委員長 | 山崎 孝明君 |
副委員長 | 木内 良明君 |
副委員長 | 野村 有信君 |
理事 | 東村 邦浩君 |
理事 | 高島なおき君 |
理事 | 大西 英男君 |
理事 | 名取 憲彦君 |
松村 友昭君 | |
宮崎 章君 | |
服部ゆくお君 | |
曽根はじめ君 | |
藤田 愛子君 |
欠席委員 一名
委員外の出席者東京都副知事 | 濱渦 武生君 |
東京都総務局長 | 赤星 經昭君 |
東京都財務局長 | 松澤 敏夫君 |
東京都福祉保健局長 | 幸田 昭一君 |
本日の会議に付した事件
閉会中の継続調査について
付託事項の調査(証人喚問)
社会福祉法人東京都社会福祉事業団(以下「事業団」という。)が運営する東京都社会福祉総合学院(以下「学院」という。)に関する次の事項
(1)学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応
(2)学院の設立の経緯及び運営の状況
(3)学院に関連する財産管理の状況
(4)事業団が学院に関連して東京都から受けた補助金の執行状況
(5)事業団が福祉人材養成事業に関して学校法人と締結した契約内容
(6)その他調査に必要な事項
証人出頭要求について
○山崎委員長 ただいまから社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会を開会いたします。
座って進行させていただきます。
初めに、議席について申し上げます。
本日の議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、閉会中の継続調査の申し出の決定及び百条調査権に基づく証人喚問を行います。
初めに、本委員会に付託されております調査事件についてお諮りいたします。
本件は、今定例会会期中に調査を終了することができませんので、閉会中の継続調査の申し出をしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
○山崎委員長 次に、記録の提出について申し上げます。
去る三月二十三日の委員会において、知事等に対し、三月二十八日までに提出を求めました記録について、お手元配布の「記録の提出一覧」のとおり、議長あて提出がありました。
なお、本記録の中には個人情報等も含まれておりますので、その取り扱いについては十分注意されますようお願いいたします。
なお、要求した記録の一部について、お手元配布の「期限延長を求める記録一覧」の公文の写しのとおり、提出期限の延長について申し出がありました。
朗読は省略いたします。
一六生文私行第二九五四号
平成十七年三月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 内田 茂殿
記録提出請求期限の延長について(依頼)
平成十七年三月二十三日付一六議事第四八六号で請求のあった記録の提出について、左記の記録については、左記の理由により提出期限の延長を許可願いたく、よろしくお願いいたします。
・項目26 知事答弁での特例中の特例と述べた「ある文書」
・項目32 三月十四日予算特別委員会での中村委員への知事の答弁中、「ある文書に、学校法人の成立に特例中の特例とかいう認識を局が述べている」と知事が指摘した文書
(理由)
なお調査中のため
一六総総総第二四五〇号
平成十七年三月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 内田 茂殿
記録提出請求期限の延長について(依頼)
平成十七年三月二十三日付一六議事第四八六号で請求のあった記録の提出について、左記の記録については、別添理由により提出期限の延長を許可願いたく、よろしくお願いします。
記
・項目31 「不法でない形で処理」、「本来の形に戻す」との副知事答弁の「不法」とする根拠及び「本来の形」についての具体的内容
(理由)
なお調査中のため
一六財経総第一六八三号
平成十七年三月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 内田 茂殿
記録提出期限の延長について(申請)
平成十七年三月二十三日付一六議事第四八六号で請求のあった記録の提出について、左記の記録は、別添理由により提出期限の延長を許可願いたく、よろしくお願い申し上げます。
記
1 提出期限の延長を申請する記録
項目31 「不法でない形で処理」、「本来の形に戻す」との副知事答弁の「不法」とする根拠及び「本来の形」についての具体的内容
2 提出期限を延長いただく理由
なお調査中であるため
一六福保総総第一〇〇六号
平成十七年三月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 内田 茂殿
記録提出延期の届出について
平成十七年三月二十三日付一六議事第四八六号により東京都議会議長から依頼のあった資料提出の件は、左記資料について継続調査中のため提出期限の延期のほどお取り計らい願います。
記
1 30 「補助金が正当でないかもしれないという疑念が発せられた」との副知事答弁に相当する包括外部監査の指摘文書及び副知事の判断根拠となった資料
2 31 「不法でない形で処理」、「本来の形に戻す」との副知事答弁の「不法」とする根拠及び「本来の形」についての具体的内容
一六財経総第一六八三号
平成十七年三月二十八日
東京都知事 石原慎太郎
東京都議会議長 内田 茂殿
記録提出期限の延長について(申請)
平成十七年三月二十三日付一六議事第四八六号で請求のあった記録の提出について、左記の記録は、別添理由により提出期限の延長を許可願いたく、よろしくお願い申し上げます。
記
1 提出期限の延長を申請する記録
項目75 包括外部監査に先立って、本件について弁護士が行った調査内容と関係文書
2 提出期限を延長いただく理由
なお調査中であるため
○山崎委員長 お諮りいたします。
本件申し出は正当な理由があると認め、可及的速やかに求めたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
また、要求した記録のうち、お手元配布の「「不存在」「一部不存在」とされた記録一覧」の記録につきましては、不存在とのことであります。
本件につきましては、引き続き請求するとともに、その取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
○山崎委員長 これより、社会福祉法人東京都社会福祉事業団が運営する東京都社会福祉総合学院に関する付託事項について調査を行います。
東京都社会福祉総合学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について、証人から証言を求めます。
本日、出頭を求めました証人は、副知事濱渦武生君、総務局長赤星經昭君、財務局長松澤敏夫君及び福祉保健局長幸田昭一君の以上四名であります。
本日の証人に対する尋問方法については、お手元配布の運営要領に従い行うことを理事会で申し合わせております。ご了承願います。
この際、各証人に申し上げます。
証人は、原則として、お手元配布の留意事項に記載の場合以外、証言を拒むことや証言を求める場合の宣誓について拒むことができません。もし、これらの正当な理由なく証言を拒んだときは、罰金に処せられ、また、虚偽の陳述をしたときは、禁錮に処せられることになる場合がありますので、ご了承願います。
それでは、法律の定めるところにより、証人に宣誓を求めます。
全員ご起立ください。
〔全員起立〕
○山崎委員長 証人、副知事濱渦武生君、代表して宣誓書を朗読してください。
〔証人濱渦武生君朗読〕
宣誓書
良心に従って真実を述べ何事もかくさず、また
何事もつけ加えないことを誓います。
平成十七年三月二十九日
濱渦 武生
○山崎委員長 それでは、各証人は、宣誓書に署名捺印を願います。
〔各証人宣誓書に署名捺印〕
○山崎委員長 この際、証人の補助者及びメモ持参の件を議題といたします。
お手元配布のとおり、議長を経由して、各証人から補助者の同席及びメモ持参について許可願の申し出が提出されております。
朗読は省略いたします。
平成十七年三月二十八日
証人 濱渦 武生
東京都議会議長 内田 茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成十七年三月二十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 三枝 修一
2 住所 東京都西東京市
3 生年月日 昭和二十四年四月二十四日
4 職業 公務員
平成十七年三月二十八日
証人 赤星 經昭
東京都議会議長 内田 茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成十七年三月二十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 相上 孝司
2 住所 千葉県松戸市
3 生年月日 昭和二十二年十一月七日
4 職業 東京都職員(主席監察員)
平成十七年三月二十八日
証人 松澤 敏夫
東京都議会議長 内田 茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成十七年三月二十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 田崎 輝夫
2 住所 練馬区
3 生年月日 昭和二十九年三月十六日
4 職業 東京都職員 財務局財産運用部総合調整課長
平成十七年三月二十八日
証人 東京都福祉保健局長 幸田 昭一
東京都議会議長 内田 茂殿
証人補助者の出席及びメモ等の持参について
平成十七年三月二十九日開催の社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会において、証人として証言を行うに当たり、左記の者が補助者として同席することを許可願います。
また、証言に際して、メモ等を持参することも許可願います。
記
1 氏名 吉川 和夫
2 住所 野田市
3 生年月日 昭和二十五年七月十七日
4 職業 地方公務員
○山崎委員長 お諮りします。
本件は、それぞれの申し出のとおり許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
副知事濱渦武生君以外の証人におかれましては、こちらからお呼びするまで一たんご退室いただき、控室においてお待ちいただきますようお願いいたします。
〔濱渦証人着席〕
○山崎委員長 初めに、証人、副知事濱渦武生君から証言を求めます。
これより証人に証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を超えないようお願いいたします。
なお、こちらから質問をしているときは証人席に着席のままで結構ですが、証言の際は、起立の上、答弁席においてご発言願います。
それでは、私からお尋ねいたします。
あなたは濱渦武生君ですか。
○濱渦証人 はい、濱渦であります。
○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○濱渦証人 東京都副知事で、昭和二十二年十月二十六日生まれでございます。
○山崎委員長 それでは初めに、私から何点か質問をさせていただきます。
あなたは、副知事就任以来六年目を迎えられるわけですが、一期目のときに、知事から副知事選任の同意を議会に求められたときに、議会としては選任に同意いたしませんでした。二期目のときも議会からかなりさまざまな意見がありまして、知事は議会の声を聞いて、今までのやり方を改めさせる、そういう約束をされた上で、議会は承認をしました。
しかし、その後も、議会の意向、あるいは副知事としての対応、そうした点に議会がなかなか理解が得られない部分がありました。あなたの知事を思う、非常に強いそういう思いから、知事に対するガードがかた過ぎて、幹部職員の声が直接知事に届かないのじゃないかというような感じがいたしております。
石原知事という大変大きなバックがあるわけで、あなたは都庁内においての相当強い力を発揮しているという感じがいたしますし、私ども議会は、そうした都庁のこの空気、それを刷新すべきだというような思いを持っていることは事実であります。
今回、この百条委員会の設置でありますが、包括外部監査報告の本会議発表の前日に、産経新聞が、たしか二月二十三日だったと思いますが、「専門学校へ不適切便宜」というタイトルで記事が載りました。この記事を読んだ都民は、東京都が事業団や学校法人にかかわって不正があったのではないかというように感じたはずであります。そして、二月二十五日の知事の定例記者会見で、けが人が出るかもしれないという発言がありました。けが人が出るということは、不正が行われていたという印象を強く与える。しかも、それが石原知事でありますから、なおさらのことだと思います。
そして、三月十四日の予算特別委員会の民主党の中村議員の質問に対して、あなたは、包括外部監査人により疑念が発せられたので、正当な形に戻さないといけない、財産が正当な形で、不法でない形で処理されないといけないと思います、このように答弁をされました。この一連の流れを見れば、明らかに不正があったと多くの都民が感じるのは、私は当然だと思うんです。
本委員会の設置は、あなたの不法発言が直接の原因であると思います。副知事たる要職にある方がそこまでいうならば、しかも、予算を提出している立場の副知事がこのようにいうなら、議会は黙って見ているわけにはいかない。都民の代表として、不法や、あるいは疑惑があるなら、それをしっかりと究明する、これが議会の立場であります。そうしたことでこの百条委員会が設置されたことになります。
不法発言自体、外部監査報告の内容からは根拠は極めて薄いと思います。予算提案者として軽率な法的評価をしたといわざるを得ませんが、このような軽率な発言を副知事として行ったということについて、決していいとは私は思いませんが、いかがでしょうか。
○濱渦証人 お答えいたします。
私の申し上げましたのは、現在に不法があるとかそういうことではありません。将来、包括外部監査人の意見等に沿った方向で改善をしていくに当たって、法令等に違反をすることのないようにという趣旨で申し上げたものでございます。将来でございます。
○山崎委員長 我々も傍聴いたしておりましたし、多くの議員も理事者もマスコミもいる席の上で、ああした答弁が、将来というようなニュアンスがどこからも感じられません。そしてまた、正当な形に戻すといったのは、報告書を読まれてのことだと思うんですが、その外部監査報告書のどの部分からその法的な根拠を得たのですか。
○濱渦証人 お答えいたします。
正当な形といいますか本来ある形というのは、外部監査人によって社会福祉事業団等々いろいろな意見や指摘がありまして、それが是正された形のことを想定して申し上げました。
○山崎委員長 ということは、報告書の中には、不法とか不正とかということはなかった。そのために、あなたの発言の中には不法であるという言葉が発せられてこの委員会が設置されたわけですが、それが、今の答えを聞きますと、不法という、不法でない形でというのは将来のことだというふうにおっしゃいましたが、その不法というのは、あの答弁の中で将来ということは我々全く感じられませんが、いかがでしょう。
○濱渦証人 お答えします。
私が申し上げましたのは、そのときにその土地なり建物なり等々含め、財産が正当な形で、不法でない形で処理されないといけないと思いますと申し上げました。
そのときというのは、前段がありまして、いろいろなご指摘がありました。で、それを解消する、解決する、改善策をもっていくためにという、そのときはいわゆる戻すときであります。
○山崎委員長 総体的に私伺っておりますので、後ほど各会派からその点も深く追及があると思います。
それでは、民主党の質疑の経過は、議会の運営の慣行からすれば極めて異例の感じがいたしました。事実、質問通告書、事前に出される通告書には、社会福祉法人の件については通告がされておりました。しかし、一般的に我々、この議会で慣例として行っているのは、事前の答弁調整その他ありまして、答弁調整のこの一覧表というか、答弁者がだれで、どういう内容でという箇条書きになったものがあるわけですが、民主党の富田議員は、当日、議会の方に、議会局に来て、きょうの通告の中には入っていないけれども、質問をしていいかどうかという問い合わせがあった。そうした事実があったわけですが、その後、通告書、事前の通告書ではなくて、当日の答弁のやりとりの一覧表にはなかったのが、それがいきなり出てきて、副知事が答弁に入りました。
あなたと民主党の間では割とスムーズなやりとりが予算委員会でありました。この流れを、民主党の中村議員が質問するということをあなたは知っておりましたか。
○濱渦証人 私は、金曜日の中村議員の質問書、予告の中のペーパーの中で、監理団体について、Q一、監理団体改革について現在までの改革の取り組み状況とその成果も含めて見解を伺います。A一、副知事というのがありましたので、これに沿って監理団体担当に答弁を用意していただきました。
○山崎委員長 それでは、次に、今回の問題は、民主党の中村議員の質問から濱渦副知事の答弁が出、不法という言葉が出て百条委員会に発展したわけですが、民主党の議員にこの質問をさせたのは濱渦副知事であるというような情報がありますが、いかがですか。
○濱渦証人 私はしておりません。
○山崎委員長 あなたから民主党の議員に働きかけをしたということはないということですが、もう一度確認いたします。
○濱渦証人 私は、質問していただくようにお願いしたことはございません。
○山崎委員長 それでは、我々は、民主党の会派の中からもいろいろな情報を得ておりまして、何月何日に富田議員が呼ばれたとか、その中での幾つかのやりとりがあり、我々の仲間でも、民主党の方から相談があったということもありますし、この件については改めてしっかり聞かなければいけないと思うし、また、そうした中村議員あるいは富田議員も証人としてお招きすることになるかどうか、これはまた理事会、委員会で諮っていきたいと考えております。
いずれにしましても、私は、こうした東京都議会でまさか百条委員会ができるなどとは想像もしておりませんでしたし、ましてや自分自身がこの委員長になるなんていうことは考えてもみなかった。何でこんな委員会を設立してしまうような流れになったのか、私は全く残念でなりません。
今、この東京都政の中でさまざまな声があり、中には、幹部職員の試験を受ける人が減ってしまった。幹部にならなくても、平でもいいんだ。優秀な人材がその能力を発揮できないような都政であってはいけない。みんなが気持ちよく、特に我々は、今日の日本の政治家の中で最高の石原慎太郎という都知事を迎えている。こういう知事が頑張っている限り、東京が頑張り、都議会議員も頑張り、役人も頑張り、そして東京を動かして日本を変えていこう、そういう思いで、全職員も一体となって気持ちよく仕事はやらなければいけない。まじめな職員につらい思いやかわいそうな思いをさせてはいけない。そのためにもしっかりとこの百条委員会で究明をすることが我々都議会議員の使命である、私はそのように考えておりますので、これから各会派の質問に入りますが、誠実にお答えをいただきたいと思います。
それでは、私からの尋問は以上です。
次に、委員からの発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
野村副委員長。
○野村委員 自民党を代表しまして、冒頭、尋問をさせていただきます。
ただいま山崎委員長のお話にございましたとおり、現在の都政の停滞を打破するために、私どもは執行機関のありようを問う、そのような意味合いを込めて今回の百条委員会に臨ませていただいていることを冒頭申し上げさせていただきます。
石原知事とともに、私ども、この都政運営における沈滞状況を打破して真の都政改革実現を目指すかたい決意を持っていることをまず表明させていただきたいと存じます。
今回の問題も、何ゆえ、何年も議会で予算承認され、都の内部手続においても特に問題視されていなかった事例が、包括外部監査の対象に選び、さらに改善すべきとの指摘内容程度のことで、副知事が担当局長を差しおいて予算特別委員会の答弁に立つなど、従来の議会審議の状況から見て大変不自然であり作為的ではないかという感じを持っております。
ただいまの副知事のご発言では、民主党の議員に質問を依頼した事実はないとおっしゃっておりますが、私ども、民主党議員の質問と副知事のやりとりの中で、また、委員長がお触れになりましたとおり、ほかからのあらゆる情報から勘案して、両者の間に一定程度の連絡調整があったのではないかという--執行機関と議会との健全な牽制関係、対立関係、これが二元制の議会のあり方でございますが、こういった議会制民主主義の原理原則を尊重しないこのようなあり方に疑念を抱いていることも指摘させていただきたいと思います。
なお、委員長のお話もございましたとおり、濱渦副知事選任に際しましては、私ども、副知事にお願いやご注意を申し上げ、濱渦副知事ご本人からも、努力するとのお約束をいただいております。にもかかわらず、最近は、都庁内から聞こえてくるあなたの執行機関の副知事としての職務のありようについて、専制政治ではないか、あるいは強権政治ではないかという声も聞こえてまいります。
本来、地方公共団体は、いわゆる法治主義に基づいて、公の場で政策決定がなされ、意思決定がなされるのが当然でございますが、最近はえてして、濱渦さんご自身の人治主義に近い形で都政運営がされているのではないかという声も聞かれるわけでございます。
そういった中で、職員の士気にも影響を及ぼし、最近の管理職試験では、上位志向の職員が低下して、受験者が半減したとも聞いております。
このように、首都東京という巨大な行政組織を運営する優秀な職員を育成、養成するのも副知事のお仕事ではないかと思います。こういったことにもひとつ自覚を呼び覚ましていただきたいと思うのでございます。
どうか、そういったことを踏まえまして、一つ一つの質問をさせていただきたいと思います。
まず、百条委員会設置後の濱渦副知事ご自身の言動についてお伺いいたします。
今回の件にかかわっている濱渦副知事は、自公--自民党、公明党でございますが、ばらばらにしてやるとか、あるいはずたずたにしてやるとか、このような趣旨の発言を某所でなさったと私ども聞いているのでございますが、このようなご発言をなさったのか、お伺いいたします。
○濱渦証人 私はそんなことをいったことは一回もございませんが、それをお聞きになった方にもう一度ご確認をお願いしたいと思います。
○野村委員 次に、濱渦副知事が福祉総合学院について問題意識をお持ちになったきっかけについてお伺いいたします。
社会福祉総合学院に問題あるという認識を持ったのはいつか、また、そのきっかけとなったのはどのような情報を入手したことによるのか、お伺いいたします。
○濱渦証人 一月の二十日に包括外部監査人によりまして知事のブリーフィングがございました。そのときでございます。
○野村委員 その情報は、いつ、どこから、どのような形で入手したのか。今お答えいただいておりますが、私ども、百条委員会なものでございますので、一問一問、承知の上で聞かせていただくので、お許しいただきたいと思います。
副知事への情報提供者の氏名と関係を明らかにしてください。
○濱渦証人 包括外部監査人の守屋さんであります。
○野村委員 副知事から包括外部監査人へ何らかの情報提供があったという話が伝わっていますが、このことは事実かどうか。事実とすれば、いつ、どのような情報を提供したのか、お伺いいたします。
○濱渦証人 一月二十日以前にはございません。
○野村委員 三月十四日の予特の答弁にかかわる質問をさせていただきます。
予算特別委員会で質問があることは、民主党から事前に打診がおありだったのか、また、質疑方法について調整されたのか。既にご答弁されている部分もございますが、重ねてお聞かせください。
○山崎委員長 挙手をしてからにしてください。
○濱渦証人 事前の打ち合わせはございません。金曜日、前の週の金曜日に、質問の中に、監理団体の改革についてということで、私の氏名がありましたので、行政改革室に具体的な答弁の趣旨について用意をするようにお願いしました。
○野村委員 お答えはいただいておりますが、そのお答えを前提としないで、先ほど申し上げたように、調査という意味で質問させていただきます。
事前調整があったとして、いつ、どこで、だれと調整されたのか。
○濱渦証人 事前調整はございません。
○野村委員 事実確認は、通常、所管局長答弁がしかるべきものでございますが、何ゆえいきなり副知事に答弁を振られることとなったのでございましょうか。これも、今のご答弁でお聞きしておりますが、改めてお聞きいたしたいと思います。
○濱渦証人 私は、あのときには、一、二、三問ありましたが、この委員会において委員から質問がありましたから、お答えしました。
私は過去にも、監理団体について、生活者ネットから女性財団のことについて、事前の答弁の趣旨等々のそういうお話はないままお答えしたこともございますし、この委員会ではもう一度、自民党田島委員からも、事前のそういう予告もないままで指名がありましてお答えしました。真摯に、質問があれば、そこでお答えしていく姿勢を保っております。
○野村委員 三月十四日の予算特別委員会で、他会派も質問していましたが、予算の提案者である副知事が、不法でない形で処理されないといけないと思うと、そのような発言をなさいましたが、私どもは、副知事のご発言から判断して、この予算は瑕疵ある予算ではないかと、そのように受けとめました。そのような瑕疵ある予算を議会に提案したことをどうお思いになっているのか、承ります。
○濱渦証人 私は、瑕疵ある予算とは思っていません。立派な予算と思っております。
○野村委員 次に、社会事業団のあり方についてのご認識をお聞かせいただきたいと思います。
社会福祉事業団に問題あるとの認識は、いつからお持ちになりましたか。
○濱渦証人 一月二十日の守屋監査人における知事ブリーフィングでございます。
○野村委員 事業団はこれまで、監理団体改革の努力をしてこられたのではございませんでしょうか。
○濱渦証人 随分努力をしてきたと思います。
○野村委員 副知事は、監理団体改革の責任者として、これまでの社会福祉事業団にどのような指導をなされてきましたか。
○濱渦証人 社会福祉事業団につきましては、福祉局が中心で指導しておりました。
○野村委員 副知事の指導や努力の結果、一向に改善が見られないため、この発言になったとすれば、指導は、いつ、何を、どこに対してされてきたのか、今のご答弁と食い違いますが、あくまで調査ということで聞かせていただいております。お答えください。
副知事の指導や努力の結果、一向に改善が見られないため、そのように副知事がご認識なさってこの発言になったとすれば、指導は、いつ、何を、どこに対してされてきたのか。
○濱渦証人 そのような認識はございません。
○野村委員 監理団体は毎年経営目標の設定と実績報告に対する評価がなされております。過去五年、どのような評価を副知事は与えていらしたのか。先ほどのご答弁では、一月二十日をきっかけにご認識を持ったと思いますが、監理団体所管の副知事として、やはり過去五年間、所管になったのは最近でございましょうが、その五年間、どのような評価を与えていられたのか、お聞きしたいと思います。
○濱渦証人 一月の二十日を迎える以前においては、報告は、私の方でかかわる限りにおいては、合理的な方法--職員等々のあり方も含めですね、そういうことは改革を前進してくださいというお願いをしておりました。
○野村委員 包括外部監査報告は、指定管理者制度を見据えた経営体質強化の提言や日々の施設運営に対する提言が多いのでございます。むしろしっかりやってほしいという意見ではないかと。あり方が問われていることとは相当の認識のずれがあるように感じますが、いかがでございましょうか。
○濱渦証人 社会福祉事業団そのものは、包括外部監査人も本会議でご指摘があるように、「指定管理者制度の実施は平成十八年度です。まさに目前に迫っております。はっきり申し上げまして、現状では、事業団が民間社会福祉法人と競争に打ち勝つことは極めて困難と考えます。」、そういうご意見をちょうだいしました。
○野村委員 副知事には、包括外部監査人の正式報告以外の裏情報が入っていらっしゃいますか。
○濱渦証人 裏といった情報はございませんが、詳細に疑問があるところを確認してくれと知事からお話がありまして、それの意見をちょうだいしております。
○野村委員 ただいまのお答えで、意見をちょうだいしているというのは、監査人の意見ですか、知事の意見でございますか。
○濱渦証人 包括外部監査人の意見でございます。
○野村委員 一連の社会福祉事業団のあり方についての濱渦副知事のご認識を承りましたが、やはり監理団体所管の副知事として、一月二十日以降、正確なといいますか、深いご認識をお持ちになったと。だとすると、それ以前にやはり、今の時点であなたが問題ありとしている事業団のあり方について、一月二十日以前に何ゆえそのような深いご認識を持たれなかったのか、これが非常に不思議に思うのでございます。大変失礼な表現でございますが、そこのところは少し関心が薄かったのか、もっと失礼ないいようをすれば怠慢であったのか--お許しください、こういう言葉遣いしかできないので勘弁してください。その辺お聞かせいただきたいと思います。
○濱渦証人 社会福祉事業団に関する細かい情報というのが手元に届いておりませんでした。
○野村委員 届いていないというのは不思議なんでございますが、それは福祉保健局長を初め、あるいは総務局の監理団体担当が濱渦さんに報告しなかったということでございますか。
○濱渦証人 行革室、その中で、年度年度の報告書というような大きな冊子はちょうだいしております。
○野村委員 その中に社会福祉事業団について触れていなかったということでございますか。あるいは担当副知事の目に触れなかったということでございますか。もう少し具体的にいえば、その部分は読まなかったということでございますか。
○濱渦証人 先ほども申し上げました、私は社会福祉事業団がこのままではうまくいかないかもしれないので、いろいろな改革案を出してください、その中には民間の力を借りるようにということを指示をしておりました。
○野村委員 それでは、また論点を変えさせていただきます。私の持ち時間もございますので、後の委員さん、よろしくお願い申し上げます。
産経新聞の記事と包括外部監査の意見との対比について承ります。
二月二十三日の報道では、不適切な行政運営がなかったか調査すると新聞記事に載っております。これは当然主語は東京都であろうと思います。この調査は、副知事の指示に基づくものなんでございましょうか。
○濱渦証人 よくわかりませんけど、私の方からはそういうような取材に応じたことはございません。
○野村委員 取材に応じたということではございませんで、新聞報道の中で、東京都が調査をすると。都庁内の調査を副知事が指示なさったかどうか、その事実をお伺いしているのです。
○濱渦証人 一月の二十八日に事前の包括外部監査の報告がございました、関係各局でございますが。その席で知事からおしかりを受けまして、しっかりもっと具体的に調査しろという指示がありまして、二月の二日に、総務局、福祉局、財務局、局長さんに私の部屋に来ていただきまして、よくわかるように皆さんの方で精査をして報告をしていただきたい、このようにお願いしました。
○野村委員 その後、調査せよとの指示に対する報告は上がったのか、あった場合は報告者はどなたで、どのような内容でございましたか。
○濱渦証人 私、その後、シティーセールスで外遊しておりましたので、帰りまして、二月の十八日、先ほど申し上げました関係三局、これは福祉局を中心にして調べてくださいといいましたので、福祉局長からおおむねの経過の報告をちょうだいいたしました。
○野村委員 副知事はこの件で、この件というのは、調査報告があったという事実に基づいて、産経新聞や週刊ポストなどマスコミから取材を受けたことはございますか、またどのような内容の取材であったか。また逆に、副知事自身から情報提供したことはございますか、
○濱渦証人 取材に応じたことはございません。情報提供もございません。
○野村委員 これら一連の報道記事と包括外部監査の意見は大きく異なっているように感じますが、副知事のご見解はいかがでございましょうか。
○濱渦証人 まことに失礼ですが、私の知るところではございません。
○野村委員 失礼ないいようを再度させていただきますが、私が指しているのは、「歪んだ補助金」という産経新聞の記事、具体的に。また、何紙かも報道されております。産経新聞の「歪んだ補助金」の記事はお読みになりましたか。
○濱渦証人 読んだことがございます。
○野村委員 産経の記事内容と外部監査人の報告とは大きな食い違いがあるというのは私どもの認識でございます。今回その食い違いの対比も資料請求しておりますが、このことについてのご認識はいかがでございましょうか。
○濱渦証人 私は、新聞によって、記事によって政策をとは考えておりませんので、余り精査しておりません。
○野村委員 三月十四日の民主党の中村議員のご質問のきっかけとしては、外部監査人の報告と新聞記事、それによっていろいろな不合理、不思議な事件が起きている、そういうご質問でございました。それに対してお答えした濱渦副知事のお言葉の中に、不当であってはならない、正当な形に戻さなきゃならない、そういうご答弁がありましたので、一般都民あるいはマスコミは、この一連の中村議員の質問に対する、それに対応した副知事の答弁、それが一体的なものとしてとらえられているわけで、そこに大きな誤認、誤解を生じていると僕は思います。一つ、その点のご認識はいかがでございましょうか。
○濱渦証人 私もそう思います。私の発言と報道されている内容は随分違うものだなと思っております。
○野村委員 まあ、この先はまた改めて聞かせていただくことにしまして、今度財産の利活用についてのご認識を承りたいと思います。
都の公有財産の利活用については、監理団体を含め全体の点検をしていると思いますが、効率性や採算性などから、今までもいろいろ議会で質問されているものもある中で、ほかと比べて何ゆえこの社会福祉総合学院を取り上げたのか、そのご認識はいかがでございましょうか。
○濱渦証人 私は、これを取り上げたんでなくて、包括外部監査人が取り上げて報告いただいたんです。
○野村委員 知事が事の発端と答弁するからには、何らかの調査がなされ、その報告がなされていると思うんでございます。知事答弁があった、端切れ地など都有財産を有効に使うための調査では、社会福祉総合学院に関しては、だれがいつ、どのような調査を行ったのか、事実をご存じならば、お述べいただきたいと思います。
○濱渦証人 私は、各三局にお願いをして報告いただきましたのが二月十八日でございまして、そのときに、まだ局間で意見が調整ができない部分がございましたので、再度調査を私はお願いしております。その後の展開は、私の手から若干違う方向に行っております。
したがって、具体的な報告は途中になっております。
○野村委員 財産利活用を所管する副知事として、副知事からも指示を出しているのではないかと思われます。指示していれば、だれに対して、いつ、どのような調査を指示されているのか。調査でございますので、繰り返しますが(濱渦証人「利活用ですか」と呼ぶ)そうです、ご答弁ください。
○濱渦証人 公有財産の利活用について、昨年の八月、新任局長さんが就任をしました第一回の庁議におきまして知事が発言をいたしました。その後、報告が私にも知事にも上がってまいりませんので、本年度になりまして、たしか、正確な数字、日にちを持ち合わせておりませんが、ことしの一番最初の、予算のでき上がった庁議がございました。そのときに、知事からもう一度、関係局に協力をして出すようにと指示がありました。しかし、その後、私のもとには上がっておりません。まだ調査中のようでございます。
○野村委員 財産利活用全般についてと福祉総合学院の土地利用について、出納長、財務局長は、調査に関与しておりますか。
○濱渦証人 報告を受けていないのでわかりません。
○野村委員 この財産利活用の調査について、知事に対してはどのような報告を上げていらっしゃいますか。
○濱渦証人 まだ報告できておりません。
○野村委員 社会福祉総合学院以外にも、福祉局所管の施設の利活用の検討を行っていると思いますが、具体的にはどことどこの施設が対象となっておりますか。
○濱渦証人 対象は、東京都の所有するすべてでございます。
○野村委員 福祉総合学院を何か別の用途に活用するねらいがおありですか。
○濱渦証人 私には全くございません。
○野村委員 一部情報によると、濱渦副知事が福祉総合学院を追い出して、何か東京都の新しいプロジェクトを、発想を持っていると、そんな情報を流すふらちなやつもいるわけでございます。そのような事実はございませんか。
○濱渦証人 いいアイデアでしたらぜひちょうだいしたいと思いますが、私にはありません。
○野村委員 次に、知事答弁の中で、知事さんが、念書と、ある文書とお触れになっております。これについてお伺いします。
三月十四日の予算特別委員会での中村委員の質問に対し、知事は、局が出した念書、ある文書に、学校法人の成立に特例中の特例とかいう認識を局が述べていると答弁されています。
この答弁を行うに際して、あるいはその以前に知事に報告があったと思いますが、だれがいつ、どのような報告を行ったのか、また、そのときの同席者はどなたか、お聞かせください。
○濱渦証人 私には、知事の答弁の趣旨については、よくわかりません。特に、その中でいわれている単語というんですかね。念書については、一月二十日の包括外部監査人の報告の中で、そういう表現はございました。
○野村委員 三月十四日の知事答弁を引用して私は聞きましたが、二月二十五日の知事の記者会見でも、同じような趣旨のご発言がございました。この記者会見に際して、知事にそのような発言をされる資料の提供者が、あるいは記録があるのではないかと、この委員会では現在資料請求しておりますが、現在のところ、そのような資料を出せない、存在しないと、そういう今、状況でございます。
しかしながら、知事がみずから、これだけ大きな都庁の全般的な行政事務を把握するはずがないので、必ず記者会見の前には、どなたかがサジェスチョンを知事に差し上げて、それに基づいて、知事の判断において、記者会見でみずからのお言葉で語っていると思うんです。
にもかかわらず、現在、資料請求の中で、知事にそのサジェスチョンを提供した氏名すら私どもに届いていない。これは少しあり得ない話ではないかと思いますが、一番側近中の側近の濱渦副知事、知事の記者会見の前に、そういう知事へのサジェスチョンをする役割をお持ちの方はいるはずでございます。通常どなたでございますか。
○濱渦証人 通常は、知事本局の政策部長でございます。お尋ねの件、私にも全くありません。すべてが私の情報だけではないんではないかと私も思っております。
○野村委員 次に、包括外部監査について質問を申し上げます。
包括外部監査報告が補助金が正当でないかもしれないとの疑念を発しているのはどの部分か、補助金が正当でないかもしれないと濱渦副知事が中村議員の質問に対してご答弁なさっておりますが、このご指摘が監査報告書のどの部分に該当するのか。
○濱渦証人 包括外部監査人からお話を聞きましたのは、社会福祉事業団全般の話の中で、るるご指摘ありました。そして、包括外部監査人は、学院の建物は、特定の学校法人が継続的に使用する可能性があるが--少し長いですけれども、借入金償還額及び利息相当額は、すべて都から補助金として事業団に支出されており、現況を維持すれば、現況を維持すれば、今後、平成二十二年までに約十八億、累計で、累積で約二十一億が東京都から支出されることが見込まれる、また、学院建物の賃貸料は、プロポーザル方式による提案額を参考として決定されている、平成十五年度の賃貸料は五千六百七十万円であるのに対して、その維持コストは、東京都が所有する土地の地代を考慮しなくても、現在の賃貸料よりも大きな費用である、学院建物の建設経緯と福祉人材養成機関としての性質を考慮しても、現在の賃貸料とは大きな乖離があるなどを述べられまして、学院運営の実績を踏まえ、都からの補助金を極力削減できるよう、学院の運営のあり方について根本的な見直しを図られたいという意見が付されました。
