公営企業委員会速記録第十五号

令和六年十一月二十七日(水曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長あぜ上三和子君
副委員長吉住はるお君
副委員長おじま紘平君
理事竹平ちはる君
理事福手ゆう子君
理事後藤 なみ君
しのはらりか君
岩永やす代君
関口健太郎君
慶野 信一君
柴崎 幹男君
増子ひろき君
小松 大祐君
東 まり子君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長久我 英男君
次長総務部長事務取扱横山 正彦君
職員部長櫻庭 裕志君
資産運用部長築田 直樹君
電車部長神永 貴志君
自動車部長佐藤 和哉君
車両電気部長生越 啓史君
建設工務部長坂口 淳一君
企画担当部長渡貫 貴浩君
経営改革推進担当部長DX推進担当部長兼務若井 太郎君
技術企画担当部長一條 勝夫君
安全管理担当部長内山 裕道君
調整担当部長木元 隆平君
鉄軌道事業戦略担当部長稲垣 宏昌君
バス事業経営改善担当部長和田  明君
技術調整担当部長神田 隆司君
技術管理担当部長周郷 友義君
水道局局長西山 智之君
技監松田 信夫君
総務部長長嶺 浩子君
経理部長西川 泰永君
給水部長藤川 和久君
建設部長特命担当部長兼務石田 紀彦君
経営改革推進担当部長小澤 賢治君
設備担当部長小泉 正一君
多摩水道改革推進本部本部長山田 則人君
施設部長青山 忠史君
下水道局局長佐々木 健君
次長相田 佳子君
総務部長小泉 雅裕君
職員部長鈴木  豊君
経理部長和田 慎一君
計画調整部長藤橋 知一君
施設管理部長新谷 康之君
建設部長萩原 清志君
企画担当部長DX推進担当部長兼務澤村  航君
施設管理担当部長須賀 隆行君
設備調整担当部長小池 利和君
施設整備担当部長杉山  純君
流域下水道本部本部長袰岩 滋之君
管理部長池島 英稔君
技術部長井上  潔君

本日の会議に付した事件
 下水道局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都下水道条例の一部を改正する条例
  報告事項(説明・質疑)
  ・契約の締結について
  陳情の審査
  (1)六第三八号の一 首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情
 水道局関係
  第四回定例会提出予定案件について(説明)
  ・東京都が設置する水道の布設工事監督者に関する資格等を定める条例の一部を改正する条例
  報告事項(説明・質疑)
  ・契約の締結について
  陳情の審査
  (1)六第三八号の一 首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情
  (2)六第四七号の二 特定整備路線補助第二八・二九号線及び放射第二号線の整備事業の見直し等に関する陳情
 交通局関係
  事務事業について(質疑)
  報告事項(説明・質疑)
  ・契約の締結について

○あぜ上委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、委員の選任について申し上げます。
 議長から、去る十一月二十六日付をもって、新たに本委員会委員に東まり子議員を選任した旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 東まり子委員です。

○東委員 どうぞよろしくお願いいたします。慣れないものですが、皆様からいろいろ勉強させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○あぜ上委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○あぜ上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申合せをいたしましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、交通局関係の事務事業に対する質疑、下水道局及び水道局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、所管三局の報告事項の聴取並びに下水道局及び水道局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、事務事業につきましては、資料の説明を聴取した後、質疑を終了まで、報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了までそれぞれ行い、提出予定案件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承を願います。
 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。

○佐々木下水道局長 第四回定例会に提出を予定しております議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 提出する議案は、東京都下水道条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、排水設備工事責任技術者の事業所ごとの専任義務に係る規定の改正を行うものでございます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

○小泉総務部長 それでは、議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1をご覧ください。
 本条例は、情報通信技術の進展を踏まえたその効果的な活用のための規制の見直しに伴い、排水設備工事責任技術者の事業所ごとの専任義務に係る規定の改正を行うものでございます。
 改正内容は、その専任義務を改めるため、必要な規定を整備するものでございます。
 施行期日は、条例の公布の日を予定しております。
 二ページをご覧ください。新旧対照表を掲載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらさせていただきます。どうぞご審議のほどお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○あぜ上委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○和田経理部長 工事の請負契約につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料2、契約締結報告書をご覧いただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。総括表をお示ししてございます。
 今回の内容は、令和六年八月一日から十月三十一日までの間に締結した予定価格一件九億円以上の工事請負契約八件でございます。
 以下順次、契約の概要についてご説明いたします。
 二ページをお開き願います。第二成増幹線工事でございます。
 本件は、板橋区の一部の雨水を収容する第二成増幹線工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 四ページをお開き願います。南部汚泥処理プラント揚陸桟橋建設工事でございます。
 本件は、震災時等における下水汚泥処理のバックアップ機能を確保するため、下水汚泥処理プラント間の下水汚泥の海上輸送に必要となる桟橋を建設するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 六ページをお開き願います。葛西水再生センター汚泥焼却設備再構築その二工事でございます。
 本件は、葛西水再生センターの汚泥焼却設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 八ページをお開き願います。吾嬬第二ポンプ所電気設備その十一工事でございます。
 本件は、吾嬬第二ポンプ所から千住関屋ポンプ所の遠方監視制御に必要な電気設備工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 一〇ページをお開き願います。東部汚泥処理プラント汚泥濃縮設備再構築工事でございます。
 本件は、東部汚泥処理プラントの汚泥濃縮設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 一二ページをお開き願います。森ヶ崎水再生センター電気設備改良工事でございます。
 本件は、別途施行の森ヶ崎水再生センターろ過設備改良工事に必要な電気設備について、水処理及び汚泥処理機能の向上を図るため改良工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 一四ページをお開き願います。空堀川上流雨水幹線取水人孔設置工事でございます。
 本件は、立川市、東大和市及び武蔵村山市の一部の雨水を収容する空堀川上流雨水幹線に接続する取水人孔及び接続管の一部の工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 一六ページをお開き願います。多摩川上流水再生センター監視制御設備再構築工事でございます。
 本件は、多摩川上流水再生センターの監視制御設備が老朽化したため、再構築工事を施行するものでございます。その概要と入札結果は以下のとおりでございます。
 以上で工事請負契約についての報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。──発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○あぜ上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情六第三八号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小泉総務部長 お手元の資料3、請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 整理番号1、陳情六第三八号の一、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 この陳情を提出された方は、練馬区にお住まいの大柳武彦さん外七十五人でございます。
 陳情の要旨は、都において、首都直下地震に備えた対策について、次のことを実現していただきたい。
 下水道事業について、次のことを行うこと。
 (1)、下水道事業における耐震化を急ぐこと。
 (2)、震災時に各家庭の下水道管の修理を速やかに実施できるよう事業者との連携体制を整えること。
 (3)、下水道事業の民営化が取り沙汰されているが、都民の命に関わる事業を利益追求の道具としないため、直営を維持することというものでございます。
 現在の状況についてでございます。
 まず、(1)について、当局では、震災時の下水道機能や緊急輸送道路などの交通機能を確保するため、対象施設を重点化して下水道管の耐震化を実施しております。
 下水道機能の確保として、避難所や一時滞在施設などから排水を受け入れる下水道管とマンホールの継ぎ手部の耐震化を実施しております。交通機能の確保として、液状化の危険性が高い地域における緊急輸送道路や緊急車両が通行する無電柱化道路などを対象とし、マンホールの浮上抑制対策を実施しております。
 水再生センターなどの施設の耐震化は、揚水機能や消毒機能など最低限の下水道機能の確保や汚泥処理施設などを対象に、対策を実施しております。
 続いて、(2)について、当局では、下水道事務所及び東京都指定排水設備工事事業者で構成される排水なんでも相談所において、平時より排水設備に関するお客様の相談を受けております。
 また、東京都管工事工業協同組合と、災害時における排水設備の復旧に関する協定を締結して、災害時にお客様からの相談窓口を設置することとしております。
 最後に、(3)について、当局では、将来にわたり安定的に下水道事業を運営していくために、事業実施に責任を持つ下水道局を中心として、下水道局と政策連携団体及び民間事業者の三者がそれぞれの特性を生かした役割分担の下、サービスのさらなる向上を目指していくこととしております。
 説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○岩永委員 陳情六第三八号の一、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情について質問をいたします。
 陳情者は、上下水道ともに民営化せず直営を維持することを求めています。国は、民間事業者の参入を促し、様々な手法でコンセッション方式を採用するよう自治体に働きかけています。
 下水道事業では浜松市が採用し、宮城県は上下水道事業をコンセッション方式にしました。しかし、人々が汚した水をきれいにして水に流す下水道は公共性が高く、利益を追求する民営化にはなじみません。市民にとって欠かすことのできないインフラは、東京都が責任を持って事業を実施すべきと考えます。
 下水道局においてコンセッション方式について検討しましたが、その経過について伺います。

○澤村企画担当部長DX推進担当部長兼務 下水道事業を将来にわたり安定的に運営していくため、東京下水道の特徴を踏まえ、水再生センターの水処理施設の運営手法について包括委託やコンセッションなどを比較検討した結果、包括委託を導入することといたしました。
 令和四年度より、運転管理の困難度等が相対的に小さい落合水再生センターと清瀬水再生センターにおいて、包括委託を実施してございます。

○岩永委員 検討の結果、包括委託を実施されたということです。
 東京都下水道サービス、TGSだけでなく、民間事業者との役割分担について、今後の方針も含めて伺います。

○澤村企画担当部長DX推進担当部長兼務 業務委託等を通じて、豊富な現場経験を持つ民間事業者の技術やノウハウも活用し、事業実施に責任を持つ下水道局を中心として、下水道局と東京都下水道サービス株式会社及び民間事業者の三者がそれぞれの特性を生かした役割分担の下、サービスのさらなる向上を目指していくこととしております。

○岩永委員 下水道事業は、汚水処理は使用者が負担し、雨水については公金で処理をするという費用負担の原則があります。豪雨による内水氾濫を防ぐ役割も求められています。
 下水道整備が進んだ東京では、ほかに代替する機能はありません。雨水対策には、河川や土地利用の観点が欠かせず、下水道がまちづくりにとって重要なインフラであるため、他局との連携も必要です。
 民営化はこうした行政責任を果たすことができなくなるため、多摩地域の流域下水道も含めて民営化すべきではないと考え、この陳情は趣旨採択すべきと考えます。終わります。

○あぜ上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件につきましては、水道局所管分もございますので、決定は水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情六第三八号の一は継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で下水道局関係を終わります。

○あぜ上委員長 それでは、これより水道局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○西山水道局長 第四回定例会に提出を予定しております議案の概要につきましてご説明を申し上げます。
 東京都が設置する水道の布設工事監督者に関する資格等を定める条例の一部を改正する条例についてでございます。
 本条例は、生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行によります水道法施行令の改正等に伴い、布設工事監督者及び水道技術管理者の資格に係る規定を改めるものでございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明をいたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長嶺総務部長 第四回定例会に提出を予定しております議案につきましてご説明申し上げます。
 それでは、お手元の資料1をご覧ください。東京都が設置する水道の布設工事監督者に関する資格等を定める条例の一部を改正する条例についてでございます。
 資料の表紙をおめくりください。
 1、改正の理由でございますが、生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行による水道法施行令の改正等に伴い、布設工事監督者及び水道技術管理者の資格に係る規定を改める必要があるためでございます。
 2、改正の内容については二点ございます。
 まず、布設工事監督者の資格につきまして、技術上の実務年数の見直しとして、下水道等関連インフラに関する技術上の実務年数を算入可能とするとともに、資格要件として、学歴及び学科要件における土木工学科以外の課程の追加等を行うものでございます。
 次に、水道技術管理者の資格につきまして、資格要件として、技術士第二次試験のうち上下水道部門の合格者等を追加するものでございます。
 3、施行期日でございますが、令和七年四月一日から施行いたします。
 続きまして、資料2をご覧ください。一から三ページは本条例案、四から八ページは新旧対照表でございます。上段が改正案、下段が現行条例でございまして、傍線を付した部分が改正部分でございます。
 条例案についてのご説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○あぜ上委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○西川経理部長 工事請負契約につきまして、お手元の資料3、契約締結報告書によりご報告を申し上げます。
 本日ご報告申し上げますものは、令和六年八月一日から令和六年十月三十一日までの間に契約を締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約四件でございます。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをご覧ください。こちらは、本日ご報告申し上げます契約四件の総括表でございます。
 以下順次、契約の概要につきましてご説明を申し上げます。
 二ページをお開き願います。1、和田堀給水所場内整備及び通水準備工事でございます。
 本件は、送配水施設整備事業の一環として、和田堀給水所の場内整備及び通水準備工事を行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十億一千二百万円、契約の相手方は戸田建設株式会社でございます。入札経過及び案内図につきましては三ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 四ページをお開き願います。2、清瀬梅園給水所から東久留米市柳窪二丁目地先間送水管(九百ミリメートル)用立坑築造工事でございます。
 本件は、送配水施設整備事業の一環として、清瀬市梅園一丁目三番地内、清瀬梅園給水所において、内径九百ミリメートルの送水管用立坑築造工事を行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十六億七千二百五十七万二千円、契約の相手方は西松・真柄建設共同企業体でございます。入札経過につきましては下段から五ページにかけて、案内図につきましては六ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 七ページをお開き願います。3、三郷浄水場送水ポンプ所(東南系)電気設備等改良工事でございます。
 本件は、設備の信頼性向上を図るため、老朽化した三郷浄水場送水ポンプ所(東南系)電気設備等の更新工事を行うものでございます。
 契約の方法は技術実績評価型総合評価方式による一般競争入札、契約金額は十四億一千九百万円、契約の相手方はあきら株式会社でございます。入札経過及び案内図につきましては八ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 九ページをお開き願います。4、港区芝公園四丁目地先配水本管(五百ミリメートル)既設管内配管工事でございます。
 本件は、送配水施設整備事業の一環として、港区芝公園四丁目八番地先において、内径七百ミリメートルの既設管内に、内径五百ミリメートルの配水本管布設工事を、既設管内配管工法により行うものでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十四億七千四百万円、契約の相手方は石川徳建設株式会社でございます。入札経過及び案内図につきましては一〇ページにお示ししてございますので、ご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、ご報告を申し上げます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。──発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○あぜ上委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情六第三八号の一及び陳情六第四七号の二につきましては、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長嶺総務部長 お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 整理番号1、陳情六第三八号の一、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 この陳情を提出された方は、練馬区にお住まいの大柳武彦さん外七十五名でございます。
 陳情の要旨は、都において、首都直下地震に備えた対策について、次のことを実現していただきたい。
 1、水道事業について、次のことを行うこと。
 (1)、水道事業における耐震化を急ぐこと。
 (2)、震災時に各家庭の水道管の修理を速やかに実施できるよう事業者との連携体制を整えること。
 (3)、水道事業の民営化が取り沙汰されているが、都民の命に関わる事業を利益追求の道具としないため、直営を維持することというものでございます。
 現在の状況でございます。
 (1)につきまして、当局では、震災時においても、水道施設の被害を最小限にとどめ、給水を可能な限り確保するため、水源から蛇口まで、水道システム全体の耐震化に計画的に取り組んでおります。また、管路の二重化やネットワーク化などバックアップ機能の強化にも取り組んでおり、震災時における断水リスクを着実に低減しております。
 続きまして、(2)につきまして、当局では、修繕対応登録事業者や水道工事業者を紹介するメンテナンスセンターの連絡先をホームページ上に掲載するとともに、お客様から問合せがあった場合は、これらの連絡先を案内しております。修繕対応登録事業者やメンテナンスセンターとは日頃から連携しており、平時はもとより、災害時においても、お客様が迅速に漏水修理を依頼できるよう体制を整備しております。
 最後に、(3)につきまして、当局におきましては、都の広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、引き続き、水道局と政策連携団体とが水道事業を担うグループ経営を推進していくこととしております。
 請願・陳情審査説明表の三ページをご覧ください。
 整理番号2、陳情六第四七号の二、特定整備路線補助第二八・二九号線及び放射第二号線の整備事業の見直し等に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 この陳情を提出された方は、品川区にお住まいの道路問題しながわ連絡会代表、原田泰雄さんでございます。
 陳情の要旨は、水道管の耐震化計画を前倒しして進めることというものでございます。
 現在の状況でございます。
 当局では、震災対策を重要課題の一つとして位置づけ、水道施設の耐震化に取り組んでおります。
 水道管路の耐震化については、断水時の影響等を踏まえ、優先順位を定め、耐震継ぎ手管への取替えを進めており、避難所等の重要施設への供給ルートは令和四年度末に概成しております。
 現在は、断水被害が大きいと想定される地域の取替えを優先的に実施しており、断水被害の一層の軽減に向けて取り組んでおります。
 ご説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げておきます。
 本件中、下水道局所管分に対する質疑は既に終了をいたしております。
 本件について発言を願います。

○岩永委員 陳情六第三八号の一、首都直下地震に備えた抜本的対策を求めることに関する陳情について質問をいたします。
 陳情者は、上下水道ともに民営化せず、直営を維持することを求めています。国は、民間事業者の参入を促し、コンセッション方式を採用するよう水道法を改正しました。これを受けて、宮城県は上下水道事業にコンセッション方式を採用しました。
 一方、海外では、一九九〇年代に民営化した水道事業で水質や料金が問題になり、公営に戻した事例が相次ぎました。こうした失敗事例に学び、日本では、市民の反対で、水道の民営化はあまり広がっていません。
 時代遅れとなった民営化ですが、国はコンセッションを進めるために様々な手法を使って自治体に働きかけています。市民にとって欠かすことのできないインフラである水道事業は、東京都が責任を持って実施すべきと考えます。
 水道法改正で可能になったコンセッション方式は、水道事業の民営化ですが、水道局では採用しないと聞いています。議論の経過を伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、平成三十年の水道法改正を踏まえ、外部有識者で構成する東京都水道事業運営戦略検討会議におきまして、政策連携団体とのグループ経営やコンセッションなど様々な官民連携手法の検討を行ったところでございます。

○岩永委員 様々な官民連携の手法を検討されたということですが、水道局が進めている官民連携の形について伺います。

○小澤経営改革推進担当部長 当局では、広域水道の一体性と責任を確保しつつ、公共性と効率性を両立する観点から、基幹的業務を当局と政策連携団体が担うグループ経営を推進することとしております。

○岩永委員 水道施設の老朽化や人口減少、また過大な水源施設の維持と節水効果も含めた水需要の減少など、全国的に水道事業の厳しさが増しています。
 東京も同様の問題に備える必要があります。しかし、コンセッション方式が困難を解決する方策として有効だとは思いません。東京水道は、民営化せず、水道局が責任を持って水道事業を行っていくべきであり、この陳情を趣旨採択すべきと考えます。

○しのはら委員 私から、陳情六第四七号の二、特定整備路線補助第二八・二九号線及び放射第二号線の整備事業の見直し等に関する陳情についてです。
 この特定整備路線補助第二八・二九号線、放射第二号線は品川区内を走るものです。
 そこで、品川区の水道管路の耐震化状況について伺います。

○藤川給水部長 品川区内の配水管の耐震継ぎ手率は、令和五年度末で四七%でございます。

○しのはら委員 皆様ご存じのとおり、水道管の地震被害は、主に配水管の接合部分が引っ張られて外れる事故が多いですが、引っ張られても外れず、さらに曲げることが可能な、変形に追従できる継ぎ手に接合部分を替えていくことで、大地震時の水道管の破損を減らしたり、復旧工事期間が短縮できる耐震継ぎ手化を進めているということです。
 では、今後の品川区における管路の耐震化の取組についてお伺いいたします。

