社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会速記録第四号

平成十七年三月三十日(水曜日)
 第十五委員会室
 午前零時一分開議
 出席委員 十二名
委員長山崎 孝明君
副委員長木内 良明君
副委員長野村 有信君
理事東村 邦浩君
理事高島なおき君
理事大西 英男君
理事名取 憲彦君
松村 友昭君
宮崎  章君
服部ゆくお君
曽根はじめ君
藤田 愛子君

 欠席委員 一名

 委員外の出席者
証人
東京都福祉保健局長幸田 昭一君

本日の会議に付した事件
付託事項の調査(証人喚問)
 社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項

○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 お手元に配布してあります会議日程の三月二十九日とあるのは、三月三十日と読みかえることをご了承願います。
 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
   〔幸田証人着席〕
 東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
 本日、出頭を求めました証人は、福祉保健局長幸田昭一君であります。
 本日の証人に対する尋問方法につきましては、昨日の委員会でご了承願っております運営要領に従って行いますので、ご了承願います。
 この際、証人に申し上げます。
 証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由がなく証言を拒んだときは、罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご了承願います。
 それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
 全員起立してください。全員、委員会室にいる方は、皆さんご起立願います。
   〔全員起立〕

○山崎委員長 証人、福祉保健局長幸田昭一君、宣誓書を朗読してください。
   〔証人幸田昭一君朗読〕
     宣誓書
 良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また
 何事もつけ加えないことを誓います。
  平成十七年三月三十日
福祉保健局長 幸田 昭一 

○山崎委員長 それでは、証人は、宣誓書に署名捺印を願います。
   〔証人宣誓書に署名捺印〕

○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
 お手元配布のとおり、議長を経由して、証人から補助者の同席及びメモ持参についての許可願の申し出が提出されております。
 朗読は省略いたします。

平成十七年三月二十九日
証人 東京都福祉保健局長 幸田 昭一
 東京都議会議長 内田  茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
 平成十七年三月三十日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
 また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
     記
1 氏名   吉川 和夫
2 住所   野田市
3 生年月日 昭和二十五年七月十七日
4 職業   地方公務員

○山崎委員長 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○山崎委員長 証人、福祉保健局長幸田昭一君から証言を求めます。
 それでは、昨日に引き続き証人に対する尋問を行います。
 委員の発言を許します。
 大西理事。

○大西委員 夜遅くまでお疲れさまで、もう早朝になりますよね。それこそ、今回この百条委員会が設けられた経緯については、先ほど我が党からもお話をさせていただきましたけれども、私たちも驚きました。
 突然、産経新聞に「都有地に補助金十九億円で施設 専門学校へ不適切便宜」なんていうんで、センセーショナルな、産経新聞の一面トップを飾ったわけで、我が東京都のローカル記事が全国新聞の一面トップを飾るなんていうのはめったにないことでして、そして、それに基づいてさまざまな論議が行われてきました。それに基づいてというか、それに端を発して論議が行われてきました。
 その中で、幸田福祉保健局長は、厚生委員会そして予算特別委員会等々で、不正はない、適時適切に運営されてきたんだということについて、終始一貫、何の矛盾もなく主張し続けてこられたわけでございまして、これは、私どももそのような判断の中から、幸田局長の勇気ある、不屈の信念に基づいた姿勢に対して、心から敬意を表しているわけでございます。
 したがって、私どもは、今までの厚生委員会あるいは予特において我が党からも質問をさせていただきましたけれども、改めて百条委員会が設置されて、この設置目的においてどうしても記録に残しておかなければならない問題について、重複する点も多いと思いますけれども、質問をしてまいりたいと思います。
 先ほど、各委員からの質疑の中で、不存在の未提出資料の問題について意見が出されました。明らかにこれは局内にあると思われる資料が不存在として未提出になっていることにつきましては、先ほど委員長の方から、知事に対して改めて資料要求をさせていただくということで理事会で集約をさせていただいたわけでございますけれども、この際、改めてお伺いをいたしますけれども、不存在等未提出情報は、福祉保健局として、ないと思いますけれども、隠匿していると後日問題となるので、まず、そうした情報があるかどうかについて確認をしたいと思います。

○山崎委員長 そのまま座って答弁していただいて結構でございますから。

○幸田証人 お答えする前に、大変申しわけございません、ご高配を賜りましてありがとうございます。
 社会福祉総合学院に関します資料につきましては、再三再四、局内の関係部署に対しまして、徹底して資料を調査するよう指示してまいりました。本委員会の資料要求に関しましても、万全を期するよう対応してきたつもりでございます。
 しかしながら、いかんせん過去のことでもございますものですから、また、かつ関係部署も多岐にわたるということで、万が一にも漏れのないようにと、現在も引き続き調査していることをこの場で申し添えさせていただきたいと存じます。

○大西委員 さきの予算委員会で、大塚副知事の、不法ということは全くないとの答弁がなされたわけでございますけれども、それについてどのようにお考えになるかをお答えいただきたいと思います。

○幸田証人 社会福祉総合学院がお話の中心になっているわけでございますけれども、この学院、私どもが直接所管をしているわけでございます。当然のこととして、大塚副知事と同様に考えております。

○大西委員 そもそも論から始めたいと思うんですけれども、そもそもこの社会福祉総合学院設置にはどのような背景があったのかについて、お答えをいただきたいと思います。

○幸田証人 平成六年当時、行政改革推進大綱を踏まえまして、既存の保育士の養成所でございます都立の高等保育学院、また社会福祉主事を養成いたしておりました社会事業学校、この廃止に取り組んでおったところでございます。
 今日、この少子高齢社会を迎える中で、これらの事業を発展的に継承していく、こういう考えのもとに、福祉の分野に強く求められております実践的でかつ高い専門性を備えた人材、こういうものを養成していくことが必要になっているというふうに思っておりました。で、民間あるいはまた区市町村におきます人材養成を支援する新たな福祉人材養成機関を整備することが求められていたと、こう承知をしております。

○大西委員 社会福祉総合学院設置の意思決定、これは福祉保健局独自で進めてきたのかどうかということが一点。もう一点は、リカレント、再教育が必要となってきた背景についても、あわせてお答えをいただきたいと思います。

○幸田証人 福祉人材の養成に関するということは、大変重要なことでございます。かつまた、相当の経費が必要になってくるわけでございまして、当然のこととして、適宜知事の判断をいただく、あるいはまた都議会に対しましても報告の上、設置に関します意思決定というものを行ってきたと認識をしております。
 リカレントは、福祉のサービスというものは、普遍化、一般化というものが進む中で、利用者からはサービスの質というものが求められてきている時代でございます。そういう中で、このサービスの現場で働いている実務者、こういう方々のさらなる資質の向上というものが必要でございます。このため、こういう取り組みも重要だということから、リカレント教育というものが必要になってきたと認識をしております。

○大西委員 施設内容は他の教育施設と異なるところがあるのかどうか。教育内容の変更について、十一年一月以降、十三年四月開校時まで、時系列的に整理して説明していただきたいと思います。

○幸田証人 社会福祉総合学院の設置に向けてのあの経過を見てみますと、他の施設に比べまして充実した教育設備あるいはまた学習環境というようなものが必要になると。それからまた、社会人や実務者が学びやすいように、授業の時間帯でございますけれども、こういうものは夜間あるいはまた土曜の昼間とか、こういうことを、授業を行う時間帯を配慮する、検討するということが行われてきたというふうに承知をしております。また、加えまして、介護保険制度がご案内のように平成十二年度、導入されてきたわけでございますが、社会福祉の状況というものが大きく変化をしてきているわけでございます。こういうことから、教育内容の見直しというものも迫られたというふうに理解をしております。
 で、平成十一年の一月に、整備主体を社会福祉事業団にするということで、当初の介護福祉士養成等々は取りやめまして、リカレント教育を中心として実施をする、開校をする、また、あわせて定員についても縮小をしてきたと、こういう経過がございます。

○大西委員 夜間中心の施設利用と方針変更した十一年十月以降、昼間の活用について全く考えてこなかったのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 当時の資料によりますと、社会福祉総合学院には非効率な施設利用や運営体制という課題もございまして、昼間のこの空き教室の活用を図ることを含めまして、この社会福祉総合学院のあり方に関しましても、平成十三年の七月にワーキンググループを設置いたしまして、鋭意検討をしてきたという経過がございます。

○大西委員 これは、石原都知事が登場してから、行財政改革というのを政策の大きな柱として思い切った改革を今日までなし遂げてきたわけで、石原知事という強力な指導力を持った知事であればこそ実現できた改革もたくさんあったと思うわけですね。
 そういった中で、今回の見直しは、福祉改革の一環であるとのもちろんお話もありますけれども、率直に考えると、一方では全庁的な行革の流れと軌を一にしているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○幸田証人 財政状況、あるいはまた人的措置と申しましょうか、こういう観点から、そのより効率的な対応を図るという意味では、おっしゃるとおり、行政改革という観点からの取り組みというふうに認識をしております。

○大西委員 石原都知事が登場以来、思い切った福祉改革も、行財政改革の一環としてもあわせて行ってきたわけで、我が議会においてもあらゆる場で論議が繰り広げられたわけで、特に共産党とは石原都知事も白熱の論戦を繰り広げたわけですけれども、福祉保健局は、知事に対して福祉改革のブリーフィングを、いつ、どのような形で実施しているのか、また、そのときの知事の反応はどんなものだったのか、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 当時の資料によりますと、学院のこの運営形態の見直しというものに関しましては、平成十三年の十一月に福祉改革STEP2を知事に説明した際に、その中に項目の一つとして取り上げられていたと。また、翌年の、これは要求資料の中にもご提出してございますけれども、一月に、この四月、これは十四年四月からスタートということでございましたので、この四月からの委託実施に向けての知事に対して説明をしたという資料がございまして、知事の方に十分説明したというふうに私は承知しております。
 ただ、当時私は、福祉保健局、当時は福祉局でございますけれども、在籍をしておりませんでしたので、その知事の反応というものは、ちょっと詳細にはわかりかねます。