このように、学院の状況について厳しい意見が包括外部監査人から述べられたことを、私、監理団体改革担当の副知事として重く受けとめております。したがって、発言は、学院について、早期の是正を求められている状態を非常に危惧して思った表現でございます。
○野村委員 監査人の報告に基づいて、濱渦副知事は、補助金が正当でないかもしれないという疑念を抱かれたわけでございますが、社会福祉事業団に対する都の補助金、建設費にかかわる整備補助金でございます、十年間でおおむね二十一億円、十七年度予算で三億二百五十八万円、これは準債務負担行為でございますので、かつて議会でも承認し、毎年、福祉局の予算説明でも、この部分の説明が議会でなされております。
こういう都庁として正当な手続をとった補助金が、正当でないかもしれないというご認識は、かなり誤認をされているといっても過言ではないのでございますが、いかがでございましょうか。
○濱渦証人 私も、今まで行われた補助金は正しいものと思っております、現在も。しかしながら、包括外部監査人の方から、早くこれを是正しないといけないよという指摘をいただきまして、担当副知事としては、時間を置かず、早い機会にそれを是正すべきであるものという、そういう認識を得ました。
○野村委員 社会福祉事業団には、東京都は、この準債務負担行為の補助金とは別に、事務費として、学院の福祉人材養成機関への教務費約三千五百万を支出しております。逆に、敬心学園から五千七百五十万円程度の賃貸料を取っているわけでございます。
これらのすべての数字、予算構成のありようというものは正当なものであるわけでございまして、その辺、監査人さんは、これは民間の会計基準の見方でございますから、監査人の先生のごらんになる判断基準も、これは一つの見方として正当性があろうと思いますが、私ども議会で、数年にわたって議決で承認してきた行政事務の正当な手続を踏まえた事柄に対して、監査人がおっしゃることによって、正当でないかもしれないと、そういうご認識をお持ちになるのは、少し早計ではないでございましょうか。
執行機関のナンバーツーとして、まずもって、歴史的に行政が、あなた自身が統括する地方公共団体が正当な手続でやってきたこれらの事柄に対して、監査人の指摘で、短時日に、慎重に検討しないで正当でないかもしれないと、そのようなご指摘を、しかも予算を提案している委員会で答弁でおっしゃるというのは、余りにも軽率ではないかと。
外部監査人というのは、知事において参考意見として承って、その尊重義務はありますけれども、過去の行政の正当不当を問うものではないと僕は思います。その判断の価値基準を、従来の伝統的な正当な行政事務に置くのか、しかも議決をしたことの厳粛な事実に置くのか、それとも民間から採用した外部監査人の報告に置くのか、その辺の副知事自身の選択の判断を聞かせていただきたいと思います。
○濱渦証人 予算を、これは十五年度の予算について監査をされまして、行政の中では、予算を決めて執行いたしますが、それが本当に適正であったかどうかというのを、包括外部監査に、法律上、外部の監査によって精査していただき、ますます都政、納税者である都民であり、行政サービスを受ける都民、国民にわかりやすく、より効率のいい行政をするため、そのためには、包括外部監査人の監査報告というのは、大変重要で有益だと思っております。
それに従いまして包括外部監査人がそういう危惧を発したところでありますので、それをただ無視するわけにはいかないと思っております。
○野村委員 この点は、執行機関と議会との判断の中で、外部監査人の報告をどう取り扱うか、非常にこれから議論を必要とすることではなかろうかと思いますので、今後の議論にゆだねていきたいと思います。
十四日の予特での答弁の副知事のそれぞれの用語の使い方について再度質問させていただきますが、不法という表現をおとりになりました。また、本来の形という表現をとりました。これはどういう根拠で不法であるのか、また本来の形とは何を指すのか、お聞かせください。
○濱渦証人 私が申し上げました不法でない形というのは、将来これを是正、改善をしていくときに、具体的な地方自治法等で抵触しないような方向でしないといけないという未来の姿勢であります。
そしてもう一点は、本来の形というのは、包括外部監査人が、意見や指摘やいろいろご心配もいただいております。それが改善しないといけない。改善された姿が本来の姿でございます。
○野村委員 法律家にいわせると、不法と違法と正当は、それぞれ法律的概念の解釈が違いがあるそうでございますが、私どもも一般的に、議会の場合で不法と表現されると、これは法的な違法行為と、普通そう受けとめるのが通常でございます。今後、その辺の表現については、厳密な言葉の選びようが必要ではなかろうかと思います。
次に、不法とおっしゃった判断に際して、弁護士さんに確認した事実がございますか。
○濱渦証人 そういう事実がございません。
○野村委員 次に、福祉改革の評価についての道筋をたどらせていただきたいと思います。
事業団が直営で事業実施した場合と現在の委託方式との比較は、濱渦副知事自身でなさったか、あるいは組織的にこの比較をなさったか、お聞かせいただきたいと思います。事業団が直営で事業実施した場合と現在の委託方式ですね、その比較をなさったか。
既に先日の予特の締めくくり総括で、高島議員が、クエスチョン七でその道筋を数字を上げて出しておりますが、改めてお聞かせくださいませ。
○濱渦証人 私にはよくわかりませんが、本来、社会福祉事業団に対する行政指導というのは福祉局でやっておりましたので、数字等については私はわかりませんが、これから先は、現在、調査委員会といいますか、改善委員会を設置しておりますので、そこで明らかになるものと思います。
○野村委員 日常的な副知事の情報の把握のありようとしては、それはやむを得ないことかもしれませんが、今回、外部監査人の報告に触発されて認識をお持ちになったと。しかしながら、この事業団が直営である場合は、従来は二億三千万、年間かかっている。これを学校法人に委託した結果はご存じのとおりの数字でございます。
この程度の比較は、当然、一月二十日以前に、当たり前の、このお仕事の判断として把握しておかなきゃいけなかったことではないかと思うんです。大変失礼でございますが、その辺、抜けていたんじゃないかと思います。どうぞ。
○濱渦証人 わかりました。質問の趣旨はわかりましたので。
直営か民営化かという話については、先ほども申し上げましたが、社会福祉事業団そのものがこのまま硬直した形であっていいかというのは数年前議論がありまして、できることは民間にする、そして同時に、国の方の社会保険に関する政策も変わってきていますから、それに応じた緩やかな政策をということをお願いしたのはあります。
○野村委員 福祉局は、都立施設の民間委託や民間移譲、地域自治体への移管など、積極的に外部化を進めております。そのことと、社会福祉総合学院は、同じ公設民営方式の一形態ではないかと思うのでございます。
予算特別委員会の議論におきましても、この過去の手続を含めて疑義があるのではないかという民主党さんの中心の議論展開があったわけでございますが、公設民営方式の一形態であるというご認識はいかがでございましょうか。
○濱渦証人 何形態ですか。
○野村委員 社会福祉総合学院の公設民営方式ですね。建物を賃貸し、運営は民間がやると。
○濱渦証人 社会福祉事業団の行っている福祉施設については、多く民営化を進めているところであります。民の力をかりてやっていっているところであります。
今回の総合学院については、今、どういう流れであったかというのは精査をしている最中、調査中でございます。
○野村委員 社会福祉総合学院の運営方式の見直しにつきましても福祉改革の一環だと思いますが、副知事の評価は異なりますか。
○濱渦証人 いろんな手法とか合理性があろうと思いますが、現在は調査中でございます。
○野村委員 先ほども申し上げましたように、予特で高島議員が発言しましたように、過去の政策決定の判断に当たって行った方策やその経緯について、後知恵で現在の基準で断罪して問うとしたら、職員は後で責任を問われるぐらいならと、皆、前例踏襲のやり方でしかやらなくなると。福祉改革のような大きな政策変更を進めることなどできっこない。都庁のトップがそのような姿勢なら、職員の士気は落ちること明らか。職員のトップに立つ副知事の考えをお聞きいたしたいと思います。
○濱渦証人 当初、一番最初に委員長からも、委員からもご質問がありましたが、私は、副知事という職を知事を補佐するということを中心に考えておりますし、知事は、都民に対して行政サービスを拡大し、改革をしていこうと。その限りにおいて一生懸命やっているところでございます。
そうしますと、私たちが物事を進めるときに、かつての政策が、必ずしも今同じであるかどうかというのは、社会の動き、あるいはその進展によって変わってくることも施策で大いにあります。そこが、改革という意味で石原知事の力強いところだと思っております。その指示に従ってこれからもやっていきたいと考えております。
○野村委員 私どもは、現状認識において、今の価値判断で問題があれば、おっしゃるとおり、将来に向かって見直すと。これは当然、都政改革でございます。
しかしながら、過去におきましても、福祉改革を含めて各都政改革をやっております。その時点でも、職員も議会も痛みを分かち合って努力してきた、この努力の実績を今の価値判断で不当であるとか適当でないと断罪することは、これは間違っている、不適当である。こういった行政の一つの歴史というものをやはり尊重していただかないと、今の職員もやる気を失ってしまう。
議会も何のために痛みを分かち合ったのか。じゃ、石原さんのいう都政改革なんて、議会はつき合わない。福祉だったら、垂れ流し。その方が楽ですよ、普通の意味では。お互い、新しい施策に転換するための過渡期の痛みを分かち合っている、これが大事なのでございまして、そこを十分忘れないようにお願い申し上げたい。
私の持論でいえば、この百条委員会でいうような話じゃないけれども、引用させていただけば、濱渦副知事も、大東亜戦争は正しかったと思っているでしょう。今の平和の時代に、大東亜戦争は間違っているというグループもいますよ。それと同じでございまして、今の平和ぼけの中で、過去の民族が立ち上がった歴史を批判するのは簡単だけど、それじゃ、これからの国民、祖国を思ってどう生きていけるのかと。
そういったことを、本当、世界の違う引用でございますが、過去を下手に断罪しちゃいけませんよと申し上げているわけでございます。(発言する者あり)応援のやじですか。
外部機関への検討等、依頼事項についてお伺いいたします。
社会福祉総合学院の運営について、外部に資料提供して検討、調査、分析させたというお話がございますが、事実でございましょうか。事実とすれば、だれがだれに対して、どのような権限で内部資料を提供、依頼したのか、お聞きいたします。
○濱渦証人 私は、そういうことは行っておりません。
○野村委員 あと三問、設問を用意してございましたが、前提条件が全くなくなっちゃったので、三問は割愛させていただきます。また後日、必要なら、また質問させていただきます。時間もございませんので。
次に、新聞記事関連について聞かせていただきたいと思います。
包括外部監査人から議会に正式な報告がなされる前日、詳細な新聞記事は、特定の一紙のみが報道しております。副知事はこの新聞社の取材を受けた事実はあるか、先ほど聞いておりますが、繰り返し聞かせてください。
○濱渦証人 産経新聞に限らず、ございません。
○野村委員 提出されている取材報告書による内容だけでこの記事は書けない。万が一、取材を受けた事実を隠ぺいしているか、あるいは資料を特定の一紙だけに流した事実があれば厳しく処断されるべきと考えますが、いかがでございましょうか。これも、お答えで前提が違っておりますが、聞かせてください。
○濱渦証人 私は取材を受けておりません。
○野村委員 記事では、不適切な行政運営がなかったか、詳しく調査するとしていますが、だれがだれに対して調査指示を出しているのか、まだ出していないとすれば、この記事は誤報なのか。これも同じく前提が違いますが、一応お答えくださいませ。
○濱渦証人 私は全くわかりません。
○野村委員 予定された時間も参りまして、自民党を代表して濱渦副知事への質問はこれで終わらせていただきますが、また後日、改めてお聞きしたい点が多々ございますので、後日またこの席にお越しいただくようよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもご苦労さまでございました。
○山崎委員長 ありがとうございました。
証人、副知事濱渦武生君は、この後、日程が入っているようでございますので、一たん尋問はここで閉じさせていただき、なお、十七時にはお戻りいただけるということを伺っておりますので、後の各会派の尋問については、濱渦副知事がお戻りになってから再度尋問をさせていただきますので、ご了承願います。
それでは、ご退席して結構でございます。
〔濱渦証人退席〕
○山崎委員長 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
午後二時二十九分休憩
午後三時三十六分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
〔赤星証人着席〕
次に、証人、総務局長赤星經昭君から証言を求めます。
それでは、私からお尋ねいたします。
あなたは赤星經昭君ですか。
○赤星証人 赤星經昭であります。
○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○赤星証人 東京都総務局長、昭和二十年八月五日生まれでございます。
○山崎委員長 それでは、質問に入ります。
それでは、委員から発言の申し出がありますので、順次発言を許します。
服部ゆくお委員。
○服部委員 それでは、先ほどの質疑に続きまして、総務局長に私からお伺いさせていただきたいと思いますが、先ほど山崎委員長からもお話がありましたように、私どもは、石原知事誕生以来、東京から日本を変えていく、そういう気概を持って、議会と執行機関がきっちりそれぞれの役割を果たしながら、また二元性という形で都政に取り組んでまいりました。
そして、これからも私たちはそうした意味で都政の刷新や都政改革にこれからも真剣に取り組んでいきたい、そのような決意を持ちながら、今回この質疑をさせていただきたいと思います。
なお、総務局長に対する質疑でございまして、事実関係を明らかにしていくということでございますので、簡潔に伺いますので、答弁も簡潔にお願いいたしたいと思います。
それでは、冒頭、確認の意味で二点について伺います。
一点目は、今回の百条委員会の記録要求についてでございます。
本日段階で不存在等未提出となっている情報で総務局がお持ちの情報はないか。特になければよろしいのですが、隠匿していますと、後日問題となりますので、まずは確認をさせていただきます。
○赤星証人 私どもで持っている情報でお出ししていないものはございません。
○服部委員 二点目は、三月二十五日の予算特別委員会で大塚副知事から、この問題について、ここに新聞記事もございますけれども、見出しもありますが、違法との認識は全くないと見解が示されました。この答弁についていかがお考えでしょうか。
○赤星証人 私ども、包括外部監査報告書には、違法とか、そのような記載はございません。私たち、調査を命ぜられましたけれども、調査の段階で違法という内容を確認しておりません。
○服部委員 それでは、包括外部監査を所管する総務局長に対しまして、改めて事実関係を確認する意味で何点か質問させていただきます。
まず、本件東京都社会福祉総合学院に関する包括外部監査の結果について、総務局長がその内容を知ったのはいつのことか、またその経緯について伺います。
○赤星証人 包括外部監査のポイントというのを知りましたのは、昨年十二月の末だと思います。これは、私、事務局でございますので、事務局としてポイントだけを聞きました。
それから、具体的な内容を知りましたのは、全体でございますけれども……。ちょっと失礼します。
一月二十日に知事にご報告申し上げてありますけれども、その前に私のところへ事務的に持ってきてもらいました。私が受け取ったのは十三日ごろだったと思います。一月十三日ごろだったと思います。
○服部委員 今、一月二十日の前の、直接総務局長がその内容を知ったのは一月十三日ということですが、それでよろしいですか。
○赤星証人 おおむねそのころだった、正式な十三日かどうかわかりませんが、おおむねそのころだったと思います。
○服部委員 記録要求等、総務局からのこの資料ですけれども、それによりましても、一月二十八日、先ほども濱渦副知事の答弁の中にも、一月二十八日は再三出てまいりましたが、知事並びに濱渦副知事に対して内容の報告を行っていますね。
本件にかかわる知事並びに副知事の発言は、そのときの、どういう内容だったのか証言を伺います。
○赤星証人 まず、一月二十日の事前説明でございますけれども、これは知事、副知事、特別秘書、前川知事本局長、総務局長と私どもの事務局が外部監査人から報告を受けたわけでございますけれども、このときは、全体で、お手元に資料を提出してあると思いますけれども、概要という形でご説明していただきました。
その後、全体の説明の後に、知事から、都は資産の有効活用に努めているところであり、所管局だけでなく、局を超えた都庁全体として資産の有効活用を検討しているところであるという趣旨の発言がございました。
それから、一月二十八日でございますが、これは各担当セクションの局長さんをお呼びいただきまして、知事、副知事--福永副知事は所用で出かけていらっしゃいませんでしたけれども、知事、三副知事、出納長、教育長、特別秘書、知事本局長、財務局長、監査対象局の生活文化局長、福祉保健局長、水道局長、それから水道局の技監、多摩水道改革推進本部長、そして私と事務局、それから関係局の事務局も入っておりますけれども、その段階でお話がございましたのは、外部監査人から全体の報告がございまして、知事は冒頭で退席されました。
冒頭に知事から、しっかりやるように各局に叱咤激励はございました。外部監査というのは大事なことなので、しっかりやるようにというお話がありました。
それから、各局長でございますけれども、それぞれ外部監査の指摘というか意見等がございました後に、例えば福祉保健局、今回の関連でございますけれども、事業団が転換点に立つ時期に、これ、正確ではございませんけれども、時期に監査を受けたことは意義深かったというようなご発言がございました。
○服部委員 私が伺っているのは、知事が今冒頭で退席をされた、しっかりやれといって。知事並びに副知事の発言、三副知事はそのまま残っておられたわけですが、三副知事はどういう内容だったのか、発言をされたのか、その点を伺っているんです。
○赤星証人 その際に、資産の活用の話がちょこっと出ましたので、二十日のときも出たというお話、先ほど申し上げたんですけれども、事業団の土地に関して、福祉局だけでなく、局をまたいで資産の活用を考えるようにという趣旨の知事の発言がございまして、濱渦副知事からは、全庁的にということなので、関係局にお集まりいただいて、私の方で協議したい旨の発言がございました。
○服部委員 濱渦副知事から発言があったということですね。
私、これから質問していきますのは、一連の流れの中で事実関係の確認ですから、どうぞ的確に簡潔にまたお答えいただければと思いますが、包括外部監査人に対して、濱渦副知事が本件に言及するよう促す発言があったと聞きますが、どういう状況だったんでしょうか。
○赤星証人 それは、一月二十日の話だと思いますが、一月二十日の段階で、知事、先ほど申し上げました説明をしましたときに、報告書本文もごらんになっておられました濱渦副知事から、社会福祉総合学院はとの質問があったと思っております。
○服部委員 今のお話のように、一月二十日に濱渦副知事から、今答弁いただいた発言があったと、そういうことですね。
それから、正式にこの包括外部監査報告書として報告あるいは公表されたもの以外に、こういった報告書ですが、先ほどもちょっと質疑もありましたけれども、隠された文書があるんじゃないかとか、裏の監査報告があるんじゃないか、あるいはさらに詳細な、詳しい、これ以外にですよ、これ以外にあるのではないかと仄聞しておりますけれども、そのような文書があるのかないのかお尋ねいたします。
○赤星証人 お出ししたポイントメモとか、そういうのは全部私どもお出ししておりますので、ほかに私どもの知っている範囲では、これらのすべて、私どもとしてはお出ししたつもりでございます。
で、今おっしゃった意味の資料があるかないかは存じ上げません。
○服部委員 次に、一月二十八日の外部監査人による報告、それ以前に本件について知事もしくは副知事に対して、総務局は内容報告をしたことがあるのかお伺いします。
○赤星証人 私どもでは、一月二十日に向けまして、一月十三日に福永副知事、一月十三日でございます。福永副知事。それから一月十八日に大塚副知事にご説明しておりまして、十三日に濱渦副知事にご説明の予定でございましたけれども、いらっしゃらなかったので、資料をお届けしてございます。
○服部委員 今のは議事録に残りますが、一月十三日は福永副知事で、濱渦副知事は不在のために資料だけ届けておいたと、そういうことですね。はい。
その際の、知事あるいは両副知事にも届けているわけですけれども、その発言はどんな内容だったのか。これは福永副知事、大塚副知事ということになると思うんですけれども。
○赤星証人 私はついていっておりません。私どもの事務局が行きましてご説明申し上げて、特に報告は受けておりません。ご説明して、特にこういった意見があるというふうな報告を受けておりません。
○服部委員 報告は受けていないということですので、次の質問に移ります。
資料59にもございますけれども、一月二十八日以降、本件について濱渦副知事から指示が出されたのかどうか伺います。
○赤星証人 二月二日に濱渦副知事から、総務局、財務局、福祉保健局の三局長が呼ばれまして、福祉保健局長をリーダーとした三局の部長級職員によるプロジェクトチームをつくって、社会福祉総合学院について調査するように口頭で指示されました。
その内容は、社会福祉総合学院の設置運営の経緯、都有財産活用の経緯、受託者決定に至る経緯について事実関係を明らかにするようにという趣旨であったと記憶しております。
○服部委員 それでは、そのような副知事から指示を受けて、総務局長は部下に対してどのような指示を行ったのか伺います。
○赤星証人 私どもで、行政改革推進室長と行政監察室の首席監察員がメンバーとして参加いたしますので、事実関係の調査があるので欠落がないように参加しろと指示いたしました。
○服部委員 それでは、副知事からの指示に対して、総務局はどのような内容の報告を今度は副知事に対して行ったのか、それを伺います。
○赤星証人 先ほど申し上げましたように、リーダーが福祉保健局長でございますので、福祉保健局と財務局、そして私どものメンバーで検討会を四回ほど開催したようでございますけれども、その私どもとしての報告書はございませんで、トータルの報告書として二枚のペーパーにまとめて出されたと記憶しております。それに資料が、大部の資料がついて、それを、二月十八日の日に三局長が立ち合いまして福祉保健局長から副知事に報告申し上げました。
○服部委員 それでは、副知事からの指示に対して、三局の関係部長が何度か協議を行ったということですけれども、局長が知り得る範囲で、各局の主張はどういうものだったのか、それを伺います。
○赤星証人 全体として、その流れ自体には相違がなかったと聞いておりますけれども、一つ、財産の利活用関係の手続について福祉保健局と財務局の間で意見の相違があったと聞いております。
○服部委員 今回のこの包括外部監査では、今審議しているこの本件以外にも多くの指摘事項がありますが、それらについて濱渦副知事から受けた指示はありましたか。
○赤星証人 先ほど申し上げましたように、三局で二月二日に呼ばれまして、その後に二月十八日に報告申し上げたわけでございますけれども、その席で濱渦副知事から、財産管理上の問題で福祉保健局と財務局で意見の相違がありましたので、そこのところは具体的にどういう話があったのか、どういうやりとりがあって、どのような発言があったのか、改善するためにはどうしたらいいのか、局の見解を明らかにしてもらいたいとの趣旨の指示がなされております。
○服部委員 それでは、一般論としてお伺いしますけれども、都庁では事案を決定する場合に関係局との協議が必要な際には、両局の関係局同士の係長などの担当者同士で合意あるいは了解を得たものは、その後特に相手方から異議がなければ、上司の承認があったものとして組織として承認を得た協議案件として以降取り扱われる、そのように思うんですけれども、そう理解してよろしいでしょうか。
○赤星証人 実態上として、その係長同士でお話しすることはよくあることでございまして、そこで話がつくということがございますが、一般的には、話がつくと、協議という形で持ち込んで、その方の判こをもらうようにはしておる、私の局ではそういうふうにしております。
○服部委員 それでは、最後になりますが、臨床福祉専門学校の設置認可、これに関連しまして、敬心学園が練馬区長あてに提出した許可申請書、おわかりですね、これを見たことがありますか、ないのかあるのか証言をしてください。
○赤星証人 私、直接見たことございません。
○服部委員 以上です。
○山崎委員長 ご苦労さまでした。
続いて、東村理事の尋問をお願いします。
○東村委員 昨日、今回の百条委員会に伴う数々の資料を出していただきました。段ボール箱二箱という大量の資料でございましたが、私、何か昔を懐かしくなりまして、本当に必死になって一枚一枚めくりながら、今回の資料、目を通させていただきました。
その上で何点か、特に今回、監理団体の問題について絞って総務局長に尋問したいと思いますので、真摯に答えていただきたいと思います。
監理団体を所管する総務局長として、以下の点について何点か尋問に答えてもらいたいわけなんですが、総務局が策定するこの東京都監理団体経営計画、これはどのようなステップを踏んで作成されるのか、まずこれについて伺いたいと思います。
○赤星証人 お答えする前にちょっと一言、訂正でございますが、つけ加えさせていただきたいことが、先ほどの服部委員の。
係長同士でいろいろな話があったときに、判こを必ずもらうとかいうお話がございまして、実は私どもそういうふうに指示しておりますけれども、一〇〇%、残念ながらならない場合がありまして、私どもでもこれはきちっと印鑑もらわなきゃいけないよという中でも、漏れることがございます。そういうことがあるということだけご報告させていただきたいと思います。申しわけございません。
済みません、今……。
○東村委員 今、私は質問しておりませんが、勝手に訂正は認められるんでしょうか。
○山崎委員長 証人は聞かれたことに的確に答えなければいけない。で、訂正ということは、なれていないから仕方ないとしても、今、東村委員の発言中でもあり、証言は慎重にしていただかなければならない。以後、十分気をつけてください。
もしも、どうしても後ほど訂正があるのであれば、東村委員が終わってから、それなりに発言を求めるなり、委員長に要求をするなりしていただかないと、これは一々、ご存じのとおり、要綱もお読みと思いますので、虚偽の証言ということになりかねませんから、気をつけていただきますようお願いします。
○東村委員 質問しましたので、答えてもらいたいと思います。
○山崎委員長 はい。じゃ、答え。
○赤星証人 私ども、監理団体の改善計画をする際には、監理団体からヒアリングを行います。ヒアリングを行いまして、各局、団体との意見を調整したものを出していただいて、私どもと十分な調整を図っております。
○東村委員 そこで、この経営計画策定に際して所管をする、今回の質問の発端でありました民主党の中村委員の冒頭質問にもありました、監理団体を所管する副知事ということで、そこで、この所管する濱渦副知事は具体的にどのように関与しているのか、これについて答えてもらいたいと思います。
○赤星証人 毎年、監理団体を呼んで、いろいろな意見、それから監理団体計画の状況をご説明しておるところでございますけれども、全体状況をご説明した後、副知事の方から、監理団体の状況について、それぞれについて今後十分頑張っていただきたいというようなこともございますし、物によって個別にヒアリングを行うことがございます。
○東村委員 今、総務局長のご答弁を復唱するという形でよろしいでしょうか。状況を濱渦副知事に、この監理団体計画策定に際しては報告している、そして、物によっては個別にヒアリングも行っている、こういうことでよろしいでしょうか。
○赤星証人 結構でございます。
○東村委員 そこで、赤星総務局長は、今回の社会福祉総合学院の本件スキームについて、いつこれを関知したのか、これについて伺いたいと思います。
○赤星証人 私が、そのスキームと申しますのは、意見あるいはそこに書いてある指摘の内容でございましょうか。よろしいですか。
○東村委員 意見ではなくて、今回、東京都社会福祉事業団がこの敬心学園に民間委託をすることによってさまざま補助金を削減するという、こういったスキームですね。これについてはいつから関知していたか。
○赤星証人 昨年の十二月に全体のお話を伺いまして、それは要点だけでございまして、私が聞いたのは、一月の二十日に知事に全体状況を説明をするという一週間ぐらい前であったかと思います。
○東村委員 ということは、スキームについては、その一月の段階まで知らなかったと、こういうことでよろしいんですか。
○赤星証人 スキームというのは、委託のスキームについては私は存じ上げておりました。今回指摘されているような内容の全体像を知ったのは、一月二十日から一週間ぐらい前ということで、全体スキームとしては総務局長になって話を聞いておりますので、知っております。
○東村委員 よく質問を聞いておいてもらいたいんですが、私があくまでいっているのは、指摘の内容ではなくて、委託というスキームを知っていたのかと。これをいつごろから知っていたのか、これについてもう一度明確に答えてもらいたいと思います。
○赤星証人 私が総務局長に就任したのが十四年の七月でございました。そこで、十三年度の実績報告というのが翌年に、年度の翌年に報告が九月にございました。その時点でスキームを知りました。
○東村委員 今、局長がおっしゃった十三年度の実績表、私もこれ、インターネットで入手できますから、インターネットで入手しました。そこに、こう書いてあるんですね。東京都社会福祉総合学院の着実な運営ということで、「事業の効果的・効率的な運営と空き教室など施設の有効活用を図るため、運営形態について見直しを行い、十四年度当初からノウハウのある民間事業者への事業運営委託と教室等一括貸付を実施するため、事業運営者・借受者を決定した。」、ここまで書いてあります。
さらに、これは十四年度の実績報告書によりますと、実績表によりますと、財務という状況の中に、「社会福祉総合学院の運営の一部を民間学校法人に委託する方式に切り替え」、そして、さらに「収益事業として、社会福祉総合学院の建物賃貸借事業を開始した。」、ここまで明確に書かれているわけです。
これを受けて、総務局長として、これはもうご存じだったわけですよね。受けて、具体的にこの問題について、スキームは知っていたと。さまざまな観点から監理団体について検討されたのかどうか、これについて伺いたいと思います。
○赤星証人 私どもといたしまして、事業団が学院の運営を委託方式に変更したこと自体は、人員九人の削減、運営費補助金約二億円の削減が図られるということになりまして、私どもとしては監理団体の改革の意向に沿ったものと考えました。
○東村委員 ということは、今回のこの社会福祉事業団が行った改革、福祉改革の一つですね。これについては総務局長として評価をしていると、このように私は理解してよろしいでしょうか。
○赤星証人 その時点で、その方式に変更したこと自体、私は評価しております。
○東村委員 そこが大事なところなんですね。その時点において、そのような方式に変換をして改革をした、これは評価している。非常に大事なことであります。
そこで、先ほど、この監理団体の経営計画資料、これは今回も66番という形で、皆さんも見ていただければと思いますが、提出をされております。これについては当然濱渦副知事は知っていた、報告を受けていたということでよろしいでしょうか。
○赤星証人 細部までお読みになったかどうかわかりませんけれども、そういうことだと認識しております。
○東村委員 濱渦副知事が細部まで読んだかどうかは、この後、我が党の木内副委員長の質問に任せたいと思いますが、少なくとも副知事は、中村委員の答弁に対してこう答えているんです。行政サービスそのものは、時代であるとか社会の進展に伴いまして変わるものでありますから、硬直した施策だけではうまくいかないと思いますので、したがって、団体の設立趣旨にまでさかのぼって見直すこととしましたと、ここまでいい切っているわけですから、さまざま関心を持ってお読みになったんだと思うんですね。
この計画の中でも、これは起案は十四年三月二十五日、ここに十四年度東京都監理団体経営目標というのがあります。ここの経営目標に「昼間における空教室等を有償で貸し出すことにより自主財源を捻出し自己収支比率の向上を図る。」、ここまで書いてありますし、さらに、年を置いてこの十五年度、この十五年度の東京都監理団体経営目標、東京都社会福祉総合学院の運営、大きな字で書いてありますから、見出しでまずわかるわけですね。細部まで読む読まないというか、監理団体を自分が所管している副知事だと自負しているのであれば、私は必ずここは当然目に入ってくる部分だと思います。そこに「社会福祉総合学院における建物等の賃借により、自己収支比率の向上を図る。」、ここまでいい切っております。
したがって、私は、先ほど野村副委員長が濱渦副知事に質問した際に、知事に包括外部監査報告の際、守屋監査人のブリーフィングのときに初めて今回のスキームを知った、このような答弁をされていますので、これについては今の総務局長のご答弁もいただきながら、後ほど、先ほど申しましたように木内副委員長がこの問題について追及をしていきたい、このように思っております。
その上で、私は、この包括外部監査人の包括外部監査報告書というのを何度も詳細に読ませていただきました。その中で、選定した理由というのがございます。この選定した理由を私は何度も読んだんですけれども、選定した理由で、「社会福祉法人東京都社会福祉事業団の経営管理について」というのをテーマに持っていくのに、非常に苦心してわざわざ持っていったな、このように感じているわけですね。
というのは、最初、冒頭、東京都福祉局について、さまざまな事業がある、そして、心身障害者福祉対策が九百四十六億円と九百六十二億円、これは十四年度と十五年度、そして、児童福祉対策は八百四十五億円から今度は十五年度は五百八十七億円になったと、こういう記述がある中で、いきなり今度は、このような環境下の中、都が実施もしくは社会福祉事業団に委託している福祉事業に対して、このような事業がありますよと七つぐらい項目を並べて、そして、それを検証して、今回の社会福祉事業団の経営管理という監査テーマに当たったと。
このように持っていっているんですけれども、普通は、これは個別監査契約じゃなくて、包括外部なんですから、包括ということは、大きな東京都という枠組みの中でさまざまな検証をしていきながら、ここに問題点があるから、ここをきちっと掘り下げた、これが監査のやり方だと思うんですけれども、今回、私も、この事業団へ福祉局の予算から幾ら支出をされているか。大体普通まず監査人は、金額ベースで判断をしていきます。平成十四年度を見ると、福祉局の予算は五千六百二十七億九千九百万、これに対して事業団への支出は二百二十八億六千六百万円、占める割合は四・一%です。それから、平成十五年度、予算が五千二百八十三億二百万円、そして、事業団への支出が二百二十億六千二百万円、事業団への支出の占める割合が四・二%。
普通はこの四・二%をやるんじゃなくて、まず九六%の方の中で一番大きな金額は何か、大きな問題は何か、こういうことを包括外部監査というのは恐らくやっていくんでしょうけれども、何か恐らくこの監査をするに当たって、初めから社会福祉事業団を見なさいよというサジェスチョンがあったんじゃないか。この包括外部監査を所管する赤星総務局長の意見を求めたいと思います。
○赤星証人 外部監査のテーマの選定は外部監査人に任せられておりますので、私どもからしたという、こういうものをしていただきたいとか示唆した覚えはございません。
○東村委員 じゃ、そこで、局長から指示していないけれども、例えば副知事から局長にここを見なさいとか、局長を通り越して現場に、ここを見なさいとか、そういった指示があったとか、そういったことがあるかどうかについては、認識はいかがでしょうか。
○赤星証人 そういう報告は受けておりません。
○東村委員 私は、本来ならば、なぜこういう選定をしたのかということを、包括外部監査報告だけの選定理由では、三段論法というんですか、非常に行間が抜けていて、なぜここに至ったのかというのがなかなか理解できない部分があるんで、本来ならば包括外部監査人に証人として来ていただきたいなと思うんですけれども、これをやっちゃったら、恐らく東京都の外部監査はだれもやらなくなっちゃうんじゃないかと、私はそういった方も危惧しておりますので、せめて会計監査人がこの報告書を出す前に、現場でワーキングペーパーという監査調書、これを必ず作成して、ここも実は守屋さんというのはこの責任者なんですけれども、この人のもとに補助者として公認会計士が三名、米国税理士が一名、税理士が一名、こういった人たちが補助者としてついています。
私は、ここでこの詳細な選定理由も明らかにするためにも、ぜひともこの包括外部監査人、従事者、責任者を含め、補助者の監査調書、これは必ずありますから。監査調書を作成しないで公認会計士は仕事ができません。もしくは、体系立った監査調書がなくても、いわゆるワーキングペーパーというものがあると思います。これをぜひともこの委員会の証拠資料として提出していただいて、詳細に調査をしていきたい、このことを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山崎委員長 東村理事の尋問は終わりました。
続いて、名取理事の尋問を許します。
○名取委員 既に他の委員からいろいろお話が出ておりますので、若干重複をするかもわかりませんけれども、やはり尋問ということなので、次のさまざまな議論の、また考え方を含めてお話をしたい部分もありますので、お許しをいただいて尋問をさせていただきたいと思います。
冒頭、各委員の方からそれぞれの思いが述べられておりましたけれども、本来ならば、尋問でありますから、余り我々の主張を述べる必要はないんだろうな、このように考えておりますけれども、しかしながら、立場は立場として、そのような気持ちの中で、一言、二言、触れさせていただきたいと思います。
実は、私どもは大変若い会派でありまして、きょうも傍聴に来ている一年生の者たちが、本当に真剣にこの問題に取り組みながら、先ほども、冒頭、このメモをぜひ読み上げてくれといいますか、お話しをしてくれという要請もありましたので、若干このことについても触れさせていただきたいと思います。