○藤川給水部長 当局では、都の被害想定における断水率が高い地域を取替え優先地域と位置づけ、優先的に耐震継ぎ手化を進め、令和十年度までに解消していくこととしております。
 品川区においても、地盤や管路更新の状況などにより、こうした地域が点在していることから、耐震継ぎ手化を重点的に進めてまいります。

○しのはら委員 地域全体の断水被害を軽減するという観点から計画を立て、都の被害想定で震災時の断水率が高いと想定される地域を取替え優先地域と位置づけ、当該地域の耐震継ぎ手化を重点的に進めているということです。
 都が二〇二二年に発表した首都直下地震等による東京の被害想定では、首都直下地震が三十年以内に七〇%の確率で発生するといわれており、いつ起きてもおかしくないことを考えると、引き続き、状況の変化や技術の進化に合わせて臨機応変に対応し、粛々と耐震化を推進していただくことを要望して、私の質疑を終わります。

○あぜ上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情六第三八号の一を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あぜ上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第三八号の一は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情六第四七号の二を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○あぜ上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第四七号の二は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で水道局関係を終わります。

○あぜ上委員長 これより交通局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、交通局長から紹介があります。

○久我交通局長 公務のため、過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員を紹介いたします。車両電気部長の生越啓史でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○あぜ上委員長 紹介は終わりました。

○あぜ上委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○横山次長 過日の委員会で要求いただきました資料を公営企業委員会要求資料として取りまとめましたので、その概要についてご説明を申し上げます。
 一ページをご覧ください。都営バスの新設、廃止、延伸、短縮及び増便、減便した路線でございます。
 新設、廃止した路線につきましては当該運行区間を、延伸、短縮した路線につきましては新旧の運行区間を、過去五年分記載してございます。
 二ページには、増便、減便した路線につきまして、路線数及び路線名を過去五年分記載してございます。
 三ページをご覧ください。都営バス停留所における上屋、ベンチ、接近表示装置、上屋ソーラーパネルの設置状況の推移でございます。
 総停留所数と、上屋、ベンチ、接近表示装置、上屋ソーラーパネルにつきまして、それぞれ設置しております停留所数を過去十年分記載してございます。
 続きまして、四ページをご覧ください。都営バスの交通事故発生件数でございます。
 交通事故件数を過去五年分記載してございます。
 五ページをご覧ください。運行維持のために地元自治体が財政負担している都営バス路線でございます。
 路線名、財政負担している自治体名及び運行区間を記載してございます。
 続きまして、六ページをご覧ください。都営地下鉄においてホームから地上までのエレベーターによるバリアフリールートが複数ある駅でございます。
 都営地下鉄において、該当いたします駅数及び駅名を路線別に記載してございます。
 七ページをご覧ください。都営地下鉄の電力使用量と再生可能エネルギーの比率でございます。
 平成十二年度以降の都営地下鉄における電力使用量と再生可能エネルギーの比率を記載してございます。
 続きまして、八ページをご覧ください。都営交通における痴漢及び盗撮行為に関する警察への通報件数でございます。
 令和二年度以降の痴漢及び盗撮行為に関する警察への通報件数につきまして、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、東京さくらトラム、都電荒川線及び都営バスごとに、八ページ及び九ページに記載してございます。
 続きまして、一〇ページをご覧ください。都営バス運転手の年間労働時間でございます。
 令和五年度の一人当たり平均の年間労働時間を記載してございます。
 一一ページをご覧ください。事業別職員数及び人件費割合の推移でございます。
 各事業における職員数及び経常費用に占める人件費割合を過去十年分記載してございます。
 続きまして、一二ページをご覧ください。都営地下鉄における駅業務の委託駅数と委託契約額の推移でございます。
 都営地下鉄の駅業務を委託している駅数及び契約額を過去五年分記載してございます。
 以上をもちまして資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○あぜ上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○柴崎委員 初めに、鉄道車両の輪軸組立て作業についてお伺いしたいと思います。
 今年の七月二十四日に、JR山陽線の新山口駅構内で貨物列車の車軸が折れて脱線事故が発生いたしました。当該事故の調査過程で、鉄道車両の車輪に圧力をかけ車軸にはめ込む輪軸の組立て作業で不正があったことが判明したわけであります。
 国土交通省はこれを受けまして、全国の鉄道事業者等に緊急点検を指示したところ、国内百五十六の事業者のうち、九十一事業者の車両で圧力の値が基準から外れ、このうち五十事業者の車両でデータ差し替えがあったと報道がありました。
 輪軸というのは、ふだん、我々は聞き慣れないわけですけれども、専門的な言葉で説明されているので、そもそも乗客にとりまして、今回の事案がどの程度安全に影響を及ぼすものなのか、その点について、なかなか理解しにくい面がございます。
 この点も踏まえてお伺いしたいのは、圧力が基準値から外れた場合、運行にどのような影響が及ぶ可能性があるのか伺いたいと思います。

○生越車両電気部長 輪軸とは、車輪に圧力をかけ、車軸にはめ込んで組み立てた部品でありまして、車両を支えるものでございます。
 組立て時の圧力は、日本産業規格で基準値が定められております。圧力が基準値を上回った場合は、輪軸に傷がつき損傷に至る可能性が、また、基準値を下回った場合は、使用している間に車輪の位置がずれる可能性があり、その結果、車両の振動が強まるなどの影響が想定されるものでございます。

○柴崎委員 輪軸の圧力が基準値に対し上回った場合にも、また下回った場合にも、車両に影響を与える可能性があるということが、今、確認できました。
 交通局では、この作業を外部に委託しておりまして、緊急点検の結果、受託事業者によるデータの差し替えがあったということで、このことは九月十八日に既に公表済みなわけであります。
 そこでお伺いしたいんですが、交通局における車両輪軸に係る点検結果の概要について伺いたいと思います。

○生越車両電気部長 国土交通省からの緊急点検の指示を受け、交通局において、委託先から提出されていた作業記録を改めて確認したところ、組立て時の圧力は基準値内となっておりましたが、その後、委託先から記録を差し替えていた旨の申告があり、組立て時の圧力が基準値外のものがあることが判明いたしました。
 従来から、交通局では、組立て作業の際には全ての車両と車軸の締め代を確認し、超音波探傷検査を行うほか、定期検査においては車輪が緩んでいないことを確認しております。
 今回の作業記録の差し替えを受け、当該の輪軸について緊急点検を行い、改めて安全性に問題ないことを確認いたしました。

○柴崎委員 今回の不正行為を受けまして、データの差し替えを行った事業者等に対して、国は特別保安監査を実施しており、その結果、改善指示や指導を行ったわけであります。他の鉄道事業者に対しても、この結果を受けまして、必要な対応を講ずるよう、国からの通達が発せられているとのことであります。
 交通局におきましては、安全の確保のためには委託先への監督を適切に実施することが必要と考えます。そこで、局からは、委託先に対して再発防止の徹底を求めるとの発表がありました。しかし、この間、データ差し替え等を受けて、委託先に対してどのような対応を取ったのか、そしてまた今後どのような対策を行うのか、併せてお伺いしたいと思います。

○生越車両電気部長 交通局では、今回の事象を受け、局職員が委託先へ立ち入り、作業状況を確認するとともに、発生原因や再発防止策について取りまとめ報告するよう指示しております。
 また、現在、国では、輪軸組立て時の圧入作業における安全性の確認方法等についての検証を目的に検証会議を進めており、その結果も踏まえ、対応を検討、実施してまいります。

○柴崎委員 局が委託先へ立ち入り、作業を確認している状況や、今後、国における会議の結果を踏まえた対応を検討しているということでございますので、実施していくことなどが、今、確認ができたわけであります。
 いずれにいたしましても、地下鉄の安全・安心な輸送サービスのため、ぜひ、引き続き万全対応を求めるものであります。
 続きまして、火山対策についてお伺いします。
 国が令和二年に中央防災会議で公表した報告書では、約三百年前の富士山の宝永噴火と同規模の大噴火が発生した場合、降灰は広域に及び、かつその降り注ぐ量も大量になることが想定されております。
 都におかれましても、大規模噴火時、都内に灰が降った場合の対策について検討が進められており、令和五年十二月には、大規模噴火降灰対応指針を策定したとのことであります。
 この指針の中では、交通インフラ対策として、鉄道事業者等が行うべき取組についても挙げられております。まさに、大都市東京の公共交通機関を担う交通局には、都市の活動や都民の生活を支える必要があるものと認識しております。
 そこで、まず確認をしたいと思います。大規模噴火時の降灰に備えまして、都市の交通インフラを担う交通局といたしましては、どのような課題があると考えているのか、その見解を伺いたいと思います。

○内山安全管理担当部長 国が公表した報告書によりますと、停電により運行不能となる場合があるほか、電力供給が継続されたとしても、微量の降灰で地上の鉄道路線の運行が停止し、それに伴い、地下の路線でも、乗務員の不足等による運行停止や輸送力の低下が発生することなどが指摘されております。また、道路においても、視界不良により、安全な運行が困難となるとともに、鉄道の運行停止に伴う交通量の増加等による渋滞などが発生するとされております。
 都営地下鉄や都営バス等においても、大規模噴火発生時には、降灰の影響を受け、運休や遅延などが想定されており、都市活動を維持するために、いかにして早期復旧を果たしていくかが課題であると認識しております。

○柴崎委員 早期の復旧が課題であるとのことでありました。だとすれば、いつ起こるか分からない、この富士山の大規模噴火に備えまして、早急に対策を講じていくことが必要だと考えます。
 他の鉄道事業者の中には、降灰対策の検討を進めて、既に対策計画を策定している事業者もあると聞いております。
 富士山の広域降灰に備えまして、交通局はどのように取組を進めていくのかお伺いしたいと思います。

○内山安全管理担当部長 これまで、降灰対策を進めている他の交通事業者における取組について情報収集を行うほか、都営地下鉄のレールや電気設備、都営バスの車庫など、現場の状況に即した除灰方法等の検討を進めております。
 現在、東京都防災会議において、東京都地域防災計画火山編の修正に向けた検討が進められており、その状況も踏まえながら、早期復旧に向けた具体的な対策を取りまとめてまいります。

○柴崎委員 降灰対策については、今後、具体的な対策を取りまとめていくとのことでありました。
 大規模噴火による降灰対策は、現在、国においても引き続き検討が進められているとのことであります。したがって、こうした動きや他の事業者の取組を参考にしつつ、着実に検討を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、都営地下鉄麻布十番駅に隣接している防災倉庫を活用した、より安全に避難できる施設の整備についてお伺いしたいと思います。
 本事業は、いわゆるシェルター整備のモデル事業として、総務局が主体となり進めているものでありますが、本年三月の当委員会において、麻布十番駅を管理する交通局の対応について質疑をさせていただきました。
 三月の段階では、必要な調査を実施していく予定とのことでありましたが、今年度に入り、進捗はどうなったかということであります。
 そこでお伺いしたいのは、麻布十番の避難施設、この整備に向けた取組状況について伺いたいと思います。

○木元調整担当部長 大江戸線麻布十番駅に併設されている防災倉庫を活用した避難施設整備につきましては、鉄道施設を管理する交通局が総務局から委託を受け、現在、整備する具体的な設備など、設計に必要となる調査を進めております。

○柴崎委員 予定どおり調査に入ったとのことであります。しっかりと進めていっていただきたいと思います。
 しかしながら、このシェルターの整備というのは、これまで国内ではあまり事例がないこともありまして、交通局が必要な調査を実施していくに当たりましては、なかなか難しい部分、難しい側面も多分にあるのではないかと思われます。地下施設ということで、当然、十分な換気設備も設けなければならない。あるいは、ミサイル攻撃に耐え得る堅牢性の確保など、これも必要になってくると思われます。
 そして、当然、整備を進めていく上には、地下鉄の運行に支障が出ないよう、この点を留意しなければならない、こういった点があろうかと思いますが、また、交通局が今、進めている調査、まさに前例がない取組なんですね。ですから、調査を進めていくに当たりまして、局が感じた課題ですとか、整理すべきポイント、これらにつきましては大変貴重な知見となってくるのではないかと考えます。したがいまして、交通局には、ぜひそうした知見を事業主体である総務局に伝えていただくことで、さらなる事業の推進に役立てていってほしい、このように考えます。
 次に、バスの整備士についてちょっとお伺いしたいと思います。
 バスの人材確保につきましては、昨今、二〇二四年問題など、運転士不足にフォーカスした話題がメディア等で多く取り上げられております。過日の決算特別委員会分科会質疑でも、我が党の磯山議員による質疑が交わされたと聞いております。
 同様に、気になるのは、やはりバスの安全・安心を支えるバスの整備に関わる、こういった人材の確保だと思っております。
 自動車整備業界では、若者の車離れに加えまして、他の業種に比べた賃金の低さなどから、やはり人手不足を招いているといわれているわけでありますが、厚生労働省の示す有効求人倍率、これにおいても、自動車整備士は約五倍というふうに示されているなど、いわゆる整備業界における人材確保というのが非常に急務となっているわけであります。
 こうした中で、都営バスにおいては、一千四百台を超えるバスを保有していると聞いております。したがって、点検整備ですとか、故障対応、これらには相当な業務量があると考えます。バス運行の安全を支えるために、社会的な整備士不足の問題が、バス整備の現場へどのような影響を与えているのかが懸念されるところであります。
 そこで、まずお伺いしたいのは、都営バスの整備職員の配置の考え方と確保の状況について、この点についてお伺いします。

○佐藤自動車部長 都営バスでは、車検や大規模修理対応などを行う自動車整備工場を東雲庁舎に設置しているほか、日常的な点検や簡易な修理を行う整備場を各営業所に設け、作業内容や車両数に応じた整備職員を配置しております。
 整備職員の採用選考においては、近年、申込み者が減少傾向にある中、本年五月の募集では、申込み者が採用予定人数を下回る状況となっており、整備職員の確保は大きな課題となっております。

○柴崎委員 都営バスにおいても、今後の整備士の確保が課題であるとの認識を、今、確認させていただきました。
 国土交通省によれば、自動車整備士資格の受験者数は二〇〇四年をピークに年々減少傾向だということであります。整備士等の平均年齢も一貫して上昇傾向にあるなど、業界全体として、大変厳しさを増している状況にあるとされているわけであります。
 そこで、バスの整備士の不足が見込まれる中、局におきましては、人材確保にどう取り組むのか伺いたいと思います。

○櫻庭職員部長 採用予定人数を着実に確保するため、これまで年一回、上半期に行っておりました採用選考を、下半期にも追加で実施することといたしました。また、追加した下半期の選考から、受験可能な上限年齢を三十六歳未満から四十歳未満に引き上げました。加えて、採用後に交通局が指定する外部講習を受講することを前提として、学歴や資格などの有無を問わず受験できますよう受験資格の見直しを行いまして、応募者の裾野拡大を図っております。
 今後も、こうした取組によりまして、自動車整備を担う人材の安定的な確保に努めてまいります。

○柴崎委員 厳しい環境下にあることは理解いたしました。
 整備士によるしっかりとした車両の管理や修理というものが、都営バスの安全・安心の土台となっているわけであります。引き続き、整備士の人材確保に向けて着実に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、光が丘駅のエレベーター整備の進捗について伺いたいと思います。
 練馬区の都営大江戸線の光が丘のエレベーター整備の状況についてでございます。
 都営地下鉄における移動の円滑化、バリアフリーについて、いわゆるワンルート整備については全駅で完了しているところであり、現在、さらなる利便性の向上のため整備が進められている状況であります。
 光が丘駅のA5出入口には、長年、下りのエスカレーターやエレベーターがなくて、ご高齢の方や足の不自由な方、ベビーカーをご利用される方などが利用する際には非常に不便な状態でありました。しかしながら、昨年度、区が商業施設の二階から一階への下りエスカレーターとスロープを整備し、残すは一階と地下を結ぶエレベーターのみとなったわけであります。このエレベーターにつきましては、既に工事が進められており、住民はその完成を待ち望んでいるわけであります。
 こうした状況の中、今年七月、光が丘駅エレベーター設置建築整備工事の契約事務について、入札が不調となる事態となりました。工事が予定どおりに進むのかなど、地元住民の中には不安を感じている方も多数いると思います。
 今回、不調となった光が丘駅のエレベーター設置工事につきましては、今後、どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。

○周郷技術管理担当部長 大江戸線光が丘駅では、A5出入口のエレベーター設置に向けて、現在、土木工事を進めておりますが、引き続く建築設備工事が、技術者不足などにより、本年七月に入札不調となりました。このため、工事の一部について、施工時間帯を深夜から昼間に見直すなど、受注しやすい施工条件といたしまして、来年度の供用開始を目指して再発注の手続を進めているところでございます。

○柴崎委員 エレベーター業界を含めまして、建設業界全体でも担い手不足への対応が急務となっている状況など厳しい背景があることは、ある程度理解はいたします。
 都内の他の事業においても、エレベーターの設置が、事業者の手が挙がらない、それで後回しになってしまったという事例もございます。しかしながら、地元住民は完成を、今、待ち望んでいるわけでありますので、ぜひ整備に向けて取組を着実に進めていただきたいと思います。
 次に、大江戸線の延伸について伺います。
 大江戸線の延伸は、練馬区北西部の鉄道空白地域にお住まいの方には切実な願いであります。大江戸線の延伸促進期成同盟など、私も以前から様々な機会を捉えまして、延伸の早期実現を強く求めてきたところであります。
 交通局では、令和四年度に引き続き、令和五年度も大江戸線延伸に係る調査経費を主要事業として計上し、検討を進めていることから、本年三月の本委員会質疑においても、調査の速報などについて確認したところであります。
 そこで、大江戸線延伸に係る令和五年度の最終の調査結果について伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 昨年度実施いたしました調査では、大都市交通センサスの調査データや沿線地域など区部の新たな開発計画、新型コロナウイルス感染症五類移行後の状況などを反映いたしまして、延伸に伴う将来の旅客需要を推計し、延伸により一日約五万人の旅客需要が増加する結果となりました。
 また、旅客需要の増加に伴いまして必要となる車両やトンネル、駅施設の整備等に要する事業費につきましては、物価高騰等の影響を踏まえまして、概算で約一千五百億円となり、これに基づき事業性を検証したところ、収支採算性等に課題があることを改めて確認いたしました。

○柴崎委員 こうしたことは、今年、敦賀まで開通した北陸新幹線においても大変厳しい状況のようであります。計画している敦賀から新大阪への延伸についても、やはり資材の高騰等によってBバイCも一を下回ってしまっているようであります。
 こうした、北陸新幹線におきましても、収支の問題は大変厳しい状況のようであります。したがって、物価高騰など社会経済情勢も大きく変わっていることから、事業を取り巻く環境も相応の変化が生じていることは理解できるところであります。
 庁内検討プロジェクトチームが昨年三月に立ち上がってから、大分時間がたっているところであります。そろそろ議題解決に向けた一定の成果が求められる時期ではないかなと、そのように考えるわけであります。
 本日最後の質問となりますが、延伸の実現に向けまして、今後どのように取り組むのか伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 今年度は、事業化について協議、調整を進めるため、最新の人口推計等を活用し、将来の旅客需要に関する調査を進めるとともに、区の沿線まちづくりによる需要の創出や、駅や鉄道施設など事業に関わるコストの低減、財源の確保、活用の面から、収支採算性等の課題解決のさらなる検証を行っているところでございまして、引き続き、関係局や練馬区と密に連携を図りながら検討を深めてまいります。

