをさせていただきましたけれども、これ読むと、私の私見ですから、お許しをいただきますけれども、福祉保健局の見解を真っ向から否定するとともに、福祉保健局に対する物すごい憤りが感じ取れる文書になっています。最後のあたりなどは、本当に福祉保健局の管理職は、数十億の価値を持つ六千平米を超える都有地について、その活用方法を根底から変えるような重大な変更を何の手続もなしに行えると考えているのか。もし管理職として直接確認もせず、一係長の言動だけによってそのような重大な意思決定を行ったのなら、それ自体が財産管理におけるみずからの過失を認めていることではないか。さらに、今回の回答文書を見ると、福祉保健局は、すべての責任を、意思決定権も責任もない係長級職員のいったいわないのレベルでの問題に転嫁しようとしているが、それは管理職としてみずからの責任を回避しようとする以外の何物でもなく、憤りを禁じ得ない、こんなふうにこの陳述書には書かれています。これも佐藤さんの自署による署名と捺印があり、また総務局行政監察室に提出をされているわけであります。
 佐藤さんのこの陳述書は、証人から見て信用性のあるものだというふうに思いますか。

○宮川証人 佐藤、当時の課長については、ちょうど二月十四日の日に私も話を聞いております。確かに今先生おっしゃるように、非常に、自分自身も何もこの件について聞いていないと、そういうようなことの中で物事が進んだということについては非常に憤りを感じていると、こういう話はございました。

○柿沢委員 私も過日、佐藤さんに直接会って話をさせていただきました。この陳述書と全く同じ内容の話をされていました。ちょっと失礼だと思ったんですけれども、後々のことがありますので、テープをとらせていただいて、そのやりとりは全部記録に残っていますけれども、こんな重大な話を係長が口頭で了解するなどということはあり得ない。すべて文書で、管理職である総合調整課長、つまり私を通すはずだ。その私は、当時、この話を文書でも口頭でも全く聞いたことがない。そのことから考えて、相談があったとは考えられない。そんなお話をされていました。
 私は元NHKの記者ですから、ジャーナリストの経験から、怪しいと思ったことは直接直当たりで取材をして確認をするようにしています。そのときの佐藤さんの印象は、はっきり、この人はうそはいってないという印象でした。こういうことをいうと、どうせできレースだとかいわれるんでしょうけれども、私は直接会ってそういう印象をしっかり感じ取っていますから、これをいうことには全く一点の迷いも曇りもありません。
 ちなみに、それと比較するのも何なんですけれども、先ほどの福祉保健局の担当の係長の証言文書では、本人の署名捺印はありませんし、記録ナンバー86を見る限り、総務局行政監察室の内部調査に対して各局が提出した資料の中にも、この担当の係長の証言文書は見当たらないということになる。この担当の係長にも、私は直接、機会があったらぜひ直当たり取材をしてみたいものだというふうに思っております。
 それと、前回の松澤局長への証人尋問でも触れさせていただきましたけれども、再度確認をしたいと思います。それは、よしんば仮に財務局の担当係長の口頭の回答があったとしても、それをもって財務局の正式な回答とみなして、その後の手続を進めていった当時の福祉局の判断が正当な判断だったといえるかどうかです。一般的に公有財産の管理運用方針の決定や変更は、財務局内においてだれが判断及び調整する権限を持っていますか。

○宮川証人 基本的には規定で定められているそれぞれの職にある者が判断をすることになると思います。財産運用部長協議であれば、私のところで当然のことながら協議を受けて、それについて判断をする。総合調整課長のところで取り組めるものについては総合調整課長の方で判断をすると、そういうことになろうかと思います。

○柿沢委員 これ、いずれにしても管理職ということでいいですか。よろしいですか。そういうことについて、先ほど福祉保健局の方からこういう付議、公有財産の管理運用についての付議というのはしょっちゅうあるんだという話がありましたけれども、福祉局のサイドは知り得る立場にあったんでしょうかね。一般論としてで結構ですので、まあ、知っていたんじゃないかと私は思うんですが、どうなんでしょうか。

○宮川証人 繰り返しになりますけれども、平成十一年の三月十七日に公有財産管理運用委員会に議案を提案したわけですけれども、その提案局が福祉局であったということ、その提案の中身については、福祉局ご自身でお書きになったということ、こういったこと、さらにいろいろな規定が整っていることなどからすれば、当然その点については対応し得たというふうに私どもは考えております。

○柿沢委員 だとすると、今回の学院のケースで、財務局の管理職に確認をとらないまま、その先の手続をどんどん進めてしまったというのは、当時の福祉局の側に私は重大な過失というか、ある種の誤認というものがあったといえるのではないかというふうに思います。これについては、二十二日に福祉保健局長の証人尋問が予定をされていますから、再度福祉保健局長に確認をしたいというふうに思っております。
 それと、先ほど高島理事からのお話でありました、ちょっと建物の管理の話に戻ってしまうんですけれども、土地無償貸付契約書の第四条の用途指定に違反をしているかどうかということについてなんですけれども、これはこちらからも改めて確認をさせていただきますけれども、契約書四条の用途指定に、事業団がみずから設置する福祉人材養成機関の用地等として使用しなければならないという四条の規定に違反をしているというふうに考えておられるわけですね。

○宮川証人 平成十一年三月十七日に公有財産管理運用委員会で決定した議案の中に、貸付理由として、事業団がみずからの責任で自主事業として行うということになっておりますので、そうでない、事業団みずからが行ってないということで、契約第四条、用途指定に違反をしているというふうに考えております。

○柿沢委員 契約違反ということになる。契約違反というのは、私が知る限り、これは民法上の不法行為を構成することになり得るわけですよね。

○宮川証人 不法行為は、故意または過失というものが要件になっていると思います。これはあくまでも約定違反でございますから、債務不履行というようなことになろうかと思います。

○柿沢委員 わかりました。
 もう一つ、先ほど高島理事からやはりありました土地の転貸についてなんですけれども、包括外部監査の報告書によると、学院の施設の九〇%が臨床福祉専門学校の校舎として使われている。さらに、学院の夜間通学課程についても、学院自身が行っている事業というものの、実際には施設を貸し付けている学校法人敬心学園に委託をされている。こうした実態を見ると、私は、空き教室の活用というにはとどまらず、事業団が、建物だけでなく、土地も事実上敬心学園に使わせているというふうに見るのが素直なんじゃないかというふうに思っています。しかも、敬心学園は、臨床福祉専門学校の専修学校の認可申請に当たって、本来自前で用意すべき校地を東京都から借地する旨の記載をして、練馬区長に提出しています。校地、校舎があって初めて学校設置が認可されるわけですから、校地をどうするかということについては、何らかの校地を有しているというか、借りている、どちらかにしなければいけなかったわけですから、敬心学園が都から土地を借りているということにしなければ、臨床福祉専門学校そのものが開校できなかった、この申請書も出せなかったということになるんだろうというふうに思います。
 こうしたことを一つ一つ見ていると、やはり現状を見た場合、敬心学園への土地の貸し付けが事実上行われている状況である。建物は土地の上にふわふわ浮いているわけではありませんから、土地も一体のものとして貸し付けられているという状況にあるというふうに私は考えますけれども、財務局財産運用部長として、証人はどのように認識をしておられますか。

○宮川証人 具体的によく見ないとわからない点が多いと思いますが、先ほども別の先生のところでご答弁いたしましたように、契約上は転貸という形にはなっていないというふうに思いますが、ただ、実態として、外観上はそういうふうに一体的に使われているというように見られているような、見れるような状況もあろうかと思います。

○柿沢委員 ということは、これはやっぱり転貸に事実上当たっているんじゃないですか。そういうことになるんじゃないかと私は理解しますけれども、どうなんでしょうか。にもかかわらず、敬心学園は、都とも事業団とも土地の貸付契約を結んではいない、そして地代も払っていない。この点は、包括外部監査報告書の中でも、学院の建物は東京都の土地に建設されており、地代相当額を考慮して賃料を算定することが適切であるというふうに書かれているわけです。
 で、今の状態が適正な状態と、財務局財産運用部長としての証人は考えておられますでしょうか、見解を伺わせてください。

○宮川証人 先ほど高島先生に対してのお答えもですね、契約上、転貸という形ではないというふうに申し上げておりますので、私の方の考え方といたしましては、確かに外観的に見れば、そういった点も考えられるのかなと。要は、都民の目から見たときにどう受けとめられるのかなと。ですが、それが具体的にどうかということを、今の段階で、今の私どもが知り得る範囲でですね、断定することは、まだできないというふうに考えております。

○柿沢委員 大変慎重な物いいをされましたけれども、私は、これがやはり事業団の、失礼、学院の建物の利用状況、九〇%にプラスして、さらに学院の事業も委託を受けている、そういうことを考えると、やはり私は、これは土地の貸し付けを敬心学園が受けているというふうに考えざるを得ない状況だと思います。私たちが調べた限りでは、敬心学園が運営をしているほかの、臨床福祉専門学校以外の専門学校が、さまざまな課外活動であるとかサークルの活動であるとか、そういうものについて、学院の体育館をただで使っているとか、そういう実態がある。そういう意味でいえば、これはどう考えたって、そういう状況を総合して見れば、敬心学園グループの一つの学校の建物であり、土地も事実上そういうふうにみなすことができる状況なんじゃないかと私は思えて仕方がありません。そのことを申し上げておきたいというふうに思っております。
 で、先ほども証人からは随分お話があったんですけれども、どうも何か勘違いをされているような部分があるので、確認しておきたいんですけれども、今回の百条委員会の中で、公有財産の有効活用がなぜ悪い、民間委託がなぜ悪い、民間活力を使って公有財産の有効活用をすることをあなたたち邪魔をするのかというようなニュアンスのお話が委員の中から出されているように思います。あたかも公有財産の有効活用に財務局が難癖つけて妨害しているというようにいわれているように私は聞こえたのですけれども、公有財産を民間の力も活用しながら有効活用を図っていく、その方針そのものに財務局財産運用部として異議を唱えているわけではないわけですよね。その点、ちょっとはっきりさせてください。

○宮川証人 都有財産を有効に活用するということ、そして、それがきちっと手続にかなっているのであれば、いろいろとご活用いただくことについては、僕は問題がないというふうに考えております。

○柿沢委員 これで最後にしますけれども、前段でお話をしましたとおり、この敬心学園と社会福祉事業団との間で結ばれた五年の定期建物賃貸借契約、これが五年の定期建物賃貸借契約として間違いなく、確実に有効に効力を発しているとすれば、これは問題ない--問題ないというか、問題は小さくなるわけですけれども、これが万が一、先ほど証人が、可能性も否定できないとおっしゃられたように、一般的な旧借家権を生ぜしめている、瑕疵によって、あるいは契約の結び方が悪かった、そういうことによって。そういう可能性があるとすれば、これは先ほどいったような論理でいけば、知事並びに財務局長、場合によって財産運用部長である証人、皆様に、住民監査請求を経て、建物の現在価値の四割に当たる数億円、まあ建設費で仮に計算すれば八億円、八億四千万円という損害賠償請求が行われる可能性がある。これはやはり私はただしていかなければいけない非常に大きな問題だと。現時点で事業団と敬心学園との間で結ばれている契約が発生させかねない重大なリスクであるというふうに考えております。
 そのことについて指摘をさせていただいて、私はこのことが、まさにこの百条委員会で調査をし、真相を究明し、ただしていくべき本筋だというふうに考えて、確信をしております。その意味で、この問題について、さらに場合によっては調べを進めていき、今回提出された弁護士の口頭意見の中でも、その可能性を否定できないのでよく調べる必要があるということが書いてあるわけですから、これを書いた弁護士さんにも、その根拠となることについてはしっかりと、直接、直当たり取材じゃないですけれども、ここに来ていただいてもいいと思いますが、確認をさせていただいて、事の本質を明らかにしていくべきだというふうに思っております。
 それが私はこの委員会で調査するべきことである、本筋であるというふうなことを申し上げさせていただいて、証人に対する証人尋問を終わらせていただきたいというふうに思います。どうもありがとうございました。

○山崎委員長 柿沢委員の尋問は終わりました。
 引き続き、尋問をいたします。
 曽根委員。
 宮川さん、大丈夫ですか。大丈夫。

○曽根委員 それでは、宮川証人に対する証人尋問を行います。
 最初に、先ほどもちょっと出ましたが、弁護士意見の文書についてお聞きしたいと思います。
 今回、私どもから、この件に関して財務局内部で弁護士からの意見を聞いた内容のすべての資料要求したところ、私どもの資料要求に対応して、資料の105号で、四つの項目について顧問弁護士への相談があり、口頭意見があったとして資料が提出されております。前回の委員会に提出された資料の説明書きでは、79番の「包括外部監査に先立って、本件について弁護士が行った調査内容と関係文書」との要求に対して、〔1〕「顧問弁護士に調査を依頼したことはない」、〔2〕「「関係文書」は不存在である」とされていましたが、現に今回出てまいりました。
 前回の資料に関する説明書きは虚偽だったということですか。

○宮川証人 私どもは、「包括外部監査に先立って」と、この先立ってという意味については、私ども財務局が包括外部監査の報告書の案を知り得た、知った一月二十八日以前と、こういうふうに理解をしておりましたので、そのような回答をさせていただきました。

○曽根委員 これは前回資料要求したときにも、改めて確認のためにそちらに申し送ったんですけれども、我々が、包括外部監査報告のなされた二月二十三日、この時点の前にという意味で申し上げたんで、そのことは財務局の方にも申し述べてあるはずですが、「調査を依頼したことはない」というふうに前回説明書きがあったわけです。しかし、今回出された資料は、明らかに弁護士に調査をさせている内容ですが、この点では明らかに前回の説明書きと矛盾するんですが、いかがですか。

○宮川証人 調査を依頼したわけではなくて、私どもの考え方について口頭で意見をいただいたと、アドバイスをいただいたということでございます。

○曽根委員 もういいかげんな証言をしないでいただきたいんですね。今回ようやく出てきた資料の105号によると、弁護士への相談事項といいながら、例えば、一月二十八日の包括外部監査事前報告案の記述について、土地無償貸付契約書第四条の用途指定に抵触しないかどうかの法律的な分析を求めていますよね。明らかに法律相談一般ではなく、具体的な報告書や契約書の中の記述を突き合わせて調査しなければならない事柄を依頼しているじゃありませんか。これがなぜ、要求した、弁護士の調査した内容に当たらないんですか。

○宮川証人 包括外部監査報告書の中に書いてある実態についてですね、これが法的にどのように見るのかということで意見を求めたわけでございます。

○曽根委員 そんないいわけは通用しません。弁護士意見の資料というのは、問題の核心にかかわるものとして、私どもも含めて委員会から再三求めてきましたけれども、出てこなかったんです。最初は不存在とされ、次いで提出延期とされ、前回は、資料不存在ながら、説明の中で法律相談を口頭で行った事実はあると、ようやく認めた。しかし、調査依頼ではないから資料要求に該当しないなどというのは、もういい逃れにほかなりません。
 少なくとも弁護士に四つの重要事項で相談しているならば、なぜ最初から資料要求に対してその資料を出さなかったんですか。