あわせながら、実は、先般の日曜日のNHKの大河ドラマ、おごる平家という題材でありまして、まさしくおごる平家は久しからずやという気持ちを思い出すわけでありますが、委員長の冒頭の濱渦副知事に対する尋問の中で、濱渦さんが副知事に、最初のときに、私はそのときはおりませんでしたから、よく内容はわかりませんけれども、議会で承認をされなかった。その後、一年後に承認をされたというお話、そのときに知事から、濱渦さんについてはいろいろあるだろうけれども、姿勢を改め一生懸命頑張るからよろしく頼むというお話があったということがございました。恐らく我々の会派にはそういう話はないんだろうというふうに思いますし、また、そのことを受けること自体も、不党不偏の立場であるとするならば、若干問題があるのかなという気持ちを持ちながら、お話を聞かせていただきました。
あわせながら、先ほど申し上げましたように、百条委員会における調査のあり方について、すべて委員の方々もご存じだと思いますけれども、若干触れさせてもらいたいと思います。
先ほど来、私どもの中村委員の話がよく出てきておりまして、本当にありがたいことでございまして、三月の十四日、中村議員の質問とそれに対する濱渦副知事の答弁に端を発して設置されたこの調査項目、いわゆる百条委員会について、六点ほど調査項目があるわけでありまして、このことはもう既にご存じでありますから触れませんけれども、この社会福祉総合学院のあり方をめぐっては、今定例会に報告された包括外部監査人の報告書でもさまざまな問題点を指摘されているということは、我々はそのように考えているわけでありまして、石原知事も記者会見において大変大きな問題だと思っているとの認識を示し、調査の指示をしたということであります。
都議会としても、真相究明のためにこの百条委員会が三十五年ぶりに設置をされた。先ほど述べました調査項目について調査を進めよう、このことであろうかというふうに思います。そうであるならば、当委員会において明らかにされるべきは、包括外部監査等で指摘された事柄について、事実はどこにあるのか、その当否をどう見るべきか、さらに社会福祉総合学院のこれまでの運営をめぐって手続的な問題はなかったか、さらに現在の運営について問題はなかったか、将来にわたっても問題は生じないか、そういったことを主題として調査議論をする委員会だというふうに私は思っております。政治的な立場を明らかにする、このことは百条にはなじまないんだろう。あたかもだれかを仕立てよう、恣意的に物を進めようということであるとするならば、都民の皆さんからこの委員会のありようというものはどんな思いで見られるのか、非常に危惧をしているところであります。
そのような問題意識を持ちながら、私たちは、この問題にかかわる事実を解明し、そして、将来にわたる東京都の施策の適正化を目指す、そのことを旨としながら、当委員会における調査質疑を行い、これをもって都民の負託にこたえていく、このような考え方でこれから幾つかの証人に対して尋問をしていきたい、このような思いであります。
赤星総務局長に、証人の尋問をさせていただきます。
まず、知事が包括外部監査を導入した。本来は、最初、濱渦副知事が最初の答弁でありましたから、尋問でありましたから、お聞きをしようと思ったわけでありますけれども、就任をして、そして導入をした、その考え、知事がいれば、一番率直にお話しされるんだろうと思いますけれども、所管でありますから、赤星総務局長のお話を伺いたいと思います。
○赤星証人 包括外部監査の導入は平成十一年度から始まったわけでございますけれども、包括外部監査は、地方自治法の改正によって各都道府県に義務づけられております。知事は、内部監査というのを当時、内部監査といっても、内部監査といえば監査委員による執行機関という意味で、地方公共団体の執行機関という意味での監査にあわせて、専門的な知識を持った公認会計士さん、税理士さん、あるいは弁護士さん等による外部監査を受けることは非常に意味のあることだと。外からの目で見てもらうというのが大事なことだというご趣旨を受けて、法律によるものでございますけれども、外部監査が始まったと記憶しております。
○名取委員 なぜ冒頭にこのようなお話をお聞きしたかといいますと、実は、ある首長に当選をされた方とのお話の中で、知事が、その方に対して、まず外部監査をやった方がいいぞというお話をされておりました。そのことの思いを含めて今の尋問をさせていただいたわけであります。(発言する者あり)
それでは……。何かいっていますか。何かいうんだったら、手を挙げてください。
包括外部監査を社会福祉事業団、社会福祉総合学院に入れた理由について、先ほども尋問がありましたけれども、重複しますが、お伺いしておきます。
○赤星証人 包括外部監査人が外部監査の対象といたしますのは、都政の置かれている状況等を踏まえ、自己の責任と判断において昨年の五月にテーマを選定しております。
○名取委員 所管の総務局として、社会福祉事業団、社会福祉総合学院を監査対象としたらどうかとのサゼスチョンをした経緯はあるのかどうか。
○赤星証人 私どもでは、そんな、そのようなサゼスチョンをしておりません。
○名取委員 包括外部監査人から社会福祉事業団、社会福祉総合学院を監査対象としたいがとの打診はあったか、伺いたい。また、打診があったとするならば、それに対してどう答えたのか、伺いたい。
○赤星証人 昨年の五月の二十六日でございますけれども、監査対象とする事件名の監査委員への通知というのがございます。テーマを決めるときに、決めますと、外部監査人から東京都の監査委員に通知がございます。五月の二十六日にございまして、その中に、今回、水道、それから事業団の問題、それから生活文化局対象の文化の問題、三点を指定させていただいて、これをテーマにしたいとご報告がございました。
○名取委員 この包括外部監査人は、社会福祉総合学院の現場といいますか、現地といいますか、を視察しているというか、見ているというか、その点についてちょっと伺いたいと思います。
○赤星証人 昨年の九月の二十四日に現地を視察、実査をしております。
○名取委員 資料の63によりますと、包括外部監査人が、社会福祉総合学院に関して五十五件にも上る資料を七回にわたって入手しています。こうした経過から見ると、この間、所管の総務局として、包括外部監査人から何らかの相談や中間報告を受けていたと思われますが、そのようなことはあったのか。また、あったとすれば、それはいつ、どのような形で行われたか、お伺いをします。
○赤星証人 一般的に、包括外部監査に入る前に、選ばれます、選定となりました局、及び財政支出団体等ですと責任者を決めて、そこを通じて、包括外部監査人みずから、あるいは補助者から顔合わせをいたしますので、直接資料を普通はとるようにいたします。私どもが事務局として、それが連絡つかない等のときにはうちの事務局が担当に当たることがありますけれども、一般的には直接お話をしているようでございます。
○名取委員 若干触れていましたけれども、この包括外部監査人と関係各局のやりとりは、具体的にはどのように行っていたのか、伺いたいと思います。
○赤星証人 ただいまお話し申し上げましたように、テーマが選定されますと、包括外部監査人のほかに補助者というのが、公示された方でございますけれども、大体専門家がつきます。公認会計士でございますとか。その方たちと一緒に現場に行かれたり、あるいは局とお話をされて大体窓口を決めるようでございまして、その方々といろいろな話をされます。私どもは、日程調整、それから契約でございますとか、いらっしゃらないときに資料提供、ここからもらってくれというような、本当の事務的な作業をさせていただいております。
○名取委員 若干ちょっと重複するので申しわけないんですが、流れもありますし、事後の問題もありますので、まとめてちょっと伺いたいと思います。
一点は、総務局として、現在課題になっているこの問題といいますか、包括外部監査報告の内容を知ったのはいつ、どのような場面だったのか。そして、そのことによって正式な報告を受けたのは、いつ、どのような場面だったのか、ちょっとお伺いします。
○赤星証人 先ほども申し上げましたけれども、十六年度包括外部監査報告、これは案のポイントということで、資料で出させていただいていると思いますが、私が知りまして、ポイントを聞きましたのは、事務局として聞きましたのは、昨年の十二月の末だと思います。
それから、具体的な本になって上がってまいりましたのが、一月の、先ほど申し上げましたけれども、十三日ごろだったと思います。それから、知事に報告したのが一月二十日ということでございます。
○名取委員 そこで、現在、さまざまな問題になっているわけでありますけれども、その部分について包括外部監査の報告を受けて、当該の福祉保健局から何らかの異論なり問題提起というのはあったのかどうか。
○赤星証人 先ほど来申し上げましたように、一般的に、ほとんどは包括外部監査人の補助者、あるいは本人と局とのやりとりがございまして、私どもの間で日程調整とか、この資料をもらってくれとか、こういう話を聞いてくれというのはございますけれども、ほとんどは補助者というのが、専門家がついておりますので、その方とのやりとりがあったと思います。
○名取委員 包括外部監査報告の関係者を集めた会議があったんだろうと思いますけれども、また、あった場合、参加者と内容について伺いたいと思います。
○赤星証人 局、関連局が集まりましたのは、一月の二十八日でございます。先ほども申し上げましたけれども、知事、副知事、出納長、関連局長、それから知事本局長、財務局長、私、教育長も出席したと思いますけれども、その席で包括外部監査人から各局に監査内容が具体的に提示されております。
○名取委員 先ほど来お話がありますように、知事から調査の指示があったわけでありますけれども、具体的内容等々については先ほどお話がありました。現時点で調査がどのようになっているかといいますか、調査が大分滞っているのではないのかなというふうに思っておりますけれども、何か障害があるのかどうなのか、ちょっと教えてもらいたいと思います。
○赤星証人 知事から調査の指示を受けましたけれども、財産運用といいますか、財産利活用につきましての手続につきまして局間で認識が違うようでございまして、私ども、そこの調整といいますか、事実関係が、双方の意見が食い違っておりますので、そこの部分でまだ十分な調査ができておりません。意見が食い違ったままでございます。
○名取委員 この調査の完了というのは大体いつごろというものを持っているのか、想定しているのか、おわかりならばお答えいただきたいと思います。
○赤星証人 私どもとしては、できるだけ事実を、評価を加えないで、事実をお知らせするというのが私ども総務局の役目だと思っておりますので、事実関係を、その相違点、どちらがどう認識しているかをもう一度確認いたしまして、できるだけ早く知事に報告をしたいと考えております。
○名取委員 ちょっと答えるのがどうかなと思うんですが、今、監理団体を所管している総務局として、この課題を解決していくということについて、どのような選択肢があるかということなんですけれども、もしあれでしたら結構ですが。
○赤星証人 外部監査の指摘を受けて改善策をまとめるのは所管局でございます。所管局が、この意見二つ、それから指摘事項一項目につきましてまとめまして、具体的なまず案を出していただく。それと、包括外部監査人とのやりとりもございまして、こういう指摘事項に対してこういう内容でいいのかということがあって、その後、正式に案をまとめて知事に報告、所管局から報告するようになると思います。
○名取委員 なぜちょっとこんなことを聞いたかといいますと、いろいろ各局で考え方の違い等とのやりとりも、所管の常任委員会、また予算特別委員会でも行われておりますので、ちょっと触れさせていただきました。
一つ、先ほど来ちょっとお話があった、こういう考え方が適切なのか適切じゃないのか。実は、この外郭団体を含めた財政再建プランの中での改革改善というのは大きな課題だろうというふうに思っておりますけれども、改革をする、そして事業費なり補助金なりが削減をされていく、このことは大変効果があり、また都民の税金でありますから、非常に評価ができるんだろうというふうに思いますけれども、ただ単にそのことを一点として評価をするのか。しかし、その過程の中で、その一つ一つの決まりごと、遵守しなければならないルール、こういうものを逸脱しておいて、その評価だけを取り得るのか。一般企業じゃありませんから、費用対効果だけが最優先でありますよという考え方があっていいものなのかどうなのか、総務局長としてちょっとその点についてお話をいただければと思います。
○赤星証人 ご趣旨に的確に答えられるかどうかわかりませんけれども、私ども公務員として必要な手続を経るという意味なのかどうかだと思いますけれども、そういう趣旨であれば、正式な手続はきちっと踏まなければいけないとは思います。
○名取委員 以上で終わります。
○山崎委員長 ありがとうございました。
次に、曽根はじめ委員の尋問を始めます。
○曽根委員 それでは、私からも何点かについて赤星総務局長に尋問させていただきます。
これまで何人かの尋問者の尋問についてはダブりを避けまして、簡潔にお聞きしたいと思います。
先ほどもお話がありましたが、一月の末に知事に包括外部監査の報告があって、その後、たしか二月二日の午後に、濱渦副知事に社会福祉総合学院の問題で、総務局長赤星さんと財務局長、福祉保健局長の三局長が呼ばれて会議があったというのをお聞きしましたが、これは事実で、ご本人、赤星さんが出席されているのを確認したいと思います。
○赤星証人 二月二日に三局長が濱渦副知事に呼ばれたのは事実でございます。
○曽根委員 その会議で、副知事からそれぞれの局長にどういう指示と、また副知事の発言があったのか、お聞きします。
○赤星証人 先ほどもお答え申し上げたところでございますけれども、福祉保健局長をリーダーとした三局の部長級職員によるプロジェクトチームをつくり、社会福祉総合学院について調査するように口頭で指示されました。(曽根委員「細かい内容も」と呼ぶ)
細かい内容も、先ほど申し上げましたけれども、その内容でございますけれども、社会福祉総合学院の設置運営の経緯、都有財産活用の経緯、受託者決定に至る経緯等につきまして、事実関係を明らかにするようにという趣旨であったと記憶しております。
○曽根委員 その際に副知事から、私たちが入手した情報によりますと、おれがアメリカから帰ってくる二月十五日までにこの件についての事実経過を調査しておくこと、なお、包み隠さず報告すること、また、この問題は奥が深く、かなり問題だ、場合によっては刑事告発もあるかもという趣旨が述べられたというふうに聞いていますけれども、そういう趣旨の発言が副知事からありましたか。
○赤星証人 知事が戻られるまでにまとめてくるようにという趣旨のお話がありましたけれども、今、曽根委員がいわれたようなことは記憶しておりません。
○曽根委員 これは去年やおととしの話ではなくて、ことしの二月二日のことであって、しかも、刑事告発もあるかもということがもしいわれたとすれば、絶対に忘れるはずはありません。記憶にないということは、発言があったかもしれないということですか、それとも発言はなかったということですか、はっきりお答えいただきたい。
○赤星証人 私が指示されたのは、先ほど申し上げましたように、三局で、福祉保健局長をリーダーとした三局の部長職員によるプロジェクトチームをつくって調査しろということでございます。細かい、今、すべてを覚えているわけではございませんが、曽根委員いわれたようなことは、私の記憶にはございません。
○曽根委員 それでは、赤星局長が指示された中身について、部長級の会議をつくれという指示はありましたか。今のお話にありませんでしたが。
○赤星証人 今申し上げましたけれども、三局の部長級職員によるプロジェクトチームをつくりという指示がございまして、リーダーを福祉保健局長が行うということでございます。
○曽根委員 それで、その指示以外に、副知事からこの問題についての刑事告発というような言葉の発言はなかったというふうにいってよろしいんですか。
○赤星証人 私はそのようなことは全く記憶しておりません。
○曽根委員 私どもの確かな情報では、副知事から刑事告発もあるかもという発言があったという情報を得ております。これについてはほかの局長並びに副知事からも確認をしたいと思います。
以上で尋問を終わります。
○山崎委員長 曽根はじめ委員の尋問は終わりました。
引き続いて、藤田愛子委員の尋問を始めます。
○藤田委員 それでは、私も何点か尋問をさせていただきます。
包括外部監査というものについては、今回は公認会計士、税理士というふうになっておりますけれども、ここには弁護士というような方々も入る可能性があるわけでありますけれども、今回の監査の人選といいますか、はどのようにいたしましたでしょうか。
○赤星証人 前回、前々回と公認会計士の方々にやっていただきまして、非常な効果を上げましたので、今回も公認会計士会の東京会というのがございまして、そこに推薦を依頼いたしました。
○藤田委員 弁護士が参加をするということは、今までにはなかったのですか。
○赤星証人 来年度から三回目になりますけれども、三回とも包括外部監査人としては公認会計士でございます。
○藤田委員 今のお話ですと、もちろん、実際には公認会計士ということでありましたけれども、公認会計士がなさることと、それから弁護士がなさることとの違いというのはありましょうか。
○赤星証人 一般的に、公認会計士さんの方が財務分析ができます。今、都庁に非常に大事なことは財務分析が欠けているということで、弁護士さんがされておられるということは、どちらかといいますと、不適正事例の摘発みたいな形になるのかと思います。一般的に申し上げるとしたら。両方できる方もいらっしゃるので、申し上げにくいんでございますけれども。
○藤田委員 そうしますと、今回の例えば濱渦副知事がいわれました疑義があるということは、実際には、これは法律的に反しているというようなふうに私はとっていますけれども、これについては、今回の包括外部監査の中ではどのような位置づけになりましょうか。
○赤星証人 十六年度の包括外部監査報告書には、疑義があるという指摘はございません。
○藤田委員 外部監査の報告というのは、先ほど来いろいろお話がありましたけれども、局長は十二月末にポイントを知った。それから、十三日にはそれぞれ副知事にお話をなさった。そして一月二十日に知事報告というふうになっておりますけれども、外部監査報告は、一般的にどのような時系列で都民への公開になりましょうか。
○赤星証人 外部監査報告でございますけれども、事実行為をまとめて、意見、分析をされますね。分析をされて、意見、指摘事項をまとめられて、それから、一般的に確認行為みたいなことでございますけれども、各局と確認をいたさなきゃなりません。それが一月二十八日の位置づけでございまして、一連の監査の位置づけでございますけれども、そこで確認をして各局に意見をいっていただく。これで間違いないかとかいうことも含めまして意見をいっていただく。それから、最終的に外部監査人がすべての書類をまとめまして、議会の初日に、知事、そして議会、監査人に報告する形になります。監査人でございますね、報告する形になります。
○藤田委員 それでは、二月の二十四日の初日が都民の目に触れる最初のときであるというふうに考えていいですか。
○赤星証人 そのとおりでございます。
○藤田委員 新聞の報道が二十三日にあったのはご存じでしょうか。
○赤星証人 存じ上げております。
○藤田委員 それでは、その報道については、どの局から、あるいはどの人がマスコミに対して話をしたのかというところはご存じでしょうか。
○赤星証人 私ども、一月の二十八日に各局をお呼びして、書類はお渡ししておりますけれども、その際、出席者には全文渡っておりますが、取り扱いについては、議会初日までオープンじゃないので、取り扱いについてよろしくお願いしますということを念を押しております。ですから、そこからどうやって出たかとかいうことは存じ上げません。
○藤田委員 それでは、これについて、特に総務局の方で、今取り扱い注意というだけで、今までもどのようになっていたかははっきりはいたしませんけれども、マスコミに対しても含めて、特に規制をかけるというような状況にはなかったというふうに考えていいですか。
○赤星証人 取り扱い注意というのは、二月の二十三日が議会初日でございますので、それまでは、取り扱い注意ということは、皆さんの方で外に漏らさないでくれという趣旨でございます。
○藤田委員 終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 藤田委員の尋問は終了いたしました。
ほかに発言がなければ、証人、総務局長赤星經昭君に対する尋問は一応終了いたします。
長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。
〔赤星証人退席〕
○山崎委員長 濱渦副知事の尋問を行いますので、入室を許します。
〔濱渦証人着席〕
○山崎委員長 次に、先ほどに引き続き、証人、副知事濱渦武生君から証言を求めます。
木内副委員長。
○木内委員 都政の問題であります。都民のだれもが納得できる都政の構築は今極めて重要な課題であります。当該問題に関する本委員会の目的というものも、都政改革という一点で重要性が明らかにならなければならない、こういうふうに思っています。額に汗してまじめに働く職員が、また、現場で懸命に努力する職員が働いて報われる職場の環境をつくることも極めて重要であると思っております。
先ほど野村副委員長の尋問に対する証言もありましたけれども、極めて重要なポイントでありますので、さきに行われた予算特別委員会での濱渦副知事の、正当ではないかもしれないという疑念、あるいは正当な形に戻さないといけない、あるいは財産が正当な形で不法でない形で処理されないといけないと思うと、こう述べられた点、繰り返しになりますが、どういう趣旨であったのか、改めて伺います。
○濱渦証人 包括外部監査人によりまして社会福祉事業団のありようについてたくさんのご意見をちょうだいしました。その中で、今三点ほどございましたので、申し上げますが、重複する部分はかなり割愛しますけれども、正当でないかもしれないといいましたのは、学院運営の実績を踏まえ、都からの補助を極力削減できるよう学院の運営のあり方について根本的な見直しを図られたいと意見をいわれましたし、このように学院の状況について厳しい意見が包括外部監査人から述べられたことを監理団体改革担当の私として重く受けとめまして、発言は、学院について早期の是正を求められている状態を危惧したところであります。
そして、不当なといいますか、不法なですか、不法なというのは、将来といいますか、これ、私の答え、そのときにという、それをもとの形にするというようなときに、将来、包括外部監査人の意見等に沿った方向で改善していくときに、それに当たって、法令等に違反するようなことのないようにという一般的な趣旨を申し上げたところであります。
あと、これで終わりましたが、あと一点ございましたか。(木内委員「聞いたことだけ答えてくれれば」と呼ぶ)はい。失礼しました。
○木内委員 先ほど来の証言を要約しますと、将来における不安、あるいは将来、是正改善をするに向けての心境を述べられたというふうに受け取ってよろしいですか。
○濱渦証人 はい。
○木内委員 私、何度も繰り返しますけれども、予特の証人の答弁をそうは読み取れません。もう一回申し上げます。「現在の問題として行われている補助金が」--現物ありますか、そこに。「正当ではないかもしれないという疑念」が発せられた、ここに続くんですね。「そうすると、それが都民の財産でありますから、正当な形に戻さないといけない。」、例えばこの部分、現在の問題として行われている補助金が、正当ではないかもしれないという疑念があったから、正当な形に戻さないといけない、こういう答弁を証人はされている。なぜこれが将来の問題なんですか。
○濱渦証人 監査人がお話をされましたのは、現在行われている補助金が早い形で解消されないと非常に厄介ですねという趣旨のことを申されたので、私は、非常に担当として不安に思ったところであります。
○木内委員 包括外部監査人が報告した内容と、それをいいかえる、あるいは証人の口から発せられる内容が違ったというふうに受けとめざるを得ませんが、どうですか、今の証言は。時間をかけて結構ですよ。
○濱渦証人 私が、一月の二十日、監査人からお話をいただいたときには、非常に大変だなと、このような意識を持ちました。
○木内委員 これは委員長に申し上げるまでも、お願いするまでもなく、私の尋問に答えておられないんですけれども、それじゃ、証人、この会議録に基づいて、逐条的に、どうか、将来への不安をこのように表現しているんだというふうに示してくれませんか。
私がいっているのは、この証人の答弁を見ますと、もう一回いいますけれども、現在の問題として行われている補助金が正当ではないかもしれないという疑念が発せられた。いいですか。そこにつながって、「そうすると、それが都民の財産でありますから、正当な形に戻さないといけない。」と、丸になっている。現実の実態がこうであるから疑念が発せられて、だから、今、そうすると、正当な形に戻さなきゃいけない。文脈からいえば、これ以外の意味には読み取れないじゃありませんか。
○濱渦証人 そうすると、これはということではありません。これは都民の財産でありますからといっています。
○木内委員 これはお互い日本語の解釈でありまして、この文脈や、あるいは文体以上のものを日本語は発信していないんですよ。全く読み取れない。どこがどうなんです。もう一回いってくれませんか。
○濱渦証人 予算特別委員会での委員の質問が、今後この問題をどのように取り組んでいくのかという質問がありましたので、私は、その今後というのを中心にお答え申し上げました。
○木内委員 今、証人のいわれる今後というのが、どこに意味が発信されていますか、この文章では、答弁では。
○濱渦証人 これは都民の財産でありますから、正当な形に戻さないといけないと。で、そのときに、その土地なり財産なりが法令に違反しないようなことを考えないといけませんねと、こういう趣旨でございます。
○木内委員 全く文意と違いますよ、おっしゃっていることは。だれがどう見たって、証人、そうじゃないですか。「現在の問題として行われている補助金が正当ではないかもしれないという疑念を発しられました。」、現在の問題についていっているんじゃないんですか、これは。
○濱渦証人 まことに申しわけないんですが、速記として、文字として書くと、そのような主張もおありかと思いますが、私は、あの流れの中でのお答えは、今後の問題をどのようにするのかというご質問がございましたので、お答えを申し上げたのです。
○木内委員 証人、これはお互いに腹を割った尋問であり、証言をいただきたいんですけれども、今ちょっと看過できないことをいわれた。いろんな気持ちがあっても、会議録として文章に残ってしまうとこうならざるを得ないといいますが、実は我が国の長い間の議会制民主主義の歴史というのは、議会、自治体、国がある限り、この議事録にいわば額面どおりの文言が残され、そのためにきょうもベテランの速記者がおられて、そうして引用する資料を使い、テープを起こし、速記録を全部照合して正確を期して残すものであります。
この場は、証人、決して、何といいますか、証人を追い込むとか追い詰める、そんな意味では全然ないんです。いわゆる客観的な状況認識として、知事がこう発言された内容の真意というものを確認しないことには、やはりこの百条委員会というのは、さきの予特における証人の発言が大きなきっかけになっているわけでありまして、これが、証人がいわれるように、そういう監査報告を受けた、将来的に不安だからそのことを述べたにすぎないなんていう簡単な証言で実は終始できる場面ではないんです。
「現在の問題として行われている補助金」、恐らくこれは意味としては、執行されている補助金の現在の状況についてという意味でしょう。これが正当ではないかもしれないという疑念がある。将来発せられるんではないんですね。今発せられたという疑念が、疑念が発せられたということをいわれたわけです。違いますか。将来云々ではないはずです、これは。
○濱渦証人 私が監査人から説明を受けたときには、これには五年の契約がありますと、それまでの間に是正をしていただきたいと、こういうのが付記されておりますけれども、それは口頭でありますから、文書ではありませんけれども、そういう前提でお話はちょうだいしました。
○木内委員 そういう前提も、経緯についても一切触れられていないで、そうしてこういう重要な答弁をされているということは、私は、これは軽率のそしりを免れないと思うし、また、どんなに縦、横、斜めからこの答弁を読んでも、将来の不安を実は意思表示したんだというふうには受け取れません。訂正していただきたいと思う。
○濱渦証人 先ほどから私は申し上げているとおりでございますが、具体的な表現方法についての受け取れる皆さんの方にご迷惑をかけたことがあったら、それは大変遺憾に思います。私の趣旨は、先ほどから申し上げたとおりであります。
○木内委員 そういう誤解を与えたならといいますと、それは私は理解はできませんし、納得はいたしません。やはり速記の権威といいますか、議会制民主主義における速記の重要性というものは、例えばやじ一つで告訴されたような話も仄聞しておりますし、そういう、もともとこの本文の問題というのは、実はこの審議の長期的な資料として常に供されるわけであります。現在の問題として行われている補助金が正当ではないかもしれないという疑念を発しられた、これは、どこからどう読んでも現在の実態について言及していると思いますし、証人がどんなに今説明、釈明をされても、私はこれは詭弁としか思えない。
場合によっては、このまま速記をとめていただいて、委員長にお願いをして、今いわれた速記への軽率な言及、それから、必要なことをいっていない、実際に予特の論戦の舞台で。そうして、いたずらにではない、あたかも不信感と不安を都民や関係者に与えるようなこういう発言をしたこと自体が極めて問題である、このことを申し上げたいと思います。証人に何度でもこれは聞かせていただく。訂正していただきたいと思います。
○濱渦証人 補助者から注意を受けましたが、速記について私の方が軽んずる気持ちは全くありません。ただ、予算特別委員会でのお答えを申し上げました内容については、包括外部監査人から社会福祉事業団のあり方を含めてたくさんの意見、ご指摘があり、私の方は、大変それを危惧をいたしました。
ここでもお尋ねにあります現在の問題としてというのは、包括外部監査人の方から、今早くこれを解決しないといけませんねと、このようなご指摘があったことでございます。
○木内委員 今のは、この答弁の真意について何らお答えになっていない。包括外部監査人の報告の内容について、失礼ですが、証人は言及をされたにすぎません。この包括外部監査人による報告につきましても、こうした文言等については一切ありません。経営改善なり、あるいは備品の管理等に関する指摘等はあっても、実は角度が違うのであります。しかし、それは今、私はあえて触れないで申し上げているわけです。
先ほどの野村副委員長への証言で、これは会議録から全く逸脱した意味に受け取れと、そして、将来における不安を述べたにすぎない。とんでもないじゃありませんか。証人、どうやってここから読めばいいんですか、いわれること。
それじゃ率直に、言葉を大事にする人間として申し上げたいと思う。恐らく私と文人政治家である石原知事とのやりとりは、よく証人も予特等でお聞きになっているわけであります。綸言汗のごとしといいます。一たん責任ある立場の人間から出た言葉は、もうもとへは戻せない。そして、恣意的に実は都民に必要以上の不安を与え、関係者の混乱を招かんとして仮に恣意的にこれが発言として行われて、そうして百条委員会の設置に及んだ今、改めて、実は真意は違うんだと、将来の不安について言及したにすぎないというのは、それは私はうなずけない論理だと申し上げざるを得ないんです。
○濱渦証人 私は、恣意的な発言をしたというような思いはございません。
○木内委員 これは、証人が恣意的でないといっても、客観的事実、状況というものは、それをうかがわせる、あるいは思わせるに十分な実は実態があるということはあえて申し上げておきたい、こう思います。
したがって、もうこのことで二十分近く議論しているわけでありますけれども、この冒頭の野村副委員長の尋問に対する証言で、将来の不安ということで糊塗されたようでありますけれども、私はあの発言はなおざりにできないし、今なお主張し続けているように、これは額面どおり、文言どおり受け取らざるを得ない、こう申し上げておかなければなりません。
ちょっと委員長、速記をとめていただいていいですか。
○山崎委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○山崎委員長 速記、再開してください。
ただいま木内副委員長から委員長の方に、濱渦副知事の答弁について、きちんとした証言が得られないという申し入れがありまして、理事の方々にお集まりいただきました。
その結果、ただいまの答弁については、後ほど改めて理事会を開いて、この問題につき、どのように扱うか検討をする。そして、木内副委員長の質問は、この部分については留保し、改めて、日を改めてお伺いする場合もあり得るということにさせていただきます。
それでは、質問を再開します。
○木内委員 証人が、社会福祉総合学院の存在を知り、また、その運営に、いわれるように疑念を持たれた、あるいは管理計画等について大きな関心を持たれた、こうした時期というのはいつからですか。
○濱渦証人 一月二十日に知事のブリーフィングを受けたときでございます。
○木内委員 それでは、この社会福祉総合学院の運営方法の見直し等について、いわば今日的なこの課題に重大な関連があるテーマでありますけれども、こうした点についてご存じになったのはいつですか。
○濱渦証人 社会福祉総合学院につきましては、平成十三年の見直しで、その以前にもありましたけれども、私の方から、社会福祉事業団そのものが、民間でできるものは民間でやれるように努力をしてくださいというお願いをした経緯がございます。その結果、みずからが運営から委託運営になったこと、そして、建物の一部を民間に貸し付けるということは承知をしておりましたが、監査人の指摘のように、建物の九〇%相当が特定の学校法人によって使用されている事実や、賃貸料の適正水準か否か不透明とかの問題とかは、今回の包括外部監査人によって知らされました。
○木内委員 提出いただいた資料の66番でありますけれども、例えばここでは、今も若干触れられましたけれども、平成十四年の三月二十日、平成十四年度東京都監理団体経営目標(最終)というのがありまして、これは、団体名は東京都社会福祉事業団、指標名、東京都社会福祉総合学院の運営方法の見直し、説明「昼間における空教室等を有償で貸し出すことにより自主財源を捻出し自己収支比率の向上を図る。」という内容です。それから、平成十五年、やはり運営についてということで、「建物等の賃借により、自己収支比率の向上を図る。」、十四年、十五年と続いてこうした監理団体の経営目標に関する資料が提出をされているわけであります。
もとより監理団体の責任のある立場におられた副知事はこれをご存じなわけでありますけれども、このとき異論も唱えておられない。むしろ、そうした都の財政状況などを勘案すると、こうした方向というのは推進すべきだというお立場だったんじゃないでしょうか。
○濱渦証人 社会福祉事業団の改革というのは大変重要なことだと思っておりましたし、私が直接福祉局に指示する立場ではありませんが、行政改革室を通じて、その改革の推進はお願いいたしました。
○木内委員 民主党の中村委員の質問関連についてでありますけれども、通常であれば、こうした数字に言及する必要のある答弁、あるいは局長のマターで答える項目というのが議会の慣習としてあるわけであります。ところが、ここでは詳細な数値を挙げて、そうして事実関係についても副知事に答弁を求めている。先ほど来の話で、質問者周辺との事前の接触についての喚問もありましたけれども、その前に、そうした議会の質疑と答弁のあり方の認識はいかがですか。
○濱渦証人 私は、行政に携わっておりましても、細かい行政の経験を持ち得ていませんが、お尋ねになることについて、答えられる限りは答えていきたいという考え方を持っておりました。数字については精査しておりません。
○木内委員 質疑者の希望があれば、いつでもそうされますか。
○濱渦証人 いいえ、私のかかわる分野であります。
○木内委員 あのときの印象は、質疑者に対する答弁、得たりや応とばかりに、すわ答弁席に立つという光景が実は網膜に強く残っているわけでありますよ。元来、議会ルールからいって、こうした質問の答弁は関係局長が行うところであります。私は、濱渦副知事が仮に指名希望されたところで、用意していなかったもの、答弁、あるいはみずからの管轄外のこと、さまざまに答弁を拒否される理由はあると思いますけれども、積極的に、なぜこのようにつまびらかに内容に触れながら答弁をされたのかということを、率直にいって違和感、奇異な感じを持って見ておりました。
そこに実は周辺の事情、あるいは先ほどの答弁等も経過的事実として踏まえますと、さまざまな思いというものが、さまざまな推測というものが実は出てくるのもやむを得ないんだと、こういうふうに思いますが、どうですか。
○濱渦証人 私は、質問に対して前もって用意する、周到なお答えを用意していれば、このように皆さんに誤解をさせるようなことはなかったと思っております。
なお、野村委員のときにもお答えしましたけれども、私は、この予算特別委員会におきまして、質問の通告とかそういうことはないんですが、考え方として、生活者ネットの委員からお尋ねをいただいて、それをお答えした過去の経緯もありますし、また、自民党の田島委員からも、予定もしていないが質問がありましたので、お答えできる範囲のことをお答えしていた。そういう過去の経験律から今回もお答えするべきかなと、こう考えたところであります。
○木内委員 この問題は、きょうの段階ではこれ以上お尋ねをいたしません。しかし、複数のさまざまな実はお話も私は聞いておりまして、いずれまた理事会等の議論の場で、これは具体的な作業の日程として詰められていくのではないか、またいくべきである、こんなふうな感懐も持っているところでございます。
さて、今、予特での話がございましたけれども、包括外部監査人から知事、副知事へ公式に報告された情報以外に、濱渦副知事だけが持っている情報を知っていたために、さまざまな行動に出られたのではないか、あるいはまた包括外部監査人によって疑念が発しられた、こういう答弁があるわけでありますけれども、この監査報告について、証人の証言と、あるいは答弁と、本質的な内容についての乖離の問題は後に触れることになるわけでありますけれども、恐らくそうしたさまざまな情報の蓄積があって、こうした行動をされているのではないかと推測をされてもやむを得ない向きがある。そこで、その情報は、それも副知事ご自身はかなり深い情報があるとみずからお話しになっているやに聞いておりますけれども、今回、百条委員会で提出を求められている資料以外に情報があるのであれば、明らかにされたいと思いますし、またその場合、その情報は、いつ、だれが、どういう目的で副知事に提供をしたのか、お尋ねします。
○濱渦証人 ございません。
○木内委員 これについてもさまざまなお話を聞いておりますので、後にまた整理をしてまいりたいと思います。
知事は、今回の発端は、端切れ地の問題である、こう発言されていますが、財産利活用は濱渦副知事と櫻井出納長が責任を持って検討していると伺っていますけれども、その中で社会福祉総合学院のことが調査検討の俎上に上がったことがありませんか。
○濱渦証人 ありません。
○木内委員 正式に調査以外にお二人で内々調査検討しているという事実はありませんか。
○濱渦証人 ありません。
○木内委員 包括外部監査人から知事、副知事へ公式に報告があった一月二十八日以前に、疑念の解消のため、関係局長を集め、指示するなどの行動は起こしませんでしたか。もしそのような事実があれば、いつ、だれに対して、どういうふうな行動を起こしたのか、明らかにされたいと思います。的確に。
○濱渦証人 ございません。
○木内委員 公式報告の一週間前あたりで、濱渦副知事と櫻井出納長が知事に複数回情報を上げているという話が私のもとに入ってきておりますけれども、これは事実ですか。事実とすれば、どういう情報を上げられたんですか。