○大西委員 十三年四月に社会福祉事業団の直営で開校しているのが、この時点での局の問題意識というのはどのようなものであったのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 ご案内のように、大宗が都の補助金というものに頼っていた状況からして、自立経営という状況にはなかった、そういう課題が一方であったわけでございますけれども、また、非効率な施設利用とあるいはまた非効率なその運営体制と、こういうことにつきましても、問題点と申しましょうか、課題であったと認識をしております。

○大西委員 見直し前の平成十三年度、施設の利用状況はどういうような状態だったのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 十三年度の応募状況でございますけれども、通学課程とそれから通信課程がございましたけれども、通学課程に関しましては、応募者が百九十名、入学者が九十五名でございます。また通信課程は、定員二百名に対しまして応募者が六百十名ございまして、そのうち入学者は二百三十七名でございます。

○大西委員 見直しの検討はどのように進められてこられたのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 平成十三年の七月に、先ほど申し上げましたけれども、都立施設改革検討プロジェクトチームというのが、親がございまして、その下にワーキンググループを設置したわけでございます。この社会福祉総合学院に関しますワーキンググループの中で、民間事業者からいろいろ参考意見を聴取するなどいたしまして、改革案の取りまとめに取り組んだというのが状況でございます。

○大西委員 余剰となった昼間の空き教室について、都立施設改革プロジェクトではどのように活用しようとしたのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 当時の検討チームのメンバーに、私もちょっと当時のことを聞いたんでございますけれども、やはり明確に、非効率な施設利用というものは課題として認識をしておったということでございます。で、検討を進める中で、現行事業の継続を前提にして施設の一括貸し出し、こういうことで有効活用を検討しようということで改革の方向を取りまとめたと承知をしております。

○大西委員 先ほどの名取理事の松澤財務局長に対する尋問の中で、施設の有償貸し付けについて財務局に相談したかしないかという点について、あたかも財務局にはっきりとした形で相談していなかったのではないかというような示唆があったわけですね。それに対して松澤局長は、目下調査中であると。そして、経緯については現在のところ不明であるというような答弁が先ほどされているわけですね。
 そこでお尋ねをしたいと思いますけれども、財務局に相談したのか、また相談の結果はどうだったのか、時系列に説明していただきたいと思います。

○幸田証人 この件に関しましては、過日の予算特別委員会におきましてもご質問をちょうだいしたわけでございますけれども、過去の資料によりますと、具体的には、平成十三年の八月二十八日に財務局の財産運用部に見直しについての相談をいたしまして、その後、当時の局におります担当副参事でございますけれども、財務局へ出向きまして説明をいたした後の平成十三年の十月二十三日に、公有財産管理運用委員会への付議は不要であると、こういう回答をいただいたわけでございます。

○大西委員 これは、明らかに財務局長との答弁の不一致の点ですね。しかも、名取理事から指摘のあった事実関係とは全く異なることが明らかになってきているわけで、これについては、今後しっかりとこの百条委員会の場で検証して、真実はどこにあるのか、これを明らかにしていきたいと思います。
 次に、財務局との相談結果を受けて、どのような事務処理を行ったのかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 財務局との相談と並行いたしまして、平成十三年の九月十八日に、当時の福祉局でございますが、局として改革方針を決定をいたしまして、また、その決定の内容を社会福祉総合学院の方に、協議会に報告をいたしまして、事業団の方からは、都に対して、土地等の無償貸付契約の条項に基づきまして、運営方法の変更の協議がされたというふうに承知をしております。また、さらに事業団におきましては、改善方針につきまして理事会の決定も見ております。で、平成十三年の十月二十三日に財務局の回答をいただいて、当時の局が事業団に対して運営方法の変更の承認を行ったと承知をしております。

○大西委員 こうした点が明らかになるに従って、なぜこれが不正な貸し付けが行われていたとか、そういう形で表現されていくのか、私どもには全く理解ができないわけですね。
 さらには、今度は業者の選定に当たっては、公募手続と審査はどのように行ったのか、これについても時系列に説明してほしいと思います。

○幸田証人 この十月の二十三日以降、十月の二十五日でございますけれども、十月の二十五日に公募要項を発表いたしまして、応募を平成十三年の十月二十六日から一カ月間受け付けをいたしまして、この応募をされた方々を中心に、審査委員会を設けたわけでございます。この中には外部の公認会計士も含めまして、審査の上、事業者を選定したと。で、十二月の二十八日に発表をいたしたところでございます。

○大西委員 敬心学園との賃貸借契約はどのように行ったか。また、その際、特に配慮したことがあるのかどうかについて、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 事業団と学校法人さんの方とは、借地借家法に基づきまして、定期建物の賃貸借契約を結んだものでございます。これは、十四年の四月一日に締結をしております。また、法人さんの方から、法人さんが事業団からの委託事業と、それからみずから実施をいたします自主事業、これは福祉人材養成の事業でございますけれども、これを実施するために、建物を一括の貸し付けをしたという内容でございます。で、これは一括貸し付けではございますけれども、総合学院からの委託事業、これを、この事業にかかわる使用というものは優先されるんだと、こういう内容になってございます。

○大西委員 これについても先ほど松澤局長との間で多くの委員から論議があったわけですけれども、今の幸田福祉保健局長の答弁を聞いて、全く、東京都の福祉政策の一環として人材育成をしていく、そういう公の事業を民間委託してやらせているわけであって、それを第一優先にしているわけですね。ですから、この公性がないということが疑義がある的な松澤局長の答弁というのは、一体どこに視点を置いているのか、我々も理解ができないところがあります。これについても、今後、我が党としてもしっかりと究明をしていかなければならないと思います。
 平成十四年度の予算要求資料や要求説明では、この見直しの件をどのように説明しているのかについても、お聞かせいただきたいと思います。

○幸田証人 改革の案でございまして、この効果としては、経費の削減はもとより、施設の有効活用を図ったというふうに考えております。具体的には、運営費補助が全額削減ということになりましたし、また、職員につきましても、非常勤職員を除きまして皆減をしたところでございます。そういう意味では、民間の創意工夫を生かした、自主事業としての福祉人材育成事業が展開できるようになったということでは成果があったというふうに私は思っております。

○大西委員 見直しを行ったことの効果が、今局長がご指摘のように具体的にあらわれてきていることは、私どもも、今日までの各委員会等での審議を通じて十分認識しているつもりです。
 次に、財政再建推進プランの達成にも貢献していると思うんですね。財務局からのこれに対する評価はどのようなものだったのかについて、お聞かせをいただきたいと思います。

○幸田証人 先ほどご答弁いたしましたように、財政効果という点では、運営費補助が全額削減ができたわけでございます。これは、このままでいけば、もしこれがないとすれば、それ掛ける年数ということになりまして、非常に膨大なものになるだろうというふうに思います。そういう意味では、財政再建には貢献できたものと私は確信をしております。これまでの歴代の先輩局長を初めとして多くの職員が汗をかき、工夫をしてきた成果だというふうに私は思っております。そういう意味では、引き続き経営改善に向けまして、なお一層の努力をしていかなきゃいかぬというふうに思っております。
 ただ、成果だということでございますけれども、評価だということでございますが、これは、全庁これに取り組んでいるわけでございまして、財務局から評価をいただくようなものではないかなというふうには思います。

○大西委員 こうした意味で、福祉改革の先進的な事例として、この社会福祉学院の問題が指摘できると思うんですよ。それは、今お話しになったように、石原都知事の最重要課題であった行財政改革の一環としても、多くの行財政効果を上げてきているわけですね。それが、ある日突然、知事が記者会見で不正があるかのごとく表明されたり、あるいは、仄聞するところによると、濱渦副知事が多くの庁内の機会において、刑事告発を受けるような不正がここにはあるかのごとくいわれているということも、我々は多くの情報から知り得ているところなんですね。
 こういう形でこの福祉改革、行財政改革がねじ曲げられてきたというのは、私どもにとっては決して見過ごすことのできない問題だと思うんですね。そして、ましてや都民の間に、産経新聞の記事や週刊ポストに代表されるがごとく、あたかも不正があったかのごとく報道をされて、都民ですら不信感を持ちかねない。そういう意味では、これからの百条委員会の中で、正しい福祉改革、行財政改革の一環である今回の問題についてさらに明らかにして、それでは、なぜ正しいものが、不正のないものが、あたかも不正があるかのごとく、一部庁内で人為的にそういう流れがつくられてきたということが一体どういうことなのかについても、明らかにしていきたいと思います。
 最後になりますけれども、これは確認ですけれども、臨床福祉専門学校の設置認可に関連して、敬心学園が練馬区長あてに提出した認可申請書を見たことがおありになるのか。また、この写しをお持ちなのかについて、お聞かせをいただきたいと思います。

○幸田証人 今回の調査の過程で、私どもも資料の収集、整理をしてまいりました。その中で、この写しは見ております。また、これは局で保存をしてございます。

○大西委員 私、幸い幸田局長に対する尋問をさせていただきましたけれども、一点の曇りもなく、よく理解をさせていただきました。しかし、今までの濱渦副知事だとか松澤局長や何かの尋問に対する証言については、多くの疑義がこの百条委員会の審査の過程の中で明らかになってきていますから、これらについては、これからも徹底的に真相を究明していきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