○宮川証人 それは、受けとめ方、見解の違いではないかというふうに思います。

○曽根委員 あなた方財務局の一連の姿勢は、百条委員会の権限に基づく証拠記録の提出要求に対して全く不誠実です。存在する資料を不存在としたり、虚偽の資料を出せば、偽証の場合と同様に、重大な違法行為となるんです。今後こうした態度は絶対に許されないことを、改めて厳しく指摘しておきたいと思います。
 それから、以下、この105号の資料について詳しく尋問していきたいと思うんです。
 まず、相談事項の1についてですが、一月二十八日の包括外部監査事前報告会における報告書案に関する相談事項と口頭意見が示されています。それから、相談事項の2以降についても、先ほど質問がありましたのでまとめてお聞きしますが、四つの事項それぞれについて、相談は一回だったんでしょうか。それから、日付をそれぞれお答えください。

○宮川証人 これも先ほど申し上げましたように、それぞれについて一回ずつですね、ご相談をさせていただいたと。
 日付につきましては、一番については、私の記憶では二月二日、それから、二番目は二月十日、それから、三番目は三月二日、四番目は三月十七日。

○曽根委員 これも先ほどちょっとありましたが、だれが、どこで、どういう方法で相談をしたか。例えば庁内の財務局のところでしたのか、それから直接面談なのか、電話なのかなど、その点について詳しく教えてください。

○宮川証人 これは、非常勤職員として出勤されたときに、この問題だけじゃなくて、いろいろな法的な検討が必要な意見をいただきたいものがございますので、その中でこの問題についても所管の方で聞いたというふうに聞いております。

○曽根委員 この四回はいずれも同じ緒方弁護士ということだそうで、先ほど証言がありましたので。
 それで、あなたもしくは財務局職員が、この件で、この緒方さん、顧問弁護士以外に相談した事実はあるんですか。

○宮川証人 ございません。

○曽根委員 資料105号の冒頭に、「社会福祉総合学院に関し、財務局顧問弁護士に相談した内容を新たに整理したものである」という記述があります。つまり、新たに整理する前の原典があるはずだと私は思います。先ほどは記憶によるといいましたが、顧問弁護士に正式に意見を聞いているのに、しかも、直接面談して聞いているのにメモをとらないというのは、公務員としては非常識なことです。原典があるはずです。それについて示してください。

○宮川証人 基本的には、私どもの方で、例えば包括外部監査報告書案にはこういうような記述があるんだけれどもというようなお話の中で、何といいましょうか、そんなにですね、一時間、二時間かけていろいろとご意見をいただくということではなくて、基本的に私どもの考え方を示して緒方先生のお考えをお聞きすると、そういう中で意見を伺っているというのが今の実態でございます。

○曽根委員 明らかに証言はいいかげんです。例えば、一月二十八日の包括外部監査事前報告書案に対する相談についても、まあこの資料が本当だったとしてもですね、ここでは、契約の第四条、用途指定に反しているので事実関係を調べる必要があると。これはだれが考えても、もしこのことを放置すれば、財務局に住民監査請求の責任が生じるよということがわかるわけですよね。2についても同様の問題があると。
 で、先ほど、弁護士意見の文書について、これは後でやりますけれども、あなたは、大体この内容は自分もそう思うとおっしゃっているように、財務局に大きな責任がかかってくる問題ですよ。それを聞いて、担当課長がお聞きになったと。それを、あなたは、じゃ、伝聞で聞いて、そして、あなたから財務局長にも伝聞で伝えたと、記録は何もないと、そんなことはあり得ますか、通常。こんな重大な内容を、メモ一つとらず、頭の中だけで伝聞で伝えるなんということはあり得ないじゃないですか、役所の中で。

○宮川証人 あの、この問題に限らずですね、財産に係ることで法的意見を求めるケースというのは、常に、仮に法律上に問題があった場合に、法の適用において問題があった場合については、容易に損害をこうむる内容等でございます。そういう意味で、これだけ取り立ててどうこうというようなことではなくて、ただ、問題としてですね、先生の方にご説明をするときなどは、これは要するに、例えば、私が聞いている範囲では、この包括外部監査事前報告会における報告書の案についてお尋ねするときには、公有財産管理運用委員会の三月十七日ですか、ああいったような議案とか契約書などをお見せして、その中でご判断をいただくと、そういうものでございます。

○曽根委員 もう説明になっていません。大体ですね、いろんな形で財務局の中でこの問題については意思を統一し、認識を一致していかなければならない重大問題でしょう、これは。それを全部頭の中で、会議ごとに説明させると、口頭で。あり得ませんよ、そんなことは。
 したがって、これは改めて、先ほど理事会でも確認しましたが、提出をするように改めて強く求めておきたいと思うんです。
 それから、我が党は、前回の尋問の際に、弁護士意見(平成十七年二月二日現在)という文書を示しました。内容は、先ほど紹介があったし、証人のところにも手元にあるので省略します。いずれにしても、証人も、この内容については是認できるものだというようなニュアンスの証言を先ほどされました。これは明らかに、顧問弁護士の意見に基づいて財務局がまとめた文書と受け取れるものです。財務局を擁護する立場になっています。これこそ、私にいわせれば、口頭の弁護士意見を財務局がまとめた文書ではないんですか。いかがですか。

○宮川証人 そういうものではございません。
   〔委員長退席、野村副委員長着席〕

○曽根委員 そういうものではないということは、この弁護士意見という文書については、あなたは存在を知らないということですか。

○宮川証人 存じ上げません。

○曽根委員 知らないはずはありません。この文書は、この弁護士の意見をもとに、間違いなく財務局内部でつくられたものであって、私たちはそういう関係者から入手したものです。間違いなくここに存在しています。偽証すればですね、告発の対象になるんですよ。
 改めて聞きますけど、弁護士は、もし口頭で意見を述べたかもしれませんが、それを記録し、まとめたものが必ずあるはずです。これは公的な仕事の中でのものですから。その文書の一つがこれではないんですか。

○宮川証人 私は存じ上げません。

○曽根委員 本当は知らないのではなくて、弁護士の意見を書いた証拠となる文書を処分したということではないんですか。

○宮川証人 そういうことはございません。

○曽根委員 真実を述べると先ほど誓った証人の証言としては、重大な問題です。我々は、平成十七年二月二日現在弁護士意見文書のさらに以前につくられた別の文書も、独自に入手しています。
 委員長、よろしければ、証人と、それから各委員に配りたいんですが、よろしいですか。

○野村副委員長 はい、どうぞ。

○曽根委員 では、松村委員、配布をお願いします。証人にも渡してください。
   〔野村副委員長退席、委員長着席〕
 ごらんのように「東京都社会福祉総合学院に係る外部監査報告(案)と財産上の問題について」という題名の文書で、この文書では、左側、1として、社会福祉法人の概要、2として、外部監査の報告(案)、3として、一月三十一日現在の弁護士意見がまとめられ、その中身は、(1)、定期借家契約となっているが、事実上、借家権を認めている、(2)、事業団は土地無償貸付契約に違反している、(3)、福祉局は独断で事業団への承認行為を行っている、(4)、経過はどうあれ、外部監査の公表を機に住民監査請求が行われた場合、説明が困難な状況である、(5)、財務局の立場に立った今後の対応をさらに考えてみるとなっていて、最後に、4、その他として、福祉局は貸し付けに当たって財務局に文書協議などの事実もないと記されています。
 この文書を知っていますか、証人。

○宮川証人 私は存じ上げておりません。

○曽根委員 この文書の3の(5)に、「財務局の立場に立った今後の対応をさらに考えてみる」とありますが、この意見を踏まえて、その直後、平成十七年二月二日現在弁護士意見の文書が出てきたと考えれば、すべてぴったりと符合します。この文書をあなたは知っているはずですが、どうですか。

○宮川証人 私の方では、この文書の存在については存じ上げておりません。記憶にもございません。

○曽根委員 あなたはどこまでしらを切るつもりなのか。これは財務局でしか書けない文書なんです。例えば、4、その他のところにあるように、福祉局がこの公有財産管理運用委員会の再付議の手続を踏んでいないだけでなく、財務局への文書協議の事実もない、こういう事実を書けるのは、財務局側しかないんですよ、こういういい回しで。
 で、ここまで明らかになっても知らないといい続けることは、本委員会に対しての重大な冒涜です。これまでの尋問でも、我が党が入手した文書などから、弁護士意見をまとめた文書が存在することは明白になっているにもかかわらず、証人は事実さえまともに認めようとしていません。なぜ、何のために偽りの証言を繰り返すのか、一体だれの指示なのか、重大な疑惑を指摘せざるを得ない、そういうふうに述べておきます。
 また、これは委員長に要望ですが、この弁護士意見については、理事会の合意も踏まえて、改めて強く提出を求めていただきたいと思います。
 それでは、次の尋問に移ります。
 次に、財産利活用推進会議について尋問します。
 あなたは、昨年九月二十四日に行われた都有財産利活用推進会議に参加していましたか。

○宮川証人 参加をしておりました。

○曽根委員 今回、議事録を私たち要求しまして、この資料によると、この会議の全体会の後で財務局長の座長による幹事会が開かれ、関係各局の部長級が出席をして、あなたはその席で次のように発言しています。「局の壁を越えた財産の利活用例として、研修専用施設の見直しについて報告します。新資産アセスメントとして、この間、関係各局と協議してまいりましたが、一定の見直しの方向について、関係局の理解を得られたと考えております。これから、統合あるいは会議室等の代替措置を講ずる等といった手法を活用して、具体化を進めていくことになりますが、今後更に関係各局と協議し、しかるべき時期にとりまとめたうえで、本幹事会に諮っていきたいと考えております。」、こう発言されていますが、間違いありませんね。

○宮川証人 間違いございません。

○曽根委員 この中で、研修専用施設の見直しで、新資産アセスメントとして、この間、関係各局と協議してまいりましたとしていますが、主にどことどこの施設について協議してきたんですか。

○宮川証人 主税局、環境局、建設局、そして福祉保健局等でございます。私の記憶の範囲で申し上げられるのはそこでございます。

○曽根委員 第二次財政再建推進プランの二八ページに、財産のさらなる有効活用という例示があって、その中に、ここでは当時九局、今は福祉と健康が一緒になりましたので、八局になりますが、九局の八つの施設についての研修所の事例が挙がっていますが、ここに挙がっているものは、いわばこの対象となっていたと考えていいんでしょうか。

○宮川証人 対象になっていたと考えていただいて結構でございます。

○曽根委員 この九月二十四日の会議直前、九月十六日に、あなたは、社会福祉保健医療研修センターの社会福祉総合学院への統合について、福祉保健局の総務部長を訪ねていますね。

○宮川証人 お訪ねをしております。

○曽根委員 このとき福祉保健局の総務部長は、この統合問題については、総合学院が今外部監査を受けているので待ってほしいと答えたと、資料の25番の中でメモ書きがありますが、事実でしょうか。

○宮川証人 事実でございます。

○曽根委員 この25番の資料の中には、その後、十月の上旬にこのようなチャート図をつくって、小日向の社会福祉保健医療研修センターを売却する、そして、その機能は練馬に統合するということを福祉保健局の契約管財課長に示していますよね。これは、どうしてこういうものをこの九月の後に出したんですか。

○宮川証人 これは、先ほどの九月二十四日の利活用推進会議の幹事会でも私申し上げておりますように、基本的な方向については了解いただいたわけですが、具体的、個別的な方向といいますか、実際の実施の面での対応については、それぞれの関係局と十分協議をして、その上で進めていくという考え方でございますので、今先生がお示しなさったペーパーは、一つの私どもの方の多分、何といいますか、題目にも書いてあると思うんですけれども、提案という形でお示しをさせていただいたというものでございます。

○曽根委員 この当時、つまり、都有財産利活用推進会議が開かれた当時、担当の部長のあなたが直接交渉にも出かけ、さらに、具体的なこの売却構想まで描かれたチャート図を示して検討を促すと。提案とはおっしゃっていますが、こうしたところまで事実上関係局への働きかけを煮詰めてきたという例は、ほかの局との間でどこかありますか。

○宮川証人 そのペーパー自体は、私がお示しして福祉保健局の方とお話をしたわけではありませんが、それぞれの担当が、例えばちょっと私の記憶といいますか、具体的にどの局とどういう形でしたかについては、個別にお話はできませんが、関係局の方といろいろとそれぞれの担当が話を持って上がっているというふうに理解をしております。

○曽根委員 つまり、あなた自身が関係局の、この場合は総務部長にお会いになっていますよね。しかも、その後、課長級ですけれども、図を示した。こういうところまでやったことは、ほかの局の間ではないわけですか。

○宮川証人 基本的には、研修所の統合といいますか、見直しといいますか、活用についてのやはり一番大きなテーマといいますか、それがこの小日向のセンター、これをどう使うのかということでございますので、これは大変大きなテーマの一つでございますから、私の方で直接伺った次第であります。

○曽根委員 その後十月二十一日に福祉保健局から口頭で、現在、民間学校法人に貸し付けているので、統合は困難と回答があったのは事実でしょうか。

○宮川証人 私自身が、十月二十一日にそういう話があったということについて、十月二十一日に知ったわけではありませんが、後日になっての話でございますけれども、そういう話があったということについては聞いております。

○曽根委員 その後、いわば事実上の断りの回答があった後、財務局として、同研修センターの学院への統合の件で引き続き何か取り組みをされていませんか。

○宮川証人 これまでは、平成十九年の三月にあの施設が東京都、東京といいますか、事業団の方に返ってくるというお話、そういう前提でお聞きしておりましたものですから、基本的にその十月の二十一日でございますか、契約管財課長の方からお話があったということについて、その真偽のほどを担当の方から契約管財課の方に問い合わせをしているという話は聞いております。

○曽根委員 この資料25番の財務局財産運用部検討経過の資料の一番最後に、平成十六年十月下旬から平成十七年一月下旬という項目で、「十月二十一日の福祉保健局契約管財課長の回答について、総合調整課において詳細な説明を求めてきたが、包括外部監査の結果が出るまでは難しいという話もあり、状況把握が進まなかった。」とあります。
 今のお話は、このことと、そして、一月下旬ぐらいまでの期間、説明を求め続けてきたというふうにとらえてよろしいですか。

○宮川証人 そのように理解をしております。

○曽根委員 先ほども尋問がありましたけれども、ことしの一月十三日に、財産運用部として生活文化局に対し、学院建物を貸し付けている臨床福祉専門学校の設置許可に関する照会と資料請求を行ったという事実は間違いないと思うんですが、先ほど証人は知らないというふうにお答えになっています。
 もしこれが事実、多分後で確認されると思いますが、事実、副参事がこの資料を請求しているとすれば、引き続き財務局は、財産運用部は、この小日向と社会福祉総合学院の統合について意欲を持って取り組んでいたと。その中で、状況把握のために資料も取りに行ったというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○宮川証人 済みません、ちょっとご質問の趣旨がよくわからないんですけれども。

○山崎委員長 はい。じゃ、もう一度。

○曽根委員 一月十三日にもしこの民間の学校法人の学校設立の資料を財産運用部の職員が取りに行ったのが事実であったとするならば、やはり財務局は、これは統合は難しいという回答は福祉保健局からあったけれども、引き続きこの統合については進めたいという意図のもとにその資料も取りに行ったというふうに、一連の流れの中というふうに考えてよろしいんですか。