○濱渦証人 そういうことはありません。
○木内委員 その日付は一月二十日付であるということを聞いておりますが、もう一度確認をしてお答えください。一日に複数回ということも聞いております。
○濱渦証人 ありません。
○木内委員 今お聞きしていることは、後に私どもも検証をさせていただき、さまざまな資料から、実は重ねてお尋ねすることになろうかと恐らく思います。
さて、包括外部監査人の報告には、水道局事業や生文局の事業も含まれていたわけでありますけれども、なぜこの件だけに強い関心を持たれたのか、答えてください。
○濱渦証人 一月二十日に外部監査人からお話がありましたが、まだ包括外部監査報告の案の状況でありますが、そのときに、水道にかかわるのが四百三十ページございました。既に私は水道局の担当ではございませんでした。その後、社会福祉法人東京都社会福祉事業団の経営管理についてという私の担当する団体についての報告が百六十九ページございました。その後、民間文化団体の補助金等に対してというのが二十一ページありまして、私の担当する監理団体の方が非常にページ数が多うございました。
○木内委員 知事からは、包括外部監査人の意見や指摘全般にわたって調査せよ、こういう指示があったと聞いておりますけれども、これはどうなんですか。知事から、この監査報告の意見や指摘されたこと全般にわたって調査せよと、こういう指示があったと聞いておりますが、どうなんですか。
○濱渦証人 知事からの指示は、一月二十八日、包括外部監査各局事前報告会の席で、外郭団体を担当している濱渦は何をしてるかということで、三局の局長を調整しながら、時系列にそういうことをよく調べなさいと、こういう指示を受けました。
○木内委員 もう一回お尋ねをします。この包括外部監査の意見や指摘全般にわたって調査せよというのは、今いわれた環境とシチュエーションの中で知事が全体に対していわれた。証人はこれを全体としてやはり受けとめる立場にあったんではないんですか。
○濱渦証人 私は、知事から、監理団体の担当のという冠、前書きがございましたので、監理団体について私は精査するように指示を受けたと認識しました。
○木内委員 私がお尋ねをしているのは、証人が認識をしたかどうかでなく、いわゆる都庁のあり方、行政の実態として、そういう環境の中で知事が指示をされる。恐らく副知事を先頭に各局長、担当者がいるんでしょう。知事が申し上げるように、包括外部監査の意見や指摘全般にわたって調査せよといわれる受け身の立場の人は、恐らく複数でしょう。証人は、全体の知事の指示を受け、これを統括する立場、あるいは全体に目配りをする立場ではないんですか。
○濱渦証人 私は、長たる知事を補佐する立場でその職務指示を受けておりまして、その範囲の中でそういう認識を持ちました。
○木内委員 認識を持ったということは、知事の発想、それから本来あるべきそうしたシチュエーションの中での実は意味を、証人は、証人の独自の見解で受けとめた、そういう認識を持ったということであります。
私がいいたいのは、実は、あるときには知事と一心同体となり、あるいはまた知事の代理を思わせるような、というと誤解を招くかもしれませんが、言動に終始されることもあるやに聞いておりますけれども、そうした証人が、知事からの指示を受け、みずからの単純な限定された守備範囲である監理団体だけでなく、全体の知事の指示をもこれは受けとめるべきなのではないか、また恐らくそういう発想で知事は指示をされたんだろうと、こう思うわけでありますけれども、自分の守備範囲は監理団体だけだから、ほかのことは知らないという立場で物をいえる立場ではないと思うんですね。
それで、重ねて伺うんですけれども、水道局事業や生活文化局の事業だけではなく、この社会福祉事業団にかかわる他の案件も含めて、副知事がその後調査をしてこられたという話は実は聞こえてこないわけであります。何度もいうように、知事からの指示というのは、この包括外部監査全体にわたるものではないかと思うんです。だから、ほかのことは人任せということになれば、知事の指示に背く職務命令違反の行為だといわれても仕方がないんじゃないでしょうか。それほど証人のお立場は大きいんじゃないんですか。
○濱渦証人 私は、一月二十八日に知事から受けましたのは、監理団体の担当としてそこのところをしっかりしろと、社会福祉事業団についてであります。
○木内委員 というふうに知事がいわれたと認識をされたということでありまして、恐らく受けとめ方の主観の差がそこにあるのかなと。ただ、私は、証人の立場からいって、全体に目を光らせ、全体の事業執行、作業の状況というものを掌握しながら、やはりゼネラルマネージングといいますか、そういったことを実質的にはなさっておられるわけでありますから、それは恐らくうなずけないお話だろう、こんなふうに思います。
さて、副知事にさまざまな情報を提供した者として、この件に関して、私どものもとにも複数の名前が実は上がってきております。副知事の、証人のこの行動とこの件に対する異常な熱心さといいますか、この問題に対する、これが今関係者の間で大きな疑心暗鬼を生んで、都庁内部も随分と混乱している。
私が仄聞するところによると、きょうの百条委員会も、実は目の届かないところでやられるよりも、私たち職員が、幹部職員が、現場に至るまで、きょうのこの委員会の状況というものを、この目で、みずからの目で確かめたいということでテレビも入れてほしいということで、今、全庁放送になっているわけでありますけれども、申し上げたような、そういうさざ波を通り越した、実は随分と職員の心に混乱を生み出している、こういうことがいえるわけであります。
それから、話は飛びますけれども、リカレント教育のため社会福祉総合学院を設置するという当時の政策判断をどう評価していますか。
○濱渦証人 政策というのはその時々で変わっていくこともあろうと思いますし、その時点では正しいことだったと思っております。
○木内委員 やはり行政政策の継続性というものは、同一知事のもとではもとより最も重要なことでありまして、猫の目のように政策が変わるようではしようがないわけでありまして、先ほどもちょっと聞きましたけれども、政策判断については評価をしていたということでありますね、基本的に。
ただ、その運用等について、先ほどの私が結論を留保した議論にまた終結をしていくわけでありますけれども、そうしたまた感懐もお持ちになっていると、こういうふうに受けとめるわけであります。
さて、一部のマスコミに、建設費の償還財源を都が事業団に補助していることを問題視しているものもあるわけでありますけれども、都の政策判断として社会福祉総合学院を建設して、そうしてその償還財源は債務負担行為をとって毎年度予算計上してきておりまして、先ほども野村副委員長いわれましたけれども、このすべては議会にも報告され、適正な手続で進められてきているわけでありまして、この手法は私は全く妥当だと思うし、何の疑義を挟むところもないと思いますけれども、副知事、証人はどうお考えになりますか。
○濱渦証人 現在に至るまでの状況は同感でございます。
○木内委員 そうすると、改めて理事会云々という話なんですが、冒頭の議論になっちゃうんですが、なぜそういうことになるのか、あの文言どおり受け取りますとね。そんな率直な疑問を抱かざるを得ません。
さて、今回の記録請求で、敬心学園との賃貸借契約に先立ち、具体的な資料で知事にブリーフィングしている事実が明らかになっております。資料ナンバー44、一月二十五日、常に知事ブリーフィングに同席されている証人でありますけれども、この時点で賃貸借契約を問題にはしておられないようですけれども、いかがですか。
○濱渦証人 そういう事実があったかどうかも私は存じ上げません。
○木内委員 きょうの段階での証言として受けとめておきます。
さて、臨床福祉専門学校の設置認可に関連して、敬心学園が練馬区長あてに提出した認可申請書を見たことがありますか。またこの写しをお持ちですか、伺います。
○濱渦証人 十八日に、二月の十八日に、三局の局長さんから経緯について報告を受けましたが、それを報告いただいたのは福祉局長であります。たしかその中にあったんではないかと思います。
○木内委員 大変恐縮ですが、今確認できれば、していただけませんか。
○濱渦証人 福祉局からその資料は提出していると、私に届いた資料は全部提出していると、このようなお話でございましたので、今、私、手元にございません。その中にあるかとは思いますが。
○木内委員 社会福祉総合学院といいますのは、さまざまな背景や経緯があって、私どもも新しいこの福祉のあり方ということで、福祉改革の一環として強力に進めてきた一環でありますけれども、そうした背景や経緯があって設置をされた施設であります。リカレント教育についても、開設当初は定員以上の希望者があった。これは包括外部監査人の報告でも明らかでありました。したがって、社会福祉総合学院設置自体にも問題はない、こう判断をしているわけでありますが、いかがでしょうか。
○濱渦証人 同じであります。
○木内委員 さらに工夫して、昼がらあき状態の教室を有効活用して賃借料を取る。都の事業であるリカレント教育も、事業委託により効率的に運営できるようにする。いわば課題を先取りして解決を図った。これが実は非常に先進的な取り組みであるにもかかわらず、今回問題になっている見直し案ではないかと、こう思うわけであります。副知事はこの見直し案を評価しないんでしょうか。
○濱渦証人 私は福祉行政を専門的に担当しているわけではございません。私は、監理団体全体のあり方の中で、社会福祉事業団のあり方を外部監査人からご指摘、ご意見をいただいたところでありますので、個別についてはこれからよく報告を受けたいと思います。
○木内委員 証人ね、監理団体に関する管理責任と、これは、入れ物だとかハードを管理して家賃がどうだこうだという話ではないわけでありまして、監理団体のよって立つ基本的な考え方であるとか、都政の政策展開の中における位置づけだとか、こうしたものは、もとより福祉という大きな分野の中での位置づけがされるべきでありまして、今の証言は、私は今の段階で納得できないんですが、もう一度お答え願えませんか。
というのは、やはり監理団体の管理の問題、責任者としてのお立場、一方でその監理団体が帰属する政策分野、この二つを完全にセパレートして議論をして、監理団体の運営がいい悪いなんという、そういう結論は出せないんじゃないんですか、証人。
○濱渦証人 包括外部監査人が私へ、知事の前での話もそうでしたが、「指定管理者制度の実施は平成十八年度です。まさに目前に迫っております。はっきり申し上げまして、現状では、事業団が民間社会福祉法人との競争に打ち勝つことは極めて困難と考えます。」、これは本会議での監査人の報告であります。
その中で、資産について、資産の活用については、当該局だけでなく、都全体として取り組まれた方が、結果的に有効に活用できるものと考えますと。この資産は企業局の所管だからとか、これは事業団の所有に移されたものだからという説明は、都民の目からすると、役所の中だけの議論のように見えます。ぜひ合理的な資産活用のシステムをつくるべきだと思いますと。これも同じ日、本会議での監査人のご意見でございますが、そういうことを前段に報告、知事前のブリーフィングを受けまして、政策のあり方と都民の財産の活用ということをこれからどのようにするかというのが、知事のもとで行われている、現在進めつつあります調査改革の委員会でございます。
○木内委員 私が申し上げたのは、建物の、いわゆるハード部分だけの管理なんということは、監理団体改革の本質ではないんだと。そのいわゆる建物が位置する政策分野全体を俯瞰しながら、この改革というものも行っていくべきであって、それにもかかわらず、さっき証人は、私は監理団体の方であって、福祉の方の政策についてはあたかも関知しないがごとき証言をされたから、申し上げたわけであります。
いみじくも今読み上げたところは、私がいったことをいっているんじゃないですか、逆にいえば。そういうことなんです。
さて、それから、社会福祉総合学院が学校法人に委託されたことで、事業団が直営で事業を行っていたときと比較して運営費補助がなくなった。また、余剰施設を活用して賃借料収入を確保できた。これをもとに戻すとすれば、昼間がらあきの施設に単年度二億円の運営費補助金を税金でつぎ込むことになってしまう。監理団体に厳しい経営目標を課している副知事が、たとえわずかな期間でもこうしたことを見逃しにはできないと思うんですが、どうですか。
○濱渦証人 それは、おっしゃるように、そのとおりであります。
○木内委員 さて、そこで、今の見直し案以上に効果のある代案があるからこそ、副知事は、正常な形にこだわるのではないかとの、正常な形といわれていますけれども、具体的に何ですか、これは。
○濱渦証人 正常な形、よくそれはわかりますが、私の申し上げたのは、包括外部監査人がいろんな意見や指摘がございまして、それにこたえた、改善された形のことであります。
○木内委員 それは先ほど野村副委員長への答弁にもあったところでありまして、文言は変わっていない。私が求めているのは、その形は具体的にどういう形なんですか。
○濱渦証人 それは現在、関係局、先ほど申し上げました調査改善委員会の中で調査をしている最中でございます。検討している最中でございます。
○木内委員 したがって、この正常な形というのは、副知事個人のお考えではない。全体での政策判断の問題だということであろうと思います。
さて、財務局長から福祉保健局長へ、敬心学園から賃貸借契約解消を約束する念書をとるよう依頼があったようでありますけれども、これは副知事の指示によるものですか。
○濱渦証人 私が三局に申し上げましたのは、異論があっても、それぞれの正しい事実について詳細に調査をして報告くださいといってあります。
○木内委員 生徒募集期間などがほとんどとれない不利な条件の中、東京都の委託事業を円滑に引き継げるよう、短期間で学校を開設してくれた法人側の努力というものに私は高い評価をしているわけでありますし、敬意も実は抱いております。しかし、この数日間、証人の予特の発言以来、都の仕打ちというのは大変に酷になっているんじゃないか。現実問題、記者会見での知事の特例中の特例発言、産経新聞の記事、都議会質疑、あたかも敬心学園が問題法人であるかのような議論が続いている。これはとんでもないことだと、私はあえてこの場で声を大にして訴えたいのであります。
敬心学園の学校設置認可が、特例中の特例といわれていることについて証人はどう考えておられるのか。具体的に特例扱いが存在するんであれば、その根拠を挙げていただきたい。
また、念書の存在を記者会見で知事が示唆されているわけでありますが、それはどういう内容のものですか。
○濱渦証人 知事が発言されました念書、また、特例中の特例ということについては、私は承知しておりません。関知もしておりません。
○木内委員 これはまた次の議論の機会に譲るといたします。
今回の提出いただいた資料を見ますと、学校の設置認可にかかわる審査も特別扱いは全くありません。審査機関も通常どおり。あえて特例というのであれば、ここが大事でありますけれども、学校法人側が不利な条件にもかかわらず開設を承知してくれたことぐらいだ。私は、特例中の特例というのはまさにそうだ、この点が喧伝をされなければならないと思うわけでありまして、また、今触れた念書について申し上げても、認可庁である生活文化局あてに提出された申請書類の一部で、その内容も、設置された学校が安定的に経営できるよう家主である事業団が配慮するという至極当たり前の内容じゃないか、このことをいいたいのであります。
知事のブリーフィングに必ず立ち会っている証人は、学校設置に関して、知事を、あるいはこれまでの経過を見ますと、ミスリードしたんではないか、また、そうだとすれば情報の出所というものを承知していると思うんですけれども、それはいつ、だれが、どのような形で情報を上げたんですか。
○濱渦証人 私は一月二十日の知事ブリーフィング以前のことは承知しておりませんし、ブリーフィングに必ずしもいつもいるような、それも限っておりません。それから、委員と私、全く同じは、民間の事業者である敬心学園が大変ご苦労を、あるいはご迷惑しているんじゃないかと、非常に東京都の行政に対してこれだけ協力的な民間を、非常に申しわけなく、これは、考えは同じだと思います。
○木内委員 私は、また冒頭の議論だけれども、なぜあそこまでいわれるのか。今いわれるほど評価をし、敬心学園に対するそうした、率直なでしょう、恐らく、心情を吐露される証人が、なぜ今回の問題の引き金を引くようなああいう発言を予特でされたのか、極めて理解に苦しむわけでありまして、恐縮ですが、今の敬心学園に対する、全体の流れの中での敬心への評価を、証人の独自といいますか、判断というか言葉でもう一回証言していただけませんか。私も、ちょっと今驚いているわけであります。
○濱渦証人 そもそも社会福祉事業団のあり方について、直営でなくて民間の方々にご協力をいただけるようにというのが行革、改革の趣旨でございましたので、その中の一つとして、民間事業者として手を挙げていただいていることだと思います。
ただ、包括外部監査人が指摘した内容がございますので、そのことはそのことであろうと思っております。
○木内委員 監査報告の内容は内容として、敬心学園の努力には敬意を表する、持っておられると、こういうことでよろしいわけですね、さっきのお話から考えますと。
○濱渦証人 事業団に補助金が出されているが、その建物等が九〇%が民間の事業者が使用していると、このことを、契約のある、事業団等民間事業者が契約しておりますので、その間に速やかに解消、いい打開の方法、家賃の変更等を含めて検討してくださいということでありまして、それはどうしたらいいかというのは、現在、福祉局あるいはその他の局を通じて調査あるいはそれの改善を検討しているところであります。
○木内委員 どうも今の証言を聞きますと、また冒頭の、前言の真意の変更につながるかのような、そんな意図が感じられてならない。せっかくいいところまで行っているのにと思いながら--まあ、いいところ、別に答弁とるためのこれは百条委員会ではないのでありまして、真相究明をすることが大事なわけであります。
さて、敬心学園、この学校では八十人の十七年度合格者に通知を出している。四月二日に入学式だ、四日に授業開始だと聞いております。合格者の中にいろんな動揺が起こっている。証人がどんな気持ちで発言したにせよ、私が受け取ったと同じように、世間は、そして関係者は、あの予特の答弁の内容を、実は文字どおり、額面どおり受けとめているわけでありますから、この入学予定者、合格者の中にも、あるいは関係者の中にも大きな動揺と混乱と不安が広がっているのも実は事実であります。これに対してはどういうお気持ちですか。
○濱渦証人 現在まで直接お話聞いておりませんので、機会がありましたらそういうご意見を聞きたいと思います。
○木内委員 仮に私がいったことが事実であるとすればいかがですかと聞くと、仮定の質問には答えられないと、こういうふうにされますか。
○濱渦証人 そうは申しておりません。まだ私は直接意見を聞いていませんので、そういう意見を機会があれば聞きたいと、こう申しております。
○木内委員 そういう事態が起こり得る可能性については、思いが及びませんか。
もう一回いいます。いわゆる予特での証人の発言が引き金となって百条委員会の設置、きょうが第二回目、実質審議第一回、こうした流れ、また、産経新聞等、週刊誌等、さまざまなところでこの学院に対する記事が出ている。大きな不安をかき立てている。社会不安といっていいでしょう。こうした不安が関係者の間に広がっているということを想像することもできませんでしょうか。
○濱渦証人 私は、予算特別委員会では、特別委員の構成委員から質問がありましたから、それに対してお答えしたのであります。
○木内委員 その発言が実は引き起こした社会的波紋、各分野への影響というものが既に出ているんではないでしょうか。これによって関係者が胸を痛め、不安を抱くということは当然あるんじゃないんですか。それについての見解をお答え願いたい。
○濱渦証人 そういうことは、よく精査をしてお答えをしたいと思います。
○木内委員 この点についてこれ以上お尋ねをしても前進はしないと思います。
ただし、このことは申し上げておきたい。学校経営にさまざまな影響が出たり、あるいは実質的な損害を関係機関が受けるような場合には、東京都が損害賠償請求をされることもあり得るということをいう法律専門家の方もいることを私は伝えておきたいと思います。
それから、もう大分時間が過ぎておりますが、次の機会が恐らくまた持たれると思いますので、この際またそれぞれのテーマについて掘り下げたお尋ねをしたいと思いますけれども、あたかも外部監査報告が、その内容が、証人にとって鬼の首でもとったような実は前提になっている節が感じられますけれども、この監査報告の内容は、精査をすればするほど、さっきも申し上げましたけれども、経営改善についての指摘を中心としたものであって、不正であるとか不法であるとか、こういったことについては触れられていないはずであります。証人の認識はいかがですか。
○濱渦証人 もとより、包括外部監査人は、法律に従って、それが違法であるとか不法であるとかいう立場にないでしょう。そして、私の方も、不法であるとか違法であるとは思っておりません。
しかしながら、社会福祉事業団そのものがこれから先どのようになっていくのか、どのように改革しないといけないかということは大変重要な問題でありまして、同時に、そこから解決をしていったときに、その解決の仕方も、都民から評価をされる手法でないといけない。手法というのは変ですけど、そういう改善策でないといけないと思っております。
○木内委員 本日のところは以上といたしますけれども、不法でない形で処理されないといけないとか、正当な形に戻さなければいけないという、この冒頭の文言というのは重いです、これは。これはまさに包括外部監査人によって云々というくだりでありますから、本質的に誤解を与える結果になってしまっている。文字どおり読めば、まさに先ほどから証人がいっておられる、その内容とは極めて乖離した実態になっているということを改めて指摘をさせていただいて、結論は留保しているわけでありますので、きょうの私の喚問を終わらせていただきます。
○山崎委員長 木内副委員長の尋問は終了いたしました。
続いて、名取理事の尋問を始めさせていただきます。
○名取委員 まず冒頭に、既にさまざまな証人に対して質問がされておりますので、ほとんど重複をしているわけでありますけれども、しかしながら、今後の尋問、他局等々の尋問に際して私どももそれなりに把握をしておきたいと思いますので、まことに申しわけございませんけれども、重複する部分はお許しをいただいて、お答えを願いたいというふうに思います。
まず、その前に、先ほども赤星証人にもお尋ねをいたしました。実は、さまざまな議論があり、そして、予特の総括質疑になるんでしょうか、高島理事の方から、この問題について述べられておられました。若干読ませていただけば、平成十二年度までに都立の高等保育学校四校と社会福祉事業学校を廃止した、直営を廃止することによって、例えば九年度には八億五千五百万円かかっていた運営費はゼロになったと、また、新設した社会福祉総合学院についても、社会状況の変化を踏まえ、運営の見直しを行い、学校法人に業務を委託しましたが、その結果、十四年度以降、都からの運営費補助が不要になったんですよといっているんですね。二億五千六百万、こうした取り組みは、十三年四月に発足した監理団体改革推進委員会の意向に沿うものと考えています、こういうご発言がありました。確かに大きな成果を上げて福祉行政はしてきたんだろうというふうに思っています。
しかしながら、先ほどもお尋ねをいたしましたけれども、一つの物事に対して、その成果がきちっとしたルールといいますか形の中でなし得るものならば、それはそれとして大きな評価があるんだろうというふうに思います。そのことを踏まえて、あらゆる問題について、ただ単に、先ほどもお話を申し上げましたが、一般企業であれば、費用対効果、利潤というものが最優先をしていくんだろうと思いますけれども、都民の財産を預かる東京都として、よしんばそのことに効果があったとしても、そのルールというものは逆にきちっと遵守することが、この問題だけではなくて、広範にわたったさまざまな課題について必要であろう、それが最優先だろうというふうに私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○濱渦証人 行政はぶつ切りであったら何の成果もありませんし、都民のためになりません。したがって、行政の施策というのは継続性がもちろん必要であります。
○名取委員 それでは、若干、先ほど申し上げましたように、重複はするわけでありますけれども、我々の尋問に対して、副知事の生の声ということで、お話をさせていただきたいと思います。
先ほど来、もうわかっている話なんですが、この問題になっているものに対して包括外部監査報告を最初に聞いたのはいつのことだったんですかということであります。
○濱渦証人 一月二十日、監査人による知事ブリーフィングの席上であります。
○名取委員 そこで、一月二十日でありますけれども、社会福祉事業団と社会福祉総合学院についての説明があったのか、また、あったとしたら、それはどのような説明だったんでしょうか。
○濱渦証人 包括外部監査報告書の概要で説明がございました。全体についてのお話があったように記憶をしております。
○名取委員 その後、さらに詳しく守屋監査人からの説明を聞かれたと思いますけれども、それはいつ、また、そのときの内容はどのような内容だったのか。
○濱渦証人 まず、一月の二十日に守屋監査人から報告を受けたときに、私は、概要版でなくて、この報告書そのものをめくっておりまして、社会福祉事業団、大変私の興味のあるところでございました。その中で、社会福祉総合学院という根本的な見直しについてというのは詳細な報告がなかったので、その場で改めて説明を求めました。
○名取委員 そのときに受けた説明、含めて、知事にはどのような形で、いつ説明をされたのか。
○濱渦証人 一月二十日、知事と一緒にお話を聞いて以降、知事の方から、より詳細な報告を求めるように私にありましたけれども、私の方は、守屋外部監査人に、より詳細について、知事のご質問にあった時系列についても報告くださいとお願いしました。その後は、一月二十八日の各局事前の報告会でありまして、個別に知事に私の方からお話をした事実はありません。
○名取委員 ところで、我々、先ほど来、中村議員の名前が再三取り上げられていまして、恐らく大分有名になったんだろうなと思いますけれども、このことの質問に端を発して、そして、濱渦副知事の答弁、そのことによって百条調査特別委員会が設置をされたと、このようにいわれているわけでありますけれども、私どもは、そもそも議会の最大の役目は、チェックをするチェック機能を発揮していくということ、これは政策であり、予算であり、執行であり、このことが議会の持たれている最大の責務ということで私どもは考えております。そういうことを重んじながら、先ほど来お話がありますように、新聞の報道、知事の会見の内容、そして包括外部監査の報告等々を吟味しながら、議会としてこの問題を何ら取り上げないということはどういう問題なのかな、どういう考えかということも十分に私どもは私どもで議論を深めながら、この問題についての予算特別委員会での審議展開をした経過がございます。
そういう中におきまして、その答弁として、三月十四日、予算特別委員会の中で、濱渦副知事が、不法という言葉が先ほど来出ておりますけれども、不法という言葉があり、そのことが大きな問題になっている。ここで使われた不法とは、先ほど来解明をしておりますけれども、再度、どのような根拠で使われたのか伺いたいと思います。
○濱渦証人 私が申し上げたときには、状況を戻すときに、その手法等が、将来、包括外部監査人の意見に沿った方向に改善していくに当たって、法令等に違反することのないように、そういう趣旨で申し上げました。
○名取委員 また、そのときに、答弁でありますけれども、不法でない形で処理されなければいけない、このようにおっしゃっておられます。
ここでいう、先ほど木内副委員長から、正常な形という言葉が出ましたけれども、不法の形とは、不法の形ではない、なければならないといわれておりますけれども、不法な形と正常な形、どこら辺のところがあれなんですけれども、不法な形というのはどういう形なのか、ちょっとお伺いをします。
○濱渦証人 法令に違反することのない形です。
○名取委員 尋問は大分重複しておりますので、これにとどめたいと思いますけれども、私どもは、この後の財務局、福祉局の尋問に際して、具体的、各部門、箇所といいますか、問題について尋問をしていくわけでありますけれども、少なからず適正な方法で議論がなされ、そしてその証左があり、その形で物事を進めていく、このことが基本だろうというふうに思っておりますし、我々は現時点までプロジェクトチームをつくって調査検討をしてまいりました。そこら辺の調査の中身も今後の尋問の中で明らかにしていきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
ちょっと、今、議事録をやっているんで、私の方から説明ができないんで。そのことを含めながら我々はこの問題を取り上げ、将来に向けてよりよい方向で解決ができるような、そのことが、我々、疑問を呈しながら発言をした一つの大きな目標でありますから、そのことを含めて表明をしながら、これからの展開をさせていただきたい。
そして、委員長にお諮りをさせていただきたいんですが、これもなかなか難しいんだろうと思いますし、理事会にゆだねて議論といいますか、検討していただきたい。先ほど来、包括監査人のお話が出て、東村理事の方からもお呼びをしたらどうかなというお話もありました。そのことも含めて理事会で、でき得るならば、参考人の形かどうかは別にしまして、直接的な言葉も聞きたいなと、こんな思いでありますので、理事会でひとつご検討いただきますようにお願いを申し上げまして、私の方の尋問は終わります。
○山崎委員長 名取理事の尋問は終わりました。
続きまして、曽根はじめ委員の尋問を始めます。
○曽根委員 それでは、証人尋問を濱渦副知事に対して行います。
まず、ほかの委員の方からもありましたが、あなたが予算特別委員会で、社会福祉総合学院の現状について、包括外部監査人によって、現在の問題として行われている補助金が正当ではないかもしれないという疑念が発しられたとか、その土地であり、建物等々も含めて財産が正当な形で、不法でない形で処理がされないといけないと思います、というふうに答弁をされています。
先ほど来、不法という言葉を使った根拠を聞かれて、あなたは、将来の改善の問題だとか、一般論であるなどと述べていますが、監査人も、不法という言葉も、また認識も示しておりませんし、将来の改善の方向のことならば、適法な形で処理がされなければいけないという言葉を使うのが通例です。
この場合、不法でない形と、わざわざ不法という言葉を使ったということは、何かに対して何らかの不法性を認識していなければ、この言葉は出てこないはずです。
改めてお聞きしますけれども、あなた自身が何を根拠にこの不法という言葉をわざわざ使ったのか、もう一度明確にお答えいただきたい。
○濱渦証人 具体的な想定をしているわけではありませんが、この委員会、議会でもありますように、不法入国とか、不法滞在とかいう、その不法になじんでおりますので、こういう言葉を使いましたが、その中身は法令に反するということです。
○曽根委員 その法令に反するということをこの問題に関して使ったということは、将来でのことであろうが、現在のことであろうが、何に対して不法性の認識をしたんですか。
○濱渦証人 具体的なものでございません。
○曽根委員 やはりこれは、不法という言葉を何も前提もなしに使う、しかも否定形という形で、不法でない形で処理がされなければならないということは、現在の形がやはり適法ではないという認識が前提になっていなければ、通常は出てきません。この点では、引き続き、先ほどもありましたが、我々は疑問を持たざるを得ないということをまず申し上げておきたいと思います。
それから、先ほど来これも質問がありましたが、副知事が、社会福祉総合学院が見直しによって民間の一学校法人に委託、また賃貸しされているという事実を知ったのはいつからですか。
○濱渦証人 東京都社会福祉総合学院については、平成十三年度の見直しによりまして、社会福祉事業団みずからの運営から委託運営になったこと、建物の一部を民間学校法人に貸し付けることは承知しておりましたが、しかし、監査人の指摘のような、建物の九〇%相当が特定の学校法人によって使用されている事実や、その賃貸料が適正水準か否か不透明との問題は、今回の包括外部監査によって知ったところであります。
○曽根委員 簡潔にお答えいただきたいんですが、平成十三年度の途中で、社会福祉総合学院が見直しで貸し付けを行うということを知ったのは、その時点で知っていたんですか。
○濱渦証人 総務局の行政改革室から報告を受けました。
○曽根委員 次に、この問題について副知事自身が疑念を感じたといいますか、問題だと感じた以降、先ほどもお聞きしましたが、二月二日午後三時半ごろから、あなたと総務局長、財務局長、福祉保健局長の三局長の出席したブリーフィングが行われたということを聞いていますが、事実ですか。
○濱渦証人 事実です。
○曽根委員 そこであなたは三局長に対してどういう指示をされ、また、この問題についてどういう発言をされましたか。
○濱渦証人 細かくは記憶しておりませんが、詳細について精査をして報告をいただきたい。それも総務局長が中心になって関係各部長に指示をして、また財務局長、あっ、福祉局長が中心になって、そして財務局長、総務局長、全部局を挙げて協力をしていただきたいと、この旨お話をしました。
○曽根委員 私たちの得た資料では、あなたはこの調査を指示する際に、おれがアメリカから帰ってくる二月十五日までにこの件についての事実経過を調査しておくこと、なお、包み隠さず報告することとか、この問題は奥が深くかなり問題だ、場合によっては刑事告発もあるかもという趣旨を述べたというふうにされているんですが、こういう趣旨の発言をされませんでしたか。
○濱渦証人 前段一部は正しいですが、後段は全くそういうことはありません。
○曽根委員 それでは、二月十五日、アメリカから帰ってくるまでに調べておくように、また、包み隠さず報告するようにといったことは事実であると。しかし、刑事告発という言葉はいっていないということですか。
○濱渦証人 私は二月の四日ぐらいからアメリカに行きまして、日本に帰ってきて、十五日に帰る予定がありましたが、帰りまして風邪を引きまして体調を崩しましたので、十八日に報告を受けました。私の不在の間に、三局協力して私にわかるように用意をしてくださいと、こういうお願いをしました。
○曽根委員 私が聞いているのは、後段が、いっていないというふうに先ほどお答えになりましたが、刑事告発があるかもというふうなことは一切いっていないということなんですか。
○濱渦証人 調査もされてないときにそういうことをいうというのは考えにくいことです。
○曽根委員 その考えにくいことをおっしゃったんじゃないかと聞いているんですが、どうなんですか。
○濱渦証人 私はそれは否定しております。
○曽根委員 そうあなたはおっしゃるんですが、私たち委員会として要求した資料では不存在とされていましたけれども、当日のブリーフィングの状況について、そこに出席した人が書いたメモが私たちのところに届いております。
それによると、明確に、この件についてはかなり問題だと、場合によっては刑事告発もあるかもと副知事が発言したということが記録されています。現に私たちはこれをいただいております。こういう文書そのものが存在しているんですが、それでもあなたは否定されるんですか。
○濱渦証人 文書があることかどうか、それは知らないことですが、私がいったんではないんでしょう。
○曽根委員 それではどなたかがいったと考えられるんですか。
○濱渦証人 全くわかりません。
○曽根委員 公式の会議ですから、指示された内容については資料が来ましたが、そのときに副知事が発言された記録が不存在というふうになっているんです。これは委員会の要求した資料が、これ公式会議ですから、ないはずはないんで、改めて委員会として強く要求するように、これは委員長にも取り計らいをお願いしたいと思います。
○山崎委員長 ちょっと待ってください。曽根委員、その資料ですが、我々全然、要求したけれども、なかった。そしてあなた方は持っている。それを委員長にちょっと見せてもらえますか。
〔曽根委員、山崎委員長に資料を渡す〕
〔発言する者、離席する者多し〕
○山崎委員長 速記とめてください。
〔速記中止〕
○山崎委員長 速記再開してください。
ただいま曽根委員のお持ちの資料が、当委員会が要求した記録の中に、不存在というような部類にたしか分けられていたと思います。
今お持ちのその資料が本物であるかどうかは別にして、万が一不存在でなくて、あったとするならば、これはそれなりに重要な問題でありますので、この点については改めて理事会で協議したいと思いますが、よろしゅうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 そのようにさせていただきます。
それでは、尋問を続けてください。
○曽根委員 もう一つお聞きします。
我々は同じ二月二日の日付で、都庁内部で作成された弁護士意見(十七年二月二日現在)という文書を入手しています。これです。
この内容は、練馬の社会福祉総合学院を民間学校法人に貸し付けたことは、都と事業団との無償貸し付け契約に違反するという趣旨が書かれています。副知事はこの文書の存在を知っていますか。
○濱渦証人 知りません。
○曽根委員 次の質問に行きます。
あなたは、昨年九月二十四日に第一回会議が開かれた都有財産利活用推進会議の委員長を務めておられますね。
○濱渦証人 日付は定かに覚えておりませんが、各局にお話ししたことはあると思っております。
○曽根委員 もう一度確認します。昨年九月二十四日に第一回会議が開かれました。資料も今回出てきておりますが、都有財産利活用推進会議、あなたが委員長で、櫻井出納長が副委員長。この会議の委員長と、これを確認してください。
○濱渦証人 昨年八月の庁議によって知事からご指摘があって委員会を開きましたが、何日であったかは記憶にありませんけれども。正確ではありません、偽証にならないようにいいますが、そういう知事の指示のもとに開いたことはあります。
○曽根委員 確かに庁議での知事の発言が資料の前段に入っておりまして、それに基づいてこの都有財産利活用推進会議が開かれたということが資料によってわかります。
この資料というのは、知事が予算特別委員会でこのように発言したことから出ているものです。こういうふうに知事が発言しています。「このことの発端は、私が自民党の川井さんでしたかな、いわれて、やっぱり端切れの土地とか、都の持っている財産がほったらかしにされて、それが一つ活用されると、随分交通の便にもつながったりして、そういうものをもっと積極的にやったらどうだという非常にいいサジェスチョンをいただきまして、それで、小さなもの大きなもの含めて、都有財産を有効に合理的に使おう、そのための調査をしようということにかかわりがございます。」と。
知事がこのような発言をして、端切れの土地などを活用するという、そういった検討の場を設けて、そのための調査をしようというところから発端があるという趣旨の発言をされているんですが、その根拠となった、その土地の活用についての検討の場は何だということで資料を要求したらこれが出てきたということで、あなたはそこの委員長と。
この検討会議の中で、社会福祉総合学院の建物資産について検討したことはありませんか。
○濱渦証人 中でどういうことがなされるというよりも、私の報告にはそういうものはございません。