○山崎委員長 大西英男理事の尋問は終わりました。
 続きまして、木内良明副委員長の尋問を始めます。

○木内委員 幸田証人、大変遅くまでご苦労さまであります。
 具体的な尋問に入る前に、きょう午後一時から行われました本委員会に臨んだ私の率直な印象をまず申し上げてまいりたいと思いますので、お聞きをいただければと思います。
 例えば施設の有償貸し付けの問題について、財務局の了承、了解をとった、とらないという議論がきょうのポイントの一つとして展開をされました。例えば、福祉局は既に、記録提出資料によりまして時系列で資料を整えるなど、具体的な資料を出していただいております。一方、先ほど来財務局長の尋問が行われていたわけでありますけれども、元来こうした問題は文書協議の対象のものであり、相談を受け了承した事実はないと、この答弁に終始しておりました。
 私は、具体個別のこの問題の中身について今申し上げているのではありません。いった、いわないの議論が両局真っ向から対立した形で、それぞれが主張を譲らない現実というものが、我々の前に今厳然として存在をしているのであります。このことは、極論すれば、相対立するどちらかがうそをついているということになるのであります。さらに極論するならば、どちらかが偽証罪に問われる可能性があるということなのであります。
 しかし、考えてみれば、双方いずれも東京都の職員であります。これまで心を一つにして新しい時代を切り開こうと懸命に額に汗して努力をしてこられた東京都の職員集団が、今、相互に疑心暗鬼ともいうべきその思いを心に抱き、猜疑心とともに反目し合い、時に敵がい心に心を燃やし、臨戦態勢をとっている、そんな印象さえ受けるのであります。私は、この事態を目の当たりにして、なぜ都政はこんな惨めな実態を招来してしまったのか。はっきりいって寂しい思いがしてなりません。
 きょうは、午後一時に出頭要請をお願いした幸田局長は、その時刻から先ほどの午前零時まで正味十一時間、別室で情報を遮断するということで、孤独な時間を過ごされたはずであります。そのほとんどのよって来る人生を都政に挺身され、懸命に真摯に誠実に頑張ってこられたその立場から、恐らく千々に乱れる思いや、あるいはさまざまなことが胸に去来をして、その胸のうちを思うとき、本当に私はつらい思いをするのであります。
 さて、こうした私の印象とともに、翻って申し上げれば、事態をここまで悪化させた元凶への怒りを覚えずにはいられません。今も大西理事がいっておられました。きょうの尋問を通じてさまざまなことが明らかになってまいりました。恐らく旬日を経ずして、我々が意図する真相の究明がその目的を達せられるものと私は確信をいたしております。この真相の解明を行うことによって、だからこそ今都民が最も求めている都政の信頼回復を現実のものとし、また職員の方々の士気の蘇生と回復のため、新たな都政改革に向けて、本委員会でのまた真相の究明に全力で取り組んでまいりたい、こういう決意であります。私は今、幸田証人の目を拝見しながら、局長も真剣であれば、私どもも真剣に的確に真相の究明をさせていただくという、また新たな覚悟も固めているところでございます。印象が大変長くなりましたけれども、申し上げさせていただきました。
 なお、この件に関連していえば、先ほどの名取理事の発言には強い違和感を私は覚えました。真剣勝負で私は少なくとも、あるいは他の複数の同僚委員も、この審議に取り組んでいるはずであります。例えば福祉局の時系列を含めた具体の記録に基づいた主張に対しまして、相談とはとてもいえない、そのうち相談に行くからということになるのかなという発言をされました。我が党の東村理事があえて読み上げたあの記録の内容は、極めて誠実、真摯なものであり、信憑性を十分にうかがわせて余りあるものでありました。これに対してこうしたコメントを発せられるということに、私は違和感を覚えたということを申し上げたい。
 また、専修学校の設置の早さにこの問題の本質があるという趣旨の発言をもされました。しかし、このことは既に、時間をかけて、この尋問の中で、その実態は明らかになっていたはずであります。これは私の印象として申し上げているのでありますけれども、これらのご発言は、いずれも客観的分析を行って、ある種の先入主と特定された一定の方針によって行われたものではないかとさえ推測したくなるようなものであるという印象を受けました。冷静で的確な真相究明の努力が必要と考えるものでございます。
 さて、本論に入らせていただきます。
 施設を有償貸し付けすることについて、財務局には相談をされましたか。また、相談の結果はどうでありましたか。時系列的に説明をいただきたいと思います。

○幸田証人 過日の予算特別委員会でも確認のご質問をちょうだいしたわけでございますけれども、今回ご提出申し上げました資料の中にも明記してございますが、当時の福祉局は財務局に対しまして相談してきたというのは、私は事実だというふうに確信をしてございます。と申しますのは、資料の中にもございますように、十三年の八月二十八日に、所管でございます財産運用部に見直し内容についての相談をしたと。それで、その後、当時の福祉局における担当副参事が、これは九月の二十八日ごろでございますけれども、財務局へ出向き説明をした後の十月の二十三日に付議は不要だと、こういう経過でございます。これは、資料で確認が私どもはできるというふうに思っております。
 当然ながら、この運営形態の見直しによりまして、予算面におきましても、それから学院にかかわります運営費補助、これにつきましても、全額削減できるということでございます。これによりまして大幅な見直しが進むんだと。財務局の、今度は予算の面でございますけれども、主計部の方にもこの説明を、九月の二十五日から十月の二十六日にかけまして説明をし、またその資料もございました。私は、そういう意味では、当時の福祉局が財務局に対して、この件に関しては真摯に対応したものと私は確信をしております。

○木内委員 先ほども東村理事が読み上げました、資料7の「東京都社会福祉事業団に対する「土地及び立木無償貸付契約」に関する事実確認について」と、当時の民生・児童委員係長の方が資料を物されているわけであります。今、証人が言われた内容も含めて、時系列的にも、あるいはまた具体的にも、それぞれ記載がされています。あえて朗読はいたしません。しかし、こうした個別具体の文言や事実経過に対する記述というものが、この方によって捏造されたものとはとても思えません。確認者として総務部契約管財課長の名前があり、立ち会いとして総務部契約管財課財産管理係長、あるいは担当係長の氏名が記載もされております。
 ところが、私のそういう観測と判断とは全く裏腹に、先ほど財務局長、証人の証言を聞いておりますと、いわば真っ向からこの事実経過を認めようとしない、否定しているわけであります。こんなことが果たしてあるんだろうか。このことは断じて究明をしなければならないと思っております。ありようがない話であります。事実は一つでありますから。真実は一つであります。
 さて、そこで証人、私は率直に証人のお気持ちをお聞きしたいのでありますけれども、申し上げたような、今、全く真っ向対立の立場をとっている両証人のお立場ですけれども、これを明らかにする、真実、事実を明らかにする方法はお考えつきになりませんか。

○幸田証人 今、副委員長がお話しになりました件でございますけれども、私は、両名ともといいましょうか、そこに記載をされている職員は私の信頼する部下であります。よく職員の仕事ぶりも、現在そのポジションがかわってございますけれども、しかし、平素からの仕事ぶりを見れば、うそをついたりするような人物ではない。非常に気配り、手配り、目配りの行き届いた私は職員だというふうに思っております。これは平素の仕事からも、それは私は感じ取っております。そういう意味では、そこに記載された資料の中にございます内容は、私は真実に間違いないと、これは断言を私はできる自信がございます。

○木内委員 率直な感懐の吐露に触れて、実は私も胸を熱くしております。
 なお、発言の途中ですけれども、証言者として申し上げたのは今のお立場でございまして、この方は、私は平成十二年度から十四年度まで福祉局総務部総務課の契約管財係長でしたと、こういうことでありますので、恐縮ですが訂正をさせていただきます。
 彼我の違いを感ずるのでありますけれども、一方、幸田証人は、部下を信頼し、部下の仕事を賛嘆し、評価し、その人柄をまた大きく、思慕といいますかね、評価しておられる。また、一方は、私は知らない、これは現場が判断したことであるかのような、こうした発言をされていることがどうなのかなと思った次第であります。
 さて、社会福祉事業団は東京都の監理団体でもございまして、濱渦副知事の厳しい指導を受けてきたはずであります。監理団体経営目標策定に当たって、この見直しをどのように説明しているのか。また、その結果は、東京都としての公表資料にはどのように記載されていますか。

○幸田証人 十四年の九月に公表されました平成十三年度の監理団体経営目標の達成状況並びに経営実績報告によりますと、事業の効果的、効率的な運営と、また空き教室などの施設の有効活用を図るために、運営形態について見直しを行い、十四年度当初からノウハウのある民間事業者への事業委託、それと教室等の一括貸し付け、これを実施するため、事業運営者、借受者を決定したことが、この経営実績欄に記載されております。
 また、十三年の九月二十五日でございますけれども、十四年度の目標設定に向けました、所管局、総務局でございますけれども、この説明におきまして、学院の運営方法の見直しについて説明をいたしました。十四年度の経営目標は、昼間における空き教室などを有償で貸し出すことによりまして自主財源を捻出し、自己収支比率の向上を図るとされております。

○木内委員 きょうの議論で、見直しについての事務手続やその後の社会福祉総合学院の運営には特段問題はないと、こういうふうに思っているわけでありますけれども、見直し実施後きょうまでの間で、社会福祉総合学院の運営に課題があるという、そういう指摘を受けたのは、今回の包括外部監査が初めてでしょうか。福祉局や事業団に対して、総務局、財務局サイドから社会福祉総合学院の運営について問われたことは全くなかったでしょうか。

○幸田証人 平成十五年度の財援監査、財政援助団体監査でございますけれども、ここで、学院に関しまして、会計処理の適正化と収益事業に関します事業所税、これに対する補助金の支出を是正しろということで、事務的処理に関します二件の指摘を受けてございます。また、財務局からは、当然のことながら、財政再建の観点から、学院の運営のあり方等々につきまして不断の見直しを求められているところでございます。

○木内委員 今、証人がいわれたように、これまでの指摘を受けた経過というのは、いわば会計処理の問題あるいは税務処理の問題、端的にいえばこういうことであります。また、包括外部監査報告でも、産経新聞等で指摘されるような、そうした事実は実はなくて、主に経営改善についての指摘があるわけでありまして、この風評というのがひとり歩きをしてきてしまった嫌いがある。
 この背景については今後の証人尋問等で明らかにされなければいけないと思っておりますけれども、さて、濱渦副知事から社会福祉総合学院の件で調査を命じられたのはいつでしょうか。また、そのとき、副知事から一定の方針による具体的な指示はあったんでしょうか。