○柴崎委員 大江戸線の延伸に当たりましては、解決すべき様々な課題があることは理解をしております。
 また、延伸部における周辺のまちづくりについては、地元練馬区も取り組むとの認識をしております。したがって、都と区の担当者同士の連携をさらに深めていただいて、率直な意見交換ができる環境をつくる中で、いい発想が出てくるものと期待をするところでございます。ぜひ、まちづくりの担い手である練馬区ともしっかりと連携をしながら、延伸に向けた検討を鋭意進めていただいて、一日も早い大江戸線延伸の実現につなげていただくことを願いまして、私の質問を終わります。

○後藤委員 よろしくお願いいたします。
 本日、私からは四点、EVバス、そしてカスハラ対策、子どもワンデーパスと、日暮里・舎人ライナーの混雑対策、この四点について質疑をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、都営バスにおけるEVバスの導入について伺いたいというふうに思います。
 この夏も本当に暑い夏でありました。まさに今、地球沸騰化といわれるような時代で、この現代社会に生きる私たちの使命の一つは、やはり気候変動対策ではないかというふうに思います。足元を見れば、小池百合子都知事も先頭に立って、この間、まさに首都東京から気候変動対策を進めていただいているというふうに思います。
 二〇三〇年カーボンハーフ、そして二〇五〇年にはゼロエミッションを掲げているということでありますので、様々な施策を展開しているところでありますが、特に交通局の皆様につきましてはEVバスというところでありまして、電気を動力源とするということで、CO2の温室効果ガスを排出しないということで、ゼロエミッションビークルと呼ばれるEVバスということでありますので、ぜひ進めていただきたいというふうに思いますし、前回、第三回の定例会の知事の所信表明演説でも、都営バスにおいて、EVバスの運行開始に向けた準備を具体化していくという答弁があったところでございますので、この点については、進捗について確認をしていきたいというふうに思います。
 交通局さんにつきましては、都営バスの車両のEV化に向けて課題となってくるのが、充電施設が必要ですよね、EVバスということで。十分なスペースを確保できるかというところであったり、あるいは早朝から深夜まで運行しますので、その充電時間をどのように組み込んでいくのかというような実務的な課題であったり、様々こうした課題があるというふうに認識をしております。
 こうした課題を解決するということで、昨年度、東京電力ホールディングスさんと協定を結ばれて、EVバスを導入するための仕組みづくりについて、今検討されているというふうに認識をしていますけれども、この東京電力ホールディングスとの連携事業におけるEVバスの導入について、今現在の進捗について、取組状況を伺いたいと思います。

○和田バス事業経営改善担当部長 交通局では、現在、東京電力ホールディングスと連携し、大都市におけるEVバスの導入に向けた検討を進めておりまして、まずは既存の変電設備が活用可能な北営業所において、来年度早期にEVバス二両をパイロット導入し、実際の営業路線で運行することで、車両性能や効率的な充電方法等の検証を進めていくことといたしました。
 あわせまして、環境負荷の低減に向けて、庁舎壁面に薄型太陽光発電設備を設置し、太陽光発電によるグリーン電力を活用した充電の実証も行ってまいります。
 都営バスとして、こうした取組を推進し、ゼロエミッション東京の実現に貢献してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。北営業所で始めると、二両をパイロット導入するということでありますので、この二台のパイロット検証をしっかり分析をしていただいて、本格的な実証に向けて何が必要なのかというところをよく分析をしながら、実装に向けた取組を進めていただきたいと思います。
 また、壁面に薄型の太陽光発電設備を設置するということでありますけれども、これ、いわゆる次世代型ソーラーセルといわれるペロブスカイトではなくて、薄型の太陽光のパネルということで、今、東京都の方では、次世代型のソーラーセルも積極的に進めていますので、設置が実務的にできる、できないはあると思いますけれども、こうした様々な新たな取組の実証の場として、やはり交通局さんについてもぜひご協力をいただきたいというふうに思いますので、ぜひ都庁グループ全体でこうした再エネ、進めていけるように、どうぞ取組をお願いしたいというふうに思います。
 そして、次に、カスハラ対策について伺いたいというふうに思います。
 全ての都民をカスハラ、悪質なカスタマーハラスメントから守るということは非常に重要でありますし、さきの定例会では、私たちの会派を含む全ての会派が一丸となって、カスタマー・ハラスメント防止条例、可決、成立をさせていただきました。来年四月から施行するということでありますので、それに向けた様々な具体的な制度設計、今、都庁の中でも急ピッチで進めているというふうに認識をしています。
 これから産労局さんを中心にガイドラインをつくるとか、あるいは事業者の皆さんの様々な実務的な支援ということが進んでいくかというふうに思いますけれども、都営交通の皆さん、そこで働く皆さんも、やはりカスタマーハラスメント、大きな被害を受けている当事者の一人、一つでもあるのかなというふうに思います。
 毎日三百万人を超える方々が利用されているということもあります。駅やバスということで、様々、その顧客の皆様、都民の皆様と接するサービスを提供される中で、過剰な対応、要求など、こうしたものからやはり職員の皆さんをしっかり守っていかなければいけないというふうに思います。
 特に今、先ほど柴崎委員からの質問でもありましたけれども、職員の皆様、採用にも大変苦労されているという現状の中で、持続可能な職員体制を守って、定数を守っていくという意味でも、やはりこのカスタマーハラスメント対策、しっかりと進めていかなければいけないというふうに思います。
 まず、カスハラ対策、考えていくに当たりまして、どのような事例があるのかというものを伺っていきたいというふうに思いますけれども、まず、都営地下鉄について、どんなカスハラの事例があるのか伺いたいというふうに思います。

○神永電車部長 都営地下鉄におきましては、お客様の過剰な要求などの事例といたしまして、改札機でエラーが出たためお声かけをしたところ、入場履歴がないのはおまえらのミスだ、運賃は払わないと大声でどなられた、遺失物の問合せがあり詳細を伺ったところ、覚えていないと返答された上、早くしろ、能なしなどの暴言を受けた、お客様同士のトラブルが発生した後、一方のお客様が駅務室に長時間居座り、クレームを繰り返したなどの報告を受けております。

○後藤委員 ありがとうございました。具体的な事例をご列挙いただきました。まさに、カスタマーハラスメントそのものだというふうに思います。
 都営バスについてはどうでしょうか。事例について伺いたいと思います。

○佐藤自動車部長 都営バスでは、乗務員の写真や氏名を無断でSNSに掲載される等の迷惑行為の事例があったほか、乗務員のお客様対応に関してお客様が感情的になり、過度な謝罪要求を受けたことがございます。

○後藤委員 ありがとうございました。昨今は、結構、携帯でSNSに、写真で撮ってそれをすぐに、特に乗務員さんの顔や名前というところでさらされるということで、非常に精神的にも心理的にも負担があるのではないかなあというふうに思います。
 まさに、その過剰といえるような対応に対しては、しっかりと組織として、交通局として適切な対応を取っていただきたいというふうに思いますし、それがなければ、なかなか現場を支えていただいている職員の皆さんも、適切なサービスを提供するのが難しいのかなというふうに思います。
 そこで、交通局でも、こうした昨今の東京都の状況を踏まえて、カスタマーハラスメント対策、進めていくべきというふうに考えますけれども、その見解と対策、どのように進めていくのか伺います。

○櫻庭職員部長 交通局では、日々多くの職員がお客様と接しておりまして、カスタマーハラスメント対策を適切に講じることで、職員が安心して働くことのできる環境を整備し、公共交通機関として質の高いサービスを提供していくことが重要と考えております。
 このため、都条例やガイドラインなどの内容を踏まえますとともに、現場の意見も取り入れながら、カスタマーハラスメントへの具体的な対応方法などについて検討を進めてまいります。

○後藤委員 今、部長の方からご答弁がありました。職員が安心して働くことのできる環境を整備し、公共交通機関として質の高いサービスを提供することが重要ということで、このご答弁は、交通局で、都営交通全般で働かれる皆さんにとっては、非常に力強く、安心されるご答弁なのかなというふうに思います。
 ぜひとも、来年四月から施行されますので、こうした考え方、しっかり都庁、交通局を挙げて、皆さんを守っていくんだということをメッセージとしても発信をしていただきたいというふうに思いますし、具体的な対応方策については、これから現場の職員の皆さんの声を聞いて練り上げていくというようなお話でありましたので、やはり現場にしか答えはないというふうに思います。具体的なやり取りを進めていただきながら、実効性のある対策を講じていただきますようお願いを申し上げて、次の質問に参りたいというふうに思います。
 子供ワンデーパスについて伺いたいというふうに思います。
 都民ファーストの会は、これ、もうずっと子育てにつきましては、移動の部分について、子育て中のママ、パパだけではなく、様々な社会全体で子供たちを支えていくというチルドレンファーストの社会の実現ということで、小さなお子様連れの方々が安心して移動できる体制整備ということで、様々な取組を、この間、交通局の皆様と一緒につくり上げてきたというふうに思います。
 例えば、五年前には子育て応援スペース、こちらについては、先般、日本子育て支援大賞も受賞されたということでありますし、さらには授乳室であったり、ベビーカーのレンタルや液体ミルクということで、こどもスマイルスポットも上野御徒町から始まって、今は順次拡大をしているということで、この間様々、共に進めてきた取組が大きく芽を出しているということ。
 あとは、この間様々な提案を会派として交通局の皆様にさせていただきましたけれども、一つ一つ真摯に対応をいただいたというふうに思います。子育て応援スペースについても、もう本当にきめ細かく様々な要望をお取り計らいいただきましたことに、まずこの場で感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
 そして、今日は子供ワンデーパスということでございますけれども、先般、私どもが提案をさせていただきまして、今年の夏から子供ワンデーパスがスタートをしたということでございまして、私の下にも、こうした取組、大変ありがたいと、子供を連れて夏休み、都内を回るきっかけになったという声も届いているところでありますので、幾つか実績などについて伺いたいと思いますけれども、まず、今年のこの夏のワンデーパス、どういう取組内容をされたのかについて伺いたいというふうに思います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄ワンデーパスは、都営地下鉄全線が一日乗り放題となる企画乗車券で、通勤通学のお客様のご利用が減少する夏休みや年末年始などの期間に、旅客需要の創出を目的として発売しています。
 今年の夏は、お子様連れで外出しやすい環境づくりに向け、子供の発売金額を、通常二百五十円のところ百円とするとともに、土日祝日に加え、お盆期間の平日にも発売いたしました。

○後藤委員 ありがとうございました。一日乗り放題で、通常二百五十円のところを百円ということで、非常に購入をしやすい価格設定にしていただきました。土日祝日に加えて、お盆期間の平日にも発売をされたということで、今回初年度ということもあって、私どもも会派で、実際にどれだけの人が使っていただけるか、やはり期間も限られているということもあって、周知がどこまで進むのかというところを非常に心配をしていたところでもありました。
 実績について、今年の夏はどうだったのか伺いたいというふうに思います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 今年の夏のワンデーパスの発売枚数は約十一万枚であり、一日当たりの発売枚数は、前年夏に比べ約二三%増加いたしました。そのうち、小児については約一万六千枚となり、一日当たりの発売枚数は、前年夏に比べ四倍以上に増加いたしました。

○後藤委員 ほっといたしました。去年に比べて二三%増えたということもそうなんですけれども、一日当たりの販売枚数が去年に比べて四倍以上になったということで、これだけ短期間の周知であっても実績が出たということで、大変事業効果がある取組だなというふうに思っております。これから例年実施をすれば、去年、今年やった方は来年もやろうということで、どんどん使っていただく都民も増えていくのではないかなというふうに思います。
 たまモノの子供パスと合わせて、交通局の皆様がこれまで進めてきていただいている子供の移動を、そして子育て支援を、交通局全体で応援していくというこの機運そのものだというふうに思っていますので、ぜひ、これからも積極的に取組をしていただきたいというふうに思います。
 また、このワンデーパスの取組と合わせて、私も今、子供が七歳なんですけれども、結構、夏になると、周りの子供も何かスタンプラリーとかでいろんな駅を回って降りるみたいなことを、今年の夏も子供とやりましたけれども、そうした子育て目線で地域を盛り上げていくようなにぎわい活性策などについても、交通局の皆様、ほかの事業でデジタルスタンプラリーとかやっておられると思います。こうしたものもぜひ様々ご検討いただきながら、この事業そのものを盛り上げていただけると、さらに良い事業になるなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、最後のテーマでございますけれども、日暮里・舎人ライナーについて質問をしたいというふうに思います。
 日暮里・舎人ライナーは、私の地元足立区ということでもございますので、特に足立区西部にお住まいの皆様からは、どこを歩いていても皆さんから要望をいただくもののナンバーワンは、日暮里・舎人ライナーの混雑、何とかしてほしい、満員電車、何とかしてほしいというところであります。
 かつてから比べてみると、日暮里・舎人ライナーができる前は、足立区西部の皆さんの都心に出る交通手段というものがバスしかないというところもあって、それに比べれば飛躍的に輸送手段としてはよくなっているというふうに思いますけれども、ただ一方で、日暮里・舎人ライナー、今年で四年連続で日本一混雑する電車ということで、日本一の混雑率の路線というふうになっておりますので、やはり対策は急務であるというふうに思います。
 この間、日暮里・舎人ライナーの駅の下で、朝、ご挨拶をしていたら、あまりの混雑で体調不良になった方もいたぐらい確かにそうだなというところで、対策が急務であるというふうに思います。
 まず、足元の状況を確認していきたいというふうに思いますけれども、日暮里・舎人ライナーにおける乗車人数の推移について伺いたいと思います。

○神永電車部長 日暮里・舎人ライナーの乗車人員は、開業当初、平成二十年度は一日当たり約四万九千人でありましたが、通勤通学のお客様の増加などに伴い、令和元年度には約九万一千人となっております。令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、約七万三千人まで減少したものの、その後は次第に増加いたしまして、昨年度、令和五年度は約九万人まで回復しております。

○後藤委員 九万人まで乗車人数が回復をしているというご答弁がございましたけれども、では、混雑率はどうでしょうか、伺いたいと思います。

○神永電車部長 先ほどお答えいたしました各年度の混雑率でございますが、平成二十年度は一三二%、令和元年度は一八九%、令和二年度は一四〇%、令和五年度は一七一%となっております。

○後藤委員 すごい混雑率ですよね。年々混雑率は、平成二十年のときは一三二%だったものが、どんどんどんどん上がり続けて、令和元年には一八九%っていうことで、物すごい混雑率だと思うんですけれども、そこからコロナで一回落ち込んで、またその後に上がり始めて、昨年度は一七一%であったということであります。
 年々、やはり混雑率が上昇しているということでありますけれども、それに対して、日暮里・舎人ライナーの混雑対策について、どのような取組を行ってきたのか、これまでの取組について伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 日暮里・舎人ライナーでは、車両編成数を、開業時の十二編成から二十編成まで段階的に増備し、最混雑時間帯の運行間隔を、五分から三分台まで短縮いたしました。
 また、平成二十七年度以降は、座席を全てロングシート化して定員数を増やした新型車両の導入を進めており、今年度末までに、累計で十六編成の導入を完了する予定でございます。

○後藤委員 ありがとうございました。そうですね。運行間隔を短くしたり、車両編成数を段階的に増備するという話と、あと一つ、大きいのはロングシート化ですよね。今年度で完了をするということでありますけれども、これ、ロングシート化すると、どのぐらい、何ていうんでしょう、輸送力が増えるのかというか、この新型車両というのは、混雑緩和について、どういう工夫がされて、どういうふうに寄与するのか、何かそのあたりを教えていただけますか。

○生越車両電気部長 日暮里・舎人ライナーの新型車両では、座席を全てロングシート化しているほか、お客様の乗り降りをスムーズにするため、両開きドアを採用しております。
 また、令和元年度以降に導入している車両では、全ての号車にフリースペースを設置し、車内空間のさらなる拡大を図っているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございました。そうですね。以前はクロスシートだったということで、片側の座席がコンパートメントみたいな、そういうクロスシートの旧型車両と比べると、いわゆるスペースが広がると、立ち乗りするスペースが広がるということで、結果的にたくさん人が乗ることができるということで、混雑緩和につながるというご答弁であったかというふうに思います。
 加えて、降りやすいドアとか、そういうご答弁がありましたけれども、とはいえ、様々な対策を講じていただいていて、もう車両編成数も拡大して、運行間隔も短くして、ロングシート化もやっているということで、ただ、やはり足元を見ると、対策をやってもやっても、その近隣にマンションができたり、お住まいになられる方が増えるということで、需要が上回っているということはもう釈迦に説法で、何回もこれまで委員会の質疑で、ほかの委員がやっているかというふうに思います。
 やってもやっても混雑率の緩和がなかなかされないというのが、最も根本的な課題の本質だというふうに思いますけれども、お伺いをしたいんですが、日暮里・舎人ライナーの混雑対策について、交通局さんとして、現状の課題認識について伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 これまで、車両の増備や運行間隔の短縮、定員を増やした車両への更新など、積極的に混雑対策に取り組んでまいりました。
 引き続き、新型車両への更新に合わせて輸送力の増強を図る一方で、車庫の留置能力は既に限界に達しており、抜本的に輸送力を増強することは困難な状況にあると認識しております。

○後藤委員 抜本的な輸送力の増強は困難というご答弁で、もうやることをいろいろやっていただいて、なかなか難しいなというふうに思いつつも、やはり地元選出の都議会議員としては、しようがないですねというふうにはやっぱりならないわけですね。そういう意味においては、例えば、地元の足立区の区議会の方からは、六両の編成化などの要望なども上がっています。こうした車両の拡張というのは、技術的にできないんでしょうか。伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 日暮里・舎人ライナーは、五両編成を前提として設計、建設をしております。六両編成での運行には、橋梁上にある駅ホームの延伸や、地下にある車庫の大幅な拡張等が不可欠でありまして、営業を継続しながら六両編成化することは困難でございます。

○後藤委員 ありがとうございます。何ていうんでしょう、決してやりたくないのでやっていませんということではなくて、技術的に、営業を継続しながら六両編成にするというのが難しいということですよね。これは、何ていうんでしょう、新交通システムという特性上、地上を走る電車のように、簡単にホームを拡張したりできないということだというふうに思います。
 結構、地元で歩いていると、よくこの話はご要望として伺うことがあって、やっぱりホームを延ばして車両を増やせないかって思うわけですよね、区民の皆さんからすると。なかなか技術的に難しいというところは、しっかりとやはり都民にも、特に足立区の利用者の皆さんにはご理解をいただく必要があるのではないかなというふうに思います。
 これから足立区議会の方にも様々説明があるというふうに聞いていますけれども、そうしたご理解をいただくというところの周知も含めて、しっかりやっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
 また、やはりなかなか技術的に難しいという意味でいうと、今後、輸送力を上げていくという、混雑緩和対策ということを考えていくとすれば、日暮里・舎人ライナー単体の輸送力を上げていくということは、もう今の答弁でなかなか難しいという話で、やはり代替輸送の検討なども含めて検討する時期に来ているのではないかなというふうに思います。
 ただ、やはりこうした新たな代替手段を検討するにしても、その財源をどう確保していくのかというところが前提の議論になっていくのではないかなというふうに思います。なぜかというと、日暮里・舎人ライナーは、日本一混雑する電車というふうにいわれながらも、日本一収支が厳しい路線というふうにもいわれているわけでありまして、開業以降、赤字が続いているということでありまして、これまでの委員会質疑などでも、何度も指摘が会派の議員からもありました。
 やはり、朝の通勤の需要に比べて、日中や休日の利用が少ないということで、こうした日中や休日の需要の掘り起こしというところが、持続可能な混雑緩和対策、前向きな議論を様々考えていくに当たっても、非常に重要なファクターであるというふうに考えています。
 そこで、伺いたいんですけれども、日暮里・舎人ライナーの収益力向上に向けた取組、どのように行っているのか伺います。