○曽根委員 あなた自身が委員長ですので、この検討会議の活動の中で、その検討の一つの材料として、社会福祉総合学院がもっと有効な活用の仕方があるんじゃないかということが検討されたという経緯があれば、当然委員長ですから知っているはずですが、そういう事実はなかったんですか。
○濱渦証人 ございません。
○曽根委員 それならば、もう一つ、既に第二次になりますが、平成十五年の十一月に出された第二次財産利活用総合計画というのが策定されましたが、この計画に基づいて既に財務局と福祉保健局との間で、社会福祉総合学院と文京区小日向にある社会福祉保健医療センターとの統合について議論がされているという状況が、ちょうどこの利活用検討会議が行われた九月に同時に並行して行われていたということはご存じありませんか。
○濱渦証人 知りません。
○曽根委員 都有地の利活用ということを検討する基本的には同じ趣旨の会議で、検討の場で、一方ではあなたが委員長で都有地利活用の検討を進めていると。それとほぼ同時期に、一昨年十一月以来の第二次総合計画に基づく土地の利活用の検討が行われていまして、この中では具体的に、これは資料で今回いただいたんですが、25番ですけれども、東京都社会福祉保健医療研修センター、文京区の小日向にありますが、これを社会福祉総合学院のところに移転させて跡地は売却するということが具体的な構想として書かれていて、しかもそれについてはもう既に交渉がかなり煮詰まっていて、昨年の九月十六日、ちょうどあなたが委員長の会議が開かれた前後ですが、財務局の財産運用部長が福祉保健局総務部長に面会し、この統合の取り扱いについて局了解の確認を求めたところ、現在社会福祉事業団が包括外部監査を受けているところなので、その結果が出るまで待ってほしいとのことであったという記録が資料の中にあります。
その後、最終的には、現在敬心学園に貸している状況だから、これはできませんという事実上のお断りの話が十月の二十一日付で福祉保健局から返っていると、財務局に対して。これだけ具体的な話が、まさにこの三局のうちの二つである福祉保健局と財務局の間で、部長級でやりとりがされていたと。そこに今回の問題が同時並行に乗っかってきているんです。あなたが知らないということ自体がおかしいんじゃないですか、この検討を。どうなんでしょう。
○濱渦証人 済みません。聞き漏らしましたのでお尋ねしますが、十五年、十六年、いつですか。
○曽根委員 私が聞いているのは、昨年、平成十六年の九月に、財務局の財産運用部長ですか、の方が福祉保健局の総務部長にこの統合についての確認をしたところ、待ってくれと。その後十月に、最終的には福祉保健局は統合できないという旨の回答をしたというこの経過です。
○濱渦証人 私は知りませんでした。
○曽根委員 土地の利活用について責任ある立場にいて、先ほどは、ことしの二月--一月の末になって初めて社会福祉総合学院の問題点について認識をしたとおっしゃいましたが、去年の秋に、あなたが責任者でこのように土地の利活用について検討をし、そこに参加をしている財務局、福祉保健局の間でかなり厳しいやりとりが、具体的にこの練馬の総合学院をめぐって行われていたと。それをあなた自身が知らなかったでは、私は済まされないと思います。
改めて疑問が深まりましたので、次の機会に私たちもただしていきたいということを申し上げて、私の尋問は終わります。
○山崎委員長 曽根はじめ委員の尋問は終わりました。
続いて、藤田愛子委員の尋問を始めます。
○藤田委員 私も何問か尋問をさせていただきます。
しつこいようでありますけれども、三月十四日の予算特別委員会の中からの話を再度させていただきます。
副知事の答弁は、包括外部監査人によって、現在の問題として行われている補助金が正当でもないかもしれないという疑念が発せられました。そうすると、それが都民の財産でありますから、正当な形に戻さないといけない。そのときに、その土地であり、建物等々を含めて、財産が正当な形で、不法でない形で処理されなければいけないと思います。そのためには、もう一度この中身を精査して、本来の形に戻すのが一番と思っております、といわれたわけですけれども、まず、補助金が正当でないかもしれないということは、報告書のどこに書いてありますか。
○濱渦証人 そういう文言では報告書にはございません。
○藤田委員 それでは、正当な形に戻さないといけないといわれましたが、だれが何を正当な形にするというふうに考えておられますか。
○濱渦証人 関係の者が集まって、包括外部監査人の改善策に合うような形であるべきだろうと思いました。
○藤田委員 不法でない形で処理をするというのは、どういうふうに処理をすることですか。
○濱渦証人 法令に違反することのないように処理をすることです。
○藤田委員 それでは、ここでは不法ということだと思いますけれども、法律違反があったのかと思いますが、どこにあったかご提示ください。
○濱渦証人 現在はございません。
○藤田委員 それでは、もう一度最初に戻ります。正当でないかもしれないということは、そういう言葉では書いてないということでありましたけれども、実際には、正当でないということの疑念が発せられたということは、違うということでありますか。
○濱渦証人 包括外部監査人は、学院の建物は特定の学校法人が継続的に使用する可能性があるが、借入金償還額及び利息相当額はすべて都から補助金として事業団に支出されており、現況を維持すれば、今後、平成二十二年までに約百八十億円、累積で約二十一億円が都から支出されることが見込まれている。また、学院建物の賃貸料はプロポーザル方式による提案額を参考として決定されている。平成十五年度の賃貸料は五千六百七十万円であるのに対し、その維持コストは、東京都が所有する土地の地代を考慮しなくても、現在の賃貸料より大きな費用であり、学院建物の建設経緯と福祉人材養成機関としての性質を考慮しても、現在の賃貸料とは大きな乖離があるなどを述べられ、学院運営の実績を踏まえ、都からの補助を極力削減するよう、学院の運営のあり方について抜本的な見直しを図られたいとの意見を付しています。
そして、このように学院の現状について厳しい意見が包括外部監査人によって述べられたことから、監理団体改革を担当する副知事の私として重く受けとめて、発言は、学院について早期是正を求められている状況を危惧した思いを表現したのであります。
○藤田委員 ストレートに答えていただきたいと思いますけれども、実際には、今お話があったようなことは、2の20番まで書かれています。しかし、先ほどお話がありましたように、補助金が正当でもないかもしれないという言葉はどこにも書いていないということでありますので、これについては、昨年まで私たちはこれを是として予算案を通してまいりましたけれども、これについては、証人は正当な予算であったというふうに考えていますか。
○濱渦証人 現在まではそのとおりです。
○藤田委員 現在までというのは、今この問題は現在の問題としていっているわけでありまして、将来についてどうこうというのは、実は、これまでも監査について、包括外部監査の結果に基づき、知事等が講じた措置の通知内容ということで、必ずこれは監査委員から出されているものであります。そして、これまでもこの監理団体についてもこの監査があったわけでありますけれども、副知事は、証人は、これらについてどのように対処してまいりましたでしょうか。
○濱渦証人 監査人がいろいろ指摘ありましたのは、私の扱います監理団体改革は、改善については各局を通じて行っております。
○藤田委員 それでは伺いますが、毎年監査報告が、先ほどもありましたけれども、出ておりますけれども、それについては見ていらっしゃいましたでしょうか。
○濱渦証人 行政改革室から概要説明を受けております。
○藤田委員 社会福祉事業団について、個別にヒアリングをしたことはありますか。
○濱渦証人 個別に、社会福祉事業団と個別にはございません。
○藤田委員 事業団とではなくて、事業団についての監査報告が出ているわけでありますから、これを所管をしている福祉局とヒアリングをしたことはありますか。
○濱渦証人 行政改革室を通じて行います。
○藤田委員 実際には、先ほど不法な形というようなことがいろいろいわれていたわけでありますけれども、この報告書の中には、そういう言葉では書いていないというふうにいわれておりますけれども、それでは、何かほかに監査人からいわれているか、あるいはペーパーが存在していますか。
○濱渦証人 私は、処理をされるときに、法令に違反しないようにということで使いました。
○藤田委員 使ったということの話ではなくて、何かほかに監査人からいわれていることがありますか。ペーパーがありますか。
○濱渦証人 私の主体的な考えで、ペーパーはありません。
○藤田委員 監理団体について対処してきたかというお話については、それぞれ自分の所管する監理団体については、措置の通知のときに、措置をするときにきちっとそこにかかわってきたというふうになっておりますけれども、では、今回の社会福祉事業団について、ヒアリングはしているけれども、そのとき、ことしまで、この外部監査報告が出されるまでに何か対処いたしたことがありますか。
○濱渦証人 以前に私の方は、行政改革室を通じて、社会福祉事業団も含めてですが、民間でできるのは民間にして、東京都としての負担、また効率のいい行政を図るようにというお話はしましたが、個別にしている話ではありません。
○藤田委員 それでは、自分の興味があるところだけ監理団体をつぶすこともできるような状況にあったかと思いますけれども、女性財団をつぶしたときに、だれに、どのように指示書を出されましたでしょうか。
○濱渦証人 これは、皆さんも入りました協議機関がございまして、その中で議論を重ねていただきました。
○藤田委員 最終的な結論はどのようにして決めましたか。
○濱渦証人 生活文化局と行政改革室との報告であります。
○藤田委員 実際にはこちらも、こちらもというのは社会福祉事業団も、実は東京都が一〇〇%出資をしている団体であります。一〇〇%出資をしている団体については、その当時、非常に厳しい状況である、これについては早急な見直しをというようなことになっていたかと思いますけれども、この社会福祉事業団については、これまで、もちろん、先ほどお話があったような指示は出されたというわけでありますけれども、抜本的な改革についてはどのような指示を出されていますでしょうか。
○濱渦証人 監理団体がみずから改革案を出して改革をしていくというのは大変重要なことであります。したがって、自分たちでできない、もっといい行政はできないかを判断して、民でできるものは民でできる、こういうお話を申し上げております。
○藤田委員 それでは、今問題になっております社会福祉事業団が、社会福祉総合学院について、九割とはいえ、敬心学園にこの委託をしていくということについては、正当であるというふうに思っていますか。
○濱渦証人 現在はそうであります。
○藤田委員 それでは、最後にもう一度お話しいたしますけれども、現在はと、現在の問題をずっとこれいっているわけでありますけれども、将来においてこのまま放置していれば、先ほど、違反するであろうというようないい方がされましたけれども、今後の問題についてはそれぞれがきちっと措置をすればよいわけでありまして、結果に基づいて措置を講じればいいわけでありますけれども、今回の予算も含めて、補助金が正当ではないということはないというふうに確信していいですか。
○濱渦証人 補助金も正当でありますし、予算については誇れるいい予算と思っております。
○藤田委員 最後にするつもりでありましたけれども、それでは、先般の三月十四日の報告の中で、監査人から、補助金が正当でないかもしれないという疑義が発せられたということをご自身が発するという、その意図はどこにありますか。
○濱渦証人 改革すべきところが改革のないままに進んでいくとということであります。
○藤田委員 全くそれは詭弁でありまして、それであるならば、指定管理者制度が十八年度から入るのであるから、ここについては非常に、大変大きな問題があるというふうに普通でしたら答えるべきだと思いますけれども、この答弁を取り消すつもりはありますか。
○濱渦証人 その当時のご質問は、今後この問題にどのように取り組んでいくかということをお尋ねされたのでございまして、もちろん社会福祉事業団が指定管理者制度を導入してしっかりやっていけるか、大変そこには心配をされるところがあります。したがって、私は答弁を取り消す、そういうことではございません。
○藤田委員 だれも心配をしています、基本的に。指定管理者が入ったときにはどうなるんだろうかということは大変心配をしているわけでありますし、都民にとってみれば、今までのサービスがそのまま続けられるのかどうか、これについても問題があるかと思いますし、あるいはまた、そこに多くのNPOを初めとして民間が入れるという、このビジネスのチャンスにもなるということで、いろいろな意味の問題があるわけでありますけれども、ということは、だれもがそういうふうに思っている問題について、でも、実は予算については問題ないんだ、あるいはこれまでも問題がなかったんだというにもかかわらず、この言葉はやはり都民に対して非常に不安を与えるものでありますし、あたかも、新聞の中でこれを取り上げて、非常にまずいことをやっている、こういう問題に都民を先導していくといいますか、そちらに持っていこうとする、こういう強い力が働いているかと思いますけれども、そのようには考えませんでしたでしょうか。
○濱渦証人 私は私の意見を述べて、他の何物にもかかわっているつもりはございませんが、ご指摘のように十八年度からの指定管理者によって社会福祉法人のありよう、あり方には大変厳しいものがありまして、監査人によりますと、競争に勝つことは極めて困難である、したがって、あらゆる手段、あらゆる方策を考えていただきたいという、そういう指摘をいただいております。
○藤田委員 それでは、補助金が正当でもないかもしれないという疑念が発せられたということはなかったというふうに確信してよろしいんでしょうか。
○濱渦証人 今まで、監査人が報告において私が聞きましたのは、知事ブリーフィングと一緒にですが、東京都社会福祉事業団でいろんな問題がありますよと。その中で今の状態を早く是正しないといけない、そういう危惧を私は疑念と表現いたしました。
○藤田委員 以上です。終わります。
○山崎委員長 藤田愛子委員の尋問は終わりました。
ほかに発言がありませんので、証人副知事濱渦武生君に対する本日の尋問は終了いたします。
なお、理事会あるいは委員会の経過を踏まえて、濱渦副知事には再度ご出席をいただくことになると思います。
濱渦証人、長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。
〔濱渦証人退席〕
○山崎委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
午後六時五十六分休憩
午後七時三十六分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
〔松澤証人着席〕
証人、財務局長松澤敏夫君から証言を求めます。
○山崎委員長 それでは、私からお尋ねいたします。
あなたは松澤敏夫君ですか。
○松澤証人 松澤敏夫でございます。
○山崎委員長 役職名、生年月日をお述べください。
○松澤証人 東京都財務局長でございます。
生年月日は、昭和二十四年二月七日生まれでございます。
○山崎委員長 それでは、尋問を始めます。
高島理事。
○高島委員 これから財務局長について何点か尋問をさせていただきます。
まず、前段でちょっとお話をさせていただきたいんですが、私は、この十七年度の予算を審議します予算特別委員会の理事として、スタート時から採決までずっと予算の審議を見ておりました。その中でいろいろと民主党の中村委員からの質問、それを受けての局長の答弁、また副知事の答弁とるるお話があった中で、きょう百条委員会の設置という形の中でございます。そういう意味では、ぜひ、偽証罪ということもありますので、率直に素直にご証言をしていただきたいなと心からお願いいたします。私どもは決して局長をどうこうとか、そういうことじゃないと思っているんです、私の個人的な見解では。そうじゃなくて、やはりきちっと明白にするものはしていきたいという考え方があるんですね。そういう思いもございます。
それから、私がきょういろいろと尋問することについては、基本的なものしか私はするつもりございません。それはなぜかということは、もう一度きちっと確認をすることが必要なのではないかと思っております。
実はあす最終日でございますけれども、私の個人的な見解でいけば、私はこの百条委員会の中で疑義がなかったと、この十七年度の予算は、まさに胸を張って東京都民一千二百万の皆様方のためにきちっと使われるすばらしい予算だということの前提で、私はこの百条委員会の審議をしていくべきだと認識をしております。民主党は、この予算については疑義がある、そういう中で話が出たと私は認識しているんですね。その中できちっと私どもはただすべきものはただして、そしてやっていこうと思っております。
その中で、仮にこの十七年度の予算が正しいものである、そういう前提の中で、意図的に、何もないものがあたかも大きな事件になっている、何か不正が働かれているという考えの中で利用されたとするならば、このことは私どもは大変な大きな問題だと思っております。私は、その意味ではまさにこの百条委員会は東京都政の改革である、東京都民にとってなさねばならない大事な委員会ではないか、そういう認識を持っております。そのことは局長も同じ思いだと思っておりますので、ぜひご理解をいただいて、粛々と進めていきたい、そういう思いでございますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、先般の委員会でいろいろと資料要求をさせていただきました。他の委員さんからも出てこない資料のことについていろいろと疑義がありまして、理事会でもきょういろいろなお話がありました。その中で改めて確認をとらせていただきますが、財務局長さん、もうこれ以上、私どもが資料要求した資料がこれから出てくる、そんなことはないのかあるのか、確認をとらせていただきたいと思います。
○松澤証人 提出すべきものはすべて出させていただいております。
○高島委員 わかりました。それでは進めさせていただきます。
まず初めに、濱渦副知事、それから総務局長さんと質疑がございまして、その中で一番大きなポイントというか一つのポイントは、包括外部監査についてのいろいろと議論かなと思っております。そこで、財務局長というお立場の中で、また都政の財政を担っていく局長として、どういうふうな立場で、そういう立場でとらえているかを含めて、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
私ども議会としては、二月の二十三日だと思いましたけれども、本会議の初日に外部監査報告がなされて、この報告が、私ども初めて聞いたわけでございます。理事者側においては、それ以前にこの外部監査報告書を、報告なり聞いた、そういう経緯があるかどうかお聞かせいただきたいと思います。
○松澤証人 財務局長として包括外部監査報告を聞きましたのは、一月の二十八日の事前報告会でございます。
○高島委員 一月の二十八日にお聞きになったということですけれども、そのときはどういう状況で、どなたに--どういう状況というのはメンバーということも含めてですけれども、お聞きになったかお聞かせいただきたい。
○松澤証人 包括外部監査人が報告するということで、報告の対象となる関係局長が呼ばれまして、また同席ということで政策会議のメンバー、私もそうでございますが、そういうメンバーが一緒に入って聞いたと、こういうことでございます。
○高島委員 関連の局長ということで、ごめんなさいね、何回か同じことをあえて聞くこと、場面があります。そのときには、申しわけないんですけれども、きちっとご答弁いただきたいと思っています。
そこで改めて、関係局長、それから政策云々ということですけれども、そのメンバー、何百人もいるわけじゃないんですけれども、重立った方だと思うんですが、一応、役職名だけでも教えていただきたいと思います。
○松澤証人 知事がまず冒頭出席されまして、途中で退席されました。それから濱渦副知事、それから大塚副知事、それからあと出納長、それからあと竹花副知事、それから福永副知事はたしかお休みになられたんじゃないかなというふうに、ちょっとはっきりは覚えていませんが、それからあと知事本部長、それから総務局長、財務局長ということでございます。それから、失礼しました、教育長。
○高島委員 わかりました。
そのときに、当然、今の局長のお話を聞くと、外部監査報告についていろいろと議論があったと思うんですけれども、石原知事、そして副知事、どういうご発言をなさったのか、ご記憶があると思うんですね、何カ月でもないですし。それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○松澤証人 知事の方から、冒頭、濱渦副知事含めまして担当副知事に、こういう問題に対してちゃんとしっかりやらなきゃだめだというようなことをお話しされたというふうに記憶しております。
○高島委員 済みません、言葉じりをとっているんじゃないんでね。この委員会は、やはりいろいろな議論がある中で明確にしていきたいという意味で、私は冒頭、一つ一つ確認をとっていきたいというお願いなんです。こんなことというのは、どんなことなんですか。
○松澤証人 今回、包括外部監査報告で出された意見を中心でございます。
○高島委員 それは、一般常識でいうと、水道局も入っているわけですし、それから今回の事業団のことも入っているというふうに本当はいってほしいんだけれども、いってくれない局長がさみしいなと思っているんだけれども。
そこでもう一度聞きますけれども、知事、副知事の発言は、そのことについて何をいったのか、もう一度お聞かせいただきたい。
○松澤証人 今回の包括外部監査の中に入っております社会福祉事業団の関係、特にその中でも社会福祉総合学院の関係について、これをちゃんとしっかり調査しろというようなことも含めてお話が知事からございました。それからまた、副知事の方から、終わってから、これについては関係局長を呼んでちゃんと調査しなければならないみたいな発言がございました。
○高島委員 局長、申しわけないけれども、中途半端な返事してほしくないんですよ。それは確認とりますけれども、知事は、今回の事業団についてお話をなさって、きちっと調べろと。ほかの、水道とかほかのことについては一切触れなかったのか、触れたのか、そのこともきちっと答弁していただきたい。
○松澤証人 事業団のことが中心だったと思います。あと、ちょっと正直いって記憶、覚えておりません。
○高島委員 常識的に考えて、外部監査報告がいろいろと、私がいうまでもなくいろいろな議論がされているわけで、ただ、この今局長がおっしゃっている一月の二十八日、まだ私どもも一切聞いていない、その前提の中で、今おっしゃったように、副知事呼ばれて、それから出納長も呼ばれて、教育長も呼ばれて、それから関係局長も呼ばれてお話があったときに、決め撃ちという言葉は失礼だけれども、事業団のことだけ調べろということが、記憶にないといわれればそれだけなんですけれども、ちょっと解せないんです、私としてはね。当然、この外部監査報告書をとって、きちっと精査して、どういう状況なのかとか、いろいろと出てくるんじゃないかと。ただそれだけやりなさいなんという話はあり得ないと思っているんですよ、私は。そのことをちょっとお聞かせいただきたい。
○松澤証人 正直いいまして、詳しくは記憶しておりませんが、先ほど申し上げましたように、社会福祉事業団に関する今回の包括外部監査の中での社会福祉総合学院について、これをちゃんとしっかり調査なり明らかにしなきゃいけないということを申されたというふうに記憶しております。
○高島委員 ちょっとその辺は中途半端なのかな。例えば、では仮にそういうときにはメモをとるとか速記をとるとか会議録があるとか、何らかの話をしないと、後で知事が、おまえ何聞いていたんだと、おれがいったことをきちっと的確に理解していないじゃないかといわれるんじゃないかと思うんですよ。どなたでも必要があればメモを持って、鉛筆を持って、ボールペン持って書かないといけないやな、常識的に考えて。そういうものがあるのかどうか確認をとらせてください。
○松澤証人 特にございません。私の方は持っておりません。
○高島委員 ちょっと常識的に考えて……。では、それできょうまで来て、それがわからないとかそんな話されちゃうと、その程度かなと、残念だという思いが率直に出てくるんですよね。間違いなく局長はメモもとらず、議事録もない、そういうふうに認識してよろしいんでしょうか。会議録とか。
○松澤証人 メモといいますか、走り書きみたいな形で書いたものは覚えておりますが、ただ、それが現実に今どういう形で残っているかというと、特に持っておりません。
○高島委員 不存在とか一部不存在とかいわれて、いろいろとその議論もあるわけですよ。だから、私は冒頭、この資料についてはお出しなさっていないのかと。それから常識的に、私どもも何かあればちょっとぱっぱっとメモしたり、このことについてということが私の常識ではある。
ましてもや外部監査報告があって、その指摘があって、その指摘のために特別職と担当局長が呼ばれて議論をする、指示を受ける、そんな大事な会合に、メモもとらないできちっと素直に受け入れられて、それで月日がたって、大変な問題になって百条委員会が起きて、それで私が今質問していても、記憶にない、メモもない、会議録もない。それで常識的な話で通るかどうか、私は疑問だと思っているんです。ですから、難しい話じゃないんです、さっきから。基本的なことをお聞きしますよということをいっているのは、そういうことだと思っているんです、私は。だから、もう一度あえてお聞きしたい。
○松澤証人 当日は、包括外部監査の案みたいなものが出されましたので、それを読んだり、そういうことは、中心にマーカー振ったりしてやりまして、知事のお話については、そんなに長い話でもなかったと記憶しておりますし、特にそこで、先ほど申し上げましたように、私そんなにメモをどんどんとるようなちょっとタイプじゃないものですから、走り書き程度に書いたあれはあったと思いますが、ただ、正直いいまして、それはもう現在のところはございませんし、そういった今状況の中でお話しをさせていただいたということでございます。
○高島委員 それでは、濱渦副知事が包括外部監査人に対して、この事業団について何か促すようないろいろと発言があったように私どもよく聞くんです、その場面でもほかの場面でも。そういうご記憶はありますか。
○松澤証人 会議の最後の方に知事から、外郭担当副知事として、また財産管理を含めて財務担当副知事としておしかりをというか、そういう厳しいご指摘を受けたので、これから、先ほど申し上げましたように、ちゃんと関係局長を来週あたり呼んでちゃんと調べるというようなことを発言されました。
○高島委員 わかりました。
それではもう一度、くどいようですけれども--くどいようじゃないな、ある党さんが、後ほどまた聞かれると思うんですけれども、先ほどからいろいろと出ているんですよ、二月二日という日にちが。それだけひとつ聞かせていただきたいんですが、二月二日の日に副知事と三局長、財務局長さんも含めて会が持たれたというお話がありますけれども、それは事実でしょうか。
○松澤証人 事実でございます。
○高島委員 二日の日に会が持たれたということですね。そのメンバーはどなたですか。
○松澤証人 呼ばれたのは三局長ということで、財務局長、総務局長、それから福祉保健局長でございます。
○高島委員 二月二日に三局長と副知事、四名の方が集まって、当然この事業団のことについて議論があったり、それから水道局の話とかいろいろと話が出たというふうに聞いているんですが、それはどういうことが話されたのか、どういうことで話があったのか、そして内容はどうなのか、それをお聞かせいただきたい。
○松澤証人 一月二十八日の外部監査報告が出まして、それを踏まえまして、先ほど申し上げましたようなことを、来週集めて関係局長に話をするということがありましたので、それで三局長が呼ばれまして、その中で副知事の方から、平成十六年度包括外部監査報告案を踏まえて、社会福祉総合学院にかかわる経緯等に関して調査をちゃんとしろということと、それから、具体的調査に当たっては、局長たちは忙しいだろうから、関係三局の部長によるPTを設置して取りまとめを急ぐことと、こういう指示がございました。
○高島委員 二月二日の日に、外部監査報告の、特に事業団のことについてきちっとやれというお話があったんですが、ちなみに四名の方、三局長と副知事で、場所はどこで、何時ごろ、そしてそのときのメンバーは四人だけだったのか、例えば秘書さんがいるとかほかの方がいるとか、そういう話をちょっとお聞かせいただきたい。
○松澤証人 場所は濱渦副知事室でございます。時間は午後だったと思います。それからメンバーは三局長だけだったと思います。
○高島委員 わかりました。
このことも、これから私は何回も来てもらおうと思っているんですね。私の疑問を解消していただきたい。解消していただくお力を持っているのは局長だと思っているので、どんどん呼びますので、これから楽しみにしていますので、よろしくお願いしたいと思います。
そこで、一月二十八日の外部監査人による報告以前に、本件については知事もしくは副知事に対して財務局は内容報告をしたことはあるのか。なければよろしいのですが、あれば、どういう内容の発言をなさったのか、お聞かせいただきたい。
○松澤証人 包括外部監査報告に関する内容については、それ以前には報告はしておりません。
○高島委員 それはどういう形でご報告を受けたのかというのは、いろいろさっきお聞かせいただいたので、大体想定はつくんですが、そのときに、局長、拝見してどういう感想を持たれました、外部監査の報告を受けて。お聞かせいただけますか。
○松澤証人 私も、全然、社会福祉事業団あるいは社会福祉総合学院について全く知らないということではなくて、ある程度の知識を持っておりましたので、その中で、中身を見て、実態的にかなり知らない部分というか、そういう部分が入っているということを一つ痛感しまして、それからもう一つは、今後これを新しい時代に合わせて、改めるべき点は改めていかなきゃいけないなということを感じました。
○高島委員 外部監査報告で私どもが知り得ることは幾つかあったと思うんですね。改めるべきものは改めていかなければいけない。後ほどまた私このことを、同じ質問をしますけれども、せっかく局長がそういっていただいたので、改めるときは、改めるべきものは改めるとおっしゃったその内容は何だかお聞かせいただけますか。
○松澤証人 今回の監査報告で出されている二つの意見でございます。一つは、やはり社会福祉総合学院の今後のあり方、それからもう一つは、それを踏まえての補助金等につきまして、賃借料に対して補助金が多いというような指摘がございましたので、そういう点についてもこれから十分に調査して見直すべきところは見直さなきゃいけない、こういうふうに感じたわけでございます。
○高島委員 先ほど、濱渦副知事からしっかり調べろと、三局の局長お呼ばれになって、PTをつくられるというお話で、PTの責任者はたしか福祉保健局長、幸田さんか何かがなられたの。だれが責任者になったのかな。
○松澤証人 幸田福祉保健局長でございます。
○高島委員 そこで、濱渦副知事からの指示により、部長級による先ほどおっしゃった調査が行われ、財務局と福祉保健局の間で、財産利活用の手続について意見の相違があったと私どもはお聞きをしておりますが、どういうことだったのか、ご説明いただきたいと思います。
○松澤証人 財産利活用の今回の前提になります、平成十一年の三月に契約しました土地の無償契約についての取り扱いといいますか、そこら辺について、財務局の方がそこら辺を明らかにしたいということを、そのPTの中で申し上げたということでございます。
○高島委員 当然、後ほど福祉保健局の方からも、我が党の大西理事から聞かれると思うんですけれども、どういう形で平成十一年の三月から賃貸契約を結んでいるというのかな、土地の有効利用なのかな、そのことについてどういうふうに財務局はおっしゃったんですか。もう一回詳しく教えていただきたいんです。福祉保健局に。
○松澤証人 今回の包括外部監査の報告の中で、建物の方でございますが、民間の学校法人が八〇%近く使って--失礼しました。九〇%以上使っている状況とか、それから、包括外部監査の中でもう一つ、五年間の契約というものが、これが延長して行われるんじゃないかというようなことも含めて意見にございましたので、そういう点を踏まえて、先ほど申し上げました契約の状況というものと照らし合わせて、そこら辺がどうかなということを中心に、宮川部長の方から発言をしたということでございます。
○高島委員 九〇%の、専門学校に対しお貸しなさっているということと、それから、五年の契約が延長されるんじゃないかという危惧があって、財務局の担当部長さんから福祉保健局の担当部長さんの方へそういう話があったということだと思うんですね。そこで、その思いは今でもお持ちですか。
○松澤証人 今回の包括外部監査の報告、また三月一日に知事からも調査を命じられていることも含めまして、私どもで調査してきた中で、今お話のありました平成十一年三月の土地の無償契約について、現状から見て、違法とかそういうことは毛頭ないというふうに考えております。ただ、契約の条項の中の一部に、一部といいますか、中で該当しない部分が現状から見てあると思っておりますので、これらについては、今後やはり、将来に向かって改善しなければいけないというふうに認識しております。
○高島委員 後ほどこのことをもう一回聞きます。違法でないとか、聞きますけれども、あえてもう一回聞きたいんです、今ここでも。違法でないけれども、どの部分が、局長が考えていらっしゃる改めなければいけないところなのか、教えていただきたいと思います。
○松澤証人 土地の契約書の中の四条でございますけど、この使途が、制限といいますか、ちゃんと指定されておりまして、その中で、社会福祉事業団みずからが設置する福祉人材の養成事業に使用することと--土地はですね。それが無償という一つの大きな理由になっているということでございまして、その中の全部が契約とそぐわないということじゃなくて、みずから設置するというところが、現状から見てそぐわない部分があるんじゃないかということでございます。
○高島委員 済みませんね、余り利口じゃないんでよくわかんないんだけど、設置するところがまずいということなの、局長。要は、事業団の趣旨による事業についてはいいけれども、土地を他の事業に使わせることはだめだというの。ちょっとごめんなさい。もう一回、その辺のことをよくわかるように教えていただきたい。
○松澤証人 ただいま申し上げました、事業団がみずから設置する福祉人材養成事業ということで申し上げますと、みずから設置するという意味の中で、社会福祉学院が、夜間とか、それから通信ということでやっていることについては、それは一部でありますけれど、趣旨に沿っているわけでございます、契約に。
それから、民間の学校法人といいながら、福祉の人材養成ということをやっていること、これについても、契約の面から見たら合致しているわけでございます。
もう一つ、ただ、私が申し上げたのは、この事業を無償でやっている条件として、やはり、沿革的には都の事業を継続して公共的に行うという面が大きな理由になっておりますので、この公共的に行うというところが現在の状況から見てそぐわないということを含めて、やはり手続面から不備が生じているんじゃないか、こういう考えでございます。
○高島委員 これは、また後ほどご質問するプロセスなんですよね。結果を見ればそういう話になるんだ。さっき副知事がどなたかの質問で、後知恵の話を、私、たまたま締めくくりでいったんですよね。そのことと同じような趣旨のご質問、どなたか忘れちゃいましたけれども、しました。そしたら、いや、当時はベストに考えていてよかったんだって、副知事ご答弁なさったんですよ。その当時、きちっとやったという事実はあるんですよ。私はそう認識しているんですね。
だから、今いっているように、確認とりますけれども、やっている事業も問題ない、全部趣旨に合っています、合っていますと、今聞いたんですよ、二点。ただし、公共性に反しているという話が出たんですよ、今ね。そのことの公共性って何なんだろうという疑問があるんですね。それはまた私も後ほど聞きますけれども、またきょうじゃない、別の改めた日にでも聞きたいと思っています、この公共性って。
ただ、今、証人が公共性に反しているということは、きちっと私どもも理解させていただいた、お聞きしたということで、次の機会にこのことについてまたいろいろと証言をいただきたいと思っております。
そこで、私の質問で、三月の二十五日の予算特別委員会で、大塚副知事から、この問題について違法ということは全くないとのご見解が示されました。当然、そのお席に、この席ですけれども、局長いらっしゃいましたけど、この答弁についてどうお考えか、ご証言していただきたいと思っています。
○松澤証人 全く同じ考えでございます。
○高島委員 違法性がない、先ほどもおっしゃっていた。違法性がないとかいろいろ話があった。でも、公共性は欠、当てはまらないからということなんだよね。その辺のことをもう一回、ちょっとごめんなさい、詳しくお聞かせいただきたい。
○松澤証人 一般に契約は、契約した当事者同士を縛るものでございますから、契約違反のすべてが違法ということではないというふうに思っております。その意味で、今回の財産管理の問題については、違法性ということについては、現状から見て全くないと思っております。
ただ、先ほど申し上げましたように、四条の中での該当しない部分について、そこら辺のところが不十分な部分というか、好ましくない部分が一部ございますので、これについては、これから手続の面などを含めて是正しなければいけないという認識で申し上げたわけでございます。
○高島委員 その手続というのは、どういうことをやるんですか。
○松澤証人 本来、やっぱり三十年の無償貸し付けということでございますので、一たんこれを公有財産の管理運用委員会にかけ直して、それで、それをまた新しい契約にするならする形にするなりして、そういう形で、例えば土地を貸す場合なら有償で貸すとか、減額して貸すとか、そういうことも含めて、形を、ちゃんと手続を調えてこれからやっていくべき事由という意味で申し上げているわけでございます。
○高島委員 先ほどから私いっているように、濱渦副知事も、当時のものを一生懸命考えてやったものだという話もあるんですよ。当然、この何十年間の無償提供するとか、そういうこともきちっと議論してやられたと思うんですよね。ただ勝手に局が、これは福祉保健局、当時福祉局が勝手にやったんじゃないんですよ。きちっと理論構成があって、議論があって、積み重ねてなったんですよ。それを、何か局長の話を聞くと、どうもそれが違ったふうにとられちゃうんですよ。それは私の能力がないせいだと思うんだけど、どうかその辺をもう少し詳しくいってほしいな。
○松澤証人 こうした形で今までやってきたやり方そのものを私は否定するものでもないし、それはちゃんとした形でやっていると思います。ただ、平成十三年の十月に変更したときに、そういうようなちゃんと手続をとってやれば、これはこれでやってきたことは、特に今までとやっているものに問題はないということで申し上げているわけでございます。
○高島委員 私の認識としては、大塚副知事が答弁なさった、違法性が全くないということは、すべて、すべて全くないというふうに認識しているんですよ、私は。それは、やり方があるとかどうこうというのは、それはまたこの次の機会にやりますけれども、その辺のことは私としては間違いない、そういう認識でいるということだけ心にとめておいてください。
それでは、財政委員会や先週の予算特別委員会の締めくくりの質疑でも触れましたが、平成十四年度の社会福祉総合学院にかかわる福祉予算の編成に関連して何点か伺います。