○山崎委員長 わかりましたか。

○宮川証人 統合が難しいか難しくないか、あるいはどういう方向で統合したらいいのかということについての結論は、この時点では出せないものと私は思っております。

○曽根委員 事実経過を追ってきましたが、所管局が統合は困難であるとの回答を出しているのに、あえてその後も詳細な説明を求め、ことし一月には、練馬の学院を貸し付けている民間法人の認可当時の資料まで生文局に調べに出かけている。なぜここまで熱心にこの施設の統合について進めようとしたんでしょうか。

○宮川証人 熱心に進めたということではなくて、基本的には、契約管財課長の方からそういうお話があったと。じゃ、具体的にどうなんですかということで説明を求めたり、じゃ、その辺についての資料をということで担当の方が再三にわたってお願いしたんですが、健康局と福祉局が統合した後で文書が見当たらない、あるいは包括外部監査を行っている最中なので、その辺についてはお持ちできないというようなお話がありましたので、引き続きどういうことなのかということを説明を求めてきたものというふうに私は理解をしております。

○曽根委員 そういうことではないと思うんですよね。この小日向の研修センターの統合問題については、ほかの局の施設とは全く扱いが違うんですよ。我が党は、他の局の研修施設統合について、先ほどこの第二次プランに挙げられた施設について調べてみました。部長がわざわざ交渉に出かけているのはここだけです。先ほど確認しました。
 さらに、構想図まで送りつけ、断られても説明を求め続けている例はほかに見当たりません。例えば総務局は青海に研修センターがありますが、ここはもともと賃貸で、事実上、話はないというふうに答えていますし、主税局も、千代田、中野の施設は、これも具体的に話はなく、そういう話は財務局に聞いてくださいといわれました。
 環境局も、九月に全体的な話は聞いたけれども、個別の話はないと。産労局は既に自前で統合を進めていると。教育庁も同様で、昨年の春には目黒の研修センターを水道橋に統合するということで、もう意向は伝えてあると。建設局だけは具体的に、財務局の職員の方が来たけれども、お断りしたら、以後、全くさたやみであると。もちろんチャート図なども来ていないと。
 つまり、この財政プランに載った施設の中で、なぜかこの小日向の研修センターのみ部長もみずから出かけ、チャート図も送りつけ、断られているのにも、なおかつ、なぜなのかなぜなのかと盛んに説明を求め、ことし一月ぐらいまでいろいろなことをやっていたと。そういう経過がやはり浮き彫りになるんですよ、これを調べてみるとどうしても。
 しかも、非常に不可解なのは、昨年九月に開かれた推進会議ですが、議事録をいただいてびっくりしたんですが、その後、全体会や幹事会はもちろん、課長級の会議さえ一度も開かれていないと聞いていますが、どうですか。

○宮川証人 私どもの方は、こういう公有財産のいろいろな活用策を図るにおいては、これまではそれぞれの所管局がいろいろと、何といいますか、一連の経緯の中で管理をしてきておるわけでございます。それを局の壁、会計の壁を超えて、財務局が事務局となって利活用を進めろと、こういう知事からのご指示でございますので、私どもの方は、少なくともやはりまず現状をきちっと把握をして、その上でそれぞれの局の協力をいただきながら、理解を得ながら進めていこうという中で進めてきております。
 この間、部会を設置をしておりまして、具体的、個別的な話については、それぞれの局の方と調整を進めていくという中で進めてきております。

○曽根委員 具体的、個別的に進めているというふうにおっしゃいますが、九月の推進会議でも、今後、幹事会や部会を積極的に開いていきたいとわざわざ予告しておきながら、その後、全庁的には研修所の統合はほとんど進んでいないわけですよね、この小日向も含めて。ならば、再度幹事会なり開いて促進を図るべきと考えなかったんですか、担当の幹事局としては。

○宮川証人 基本的には幹事会の位置づけは、具体的な原案をお示しをして、そこでご了解をいただく場というふうに考えております。

○山崎委員長 ちょっと、曽根さん、ちょっと待って。
 宮川さん、大丈夫ですか、体の方は。トイレ休憩でも少ししようか。(宮川証人「済みません、ちょっと休ませていただけると、ありがたいんですが」と呼ぶ)
 じゃ、曽根さん、終わるの、もう。

○曽根委員 すぐ終わります。

○山崎委員長 じゃ、一問だけね。

○曽根委員 いや、私の尋問は以上なんです。
 今回、宮川証人にちょっとどうしてもただしたかったんですが、つまり、私、この資料を見て大変不可解だと思ったのは、知事の声も出て、昨年の夏ですか、庁議で話があって、九月二十四日には副知事が筆頭となる、また出納長が副責任者、で、幹事長ですか財務局長という重要メンバーがそろっての推進会議までつくって、それまで取り組んできた--中心問題は研修所ですよね、大体調べてみると、総合計画での。その中心問題の一つの研修所の統合について、促進が大きく図られるだろうというふうにだれもが思うのが当然なんですけれども、しかし、九月以降は全庁的な推進の会議を開いていなくて、福祉保健局以外の局に対しては、個別にもほとんど財務局から追及がいっていない。にもかかわらず、小日向の研修センターの練馬統合についてのみ執拗に、断られてもしつこく追いかけている状況が、この間出された資料や我が党の調査の中で浮き彫りになってきました。
 この面からも、私は練馬の総合学院問題についての今回の問題点、やはり重大な疑問が残るということを指摘せざるを得ません。引き続き調査もし、また必要な尋問を行っていきたいということを申し上げて、私の尋問を終わります。

○山崎委員長 曽根委員の尋問は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね五分間休憩いたします。
   午後九時二分休憩

   午後九時十二分開議

○山崎委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
 引き続き尋問を行います。
 藤田委員。

○藤田委員 何問か尋問させていただきますが、特別爆弾の紙もありませんので、出された資料に基づきましてさせていただきたいと思います。
 まず第一に、先ほど弁護士意見ということで、お聞きになったということを、ご相談をしたというふうにしておりました。二月二日が第一回目というふうにしておりましたけれども、何時ごろの話でございましょうか。

○宮川証人 私が直接伺ったわけではないので、ちょっと時間がいつだと、何時ごろというのはよくわかりません。

○藤田委員 午前中とか午後とかということもわかりませんか。

○宮川証人 先生のご都合によっては、午前中であったり、あるいは午後であったりという場合がございますので、どちらかというのは、ちょっと私の今の記憶の中では限定できません。

○藤田委員 それでは、この相談、二月二日というのは、いわゆる濱渦副知事が三局の局長を集めて、そして調査依頼をした、部長級のPTをつくるというような状況にあったわけですけれども、その前からこの二月二日の弁護士への相談はなさったということですか。

○宮川証人 一月二十八日に包括外部監査報告書案を局長から取り扱い注意でいただきまして、中について、財産管理上の問題点、こういったものを調べてみろということで、その後、我々、中をいろいろ調べました。
 それで、二月二日というのは、これはちょうど出勤日に当たっていた日でございまして、それで、法的にもどういうことなのか検討せよという話もいただいておりましたので、先生の方に、先ほどの、そちらの方の資料にございますようにお尋ね申し上げたということでございます。

○藤田委員 それでは、全庁的に調査依頼を受ける前から、この問題に対しては大変重きを持って調査の、財務局内でのPTをつくるというようなことをしたわけですか。

○宮川証人 財務局内でのPTということではなくて、私どもの方は一月二十八日の日に、ちょうど夕方だったと思うんですけれども、私と総合調整課長と二人呼ばれまして、今申し上げたようなことの指示を受けましたので。ただ、まだ本当に外部に公表する前で、内部での事前の報告という段階でございますので、取り扱いについては注意をして調査をするようにと、こういうような指示でございました。

○藤田委員 では、まずこの相談内容というところからお尋ねをいたしたいと思います。
 弁護士の口頭意見というところで、まず一番目、最後の方だけ読みますけれども、「民間学校法人が設置している専門学校は、事業団が設置した福祉人材養成機関ではなく、用途指定に反しているので事実関係を調べる必要がある。」というふうにしておりますけれども、その後、財務局ではどのような形でこれを調べられて、どういう結論を出していらっしゃいますか。

○宮川証人 福祉保健局の方にも文書照会をするなりいたしまして、また、私どもの方の公有財産管理運用委員会で付議した事項については保存してございますので、そういったものに当たりまして、要は、その公有財産管理運用委員会に付議はされていないと、その後ですね、十一年三月十七日以降、今回のいわゆる学校施設を一括貸し付けるという点についての公有財産管理運用委員会に付議はされていないということについては、わかりました。
 その他については現在調査をお願いをしておりまして、直近では、三月十五日の福祉保健局からの回答で、事業団と学園との間で今協議をしている最中であると、このようにお話をいただいております。

○藤田委員 それでは、(2)のところで、今後も継続的に使用する可能性があるとは、更新権つきの借家契約の可能性を示唆する表現であり、事実関係を調べる必要があるというふうになっていますけれども、これについてはどのように調べ、そして結果はどういうふうになっていますでしょうか。

○宮川証人 これにつきましては、事業団と、それから学園との関係の契約でございますので、私どもの方から直接ではなくて、ここにもございますように、福祉保健局の方に調査をお願いして調べていると。その結果については、まだ現在協議中であるというようなことになっております。

○藤田委員 その後のことについてもお尋ねをいたします。
 二番目のところにありますように、回答というふうにありまして、相談事項は、福祉局からの回答に添付されている民間学校法人から事業団にあてた念書が、五年間の契約期間終了後、建物が事業団に確実に返還される担保となるかどうかというふうにありますけれども、口頭意見として、念書は、逆に重大な問題がなければ契約更新を認める。借り主に多少ではあるが更新権が留保されているともとれる表現である。ここについてよく調べる必要があるというふうにしておりますけれども、これについてはどんなふうになっていますでしょうか。

○宮川証人 これは、二月三日に照会文書を出しまして、それに対する福祉保健局の回答として二月九日に回答文書が来たわけですが、その中に、要は十九年三月で終了して返ってくるのかどうかという質問といいますか照会に対しまして、ここにありますような、その契約期間の更新を無条件で保証するものではないと書かれた念書を公文に添付されてまいりましたので、じゃ、これをもって本当に返ってくるものなのかどうかということで、重大な問題がなければ契約更新を認める、あるいは借り主に多少ではあるが更新権を付与されているともとれるものというふうな意見もいただきましたものですから、これについては、再度福祉保健局の方に照会をいたしまして、要は、この一連の流れの中で、三月十五日の現在は、今、そこら辺については協議中であると、このようなご回答をいただいているということでございます。

○藤田委員 協議中ということでありますね。(宮川証人「はい」と呼ぶ)しかし、その後の、濱渦副知事からでしょうか知事からでしょうか、実際には協議をしている、先ほども証人はおっしゃいました。しかし、十九年三月末に建物を返すか否かを文書で出せということがいわれておりますけれども、これについてはどのように考えたらよろしいのでしょうか。

○宮川証人 基本的には、要はそういう、先ほど申し上げましたように念書が添付されてきました。それについては、それをもって基本的に返ってくるかどうかということについては判断ができませんものですので、三月二日付の文書につきましては、財務局長の指示を受けて、再度福祉保健局の方に文書照会をしたというものでございます。

○藤田委員 それでは、この十九年の期限切れのときに、実際には返してほしい、あるいは返すことができるのかという確認をとれということについては、財務局では認知をしていないということですか。

○宮川証人 基本的には、ですから財務局としては、返ってくるかどうかについて、福祉保健局の方に、これは事業団と学園との関係でございますので、その辺についてひとつ確認をとるようにお願いをしているところでございます。

○藤田委員 それでは、これを返してもらわなければいけないというふうに財務局としては考えているということでしょうか。

○宮川証人 これはあくまでも財産管理上の観点で、五カ年の定期借家契約ということで成り立っておりますので、要するに契約上は平成十九年三月に当然に返ってくるものという中で、今、その辺のご確認、確認をさせていただいているということでございます。

○藤田委員 実際には、さっきから幾つか質疑がありましたけれども、東京都の公有財産規則--じゃなかった、失礼しました。財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例という中の、いわれていました四条違反というところであろうかと思いますけれども、これが違反をしているというふうに考えているから、これを返せということでありましょうか。
 それとも、ここのところは、先ほど来ありましたように、定期借家契約でありながら、実はそこに念書が入って、その後も学校を続けるというようなことでこの許可がされているというふうにもかかわらず、この両方が中に契約として入っているということでありますけれども、財務局としては、あくまでも四条違反で、これについては返してもらうというような基本的な考え方を持っているのでしょうか。

○宮川証人 一つは、四条違反というのは、これは東京都が土地を事業団に無償で貸し付けている、その土地の無償貸付契約の第四条ということでございます。もう一つの方は、今度は事業団の建物を今度は学園の方にお貸ししていると。そちらとの関係でございますので、要は、四条違反というのは、あくまでも事業団が自主的に行う事業としてあの建物を使うということなので、無償で土地を貸していると。ですから、そういうことでないならば、やっぱり土地を無償で貸し付けるということは認められないんじゃないのかと。やるならば、きちっと公有財産管理運用委員会に付議をして手続をとるべきであるという問題が一つございます。
 それからもう一つは、建物についての問題でございまして、もしその建物が借家権があるということになりますと、結局更新できるわけですから、十九年の三月の時点では、建物自体が、実際にまあ今学校を運営されているわけですし、大勢の生徒も通っているわけですので、そういった中で、東京都の、東京都じゃない、事業団の方に返ってこなくなる可能性がある。そうなりますと、今度は結局、その土地そのものが、じゃ、どういうことになるのかという問題もございますので、基本的には、双方について、何といいますか、知恵を絞り、具体的な検討が必要であるというふうに考えているところでございます。

○藤田委員 そうしたらば、もう一回聞きます。
 四条違反であるというふうに財務局は考えて、これを、実質定期借家契約を終わらせたい、十九年で終わるということを考えているというふうに考えていいんですか。

○宮川証人 終わらせたいというふうに考えているということではなくてですね、要は、財産管理上、契約であるとか、それから法の適用などにおいて、それがどういうふうに具体的になっていくのか、この辺をはっきりさせた中で、それでは現状においてどういうふうな対応を、対応策を考えていけばいいのかと、こういうような段取りになっていくのかなというふうに考えております。

○藤田委員 それでは、なぜ学園に対して、その十九年で明け渡しをしてくれというふうに申し出をしているんでしょうか。

○宮川証人 これは、定期借家契約で、十九年の三月ということでございますから、財産管理上でいけば、十九年の三月には当然に返ってくるというのが法の考え方なんですね。ですので、私どもの方は、そういうことになっているのかどうかを福祉保健局を通じて確認をしてくださいと、このように申し上げているわけでございます。

○藤田委員 財産運用の観点、そして財産運用部長の立場からすれば、私は間違っていないのだというふうに思います。
 しかし、東京都全体として考えたときに、実はこの四条違反のところにも、最終三号の中に、前各号のほかに特に必要があると認めるときにはこれに当たらないというふうな、無償貸し付けはできるというふうになっているわけですけれども、そういうふうに考えたときに、さっきから証人は、他局にご依頼を申し上げて協議をしながら実施をしているというふうにおっしゃいましたけれども、これは財産運用部だけが問題を解決をするのではなくて、協議をしながらやるのに対して、いきなりそうやって学園に対して、これで終わりですというようなことというのは大変不合理ではないかと思いますけれども、それについてはいかがでしょう。