○渡貫企画担当部長 日暮里・舎人ライナーにおける平日の昼間や土休日の旅客誘致に向けて、リーフレットやSNS等による沿線情報の発信のほか、地元区等と連携して様々なイベントを実施しております。
 今年度は、舎人公園との連携を強化いたしまして、ネモフィラが咲く春には、花と光のムーブメントとのコラボキャンペーンを新たに実施するとともに、来月一日には、都や地元区等が主催するアートイベントとのコラボキャンペーンを実施いたします。
 また、国内外で人気の高いアニメ映画や著名な作家が原作の映画とタイアップした周遊イベントを実施してございます。
 これらのイベントでは、多くの参加や反響をいただいておりまして、今後も地元区等の関係者と連携して、日暮里・舎人ライナーの利用促進に取り組むなど、収益力の向上に努めてまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。
 様々な取組をご答弁いただきましたけれども、私も、ネモフィラの舎人公園のイベントは子供と一緒に行きましたけれども、大変好評で、最近は携帯でインスタとかにアップするっていうことで、非常に写真映えをするしつらえで、建設局さんもよく考えて、いいアイデアだなというふうに思いましたけれども、こうした、今できる取組、そして各局と連携した取組というものは既にやっていただいているということで、大変ありがたい取組であるというふうに思います。
 ただ、やっぱり重要なのは、都の中でできる連携や対策ということもそうなんですけれども、日暮里・舎人ライナーから足立に来てくれる、足立の西側にわざわざ来てくれるという人たちを増やすためには、やはり地元区と一体的なまちづくりというものは、これも欠かすことができないというふうに思います。
 学校を誘致するのがいいのか、商業施設を誘致するのがいいのか、様々なそういう地元のニーズや、現場のできる、できない実態もあると思いますけれども、やはり足立区や、そして東京都の調整をしっかり密に連携をしていただいて、一体的なまちづくり、こうした解決策を講じていただきたいなというふうに思います。
 なかなか構造的に大変難しい課題であるというふうには思っておりますけれども、地元の皆様からすると切実な要望であり、交通局の中でできるという取組を超えて、庁内、そして庁外一丸となって、この日暮里・舎人ライナー混雑緩和対策、どのようにできるのか、私自身もしっかり地元選出の都議会議員として動いてまいりたいというふうに思います。
 ぜひとも一緒に進めていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○竹平委員 よろしくお願いいたします。
 初めに、都営地下鉄の浸水対策についてお伺いをいたします。
 近年、気候変動の影響によりまして、毎年のように記録的な自然災害が発生しており、今年の夏も記録的な猛暑となり、ゲリラ豪雨が頻発をしておりました。
 特に、八月二十一日に発生しましたゲリラ豪雨では、都内でも記録的短時間大雨情報が発信され、道路の冠水や地下鉄、地下街への浸水が発生しました。
 報道によれば、都営地下鉄では三十五年ぶり、東京メトロでは二十年ぶりに駅構内が浸水したとのことでありました。毎年のように異常気象が起きる中、今後も同様のゲリラ豪雨が発生する可能性があり、今回の被害を分析した上で対策していくことが重要だと考えます。
 そこで、八月二十一日のゲリラ豪雨による駅の浸水被害を踏まえた課題と対応についてお伺いいたします。

○神永電車部長 本年八月二十一日に発生したゲリラ豪雨では、大江戸線国立競技場駅など四駅で駅周辺の道路が短時間で冠水したことにより、大量の雨水が地上出入口から駅構内等に浸入し、一部の駅ではエスカレーターやエレベーターが浸水により停止いたしました。
 これらの駅では、浸水時における対応マニュアルに基づき、係員が出入口に止水板を設置し、被害の拡大を防ぐとともに、お客様への案内誘導を適切に行うなど、浸水による影響を最小限にとどめるよう努めました。
 今回の事象も踏まえまして、最新の気象情報等の的確な把握や警報発表時の巡回等の強化、速やかな止水板の設置など、安全確保に万全を期してまいります。

○竹平委員 今回は、大雨の雨水による道路の冠水によるものでしたけれども、河川の氾濫による都市型水害や高潮、そして荒川氾濫などの大規模水害が起きた際には、さらに広範囲に被害が及ぶことが想定されます。
 全国各地で水害が頻発、激甚化する中、平成二十七年には水防法が改正をされ、浸水予想区域図等について、浸水が想定される区域や深さが拡大をしました。そうした状況を踏まえ、一昨年度、交通局では浸水対策の計画を策定したとのことでありますけれども、私の地元江戸川区は、陸域の七割が海抜ゼロメートル地帯という状況でございまして、都営新宿線の篠崎駅、瑞江駅、一之江駅のホームは地下にございます。そういったこともあり、この浸水対策というのは喫緊の課題でございます。
 そこで、浸水対策施設整備計画に基づくハード整備の進捗状況と今後の取組についてお伺いいたします。

○坂口建設工務部長 交通局では、地上からの水の流入の防止に加え、地下鉄ネットワークを通じた浸水被害の拡大を防止するため、令和五年二月に策定いたしました浸水対策施設整備計画に基づきまして対策を進めております。
 これまでに、計画に掲げた整備箇所のうち、通風口九か所におきまして、浸水防止機の設置等の対応を完了し、現在、三田線神保町駅駅出入口に止水板を、通風口五か所に浸水防止機を設置する工事を実施いたしております。
 また、大江戸線蔵前駅付近のトンネル内にある防水ゲートの改修工事を行っております。
 本計画では、お客様への影響や対策による効果を考慮しつつ、順次整備を進めていくこととしており、新宿線や浅草線も含め、都市型水害につきましては二〇三〇年代半ばの対策完了、大規模水害につきましては二〇四〇年代半ばの対策完了を目指し、今後とも浸水対策を着実に進めてまいります。

○竹平委員 ご答弁ありがとうございます。
 対策完了まではまだまだ時間がかかると思いますけれども、訓練にもしっかりと取り組みながら、ハード整備を着実に進めていただきますようお願いをいたします。
 続いて、誰もが利用しやすい都営地下鉄の実現に向けた取組について、今年度は、経営計画二〇二二年の最終年度でもあるため、その進捗確認もしながら伺ってまいりたいと思います。
 都議会公明党は、これまで繰り返しホームドアの早期整備を訴えてまいりましたが、都営地下鉄では、今年の二月に、全ての駅においてホームドアの設置が完了したと伺っております。ホームドアが全駅に設置されることにより、視覚障害者をはじめ、誰もが安全・安心に利用することができるようになったことを高く評価をいたします。
 ホームドアのみならず、障害者や高齢者をはじめ、多くの方が利用する駅のバリアフリー化を進めることは大変重要でございます。地下鉄を利用するためには、地上と地下の間の垂直移動が避けられないため、障害者や高齢者、ベビーカーを利用している方たちにとっては、エレベーターは欠かせないものであります。
 私の地元であります江戸川区にある都営新宿線瑞江駅でも、現在、新たなエレベーターの設置に向けて工事を実施しており、令和四年第四回定例会の一般質問で、私も質問させていただきましたが、その際、今年度中の供用開始に向けて取り組むとの答弁を得たところでございます。
 そこで、経営計画二〇二二の整備目標となっている都営地下鉄六駅のエレベーター設置について、現在の状況についてお伺いいたします。

○周郷技術管理担当部長 都営地下鉄では、全駅でのワンルート整備後のさらなる取組といたしまして、乗換駅等でのエレベーター整備を進めますとともに、駅の構造や周辺状況等を踏まえながら、バリアフリールートの充実を進めているところでございます。
 経営計画二〇二二では、令和六年度までの三か年で六駅にエレベーターを整備することといたしまして、これまで、浅草線日本橋駅と大江戸線勝どき駅の二駅でエレベーターの供用を開始しております。
 一方、新宿線瑞江駅で建築設備工事が入札不調となるなど、残る四駅につきましては、いずれも工程に遅れが生じておりまして、来年度以降の供用開始を目指しまして、工事を進めているところでございます。

○竹平委員 ただいま答弁にありましたとおり、瑞江駅では入札不調により今年度中の供用開始はできないとのことで、非常に残念ではございますけれども、まずはいち早く工事契約を締結することが必要でございます。
 瑞江駅のエレベーター工事の契約が不調になった理由と、今後の対応についてお伺いいたします。

○周郷技術管理担当部長 新宿線瑞江駅では、駅北口広場へのエレベーター設置に向けて、現在、土木工事を進めておりますが、引き続く建築設備工事の入札におきまして、これまで計二回不調となってございます。
 このため、入札を辞退した複数の工事業者にヒアリングを行ったところ、予定価格との乖離や技術者不足などが主な要因であることが明らかとなりました。これらを踏まえまして、現在、予定価格や発注時期の見直しなどの対策を検討しておりまして、来年度の供用開始を目指しまして発注準備を進めているところでございます。

○竹平委員 今のご答弁では、予定価格との乖離、そして技術者不足などが入札不調の主な要因ということで、予定価格や発注時期の見直しなどの対策を検討しているということが分かりました。
 これまでも、瑞江駅を利用する方々からはエレベーター設置を期待する多くの声をいただいておりますので、ぜひ、引き続き、早期の完成に向けてしっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。
 次に、トイレの改装についてお伺いいたします。
 誰にとっても、トイレは欠かせないものであり、駅にきれいで快適なトイレが整備されていることで、誰もが安心して外出することができるのではないかと思います。都営地下鉄の浅草線、三田線、新宿線は、開業から時間もたっており、老朽化したトイレがあるため、計画的にトイレを改修していくことが必要であります。
 また、都営地下鉄では一か所だけ、和式しかないトイレが浅草線浅草駅にあり、高齢者の方から洋式トイレにしてほしいとの声が都議会公明党に届いており、交通局には洋式トイレを設置することを要望させていただきました。
 都営地下鉄のトイレの改修について、浅草駅のトイレ洋式化も含めた整備状況と今後の予定についてお伺いいたします。

○周郷技術管理担当部長 都営地下鉄では、お客様が駅のトイレを快適にご利用いただけるよう、清潔感と機能性を備えたトイレへの改修を進めておりまして、経営計画二〇二二では、令和六年度までの三か年で九か所の改修を行うこととしております。
 これまでに、新宿線瑞江駅など六か所で工事が完了しておりまして、今後は、三田線三田駅など三か所の工事を進めてまいります。
 また、浅草線浅草駅では、ホーム階にあるトイレが和式のみであったため、男女それぞれ一つの個室につきまして、洋式に取り替える工事を今月完了いたしました。

○竹平委員 浅草駅のトイレの洋式化の工事がちょうど今月完了したとのことであります。これで、都営地下鉄の駅では、全てのトイレで洋式の個室が最低でも一つ以上整備されたということになります。
 高齢者のみならず、和式に慣れていない子供たちや、観光で浅草を訪れるインバウンドの方にも利用しやすくなったことと思います。清潔で快適なトイレがあることで、イメージアップにもつながり、地下鉄の利用促進にもつながると思います。
 先日、地元の篠崎駅、そして瑞江駅にも行きましたところ、トイレの改修が済んでおりました。我が党が要望してきたオストメイト用設備や、大人用のおむつ交換ができる介助用ベッド、そういったものも整備がなされておりました。
 障害のある方など誰もが快適に利用できるよう考慮し、今後とも計画的にトイレの改修を進めていかれますよう要望いたします。
 昨年の四月末に、新型コロナによる入国制限などの水際対策が終了し、入国後の行動制限もなくなって以降、日本を訪れる外国人旅行者が増加しており、都内の観光地においても、コロナ前以上に多くのインバウンドが訪問しております。旅に移動は欠かせないものであり、外国人旅行者が、慣れない土地でも言語の壁などを感じることなく、便利で、そして快適に旅を楽しめる環境を整えることが必要だと考えます。
 そこで、東京を訪れるインバウンドが増加する中、都営地下鉄において、外国人旅行者向けの案内やサービスを充実すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、訪日外国人旅行者に、より便利で快適にご利用いただけるよう、駅や車内における案内表示の多言語化、ツーリストインフォメーションセンターの開設など、様々な取組を進めてまいりました。
 加えて、本年二月からは、都庁前駅で十二言語に対応した翻訳対応透明ディスプレーの運用を開始し、外国人旅行者等からの様々な問合せに活用しており、年度内には、国立競技場駅など六駅に追加設置する予定でございます。
 また、年内には、クレジットカード等のタッチ決済を、浅草線、大江戸線などの二十駅以上で試験導入し、券売機で切符等を購入することなく乗車できるようにいたします。この取組では、京急電鉄と連携することで、羽田空港から都心部へのよりスムーズな移動を可能としており、これらを通じてサービスの充実を図ってまいります。

○竹平委員 便利で快適な都営地下鉄での移動を旅の思い出として持ち帰ってもらうことが、東京への再訪につながるため、今ご説明があった翻訳対応透明ディスプレー、またクレジットカードのタッチ決済をさらに拡大していっていただきたいと思います。
 続いて、痴漢対策についてお伺いをいたします。
 都議会公明党は、痴漢被害から女性を守るため、長年にわたり都営地下鉄への女性専用車の導入を訴え、二〇〇五年には都営新宿線への導入が実現をし、現在は都営大江戸線にも女性専用車が導入をされました。
 日々、多くの方が利用する公共交通機関であるため、女性専用車の運行に当たっては、より多くの方の理解や協力を得ていくことが重要だと考えます。そこで、昨年一月から大江戸線に女性専用車が導入されましたが、利用者からの声と局の評価についてお伺いをいたします。

○神永電車部長 都営地下鉄では、平成十七年から新宿線に女性専用車を導入し、昨年、令和五年一月には大江戸線に拡大いたしました。導入拡大後の令和五年六月に、ご利用状況や取組に対する評価を確認するため、大江戸線をご利用のお客様に聞き取りによるアンケートを実施し、安心して利用できている、取組について評価できるとの好意的な回答を多数いただきました。
 こうしたことから、女性専用車の取組により、お客様がより安心して電車をご利用いただけるものと認識しております。

○竹平委員 ただいまご答弁にあったとおり、利用者から好評とのことで、大江戸線でも女性専用車が順調に運行され、女性の安心につながっていることを評価したいと思います。
 しかしながら、女性全員が女性専用車に乗れるわけではなく、また、急いでいて、たまたま女性専用車に乗れなかったり、別の車両の方が乗換えなどに都合がよかったりなどの理由で、女性専用車に乗らない方もいるのではないかと思います。
 女性専用車以外の車両でも女性が安心して利用できるよう、痴漢犯罪の抑止力として防犯カメラを設置することは有効な対策であると思います。
 また、我が党ではこれまで、令和三年の京王線における刺傷事件等を受けて、テロや事件の未然防止に向けて、車両への防犯カメラの導入を速やかに実施するよう要望してきており、都営地下鉄では、全車両に防犯カメラを設置する方針が示されました。
 そこで、都営地下鉄における全車両への防犯カメラの設置完了に向けた取組の状況についてお伺いいたします。

○生越車両電気部長 都営地下鉄では、迷惑行為や痴漢等犯罪の未然防止、テロ対策などセキュリティ強化を図るため、令和六年度末までに全ての車両に防犯カメラを設置することとしております。
 これまで、全百五十編成の車両のうち、更新に合わせて八十編成に設置しており、残る車両についても、順次、後づけによる設置作業を進めているところであり、予定どおり完了する見込みでございます。

○竹平委員 今年度末までに予定どおり設置が完了するとのことでございました。引き続き、着実に作業を進めていただきますよう要望いたします。
 痴漢被害のない社会を実現するためには、女性専用車や防犯カメラなどのハード整備のみならず、痴漢撲滅に向けて継続的に普及啓発していくことが重要であります。
 私も、ご相談をいただきました。痴漢被害を受けた際に、誰にいえばいいのか分からないという切実な声であります。痴漢犯罪を目撃した周囲の方の協力を促したり、痴漢被害が発生しない時期に集中的に周知したりするなどの工夫も大切だと思います。
 そこで、痴漢被害防止に向けた普及啓発について、より効果的に周知していくことが重要であると考えますが、見解を伺います。

○神永電車部長 交通局では、誰もが安心して都営地下鉄を利用できる環境づくりを進めていくため、警察及び各鉄道事業者と連携した痴漢撲滅キャンペーンを毎年実施しております。
 加えて、局独自の取組といたしまして、受験シーズン及び新生活が始まる入学、入社シーズンにも対策強化期間を設定し、駅係員による巡回を強化するとともに、車内や駅構内放送、SNS等を通じて、痴漢撲滅に向けた情報発信を集中的に行っております。
 さらに、痴漢を目撃した場合の具体的な対処方法を例示したポスターを駅構内に掲出するとともに、車内ディスプレーを活用して、より多くのお客様に呼びかけるなど、普及啓発の取組の充実を図っているところでございます。

○竹平委員 痴漢は、身体的、精神的な苦痛を与える卑劣で許せない犯罪であり、社会全体で女性を痴漢被害から守っていかなければならないと思います。交通局においても、公営交通事業者として、積極的に普及啓発に取り組んでいただくことを要望いたします。
 最後に、バス停への上屋、ベンチの整備についてお伺いをいたします。
 私の地元である江戸川区でも、病院への通院や買物など、高齢者にとって身近な交通手段として路線バスは利用されており、利用者の方からは、上屋やベンチをバス停に設置してほしいという声を多くいただいております。
 そうした中、江戸川区では、独自の取組として、区自らが区内のバス停にベンチを設置し、高齢者の方をはじめとした区民がバスを快適に利用できる環境の整備を積極的に推進しております。
 都営バスにおいては、これまでも、バスの快適性、利便性の向上の取組として、上屋やベンチの整備を進めてきましたが、経営計画二〇二二では、計画期間の三か年合計で上屋六十棟、ベンチ六十基を整備する目標を公表しております。
 そこで、この経営計画二〇二二期間中における、都営バスの上屋とベンチの整備状況についてお伺いをいたします。

○和田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、お客様の快適性の向上に向け、東京都交通局経営計画二〇二二に基づき、停留所への上屋、ベンチの整備を進めており、令和四年度以降、上屋九十一棟、ベンチ百十二基を整備しております。
 停留所の中には、物理的に整備できない箇所などもございますが、都営バスの全停留所で整備率を計算しますと、令和六年十月末時点で、三千八百三十八か所のうち、地元区等が整備しているものを除き、上屋が千六百十四か所で約四二%、ベンチについては千二百三か所で約三一%となっております。

○竹平委員 これまで、都議会公明党では、官民連携方式による広告つき上屋の整備など、バス停の上屋、ベンチの整備を推進してきており、年度の途中でありますが、計画目標を超えて整備が進んでいるということは評価したいと思います。
 また、ただいま答弁にあったとおり、都営バスでは、上屋が約四割、ベンチが約三割の整備率とのことでございます。まだまだ上屋、ベンチを求める声も多いところではありますが、上屋のないバス停でも、物理的に整備できない箇所があるとのことです。
 そこで、バス停における上屋、ベンチ設置の拡大に向けた課題と取組についてお伺いをいたします。

○和田バス事業経営改善担当部長 バス停留所への上屋、ベンチの設置に当たりましては、歩道の幅員等が道路占用許可基準を満たしているほか、植栽や街路樹等の支障物や、上屋、ベンチの基礎を構築する際に地下埋設物がないなどの条件がございます。加えて、警察の許可や停留所付近の地権者の同意などが必要となります。
 こうした様々な制約がございますが、お客様のご利用状況や運行間隔などを踏まえまして、引き続き整備を進めてまいります。

○竹平委員 物理的な条件に加えて、警察の許可など様々な制約があることは分かりましたが、より快適に都営バスを利用できる環境を整えていくために、例えば、小型上屋の設置など工夫を凝らしながら、上屋、ベンチの整備をこれまで以上、加速していただくことを求めまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。