先日の予特において、主計部長の査定の中で、基本的な事業スキームも含めて、予算的に間違いないと判断したと答弁されましたが、その時点で、本件事業スキームはどのレベルまで理解して判断されたのか、詳しく説明をしてほしいと思います。
○松澤証人 平成十三年の十月の変更によりまして、社会福祉総合学院が民間に委託してやるということと、それから、空き教室について、これを、経営面からも含めて、収入が入ってきますので、それを民間に一応やっていただくという形、そういうものについて、基本的スキームですね、これについては判断して行ったということでございます。
それから、建物賃貸料をそういうことで徴収するということも含めてでございます。
○高島委員 ごめんなさいね。どうも話が食い違う。それは局長としてはご理解して、よしとすべしということで認識したんでしょうね。
○松澤証人 了解しております。
○高島委員 どうも、予算の執行でどんどん出していっていることは認めているよと。それもずっとさんざんやってきて、議会にも承認させておいて、それで今ここへ来て公共性においては欠落しているから考え直さなくちゃいけないとか、違法じゃないけど問題があるということ自体の整合性が私には理解できないんですよ。わかります、私のいっていること。その整合性、あなたがおっしゃっている、局長がいっている意味が、一連として流れが出てこないんです、私の理解からすると。
そうでしょう。債務負担行為を全部認めて、毎年三億何千万落としていって、議会が承認している。そして契約もしている。リカレントだよとやっていて、ずっと落としてきて、ここへ来て、いや公共性に欠落しているからおかしいんですよ、こうですよということ自体が、私の感性ではあり得ない、局長の答弁が。そういうふうに認識しているんですよ。
一般的にいって、本件のような新規事業や重点事業でもない案件について、予算査定に臨む際にどういう視点を持って吟味するのか、また数字の変動はチェックポイントにならないのか、ちょっと伺いたい。
○松澤証人 社会福祉総合学院の予算については、建設費の補助と運営費の補助と二つあるわけでございます。建設費の補助については、もう従来からこれは債務負担行為ですし、建物ということでございますし、これは義務的な経費で、十四年度予算要求のときにも、経常的な経費ということで、これは問題ないということです。
それから、運営費につきましては、十三年度予算については、十三年の四月に社会福祉学院がスタートしましたので、その運営費が一億少し要るということであったわけでございますが、それが、十四年度から民間が入ることによって、その収入が入ることによって運営費がもう要らなくなるということで、こういう面では、財政のファイナンスとしては問題ございませんし、そういう面も含めて、そのスキームについては、主計部長としてそれについては問題ない、こういうふうに判断したわけでございます。
○高島委員 もう一回。福祉予算は、事業が細かく、予算額も余り大きく変動しない予算事項が多いと聞きますが、本件の増減額は、主計部長査定の中で目立ったものではないのか、証言してほしいんだけど。
○松澤証人 これはもちろん、役割として、一つ一つシビアに予算というのは調整していかなければいけない責務は負っておりますが、限られた時間の中で、もちろん、いろんな形で判断していくという作業でございます中で、従来からついていた運営費のお金が、そういう形でもう削減といいますか、要らなくなるというような、そういう予算でございますので、基本的には、その分については、今申し上げたスキームも含めて考えれば、これは問題ないというふうに判断したわけでございます。
○高島委員 そこで、十三年度、比較して、運営費補助がゼロになったという予算要求内容は、当時、主計部長--主計部をやっていたわけですね。まことにうまい話だなって思うよね。どうですか、その辺は。
○松澤証人 これはもちろん、財政再建推進プランも含めまして、経費の見直しということも含めて、効率的、効果的なものでございますから、これはやはり予算的に見れば好ましいものだというふうに思っております。
○高島委員 主計部長としては、事業執行の確実性まで十分検証して予算を吟味するものと思いますが、このスキームの実現性、すなわち、民間学校法人から賃貸料が本当に要求どおり入るのか、疑問は持たなかったかどうか、その辺も含めて聞きたいんですが。
○松澤証人 これについては、特に疑問があるというふうには思っておりませんでした。
○高島委員 それでは、スキームの実現確実性検証のため、主計部長査定では、賃貸料や賃貸面積について議論は行わなかったのかどうか、伺いたい。
○松澤証人 正直いいましてはっきり記憶しておりませんが、後で聞きましたら、これについては十分程度の調整ということで終わっておりますので、どこまで掘り下げて議論したかということは、ちょっと今は記憶してございません。
○高島委員 記憶していないといわれちゃうと、次の言葉がないんですよね。だから、当然、さっきいったように、ゼロになるんですよ、補助金も。いろいろと出てくるわけでしょう。そういう中で、うまい話だとこう出ていて--大変なことだと思いますよ、私としては。そういう中でそういう議論が当然あったりとか、家賃大丈夫か、賃貸料が大丈夫だとかって、そういうものがあってしかるべきだと私は思うんですよ。スタンダードな話ね。さっきからいっている基本の話、その辺は全然ないんですか。
○松澤証人 旧福祉局でございますが、要求そのものがそういう形で出てきておりますので、基本的には、その中身を見た中で問題がないというふうに判断したということでございます。
○高島委員 わかりました。
償還費補助を東京都が行い、そして、結果的に一般会計で建設費をすべて賄う建物を民間学校法人に貸し付けるスキームについて、同じ局として財産運用部に確認する必要がないかとか思わなかったのか、いろいろとそういうことは感じなかったのか、ご証言いただきたいと思います。
○松澤証人 通常、膨大な数の予算要求が出てきておりますので、基本的には、いろんな調整事項というのは当然あることは事実でございますが、予算要求については、そういうものが調整されたということをある程度前提にして主計部としては聞いておりますので、よほど新規であるとか、もっと大きな大きな事業の場合は、いろんな形で時間をかけてやりますが、今回の件については、そういうことで、局の要求がそういう趣旨でございましたので、そういう判断をしたものでございます。
○高島委員 当然それは、当時、福祉局が財務局の財産運用部に相談して、そういう話もできてきちんとスキームができて、それで主計にそういう話が出たと。そういうことについては、今、局長がおっしゃるように、当時、主計部長として、すべてパーフェクトの中で確実にステップアップしていって了解をしているというふうにご答弁なさったと思っているんですけど、いかがですか。
○松澤証人 今回、こうした包括外部監査の報告も出てきている実態とかいうことから顧みますと、私、主計部長という立場で判断をしてきましたので、財産管理あるいは財産運用の面での具体的な契約の手続とか状況ということについては、当時は把握しておりませんでしたし、またそういうものを調整の中で議論したというような記憶はございません。
○高島委員 これもいろいろと議論があるところですよね。正直いって議論があります。当時、主計部長が、膨大な量があるから、それはたまたまこういう事項が出てきたと。それでそういうふうにいわれてもといわれても、あなたよりも私どもも困るんですよ。そんな無責任をやっているのかと思わずいいたくなるような話だと私は認識するところがありますよ。
続いて、予算特別委員会の答弁では、当時の主計部長個人としては、財産管理の面から把握していなかったと考えましたと答えましたが、本件について、福祉局が財産運用部と協議しているか否かについて、主計部はそのことを把握していたんでしょう、もう一回聞きますけれども。
○松澤証人 当時、主計部長としては、そのことについては承知しておりませんでした。
○高島委員 本件にかかわる福祉局と財産運用部の協議の有無について、主計部長としては一切把握していないといっていらっしゃるわけですね、今。一切触れない部下の説明レベルを、財務局長として今どう思っているのか。それとも、本音は、実は部下が説明したけれども、あなたが忘れちゃったとか、そういう認識はないのか。
○松澤証人 今回の件でもう一回調べてみましたら、私、主計部長としてこの件について査定といいますか調整したのは十一月の十六日の日でございます。その前にそういうことが主計部長の方にあったかということについては、そういう、私個人についてはございません。ただ、主計部の担当者が福祉局の方からこういう話を聞いたということは今回聞きました。
○高島委員 十一月の十何日の記憶は間違いなくて、二月の二日の記憶がわからないというような話はちょっと寂しいな、局長。ちょっと寂しいよね、そうでしょう。
私どもは二月二日の話をどうですかとさっきいっていて、いや、それはちょっとメモとっていませんと。だけど、十一月の話についてはこうですよといわれて、ああ、そうですかとは思えない、私は。ましてもや、外部監査報告の中で指摘をされる、知事に呼ばれている、また副知事がいたり--ごめんなさい、知事いなくても副知事がいて、そういう議論をするというときに、メモもとりません、やっていましたといって、あとはどうかといったら、記憶定かじゃありませんといって、十一月のやつは、これはこうでした、ああでしたという話があったときに、一般的に、私じゃなくてもですよ、一般的に聞いて理解できないように私は思うんですけれども、局長の考えを述べていただきたい。
○松澤証人 先ほど申し上げました十一月十六日という当時の日は、今回の件があって、一応、承知した時期の問題もございますので、主計部の方に調べてもらったら十一月十六日だったと、こういうことでございます。
○高島委員 わかりました。まあ、いろいろな話が出ます。
それで、次の質問に行く前に、最後、ちょっと前のことで質問し忘れたので申しわけない。
外部監査報告があって、何日かに皆さんとお会いしたと。さっき総務局長が、十二月の二十日ぐらいかな、さっきのいろいろとほかの先生方の質問の中で、十二月二十日ぐらいに外部監査のポイントを総務局長はお聞きになったというご答弁があったんですよ。そんな話を局長はお聞きになったかどうか、ちょっと念のために確認とりたいと思います。
○松澤証人 私は聞いておりません。
○高島委員 わかりました。
じゃ次、社会福祉総合学院にかかわる財産管理の問題に関して何点か伺います。
先日の予算特別委員会において、財務局長は、昨年七月の就任後、財産管理の課題の一つとして、社会福祉総合学院の今後の活用が出ていたと答弁しましたが、その内容について、具体的に詳しい説明を証言していただきたい。
○松澤証人 私、昨年の七月に財務局長に就任しましたが、その中の財産運用部の大きな課題として、財産の利活用、これは局の壁を超えて有効に活用するということが土地建物について課題になっておりました。
その中で、具体的には施設の有効活用ということで、各局がばらばらに使っているようなものをひとつ統一して調整して使えば有効に活用できるんじゃないかと、こういう考えがあったわけでございます。
○高島委員 本件建物の今後の活用については、財務局内ではこれまでどのような検討が行われてきたのか、また、都が直接利用する手法は検討されたのか、また、前任者のときはどうだったのか、ちょっと伺いたい。
○松澤証人 ただいま申し上げた点については、私が来る前からそういうような考え方がありまして、具体的には、その中身として、研修所を全庁的に、いろんな局の研修所がございますから、こういうものをいろんな形で調整すれば有効に活用できるというお話の中でいろいろ検討を進めておりまして、その中で一つの大きな例となったものが、福祉保健局が所管しております小日向の、文京区にございますが、そこの研修センターと、それから社会福祉総合学院の施設というものをうまく調整して使えば、これも一つの大きな有効活用になるんじゃないかという案が、中で検討していたと、こういうことでございます。
○高島委員 この本件の建物を、今後の活用について、財務局が福祉保健局に対して何か検討を依頼した事実はなかったのか、また、当然、前任の局長さんもそういうことをやられたのかどうか、ご証言いただきたいと思います。
○松澤証人 まず、前任についての事実については承知しておりません。
私が来てからは、その意味で、今申し上げた研修所の問題については、財産運用部の方から、福祉保健局の方とそういうことができるかどうかについて具体的な調整を進めているというようなことはございました。
○高島委員 それでは、この本件建物について、前任者、前局長から何か聞いた事実はないのか、伺いたい。
○松澤証人 これについては特にございません。
○高島委員 続いて、何人かの先生方も聞いているんですが、知事のいう念書なるものの存在について、念書とはどういうものなのか、また、それは何か問題があるのか、伺いたい。
○松澤証人 念書というものについて、私、全然そういうものについて承知しておりません。
○高島委員 全く聞いていない。ああ、そう、わかりました。
実は、さっき議論に出ている五年の貸し付けのことについての念書なんですよ。そういうことも含まれているんで、いろいろとあるんでね。それを全くご存じないんですね。--はい、それだったらそれで結構でございます。
続いて、同じ予算委員会の答弁の中で、民間学校法人の建物貸し付けの基本的条件は承知していたと答えましたが、その条件とは具体的に何か、お聞かせいただきたい。
○松澤証人 民間と事業団の間で、五年間で一つの期間を区切ってそれを契約してやっているという、そういうことでございます。
○高島委員 私もないといったものだから--ごめんなさい、今の質問のもう一回手前に行きますね。念書のことなんだけど、全く知らないんですか。文書を見たこともないんですか。もう一回そのことを、どうしても気になるから確認とらせてください。
○松澤証人 ございません。
○高島委員 ちょっと私も不用意にとっちゃおうかなと思ったんだけど、あえてね。念書というものがあったんですよ。私ども資料要求して、来てるかな、たしかね。それは何かというと、敬心学園から事業団に提出された念書もあると聞いているんですよ。それもあるんですよ、実はね。それはいろいろと問題があるんです--問題はないんですよ、全く問題のない念書なんだけど、それがあたかもあるような話に盛り上がっているというところにあるんですけれども、そのことについて、くどいようだけど、あなたはきょうまでその念書を見たことも何にもないんですか。こういう問題が惹起されて、いろんな議論があって、念書の問題もいろいろと出ていて、当然そういう話があるだろうという認識がありながら、きょうまであなたはその念書を見なかったのか、そのことを聞かせてください。
○松澤証人 お答えします。
私ども、二月の二日に福祉局の方に文書で照会をいたしました。いろいろなこれまでの契約の経緯とか、その中で、向こうから、福祉保健局から返ってきた中の回答の中に、資料という形で念書というものがございます。
○高島委員 それをもう一回確認とりますけれども、いつあなたはごらんになったんですか。(「だって、ないっていっているじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、それは、だけどさ、ないとか、今はだからいつ知ったの。
○松澤証人 念書という言葉が、私もちょっとどういうものなのか、ちょっとそこら辺のところがはっきりしなくてお答え申し上げましたが、この二月の九日に福祉保健局から返ってきた回答書の中には念書というのが入っておりますので、このことならば、それ以降、これについては見たということでございます。
○高島委員 私も今ちょっと公明党さんからお預かりさせていただいたんだけど、ご本人見ているだろうと思うんだけど、よくこの念書を見ないで、契約違反だとか違法だとか、そういう話をあなた公の場でよくやれますね、そのことを。どうですか。当然そういう流れがあって、事実関係を把握して調べて、きちっとしかるべき場所で私どもがきちっと質問しているんですよ、局長。そのことを、今知っているとか知らないとか、そういう話の中でよく違法だといえるな。そのことについてちょっと答弁してください。
○松澤証人 先ほどの契約書の関係については、申し上げましたように、私ども違法とは全く思っておりませんで、契約書の中で該当する部分の一部にそういうそぐわない部分があるということで、不適正な部分があるということを申し上げたわけでございまして、それをもって、何か予算だとかいろいろ否定するようなことで申し上げているわけではございません。
この念書につきましては、そういうことで、こういう形の念書というものはとりましたので、私もこれについては見ているということでございます。
○高島委員 どうもね、さっきからいっているけど、局長の話が全部違うんだよ。一直線上じゃないの。きちっと理論構成の中で常識的に話を聞いて議論していった中での積み上げのものじゃないんですよ、今の話も。この後きちっとまた議事録出るから、その中でまたきちっとやる。そのことは大変な問題になる可能性を秘めているかもしれないんですよ。やはりそのことは大事なことだと思いますよ。それは、また次の機会にご質疑、証言していただきたいと、そういう思いです。
先ほどの話で、建物、今度は建物ですね、九割を学校法人が使用していることは知らなかったとのことですが--流れの中でですね、質問のときに、予算委員会ですね。一般的にいって、使用割合は、財産管理上、基本的条件と私は思うんですが、そちらはどう思っているか、ご証言していただきたい。
○松澤証人 これについては、財産運用部の方でいろいろな形で財産面からやっているのかどうかという部分は、ちょっと私承知しておりませんが、少なくとも私個人といたしましては、この九割というような形で使用されていることは、包括外部監査の報告が出て知ったということでございます。
○高島委員 そこの傍聴者の人、ひとつ静かにしてくれないかな。聞こえないんだよ、よくね、しゃべっていると。失礼だよ、あなた。
続いて、財産管理の責任者である財務局長に就任し、課題の一つとして社会福祉総合学院が局内で議論されていたにもかかわらず、主計部長当時の判断に関して、財産管理の面をみずから改めて確認しようとは思わなかったのか、ご証言いただきたい。
○松澤証人 財務局長になりまして、今申し上げましたような財産の利活用というお話が出てきて、いろいろな形で、五年の賃借であるとか、民間の学校法人は特定のところが使用しているとか、そういうことについては十分承知しておりました。
○高島委員 今財務局長で、当然主計部長で、いろいろな流れがあったんですよ。当然、私は、後ほどまたこれもいいたいんだよね。いろいろな議論があって、これだけもめて百条委員会があったにもかかわらず、先ほどからずっと聞いていると、念書は見たとか、なかったとかあったとか、いろいろな話があったりして、財務局長の答弁に疑義を感じるんですよ。あなたの証言こそ疑義を感じるの。何にもしないでばかっと口をあいていたというのと同じようなふうに私はとれるんですよ。
さきの三月二十五日の予算特別委員会で、私の質問に対し、財務局長は、契約違反ではあるが、違法、不当ではないとの発言について、局長は、財産管理については違法であるといった認識は毛頭持っていないといっているんですよ。契約違反であるという認識は現在でも持っているとか持っていないとかいろいろな話があった。そのことを、申しわけないけれども、持っているならばもう一回、持っていないんなら持っていない、きちっと答弁していただきたい。
○松澤証人 今の現状から見ますと、契約書の四条がパーフェクトにそのまま適用できるかということになると、これはやはり不十分な部分があると思います。その意味で、違法ではございませんが、これも繰り返しになりますが、やはり四条の中の一つの条項の中での問題としてそぐわない部分があるので、その点については不十分な面があるということで、これについては今後の手続でやっぱりやるべきじゃないかと、このように考えております。
○高島委員 この機会に四条の説明と、どういう見解か、お聞かせいただきたい。
○松澤証人 四条につきましては、これは、先ほど申し上げましたが、使途が制限されておりまして、三十年間無償で貸し付けする条件といたしまして、社会福祉事業団が設置する福祉の人材の養成機関にこの土地は使用すると、こういう規定になっているわけでございます。
この点について、先ほども申し上げましたが、設置するという意味合いの中で、社会福祉総合学院が夜間なり、それから通信ということでやっている部分については、一部これは間違いなく適用すると。それから、民間がやっている人材養成ということも十分でございます。
ただ、先ほど申し上げましたように、公共的な部分がやはり、十一年にやったときに比べれば、現実に民間が九割建物を使っているという状況の中で見れば、ここはもう一回ちゃんと手続を直してやるべきじゃないかと、こういうことを申し上げているわけでございます。
○高島委員 そこにまた戻ってくるんですよね。いろいろな議論して事業のスキームを考えても、何を考えてもそこに戻ってくるんですよ。常識的に考えて九割はおかしいと今おっしゃっている。そういうことですよね。じゃ、何割だったら財務局長はよしとすべしというのかな、納得できるというのかしら、理解できるというのかしら、それを教えてください、ちなみに。
○松澤証人 少なくとも、やはり公共的な形でやるということになれば、大部分といいますか、九割を民間がやっているという形はやはり好ましくないので、あとはそれを(「民間がやっているんじゃないか。民間委託方式なんだよ。東京の福祉政策の遂行じゃないか」と呼ぶ者あり)社会福祉総合学院がやっている夜間とか休日については民間で委託している部分がございますが、昼間とか大部分は民間がやっておりますので、その点につきまして、やはりそこら辺のところは、契約の手続とかそういうもので改めていくべき手続の問題ではないかというふうに考えているわけでございます。
○高島委員 そうなると、またさっきの九割の問題が出てくるんですよ。九割、あなたが知らなかったと。それで、九割が、その話もこれからするんですけど、証言を求めるんですよ、私は。だけど、常識的に考えて、その九割は知らなかった、それでリカレントがあった、夜間がどうだったと、そんな、くどいようだけど、ストレートにのみ込めない証言なんですよ。証言なの。
また、財政委員会での答弁では、学校法人が土地と建物を一体的に使用していることは契約違反であるといっています。そのことについて幾つかの点について伺いたい。
一体的に使用しているとはどういう状況を指しているんですか。通常、建物を賃貸すれば、土地も使用することは当然でありませんか。契約違反であることが明白ならば、なぜ直ちに契約解除や損害賠償請求をしないんですか。その辺のことを聞かせてほしい。
○松澤証人 これから、社会福祉総合学院のあり方も含めて包括外部監査が出ましたので、調査を進めまして、そういうものをはっきりさせた段階で、やはり見直すところは見直すという、そういう考え方でございます。
○高島委員 今、申しわけない、局長、一体的に使用しているとはどういう状況を指しているのか、そのことを聞いているんですよ、そのことも。一体的に使用しているとはどういう状況を指しているのか。通常、建物を賃貸すれば土地も借りてくるんですよ。土地も入っているんですよ。例えば私がマンションを借りたい、どこか借りたいと。マンションの一部屋借りるときに、建物の賃貸契約はあるんですよ、そうでしょう、局長。それなのに、土地のことがどうこうという理屈はないんですよ。通常の賃貸契約は、土地をどうしているとか、土地を貸しているとか貸していないなんという議論ないの、私の世界ではよ。あなたの世界は知らないけれど。常識的にマンションを借りるとかそういうときには、土地がどうだとか--賃貸契約を結ぶというのはそういうことをいっているんですよ。土地がどうこうとかなんて一切いっていないの。もう一回その辺のことをきちっと、あなたが考えている一体的に使用している状況、建物と土地、どういう意味だかいってみなさい。
○松澤証人 建物については、事業団と民間の学校法人がそれぞれ契約しているものでございます。土地については、東京都と社会福祉事業団が無償貸し付けをやっているということでございますので、これも話がちょっと戻って恐縮でございますが、事業団がそういうことをやっていることの問題よりも、東京都が無償で貸している三十年の契約の先ほど申し上げました条件に該当しない部分があるので、それが実態面から見て一致していないということで申し上げているわけでございます。
○高島委員 じゃ、もう一回、今の話、もう一回、一般的に賃貸とは財務局長はどういうことですか、教えてください。
それからもう一点、転貸という言葉がある。産経新聞にも載った転貸とはどういう意味なのか、教えてください。
○松澤証人 まず、後の方の転貸でございますが、転貸は又貸しということでございますから、ある甲と乙が土地の契約を結んだものを、また今度は土地を借り受けた者が、また第三者に対してはっきりとそれをまた契約するなりしてというのが転貸でございますので、今回やっていることについては、私ども、契約上別に転貸だというふうには思っておりません。
それから、賃借の問題につきましては、これは民民の問題といいますか、いわゆる借り手と貸し手の間の条件の中で決められる問題でございますので、土地も含めて全部そういう世界であるならば、それはそれの問題はないわけでございますが、私が申し上げたのは、事業団と東京都の間の土地の契約のもとに、今度は事業団がそういう形をやっていることについて、やっぱり契約の部分を、そこら辺はそぐわない部分があれば、ちゃんともう一回これは将来的に見直せばいいんじゃないか、そのための手続をとるべきじゃないかということを申し上げているわけでございます。
○高島委員 どういう手続をとればよろしいんですか。とりあえずあなたがおっしゃっている手続について証言してほしい。
○松澤証人 これは、民間と事業団の方で建物の契約をしておりますから、これは十九年の三月まで期限がございますので、すぐできるということにはもちろんならないわけでございますが、そこら辺の条件が整えば、やはり今の事業団と東京都の間の三十年の無償貸し付けという、そこを一たんキャンセルといいますか、それをやめて、もう一回ちゃんとした土地の契約を手続的にとって現実に合った形にすれば、そういう形が一番可能な形じゃないかと、こう思っているわけでございます。
○高島委員 このことについても、転貸とは何なのか、それから東京都が事業団に三十年間無償貸し付けして、そしてオフィシャルな公的な学校も含めて、それは時代の要請の中でなくして、それにかわるものは何かということで実は始まったリカレントだと私は認識しているんですよ。
だけど、夜間使って、それは現業継続ですよ。お仕事をなさっている人たちがさらに継続してやれるようなという認識があれば、当然あいている昼間どうするんですかという議論があるんですよ。だから、あなたがいっている九〇%だとかじゃなくて、いかに有効に貸していくかという議論なんですよ。あなたと私の考え方が全く正反対の考え方なの。そういう認識なんですよ。何割がいいとか、そういうことじゃなくて、当然昼間をどうやって有効利用しようか、空き教室をどうやって正しく使っていこうかという議論を積み重ねているんですよ。その証左は何かという議論があったんですよ、ここに。
資料の78番、当然そういうことを、福祉保健局とそちらの財務局とどんどん話を詰めていっているんですよ。それをどうするかという議論なんですよ、これは。あなたがさっきからおっしゃっているように、わかりません、知りません、九〇%はおかしいですということじゃないんですよ。
その中で、福祉改革の中でどうやって--ここに書いてあるんですよ。福祉の人材を養成しましょう、空き教室の有効利用をしましょう、民間活力をどう導入しましょうと書いてあるんですよ、資料要求に。そのことをきちっとやって積み重ねているんですよ。賃貸料取って今いったように。そういう議論がきちっとあって、了承していて、突如、予算委員会で疑義があるという話になって、正しい形に戻しましょうなんていう話が出たから、おかしい話になったんですよ。きちっとその証左があるじゃないか、ここに。そのことをよく理解しないとだめ。だから話がおかしい、つじつまが合わないといっているんですよ。
続いて、だんだんエキサイト……。三月の二十五日の質疑に戻りますが、答弁の中に、執行機関同士の事実関係については心苦しいところもあるが、この点は今調査しておりますが、担当者レベルで判断するような事案でない中で、福祉局の方から担当者が相談を受けたということはあったにしても、それを了解したということは、今の段階では我々はございません。このことをあなたは私の質問の中で答弁したかどうか確認をとりたい。
○松澤証人 そのとおりに申し上げました。
○高島委員 執行機関同士の事実関係を今調査しているといったが、調査は終わったのか。終わっていないとしたら、現在まで結論が出ていないのはなぜか。
○松澤証人 これは、私どもも、事実関係を含めて今調査をしているところでございます。
○高島委員 いつまでに出るんでしょうか、その調査は。
○松澤証人 これは、両局との議論の争点が、了解したかしなかったということに大きな面ではなっておりますので、私どもは、これについては、福祉局の方のそういう話については、基本的には公有財産管理運用委員会に基本的にはみんな付議してやることが、これがほとんどのルールでございますので、その中でそういうものがあれば、これは文書としてちゃんと残っているわけでございますが、受け付け等含めて、そういうものは一つも私どもの方にはございませんし、それから口頭で相談を受けたということについては、あったとしても、それが現段階において、やはり調査したところ、担当者レベルで了解したということはあり得ないと、こういうふうなことを申し上げているわけでございます。
○高島委員 資料請求した78、これは福祉保健局から出た資料、当然、局長もごらんになって認識をしていると思いますが、いかがですか。
○松澤証人 これはちゃんと認識しております。
○高島委員 もう一回確認とります。今、お示ししたこの資料は、福祉保健局が提出したんですね。そこで担当者同士で協議したことを示す資料がここにあるんですよ。そのことについて局長は認識しているのか。
そして、財務局の、くどいようですけど、福祉保健局がこれを出しているんですよ、ちゃんと資料要求で。そして、あなたがいっているように、財務局ではそのことについてまだ終わっていないとおっしゃっている。くどいようですが、まだですかと、まだわかっていないといっているんですよ。百条委員会という大変な委員会を設置しながら、いつまでたってもわからない、そのことについてお聞かせいただきたい。
○松澤証人 基本的にはそちらから、福祉保健局から出た資料については承知しております。
ただ、申し上げますと、これは、公有財産管理運用委員会にかけるときには、そういう決済文書とかそういうものの中に必ず財務局の協議というものがあるのが、ほとんど九五%そういう形が多いものですから、そういうことについては、担当者レベルではそういうものは判断することではないと、こう申し上げているわけでございます。
○高島委員 申しわけないけれども、付議する必要ないという結論が出たんですよ。僕が今認識したのは。そちらは、そのことを上げるんだったらば、担当者の判こをもらった文書をもらわなければだめですよという答弁だと思うんだ、局長は。ただし、議論があって、付議する必要ないといった。ところが、担当の福祉局の人は、何かあっちゃいけないからといってちゃんとメモとっておいたんですよ。資料をとっておいたことなのよ。それは、私はすばらしい職員だと思っているんですよ。
ところが、そちらは、それは担当者レベルじゃないとか、それを付議するためにはちゃんと判こをもらって書類もらわなくちゃいけないと。私のいっていることとあなたが証言していることと違うんですよ。私はどうなんですかと聞いているの。この方はすばらしい職員ですよ、東京都の職員として私はすばらしいと思う。付議する必要ないといいながらも、口頭じゃなくて、文書を出して残してきちっとやっているということなのよ。そのことをあなたがよく理解しないとだめだと思います。
そこで、あなたがおっしゃっている担当者レベルで判断できるもの--あなたがおっしゃっているんですよ、判断するような事案ではないといっているんだから。私の質問に対して、担当者レベルで判断するような事案ではないといっているならば、担当者レベルで判断できるものは何だかおっしゃってください。
○松澤証人 基本的には、土地も建物も、都有財産というものは、担当者レベルで判断というか決定する事由は、権限としてございません。課長とか部長とか、そういう形になるわけでございます。普通のものは、通常公有財産管理委員会にちゃんとかけて決定していくというのが基本的ルールでございます。その前に、前段として相談を受けるとか、そういう事実行為は当然あるわけでございます。
仮に判断するにしても、財産運用委員会にかけなくていいようなものがどういうものがあるかと申し上げますと、例えば自動販売機の設置とか、土地が極めて価格が低いとか、そういうものは財産運用委員会にかけなくてもいいということがございますので、それ以外のものは全部一応財産運用委員会にかけるということが前提になっておりますので、担当者レベルで判断ということは私どもとしては考えられないというか、そういうことはあり得ない、こういうことを申し上げているわけでございます。
○高島委員 じゃ、確認とりますけれども、担当者レベルで--さっき私は担当者レベルで判断できるものはどうなんですかとか、土地とか建物とかある、いろんなことを今おっしゃった、局長。じゃ、担当者レベルですべて納得して、土地とか建物とか、そういうものは一つも担当者レベルで決断を下したものはないんですね。資料要求するよ、このことははっきりいって。
あなたの証言からいけば、土地建物、何でもかんでも、担当者レベルじゃなくて、すべて責任者で判こをもらってやっていなくちゃいけない、そういう理論をあなたはおっしゃっているんですよ、証言しているの。だから、それは間違いないですね、なければ全部資料要求する可能性あるから、そのことも含めて証言してほしい。
○松澤証人 基本的には、今の公有財産規則等も含めまして、財産の管理につきましては、担当者のレベルで意思決定とか、そういうような形にはなっていないわけでございまして、ただ、相談したり、いろんな形で、こういう方向でやれるんじゃないかとか、そういうことは日常茶飯事のように各局とやっておりますが、ただ、やはりこういう、特に今回の場合もかなり変更の事案がある程度大きいわけでございますので、福祉局の方も多分これが該当するのかしないかということで相談に来たということだと思いますが、そういう意味からいきますと、これについては、私の方の局としては、協議の判こもございませんし、そういう形では事実行為がないということで申し上げているわけでございます。
○高島委員 局長、私は、付議するものとかしないものとか--あなたがおっしゃっているのは、付議するものについては当然そういうものをやっていますよと。さっきから私はそういうことを聞いているんじゃないのよ。もう一度同じことを聞いて、すれ違うような証言をするんだったら、これは申しわけないけれども、ちょっときちっと理事会で議論してもらわなくちゃいけなくなっちゃうんですよ。あなたがおっしゃっているんだよ、すべて担当者レベルで判断できる、土地とか建物については判断できないと。
さっきからくどいようですけれども、当時、福祉局と財務局の財産運用部の担当者係長同士は、きちっと議論して積み重ねて、審議会に付議すること、その組織に付議する必要ないからそういう結論を得たんですよ。さっきあなたにいったでしょう、私は、これをごらんになりましたかと。見ましたといったんだよ。これはどういう意味の文書かということも認識しているから質問しているんですよ。そういう付議する必要ないと、そういう判断があったけれども、福祉局の担当者は念のために資料を起こしているんですよ。それが上がってきたんですよ。
さっきから財務局さんどうですかといったら、いや、それはわかりません、ありません、調査中ですという答弁なんだよ。それなら、わかりましたと。じゃ、あなたが答弁している担当者レベルで何ですかといったらば、答弁があったんですよ。何でもかんでもやるんだと。私は付議する必要ないものもあるでしょうと。すべて、それとも全部、土地建物、何でもかんでも全部判こを押して、書類持って審議会にかけて付議させているんだというなら、それでいいですよというんだよ。それを教えてください、証言しなさいと、こういっているんですよ。
○松澤証人 繰り返しになりますが、基本的にやはり変えなければいけないものについては、これはやっぱり公有財産運用委員会とか、それから財産運用部長協議ということになっておりますが、ただ、例えば自動販売機を許可するということぐらいですと、これは財産運用部長の判断になりますが、例えば担当者レベルでできるかできない、例えば動かすとか、そういうレベルの小さなものについては担当者レベルでやることはあると思います。
ただ、今回のような事案については、やはり財産運用委員会にかけてやるべき事由ということから見ても、そういうことはあり得ないんじゃないかと、こう申し上げております。
○高島委員 じゃ、まあ、わかりました。
それから、了解をしたということは、今の段階では我々はございませんとご答弁いただいています。いいですか、了解していないとの答弁について伺いますが、了解していないのは、どういう意味合いで了解していないのか、教えてください。
○松澤証人 先ほどございました十月二十三日に決済した社会福祉総合学院の運営についての回答という決済でございますが、これについては財務局の協議の判こも押してございませんし、内部的な形でやっておりますし、そういう面から見て、これは財務局の方で了解したものではない。
それからまた当時の担当者にも財産運用部で聞いたところ、そういう事実はないということで申しておりますので、私はそういうふうに申し上げているわけでございます。
○高島委員 じゃ、担当者から聞いていないので、組織的に了解していないと、そういうふうなことでよろしいんですね。
○松澤証人 財務局としては了解したということにはなっていないということでございます。
○高島委員 わかりました。
そこで、きょうね、さっき総務局長にご質問した方がいらっしゃるんです、総務局長に。都の意思決定の対応として、一般的には、関係局と協議が必要な場合、両局の係長同士が合意あるいは了解を得たものは、協議した案件は組織的に了承を得たというもので取り扱っていますよと、それは都庁内では通例ですよと、こういっているんですよ。それも、判こを押したものもあれば押していないものもありますよと、こういっているんですよ。そのことについてどう証言してもらえるか。それは都庁内の常識だといっている。
○松澤証人 いろんな意思決定の事案があると思いますが、やはり土地という財産の貸し付けについては、これはかなりやはり重要な要素でございますので、基本的には、財産運用委員会であるとか、いろんな形でちゃんとルールの中で決裁をとってやるということが基本でございます。
○高島委員 わかりました。
ちょっと予定時間が延びちゃっているもので、もう最後です、これで。
臨床福祉専門学校の--話は変わりますけどね、唐突に。設置認可に関連して、敬心学園が練馬区にあて提出した認可申請書を見たことがありますか。また、この写しをお持ちかお伺いして、私の証人喚問は終わります。
○松澤証人 三局のPTの部長会の中の検討も含めて、その中から出てきた資料の中には入っているということで承知しております。
○高島委員 じゃあ、それはお持ちでないということですよね。
○松澤証人 持っていません。
○山崎委員長 もう一回、ちゃんと答えてやってください。
○松澤証人 私、持っておりません。
○高島委員 以上です。
○山崎委員長 高島理事の尋問は終わりました。
続いて、東村理事の尋問を始めます。