○幸田証人 平成十七年の二月二日、副知事から、総務局長、財務局長、そして私と三局長が呼ばれまして、三局長同席の上で、社会福祉総合学院の設置をめぐりまして、福祉保健局長が責任を持ってこの三局の部長級で構成する検討チームを至急設置して、事実経過を精査するようにというふうに指示を受けたところでございます。具体的には、歴史的事実、運営形態と運営の変遷、それと経緯などその裏づけとなる資料を整理するようにという指示でございました。

○木内委員 濱渦副知事に対して、今の指示に基づく調査結果の報告を行ったのはいつか。また、その内容について説明してください。

○幸田証人 二月の、十七年のですが、二月の十八日に、先ほど申し上げましたこの三局の局長が同席をいたしまして、主に私から説明をし、報告をいたしました。これは、事実計画に沿いまして関連資料を収集、整理いたしまして、調査資料の冊子、今回の要求資料の中にも提出をさせていただいたところでございますけれども、その過程で調査チームとして作成した資料、一つは社会福祉総合学院の設置、運営の経緯、それからもう一点が受託事業者の選定手続等に基づき、その内容について報告をいたしたところでございます。

○木内委員 これは福祉保健局が調査をし、まとめた報告でありますから、その内容については十分想像ができますので、あえて証言は求めませんけれども、このときの報告に対して、濱渦副知事の反応はどんなものでありましたか。また、知事からは直接指示はありましたか。あったとしたら、いつ、どういう内容の指示でありましたか。まとめて証言を願いたいのですが。

○幸田証人 副知事からは、この学院の土地と建物の利用形態というものをもとに戻すためにはどうしたらよいかと。そのときの理由などについて、それぞれの局で検討して報告するようにという指示がございました。また、知事からは、平成十七年の三月十一日でございますけれども、ペーパーによりまして指示がございました。このペーパーにつきましては、要求資料の27番で提出しているものと同様のものでございます。

○木内委員 特に問題はないという、そういう福祉保健局からの報告は、濱渦副知事から知事に上がったとは、これまでの経過、尋問内容から考えにくいわけでありますけれども、濱渦副知事から、その後、具体的な指示などはありませんでしたか。

○幸田証人 先ほどお答えしたとおりでございます。

○木内委員 問題なしという報告に対して、そうした反応であった、その後はないということで受けとめたいと思います。
 さて、別の角度からでありますけれども、最後に、産経新聞がこの件に関して取材に入ったのはいつですか。また、取材内容はどのようなものであったのか、同様の点について週刊ポストからはどうであったか、お尋ねします。

○幸田証人 産経新聞記者から、社会福祉総合学院の設置にかかわる経緯と学院の概要についてという取材が二月一日にございました。それから、二月の二十二日の午後でございますけれども、産経新聞記者から、社会福祉事業団及び当該学校法人が順次取材を受けたという報告を受けてございます。
 取材では、事業団に対しましては、公有財産管理運用委員会に付議しなかったこと、それから又貸しではないかということ、それから都民の税金で丸ごと建物を学校法人が使用しているのはおかしいということなどについてのコメントが欲しいということが、この内容での報告を受けてございます。
 それからまた、学校法人にも取材があったということでございまして、当該土地が都有地だということを知っているか否か、それから、この建物に学校法人が入るに当たって、不明朗だったといわれているけれどもどうかという内容の取材があったと聞いてございます。
 それから、今、週刊ポストのお話がございましたが、週刊ポストの関連では、三月の十四日の特別委員会質疑の直後に学院に関する事実関係を知りたいというお話がございましたので、これは包括外部監査報告があるので、それをごらんいただきたいということで答えたという課からの報告は受けてございます。

○木内委員 前者の産経新聞の取材の内容、数ポイントにわたって今聞くことができました。それがそのまま記事に移行している部分と、あるいは違った形での切り口で記事になっている部分とがあるわけでありますけれども、付議の問題でありますとか、恐らく一定の予備知識を持っての取材アプローチであっただろう、こんなふうなことが推測をされるわけであります。
 さて、結論として、これは尋問ではありません、きょう一日の議論を私なりにまとめてみます。
 そもそものこの学院の設置方針決定も、全庁的に検討をしてきたことである。見直しについても、相談を各方面にしながら進めてきている。また、今回、予算特別委員会の質疑の前までは、監理団体改革も予算査定も、見直しを肯定的に評価をしているところであります。
 ところが、今になって、全く突然、何か大変な問題が隠されているかのような新聞記事や週刊誌の報道、そして、いかにも唐突な副知事答弁などで予算審議が混乱するなど、異常な事態になってきた、ここ数日間の経過があるのであります。特に予特での問題となった濱渦副知事発言については、私は、きょう相当な時間を割いて副知事が釈明することの、実は空疎な姿勢について指摘をしたところであります。
 こうした一連の経過は、都民の目から見たら、まことに不思議なことだろう、また残念なことだろうと思うわけであります。今までの質疑で、現時点で評価すればいろいろ意見もあるでしょうけれども、いえることは何点かありますが、例えば、その当時の政策判断には問題がないという結論が得られたということであります。逆にいうと、むしろ意図的に疑惑を捏造した者がいるのではないかという不信感が高まってくるのでもあります。
 こうした経過を踏まえて、問題を徹底的に究明し、ただすべきはきっちりとただし、都民の信頼回復に全力で取り組んでいくという私の決意を申し上げ、尋問を終わりたいと思います。

○山崎委員長 木内副委員長の尋問は終わりました。
 次に、名取理事の尋問を始めます。

○名取委員 大変ご苦労さまでございます。
 先ほど木内副委員長から私を名指しのお話がございましたけれども、そのことは、それぞれがどういう感想で、どういう思いでお考えになっているかは、それはそのことであろうというふうに思いますから、あえて反論をするつもりは全くございませんし、自分自身は、先ほど来お話がありますように、どこの局に、どこの人にということではなくて、都政の課題について何をただしていくのか、端的に問題点があるならば、都政人として、都議会の議員としてそのことについてただすこと、本来の責務を負うていきたい、こんな思いでこの百条に臨んでいることをご指摘させていただきたいと思います。
 それでは、時間もありませんので、福祉保健局長の証人尋問に入るわけでありますけれども、残念ながら、現在の運営等々については所管局ということでありますけれども、当時の経過、経緯については、その当時は担当しておらなかったということもありますので、そのことを踏まえながら、現在の状況を含めて、過去の問題については直接かかわっていないようではありましたけれども、お伺いをしていきたいというふうに思います。
 まず、資料要求で出てきた資料について確認をします。
 資料63の「包括外部監査人が社会福祉総合学院に係わる意見及び指摘の作成に当たって入手した資料及びその提供者と入手日がわかる資料」の8に、「「社会福祉総合学院」について」というものがあります。この資料について伺います。
 これでございますけれども、まず、この資料の右肩に、恐らくこれは作成日だというふうに思います。二〇〇四年八月二十日、私の誕生日でありますけれども、となっておりますが、入手日は、こちらの方で見ますと、平成十六年八月三日になっております。作成日以前に入手したことになっていますが、これはどのような経過なのか、お伺いをいたします。

○幸田証人 ただいまの資料については、私はちょっと承知しておらないものでございますが……。

○名取委員 資料要求で出た資料です。資料要求で。資料63番。

○山崎委員長 わからなきゃわからないでいいよ。

○幸田証人 済みません、経営計画策定過程におけるという、このタイトルのものでよろしいのでございましょうか。

○山崎委員長 ちょっと速記とめて。
   〔速記中止〕

○山崎委員長 それでは速記を始めてください。

○幸田証人 ちょっと資料の、今お尋ねの点のところは、私も確認ができませんので、お許しいただければ、後刻確認をしてお答えをさせていただきたいというふうに思いますが。

○名取委員 なぜこの質問をしたかといいますと、要するに監査人が局の方に、さまざまな監査をするに当たって、項目的にこの項目が出てきているわけでありますけれども、そこについて、先ほどいいましたように、監査人が資料を入手したのが八月三日であります。それで、「「社会福祉総合学院」について」というこの資料があるわけでありますけれども、これは見ておりませんか。恐らく福祉局から出ているんだろうと思いますけれども。(「資料提供者に聞いた方がいいんじゃないの」と呼ぶ者あり)いや、資料の中に入っているんですよ。
 そこで、時間的な--まあ結構です、ずれがあるわけでありますから、そのことについて私が疑問を持っているのは、見ていないんで何ともいえないんであれなんですけれども、この資料に対して、だれに何のためにつくったかという、ここら辺が監査資料用につくられたという疑問を持っていると、こういうことだけいっておきましょう。
 (「何いっているんだかわからないよ」と呼ぶ者あり)いや、そうじゃなくて。そうなんですよ、だから。資料用に先に情報を入手したということでありますから。
 そのことを含めてでありますけれども、それでは、ここにもありますけれども、平成十一年十月の段階で、リカレント教育に特化をし、養成施設は延期をするということに変更しました。この方針転換をしている理由、いろいろ出ておりますけれども、重複しますが、ひとつお答えをいただきたいと思います。また、背景についても。

○幸田証人 リカレント教育等々に関しましては、これまでの学院の検討過程の中で、時代環境の変化等々がございまして、当初の計画から、十三年の四月開校時には昼夜間授業を行う学校という形でスタートしたわけでございますけれども、その途中でのいろいろな状況変化、例えば途中でリカレント教育等々に関しますアンケート調査等々も実施してございます。
 こういう中で、いわゆる資格付与のコースよりもリカレント教育のニーズが非常に高い、こういうアンケート結果が出てきた。それからまた一方では、財政状況等々の厳しさもある。また、この事業自体が大変厳しい経営環境にあるということは当初からわかっておりましたので、そういうことを踏まえて、当初計画を時代に合うような形での変更をしてきた、こういう経過がございます。