○宮川証人 基本的には全体で考えていかなきゃいけないということは、先生のおっしゃるとおりだと思います。私どものあくまでも財産管理の立場で、きちっとその条例、規則、通達に沿って手続が進められているかどうか、これを確認をし、そして、必要とあらば是正をしていくというのが私どもの仕事、職務でございますので、その職務を行っているというものでございます。

○藤田委員 それでは、ちょっと視点を変えまして、九月には、先ほど来お話がありましたように、研修所の土地と、それから練馬のこの学院の土地というものについてどういうふうに考えていくかというところがいろいろと協議をされたというふうに聞いておりますけれども、それでは、その中で、なぜ違反の可能性があるその他についても発見ができなかったんですか。

○宮川証人 私どもの方は、この財産管理の仕組みといたしましては、公有財産の規則に第四条、第五条というのがございまして、行政財産、普通財産、事業関連財産、これについてはそれぞれの所管の局長が責任を持って管理をしていくということでございますので、私たちの方は、そういう、その、何といいましょうか、査察のようなですね、形で出かけていって、現場でこれが問題だというような、そういう立場ではなくて、現実にはそういった、その、何といいましょうか、所管局において責任ある立場、責任ある対応がなされているという前提で見てきておりますので、今、先生のちょっとご質問については、このようなお答えになろうと思うんですけれども、よろしいでございましょうか。

○藤田委員 実際には予算の査定の中で、この場合には補助金を出しているわけです。そのときに、では、その補助金を出すときにどういう状況であるかということは確実に提起をされながら、学院がどういう状況になっていて、そしてそれが違法性があるのか、あるいは実現性があるのかということを必ず見ながら予算を査定をするというふうに私は聞いております。
 そうすることであれば、財務局の中で、もちろん部署は違うかもしれませんけれども、公有財産を管理をし、そして公有財産、これの問題があるぞというところがわかっていながら、ここについて何の違法性も感じなかったんですか。

○宮川証人 公有財産といいますか、都有財産で見ますと、特に今回、利活用においては全庁的な視点でということになりますけれども、土地だけでも、現在の台帳で確認できる範囲で申し上げますと一万六千五百件、三万三千八百ヘクタールに及ぶものでございまして、今、私どもの方の体制では、基本的には所管局の方とのやりとりの中で状況をつかんでいくというような感じの進め方をしております。

○藤田委員 そうしたらば、昨年、小日向の土地と、それからこの練馬の土地とを問題にしていたときに、この件について、深くかかわりを、ということはないですね、この問題がどういう状況にあって、これを交換をしよう、あるいはここを一緒にしていこうというようなことは、全部事実はわかっていなかったんですか。

○宮川証人 基本的には、その施設の稼働率といいますか利用状況などを調べていく中で、どういうふうな、何といいましょうか、効率的な使い方ができるのかと、そういうような検討をしてきているわけでございます。基本的に、今、先生のおっしゃっているような視点を持ち合わせて検討をしているというわけではございません。

○藤田委員 交換しようというからには、そのくらい普通だったら考えるんじゃないかなというふうに思いますけれども、片っ方で違法性があるというようなことをいいながら、この部分について議論をしないうちに交換をしていこうという、その土地の公有財産の利活用だけを考えるというのは非常に問題があると思いますし、そこは調査が余りにもなされなさ過ぎるというふうに私は思っています。
 それから、先ほどお話がありました、この知事、弁護士に相談をしたということについて、それぞれ今、文書で持っていらっしゃいますでしょうか。この相談内容の1から4までについて、実際に調査をしていますというふうにおっしゃられましたけれども、それについての文書はお持ちでしょうか。

○宮川証人 お出ししましたペーパーのところに、資料としまして、私どもの方で照会をしている文書等については添付をさせていただいていると思いますけれども。

○藤田委員 実際には、余りこのジャーナリズムの方のことでいうのは何だと思いますけれども、週刊ポストの中で、A4判で九ページにわたる法的な分析、検証と、事業団と福祉局が交わした書類などの資料が添付されたものが三月中にまとめられたというふうにしておりますけれども、実際には、今のこの相談したものについて、きちっとしたペーパーをお持ちですか。

○宮川証人 私どもの方は、考え方といたしましてはですね、現在いろいろ調査を進めているわけでございますけれども、現に福祉保健局からの三月十五日付の文書でも、事業団と学校法人との間で権利関係の確認を含めて協議中であるというような状況でございまして、こういった状況で、公式のそういう見解といいますか、私どもの方としてまとめるような状況にはないというふうに、私どもの方としては理解をしております。

○藤田委員 最後にいたしますけれども、二月の十八日以降、資料として62のところに書いてありますけれども、土地、建物を今後どのようにしたらよいのか各局で検討すること、そして、学院の土地と建物の利用形態をもとに戻すためにはどうしたらいいのか、契約の相手方に事前に申し入れをするそのときの理由、それぞれの局で検討して報告するようにというふうに、濱渦副知事の言葉として出ておりますけれども、初めから何か疑義があるようなことだけでこのPTが持たれたような感じを私は受けますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○宮川証人 PTについて、要するに部長級のPTのことでございますね。私どもの方は、基本的にそういったその包括外部監査報告書が出て、それについて一応検討せよというお話をいただいておりますので、疑義があるかないかというか、今先生のおっしゃっていることについては、私どもの方としては、そういうふうな意識して考えて進めた記憶はございませんし、私どもの方の考え方は、とにかく、PTの議事録にもありますように、基本的には事実関係を押さえて、余り大きな影響がないように、外部に出ていく前に体制がうまく少しでも整えられたらなというような気持ちで臨んでおりました。

○藤田委員 以上です。ありがとうございました。

○山崎委員長 ありがとうございました。
 藤田委員の尋問は終了いたしました。
 ほかに発言がなければ、証人、財務局財産運用部長宮川雄司君に対する尋問は終了いたします。
 宮川証人、長時間ありがとうございました。
 ご退席していただいて結構でございます。
   〔宮川証人退席〕

○山崎委員長 次の証人を入室させてください。
   〔山内証人着席〕
 次に、証人、生活文化局長山内隆夫君から証言を求めます。
 証人に申し上げます。
 証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
 なお、こちらから質問しているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
 それでは、私からお尋ねいたします。
 あなたは山内隆夫君ですか。

○山内証人 山内隆夫でございます。

○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。

○山内証人 生活文化局長、昭和二十三年の二月十四日生まれでございます。

○山崎委員長 委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
 宮崎委員。

○宮崎委員 山内生活文化局長の証人に尋問をいたします。
 今回、我が党が明らかにしたい点は、さきに知事が発言をいたしました特例中の特例で学校ができたということの意味、そして、事業団から学校施設を借りた専門学校の認可手続が適正に行われたかを明らかにすることであります。
 この学校の設置は、何か不正があったかのような報道があり、かなりの風評被害が広がっていると聞いております。日夜真剣に福祉人材の育成に取り組む学校関係者の心痛ははかり知れないものがあります。このため、以上の被害が広がらないよう、この問題を一刻も早く解明する必要があります。
 前回の委員会では、何人かの委員から特例で学校が設置されたことの意味を尋ねたり、認可の経緯を聞いたが、各証人はいずれも認可を所管しないため、その点は明らかになりませんでした。そこで、今回、私学を所管する生活文化局長を喚問し、学校設置に当たって、一連の報道でいわれるような疑惑が本当なのかどうなのか、また、正しい手続により設置されるかどうかをはっきりさせたいと思っております。
 まず、認可の仕組みについてお聞きをいたします。
 東京都社会福祉事業団が事業を委託している臨床福祉専門学校は私学の専門学校であり、このような専門学校の設置を認可する場合の認可庁はどこですか。

○山内証人 学校教育法第八十二条の八の規定によりまして、私立専修学校の場合は都道府県知事に認可権がございます。東京都においては、一部を除き、特例条例によりまして、区市が処理することとなっております。

○宮崎委員 都においては認可権限を区市におろしていることがわかりましたが、臨床福祉専門学校を経営する学校法人自体は新宿区にあると聞いております。この学校を設置する場合の認可権者はどなたですか。

○山内証人 特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例によりまして、学校所在地の練馬区が許可権者でございます。

○宮崎委員 次に、臨床専門学校は、現に存在する社会福祉事業団の建物を校舎として借りて学校をつくったわけですが、認可申請はどのような流れで進められているのか、また、校舎を新たに建設するような場合との違いは何かをお聞かせください。

○山内証人 認可基準を充足している建物を校舎として使用する場合の学校設置認可の申請時期は、通常、開校の六カ月前までとしておりまして、申請から認可まで約二カ月間となっております。私立学校審議会に学校認可をまず諮問の上、現地調査を経て、翌月の私立学校審議会で認可適当との答申を受け、当該区市が認可することとなります。
 また、庁舎を新たに--校舎を新たに建設する場合は、開校の前々年度の三月三十一日までに当該区市に学校設置認可を申請し、私立学校審議会に学校設置計画を諮問の上、計画承認の答申を得て校舎建設に着手いたします。工事竣工後に学校認可を諮問の上、現地調査を経て、私立学校審議会で認可適当との答申を受け、当該区市が認可することとなります。

○宮崎委員 今話がありました東京都私立学校審議会があるが、生活文化局はこの審議会に対してどういう立場なのか。認可権者である練馬区が諮問する際の仲介という形で理解をしていいのか。

○山内証人 私立専修学校設置の認可に当たっては、私立学校法第八条に基づきまして、東京都私立学校審議会の意見を聞かなければなりません。この手続は生活文化局が所管しておりまして、認可権を持つ区市についても、都の生活文化局を通じて諮問することとなっております。

○宮崎委員 平成十七年二月二十五日、知事の定例記者会見で、学校が前後合わせて三カ月でできるわけがないというような発言がありました。実際はどうなのか。学校をつくる場合の認可にかかわる審査期間は、校舎を新たに建てる場合と、今回の既存の建物を校舎として使用する場合で、それぞれ、先ほど二カ月ということがあったけど、現実に二カ月で許可、認可がおりるものなのか。

○山内証人 まず、校舎を新たに建設する場合でございますが、計画承認手続に約二カ月、工事完了後の審査手続に約二カ月を要することとなります。校舎建設にかかる期間を含めますと、最短で約、この場合は一年となります。
 既存の建物を校舎として使用する場合は、審査手続のみとなりますので、最短で約二カ月でございます。

○宮崎委員 今の説明で、学校設置の認可に要する時間は最短で二カ月と聞いたが、そういう例がありますか。

○山内証人 二カ月で認可した例が、平成十六年度では二件ございます。

○宮崎委員 ところで、特例中の特例とは一体何なのか。この言葉がこれまでさんざん問題視され、さまざまな憶測がささやかれてきました。この点だけがとりわけ強調して報道されたために、あたかも臨床福祉専門学校が何か違法な形で特別に認可されたような印象が受け取られております。学校関係者が、学校の設置に当たり、何か特別な力、便宜を図ったのではないかという疑惑の目で見られていることを考えると、これまで、この特例の意味について明確な論議がなされなかったことはいかにも不思議であります。学校の認可が正しく行われたのかどうかを見きわめる点でも重要なかぎを握ると思っております。
 そこで、改めて聞きますが、この学校を認可するに当たって、特例とはどのようなことなのか、お聞かせください。

○山内証人 本件でいういわゆる特例とは、二点ございます。
 第一点目は、東京都私立専修学校設置認可取扱内規では、校地、校舎は原則として自己所有となっておりますが、ただし書きで借用の場合も認めております。今回は、この校地、校舎が借用であるということが一つの特例でございます。
 また、二点目は、校舎を借用する場合は、東京都私立専修学校設置認可取扱内規によりまして、長期にわたり安定して使用できる条件を具備していなければならないとなっております。今回は校舎の賃貸借契約は五年間であり、東京都社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会において再度審査の上、再契約を可能とすることとなっておるということが特例でございます。

○宮崎委員 そもそも臨床福祉専門学校は校舎を借りていることが問題視されているが、これまで認可された学校の中に、既存の建物を校舎として借用しているようなケースはほかにありますか。

○山内証人 区立の中学校の校舎を借用した学校が--学校を認可した事例が一件ございます。

○宮崎委員 臨床福祉専門学校の認可に当たり、東京都社会福祉事業団は、平成十四年三月二十日、生活文化局長あての文書で、事業が継続的、安定的に実施できるよう十分配慮することを約束している。しかし、その一方で、過日の百条委員会で民主党の名取委員が指摘したように、事業団が同日付で学校法人から、契約期間の更新を無条件に保証するものではないという念書をとった。この念書は、許可、認可をするに当たって必要なものかどうなのか。

○山内証人 ただいま申されましたような念書は、認可をするに当たって必要なものではないというふうに考えております。

○宮崎委員 今、念書は認可に当たって必要ないと証言されましたが、この念書の内容を見ると、契約期間の更新を無条件に保証するものではないとなっており、五年以上の契約の更新ができないようにも読み取れます。となると、生活文化局は、学校設置の認可に求めている、長期的、安定的、継続性という条件に反することとなるのではないんですか。この念書の存在は、認可する上で問題とはならないですか。

○山内証人 学校法人敬心学園から東京都社会福祉事業団に出された念書は、学校法人と事業団との間で結んだ公正証書や定期建物賃貸借契約の内容と基本的に同じものであります。契約期間の更新を無条件に保証するものではないと書かれていると聞いておりますので、生活文化局に出された文書と矛盾するものではなく、認可に影響はないと考えております。

○宮崎委員 それでは、次に、臨床福祉専門学校の設置に関して、東京都私立学校審議会の見解はどうですか。

○山内証人 施設について、都では、内規によりまして、校地、校舎の自己所有を原則といたします。ただ、その例外として、国、地方公共団体等の財産で所有することが困難な場合に借用を認めております。本件では、校地を都が所有し、校舎は都が一〇〇%出資する社会福祉法人のものであることから、地方公共団体の財産に含まれると解釈いたしまして、設置可能と判断したものでございます。
 また、校地の借用期間につきまして、通常の審査の場合、長期間の契約期間を求めるわけでございますが、本件では、都と社会福祉事業団との間の借地契約が三十年間で、福祉人材養成目的に限定されており、社会福祉事業団は契約期間中に他の事業に転用できないこと、さらに、社会福祉事業団から学校の継続性、安定性につき十分配慮する旨の文書の提出が約束されたことをもって、長期間の学校運営に支障がないと判断したところでございます。

○宮崎委員 そのとき、私立学校審議会は、諮問内容を説明する立場にある生活文化局が私立学校審議会委員の判断を誘導したというようなことがないのか。特例中の特例という言葉で生活文化局の自由な裁量があったように思われますが、その点はいかがですか。

○山内証人 東京都私立学校審議会においては、学校設置認可の審査に当たりまして、校地、校舎の所有形態等について、法令及び国の基準よりも一層厳しい都の内規に基づき公平、公正に判断されるものでございまして、事務局となる生活文化局に自由な裁量はございません。