○福手委員 日本共産党の福手ゆう子です。よろしくお願いいたします。
 まず、駅のバリアフリーについて質問をいたします。
 視覚障害者団体から交通局へ要望が出されていますので、改善を求めて質問をしていきます。
 都営地下鉄のホームにおきまして、視覚障害がある方が、今自分がどこにいるのかが分かるように、何番線か、車両番号や、あとドア番号が点字でホームドアに表示がされていますが、都営地下鉄大江戸線以外の都営三路線には、その点字表示がホームドアの側面と上部に設置してあります。大江戸線だけ側面にしか設置されていない理由を伺います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 ホームドアの点字表示は、国が定めるバリアフリー整備ガイドラインに基づき設置しており、大江戸線では、ホームドアを導入した当時のガイドラインに基づき、ホームドアの側面に表示を設置いたしました。
 その後、ガイドラインの改定があり、他路線においては、ホームドアの更新等に合わせて、点字表示をホームドアの上部にも設置しており、大江戸線についても設置位置等を検討しております。

○福手委員 なぜ上部にも設置してほしいかということを伺いますと、当事者団体の方は、点字を読む際には、点字は逆さでは読めないわけですね。そして、左から右に指を動かして読んでいきます。そうすると、ドアの側面に設置された点字表示は、背の高さによっては、かがんで読むことになって読みづらいという理由があります。ですから、側面と上部につけてほしいということでした。
 三田線は、当初、ドアの側面に設置されていましたが、ガイドラインの改定後にホームドアが改修される際、点字が上部にも設置されたと。新宿線と浅草線は、ガイドラインの改定された後でホームドアができたので、点字表示がドアの側面と上部に設置されたと、そういう答弁でした。大江戸線だけ改定前のガイドラインに基づいたまま、ドアの上部には点字がない状態になっているということでしたので、つまり設置できない理由というのはないということです。
 では、大江戸線のホームドア上部にも点字表示を設置するべきと考えますが、いかがですか。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 先ほど答弁申し上げましたとおり、大江戸線につきましても、設置位置等を検討しております。

○福手委員 設置位置を検討しているという答弁です。
 視覚障害者の当事者の方にお聞きしたところ、例えば、JRなどのほかの路線の点字表示の設置場所というのは、大体ドアの端の方にあるということでした。ドアの真ん中の方にあると、点字がどこにあるのか探さないといけないというふうにいっていました。また、表示内容についても、何番線か、何号車か、あとドア番号、これが最小限必要な情報だということでした。
 ほかの路線で既に設置がされているものになりますので、できる限り早く設置されることを求めますが、設置のめどはいつ頃になりますでしょうか、伺います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 繰り返しになりますけれども、大江戸線につきましては、設置位置等を検討しているところでございます。

○福手委員 検討中ということですが、当事者団体から出ている安全に乗車するための必要な要望になりますので、早くつけていただくことを重ねてお願いをいたします。
 次に、点字ブロックについて伺います。
 点字ブロックのJIS規格は、二〇〇一年につくられましたが、それ以前は、様々な形や色の点字ブロックがつくられてきました。JIS規格外の点字ブロックは、都営地下鉄ではどのくらい残っているでしょうか。

○周郷技術管理担当部長 都営地下鉄では、視覚障害者誘導用ブロックのJIS規格が制定された平成十三年までに、既にブロックの設置を完了しておりまして、その後、床の改修等に合わせて設置や更新を行ったブロックにつきましては、JIS規格に適合したものとしております。

○福手委員 どれくらい残っているかというのは、数は把握していないようですが、まだ多く残されているそうですね。
 私も実際見てきたんですけれども、都営三田線の巣鴨駅に規格外のブロックが敷かれています。この写真をご覧ください。(パネルを示す)こっちが規格外になるんです。こちらがですね、点状でも線状でもない楕円形、小判型のブロックになっているんです。次に、こっちの写真にあるように、これ、JIS規格の点字ブロックですけれども、停止、注意して止まってくださいっていう警告を示している点状のブロックと、あと進んでいいですよっていう誘導を示している線状のブロックの二つというのが、今のJIS規格のブロックになっています。
 この小判型のブロックっていうのは、線状ブロックとして敷かれているみたいなんですけれども、警告と誘導の真ん中で非常に分かりにくいっていうのが、当事者の方からの声でした。
 JIS規格の点字ブロックに替えるべきだと思いますが、いかがですか。

○周郷技術管理担当部長 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律等におきましては、旅客施設を新たに建設し、もしくは大規模な改良を行うときは、JIS規格に適合させなければならないとされております。
 こうした中、交通局では、床の改修等に合わせまして、JIS規格に適合したブロックを設置しておりまして、例えば、ホームと車両との段差、隙間対策を行っている三田線では、ホーム上のブロックをJIS規格に適合したものに更新しております。

○福手委員 三田線のホームにある規格外の点字ブロックについては、今年度中に、今答弁があったように、段差と隙間の対策と併せて、規格に適合したブロックに替えるということでした。国の法律がいう大規模改修のときではなくて、交通局は部分的な改修と併せて更新を行うとしたのは重要だと思います。
 ただ、先ほどの写真で見た小判状のブロックは、ホームにあるのではなくて、三田線の改札を出たところから敷かれているものなんです。山手線への乗換えや、あと駅の外に出る、その手前には階段もありますけれども、そうした方向へ進むためのブロックです。しかし、このブロックの更新については、広範囲となるため、今の答弁のように、大規模改修のときに更新するということでした。
 ところが、大規模改修の際にといっても、交通局に聞きますと、三田線の巣鴨駅の大規模改修は予定がないんですね。ホームにあるブロックを更新したのであれば、改札から出た先のブロックも、まず当事者団体から要望が出されたところから、せめて更新を計画して進めていただくよう、改めて要望をいたします。
 次に、子供、若者の交通費に関わって幾つか質問をしていきます。
 まず、学バスについてです。
 学バスの主な経由地というのは大学や高校で、中には大学直通という路線もあり、現在四路線あります。運賃も、一般が二百十円に対して、学バスは百八十円となっています。学バスの定期もあります。
 では、この学バスですが、交通局としての評価を伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 学バスは、戦後の復興期に勤労学生の優遇策として発足したものであり、一般路線と比較して割安な運賃を設定し、停車する停留所を限定した路線でございます。
 学バス運行開始当時の昭和二十四年と比較しまして、設定当時の意義が薄れているほか、利用状況が変化しており、最も多い時期で七路線を運行しておりましたが、廃止や一般路線への切替えにより、現在は四路線となっております。

○福手委員 学バスは、勤労学生の負担軽減として七路線が一斉にスタートをしました。学バスを始めた当時の意義は薄れているという答弁がありました。また、ほかの交通手段があるなどで、学バス定期の発行枚数が減少し、七路線のうち三路線の学バスを廃止してきました。ただ、答弁されたように、今もなお四路線は継続をしているんです。つまり、定期も一定数発行されていて、学生の利用ニーズがあるため、継続されているんです。
 学バスとして始まった七路線というのは、廃止された学バス路線としては、東京大学構内行きと、今は筑波大になりましたが、東京教育大学に行く学バスがありました。今も走っている学バスは、早稲田大学行きや国学院大学経由、日本女子大学直通、広尾高校経由の学バスです。都内には多くの学校がありますが、そもそもなぜこの七路線になったのか理由は分かりませんけれども、結果として、現在は四路線となりました。
 ほかに新たな学バスルートを考えているのでしょうか、伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 学バスは、運行開始当時と比較しまして、利用状況等が変化していることから、新たな学バスルートの設定は考えてございません。

○福手委員 新たな学バスは考えていないという答弁でした。
 勤労学生という言葉は、今もうほとんど使いませんけれども、しかし、若者が学ぶ環境は、今も決して楽になっているとはいえない状況があります。都立大学は授業料が実質無償化となりましたが、私立も国立も、今、大学の授業料は値上がりを続けています。
 私は、現役大学生や保護者に実態を、お話を伺ったことがありますけれども、例えば、奨学金を借りても、結局返さなければならないということを考えて使えないでいる学生がいたり、割のいいバイトを探して、夜のバイトを始める学生や掛け持ちバイトで授業の準備ができないという学生、一人暮らしをするより通った方がお金がかからないと新幹線通学をしている学生など、非常に厳しい状況に置かれているのが、今の学生の実態です。
 学バス定期は、ほかの路線バスの通学定期より安くなっています。学生の交通費の負担軽減のために、例えば、学バスのニーズをつかむために、都内大学や学生にアンケートを取って、意向調査をしてみてはいかがでしょうか。検討していただくよう要望をしておきます。
 さらに、通学定期について伺っていきます。
 交通局が設定している通学定期の中で、都営バスと都電荒川線の通学定期には、大人、中学生、小児と三つの区分で金額が設定されています。しかし、都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーの場合は、中学生の区分がありません。都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーの通学定期で、中学生が設定できない理由はあるのでしょうか、伺います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 運賃は、交通事業における基幹的な収入であり、経営状況や事業を取り巻く環境などを踏まえ設定するものでございます。

○福手委員 地下鉄と舎人ライナーは、経営状況などを踏まえ、中学生を設定していないという趣旨の答弁でした。
 公営企業会計決算特別委員会の全局質疑で、我が党の和泉なおみ都議が、子供の交通費の負担軽減を求めて質問をしましたが、質問の中で、都営地下鉄の通学定期は、乗車料収入の三・三%、これは約四十七億円であることが分かりました。今の質問に当てはめると、中学生が購入する通学定期の収入だとすると、乗車料収入に占める割合はもっと少ないわけです。
 既に、都営バスと都電の通学定期では、中学生という区分を設けているのですから、東京都が設定すれば、都営地下鉄と舎人ライナーの通学定期にも中学生を設けることはすぐできるのではないでしょうか。ぜひ検討していただくことを要望します。
 そして、通学定期で、中学生は大人と同じではなく、安い金額に設定しているのですから、運賃についても、今は中学生から大人料金と同じになっていますが、少なくとも中学生の運賃を小児運賃の中に入れるべきではないでしょうか、伺います。

○神永電車部長 小児運賃につきましては、国の規程に基づきまして、東京都地下高速電車条例及び東京都日暮里・舎人ライナー条例におきまして、十二歳未満の方を対象としております。

○福手委員 中学生以上になりますと、行動範囲が広がるのに大人料金となり、交通費の負担が一気に重くなります。質問では、少なくとも中学生の運賃を、十二歳以下となっている小児運賃に入れるべきといいましたが、東京都こども基本条例は、十八歳未満を子供としています。また、東京都が行う子供の医療費助成も、十八歳までを対象としています。
 交通局は、子供の交通費負担の軽減に取りかかるべきです。そのことを改めて求めて、次の質問に移ります。
 次に、運転手確保について質問いたします。
 運転手不足の対策として、働く環境を改善していくことは重要です。今回は、女性のバス運転手について伺っていきます。
 まず初めに、交通局の女性職員数が増えておりますが、そのうち運輸系の職員の数というのは増えているのでしょうか。

○櫻庭職員部長 四月一日現在における女性の運輸系職員の数は、令和元年度は八十名でございまして、令和六年度には百九名に増加しております。

○福手委員 では、続けて伺います。バスの運転手の女性の割合を伺います。

○櫻庭職員部長 令和六年四月一日現在におきまして、バス運転手一千九百九十一名のうち、二十三名が女性職員でございまして、全体に占める割合は一・二%でございます。

○福手委員 東京都は、運転手不足を解決するために、募集に養成枠を設けて、大型二種の免許取得に関する経費の補助や、免許を取るまでは会計年度任用職員として雇用するなどの経済的支援に取り組んできています。
 東京都が採用している女性バス運転手は、先ほどの答弁ですと、全体で千九百九十一人のうち、一・二%の二十三人ということで、やはり圧倒的に男性が多い職場となっていることが分かります。
 運転手不足の解消という点でも、女性運転手を増やしていくことは重要です。交通局は、女性バス運転手を増やすために、どのような取組を行っているのか伺います。

○櫻庭職員部長 交通局では、女性バス運転手の採用拡大に向け、様々な取組を進めておりまして、例えば、現場で働く女性職員が自らの体験を語り合う座談会や、仕事と育児の両立を支援する休暇制度などにつきまして、ホームページに掲載いたしますとともに、採用情報をより多くの女性にご覧いただけますよう、転職サイトやSNSなどを活用して広く情報を発信しております。
 また、女性職員が働きやすい環境づくりに向けて、事業所の大規模改修などの機会を捉えて、女性用のシャワー室や仮泊室の整備を行っております。

○福手委員 東京都は、国の来年度予算への要望で、バス運転手不足対策について要望をしました。そこでは、外国人受入れや自動運転化の技術開発への支援なども要望をしていますが、これらは今すぐどこでも導入できるというわけにはなかなかいきません。
 交通局のホームページに掲載されている女性職員の方の座談会を見ますと、皆さん、今の仕事を選んだ理由が、運転が好きだったり、人の役に立ちたい、接客したいと、本当に様々だということが分かります。潜在的にバス運転手になりたいと思う方がいらっしゃるとすると、その方たちに運転手になってもらうことが重要だと思います。
 バスの運転手を志す方にとって、働く環境が整備されているかは、選ぶ上でハードルとなると思いますが、バスの各営業所の女性用の仮眠室、更衣室、トイレの整備状況について伺います。

○櫻庭職員部長 令和六年四月一日時点で、二十か所ございますバス営業所等のうち、十八か所で女性職員専用の更衣室、トイレ、休憩室、仮泊室や浴室の整備を完了しておりまして、残り二か所につきましても、更衣室とトイレと休憩室は整備されております。

○福手委員 営業所の女性職員用の施設の整備状況が分かりました。仮泊室や浴室、つまり泊まることができる施設というのは、例えば、早朝の勤務に入る場合に、始発電車も動いていない時間帯の出勤になるので、宿泊施設は必要となります。助役はいつも泊まりとなるそうです。残り二か所については、宿泊施設がまだということでした。長く安心して働いてもらうために、いち早く全ての営業所で完備されるようお願いをいたします。
 男性が多い職場だからこそ、女性の職員が安心して長く働けるようにするためには、設備や制度を改善することが重要です。
 民間会社でバスの運転手をされている女性の方にお話を伺うと、ハラスメントの相談がしやすい環境が重要と話されていました。女性が少ない職場であるのは、民間も交通局も変わりありません。ハラスメントが起こったときの相談窓口をつくることは、やはり必須だと思います。同時に、対応する女性スタッフも配置が必要になってくることが考えられます。こういう部分の整理も必要なのではないでしょうか。
 また、座談会では、子看休暇や生理休暇の取得や制度はないけれども、子供が小さい間は、泊まり勤務を免除してもらったことなどが話されていました。制度があっても、本当に利用できるか、周囲の理解があるかどうかが重要と皆さんが話をされていて、非常に大事なことだと私は思いました。どうしても、子育て中の方は、最も忙しい朝と夕のシフトに入ることが難しくなります。女性用シフトをつくるなど、シフトを変えることは簡単なことではないと思いますが、工夫を重ねて制度をつくっていくことが望まれます。
 座談会では、さらに女性の働きやすい環境にしていくために、女性の職員がもっと増えてほしい、働く女性が増えれば、改善のスピードがもっと加速しそうという声が出されていました。また、局内で女性の指導者が少ない現状から、将来、自分が指導者になれば、後に続く女性職員のためにもなるはずという声もありました。
 安心して長く働ける職場にしていくために、今、職場で働く女性職員の皆さんの声をアンケートなどを通してつかんでいただき、女性の運転手が働きやすい環境への改善、採用拡大の取組に生かすことを求めます。
 バス運転手は、都民生活の根幹を支える重要不可欠な役割を果たしているエッセンシャルワーカーです。政府に対して抜本的な見直しを求めるとともに──葛飾区では、独自で運転手の住居手当を月二万円を上限に助成をしています。こうした取組も踏まえ、東京都独自の対策を行うことを求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○あぜ上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をしたいと思います。
   午後三時二十九分休憩

   午後三時四十五分開議

○あぜ上委員長 休憩中に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○関口委員 よろしくお願いします。
 初めに、都営交通協力会について伺ってまいります。
 最初は、偽装請負についてであります。
 交通局は、昨年、東京労働局から、駅業務の都営交通協力会への委託について、労働者派遣法違反の疑いで指導を受けました。駅業務の委託契約の仕様書の一部に、局の職員が協力会の駅係員に直接指揮命令できる余地が認められて、改善措置を講ずるよう指導を受けたわけであります。いわゆる偽装請負ということで、私もこの問題について質疑をしてまいりました。この問題は、交通局の組織体制や運営や経営や、これに大きく関係をする極めて重要なものであると考えております。
 昨年、決算委員会で、私はこのことを指摘しましたが、その後の都の動き、伺います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 東京労働局の調査では、駅業務委託について、法律違反の事実は確認されませんでした。
 また、東京労働局から指導を受けた駅業務委託の仕様書の一部記載につきましては、疑念を持たれることのないよう修正するとともに、全ての業務委託に関する点検、確認を行いました。
 加えて、駅の全指導職を対象に、委託者と受託者の業務を再確認する研修を実施し、これらの対応について、昨年五月に東京労働局への報告を完了しております。
 さらに、今年度からは、新たに指導職となる職員を対象に、同様の研修を行うこととしております。

○関口委員 私は、この交通局と都営交通協力会の職員間の意思伝達方法についても指摘をしましたが、それと同時に、交通局の正規職員と都営交通協力会の職員との待遇格差についても指摘をしてまいりました。
 例えば、都営交通協力会の執務要領では、窓口業務について詳しく定めてあります。一方で、都の交通局にはこうした決まりがないということで、私は、昨年の委員会におきまして、協力会の職員は窓口で立って応対をしなければならないが、交通局の直営職員は座って応対をするということを、ある種、身分差別ではないかということを指摘し、改善を求めたところでもあります。
 その後、現場ではどのような対応になったのか伺います。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 交通局では、駅係員は規程等に基づき駅業務を遂行しておりますが、窓口での起立による対応は定めておりません。また、協力会にも起立による対応を求めておらず、駅業務委託の仕様書にも記載しておりません。
 なお、協力会においては、現在、起立による対応を求めていないと聞いております。

○関口委員 また、さらに、都営交通協力会は、昨年、池袋労働基準監督署から、協力会の職員の着替え時間が不十分だとして是正指導を受けたところでもあります。
 駅員は、鉄道営業法で勤務中の制服着用が義務づけられておりまして、出退勤時の着替えは労働時間として算定をされています。都営交通協力会が受託した全駅で、契約社員の着替え時間を、出勤時十分、退勤時十分に設定をしております。
 また、現場の方の声を聞くと、この着替え時間は、純粋な着替えだけではなくて、点呼なども含めた業務が含まれている時間ということで伺っておりました。都の委託が始まった平成十五年以降、常態化しているということでありました。
 池袋労基署は、都営交通協力会の職員の着替え時間が不十分として、協力会を是正指導しました。労働基準法においては、未払い賃金の請求を三年間にわたって請求できることを、昨年、決算委員会で指摘をいたしました。その後の都及び協力会の動きについて伺います。

○横山次長 都営交通協力会における従業員の労務管理につきましては、法令等で定められた基準や手続に基づき、協力会がその責任において適切に対応するものと認識してございます。
 本件につきましては、労働基準監督署から指導を受けたことを協力会から情報提供があったものであり、その際に、改めて法令等を遵守するよう局から求め、協力会において是正措置を講じたと報告を受けてございます。
 なお、当該是正措置に係る賃金を三年前に遡及して支払うこととしたと聞いてございます。

