ラグビーワールドカップ特別対策委員会速記録第七号

平成二十九年三月九日(木曜日)
第四委員会室
午後一時十五分開議
出席委員 十一名
委員長吉原  修君
副委員長鈴木貫太郎君
副委員長相川  博君
川松真一朗君
吉倉 正美君
とくとめ道信君
秋田 一郎君
今村 るか君
小山くにひこ君
山崎 一輝君
吉田 信夫君

欠席委員 なし

出席説明員
オリンピック・パラリンピック準備局局長塩見 清仁君
次長理事兼務岡崎 義隆君
技監上野 雄一君
技監三浦  隆君
技監小野 恭一君
理事小山 哲司君
総務部長鈴木  勝君
調整担当部長雲田 孝司君
総合調整部長児玉英一郎君
連絡調整担当部長岡安 雅人君
連携推進担当部長丸山 雅代君
自治体調整担当部長井上  卓君
事業推進担当部長計画調整担当部長兼務戸谷 泰之君
運営担当部長田中  彰君
大会施設部長根本 浩志君
競技・渉外担当部長小野 由紀君
開設準備担当部長鈴木 一幸君
施設担当部長花井 徹夫君
施設整備担当部長小野 幹雄君
輸送担当部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
スポーツ施設担当部長田中 慎一君
スポーツ推進部長小室 明子君
スポーツ計画担当部長川瀬 航司君
ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務
土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
二〇一九年に開催される第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた効率的かつ専門的な調査・検討及び必要な活動を行う。
副委員長の互選
報告事項(質疑)
・ラグビーワールドカップ二〇一九における東京スタジアムの会場運営計画案について
・ラグビーワールドカップ二〇一九における交通アクセス対策について

○吉原委員長 ただいまからラグビーワールドカップ特別対策委員会を開会いたします。
 初めに、委員の指名について申し上げます。
 オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員長から、去る二月二十八日付をもって、谷村孝彦委員のオリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会委員の辞任に伴い、新たに鈴木貫太郎委員を指名した旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 鈴木貫太郎委員です。

○鈴木委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○吉原委員長 紹介は終わりました。

○吉原委員長 次に、谷村孝彦副委員長の委員辞任に伴い、副委員長一名が欠員となっておりますので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○川松委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○吉原委員長 ただいまの動議に異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には鈴木貫太郎委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には鈴木貫太郎委員が当選されました。
 鈴木副委員長より就任のご挨拶があります。

○鈴木副委員長 ただいま副委員長の任務をいただきました鈴木でございます。
 委員長を補佐し、円滑な運営に相努めてまいる所存でございます。よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