○名取委員 確かに、リカレントに特化をしたことの背景というものはそのとおりなんだろうなというふうにも思いますし、政策変更してきたということも、そういう現状、社会変化ということもあったんだろうと思いますが、実は私どもは、現場を視察いたしました。
 その間に、現地の方々と、いろんな説明、また疑問点について若干の質疑をもさせていただきました。その中で、特にこのことがどういう方向性なのかと、若干私どもとしても疑問といいますか、そういう問題が内在をしたといいますか、そのことは、リカレントに特化をする一つの形の中で、その最初の計画からリカレントに特化をするという時期が非常に短かったという、これはあくまでも現場の方のお話ですから、ということも含めながら、急激な変化によって非常に現場としては混乱をしたというふうなお話もされていました。
 そして、この要望は、政策転換をする上で、非常に議会からの発議、また政策的な提言もあったというふうにいっておられました。ここら辺の真偽については把握をされておりますか、されていませんか。

○幸田証人 東京都がこれまでも進めてきた福祉改革というのは、もう既にご承知のとおりかというふうに存じます。
 これは、一つは、これまで行政主導の、行政が主導して画一的な福祉システムというものを、多様な供給主体、こういうものが競い合いながら質の高いサービスというものを提供するシステムに転換していこう、こういうことが、今東京都で進めております福祉改革の基本でございます。
 そういう中で、この福祉改革そのものも、やはり基本的には利用者本位の形に持っていかなければならない。それに対する例えば供給側の方も、いろいろな形のものが参画をし、より競い合いながら、よりよい質のものを提供していこう、こういう時代に今入っているわけで、また東京都もそれを進めているわけでございます。こういう中で、例えばこの学院の設置を計画している中で、例えば平成十二年に導入されました介護保険制度というものがございます。今日では支援費制度も導入されました。
 こういうことで、社会福祉をめぐる環境というものは、非常に急激に変わってきたちょうど時代にあったかなと。そういう中での、やはり一つの時代環境を踏まえた対応ということかと私は承知をしております。

○名取委員 そのことは十分にわかるわけでありますけれども、しかし、この方向転換をした、そういう中で、そのとき、例えば昼間の、要するに生徒数を含めてリカレントにしていきますと、まず、そこに生徒は存在をしないという形になっておりますね、実際としては。
 まず、昼間働いている方が多いわけでありますから、再研修ということになれば夜間になるのは事実だろうというふうに思いますし、そういう環境を踏まえたときに、建物の設計というものをそのときに見直していれば、外部監査で指摘を受けるようなアリーナやピアノ練習教室、OA室をつくることもなかったのではないのかな。少なくともピアノを購入する必要性もなかったのではないか、こんなことも考えられるわけでありますけれども、なぜ設計の見直しがされなかったのか。

○幸田証人 この見直しの過程と、もう一つは、平成十一年には、平成十一年の三月でございますけれども、三月に建設工事が契約され、そしてスタートしていったわけでございます。この建設工事の進行に伴う過程で見直し、学院の、今お話しの、十三年の四月には学院の開校があったわけでもございますが、この間に種々の見直しが行われた。これは、先ほど申し上げましたように、社会状況の変化ということで、介護保険の導入あるいはまた福祉人材育成におけますところの都の役割の変化、こういうものが一つこの過程の中にあったということでございます。
 校舎が竣工いたしましたのが十二年の八月でございます。こういう中での見直しということで、建設工事の着工からこの開校までの間、約二年でございますけれども、この間での見直し、それから環境の変化というようなものから、結果として出てきたものかなというふうに思っております。

○名取委員 わかるんです。ただ、当初からもうリカレントに特化をしようということに決定したわけですから、いかに建設が始まっているであろうとしても、その建物の使用状態、施設の問題、ここら辺のところを十分に勘案すれば、その時点でも建物の設計の変更はできるのではないのか、このように考えられますし、これはあくまでも自分の主観であり、自分の感じているところでありますけれども、その建物をそのまま建てなければならないのではなかったか、そんなような思いがしてなりません。
 次に、要するに文書というのはこの文書なんですけれども、建物の活用の面から結果的に敬心学園の自主事業が中心になっている運営形態を今後も継続していくことの妥当性、必要性の検証が課題だとし、事業の見直しを行う場合には、建物、土地等の転用活用方法を検討すると指摘している一方で、留意点として、事業団は、都私学審議会に対し、事業が継続的、安定的に実施できることを配慮するとしていることを挙げております。
 つまり、昨年の八月の時点で、既に敬心学園に永続的に土地建物を使用させることを考えていたと思われてなりませんが、そのような考えは、私自身の考えは間違いだったらば、端的にご指摘をいただきたいと思います。

○幸田証人 この学校法人と契約をしたことは、先ほどお話がございまして、ご答弁申し上げましたけれども、この契約はいわゆる定期賃貸借契約でございます。それで、この期間は五年でございます。これは、双方ともその内容をきちんと確認をするということで公正証書をつくっておりますので、五年たてばこの契約というものはそこで終わるというものでございます。
 そういう意味で、自動的にずるずる続くというような契約内容ではないというふうに思っております。

○名取委員 そのとおりだと思うんですね。しかし、学校をつくって経営をしていく。少なからず--私の感覚ですよ、私の考えからすれば、五年でその学校をやめて撤退をする、こういうことは普通考えられないのではないのかなと。
 そういうことを含めて、とりあえず、ここに出ております念書というものがあるわけでありますけれども、四年の契約終了をもって、更新をせずに契約解除ができるのか。また、仮に契約解除をしてしまった場合、臨床福祉専門学校はどうなっていくのか、こんな疑念があるわけでありますけれども、お答えをいただきたいと思います。

○幸田証人 ただいま申し上げましたように、建物のこの賃貸借契約は、期間の満了により終了をするというものでございます。これは、終了はいたしますが、社会福祉総合学院運営事業者・借受者審査委員会というものが、ここで再度審査の上、再契約を可能とするという規定がございます。これは再契約を保証したものではございません。
 私どもも、この五年間の中で、学院のいわゆる受託者である法人が、受託事業それから自主事業というものが、当初プロポーザルをしていただいて、そのときにお示しした公募の要件を十分満たすか否か、これはかなり、リカレントというのは全国的にも非常に、当時スタートするときには少なかった実態がございます。
 そういうようなことで、五年間を実施してみて、その検証をこの審査委員会でやった後に、必要性が高い、あるいはまた効果もあるというようなことになれば、この審査委員会が判断の上、再契約を可能とするということになっているわけでございます。

○名取委員 形態、形はそういう形だろうと思いますので、その時点を、推移をまた見ていかなければいけないんだろうと思いますが、十七日の厚生委員会で吉川総務部長が、事業団の運営形態を外部に委託する際に、財務局に事前に相談をしていたと答弁しております。これを受けて、二十五日の予算特別委員会の質問に対して幸田局長は、総務部長の答弁は、私どもの局に保存しております当時の資料に基づいて答弁したものですと。
 まず、保存している当時の資料はいかなるものなのか。存在するとするならば、また後ほど理事会等々でお諮りをし、提出をいただきたいと思いますけれども、この点についてお伺いをします。

○幸田証人 ただいまの資料は、要求資料の中に、すべて私どもが持っているものはご提出申し上げております。

○名取委員 ちょっと見過ごしましたので、ご無礼をいたしましたが、じっくりまた見させていただきたいと思います。
 それで(「さっき聞いてるよ」「さっき読んでるんだよ」と呼ぶ者あり)まあ、いいですよ。もう疲れてきているからね、お互いに。静かにやりましょう。あくまでも担当者レベルで相談で、総合調整課長や財産運用部長へ話が通っていた証拠にはならない。また、この件について、当時の福祉局側の担当者であった清水三枝子さん、民生・児童福祉係長の証言が文書で提出されています。先ほど来、いった、いわないの議論等々がありまして、私どもは両方を信じているわけでありますけれども、お話がありますように、真実は一つしかないわけであります。
 これによりますと、詳細に、だれがだれに相談したということが書いてありますが、これによりますと、十月の二十三日に栗岩運用調整係長から、公有財産管理運用委員会への付議も財産運用部長への協議も必要ない旨の回答を得たとしております。
 まず、この回答は口頭で行われたのか、それとも文書で行われたのか、再度お伺いをしたいと思います。

○幸田証人 口頭でございます。

○名取委員 さて、この協議で、かかる文書が存在をしていない中で、正式に相談を受けていないから文書はないと主張している財務局と、口頭で確認をしたから文書がないという福祉保健局。財務局の当時の責任者の一人である佐藤元総合調整課長は、署名捺印をした文書で、相談を受けていなかった旨を明らかにしております。どちらの見解が正しいかを立証するには、福祉保健局が清水係長のこの文書以外のものについて提出する方法はないのか。
 それとまた、十月の二十三日に回答を得て、二十五日に公募を発表するというのは、余りにも用意周到過ぎるのではないのかなと。しかも、回答が事業団に正式に伝わったのは、それより後の十一月の二十一日だったということであります。先に公募の日程が決まっていて、それに間に合わせるために、再付議も協議も経ずに事を進める必要があったのではないか、私はこのように疑問を持っております。そのことについてお答えください。