○関口委員 三年前に遡及して支払ったということで確認をいたしました。
 この問題以外にも、都営交通協力会は、労働局であったりとか、各労基署から行政指導を受けておりまして、特にここ数年は顕著であると考えております。公的組織がこれだけ行政指導、多くの指導を受けるというのは異常だと考えますので、引き続き、都営交通協力会の労働であったりとか、待遇の問題というものを、交通局の中でも是正を図っていただきたいと思います。
 続いて、車軸、輪軸の件でございます。
 先ほど、柴崎委員も取り上げておられましたけれども、この輪軸の問題、非常に重要な問題だと考えております。
 本年九月に、交通局は、都営地下鉄と都電の車両で、車輪と車軸から成る輪軸の組立作業の圧力を基準内に収まったように記録を改ざんする不正があったということを発表しました。その数、車軸四百六十七本ということであります。
 そもそもの発端は、本年七月に、JR山陽線の新山口駅の構内において、福岡貨物ターミナルから東京貨物ターミナルへ向かっていた貨物列車が脱線をしたことに端を発するわけであります。
 国の運輸安全委員会の調査で、機関車の一番前の車軸が折れていたことが分かったわけであります。車軸は、安全走行に関わる最も重要な部品の一つといわれておりまして、今回問題になっているのは輪軸であるということであります。車輪の中央の穴に車軸をはめ込んで組み立てられて、車両の重さを支えて走行させる大事な部品だそうであります。この車軸の直径の方が僅か、穴の内側からやや大きいために、押し込む際に強い力をかけるということで、強過ぎれば傷がついて故障の原因になってしまうと、弱過ぎれば車軸が緩んで外れてしまうおそれがあるということで、適度な力が必要だということで、基準値が定められているということであります。
 そして、JR貨物は、この車両の車輪に車軸をはめる組立作業において基準値を超える圧力をかけながら、データを改ざんするなどの不正が判明したと発表し、その後、国交省が全国の鉄道事業者に緊急点検を指示したということで、交通局においても不正があったということで、認めたところであります。
 そこで、今回のこの事件について、交通局としてどのように受け止めるのか伺います。

○生越車両電気部長 作業記録を書き換えるといった不正行為は、鉄道の輸送の安全確保の仕組みを覆す重大な問題であると認識しております。

○関口委員 ご答弁のとおりかと思いますが、作業記録を書き換える改ざんの行為は、非常に重要な問題であると思います。
 事件が発覚した後の経緯について伺います。

○神田技術調整担当部長 交通局では、今回の件を受け、当該の輪軸について緊急点検を実施し、安全に問題がないことを確認しております。
 なお、輪軸の組立て時には、車軸に傷がないことや車輪の緩みがないことを確認してございます。

○関口委員 一方で、基準値を超過した車両があったということで伺っています。
 その後の具体的な対応と、運行に影響はなかったのか伺います。

○神田技術調整担当部長 大江戸線で基準値を超過した車両が一両あり、念のため運用を停止し、輪軸を交換しましたが、その間の運行は他の車両で対応しており、特段の影響はございませんでした。

○関口委員 基準値を超過した車両が大江戸線で一両あったということでありましたが、ほかの車両で対応して影響はなかったということでありましたが、基準値を超過した車両が一両あったということであります。
 交通局は、委託先の京王重機に対しての対応はどうされたのか伺います。

○神田技術調整担当部長 交通局では、京王重機整備株式会社へ立ち入り、作業状況を確認するとともに、発生原因や再発防止策について取りまとめ、報告するよう指示をしております。

○関口委員 発生原因や再発防止策について取りまとめて報告するような指示をしたということで、今後の京王重機からのフィードバックは、極めて重要だと思います。
 来年度以降の話について考えていきたいと思うんですけれども、来年度以降の委託はどうされるんでしょうか。また、損害賠償なども考えられると思いますけれども、どのような対応をするのか伺います。

○神田技術調整担当部長 輪軸組立て作業は、毎年競争入札により発注しており、引き続き適切に対応してまいります。
 また、現時点においては、本件による損害の範囲は明らかになってございません。

○関口委員 損害の範囲は明らかになっていないということでありましたが、委託先にこれだけの記録の改ざんをされて、確かに基準値を超過した車両は一両だけで、その車両は、別の車両で対応したから運行に影響はなかったという面では、確かに損害はないのかもしれませんが、これは大きな──委託先からだまされた、裏切られたということでもありますので、私は損害賠償というものをしっかり考えるべきであると思います。
 そして、先ほどご答弁でもありましたが、輪軸の組立て作業は、毎年競争入札によって発注がされるということで、引き続き適切に対応ということでありました。しかし、来年度の委託契約において、京王重機は入札に参加できるんでしょうか、伺います。

○築田資産運用部長 入札案件の公表日から開札日までの間、入札参加資格を有していれば、入札参加は可能でございます。

○関口委員 それはそうだっていう話なんですけれども、じゃあ、入札に参加して落札した場合は、京王重機は受託できるのか伺います。

○築田資産運用部長 落札した場合、契約日までの間、入札参加資格を有していれば、受託は可能でございます。

○関口委員 ただ、私は、交通局の競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱というものを拝見しました。京王重機における今回の記録の改ざんは、指名停止措置要綱に接触をするのではないかと考えております。
 そもそも、この要綱は、交通局における契約事務の適正な執行を確保するため、有資格者に対する指名停止等に関し、必要な事項を定めることを目的としています。その中では、指名停止の措置要件として、賄賂であったりとか、契約履行上の事故であったりとか、契約履行成績不良等であったりとか、契約に関連する違法行為等による社会的信用失墜行為、入札参加における虚偽記載等、入札参加資格申請における虚偽申請、不誠実な行為、契約不履行など、様々、指名停止の措置要件が掲げられております。
 そして、現段階では、少なからずとも契約履行成績不良等で掲げられている、東京都発注の契約において、従業員その他の関係者が書類の改ざんを行ったとき、虚偽の報告を行ったときなど、著しく適正を欠く行為があったと認められる場合、まさにこれに京王重機の件は該当するのではないでしょうか。見解を伺います。

○築田資産運用部長 本件、個別の案件に関わることでもございまして、答弁につきましては、差し控えさせていただきたいと存じます。

○関口委員 いや、個別の案件だから差し控えるということなんですけれども、明らかに、私は、これは該当していると思うんですよね。
 一応、念のため確認しますけれども、東京都の交通局の競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱には、この指名停止の措置要件として、東京都発注の契約において、従業員その他の関係者が書類の改ざんを行ったとき、虚偽の報告を行ったときなど著しく適正を欠く行為があったと認められる場合、これは、指名停止の措置要件の一つとしてあるということは確認をしたいんですけれども、よろしいですか。

○築田資産運用部長 今の委員おっしゃるとおり、東京都交通局競争入札参加有資格者指名停止等措置要綱の別表に記載がございます。

○関口委員 ということで、私は先ほど、現段階ではということで申し上げましたけれども、これから様々な事実も判明してくるでありましょうし、さらにこの措置要綱の中で、指名停止措置要件として該当してくるものも、これからまた加わる可能性もあるでしょうけれども、現段階では、書類の改ざんであったりとか、虚偽の報告を行ったという著しく適性を欠く行為があったということは、この京王重機の件では、私はいえるのではないかと思います。
 そして、ちょっとこのやり取りをしている中で思ったのが、JR貨物の車両が脱線をしたということで、車軸が原因だったということが明らかになって、今回この件がクローズアップされているわけでありますけれども、実際に都営地下鉄の中で、例えば車軸が折れたりして、脱線といいますか、大きな事故が起きたときに、これはとんでもないことになると思うんですね。ですので、先ほど損害賠償の件も範囲が明らかになっていないということでもありましたし、今、私がこの措置要綱に該当するんじゃないかということを申し上げましたけれども、ちょっと安全管理に対しての姿勢というものが、少し弱いんじゃないかなということは思うわけであります。
 今後、入札に当たっては、価格面での競争はもちろん大事だと思うんですが、委託先における安全面もしっかりと考慮すべきと考えますが、見解を伺います。

○築田資産運用部長 都では、入札に参加する場合、競争入札参加資格の登録が必要であり、登録に当たりましては、経営状況、実績等を審査し、事業者の履行能力等を評価しており、引き続き、契約制度に基づき適切に対応してまいります。

○関口委員 都営交通は、都民、そしてお客様の命を乗せているということで、安全第一であることが何よりのことだと思います。京王重機の件は、確かにこれは京王重機が悪いんですが、しかし、この件に関しては、やはり委託先の企業が記録を改ざんしたということは非常に大きなことでありますので、ぜひ強い姿勢で臨んでいただきたいということを要望したいと思います。
 続いて、観光交通と生活交通について伺ってまいります。
 インバウンドが都内に殺到しているということで、生活の中で使用するバス、都営バスに住民が乗れないといったオーバーツーリズム現象が発生しているわけであります。
 よくこのオーバーツーリズム現象で挙げられるのが京都でありまして、京都は、市内に様々、神社仏閣、ございますので、そういったところにバスで移動する、観光客の方がバスで移動すると。しかしながら、住んでいる人が乗れないといったことで、京都なんかは非常に大きくクローズアップがされているかと思います。
 一方で、都内に目を向けますと、例えば有明エリアが、住民の方々がなかなか乗れないということが少し着目されているのではないかと思います。例えば、インバウンドでやってくる観光客の皆さんに人気の、新豊洲駅の駅前にあるチームラボプラネッツ、ここは多くの観光客がいらっしゃるということで、海外の方にも人気であります。私も実際、家族で行ったことありましたし、なかなか魅力的な施設でありました。そこに拍車をかけるように、有明エリアには、有明アリーナと有明ガーデンが生まれたということで、そこの需要に拍車をかけているということであります。
 そこで、観光客にとっての人気スポットなどを研究して需要を分析し、必要であれば増便すべきではないかと考えております。都としてどのように取り組んでいるのか伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、地域のニーズや需要の変化をきめ細かく把握し、路線やダイヤの見直しを行っております。具体的には、日々の運行実績のデータを分析するほか、各路線の利用状況の変化などについて、営業所からヒアリングを行っております。
 加えて、実際に職員がバスの車内に乗り込み、停留所ごとの乗り降りの人数、お客様の年齢層や各路線の時間帯ごとのご利用状況などをきめ細かく調査することで、路線別の利用実態や乗客潮流の変化を把握しております。
 委員お話しの有明地域と東京駅とを結ぶ都05—2系統につきましては、大規模住宅や大型複合施設の開業等により、乗車人員が大幅に増加したことから、本年十月にも、ダイヤ改正により増便を実施したところでございます。

○関口委員 今お話ししたのは、どちらかというと人気スポットについてでありましたが、大型イベントの際も一時的な需要が喚起をされているということで、例えば週末であったりとか連休中には、大きなイベントがあると、都営バスで生活をしている方、いわゆる住民の方々が乗れないという事態があります。例えば、都営バスであれば、国際展示場、東京ビッグサイトに向かうバスに関しては、この傾向が顕著であると思います。
 そうした観点から、大型イベントの際も、それに付随する路線が混雑となっている状況があり、こうした状況を踏まえて、どのような取組を行っているのか伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 東京ビッグサイトなどで開催される大型イベントの際には、会場周辺における路線の増発や、会場と主要駅とを結ぶ臨時路線の運行を行っております。
 また、運行に当たる乗務員や車両などには限りがありますことから、状況に応じて、イベントの主催者等に対しましても、貸切バスの運行などを申し入れております。

○関口委員 全て都営バスで対応するというのは、なかなか難しいことかと思いますので、確かにイベントの主催者に対してバスの運行を申し入れるということは重要だと思います。
 話が一個前に戻りますけれども、先ほど、観光客にとっての人気スポットの需要を分析してと、増便すべきだという話をしましたけれども、先日、今年九月の日経グローカルの記事を読んでおりましたら、ちょうどまさに先ほどご答弁いただいた有明地域と東京駅を結ぶ都05—2系統についての増便について取り上げられた記事が載っておりました。
 この取材の中では、自動車部の計画課長が、運転手不足などを踏まえて、今後は増便が厳しくなる可能性があるということを指摘しておりますが、今後のバスの増便についてどう考えますでしょうか。

○和田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、乗務員や車両など限りある経営資源を有効に活用することで、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう事業を運営しておりまして、今後もこうした考えの下、路線やダイヤを設定してまいります。

○関口委員 じゃあ、バスの運転手不足の問題について、少し伺っていきたいと思います。
 先ほども、他の委員の方々も取り上げられておりましたけれども、二〇二四年問題ということをはじめとして、バスの運転手不足が大きな課題となっております。特に民間のバス会社では、非常に大きな課題となっているのではないかなと思います。
 そこで、都営交通のバスの運転手の応募者数及び応募倍率の直近の三年間の状況を伺いたいと思います。

○櫻庭職員部長 令和四年度から六年度のそれぞれの上半期に実施いたしましたバス乗務員の採用選考の応募者の数は、順に、四百五十三名、三百四十三名、二百八十八名でございまして、応募倍率は同様に、八・二倍、三・七倍、二・七倍でございます。
 なお、このほか、大型二種免許をお持ちでない方を対象とした養成型選考を実施しておりますとともに、必要に応じて、下半期にも採用選考を実施しております。

○関口委員 年々応募者数が減ってきてしまっているということで、特に応募倍率で見れば、より顕著なのかなというところを感じたところでもあります。
 そして、このバスの運転手不足の中では、業界的に低賃金であるということが問題視をされておりますが、具体的に、都営バスの運転手の初任給の賃金、伺いたいと思います。

○櫻庭職員部長 都営バス乗務員が、令和六年四月一日に最も若い十九歳で採用された場合の初任給は、地域手当込みで、現在、月額十九万四千二百八十円でございます。

○関口委員 そこから手取りが幾らになるのかと考えると、やはりなかなか厳しい状況があろうかと思います。とはいえ、民間のバス会社に比べたら、確かに都営交通、交通局の運転手さんの賃金は、まだ相場よりは高いのかなとは思いますけれども、やはり厳しい状況があるかと思います。
 バスの運転手不足については、様々な要因がございます。苛酷な労働環境であったりとか、低賃金、若年層の離職、こういったものが掲げられております。
 そこで、これらの問題を改善することが重要であると考えますが、取組と見解、伺います。

○櫻庭職員部長 都営バスでは、乗務員の年間労働時間は、全産業平均を下回る水準でありますほか、育児休業に対する配慮など、バス乗務員が継続して働きやすい職場環境づくりも進めております。
 また、給与などにつきましては、人事委員会勧告を踏まえて適切に対応しております。
 一方で、乗務員の確保が厳しくなってきておりますことから、引き続き、応募者の裾野の拡大や採用PRの強化などに取り組んでまいります。

○関口委員 これに加えて、やはり先ほど後藤委員も質問されていましたけれども、カスハラ対策が重要だと思っております。離職などの原因に、お客さんからのカスハラであったりということは、全産業にいえることでもあります。都営交通としても、安定的な輸送力を持続させるためにも、カスハラ対策は重要であると考えます。
 来年の四月から、カスタマー・ハラスメント防止条例が施行されるということで、交通局におきましても、ぜひこのカスハラ防止条例にしっかりのっとりながら、先ほど現場の声を聞きながら考えていくという答弁がありましたけれども、カスハラ対策をしっかり進めていただきたいということを最後に要望したいと思います。
 質問は、先ほど後藤委員の方がされたのでカットして、要望して終わりにしたいと思います。

○岩永委員 よろしくお願いいたします。
 まず最初に、都営バスについて伺います。
 運転手不足の問題などにより、都内でもバスのダイヤ変更や減便、運行ルートの見直しなどが増えております。私の地元の国分寺市では、コミュニティバス、ぶんバスという名前なんですが、運行を担っている民間のバス会社が、コミュニティバスの六ルートのうちの四ルートから撤退を申し出るというようなことが起こっておりまして、事業継続が危ぶまれております。このように、現場の状況は深刻です。
 都営バスでは、二〇二二年度は、都営バスの全九十九路線の合計で十七億七千九百万円の赤字となりました。また、二〇二二年度は、過去五年間で最も多い二百二十八便の減便となりました。
 その一方で、翌二〇二三年度は、乗車人数が前年度に比べて五・九%増の約二億二千万人で、一日平均三万二千人増加しました。乗車料収入も前年度比で約二十一億円の増収になり、経常損益が十六億二千六百万円の黒字となりました。
 そこで、二〇二三年度の乗車人数の増加の要因について伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 令和五年度の都営バスの乗車人員につきましては、令和五年五月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが五類に移行したことによって行動制限がなくなり、外出機会が増加したことなどから、令和四年度と比較して、増加したものと考えております。

○岩永委員 二〇二三年度の回復は、新型コロナウイルスが五類になったことで乗車人数が増えたということが要因ということです。
 では、乗車人数について、今後の見通しをどのように分析をしているのか伺います。

○渡貫企画担当部長 都営バスの乗車人員は、都の人口推計等を踏まえますと、当面は増加が見込まれるものの、長期的には大幅な増加は期待できないものと考えております。

○岩永委員 当面は増加が見込まれるものの、長期的には大幅な増加は期待できないと分析をされているということです。そうであれば、都内の民間バスの運営状況や地域公共交通全体の状況を、都市整備局や都内自治体とも連携して共有、協議をしながら、今後の地域公共交通の在り方も含めて検討することが重要と考えます。
 都営バスの今後の路線運営について、どのように考えているのか伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 都営バスでは、身近な移動手段として、地域における公共交通ネットワーク全体の利便性や効率性が高まるよう、乗客潮流の変化を的確に捉えて路線やダイヤの設定を行っております。
 引き続き、需要の動向等を踏まえ、効率的かつ効果的な路線運営に努めてまいります。

○岩永委員 都営交通は、先日、路線バスの車内にAIカメラをつけて、乗客の乗降、降りたり乗ったりということや経路などのデータを収集する実証実験を始めたというような報道もありました。ニーズに合ったダイヤや運行区間を策定するだけでなく、より細かくニーズを把握して、必要であれば新規路線を設定するなど、地域のニーズに合わせた運行に向けて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、都営バスの再エネ推進についてです。
 二〇三〇年カーボンハーフの実現に向け、交通車両におけるゼロエミ推進をさらに加速すべきです。
 昨年の交通局への事務事業質疑では、今年、二〇二四年度までに燃料電池バスを八十両まで拡大する計画で進めているという答弁がありました。
 燃料電池バスのこれまでの導入実績と、二〇二三年度に削減をしたCO2の排出量を伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 交通局では、全国のバス事業者で最多となる七十五両の燃料電池バスを運用しており、ディーゼル車と比較した場合の令和五年度のCO2排出削減量を試算しますと、約二千三百トンとなっております。

○岩永委員 七十五両の燃料電池バスの導入で、昨年一年間で約二千三百トンのCO2排出削減という試算だということですが、ちょっとどのぐらいに相当するのかというところをイメージしやすい目安として、CO2一トンの体積が二十五メートルプール一つ分というような例がよく使われているようですので、二十五メートルプールの大きさにしますと、二千三百杯分になるんでしょうか。また、杉の木が七十一本で、一年間に一トンのCO2を吸収するというようなこともよく使われておりますので、それに当てはめますと、杉の木が十六万三千三百本分になるという計算になるのでしょうか。
 このように、交通部門においてもゼロエミッションの取組を進めることが、脱炭素化社会に向けて大変重要ですが、しかしその一方で、燃料電池バスの燃料となる水素の製造過程における環境負荷の問題もあります。燃料電池バスの燃料となる水素については、再生可能エネルギー由来の水素、いわゆるグリーン水素の活用を進めることを要望いたします。
 次に、燃料電池バスの導入は、二〇一七年から始まって、二〇二四年四月一日現在、七十五台ということでご答弁もございましたが、一方で、EVバスはこれからというところです。
 先ほども少しありましたけれども、EVバス導入に向けて、課題となっていることを伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 EVバスの導入につきましては、充電設備等のための十分なスペース確保、早朝から深夜まで運行する中での充電時間の確保、一回の充電で走行できる距離が短いことなど様々な課題がございます。