○吉原委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○吉原委員長 これより第九回ラグビーワールドカップ二〇一九の開催に向けた事項について調査を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 延與理事パラリンピック準備調整担当、萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務は、公務のため、本日の本委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、報告事項、ラグビーワールドカップ二〇一九における東京スタジアムの会場運営計画案について及びラグビーワールドカップ二〇一九における交通アクセス対策についてに対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○相川委員 私ごとで大変恐縮でありますけれども、私の都議会生活最後の質問になると思いますので、多分に自分のノスタルジックなところですとか、私情を挟んだ話が前後で出てくると思いますけれども、これはもうご容赦願いたいというふうに思います。
 実は、川松委員もそうですけれども、私も学生時代、ラグビーをやっていまして、特に自分が楕円球を追いかけて大変楽しかったのは、社会人になって二十代の後半に、地元のラグビーの好きな連中で草ラグビーチームをつくりました。
 そのころ、ラグビーの専用グラウンドってなかなかないし、草ラグビーですから、練習場所も限られるというような中で、一番多く試合したのが、今の東京スタジアムのあたりが既に一部アメリカ軍から解放されて、返されて、関東村と呼ばれていたところがございまして、そこにラグビーのグラウンドがありました。
 グラウンドといっても、小石がごろごろしていて、雨が降ったときには、そのグラウンドの三分の一ぐらいが池のようになってしまって、そこでタックルされると、顔の半分ぐらいが泥水に埋まってしまうような、ただ空き地にゴールポストが立っているようなグラウンドでありまして、しかも、サイドの反対側はタッチラインの一・五メートルぐらいのところに調布飛行場のネットフェンスがありまして、タッチキックを蹴ると飛行場にボールが入っちゃうんで、片側だけはタッチキック禁止というような変則ルールでゲームをやっておりました。でも、これはもう本当に非常に楽しくて、四十代寸前までラグビーを楽しんでまいりました。
 そういった場所が、今や東京におけるスポーツのメッカの一つになっている。これは本当に感慨深いものが私にとってあるわけであります。
 さて、一昨年、イングランド大会を視察させていただきました。実際にグラウンドの芝を確認できましたのは、南アフリカがキャンプを張ったバーミンガム大学のラグビー場と、そして、これは観戦をさせていただきましたけれども、事実上の決勝戦といわれたニュージーランドと南アフリカの準決勝、これはラグビーの聖地、一生行けないと思っていたトゥイッケナムのラグビー場、大変感激をいたしました。
 ロンドンは緯度が高い、北海道ぐらいですか、ですから、十月の初旬でしたけれども、東京でいえば十一月の半ばぐらいだったと思います。そのころになると、日本のラグビーの聖地であります秩父宮は、特にスクラムを組む頻度が高いゴール前の五メートル、両サイド、ほとんど芝生がはげている状況なわけですけれども、この二カ所のラグビー場は、片方のバーミンガム大学は天然芝で、トゥイッケナムはハイブリッドだったと思いますが、非常にいい芝生の環境で、これはもう本当に羨望いたしました。
 こういう状況の中で、前回の本委員会での当局の説明で、国際的には耐久性などの面でハイブリッド芝が望ましいとされていると、こういう説明を受けましたが、特に日本では耐久性の高いハイブリッド芝というのは、競技場にとっても、あるいは競技者にとっても、また、サッカーとかラグビーの別に関係なく必要ではないかと私は思うわけであります。
 そこで、都は来年度、ハイブリッド芝の導入実験をする、この目的は何か、改めてお伺いをしたいというふうに思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 ラグビーにおきましては、スクラムなどにより、サッカー以上に芝に負荷がかかることから、二〇一九年大会を通じて芝のコンディションを維持するためには、芝の耐久性を確保することが必要でございます。
 そこで、ラグビーワールドカップ組織委員会とも連携しまして、天然芝と人工芝を組み合わせて耐久性を向上させたハイブリッド芝につきまして、導入実験を行ってまいります。
 具体的には、東京スタジアム内の投てき練習場におきまして、天然芝、天然芝に人工芝を打ち込むタイプのハイブリッド芝、ネット状の人工芝の上に天然芝を育成して使うハイブリッド芝の三種を施工いたします。
 その上で、ハイブリッド芝の耐久性などを確認する試験を行うとともに、施工や管理方法など、導入に必要な知見を得てまいります。

○相川委員 今の説明で、東京スタジアムの投てき練習場に、天然芝と二種類のハイブリッド芝を施工して試験を行うということでありますけれども、もう一つ大切なのは、競技者の視点、つまり、例えばスクラムを組んだときのスパイクのポイントがどんなふうにかみ合うかというような実際の使用感などの検証も行うべきだというふうに思います。
 ハイブリッド芝にもさまざまなタイプがあるわけですから、導入を決める前に、いろんな角度から課題を洗い出すことが必要であると思いますが、都が来年度行う導入実験はどのような計画になっているのか、また、結果をどのように生かしていくのかを伺いたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 今回の導入実験では、二つのタイプのハイブリッド芝を施工し、二〇一九年大会の開催時期である十月ごろに各種の試験を行います。
 試験は測定器具を用いて、芝表面のかたさや、ただいま先生からご指摘をいただきました引っ張りに対する抵抗力など、芝の耐久性の状況を確認したり、選手に使用感についてヒアリングを行ってまいります。
 さらに、使用後の芝の状況につきまして専門家による分析を行ってまいります。
 こうして得た試験結果につきましては、都、組織委員会、施設管理者、主要な施設利用者などから構成されるワーキンググループを設置しまして、さまざまな視点から検討を行ってまいります。
 得られた知見を踏まえ、組織委員会との協議などを経て、天然芝を含め、二〇一九年大会で採用する芝について、平成二十九年度内に都としての結論を得てまいります。