○東村委員 今、高島理事の議論をずっと聞いておりました。私はその中で、最後の、福祉局といわゆる財務局、これが事前にきちっと協議をされたのかどうか、これをいろんな答弁の中でも、局長は非常に重要な部分であるということをおっしゃっていますよね。証人、いかがですか。
○松澤証人 これは重要なものだと思っております。
○東村委員 そこで、ここにきちっとした、非常に勇気ある方が書かれた、今回の資料要求で出されてきた資料がございます。先ほど出てきたような出所不明の資料ではなくて、きちっと委員会が要求をして出てきた資料でございます。
どういう資料かといいますと、「東京都社会福祉事業団に対する「土地及び立木無償貸付契約」に関する事実確認について」という、当時の、平成十二年度から十四年度まで福祉局総務部総務課の管財係長だった方が証言をされている文書でございます。文書として出すということは、これは百条委員会でございますから、うそ偽りがないということでございます。
そこで、この方は、東京都社会福祉事業団と締結していたこの土地及び立木の無償貸付契約は、東京都社会福祉総合学院の事業委託・建物賃貸借の件と関係があるため、事前に財務局の財産部、ここと相談する必要があると考えました。そこで、この方は総務部の方ですから、生活福祉部から運営方法の見直しの内容を聞き、そして、財産的な面から概要を整理した資料「社会福祉総合学院の見直し(案)」、これは先ほど高島理事が証人に示されていた資料ですね。これを十三年八月二十八日付で作成をしました。そして、財務局の財産運用部、そして福祉局の総務部とこのやりとりをしたというくだりがあります。
その中で、この方は、私としては、事業の仕組みも、土地建物の権利関係も複雑であり、判断が難しいため、一つ、財産運用面から事業の仕組みは適切と考えるか、また二つ、運用委員会への付議はどのようにしたらよいのか、このことについて検討をお願いいたしましたと、ここまでいっているわけなんですね。
そこで、いろんな内容的にも複雑な問題があるということで、財務局は、事業の仕組みとして賛成できるとしながらも、運用委員会付議か運用部長協議かについて課長と相談するという、回答が保留されたんです。いいですか、ここまできちっとやっているんですよ。そしてその後、九月以降何度もやりとりをしたということも書かれてあります。
その上で、最終的には、十月二十三日に、福祉局総務部と福祉局の生活福祉部、この二つで財務局財産運用部に行って、総合学院を継続することを条件として、運用委員会に付議した際の土地の無償貸付の条件に反しないので、公有財産管理運用委員会への付議も--いいですか、財産運用部長への協議も--部長へも協議しようとした。でも、協議もいずれも要しない、こういった回答を得ましたと。早速、このことを上司に報告して、そして担当者にも連絡をした。
この運用委員会付議も財産運用部長協議のいずれもしないで--この方は本当に慎重に慎重を重ねているんです。事業団に公文書で回答した場合、後々経緯が不明になる不安があったので、財産運用部からの回答について原議に記述を残すよう生活福祉部に指示をしたんです。
こうして起きたのが、この一三--福祉局生活福祉部ですから、福生地第一一三一号に財産運用部総合調整課了承済みについて記述が残されることになって、いわゆる公文書として残ることになっているんです。
ここまできちっと残っていますし、今回の百条委員会の資料まで残っている。ここまでいわれていて、証人は、まだこの期に及んで、知らなかったとか、財産運用部でも関知していなかったとか、そういうことをいい切れるのか。これは証人にもう一度、大事な部分です、これは後々残ります。証言を求めたいと思います。
○松澤証人 今お話のありました資料については私も承知しておりますし、読んでおります。私どもも、その点について調査を、そのときのことについていたしましたが、基本的に、担当者に相談をしたとか、それから了解を得たということを書かれておりますけれど、それについて私どもで調査した段階では、そういう、相談をしたという事実はあったのかもしれませんが、それを判断したということについては、やはり現時点ではそれは私どもとしてはなかったということでございます。
○東村委員 今、証人の話を聞いていると、恐らくこれは全庁的に皆さん話を聞かれていると思います。部下が一生懸命やった仕事を、私は責任逃れたいから知りませんと、こういうことをはっきりいっているようなものであって、私が証人の部下であったら、恐らく証人のもとではもう仕事をしたくないな、そう心から思いたくなるような、非常に冷たい、本当に一生懸命現場で仕事をしている人たちを無にするような発言である、このことだけを私はまず冒頭申し上げたいと思います。
その上で、この社会福祉総合学院の建設スキームについて、質問が重複すると時間もどんどんたちますので、重複するところは割愛をしながら、この社会福祉総合学院の建設スキームについて何点か質問をしたいと思います。
この社会福祉総合学院の建物は、東京都社会福祉事業団が建設費を金融機関から借り入れ、利息を含む償還財源のすべてを都が補助するというスキームで建設されました。そこで、このスキームで建設を行うに際しては、資産を持たない事業団が金融機関から資金をスムーズに借り入れられるよう、予算上どのような手法が用いられたのか、これについて伺いたいと思います。
○松澤証人 事業団が建設する建物ではございますが、事業団には財政的負担能力がないものですから、民間から借り入れた資金に対して東京都が全額元金と利子を補助する、そういうやり方になっているわけでございます。
○東村委員 全額、東京都が元金と利子を補助する、これは債務負担行為という形をとるんでしょうか、どうでしょうか。
○松澤証人 これは二十二年までの元利償還の補助でございますので、債務負担行為をとっております。
○東村委員 東京都が債務負担行為をとって事業団に償還財源の補助を保証する、こういったスキームを決定するに至った経緯について、証人に伺いたいと思います。
○松澤証人 これは、平成十一年の一月に、社会福祉の人材養成事業というものを事業団が、直接事業団が実施する、実施主体になるということを前提にしまして、それに対して、今申し上げましたように、財政負担能力がないということと同時に、これは東京都が四つの保育学院と社会事業学校を廃止して、リカレントの新しい教育をやっていくという再出発の中で、東京都の事業をある意味では継続していくという、そういう趣旨がございますので、これは公共的な部分がかなり強いということもございまして、全額それを補助するということと同時に、土地の貸し付けもあわせて、さっき申し上げたようなことをしたと、こういうことでございます。
○東村委員 今くしくも証人が、公共的な意味合いも強いと、こういう話をされました。そこで、今いったことは非常に大事なことなんですけれども、公共的な意味合いが強いということで、この補助金について債務負担行為をとる手法を使われたと、今お話がありました。
そこで、こういった手法はよく使われるのか。例えば都の関係施設で同様な手法が用いられて行われたものはあるのか、これについて証人に答弁を求めたいと思います。
○松澤証人 今、ちょっと具体的な事例が浮かんでおりませんが、結局、東京都の監理団体みたいなところですから、ある意味では東京都と一体的な部分がございますし、それの事業を代替的にやっていくということもございますので、そういう面では、これはレアなケースではないと思っております。
○東村委員 レアなケースじゃないけど事例が浮かんでこないというのは、どうも私は理解できないんです。レアなケースだったら事例浮かんでくるでしょうし、レアなケースじゃないから事例が浮かんでこないというのはどういうことなんでしょうかね。ちょっと理解できないんですけど。
○松澤証人 そういう事業団のような組織がそういうことをやるということは、余り例は承知しておりませんので、なかなか浮かばないと申し上げましたけれど、そのことをやるスキームについては、これは別にレアなことではないと、そういう意味で申し上げたわけでございます。
○東村委員 私は、事例の中で、そっくり同じとはいえませんけれども、似たような事例として味の素スタジアムの買い取りが挙げられるんじゃないか、こう思うんですけれども、これについてはいかがですか。
○松澤証人 これは、向こうは株式会社でございますので、事業団とは若干性格が違いますが、やはりその時々のそのものに対するいろんな事情の中で、今、味の素も同じような形でやっているんじゃないかと思います。
○東村委員 結果的に、おっしゃるように、株式会社と社会福祉法人、この違いはありますけれども、要するに債務負担行為に基づいて、向こうは買い取りですよね。こちらは元利償還金に対する補助金を計上する。これを全額やるということは、事実上の買い取りみたいなものですから、非常にスキームは同じだと思います。
片や社会福祉総合学院は、支払い見込み額は、利子を含めて二十一億円なんですね。これに対して味の素は三百六十六億円支出をするわけなんです。これだけのいわゆる利子を含んで、これを債務負担行為に基づいて買い取り経費を計上する。
証人は、この味の素スタジアムについては、今後の見通し、改善をしていかなきゃいけないのかどうかを含めて、どのように考えているのか聞きたいと思います。
○松澤証人 立地的には、調布ということもございますし、その中でいろんな、サッカーとかいろんな公共的な事業もやっておりますが、やはり独立採算的な形を含めてちゃんと運営できるようにしていくことがあるべき方向だというふうに思っております。
○東村委員 じゃあ、これもしっかりと見直しをしていかなきゃいけない、このように考えているんですか。それでよろしいんですね、今いった答弁は。
○松澤証人 現時点においては、一回、味の素をどういう形でやるか、スキームがいろいろ問題がありましたから、今それに沿ってやっておりますので、現在においてはその方向でやっていくことが望ましい、このように思っております。
○東村委員 じゃあ、この三百六十六億の支払い見込み額を支払ってでもこれはやる価値があると、このように考えているわけですね、局長は。
○松澤証人 現時点においてはそういう形で進まざるを得ないというふうに思っております。
○東村委員 そういう中で、これは味の素にしても、このスタジアムにしても、また今回の事例にしても、極めて私はまれな手法である。スキームは、そういうスキームはあるとおっしゃいましたけれども、手法としてはかなりまれな手法であると思うんです。
そこで、先ほどから記憶にないとかいう話もありました。予算のプロである財務局長として、この二つは特に記憶に強く残っている事例ではないのかと私は考えるんですけれども、証人、いかがでしょうか。
○松澤証人 社会福祉総合学院の予算の平成十三年の十月のことにつきましては、先ほど申し上げたようなことで、運営費が、賃借料を取ることによってなくなる、それから、運営を、社会事業学院の運営を夜間と通信は一部委託する、そういうような要求でございましたので、基本的には、主計部長としてそれは問題ないということで判断したわけでございます。
○東村委員 記憶に鮮明に残っているのかどうか、その辺について伺いたいと思います。
○松澤証人 社会福祉総合学院については、正直いいまして、鮮明にといわれますと、現時点においては、鮮明には覚えておりません。
○東村委員 財政委員会で自民党の秋田委員の質問に対して、十四年度予算は運営費も打ち切られる、なくなる、そのような予算要求だと、よく覚えているんですね、きちっと。それから、予算的には建設費の補助は準義務的経費でございますし、運営費は、局からそういう形で予算要求が出てきた段階でそういう内容になっていたと。つまり減額ということになっていたわけですよね。こういうことをきっちり覚えていて、全体的にはそれをちゃんと把握していたようなことは正直いってございませんといっているんですけれども、これ以外何があるんでしょうか。これについて証人にお聞きしたいと思います。
○松澤証人 基本的なスキームとか、今申し上げたようなことについては承知しておりましたが、その具体的な細かい、例えば中でいろんな予算の、賃借料の単価が幾らだとか、額が幾らだとか、そういうようなところについてはなかなか細かいことですので承知していないし、それからもう一つは、主計部長ということもございまして、財産管理の面での契約の問題等については、当時、正直いって承知しておりませんので、そういうことも含めまして全体的に承知していないと、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○東村委員 今回の総合学院の建設スキームが、予算上極めてまれな手法を用いられておりますし、第二に、主計部は、予算編成に際して、今、財産関係の課題については承知していないといっていましたけど、通常、財産運用部に内容を照会している。これは多くの人がいっているわけです。財務局長が、就任後に、総合学院が財産管理の課題として議論されていた事実、こういったことも、この事実を踏まえれば、建物の財産管理上の具体的内容を包括外部監査の報告まで証人が一切承知しなかったというのは、どうも私は解せないわけでございます。これは何か、それをいうこと自体、私は職務怠慢で仕事をしていませんでしたよ、主計部長としての任に不適合でしたよということをみずからおっしゃっているようにしか聞こえないわけですけれども、これについて、証人、いかがですか。
○松澤証人 主計部長当時、社会福祉総合学院のいろんな、設置目的とか場所とか、概要についてはもちろん承知していましたし、それから、十四年度予算からの変更点という意味で運営を民間に委託することとか、空き教室を有効活用するとか、そういうことについては当然承知しておりました。
それから、財務局長になってから、先ほど申し上げましたように、財産の利活用ということがございますので、それ以上に社会福祉総合学院の件につきましては、例えば五年間の賃借になっているとか、それから民間の学校法人が特定されてやっているとか、そういうようなことについては当然承知しておりましたが、包括外部監査が出てからまた知り得ることがかなりあったと、そういうふうに申し上げているわけでございます。
○東村委員 当然、包括外部監査で知り得る事項もあるでしょう。ただ、主計部長というのは、要するに予算をきちっと取りまとめるところなんですね。そういう意味で、総合的に物事を判断していける人を東京都は選んできたと思うんです。それが、知りません、これは局長になってから知ったことですとか、こういうことを平気で答弁をされるこの証人の感覚を、都庁の人が聞いていたら、職員も全部含めて聞いていたら、恐らく私は憤慨をされているんじゃないかと思います。
そこで、これまでの質疑を総括する意味で、最後に一つ伺いたいと思います。
財務局は、かなり以前から、この社会福祉総合学院の見直しスキームを問題化しようという話があったということがいろんなところから伝わってきております。私は、証人が直接関与したかどうかは別にして、財務局が弁護士にかなり私的な限定した情報を流して、あたかもこの包括外部監査報告書が公表される前に対応しないと大変なことになる、こういった見解を導き出して、この意見をもってあたかも不正が存在するかのように上層部に印象づけてきた、こういった伝聞があるわけなんです。
そこで、証人、この弁護士の--関与してきた弁護士ですね、弁護士の意見なるものを承知していたのか。知っているのであれば、だれが何の目的でこのようなものをつくらせたのか、これについて証人に伺いたいと思います。
○松澤証人 私は承知しておりません。
○東村委員 承知していないということでよろしいでしょうか。--それじゃあ、ここにナンバー60の資料がございます。この二月十五日付の資料の中にこういうくだりがあるわけでございます。これは福祉局と財務局のやりとり、受託事業者敬心学園の選定手続について、これについてやりとりしているくだりがあるわけでございますが、財務局の方がこれまで示した条件が問題なければ継続するという意思を表示したものと一般的にはとられるという見解を聞いている、こういう話があったときに、福祉局の部長が聞いているというのはという問いかけをしたわけです。そうすると財務局は--これは提出されている資料ですからね。財務局の部長は、顧問弁護士とかいると明確にここでいっているわけなんですね。これについていかがですか。
○松澤証人 財務局の財産運用部で、いろんな訴訟関係とかもございますので、さまざま法的な問題を調査するため、非常勤で弁護士がいることは承知しておりますが、そのことは、それ以外のことについては、私、特に承知しておりません。
○東村委員 私はここまでいいたくなかったんですが、あくまでもそうやってしらを切られるんであれば、一言いわせていただきます。
先ほど共産党が、いわゆる、これは今回こういう資料要求したわけです。「包括外部監査に先立って、本件について弁護士が行った調査内容と関係文書」について。そういったときに、財務局は、調査中のためということで提出期限延長を求める記録を出されております。これは、調査中なんだから仕方ないねということで理事会では了承したわけです。ところが、先ほど共産党から、弁護士意見なる文書がございますと、こういった提示があったわけです。これは出所が不明です。ひょっとしたら共産党が自分で書いたのかもしれない。それは真偽がわからない。
そういう意味で、ただ、百条ですから、共産党もそれなりにきちっと調査をして持ってきているんだと思います。私は、場合によってはその出所ルートも明らかにしてもらいたいと思いますし、大事な証拠ですから。さらには場合によっては、これは理事会の検討事項になるかもしれませんけど、証人としてその方に来てもらうこともあり得るんじゃないかと、こういうことも考えています。ここまで明るみに出ていて、茶番なんですよ、はっきりいって。どうなんですか、知っているんですか知らないんですか、あるんですかないんですか、はっきりそれだけ答えてください。
○松澤証人 私は承知しておりません。
○東村委員 こういう事実があるということですから、しっかり局内で調査してください。それで解明をして明らかにして、資料要求として出している、この包括外部監査に先立って弁護士が行った調査内容と関係文書、これをぜひとも証拠として提出していただきたい、このことを強くお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山崎委員長 次に尋問者が残っておりますが、三時間近くたっておりますので、五分間だけ休憩したいと思います。
午後九時三十四分休憩
午後九時四十二分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
名取理事。
○名取委員 冒頭、尋問でありますから、もう時間も大分遅くなっておりますので、すぐにでも松澤証人に尋問をしたいと思うんですが、その前に一言申し上げたいと思います。
実は先ほども大分高島理事から声援を送られておりまして、お答えをしなければいけないんだろうと、このように思っております。
先ほど、民主党は予算について疑義があるから、そういうスタンスであるんだろうと、こういうふうにいわれました。もちろん附帯条件はつけることは各時々にあるわけでありまして、昨年、予算委員会でも、水道料金、それから都響について、これは全会で附帯意見をつけていることもございます。そんなことを含めながら、ただ我々は、自民党さんのおっしゃるように石原与党というスタンスではありません。是々非々の立場の中で、よりよい政策は十分にアクセルを踏みながら、そして行き過ぎ等々についてはブレーキを踏んで、ともに議論を重ねながらよりよい都政を運営していこう、そんな議会の立場で我々は行動しているということをまず申し上げておきたいというふうに思っております。
またあわせながら申し上げますけれども、先ほどお話がありましたように、我々はこの問題をとらえたというのは、あくまでも今申し上げましたように、議会として、また政党としてあらゆる疑問等々について精査をしながら、そしてその問題が間違いなければ、その運用について、申し上げましたように前進を図っていく、改めるべきものがあれば改めていく、このことが議会人に課せられた責務だろうというふうに思っていますし、そのことをまず冒頭にお答えをし、私の方から答えるのはおかしいですが、高島理事の指摘にお答えをしながら、証人喚問をさせていただきたいと思います。
それではまず、先ほど来議論がされている中で、どうも、私自身が勉強不足なのかどうかわからないんですが、予算と公有財産の運用について、どうも中がぐしゃぐしゃというと表現は悪いんでしょうけれども、分離をされていないような議論があるんではないのか、そのことが先ほど私どもに対する予算の疑義の問題にもあったわけでありますけれども、まず公有財産についてひとつお話を伺い、お答えを願いたいと思っております。
公有財産の貸し付けに当たって、事務の流れについて確認をしておきたいと思います。公有財産の貸し付けに当たっては通常どのような手続を踏むのか、証言者はお答えをください。
○松澤証人 財産の使用許可とか貸し付けとか売り払いでございますが、まず借受者といいますか、財産の所管局の方から財務局の方の総合調整課なりに協議が来まして、それから運用委員会に付議するかどうかも含めて決めまして、公有財産管理運用委員会で審議、議決をいたしまして、それで実施していくと、こういうのが基本的なルールでございます。
○名取委員 それならば、こうした手続は基本的には文書で行うものと考えていいのかどうか。
○松澤証人 財産貸し付けあるいは売り払い、いろんなものは都民の貴重な財産でございますので、やはりこれについては文書主義といいますか、ちゃんと決裁をとって、しかるべき手続をとってやるというのが基本でございます。
○名取委員 さて、三月の十七日、厚生委員会の自民党の佐藤議員の質問に対する福祉保健局吉川総務部長の答弁によれば、社会福祉総合学院の土地の利用に関しては、その運営形態の見直しの際に事前に財務局財産運用部に相談をした、そして公有財産管理運用委員会に付議が要らないという回答をいただいたとしています。そういう回答をした事実はあるのかどうなのか。
○松澤証人 私どもとしてはございません。
○名取委員 先ほどお話しありましたように文書でということでありますから、もちろん文書での回答も残っていないということでいいわけですね。
○松澤証人 これは、文書があれば、私どもも文書の受付印といいますか、文書管理簿が残っておりますが、そこには記載されておりませんので、文書という形では来ておりません。
○名取委員 運用委員会への付議の段階、付議の前段階としての総合調整課長の事前協議などに係る文書は残っておりますか。
○松澤証人 残っておりません。
○名取委員 そうすると、文書ベースでは、福祉局とこの件について相談、協議をした記録は、財務局には一切残っていないということでいいんですか。
○松澤証人 基本的には公有財産管理運用委員会、年間千四、五百件処理がございまして、それはみんな文書協議しておりますが、この件についてはございません。
○名取委員 三月二十五日の予算特別委員会の質疑において、また名前を出して申しわけございませんけれども、自民党の高島議員に対して、財務局長は、福祉局の方から担当者が相談を受けたということはあったとしても、それを了解をした事実ということは、今の段階ではございませんと答弁しています。福祉局の方から担当者が相談を受けたということはあってもということで、あたかも福祉局から相談を受けていたような発言を財務局長自身がしておりますけれども、その点について。
○松澤証人 今回のようなことがございまして調査して、当時の課長なり担当の係長に、私直接ではございませんが、財産運用部の方で確認したところ、そういう事実はないということでございます。
○名取委員 その接触とは、私たちが入手している資料によれば、こういうものだったのではないでしょうか。平成十三年度の前半、福祉局の担当者から社会福祉総合学院の施設の有効活用について具体的な内容が固まったから相談したいとの話があった、しかしその後は何の連絡もなかったという証言がありますけれども、これは事実でしょうか。
○松澤証人 私は当時の方から直接聞いたわけではないですが、財産運用部を通じてそういうふうに聞いております。
○名取委員 福祉の担当者がいずれ相談に行きますといったと。けれども、その後何の音さたもない、福祉保健局の吉川部長は事前に財務局財産運用部に相談したというのですが、こんなものは相談とはいえるのかいえないのか、どうでしょうか。
○松澤証人 いろんな財産の運用の問題については、まずは担当者レベルで相談するということは、これは一つの事務的な手続としてもありますので、そういう面では相談があったというふうに私ども思っております。
○名取委員 それでは財務局は運用委員会への付議は不要と答えたことになっておりまして、福祉局サイドでは社会福祉総合学院の民間への貸し付けがどんどん進められていった、何となくおかしいなという感じはしないでもないんですが、それにしても、これだけ大きな公有財産の管理運用の変更に当たって、運用委員会への付議を経ないで本当にいいものなのかどうなのか。福祉保健局は財務局からそういう回答を得たといっておりますけれども、本当のところ、財務局はこのケースで運用委員会への付議が本当に要らなかったと考えておられますか。
○松澤証人 平成十三年の十月のこうした変更に伴う契約書との関係で照らし合わせてみれば、これは運用委員会に一回付議すべき事項だというふうに考えております。
○名取委員 私は先ほど来、ルールといいますか規則というものは、何事においてもさまざまなこれらの問題にあるというふうに思っております。そういう点から考えていきますと、これらの今のお答えについて、どの点からそのような考えになっているのか、お答え願いたいと思います。
○松澤証人 基本的には、先ほども申し上げましたけど、財産のいろんな貸し付けであるとか売却とか、いろんなものについては、基本的には財産運用委員会に付議することが基本でございまして、例外的に財産運用委員会にかけなくていいものというものにつきましては、例えば自動販売機を設置するであるとか、土地の価格が二億円以下である軽微なものとか、そういう例外的なものが通達の中でも記載されておりますので、基本的にはまず間違いなくこれは財産運用委員会にかけるべきものがほとんどでございます。
ちなみに、福祉局の方でも八月から十月の間に二件ほど、これはちゃんと文書協議してかけているものが、今回調べてみたらそれはございました。
○名取委員 当時、正式に協議があったとすれば、福祉局にそのように伝えていたと思いますけれども、どうでしょうか。
○松澤証人 特に正式に伝えたというのはどういう意味でしょうか。
○名取委員 要するに正式に伝えたということは、再付議をして決定をしたということで答えたかどうかということですね。
○山崎委員長 違うだろう。いいの、それで。そういうことじゃないんじゃないの。文書でちゃんとやりとりしたか。
○名取委員 こういうことですよ。正式に協議があったら、そのことについて許可として正式に伝えたかということなんです。
○松澤証人 私ども、正式の場合は文書協議という形で上がってまいりますので、今回の案件については、文書協議という形は調査したところございませんし、また、それに対する事業局の決定の原議の中にも、基本的にはそれが協議という形で印が残るわけでございますが、そういうこともないということでございますので、今回のものについては、そういう形で正式な形で行われているということにはなっていないということでございます。
○名取委員 いずれにしましても、公有財産運用委員会への付議は、この点については必要だというふうに明確に答えているわけですけれども、その必要はないといわれたという福祉局の説明には、本当にいわれたのか、どうも首をかしげざるを得ないかなという感じがしないこともありません。ましてやこの種の相談や協議で、当然あるはずの文書が残っていないのですから、福祉保健局は、財務局の回答が、当時の財産運用部総合調整課の係長から口頭で伝えられたとしています。しかし、係長から口頭で伝えられたという福祉局の説明自体がいかにも不自然ではないのか、このように私は思われてなりません。係長から口頭でという二つの点について疑問があると思いますので、その点を確認しておきたいと思います。
まず、口頭で伝えられたという点について、最初に確認したとおり、公有財産の貸し付けに当たっては、文書などの証拠が必要な様式行為として行うのが基本だと思っています。それだけに、大きな公有財産の管理運用の変更で、何の文書も残さずに口頭だけで済ませることができるかどうか、お答えください。
○松澤証人 先ほども申し上げましたが、よほど軽微なものは別にして、基本的には文書協議あるいは文書決定という形で行われることが、これは財産管理の、公有財産管理運用委員会にかけることも含めましての基本といいますか、ルールでございます。
〔発言する者あり〕
○名取委員 あのね、全然関係ないんですよ。我々調査をして--ちょっと速記とめてくれるかな。速記とめてください。済みません。申しわけないですね。
○山崎委員長 速記停止。
〔速記中止〕
○山崎委員長 速記再開。
○名取委員 今、ちょっと申しわけございませんでした。進めさせていただきます。
今お答えありましたけれども、前例として口頭で進めたケースというのはどんなものがあるのか、あれば教えてもらいたいと思いますけれども。
○松澤証人 先ほど申し上げましたように、軽微なものでございまして、例えば自動販売機を許可することは、これはまた財産運用部長にかけなきゃいけませんが、それを許可したものを例えば移動するとか、そういう軽微なものについてはそういうことはあると思います。
○名取委員 それでは、このケースは非常に多大なものだというふうに思っておりますけれども、これよりかずっとちっちゃなケースでも、通常、文書によって起案していると聞いているんですけれども、どうなんでしょう。
○松澤証人 基本的にはおっしゃるとおりでございます。
○名取委員 こう聞いてまいりますと、数十億円の価値を持った公有財産の管理運用形態の変更について、文書ではなくて口頭で回答を得たという福祉保健局の説明がいかに不自然か、私はそう思えてなりませんし、次に、係長からという点で、一般的に公有財産の管理運用方針の決定や変更は、財務局内においてだれが判断及び調整する権限と責任を持っているのか、お伺いをしたいと思います。
○松澤証人 総合調整も含めて、財務局長でございます。
○名取委員 係長レベルで判断できるものかどうかは。
○松澤証人 意思決定とか、基本的に判断するというものは、いわゆる管理職とか、それぞれの決裁に基づいてやるのが基本でございます。
○名取委員 依命通達「公有財産関係の条例及び規則の施行について」の中で、運用委員会に付議する前の事前協議の段階でまず総合調整課長と協議しなければならないと決まっていますよね。それで間違いありませんか。
○松澤証人 おっしゃるとおりでございます。
○名取委員 当時の総合調整課長は協議したとおっしゃっていますでしょうか。もし確認してあればお答え願いたいと思います。
○松澤証人 当時の総合調整課長は、私、直接聞いたわけではございませんが、そういう話が出たのを聞きますと、課長は、こうした事案は公有財産管理運用委員会に再付議すべきものであり、担当者レベルの案件ではないと、本件について当時の課長自身が承知していないと、こういうふうな内容をいっているというふうに聞いております。
○名取委員 実は会ってきたんですよ、当時の総合調整課長にね、私ども。在任中、文書で協議から口頭の相談まですべての面で社会福祉総合学院の話は全く聞いていないとご本人はおっしゃっておるんですよ。もうおわかりですから、名前は佐藤さんであります。そのことは署名捺印をした陳述書も出していると、このようにおっしゃっておりますけれども、その陳述書は文書としてあるんでしょうか。
○松澤証人 今回の件につきましては総務局の行政監察室でも調査しておりまして、佐藤氏から提出されたものは、総務局の行政監察室に資料として提出していると、このように聞いております。
○名取委員 今申し上げましたように、総合調整課長は聞いていないと。福祉局は、当時ですけれども、係長から聞いたといって、係長の上司だった当時の課長は、その件については文書でも口頭でも全く聞いていないといっている。となると、可能性の議論としては、係長が上司の課長に相談もせずに独断で回答してしまった可能性があり得るわけですが、それはあり得ると思いますか。
○松澤証人 そういうことはないというふうに思っております。
○名取委員 そう断言できることは、なぜそう断言できるのか、お答えください。
○松澤証人 これは、繰り返しになりますが、公有財産のいろんな変動といいますか、貸し付けとかそういうものの事由は、基本的に公有財産管理運用委員会にかけるなり財産運用部長に協議するのが、これが各局にも通知しておりますが、そういうことがもう通知されておりますので、そういうことは基本的にあり得ないということでございますので、文書主義でございますので、やはり財産管理は。そういう意味で今申し上げたようなことでございます。
○名取委員 だとしますと、係長から口頭で聞いたという福祉保健局の説明の信憑性は大きな疑問を持たざるを得ないと考えます。よしんば係長から口頭で聞いたとしても、それをもって財務局の意思決定と考えたのなら、福祉局の管理職は重大な過失を犯したとしかいいようがないのではないかと。係長のいうことを局全体の見解と受けとめる方が私はおかしいと思います。
にもかからわず、三月の二十五日の予特において、あたかも当時の福祉局が正式な手続を一つ一つ積み重ねて、財務局の正式回答を得たかのように語っています。福祉保健局、担当局は、きちっと付議する、その都度財務局にきちっと調整をかけているんです、その都度調整をかけて、財務局も了承し、委員会に付議する必要はなしという正式な答えをもらっているの、局長と。そして、そうした正式な了解はしていないと答弁した財務局長を、当時の部下がきちっと議論を積み重ねてきたものを否定するような答弁は残念でならないと厳しく批判しております。
ですが、これまで見てきたように、当時の福祉局の担当者が行ったという財務局への相談とは、およそ相談ともいえないようなレベルではないのか。担当係長に対して、そのうち相談に行くからという話があっただけで、これをもって、高島議員がいうように、ちゃんと財務局に調整をかけて正式の答えをもらっている局長ということになるのかどうなのか。
先ほどから財務局の説明で明らかになりましたように、財務局に対して正式の文書による起案もないまま、財務局の管理職に確認もしないまま、福祉局の担当者が付議の必要ないと回答を得たとしてその先の手続をどんどん進めてしまったということが、事の真相としてあるのではないでしょうか。
その証拠に、福祉局が事業団に対して運用委員会への付議は不要という回答文書を発したのが平成十三年十月二十三日ですが、そのわずか二日後の十月の二十五日には、事業団による民間の運営事業者、借受者の公募が早くも発表されています。しかも、事業団が福祉局から回答の文書を正式に収受したのは十一月の二十一日であり、十月の二十五日の公募発表時点では、事業団は福祉局から回答書をまだ正式に受け取っていなかったものなんです。このフライングともいえる公募発表の速さに、福祉局サイドに民間事業者の選定を急ぐ何らかの理由があったとしか思えません。
専修学校の設置認可についてもそうでありますが、社会福祉総合学院の民間への運営委託及び運営の貸し付けに向けての異常ともいえる手続のスピードの速さに、この問題の本質が隠されているような気がしてなりません。このことについて、後ほど福祉保健局長へのお尋ねの中で少し触れたいと思っています。
さて、今回の社会福祉総合学院の運営委託及び貸し付けについて、法令、規則に照らして問題になる部分はないでしょうか。まず、土地無償貸付契約書第四条の、事業団がみずから設置する福祉人材養成機関の用地等として使用しなければならないという用途指定に違反していると考えますが、見解はいかがでしょうか。
○松澤証人 この平成十三年の--失礼いたしました。この平成十一年の三月に契約いたしました土地の無償貸し付けについては、この中の四条が、先ほども申し上げておりますが、福祉事業団が設置する中で福祉の人材養成事業に使うと、こういう使途がされているわけで、それが全面的に違法とか、それから全面的に該当しないということは、私ども認識しておりません。
ただ、その中の一部として、やっぱり公共的な部分に行うという当初の面から見ると、現在の実態から見ると、そこにやはり少し離れた部分がございますので、これについては今後、今後手続面で是正していくべきことだというふうに考えております。
○山崎委員長 違法かどうかと聞いているんじゃないのか、今の質問は。
○名取委員 いや、そうじゃないんですよ。
○山崎委員長 はっきり契約違反があるのかどうかということを聞いたんじゃないの。ちゃんと答えているのか。いいの、質問者。尋問者、いいのそれで。
○名取委員 用途について違反していると私は考えているということですね、私は用途について。四条の関係からいうと。そのことで見解を伺いたいということで、今、見解をいただいたんで、それはそれとしておきます。
さらに、東京都の公有財産規則第六条で、財務局長にしか判断権のない財産管理処分に関する解釈判断を財務局に文書協議しておらず、手続面でも誤りがあったと思いますが、見解はいかがでしょうか。
○松澤証人 手続面につきましては、先ほど申し上げましたように、平成十三年十月の変更があったときに、かなり契約の条項に照らして変更があったわけでございますから、これについてはちゃんとした手続をとってやれば、それについては別に違法とか不適当と、そういうことにはならなかったと思います。
○名取委員 違法とかそういうことをいっているんじゃなくて、手続にちょっと問題があったり誤りがあったかということを聞いているんですけれども、そういう私は判断をしているということで、よろしいですか。
○松澤証人 公有財産規則にのっとって、しかるべき正規の手続をとるべきことだというふうに思っております。
○名取委員 とるということなんですから、とっていないということで判断をしてよろしいですか。
○松澤証人 そのとおりでございます。
○名取委員 ほかにも、三十九条、用途指定の貸し付け、第四十六条第四号、公有財産管理運用委員会への付議にも違反をしている。さらに、規則第十五条に定めた公有財産の管理について、主管局長の最善の注意義務を果たしていないものと考えておりますけれども、その点はいかがですか。
○松澤証人 この辺については、それぞれ度合いとかレベルがございますので、必ずしも一概にそういうふうにいえるものであるかどうかはちょっとわかりかねます。
○名取委員 先ほど来法的な問題が出ていますけれども、それでは法的な問題についてどうでしょうかということで、まず地方自治法第二百三十七条第二項の適正な対価の徴収義務が生じていることが挙げられています。民間学校法人への施設の有償貸し付けを始めた平成十四年四月にさかのぼって、事業団から適正な地代を徴収しなければなりません。また、契約書第九条二項により、事業団の用途指定違反によって都に損害が発生している場合は、その分についてもあわせて請求をしなければならないと思いますけれども、その点はどうなんでしょう。
○松澤証人 今回の四条の契約違反という言葉になっていますが、必ずしも重要な違反ということではなく、あくまでその中のそぐわない部分があるということでございますので、今ご指摘のあった遡及するとかそういうことについては、それが本当に必要かどうかということは、これはまた調査していかなきゃいけない段階でございますので、今ここでそういうことは、私の方から申し上げるようなことではないように思っております。