○幸田証人 ただいまお話のあった、当時の総合調整課長の判をついた云々というのは、私は承知しておりません。ですから、その点に関して、私は意見を、ここで証言をする材料を持ち合わせておりませんので、それはお答えしかねるところでございます。これは、多分許されることだろうと思っております。
 それから、ただいまの状況の中で、私どもはこれまで、並行ランでいろいろな作業がございます。事業を進めるに当たっては、予算もやらなければいけませんし、組織も用意をしなければいけない。そういう中で、一つ一つ順次やっていったら、これは何日かかっても仕事が進まないというふうに思います。ですから、すべてが並行ランで作業を進めていった。それで、その中で、いわゆるポイントとなるこの付議の必要があるやなしやということを、時間をかけて、それから係長が相談をし、そして課長が相談をしという段階のことは、先ほど来から証言として私は申し上げております。そういう中でこの事業が、改革が進んだのであって、決して今お話しのようなことは私はなかったと確信をしております。
 それから、職員のこの発言でございましたけれども、先ほども木内副委員長のお話、ご質問にもお答えいたしましたけれども、私は職員を、なかなか日常接してはおりませんけれども、個々の仕事一つ一つ見れば、この職員がうそをつく職員かどうかは、私は少しはわかっているつもりでございます。
〔「佐藤はだれに対して署名捺印したんだよ、それをはっきり……」と呼ぶ者あり〕

○名取委員 先ほど財務局長の答弁の中に、実は、この佐藤さんが総務の監察室に呼ばれまして、そこで上申書をお書きしたと。その中にそういうことが入っておられるということで、これもできれば、理事会で資料として提出をいただこうかなと。
 実は、先ほども財務局長にもお話をしました。私どもも、先ほどお笑いになりましたけれども、どちらが正しいかどうかは別として、すべて信じたいという気持ち、それはなかなか難しいんだろうと思いますし、真実は先ほどいいましたように一つでありますから、佐藤さんに会いました。会った中でいろいろお話を聞きました。部長との関係の話も聞きました。その中で上申書もお出しになられたという話を聞いたものですから、それで財務局長にその由の確認をして、自分自身が判こを押した上申書を出したということでありますから、そのことはひとつお話をさせていただきたいと思います。
 それで、そのことはそのこととしまして、運営補助の全額削減について、主計部に説明を平成十三年九月二十五日にしていると答弁しておりますが、財産運用部からの回答によっては、平成十四年度以降の運営形態が予定どおりになるか定かでないにもかかわらず、先に予算の説明をしたということ自体が、ちょっと疑義というか疑問が残るわけでありますけれども、ご答弁いただきたいと思います。

○幸田証人 先ほどもちょっとご答弁申し上げたのですが、ワーキンググループが、この学院の改善、改革に向けて動いていた。それで、そこで一つは、目標は先ほど申し上げましたように、空き教室の効率的利用とか、あるいはまた運営費の削減とか、こういうことを念頭に置いて進めていたわけでございます。
 ですから、十三年の四月に学院は開校いたしましたけれども、この当時から課題が明確に出ておったわけでございます。これらを解消するために、こういうスキームで進めたいがいかがかということで、局としてはこう考えたいということを、九月の二十五日から私どもは説明に入った。それで、二次要求の資料作成も、その後進めたわけでございます。
 予算というのは、当然のことながら、いろんな角度からご検討いただくものだろうというふうに思っております。一つは、やはりそういうトータルな検討を踏まえて、これは執行をすべきであろうということで執行すべきものだというふうに思います。ですから、執行すべきといいますか、予算編成するものだろうというふうに思います。
 ですから、私は、今回直接そこには携わっておりませんでしたけれども、予算編成の手続、あるいはその前の過程の、通常のいわゆる財務局主計部との対応というのは、かなりの時間をかけてやるのが通例かと思っております。

○名取委員 ちょっと先ほどの、佐藤課長の上申書というお話を私がしましたけれども、調査をしておりました私どもの会派の者から、陳述書ということでありますので、できれば委員長に申し上げて、誤りを訂正させていただきたいと思います。(「だれに出したっていうの、そういうの」と呼ぶ者あり)監察員に出した、総務の。(「監察室では、やたらそんな書類、民主党に出していいのかよ」と呼ぶ者あり)いや、そうじゃなくて、私たちが聞いたんです。本人から聞いたんですよ。まあ、答える必要ないんでね。(「議長を通じて資料請求すべきものだ」と呼ぶ者あり)いや、資料請求じゃないんですよ、だから。何をいってるか、わかってますか。私どもは現場へ行って--速記とめてください。現場へ行って、本人から、こういうものを出したというものを聞いた。だから、それを財務局長に確認をして、それはありますよ、監察室にと、こういう答弁をいただいたという話をしているわけですよ、こういう答弁を。何か問題ありますか。(「そんな、本人だって、そんなやたらいうべきことじゃないじゃないか」と呼ぶ者あり)いえ、いうべきことかどうかは別問題にして……

○山崎委員長 名取理事、不規則発言に一々答えることないんで、きちんと、尋問をしているわけだから、きちっとやってもらわないと困ります。

○名取委員 はい、済みません。
 それでは、今のことで、主計部に対して説明の際に、財産運用面から事業が妥当かどうか、運用部へ相談をしていることについては触れたかどうか、ちょっとお伺いします。
〔幸田証人「済みません、ちょっと……」と呼ぶ〕

○山崎委員長 ちょっともう一回、名取さん。どやどやしていたんでね。

○名取委員 先ほどの関連になってくるわけですけれども、主計部に対して説明の際に、財産運用面から事業が妥当かどうか、財産運用部へ相談をしていることについて触れたかどうかということですね、主計部に対して。

○幸田証人 今の件についてはちょっと私も承知をしておりませんので、ちょっとここでお答えしかねるところでございます。

○名取委員 特例という言葉がよく出てきますけれども、特例中の特例で学校の設立が認可されている。九月の二十五日の時点で、十四年四月に学校設立まで目途がつけられると考えていたのか。また、考えていたとすればその根拠はということですけれども、その時点でおいでにならなかったからどうかということで、わかればお伺いしたいと思います。

○幸田証人 学校法人としての設立認可ということについてのお尋ねかと思いますけれども、事業団と学校法人との契約の中には、いわゆる人材育成事業を自主事業として行うんだという記載はございました。それから、当然のことながら、それを進める上では、何らかの形の組織というものは必要になるだろうというふうに思っております。
 ただ、学校法人の設立認可についての、私どもは詳細は承知しておりません。

○名取委員 その当時おいでにならなかったから、そのご答弁もさようかなというふうに思いますけれども、そもそも十四年の四月に学校の設立ありきということで物事が運んでいたのかなと。これはあくまでも私自身の考え方でありますけれども、いろいろご議論があるだろうというふうに思います。
 そのことを含めながら、この間に、間に合うように、学校の設立も公募も、財務局への相談も行われていたと感じます。うがった見方をすれば、十四年四月に敬心学園が新たな学校を設立しなくてはならない理由があったと思えてしまう。これは少なからず、先ほどいいましたけれども、私自身がいろいろ調査をしながら、いろいろ時系列を見た時点での一つの疑問点でありますので、そのようにご理解をいただければありがたいと思いますし、学校法人との間で事前に何か調整なり約束事があったかどうか、この点だけお伺いをしたいと思います。

○幸田証人 当局に残されている資料を私が調べた--まあ、調べ、各部に調べることを指示いたしましたけれども、そういうものの中に、ただいまお尋ねのようなものは確認できておりません。

○名取委員 土地についてでありますけれども、敬心学園は、臨床福祉専門学校の専修学校許可申請に当たって、本来自前で用意すべき校地を東京都から借地をする旨の記載をして、練馬区長に提出した。先ほど来いろいろこの中身についてはお話がありますけれども、さらに、学院の建物の九〇%を敬心学園が使っている現状も考え合わせると、敬心学園の土地が、契約違反であると思われる転貸しが事実上行われている状況と考えなければならないと私は思いますけれども、そのような状況にあるかどうか、ご認識だけお伺いをしたいと思います。

○幸田証人 先ほどもお尋ねにお答えをしたところでございますけれども、学校法人との契約は、定期賃貸借、建物の定期賃貸借でございます。学院の建物の定期賃貸借契約でございまして、土地の貸付契約ではないというふうに思います。

○名取委員 財務ともいろいろ話をさせていただきましたけれども、一つの考え方はそういう考え方もあるんだろうし、しかし、土地そのものは東京都の土地であろうというふうに、土地の貸し付けは三十年間事業団に貸しているという、この中には契約事項で守らなければならない幾つかの事項がある。そのことを踏まえたときに、そういう考え方も私はとり得て不思議ではない、このように思っています。
 仮にそうでないとすれば、今度は、練馬区長に出した専修学校設置許可申請書が虚偽事項を記載した文書ということになってしまいます。これについてどうご説明をされるのか。

○幸田証人 私は、現在、専修学校なりあるいはまた学校法人ということで認可申請をする際、申請者はその許認可庁に当然のことながら出すわけでございまして、これは、練馬区がそれを受けて、そして多分私学の審議会というところに、法人設立のいわゆる審議を経て、そこでオーケーということになれば、学校法人として設立されるんだろうと思います。そうしますと、その権限は残念ながら福祉保健局にはございませんで、原権限庁がどうご判断されるかということになろうかと思います。

○名取委員 この申請書の中に、土地の所有者は東京都、このようになっているわけでありますから、その上で、建物については事業団との契約ということになるんだろうというふうに思います。そして、東京都と事業団の関係でいいますと、三十年の貸し付け、こういう若干隘路があるような感じがあるんですけれども、一つ一つの答えを見ますと、いわゆるそこにきちっとした契約条項なり一つの決まり、守り、そういうものがあってしかるべきだというふうに思いますが、このようなことを判断しますと、どうも入り組んでい過ぎておりまして、それぞれの考え方でどうにもとれるような感じがしてなりません。
 事実上、土地の貸し付けを受けているにもかかわらず、敬心学園は(「委員長、もう五十分たっている」と呼ぶ者あり)もうすぐで終わりますからね。都としましても、事業団とも土地の貸付契約を結んでおらず、地代も払っておりません。この点は、包括外部監査報告書の中でも触れられております。学院の建物は東京都の土地の上に建設されており、地代相当額を考慮して賃料を算定することが適切であると書かれております。今の状態が適正な状態かどうか、福祉保健局長のお考えをお伺いしたいと思います。