○宮崎委員 これまでの説明を聞いて、特例の意味というものが今初めてよくわかりました。これまで、このような明快な説明がなされなかったことで、人によってはさまざまな意見にとらえられ、事実がゆがめられてきたと思います。
 特例中の特例を厳密に見れば、特例のさらに特例だったということになるから、これは極めて異例ということになり、誤解を招きやすい表現であります。正確には、原則に対する単なる例外としての意味で特例というべきであると私は思っております。
 今回の生活文化局の提出資料を見ると、その中に、私立学校審議会委員の意見として、特例中の特例との記載があります。私立学校審議会第一部会の会議録でありますが、この言葉を明記した資料は今のところこれしか見当たりませんが、生活文化局はこの資料を知事に説明したり、報告したり、資料提供したことがございますか。

○山内証人 当局といたしましては、私立学校審議会第一部会の会議録を知事に説明したり、渡したりしたことはございません。

○宮崎委員 ここのところは大変重要な点でございまして、なぜならば、審議会の会議録が知事の発言を誘発したものではないかと思われるからであります。
 しかし、三月の十四日の予算特別委員会で、民主党の中村議員が、平成十四年一月三十一日付で練馬区長に提出した臨床専門学校の学校設置認可申請書という件名が記載された文書を、民主党独自の調査によると称して入手したことを明らかにしております。その際、中村議員は、その文書を使って、都有地を民間学校法人に貸しているのかと質問をされております。民主党が、臨床福祉専門学校設置認可申請書類という公文書を予算特別委員会で資料要求もしないまま、この大事な文書を一体どこから入手をしたのか疑問であります。
 そこで、聞くが、練馬区から受理した臨床福祉専門学校の学校設置認可申請書や私学審議会の会議録などを、生活文化局は外部に渡したことがあるかないか。

○山内証人 学校設置認可申請書や、特例中の特例という表現の記載された平成十三年度東京都私立学校審議会第一部会の会議録でございますが、これについては、財務局財産運用部と総務局行政監察室の求めにより提出しております。

○宮崎委員 それぞれ、いつ、どこに、日時もあわせてお答えください。

○山内証人 日時でございますが、財務局につきましては一月十三日、本年の一月十三日に私学部から財産運用部副参事に、総務局行政監察室については、ことしの二月二十八日に私学部長から行政監察室主席監察員に渡したと報告を受けております。

○宮崎委員 一月十三日に財産運用部に、二月二十八日に行政監察室にお渡しをしたと。先ほど私が指摘しました臨床福祉専門学校認可申請書を、認可権者の練馬区に情報開示請求を行った者がいるかどうかの記録の提出を求めたが、練馬区からは不存在ということで当該資料は見当たらなかった。生活文化局も、庁内の二カ所に提出したが、民主党には渡していないということが明らかになりました。さらに、さきの敬心学園の小林理事長の尋問でも、臨床福祉専門学校の学校設置認可申請書は関係者以外どこにも出していないという証言が明らかにされました。ということになると、民主党が入手した文書は一体どこから入手したのか、ますます疑問が増してくるところであります。これはきちっと引き続き入手したかどうかを究明しなければならない。
 ところで、外部監査、包括外部監査についての知事のブリーフィングが行われたのが一月の二十日、関係局長を集めて事前説明を行ったのが一月の二十八日、そして二月二十五日に知事の記者会見が行われたという流れから考えると、財務局に渡ったのは、知事へのブリーフィングより早い時期であったということが明確になってまいりました。財務局は三月二十九日の当委員会で、一月二十八日に、財務局長は、三月二十九日の当委員会で、一月二十八日に初めて社会福祉総合学院の問題を聞いたと証言をいたしております。
 そこで、改めてお聞きをしますが、一月十三日に財務局から資料を見せてくれといった際、財務局からどういう説明があったんですか。

○山内証人 財務局財産運用部から、都有地の効率的利用につきまして外部監査を実施しておるが、社会福祉事業団の所有地を調べていたところ、臨床福祉専門学校の借用が出てきたので、臨床福祉専門学校の認可の状況について知るため、当時の資料を確認したいとの要請が所管部にありました。このため、平成十七年一月十三日に関係書類を渡したと報告を受けております。
 また、その際に、財務局財産運用部副参事は、局として都有地の有効利用について聞かれた場合の対応として、校舎の賃貸について五年で終了ではないことを明確にできる書類があればよいのだがとか、無償で都有地を学校法人に貸しており、建物の賃貸料にその点を含めるべきではないかという意見もある、報告内容は、都有地の効率的な運用を図ることという表現になるのではないかということもいっていたと報告を受けております。

○宮崎委員 こういう重要な文書は、都庁内といえども、普通、局の外に出せるものですか。

○山内証人 貸し出した資料には、私立学校審議会の議事録などに個人情報が含まれております。こういうものは無条件で出せるものではございませんが、東京都個人情報保護条例第十条第二項第六号によりまして、同一実施機関内で事務に必要な限度で使用し、かつ、使用することに相当な理由があるときは、資料の目的外利用・提供は認められており、貸し出しは可能でございます。

○宮崎委員 これまでの証人の発言から、特例中の特例で学校をつくったことの真意や、認可事務を所管する生活文化局や私立学校審議会が恣意的な判断をしたのではなく、校地、校舎の所有形態について、自己所有の例外として、あくまで法令、都の内規の範囲内で私立学校審議会が公正に判断したという事実が明らかになりました。
 定期建物賃貸借契約についても、契約期間が五年ではあるが、自動更新されるものではないことが明らかになりました。
 また、三月十四日の予算特別委員会の中での知事の発言、念書、特例中の特例等のもととなった文書は、その発言の根拠となるものが事前にかなり前から財務局に渡っていることが判明をいたしました。このことは、知事にどういう経過でだれが説明されたのかを明らかにする上で重要な参考となりました。我が党は、この資料を、行方につき納得いくまで追及をしていきたいと思っております。
 また、委員長にお願いをいたしておきますが、予算委員会で資料要求もなく、また、情報開示請求も練馬区からは不存在という通達がありました。この重要な公文書を入手をしたという形については、ぜひ中村議員から真意を追及をしていきたいと思いますので、理事会等での中でぜひ中村議員を参考人としてお呼びをいただきたいと、証人としてお呼びをいただきたい。
 私の尋問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員長 続いて、木内副委員長より尋問を行います。

○木内委員 当該の学校の認可をとるに至った経緯と必要性について、さらに一歩突っ込んで、この機会に検証させていただきたいと思うのであります。
 そもそも平成十三年十月、社会福祉総合学院の事業運営委託を受ける借り受け者を公募したところ、この学校法人のほか、複数の団体が手を挙げたということは、既に報告をされているとおりであります。
 この公募に当たっては、委託事業のほかに、福祉人材育成のための自主事業の企画も含めて提案すること、これを要求しておりまして、いってみれば、受け手にとっては収支の見通しも立たない中、決して甘い話ではなかったはずであります。
 一口に福祉人材育成の学校をつくるといっても、新たに教職員を確保したり、理学療法士など国家試験受験資格を得られる養成施設となるためには、それなりの設備を整備しなければならない、備えていなければならない。したがって、受け手にとっても、かなり自腹で、かなりの先行投資をしなければいけませんし、いいかえれば、経営のリスクを負わなければならないことになるわけであります。
 ところが、報道では、あたかも事業団が、みずから運営する約束で無償貸し付けを受けた土地を専門学校に転貸して、特定の学校法人の利益のため、公共の施設を不正に提供したように書かれているわけでありますけれども、福祉の学校を引き受けることがいかに大変かという、そういう実態については知らされていない恨みがあるのであります。
 こうした点が解明されなければ、都の福祉施策のためにリスクを背負ってまでご協力していただいた学校関係者の方々に、本当に申しわけないという思いが募るのであります。
 こうしたことから、前回議論されなかった学校認可の点についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、社会福祉総合学院の借り受け者がこの法人に決定したのは平成十三年十二月二十八日で、翌年四月一日の開校まで非常に短い期間であったわけでありますけれども、事業団からの受託事業だけでも学校の認可をとる必要があったのかどうか、まずお尋ねします。

○山内証人 事業団からの受託事業を受けるに当たりまして、現在既に学校法人として認可されているものが、みずからの学校以外の場所で受託事業などの教育附帯事業を継続して行う場合には、法令等による受託事業を実施する場所で、新たな学校設置が必要となってまいります。
 したがって、場所を借りるだけでなく、学校設置の認可をとる必要があったわけでございます。

○木内委員 この学校法人が、都の福祉人材養成事業を受託し、実施することについて、諮問された東京都私立学校審議会の中ではどういう議論があったんですか。

○山内証人 平成十四年三月十九日に開催いたしました、平成十三年度第十一回東京都私立学校審議会におきまして、部会調査の担当委員が、二月二十七日に行われた臨床福祉専門学校の設置認可に関する現地調査結果を報告いたしました。
 その際、学校法人敬心学園が都の福祉人材養成事業を受託したことから、これを実施するためには、法令上、学校設置が必要となった事情があるので、特例として認可を認めてよいのではないかという意見が添えられ、事務局から申請経過を重ねて説明し、諮ったところ、異議なく了承されたものでございます。

○木内委員 特例として認可を認めてよいという意見が添えられて、異議なく了承されたという経過、よくわかるわけであります。
 さて、学校をつくるとき、ほとんどの場合、校地や、あるいは校舎は自分で手当てするのが普通でありまして、先ほどの議論でも一部ありましたけれども、臨床福祉専門学校のように、東京都の土地で認可を受けているようなケースは珍しいと思うんです。
 都の土地を借用しての専門学校認可というものがあり得るのか、また法的に問題はないのか、この点についてお尋ねします。

○山内証人 専修学校を設置する際、校地、校舎につきましては、都では、東京都私立専修学校設置認可取扱内規を設けまして、原則として自己所有することを求めております。
 しかし、その例外として、国、地方公共団体、住宅供給公社等の財産で所有することが困難な場合でも、長期にわたり安定して使用できる条件を具備し、教育上支障がないということが確実と認められる場合には、自己所有であることを要しないとしております。
 したがって、都の土地を借用しての専門学校認可はあり得るし、法的には問題ございません。

○木内委員 必ずしも自己所有ということを求めない、法的に問題なしという明快な実は証言であります。
 認可申請における実際の手続についてでありますけれども、形の上では、都の土地を利用していることになれば、教育のため校舎を借りるとはいっても、土地の賃貸借契約書が要ることにはなりませんか。

○山内証人 臨床福祉専門学校の認可に当たりましては、申請者、この場合は学校法人敬心学園でございますが、申請者により、借地が都の所有地であると明示されることをもって認可条件を満たしております。
 また、事業団との定期建物賃貸借契約の第三十条で、敷地を所有すること--使用することができると定められております。したがいまして、本件の認可申請に当たり学校法人が都と土地の賃貸借契約を結び、それを提出することは不要でございます。

○木内委員 書類における所有東京都という指摘もこれまでありましたけれども、今の答弁で極めて明快になったわけであります。
 それから、土地の賃貸借契約書が要らないということは、本件は土地の転貸には当たらない、こういうことがいえますか。

○山内証人 土地の賃貸借が転貸に当たるかどうかということは、東京都福祉局と東京都社会福祉事業団との問題でございまして、私どもの認可事務には直接かかわりはないというふうに考えております。生活文化局は、土地の転貸に当たるかどうかを判断する立場にはないというふうに考えております。

○木内委員 ということは、転貸の話は、都の土地に関することなので、財務局のマターだということだと思うんですね。
 前回の委員会では、学校施設の使い方も実は問題とされたわけであります。臨床福祉専門学校は、専門学校教育のために校舎を借りたわけですが、土地の転貸ではないかと疑問視する方々から見れば、グラウンド、体育館アリーナ、駐車場などは教育に直接必要でないので、余分な土地を借りているという論法も成り立つ。こういう点についてはどうでしょうか。

○山内証人 グラウンドは隣接の児童養護施設である石神井学園の所有でございます。専門学校は使用しておりません。
 体育館アリーナでございますが、体育館は理学療法学科を履修するために必要でございまして、東京都社会福祉事業団と学校法人敬心学園との定期建物賃貸借契約書の第三十条、ああ、三条で、建物の一括貸し付けの中に含まれております。
 また、第三十条で、駐車場がある敷地を使用できるという契約になっております。

○木内委員 ところで、証人、この現地へ行かれたことはありますか。

○山内証人 この問題が起きまして、ちょっと日にちは正確に覚えていないんですが、二週間ほど前に現地に行って、詳細に現場を調べてまいりました。

○木内委員 今も証言があったんですけれども、隣接の児童養護施設の所有となっているグラウンドが、あるいは使われたり、そのほかの附帯設備等をこの学校が使っているかのような、無原則な使われ方をしているような指摘もあるわけでありますが、例えば隣接している児童養護施設のグラウンドに、私は残念ながら、ここのグラウンド、現場見ておりませんけれども、さくで仕切られて使えないようになっているような実態もあるようですが、この辺はいかがですか、ごらんになって。

○山内証人 今、ご指摘のように、私どもが持っていった図面では、グラウンドという表示があって、そのグラウンドが、あたかも敬心学園が使っている敷地の土地のように図面がなっておるんですが、現場へ行ってみたところ、そのグラウンドというふうに書かれている部分については、しっかりと石神井学園、児童養護施設の石神井学園側の方に、方のグラウンドとして、ネット、簡単に入れない鉄骨で組まれたネットが張ってありました。
 ですから、明確にやっぱり敬心学園が使っているグラウンドではないということは、物理的にも確認されたというふうに思っております。

○木内委員 まあ、風聞とかマスコミ報道というのはこういうことになるわけで、都民に実態とは違う印象を与えているということが、今の証言でよくわかりました。
 次に、異なる視点からお聞きするわけであります。
 これまで、各種の報道では、この学校があたかも建物を安く借りて特例的な扱いを受けてもうけているような、そういういい方をしている場合があります。こうしたことが、先ほどの学校法人敬心学園の理事長への尋問で、全く根拠もないということが明らかになったわけであります。
 生文局長にも、確認の意味で改めてお尋ねをするわけであります。前回の福祉保健局長からの説明では、必要経費を積算して、必要な賃料というものを見積もったというふうに聞いているわけでありますが、まず初めに、実際のところ、この学校の収支状況はどういう実態ですか。

○山内証人 この学校の収支状況でございますが、開校した平成十四年度から平成十六年度におきまして、大幅な赤字と聞いております。臨床福祉専門学校の生徒、定員が予定どおり充足するのは平成十八年度でありますから、それまで一定の赤字は想定されます。
 本来黒字になるべき委託事業部門についても、また赤字になっていると聞いております。

○木内委員 少子化の波にもまれながら厳しい選択をして、東京都の福祉施策推進を受け入れてくれたこの学校法人には、私は文字どおり敬意を表したい思いであります。
 学校の設置まで時間的な余裕がなく、生徒の募集もままならなかった状況の中で、さまざまご苦労も多かったと思うんですが、赤字の理由というのは何だと思われますか。