○相川委員 わかりました。
 それでは次に、会場の運営計画について伺いたいと思います。
 一昨年のイングランド大会におきましては、さすがラグビーの母国だけありまして、VIPのホスピタリティー施設が充実をしていました。
 ある意味、私どもにとってはカルチャーショックでもありました。スポンサーからの招待者や、あるいは特別なチケットを購入した方々にとっては、単に試合を観戦するだけではなくて、商談の場にもなっていると、こんな説明を受けましたし、あるいはプライベートジェットで海外から観戦に来るVIPも何人もいるというわけですから、これは当然のことであるというふうに思います。
 二〇一九年大会、つまり、東京スタジアムで開会式、開幕戦が行われるわけでありまして、ここにも世界各国から多くのVIPが訪れることから、ホスピタリティースペースの確保は必須条件であると私は思います。
 そこで、二〇一九年大会でのホスピタリティースペースに武蔵野の森総合スポーツ施設を使用する理由は何か、このことを伺いたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップにおけるホスピタリティースペースの利用者は、大会ゲストやスポンサーのほか、ホスピタリティープログラムと呼ばれる特別なチケットを購入した方々でございます。
 二〇一五年イングランド大会での主会場であるトゥイッケナム・スタジアムでは、敷地内に大規模な仮設のホスピタリティー施設を建設し、対応しておりました。
 二〇一九年大会におきましては、武蔵野の森総合スポーツプラザを有効に活用し、経費の節約も図るものでございます。
 武蔵野の森総合スポーツプラザは、東京スタジアムに隣接しており、スタジアムへの適切な動線を確保できるとともに、メーンアリーナ棟は約五千平方メートルのスペースが使用可能であることから、大会主催者がホスピタリティープログラムなどを提供する上で、十分な広さを有するものと考えてございます。

○相川委員 それでは次に、交通アクセス対策について伺いたいと思います。
 昨年六月に行われましたスコットランドとのテストマッチですが、私はあのとき、飛田給駅を利用しまして、徒歩でスタジアムまで行きました。そのとき、駅から見た感覚といいますか、印象なんですけれども、既に駅付近とかスタジアムの周辺では歩行者がかなり混雑しておりましたし、甲州街道での車の渋滞というものがかいま見られました。これは、休日であるにもかかわらずでありました。
 二〇一九年大会の開会式、開幕戦は、九月二十日でしたっけ、平日の金曜日に行われるわけでありまして、このときには、まさに通勤ラッシュを想定した対策が必要であるというふうに思います。
 そこで、今後、交通アクセスの対策を具体的に詰めていく上で需要推計を行うとのことでありますけれども、どのような前提を置いて行うのか伺いたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会の開会式、開幕戦は、九月二十日の平日金曜日に開催され、交通機関の混雑に影響を及ぼす可能性があることから、大会当日の来場者を含めた交通機関の動向を想定し、交通アクセス対策を検討する必要がございます。
 開始時間につきましては、二〇一五年イングランド大会の実績を参考に、十九時開会式開始、二十時試合開始を想定し、推計を行うこととしてございます。
 来場者につきましては五万人とし、その交通手段は、昨年三回実施した交通輸送調査における観客の傾向をもとに、例えば入場者の八割、退場者の七割が京王線飛田給駅を利用することを前提としてございます。
 今後、需要推計の結果を踏まえ、公共交通機関、歩行者動線などの課題と対策の方向性を明らかにし、交通輸送の具体的計画の策定に生かしてまいります。