○岩永委員 まだもろもろの課題がありながらということなんですが、ゼロエミッション東京戦略で掲げられた二〇三〇カーボンハーフ達成に向けて、やはり総力を挙げて取り組む必要があります。
 昨年秋に、EVバス導入に向けたモデル構築に関わる事業連携協定、東京電力ホールディングス株式会社とそれを締結いたしまして、EVバスの導入について検討が行われております。
 この検討状況についてお伺いいたします。

○和田バス事業経営改善担当部長 交通局では、現在、東京電力ホールディングスと連携し、大都市におけるEVバスの導入に向けた検討を進めており、既存の変電設備が活用可能な北営業所におきまして、来年度早期に、EVバス二両をパイロット導入し、実際の営業路線で運行することで、車両性能や効率的な充電方法等の検証を進めていくことといたしました。

○岩永委員 来年度、二両のパイロット導入ということです。EVバスを早期に導入し、交通分野での脱炭素化を加速することを要望します。
 環境局や産業労働局でも、EV車両の拡大に向けて取り組んでいます。交通局だけでは解決できない課題もあると思いますので、各局と連携して、EVバスの導入を進めるべきですが、見解を伺います。

○和田バス事業経営改善担当部長 EVバス車両は、現状、ディーゼル車と比較して高額であり、また、充電設備の整備が必要となることから、導入に当たりましては、都の補助制度の活用を想定しております。

○岩永委員 様々な制度なども含めて、ぜひ連携を進めていただきたいと思います。
 また、白丸調節池ダムの近くに、二〇二五年四月にEV車両用の急速充電器が設置されるということです。ぜひ多くの人に使っていただき、再エネ一〇〇%電力の地産地消のアピールにもなります。
 そこで、白丸発電所の近くに急速充電器を設置することで、どのような効果が期待できるのか伺います。

○神田技術調整担当部長 白丸発電所の近傍に、都内初となる水力発電所の電気を活用したEV用急速充電器を、環境局と連携して設置することといたしました。これにより、交通局が水力発電によりクリーンな電力を創出していることのPRにつながるとともに、奥多摩町には、現在、急速充電器が設置されていないことから、奥多摩地域におけるEV利用者の利便性が向上するものと考えてございます。

○岩永委員 都内初となるということですが、東京さくらトラムについては、今年、二〇二四年四月から、一〇〇%東京産の水力発電の電気で運行をしています。都営バスでは、現在、営業所で使う電力にこの水力発電の電気を使っておりますが、都営バスの運行では、まだ利用がされておりません。EVバスでも、東京産水力発電の電気を今後使えるように、都営交通での再エネ活用をさらに広げて、都営交通におけるゼロエミッションの取組を加速することを要望いたします。
 続きまして、こどもスマイルスポットについて伺います。
 生活者ネットワークは、かねてから子育て世代の移動のバリアフリーを訴え、公営交通機関でも、授乳やおむつ替えのスペースの設置を求めてきました。
 昨年、二〇二三年二月に、大江戸線上野御徒町駅に初めて授乳スペースができ、都営交通における子育て世代の移動のバリアフリーが進みました。今年九月には、新宿西口駅と門前仲町駅の二駅の構内に、授乳スペースやレンタルベビーカー、ミルクやおむつを購入できる自動販売機を設置した子育て応援スポット、こどもスマイルスポットが増設をされました。
 そこで、こどもスマイルスポットの利用状況、利用者数や利用目的について伺います。

○渡貫企画担当部長 こどもスマイルスポットは、赤ちゃんや小さなお子様とのお出かけをサポートするものでございまして、今、お話がございましたように、現在、上野御徒町と新宿西口、門前仲町の三駅に設置をしてございます。
 本年十月の利用状況は、三駅合計で、授乳室が四十七件、ベビーカーレンタルサービスが二十八件、自動販売機による乳児用液体ミルクやおむつ等の購入が百二十四件でございました。

○岩永委員 十月ひと月で、授乳室の利用が四十七件、ベビーカーレンタルが二十八件、また液体ミルクやおむつが購入できる自動販売機の利用も百二十四件ということです。当初に比べると、かなり広まり、また利用も進んでいると思います。
 二〇二三年に初めて授乳室ができて以来、利用者の声を聞くことを要望してきましたが、こどもスマイルスポットの利用者の声、子育て当事者の声について、どのようなものがあったのか伺います。

○渡貫企画担当部長 こどもスマイルスポットの開設以降、授乳室の利用者からは、授乳室があって助かったという感謝の声をいただいております。また、SNS等では、荷物が減らせる、ありがたいサービスなどの好意的な声が多く寄せられてございます。

○岩永委員 子連れで外出をされる際には、電車の乗車中はだっこひもで、また、電車を降りたらベビーカーを利用できるというような、そんな利用もできるかなと思いますし、また移動の負担も、こういったサービスの利用で大きく減ると思います。
 今後も、より多くの子育て世代が、子連れで気兼ねなく都営交通を利用するために、さらなる整備を検討し、進めていただきたいと思っています。今後について伺います。

○渡貫企画担当部長 こどもスマイルスポットの今後の展開につきましては、ベビーカーレンタルサービス等の提供事業者の意向や駅構内の余剰スペースなどを勘案しながら検討をしてございます。

○岩永委員 これまでも、スペースの確保が課題となっていましたが、今回のように、駅の通路脇のスペースを有効活用するなど、場所の検討も含めて、今後もぜひ進めていただくように要望をいたします。
 次に、都営交通でのカスハラ防止対策について伺います。
 ちょっと先ほど来もありましたけれども、重要なところなので、併せて伺います。
 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例、通称カスハラ防止条例が十月に成立をし、来年、二〇二五年四月に施行となります。施行までの間にガイドラインが策定をされる予定です。
 都営交通では、顧客からの過剰な要求や嫌がらせなどの事例として、どのようなものがあったのでしょうか。まず、都営地下鉄について、主な事例を伺います。

○神永電車部長 都営地下鉄におきましては、お客様からの過剰な要求などの事例といたしまして、改札機でエラーが出たためお声かけしたところ、入場履歴がないのはおまえらのミスだ、運賃を支払わないと大声でどなられた、遺失物の問合せがあり詳細を伺ったところ、覚えていないと返答された上、早くしろ、能なし等の暴言を受けた、お客様同士のトラブルが発生した後、一方のお客様が駅務室に長時間居座り、クレームを繰り返したなどの報告を受けております。

○岩永委員 都営地下鉄での事例を、実際にあったものとして具体的にお話をいただきました。
 では、次に、都営バスにおいても、同様に主な事例を伺います。

○佐藤自動車部長 都営バスでは、乗務員の写真や氏名を無断でSNSに掲載される等の迷惑行為の事例があったほか、乗務員のお客様対応に関してお客様が感情的になり、過度な謝罪要求を受けたことがございます。

○岩永委員 このように、公営交通は、利用者、いわゆるカスタマー、今回はハラスメントの対象がカスタマーということになるんですが、利用者との距離が近いということもありまして、日常的に様々な対応が求められる部署でもあると思いますが、一方で、現場で働く人が安心して安全に働くことができる環境を社会全体でつくっていくことも大切です。
 カスハラ防止条例の考え方や運用の在り方を示すガイドラインが、二〇二四年中の策定、公表に向けて、今検討が進められているところですが、交通局では、カスハラ対策を今後どのように進めていくのか伺います。

○櫻庭職員部長 都では、カスタマー・ハラスメント防止条例に基づき、ガイドラインなどを作成することとしておりまして、交通局では、これらの内容を踏まえるとともに、現場の意見も取り入れながら、対応方法などについて検討を進めてまいります。

○岩永委員 ご答弁にあったような具体的な現場の事例も踏まえて、日々現場や顧客対応の部署で業務に当たっていらっしゃる職員の声も聞きながら、対応を検討いただきたいと思います。
 また、先ほどは、女性運転手をどうやったら増やしていけるのかというような議論もありましたけれども、カスハラ対策は、女性の運転手を増やすためにも大変有効で重要な取組だと思います。今後に向けて、しっかり取り組んでいただくことを要望いたします。
 また、誰もが利用しやすい都営交通に向けてという視点で伺います。
 二〇二五年の四月に、この条例が、カスハラ防止条例が施行されることで、カスタマーハラスメントの防止に向けた啓発も行われていきます。
 条例では、対象がカスタマー、つまり顧客や利用者と働く人の間でのハラスメントを禁止するものですが、公営交通は、あらゆる人が利用しますので、利用者のマナーアップに向けて、利用する全ての人が、思いやりのある態度や言葉がけで、誰もが気持ちよく乗車できるような呼びかけも必要と考えます。見解を伺います。

○横山次長 交通局では、お客様に都営交通を安全、快適にご利用いただけるよう、マナー啓発に取り組んでおり、車内における席の譲り合いや周囲への気遣い、駆け込み乗車、歩きスマホの防止などにつきまして、ポスターや動画を制作するとともに、車内や駅構内の放送などを活用し、広く呼びかけてございます。

○岩永委員 少子高齢社会や人材不足に加えて、燃料費の高騰など、今後は、地域公共交通を含めた公営交通に求められる役割がますます重要になってくると思います。高齢者や障害者、子供や子育て中の親子、外国人など、全ての人が安心して交通機関を利用し、行きたいところに移動できるような社会の実現を願っています。
 都営交通は、誰をも排除しない包摂力のあるインクルーシブな社会のモデルになってほしいという思いも込めて、この間、私も公営企業委員会に所属させていただく中で取り組んできました。多様なニーズに対応できるユニバーサルデザインを都営交通から発信し、進めていくことを期待して、質問を終わります。

○しのはら委員 東京・品川からやさしい未来をの、しのはらりかです。よろしくお願いいたします。
 都営交通においては、高齢者、障害者、ベビーカー連れの方など、様々な方にとって利用しやすい、ハード面、ソフト面を含めたバリアフリーに向けた取組が進んでいることを認識しております。
 少し前までは、多胎児のベビーカーでの利用を断られたといった報道も目にすることもあり、私も胸を痛めていました。私自身も、肢体不自由の三歳の息子を育てておりまして、お出かけは大きなバギーで──子供用の車椅子ですね──に乗って移動するというところで、いつも不安に思いながら公共交通機関を使うんですけれども、都営バスを利用する際には、停車場で待っていると、運転手さんが到着するまでに気づいてくださって、停車中にもう向こうから降りてきて車椅子スロープを出して、そして車椅子のスペースに誘導してくださるというようなことで、非常に安心して利用できているところで、本当にありがたく感じているところです。全ての人にとって利用しやすいこういった取組、ぜひ今後とも推進していただきたいと思っているところです。
 一方で、まだまだ課題があるところもあります。エスカレーターを利用する際に、バランスを崩して転倒したり、駆け上がったり駆け下りたりする際にほかの利用客の方と衝突して転倒させたりするなどの事象が発生しています。エスカレーターでの事故で一一九番通報したのは、今年度、八十四件あったとのことでした。
 エスカレーターで歩行用に片側を空ける習慣は、目が不自由な方や杖をお持ちの方など、左右いずれかの手すりにしかつかまることのできない方々や、足腰が不自由な方々、お子様連れの方にとって、危険な事故につながる場合もあります。
 全ての方が安心してエスカレーターを利用できるよう、歩かずに立ち止まろう、手すりにつかまろうなどの呼びかけ、キャンペーンを交通局も行われてきたことと思います。こういった呼びかけは、各地の鉄道会社で行われていますし、埼玉県では二〇二一年に、名古屋市では昨年、乗っている際に立ち止まることを義務づける条例が施行されるなど、新たなルールへの変化が見られつつあります。
 そこで、エスカレーターの安全利用について、都営地下鉄ではどのような取組をしているか、今後どのような対応を検討しているか、見解をお伺いいたします。

○稲垣鉄軌道事業戦略担当部長 都営地下鉄では、エスカレーターを安全にご利用いただけるよう、全ての駅において、日頃から構内放送などによる注意喚起を行うとともに、ポスター掲示などによる啓発キャンペーンを毎年実施しております。
 また、令和二年度からは、転倒等による事故防止の呼びかけを強化するため、エスカレーターの乗り口の床やお客様の目につきやすい場所に、立ち止まってのご利用を促す案内サインを表示しております。
 引き続き、他の鉄道事業者等と連携してキャンペーンを実施するなど、エスカレーターの安全利用の促進に努めてまいります。

○しのはら委員 様々なキャンペーンや放送、広告掲示等で取組を行っていることが分かりました。
 また、特に混雑の多い六本木駅などでは、朝のラッシュ時には、警備員が誘導することで、二列でエレベーターに乗るようにする取組もなされているようです。都民の皆様には、ご自身の安全、周囲の安全のために、ぜひエレベーターの二列乗車にご協力いただけるよう、さらなる周知に取り組み、ほかの自治体のような条例制定も含めて検討を進めていただくことを要望いたします。
 次に、先ほど岩永委員からも、こどもスマイルスポットについてのご質問がありまして、私も、反響や今後の展開を伺うという質問をする予定だったんですけれども、ちょっと質問は飛ばさせていただきまして、私も赤ちゃんを連れて出かけるとなると、荷物も多くて、液体ミルクやおむつが出先で便利な駅で買えるというのは、本当にありがたいサービスだと感じておりますし、赤ちゃん連れ、日本人の方だけでなく、昨今、外国人旅行者の方にも、ベビーカーのレンタルサービスとか授乳室が利用されているということも伺っておりますので、こういったふうに、多くの方から活用されているということで、これからも、ぜひ社会全体で子育てを応援する機運を高めていくことができるサービスとして広がっていってほしいなと、私からも要望しておきます。
 次に、震災対策についてのお話に移っていきます。
 能登半島地震から間もなく一年、また八月には日向灘を震源とする地震が起き、南海トラフ地震の臨時情報が発表されるなど、地震に対する危機感が高まっております。
 都が二〇二二年に発表した、首都直下地震等による東京の被害想定では、首都直下型地震が三十年以内に七〇%の確率で発生するといわれており、防災、減災は喫緊の課題となっています。
 東日本大震災の際には、首都圏で公共交通機関が止まり、およそ五百十五万人の方が帰宅困難者になったとされており、多くの鉄道が運行を停止して、道路も渋滞したので、帰宅できない人々が駅や道路にあふれていたというのは、記憶にあるところだと思います。
 この帰宅困難者対策では、大規模震災の発生直後に、帰宅困難者が一斉に徒歩で帰宅を始めると、緊急車両が通行できなくなり、救助活動の妨げになるほか、群衆雪崩などの被害が出るとして、一斉帰宅抑制の実施を基本原則としており、東京都でも、東日本大震災の翌年に帰宅困難者対策条例を制定し、大規模震災が発生した場合には、都内の事業者に対して、従業員の一斉帰宅抑制の実施を求めるとともに、従業員が安全に帰宅できるように、待機できるように、三日分の食料や飲料水などを備蓄すること、また、公共施設や百貨店、ホテルなどを、待機場所がない帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設に指定することも求めています。
 この都の条例制定から十年以上たちますが、あるアンケートでは、この一斉帰宅抑制について、半数以上の世帯が知らないということが分かっており、認知が十分に進んでいないということも課題であり、さらなる周知が必要であると考えます。
 そういった中で、駅における震災時の帰宅困難者対応についてお伺いいたします。帰宅困難者が発生した場合、鉄道事業者はどのような対応をすることになっているのか、また、都営地下鉄ではどのような対応となるのかお伺いいたします。

○内山安全管理担当部長 都の条例では、鉄道事業者は、施設内に多数の帰宅困難者が生じた場合、施設の状況などを確認した上で、地元区等と連携し、施設内での待機に係る案内など必要な措置を講じるよう努めることとされております。
 都営地下鉄では、震災等の発生時には、駅構内の安全を確認の上、コンコースなどあらかじめ定める安全な場所にお客様をご案内し、地元区等が設置する一時滞在施設が開設されるまでの間、待機いただくとともに、一時滞在施設が開設された際には、施設までの経路などをご案内することとしております。

○しのはら委員 帰宅途中に駅で被災しても、行き場を失うのではなく、その駅の所在区の一時滞在施設開設まで、駅の安全な場所で待機できるということです。
 それでは、都営地下鉄における帰宅困難者対策の具体的な取組内容についてお伺いいたします。

○内山安全管理担当部長 都営地下鉄では、帰宅困難者が発生した場合の対応手順等についてマニュアルで定めておりまして、これに基づき、お客様の安全な場所へのご案内などの訓練を定期的に実施しております。
 また、飲料水や防寒用ブランケット、簡易マットなどの備蓄品を、当局が管理する全百一駅に、合計約五万人分配備しており、状況に応じて配布することとしております。

○しのはら委員 その駅の所在する区の一時滞在施設開設まで、駅の安全な場所で待機でき、その間必要な飲料水やブランケットなどの備蓄品が十分に用意されている。この五万人の備蓄品ということですけれども、これは、帰宅困難者等が最も多く発生する平日正午の発災を想定して、都営地下鉄全駅にとどまる帰宅困難者数として推定されている人数ということなので、非常に十分な量だと思いますけれども、これまでの震災での経験が生かされて、帰宅困難者が行き場を失い、さまようことがないよう、しっかりと対応が取られていくことが期待されます。
 それと同時に、都は関係局と連携しながら、この帰宅困難者対策条例、一斉帰宅抑制についても、さらなる周知を広げていくことが重要だと考えます。
 次に、先ほど来、多くの委員からも質問されておりますが、私からも質問させていただきます。
 バス会社の二〇二四年問題として、都営バスの取組についてお伺いしていきます。
 ドライバーの働き方改革、労働環境改善のために、二〇二四年から拘束時間等の規制強化が行われ、バス業界では、コロナ禍での乗客減少や燃料高に加え、かねてからの運転手不足に一層悩まされる状況となっています。このことは、都営バスについても同様だと思います。
 そんな中で、都営バスは、乗務員の人材確保に向けてどのような取組を行っているのかお伺いいたします。

○櫻庭職員部長 交通局では、バス乗務員の受験者の裾野を広げるため、受験資格の対象年齢を順次拡大してきておりまして、現在は、十九歳以上五十歳未満までとしております。
 また、大型二種免許をお持ちでない方を対象に、局の負担で免許を取得する養成型の採用選考を実施しております。
 広報活動におきましては、採用ホームページやパンフレット、動画、SNSなどを活用して、採用PRの充実に取り組んでおります。

○しのはら委員 バス乗務員の受験資格の対象年齢は、現在、十九歳以上五十歳未満とお話がありましたが、以前は二十一歳以上三十六歳未満だったところ、平成二十七年に四十歳未満に、そして二十九年度に五十歳未満にと引き上げられて、そして令和四年度からは、下が十九歳以上というふうに拡大するなど、対象年齢が大きく広がっています。年齢を広げるほか、採用選考の在り方や広報など、様々な取組をしていることが分かりました。
 一方で、将来的には、この人手不足解消の切り札として、自動運転技術が期待されています。東京都でも、自動運転技術を活用した都市づくりを推進しており、都内三地区において、運転手搭乗型による自動運転バスの運行も行われ始めているようです。
 将来的には、バス乗務員不足の解決策として、自動運転の実用化、導入が期待されますが、都営バスにおける検討状況は、どのようになっていますでしょうか。