○名取委員 さらに、事業団と民間学校の建物貸付契約は、形式は、五年経過したら建物は無条件で事業団に返還させる五年間の定期建物賃貸借契約、定期借家契約の形をとりながら、一方で継続的、安定的な施設利用を認める文書、いわゆる念書といわれておりますけれども存在をしていて、実態としては、民間学校法人に契約更新が、借家権ということになりますかね、権利として認められる場合もある。民間学校法人に借家権を認め、事業団からの建物返還要求に対して、学校法人がそれを援用した場合は、事業団は借家権に見合う移転補償費を支払わなければならない。建物の明け渡しを求めることができません。その金額は、学校法人の主張を見なければわかりませんが、都の公有財産規則によれば、建物所有者が負担すべき借家権利金を建物の現在価格の約四割と見ておりますから、場合によっては相当大きな金額になるという可能性もあります。その点は財務局は考えているのか考えていないのか含めてお答えを願いたいと思います。
○松澤証人 学校の建物が、特定の学校法人が継続的に使用する可能性があるかどうかについては、今回の包括外部監査の中で使用する可能性があるがというふうに書いてございますので、私どももそこら辺については今調査をしているところでございます。そういうような前提条件がはっきりしない中で、今委員からいわれたことについてはお答えできない状況でございます。
○名取委員 まだ大きな問題があるんですが、土地についてです。平成十四年四月から社会福祉総合学院の建物の貸し付けを受けて、民間学校法人敬心学園が設置した臨床福祉専門学校が開校しております。包括外部監査報告によれば、社会福祉総合学院の施設の九〇%がこの臨床福祉専門学校の校舎として使われている。さらに、社会福祉総合学院の夜間通学課程についても、学院自身が行っている事業といいながら、何のことはありませんが、何のことはないということなんですけれども、実際には施設を貸している学校法人敬心学園に委託をされております。こうした状況を考えると、空き教室の活用というにはとどまらず、事業団が、建物だけでなく土地も事実上敬心学園に使わせているのが実情ではないのか。
しかも、敬心学園は、臨床福祉専門学校の専修学校認可申請に当たって、本来自前で用意すべき校地を東京都から借地する旨記載をして練馬区長に提出している。こうした校地、校舎があって初めて学校設置が認可されるわけですから、敬心学園が都から土地を借りているということにしなければ、臨床福祉専門学校そのものが開校できなかったものだと考えます。事業団に土地の転貸を禁じた土地及び立木無償貸付契約書の第五条に明らかに違反をしております。敬心学園への土地の貸し付けが事実上行われている状況と考えるほかありません。仮にそうでないとすれば、今度の練馬区長に出した専修学校設置認可申請書が虚偽事実を記載した文書ということになってしまいます。
こうした事情を踏まえて、現状を見た場合、敬心学園への土地の貸し付けが事実上行われている状況であると、財務局もそう認識しているかどうか、この点についてお答えを願いたいと思います。
○松澤証人 今、土地について転貸に当たるのではないか、転貸しに当たるのではないかということのご質問のように受けとめましたが、これについては、都は事業団と三十年間土地の無償貸し付けを行っており、それをまた民間学校法人に貸し付けするということはあり得ませんので、転貸をしているという認識は、先ほども申し上げたようにございません。
ただ、事実上建物と一体的に土地を利用しているということの外面的な部分を見て、それをどう判断するかということについては、これはやはり判断の問題だと思います。したがいまして、今後、包括外部監査の報告も踏まえまして、これからの対応として調査を通じて明らかにしていくべきと、このように考えております。
○名取委員 実は私ども、PTをつくってすぐに現場に行って、さまざま見てまいりました。中のさまざまな課題なり問題はあるわけでありますけれども、一般都民が見たときに、あの建物が要するに東京都の所管をしている社会福祉事業団の建物かどうか、このことは一般の都民から見てもそういう疑念を持たれるのではないかなというふうに、私は率直に感じました。
そんなことを考えながら、この敬心学園は、都とも事業団との土地の貸付契約も結んでおりません。地代も払っておりません。この点は、包括外部監査報告書の中でも、学院の建物が東京都の土地に建設されており、地代相当額を考慮して賃料を算定することが適切であると書かれています。今の状況が適正な状況と財務局は考えておられますか。
○松澤証人 土地の、やっぱり契約の条項から見て、該当しない部分というか不十分な部分がありますので、これについては、しかるべき、今後手続をとって見直すべきところは見直し、また存続できるものは存続ということで、やはり今の三十年の土地の無償貸付ということについては、しかるべき時期にやはり一たん財産運用委員会にもう一回付議をして、それから処理していくものと、このように考えております。
○名取委員 今申し上げましたように、ある部分適正ではないというふうにお答えというふうに思っておりますので、それは確認しておきます。
先ほど濱渦副知事の証人喚問の中でも、正常な形に戻さなければならないという話が出たわけですが、財務局として契約や法令規則に違反する疑いのある状態を正常化し、社会福祉総合学院の土地建物について今後どのような方向性をとるべきか、そのことについてどうお考えか、お答えをいただきたいと思います。
○松澤証人 この都有地の貸し付けについて重要なことは、今後、包括外部監査の報告を踏まえまして、今後どうしていくかなど、これからの対応の問題が重要でございまして、知事からの指示による調査をも通じまして明らかにしまして、手続面も含め、直すべき点は直していくことが必要と、このように考えております。
○名取委員 最後になりますけれども、主計部長への説明についてということでありますけれども、三月十七日、厚生委員会の自民党の佐藤議員の質問に対して、当時の主計部長、要するに今の松澤財務局長にも説明をしたと、福祉保健局総務部長が答弁しています。この運営形態の見直しによりまして、予算面においても、社会福祉総合学院にかかわる運営費補助を将来に向けて全額削除できるなど、大幅な見直しが進むことから、財務局主計部へも当時説明をしておりますということでしたが、これは事実でしょうか。
○松澤証人 私、主計部長という職で、主計部長個人としては、九月という段階でそういう話は伺っておりません。十一月のその主計部長査定といいますか、調整のところで、さっき申し上げたことを判断したわけでございます。ただ、十三年九月に主計部の担当者に対して福祉局の方から事業見直しの説明があって、予算要求があったということは、今回の調査ということも含めまして知り得たということでございます。
○名取委員 その日付については、三月二十五日の予特の自民党高島議員の質問に対して、福祉保健局長が、当時の資料によりますと、平成十三年九月の二十五日と記載されているところでございますと答弁していますが、その日付に間違いがないですか。
○松澤証人 出された資料について、ちょっと、日付が入っていたかどうか、ちょっと今確認できません。
○名取委員 それで、高島議員の質問に対して、松澤局長は、その事業が、当時新規事業や重点事業でもなく、また査定では短時間に数千もの事業を査定することもあって、その件についての記憶は正直いって薄れている面もございます。また、契約手続など財産管理面では、正直申し上げて、主計部長ということもあって、全体的な面で把握をしていないと答弁されております。
これに対して、高島議員から、今、財務局長として東京都の財政全般を掌握し、またそのお立場にいらっしゃる局長であり、当時主計部長という大変重要なポストにつかれていた方が、義務的経費だ云々で把握していなかったということは、私ども非常に残念だと思っておりますという厳しい指摘があったわけです。予特の他の委員からも、たしか、公明党の東村さんからもあったかと思います。財務局長、そんな答弁するんじゃ、私は仕事していませんでしたといっているようなものじゃないかというような不規則発言もあったように覚えております。でも、その考え方は少し違和感を私は感じます。主計部長は財務局の主要なポストであるのは事実でしょうが、公有財産の管理運用が手続的に正当に行われていることをチェックすることは、そもそも主計部長の仕事に当たるのか否か。
○松澤証人 これは、主計部長の所管ということからいいましても、それは範囲には入っておりません。
○名取委員 今回のケースで主計部長は、社会福祉総合学院の建物の民間事業者への貸し付けについて、福祉局の予算要求にかかわるものと聞いたわけです。今年度からこれをこういう方式でやりますよ、その結果、今まで事業団に出していた運営費補助、何円が幾らになりますよ、ですから、今度からその分は予算要求しませんよ、そういう話と聞いていたわけですね。主計部長として、しかも、星の数ほどある事業の中の一つとして。こういうことなんですけれども、この点についてはどうでしょう。
○松澤証人 当時私、主計部長として、やっぱり予算を正確に、またちゃんとした形で把握しながらやらなきゃいけないことは責務として十分認識しております。その意味で、この社会福祉総合学院の予算につきましては、建設費の補助については、義務的経費ということもございますが、運営費については、スキームがそういう形になったということは、基本的に主計部長調整の中で判断してきておりますが、その中ではやっぱり運営を民間委託することとか、空き教室を有効活用するというようなことについては、承知した中で判断しておりますが、財産管理の面で、契約の手続とか、そういう面で、正直いって、それを把握していたかというと、財務局長の立場から全体的に見た面でいえば、そこら辺の点については承知していなかった部分がある、こういうようなことも答弁で申し上げたわけでございます。
○名取委員 確かにそのとおりなんですよ。予算要求という限りにおいては、特段の問題とすべき中身は福祉局からは出てこなかったという答弁がありましたけれども、それはそういうことでよろしいですね。
○松澤証人 予算が十四年度からその分は要らなくなるということで、我々予算サイド、主計部サイドから見れば、それは非常に、財政再建も含めて良好な策というふうに判断したところでございます。
○名取委員 今お聞きしましたように、この問題は予算的には問題がなかったと答弁をされているということは、そういう根拠に基づいているということですか。
○松澤証人 そのとおりでございます。
○名取委員 先ほど冒頭お話を申し上げましたけれども、予算と財産運用という部分の中で、どうも一つのものになり得ている部分があるのかな、そんな感じがしてなりませんし、それぞれのセクション等々について、責任ある者たちが適正な判断をしながら運用していく、これが組織だというふうに思っております。
ですから、当時の主計部長の所掌事務では、この問題は、財産運用という部分ではなかったんだろうというふうに考えた方が妥当ではないかな、このように思っているわけでありまして、当時の主計部長だった松澤局長の監督責任ということをただすことについては、ちょっと私自身は、別に弁護をするわけではありませんけれども、いろいろな問題を含めて考えてみたときに、公正な立場で判断ができるのかな、このように思っているわけであります。
以上をもって私の尋問は終わります。ありがとうございました。
○山崎委員長 名取理事の尋問は終わりました。
引き続いて松村委員の尋問を始めます。
○松村委員 それでは、松澤財務局長に対する証人尋問を行います。
まず、二〇〇五年、平成十七年二月二日十五時三十分と聞いていますが、濱渦副知事のブリーフィングでどういう指示を受けたのか。これは社会福祉総合学院ですけれども、それに関連するどういう話があったのでしょうか。
○松澤証人 二月二日の三局長が呼ばれたときの件でございますが、二点ございまして、平成十六年度の包括外部監査報告を踏まえて、社会福祉総合学院に関する経緯等に関して調査をちゃんとやるということが一つと、具体的調査に当たっては、関係三局の部長によるPTを設置して取りまとめを急ぐことということで、その結果を、十六日に連絡を待っている。それで十八日に知事にお話しするというような、そういうご指示がございました。
○松村委員 今の証言にはありませんでしたが、そのとき、濱渦副知事ブリーフィングの聞き取りメモがここにありますが、ここには、社会福祉総合学院の件については、知事の在任中に起こった事件であり、知事はかなり怒っている、こういう発言や、また幾つかありますけれども、先ほど曽根委員から、おれがアメリカから帰ってくる二月十五日までに、二月十五日までにと、そういうふうにいっているんですよ。この件についての事実経過を調査しておくこと。なお、包み隠さず報告することとか。私は最も重要だと思うのは、この件については奥が深くかなり問題だ、場合によっては刑事告発もあるかもと。こういう聞き取りメモですけれども、そういう話があったのは事実ではないんですか。
○松澤証人 先ほど申し上げたことが副知事からの話でございまして、そういう刑事告発があるとかないとか、そういう話は私は記憶にございません。
○松村委員 記憶にない。
○松澤証人 ありません。
○松村委員 記憶にないんですか。
○松澤証人 事実としてはありません。
○松村委員 次にお尋ねしますが、包括外部監査報告の前に弁護士が行った調査内容と関係文書を百条委員会の資料要求として我が党は求めましたが、きょうまで不存在ということで提出されていません。そこで、改めて松澤証人に記憶違いではないのかと私は思いますので、この平成十七年二月二日現在という弁護士意見をご存じないのですか。この弁護士意見、十七年二月二日現在と、A4のプリントでございますけれども、思い起こしてぴちっとお答えください。
○松澤証人 承知しておりません。
○松村委員 それでは、弁護士意見の中身を具体的に紹介いたしますが、1と書いて--重要な記述なんですよ。現時点の情報から判断して、財政面で最も大切なことは、当時の福祉局長が、公有財産管理運用委員会への再付議など都庁内での適切な手続を踏まず、独断で承認した事業団と民間学校法人との間の定期建物賃借契約を安易に認めてはならないことであると、こういうふうに書いてあるんですよ。なぜなら、それは明らかに土地の無償貸付契約書第四条の用途指定に反するだけでなく、無償としている理由を失わせるものであり、本来であれば、事業団が民間学校法人に建物を貸し付けた時点から、知事の財産管理権の委任を受けている財務局長には適切な地代を取る義務が発生していると。もし安易に現況を追認すれば、本来有償とすべき十四年四月から現在までの地代を理由なく事業団に対し減免したことになり、自治法二百三十七条が禁じている適正な対価なく財産を貸し付けた行為に当たり、仮に住民監査請求が行われた場合、自治法二百四十二条の財産の管理を怠る事実(違法不当な財産処分)とみなされ、知事だけでなく、知事の財産処分権の委任を受けている財務局長以下の職員に対しても、減免したとみなされる金額の賠償責任が求められる可能性があると、こういう文書ですよ。思い出しませんか。
○松澤証人 私は承知しておりません。中に書いているのは、その弁護士ということ、どなたが書いたのか知りませんが、それは承知しておりません。
○松村委員 2のところでは、事業団が形式上五年の定期借家契約の形をとっているということで、この五年の定期借家契約についても、これが知事並びに知事の財産処分権の--途中を抜かしますけど、委任を受けている財務局長以下の職員に対して、この巨額な賠償請求がなされる恐れがあると。
さっき、もう話が出ました、この提出された資料の60の3、ここに三局での部長級の会議の記録です。この中でも、五年間の定期借家の場合、その概念がこうだということをるる述べる中で、一般的にはこういう見解があるということを、財務局の宮川部長が答えられ、福祉保健局の吉川総務部長が聞いているとはというふうに聞いて、先ほども出ましたけれども、顧問弁護士とかいるという、これは明らかにこの弁護士意見と符節が合っていることになるのではないんですか。
それは知らないというのは、財務局長なのですか、財務局全体なのですか。もう少しこの資料の存在を含めてはっきりさせるべきではありませんか。
○松澤証人 私個人としては承知しておりません。
○松村委員 もう少しこの件、非常に重要なので伺わせていただきますけれども、4のところで、このため、知事を守り、かつ知事から財産処分権を委任されている財務局長以下の職員を守るためには、民間学校法人の借家権の前提となっている、当時の福祉局長が独断で承認した事業団と民間学校法人の有償貸付契約を財務局が決して認めないことである。
そして、5に、そして、近日中に外部監査結果が公表されることを考えると、今後は、財務局としての善管注意義務をきちんと果たし、かつその行為を文書記録に残していかなければならない。そして、そのため、直ちに福祉局に対して三つの点について公文書で回答を求めろという提言をするというふうになっているんですよ。その三つというのは、民間学校法人への有償貸付は財務局としては了知しておらず、土地の無償貸付契約に反する恐れがあることを通知する、もう一つが、なぜそのようなことが行われたのか、事業団を管理監督する立場にある福祉局はどう関与したのかの説明の要求、そして三つ目が、借家権の発生の有無の確認、この三点を公文書で回答を求めることを、この弁護士、弁護士意見として提言しているんですよ。
財務局に伺いますけれども、福祉局に対して公文書を出されましたか。いつ、この三点についての公文書を出されたのでしょうか。
○松澤証人 二月三日の日に福祉保健局長あてに、財務局としての文書は出しております。ただ、それに基づいて出しているということではございません。
○松村委員 証人、松澤証人、まだお答えになっていません。それはいつですか。
○松澤証人 二月三日付で、東京都と東京都社会福祉事業団との間における土地及び立木無償貸付契約についてということで、財務局として、民間法人への貸し付けが適切に行われたか明らかにするため、東京都社会福祉事業団が民間学校法人に貸し付けを行った経緯と貸付可能とした理由、事業団の貸付行為における福祉局の関与の有無について、関係書類を添付の上、十七年二月十日までに文書で回答されたいと、こういう内容でございます。
○松村委員 全く符合するではありませんか。二月二日にこの弁護士意見を提言としてもらい、二月三日に、しかもその三点、公文書で福祉局に回答を求めた。この中身もほぼ弁護士意見に基づいているものではありませんか。
再度きちっと調査するなり、きょうの理事会になって不存在から提出延期にと切りかえてはいなかったですか。これは財務局からではありませんか。いかがなんでしょうか。きょうの理事会になって、私たちに出されたその資料要求の一覧には、不存在から提出延期に切りかえているという事実を知りましたけれども、どうなんでしょうか。
○松澤証人 私どもは、そういうものはないというふうに思っているわけでございます。
○松村委員 これは後で理事会で資料要求の取り扱いは協議してもらいますけれども、今、要求した、私たちが委員会で要求しましたけれども、これは不存在から提出延期になったということは財務局は関与していないと。あくまでも財務局は、こういう弁護士意見なるものは不存在ということですか。確認しておきます。
○松澤証人 包括外部監査報告前にそういうものが、包括外部監査前にそういう書類があったかということで、たしかそちらの方から資料要求ということになっていると思いますので、そういう意味では今申し上げたとおりのことでございます。
○松村委員 再度私たちの資料要求の中身をいいますと、包括外部監査報告の前、それだったらあるんですか、どうなんですか。あなた方は包括外部監査の前と報告と時間のずれがありますよね。その点をはっきりさせてください。包括外部監査報告の前、存在するんですか。
○松澤証人 前というのは、私ども一月二十八日に事前報告会で知りましたので、それ以前ということで今のお話でしたら、それはありません。
○松村委員 再度、これは大事な点なので、今、私が示したこの弁護士意見、十七年二月二日現在と書かれたこの文書は財務局に存在しないと、そういう事実もなかったということですね、財務局に。はっきり答えてください。
○松澤証人 私は承知しておりません。
○松村委員 それは財務局のトップですから、重要な証言だと思いますけれども、私はじゃなくて、少なくとも委員会として正式に、しかも百条委員会の、これは拒否できない資料要求として提出を求められている。それを、松澤証人、私は承知しないだけの証言では、私は済まされる問題ではないと思います。休憩でもとって、直ちに正式な財務局としての、トップとしての、証人としての答弁責任を果たしてください。
○松澤証人 今お話を、それ初めて聞きましたので、これ調べさせていただきます。
○松村委員 委員長にお願いします。一刻も早くこの資料を提出するようにはからってください。
それでは、最後に、都有財産利活用推進会議について伺いますけれども、これは財務局が所管局として、幹事会の幹事長は財務局長ですよね。この会議が平成十六年九月二十四日に第一回が行われている。ここで、先ほど来出されております研修所の問題は報告されておりますね。
○松澤証人 研修所の内容は報告されておりません。
○松村委員 財務局が所管局となって第二次財産利活用総合計画が平成十五年十一月につくられました。それで、先ほど来の証人の証言を聞きますと、前の局長の櫻井局長、そして引き継いだ松澤局長、文京区のこの東京都社会福祉保健医療センター、この研修所、研修センター、この研修所については、従来から課題として引き継いで検討し、そして実際、財務局はこのナンバー25の資料によります財務局財産運用部検討経過で、平成十六年九月十六日に小日向にある社会福祉保健医療センターと社会福祉総合学院との統合の取り扱いについて、財産運用部長が福祉保健局総務部長に面会し、局の了解の確認を求めた云々という、これは財務局の動きとしてありますよね。
一方、同時並行してつくられました都有財産利活用推進会議、ここでは資料が出されている中、(当面のスケジュール)の中に、資産アセスメントと、研修施設、これが十六年度中ということで、この委員会の資料として配布されておりますよね。これが報告されていなかったということは、この配布資料の中にもそういう取り組みの状況があるということからしておかしいんではないですか。
そしてまた、この都有財産利活用推進会議の委員長は濱渦副知事、副委員長は櫻井出納長であります。当然この都有財産利活用推進会議でそういう報告や、またそういう認識、今いったこの研修所、研修センターを東京都社会福祉総合学院に移転させる。そして、その跡は売却という財務局のこの考え方というか推進方は、当然私は報告されているというふうに思いますけれども、それでも一切そういう話は、この中で、この会議のメンバーは知る余地がなかったということなんでしょうか。
○松澤証人 九月の二十四日に開かれました第一回の都有財産利活用推進会議におきましては、これからどういう形で財産利活用を進めていくかという基本的ないろんなスケジュールであるとか、それから課題だとか、そういうのを出してスタートしたわけでございまして、その中に研修施設の見直しというのも一つの例示的に課題としては挙げておりますが、具体的なものについてはこの段階では特に推進会議の中には盛り込んではおりません。
○松村委員 最後に、それでは、今の資料説明はしていなかったと同時に、濱渦副知事も、櫻井出納長副委員長も、その後も含めて知る余地というか、そういう立場にはないということを確認できるんですか。
○松澤証人 小日向の研修所と、それから社会福祉総合学院をどういうふうに見直していくかというのは、具体的な課題として、私が来てから、一つのそれはありましたが、今お話しありましたように、九月の十六日に財産運用部長の方から、そこら辺の可能性があるのかどうかも含めて、吉川総務部長と話した結果として、包括外部監査がやるからということで、これはなかなかいっとき難しいというふうな、そういう話を財産運用部長から聞きまして、そのことも含めまして、それ以降はこの小日向との見直しについてはそこでとまっているというか、それ以降はもう動きがないわけでございます。したがいまして、私ども、副知事にはこんな話はしておりませんし、財務局として、とにかく九月ぐらいまでそういう話で一応話を進めていた、こういうことでございます。
○松村委員 確認しておきます。この九月の二十四日の第一回都有財産利活用推進会議には、配布資料は出して、その中には研修所の早期の見直しといいますか、抱えておりますけども、その説明はなかったということを確認させていただきます。
以上で終わります。
○山崎委員長 松村委員の尋問は終わりました。
引き続き、藤田愛子委員の尋問を始めます。
○藤田委員 事実関係のみお話を伺わせていただきたいと思います。
松澤証人にお伺いをいたしますが、一月の二十八日、調査依頼があって、三局長が呼ばれて、そして部長級のPTをつくる。それから、二月の十八日に福祉局長が調査の結果を一応報告をした。しかし、再調査の依頼があったというふうに伺っておりますけれども、これはなぜですか。
○松澤証人 福祉保健局を中心に事実関係の資料がかなり出てきておりましたが、それだけで完結するものではないということがあって、さらに調査を進める、そういう趣旨でございます。
○藤田委員 財務局の方で、その調査依頼に対して報告をしたことはどんなことでしょうか。
○松澤証人 私どもは、まだそれは報告はしておりません。
○藤田委員 それでは、これはいつまでの予定で調査依頼が来ていて、そしていつまでにこの調査を完結する予定でしょうか。
○松澤証人 特に何月何日までということじゃなくて、できるだけ早くということで指示を受けております。
○藤田委員 何点か確認をいたしますが、平成十三年の十月に福祉総合学院の委託、貸し出し併用という方に財産運用が変わったというようなことになっておりますけれども、そのときに福祉局から相談を受けましたか。
○松澤証人 私、主計部長個人としては、先ほど申し上げましたように、平成十三年の十一月の主計部長査定というか調整のところでそれを知ったということでございます。
○藤田委員 相談を受けましたかどうかを、もちろん直接松澤さんにではなくて、その係の方でも結構です。福祉局から相談があったという事実についてはいかがでしょうか。
○松澤証人 担当者レベルで九月にそういうような説明があって、それで十月に予算要求をしたということを聞いております。
○藤田委員 先ほど、しかし文書が残っていないというふうにおっしゃいましたけれども、相談があったけれども、文書が残っていない、それでいいですか。
○松澤証人 十三年当時の話、整理いたしますと、主計部に来たかという主計部長の話と、それから財産運用部の方に十三年の十月の変更の問題が来たかという二つの場面があるわけでございますが、財産運用部の方にそういう事由について相談が来たかということについては、相談はあったというふうに理解していますが、それに対して了承したということではないと、こういうことでございます。
○藤田委員 もう一度聞きます。文書が残っていないということでしょうか。了承したということではないということじゃなくて、文書が残っていないということで、その了承をしていないというふうに考えるということでしょうか。
○松澤証人 公有財産管理運用委員会にかけるという一つの文書主義のルールからいって、財務局の方に文書も残っておりませんし、また、担当者が相談を受けたということに対して了解したという事実はないと、こういうことでございます。
○藤田委員 それでは、文書がないから問題なんですか。それとも、文書があったら問題ではないんですか。
○松澤証人 基本的にこれは文書でちゃんと手続をとっていれば、それに従ってあとどういうことを進めていくかということになりますので、基本的には文書がまずあるかどうかということだと思います。
○藤田委員 それでは、資料の67にありますが、「見直しに係わる局予算要求資料及び主計部長査定、財務局長査定、知事査定の各段階における社会福祉総合学院に係わる資料」というものでありますが、これについては、大変わかりやすく、基本的な考え方、改革の方向、それから事業の概要ということで、これはもちろん福祉局から出しているわけですけれども、そして、その後、この図も大変わかりやすく、東京都と社会福祉総合学院と、それから委託事業者というふうになって、どの事業をどういうふうに移していくのだということが、これ、ちゃんと出されているわけなんでありますけれども、これは多分主計部長の時代でありますからおわかりになっていらっしゃるかと思いますけれども、このときに、部長が予算委員会で答弁をされた、契約違反で不適切であるとは思わなかったんですか。
○松澤証人 財産管理面については、今お話あったことは承知しておりませんでした。
○藤田委員 ここにおいては、軽微な財産ではなくても、公益に基づいてよしとすることを判断したんではないですか。
○松澤証人 当時の主計部の部長としての考え方は、民間に一部、民間に社会福祉法人が夜間と通信は委託するということと、それから、昼間にあいている空き教室を、これを民間に活用することによって経費が節減できますから、運営費がその分は要らなくなると、こういうようなことについて、それは了解といいますか、好ましいということで判断したということでございます。
○藤田委員 そうすると、要するに、予算査定のときには、全く財産その他についてどのような状況になるかということについては一切関係なしに変更があるということが出されるということで、これについては財政面だけで私はなかなかそれを局がオーケーするとはとても思えないんですけれども、財政面だけでしか見なかったというふうに認識していいですか。
○松澤証人 主計部で予算の調整をする前提条件は、かなりそれぞれ一つ一ついろいろな課題を抱えながら、それをクリアしてやらなきゃいけない部分がございますが、福祉局からの要求の中には、もうそういうことも、ある意味では基本的に主計部に来る段階では、私どもの方は、どちらかというといろんな各局との調整とかそんなことも含めて、それは一つ前提として終わっているというようなことを認識しながら予算の調整をやっていくということになりますので、その点については特に私どもそういう認識は持っておりませんでした。
○藤田委員 資料の78の2のところに、いわゆる福祉局がつくった文書がありますけれども、土地の用途指定というところには、運営見直しにより用途指定(福祉人材養成機関)の変更を伴うものではないというふうになっていますけれども、これは了承してよいものかどうかについてご答弁願います。
○松澤証人 局からの要求でございますので、一つ一つもちろん細かいことの内容はそれぞれありますが、私の判断としては、全体的に今申し上げたような主計部としての判断としての部分は間違っていないと思って、これについては予算的に問題ない、こういうことで判断したものでございますし、その一番大きな点はさっき申し上げたようなことでございます。
○藤田委員 今お尋ねしたのは、福祉局が出しているペーパーの中には、土地用途指定については、運営見直しによって用途指定の変更を伴うものではないというふうに判断をしているという記述があるわけですけれども、これは正しいというふうに思っていらっしゃるでしょうか。
○松澤証人 細かいところは、正直いって判断のあれができませんが、全体的な一つの大きなスキームとしては、これは正しいものだというふうに考えております。
○藤田委員 もう一点、事業の運営を委託するとともに、一部空き教室を福祉人材養成事業として活用する方式であるために、土地の転貸しには当たらないというふうにしていますけれども、これについてもそのように判断をしてよろしいでしょうか。
○松澤証人 これはそういう形で空き教室を使っていくということでございますので、その点については問題ないと、こういうふうに判断しているわけでございます。
○藤田委員 そうしましたら、もう一回戻りますが、契約違反で不適切というのは、契約違反というのはどの部分が契約違反でしょうか。
○松澤証人 これは、先ほど来申し上げておりますが、四条の中の福祉事業団がみずからといいますか、設置する福祉の人材養成事業にこの土地を使うという、その使途の制限の中で、みずからが設置するといいますか、公共的に使うということの部分が、今の現状から見てそぐわない部分があると、こういうような理解でございます。
○藤田委員 公益に基づいてよしと判断したからこそ、財務局査定の中でこれがオーケーになったのではありませんか。
○松澤証人 この公共的という部分が、社会福祉総合学院が全然使っていないという、やっていないということではなくて、一部、まあ夜間と通信はやっているということでございますので、その点については契約の面から問題があるとは思っておりませんが、ただ、その中のバランスといいますか、全体的な中で公共的な部分がどれぐらいかということになると、かなりそれは公共的色彩が弱いというような、そういうような判断でございまして、当時のときには、そこら辺のところまで詳細には主計部の方の調整の中ではそういうところがまだはっきりしていなかったということでございます。
○藤田委員 収益的事業であっても、それから学校法人に委託をしても、公共的なサービスであるということは大いにあり得ることだというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○松澤証人 これにつきましては、もちろん有償であるとか、ある程度ちゃんとした契約の形をとっておれば、それはあり得ると思いますが、繰り返しになりますが、やはり平成十一年の三月に土地の貸し付けをした無償の土地の貸し付けという条件は、かなりこれは、それなりにそれが当てはまるときというのはかなり限定されておりまして、福祉の人材養成事業をやっているということについては、これは趣旨に沿っていると思いますが、それを公共的に、企業が、一般の私人、私企業としてやっている部分としてやっている部分が、全部それが公共的な見合いで代替しているかということになりますと、この点についてはかなり当初は、十一年のときは、全部これは昼夜間も含めて公的にやるということで事業団がやるという、そこからスタートしたときの前提条件でございますので、十三年の十月の変更のときには、そこら辺のところはそれ以降についてはかなり、契約の四条全体が違反とかそういうことじゃなくて、そこのところが好ましくないと、こういうことでございます。
○藤田委員 それでしたら、借受者を民間事業者から公募するときに、賃料を相談をしたというふうに福祉局はいっておりますけれども、平成十三年十月には、学院事業の運営受託者と学院の建物を借りて独自の福祉人材養成事業を行う借受者を民間事業者から公募することとしたというふうになっている中で、この民間の事業者からどのくらいの金額を得たらいいかということを財務局にお尋ねをしたというふうに福祉局はいっておりますけれども、これについてはどのような認識でしょうか。
○松澤証人 そういう事実はないというふうに聞いております。
○藤田委員 それでは、資料の16、「社会福祉総合学院運営事業者・借受者の公募に係る審査委員会関係資料」というものがあります。そして、この中で、賃借料がどのくらいか、それから受託料がどのくらいかということで、実際には二十五者ばかり説明会には来たけれども、四者が応募をして、そしてその額を出していっているその表がございますけれども、十四年度から十八年度まで、目途額というのがあります。これについてはどのような決め方をしたのか。
そしてまた、これについて、これは福祉局が決めたというふうにもしかするとおっしゃるかもしれませんけれども、どのような相談を受けたのか、あるいは全く勝手にこの審査委員会が出したのか、積算の根拠などお話しをいただければと思います。
○松澤証人 財務局として一切それは協議は受けておりませんので、そういうお話は私どもの方は関与しているということではございません。
○藤田委員 最後にもう一度お尋ねをいたしますが、契約違反、違反というのは違法ではないんですか。
○松澤証人 違反という言葉はかなり強い表現に聞こえるというか、そういう部分はございますが、一般に契約は契約した当事者間同士を縛るものでございまして、それが契約違反ということになれば、債務不履行ということの方がどちらかというと強いわけでございますが、したがいまして、契約違反のすべてが違法というようなものになるものではないというふうに考えております。それは、内容とか程度、度合いによって違法ということになる場合もありますし、ならない場合もあると、こういうものではないかというように思っております。
○藤田委員 法的には違法か適法か、それから公益的には不当か妥当か、基本的にはこれしかないんじゃないでしょうか。だから、実際には濱渦副知事の発言の中にも、正当でないとか、不法でないとかというように、非常に言葉がわかりにくい。ですから、契約違反で不適切であるのが違法なのかどうかというのは非常にわかりにくいし、違法なのか、あるいは公益的には先ほど合っているというふうにおっしゃったと思いますけれども、公益的な問題で私たちはこの財産を活用していっていいのかどうかということについては、この案件については違法なのか適法なのか、それから公益的には不当なのか妥当なのか、どういう事業でしょうか。
○松澤証人 違法というのは、定義的にいいますと、その行為ないし状態が法令に反しているかということでございますので、契約という行為からいったときに、必ずしもそれが法令に反したりして違反ということに、すべてがその言葉でつながるということではないというふうに私ども理解しております。
それから、公共的という部分は、これはかなり、いろんな事業をやっていく中でとらえ方があると思いますが、直接行政体がやるのが一番公共的でございますが、それがだんだんと外郭団体がやったりすることによって、まあ公共的、委託事業ですと公共的になりますが、公共的な役割としてやっている部分になっていくとか、そこら辺はそれぞれの度合いでございまして、民間が今度これを大々的にやるということが、また、委託事業でやる場合には、それはもう公共的な部分が強いわけですが、自主的にこれを民間が一般の私的な活動と同じようにしながら、公共的という部分は、かなりそれは度合いによってだんだん薄れていくといいますか、そういうものではないかというふうに思っております。
○藤田委員 最後に、予算的に問題はない、違法であるとの認識は持っていないとしていますけれども、今回の問題は、予算に賛成するに足る事業でしょうか。
○松澤証人 賛成するに足る事業だと確信しております。
○藤田委員 以上で尋問を終わります。
○山崎委員長 藤田愛子委員の尋問は終了いたしました。
証人、財務局長松澤敏夫君に対する尋問は、一応終了いたします。
長時間ありがとうございました。
ご退席して結構でございます。
なお、再尋問する場合もございますので、改めてご連絡を差し上げることになるかもしれませんので、ご了承願います。ご苦労さまでした。
〔松澤証人退席〕
○山崎委員長 この際、議事の都合により、暫時休憩します。
午後十一時二十三分休憩
午後十一時五十三分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き、委員会を開きます。
お諮りします。
本日の証人に対する尋問はこの程度にとどめ、委員会を閉会するとともに、明日午前零時五分に委員会を開会し、尋問を続行したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、よって、明日は午前零時五分から委員会を開会いたします。
なお、ただいまご出席の皆様には改めてご通知いたしませんので、ご了承願います。
○山崎委員長 この際、証人出頭要求についてお諮りいたします。
付託調査事項、学院に関する平成十六年度包括外部監査結果に対する東京都の対応外五項目について調査を行うため喚問いたしました証人のうち、福祉保健局長幸田昭一君に対する尋問が終了いたしませんので、改めて三月三十日午前零時五分に福祉保健局長幸田昭一君を証人として本委員会に出頭を求めたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○山崎委員長 次に、本日の傍聴券の有効期間を明日の委員会終了までといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十一時五十五分散会
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