○相川委員 これは非常に大切なことなので、しっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 一昨年のイングランド大会ですが、スタジアムと駅とを結ぶ複雑な複数のルートでシャトルバスが頻繁に運行されておりましたし、大勢の観客がある程度円滑に移動をしていたと思います。とにかく八万人を超える観客がトゥイッケナムに集まって、また散っていくわけですから、これは大変なことであったと思います。
 その観客の集中がある程度うまく分散できるファクターの一つが、私はファンゾーンにあるというふうに思います。日本の場合は、大体、秩父宮なんかも試合開始の三十分前ぐらいからピークになって、来場者が集中をするという傾向にあるわけですけれども、少なくてもラグビーの母国では、スタジアムの周辺に幾つかのファンゾーンを設けて、そこでイベントを楽しんだり、あるいはビールを飲んだり、それぞれが思い思いの時間を過ごしてスタジアムに向かうという、これによって混雑の集中がある程度回避されているというふうに思えるわけであります。
 それにしましても、私たちの試合が終わった帰りの雨中の行軍、雨の中を三十分以上歩かされた、あれだけはやっぱり避けていただきたいなというふうに思います。
 これから、ことしはアイルランドですか、テストマッチが行われるわけでありまして、こうしたテストマッチを活用して、シャトルバスによるアクセスの分散化や、あるいはファンゾーンを使った渋滞の緩和について、さらに工夫する必要があると思いますけれども、二〇一九年大会の交通アクセス対策では、どのように観客の分散を図るのか、伺いたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 二〇一九年大会におきまして、来場者の混雑緩和を図るためには、交通アクセスルートの分散と入退場の時間帯の分散が必要でございます。
 交通アクセスルートの分散では、主要なルートである京王線飛田給駅に加え、JR中央線方面などへのルートを有効活用してまいります。そこで、来場者にさまざまな方面のルートを利用していただけるよう、各駅とスタジアムを結ぶシャトルバスの運行、事前のルート案内、試合終了後のシャトルバス乗り場への案内などにつきまして、交通事業者とともに検討してまいります。
 入退場の時間帯の分散といたしましては、スタジアム周辺に設置されるファンゾーンが試合前後における観客の時間調整の場としても機能することから、ファンゾーンへ観客を呼び込めるよう、効果的な事前周知、適切な誘導、魅力的な企画などにつきまして検討してまいります。
 こうした交通アクセス対策を講じる上で、ことし六月のラグビーテストマッチを活用してさらに検証を行い、二〇一九年大会の交通アクセス対策につなげてまいります。