○和田バス事業経営改善担当部長 都営バスは、都内の厳しい走行環境で運行しており、自動運転の実現には、駐停車車両や自転車の急な飛び出し等の回避、お客様の安全確保等の技術的な課題がございまして、自動運転に関する会議へ参加するとともに、技術開発動向を注視しております。

○しのはら委員 都内ならではの厳しい走行環境もあり、実装化にはまだまだ課題が残されており、すぐというわけにはいかないようですが、技術は日進月歩、ぜひ今後とも取組を進めていただきたいと思います。
 さて、交通局では、今月から、路線バスの車内に特殊なカメラを取り付けて、乗客の乗降データを収集する実証実験を始めたという報道を目にしました。これまでの調査方法は、乗車口に配置した調査員が配ったアンケートに回答してもらい、降車時に別の調査員が受け取るという人力の手法で行っていたようなんですけれども、都営バスの区部の均一運賃区間では、乗車時に一括で運賃を集めるので、どのバス停から乗った人がどこのバス停で降りたかというデータは、この調査でしか得られないものでしたが、今回実験する手法では、バス停ごとの乗降人数や利用区間といったデータを日常的に収集し、バス路線の利用実態が把握できることにより、運行計画の策定などに役立てられるということで、より効率的なダイヤの設定につながることも期待されます。
 最近では、先ほど関口委員の観光交通、生活交通の話もありましたけれども、インバウンドの増加により、路線によっては非常に混み合っていて、数本バスを見送らなければならないというような状況もありますので、こういった調査により、より効率的なダイヤの設定につながることも期待されます。技術の進化で、より効率的な便利な都営交通の実現に向かってほしいと思います。
 次に、また、こちらも何度も出ている話ですけれども、輪軸組立ての不正について、鉄道事業の安全性、信頼性確保について質問いたします。
 七月に発生した山陽線列車脱線事故の調査過程で、JR貨物による記録簿改ざん等の不適切事案が判明し、その後、全国の鉄軌道事業者で輪軸に関する緊急点検がなされたところ、輪軸組立てのデータ改ざん等の不適切事案が横行していたことが分かりました。都営交通においても、輪軸組立て作業の受託事業者である京王重機整備から、車輪を軸にはめ込む作業の圧入力の値が基準値を逸脱していたにもかかわらず、交通局に対して、基準値内の数値に差し替えて提出していたとの報告があったと聞いております。
 まずは、このデータ差し替えについて、改めて交通局の対応をお伺いします。

○神田技術調整担当部長 交通局では、従来から、組立て作業時や定期点検時には、車軸に傷のないことや車輪の緩みがないことを確認しております。
 今回の作業記録の差し替えを受け、基準値を下回った車両及びデータが確認できない車両については、改めて緊急点検を実施してバックゲージの測定を行い、車輪の緩みがなく、安全性に問題がないことを再確認いたしました。

○しのはら委員 実際には、再検査の結果、安全性に問題はなかったとしているものの、ルールを軽視し、改ざんが行われたということは、鉄道輸送の安全という信頼を大きく揺るがす非常事態であると感じます。
 私ごとですが、私が新卒で入社した会社が鉄道会社でありまして、そこでは、新人研修時代に、痛ましい過去の鉄道事故の反省を学びながら、何度も基本ルールの徹底の大切さ等、教育されてきました。また、重大事故は、ある日突然起こるのではなく、その前には必ず予兆となる現象がある、重大事故一件の陰には軽度な事故が二十九件あり、さらにその裏には一歩手前のヒヤリ・ハット、三百件あるというハインリッヒの法則についても、幾度も刷り込まれていました。それゆえに、今回の輪軸不正は、私にとっては非常に衝撃的なことであり、これ以外にも問題点はないのかと心配になりますし、それは都民の皆様も同じ気持ちだと思います。
 今回の輪軸の不正を重大なことと捉え、輪軸に限らず、全てにおいて、改めて安全最優先の体制を再構築していくべく取組を進めていくべきだと考えます。
 国土交通省は、不適切事案があった事業者に保安監査等を実施し、規程類の整備や教育体制の改善、作業記録書換えの防止、安全管理体制の点検と見直しを、講ずべき措置としていますが、都営交通の安全を確保していくための交通局の取組についてお伺いいたします。

○内山安全管理担当部長 交通局では、国の運輸安全マネジメント制度に基づき安全方針を定めるとともに、毎年度、重点的に取り組む施策を策定し、それらに基づき、各部門が具体的な取組を行っております。
 また、その推進体制として、局長をトップとする安全対策推進委員会を設置し、これらの取組状況をチェックしつつ継続的に改善する、いわゆるPDCAサイクルを適切に機能させるほか、当局や他事業者の事故や故障、ヒヤリ・ハット情報を局横断的に共有し、連絡調整を行うことなどにより、安全管理の持続的な向上を図っております。

○しのはら委員 今回の問題の主体は、交通局ではなく、受託事業者によるデータの差し替え不正でしたが、お客様を乗せてサービスを運行するのは都営地下鉄になるわけで、委託者の選定の在り方についてもよく見直す必要もあるでしょうし、委託事業者や連携する事業者の管理までしっかりと行い、安心して乗車できる、安心して利用できる都営交通としての矜持を持って、これからも進めていただきたいと思います。
 最後に、昨月、十月の東京メトロ上場に関連する質問をさせていただきます。
 東京メトロの前身は、一九四一年設立の、国や東京都が出資してきた営団地下鉄、その後、民営化で二〇〇四年に株式会社となり、現在の東京地下鉄株式会社、東京メトロになっているというところですが、株主は国と都で、国が五三・四%、都が四六・六%を保有してきたというところですが、今回の上場で、それぞれ半分の株式を売り出したところです。
 東京の地下鉄を共に担ってきた東京メトロの上場により、新たに加わる民間の株主の目を意識し、経営力の向上が求められることを考えると、今後、より一層都営交通に求められる公的側面も増えるのではないかと推測しますが、東京メトロ上場によって、都営地下鉄の立ち位置やサービス一体化の取組に変化があるのか、所見をお伺いいたします。

○渡貫企画担当部長 都営地下鉄では、誰もが利用しやすい東京の地下鉄の実現に向け、東京メトロと連携し、これまで、案内サインの統一化、多言語対応の券売機の共同開発、旅行者向けの企画乗車券の販売など、様々な取組を行ってきてございまして、引き続き、両地下鉄で連携を図りながら、サービスの一体化に取り組んでいく考えでございます。

○しのはら委員 東京メトロ上場に際しても、都営地下鉄のなすべきことは変わらず、また、東京メトロとこれまで行ってきた様々な連携、サービスの一体化も引き続き進めていくということです。
 これからも、様々な技術開発やサービスの発展、安全性への自立的な取組を通じて、将来にわたり東京の都市活動や都民生活を支える公共交通機関としての使命を果たしていくことを要望し、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○吉住委員 私は、都営地下鉄について何点か質問します。
 鉄道においては、これまで長年の間、通勤ラッシュにおける車内混雑が一つの課題となってきました。国土交通省の発表によれば、東京圏三十一区間における平均混雑率は、平成元年には二〇〇%を超えていたものの、徐々に低下し、新型コロナウイルス感染症が発生する前の令和元年度は一六三%となり、感染症が流行していた令和二年度には一〇七%まで一時的に緩和しました。その後、社会経済活動が活発化した今、混雑率もここ数年増加しており、令和五年度は一三六%まで、再び増加してきています。
 都営地下鉄においても、こうした傾向は同じものと推測しますが、まず初めに、都営地下鉄四路線の混雑率について、令和元年度と令和五年度の数値をそれぞれ伺います。

○神永電車部長 都営地下鉄各線の混雑率でございますが、令和元年度が、浅草線一三一%、三田線一六一%、新宿線一五九%、大江戸線一六一%となっております。令和五年度につきましては、浅草線一二〇%、三田線一四〇%、新宿線一四〇%、大江戸線一五二%となっております。

○吉住委員 令和元年度の水準以上に混雑率が上昇している路線はいまだありませんが、特に大江戸線においては、元の混雑率に近づきつつあることを確認いたしました。ただ、乗客数の回復により、朝の通勤ラッシュ時間帯における混雑が増してきている中、快適な通勤を望む声は少なくありません。一方で、鉄道事業者側の努力で混雑を緩和させるには、運行に必要な車両や乗務員の確保など、様々な対応が必要となることも想像できます。
 そこで、都営地下鉄において、混雑緩和に向けて実施してきた取組概要と取組に要した期間について、路線別に伺います。

○一條技術企画担当部長 都営地下鉄では、車両の増備や長編成化、駅の大規模改良工事など、混雑緩和に向けて様々な取組を実施してまいりました。
 主な取組といたしまして、大江戸線では、平成二十三年度から平成三十年度にかけて、五編成を増備するとともに、勝どき駅において大規模改良工事を行い、ホームの増設やコンコースの拡張等を行ってまいりました。また、新宿線では、平成二十二年度から令和四年度にかけて全編成を八両から十両とし、三田線では、長編成化に向けた駅改良工事を、平成三十年度以降、順次進め、令和四年度に十三編成を六両から八両とすることで、輸送力の増強を図りました。

○吉住委員 都営地下鉄において、長年にわたり、様々な取組を実施してきたことを理解いたしました。それぞれ、利用者の需要やニーズに応える大変よい取組と評価いたします。
 整備に要した期間については、それぞれお尋ねし、例えば大江戸線の勝どき駅での駅の拡張工事は、平成二十三年から三十年まで八年を要しているとのことでした。このため、当然、相当の労力や資金をかけて実施してきたものだと思いますので、できれば効果についても把握しておきたいと思います。
 それぞれ対策を実施している間に、利用者の数も変化しており、正確に効果を算定することは難しいかもしれませんが、理論値でも構いませんので、確認しておきたいと思います。直近に実施した、三田線における八両編成化における混雑緩和の効果について伺います。

○一條技術企画担当部長 三田線では、六両から八両に長編成化することで、一編成当たりの定員数が約三六%増加いたしました。この結果、令和五年度の混雑率は、朝ラッシュ時間帯の乗車人員が、コロナ禍前の水準まで増加する中でも一四〇%となっており、長編成化を実施しなかった場合の試算と比較いたしますと、混雑率を二三ポイント程度抑制できております。

○吉住委員 ありがとうございました。対策によって、三田線の混雑率が二割程度改善しているとの試算であり、利用者の利便性や快適性の向上に寄与しているものと思います。
 先ほどの答弁にもありましたとおり、交通局では、ほかの路線も含め、これまで様々な取組を重ねてきましたが、一方で、今後、輸送力をさらに増強して混雑緩和を図るには、車両を留置する車庫の確保など、課題もあると聞いています。さらには、将来の人口や働き方の変化など、事業環境も十分に見定める必要もあります。
 都において、現在、快適な通勤に資する取組として、通勤時間をずらすキャンペーンである時差ビズを推進していることを承知していますが、交通局においては、これとも連携を図りながら、都営地下鉄の利用動向の把握に努め、きめ細かくダイヤ設定するなど、混雑緩和に向けた取組を進めることを求めておきます。
 次に、大江戸線への信号保安装置の無線化、CBTCの導入について伺います。
 交通局では、大江戸線の設備の更新に合わせて、無線を利用して地上と車上との間で通信を行い、列車の運行と制御を行う信号保安技術でありますCBTCを、令和九年度に導入することとしています。国内ではまだ普及していない新しい鉄道の技術とのことですので、利用者がどのようなメリットを享受できるのか、関心のあるところでもあります。
 そこで、混雑緩和に寄与するかどうかは分かりませんが、このCBTC導入により期待できる効果と、導入に向けた現在の進捗状況について伺います。

○神田技術調整担当部長 CBTCは、従来の信号方式に代わり、無線通信により列車の位置を常に把握し、列車の制御を行う仕組みでございます。CBTCの導入により、先行する列車との距離を縮めることが可能となり、列車が遅延した際には、高い遅延回復効果が期待されるほか、より滑らかに減速することで、乗り心地も向上いたします。
 これまでに、大江戸線放射部のトンネルへのアンテナ設置を終えており、現在、各駅への無線設備の設置や車両改修等を順次進めているところでございます。

○吉住委員 乗客にとっては、乗り心地が改善し、快適性が向上するとともに、輸送障害発生後のダイヤの回復も期待でき、大江戸線の放射部、都庁前駅から光が丘駅までの区間かと思いますが、そこでのアンテナ設置を既に終え、現在は車両改修も進めているとのことでした。新しいシステムで運行するまで、あと三年程度の期間がかかりそうですが、今後も着実に取組を進めることを求めておきます。
 都営地下鉄は、令和五年度現在、一日平均で約二百五十万人、年間で約九億人が利用する、首都東京の社会経済活動を支える重要な社会インフラの一つとなっています。安全で安定的な運行の確保はもとより、便利で快適な輸送サービスを今後もしっかりと提供していくことを求め、質問を終わります。

○おじま委員 先ほど、柴崎委員からもあったんですが、私からも、地元練馬区における都営大江戸線の延伸について五点伺いたいと思います。
 練馬区にとって、長年の悲願かつ最優先課題として取り組まれてきたのが、この都営大江戸線の延伸ということなんですが、事業主体たる交通局、そして地元練馬区役所はもちろんのこと、都議会とか区議会の先輩方の血と汗と涙の結晶もあって、ようやくここまで進んできたなということであります。まだまだ課題も多いんですが、首都圏ネットワークの形成に必ず資するものだと考えています。特に、最近になっては、これまで出てきていなかったような数字、かなり具体的なものが出てきて、事業スキームも含めた本格的議論が始まっているんではないかと思っております。まずは、局長をはじめ、交通局の皆様のご努力に感謝と敬意を表したいと思います。
 改めて、現在地がどうなっているのかと申しますと、昨年、武市副知事をトップとした庁内検討PTが発足をして、これが今、中村副知事に引き継がれて、財務、都市整備、建設も参加をして、そこで検討が今進められているということであります。
 この庁内検討PTにおけるこれまでの検討状況について、改めて伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 大江戸線延伸に係る庁内検討プロジェクトチームを昨年三月に立ち上げ、以降、定期的に開催し、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査検討を進めております。
 昨年度の調査では、延伸により一日約五万人の旅客需要の増加を見込む一方、事業費は概算で約一千五百億円となり、収支採算性等に課題があることを改めて確認いたしました。

○おじま委員 旅客需要の増加は五万人ほど見込まれる一方で、事業費が千五百億ほどかかるので、収支採算性としては課題があるという答弁だったと思います。都市インフラっていうのは、持続可能性というのが担保されるべきだと思うので、やはりこの収入見込みっていうのが大事だと思っております。
 その前提となる五万人増というのは、これは、そもそもどういうふうに推計をしているのか、旅客需要推計の基本的な考え方について伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 旅客需要の調査は、収支採算性等の検証の前提となるものであり、その推計に当たりましては、大都市交通センサスの調査データを用いるほか、将来の人口動態や沿線地域の開発計画、既存の鉄道路線からの転換などを見込んだ上で算出するのが一般的でございまして、当局においてもこの手法を用いております。

○おじま委員 今、ご答弁いただきましたとおり、様々な統計データとか客観的指標というのを活用していて、さらに周辺環境、背景事情というのも勘案をしているというご答弁だと思います。
 確かに、大江戸線の延伸というのも、旧運輸省の運輸政策審議会というのが、これは昭和六十年にあって、そこで地下鉄十二号の光が丘から大泉学園町間の追加というふうに言及をされて、これ、四十年がたっているわけですけれども、この間、社会経済も大きく変わってきたし、これも時代に合わせて反映させていかなくてはならないんだと思います。
 そこで、今年度、令和六年度における調査内容について伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 今年度実施している調査では、昨年末に国の研究機関から公表された将来人口推計や沿線地域の開発計画を反映するなど、最新のデータを活用いたしまして、延伸に伴う将来の旅客需要の推計を行っております。

○おじま委員 コロナ禍において、交通事情というのが大きく変わっておったと思うんですけど、そのあたりも勘案をされているということだと思います。その上で、この収支採算性の課題を解決していかなくてはならないということであります。
 先ほど、まちの状況の変化というご答弁もあったんですが、この沿線のまちづくりをどうしていくかというのも非常に重要だと思います。特に、駅予定地の周辺をどうしていくのか、用途地域をどうしていくのか、あるいは駅直結のテナントビルを建てるのかとか、あるいは周辺の再開発と連動させるのかとか、駅へのアクセス、バスをどうするかとか、そういったいろんな可能性があるわけでありまして、また、この地域には西武鉄道の大泉学園駅っていうのがあって、また保谷駅っていうのもあって、その中でも、この新駅を使ってもらえるかどうかというのは、地元練馬区においても果たす役割が非常に重要だと思っています。その意味で、私も、とにかくこの練馬区と密にコミュニケーションを取ってくださいねということをお願いし続けてきたと思います。
 そこで、地元練馬区との連携について、取組を伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 旅客需要の創出に当たりましては、練馬区による沿線まちづくりが不可欠であり、区と密に連携を図ることが重要と考えております。
 区とは、大江戸線延伸に関係する職員による打合せを適宜開催しており、大江戸線延伸に係る庁内検討プロジェクトチームの状況報告や区の沿線まちづくりなどの提案に関する意見交換、検討を行っております。

○おじま委員 ありがとうございました。繰り返しになるんですが、沿線まちづくりというのは、区が主体である一方で、都は、これは随時、延伸計画にも反映をさせていかなくてはならないので、区役所における検討状況をできるだけリアルタイムで把握をしていただく必要があって、ここにおいても、都区間の連携というのは非常に重要だと思っております。
 これで最後の質問になりますけれども、練馬区における沿線まちづくりの状況について、交通局の見解を伺いたいと思います。

○一條技術企画担当部長 沿線まちづくり等に関する取組として、練馬区からは、大泉学園町周辺における拠点づくりの検討や地域公共交通計画策定に向けた取組が進められていると伺っております。
 引き続き、旅客需要の創出等について、区と密に連携し、取り組んでまいります。

○おじま委員 練馬区役所からも、最近、交通局にはかなり真摯にご対応いただいているというふうに聞いております。練馬区としても、本気度を今回示したいということで、こつこつこれまで積み上げてきた延伸推進基金というのがあるんですけど、この間まで五十億だったのが、今年度で三十億積み増して八十億になっているんですよね。こうやって、お互いがお互いの宿題に取り組んで積み重ねつつ、信頼関係も都区間で生まれてくる中で、具体的な数字が今たくさん出てきて、芯を食った議論ができるようになってきているのではないかというふうに思っております。
 交通局の皆さんにも、改めて、この間のご労苦に敬意と感謝を申し上げつつ、早期の事業着手に向けて、さらに前進をしていただくということをお願いをして、私からの質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

○あぜ上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○あぜ上委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○築田資産運用部長 お手元の資料1、契約締結報告書に基づきまして、令和六年八月一日から令和六年十月三十一日までに締結いたしました予定価格が一件九億円以上の工事請負契約及び一件九億円以上の製造請負契約につきましてご報告申し上げます。
 一ページをお開き願います。ご報告申し上げます契約の総括表でございます。
 以下、契約の概要につきましてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。浅草線西馬込駅外九駅ホーム床改修工事でございます。
 本件は、地下鉄駅におけるホームと車両の段差、隙間を縮小するため、ホーム床を改修する工事でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十四億八千八百八万円、契約の相手方は吉田石材工業株式会社でございます。入札経過につきましては、記載のとおりでございます。
 三ページをお開き願います。浅草線車両の製造でございます。
 本件は、浅草線車両四両を製造するものでございます。
 契約の方法は随意契約、契約金額は十億一千二百万円、契約の相手方は株式会社総合車両製作所でございます。
 以上でご報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○あぜ上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○あぜ上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で交通局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十七分散会