○幸田証人 社会福祉総合学院の運営のあり方につきましては、今般、包括外部監査人からご意見をいただいておるところでございまして、包括外部監査人のご意見は、抜本的な見直しが必要ということになってございます。当然のことながら、私どもも、この包括外部監査人のご意見を真摯に受けとめまして、現時点では、包括外部監査人のご意見にございますように、抜本的な見直しが必要と認識をしております。また、現在、知事の指示によりまして、これまでの調査、経緯も含めまして、調査検討を進めております。この結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。

○名取委員 まだ幾つか項目があるんですが、余りにも時間をとり過ぎているようでありますので、またたださなければならない、またお聞きをしなければならない事項があるとするならば、また理事会等々でお話をさせていただいて、その機会を設けていただきたいと思いますので、時間も大分遅くなりましたから、以上をもって私の尋問は終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○山崎委員長 名取理事の尋問は終わりました。
 続いて、松村委員の尋問を始めます。

○松村委員 幸田福祉保健局長に対する証人尋問を行います。
 まず、二〇〇五年、平成十七年二月二日十五時三十分から、濱渦副知事のブリーフィングでどういう指示が出されたのかをお伺いいたします。

○幸田証人 一月二十八日に包括外部監査事前報告会がございまして、この際、知事から、社会福祉総合学院も都の大事な資産なのだから、局をまたいでどう活用するか考えるべきとのお話がございまして、で、二月の二日、総務局長、財務局長、それで私と三局長が副知事の部屋に参りまして、そこで副知事から、社会福祉総合学院の設置をめぐって、福祉保健局長が責任を持って、三局の部長級で構成する検討チームを至急設置して、事実経過を精査するようにという指示を受けたものでございました。

○松村委員 今証言があった指示以外にもいろいろお話があったのではないでしょうか。
 例えば、この件については奥が深くかなり問題だ、場合によっては刑事告発もあるかもなどという発言はありましたか。

○幸田証人 私の記憶では、そのようなお話は記憶してございません。
 ただ、私は、そのときに副知事からいわれたのは、具体的に、この歴史的事実あるいは運営形態あるいは運営の変遷、あるいはまたこの経緯などを裏づける資料もあわせて整理するようにという指示は受けてございます。

○松村委員 二〇〇一年、平成十三年四月に社会福祉総合学院が開設されました。この学校は、高等保育学院と社会福祉事業学校という、この間ずっと保育士だとか社会福祉の優秀な専門職を輩出してきた学校を廃校にして、新たに都として人材養成に責任を持つということでつくった学校ということを承知しておりますし、またこの間、二〇〇三年二月二十五日、平成十五年度でありますけれども、厚生委員会で我が党の大山とも子議員から、社会福祉総合学院の開校に至る点、それから、引き続きそれが民間の専門学校に委託され、その補助などが廃止になるという問題点で既に我が党の立場や問題点を指摘し、都としての人材養成、そういう責任に立ち返るべきではないかということをただしております。
 改めて今回の問題を見てみるときに、この社会福祉総合学院が開設されてわずか半年、しかも民間活用という形に転換していくこの検討が、提出されたナンバー3、「社会福祉総合学院の設置から運営形態見直しに至るまでの経緯」で出されております。もう既に、四月に開校して、七月ぐらいからそういう検討を始めて、九月には運営事業者の公募と、そういう一連の経緯を踏まえておりますけれども、こういうふうに民間に活用ということで転換する前に、都があるべき人材の育成になぜ立ち戻らなかったのか、そしてまた財務局にどういう問題意識を持って相談したのか、この点についてお答えください。

○幸田証人 社会福祉におけます公の責任というのは、福祉サービスを必要とする人に福祉サービスを行き届かせること、この責任は一貫して変わらないというふうに思っております。都も、この責任を果たすために、その時々の社会状況に応じまして、常に必要な施策を展開してまいりました。
 福祉施策というのは、時代あるいは社会経済状況に伴いまして大きく変化するものだと私は認識しております。福祉人材の育成も、また役割も、これと同様だろうというふうに思っております。そういう意味で、その時々の社会福祉をめぐる環境の変化に対応いたしまして、都がみずから実施する養成機関のあり方、あるいはその役割を見直していくということは当然だろうというふうに思っております。そういう意味では、今回の見直しもその一環というふうに私は理解をしております。

○松村委員 リカレントを含めて福祉人材を養成するというのは、やはり都としても大きな課題、役割を担わなければならないということについては、否定されないというか、局長もそういう考えであるというふうに思います。
 ところが、この都が担うべき、社会福祉事業団、社会福祉学院がやっていた、都が主体とする事業から民間への委託事業に切りかえるということは、そういう意味では大転換というか、全く質的に私は違うものというふうに考えざるを得ないというふうに思います。しかも、それが、この社会福祉学院がつくられた経緯からいっても、この財産活用の面でもさまざまな制約があるという認識は当然持たれていたのではないのでしょうか。その辺についてお答えいただきたいというふうに思います。

○幸田証人 都は、本格的な少子高齢社会を目前にして、社会福祉の環境というものは非常に大きく変わった、そういう中で、福祉人材を養成するために既存の養成機関を見直して新たな養成機関を整備するという観点からあり方を検討してきたところでございます。
 今回の見直しに関しましても、先ほど申し上げましたように、その時々の社会状況に合わせて判断をしていく。またもう一方で、ご案内のように空き教室という問題があって、この空き教室に対してより効果的、効率的な対応を図るということも踏まえて、一つの方向性を出したということでございます。

○松村委員 都が主体的に担う福祉人材の養成、そしてリカレントも含めて、この練馬の社会福祉事業学園で展開されて、それを始めるというのを、半年もたたずに転換する。しかも、そういう、そこの社会福祉総合学院の用地の取得経緯からいっても、財産活用面での制約があることを、十分福祉保健局も、当時の福祉局も認識していたのではないか。
 それを今私は証人に尋ねているわけですけれども、例えば資料ナンバー12、これは平成十三年九月の、社会福祉総合学院ワーキンググループというのが検討した「社会福祉総合学院の今後の方向性について」、この中にも、財産活用面での制約ということで、学院の建物は事業団所有であるが、土地については都からの無償貸与であり、貸付契約書及び貸し付けに当たっての財産管理運用委員会への付議理由における一定の制約が課されていると。都から事業団への土地貸付は、リカレント教育を実施するといういわば行政目的の代行という理由で認められたものである。そして、いうまでもなく全くの第三者に土地を転貸しすることは禁止されている。特別監理団体である社会福祉事業団への貸し付けであることから、貸付料については無償となったものであると。そして、福祉人材養成、リカレント教育を継続すること、実施主体が事業団であることが継続して無償貸与を受ける条件であると。もしそれが、一括貸し付け等の建物の有効活用などを図れば、この場合は不動産の貸付事業と認定され、固定資産税、法人税等が課税される可能性が強いと。
 このように、社会福祉総合学院のワーキンググループもこういう制約面を明らかにして、そういう認識のもとに財務局とも相談したというか、ということだというふうに私は指摘しておきたいというふうに思っております。

○山崎委員長 指摘じゃなくて、尋問してくれないかな、尋問。だめだよ、そういう意見をいってたんじゃ。これは尋問なんだから。

○松村委員 それから、提出された資料を見ても、社会福祉総合学院と専門学校の敬心学園の利用状況、これは資料ナンバー80に出されております。これを見ますと、敬心学園が九割の利用状態となっています。(発言する者あり)いいました。ナンバー80のこの資料です。どういう利用状況かということで、使用時間面積ということまで明らかにして、実際にはこの敬心学園、専修学校ですか、これが使っているのが八九・八%、全体の九割だということがこれによって明らかでありますけれども、これで都が責任を持って福祉人材を行うといえるのですか。これでは民間の専修学校ではないのでしょうか。お答えください。

○幸田証人 ちょっと済みません、今聞こえなかったんですけれども……。

○山崎委員長 尋問のところだけいってくれる。前段除いて。九〇%はわかったから。

○松村委員 これで都が責任を持つ福祉人材といえるのですか。これでは民間の専修学校ではありませんか。

○幸田証人 学院はあくまでも主体性を持って運営をしておる。そのいわゆる運営方法が委託方式。それからまた、この学院の設置目的である、これは土地の貸し付けの中にもきちんと書いてありますけれども、福祉人材を養成する場でございます、機関でございまして、それをいわゆる委託という形でお願いをする、あるいはまた都に代替して、民間活力を結果的には使うという形もあり得る話だろうと私は思っております。

○松村委員 敬心学園、民間の専修学校ともいえる、それが九割をつけて、独自の学校としての経営や運営を実際には行っているということですよね。
 この社会福祉学院が、都が主体を持つ新たな福祉人材というふうになった理由といいますか、なぜ社会福祉事業団、そして社会福祉総合学院をつくってやるのかという点での、これも先ほど触れました二〇〇三年、平成十五年の二月二十五日の大山議員の質問ですけれども、そのときに当時の生活福祉部長は、なぜ社会福祉事業団なのかというふうに問われて、社会福祉事業団は都立の障害者福祉施設、児童福祉施設の運営を受託しており、それらの施設を活用することによって実習教育の強化が可能となることということをその理由として挙げているんですよね。果たして九割、今の社会福祉総合学院の建物、また使用面積の実態が九割も民間の学校が使う、そういうことになって果たして--この社会福祉事業団とした、当初の東京都の挙げていた主要な理由が完全に断ち切られるものではないでしょうか。このことを指摘しておきたいというふうに思います。