○相川委員 ありがとうございました。
 それでは最後に、これは私からの切実なお願いをさせていただきたいと思うんですけれども、どうも知事が、オリンピック・パラリンピックには関心は持っている、これは間違いないことだと思いますが、二〇一九年のラグビーワールドカップには余り関心を持っていただいていないのではないかというふうに感じてなりません。
 実は昨年の八月に、リオデジャネイロのオリンピックの閉会式に、私と、ここにいる川松委員と二人で参りました。着いたその日の朝に、小池知事の方から、会ってお話をさせてくれないかという申し入れがありまして、ジャパンハウスで行われましたイベントの後に、あの建物の中の会議室で知事とお会いする機会が実はございました。
 私は、何をしゃべっていいかわからないし、しかも、都知事選挙が終わってまだ二十日という、そんな状況でしたから、いろいろ考えたんですけれども、最初に、知事、もうノーサイドでやりましょうよと、こう申し上げたんですよ。そうしたら、知事が、ノーサイドという言葉がわからなかったのか、けげんな顔をされたんですね。
 それで、私の方から、実は私も川松も学生時代、ラグビーをやってきて、ノーサイドというのは実はラグビー用語ですと。ほかの競技は試合が終わるとゲームセットとかゲームオーバーといいますけれども、知事、ラグビーはノーサイドというんですよと。ノーサイドという意味は、戦いが終わったら、試合が終わったら、もう敵も味方もないんです、こういう意味ですと申し上げたら、知事がそのときに、私も望むところですと、そういうことをおっしゃったんですよ。
 皆さんもご承知のように、それから今も決してノーサイドにはなっていないわけでありますけれども、今の知事のラグビーに対する関心というのは、私と川松と一緒にリオでお会いしてお話をしたときとほとんど変わっていないんじゃないかと、実はそのぐらい関心がないと思えてなりません。
 確かにワールドカップは、この東京は、十二の開催都市、開催地域の一つであることは間違いないことでありますけれども、この大会を成功に結びつけることによって、翌年のオリンピック・パラリンピックは必ず成功すると、そういう確信を私は持っていまして、この東京が十二の開催都市、開催地域の先頭に立って旗を振っていく、これが肝要だというふうに思っております。
 局長のやる気というのは十分に承知しておりますから、これから、とにかく二年間、知事に対して、局長を初めとする局の理事者の方々がラグビーのワールドカップに向けた知事の関心をどんどん巻き起こす、背中を押していただきたいと、このことを強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○小山委員 私からも、ラグビーワールドカップ二〇一九年における東京スタジアムの会場計画及び交通アクセス対策についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほど相川副委員長から関東村のお話がございましたが、関東村は、現在、多くの青少年、特に地元、府中、調布、三鷹を初めとする三多摩地域のスポーツ振興の拠点として、また、青少年のそういうスポーツ環境の場として、今でも有効に活用されておりますし、その隣接地であります東京スタジアム、そして、武蔵野の森総合スポーツ施設が今春に竣工され、ことしから利用されるようになってくると思いますが、この多摩地域のスポーツ振興拠点として、東京スタジアム周辺の地域が今回のラグビーワールドカップ二〇一九年大会、そして、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックでも活用されるわけでありまして、私ども地元としても、これを大変重要視をいたしております。
 その中で、特に先ほど相川副委員長の方からもお話がございました、私も一昨年のラグビーワールドカップのイングランド大会に伺わせていただきまして、その状況をつぶさに見てまいりました。
 特にイングランド大会は、本当に多くの観衆、事後の推計では二百四十万人を超える観衆を集め、日本でも代表チームの活躍により、大変注目度が高まった大会であったというふうに思っております。
 また、二〇一九年のラグビーワールドカップにおいては、先ほども申し上げましたように、この東京スタジアムが開会式、そして開幕戦が行われる会場として承認をされたわけであります。
 東京スタジアムでは、オリンピック・パラリンピック大会でも七人制ラグビーが開催をされる予定でありまして、この両大会の連携がラグビー人気をさらに盛り上げるものだと期待をさせていただいているところであります。
 これは、これまでの私ども、代表質問あるいは各委員会質問でも述べておりますように、二〇一九年のラグビーワールドカップと二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック、この二つの大会を一体のものとして捉えて準備をすることが極めて重要であるということは、何度も申し上げてきたところでございます。
 そこで、今回の会場運営計画についても、二〇一九年ラグビーワールドカップ大会のレガシーとして二〇二〇年の大会につながるように、ぜひ努力をしていただきたいと思っております。
 そこで、今回、会場運営計画が策定されたわけでありますけれども、今回の会場運営計画において、どのようなことを計画し、そして、今後どのように取り組むのか、お伺いをさせていただきます。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 会場運営計画とは、二〇一九年大会を開催する上で必要な会場スペースの割り当て、諸室の活用、大会運営のための仕様などが記載されるものでございます。
 今後、会場運営計画に記載された事項の実現に向けまして、組織委員会と連携して対応を図ってまいります。
 具体的には、武蔵野の森総合スポーツプラザをホスピタリティースペースとするに当たり、どのような使用方法にしていくか、スタジアムへのVIP動線をどこに設定するか、また、シャトルバス乗降場に観客をどのように誘導するかなどにつきまして具体的に検討してまいります。
 スタジアム照明など、試合会場に求められる設備、仕様などにつきましては、別途、都が今年度中に策定する改修整備計画に反映して対応してまいります。

○小山委員 ただいまお答えをいただきました会場運営計画の内容、そして、今後の取り組みについては承知をいたしました。
 特に試合会場に求められる設備、仕様については、都が別途定める改修整備計画の中で取り組んでいかれるということでありますので、ぜひその点についても、後ほど幾つか述べさせていただきたいところがあります。
 では、この会場運営計画について、こちらの資料によりますと、今後、年一回程度更新を予定されていくということが記載されておりますが、次回、これはいつごろの更新予定となっているのかもあわせてお伺いしておきたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 会場運営計画は、大会を開催する上での設備、仕様やスケジュールの具体化などに応じまして、年一回程度更新していく予定でございます。
 現時点で次回の更新時期はまだ示されてございませんが、大会準備の進捗に合わせ、組織委員会と都が協議し、ラグビーワールドカップリミテッドに提出してまいります。
 世界最高峰のスポーツイベントの一つであるラグビーワールドカップの開催地にふさわしい試合会場を用意できるよう、組織委員会との協議、調整を通じまして、会場運営計画をブラッシュアップしてまいります。