○山内証人 赤字の理由ということでございますが、初年度、厚生労働大臣指定の養成施設でなく、生徒が集まらなかったこと、及び医療科の学生、理学療法学科、言語聴覚療法学科でございますが、この学科を設けましたので、初期投資による支出が大きかったということが原因だと聞いております。

○木内委員 マスコミの報道では、この学校が建物を安く借りたように書かれていますけれども、学校は、開校直後、生徒が集まらなかったことから学費としての収入もない、あるいは人件費や初期投資でかなりの持ち出しになっている--今、ご説明があったわけでありますが、こういう状態で、平成十四年四月開校後九月までの半年間、授業が休講となっていた時期も建物賃貸料は払っていたんですか。

○山内証人 事業団に対しまして、平成十四年四月から契約どおり支払ったと聞いております。

○木内委員 まあ、今までの説明で、一つは学校の設置に何ら問題がなかったこと、これが明らかになった。
 それから、東京都の福祉施策推進のため、この学校が犠牲を払ってまで協力をしている姿というものが浮き彫りになってきました。
 これまでの報道で、この学校でまじめに学ぶ生徒、保護者、学校関係者が受けた心痛というものは、はかり知れないものがあると推察するわけであります。
 そこで、実際に学校経営に今どんな影響が出ていますか。

○山内証人 二月二十三日の産経新聞でありますが、産経新聞の報道があってすぐ、病院等の実習施設の指導者の方から疑義をただす問い合わせが寄せられ、非常勤講師からも問い合わせが続くなど、風評被害が広がったことや、学生が学校存続について不安を抱いたので、学生を在校生と新入学予定者の二つのグループに分けまして、責任者が今回の報道が事実と異なるという旨の説明を行ったこと。また、平成十七年度の新入学予定者の中から、先ほど小林理事長の証言もあったかと思うんですが、二十一名程度の辞退者が出たということを聞いております。

○木内委員 二月二十三日の新聞報道以来、風評被害によって、さまざまな実は面で被害が出ているという実態、これはゆゆしきことだと思うんですねえ。入学辞退者が出たということは、本当に重大な問題であります。高い志を持って門をたたかれた受験生にとっても、悔いを残すことになります。風評被害による社会的影響というものは、私は言葉ではあらわせないと思う。
 このような学校経営の深刻な影響に対して、学校は懸命な努力をされたと思うんですが、どのようにお聞きになっていますか。

○山内証人 学校といたしましては、まず入学辞退者を補充するため、また、定員に満たない学科のため、追加の入学選考を三月十九日と三月二十六日に実施いたしました。
 また、学費納入を見合わせようとする在校生、新入生及び保護者に対しまして、学費をきちっと納めるよう説明を行ったところでございます。
 さらに四月二日の入学式では、入学生と参加した父母に向かいまして、祝辞の中で小林理事長が今回の一連の報道に触れまして、敬心学園は全く適正、適法に運営していることを強調し、安心して勉学に励むよう、不安解消のための異例な説明があったことなどを聞いております。

○木内委員 まあ、入学生あるいは新入生、さらに在校生など、関係者の大変な実は動揺が広がる中で、学校関係者が懸命な努力で、今にわかに降ってわいたような強風の中で歯を食いしばって頑張っておられるという様子がよくわかるわけであります。
 ところで、確認したいんでありますけれども、一月二十八日に開かれた包括外部監査事前報告会には証人も出席をされて、生文局関連の包括外部監査結果の説明を受けられたと思うんです。
 そこでは、水道局長、福祉保健局長、生活文化局長、財務局長、総務局長、知事本局長、知事、副知事以下の特別職の出席が明らかになっているところでありますが、その冒頭で知事からその調査の指示があったということが、これまで明らかになっています。
 その際の知事の発言についてでありますけれども、本委員会で、濱渦副知事及び関係局長の証言に、実は食い違いがあるのであります。
 私の尋問に対して、濱渦副知事はこういっているんです。私は、知事から、監理団体の担当という冠、前書きがございましたので、監理団体について私は精査するように指示を受けたと認識しました、こう証言をしておられます。
 総務局長は、服部委員の尋問に対して、冒頭に知事から、しっかりやるように各局に叱咤激励はございましたと証言した。
 また、高島理事の尋問に対して、財務局長は、社会福祉事業団の関係、特にその中でも社会福祉総合学院の関係について、これ、ちゃんとしっかり調査しろというようなことも含めてお話が知事からございました、こう証言しているんです。
 ということは、「各局に」という文言であったり、「含めて」といった両局長の証言からすると、監理団体だけの調査ではなかったのではないか。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、証人もその席におられた。どうお聞きになりましたか。

○山内証人 私は、知事が冒頭、各局に対しまして、包括外部監査について社会福祉総合学院だけではなく、それぞれ各局においてもしっかり対応するよう指示したと受けとめたところでございます。

○木内委員 極めて明快であります。ということは、各局も含めて調査するといったのに、なぜ社会福祉総合学院だけ、あるいは学校法人との関係を重点的に調査することになったのか、その経緯を今後きちんと本委員会において究明をしていかなければならないと思うわけであります。
 また、二月二十五日の知事の会見で、知事は、都民共有の財産である都有地を使って特定の学校法人が学校を設置して運営することを認めた覚えはない、あるいは学校が前後合わせて三カ月でできるわけがない、さらに、残っている文書の中に、特例中の特例とか、どういう権限でいったのかわからない念書など、こういうものを、ただすものはたださなければならないと思う、こういうふうにいっておられますね。また同時に、けが人が出るかもしらんね、この問題は、とも発言しているんです。
 このうち、三カ月でできるものではない、特例中の特例、念書などについては、今回の小林理事長と、それから生文局長の証言、さらに先ほどの宮崎委員の尋問の中等、証言を重ねまして、何ら不正のないことが明らかにされたのであります。
 知事の言葉のうち、都民共有の財産である都有地を使って特定の学校法人が学校を設置して運営することを認めた覚えはない、またはけが人が出るかもしらんね、この問題はという二つの言葉についても、私は強い印象を持って聞いたわけであります。今後の尋問や資料要求できっちり解明しなければならないと思っているわけであります。
 これまでの証人の発言や、先ほど証言いただいた敬心学園小林理事長の発言などから、この学校法人が、受託事業と自主事業双方の同時運営という事業団からの難度の高い要求を快く受け入れ、経営上のリスクや多大な初期投資の犠牲を払ってまで、都の福祉施策の展開に協力してくれたということはよくわかったわけであります。このことは何よりもまた都民に知ってもらいたいことでもあります。
 これまで、この学校法人及び関係者は、一部報道によりさまざまな風評被害を受けています。直近の週刊誌でもかなりひどいことが書かれている。今までの証言で疑念はまさに晴らされたと思います。生徒や関係者にあっては、こうした風評被害にめげずに頑張っていただきたいと思います。
 しかし、なぜ、不正がないにもかかわらず、問題があるかのようにいわれるようになったのか、一体どこにその原因があるのか、これは大いに今なお疑問が残ったままであります。
 これは、この百条委員会にふさわしいお尋ねの仕方かどうかわかりませんが、こうした証人としてお出になった生文局長、率直な感懐を、もしお述べになるお気持ちがあればお答えいただきたいし、これまでの証言ですべてを語られたということであれば結構ですし、いろいろ今申し上げている間に整理して、時間の中でまとめていただければ、証言いただけますんでしょうか。

○山内証人 この百条委員会に証人として喚問されまして、私どもの私学を所管している生活文化局、それから私学、この渦中にあります敬心学園、本日、両方とも喚問されて、証人として証言させていただいたわけですが、巷間いわれているような疑惑といいますか、不正といいますか、認可の過程における問題、そういったものは本当にないし、また、我々、行政に携わっている者としても、そういう不正があってはならないという、そういう気持ちで職員一同頑張っておるわけでございまして、きょう、こういう証言の場をかりて、おかりいたしまして、はっきりそういうことが主張できたということで、まことにありがとうございました。

○木内委員 極めて確信に満ちた証言をいただいて、私の質問を終わります。

○山崎委員長 木内副委員長の尋問は終わりました。
 引き続いて、柿沢委員。

○柿沢委員 山内局長、お疲れさまです。
 私どもは、先ほど宮川財務局財産運用部長に対する証人尋問でもお話をしましたけれども、私どもは、この社会福祉総合学院の運営をめぐる問題の本質というのは、社会福祉事業団と敬心学園との間での五年の定期賃貸借契約が有効に成立しているかどうかということが問題の本質にかかわるところだというふうに考えております。その観点も含めながら伺わせていただきたいというふうに思っております。
 事業団は、五年の定期建物賃貸借契約では専修学校の認可はなかなか得られにくいと、また養成施設の指定も受けられないということで、国と生活文化局に対して、それぞれに臨床福祉専門学校の事業が継続的、安定的に実施できるよう十分配慮するという旨の文書を出しています。
 その一方で、しかしながら敬心学園からは、国や都に出した文書は、学校設立、養成施設認可の申請に用いるもので、契約期間の更新を無条件に保証するものではないと理解しているというような念書も出されているわけです。このような念書の存在は、生活文化局が認可に求める学校の長期安定、継続性に反するものになってしまうんではないでしょうか。この点について見解を伺います。

○山内証人 学校法人敬心学園から東京都社会福祉事業団に出された念書は、学校法人と事業団との間で結んだ公正証書や定期建物賃貸借契約書の内容と基本的に同じであります。契約期間の更新を無条件に保証するものではないと書かれていると聞いております。
 一方、事業団から国と生活文化局に出された文書は、学校法人の事業は継続的、安定的に実施できるよう十分配慮するというものでございまして、両文書は矛盾するものではなく、認可には影響ないと考えております。

○柿沢委員 今、両文書は矛盾しないと。で、認可については影響がないということですけれども、生活文化局として学校の長期安定と継続性というものを求めているところというふうに承知をしております。
 で、先ほど宮川財産運用部長に対する証人尋問でもお話をしましたけれども、五年間の定期建物賃貸借契約で、五年後に契約が終了するとした場合、借地借家法で定期建物賃貸をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ建物の賃借人に対し、借地借家法第三十八条第一項の規定による定期建物賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明をしなければならないというふうにされています。
 こう、今の生活文化局長のお話にもありましたとおり、また、契約等の書類にもありますとおり、この定期建物賃貸借契約の締結に当たっては、再契約の可能性をかなりの程度留保した文書が双方で取り交わされているということを見ると、今回の定期建物賃貸借契約は五年で終了するということに関しては、いえば不十分な契約であるというふうに私たちは見ております。
 その意味で、まあ生活文化局は、敬心学園からの国や都に出した文書は、契約期間の更新を無条件に保証するものではないと理解しているという念書については、基本的には意味がないというか、効力がないということを認識していて、学校の長期安定、継続性ということについては問題がないというふうに認識をしていたというふうに思われますけれども、いかがでしょうか。

○山内証人 今のお話でございますが、定期建物賃貸借契約書、これは事業団と敬心学園で結ばれている契約書でございまして、公正証書がついた上での定期建物賃貸借契約書でございまして、これの第四条に、契約期間は平成十四年四月一日から平成十九年三月三十一日までとし、期間の満了により終了するが、東京都社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査会において再度審査の上、再契約を可能とするとなっております。これについて、また私どもの方は、事業団の方から、継続的、安定的に配慮するという文書もいただいておりますので、これであわせて認可上は何ら問題ないというふうに思っております。

○柿沢委員 改めて確認しますけれども、この臨床福祉専門学校が、五年の賃貸借契約の満了後も継続して存続をすることができるというふうにみなしたということでよろしいですね。

○山内証人 できるということではございませんで、この契約書どおりでございます。運営事業者・借受者審査会において再度審査の上、再契約を可能とするということでございます。ですから、それにあわせて、事業団から生活文化局長あてに配慮するという文書もいただいていますので、それとあわせて認可をしたということでございます。

○柿沢委員 今のお話の、そのできるというのと、その契約書に書いてある可能とするというのは、私のいったできるというのとどう違うんですか。

○山内証人 物理的にできるかということは、五年後の契約が終了する時点での話でございますから、この時点でできるというふうに断定できるものではございません。そういうものを配慮するというふうにいっているということについて、我々はそれを認めた上で認可を出したということでございます。

○柿沢委員 まあ、先ほどの財産運用部長に対する証人尋問でも引かせていただきましたけれども、資料番号、記録番号22番というところに、先ほどの定期建物賃貸借契約書並びに公正証書があるわけですけれども、それと同時に、先ほども読み上げさせていただきましたけれども、合意確認書の作成についてという件名を記した起案文書というものがあって、その中には、公証人の見解として、この借地借家法による定期建物賃貸借契約で、この賃貸借契約を行う場合は、契約期間終了後は更新をしないことが前提であるということが書かれている。
 その一方で、その契約書に書かれている再契約を可能とするという文言は、私学審議会第一部会において、事業の継続的、安定的実施が臨床福祉専門学校の設立認可の条件とされたという経過からいって、この再契約を可能とするという契約書の上での条文というものを削除することも不可能であるということで、改めて新たな合意確認書というものを作成をして、そのことを確認をすると。契約の期間の満了により、当該建物の賃貸借は終了すると。また一方で、再契約は、先ほどいった借受委員会というものの審査を経て再契約は一方で可能であるということを、改めて合意確認書というその文書を起こして確認をしているということになっているわけですね。
 このことは、事業の継続的、安定的条件が、まあ実施が条件であったということから、更新を前提とする必要があって、再契約規定を削除する契約書の変更をせずに、公正証書の作成を行ったということになるのではないかというふうに思います。この経過については、生活文化局はリアルタイムで把握をされておられたのでしょうか、伺います。

○山内証人 今おっしゃられたのは、合意確認書というもの、文書でございますか。それについては、私も今実はここへ持ってきているんですが、この合意確認書については、定期建物賃貸借契約書と基本的には、中身的に見ると全く同じでございます。ですから、これは新たなものを、この合意確認書で何か付与して、新たなものを確認し直したとか、そういうものではないんではないかなと、この中身からいうとですね、思われます。つまり、定期建物賃貸借契約書とほとんど同じでございます、これは。

○柿沢委員 それに付随しているその起案文書がありますよね、合意確認書の作成についてというのが。そこに書かれている中で、私学審議会第一部会の経緯から再契約を可能とする規定を取り除くということは不可能であるということが書かれているわけです。
 そういう意味では、生活文化局は、この経緯にある意味では縛られるということになるわけで、五年で期間が満了をするというような、返す、返さなければいけないというような契約であったとすれば、学校設立の認可そのものができなかったということになるんではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

○山内証人 ですから、そういう意味で、事業団から生活文化局長あてに、継続的、安定的な経営について配慮するという文書をいただいているところでございます。

○柿沢委員 もう一度確認しますけれども、生活文化局は、初めからこの学校法人は五年間でその仕事というか、業務を終了することを前提とはしないで、ある意味、逆にいえば、五年以上存続をするということを前提にして認可をしたということになるんではないですか。