○山崎委員長 ないでしょうかじゃなくて、尋問して……。(発言する者あり)尋問しろよ。

○松村委員 そこで、次にお伺いいたします。

○山崎委員長 尋問じゃないじゃないか。

○松村委員 提出されております資料がいろいろありますけれども、いつ濱渦副知事に、また、いつ石原知事に報告がなされましたか。

○山崎委員長 そういうのが尋問というのだよ。

○幸田証人 二月の二日、副知事から三局長が呼ばれた。そこで、検討チームを設置して事実経過を精査するようにと、この指示を受けたわけでございます。
 で、これによりまして調査結果を副知事に報告をいたしましたのは、二月の十八日に、総務局長、財務局長、そして私、三局長が同席をし、ご指示のあった件に関しまして、私が主として報告をし、説明をいたしました。

○山崎委員長 証人、簡潔に、聞かれたことだけ答えてください。

○松村委員 資料ナンバー3、福祉保健局から出されております「社会福祉総合学院の設置から運営形態見直しに至るまでの経緯」、この中で、今私が証人に質問いたしました知事並びに副知事への報告、この表の三ページ目を見てください。
 これでいきますと、平成十三年十二月二十五日、運営事業者・借受者決定を副知事に報告と。また、平成十四年一月、これも二十五日です。民間委託・貸し付けによる東京都社会福祉総合学院の運営を知事に説明と。このようになっているのではありませんか。今の幸田証人の答弁と違うんじゃないでしょうか。

○幸田証人 お話のところは、冒頭の関連で突如お話しいただいたのかと思いまして、答えました。失礼をいたしました。
 改めて申し上げます。先ほど委員がお話しのとおりでございます。

○松村委員 そうしますと、知事、副知事は承知していたと。知事の承認で、承認の決定のもとでここまで進んできたという認識でしょうか。

○幸田証人 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、十四年の一月の二十五日にも民間委託・貸し付けによる東京都社会福祉総合学院の運営を知事の方にご説明しているということでございます。

○松村委員 もう一つ聞きます。福祉局として、社会福祉保健医療研修センターと社会福祉総合学院との統合計画を検討した事実はありますか。

○幸田証人 局として検討したことはございません。

○松村委員 終わります。

○山崎委員長 松村委員の尋問は終わりました。
 引き続き、藤田愛子委員の尋問を始めます。

○藤田委員 私も幸田福祉保健局長の証人尋問を行います。
 まず第一に、一月二十八日に監査報告の説明があったということでありますが、福祉局長は監査を受けてよかったというふうに答えられたというふうにいわれておりますけれども、その意図は何だったでしょうか。

○幸田証人 私が包括外部監査委員からお話を伺って、ごあいさつということでいたしましたのは、いわゆる社会福祉施設、今、民間移譲ということで局は動いておるわけでございますけれども、方針に基づいて動いているわけでございますけれども、この時期に経営の効率化や組織改革の観点からご指導いただいた点は意義のあったことだという趣旨でございます。

○藤田委員 副知事は、一月二十日以前にこの福祉事業団の問題、福祉総合学院の問題について認識をしていなかったというふうにいっていらっしゃいますけれども、事業団については監理団体であるわけで、福祉局が実際には中心的に指導してきたというふうにいわれておりますけれども、副知事へこの問題をどのように報告をしていらしたでしょうか。

○幸田証人 毎年、経営目標等々を策定いたしまして、監理団体担当から総務局の行政改革推進室の方にこの報告をするわけでございます。そういう意味では、私どもは、この事業団に関しましての報告は、決められたとおりと申しましょうか、局としての、また事業団としての考え方を明確に記載をし、報告をしたというふうに認識をしております。

○藤田委員 個別にこの問題でヒアリングをしたことはありますか。

○幸田証人 過去にそういうような形で行われたということはあったという事実はあることでございますが、詳細はちょっと不明でございます。

○藤田委員 財務局は、財産利活用問題で相談はあったが、文書はないし、福祉局が勝手にやったことというふうに答弁していますけれども、いかがでしょうか。

○幸田証人 先ほど来からお答えしているように、勝手にやったということはあり得ないというふうに思っております。

○藤田委員 それでは、財務局は、財産運用のことは査定のときにはもう既に解決していると思って、予算では要するにその債務負担行為をどのくらい出していくのかとか、そういうようなことで判断をしたというふうにしていますが、先ほど局長は、そこも含めて主計のところでの議論があったんだろうというふうに思うというふうにおっしゃいましたけれども、どちらでしょうか。

○幸田証人 先ほど来もちょっとお答えしたんでございますが、財務局に対して、九月の二十五日、平成十三年の九月の二十五日から説明に入ったというふうに、主計部でございますけれども、ご説明申し上げましたけれども、その資料の中に、財務局財産運用部に確認と、都から事業団への土地の無償貸与への影響についてというペーパー、事項がございます。

○藤田委員 それから、十三年十月の、いわゆる独自の福祉人材事業を行う借受者を民間事業者から公募することにしたというようなことで、これは外部監査の中に出ていますけれども、その賃料をどういうふうにしていこうかということで、福祉局の側からは相談をしたというふうに私は説明を受けましたけれども、財務局に相談をしたという事実はありましょうか。

○幸田証人 十三年の十二月におけますプロポーザルを行うに当たりまして、事前に、例えば賃料とか、あるいはどのような評価方法が適当なのかとかということで、専門的なご意見が必要になるということで、財務局に、例えば不動産鑑定士のような方にそういうことをご相談しなきゃいかぬということで、ご紹介をいただいたところでございます。

○藤田委員 財務局は事実はないというふうにいっておりましたので、申し添えだけしておきます。
 資料16の中に、そういう意味で、賃借料・受託料の比較というようなことで、経済性についていろいろと述べているところがあります。それで--お持ちでいらっしゃいますでしょうかね。その中には、実は、収支計画に照らして適当な価格か、事業団にとって有利な価格かということで、それぞれ、A社、B社、C社、四つですので、そこに名前が載っていまして、敬心学園がどういう金額をプロポーズしたかというのが出ているわけです。
 それで、その結果、賃借料と受託料のどちらがいいか、マル・バツの中でこれを決めていっているような表になっておりますけれども、実は、この目途額というのがありますけれども、ここに対して、例えばことしは十七年ですので、十七年ですと、四千七百五十五万円というふうになっています。それに対して敬心学園は七千二百万円。それで、受託料の方は、十七年度目途額は三千七百九十八万円、そして敬心学園の方は三千六百四十三万円というふうになっているんですが、それについて、いわゆるマル・バツでこうやっていくと最終的に敬心学園に決定をしていくという一つの表になっているんですが、この目途額というものについては、どういう決め方をしていったのか、この積算の根拠というものが何であったかをお答えください。

○幸田証人 このときのプロポーザルの方式でございますけれども、応募者については、まず一つは経営実績、それから経営基盤の安定性、それから事業の提案内容などを総合的に評価するということから、賃料のいわゆる予定金額というものは定めておりませんでした。
 しかし、審査に当たって目途となる額というものを積算して参考にしたわけでございます。それは、学院の、例えば人件費、事務費、建物維持管理費、事業費、租税公課などの直接的経費を都の補助を受けずに賃料と学生納付金とで賄うことを前提にして、必要経費を積算し、必要な賃料というものを見積もったわけでございます。

○藤田委員 この額について、目途額については財務局にご相談をしたことはありますか。

○幸田証人 ございません。

○藤田委員 委託をするのに、そしてこの学院から敬心学園へ移行していくというのに非常に急いだ嫌いがあるというふうにいわれておりますけれども、なぜ急ぐ必要があったのでしょうか。

○幸田証人 やはり一つ大きなことは、空き教室の放置というような形をいつまでも、放置というとちょっといい過ぎかもしれませんが、空き教室の対応ということがまず第一義的にございました。それからもう一つは、やはり都からの補助金を削減をする、その努力ということが相まって、ワーキンググループでもそういう点を中心に検討してきた。その結果を踏まえて可及的速やかに対処する、このことかと私は思っております。

○藤田委員 知事は三カ月ぐらいで学校はできないというふうにいっていらっしゃいますけれども、手続についてはそごはありませんでしたでしょうか。

○幸田証人 学校法人の認可申請というのは、やはりこれは法人さんといいましょうか、団体さん、学校法人側が主体的におやりになることでございまして、私どもは、そこは詳細には承知してございません。

○藤田委員 特例中の特例という話がありましたけれども、この敬心学園にとって特例中の特例というものは、よい意味でいわれているのでしょうか、それとも悪い意味なのでしょうか。

○幸田証人 その辺、私はわかりません。

○藤田委員 実際には、普通に考えれば、十三年十月に公募をして十四年四月に開校ということであれば、学校側にすれば、ある意味では、普通ですと大体前の年、約一年かけて公募するわけですよね。公募というか、案内を出すわけですよね。そうすれば、私はある意味では、それは非常に学校側としては不利な条件であったかなというふうに思っていますけれども、片方では、それを乗り越えてやってくれたというような形を考えてもよいのでしょうか。

○幸田証人 学校の、今の公募というのは生徒さんの募集という意味で理解してお答えいたしますけれども、当然のことながら、学生を募集するとすれば、例えば高校卒で大学を受けるといった場合には、当然のことながら、その生徒さんたちは、ある一定の時期に進路なりあるいは学校なりを選ぶだろうというふうに思います。
 ただ、この学校法人さんが、法人認可の設立申請をしていた時期に、どの時期に生徒募集という公募ができるのか、ちょっと私はわかりませんので、お答えはそれしかできないところでございます。

○藤田委員 以上で終了いたします。
 ありがとうございました。

○山崎委員長 藤田愛子委員の尋問は終わりました。
 ほかに発言がなければ、証人、福祉保健局長幸田昭一君に対する尋問は終了いたします。
 長時間ありがとうございました。
 ご退席して結構でございます。
   〔幸田証人退席〕

○山崎委員長 本日出頭を求めた証人に対する尋問はすべて終了いたしました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午前二時二十九分散会

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