○小山委員 ただいま、次回の開催予定はまだ未定ということでありますけれども、今回の会場スペース割り当て案などは、恐らく前回の二〇一五年イングランド大会の視察成果、そういう調査の結果なども十分踏まえて、さまざま割り当てられたんだというふうに思っております。
 そういった中で、今後の施設整備に当たって、幾つか私の方でもラグビー関係者の皆様からさまざまご意見をいただくことがあると思います。特に会場割り当ての中で、やはり東京スタジアムは陸上競技場のスペースがあるということで、競技、プレーのところから観客席までが少し距離があって、どうしても臨場感という意味では、これは同じようにラグビーの聖地であります秩父宮のラグビー場と比べると、若干、多くの観客の方からも遠いとどうしても感じられることが多いというふうに聞いております。
 今後、このスペースの中で、より観客席の配置など、有効にいろいろ検討されていくんだというふうに思いますが、やはり二〇一九年の大会をすばらしい大会としていくために、よりよい改善策を不断に検討していただきたいというふうに思っております。
 あわせて、この会場計画を整備するに当たって、恐らくアミノバイタルフィールドや武蔵野の森総合スポーツ施設に、それぞれスポンサー活動エリアであるとか、あるいはホスピタリティー施設を整備されるということでありますので、こちらについても、先ほど相川副委員長の質問の中にもありましたように、二〇一九年大会の施設整備が二〇一五年大会の成果、そして、そういったある程度課題を十分捉えた上での施設整備となるように取り組んでいただきたいと思っております。
 その上で、恐らくスタジアム敷地内の施設を活用していく上で、準備期間もあろうと思います。また、二〇一九年大会、本大会のときの使用期間などを考えますと、通常使用への影響もあろうかと思っております。
 そこで、通常使用への影響がどの程度なのかお伺いをしますとともに、また、使用に当たっては、地元三市を初め、関係機関、団体の声を十分考慮していくべきと考えますが、都の見解をお伺いしたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 ラグビーワールドカップの主催者が試合開催会場を独占的に使用する期間は、最初の試合の十日前から最後の試合の二日後まででございます。
 東京スタジアムの場合、開会式、開幕戦の十日前から主催者が使うことになりますが、終わりの時期につきましては、ことしの秋ごろ、組織委員会が大会日程を発表する中で明らかになってまいる見込みでございます。
 大会期間中は、アミノバイタルフィールドを含むスタジアムの敷地全域を使用することとなります。加えて、国内外から来場するVIPや大会関係者が利用する駐車場などを確保するため、スタジアム周辺も含め、適地を確保していく必要がございます。
 これによるJリーグなどのスタジアム利用者や地域のスポーツチームなどへの影響につきましては十分配慮する必要がございまして、大会準備の進捗に応じて、地元三市、株式会社東京スタジアム、関係団体などと十分に調整を図り、対応してまいります。

○小山委員 ただいまのご答弁の中で、それぞれご対応いただけるということでありますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 二〇一九年の大会利用と、その後の二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの大会使用ということもあわせてでありますけれども、報道によりますと、東京スタジアムの第一種公認陸上競技場の扱いが終了になるというような報道がなされております。
 この件について、当然、ラグビーワールドカップの準備状況ともあわせて、結果としてつながってくるものだと思いますので、ここで確認をしておきたいと思いますが、その現状とその後の取り扱いについて、どのようになっているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

○小室オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部長 日本陸上競技連盟の公認を受けた陸上競技場は、都内では平成二十八年二月三日時点で全部で二十八カ所ございまして、目的、規模等により、第一種から第四種まで分けられております。
 第一種公認陸上競技場につきましては、都内では東京スタジアムの一カ所でございます。
 東京スタジアムは、当初、陸上競技場としての仕様を備えておりませんでしたが、平成十九年に東京での国体開催が決定したことを受けまして、トラック及び補助競技場となる西競技場を整備し、全国大会や国際大会を開催できる第一種公認陸上競技場としての仕様を整えまして、平成二十四年三月に公認を受けました。
 その後、施設の多目的利用と安定収入確保のため、トラック上に人工芝を敷設し、陸上競技大会開催時には人工芝を取り外す運用といたしました。
 これまで陸上競技場として利用した実績は、東京国体を含め、三回でございます。
 第一種公認陸上競技場としての公認期間は五年間で、本年二月末日が有効期限となっておりました。更新の検討に当たりましては、二〇二〇年までは第一種公認陸上競技場で開催するような大規模大会の予定はないこと、二〇二〇年大会の近代五種の会場として競技場の改変が必要となることなどを考慮しまして、東京陸上競技協会とも協議の上、更新を延期することといたしました。
 都としましては、二〇二〇年大会後、第一種公認陸上競技場として改めて申請を行い、東京スタジアムが多摩のスポーツの拠点として多様なスポーツに活用されていくよう、配慮してまいります。