○山内証人 認可するというと、私どもが専修学校を認可する権者ではなくて、特別区の方ですけれども、私どもは私学審議会でその答申を受けるという立場でございまして、その立場からいたしますと、五年で廃止しますと、五年でやめますという学校の申請があれば、それは基本的にはそれを認可するということはなかなか難しいと思います。
 ですから、事業団から私ども生活文化局長あてに、その部分については継続的、安定的な運営が図れるよう配慮するという文書をいただいているわけです。そのことをもって、例えば必ずずっとこれからも五年も十年もいきますよという話にするのか、それはあくまでも、それをその契約している、土地、定期建物の土地、定期建物賃貸借契約を結んでいる当事者がどうするかという話にするのか、そこの考え方の違いだと思います。あくまでも定期建物賃貸借契約書の第四条は、再契約を可能とすると、審査の再契約を可能とするということになっておりますので、定期借地契約の場合には、契約の更新という言葉は基本的にはないんでございますが、契約の、再契約ですね、再契約の可能性、再契約を結ぶ可能--再契約を結ぶことは可能でございますから、それはその当事者の問題であるだろうというふうに思っております。

○柿沢委員 まあ、今、いみじくも五年で終了することが確定的であったというか、そうであるとするならば、学校の設立認可そのものもおろすことができなかったでしょうというお話がありましたけれども、だとすると、やっぱりこれは、やはり五年の定期賃貸借契約というのが有効な形で成立しているとはいいがたいんじゃないか。一般的なやはり旧借家権が敬心学園に生じているというふうに見るべきなんではないかなというふうに思います。
 そのことをここで確認をさせていただきたいというふうに思っていますし、また、一般的な旧借家権が生じているというふうになったとすれば、そのときに何が起こり得るかということは、先ほどの財産運用部長との証人尋問で明らかにいたしました。その借家権利金として、建物の現在価値の四割に当たる立ち退き料を支払った上で、敬心学園さんにこの建物を明け渡してもらわなければいけないということになるわけで、これは事業団や、あるいは東京都、石原知事、財務局長を初めとした関係職員に億単位の損害賠償請求が行われる。その責め、その責めに問われるというリスクを生ずるものであるということを確認をさせていただきました。
 さて、局長のさっきの証言では、開校六カ月前を既に過ぎているのに、学校設立の認可申請を受け付けたということになるわけですけれども、開校六カ月前を過ぎているのに、なぜ申請を受け付けたのでしょうか。

○山内証人 開校六カ月前の受け付けにつきましては、国の基準にも都の内規にもないわけでございますが、生徒募集期間を考慮いたしまして、事務要領で定めているものでございます。今回の申請では、生徒募集を考慮すると非常に短い期間であったわけですが、学園から生徒募集に全力を尽くすというふうに聞いておりましたのと、また、都の福祉施策の学校法人への委託という特殊事情を考慮の上、生活文化局としても、都の福祉施策の推進という公益性を勘案いたしまして、学校認可申請を受け付けたわけでございます。

○柿沢委員 特殊事情ということですけれども、過去にこうした事例があるのかどうか、伺います。

○山内証人 過去に二件ございます。

○柿沢委員 で、先ほどの特例中の特例というお話の中で、内規において校地、校舎が自己所有が原則であると。それを借用で行っているという意味で特例的であると。また、長期的、安定的に学校法人が運営をされなければいけない。けれども、今回は五年の定期賃貸借契約をベースにしたものになっている、この点もある種の特例的な状況だというお話がありましたけれども、こうした特例を抱えた上で、なおかつその事務要領に定める六カ月前を切った時点でこうした設立認可を受け付けて設立認可をおろした、がおりたというケースがあるのかどうか、伺います。

○山内証人 今現在、私が知り得ている限りでは、そういうケースはありません。

○柿沢委員 だとすると、その学校設立認可の申請の時期も含めて考えると、これは特例中の特例ではなくて、特例中の特例中の特例だということになるんでしょうかね。その敬心--はい、どうぞ。

○山内証人 特例中の特例中の特例という話になりますとですね、これは全く裁量、いってみれば自由裁量みたいな話になっちゃいますので、それは私どもとしては非常に、これは一言誤解のないように申し上げておかなければいけないんですが、特例といっても、先ほど申し上げましたようにですね、内規に基づくただし書きの部分、要するに規定があるわけです。明文の規定があるものを適用してやったわけでございまして、特例を生み出して特例を適用したということではございません。明文の規定があるただし書きの規定でございます。

○柿沢委員 敬心学園が新たな学校を設置する経過についてもですね、これはまあ、異例なスピードで認可がおりているということがいわれるわけですけれども、この点について生活文化局はどのように考えておられますか。

○山内証人 先ほど説明いたしました、証言いたしましたように、既存のですね、既設の校地、校舎を借用して学校を設置する場合には、最短で約二カ月というのが、今までも認可しております。

○柿沢委員 私たちが聞くところ、その敬心学園が新たな学校を設置するという計画というか、要するに、民間に対して学院の建物を一括貸し付けをしようという計画は、当初は平成十四年の四月からスタートするわけではなくて、もう一年遅く、平成十五年の四月からということになっていたというようなことを聞いております。逆にいうと、このようなタイトな申請スケジュールになったというのも、そのことによるものではないかというふうに思われるわけです。
 先ほどの小林理事長との証人尋問のやりとりの中でも、当初、平成十五年四月ということにさせていただけないかというのを、事業団の強い意思で平成十四年四月ということになったようですけれども、こうした事情について、生活文化局はどのように認識をされておられるのでしょうか。

○山内証人 平成十三年の十月二十五日に、東京都社会福祉総合学院の運営事業者・借受者の公募を開始したわけでございまして、この公募時点でですね、平成十四年の四月一日に開校ということが前提になっていたわけでございますので、そこに向けて、その開校に向けて全力を尽くしたということだと思っております。

○柿沢委員 その一年前倒しになったというような話を聞いたのですけれども、そうした経過については全く関知するところではないということですね。

○山内証人 そこら辺の事情は、私ども、私自身、関知しておりません。了知しておりません。

○柿沢委員 ところで、このスピードで認可がおりたということから邪推をさせていただくと、事前に、その当時の福祉局と生活文化局と打ち合わせがあって、プロポーザルで決定される前から、敬心学園が新たな学校を設置することが決まっていたのではないでしょうか。どうでしょう。

○山内証人 そのようなことは、約束事も依頼もございません。

○柿沢委員 生活文化局と学校法人の間ではどうなんでしょうか。事前に何か調整なり約束事があったのではないかというふうにも推測されますけれども。また、学校法人から何か依頼のようなものはなかったか、あわせて伺います。

○山内証人 私ども生活文化局、それから認可庁の練馬区も含めてですね、その名誉のためにも、そのようなこと、約束事も依頼もなかったということを申し上げたいと思います。

○柿沢委員 山内証人は、その当時は別に生活文化局長の職についていたわけではないわけで、ご自身でこのことを証言するということはできない事柄なんではないかというふうに思うんですけれども、ただいまの証言と先ほどの証言内容を含め、証人として証明をできるのでしょうか。

○山内証人 今あった、そのような依頼とかですね、何かあったのかということについて、私、去年の七月、今のポストについたわけでございますが、この問題が発生した以降ですね、そこら辺のところについて、私の指示で調査した結果でございます。

○柿沢委員 わかりました。
 さきの財務局長の証言では、都と事業団との間の土地及び立木無償貸付契約書第四条の用途指定で、事業団が設置する福祉人材養成機関の用地として使用しなければならないということになっていますけれども、財務局長は、社会福祉事業団みずからが設置する福祉人材養成機関に使用することという条件には、今の現状、そぐわないというふうにいっています。もっといえば、先ほどの財産運用部長は、契約書第四条の用途指定に違反をしている、契約違反であるということを明言されておられました。このことについて生活文化局はどう認識しているでしょうか。

○山内証人 今の尋問には、私は実は答える資格はないんでございますが。私、所管ではございませんので。しかし、私のこれ、個人的意見というのはだめなんでございましょうか。あの、もしいわせていただけると、今のお話は、何ですか、その……(発言する者あり)いや、ちょっと私、お聞きしたいのは、契約書、私も認可の関係で契約書を見させていただいているんですが、土地のですね、ちょっと教えていただきたいんですが、委員に教えていただきたいんですが……。

○山崎委員長 反対だよ。だめだよ。

○山内証人 だめですか。じゃ、失礼いたします。

○柿沢委員 まことにこう、申しわけない思いをするわけですけれども、もうちょっとだけ聞かせてください。
 専修学校認可申請に当たってですね、本来自前で用意すべき校地を、東京都から借地をする旨の記載をして練馬区長に提出をしている。実際には、敬心学園が事業団から建物を借り受けて、校地については東京都と特段の契約を結んでいるわけではないわけですので、このことは、まあ、ちょっと言葉は非常にきついいい方になってしまうんですけれども、ここに書いてあるんでそのままいいますけれども、虚偽事項になるというふうに考えますけれども、生活文化局の認識はどういうふうになっているでしょうか。

○山崎委員長 わからなきゃわからないで、あんまり長々と答弁しないで。

○山内証人 設置認可申請書に添付する書類として臨床福祉専門学校設置要項がございます。その中に校地の記載欄がございます。ここには借用する面積と所有者を記載することになっておりまして、その借用関係を記載する欄ではございません。このため、借用先が都か事業団かは書いていないので、虚偽事項を記載したものには当たりません。

○柿沢委員 確認しておきますけれども、その校地を東京都から借用するというと転貸という話になっちゃうんですけれども、これ、土地の貸借の契約は結んでいないわけですよね。

○山内証人 結んでおりません。

○柿沢委員 だとすると、これは見ようによってはですよ、見ようによっては、校地を持ってもいない、借りてもいない。それだと、校地がない学校を設立したということになってしまうんじゃないかと思うんですけれども、そういうことにはならないんでしょうか。

○山内証人 臨床福祉専門学校の認可に当たりましては、申請者の学校法人敬心学園により借地が都の所有地であると明示され、都と社会福祉事業団との間で交わされた土地及び立木無償貸付契約書でこのことが確認されたことをもって認可条件を満たしております。
 また、事業団との定期建物賃貸借契約書の第三十条で、敷地を使用することができると定められております。
 したがいまして、本件の認可申請に当たり、学校法人が都と土地の賃貸借契約を結び、それを提出することは不要であると考えております。

○柿沢委員 それでも、私は、学校法人の設立に当たって、その校地を借りてもいない、持ってもいないということで本当にいいんだろうかと思うんですよね。
 先ほどのご答弁というか、証言の中で、校地、校舎をともに借用して学校法人を設立をしたというケースが一件あるというお話をされておられたと思うんですけれども、この場合は、土地に関する貸借の契約というものは結んでいるんでしょうか。

○山内証人 結んでおりません。

○柿沢委員 わかりました。
 それで、生活文化局長は、事業団と敬心学園の現在の状態が、土地の用途指定や転貸禁止条項に照らして適切であると考えますでしょうか。答えられないと思いますが。

○山内証人 まあ、ご質問については、福祉保健局、財務局、社会福祉事業団及び学校法人敬心学園の四者間の問題であり、当局としては判断する立場にありませんが、学校法人敬心学園の設置した臨床福祉専門学校の認可については適正であったと考えております。

○柿沢委員 これで尋問は以上にしますけれども、先ほどの建物の定期賃貸借契約の成立しているかしていないかということについての観点で見ると、まさに長期的、安定的な継続性を担保しているというこの学校法人の設立認可の経過そのものが、この五年間の有期賃貸借契約が有効に成立しているということの前提を崩してしまうということになるのではないかというふうに、私たちは考えております。
 あくまでそういう可能性があるということをいえる段階だというふうにも思っていますけれども、しかし、その可能性があるということについては、非常に大きなリスクを、東京都なり関係の権限を持つ人々に与えるということが心配されるわけですので、そのことについては、この証人尋問においてある程度明らかになってきたのかなというふうに思っております。
 いずれにしても、この問題について、私たちは、事の本質というのは、まさにこの敬心学園が当然に半永久的にこの学院の建物を使い続けることができるような形にこの契約がなってしまっているのではないのか。それに伴って、東京都並びに事業団に対して、その財産的な損害が、しかも巨額の損害が生じる状況が起きているのではないかということを指摘をさせていただいているわけで、このことが私たちは明らかにしなければならない問題だというふうに思っております。そのことを申し上げさせていただいて、尋問を終わらせていただきます。
 以上です。

○山崎委員長 続いて、松村委員。
 これ、十二時前までに終わらないとですね、理事会を開いて、またあすということになりますので、ひとつ皆さん協力してください。同じ質問をしないように。

○松村委員 山内生活文化局長への証人尋問を行わせていただきます。
 まず、先ほどもありましたけれども、二〇〇五年一月十三日、財務局から生活文化局への臨床福祉専門学校の設置認可に関する問い合わせですけれども、これはもう一度確認したいんですけれども、これ、照会ということなんでしょうか。ただ単なるというか、問い合わせという性格なのでしょうか。

○山内証人 照会ということだけではなくてですね、都有地の効率的利用について外部監査を実施しているが、社会福祉事業団の所有地を調べていたところ、臨床福祉専門学校への借用が出てきたので、この学校の認可の状況を知りたいということで、私どものところに出向いて資料の提供を求めたというものでございます。

○松村委員 資料の提供を求めたと。それは関係資料の請求ということなんでしょうか。まあ、求めたという表現ですけれども、ちょっともう少しそこら辺も。

○山内証人 十三年度東京私立学校審議会の会議録、あるいは臨床福祉専門学校設置に関する資料、設置申請書などの資料について見たいので貸し出してほしいということでございます。

○松村委員 局長はその報告を当然受けましたよね、その後というか。先ほど、というような報告がされていたというような話だったんですけれども、局長はその報告を受けてといいますか、財務局は設置認可はおかしいというような判断に立ってのことだったんでしょうか。局長としてその報告をですね、後でか、また受けてからのその認識というか、お聞かせください。

○山内証人 この資料ですね、見せてくれと、あるいは提供してくれといった後のやりとり、私どもの私学部あるいは生活文化局とのやりとりは、その後ありません。

○松村委員 じゃ、この点については、最後に、その目的というか、今もありましたけれども、もう少しちょっと正確に、どういう説明がその関係資料の提供を求められたときにあったんでしょうか。

○山内証人 先ほどお話ししたことでございますが、その際お話があったのは、局として都有地の有効利用について聞かれた場合の対応として、校舎の賃貸について五年で終了ではないことを明確にできる書類があればよいのだがとか、無償で都有地で貸し出しており、建物の賃貸料にその点を含めるべきではないかという意見もある。報告内容は、都有地の効率的な運用を図ることという表現になるのではないかということでございます。

○松村委員 次に、私立専修学校設置認可については、法令の規定に加えて、都も東京都私立専修学校設置認可取扱内規をつくって厳格にやられています。都の内規によれば、専修学校の校地、校舎については自己所有を原則としているが、臨床福祉専門学校敬心学園は、校地、校舎とも自己所有はゼロであります。
 そこで、敬心学園は、この内規、校地、この第7ですね、このただし書きがあります。「ただし、次のいずれかに該当し、教育上支障がないことが確実と認められる場合には、自己所有であることを要しない。」、こういうただし書きになっております。このただし書きが適用されたと思いますけれども、例外規定のどれに該当するのでしょうか。