○小山委員 詳細なご答弁をいただきまして、ありがとうございます。また、経過、そして、その後の取り組みについてもよくわかりましたので、ぜひ事後の対応についてもよろしくお願いしたいと思います。
 そこで次に、交通アクセス対策についてお伺いをしたいと思います。
 昨年の六月のテストマッチでありますけれども、私も観戦をさせていただきました。多くの方々が東京スタジアムにお越しをいただき、ラグビーの観戦をされたわけでありますが、当日、残念ながら京王線が運転見合わせ、遅延をいたしまして、入場時、大変な影響が出たところであります。
 また、観戦者の中には、最初のそれこそ試合開始に間に合わない方も出たということで、このことは私ども、今後の本大会開催に当たっての十分な課題認識としていただいて、改善策、あるいは対策というものをしっかり検討していかなければならないというふうに思っております。
 そこで、今回のテストマッチにおけます京王線運転見合わせによります入場時の影響でありますけれども、今後、円滑な交通経路及び手段をどのように確保していくのか、お伺いをしておきたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 昨年六月のラグビーテストマッチでの調査など、昨年行いました三回の交通輸送調査を通じまして、スタジアム最寄りの京王線飛田給駅を主要な来場ルートとしつつ、西武多摩川線多磨駅やJR中央線武蔵境駅などスタジアムの北側を使うルートや、小田急線狛江駅などスタジアム南側のルートを用意することが必要であると認識しております。
 ルートの複数化と混雑緩和に向けて、来場者に多磨駅やJR中央線方面などのルートを利用していただけるよう、今後、各駅とスタジアムを結ぶシャトルバスの運行、事前のルート案内や試合終了後のシャトルバス乗り場への案内を含むシャトルバスによる輸送計画をバス事業者とともに検討してまいります。

○小山委員 ただいまのご答弁の中では、対策として、ルートの複数化をしっかり十全に行っていくことであるとか、あるいはシャトルバスの乗り場案内の徹底や輸送計画をしっかり図られるということでもあります。
 ぜひ実際、本大会の開催時に、こういったことが十分起こるということを想定した上で対策を練っておいていただきたいと思います。
 今、ルートの複数化ということの中でありましたように、一つ、西武多摩川線の多磨駅ということがご答弁にありました。
 西武多摩川線の多磨駅でありますけれども、これもオリンピック・パラリンピックの特別委員会でも、二〇二〇年大会に向けての複数ルートの確保ということの中で、多磨駅の駅舎改良なども求めさせていただいていたところでありますけれども、今般、多磨駅の駅舎の改良が地元市を含め調ったということをお聞きいたしております。これには東京都としての大変なご尽力もあったということで、改めて感謝を申し上げておきたいと思います。
 そこで、観客の分散化、つまり、ルートの複数化でありますけれども、二〇一九年大会におけます多磨駅の活用策についてどのように考えられているのか、お伺いをしたいと思います。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 昨年実施いたしました三回の交通輸送調査では、いずれの回でも、イベント終了時に多磨駅を利用する観客は全体の五%未満でございました。
 その一方で、昨年六月のテストマッチ当日に京王線の運転見合わせがあった際は、迂回ルートとしても活用されました。
 二〇一九年大会では、京王線飛田給駅の観客の集中を緩和する上で、多磨駅を活用した来場ルートが有効でございます。東京スタジアムから多磨駅までは徒歩二十分程度かかることから、歩行者に対する案内表示や都市装飾により、わかりやすい誘導を行うことや、駅とスタジアムを結ぶシャトルバスを活用することにより、多磨駅の利用促進を図っていくことが重要と認識してございます。
 今後、鉄道事業者や道路管理者らと連携し、ラグビーテストマッチなどの機会も活用して観客に多磨駅ルートのPRを十分行うとともに、適切な歩行者誘導や多磨駅方面へのシャトルバスの利用を促進してまいります。

○小山委員 テストマッチの際の迂回ルートとしても活用されたということはわかりました。
 京王線が多く東京スタジアムにお越しになる上では極めて重要な本線になろうかというふうに思っておりますが、京王線の遅延や、あるいは不測の事態が生じた際の迂回ルートとして、やはり十分活用することも念頭に置いていただきたいと思います。
 先ほどの答弁でも、事前のルート案内ということでありますけれども、事前のルート案内が極めて大事だというふうに思っておりますし、何らかの支障が生じたときに、しっかり迂回ルートとして確保されているんだということも、多くこれは周知をしていただきたいというふうに思っています。
 特に当日であれば、新宿駅での案内というのが極めて重要になってくると思いますので、この点についても留意をしていただければと思います。
 次に、やはり同じく会場への歩行者及び観客の動線ということでいえば、かなりの方が飛田給駅、あるいは複数の駅からの方が一斉に同時間に集まるということで、どうしても混雑を招いてしまうという事態が生じております。
 そういったことに対する対策として、先ほどもご答弁の中にありましたように、ファンゾーンを適切に活用して、滞留者の分散を図る、あるいは来場者の分散を図るということでありますけれども、二〇一九年大会では、ファンゾーンをどこに設置して、観客を分散化させ、呼び込むための工夫をどのように図られていくのか、お伺いをさせていただきます。

○土屋オリンピック・パラリンピック準備局ラグビーワールドカップ準備担当部長
国際大会準備担当部長兼務 スタジアム周辺に設置するファンゾーンは、試合前後に観客が交流する場であるとともに、入場時や退場時における時間調整の場としての活用が期待できます。
 スタジアム周辺におけるファンゾーンの設置場所につきましては、混雑を緩和する上で有効な場所を選定する必要があり、現在、調査検討を進めております。
 昨年のラグビーテストマッチで、スタジアム敷地内のアジパンダ広場におきまして、ファンゾーンに見立てたイベントを開催した際には、正面ゲートからの行き方がわかりにくい、スタジアムとイベント会場の動線が交錯する、案内が十分でないなどの意見が寄せられたところでございます。
 このような課題の解決に向けまして、ことし六月のテストマッチにおけるイベントでは、スタジアム敷地内の別の場所の活用も含めまして、動線の適切な配置や混雑緩和機能についての検証をさらに深め、平成二十九年度中にファンゾーンの設置場所を決定し、二〇一九年大会に生かしてまいります。

○小山委員 ぜひファンゾーン、さまざまな目的があろうかと思いますけれども、混雑の緩和ということを目的とする一方で、やはり多くのファンを魅了するような、そういった施設であっていただきたいと思いますし、また、地元などの振興発展にも資するような取り組みもあわせて考えていただきたいというふうに思っております。
 そのファンゾーンを含めて、やはりラグビー人気を盛り上げていただき、二〇一九年大会を大成功のうちにおさめていただくということをぜひとも私どもも求めていきたいというふうに思っておりますし、地元三市を含め、また、我々都議会としてもしっかり力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
 その中で、先般、生活文化局が調査をしました都民のスポーツ活動・パラリンピックに関する世論調査の結果ということの中で、実はラグビーワールドカップ二〇一九年大会の周知度、関心度ということも調査をされたということでございます。
 その中で、ちょっと私どもとしては残念であったのが、ラグビーワールドカップが東京都で開催されることを知っているという方が一七%であったということであります。
 やはりこれは、ぜひ都民の方に、ラグビーワールドカップ二〇一九年大会が東京で開催されるんだ、東京スタジアムで開催されるんだということを広く周知をしていただく、啓発をしていただいて、二〇一九年大会の機運醸成というものを十分に図っていただきたいと思いますし、冒頭にも申し上げましたように、二〇一九年大会は二〇二〇年大会へつながる大会として、私どもは極めて大事だというふうに思っております。
 ぜひ局の皆さん、一層のご努力をお願いして、二〇一九年大会の成功に向けて取り組んでいただくことを強く求め、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○吉原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日のラグビーワールドカップ特別対策委員会を閉会いたします。
   午後二時一分散会

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