○山内証人 今、委員がおっしゃられたのは校地の方ですね、第7ということですから。

○松村委員 そうですね、第7です。

○山内証人 私、校地については、借用部分が国、地方公共団体とございますので、この(2)のところでございます。
 それから校舎については……

○松村委員 いや、まだ校地から一つずつ。

○山内証人 はい。

○松村委員 今、(2)の借用部分が国、地方公共団体云々の中のこの地方公共団体ということで、(2)だという答弁でした。
 敬心学園は都から借用しているのではなく、公益法人の社会福祉事業団ではないのですか。

○山内証人 土地の借地人は事業団でございます。ですから、事業団が土地を借りているということになっております。その土地は東京都のものということでございます。

○松村委員 次に、じゃ、校舎の場合はどの規定に該当すると考えるのでしょうか。

○山内証人 これも借用部分が国、地方公共団体の地方公共団体ということで、先ほど説明申し上げましたけれど、証言申し上げましたけれども、東京都が一〇〇%出資している社会福祉事業団ということで、地方公共団体と同じというふうにみなして、この規定を適用したということでございます。

○松村委員 今、校地と校舎について伺ったんですけれども、この社会福祉総合学院は、社会福祉事業団の建物で、都の建物ではありません。そうすると、校舎は公益法人の所有となりますけれども、1の校地の場合には公益法人ということも(3)でありますけれども、この校舎の場合には、例外規定の条文には公益法人は入っていないのではありませんか。

○山内証人 ですから、校舎については、ここの(2)の借用部分が国、地方公共団体、都市基盤整備公団とありますが、この地方公共団体と同じ団体、要するに東京都が一〇〇%出資している社会福祉事業団が所有しているということで、地方公共団体と同等というふうにみなしたということでございます。

○松村委員 その場合、今も質問しましたけれども、社会福祉事業団の建物ですよね。東京都の建物であれば何ら問題ない、何らというか、この該当には規定するんですけれども、校地の場合には公益法人という、そういう例外規定の団体のあれが記載されているんですよね。校舎の場合には、逆に公益法人というのはないんですよね。明らかに、だからこれは東京都というような--失礼いたしました、逆ですね。その点をちょっと、いきます。
 それで、社会福祉事業団、都が一〇〇%出資しているものであり、都と同じ解釈をしたというんですけれども、何か無理があるような気がしますし、それからもう一つお聞きしますけれども、学校ですから、長期安定が必要かつ最低限の条件だと聞いております。本件の臨床福祉専門学校は五年間の定期借家契約です。これでは長期にわたり安定して使用できる条件を満たしているとは到底考えられませんが、どういう判断をなされたのでしょうか。
〔「さっきやったじゃない、それ」「何度やってんだ、同じ質問を。委員長、ちゃんと指導しなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 何でおれが怒られなきゃならないんだ。(笑声)

○山内証人 学校法人敬心学園から東京都社会福祉事業団に出された念書があるわけでございますけれども、その念書と、学校法人と事業団との間で結んだ公正証書、定期建物賃貸借契約書の内容と基本的に同一であるということ。その中身は、契約期間の更新を無条件に保証するものではないと書かれていると聞いておるわけでございまして、また一方、事業団から国と生活文化局に出された文書、これは、学校法人の事業は継続的、安定的に実施できるよう十分配慮するというものでございまして、両文書をあわせて認可したものでございます。

○松村委員 私も、定期借家権というのはいろいろ調べてみましたけれども、あくまでもこれは更新という概念はないということが通例の解釈というか、常識になっているというふうに思うんです。この場合、明らかに五年の定期借家権の建物と。当然、学校設置認可、長期かつ安定ということが大前提であります。だから、校地や校舎についてもそれぞれ安定的な、例えば国とか都とか公益法人とかいうのがうたわれて、それを担保にしているというふうに思うんです。
 そうすると、やはり認可設置を行う私学審議会の事務局としても、こういう定期借家権のついた建物、それがやはり本当に長期安定なのかということについて、例えばどこか専門的なそういう機関とか方に判断を求められたのでしょうか。または、当然そういう場合には、東京都でいえば財務局とか、そういうそれなりの都庁の中でもしかるべきところに、この定期借家権五年ということで間違いないのかというような、私は、非常に厳格な認可基準を都としてもつくっておられるわけですけれども、当然、そういう必要があったんじゃないかというふうに思いますけれども、その点についてはどうなんでしょうか。生文局長あてに事業団から長期安定だというような、そういう文書をもらっているということのみの判断だったんでしょうか。

○山内証人 そういうことも含めまして、私立学校法第八条に基づきまして、東京都私立学校審議会が諮問を受けて決めるものでございます。

○松村委員 その審議会を担当する、当然事務局として、今私が述べたことは、やはりそういう資料提供や、そういうことも含めてじゃあおやりになって、そういうことで、これは審議会がもちろん判断して決定したことでありますけれども、そこが決定したものだからということでの生活文化局としてのそれがすべての判断ということになるのでしょうか。

○山内証人 私学審議会としてはですね、社会福祉事業団から生活文化局長あてに学校法人敬心学園による学校設立申請についてという表題の文書で、当事業団としては、敬心学園が開設を計画している福祉人材養成施設の性格にかんがみて、その事業は継続的、安定的に実施できるよう十分配慮することといたしますと、この文書を出していただいたことによって、継続的、安定的な経営ができるというふうに判断したわけでございます。

○松村委員 東京や全国で、例えばこういう五年間の定期借家権というような、これを前提とした専門学校の設置認可が東京や全国で行われた例はあるのでしょうか。

○山内証人 五年間はございません。

○松村委員 ないという、そういう前例がないことを認可しているということもいえると思いますし……。
 それではもう一つ、設置認可手続、これの第13、この東京都の内規ですね。ここでは、設置認可申請は、四月開校の場合に当たっては、当該学校の開校年度の前々年度の三月三十一日までに、十月開校の場合にあっては、当該学校の開校年度の前年度の九月三十日までに行わなければならないとされていますけれども、敬心学園の場合は、この手続に合致する申請だったのでしょうか。

○山内証人 今、委員がおっしゃられたのは、校地、校舎を新設するケースであると思います。敬心学園につきましては、既存の建物を校舎として使用する、校地、校舎ですね、校舎、校地を既存のものを利用するということでございますので、審査手続のみとなりますので、最短で二カ月でございます。

○松村委員 そうしますと、今は私が見たこの第13、これはあくまでも新設の場合だと。それじゃ、この内規のどこに今いった既存の場合の手続、この申請期日があるのでしょうか。

○山内証人 開校前六カ月に申請するということでございますけれども、原則は、このケースについては、先ほどまたこれも申し上げましたけれども、福祉施策にきちっと配慮するということで、協力するということで、六カ月を切った段階で受け付けたわけですが、それは原則六カ月というのは事務要領で定めております。そのまた下の内規の下の段階の事務要領というのがございまして、そこで一応原則は六カ月と、扱う場合ですね、開校する前の六カ月に申請してくださいという、そういう規定は事務要領でございます。

○松村委員 以上、何点か伺いましたが、本件の認可を認める決定の経緯は、資料ナンバー19、ここに私手元に持っていますけれども、「学校法人敬心学園の専門学校設置に係る東京都私立学校審議会の会議に関する資料」に出てきます。
 平成十四年三月十九日の平成十三年度第十一回東京都私立学校審議会(第五百九十九回)の会議録に、当時の私学行政課長が説明しております。そこでは、本件が非常に特殊なケースであること、そして特例中の特例ということが再三再四出てきます。これは、私学行政課長が認可を決定するその審議会五百九十九回の事務方というか、そういう説明です。
 ちょっとご紹介しますと、例えば、このような形態での学校設置というのは、通常考えにくい形態ではございますけれども、都の福祉施策の私立の学校法人への委託という特殊事情を考慮いたしまして、校地、校舎の所有や認可時期について、認可時期についてですね、特例的な取り扱いをすることと判断したところでありますと。
 さらに第二の特例としましては、契約期間につきまして、校舎の賃貸借は五年間で協議の上、更新を行うこととしているということ、この点が特例でございますと。事業団からは、学校の継続性、安定性について十分配慮する旨の念書を添えることとなっておりまして、教育条件の安定が図られることを確認したところでございますと。校地については、都と社会福祉事業団の賃貸借期間が三十年間で、福祉人材養成目的に用途が限定されているため、この間、他の事業に転用することができないこととなっておりますと。本案件の学校の設置は、通常のケースではございません。特殊なケースでありますが、都の施策の受託という事情等を考慮いたしまして、今の二点につきまして、今回特例として取り扱うことといたしまして、認可申請を受理し、審議会に諮問させていただいたものでございますと。
 これが、その決定する前の私学、小澤、当時の私学行政課長からの説明なんです。ここにも、私非常に気になるのは、校舎の賃貸借は五年間で協議の上、更新を行うこととしていますと。通常、さっきは、更新という概念は、私は定期借家の場合にはないというふうに思います。だから再契約という、これは合意事項もとっているというふうに思うんですけれども。ここでもやはり事務方からは、五年間で協議の上更新という、こういう文言をあえて使っております。
 そこで証人に伺いますが、本件の学校設置認可が通常の場合には考えられない特殊なケースであるとするなら、審議会にかけないということもあったのではないのですか。それをあえて諮問した理由を伺います。

○山内証人 ここでいっております特殊なケースというのは、通常の場合は自己所有原則ということに対する特殊、つまり、ただし書きの規定が適用できるケースということでございますので、受け付けないというわけにはまいらないというふうに考えております。

○松村委員 では最後に。
 受け付けないという理由はないということですけれども、私は、だから先ほどいいましたように、生活文化局から安定、継続性のそういうことでの貸し付けをするというんですか、行いたいというんですか、そういうのをもらっているというだけではなく、さらにしっかりとした安定、継続性が行われることも、当然、やはり例えばその時点で財務局に問い合わせして伺うとか、いろいろな方策もあったんじゃないかなと、今から考えれば思えますし、またそれでここも都の施策の受託という事情という、この一点なんですよね。都がやる事業をこの専門学校が受託してやるんだから、だから特殊ケースで、通常では考えられないけれども、あえて特例というケースで認可するということを、この議事録から、設置認可を行った都の私学審議会の議事録から、どうしても私、その点を読み取れるわけです。
 いずれにしても、かなり無理を重ねた臨床福祉専門学校敬心学園の認可だったことは確かなようです。
 証人尋問を終わります。

○山崎委員長 藤田委員。

○藤田委員 今回の問題で、先ほど来山内証人は、十九年三月にいろいろな問題、最終的に協議をすることになっていますということで、これについては五年の定期借家契約のこともあり、念書のこともありということで、いろいろあるけれども、最終的に十九年三月に協議をすることというふうにおっしゃいました。
 実は、これは出納長室から出ている資料でありますけれども、財務局がやることとして、学校法人が十九年三月末に建物を返すか否か、文書で確認することということがあります。これについて、山内証人のところには照会がありましたでしょうか。

○山内証人 照会があったとは、私の方には報告は来ておりません。

○藤田委員 このことは、すなわち十九年三月にはもう学校の設置は没であるというようなふうに普通ですととれるわけでありますけれども、こういうことは、私学の認可をしているところにとってみれば、どういうことを意味するわけでしょうか。

○山内証人 認可に当たって事業団から生活文化局長あてに継続的、安定的な経営について配慮するといった部分の趣旨に沿った形での対応をしていただきたいというのが、私どもの考え方であります。

○藤田委員 尋問は以上でありますけれども、大変意図的に思います。私がこれまできょうの尋問、他の方も聞いておりますと、非常にここだけ意図的に行われるなという感じが否めません。実際には継続的に学校は安定的に行われるということでなければ、やはりこれは本来の都民に対しても、特に学生に対して問題があるというふうに思いますので、そのことを述べまして終わります。ありがとうございました。

○山崎委員長 ありがとうございます。
 発言がなければ、証人、生活文化局長山内隆夫君に対する尋問は終了します。
 山内証人、長時間ありがとうございました。
 ご退席して結構でございます。
   〔山内証人退席〕

○山崎委員長 この際、証人再出頭の件を議題といたします。
 本日、証人尋問に入る前にも申し上げましたが、証人、東京都議会議員富田俊正君から、お手元配布の証人出頭請求についてのとおり証人尋問に応じない旨、及び証人としての出頭はいたしかねる旨の通知が議長にありました。
 そこで、委員長として、出頭拒否について、富田議員の拒否理由は、地方自治法第百条第一項の規定による調査事項である証人出頭請求書に記載された証言を求める事項のいずれにも該当するものはなく、証言することはないためとされておりますが、地方自治法百条第三項による正当な理由については、「議会運営の実際9」という書物からひもときますと、自治法第百条第三項は正当な理由の具体的内容を明示していないが、文献によると、病気、重要な公務、交通機関の事故、家族の慶弔など客観的な理由をいう。よって、富田議員の出頭拒否理由は正当な理由には当たらない。
 また、証言を求める事項に該当するかどうかは、当委員会が判断することであります。そこで、再出頭について、正当な理由による出頭拒否でないため、再出頭を請求することといたしたいと思います。
 また、調査事項について正確な情報を得るため、次の点について喚問は必要であると判断をいたします。
 一つには、先ほど来民主党の委員の尋問においては、調査事項の(2)に、学院の設立の経緯についてという調査項目があり、この点について尋問をかなりされておりました。
 また、(5)の、事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容という調査事項がありますが、この点についても民主党委員からのかなりの尋問がありました。
 また、三点目として、民主党の政策責任者として、東京都社会福祉総合学院の運営に問題点があるという認識に至った経緯及び理由、並びに問題点の内容についてお伺いをしたい。
 四点目として、予算特別委員会で中村議員は、自分で資料を取ってきたとの発言があり、これについては、練馬区に記録請求をしたところ、開示請求はなかったとなると、生活文化局あるいは財務局のいずれからか入手したと思考されるわけであります。理事者側から資料等を受けて予算特別委員会での質問に至ったとの疑問がありますので、この事実の解明をしたいと委員長は思います。よって、証人の再出頭を議題とするわけであります。
 本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○曽根委員 富田議員の再喚問について、日本共産党の意見を述べます。
 本委員会は、設置の際確認されましたように、社会福祉総合学院にかかわる都の自治事務について調査する目的で設置されたものであり、議員活動についての問題調査を行うためのものではありません。
 しかも、証人喚問は、本委員会の最も強力な権限に基づくものであり、証人には偽証や証言拒否に対する告発の可能性もあります。それだけに証人喚問の決定は重い責任を伴うことは当然です。
 したがって、議員の証言を求める場合は、少なくとも議員自身に調査対象自体について明らかなかかわりや疑惑が存在する具体的根拠が示されなければならないと考えます。
 そうでなければ、議員固有の政治活動の自由を侵す危険があります。富田議員については、いまだにこうした喚問に値する具体的な根拠が示されておりません。
 したがって、富田議員の再喚問には反対いたします。
 以上です。

○山崎委員長 これより証人、東京都議会議員富田俊正君の証人再出頭について採決いたします。
 本件は起立により採決します。
 証人、東京都議会議員富田俊正君の出頭拒否については、正当な理由がないものと認め、来る四月二十五日午後一時、証人として再度出頭を求めることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山崎委員長 起立多数と認めます。よって、本件はさよう決定いたしました。
 本日出頭を求めた証人に対する尋問は終了いたしました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十一時四十四分散会

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